JPH10509714A - ヒトミエリン塩基性タンパク質の91位におけるペプチドアナログを用いる多発性硬化症の処置方法 - Google Patents

ヒトミエリン塩基性タンパク質の91位におけるペプチドアナログを用いる多発性硬化症の処置方法

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Abstract

(57)【要約】 残基87〜99を含むヒトミエリン塩基性タンパク質のペプチドアナログが提供される。そのペプチドアナログの残基91は天然のタンパク質に認められるL-リジン残基から別の任意の他のアミノ酸に改変される。そのペプチドアナログの薬学的組成物が提供される。さらに、そのペプチドアナログを多発性硬化症患者に投与される。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒトミエリン塩基性タンパク質の91位におけるペプチド アナログを用いる多発性硬化症の処置方法技術分野 本発明は、一般に、ヒトミエリン塩基性タンパク質のペプチドアナログを用い ることによる、多発性硬化症を処置および予防する方法に関する。発明の背景 多発性硬化症(MS)は慢性の炎症性疾患であり、米国には約250,000人の患者 がいる。臨床的経過は極めて多様であり得るが、再発性神経欠損、特に、麻痺、 感覚欠損および視覚障害により最も一般的な形態が示される。 炎症過程は最初に中枢神経系の白質内で起こり、そしてTリンパ球、Bリンパ 球およびマクロファージによって媒介される。これらの細胞は軸索の脱エミリン 化の原因である。MSにおける特徴的な病変はその外見からプラークと呼ばれる。 多発性硬化症は、自己容認を確立する機構をいくらか回避し、そして正常組織 を攻撃する病原性T細胞によってもたらされると考えられる。ミエリン塩基性タ ンパク質に対するT細胞の反応性は、MSの発生において重大な要素であり得る。 病変に認められる病原性T細胞では、抗原レセプター(TCR)の多様性が制限さ れている。プラークから単離されたT細胞では、限られた数のVα遺伝子セグメ ントおよびVβ遺伝子セグメントの再編成が認められる。さらにTCRは、主要抗原 接触部位である第3相補性決定領域(CDR)内にいくつかの主要アミノ酸モチー フを示す。ミエリン塩基性タンパク質のアミノ酸86〜106内のエピトープを認識 することが知られているT細胞クローンでは、全部で3つのCDR3モチーフが同定 されている。これらのモチーフは、2人のMS患者の脳から単離されたT細胞内で 再編成したある特定のVβ遺伝子を含む、再編成TCR配列の44%に認められた。 MSの明確な処置方法はまだ確立されていない。歴史的には、コルチコステロイ ドおよびACTHがMSの処置に使われてきた。基本的にこれらの薬剤はリンパ球に対 する毒性によって炎症応答を減じる。急激な病状悪化からの回復は早められ得る が、これらの薬剤は将来の発作の予防、またはさらなる身体障害の発生あるいは MSの慢性的な進行を予防しない(CarterおよびRodriguez,Mayo Clinic Proc.6 4 :664,1989;WeinerおよびHafler,Ann.Neurol.23 :211,1988)。さらに、 ステロイド処置には相当な副作用が伴うので、これらの薬剤は長期使用にはふさ わしくない。 プリンアンタゴニストであるアザチオプリン、シクロホスファミドおよびシク ロスポリンのような他の毒性化合物は、MSの症状を処置するのに使われてきた。 コルチコステロイド処置と同様に、これらの薬剤はせいぜい短期間で有益である に過ぎず、毒性が高い。副作用には悪性腫瘍の増加、白血球減少、毒性肝炎、胃 腸障害、高血圧および腎毒性が含まれる(Mitchell,Cont.Clin.Neurol.77 : 231,1993;WeinerおよびHafler,上記)。抗CD4抗体のようなT細胞に対する抗体 に基づく治療方法が、現在MSの処置方法として研究されている。しかし、これら の薬剤は、患者を免疫無防備にすることによる有害な副作用を引き起こし得る。 最近になって、MSの症状を軽減するための試みとして、IFN-γおよびIFN-βの ようなサイトカインが投与されている。しかし、IFN-γを含む試験的研究は、こ の薬剤で処置された18患者のうち7人が治療開始後の1ヵ月以内に臨床的な病状 悪化に直面したので、終結された。さらに、MBPに対する特異的な応答の増大も あった(WeinerおよびHafler,上記)。 修飾β-インターフエロンであるベータセロン(Betaseron)は、最近になってMS 患者への使用が認可された。ベータセロン処置は病状悪化率にいくらかの改善を 示したが(Patyら,Neurology 43 :662,1993)、臨床的病状悪化率は処置群と 対照群との間で相違しなかった(IFNB MS研究グループ,Neurology 43 :655,19 93;Patyら,上記)。副作用は一般に観察された。そのような副作用のうち最も 頻繁に起こるものは、発熱(患者の40%〜58%)、流感様症状(患者の76%)、 悪寒(患者の46%)、筋肉痛(mylagias)(患者の41%)および発汗(患者の23 %)であった。さらに、炎症、痛み、過敏症および壊死を含む注射部位の反応( 85%)が一般的であった(IFNB MS研究グループ,上記;Connelly,Annals of Ph arm.28 :610,1994)。 現存するMS処置に関連する問題点を考慮すると、より効果的で、そして上記の ような欠点に関連しない改善処置方法が是非とも必要である。本発明では、ヒト ミエリン塩基性タンパク質に対するT細胞応答を拮抗することによってMSを効果 的に処置するペプチドアナログの使用を開発し、他の関連する利点を提供する。発明の要旨 本発明は、一般に、91位の天然L-リジン残基が改変されたヒトミエリン塩基性 タンパク質のアナログを提供する。本発明の1つの局面では、そのアナログは、 ヒトミエリン塩基性タンパク質(MBP)の残基87〜99に由来するペプチドであっ て、天然ペプチドの91位に通常認められるL-リジン残基が別のアミノ酸に変わっ ているアナログである。