JP2005522506A - Cc−1065類縁物質改良合成法 - Google Patents

Cc−1065類縁物質改良合成法 Download PDF

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Abstract

細胞標的治療薬合成のための、seco(-)CBI (5-ヒドロキシ-3-アミノ-1-[S]-(クロロメチル)-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール)(I) の改良合成法、および、シクロプロパベンズインドール (CBI) アルキル化性部分を含んでなり、集合的にDC1およびその誘導体である、種々のCC-1065 類縁物質をCC-1065から合成する改良合成法。

Description

本発明は細胞傷害性抗腫瘍抗生物質(例えばCC-1065およびその類縁物質)の合成に関する。特に、本発明は、seco(-)CBI (5-ヒドロキシ-3-アミノ-1-[S]-(クロロメチル)-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール)の改良された合成法、および、これから合成され、細胞標的治療薬中に組み込ませることができる、シクロプロパベンズインドール (CBI) アルキル化性部分を含んでなるCC-1065 類縁物質の改良された合成法を提供する。
CC-1065はストレプトマイセス・ゼレンシス(Streptomyces zelensis)の培養液から単離される細胞傷害性の強い抗腫瘍性抗生物質である。CC-1065分子は、アミド結合で結合された3つの置換ピロロインドールサブユニットからなる。「A」サブユニットはアルキル化性シクロプロパピロロインドール(CPI)部分であり、一方、「B」および「C」サブユニットは同一のピロロインドール部分である。
Figure 2005522506
CC-1065類縁物質と化学的に結合した細胞結合性薬物を含んでなる新規な細胞傷害性薬物-細胞結合性薬物複合体について記載がなされている(米国特許第5,475,092号; 同5,585,499号; 同5,846,545号, R. V. J. Chari et al., Cancer Res., 55, 4079-4084 (1995))。これらの細胞傷害性薬物-細胞結合性薬物複合体は、特定の細胞集団を標的として細胞傷害性薬物を送達することから治療的用途を有する。これらの細胞傷害性薬物のうち、本明細書中でDC1と呼ばれるものおよびその誘導体は、アルキル化性 CPI サブユニット「A」が、ベンゼン環型(benzannelated)類縁物質 シクロプロパベンズインドール (CBI)により置換されている。
CBIユニットは閉環したシクロプロピル形態にて存在するか、または開環型のseco(クロロメチル)形態にて存在することができる。「B」および「C」サブユニットはインドールユニットで置換されている。さらに、末端のインドールユニットは細胞結合性薬物との結合を可能にするための置換基を有している。
Figure 2005522506
CBIは薬物DC1およびその誘導体の合成に必要な前駆体である。CBIの最初の合成法については、D.L. Bogerらにより記載されている(J. Org. Chem., 55, 5823-5833 (1990))。「改良」合成法についても、D.L. Bogerらにより記載されており(J. Org. Chem., 57, 2873-2876, 1992)、この方法は、ナフタレンジオールから出発する15工程からなるものである。様々な出発物質からのCBI合成の他の経路についても記載がなされている(K.J. Drost & M.P. Cava, J. Org. Chem., 56, 2240-2244 (1991), P.A. Aristoff & P.D. Johnson, J Org. Chem., 57, 6234-6239 (1992))。これらの合成系は、長く、時間を要し、費用がかかり、しかも、収率が低いものである。
CBI合成の重要な工程は、seco-CBI段階での光学異性体の分割である。seco(-)光学異性体のみが生物学的に活性であり、不活性な(+)光学異性体を効率的に除去することが重要である。光学異性体の分離は、例えば、キラルHPLCにより達成することができるが、2種の光学異性体間の分離は芳しくないため、seco-CBIに適用する場合、この方法はあまり効率的ではない。加えて、キラルカラムでの最適化された分離も芳しくなく(2種の異性体間の保持時間差は5分未満である)、高度無極性溶媒系、例えば、95% ヘキサンおよび5% イソプロパノールの混合物 (Boger et al., 116, J.Am. Chem Soc., 7996-8006, (1994))などを必要とする。ところが、これらの条件のもとでは、seco-CBIの溶解性は低く、結果として、カラム上での効率性が低く(サンプルを少量しか載せられないため)、従って、処理時間が長くなる。別の方法として、光学異性体混合物をキラル酸(例えば、マンデル酸)を用いたエステル化により1組のジアステレオマーへと変換し、次いでHPLCにより分離することができる。しかしながら、分離したエステルは加水分解した後で再び精製しなければならず、すなわち、余分な処理工程が加わることとなる。
例えば、種々の癌治療におけるDC1およびその誘導体などの薬物の治療的有用性および可能性から、経済的かつ容易に入手可能な出発物質を使用した、簡単で、容易にスケールアップでき、高収率で、安価な方法によりCBIを大量に製造できるように改良された合成方法の開発が切望されている。
本発明は、従来技術の上記欠点に取り組んだ改良合成法を提供する。これらの優位性のすべてとさらなる利点が本明細書中で記載される本発明により提供されることは、以下の開示および実施例を読んだ当業者にとって明らかであろう。
発明の概要
本発明者等は、市販されていて、高価でない化合物1,3-ジヒドロキシナフタレンを出発物質として使用することができ、かつ、わずか7工程で達成しうる、新規の、経済的かつ効率的なseco(-)CBI合成法を見出した。
さらに、本発明者等は、seco(-)CBIを様々なDC1薬へと変換するために関連した柔軟かつ効率的な合成法を提供する。本明細書中に記載するseco(-)CBIの合成スキームと従来の方法とはいくつかの点が相違するが、異なる点の1例としては、主要な前駆体である4-ヒドロキシ-2-ナフチルアミンのアミノ基とヒドロキシル基に対して同じ保護基を使用することがある。すなわち、本明細書中で記載される方法における1実施形態では、従前に記載されているような、別々の、ヒドロキシル基のためのベンジル保護基およびアミン基のためのtert-ブチルオキシカルボニル(t-boc)保護基の代わりに、ジ-tert-ブチルオキシカルボニル (ジ-t-boc)保護化合物を使用する。すなわち、本発明の合成においては、余計な保護または脱保護工程のいくつかが除かれる。これらのおよびその他の改変により、合成時間は短くなり、生成物の収率は大いに向上し、光学異性体の分離も向上した。
本発明においては、2つのt-boc保護基の使用が好ましく、これにより、キラルHPLCカラムで良好に分離されるseco-CBI光学異性体混合物が得られる。さらに、このカラムは極性のより高い溶媒混合物、例えば、20% イソプロパノールを含有する溶媒混合物を用いてサンプルを流すことができ、この溶媒混合物中では該化合物は良好な溶解性を示す。これら2つの特徴は、カラムの積載能力、およびこれによる分離工程の効率を大きく向上させ、それにより、工程時間を大きく短縮する。
このように、第1の態様において、本発明は、式(I):
Figure 2005522506
で表されるseco(-)CBIの製造方法を提供する。この製造方法においては、式(II)で表されるジ保護化合物を使用し、式(II)中Rは、アミノ基およびヒドロキシル基を同一化合物により保護する保護基であり:
Figure 2005522506
また、式(II)の化合物をアルキル化および閉環反応によって変換することにより、式(III):
Figure 2005522506
の化合物により表されるラセミ混合物が得られる。
ラセミ化合物(III)の(-)異性体は、例えば、キラルクロマトグラフィーにより単離することができ、単離された式(III)の化合物の(-)異性体を脱保護することにより式(I)の化合物を製造する。
好ましい実施形態においては、Rはtert-ブチルオキシカルボニルであり、アルキル化工程では1,3-ジクロロプロペンを使用する。
ある実施形態において、式(II)で表される化合物は、アミノ化ならびにヒドロキシル基およびアミノ基の保護により、経済的かつ容易に入手可能な1,3-ジヒドロキシナフタレンなどの出発物質から簡単に製造することができる(図1)。
第2の態様において、本発明は、式(I)で表されるseco(-)CBIの化合物のアミノ基を反応させてペプチド結合を形成させることによるDC1の製造方法を提供する。この場合、seco(-)CBIは本発明の方法に従って製造することができる。
