JP2005529170A - T細胞エピトープをマッピングおよび除去する方法 - Google Patents

T細胞エピトープをマッピングおよび除去する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は免疫反応を生起し得るタンパク質分子上の決定基およびエピトープを識別するためのスクリーニング方法を提供する。本発明は、特に、治療タンパク質中のT細胞に対するエピトープの識別に関する。最後に、本発明は、前記エピトープマッピング方法に由来するMHCクラスIIリガンドの識別およびそうしたリガンドおよびエピトープの数をそれぞれ減少させた配列アナログの設計と連携してエピトープマッピングを使用する組合せ法に関する。

Description

(発明の技術分野)
本発明は免疫学の分野に関する。本発明は免疫反応を生起し得るタンパク質分子上の決定基(determinant)およびエピトープを識別するためのスクリーニング方法を提供する。本発明は、特に、治療タンパク質中のT細胞に対するエピトープの識別に関する。最後に、本発明は、前記エピトープマッピング方法に由来するMHCクラスIIリガンドの識別およびそうしたリガンドおよびエピトープの数をそれぞれ減少させた配列アナログの設計と連携してエピトープマッピングを使用する組合せ法に関する。
(発明の背景)
治療用タンパク質に対して望ましくない免疫反応が起こるために、治療用タンパク質の有効性が制限される例が多々ある。いくつかのマウスモノクローナル抗体はヒトの多数の疾病症状において治療剤としての見込みを示すが、ヒト抗マウス抗体(HAMA)反応が著しく誘導するため失敗したケースもある[Schroff,R.W. et al(1985)Cancer Res. 45:879-885;Shawler,D.L. et al(1985)J.Immunol.135:1530-1535]。モノクローナル抗体については、HAMA反応を低減させようと多数の技術が開発されている[WO 89/09622;EP 0239400;EP 0438310;WO 91/06667]。これらの組換えDNA手法は、一般に最終的な抗体コンストラクトにおいてマウス遺伝子情報を低減させる一方、最終コンストラクト中のヒト遺伝子情報を増加させるものである。それにもかかわらず、得られた「ヒト化」抗体は、依然として患者に免疫反応を誘発する場合があった[Issacs J.D.(1990)Sem.Immunol.2:449,456;Rebello,P.R. et al(1999)Transplantation 68:1417-1420]。
抗体は、治療剤として投与した際にそれに対して免疫反応が発動し得る唯一の種類のポリペプチド分子ではない。ヒトに由来する、しかも人体内に存在するのと同じアミノ酸配列を有するタンパク質でさえ、人体内で免疫反応を引き起こすことがある。顕著な例としては、とりわけ、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子[Wadhwa,M. et al(1999)Clin.Cancer Res.5:1353-1361]やインターフェロンアルファ2[Russo,D. et al(1996)Bri.J.Haem.94:300-305;Stein,R. et al(1988)New Engl.Med.318:1409-1413]の治療上の使用が挙げられる。これらのヒトタンパク質が免疫原性であるような状況では、これらの被験者においてこれらのタンパク質に対しそうでなければ作動しているであろう免疫寛容が壊れていると推定される。
タンパク質の構成上の不足がある場合、例えば、タンパク質の構成的欠如がある遺伝病などでヒトタンパク質が置換療法として投与されている場合(血友病A、クリスマス病、ゴーシェ病および他の多数の疾病の場合などこうしたケースがあり得る)、この状況は異なる。そのような場合、治療用置換タンパク質は、最初から外来分子として免疫学的に機能し得る。また、個体が治療剤に対する免疫反応をマウントし得る場合、治療効果は著しく弱められるであろう。
治療タンパク質が宿主の免疫系によって外来分子と見なされるか、あるいは、分子に対する既存の耐性が克服されるかどうかに関わらず、タンパク質への免疫反応のメカニズムは同じである。免疫反応誘導の鍵は、MHCクラスII分子上での提示を介してT細胞活性を刺激し得るペプチド、いわゆる「T細胞エピトープ」がタンパク質内に存在することである。このようなT細胞エピトープは、MHCクラスII分子に結合する能力を備えた任意のアミノ酸残基配列として一般に定義される。暗黙にではあるが、「T細胞エピトープ」は、MHC分子に結合する際、T細胞レセプター(TCR)によって認識され、少なくとも原理的には、TCRと結びつきT細胞応答を促進することによって、これらT細胞の活性化を引き起こし得るエピトープを意味する。
MHCクラスII分子は、ヘルパーT細胞の選択および活性化に中心的な役割を果たす高度に多型的なタンパク質のグループである。ヒトの白血球抗原グループDR(HLA−DR)はこのグループタンパク質で優性なアイソタイプである。しかし、アイソタイプHLA−DQおよびHLA−DPも同様の機能を果たし、本発明は、DR、DPまたはDQ MHCクラスIIの範囲内で提示されたT細胞エピトープの検出に適用可能である。ヒト集団では、個体は2〜4個のDR対立遺伝子、2個のDQおよび2個のDP対立遺伝子を有する。多数のDR分子の構造が解明されており、これらは、ペプチドの疎水性残基(ポケット残基)と結合する多数の疎水性ポケットを有する開放端のペプチド結合溝として現われる[Brown et al Nature(1993)364:33;Stern et al(1994)Nature 368:215]。クラスII分子の様々なアロタイプを識別する多型は、ペプチド結合溝内の様々な異なるペプチド結合表面に寄与し、集団レベルで外来タンパク質を認識し病原性有機体への免疫反応を引き起こす能力に関する最大の柔軟性を保証する。
本発明の対象であるタンパク質などの治療のタンパク質に対する免疫反応は、MHCクラスIIペプチド提示経路経由で進行する。ここに外来タンパク質は、DR、DQまたはDPタイプのMHCクラスII分子と連携した提示のために飲み込まれ処理される。MHCクラスII分子は、とりわけマクロファージおよび樹状細胞などの専門的な抗原提示細胞(APC)によって発現される。T細胞表面上の同族のT細胞レセプターによるMHCクラスIIペプチド複合体の結合は、CD4分子などの他のある種のコレセプターの相互結合を伴って、T細胞内での活性化状態を引き起こすことができる。活性化は、サイトカインの放出をもたらし、B細胞などの他のリンパ細胞をさらに活性化して抗体を産生するか、完全な細胞性免疫反応としてTリンパ球を活性化する。
T細胞エピトープ識別はエピトープ除去に向けての最初のステップである。しかし、当技術分野において、エピトープ識別およびエピトープ削除が単一のスキームに統合される明瞭なケースはほとんどない。したがって、W098/52976とW000/34317は、ポリペプチド配列を、ヒトのMHCクラスII DRアロタイプのサブセットに結合する能力を有するポリペプチドを識別するための計算によるスレッディング(computational threading)手法を教示する。これらの教示では、予想されたT細胞エピトープは、対象タンパク質で慎重なアミノ酸置換を用いることによって除去される。
しかし、このスキームおよびエピトープ識別のための他の計算に基づく手順[Godkin,A.J. et al(1998)J.Immunol.161:850-858;Sturniolo,T. et al(1999)Nat.Biotechnol.17:555-561]によってMHCクラスII分子に結合し得ると予測されたペプチドも、すべての状況において、特にin vivoでは、処理経路その他の現象のため、T細胞エピトープとして機能し得るとはかぎらない。さらに、T細胞エピトープ予測に対する計算アプローチは、一般にDPまたはDQ制限を備えたエピトープを予測することができなかった。
同様に、例えば、合成ペプチドがMHCクラスII分子に結合する能力を測定するin vitroの方法、例えば、定義されたMHCアロタイプのB細胞系をMHCクラスII表面結合源として使用すること[Marshall K.W. et al.(1994)J.Immunol.152:4946-4956;O'Sullivan et al(1990)J.Immunol.145:1799-1808;Robadey C. et al(1997)J.Immunol.,159:3238-3246]が、MHCクラスIIリガンド識別に適用され得るかもしれない。しかし、そのような技術は、広く様々なMHCアロタイプに対する多重潜在的なエピトープをスクリーニングするのには適していないし、それらは、T細胞エピトープとしての機能するためのペプチド結合能力を確認することができない。
最近では、合成ペプチドとの組合せによる組換えMHC分子の可溶性複合体を開発する技術が使用されるようになっている[Kern,F. et al(1998)Nature Medicine 4:975-978;Kwok,W.W. et al(2001)TRENDS in Immunol.22:583-588]。これらの試薬および手順は、ヒトまたは実験動物被験体に由来する末梢血液試料から、特定のMHCペプチド複合体を結合し得るT細胞クローンの存在を識別するために使用されるが、広く様々なMHCアロタイプに対する多重潜在的なエピトープをスクリーニングするのには適していない。
T細胞活性化の生物学的アッセイは、依然として、試験ペプチド/タンパク質配列が免疫反応を生起する能力を測定するための最良の実際的な選択肢である。この種のアプローチの例としては、バクテリアのタンパク質スタフィロキナーゼ(protein staphylokinase)に対するT細胞増殖アッセイを使用し、続いてT細胞系を刺激するために合成ペプチドを使用してエピトープマッピングを行うPetraらの仕事が挙げられる[Petra,A.M. et al(2002)J.Immunol.168:155-161]。同様に、破傷風毒素タンパク質の合成ペプチドを使用するT細胞増殖アッセイは、毒素の免疫優性エピトープ領域の定義をもたらした[Reece J.C.et al(1993)J.Immunol.151:6175-6184]。WO99/53038は、ヒト免疫細胞の単離されたサブセットを使用し、対象合成ペプチドの存在下においてin vitroでのその細胞の分化および培養を促進して試験タンパク質におけるT細胞エピトープを決定し得るアプローチ、およびT細胞中での任意の誘導された増殖の測定を開示する。同じ技術は、Sticklerらによっても記載されており[Stickler,M.M. et al(2000)J.Immunotherapy 23:654-660]、両者の例において、方法は、バクテリアのサブチリシン内のT細胞エピトープの検出に適用される。そのような技術は、所望の免疫細胞サブセット(樹状細胞、CD4+、またはCD8+T細胞)を得るために、細胞単離技術の注意深い適用および多数のサイトカインを添加した細胞培養物を必要とし、多数のドナー試料を使用する迅速なスループットスクリーニングにはつながらない。
これらのアプローチの変法において、Hiemstraら[Hiemstra,H.S. (1997)Proc.Natl.Acad.Sci USA 94:10313-10318]は、既知のT細胞を刺激し得るペプチドエピトープを識別するための手順について記載しており、そのようなプロセスは、(自動)抗原が未知である自動反応的T細胞クローンの検出に価値がある。
上記の例およびin vitroでのT細胞活性化事象を測定するテーマに関する技術的な変法(通常は、誘導された増殖反応の測定による)を含む他の生物学的アッセイは、多い。しかし、こうした手順のいずれもヒト起源のタンパク質における生物学的に関連するエピトープの検出の一体的スキームをもたらさないし、MHCアロタイプの広範な集団に意味のあるエピトープの検出に容易には適用可能ではない。本発明はそのようなスキームを提供するために案出されたものであり、所与の、基本的には治療上価値があるが、本来的には免疫原性であるペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質からのT細胞エピトープの識別および削除のために基礎を提供する。
要約して言えば、本発明は下記の点に関する:
・ナイーブT細胞アッセイにおいて、タンパク質、特に治療タンパク質の免疫原領域(複数を含む)をマッピングするために合成ペプチドのパネルを使用すること(ここでタンパク質はヒトタンパク質である);
・治療タンパク質の免疫原領域(複数を含む)の微細マッピングするために、リコールアッセイにおいて合成ペプチドのパネルを使用すること;
・in vitroにおいて最小の免疫原性を表示する変異体を選択するために全タンパク質変異体のパネルを使用すること;
