JP2005529037A - 偽造防止の金属フィルム - Google Patents

Abstract

【課題】
【解決手段】偽造防止の金属フォイルは、その表面の、少なくとも１つの所定の部分領域で構造化されている。この部分領域は、他の表面領域との比較で異なる屈折率を有する。

Description

本発明は偽造防止の金属フィルム、金属フィルムを製造する方法並びに包装材料、装飾フォイル及び広告媒体を製造するための金属フォイルの使用に関する。

例えば薬剤用の、偽造防止の包装材料への需要は、ここ数年の間に、増加している。何故ならば、偽の薬剤の量が世界的規模で比較的大幅に増大しているからである。これらの偽物は、薬学的に効き目のある薬剤でありしかし又プラシーボ効果を有する薬剤である。

従って、銀行券の場合に知られるように、薬品産業用の包装材料にもホログラムを適用する試みがなされる。ホログラムも、その製造が比較的面倒であるにも拘わらず、技術開発の増加につれて偽造することができることが明らかになった。これらの偽造は、当業者自身によってのみ、特徴付けられ又は認識されることができる。何故ならば、薬剤のユーザが、このユーザが対応の比較サンプルを有していないとき、ホログラムが偽物であるか否かを確認することは非常に難しいからである。

これとは別に、材料の表面が、照射によって活性化される顔料を有する特殊な被覆を有する限り、偽造防止の包装材料を製造する試みがなされる。かくて、例えば、メーカのロゴ又は薬剤のマークを、照射、例えば紫外線又は赤外線の照射によって見えるように又は見えないようにする。EP-A2-1 217 091は、最初の開封の保証及び／又は独創性の保証が組み込まれた包装に関し、このような保証は、入射光を反射する被覆によって形成される。それ故に、観察方向又は観察角度に応じて異なった色が知覚される。

EP-A1-0 967 091は、観察角度に応じて異なった目の知覚を生起させる複数の互いに調整されたラスタ像からなる被覆を記載している。しかし、このような被覆システムも付け加えられることができることが明らかになった。それ故に、この方法でも、十分な偽造防止を、特に、薬品産業用の包装材料に関して、達成することができなかった。

本発明の課題は、いわゆる偽造防止の金属フォイルのこのような既知の欠点を回避することである。

上記課題は、本発明に記載のように、金属フォイルが、その表面の、少なくとも１つの所定の部分領域で構造化されていること、及び、この部分領域が、他の表面領域との比較で異なる、光の回折、散乱、屈折又は反射を有することを特徴とする金属フォイルによって解決される。本発明に係わる偽造防止の金属フォイルの、他の実施の形態は、従属請求項に記載のように開示されている。

本発明はこの偽造防止の金属フォイルを製造する方法に関し、構造化された部分領域はレーザ技術によって作られる。

本発明は、更に、この偽造防止の金属フォイルを製造する方法に関し、この金属フォイルは、本発明により、１回の圧延工程中に製造され、複数の用いられる作業ロールのうちの少なくとも１は、少なくとも１つの所定の部分領域に構造化されている表面を有する。それ故に、圧延工程中に、ロールの表面の構造が金属フォイルに写される。本発明に係わるこの方法の他の実施の形態は、従属請求項に記載のように開示されている。

本発明は、更に、例えば薬剤用の包装材料、装飾フォイル及び広告媒体を製造するための、本発明に係わる偽造防止の金属フォイルの使用に関する。

以下、図１乃至３を参照して本発明を詳述する。以下、本発明を実施するための可能な方法を詳述する。本発明に係わる金属フォイル、例えばアルミニウムフォイル１´を製造するための出発製品を、圧延機６に供給する。この圧延機はバッキングロール７及び作業ロール８からなる。金属フォイル１´の形の出発製品を貯蔵ロールすなわち巻出しロール９から転向ロール１１を通って複数の作業ロール８の間の噛込み部に供給する。このような作業ロールの、用いられる圧力によって、使用されるフォイルの厚さを減少させる。かくて、例えば、４０μｍの初期厚さを有するアルミニウムフォイル１´を、１回の圧延工程で２０μｍに減少させることができる。フォイルの達成される厚さを測定ステーションにおいてモニタする。続いて、フォイル１を巻取りロールすなわち他のベアリングロール１０に供給する。この圧延工程を、所望の厚さに応じて、何回も繰り返すことができる。

