JP2004079325A - 有機電界発光素子の製造方法及び転写材料 - Google Patents

有機電界発光素子の製造方法及び転写材料 Download PDF

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西田 伸洋
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Abstract

【課題】発光効率、発光量の均一性及び耐久性に優れた有機EL素子等の有機電界発光素子を効率良く製造する方法、及びそれに用いる転写材料を提供する。
【解決手段】本発明の有機電界発光素子の製造方法は、仮支持体が1×10〜1×10 MPaの曲げ弾性率(JIS K 7171により規定される)、1×10〜1×10 MPaの引張り弾性率(JIS K 7127により規定される)、及び10〜5×10 MPaの引張降伏強度(JIS K 7113により規定される)の少なくとも1つの物性を有する有機電界発光素子用転写材料を用い、有機層側が基板の被成膜面に対面するように転写材料を基板に重ねて加熱及び/又は加圧し、仮支持体を引き剥がすことにより有機層を基板の被成膜面に転写することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はフルカラーディスプレイ、バックライト、照明光源等の面光源やプリンター等の光源アレイ等に有効に利用できる有機電界発光素子用転写材料、かかる転写材料を使用する有機電界発光素子の製造方法及び有機電界発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機電界発光(EL)素子の有機層の多くは蒸着法により製造されている。特開平9−167684号及び特開2000−195665号は、マイカ又はフイルムの仮基板上に予め有機層を均一に蒸着法により形成し、次いで基板と有機層を近接させ、加熱蒸着する方法を提案している。しかしながらこれらの方法には、蒸着法を用いるために製造効率が悪いという問題がある。また有機薄膜用に低分子有機化合物しか使用できないため、フレキシブルなディスプレイ等に用いると耐屈曲性や膜強度等の耐久性が不十分であるという問題があり、特に大面積化した場合に問題になる。
【0003】
また低分子化合物をバインダー樹脂に分散させた発光薄膜を用いた高分子型素子も知られている。これらの高分子型素子は大面積化にも有利であり、フレキシブルなディスプレイ用途として期待されているが、有機発光薄膜の形成に蒸着法を適応できないため、湿式法により基板上に直接薄膜を形成している。
【0004】
しかし湿式法では、溶液の表面張力により有機薄膜の膜厚均一性が不十分になることや、有機層を積層する場合に各有機層が界面で溶解してしまうという問題がある。このため、この方法により得られた有機電界発光素子には発光効率や素子耐久性に劣るという問題があった。
【0005】
WO 00/41893号は、有機薄膜と光熱変換層を有するドナーシートを用いて、レーザにより熱転写する方法を提案している。ところがWO 00/41893号のような熱転写の場合、有機層の接合界面に気体の巻き込みがある。有機層の界面の状態により有機EL素子の発光効率や耐久性、更に発光面状の均一性が異なるため、有機層の接合界面の気体の巻き込みは望ましくない。
【0006】
プリント技術分野で利用されている熱ヘッドやレーザを用いたパターン状の熱書き込みの場合、熱拡散性によりパターンの周辺に温度分布が生じて、有機薄膜パターンの輪郭がきれいにドナー側から切断されない。このため発光量のばらつきが生じたり、電気的不良や薄膜破片による欠陥が起こり、更に耐久性も悪い。また基板と熱ヘッドやレーザとの位置合わせの不良による歩留まり低下もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、有機層を簡便に基板上に形成できるとともに、均一性及び良好な接合界面を有する有機電界発光素子を製造する方法を提供することであり、特に基板上に有機層を均一に転写することにより、発光効率、発光量の均一性及び耐久性に優れた有機EL素子等の有機電界発光素子を効率良く製造する方法、及びそれに用いる転写材料を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、有機電界発光素子を構成する少なくとも1層の有機層を仮支持体上に設け、その有機層を基板に転写する場合に、曲げ弾性率、引張り弾性率及び引張降伏強度の少なくとも1つが所定の範囲にある仮支持体を用いることにより、有機層の転写性が向上し、発光効率、発光量の均一性及び耐久性に優れた有機電界発光素子を効率良く製造できることを発見し、本発明に想到した。
【0009】
すなわち、本発明の有機電界発光素子用転写材料は仮支持体上に少なくとも1層の有機層を有し、前記仮支持体が1×10〜1×10 MPaの曲げ弾性率(JIS K 7171により規定される)、1×10〜1×10 MPaの引張り弾性率(JIS K 7127により規定される)、及び10〜5×10 MPaの引張降伏強度(JIS K 7113(1995)により規定される)の少なくとも1つの物性を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の有機電界発光素子の製造方法は、上記転写材料を、前記有機層側が基板の被成膜面に対面するように前記基板に重ねて加熱及び/又は加圧し、前記仮支持体を引き剥がすことにより前記有機層を前記基板の被成膜面に転写することを特徴とする。
【0011】
有機電界発光素子の製造方法は、さらに前記有機層を転写した被成膜面と、電極及び/又は有機層が形成された基板を貼り合せる工程を有していてもよい。その場合、貼り合せる2つの基板の少なくとも一方の基板上に透明導電層を形成するのが好ましい。
【0012】
前記有機層は少なくとも発光性有機化合物又はキャリア輸送性有機化合物を含有するのが好ましく、ホール輸送性有機層、発光性有機層及び電子輸送性有機層を順次設けるのが好ましい。また仮支持体及び/又は基板は連続ウエブであるのが好ましい。
【0013】
有機電界発光素子の製造方法において、前記有機層を転写した基板上に、仕事関数が3.5〜4.5 eVである金属の少なくとも一種を含有する電極を有するのが好ましく、前記仕事関数が3.5〜4.5 eVである金属はMg、Ag、Pb、Al、Sc、Ti、V、Zn、Zr、及びNbからなる群から選ばれた少なくとも一種を含有するのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
まず本発明の有機層転写材料を説明し、次いで有機電界発光素子の製造方法を説明し、最後に有機電界発光素子を説明する。
【0015】
[1] 転写材料
(1) 構成
