JP2005522540A - エチレンとビニル芳香族モノマーとの低分子量コポリマー及びその用途 - Google Patents

エチレンとビニル芳香族モノマーとの低分子量コポリマー及びその用途 Download PDF

Info

Publication number
JP2005522540A
JP2005522540A JP2003584133A JP2003584133A JP2005522540A JP 2005522540 A JP2005522540 A JP 2005522540A JP 2003584133 A JP2003584133 A JP 2003584133A JP 2003584133 A JP2003584133 A JP 2003584133A JP 2005522540 A JP2005522540 A JP 2005522540A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
groups
ethylene
styrene
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003584133A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005522540A5 (ja
Inventor
ローゼン,ロバート,ケー.
カルジャラ,テレサ
ヤルヴァック,セリム
チューング,ユンワ,ダブリュ.
ゲスト,マーティン,ジェイ.
コルザマー,ブライアン,ダブリュ.エス.
ウーリガー,スティーブン,エム.
Original Assignee
ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド filed Critical ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド
Publication of JP2005522540A publication Critical patent/JP2005522540A/ja
Publication of JP2005522540A5 publication Critical patent/JP2005522540A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F212/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring
    • C08F212/02Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical
    • C08F212/04Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical containing one ring
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F210/00Copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • C08F210/02Ethene

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

製品は、15,000より小さい分子量を有するエチレンとビニル芳香族モノマーとのコポリマーを含有する。好ましくは、該コポリマーは、第一の末端基がメチル基であり、第二の末端基がビニル基であり、該末端メチル基対末端ビニル基の比率が0.8:1〜1:0.8である、第一及び第二の末端基を有する主鎖を特徴とする。製品は、限定的でなく、ワックス、潤滑剤、添加剤などを含んでいる。ワックスは、ペイント及び塗料、印刷インク、カーボン紙、フォトトナー、建築及び建設材料、離型剤、ホットメルト接着剤、キャンドルを調製するのに用いることができる。ワックスは、木材加工、金属工作、粉末冶金及び焼結、ワックスモデリング、サイジング、作物保護などにも用いることができる。

