JP2005519621A - 3’一本鎖部分を含む二本鎖dnaを生成する方法および組換えのためのこれらの複合体の使用 - Google Patents

3’一本鎖部分を含む二本鎖dnaを生成する方法および組換えのためのこれらの複合体の使用 Download PDF

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    • C12N15/1096Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA cDNA Synthesis; Subtracted cDNA library construction, e.g. RT, RT-PCR

Abstract

本発明は、核酸を組換える方法を、提供する。特に、RNA標的からの3’突出を含む部分的に二本鎖の核酸の生成のための方法、およびポリヌクレオチドを組換えする方法における、RNA標的からの3’突出を含む部分的に二本鎖の核酸の使用が、記載される。これらの方法は、サーモサイクリングを必要としない。本発明はまた、改善された特性または所望の特性を備えたタンパク質の同定を可能にする、組換え方法および選択方法も、提供する。

Description

(関連出願の引用)
本出願は、米国仮出願第60/363,729号(2002年3月11日出願)の利益を主張し、その内容は、その全体が参考として援用される。
(技術分野)
本発明は、RNAテンプレートからの3’一本鎖部分を含むハイブリダイズした第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物を生成するための方法および組成物、ならびに組換え方法におけるこれらの複合体の使用に関する。1つの局面において、本発明は、サーモサイクリング(thermocycling)を必要としない、組換えポリヌクレオチドを生成するための方法を提供し、このポリヌクレオチドは、所望の表現型のスクリーニングおよび/もしくは選択に有用であるか、ならびに/または有利な所定の特性を有するタンパク質をコードする。
DNA分子をクローン化し、組換える能力において、近年、急速かつ確実な進歩が存在している。これらの進歩は、制限酵素の発見と共に始まった。この制限酵素は、二本鎖DNAを切断し得、それにより、組換えられて新規の組換え分子を生成し得るDNAフラグメントが、生成された。この革命は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の発見および開発によって拡張された。これは、特定のDNAセグメントの迅速な増幅を可能にし、この後切断され、他のDNA分子と組換えられ得る、大量の材料を生成する。
これらの切断技術および増幅技術の威力にもかかわらず、実質的な改善の余地が残存する。制限酵素は、高価であり、そして時々非効率的であるか、または粗製の、夾雑物を含む調製物として市販される。さらに、PCR増幅は、しばしば直接のクローニングに抵抗性の産物を生じ、これは、多くの好熱性DNAポリメラーゼ(PCRに最も一般的に使用される酵素であるTaqを含む)による末端3’−dAMP残基の付加に起因する。
特に望ましい系は、制限酵素にほとんど頼らない核酸組換えのために適切なハイブリッド産物を生成し、効率的な組換えを提供し、そして広範な種々の化学構造を有する核酸の間の組換えに一般に有用である。
Jarrellら(WO 00/40715および米国特許第6,358,712号を参照のこと)は、3’突出または5’突出を有する二本鎖産物の生成を含む、ライブラリー構築の方法を教示する。しかし、この方法は、ポリメラーゼ連鎖反応を使用するため、サーモサイクリングおよび指数関数増幅を必要とする。その上、Jarrellは、二本鎖DNAのテンプレートとしての使用を開示する。
組換え産物の生成を使用する方法としては、分子進化および「DNAシャッフリング」が挙げられる。分子進化は、強化された選択可能な特性または独特の選択可能な特性を有する、新規のタンパク質を生成するための強力な道具である。強化された酵素活性、強化された熱安定性、または有機溶媒もしくは所定の媒質(アルカリ媒質または高塩媒質)における強化された安定性、新規の酵素活性、あるいは他の所望の特徴を有するタンパク質は、単一の遺伝子の変異誘発された改変体の小片、または異なった遺伝子の小片を、組換えてハイブリッドタンパク質を形成することによって、生成され得る。一般に、インビトロでの方向付けられた進化としては、ハイブリッドポリヌクレオチドの生成、ポリヌクレオチドの増幅、および所望の特徴を有するタンパク質を選択するためのスクリーニングが、挙げられる。「DNAシャッフリング」は、関連遺伝子からの複数のドメインの再編成より、むしろ単一の遺伝子の変異誘発を含む。DNAシャッフリングのための公知の方法は、遺伝子の変異誘発、変異体の選択、DNaseIによる断片化、およびPCRを使用したインビトロでのフラグメントの組換えを含む(Stemmer,Proc.Natl.Acad.Sci.91:10747−41(1994);Stemmer,Nature 370:389−91(1994))。
分析は、多くのタンパク質が、多くの別々のドメインから構成されることを明らかにした。このようなタンパク質のそれぞれのドメインは、しばしば、タンパク質の活性全体に寄与する、特定の機能に関わる。多くのドメインが、進化的に可動性であることが見出されている。可動性タンパク質は、独立して折りたたむその能力によって特徴付けられる。複数の可動性ドメインを含む「モザイクタンパク質」は、特徴付けられており、「エキソンシャッフリング」による進化を通して生じていること考えられる。エキソンシャッフリングの天然のプロセスは、インビトロで、エキソンシャッフリングされた遺伝子のライブラリーの生成およびスクリーニングにより、模倣され得る(KolkmanおよびStemmer,Nature Biotechnology 19:423−28(2001))。このようなライブラリーにおけるドメインをコードするエキソンは、近縁の遺伝子かまたは分岐した遺伝子であり得る。さらに、ドメインをコードするエキソンは、同一種からの関連の遺伝子または近縁の種からのホモログに由来し得る。
従って、少なくとも1つの所定の一本鎖DNA部分を含む二本鎖核酸配列を生成する方法の、厳粛な必要が存在する。この二本鎖核酸配列は、サーモサイクリングを必要とせず、従ってこれを避けた方法を使用して、RNAから生成され、そしてこの二本鎖核酸配列は、ランダムであり得るか、全てのmRNA配列のプールから選択され得るか、または関連配列(例えば、特定のドメインをコードする全ての配列、遺伝子のスーパーファミリーのメンバーをコードする配列など)から選択され得る。
本明細書中に記載される全ての参考文献(特許出願および特許公報を含む)は、その全体が参考として援用される。
1つの局面において、本発明は、第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体の生成を導く局面のための方法を提供し、この複合体は、核酸の組換えに有用な3’一本鎖部分を含み、この方法は、以下:(a)第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を調製する工程であって、この複合体は3’一本鎖部分を含み、ここで、この第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体は、以下:(i)標的RNAにハイブリダイズした第1プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼ(RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素)で伸長し、これにより、第1プライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体が生成される工程であって、第1プライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを含む混成プライマーである、工程;(ii)工程(i)の複合体中のRNAを、切断する(切断は、例えば、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素によりなされ得る)工程;(iii)第1プライマー伸長産物にハイブリダイズした第2プライマーを、DNA依存性ポリメラーゼを用いて伸長し(このDNA依存性ポリメラーゼは、本明細書中で記載するように、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有し得るか、またはDNA依存性DNAポリメラーゼおよびRNA依存性ポリメラーゼを有し得る;従って、本明細書中で記載される、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を使用した伸長は、同一または別々の酵素において生じ得る)、それにより、第2プライマー伸長産物が生成されて、第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を形成する、工程;(iv)工程(iii)の複合体中の混成プライマーからRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素で切断し、その結果、3’一本鎖DNA部分を含む第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物を含むハイブリダイズした複合体を生成する工程を、包含する方法に従って調製される、工程を、包含する。幾つかの実施形態において、工程(ii)の切断は、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を使用してなされる。幾つかの実施形態において、この酵素は、RNase Hである。
1つの局面において、本発明は、核酸の組換え(ハイブリッドの形成)に導く局面のための方法を提供し、この方法は、以下:第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体の3’一本鎖部分を、受入核酸分子とハイブリダイズし、これにより、ハイブリッド核酸が生成される工程を、包含する。
別の局面において、本発明は、核酸の組換え(ハイブリッドの形成)に導く局面のための方法を提供し、この方法は、以下:第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体の3’一本鎖部分を、受入核酸分子とハイブリダイズし、それによりハイブリッド核酸が生成される工程であって、この第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体は、以下を含む方法に従って調製される:(i)標的RNAにハイブリダイズした第1プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、これにより、第1プライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体が生成される工程であって、この第1プライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを含む混成プライマーである、工程;(ii)工程(i)の複合体中のRNAを、切断する(切断は、例えば、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素でなされ得る)工程;(iii)第1プライマー伸長産物にハイブリダイズした第2プライマーを、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素およびRNA依存性ポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、これにより、第2プライマー伸長産物が生成されて、第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を形成する、工程;(iv)工程(iii)の複合体中の混成プライマーからRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素で切断し、その結果、3’一本鎖DNA部分を含む、第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物を含むハイブリダイズした複合体を生成する工程、を包含する。幾つかの実施形態において、工程(ii)の切断は、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を使用してなされる。幾つかの実施形態において、この酵素は、RNase Hである。
1つの局面において、本発明は、核酸を組換えするための方法を提供し、この方法は、以下:(a)第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を調製する工程であって、この複合体は、3’一本鎖部分を含み、この第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体は、以下:(i)標的RNAにハイブリダイズした第1プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、これにより、第1プライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体が生成される工程であって、この第1プライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを含む混成プライマーである、工程;(ii)工程(i)の複合体中のRNAを、切断する(切断は、例えば、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素でなされる)工程;(iii)第1プライマー伸長産物にハイブリダイズした第2プライマーを、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、それにより、第2プライマー伸長産物が生成されて、第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を形成する、工程;(iv)工程(iii)の複合体中の混成プライマーからRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素で切断し、その結果、3’一本鎖DNA部分を含む第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物を含むハイブリダイズした複合体を生成する工程;を、包含する方法に従って調製される、工程;(b)第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体の3’一本鎖部分を、受入核酸分子とハイブリダイズし、それにより、ハイブリッド核酸が生成される、工程;ならびに(c)ハイブリッド核酸から組み換え核酸を生成する、工程を、包含する。幾つかの実施形態において、工程(ii)の切断は、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を使用してなされる。幾つかの実施形態において、この酵素は、RNase Hである。
1つの局面において、本発明は、核酸の組換え(ハイブリッドの形成)に導く局面のための方法を提供し、この方法は、以下:ハイブリッド核酸から組換え核酸を生成する工程であって、このハイブリッド分子は、第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体の3’一本鎖部分を受入核酸分子とハイブリダイズすることによって調製され;これにより、ハイブリッド核酸が生成され;ここで、この第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体は、以下:(i)標的RNAにハイブリダイズした第1プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、これにより、第1プライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体が生成される工程であって、この第1プライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを含む混成プライマーである、工程;(ii)工程(i)の複合体中のRNAを、切断する(切断は、例えば、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素でなされ得る)工程;(iii)第1プライマー伸長産物にハイブリダイズした第2プライマーを、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素およびRNA依存性ポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、それにより、第2プライマー伸長産物が生成されて、第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を形成する、工程;(iv)工程(iii)の複合体中の混成プライマーからRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素で切断し、その結果、3’一本鎖DNA部分を含む第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物を含むハイブリダイズした複合体を生成する工程;を、包含する方法に従って調製される、工程;ならびに(b)第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体の3’一本鎖部分を、受入核酸分子とハイブリダイズし、それにより、ハイブリッド核酸が生成される工程を、包含する。幾つかの実施形態において、工程(ii)の切断は、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を使用してなされる。幾つかの実施形態において、この酵素は、RNase Hである。
1つの局面において、本発明は、第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体の生成に導く局面のための方法を提供し、この複合体は、核酸の組換えに有用な3’一本鎖部分を有し、この方法は、以下:2つの3’一本鎖部分を有する第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を調製する工程であって、ここで、この第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体は、以下:(i)標的RNAにハイブリダイズした第1プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、これにより、第1プライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体が生成される工程であって、この第1プライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを含む混成プライマーである、工程;(ii)工程(i)の複合体中のRNAを、切断する(切断は、例えば、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素でなされ得る)工程;(iii)第1プライマー伸長産物にハイブリダイズした第2プライマー(ここで、この第2プライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む混成プライマーである)を、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素およびRNA依存性ポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、それにより、第2プライマー伸長産物が生成されて、第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を形成する、工程;(iv)工程(iii)の複合体中の混成プライマーからRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素で切断し、その結果、3’一本鎖DNA部分を含む第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物を含むハイブリダイズした複合体を生成する工程;を、包含する方法に従って調製される工程を、包含する。幾つかの実施形態において、工程(ii)の切断は、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を使用してなされる。幾つかの実施形態において、この酵素は、RNase Hである。
別の局面において、本発明は、核酸の組換え(ハイブリッドの形成)に導く局面のための方法を提供し、この方法は、以下:第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体の3’一本鎖部分を、受入核酸分子とハイブリダイズし、それにより、ハイブリッド核酸が生成される工程を、包含する。
