JP2005526974A - 微小流体分析装置内にビーズベースの試薬を捕捉するための装置および方法 - Google Patents

微小流体分析装置内にビーズベースの試薬を捕捉するための装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、微細レベルでビーズなどの充填材料を効果的に交換できる、オンチップ型充填反応床設計を提供する。本発明は、微小流体分析装置の機能を、オンチップ型固相抽出(SPE)およびオンチップ型キャピラリー電気クロマトグラフィー(CEC)を含む新たな用途に拡張する。この設計はさらに、集積型充填床免疫または酵素反応装置を含むように拡張させることもできる。この装置は、充填材料(12)を捕捉するために通路内に二つの堰(6,7)を備えている。充填材料は、二つの堰(6,7)の間に形成されたチャンバに側部通路を通して導入してもよい。側部通路内にはこれを閉じるために栓が配置される。

Description

本発明は広く、微小流体分析装置に関し、より詳しくは、微細レベルで液相分析を行うための微小化学分析装置(μ−TAS)に関する。
微小化学分析装置(μ−TAS)の分野における最近の発展により、化学反応、分離および検出を一つのマイクロチップ上の微細レベルで行う装置が開発された[例えば、非特許文献1,2および3を参照のこと]。
ほとんどの従来技術の微小流体デバイスは、従来の開放管フロー型設計および固相試薬に基づく。これらのデバイスの機能性は増し続けているが、これら従来技術のデバイスにおいて現在欠けている重要な特徴の一つは、固定相または固定化された試薬を持つ充填材料を導入するために、オンチップ型充填反応床を効果的に組み込む能力である。ある従来技術の設計で充填反応床を利用する試みがいくらか行われてきたが、充填材料(微小ビーズなどの)を複雑な微小流体マニホールドの充填部分に充填するのが難しいために、これまでは、これらの試薬デリバリービヒクルを微小流体デバイスに効果的に使用できなかった(充填の難しさは、この分野の熟練者にはよく理解されている[例えば、非特許文献4を参照のこと])。
ある従来技術の実例において、ビーズ捕捉フリットを備えた充填床型クロマトグラフィーデバイスがシリコン基板内に製造された[非特許文献5]。しかしながら、この従来技術の設計における充填材料は、容易には充填したり交換したりできず、それゆえ、その有用性は限られていた。
数人の著者により、従来の毛管内に充填材料を保持するためにフリットを再現可能に製造することに関する難点が記載されてきた[非特許文献6,7,8および9]。従来の装置に用いられるフリットは、時間と労力を要する方法を用いて調製されており、その最も一般的に用いられている方法では、ケイ酸ナトリウム水溶液により湿らされた純粋なシリカゲルを使用している。フリットは、最初に、毛管端部を、シリカとケイ酸ナトリウム水溶液から製造されたペースト中に入れることにより製造される。次いで、このように得られたシリカの栓を加熱してフリットを製造する。現在の製造方法では、使用できるフリットは高い歩留まりで製造されていない。
さらに、従来技術の製造方法により製造されたフリットを使用すると、望ましくない気泡が形成されることが多い[非特許文献10および11]。気泡により、カラム内に不連続が生じ、溶液の流動が妨げられ、最終的に分離を行えなくなってしまう。これらの気泡は、ビーズ捕捉フリットから開放毛管中に移動することにより生じる電気浸透流(EOF)の速度変化から生じると考えられている。電圧が高くなると増加することが観察されている気泡の発生によっても、毛管に印加することのできる電圧量が制限され、それによって、カラムの長さ、分離効率、および分析速度が制限される。
Harrison,D.J.; Eluri,K.; Seiler,K.; Fan,Z.; Effenhauser,C.S.; and Manz,A. Science 1993, 261, 895-897 Harrison,D.J.; and van den Berg,E.; Eds., Micro Total Analysis Systems '98, Proceedings of the μTAS '98 Workshop (Kluwer: Dordrecht, 1998) Coyler,C.; Tang,T.; Chiem,N.; and Harrison,D.J., Electrophoresis 1997, 18, 1733-1741 Ericson,C.; Holm,J.; Ericson,T.; and Hjerten,S., Analytical Chemistry Ocvirk,G., Cerpoorte,E., Manz,A., Grasserbauer,M., and Widmer,H.M. Analytical Methods and Instrumentation 1995, 2, 74-82 Boughtflower,R.J.; Underwood,T.; Paterson,C.J. Chromatographia 1995, 40, 329-335 Van den Bosch,S.E.; Heemstra,S.; Kraak,J.C.; Poppe,H.J. Chromatogr.A 1996, 755, 165-177 Colon,L.A.; Reynolds,K.J.; Alicea-Maldonado,R.; Fermier,A.M. Electrophoresis 1997, 18, 2162-2174 Majors,R.E. LC-GC 1998, 16, 96-110 Altria,K.D.; Smith,N.W.; and Turnbull,C.H., Chromatographia, 46 (1997) 664 Majors,R.E., LC-GC, 16 (1998) 96
従来技術の制限を克服した機能的なオンチップ型充填反応床設計により、微小流体のツールボックスの範囲が著しく拡張され、そのようなデバイスの用途の数も増加するであろう。
本発明は、一般に、微細レベルで充填材料(例えば、ビーズ)を効果的に交換できる一つ以上の堰構造体を用いたオンチップ型充填反応床設計を提供する。本発明は、微小流体分析装置の機能を新たな用途に拡張する。例えば、本発明により形成された充填反応床により、以下さらに詳しく説明されるように、オンチップ型固相分離(SPE)およびオンチップ型キャピラリー電気クロマトグラフィー(CEC)が可能になる。この設計はさらに、例えば、集積型充填床免疫または酵素反応装置を含むように拡張できる。
本発明は、同様に、改良された充填および床安定化方法に関する。本発明の床は、適切な溶媒溶出強度を選択することにより、キャピラリー電気クロマトグラフィー(CEC)を行うために使用することができる。床のCEC性能は、新たな床安定化方法を用いたときに改善された分離効率を示す。
本発明は、より詳しくは、微小流体分析装置を提供する。この装置は、上面と上面に形成された少なくとも一つの主要通路を持つ実質的に平坦な基板を含み、この主要通路は、第一の主要通路端と第二の主要通路端および使用するときの所定の流動方向を持つ。この装置は、平坦基板を覆って配置されたカバープレートも含み、このカバープレートは上から前記通路を実質的に閉じている。第一の堰は、主要通路を横切って、第一の主要通路端と第二の主要通路端との間に成形されている。第一の堰は、使用中に、流動間隙よりも一般に大きい構成粒子を持つ充填材料を捕捉しながら、少なくともある程度の流れを第一の堰を超えて流すことのできる少なくとも一つの流動間隙を提供する。第二の堰は、第一の堰の上流に位置し、第一と第二の堰はそれらの間にチャンバを形成する。第二の堰は、使用中に、チャンバ内に前記充填材料を捕捉しながら、少なくともある程度の流れを第二の堰を超えて流すことのできる少なくとも一つの流動間隙を提供する。この装置は、平坦基板に形成された少なくとも一つの側部通路を含み、側部通路は、第一の側部通路端でチャンバに、第二の側部通路端でリザーバに連結されている。第一の側部通路端に近接した側部通路内に栓が配置されている。
別の態様において、本発明は、微小流体分析装置に関する。この装置は、上面と上面に形成された少なくとも一つの主要通路を持つ実質的に平坦な基板を含み、主要通路は、第一の主要通路端と第二の主要通路端および使用するときの所定の流動方向を持つ。平坦基板を覆ってカバープレートが配置されており、このカバープレートは上から前記主要通路を実質的に閉じている。少なくとも一つのチャンバが主要通路内に配置され、このチャンバは、流体を所定の流動方向にチャンバを通して流すことができる一方で、チャンバ内に充填材料を捕捉する。前記装置は、平坦基板に形成された少なくとも一つの側部通路を含み、この側部通路は、第一の側部通路端でチャンバに、第二の側部通路端でリザーバに連結されている。第一の側部通路端に近接した側部通路内に栓が配置されている。
別の態様において、本発明は、微小流体分析装置内に充填反応床を形成する方法に関する。この装置は、上面と上面に形成された少なくとも一つの主要通路を持つ実質的に平坦な非導電性基板を含み、主要通路は、第一の主要通路端と第二の主要通路端および使用するときの所定の流動方向を持つ。この装置は、平坦基板を覆って配置されたカバープレートを含み、このカバープレートは上から前記主要通路を実質的に閉じている。主要通路内には少なく一つのチャンバが配置され、このチャンバは、流れを所定の流動方向にチャンバを通って流動させる一方で、チャンバ内に充填材料を捕捉する。この装置は、平坦基板に形成された少なくとも一つの側部通路を含み、この側部通路は、第一の側部通路端でチャンバに、第二の側部通路端でリザーバに連結されている。本発明の方法は、
(i) リザーバ内に充填材料を提供し、
(ii) 第一の主要通路端に比較的低い電圧を印加し、
(iii) 第二の主要通路端に比較的低い電圧を印加し、
(iv) チャンバに充填材料が実質的に充填されるまで、リザーバに比較的高い電圧を印加する、
各工程を有してなる。
本発明のさらに別の態様は、微小流体分析装置内に充填反応床を形成する方法に関する。この装置は、上面と上面に形成された少なくとも一つの主要通路を持つ実質的に平坦な非導電性基板を含み、主要通路は、第一の主要通路端と第二の主要通路端および使用するときの所定の流動方向を持つ。この装置は、平坦基板を覆って配置されたカバープレートを含み、このカバープレートは上から前記主要通路を実質的に閉じている。主要通路内には少なく一つのチャンバが形成され、このチャンバは、流れを所定の流動方向にチャンバを通って流動させる一方で、チャンバ内に充填材料を捕捉する。この装置は、平坦基板に形成された少なくとも一つの側部通路を含み、この側部通路は、第一の側部通路端でチャンバに、第二の側部通路端でリザーバに連結されている。本発明の方法は、
(i) 充填材料をチャンバ中に充填し、
(ii) 第一の側部通路端に近接した側部通路内に栓を形成する、
