JP2005521209A - 有機薄膜素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

(a) 仮支持体上に有機薄膜層を有する転写材料を用い、前記有機薄膜層側が基板に少なくとも透明導電層又は背面電極が形成された第一の積層体の被成膜面に対面するように、前記転写材料を前記第一の積層体に重ねて加熱及び/又は加圧し、(b) 前記仮支持体を引き剥がすことにより前記有機薄膜層を前記第一の積層体の被成膜面に転写し、(c) 前記第一の積層体に転写された前記有機薄膜層に、基板に少なくとも背面電極又は透明導電層が形成された第二の積層体を貼り合せることを特徴とする有機薄膜素子の製造方法。

Description

本発明はフルカラーディスプレイ、バックライト、照明光源等の面光源、プリンター等の光源アレイ等に有効に利用できる有機薄膜素子(好ましくは有機EL素子)、及びその製造方法に関する。
有機EL素子等の有機発光素子は容易に面状発光素子に適用し得るため、新たな光デバイスとして注目されている。具体的には、固体発光型の安価な大面積フルカラー表示素子や書き込み光源アレイとしての用途が有望視され、多くの開発が行われている。一般に有機発光素子は、発光性有機薄膜層及び発光性有機薄膜層を挟んだ一対の対向電極(背面電極及び透明電極)から構成されている。有機発光素子において、一対の対向電極間に電界が印加されると、有機発光素子内に背面電極から電子が注入されるとともに、透明電極から正孔が注入される。電子と正孔とが発光層中で再結合し、エネルギー準位が伝導帯から価電子帯に戻る際にエネルギーが光として放出され、発光する。
有機EL素子の有機薄膜の多くは蒸着法により製造されている。特開平9-167684号及び特開2000-195665号は、マイカ又はフイルムの仮基板上に予め有機層を均一に蒸着法により形成し、次いで基板と有機層を近接させ、加熱蒸着する方法を提案している。しかしながらこれらの方法には、蒸着法を用いるために製造効率が悪いという問題がある。また有機薄膜用に低分子有機化合物しか使用できないため、フレキシブルなディスプレイ等に用いると耐屈曲性や膜強度等の耐久性が不十分であるという問題があり、特に大面積化した場合に問題になる。
また緑色の発光を示すポリパラフェニレンビニレン(「ネイチャー」、347巻、539頁、1990年)、赤燈色の発光を示すポリ3-アルキルチオフェン(ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス、30巻、L1938頁、1991年)、青色の発光を示すポリアルキルフルオレン(ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス、30巻、L1941頁、1991年)等の高分子の発光薄膜や、低分子化合物をバインダー樹脂に分散させた発光薄膜を用いた高分子型素子も知られている。これらの高分子型素子は大面積化にも有利であり、フレキシブルなディスプレイ用途として期待されているが、有機発光薄膜の形成に蒸着法を適応できない。そのため、通常湿式法により薄膜が直接基板上に形成されている。
しかしながら、湿式法では溶液の表面張力により有機薄膜の膜厚均一性が不十分であり、有機薄膜層を積層する場合に各有機薄膜層が界面で溶解してしまうという問題がある。このため、この方法により得られた有機薄膜素子には発光効率や素子耐久性に劣るという問題があった。
WO 00/41893号(特許文献1)は、有機薄膜と光熱変換層を有するドナーシートを用いて、有機薄膜と光熱変換層を基板にレーザにより熱転写する方法を提案している。ところがWO 00/41893号に記載されている熱転写法の場合、有機薄膜層と基板との接合界面に気体の巻き込みの問題がある。有機薄膜層の界面の状態により有機EL素子の発光効率や耐久性、更に発光面状の均一性が異なり、有機薄膜層の接合界面に気体の巻き込みがあると、素子機能は悪化する。
またプリント技術分野で利用されている熱ヘッドやレーザを用いたパターン状の熱書き込みの場合、熱拡散性によりパターンの周辺に温度分布が生じて、有機薄膜パターンの輪郭がきれいにドナー側から切断されない。このため発光量のばらつきが生じたり、また電気的不良や薄膜破片による欠陥が起こり、更に耐久性も悪くなるという問題がある。また基板と熱ヘッドやレーザとの位置合わせの不良により、歩留まり低下の問題もある。
国際公開第00/41893号パンフレット
従って本発明の目的は、均一で良好な接合界面を有する有機薄膜層を基板上に簡便に形成することにより有機EL素子等の有機薄膜素子を製造する方法、特に湿式法を用いて均一な有機薄膜層を形成した転写材料を使用することにより、発光効率、発光量の均一性及び耐久性に優れた有機薄膜素子を効率良く製造する方法を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、かかる方法により作製した有機薄膜素子を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、仮支持体上に有機薄膜層を有する転写材料を用い、その有機薄膜層を基板に少なくとも透明導電層又は背面電極が形成された第一の積層体に転写するとともに、その有機薄膜層に、基板に少なくとも背面電極又は透明導電層が形成された第二の積層体を貼り合わせることにより、発光効率、発光量の均一性及び耐久性に優れた有機EL素子等の有機薄膜素子を低コストで製造できることを発見し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の有機薄膜素子の製造方法は、(a) 仮支持体上に有機薄膜層を有する転写材料を用い、前記有機薄膜層側が基板に少なくとも透明導電層又は背面電極が形成された第一の積層体の被成膜面に対面するように前記転写材料を前記第一の積層体に重ねて加熱及び/又は加圧し、(b) 前記仮支持体を引き剥がすことにより前記有機薄膜層を前記第一の積層体の被成膜面に転写し、(c) 前記第一の積層体に転写された前記有機薄膜層に、基板に少なくとも背面電極又は透明導電層が形成された第二の積層体を貼り合せることを特徴とする。
前記工程(a)は加熱及び加圧を含むのが好ましい。加熱手段はラミネータ、赤外線ヒータ及びローラヒータのいずれかであるのが好ましい。転写材料を湿式法で作製することにより発光面が均一に発光する素子を製造することができる。前記第二の積層体は背面電極又は透明導電層上に有機薄膜層を有していても良い。前記第一の積層体及び前記第二の積層体の熱膨張係数は20 ppm/℃以下であるのが好ましい。前記有機薄膜層は少なくとも発光性有機化合物又はキャリア輸送性有機化合物を含有するのが好ましい。
ホール輸送性有機薄膜層、発光性有機薄膜層及び電子輸送性有機薄膜層を順次転写するのが好ましい。前記第一の積層体及び前記第二の積層体の少なくとも一方に透明導電層を形成するのが好ましい。仮支持体及び/又は基板(第一及び/又は第二の積層体)は連続ウエブ状であるのが好ましい。基板は、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、金属箔(アルミ箔、銅箔、ステンレス箔、金箔、銀箔等)、液晶性ポリマーのプラスチックシート、フッ素原子を含む高分子材料(ポリクロロトリフルオロエチレン、テフロン(登録商標)及びポリテトラフルオロエチレン−ポリエチレン共重合体等)からなる群から選ばれた少なくとも1種の材料からなるのが好ましい。
本発明の有機薄膜素子は上記製造方法により作製されたことを特徴とする。上記有機薄膜素子の製造方法は、有機EL素子の製造方法として適用できる。
本発明により、有機薄膜素子を構成する有機薄膜層を仮支持体に湿式法により塗布してなる転写材料を使用し、剥離転写法と貼り合わせ法を用いることにより、発光効率に優れた有機EL素子等の有機薄膜素子を生産性よく、低コストで製造できる。特に有機薄膜層を仮支持体に一旦塗布する方法を採用しているので、レーザ(レーザアブレーション)による熱転写の方法と対比して有機薄膜層を非常に薄膜化でき、発光量の均一性に優れるという利点がある。
[1] 転写材料
(1) 構成
転写材料は仮支持体上に有機薄膜層を有する。転写材料は公知の方法を適宜用いて作製することができるが、得られる有機薄膜素子の発光効率、発光量の均一性、耐久性及び生産性の観点から、湿式法を用いるのが好ましい。有機薄膜層を設けた転写材料は、個々独立した転写材料として作製してもよいし、面順次に設けてもよい。すなわち、複数の有機薄膜層を1枚の仮支持体に設けてもよい。この転写材料を使用すれば、転写材料の交換の必要なしに、複数の有機薄膜層を連続的に形成することができる。
