JPH0512066Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はクレジツトカード、預金通帳、封縅
紙、抽選券等に登録された暗証番号、印鑑、刻
印、抽選番号等の照合画像を第３者に偽造又は模
造されることを防止するようにした照合画像形成
体に関する。

（従来の技術） たとえばクレジツトカード等の申し込み伝票等
において、登録すべき暗証番号は当事者以外の第
３者に知られないようにするため、従来、種々の
工夫がなされている。たとえば上述の申し込み伝
票を複写伝票方式にし、裏面のカーボンに蛍光イ
ンキを利用し、目視による判別を不可能とし、担
当者のみが紫外線ランプで確認する方法が提案さ
れている。そのほか、預金通帳の印鑑の改ざんを
防止する方法として、通帳の印鑑照合欄に易剥離
性の白インキ層と地紋を印刷しておき、これに捺
印後シールを貼り、他人が印鑑の改ざんを目的と
して、このシールを剥そうとしたとき、この白イ
ンキ層および地紋が破壊され、他の印鑑を押すこ
とが不可能となるようにする方法も提案されてい
る。

しかし、これらの従来の方法はクレジツドカー
ド、預金通帳その他の証券の偽造又は改ざんに対
し必ずしも完全なものとは言えず、そのため製造
が容易で、かつこのような偽造、改ざんに対し極
めて有効な方策が望まれていた。

（目的） この考案は上記事情に鑑みてなされたものであ
つて、構造上簡単で、かつ当事者以外の第３者に
よる判読、偽造又は改ざんが極めて困難な暗証番
号、記号あるいは印鑑等の照合画像を付するよう
にした照合画像形成体を提供することを目的とす
る。

（問題点を解決するための手段） すなわち、この考案は照合画像を付した記録層
と、上記照合画像部分を含むようにして上記記録
層上に施された隠蔽層とを具備してなる照合画像
形成体であつて、該照合画像が該記録層を貫通す
ることなく該記録層自体に形成された超音波によ
り判別可能な物理的変形からなることを特徴とす
る照合画像形成体を提供するものである。

（実施例） 以下、この考案の図示の一実施例を参照して説
明する。

図中、１１はクレジツトカード、預金通帳等の
当事者又は本人を確認すべき暗証番号、暗証記
号、印鑑等の登録を要する証券類の基材（たとえ
ば紙、プラスチツク、金属等からなるもの）であ
つて、その一部表面に金属箔１２（たとえば厚さ
7μmのアルミニウム箔）が貼着されている。この
金属箔１２には第１図に示す如く、所定の暗証番
号等、たとえば「0321」がたとえばドツトプリン
タ方式により打刻されている。この場合、ドツト
プリント方式による打刻により金属箔１２には第
２図に示す如くその暗証番号部分はその厚み方向
に歪み又は穴等の物理的変形１３が与えられてい
る。

この金属箔１２上には上記暗証番号部分を少な
くとも被うようにして隠蔽層１４（たとえば隠蔽
用インキ又は隠蔽用シールから形成される）が設
けられている。この隠蔽層１４により上記暗証番
号は外部から識別することが全く不可能となつて
いる。なお、この隠蔽層１４上には必要に応じ
て、第２図に示す如くその隠蔽効果を高めるとと
もに、第３者が偽造等を目的としてこの暗証番号
部分をいったん剥離したとき、再び元通りに復元
できないようにするための破壊防止用迷彩地紋１
５が印刷されている。

なお、上記説明では暗証番号等をドツトプリン
ト方式で金属箔１２上に刻印する例について説明
したが、これに限らず他の手段、たとえばレーザ
光により暗証番号、印鑑等の照合画像を金属箔１
２に付して、金属箔１２に歪み、穴等の超音波に
より判別可能な物理的変形を生じさせるようにし
てもよい。

また、第１，２図には、本考案の照合画像形成
体として、記録層が単層のアルミニウム箔であ
り、この照合画像に対応する超音波により判別可
能な物理的変形を付与した記録層を基材１１上に
積層した例を示したが、本考案はこれに限定され
ず、基材を積層していない構成であつてもよい。

すなわち、本明細書でいう記録層とは、鉄、
銅、ニツケル、錫等の金属、あるいはこれらの合
金から成る単層の金属層、あるいは金属、合金樹
脂、インキ等から成る隠蔽層側に施された金属蒸
着層、鍍金層、ペイント塗膜、あるいは金属微粉
末、金属酸化物微粉末含有の印刷インキ膜等であ
る。

以上のように、証券類に登録すべき照合画像は
超音波検索により始めて判別可能な極めて微細な
物理的変形を以つて金属箔中に形成されることが
でき、さらにその上に隠蔽層が形成されているか
ら、外部から目視により、その照合画像を判別す
ることはもちろんのこと、Ｘ線その他の光学的手
段により判別することもほとんど不可能なものと
することができる。

したがつて、本考案の照合画像形成体の照合画
像の識別は第３図に示す如く、超音波検索装置を
用い、モニターテレビに映し出すことにのみより
おこなわれる。すなわち、超音波検索装置のトラ
ンスジユーサ１６を水層（図示しない）を介して
照合画像部分に当て超音波パルスを発生させると
ともに、反射エコーをトランスジユーサ１７を介
して受信し、これを電気信号に変換し、出力調整
器１７を介してモニターテレビ１８上に照合画像
を再生させることができる。

（作用効果） 以上詳述したように本考案の照合画像形成体に
おいては暗証番号等の照合画像を金属シート内部
にわずかな歪み、穴その他の物理的変形を生じさ
せ、これを外部から隠蔽し、これを超音波のみで
読み取り可能としたから、当事者以外の物が照合
画像を判別、偽造又は模造することが極めて困難
となり、シール、ラベル、クレジツトカード、預
金通帳、ギフト券、小切手、株券その他証券等が
当事者以外の他人に悪用される危険性を極めて有
効に防止することが可能となる。

なお、金属箔１２としては例示のアルミニウム
箔に限らず、銅、その他の金属を用いてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係わる照合画像形
成体の平面図；第２図は第１図の−線に沿う
断面図；第３図は本考案の照合画像形成体中の暗
証等を照合する方法を説明する説明図である。 図中、１１……基材、１２……金属箔、１３…
…物理的変形、１４……隠蔽層、１５……迷彩地
紋、１８……モニターテレビ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 照合画像を付した記録層と、上記照合画像部
   分を含むようにして上記記録層上に施された隠
   蔽層とを具備してなる照合画像形成体であつ
   て、該照合画像が該記録層を貫通することなく
   該記録層自体に形成された超音波により判別可
   能な物理的変形からなることを特徴とする照合
   画像形成体。 (2) 上記記録層は基材シート上に積層されている
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の照合画像形成体。 (3) 上記記録層が金属層であることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項または第２項記
   載の照合画像形成体。 (4) 上記隠蔽層が表面に迷彩地紋を含むものであ
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の照合画
   像形成体。 (5) 上記隠蔽層が隠蔽インキを含むものである実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の照合画像形
   成体。 (6) 上記隠蔽層が隠蔽シールを含むものである実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の照合画像形
   成体。