JP2005526810A - 経細胞薬物輸送システム - Google Patents
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Abstract
本発明は、様々な細胞膜を透過する、治療効果のある物質の制御輸送に適した、新規の薬物の経細胞輸送システムに関する。経細胞薬物輸送システムは、治療効果のある成分を水性の内部に保持しているような両親媒性の外部および水性の内部を特徴とする、生物接着性単一薄膜状の小胞を有する。
Description
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、様々な細胞膜を透過する、治療効果のある物質の制御輸送に適した、新規の薬物の経細胞輸送システムに関する。経細胞薬物輸送システムは、両親媒性あるいは疎水性の外部、水性の内部、および水性の内部に保持している治療効果のある成分を特徴とする、生物接着単一薄膜状の小胞を有する。経細胞薬物輸送システムの一つの新しい外観は、単一薄膜状小胞が様々な細胞膜を透過して治療効果のある物質の輸送を仲介するという、結合/放出特性である。経細胞薬物輸送システムの他の新しい外観は、それまで注射によってのみで投与していた治療効果のある薬物の経口投与を提供することである。さらに本発明は単一薄膜状小胞を作る方法にも関する。
(発明の分野)
本発明は、様々な細胞膜を透過する、治療効果のある物質の制御輸送に適した、新規の薬物の経細胞輸送システムに関する。経細胞薬物輸送システムは、両親媒性あるいは疎水性の外部、水性の内部、および水性の内部に保持している治療効果のある成分を特徴とする、生物接着単一薄膜状の小胞を有する。経細胞薬物輸送システムの一つの新しい外観は、単一薄膜状小胞が様々な細胞膜を透過して治療効果のある物質の輸送を仲介するという、結合/放出特性である。経細胞薬物輸送システムの他の新しい外観は、それまで注射によってのみで投与していた治療効果のある薬物の経口投与を提供することである。さらに本発明は単一薄膜状小胞を作る方法にも関する。
(関連技術の説明)
何年にも渡って、特定の細胞膜を透過するような、治療薬の効率的な薬物動態の輸送を達成するための方法が開発されてきた。望ましい方法は、特に、経口、直腸、鼻、非経口、静脈注射、膣、目、皮下、皮膚、あるいは肺からの投与による、多様な細胞膜への治療薬の直接的な輸送に関する。しかしながら、従来の高内相乳剤、食道および粘膜の生体接着性剤、そして脂肪親和性、疎油性、親水性の合成物のような直接輸送の既知の方法は、様々な細胞膜の生物学的、化学的、および物理的障壁の存在により大幅に制限されている。治療薬の直接輸送の既知の方法は、依然として、粘膜上のpH、酵素濃度あるいはヴァンデルワール相互作用のような固有の環境パラメーターに調節される、部位特異的な吸収および可変拡散率の必要性と取り組んでいる。さらに、タンパク質やペプチドのような生物学的な活性剤は直接輸送により投与される場合、特に、直接輸送に典型的な化学薬品、微生物、酵素およびpHの低下に弱く、吸収力の低下および治療効果の低下の増大につながる。循環系への治療薬の経口輸送は、動物への投与の好ましいルートである。しかしながら、皮膚、胃腸管の環境、細胞膜の脂質二重層およびその他の生物学的表面のような物理的な障壁、および多様な臓器の細胞膜は、経口輸送により実行可能な臨床での適用を妨げる。この現象の一つの説明は、ほとんどの生物学的活性薬物が様々な酵素に対して不安定であり、さらに一般的に細胞膜の脂質二重層に浸透できないためである。さらに、経口輸送は、胃腸管における変化するpHや、口腔および胃腸管における強力な消化酵素の存在のような化学的障壁によっても妨げられる。この点では、カルシトニンおよびヒト成長ホルモンのようないくつかの活性タンパク質薬物は、構造的修正あるいは分解なしに、目的の細胞標的物へ、容易にかつ効果的に経口投与されることはないかもしれない。それらの生来の3次元状態では、タンパク質は一般に部分的に展開され、最も低い自由エネルギーを有している。自由エネルギーを測定するための器具はないが、しかし、自由エネルギーは一般に表面自由エネルギーと関係があり、ギブズの自由エネルギーの変化である、ΔGで示される。シグナルペプチドあるいはシャペロニンは、様々な細胞膜を通過する生来状態のタンパク質の能力を促進することが可能である。このことは、シグナルペプチドあるいはシャペロニンが、タンパク質を輸送可能な構造に可逆的に変形し、次に、輸送の後にタンパク質を生来状態に再変形することにより達成される。その後、タンパク質がその生来の状態に折りたたまれるように、シグナルペプチドあるいはシャペロニンはタンパク質から分離するか、あるいはタンパク質から隔離される。Gething、M−JおよびSambrook、J、Nature、355、1992、33−45。
何年にも渡って、特定の細胞膜を透過するような、治療薬の効率的な薬物動態の輸送を達成するための方法が開発されてきた。望ましい方法は、特に、経口、直腸、鼻、非経口、静脈注射、膣、目、皮下、皮膚、あるいは肺からの投与による、多様な細胞膜への治療薬の直接的な輸送に関する。しかしながら、従来の高内相乳剤、食道および粘膜の生体接着性剤、そして脂肪親和性、疎油性、親水性の合成物のような直接輸送の既知の方法は、様々な細胞膜の生物学的、化学的、および物理的障壁の存在により大幅に制限されている。治療薬の直接輸送の既知の方法は、依然として、粘膜上のpH、酵素濃度あるいはヴァンデルワール相互作用のような固有の環境パラメーターに調節される、部位特異的な吸収および可変拡散率の必要性と取り組んでいる。さらに、タンパク質やペプチドのような生物学的な活性剤は直接輸送により投与される場合、特に、直接輸送に典型的な化学薬品、微生物、酵素およびpHの低下に弱く、吸収力の低下および治療効果の低下の増大につながる。循環系への治療薬の経口輸送は、動物への投与の好ましいルートである。しかしながら、皮膚、胃腸管の環境、細胞膜の脂質二重層およびその他の生物学的表面のような物理的な障壁、および多様な臓器の細胞膜は、経口輸送により実行可能な臨床での適用を妨げる。この現象の一つの説明は、ほとんどの生物学的活性薬物が様々な酵素に対して不安定であり、さらに一般的に細胞膜の脂質二重層に浸透できないためである。さらに、経口輸送は、胃腸管における変化するpHや、口腔および胃腸管における強力な消化酵素の存在のような化学的障壁によっても妨げられる。この点では、カルシトニンおよびヒト成長ホルモンのようないくつかの活性タンパク質薬物は、構造的修正あるいは分解なしに、目的の細胞標的物へ、容易にかつ効果的に経口投与されることはないかもしれない。それらの生来の3次元状態では、タンパク質は一般に部分的に展開され、最も低い自由エネルギーを有している。自由エネルギーを測定するための器具はないが、しかし、自由エネルギーは一般に表面自由エネルギーと関係があり、ギブズの自由エネルギーの変化である、ΔGで示される。シグナルペプチドあるいはシャペロニンは、様々な細胞膜を通過する生来状態のタンパク質の能力を促進することが可能である。このことは、シグナルペプチドあるいはシャペロニンが、タンパク質を輸送可能な構造に可逆的に変形し、次に、輸送の後にタンパク質を生来状態に再変形することにより達成される。その後、タンパク質がその生来の状態に折りたたまれるように、シグナルペプチドあるいはシャペロニンはタンパク質から分離するか、あるいはタンパク質から隔離される。Gething、M−JおよびSambrook、J、Nature、355、1992、33−45。