また仮支持体上に2層以上の有機薄膜層を予め積層した転写材料を使用すれば、1回の転写工程で基板の被成膜面に多層膜を積層することができる。仮支持体上に予め積層する場合、積層される各有機薄膜層の界面が均一でないと正孔や電子の移動にムラが生じてしまうので、界面を均一にするために溶剤を慎重に選ぶ必要があり、またその溶剤に可溶な有機薄膜層用の有機化合物を選択する必要がある。
(2) 仮支持体
本発明に使用する仮支持体は、化学的及び熱的に安定であって、可撓性を有する材料により構成する。具体的にはフッ素樹脂[例えば4フッ化エチレン樹脂(PTFE)、3フッ化塩化エチレン樹脂]、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN))、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリエーテルスルホン(PES)等の薄いシート、又はこれらの積層体が好ましい。仮支持体の厚さは1μm〜300μmが適当であり、更に3μm〜200μmが好ましく、特に3μm〜50μmであるのが好ましい。
仮支持体は単層シートでも積層シートでもよい。積層シートの場合、有機薄膜層を設ける側に順に、基板と、その基板上に少なくとも1層の平滑層を設けてもよい。平滑層を構成する素材は特に限定されない。
(3) 仮支持体への有機薄膜層の形成
バインダーとして高分子化合物を含む有機薄膜層は、湿式法により仮支持体に形成するのが好ましい。これには、有機薄膜層用材料を有機溶剤に所望の濃度に溶解し、得られた溶液を仮支持体に塗布する。塗布法としては、有機薄膜層の乾燥膜厚が200 nm以下で均一な膜厚分布が得られれば特に制限はなく、スピンコート法、グラビアコート法、ディップコート法、キャスト法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、エクストルージェンコート法、インクジェット塗布法等が挙げられる。中でも、ロールツーロールによる生産性の高いエクストルージェンコート法が好ましい。
(4) 有機薄膜層
有機薄膜層は有機薄膜素子を構成する層であり、それぞれの特質から発光性有機薄膜層、電子輸送性有機薄膜層、ホール輸送性有機薄膜層、電子注入層、ホール注入層等が挙げられる。有機薄膜層は光熱変換層(レーザによる光熱変換が可能となる層)を有しない。また発色性を向上するための種々の層を挙げることができる。各層に用いる化合物の具体例については、例えば「月刊ディスプレイ」1998年10月号別冊の「有機ELディスプレイ」(テクノタイムズ社)等に記載されている。なお、有機薄膜層の乾燥膜厚は2 nm〜600 nmが好ましく、2 nm〜400 nmがより好ましく、2 nm〜300 nmがさらに好ましい。
有機薄膜層自体又はその中の成分のガラス転移温度は40℃以上で、かつ転写温度+40℃以下が好ましく、更に50℃以上で、かつ転写温度+20℃以下が好ましく、特に60℃以上で、かつ転写温度以下が好ましい。また、転写材料の有機薄膜層自体又はその中の成分の流動開始温度は40℃以上で、かつ転写温度+40℃以下が好ましく、50℃以上で、かつ転写温度+20℃以下がより好ましく、60℃以上で、かつ転写温度以下が特に好ましい。ガラス転移温度は、示差走査熱量測定装置(DSC)により測定することができる。また流動開始温度は、例えば島津製作所(株)製のフローテスターCFT-500を用い、オリフィス径1mmのオリフィス内より20 Kg/cm2の荷重を印加しながら試料を一定昇温速度で加熱し、流出させることにより測定することができる。
(a) 発光性有機薄膜層
発光性有機薄膜層は少なくとも一種の発光性化合物を含有する。発光性化合物は特に限定的ではなく、蛍光発光性化合物であっても燐光発光性化合物であってもよい。また蛍光発光性化合物及び燐光発光性化合物を同時に用いてもよい。本発明においては、発光輝度及び発光効率の点から燐光発光性化合物を用いるのが好ましい。
蛍光発光性化合物としては、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、スチリルアミン誘導体、芳香族ジメチリデン化合物、金属錯体(8-キノリノール誘導体の金属錯体、希土類錯体等)、高分子発光性化合物(ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等)等が使用できる。これらは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
燐光発光性化合物は、好ましくは三重項励起子から発光することができる化合物であり、オルトメタル化錯体及びポルフィリン錯体が好ましい。ポルフィリン錯体の中ではポルフィリン白金錯体が好ましい。燐光発光性化合物は単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明でいうオルトメタル化錯体とは、山本明夫著「有機金属化学 基礎と応用」,150頁及び232頁,裳華房社(1982年)、H. Yersin著「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」,71〜77頁及び135〜146頁,Springer-Verlag社(1987年)等に記載されている化合物群の総称である。オルトメタル化錯体を形成する配位子は特に限定されないが、2-フェニルピリジン誘導体、7,8-ベンゾキノリン誘導体、2-(2-チエニル)ピリジン誘導体、2-(1-ナフチル)ピリジン誘導体又は2-フェニルキノリン誘導体であるのが好ましい。これら誘導体は置換基を有してもよい。またこれらのオルトメタル化錯体形成に必須の配位子以外に他の配位子を有していてもよい。オルトメタル化錯体を形成する中心金属としては、遷移金属であればいずれも使用可能であるが、本発明ではロジウム、白金、金、イリジウム、ルテニウム、パラジウム等が好ましい。このようなオルトメタル化錯体を含む有機薄膜層は、発光輝度及び発光効率に優れている。オルトメタル化錯体については、特開2002-319491号に具体例が記載されている。
本発明で用いるオルトメタル化錯体は、Inorg. Chem., 30, 1685, 1991、Inorg. Chem., 27, 3464, 1988、Inorg. Chem., 33, 545, 1994、Inorg. Chim. Acta, 181, 245, 1991、J. Organomet. Chem., 335, 293, 1987、J. Am. Chem. Soc., 107, 1431, 1985等に記載の公知の方法により合成することができる。
発光性有機薄膜層中の発光性化合物の含有量は特に制限されないが、例えば0.1〜70質量%であるのが好ましく、1〜20質量%であるのがより好ましい。発光性化合物の含有量が0.1質量%未満であるか又は70質量%を超えると、その効果が十分に発揮されないことがある。
発光性有機薄膜層は必要に応じてホスト化合物、ホール輸送材料、電子輸送材料、電気的に不活性なポリマーバインダー等を含有してもよい。なおこれらの材料の機能は1つの化合物により同時に達成できることがある。例えば、カルバゾール誘導体はホスト化合物として機能するのみならず、ホール輸送材料としても機能する。
ホスト化合物とは、その励起状態から発光性化合物へエネルギー移動が起こり、その結果その発光性化合物を発光させる化合物である。その具体例としては、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン化合物、ポルフィリン化合物、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8-キノリノール金属錯体及びその誘導体、メタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾール等を配位子とする金属錯体、ポリシラン化合物、ポリ(N-ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等が挙げられる。ホスト化合物は単独で使用しても2種以上を併用してもよい。発光性有機薄膜層におけるホスト化合物の含有量は0〜99.9質量%が好ましく、0〜99.0質量%がより好ましい。