Description

本発明は、エチレンとビニル芳香族とのコポリマーを含む製品及びその種々の用途に関する。
炭化水素ワックスは、種々の用途、例えば、印刷インク、加工助剤、離型剤、キャンドル、艶出剤(polish)に、及び特に、塗料及び接着剤に広く用いられる。とりわけ、高結晶質ワックスは、混合して耐磨耗性の印刷インクを製造することに、ペイント艶消に、及び洗浄材料用の乳化性ワックスの製造に対し、益々注目を集めている。重要な用途は、ホットメルト系、特に、ホットメルト塗料及びホットメルト接着剤にある。一般に、ホットメルト用途にパラフィンワックス又はマイクロクリスタリンワックスが用いられるが、パラフィンワックス及び軟マイクロクリスタリンワックスは何れも比較的低い融点を有している。硬マイクロクリスタリンワックスは高い融点を有しているが比較的高価でありそして高い粘性を有している。或る系において、硬マイクロクリスタリンワックスは不相溶性の問題も引き起こす。
ワックスを製造するために、種々の合成技術が用いられる。周知のフィッシャートロプシュ法はワックス製品を生成するが、これらの材料はパラフィンワックスより高分子量「テール(tail)」を有する傾向があり、このことはその特性に影響を与える。ワックスは、高分子量ポリエチレンを分解して所望の分子量を有するワックスを得ることによっても製造される。別の可能性は、直接にエチレン又はプロピレンを重合することによってワックスを製造することである。アタクチックポリプロピレンワックスは、粘着性になる傾向があり、このことは取り扱いの困難性を生じ、そして或る系においては、これらのワックスは不相溶性である。ポリエチレンワックスは、従来、高分子量であり従って多くの用途に対して必要とされるよりも高い粘性を有する傾向を有していた。
オレフィン重合の当業者に一般的に公知であるように、スチレンは、一般に、1−ヘキセン又は1−オクテンと比較して共重合の間にエチレン−α−オレフィンコポリマー中に導入する(incorporate)のが相対的により困難なコモノマーである。例えば、Carliniら,Polymer,42(2001), 5069-5078(「通常のチーグラー・ナッタ触媒によるスチレンとα−オレフィンとの共重合は、厳密な制限をもって生じると報告された」)を参照されたい。更に、最も公知なエチレンスチレンコポリマーは、スチレンが鎖の末端の(terminating)位置に存在するポリマーを指向している(例えば、米国特許3,390,141及び5,180,872及びPellecchiaら,Macromolecules,2000,33,2807-2814及びEP0526943を参照されたい)。従って、低分子量のエチレンスチレンコポリマーを製造するための合成方法を探りそして該コポリマーにおける種々の用途を特定する必要性が残っている。
前記必要性は、本発明の下記の観点の1つ以上により満たされる。一つの観点において、本発明は、15,000より小さい分子量を有するエチレンとビニル芳香族モノマーとのコポリマーを含有する製品に関する。或る態様において、コポリマーは、第一の末端基(terminal end group)がメチル基であり、第二の末端基がビニル基であり、該末端メチル基対末端ビニル基の比率が0.8:1〜1:0.8である、第一及び第二の末端基を有する主鎖を特徴とする。場合により、コポリマーの主鎖は、実質的にビニリデン基を含まない。製品は、限定的でなく、ワックス、潤滑剤(lubricant)、添加剤などを含んでいる。ワックスは、ペイント及び塗料、印刷インク、カーボン紙、フォトトナー、建築及び建設材料、離型剤、ホットメルト接着剤、キャンドルを調製する(formulate)のに用いることができる。ワックスは、木材加工、金属工作、粉末冶金及び焼結、ワックスモデリング(wax modeling)、サイジング、作物(crop)保護などにも用いることができる。或る態様において、コポリマーは、官能基、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、無水物(anhydride)基、アミン基、アミド基、カルボン酸基、エステル基、エーテル基、又はニトリル基を含んでいる。
別の観点において、本発明は、ポリマーを官能化する(functionalize)方法に関する。該方法は、(a)第一の末端基がメチル基であり、第二の末端基がビニル基であり、該末端メチル基対末端ビニル基の比率が0.8:1〜1:0.8である、第一及び第二の末端基を有する主鎖を特徴とする、15,000より小さい分子量を有するエチレンとビニル芳香族モノマーとのコポリマーを得ることと、及び(b)前記ビニル基の官能化(functionalization)を実施して官能化コポリマーを製造することとを含む。この官能化は、限定的でなく、塩素化、エポキシ化、酸化、カルボキシル化、スルホン化などを含んでいる。
本発明の更なる観点及び本発明の利点は、以下の記載により明らかとなる。
本発明の態様は、エチレン・ビニル芳香族モノマーの低分子量コポリマー(「EVAMコポリマー」)の製造方法及び該コポリマーの用途を提供する。低分子量EVAMコポリマーの適切な用途の例として、限定的でなく、ワックス、潤滑剤、添加剤などを挙げることができる。ワックスは、ペイント及び塗料、印刷インク、カーボン紙、フォトトナー、建築及び建設材料、離型剤、ホットメルト接着剤、キャンドルを調製するのに用いることができる。ワックスは、木材加工、金属工作、粉末冶金及び焼結、ワックスモデリング、サイジング、作物保護などにも用いることができる。
以下の記載において、本明細書中に開示の数は全て、用語「約(about)」又は「およそ(approximately)」が数字に関係して用いられているかにかかわらず、およその値である。それは、1%、2%、5%、又は或る場合には10〜20%まで変化することがある。下限値RL及び上限値RUによって数の範囲が開示されているときはいつも、この範囲内にある全ての数Rが明確に開示されている。特に、範囲内の下記の数Rが明確に開示されている。すなわち、R=RL+k*(RU−RL)であり、式中、kは、増加分1%で1%〜100%までの範囲の変数であり、すなわち、kは、1%、2%、3%、4%、5%、...、50%、51%、52%、...、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%である。更に、前記定義した2つの数、R、によって規定される数値範囲も全て明確に開示されている。
本明細書中で用いる用語「ポリマー」は、同じ又は異なる種類のモノマーを重合することによって製造される高分子化合物を称する。ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、インターポリマーなどを称する。本明細書中で用いる「インターポリマー」は、少なくとも2種類のモノマー又はコモノマーの重合によって製造されるポリマーを称する。それは、限定的でなく、コポリマー(通常、2種類の異なるモノマー又はコモノマーから製造されるポリマーを称する)、ターポリマー(通常、3種類の異なるモノマー又はコモノマーから製造されるポリマーを称する)、及びテトラポリマー(通常、4種類の異なるモノマー又はコモノマーから製造されるポリマーを称する)などを含む。用語「モノマー」又は「コモノマー」は、ポリマーを製造するために反応体に付加される重合性部分を有する任意の化合物を称する。
用語「低分子量」は、30,000より少ない、好ましくは、15,000、12,000又は10,000より少ない、重量平均分子量を称する。しかしながら、重量平均分子量は、約300より大きい、好ましくは、400より大きいことが好ましい。或る態様において、超低分子量ポリマーを製造する。用語「超低分子量」は、約3,000より小さい重量平均分子量を称する。コポリマー又はインターポリマーとみなされるには、少なくとも2つの、好ましくは、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ又はそれ以上の反復単位を含んでいることが好ましい。或る態様において、コポリマー又はインターポリマーは、少なくとも10の反復単位を含んでいる。数平均分子量Mnに対する重量平均分子量Mwの比率である、分子量分布(MWD)は、一般に、1.1〜6、好ましくは、1.1〜4、1.1〜3、又は1.1〜2.5である。或る態様において、MWDは約2より小さい。更に、本明細書に開示のポリマーは、一般的に、0.025〜0.9dl/g、好ましくは、0.05〜0.5dl/g、最も好ましくは、0.075〜0.4dl/gの極限粘度数(135℃においてテトラリン中で測定)を有している。
低分子量コポリマー又はインターポリマーは、下記のように種々の特性を有していることができる。
本明細書中で用いる語句「式(formula)を特徴とする」は、限定していることを意図するものでなく、「含有する(comprising)」が通常用いられるのと同様に用いられる。用語「独立して選ばれる」は、本明細書中で、R基、例えば、R1、R2、R3、R4、及びR5が同一又は異なることができる(例えば、R1、R2、R3、R4、及びR5は全てが置換アルキル基であることができるか、又は、R1及びR2が置換アルキル基であることができそしてR3がアリール基であることができる、など)ことを示すように用いられる。単数形の使用は複数形の使用を含んでおりそしてその逆もまた同じである(例えば、ヘキサン溶媒(hexane solvent)は、ヘキサン類(hexanes)を含む)。名前を付けられたR基は、一般に、その名を有するR基に相当するものとして当業者に認識されている構造を有する。用語「化合物(compound)」又は「複合体(complex)」は、一般に、本明細書中で交換して用いることができるが、当業者は所定の化合物を複合体として認識することがありそしてその逆もまた同じである。説明のために、本明細書中では代表的な所定の基(group)を定義する。これらの定義は、補足及び説明することを意図するものであり、当業者に公知の定義を排除しようとするものではない。同様に、本明細書中で用いる「スチレン」は、置換された型のスチレン、例えば、パラ−t−ブチル−スチレンを含むことを意図する。
「ヒドロカルビル(hydrocarbyl)」は、分枝状又は非分枝状で、飽和又は不飽和の種類を含む、炭素原子1〜30個、好ましくは、炭素原子1〜24個、最も好ましくは、炭素原子1〜12個を含有する一価のヒドロカルビル基、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基などを称する。「置換ヒドロカルビル」は、置換基1個以上で置換されたヒドロカルビル基を称し、そして用語「ヘテロ原子含有ヒドロカルビル」及び「ヘテロヒドロカルビル」は、炭素原子少なくとも1個がヘテロ原子で置換されているヒドロカルビル基を称する。
用語「アルキル」は、本明細書中で、分枝状又は非分枝状で、飽和又は不飽和の非環式炭化水素基を称するように用いる。適切なアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、2−プロペニル基(又はアリル基)、ビニル基、n−ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基(又は2−メチルプロピル基)などを含む。特別な態様において、アルキル基は、1〜200個の炭素原子、1個〜50個の炭素原子又は1〜20個の炭素原子を有する。
「置換アルキル」は、アルキル基の何れかの炭素原子に結合している水素原子1個以上が別の基、例えば、ハロゲン原子、アリール基、置換アリール基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、置換へテロシクロアルキル基、ハロゲン原子、アルキルハロ基(例えば、CF3基)、ヒドロキシ基、アミノ基、ホスフィド基(phosphido)、アルコキシ基、アミノ基、チオ基、ニトロ基、及びそれらの組み合わせによって置換されている、直前に記載したアルキル基を称する。適切な置換アルキル基は、例えば、ベンジル基、トリフルオロメチル基などを含む。
用語「ヘテロアルキル」は、アルキル基の何れかの炭素原子に結合した水素原子1個以上が、N原子、O原子、P原子、B原子、S原子、Si原子、Sb原子、Al原子、Sn原子、As原子、Se原子及びGe原子からなる群より選ばれるヘテロ原子によって置換されている、前記アルキル基を称する。このヘテロ原子の同じリストは、本明細書を通じて有効である。炭素原子とヘテロ原子との間の結合は、飽和又は不飽和であることができる。従って、ヘテロシクロアルキル基、置換へテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基、置換へテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ボリル(boryl)基、ホスフィノ基、アミノ基、シリル基、チオ基、又はセレノ基で置換されたアルキル基は、用語へテロアルキルの範囲内である。適切なヘテロアルキル基は、シアノ基、ベンゾイル基、2−ピリジル基、2−フリル基などを含む。
用語「シクロアルキル」は、本明細書中で、単一の環又は複数の縮合環を有する、飽和又は不飽和の環式非芳香族炭化水素基を称する。適切なシクロアルキル基は、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクテニル基、ビシクロオクチル基などを含む。特別な態様において、シクロアルキル基は、3〜200個の炭素原子、3〜50個の炭素原子又は3〜20個の炭素原子を有する。
「置換シクロアルキル」は、シクロアルキル基の何れかの炭素原子への水素原子1個以上が別の基、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、置換ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ボリル基、ホスフィノ基、アミノ基、シリル基、チオ基、セレノ基及びそれらの組み合わせによって置換されているものを含む、直前に記載したシクロアルキル基を称する。適切な置換シクロアルキル基は、例えば、4−ジメチルアミノシクロヘキシル基、4,5−ジブロモシクロヘプト−4−エニル基などを含む。
用語「ヘテロシクロアルキル」は、本明細書中で、飽和又は不飽和環式基の炭素原子1個以上又は全てがヘテロ原子、例えば、窒素原子、リン原子、酸素原子、イオウ原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、セレン原子、又はホウ素原子によって置換されている以外は、前記したと同じシクロアルキル基を称するように用いられる。適切なヘテロシクロアルキル基は、例えば、ピペラジニル基、モルホリニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、ピペリジニル基、ピロリジニル基、オキサゾリニル基などを含む。
「置換ヘテロシクロアルキル」は、ヘテロシクロアルキル基の何れかの原子に結合した水素原子1個以上が別の基、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ボリル基、ホスフィノ基、アミノ基、シリル基、チオ基、セレノ基及びそれらの組み合わせによって置換されているものを含む、直前に記載したヘテロシクロアルキル基を称する。適切な置換へテロシクロアルキル基は、例えば、N−メチルピペラジニル基、3−ジメチルアミノモルホリニル基などを含む。
用語「アリール」は、本明細書中で、一緒になって縮合されているか、共有結合しているか、又は共通の基、例えば、メチレン又はエチレン部分に結合している、複数の芳香族環又は単一の芳香族環であることができる芳香族置換基を称するように用いられる。芳香族環(複数を含む)は、特に、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、及びビフェニル基を含んでいることができる。特別な態様において、アリール基は1〜200個の炭素原子、1〜50個の炭素原子又は1〜20個の炭素原子を有する。
「置換アリール」は、何れかの炭素原子に結合した水素原子1個以上が、1個以上の官能基、例えば、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、置換ヘテロシクロアルキル基、ハロゲン原子、アルキルハロ基(例えば、CF3基)、ヒドロキシ基、アミノ基、ホスフィド基、アルコキシ基、アミノ基、チオ基、ニトロ基、及び芳香族環(複数を含む)に縮合し、共有結合し又は共通の基、例えば、メチレン又はエチレン部分に結合した飽和及び不飽和環式炭化水素によって置換されている直前に記載したアリール基を称する。前記共通の結合基は、ベンゾフェノンにおけるようなカルボニル基、ジフェニルエーテルにおけるような酸素原子又はジフェニルアミン中の窒素原子であることもできる。
用語「ヘテロアリール」は、本明細書中で用いる場合、芳香族環(複数を含む)の炭素原子1個以上がヘテロ原子(複数を含む)、例えば、窒素原子、酸素原子、ホウ素原子、セレン原子、リン原子、ケイ素原子又はイオウ原子によって置換されている芳香族環を称する。ヘテロアリール基は、単一の芳香族環、複数の芳香族環(複数を含む)、又は非芳香族環(複数を含む)1個以上に結合した1個以上の芳香族環であることができる構造を称する。複数の環を有する構造において、環は一緒になって縮合されているか、共有結合しているか、又は共通の基、例えば、メチレン又はエチレン部分に結合していることができる。前記共通の結合基は、フェニルピリジルケトンにおけるようなカルボニル基であることもできる。本明細書中で用いる場合、環、例えば、チオフェン、ピリジン、イソオキサゾール、ピラゾール、ピロール、フランなど、又はこれらの環のベンゾ縮合アナログは、用語「ヘテロアリール」によって定義される。
「置換ヘテロアリール」は、ヘテロアリール部分の何れかの原子に結合した水素原子1個以上が、別の基、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ボリル基、ホスフィノ基、アミノ基、シリル基、チオ基、セレノ基及びそれらの組み合わせによって置換されているものを含む、直前に記載したヘテロアリール基を称する。適切な置換ヘテロアリール基は、例えば、4−N,N−ジメチルアミノピリジンを含む。
用語「アルコキシ」は、本明細書中で用いる場合、−OZ1基(式中、Z1は、本明細書中に記載のアルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、置換ヘテロシクロアルキル基、シリル基及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる)を称する。適切なアルコキシ基は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、t−ブトキシ基、などを含む。関連用語は、「アリールオキシ」(式中、Z1は、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる)である。適切なアリールオキシ基の例は、フェノキシ基、置換フェノキシ基、2−ピリジンオキシ基、8−キナリンオキシ(quinalinoxy)基などを含む。
本明細書中で用いる用語「シリル」は、−SiZ123基(式中、Z1、Z2、及びZ3は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環式環基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、シリル基及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる)を称する。
本明細書中で用いる用語「ボリル」は、−BZ12基(式中、Z1及びZ2は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環式環基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、シリル基及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる)を称する。
本明細書中で用いる用語「ホスフィノ」は、−PZ12基(式中、Z1及びZ2は、それぞれ独立して、水素原子、置換又は非置換アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環式環基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、シリル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる)を称する。
本明細書中で用いる用語「ホスフィン」は、PZ123基(式中、Z1、Z3、及びZ2は、それぞれ独立して、水素原子、置換又は非置換アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、複素環式環基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、シリル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる)を称する。
本明細書中で用いる用語「アミノ」は、−NZ12基(式中、Z1及びZ2は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、置換ヘテロシクロアルキル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリル基及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる)を称する。
本明細書中で用いる用語「アミン」は、NZ123基(式中、Z1、Z2、及びZ3は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、置換ヘテロシクロアルキル基、アリール基(ピリジン類を含む)、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリル基及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる)を称する。
本明細書中で用いる用語「チオ」は、−SZ1基(式中、Z1は、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、置換ヘテロシクロアルキル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリル基及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる)を称する。
本明細書中で用いる用語「セレノ」は、−SeZ1基(式中、Z1は、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、置換ヘテロシクロアルキル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリル基及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる)を称する。
用語「ハロ」は、炭素原子に結合したCl、F、Br又はIを称し、そして「ハライド」は、金属原子に結合したCl、F、Br又はIを称する。
用語「飽和」は、例えば、エチル基、シクロヘキシル基、ピロリジニル基などの基の原子間の二重及び三重結合の欠如を称する。
用語「不飽和」は、例えば、ビニル基、アセチリド基、オキサゾリニル基、シクロヘキセニル基、アセチル基などの基の原子間の1個以上の二重及び三重結合の存在を称する。
本明細書中で用いる用語「実質的にランダム」(α−オレフィンモノマー1種以上とビニル芳香族モノマー及び/又は脂肪族又は脂環式ビニル又はビニリデンモノマー1種以上とから誘導される重合体単位を含む実質的にランダムなインターポリマーにおける)は、前記インターポリマーのモノマーの分布が、POLYMER SEQUENCE DETERMINATION,Carbon-13 NMR Method,Academic Press New York,1977,71-78頁にJ.C.Randallにより記載のように、ベルヌーイ統計モデル(Bernoulli statistical model)によって又は一次又は二次マルコフ統計モデル(first or second order Markovian statistical model)によって記載することができることを意味する。好ましくは、実質的にランダムなインターポリマーは、3単位より多いビニル芳香族モノマーのブロック中にビニル芳香族モノマーの全量の15%より多くを含まない。更に好ましくは、インターポリマーは、高度のアイソタクチシティ又はシンジオタクチシティ(syndiotacticity)の何れによっても特徴付けられない。このことは、実質的にランダムなインターポリマーの炭素13NMRスペクトルにおいてメソダイアド配列(meso diad sequence)又はラセミ(racemic)ダイアド配列の何れかを表す主鎖メチレン及びメチン炭素に対応するピーク面積が、主鎖メチレン及びメチン炭素の全ピーク面積の75%を超えないことが好ましいことを意味する。
《実質的にランダムなインターポリマー》
或る態様において、低分子量コポリマー又はインターポリマーは、下記:
(1)(i)ビニル芳香族モノマー少なくとも1種、又は
(ii)脂肪族又は脂環式ビニル又はビニリデンモノマー少なくとも1種、又は
(iii)芳香族ビニルモノマー少なくとも1種と脂肪族又は脂環式ビニル又はビニリデンモノマー少なくとも1種との組み合わせ
から誘導される第一の重合体単位、及び
(2)C2-20α−オレフィン少なくとも1種から誘導される第二の重合体単位、及び場合により
(3)(1)及び(2)の重合体単位以外のエチレン系不飽和重合性モノマー1種以上から誘導される第三の重合体単位
を含む実質的にランダムなオレフィンインターポリマーである。
第一の重合体単位は、インターポリマー中に、任意の量、例えば、0.5モル%〜99.5モル%、5モル%〜90モル%;10モル%〜75モル%;1 モル%〜50モル%;10モル%〜45モル%;又は5モル%〜35モル%で存在していることができる。好ましくは、第一の重合体単位は、50モル%以下の量で存在する。同様に、第二の重合体単位は、インターポリマー中に前記範囲で存在することができる。或る態様において、第二の重合体単位は、50モル%以上の量で存在する。他の態様において、第二の重合体単位は、第一の重合体単位より多い量で存在する。第三の重合体単位は任意であり、50モル%まで、好ましくは、40モル%まで、30モル%まで、20モル%まで、10モル%まで、又は5モル%まで存在することができる。
適切なα−オレフィンは、例えば、炭素原子2〜20個、好ましくは、2〜12個、より好ましくは、2〜8個を含有するα−オレフィンを含む。特に適切なのは、エチレン、プロピレン、ブテン−1,4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン−1又はオクテン−1又は、プロピレン、ブテン−1,4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン−1又はオクテン−1の1種以上と組み合わせたエチレンである。これらのα−オレフィンは、芳香族部分を含んでいない。
他の任意の重合性エチレン系不飽和モノマー(複数種を含む)は、張力環(strained ring)オレフィン、例えば、ノルボルネン及びC1-10アルキル又はC6-10アリール置換ノルボルネンを含み、典型的なインターポリマーは、エチレン/スチレン/ノルボルネンである。
インターポリマーを製造するのに用いることができる適切なビニル芳香族モノマーは、例えば、下記式:
Figure 2005522540
(上記式中、R1は、水素原子、及び炭素原子1〜4個を含有するアルキル基からなる基の群より選ばれ、好ましくは、水素原子又はメチル基であり;R2は、それぞれ独立して、水素原子、及び炭素原子1〜4個を含有するアルキル基からなる基の群より選ばれ、好ましくは、水素原子又はメチル基であり;2つのR2基は同一の又は異なる基であることができる)
によって表されるものを含む。Arは、フェニル基又は、ハロゲン原子、C1-4−アルキル基、及びC1-4−ハロアルキル基からなる群より選ばれる置換基1〜5個で置換されたフェニル基であり;そしてnは、0〜4、好ましくは、0〜2、最も好ましくは、0の値を有する。典型的なモノビニル芳香族モノマーは、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン、及びこれらの化合物の全ての異性体などを含む。特に適切なモノマーは、スチレン及びその低級アルキル−又はハロゲン−置換誘導体を含む。好ましいモノマーは、スチレン、α−メチルスチレン、スチレンの低級アルキル−(C1−C4)又はフェニル環置換誘導体、例えば、オルト−、メタ−、及びパラ−メチルスチレン、環ハロゲン化スチレン、パラ−ビニルトルエン又はそれらの混合物などを含む。より好ましい芳香族モノビニルモノマーは、スチレンである。
用語「脂肪族又は脂環式ビニル又はビニリデン化合物」は、下記式:
Figure 2005522540
(上記式中、A1は、炭素原子20個までの立体的に嵩高い(sterically bulky) 脂肪族又は脂環式置換基であり、R1は、水素原子、及び炭素原子1〜4個を含有するアルキル基からなる基の群より選ばれ、好ましくは、水素原子又はメチル基であり;それに代えて、R1及びA1は一緒になって環系を形成することができる)
に対応する付加重合性ビニル又はビニリデンモノマーを意味する。R2は、それぞれ独立して、水素原子、及び炭素原子1〜4個を含有するアルキル基からなる基の群より選ばれ、好ましくは、水素原子又はメチル基であり;2つのR2基は同一の又は異なる基であることができる。好ましい脂肪族又は脂環式ビニル又はビニリデン化合物は、エチレン系不飽和を有する炭素原子の一つが第三(tertiary)又は第四(quaternary)置換されているモノマーである。このような置換基の例は、環式脂肪族基、例えば、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基、又はそれらの環アルキル若しくはアリール置換誘導体、tert−ブチル基、ノルボルニル基などを含む。最も好ましい脂肪族又は脂環式ビニル又はビニリデン化合物は、シクロヘキセン及び置換シクロヘキセンの種々の異性ビニル環置換誘導体、及び5−エチリデン−2−ノルボルネンである。特に適切なのは、1−,3−,及び4−ビニルシクロヘキセンである。
実質的にランダムなインターポリマーは、ジェームス・シー.スチーブンス(James C. Stevens)らによるEP−A−0,416,815及びフランシス・ジェイ.タイマーズ(Francis J.Timmers)による米国特許5,703,187に記載のように製造することができる。前記の実質的にランダムなインターポリマーの製造方法は、種々の助触媒と組み合わせた1種以上のメタロセン又は拘束幾何触媒の存在下で重合性モノマーの混合物を重合することを含む。前記重合反応における好ましい操作条件は、大気圧から3000気圧までの圧力及び−30℃〜200℃までの温度である。各モノマーの自家重合温度を超えた温度における重合及び未反応モノマー除去の結果、遊離基重合から生じる若干量のホモポリマー重合生成物が形成されることがある。追加の方法は、米国特許6,344,515に開示されている。実質的ランダムインターポリマーを製造するための適切な触媒及び方法の例は、1991年5月20日出願の米国特許出願番号(U.S.Application Serial No.)702,475(EP−A−514,828);並びに米国特許:5,055,438;5,057,475;5,096,867;5,064,802;5,132,380;5,189,192;5,321,106;5,347,024;5,350,723;5,374,696;5,399,635;5,470,993;5,703,187;及び5,721,185に開示されている。
実質的にランダムなα−オレフィン/ビニル芳香族インターポリマーは、下記一般式:
Figure 2005522540
(上記式中、Cp1及びCp2は、相互に独立して、シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基又は、これらの置換基であり;R1及びR2は、相互に独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12個の炭化水素基、アルコキシル基、又はアリールオキシル基であり;Mは、IV族金属、好ましくは、Zr原子又はHf原子、最も好ましくは、Zr原子であり;そしてR3は、Cp1及びCp2を架橋するのに用いるアルキレン基又はシランジイル基である)
によって示される化合物を用いて特開平07/278230に記載の方法によっても製造することができる。
実質的にランダムなα−オレフィン/ビニル芳香族インターポリマーは、ジョン・ジー.ブラッドヒュート(John G. Bradfute)ら(ダブリュー.アール.グレース社(W. R. Grace & Co.))によってWO95/32095に;アール.ビー.パネル(R.B.Pannell)(エクソン・ケミカル・パテンツ社(Exxon Chemical Patents, Inc.))によってWO94/00500に;及びPlastics Technology, 25頁(1992年9月)に記載の方法によっても製造することができる。
何れもフランシス・ジェイ.タイマーズ(Francis J.Timmers)らによる1996年9月4日出願の米国特許出願番号08/708,809及びWO98/09999に開示の、α−オレフィン/ビニル芳香族/ビニル芳香族/α−オレフィン・テトラド(tetrad)少なくとも1種を含む実質的にランダムなインターポリマーも適切である。これらのインターポリマーは、ピークピークノイズ(peak to peak noise)の3倍以上の強度を持ったその炭素−13NMRスペクトルにおける追加のシグナルを含んでいる。これらのシグナルは、化学シフト範囲43.70−44.25ppm及び38.0−38.5ppmに現れる。詳細には、主要ピークが44.1、43.9、及び38.2ppmに観察される。プロトンテストNMR試験は、化学シフト領域43.70−44.25ppmにおけるシグナルがメチン炭素であり、そして領域38.0−38.5ppmにおけるシグナルがメチレン炭素であることを示す。
これらの新たなシグナルは、少なくとも1個のα−オレフィンの挿入(insertion)によって先行され又は後続される2個の頭−尾ビニル芳香族モノマーの挿入を含む配列、例えば、前記テトラドのスチレンモノマーの挿入が全て1,2(頭−尾)様式のみで存在するエチレン/スチレン/スチレン/エチレン・テトラドに起因するものであると考えられる。エチレン/ビニル芳香族モノマー/ビニル芳香族モノマー/エチレン・テトラドのようなスチレン以外のビニル芳香族モノマー及びエチレン以外のα−オレフィンを含むテトラドでは、同様な炭素13NMRピークを生じるがわずかに異なる化学シフトを有していることが当業者には理解されよう。
これらのインターポリマーは、下記式:
Figure 2005522540
(上記式中、Cpは、それぞれ独立して、それぞれの存在が、Mにπ結合した置換シクロペンタジエニル基であり;Eは、C原子又はSi原子であり;Mは、IV族金属原子、好ましくは、Zr原子原子又はHf原子、最も好ましくは、Zr原子であり;Rは、それぞれ独立して、それぞれの存在が、H原子、30個まで、好ましくは、1〜20個、より好ましくは、1〜10個の炭素原子又はケイ素原子を含有する、ヒドロカルビル基、シラヒドロカルビル(silahydrocarbyl)基又はヒドロカルビルシリル基であり;R’は、それぞれ独立して、それぞれの存在が、H原子、ハロゲン原子、30個まで、好ましくは、1〜20個、より好ましくは、1〜10個の炭素原子又はケイ素原子を含有する、ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、シラヒドロカルビル基、ヒドロカルビルシリル基であるか、又は2つのR’基が一緒になってC1-10ヒドロカルビル置換1,3−ブタジエンであることができ;mは、1又は2である)
によって表されるような触媒の存在下に、及び場合により、しかし、好ましくは、活性化助触媒の存在下に、−30℃〜250℃の温度で重合を実施することによって製造することができる。特に、適切な置換シクロペンタジエニル基は、下記式:
Figure 2005522540
(上記式中、Rは、それぞれ独立して、それぞれの存在が、H原子、30個まで、好ましくは、1〜20個、より好ましくは、1〜10個の炭素原子又はケイ素原子を含有する、ヒドロカルビル基、シラヒドロカルビル基、又はヒドロカルビルシリル基であるか、又は2つのR基が一緒になって前記基の二価誘導体を形成する)
によって表される基を含む。好ましくは、Rは、独立して、それぞれの存在が、(適切な場合は全ての異性体を含んで)水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ベンジル基、フェニル基又はシリル基であるか、又は(適切な場合は)2つの前記R基が一緒に結合して縮合環系、例えば、インデニル基、フルオレニル基、テトラヒドロインデニル基、テトラヒドロフルオレニル基、又はオクタヒドロフルオレニル基を形成する。
特に好ましい触媒は、例えば、ラセミ−(ジメチルシランジイル)−ビス−(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ラセミ−(ジメチルシランジイル)−ビス−(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウム1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、ラセミ−(ジメチルシランジイル)−ビス−(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジ−C1−4アルキル、ラセミ−(ジメチルシランジイル)−ビス−(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジ−C1−4アルコキシド、又はそれらの任意の組み合わせなどを含む。