1つの局面において、本発明は、ハイブリッド核酸を生成するための方法を提供し、この方法は、以下:(a)第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を調製する工程であって、この複合体は、3’一本鎖部分を含み、この3’一本鎖部分を含む複合体は、以下:(i)標的RNAにハイブリダイズした第1プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、これにより、第1プライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体が生成される工程であって、この第1プライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを含む混成プライマーである、工程;(ii)工程(i)の複合体中のRNAを、切断する工程;(iii)第1プライマー伸長産物にハイブリダイズした第2プライマーを、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、それにより、第2プライマー伸長産物が生成されて、第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を形成する、工程;(iv)工程(iii)の複合体中の混成プライマーからRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素で切断し、その結果、3’一本鎖DNA部分を含む第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物を含むハイブリダイズした複合体を生成する工程;を、包含する方法に従って調製される、工程;ならびに(b)第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体の3’一本鎖部分を、受入核酸分子とハイブリダイズし、それにより、ハイブリッド核酸が生成される、工程を、包含する。本明細書中に記載されるように、複合体と受入分子との間のアニーリングが起こる限り、3’一本鎖部分の一部または全体が、ハイブリダイズし得る。幾つかの実施形態において、この方法は、(c)ハイブリッド核酸から組み換え核酸を生成する工程を、さらに包含する。幾つかの実施形態において、工程(ii)の切断は、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を使用してなされる。幾つかの実施形態において、この酵素は、RNase Hである。
本明細書中に記載される方法の幾つかの実施形態において、第2プライマーは、プライマー伸長産物にハイブリダイズした標的RNAのフラグメントを含み、このフラグメントは、工程(a)の複合体中のRNAの切断により、生成される。切断は、多くの方法(RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素による処理、熱処理、または化学処理を含む)によってなされ得る。
幾つかの実施形態において、この方法は、混成プライマー(5’RNA部分が3’DNA部分に隣接する)を用いて実践され、そして第2の鎖の作製は、プライマー伸長産物(混成プライマーの伸長から生じるRNA/DNA複合体のRNase H切断によって生成された)にハイブリダイズした標的RNAのフラグメントを含む第2プライマーを用いてなされる。
1つの局面において、本発明は、核酸を組換えるための方法を提供し、この方法は、以下:(a)第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を調製する工程であって、この複合体は、2つの3’一本鎖部分を含み、ここで、この第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体は、以下:(i)標的RNAにハイブリダイズした第1プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、これにより、第1プライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体が生成される工程であって、この第1プライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを含む混成プライマーである、工程;(ii)工程(i)の複合体中のRNAを、切断する(切断は、例えば、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素でなされ得る)工程;(iii)第1プライマー伸長産物にハイブリダイズした第2プライマー(ここで、この第2プライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む混成プライマーである)を、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、それにより、第2プライマー伸長産物が生成されて、第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を形成する、工程;(iv)工程(iii)の複合体中の混成プライマーからRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素で切断し、その結果、2つの3’一本鎖DNA部分を含む第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物を含むハイブリダイズした複合体を生成する工程;を、包含する方法に従って調製される、工程;(b)第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体の少なくとも1つの3’一本鎖部分を、受入核酸分子とハイブリダイズし、それにより、ハイブリッド核酸が生成される、工程;ならびに(c)ハイブリッド核酸から組み換え核酸を生成する工程を、包含する。幾つかの実施形態において、工程(ii)の切断は、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を使用してなされる。幾つかの実施形態において、この酵素は、RNase Hである。
別の局面において、本発明は、核酸を組換えるための方法を提供し、この方法は、以下:(a)第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体の3’一本鎖部分を、受入核酸分子とハイブリダイズし、それにより、ハイブリッド核酸を生成する工程であって、ここで、この第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体は、以下:(a)2つの3’一本鎖部分を含む第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を調製する工程であって、ここで、この第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体は、以下を含む方法によって調製される:(i)標的RNAにハイブリダイズした第1プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、これにより、第1プライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体が生成される工程であって、この第1プライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを含む混成プライマーである、工程;(ii)工程(i)の複合体中のRNAを、切断する(切断は、例えば、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素でなされ得る)工程;(iii)第1プライマー伸長産物にハイブリダイズした第2プライマー(ここで、この第2プライマーは、RNA部分および3’DNA部分を有する混成プライマーである)を、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、それにより、第2プライマー伸長産物が生成されて、第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を形成する、工程;(iv)工程(iii)の複合体中の混成プライマーからRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素で切断し、その結果、2つの3’一本鎖DNA部分を含む第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物を含むハイブリダイズした複合体を生成する工程によって調製される、工程;ならびに(b)ハイブリッド核酸から組み換え核酸を生成する工程を、包含する。幾つかの実施形態において、工程(ii)の切断は、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を使用してなされる。幾つかの実施形態において、この酵素は、RNase Hである。
1つの局面において、本発明は、核酸を組換えるための方法を提供し、この方法は、以下:ハイブリッド核酸から組換え核酸を生成する工程であって、このハイブリッド分子は、第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体の3’一本鎖部分を、受核酸分子と入ハイブリダイズすることによって調製され、それにより、ハイブリッド核酸分子が生成され、ここで、この第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体は、以下:(i)標的RNAにハイブリダイズした第1プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、これにより、第1プライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体が生成される工程であって、この第1プライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを含む混成プライマーである、工程;(ii)工程(i)の複合体中のRNAを、切断する(切断は、例えば、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素でなされ得る)工程;(iii)第1プライマー伸長産物にハイブリダイズした第2プライマー(ここで、この第2プライマーは、RNA部分および3’DNA部分を有する混成プライマーである)を、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、それにより、第2プライマー伸長産物が生成されて、第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を形成する、工程;(iv)工程(iii)の複合体中の混成プライマーからRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素で切断し、その結果、2つの3’一本鎖DNA部分を含む第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物を含むハイブリダイズした複合体を生成する工程を、包含する方法によって調製される、工程を包含する。幾つかの実施形態において、工程(ii)の切断は、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を使用してなされる。幾つかの実施形態において、この酵素は、RNase Hである。
別の局面において、本発明は、組換え核酸を、例えば、所望の表現型および/または有利な所定の特性を有するタンパク質をコードすることについて、選択および/またはスクリーニングするための方法を提供する。組換え産物は、例えば、分子進化、DNAシャッフリング、および組換えを利用する他の方法に有用である。固定化した組換え産物は、例えば、マイクロアレイの生成に有用である。
別の局面において、本発明は、本明細書中に記載のプロセスによって作製される通りの、本明細書中で記載される産物(3’一本鎖部分を有する複合体;ハイブリッド核酸;組換え核酸)を、提供する。例えば、本発明は、以下の工程を包含するプロセスによって作製されるハイブリッド核酸を提供する:(a)第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を調製する工程であって、この複合体は3’一本鎖部分を含み、ここで、この3’一本鎖部分を含む複合体は、以下:(i)標的RNAにハイブリダイズした第1プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、これにより、第1プライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体が生成される工程であって、この第1プライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを含む混成プライマーである、工程;(ii)工程(i)の複合体中のRNAを、切断する工程;(iii)第1プライマー伸長産物にハイブリダイズした第2プライマーを、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、それにより、第2プライマー伸長産物が生成されて、第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を形成する、工程;(iv)工程(iii)の複合体中の混成プライマーからRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素で切断し、その結果、3’一本鎖DNA部分を含む第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物を含むハイブリダイズした複合体を生成する工程を、包含する方法に従って調製される、工程;ならびに(b)第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体の3’一本鎖部分を、受入核酸分子とハイブリダイズし、それにより、ハイブリッド核酸が生成される、工程。本明細書中に記載されるように、複合体と受入分子との間のアニーリングが起こる限り、3’一本鎖部分の一部または全体が、ハイブリダイズし得る。幾つかの実施形態において、工程(ii)の切断は、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を使用してなされる。幾つかの実施形態において、この酵素は、RNase Hである。
(発明を実施するための形態)
(本発明の方法)
本発明の方法は、3’突出(一本鎖部分)を含む複合体を使用する、ハイブリッド核酸および組換え核酸の生成に関する。本方法は、(RNAから生じる)複合体の生成が、サーモサイクリング(例えば、PCR)を必要としない点において便利であり;このように、これらの方法は、時々、一般に「等温(isothermal)」であるといわれるが、この用語は、反応温度のいずれかおよび全てが同じでなければならないことを示さない(しかし、本明細書中で記載されるように、所定の工程またはさらには2個以上の一連の工程について、反応温度は、(そうである必要はないが)同じであり得る)。本発明の方法はまた、ハイブリッド核酸分子および組換え核酸分子の作製に有用な複合体の生成に関する。この方法は、少なくとも1つの3’一本鎖DNA部分(突出)を含む第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を生成する工程を包含し、この複合体は、その後の反応の基質として有用である。この反応としては、受入分子とのハイブリダイゼーションによりハイブリッド核酸が生成することおよびこのハイブリッド核酸からの組換え核酸(ポリヌクレオチド)の生成が挙げられる。
この方法は、一般に、特別に設計されたプライマー(一般に、1つ以上のRNA/DNA混成プライマー)を使用し、RNAテンプレートから、所定配列またはランダム配列の3’DNA一本鎖末端(突出)を含む第1鎖cDNAおよび第2鎖cDNAの複合体の部分的に二本鎖の複合体を生成することを含む。3’一本鎖部分は、一般に、混成プライマーのRNA部分の相補体を含む。3’一本鎖部分は、この方法のその後の工程(例えば、組換え)の基質である。
一般に、複合体は、以下のように形成される:RNA/DNAヘテロ二重鎖を含む第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体は、RNAテンプレートから、以下のように生成される:(i)標的RNAにハイブリダイズした第1混成プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、これにより、第1プライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体が生成される工程;(ii)工程(i)の複合体中のRNAを、切断する工程;(iii)第1プライマー伸長産物にハイブリダイズした第2プライマーを、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、それにより、第2プライマー伸長産物が生成されて、RNA/DNAヘテロ二重鎖を末端に含む第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を形成する、工程。RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する薬剤(例えば、RNase H)は、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断し、第2プライマー伸長産物の3’一本鎖部分(突出)を残し、この3’一本鎖部分は、本発明の方法のさらなる工程の基質として使用され得る。1つの実施形態において、第2プライマー伸長産物合成を開始する第2プライマーは、RNAテンプレートのフラグメントである。本明細書中で使用される場合、「二本鎖cDNA」は、第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体をいい、そして「cDNA」は、本明細書中で定義されるポリヌクレオチドである。従って、本発明の方法は、サンプルにおける複数のRNA配列からの配列を含む部分的に二本鎖の複合体(この複合体のそれぞれが、混成プライマーの5’RNA部分の相補体である3’一本鎖部分を含む)の収集物の生成に使用され得る。
本発明の方法に従う混成プライマーは、一般に標的RNAにハイブリダイズし得るように設計される、3’DNA部分を含む。RNAテンプレートにハイブリダイズし得る配列は、部分的に二本鎖の複合体が生成されるRNAテンプレートを定義する。例えば、混成プライマーは、全てのmRNAサンプルのポリAテイルにハイブリダイズすると予想されるポリdT配列を含み得るか、または、混成プライマーは、一般にランダム配列にハイブリダイズし得る少なくとも3’部分を含み得、その結果、ランダムプライマー部分は、テンプレートのランダムな部分にハイブリダイズする。幾つかの実施形態において、このプライマーは、混成プライマーが標的mRNAにハイブリダイズする条件下で標的mRNAにハイブリダイズしない5’部分をさらに含む。別の局面において、本発明の方法は、特定のRNA種またはRNA種のクラス(例えば、RNA種のファミリーまたはスーパーファミリー)からの、部分的に二本鎖の複合体の生成のために使用され得る。後者の場合、混成プライマーは、一般に特定のRNA標的(またはRNA標的のファミリー)の配列に相補的な3’部分を含む。幾つかの実施形態において、混成プライマーの部分(例えば、5’RNA部分)は、混成プライマーが標的RNAにハイブリダイズする条件下で、mRNAのような標的RNA(プライマーが標的RNAに結合した場合テイルを構成する)にハイブリダイズ不能な(ハイブリダイズし得ない)配列を含み得る。この非ハイブリダイズテイルは、時々、「所定の」配列と呼ばれる。
標的RNAは、翻訳可能なRNAまたは非翻訳RNAを含む、任意のRNAであり得る。RNA標的はまた、当該分野で公知の方法(Kurn,米国特許第6,251,639B1号を含む)を使用して、任意のDNA供給源(ゲノムDNAを含む)から生成され得る。幾つかの実施形態において、標的RNAは、DNAテンプレートの転写によって調製され、DNAテンプレート(ゲノムDNAおよびcDNAを含む)のRNA成分を作製する。Kurn,米国特許第6,251,639B1号;Kurn,米国特許公報第2002/0058270A1号を、参照のこと。従って、本明細書中に記載される方法に従って調製される3’一本鎖部分を含む部分的に二本鎖のDNAは、ゲノムDNAのRNAコピーから生成され得、従って、一般にmRNAには見出されない、非転写配列(例えば、イントロン、調節エレメントおよび制御エレメント、偽遺伝子など)を含む。明らかなように、3’一本鎖部分を含む部分的に二本鎖のDNAは、tRNA、リボソームRNA、低分子非翻訳RNA、疾患機構に関わる非翻訳RNA、および遺伝子調節において機能する非翻訳RNAを含む、非翻訳RNA配列から生成され得る。3’一本鎖部分を含む部分的に二本鎖のDNAはまた、ゲノム内に存在する外因性エレメント(例えば、ウイルス配列)から生成され得る。
上述のように、部分的に二本鎖のDNAの3’一本鎖部分(混成プライマーのRNA部分の相補体である)は、本発明の方法におけるさらなる工程のためのテンプレートとして作用する。この工程は、例えば、二本鎖DNAの少なくとも1つの一本鎖3’部分を受入分子(一本鎖DNAまたは二本鎖DNAであり得、本明細書中に記載される本発明の方法に従って生成された一本鎖3’部分を含む二本鎖DNAを含み得る)とハイブリダイズし、それにより、ハイブリッド核酸が生成されること、およびハイブリッド核酸からの組換え核酸の生成である。幾つかの実施形態において、3’一本鎖部分は、所定の配列(すなわち、テンプレート核酸に一般にハイブリダイズ不能な配列である、公知の配列)を含み得る。ハイブリッド分子は、ニック(部分的に二本鎖の複合体のハイブリダイズされた3’末端および受入分子の5’末端に隣接するか、もしくはその逆で作製される)またはギャップを有する。これらのニックまたはギャップは、例えば、ハイブリダイズ可能な配列の長さが3’突出の長さより短い場合、または二重鎖の3’末端および/もしくは受入分子の5’末端においてヌクレオチドがハイブリダイズしない場合、作製される。従って、幾つかの実施形態において、3’一本鎖部分の全体が、受入分子とハイブリダイズする。他の実施形態において、3’一本鎖部分(突出)の一部が、受入分子とハイブリダイズする。従って、本明細書中で記載される複合体の一本鎖3’部分をハイブリダイズする工程に対する参照は、必要なアニーリングが達成される限り、一本鎖3’部分の全てまたは一部(部分)のハイブリダイゼーションをいう。幾つかの場合、組換え産物が生成される場合、例えば、核酸の組換え(結合)を達成する他の機能(例えば、ポリメラーゼおよび/またはリガーゼ)が存在する場合、ハイブリダイゼーションの程度は最小限であり得る。