ホール輸送材料は、陽極からホールを注入する機能、ホールを輸送する機能、及び陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれかを有しているものであれば特に限定されず、低分子材料であっても高分子材料であってもよい。その具体例としては、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン化合物、ポルフィリン化合物、ポリシラン化合物、ポリ(N-ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等が挙げられる。これらは単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。発光性有機薄膜層におけるホール輸送材料の含有量は0〜99.9質量%が好ましく、0〜80.0質量%がより好ましい。
電子輸送材料は、陰極から電子を注入する機能、電子を輸送する機能、及び陽極から注入されたホールを障壁する機能のいずれかを有しているものであれば特に限定されない。その具体例としては、例えばトリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8-キノリノール金属錯体及びその誘導体、メタロフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾール等を配位子とする金属錯体、アニリン共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等が挙げられる。これらは単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。発光性有機薄膜層における電子輸送材料の含有量は0〜99.9質量%が好ましく、0〜80.0質量%がより好ましい。
ポリマーバインダーとしては、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等が使用可能である。これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。ポリマーバインダーを含有する発光性有機薄膜層は、湿式製膜法により容易に大面積に塗布形成することができる。
発光性有機薄膜層の乾燥膜厚は2〜600 nmとするのが好ましく、2〜400 nmとするのがより好ましく、2〜300 nmとするのがさらに好ましい。乾燥膜厚が600 nmを超えると駆動電圧が上昇することがある。一方2 nm未満であると有機薄膜素子が短絡することがある。
(b) ホール輸送性有機薄膜層
有機薄膜素子は、必要に応じて上記ホール輸送材料からなるホール輸送性有機薄膜層を有してよい。ホール輸送性有機薄膜層は上記ポリマーバインダーを含有してもよい。ホール輸送性有機薄膜層の乾燥膜厚は2〜600 nmとするのが好ましく、2〜400 nmとするのがより好ましく、2〜300 nmとするのがさらに好ましい。乾燥膜厚が600 nmを超えると駆動電圧が上昇することがあり、2 nm未満であると有機薄膜素子が短絡することがある。
(c) 電子輸送性有機薄膜層
有機薄膜素子は、必要に応じて上記電子輸送材料からなる電子輸送性有機薄膜層を有してもよい。電子輸送性有機薄膜層は上記ポリマーバインダーを含有してもよい。電子輸送性有機薄膜層の乾燥膜厚は2〜600 nmとするのが好ましく、2〜400 nmとするのがより好ましく、2〜300 nmとするのがさらに好ましい。乾燥膜厚が600 nmを超えると駆動電圧が上昇することがあり、2 nm未満であると有機薄膜素子が短絡することがある。
有機薄膜層を湿式製膜法により塗布形成する場合、有機薄膜層の材料を溶解して塗布液を調製するのに用いる溶剤は特に制限はなく、ホール輸送材料、オルトメタル化錯体、ホスト化合物、ポリマーバインダー等の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、ハロゲン系溶剤(クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン等)、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、n-プロピルメチルケトン、シクロヘキサノン等)、芳香族系溶剤(ベンゼン、トルエン、キシレン等)、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ-ブチロラクトン、炭酸ジエチル等)、エーテル系溶剤(テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、アミド系溶剤(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。有機薄膜層用塗布液における固形分量は特に制限はなく、その粘度も湿式製膜方法に応じて任意に選択することができる。
複数の有機薄膜層を形成する場合、転写法以外に蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、ディッピング、スピンコート法、ディップコート法、キャスト法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、グラビアコート法等の湿式製膜法、印刷法等を併用することもできる。
[2] 転写材料を用いた有機薄膜素子の製造方法
本発明の有機薄膜素子の製造方法は、仮支持体上に有機薄膜層が形成された転写材料を用い、剥離転写法により基板に少なくとも透明導電層又は背面電極が形成された第一の積層体上に有機薄膜層を転写する工程と、剥離転写法により設けた有機薄膜層上に、基板に少なくとも背面電極又は透明導電層が形成された第二の積層体を貼り合せる工程とを有することを特徴とする。なお有機薄膜層を第一の積層体に転写した後で第二の積層体と貼り合わせると記載したのは、単なる説明の便宜上であり、実際いずれの積層体が第一又は第二の積層体であるかは限定されない。従って、以下第一の積層体に有機薄膜層を転写する場合を例にとって説明しているが、その説明はそのまま第二の積層体に転写する場合にも当てはまる。
剥離転写法は、転写材料を第一の積層体に重ね合わせた状態で加熱及び/又は加圧することにより有機薄膜層を軟化させて、第一の積層体の被成膜面に接着した後、仮支持体を剥離することにより有機薄膜層だけを被成膜面に残留させる転写方法である。また貼り合せ法は、少なくとも2つの部材を密着、圧着、融着等により接合する方法である。具体的には、基板に少なくとも透明導電層又は背面電極が形成された第一の積層体の被成膜面に転写された有機薄膜層と、基板に少なくとも背面電極又は透明導電層が形成された第二の積層体(必要に応じて、さらに有機薄膜層が形成されていても良い)とを重ね合せた後、加熱及び/又は加圧することにより、有機薄膜層を第二の積層体の背面電極又は透明導電層(有機薄膜層が形成されている場合には有機薄膜層)に接着させる方法である。本発明に用いる転写方法及び貼り合せ方法では、加熱及び加圧を単独で行っても、組み合せて行ってもよい。
加熱は一般に公知の手段により行うことができ、例えばラミネータ、赤外線ヒータ、ローラヒータ、レーザ、熱ヘッド等を用いることができる。大面積の転写を行う場合、面状加熱手段が好ましく、ラミネータ、赤外線ヒータ、ローラヒータ等がより好ましい。転写用の温度は特に限定的でなく、有機薄膜層の材質や加熱部材によって変更することができるが、一般に40〜250℃が好ましく、更に50〜200℃が好ましく、特に60〜180℃が好ましい。ただし転写用の温度の好ましい範囲は、加熱部材、転写材料及び基板の耐熱性に関係しており、耐熱性が向上すればそれにともなって変化する。
加圧手段は特に限定されないが、ガラス等の歪により破壊されやすい基板を用いる場合は、均一に加圧できるものが好ましい。例えば、片方又は両方がゴム製の対ローラを用いるのが好ましく、具体的にはラミネータ(ファーストラミネータVA-400III(大成ラミネータ(株)製)等)、熱転写プリント用の熱ヘッド等を用いるのが好ましい。
本発明では、転写・剥離工程を繰返し行い、複数の有機薄膜層を積層体上に積層することもできる。複数の有機薄膜層は同一の組成であっても異なっていてもよい。同一組成の場合、転写不良や剥離不良による層の抜けを防止することができるという利点がある。また異なる層を設ける場合、機能を分離して発光効率を向上する設計とすることができ、例えば、転写法により被成膜面に、透明導電層/発光性有機薄膜層/電子輸送性有機薄膜層/電子注入層/背面電極、透明導電層/ホール注入層/ホール輸送性有機薄膜層/発光性有機薄膜層/電子輸送性有機薄膜層/電子注入層/背面電極等を積層することができる。このとき、先の転写層が次の転写層に逆転写されないように、先の転写材料を加熱する温度を次の転写材料を加熱する温度より高くするのが好ましい。