転写材料は仮支持体上に有機層を形成することにより作製する。転写材料は公知の方法を適宜用いて作製することができるが、生産性の観点から湿式法を用いるのが好ましい。有機層を設けた転写材料は、個々独立した転写材料として作製してもよいし、図1に示すように面順次に複数の有機層を設けてもよい。すなわち、進行方向順に112a,112b,112cと複数の有機層を1枚の仮支持体に設けてもよい。この転写材料110を使用すれば、転写材料の交換の必要なしに、複数の有機層を連続的に形成することができる。
【0016】
また仮支持体上に2層以上の有機層を予め積層した転写材料を使用すれば、1回の転写工程で基板の被成膜面に多層膜を積層することができる。仮支持体上に予め積層する場合、積層される各有機層の界面が均一でないと正孔や電子の移動にムラが生じてしまうので、界面を均一にするために溶剤を慎重に選ぶ必要があり、またその溶剤に可溶な有機層用の有機化合物を選択する必要がある。
【0017】
(2) 仮支持体
本発明の転写材料に使用する仮支持体は、1×10〜1×10 MPaのJIS K 7171−1994により規定される曲げ弾性率、1×10〜1×10 MPaのJIS K 7127−1999により規定される引張り弾性率、及び10〜5×10 MPaのJIS K 7113−1995により規定される引張降伏強度の少なくとも1つの物性を有する。曲げ弾性率は好ましくは2×10〜8×10 MPaであり、より好ましくは3×10〜6×10 MPaである。曲げ弾性率が1×10 MPaより小さいと巻回用ロールを通過するときに転写材料が変形し、転写精度が悪くなる。1×10 MPaより大きいと転写材料が曲がりにくくなり転写の圧力が不均一になる。また引張り弾性率は好ましくは2×10〜8×10 MPaであり、より好ましくは2×10〜6×10 MPaである。引張り弾性率が1×10 MPaより小さいと搬送の送りと巻き取りにかかる張力で転写材料が変形し、転写精度が悪くなる。1×10 MPaより大きいとハンドリングが悪くなり支持体として使用できない。さらに引張降伏強度は好ましくは20〜4×10 MPaであり、より好ましくは30〜3×10 MPaである。引張降伏強度が10 MPaより小さいと搬送の送りと巻き取りにかかる張力で転写材料が変形し、転写精度が悪くなる。5×10 MPaより大きいとハンドリングが悪くなり支持体として使用できない。
【0018】
曲げ弾性率は、JIS K 7171に準拠した方法により測定することができ、引張り弾性率は、JIS K 7161に基づいたJIS K 7127に準拠した方法により測定することができる。また引張降伏強度は、JIS K 7113に準拠した方法により測定することができる。
【0019】
仮支持体は、化学的及び熱的に安定であって、可撓性を有する材料により構成する。具体的にはフッ素樹脂[4フッ化エチレン樹脂(PTFE)、3フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)等]、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等)、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエーテルスルホン(PES)、金属箔(アルミニウム箔、鉄箔、ステンレス箔、クロム箔、銅箔等)等の薄いシート、又はこれらの積層体が好ましい。仮支持体の厚さは1μm〜300μmが適当であり、更に3μm〜200μmが好ましく、特に5μm〜150μmであるのが好ましい。
【0020】
本発明の仮支持体の構成は単層体でも積層体でもよい。積層体の場合、有機層を設ける側に順に、基体と、その基体上に少なくとも1層の平滑層を設けてもよい。平滑層を構成する素材は特に限定されない。
【0021】
(3) 仮支持体への有機層の形成
バインダーとして高分子化合物を含む有機層は、湿式法により仮支持体に形成するのが好ましい。これには、有機層用材料を有機溶剤に所望の濃度で溶解し、得られた溶液を仮支持体に塗布する。塗布法としては、有機層の乾燥膜厚が200 nm以下で均一な膜厚分布が得られれば特に制限はなく、スピンコート法、グラビアコート法、ディップコート法、キャスト法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、エクストルージェンコート法、インクジェット塗布法等が挙げられる。中でも、ロールツーロールによる生産性の高いエクストルージェンコート法が好ましい。
【0022】
(4) 有機層
有機層は有機EL素子を構成する層であり、有機EL素子に用いることができる層を意味する。具体的にはそれぞれの特質から発光性有機層、電子輸送性有機層、ホール輸送性有機層、電子注入層、ホール注入層等が挙げられる。転写材料は、これらの層のいずれか1種又は複数の層を含むことができる。また発色性を向上するための種々の層を挙げることができる。なお有機層の乾燥膜厚は、6nm〜600 nmが好ましく、6nm〜450 nmがより好ましく、6nm〜300 nmがさらに好ましい。
【0023】
有機層自体又はその中の成分のガラス転移温度は40℃以上で、かつ転写温度+40℃以下が好ましく、更に50℃以上で、かつ転写温度+20℃以下が好ましく、特に60℃以上で、かつ転写温度以下が好ましい。また転写材料の有機層自体又はその中の成分の流動開始温度は40℃以上で、かつ転写温度+40℃以下が好ましく、更に50℃以上で、かつ転写温度+20℃以下が好ましく、特に60℃以上で、かつ転写温度以下が好ましい。ガラス転移温度は、示差走査熱量測定装置(DSC)により測定することができる。また流動開始温度は、例えば島津製作所(株)製のフローテスターCFT−500を用いて測定することができる。
【0024】
(a) 発光性有機層
発光性有機層は少なくとも一種の発光性化合物を含有する。発光性化合物は特に限定的ではなく、蛍光発光性化合物であっても燐光発光性化合物であってもよい。また蛍光発光性化合物及び燐光発光性化合物を同時に用いてもよい。本発明においては、発光輝度及び発光効率の点から燐光発光性化合物を用いるのが好ましい。なお、以下「誘導体」という用語はその化合物自身及びその誘導体を意味する。
【0025】
蛍光発光性化合物としては、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、スチリルアミン誘導体、芳香族ジメチリデン化合物、金属錯体(8−キノリノール誘導体の金属錯体、希土類錯体等)、高分子発光性化合物(ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等)等が使用できる。これらは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
【0026】
燐光発光性化合物は、好ましくは三重項励起子から発光することができる化合物であり、オルトメタル化錯体及びポルフィリン錯体が好ましい。ポルフィリン錯体の中ではポルフィリン白金錯体が好ましい。燐光発光性化合物は単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
【0027】