各工程を有してなる。
本発明をよりよく理解するために、実例として、本発明の好ましい実施の形態を示す添付の図面を参照する。
上述したように、本発明は、微小流体分析デバイスの用途の数を著しく拡張する機能的なオンチップ型充填反応床を提供するために、充填材料(ビーズなどの)をチップ上に捕捉し、充填区域を効果的に充填し、そこから充填物を除去する都合よい装置および方法を提供するように計画されている。
本発明により促進されたそのような拡張用途の一つは、固相抽出(SPE)によるオンチップ型試料前濃縮である。微小流体分析において、SPEは、検出限界問題を克服する、または潜在的な干渉を除去する必要があることが多い。現在まで、マイクロチップ内の前濃縮は、「等電点電気泳動」を用いた試料積層により行われている[Jacobson,S.C. and Ramsey,M. Electrophoresis 1995, 16, 481-486]。都合よいことに、試料積層とは異なり、SPEは、特定の分析物について選択的に作製でき、緩衝液前濃縮物の精密な制御を必要としない。SPEに関して、前濃縮の量は前濃縮時間により制限され、これにより、試料積層よりも融通が利く。分析物のSPEは、分析物を前濃縮するためだけでなく、他の不純物を除去したり、溶媒条件を変えたりするためにも有益であろう。SPEと微小流体デバイスの組合せは達成されてきたが[Figeys,D. and Aebersold,R. Anal.Chem. 1998, 70, 3721-3727]、これらの従来技術のデバイスにおけるSPE成分は、毛管またはチップの外にある類似のカートリッジ内で製造されており、それゆえ、より複雑でより高価な装置が形成されていた。本発明は、オンチップ型SPE部材を促進することによりこの従来技術の制限を克服するように計画されている。
本発明の発明者等により実現されたように、集積型オンチップSPE部材は、製造が究極的に容易であり、チップへのデッド・ボリュームの小さい連結を必要とせず、従来技術で必要とされた外部での試料操作から生じた試料の取扱い損失や汚染問題がなくなる。本発明により容易になったように、SPEのチップ上への日常的な組込みにより、オンチップ検出限界に関する問題が減少し、集積できる試料調製工程の範囲が改善されることが予測される。
本発明により促進される別の拡張用途はオンチップ型キャピラリー電気クロマトグラフィー(CEC)である。CECは最近、液体クロマトグラフィーおよびキャピラリー電気泳動両方の分離能が組み合わされるという事実のために、著しく注目を受けるようになってきた。現在まで、デバイス内にクロマトグラフィー材料を充填することに関連する難点により、ほとんどの以前のクロマトグラフィーの労力が、従来技術の開放通路法に集中していた[Manz,A., Miyahara,Y., Miura,J., Watanabe,Y., Miyagi and H.Sato,K., Sens.Actuators 1990, B1, 249-255; Jacobson,S.C., Hergenroeder,R., Koutny,L.B. and Ramsey,J.M.Anal.Chem. 1994, 66, 2369-2373; Kutter,J.P., Jacobson,S.C., Matsubara,N. and Ramsey,J.M.Anal.Chem. 1998, 70, 3291-3297; He,B., Tait,N. and Regnier,F. Anal.CHem. 1998, 70, 3790-3797]。
従来技術において、2μm以下の通路幅を持つ開放通路方法用デバイスは、開放カラム中の移動相移送を改善する必要があり、閉塞および検出のための短い路長などの他の実際的な検討事項が生じる。また、そのような構造体における安定相コーティングの費用や再現性に関する問題もある。
本発明の発明者等により実現されたように、本発明によるオンチップ型充填床クロマトグラフィーには、低移動相質量移送が提供される利点があり、幅広い固定相を利用できる。この場合、チップ外で調製された固定相を使用することにより、チップをコーティングする必要がなくなり、固定相の調製の最適化を行えるという利点が得られる。
本発明により促進されたさらに別の拡張用途は、オンチップ型のビーズベースのイムノアッセイおよび酵素ベースのアッセイを提供することである。これらの用途を以下にさらに説明する。
本発明を実施例により説明するために、本発明の発明者等は、ここに説明する一連の実験を行った。
チップの設計
図1Aおよび1Bは、これらの実験で用いた微小流体デバイス10を示している。このデバイス10は基板8の上面に形成された主要通路11を含み、主要通路11は、これも基板8に形成されたチャンバ4により隔てられている。チャンバ4により隔てられている主要通路11の二つの枝は、主要リザーバ1および2として同定される。チャンバ4は、狭い側部通路5により充填材料リザーバ3に連結されている。充填材料リザーバおよび狭い側部通路5も、基板8に形成されている。図1Bは、走査電子顕微鏡(マサチューセッツ州、ピーボディー、Jeol X-Vision JSM6301FXV)により得られたチャンバ4の拡大画像を示している。
チャンバ4は、主要通路11の比較的狭い部分(図1A)で主要通路11を横切って形成された二つの堰6,7を提供することにより形成されている。図1Bから分かるように、堰6,7は、主要通路11の深さほどは高くなく、したがって、ある程度の流体が以下に説明するように堰6,7を越えて流れることができる。デバイス10は、公知の化学エッチング法[Fan,Z.H.; Harrison,D. J.Anal.Chem. 1994, 66, 177-184]を用いて、アルバータ・マイクロイレクトロニック社(Alberta Microelectronic Corporation)(アルバータ州、エドモントン所在)によりコーニング0211ガラスに調製した。
この基板材料は非導電性であるが、動電(electrokinetic)力以外が使用されている場合には(以下さらに詳細に説明する)、基板材料は半導体または導体であってよいことに留意されたい。デバイス10を形成するには二つのフォトマスクが必要である。第一のフォトマスクを用いて、堰6,7の頂部を約1μmの深さまでエッチングし、第二のフォトマスクを用いて、通路5,11を約10μmの深さまでエッチングした。
図2Aは、通路11(主要リザーバ1,2)の深さほど高くない堰6,7の断面図を示しており、したがって、小さな流動間隙14,15が、堰6,7の頂部と、基板8の頂部に配置され、それによって、チャンバ4、通路5,11およびリザーバ1,2,3を閉じているカバープレート9(図1Aまたは1Bには示されていない)との間に設けられている。図2Aから分かるように、ビーズ12は、流動間隙14,15よりも概して大きく、したがって、チャンバ4から出ることが出来ない。
図2Bおよび2Cは、堰6’がわずかしか流動抵抗を与えないように実質的に垂直なノッチ6”が設けられている堰6’の別の実施の形態の、それぞれ側面図および端面図を示している。垂直ノッチ6”は、ビーズがそこを通過できないほど十分に狭いべきである(すなわち、ノッチは、最小のビーズの直径よりも少なくとも約10%小さいべきである)。
溶液および試薬
これらの実験に様々な溶液と試薬を用いた。使用前に、アセトニトリル(オンタリオ州、トロント所在のBDH)を0.45μmのナイロン−6,6フィルタ(イリノイ州、ディアフィールド所在のアルテック(Altech)社)に通して濾過した。そうでなければ、電解質を加えずに、そのアセトニトリルを入手した状態で使用した。また、超純水(オンタリオ州、ミシサーガ所在のミリポア・カナダ(Millipore Canada)社)中で、50mMのリン酸カリウム(pH7.0)および酢酸アンモニウム(pH8.5)の緩衝液を調製した。アセトニトリルと緩衝液との1:1(v/v)の混合物を調製した。HPLC等級のメタノール(ニュージャージー州、フェアローン所在のフィッシャー(Fisher)社)中で0.10mMの4,4−ジフルオロ−1,3,5,7,8−ペンタメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン、BODIPY 493/503(オレゴン州、ユージーン所在のモレキュラー・プローブス(Molecular Probes)社)の原液を調製した。フルオレセイン二ナトリウム液(シグマ(Sigma)社)の1mMの原液をリン酸緩衝液中で調製した。次いで、両方の原液を、50mMのリン酸緩衝液および50mMの酢酸アンモニウム緩衝液中で希釈して、1.0μMの溶液を得て、次いで、これを1.0nMまで希釈した。この1.0nMの溶液は、前濃縮と電気クロマトグラフィーのための試料であった。全ての水溶液(緩衝液および試料)は、使用前に、酢酸セルロース製シリンジフィルタ(0.2μmの細孔サイズ)(ニューヨーク州、ロチェスター所在のナルジーン(Nalgene)社)に通して濾過した。
充填材料
これらの実験に用いた適切な充填材料の一つは逆相クロマトグラフィー固定樹脂からなるものであった。この樹脂は、Spherisorb ODS1(英国、フリントシャー所在のフェーズ・セパレーションズ(Phase Separations)社)であり、この多孔質C−18樹脂の粒子は、走査電子顕微鏡(ODSビーズ12)により測定して、直径で1.5から4.0μmの範囲にあった。約0.003g/mlのODS1のスラリーをアセトニトリル中に調製した。このスラリーを用いて、充填材料をリザーバ3に供給して、その後、チャンバ4を充填した。
ある溶媒と添加剤の組合せが、充填材料を充填チャンバ中に留めるのに役立つことが分かった。例えば、ODSビーズをアセトニトリル中に導入した場合、それらのビーズは容易に流動するが、その後、水性または主に水性である溶媒に切り替えると、ビーズが凝集し、チャンバ内に捕捉されるようになる。ODSビーズについては、30%までのアセトニトリルが、観察された凝集が充填床を不安定化させる点まで崩壊されずに水溶液中に存在できた。50%までのアセトニトリルが、凝集がわずかしか損失せず、床が多少不安定化された状態で存在できた。
別の実例として、タンパク質Gまたはタンパク質A被覆ビーズが水溶液中で凝集体を形成し、これにより、それらのビーズを捕捉区域に導入することが難しくなった。しかしながら、Tween 20またはBrij 35(両方とも商標)などの中性界面活性剤を添加することにより、そのような凝集は防がれ、ビーズを導入することができた。反対に、水溶液から界面活性剤を後に除去すると、凝集が形成され、捕捉済み床の安定性が向上した。