第一の積層体に転写した有機薄膜層に対して、あるいは先に転写した有機薄膜層に転写した新たな有機薄膜層に対して、必要に応じて再加熱するのが好ましい。再加熱により有機薄膜層は基板又は先に転写した有機薄膜層にいっそう密着する。再加熱時に必要に応じて加圧するのが好ましい。再加熱温度は転写温度±50℃の範囲であるのが好ましい。
先の転写層が次の転写層に逆転写されないように、先の転写工程と次の転写工程の間で、被成膜面に密着力を向上するような表面処理を施してもよい。このような表面処理としては、例えばコロナ放電処理、火炎処理、グロー放電処理、プラズマ処理等の活性化処理が挙げられる。表面処理を併用する場合、逆転写しなければ、先の転写材料の転写温度が次の転写材料の転写温度未満であってもよい。
本発明の有機薄膜素子の製造装置としては、仮支持体上に有機薄膜層を形成した転写材料を送給する装置と、転写材料を加熱しながら第一の積層体の被成膜面に押し当てることにより、有機薄膜層を第一の積層体の被成膜面に転写する装置と、転写後に仮支持体を有機薄膜層から引き剥がす装置とを有する装置を用いることができる。
図1は、本発明の有機薄膜素子の製造方法を実施するための装置の一例を示す。仮支持体111に有機薄膜層112が設けられた転写材料110を転写材料巻回用ロール113から供給する。転写装置は加熱(加圧)ロール121及び加圧(加熱)ロール122からなる。加熱(加圧)ロール121と加圧(加熱)ロール122との間に、基板101と透明導電層(陰極又は陽極)102とからなる第一の積層体100を配置し、加熱ロール(加圧)121と基板100の透明導電層102との間に、第一の積層体100の透明導電層102が転写材料110の有機薄膜層112と接するように、転写材料110を送給する。加熱(加圧)ロール121で加熱又は加圧するか、加熱(加圧)ロール121及び加圧(加熱)ロール122で加熱しながら加圧することにより、有機薄膜層112を第一の積層体100の透明導電層102上に転写する。残りの仮支持体111は仮支持体巻回用ロール114で巻き取る。
本発明に用いる製造装置は、転写装置に送給する前に転写材料110及び/又は第一の積層体100を予熱する手段を有するのが好ましい。また転写装置の後段に冷却装置を有するのが好ましい。転写装置の前面には、転写材料110の第一の積層体100に対する進入角度を90°以下にする進入角度調整部が設けられているのが好ましい。また転写装置又は冷却装置の後面には、仮支持体111の有機薄膜層112に対する剥離角度を90°以上にする剥離角度調整部が設けられているのが好ましい。これらの有機薄膜素子の製造方法・装置についての詳細は特開2002-289346号等に記載されている。
[3] 有機薄膜素子(有機EL素子)
(1) 構成
有機薄膜素子(有機EL素子)は、一対の電極間に、少なくとも一層の発光層を含む有機化合物層を有する。有機薄膜素子の好ましい全体構成は、基板に以下の順に各層を積層した構成、これらを逆に積層した構成等であってよい。
(a) 透明導電層/発光性有機薄膜層/背面電極、
(b) 透明導電層/発光性有機薄膜層/電子輸送性有機薄膜層/背面電極、
(c) 透明導電層/ホール輸送性有機薄膜層/発光性有機薄膜層/電子輸送性有機薄膜層/背面電極、
(d) 透明導電層/ホール輸送性有機薄膜層/発光性有機薄膜層/背面電極、
(e) 透明導電層/発光性有機薄膜層/電子輸送性有機薄膜層/電子注入層/背面電極、
(f) 透明導電層/ホール注入層/ホール輸送性有機薄膜層/発光性有機薄膜層/電子輸送性有機薄膜層/電子注入層/背面電極、等。
発光性有機薄膜層は蛍光発光性化合物及び/又は燐光発光性化合物を含有し、通常透明導電層から発光が取り出される。各層に用いる化合物の具体例については、例えば「月刊ディスプレイ」1998年10月号別冊の「有機ELディスプレイ」(テクノタイムズ社)等に記載されている。
(2) 基板
基板は、ジルコニア安定化イットリウム(YSZ)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルやポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン、テフロン(登録商標)、ポリテトラフルオロエチレン−ポリエチレン共重合体等の高分子材料、アルミ箔、銅箔、ステンレス箔、金箔、銀箔等の金属箔やポリイミド、液晶性ポリマーのプラスチックシート等からなるものであってよい。本発明では壊れにくさ、折り曲げやすさ、軽さ等の観点から、可撓性のある基板を用いるのが好ましい。このような基板を形成する材料としては、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性及び加工性に優れ、且つ低通気性及び低吸湿性であるポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、金属箔(アルミ箔、銅箔、ステンレス箔、金箔、銀箔等)、液晶性ポリマーのプラスチックシート、フッ素原子を含む高分子材料(ポリクロロトリフルオロエチレン、テフロン(登録商標)、ポリテトラフルオロエチレン−ポリエチレン共重合体等)等が好ましい。
基板の形状、構造、大きさ等は有機薄膜素子の用途及び目的に応じて適宜選択することができる。形状は板状とするのが一般的である。構造は単層構造であっても積層構造であってもよい。基板は単一の部材で形成しても、2以上の部材で形成してもよい。また、基板は透明又は不透明のいずれでも良い。但し、後述する透明電極が発光層を含む有機層より基板側にある等の理由により光を支持体側から取り出す場合、基板は無色透明又は有色透明であるのが好ましく、光の散乱及び減衰を抑える観点から無色透明であるのが特に好ましい。
電極を形成して発光素子を作製したときに短絡しない可撓性基板として、金属箔の片面又は両面に絶縁層を設けた基板が好ましい。金属箔は特に限定されず、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔、金箔、銀箔等の金属箔を用いることができる。中でも加工の容易さ及びコストの観点からアルミ箔又は銅箔が好ましい。絶縁層は特に限定的でなく、例えば無機酸化物や無機窒化物等の無機物や、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、ポリイミド等のプラスチックにより形成することができる。
基板の熱線膨張係は数20 ppm/℃以下であるのが好ましい。熱膨張係数は、一定速度で加熱し、試料の長さの変化を検知する方法(例えばTMA法)により測定することができる。熱線膨張係数が20 ppm/℃よりも大きいと、貼合せ工程や使用時の熱等で電極や有機薄膜層の剥がれの原因となり、耐久性悪化の原因となる。
基板に設けた絶縁層の熱線膨張係数も20 ppm/℃以下であるのが好ましい。熱線膨張係数が20 ppm/℃以下の絶縁層を形成する材料としては、酸化珪素、酸化ゲルマニウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化銅等の金属酸化物や、窒化珪素、窒化ゲルマニウム、窒化アルミニウム等の金属窒化物が好ましく、これらを一種又は二種以上を組合せて用いることができる。金属酸化物及び/又は金属窒化物の無機絶縁層の厚さは10〜1000 nmであるのが好ましい。無機絶縁層が10 nmより薄いと絶縁性が低すぎる。また。無機絶縁層が1000 nmより厚いとクラックが生じやすくなり、ピンホ−ルができて絶縁性が低下する。金属酸化物及び/又は金属窒化物の絶縁層を製膜する方法は限定的でなく、蒸着法、スパッタリング法、CVD法等の乾式法や、ゾル−ゲル法等の湿式法、又は金属酸化物及び/又は金属窒化物の粒子を溶剤に分散し塗布する方法等を利用することができる。
熱線膨張係数が20 ppm以下のプラスチック材料としては、特にポリイミドや液晶ポリマーが好ましく用いることができる。これらのプラスチック材料の性質等の詳細については「プラスチック・データブック」(旭化成アミダス(株)「プラスチック」編集部編)等に記載されている。ポリイミド等を絶縁層として用いる場合にはポリイミド等のシートとアルミ箔を積層するのが好ましい。ポリイミド等のシートの厚さは10〜200μmであるのが好ましい。ポリイミド等のシートが10μmより薄いと積層時のハンドリングが困難になる。またポリイミド等のシートが200μmよりも厚いと可撓性が損なわれ、ハンドリングが不便になる。絶縁層は金属箔の片面だけに設けても良いが、両面に設けても良い。両面に設ける場合、両面とも金属酸化物及び/又は金属窒化物であっても良く、また両面ともポリイミドのようなプラスチック絶縁層であっても良い。また一方の片面が金属酸化物及び/又は金属窒化物からなる絶縁層であり、他方の片面がポリイミドシート絶縁層であっても良い。さらに必要によりハードコート層やアンダーコート層を設けても良い。