本発明でいうオルトメタル化錯体とは、山本明夫著「有機金属化学 基礎と応用」,150頁及び232頁,裳華房社(1982年)、H. Yersin著「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」,71〜77頁及び135〜146頁,Springer−Verlag社(1987年)等に記載されている化合物群の総称である。オルトメタル化錯体を形成する配位子は特に限定されないが、2−フェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体又は2−フェニルキノリン誘導体であるのが好ましい。これら誘導体は置換基を有してもよい。またこれらのオルトメタル化錯体形成に必須の配位子以外に他の配位子を有していてもよい。オルトメタル化錯体を形成する中心金属としては、遷移金属であればいずれも使用可能であり、本発明ではロジウム、白金、金、イリジウム、ルテニウム、パラジウム等が好ましい。このようなオルトメタル化錯体を含む有機化合物層は、発光輝度及び発光効率に優れている。オルトメタル化錯体については、米国特許公報20020055014 A1号に具体例が記載されている。
【0028】
オルトメタル化金属錯体は、Inorg. Chem.,1991年,30号,1685頁、同1988年,27号,3464頁、同1994年,33号,545頁、Inorg. Chim. Acta,1991年,181号,245頁、J. Organomet. Chem.,1987年,335号,293頁、J. Am. Chem. Soc.,1985年,107号,1431頁等に記載されている種々の公知の手法により合成することができる。
【0029】
発光性有機層中の発光性化合物の含有量は特に制限されないが、例えば0.1〜70質量%であるのが好ましく、1〜20質量%であるのがより好ましい。発光性化合物の含有量が0.1質量%未満であるか又は70質量%を超えると、その効果が十分に発揮されないことがある。
【0030】
発光性有機層は必要に応じてホスト化合物、ホール輸送材料、電子輸送材料、電気的に不活性なポリマーバインダー等を含有してもよい。なおこれらの材料の機能は1つの化合物により同時に達成できることがある。例えば、カルバゾール誘導体はホスト化合物として機能するのみならず、ホール輸送材料としても機能する。
【0031】
ホスト化合物とは、その励起状態から発光性化合物へエネルギー移動が起こり、その結果その発光性化合物を発光させる化合物である。その具体例としては、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン化合物、ポルフィリン化合物、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体、メタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾール等を配位子とする金属錯体、ポリシラン化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等が挙げられる。ホスト化合物は単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
【0032】
ホール輸送材料は、陽極からホールを注入する機能、ホールを輸送する機能、及び陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれかを有しているものであれば特に限定されず、低分子材料であっても高分子材料であってもよい。その具体例としては、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン化合物、ポルフィリン化合物、ポリシラン化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等が挙げられる。これらは単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。
【0033】
電子輸送材料は、陰極から電子を注入する機能、電子を輸送する機能、及び陽極から注入されたホールを障壁する機能のいずれかを有しているものであれば特に限定されない。その具体例としては、例えばトリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体等の金属錯体、メタロフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾール等を配位子とする金属錯体、アニリン共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等が挙げられる。
【0034】
ポリマーバインダーとしては、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等が使用可能である。ポリマーバインダーを含有する発光性有機層は、湿式製膜法により容易に大面積に塗布形成することができる。
【0035】
発光性有機層の乾燥膜厚は2〜200 nmとするのが好ましく、10〜200 nmとするのがより好ましく、20〜80 nmとするのがさらに好ましい。厚さが200 nmを超えると駆動電圧が上昇することがある。一方2nm未満であると有機電界発光素子が短絡することがある。
【0036】
(b) ホール輸送性有機層
有機電界発光素子は、必要に応じて上記ホール輸送材料からなるホール輸送性有機層を有してよい。ホール輸送性有機層は上記ポリマーバインダーを含有してもよい。ホール輸送性有機層の乾燥膜厚は2〜200 nmとするのが好ましく、10〜200 nmとするのがより好ましく、20〜80 nmとするのがさらに好ましい。厚さが200 nmを超えると駆動電圧が上昇することがあり、2nm未満であると有機電界発光素子が短絡することがある。
【0037】
(c) 電子輸送性有機層
有機電界発光素子は、必要に応じて上記電子輸送材料からなる電子輸送性有機層を有してもよい。電子輸送性有機層は上記ポリマーバインダーを含有してもよい。電子輸送性有機層の乾燥膜厚は2〜200 nmとするのが好ましく、10〜200 nmとするのがより好ましく、20〜80 nmとするのがさらに好ましい。厚さが200 nmを超えると駆動電圧が上昇することがあり、2nm未満であると有機電界発光素子が短絡することがある。
【0038】
[2] 有機電界発光素子の製造方法
本発明の方法は、仮支持体上に有機層を形成することにより転写材料を作製し、有機層側が基板の被成膜面に対面するように転写材料を基板に重ねて加熱及び/又は加圧し、仮支持体を引き剥がすことにより有機層を基板の被成膜面に転写するものである。転写材料は1種であってもよいし、同一又は異なる組成の有機層を有する2種以上の転写材料を使用してもよい。
【0039】