91位のL-リジン残基は任意の他のアミノ酸に変えられ得 、好ましくは、アラニン、セリン、グリシン、グルタミン酸、フェニルアラニン 、アルギニン、アスパラギン、ヒスチジン、ロイシンまたはD-リジンである。改 変は、非保存的な変化、または任意のD-アミノ酸であることが好ましい。改変は また、MBP反応性T細胞からのTNF-α産生の減少をもたらす改変が好ましい。 本発明は、上記態様のペプチドアナログを含む薬学的組成物を提供する。ペプ チドアナログは、生理学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤に含まれる。 本発明はまた、本明細書に記載されるアナログを含む薬学的組成物の治療有効 量をMS患者に投与することによって多発性硬化症を処置する方法を提供する。上 記のように、1つの局面において、ペプチドアナログはヒトミエリン塩基性タン パク質のアミノ酸残基87〜99を含み、ここで91位のリジンは別のアミノ酸に置換 されている。 これらおよび他の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照すれば明 らかである。さらに、特定の手順または組成物をより詳細に記載する様々な文献 を以下に引用する。これらの文献のそれぞれは、個々の援用の記載がなくても、 その全内容が参考として本明細書中で援用される。図面の簡単な説明 図1はヒトミエリン塩基性タンパク質のDNA配列と予想アミノ酸配列を示す。 図2はMBP(87〜99)と残基91のアラニンアナログ(91K>A)との間のMHC結合 に関する競合を示すグラフである。アラニン置換アナログを、0〜200μMの範囲 の濃度で、10μMビオチン標識MBP(87〜99)の結合を阻害するその能力について 試験した。データを平均相対結合の阻害率として示す。50%阻害によってIC50値 を確立する。 図3は91位置換アナログに対するT細胞株NBIの増殖応答を示すグラフである 。10種類の異なる置換体を試験した。0〜150μMの範囲の濃度のアナログに反応 するNBIの増殖応答を決定した。増殖を1分あたりのカウント数として表す。平均 値の標準誤差は±10%未満だった。MBP 87〜99;残基87〜99を含むヒトミエリン 塩基性タンパク質由来のペプチド;K,リジン;R,アルギニン;N,アスパラギン; H,ヒスチジン;L,ロイシン;S,セリン;G,グリシン;k,D-リジン;E,グルタミン 酸;F,フェニルアラニン;およびA,アラニン。 図4は91位置換アナログに対するMBP反応性リンパ節細胞の増殖応答を示すグ ラフである。2種の異なる置換体を試験した。10μMのMBP(87〜99)、モチリン 、A91またはK91に対するリンパ節細胞の増殖応答を決定した。増殖を1分あたり のカウント数として表す。BKG,ペプチド添加なし;87〜99,MBP(87〜99);モ チリン,無関係なペプチド;A91,91位にアラニンを有するペプチドアナログ;K 91,91位にD-リジンを有するペプチドアナログ。 図5はアラニン置換アナログのT細胞との拮抗能を示すグラフである。0.001 〜0.01μMのペプチドアナログ(91K>A)存在下での2.2μM MBP(87〜99)に対 するT細胞株L87〜99の増殖応答を示す。結果を刺激指数±SEとして示す。 図6は可溶性ペプチド療法によるEAEの反転を示すグラフである。ラットに107 L87〜99細胞を注射した。この手順によってアドプティブ移植によるEAEが誘発さ れる。5日後、臨床的疾患が明らかになった時に、ラットを無作為に6匹づつの 3群に分けた。これらの群に2mg/mlのMBP(87〜99)(91K>A)(−●−)また はPBS(−□−)を腹腔内注射した。EAEを毎日採点し、それを平均値±SEとして 表す。 図7は排出(draining)リンパ節細胞(DLNC)からのIFN-γおよびTNF-αの産 生量を示す一組のグラフである。DLNCをMBP(87〜99)単独(●)または、ペプ チドアナログ(91K>A)(■)で刺激した。発明の詳細な説明 本発明を説明する前に、以下に使用する特定用語の定義を説明しておくことは 、本発明を理解するに有用であり得る。 「ヒトミエリン塩基性タンパク質(MBP)」は、ヒト稀突起神経膠細胞の細胞 質中に認められるタンパク質を意味する。ヒトMBPのヌクレオチド配列および予 想アミノ酸配列を図1に示す(配列番号1および2)。図1には記載していない が、異なるスプライシング、または翻訳後修飾によって生成する異なる分子形態 のヒトミエリン塩基性タンパク質も本発明の範囲に包含される。 ミエリン塩基性タンパク質の「ペプチドアナログ」は、MBPの残基87〜99に由 来し、そしてそのアナログと天然ヒトミエリン塩基性タンパク質との間のアミノ 酸配列には1つ相違が含まれ、それは残基91における相違である。特に示さない 限り、指定されるアミノ酸はL-型を意味する。天然ペプチドからのL-アミノ酸を 、タンパク質中に通常認められる20種類のL-アミノ酸の任意の他の1つ、対応す るD-アミノ酸の任意の1つ、4-ヒドロキシプロリンおよびヒドロキシリジンのよ うな希少アミノ酸あるいはβ-アラニンおよびホモセリンのような非タンパク質 アミノ酸のいずれかに変え得る。また、メチル化(例えばα−メチルバリン)、 エチルアミン、エタノールアミンおよびエチレンジアミンなどのアルキルアミン によるC末端アミノ酸のアミド化、ならびにアミノ酸側鎖官能基のアシル化やメ チル化(例えばリジンのε−アミノ基のアシル化)のような化学的手段で改変さ れているアミノ酸も本発明の範囲に包含される。 「残基91」(「91位」とも呼ぶ)は、ヒトミエリン塩基性タンパク質(図1を 参照のこと;配列番号 )のアミノ酸91またはMBPに由来するペプチドの相応す る位置のアミノ酸を意味する。使用する番号系は、ペプチドの長さ、またはその ペプチド内での位置に関わらず、天然タンパク質内でのアミノ酸位置に関する。