以下の傾向が観察された。有機溶媒または界面活性剤などの有機添加剤を添加することにより、水または緩衝水の表面張力よりも溶媒の表面張力を低下させる非極性またはある程度の非極性であるビーズ相(例えば、ODSおよびタンパク質被覆ビーズ)を使用すると、凝集する傾向が減少した。逆に、水溶液から表面張力の低い材料を減少させるか除去すると、ビーズを床の適所に固定する傾向が増し、これらのデバイス内のビーズ捕捉を向上させる「溶媒固定」法が得られる。メタノール、エタノール、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネートなどの、水と混和性の、アセトニトリル以外の他の有機溶媒をこれらの目的に使用してもよい。ビーズ上または試料中に存在するかもしれないタンパク質と相溶性である限り、中性界面活性剤の代わりに、荷電界面活性剤を用いてもよい。
磁気充填のために用いた磁気ビーズはタンパク質「A」被覆ビーズからなっていてもよく、その組成の36〜40%が、スチレンおよびジビニルベンゼンからなるコポリマーマトリクス内に分散しているマグネタイトであった。また、オリゴ(dT)25被覆ビーズを、mRNAの単離のために用いてもよい。このビーズは、ビーズ全体に亘り磁気材料(Fe23およびFe34)が均一に分散している。ビーズは、磁気材料を覆うポリスチレン(ノルウェー国、オスロ所在のダイナル(Dynal)社)により被覆されている。
チャンバ4から側部通路5中にビーズが逆流するのを制限するために側部通路5に栓を形成すると、充填ビーズ床の性能が改善されることが分かった。充填ビーズをチャンバ4内に固定化するために、モノマーを側部通路5に導入し、その場で重合させる。
モノマー溶液は、EDMA(以下に記載する)などのモノマーとAIBN(以下に記載する)などのフリーラジカル開始剤との混合物(EDMAの重量当たり2重量%のAIBN)200μlをポロゲニック(細孔形成)三成分溶媒混合物(10重量%H2O、40重量%の1,4−ブタンジオール、および50重量%の1−プロパノール)800μl中に溶解させることにより調製し、4℃で貯蔵してもよい[Gabriela,S.C.; Remcho,V.T. Anal.Chem. 2000, 72, 3605-3610. Peters,E.C.; Petro,M.; Svec,F.; Frechet,M.J. Anal. Chem. 1997, 69, 3646-3649]。溶解O2を除去するために、この混合物をN2で15分間に亘りパージしてもよい。エチレンジメタクリレート(EDMA)および2,2’−アゾ−ビス(イソブチロニトリル)(AIBN)(ワイオミング州、ミルウォーキー所在のシグマ−アルドリッチ・ケミカル社(Sigma-Aldrich Chemical Co.))、並びに試薬等級の1−プロパノールおよび1,4−ブタンジオール(オンタリオ州、ジョージタウン所在のカレドン・ラボラトリーズ社(Caledon Laboratories Ltd.)およびニューヨーク州、ロチェスター所在のイーストマン・オーガニック・ケミカルス社(Eastman Organic Chemicals))は、入手した状態で用いてもよい。
十分な量のモノマー溶液(約20μlが効果的であることが分かった)をリザーバ3内に配置し、約2分間に亘りリザーバ1に吸引力を加え、一方で、リザーバ2に水を充填した。モノマー溶液が充填ビーズ床に到達する前に、吸引は停止すべきである。特定のポンプおよびチップ設計に要求される吸引期間が、試験と観察により決定されることが理解されるであろう。
次いで、蒸発を防ぐために、例えば、有機溶媒耐性テープを用いることにより、チップ10を密封する。次いで、モノマー溶液を重合または硬化させる。例えば、チップを、24時間に亘り60℃のオーブン内で加熱してもよい。あるいは、溶液の光重合を行ってもよい。
硬化後、次いで、デバイス10を開く。次いで、有機溶媒をリザーバ3に加え、吸引を用いてリザーバ2に向けて引き寄せ、次いで、ビーズ導入通路5を水でフラッシュする。上述したものに加えて、栓を形成するために、多数のモノマー混合物を用いてもよい。いくつかの混合物が、S.Ngola, Y.Fitschenko, W.-Y.Choi, T.J. Sheppodd, Analytical Chemistry 2001, vol 73, pp 849-856,およびJ.-R.Chen, M.T.Dulay, R.N.Zare, F.Svec, E.Peters, Analyticla Chemistry 2000, vol 72, pp 1224-1227に記載されている。非多孔質ポリマー形成剤を用いてもよい。例えば、Araldyne(商標)などのエポキシ形成セメントや他のものを圧力により側部通路5中に導入し、次いで、室温か高温で硬化させてもよい。この場合、側部通路5のその後の濯ぎは行わない。
溶液を重合させることにより、側部通路5内に栓を形成して、チャンバ4から側部通路5中へのビーズの逆流を制限してもよいことが分かるであろう。ビーズ床を繰り返して使用する特定の用途(例えば、一般的なCEC用途)について、側部通路5内にポリマー栓を形成するこの技法は都合よいであろう。しかしながら、ビーズ床を頻繁に交換する用途(SPE用途におけるように頻繁に)については、ポリマー栓は望ましくないであろう。
器具
本発明の実験を行う上で様々な器具を用いた。これらの器具とその操作は当業者によく知られているので、手短な説明しか行わず、それらの器具も図示しない。
ビーズの充填に必要な電気泳動電圧を制御するために用いた電源とリレーシステムおよびチップ上での全ての液体の取扱いは以前に記載されている[Fluri,K., Fitzpatrick,G., Chiem,N. and Harrison,D.J. Anal.Chem. 1996, 68, 4285-4290]。LabVIEWプログラム(テキサス州、オースチン所在のナショナル・インストルメンツ(National Instruments)社)は、電圧システムのコンピュータ制御およびデータ収集のために書かれたものである。
この実験に用いたレーザ励起蛍光検出装置は、4.0mWで動作する488nmのアルゴンイオンレーザ(カリフォルニア州、サンノゼ所在のユニフェーズ(Uniphase)社)、および関連する集光光学素子[Manz.A., Miyahara,Y., Miura,J., Watanabe,Y., Miyagi,H., and Sato,K., Sens.Actuators 1990, B1, 249-255](カリフォルニア州、アービン所在のメレス・グリオット(Melles Griot)社)からなるものであった。BODIPY試料(前述した)から放出された蛍光は、25倍、0.35NAの顕微鏡対物レンズ(独国、レイツ・ウェツラー(Leitz Wetzlar)社)により集光した。これらの像を、ソニー社製CCD-IRISカメラにより観察した。あるいは、530nm発光フィルタおよび光電管(PMT)(ニュージャージー州、ブリッジウォーター所在のハママツ、R1477)を、チャンバ4と充填材料リザーバ3との間の狭い側部通路5をモニタできるように配置された検出器として用いた。データは、チャンバ4に隣接した主要通路11の部分から収集した。堰6は、視野からちょうど外れていた。PMT信号を増幅し、フィルタリングし(25Hz、Butterworth)50Hzの周波数でサンプリングしながら、PMTを530Vでバイアスかけた。
緩衝液およびアセトニトリル両方の中の1.0nMのBODIPY、緩衝液およびアセトニトリルの蛍光を、島津製RF-5301PC分光蛍光光度計を用いて測定した。
上述した様々な器具について、特定のモデルおよび製造業者を列記してきたが、適切で機能的であればどのような器具を用いてもよいことが当業者には分かるであろう。
チップ操作
図1Aおよび1Bを再度参照すると、動電ポンピングを用いて固定相充填材料をチャンバ4中に向けるために、充填材料リザーバ3からチャンバ4中に続く狭い側部通路5を用いた[Yan,C.,米国特許第5453163号明細書 1995; Knox,J.H. and Grant,I.H. Chromatographia 1991, 32, 317-328]。上述したように、基板8は非導電性であり、これにより、動電ポンピング法を用いて、ビーズ12を充填できる。
第一の充填方法
第一の充填方法において、使用前に、デバイス10をどのような水溶液によっても状態調節しなかった。チャンバ4、通路5,11,およびリザーバ1,2,3に、アセトニトリルなどの有機溶媒を充填した。次いで、充填材料リザーバ3内の溶媒を、ODS/アセトニトリルスラリー(前述)と置き換え、次いで、主要リザーバ1および2を接地した状態に保持しながら充填材料リザーバ3に正の高電圧を印加することにより、チャンバ4にODSビーズ12(図2)を充填した。充填材料リザーバ3に印加した電圧は約5分間に亘り200Vから800Vまで上昇させて、チャンバ4の充填を行った。
チャンバ4が一旦充填されたら、段階勾配を行って、水溶液を主要通路11およびチャンバ4内のODSビーズ12に導入した。アセトニトリルと緩衝液の1:1(v/v)混合物をリザーバ1および2内に配置した。充填材料リザーバ3内のスラリーをアセトニトリルと置き換えた。次いで、充填材料リザーバ3を400Vにバイアスし、主要リザーバ2を接地しながら、主要リザーバ1に電圧を加え、200Vから800Vまで上昇させた。
800Vで2から5分経過した後、リザーバ1および2内のアセトニトリル/緩衝液混合物を緩衝液と置き換え、同じ電圧プログラムを繰り返した。チャンバ4を目視で監視して、アセトニトリルが緩衝液により完全に置き換えられ、充填材料(ビーズ12)がこの工程中に移動したり排出されたりしなかったことを確認した。(ビーズ12は、アセトニトリルを排除したときに凝集するのが見られ、水/アセトニトリル界面での屈折率変化は明らかに目に見えた。)行った実験をさらに詳しく説明する。
上述した第一の充填方法は、チャンバ口4Aを介してチャンバ4に非対称連結した側部通路5を持つデバイス10にとって特に効果的である。
第二の充填方法
しかしながら、本発明の別の第二の充填方法は、側部通路5とチャンバ4との間に非対称連結を持つデバイス10、並びに略対称の連結を持つデバイスの両方にとって効果的であることが分かった。図8Dが、側部通路5とチャンバ4との間のそのような略対称の連結を持つ別のデバイス10’を示している。チャンバ口4A’が堰6,7からおおよそ等距離に位置しているのが分かる。
第二の充填方法において、チャンバ4、通路5,11,およびリザーバ1,2,3を、使用前に、アセトニトリルなどの有機溶媒によりフラッシュした。次いで、リザーバ3内の有機溶媒を、ODSビーズスラリーと置き換え、リザーバ1および2を接地しながら(そうでなければ、比較的低い電圧を印加しながら)、正の比較的高い電圧(200V〜2kV、約1kVが好ましい)をビーズリザーバ3に最初に印加した。200μmの長さの床またはカラムは典型的に15〜20秒間で充填され、ビーズリザーバ3に印加される電圧は、充填の最後の5〜10秒間で20〜200Vに降下させた。より長い床について、電圧を降下させるのにかけた時間および充填時間は、数分まで増加しても差し支えない。5〜10mmの床について、充填時間は30〜40分間ほど長いであろう。
