JPH11514847A - 糖尿病の処置および予防のための方法 - Google Patents

糖尿病の処置および予防のための方法

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JPH11514847A JP9503998A JP50399897A JPH11514847A JP H11514847 A JPH11514847 A JP H11514847A JP 9503998 A JP9503998 A JP 9503998A JP 50399897 A JP50399897 A JP 50399897A JP H11514847 A JPH11514847 A JP H11514847A
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ロンディ,マルコ
ジー. レスリー,アール.デイビッド
ジェイ. コンロン,ポール
リン,ニコラス
ガウル,アミタブ
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ニューロクライン バイオサイエンシーズ,インコーポレイテッド
ケネディー インスティテュート オブ リューマトロジー
セント バーソロミューズ ホスピタル センター フォー クリニカル リサーチ
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Abstract

(57)【要約】 糖尿病の処置および予防に使用するために、ヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼの65kDのイソ型のペプチドおよびペプチドアナログが提供される。ペプチドアナログは、一般に1〜3個のアミノ酸改変を含む。ペプチドおよびアナログは、糖尿病を診断するため、および糖尿病の素因を検出するために使用され得る。

Description

【発明の詳細な説明】 糖尿病の処置および予防のための方法技術分野 本発明は、一般に、自己免疫疾患に関し、そしてより詳細には、糖尿病の処置 および予防におけるヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼのペプチドおよびペプ チドアナログの使用に関する。発明の背景 免疫系は、通常、それ自体に対する攻撃の開始を妨げられる。なぜなら、自己 は免疫系が保護するように設計されている組織であるからである。このような攻 撃を妨げるために、自己反応性リンパ球は強力な調節機構によってチェックし続 けている。全てではないが、多くの自己反応性T細胞が胸腺内でのネガティブセ レクションによって排除される。ネガティブセレクションの過程は十分には理解 されていないが、MHC抗原に関連して自己ペプチドに対する親和性が高すぎるT 細胞は排除される。逆説的に、次いで、ネガティブセレクションの試練を生き残 ったT細胞は、「ポジティブに選択される」か、または拡大されなければならな い。この拡大は、ネガティブセレクションで見られるよりもある程度(おそらく 、より低い親和性)までT細胞がMHC複合体中の自己ペプチドを認識し得ることを 必要とする。次いで、この過程は、見かけ上終わりのない多数の特異性を有する 免疫系を生じる。 北アメリカにおいて、成人の5%(このうち3分の2を超える者は女性である) が、自己免疫疾患(多発性硬化症、慢性関節リウマチ、若年性糖尿病、全身性エ リテマトーデス、および甲状腺炎を含む)に罹患している。胸腺の選択を逃れた 自己反応性T細胞は、全ての健常な個体に見出される。従って、自己反応性の調 節はまた、胸腺外で作用する機構を通して部分的に維持される。これらの機構は 、制御下で自己反応性リンパ球を維持する他の細胞(すなわち、サプレッサーT 細胞)による、およびクローナルな不応答(アネルギー)による、活発な抑制を含 む。 ここで、自己に反応性である細胞は「アネルギー化」される。アネルギーは、T 細胞への抗原性ペプチドの不適切な提示に関与し、これによって不応答または寛 容が導かれると考えられる。ペプチド親和性は、T細胞をオンまたはオフに切り 替えるかどうかに役割を果たし得る。免疫系が自己組織に対して反応すれば、た とえ潜在的に致死的でないにしても有害な自己免疫が発達する。自己免疫につい ての一般に流布している理論の1つは、遺伝的に自己免疫疾患の素因を有する人 々が、ウイルスまたは細菌のような感染性因子との接触を生じる、というもので ある。感染を制御する過程において、免疫系は、自己抗原に似ている病原体上の 抗原を標的とする。次いで、これらの細胞は自己組織を攻撃し始め、自己免疫を 生じる。 インスリン依存性糖尿病(IDDM)は、最も深刻でそして一般的な代謝障害の1つ である。IDDMは、かつては急性ウイルス感染の結果として生じ得る病気に類似し て急速に進行する病気として考察されたが、実際は、病状発現前の時期が通常数 年の間存在する、慢性の自己免疫過程によって生じる。実際、IDDMの古典的な発 現(高血糖およびケトン症)は、ほとんどのβ細胞が破壊された後の疾患の過程の 後期に生じる。 長年にわたるIDDMを患う患者の膵臓の最も著しい組織学的特徴は、インスリン を分泌するβ細胞をほとんど全て欠くことである。対照的に、グルカゴン(α細 胞)、ソマトスタチン(δ細胞)、または膵臓ポリペプチド(膵臓ポリペプチド細胞 )を分泌する膵島の細胞は保存される。β細胞は正常な島内の細胞の大多数(70% )を構成するので、長年にわたる糖尿病を患う患者の島は異常に小さい。軽度の 間質性線維症および外分泌萎縮を除いて、他の明らかな組織学的異常は存在しな い。 IDDMの発症時またはそのすぐ後に、ほとんどの島はβ細胞において欠損し、ち ようど長年にわたる疾患を患う患者における島のようである。残存する島は、大 きくなった核を有する細胞、種々の数の脱顆粒したβ細胞、および一般にインス リン炎といわれる慢性炎症性浸潤を含む。この炎症性浸潤は、主にCD8細胞、な らびに種々の数のCD4細胞、Bリンパ球、マクロファージ、およびナチュラルキラ ー細胞からなる。島細胞上のHLAクラスI分子の発現は増加し、一方クラスII分 子はβ細胞、マクロファージ、または内皮上で過剰発現され得る。島の血管内皮 上の細胞間接着分子1の発現もまた増加する。この特徴は内皮細胞の接着および 蓄積に有利である。 IDDMであると新たに診断された患者の膵臓におけるインスリン炎を患う島の分 布は、著しく不均一であり得る。1つの膵葉内の島は正常に見えるかもしれない が、一方、隣接する葉内の島は小さいかまたは根深いインスリン炎を有するかも しれない。この変化性は、膵島細胞の異なるインスリン分泌活性を反映し得、最 も代謝的に活性なβ細胞は、優先的に破壊されている。組織学的研究によって、 β細胞の容量における80%の減少が、症候性IDDMを誘導するために必要とされる ことが示唆される。島の再生の組織学的証拠はまれであるが、いく人かのIDDMの 若い患者の膵臓で見出される。 糖尿病は、膵臓のインスリン産生性β細胞の自己免疫的破壊、そしてその後の 代謝の混乱から生じる。インスリン療法はほとんどの患者を活発な生活に導くの を可能にするが、この置換は、正常な代謝的ホメオスタシスを復活させないので 、不完全である。