ミエリン塩基性タンパク質のペプチドアナログ 上記のように、本発明は、91位に天然に存在するL-リジンが別のアミノ酸に変 わっているミエリン塩基性タンパク質のペプチドアナログを提供する。このペプ チドアナログはMBPの残基87〜99に由来する。残基91(天然タンパク質ではL-リ ジンである)は重要な残基である。本発明の範囲内では、アナログは、91位にL- リジン以外のアミノ酸を有する。上記のように、91位の任意のアミノ酸変化は本 発明の範囲内である。好ましいペプチドアナログはL-リジンの次のアミノ酸のい ずれかへの変化を包含する:D-リジン、アラニン、グリシン、グルタミン酸、フ ェニルアラニン、アルギニン、アスパラギン、ヒスチジン、ロイシン、またはセ リン。これらのアミノ酸には保存的なアミノ酸(類似の電荷、極性、疎水性、か さ(bulkiness))と非保存的なアミノ酸との両方が含まれる。典型的には非保存 的なアミノ酸変化のみが治療効果を提供すると予期されるかもしれないが、予期 されないことに、保存的な変化(例えばアルギニン)であっても、ペプチドアナ ログの機能を天然ペプチドと比べて著しく変化させる。このような置換の多様性 は、上記の好ましいアミノ酸は疎水性のものも親水性のものもあり、荷電してい るものも非荷電のものもあり、極性のものも非極性のものもあるという事実によ ってさらに説明される。 ペプチドアナログは標準的な化学技術(自動手順による合成を含む)によって 合成され得る。一般に、ペプチドアナログは、各保護化アミノ酸残基をジシクロ ヘキシルカルボジイミドでの活性化によって樹脂支持体(好ましくは4-メチル- ベンズヒドリルアミン樹脂)にカップリングして、C末端アミドを有するペプチ ドを得ることを包含する固相ペプチド合成法によって調製される。あるいは、ク ロロメチル樹脂(メリフィールド樹脂)がC末端に遊離カルボン酸を有するペプ チドを得るために用いられ得る。側鎖官能基は次のように保護される:セリン、 スレオニン、グルタミン酸、およびアスパラギン酸にはベンジル;ヒスチジンお よびアルギニンにはトシル;リジンには2-クロロベンジルオキシカルボニル;チ ロシンには2,6-ジクロロベンジル。カップリングの後、付加されたアミノ酸のα -アミノ官能基上のt-ブチロキシカルボニル保護基をトリフルオロ酢酸で処理し 、次いでジイソプロピルエチルアミンで中和することにより、除去する。続いて 次の保護化残基を遊離アミノ基上にカップリングし、ペプチド鎖を伸長させる。 最後の残基を結合させた後、保護化ペプチド-樹脂をフッ化水素で処理し、ペプ チ ドを樹脂から切断するとともに、側鎖官能基を脱保護する。粗生成物は、ゲルろ 過、HPLC、分配クロマトグラフィー、またはイオン交換クロマトグラフィーでさ らに精製され得る。 本発明のペプチドアナログは、(a)MHCに対するMBP(87〜99)の結合と競合 し、(b)MBP(87〜99)反応性T細胞株の増殖を引き起こさず、そして(c)齧 歯類においてMBP(87〜99)によるEAE(実験的アレルギー性脳脊髄炎)の誘発を 阻害すべきである。 したがって、候補ペプチドアナログは、(1)MHCに対する競合結合を測定する アッセイ、(2)T細胞増殖を測定するアッセイ、および(3)EAE誘導の阻害を 評価するアッセイによって、それがMSを処置する能力についてスクリーニングさ れ得る。天然ペプチドの結合を阻害し、MBP-反応性細胞株の増殖を刺激せず、そ して天然ペプチドによるEAEの発達を阻害するそれらアナログは、有用な治療薬 である。また、必須ではないが、さらなる安全性アッセイが、アナログ自体がEA Eを誘発しないことを実証するために実施され得る。 MHC分子に対するペプチドの結合は全細胞上でアッセイされ得る。簡単に述べ ると、ルイスラット脾臓細胞を3時間培養して付着性細胞をポリスチレン製ペト リ皿に接着させる。非付着性細胞を除去する。MHCクラスII分子を発現する細胞 を含む付着性細胞を、ペトリ皿をこすり取ることによって採集する。細胞に対す るペプチドアナログの結合を、蛍光アッセイによって測定する。このアッセイで は、脾臓付着性細胞を異なる濃度のペプチドアナログと混合し、CO2インキュベ ーターで37℃で1時間インキュベートする。インキュベーション後、ビオチン標 識MBP(87〜99)を培養ウェルに加える。細胞をさらに1時間インキュベートし、 次いで培地中で3回洗浄する。フィコエリスリン結合またはフルオレセイン結合 ストレプトアビジンを、蛍光色素標識OX-6またはOX-17モノクローナル抗体と共 に加える。これらは、それぞれラットMHCクラスII I-AおよびI-Eと反応する。こ の細胞は、フローサイトメトリーで分析する前に2回洗浄する。フィコエリスリ ン-ストレプトアビジンのみ(対照染色)で染色した細胞から得られる蛍光値を ビオチン標識MBP(87〜99)+フィコエリスリン-ストレプトアビジン(実験染色 )から得られる蛍光値から引くことによって、蛍光強度を計算する。アナログ なしでの染色を100%値とする。阻害率を各アナログについて計算し、IC50値と して表す。100μM未満のIC50値を有するペプチドアナログが、さらなるスクリー ニングに適している。 候補ペプチドアナログは、それがT細胞株の増殖を引き起こすかまたは阻害す る性質についてさらに試験される。2つの異なるアッセイが選択肢として用いら れ得る。第1の方法はT細胞の増殖を引き起こすアナログの能力を直接的に測定 する。第2の方法は天然MBP(87〜99)ペプチドによって誘発されるT細胞の増 殖を阻害するペプチドアナログの能力を測定する。 直接増殖アッセイでは、MBP(87〜99)反応性T細胞株が標的細胞として用い られ得る。T細胞株をMBP(87〜99)を注射したラットから採取したリンパ節か ら樹立する。リンパ節細胞を単離し、MBP(87〜99)およびT細胞成長因子供給 源としてのIL-2と共に5〜8日間培養する。生存細胞を回収し、MBP(87〜99) および成長因子供給源としての照射脾細胞(splenocyte)を用いて第2回の刺激を 行う。