したがって、本発明のこの第2の態様の第1の実施形態では、seco(-)CBIのアミノ基と、例えば、式(IV)の化合物のカルボキシル基とを、好適な条件下で反応させることによりペプチド結合を形成させる。
Figure 2005522506
[式中、R1は、この実施形態においては、式(IV)の化合物内でジスルフィド結合を形成するアルキルまたはアリールチオ基、例えば、アルキルまたはアリールチオール、より具体的には、-S-CH3または-S-ピリジルを表す。]
かかるジスルフィド結合を用いて、DC1化合物と、例えば、標的とする細胞の内部で開裂しうる結合を介して細胞標的薬と結合させることができる。
この実施形態は、化合物(IV)を使用した反応の生成物に相当するDC1化合物の合成にのみ限定されるものではなく、広範なDC1化合物を製造するために容易に適合させることができ、この場合、細胞標的薬と結合しうる基としては、チオまたはジスルフィド基以外の基、例えば、選択する化合物(IV)類縁物質に応じて、酸易変性基、光易変性基、ペプチダーゼ易変性基、又はエステラーゼ易変性基が挙げられる。
本発明のこの態様のさらなる実施形態においては、合成の最終工程として起こるseco(-)CBIの結合は必要としない。すなわち、この実施形態においては、DC1化合物は、ペプチド結合を介した結合により、bis-インドリル部分、ジスルフィド-含有部分、およびseco(-)CBIから合成され、またDC1のこれら3成分を組み立てる順番は重要ではない。例えば、bis-インドリル部分とseco(-)CBIとを、ジスルフィド-含有部分を結合する前に、結合させることができる。
詳細な説明
本発明はseco(-)CBI (5-ヒドロキシ-3-アミノ-1-[S]-(クロロメチル)-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール) (7)の改良合成法を提供し、試薬としてseco(-)CBIを使用するDC1およびその誘導体化合物の改良合成法をも提供する。
任意に、高価でなく、容易に入手可能な出発物質である1,3-ジヒドロキシナフタレンを、seco(-)CBIの合成に使用することができる。
本発明は、式(II):
Figure 2005522506
[式中、Rは本明細書中で定義される保護基である。]
で表される新規化合物をも提供する。
本明細書中で使用する用語「DC1およびその誘導体」とは、アルキル化性サブユニット「A」として、CC-1065のシクロプロパピロロインドール(CPI)ユニットの代わりに、開環したクロロメチル形態のシクロプロパベンズインドール(CBI)サブユニットを有するCC-1065類縁物質を意味する。DC1化合物は、インドールユニットまたはその類縁物質である「B」および「C」サブユニットをさらに含んでなる。「B」および「C」サブユニットはアミド結合により連結しており、「A」サブユニットおよびジスルフィド-含有部分とそれぞれアミド結合を介して結合するためのカルボキシルおよびアミノ官能基を提供する。
したがって、「B」および「C」サブユニットは、特に限定するものではなく、例えば、米国特許第5,585,499号、同第5,475,092号、および同第5,846,545号に開示されている式(V)〜(XII)で表される化合物または関連化合物のいずれかであることができる。
Figure 2005522506
Figure 2005522506
したがって、DC1の「B」および「C」サブユニットは、式(V)〜(XII)の化合物で表されるような、2-カルボキシ-インドールもしくは2-カルボキシ-ベンゾフラン誘導体、またはその両方であることができる。また、天然のCC-1065および、刊行物(例えば、Warpehoski et al, 31 J. Med. Chem. 590-603 (1988), Boger at al, 66 J. Org. Chem. 6654-6661 (2001))に記載されている類縁物質の特性から明らかなように、「B」および「C」サブユニットは、式(V)〜(XII)のR1〜R6の位置に対応するインドールまたはベンゾフラン環上の様々な位置に異なる置換基を担持し、強力な細胞傷害活性を保持することもできる。
式(V)〜(XII)において、R1〜R6は、同じものであっても異なるものであってもよいが、独立して、水素、C1-C3 直鎖状アルキル、メトキシ、ヒドロキシル、1級アミノ、2級アミノ、3級アミノ、またはアミドを表す。1級アミノ基-含有置換基の例としては、メチルアミノ、エチルアミノ、およびイソプロピルアミノが挙げられる。2級アミノ基-含有置換基の例としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、およびエチル-プロピルアミノが挙げられる。3級アミノ基-含有置換基の例としては、トリメチルアミノ、トリエチルアミノ、およびエチル-イソプロピル-メチルアミノが挙げられる。アミド基の例としては、N-メチル-アセトアミド、N-メチル-プロピオンアミド、N-アセトアミド、およびN-プロピオンアミドが挙げられる。
式(V)〜(XII)において、R"は、DC1のジスルフィド-含有部分のカルボキシル基とアミド結合を形成しうる、アミンまたは置換もしくは無置換のC1-C20 アルキルアミンを表す。好ましいR"の実施形態は-NH2である。
DC1の合成で使用するジスルフィド-含有部分はHOOC-R7-S-R8の構造である。式中のR7は、特に限定するものではないが、例えば、置換または無置換C1-C20 アルキル基、ポリエチレングリコールスペーサー等であり得るリンカー領域を表す。したがって、R7は、メチル、直鎖状アルキル、分枝鎖状アルキル、環状アルキル、無置換または置換アリールまたは複素環またはポリエチレングリコール鎖であることができる。R7により表される直鎖状アルキルの例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシルが挙げられる。R7により表される分枝鎖状アルキルの例としては、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソペンチルおよび1-エチル-プロピルが挙げられる。R7により表される環状アルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。R7により表される無置換アリールの例としては、フェニルおよびナフチルが挙げられる。R7により表される置換アリールの例としては、アルキル基、ハロゲン(例えば、Cl、Br、F)、ニトロ基、アミノ基、スルホン酸基、カルボン酸基、ヒドロキシル基またはアルコキシ基で置換されている、フェニルまたはナフチルなどのアリールが挙げられる。R7により表される複素環式化合物は、ヘテロ原子がO、N、またはSから選択される化合物であり、その例としては、フリル、ピロリル、ピリジル、(例えば、2-置換ピリミジン基)およびチオフェンが挙げられる。
R8は任意の好適なチオール脱離基を表し、この基はジスルフィド交換反応を行うことができ、DC1はそれにより、例えば抗体または米国特許第5,475,092号に開示されているいずれかの細胞結合性薬物などの細胞特異的試薬と結合することができる。好ましいR8の実施形態としては-SCH3およびチオピリジルが挙げられる。その他の例としては、-Sアルキル、-Sアリール、グルタチオン、システイン等が挙げられる。
本明細書中で使用する「保護基」(R)とは、それが結合しているアミノまたはフェノール性ヒドロキシル基をさらなる反応から保護することができ、さらに、例えば酸または塩基による処理により、制御された除去が後に可能である、任意の基を表す。例えば、塩基処理に対して安定なアミノ保護基は酸処理により選択的に除去され(逆の場合も同様である)、本発明でseco(-)CBI合成の際アミノ基の保護に使用することができる。かかる基の例としては、FMOC (E. Atherton and R.C. Sheppard in The Peptides, S. Udenfriend, J. Meienhofer, Eds., Academic Press, Orlando, 1987, volume 9, p.1)、およびNsc基により例示される種々の置換スルホニルエチルカルバメート(Samukov et al., Tetrahedron Lett, 1994, 35:7821; Verhart and Tesser, Rec. Trav. Chimr Pays-Bas, 1987, 107:621)が挙げられる。さらなるアミノ保護基としては、限定するものではないが、カルバメート保護基、例えば、2-トリメチルシリルエトキシカルボニル (Teoc)、1-メチル-1-(4-ビフェニリル)エトキシカルボニル (Bpoc)、t-ブトキシカルボニル (BOC)、アリルオキシカルボニル (Alloc)、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル (Fmoc)、ジフェニルオキシカルボニル、2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボニル、ジイソプロピルメチルオキシカルボニル、1-アダマンチルオキシカルボニル、ビニルオキシカルボニル、メトキシベンジルオキシカルボニル、ニトロベンジルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、およびベンジルオキシカルボニル (Cbz); アミド保護基、例えば、ホルミル、アセチル、トリハロアセチル、ベンゾイル、およびニトロフェニルアセチル; スルホンアミド保護基、例えば、2-ニトロベンゼンスルホニル; ならびにイミン-および環状イミド保護基、例えば、フタルイミドおよびジチアスクシノイルが挙げられる。当業者であれば、上記したアミノ保護基と均等なアミノ保護基についても精通している。限定することを意図するものではないが、1例として、アミノ保護基、例えば、2,6-ジニトロベンゼンスルホニル、4-ニトロベンゼンスルホニルまたは2,4-ジニトロベンゼンスルホニル基を使用することもできる。あるいは、スルホニル保護基の代わりに別のアミノ保護基を使用することもできる。