・in vitroにおいて最小の免疫原性を表示するペプチド配列を選択するために合成ペプチド全変異体のパネルを使用すること;
・ナイーブT細胞アッセイにおいて、2.0未満の、好ましくは1.8未満の刺激指数を示すペプチド配列を選択するためにT細胞刺激の生物学的分析を使用すること;
・ナイーブT細胞アッセイにおいて、2.0未満の、好ましくは1.8未満の刺激指数を示すタンパク質変異体を選択するためにT細胞刺激の生物学的分析を使用すること;。
・治療分子の免疫原領域(複数を含む)をマッピングするために、T細胞系を、予め治療タンパク質を受けた個体から発生させる方法およびそれらの細胞系の使用;
・治療分子の免疫原領域(複数を含む)をマッピングするために、さらに、予め治療タンパク質を受けた個体から発生させたT細胞系と平行にB細胞系を発生させる上記による方法;
・同じ個体に由来するT細胞系の発生と平行して予め治療タンパク質を受けた個体から発生させたB細胞系の、T細胞刺激のさらなる繰り返しにおける自己由来APC源としての、また場合によっては合成ペプチド結合アッセイのための結合表面としての使用;
・健常なドナーから単離されたPBMCを使用する被験タンパク質T細胞エピトープマップの構築および以下のステップを含むスクリーニング方法:
i)7日以内の培養期間の間、合成ペプチドまたは全タンパク質免疫源を使用する、in vitroでの抗原プライミング;
ii)IL−2の添加および3日間以内の培養;
iii)プライミングT細胞の照射された自己由来PBMCへの添加およびさらに4日間の培養期間中に行う抗原による再チャレンジ、ならびに
iv)T細胞活性化、例えば、任意の適当な方法による増殖指数の測定;。
・被験タンパク質またはその誘導体に対して確立された免疫反応の存在する患者から単離されたPBMCの使用および以下のステップを含むスクリーニング方法の適用による被験タンパク質のT細胞エピトープマップの構築:
i)7日以内の培養期間の間、合成ペプチドまたは全タンパク質免疫源を使用する、in vitroでの抗原プライミング、ii)
ii)IL−2の添加および3日間以内の培養、iii)
iii)プライミングT細胞の照射された自己由来PBMCへの添加およびさらに4日間の培養期間中に行う抗原による再チャレンジ、ならびに
iv)T細胞活性化、例えば、任意の適当な方法による増殖指数の測定;
・対象タンパク質に対して確立した免疫反応を有する、健常なドナーまたは患者から得たPBMC試料に由来するポリクローナルもしくはモノクローナルな細胞系を有効に利用するT細胞エピトープマップの構築。IL−2+/-フィトヘムアグルチニン(PHA)または他の細胞分裂促進性の刺激の存在下、1回または複数回のプライミングステップによって免疫学的にプライミングされた状態に前記細胞系を増殖させ、拡大された細胞数において完結させること。前記プライミングさせた細胞を個別の合成ペプチドまたは多数の合成ペプチドを含むペプチドプールのいずれかと接触させ、刺激を受けて増殖した細胞系を何らかの適当な手段を使用して検出する。プールされたペプチド免疫原から刺激が検出された場合は、刺激ペプチドの同一性を、個別のペプチドまたはより小さなペプチドプールおよびさらにプライミングした細胞によるスクリーニングの繰り返しをさらに使用して明らかにする;
・ナイーブT細胞活性化アッセイと1または複数のMHCアロタイプへのペプチドリガンドの結合をシミュレートする計算スキームとを使用するタンパク質配列中にT細胞エピトープの位置をマッピングする協同的方法;。
・以下のステップを含むタンパク質配列中にT細胞エピトープを位置付ける方法;
i)T細胞を活性化し得るエピトープ領域を識別するための、ナイーブT細胞活性化アッセイおよび対象タンパク質配列を集合的に包含する合成ペプチドの使用;
ii)ステップ(i)において識別されたエピトープ領域を分析し、それによりエピトープ領域内のMHCクラスIIリガンドを識別するための、1または複数のMHCアロタイプとのペプチドリガンドの結合をシミュレートする計算スキームの使用;
iii)もはやMHCクラスIIを結合しないか、より少数のMHCアロタイプにより低い親和性で結合する、エピトープ領域(複数も含む)内に包含されるMHCリガンドの配列アナログを識別する1または複数のMHCアロタイプとのペプチドリガンドの結合をシミュレートする計算スキームの使用;
iv)ナイーブT細胞活性化アッセイおよび対象タンパク質内に識別されるエピトープ領域を完全にまたは集合的に包含する合成ペプチドの使用ならびに野生型の(親)配列と平行してナイーブT細胞活性化アッセイにおいて配列アナログを試験すること;
・ステップ(ii)および(iii)がWO 02/069232によって教示される計算上のアプローチを使用して実行される上記スキームによる方法;
・約20人以上の無関係なドナーに由来するPBMC細胞を使用して、ナイーブT細胞活性化アッセイを行う上記のスキームによる方法;
・2以上の独立したドナー試料中で約2.0の刺激指数スコアが観察される場合に、T細胞エピトープの位置が見出される上記スキームによる方法;
・2以上の独立したドナー試料中で約2.0の刺激指数スコアが観察されるときであって、計算システムを使用して同じ配列場所内に1または複数のMHCクラスIIリガンドを識別することができる場合に、T細胞エピトープの位置が見出される上記スキームによる方法;。
・WO 02/069232によって教示される計算上のアプローチを使用して実行される上記スキームによる方法;
・免疫反応を促進する能力が低減したタンパク質配列の識別は、上記スキームの免疫学的にプライミングされた細胞および多数の変異体ペプチドまたは全タンパク質抗原が野生型の配列のみを含む参照ペプチドプールまたは全タンパク質抗原と平行して試験されるスクリーニングプロセスを使用して達成され得る。参照プールまたは野生型タンパク質に対してより低い刺激指数を有するペプチドまたはタンパク質変異体を、さらなる分析のために選択する;
・免疫反応を促進する能力が増加したタンパク質配列またはタンパク質調製物の識別は、上記スキームの免疫学的にプライミングされた細胞および1または複数のペプチドまたは全タンパク質抗原が既知のin vitro免疫反応を与える参照ペプチドプールまたは全タンパク質抗原と平行して試験されるスクリーニングプロセスを使用して達成され得る。参照調製物に対して異なる刺激指数プロフィールを生起することが示されたペプチドまたはタンパク質調製物を、さらなる分析のために選択するか、または生産工程から除去してもよい;。
・ナイーブT細胞アッセイにおいて1.8を超える、好ましくは、2.0を超える刺激指数を生起することができ、任意の治療タンパク質から選択されるペプチド配列;
・ナイーブT細胞活性化アッセイにおいて1.8を超え、好ましくは、2.0を超える刺激指数を生起することができ、任意の治療タンパク質から選択されるペプチド配列(ここで、ペプチドは最小限修正され、ナイーブT細胞活性化アッセイにおいて試験され、2.0未満の刺激指数を有することが見出されている);
・野生型のタンパク質配列と100%のアミノ酸同一性を共有し、T細胞アッセイにおいて1.8以上、好ましくは2.0を超える刺激指数を生起し得るペプチド配列;
・免疫原領域がT細胞アッセイを用いてマッピングされ、次いで、T細胞アッセイにおける再試験時に、修正されたタンパク質分子が、親(未修正)分子より小さく最も好ましくは2.0未満である刺激指数を生起するタンパク質分子。
(発明の詳細な説明)
本発明の第1の実施形態によれば、万一そのタンパク質がヒト被験者に未修飾状態で導入された場合、T細胞駆動された免疫反応を生起し得る決定基がその配列内に存在するかによりタンパク質抗原がスクリーニングされ得る方法が提供される。これにより、この方法は、タンパク質が、獲得した疾病状態の治療のために供給されることになっている場合、かつ、そのタンパク質がヒトタンパク質であり得る場合、ヒトにおいて治療可能性のあるタンパク質においてT細胞エピトープを識別するための予測ツールを提供する。
特に、マップが、可能なMHCアロタイプの広いスペクトルに関連がある場合、対象タンパク質のエピトープマップを提供することが望まれる。マップは、修飾されたタンパク質の設計または選択を可能にする十分な典型であり、タンパク質がT細胞駆動される免疫反応を生起する能力が、そのタンパク質が投与されるであろう大多数の患者について除去されているか少なくとも軽減されていることが望まれる。したがって、本発明の実行においては、ナイーブなドナー由来のPBMC駆動されるT細胞を利用するスクリーニング方法は、ヒト集団において、MHCクラスIIレパートリー(HLA−DR)の少なくとも90%以上(好ましくはそのレパートリーの95%を超えて現存する)の試料を提供するのに十分な免疫学の多様性のあるドナーのプールから集められる。理想的状態では、99%を超える表現に等しいことが好ましいが、この理想の達成には実際的な制限があることは認識される。したがって、所与の合成ペプチドに対してナイーブT細胞応答が検出されるべき場合、ペプチドは、実際上は、多数の独立したドナーに由来するPBMC調製物に接触させられるであろう(ドナー、または本願ではより好ましくは「ドナープール」と称するが、その数は、実際上は20未満の無関係な個人(予めそれらのMHCクラスIIハロタイプによって選択される)であろう)。
「ナイーブなドナー」という用語は、本発明の文脈では、個体から得られたT細胞がそれ以前に対象タンパク質またはペプチド抗原に暴露されたことがなく、タンパク質抗原がヒトタンパク質である場合、個人はそのタンパク質をいかなる治療すなわち外生源から受けたことがないことを意味する。
したがって、本発明の第1の実施形態によれば、免疫学的にナイーブなT細胞を利用するT細胞エピトープのマッピング方法が提供される。T細胞は、複数の異なる健常なドナーから得た末梢血液試料から提供され、彼らにとって対象タンパク質は内生的な分子であってもよいが、ドナーは何らかの外生的な出所から対象タンパク質の受けた(例えば、治療のために投与を受けた)ことがないものである。
アッセイは、当技術分野で普通の手順を使用してin vitroで培養したPBMCを使用して行い、PBMCを対象タンパク質を代表する合成ペプチド種に接触させ、適当な期間インキュベーションした後、細胞増殖などペプチドにより誘導されるT細胞活性化の測定を含む。測定は任意の適当な手段により、例えば、3H−チミジン取り込み(それによって細胞物質中への3Hの蓄積が機器的に容易に測定される)によって行うことができる。PBMC試料と合成ペプチドの各組合せの細胞増殖の程度を、ペプチド処理していないPBMC試料で見られるそれに比べて検討する。増殖効果が予期されるペプチド(複数可)での処理後に見られる増殖応答に対して標準をとってもよい。この点で、既知の広いMHC制限を備えたペプチド、特にDPまたはDQのアイソタイプへのMHC制限を備えたペプチドエピトープを使用するのが特に有利であると考えられる。
所与の対象タンパク質についてのエピトープマップの作成を容易にするために、タンパク質配列を代表する1セットの合成ペプチドを生産する。本発明のスキームの下での典型的な分析は、15アミノ酸残基を含むペプチドの使用を含むが、9アミノ酸残基以上を含むペプチドが原則として適当なペプチドであることは認識されるであろう。15アミノ酸残基を大きく超過するペプチドも使用できるが、細胞内処理のもたらし得る2次構造の影響または複合体がペプチドが引き起こす増殖応答の能力を不明瞭にするかもしれないことは等しく認識されるであろう。所与のタンパク質の全長さを走査するため、特に便利なスキームは、長さが各々15アミノ酸残基の合成ペプチドであって、各々、連続する次のペプチドと12アミノ酸残基重複するもの(すなわち、連続する各ペプチドは分析にさらなる3アミノ酸を漸増的に加えたもの)を生じることである。このようにして、任意の隣接するペアペプチドは、対象タンパク質中の連続する配列の18アミノ酸をマッピングするであろう。したがって、nアミノ酸残基を含む対象タンパク質については、前記タンパク質の完全な走査のために必要な15-merの合成ペプチドの数は、1+(n−12)/3となるであろう。他のスキームも考えられるが、等しく効果があるかもしれない。
上に概説し、本願実施例に詳細に例証するスキームを使用して、本発明者らは、異なる個々の健常なドナーから得たナイーブPBMCにおいて増殖応答を生起し得るタンパク質配列の領域を発見した。問題のタンパク質配列は、免疫寛容の期待があり得るが、それでも、そこで代理免疫反応をin vitroで生起する実証可能な能力のある、全ヒトタンパク質に由来する配列ストリングである。万一問題のタンパク質のいずれかが、例えば治療の実体として投与されるのであれば、伸長によるこの能力はin vivoでも当てはまるかもしれない。具体的には、これらのタンパク質はインターフェロンα2とインターフェロンβである。これらのタンパク質は両方とも治療上使用され、その両者にとって重要なことに、患者においてこれらの分子両者に対し著しく免疫原性であることが記録されている[Russo,D. et al(1996)ibid;Stein,R. et al(1988)ibid;Myhr,K.M. et al(2000)Neurology 55:1569-1572;Bertolotto,A. et al(2000)Immunopharmacology48:95-100]。