この方法で5〜6継代の後、細胞株の増殖能を決定する。MBP反応性株を 増殖アッセイに用いる。このアッセイでは、T細胞株を様々な濃度のペプチドア ナログおよび照射自己脾細胞と共に3日間培養する。3日後、0.5〜1.0μCiの[3 H]-チミジンを12〜16時間加える。培養物を収集し、取り込まれたカウント数 を決定する。平均CPMおよび平均値の標準誤差を3つの培養物から計算する。 上記のようにT細胞株を使用する代わりとして、MBP(87〜99)で免疫したル イスラットから得られる排出リンパ節細胞が使用され得る。好ましくは、このア ッセイはT細胞株を用いる増殖アッセイと組み合わせて用いられる。簡単に述べ ると、ルイスラットに完全フロイントアジュバント中のMBP(87〜99)ペプチド を皮下注射する。9〜10日後に、排出リンパ節細胞を単離し、単一細胞懸濁液を 調製する。リンパ節細胞を6.5%CO2を含む加湿気チャンバーで様々な濃度のペプ チドアナログと共に3日間インキュベートする。インキュベーション後、培養に 1〜2μCiの[3H]-チミジンを12〜18時間パルスする。培養物をガラス繊維フ ィルター上に収集し、シンチレーション計数器中で計数する。平均CPMおよび平 均値の標準誤差を3つの培養物で決定したデータから計算する。匹敵する濃度の MBP(87〜99)との平均応答の3標準偏差を超える結果をもたらすペプチドアナ ログを非刺激性であると見なす。50μM以下の濃度で増殖を刺激しないペプチド アナログが、さらなるスクリーニングに適している。 第2の(あるいは代替)アッセイはT細胞増殖に関する競合アッセイである。 このアッセイでは、抗原提示脾細胞をまず照射し、次いで天然のMBP(87〜99) ペプチドと共に2〜4時間インキュベートする。次にこれらの細胞を洗浄し、MB P(87〜99)に対して反応するT細胞と共にさらに培養する。さらに3日間、様 々な濃度の候補ペプチドアナログを培養中に含める。このインキュベーション期 間の後、各培養物に1μCiの[3H]-チミジンをさらに12〜18時間パルスする。次 に培養物をガラス繊維フィルター上に収集し、上記のように計数する。平均CPM および平均の標準誤差を3つの培養物で決定したデータから計算する。50μM以 上の濃度で増殖を約25%まで阻害するペプチドアナログが、さらなるスクリーニ ングに適している。 MHCに対するMBP(87〜99)の結合について競合し、かつT細胞株の直接増殖を 引き起こさないかまたはMBP(87〜99)による増殖を阻害できる候補ペプチドが 、MBP(87〜99)によるEAEの誘発を阻害するそれらの能力についてさらに試験さ れる。簡単に述べると、500μgのMBP(87〜99)を、加熱死滅結核菌(H37Ra)を 補足した完全フロイントアジュバント中の乳剤として注射する。ラットの尾の付 け根に200μlの乳剤を皮下注射する。ラットを2つの群に分ける。疾患誘発の約2 日前(通常はMBP(87〜99)の注射後10日)に、ラットにPBSまたはPBS中のペプ チドアナログのいずれかを腹腔内注射する。動物を、処置計画に関する知見を持 たない観察者によって、日毎に臨床的兆候についてモニターする。EAEは0〜3の 尺度で採点する:0,臨床的に正常;1,弛緩尾麻痺;2,後肢麻痺;3,前肢 と後肢が冒されている。5mg/kg以下(約1mg/ラット)で注射したペプチドア ナログは、対照群における疾患症状の発症後7日間にわたって平均累積スコアに5 0%の減少があれば、EAEの発達を阻害すると見なす。 さらに、本発明にとって必須ではないが安全性の測定として、適切なペプチド アナログがEAEの直接誘発について試験され得る。実施例2に詳述するように、 様々な量のペプチドアナログをラットの尾の付け根に注射し、EAEの兆候につい てラットを毎日調べる。EAEを引き起こさないと見なされるペプチドアナログは 、 完全フロイントアジュバント中の1mg(5mg/kg)を注射した場合に、7日間に わたって1以下の平均累積スコアを有する。多発性硬化症の処置および予防 前記のように、本発明は、本明細書中に記載のヒトミエリン塩基性タンパク質 のペプチドアナログの治療有効量を患者に投与することによる多発性硬化症の処 置法および予防法を提供する。このような処置に適した患者は、MSの診断に関す る研究会によって定義された臨床的に明確なMSの診断を確立する基準によって同 定され得る(Poserら、Ann.Neurol.13 :227,1983)。簡単に述べると、臨床 的に明確なMSを有する個体は、2回の発作および2つの病変の臨床的証拠あるい は1つの病変の臨床的証拠ともう1つの別個の病変の準臨床的証拠を有している。 脳脊髄液中のIgGのオロゴクローナルバンドと2回の発作の証拠か、もしくは発 作、2つの病変の臨床的証拠、脳脊髄液中のIgGのオロゴクローナルバンドの組 み合わせによって、明確なMSを診断することもできる。臨床的にMSと疑われる診 断には僅かにより低い基準が用いられる。 多発性硬化症の効果的な処置は数種類の方法で試験し得る。以下の基準のいず れかを満たすということは、効果的な処置であることの証拠となる。3つの主要 な基準を用いる:EDSS(拡張性能力障害状態尺度)、病状悪化の出現、またはMR I(磁気共鳴映像法)。 EDSSはMSによる臨床的損傷を採点する手段である(Kurtzke,Neurology 33 :1 444,1983)。神経損傷のタイプおよび重篤度に関しては、8つの機能系を評価 する。簡単に述べると、処置に先立って、以下の系における損傷について患者を 評価する:錐体系、小脳系、脳幹系、感覚系、腸および膀胱系、視覚系、大脳系 など。一定の間隔で追跡調査を行う。尺度は0(正常)から10(MSによる死)ま でにわたる。本発明については、1段階完全に減少すれば、有効な処置であると 定義される(Kurtzke,Ann.Neurol.36 :573-79,1994)。 病状悪化は、MSに起因しかつ適切な新しい神経異常を伴う新しい症状の出現と して定義される(IFNB MS研究グループ,上記)。