JP2008164512A - 生化学反応容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成の付加によって、反応チャンバ内での液体の流れを平面方向、鉛直方向ともに均一化できる構成を有する生化学反応容器を提供すること。
【解決手段】注入口、反応チャンバ及び排出口を有して構成される流路中に流路断面積を減少させる部材を配置し、バッファー室を設け、前記部材の形状を最適化する。
【選択図】図2

Description

本発明は、血液等の検体中での病原菌などに由来する遺伝子又はタンパク質の有無に関する検査を行って、検査対象者の健康状態の判定材料とする場合に好適に利用できるマイクロアレイなどのプローブ担体を備える生化学反応容器に関する。さらに詳しくは、少なくとも反応チャンバ内を流れる液体の流速を均一にさせるための生化学反応容器の構造に関するものである。
核酸の塩基配列の解析、核酸試料中の標的核酸の検出を迅速、正確に行う方法として、DNAマイクロアレイに代表されるプローブ担体を用いたハイブリダイゼーション反応を利用した方法が多く提案されている。DNAマイクロアレイとは、標的核酸と相補的な塩基配列を有するプローブを、ビーズ、ガラス板等の固相上に高密度で固定したものであり、これを用いた標的核酸の検出は一般に以下のような工程を有する。
第1の工程として、PCR法に代表される増幅方法によって、標的核酸を増幅する。具体的には、まず、核酸試料中に第1及び第2のプライマーを加え、温度サイクルをかける。第1のプライマーは標的核酸の一部と特異的に結合し、第2のプライマーは標的核酸と相補的な核酸の一部と特異的に結合する。標的核酸を含む二本鎖核酸と第1及び第2のプライマーが結合すると伸長反応によって標的核酸を含む二本鎖核酸が増幅される。十分に標的核酸を含む二本鎖核酸が増幅された後に、核酸試料中に第3のプライマーを加えて温度サイクルをかける。第3のプライマーは、酵素、蛍光物質、発光物質等で標識されており、標的核酸と相補的な核酸の一部と特異的に結合する。標的核酸に相補的な核酸と、第3のプライマーが結合すると伸長反応によって酵素、蛍光物質、発光物質等で標識された標的核酸が増幅されるのである。結果として、核酸試料中に標的核酸が含まれている場合は標識された標的核酸が生成され、核酸試料中に標的核酸が含まれない場合は標識された標的核酸は生成されない。
第2の工程として、この核酸試料をDNAマイクロアレイに接触させ、DNAマイクロアレイのプローブとハイブリダイゼーション反応させる。プローブと相補的な標的核酸がある場合は、プローブと標的核酸がハイブリッド体を形成する。
第3の工程として、標的核酸の検出を行う。プローブと標的核酸がハイブリッド体を形成しているかどうかは、標的核酸の標識物質によって検出が可能であり、これにより特定の塩基配列の有無を確認できる。
このハイブリダイゼーション反応を利用したDNAマイクロアレイは、病原菌を特定する医療診断や患者の体質等を検査する遺伝子診断への応用が期待されている。しかしながら、核酸の増幅、ハイブリダイゼーション、検出の各工程は、それぞれ個別の装置で行われている事が多く、作業が煩雑であり、診断にかなりの時間を要してしまう。特に、スライドグラス上でハイブリダイゼーション反応を行う構成では、プローブ固定面が露出しているため、スライドグラス上に指などが触れることでプローブが欠落したり汚染されたりする可能性があり、その取り扱いは慎重に行う必要がある。これらの問題を解決するために、反応チャンバ内にDNAマイクロアレイを備え、反応チャンバ内でハイブリダイゼーション反応を行い、その後に検出もできる生化学反応容器の構造がいくつか提案されている。
特表平10-505410号公報では、キャビティを形成するための構造および製造方法が開示されている。また、特開2003-302399号公報および特開2004-093558号公報では、液体の初期充填時に気泡が残ってしまうことを防止するためのチャンバ構造が開示されている。さらに、特開2002-243748号公報では液体の均一な広がり、流れを形成するための構造が開示されている。
このような生化学反応容器の構造では、反応チャンバの体積は数十μL程度と少なく、反応チャンバの高さは低く、平面状に空間が広がっている反応チャンバ形状になっている。これにより、使用する試薬類の液量が少なくてすみ、反応チャンバ内に層流の流れが生じるようになる。さらに、固相上のプローブと標的核酸のハイブリダイゼーション反応を効率化させるためには、反応チャンバ内で液体を攪拌させると良い。最も簡単な方法としては、注入口で液体を押し引きし、反応チャンバ内の液体を揺動させる方法がある。