本発明においては、tert-ブトキシカルボニル (BOC)が好ましい。
seco(-)CBIおよびDC1の合成におけるアミド結合の形成は、当業者に公知である様々な物質により触媒することができる。例えば、カルボジイミドを用いて、カルボキシレートとアミンとの間のペプチド結合の形成を仲介するが、水溶性または非水溶性種のカルボジイミドを適宜選択することができる。EDC (1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩)が好ましい。本発明において有用なその他のアミド結合試薬の例としては、スルホ-NHS混合型EDC、CMC (1-シクロヘキシル-3-(2-モルホリノエチル) カルボジイミド)、DCC (ジシクロヘキシルカルボジイミド)、DIC (ジイソプロピルカルボジイミド)、Woodward's 試薬 K、N,N'-カルボニルジイミダゾール、PyBOP (ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-tris-ピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート)、TBTU (2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート)、HBTU (2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート)、BOP (ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-tris-(ジメチルアミノ)-ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート)、PyBrOP (ブロモ-tris-ピロリジノ-ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート)等が挙げられる。
ジ保護seco(-)CBI前駆体である式(III)で表される化合物の(-)光学異性体の単離は、seco(-)CBI合成における重要な工程である。(-)光学異性体の単離は、光学異性体分離の分野における当業者に公知の方法のいずれかにより行うことができる。例えば、キラルマトリックスおよび液体クロマトグラフィーの使用が好ましい。キラルカラムによるHPLCを利用するのが最も好ましい。上述したように、seco(-)CBI (7)ではなくジ保護前駆体に対して(-)光学異性体の分離を行うことが本発明の利点である。好適なキラルマトリックスの例としては、Chiralpak AD カラム (Diacel)、Chiralcel OD、Chiralcel OJ等が挙げられる。
アルキル化または閉環反応に関するものなど、seco(-)CBIおよびDC1合成の特定の態様に対し、本明細書中で適用される「好適な条件」とは、本明細書中の実施例にて開示する特定の方法と、合成する特定のDC1種に適切に適合させた、当業者に公知の均等な方法の両方を表す。
DC1の合成は、アミド結合を介した、seco(-)CBIと、「B」および「C」サブユニットと、ジスルフィド含有部分との結合を必要とする。これらの構成成分が結合する順序は重要ではなく、結合が任意の順序で起こるように合成を容易に適合させることができる。したがって、seco(-)CBIと「B」および「C」サブユニットを先ず初めに結合させてから、ジスルフィド含有部分を結合させるか、あるいは、ジスルフィド含有部分と「B」および「C」サブユニットを先ず初めに結合させてから、seco(-)CBIを結合させることができる。両方の方法について本明細書中の実施例において説明する。
本発明のDC1の合成においては、「B」および「C」サブユニットのアミド結合を介した結合が最初に形成される必要がないということも本発明の範囲内である。したがって、例えば、seco(-)CBIと「B」サブユニットとを結合させ、次いで、「C」サブユニットとジスルフィド含有部分とを結合し、次いで、「B」サブユニットと「C」サブユニット同士の結合によりDC1が合成されるのも本発明の範囲内にある。DC1は4つの部分からなる直線的な配列を含んでなることから、本発明にしたがうDC1の合成の順序の入れ替えの多くが容易に成しうることは明らかであろう。
本発明を以下の非限定的実施例を参照することにより説明する。特に言及しない限り、全てのパーセンテージ、比率、部等は重量により表す。合成例(図1−3)の概要を述べた後、各工程を詳細に説明する。
本明細書中で例示するCBIの改良合成法(図1)は、1,3-ジヒドロキシ-ナフタレン (1)を出発物質とする。圧力容器中、125〜140℃でのアンモニア処理によるアミノ化によって4-ヒドロキシ-2-ナフチルアミン 2が得られ、次いで、ジ-tert-ブチルジカーボネートによる処理によりジ-t-boc化合物 3に変換した。N-ヨードスクシンイミドによるヨード化が収率86%で進行して化合物4を生成し、該化合物4をアルキル化したところ、化合物5が収率93%で得られた。水素化トリブチルスズを用いた2,2'-アゾビスイソブチロニトリル (AIBN)存在下での化合物5の閉環反応は収率94%でおだやかに進行し、ラセミ体ジ-t-boc-seco-CBI 6が収率94%で得られた。ラセミ混合物の分離は、ヘキサン中20% イソプロパノールで溶出するキラルHPLC カラムを用いて容易に行うことができ、この場合、2つの異性体の保持時間は17分間異なり、これにより所望のジ-t-boc-seco (-) CBI異性体 6bが得られた。塩酸による脱保護によりseco(-)CBI、化合物7が得られた。
seco-CBI 7からDC1-SMe 16aへの変換のための2つの独立した合成経路を例示し、経路A(図2)および経路B(図3)と名付ける。
経路A(図2)では、ジスルフィド-含有置換基を担持するbis-インドリル部分を合成し、次いで、最終工程でseco-CBIと結合させた。経路Bでは、bis-インドリル部分をseco-CBIと結合させ、ジスルフィド含有置換基を最終工程で導入した(図3)。
経路Aでは、エチル5-ニトロインドール-2-カルボキシレート (8)(市販されている)を加水分解して酸 9とし、次いで、tert-ブチル エステル 10へと変換した。水素を用いた化合物10の接触還元によりアミノエステル 11が定量的収率で得られた。化合物11と5-ニトロインドール-2-カルボン酸 (9)とのO-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート (TBTU)存在下での結合により、 ニトロ-bis-インドリル エステル 12が収率89%で得られた。接触水素化によるニトロ基の還元、次いで、得られたアミノ化合物 13と3-(メチルジチオ)プロパン酸との結合により化合物14aが得られた。化合物14aのエステル基をトリフルオロ酢酸により加水分解したところカルボン酸 15aが得られた。EDCの存在下で化合物15aをseco-CBIと結合させ、DC1-SMe (16a)が得られた。DC1SMeのジチオトレイトールによる還元によりDC1 (17)が得られた。
経路Bでは、5-ニトロインドール-2-カルボン酸 9を最初にエチル5-アミノインドール-2-カルボキシレート 18と縮合することにより、bis-インドリル エステル 19が得られた。化合物19のアルカリ加水分解、次いで、seco-CBIとの結合により、bis-インドリル-seco-CBI化合物 21が得られた。化合物21のニトロ基の水素によるPd/C上での還元により、アミノ-bis-インドリル-seco-CBI化合物22が得られた。化合物22の3-(メチルジチオ)プロパン酸との結合によりDC1-SMe 16aが得られた。
材料および方法