下記のチタンを基剤とする拘束幾何触媒、[N−(1,1−ジメチルエチル)−1,1−ジメチル−1−[(1,2,3,4,5−η)−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル]シランアミナト(silanaminato)(2−)−N]チタンジメチル;(1−インデニル)(tert−ブチルアミド)ジメチル−シランチタンジメチル;((3−tert−ブチル)(1,2,3,4,5−η)−1−インデニル)(tert−ブチルアミド)ジメチルシランチタンジメチル;及び((3−イソ−プロピル)(1,2,3,4,5−η)−1−インデニル)(tert−ブチルアミド)ジメチルシランチタンジメチル、[1−[(1,2,3,3a,11b−η)−1H−シクロペンタ[1]フェナントレン−2−イル]−N−(1,1−ジメチルエチル)−1,1−ジメチルシランアミナト(2−)−κN]ジメチルチタン、[1−[(1,2,3,3a,12b−η)−2,8−ジヒドロジベンズ[e,h]アズレン−2−イル]−N−(1,1−ジメチルエチル)−1,1−ジメチルシランアミナト(2−)−κN]ジメチルチタン、又はそれらの任意の組み合わせなどを用いることもできる。
他の適切な触媒の例は、限定的でなく、ジメチルメチレンビス(4,5−ベンズ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド(別名:ジメチルメチレンビス(ベンズ−エ(e)−インデニル)ジルコニウムジクロライド)、ジ−n−プロピルメチレンビス(4,5−ベンズ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジ−i−プロピルメチレンビス(4,5−ベンズ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、シクロヘキシリデンビス(4,5−ベンズ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、シクロペンチリデンビス(4,5−ベンズ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレンビス(4,5−ベンズ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(シクロペンタジエニル)(4,5−ベンズ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(1−インデニル)(4,5−ベンズ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(1−フルオレニル)(4,5−ベンズ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(4−フェニル−1−インデニル)(4,5−ベンズ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(4−ナフチル−1−インデニル)(4,5−ベンズ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレンビス(5,6−ベンズ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(5,6−ベンズ−1−インデニル)(1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレンビス(4,7−ベンズ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(6,7−ベンズ−1−インデニル)(1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレンビス(4,5−ナフト−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレンビス(α−アセトナフト−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレンビス(3−シクロペンタ(c)フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−シクロペンタ(c)フェナントリル)(1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレンビス(1−シクロペンタ(1)フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(1−シクロペンタ(1)フェナントリル)(1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレンビス(4,5−ベンズ−1−インデニル)ジルコニウムビス(ジメチルアミド)、及びジメチルメチレン(1−インデニル)(4,5−ベンズ−1−インデニル)ジルコニウムビス(ジメチルアミド)を含む。
適切な触媒は、限定的でなく、ジメチルメチレンビス(3−シクロペンタ[c]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、di−n−プロピルメチレンビス(3−シクロペンタ[c]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、ジ−i−プロピルメチレンビス(3−シクロペンタ[c]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、シクロヘキシリデンビス(3−シクロペンタ[c]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、シクロペンチリデンビス(3−シクロペンタ[c]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルイネチレンビス(diphenylinethylenebis)(3−シクロペンタ[c]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(4,5−ベンゾ−1−インデニル)(3−シクロペンタ[c]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(5,6−ベンゾ−1−インデニル)(3−シクロペンタ[c]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(6,7−ベンゾ−1−インデニル)(3−シクロペンタ[c]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−シクロペンタ[c]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(1−フルオレニル)(3−シクロペンタ[c]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(4−フェニル−1−インデニル)(3−シクロペンタ[c]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(4−ナフチル−1−インデニル)(3−シクロペンタ[c]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−シクロペンタ[c]フェナントリル)(4,5−ナフト−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−シクロペンタ[c]フェナントリル(α−アセナフト(acenaphto)−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレンビス(1−シクロペンタ[1]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、ジ−n−プロピルメチレンビス(1−シクロペンタ[1]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、ジ−i−プロピルメチレンビス(1−シクロペンタ[1]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、シクロヘキシリデンビス(1−シクロペンタ[1]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、シクロペンチリデンビス(1−シクロペンタ[1]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレンビス(1−シクロペンタ[1]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(4,5−ベンゾ−1−インデニル)(1−シクロペンタ[1]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(5,6−ベンゾ−1−インデニル)(1−シクロペンタ[1]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(6,7−ベンゾ−1−インデニル)(1−シクロペンタ[1]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、メチルメチレン(シクロペンタジエニル)(1−シクロペンタ[1](i)フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(1−フルオレニル)(1−シクロペンタ[1]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(4−フェニル−1−インデニル)(1−シクロペンタ[1]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(4−ナフチル−1−インデニル)(1−シクロペンタ[1]フェナントリル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(1−シクロペンタ[1]フェナントリル)(4,5−ナフト−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(1−シクロペンタ[1]フェナントリル)(α−アセナフト−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(1−シクロペンタ[1]フェナントリル)(3−シクロペンタ[c]フェナントリル)ジルコニウムジクロライドなども含む。
前記において、ジルコニウム錯体を例示したが、相当するチタン錯体及びハフニウム錯体も適切に用いることができる。更に、ラセミ型又はラセミ型とメソ型との混合物も用いることができる。好ましくは、ラセミ型又は擬似(pseudo)ラセミ型を用いる。かかる場合、D−異性体又はL−異性体を用いることができる。
本発明の態様において用いるインターポリマーの更なる調製方法は、文献に記載されている。ロンゴとグラッシ(Longo and Grassi)(Makromol.Chem.,191巻,2387-2396頁[1990])及びダニエッロ(D’Anniello)ら(Journal of Applied Polymer Science,58巻,1701-17
06頁[1995])は、エチレン−スチレンコポリマーを製造するために、メチルアルモキサン(methylalumoxane)(MAO)及びシクロペンタジエニルチタントリクロライド(CpTiC13)を基剤とする触媒系を用いることを報告している。スーとリン(Xu and Lin)(Polymer Preprints,Am.Chem.Soc.,Div.Polym.Chem.)35巻,686,687頁[1994])は、スチレンとプロピレンとのランダムコポリマーを得るためのMgCl2/TiCl4/NdCl3/Al(iBu)3触媒を用いた共重合を報告している。ルー(Lu)ら(Journal of Applied Polymer Science,53巻,1453-1460頁[1994])は、TiCl4/NdCl3/MgCl2/Al(Et)3触媒を用いたエチレンとスチレンとの共重合を記載している。セルネツとマルホート(Sernetz and Mulhaupt)(Macromol.Chem.Phys.,197巻,1071-1083頁,1997)は、Me2Si(Me4Cp)(N−tert−ブチル)TiCl2/メチルアルミノキサン(methylaluminoxane)チーグラー・ナッタ触媒を用いたスチレンとエチレンとの共重合への重合条件の影響を記載している。橋状(bridged)メタロセン触媒によって製造されたエチレンとスチレンとのコポリマーが、アライ・トシアキとスズキ(Arai,Toshiaki and Suzuki)(Polymer Preprints,Am.Chem.Soc.,Div.Polym.Chem.)38巻,349,350頁[1997])によって、及び三井東圧化学株式会社(Mitsui Toatsu Chemicals,Inc.)に発行された米国特許5,652,315において記載されている。α−オレフィン/ビニル芳香族モノマーインターポリマー、例えば、プロピレン/スチレン及びブテン/スチレンの製造は、三井石油化学工業株式会社(Mitsui Petrochemical Industries Ltd)に発行された米国特許5,244,996又は同様に三井石油化学工業株式会社に発行された米国特許5,652,315に記載され又は電気化学工業株式会社(Denki KAGAKU Kogyo KK)へのDE19711339A1に開示のように記載されている。実質的ランダムインターポリマーを製造する間に、高温におけるビニル芳香族モノマーのホモ重合によって、或る量のアタクチックビニル芳香族ホモポリマーが形成されることがある。ビニル芳香族ホモポリマーの存在は、一般に有害でなく、そして許容することができるものである。ビニル芳香族ホモポリマーは、所望ならば、抽出技術、例えば、インターポリマー又はビニル芳香族ホモポリマーに対する溶媒を用いない溶液からの選択的沈殿によって、インターポリマーから分離することができる。アタクチックビニル芳香族ホモポリマーは、インターポリマーの全重量に基づいて30重量%以下の、好ましくは、20重量%より少ない量で存在していることが好ましい。
《ビニル末端基を有するインターポリマー》
或る態様において、コポリマー又はインターポリマーは、ビニル基に対するメチル基の比率が少なくとも0.5、好ましくは、0.8〜1.25又は0.9〜1.11である、ポリマー鎖の一端に結合したメチル末端基1個及びポリマー鎖の他端に結合したビニル末端基1個によって特徴付けられる。一部のコポリマー又はインターポリマーは、実質的に、ポリマー鎖中にビニリデン末端基又はビニリデン構造を含んでいない。かかるコポリマー又はインターポリマーは、次の発明者ら:オリバー・ブルーマ(Oliver Brummer)、ゲーリー・エム.ダイアモンド(Gary M.Diamond)、クリストファー・ゴホ(Christopher Goh)、アン・エム.ラポンテ(Anne M.LaPointe)、マーガレット・レクレル(Margaret Leclere)、ジェームス・ロングマイアー(James Longmire)、及びジェームス・エー.ダブリュー.シューメイカー(James A.W.Shoemaker)による「エチレン-スチレンコポリマー及びフェノール−チアゾ−ル型複合体、触媒、及び重合方法」と題された現在出願された米国特許出願である、2002年4月12日出願の米国特許出願番号10/121,300に開示された方法によって製造することができる。
或る態様において、前記引用の現在出願された特許出願に開示の方法により低分子量エチレン-スチレンコポリマーを製造する。該エチレン-スチレンコポリマーは、0.8:1〜1:0.8、そしてより詳細には、0.9:1〜1:0.9の範囲のメチル対ビニルの比率を示すNMR末端基分析により測定された末端基及び比較的狭い分子量分布(2.5より小さくそしてより詳細には2.0より小さい)と共に、比較的低分子量(10,000より小さくそしてより詳細には5,000より小さく、3,000より小さく又は1,000より小さい)を有する。分子量は、重量平均又は数平均であることができる。末端基分析は、当業者に比較的周知であるプロトン核磁気共鳴(NMR)法を用いて実施する。この方法における科学的誤差は、ポリマーの主鎖由来の水素原子に関連した遥かに大きいピークと比較してビニル及びメチル水素原子に関連した比較的小さいピークに基づくピーク下の面積を積算する能力を前提とし、並びにNMRスペクトルにおける大きなメチレンピーク及び小さなメチルピークのシフトの密接した近接性を前提としたときに、10〜20%である。当業者に理解されるように、高出力(higher power)NMR装置を用いれば更に正確にピークを積算することができるかもしれない。末端分析は、本明細書中の実施例に記載の方法によって実施した。分子量及び多分散性は、当業者に公知の方法、例えば、線状ポリスチレンスタンダードに関する方法に従いサイズ排除クロマトグラフィーを用いて測定する。米国特許:6,294,388、6,260,407、6,175,409、6,296,771及び6,265,226を参照されたい。
コポリマーも、鎖中に導入されたスチレンモノマー(複数種含む)がポリマーのちょうど末端の一方には位置しないが、ポリマーの主鎖に沿ってランダムに分布していることを示す。このことに関して、本発明の或る態様において製造されるポリマーは、下記式(I)又は(II):
Figure 2005522540
(上記式中、h、i及びjはそれぞれ1に等しいか又はそれより大きい数である)
のいずれかを特徴とすることができる。
或る態様に対して選ばれた重合条件下で、バルクサンプル中の、式((h+i+1)*j)+2に相当する重合度は、プロトンNMR分析に基づいて5〜100、より詳細には、5〜50、そして更により詳細には、5〜25である。更に、バルクサンプル中のスチレンモノマー(j)の数は、1〜10、より詳細には、1〜5、そして更により詳細には、1〜3である。これに代わる態様において、バルクサンプル中のスチレンモノマー(j)の数は、2〜10、そしてより詳細には、2〜5である。これらの数を測定するための試験は、典型的には、プロトンNMRによるものであるが、当業者に公知の他の技法も用いることができる。
本発明の或る態様において製造される低分子量エチレン-スチレンコポリマーは、これまで(previously)報告されたエチレン-スチレンコポリマー又はコ−オリゴマーの何れとも有意に相違する。生成物は、典型的な鎖が一端にメチル(−CH3)基及び他端にビニル(−CH=CH2)基を有するように、導入されたスチレン単位が鎖の長さに沿って本質的にランダムに分布されるような、鎖当たり平均して1個以上の導入スチレン単位を有する。従って、生成物は、鎖の長さに沿って本質的にランダムに配されたフェニル置換基を有する本質的に線状のα−オレフィンである。
前記したスチレン-エチレンコポリマーの製造において、触媒として有用である適切な金属リガンド錯体は、金属中心に結合した2個の非脱離基(又は補助的)フェノール−複素環又はフェノール−トリアゾールリガンドを一般に有するものである。換言すれば、リガンド対金属比率2:1(該比率は正確でないことがあるが)が意図される。かかる金属錯体は下記一般式:
Figure 2005522540
[上記式中、Xl及びX2はN原子であり、そしてX3、X4、及びX5は、独立して、N原子及びCR15基(式中、CR15は、水素原子、アルキル基、置換アルキル、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、置換ヘテロシクロアルキル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、シリル基、ボリル基、ホスフィノ基、アミノ基、チオ基、セレノ基、及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる)からなる群より選ばれるが、但し、X3、X4、及びX5の少なくとも1つでしかも2つ以下がN原子であり;場合により、X3及びX4は結合して、水素原子を勘定に入れずに50個までの原子を有する縮合環系を形成することができる]
を特徴とすることができる。
一般に、R1が水素原子でないことがあり、そして場合によりR1、R2、R3、及びR4の2つ以上(例えば、R1及びR2、又はR2及びR3、又はR3及びR4)が結合して、水素原子を勘定に入れずに50個までの原子を有する縮合環系を形成するということを除いては、R1、R2、R3及びR4は、独立して、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、ヘテロアルキル基、置換ヘテロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、置換ヘテロシクロアルキル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、シリル基、ボリル基、ホスフィノ基、アミノ基、チオ基、セレノ基、ニトロ基、及びそれらの組み合わせから選ばれる。しかしながら、前記式において、R2及びR4は、両方とも水素原子であるか、又は記載のように縮合環系中で結合されており;
Mは、ジルコニウム、チタン又はハフニウムであり;そして
1及びL2は、独立して、ハロイド基、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、ヘテロアルキル基、置換ヘテロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、置換ヘテロシクロアルキル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、チオ基、ボリル基、シリル基、アミノ基、ヒドリド基、アリル基、セレノ基、ホスフィノ基、カルボキシレート及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる。
h、i及びjについての数(前記)は、エチレンの量、スチレンの量、温度、圧力、触媒濃度及び構造(活性剤(複数種を含む)又は活性化パッケージ(activating package)を含む)を含む、選ばれた重合条件に依存する。従って、触媒リガンド構造及び金属の選択は何れも、エチレン-スチレン共重合触媒効率及び生成物特性に影響を与えることがある。本明細書中の実施例に示した特定の重合条件下で、或る一般的な傾向は、(i)フェノール(R1)のオルト位のアリール(例えば、フェニル、ナフチル又はアントラセニル)置換基が、オルト位のtert−ブチル置換基に比べてコポリマー生成物中に多量のスチレン導入をもたらし、(ii)ジルコニウム組成物及び錯体が、類似のハフニウム組成物及び錯体より高い活性、多量のスチレン導入、及び低分子量の生成物を与え、(iii)芳香族環上のハロゲン原子、特に塩素原子、置換基は、これらの位置でH原子と比べて高められた活性をもたらし、(iv)フェノール(R3)のパラ位のメトキシ(−OMe)置換基が、この位置でtert−ブチル置換基に比べてより高分子量の生成物をもたらし、(v)フェノール(R1)のオルト位のアリール(例えば、フェニル、ナフチル又はアントラセニル)置換基が、オルト位のtert−ブチル置換基に比べて高温でより長い触媒寿命をもたらし、リガンド効果、金属効果及び活性剤効果があることを含んでいた。これらの傾向は、本発明で用いた特定の重合条件について見出されたものであるが、これらの傾向の一部又は全ては、異なる重合条件下で変更されるかもしれない。
《重合系》
温度−100℃〜300℃、及び大気圧〜3000気圧の圧力を含む、チーグラー・ナッタ又はカミンスキー・シン(Kaminsky-Sinn)法によって、重合を実施することができる。本明細書に記載の触媒および化合物を用いて、懸濁、溶液、スラリー、気相又は高圧重合法を実施することができる。前記方法は、回分式、半回分式又は連続式で操作することができる。前記方法の例は当業者に周知である。無機(例えば、アルミナ、塩化マグネシウム又はシリカ)又は有機(例えば、ポリマー又は架橋ポリマー)であることができる触媒用支持体を用いることができる。支持触媒の製造方法は、当業者に公知である。本発明の支持触媒を用いて、当業者に公知であるスラリー、懸濁、溶液及び高圧方法を用いることもできる。
本明細書中で記載のように、90℃を超える温度、より詳細には、100℃を超える温度、更により詳細には、110℃を超える温度、及びなお更により詳細には、130℃を超える温度で溶液法を実施する場合に、溶液法は、ある種の利益をもって特定される。重合に適切な溶媒は、非配位性(non-coordinating)の不活性液体である。例として、直鎖状及び分枝鎖状炭化水素、例えば、イソブタン、ブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタン、Isopar−E(商標)及びそれらの混合物;環式及び非環式炭化水素、例えば、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘプタン、及びそれらの混合物;ペルハロゲン化炭化水素、例えば、過フッ化(perfluorinated)C4-10アルカン、クロロベンゼン、及び芳香族及びアルキル置換芳香族化合物、例えば、ベンゼン、トルエン、メシチレン、及びキシレンを挙げることができる。適切な溶媒として、エチレン、プロピレン、1−ブテン、ブタジエン、シクロペンテン、1−ヘキセン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1,4−ヘキサジエン、1−オクテン、1−デセン、イソブチレン、スチレン、ジビニルベンゼン、アリルベンゼン、及びビニルトルエン(全ての異性体を単独で又は混合物中に含む)を含むモノマー又はコモノマーとして働くことができる液体オレフィンも挙げることができる。前記の混合物も適切である。重合反応に有用である他の添加剤、例えば、掃去剤、促進剤などを用いることができる。
或る態様において、重合反応器中に存在する水素の量によって、コポリマー又はインターポリマーの分子量を制御する。従って、超低分子量ポリマーが望ましい場合、特に、本明細書に記載の実質的にランダムなポリマーに対して、過剰量の水素を用いる。他の態様において、分子量調節剤として水素を用いることを必要とせずに低分子量ポリマーのみが製造されるように特定の触媒を選択する。これは、ビニル末端基を有するインターポリマーについての場合である。
《用途》
本明細書に開示の低分子量ポリマーは、多くの有用な用途を有しておりそして多種類の製品を製造するのに用いることができる。該製品は、限定的でなく、ワックス、潤滑剤、添加剤等を含む。ワックスは、ペイント及び塗料、印刷インク、カーボン紙、フォトトナー、建築及び建設材料、離型剤、ホットメルト接着剤、キャンドルを調製するのに用いることができる。ワックスは、木材加工、金属工作、粉末冶金及び焼結、ワックスモデリング、サイジング、作物保護などにも用いることができる。ビニル末端基の存在により、ビニル基と反応することができる試薬とポリマーを反応させることによって低分子量ポリマーを官能化することができる。このように、種々の官能化された低分子量ポリマーを得る。
《ワックス》
本明細書に開示の低分子量ポリマーは、ワックス又はワックス類のブレンドとして用いることができる。ワックス類又はそのブレンドを用いて、ホットメルト接着剤、プラスチック添加剤、水性分散液、加工助剤、潤滑剤、印刷インク、トナーなどを調製する。前記製品を製造するための方法及び成分は、例えば、下記米国特許:6,143,846;5,928,825;5,530,054;6,242,148;6,207,748;5,998,547;6,262,153;5,037,874;5,482,987;6,133,490;及び6,080,902;下記PCT出願:WO01/44387;WO01/72855;WO01/64776;WO01/56721;WO01/64799;WO01/64800;下記EP特許又は特許出願:EP890619;EP916700;及びEP0050313;EP1081195;下記ドイツ特許又は特許出願:DE10063422;DE10063423;DE10063424;及びDE10063421;日本特許出願11228911A2;及び下記中国特許又は特許出願:CN1270187;及びCN1270189に開示されている。本明細書に開示の低分子量ポリマーは、改質(modification)を加えて又は加えないで前記の特許又は特許出願に教示されたワックスとして用いることができる。
他のワックスの用途は、「ホットメルト接着剤組成物のための加工助剤としてのポリエチレンワックス」と題された米国特許6,060,550;「ウレタンイソシアネート誘導樹脂、ポリウレタンワックス及び強化剤を用いた相変化インク配合物」と題された米国特許6,028,138;「ウレタン樹脂、混合ウレタン/ユリア樹脂、モノアミド及びポリエチレンワックスの組み合わせを含む相変化インク配合物」と題された米国特許5,994,453;「ワックス中に導入されたCOを有するポリエチレンワックスを含有するホットメルト系」と題された米国特許5,037,874;「ポリエチレンワックス」と題された米国特許6,331,590;「ポリオールとモンタンワックス酸との部分的エステル及びモンタンワックス酸のCa石鹸を含有するワックス製剤」と題された米国特許6,316,650;「スプレー耐性(Spray-resistant)水性フォーム、その製造及び用途」と題された米国特許6,303,665;「着色ワックス粒子」と題された米国特許6,262,153;「電子写真トナー及び現像剤、粉体塗料及びインクジェットインクにおけるキナクリドン系の混合結晶顔料の用途」と題された米国特許6,251,553;「固体で貯蔵安定な帯電防止性混合物及びその製造方法」と題された米国特許6,117,922;「電子写真トナー及び現像剤、粉末塗料及びインクジェットインクにおけるピグメント・イエロー155の用途」と題された米国特許6,117,606;「燃料油のコールドフロー特性を改善する方法」と題された米国特許6,110,238;「溶媒ペースト中ポリオレフィンワックスの用途」と題された米国特許6,107,530;「ポリオレフィンワックスの使用方法」と題された米国特許6,080,902;「弾性、不粘着性及び耐引掻性コーティング用結合剤としての水性ポリマー分散液」と題された米国特許6,005,042;「極性となるように変性されたポリプロピレンワックス」と題された米国特許5,998,547;「ライニング材料、ライニング形成用材料をコーティングする方法、及び装置」と題された米国特許5,840,416;「水性ワックス及びシリコーン分散液、その製造及び用途」と題された米国特許5,783,618;「両性界面活性剤含有ワックス組成物、その製造及びその用途」と題された米国特許5,494,593;「結晶質火薬(crystalline explosive)をポリエチレンワックスでコーティングする方法」と題された米国特許4,357,185に開示されている。本明細書に開示の低分子量ポリマーは、変更を加えて又は加えないで上記特許に教示されたワックスとして用いることができる。例えば、低分子量ポリマーから製造されたワックスは、「織物仕上剤として有用な水性ワックス分散液」と題された米国特許4,675,022;「カチオン界面活性剤含有水性ワックス分散液、及びその織物仕上剤としての用途」と題された米国特許4,329,390;「繊維機械で固体ワックスを用いて糸を蝋引きする装置」と題された米国特許4,165,603に開示された方法により紡績用途に用いることができる。前記ワックスを用いて、「非水性複合ワックス粒子分散液の製造方法」と題された米国特許6,075,090;「ワックス、頭髪用化粧品及び艶出し剤の微細分散組成物」と題された米国特許6,066,316;「写真画素用透明磁気記録層及び潤滑剤層を含むワックス分散液の同時コーティング」と題された米国特許5,798,136;「上部にワックス含有分散液を有するシートを製造するためのカレンダー」と題された米国特許5,637,147に開示されたと同様なワックス分散液を形成することもできる。前記ワックスは、前記特許に開示された方法で用いることもできる。用途の一部の例を以下に記載する。
1)ホットメルト接着剤
一例として、本明細書に開示の低分子量ポリマーは、ホットメルト接着剤中のワックス成分として用いることができる。一般に、ホットメルト接着剤は、3つの成分:ポリマー、粘着付与剤、及びワックスを含む。各成分は、2種以上の成分のブレンドを含んでいることができ、すなわち、ポリマー成分は2種の異なるポリマーのブレンドを含んでいることができる。ポリマーは、接着層に凝集強さを与える。粘着付与剤は、接着剤が硬化する間に亘り接着させるアイテムを固定するように働く粘着力を接着剤に与え、そして支持体に接着剤をより付与しやすいように系の粘度を低下させる。粘着付与剤は、更に、配合物のガラス転移温度を制御するために用いることができる。ワックスは、開放/閉鎖時間(open/close time)を制御しそして系の粘度を低下させる。ホットメルト接着剤は、更に、典型的には、充填剤として及び/又は系の粘度を低下させるために油を含んでいることができる。
これまで使用されたポリマーを基剤とするホットメルト接着剤は、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、アタクチックポリプロピレン(APP)、非晶質ポリオレフィン、低密度ポリエチレン(LDPE)、及び均質で線状のエチレン/α−オレフィンコポリマーを含む。従来のホットメルト接着剤は、典型的には、該接着剤の支持体への容易な付与を可能とするレベルまで、例えば、約5000センチポアズより小さい粘度まで系の粘度を低下させるように多量の粘着付与剤を用いていた。
感圧接着剤は、付与時に室温において強力に(aggressively)しかも永続的に粘着性であり、そして軽度の圧力の付与により、例えば、指で押すことにより種々の異なる表面にしっかりと付着する材料である。その強力な粘着性にもかかわらず、感圧接着剤は、有意な残留物を残さずに滑らかな面から除去することができる。感圧接着剤は、広く、日常的用途、例えば、マスキングテープ、クリアオフィステープ、ラベル、デカルコマニア(decal)、包帯(bandage)、化粧板及び保護板(例えば、棚及び引出しのライナー(liner))、フロアタイル、生理用ナプキン/失禁デバイス配置用ストリップ、日照調整フィルム、及び自動車窓へのガスケットの接合に用いられる。
歴史的に見ると、感圧接着剤は、溶媒によって支持された(carried)天然ゴム及びウッドロジンを基剤としていた。該接着剤を有する製品は、適切な裏材料に接着剤の溶液を付与し、そして脱蔵法によって溶媒を除去することにより製造されていた。しかしながら、溶媒のコスト増大及び放出物に関する規制制限を受けて、水性接着剤及び固形ホットメルト接着剤(HMA)が開発されてきた。
歴史的に見ると、接着剤は、4つの型のポリマー:エラストマー(例えば、天然ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、及びスチレン−ブタジエンランダムコポリマー);アクリル樹脂(acrylics)(例えば、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、及びメチルメタクリレートのインターポリマー);炭化水素(例えば、アタクチックポリプロピレン、非晶質ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、及び低密度ポリエチレン);及びエチレン酢酸ビニル、の一つを基剤としてきた。つい最近、均質で線状の及び実質的に線状のエチレンポリマーを基剤とするホットメルト接着剤が開示されそして特許請求の範囲に記載(claim)された。
ジエンを基剤とするエラストマーは、溶液型、水性、及びホットメルト接着剤に用いることができる。しかしながら、前記エラストマーを基剤とする接着剤系は、ブロックコポリマー主鎖中の不飽和の部位がホットメルト接着剤を酸素及び紫外線の作用による分解を受けやすくするということにおいて不利である。
アクリル樹脂系は、酸素及び紫外線に安定であるが、感圧接着剤用途に好ましい粘着性、剥離及びクリープ抵抗のバランスの点でジエン基剤のエラストマー系より劣っている。更に、前記系は、典型的には、溶液型及び水性系でのみ用いることができ、このことは前記理由で該系を一層不利にする。
炭化水素基剤の系が開発され、ジエン基剤のエラストマー系と比較して酸素及び紫外線に対する向上した安定性、並びにホットメルト接着剤系に用いることができる可能性を少なくとも幾分かでも与えた。アタクチックポリプロピレン、プロピレンと高次(higher order)α-オレフィンとのとのインターポリマー 、又はポリ−α−オレフィンを含有する炭化水素基剤系は、特性の乏しいバランスを示す。特に、ポリ−1−ブテンは、支持体への付与後に徐々に結晶化する傾向を有しており、これは粘着性の重大な損失に至る。油を添加して粘着性を増加させる場合、油は、接着剤から出て裏材料層又は支持体中へ移動する傾向がある。アタクチックポリプロピレン及びポリ−α−オレフィンは、剥離に対する低い凝集力及び剥離後に支持体表面上に残留物が残ることにつながる、低い引張強さという不利を負っている。炭化水素基剤系は、典型的には、適切な機械的特性を有するホットメルト接着剤を製造するのに必要とされる配合成分を受け入れるための低密度ポリエチレンの能力が限られているために、好ましくない。
エチレン酢酸ビニル基剤系は、より多量の酢酸ビニルが選ばれるのにつれて、弾性性能は増大するが、配合成分との相溶性が低下することにおいて制限がある。
均質の線状エチレン/α-オレフィンコポリマーを基剤とするホットメルト接着剤は、米国特許5,530,054に開示されている。均質で線状及び実質的に線状のエチレン/α-オレフィンインターポリマーを基剤とする好ましいホットメルト接着剤は、パリクフ(Parikh)らの名の下に1996年3月15日に出願された「ホットメルト接着剤用のオレフィンポリマーブレンド」と題された米国特許出願番号(U.S.Ser.No.) 08/616,406、及びシモンズ(Simmons)らの名の下に1996年3月14日に出願された「オレフィンポリマー含有接着剤」と題された米国特許出願番号08/615,750に開示されている。これらの好ましいホットメルト接着剤は有利であるが、産業界は引き続き代わりの接着剤系を必要としている。
或る態様において、伸展(extending)又は改質(modifying)組成物として、本明細書中に開示の超低分子量エチレンポリマーを用いることができる。用いる超低分子量ポリマーは、エチレンホモポリマー又は、C3−C20α-オレフィン、スチレン、アルキル置換スチレン、テトラフルオロエチレン、ビニルベンゾシクロブタン、非共役ジエン、及びシクロアルケンからなる群より選ばれるコモノマーとエチレンとのインターポリマーである。