特表平10-505410号公報 特開2003-302399号公報 特開2004-093558号公報 特開2002-243748号公報
生化学反応容器の一例を図8に示す。この生化学反応容器110の有する反応チャンバ103には液体が充填されているものとする。注入口106からさらに液体を送液した場合、反応チャンバ103の中央付近の流速122と端付近の流速121及び123とを比べると、中央付近の流速122の方が速くなってしまう。よって、注入口106または排出口107で液体を押し引きして反応チャンバ103内の液体を揺動させると、固相上のプローブと標的核酸が接触する頻度は反応チャンバ103の中央付近と端付近では異なってくる。また、ハイブリダイゼーション反応終了後には、未反応の核酸を除去するために、反応チャンバ103内に洗浄液を流す。この時も、反応チャンバ103の中央付近の流速122と端付近の流速121及び123が異なるため、未反応の核酸が除去される割合や、固相上のプローブと反応した標的核酸が引き剥がされる確率が異なってくる。結果として、プローブの位置によって検出時の輝度にばらつきが生じ、診断結果に悪影響を与える可能性がある。
特表平10-505410号公報の構成では、キャビティ内には層流流れが生じるものの、キャビティの中心付近と端付近の流速の違いまでは解消されない場合がある。また、特開2003-302399号公報および特開2004-093558号公報の構成では、液体の初期充填時にはチャンバ内に液体が均一に広がるものの、チャンバに液体が充填された状態ではチャンバ内の流速を均一化させる効力がない場合がある。さらに、特開2002-243748号公報の構成は、構造が複雑で容器製造のためのコストの低減に限界がある場合がある。
本発明の目的は、簡易な構成の付加によって平面方向、鉛直方向の、反応チャンバ内での液体の流れを均一化できる構成を有する生化学反応容器を提供することにある。
本発明の生化学反応容器は、標的核酸検出用のプローブ固定領域に試料を反応させるための反応チャンバと、該反応チャンバ両端のうち一方の端部に連通するように設けられた第一の孔、および前記反応チャンバの他方の端部に設けられた第二の孔を有し、前記第一の孔と第二の孔との間の反応チャンバが流路を形成しており、該流路中に前記プローブ固定領域と、前記流路の断面積を減少させる流体抵抗部を具備する生化学反応容器において、
該流体抵抗部が突起部材であり、該突起部材がテーパ形状を有する領域を含む事を特徴とする生化学反応容器である。
本発明によれば、注入口として利用しえる第一の孔、反応チャンバ及び排出口として利用しえる第二の孔を有して構成される流路中に流路断面積を減少させる部材を配置させる事で、面内の流速が制御できる。更には、該流体抵抗部がテーパ形状を有する事で、流体抵抗部通過後の空気、液体の流体が安定し、乱流が軽減され、液溜まり、空気溜まりが改善出来るという効果がある。
以下、図面に基づいて本発明にかかる実施形態について説明する。
(実施形態1)
本実施形態では、反応チャンバ内に流体抵抗部を有し、流体抵抗部がテーパ形状を有する領域を含む事を特徴とした生化学反応容器において、流体抵抗部の突起形状を最適化して、液体の流れを制御し、液溜まりを改善した例について示す。
図1は本発明の第1の実施形態に係る生化学反応容器(以下、生化学反応カセットと記す)の構造を示す斜視図である。図2(a)、(b)及び(c)は本発明の第1の実施形態に係る生化学反応カセットの構造を示す平面図、断面図及び断面拡大図である。また、図3、4は本発明の第1の実施形態に係る生化学反応カセット内部を流れる液体の様子を示す平面、鉛直断面模式図である。
図1又は図2(a)に示す、カセットの構造について説明する。カセット10は、ガラス基板11と材質がポリカーボネードである筐体12が接合された構成からなる。なお、ガラス基板に対する筺体部分の接合形態は図示した例に限定されず、種々の形態を採り得る。また、筐体12の材質はポリカーボネードに限定されるものではなく、ポリカーボネード以外のプラスチック、ガラス、ゴム、シリコン等でも良い。ガラス基板11と筐体12の接合面において、筐体12に所定の断面形状の窪みが設けられており、ガラス基板11と筐体12との間に第1バッファー室1、第1スロット部2、反応チャンバ3、第2スロット部4及び第2バッファー室5が形成されている。これらの部分は互いに隣接して配置されており、流路を形成している。ガラス基板11と筺体12との間に形成されたこれらの部分を構成する各空間の底面はガラス基板11の表面の一部からなる。ここでは筐体12にバッファー室、スロット部、反応チャンバとなる空間を設けているため各空間の底面は同一平面をなしているが、バッファー室、スロット部、反応チャンバの一部または全部をガラス基板11に設け、各空間の底面が同一平面をなしていない構成でも良い。