剥離転写法は、転写材料を加熱及び/又は加圧することにより有機層を軟化させて、基板の被成膜面に接着させた後、仮支持体を剥離することにより、有機層だけを被成膜面に残留させる方法(転写方法)である。好ましくは加熱と同時に加圧して転写を行う。加熱手段は公知の方法を用いることができる。例えばラミネータ、赤外線ヒータ、レーザ、熱ヘッド、加熱ローラ等を用いることができ、好ましくはラミネータ、赤外線ヒータ及び加熱ローラを用いることができる。熱ヘッドとしては、例えばファーストラミネータVA−400III(大成ラミネータ(株)製)や、熱転写プリント用の熱ヘッド等を用いることができる。転写温度は特に限定的でなく、有機層の材質や加熱部材によって変更することができるが、一般に40〜250℃が好ましく、更に50〜200℃が好ましく、特に60〜180℃が好ましい。ただし転写用の温度の好ましい範囲は、加熱部材、転写材料及び基板の耐熱性に関係しており、耐熱性が向上すればそれにともなって変化する。
【0040】
図2に本発明の有機電界発光素子の製造方法を実施するための装置の一例を示すが、本発明はこれらに限定されることはない。図2において、仮支持体111に有機層112が設けられた転写材料110は、転写材料巻回用ロール113から供給する。転写装置は加熱ロール121及び加圧(加熱)ロール122からなる。加熱ロール121と加圧(加熱)ロール122との間に、基板支持体101と透明導電層(陰極又は陽極)102とからなる基板100を配置し、加熱ロール121と基板100の透明導電層102との間に、基板100の透明導電層102が転写材料110の有機層112と接するように、転写材料110を送給する。加熱ロール121で加熱するか、加熱ロール121及び加圧(加熱)ロール122で加圧しながら加熱することにより、有機層112を基板100の透明導電層102上に転写する。残りの仮支持体111は仮支持体巻回用ロール114で巻き取る。
【0041】
2種以上の転写材料を使用する場合には、最初に転写する転写材料の転写温度が次に転写する転写材料の転写温度以上であり、2種以上の有機層を有する転写材料を使用する場合には、最初に転写する有機層の転写温度が次に転写する有機層の転写温度以上であるのが好ましい。
【0042】
本発明では、転写・剥離工程を繰返し行い、複数の有機層を基板上に積層することもできる。複数の有機層は同一の組成であっても異なっていてもよい。同一組成の場合、転写不良や剥離不良による層の抜けを防止することができるという利点がある。また異なる層を設ける場合、機能を分離して発光効率を向上する設計とすることができ、例えば、本発明の転写法により被成膜面に、透明導電層/発光性有機層/電子輸送性有機層/電子注入層/背面電極、透明導電層/ホール注入層/ホール輸送性有機層/発光性有機層/電子輸送性有機層/電子注入層/背面電極を積層することができる。このとき転写温度は、先の転写層が次に転写層に逆転写されないように、先の転写材料を加熱する温度を次の転写材料を加熱する温度以上とするのが好ましい。
【0043】
基板に転写した有機層に対して、あるいは先に転写した有機層に転写した新たな有機層に対して、必要に応じて再加熱するのが好ましい。再加熱により有機層は基板又は先に転写した有機層にいっそう密着する。再加熱時に必要に応じて加圧するのが好ましい。再加熱温度は転写温度±50℃の範囲であるのが好ましい。
【0044】
先の転写層が次の転写層に逆転写されないように、先の転写工程と次の転写工程の間で、被成膜面に密着力を向上するような表面処理を施してもよい。このような表面処理としては、例えばコロナ放電処理、火炎処理、グロー放電処理、プラズマ処理等の活性化処理が挙げられる。表面処理を併用する場合、逆転写しなければ先の転写材料の転写温度が次の転写材料の転写温度未満であってもよい。
【0045】
本発明では仮支持体に有機層を形成した複数の転写材料を用いて、剥離転写法により基板上に有機層を転写する工程と、剥離転写法により設けた有機層上に電極及び/又は有機層が形成された基板を貼り合せ法により貼り合せる工程を有してもよい。貼り合せ法は、少なくとも2つの面の界面同士を密着、圧着、融着等により接合する方法である。具体的には被成膜面に転写された有機層と、電極及び/又は有機層が形成された基板とを重ね合せた後、加熱及び/又は加圧することにより有機層を軟化させて、基板に形成された電極及び/又は有機層に接着させる方法である。貼合せ方法は、加熱と加圧をそれぞれ単独で使用してもこれらを組み合せて使用してもよい。加熱及び加圧は剥離転写法と同様の手段により行うことができる。
【0046】
[3] 有機電界発光素子
(1) 構成
有機電界発光素子の全体構成は、基板支持体上に透明導電層/発光性有機層/背面電極、透明導電層/発光性有機層/電子輸送性有機層/背面電極、透明導電層/ホール輸送性有機層/発光性有機層/電子輸送性有機層/背面電極、透明導電層/ホール輸送性有機層/発光性有機層/背面電極、透明導電層/発光性有機層/電子輸送性有機層/電子注入層/背面電極、透明導電層/ホール注入層/ホール輸送性有機層/発光性有機層/電子輸送性有機層/電子注入層/背面電極等をこの順に積層した構成、これらを逆に積層した構成等であってよい。発光性有機層は蛍光発光性化合物及び/又は燐光発光性化合物を含有し、通常透明導電層から発光が取り出される。各層に用いる化合物の具体例については、例えば「月刊ディスプレイ」1998年10月号別冊の「有機ELディスプレイ」(テクノタイムズ社)等に記載されている。
【0047】
(2) 基板支持体
基板支持体は、ジルコニア安定化イットリウム(YSZ)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルやポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン、テフロン(登録商標)、ポリテトラフルオロエチレン−ポリエチレン共重合体等の高分子材料、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔、金箔、銀箔等の金属箔やポリイミド、液晶性ポリマーのプラスチックシート等からなるものであってよい。壊れにくさ、折り曲げやすさ、軽さ等の観点からは、可撓性のある基板支持体を用いるのが好ましい。このような基板支持体を形成する材料としては、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性及び加工性に優れ、且つ低通気性及び低吸湿性であるポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、金属箔(アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔、金箔、銀箔等)、液晶性ポリマーのプラスチックシート、フッ素原子を含む高分子材料(ポリクロロトリフルオロエチレン、テフロン(登録商標)、ポリテトラフルオロエチレン−ポリエチレン共重合体等)等が好ましい。
【0048】
基板支持体の電極側の面、電極と反対側の面又はその両方に透湿防止層(ガスバリア層)を設けてもよい。透湿防止層を構成する材料としては窒化ケイ素、酸化ケイ素等の無機物を用いるのが好ましい。透湿防止層は高周波スパッタリング法等により成膜できる。また基板支持体には必要に応じてハードコート層やアンダーコート層を設けてもよい。