一般に、ビーズリザーバ3に印加される電圧を降下させる時間の量は、全充填時間の約1/4から1/2である。床が長くなるほど、降下する速度は一般に遅くなる。同様に、約2〜10mmの長さの床について、電圧を降下させる時間は、短い長さの床についてよりも、全充填時間のより大きい比率を占める。
この第二の充填方法は、特に堰6,7間のカラムの長さが1mmを超えるときに、第一の充填方法と比較して、改善されたビーズの充填を一般に行えることが分かった。
一旦チャンバとビーズ導入通路の十分な部分がビーズで充填されたら、リザーバ1と2中の有機溶媒およびリザーバ3内の過剰のスラリーを緩衝水溶液により置き換えた。次いで、リザーバ3を約400Vにバイアスし、リザーバ1を接地した状態で、リザーバ2内の電圧を約1分間に亘り200Vから800Vまで上昇させた。
カラムの調製
緩衝液中50%を超えるアセトニトリルなどの特定の溶媒組成物について、CECやSPEを繰り返し行うと、充填床中に空隙がしばしば形成されることが分かった。そのような空隙は、ピーク形状を変え、床の効率を著しく低減させ得る。
SPEにおいて、汚染物の蓄積を避けるために、ビーズを頻繁に交換することが普通であり、したがって、時間の経過とともに空隙が形成されることは問題ではない。しかしながら、CECカラムは繰り返し使用されることが多い。
カラムを繰り返し使用すべき用途において、充填したビーズをチャンバ4内に捕捉するために重合により形成された物理的栓を使用することにより、空隙の形成が減少することが分かった。これらの床は、改善された安定性、長い寿命、およびよりよい性能を示した。100%までのアセトニトリルを含有する溶媒を、堰を越えてポンプで注入することができ、ビーズ導入通路5中への充填粒子の損失はなかった。そのような固定化床は、空隙が形成されずに数回再使用することができた。
第二の充填方法に記載したような床充填中の電圧降下の使用と、重合取込み方法とを組み合わせると、対称チャンバ口4A’を持つように構成されたチャンバ4(図8D)を使用することができる。充填中にこれらの技法を使用することにより、ビーズの側部通路5中への逆流が避けられた。対称チャンバ4は、15〜20秒間で完全に充填できた。これらの技法は、CECに関する床の動作寿命を延長し、達成できるプレート数を増加させ(以下に説明するように)、充填されるであろう床の幾何学形状の範囲を増大させることにより、堰に基づく床の有用さを著しく拡張する。
実験結果および議論
実験を行うために、図2Aに示したように、チャンバ4に充填材料(ビーズ12)を充填する必要があった。
図1Aおよび1Bに示した狭い側部通路5を、充填材料(ビーズ12)をチャンバ4に供給するために、約30μmの幅に作製した。次いで、試料をリザーバ2(入口通路)から、チャンバ4に通して、主要通路1(出口通路)に向けて供給することができた。チャンバ4の容積は330pLであり、出口通路と入口通路の容積は、それぞれ、1.5×10-7Lおよび4.1×10-8Lであった。主要通路11は、狭い通路5の幅(30μm)と比較して、比較的広い幅(580μmから、堰での300μmに先細になる)であることを考慮すると、堰6,7にもかかわらず、側部通路5よりもずっと低い流動抵抗を有した。試料装填と溶出中の狭いビーズ導入側部通路5中への流動ではなく、主要リザーバ1および2の間の流動を促進するために、デバイス10内の相対的流動抵抗を、これらの通路5,11に関する幅の寸法を選択することにより操作した。
タンパク質、ペプチドおよびトリプシン消化物のクロマトグラフィー[Seifar,R.M.; Kok,W.T.; Kraak,J.C.; and Poppe,H. Chromatographia, 1997, 46, 131-136. Yan,C.; Dadoo,R.; Zhao,H.; Zare,R.N.; and Rakestraw,D.J. Anal.Chem. 1995, 67, 2026-2029]、並びにSPEおよびCECの他の用途[Nielsen,R.G.; Riggin,R.M.; Richard,E.C. J.Chromatogr. 1989, 480, 393-401. Hancock,W.S.; Chloupek,R.C.; Kirkland,J.J.; Snyder,L.R. J.Chromatogr.A 1994, 686,31-43]に関する広範囲の用途のために、逆相ODSビーズ12をSPEデバイスに使用した。従来の毛管の動電充填は先に記載されており[Yan,C.; 米国特許第5453163号明細書、1995. Knox,J.H.; Grant,I.H. Chromatograhpia 1991, 32, 317-328]、本発明の発明者等は、その方法を本発明に適用した。
先に手短に説明したように、充填方法は、主要リザーバ1および2を接地しながら、充填材料リザーバ3に正の電圧(200〜800Vの上昇)を印加する工程を含む。印加された電圧により、EOFがビーズ通路を流れ落ち、ビーズを空洞に運ぶ。ビーズが凝集し、狭い側部通路5を塞ぐのを防ぐために、クロマトグラフィービーズ12を懸濁させるのに有機溶媒が必要であった。研究により、アセトニトリルが充填された毛管は実質的に電気浸透流を示すことが示された[Qeifhr,R.B.; Lister,A.S.; Dorsey,J.G. Anal.Chem.1997, 69, 3251-3259. Lister,A.S.; Dorsey,J.G.; Burton,D.E. J.High Resol. Chromatogr. 1997, 20, 532-528, Schwer,C.; Kenndler,E. Anal.Chem. 1991, 63, 1801-1807. Salimi-Moosavi,H.; Cassidy,R.M. Anal.Chem. 1995, 67, 1067-1073]。
図3Aに示したように、充填の初期段階では、チャンバ4に進入するビーズ12は、チャンバ4の両側の堰6,7に接触した。先に説明したように、堰6,7の頂部からカバープレート9の底部までの距離(約1.0μm)がODSビーズ12の個々の粒子の直径(約1.5〜4.0μm)よりも小さいので、ビーズ12は堰6,7を越えることができない。
図3Bに示したように、チャンバ4は、クロマトグラフィー材料が完全に充填されるまで、詰め込まれ続ける。前述したように、充填材料を保持するためのフリットを再現可能に製造することに関する難点はよく知られている。重要なことに、本発明に用いた堰の設計はこの問題を回避し、ビーズの動電充填により、観察できるような間隙なく、チャンバ全体にビーズを均一に分布させた。実際に、堰構造体の使用により、カラムのフリット製造の必要が最終的になくなるであろう。
本発明の堰の設計により、堰で気泡が形成されずに、二つの堰により形成された捕捉区域に、ビーズが充填されたときに、20,000から80,000V/cmほど高い範囲の電場を印加することができる。これらの堰を持つデバイスに行った分離では、少なくとも15,000V/cmほど高い電場を使用できる。堰に亘るワット損は、気泡を形成せずに、3〜7W/mほど高いこともある。反対に、従来のカラムにおいて形成されるフリットは、せいぜい、0.6W/mより大きいワット損で気泡を形成することが報告されており、150〜600V/cmの電場が、気泡を形成しないと報告された最高のものである。
外部の毛管をチップに連結し、堰を、外部の電気クロマトグラフィーのキャピラリー内に充填されるビーズのための捕捉要素として使用することが可能である。このことは、Nings等により記載されたもののような低デッド・ボリューム連結を用いて実施できる(N.H.Bings, C.Wang, C.D.Skinner, C.L.Colyer, P.Thibeault, D.J.Harrison, Anal.Chem. 71 (1991) 3292-3296)。このようにして、チップベースの堰で、外部毛管内に通常形成されるフリットを置き換え、より高い電場を使用し、速度および分離効率を改善することができる。
(ここで、主要リザーバ1および2を真空に引くことにより、空洞を充填することも可能であったが、これは、試料装填および溶出に動電流を使用したときにそれほど都合良くなかったことに留意されたい。)
ある理由のために、ビーズ12が望ましい(図3Aおよび3Bに示すように)ほど密に充填されなかった場合、単に電圧を逆にすることにより、チャンバ4からビーズを除去し、次いで、充填方法を繰り返した。一旦水溶液をチャンバ4に導入したら、逆相ビーズ12は、凝集する傾向にあり、除去するのが難しかったことに留意されたい。しかしながら、EOFまたは真空、もしくはこれらの組合せのいずれかを用いて、その水溶液をアセトニトリルでフラッシュすることにより、その後の除去を行った。チャンバ4からビーズ12を効果的に除去する能力により、使用したクロマトグラフィービーズをリフレッシュしたり、より適切な材料を代わりに使用したりできることが都合よい。
第一の充填方法を用いた場合、チャンバの入口にフック構造体13を用いたデバイス10(図1Bおよび3A)により、充填において最も好ましい結果が得られ、チャンバを充填し、それを維持し、電圧または真空の除去または変更後にもそのままにすることができるのが注目に値する。図から分かるように、側部通路5は、堰6,7に対して非対称様式でチャンバ口4Aを介してチャンバ4に連結している。また、フック構造体13は、側部通路5からチャンバ4中に充填材料が直接的に視野方向に進入するのを妨害することが好ましい。むしろ、フック構造体13は、充填材料を、チャンバ口4Aを介して間接的にチャンバ4に進入させる。
前述したように、充填工程中、充填材料リザーバ3は正にバイアスされており、リザーバ1および2は接地されている。本発明の発明者等は、フック構造体13により、電場の線が空洞まで湾曲した経路に従うと考えている。その結果、クロマトグラフィービーズ12がチャンバ口4A中に電場の線に従うので、それらのビーズは、まるで降雪機から「散布」(図3A)されたようになり、均一に充填される。
充填工程中、チャンバ4はフック構造体13の始めの部分までしか充填されない(図3B)。一旦充填されたら、ビーズは、狭い側部通路5の側部を下方に流れ、中央を上方に流れ(充填材料リザーバ3に向かって)て、閉じられた電気泳動系において生じる溶媒の逆流を模倣する[Shaw,D.J. Introduction to Colloid and Surface Chemistry, 3rd ed. Butterworths: London, 1980]。そのような閉じた系において、EOFは、チャンバの端部に到達するまで壁に沿って方向付けられ、ここで、圧力によって、溶液が方向を逆にし、ビーズ導入通路の中央を逆流する。