融点は電熱装置(Electrothermal apparatus)を用いて測定し、測定値の補正は行わなかった。NMRスペクトルはBruker AVANCE400 (400 MHz) スペクトロメーターで記録した。化学シフトは内部標準としてのTMSに対して単位ppmで記録した。マススペクトルはBruker Esquire 3000システムを用いて得られた。紫外スペクトルはHitachi U1200分光光度計で記録した。分析用HPLCは、Beckman Coulter システム GOLD 168 可変波長検出器およびChiralcel OD 4.6×250 mm カラムを装着したBeckman Coulter GOLD 125 システムを用いて行った。分取用HPLCは、自己充填Chiralcel OD 7.5×50 cm カラムを用いて、Hitachi UV 検出器を装着したR & S Technology Zonator システムで行った。薄層クロマトグラフィーはAnaltech GF シリカゲルTLCプレートで行った。フラッシュカラムクロマトグラフィー用シリカゲルはBaker製であった。使用した全ての溶媒は、試薬グレードまたはHPLCグレードであった。
実施例1−5
図1のスキームによるseco(-)CBI (5-ヒドロキシ-3-アミノ-1-[S]-(クロロメチル)-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール)の合成
実施例1
N-(tert-ブチルオキシカルボニル)-4-O-(tert-ブチルオキシカルボニル)-2-ナフチルアミン(3)の製造
1,3-ジヒドロキシナフタレン(1, 50 g, 0.312 mol)を含む液体アンモニア(200 mL)の溶液を、ガラスライナーを含有する1 Lの鉄製ボンベ中に-78℃にて密閉した。反応混合物を1300 psiで激しく攪拌しながら14時間135±10℃に加温した。容器を60℃まで放冷し、アンモニアをゆっくりと放出させた。残存している微量のアンモニアは、アルゴン気流下、60℃にて、THF (2×150 mL)と一緒に蒸発させることにより除去した。中間体4-ヒドロキシ-2-ナフチルアミン (2)は単離しないですぐに、ジ-tert-ブチルオキシカルボニル保護化合物 3に転換した。ジ-tert-ブチル ジカーボネート(175 g、0.801 mol)を含む乾燥THF(300 mL)の溶液とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(140 mL、0.803 mol)を連続してボンベに添加した。ボンベを再び密閉し、内容物を攪拌しながら4時間100℃に加温した。ボンベを室温まで冷却し、ボンベを開けて、残留物を飽和食塩水(800 mL)と酢酸エチル(500 mL)との間で分配させた。水相を酢酸エチル(200 mL×2)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(硫酸マグネシウム)し、ろ過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(1:8〜1:4 酢酸エチル/ヘキサン)および酢酸エチル/エタノール/ヘキサンによる再結晶化により、純粋な77.41 gの表題化合物(3)が得られた(69%)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) 8.14 (d, 1H, J=8.1 Hz), 7.66 (d, 1H, J=8.1 Hz), 7.43 (dd, 1H, J=6.8, 8.2 Hz), 7.35 (dd, 1H, J=6.8, 8.2 Hz), 7.22 (d, 1H, J=1.8 Hz), 7.15 (br, 1H, NH), 6.69 (s, 1H), 1.59 (s, 9H), 1.37 (s, 9H); 13C NMR (CDCl3) 153.71, 152.9, 136.11, 135.20, 128.12, 128.01, 126.81, 126.03, 123.61, 107.94, 102.95, 82.98, 82.10, 28.93, 27.69; MS m/z 382.52 (M+Na)+
実施例2
N-(tert-ブチルオキシカルボニル)-4-O-(tert-ブチルオキシカルボニル)-1-ヨード-2-ナフチルアミン(4)の製造
化合物3 (24.50 g、68.24 mmol)とN-ヨードスクシンイミド (NIS) (17.70 g、74.73 mmol)を含む250 mLのTHF/メタノール (1:1)の溶液を、アルゴン下、暗所、-40℃にて5分間攪拌した。次いで、トルエンスルホン酸 (0.86 g、4.52 mmol)を添加し、反応混合物を、アルゴン下、暗所、-40℃にて2時間、続いて、室温にて2時間攪拌した。混合物をエーテル(800 mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液と飽和食塩水とで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン 1:10)に続いて、所望の生成物が単離された。エタノール/酢酸エチル/ヘキサンから結晶化させたところ、28.46 gの表題化合物4が得られた(86%)。Rf=0.48 (10% 酢酸エチル/ヘキサン)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) 8.27 (d, 1H, J=8.0 Hz), 7.98 (dd, 1H, J=1.5, 8.1 Hz), 7.83 (s, 1H), 7.55 (m, 2H), 7.18 (br, 0.8H, NH), 1.62 (m, 18H); MS m/z 508.36 (M+Na)+
実施例3
2-[N-(tert-ブチルオキシカルボニル)-N-(3-クロロ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-4-O-(tert-ブチルオキシカルボニルオキシ)-1-ヨードナフタレン(5)の製造
化合物 4 (940 mg、1.86 mmol)を含む20 mLの乾燥DMFの溶液に、NaH (鉱油中60%、150 mg、3.75 mmol)をアルゴン雰囲気下で添加した。混合物を0℃にて30分間攪拌した後、E,Z-1,3-ジクロロプロペン (1.50 mL、14.57 mmol)を添加した。反応混合物を0℃にてアルゴン下で2時間攪拌し、次いで、1.0 M NaH2PO4で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン 1:9)を行ったところ、1.01 gの所望の化合物5が得られた(93%)。RfE=0.37、RfZ=0.32 (1:8 酢酸エチル/ヘキサン) (E:Z 塩化ビニルおよびジ-t-boc 回転異性体)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) 8.26 (d, 2H, J=7.7 Hz), 7.96 (m, 2H), 7.59 (br, 4H), 7.20 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 6.17-6.07 (m, 4H), 4.64 (dd, 1H, J=6.2, 15.2 Hz), 4.53 (dd, 1H, J=6.2, 14.7 Hz), 4.31 (dd, 1H, J =6.0, 15.0 Hz), 3.84 (dd, 1H, J=7.5, 15.0 Hz), 1.58 (S, 9H); 1.33 (s, 9H); 13C NMR (CDCl3) 153.78, 151.08, 150.98, 133.31, 133.29, 128.66, 128.61, 127.50, 127.41, 126.41, 121.68, 119.03, 84.22, 84.11, 80.99, 77.20, 28.20, 27.66; MS m/z 582.8 (M+Na)+
実施例4
5-(O-tert-ブチルオキシカルボニル)オキシ-3-[N-(tert-ブチルオキシカルボニル)アミノ-1-(クロロメチル)-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(6)の製造
化合物 5 (1.36 g、2.43 mmol)を含む乾燥ベンゼン (100 mL)の溶液に、水素化トリ-n-ブチルスズ (0.70 mL、2.52 mmol)および2,2'-アゾビス(イソブチロニトリル) (AIBN) (30 mg、0.18 mmol)を添加した。混合物をアルゴン下室温にて30分間攪拌し、次いで、80℃にて2時間還流させた。反応混合物を冷却し、溶媒を減圧下で除去した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン 1:9)を行ったところ、1.01 gの所望の化合物6が得られた(94%)。Rf=0.34 (1:9 酢酸エチル/ヘキサン); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) 8.12 (br, 1H), 7.91 (d, 1H, J=8.4 Hz), 7.69 (d, 1H, J=8.4 Hz), 7.50 (dt, 1H, J=1.0, 6.9, 7.0 Hz), 7.37 (dt, 1H, J=0.9, 6.9, 6.9 Hz), 4.27 (br, 1H), 4.12 (t, 1H, J=9.0 + 10.0 Hz), 3.99 (m, 1H), 3.90 (dd, 1H, J=2.4, 11.0 Hz), 3.45 (t, 1H, J=10.8 + 10.8 Hz), 1.58 (S, 18H); 13C NMR (CDCl3) 152.27, 151.84, 147.99, 130.17, 127.62, 124.33, 122.46, 122.22, 108.95, 83.78, 52.80, 46.13, 28.36, 27.79; MS m/z 456.9 (M+Na)+