【0049】
また、金属箔の片面又は両面に絶縁層を設けた基板が好ましい。金属箔は特に限定されず、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔、金箔、銀箔等の金属箔を用いることができる。中でも加工の容易さ及びコストの観点からアルミニウム箔又は銅箔が好ましい。絶縁層は特に限定的でなく、例えば無機酸化物や無機窒化物等の無機物や、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジギリコ−ルカーボネート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、ポリイミド、等のプラスチックにより形成することができる。
【0050】
基板支持体の水分透過率は0.1 g/m・day以下であるのが好ましく、0.05 g/m・day以下であるのがより好ましく、0.01 g/m・day以下であるのが特に好ましい。また、酸素透過率は0.1 ml/m・day・atm以下であるのが好ましく、0.05 ml/m・day・atm以下であるのがより好ましく、0.01 ml/m・day・atm以下であるのが特に好ましい。水分透過率はJIS K7129−1992法に準拠した方法(主としてMOCON法)により測定できる。酸素透過率はJIS K7126−1987法に準拠した方法(主としてMOCON法)により測定できる。このようにすることにより、有機電界発光素子内に耐久性悪化の原因となる水分や酸素の侵入を防ぐことが可能となる。
【0051】
(3) 電極(陰極又は陽極)
透明導電層も背面電極もどちらでも陰極又は陽極として用いることができ、いずれかは有機電界発光素子の構成によって決まる。
【0052】
(a) 陽極
陽極は、通常有機化合物層に正孔を供給する機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、有機電界発光素子の用途、目的等に応じて公知の電極から適宜選択することができる。
【0053】
陽極を形成する材料としては、金属、合金、金属酸化物、有機導電性化合物、これらの混合物等を用いることができ、好ましくは仕事関数が4.0 eV以上の材料を用いる。具体例としては、アンチモン、フッ素等をドープした酸化スズ(ATO、FTO)、半導性金属酸化物(酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等)、金属(金、銀、クロム、ニッケル等)、これら金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、無機導電性物質(ヨウ化銅、硫化銅等)、有機導電性材料(ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等)及びこれとITOとの積層物等が挙げられる。
【0054】
陽極は印刷法、コーティング法等の湿式方法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方法、CVD法、プラズマCVD法等の化学的方法等によって基板支持体上に形成することができる。形成方法は陽極材料との適性を考慮して適宜選択すればよい。例えば、陽極の材料としてITOを用いる場合には、直流又は高周波スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等を用いればよい。また陽極の材料として有機導電性化合物を用いる場合には、湿式製膜法を用いてよい。
【0055】
陽極の形成位置は有機電界発光素子の用途、目的等に応じて適宜選択してよい。例えば基板支持体上に形成する場合、陽極は基板支持体の表面全体に形成しても一部のみに形成してもよい。
【0056】
陽極のパターニングはフォトリソグラフィー等による化学的エッチング、レーザ等を用いた物理的エッチング等により行うことができる。またマスクを用いた真空蒸着法やスパッタリング法、リフトオフ法、印刷法等によりパターニングしてもよい。
【0057】
陽極の厚さはその材料に応じて適宜選択すればよいが、通常10 nm〜50μmであり、好ましくは50 nm〜20μmである。陽極の抵抗値は10Ω/□以下とするのが好ましく、10Ω/□以下とするのがより好ましい。陽極は無色透明であっても有色透明であってもよい。陽極側から発光を取り出すためには、その透過率は60%以上とするのが好ましく、70%以上とするのがより好ましい。透過率は分光光度計を用いた公知の方法に従って測定することができる。
【0058】
また「透明導電膜の新展開」(沢田豊監修、シーエムシー刊、1999年)等に詳細に記載されている電極も本発明に適用できる。特に耐熱性の低いプラスチック基板支持体を用いる場合は、陽極としてITO又はIZOを使用し、150℃以下の低温で製膜するのが好ましい。
【0059】
(b) 陰極
陰極を形成する材料としては、金属単体や、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物等を用いることができ、好ましくは仕事関数が4.5eV以下の材料を用いる。具体例としてはアルカリ金属(例えばLi、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、希土類金属(イッテルビウム等)等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点から2種以上を併用するのが好ましい。
【0060】
これらの中でも、電子注入性の観点からはアルカリ金属やアルカリ土類金属が好ましく、保存安定性の観点からはアルミニウムを主体とする材料が好ましい。ここでアルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独のみならず、アルミニウムと0.01〜10質量%のアルカリ金属又はアルカリ土類金属との合金(例えばリチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金等)又は混合物を指す。
【0061】
陰極側から光を取り出す場合、透明陰極を使用する必要がある。透明陰極は光に対して実質的に透明であればよい。電子注入性及び透明性を両立させるためには、薄膜の金属層と透明な導電層の2層構造とすることもできる。なお、薄膜金属層の材料については、特開平2−15595号、特開平5−121172号に詳述されている。薄膜の金属層の厚さは1〜50 nmであることが好ましい。1nm以下であると、均一に薄膜層を製膜することが困難になる。また50 nmよりも厚いと光に対する透明性が悪くなる。
【0062】