したがって、本発明は、正常なヒトタンパク質内のエピトープ領域の解明のために一般化されたスキームを提供し、健常なドナーに由来するナイーブPBMCにおけるin vitroの増殖応答を生起するこれらのタンパク質に由来するペプチドの能力を実証する。
第1の実施形態のナイーブT細胞アッセイを使用してT細胞マップを定義する特に有効な方法は、実施例1および2に示され、それによって分子インターフェロンβ(IFNβ)およびインターフェロンα2(IFNα2)の免疫原領域が開示される。in vivoで弱く免疫原性であるタンパク質におけるT細胞エピトープ識別のための特に好ましい方法は、実施例3に記載される。
第2の実施形態では、本発明はT細胞エピトープマップを解明するが、そのようなマップは修飾タンパク質の設計をガイドするために使用でき、それによって分子上のエピトープ領域が適当に修飾され、それらは本発明のスキームによって増殖応答を生起することがもはやできなくなり、したがって、対象タンパク質はヒトに対して免疫原性が低下する。
この第2の実施形態によれば、タンパク質への適当な修飾は、特定の残基または残基の組合せのアミノ酸置換を含んでもよい。T細胞エピトープの除去のためには、好ましくは、T細胞エピトープ活性の実質的な低減または除去を達成すると予側されるペプチド配列内の適当なポイントでアミノ酸置換がなされる。実際上、適当なポイントは、好ましくは、MHCクラスII結合溝内に提供されるポケットのうちの1つの中で結合するアミノ酸残基と一致するであろう。ペプチドのいわゆる「PI」または「PIアンカー」位置の裂け目の第1ポケット内の結合を変更することが最も好ましい。ペプチドのPIアンカー残基と、MHCクラスII結合溝の第1のポケットの間の結合相互作用の質は、ペプチド全体についての全面的な結合親和性の主な決定基であると認められる。ペプチドのこの位置での適当な置換は、残基をポケット内により収容されにくくするであろう(例えば、親水性のより大きな残基への置換)。MHC結合裂け目内の他のポケット領域内に結合することと一致する位置でのペプチド中のアミノ酸残基も考えられ、本発明の範囲に入る。
所与の潜在的なT細胞エピトープ内の単一アミノ酸置換が、エピトープを除去し得る最も好ましいルートであると理解される。単一エピトープ内の置換の組合せも考えられるし、例えば、個々に定義されたエピトープが互いに重複する場合は、特に適当であり得る。さらに、アミノ酸置換は、所与のエピトープ内における単一の置換であれエピトープ内の組合せであれ、MHCクラスII結合溝に関して「ポケット残基」と一致する位置でなく、ペプチド配列内の任意のポイントで行うことができる。置換は、当技術分野で知られているインシリコ技術を用いて生成した相同構造または構造的方法を参照して行うことができるし、分子の既知の構造の特徴に基づいてもよい。例えば、変異体分子について構造や生物学的活性を回復させるために変更を考えることができる。そのような補償的変更(複数箇所でもよい)は、ポリペプチドからの特定のアミノ酸残基の除去や追加を含むものでもよい。
タンパク質分子からエピトープを除去する特に有効な手段は本願に概説するようなナイーブT細胞活性化アッセイスキームとWO 02/069232(参照によって全体が本願に組み込まれる)に記載されたスキームによって開発されたインシリコツールとの協同的使用である。
ソフトウェアは、ペプチドMHCクラスII結合相互作用のレベルでの抗原提示のプロセスをシミュレートして任意の所与のペプチド配列に対する結合スコアを与える。集団に現存する優勢なMHCクラスIIアロタイプの多くについてそのようなスコアが決定される。このスキームはいかなるペプチド配列も試験できるので、ペプチドがMHCクラスII結合溝と相互作用する能力についてのアミノ酸置換、付加物または除去の結果を予測できる。したがって、MHCクラスIIと相互作用することができ、かつそれによって免疫原性T細胞エピトープとして機能し得るペプチドの数の減少を含む新しい配列構成を設計することができる。与えられる任意のドナー試料を使用する生物学的アッセイが最大4個のDRアロタイプへの結合を評価し得る場合、インシリコプロセスで>40個のアロタイプを同時に使用して、同じペプチド配列を試験できる。実際上、このアプローチは、多数のMHCアロタイプと相互作用するその能力が弱められた新しい配列変異体の設計に用いることができる。
エピトープ識別と除去の組合せ法の有用性の例として、ヒトインターフェロンアルファ(IFNα)の遺伝子操作を含むプログラムの結果を本願において提示する。ヒトIFNα配列全体を、1セットの51個の15merペプチド(実施例2の表2に挙げる)に翻訳した。T細胞アッセイは分子内に3つの免疫原性領域(R1、R2およびR3と名付けられた)を定義することができ、WO02/069232のスキームによるソフトウェアシステムは、エピトープR1からR3の各々に予言されたMHCクラスIIリガンドを識別することができた。さらに、システムは、ペプチド配列とシステムで提示される実質的にすべてのMHCクラスIIアロタイプとの間の結合親和性の顕著な喪失をもたらす、エピトープ内のアミノ酸置換をさらに識別できた。野生型のエピトープ領域およびMHCクラスII結合をアミノ酸置換によって除去したその変異体配列を包含する合成ペプチドのパネルを構築した。ナイーブT細胞活性化アッセイにおいてこれらのペプチドを用い、各ペプチドとドナーPBMC試料との組合せについて刺激指数を決定した。ドナー試料が野生型のペプチドに応答すると見出された、すべての例において、変異体ペプチドはT細胞(図3)を活性化しないことが見出された。
本発明の好ましい実施形態は、試験タンパク質またはペプチドを加えた後、異なるときにT細胞応答の測定を行う修正されたT細胞活性化アッセイを使用することである。アッセイのためのこの新規なフォーマットは、全タンパク質または弱い免疫原性ポリペプチドのT細胞応答を見出すのに特に有用である。アッセイフォーマットは、白血球およびサイトカインを含む種々の分子を含有するT細胞アッセイ混合物中の成分の複雑さを打ち消す。任意の試験タンパク質またはペプチドについては、アッセイにおけるT細胞応答の動力学は、T細胞アッセイ混合物内のT細胞の状態(例えばメモリT細胞対ナイーブT細胞)、様々な時点でのサイトカイン濃度、および特定のペプチド−MHCクラスII複合体の濃度などの要因による顕著なT細胞増殖を生成する速度を含む多数の要因に依存する。所与のタンパク質またはペプチドについては、アッセイシステムにおけるT細胞増殖のピークは、アッセイ混合物へのタンパク質またはペプチドの添加後、7日前後にピークに達し、7日目(標準的なアッセイ時点)までには、T細胞増殖は顕著ではなくなっている。T細胞増殖を経時的に、例えば、4、5、6、7、8および9日目の各々において試験することによって、7日目では必ずしも検出されないT細胞応答を検出することができる。経時的T細胞アッセイの例を実施例3に示す。タンパク質全体については、経時的T細胞アッセイがT細胞免疫性の鋭敏な分析となり、したがってタンパク質についての鋭敏な免疫原性スクリーニングとなる。さらに、実施例3において実証されるように、このアッセイは免疫原性に対するアミノ酸置換の影響を試験するためにも使用できる。
エピトープマッピングと生物学的原理に基づくT細胞活性化アッセイを用いた再試験と協働して、MHCクラスIIリガンドの識別のためのインシリコツールとMHCクラスIIリガンドを欠く配列アナログの設計を使用する組合せ法は、特に有効であり、本発明において最も好ましい実施形態である。この最も好ましい実施形態による一般的な方法は以下のステップを含む:
i)T細胞を活性化し得るエピトープ領域を識別するための、ナイーブT細胞活性化アッセイおよび対象タンパク質配列を集合的に包含する合成ペプチドの使用;
ii)ステップ(i)において識別されたエピトープ領域を分析し、それによりエピトープ領域内のMHCクラスIIリガンドを識別するための、1または複数のMHCアロタイプとのペプチドリガンドの結合をシミュレートする計算スキームの使用;
iii)もはやMHCクラスIIを結合しないか、より少数のMHCアロタイプにより低い親和性で結合する、エピトープ領域(複数も含む)内に包含されるMHCリガンドの配列アナログを識別する1または複数のMHCアロタイプとのペプチドリガンドの結合をシミュレートする計算スキームの使用;
iv)ナイーブT細胞活性化アッセイおよび対象タンパク質内に識別されるエピトープ領域を完全にまたは集合的に包含する合成ペプチドの使用ならびに野生型の(親)配列と平行してナイーブT細胞活性化アッセイにおいて配列アナログを試験すること;
高い程度の確実性をもって、IFNなどの任意のヒトタンパク質について、許容可能なMHCクラスリガンドの母集団を含むすべてのペプチドのデータセットを定義するためにWO 02/069232に概説されたソフトウェアスキームを使用し得ると理解される。in vivoでの免疫原性ペプチドの提示に結びつく、タンパク質分解を生ずる処理および他の生理学的ステップに対する要求などの理由のために、ペプチドの全レパートリーの比較的小さなサブセットが、最終的に生物学関連性を有するであろうことは明らかであろう。そのような状況において、本発明者らは、生物学的に関連のあるペプチドを識別するために、ex vivoでのヒトT細胞活性化アッセイを使用し得ることを確証した。したがって、in vitroで培養されるヒトT細胞中での増殖応答を生起するその能力に関して合成ペプチドを試験する。健常なドナーから得られたナイーブなヒトT細胞を使用して、この種のアプローチを行う場合、本発明者らはそのようなアッセイの操作において、2.0以上の刺激指数が誘導された増殖の有用な手段であることを確立した。刺激指数(SI)は、慣用的に、試験ペプチドに対して測定された増殖スコア(例えば3H−チミジン組み込みを使用する場合、放射能の1分当たりカウント)を試験ペプチドと接触させていない細胞において測定されたスコアで割ることにより得られる。応答を生起しないペプチドはSI=1.0を与えるが、実際的には0.8〜1.2の範囲内のSI値は際立ったものではない。記録されたスコアに対する確信を保証するために、多数の技術的な手順がそのようなアッセイの操作に組み込まれ得る。典型的には、すべての測定は少なくとも3重になされ、平均スコアを計算することができる。計算されたSI=>2.0である場合、3重の個別スコアは異常値の証拠があるかどうか検討することができる。同様に、大多数のPBMCドナー試料が応答するであろうと予想される対照ペプチドの包含は、各アッセイプレートに含まれ得る。インフルエンザウイルス血球凝集素ペプチド307-309、配列PKYVKQNTLKLA);およびクラミジアHSP 60ペプチド配列KVVDQIKKISKPVQHは特に適当な対照ペプチドであるが、他の多くの例も利用できるであろう。また、好ましくは、アッセイは、キーホールリンペット由来のヘモシニアン(これに対しては、すべてのPBMC試料が2.0を超えて顕著なSIを示すと予想される)などの有力な全タンパク質抗原を使用するべきである。
本発明のスキームによれば、単一のアミノ酸置換であれ、いくつかの他の変更または変更の組合せであれ、修飾により、T細胞活性化効果を誘導するペプチド(複数の場合も含む)の能力を喪失させるか少なくとも低減させることを確実にするために、実質的に同一のペプチド配列の多数のバージョンを試験する実際的必要があるかもしれない。多くの様々な実際的なアプローチを使用することにより、この要求は満たされ得るが、その1つとしては、最初から多数の様々なペプチドのスクリーニングを行い、それらの親の(例えば、野生型)ペプチド配列に対して増殖誘導能力が縮小されているか存在しないようなものを識別する選択スキームを行うことが挙げられるであろう。このようなアプローチは、ナイーブなPBMC試料を完全に使用して行うことができ、マッピング作業を同時に(すなわち、平行して)実行することができるであろう。このアプローチは合成ペプチド種のスクリーニングに限定される必要はなく、全タンパク質分子(例えば、そこから所望のメンバーが選択されるべき変異体の「ライブラリー」として生産される多数の変異体を含み得る)のスクリーニングに利用され得ることが理解される。このようなライブラリーは、例えば、当技術分野でよく知られた組換え手段によって生産され得るし、あるいは、例えば、コンビナトリアルケミストリーの原理を用いた合成手段を使用して生産した種を含み得る。いずれにせよ、この文脈におけるライブラリーメンバーから選択される所望の性質は、PBMC調製物中では増殖応答を引き起こす無能力となるであろう。
あるいは、試料の完全に異なるドナープールに由来するナイーブPBMCを使用して変異体ペプチドをスクリーニングすることができる。すなわち、ほとんどまたは全く増殖誘導のないと予想される修飾ペプチドを使用することを除いてエピトープマッピングを繰り返す。