超低分子量ポリマーは、8200より小さい、好ましくは、6000より小さい、そしてより好ましくは、5000より小さい数平均分子量を有していることができる。該超低分子量ポリマーは、典型的には、少なくとも800、好ましくは、少なくとも1300の数平均分子量を有していることができる。
超低分子量ポリマーは、パラフィンワックス及び結晶性エチレンホモポリマー又はインターポリマーワックスとは対照的に、1.5〜2.5、好ましくは、1.8〜2.2のMw/Mnを有していることができる。
超低分子量エチレンポリマーは、一般的に、低いポリマー及び配合物粘度をもたらすが、同じ粘度の相当する高分子量材料のピーク結晶化温度(peak crystallization temperature)より高いピーク結晶化温度を特徴とする。接着剤用途において、ピーク結晶化温度における増加は、高められた耐熱性、例えば、感圧接着剤における向上したクリープ抵抗、及びホットメルト接着剤における向上した保持力破解温度(shear adhesion failure temperature)(SAFT)に言い換えられる。
超低分子量エチレンポリマーは、エチレンと少なくとも1種のビニリデン芳香族コモノマー又はヒンダード脂肪族ビニリデンコモノマーとのインターポリマーである場合、粘着付与剤(前記)として用いることができる。更に、エチレンのモル百分率が増加するにつれて、インターポリマーの結晶化度も同様に増加する。従って、超低分子量インターポリマーは、接着剤系の開放及び閉鎖時間(open and close time)を制御するワックスとして有用であることができる。
他の態様において、伝統的ワックスは、伸展又は改質組成物として用いることができる。パラフィンワックス又は結晶性ポリエチレンワックスを用いた接着剤の改質は、高温性能、例えば、クリープ抵抗及びSAFTを向上させ、そして高いスチレン含量を有する実質的にランダムなインターポリマーを含有する接着剤の開放及び閉鎖時間を低下させるのに役立つ。
2)トナー
本発明の或る態様において調製されるポリエチレン及びポリプロピレンワックスを用いて、米国特許6,242,148及び6,194,114の開示に従い、画像(iamge)形成装置に使用するトナーを製造することができる。例えば、本発明の態様による現像主薬(developing agent)は、50℃〜65℃のガラス転移温度及び1(g/10分)〜10(g/10分)の150℃メルトインデックスを有するバインダー樹脂を使用する。これらの範囲の樹脂特性を有するバインダー樹脂を使用することによって、定着段階の間に紙にトナーを効果的に定着させることができる。前記樹脂は、熱及び湿潤環境中での貯蔵の間にトナーが凝固するのを防止する効果も有している。
適切な樹脂材料は、スチレンのコポリマー及びその置換生成物又はアクリル基剤樹脂(acrylic-based resin)を含む。スチレンのコポリマー及びその置換生成物は、例えば、ポリスチレンホモポリマー、水素付加スチレン樹脂、スチレン−イソブチレンコポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン三成分コポリマー、アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステル三成分コポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン三成分コポリマー、アクリロニトリル−EVA−スチレン三成分コポリマー、スチレン−p−クロロスチレンコポリマー、スチレン−プロピレンコポリマー、スチレン−ブタジエンゴム、又はスチレン−無水マレイン酸を含む。
更に、アクリル基剤樹脂は、例えば、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレート、ポリグリシジルメタクリレート、重縮合フッ素アクリレート、スチレン−メタクリレートコポリマー、スチレン−ブチルメタクリレートコポリマー、又はスチレン−アクリル酸エチルコポリマーを含む。他の適切なバインダー樹脂は、単一型又は混合型で用いられる、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、改質ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環式炭化水素樹脂、芳香石油(aromatic petroleum)樹脂、塩素化パラフィン、及びパラフィンワックスを含む。
適切な電荷制御剤(charge control agent)は、アロイアゾ染料、例えば、「バリ・ファースト・ブラック(Bali First Black)3804」、「ポントロン(Pontron)S−31」、「ポントロンS−32」、「ポントロンS−32」、「ポントロンS−34」、「ポントロンS−36」(オリエント化学株式会社(Orient Chemical Co.,Ltd.)製造)、「アイゼン・スピロン・ブラック(Aizen Spiron Black)TRH」、「T−95」、「T−77」(保土ヶ谷化学株式会社(Hodogaya Chemical Co.,Ltd.)製造)、サリチレートのアルキル誘導体の金属錯体、例えば、「ポントロンE−82」、「ポントロンE−84」、「ポントロンE−85」(オリエント化学株式会社製造)、及び無金属「TN−105」(保土ヶ谷株式会社(Hodogaya Co.,Ltd.)製造)を含む。適切な着色剤は、カーボンブラック又は有機若しくは無機顔料若しくは染料を含む。カーボンブラックは、限定的でなく、例えば、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、又はキッチンブラック(kitchen black)を含む。
ポリプロピレン及びポリエチレンは、離型剤として用いる。ポリプロピレンワックスは135℃〜160℃の融点を有し、そして3〜6重量%で添加される。ポリエチレンワックスは、90℃〜180℃の温度で添加することができ、そして組成物全体の1〜3重量%で存在することができる。
本発明の態様によりトナーに添加することができる添加剤は、シリカ粒子、金属酸化物粒子、及び清浄(cleaning)助剤を含む。シリカ粒子は、二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸亜鉛、及びケイ酸マグネシウムを含む。
金属酸化物粒子は、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、及びチタン酸バリウムを含む。清浄助剤は、樹脂粉末、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、及びポリテトラフルオロエチレンを含む。これらの外部添加剤は、表面処理、例えば、疎水性処理に付することができる。
本発明の態様によるトナーの製造方法を以下に述べる。最初に、バインダー樹脂、着色剤、ワックス、電荷制御剤、及び必要とされる他の成分を分散させそしてボールミル、V−ブレンダー、ナウタ(Nauta)ミキサ−、ヘンシェルミキサーを用いて一緒に混合する。次に、得られた混合物を溶融しそして圧力ニーダー、ロール、スクリュー押出機、又はバンバリーミキサーを用いて加熱下に混練する。続いて、混練した混合物を、ハンマーミル、クラッシャーミル、又はジェットミルを用いて粗く破砕する。更に、粗く破砕した混合物を、ジェットミルを用いて微破砕し、そして次に、得られた混合物を、エアセパレーションなどによって望ましい粒度に分類する。最後に、所定の添加剤を混合物に添加し、そして高速流動ブレンダーを用いて該混合物と混合して所望のトナーを得る。この高速流動ブレンダーは、例えば、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー(super mixer)、及びマイクロスピードミキサー(microspeed mixer)を含む。
3)焼流し鋳造
本発明の態様によるワックス組成物は、精密鋳造としても知られる焼流し鋳造において用いることができる。焼流し鋳造は、耐火材料、例えば、セラミックから製造された型に溶融金属を導入することを含む。耐火材料及び他の材料、例えば、結合剤、分散剤などを含有するスラリーを形成する。ワックス組成物から形成されたパターンを第一のスラリー中に浸漬して、パターンの表面上に耐火材料を堆積する。ストッコ材料を前記耐火材料に適用する。パターンに付与された最初のこのような層をフェイスコート(facecoat)と称し、該層は鋳造工程の間金属と接触する。次いで、パターンに複数の追加層を付与して型を形成する。型/パターン複合体(composite)を加熱することによって、型内部からパターンを取り出す。パターンを取り出すことによって所望の製品の形を有する型中の内部空隙が形成される。該空隙中に溶融金属を注ぎそして凝固させる。次いで、製品の周囲から型を除去する。
通常の鋳造工程に用いられるパターンワックス配合物は、典型的には、有意な量の充填剤材料、例えば、少なくとも30%の充填剤を含む。通常の充填剤の例は、尿素及び水を含む。使用するワックスの量を低減すること、及びワックス組成物の所定の物理的性質、例えば、収縮を変化させることを含む多くの理由から、ワックス組成物に充填剤を添加する。
パターンワックス及びワックス充填剤は、一般に、金属を注ぐ前に型から一部又は全体を除去する。ワックス及びワックス充填剤は、典型的には、最初に型/パターン複合体をオートクレーブ処理し、次いで高酸素濃度(oxygen-rich)環境下で焼成(firing)して、残っている残留物を全て除去することによって型から除去する。所定の公知の充填剤、例えば、アクリレートは、完全に燃焼させるのが困難である。焼流し鋳造に関する追加の情報は、「ゴルフクラブヘッドの焼流し鋳造方法」と題された米国特許5,651,932;「焼流し鋳造用充填剤及びワックス組成物」と題された米国特許5,518,537;「注型用金型からワックスを除去するための方法及び装置」と題された米国特許5,372,177;「焼流し鋳造用の充填剤及びワックス組成物」と題された米国特許5,006,583;「焼流し鋳造用のワックス含浸充填剤の製造方法」と題された米国特許4,978,452;「焼流し鋳造ワックス射出成形機」と題された米国特許4,934,921;「焼流し鋳造用ワックス組成物及び鋳造方法」と題された米国特許4,144,075に開示されている。本明細書中に開示のワックス組成物は、前記特許に教示された方法に用いることができる。
焼流し鋳造に加えて、本発明の態様によるワックス組成物は、粉末射出成形用の金属及びセラミック粉末の結合剤として用いることができる。かかる方法は、「金属粉末射出成形性組成物、及び該組成物を用いる射出成形及び焼結方法」と題された米国特許6,051,184;「粉末射出成形の方法」と題された米国特許5,950,063;「射出成形法を用いたR−Fe−B型焼結磁石の製造方法」と題された米国特許5,427,734;「粉末射出成形による精密金属部品製造用の高性能バインダー/モールダーコンパウンド」と題された米国特許5,421,853;「射出成形による無機焼結製品を製造するための方法及び成形コンパウンド」と題された米国特許5,417,756;「射出成形粉末冶金に用いる組成物の製造方法」の米国特許5,095,048;「射出成形用コンパウンド」と題された米国特許5,080,714に開示されている。
《潤滑剤又は油添加剤》
本明細書中に開示の低分子量ポリマーは、潤滑剤を製造するのに用い又は油添加剤として用いることもできる。コポリマー及びターポリマーの両方を用いることができる。コポリマーの例は、エチレン−スチレンコポリマー 又はインターポリマーであり、ターポリマーの例は、エチレン−プロピレン−スチレンターポリマーである。本明細書に開示のポリマーを用いて、「不飽和コポリマー、その製造方法、及びそれを含有する組成物」と題された米国特許6,310,164;「ポリオレフィンブロックコポリマー粘度調整剤」と題された米国特許6,110,880;「潤滑油及び燃料において添加剤として有用な、エチレンα−オレフィンマクロマー及びジカルボキシルモノマー及びその誘導体のコポリマー」と題された米国特許6,100,224;「コポリマー及びコポリマー組成物」と題された米国特許6,084,046;「潤滑剤分散性添加剤の製造用のエチレン及び1−ブテンから誘導されたポリマー」と題された米国特許6,030,930;「潤滑剤及び燃料油添加剤として有用なオレフィンから誘導されたポリマー、該ポリマー及び添加剤の製造方法及びその用途」と題された米国特許6,017,859;「潤滑油組成物」と題された米国特許5,912,212;「潤滑剤及び燃料油添加剤として有用なオレフィンから誘導されたポリマー、該ポリマー及び添加剤の製造方法及びその用途(PT−1267)」と題された米国特許5,811,379;「エチレンα−オレフィン/ジエンインターポリマー置換カルボン酸分散性添加剤」と題された米国特許5,759,967;「油性組成物において有用なゲル不含α−オレフィン分散性添加剤」と題された米国特許5,747,596;「コッホ(Koch)化学に基づいたポリマーの官能化及びその誘導体」と題された米国特許5,717,039;「油性組成物に有用なゲル不含エチレンインターポリマー分散性添加剤」と題された米国特許5,663,129;「酸化防止潤滑油組成物」と題された米国特許5,658,865;「油性組成物用の多官能価粘度指数向上剤として有用な誘導体化(derivatized)エチレンα−オレフィンポリマー(PT−796)」と題された米国特許5,366,647;「新規なエチレンα−オレフィンポリマー置換アミン分散性添加剤の燃料組成物」と題された米国特許5,294,234;「エチレンα−オレフィンポリマー置換モノ及びジカルボン酸潤滑剤分散性添加剤」と題された米国特許5,277,833;「油性組成物用の多官能価粘度指数向上添加剤として有用な誘導体化エチレンα−オレフィンポリマー」と題された米国特許5,275,747;「エチレンα−オレフィンポリマー置換モノ及びジカルボン酸分散性添加剤(PT−920)」と題された米国特許5,229,022;及び「新規なエチレンα−オレフィンコポリマー置換マンニッヒ塩基潤滑剤分散性添加剤」と題された米国特許5,017,299に開示された潤滑剤又は油組成物の1種以上の成分を置き換えることができる。
《潤滑油》
本明細書中に開示の低分子量ポリマーを用いて、種々の潤滑剤組成物又は潤滑油を調製することができる。例えば、潤滑油組成物は、本明細書中に開示のα−オレフィン/芳香族ビニルモノマーランダムコポリマー及び潤滑油添加剤を含んでいることができる。α−オレフィン/芳香族ビニルモノマーランダムコポリマーを潤滑基油(lubricating base oil)として用いそして少なくとも1種の添加剤、例えば、極圧剤(extreme pressure agent)、耐磨耗剤、油性向上剤及び清浄分散剤とブレンドする場合、優れた性質を有する潤滑油組成物を得ることができる。
更に、別の潤滑油組成物は、(1)鉱油及び/又は炭化水素合成油を含有する基油、及び(2)エチレンから誘導される構成単位及びα−オレフィンから誘導される構成単位の合計量が60〜99モル%であり、しかも135℃においてデカリン中で測定した極限粘度数[η]0.1〜5.0dl/gを有するという条件で、エチレンから誘導される構成単位40〜75モル%、炭素原子3〜20個のα−オレフィンから誘導される構成単位0〜45モル%及び芳香族ビニルモノマーから誘導される構成単位1〜40モル%を含有するα−オレフィン/芳香族ビニルモノマーランダムコポリマーを含んでいることができる。
更に別の潤滑油組成物は、(1)鉱油及び/又は炭化水素合成油を含有する基油、(2)エチレンから誘導される構成単位及びα−オレフィンから誘導される構成単位の合計量が60〜99モル%であり、しかも135℃においてデカリン中で測定した極限粘度数[η]0.01〜0.30dl/gを有するという条件で、エチレンから誘導される構成単位40〜75モル%、炭素原子3〜20個のα−オレフィンから誘導される構成単位0〜45モル%及び芳香族ビニルモノマーから誘導される構成単位1〜40モル%を含有する低分子量α−オレフィン/芳香族ビニルモノマーランダムコポリマー、及び(3)潤滑油添加剤を含んでいる。
本発明の態様に従って、粘度指数向上剤を調製することができる。該粘度指数向上剤は、第二の潤滑油組成物中に用いることができる特定のα−オレフィン/芳香族ビニルモノマーランダムコポリマーと同じα−オレフィン/芳香族ビニルモノマーランダムコポリマーを含有する。同様に、本発明に態様によれば、潤滑油相溶性向上剤を調製することができる。該潤滑油相溶性向上剤は、第三の潤滑油組成物中に用いることができる特定の低分子量α−オレフィン/芳香族ビニルモノマーランダムコポリマーと同じ低分子量α−オレフィン/芳香族ビニルモノマーランダムコポリマーを含有する。
本発明の態様によれば、燃料油組成物を調製することができる。(1)沸点150〜400℃を有する中間留分(middle fraction)燃料油、及び(2)エチレンから誘導される構成単位及びα−オレフィンから誘導される構成単位の合計量が60〜99モル%であり、しかも135℃においてデカリン中で測定した極限粘度数[η]0.01〜1.0dl/gを有するという条件で、エチレンから誘導される構成単位60〜90モル%、炭素原子3〜20個のα−オレフィンから誘導される構成単位0〜39モル%及び芳香族ビニルモノマーから誘導される構成単位1〜40モル%を含有するα−オレフィン/芳香族ビニルモノマーランダムコポリマーを含むα−オレフィン/芳香族ビニル型燃料油流動性向上剤を含む。
《A.潤滑油添加剤》
本発明の態様に用いる潤滑油添加剤は、極圧剤、耐磨耗剤、油性向上剤及び清浄分散剤から選ばれる添加剤少なくとも1種である。
極圧剤の例は、イオウ型極圧剤、例えば、スルフィド、スルホキシド、スルホン、チオホスフィネート、チオカーボネート、油脂、硫化油脂、及びオレフィンスルフィド;リン酸、例えば、リン酸エステル、亜リン酸エステル、リン酸エステルアミン及び亜リン酸エステルアミン;及びハロゲン化合物、例えば、塩素化炭化水素を含む。
耐磨耗剤の例は、無機又は有機モリブデン化合物、例えば、二硫化モリブデン;有機ホウ素化合物、例えば、アルキルメルカプチルボレート;グラファイト;硫化アンチモン;ホウ素化合物;及びポリテトラフルオロエチレンを含む。油性向上剤の例は、高級脂肪酸、例えば、オレイン酸及びステアリン酸;高級アルコール、例えば、オレイルアルコール;アミン:エステル;硫化油脂;及び塩素化油脂を含む。
清浄分散剤の例は、金属スルホネート、例えば、カルシウムスルホネート、マグネシウムスルホネート及びバリウムスルホネート;チオホスホネート;フェナート;サリチレート;スクシンイミド;ベンジルアミン;及びスクシネートを含む。
潤滑油組成物は、更に、粘度指数向上剤、酸化防止剤、耐食剤(anti-corrosion agent)及び消泡剤を含んでいることができる。
粘度指数向上剤として、潤滑油に通常添加されるものは利用することができ、そしてその例として、天然樹脂、例えば、鉱油、及び合成樹脂、例えば、エチレン/α−オレフィンコポリマー、α−オレフィンホモポリマー、スチレン/ブタジエンコポリマー、ポリ(メト(meth))アクリレート及びナフタレン縮合物(naphthalene condensate)を含む。
酸化防止剤の例は、アミン化合物、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール;及びイオウ又はリン化合物、例えば、ジチオリン酸亜鉛を含む。
耐食剤の例は、カルボン酸及びその塩、例えば、シュウ酸;スルホネート;エステル;アルコール;リン酸及びその塩;ベンゾトリアゾール及びその誘導体;及びチアゾ−ル化合物を含む。
消泡剤の例は、シリコーン化合物、例えば、ジメチルシロキサン及びシリカゲル分散液;アルコール化合物;及びエステル化合物を含む。
使用する潤滑油添加剤の量は、要求される潤滑性に応じて変化するが、α-オレフィン/芳香族ビニル化合物ランダムコポリマー100重量部に基づいて、通常0.01〜80重量部、好ましくは、0.05〜60重量部の範囲にある。
潤滑油組成物は、更に、50重量%までの量で鉱油又は炭化水素合成油を含んでいることができる。
潤滑油組成物は、基油としてα-オレフィン/芳香族ビニル化合物ランダムコポリマーを含んでいるので、該組成物は、添加剤との相溶性において並びに粘性、熱安定性、酸化安定性及び耐磨耗性において優れている。
《B.基油》
第二の潤滑油組成物に用いる基油は、鉱油及び/又は炭化水素合成油を含有する潤滑性(lubricating)基油である。これらの油は、それらが100℃における粘度1.5〜40.0mm2/S、好ましくは、2.0〜10.0mm2/Sを有する限り、特別な制限なしに単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。鉱油は、前記範囲の粘度を有する。
鉱油は、例えば、パラフィン基原油又は中間基原油を常圧蒸留に付し又は常圧蒸留の残油を真空蒸留に付しそして次いで得られた留出油を常法で精製することによって得られる精製油、又は前記の得られた精製油を深脱蝋(deep-dewaxing)することによって得られる深脱蝋油である。精製方法の例は、水素化、脱蝋、溶媒抽出、アルカリ蒸留、硫酸洗浄及び白土処理 (clay treatment)を含む。これらの方法は、単独に又は適切な組み合わせで実施することができ、又は同じ方法を複数回繰返すことができる。これらの場合、方法の順序及び繰り返し回数について特別な制限はない。本発明において、厳密な条件下に実施される溶媒脱蝋法によって得られるか又は深脱蝋法、例えば、ゼオライト触媒を用いる接触水素添加脱蝋法によって得られる鉱油を使用することが特に好ましい。
好ましく用いられる炭化水素合成油の例は、炭素原子2〜20個のオレフィン又はこれらのオレフィンの任意の混合物を重合又は共重合することによって得られるオリゴマー、例えば、1−オクテンのオリゴマー、1−デセンのオリゴマー及び1−ドデセンのオリゴマーを含む。鉱油及び/又は炭化水素合成油の他に、ジエステル、例えば、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジオクチルアジペート及びジオクチルドデカノエート、及びポリオールエステル、例えば、ペンタエリトリトールテトラオレエート及びトリメチロールプロパントリペラルゴネートも用いることができる。オリゴマーは、何れかの方法により炭素原子2〜20個のオレフィンを(共)重合することによって得られる。第二の潤滑油組成物において、基油は、50.0〜99.8重量%、好ましくは、60.0〜95.0重量%の量で用いる。
《C.他の添加剤》
本明細書中に開示の添加剤コンセントレート及び潤滑油組成物は、他の添加剤を含んでいることができる。かかる添加剤の使用は任意であり、そして組成物中の該添加剤の存在は、特別な用途及び要求される性能のレベルに応じる。従って、他の添加剤は、含まれていることも排除されていることもある。添加剤コンセントレートは、典型的には、インターポリマー0.1重量%〜30重量%及び実質的に不活性で通常は液体の有機希釈剤70重量%〜99.9重量%を含む。
潤滑油組成物は、ジチオリン酸亜鉛、0,0−ジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛、及び他の一般名称でしばしば称される、ジチオリン15酸(dithiophosphoric 15 acid)の亜鉛塩を含む。それらは、略語2DPにより称されることがある。ジチオリン酸の亜鉛塩1種以上が少量で存在して、追加の極圧性、耐摩耗(anti-wear)性及び酸化防止(anti-oxidancy)性を与えることがある。
本発明の潤滑油中に場合により用いることができる他の添加剤は、例えば、洗浄剤、分散剤、補充(supplemental) 粘度向上剤、酸化防止剤、腐蝕防止剤、流動点降下剤、極圧剤、耐摩耗剤、色安定剤(color stabilizer)、摩擦調整剤(friction modifier)、及び消泡剤を含む。
本発明の組成物に含めることができる極圧剤及び腐蝕及び酸化防止剤の例として、塩素化脂肪族炭化水素、有機スルフィド及びポリスルフィド、ジヒドロカーボン及びトリヒドロカーボンホスフィットを含むリン(phosphorus)エステル、モリブデン化合物などを挙げることができる。
他の酸化防止剤は、アルキル化ジフェニルアミン、ヒンダードフェノール、特に、フェノール性−OH基に対するオルト位に第三アルキル基、例えば、第三ブチル基を有するものなどのような材料を含む。かかる材料は、当業者に周知である。
補助的粘度向上剤(粘度指数向上剤又は粘度調整剤とも称されることがある)は、本発明の組成物中に含めることができる。粘度向上剤は、通常、ポリイソブテン、ポリメタクリル酸エステル、水素化ジエンポリマー、ポリアルキルスチレン、エステル化スチレン−無水マレイン酸コポリマー、水素化アルケニルアレーン−共役ジエンコポリマー及びポリオレフィンを含むポリマーである。
分散性及び/又は酸化防止性も有する多官能価粘度向上剤は公知であり、そして場合により本発明の製品に加えて用いることができる。流動点降下剤は、本明細書に記載の添加剤コンセントレート及び潤滑油中に含めることができる。用いることができるものは、文献に記載されておりそして当業者に周知であり、例えば、シー.ヴィー.スマルヒア(C. V. Smalheer)とアール.ケネディー・スミス(R.Kennedy Smith)による「潤滑剤添加剤(Lubricant additives)」(レジウス−ライル出版社(Lezius-Riles Company Publisher)、クリーブランド、オハイオ州、1967年)の8頁を参照されたい。本発明の目的に有用な流動点降下剤、その製造技術及びその用途は、米国特許2,387,501;2,015,748;2,655,479;1,815,022;2,191,498;30 2,666,748;2,721,877;2,721,878;3,250,715;及び5,707,943に記載されている。
安定な泡の形成を低減し又は防止するのに用いられる消泡剤は、シリコーン又は有機ポリマーを含む。これらの及び追加の消泡剤組成物の例は、ヘンリー・ティー.ケーマー(Henry T. Kemer)による「泡制御剤(Foam Control Agents)」(ノイエス・データ社(Noyes Data Corporation)、1976年)、125−162頁に記載されている。洗浄剤及び分散剤は、灰生成(ash-producing)型又は無灰(ashless)型であることができる。灰生成洗浄剤の例として、アルカリ又はアルカリ土類金属のスルホン酸、カルボン酸、フェノール又は少なくとも1個の炭素−リン直接結合を特徴とする有機リン酸との油溶性の中性及び塩基性塩を挙げることができる。
用語「塩基性塩」は、金属が有機酸基より化学量論的に多量で存在する金属塩を示すように用いられる。「塩基性塩」中に存在する金属の相対量は、存在する金属の「標準の」化学量論的量と比較した当量の数として定義される表現「金属比率」(略語MR)によって示されることがしばしばある。従って、例えば、化学量論的量と比較して2倍量の金属を含有する塩基性塩は、金属比率(MR)2を有する。
無灰洗浄剤及び分散剤は、その構成に応じて、燃焼時に洗浄剤又は分散剤が不揮発性の残留物、例えば、三酸化二ホウ素(boric oxide)又は五酸化リンを生ずることがあるという事実にかかわらず、そのように呼ばれるが、しかし、通常、金属を含んでいないので燃焼時に金属含有灰を生成しない。当業界では多くのタイプが公知であり、そしてそれらの何れもが本発明の潤滑剤中に用いるのに適している。下記は、その実例である。
(1)炭素原子少なくとも約34個及び好ましくは少なくとも54個を含むカルボン酸(又はその誘導体)の、窒素含有化合物、例えば、アミン、有機ヒドロキシ化合物、例えば、フェノール及びアルコール、及び/又は塩基性無機材料との反応生成物。これらの「カルボキシル分散剤(carboxylic dispersant)」の例は、英国特許番号1,306,529、及び米国特許:3,163,603;3,399,141;3,574,101;3,184,474;3,415,750;3,576,743;3,215,707;3,433,744;3,630,904;3,219,666;3,444,170;3,632,510;3,271,310;3,448,048;3,632,511;3,272,746;3,448,049;3,697,428;3,281,357;3,451,933;3,725,441;3,306,908;3,454,607;4,194,886;3,311,558;3,467,668;4,234,435;3,316,177;3,501,405;4,491,527;3,340,281;3,522,179;5,696,060;3,341,542;3,541,012;5,696,067;3,346,493;3,541,678;5,779,742;3,351,552;3,542,680;RE26,433;3,381,022;及び3,567,637を含む多くの米国特許に記載されている。
(2)比較的高分子量の脂肪族又は脂環式ハロゲン化物のアミン、好ましくは、ポリアルキレンポリアミンとの反応生成物。これらは、「アミン分散剤」として特徴付けることができ、そしてその例は、例えば、米国特許3,275,554;3,454,555;3,438,757;及び3,565,804に記載されている。
(3)「マンニッヒ分散剤(Mannich dispersant)」として特徴付けることができる、アルキル基が炭素原子少なくとも30個を含むアルキルフェノールのアルデヒド(特に、ホルムアルデヒド)及びアミン(特に、ポリアルキレンポリアミン)との反応生成物。米国特許:3,413,347;3,725,480;3,697,574;3,726,882;及び3,725,277に記載の材料はその例である。
(4)カルボキシルアミン(carboxylic amine)又はマンニッヒ分散剤を、尿素、チオ尿素、二硫化炭素、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、炭化水素置換無水コハク酸、ニトリル、エポキシド、ホウ素化合物、リン化合物などのような試薬で後処理することによって得られる生成物。この種類の例示的材料は、米国特許:3,036,003;3,282,955;3,493,520;3,639,242;3,087,936;3,312,619;3,502,677;3,649,229;3,200,107;3,366,569;3,513,093;3,649,659;3,216,936;3,367,943;3,533,945;3,658,836;3,254,025;3,373,111;3,539,633;3,697,574;3,256,185;3,403,102;3,573,010;3,702,757;3,278,550;3,442,808;3,579,450;3,703,536;3,280,234;3,455,831;3,591,598;3,704,308;3,281,428;3,455,832;3,600,372;3,708,522;及び4,234,435に記載されている。
(5)油可溶化(oil-solubilizing)モノマー、例えば、デシルメタクリレート、ビニルデシルエーテル及び高分子量オレフィンの、極性置換基を含有するモノマー、例えば、アミノアルキルアクリレート又はメタクリレート、アクリルアミド及びポリ−(オキシエチレン)−置換アクリレートとのポリマー及びコポリマー。これらは、「ポリマー分散剤」として特徴付けることができ、そしてその例は、米国特許:3,329,658;3,666,730;3,449,250;3,687,849;3,519,565;及び3,702,300に開示されている。
前記で説明した他の添加剤は、それぞれ、潤滑性組成物中に、0.001重量%ほどの低濃度で、通常は、0.01重量%〜20重量%の範囲の濃度で存在することができる。大抵の場合、それらは、それぞれ、0.1重量%〜10重量%、よりしばしば約5重量%まで寄与する。
《D.添加剤コンセントレート(Additive Concentrates)》
本明細書に記載の本発明の種々の添加剤組成物は、潤滑性粘度(lubricating viscosity)の油に直接添加することができる。しかしながら、好ましくは、実質的に不活性な、通常液体の有機希釈剤、例えば、鉱油、合成油、例えば、ポリαオレフィン、ナフサ、ベンゼン、トルエン又はキシレンを用いて希釈し、添加剤コンセントレートを形成する。これらのコンセントレートは、通常、本発明のインターポリマー0.1〜30重量%、たびたび、1〜20重量%、よりしばしば、5〜15重量%を含み、そして更に、当業者に公知の又は前記の他の添加剤1種以上を含んでいることができる。しばしば、高温で、通常は150℃より低い温度で、しばしば、約130℃以下で、たびたび、約115℃以下で、所望の成分を一緒に混合することによって添加剤コンセントレートを調製する。
《E.潤滑性粘度の油》
本発明の潤滑性組成物は、天然又は合成の潤滑油及びそれらの混合物を含む潤滑性粘度の油を用いる。鉱油及び合成油の混合物、特に、ポリαオレフィン油及びポリエステル油をしばしば用いる。天然油は、動物油及び植物油(例えば、ひまし油、ラード油及び他の植物性酸エステル)並びに潤滑鉱油(mineral lubricating oil)、例えば、流動パラフィン油(liquid petroleum oil)及びパラフィン系、ナフテン系又は混合パラフィン系−ナフテン系タイプの溶媒処理された又は酸処理された潤滑鉱油を含む。水素化処理された(hydrotreated)又は水素化分解された(hydrocracked)油は、有用な潤滑性粘度の油の範囲内に含まれる。
石炭又は頁岩(shale)から得られる潤滑性粘度の油も有用である。合成潤滑油は、炭化水素油及びハロ置換炭化水素油、例えば、重合及び共重合オレフィンなど及びそれらの混合物、アルキルベンゼン、ポリフェニル(例えば、ビフェニル、テルフェニル、アルキル化ポリフェニルなど)、アルキル化ジフェニルエーテル及びアルキル化ジフェニルスルフィド及びそれらの誘導体、それらのアナログ及び同族体などを含む。
アルキレンオキシドポリマー及びインターポリマー及びそれらの誘導体、及び末端ヒドロキシル基がエステル化、エステル化などによって変性されたものは、用いることができる公知の他の種類の合成潤滑油を構成する。
用いることができる別の適切な種類の合成潤滑油は、ジカルボン酸のエステル及びC5〜C12モノカルボン酸とポリオール又はポリエーテルポリオールとから製造されたエステルを含む。
他の合成潤滑油は、リン含有酸の液体エステル、重合テトラヒドロフラン、アルキル化ジフェニルオキシドなどを含む。
前記開示のタイプの天然又は合成(並びに、これらの何れか2種以上の混合物)の未精製、精製及び再精製油は、本発明の組成物に用いることができる。未精製油は、一層の精製処理なしに天然又は合成の供給源から直接に得られるものである。精製油は、更に1つ以上の精製工程において処理され1つ以上の性質を向上させたことを除いては未精製油と同様である。再精製油は、既に使用して使われた精製油に、精製油を得るのに用いられる方法と同様な方法を適用することにより得られる。かかる再精製油は、しばしば、消費された添加剤及び油分解生成物を除去することに向けられた技術によって更に処理される。
潤滑性粘度の上記油の特定の例は、シャンベルリン(Chamberlin)III、米国特許4,326,972及び欧州特許公開(European Patent Publication)107,282に示されている。潤滑基油の基本的で簡潔な記載は、ディー.ヴィー.ブロック(D. V. Brock)、「潤滑技術(Lubrication Engineering)」、43巻、184-5頁、1987年3月にある。
《官能化》
本明細書に開示の低分子量ポリマーは、典型的なグラフト、水素化、官能化、又は当業者に周知の他の反応によって変性させることができる。確立された技術により、ポリマーを容易にスルホン化又は塩素化して官能化誘導体を得ることができる。
本明細書に開示の低分子量ポリマーは、限定的でなく、過酸化物(peroxide)−、シラン−、イオウ−、放射線−、又はアジド−に基づく硬化系を含む種々の連鎖延長法又は架橋法によっても変性させることができる。種々の架橋技術の充分な記載は、米国特許5,869,591及び5,977,271に記載されている。
熱、湿分硬化、及び放射線工程の組み合わせを用いる二重(dual)硬化系を効果的に用いることができる。二重硬化系は、米国特許5,911,940及び6,124,370に記載されている。例えば、シラン架橋剤と共に過酸化物架橋剤を、放射線と共に過酸化物架橋剤を、シラン架橋剤と共にイオウ含有架橋剤を用いるなどのことが望ましいことがある。
本明細書に開示の低分子量ポリマーは、限定的でなく、前記方法及び例えば、架橋剤としてイオウを用いるビニル基を介した加硫を含む更なる方法によるターモノマーとしてその製造及び引き続きの架橋におけるジエン成分の導入を含む種々の他の架橋法によって変性させることもできる。
官能化は、末端不飽和基(例えば、ビニル基)において又は芳香族不飽和において起こることができる。官能化は、限定的でなく、水素化、ハロゲン化(例えば、塩素化)、オゾン処理、ヒドロキシル化、スルホン化、カルボキシル化、エポキシ化、グラフトなどを含む。任意の官能基、例えば、無水マレイン酸、ハロゲン原子、アミン、アミド、エステル、カルボン酸、エーテル、シラン、シロキサンなどを、公知又は公知でない化学反応によって、低分子量ポリマーに結合することができる。例えば、本明細書に開示の低分子量ポリマーは、米国特許又は米国法定発明登録(U. S. statutory invention registration):「ポリマー及びコポリマーのメタレーション及び官能化」と題された5,849,828;「アルキルスチレンを含むポリマーの酸化的官能化方法」と題された5,814,708;「コッホ化学反応に基づくポリマーの官能化及びその誘導体」と題された5,717,039;「ポリマーの溶融官能化」と題されたH1,064に開示された方法によって官能化することができる。