化合物(6)の分割: 化合物 6 (20 mLの酢酸エチル中1.0 g)の光学異性体混合物を、15% イソプロパノール-ヘキサン溶離液(180 mL/分)を使用するHPLC分取カラム (20 mm、7.5×50 cm、Diacel Chiralcel OD充填)で分割した。2つの光学異性体が、18.5分[6a (+) 光学異性体]および35.8分[6b (-) 天然型 (1S) 光学異性体]の保持時間で溶出された。6b (-)-(1S): [α]25=-49.6° (c=5.25 CHCl3)。
実施例5
5-ヒドロキシ-3-アミノ-1-[S]-(クロロメチル)-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(7)の製造
6b (100 mg、0.25 mmol)を含む5 mLの酢酸エチルの溶液に、濃HCl (0.2 mL)およびトリエチルシラン (0.2 mL)を添加した。アルゴン下で3時間攪拌した後、混合物を10 mLの1:1 ジクロロメタン/トルエンで希釈し、乾燥するまで蒸発させた。乾燥固体をジクロロメタン/トルエンとともに3回蒸発させ、次いで、さらなる精製を行うことなく、すぐにジ-インドール化合物との結合のために使用した。(純度約90%)、MS m/z 234.78 (M+H)+
実施例6−15
経路A(図2)のスキームによるDC1の例示的合成
実施例6
tert-ブチル 5-ニトロインドール-2-カルボキシレート(10)の製造
エチル 5-ニトロインドール-2-カルボキシレート (8) (25.0 g、106.8 mmol)を含む500 mLのTHF-メタノール (1:1, v/v)の室温での攪拌溶液に、NaOH (40 g、1.0 mmol)を含む300 mLの水の溶液を添加した。得られた深赤褐色の溶液を3時間攪拌し、次いで、希HClでpH 1となるように酸性化して反応を停止させた。沈殿生成物を真空ろ過により回収し、残留溶解生成物をTHF/酢酸エチル (1:2, v/v, 2×400 mL)で抽出した。沈殿物をTHF中に溶解し、この溶液を上記抽出からの有機層と合わせた。硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮し、THF/酢酸エチル/ヘキサンから残留物を結晶化させたところ、21.1 gの5-ニトロインドール-2-カルボン酸 (9)が得られた(収率96%)。1H NMR (DMSO), 11.50 (s, 1H), 7.20 (d, 1H, J=8.4 Hz), 6.85 (s, 1H), 6.70 (m, 2H)。
化合物9 (12.8 g、61.2 mmol)を含む乾燥THF (200 mL)の攪拌溶液に、アルゴン下で、シュウ酸クロライド(12.0 mL、137.5 mmol)、次いで、DMF (0.1 mL)を添加したところ、激しくガスが発生した。40分後、反応混合物を乾燥するまで蒸発させた。得られた固体をTHF(150 mL)中に再び溶解し、約30℃まで冷却し、アルゴン下で攪拌した。次いで、カリウム t-ブトキシド (THF中1.0 M、140 mL、140 mmol)の溶液を45分間かけて滴下添加し、さらに45分間攪拌し続けた。反応を600 mLの水で停止し、数滴の10% H3PO4水溶液で中和し、酢酸エチル (3×400 mL)で抽出した。有機抽出物を飽和NaHCO3水溶液および水で洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、エタノール/ヘキサンで結晶化させたところ、化合物 10 が得られた(9.62 g、収率85%)。Rf=0.35 (1:5 酢酸エチル/ヘキサン); 1H NMR (CDCl3), 11.63 (s, 1H), 8.66 (dd, 1H, J=0.5, 1.3 Hz), 8.20 (dd, 1H, J=0.5, 9.0 Hz), 7.48 (dd, 1H, J=0.5, 9.1 Hz), 7.28 (dd, 1H, J=0.9, 11.1 Hz), 1.63 (s, 9H); 13C NMR 160.39, 142.12, 138.11, 132.10, 126.78, 120.22, 119.83, 111.98, 109.82, 82.91, 28.26; MS m/z 285.43 (M+Na)+
実施例7
tert-ブチル 5-アミノインドール-2-カルボキシレート(11)の製造
500 mLのParr水素添加ボトルに、化合物 10 (5.80 g、22,14 mmol)、10% Pd/C (0.6 g) およびメタノール/THF (150 mL、1:4 v/v)を充填し、水素でパージした。反応混合物を50 psiのH2とともに一晩振盪した。触媒をろ過により除去し、溶媒を蒸発させたところ、褐色の固体として4.98 gの表題化合物11が得られた(収率97%)。1H NMR (DMSO), 11.42 (s, 1H), 7.18 (d, 1H, J=8.3 Hz), 6.83 (s, 1H), 6.71 (s, 1H), 6.67 (d, 1H, J=8.4 Hz), 1.62 (s, 9H)。この生成物は不安定であるため、次の工程にすぐに使用した。
実施例8
tert-ブチル 5-(5'-ニトロインドール-2'-イル-カルボニルアミノ)インドール-2-カルボキシレート (12)の製造
化合物 9 (4.70 g、22.81 mmol)および化合物 11 (5.20 g、22.41 mmol)を含むDMF (200 mL)の混合物に、アルゴン下、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート (TBTU、10.5 g、32.70 mmol)およびジイソプロピルエチルアミン (DIPEA、8.0 mL、45.83 mmol)を添加した。反応混合物を一晩攪拌した。該混合物を濃縮し、次いで、酢酸エチルおよびNaHCO3水溶液(飽和)中に懸濁した。固体化合物をろ過し、水で洗浄し、次いで、1 M NaH2PO4水溶液、pH 3.0、で再懸濁し、ろ過し、水で再び洗浄した。次いで、この固体を減圧下で乾燥させたところ化合物12 (8.40 g、収率89%)が得られた。Rf=0.31 (1:2 THF/ヘキサン); 1H NMR(DMSO), 12.43 (s, 1H), 11.69 (s, 1H), 10.41 (s, 1H), 8.77 (d, 1H, J=2.2 Hz), 8.13 (dd, 2H, J=2.3, 9.0 Hz), 7.64 (t, 2H, J=9.2 Hz), 7.47 (d, 1H, J=8.9 Hz), 7.08 (s, 1H), 1.59 (s, 9H); 13C NMR (DMSO), 161.48, 159.53, 142.19, 140.38, 136.30, 135.27, 132.28, 130.30, 127.43, 127.25, 120.57, 120.12, 114.08, 113.74, 108.22, 106.64, 81.74, 28.84; MS m/z 443.85 (M+Na)+
実施例9
tert-ブチル 5-(5'-アミノインドール-2'-イル-カルボニルアミノ)インドール-2-カルボキシレート (13)の製造
250 mLのParr水素添加ボトルに、化合物12 (2.40 g、5.71 mmol)、10% Pd/C (0.3 g)、およびDMA (50 mL)を充填し、水素でパージした。反応混合物を40 psi のH2とともに一晩振盪させた。触媒をろ過により除去し、溶媒を蒸発させたところ、褐色の固体として2.05 gの表題化合物13が得られた(収率92%)。1H NMR (DMSO), 11.75, (s, 1H), 11.67 (s, 1H), 10.17 (s, 1H), 8.10 (d, 1H, J=1.2 Hz), 7.59 (t, 2H, J=8.8 Hz), 7.45 (m, 1H), 7.35 (m, 1H), 7.17 (dd, 1H, J=0.8, 8.0 Hz), 7.06 (d, 1H, J=2.0 Hz), 1.57 (s, 9H); MS m/z 390.72 (M+Na)+。この生成物は不安定であるため、次の工程にすぐに使用した。
実施例10