別の特に好ましいスキームは、免疫学のリコールアッセイフォーマットにおける増殖効果を誘導するその能力についての修飾されたペプチドの試験を含むであろう。これは、例えば、既知の応答ドナーから得た初期のナイーブなPBMCアッセイ過程で識別されたPBMCを使用し、合成ペプチド(例えば、プールの中で)または全タンパク質のいずれかを用いてこれらの細胞を刺激し、その後、IL−2などのサイトカインの存在下、適当な期間培養を行うことで達成できる。このインキュベーションに続いて、合成の(修飾された)ペプチドまたは修飾された対象タンパク質全体を使用して、培養物を再度刺激し、適当な手段も使用して増殖効果を測定してもよい。本発明者らは「リコール」アッセイとしてこのアッセイフォーマットを分類した。これは、増殖応答の原因であるT細胞集団が再刺激過程において起動されるためである。
リコールタイプアッセイは、in vivoで弱い免疫原性を示すタンパク質またはペプチド抗原中のT細胞エピトープの識別において特に有用であり、エピトープが、他の手段によって、例えば、計算上の手法または生物学的アッセイの使用によりもともと識別されていた場合、所与のアミノ酸配列中におけるT細胞エピトープの存在に補強証拠を提供する。このようなリコールアッセイの手順において、PBMCは、健常なドナーまたは所与の治療に対して確立した免疫反応を示す患者から単離される。後の手順で抗原提示細胞(APC)としてそれらを使用できるように、自己由来PBMCのアリコートを凍結させることが必要である。アッセイは抗原プライミングステップによって開始する。1つの典型的で好ましいプロトコルでは、2〜4×106PBMCを24ウェルプレートの各ウェルに添加することが必要である。タンパク質全体もしくはペプチド抗原またはペプチドプールのいずれかを、典型的な濃度1〜10μg/mlおよび1〜10μMで細胞にそれぞれ(ペプチドプール中のペプチド濃度の合計は1μMとなるであろう)加えられる。最終の培養ボリュームは2mlである。細胞は7日間インキュベートし、7日目に10U/mlのIL−2を加えて細胞をさらに3日間インキュベートすると、細胞は抗ジャンルチャレンジ相の準備ができた状態となる。
抗原の再チャレンジにはAPCとして自己由来のPBMCが必要である。APCは、タンパク質全体または合成ペプチド抗原(例えば、濃度1〜10μg/ml)とともに37℃で1時間インキュベートする。APCの増殖能力は、最も好ましくはガンマ線照射(例えば、4000rad)を丸底96ウェルプレート(1×105PBMC/ウェル)中で使用して破壊する。プライミングされた1〜10×104のT細胞をAPCを含む各ウェルに加える。再チャレンジ抗原の非存在下においてガンマ線照射したAPCとともに培養した抗原プライミングされたT細胞を含む非治療対照反応をセットアップすることが重要である。パルス増殖評価、例えば、3H−チミジン組み込みアッセイを行う前に4日間細胞をインキュベートする。細胞を多くするか精製した集団を使用して、等しくそのようなプロトコルを行い得ることが理解される。
第3の実施形態では、個体(遺伝病(体質性疾患)に対する治療効果のために対象タンパク質が投与されるべき個体であって、実際、個体における遺伝欠損の性質によるタンパク質抗原が外来タンパク質を構成する)においてT細胞免疫反応を生起し得るその配列内の決定基の有無に関してタンパク質抗原をスクリーニングし得る方法が提供される。この意味で、タンパク質はin vivoで有力な抗原を提示することが最もありそうなものであり、本発明者らは、そうした個体のPBMCからin vitroのポリクローナルまたはモノクローナルT細胞系を容易に確立できること、および、これらの細胞系はタンパク質内のT細胞エピトープのマッピングにおいて有効な試薬として使用され得ることを確証した。これは、T細胞がin vitroで抗原刺激に何回もさらされ、直後にIL−2の存在によって展開される点を除いて、前述のリコール分析と実質的に同じ方法で達成される。ポリクローナルT細胞系の確立のためには、一般に2〜3回の抗原刺激が多数の抗原特異的細胞を生成するのに十分である。これらは多数の合成ペプチド(例えば、ペプチドプール状のもの)をスクリーニングするために使用され、それらは後日使用するために低温保存され得る。抗原とPBMCを7日間同時インキュベートする初回の抗原刺激後、後の抗原による再チャレンジは、抗原提示細胞として最も好ましくは自己由来の照射されたPBMCの存在下で実行する。抗原選択のこれらの繰り返しは3〜4日間実行し、IL−2による刺激を含む展開相を断続的に加える(これは、全9日間の間3日目ごとに加え得る)。最終的な再チャレンジは「休止した」T細胞(すなわち、IL−2刺激からほぼ4日経過していないもの)を使用して実行する。前述のようにほぼ4日間、最も好ましくは自己由来の抗原提示細胞を使用してこれらの細胞を抗原(例えば、合成ペプチドまたはタンパク質全体)により刺激し、その後(もしあれば)後の増殖応答を測定する。
したがって、第3の実施形態の方法は、対象となる疾病に罹患している個体から得たPBMC試料に由来するT細胞系またはオリゴクローナルな培養物の生産、合成ペプチドまたはタンパク質全体とともにin vitroで前記細胞系を刺激するか培養し、(もしあれば)個々の合成ペプチドまたはタンパク質のうちのいずれかの増殖効果をin vitroで測定し、個々の合成ペプチドまたはタンパク質全体の修飾された変異体を生産し、前記修飾されたペプチドまたはタンパク質をT細胞系または培養で有意な増殖応答を促進する継続的な能力について再試験する。
遺伝子欠陥を有し、治療のための代償療法を開始し、代償療法が治療タンパク質への免疫反応の誘導をもたらした個体から得たオリゴクローナルな培養物のT細胞系を確立することは特に有用である。この種の被験者の顕著な例は、血友病A治療を受けているが治療因子VIIIに対し測定可能な阻害抗体の顕著なタイター濃度を示す個体によってもたらされる。相当数のこれらの個体のT細胞レパートリーによって定義される第VIII因子タンパク質のエピトープマップは、in vivoの状況において提示され得る最も一般的なペプチドエピトープの代表になるであろうと予想され得ることから、本発明のスキームの下では、このクラスのいわゆる「阻害患者」から得たPBMC試料を利用することが特に望まれるであろう。この意味で、事前に免疫反応があることとが示されている患者から得たPBMCは、in vivoでのプライミングステップの製品を構成し、本発明のスキームの下で特に価値がある。実施例4は、本願において、健常なドナーから得たナイーブなヒトT細胞および血友病A患者に由来するPBMCの両者を利用するヒトFVIII上でなされるエピトープマッピングプログラムの詳細な説明を提供する。
事前に免疫学的に外来のタンパク質を受けた個体から得たPBMC細胞系の使用は基本的にリコールアッセイだということを考えれば、それはさらに、任意の所与の刺激ペプチドまたはタンパク質に対する増殖反応のはるかに大きな大きさに対する能力があるという実際的な長所がある。これは、増殖測定を行う技術的困難を低減し、そのような状況で多数のエピトープが標的タンパク質に対して示されるとき、免疫優性な(immunodominant)エピトープの可能な階層性を定義する機会を与え得る。これは第VIII因子などの特に大きなタンパク質の場合に確実であるが、本願に実証するように、小さなヒトタンパク質分子(例えば、200未満のアミノ酸残基)は多数または複合体(すなわち、オーバーラップ)T細胞エピトープ内に収まると予想され得る。
本発明の第4の実施形態では、それによって前述のアッセイフォーマットが治療用の生体タンパク質の生産バッチのスクリーニングに適用されるスキームが提供される。そのようなスクリーニングプロセスの目的は、試験用生物の免疫原プロフィールの一貫性を確認することであり、例えば、特に生物の生産プロセスがいくつかのパラメーターによって変更されており、タンパク質の測定された物性は容認される範囲内にあるが、タンパク質の潜在的な免疫原特性が変更され得る場合に価値がある。したがって、対象分子の任意の新しい調製物に対する免疫原応答の生成を予想するために、本願で設計される方法は、そのようなスクリーニング手順を提供するのに特に有効である。
したがって、第4の実施形態の下で、対象タンパク質のエピトープマッピングプロセスの一部として誘導されるT細胞系(オリゴクローナルまたはモノクローナル)、または、場合によって、さらに、ナイーブなPBMC調製物のパネル(それについて既知の応答性調製物の集団が確率されているもの)を用いて、in vitroでの免疫原性に関して被験タンパク質を試験してもよいし、また、試験タンパク質に対して得点された応答を、基準すなわちタンパク質の「ゴールドスタンダード」調製物と比較する。この点に関して、T細胞系を使用する場合、それは特に、参照タンパク質に対して実証された事前の免疫反応が存在する被験者に由来する細胞系を使用することが好ましい。そのような細胞系はin vitroでの抗原チャレンジにおける高い刺激指数スコアをもたらすと予想され、また、タンパク質内で最も生物学的に関連があり免疫優性なエピトープを代表するであろう。第4の実施形態の下で、これらの細胞系はエピトープの喪失/変更に指標を与える。対照的に、第4の実施形態の下では、標的タンパク質に応答するアロタイプの既知のセットを含むナイーブPBMCのパネルは、試験製品タンパク質に現われる新たな(de novo)エピトープ生成の表示を提供し、望ましくない臨床的免疫原の応答の予測においても同じく価値がある。
「T細胞エピトープ」という用語は、本発明についての理解によれば、MCH IIを結合可能で、T細胞を刺激するおよび/または(必ずしも測定可能な程度に活性化せずに)T細胞を複合体中でMHC IIに結合可能であるアミノ酸配列を意味する。
本明細書および添付する特許請求の範囲において「ペプチド」という用語は、2個以上のアミノ酸を含む化合物である。アミノ酸はペプチド結合(以下に定義される)によって互いに連結される。ペプチドの生物学的生産に関わる20個の異なる天然アミノ酸が存在し、これらが任意の数、任意の順序で連結して、ペプチド鎖または環を形成する。ペプチドの生物学的生産で使用される天然アミノ酸はすべてL−配置である。合成ペプチドは、L−アミノ酸、D−アミノ酸またはこれら2種の異なる配置のアミノ酸の様々な組合せを使用して従来の合成方法を用いて調製できる。ペプチドによっては数単位のアミノ酸しか含まないものもある。短いペプチド、例えばアミノ酸単位が10個未満のものは、時に「オリゴペプチド」と呼ばれる。他のペプチドは多数のアミノ酸残基、例えば100個以上を含み「ポリペプチド」と呼ばれる。従来、「ポリペプチド」は3個以上のアミノ酸を含む任意のペプチド鎖と考えられ、「オリゴペプチド」は通常、特に「短い」タイプのポリペプチドと見なされる。したがって、本願では「ポリペプチド」へのどのような言及もオリゴペプチドを含むと理解される。さらに、「ペプチド」へのどのような言及もポリペプチド、オリゴペプチドおよびタンパク質を含む。アミノ酸の個々の異なる配置は異なるポリペプチドまたはタンパク質を形成する。形成することができるポリペプチドの数、したがって異なるタンパク質の数は、実際上無制限である。
以下の実施例によって本発明を例証する。実施例およびこれまでの説明では以下の図を参照する:
図1は、IFNβ内の免疫原性領域を示し、ナイーブなヒトT細胞を刺激することができるこれらの領域から得たペプチド配列を詳しく示す。
図2は、ナイーブなヒトT細胞のin vitroでの増殖を促進することができるIFNβペプチドを示す表を提示する。ドナーのうちの2名については、応答は、領域R1またはR2のいずれかから得た多数の重複するペプチドに記録される。エピトープ領域R1またはR2にマッピングされる個々の合成ペプチドに対する応答は、6名のドナーから得点される。
図3は、経時的T細胞活性化アッセイからの典型的なデータを示す。図はIFNαに由来する合成ペプチドについて、時間(日)に対して刺激指数(SI)をプロットしたものである。R1、R2、およびR3エピトープ領域ならびにアミノ酸置換を含むアナログペプチド配列を並行して試験した。
実施例1
MHC、ペプチドおよびT細胞レセプター(TCR)の間の相互作用は、T細胞認識の抗原特異性に構造的な基礎を与える。T細胞増殖アッセイによりペプチドのMHCへの結合およびMHC/ペプチド複合体のTCRによる認識を試験する。この実施例のin vitroでのT細胞増殖アッセイは、末梢血単核細胞(PBMC)の刺激と関係しており、抗原提示細胞(APC)およびT細胞を含んでいる。刺激はin vitroで、合成ペプチド抗原、実験によってはタンパク質抗原全体を使用して行った。刺激されたT細胞増殖を、3H−チミジン(3H−Thy)を用いて測定し、取り込まれた3H−Thyの存在を洗浄した固定細胞のシンチレーションカウントを使用して評価した。