代謝異常は、その後の普通の合併症(これは、網膜症、白内障 形成、腎症、および心臓病を含む)の発症において重要であると考えられる。 IDDM自己免疫の開始因子は知られていないが、これは、膵島内のインスリン分 泌性B細胞に存在する自己抗原に対する免疫寛容の欠損を最終的に誘発する。ID DMは無徴候期から始まり、これはβ島細胞を選択的に破壊する白血球(Tリンパ 球、Bリンパ球、およびマクロファージを含む)によって媒介される島の慢性炎 症性浸潤によって特徴づけられる。 β細胞に対する自己免疫は、2つの過程の1つによって開始され得る。β細胞 タンパク質とアミノ酸配列を共有するウイルスタンパク質に対する免疫応答は、 β細胞上の自己タンパク質と反応する抗ウイルス性細胞傷害性CD8リンパ球の出 現を生じ得る。あるいは、環境的傷害(向β細胞性ウイルスでの感染またはβ細 胞スーパー抗原の発現)は、サイトカインおよび膵島の血管内皮中の接着分子の 発現を誘導する他の炎症性メディエーターを生じ得る。内皮細胞の活性化は、循 環している白血球の接着および血管外遊出の増加、ならびにリンパ球に対するマ クロファージの浸潤によって損傷を受けたβ細胞からのβ細胞抗原の提示を可能 にする。 いずれの場合も、自己免疫過程は、損傷を受けたβ細胞から放出された抗原と 反応するリンパ球が炎症部位に補充されるとすぐに増強される。IDDMに対する遺 伝的感受性は、β細胞自己抗原に対する末梢寛容の確立における生来の欠損を含 む。炎症性の島からの炎症性サイトカインの持続的な放出は、β細胞上のHLAク ラスI分子の過剰発現を生じ得、さらにそれらの破壊を強化し得る。自己免疫過 程が進行するにつれて、免疫学的破壊の種々のエフェクター機構がβ細胞の排除 を生じる。 自己免疫疾患におけるT細胞活性化の段階は、正常な免疫調節と決して異なら ない。活性化における第1段階(シグナル1)は、3成分複合体の成分(T細胞レ セプター、MHC遺伝子産物、およびわずかなペプチド抗原)間の相互作用を必要と する。第2段階(シグナル2)はまだ明らかでないが、抗原提示細胞の表面のサイ トカインまたはアクセサリー分子のいずれかに関連し得る(例えば、CD28リガン ド)。T細胞がシグナル1のみを受ける場合、不応答またはアネルギーが生じる 。T細胞が抗原とどのように応答するかを知ることによって、応答の調節を可能 にし、その結果、免疫系がペプチドに対してよりよく応答し得る。逆に、自己ペ プチドの認識を変化させることは、自己免疫疾患を管理するのに有用な治療であ り得る。発明の要旨 本発明は、糖尿病の処置および予防において使用するための、ヒトグルタミン 酸デカルボキシラーゼの65kDのイソ型のペプチドおよびペプチドアナログを提供 する。より詳細には、1つの局面において、ペプチドは、ヒトGADの65kDのイソ 型の残基521〜535から選択される7〜15アミノ酸からなる。 関連する局面において、ヒトGADの65kDのイソ型の残基521〜535から選択され る少なくとも7つのアミノ酸を含むペプチドアナログが提供される。ここで、52 1〜535に対応する残基由来の少なくとも1つのアミノ酸は、天然のタンパク質中 のその部位に存在するアミノ酸以外のアミノ酸に改変される。特定の実施態様に おいて、アミノ酸は、アルギニン、アスパラギン、ヒスチジン、ロイシン、セリ ン、グリシン、グルタミン酸、フェニルアラニン、およびアラニンからなる群よ り選択されるアミノ酸に改変される。関連する実施態様において、N末端アミノ 酸またはペプチドアナログのN末端アミノ酸およびC末端アミノ酸の両方は、D -アミノ酸である。 別の関連する局面において、ヒトGADの65kDのイソ型の残基521〜535から選択 される少なくとも7つのアミノ酸を含むペプチドアナログが提供される。ここで 、525位のアルギニン、528位のリジン、531位のプロリン、および534位のリジン からなる群より選択される1〜3のL-アミノ酸は、天然のタンパク質中のその位 置に存在するアミノ酸以外のアミノ酸に改変される。 本発明の他の局面において、ヒトGADの65kDのイソ型の残基(a)173〜187、(b)1 77〜191、(c)193〜207、(d)201〜215、(e)213〜227、(f)493〜507、(g)505〜519 、(h)525〜539、(i)533〜547、および(J)537〜551から選択される少なくとも7 つのアミノ酸を含む一連のペプチドアナログが提供される。ここで、上記で確認 した部分に対応する残基に由来する少なくとも1つのアミノ酸は、天然のタンパ ク質中のその位置に存在するアミノ酸以外のアミノ酸に改変される。 ペプチドアナログ内のいくつかのアミノ酸が改変され得るが、一般に1〜5の いずれかの改変が好ましいこともまた、当業者に理解される。この点に関して、 MHC接触部位に対応する残基を維持することもまた、一般に好ましい。例えば、 ヒトGADの65kDのイソ型の残基521〜535から選択されるアミノ酸を含むペプチド アナログ内では、一般に、523、526、529、532、および533位に対応するアミノ 酸残基を維持することが好ましい。 本発明のさらなる局面では、生理学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤と組 み合わせて、本明細書中で記載されたようなペプチドアナログを含む薬学的組成 物が提供される。さらに、関連する局面において、患者に治療有効量のこのよう な薬学的組成物を投与する工程を包含する、糖尿病の処置方法が提供される。 本発明のなお他の局面において、糖尿病の検出方法が提供される。この方法は 、(a)患者由来の生物学的サンプルの一部を、本明細書中に記載のように第1の ペプチドまたはペプチドアナログと接触させる工程;(b)この生物学的サンプル の別の部分を、ヒトGADの65kDのイソ型の残基161〜175から選択される7〜15の ア ミノ酸を含む第2のペプチドと接触させる工程;および(c)第1のペプチドおよ び第2のペプチドに対する応答を検出し、それによって患者が糖尿病を有するか 否かを決定する工程、を包含する。関連する局面において、糖尿病に対する素因 を検出するための方法が提供される。この方法は、(a)糖尿病を発症する危険性 のある個体由来の生物学的サンプルを、ヒトGADの65kDのイソ型の残基161〜175 から選択される7〜15のアミノ酸を含むペプチドと接触させる工程;(b)工程(a) 由来のペプチドに対する応答を検出する工程;(c)この個体由来の第2の生物学 的サンプルを、ヒトGADの65kDのイソ型の残基161〜175から選択される7〜15の アミノ酸を含むペプチドと、免疫応答を成熟させる工程(a)を十分に行なった後 の時点で接触させる工程;(d)工程(c)由来のペプチドに対する応答を検出する工 程;および(e)工程(b)および(d)から得られた値を比較して、それによって糖尿 病に対する素因を決定する工程、を包含する。 本発明のこれらおよび他の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照 にして明らかになる。さらに、種々の参考文献を以下に記載し、これはより詳細 に特定の手順または組成を記載する。これらの参考文献の各々は、個々に援用に ついて記載されたかのように、その全体が参考として本明細書中で援用される。