図2(b)に示すように、各スロット部の天井部分がバッファー室及び反応チャンバの天井部分よりも低く、図の様な形状になっており、各スロット部の上部が、バッファー室及び反応チャンバの仕切り部を形成している。
また、図2(a)のように、反応チャンバ3の底面にあるガラス基板11の表面の一部にはプローブ固定領域13が設けられており、反応チャンバ3に充填された液体中に標的核酸が含まれている場合に、標的核酸がプローブ固定領域13のプローブが反応するようになっている。標的核酸とプローブの組み合わせは、これらの両方がDNAである場合など検出目的に応じて選択できる。
反応チャンバ3には2つの外部との連通孔が設けられており、本実施形態では、それらの一方は注入口6として、他方は排出口7として利用される。
液体は注入口6から第1バッファー室1に注入され、第1スロット部2、反応チャンバ3、第2スロット部4及び第2バッファー室5をこの順に通り、第2バッファー室5に接続された排出口7からカセット10外に排出される。すなわち、これらの部分から液体の流路が形成されている。
本実施形態で用いた各チャンバの寸法を図1中の座標X(幅)×Y(長さ)×Z(高さ:各底面からの天井部までの距離)で表示する。図2(a)に示すように幅(座標X)の値はバッファー室に依存せず一定で、10mmである。また、長さ(座標Y)は各々以下の通りである。図2(b)、(c)を参考に、第1バッファー室1と第2バッファー室5は同じ長さ2.0mm、反応チャンバ3は10mmである。第1スロット部2、第2スロット部4の高さが一定である領域の長さが1.0mmで、各々高さが変化している領域の長さが1.5mmである。高さ(座標Z)はスロット部以外一定で0.5mmである。スロット部の高さが一定の領域は0.1mmである。また、本実施形態における突起部材のテーパ部(図9のθ)は、72°程度である。
なお、テーパ部の傾斜は本発明が目的とする効果が得られる程度に設定すればよく、好ましくは30〜85°、より好ましくは45〜80°の範囲から選択できる。
次に、カセットを用いた標的核酸の反応方法について説明する。まず、核酸試料を準備し、必要に応じて先に述べた方法により標的核酸の増幅を行う。核酸試料の中に標的核酸が存在する場合、増幅工程において蛍光物質で標識された標的核酸が生成される。ここで、標識物質は蛍光物質としたが、発光物質や酵素等でも良い。この核酸試料の溶液を、液体注入手段(不図示)を用いて、カセット10内に注入口6から注入する。溶液を第1バッファー室1、第1スロット部2、反応チャンバ3、第2スロット部4及び第2バッファー室5に充填させる。これと、ほぼ同時にカセットと基板そして、溶液を加熱し、溶液中の標的核酸とプローブ固定領域13上のプローブとのハイブリダイゼーション反応を進行させる。この時、溶液中の標的核酸がプローブ固定領域13上のプローブと接触する頻度を増加させるため、溶液を反応チャンバ3内で往復運動させて攪拌する。この時、常に第1バッファー室1、第1スロット部2、反応チャンバ3、第2スロット部4及び第2バッファー室5は溶液で満たされるようにしている。
攪拌のために注入口6側から核酸試料の溶液が送液された場合、平面方向では、図3(a)に示すような流れが生じる。液体の通り道に抵抗がなければ、図8のように、溶液は注入口6から排出口7に向かってほぼ一直線に流れる。本実施形態のように、第1スロット部2を有する系では、図3のように、液体の抵抗となるので、第1バッファー室1全体に広がるような溶液の流れ21、22及び23などが生じる。これにより第1バッファー室1全体の圧力が上昇し、第1スロット部2に均等な圧力が加わるようになる。よって、第1スロット部2から押し出された溶液は反応チャンバ3内で均一な流速24、25及び26などを持つようになる。攪拌に必要な量の核酸試料の溶液を注入口6から送液したら、今度は排出口7側から核酸試料の溶液を送液する。注入口6側から溶液を送液した場合と同様の原理で、平面では、図3(b)に示すように反応チャンバ3内に均一な流速34、35及び36などが生じる。攪拌に必要な量の核酸試料の溶液を排出口7から送液した後に、再び注入口6から核酸試料の溶液を送液する。この後も、排出口7からの送液、注入口6からの送液を繰り返し、反応チャンバ3内の溶液を攪拌する。反応チャンバ3内には均一な流速が生じるので、プローブ固定領域13のどの位置に存在するプローブも核酸試料中の標的核酸と接触する頻度が同じになり、プローブ固定領域13の位置によるハイブリダイゼーション反応の進行度合の差がなくなる。標的核酸とプローブの組み合わせは、これらの両方がDNAである場合など検出目的に応じて選択できる。また、プローブ固定領域は、多数のプローブを担体に配列固定したDNAチップなどのプローブ担体を用いて形成することができる。