透明導電層に用いる材料としては、導電性又は半導性を有する透明材料であれば特に限定されず、上記陽極に使用した材料を好ましく用いることができる。好ましい材料としては、アンチモンやフッ素等をド−プした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等を挙げることができる。透明導電層の厚さは30〜500 nmであるのが好ましい。透明導電層が30 nmより薄いと導電性又は半導性が劣り、また500
nmより厚いと生産性が悪い。
【0063】
陰極の形成法は限定的ではなく、公知の方法を採用することができるが、真空機器内で行うのが好ましい。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式等から陰極の材料との適性を考慮して適宜選択する。例えば、陰極の材料として金属等を選択する場合、1種又は2種以上の金属を同時に又は順次スパッタ法等に従って行うことができる。また、有機伝導性材料を用いる場合、湿式製膜法を用いてもよい。
【0064】
陰極のパターニングは、フォトリソグラフィー等による化学的エッチング、レーザー等を用いた物理的エッチング、マスクを用いた真空蒸着法やスパッタリング法、又はリフトオフ法や印刷法により行うことができる。
【0065】
陰極と有機層との間にアルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚さで挿入してもよい。誘電体層は、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。
【0066】
(4) パターニング
微細パターン状有機層の形成には、微細パターン状の開口部を有するマスク(微細マスク)を使用する。マスクの材質は限定的でないが、金属、ガラス、セラミック、耐熱性樹脂等の耐久性があって安価なものが好ましい。またこれらの材料を組み合わせて使用することもできる。また機械的強度及び有機層の転写精度の観点から、マスクの厚さは2〜100μmであるのが好ましく、5〜60μmがより好ましい。
【0067】
転写材料の有機層が正確にマスクの開口部の形状通りに下地の透明導電層又は他の有機層に接着するように、マスク開口部は基板側より転写材料側の方が大きくなるようにテーパしているのが好ましい。
【0068】
凹凸パターンが形成された転写材料の表面を基板に重ね合わせ、転写材料の凸部に形成された有機層を基板上に転写するパターニング法も好ましい。転写材料の仮支持体の上に形成された有機層の表面に所定のパターンの凹凸が形成された押圧部材を押圧することにより、押圧部材の凹凸に対応するパターンを転写材料の表面に形成することができる。また異なる組成の有機層により複数の転写材料を形成してもよい。基板上に複数の転写材料を用いて転写を繰り返すことにより、複数の異なる組成の有機層が形成されたパターン状有機層を作製することができる。
【0069】
(5) その他の層
有機電界発光素子を構成する層として、発光性能の劣化を防止するために保護層や封止層を設けるのが好ましい。さらに転写材料においては発光性能に影響しなければ、転写性を向上するために仮支持体と有機層の間に剥離層を設けたり、有機層と被成膜面の間に接着層を設けてもよい。
【0070】
(a) 保護層
有機電界発光素子は、特開平7−85974号、同7−192866号、同8−22891号、同10−275682号、同10−106746号等に記載の保護層を有していてもよい。保護層は有機電界発光素子の最上面に形成する。ここで最上面とは、例えば基板支持体、透明導電層、有機化合物層及び背面電極をこの順に積層する場合には背面電極の外側表面を指し、また例えば基板支持体、背面電極、有機化合物層及び透明導電層をこの順に積層する場合には透明導電層の外側表面を指す。保護層の形状、大きさ、厚さ等は特に限定的でない。保護層をなす材料は、水分や酸素等の有機電界発光素子を劣化させ得るものが素子内に侵入又は透過するのを抑制する機能を有しているものであれば特に限定されず、例えば一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、一酸化ゲルマニウム、二酸化ゲルマニウム等が使用できる。
【0071】
保護層の形成方法は特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシ法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザCVD法、熱CVD法、コーティング法等が適用できる。
【0072】
(b) 封止層
有機電界発光素子には水分や酸素の侵入を防止するための封止層を設けるのが好ましい。封止層を形成する材料としては、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとの共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリユリア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン又はジクロロジフルオロエチレンと他のコモノマーとの共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質、金属(In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等)、金属酸化物(MgO、SiO、SiO、Al、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe、Y、TiO等)、金属フッ化物(MgF、LiF、AlF、CaF等)、液状フッ素化炭素(パーフルオロアルカン、パーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等)、液状フッ素化炭素に水分や酸素の吸着剤を分散させたもの等が使用可能である。
【0073】
外部からの水分や酸素を遮断する目的で、有機化合物層を封止板、封止容器等の封止部材により封止するのが好ましい。封止部材を背面電極側のみに設置しても、発光積層体全体を封止部材で覆ってもよい。有機化合物層を封止でき外部の空気を遮断することができれば、封止部材の形状、大きさ、厚さ等は特に限定されない。封止部材に用いる材料としては、ガラス、ステンレススチール、金属(アルミニウム等)、プラスチック(ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリエステル、ポリカーボネート等)、セラミック等が使用できる。
【0074】
封止部材を発光積層体に設置する際には、適宜封止剤(接着剤)を用いてもよい。発光積層体全体を封止部材で覆う場合は、封止剤を用いずに封止部材同士を熱融着してもよい。封止剤としては紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、二液型硬化樹脂等が使用可能である。
【0075】