図面の簡単な説明 図1Aおよび図1Bは、ヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼの65kDのイソ型に対 するDNA配列および推定のアミノ酸配列を示す。 図2は、GAD65の様々な領域に対応するペプチドに対するT細胞の増殖性応答 を示すグラフである。5〜7人の1型糖尿病患者(黒い棒)および4〜5人の健康な コントロール(平行線の棒)におけるペプチド(5μg/ml)に対する応答を、応答 者数(y軸)によって表している。バックグラウンドのカウント値は通常600〜3 000cpmの間であり、一方陽性のウェルはバックグラウンドカウント値に対してそ れぞれ1500および6000cpmを超えなければならなかった。 図3は、IDDM患者由来のT細胞クローンのGAD521-535に対する増殖性応答を示 すグラフである。1型糖尿病患者由来の4つのクローンはGAD65のペプチド521-5 35(10μg/ml)に応答した。すべてのクローンが2より大きい刺激指数を有する 応答を示した;カウント値は1000cpmを超え、そして3連のサンプルの標準偏差 は<15%であった。条件としては、T細胞のみ(黒い棒)、抗原提示細胞を含む T細胞(点刻の棒)、または抗原提示細胞を含むT細胞およびGAD521-535を含む 。 図4は、IDDM患者または正常なコントロール由来のヒトT細胞の、GAD65の様 々な領域に対する増殖性応答を示すグラフである。結果は、残基数によって規定 される免疫優性領域に応答する被検体のパーセンテージとして表されている。領 域473-555について患者とコントロールとの間に有意差が観察された。発明の詳細な説明 本発明を説明する前に、以下で用いられる特定の用語の定義を説明することは 、本発明を理解する上で役に立ち得る。 グルタミン酸デカルボキシラーゼ(「GAD」)とは、膵臓のβ細胞および中枢 神経系のニューロンにおいて発現する酵素をいう。GADには2つのイソ型、「GAD 65」および「GAD67」がある。本明細書中では「GAD65」は「ヒトグルタミン酸デ カルボキシラーゼの65kDのイソ型」とも呼ばれる。ヒトGAD65のヌクレオチド配 列および推定のアミノ酸配列は図1に示されている(配列番号 および ) 。図1には示していないが、異なるスプライシングまたは翻訳後修飾によって生 成されるヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼの異なる分子形態もまた本発明の 範囲に含まれる。 GADの「ペプチドアナログ」は少なくとも7個のアミノ酸長を有し、そしてア ナログと天然のヒトGADとの間にアミノ酸配列に少なくとも1つの相違を含む。 他に記載のない限り、示されるアミノ酸はL型をいう。天然のペプチド由来のL アミノ酸は、タンパク質内に通常見い出される20個のLアミノ酸のうちの他のい ずれかのアミノ酸、対応するDアミノ酸、4-ヒドロキシプロリンおよびヒドロキ シリジンのような希なアミノ酸、またはβアラニンおよびホモセリンのような非 タンパク質アミノ酸のいずれかに改変され得る。メチル化(例えば、αメチルバ リン)、エチルアミン、エタノールアミン、およびエチレンジアミンのようなア ルキルアミンによるC末端アミノ酸のアミド化、ならびにアミノ酸側鎖官能基の アシル化またはメチル化(例えば、リジンのイプシロンアミノ基のアシル化)の ような化学的手段によって改変されたアミノ酸もまた本発明の範囲に含まれる。 「残基522」、「残基525」「残基528」、「残基531」、および「残基534」( それぞれ522位、525位、528位、531位、および534位とも呼ばれる)は、図1に 示したようなヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼのアミノ酸522、525、528、5 31、および534、または相対的な位置のアミノ酸をいう。より詳細には、これら の残基の番号付けシステムは、ペプチドの長さまたはこのペプチド内のアミノ酸 の位置に関係なく、天然のヒトタンパク質内のアミノ酸の位置に関連する。 自己免疫の研究の主要な焦点は、自己反応性T細胞によって認識される疾患に 関連する自己抗原上の優性エピトープの同定である。1型糖尿病患者において、 抗原GAD65の免疫優性領域が同定されている(Lohmannら、Lancet 343:1607-08, 1994;Atkinsonら、J.Clin.Invest.94:2125-2129,1994)。本発明では、1 型糖尿病患者内の免疫優性領域の詳細なT細胞エピトープマッピングを行った。 解読のためにGAD65の2つの領域が選択され、これらは、1型糖尿病患者(アミ ノ酸残基473-555および161-243)ならびにコントロール被検体(アミノ酸残基16 1-243)の両方で高い頻度のT細胞応答に関連する領域を表す(図2および図4 )。領域473-555に応答する9人の糖尿病患者を選択して、この領域をカバーす る18個の単一ペプチドに対するそれらの応答をさらに研究した。7個のペプチド に対してのみT細胞反応性が認められた。試験を行った患者のほぼ半数がペプチ ド521-535に応答したが、コントロールはいずれも応答しなかった(図2)。GAD 65のペプチド521-535に対するT細胞反応性は遺伝学的には決定されないようで ある。何故なら、このペプチドに応答する2人の1型糖尿病患者の一卵性双生児 の糖尿病ではない相手(non-diabetic identical co-twins)は彼ら自身応答しな かったからである。優勢に糖尿病患者でT細胞反応性を示した他の領域としては 、525-539、533-547、および537-551(図2)が挙げられる。ペプチドマッピン グデータを、応答性の個体内の選択されたペプチド、例えばペプチド521-535お よび505-519に特異的なT細胞クローンを確立することによって確認した。 I型糖尿病はHLA DQβ1*0302対立遺伝子と関連する(NepomおよびErlich、Ann .Rev.Immunol.9:493-525,1991)。ヒトDQβ1*0302遺伝子を発現するトラン スジェニックNODマウスが構築された。これらのマウス由来のT細胞は、ペプチ ド493-507および505-519によって、ならびにGAD65の天然のタンパク質によって 刺激され増殖する。従って、これらのペプチドは、DQβ1*0302の状況においてT 細胞によって認識され、そして本発明で使用するのに適したさらなるペプチドで ある。 目的の別の領域であるペプチド161〜243は、1型糖尿病患者およびコントロー ルの両方と同様の割合で免疫優性であった。領域161〜243を、この領域内の同じ エピトープが糖尿病患者およびコントロールにより認識されるかどうかを明らか にするために、解読した。この領域のエピトープマッピングにより、この領域を 解読するのに用いられたペプチドのどれも、患者およびコントロールの両者によ り認識されなかったことが示された。ペプチド173〜187、177〜191、193〜207、 201〜215、および213〜227は、1型糖尿病患者(図2)によってのみ認識された 。しかし、ペプチド173〜187に対するT細胞応答は、単に糖尿病を患っているこ とに関係しただけではなかった。なぜなら、ペプチド応答者であった2人の糖尿 病患者の糖尿病を患っていない一卵性双生児の相手由来のT細胞もまたこのペプ チドに応答したからである。