図示したフック構造体の重要な態様は、捕捉区域中への非対称の入口であり、ここで、上述した第一の充填方法を用いた場合に、充填がより良好になる。対称の入口は、進入するビーズが両方の堰に等しく向かうことが出来、これにより、第一の充填方法を用いた場合、充填が不均一または難しくなる傾向にある。しかしながら、ここに記載した第二の充填方法を使用すると、この問題は著しく減少する。非対称構造により、ビーズは、捕捉区域の一方の端部で最初に優先的に充填され、次いで、その位置から一方向に蓄積することができる。フック構造体の重要な役割は、充填床の使用中に捕捉区域から視野方向に流出してしまうことを防ぐことにある。
入口に非対称部を持たないように構成されたチャンバは、第一の充填方法を用いた場合、非対称入口の設計と同じようには充填されないと観察された。これらの場合、充填材料は、入口から最も遠い角部を充填する傾向にあるが、追加の材料はチャンバに進入しないであろう。本発明の発明者等は、対称設計のために、このタイプのチャンバは、ある程度まで充填された後、溶媒が逆流することを示すと考えられる。すなわち、ある程度充填されたチャンバは、閉じたまたは制限された系に似るであろう。そのような現象は、対称チャンバをビーズで充填することを不可能にし、Shawにより説明されたように、以前に観察された挙動と一致する。そのような挙動は、ある場合には対称の構造体を充填するが、それ以外ではそれほど容易には充填しない能力の説明となるであろう。反対に、入口を保護するフック構造体13の有無にかかわらず、非対称設計は、狭いビーズ導入通路5への直接的な逆流を経験しそうにない。
上述したように、重合取込み方法と、第二の充填方法を使用した下方電圧傾斜との組合せにより、側部通路5のチャンバ端にある略対称のチャンバ口4A’を持つチャンバ4を備えたデバイス10’を使用することができる(図8D)。
充填中に電圧を能動的に降下させることにより、側部通路5中へのビーズの逆流(チャンバ口4A,4A’が対称であろうとなかろうと)が著しく減少した。デバイス10,10’のチャンバ4は、15〜20秒間で完全に充填できた。
オンチップでの固相抽出(SPE)
前述したように、本発明により、微小流体分析装置の用途を拡張することができる。そのような拡張の一つはSPEを直接オンチップで容易に行うことである。前濃縮は、微小流体デバイスの感度を向上させるために使用できる有用なツールである。マイクロチップ上に構成された充填SPE床の分析物を前濃縮する能力を決定するために、本発明の発明者等は、50mMのリン酸緩衝液からBODIPY試薬の1.0nM溶液を濃縮した。使用した溶液条件は、HPLC−CEシステムにおけるタンパク質およびペプチド分析に用いたものと同様であった。[Bushey,M.M.; Jorgenson,J.W. Anal.Chem. 1990, 62,978-984. Castagnola,M.; Cassiano,L.; Rabino,R.; Rossetti,D.V. J.Chromatogr. 1991, 572, 51-58]BODIPY試薬は、緩衝水溶液中に希釈されたときに、ODS材料に高い親和性を示し、優れたフルオロフォアである。BODIPY試薬の前濃縮および溶出は四工程で行った:SPE床の緩衝液による平衡;試料の導入;緩衝液によるフラッシュ;および分析物の溶出。
充填床のリン酸緩衝液による濯ぎ後、1.0nMのBODIPYの溶液を主要リザーバ1内に入れ、主要リザーバ2を接地しながら、2分間に亘り+200Vを印加した。EOF(0.2mm/秒、1.2×10-9L/秒)がリザーバ2に向かって流動し、装填工程中にSPE床上にBODIPYを運搬した。
図4Aに示したように、吸着されたBODIPYの蛍光は、ビーズ12の始めのいくつかの層のみ(図の頂部近く)で生じた。図4Bは、1.5分後のSPE床を示しており、合計で1.4×10-16モルのBODIPY試薬が床に装填された(染料が完全に捕捉されたものと仮定する)。ODS材料に関する高い親和性のために、BODIPYには試料の前進は観察されなかった。実際に、目視の観察により、2分間に亘る1.0nMのBODIPY溶液を濃縮した後には、5%のSPE床の物理的容積のみが用いられ、330pLの床の能力は、約2.8×10-15モルの分析物であることが示唆されたことが示された。
装填後に緩衝液による洗浄工程を用いて、床(チャンバ4内の)の通路11内に残留する試料を洗浄した。次いで、リザーバ1および2内の溶液をアセトニトリルと置き換え、最初の充填工程と同じ方向に溶媒を動かして、染料を溶出した(または、溶出工程中の潜在的勾配の逆転により、元の試料のリザーバに向かって戻すことができた)。両方の方法はうまく機能したが、我々の試験には後者のほうがより都合良かった。
図5は、床の平衡後の1.0nMのBODIPY試料についての3工程前濃縮実験をグラフで示している。90秒の装填工程は、図1Aに示すように配置された検出器を蛍光試料が通過するときに信号の増加を示した。この後に60秒間の濯ぎ工程を行った。次いで、アセトニトリルを用いて、装填された反対方向にBODIPY試薬を床から溶出させて、検出器を再配置する必要をなくした。90秒の前濃縮工程後に、BODIPY試薬は比較的狭い3秒の帯域で溶出し、元の試料と比較して多くの倍率の濃縮増加を示した。BODIPY(1.0nM)試薬の蛍光を、緩衝液中およびアセトニトリル中の両方で試験し、いずれの溶媒でも強度に著しい差は見られなかった。前濃縮係数(P.F.)は、方程式(1)を用いて推測できる:
Figure 2005526974
ここで、Viは分析物を含有する緩衝液の容積であり、Vfは分析物を含有するアセトニトリルの容積である。容積Viは前濃縮時間(tpre、秒)と、濃縮された試料の電気浸透流(fbuff、L/秒)との積であり、一方で、Vfは溶出した分析物のピークの幅(telute、秒)と溶出溶媒の流量(felute、L/秒)との積である。この場合、分析物は、少なくとも100倍の係数だけ前濃縮された。十分な濃縮後、BODIPYは、SPE床で容易に目視で観察される。
異なる試料の装填時間を用いて、前濃縮の量を増加させた。この実験において、120〜532秒に亘る前濃縮時間を研究して、80〜500の前濃縮係数を得た。前濃縮時間に対してプロットされたピーク区域(rsd 3〜11%)により、研究した条件に亘り線形関係(r2=0.9993)が得られた。
オンチップでのキャピラリー電気クロマトグラフィー(CEC)
前述したように、本発明により促進される別の用途は、オンチップ型キャピラリー電気クロマトグラフィー(CEC)である。緩衝液により平衡にされたオクタデシルシランビーズ12が充填されたチャンバ4について、逆相モードCECを行った。チップ設計にインゼクタが含まれていないために、50mMの酢酸アンモニウム緩衝液、pH8.5中でクロマトグラフィー床の前方に試料を装填した(上記「溶液および試薬」を参照)。
装填工程とフラッシュ工程に分析物信号がないことにより示されるように、これらの条件下で両方の化合物は完全に保持された。装填工程は、試料を導入し、保持された分析物を床の前方で前濃縮するように機能した[Swartz,M.E.; Merion,M.; J.Chromatogr, 1993, 632, 209-213]。図6は、30%のアセトニトリル/70%の50mM酢酸アンモニウム水溶液の移動相組成を用いて、BODIPYおよびフルオレセインのCEC分離に含まれた3工程を示している。一旦混合移動相が床に到達したら、両方の化合物は、クロマトグラフィーを受け始め、床から溶出される。
これらの化合物は、200μm未満のクロマトグラフィー床で20秒未満で完全に溶出し、分離され、フルオレセインのピークは2μmのプレート高さを生じた(N=100プレートまたは500000プレート/m)。これらの条件下で、フルオレセインはBODIPY試薬よりも先に溶出される。ピークは、標準物の保持時間を混合物の保持時間と比較することにより同定した。pH8.5で、フルオレセインは正味の(−2)電荷を持ち、一方で、BODIPYは中性である。通常のCZE分離において、フルオレセインの電気泳動度はEOFに対抗し、BODIPYをフルオレセインより先に溶出させるであろう。この場合、二成分の溶出順序は逆になり、分析物と固定相との間の相互作用を示す。より疎水性であるBODIPYは、フルオレセインよりも、クロマトグラフィー材料について高い親和性を持ち、BODIPYをより一層保持し、後に溶出させる。
最後に、図7A〜7Dは、異なる濃度のアセトニトリルの移動相を用いたBODIPYおよびフルオレセインのCEC分離を示す。アセトニトリルの濃度が増加すると、移動相の極性が低下し、BODIPYが溶出するのに要する時間が減少することが観察された。フルオレセインの溶出時間は変化せず、アセトニトリルが低い%のときを除いて、クロマトグラフィーの保持をほとんどまたは全く示さない。アセトニトリルの濃度を減少させると、基線の解像度が得られるが、帯域がより広くなってしまう。
これらの結果は、チップ上での開放管CECについて報告された結果に匹敵する[Jacobson,S.C., Hergenroeder,R., Kotny,L.B., Ramsey,J.M. Anal.Chem. 1994, 66, 2369-2373. Kutter,J.P.; Jacobson,S.C.; Matsubara,N.; Ramsey,J.M. Anal.Chem. 1998, 70, 3281-3297. He,B., Tait,N., Regnier,F. Anal.Chem. 1998, 70, 3790-3797]。
ビーズベースの試薬を用いたイムノアッセイ
ビーズでのイムノアッセイ、またはイムノソルベントアッセイは、ビーズの表面に抗体または抗原のいずれかを配置する工程を含む。抗原を含有する溶液がビーズを通過するときに、抗原が抗体に特異的に結合する。このようにして、抗体に関する抗原の特異性を用いて、抗原を溶液中の他の種から分離する。後に、抗体または抗原をビーズから溶出させ、複合体または遊離抗体のいずれかとして検出されるように、溶液の条件を変更させる。チップでのイムノソルベントアッセイを開発することは、消費する試薬が少量であるために、魅力的である。さらに、マイクロチップでは、マイクロタイタプレートまたはイムノビーズが充填されたシリンジにおいて行われる従来の方法と比較して、分析時間が非常に早くなる。オンチップでのイムノソルベントアッセイは、オンチップでの液相イムノアッセイよりも濃度検出限界が低くなる。ビーズベースのオンチップでのイムノアッセイを開発することは重要である。
ビーズに結合した特異的な酵素を持つビーズを、二つの堰により形成されたチャンバ中に充填する。通路壁の表面積とは対照的にビーズの表面積は大きいので、ビーズを優先的に使用する。表面積が大きいほど、分析物の捕捉がより効率的になり、容量も大きくなる。二つの堰は、イムノアッセイビーズを充填すべき明確なチャンバを形成する。