本発明は、ハイブリッドポリヌクレオチドの組換えのための方法を提供する。組換えは、本明細書中に記載される本発明の方法に従い得る。当該分野に公知の任意の方法がまた、使用され得ることが意図される。組換えポリヌクレオチドは、例えば、本明細書中でさらに記載されるように、所望の特性をスクリーニングおよび/または選択するために有用である。本明細書中で使用される場合、そして当該分野で公知であるように、「組換え産物」は、3’一本鎖部分および受入分子を含む部分的に二本鎖のDNAに対応する配列を含む、連続の(完全に結合した)ポリヌクレオチドをいう。
従って、本発明の方法の主要な利点の1つは、それぞれが所定の3’突出またはランダムな3’突出と連結する、mRNA(または他のRNA標的)プールからの配列を含む3’一本鎖部分を含む部分的に二本鎖の複合体を作製する能力である。プライマー設計に依存して、複合体は、目的の特定のRNA配列から生成され得るか、または多数のRNA(例えば、関連RNAのファミリーのメンバー)から生成され得る。本発明の方法はまた、非常に多数のRNAの(サンプル中の全てのmRNA配列を含む)からの複合体の生成にも適する。幾つかの実施形態において、mRNAプールからの配列を含む二本鎖複合体は、単一の混成プライマーを使用して生成される。
上述のように、本発明の方法は、サーモサイクリングを必要とせず、全ての工程は等温で行われ得るが、種々の工程が、異なった温度で行われ得る。この特徴は、自動化を容易にすることおよびハイスループット手順の適応を含む、多くの利点をもたらす。この等温な反応は、サーマルサイクリングにより与えられるよりも速く、そして本発明の方法を小型デバイスにおいて行うのに適する。
本明細書中で使用される場合、「cDNA」または「二本鎖DNA」は、一般に、ポリヌクレオチドである(つまり、ポリヌクレオチドを包含する)。用語「ポリヌクレオチド」は、RNAを呼び得、これを含み得るが、用語「ポリヌクレオチド」は、用いる文脈によって決定されることは、本明細書中の記載から明らかである。例えば、DNA依存性DNAポリメラーゼによる伸長は、一般に、DNA分子の生成をいうが、用語「DNA」は、(この文脈において、例えば)他の型の塩基、アナログ、結合などを含む分子(例えば、ポリメラーゼによってポリマー中に組み込まれ得る任意の基質)を除外することを意味しない。同様に、本明細書中で使用される場合、「二本鎖複合体」、「DNA部分的二重鎖」、「3’一本鎖部分を含む複合体」、「3’一本鎖領域を含む二本鎖DNA」、「3’突出を含む二本鎖cDNA」、および「3’一本鎖DNA部分を含むハイブリダイズした第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物」は、交換可能に使用され、ポリヌクレオチドをいう(包含する)。
(一般的技術)
本発明の方法の実行は、他に示されない限り、分子生物学(組換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学、および免疫学の従来技術(これらは、当該技術の範囲内である)を用いる。このような技術は、文献において完全に説明される。例えば、以下である:「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」,第2版(Sambrookら,1989);「Oligonucleotide Synthesis」(M.J.Gait編,1984);「Animal Cell Culture」(R.I.Freshney編,1987);「Methods in Enzymology」(Academic Press,Inc.);「Current Protocols in Molecular Biology」(F.M.Ausubelら編,1987,および定期的更新);「PCR:The Polymerase Chain Reaction」,(Mullisら編,1994)。
本発明において使用されるプライマー、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドは、当該分野で公知の標準的技術を用いて生成され得る。
(定義)
本明細書中で使用される場合、「標的配列」、「標的核酸」または「標的RNA」は、3’一本鎖部分を含む二本鎖複合体の生成が所望される、目的の配列を含むポリヌクレオチドである。この標的配列は、実際の配列に関して、既知であっても未知であってもよい。いくつかの例において、用語「標的」、「テンプレート」およびこれらのバリエーションは、交換可能に使用される。
本明細書中で使用される場合、「増幅」は、一般に、所望の配列の複数のコピーを生成するプロセスをいう。「複数のコピー」は、少なくとも2コピーを意味する。「コピー」は、テンプレート配列への完全な配列相補性または完全な同一性を必ずしも意味しない。例えば、コピーは、ヌクレオチドアナログ(例えば、デオキシイノシン)、意図的配列変更(例えば、テンプレートにハイブリダイズ可能であるが相補的ではない配列を含むプライマーを介して導入される配列変更またはプライマーを介して導入される非標的配列)および/またはプライマー伸長の間に生じる配列エラーを含み得る。
「ポリヌクレオチド」または「核酸」は、本明細書中で交換可能に使用されて、任意の長さのヌクレオチドのポリマーをいい、DNAおよびRNAを含む。ヌクレオチドは、デオキシボヌクレオチド、リボヌクレオチド、改変ヌクレオチドもしくは改変塩基、および/またはこれらのアナログあるいはDNAポリメラーゼまたはRNAポリメラーゼによってポリマーに取り込まれ得る任意の基質であり得る。ポリヌクレオチドは、改変されたヌクレオチド(例えば、メチル化ヌクレオチドおよびそれらのアナログ)を含み得る。存在する場合、ヌクレオチド構造に対する改変は、ポリマーの組立の前またはその後に付与され得る。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって割り込まれ得る。ポリヌクレオチドは、例えば、標識成分との結合体化によって、重合後にさらに改変され得る。他の型の改変としては、例えば、「キャップ」、アナログによる1個以上の天然に存在するヌクレオチドの置換、ヌクレオチド間改変(例えば、非荷電結合(例えば、ホスホン酸メチル、ホスホトリエステル、ホスホアミデート(phosphoamidate)、カバメート(cabamate)など)、および荷電結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)での改変、ペンダント部分(例えば、タンパク質(例えば、ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リジン(ply−L−lysine)など)を含む改変、介在因子(intercalator)(例えば、アクリジン、ソラレンなど)での改変、キレート剤(例えば、金属、放射性金属、ホウ素、酸化金属など)を含む改変、アルキル化剤を含む改変、改変された結合(例えば、αアノマー核酸など)での改変)、ならびにポリヌクレオチドの非改変形態が挙げられる。さらに、糖に元々存在する任意のヒドロキシル基は、例えば、ホスホン酸基、リン酸基によって置換され得るか、標準的な保護基によって保護され得るか、またはさらなるヌクレオチドに対するさらなる結合を調製するために活性化され得るか、あるいは固体支持体上に結合体化され得る。5’末端および3’末端のOHは、リン酸化され得るか、またはアミンもしくは1〜20個の炭素原子の有機キャップ基部分で置換され得る。他のヒドロキシルもまた、標準的な保護基に誘導体化され得る。ポリヌクレオチドはまた、一般に当業者に公知のリボース糖もしくはデオキシリボース糖のアナログ形態を含み得、これらとしては、例えば、2’−O−メチル−リボース、2’−O−アリル−リボース、2’−フルオロ−リボースもしくは2’−アジド−リボース、炭素環式糖アナログ、α−アノマー糖、エピマー糖(例えば、アラビノース、キシロースもしくはリキソース)、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース、非環式アナログおよびむ塩基性(abasic)ヌクレオシドアナログ(例えば、メチルリボシド)が挙げられる。1以上のホスホジエステル結合は、代替の結合基によって置換され得る。これらの代替の結合基としては、以下の実施形態が挙げられるが、これらに限定されない:リン酸が、P(O)S(「チオエート」)、P(S)S(「ジチオエート」)、”(O)NR(「アミデート」)、P(O)R、P(O)OR’、COもしくはCH(「ホルムアセタール」)によって置換され、ここで、各RもしくはR’が、独立して、Hであるか、または置換されたかもしくは置換されていないアルキル(1〜20個のC)であり、エーテル(−O−)結合、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニルもしくはアラルジル(araldyl)を必要に応じて含む、実施形態。ポリヌクレオチド中の全ての結合が同一である必要はない。先の記載は、RNAおよびDNAを含め、本明細書中で言及されている全てのポリヌクレオチドに適用される。
本明細書中で使用される場合、「標識dNTP」または「標識rNTP」は、それぞれ、標識に直接的または間接的に結合されたdNTPまたはrNTPあるいはそれらのアナログをいう。例えば、「標識」dNTPまたはrNTPは、例えば、色素および/または検出可能部分(例えば、特定の結合対(例えば、ビオチン−アビジン)のメンバー)によって直接標識され得る。「標識」dNTPまたはrNTPはまた、例えば、標識が結合されるおよび/または結合され得る部分に対する結合によって、間接的に標識され得る。dNTPまたはrNTPは、dNTPまたはrNTPの伸長産物への取り込みの後に標識が結合され得る部分(例えば、アミン基)を含み得る。本発明において有用な標識としては、ジゴキシゲニン、蛍光色素(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、テキサスレッド、ローダミン、緑色蛍光タンパク質など)、放射性同位元素(例えば、H、35S、32P、33P、125Iまたは14C)、酵素(例えば、LacZ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ)、および比色分析標識(例えば、コロイド状金または着色ガラスもしくは着色プラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)ビーズ)が挙げられる。種々の抗リガンドおよびリガンドが(それ自体標識として、または標識に結合するための手段として)使用され得る。天然の抗リガンド(例えば、ビオチン、チロキシンおよびコルチゾール)を有するリガンドの場合、このリガンドは、標識された抗リガンドと組み合わせて使用され得る。
本明細書中で使用される場合、dNTPまたはrNTPの「型」は、ヌクレオチドの特定の塩基、すなわち、アデニン、シトシン、チミン、ウリジンまたはグアニンをいう。
本明細書中で使用される場合、「オリゴヌクレオチド」は、一般的に、短い、一般的に一本鎖の、一般的には約200ヌクレオチド長未満であるが、必ずしもそうである必要はない、一般的に合成のポリヌクレオチドをいう。本発明におけるオリゴヌクレオチドは、混成プライマーを含む。用語「オリゴヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」は、互いに排他的ではない。ポリヌクレオチドについての上記の記載は、オリゴヌクレオチドに等価かつ完全に適用可能である。
本明細書中で使用される場合、「プライマー」は、テンプレート配列(例えば、標的RNAまたはプライマー伸長産物)にハイブリダイズし、そしてテンプレートに対して相補的なポリヌクレオチドの重合を促進し得る遊離の3’−OH基を一般に有するヌクレオチド配列(ポリヌクレオチド)をいう。「プライマー」は、例えば、オリゴヌクレオチドであり得る。これはまた、例えば、テンプレート自体中の配列に(例えば、ヘアピンループとして)ハイブリダイズし、そしてヌクレオチドの重合を促進し得るテンプレート(例えば、プライマー伸長産物またはテンプレート−DNA複合体のRNase切断後に作製されるテンプレートのフラグメント)の配列であり得る。従って、プライマーは、外因性(例えば、付加された)プライマーまたは内因性(例えば、テンプレートフラグメント)プライマーであり得る。
本明細書中で使用される場合、「ランダムプライマー」は、必ずしもサンプル中の特別または特定の配列に基づいて設計されないが、むしろランダムプライマーの配列がサンプル中の1個以上の配列に(所定のセットの条件下で)ハイブリダイズし得る統計的期待値(または経験的観察)に基づく配列を含むプライマーである。ランダムプライマー(またはその相補体)の配列は、天然に存在してもしなくてもよく、または目的のサンプル中の配列のプールに存在してもしなくてもよい。単一の反応混合物中の複数のRNA種からのこの二本鎖複合体の生成は、一般に、必ずしもそうではないが、多数の、好ましくは非常に多数のランダムプライマーを使用する。当該分野で十分理解されるように、「ランダムプライマー」はまた、所望の数および/または有意な数の標的配列にハイブリダイズするように集合的に設計されるプライマーの集団(複数のランダムプライマー)のメンバーであるプライマーをいい得る。ランダムプライマーは、核酸配列の複数の部位でハイブリダイズし得る。ランダムプライマーの使用は、標的の正確な配列の先立つ知識を必要としない、標的ポリヌクレオチドに対して相補的なプライマー伸長産物を生成するための方法を提供する。
「複合体」は、構成要素の集合体である。複合体は、安定であってもなくてもよく、そして直接的もしくは間接的に検出され得る。例えば、本明細書中に記載される場合、反応の特定の所定の構成要素、および反応産物の型を考慮して、複合体の存在が推測され得る。本発明の目的のために、複合体は一般に、最終のハイブリダイズした核酸および/または組換え産物に関して中間体である。複合体の例は、第1のプライマー伸長産物および第2のプライマー伸長産物を含む核酸二重鎖である。
本明細書中で交換可能に使用される、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの「部分」または「領域」は、2以上の塩基の連続配列である。他の実施形態において、領域または部分は、少なくとも約3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60以上のいずれかの連続ヌクレオチドである。
別の配列に「隣接する」、領域、部分または配列は、その領域、部分または配列に直接接する。例えば、混成プライマーの5’DNA部分に隣接するRNA部分は、その領域に直接接する。この例の説明については、図1Aおよび図2Aを参照のこと。
「反応混合物」は、適切な条件下で反応して複合体(中間体であり得る)および/または産物を形成する、構成要素の集合である。
「1つの」(「a」、「an」および「the」など)は、他に示さない限り、複数形を含む。「1つの」フラグメントは、1以上のフラグメントを意味する。
特許法の確立した原則に従い、「含む(comprising)」は、含む(including)を意味する。
事象(例えば、ハイブリダイゼーション、鎖の伸長など)が生じるのを「可能にする」条件または事象を生じるのに「適切な」条件、あるいは「適切な」条件は、このような事象が生じるのを妨げない条件である。従って、これらの条件は、事象を可能にする、増強する、容易にするおよび/または助長する。当該分野で公知かつ本明細書中に記載されるこのような条件は、例えば、ヌクレオチド配列の性質、温度、および緩衝液条件に依存する。これらの条件はまた、所望される事象(例えば、ハイブリダイゼーション、切断、鎖の伸長、ハイブリダイゼーションまたは組換え)に依存する。
本明細書中で使用される場合、配列「変異」は、参照配列と比較した、目的の配列中の任意の配列変更をいう。参照配列は、野生型の配列または目的の配列の比較が望まれる配列であり得る。配列変異としては、置換、欠失または挿入のような機構に起因する、配列中の単一ヌクレオチド変化または1より多いヌクレオチドの変更が挙げられる。単一ヌクレオチド多型(SNP)もまた、本明細書中で使用されるような配列変異である。配列変異は、標的配列に天然に存在し得るか、または配列のインビトロ操作(例えば、低忠実度のポリメラーゼを使用する配列コピーの生成および当該分野で公知の他の方法)により組み込まれ得る。
「マイクロアレイ」および「アレイ」は、本明細書中で交換可能に使用される場合、未決定の特徴をしばしば有する生化学的サンプル(標的)に対する推定結合(例えば、ハイブリダイゼーションによる)部位のアレイ、好ましくは整列されたアレイを有する表面を含む。好ましい実施形態において、マイクロアレイは、基板上の規定された位置で固定化された別個のポリヌクレオチドプローブまたはオリゴヌクレオチドプローブの集合体をいう。アレイは、紙、ガラス、プラスチック(例えば、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン)、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、シリコン、光ファイバーまたは任意の適切な他の固体支持体もしくは半固体支持体のような材料で製造され、そして平面(例えば、ガラス板、シリコンチップ)または三次元(例えば、ピン、繊維、ビーズ、粒子、マイクロタイターウェル、キャピラリー)構成で構成される基板上に形成される。アレイを形成するプローブは、以下を含む任意の数の方法によって基板上に結合され得る:(i)写真平板術を使用するインサイチュ合成(例えば、高密度オリゴヌクレオチドアレイ)(Fodorら、Science(1991)、251:767−773;Peaseら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.(1994)、91:5022−5026;Lockhartら、Nature Biotechnology(1996)、14:1675;米国特許第5,578,832号;同第5,556,752号;および同第5,510,270号を参照のこと);(ii)ガラス、ナイロンまたはニトロセルロース上の低密度の媒体(例えば、cDNAプローブ)でのスポッティング/印刷(Schenaら、Science(1995)、270:467−470;DeRisiら、Nature Genetics(1996)、14:457−460;Shalonら、Genome Res.(1996)、6:639−645;およびSchenaら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.(1995)、93:10539−11286);(iii)マスキングによる方法(MaskosおよびSouthern、Nuc.Acids.Res.(1992)、20:1679−1684)ならびに(iv)ナイロンまたはニトロセルロースのハイブリダイゼーション膜上のドットブロットによる方法(例えば、Sambrookら、編、1989、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、1〜3巻、Cold Spring Harbor Laboratory(Cold Spring Harbor、N.Y.)を参照のこと)。プローブはまた、アンカーに対するハイブリダイゼーションによって、磁気ビーズによって基板上に、またはマイクロタイターウェルもしくはキャピラリーのような液体相に、非共有的に固定化され得る。このプローブ分子は、一般に、DNA、RNA、PNAおよびcDNAのような核酸であるが、標的分子に特異的に結合し得る、タンパク質、ポリペプチド、オリゴ糖、細胞、組織およびこれらの任意の置換をまた含み得る。
用語「3’」は、一般に、同じポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド中の別の領域または部分から3’側(下流)の、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド中の領域または部分をいう。
用語「5’」は、一般に、同じポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド中の別の領域または部分から5’側(上流)の、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド中の領域または部分をいう。
用語「3’−DNA部分」、「3’−DNA領域」、「3’−RNA部分」および「3’−RNA領域」は、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの3’末端側に位置するポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの部分または領域をいい、そして同じポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの最も3’側のヌクレオチドに結合した最も3’側のヌクレオチドまたは部分を含んでも含まなくてもよい。最も3’側のヌクレオチドは、好ましくは約1〜約50、より好ましくは約10〜約40、なおより好ましくは約20〜約30ヌクレオチドであり得る。
用語「5’−DNA部分」、「5’−DNA領域」、「5’−RNA部分」および「5’−RNA領域」は、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの5’末端側に位置するポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの部分または領域をいい、そして同じポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの最も5’側のヌクレオチドに結合した最も5’側のヌクレオチドまたは部分を含んでも含まなくてもよい。最も5’側のヌクレオチドは、好ましくは約1〜約50、より好ましくは約10〜約40、なおより好ましくは約20〜約30ヌクレオチドであり得る。
本明細書中で使用される場合、「ハイブリッド核酸分子」は、ハイブリダイズした部分的に二本鎖の複合体および受入分子(これは、本発明の方法を使用して作製される第2の部分的に二本鎖の複合体であり得る)をいう。本明細書で使用される「受入分子」は、少なくとも1つの3’突出を含む第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体がハイブリダイズするポリヌクレオチドである。