シグナルペプチドおよび/またはシャペロニンと類似した、既知の方法の合成化合物は、タンパク質の生来状態への早期の折りたたみを防ぐことによりタンパク質の輸送を成立させる。合成化合物は生物学的に活性な治療薬に可逆的に結合し、次に治療薬を細胞膜に輸送する。一度、薬物運搬体が細胞膜を通過すれば、複合体は分離する。
既知の経口輸送技術では、修正された捕形薬で治療活性を防御する、あるいは酵素の阻害剤を加えることにより、タンパク質の変質を克服しようとしている。例えば、アンフィリックポリマーで修飾されたインシュリンは、ペプシンあるいはキモトリプシン酵素によるインシュリンの分解を減じると知られている。
改変化学物質として知られる他の技術は、ポリマーの共有結合付加によりタンパク質を化学的に修飾する。改変化学物質は、水および脂肪可溶性成分から成り、安定性の向上および酵素による変質を防ぐために、薬分子上の特異的な部位で小さいポリマーに共有結合で結合している。化学的な薬物の変化は、時々細胞膜を通過した浸透を高め、生体内での薬物の半減期を高めるが、しかし、経口輸送を検討される個々のおよび全ての治療薬に必要とされる、特異的および費用のかかる修飾補形剤の開発が求められる。
米国特許番号6,071,538号(Milsteinら)では、輸送可能な超分子薬/運搬体複合体である改変化学物質について記述している。ここで、治療効果のある薬品は、超分子複合体を形成する合成化学複合体と可逆的および非共有結合的に結合する。薬品/運搬体複合体は、生来の細胞間および細胞内輸送過程に基づいて作られる。
しかしながら、改変化学物質のみが、特定の細胞膜を透過する、高分子の薬物/運搬体複合体の輸送を促進し、これらは場所特異的ではない。さらに、それらは2つの別個の吸収経路を通して投与することが不可能である。つまり、最初の投与が続く投与を妨げることになる。
改変化学物質の限界を克服し、合成化学複合体を伴った薬品の改変を避ける、既知の方法の一つは、生来の低エネルギー状態にある治療薬の周りの高自由エネルギー保護膜の利用である。
油分に対し水の割合が比較的に高い乳剤は、高内相乳剤として当分野で既知であり、高い自由エネルギーを有している。高内相乳剤は、燃料、農業用スプレー、織物印刷、食品、家庭用および工業用の洗剤、化粧品および薬品、および消火器などのような様々な応用品に用いられている。また、例えば米国特許第3,988,508号(Lissant)および米国特許第5,189,070号(Brownscombeら)のように、高内相乳剤は、ポリマー・フォームタイプの用品の生産にも用いられている。
粘膜上の連続的な薄膜への乳剤の結合の原因となる、既知の高内相乳剤のもっとも顕著な特徴は、乳剤が特に胃腸管および/または消化管中で分解し、内部のエネルギーを喪失するということである。
あるリポソームは、薬物を覆う保護膜の形成により高内相乳剤の問題を克服している。例えば、米国特許第5,089,278号(Haynesら)は、少なくとも一つのリポソーム皮膜マイラール褐色薬品を含めた、表面の褐色着色のために食品を覆う、マイクロ波活性の褐変合成物を明らかにしている。さらに、米国特許第4,239,754号(Patelら)に記述されているように、インシュリンおよびヘパリンのための薬物輸送システムも開発されている。
米国特許第5,622,930号(Aslら)は、リポソームの薬物輸送様相から発展し、逆の生理反応を減じるリポソーム合成物の動物への投与方法を提供している。Ahlらはさらに、凍結融解および押し出し技術により形成される、直系が0.2μから5.0μである単一薄膜小胞を作る過程を規定している。
同様に薬物を輸送していたリポソームの他の変形は、混合アミノ酸(プロテノイド)の人工ポリマーとして定義されるミクロスフェアである。米国特許第4,925,673号(Steinerら)は、薬物包含プロテノイド・ミクロスフェア運搬体と同様にそれらの準備および使用の方法について記述している。これらのプロテノイド・ミクロスフェアは相当量の活性な薬物の輸送に有用である。米国特許第5,733,752号(Ungerら)は、両親媒性の脂質原料から作られた負に帯電したミクロスフェアについても明らかにしている。しかしながら、Ungerらのミクロスフェアは、温度変化あるいは超音波により破裂した際に活性な成分を放出するのみであり、また、局所的、吸入、あるいは皮下への輸送について考慮されただけのものである。
米国特許第5,474,848号(Wallach)は、中心腔をとり囲む2−8脂質二重層をポーサラメラー(paucilamellar)小胞が持たなければならないような、非リン脂質界面活性剤でできているポーサラメラー小胞の生成方法に関する。Wallachはさらに、小さな単一薄膜小胞が0.2μあるいはより小さな直径を有していること、および大きな単一薄膜小胞が1.0μあるいはより大きな直径を有することを教示している。他方では、Wallachは単一薄膜小胞が物理的に恒久的なものではなく、より酵素的分解を受けやすいものであることを明らかにしている。
しかし他の変形が米国特許第6,201,065号(Pathakら)で教示されている。Pathakらは、少なくとも2つが疎水性であり少なくとも1つが親水性である少なくとも4つの重合体ブロック、および架橋可能な官能基を含むゲル形成マクロマー(macromer)に関する。マクロマーは感熱性であり、脂肪親和力を有する。さらに別の変形は、0.2μから10.0μの直径を有し、アンフィリック分子の一層あるいはそれ以上の薄膜からなる細胞膜様の構造を伴った流体の極小の小滴を含むプレパレーションに関連する米国特許第6,165,500号(Cevc)により教示される。
しかしながら、上に記載され、一般に当分野で既知の薬物輸送システムは、(1)輸送システムで必要とされる、必要な有毒な量の補助剤あるいは阻害剤、(2)適切な低分子量の治療薬が利用可能ではないこと、(3)輸送システムにより示される乏しい安定性および不十分な貯蔵寿命、(4)既知のシステムの製造における問題、(5)治療活性の保護、(6)治療効果のある薬物の逆の改変、および/あるいは、(7)治療薬の増加する許容量および/または吸収の促進、については示していない。