本発明の発明者等は、酵素のテオフィリンについてチップ上でのビーズベースのイムノアッセイを実証した。実験において、タンパク質Aにより被覆された磁気ビーズをチップのチャンバ内に充填する。後に、抗体(抗テオフィリン)を1mMのトリシン緩衝液pH8.0中で床に流す。抗テオフィリンが充填床を通って流動するときに、抗体がタンパク質Aに結合する。抗テオフィリンを数分間に亘り床を通過させて、床が抗体で飽和したことを確実にした。次いで、緩衝液洗浄工程を用いて、チャンバと通路から残留した未結合固体を除去した。
次いで、床に蛍光標識付けテオフィリン(キットから希釈した)を流すことにより、床をテオフィリンで飽和させた。テオフィリンは床で抗テオフィリンに結合する。床が飽和した点を、床の下から蛍光をモニタし、破過曲線が水平になる点を求めることにより決定した。破過後、テオフィリン溶液を、緩衝液フラッシュ工程を用いてデバイスから洗い流した。
次いで、カオトロピック剤を加えて、テオフィリンを遊離タンパク質またはテオフィリン/抗体複合体のいずれかとして床から溶出した。カオトロピック剤は様々なタイプのものであって差し支えないが、この実例においては、90%のアセトン/10%のトリシン緩衝液の混合物を用いた。一旦カオトロピック剤が充填床に到達したら、テオフィリンは比較的狭い帯域で溶出した。
通常はこれらの状況下で競合アッセイを行うであろうが、直接アッセイは堰を持つデバイスにあるチャンバのイムノアッセイ床として働く能力を示す。
酵素反応床
ビーズのような固体支持体に酵素を固定化するために開発された方法がいくつかある。酵素ビーズは、一旦固定化されたら、床に充填して、溶液が床を通過するときに、溶液に化学反応を起こすことができる。通常は、基質を含有する溶液が床を通過する。基質が酵素と接触すると、酵素が基質と反応して、生成物を生じる。固定化酵素と基質との反応から生じた生成物は、検出方法として、または他の合成プロセスにおいて後に使用することができる。この実例は、多孔質シリカビーズ(5μmの直径)上の固定化酵素であるホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)およびキサンチンオキシダーゼ(XO)の試用を示す。これらの結果は、酵素は、ビーズに一旦固定化されると、堰を持つデバイスに捕捉/充填でき、このデバイスでも、酵素はまだ活性であり、酵素反応床として使用できることを示している。
XODおよびHRPを、グルタルアルデヒド(シグマ(Sigma)社)との架橋により、3−アミノプロピルトリエトキシシランでシラン化されているNucleosil 1000-5シリカビーズ(独国、マチリー・ナゲル(Machrey-Nagel)社)に固定化した。ガラスビーズへの酵素の固定化は、以前に記載されており、当業者に知られている。全ての研究は、1MのNaOHによりpH9に調節された50mMのホウ酸を用いて行った。
HRPおよびXODの固定化を行って、二つの原理を示した。第一は、酵素固定化ビーズを堰デバイス内に充填する能力であり、第二は、酵素はまだ活性であり、一旦充填されたら、反応に触媒作用を与えるために使用できることを示すことであった。これらの原理の各々を示すために、堰デバイスを用いて、化学発光反応を行った。
固定化酵素を充填する能力により、特定の分析物について、異なる検出方法を使用することができる。例えば、少量の分析物しか利用できない場合、またはそうでなければ標識付け反応を行うのが難しい場合、非常に精密な測定のために、ルミノール化学発光(CL)反応を使用できる。CL反応は、光源を必要とせず、検出計画が単純になるという点で特有である。HRPにより触媒作用が与えられる化学発光反応が以下に示されている。
ルミノール+H22+HRP(光(425nm))+他の生成物
HRPが固定化されたビーズを堰デバイス中に充填し、反応のための試薬を含有する溶液をその床に流した。固定化されたHRPは、H22(100mM)およびルミノール(10mM)の溶液を、固定化HRPを含有するビーズが充填された床に流したときに、化学発光反応に触媒作用を与えることが分かった。反応により生じた光は、酵素床の下流で検出した。
しかしながら、各連続試行について、CL反応により生じた光は先の試行におけるよりも低いことに気付いた。これはおそらく、各連続運転により酵素の活性が減少したことにより生じたものであろう。これらの結果は、堰デバイス内のODSビーズの交換について論じたように、使い尽くされたビーズを除去し、それらを新しいものと交換する方法の利点を立証するものである。
オンチップでの充填カラムCEC
我々の予備レポートに対する性能についての情報を提供する、これらの200μm長の床のCEC挙動のさらに別の評価をここに報告する。性能評価の基礎を厳密な電気クロマトグラフィー分離機構に置くために、二つの中性染料を用いた。シラノール残基を持つ表面でのペプチド分離に好ましい酸性条件下でのCEC性能を試験するために、溶出液としてトリフルオロ酢酸(TFA)およびアセトニトリルを用いてペプチドの分析も行った[Wehr,C.T.; Correia,L.; Abbott,S.R. J.Chromatogra.Sci. 1982, 20, 114-119; Strausbauch,M.A.; Landers,J.P.; Wettstein,P.J. Anal.Chem. 1996, 68, 306-314.]。重合捕捉法を用いて調製した床においてこれらの分離を評価し、「溶媒ロック」法の使用に対して改善された性能を示した。ここに記載したポリマー栓の使用と組み合わされたここに記載した第二の充填方法を用いて、対称通路口4A’の構成を持つデバイス10’(図8D)についてこれらの結果が得られた。
図14は、BODIPYおよびアクリジンオレンジの混合物のCEC分離について得られた典型的な電気クロマトグラムを示している。緩衝液のフラッシュ工程後に、リザーバ溶液を40%のアセトニトリル/60%の5mMの酢酸アンモニウム緩衝液に変え、+800Vをリザーバ2から1に印加して、アイソクラティック溶出を行い、このときの流量は0.37μL/分であると測定された。BODIPYは、アクリジンオレンジより前に溶出された。BODIPYおよびアクリジンオレンジの両方はpH8.3で中性であるので、それらの分離は完全に、ODS相に関する収着差による。ピークは、10秒未満で1.6の解像度を示した。保持時間のRSDは各化合物について0.5%未満であった。ピーク高さとピーク面積に関するRSDは、3〜4%(n=4)であった。理論的プレート数は、方程式:
N=5.54(trc/W1/22
ここで、trcは補正保持時間であり、W1/2は半分の高さでのピーク幅である;
を用いて得た。観察した保持時間は、溶出緩衝液が充填床に到達するのに要した時間(6.0秒)について補正しなければならない。本発明の発明者等は、アクリジンオレンジのピークについて約420,000プレート/m(N=84プレート、H=2.4μm)であると予測している。早く溶出するBODIPYピークは、N=23(115,000プレート/m)およびH=8.7μmを示した。検出区域は、約1μmのプレート高さ負担に対応する、約50μmの長さであった。これらの結果は、CECオンチップについて報告された他の値に匹敵する[Jacobson,C.S; Hergeneroder,R.; Koutny,L.B., Ramsey, J.M.Anal.Chem. 1994, 66, 2369-2373. Kutter,J.P.; Jacobson,C.S.; Matsubara,N.; Ramsey, J.M.Anal.Chem. 1998, 70, 3291-3297. Ceriotti,L.; de Rooij,N.F.; Verpoorte,E. Anal.Chem. 2002, 74, 639-647. He,B.; Tait,N.; Regnier,F. Anal.Chem. 1998, 70, 36900-3797]。
オフカラム帯域の広がりについて補正した減少したプレート高さ(粒径により割ったプレート高さ)は約1であった。様々な研究者が、1〜2の範囲にある減少したプレート高さを報告しており、理論では、丁度1未満の最小値が予測される。本発明の発明者等は、床内の流体動力学により、良好な流動挙動、および床断面に亘る均一な流速が得られると結論付けている。
別の実施の形態
本発明による設計の二つの堰の実施の形態をこれまで説明してきたが、他の実施の形態も可能である。例えば、オンチップ型反応器ビーズを形成するための一つの堰の設計(すなわち、主要通路11の上流に位置する第二の堰6を持たない)を実施することも可能である。具体的には、主要通路を横切って形成された下流の堰7を提供し、下流方向にのみ圧力を与える(すなわち、主要リザーバ2および側部通路5から主要リザーバ1に向かって)ことにより、下流の堰7に対して充填を行えることが観察された。
さらに、ビーズのアリコートは上流の主要通路リザーバから導入してもよいので、この場合、側部通路は必ずしも必要とは限らない。次いで、下流の堰およびビーズ床の上流の前縁により画成されるビーズのチャンバを形成する。しかしながら、一つの堰の設計により、SPEまたはCECに用いた場合、分離効率を減少させる、でこぼこした前縁が充填床に形成されるかもしれないことに留意されたい。さらに、小さなビーズの長い床に関連する高い背圧により、充填長さが約4〜6mmに制限された。マイクロチップに適合する高圧により、高圧ポンピングが可能になり、いくぶん長さが長くできるであろう。
しかしながら、一旦、圧力が解放され、試料が導入されたら、カラム内に空隙が形成されたり、カラムが完全に不安定になる傾向がある。前縁の端部での多孔質ポリマー栓を使用することにより、使用中の床における不安定性の問題、並びにでこぼこの縁の形成に関する難点がなくなる。
多孔質ポリマー栓は、わずかに異なる方法を用いて、上述したものと同じモノマー試薬から成形してもよい。床を充填した後、モノマー混合物は、圧力または動電流により床の前縁に送達される。縁に到達するのに要する時間は実験的に求められる。次いで、モノマーは光分解により重合される。
水銀ランプまたは325nmのHe;Cdレーザなどの紫外線光源を用いて重合を開始してもよい。栓を形成する領域を画成するために、床の前縁でチップの上にマスクを配置する。チップの基板またはカバー材料は、重合が起こるように紫外線に対して十分に透明でなければならない。適切な材料としては石英が挙げられるが、例えば、325nmでは、ホウケイ酸ガラスおよびいくつかのポリマー基板を用いてもよい。次いで、栓から上流の過剰なビーズ、並びに過剰なモノマーを、堰から栓に向かう方向に有機溶媒を通過させることにより、デバイスから洗い流す。次いで、ビーズチャンバを、下流の堰および上流の多孔質ポリマー栓により画成する。