本発明に係わる表面構造を達成するために、最後の圧延工程で、作業ロール対を、他の作業ロール対８と交換する。他の作業ロール対は、その表面に、本発明に係わる偽造防止のフォイル１において達成されるべき１つの又は複数の部分領域に対応する構造を有する。これらの構造を、例えば、作業ロールの表面の研削、研磨、エッチング、レーザ処理及び彫刻によって作ることができる。レーザ技術が特に好ましいことが明らかになる。かくて、構造を幅広い領域において変化させることができる。それ故に、一方では観察者にとって見え、他方では目に見えない構造が作られる。

ロールの表面の、見える構造によって、金属フォイルの表面に同様に見える構造が作られる。これに対し、目に見えない構造は、いわゆる隠された、偽造防止の構造を可能にする。圧延過程の最中に、前記構造を、必要な変形圧力を用いて、金属フォイルに写す。これにより、この金属フォイルは、本発明では、これらの構造の表面の、少なくとも１つの所定の部分領域を有する。当然ながら、構造はロールの表面の大部分に延びているので、偽造防止フォイルのみならず、同時に、相応に装飾されたフォイルも製造される。

構造は、規則的にすなわち幾何学的な配列で又はランダムに、例えば波線として存することができる。

用途に応じて、金属フォイルの両表面も構造化されることができる。このためには、２つの作業ロール８が対応して構造をもって形成されていなければならない。

当然ながら、圧延工程に関係なく、偽造防止のフォイル１に、構造化された表面領域を作ることも可能である。この目的のためには、レーザ技術が適切である。このことによって、照射の程度に従って、隠されたすなわち裸眼で見えない表面構造のみならず、裸眼で見ることができる表面構造も作ることができる。

図１乃至２に例示された、本発明に係わる金属フォイル１の実施の形態を基にして、本発明を詳述する。

この場合、図１に示すように、面状の識別符号２の形の表面構造つまり会社のロゴが表示される。この識別符号は屈折率の点で残りのフォイル面３と異なり、観察者にとって既に裸眼で時として認識可能である。会社のロゴが包装材料のメーカーとして観察者に知られているロゴであるとき、観察者は本物の製品を入手したという確信を持つ。

表面構造に従って、入射光の、相応の回折又は散乱もなされる。この回折又は散乱は、例えば、形成された反射模様に基づいて測定可能である。この測定可能性は、特に、表面構造が裸眼で認識することができないときに、重要である。

他の識別符号が図２に開示されている。本発明に係わる金属フォイルは好ましくは圧延工程によって製造され、これにより、特に走行方向で、ロールの表面の、縦方向に向いている構造５は金属フォイル１の表面に写されるので、例えば、ロールの表面の研削によって、走行方向に対し横方向の構造が作られることができる。その結果、構造化された部分領域４が金属フォイル１に生じる。この部分領域は光の屈折を変化させる。部分領域４における所定の構造が模様又はロールの表面と比較されて、一致する場合に、製品が偽物であることはありえない。

形成された模様は、規則的にしかし又ランダムに配列されていることができる。従って、かくて、不規則に配列された模様は高い偽造防止性と結び付けられている。何故ならば、ランダムに形成された構造はメーカーにだけ知られているからである。メーカーは、薬剤の包装の際に必要な試験の目的のために、包装材料での抜取り検査に基づいて、包装材料の表面における構造と、ロールの表面における又は金属フォイル１の対応の模様における構造との一致を検査することができる。

更に、本発明に係わるフォイルの製造後に、表面構造を光学式の比較測定によっても算出することができる。この比較測定は例えば通常の光反射測定装置によってなされる。

本発明に係わる金属フォイルの表面構造化の後に、この金属フォイルに、透明な被覆を付することができる。透明な被覆としては、印刷インキ用混合物と、場合によっては顔料を有することができるプラスチックの層とが適切である。プラスチックの層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、配向ポリアミド（ｏＰＡ）及び配向ポリプロピレン（ｏＰＰ）の層が適切である。

これらの透明な層は装飾効果を高めるので、本発明に係わる金属フォイルは装飾フォイルとして又は広告媒体としても用いられる。

しかし、表面構造の形の識別符号を、不透明なラッカーによっても、まず見えなくすることができる。それ故に、識別符号は、当業者にとって、他の使用の際にはじめて見えるようにされる。当業者は、比較用サンプルを用いて、製品が本物であるか否かを試験する。