もし遺伝的要因がペプチド173〜187に対する反応性 を排他的に決定したのなら、一卵性双生児は、糖尿病であろうとなかろうと、同 様のペプチド反応性を示すはずである。研究された双生児は、ペプチド173〜187 および177〜191に対して同様の応答性を示した。このことは、厳密な遺伝的効果 と一貫している。 環境的要因は、エピトープ認識のプロファイルを調節し得る。例えば、免疫化 の後は、他の分子に対して、および特定の分子内の両方にエピトープ認識は広が る(Lohmannら、Immunol Today、14: 203-206、1993)。さらに、トランスジェ ニック動物の研究により、利用可能な抗原の量により調節される二次優性(subdo minant)T細胞レパートリーの存在が証明された(Cabaniolsら、EUr.J.Immuno l.24:743-1749、1994)。これらの二次優性または隠れた(すなわち、通常は認 識に利用可能ではない)エピトープは、自己免疫の発達において、重要であり得 る(Sercarzら、Ann.Rev.Immunol.11:729-766)。環境的要因は、エピトープ 認識のプロファイルを調節し得る。例えば、ペプチド161〜175は、2人のコント ロール被験体により認識されたが、糖尿病患者の誰にも認識されなかった。糖 尿病を患った一卵性双生児由来のT細胞もまた、このペプチドを認識できなかっ たが、彼らの糖尿病を患っていない双生児の相手は、このペプチドに応答した。 従って、521〜535のようないくつかのペプチドに対する反応性は、疾患と特異的 に関連しているが、161〜175のような他のペプチドは、1型糖尿病を患っていな い被験体によってのみ認識される。従って、1型糖尿病患者とコントロールとの 間の異なる反応性は、糖尿病の素因を検出する方法の中で用いられ得る。 本明細書中に記載されているペプチドは、IDDM患者もしくはIDDMを発症する素 因のある個体由来の病原性T細胞と特異的に相互作用し、そして機能的にそれら の細胞を不活性化するアナログを開発するのに利用され得る。通常、ペプチドは 、鍵となるアンカーまたは接触残基によるMHCへの結合を介して、免疫システム により認識されるが、このペプチド内の他のアミノ酸が、T細胞による認識には 必須である(T細胞接触部位)。本明細書中に記載されているように、非常に重 要な残基を選択的に変化させることによる天然のペプチドの改変(改変されたペ プチドリガンドすなわち「APL」)は、抗原特異的な自己反応性T細胞の非反応 性を誘導し得るか、またはその応答性を変化し得る。ペプチドリガンドを改変す る方法の作用のメカニズムは、T細胞レセプター(TCR)の不完全な動員を含み 得る。APLが誘導し得る、可能な機能的改変はいくつかある。これらには: (a)単純なアンタゴニスト−APLは、抗原提示細胞上の天然のペプチドと、M HC結合について競合し得るのみであり、そしてT細胞の完全な活性化を可能にす るわけではない。このことは、APLによりT細胞レセプターを通して伝達される シグナルはないことを暗示している。 (b)アネルギー−APLは、T細胞が天然のペプチドに応答しなくなるように 、完全な非応答性状態をT細胞において誘導し得る。 (c)表現型の切り替え−APLは、前炎症性(proinflammatory)サイトカインの 生成を減少させるように、T細胞において機能的な切り替えを誘導し得、および /または、IL-4またはIL-10のような非炎症性サイトカインの生成を増加させ得 る。グルタミン酸デカルボキシラーゼのペプチドアナログ 上記のように、本発明は、例えば、ヒトGADの残基521〜535から選択 され、そして天然に存在するアミノ酸の他のアミノ酸への改変を含む、少なくと も7個のアミノ酸を有するペプチドアナログを提供する。ペプチドアナログは、 好ましくは、7〜20アミノ酸であり、そして通常は25アミノ酸以下である。 特に好ましいペプチドアナログは、15アミノ酸の長さである。任意のアミノ酸 の改変体が本発明の範囲内である。好ましいペプチドアナログは、L−アミノ酸 の以下のアミノ酸:D−リジン、アラニン、グリシン、グルタミン酸、フェニル アラニン、アルギニン、アスパラギン、ヒスチジン、ロイシン、またはセリンの うちの任意の1つへの改変を含む。これらのアミノ酸は、保存的アミノ酸(類似 の電荷、極性、疎水性、および大きさ)および非保存的アミノ酸の両方を含む。 代表的には、非保存的アミノ酸の改変体のみが治療効果を提供すると予想され得 るが、意外にも保存的変化(例えば、アルギニン)でさえ、天然のペプチドと比 較して、ペプチドアナログの機能に大きな影響を与える。このような置換の多様 性は、上記の好ましいアミノ酸が疎水性および親水性、荷電および非荷電、なら びに極性および非極性であるという事実によりさらに示される。 ペプチドおよびペプチドアナログは、自動化された手順による合成を含む、標 準的な化学的技術によって合成され得る。一般に、ペプチドアナログは、固相ペ プチド合成法によって調製される。この合成法には、ジシクロヘキシルカルボジ イミドを用いた活性化によって、保護されたアミノ酸残基のそれぞれを、樹脂支 持体(好ましくは、4−メチル−ベンズヒドリルアミン樹脂)にカップリングさ せ、C末端アミドを有するペプチドを得る工程を包含する。あるいは、クロロメ チル樹脂(メリフィールド樹脂)を用いて、C末端に遊離のカルボン酸を有する ペプチドを得ることができる。側鎖官能基は、例えば、以下のように保護される :セリン、スレオニン、グルタミン酸、およびアスパラギン酸に対してはベンジ ル基;ヒスチジンおよびアルギニンに対してはトシル基;リジンに対しては2− クロロベンジルオキシカルボニル基、およびチロシンに対しては2,6−ジクロ ロベンジル基。カップリング後、加えたアミノ酸のαアミノ官能基におけるt− ブチルオキシカルボニル保護基をトリフルオロ酢酸で処理し、続いてジ−イソプ ロピル−エチルアミンで中和することにより除去する。次いで、次の保護残基 を遊離アミノ基にカップリングさせ、ペプチド鎖を延長する。最後の残基を結合 させた後、保護されたペプチド樹脂をフッ化水素で処理してペプチドを樹脂から 切断し、そして側鎖官能基を脱保護する。粗生成物を、ゲル濾過、HPLC、分 配クロマトグラフィー、またはイオン交換クロマトグラフィーによりさらに精製 し得る。 本発明のペプチドアナログは、(a)対応する天然のGADペプチドとMHC への結合を競合し;そして(b)対応する天然のペプチド特異的T細胞の増殖を 引き起こさないべきである。 従って、候補ペプチドアナログは、(1)MHCへの競合結合を測定するアッ セイ、および(2)T細胞増殖を測定するアッセイによって糖尿病を処置するそ れらの能力がスクリーニングされ得る。天然のペプチドの結合を阻害し、そして GAD反応性T細胞の増殖を刺激しないアナログは、治療に有用である。 MHC分子へのペプチドの結合が全細胞においてアッセイされ得る。簡潔には 、適切なクラス11分子を発現するエプスタイン−バーウイルス(EBV)で形 質転換されたヒトの抹消血が、アッセイに使用される。細胞へのペプチドアナロ グの結合は、蛍光アッセイによって測定される。このアッセイにおいて、EBV −形質転換B細胞を異なる濃度のペプチドアナログと混合し、そしてCO2イン キュベーター中37℃で1時間インキュベートする。