tert-ブチル 5-[5'-(3''-メチルジチオプロピオニル)インドール-2'-イル-カルボニルアミノ]インドール-2-カルボキシレート (14a)の製造
化合物13 (2.0 g、5.12 mmol)を含むDMA (30 mL)の溶液に、3-(メチルジチオ)プロピオン酸 (0.90 g、5.92 mmol)、EDC (3.0 g、15.33 mmol)およびDIPEA (0.90 mL、5.12 mmol)を添加した。反応混合物をアルゴン下で一晩攪拌し、次いで、70 mLの1.0 M NaH2PO4、pH 6.0で希釈し、THF/酢酸エチル (1:1、4×70 mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、蒸発させた。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(1:3 アセトン/トルエン)で精製し、THF/ヘキサンで結晶化させたところ、化合物 14a (2.30 g、収率86%)が得られた。Mp=279〜283℃(dec), Rf=0.31 (1:3 THF/トルエン); 1H NMR (CD3COCD3), 10.75 (d, 2H, J=3.07 Hz), 9.50 (s, 1H), 9.14 (s, 1H), 8.20 (d, 1H, J=2.0 Hz), 8.14 (d, 1H, J=1.8 Hz), 7.62 (dd, 1H, J=2.0, 8.9 Hz), 7.46 (dd, 2H, J=0.7, 8.1 Hz), 7.34 (dd, 1H, J=2.0, 10.8 Hz), 7.26 (d, 1H, J=1.5 Hz), 7.07 (dd, 1H, J=0.9, 2.1 Hz), 3.05 (t, 2H, J=7.1 Hz), 2.76 (t, 2H, J=7.0 Hz), 2.42 (s, 3H), 1.57 (s, 9H); 13C NMR 169.42, 161.58, 160.32, 135.31, 134.76, 133.56, 133.40, 133.12, 130.86, 128.72, 128.27, 120.27, 118.75, 113.69, 113.09, 113.02, 112.69, 108.27, 103.58, 81.66, 37 28, 34.00, 28.41; MS m/z 547.88 (M+Na)+
実施例11
5-[5'-(3''-メチルジチオプロピオニル)インドール-2'-イル-カルボニルアミノ]インドール-2-カルボン酸 (15a)の製造
化合物14a (300 mg、0.57 mol)およびEt3SiH (1.5 mL)を含むジクロロメタン (30 mL)の混合物をアルゴン下で攪拌した。トリフルオロ酢酸 (7.0 mL)を添加し、混合物を3時間攪拌し、次いで、トルエン (25 mL)で希釈した。混合物を乾燥するまで蒸発させ、THF/トルエン/ヘキサンで結晶化させたところ化合物15a (245 mg、収率92%)が得られた。1H NMR (DMSO), 11.71 (s, 1H), 11.61 (s, 1H), 10.10 (s, 1H), 9.92 (s, 1H), 8.11 (d, 1H, J=1.9 Hz), 8.02 (d, J=1.7 Hz), 7.55 (dd, 1H, 2.0, 11.0 Hz), 7.42 (d, 1H, J=8.8 Hz), 7.39 (d, 1H, J=8.8 Hz), 7.34 (d, 1H, J=2.0 Hz), 7.31 (dd, 1H, J=2.0, 8.8 Hz), 7.08 (d, 1H, J=1.3 Hz), 3.06 (t, 2H, J=7.0 Hz), 2.75 (t, 2H, J=7.0 Hz), 2.45 (s, 3H); 13C NMR (DMSO), 168.70, 162.79, 159.47, 134.37, 133.56, 132.44, 131.98, 131.64, 126.96, 126.75, 119.62, 117.74, 113.04, 112.46, 112.35, 111.44, 107.36, 103.37, 36.03, 33.01; MS 490.81 (M+Na)+
実施例12
(S)-N-[2-{(1-クロロメチル)-1,2-ジヒドロ-5-ヒドロキシ-3H-ベンズ[e]インドール-3-イル}カルボニル]-1H-インドール-5-イル]-5-[(3-メチルジチオ-1-オキソプロピル)-アミノ]-1H-インドール-2-カルボキサミド (16a) (DC1SMe)の製造
化合物7 (55 mg、0.20 mmol)および化合物15a (100 mg、0.21 mmol)を含むDMA (7.0 mL)の溶液に、アルゴン下でEDC (120 mg、0.62 mmol)を添加した。反応混合物を一晩攪拌し、次いで、数滴の50% 酢酸を添加し、混合物を乾燥するまで蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン中20%〜30%のアセトン)により精製し、THF/トルエン/ヘキサンで結晶化させたところDClSMe (16a) (108 mg、収率79%)が得られた。Rf=0.40 (3:7 アセトン/トルエン); 1H NMR (CD3COCD3) 10.91 (s, 1H), 10.88 (s, 1H), 9.64 (s, 1H), 9.56 (s, 1H), 9.27 (s, 1H), 8.35 (d, 1H, J=1.9 Hz), 8.25 (d, 1H, J=8.0 Hz), 8.17 (d, 1H, J=1.9 Hz), 8.07 (s, 1H), 7.88 (d, 1H, J=8.3 Hz), 7.64 (dd, 1H, J=2.0, 8.1 Hz), 7.58-7.50 (m, 3H), 7.38-7.35 (m, 2H), 7.31 (d, 1H, J=1.7 Hz), 7.26 (d, 1H, J=1.7 Hz), 4.86 (dd, 1H, J=8.7, 11.0 Hz), 4.80 (dd, 1H, J=2.3, 10.9 Hz), 4.30 (m, 1H), 4.07 (dd, 1H, J=3.1, 11.0 Hz), 3.83 (dd, 1H, J=8.4, 11.2 Hz), 3.09 (t, 2H, J=7.1 Hz), 2.83 (t, 2H, J=7.1 Hz), 2.45 (s, 3H); 13C NMR 169.56, 161.10, 160.43, 155.13, 143.50, 134.78, 134.46, 133.55, 133.34, 133.03, 132.57, 131.21, 128.80, 128.69, 128.21, 124.22, 124.02, 123.53, 123.44, 120.16, 118.79, 116.45, 113.91, 113.02, 112.95, 112.73, 106.78, 103.72, 101.63, 56.01, 47.73, 43.10, 37.25, 34.01, 23.00; MS m/z 706.71 (M+Na)+, 708.58, 707.71, 722.34 (M+K)+, 724.42。
実施例13
tert-ブチル5-[5'-(3''-(2-ピリジルジチオ)プロピオニル)インドール-2'-イル-カルボニルアミノ]インドール-2-カルボキシレート (14b)の製造
化合物13 (1.00 g、2.56 mmol)を含むDMA (15 mL)の溶液に、3-(2-ピリジルジチオ)プロピオン酸 (0.475 g、2.21 mmol)、EDC (1.26 g、6.56 mmol)、およびDIPEA (0.20 mL)を添加した。アルゴン下で一晩攪拌した後、混合物を70 mL の1.0 M NaH2PO4、pH 3.0で希釈し、THF/酢酸エチル (1:1、4×60 mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(1:5 THF/ジクロロメタン)により精製した。生成物を単離し、THF/酢酸エチル/ヘキサンで再結晶化させたところ、1.13 gの表題化合物14bが得られた(収率87%)。Mp=285〜290℃(dec)、Rf=0.31 (1:5 THF/トルエン); 1H NMR (CD3COCD3), 10.78 (d, 2H, J=14.3 Hz), 9.52 (s, 1H), 9.23 (s, 1H), 8.45 (dd, 1H, J=0.9, 4.8 Hz), 8.23 (d, 1H, J=1.9 Hz), 8.17 (d, 1H, J=1.8 Hz), 7.84 (dd, 1H, J=1.0, 8.1 Hz), 7.78 (m, 1H), 7.64 (dd, 1H, J=2.1, 8.9 Hz), 7.49 (t, 2H, J=8.8 Hz), 7.35 (dd, 1H, J=2.0, 8.9 Hz), 7.29 (d, 1H, J=1.5 Hz), 7.25 (m, 1H), 7.10 (dd, 1H, J=0.8, 2.1 Hz), 3.21 (t, 2H, J=7.0 Hz), 2.85 (t, 2H, J=7.0 Hz), 1.60 (s, 9H); 13C NMR 169.15, 161.57, 160.86, 150.44, 138.22, 135.30, 134.78, 133.58, 133.13, 130.86, 128.27, 125.75, 121.73, 120.26, 120.05, 118.75, 113.68, 113.09, 113.03, 112.70, 108.26, 103.56, 81.64, 36.74, 35.25, 28.4