さらに、既知のリポソーム薬物輸送システムは、比較的に制限されたリポソーム毎の治療薬物の有効加重を有する。制限された有効加重は、生体内での酵素的、超音波的および/あるいは熱変化に応じた、リポソームの破裂、例えば、環境上の分解物に治療薬物をさらすことにより輸送される。生体内の苛酷な環境に治療薬物をさらすことは、タンパク質およびペプチドのようなすべてのタイプの薬の場合に必ずしも最適ではないかもしれないと信じられている。破裂後、治療薬物は、場所特異的で選択的な原則のもとに放出することを目的とされている。従って、既知のリポソーム薬物輸送システムの記述された方法は、治療薬物の予測不可能な輸送につながり、全身、局所的、あるいは局部的な輸送システムにおけるケースとなるような、一つ以上の単一吸収ポイントへのリポソームによる治療薬物の輸送を妨げるという不必要な結果を招く。
既知のシステムの不利な点は、本発明の主題で克服される。特に、小胞の破裂を伴わずに薬物を放出するという結合/放出特性を有する単一薄膜小胞の構成、超音波あるいは温度感受性ではない単一薄膜小胞、および小胞が酵素的分解に耐えるのに十分な耐久性があるという結合/放出特性を有する単一薄膜小胞である。これらの特性は、非侵入的な方法/アプローチにより、不安定な薬、つまりタンパク質やペプチド、の吸収をもたらして実現する。本処置は、薬学的に活性な物質が、胃腸管環境において酸性、アルカリ性、酵素的あるいは他の変性にさらされることを防ぎ、同様に、酵素的変性に耐えるのに十分な耐性があるような、結合/放出特性を有する単一薄膜小胞の生成方法をもたらす。従ってこれは、非侵入的な方法/アプローチを通して、不安定な薬、つまりタンパク質やペプチドの吸収をもたらし、それによって薬学的に活性な物質が酸性、アルカリ性、酵素的あるいは他の変性にさらされることを防いでいる。
本発明の主題は、さらに、細胞透過薬品輸送システムを1つ以上の吸収経路、および、互いにはじき合い、高い自由な表面エネルギー状態を有する、実質上、球状の形態である貯蔵安定小胞、と同様に、従来注入のみにより投与されていた治療薬の経口投与をももたらす。
これらおよび本発明の他の目的は、詳細な記述および請求項で明白になるだろう。
(発明の概要)
本発明の主題は、a)少なくともひとつの両親媒性あるいは疎水性原料を含む、外部単一薄膜細胞膜と、b)前述の外部単一薄膜細胞膜により定義される水性の内部であって治療活性のある成分を含む前述の水性内部、とを含み、前述の小胞が約100nmから100ミクロンの大きさでそれと関連する中性の電荷を有することを特徴とする、貯蔵安定性の生体接着性単一薄膜小胞に関するものである。
本発明の主題は、a)少なくともひとつの両親媒性あるいは疎水性原料を含む、外部単一薄膜細胞膜と、b)前述の外部単一薄膜細胞膜により定義される水性の内部であって治療活性のある成分を含む前述の水性内部、とを含み、前述の小胞が約100nmから100ミクロンの大きさでそれと関連する中性の電荷を有することを特徴とする、貯蔵安定性の生体接着性単一薄膜小胞に関するものである。
本発明の主題の他の実施形態は、a)i)少なくとも1つの両親媒性あるいは疎水性材料を含む外部単一薄膜細胞膜と、ii)前述の外部単一薄膜細胞膜により定義される水性の内部であって治療活性のある成分を含む前述の水性内部とを含み、前述の小胞が約100nmから100ミクロンの大きさでそれと関連する中性の電荷を有することを特徴とする生体接着性単一薄膜小胞、およびb)薬学的に受容可能な運搬体、を含む貯蔵安定性な薬学的合成物である。
さらに、本発明の主題の他の実施形態は、a)少なくとも1つの両親媒性あるいは疎水性材料を含む外部単一薄膜細胞膜と、b)前述の外部単一薄膜細胞膜により定義される水性の内部であって治療活性のある成分を含む前述の水性内部とを含み、前述の小胞が約100nmから100ミクロンの大きさで、小胞がさらに陰イオン界面活性剤を含むことを特徴とする貯蔵安定性な生体接着性単一薄膜小胞である。
本発明の主題の他の実施形態は、a)少なくとも1つの両親媒性あるいは疎水性材料を含む外部単一薄膜細胞膜と、b)前述の外部単一薄膜細胞膜により定義される水性の内部であって水およびロイコトリエンを含む前述の水性内部とを含み、前述の小胞が約100nmから100ミクロンの大きさでそれと関連する中性の電荷を有することを特徴とする生体接着性単一薄膜小胞である。
さらに本発明の主題の他の実施形態は、a)少なくとも1つの両親媒性あるいは疎水性材料を含む外部単一薄膜細胞膜と、b)前述の外部単一薄膜細胞膜により定義される水性の内部であって水およびサイトカインを含む前述の水性内部とを含み、前述の小胞が約100nmから100ミクロンの大きさでそれと関連する中性の電荷を有することを特徴とする生体接着性単一薄膜小胞である。
本発明の主題の他の実施形態は、a)i)少なくとも1つの両親媒性あるいは疎水性材料を含む外部単一薄膜と、ii)前述の外部単一薄膜により定義される水性内部であって、治療効果のある成分を含む前述の水性内部と、を含み、上記小胞が約100nmから約100ミクロンの大きさであってそれと共に中性電荷を有することを特徴とする生体接着性単一薄膜小胞と、b)薬学的に受容可能な運搬体とを含み、経口的、経直腸的、あるいは結腸を経由した患者への投与のステップを含む、一般的に注射によりそれを必要とする患者に投与されていた貯蔵安定性の変化しやすい物質を投与する方法である。
本発明の主題の他の実施形態は、貯蔵安定性の製薬合成物を前述の患者に投与するステップを含み、前述の製薬合成物が、a)i)少なくとも1つの両親媒性あるいは疎水性原料を含む外部単一薄膜細胞膜と、ii)前述の外部単一薄膜細胞膜により定義される水性の内部であって治療効果のある成分を含む前述の水性内部とを含み、前述の小胞が約100nmから100ミクロンの大きさでそれと関連する中性の電荷を有することを特徴とする生体接着性小胞、およびb)薬学的に受容可能な運搬体を含み、さらに前述の小胞が口腔、喉、食道、上部消化管、下部消化管、直腸および結腸の組織に生体接着することを特徴とする、治療効果のある成分をそれを必要としている患者に全身的に輸送する方法である。
さらに本発明の主題の他の実施形態は、貯蔵安定性の製薬合成物を前述の患者に投与するステップを含み、前述の製薬合成物が、a)i)少なくとも1つの両親媒性あるいは疎水性原料を含む外部単一薄膜細胞膜と、ii)前述の外部単一薄膜細胞膜により定義される水性の内部であって治療活性のある変化しやすい成分を含む前述の水性内部とを含み、前述の小胞が約100nmから100ミクロンの大きさでそれと関連する中性の電荷を有することを特徴とする生体接着性小胞、およびb)薬学的に受容可能な運搬体を含み、さらに前述の製薬合成物が経口的あるいは経直腸的に投与されることを特徴とする、治療効果のある成分をそれを必要としている患者に全身的に輸送する方法である。