保存時間12時間未満のヒト血液からの軟膜層(buffy coat)を、National Blood Service (Addenbrooks病院、ケンブリッジ、英国)から得た。フィコールパック(Ficoll−paque)はAmersham Pharmacia Biotech(Amersham、英国)から得た。血清を含まず、L−グルタミン、50μg/mlストレプトマイシン、10μg/mlゲントマイシン(gentomycin)および0.1%ヒト血清アルブミンを含む主要ヒトリンパ細胞の培養用のAIM V培地は、Gibco−BRL(Paisley、英国)から得た。合成ペプチドは、Eurosequence(Groningen Pepcan(Netherlands(オランダ))およびBabraham Technix(Cambridge、英国)から得た。
軟膜層の穏やかな遠心分離により、赤血球と白血球とを血漿と血小板とから分離した。最上相(血漿と血小板を含む)を除去、廃棄した。赤血球と白血球を1:1リン酸塩バッファー食塩水(PBS)で希釈し15mlフィコールパック(Amersham Pharmacia(Amersham英国))上で層状にした。遠心分離はメーカー推奨条件によって行い、PBMCを血清+PBS/フィコールパック界面から収穫した。PBMCをPBSと混合(1:1)し、遠心分離によって回収した。上清を除去、廃棄し、50ml PBS中にPBMCペレットを再懸濁させた。細胞を遠心分離によって再びペレット化し、PBSの上清を捨てた。細胞を50ml AIMV培地を使用して再懸濁し、この時点で計数しトリパンブルー(trypan blue)染料排除法を使用して生細胞率(viability)を評価した。細胞を遠心分離によって再び集め上清を廃棄した。細胞は、1ml当たり3×107の密度で低温貯蔵用に再懸濁した。貯蔵培地は加熱不活性化したABヒト血清(Sigma、Poole、英国)90%(v/v)とDMSO(Sigma、Poole、英国)10%(v/v)とした。細胞を制御された冷凍容器(Sigma)に移し、-70℃で一夜静置した後で、長期保存のために液体窒素に移した。使用のために必要になったとき、細胞を水浴中37℃で急速解凍し、予め温めておいたAIM V培地10mlに移した。
96ウェル平底プレート中、PBMCを2×105PBMC/ウェルの密度で、タンパク質とペプチド抗原で刺激した。PBMCを37℃で7日間インキュベートし、3H−Thy(Amersham-Phamacia、Amersham、英国)でパルス処理した。この研究のために、3aa増分によって重複させた合成ペプチド(15mers)を生成した。これはIFNβの全配列にわたるものである。ペプチド識別番号(ID#)および配列を表1に示す。
Figure 2005529170
各ペプチドを、20名のナイーブドナーから分離したPBMCに対して個別にスクリーニングした。事前に免疫原性であることが示されていた2種の対照ペプチド、および強力な(potent)非リコール抗原KLHを、各ドナーアッセイで使用した。
この研究で使用した対照抗原は、インフルエンザウイルス血球凝集素307-319(配列:PKYVKQNTLKLAT);クラミジアHSP 60ペプチド(配列:KVVDQIKKISKPVQH)およびキーホールリンペットヘモシニアンとした。
ペプチドをDMSOに最終濃度10mMで溶解し、次いで、これらのストック溶液をAIM V培地で1/500に希釈した(最終濃度20μM)。100μl中の最終濃度が2μMおよび20μMとなるようにペプチドを平底96ウェルプレートに加えた。解凍したPBMCの生細胞率(viability)をトリパンブルー染料排除法を使用して評価し、次いで細胞を2×106細胞/mlの密度に再懸濁し、ペプチドを含む各ウェルに100μl(2×105PBMC/ウェル)を移した。三重ウェル培養を各ペプチド濃度で分析した。プレートを湿潤大気中37℃5%CO2で7日間インキュベートした。細胞を18〜21時間、1μCiの3H−Thy/ウェルでパルス処理し、フィルタマット上に収穫した。Wallacマイクロプレート(microplate)ベータトッププレートカウンター(Perkin Elmer)を使用してCPM値を測定した。結果は刺激指数として表わす。ここで、刺激指数(SI)は、試験ペプチドに対して測定された増殖スコア(例えば放射能の1分当たりカウント)を試験ペプチドと接触させていない細胞において測定されたスコアで割ることにより得られる。
T細胞増殖分析を使用してIFNβ配列にT細胞エピトープをマッピングした結果、2つの免疫原の領域R1とR2が識別され、いずれの場合も、4個の重複するペプチドに対する反応によって得られた(図1)。
実施例2
実施例1の方法を用いて、ヒトタンパク質インターフェロンa2(IFNα)についてのエピトープマップを導いた。方法は、合成ペプチドを表2(下記)に示すものとし、PBMC調製物とのインキュベーションを10μMの濃度とした以外はすべての点で実施例1に準じた。
IFNα配列におけるT細胞エピトープのマッピングは、3つの免疫原領域R1、R2、R3の識別をもたらした。これは図2に示すように、T細胞増殖によってそれぞれ7、4および5個の重複するペプチドと決定された。領域3は増殖がIFNαペプチドに応じるドナーの3分の2で得点されることから、潜在的な免疫優性T細胞エピトープを含むと考えられる。
Figure 2005529170
実施例3
経時的T細胞活性化アッセイを行う方法
経時的T細胞活性化アッセイを行うための一般的なプロトコルは以下のステップを含む:
1.ドナー当たりPBMC 1バイアルを解凍する。
2.細胞を2〜4×106細胞/ml(AIM V中)を再懸濁する。
3.2つの異なる濃度で抗原を試験し、非抗原で処理した対照に対して比較するのが通常であるため(例えば、10〜50μg/mlタンパク質または1〜5μMペプチド)、24ウェルプレートの3ウェルに1mlを移す(最終濃度2〜4×106PBMC/ウェル)。
4.典型的にタンパク質については100μg/ml、ペプチドについては2〜10μM抗原ストック溶液を作成する。最終濃度10〜50μg/mlタンパク質または1〜5μMペプチドを与えるように各ウェルに抗原1mlを加える。
5.5日間インキュベートする。
6.ピペットで移すことにより細胞を穏やかに2ml培養液中に再懸濁し、各条件から細胞100μlを取り、96ウェルプレート(丸底)に入れ、この到達培養条件(時間ポイント当たり各培養条件から合計300μlを取る)を3回繰り返す。
7.96ウェルプレートの各細胞ウェルに100μl AIM V中1μCi/ウェル3H[Thy]を加える。
8.一夜インキュベートし収穫する。
9.段階6〜8を6、7および8日(必要な場合、9日目を含むことができる)繰り返す。
10.SI測定を行い、各抗原のSI対時間をプロットする。
図3は、インターフェロンα2(実施例2参照)の免疫原領域にまたがるペプチド長の免疫原性について経時的アッセイの典型的な結果を示す。この新規な経時的方法は、T細胞免疫原性(SI>1.8)についてのスクリーンとしてタンパク質全体の分析に、また、タンパク質内のアミノ酸修正の免疫原性に対する影響を分析するのに特に有用である。
実施例4
T細胞系およびクローンの樹立方法
血友病患者から得た末梢血から単核細胞(PBMC)を単離し、液体窒素下で低温保存した。血液試料は、十分なインフォームドコンセントおよびアッデンブルック(Addenbrooke)ヘルスケアトラストのローカルな倫理的承認の下で提供された。
バルク培養物中、抗原特異的T細胞をFVIIIを用いて刺激し、次いで、IL−2誘導展開を複数回繰り返すことによりT細胞系を確立した。最初にPBMCを24ウェルプレートにおいて4μg/ml FVIII(Refacto(商標))を含む2mlのAIM V媒体中2×106でインキュベートした(湿潤大気中37℃ 5%CO2)。7日のインキュベーションの後、100U/ml IL−2を加え、培養物をさらに3日間インキュベートした。Tブラストを回収し、10日抗原/IL−2刺激の完成時に計数した。抗原特異性を維持するために、Tブラストを、抗原提示細胞としてγ照射された自己由来PBMCを使用して、2回目の抗原刺激にさらした。これは、1×106自己由来PBMC/ウェルを0.75mlAIM V(5%の熱不活性化したヒトAB血清を含む)中4μg/ml FVIIIとともに24ウェルプレートにおいて1時間インキュベートし、4000radのγ放射にさらすことにより達成した。自己由来のTブラストを0.25mlのAIM V中4×105細胞/mlでγ照射された抗原提示細胞(予めFVIIIをロードした)に加え、3日間インキュベートした。Tブラストを3日間100U/ml IL−2を有する細胞で刺激することにより展開し;次いで、培養物に合計9日間3日おきに、新鮮なIL−2を加えた(最終濃度100U/ml)。展開したTブラストがすべて抗原特異的であることを確実にするために、3回目の抗原刺激を実行し、Tブラストを回収し、AIM V媒体中4×105細胞/mlで再懸濁した。上記のように、1×106自己由来PBMC/ウェルを0.75mlAIM V(5%の熱不活性化したヒトAB血清を含む)中4μg/ml FVIIIとともに24ウェルプレートにおいて1時間インキュベートすることにより抗原提示細胞を生成した。0.25mlのAIM V中4×105細胞/mlの自己由来Tブラストをγ照射した抗原提示細胞に加え3日間インキュベートした。10U/mlIL−2中最後の展開を3日間実行し、Tブラストを回収して、ペプチドプールのスクリーニングのために使用した。
バルク培養からのクローニング
FVIII抗原よる3回目の刺激後に、Tブラストを回収し、4×102〜1×104細胞/mlの密度に連続希釈によって再懸濁した(2×最終培養密度)。自己由来PBMCを解凍し、ポリプロピレンチューブ中で2×106細胞/ml(2×最終培養密度)に溶解し再懸濁した。次いで、PBMCを4000 radのγ放射に暴露し、希釈を制限することにより抗原反応性T細胞クローンを選択するために抗原提示細胞として使用した。γ照射した抗原提示細胞(最終密度1×106)をTブラスト(最終密度2×102〜5×103細胞/ml)、1〜10μg/ml FVIII抗原および100U/mlIL−2と混合した。20μlのAPC、Tブラスト、FVIIIおよびIL−2混合物を各ウェルに加えることにより、Terasakiプレート中T細胞クローンを確立した。希釈クローニングの制限はTerasakiプレートの2〜50Tブラスト/ウェルを使用して行った。
T細胞クローンの選択および維持
TブラストをFVIII抗原、IL−2およびγ照射した自己由来抗原提示細胞とともにおよそ14日間インキュベートした。明白な成長を示す細胞を含むウェルを識別した後、Tブラストを、丸底96ウェルプレートの、1×105のγ照射した異質遺伝子型(allogenic)のPBMC(最終体積200μlAIM V(1%の熱不活性化したヒトAB血清を含む)中100U/ml IL−2および1μg/ml フィトヘマトグルチニン(PHA)を含む単一ウェルに移した。細胞がコンフルエントになった時点で、T細胞クローンを分割し、最終的には最終体積2mlAIM V(1%の熱不活性化したヒトAB血清を含む)中1×105のγ照射した異質遺伝子型PBMC(支持細胞)、100U/ml IL−2および1μg/mlフィトヘマトグルチニン(PHA)を含む24ウェルの単一ウェルに移した。T細胞クローンの日常的メンテナンスは、(細胞成長に依存して)2〜3週ごとに新鮮なPHAおよび異質遺伝子型支持細胞での刺激、および2週ごとに100U/ml IL−2に刺激を含んでいた。FVIII特異的であると判明したT細胞クローンのみを展開しFVIIIペプチドをスクリーニングするのに用いた。
自己由来のB細胞のEBV形質転換
3mlのろ過した(0.45μ)B95.8上澄液を4×106PBMCに添加し37℃で1時間インキュベートすることによって、PBMC調製物から得たB細胞を不死化し、B リンパ芽細胞系(BLCL)を生成した。PBMCをペレット化し、熱不活性化したウシ胎仔血清(FCS)5%および1μg/mlシクロスポリンAを含む2ml RPMI中に再懸濁した。7日間インキュベートした後、1mlの培地を5%FCSおよび2μg/mlシクロスポリンAを含む新鮮なRPMIに取り替えた(シクロスポリンAの最終濃度1μg/ml)。この供給法(feeding regime)を細胞が分割後14日目および21日目に繰り返し、必要なときにはウシ胎仔血清(FCS)5%を含むRPMIを用いて組織培養フラスコ内に展開した。
T細胞系/クローンを用いたFVIIIペプチドのスクリーニング
15残基長で、かつ、12アミノ酸の増分によって前のペプチドと重複するペプチドを合成した(Pepscan(オランダ))。ペプチドは、最初、保存用に100%ジメチルスルホキシド(DMSO)10mM中に溶解した。同時にFVIII特異的T細胞系から多くのペプチドをスクリーニングするためペプチドプールを生成した。プールは、含有される各プールが後のプールと重複するペプチドを含むように構成し、このアプローチを用いて2個のペプチドの重複したT細胞エピトープは2つの別個のプールの増殖を引き起こす結果をもたらす。各プールは、典型的には各ペプチド1または5μMのいずれかで試験した8ペプチドからなるものであった。