また、注入口6側から核酸試料の溶液が送液された場合、鉛直方向では、図4(a)に示すような流れが生じる。注入口6より注入された核酸試料の溶液は第1スロット2を通過した後、流れ14のように通過する。スロット形状が図4(b)のように矩形の形状をしていると、溶液は流れ15のように流れ、スロット通過後に乱流が生じ、効率的に核酸試料を供給できなくなりハイブリダイゼーション反応効率が低下する。本実施形態の様なスロット形状をしている事で、スロット通過後の溶液の流れも安定する。
以上の様に、本実施形態では、反応チャンバ内に流体抵抗部を有し、流体抵抗部の形状にテーパを持たせる事で、流体抵抗部の突起形状を最適化して、液体の流れを制御し、液溜まりを改善し、少ない試料で効率的にハイブリダイゼーション反応を行う事が出来る。
また、本実施形態では核酸試料の溶液を往復運動させる事で、ハイブリダイゼーション反応を促進させていたので、スロットを2個:注入側(スロット2)、排出側(スロット4)に設けていた。しかしながら、往復運動をさせない場合などでは、スロットは注入側又は排出側どちらか一つでも良い。
更に、ハイブリダイゼーション反応を促進させる往復運動を高速に行う系に於いては、スロット形状を図5(a)のような構成にする事で、往復運動のどちらの運動に於いても図4の(b)の15の様な溶液の乱流がなくなり、泡などの発生を抑える事が出来る。また、液溜まりを考慮し、スロット形状が図5(b)、(c)に示すような形状でも、本実施形態と同様の効果が得られ、且つ、図5の(a)のように傾斜を両端に設けても良い。
なお、プローブ固定領域をカセットに対して着脱自在な構成としてもよい。この点は以下の実施形態においても同様である。
(実施形態2)
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態では、検出時、反応チャンバ内の液体を排出する(チャンバ内を気体で満たした場合)工程を有した系について述べる。すなわち、本実施形態は、スロット形状の最適化を行い、気流に関しても面内方向、鉛直方の安定化を図り、ハイブリダイゼーション効率向上と検出時の安定した輝度確保を実現した例である。
本実施形態で用いるカセットで、実施形態1で述べたカセットと同様の項目に関しては説明を省略する。図6(a)、(b)及び(c)は本発明の第2の実施形態に係る生化学反応カセットを示す。構成的に実施形態1と異なる点は、スロット形状である。
本実施形態のスロット形状は、図6(b)、(c)に示す、第1スロット20と第2スロット21の様な形状をしている。第1スロット20と第2スロット21のスロット先端の高さは0.1mmである。チャンバの高さは実施形態1と同様、0.5mmである。また、本実施形態における突起部材のテーパ部の傾斜(図9のθ)も、72°程度である。
次に、カセットを用いた標的核酸の反応方法について説明する。核酸試料の溶液を液体注入手段(不図示)を用いて、カセット10内に注入口6から注入する。溶液を第1バッファー室1、第1スロット部20、反応チャンバ3、第2スロット部21及び第2バッファー室5に充填させる。これと、ほぼ同時にカセットと基板と溶液を加熱し、溶液中の標的核酸とプローブ固定領域13上のプローブとのハイブリダイゼーション反応を進行させる。この時、溶液中の標的核酸がプローブ固定領域13上のプローブと接触する頻度を増加させるため、溶液を反応チャンバ3内で往復運動させて攪拌する。この時、常に第1バッファー室1、第1スロット部2、反応チャンバ3、第2スロット部4及び第2バッファー室5は溶液で満たされるようにしている。
実施形態1と同様に、攪拌のために注入口6側から核酸試料の溶液が送液された場合、平面方向では、図3(a)に示すような流れが生じる。また、注入口6側から核酸試料の溶液が送液された場合、スロット通過後の鉛直方向では、図4(a)に示すような流れが生じる。ハイブリダイゼーション反応後、反応チャンバ3内を洗浄液で蛍光物質などを取り除き、その後、空気で反応チャンバ3を乾燥させる。その際の、空気の流れも、図3(a)、図4(a)に示すような流れとなる。以上の様な、スロット形状とする事で、反応チャンバ3を乾燥させた後、検出器により、蛍光を観測した際にも安定した輝度を確保できた。