本明細書中で使用される場合、「組換え産物」は、3’一本鎖部分および受入分子を含む部分的に二本鎖の複合体に対応する配列を含む、連続的な(完全に結合した)ポリヌクレオチドをいう。組換え産物は、3’一本鎖部分および受入分子を含む部分的に二本鎖の複合体に対応する全ての配列を含み得るが、含まなくともよく、本明細書中に記載される組換え産物を生成する方法の幾つかが、元の部分的に二本鎖の複合体(3’突出を含む)および受入分子に対応する配列の欠失および/または変異を生じるからである。「核酸の組換え」は、組換え産物の産生をいう。これは、本明細書中で記載されるように、多くの方法(ライゲーションを含む)のいずれかにより達成され得る。
(3’突出を含む部分的に二本鎖の複合体を使用する本発明の方法)
以下は、本発明の方法の実施例である。上で提供された一般的記載を考慮して、種々の他の実施形態が実施され得ることが理解される。例えば、混成プライマー手段の使用への言及は、本明細書中で使用される任意の混成プライマーが本明細書中で使用され得ることを意味する。
本発明の方法は、RNAテンプレートからの、所定配列のまたはランダム配列の3’DNA一本鎖部分(突出)を含む部分的に二本鎖の複合体を含む、複合体の産生を含む。複合体(全体または一部)の3’一本鎖末端は、受入核酸と呼ばれる第2の核酸の3’一本鎖部分にハイブリダイズ可能である。この受入核酸は、一本鎖または3’一本鎖部分を含む第2の部分的に二本鎖の複合体(これは、本明細書中に記載される本発明の方法に従う、3’一本鎖突出を含む第2の部分的に二本鎖の複合体であり得る)であり得る。複合体の3’一本鎖部分と第2の核酸とのハイブリダイゼーションは、ハイブリッド(アニールした)核酸を生成する。組換え核酸(これは表面に固定化され得る)は、当該分野に公知であり、そして本明細書中で記載されるような、多くの方法のうちのいずれかで、ハイブリッド核酸から生成される。
組換え産物の使用は、当該分野で公知であり、その後の組換え産物のスクリーニングおよび/または選択、ならびに本明細書中で記載されるさらなる使用を含む。これらの使用は、本発明に包含される。
平易のために、3’一本鎖部分(突出)を含む部分的に二本鎖の複合体の生成のための方法は、ハイブリッド核酸の生成および組換え産物の作製の方法とは、別々に記載される。複合体の生成のための各方法は、ハイブリッド核酸および/または組換え産物の生成のための各方法に適用可能であり、逆もまた適用可能であることが、理解される。
(3’一本鎖配列を含む部分的に二本鎖の複合体を含む複合体の形成)
図1Aは、RNAテンプレートからの3’一本鎖DNA配列を含む部分的に二本鎖のDNAの形成のための方法の1つの実施形態の図解を示す。この方法は、以下の工程を包含する:(a)片方の端にRNA−DNAヘテロ二重鎖を含む二本鎖cDNAの形成は、以下:(i)標的RNAにハイブリダイズした第1混成プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、これにより、第1プライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体が生成される工程;(ii)工程(i)の複合体中のRNAを、切断する工程;(iii)第1プライマー伸長産物にハイブリダイズした第2プライマーを、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、それにより、第2プライマー伸長産物が生成されて、RNA/DNAヘテロ二重鎖を端に含む第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を形成する、工程;ならびに(b)RNA−DNAへテロ二重鎖中のRNAを切断し、3’一本鎖DNA部分(交換可能に「突出」と呼ばれる)を含む部分的に二本鎖のDNAを生成する、工程。説明されるように、全ての工程は等温であるが、各工程の温度は、同じであっても同じでなくてもよい。本発明の方法は、サーモサイクリング(すなわち、PCR)を必要とせず、そしてテンプレートRNAおよび第1プライマー伸長産物の複合体は、温度変性を使用して変性されも分離されもしない。
図1Aで説明される実施形態は、2つのオリゴヌクレオチドを使用する:混成プライマー(1と記す);第2プライマー(2と記す)、これらは、第2プライマー伸長産物(交換可能に「第2鎖cDNA」と呼ぶ)の形成のために使用される。
これらの図において示されるように、この混成プライマー1は、その3’末端にDNA部分Aを、そしてその5’末端にRNA部分Bを含む。本明細書中で記載されるように、3’DNA部分の後にその5’の方向でRNA部分が続き、その後にDNA部分が続く、混成プライマーを使用することも可能である。これらの各部分の長さは、一般に、3’一本鎖DNA配列を含む部分的に二本鎖の複合体の形成、および3’一本鎖末端によって媒介される部分配列組換えの最大の効率のために、決定される。2部分のみ(すなわち、3’−DNA−RNA−5’)の混成プライマーが、図1A、図1Bおよび図2A〜図2Bに示される。
混成プライマーの5’部分は、標的配列にハイブリダイズ可能であってもなくてもよい。幾つかの実施形態において、混成プライマー1の5’部分(図1Aおよび図1Bならびに図2Aに示す)は、プライマーが標的にハイブリダイズする場合、標的配列にハイブリダイズ可能でない配列(例えば、「テイル」を形成する配列)を、含む。一般に、5’部分は、第1プライマー伸長産物(第1鎖cDNA)内に組み込まれ、そして二本鎖DNAの複合体の3’突出(一本鎖DNA部分)は、混成プライマーの5’部分の相補体を含む。本明細書中で記載されるように、一本鎖DNA部分は、部分配列ハイブリダイゼーションおよび組換えのための基質である。別の実施形態において、第1プライマーの5’部分は、標的RNAにハイブリダイズ可能である。第1プライマーの5’部分は、複合体と第2核酸との間で、どの型、どのクラス、どの集団、および/またはどの種の組換えが所望されるかに依存して、多くの方法のいずれかで、(配列に関して)設計され得る。上述のように、生じた部分的に二本鎖のDNA複合体における突出の長さおよび配列は、標的RNAに結合する混成プライマーの、RNA部分の長さおよび配列によって、決定される。この長さは、一般に、少なくとも2リボヌクレオチド長であるが、以下で議論されるように、より長いRNA部分が、本発明によって企図される。
5’部分の配列は、公知であり得(「所定の配列」と呼ばれる)、そして幾つかの実施形態において、制限酵素切断部位を含む。所定の配列は、公知の配列または公知の配列のファミリー(例えば、キナーゼドメイン)にハイブリダイズ可能であるように選択され得る。幾つかの実施形態において、5’所定配列は、この配列がテンプレートRNAにハイブリダイズ可能であると予測されないという意味で、独特の配列であり得る。他の実施形態において、5’部分はランダム配列である。また他の実施形態において、5’部分は、所定の配列およびランダム配列を含む。RNA部分の配列は、例えば、二本鎖DNAの制限酵素切断によって生成された3’一本鎖突出に対応する配列(この3’一本鎖突出にハイブリダイズ可能な配列の相補体)を含むように選択され、これにより、制限酵素で切断された受入分子に、複合体をハイブリダイゼーションさせ得る。本明細書中で使用される場合、3’一本鎖に「対応する」配列は、一般に、3’一本鎖突出配列の相補体にハイブリダイズ可能な配列である。
3’突出はまた、所定の3’突出領域を有する受入分子(交換可能に「受入核酸」と呼ばれる)とハイブリダイズするように選択され得る。所定の領域は、独特の配列であり得、その結果、ハイブリダイゼーションは、一般に、同じ独特の配列を含む受入分子と起こる。あるいは、所定の配列は、受入分子または受入分子のファミリーもしくは関連した受入分子(例えば、遺伝子ファミリーまたはスーパーファミリー)の3’末端に存在する配列に、ハイブリダイズ可能な配列に対応し得る。別の実施形態において、3’突出は、ランダムであり、従って、ハイブリダイゼーション工程の複雑性は、大いに上昇する(例えば、潜在的にハイブリダイズ可能な受入分子の数に関して)。
3’突出はまた、種々の長さの挿入物(3’突出に含まれる配列に対応する)によって組換え産物を産生するように選択され得る。例えば、3’突出を含む部分的に二本鎖の複合体が、3’独特配列(標的RNAに存在する配列ではないが、むしろ付属の3’配列を成すという意味)を含む受入分子にハイブリダイズされる場合、独特配列に対応するヌクレオチドは、組換え産物に挿入される。別の例において、3’突出が、第1混成プライマーにおけるランダム配列に対応する場合、一般に、組換え産物は、ランダム配列にハイブリダイズ可能なヌクレオチドを含む。
しかし、3’末端が、標的RNA内に存在する配列から生成される場合、ハイブリダイゼーションは、標的RNAに対応する二本鎖部分を作製し、そして新規のヌクレオチドは、一般に、最終組変え産物内に挿入されない。
部分的に二本鎖の複合体の3’末端と受入側の3’末端とは、完全な相補性でハイブリダイズする必要はなく、複合体と受入分子とのハイブリダイゼーションの間使用されるストリンジェンシーのレベルに依存する。適切なハイブリダイゼーション条件の選択は、本明細書中でさらに記載される。低減されたストリンジェンシーの使用は、互いにハイブリダイズしようとする、3’突出の数を増加させることが理解される。
さらに、部分的に二本鎖の複合体の3’末端および受入分子の3’末端は、同じ長さである必要はない。1つ以上のギャップが、ハイブリダイゼーション後に存在し得、本明細書中で記載される種々の方法を使用して埋められ得る。
3’末端もまた、部分的に二本鎖の複合体と受入分子との間のハイブリダイゼーションが、定方向的であるように、選択され得る。例えば、部分的に二本鎖の複合体分子の集団および受入分子の第2集団(これもまた、部分的に二本鎖の複合体分子であり得る)は、ハイブリダイゼーションが、互いに関して、特別な特定の方向性であるように、生成され得る。
上述のように、ランダム5’RNA部分に対応する3’末端の使用は、全ての方向性のハイブリダイゼーションを許容する(従って、組換えの複雑性を増す)と予測される。
さらに、3’末端の配列は、ハイブリダイゼーションに好適かまたは好適でないように選択され得る。例えば、3’末端のGC含有率の上昇、およびハイブリダイズの能力を上昇または低下させることが公知のヌクレオチドアナログ(DNAを含む)の使用、ならびに当該分野で公知の他の因子である。
第1混成プライマーの3’部分(テンプレートRNAにハイブリダイズする)は、どの型、どのクラス、どの集団、および/またはどの種のRNAが、部分的に二本鎖のDNA複合体(3’一本鎖領域を含む)内に組み込まれることが所望されるかに依存して、多くの方法(配列に関する)のいずれかで設計され得る。幾つかの実施形態において、混成プライマー1の3’部分(図1および図2に示す)は、mRNAのポリAテイルに相補的な配列を含み、さらに3’部分の3’末端に、さらなるランダム配列(一般に、ポリA配列と相補的でない)を含み得る。他の実施形態において混成プライマー1の3’部分は、多様なRNA種、大いに多様なRNA種または非常に大いに多様なRNA種に、ハイブリダイズ可能な配列を含むランダムプライマーである。当該分野で公知のランダムプライマーは、例えば、PCRベースの手順を使用するcDNAライブラリーの調製において、広範に使用されている。当該分野でよく理解されているように、「ランダムプライマー」は、プライマー集団(多数のランダムプライマー)のメンバーであるプライマーをいい、これは所望の標的配列および/または有意の数の標的配列にハイブリダイズするように、集合的に設計される。ランダムプライマーは、核酸配列上の多くの部位でハイブリダイズし得る。他の実施形態において、混成プライマー1の3’部分は、特定のRNAまたは特定のRNAのファミリー(またはこれらの部分)にハイブリダイズ可能な配列を含み得る。
幾つかの実施形態において、混成プライマー1は、同じ5’RNA部分および目的のRNA配列(2以上〜何百または何千以上に及び得る)の多様性を拡大するための選択された多様な3’DNA部分を含む、異なった混成プライマーの混合物である。
第2プライマーは、第1DNA鎖にハイブリダイズし得る任意の配列であり、この第2プライマーは、DNAポリメラーゼにより、第1プライマー伸長産物に沿って伸長され得、第2プライマー伸長産物を作製する。図1A〜図1Bで示すように、プライマー2は、DNAから構成され得、そして2つの部分(section)(交換可能に「部分(portion)」または「領域(region)」と呼ぶ)を含み得るが、そうである必要はない。プライマー2の3’部分Fは、生物学的サンプルにおける多くの、ほとんどの、および/または全ての潜在的なmRNA配列のランダムプライミングについて、選択され得る。プライマー2の5’部分Eは、特定の標的配列に対し、相補的でなく、実質的にハイブリダイズ可能でない(すなわち、ハイブリダイズせず、テイルを形成する)配列であり得る。「テイル」配列は、一般に、第2プライマー伸長産物内に組み込まれる。他の実施形態において、プライマー2の5’末端部分Eは、第1プライマー伸長産物の標的配列にハイブリダイズ可能であり得る。なお他の実施形態において、これは、第1DNA鎖中の配列にハイブリダイズされる、第1DNA鎖(一般に3’末端に存在する)配列(例えば、ヘアピンまたは自己アニール構造)を含む。
1つの実施形態において、標的RNAのフラグメントは、第2プライマー伸長産物のプライマーとして作用する。本発明のこの実施形態は、図1Bにおいて説明され、以下でさらに議論される。標的RNAおよび第1プライマー伸長産物を含む最初の複合体中の標的RNAは、テンプレートRNAの少なくとも1つのフラグメントが、第1プライマー伸長産物にハイブリダイズし続けるように、切断される。幾つかの実施形態において、切断は、RNA/DNAハイブリッドからのRNA切断を行う酵素(例えば、RNase H)のような薬剤を使用して、なされる。本発明のこの局面において、1つ以上のテンプレートRNAフラグメントは、上述の様式において、第2の「プライマー」として寄与し、上述の方法において、第2プライマー伸長産物と同じ機能を有する、フラグメント伸長産物を生成する。本発明の方法において適切なRNAフラグメントは、第1鎖cDNAから分解されないために十分な長さであり、好ましくは約3ヌクレオチド長〜約10ヌクレオチド長、より好ましくは約5ヌクレオチド長〜約25ヌクレオチド長、なおより好ましくは約10ヌクレオチド長〜約20ヌクレオチド長、最も好ましくは約12ヌクレオチド長〜約17ヌクレオチド長である。テンプレートRNAは、当該分野に周知の方法(RNA−DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素(例えば、RNase H)による切断、熱処理による切断、および化学処理による切断(例えば、アルカリ条件下の処理)を含む)を使用して切断され得る。本明細書中で使用される場合、テンプレート切断は、第1プライマー伸長産物からのテンプレートRNAの分離または変性に十分な熱を使用した、テンプレートRNAと第1プライマー伸長産物との分離(例えば、サーマルサイクラーまたは温度制御インキュベーションの他の手段を使用する)を包含しない。
図1Aで説明されるように、1つの実施形態において、RNAテンプレートからの、3’一本鎖DNA配列を含む部分的に二本鎖の複合体の形成をもたらす、本発明の方法のプロセスは、以下のようである:
1.プライマー1が、サンプルにおけるRNA種に、ランダム配列部分A(mRNAのポリA配列に少なくとも一部基づき得る)のハイブリダイゼーションによって結合し、複合体Iを形成する(図1A)。
2.逆転写酵素(「RT」と示される)が、ハイブリダイズしたプライマー1を、ハイブリダイズされた標的RNA鎖に沿って伸長し、RNA/DNA二重鎖を形成する。薬剤(例えば、RNase H)は、ハイブリッド二重鎖の標的RNA鎖を分解し、一本鎖第1鎖cDNA(「II」と記す)を生成する。IIの5’末端は、プライマー1である。
3.プライマー2が、ランダム配列Fのハイブリダイゼーションによって、第1鎖cDNA(II)に結合し、複合体IIIを形成する。
4.プライマー2は、DNAポリメラーゼにより第1cDNA鎖IIに沿って伸長され、二本鎖産物を形成する(「IV」と記す)。プライマー伸長は、IIの5’RNA部分に沿い、RNA依存性DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)により、複合体IVの一端でのRNA/DNAハイブリッド部分の形成をもたらす。DNA依存性ポリメラーゼ活性およびRNA依存性ポリメラーゼ活性は、同じ酵素で提供され得る。
RNase Hは、複合体IVの一端で、RNA/DNAハイブリッドのRNA部分を分解し、混成プライマー1の部分Bの相補体である配列を有する3’DNA一本鎖末端により、部分的に二本鎖の複合体(「V」と記す)を作製する。RNase H活性は、RNA依存性DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)によって供給され得るか、または異なった酵素で提供され得る。この方法に有用な逆転写酵素は、RNase H活性を有しても有さなくてもよい。第2プライマー伸長工程に使用されるDNA依存性DNAポリメラーゼは、第1プライマー伸長産物の5’RNA部分の複製のための逆転写活性を供給し得るが、または第2の酵素がこれを提供し得る。
図1Bは、標的RNAのフラグメントが、第2プライマー伸長産物のプライマーとして作用する、本発明の実施形態を説明する。図1Bにおいて示されるように、単一の(混成)プライマー(「1」と記す)は、標的RNA上の配列に相補的な3’DNA部分(「A」と記す)および非標的関連配列(すなわち、相補的でないか、または所定の1組の条件下で「A」がハイブリダイズする下で標的RNA上の配列にハイブリダイズ可能でない)を含む5’−RNA部分(「B」と記す)から構成され得る。混成プライマーの3’−DNA部分は、ポリ−dTヌクレオチドを含み得、この混成プライマーを、真核細胞に由来するmRNAのポリ−A 3’末端に対し、相補的/ハイブリダイズ可能(所定の条件下で)にする。
1.標的RNAにハイブリダイズされる混成プライマー1(図1Bにおける複合体「I」)は、RNA依存性DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)によって伸長され、標的RNAおよび第1鎖cDNAのRNA/DNAへテロ二重鎖(図1Bにおける複合体「II」)を形成する。
2.ついで、標的RNAが、例えばリボヌクレアーゼ(例えば、RNase H)の使用によって分解され(断片化され)、第1鎖cDNAおよび1つ以上のRNAフラグメント(オリゴヌクレオチド)の複合体(図1Bにおける複合体「III」)を形成する。このフラグメントは、ヘテロ二重鎖における標的RNAの不完全な分解の結果である。
3.これらのフラグメントは、DNA依存性DNAポリメラーゼのプライマーとして機能し、第2鎖cDNAを形成する。OkayamaおよびBerg,Molecular and Cell Biology(1982),2:161;ならびにGublerおよびHoffman,Gene(1983),25:263。次いで、RNA依存性DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)が、二重鎖における第2鎖cDNAの3’末端を、混成プライマー伸長産物の5’−RNA配列に沿って伸長し、二本鎖cDNA産物の末端において、RNA/DNAヘテロ二重鎖を形成する(図1Bにおける複合体「IV」)。
4.二本鎖cDNAの末端におけるヘテロ二重鎖は、RNase Hの基質である。RNase Hは、複合体IVの一端でRNA/DNAハイブリッドのRNA部分を分解し、混成プライマー1の部分Bの相補体である配列を有する3’DNA一本鎖末端を有する部分的に二本鎖の複合体(「V」と記す)を形成する。
本発明の方法は、サンプル中の複数のRNA配列に由来する配列を含む、部分的に二本鎖の複合体の「ライブラリー」の産生のために使用され得る。例えば、混成プライマーは、サンプル内の全てのmRNAのポリ−Aテイルにハイブリダイズすることが予測されるポリ−dT配列を含み得るか、または、混成プライマーは、一般に、ランダム配列にハイブリダイズ可能な少なくとも3’部分を含み得、このランダムプライマー部分がテンプレートのランダム部分にハイブリダイズする。別の局面において、本発明の方法は、特異的RNA種またはRNA種のクラス(例えば、RNA種のファミリーまたはスーパーファミリー)からの部分的に二本鎖の複合体の生成のために使用され得る。この後者の場合において、混成プライマーは、一般に、特異的RNA標的(またはRNA標的のファミリー)の配列に相補的な3’部分を含む。
便宜上、第1プライマー伸長産物(第1鎖cDNA)および第2鎖プライマー伸長産物(第2鎖cDNA)は、図1A、図1B、および図2で記載および説明される。本発明の方法は、1つのRNA配列の二重鎖コピーを含む部分的に二本鎖の複合体の生成だけでなく、同一の標的RNA分子または異なった標的RNA分子上に位置する、1より多い異なった特異的核酸配列からの複合体の生成にもまた、同時に有用である。
本明細書中で記載されるように、部分的に二本鎖の複合体は、当該分野で公知の方法(Kurn,米国特許第6,251,639号が挙げられる)を用いてそれ自体DNA供給源(例えば、ゲノムDNA)から生成されたRNA標的から生成され得る。従って、本明細書中の方法に従って調製される二本鎖複合体は、ゲノムDNAのRNAコピーに対応し得、そしてそれにより、一般にmRNA中に存在しない非転写配列(例えば、イントロン、調節エレメントおよび制御エレメントなど)を含む。明白に、3’一本鎖部分を含む部分的に二本鎖のDNAは、非翻訳RNA配列から生成され得、これらの非翻訳RNA配列としては、tRNA、リボソームRNA、低分子非翻訳RNA、疾患メカニズムに関する非翻訳RNA、および遺伝子調節において機能する非翻訳RNAが、挙げられる。
(2つの3’一本鎖配列を含む部分的に二本鎖のDNAを含む複合体の形成)