一つの堰の設計を用いて充填床を形成するために、他のタイプの力を用いてもよい。例えば、下流方向のみに向けられた(すなわち、主要リザーバ2および充填材料リザーバ3から、主要リザーバ1に向かって)動電力を用いて、限られた程度の充填(数ミリメートルの長さまで)を行うことも可能であった。ここに記載した第二の充填方法を使用することにより、ポリマー栓の長さを増してもよい。
側部通路が全く存在せず、堰を一つだけ使用する別の変更例も可能である。この場合、充填方法1の使用により、長さが約0.2から約1mmの床が形成されるが、その後の使用中に床に空隙が形成される傾向にあり、または完全に不安定になるかもしれない。
第二の充填方法の変更例を用いて、床の長さを増しても差し支えない。ビーズのアリコートを上流主要通路に導入し、高電圧を上流の主要通路リザーバに、低電圧を下流の主要通路リザーバに印加することにより、動電ポンピングを行う。次いで、上流の電圧を、充填中により低い値まで降下させる。200〜2000Vに亘る典型的な上流電圧について、下流の電圧はゼロ辺りであろう。高電圧は、充填中に20〜200Vまで降下させる。電圧を印加する時間は、初期値、および製造すべきカラムの長さに依存する。例えば、800Vで10〜15秒で始めると、電圧は、5〜500秒の期間で100Vに向かって降下されるであろう。次いで、直前に記載したように、床の前縁で多孔質ポリマー栓を導入することにより、床は使用のために安定化されるであろう。
堰の数を変更することに加え、図8A〜8Cに本発明の別の実施の形態を示したように、チャンバに複数の入口または出口を設けることも可能である。
図8Aにおいて、チャンバは二つの堰6,7の間に形成されている。二つの側部通路5a,5bが設けられ、チャンバ4への入口または出口として働く。図8Aに示すように、側部通路5a,5bは、チャンバの充填を促進するために、互いに対してずれていてもよい。第二の側部通路を加えて、ビーズを捕捉区域の他端にある廃棄所に流し出したり、フラッシュ剤を別のリザーバから供給することもできる。後者の設計は、使用したビーズが、新たなビーズ流を汚染するのを防いだり、および/または試料および試料の廃液が、フラッシュ中に捕捉区域に向かうのを防ぐことができる。
図8Bに示すように、この設計における側部通路は、一つ以上の随意的な分岐5cを持ち、側部通路5bによりビーズを流し出すことが出来る、またはビーズを、捕捉区域から、例えば、充填材料リザーバ3ではなく、廃棄リザーバ(図示せず)に向けて流し出すことが出来るようにしてもよい。
チャンバ4への第三の側部通路5dの入口近くに側部通路の堰16を設けて、ビーズを通過させずに流体を流すようにできる別の実施の形態が図8Cに示されている。この「堰の形成された」側部通路5dは、例えば、特にチャンバ4の長さ(堰6,7の間で測定した)が4〜6mmよりも長い場合、ビーズの充填中にチャンバ4内に蓄積する圧力を解放するために用いてもよい。
図8A〜8Cに示した3つの実施の形態全てにおいて、チャンバ4中への側部通路の入口は、側部通路からチャンバ4中への、またはその逆の直接の「視野方向」流れを防ぐために、前述したように、フックまたは類似の形状を含むように変更してもよい。前述したように、この入口の変更は、充填を補助するためにビーズを捕捉区域中に噴射し、またビーズが後の使用中にチャンバ4から流出する傾向を減少させるように働く。
図8A〜8Cに示すように、複数の側部通路によるビーズの充填は、動電装填を使用するときに追加の側部通路中への流れを防ぐために、それらの側部通路に電圧を印加しなければならないことを除いて、一つの側部通路、二つの堰の設計(前述した)のものと類似の様式で行われる。ビーズの除去中に、第二の側部通路(例えば、図8Aにおける側部通路5b)に電圧を印加して、捕捉区域またはチャンバ4からビーズを外に駆動し、一つの側部通路の設計に使用した電圧のようなものであるが、追加の側部通路における電位降下について調節された電圧を印加してもよい。フラッシュ工程中の流動方向は、印加した電圧の極性により制御できることが分かるであろう。
圧力駆動流れを用いてビーズを装填する場合、装填中に追加の側部通路に背圧を加えなければならず、さもないと追加の側部通路に取り付けられたリザーバが一時的に密封されてしまうかもしれない。チャンバ4からビーズを流し出すときに、ビーズ供給通路5aに圧力を加えて、一つ以上の追加の側部通路からビーズを流し出してもよい。
多数の側部通路の設計および動電力を用いてSPEまたはCECを行う場合、追加の側部通路に電圧を印加して、捕捉区域における一つの側部通路について説明したのと実質的に同じ様式で、試料またはビーズが捕捉区域から側部通路中に漏れるのを防いでもよい。圧力駆動ポンピングを使用する場合、側部通路は、側部通路への流れをなくすために加えられた十分な正の圧力を有するであろうが、さもないと、それぞれの側部通路に取り付けられたリザーバが一時的に密封されることがある。
寸法の指針
本発明により設計された微小流体デバイスの様々な寸法の理論的制限は知られていないが、本発明の発明者等は、実際的な目的のためにいくつかの一般的な指針を適用し、これを以下に論じる。
捕捉区域の長さは、約10μmから約200cmまでのいずれの範囲にあってもよい(そのような長さを一つのデバイスウェハーの範囲内に含められるようにするために、必要であれば、コイル状または蛇行する通路を用いて)と考えられる。必要とされる捕捉区域の長さは、用途に依存し、充填および除去を行うために加えられるであろう力により制限される。例えば、オンチップでのCECには比較的長い捕捉区域が必要であろうし、好ましい上限は約5cmである。
捕捉区域、試料通路および廃棄通路の深さに関して、実際的に範囲は約400μmから0.25μmまでであると予測される。上限が約100μmであり、下限が最小の粒子の直径より約10%大きいべきであることがより好ましい。
また、閉塞する可能性を減少させるために、ビーズ供給通路およびビーズ廃棄通路(側部通路5,5a〜5d)は、ビーズの直径より少なくとも約3倍深く、3倍広いことが好ましい。
側部通路5,5a〜5dの最大寸法は、必要とされる相対的な流動抵抗(すなわち、使用中の側部通路の逆流を最小にするように、主要通路および堰に対する側部通路の流動抵抗)に依存する。一般的に言えば、側部通路の流動抵抗は、逆流問題を最小にするために、堰の流動抵抗よりも高いべきである。
添付の表は、圧力駆動流れを用いたときの、流動通路深さ、堰の深さおよび側部通路長さの関数としての、捕捉区域から出る体積流量への通路と堰の寸法の計算した影響に関する情報を与えるものである。
以下の表において、通路Wと呼ばれるものは、図1Aの要素1であり、通路Cと呼ばれるものは図1Aの要素5であり、通路C’と呼ばれるものは図1Aの要素3である。
Figure 2005526974
体積流量は、矩形の通路断面に関するナヴィエ・ストークス方程式および通路形状の影響のペリーの表の値を用いて推測した。半分の幅aおよび半分の深さbを持つ通路の流動抵抗は方程式2により与えられる:
ΔP/U=hL/abN (2)
ここで、ΔPは長さLの通路セグメントに沿った圧力降下であり、Uは平均線形流速であり、hは粘度であり、Nは断面比b/a(b<a)に依存する形態係数である。係数Nは、圧力駆動のパラボリック流れに関するナヴィエ・ストークス方程式の解から推測してもよく、Chemical Engineer's Handbook(3rd edition, 1950) pp387においてペリーにより表にされた。デバイス設計の目的は、表の側部通路Cの抵抗を、堰とそれに続く流動通路Wの抵抗よりも高くし、したがって、堰を横切る流動が助けられるようにすることにある。流動要素が直列している場合、各セグメントについて方程式1の右側に与えられた流動抵抗は、連続した電気インピーダンスの抵抗を加えることのできる様式で加えることができる。流動要素が並列している場合、並列の電気抵抗の場合に行ったように、それらの流動抵抗の逆数を加えて、全インピーダンスの逆数を得ることができる。一つの通路または通路の組合せを通る体積流量Qは、方程式3により与えられる。
Q=abΔP/Rf (3)
ここで、Rfは、上述したように全ての通路セグメントについて一緒に組み合わされた、方程式1の右側により定義される流体の流動抵抗である。堰を横切る体積流量Qwの側部通路中への体積流量Qcに対する比r(r=Qw/Qc)は、堰を越えて流れる溶液のパーセント(Qw%=1/(1+r))が確実に高くなるように大きいべきである。このことは、表に表されたいくつかの計算により示されるように、幅広い主要通路と比較して狭く長い側部通路を使用することにより、堰の深さを他の通路の深さに対して増加させることにより、側部通路の深さを主要通路に対して減少させることなどにより達成できる。
Figure 2005526974
Figure 2005526974
集積型分析方法
上述した方の様々な特徴を、より複雑な微小流体設計に用いてもよいことが認識されるであろう。
図9は、いくつかの捕捉区域が組み込まれ、各々が異なる機能を果たす、参照番号20により一般に表された多数の堰および多数の側部通路を持つ設計を示している。
実例として、堰6aおよび6bの間に形成された第一の捕捉区域25において、特定のタンパク質に対する抗体が取り付けられたビーズが側部通路24を介して導入される(側部通路26を介して排出される)。細胞溶解物または血清試料または他のタンパク質源を試料リザーバ(図示せず)から導入して、試料入口21および入口通路38を介してチップに入れる(試料は試料出口22で除去され、溶出液入口23も入口通路に設けられている)。次いで、廃液を廃棄出口27に向けながら、試料を捕捉区域25内の抗体ビーズ床に通過させて、特定のタンパク質を単離する。
次いで、アセトニトリル、水混合物などのカオトロピック剤を導入して(溶出液入口23)、カラムからタンパク質を溶出させ、それを次の捕捉区域30(堰6cおよび6dの間に形成された)に送達し、ここで、タンパク質は区域30中に装填された(側部通路29,31を介して)ビーズに固定化されたプロテアーゼ酵素により消化される。この段階での廃液は、廃棄出口32に向けられるであろう。十分な反応時間後、緩衝液を供給して(溶出液入口28、緩衝液を流しながら28a、床25からの廃物)、廃液を廃棄出口39に送りながら、床から次の捕捉区域35(堰6dおよび6fの間に形成された)中にタンパク質消化物を流し出す。
第三の捕捉区域35は、固相抽出材料(側部通路34,36を介して充填され、排出される)を含有し、消化物のペプチドを区域35の床に濃縮することができる。次いで、メタノール/水性混合物やアセトニトリル/水性混合物などの溶出液混合物を導入して(溶出液33、緩衝液を流しながら33a)、濃縮されたタンパク質消化物を最終分析のためのチップの別の位置に送る(出口通路37、廃物39、または収集40)。
充填床チップと電気スプレー質量分析のインターフェース