(発明の詳細な説明)
本明細書で単一薄膜小胞について使われているように、「実質的に球状」あるいは「個々の小包」という用語は、高剪断均質化により生成された丸い形状を有する単一薄膜小胞を示す。
本明細書で単一薄膜小胞について使われているように、「実質的に球状」あるいは「個々の小包」という用語は、高剪断均質化により生成された丸い形状を有する単一薄膜小胞を示す。
本明細書で単一薄膜小胞について使われているように、「生体接着性」という用語は、小胞と生体組織表面間の接触および小胞の生体組織表面への接着をさす。
本明細書で単一薄膜小胞について使われているように、「平均直径」という用語は、例えば、Micromeritics(Norcross、ジョージア州)から市販されているSediGraph5100のような粒子サイズ計測器を用いて得られる値である。あるいは、平均直径は光学顕微鏡を用いて得られる写真中の少なくとも100の単一薄膜小胞を計測することにより決定できる。
本明細書で単一薄膜小胞について使われているように、「貯蔵安定性の」という用語はインビトロでの小胞の物理的な安定性を示す。特に、「貯蔵安定性の」は、小胞の貯蔵の間は小胞の水性の内部が運搬体と平衡でないが、運搬体と平衡になることによって小胞がその有効荷重(すなわち小胞内に含有した治療活性の薬物の総量)を漏出あるいは喪失しなくなるという事実の記述のために用いられる。
「環境変性」という用語は、身体の生物学的環境の化学的影響に関して本明細書で使われる。すなわち、小胞および/またはそこに含有する活性成分の環境における、酸性、アルカリ性あるいは酵素的、および他の化学的あるいは物理的な反応または状態のことである。
本明細書で「油」という用語は本明細書に記載されている乳剤および懸濁培養液の連続相に関して、これらの培養液が疎水性であり、それゆえに親水相と混ざることができないことを示すために用いられる。この用語は、これらの2相が油からなるあるいは油を含まなければならないということを意味するものではない。
「安定した」あるいは「安定化させた」という用語は、本明細書で使われているように、形成された単一薄膜小胞が実質上、変性に対して耐性があることを意味している。
本明細書で使われているように「生体適合性の」という用語は、ヒトの患者組織へ導入される際、アレルギー反応や疾病状態を含む厳しい程度の容認しがたい毒性につながらないような、脂質あるいはポリマーを意味する。好ましくは、脂質あるいはポリマーは不活性なものである。
本発明は、治療効果のある物質の多様な細胞膜を透過した制御輸送に適した、新しい経細胞薬物輸送システムに関する。経細胞薬物輸送システムは、治療効果のある成分が水性内部に含まれることを特徴とする、両親媒性あるいは疎水性外部および水性の内部を定義する生体接着単一薄膜小胞を有する。本輸送システムは、それが、局所的、全身的あるいは局部的な輸送をもたらすが、標的輸送をもたらさないため独特である。
さらに、即時の輸送システムは、それが、従来は主として非経口的な方法で投与している治療薬の経口投与の方法を提供するという点で独特である。治療活性薬物は、以前は、非経口(すなわち注射による)投与のために目的とされる吸収のみが可能であったが、この点では、本発明の輸送システムは、局所的、局部的あるいは全身的な方法で、そのような治療薬の吸収を促進することができる。経口投与に加えて、即時の輸送システムは直腸投与が可能である。即時の輸送システムは、坐薬等の形態をとるかもしれない。
一般的に、本発明で用いられる単一薄膜小胞は0.01μから100μの直径を有し、すなわち単一薄膜小胞は約100nmから100ミクロンの大きさである。好ましくは前述の小胞が約2ミクロンから50ミクロンの大きさである。より大きなリポソームは、小さいリポソームよりも、より急速に動物の循環から排除されるということが知られているが、本発明の主題の生体接着性単一薄膜小胞は、様々な大きさの小胞を提供する。従って、より大きい粒子が上部胃腸管で活性薬物を放出し、小さい小胞が下部胃腸管で同様の活性薬物を放出することができる。
本発明の単一薄膜小胞は生体適合性のある脂質あるいはポリマー材料から構成され、それらの中で、生体適合性の脂質は特に好ましい。生体適合性の脂質材料のためには、両親媒性あるいは疎水性の構成物が好ましい。アンフィリックな構成物は、脂肪親和性(疎水性特性)および親水性の両方の特性を有する物質の構成物をさしている。
親水基は、帯電した部位あるいは水への親和力のある他の官能基であるかもしれない。生来および合成のリン脂質は、本発明で用いられる安定化ミクロスフェアの準備において有用な脂質の例である。それらは、長い疎水性の炭化水素の尾部に付着し、親水性である、帯電リン酸塩の「頭部」官能基を含む。この構造により、全ての不水溶性炭化水素の尾部が互いに接し、高度に帯電したリン酸塩の頭部領域が極性水性環境と自由に相互作用できるような、一枚の二重層(単一薄膜)配列をリン脂質が形成することを可能にする。の同心二重層の連続(すなわち、少層および多層)が可能であることが高く評価されるだろう。さらにこのような配列も本発明の請求の範囲内に検討される。
単一薄膜小胞壁を準備するためのもっとも有効な安定化した合成物は、一般的に、水ベースの培養液の存在下で、二重層(従って単一薄膜小胞)の形成を可能にする疎水性/親水性の特性を有するものである。したがって、今後しばしば希釈液と呼ぶ、水、生理的食塩水あるいは他の水ベースの培養液は、このような二重層形成合成物が安定化合成物として用いられる場合、本発明の単一薄膜小胞の様相かもしれない。
本請求の発明での使用に好ましいアンフィリックあるいは疎水性の材料は、鉱油、脂質材料、中性脂肪およびそれらの混合物や化合物からなるグループから選択される。本請求の発明で特に好ましい脂質はリン脂質である。
本発明の合成の単一薄膜の安定性は、高剪断加工により作られた小胞により実証される、非ニュートン物理的特性に起因するかもしれない。高剪断加工の他の顕著な特性は、高い自由表面エネルギーおよび小胞間の親和性である。
安定化した単一薄膜小胞はさらに、本明細書に明らかにした高剪断加工技術により得られる中性電荷の獲得という独特の特性も有している。小胞が親和性を維持し、それにより活性成分の生物学的利用能が高まるため、中性電荷は予期しないものである。従来、帯電した構成要素のみが安定した構造を形成することができると理解されていたため、これは非常に予期しないものである。補助の安定化添加物を使用することは、そうすることはオプションではあるが、必要ではなく、また、そのような安定化補助剤は当業者の技術中にあるだろう。
安定化添加物の添加により小胞の中性帯電も変更するかもしれないことが認識されるはずである。例えば、石鹸のような陰イオン界面活性剤の使用により小胞が負に帯電するかもしれない。これらの陰イオン界面活性剤は、当業者の技術中にあるが、しかし、ドキュセート・ナトリウムおよびラウリル硫酸ナトリウムに制限されることはない。