自己由来のPBMC(T細胞系用)またはEBVで形質転換したBLCL(T細胞クローン用)を、1×105PBMCまたはBLCLを50μlのAIM V培地に再懸濁し、次いで、丸底96ウェルプレートの各ウェルに加えることにより抗原提示細胞として使用した。ペプチドプールは、両方の濃度(1または5μl)で各プールについて3連で作成しウェルに加えた。抗原提示細胞およびペプチドプールを37℃で1時間インキュベートしてから4000radのγ照射を行った。BLCLを、37℃で1時間、1μg/mlマイトマイシンCで予め処理し、T細胞クローンのために細胞抗原提示細胞(γ−照射した自己由来PBMCの代わり)として使用する場合は、AIM Vで4回洗浄した。次いで、抗原特異的T細胞系またはT細胞クローンをウェル当たり5×104細胞で添加し、培養物を3日間インキュベートした。3日目に、各ウェルを1μCiの3H−Thy/ウェルで最少8時間パルス処理した。プレートをフィルタマット上に収穫した後、Wallacマイクロプレートベータカウンターを使用してcpm/ウェルを決定した。
健常なドナーから得たPBMCを用いたナイーブなT細胞エピトープマップ
40名の健常なHLA−DRタイプドナーからの血液を用いてPBMCを単離し、これを用いて2種の濃度(1または5μl)で個々のFVIIIペプチドをスクリーニングした。各ドナーから得たPBMCの数はFVIIIペプチドをすべてスクリーニングするには不十分であったので、ドナーを2群に分け、最初の20名のドナーは分子の前半のペプチドをスクリーニングするために使用し、第2のドナー集合は残るペプチドをスクリーニングするために使用した。ドナーは、世界人口の中に多数存在するアロタイプをカバーするように発現されたMHCクラスII アロタイプに従って選択した。MHCアロタイプは用いて検出した。
市販の試薬システム(Dynal、Wirral、英国)を使用してすべてのPBMC試料について組織タイプをアッセイした。アッセイは、プロトコルおよび標準的な付属試薬をサプライヤーの推奨するプロトコルおよびアガロース電気泳動システムに従って行った。
PBMCは、生理学的数のナイーブT細胞および抗原提示細胞を含む。これらの細胞は密度2×105細胞/ウェル(96平底プレート)で使用し、3重の200μl培養物中1または5μMでペプチドをスクリーニングした。細胞を37℃で6日間インキュベートし、各ウェルを1μCiの3H−Thy/ウェルで最少8時間パルス処理した。培養物をフィルタマット上に収穫した後、Wallac マイクロプレートベータカウンターを使用してcpm/ウェルを決定した。
表3は、血友病患者から得たT細胞系と健常な個体から得たナイーブT細胞調製物を用いて生成したヒトのBドメインを削除したエピトープマップを示す。TブラストおよびナイーブPBMC誘導T細胞を、T細胞エピトープを含むペプチド識別のために使用した場合、次いで、T細胞エピトープを含む個々のペプチドを識別するためにそれらのプールを解読した。
Figure 2005529170
実施例5
計算スキーム
タンパク質やポリペプチドの全体的構造を決定するのに重要な役割を果たす要因は多数存在する。第1に、ペプチド結合、アミノ酸を鎖状に互いに連結するその結合は、共有結合である。この結合は平面構造であり実質的に置換アミドである。「アミド」は−CONH−基を含む有機化合物の任意の基である。
隣接アミノ酸のCαを連結する平面状ペプチド結合は以下に示すように表すことができる:
Figure 2005529170
O=CおよびC−N原子は比較的剛性な平面内にあるので、これらの軸の周りに自由な回転は生じない。このため、破線によって模式的に描いた平面は時として「アミド平面」または「ペプチド平面」と呼ばれ、この平面にはペプチド骨格の酸素(O)、炭素(C)、窒素(N)および水素(H)原子が載る。このアミド平面の相対する両隅にはCα原子が位置する。ペプチド平面すなわちアミド平面内では、O=CおよびC−N原子の周りの回転が実質的にないので、ポリペプチド鎖はCα原子を連結する一連の平面状ペプチド結合を含む。
ポリペプチドまたはタンパク質の全体構造または立体構造を規定する上で重要な役割を果たす第2の要因は、共通なCα連結の周りの各アミド平面の回転角である。「回転角」および「ねじり角」という用語は以下では同義語と見なされる。アミド平面にO、C、NおよびH原子が載ると仮定すると(立体構造によってはこれらの原子のうちいくつかは平面から若干ずれるかもしれないが、これは通常有効な仮定である)、これらの回転角はNとRポリペプチドの骨格の立体構造、つまり隣接残基間に存する構造を定義する。これらの2つの角度はφおよびψとして知られている。したがって、1組の角度、φiおよびψi(ここで添字iはポリペプチド鎖の特定の残基を表す)はポリペプチドの2次構造を有効に規定する。角度φおよびψを定義するのに使用される慣用規則、すなわち、所与のポリペプチドについてのアミド平面が角度0を形成する参照ポイント、並びに角度φの定義および角度ψの定義は、文献に定義される。例えば、Ramachandran et al.Adv.Prot.Chem.23:283−437(1968)、特に285−94頁参照(これらの頁は言及によって本願に組み込まれる)。
本発明の方法は任意のタンパク質に適用することができ、ヒトでは、MHCクラスII分子結合溝の主要なポケット1アンカー位置が、特定のアミノ酸側鎖に対してよく設計された特異性を有するという発見に部分的に基づいている。このポケットの特異性は、MHCクラスII分子のベータ鎖の位置86でのアミノ酸の同一性によって決定される。このサイトはポケット1の底に位置し、このポケットに収容され得る側鎖の大きさを決定する。Marshall, K.W.、J.Immunol.、152:4946−4956(1994)。この残基がグリシンである場合、すべての疎水性脂肪族および芳香族アミノ酸(疎水性脂肪族は以下のものである:バリン、ロイシン、イソロイシンおよびメチオニン、また芳香族は以下のものである:フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファン)は、ポケット内に収容され得る(芳香族側鎖が優先される)。このポケット残基がバリンである場合、このアミノ酸側鎖はポケット内部に突出するので、収容できるペプチド側鎖のサイズを制限する(例えば疎水性脂肪族側鎖だけが収容可能である)。したがって、アミノ酸残基配列において、疎水性脂肪族および芳香族側鎖を有するアミノ酸が存在する場合にはいつでも、MHCクラスII制限T細胞エピトープが存在する可能性がある。しかし、側鎖が疎水性脂肪族である場合は、芳香族側鎖の場合と比較して、(全人口において、ポケット1タイプの分布がほぼ均一であると定すれば)T細胞エピトープに関連する可能性はおよそ2倍である。
本発明を具体化する計算方法は、以下のようにT細胞エピトープを含むペプチド領域の可能性を特徴づける:
(1)予め定義した長さのペプチドセグメントの1次配列を走査し、存在する疎水性脂肪族と芳香族側鎖をすべて識別する。(2)疎水性脂肪族側鎖には芳香族側鎖用のそれより大きな値、好ましくは芳香族側鎖に割り当てる値の約2倍を割り当てる(例えば、疎水性脂肪族側鎖に対しては値2を、芳香族側鎖に対しては値1を割り当てる)。(3)ペプチド内の予め定義した一定の長さの各重複するアミノ酸残基セグメント(ウィンドウ)について存在が決定された値を合計し、特定のセグメント(ウィンドウ)に対する値の合計を、セグメント(ウィンドウ)の中間位置で単一のアミノ酸残基、好ましくは、サンプリングされたセグメント(ウィンドウ)の中間点付近の残基に割り当てる。この手続きを、サンプリングされた各重複するアミノ酸残基セグメント(ウィンドウ)について繰り返す。したがって、ペプチドの各アミノ酸残基は、特定のセグメント(ウィンドウ)内に存在するT細胞エピトープの可能性に関係のある値を割り当てられる。(4)上記ステップ3に記載するように計算し割り当てた値は、評価するアミノ酸残基配列全体のアミノ酸座標に対してプロットすることができる。(5)予め定義した値(例えば値1)のスコアを有する配列のすべての部分は、T細胞エピトープを含むと認められ、必要であれば修飾することができる。本発明のこの特定の実施態様は、T細胞エピトープを含むであろうペプチド領域を記述できる一般的な方法を提供する。これらの領域内のペプチドに対する修飾は、MHCクラスII結合特性を修飾する可能性を有する。
本発明の別の実施態様によれば、MHCクラスII対立遺伝子モデルによりペプチドの相互作用を考慮に入れたより精巧な計算方法を使用して、T細胞エピトープをより高精度で予想できる。特にこの実施態様によるペプチド内に存在するT細胞エピトープの計算上の予想では、すべての公知のMHCクラスII分子の構造に基づく少なくとも42個のMHCクラスII対立遺伝子のモデルの構築が考えられ、T細胞エピトープの計算による識別におけるこれらのモデルの使用、相対的なペプチド骨格アルファ炭素(Cα)位置の知られた変わりやすさを考慮に入れるための各モデルのペプチド骨格のライブラリーの構築、ペプチドとMHCクラスII分子との間の相互作用において重要な位置での20個のアミノ酸置換各々のための各モデルを備えた各骨格ドック(dock)のアミノ酸側鎖コンホメーションのライブラリーの構築、および特定のMHCクラスII分子に収容(dock)された特定のペプチドについての最適な骨格および側鎖コンホメーション選択のための、これら骨格および側鎖コンホメーションライブラリーの使用、並びにこの相互作用からの結合スコアの誘導が考えられる。
MHCクラスII分子のモデルは相同モデリングによって、ブルックヘブン(Brookhaven)タンパク質データバンク(「PDB」)で見出された多数の同様の構造から誘導できる。これらは、エネルギー最小化のためのCHARMm力場(Molecular Simulations Inc.、San Diego、Ca.から入手可能)と共に、シミュレートされたアニーリング機能を組み込んだ半自動的な相同モデリングソフトウェア(Modeller,Sali A.& Blundell TL.、1993.J.Mol.Biol 234:779−815)によって形成できる。別のモデリング方法も同様に利用できる。
本願の方法は、MHCクラスII分子の小さな集合について結合溝内の各位置での各アミノ酸選択肢の実験により得た結合データのライブラリーを使用する他の計算方法(Marshall, K.W.、et al.、Biomed.Pept.proteins Nucleic Acids、1(3):157−162)(1995)や溝内の特定タイプの結合ポケットの結合特性を定義するために実験による同様の結合データを使用し(ここでもまたMHCクラスII分子の比較的小さな部分集合を使用する)次いでこのポケットライブラリーからポケットタイプを「混合およびマッチング」して人為的に別の「仮想的な」MHCクラスII分子を生成するさらに別の計算方法(Sturniolo T.、et al.、Nat.Biotech、17(6):555−561(1999)と著しく異なる。先行技術は両方とも分析が複雑である点および多数のペプチド変異体を合成する必要がある点の不利益を被り、少数のMHCクラスII分子しか実験的に走査できない。したがって、第1の先行技術の方法は少数のMHCクラスII分子の予想しかできない。第2の先行技術の方法は、異なるクラスII対立遺伝子間においては、1個の分子中で類似したアミノ酸で裏打ちされているポケットは同じ結合特性を持つという仮定も前提としており、ポケットライブラリーに含まれるポケットを含むそうしたMHCクラスII分子だけが「仮想的に」生成されるという欠点をさらに有する。本明細書に述べるモデリング手法を使用すれば、任意の数およびタイプのMHCクラスII分子の構造を推定でき、したがって全集団を代表する対立遺伝子を特異的に選択できる。さらに、走査されるMHCクラスII分子の数は、複雑な実験によって追加データを生成する必要以上にさらにモデルを生成することにより増加させることができる。