さらに、病状悪化は少なくとも 24時間持続しなければならず、そして少なくとも30日間の安定状態または改善が 先行しなければならない。簡単に述べると、臨床医は患者に対し標準的な神経学 的試験を行う。病状悪化は神経学的評価基準の変化に応じて、軽度、中度、また は重度に分類される(Sipeら、Neurology 34 :1368,1984)。年間病状悪化率お よび病状悪化のない患者の割合を決定する。これらの測定のいずれかについて、 処置群と偽薬群の間で年間病状悪化率または病状悪化を伴わない患者の割合が統 計学的に有意に異なる場合、治療は効果的であると見なされる。さらに、最初の 病状悪化までの時間および病状悪化の持続時間ならびに重篤度もまた測定され得 る。これに関する治療としての有効性の尺度は、処置群における最初の病状悪化 までの時間または持続時間と重篤度が対照群と比べて統計学的に有意に異なるこ とである。 MRIによると、ガドリニウム-DTPA増幅画像診断(McDonaldら,Ann.Neurol.3 6 :14,1994)を用いて活性病変を測定するために使用され得、またはT2-加重技 術を用いて病変の位置と程度を測定するために使用され得る。簡単に述べると、 ベースラインMRIが得られる。以降の各研究には同じ画像診断平面と患者位置を 用いる。位置決定と画像診断の順序は、病変検出を最大化し、そして病変追跡を 容易にするように選択する。以降の研究には同じ位置決定と撮像順序を用いる。 MS病変の存在、位置、および程度は放射線科医が決定する。病変領域の輪郭が描 かれ、そして全病変領域について断層ごとに合計される。3つの分析を行い得る :新しい病変の証拠、活性な病変の出現率、病変領域における変化率(Patyら, Neurology 43 :665,1993)。ベースラインと比較して個々の患者に統計学的に 有意な改善が認められるか、あるいは偽薬群に対して処置群に統計学的に有意な 改善が認められると、治療による改善が立証される。 予防のための候補患者は遺伝的因子の存在によって同定され得る。例えば、MS 患者の大半はHLA型のDR2aとDR2bを有する。遺伝的にMSに罹りやすいMS患者であ って処置に適した人々は2つのグループに分けられる。第1のグループは再発性 弛張性型の初期疾患を有する患者である。その分類基準には、疾患持続期間が1 年を超えること、EDSS評点が1.0〜3.5であること、病状悪化率が0.5/年を超える こと、そして研究開始前の2ヵ月間は臨床的病状悪化がなかったことが含まれる 。第2のグループには、過去2年間に1.0 EDSS単位/年を超える疾患進行を有する 人々が含まれる。 予防に関するペプチドアナログの効力は以下の基準に基づいて判断される:限 界希釈法により決定されるMBP反応性T細胞の頻度、MBP反応性T細胞株およびクロ ーンの増殖応答、患者から樹立されたMBPに対するT細胞株およびクローンのサイ トカインプロフィール。効力は、反応性細胞の頻度の減少、天然ペプチドと比較 した改変ペプチドによるチミジン取り込みの減少、ならびにTNFおよびIFN-αの 減少によって立証される。臨床的測定には、1および2年間隔での再発率、ならび にEDSSの変化(6ヵ月間持続するEDSSにおける1.0単位のベースラインから進行 する時間を含む)が含まれる。Kaplan-Meier曲線において能力障害の持続的な進 行における遅れは効力があることを示す。他の基準には、MRIでのT2画像の面積 および体積における変化ならびにガドリニウム増幅画像によって決定される病変 の数と体積が含まれる。 本発明のペプチドアナログは単独か、または薬学的組成物としてのいずれかに より投与され得る。簡単に述べると、本発明の薬学的組成物は本明細書中に記載 の1以上の本発明ペプチドアナログを1以上の薬学的または生理学的に受容可能 なキャリアー、希釈剤、または賦形剤と共に組み合わせて含み得る。このような 組成物は、中性緩衝化生理食塩水、リン酸緩衝化生理食塩水などのような緩衝液 、グルコース、マンノース、ショ糖、またはデキストランのような炭水化物、マ ンニトール、タンパク質、ポリペプチド、グリシンのようなアミノ酸、抗酸化剤 、EDTAまたはグルタチオンのようなキレート剤、アジュバント(例えば、水酸化 アルミニウム)および保存料を含有し得る。さらに、本発明の薬学的組成物はま た、1以上のさらなる活性成分(例えば、β−インターフェロンのようなサイト カイン)を含み得る。 本発明の組成物は示された投与の様式(例えば、経口投与、鼻孔内投与、静脈 投与、頭蓋内投与、腹腔内投与、皮下投与、または筋肉内投与を含む)に合わせ て製剤化し得る。本発明の他の実施態様では、本明細書に記載の組成物は、持続 性放出移植物の一部として投与され得る。さらに他の実施態様では、本発明の組 成物は、凍結乾燥物としての安定性を提供する適切な賦形剤を使用して凍結乾燥 物として製剤化され、そして後に再水和され得る。 本発明の薬学的組成物は処置(または予防)されるべき疾患に適した方法で投 与し得る。投与量および投与頻度は、患者の状態ならびに患者の疾患のタイプお よび重篤度などの因子に応じて決定される。適切な投与量は臨床試験によって決 定され得るが、本発明の特に好ましい実施態様では、本明細書中に記載のペプチ ドアナログまたは薬学的組成物を5〜50mg/kgの範囲の用量で投与され得る。ペ プチドアナログの用量はおよそ5〜50mg/kgであるが、以下の試験によってより 正確に決定される。上記のMRI、EDSS、および臨床的病状悪化の兆候によって、 患者は治療的有効性についてモニターされ得る。 以下の実施例は例示として記載するもので、限定として記載するものではない 。 実施例1 ペプチド合成 ペプチドをペプチド合成装置(Beckmanモデル990)において固相法で合成した 。アミド化カルボキシル末端を持つペプチドを、p-メチルベンズヒドリルアミン 樹脂(MBHA樹脂)を用いて調製した:遊離のカルボキシル末端を持つペプチドに ついては、適切に保護されたアミノ酸と結合したメリフィールド樹脂を用いた。 