基板の電極側の面、電極と反対側の面又はその両方に透湿防止層(ガスバリア層)を設けてもよい。透湿防止層を構成する材料としては窒化ケイ素、酸化ケイ素等の無機物を用いるのが好ましい。透湿防止層は高周波スパッタリング法等により成膜できる。また基板には必要に応じてハードコート層やアンダーコート層を設けてもよい。
金属箔の片面又は両面に絶縁層を設けた基板が好ましい。金属箔は特に限定されず、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔、金箔、銀箔等の金属箔を用いることができる。中でも加工の容易さ及びコストの観点からアルミニウム箔又は銅箔が好ましい。絶縁層は特に限定的でなく、例えば無機酸化物や無機窒化物等の無機物や、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジギリコ−ルカーボネート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、ポリイミド等のプラスチックにより形成することができる。
基板の水分透過率は0.1 g/m2・day以下であるのが好ましく、0.05 g/m2・day以下であるのがより好ましく、0.01 g/m2・day以下であるのが特に好ましい。また、酸素透過率は0.1 ml/m2・day・atm以下であるのが好ましく、0.05 ml/m2・day・atm以下であるのがより好ましく、0.01 ml/m2・day・atm以下であるのが特に好ましい。水分透過率はJISK7129B法に準拠した方法(主としてMOCON法)により測定できる。酸素透過率はJISK7126B法に準拠した方法(主としてMOCON法)により測定できる。このようにすることにより、発光素子内に耐久性悪化の原因となる水分や酸素の侵入を防ぐことが可能となる。
(3) 電極(陰極又は陽極)
透明導電層も背面電極もどちらでも陰極又は陽極として用いることができ、いずれかは有機薄膜素子を構成する組成によって決まる。陽極は通常有機薄膜層にホール(正孔)を供給する陽極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途及び目的に応じて、公知の電極の中から適宜選択することができる。
陽極を形成する材料としては、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物等を用いることができ、好ましくは仕事関数が4eV以上の材料を用いる。具体例としては、アンチモンをドープした酸化スズ(ATO)、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)、半導性金属酸化物(酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等)、金属(金、銀、クロム、ニッケル等)、これら金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、無機導電性物質(ヨウ化銅、硫化銅等)、有機導電性材料(ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等)及びこれとITOとの積層物等が挙げられる。
陰極を形成する材料としては、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物等を用いることができ、好ましくは仕事関数が4.5eV以下の材料を用いる。具体例としてはアルカリ金属(Li、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(Mg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、希土類金属(イッテルビウム等)等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点から2種以上を併用するのが好ましい。
これらの材料の中でも、電子注入性の観点からはアルカリ金属及びアルカリ土類金属が好ましく、保存安定性の観点からはアルミニウムを主体とする材料が好ましい。ここでアルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独のみならず、アルミニウムと0.01〜10質量%のアルカリ金属又はアルカリ土類金属との合金又は混合物(リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金等)を指す。
陰極側から光を取り出す場合、透明陰極を使用する必要がある。透明陰極は光に対して実質的に透明であればよい。電子注入性及び透明性を両立させるためには、金属薄膜層と透明な導電層の2層構造とすることもできる。なお、金属薄膜層の材料については、特開平2-15595号、特開平5-121172号等に詳述されている。前記金属薄膜層の厚さは1〜50 nmであることが好ましい。金属薄膜層の厚さが1nm未満であると、均一な膜厚にするのが困難である。また50 nmよりも厚いと光に対する透明性が悪い。
透明導電層に用いる材料としては、導電性又は半導性を有する透明材料であれば特に限定されず、上記陽極に使用した材料を好ましく用いることができる。好ましい材料としては、アンチモンをド−プした酸化錫(ATO)、フッ素等をド−プした酸化錫(FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等を挙げることができる。透明導電層の厚さは30〜500 nmであるのが好ましい。透明導電層が30 nmより薄いと導電性又は半導性が劣り、また500 nmより厚いと生産性が悪い。
陰極の形成法は限定的ではなく、公知の方法を採用することができるが、真空機器内で行うのが好ましい。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD法、プラズマCVD法等の化学的方式等によって形成することができる。形成方法は陰極の材料との適性を考慮して適宜選択すればよい。例えば、陰極の材料として2種以上の金属等を用いる場合、その材料を同時又は順次スパッタして形成できる。また、陰極の材料として有機伝導性材料を用いる場合には、湿式製膜法を用いてもよい。陽極の形成法も陰極の場合と同様である。
陰極のパターニングは、フォトリソグラフィー等による化学的エッチング、レーザ等を用いた物理的エッチング、マスクを用いた真空蒸着法やスパッタリング法、リフトオフ法、印刷法等により行うことができる。陽極のパターニングも陰極の場合と同様である。
陰極と有機薄膜層との間にアルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚さ設置してもよい。誘電体層は、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。
(4) パターニング
微細パターン状有機薄膜層の形成には、微細パターン状の開口部を有するマスク(微細マスク)を使用する。マスクの材質は限定的でないが、金属、ガラス、セラミック、耐熱性樹脂等の耐久性があって安価なものが好ましい。またこれらの材料を組み合わせて使用することもできる。また機械的強度及び有機薄膜層の転写精度の観点から、マスクの厚さは2〜100μmであるのが好ましく、5〜60μmであるのがより好ましい。
転写材料の有機薄膜層が正確にマスクの開口部の形状通りに下地の透明導電層又は他の有機薄膜層に接着するように、マスク開口部は基板側より転写材料側の方が大きくなるようにテーパしているのが好ましい。
また、凹凸パターンが形成された転写材料の表面を基板に重ね合わせ、転写材料の凸部に形成された有機薄膜層を第一の積層体上に転写するパターニング方法も好ましい。転写材料の仮支持体の上に形成された有機薄膜層の表面に所定のパターンの凹凸が形成された押圧部材を押圧することにより、押圧部材の凹凸に対応するパターンを転写材料の表面に形成することができる。異なる組成の有機薄膜層が形成された複数の転写材料を使用して第一の積層体への転写を繰り返すことにより、異なる組成の複数の有機薄膜層が形成された有機薄膜素子を作製することができる。
(5) その他の層
有機薄膜素子を構成する層として、発光性能の劣化を防止するために保護層や封止層を設けるのが好ましい。さらに転写材料においては発光性能に影響しなければ、転写性を向上するために仮支持体と有機薄膜層の間に剥離層を設けたり、有機薄膜層と被成膜面の間に接着層を設けてもよい。
(a) 保護層