骨格ライブラリーの使用により、走査されている様々なペプチドについて、特定のMHCクラスII分子に収容された時のCα原子位置における変化を考慮に入れることができる。この点もまた、上記の先行技術における計算方法(これらは特定のポケット中でアミノ酸結合を走査するため単純化されたペプチド骨格の使用に依存している)と対照的である。これらの単純化された骨格は、「実際の」ペプチドで見つかる骨格構成の代表ではないであろうし、その結果、ペプチド結合の予想が不正確になる。本発明の骨格ライブラリーは、タンパク質データバンク内で見出されるMHCクラスII分子に結合するすべてのペプチドの骨格を重ね、結合溝内に位置する11個のアミノ酸各々のCα原子間の2乗平均平方根(RMS)偏差を記録することにより生成される。このライブラリーは、より大きな変動の可能性までも考慮に入れるために、少数(現在13個)の適切な利用可能なマウスおよびヒト構造から誘導できる一方、各C"-αについてのRMS数値は、50%増加する。その後、各アミノ酸の平均のCα位置が決定され、その半径がその位置でのRMS偏差プラス50%と等しい球がこの点のまわりに描かれる。この球体は許容されるCα位置をすべて表す。最小のRMS偏差を有するCα(これは、上記のポケット1中のアミノ酸であり、結合溝中の11個の残基の位置2と等価である)を動かして、球体は3次元的にグリッド化され、次いでグリッド内の各頂点はそのアミノ酸のCαのために可能な位置として使用される。結果として得られるアミド平面は、引き続きアミノ酸へのペプチド結合に対応し、これらのCαの各々にグラフトされ、次のCαを位置付けるためにφおよびψ角を所定の間隔で回転させる。引き続きCαがCαに対して「許容される位置の球」内にある場合にはジペプチドの向きが許容され、それが球の外部になる場合には、ジペプチドは拒絶される。その後、先行するCαのあらゆる組合せから9個の後続Cαがすべて位置付けられるまで、ペプチドがポケット1 Cα「種子」から成長するように後続Cα位置の各々についてこのプロセスを繰り返す。次いで、ポケット1の前の単一Cαについてこのプロセスをもう一度繰り返して結合溝内に位置する骨格Cα位置のライブラリーを生成する。生成された骨格の数はいくつかの要因に依存する:「許容される位置の球」の大きさ;ポケット1位置の「1次球」のグリッドの精密さ;後続Cαを位置付けるために用いるφおよびψの段階的回転角の精密さ。このプロセスを使用すると、大きな骨格ライブラリーを生成できる。骨格ライブラリーが大きい程、MHCクラスII分子の結合溝内の特定のペプチドに対して最もよく適合するものが見つかる可能性は大きくなる。各対立遺伝子について、結合領域のアミノ酸との衝突により、必ずしもすべての骨格がMHCクラスII分子のすべてのモデルに収容されるのには適さないため、その対立遺伝子によって収容され得る骨格を含むライブラリーの部分集合が生成される。骨格ライブラリーの使用は、MHCクラスII分子モデルと共に、各許容される骨格に収容される各MHCクラスII分子について結合溝の各位置の各アミノ酸の許容される側鎖コンホメーションからなる徹底的なデータベースを作成する。このデータセットは、単純な立体的重なり関数を用いて生成され、ここで、MHCクラスII分子は骨格と結合し、アミノ酸側鎖は所望の位置で骨格上にグラフトされる。各々の側鎖の回転可能な結合を設定した間隔で段階的に回転させ、得られる原子位置は注目する結合に依存する。原子と結合溝の側鎖の原子との相互作用が注目され、位置は次の基準によって許容されるか拒絶される:ここまでに位置付けられたすべての原子の重なりの合計は、予め決めた値を超過してはならない。したがって、コンホメーション探索の厳格性は、結合の段階的回転で用いる間隔と全重なりについて予め決めた限界の関数である。特定のポケットが剛性であると知られている場合、この後者の値は小さくなり得るが、ポケット側鎖の位置に比較的柔軟性があると知られている場合は、比較的緩和である。したがって、許容は結合溝ポケット内の柔軟性における変化を模倣するようになすことができる。次いで、MHCクラスII分子の各々に収容された時、このコンホメーション探索を各骨格のすべての位置にあるすべてのアミノ酸について繰り返し、側鎖コンホメーションの徹底的なデータベースを作成する。
適切な数式を用いて、上記骨格/側鎖コンホメーションの大きなデータベースの走査により経験的に導き出さなければならないペプチドリガンドコンホメーションと組み合うMHCクラスII分子モデル間の結合エネルギーを評価する。したがって、9〜20アミノ酸の範囲で長さが変化する(もっとも、長さは各走査に対しては一定にしておく)可能なペプチドに、以下の計算を施すことにより、タンパク質を潜在的なT細胞エピトープについて走査する:MHCクラスII分子をその分子に許容されるペプチド骨格とともに選択し、所望のペプチド配列に対応する側鎖をグラフトする。骨格上の特定の位置での原子の識別および特定の側鎖に関する原子間距離データを、そのアミノ酸の許容される各コンホメーションについて集める(上記データベースから得られる)。これを骨格に沿って各側鎖に対して繰り返し、スコアリング関数を用いてペプチドスコアを導く。その骨格のための最良のスコアを保持し、選択されたモデルについて各許容される骨格に対してこのプロセスを繰り返す。すべての許容される骨格から得られたスコアを比較し、最高のスコアをそのMHCクラスIIモデル中の所望のペプチドについてのペプチドスコアであると見なす。次いで、このプロセスを、走査されているタンパク質に由来するあらゆる可能なペプチドを備えた各モデルについて繰り返し、ペプチド対モデルのスコアを表示する。
本発明の状況では、結合親和性計算のために提示される各リガンドは、上に議論されるようなペプチドまたはタンパク質から選択されるアミノ酸断片である。したがって、リガンドは、公知の配列のペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質から得られ、長さがおよそ9〜20個のアミノ酸である選択されたアミノ酸伸張物である。「アミノ酸」および「残基」という用語は以下においては同義語と見なされる。リガンドは、骨格ライブラリーから得た骨格上にグラフトされて検査されるペプチドの連続アミノ酸の形をしており、ペプチド骨格のC"-α原子の座標を介して、MHCクラスII分子モデルライブラリーから得られるMHCクラスII分子の結合溝中に位置し、各側鎖に対して許容されるコンホメーションは許容されるコンホメーションデータベースから選択される。関連する原子同一性および原子間距離もこのデータベースから検索し、ペプチド結合スコアを計算するために使用する。MHCクラスII結合ポケットへの高い結合親和性を備えたリガンドには、部位指図突然変異生成に対する候補としてフラグが立てられる。フラグが立てられたリガンド(したがって対象タンパク質)でアミノ酸置換を行い、これはその後、結合親和性を予め定義した閾値以下に低減する変更を決定するためにスコアリング関数を使用して再試験する。次いで、これらの変更を対象タンパク質に組み入れ、T細胞エピトープを除去する。MHCクラスII分子のペプチドリガンドと結合溝の間は、非共有結合性の相互作用(水素結合、静電気的相互作用、疎水性(親油性)相互作用およびファンデアワールス相互作用を含むが、これらに限定されない)を含む。これらは、以下に詳細に述べるペプチドスコアリング関数に含まれている。水素結合は極性または帯電基間で形成され得るもので、2つの他の原子によって共有された水素原子からなる非共有結合であることが理解されるべきである。水素受容体が部分的に負帯電を有する一方で、水素供与体の水素は正電荷を有する。
ペプチド/タンパク質相互作用のために、水素結合供与体は、水素と結合した窒素または酸素もしくは窒素に結合した水素のいずれでもよい。水素結合受容体原子は水素と結合していない酸素、水素が全く結合しておらず1個か2個の結合がある窒素、または1つの結合のみある硫黄でもよい。水素を結合した酸素またはイミン窒素(例えばC=NH−)などのある種の原子は、水素受容体とも供与体ともなり得る。水素結合エネルギーは3〜7kcal/molの範囲であり、ファンデアワールス結合よりはるかに強いが共有結合よりは弱い。
水素結合はまた指向性が強く、供与体原子、水素原子および受容体原子が同一直線上にある場合に最も強い。静電的結合は反対荷電のイオン対間で形成され、相互作用の強さはクーロンの法則による原子間の距離の二乗に反比例する。イオン対間の最適距離は約2.8Åである。タンパク質/ペプチド相互作用では、静電的結合がアルギニン、ヒスチジンまたはリジンとアスパラギン酸塩またはグルタミン酸塩との間で形成され得る。それらは水素結合と強さがほぼ似ているが、結合の強さはイオン化基のpKaおよび媒体の誘電率に依存するであろう。親油性(脂肪親和性)相互作用は、タンパク質とペプチドリガンド間に生じる良好な疎水性−疎水性接触である。通常、これらは結合溝のポケット内に埋没したペプチドの疎水性アミノ酸側鎖間に、それらが溶媒に露出しないように生じる。疎水性残基の溶媒への露出は、周囲の溶分子が互いに水素結合を強いられ、かご状のクラスレート構造を形成するので非常に不利である。結果として生じるエントロピーの減少は非常に不利である。脂肪親和性の強い原子は、極性でもなく水素受容体でもない硫黄や非極性の炭素原子などである。ファンデアワールス結合は3〜4Å離れた原子間で見られる非特異的な結合である。これは水素結合や静電的結合より弱く特異性も低い。原子のまわりの電荷分布は時間とともに変化し、どの瞬間でも、電荷分布は対称ではない。電荷分布におけるこの一時的な非対称性は、近隣の原子にも同様の非対称性を引き起こす。この結果生じる原子間引力は、ファンデアワールス接触距離で最大に達するが、約2Å〜約1Åに至ると非常に急速に低減する。逆に、原子間の隔たりが接触距離未満になるとともに、原子の外殻電子雲が重なるため、強い斥力が支配的になる。引力は静電的結合や水素結合に比べて比較的弱いが(約0.6Kcal/mol)、斥力は特に、ペプチドリガンドがタンパク質に成功裡に結合するかどうか決する上で非常に重要であろう。
1つの実施形態では、ベーム(Boehm)スコアリング関数(SCORE1手法)が結合定数を評価するために使用される(Boehm, H.J.、J.Comput Aided Mol.Des.、8(3):243-256(1994)、その内容は言及によってその全体が本願に組み入れられる)。別の実施形態では、スコアリング関数(SCORE2手法)が、T細胞エピトープを含むリガンドの指標として結合親和力を評価するために使用され(Boehm, H.J.、J.Comput Aided Mol.Des.、12(4):309-323(1998)、その内容は言及によってその全体が本願に組み入れられる)。しかし、上記の文献に記述されているベームスコアリング関数は、タンパク質へのリガンドの結合親和力を評価するために使用されるが、この場合、リガンドがタンパク質に成功裡に結合することが既に知られており、タンパク質/リガンド複合体はその構造が解明されタンパク質データバンク(「PDB」)の中に存在するものである。したがって、スコアリング関数は、陽性であることが知られた結合データを利用して開発されている。陽性および陰性バインダー間の区別を考慮に入れるために、方程式に反発項を加えなければならない。さらに、結合エネルギーのより満足な評価は、上記のベーム関数の領域ベースのエネルギー項を用いるのではなく対同士の方法で脂肪親和性の強い相互作用を計算することで達成される。したがって、好ましい実施形態では、結合エネルギーは修正されたベームスコアリング関数を使用して評価される。修正されたベームスコアリング関数では、タンパク質とリガンド間の結合エネルギー(ΔGbind)は、以下のパラメーターを考慮して評価される:リガンド(ΔGo)の並進エントロピーと回転エントロピーの全面的な喪失による結合エネルギーの低減;少なくとも1個のパートナーが中性である、理想的な水素結合からの寄与(ΔGhb);摂動のないイオン間相互作用(ΔGionic)からの寄与;脂肪親和性リガンド原子と脂肪親和性受容体原子の間の脂肪親和性相互作用(ΔGlipo);リガンド中の内部自由度の凍結による結合エネルギーの喪失、つまり、各C−C結合の周りの回転自由度が低減する(ΔGrot);タンパク質とリガンド間の相互作用エネルギー(EvdW)。これらの項を考慮すると方程式1が与えられる:
(ΔGbind)=(ΔGo)+(ΔGhbxNhb)+(ΔGionicxNionic)+(ΔGlipoxNlipo)+(ΔGrot+Nrot)+(EvdW)
式中、Nは特定の項の相互作用を特徴付ける数であり、1つの実施形態では、ΔGo、ΔGhb、ΔGionic、ΔGlipoおよびΔGrotは、それぞれ5.4、−4.7、−4.7、−0.17および1.4の値を与えられる定数である。
hbは方程式2:
hb=Σh-bondsf(ΔR,Δα)×f(Nneighb)×fpcs
によって計算される。
f(ΔR,Δα)は、理想状態からの水素結合の大きな偏差を説明し、方程式3によって計算されるペナルティ関数である:
f(ΔR,Δ−α)=f1(ΔR)×f2(Δα)
ここで、f1(ΔR)=1(ΔR<=TOLの場合)、
または =1−(ΔR−TOL)/0.4(ΔR<=0.4+TOLの場合)、
または =0(ΔR>0.4+TOLの場合)
さらに、f2(Δα)=1(Δα<30°の場合)
または =1−(Δα−30)/50(Δα<=80°の場合)
または =0(Δα>80°の場合)。
TOLは水素結合長さ(=0.25Å)で許容される偏差、
ΔRはH−O/N水素結合長さの理想的な値(=1.9Å)からの偏差、
Δαは水素結合角度∠N/O-H,O/Nの理想的な値(=180°)からの偏差、
f(Nneighb)は、タンパク質表面の凹面と凸面の部分を識別し、したがってタンパク質表面で見られるものではなくポケットで見られる極性相互作用に大きな重みを割り当てる。この関数は下記方程式4:
f(Nneighb)=(Nneighb/Nneighb,0)α(ここで、α=0.5)