さらに封止容器と有機電界発光素子の間の空間に水分吸収剤又は不活性液体を挿入してもよい。水分吸収剤は特に限定されず、具体例としては酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化リン、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム等が挙げられる。不活性液体としてはパラフィン類、流動パラフィン類、フッ素系溶剤(パーフルオロアルカン、パーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等)、塩素系溶剤、シリコーンオイル類等が使用可能である。
【0076】
【実施例】
本発明を以下の実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0077】
実施例1
(A) 転写材料Aの作製
ポリエーテルスルホン(PES)(住友ベークライト(株)製、厚さ188μm)からなる仮支持体の片面上に、下記組成:
ポリビニルカルバゾール(Mw=63000、アルドリッチ社製): 40質量部
トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(オルトメタル化錯体):1質量部
ジクロロエタン: 3500質量部
を含有する発光性有機層用塗布液をバーコータを用いて塗布し、室温で乾燥することにより、厚さ40 nmの発光性有機層を仮支持体上に形成した転写材料Aを作製した。仮支持体の曲げ弾性率、引張り弾性率及び引張降伏強度はそれぞれ2500 MPa、2800 MPa及び86 MPaであった。
【0078】
(B) 転写材料Bの作製
ポリエーテルスルホン(PES)(住友ベークライト(株)製、厚さ188μm)からなる仮支持体の片面上に、下記組成:
ポリビニルブチラール(Mw=50000、アルドリッチ社製): 10質量部
下記構造を有する電子輸送性化合物: 20質量部
1−ブタノール: 3500質量部
【0079】
【化1】
Figure 2004079325
【0080】
を含有する電子輸送性有機層用塗布液をエクストルージョン型塗布機を用いて塗布し、80℃で2時間真空乾燥することにより、厚さ60 nmの電子輸送性有機層を仮支持体上に形成した転写材料Bを作製した。
【0081】
(C) 転写材料Cの作製
ポリエーテルスルホン(PES)(住友ベークライト(株)製、厚さ188μm)からなる仮支持体の片面上に、下記組成:
下記構造式で表されるホール輸送性化合物(PTPDES) :40質量部
【0082】
【化2】
Figure 2004079325
【0083】
下記構造式で表される添加剤(TBPA) :10質量部
【0084】
【化3】
Figure 2004079325
【0085】
ジクロロエタン: 3500質量部
を含有する有機層用塗布液をエクストルージョン型塗布機を用いて塗布し、室温で乾燥することにより、厚さ40 nmのホール輸送性有機層を仮支持体上に形成した転写材料Cを作製した。
【0086】
(D) 有機EL素子の作製
5cm角(厚さ30μm)のアルミニウム箔の両面にポリイミドシ−ト(ユ−ピレックス50S、厚さ50μm、宇部興産(株)製)を接着剤を用いて積層し、基板支持体を作製した。
【0087】
この基板支持体上に蒸着法により250 nmの膜厚でAlを製膜し、陰極を得た。更にこの上に蒸着法によりLiFを3nm積層した。次にこのLiF層上に転写材料Bの電子輸送性有機層側を重ね、0.3 MPaの加圧力の1対のローラー(一方が160℃の加熱ローラー)の間を0.05 m/分の速度で通すことにより転写材料Bの仮支持体側から加熱しながら加圧した。次いで転写材料Bから仮支持体を引き剥がすことにより基板のLiF層上に電子輸送性有機層を転写した。
【0088】
同様に、電子輸送性有機層の上面に転写材料Aの発光性有機層側を重ね、0.3 MPaの加圧力の1対のローラー(一方が155℃の加熱ローラー)の間を0.05 m/分の速度で通すことにより転写材料Aの仮支持体側から加熱しながら加圧し、仮支持体を引き剥がすことにより、電子輸送性有機層の上面に発光性有機層を形成した。
【0089】
更に、発光性有機層の上面に転写材料Cのホール輸送性有機層側を重ね、0.3 MPaの加圧力の1対のローラー(一方が150℃の加熱ローラー)の間を0.05 m/分の速度で通すことにより転写材料Cの仮支持体側から加熱しながら加圧し、仮支持体を引き剥がすことにより、発光性有機層の上面にホール輸送性有機層を形成した。以上のようにして設けた有機化合物層の上にDCマグネトロンスパッタリングにより200 nmの膜厚でITO(インジウム/錫=95/5モル比)を成膜し、透明導電層を形成し、透明陽極を得た。
【0090】
次に陽極及び陰極よりそれぞれアルミニウムのリード線を出した。リ−ド線部以外の部分をスパッタリング法により窒化ケイ素により被い、封止膜を作製し、有機EL素子101を得た。
【0091】
仮支持体の材料としてPESの代わりにそれぞれアルミニウム箔、ポリエチレンテレフタレート(PET)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、及び天然ゴムを用いた以外有機EL素子101と同じ方法で有機EL素子102〜106を作製した。各材料の曲げ弾性率、引張り弾性率及び引張降伏強度を表1に示す。
【0092】
得られた有機EL素子を以下の方法で評価した。まず転写材料から被成膜面への転写性をハンディータイプのUVランプ(フナコシ(株)製、UVGL−25)により目視で評価した。転写性の評価基準は下記の通りである。結果を表1に示す。
9割以上が転写された場合: ◎
7割以上9割未満が転写された場合: ○
7割未満の場合: ×
【0093】
ソースメジャーユニット2400型(東洋テクニカ(株)製)を用いて、直流電圧を有機EL素子に印加し200 cd/mで発光させ、50倍の顕微鏡で発光ムラを観察した。発光ムラの評価基準は下記の通りである。結果を表1に示す。
9割以上が均一に発光した場合: ◎
発光に濃淡があり、7割以上が均一に発光した場合: ○
発光に濃淡があり、5割以上7割未満が均一に発光した場合: △
発光に濃淡があり、5割未満が均一に発光した場合: ×
【0094】
【表1】
Figure 2004079325
【0095】
以上のように本発明の転写材料は転写性に優れ、それを用いて作製した有機EL素子は発光ムラが著しく少ないことが分かった。
【0096】
実施例2
5cm角(厚さ30μm)のアルミニウム箔の両面にポリイミドシ−ト(ユ−ピレックス50S、厚さ50μm、宇部興産(株)製)を接着剤を用いて積層し、基板支持体を作製した。この基板支持体上に蒸着法により250 nmの膜厚でAlを製膜し、陰極を得た。更にこの上に蒸着法によりLiFを3nm積層した。次にこのLiF層上に電子輸送性化合物として下記化合物を1nm/秒の速度で蒸着して0.024 μmの電子輸送性有機層を設けた。
【0097】
【化4】
Figure 2004079325
【0098】
得られた電子輸送性有機層の上面に実施例1と同様にして作製した転写材料Aの発光性有機層側を重ね、0.3 MPaの加圧力の1対のローラー(一方が155℃の加熱ローラー)の間を0.05 m/分の速度で通すことにより転写材料Aの仮支持体側から加熱しながら加圧し、仮支持体を引き剥がすことにより、電子輸送性有機層の上面に発光性有機層を形成した。