或る態様において、フェノール又は置換フェノール、無水マレイン酸、エポキシ化剤、ヒドロシリル化剤又は一酸化炭素及び水素などを用いて、官能化生成物を製造することができる。本明細書に開示の低分子量ポリマーは、元素の塩素を含む種々の試薬の何れかを用いて塩素化し、そして次に、該塩素化生成物を種々のアミンの何れか、例えば、エチレンジアミンと反応させて、燃料油又はモーターオイル組成物に有用なアミノ化生成物を得ることができる。例えば、米国特許3,960,515;4,832,702;4,234,235;及びWO92/14806を参照されたい。スルホン化は、「エチレン系不飽和ポリマーのスルホン化を介したスルホネート基含有の官能基末端ポリマー」と題された米国特許5,753,774;「EPDMゴムのバルク(bulk)スルホン化」と題された米国特許5,723,550;「スルホン化剤及びスルホン化法」と題された米国特許5,596,128;「成形プラスチック製品の金型内(in-mold)スルホン化法」と題された米国特許5,030,399;「弾性ポリマーのスルホン化法」と題された米国特許4,532,302;「スルホン化法」と題された米国特許4,308,215;「弾性ポリマーのスルホン化法」と題された米国特許4,184,988;「バルクスルホン化法」と題された米国特許4,157,432;「スルホン化法」と題された米国特許4,148,821に開示の方法に従ってスルホン化を実施することができる。
本発明の或る態様によれば、ポリマーをモノ不飽和カルボン酸反応体、例えば、無水マレイン酸と、好ましくは、遊離基開始剤の存在下に反応させてポリマー鎖上にカルボン酸生成部分、すなわち、酸又は無水物又は酸エステル部分をランダムに結合する前に又はその後で又はそれと同時にその間に、例えば、選択的にポリマー鎖上の炭素−炭素不飽和の部位においてカルボン酸生成部分(好ましくは、酸又は無水物部分)を用いて、不飽和を持つ低分子量ポリマー(以下、「不飽和αオレフィンポリマー」)を官能化する。
ポリマー鎖上への、主として炭素−炭素不飽和(エチレン系又はオレフィン系不飽和とも称する)の部位における、そして好ましくは、該部位のみにおける、官能部分、すなわち、酸、無水物、エステル部分などの付加を生じる条件下にポリマーを反応させることによって、例えば、カルボン酸生成部分(好ましくは、酸又は無水物)により不飽和αオレフィンポリマーを官能化することができる。
或る態様において、この選択的官能化は、ハロゲン化、例えば、60℃〜250℃、好ましくは、110℃〜160℃、例えば、120℃〜140℃の温度で、0.5〜10時間、好ましくは、1〜7時間、ポリマーに塩素又は臭素を通気することによって、ポリマーの重量に基づいて塩素又は臭素1〜8重量%、好ましくは、3〜7重量%まで、不飽和αオレフィンポリマーを塩素化又は臭素化することによって達成することができる。次いで、得られる生成物がハロゲン化ポリマー1モル当たり望ましいモル数のモノ不飽和カルボキシル反応体を含むように、ポリマーに官能部分、例えば、モノ不飽和カルボキシル反応体を付加することができる十分量のモノ不飽和反応体と、前記ハロゲン化ポリマーを100〜250℃、通常、180℃〜235℃において、0.5〜10時間、例えば、3〜8時間反応させる。この一般的タイプの方法は、米国特許3,087,436;3,172,892;3,272,746及び他に教示されている。これに代わるものとして、熱材料に塩素を添加する間にポリマー及びモノ不飽和カルボキシル反応体を混合しそして加熱する。このタイプの方法は、米国特許3,215,707;3,231,587;3,912,764;4,110,349;4,234,435;及び英国特許(U.K.)1,440,219に開示されている。
不飽和αオレフィンポリマーを官能化するのに用いる好ましいモノ不飽和反応体は、(i)(a)カルボキシル基がビシナル(すなわち、隣接する炭素原子上に位置する)でありそして(b)前記隣接する炭素原子の少なくとも一方、好ましくは両方がモノ不飽和の一部分である、モノ不飽和C4〜C10ジカルボン酸;又は(ii)(i)の誘導体、例えば、(i)の無水物又はC1〜C5アルコール誘導モノ又はジエステルを含む、モノ及びジカルボン酸材料、すなわち、酸、無水物又は酸エステル材料である。ポリマーとの反応時に、モノ不飽和カルボキシル反応体の不飽和は、飽和になる。このように、例えば、無水マレイン酸はポリマー置換無水コハク酸になり、そしてアクリル酸はポリマー置換プロピオン酸になる。かかるモノ不飽和カルボキシル反応体の典型例は、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クロロマレイン酸、無水クロロマレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、及び前記の低級アルキル(例えば、C1〜C4アルキル)酸エステル、例えば、マレイン酸メチル、フマル酸エチル、フマル酸メチルなどである。
モノ不飽和カルボキシル反応体、好ましくは、無水マレイン酸は、典型的には、ポリマーの重量に基づいて約0.01〜約10%、好ましくは、0.1〜2.0%の範囲の量で用いる。
塩素化は、通常、出発αオレフィンポリマーのモノ不飽和官能化性反応体との反応性を高めるのを助長するので、本発明の態様において用いることを意図された不飽和ポリマー、特に、高い末端結合含有量及び反応性を有する好ましい不飽和ポリマーを用いる必要がなくなる。好ましくは、不飽和ポリマー及びモノ不飽和官能性反応体、例えば、カルボキシル反応体を高温で接触させて初期熱的「エン」反応(initial thermal "ene" reaction)を惹起し、その後、遊離基開始剤の存在下に部分的「エン」反応ポリマーを更に反応させる。
熱的「エン」反応は、現在まで、米国特許3,361,673及び3,401,118に記載されている。
これに代わる態様において、カルボン酸、カルボン酸エステル又はチオールエステル官能基を用いコッホ反応を介して、選択的にポリマー鎖中のオレフィン系不飽和結合の部位において不飽和αオレフィンポリマーを官能化することができる。本発明の態様によれば、コッホ法は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有するポリマー少なくとも1種を含むポリマー組成物をコッホ触媒と接触させることを含む。前記触媒は、好ましくは、典型的なブレンステッド酸又はルイス酸触媒である。コッホ反応に有用なこれらの触媒は、前記ヒドロホルミル化反応において有用なタイプの遷移金属触媒と区別できる。コッホ反応は、前記炭素−炭素二重結合の部位においてカルベニウムイオンを形成するのに充分な条件下に及び方法で実施する。カルベニウムイオンを一酸化炭素と反応させてアシリウム(acylium)カチオンを形成し、次いでこれを水又は少なくとも1個のヒドロキシル基又は1個のチオール基を含有する化合物からなる群より選ばれる求核性トラッピング(trapping)剤少なくとも1種と反応させる。本発明によりポリマーに適用されるコッホ反応は、反応して官能基、例えば、カルボニル官能基を形成するアシリウムカチオンを形成するポリマーの少なくとも40モル%、好ましくは、少なくとも50モル%、より好ましくは、少なくとも80%、更により好ましくは、少なくとも90モル%そして最も好ましくは、少なくとも95モル%の収量のコッホ官能化ポリマーを生じた。
コッホ反応機構は、不飽和ポリマーの制御された官能化を可能にする。炭素−炭素二重結合の炭素を水素で置換すると「イソ」官能基を生じ、又は該二重結合の炭素をヒドロカルビル基で充分に置換すると「ネオ」官能基を生じる。
コッホ法において、少なくとも1個のオレフィン系不飽和を有するポリマーはコッホ機構を介して反応し、カルボニル又はチオールカルボニル基含有化合物並びにそれらの誘導体を形成した。ポリマーは、酸触媒又は求核性トラッピング剤と錯体化(complexed)された触媒の存在下に一酸化炭素と反応する。好ましい触媒はBF3であり、そして好ましい触媒錯体はBF32O及び2,4−ジクロロフェノールと錯体化されたBF3を含む。出発ポリマーは一酸化炭素と反応してカルベニウムイオンを形成し、次いでカルベニウムイオンは求核性トラッピング剤、例えば、水、アルコール(好ましくは、置換フェノール)又はチオールと反応してそれぞれカルボン酸、カルボン酸エステル基、又はチオールエステルを形成する。
好ましい求核性トラッピング剤は、水、一価アルコール、多価アルコール、ヒドロキシル含有芳香族化合物及びヘテロ置換フェノール化合物からなる群より選ばれる。触媒と求核性トラッピング剤とを組み合わせて触媒錯体を形成することができる。
酸触媒は、好ましくは、HF、BF3、BF3及びH2SO4からなる群より選ばれる。触媒錯体は、BF3.xH2O、BF3.(2,4−ジクロロフェノール)、BF3.xH2Oイン(yn)−ヘプタン酸、BF3.イン−ヘプタン酸、BF3.xH2O.zH3PO4、及びBF3.wCH3SO3H(式中、xは0.5〜1.5であり;yは0.5〜2.0であり;zは0.5〜1.5であり、そしてwは0.5〜5.0である)からなる群より選ぶことができる。酸触媒又は触媒錯体は、好ましくは、ハメットの酸度値−8.0〜−11.5、好ましくは、−10.0〜−11.5を有する。コッホ反応を介して不飽和ポリマーを官能化する方法は、「コッホ化学反応に基づくポリマーの官能化及びその誘導体」と題された米国特許5,629,434により充分に記載されている。
更に他の好ましい態様において、(a)元素又は化合物型の金属パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム及びコバルト少なくとも1種及び(b)銅化合物を含む触媒系及びプロトン酸の存在下に出発ポリマーを一酸化炭素及びアルコールと反応させることによって、カルボン酸又はエステル部分で不飽和αオレフィンポリマーを官能化することができる。このタイプの方法は、例えば、EP出願公開(published EP Application)148,592に開示されている。
本発明の好ましい態様において、官能化オレフィンポリマーは、高度のモノ官能価により特徴付けられ、すなわち、ポリマー鎖の少なくとも約65%そして好ましくは、少なくとも約75%が、炭素−炭素不飽和結合が官能化される前に位置していた各ポリマー鎖中の点において官能基(例えば、酸基又は無水物基)1個だけを含む。
例えば、フリーデル−クラフツ反応又は他の求電子性置換反応によって、インターポリマーに一部の官能基を直接に付加することができる。かかる官能基は、例えば、非置換又は置換アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、及びアルアルキル基;カルボン酸基又はスルホン酸基又はカルボン酸基若しくはスルホン酸基で置換されたアルキル基;ハロゲン原子、及び引き続きNH2に変換されることができるNO2基を含む。好ましくは、前記基は、アシル基、例えば、置換又は非置換フェニルカルボニル基、カルボキシアルキルカルボニル基、及び置換又は非置換カルボキシベンジル基を含む。特に好ましい基は、更に、例えば、−CO2H基;次に更に、例えば、−CH(OH)−pC64−Me基に官能化することができる−C(O)−pC64−Me基;例えば、−CH(R5)CH2CH2CO2H基;−CH(R5)CH2CH2SO3H基;及び−CH(R5)−pC64−CO2H基(式中、R5は独立して水素原子又はアルキル基から選ばれる);及び−C(O)CH2CH2CO2H基に官能化されることができる−(O)Me基を含む。酸基を含む官能基は、中和によってイオノマー塩(ionomeric salt)、例えば、亜鉛イオノマーに変換することができる。前記実質的にランダムなポリマーに対して有利に有用であることが発見された求電子性置換反応は、G.A.Olah, Friedel-Crafts and Related Reactions,Vol.II,Part2,J.Wiley&Sons,N.Y.,1964に記載のようにして実施することができる。
最初の方に記載した置換基の多くは、求電子性置換反応によってインターポリマー上に直接に配することができる一方で、他の置換基はこの方法に従わない。この理由により、最初にインターポリマーをハロメチル化し、次いで適切な反応、例えば、求核性置換によってハロメチル基を他の置換基に変換することがしばしば有利である。
前記ハロメチル化は、典型的には、ハロメチル化を実施するのに適切な溶媒中でのインターポリマーの溶解を用いる。一般に、適切な溶媒は、反応混合物中で任意の成分とは有意に反応しない化合物である。好ましくは、溶媒は液体でありそして反応に用いられる条件において液体のままである。種々のタイプの溶媒を用いることができるが、好ましい溶媒は、例えば、塩素化炭化水素、例えば、1,2−ジクロロエタン、トリクロロメタン、塩化メチレン、並びに、それらの混合物を含む。しばしば、ハロメチルエーテル反応体自体を溶媒として過剰で用いることができる。
溶解後、次にインターポリマーを、下記構造:
X−CH2−O−R4
(上記式中、Xはハロゲン原子を表しそしてR4は不活性基を表す)
を有するハロメチルエーテルと反応させる。Xは、好ましくは、塩素原子、臭素原子、フッ素原子又はヨウ素原子である。より好ましくは、Xは塩素原子又は臭素原子である。最も好ましくは、Xは塩素原子である。
4基は、ハロメチルエーテルがインターポリマーと反応してハロメチル化インターポリマーを形成することができる限り特には臨界的でない。従って、R4基は、用いられる反応体及び反応条件に関して不活性な基である。典型的には、R4は、置換又は非置換ヒドロカルビル基から選ばれた基である。好ましくは、R4はアルキル基である。より好ましくは、R4は、炭素原子1〜20個を有するアルキル基である。最も好ましくは、R4は、炭素原子1〜6個を有するアルキル基、例えば、メチル基又はエチル基である。
ハロメチル化反応に用いられる特定のハロメチルエーテルは、一般に、望ましいハロメチル化インターポリマーに基づいて選択される。例えば、クロロメチル化インターポリマーが望ましい場合には、クロロメチルエーテルを用いる。同様に、ブロモメチル化インターポリマーが望ましい場合には、ブロモメチルエーテルを用いる。好ましいハロメチルエーテルは、ハロメチルアルキルエーテル、例えば、クロロメチルアルキルエーテル及びブロモメチルアルキルエーテル、例えば、クロロメチルメチルエーテル、クロロメチルエチルエーテル、ブロモメチルメチルエーテル、ブロモメチルエチルエーテルを含む。
好ましくは、ハロメチルエーテルを、溶解したインターポリマーと混合する。しかしながら、当業者に理解されるように、最初にハロメチルエーテルを適切な溶媒中に溶解することもでき、そして次に、同じ又は異なる溶媒中にインターポリマーを溶解することができる。更に、ハロメチルエーテルをその場で(in situ)形成することができる。
用いるハロメチルエーテルの量は、インターポリマーのタイプ、ハロメチル化の望ましい程度及び用いる反応条件のような因子に応じて変化する。典型的には、望ましいハロメチル化の程度が高ければ高いほど、必要とされるハロメチルエーテルはより多くなる。
ハロメチル化の程度は、芳香族基を含有するポリマー繰り返し単位のモル当たりのハロメチル化のモル百分率として定義することができる。例えば、エチレン−スチレンインターポリマーの場合、ハロメチル化の程度は、結合したハロメチル基を有するフェニル環のモル百分率である。エチレン−スチレンインターポリマーについて、モル百分率は、少なくとも1%、好ましくは、少なくとも5〜80%又は100%若しくは200%ほどの高さでさえあることができる。当業者に理解されるように、ハロメチル化の程度が100%を超える場合、一部の芳香族基は1個以上のハロメチル基置換を有している。
一般に、フェニル環のパラ位は最も活性であり、そしてメタ位は最も活性が低い。従って、ハロメチル置換は、最初に主としてエチレン−スチレンインターポリマーのパラ位で起こり、そして次にオルト位で起こる。ハロゲンメチル化の程度及び置換の位置は何れも、NMR分光分析により容易に測定することができる。
好ましくは、適切な触媒の触媒量の存在下にインターポリマーをハロメチルエーテルと反応させる。適切な触媒は、例えば、G.A.Olah, Friedel-Crafts and Related Reactions,Vol.II,Part2,659頁,J.Wiley&Sons,N.Y.,1964に記載のようにクロロメチル化を触媒するのに有効である化合物である。好ましくは、該触媒は、穏やかなルイス酸触媒、例えば、四塩化スズ、塩化亜鉛、及び四塩化チタンを含む。
使用する特定の触媒は、該触媒が適切な活性を有している限り問題ない。当業者に理解されるように、望ましいハロメチル化の程度が高ければ高いほど、必要とされる触媒はより活性である。或る場合に、触媒は、インターポリマーの架橋及び/ゲル化(gellation)が起こることがあるほど活性であることができる。架橋が望ましくない場合には、触媒活性を弱めそして架橋を低減することができるほどの充分量で調節剤(moderating agent)を添加する。かかる調節剤は、例えば、エーテルのような化合物である。従って、エーテル、例えば、アルキルエーテル、芳香族エーテル及びそれらの混合物はしばしば触媒活性を調節する。調節剤としての有効性を示した好ましいエーテルはジエチルエーテルである。
添加する触媒の量は、用いる特定の触媒、反応させるインターポリマー及びハロメチルエーテルのタイプ及び量、並びにハロメチル化の望ましい程度のような因子に応じて変化する。しかしながら、一般に、ハロメチルエーテル対触媒のモル比率は、しばしば、ハロメチル化の程度、並びに、生じる架橋の量を決定する。従って、大部分の適用に対して、ハロメチルエーテル対触媒のモル比率は、通常、少なくとも5、好ましくは、少なくとも10、より好ましくは、少なくとも20である。一方で、ハロメチルエーテル対触媒のモル比率は、通常、1000以下、好ましくは、100以下、より好ましくは、50以下である。
ハロメチル化反応の圧力及び温度は、反応が所望の通りに進むように調節するのが好ましい。典型的には、反応は周囲圧力で実施する。しかしながら、反応が妨げられない限り他の圧力を用いることができる。多くの種々の温度を用いることができる。典型的には、温度が低い場合には、反応は緩やかに進む。一方、温度が高い場合には、反応はより速く進みそして架橋が起こることさえある。一般に、少なくとも−50℃、好ましくは、少なくとも0℃、より好ましくは、少なくとも10℃の温度を用いることができる。相応して、100℃より低い、好ましくは、50℃より低い、より好ましくは、30℃より低い温度を用いることができる。
ハロメチル化の望ましい程度が達成されるまで、反応を進行させることが好ましい。当業者に理解されるように、その時間は、ハロメチル化の望ましい程度並びに用いる特定の触媒及び反応条件に応じて変化する。典型的には、高度のハロメチル化には長い反応時間を要する。しかしながら、一般に、より多いハロメチル化剤及び/又はより活性な触媒及び/又はより高温を用いることによって反応時間を短縮することができる。一般に、反応時間は、少なくとも0.5時間、好ましくは、少なくとも2時間、より好ましくは、少なくとも8時間である。相応して、反応時間は、通常、72時間より少なく、好ましくは、48時間より少なく、より好ましくは、24時間より少ない。
何れかの適切な手段によってハロメチル化インターポリマーを回収することができる。特に有利な回収方法は、ハロメチル化の望ましい程度が達成された時点で急冷量の水を添加することである。添加する水は、好ましくは、反応物の温度より低くそして反応に用いた圧力における水の凝固点より高い温度である。
添加する水の実際の量及び温度は、反応が急冷されそして容易に分離することができる水性層及び有機層が形成される限り重要でない。有機層は、ハロメチル化インターポリマー及び溶媒を含む。その2層は分離することができそして次に、ハロメチル化インターポリマーを有機層から単離し乾燥することができる。単離は何れかの適切な手段によって達成することができるが、便利な単離手段は沈殿である。
ハロメチル化樹脂の性質は、通常、ハロゲンのタイプ、インターポリマーのタイプ、及びハロメチル化の程度に応じて大きく異なる。一般に、クロロメチル化は、ガラス転移温度及びエチレン−スチレンインターポリマーの熱安定性にほとんど影響を与えないようである。例えば、70重量%のスチレンを含むエチレンスチレンコポリマーのガラス転移温度は、フェニル基の44モル%がクロロメチル化された場合に、26.5℃から29℃に増加し、そして熱安定性は原インターポリマー(parent interpolymer)のそれに匹敵するようである。
インターポリマーがハロメチル化されたならば、所望によりハロメチル基を他の官能基に変換することができる。該変換は、例えば、押出機中の溶液中で又はインターポリマーメルト中で起こることができる。多数の変換が可能である。例えば、(ルイス酸、二求核試薬(dinuclephile)又は水との反応による又は放射線(radiation)によって誘発される)単純な架橋、他のポリマーとの反応性相溶化に対して、又はポリマー主鎖上への多量の他の官能基の導入に対して、ハロメチル基を用いることができる。ハロメチル基が変換されることができる官能基は、例えば、インターポリマー中の、ホスホニウム基、アンモニウム基、スルホニウム基、エステル基、ヒドロキシル基、エーテル基、アミン基、ホスフィン基、チオール基、シアノ基、カルボン酸基、アミド基、又は求核試薬との反応から誘導される官能基、及びそれらの混合を含む。ハロメチル基からの前記官能化は、例えば、米国特許5,162,445;P.Hodge,「化学試薬としてのポリマー(Polymers as Chemical Reagents)」,Encyclopedia of Polymer Science and Engineering第2版,618-658頁;及びMontheadら,「クロロメチル化ポリスチレンの化学変換(Chemical Transformations of Chloromethylated Polystyrene)」,IMS-Review Macromolecular Chemical Physics,1988,503-592頁に記載されている。適切な前記方法は、変換されたインターポリマーを形成するのに用いることができる。
《試験方法》
他に断らない限り、以下の試験方法を用いるものとする。密度は、ASTM D−792に従って測定する。測定を行う前に、サンプルを周囲条件で24時間アニールする。
メルトインデックス(I2)は、ASTM D−1238、コンディション190℃/2.16kg(正式には「コンディションD」として公知)に従って測定する。一部の低分子量ポリマーについて、低分子量のためにこの方法によってはそのメルトインデックスを測定することができないことを理解されたい。
分子量は、システム温度140℃で運転する、3つの混合多孔度カラム(ポリマー・ラボラトリーズ(Polymer Laboratories)103、104、105及び106)を備えたウォーターズ(Waters)150℃高温クロマトグラフィー装置でゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定する。溶媒は1,2,4−トリクロロベンゼンであり、該溶媒からサンプルの0.3重量%溶液を注入用に調製する。流量は1.0mL/分であり、そして注入量は100マイクロリットルである。
狭い分子量分布のポリスチレンスタンダード(ポリマー・ラボラトリーズ製)をその溶離容量と関連して用いることによって推定して(deduce) 分子量測定を行う。当量のポリエチレン分子量は、(Williams and Word in Journal of Polymer Science,Polymer Letters,Vol.6,(621)1968に記載のように、ポリエチレン及びポリスチレンに対して適切なマーク・ホーウィンク係数を用いて下記式:
Mホ゜リエチレン=a*(Mホ゜リスチレン)b
を導くことにより測定する。
前記式中、a=0.4316及びb=1.0である。重量平均分量Mwは、次式:Mw=Σwi*Mi(式中、wi及びMiはそれぞれ、GPCカラムから溶出するi番目の画分の重量分率及び分子量である)によって通常に計算される。
溶融粘度は、使い捨てアルミニウムサンプル室(disposable aluminum sample chamber)中でブルックフィールド・ラボラトリーズ(Brookfield Laboratories)DVII+粘度計を用いて下記手順に従って測定する。用いるスピンドルは、10〜100,000センチポアズの範囲で粘度を測定するのに適したスピンドル(例えば、SC−31ホットメルトスピンドル)である。刃を用いて、1インチ幅、5インチ長さのサンプル室中に収まるのに充分なほど小さなピースにサンプルをカットする。サンプルを室に入れ、次いでこれをブルックフィールド・サーモセル(Brookfield Thermosel)中に挿入しそしてベント・ニードルノーズ・プライヤー(bent needle-nose plier)を用いて所定の位置に固定する(lock into place)。サンプル室は、ブルックフィールド・サーモセルの底に嵌合する底上にノッチを有しており、スピンドルが挿入されそしてスピンする際に室が回転しないことを保証する。溶融したサンプルがサンプル室の上部より約1インチ下となるまで追加のサンプルを添加しながら、サンプルを約300°Fまで加熱する。粘度計装置を降下させそしてスピンドルをサンプル室中に沈める。粘度計上のブラケットがサーモセルに対して一直線になる(align)まで降下を続ける。粘度計を作動させ、そして30〜60%の範囲のトルク示度に至る剪断速度にセットする。約15分間に亘り1分間毎に、又は値が安定するまで読み取りを行い、そして最終的な値を記録する。
結晶化度百分率は、パーキン・エルマーDSC7を用いて示差走査熱量計により測定する。結晶化度百分率は、次式:
C百分率=(A/292J/g)×100
(式中、C百分率は結晶化度百分率を表しそしてAはジュール/グラム(J/g)によるエチレンの融解熱を表す)
を用いて計算することができる。
《実施例》
《一般》
予め150℃で一晩真空炉(vacuum oven)で乾燥したガラス器具を用いて、バキュームアトモスフェアーズ・グローブボックス(Vacuum Atmospheres glove box)中の精製アルゴン又は窒素雰囲気下に、全ての有機金属反応及び重合を実施した。使用した全ての溶媒は、無水であり、公知の技術により脱酸素化及び精製したものであった。全てのリガンド及び金属前駆体は、当業者に公知の方法により、例えば、不活性雰囲気条件下などで調製した。エチレン/スチレン共重合は、1999年1月29日出願の係属中米国特許出願09/239,223及びWO00/09255及び米国特許6,306,658に充分に記載されている平行圧力反応器(parallel pressure reactor)中で実施した。高温サイズ排除クロマトグラフィー(ゲル透過クロマトグラフィー、「GPC」としても公知)は、米国特許6,175,409、6,260,407及び6,294,388に記載の自動化「ラピッド(Rapid)GPC」システムを用いて実施した。直列の2本の30cm×7.5cmリニアカラムを用い、一方のカラムはPLgel10μm、MixBを含有し、そして他方のカラムはPLgel5μm、MixC(ポリマーラブス(Polymer Labs)から入手可能)を含有していた。狭いポリスチレン・スタンダードを用いてGPCシステムをキャリブレーションした。システムは、溶離剤流量1.5mL/分及びオーブン温度160℃で運転した。溶離剤としてo−ジクロロベンゼンを用いた。ポリマーサンプルは、濃度約1mg/mLで1,2,4−トリクロロベンゼンに溶解した。ポリマー溶液40μL〜200μLをシステム中に注入した。溶離剤中のポリマー濃度は、気化光散乱検出器(evaporative light scattering detector)を用いてモニターした。得られた全ての分子量結果は、直線状ポリスチレン・スタンダードに比例している。
本明細書中に記載の触媒系によって生成されたエチレン−スチレンコポリマーの低分子量のため、ラピッドGPCシステムを用いて得られる分解能は、カラム材料の低い排除限界(exclusion limit)によって制限される。本発明の或る態様により製造される生成物の分子量はGPCカラムの低いサイズ排除限界に近接するか又は該限界より低いので、前記低い排除限界にあるか又は該限界よりわずかに上である高分子量画分とほぼ同じ時間で溶離する、カラム材料のサイズ排除限界より低い最低の分子量画分のため、GPCによって得られるMw(重量平均分子量)及び特にMn(数平均分子量)は過剰評価され、一方で多分散性インデックス(PDI=Mw/Mn)は過小評価される。表4bに示すMw及びPDIは、測定PDIの分子量へのこの依存関係を示している。しかしながら、或る態様において、このことは問題(case)とならないことがある。
ポリマー中に導入されたスチレンのモル百分率(導入スチレンのモル百分率)として表される、ポリマー生成物中に導入されたスチレン対エチレンの比率は1H−NMR分光分析法を用いて測定した(下記)。エチレン−スチレンコポリマー中に導入されたスチレン及び生成物サンプル中の何れもの(any)バックグラウンドホモポリスチレン(PS)の両方を含む、ポリマー生成物の全スチレン含量(全スチレンのモル百分率)は、FTIR分光分析法(線形回帰法(linear regression method)、下記)を用いて測定した。
スチレン導入モル%を測定するための1H−NMR法:ポリマー中に導入されたスチレンのモル(mol) 百分率(モル(mole) 百分率)として表される、ポリマー生成物中に導入されたスチレン対エチレンの比率は、1H−NMR分光分析法を用いて測定した。NMRサンプルは、1,1,2,2−テトラクロロエタン−d2(TCE−d2)及びテトラクロロエチレン(Perchlor)の50/50容量混合物0.4〜0.5mL中ポリマー10〜40mgの溶液として調製した。特定のポリマーに応じて、サンプルを加熱してポリマーを完全に溶解した。サンプルが充分に溶解するように、NMRは20〜90℃の温度で実施した。サンプルのプロトンNMRスペクトルは、ブルーカー(Bruker)300MHz−NMR分光計により得た。使用した略語は以下のとおりである:iS=導入されたスチレン(エチレン−スチレンコポリマー中に導入されたスチレン)、aPS=アタクチックホモポリスチレン、S=全スチレン=iS+aPS、E=エチレン。
《データ分析》
1H−NMRスペクトルは、下記領域:
スチレン芳香族炭化水素=7.687−6.869ppm=領域A
アタクチックポリスチレン芳香族炭化水素=6.869−6.357ppm=領域B
ビニル領域=5.95−4.7ppm=領域D
CH及びCH2脂肪族炭化水素=3.212−1.0ppm=領域E
メチル=1.0−0.50ppm=領域F
領域C=D+E+F
を用いて積算する。
《計算》
スチレン・モル=N(S)=(スチレン領域A+aPS領域B)/5
aPS・モル=N(aPS)=(aPS領域B)/2
エチレン・モル=N(E)=(領域C−N(S)*3)/4
N(iS)/N(E)=N(S)−N(aPS)/N(E)
E重量%=N(E)*28/(N(E)*28+N(S)*104)
S重量%(合計)=N(S)*104/(N(E)*28+N(S)*104)
aPS重量%=N(aPS)*104/(N(E)*28+N(S)*104)
iS重量%=(N(S)−N(aPS))*104/(N(E)*28+N(S)*104)
iSモル%=(N(iS)/N(E))*100/(1+(N(iS)/N(E))
N(ビニル)=領域D/3
鎖長=(N(E)+N(iS))/N(ビニル)
鎖当たりiS単位=(N(S)−N(aPS))/N(ビニル)
鎖当たりE単位=N(E)/N(ビニル)
平均分子量(Mn)=鎖当たりiS単位*104+鎖当たりE単位*28
《生成物中の全スチレンのモル百分率を測定するためのFTIR法》
FTIRは、16スキャンを有するパイク(Pike)マップ(Mapp)IRアクセサリーを用いて反射モードでブルーカー・エキノックス(Equinox)55+IRスコープ(Scope)IIにより実施した。全スチレン対エチレンの比率は、4330cm-1及び1602cm-1のバンド高さの比率から得た。この方法は、或る範囲の既知のスチレン含量を有するエチレン−スチレンコポリマーのセットを用いてキャリブレーションした。
ポリマー生成物の全スチレン含量(全スチレンのモル百分率)は、エチレン−スチレンコポリマー中に導入されたスチレン及び生成物サンプル中の何れものバックグラウンド・ホモポリスチレン(PS)の両方を含む。実施例3及び4に用いたエチレン−スチレン共重合条件に対して、ホモポリスチレン・バックグラウンド量は、3.5重量%(1モル%)より少なく、そして生成物収量が増加するにつれて(百分率の値で)減少する。1H−NMRによって分析された本発明の或る態様により製造された生成物について、ホモポリスチレン含量は常に3.5重量%未満(実施例3.6では、生成物収量=82mg)であり、そしてより典型的には、生成物収量又は100mg以上に対して2重量%未満であった。
《リガンド例》
下記リガンドは、これらの例の一部に用いる。
Figure 2005522540
(Ligand = リガンド)
《リガンド合成例、一般》
1H−NMRスペクトルを、CDCl3中のリガンド溶液について記録した。そして該スペクトルを、内部標準としての残留のクロロホルム又はTMSに対して報告する。質量スペクトルを、70eVでEIにより得た。クロマトグラフィーは、シリカゲル(230〜400メッシュ)上でのフラッシュクロマトグラフィーを称する。使用した溶媒は全て、無水であり、そして公知の技術によって精製した。化学薬品は、4−tert−ブチル−2−フェニルフェノール(アヴォカド(Avocado))、キサントフォス(xantphos)及び2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ビフェニル(ストレム(Strem))、及びベンゼンボロン酸(ランカスター(Lancaster))を除いて、全てアルドリッチ社(Aldrich)から購入した。
《実施例1》
《リガンドの合成》
本例は、出発材料を適切に変えながら、本発明に使用する種々のリガンドに対して用いた一般的合成経路を記載する。
リガンドA:
Figure 2005522540
《反応工程式1:リガンドAの合成》
HCl(37%、4mL)中の4−クロロ−2−ニトロアニリン(269mg、1.6ミリモル)の懸濁液に、0℃でH2O(1mL)及びNaNO2 (H2O中2.5M溶液720μL、1.6ミリモル)を添加する。室温で10分間攪拌した後、得られる溶液を、0℃でH2O(10mL)及びMeOH(10mL)中の4−tert−ブチル−2−フェニルフェノール(362mg、1.6ミリモル)及びNaOH(2g、50ミリモル)の溶液に滴下して添加する。添加が完了した後に沈殿が生じ、これを濾過し、酢酸エチルに溶解し、H2O及びブラインで洗浄し、そしてNa2SO4上で乾燥する。溶媒の除去後、固体をEtOH(10mL)及びNaOH水溶液(H2O中2M溶液7mL、14ミリモル)の混合物中に懸濁する。Zn(700mg、10.8ミリモル)を添加し、そして得られる混合物を90℃で30分間攪拌する。濾過後、H2O中NH4Clの溶液を添加し、その混合物を酢酸エチルで抽出し、そして合した有機層をブラインで洗浄しそしてNa2SO4上で乾燥する。溶離剤としてヘキサン/塩化メチレン(10/1)を用いるシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによる精製は、黄色の固体として所望生成物145mg(0.385ミリモル、24%)を与える。1H−NMR(CDC13,400MHz):δ11.38(s,1H),8.39(d,J=2.5Hz,1H),7.92(d,J=1.5Hz,1H),7.87(d,J=7Hz,1H)7.64(dd,J=1.5Hz/7Hz,2H),7.50−7.35(m,5H),1.41(s,9H)。GC−MS中1つのピーク,m/z377。
リガンドB、C、D、E、H及びJは、リガンドAに対して用いた合成方法に従って調製した。リガンドFはアルドリッチ(CAS登録(CAS registry)#3864−99−1)から購入し、そしてリガンドGは、ランカスター(CAS登録#3864−71−7)から購入した。
《2位にアリール置換を有するフェノールの合成》
《リガンド前駆体1》
Figure 2005522540
《反応工程式2:リガンド前駆体1の合成》
反応工程式2に従って、無水THF(50mL)中の2−ブロモ−4−メチルアニソール(10g、49.7ミリモル)の溶液に、−78℃でn−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M溶液32.6mL、52.2ミリモル)を添加する。−78℃で10分間及び室温で1時間攪拌後、溶液を再度−78℃まで冷却し、そしてトリイソプロピルボレート(12.6mL、52.2ミリモル)を徐々に添加する。溶液を室温で1時間攪拌した後、H2O中NH4Clの溶液を添加する。その混合物をエーテルで抽出し、そして合した有機層をブラインで洗浄しそしてNa2SO4上で乾燥する。エーテルから粗製生成物を再結晶させて、白色の固体としてボロン酸(33.7ミリモル、68%)5.6gを得る。
アルゴンの雰囲気下に、DME(40mL)中ボロン酸(3.73g、22.5ミリモル)、1−ブロモナフタレン(5g、20ミリモル)、及びPd(PPh34(462mg、0.4ミリモル)の溶液に、Na2CO3(H2O中2M溶液10mL、20ミリモル)を添加する。80℃で12時間攪拌後、H2Oを添加し、そして得られる混合物をエーテルで抽出する。合した有機層をブラインで洗浄しそしてNa2SO4上で乾燥する。溶媒の除去後、粗製生成物5gを得る。
次いで、無水塩化メチレン(30mL)中に前記粗製生成物を溶解し、そして次いで、この溶液にBBr3の溶液(塩化メチレン中1M溶液24mL、24ミリモル)を添加する。溶液を室温で1時間攪拌した後、ブラインを添加する。この混合物を塩化メチレンで抽出し、そして合した有機層をブラインで洗浄しそしてNa2SO4上で乾燥する。溶離剤としてヘキサン/酢酸エチル(10/1)を用いるシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによる精製は、黄色の固体として所望生成物3.3g(14.1ミリモル、71%)を与える。1H−NMR(CDC13,400MHz):δ7.95(d,J=8Hz,2H),7.71(d,J=8Hz,1H),7.62−7.45(m,4H),7.21(d,J=8Hz,1H),7.11(s,1H),6.98(d,J=8Hz,1H),2.39(s,3H)。13CNMR(CDC13,100MHz):δ150.9,134.2,133.9,131.8,131.5,130.0,129.7,128.7,128.4(2x),128.1,126.7,126.3,126.0,125.7,115.3,20.5。GC−MS中1つのピーク,m/z234。
《2位及び4位にバリエーションを有するフェノールの合成》
《リガンド前駆体2》
Figure 2005522540
(xantphos = キサントフォス; 2-(di-t-butylphosphino)biphenyl = 2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ビフェニル)