本発明の有機薄膜素子は、特開平7-85974号、同7-192866号、同8-22891号、同10-275682号、同10-106746号等に記載の保護層を有していてもよい。保護層は有機薄膜素子の最上面に形成する。ここで最上面とは、例えば基板、透明導電層、有機薄膜層及び背面電極をこの順に積層する場合には背面電極の外側表面を指し、また例えば基板、背面電極、有機薄膜層及び透明導電層をこの順に積層する場合には透明導電層の外側表面を指す。保護層の形状、大きさ、厚さ等は特に限定的でない。保護層をなす材料は、水分や酸素等の有機薄膜素子を劣化させ得るものが素子内に侵入又は透過するのを抑制する機能を有しているものであれば特に限定されず、例えば一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、一酸化ゲルマニウム、二酸化ゲルマニウム等が使用できる。
保護層の形成方法は特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシ(MBE)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザCVD法、熱CVD法、コーティング法等が適用できる。
(b) 封止層
有機薄膜素子には水分や酸素の侵入を防止するための封止層を設けるのが好ましい。封止層を形成する材料としては、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとの共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリユリア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン又はジクロロジフルオロエチレンと他のコモノマーとの共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質、金属(In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等)、金属酸化物(MgO、SiO、SiO2、Al2O3、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe2O3、Y2O3、TiO2等)、金属フッ化物(MgF2、LiF、AlF3、CaF2等)、液状フッ素化炭素(パーフルオロアルカン、パーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等)、液状フッ素化炭素に水分や酸素の吸着剤を分散させたもの等が使用可能である。
外部からの水分や酸素を遮断する目的で、有機薄膜層を封止板、封止容器等の封止部材により封止するのが好ましい。封止部材を背面電極側のみに設置しても、発光積層体全体を封止部材で覆ってもよい。有機薄膜層を封止でき外部の空気を遮断することができれば、封止部材の形状、大きさ、厚さ等は特に限定されない。封止部材に用いる材料としては、ガラス、ステンレススチール、金属(アルミニウム等)、プラスチック(ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリエステル、ポリカーボネート等)、セラミック等が使用できる。
封止部材を発光積層体に設置する際には、適宜封止剤(接着剤)を用いてもよい。発光積層体全体を封止部材で覆う場合は、封止剤を用いずに封止部材同士を熱融着してもよい。封止剤としては紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、二液型硬化樹脂等が使用可能である。
さらに封止容器と有機薄膜素子の間の空間に水分吸収剤又は不活性液体を挿入してもよい。水分吸収剤は特に限定されず、具体例としては酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化リン、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム等が挙げられる。不活性液体としてはパラフィン類、流動パラフィン類、フッ素系溶剤(パーフルオロアルカン、パーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等)、塩素系溶剤、シリコーンオイル類等が使用可能である。
本発明の有機薄膜素子は、陽極と陰極との間に通常2〜40Vの直流電圧(必要に応じて交流成分を含んでもよい)又は直流電流を印加することにより、発光させることができる。発光素子の駆動方法については、特開平2-148687号、同6-301355号、同5-29080号、同7-134558号、同8-234685号、同8-241047号、米国特許5828429号、同6023308号、日本特許第2784615号等に記載の方法を利用することができる。
本発明を以下の実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜20、比較例1〜4
(A) 積層体Aの作製
0.5 mm×2.5 cm×2.5 cmのガラス板を洗浄容器に入れ、イソプロピルアルコール(IPA)により洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。ガラス板の酸素プラズマ処理を行った片面上に、パターニングした蒸着用のマスク(発光面積が5mm×5mmとなるマスク)を設置し、約0.1 mPaの減圧雰囲気中でAlを蒸着し、膜厚0.3μmの電極を形成した。更に誘電体層として、LiFをAl層と同パターンで3nmの厚さに蒸着した。Al電極にアルミニウムのリード線を結線し、積層体Aを形成した。
(B) 積層体Bの作製
ガラス板の代わりに25 mm角に裁断した厚さ50μmのポリイミドフイルム(UPILEX-50S、宇部興産(株)製)を用いた以外は積層体Aと同様にして、積層体Bを作製した。
(C) 積層体Cの作製
0.5 mm×2.5 cm×2.5 cmのガラス板を洗浄容器に入れ、イソプロピルアルコール(IPA)により洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。ガラス板の酸素プラズマ処理を行った片面上に、パターニングした蒸着用のマスク(発光面積が5mm×5mmとなるマスク)を設置し、約0.1 mPaの減圧雰囲気中でAlを蒸着し、膜厚0.3μmの電極を形成した。更に誘電体層として、LiFをAl層と同パターンで3nmの厚さに蒸着した。Al電極にアルミニウムのリード線を結線した。次に、約0.1 mPaの減圧雰囲気中で下記構造を有する電子輸送性化合物を蒸着し、厚さ9nmの電子輸送性有機薄膜層をLiF上に形成した。
Figure 2005521209
(D) 積層体Dの作製
ガラス板の代わりに25 mm角に裁断した厚さ50μmのポリイミドフイルム(UPILEX-50S、宇部興産(株)製)を用いた以外は積層体Cと同様にして、積層体Dを作製した。
(E) 積層体Eの作製
0.5 mm×2.5 cm×2.5 cmのガラス板を洗浄容器に入れ、イソプロピルアルコール(IPA)により洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。ガラス板の酸素プラズマ処理を行った片面上に、パターニングした蒸着用のマスク(発光面積:5mm×5mm)を設置し、約0.1 mPaの減圧雰囲気中でAlを蒸着し、膜厚0.3μmの電極を形成した。更に誘電体層として、LiFをAl層と同パターンで3nmの厚さに蒸着した。Al電極にアルミニウムのリード線を結線し、積層構造体を形成した。
得られた積層構造体の上に下記組成:
ポリビニルブチラール2000L
(Mw=2000、電気化学工業(株)製): 10質量部
下記構造を有する電子輸送性化合物: 20質量部
Figure 2005521209
1-ブタノール: 3500質量部
を有する電子輸送性有機薄膜層用塗布液をスピンコーター塗布機を用いて塗布し、80℃で2時間真空乾燥することにより、厚さ15 nmの電子輸送性有機薄膜層をLiF上に形成した。
(F) 積層体Fの作製
ガラス板の代わりに25 mm角に裁断した厚さ50μmのポリイミドフイルム(UPILEX-50S、宇部興産(株)製)を用いた以外は積層体Eと同様にして、積層体Fを作製した。
(G) 積層体Gの作製