充填床流動通路は、本発明によれば、図10に示すように、電気スプレーカプラー41を介して質量分析計にインターフェースされていてもよい。充填床4は、質量分析計中に電気スプレー導入する前に、タンパク質の酵素消化、特定の化学物質またはタンパク質の親和性精製や前濃縮、固相抽出濃縮強化、またはキャピラリー電気クロマトグラフィー分離、もしくはこれらや他の工程の任意の組合せを行ってもよい。チップと電気スプレーのインターフェースは、連結領域で、100nL未満のデッド・ヴォリューム、好ましくは、1nL未満、最も好ましくは、100pL未満のデッド・ヴォリュームを与える任意の方法を用いて行ってよい。Wang等またはKargerにより記載されている方法などの方法を用いてインターフェースを形成することができる[Bings,N.H.; Wang,C.; Skinner,C.D.; Colyer,C.L.; Thibeault,P.; Harrison,D.J. Anal.Chem. 71 (1999) 3293-3296. Zhang,B.; Liu,H.; Karger,B.L.; Foret,F. Anal.Chem 71 (1999) 3258-3264]。
本発明を様々な好ましい実施の形態を参照して説明してきたが、先に述べた本発明の真の精神および範囲から逸脱せずに、明白な変更を行い、同等物と置き換えてもよいことが理解されよう。
本発明による微小流体デバイスの平面図 充填材料(ビーズなどの)が捕捉されているチャンバの拡大斜視図 チャンバ中に充填され、カバープレートにより保持されている充填材料(ビーズ)を示す、線分A−Aに沿ってとられた図1Bに示したチャンバの断面図 本発明による堰の別の実施の形態の側面図 本発明による堰の別の実施の形態の端面図 図1Bおよび2Aに示したチャンバ中に充填されている充填材料(ビーズ)の初期段階を示す概略図 充填材料(ビーズ)が完全に充填された後の図3Aのチャンバを示す概略図 図4Aの頂部近くの堰/床の界面での1.0nMのBODIPY溶液の前濃縮の初期段階を示す概略図 図4Bの頂部近くの堰/床の界面での1.0nMのBODIPY溶液の前濃縮の後期段階を示す概略図 装填中の最初の1.0nMのBODIPY試料、その後の緩衝液フラッシュ、次いで、アセトニトリル(ACN)による溶出中の前濃縮されたBODIPYの蛍光を示す、蛍光強度対時間のプロット 装填、フラッシュ、および溶出を含む分離の異なる段階を示すBODIPYおよびフルオレセインの電気クロマトグラム 7A〜7Dは、(a)30%、(b)22%、(c)15%、および(d)10%での、移動相中の異なる濃度のアセトニトリルによるBODIPYおよびフルオレセインの電気クロマトグラム 8A〜8Cは、本発明による微小流体デバイスの別の実施の形態の平面図 8Dは、本発明による、側部通路とチャンバとの間の実質的に対称な連結部を持つ微小流体デバイスの別の実施の形態の平面図 多数の充填チャンバを持つ本発明による微小流体デバイスの平面図 質量分析計と一緒に用いられる本発明による微小流体デバイスの斜視図 充填床を飽和させるときの、時間に対してテオフィリンの蛍光強度をプロットしたグラフ 比較的狭い帯域にある充填床から溶出されているテオフィリンを示すグラフ CL反応から発生したより低い光が得られる各連続試行を示すグラフ BODIPYとアクリジンオレンジの混合物のCEC分離について得た電気クロマトグラムを示すグラフ
符号の説明
1,2 主要リザーバ
3 充填材料リザーバ
4 チャンバ
6,7 堰
9 カバープレート
10 デバイス
12 ビーズ

Claims (16)

  1. 微小流体分析装置において、
    a) 上面を有する実質的に平坦な基板、
    b) 上面に形成された少なくとも一つの主要通路であって、第一の主要通路端と第二の主要通路端および使用中の所定の流動方向を持つ主要通路、
    c) 前記平坦な基板の上に配置された、前記通路を上から実質的に閉じるカバープレート、
    d) 前記主要通路を横切って、前記第一の主要通路端と前記第二の主要通路端との間に形成された第一の堰であって、使用中に少なくともある程度の流体が該第一の堰を越えて流動できる少なくとも一つの流動間隙を提供する一方で、該流動間隙よりも一般に大きい構成粒子を持つ充填材料を捕捉する第一の堰、
    e) 前記第一の堰より上流に位置する第二の堰であって、前記第一の堰と前記第二の堰がそれらの間にチャンバを形成し、使用中に少なくともある程度の流体が該第二の堰を越えて流動できる少なくとも一つの流動間隙を提供する一方で、前記チャンバ内に前記充填材料を捕捉する第二の堰、
    f) 前記平坦な基板に形成された少なくとも一つの側部通路であって、第一の側部通路端で前記チャンバに、第二の側部通路端でリザーバに連結された側部通路、および
    g) 前記第一の側部通路端に近接して前記側部通路内に配置された栓、
    を有してなる微小流体分析装置。
  2. 前記流動間隙が、前記カバープレートと前記堰の頂部との間の略均一な間隙を含むことを特徴とする請求項1記載の微小流体分析装置。
  3. 前記流動間隙が、前記堰にある複数の実質的に垂直な間隙を含むことを特徴とする請求項1記載の微小流体分析装置。
  4. 前記装置が一つの微小流体チップ上に完全に形成されていることを特徴とする請求項1記載の微小流体分析装置。
  5. 微小流体分析装置において、
    a) 上面を有する実質的に平坦な基板、
    b) 上面に形成された少なくとも一つの主要通路であって、第一の主要通路端と第二の主要通路端および使用中の所定の流動方向を持つ主要通路、
    c) 前記平坦な基板の上に配置された、前記通路を上から実質的に閉じるカバープレート、
    d) 前記主要通路内に位置する少なくとも一つのチャンバであって、流体を前記所定の流動方向に前記チャンバを通って流動させながら、前記チャンバ内に充填材料を捕捉するチャンバ、
    e) 前記平坦な基板に形成された少なくとも一つの側部通路であって、第一の側部通路端で前記チャンバに、第二の側部通路端でリザーバに連結された側部通路、および
    f) 前記第一の側部通路端に近接して前記側部通路内に配置された栓、
    を有してなる微小流体分析装置。
  6. 前記装置が一つの微小流体チップ上に完全に形成されていることを特徴とする請求項5記載の微小流体分析装置。
  7. a) 上面を有する実質的に平坦な非導電性基板、
    b) 上面に形成された少なくとも一つの主要通路であって、第一の主要通路端と第二の主要通路端および使用中の所定の流動方向を持つ主要通路、
    c) 前記平坦な基板の上に配置された、前記通路を上から実質的に閉じるカバープレート、
    d) 前記主要通路内に位置する少なくとも一つのチャンバであって、流体を前記所定の流動方向に前記チャンバを通って流動させながら、前記チャンバ内に充填材料を捕捉するチャンバ、および
    e) 前記平坦な基板に形成された少なくとも一つの側部通路であって、第一の側部通路端で前記チャンバに、第二の側部通路端でリザーバに連結された側部通路、
    を備えた微小流体分析装置内に充填反応床を形成する方法であって、
    (i) 前記リザーバ内に前記充填材料を提供する工程、
    (ii) 前記第一の主要通路端に比較的低い電圧を印加する工程、
    (iii) 前記第二の主要通路端に比較的低い電圧を印加する工程、
    (iv) 前記リザーバに比較的高い電圧を印加する工程、および
    (v) 前記チャンバが充填材料により十分に充填されるまで、前記比較的高い電圧から第二の電圧まで電圧を降下させる工程、
    を有してなることを特徴とする方法。
  8. 前記比較的高い電圧が少なくとも300Vであることを特徴とする請求項7記載の方法。
  9. 前記比較的高い電圧が約1kVであることを特徴とする請求項7記載の方法。
  10. 前記第二の電圧が約20Vから約200Vまでの間であることを特徴とする請求項8記載の方法。
  11. 前記第一の側部通路端に近接した前記側部通路内に栓を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項7記載の方法。
  12. a) 上面を有する実質的に平坦な非導電性基板、
    b) 上面に形成された少なくとも一つの主要通路であって、第一の主要通路端と第二の主要通路端および使用中の所定の流動方向を持つ主要通路、
    c) 前記平坦な基板の上に配置された、前記通路を上から実質的に閉じるカバープレート、
    d) 前記主要通路内に位置する少なくとも一つのチャンバであって、流体を前記所定の流動方向に前記チャンバを通って流動させながら、前記チャンバ内に充填材料を捕捉するチャンバ、および
    e) 前記平坦な基板に形成された少なくとも一つの側部通路であって、第一の側部通路端で前記チャンバに、第二の側部通路端でリザーバに連結された側部通路、
    を備えた微小流体分析装置内に充填反応床を形成する方法であって、
    (i) 前記充填材料を前記チャンバ内に充填する工程、および
    (ii) 前記第一の側部通路端に近接した前記側部通路内に栓を形成する工程、
    を有してなることを特徴とする方法。
  13. 前記工程(ii)が、前記第一の側部通路端に近接した前記側部通路内にモノマー溶液を提供し、該溶液を重合させる各工程を含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
  14. 微小流体分析装置内に充填反応床を形成する方法であって、
    a) 充填材料をリザーバ内に提供する工程、
    b) 比較的低い電圧を第一の主要通路端に印加する工程、
    c) 比較的低い電圧を第二の主要通路端に印加する工程、および
    d) チャンバに充填材料が十分に充填されるまで、比較的高い電圧を前記リザーバに印加する工程、
    を有してなることを特徴とする方法。
  15. 微小流体分析装置内に充填反応床を形成する方法であって、前記微小流体分析装置が、少なくとも一つのチャンバ入口および少なくとも一つのチャンバ出口を含むチャンバを有し、前記方法が、
    a) 前記チャンバ内に充填材料を充填する工程、および
    b) チャンバ入口に栓を形成する工程、
    を有してなることを特徴とする方法。
  16. 微小流体分析装置内に充填反応床を形成する方法であって、前記微小流体分析装置が主要通路を有し、該主要通路が第一の端部と第二の端部を有し、該主要通路が前記第一の端部と前記第二の端部との間に位置する少なくとも一つの堰を有し、前記方法が、
    a) 前記堰と該堰に隣接した前記第一の端部との間の前記主要通路内に充填材料を充填する工程、および
    b) 前記充填材料と前記第一の端部との間の前記主要通路内に多孔質栓を形成する工程、
    を有してなることを特徴とする方法。
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