本請求の発明で用いられる単一薄膜小胞を準備するための安定化合成物として有用な生体適合性ポリマーは、加工なし、半合成、あるいは合成の起源のいずれかでありえる。
本明細書で用いられるように、ポリマーという用語は2つかそれ以上の繰りかえしモノマーユニット、好ましくは10かそれ以上の繰り返しモノマーユニット、で構成された合成物を示す。
ここで用いられるように、半合成ポリマーという用語は何らかの方法で化学的に修飾されている自然のポリマーを示す。本発明での使用に適した典型的な自然のポリマーは、自然に生じる多糖類を含む。そのような多糖類は、例えば、アラビナン、フラクタン、フューカン(fucan)、ガラクタン、ガラクツロナン、グルカン、マンナン、キシラン(例えばイヌリンのような)、リーバン、フコイダン、カラゲーニン、ガラトカラロース(galatocarolose)、ペクチン酸、ペクチン、アミロース、プルラン、グリコーゲン、アミロペクチン、セルロース、デキストラン、パストラン、キチン、アガロース、ケラタン、コンドロイタン、デルマタン、ヒアルロン酸、アルギン酸、キサン樹脂、でんぷん、およびその他の多様な自然のホモポリマーあるいはヘテロポリマーを含み、これら多様な自然のホモポリマーあるいはヘテロポリマーは、1つあるいはそれ以上の以下のアルドース、ケトース、酸あるいはアミン:エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、エリトルロース、リブロース、キシルロース、プシコース、果糖、ソルボース、タガトース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、ショ糖、トレハロース、マルトース、セロビオース、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、グルクロン酸、グルコン酸、グルカル酸、ガラクツロン酸、マンヌロン酸、グルコサミン、ガラクトサミン、およびノイラミン酸、そして天然素材のそれらの誘導体を含む。
本請求の発明で用いられるための典型的な半合成ポリマーは、カルボキシメチルセルロース、ハイドロキシメチルセルロース、ハイドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、およびメトキシセルロースを含む。
本請求の発明で用いるのに適した典型的な合成ポリマーは、ポリエチレン(例えば、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンおよびポリエチレンテレフタレートのような)、ポリプロピレン(例えば、ポリプロピレングリコールのような)、ポリウレタン(例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニルおよびポリビニルピロリドンのような)、ナイロンを含むポリアミド、ポリスチレン、ポリ乳酸、フッ素化炭化水素、フッ素化炭素(例えばポリテトラフルオロエチレンのような)、およびポリメタクリル酸メチル、そしてそれらの誘導体を含む。
本発明で用いられる単一薄膜小胞を準備するために用いられるかもしれない付加的な脂質は、以下のものを含むが、それに限定しているわけではない:脂肪酸、リゾリピッド、以下の飽和および不飽和脂質の両方を備えたホスファチジルコリン、ジオレオニホスファチジルコリン、 ジミリストイルホスファチジルコリン、ジペンタデカノイルホスファチジルコリン;ジラウロイルホスファチジルコリン;シパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC);ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC);ジオレオイルホスファチジルエタノールアミンおよびジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)のようなホスファチジルエタノールアミン;ホスファチジルセリン;ホスファチジルグリセロール;ホスファチジルイノシトール;スフィンゴミエリンのようなスフィンゴ脂質;ガングリオシドGM1およびGM2のような糖脂質;糖脂質;スルファチド;スフィンゴ糖脂質;ジパリミトイルホスファチジル酸(DPPA)のようなホスファチジル酸;パルミチン酸;ステアリン酸;アラキドン酸;オレイン酸;ポロエチレングリコールのようなポリマーを運ぶ脂質、つまりPEGlateされた脂質、キチン、ヒアルロン酸あるいはポリビニルピロリドン;スルホン化された単糖、二糖類、オリゴ糖あるいは多糖類を運ぶ脂質;コレステロール、コレステロール硫酸塩、およびコレステロール半琥珀酸塩;トコフェロール半琥珀酸塩;エーテルおよびエステルをリンクした脂肪酸を備えた脂質;重合化された脂質(その多くの種類が当分野で周知である);ジアセチルリン酸;リン酸ジセチル;ステアリルアミン;カルジオライピン;6−8炭素の長さの短鎖脂肪酸を備えたリン脂質;非対称のアシル鎖(例えば、6炭素のアシル鎖および他の12炭素のアシル鎖を備えた)合成リン脂質;セラミド;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコール、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、ポリオキシエチル化したソルビタン脂肪酸、グリセロール・ポリエチレングリコール・オキシステアリン酸、ポリオキシエチレンダイズステロール、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンポリマー、およびポリオキシエチレン脂肪酸ステアリン酸のようなニオゾームを含む非イオンのリポソーム;コレステロール硫酸塩、コレステロール酪酸塩、コレステロールイソ酪酸塩、コレステロールパルミチン酸塩、コレステロールステアリン酸塩、ラノステロール酢酸塩、エルゴステロール・パルミチン酸塩、および植物ステロールn−酪酸塩を含むステロール脂肪族系酸エステル; コレステロール・グルクロニド、ラノステロール・グルクロニド、7−デヒドロコレステロール・グルクロニド、エルゴステロール・グルクロニド、コレステロール・グルコン酸塩、ラノステロール・グルコン酸塩、およびエルゴステロール・グルコン酸塩を含む糖酸のステロールエステル;ラウリル・グルクロニド、ステアロイル・グルクロニド、ミリストイル・グルクロニド、ラウリル・グルコン酸塩、ミリストイル・グルコン酸塩、およびステアロイル・グルコン酸塩を含む糖酸およびアルコールのエステル;ショ糖ラウリン酸塩、果糖ラウリン酸塩、ショ糖パルミチン酸塩、ショ糖ステアリン酸塩、グルクロン酸、グルコン酸、アッカリ酸(accharic