【0099】
更に、発光性有機層の上面に実施例1と同様にして作製した転写材料Cのホール輸送性有機層側を重ね、0.3 MPaの加圧力の1対のローラー(一方が150℃の加熱ローラー)の間を0.05 m/分の速度で通すことにより転写材料Cの仮支持体側から加熱しながら加圧し、仮支持体を引き剥がすことにより、発光性有機層の上面にホール輸送性有機層を形成した。以上の様にして設けた有機化合物層の上にDCマグネトロンスパッタリングにより200 nmの膜厚でITO(インジウム/錫=95/5モル比)を成膜し、透明導電層を形成し、透明陽極を得た。
【0100】
次に陽極及び陰極よりそれぞれアルミニウムのリード線を出した。リ−ド線部以外の部分をスパッタリング法により窒化ケイ素により被い、封止膜を作製し、有機EL素子201を得た。
【0101】
仮支持体の材料としてPESの代わりにそれぞれアルミニウム箔、ポリエチレンテレフタレート(PET)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、及び天然ゴムを用いた以外有機EL素子201と同じ方法で有機EL素子202〜206を作製した。得られた有機EL素子を実施例1と同様の方法により評価し、同様の結果を得た。
【0102】
実施例3
5cm角(厚さ30μm)のアルミニウム箔の両面にポリイミドシ−ト(ユ−ピレックス50S、厚さ50μm、宇部興産(株)製)を接着剤を用いて積層し、基板支持体を作製した。この基板支持体を真空チャンバー内に導入し、SnO含有率が10質量%のITOターゲット(インジウム/錫=95/5モル比)を用いて、DCマグネトロンスパッタリング(条件:基板支持体の温度250℃、酸素圧1×10−3Pa)により、厚さ0.2μmのITO薄膜からなる透明電極(陽極)を形成した。ITO薄膜の表面抵抗は10Ω/□であった。
【0103】
さらに透明電極の表面に、ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホン酸の水性分散液(BAYER社製、Baytron P:固形分1.3質量%)をスピンコートした後、150℃で2時間真空乾燥し、厚さ100 nmのホール輸送性有機層を形成した。
【0104】
ホール輸送性有機層の上面に実施例1と同様にして作製した転写材料Aの発光性有機層側を重ね、0.3 MPaの加圧力の1対のローラー(一方が155℃の加熱ローラー)の間を0.05 m/分の速度で通すことにより転写材料Aの仮支持体側から加熱しながら加圧し、仮支持体を引き剥がすことにより、ホール輸送性有機層の上面に発光性有機層を形成した。
【0105】
更に、発光性有機層の上面に実施例1と同様にして作製した転写材料Bの電子輸送性有機層側を重ね、0.3 MPaの加圧力の1対のローラー(一方が150℃の加熱ローラー)の間を0.05 m/分の速度で通すことにより転写材料Bの仮支持体側から加熱しながら加圧し、仮支持体を引き剥がすことにより、発光性有機層の上面に電子輸送性有機層を形成した。
【0106】
以上のようにして設けた有機化合物層の上に蒸着法によりLiFを3nm製膜した(電子注入層)。さらに蒸着法により、Alを10 nm蒸着し、透明陰極の金属薄膜層を設けた。さらにこの上に、DCマグネトロンスパッタリングにより200 nmの膜厚でITO(インジウム/錫=95/5モル比)を成膜し、透明導電層を形成し、透明陰極を得た。
【0107】
次に陽極及び陰極よりそれぞれアルミニウムのリード線を出して発光素子を作成した。さらにリ−ド線部以外の部分をスパッタリング法により窒化ケイ素により被い封止膜を作製し、有機EL素子301を得た。
【0108】
仮支持体の材料としてPESの代わりにそれぞれアルミニウム箔、ポリエチレンテレフタレート(PET)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、及び天然ゴムを用いた以外有機EL素子301と同じ方法で有機EL素子302〜306を作製した。得られた有機EL素子を実施例1と同様の方法により評価し、同様の結果を得た。
【0109】
【発明の効果】
仮支持体の曲げ弾性率、引張り弾性率及び引張降伏強度の少なくとも1つが所定の範囲にある転写材料を用いることにより、発光効率、発光量の均一性及び耐久性に優れた有機EL素子等の有機電界発光素子を低コストで効率よく製造できる。また、本発明では転写材料を用いて有機層を形成するため、基板や有機層に欠陥(表面の平滑性等の物理的欠陥)等が存在しても欠陥の影響が低減され、面状発光が良好になる等の効果を有する。さらに貼り合せ工程により、層同士の密着性が良く、欠陥が少なく、耐久性に優れた有機電界発光素子を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による複数の有機層を面順次に有する転写材料を示す。
【図2】本発明の一実施例による有機電界発光素子の製造方法を実施するための装置を示す。
【符号の説明】
100  基板
101  基板支持体
102  陰極又は陽極
110  転写材料
111  仮支持体
112  有機層
113  転写材料巻回用ロール
114  仮支持体巻回用ロール
121  加熱部材(ロール)
122  加圧(加熱)部材(ロール)

Claims (4)

  1. 仮支持体上に少なくとも1層の有機層を有する有機電界発光素子用転写材料であって、前記仮支持体が1×10〜1×10 MPaの曲げ弾性率(JIS K 7171により規定される)、1×10〜1×10 MPaの引張り弾性率(JIS K 7127により規定される)、及び10〜5×10 MPaの引張降伏強度(JIS K 7113により規定される)の少なくとも1つの物性を有することを特徴とする有機電界発光素子用転写材料。
  2. 請求項1に記載の転写材料を、前記有機層側が基板の被成膜面に対面するように前記基板に重ねて加熱及び/又は加圧し、前記仮支持体を引き剥がすことにより前記有機層を前記基板の被成膜面に転写することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
  3. 請求項2に記載の有機電界発光素子の製造方法において、さらに前記有機層を転写した被成膜面と、電極及び/又は有機層が形成された基板を貼り合せる工程を有することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
  4. 請求項3に記載の有機電界発光素子の製造方法において、前記貼り合せる工程に用いる、貼り合せる2つの基板の少なくとも一方の基板上に透明導電層を形成することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
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