RNAテンプレートからの2つの3’一本鎖DNA配列を含む部分的に二本鎖のDNAの形成の1つの実施形態の図解を、図2Aおよび図2Bに示す。この方法は、(a)RNA−DNAへテロ二重鎖をcDNAの各末端に含む二本鎖cDNAの形成は、以下のようである:(i)RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、標的RNAにハイブリダイズされる第1混成プライマーを伸長することにより、第1プライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体が生成される、工程;(ii)工程(i)の複合体中でRNAを切断する工程;(iii)第1プライマー伸長産物にハイブリダイズした第2混成プライマーを、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、これにより、第2プライマー伸長産物が生成されて、RNA/DNAへテロ二重鎖を各末端に含む第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を形成する、工程;および(b)RNA−DNAへテロ二重鎖におけるRNAを切断し、2つの3’一本鎖DNA部分(または突出)を含む部分的に二本鎖の複合体を生成する工程。説明したように、全ての工程は等温であるが、各工程の温度は同じでも異なっていてもよい。便宜上、本発明のこの局面において、第2鎖cDNAの生成は、第1鎖cDNAにハイブリダイズし得る別の混成プライマーを使用して、導入される。本明細書中で使用される場合、用語「cDNA」は、ポリヌクレオチドを含む第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物をいう。
図2A〜図2Bにおいて説明される実施形態は、2つのオリゴヌクレオチドを使用する:第1プライマー伸長産物の形成のために使用される第1混成プライマー(1と記す);および第2プライマー伸長産物の形成のために使用される第2混成プライマー(2と記す)。第1混成プライマーの5’部分は、一般に、第1プライマー伸長産物内に組み込まれ、そして第2(逆)混成プライマーの5’部分は、第2プライマー伸長産物(第2鎖cDNA)内に組み込まれる。第1混成プライマーおよび第2混成プライマーの5’部分の相補体は、二本鎖DNA複合体の2つの3’一本鎖部分のそれぞれを含む。
図2Aおよび図2Bにおいて、「テイル」配列を含む2つの混成プライマーが、使用されて、cDNAの各末端に、RNA−DNAヘテロ二重鎖を含む二本鎖cDNAを生成する。RNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断する薬剤によるRNAの切断は、2つの3’DNA一本鎖末端を有する部分的に二本鎖の複合体を作製する。
図2Aにおいて示される混成プライマー2の5’部分は、標的配列または第1プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能でない配列(例えば、プライマーが第1プライマー伸長産物にハイブリダイズする場合に「テイル」を形成する配列)を含み得る。幾つかの実施形態において、5’部分は、「所定の」配列であるか、または幾つかの実施形態において、ランダム配列である。混成プライマー2の5’部分は、混成プライマー1の5’部分と同一であっても異なっていてもよい。
RNAテンプレートからの2つの3’一本鎖DNA部分を含む部分的に二本鎖の複合体の形成をもたらす本発明の方法のプロセスは、以下のようである:
1.混成プライマー1は、配列部分A(少なくとも部分的にmRNAのポリ−A配列に基づき得る)のハイブリダイゼーションによってサンプル中のRNA種に結合し、複合体Iを形成する。混成プライマー1は、テンプレートmRNAにハイブリダイズ可能でない「テイル」配列(黒の太線で示される)を含み得るが、含む必要はない。
2.逆転写酵素が、ハイブリダイズしたプライマー1を、ハイブリダイズされる標的RNA鎖に沿って伸長し、RNA/DNA二重鎖を形成し、IIと記した。薬剤(例えば、RNase H)が、ハイブリッド二重鎖の標的RNA鎖を分解し、一本鎖cDNAを形成する(「III」と記す)。IIIの5’末端は、プライマー1である。
3.混成プライマー2は、配列Fのハイブリダイゼーションによって第1鎖cDNA(III)に結合し、複合体IVを形成する。逆混成プライマーは、テンプレートRNAまたは第一鎖cDNAにハイブリダイズ可能でない「テイル」配列(黒の太線で示される)をさらに含む。混成プライマー1のテイル配列および第2混成プライマーは、異なった配列であり得るが、幾つかの実施形態においては、このテイル配列は同一の配列であり得る。
4.混成プライマー2は、DNAポリメラーゼにより、第1鎖cDNA IIIに沿って伸長されて、二本鎖産物を形成する(「V」と記す)。プライマーは、逆転写酵素のようなRNA依存性DNAポリメラーゼにより、IVの5’RNA部分に沿って伸長し、複合体Vの一端においてRNA/DNAハイブリッド部分の形成をもたらす。DNA依存性ポリメラーゼ活性およびRNA依存性ポリメラーゼ活性は、本明細書中に記載されるように、同一の酵素で提供され得る。
5.薬剤(例えば、RNase H)は、複合体Vの一端においてRNA/DNAハイブリッドのRNA部分を分解し、3’DNA一本鎖末端を有する部分的に二本鎖の複合体(「VI」と記す)を形成する。この複合体は、混成プライマー1の部分Bの相補体である配列を有する。
6.混成プライマー1は、一本鎖DNA末端(RNA部分に対する補体である)へのRNA部分のハイブリダイゼーションによって、複合体VIに結合し、複合体VIIを形成する。
7.複合体VIIにおける、結合プライマー1のセンスcDNA鎖に沿ったプライマー伸長は、上述のcDNA産物(VII)の置換をもたらし、そして、第2の混成プライマーのテイル配列を複製し、複合体VIIIを形成する。
8.複合体VIIIは、混成プライマー1および混成プライマー1の補体からなる2つのRNA/DNAへテロ二重鎖を一端に有し、そして混成プライマー2および混成プライマー2の相補体を他方の末端で有する。薬剤(例えば、RNase H)は、RNA/DNAへテロ二重鎖のRNA部分を切断し、2つの3’一本鎖DNA配列を含む部分的に二本鎖のDNAを形成する。RNase H活性は、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素(逆転写酵素のような)によって供給され得るか、または異なった酵素によって提供され得る。本発明の方法に有用な逆転写酵素は、RNase H活性を有しても有さなくてもよい。1つの3’DNA一本鎖末端は、混成プライマー1の部分Bの補体である配列を有し、そして1つの3’DNA一本鎖末端は、混成プライマー2の部分Bの相補体である配列を有する。
本発明のこれらの実施形態の混成プライマーの設計は、一般に、一本鎖3’末端を有する部分的に二本鎖複合体を生成する方法について、上述の同じ考えによって支配される。しかし、標的RNAに結合する混成プライマーおよび第1プライマー伸長産物に結合する混成プライマーは、一般に、異なった5’RNA部分を有することが、理解される。5’RNA部分は、生じる3’突出が、(例えば、ハイブリダイズ可能な配列の設計あるいは1つの5’部分または両方の5’部分におけるランダム配列の使用によって)、相互にハイブリダイズ可能であるか、または3’突出が、1つ以上の受入分子とハイブリダイズ可能であるように設計される。
(3’一本鎖部分を含む部分的に二本鎖の複合体を使用する方法)
本発明は、組換え核酸の局面についての方法を、提供する。幾つかの実施形態において、本方法は、部分的に二本鎖のDNAの3’一本鎖部分を受入核酸分子とハイブリダイズし、これにより、ハイブリッド核酸が生成される工程を包含する;この3’一本鎖部分を含む部分的に二本鎖の複合体を、本明細書中に記載の方法のいずれかに従って調製する。別の局面において、本発明は、核酸を組換える方法を提供する。この方法は、以下の工程を包含する:部分的に二本鎖の複合体の3’一本鎖部分を受入核酸分子とハイブリダイズし、それにより、ハイブリッド核酸が生成される工程(上記および本明細書中で述べられるように、3’一本鎖部分の全てまたは一部(部分)がハイブリダイズし得る);3’一本鎖部分を含むこの部分的に二本鎖の複合体を、本明細書中に記載の方法のいずれかに従って調製し、そしてハイブリッド核酸から組換え核酸を生成する。本明細書中で使用される場合、「組換え産物」は、3’一本鎖部分および受入分子を含む部分的に二本鎖のDNAに対応する配列を含む連続的な(完全に結合した)ポリヌクレオチドをいう。組換え産物は、3’一本鎖部分および受入分子を含む部分的に二本鎖のDNAに対応する全ての配列を含み得るが、必ずしも含まなくてもよい。このような本明細書中で記載される組換え産物の生成方法の幾つかが、起源の部分的に二本鎖のDNA(3’突出を含む)および/もしくは受入分子に対応する配列の欠失ならびに/または変異をもたらすからである。本明細書中で使用される場合、「cDNA」または「部分的に二本鎖のDNA」または「二本鎖DNA」は、ポリヌクレオチドである(すなわち、ポリヌクレオチドを包含する)。上述のように、用語「ポリヌクレオチド」は、RNAをいい、これを含み得るが、用語「ポリヌクレオチド」は、この用語が参照されるこの文脈によって決定されることが、本明細書の記載から明らかである。例えば、DNA依存性DNAポリメラーゼによる伸長は、一般に、DNA分子の生成をいうが、用語「DNA」は、(例えば、この文脈では)他の型の塩基、アナログ、結合など、(例えば、ポリメラーゼによってポリマー中に組みこまれ得る任意の基質)を含む分子を除外することを意味しない。
(ハイブリッド核酸の生成方法)
3’一本鎖部分を含む部分的に二本鎖のDNA(交換可能に「部分的に二本鎖の複合体」とよぶ)は、本明細書中に記載される発明の方法のいずれかに従って調製される。部分的に二本鎖の複合体は、1つの3’突出または2つの3’突出(両端に1つずつ)を含み得る。本発明の部分的に二本鎖の複合体は、本明細書中で記載される方法のいずれかに従って生成される、異なった部分的に二本鎖の複合体の多様性(僅かから非常に多くまで)(標的RNAの多様性に対応する)であり得る。異なった部分的に二本鎖の複合体の集団を生成する方法およびアプローチは、本明細書中で記載される。このような集団は、配列において関連し得る(例えば、遺伝子ファミリーのメンバー;特定のモチーフまたはドメインに対応する配列を含む)か、または配列において非常に多様であり得る(例えば、ポリ−dTまたはランダム混成プライマーを使用して全てのmRNAから生成される;ランダムプライマーを使用して、標的集団中の全てのRNAから生成される)。本明細書中で記載される場合、部分的に二本鎖の複合体は、それ自体がDNA供給源(例えば、ゲノムDNA)から当該分野で公知の方法(Kurn,米国特許第6,251,639B1号を含む)を使用して生成される、RNA標的から生成され得る。従って、本明細書中で記載される方法に従って調製される部分的に二本鎖の複合体は、ゲノムDNAのRNAコピーから生成され得、従って、一般にmRNAにおいて見出されない、非転写配列(例えば、イントロン、調節エレメントおよび制御エレメントなど)を含む。
受入分子(交換可能に「受入分子」または「受入体」と呼ぶ)は、1つまたは2つの3’一本鎖部分(3’突出)を含む、部分的に二本鎖のであり得る。二本鎖受入分子は、1つまたは2つの3’一本鎖部分を含む第2の部分的に二本鎖のポリヌクレオチド(例えば、DNA)であり得、本明細書中で記載される本発明の方法のいずれかに従って調製される。部分的に二本鎖の受入体(1つまたは2つの3’突出を含む) についての他の供給源としえては、少なくとも以下が挙げられる:二本鎖cDNA、二本鎖ゲノムDNA(1つ以上のゲノム供給源由来)、ライブラリーから調製される二本鎖DNA、そして当該分野で公知の任意の方法(PCR(例えば、Jarrell WO 00/40715を参照)を含む)を使用して調製される二本鎖DNA。1つまたは2つの3’(一本鎖)突出を含む部分的に二本鎖のDNAの生成方法としては、当該分野で公知であり、適切な制限酵素による制限酵素切断、Dnase切断、二本鎖DNAの機械的剪断、ならびに、例えば、米国特許第6,344,356号および同第6,319,714号に記載されるさらなる方法が挙げられる。
受入核酸分子は、一本鎖であり得る。幾つかの実施形態において、一本鎖受入体は、表面に固定化される(以下でさらに記載する)。一本鎖受入体は、少なくとも以下の供給源から調製され得る:当該分野で公知の方法(Kurn,米国特許第6,251,639号;Kurn,米国特許公報第2002/0058270号;Kurn,同時係続米国出願第10/100,321号において記載される方法を含む)により調製される一本鎖DNA;当該分野で公知の方法を使用して調製した第1鎖cDNA;および当該分野で周知の方法を使用して、単純にDNAを一本鎖にすることによる任意の二本鎖DNAまたはDNA/RNAハイブリッド分子由来。
受入分子は、異なった受入分子の多様性であり得ることが、理解される。このような集団は、配列に関連し得る(例えば、遺伝子ファミリーのナンバー;特定のモチーフまたはドメインに対応する配列を含む)か、または配列において非常に多様である(例えば、全てのmRNAから生成される、ゲノムDNAの集団から生成される、など)。あるいは、受入分子は、単一の配列(公知の遺伝子(例えば、コード領域、ゲノム部分、などの一部または全てであり得る)に対応し得る。
受入分子は、本明細書中で記載される1つ以上の供給源から選択され得る。例えば、受入分子は、本明細書中に記載される方法に従って調製される3’突出を含む部分的に二本鎖のDNAならびに他の一本鎖および/または二本鎖受入分子である受入分子を含み得る。
さらに、部分的に二本鎖の複合体(3’突出を含む)および/または受入分子は、1つまたは多様な(僅かから非常に多くまで)生物からのRNAまたはDNAと対応し得、そしてネイティブまたは非ネイティブの(例えば、変異、合成、などの)DNAまたはRNAであり得る。従って、「遺伝子ファミリー」(または関連核酸配列)の概念は、本明細書中で使用される場合、特定の生物に由来する関連配列および多様な生物にまたがって関連する配列の、両方を包含する。
部分的に二本鎖の複合体および/または受入分子は、核酸のどの型、どのクラス、どの集団、および/またはどの種が、ハイブリッド分子内に(すなわち、部分的に二本鎖の複合体の3’末端と受入分子のハイブリダイゼーション後に)取り込まれるのが望ましいかに依存して、多くの方法のいずれかで選択され得る。例えば、特定のタンパク質、タンパク質ドメイン、タンパク質サブドメイン、タンパク質モチーフ、タンパク質ファミリーまたはタンパク質スーパーファミリー、などに対応する核酸が、選択され得る。さらなる例において、エキソン、オープンリーディングフレーム、エキソン−イントロン領域、および/または非翻訳領域(あるいはこれらの任意の組み合わせ)に対応する核酸もまた、選択され得る。別の例において、核酸は、ランダムに生成された核酸に対応し得る。なお別の例において、核酸は、非翻訳RNA配列に対応し得る。これらの例は、本明細書中でさらに議論される。
3’突出を含む部分的に二本鎖のDNAの型、クラス、集団、および/または種を選択するための方法が、本明細書中で記載される。一般に、第1混成プライマーの3’部分は、RNAのどの型、どのクラス、どの集団、および/またはどの種が、部分的に二本鎖の複合体(3’一本鎖領域を含む)中に取り込まれるのが望ましいかに依存して、本明細書中で議論されるように、多くの方法のいずれかで設計される(配列に関して)。
受入分子の型、クラス、集団、および/または種を選択するための方法は、当該分野で周知であり、以下が挙げられる:PCRを用いた所望の配列の増幅;DNA(ゲノムDNAを含む)の制限エンドヌクレアーゼ切断;以前にクローン化したDNAの調製;および当該分野で周知の他の方法。受入分子は、以下を含む種々の供給源から調製され得ることが、理解される:RNA、DNA、RNA/DNAハイブリッド;一本鎖DNA;二本鎖DNA、など。
以下の議論は、3’突出を含む部分的に二本鎖の複合体に表され得る特定の例示的な核酸(本発明の方法に従って調製される)および/または受け入れ分子を記載する。部分的に二本鎖の複合体および受入分子は、以下に記載する1つ以上の特徴を含み得ることが理解される。
幾つかの実施形態において、部分的に二本鎖の複合体および/または受入分子は、オープンリーディングフレーム(または部分的なオープンリーディングフレーム)に対応する。他の実施形態において、部分的に二本鎖の複合体および/または受入分子は、ゲノムDNAに対応する(そしてそれにより、エキソン、イントロンおよび/または非翻訳領域を含み得る)。他の実施形態において、部分的に二本鎖の複合体および/または受入分子は、ランダムに選択された/生成された部分に対応する。
幾つかの実施形態において、部分的に二本鎖の複合体および/または受入分子は、関連配列の公知の配列または群に対応する。例えば、部分的に二本鎖の複合体および/または受入分子は、公知の生物学的活性の1つ以上の個別の機能ドメイン全長または機能ドメインの部分に対応し得る。多くのタンパク質が、個別の機能ドメインを有することが、当該分野で周知である(例えば、Traut,Mol.Cell.Biochem.70:3(1986);Goら,Adv.Biophys.19:91(1985)を、参照のこと)。このようなドメインは、しばしば互いに分離し得、そして各々独立した機能ドメインの活性を保存する様式で、他の個別の機能ドメインと組換えられ得ることもまた、周知である。
機能的タンパク質ドメインの例としては、例えば、以下が挙げられる:DNA結合ドメイン(例えば、ジンクフィンガー、ホメオドメイン、ヘリックス−ターン−ヘリックスモチーフ、など)、ATPまたはGTP結合ドメイン、膜貫通ドメイン、タンパク質間相互作用ドメイン、(例えば、ロイシンジッパー、TPRリピート、WDリピートSTYXドメイン(例えば、Wishartら,Trends Biochem.Sci.23:301,1998を参照)、G−タンパク質ドメイン、チロシンキナーゼドメイン、(例えば、Shokat,Chem.Biol.2:509,1995を参照)、SRCホモロジードメイン(例えば、Sudol,Oncogene 17:1469,1998を参照)、SH2ドメイン(例えば、Schaffhausen,Biochim.Biophys.Acta 28:61,1995を参照)、PTBドメイン(例えば、van der Greerら,Trends Biochem.Sci.20:277,1995を参照)、PHドメイン(例えば、Musacchioら,Trends Biochem.Sci.18:343,1993を参照)、特定の触媒ドメインおよび細胞表面レセプタードメイン(例えば、Campbellら,Immunol.Rev.163:11,1998を参照)、炭水化物認識ドメイン(例えば、Kishoreら,Matrix Biol.15:583,1997を参照)、免疫グロブリンドメイン(例えば、Rapley,Mol.Biotechnol.3:139,1995を参照)。
本発明に従う使用に適切な機能的タンパク質ドメインとしては、遺伝子ファミリーを生成する進化を通して再生されるドメインが挙げられる。このような遺伝子ファミリーの例としては、例えば、組織プラスミノゲンアクチベーター遺伝子ファミリー(例えば、WO 00/40715、図6を参照)、電位型ナトリウムチャネルのファミリー(例えば、Marbanら,J.physiol.508:647,1998を参照)、接着分子の特定のファミリー(例えば、Taylorら,Curr.Top.Microbiol.Immunol.228:135,1998を参照)、種々の細胞外ドメインタンパク質ファミリー(例えば、Engle,Matrix Biol.15:295,1996を参照)、タンパク質キナーゼCファミリー(例えば、Dekkerら,Curr.Op.Struct.Biol.5:396,1995を参照)、腫瘍壊死因子レセプタースーパーファミリー(例えば、Naismithら,J.Inflamm.47:1,1995を参照)、溶血素ファミリー(例えば、Lopezら,Microb.Drug Resist.3:199,1997を参照)、核ホルモンレセプター遺伝子スーパーファミリー(例えば、Ribeiroら,Annu.Rev.Med.46:443,1995;Carson−Juricaら,Endocr.Rev.11:201,1990を参照)、ニューレキシンファミリー(例えば、Misslerら,J.Neurochem.71:1339;1998を参照)、チオレドキシン遺伝子ファミリー(例えば、Sahrawyら,J.Mol.Evol.42:422,1996を参照)、リン酸基転移タンパク質ファミリー(例えば、Reizerら,Curr.Op.Struct.Biol.7:407,1997を参照)、細胞壁ヒドロラーゼファミリー(例えば、Hazelwoodら,Prog.Nuc.Acid.Res.Mol.Biol.61:211,1998を参照)、および合成タンパク質の特定のファミリー(例えば、脂肪酸シンターゼ、ポリケチドシンターゼを(例えば、WO 98/01546,米国特許第5,252,474号、米国特許第5,098,83号を参照)、ペプチドシンテターゼ(例えば、Mootzら,Curr.Op.Chem.Biol.1:543,1997;Stachelhausら,FEMS Microbiol.Lett.125:3,1995を参照)、およびテルペンシンターゼ)。
本明細書中に記載される方法を使用して、特定のタンパク質ドメインの持続性(またはドメインの一部)に対応する配列を含む部分的に二本鎖の複合体が生成され得、各部分的に二本鎖の複合体は、特定のドメインに必ずしも関連しない配列をさらに含み得る。例えば、キナーゼドメインを含むが、他の部分は必ずしも関連しない部分的に二本鎖の複合体(例えば、レセプター配列、細胞内キナーゼ、など)が、調製され得る。
部分的に二本鎖の複合体および/または受入分子はまた、本明細書中で記載されるように、「リンカー」アミノ酸に対応する核酸(一般に、非ネイティブ核酸配列)を含み得、これは、ハイブリダイゼーション工程および組換え工程の間に付加される核酸を反映し得る。