両樹脂は、Bachem Fine Chemicals(Torrance,CA)から入手した。合成に使用 した誘導体化されたアミノ酸(Bachem Fine Chemicals)は、特に指定しない限 りL-配置で、N-α-アミノ官能基は専らt-ブチルオキシカルボニル基で保護した 。側鎖官能基を次のように保護した:セリン、スレオニン、グルタミン酸および アスパラギン酸についてはベンジル;ヒスチジンおよびアルギニンについてはト シル;リジンについては2-クロロベンジルオキシカルボニル;チロシンについて は2,6-ジクロロベンジル。カルボキシル末端アミノ酸のMBHA樹脂へのカップリン グは、ジシクロヘキシルカルボジイミドを用いて行い、以降のアミノ酸はLingら (Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81 :4302,1984)に従って、ジシクロヘキシル カルボジイミドを用いてカップリングした。最後のアミノ酸を挿入した後、t-ブ チルオキシカルボニル保護基を除去し、そしてペプチド-樹脂複合体を、樹脂複 合体1gあたりフッ化水素酸(HF)14ml、アニソール1.4mlおよび硫化メチルエチ ル0.28mlの混合物を用いて、−20℃で0.5時間および0℃で0.5時間処理した。HF を真空下で0℃で除去し、そして得られたペプチドと樹脂との混合物をジエチル エーテルで2回、そしてクロロホルムとジエチルエーテルで2回、交互に洗浄し た。ペプチドを、2M酢酸で5回抽出し、その抽出物を凍結乾燥した。凍結乾燥 産物を、まずSephadex G-25ファイン(Pharmacia-LKB,Piscataway,NJ)のカラ ムで精製し、30%酢酸で展開することにより、先端欠失断片および無機塩を除去 した(Lingら,1984)。次にペプチドを、CM-32カルボキシメチルセルロース陽 イオン交換クロマトグラフィーでさらに精製した(Lingら,1984)。最終的な精 製は、Sephadex G-25ファインにおける分配クロマトグラフィーによって達成し た(Lingら,1984)。合成産物を、アミノ酸分析、質量分析法および逆相HPLCに よって特徴づけた。 実施例2 免疫化とEAE誘発 MBPペプチドおよびそのアナログを、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)に溶解し 、油中の4mg/ml熱死滅結核菌H37Ra(Difco Laboratories,Inc.,Detroit,MI )を補充した等量の不完全フロイントアジュバントとともに乳化した。その乳液 0.1mlをラットの後足肉趾に皮下免疫し、そして処置計画に関する知見を持たな い観察者によって臨床的兆候を毎日モニターした。静脈内注射のために、MBPペ プチドおよびそのアナログを通常の生理食塩水に溶解した。EAEは次のように採 点した:0,臨床的に正常;1,弛緩尾;2,後肢麻痺;3,前肢および後肢の 麻痺。 実施例3 長期T細胞株 Ben-Nunら(Eur.J.Immunol.11 :195,1981)が開発した方法を用いて、抗 原特異的長期T細胞株を得た。Lewisラットに上記のように注射した。9〜10日後 、排出リンパ節細胞を、刺激培地中で10〜20μMの注射したペプチドと共に72時 間培養した(107/ml)。次に細胞を集め、洗浄し、休止培地中で培養した。休止 培地は、自己血清を含まず、そしてT細胞成長因子供給源としての12.5%のCon A 刺激脾細胞上清と10%ウシ胎児血清(Gibco)を添加した、刺激培地と同じであ った。Con A上清は、他に記述のように調製した(Ben-Nunら,Eur.J.Immunol .11 :195,1981)。さらに5〜8日後、細胞を集め、そして抗原特異性増殖につ いて試験するか、もしくはさらにサイクルを培養した。 実施例4 MHC 結合アッセイ MBPペプチドおよびペプチドアナログのMHC結合能を測定した。抗原提示細胞( APC)上のMHC分子に対するペプチドの結合を特徴づけるアッセイを使用した(Mo zesら,EMBO J.8 :4049,1989;Gautamら,PNAS 91 :767,1994)。標準のポリ スチレン製ペトリ皿(100×15mm)中で、10%ウシ胎児血清(Hyclone Laborator ies,Logan,UT)を補充したDulbecco改変Eagle培地中で、6.5%CO2を含む37℃ インキュベーター中で3時間、脾臓細胞を培養した。その後、非付着性細胞を除 去し、プレートをPBSで3回洗浄した。付着性細胞を、細胞スクレーパーを用い て集めた。MBP(87〜99)アナログの結合を、蛍光アッセイで測定した。簡単に 述べると、染色緩衝液(0.1%ウシ血清アルブミンを含むPBS)中の5×105の脾臓 付着性細胞を、U形96ウェルマイクロ培養プレートのそれぞれのウェル中で、0〜 400μMの範囲の種々の濃度のMBP(87〜99)アナログと混合し、そして6.5%CO2 インキュベーター中37℃で1時間インキュベートした。インキュベーション後、1 0μMのビオチン標識MBP(87〜99)を培養ウェルに1時間加えた。細胞を染色緩衝 液で3回洗浄した。フィコエリスリン結合またはフルオレセイン(fluoroscein)結 合ストレプトアビジン(Becton Dickinson,San Jose,CA)を、第2段階試薬( 1μg/ウェル)として、それぞれラットMHCクラスII I-AまたはI-Eと反応する蛍 光色素標識したOX-6またはOX-17モノクローナル抗体(Pharmingen,San Diego, CA)1μg/ウェルと共に加えた。細胞を、FACScan(Becton Dickinson)における サイトフルオログラフィー分析の前に、2回洗浄した。フィコエリスリン-スト レプトアビジンのみで染色した(対照染色)OX陽性細胞より得られる蛍光を、ビ オチン標識MBP(87〜99)+フィコエリスリン-ストレプトアビジンで染色したOX 陽性細胞より得られる蛍光から引くことによって、各試料の蛍光強度を計算し た。