によって計算される。
neighbは任意の所与のタンパク質原子に5Åより接近している非水素タンパク質原子の数であり、
neighb,0=定数25である。
pcsは1つの水素結合当たり極性接触表面積を考慮に入れた関数であり、したがって強い水素結合と弱い水素結合を区別し、その値は次の基準によって決定される:
pcs=β(Apolar/NHB<10Å2の場合)、
またはfpcs=1(Apolar/NHB>10Å2の場合)
polarはタンパク質リガンド接触表面の大きさであり、
HBは水素結合の数であり、
βは定数=1.2である。
修正されたベームスコアリング関数の実行のためには、イオン相互作用からの寄与、ΔGionicを上記水素結合からの寄与と同様の方法で計算する(同じ幾何学依存性が仮定されるため)。
lipo項は方程式5によって計算される:
lipo=ΣILf(rIL)
f(rIL)はすべての脂肪親和性リガンド原子について、1また、すべての脂肪親和性タンパク質原子についてLであり、以下の基準により計算される:
f(rIL)=1(rIL<=R1f(rIL)=(rIL−R1)/(R2−R1)でR2<rIL>R1の場合、
f(rIL)=0(rIL>=R2の場合)。
ここで、R1はr1vdw+rL vdw+0.5および
R2=R1+3.0であり、
r1vdwは、原子1のファンデアワールスの半径であり、
L vdwは、原子Lのファンデアワールスの半径である。
rotはアミノ酸側鎖の回転可能な結合の数であり、非環式のsp3−sp3結合およびsp3−sp2結合の数である。末端CH3またはNH3の回転は考慮に入れない。
最後の項Evdwは方程式6によって計算される:
vdw=ε1ε2((r1 vdw+r2 vdw12/r12−(r1 vdw+r2 vdw6/r6)。
ここでε1とε2は原子同一性に依存する定数であり、
1 vdw+r2 vdwはファンデアワールスの原子半径であり、
rは1対の原子間の距離である。
方程式6に関して、1つの実施形態では、定数ε1とε2はそれぞれ原子ごとに以下の値を与えられる:C:0.245、N:0.283、O:0.316、S:0.316(つまり、炭素、窒素、酸素および硫黄のそれぞれの原子について)。方程式5および6については、ファンデアワールスの半径はそれぞれ原子ごとに以下の値を与えられる:C:1.85、N:1.75、O:1.60、S:2.00Å。
タンパク質リガンド相互作用についての現時点での理解の制約内ではあるが、上記の方程式に現われるすべての所定の値および定数がすべて決定されることは理解されるべきである(特に本願で試みられている計算のタイプについて)。したがって、このスコアリング関数がさらに精緻化された場合には、これらの値および定数を変更することが可能で、したがって、リガンドへのタンパク質の結合エネルギーを評価する項において所望の結果を与える適当な数値を使用してもよく、したがって、本発明の範囲内である。
上記のように、スコアリング関数は、側鎖コンホメーション、原子同一性および原子間の距離のデータベースから抽出されたデータに適用される。本発明を説明する目的のために言えば、このデータベースに含まれるMHCクラスII分子の数は42個のモデルと4つの解決された構造である。本発明の計算方法の構築はモジュール化された性質を有するため、新しいモデルを加えペプチド骨格ライブラリーと側鎖コンホメーション関数を用いて走査するだけで、上記のペプチドスコアリング関数によって処理できる追加のデータセットを作成できることは上記の説明から明らかである。これにより、走査されたMHCクラスII分子のレパートリーを容易に増加させることが可能になり、あるいは、データが入手できる場合には構造および関連データを置き換えて、既存の対立遺伝子のより正確なモデルを作成することができる。
本発明の予想方法は、様々なMHCクラスII分子に対する有する親和性が実験的に測定された多数のペプチドを含むデータセットにより較正できる。計算値を実験値と比較することによって、すべての実験的に測定したT細胞エピトープが正確に予想されることがわかれば有益性の一端を決定できる。
利用可能ないくつかの精巧な方法論と比較して、上記のスコアリング関数は比較的単純であるが、計算が非常に急速に実行される、ということが理解されるべきである。また、目的が、選択されたMHCクラスIIタンパク質の結合溝に収容される各ペプチドについて真の結合エネルギーそれ自身計算するものではないことも理解されるべきである。根本的な目的は、選択されたタンパク質の1次構造(すなわち、アミノ酸配列)に基づいてT細胞エピトープの位置を予想する助けとして相対的な結合エネルギーデータを得ることである。比較的高い結合エネルギー、すなわち選択された閾値以上の結合エネルギーは、リガンド中のT細胞エピトープの存在を示唆するだろう。次いで、リガンドに少なくとも1回のアミノ酸置換を施し、結合エネルギーを再計算すればよい。計算が迅速性を有するため、ペプチド配列のこれらの操作はコストに見合う利用可能なコンピューターハードウェアにおいてプログラムのユーザインターフェース内で対話形式に実行できる。したがって、コンピューターハードウェアへの大きな投資は要求されない。
同じ目的のために他の利用可能なソフトウェアを使用しうることは当業者には明白であろう。特に、タンパク質結合サイト内にリガンドをドッキングさせ得るより精巧なソフトウェアをエネルギー最小化と共に使用してもよい。ドッキングソフトウェアの例は次の通りである:DOCK(Kuntz et al.、J.Mol.Biol.、161:269−288(1982))、LUDI(Boehm, H.J.、J.Comput Aided Mol.Des.、8:623−632(1994))およびFLEXX(Rarey M.、et al.、ISMB、3:300−308(1995))。分子モデリングおよび操作ソフトウェアの例としては:AMBER(Tripos)およびCHARm(Molecular Simulations Inc.)。これらの計算方法の使用は、必要な計算を行うために要求される処理時間の長さにより本発明方法の処理能力を厳しく制限するだろう。しかし、本発明の方法によって「陽性なバインダー」であると判明したペプチドについて結合エネルギーのより正確な計算結果を得るために「第2のスクリーン」として、このような方法を使用し得るというのもあり得ることである。洗練された分子の機械的または分子の動的な計算のための処理時間の制限は、これらの計算を行うソフトウェアの設計およびコンピューターハードウェアの現在の技術制限の両者によって決まる。将来的には、より効率的なコードが書かれ、さらにコンピュータープロセッサー速度の持続的な増加によって、より扱いやすい時間枠内でそのような計算を行うことが実現可能になるかもしれない。巨大分子に適用されるエネルギー関数および折り畳まれたタンパク質構造内で起こる様々な相互作用についての考慮に関するさらに詳しい情報は以下に見られる:Brooks, B.R.,et al.、J.Comput.Chem.、4:187−217(1983)。一般的なタンパク質−リガンド相互作用に関するさらに詳細な情報は以下に見られる:Dauber−Osguthorpe et al.、proteins4(1):31−47(1988)。その内容の全体は言及によって本願に組み入れられる。有用な背景的事項は、例えば以下に見られる:Fasman,G.D.、ed.、Prediction of Protein Structure and the Principles of Protein Conformation、Plenum Press、New York、ISBN:0−306 4313−9。
IFNβ内の免疫原性領域を示し、ナイーブなヒトT細胞を刺激することができるこれらの領域から得たペプチド配列を詳しく示す。 ナイーブなヒトT細胞のin vitroでの増殖を促進することができるIFNβペプチドを示す表を提示する。 経時的T細胞活性化アッセイからの典型的なデータを示す。

Claims (17)

  1. 以下のステップを含む、末梢血単核細胞(PBMC)により、被験タンパク質またはその断片のT細胞エピトープマップを構築する方法:
    (i)被験タンパク質全体または該被験タンパク質のアミノ酸配列を代表するかそれから生成される合成ペプチド、もしくはそれらの断片を用いて、PBMC誘導T細胞とともに合成ペプチドをインキュベートおよび培養することによりin vitroで抗原をプライミングすること;
    (ii)プライミングされたT細胞をサイトカインによって処理し培養すること;
    (iii)自己由来の照射されたPBMCにプライミングされたT細胞を添加し、前記合成ペプチドによって新たにプライミングおよび培養すること;ならびに
    (iv)T細胞増殖アッセイにおけるT細胞応答を予め選択された経時的プロトコルによって測定すること。
  2. T細胞を含むPBMCは、事前に被験タンパク質に暴露されていない多数の異なる健常な個体から単離されるか、その断片またはペプチド抗原である請求項1に記載の方法。
  3. PBMCは、MHCクラスIIのレパートリーの90%以上に相当する十分な免疫学的多様性のドナー個体プールに由来する請求項2に記載の方法。
  4. T細胞を含むPBMCは、被験タンパク質またはその断片に対する確立した免疫反応が存在する個々の患者から単離される請求項1に記載の方法。
  5. 個体がヒトであり、かつ、被験タンパク質がヒトタンパク質である請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 被験タンパク質の全長を、前もって定義した均一のサイズであり選択された領域から少なくとも3個のアミノ酸残基によって構成される合成重複ペプチドについて走査する請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記合成重複ペプチドが9〜15アミノ酸残基を含む請求項6に記載の方法。
  8. 前記合成ペプチドが15アミノ酸残基を含む請求項7に記載の方法。
  9. サイトカインがIL−2である請求項1から8のいずれかに記載の方法。
  10. 経時的プロトコルを実施例3に従って行う請求項1から9のいずれかに記載の方法。
  11. 被験タンパク質が治療タンパク質である請求項1から10のいずれかに記載の方法。
  12. 請求項1から11に記載のいずれかの方法を含むT細胞活性化アッセイ。
  13. 免疫原性の弱いタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドの検出のための請求項12に記載のT細胞活性化アッセイの使用。
  14. 同一の生物学的活性を有する親分子から得た免疫原性が修飾された生体被験タンパク質であって、修飾された分子は前記親分子のそれと異なるアミノ酸配列を有しており、所与の種の免疫系に露出されたときに親分子と比べて縮小された免疫性を示すものを調製する以下のステップ:
    (i)親タンパク質またはその部分のアミノ酸配列を決定すること;
    (ii)1または複数の潜在的なT細胞エピトープを識別すること;
    (iii)本来識別されたT細胞エピトープ配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基の変更によって新しい配列変異体を設計し、前記変異体は、ペプチドのMHCへの結合およびペプチド−MHC複合体のT細胞への結合により決定される、T細胞エピトープ配列の活性もしくは数および/または前記生体分子から誘導されるペプチドに結合し得るMHCアロタイプの数をそれぞれ実質的に縮小するか除去すること;
    (iv)組み換えDNA技術によってそのような配列変異体を構築し、所望の特性を備えた1または複数の変異体を識別するために前記変異体を試験すること、および
    (v)場合によってステップ(ii)〜(iv)を繰り返すこと;
    を含む方法であって、ステップ(ii)によるT細胞エピトープ配列の識別が、請求項1から11のいずれかによる方法を含むことを特徴とする方法。
  15. 識別ステップ(ii)は、さらに、前記サンプリングされたアミノ酸残基セグメントに存在する個々の疎水性アミノ酸残基側鎖に対する割り当てられた値を合計することにより、前記各合成ペプチドセグメントのMHCクラスII分子結合スコアを計算することを計算方法として含み、また、修飾のために前記合成ペプチドセグメントの少なくとも1つを選択することを含む請求項14に記載の方法。
  16. 選択された合成ペプチドは2.0以上の免疫原性刺激指数(SI)を有し、ここでSIは、選択されたペプチドにおいて測定されたT細胞増殖スコアをペプチドで接触させていない細胞において測定されたスコアによって分ることによって得られる請求項15に記載の方法。
  17. 修飾された被験タンパク質は1.8未満の免疫原性刺激指数(SI)を有する請求項14から16のいずれかに記載の方法。
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