インキュベーション後、対 応する天然のGADペプチドをビオチン標識し、そして培養ウェルに加える。細 胞をさらに1時間インキュベートし、次いで培地で3回洗浄する。フィコエリト リン結合ストレプトアビジンまたはフルオレセイン結合ストレプトアビジンを添 加し、そして細胞を氷上で約30分間インキュベートする。インキュベーション 後、フローサイトメトリーで分析する前に細胞を2回洗浄する。ビオチン標識し たGADペプチドおよびフィコエリトリンーストレプトアビジンから得た蛍光値 (実験染色)から、フィコエリトリン−ストレプトアビジンのみで染色した細胞 から得た蛍光値(コントロール染色)を減算することによって、蛍光強度を計算 する。アナログを用いない染色は、100%の値を確立する。阻害パーセントを 各アナログについて計算し、そしてIC50値として表す。100μM未満のIC50 を有するペプチドアナログは、さらなるスクリーニングのために適切である。 候補ペプチドアナログを、T細胞の増殖を刺激または阻害するそれらの特性に ついてさらに試験する。2つの異なるアッセイが代替法として用いられ得る。1 番目に、T細胞の増殖を引き起こすアナログの能力を直接的な様式で測定する。 2番目のアッセイは、天然のGADペプチドによって誘導されるT細胞の増殖を 阻害するペプチドアナログの能力を測定する。 直接的な増殖アッセイにおいて、対応する天然のGADペプチド反応性T細胞 は標的細胞として用いられる。T細胞クローンを、丸底マイクロタイターウェル 中で3連で3日間の増殖を3連で試験した。各クローンの10,000個のT細 胞を一度洗浄し、そして2〜3×104照射(4500rad)した自己由来のPB MCまたは照射(16,000rad)したエプスタイン−バーウイルス(EBV )で形質転換されたB細胞に、10μg/mlの適切なペプチドと共に添加した 。収穫およびカウントする前の最後の6時間に、0.5μCi[3H]−チミジンを 添加した。刺激指数(SI)を(T細胞、APCおよび抗原を有する全cpm/ T細胞およびAPCのみを有するcpm)として計算した。 2番目または別のアッセイは、T細胞増殖についての競合アッセイである。こ のアッセイにおいて、抗原提示細胞(例えば、EBV形質転換B細胞)を最初に 照射し、次いで、対応する天然のGADペプチドとともに2〜4時間インキュベ ートする。次いで、これらの細胞を洗浄し、そしてGADペプチドに反応性であ るT細胞とともにさらに培養する。種々の濃度の候補ペプチドアナログをさらに 3日間培養物に含ませる。このインキュベーション期間の後、各培養物に1μC iの[3H]−チミジンをさらに12〜18時間パルスする。次いで培養物をファイ バーグラスフィルター上に回収し、そして上記のように計数する。平均のCPM および平均の標準誤差を3連の培養物において決定したデータから計算する。増 殖を50μM以上の濃度で約25%に阻害するペプチドアナログは、さらなるス クリーニングに適切である。 GADのMHCへの結合について競合し、そしてT細胞の増殖を直接引き起こ さず、そして/または対応する天然のGADペプチドによる増殖を阻害し得る候 補ペプチドが、本明細書中に記載するように用いられ得る。糖尿病の処置 上記のように、本発明は、本明細書中に記載のように、治療的に効果的な量の ヒトGADのペプチドアナログを患者に投与することによって糖尿病を処置するた めの方法を提供する。そのような処置に適した患者は、National Diabetes Data Group(Gleichmanら、Diabetes 38:578-584、1987)によって規定されるIDDMの診 断を確立する基準によって同定され得る。 糖尿病の効果的な処置は、いくつかの異なる手段において試験され得る。以下 の基準のいずれかを満たすことによって効果的な処置が明示される。主に使用す る基準は(a)外因性インシュリンの要求の減少、(b)内因性インシュリンの産生 の増大、および(c)血漿グルコースレベルの標準化である。 IDDMを発症する危険性のある個体、従って本明細書に記載の予防的処置の候補 者は、その遺伝子型が糖尿病およびIDDM患者の親族と正に相関する(例えば、HLA -DR1,DR3、DR4、DQ1,DQ2、DQ6、およびDQ8)。これらの個体はまた、インスリ ン、島細胞抗原、およびGADのような種々の自己抗原に対する自己反応性(auto-r eactive)抗体の存在によって同定され得る。 予防の状況におけるペプチドアナログの効力は、以下の基準に基づいて判断さ れる:限界希釈(limiting dilution)によって決定されるGAD反応性T細胞の頻 度、GAD反応性T細胞株およびクローンの増殖応答、患者から確立されたGADに対 するT細胞株およびクローンのサイトカインプロフィール。効力は、反応性細胞 の頻度の低下、天然のペプチドと比較した場合の改変したペプチドのチミジンの 取り込みの減少、ならびにTNFおよびIFN-γの減少によって確立される。 本発明のペプチドアナログは、単独で、または薬学的組成物としてのいずれか で投与され得る。簡潔には、本発明の薬学的組成物は、1つ以上の薬学的または 生理学的に受容可能なキャリア、希釈剤、または賦形剤と組み合わせて、本明細 書に記載する1つ以上のペプチドアナログを含み得る。このような組成物は、中 性の緩衝化生理食塩水、リン酸緩衝化生理食塩水のような緩衝液、グルコース、 マンノース、スクロース、またはデキストランのような炭水化物、マンニトール 、タンパク質、ポリペプチド、またはグリシンのようなアミノ酸、抗酸化剤、ED TAまたはグルタチオンのようなキレート剤、アジュバント(例えば、水酸化アル ミ ニウム)、および防腐剤を含み得る。さらに、本発明の薬学的組成物はまた、例 えば免疫抑制剤のような1つ以上のさらなる有効成分を含み得る。 本発明の組成物は、例えば、経口、鼻、静脈、頭蓋内、腹腔内、皮下、または 筋肉内投与を含む記載する投与様式のために処方され得る。本発明の他の実施態 様において、本明細書に記載の組成物は、持続性放出移植物の一部として投与さ れ得る。なお別の実施態様において、本発明の組成物は、凍結乾燥剤としての安 定性を提供する適切な賦形剤を用いて、凍結乾燥剤として処方され、その後、水 和され得る。 本発明の薬学的組成物は、処置(または予防)されるべき疾患に適切な様式で投 与され得る。投与の量および頻度は、患者の症状、ならびに患者の疾患の型およ び重篤度のような要素によって決定される。本発明の特に好ましい実施態様にお いては、本明細書中に記載のペプチドアナログまたは薬学的組成物は、5〜50mg /kgの用量の範囲で投与され得るが、適切な用量は臨床試験によって決定され得 る。血中グルコースレベルおよび/またはグルタミン酸デカルボキシラーゼに対 する自己抗体のレベルにおける減少をモニターすることによって、治療的有効性 について患者をモニターし得る。 以下の実施例を、限定のためではなく例示のために提示する。 実施例 実施例1 GAD65 ペプチドの生成 GAD65を完全にカバーする11残基がオーバーラップしている一連の15マーを、 マルチピン法(Reeceら、J.Immunol.151: 6175-6184、1993)によって合成し た。ペプチドを、40%アセトニトリル(HPLC等級)/水中、0.05M HEPES pH7.5〜7. 