さらに本明細書において記載される場合、部分的二本鎖複合体および/または受入分子はまた、直接的または間接的に組換え分子(または第2の分子もしくは経路の分子さえ)の発現を調節し得る配列に対応する核酸を含み得る。例えば、部分的二本鎖複合体および/または受入分子は、転写および/もしくは発現に関連する配列エレメントまたは転写および/もしくは発現を調節する配列エレメント(例えば、プロモーター)に対応する配列を含み得る。このようなエレメントは、公知であり得る(この配列が、転写および/もしくは発現に関係することが公知であるという意味で)か、または新規であり得る。新規エレメント(または、新規エレメント配列)を同定するための方法は、当該分野で公知であり、以下に簡潔に記載される。別の例において、部分的二本鎖複合体および/または受入分子は、わずかな非翻訳RNA(このようなRNAは、例えば、遺伝子発現の調節にかかわる)に対応する配列を含み得る。
本明細書に記載された方法に従って調製された、3’一本鎖部分を含む部分的二本鎖DNAは、ゲノムDNAのRNAコピーから作製され得、従って、一般的にmRNAで見出されない非転写配列(例えば、イントロン、調節エレメントおよび制御エレメント、偽遺伝子など)を含む。
いくつかの実施形態において、受入分子(一本鎖または二本鎖であり得る)は、転写および/もしくは発現に関連する配列エレメントまたは転写および/もしくは発現を調節する配列エレメントを含み(インビボ(例えば、宿主細胞)またはインビトロ)、少なくとも以下を含む:転写制御配列、RNAスプライシング制御配列、他のRNA改変制御配列および/または翻訳制御配列。広範な種々のこのような転写制御配列および/または翻訳制御配列および/または発現制御配列は、当該分野で周知である(例えば、Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,1989を参照のこと)。
部分的二本鎖複合体および/または受入分子はまた、非翻訳RNA配列に対応する核酸を含み得、この非翻訳RNA配列は、例えば、tRNA配列、リボソームRNA配列、ならびに上記に記載されるような疾患プロセスおよび/もしくは遺伝子調節にかかわる非翻訳RNA配列を含む。従って、本発明に記載された方法に従って調製された3’一本鎖部分を含む部分的二本鎖DNAは、ゲノムDNAのRNAコピーから作製され得、従って、一般的にmRNAで見出されない非転写配列(例えば、イントロン、調節エレメントおよび制御エレメント、偽遺伝子など)を含む。3’一本鎖部分を含む部分的二本鎖DNAはまた、ゲノム内に存在する外因性エレメント(例えば、公知の機能または未知の機能の非コード配列の産物である、ウイルス配列または任意のRNA配列)から作製され得る。
部分的二本鎖複合体および/または受入分子はまた、検出可能なタンパク質部分(例えば、蛍光または発光の色変化または誘導などの検出可能な応答を促進する酵素部分;公知のモノクローナル抗体と相互作用する部分など)(組換えポリヌクレオチド分子(例えば、GSTドメイン、flagドメイン、six−cysドメイン、銅キレートドメインなどのタグ)によってコードされた任意のポリペプチドの容易な精製を可能にする部分)に対応する核酸を含み得る。好ましい実施形態において、受入分子は、このような核酸配列を含む。
本発明で有用であるさらなる核酸配列の例は、以下を含む:ベクター配列(発現ベクター配列を含む)、レポーター遺伝子または選択マーカーを含むベクター、「タグ」を含むベクター;線状プラスミド配列、リンカーオリゴヌクレオチドなど。適切なベクター配列は、当該分野で周知である(Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,1989を参照のこと)。一般的にこのような核酸は、受入分子(これは一般的に、一本鎖である(しかし、必ずしも一本鎖ではない))に含まれる。
本発明の方法はさらに、部分的二本鎖複合体の3’一本鎖部分(本発明の方法に従って調製される)を受容核酸分子とハイブリダイズする工程を包含し、この結果、ハイブリッド核酸が作製される(あるいは、部分的二本鎖複合体および受入分子が、ハイブリダイゼーションを許容する条件下で結合される)。本明細書で使用される場合、ハイブリッド核酸分子とは、ハイブリダイズされた部分的二本鎖複合体および受入分子(本発明の第2の部分的二本鎖複合体であり得る)をいう。ハイブリッド分子は、ニック(隣接でハイブリダイズされた部分的二本鎖複合体の3’末端および受入分子の5’末端、またはその逆を作製)またはギャップを有する(例えば、ハイブリダイズ可能な配列長が3’オーバーハング長未満の場合、あるいは二重鎖の3’末端および/または受入分子の5’末端におけるヌクレオチドがハイブリダイズされない場合に作製される)。従って、別掲のとおり、複合体の一本鎖3’部分のハイブリダイゼーションとの言及は、3’部分全体(一部の)部分のハイブリダイゼーションをさす。
3’末端のハイブリダイゼーションは、ハイブリダイズ可能な部分の長さおよび3’末端の配列を含む、多くの因子に依存する。2つの3’末端のハイブリダイゼーションに必要なオーバーラップの最小の長さは、以下の通りである:約2ヌクレオチド長、少なくとも3ヌクレオチド長、少なくとも4ヌクレオチド長、少なくとも5ヌクレオチド長、少なくとも10ヌクレオチド長、もしくはそれ以上のヌクレオチド長であり得る。ハイブリダイズする部分のオーバーラップは、少なくとも2ヌクレオチド長、5ヌクレオチド長、10ヌクレオチド長、20ヌクレオチド長、30ヌクレオチド長、50ヌクレオチド長、70ヌクレオチド長または100ヌクレオチド長、あるいはそれ以上のヌクレオチド長であり得る。本明細書で使用される場合、オーバーラップは、ハイブリダイズし得ない部分を点在させた(または隣接した)ハイブリダイズ部分を含む、ハイブリダイズされた3’末端を含み得る。
3’末端の配列についての設計要件は、本明細書で検討され、少なくとも以下を含む:規定された3’末端または相対的に規定された3’末端(例えば、関連配列の配列またはグループに対応する)の使用;ランダム部分の使用;ハイブリダイズしそうなヌクレオチドまたはハイブリダイズしそうにないヌクレオチドの使用(例えば、増加させたG:C含有量もしくは減少させたG:C含有量、ヌクレオチドアナログの使用など)。一般に、(相補性に関して)3’末端がより関連すれば関連するほど、潜在的にハイブリダイズ可能な3’末端の数が少なくなる。対応して、ランダム部分(部分的二本鎖複合体および/または受入分子において)を含む3’末端の使用により、潜在的にハイブリダイズ可能に作製される3’末端の数が増加する。潜在的にハイブリダイズ可能な3’末端の数を増加させ(または減少させる)ための他の因子は、当該分野で公知であり、本明細書で検討される。当該分野で周知の通り、2つの配列間の相補性の割合は、ハイブリダイゼーションに寄与する。
3’末端のハイブリダイゼーションは、異なる「ストリンジェンシー」の条件下でのハイブリダイゼーションを含む。一般に、ストリンジェントがハイブリダイゼーション条件下であるほど、ハイブリダイズする3’末端間における配列同一性は高い。従って、一般に、減少されたストリンジェンシー(例えば、中程度のストリンジェンシー、低いストリンジェンシー)の条件下におけるハイブリダイゼーションは、部分的二本鎖複合体と受入分子との間で、潜在的にハイブリダイズ可能な3’末端の増加、および可能な組み合わせ数の付帯増加という結果になる。
ハイブリダイゼーションは周知であり、当該分野で理解されており、また、例えば、イオン強度や温度などの他の因子に依存する。当該分野で広範に公知であり、公表されているハイブリダイゼーション応答のストリンジェンシーを増強する条件は、例えば、Sambrookら(1989)を参照のこと。関連条件の例は、以下を含む(ストリンジェンシーを増強する順):25℃のインキュベーション温度、37℃のインキュベーション温度、50℃のインキュベーション温度および68℃のインキュベーション温度;10×SSCの緩衝液濃度、6×SSCの緩衝液濃度、1×SSCの緩衝液濃度、0.1×SSCの緩衝液濃度(ここで、SSCは、0.15M NaClおよびl5mMクエン酸緩衝液)および他の緩衝系を用いたそれらの等価物;0%ホルムアミド濃度、25%ホルムアミド濃度、50%ホルムアミド濃度および75%のホルムアミド濃度;5分から24時間までのインキュベーション時間;1洗浄工程、2洗浄工程またはそれ以上の回数の洗浄工程;1分か2分か15分の洗浄インキュベーション時間;そして、6×SSCの洗浄溶液、1×SSCの洗浄溶液、0.1×SSCの洗浄溶液または脱イオン水。
一般に、ハイブリダイズ可能な3’末端(部分的二本鎖複合体および受入分子の)の配列は、少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約95%、約95%の相補性である。
便宜上、一つの部分的二本鎖複合体および一つの受入分子だけのハイブリダイゼーションが、記載される(そして、図3〜図6に図示される)。本発明の方法は、単に、部分的二本鎖複合体(本明細書に記載される方法に従って)および一つの受入分子(本明細書に記載されるように、部分的二本鎖複合体であり得る)を含むハイブリッド分子を産生することが有用であるのではなく、より大きな部分的二本鎖複合体およびまたは受入分子を含むハイブリッド分子を産生することが有用であると理解されている。従って、本発明は、本明細書に記載されるように、少なくとも2つの部分的二本鎖複合体および少なくとも1つの受入分子を含むハイブリッド分子を提供する。
(組換えハイブリッドポリヌクレオチド)
別の局面において、本発明は、本発明の方法に従って調製されたハイブリッドポリヌクレオチドから、組換えポリヌクレオチドの生成方法を提供する。組換えポリヌクレオチドは、さらに本明細書で記載されるように、例えば、所望の特性に対するスクリーニングおよび/または選択において有用である。本明細書で使用される場合、「組換え産物」とは、3’一本鎖部分を含む部分的二本鎖複合体および受入分子に対応する配列を含む、連続した(完全に結合される)ポリヌクレオチドをいう。
本発明は、ハイブリッドポリヌクレオチドの組換えのための方法を提供する。組換えは、本明細書において記載される本発明の方法に従うものであり得る。当該分野で公知の任意の方法が使用され得ることも、企図される。本明細書に記載される場合、ハイブリッド核酸分子とは、ハイブリダイズされた部分的二本鎖複合体および受入分子(本発明の第2の部分的二本鎖複合体であり得る)をいう。ハイブリッド分子は、ニック(隣接でハイブリダイズされた受入分子の5’末端(部分的二本鎖複合体の3’オーバーハングにハイブリダイズされる)と部分的二本鎖複合体の3’末端との間に作製される)またはギャップを有する(例えば、ハイブリダイズされた受入分子の5’末端長が、3’オーバーハング長未満の場合に作製される)。ニックまたはギャップは、ハイブリッド分子の1つの鎖だけで説明されるが、ニックまたはギャップは、ハイブリッド分子の両方の鎖に作製され得ることが理解されている(一般に、受入分子が二本鎖である場合)。
便宜上、本明細書で記載される実施形態は、一般に、受入分子の3’オーバーハングにハイブリダイズされた単一の3’オーバーハングを含む、部分的二本鎖複合体に関連した(これは、二本鎖または一本鎖であり得る)。一般に、この立体配位において(実例として、図3〜図6に図示される)、受入分子の3’オーバーハングは、部分的二本鎖複合体の3’一本鎖部分にハイブリダイズされ、そういうものとして、受入分子の3’オーバーハングは、プライマー伸長のためのプライマーとして供し得る。しかし、(具体的に述べられていない場合)本明細書に記載される方法は、部分的二本鎖複合体の3’オーバーハングが、プライマー伸長のためのプライマーとして供し得る実施形態(例えば、二つの3’オーバーハングを有する部分的二本鎖複合体、二つの3’オーバーハングを含む受入分子など)に適用することが理解される。
いくつかの実施形態において、組換え産物は、DNAリガーゼを用いて、受入分子(上記で述べたように、これは、プライマーとしても供し得る)の3’末端と部分的二本鎖複合体の非オーバーハング鎖の5’末端とをライゲートすることによって、作製される。適切な条件およびリガーゼ(例えば、E.coli DNAリガーゼ)は、当該分野で公知である。5’末端リボヌクレオチドが、部分的二本鎖複合体の非オーバーハング鎖の上に残存する場合(すなわち、混成プライマーの少なくとも1つのリボヌクレオチドが、RNA/DNAヘテロ二本鎖からRNAの切断後に残存する)、リボヌクレオチドは、RNase H(例えば、E.coli RNase HまたはT4 RNAse H)の付加によって除去され得る(標準ラギング鎖の複製において、岡崎フラグメントの伸長によって付加されるリボヌクレオチドを切断することが公知である)。(Bhagwat M and Nossal N(2001)J.Bio.Chem.276:28516−24を参照のこと)
他の実施形態において、組換え産物は、(a)ハイブリダイズされた受入分子の3’末端からのプライマー伸長(この結果、ギャップが充填される)、および(b)本明細書に記載されるようなライゲーションによって作製される。他の実施形態において、組換え産物は、(a)ハイブリダイズされた複合体の3’末端からのプライマー伸長(この結果、ギャップが充填される)、および(b)本明細書に記載されるようなライゲーションによって作製される。他の実施形態において、組換え産物は、(a)ハイブリダイズされた受入分子の3’末端および複合体の3’末端からのプライマー伸長(この結果、ギャップが充填される)、および(b)本明細書に記載されるようなライゲーションによって作製される。一般に、プライマー伸長は、鎖置換活性を欠損するDNAポリメラーゼによる。さらに本明細書に記載されるように、新しい変異の導入がプライマー伸長の間に望まれている場合、低フィデリティーDNA依存性DNAポリメラーゼまたはRNA依存性DNAポリメラーゼ(例えば、プルーフリーディング能力を欠損する)が使用され得る。新しい変異の付加は、産物においてより大きな多様性を生じる。
いくつかの実施形態において、組換え産物は、鎖置換活性を含むDNAポリメラーゼを用いて、ハイブリダイズされた受入分子の3’末端(および/またはハイブリダイズされた複合体の3’末端)からのプライマー伸長、および部分的二本鎖複合体のハイブリダイズされた非オーバーラップ鎖の置換によって、生成される。いくつかの実施形態において、鎖置換活性を含む低フィデリティーポリメラーゼが使用され、その結果、さらなる変異がプライマー伸長の間に付加される。
いくつかの実施形態において、組換え産物は、ニックトランスレーション(部分または全ての鎖(一般に相補鎖)に沿って伸長し得る)によって生成される。いくつかの実施形態において、ポリメラーゼは、3’エキソヌクレアーゼ活性および/または5’エキソヌクレアーゼ活性を有するかまたは有さない鎖置換活性を含む。3’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼが使用される場合、ハイブリダイズの後にポリメラーゼを付加することは、一本鎖の3’オーバーハングの分解を防ぐために、所望される。
いくつかの実施形態において、ハイブリッド分子は、3’エキソヌクレアーゼ活性およびまたは5’エキソヌクレアーゼ活性を含む薬剤(一般に、酵素)で処置され、この結果、遊離した受入分子の3’末端および/または二本鎖化二重鎖の非オーバーラップ鎖の5’末端は、種々の範囲で除去される(増大したサイズのギャップを作製する)。低フィデリティーポリメラーゼを用いたギャップの充填後に、ハイブリッド分子のエキソヌクレアーゼ処置は、組換え産物のより大きい部分に変異の導入をもたらす。
本発明の別の局面において、組換え分子は、ハイブリダイズされた部分的二本鎖複合体および一本鎖受入分子(さらに本明細書に記載されるように、これは固定化され得る)を含むハイブリッド分子から作製される。いくつかの実施形態において、一本鎖受入分子は、DNAポリメラーゼを用いた伸長によって、二本鎖核酸に変換され得る(ハイブリダイズされた部分的二本鎖DNA複合物の3’オーバーハング部分によってプライムされる)。他の実施形態は、本明細書の固定化された受入分子について説明するセクションに記載される(下記)。
図3は、以下の組換え産物を作製するための方法の一つの実施形態を、実例として例示する:
1.3’一本鎖オーバーハング配列を有する部分的二本鎖複合体は、制限消化によって生成された部分的二本鎖DNAフラグメント(制限消化から産生された「突出末端」は、第1の複数の部分的二本鎖複合体の3’一本鎖のオーバーハング配列でハイブリダイズし得る)を含む、複数の受入分子にハイブリダイズされる;
2.DNAポリメラーゼによる伸長は、ギャップ(もしあれば)を充填するのに使用される;
3.ハイブリダイズされた末端のライゲーションは、組換え二本鎖産物を作製する。
図4は、以下の組換え産物を作製するための方法の一つの実施形態を、実例として例示する:
1.3’一本鎖オーバーハング配列を有する部分的二本鎖複合体は、一本鎖核酸配列を含む受入分子にハイブリダイズされる。
2.組換え一本鎖産物を作製するために、ギャップ(もしあれば)を充填するためのプライマー伸長による伸長およびハイブリダイズされた末端のライゲーション;
プライマー伸長は、部分的二本鎖複合体の3’オーバーハングによってプライムされ、この結果、二本鎖組換え産物が作製される。
図5は、以下の組換え産物を作製するための方法の一つの実施形態を、実例として例示する:
1.ランダムな3’一本鎖オーバーハングを含む部分的二本鎖複合体は、ランダムな3’オーバーハング配列を含む受入分子にハイブリダイズされる;
2.ギャップ(もしあれば)を充填するためのプライマー伸長による伸長および組換え一本鎖産物を生成するためにハイブリダイズされた末端のライゲーション。
(本発明の組換え産物の使用)
組換え産物は、有用な特性を有する産物をスクリーニングし、そして/または選択するのに有用である。スクリーニング方法および選択方法は、当該分野で周知である。例えば、米国特許第5,830,721;同第6,335,160号;同第6,344,356号;同第5,811,238号;Zhangら(1997)PNAS 94:4505−4509;Gulik and Fahl(1995)PNAS 92:8140−8144;You and Arnold(1996)Protein Eng.9:77−83;Barbas(1994)PNAS 91:3809−3813;Crameriaら(1997)Nature Biotech.15:436−438;Heim and Tsien(1996)Curr.Biol.6:;178−182を参照のこと。
一般に、組換え分子は、当該分野で周知の方法を用いて発現され得る。例えば、組換え分子は、プラスミドまたは発現ベクターにクローンされるか、PCR法で増幅されるか、またはインビボで組換えを許容され得る(例えば、適切な宿主へのトランスフェクションによる)。組換え分子は、翻訳され得、その後、当該分野で公知の手順を用いて、所望の特性についてスクリーニングまたは選択(インビボまたはインビトロ)され得る。所望の特性は、以下を含む:増強された酵素活性および/または改変された酵素活性および/またはハイブリッド酵素活性;増強されたあるいは改良されたタンパク質ドメインの折りたたみ;レポーター(例えば、プロモータートラップ)および/もしくは所望の表現型の翻訳および/もしくは発現を調節する能力、ならびに/または有利な既定特性を有するタンパク質のコードを調節する能力。例えば、非翻訳RNAまたはRNA障害が評価される場合、あるいは非コーディング配列の産物であり遺伝子発現調節において機能する他のRNA分子が評価される場合、組換え分子は、組換え配列の翻訳に関係なくスクリーンされ得るか、または選択され得ることが理解されている。
(固体支持体(または半固体支持体)に付着された組換え核酸の生成)
本発明の方法は、支持体(これは、固体または半固体であり得る)に固定された組換え一本鎖ポリヌクレオチドまたは二本鎖ポリヌクレオチド(例えば、DNA)の生成を提供する。図6は、本発明の一つの実施形態を例示する。部分的二本鎖複合体の3’一本鎖部分と固定された一本鎖受入分子とのハイブリダイゼーションは、部分的二本鎖複合体と固定された一本鎖受入分子との複合を含む、ハイブリッドの核酸の生成を生じる。本明細書で使用される場合、「cDNA」とは、ポリヌクレオチドである(すなわち、ポリヌクレオチドを包含する)。ハイブリダイズされた一本鎖受入分子の3’末端によってプライムされたプライマー伸長は、以前にハイブリダイズされた部分的二本鎖複合体(第1のcDNA鎖に対応する)の非オーバーラップ鎖の置換、および以下を含む複合体の形成を生じる;(a)(i)第1の一本鎖(DNA)核酸および(ii)第1のcDNA鎖を含む、固定されたキメラ一本鎖DNA;および(b)第2のプライマー伸長産物。ハイブリダイズされた第2のプライマー伸長産物の変性または分解は、固定された一本鎖キメラDNAを生じる。
固定された受入分子は、当該分野で公知の方法を用いることによって固定される(固体支持体または半固体支持体(例えば、紙、ガラス、プラスチック(例えば、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン)、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、シリコンもしくは他の金属、光ファイバー)への付着を含む)。固体支持体または半固体支持体は、当該分野で公知の任意の手段で構成され得る(二次元配置(例えば、ガラス板、シリコンチップ)または三次元配置(例えば、ピン、ファイバー、ビーズ、粒子、マイクロタイターウェル、キャピラリー)を含む)。
核酸を固体支持体に付着する手段および/または固定する手段は、(i)写真平版技術を用いたインサイチュ合成(例えば、高密度オリゴヌクレオチドアレイ)(Fodorら,Science(1991),251:767−773;Peaseら,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.(1994),91:5022−5026;Lockhartら,Nature Biotechnology(1996),14:1675;米国特許第5,578,832号;同第5,556,752号; および同第5,510,270号を参照のこと);(ii)ガラス、ナイロンまたはニトロセルロース上への中程度の密度から低密度でのスポッティング/プリンティング(Schenaら,Science(1995),270:467−470,DeRisiら,Nature Genetics(1996),14:457−460;Shalonら,Genome Res.(1996),6:639−645;およびSchenaら,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.(1995),93:10539−11286を参照のこと);(iii)マスキングによる(MaskosおよびSouthern,Nuc.Acids.Res.(1992),20:1679−1684を参照のこと)および(iv)ナイロンハイブリダイゼーション膜またはニトロセルロースハイブリダイゼーション膜上にドットブロットすることによって(例えば、Sambrookら編,1989,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版,Vol.1−3,Cold Spring Harbor Laboratory(Cold Spring Harbor,N.Y.)を参照のこと)を含む。オリゴヌクレオチドプライマーはまた、アンカーに対するハイブリダイゼーションによって、マグネチックビーズによって、またはマイクロタイターウェルもしくはキャピラリーのような液相中で、支持体上に、非共有結合で固定され得る。