阻害率を、各アナログについて計算し、そしてIC50値として表した。 図2に示すように、天然ペプチドは、それ自体がAPCに対する結合を効果的に 競合した(IC50=14μM)。アラニン置換アナログ(91K>A)はほぼ同じぐらい 効果的に競合した(IC50=21μM)。これらの結果は、T細胞に提示されるとい うアナログの能力を減じることなく、91位のアミノ酸を変化させ得ることを示し ている。 実施例5 抗原特異的リンパ節細胞増殖アッセイ 約6週齢の雌Lewisラットを、Harlan Sprague(Indianapolis,IN)から購入し た。MBPペプチドをリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)に溶解し、そして油中の4mg/ ml熱死滅結核菌H37Ra(Difco Laboratories,Inc.,Detroit,MI)を補充した等 量の完全フロイントアジュバント(Difco)で乳化した。100μgのペプチドを含 む乳液の0.1mlを、ラットに、尾の付け根で皮下免疫した。免疫化の9〜10日後、 ラットを屠殺し、その排出リンパ節を摘出し、そして単一細胞懸濁液を作製した 。2-メルカプトエタノール(5×10-5M)、L-グルタミン(2mM)、ピルビン酸ナ トリウム(1mM)、ペニシリン(100μg/ml)ストレプトマイシン(100μg/ml) および1%正常ラット血清を補充したDulbecco改変Eagle培地(Gibco BRL,Gaith ersburg,MD)を含む刺激培地に、5×106細胞/mlで細胞を再懸濁した。 アッセイのため、100μlのリンパ節懸濁液を、10μMの種々のペプチド(陰性 対照としてのモチリン、MBP87〜99、培地のみ、あるいは91位のアラニン置換体 または91位のD-アミノ酸置換体を含む)が入った等量の培地の存在下で、96ウェ ル平底ウェルに加えた。次に培養物を、7.5%CO2を含む加湿空気中37℃でインキ ュベートした。3日間のインキュベーション後、1.0μCiのトリチウム化チミジ ン(20Ci/mM;New England Nuclear)を各ウェルに加え、そしてプレートをさら に12〜16時間再インキュベートした。次にプレートを、Matrix filtermate harv ester(Packard)で収集し、Automatic Direct Beta Counter(Packard)を用い て計数した。平均cpmおよび平均の標準誤差を、3連のウェルから計算した。 図4に示すように、MBP(87〜99)に反応するリンパ節細胞(LNC)は、免疫し たペプチドで効果的に刺激された。LNCは、無関係なペプチドであるモチリンや 培地のみ、あるいはペプチドアナログ(91K>Aおよび91K>k)に対して、同様に 応答できなかった。 実施例6 抗原特異的T細胞株増殖アッセイ この抗原特異的増殖アッセイには、実施例3で樹立したT細胞株を使用した。 細胞を、補助細胞としての106の照射(2500rad)脾細胞と共に、2×104細胞/ウ ェルの濃度で、種々の濃度の抗原と共に播種し、そして37℃で3日間インキュベ ートした。各ウェルを、2μCiの[3H]-チミジン(比活性10Ci/mmol)で、最後 の12〜16時間パルスした。培養物をガラス繊維フィルター上に収集し、増殖応答 をCPM±SDまたは刺激指数(SI)(試験培養物から得た平均CPMを対照培養物から 得た平均CPMで割ったもの)として表した。 図3に示すように、MBP特異的ラットT細胞株は、天然ペプチドMBP(87〜99) に応答する。無関係なペプチドであるモチリン(MOT)はいずれの投与量でも増 殖を刺激しない。10種類の異なる91位の置換体を合成し、そしてこのアッセイで 試験した。10のペプチドアナログはすべて、20〜120μMの範囲の投与量で、ラッ トT細胞株の増殖を刺激できなかった。従って、増殖については、91位での置換 はいずれも許容されない。 実施例7 T細胞増殖アッセイの拮抗作用 T細胞拮抗作用を、De Magistrisら(Cell 58 :625,1992)が記述したプレパ ルス増殖アッセイにわずかな改良を加えて検出した。抗原提示脾細胞にγ照射( 3000 rad)し、107細胞/ウェルの濃度で0.2μMの天然ペプチドと共に10ml組織培 養プレートの刺激培地中で、6.5%CO2を含む加湿チャンバー中37℃で2.5時間イ ンキュベートした。次に脾細胞を洗浄し、U形96ウェルマイクロ培養プレート中 5×105細胞/ウェルの濃度で、5×104休止抗MBP(87〜99)T細胞株L87〜99 と共に再培養した。10-4μMから10-2μMまでの様々な濃度のアナログをさらに60 時間加えた。各ウェルに1μCiの[3H]-チミジン(比活性10 Ci/mmol)を最後 の18時間でパルスした。次に培養をガラス繊維フィルター上に収集し、増殖応答 をCPM±SDまたは刺激指数(試験培養から得た平均CPMを対照培養から得た平均CP Mで割ったもの)として表した。アナログ(91K>A)は天然ペプチドに対するL87 〜99の応答をすべての濃度で効果的に拮抗できた(図5)。0.01μMの(91K>A )では85%を超える阻害が達成された。 実施例8 EAE の反転 ラットに107L87〜99 T細胞を与えた。すべてのラットが5日以内に後肢の麻痺 を起こした。次いでこれらの麻痺ラットに可溶性アナログ(91K>A)またはPBS を1回注射(2mg/ml)した。PBSを投与されたラットはすべて、その後の4日間、 後肢の麻痺を示し続けた(図6、−□−)。対照的に、アナログ(91K>A)で処 置された6匹のラットのうち6匹が36時間以内に完全に緩和し、さらなる麻痺の 兆候は示さなかった(p<0.015)(図4、−●−)。 実施例9 ペプチドアナログによるEAEの誘発 ペプチドアナログのEAE誘発能をインビボでアッセイする。ラットに実施例2に 記載のようにMBP(87〜99)または(91K>A)ペプチドアナログを注射した。動 物を毎日、EAEの証拠について監視した。