acid)、およびポリウロン酸を含む糖酸および脂肪族系酸のエステル;サルササポゲニン、スミラゲニン、ヘデラゲニン、オレアノール酸、およびギジトキシゲニンを含むサポニン;グリセロール・ジラウリン酸塩、グリセロール・トリラウリン酸塩、グリセロール・ジパルミチン酸塩、グリセロール・トリパルミチン酸塩、グリセロール・ジステアリン酸塩、グリセロール・トリステアリン酸塩、グリセロール・ジミリスチン酸塩、グリセロール・トリミリスチン酸塩を含むグリセロールおよびグリセロール・エステル;n−デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、およびn−オクタデシルアルコールを含む長鎖アルコール;6−(5−コレステン−3ベータ−イルオキシ)−1−チオ−ベータ−D−ガラクトピラノシド;ジガラクトシルジグリセリド;6−(5−コレステン−3ベータ−イルオキシ)ヘキシル−6−アミノ−6−デオキシ−1−チオ−ベータ−D−ガラクトピラノシド;6−(5−コレステン−3ベータ−イルオキシ)ヘキシル−6−アミノ−6−デオキシ−1−チオ−アルファ−D−マンノピラノシド;12−(((7‘−ジエチルアミノクマリン−3−イル)カルボニル)メチルアミノ)オクタデカノイル酸;N−>>12−(((7’−ジエチルアミノクマリン−3−イル)カルボニル)メチルアミノ)オクタデカノイル!−2−アミノパルミチン酸;コレステリル)4‘−トリメチルアンモニオ)ブタン酸;N−サクシニルジオレオイルホスファチジルエタノールアミン;1,2−ジオレオイル−sn−3−サクシニルアミン;1,3−ジパルミトイl−2−サクシニルグリセロール;1−ヘキサデシル−2−パルミトイル−グリセロホスフォエタノールアミンおよびパルミトイルホモシステイン、および/またはそれらの組み合わせ。本請求の発明により特に好ましい脂質はリン脂質である。
本請求の単一薄膜小胞において有用な、好ましい治療効果のある成分は、薬学的に活性な物質、変化しやすい物質、およびそれらの混合物からなる群から選択される。特に好ましい変化しやすい物質は、タンパク質およびペプチドから成る群から選択される。好ましい実施形態においては、薬学的に活性な物質は、胃腸管の環境下で用いられる際、酸、アルカリ、酵素あるいは他の変性の影響を受けない。
本発明の主題によりカプセルに入れることが可能な、生物学的あるいは化学的に活性のある物質は、薬理的な薬物および治療上の薬物を含むが、しかし、これらに限定するものではない。例えば、本発明での使用に適した生物学的あるいは化学的に活性な薬物は、以下の物質を含むが、それらに限定するものではない。ペプチド、特に、小さいペプチド;ホルモン、特に、それ自体では胃腸管の粘膜を通過しない、あるいは投与された薬の一部のみが通過する、および/または胃腸管において酸や酵素により化学分解を受けやすいホルモン;多糖類、特にムコ多糖類の混合物;炭水化物;脂質;あるいはそれらの組み合わせ。さらなる例を含むが、これらに限定されない:ヒト成長ホルモン;ウシ成長ホルモン;成長ホルモン放出ホルモン;インターフェロン;インターロイキン−1;インシュリン;ヘパリン、特に低分子量ヘパリン;カルシトニン;エリスロポエチン;心房性ナトリウム利尿因子;抗原;モノクローナル抗体;ソマトスタチン;アドレノコルチコトロピン、ゴナドトロピン放出ホルモン;オキシトシン;バソプレシン;クロモリンナトリウム(ナトリウムあるいはニナトリウム・クロモグリク酸);バンコマイシン;デスフェロキサミン(DFO);副甲状腺ホルモン抗菌薬、抗真菌薬を含むがそれに限定しない;あるいはそれらの組み合わせ。好ましい実施形態において、カルシトニンは活性剤である。
剪断混合に十分な高剪断をもたらす様々な装置により、本発明の単一薄膜小胞を作ることが可能である。Biotechnology Development Corporation社によって作られる「フレンチ」タイプの圧縮機のようなマイクロ流体化装置(microfluidizer)、あるいは十分に高い剪断力を提供するその他の装置を含む、市場で利用可能なこれらの多種多様な装置がある。
本発明の脂質小胞を作るのに特に有用な装置は、Micro Vesicular System社、バインランド、ニュージャージー州により開発されており、米国特許第4,895,452号で詳述している。
本装置は、正接に位置した注入開口部を少なくとも1つ備えた、実質上、円筒状の混合チャンバーを有している。1つ以上の開口部が脂肪親和相のための貯蔵部へ通じており、他の開口部の少なくとも1つが水相の貯蔵部へ取り付けられている。
異なる相はポンプ(例えば積極的置換ポンプ)を通って円筒状のチャンバーに入れられ、チャンバー内で乱流を形成するような方法で交じらせる。単一薄膜小胞は、軸方向に位置した排出開口部を通ってチャンバーから排出される。
水相チャンバーにおいて生物学的に活性な治療物質を希釈剤と混合させる。脂肪親和性チャンバーでは安定化化合物を添加させる。続いて、円筒状チャンバーに界面活性剤を加える間、毎分30,000回転(「rpm」)で円筒状チャンバーにおいて両相を混合する。
本請求の発明により有用な界面活性剤のいくつかの無制限の例は、ドキュセート・ナトリウム、ナトリウム・ラウリル硫酸塩、セトリミド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、およびソルビタンエステルを含む。
当業者は本明細書に示した発表から逸脱することなく、不適当な実験なしに、実質的に同じ発明を生むために高剪断のrpmを変更することができるだろう。さらに、本発表が当分野で既知の情報と結び付けて考えられるとき、このようなポリマーベースの単一薄膜小胞を準備する方法は、本発表を考慮して当業者に容易に明白になるだろう。
(発明の理論)
本発明の理論をある特定の理論に制限しなければ、本明細書に記載の経細胞薬物輸送技術の新しいメカニズムに対するいくつかの可能な説明が生じる。パルス乳剤現象理論(Pulsed Emulsion Phenomenon Theory)の下で、単一薄膜小胞からの治療に効果的な物質の放出が環境pH、あるいは周囲に存在する酵素のタイプに依存している。pH依存性のモデル下においては、周囲のpHが中性あるいは非酸性(7.0pH>)のいずれかの時に、単一薄膜小胞は粘膜内層に結合し、生物学的に活性な治療薬を放出する。口腔、咽頭、食道の部位のようなpHが中性の部位、さらに結腸においては、単一薄膜小胞は活性物質を放出するだろう。胃および小腸のような酸性度が高い領域では、放出が阻害されるだろう。一般的には、結腸での放出が投与後約12−16時間で見られる一方、口腔、喉、および食道での放出は、投与後約6−8時間で見られる。