《反応工程式3:リガンド前駆体2の合成》
反応工程式3に従って、アセトン(20mL)中4−ブロモ−2−クロロフェノール(4.66g、22.45ミリモル)、ヨードメタン(3.1mL、50ミリモル)、及び粉末K2CO3(13.8g、100ミリモル)の混合物を65℃で1時間攪拌する。濾過及び溶媒の除去後、白色の固体として4−ブロモ−2−クロロアニソール4.3g(19.4ミリモル、86%)を得る。
次いで、トルエン(10mL)中Pd(dba)2(60mg、0.1ミリモル)及びキサントフォス(120mg、0.2ミリモル)の溶液に、4−ブロモ−2−クロロアニソール(1g、4.52ミリモル)、加えて2,6−ジメチルベンゼンチオール(640μL、4.8ミリモル)及びNaOtBu(770mg、8ミリモル)を添加する。得られる混合物を110℃で3時間攪拌後、H2O中NH4Clの溶液を添加し、その混合物をヘキサンで抽出し、そして合した有機層をブラインで洗浄しそしてNa2SO4上で乾燥する。
溶離剤としてヘキサン/酢酸エチル(10/1)を用いるシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによる精製は、黄色の油として所望のアニソールチオールエーテル1.15g(4.14ミリモル、92%)を与える。THF(3mL)中Pd(OAc)2(11mg、0.05ミリモル)及び2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ビフェニル(30mg、0.1ミリモル)の溶液に、アニソールチオエーテル(278mg、1ミリモル)、ベンゼンボロン酸(183mg、1.5ミリモル)及びCsF(456mg、3ミリモル)を添加する。得られる混合物を室温で16時間、60℃で4時間攪拌し、次いで濾過する。溶離剤としてヘキサン/酢酸エチル(20/1)を用いるシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによる精製は、黄色の固体(粗製生成物)として所望の2−フェニル−置換アニソールチオエーテル293mg(0.92ミリモル、92%)を与える。
無水塩化メチレン(5mL)中の粗製生成物の溶液に、BBr3(塩化メチレン中1M溶液1.5mL、1.5ミリモル)を添加する。溶液を室温で30分間攪拌した後、ブラインを添加する。この混合物を塩化メチレンで抽出し、そして合した有機層をブラインで洗浄しそしてNa2SO4上で乾燥する。溶離剤としてヘキサン/酢酸エチル(20/1)を用いるシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによる精製は、黄色の固体として所望生成物143mg(0.47ミリモル、47%)を与える。1H−NMR(CDC13,400MHz):δ7.53−7.37(3,6H),7.25−7.12(m,2H),6.97(dd,J=1.3Hz/1.3Hz,1H),6.83(dd,J=1.3HZ/1.3Hz,2H),5.12(s,1H),2.48(s,6H)。GC−MS中1つのピーク,m/z306。
《実施例2》
《金属リガンド錯体の合成》
下記の錯体を本発明において調製する(Bz=ベンジル=CH2Ph)。
Figure 2005522540
(Complex = 錯体)
《錯体1》
リガンドA(630mg、1.67ミリモル)をC66(3mL)中に溶解した。固体Zr(CH2Ph)4(380mg、0.84ミリモル)を添加し、そしてこの混合物を60℃で1時間加熱した。溶媒を除去した後、得られた赤橙色固体を煮沸ペンタン(15mL)中で抽出しそして濾過した。濾液の容量を5mLまで縮め、そしてその濾液を一晩−35℃まで冷却した。橙色の沈殿を集め、冷ペンタンで洗浄し、そして真空乾燥した(565mg、収率65%)。1H−NMR(C6625C):δ8.50(s,2H,OAr),7.94(d,4H,ベンゾトリアゾールAr),7.69(s,2H,OAr又はベンゾールトリアゾール(benzoltriazole)Ar),7.45(s,2H,OAr又はベンゾールトリアゾールAr),7.1−7.5(オーバーラップ(overlapping)m,10H,CH2Ph),6.2−6.7(m,10H,Ph),2.4(dd,Zr(CH2Ph),1.28(s,18H,tBu)。
《錯体2》
錯体1に記載したと同様な方法により、リガンドB(77mg、0.19ミリモル)及びZr(CH2Ph)4(46mg、0.10ミリモル)から錯体2を調製した。1H−NMRデータは提示した式と一致した。
《錯体3》
錯体1に記載したと同様な方法により、リガンドC(88mg、0.20ミリモル)及びZr(CH2Ph)4(46mg、0.10ミリモル)から錯体3を調製した。1H−NMRデータは提示した式と一致した。
《錯体4》
錯体1に記載したと同様な方法により、リガンドD(71mg、0.21ミリモル)及びZr(CH2Ph)4(48mg、0.11ミリモル)から錯体4を調製した。1H−NMRデータは提示した式と一致した。
《錯体5》
錯体1に記載したと同様な方法により、リガンドE(75mg、0.23ミリモル)及びZr(CH2Ph)4(58mg、0.13ミリモル)から錯体5を調製した。1H−NMRデータは提示した式と一致した。
《錯体6》
錯体1に記載したと同様な方法により、リガンドF(371mg、1.04ミリモル)及びZr(CH2Ph)4(225mg、0.50ミリモル)から錯体6を調製した。1H−NMRデータは提示した式と一致した。
《実施例3〜4》
《エチレン−スチレン共重合試験》
不活性雰囲気ドライボックス内に設けられた平行圧力反応器(前記した特許及び特許出願中に記載されている)中で重合反応を実施した。不活性雰囲気ドライボックス中の平行圧力反応器に隣接して設けられた1mLバイアルの配列中で、金属リガンド錯体又は組成物のアルキル(13群(group13)試薬)及び活性剤溶液との予備混合を実施した。液体分取自動装置を用いて1mLバイアルへ/から液体を添加し/取り出しそして平行圧力反応器中に溶液及び液体試薬を注入した。
《触媒組成物の注入前の重合反応器の準備》
予め秤量したガラスバイアルインサート及び使い捨て攪拌櫂を、反応器の各反応容器に取り付けた。次いで、反応器を閉じ、各例に対して「プレミックス・アルキル」として用いる同じ13群試薬のトルエン中の0.02M溶液0.10mL、続いてトルエン3.8mLを、弁を通して各圧力反応容器中に注入した。次いで、温度を110℃に設定し、そして攪拌速度を800rpmに設定し、そして混合物を100psi圧でエチレンに暴露した。重合試験の最終まで、受圧器中のエチレン圧力100psi及び温度設定をコンピュータ制御によって維持した。
《プレミックス・アルキル及び活性剤原液の調製》
活性剤溶液は、試薬を溶解するために約85℃まで加熱されたトルエン中の[PhNMe2H]+[B(C654-(N,N’−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、「ABF20」)の2.5mM溶液、又は[PhN((CH2n"CH32H]+[B(C654-(式中、n”は[PhNR2H]+[B(C654-として表2aに示した14、16又は18である)の2.5mMトルエン溶液又はB(C653の7.5mMトルエン溶液である。プレミックス・アルキル(「13群試薬」)溶液は、アクゾ−ノーベル・ポリメチルアルミノキサン(Akzo-Nobel polymetylaluminoxane)改良法(PMAO−IP)の0.050M溶液又はアクゾ−ノーベル改質メチルアルミノキサン−3A(MMAO)の0.050M溶液、又は無水ジイソブチルアルミニウム(diisobutyl aluminum hydride)(DIBAL−H)の0.20M溶液である。「13群試薬」溶液は全てトルエン中の溶液であった。活性剤合成、例えば、3.7、3.8、3.9及び3.11については、WO02/02577を参照されたい。
《重合》
圧力反応器容器(下記)中への溶液の注入後、重合温度110℃で表1b、2b、3b及び4bに示した時間(各例では「実施時間」として表示)に亘り重合反応を継続させ、その間、温度及び圧力はコンピュータ制御によって予め設定されたレベルに維持した。重合時間は、最大の望ましい重合反応時間又は重合反応において消費されるエチレンガスの予定量に対して要する時間のうち少ない方であった。反応時間が経過した後、反応器に送られる過圧の二酸化炭素の添加によって反応を急冷した。
《生成物仕上げ》
重合反応後、ポリマー生成物及び溶媒を含むガラスバイアルインサートを受圧器から取り出しそして不活性雰囲気ドライボックスから取り出し、そして揮発物を遠心真空エバポレータ(centrifuge vacuum evaporator)を用いて除去した。大部分の揮発分を蒸発させた後、真空炉(vacuum oven)中75℃で充分にバイアル内容物を乾燥した。次いで、バイアルを秤量してポリマー生成物の収量を測定した。次いで、生成したポリマーの分子量を測定するために前記のように、ラピッドGPCにより、そしてスチレン含量を測定するためにFTIR分光分析法により、ポリマー生成物を分析した。スチレン導入量及びビニル末端基含量に対して1H−NMR分光分析法を用いて、選択したサンプルを更に分析した。
《実施例3》
《金属リガンド錯体を用いたエチレン−スチレン共重合》
エチレン及びスチレンの共重合に対して種々の金属−リガンド錯体を用いて12の重合反応を実施した。以下の記載について、1mLバイアルに及び予備加圧した重合反応容器に添加した試薬溶液の容量を、表1a及び2aに示す。重合結果及び生成物データを、表1b及び2bに示す。
《実施例3.1〜3.12における(「重合反応器の準備」後及び「重合」の直前の)圧力反応器容器中への溶液の注入》
最初に、0.050M13群試薬溶液の適切な量(「プレミックス・アルキル容量」)(例えば、実施例3.1においてPMOA−IPの0.050M溶液0.040mL)を1mLバイアル中に分取した。次いで、金属−リガンド錯体のトルエン溶液の適切な量(「錯体容量」)を1mLバイアルに添加した(例えば、実施例3.1において錯体1の5mM溶液(0.40μモル)0.080mL)。この混合物を室温で1分間保持し、その間にスチレン0.420mLをその直後にトルエン0.380mLを、予備加圧した反応容器中に注入した。次いで、適切な量(「活性剤容量」)の活性剤溶液(例えば、実施例3.1においてN,N’−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(「ABF20」)の2.5mMトルエン溶液(0.44μモル)0.176mL)を1mLバイアルに添加した。実施例3.6において、他の試薬の添加前に1mLバイアルにトルエン0.40mLを添加し、プレミックス・アルキル、錯体及び活性剤溶液の添加後の1mLバイアル内容物の全容量を0.724mLにした。実施例3.12において、他の試薬の添加前に1mLバイアルにトルエン0.185mLを添加し、プレミックス・アルキル、錯体及び活性剤溶液の添加後の1mLバイアル内容物の全容量を0.370mLにした。30秒後、適切な容量(1mLバイアル内容物の全容量に「注入率(injection fraction)」を乗じた量として計算される「注入容量」)を1mLバイアルから吸引しそして予備加圧した反応容器中に注入し(例えば、実施例3.1において、この量は全容量0.296mLに「注入率」0.25を乗じた量に相当し、注入容量0.074mLを与え、これは錯体0.10μモルに相当する)、その直後に予備加圧した重合反応容器中にトルエン約0.7mLを注入して、加圧反応容器中の全溶液容量を5.5mLにした。次いで、重合及び生成物仕上げを前記のように実施した。
《実施例4》
《リガンド/金属組成物の調製及びリガンド/金属組成物を用いたエチレン/スチレン共重合》
下記の記載について、1mLバイアル及び予備加圧した重合反応容器に添加した試薬溶液の容量を表3a及び4aに示す。重合結果及び生成物データを表3b及び4bに示す。
《金属−リガンド組成物の現場調製》
原液を以下のように調製した。「金属前駆体溶液」は、トルエン中Zr(CH2Ph)4又はHf(CH2Ph)4又はZr(NMe24又はHf(NMe24の10mM溶液である。「リガンド溶液」は、1mLガラスバイアル中に25mMリガンド溶液(0.80μモル)0.032mLを分取することによって1mLガラスバイアルの配列中に調製した、トルエン中の代表的(representative)リガンドの25mM溶液(0.80μモル)である。リガンド/トルエン溶液を含む各1mLガラスバイアルに金属前駆体溶液(0.40μモル)0.040mLを添加して、金属−リガンド結合溶液を形成した。
実施例4.1〜4.4及び4.6〜4.9において、反応混合物を70℃まで1時間加熱し、その後、生成物周囲温度まで冷却した。アルキル化及び活性剤溶液の添加前に、金属−リガンド結合溶液の容量(溶媒蒸発により減少)を測定し、そしてこの「初期溶媒容量」を、その後の、バイアル内容物全容量及び「注入容量」の計算に用いた。実施例4.3及び4.4において、この段階で1mLバイアルに追加のトルエン0.10mLを添加した。
実施例4.5及び4.10において、反応混合物を80℃まで1.5時間加熱し、その後、生成物を周囲温度まで冷却した。1mLバイアル上にアルゴンの流れをブローすることによって、反応混合物を完全に乾燥した。プレミックス・アルキル(13群試薬)溶液及び活性剤溶液の添加前に、金属−リガンド結合溶液を含む1mLバイアルに或る容量(「初期溶媒容量」として表3aに示した)のトルエンを添加した。この「初期溶媒容量」は、その後の、バイアル内容物全容量及び「注入容量」の計算に用いた。
《実施例4.1〜4.10における(「重合反応器の準備」後及び「重合」の直前の)圧力反応器容器中への溶液の注入》
リガンド−金属組成物に、(各例について表3a又は4aに示した)容量のトルエン中の1−オクテンの500mM溶液を添加した。次いで、(各例について表3a又は4aに示した)適切な量の13群試薬溶液を、1mLバイアルに添加した。この混合物を、実施例4.1〜4.4については1分間又は4.5及び4.10については10分間室温で保持し、その間に、スチレン0.420mL、その直後にトルエン0.380mLを、予め加圧された反応容器中に注入した。次いで、(各例について表3a又は4aに示した)適切な量の「活性剤溶液」を1mLバイアルに添加した。30秒の待ち時間の後、1mLバイアル内容物の全容量(「注入容量」)の或る率(表3a又は4aに示した「注入率」)の量を予備加圧した反応容器中に注入し、その直後にトルエン約0.7mLを注入して、予備加圧した反応容器中の全溶液容量を5.5mLにした。次いで、重合及び生成物仕上げを前記のように実施した。
表1a:単離錯体を用いたエチレン−スチレン共重合試験:
溶液プレミックス及び注入詳細
Figure 2005522540
表1b:単離錯体を用いたエチレン−スチレン共重合試験:重合詳細及び結果
Figure 2005522540
表2a:単離錯体を用いたエチレン−スチレン共重合試験:
溶液プレミックス及び注入詳細
Figure 2005522540
表2b:単離錯体を用いたエチレン−スチレン共重合試験
Figure 2005522540
表3a:ジルコニウム金属−リガンド組成物の現場調製及び溶液プレミックス及び注入
Figure 2005522540
表3b:ジルコニウム金属−リガンド組成物を用いたエチレン−スチレン共重合の結果
Figure 2005522540
表4a:ハフニウム金属−リガンド組成物の現場調製及び溶液プレミックス
及び注入詳細
Figure 2005522540
表4b:ハフニウム金属−リガンド組成物を用いたエチレン−スチレン共重合の結果
Figure 2005522540
前記のように、本発明の態様は、限定的でなく、ワックス、潤滑剤、添加剤、加工助剤などを含む、多数の有用な製品を提供する。ワックスは、ペイント及び塗料、印刷インク、カーボン紙、フォトトナー、建築及び建設材料、離型剤、ホットメルト接着剤、キャンドルを調製するのに用いることができる。ワックスは、木材加工、金属工作、粉末冶金及び焼結、ワックスモデリング、サイジング、作物保護などにも用いることができる。
本発明を限定した数の態様に関して記載してきたが、これらの態様は、本明細書中で他に記載しそして特許請求の範囲に記載したように、本発明の範囲を限定することを意図するものでない。そこから変化及び変形が生じる。特許請求の範囲は、本発明の範囲内に入る前記の変化及び変形の全てを包含することを意図する。