以上の様に、本実施形態では、検出時、反応チャンバ内の液体を排出する(チャンバ内を気体で満たした場合)工程を有した系について、スロット形状の最適化を行い、気流に関しても面内方向、鉛直方の安定化を図る事で、ハイブリダイゼーション効率向上と検出時の安定した輝度確保が実現できた。
また、本実施形態では核酸試料の溶液を往復運動させる事で、ハイブリダイゼーション反応を促進させていたので、スロットを2個:注入側(スロット2)、排出側(スロット4)に設けていた。しかしながら、往復運動をさせない場合などでは、スロットは注入側又は排出側どちらか一つでも良い。
更に、ハイブリダイゼーション反応を促進させる往復運動を高速に行う系に於いては、スロット形状を図7(a)、(d)のような構成にする事で、往復運動のどちらの運動に於いても図4の(b)の15の様な溶液の乱流がなくなり、泡などの発生を抑える事が出来る。
また、空気乾燥を有する系では、スロット形状が図7(a)、(b)、(c)、(d)に示すような形状でも、本実施形態と同様の効果が得られる。
本発明の第1の実施形態に係る生化学反応カセットの構造を説明する斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る生化学反応カセットの構造を説明する平面図、断面図及び断面拡大図である。 本発明の第1の実施形態に係る生化学反応カセット内における、平面方向の液体の流れを説明する図である。 本発明の第1の実施形態に係る生化学反応カセット内における、鉛直方向の液体の流れを説明する図である。 本発明の第1の実施形態を達成する他のスロット形状の図である。 本発明の第2の実施形態に係る生化学反応カセットの構造を説明する平面図、断面図及び断面拡大図である。 本発明の第2の実施形態を達成する他のスロット形状の図である。 従来例の生化学反応カセットの構造を説明する斜視図及び構造を説明する平面図および断面図である。 突起部材のテーパ形状部分の傾斜角について説明する模式的断面図である。
符号の説明
1 第1バッファー室
2、16、18、30、20、22、24、26、28 第1スロット部
3、103 反応チャンバ
4、17、19、21,23、25、27、29、31 第2スロット部
5 第2バッファー室
6、106 注入口
7、107 排出口
10、110 カセット
11、111 ガラス基板
12、112 筐体
13、113 プローブ固定領域
51 バッファー室
52 スロット部

Claims (8)

  1. 標的核酸検出用のプローブ固定領域に試料を反応させるための反応チャンバと、該反応チャンバ両端のうち一方の端部に連通するように設けられた第一の孔、および前記反応チャンバの他方の端部に設けられた第二の孔を有し、前記第一の孔と第二の孔との間の反応チャンバが流路を形成しており、該流路中に前記プローブ固定領域と、前記流路の断面積を減少させる流体抵抗部を具備する生化学反応容器において、
    該流体抵抗部が突起部材であり、該突起部材がテーパ形状を有する領域を含む事を特徴とする生化学反応容器。
  2. 前記反応チャンバが天井部及び底部を有し、前記突起部材は、前記反応チャンバの天井部または/および底部から鉛直方向に突出している請求項1に記載の生化学反応容器。
  3. 前記突起部材は前記反応チャンバを少なくとも2つ以上の領域に仕切る仕切り部材である事を特徴とする請求項2に記載の生化学反応容器。
  4. 前記突起部材は前記反応チャンバ内の前記流路の上流側に位置している事を特徴とする請求項2または3に記載の生化学反応容器。
  5. 前記突起部材が前記第1の孔と前記プローブ固定領域の間にある事を特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の生化学反応容器。
  6. 前記突起部材が前記第2の孔と前記プローブ固定領域の間にある事を特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の生化学反応容器。
  7. 前記突起部材が複数個存在する事を特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載の生化学反応容器。
  8. 前記突起部材は前記プローブ固定領域側に前記天井部と前記底部との間隔が徐々に広がるテーパ形状を有している事を特徴とする請求項2〜8記載の生化学反応容器。
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