6中にて切断し、代表的なペプチドの純度をHPLCを用いて>80%であると評価し た。 実施例2 GAD ペプチドアナログの調製 固相方法論により、ペプチド合成機(Beckman model 990)でペプチドを合成 した。p-メチルベンズヒドリルアミン樹脂(MBHA樹脂)を用いて、アミド化され たカルボキシル末端を有するペプチドを調製した。遊離のカルボキシル末端を有 するペプチドについては、適切に保護されたアミノ酸と結合したMerrifield樹脂 を用いた。両樹脂は、Bachem Fine Chemicals(Torrance、CA)から入手した。 合成に用いた誘導体化アミノ酸(Bachem Fine Chemicals)は、他に特定しない 限りL-配置を有しており、そしてN-α-アミノ官能基はt-ブチルオキシカルボニ ル基によってのみ保護されていた。側鎖官能基は保護されていた。例えば:セリ ン、スレオニン、グルタミン酸、およびアスパラギン酸についてはベンジル;ヒ スチジンおよびアルギニンについてはトシル;リジンについては2-クロロベンジ ルオキシカルボニル、およびチロシンについては2,6-ジクロロベンジルであった 。Lingら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA81: 4302、1984)に従い、カルボキシル 末端アミノ酸のMBHA樹脂に対する結合を、ジシクロヘキシルカルボジイミドを用 いて行い、その後のアミノ酸は、ジシクロヘキシルカルボジイミドと結合した。 最後のアミノ酸を組み込んだ後、t-ブチルオキシカルボニル保護基を除去し、そ してペプチド−樹脂結合体を、樹脂結合体1グラムあたりの混合物14mlのフッ化 水素酸(HF)1.4mlのアニソール、および0.28mlのメチルエチルスルフィドで、 −20℃にて0.5時間、そして0℃にて0.5時間処理した。HFを0℃にて真空で除去 し、そして得られたペプチドおよび樹脂混合物を、ジエチルエーテルで2回、そ してクロロホルムおよびジエチルエーテルで交互に2回洗浄した。ペプチドを2 M酢酸で5回抽出し、抽出物を凍結乾燥した。凍結乾燥した産物をまず、30%酢 酸中で発展させたSephadex G-25 fineカラム(Pharmacia-LKB、Piscataway、NJ )で精製して、短縮されたフラグメントおよび無機塩を除去した(Lingら、1984 )。次に、CM-32カルボシキメチルセルロースカチオン交換クロマトグラフィー (Lingら、1984)によってペプチドをさらに精製した。Sephadex G-25 fine上に おけるパーティションクロマトグラフィー(Lingら、1984)によって、最終精製 を達成した。合成産物をアミノ酸分析、質量分光分析、および逆相HPLCによって 特徴付けた。 実施例3 長期ヒトT細胞株 GADペプチド特異的T細胞クローンの樹立。1人の健常者PS(表1中のコント ロールA1)、および2人の1型糖尿病患者SKおよびST(表1中の1型患者B1およ びB6)から、ペプチド特異的クローンを生成した。ペプチドを用いて、4〜5日 間PBMC(5×106)を刺激した。PMBCをさらに、インターロイキン2(IL-2、20n g/ml)の存在下で5日間(RPMI 1640/10%ヒト血清)培養した。次いで、細胞を 0.3細胞/ウェルで96ウェルプレート(Nunc)に入れ、照射された(4500 rad=4 5 Gy)、異種抹消血単核細胞(PBMC、1×106細胞/ml)、35ng/ml抗CD3モノク ローナル抗体(OKT3、ATCC,Maryland)および20ng/ml IL-2(Hoffmann-La Roch e、Nutley、NJ)によって刺激した。OKT3、IL-2および、照射された異種PBMCを 用いて1〜2週間毎に再刺激することにより、全てのクローンのさらなる拡張お よび維持を達成した。サイクルの最後、かつIL2への最後の曝露の最低5日後に 、アッセイを行った。丸底マイクロタイターウェルでの増殖アッセイにて、クロ ーンを3連で試験した(図3)。各クローンのT細胞(1×103)を1回洗浄し 、2〜3×104個の照射された(4500 rad)自己PBMCまたは照射された(16,000 rad)Epstein-Barrウィルス(EBV)形質転換B細胞(後述)に、10μg/mlの適切 なペプチドとともに添加した。採取および計測前の最後の6時間の間に、0.5μC l[3H]-チミジンを添加した。刺激指数(SI)を、(T細胞、APC(抗原提示細胞 )、および抗原での総cpm/T細胞およびAPCのみでのcpm)として計算した。試 験した全ての4つのクローンは、GAD65のペプチド521〜535に応答した(図3) 。 実施例4 抗原特異的ヒトT細胞株増殖アッセイ 増殖アッセイ。増殖アッセイを、20μl/ウェルの最終容量中に1ウェルあ たり2×105細胞を用いて、96ウェル丸底プレート(Nunc,Roskilde,Denma rk)で行った。破傷風毒素(TT)、フィトヘマグルチニン(PHA,Difco,E ast Molesey,UK)、および1組の免疫優性破傷風毒素ペプチド(Reeceら、J.I mmunol.115: 6175-6184,1993)を、ポジティブコントロールとして使用した。 各ペプチドプール(GAD−またはTT−ペプチド)に16ウェル、32ネガテ ィブコントロールウェル、および両方のポジティブコントロール(PHAおよび TT)に8ウェルを使用した。あるいは、7日間のアッセイでは、1ペプチドあ たり12ウェル、24ネガティブコントロールウェル、および1ポジティブコン トロールあたり3ウェルをプレーティングした。培養物を、37℃、5%CO2 雰囲気で、4日または7日間インキュベートした。最後の6時間、1ウェルあた り0.5μCiの[3H]−チミジン(Amersham,Little Chalfont,UK)を添加し 、その後、回収しそしてベータプレートカウンター(Wallac,Turku,Finland) を使用してシンチレーション計数した。 本発明者らの研究によると、正常と比較して、分子のどの領域がIDDM T 細胞によって認識されるかに差異があるということが示された。正常な人および IDDM患者両方のT細胞によって認識されたGADの免疫優性領域が、分子の 中心を指向した一方で(例えば、残基161-243)、領域473-555は、IDDM患者 からのT細胞によってしか認識されなかった。図2に示すように、1型糖尿病患 者は、ペプチド173-187(3/7)、177-191(2/7)、193-207(2/7)、201-215(1/7)、21 3-227(1/7)、521-535(3/7)、525-539(1/7)、および537-551(1/7)にのみ応答した 。別のペプチド533-547は、コントロールの1つと比較して、糖尿病患者由来の T細胞7つのうち3つを刺激した。さらに、2人の非糖尿病の双生児の相手は、 ペプチド521-535に対して応答しなかったが、彼らの糖尿病の双生児は、このペ プチドに実際応答した。さらに、先に示すように、161-175領域に対する応答は 、非糖尿病にのみ見られた(データ示さず)。GAD521-535に特異的なT細胞 クローンは、IDDM患者および図3に示すこの患者のペプチドに対する応答か ら確立された。 