本方法の一つの実施形態において、受入核酸は、マイクロアレイとして固定される。
必要に応じて、標識は、部分的二本鎖複合体の片方の鎖または両方の鎖に付着され得るか、あるいは固定された受入分子に付着され得るか、あるいは受入分子が付着される固体支持体(例えば、色素分子を付着したビーズ)に付着され得るか、あるいは任意の組み合わせもしくはその順列に付着され得る。標識は、固定された受入分子(部分的二本鎖複合体を結合し、そして/またはさらに産物を形成する)の同定および/または定量を許容する。標識は、蛍光色素または放射性同位元素を含む。この標識はまた、小分子(特定の結合対の一メンバーである)であり得、そして、この特定の結合対の他のメンバー(例えば、ビオチンおよびストレプトアビジン各々であり、この結合対の最後のメンバーは、酵素(比色定量、蛍光定量法または化学発光のような方法によって検出され得る検出可能なシグナルの発生を触媒する)を結合している)との結合後に検出され得る。上記の例の全ては、当該分野で周知である。
固定された二本鎖受入分子または一本鎖受入分子を含むハイブリッド分子の生成は、本明細書に記載された任意の方法による。
一般に、組換え固定化ポリヌクレオチド(二本鎖または一本鎖であり得る)の産生は、本明細書に記載された任意の方法によって達成される。
他の実施形態において、固定化組換え産物は、ハイブリダイズされた部分的二本鎖複合体の3’オーバーハングによってプライムされた、プライマー伸長によって二本鎖を与えられる。
他の実施形態において、固定化部分的二本鎖組換え産物は、ハイブリダイズされた部分的二本鎖複合体の3’オーバーハングによってプライムされたプライマー伸長によって生成される(3’オーバーハング鎖の末端が到達される前に中止され、この場合、5’オーバーハングを有する固定化二本鎖DNAが産生される)。
他の実施形態において、二本鎖のヘテロ二重鎖の非オーバーラップ鎖の一部分または全てを除去するために、5’エキソヌクレアーゼおよび/または3’エキソヌクレアーゼが使用され得る(例えば、プライマー伸長後および/またはライゲーション後)。このような操作は、結合した部分的二本鎖複合体および受入分子の長さより短い、一本鎖組換え産物の産生をもたらし得る。
他の実施形態において、固定される組換え鎖(一般に、部分的二本鎖複合体の3’オーバーハング鎖を含む複合体中に存在する)の生成後、オリジナルの部分的二本鎖複合体の3’オーバーハング鎖は、固定された組換え産物を産生するために除去される。部分的二本鎖複合体の3’オーバーハング鎖の除去は、熱変性または当該分野で公知の任意の他の方法(例えば、アルカリ処理)を介する二本の鎖の変性によって、達成され得る。
他の実施形態において、オリジナルの部分的二本鎖複合体の3’オーバーハング鎖は、エキソヌクレアーゼ(例えば、5’エキソヌクレアーゼ)を用いて3’オーバーハング鎖を分解することによって、部分的または完全に除去され得る。このような5’エキソヌクレアーゼおよびそれらの使用のための条件は、当該分野で公知である。この手段が、3’オーバーハング鎖の5’末端から実施され、完成されない場合、遊離した3’オーバーハングを有する固定化部分的二本鎖複合体の形成を生じる。
(固定化組換え産物の使用)
このような固定化ポリヌクレオチド(二本鎖または一本鎖であり得る)の使用は、当業者に容易に明らかである。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、各々のプローブ配列および位置が既知である、多くの異なるポリヌクレオチドプローブを含むアレイを提供するために使用され得る。このようなアレイは、例えば、比較され得る単一サンプルまたは多数のサンプルのいずれかの発現分析で有用である。例えば、米国特許第6,344,316号および同第6,303,301号を参照のこと。他の実施形態において、固体支持体は、レポーター基としてさらに染色され、例えば、mRNAを同定および/またはmRNAのレベルを定量するための手段を提供し得るビーズであり得る。さらに他の実施形態において、固体支持体に付着された一本鎖DNAは、合成による配列決定によって(例えば、ピロ配列決定(pyrosequencing))、一本鎖DNAを配列決定するのに使用され得る。所望の配列とのハイブリダイゼーションによって、配列混合物からの所望の配列の選択について、付着した一本鎖組成物を使用することもまた可能である(例えば、付着した一本鎖配列が、1サンプルの発現遺伝子の配列を含む場合、別の配列由来のmRNAまたはcDNAからの類似配列の選択について、付着した一本鎖を有する固体支持体を使用することは可能である)。付着した一本鎖ポリヌクレオチドは、1配列または多数の配列であり得る。
(キット)
本発明はまた、核酸の組換えまたは指向性発展の方法で有用であるキットを含む。本発明の実施に有用である試薬は、望ましくは一緒に提供され得、キットに組み合わされ得る。本発明のキットは、本明細書に記載される方法によって作製される3’オーバーハング配列を有する部分的二本鎖複合体、および本明細書に記載される任意の方法で使用するための指示書を含む(さらに、組換えを達成するための成分(例えば、適切な酵素)を含み得る)。いくつかの実施形態において、部分的二本鎖複合体は、DNA混合のために、cDNAライブラリー、エキソン混合のための全長ドメインもしくは部分的なドメイン、またはコーディング配列のフラグメントを含む。いくつかの実施形態において、このキットはまた、DNAポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態において、このキットは、本明細書に記載されるように、核酸を組換えるための指示書を含む。いくつかの実施形態において、このキットは固体支持体を含む。
(本発明の方法に使用される成分および反応条件)
(テンプレート核酸)
RNA目的物は、ヒト、動物、植物および微生物(例えば、細菌、酵母、ウイルス、ウイロイド、カビ、真菌、植物およびそのフラグメント)を含む任意の供給源および/または種由来の、精製された形態または精製されていない形態における任意の供給源(例えば、総RNA、tRNA、mRNA、rRNA、ミトコンドリアRNA、葉緑体RNA、DNA−RNAハイブリッドまたはその混合物のようなRNAであり得る)由来のRNAを含む。このRNAは、コーディングRNAまたは非コーディングRNA(例えば、翻訳されていない小さなRNA)であり得ることが理解されている。RNAは、当該分野において標準的な技術を用いて獲得され得、そして精製され得る。DNA目的物(ゲノムDNA目的物を含む)の使用は、RNA形態へのDNA目的物の初期転写を必要とし、これは、Kurn(米国特許第6,251,639 B1)に開示される方法を用いて、そして当該分野で公知の他の技術(例えば、発現系)によって達成され得る。従って、部分的二本鎖複合体は、当該分野で公知の方法(Kurn,米国特許第6,251,639号を含む)を用いて、DNA供給源(例えば、ゲノムDNA)から生成されたRNA目的物から生成され得る。ゲノムDNAのRNAコピーは、一般にmRNAで見出されない非転写配列(例えば、イントロン、調節エレメントおよび制御エレメントなど)を、一般的に含む。RNA目的物はまた、インビトロでの転写に供され得るクローン化ゲノムDNA配列から生成され得る。DNA−RNAハイブリッドの使用は、一本鎖RNAを獲得するためのハイブリッドの変性、RNAを獲得するためのDNA鎖の転写後の変性、または一本鎖DNAを作製するためのRNAse Hを用いた消化など当該分野で公知の他の方法を必要とする。標的RNAは、生物試料などの複雑な混合物の微量な画分だけであり得、そして当該分野で周知の手段によって、種々の生体物質から獲得され得る。標的RNAは、公知または未知であり得、また目的の1つ以上の所望の特定の核酸配列(これらはの各々、互いに同じであるかまたは異なっているかもしれない)を含み得る。変性はまた、RNA標的分子の中に存在する二次構造を除去するために実施され得る。標的核酸が二本鎖である場合(例えば、RNA/DNAハイブリッド)、初期工程は標的の変性であり得た。変性工程は、熱変性または当該分野で公知の任意の他の方法であり得る。複合材料からのDNA鎖の除去はまた、DNaseを用いた処置によって達成され得る。
(混成プライマー)
本発明の方法は、RNA部分およびDNA部分で構成される混成プライマーを使用する。混成プライマーが設計され得、その結果、新しい核酸の結合によるプライマー伸長産物のその後の置換は、プライマー伸長をプライムし得る。
本方法および本発明の組成物においての使用のための混成プライマーは、標的RNAにハイブリダイズし得る配列を含む。標的RNAにハイブリダイズし得る配列は、特異的な標的RNA(例えば、特定遺伝子のmRNAについて)の特定配列に基づき得るか、または複数のRNA種に存在していることが既知であるより一般的な配列型に基づき得る(例えば、一般に当該分野で、全ての真核生物mRNAに存在していると考えられるポリAテイル配列)。さらに、標的RNAにハイブリダイズし得る配列は、mRNAのポリAテイルに相補的な配列を含み得、そして3’部分の3’末端で追加ランダム配列(一般に、ポリA配列に相補的でない)をさらに含み得る。
標的RNAにハイブリダイズし得る配列はまた、ランダム配列を含み得る。ランダムプライマーは、当該分野で周知であり、少なくとも以下を含む:サンプル中の2つ以上の配列にハイブリダイズし得るプライマー;およびサンプル(例えば、総mRNA)中の多数のRNAにハイブリダイズし得るポリdT配列を含むプライマー。便宜上、単一のランダム混成プライマーは、上記で検討されている。しかし、用語「ランダムプライマー」は、所望のおよび/または有意な標的配列の集団に対してまとめて設計されているプライマー集団のメンバーであるプライマーを示し得ると理解されている。
単一の反応混合物中の多数のmRNA種由来の、部分的に二本鎖の複合体の産生が、種々の、すなわち多数のプライマーを使用し得るが、必須ではないこともまた、理解される。従って、本発明の部分的に二本鎖の複合体が、単一の反応混合物中の多数のmRNA種から産生される場合、本発明は、種々の異なる混成プライマー(ランダムまたは非ランダム)の使用を企図する。
いくつかの実施形態において、第一混成プライマーは、本発明の方法で使用される。他の実施形態において、種々の異なる第一混成プライマーが、本発明の方法で使用される。他の実施形態において、第一混成プライマーおよび第二混成プライマーが、本発明の方法で使用される。第二混成プライマー(プライマーの第二鎖合成のために使用される)は、第一混成プライマーの配列の一部または全てを含み得、そして、第一混成プライマーは、第二混成プライマーの配列の一部または全てを含み得る。いくつかの実施形態において、第二混成プライマーは、第一混成プライマーとは異なる配列を含む。他の実施形態において、種々の異なる第二混成プライマーは、本発明の方法で使用される。
その混成プライマーは、好ましくは5’末端に、標的とはハイブリダイズしない(所定の一連の条件下では)配列(例えば、そのプライマーが標的に結合する場合、テールを構成するハイブリダイズしない5’部分)を含み得る。混成プライマーの個々のDNA部分およびRNA部分は、完全にまたは部分的にその標的RNAにハイブリダイズし得る。
重合による伸張に適したプライマーの産生は、当該分野で周知であり、例えば、PCT公開番号 WO99/42618中(およびそれに引用される参考文献)に記載される。その混成プライマーは、3’末端ヌクレオチドが、核酸伸張のために適切なヌクレオチドである、RNAおよびDNA(上記定義を参照のこと)の組み合わせを含む。3’末端ヌクレオチドは、プライマー中に存在する場合、DNAポリメラーゼにより伸張され得る任意のヌクレオチドまたはアナログであり得る。一般に、3’末端ヌクレオチドは、3’−OHを有する。適切なプライマーとしては、少なくともRNAの一部および少なくともDNAの一部を含むプライマーが挙げられる。例えば、混成プライマーは、5’−RNA部分および3’−DNA部分(RNA部分が、3’−DNA部分に隣接する);または介在性RNA部分を含む5’−DNA部分および3’−DNA部分を含み得る。従って、一つの実施形態において、その混成プライマーは、5’RNA部分および3’DNA部分を含み、好ましくは、その中でRNA部分が3’−DNA部分に隣接する。別の実施形態において、その混成プライマーは、少なくとも一つの介在性RNA部分(すなわち、二つのDNA部分の間のRNA部分)を含む5’−DNA部分および3’−DNA部分を含む。なお別の実施形態において、本発明の混成プライマーは、3’DNA部分および少なくとも一つの介在性RNA部分(例えば、DNA部分の間のRNA部分)を含む。
3’DNA部分およびRNA部分を含む混成プライマー中のRNA部分の長さは、約1〜約50ヌクレオチドであり得るか、またはそれより長くてもよく、約3〜約20ヌクレオチド、約4〜約15ヌクレオチド、および約5〜約10ヌクレオチドであり得る。3’−DNA部分およびRNA部分を含む混成プライマーのいくつかの実施形態において、RNA部分は、少なくとも約1、3、4、5ヌクレオチドのいずれかであり得、約10、15、20、25、30、50、75、100、125、150ヌクレオチドのいずれか、またはそれより長いヌクレオチドの上限を有する。いくつかの実施形態において、その混成プライマーのRNA部分は、約10〜約20ヌクレオチドからなる。いくつかの実施形態において、その混成プライマーのRNA部分は、約10〜約20ヌクレオチドからなり、そして、その混成プライマーのDNA部分は、約5〜約20ヌクレオチドからなる。
5’RNA部分および3’DNA部分を含む混成プライマー中の5’RNA部分の長さは、約2〜約50ヌクレオチドであり得るか、またはそれより長くてもよく、約5〜約20ヌクレオチド、約7〜約18ヌクレオチド、好ましくは、約8〜約17ヌクレオチドおよび約10〜約15ヌクレオチドであり得る。5’−RNA部分および3’−DNA部分を含む混成プライマーの他の実施形態において、5’−RNA部分は、少なくとも約3、5、7、8、10ヌクレオチドのいずれかであり得、約15、17、18、20、50、75、100、125、150ヌクレオチドのいずれか、またはそれより長い上限を有する。
5’RNA部分および3’−DNA部分を含み、さらに非5’−RNA部分を含む混成プライマーの実施形態において、非5’−RNA部分は、約1〜約7ヌクレオチド、約2〜約6ヌクレオチドおよび約3〜約5ヌクレオチドであり得る。5’−RNA部分および3’−DNA部分を含み、さらに非−5’−RNA部分を含む混成プライマーのいくつかの実施形態において、非−5’−RNA部分は、少なくとも約1、2、3、5ヌクレオチドのいずれかであり得、約5、6、7、10、15、20、25、30ヌクレオチドのいずれか、またはそれより長いヌクレオチドの上限を有する。
5’−RNA部分および3’−DNA部分を含み、5’−RNA部分が3’−DNA部分に隣接する混成プライマーの実施形態において、5’−RNA部分の長さは、約3〜約50ヌクレオチドであり得るか、またはそれより長くてもよく、約5〜約20ヌクレオチド、約7〜約18ヌクレオチド、約8〜約17ヌクレオチドおよび約10〜15ヌクレオチドであり得る。5’−RNA部分および3’−DNA部分を含み、5’−RNA部分が3’−DNA部分に隣接する混成プライマーのいくつかの実施形態において、5’−RNA部分は、少なくとも約3、5、7、8、10ヌクレオチドのいずれかであり得、約15、17、18、20、50、75、100、125、150ヌクレオチドのいずれか、またはそれより長いヌクレオチドの上限を有する。
少なくとも一つの介在性RNA部分を有する5’−DNA部分および3’−DNA部分を含む混成プライマー中の介在性RNA部分の長さは、約1〜約7ヌクレオチド、約2〜約6ヌクレオチドおよび約3〜約5ヌクレオチドであり得る。5’―DNA部分および3’−DNA部分および少なくとも一つの介在性RNA部分を含む混成プライマーのいくつかの実施形態において、介在性RNA部分は、少なくとも約1、2、3、5ヌクレオチドのいずれかであり得、約5、6、7、10、15、20、25、30ヌクレオチドのいずれか、またはそれより長いヌクレオチドの上限を有する。少なくとも一つの介在性RNA部分を有する5’−DNA部分および3’−DNA部分を含む混成プライマー中の介在性RNA部分の長さは、約1〜約7ヌクレオチド、約2〜約6ヌクレオチドおよび約3〜約5ヌクレオチドであり得る。少なくとも一つの介在性RNA部分および3’−DNA部分を含む混成プライマーのいくつかの実施形態において、介在性RNA部分は、少なくとも約1、2、3、5ヌクレオチドのいずれかであり得、約5、6、7、10、15、20、25、30ヌクレオチドのいずれか、またはそれより長いヌクレオチドの上限を有する。3’−DNA部分および少なくとも一つの介在性RNA部分を含み、さらに5’−RNA部分を含む混成プライマー中で、5’−RNA部分は、約3〜約25ヌクレオチド、約5〜約20ヌクレオチド、約7〜約18ヌクレオチド、約8〜17ヌクレオチドおよび約10〜約15ヌクレオチドであり得る。3’−DNA部分および少なくとも一つの介在性RNA部分を含み、さらに5’−RNA部分を含む混成プライマーのいくつかの実施形態において、5’−RNA部分は、少なくとも約3、5、7、8、10ヌクレオチドのいずれかであり得、約15、17、18、20、25、30ヌクレオチドのいずれか、またはそれより長いヌクレオチドの上限を有する。
3’−DNA部分およびRNA部分を含む混成プライマー中の3’−DNA部分の長さは、約1〜約20ヌクレオチド、約3〜約18ヌクレオチド、約5〜約15ヌクレオチドおよび約7〜約12ヌクレオチドであり得る。3’−DNA部分およびRNA部分を含む混成プライマーのいくつかの実施形態において、3’−DNA部分は、少なくとも約1、3、5、7、10ヌクレオチドのいずれかであり得、約10、12、15、18、20、22、25、30、35ヌクレオチドのいずれか、またはそれより長いヌクレオチドの上限を有する。
5’−RNA部分および3’−DNA部分を含む混成プライマー中の3’−DNA部分の長さは、約1〜約20ヌクレオチド、約3〜約18ヌクレオチド、約5〜約15ヌクレオチドおよび約7〜約12ヌクレオチドであり得る。5’−RNA部分および3’−DNA部分を含む混成プライマーのいくつかの実施形態において、3’−DNA部分は、少なくとも約1、3、5、7、10ヌクレオチドのいずれかであり得、約10、12、15、18、20、22、25、30、35ヌクレオチドのいずれか、またはそれより長いヌクレオチドの上限を有する。
5’−RNA部分および3’−DNA部分を含み、さらに非3’−DNA部分を含む混成プライマーの実施形態において、非3’−DNA部分は、約1〜約10ヌクレオチド、約2〜約8ヌクレオチドおよび約3〜約6ヌクレオチドであり得る。5’−RNA部分および3’−DNA部分を含み、さらに非−3’−DNA部分を含む混成プライマーのいくつかの実施形態において、非−3’−DNA部分は、少なくとも約1、2、3、5ヌクレオチドのいずれかであり得、約6、8、10、12、15、20、25、30、35ヌクレオチドのいずれか、またはそれより長いヌクレオチドの上限を有する。
5’−RNA部分が3’−DNA部分に隣接する5’−RNA部分および3’−DNA部分を含む混成プライマーの実施形態において、3’−DNA部分の長さは、約1〜約20ヌクレオチド、約3〜約18ヌクレオチド、約5〜約15ヌクレオチドおよび約7〜約12ヌクレオチドであり得る。5’−RNA部分が3’−DNA部分に隣接する5’−RNA部分および3’−DNA部分を含むプライマーのいくつかの実施形態において、3’−DNA部分は、少なくとも約1、3、5、7、10ヌクレオチドのいずれかであり得、約10、12、15、18、20、22、25、30、35ヌクレオチドのいずれか、またはそれより長いヌクレオチドの上限を有する。
少なくとも一つの介在性RNA部分を有する5’−DNA部分および3’−DNA部分を含む混成プライマー中の非3’−DNA部分の長さは、約1〜約10ヌクレオチド、約2〜約8ヌクレオチドおよび約3〜約6ヌクレオチドであり得る。少なくとも一つの介在性RNA部分を有する5’−DNA部分および3’−DNA部分を含むプライマーのいくつかの実施形態において、非3’−DNA部分は、少なくとも約1、2、3、5ヌクレオチドのいずれかであり得、約6、8、10、12、15、20、25、30ヌクレオチドのいずれか、またはそれより長いヌクレオチドの上限を有する。
少なくとも一つの介在性RNA部分を有する5’−DNA部分および3’−DNA部分を含む混成プライマー中の3’−DNA部分の長さは、約1〜約20ヌクレオチド、約3〜約18ヌクレオチド、約5〜約15ヌクレオチドおよび約7〜約12ヌクレオチドであり得る。少なくとも一つの介在性RNA部分を有する5’−DNA部分および3’−DNA部分を含む混成プライマーのいくつかの実施形態において、3’−DNA部分は、少なくとも約1、3、5、7、10ヌクレオチドのいずれかであり得、約10、12、15、18、20、22、25、30ヌクレオチドのいずれか、またはそれより長いヌクレオチドの上限を有する。