0.5 mm×2.5 cm×2.5 cmのガラス板を用い、この基板を真空チャンバー内に導入し、SnO2含有率が10質量%のITOターゲット(インジウム:錫のモル比=95:5)を用いて、DCマグネトロンスパッタリング(基板温度:250℃、酸素圧:1×10-3 Pa)により、厚さ0.2μmのITO薄膜からなる透明電極を形成した。ITO薄膜の表面抵抗は10Ω/□であった。透明電極(ITO)より、アルミニウムのリード線を結線し、積層構造体を形成した。透明電極を形成したガラス板を洗浄容器に入れ、イソプロピルアルコール(IPA)により洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。処理した透明電極の表面に、ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホン酸の水性分散液(BAYER社製、Baytron P:固形分1.3質量%)をスピンコートした後、150℃で2時間真空乾燥し、厚さ100 nmのホール輸送性有機薄膜層を形成した。
(H) 積層体Hの作製
ガラス板の代わりに25 mm角に裁断した厚さ50μmのポリイミドフイルム(UPILEX-50S、宇部興産(株)製)を用いた以外は積層体Gと同様にして、積層体Hを作製した。
(I) 積層体Iの作製
0.5 mm×2.5 cm×2.5 cmのガラス板を用い、この基板を真空チャンバー内に導入し、SnO2含有率が10質量%のITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DCマグネトロンスパッタリング(基板温度:250℃、酸素圧:1×10-3 Pa)により、厚さ0.2μmのITO薄膜からなる透明電極を形成した。ITO薄膜の表面抵抗は10Ω/□であった。透明電極(ITO)より、アルミニウムのリード線を結線し、積層構造体を形成した。透明電極を形成したガラス板を洗浄容器に入れ、イソプロピルアルコール(IPA)により洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。処理した透明電極の表面に、下記組成:
下記構造式で表されるホール輸送性化合物(PTPDES): 40質量部
Figure 2005521209
下記構造式で表される添加剤(TBPA): 10質量部
Figure 2005521209
ジクロロエタン: 3200質量部
を有するホール輸送性有機薄膜層用塗布液をスピンコートした後、室温で乾燥し、厚さ100 nmのホール輸送性有機薄膜層を形成した。
(J) 積層体Jの作製
ガラス板の代わりに25 mm角に裁断した厚さ50μmのポリイミドフイルム(UPILEX-50S、宇部興産(株)製)を用いた以外は積層体Iと同様にして、積層体Jを作製した。
(K) 積層体Kの作製
0.5 mm×2.5 cm×2.5 cmのガラス板を用い、この基板を真空チャンバー内に導入し、SnO2含有率が10質量%のITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DCマグネトロンスパッタリング(基板温度:250℃、酸素圧:1×10-3 Pa)により、厚さ0.2μmのITO薄膜からなる透明電極を形成した。ITO薄膜の表面抵抗は10Ω/□であった。透明電極(ITO)より、アルミニウムのリード線を結線し、積層体Kを形成した。積層体Kを洗浄容器に入れ、イソプロピルアルコール(IPA)により洗浄した後、酸素プラズマ処理を行った。
(L) 積層体Lの作製
ガラス板の代わりに25 mm角に裁断した厚さ50μmのポリイミドフイルム(UPILEX-50S、宇部興産(株)製)を用いた以外は積層体Kと同様にして、積層体Lを作製した。
(M) 転写材料Mの作製
厚さ188μmのポリエーテルスルホン(住友ベークライト(株)製)からなる仮支持体の片面上に、下記組成:
ポリビニルカルバゾール(Mw=63000、アルドリッチ社製): 40質量部
トリス(2-フェニルピリジン)イリジウム錯体(オルトメタル化錯体):1質量部
ジクロロエタン: 3200質量部
を有する発光性有機薄膜層用塗布液をスピンコーターを用いて塗布し、室温で乾燥することにより、厚さ13 nmの発光性有機薄膜層を仮支持体上に形成した。
(N) 転写材料Nの作製
厚さ188μmのポリエーテルスルホン(住友ベークライト(株)製)からなる仮支持体の片面上に、下記組成:
ポリビニルブチラール2000L
(Mw=2000、電気化学工業(株)製): 10質量部
下記構造を有する電子輸送性化合物: 20質量部
Figure 2005521209
1-ブタノール: 3500質量部
を有する電子輸送性有機薄膜層用塗布液をスピンコーターを用いて塗布し、80℃で2時間真空乾燥することにより、厚さ15 nmの電子輸送性有機薄膜層を仮支持体上に形成した。
(O) 転写材料Oの作製
厚さ188μmのポリエーテルスルホン(住友ベークライト(株)製)からなる仮支持体の片面上に、下記組成:
下記構造式で表されるホール輸送性化合物(PTPDES): 40質量部
Figure 2005521209
下記構造式で表される添加剤(TBPA): 10質量部
Figure 2005521209
ジクロロエタン: 3200質量部
を有するホール輸送性有機薄膜層用塗布液をスピンコートした後、室温で乾燥し、厚さ100 nmのホール輸送性有機薄膜層を仮支持体上に形成した。
(P) 有機EL素子の作製
(1) 有機薄膜層を積層体の被成膜面に転写
得られた積層体A、B、K及びLの電極を設けた側、電子輸送性有機薄膜層を有する積層体C、D、E及びF、ホール輸送性有機薄膜層を有する積層体G、H、I及びJの有機薄膜層の上面に転写材料Mの発光性有機薄膜層側を重ね、一対の熱ローラを用い160℃、0.3MPa、及び0.05 m/minで加熱・加圧し、仮支持体を引き剥がすことにより、積層体A〜Lの電極を有する側の上面に発光性有機薄膜層が形成された積層体を得た。それぞれの積層体にハンディータイプのUVランプ(フナコシ(株)製、UVGL-25)により254 nmの紫外線を照射し、発光性有機薄膜層が均一に形成されていることを目視で確認した。発光性有機薄膜層を設けた積層体をそれぞれMA、MB、MC、MD、ME、MF、MG、MH、MI、MJ、MK及びMLで表す。
積層体A及びBの電極を設けた側、電子輸送性有機薄膜層を有する積層体C、D、E及びFの有機薄膜層側、発光性有機薄膜層を有する積層体MG、MH、MI、MJ、MK及びMLの発光層側に転写材料Nの電子輸送性有機薄膜層側を重ね、一対の熱ローラを用い160℃、0.3MPa、及び0.05 m/minで加熱・加圧し、仮支持体を引き剥がすことにより、積層体A〜F、MG〜MLの電極を有する側の上面に電子輸送性有機薄膜層が形成された積層体を得た。それぞれの積層体にハンディータイプのUVランプ(フナコシ(株)製、UVGL-25)により254 nmの紫外線を照射し、電子輸送性有機薄膜層が均一に形成されていることを目視で確認した。電子輸送性有機薄膜層を設けた積層体をそれぞれNA、NB、NC、ND、NE、NF、NMG、NMH、NMI、NMJ、NMK及びNMLで表す。
積層体K及びLの電極を設けた側、ホール輸送性有機薄膜層を有する積層体G、H、I及びJの有機薄膜層側、発光性有機薄膜層を有する積層体MA、MB、MC、MD、ME及びMFの発光層側に転写材料Oのホール輸送性有機薄膜層側を重ね、一対の熱ローラを用い160℃、0.3MPa、及び0.05 m/minで加熱・加圧し、仮支持体を引き剥がすことにより、積層体G〜L、MA〜MFの電極を有する側の上面にホール輸送性有機薄膜層を形成した。それぞれの積層体にハンディータイプのUVランプ(フナコシ(株)製、UVGL-25)により254 nmの紫外線を照射し、ホール輸送性有機薄膜層が均一に形成されていることを目視で確認した。ホール輸送性有機薄膜層を設けた積層体をそれぞれOG、OH、OI、OJ、OK、OL、OMA、OMB、OMC、OMD、OME及びOMFで表す。
(2) 貼り合せ
得られた積層体を表1に示す組み合せで、電極同士が発光性有機薄膜層を挟んで対面するように重ね合せ、一対の熱ローラを用い160℃、0.3MPa、及び0.05 m/minで加熱・加圧して、有機EL素子を作製した。貼り合せ順は、(ガラス板又はポリイミドフィルム)/Al/LiF/(電子輸送性有機薄膜層あり又は無し)/発光性有機薄膜層/(ホール輸送性有機薄膜層あり又は無し)/ITO/(ガラス板又はポリイミドフィルム)であった。ガラス板/Al/LiF/(電子輸送性有機薄膜層あり又は無し)/発光性有機薄膜層/(ホール輸送性有機薄膜層あり又は無し)/ITO/(ガラス板又はポリイミドフィルム)の層構成を有する有機EL素子の場合、ガラス板又はポリイミドフィルムの側から光を取り出すことができる。ガラス板から光を取り出す実施例の場合、Al層の厚さを0.02μmにするとともに、ガラス板とAl層の間に厚さ0.2μm のITOを積層体G〜Lと同じ方法で設けた。
(Q) 比較例用サンプルの作製