1; MS m/z 610.48 (M+Na)+, 626.56 (M+K)+
実施例14
5-[5'-(3''-(2-ピリジルジチオ)プロピオニル)インドール-2'-イル-カルボニルアミノ]インドール-2-カルボン酸 (15b)の製造
化合物14b (115 mg、0.195 mol)およびEt3SiH (0.30 mL)を含むジクロロメタン (4.0 mL)の混合物をアルゴン下で攪拌した。この乳状の混合物にトリフルオロ酢酸 (1.0 mL)を添加したところ、混合物は透明になった。2時間攪拌した後、反応混合物を5 mLのトルエンで希釈した。混合物を乾燥するまで蒸発させ、THF/トルエン/ヘキサンで結晶化させたところ、93 mgの化合物15bが得られた(収率90%)。1H NMR (DMSO), 12.92 (br, 0.7H), 11.74 (s, 1H), 11.63 (s, 1H), 10.11 (s, 1H), 9.92 (s, 1H), 8.47 (dd, 1H, J=0.9, 4.6 Hz), 8.13 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.81 (m, 2H), 7.56 (d, 1H, J=9.0 Hz), 7.41 (m, 2H), 7.34 (s, 1H), 7.28-7.21 (m, 2H), 7.10 (s, 1H), 3.15 (t, 2H, J=7.0 Hz), 2.77 (t, 2H, J=6.9 Hz); 13C NMR 168.34, 162.70, 159.42, 159.16, 149.61, 137.80, 134.34, 133.53, 132.41, 131.88, 131.63, 128.96, 126.90, 126.69, 121.18, 119.60, 119.19, 112.98, 112.42, 112.31, 111.42, 107.47, 35.53, 33.97; MS m/z 532.31, (M+H)+, 553.41, 554.52 (M+Na)+
実施例15
(S)-N-[2-{(1-クロロメチル)-1,2-ジヒドロ-5-ヒドロキシ-3H-ベンズ[e]インドール-3-イル}カルボニル]-1H-インドール-5-イル]-5-[(3-ピリジルジチオ-1-オキソプロピル)-アミノ]-1H-インドール-2-カルボキサミド, DC1SPy (16b)の製造
化合物7 (25 mg、0.094 mmol)および化合物15b (50 mg、0.094 mmol)を含む10 mLのDMAの溶液にアルゴン下でEDC (120 mg、0.62 mmol)を添加した。一晩攪拌した後、数滴の50% 酢酸およびトルエン(5 mL)を添加し、混合物を乾燥するまで蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン中30%アセトン)により精製した。生成物を単離し、THF/トルエン/ヘキサンで再結晶化させたところ、48 mgの表題化合物16bが得られた(収率68%)。MS m/z 769.43 (M+Na)+, 771.51, 785.62 (M+K)+
実施例16−20
経路B(図3)のスキームによるDC1の例示的合成
実施例16
エチル 5-アミノインドール-2-カルボキシレート (18)の製造
500 mLのParr水素添加ボトルに、エチル 5-ニトロインドール-2-カルボキシレート(8) (5.0 g、21.36 mmol)、10% Pd/C (0.3 g)、およびメタノール/THF (150 mL、1:4 v/v)を充填し、水素でパージした。反応混合物を40 psiのH2とともに一晩振盪させた。触媒をろ過により除去し、溶媒を蒸発させたところ、褐色の固体として4.10 gの表題化合物18が得られた(収率94%)。1H NMR (CDCl3), 8.77 (s, 1H), 7.26 (s, 1H), 7.23 (t, 1H, J=0.8 Hz), 7.21 (d, 1H, J=0.7 Hz), 7.03 (dd, 1H, J=0.7, 1.5 Hz), 6.93 (dd, 1H, J=0.7, 1.6 Hz), 6.80 (dd, 1H, J=2.2, 8.6 Hz), 4.38 (dd, 2H, J=7.2, 14.3 Hz), 1.40 (t, 3H, J=7.2 Hz); 13C NMR (CDCl3) 162.02, 140.30, 138.14, 131.87, 128.45, 127.77, 117.12, 112.50, 107.36, 105.86, 60.87, 14.41。この生成物は不安定であるため、次の工程にすぐに使用した。
実施例17
エチル 5-(5'-ニトロインドール-2'-イル-カルボニルアミノ)インドール-2-カルボキシレート (19)の製造
化合物9 (1.020 g、5.00 mmol)および化合物18 (1.02 g、4.95 mmol)を含むDMF (30 mL)の混合物に、アルゴン下で、TBTU (4.0 g、12.40 mmol)およびDIPEA (1.8 mL)を添加した。反応混合物を一晩攪拌した。濃縮後、混合物を酢酸エチル(30 mL)および飽和NaHCO3 (150 mL)で希釈し、固体を2相間に懸濁させた。固体化合物をろ過し、水で洗浄し、次いで、1 M NaH2PO4、pH 3.0、に再懸濁し、ろ過し、水で再洗浄した。生成物を減圧下で乾燥させたところ化合物19 (1.543 g、収率79%)が得られた。Rf=0.31 (1:2 THF/ヘキサン); 1H NMR (DMSO), 12.45 (s, 1H), 11.90 (s, 1H), 10.43 (s, 1H), 8.77 (d, 1H, J=1.9 Hz), 8.15 (s, 1H), 8.13 (dd, 1H, J=2.2, 9.1 Hz), 7.70 (s, 1H), 7.61 (m, 2H), 7.46 (d, 1H, J=8.9 Hz), 7.18 (s, 1H), 4.35 (dd, 2H, J=7.1, 14.1 Hz), 1.35 (t, 3H, J=7.1 Hz); 13C NMR (DMSO), 161.22, 158.68, 141.32, 139.50, 135.37, 134.60, 131.47, 128.01, 126.56, 126.38, 119.92, 119.27, 118.59, 113.27, 112.87, 112.60, 107.77, 105.69, 60.43, 14.31; MS m/z 443.85 (M+Na)+
実施例18
5-(5'-ニトロインドール-2'-イル-カルボニルアミノ)インドール-2-カルボン酸 (20)の製造
化合物19 (630 mg、1.60 mmol)を含むDMSO (15 mL)の溶液に、NaOH (1.0 g)を含む5.0 mLのH2Oを添加した。1時間攪拌した後、混合物を濃縮し、10 mLのH2Oとともに、60℃、減圧下で3回蒸発させた。残留している溶液を冷メタノールおよびH2Oで希釈することにより固体が得られた。固体化合物をろ過し、減圧下で乾燥させたところ、化合物20 (530 mg、収率90%)が得られた。1H NMR (DMSO), 12.48 (s, 1H), 11.75 (s, 1H), 10.44 (s, 1H), 8.77 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 8.10 (d, 1H, J=9.3 Hz), 7.69 (s, 1H), 7.60 (m, 2H), 7.44 (d, 1H, J=8.9 Hz), 7.10 (s, 1H); 13C NMR (DMSO), 161.91, 158.66, 141.32, 139.52, 135.45, 134.44, 131.26, 128.01, 126.72, 126.39, 119.47, 119.25, 118.02, 113.24, 112.88, 112.48, 107.23, 105.71; MS m/z 386.66, 387.85 (M+Na)+
実施例19
1-[S]-(クロロメチル)-5-ヒドロキシ-3-{{5-[5'-ニトロインドール-2'-イル-カルボニルアミノ]インドール-2-イル}カルボニル}-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール (21)の製造