Claims (15)

  1. 15,000より小さい分子量を有するエチレンとビニル芳香族モノマーとのコポリマーを含有する製品。
  2. 前記コポリマーが、第一の末端基がメチル基であり、第二の末端基がビニル基であり、該末端メチル基対末端ビニル基の比率が0.8:1〜1:0.8である、第一及び第二の末端基を有する主鎖を特徴とする、請求項1に記載の製品。
  3. 前記コポリマーの主鎖が実質的にビニリデン基を含まない、請求項2に記載の製品。
  4. 前記製品がワックスである、請求項1又は2に記載の製品。
  5. 前記製品がホットメルト接着剤である、請求項1又は2に記載の製品。
  6. 前記製品が静電トナーである、請求項1又は2に記載の製品。
  7. 前記製品が潤滑剤である、請求項1又は2に記載の製品。
  8. 前記コポリマーが官能基を含む、請求項1又は2に記載の製品。
  9. 前記官能基が、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、無水物基、アミン基、アミド基、カルボン酸基、エステル基、エーテル基、又はニトリル基を含む、請求項8に記載の製品。
  10. ポリマーを官能化する方法であって、
    第一の末端基がメチル基であり、第二の末端基がビニル基であり、該末端メチル基対末端ビニル基の比率が0.8:1〜1:0.8である、第一及び第二の末端基を有する主鎖を特徴とする、15,000より小さい分子量を有するエチレンとビニル芳香族モノマーとのコポリマーを得ることと、及び
    前記ビニル基の官能化を実施して官能化ポリマーを調製すること
    とを含む方法。
  11. 前記官能化が塩素化である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記官能化がエポキシ化である、請求項10に記載の方法。
  13. 前記官能化が酸化である、請求項10に記載の方法。
  14. 前記官能化がカルボキシル化である、請求項10に記載の方法。
  15. 前記官能化がスルホン化である、請求項10に記載の方法。