得られた積層体G〜Jのホール輸送性有機薄膜層、並びに積層体K及びLのITO上に下記組成:
ポリビニルカルバゾール(Mw=63000、アルドリッチ社製): 40質量部
トリス(2-フェニルピリジン)イリジウム錯体(オルトメタル化錯体):1質量部
ジクロロエタン: 3200質量部
を有する発光性有機薄膜層用塗布液をスピンコーターを用いて塗布し、室温で乾燥することにより、厚さ13 nmの発光性有機薄膜層を形成し、積層体QG〜QLを作製した。
積層体QG〜QLの発光性有機薄膜層上に約0.1 mPaの減圧雰囲気中で下記構造を有する電子輸送性化合物を蒸着し、厚さ9 nmの電子輸送性有機薄膜層を形成した。次いで電子輸送性有機薄膜層上に、パターニングした蒸着用のマスク(発光面積が5 mm×5 mmとなるマスク)を設置し、約0.1 mPaの減圧雰囲気中で誘電体層としてLiFを0.3μmの厚さに蒸着した。更に電極としてAlを、LiF層と同パターンで蒸着し、Al電極にアルミニウムのリード線を結線して積層体QG-a〜QL-aを作製した。
Figure 2005521209
積層体QG〜QLの発光性有機薄膜層上に下記組成:
ポリビニルブチラール2000L
(Mw=2000、電気化学工業(株)製): 10質量部
下記構造を有する電子輸送性化合物: 20質量部
Figure 2005521209
1-ブタノール: 3500質量部
を有する電子輸送性有機薄膜層用塗布液をスピンコーター塗布機を用いて塗布し、80℃で2時間真空乾燥することにより、厚さ15 nmの電子輸送性有機薄膜層を形成した。次いで電子輸送性有機薄膜層上に、パターニングした蒸着用のマスク(発光面積が5 mm×5 mmとなるマスク)を設置し、約0.1 mPaの減圧雰囲気中で誘電体層としてLiFを0.3μmの厚さに蒸着した。更に電極としてAlを、LiF層と同パターンで蒸着し、Al電極にアルミニウムのリード線を結線して積層体QG-b〜QL-bを作製した。
(J) 評価
得られた有機EL素子を以下の方法により評価した。まずソースメジャーユニット2400型(東洋テクニカ(株)製)を用いて、直流電圧を有機EL素子に印加し、発光させた。200 cd/m2の発光効率を層構成とともに表1に示す。ただし表1において、「/」は層間を表し、「//」は貼合せ位置を表し、転写工程により設けた層に下線を付してある。
Figure 2005521209
(表1続き)
Figure 2005521209
実施例の有機薄膜素子は両方の電極側から作製しているので、片側から積層している比較例(従来の方法)の有機薄膜素子と比較すると、生産性よく作製できた。また実施例で得られた有機薄膜素子による発光は、50倍ルーペで観察したところ、いずれも均一であった。
さらに基板として四角形状のガラス板やポリイミドフィルムの代わりに厚さ75μmのポリイミドの連続ウエブを用いた以外、実施例と同じ方法により有機薄膜層の転写を行なったところ、更に生産性よく同様な結果が得られた。
また、基板として厚さ50μmのポリイミドフイルム(UPILEX-50S、宇部興産(株)製)の代わりに、市販の厚さ30μmのアルミ箔の両面に厚さ50μmのポリイミドフイルム(UPILEX-50S、宇部興産(株)製)を市販の接着剤で貼り合せた複合フイルムを用いても同様の結果が得られた。
本発明の有機薄膜素子の製造方法を実施するための装置の一例を示す概略図である。

Claims (16)

  1. (a) 仮支持体上に有機薄膜層を有する転写材料を用い、前記有機薄膜層側が基板に少なくとも透明導電層又は背面電極が形成された第一の積層体の被成膜面に対面するように、前記転写材料を前記第一の積層体に重ねて加熱及び/又は加圧し、(b) 前記仮支持体を引き剥がすことにより前記有機薄膜層を前記第一の積層体の被成膜面に転写し、(c) 前記第一の積層体に転写された前記有機薄膜層に、基板に少なくとも背面電極又は透明導電層が形成された第二の積層体を貼り合せることを特徴とする有機薄膜素子の製造方法。
  2. 請求項1に記載の有機薄膜素子の製造方法において、工程(a)は加熱及び加圧を含むことを特徴とする有機薄膜素子の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の有機薄膜素子の製造方法において、加熱手段はラミネータ、赤外線ヒータ及びローラヒータのいずれかであることを特徴とする有機薄膜素子の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の有機薄膜素子の製造方法において、前記転写材料を湿式法により作製することを特徴とする有機薄膜素子の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の有機薄膜素子の製造方法において、前記第二の積層体が背面電極又は透明導電層上に有機薄膜層を有することを特徴とする有機薄膜素子の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の有機薄膜素子の製造方法において、前記第一の積層体及び前記第二の積層体の熱膨張係数が20 ppm/℃以下であることを特徴とする有機薄膜素子の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の有機薄膜素子の製造方法において、前記有機薄膜層が少なくとも発光性有機化合物又はキャリア輸送性有機化合物を含有することを特徴とする有機薄膜素子の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の有機薄膜素子の製造方法において、ホール輸送性有機薄膜層、発光性有機薄膜層及び電子輸送性有機薄膜層を順次転写することを特徴とする有機薄膜素子の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の有機薄膜素子の製造方法において、前記第一の積層体及び前記第二の積層体の少なくとも一方に透明導電層を形成することを特徴とする有機薄膜素子の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の有機薄膜素子の製造方法において、前記仮支持体及び/又は前記基板が連続ウエブであることを特徴とする有機薄膜素子の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の有機薄膜素子の製造方法において、前記基板は、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、金属箔(アルミ箔、銅箔、ステンレス箔、金箔、銀箔等)、液晶性ポリマーのプラスチックシート、フッ素原子を含む高分子材料(ポリクロロトリフルオロエチレン、テフロン(登録商標)及びポリテトラフルオロエチレン−ポリエチレン共重合体等)からなる群から選ばれた少なくとも1種の材料からなることを特徴とする有機薄膜素子の製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法により作製された有機薄膜素子。
  13. (a) 仮支持体上に有機薄膜層を有する転写材料を用い、前記有機薄膜層側が基板に少なくとも透明導電層又は背面電極が形成された第一の積層体の被成膜面に対面するように、前記転写材料を前記第一の積層体に重ねて加熱及び/又は加圧し、(b) 前記仮支持体を引き剥がすことにより前記有機薄膜層を前記第一の積層体の被成膜面に転写し、(c) 前記第一の積層体に転写された前記有機薄膜層に、基板に少なくとも背面電極又は透明導電層が形成された第二の積層体を貼り合せることを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  14. 請求項13に記載の有機EL素子の製造方法において、工程(a)は加熱及び加圧を含むことを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  15. 請求項13又は14に記載の有機EL素子の製造方法において、加熱手段はラミネータ、赤外線ヒータ及びローラヒータのいずれかであることを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  16. 請求項13〜15のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法において、前記第二の積層体が背面電極又は透明導電層上に有機薄膜層を有することを特徴とする有機EL素子の製造方法。
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