化合物7 (20 mg、0.072 mmol)および化合物20(25 mg、0.068 mmol)を含むDMA (3.0 mL)の溶液に、アルゴン下で、EDC (40 mg、0.20 mmol)を添加した。反応混合物を一晩攪拌し、数滴の50% 酢酸を添加し、混合物を乾燥するまで蒸発させた。残留物をシリカによる分取TLC(トルエン中40%アセトン)で精製したところ、25 mgの化合物21が得られた。1H NMR (DMF-d7) 12.54 (s, 1H), 11.73 (s, 1H), 10.60 (s, 1H), 10.58 (s, 1H), 8.80 (d, 1H, J=2.3 Hz), 8.42 (d, 1H, J=1.9 Hz), 8.25 (d, 1H, J=8.5 Hz), 8.19 (dd, 1H, J=2.1, 9.1 Hz), 8.09 (br, 1H), 7.95 (d, 1H, J=8.3 Hz), 7.82 (d, 1H, J=1.5 Hz), 7.79 (d, 1H, J=9.1 Hz), 7.74 (dd, 1H, J=2.0, 8.9 Hz), 7.62 (d, 1H, J=8.8 Hz), 7.58 (dt, 1H, J=1.7, 7.0 + 7.0 Hz), 7.42 (dt, 1H, J=1.2, 7.0 + 7.0 Hz), 7.33 (d, 1H, J=1.7 Hz), 4.91 (t, 1H, J=11.0 Hz), 4.77 (dd, 1H, J=2.1, 11.1 Hz), 4.33 (m, 1H), 4.13 (dd, 1H, J=3.1, 11.1 Hz), 3.97 (dd, 1H, J=7.9, 11.1 Hz); 13C NMR 163.35, 161.48, 160.05, 155.79, 142.98, 137.18, 135.03, 133.22, 133.16, 131.50, 128.85, 128.45, 128.11, 124.62, 124.02, 123.76, 120.33, 119.36, 118.70, 116.45, 114.00, 113.08, 106.97, 105.02, 101.53; MS m/z 602.96 (M+Na)+, 604.78, 603.81, 618.64 (M+K)+, 620.48。
実施例20
(S)-N-[2-{(1-クロロメチル)-1,2-ジヒドロ-5-ヒドロキシ-3H-ベンズ[e]インドール-3-イル}カルボニル]-1H-インドール-5-イル]-5-[(3-メチルジチオ-1-オキソプロピル)-アミノ]-1H-インドール-2-カルボキサミド (16a) (DC1-SMe)の製造
化合物21 (10 mg、0.017 mmol)を含むDMA (2.5 mL)の溶液を、Pd/C (10 mg)、5 μlの濃HCl、およびDMA (2.5 mL)で処理した。脱気した後、水素風船により一晩水素を導入した。触媒をろ過により除去し、溶媒を蒸発させたところ、褐色の固体として化合物22が得られた。この固体化合物はさらなる精製を行わず直接使用した。
化合物22を含むDMA(2 mL)の溶液に、アルゴン下で、3-(メチルジチオ)プロピオン酸 (5 mg、0.032 mmol)およびEDC (15 mg、0.078 mmol)を添加した。一晩攪拌した後、2滴の50% 酢酸を該混合物中に添加し、混合物を乾燥するまで蒸発させた。残留物を分取シリカゲルクロマトグラフィー(トルエン中40% アセトン)により精製したところ6 mgのDC1-SMe (16b)が得られた。MS m/z 706.66 (M+Na)+, 708.79, 707.86; 1H NMRデータは上記DC1のものと同一である。
いくつかの特許および刊行物を本開示において参照したが、それらの教示内容については参照によりそれぞれの全体を本明細書中に組み入れるものとする。
本発明を詳細かつ特定の実施形態を参照して記載したが、本発明の範囲を逸脱することなく様々な変更または改変を行い得ることは当業者であれば明らかであろう。
図1は本発明の方法によるseco(-)CBI (5-ヒドロキシ-3-アミノ-1-[S]-(クロロメチル)-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール)の合成法を表す。 図2は本発明の方法によるDC1の例示的合成法(経路A)を表す。 図3は本発明の方法によるDC1の第2の例示的合成法(経路B)を表す。

Claims (17)

  1. 以下の式(I)で表される化合物又はその塩の製造方法であって:
    Figure 2005522506
    (a) 以下の式(II)で表される化合物(式中、Rは保護基を表す)を準備する工程;
    Figure 2005522506
    (b) ラセミ化合物(III)を生成するのに適切な条件下で、化合物(II)に対しハロゲン化、アルキル化および閉環反応を行う工程;
    Figure 2005522506
    (c) ラセミ化合物(III)の(-)異性体を単離する工程; および
    (d) 化合物(I)を製造するのに好適な条件下で、単離した化合物(III)の(-)異性体から上記R保護基を除去する工程;
    を含んでなる、上記方法。
  2. Rが、tert-ブチルオキシカルボニル、ジフェニルオキシカルボニル、フルオレニルメチルオキシカルボニル、2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボニル、2-トリメチルシリルエチルオキシカルボニル、ジイソプロピルメチルオキシカルボニル、1-アダマンチルオキシカルボニル、ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、メトキシベンジルオキシカルボニル、ニトロベンジルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、およびシクロペンチルオキシカルボニルからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
  3. Rがtert-ブチルオキシカルボニルである、請求項2記載の方法。
  4. 工程(b)が2-ナフチルアミン化合物をヨード化する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  5. 上記アルキル化においてCl-CH=CH-CH2-Clを使用する、請求項1記載の方法。
  6. 上記閉環反応を水素化トリブチルスズおよび2,2'-アゾビスイソブチロニトリルの存在下で行う、請求項1記載の方法。
  7. ラセミ化合物(III)の上記(-)異性体を、キラルマトリックスを用いて単離する、請求項1記載の方法。
  8. ラセミ化合物(III)の上記(-)異性体をキラルHPLCにより単離する、請求項7記載の方法。
  9. 式(II)で表される上記化合物を1,3-ジヒドロキシナフタレンから製造する、請求項1記載の方法。
  10. DC1またはDC1類縁物質の製造方法であって、式(I)の化合物におけるアミノ基を反応させてペプチド結合を形成させる工程を含んでなり、この場合、式(I)の化合物が請求項1記載の方法により製造される、前記方法。
  11. 化合物(I)のアミノ基を好適な条件下で化合物(IV):
    Figure 2005522506
    [式中、R1は化合物(IV)内部でジスルフィド結合を形成可能なチオール基を示す]のカルボキシル基と反応させることにより上記ペプチド結合を形成させ、これによりDC1を製造する、請求項10記載の方法。
  12. 上記ペプチド結合がEDCを使用して形成される、請求項10記載の方法。
  13. R1がアルキルチオまたはアリールチオである、請求項10記載の方法。
  14. R1が-S-CH3または-S-ピリジルである、請求項13記載の方法。
  15. ペプチド結合を介して、任意の順番で、式(I)の化合物と、bis-インドリルまたはbis-ベンゾフラン、インドリルベンゾフラニルまたはベンゾフラニルインドリル部分と、ジスルフィド-含有部分とを結合させることをさらに含んでなる、請求項10記載の方法。
  16. 以下の式(II)で表される化合物:
    Figure 2005522506
    [式中、Rは、tert-ブチルオキシカルボニル、ジフェニルオキシカルボニル、フルオレニルメチルオキシカルボニル、2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボニル、2-トリメチルシリルエチルオキシカルボニル、ジイソプロピルメチルオキシカルボニル、1-アダマンチルオキシカルボニル、ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、メトキシベンジルオキシカルボニル、ニトロベンジルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、およびシクロペンチルオキシカルボニルからなる群より選択される保護基である。]
  17. Rがtert-ブチルオキシカルボニルである、請求項16記載の化合物。
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