本発明の理論をある特定の理論に制限しなければ、本明細書に記載の経細胞薬物輸送技術の新しいメカニズムに対するいくつかの可能な説明が生じる。パルス乳剤現象理論(Pulsed Emulsion Phenomenon Theory)の下で、単一薄膜小胞からの治療に効果的な物質の放出が環境pH、あるいは周囲に存在する酵素のタイプに依存している。pH依存性のモデル下においては、周囲のpHが中性あるいは非酸性(7.0pH>)のいずれかの時に、単一薄膜小胞は粘膜内層に結合し、生物学的に活性な治療薬を放出する。口腔、咽頭、食道の部位のようなpHが中性の部位、さらに結腸においては、単一薄膜小胞は活性物質を放出するだろう。胃および小腸のような酸性度が高い領域では、放出が阻害されるだろう。一般的には、結腸での放出が投与後約12−16時間で見られる一方、口腔、喉、および食道での放出は、投与後約6−8時間で見られる。
酵素依存性モデル下では、生物学的に存在する酵素は、結合/放出事象の引き金になることもまたは阻害することもできるだろう。例えば、下部胃腸管にあるリパーゼが、結腸の空腸での吸収のために治療薬を小腸へ放出するという結合/放出事象の引き金となっている一方で、小腸にあるタンパク分解酵素は、放出を阻害することにより小胞を閉じ込めることができるだろう。
粘膜結合小胞理論は、顕著な吸収は粘膜上皮(すなわち、粘液で覆われた組織)を有する解剖学上の部位にのみ生じることを仮定している。単一薄膜小胞のみが粘膜基底膜あるいは粘液そのものと相互作用することが可能である。結合/放出事象だけが粘膜表面で生じるように見える。小胞に封入される生物学的に活性な薬は、結合/放出事象に際して、粘膜基底膜を透過して拡散し、全身的な分配のために血流に入る。胃および小腸が粘膜上皮を持たないため、これらの領域でなぜ結合/放出事象が生じないかの説明になるだろう。
結合/放出事象の他の説明は、単一薄膜小胞と粘膜間に生じるヴァンデルワールス力である。ヴァンデルワールス力は、他の分子により1つの分子に引き起こされた一時的双極子である。この物理的相互作用は、自動ウィンドウ用の粘着性デカルコマニーの代わりに使用される、グラスへのプラスチック・デカルコマニーの「静電気によるまとわりつき」と類似しているだろう。ヴァンデルワールス力は、結合およびそれに続く放出を引き起こすかもしれない。
当業者は、本発明の特別の理論がどんな上述の理論の1つにも制限されないこと、あるいは上述または未確認の理論の組み合わせであるかもしれず、本明細書に発表したような本発明を実践する能力をどんな形であっても制限するものではないことがわかるだろう。
カルシトニンおよびヒト成長ホルモンは、効果的な経口薬物輸送システムを設計する、当分野で直面する問題の良い例である。カルシトニンおよびヒト成長ホルモンの薬理作用は、多数の技術を用いて用意に変更することができるが、しかし、酵素消化へのそれらの物理化学の特性および感受性は、実行可能な輸送システムのデザインを制限している。一般的に経口投与できない多数の薬物は、インシュリン、サイトカイン(すなわち、インターフェロン、インターロイキン−2など);エリスロポエチン;多糖類、特に、ヘパリンを含むがそれに限定されないムコ多糖;ヘパリノイド;抗生物質およびその他の有機物質のような生物学的に活性なタンパク質である。これらの薬物は、酸加水分解、酵素あるいは同様のものにより、急速に無効力にされるかまたは胃腸管で破壊される。
(臨床評価)
経口投与のためにカルシトニンを用いる本請求の発明の例証された実施形態では、投薬後ある間隔でカルシトニンの血液レベルを検出した。その結果は、被験者中で一般的に投与後約6−8時間にカルシトニンの相当量の全身的吸収が起こったことを示している。これは口腔、喉、および食道でのカルシトニンの放出を示唆している。カルシトニンのさらなる吸収も投与後約12−16時間で見られ、これは結腸での吸収を示唆している。
経口投与のためにカルシトニンを用いる本請求の発明の例証された実施形態では、投薬後ある間隔でカルシトニンの血液レベルを検出した。その結果は、被験者中で一般的に投与後約6−8時間にカルシトニンの相当量の全身的吸収が起こったことを示している。これは口腔、喉、および食道でのカルシトニンの放出を示唆している。カルシトニンのさらなる吸収も投与後約12−16時間で見られ、これは結腸での吸収を示唆している。
本発明の経細胞薬物輸送システムは、以下の例の用意のために使用された。別に示していない限り、パーセンテージは全て、最終的な輸送システムあるいは用意された調剤の重量によるパーセントに基づいており、全ての合計は重量で100%となっている。
例1
例1
単一薄膜小胞は、当技術分野に周知で多様な、剪断混合に十分な高い剪断力を提供する装置により作成が可能である。特に有用な装置がニュージャージー州のMicro Vesicular System株式会社によって開発されており、米国特許第4,895,452号にさらに詳しく記述している。用いられる温度は目的の最終産物に依存する。
この例に記述する処理法は、以下の方法により作られた。
カルシトニンおよび親水相の他の成分を精製水で混合する。外部疎水相の構成要素を2つ目の容器で混合する。内部親水相をゆっくりと外部疎水相に加え、このとき完全に加え終わるまで、また望ましい粘度になるまで、2つの相を分割円盤攪拌器で混合する。混合の速さは目的の最終産物に依存する。
例2
例1を生成する方法は、以下の方法により、経細胞ヒト成長ホルモン輸送システムの構築に用いることができる。
例2
例1を生成する方法は、以下の方法により、経細胞ヒト成長ホルモン輸送システムの構築に用いることができる。
Claims (35)
- 以下、
a)少なくとも1つの両親媒性あるいは疎水性材料を含む外部単一薄膜と、
b)上記外部単一薄膜により定義される水性内部であって、治療上活性な成分を含む前記水性内部と、
を含み、生体接着性単一薄膜小胞が約100nmから約100ミクロンの大きさであってそれと共に中性電荷を有することを特徴とする、貯蔵安定性の生体接着性単一薄膜小胞。 - 上記両親媒性あるいは疎水性材料が鉱油、脂肪性物質、中性脂肪、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の単一薄膜小胞。
- 上記脂肪性物質がリン脂質であることを特徴とする請求項2記載の単一薄膜小胞。
- 上記小胞が約2ミクロンから約50ミクロンの大きさであることを特徴とする請求項1記載の単一薄膜小胞。
- 上記治療効果のある成分が薬学的に活性な物質、変化しやすい物質、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項4記載の単一薄膜小胞。
- 上記変化しやすい物質がタンパク質およびペプチドから成る群から選択されることを特徴とする請求項5記載の単一薄膜小胞。
- 上記薬学上活性な物質が、胃腸管の環境において使用される際、酸、アルカリ、酵素あるいは変性にさらされないことを特徴とする請求項5記載の単一薄膜小胞。