本発明の具体的な実施態様が、例示を目的として、本明細書中で記載されてい るが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な改変がなされ得る ということが、前述の内容から理解される。従って、本発明は、添付の請求の範 囲によって以外は制限されない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07K 7/08 G01N 33/53 D G01N 33/53 33/573 B 33/573 A61K 37/56 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,DE, DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,IL,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,UZ,VN (71)出願人 セント バーソロミューズ ホスピタル センター フォー クリニカル リサーチ イギリス国 イーシー1エイ 7ビーイー ロンドン,バーソロミュー クローズ ウエスト スミスフィールド 59,ドミニ オン ハウス (72)発明者 ロンディ,マルコ イギリス国 ダブリュー4 2エルユー ロンドン,チッスウィック ハイ ロー ド,プレベンド マンションズ 3 (72)発明者 レスリー,アール.デイビッド ジー. イギリス国 エスダブリュー3 5エルエ イ ロンドン,ブラメルトン ストリート 24 (72)発明者 コンロン,ポール ジェイ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 92075, ソラナビーチ,サンタ ドミンガ 450 (72)発明者 リン,ニコラス アメリカ合衆国 カリフォルニア 92121, サンディエゴ,ボローチ ストリート 5324 (72)発明者 ガウル,アミタブ アメリカ合衆国 カリフォルニア 92129, サンディエゴ,ピクルス ストリート 12570

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼの65kDのイソ型の残基521〜535から選 択される7個〜15個のアミノ酸からなる、ペプチド。 2.ヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼの65kDのイソ型の残基521〜535から選 択される少なくとも7個のアミノ酸を含むペプチドアナログであって、ここで52 1〜535に対応するそれらの残基由来の少なくとも1つのアミノ酸が、天然のタン パク質中でその位置に存在するアミノ酸以外のアミノ酸に改変されている、ペプ チドアナログ。 3.前記ペプチドアナログのN末端アミノ酸がDアミノ酸である、請求項2に記 載のペプチドアナログ。 4.1つのアミノ酸が改変され、そして該改変されたアミノ酸が、522位のアル ギニン、525位のアルギニン、528位のリジン、531位のプロリン、および534位の リジンからなる群より選択される、請求項2に記載のペプチドアナログ。 5.前記522位のアルギニン残基が、別のアミノ酸に改変されている、請求項2 に記載のペプチドアナログ。 6.前記522位のアルギニン残基が、アラニン残基に改変されている、請求項5 に記載のペプチドアナログ。 7.前記525位のアルギニン残基が、別のアミノ酸に改変されている、請求項2 に記載のペプチドアナログ。 8.前記525位のアルギニン残基が、アラニン残基に改変されている、請求項7 に記載のペプチドアナログ。 9.前記528位のリジン残基が、別のアミノ酸に改変されている、請求項2に記 載のペプチドアナログ。 10.前記528位のリジン残基が、アラニン残基に改変されている、請求項9に記 載のペプチドアナログ。 11.前記531位のプロリン残基が、別のアミノ酸に改変されている、請求項2に 記載のペプチドアナログ。 12.前記531位のプロリン残基が、アラニン残基に改変されている、請求項11に 記載のペプチドアナログ。 13.前記534位のリジン残基が、別のアミノ酸に改変されている、請求項2に記 載のペプチドアナログ。 14.前記534位のリジン残基が、アラニン残基に改変されている、請求項13に記 載のペプチドアナログ。 15.前記改変されたアミノ酸が、天然のタンパク質中でその位置に存在するアミ ノ酸以外のアミノ酸に改変されており、該改変されたアミノ酸残基が、アルギニ ン、アスパラギン、ヒスチジン、ロイシン、セリン、グリシン、グルタミン酸、 フェニルアラニン、およびアラニンからなる群より選択される、請求項2に記載 のペプチドアナログ。 16.前記アナログが、12個のアミノ酸である、請求項2に記載のペプチドアナロ グ。 17.前記アナログが、15個のアミノ酸である、請求項2に記載のペプチドアナロ グ。 18.前記改変されたアミノ酸が、非保存的アミノ酸に改変されている、請求項2 に記載のペプチドアナログ。 19.前記ペプチドアナログのN末端およびC末端アミノ酸が、Dアミノ酸である 、請求項2に記載のペプチドアナログ。 20.ヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼの65kDのイソ型の残基521〜535から選 択される少なくとも10個のアミノ酸を含むペプチドアナログであって、521〜535 に対応するそれらの残基由来の少なくとも2つのアミノ酸が、天然のタンパク質 中でその位置に存在するアミノ酸以外のアミノ酸に改変されている、ペプチドア ナログ。 21.ヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼの65kDのイソ型の残基521〜535から選 択される少なくとも7個のアミノ酸を含むペプチドアナログであって、525位の アルギニン、528位のリジン、531位のプロリン、および534位のリジンからなる 群より選択される1〜3個のLアミノ酸が、天然のタンパク質中でその位置に存 在するアミノ酸以外のアミノ酸に改変されている、ペプチドアナログ。 22.ヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼの65kDのイソ型の残基173〜187から選 択される少なくとも7個のアミノ酸を含むペプチドアナログであって、173〜187 に対応するそれらの残基由来の少なくとも1つのアミノ酸が、天然のタンパク質 中でその位置に存在するアミノ酸以外のアミノ酸に改変されている、ペプチドア ナログ。 23.ヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼの65kDのイソ型の残基177〜191から選 択される少なくとも7個のアミノ酸を含むペプチドアナログであって、177〜191 に対応するそれらの残基由来の少なくとも1つのアミノ酸が、天然のタンパク質 中でその位置に存在するアミノ酸以外のアミノ酸に改変されている、ペプチドア ナログ。 24.ヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼの65kDのイソ型の残基193〜207から選 択される少なくとも7個のアミノ酸を含むペプチドアナログであって、193〜207 に対応するそれらの残基由来の少なくとも1つのアミノ酸が、天然のタンパク質 中でその位置に存在するアミノ酸以外のアミノ酸に改変されている、ペプチドア ナログ。 