本発明に係わる金属フォイルは、包装材料の製造のために用いられ、特に、薬剤用の包装材料として、適切である。この使用の際に、メーカー又は消費者は、フォイルの表面における所定の構造の故に、自分が本物を入手したことを、容易に確認することができる。本発明に係わる金属フォイルに基づく偽造防止が存するのである。

金属フォイルの表面の大部分に構造化がなされるとき、このことはプリントされた絵の外見に同じである。それ故に、本発明に係わる金属フォイルは同様に装飾フォイルとして又は広告媒体として用いられる。

本発明に係わる偽造防止の金属フォイル１の部分図を示している。 本発明に係わる偽造防止の金属フォイル１の部分図を示している。 本発明に係わる偽造防止の金属フォイル１を製造するための圧延機６の形の装置を示している。

Claims (21)

1. 金属フォイルは、その表面の、少なくとも１つの所定の部分領域（２，４）で構造化されていること、及び、この部分領域は、他の表面領域（３，５）との比較して異なる、光の回折、散乱、屈折又は反射を有することを特徴とする偽造防止の金属フォイル（１）。
2. 前記金属フォイルは、アルミニウムからなることを特徴とする請求項１に記載の偽造防止の金属フォイル。
3. 前記金属フォイルは、構造化された部分領域（２）として、面状の識別符号を有することを特徴とする請求項１又は２に記載の偽造防止の金属フォイル。
4. 前記所定の部分領域（４）は、線状の構造を有することを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１に記載の偽造防止の金属フォイル。
5. 前記線状の構造は、幾何学的に又はランダムに配列されていることを特徴とする請求項４に記載の偽造防止の金属フォイル。
6. 前記構造化された部分領域（２，４）は、金属フォイルの両表面に設けられていることを特徴とする請求項１乃至５のいずれか１に記載の偽造防止の金属フォイル。
7. 前記構造化された部分領域（２，４）は、ほぼ全表面に設けられていることを特徴とする請求項１乃至６のいずれか１に記載の偽造防止の金属フォイル。
8. 前記構造化された部分領域（２，４）の大部分は観察者が見ることができ、残りの部分は観察者が見ることができないことを特徴とする請求項１乃至７のいずれか１に記載の偽造防止の金属フォイル。
9. 前記構造化された部分領域が設けられた前記金属フォイルの表面には、透明の被覆が設けられていることを特徴とする請求項１乃至８のいずれか１に記載の偽造防止の金属フォイル。
10. 前記透明な被覆は、印刷インキ及び／又はプラスチック並びに場合によっては添加剤を含むことを特徴とする請求項９に記載の偽造防止の金属フォイル。
11. 前記構造化された部分領域（２，４）は、レーザ技術によって作られていることを特徴とする請求項１乃至１０のいずれか１に記載の偽造防止の金属フィルムを製造する方法。
12. 前記金属フォイルを複数の作業ロール（８）によって製造し、この場合、少なくとも１つの作業ロールの表面は、少なくとも１つの部分領域で構造化されていること、及び、この構造を圧延工程の際に前記金属フォイルに写すことを特徴とする請求項１乃至１０のいずれか１に記載の偽造防止の金属フィルムを製造する方法。
13. ２つの作業ロール（８）の表面は構造化されていることを特徴とする請求項１２に記載の方法。
14. ロールのほぼ全表面は構造化されていることを特徴とする請求項１２又は１３に記載の方法。
15. ロールの表面に形成された構造の大部分は観察者が見ることができるが、残りの部分は観察者が見ることができないことを特徴とする請求項１２乃至１４のいずれか１に記載の方法。
16. 前記金属フォイルは、構造化の後に、透明な被覆を付することを特徴とする請求項１２乃至１５のいずれか１に記載の方法。
17. 前記透明な被覆は、印刷インキ及び／又はプラスチック並びに場合によっては添加剤を含むことを特徴とする請求項１６に記載の方法。
18. 前記ロールの表面の、前記所定の構造化された部分領域は、レーザ技術によって作られていることを特徴とする請求項１２乃至１７のいずれか１に記載の方法。
19. 包装材料を製造するための請求項１乃至１０のいずれか１に記載の偽造防止の金属フォイルの使用。
20. 装飾フォイルを製造するための請求項１乃至１０のいずれか１に記載の偽造防止の金属フォイルの使用。
21. 広告媒体を製造するための請求項１乃至１０のいずれか１に記載の偽造防止の金属フォイルの使用。

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