- a)i)少なくとも1つの両親媒性あるいは疎水性材料を含む外部単一薄膜と、
ii)上記外部単一薄膜により定義される水性内部であって、治療効果のある成分を含む前記水性内部と、
を含み、上記小胞が約100nmから約100ミクロンの大きさであってそれと共に中性電荷を有することを特徴とする生体接着性単一薄膜小胞と、
b)薬学的に受容可能な運搬体と、
を含む貯蔵安定性の製薬合成物。 - 上記両親媒性あるいは疎水性材料が鉱油、脂肪性物質、中性脂肪、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項8記載の製薬合成物。
- 上記脂肪性物質がリン脂質であることを特徴とする請求項9記載の製薬合成物。
- 上記小胞が約2ミクロンから約50ミクロンの大きさであることを特徴とする請求項8記載の単一薄膜小胞。
- 上記治療効果のある成分が薬学的に活性な物質、変化しやすい物質、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項8記載の製薬合成物。
- 上記変化しやすい物質がタンパク質およびペプチドからなる群から選択されることを特徴とする請求項12記載の製薬合成物。
- 上記薬学的に活性な物質が胃腸管の環境において使用される際、酸、アルカリ、酵素あるいは変性にさらされないことを特徴とする請求項12記載の製薬合成物。
- 以下、
a)少なくとも1つの両親媒性あるいは疎水性材料を含む外部単一薄膜と、
b)上記外部単一薄膜により定義される水性内部であって治療効果のある成分を含む前記水性内部と、
を含み、上記小胞が約100nmから約100ミクロンの大きさであって小胞がさらに陰イオン界面活性剤を含むことを特徴とする、貯蔵安定性の生体接着性単一薄膜小胞。 - 上記小胞が約2ミクロンから約50ミクロンの大きさであることを特徴とする請求項15記載の単一薄膜小胞。
- 以下、
a)少なくとも1つの両親媒性あるいは疎水性材料を含む外部単一薄膜と、
b)上記外部単一薄膜により定義される水性内部であって水およびロイコトリエンを含む前記水性内部と、
を含み、上記小胞が約100nmから約100ミクロンの大きさであってそれと共に中性電荷を有することを特徴とする、生体接着性単一薄膜小胞。 - 上記小胞が約2ミクロンから約50ミクロンの大きさであることを特徴とする請求項17記載の単一薄膜小胞。
- 以下、
a)少なくとも1つの両親媒性あるいは疎水性材料を含む外部単一薄膜と、
b)上記外部単一薄膜により定義される水性内部であって水およびサイトカインを含む前記水性内部と、
を含み、上記小胞が約100nmから約100ミクロンの大きさであってそれと共に中性電荷を有することを特徴とする、生体接着性単一薄膜小胞。 - 上記小胞が約2ミクロンから約50ミクロンの大きさであることを特徴とする請求項19記載の単一薄膜小胞。
- 以下、
a)i)少なくとも1つの両親媒性あるいは疎水性材料を含む外部単一薄膜と、
ii)上記外部単一薄膜細胞膜により定義される水性内部であって、治療効果のある成分を含む前記水性内部と、
を含み、上記小胞が約100nmから約100ミクロンの大きさであってそれと共に中性電荷を有することを特徴とする生体接着性単一薄膜小胞と、
b)薬学的に受容可能な運搬体と、
を含み、経口的、経直腸的、あるいは結腸を経由した患者への投与のステップを含む、一般的に注射によりそれを必要とする患者に投与されていた貯蔵安定性の変化しやすい物質を投与する方法。 - 貯蔵安定性の製薬合成物を前述の患者に投与するステップを含み、上記製薬合成物が、
a)i)少なくとも1つの両親媒性あるいは疎水性原料を含む外部単一薄膜細胞膜と、
ii)上記外部単一薄膜細胞膜により定義される水性内部であって治療効果のある成分を含む前述の水性内部と、
を含み、前述の小胞が約100nmから100ミクロンの大きさでそれと関連する中性の電荷を有することを特徴とする生体接着性単一薄膜小胞と、
b)薬学的に受容可能な運搬体と、
を含み、さらに前述の小胞が口腔、喉、食道、上部消化管、下部消化管、直腸および結腸の組織に生体接着することを特徴とする、それを必要としている患者に治療効果のある成分を全身的に輸送する方法。 - 上記両親媒性あるいは疎水性材料が鉱油、脂肪性物質、中性脂肪、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項22記載の方法。
- 上記脂肪性物質がリン脂質であることを特徴とする請求項23記載の方法。
- 上記単一薄膜小胞が約2ミクロンから約50ミクロンの大きさであることを特徴とする請求項22記載の方法。
- 上記治療効果のある成分が薬学的に活性な物質、変化しやすい物質、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項22記載の方法。
- 上記変化しやすい物質がタンパク質およびペプチドからなる群から選択されることを特徴とする請求項26記載の方法。
- 上記薬学的に活性な物質が胃腸管の環境において使用される際、酸、アルカリ、酵素あるいは変性にさらされないことを特徴とする請求項26記載の方法。
- 貯蔵安定性の製薬合成剤を患者に投与するステップを含み、製薬合成物が
a)i)少なくとも1つの両親媒性あるいは疎水性材料を含む外部単一薄膜と、
ii)上記外部単一薄膜により定義される水性内部であって、治療効果のある成分を含む前記水性内部と、
を含み、上記小胞が約100nmから約100ミクロンの大きさであって、それと共に中性電荷を有することを特徴とする生体接着性単一薄膜小胞と、
b)薬学的に受容可能な運搬体と、
を含み、製薬合成剤が経口的あるいは直腸的に投与されることを特徴とする、治療効果のある成分をそれを必要とする患者に全身的に輸送する方法。 - 上記両親媒性あるいは疎水性材料が鉱油、脂肪性物質、中性脂肪、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項29記載の方法。
- 上記脂肪性物質がリン脂質であることを特徴とする請求項30記載の方法。
- 上記小胞が約2ミクロンから約50ミクロンの大きさであることを特徴とする請求項29記載の方法。
- 上記治療活性のある成分が薬学的に活性な物質、変化しやすい物質、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項29記載の方法。
- 上記変化しやすい物質がタンパク質およびペプチドからなる群から選択されることを特徴とする請求項33記載の方法。
- 上記薬学的に活性な物質が胃腸管の環境において使用される際、酸、アルカリ、酵素あるいは変性にさらされないことを特徴とする請求項33記載の方法。
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