JP2003584133A 2002-04-12 2003-04-09 エチレンとビニル芳香族モノマーとの低分子量コポリマー及びその用途 Pending JP2005522540A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US37249502P 2002-04-12 2002-04-12
PCT/US2003/010844 WO2003087178A1 (en) 2002-04-12 2003-04-09 Low molecular weight copolymer of ethylene and vinyl aromatic monomer and uses thereof

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005522540A true JP2005522540A (ja) 2005-07-28
JP2005522540A5 JP2005522540A5 (ja) 2006-06-01

Family

ID=29250863

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003584133A Pending JP2005522540A (ja) 2002-04-12 2003-04-09 エチレンとビニル芳香族モノマーとの低分子量コポリマー及びその用途

Country Status (8)

Country Link
US (1) US7259219B2 (ja)
EP (1) EP1495059B1 (ja)
JP (1) JP2005522540A (ja)
AT (1) ATE327265T1 (ja)
AU (1) AU2003221701A1 (ja)
DE (1) DE60305473T2 (ja)
ES (1) ES2262992T3 (ja)
WO (1) WO2003087178A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007140517A (ja) * 2005-11-14 2007-06-07 Xerox Corp クリスタリンワックスを含むトナー
JP2011057756A (ja) * 2009-09-07 2011-03-24 Mkv Dream Co Ltd 農業用フィルム
JP2012532957A (ja) * 2009-07-08 2012-12-20 ザ ルブリゾル コーポレイション 分散性粘度調整剤

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20040167270A1 (en) * 2003-02-25 2004-08-26 Dane Chang Fugitive pattern for casting
KR101196201B1 (ko) * 2004-05-05 2012-11-05 스타이런 유럽 게엠베하 내스크래치성 프로필렌 중합체 조성물
CN1946791B (zh) * 2004-05-05 2010-05-12 陶氏环球技术公司 耐擦划丙烯聚合物组合物
US7161247B2 (en) 2004-07-28 2007-01-09 Cabot Microelectronics Corporation Polishing composition for noble metals
WO2006066126A2 (en) * 2004-12-16 2006-06-22 Symyx Technologies, Inc. Phenol-heterocyclic ligands, metal complexes, and their uses as catalysts
JP5551360B2 (ja) 2005-07-11 2014-07-16 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー シラングラフトオレフィンポリマー、それらから調製される組成物および物品、ならびにそれらの製造方法
WO2007078697A1 (en) * 2005-12-29 2007-07-12 Dow Global Technologies Inc. Low molecular weight ethylene interpolymers, methods of making, and uses thereof
MY148143A (en) * 2006-03-03 2013-03-15 Indspec Chemical Corp Resorcinol-blocked isocyanate compositions and their applications
CN101395193B (zh) * 2006-03-03 2014-03-12 茵迪斯佩克化学公司 间苯二酚树脂封闭的异氰酸酯及其应用
CN103214624A (zh) 2006-06-15 2013-07-24 陶氏环球技术有限责任公司 官能化烯烃共聚体、组合物和由其制成的制品、以及它们的制造方法
WO2008019400A2 (en) * 2006-08-10 2008-02-14 Adco Products, Inc. Curable sealing method and compositon
US20080064800A1 (en) * 2006-09-08 2008-03-13 Bruce Edward Wade Poly(vinyl butyral) Dispersions Comprising a Non-Ionic Surfactant
US20090286944A1 (en) * 2008-05-15 2009-11-19 Symyx Technologies, Inc. Select phenol-heterocycle ligands, metal complexes formed therefrom, and their uses as catalysts
TWI453199B (zh) 2008-11-04 2014-09-21 Alcon Inc 用於眼用鏡片材料之紫外光/可見光吸收劑
US9139893B2 (en) 2008-12-22 2015-09-22 Baker Hughes Incorporated Methods of forming bodies for earth boring drilling tools comprising molding and sintering techniques
US8236886B2 (en) * 2009-07-30 2012-08-07 Equistar Chemicals, Lp Adhesive compositions
US10342886B2 (en) 2016-01-26 2019-07-09 S.C. Johnson & Son, Inc. Extruded wax melt and method of producing same
US10010638B2 (en) 2016-06-14 2018-07-03 S. C. Johnson & Son, Inc. Wax melt with filler
US11066494B2 (en) 2018-09-20 2021-07-20 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Amine bridged anilide phenolate catalyst compounds

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1184721A (ja) * 1997-01-17 1999-03-30 Mitsui Chem Inc 熱定着型電子写真用現像材
WO2000046258A1 (en) * 1999-02-04 2000-08-10 The Dow Chemical Company Functionalized ethylene/vinyl or vinylidene aromatic interpolymers
JP2001002731A (ja) * 1999-04-23 2001-01-09 Mitsui Chemicals Inc 低分子量エチレン系重合体

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE472003A (ja) 1941-08-30
US3271121A (en) 1963-03-14 1966-09-06 Sinclair Research Inc Ethylene-styrene copolymer as pour point depressant
FR1480529A (fr) 1965-05-28 1967-05-12 Huels Chemische Werke Ag Procédé de préparation de résines thermodurcissables par époxydation de copolymères d'oléfines
JPS5945308A (ja) * 1982-09-09 1984-03-14 Mitsubishi Chem Ind Ltd スルホン化エチレン共重合体
US4943383A (en) 1988-06-23 1990-07-24 Mobil Oil Corporation Novel lubricant epoxides
JP2735847B2 (ja) 1988-12-12 1998-04-02 三菱レイヨン株式会社 トナー用重合体の製造法
JP3363904B2 (ja) * 1993-10-26 2003-01-08 出光興産株式会社 分岐状エチレン系マクロモノマー及びそれを用いた重合体
TW473503B (en) 1996-09-04 2002-01-21 Dow Chemical Co Substantially random interpolymer comprising Α-olefin/vinyl aromatic monomer and/or hindered aliphatic or cycloaliphatic vinyl or vinylidene monomers, ethylene/styrene copolymer, and process for preparing Α-olefin/vinyl aromatic monomer interpoly
US6194114B1 (en) 1997-01-17 2001-02-27 Mitsui Chemicals, Inc. Heat-fixable developer for electrophotography
JP3858397B2 (ja) 1997-01-30 2006-12-13 三井化学株式会社 芳香族ポリマー用顔料分散剤
ZA989553B (en) 1997-10-21 2000-04-20 Dow Chemical Co Sulfonated substantially random interpolymers, blends therewith and articles made therefrom.
JP2000038418A (ja) * 1998-07-24 2000-02-08 Idemitsu Petrochem Co Ltd ポリオレフィンの製造方法
DE19850243A1 (de) * 1998-10-31 2000-05-11 Basf Coatings Ag Flüssige Stoffgemische und (Co)Polymerisate, Verfahren zu ihrer Herstellung und ihre Verwendung zur Herstellung von reaktiven Mehrstoffmischungen
ATE343601T1 (de) 2000-06-20 2006-11-15 Basf Ag Oxidierte polyolefinwachse

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1184721A (ja) * 1997-01-17 1999-03-30 Mitsui Chem Inc 熱定着型電子写真用現像材
WO2000046258A1 (en) * 1999-02-04 2000-08-10 The Dow Chemical Company Functionalized ethylene/vinyl or vinylidene aromatic interpolymers
JP2001002731A (ja) * 1999-04-23 2001-01-09 Mitsui Chemicals Inc 低分子量エチレン系重合体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007140517A (ja) * 2005-11-14 2007-06-07 Xerox Corp クリスタリンワックスを含むトナー
JP2012532957A (ja) * 2009-07-08 2012-12-20 ザ ルブリゾル コーポレイション 分散性粘度調整剤
JP2011057756A (ja) * 2009-09-07 2011-03-24 Mkv Dream Co Ltd 農業用フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
EP1495059B1 (en) 2006-05-24
DE60305473D1 (de) 2006-06-29
EP1495059A1 (en) 2005-01-12
US20050165192A1 (en) 2005-07-28
US7259219B2 (en) 2007-08-21
AU2003221701A1 (en) 2003-10-27
ES2262992T3 (es) 2006-12-01
WO2003087178A1 (en) 2003-10-23
ATE327265T1 (de) 2006-06-15
DE60305473T2 (de) 2006-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7259219B2 (en) Low molecular weight copolymer of ethylene and vinyl aromatic monomer and uses thereof
TWI237645B (en) Process for producing a polymer of an alpha-olefin and lubricant
JP2684154B2 (ja) 付加重合触媒及びその使用法
EP0991677B1 (en) Process for the preparation of copolymers of ethylene with alpha-olefins
AU687231B2 (en) Supported ionic catalyst composition
EP1477499B1 (en) PROCESS FOR PRODUCING HIGH-FLuidity 1-BUTENE-based POLYMER
JP5074202B2 (ja) 高結晶性高級α−オレフィン系重合体及びその製造方法
TW200404815A (en) Process for producing highly flowable propylene polymer and highly flowable propylene polymer
KR20010105390A (ko) 올레핀 중합체 및 그의 제조 방법
JPH07502771A (ja) エチレンインターポリマーの重合
EP1828266A1 (en) Metallocene catalysts, their synthesis and their use for the polymerization of olefins
JPH11513717A (ja) 高圧下にエチレン共重合体を製造する方法
JP4870308B2 (ja) エチレン系共重合体、その製造方法及びそれを含む潤滑油組成物
JP2006342290A (ja) 変性低分子量エチレン系重合体及びその用途
JP4384292B2 (ja) エチレン系共重合体、その製造方法並びにそれを含む樹脂組成物、成形体および潤滑油
JP2010275446A (ja) カレンダー成形用エチレン−α−オレフィン共重合体およびカレンダー成形体
JP5720117B2 (ja) 中空成形食品容器
JP4971860B2 (ja) 感熱性組成物及びそれを用いた熱転写記録媒体
JPH08208733A (ja) オレフィン重合用触媒
JP7555525B1 (ja) 水系潤滑剤組成物
JP2010276128A (ja) チューブ
WO2003040070A2 (en) Dicops containing acetylenic substituents
JP2007046017A (ja) ワックス組成物
JP2002363587A (ja) 潤滑油用粘度指数向上剤および潤滑油組成物
WO2024195445A1 (ja) 水系潤滑剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060404

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060404

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100316

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100615

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100622

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101116