MBP(87〜99)を投与されたラットでは EAE発生率が100%(18/18ラット)で、平均最大臨床スコアが2.4±0.2だった。 対照的に、ペプチドアナログ(91k>A)を投与されたラット12匹のうち、EAEを 伴うラットは1匹もいなかった。したがってこのペプチドアナログはEAEを誘発し ない。 実施例10 ペプチドアナログによるEAEの予防 EAE誘発性MBP(87〜99)ペプチドと同時に注射した時にペプチドアナログがEA Eを予防する能力を調べた。MBP(87〜99)を単独で、あるいは1:1のモル比で 完全フロイントアジュバント中のペプチドアナログ(91K>A)と共に注射した。 EAEの発生率と平均最大臨床スコアデータを集めた。 表はペプチドアナログ(91K>A)の同時免疫がMBP(87〜99)によるEAEの誘発を 特異的に阻害し、異なる領域から得たペプチドであるMBP(68〜88)によるEAEの 誘発は阻害しないことを示している。また、ペプチドアナログは疾患を引き起こ さなかった。 実施例11 ペプチドアナログによる処理後のTNF-α産生 MBP(87〜99)のみまたはペプチドアナログ(91K>A)を注射したラットから 得た排出リンパ節細胞におけるサイトカイン産生を決定した。IFN-γとTNF-α産 生を測定した。 排出リンパ節細胞(107細胞/ml)を異なる濃度のMBP(87〜99)またはペプチ ドアナログを用いてインビトロで刺激した。上清を24時間後と48時間後に集めた 。IFN-γはラットIFN-γELISAキット(GIBCO BRL)を用いて48時間後に決定した 。TNF-αはELISAキット(Genzyme Corp.,Cambridge,MA)によって24時間後に 測定した。 図7からわかるように、ペプチドアナログは、TNF-αについては20μMを超え るすべての投与量で、またIFN-γについてはすべての投与量で、サイトカイン産 生の著しい減少を引き起こした。 本発明を例示するため、本明細書では本発明の特定の態様について説明したが 、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更を施しうることは、上記の記述 から明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),AM,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C N,CZ,EE,FI,GE,HU,IS,JP,KG ,KP,KR,KZ,LK,LR,LT,LV,MD, MG,MN,MX,NO,NZ,RO,RU,SG,S I,SK,TJ,TM,TT,UA,UZ,VN (72)発明者 リン, ニコラス アメリカ合衆国 カリフォルニア 92121, サン ディエゴ,ブロッチ ストリート 5324 (72)発明者 コンロン, ポール ジェイ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 92075, ソロナ ビーチ,サンタ ドミンガ 450 (72)発明者 ガウアー, アミタブ アメリカ合衆国 カリフォルニア 92129, サン ディエゴ,ピクルス ストリート 12570 (72)発明者 ステインマン, ローレンス アメリカ合衆国 カリフォルニア 94301, パロ アルト,リンカーン ストリート 877

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.91位のリジンが別のアミノ酸に改変される、ヒトミエリン塩基性タンパク質 のアミノ酸残基87〜99を含むペプチドアナログ。 2.91位のアミノ酸が別の非保存的アミノ酸に改変される、請求項1に記載のペ プチドアナログ。 3.91位のアミノ酸が、D-リジン、アラニン、グリシン、グルタミン酸、フェニ ルアラニン、アルギニン、アスパラギン、ヒスチジン、ロイシン、およびセリン からなる群から選択されるアミノ酸で改変され得る、請求項1に記載のペプチド アナログ。 4.91位のアミノ酸がD-リジンに改変される、請求項1に記載のペプチドアナロ グ。 5.91位の改変がMBP反応性T細胞由来のTNF-αの発現を減少させる、請求項1 に記載のペプチドアナログ。 6.生理学的に許容されるキャリアーまたは賦形剤と組み合わされた請求項1に 記載のペプチドアナログを含有する薬学的組成物。 7.多発性硬化症を処置するための薬剤の製造に使用するための、91位のL-リジ ン残基が別のアミノ酸で置換されるミエリン塩基性タンパク質のアミノ酸残基87 〜99を含む、ペプチドアナログを含有する薬学的組成物。 8.91位のアミノ酸が、D-リジン、アラニン、グリシン、グルタミン酸、フェニ ルアラニン、アルギニン、アスパラギン、ヒスチジン、ロイシン、およびセリン からなる群から選択されるアミノ酸で改変される、請求項7に記載の組成物。 9.91位のアミノ酸が非保存的アミノ酸に改変される、請求項7に記載の組成物 。 10.91位のアミノ酸がD-リジンに改変される、請求項7に記載の組成物。 11.91位の改変がMBP反応性T細胞由来のTNF-αの発現を減少させる、請求項 7に記載の組成物。 12.活性治療物質として使用するための、91位のリジンが別のアミノ酸に改変 されるヒトミエリン塩基性タンパク質のアミノ酸残基87〜99を含むペプチドアナ ログ。
JP8516910A 1994-11-18 1995-11-16 ヒトミエリン塩基性タンパク質の91位におけるペプチドアナログを用いる多発性硬化症の処置方法 Ceased JPH10509714A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

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US34207894A 1994-11-18 1994-11-18
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