25.ヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼの65kDのイソ型の残基201〜215から選 択される少なくとも7個のアミノ酸を含むペプチドアナログであって、201〜215 に対応するそれらの残基由来の少なくとも1つのアミノ酸が、天然のタンパク質 中でその位置に存在するアミノ酸以外のアミノ酸に改変されている、ペプチドア ナログ。 26.ヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼの65kDのイソ型の残基213〜227から選 択される少なくとも7個のアミノ酸を含む、プチドアナログであって、213〜227 に対応するそれらの残基由来の少なくとも1つのアミノ酸が、天然のタンパク質 中でその位置に存在するアミノ酸以外のアミノ酸に改変されている、ペプチドア ナログ。 27.ヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼの65kDのイソ型の残基493〜507から選 択される少なくとも7個のアミノ酸を含むペプチドアナログであって、493〜507 に対応するそれらの残基由来の少なくとも1つのアミノ酸が、天然のタンパク質 中でその位置に存在するアミノ酸以外のアミノ酸に改変されている、ペプチドア ナログ。 28.ヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼの65kDのイソ型の残基505〜519から選 択される少なくとも7個のアミノ酸を含むペプチドアナログであって、505〜519 に対応するそれらの残基由来の少なくとも1つのアミノ酸が、天然のタンパク質 中でその位置に存在するアミノ酸以外のアミノ酸に改変されている、ペプチドア ナログ。 29.ヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼの65kDのイソ型の残基525〜539から選 択される少なくとも7個のアミノ酸を含むペプチドアナログであって、525〜539 に対応するそれらの残基由来の少なくとも1つのアミノ酸が、天然のタンパク質 中でその位置に存在するアミノ酸以外のアミノ酸に改変されている、ペプチドア ナログ。 30.ヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼの65kDのイソ型の残基533〜547から選 択される少なくとも7個のアミノ酸を含むペプチドアナログであって、533〜547 に対応するそれらの残基由来の少なくとも1つのアミノ酸が、天然のタンパク質 中でその位置に存在するアミノ酸以外のアミノ酸に改変されている、ペプチドア ナログ。 31.ヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼの65kDのイソ型の残基537〜551から選 択される少なくとも7個のアミノ酸を含むペプチドアナログであって、537〜551 に対応するそれらの残基由来の少なくとも1つのアミノ酸が、天然のタンパク質 中でその位置に存在するアミノ酸以外のアミノ酸に改変されている、ペプチドア ナログ。 32.前記改変されたアミノ酸が、アルギニン、アスパラギン、ヒスチジン、ロイ シン、セリン、グリシン、グルタミン酸、フェニルアラニン、およびアラニンか らなる群より選択されるアミノ酸に改変されている、請求項20〜31のいずれかに 記載のペプチドアナログ。 33.前記ペプチドアナログのN端末アミノ酸が、Dアミノ酸である、請求項20〜 31のいずれかに記載のペプチドアナログ。 34.前記ペプチドアナログが、15個のアミノ酸である、請求項20〜31のいずれか に記載のペプチドアナログ。 35.前記ペプチドアナログが、12個のアミノ酸である、請求項20〜31のいずれか に記載のペプチドアナログ。 36.前記改変されたアミノ酸の少なくとも1つが、非保存的アミノ酸に改変され ている、請求項20〜31のいずれかに記載のペプチドアナログ。 37.前記N端末アミノ酸および前記C端末アミノ酸が、Dアミノ酸に改変されて いる、請求項20〜31のいずれかに記載のペプチドアナログ。 38.ヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼの65kDのイソ型の残基521〜535から選 択される少なくとも7個のアミノ酸を含むペプチドアナログであって、521〜535 に対応するそれらの残基由来の少なくとも1つのアミノ酸が、天然のタンパク質 中でその位置に存在するアミノ酸以外のアミノ酸に改変され、かつ、該ペプチド アナログのN端末アミノ酸およびC端末アミノ酸が別のアミノ酸に改変され、こ れにより、該ペプチドアナログのインビボでの投与の際にタンパク質分解が低減 される、ペプチドアナログ。 39.請求項2〜31のいずれかに記載のペプチドアナログを、生理学的に受容可能 なキャリアまたは希釈剤と組み合わせて含有する、薬学的組成物。 40.糖尿病を処置するための医薬の製造に使用するための、生理学的に受容可能 なキャリアまたは希釈剤と組み合わせた、請求項2〜31のいずれかに記載のペプ チドアナログ。 41.患者において自己免疫応答を改善するための医薬の製造に使用するための、 生理学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤と組み合わせた、請求項2〜31のい ずれかに記載のペプチドアナログ。 42.糖尿病を検出する方法であって、 (a)患者からの生物学的サンプルの一部を、請求項1〜31のいずれかに記載の 第1のペプチドまたはペプチドアナログに接触させる工程と、 (b)ヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼの65kDのイソ型の残基161〜175から 選択される7個〜15個のアミノ酸を含む第2のペプチドに、該生物学的サンプル の別の一部を接触させる工程と、 (c)該第1および第2のペプチドに対する応答を検出し、これによって該患者 が糖尿病を有するかどうかを決定する工程と、 を包含する、方法。 43.糖尿病の素因を検出する方法であって、 (a)糖尿病を発症する危険性のある個体由来の生物学的サンプルを、ヒトグル タミン酸デカルボキシラーゼの65kDのイソ型の残基161〜175から選択される7個 〜15個のアミノ酸を含むペプチドに接触させる工程と、 (b)工程(a)からの該ペプチドに対する応答を検出する工程と、 (c)免疫応答を成熟させるのに十分な時間が工程(a)後に経過した時点で、該個 体由来の第2の生物学的サンプルを、ヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼの65 kDのイソ型の残基161〜175から選択される7個〜15個のアミノ酸を含むペプチド に接触させる工程と、 (d)工程(c)からの該ペプチドに対する応答を検出する工程と、 (e)工程(b)および(d)から得た値を比較し、これによって糖尿病の素因を決定 する工程と、 を包含する、方法。
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