3’−DNA部分および少なくとも一つの介在性RNA部分を含む混成プライマー中の非−3’−DNA部分(すなわち、3’−DNA部分以外の任意のDNA部分)の長さは、約1〜約10ヌクレオチド、約2〜約8ヌクレオチドおよび約3〜約6ヌクレオチドであり得る。3’−DNA部分および少なくとも一つの介在性RNA部分を含む混成プライマーのいくつかの実施形態において、非3’−DNA部分は、少なくとも約1、3、5、7、10ヌクレオチドのいずれかであり得、約6、8、10、12、15、20、25、30ヌクレオチドのいずれか、またはそれより長いヌクレオチドの上限を有する。3’−DNA部分および少なくとも一つの介在性RNA部分を有する混成プライマー中の3’−DNA部分の長さは、約1〜約20ヌクレオチド、約3〜約18ヌクレオチド、約5〜約15ヌクレオチドおよび約7〜約12ヌクレオチドであり得る。3’−DNA部分および少なくとも一つの介在性RNA部分を有する混成プライマーのいくつかの実施形態において、3’−DNA部分は、少なくとも約1、3、5、7、10ヌクレオチドのいずれかであり得、約10、12、15、18、20、22、25、30ヌクレオチドのいずれか、またはそれより長いヌクレオチドの上限を有する。種々の部分に対する長さが、本発明の方法の反応条件下で必要に応じて、大きくあり得、または小さくあり得ることが理解される。
いくつかの実施形態において、混成プライマーの5’−DNA部分は、そのプライマーの最も5’末端のヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、混成プライマーの5’−RNA部分は、そのプライマーの最も5’末端のヌクレオチドを含む。他の実施形態において、混成プライマーの3’−DNA部分は、そのプライマーの最も3’末端のヌクレオチドを含む。他の実施形態において、3’−DNA部分は、5’−RNA部分に隣接し、そのプライマーの最も3’末端のヌクレオチドを含む(そして、5’−RNA部分は、そのプライマーの最も5’末端のヌクレオチドを含む)。
混成プライマーの全長は、約10〜約50ヌクレオチド、約15〜約30ヌクレオチドおよび約20〜約25ヌクレオチドであり得る。いくつかの実施形態において、その長さは、少なくとも約10、15、20、25、30ヌクレオチドであり得、約25、30、50、60、70、75、85、100ヌクレオチドのいずれか、またはそれより長いヌクレオチドの上限を有する。その長さが、本発明の方法の反応条件下で適切なように、より長くあり得、またはより短くあり得ることが理解される。
標的核酸に対するハイブリダイゼーション(それは、他の因子(例えば、イオン強度および温度)に依存することが周知であり、当該分野でよく理解されている)を達成するために、標的RNAにハイブリダイズし得るそのプライマーのその部分が、好ましくは、標的核酸と少なくとも約60%、より好ましくは、少なくとも約75%、さらにより好ましくは、少なくとも約90%、および最も好ましくは、少なくとも約95%相補性である。
いくつかの実施形態において、標的RNAにハイブリダイズする混成プライマーのRNA部分は、3’DNA部分に対して5’である。いくつかの実施形態において、5’RNA部分は、3’DNA部分に隣接している。いくつかの実施形態において、標的RNAは、mRNAであり、そして、標的RNAにハイブリダイズする混成プライマーは、ポリ−dT配列を含み、そしてさらに、混成プライマーが標的mRNAにハイブリダイズする条件下では、標的mRNAにハイブリダイズしない5’部分を含む。いくつかの実施形態において、標的RNAにハイブリダイズするその混成プライマーは、ランダム配列を含む。いくつかの実施形態において、標的RNAにハイブリダイズするために、多数の異なる混成プライマーが使用される。
(第二プライマー)
本発明の方法における第二プライマー(第二鎖cDNAの生成を準備する)は、第二鎖cDNAが目的のRNA配列を含むような第一鎖cDNA上の部位で、第一鎖cDNA(相互変換可能に第一プライマー伸張産物と呼ばれる)に(一連の所定の条件下で)ハイブリダイズする配列(これはプライマーの全体であり得るかまたはそうではない)を含む。いくつかの実施形態において、ハイブリダイズし得る第二プライマーの配列は、第一鎖cDNA上の所望の結合部位の公知の配列に基づいて設計される。他の実施形態において、ハイブリダイズし得る配列は、例えば、多数のRNA種から生成される第一鎖cDNAのランダムなプライミングのために適切になるように、当該分野で公知のランダム配列に基づいている。他の実施形態において、第二プライマーは、米国特許第5,962,271号および同第5,962,272号に記載される鎖交換オリゴヌクレオチドを含み、このオリゴヌクレオチドは、mRNA上に存在するCap配列にハイブリダイズし、このオリゴヌクレオチドによって、逆転写酵素が、「交換(switch)オリゴヌクレオチド」によりプライミングされる第二鎖cDNAの生成を可能にする、mRNAテンプレートから交換オリゴヌクレオチドの交換を引き起こす。あるいは、ホモポリマー化テールは、第一プライマー伸張産物の3’末端に付加され、そして、第二プライマーは、ホモポリマー化テールの相補体を含む。
いくつかの実施形態では、第二プライマー(第二鎖cDNAの生成をプライミングする)は、混成プライマーである(上記のように)。これらの実施形態において、本方法は、二本の3’一本鎖DNA部分を含む二本鎖cDNAの生成に関与する。
第一鎖cDNAへのハイブリダイゼーション(それは、他の因子(例えば、イオン強度および温度)に依存することが当該分野で周知であり理解される)を達成するために、第一鎖cDNAにハイブリダイズし得る第二プライマーの配列は、好ましくは、第一鎖cDNAと少なくとも約60%、より好ましくは、少なくとも約75%、さらにより好ましくは、少なくとも約90%、および最も好ましくは、少なくとも約95%相補性である。
いくつかの実施形態において、第二プライマーは、DNAを含む。別の実施形態において、第二プライマーは、RNAを含む。なお別の実施形態において、第二プライマーは、DNAおよびRNAを含む。
いくつかの実施形態において、第二プライマーは、混成プライマー伸張産物の3’末端における自己プライミング(例えば、ヘアピンループにより)により提供される。これらの実施形態では、例えば、米国特許第6,132,997号中に記載されるように、混成プライマー伸張産物の3’末端における配列は、混成プライマー伸張産物それ自体の中の別の配列とハイブリダイズする。これらの実施形態において、混成プライマー伸張産物の3’にあるこの配列は、米国特許第6,132,997号の混成プライマー伸張産物および/または混成プライマー伸張産物に沿った伸張産物へのハイブリダイゼーションの後、一般的に、切断される(例えば、S1ヌクレアーゼにより)。
いくつかの実施形態において、第二プライマーは、一つ以上の標的RNAフラグメントにより供給され、そして、それだけでは、外因的に添加されたプライマーではない。このような標的RNAフラグメントは、一つ以上のRNAフラグメントが、第一プライマー伸張産物に結合したままであるように、標的RNAの複合体中の標的RNA、および、RNA/DNAハイブリッド中でRNAを切断する薬剤(例えば、酵素)による第一プライマー伸張産物の不完全な分解(断片化または切断)を含む当該分野で周知の方法を使用して生成され得る。前の節の上で述べたように、切断/断片化もまた、熱処理(変性するためまたは第一プライマー伸張産物からテンプレートRNAを分離するために、十分ではない)または化学処理(例えば、アルカリ条件下での処理)により影響され得る。いくつかの実施形態において、プライマーとしての役目をする標的RNAフラグメントを生じる切断は、RNaseHによりもたらされる。
(DNAポリメラーゼ、RNA−DNAハイブリッドを切断し得る薬剤、およびRNAポリメラーゼ)
本発明の方法は、以下の酵素:RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を備える酵素、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を備える酵素、RNA−DNAハイブリッドのRNA鎖を切断し得る薬剤(例えば、RNaseHのようなリボヌクレアーゼ)およびいくつかの局面では、DNA依存性RNAポリメラーゼを使用する。これらの活性の内の一つ以上は、単一の酵素中で見出され得、使用され得る。例えば、RNaseH活性は、RNA依存性DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)によって供給され得るかまたは別個の酵素中で供給され得る。この方法に対して有用な逆転写酵素は、RNaseH活性を有してもよいし、有さなくてもよい。DNA依存性ポリメラーゼおよびRNA依存性ポリメラーゼは、単一の酵素中で提供され得るかまたは二つの別個の酵素中で提供され得る。
本発明の一つの局面は、プライマー−RNA複合体からの二本鎖cDNAの形成である。この過程は、一般にRNA依存性DNAポリメラーゼの酵素活性、DNA依存性DNAポリメラーゼの酵素活性およびリボヌクレアーゼ活性を使用する。
本発明の方法および本発明の組成物に使用するためのRNA依存性DNAポリメラーゼは、本発明の方法に従ったプライマーの伸張に影響し得る。従って、好ましいRNA依存性DNAポリメラーゼは、少なくとも大部分はリボヌクレオチドから構成される核酸テンプレートに沿って核酸プライマーを伸張し得るものである。本発明の方法および組成物に使用するための適切なRNA依存性DNAポリメラーゼとしては、逆転写酵素が挙げられる。多くの逆転写酵素(例えば、トリの骨髄芽球症ウイルス(AMV−RT)由来およびモロニーマウス白血病ウイルス(MMLV−RT)由来)が、一つより多くの活性(例えば、ポリメラーゼ活性およびリボヌクレアーゼ活性)を有し、そして、二本鎖cDNA分子の形成において機能し得る。しかし、いくつかの例では、RNaseH活性を欠く逆転写酵素を使用することが好ましい。その変異がRNaseH活性を除去する野生型逆転写酵素の変異を有する逆転写酵素を含む、RNaseH活性を欠く逆転写酵素は、当該分野で公知である。他の供給源に由来するRNaseH(例えば、E.coliから単離されたRNaseH)の添加は、二本鎖cDNAの形成のために使用され得る。
本発明の方法および本発明の組成物に使用するためのDNA依存性DNAポリメラーゼは、本発明の方法に従った混成プライマーの伸張に影響し得る。従って、好ましいポリメラーゼは、少なくとも大部分はデオキシヌクレオチドから構成される核酸テンプレートに沿って核酸プライマーを伸張し得るものである。二本鎖cDNAの形成は、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性の両方を有する逆転写酵素により行われ得る。DNAポリメラーゼは、鎖置換活性を有してもよく、または有さなくてもよい。好ましくは、DNAポリメラーゼは、核酸鎖にハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドの3’末端に結合する高い親和性を有する。DNAポリメラーゼは、実質的に切れ目を入れる(nicking)活性を有してもよく、または有さなくてもよい。DNAポリメラーゼは、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性および/または3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を有してもよく、または有さなくてもよい。一般的に、このエキソヌクレアーゼ活性は、例えば、pH、塩濃度、テンプレートが二本鎖かまたは一本鎖のいずれか、などの因子(これらは全て、当業者にはよく知られている)に依存する。5’→3’エキソヌクレアーゼ活性が欠失したDNAポリメラーゼ変異体。5’→3’ヌクレアーゼ活性および3’→5’ヌクレアーゼ活性のいずれも欠いたDNAポリメラーゼ変異体(例えば、エキソ−/−クレノウDNAポリメラーゼ)もまた、記載されている。いくつかの実施形態において、鎖置換活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼの使用は、好ましい。このようなポリメラーゼは、当該分野で公知であり、例えば、米国特許第5744312号(およびそれに引用された参考文献)に記載されている。そのポリメラーゼは、さらに修復活性を有してもよく、または修復活性をほとんど有さないかあるいは全く有さなくてもよい。
本発明の方法および組成物に使用するための適切なDNAポリメラーゼは、米国特許第5648211号および同第5744312号に開示されたものを含み、それらとしては、exoVent(New England Biolabs)、exoDeep Vent(New England Biolabs)、Bst(BioRad)、exoPfu(Stratagene)、Bca(Panvera)、シークエンス等級Taq(Promega)、exo−/−Klenow DNAポリメラーゼおよび耐熱性嫌気性菌および耐熱性硫酸細菌由来の耐熱性DNAポリメラーゼが挙げられる。
本発明の方法および組成物に使用するための薬剤(例えば、リボヌクレアーゼ)は、RNA/DNAハイブリッド中で、リボヌクレオチドを切断し得る。好ましくは、リボヌクレアーゼは、切断されるリボヌクレオチドに隣接したヌクレオチドの個性および型に関係なく、RNA/DNAハイブリッド中でリボヌクレオチドを切断する。リボヌクレアーゼは、配列の個性と関係なく切断することが好ましい。本発明の方法および組成物のための適切なリボヌクレアーゼの例は、当該分野で周知であり、リボヌクレアーゼH(RNaseH)が挙げられ、ハイブリダーゼが挙げられる。
一般に、本発明の方法および組成物に使用される酵素は、前記方法および組成物の核酸構成要素の実質的な分解を引き起こすべきではない。
いくつかの実施形態において、その同じ酵素は、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有し、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する。いくつかの実施形態において、その同じ酵素は、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有し、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する。いくつかの実施形態において、その同じ酵素は、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有し、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する。いくつかの実施形態において、異なる酵素が、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する。いくつかの実施形態において、異なる酵素がRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有し、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する。いくつかの実施形態において、異なる酵素が、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有し、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する。
(反応条件および検出)
本発明の方法を実行するための適切な反応培地および反応条件は、ポリメラーゼによるプライマー伸張、ハイブリダイゼーションおよび本発明の方法に従った組換えを可能にするものである。このような培地および条件は、当業者に公知であり、種々の出版物(例えば、米国特許第5,554,516号、同第5,716,785号、同第5,130,238号、同第5,194,370号、同第6,090,591号、同第5,409,818号、同第5,554,517号、同第5,169,766号、同第5,480,784号、同第5,399,491号、同第5,679,512号およびPCT公開番号WO99/42618)に記載される。緩衝液は、その緩衝液成分が、本発明の方法の酵素成分に対して非阻害的である限り、他の緩衝液もまた、使用され得るが、例えば、Tris緩衝液でもよい。pHは、好ましくは、約5〜約11であり、より好ましくは、約6〜約10であり、さらにより好ましくは、約7〜約9であり、そして最も好ましくは、約7.5〜約8.5である。反応培地はまた、二価金属イオン(例えば、Mg2+またはMn2+)を、約0.01〜約15mMおよび最も好ましくは約1〜約10mMの範囲内の遊離イオンの最終濃度で含み得る。その反応培地はまた、培地の全イオン強度に寄与する他の塩(例えば、KClまたはNaCl)を含み得る。例えば、塩(例えば、KCl)の範囲は、好ましくは、約0〜125mMであり、より好ましくは、約0〜約100mMであり、そして最も好ましくは、約0〜約75mMである。その反応培地はさらに、本方法の酵素成分の活性には不可欠ではないが、反応の効率に影響し得る添加剤を含み得る。このような添加剤としては、タンパク質(例えば、BSA一本鎖結合タンパク質、(例えば、T4遺伝子32タンパク質)および非イオン界面活性剤(例えば、NP40またはTriton)が挙げられる。酵素活性を維持し得る試薬(例えば、DTT)もまた、含まれ得る。このような試薬は、当該分野で公知である。適切な場合、本方法で使用されるRNaseの活性を阻害しないRNaseインヒビター(例えば、リボヌクレアーゼ阻害剤(Rnasin))もまた、含まれ得る。本発明の方法の任意の局面は、同一の温度かまたは異なる温度で起こり得る。好ましくは、DNA二本鎖複合体を生成する反応(特に、第一鎖cDNA複合段階および第二鎖cDNA複合段階以外のプライマー伸張ならびに鎖置換)は、扱いにくい温度サイクル過程を避けて、等温で行われる。その反応は、本明細書に記載されたプライマー伸張、ハイブリダイゼーションおよび組換えを可能にする温度および使用された酵素の活性を実質的に阻害しない温度で行われる。その温度は、約15℃〜約85℃、約25℃〜約85℃、約30℃〜約80℃および約37℃〜約75℃の任意の範囲内であり得る。RNA転写(例えば、RNA標的がDNAから生成される場合)を含むいくつかの実施形態において、転写段階の温度は、次の段階(例えば、RNA標的の変性)の温度より低い。これらの実施形態において、転写段階の温度は、約25℃〜約85℃、約30℃〜約75℃および約37℃〜約70℃の範囲内であり得る。RNAの切断が、熱によって影響を受ける場合、インキュベーションは、第一プライマー伸張産物を変性する(切断の前に)ことなく、所望の切断に影響するのに十分な温度で行われ、それは、約65℃〜約80℃または約70℃〜約75℃であり得る。伸張は、十分な酵素活性を維持するのに適した温度で行われる。
本発明の方法のプライマー伸張産物の複合のために使用され得るヌクレオチドおよび/またはヌクレオチドアナログ(例えば、デオキシリボヌクレオチド三リン酸)は、好ましくは、約50〜約2500μM、より好ましくは約100〜約2000μM、さらにより好ましくは約200〜約1700μMおよび最も好ましくは約250〜約1500μMの量で提供される。いくつかの実施形態において、プライマー伸張鎖中のその存在がその鎖の置換を増強する(例えば、従来的なAT、CG塩基ペアより弱い塩基ペアを誘導することによって)ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログが含まれる。このようなヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログとしては、デオキシイノシンおよび全て当該分野で公知である他の修飾された塩基が挙げられる。本発明の方法においてRNA転写物の複合に使用され得るヌクレオチドおよび/またはアナログ(例えば、リボヌクレオシド三リン酸)は、好ましくは約0.25〜約6mM、より好ましくは約0.5〜約5mM、さらにより好ましくは、約0.75〜約4mMおよび最も好ましくは約1〜約3mMの量で提供される。
本発明の反応のオリゴヌクレオチド成分は一般に、標的核酸配列の数より過剰である。それらは、標的核酸の約10倍、約10倍、約10倍、約10倍、約10倍、約1010倍、約1012倍の量のいずれかかまたは少なくとも約10倍、約10倍、約10倍、約10倍、約10倍、約1010倍、約1012倍の量のいずれかで提供され得る。混成プライマーは、それぞれ以下の濃度:50nM、100nM、500nM、1000nM、2500nM、5000nMのいずれかかまたは少なくとも以下の濃度:50nM、100nM、500nM、1000nM、2500nM、5000nMのいずれかで提供され得る。
一つの実施形態において、前記成分は、組換え生成物を生成するための方法の開始時点で同時に添加される。別の実施形態において、成分は、必要な場合および/または反応により可能になった場合、プロセスの間の適切な時点の前か後かのいずれかで添加される。このような時点(その内のいくつかは、以下に記載される)は、当業者によって、容易に同定され得る。プライマー伸張および本発明の方法に従った組換えのために使用される酵素は、それらの温度安定性および/または当業者に公知の他の検討材料により決定される、標的核酸の変性(この文脈中の変性は、一般に標的RNAを、それらを接近可能にするために、配列を開く条件に置くことをいう)段階の前、変性段階の後または標的RNAに対するプライマーのハイブリダイゼーションの後、3’突出部を含む二本鎖複合体の産生の後または受入れ分子に対する3’突出部を含む二本鎖複合体のハイブリダイゼーションの後のいずれかで、反応混合物に添加され得る。第一鎖cDNA(混成プライマーの伸張産物)および第二鎖cDNA(第二プライマー伸張産物)複合反応は、連続的に実施され得、それに続いて、ハイブリダイゼーション段階および組換え段階が実施され得る。これらの実施形態では、その反応条件および反応成分は、異なる反応間で変化し得る。
組換えプロセス(一本鎖3’突出部を含む二本鎖複合体の生成を含む)は、種々の時点で停止され得、後に再開され得る。前記時点は、当業者によって容易に同定され得る。一つの時点は、第一鎖cDNA複合の終わりの時点である。別の時点は、第二鎖cDNA複合の終わりの時点である。別の時点は、3’一本鎖突出部を含む部分的に二本鎖複合体の生成の後である。別の時点は、二本鎖複合体の受入れ核酸との部分的なハイブリダイゼーションの後である。反応を停止するための方法は、当該分野で公知であり、例えば、酵素活性を阻害する温度まで反応混合物を冷却することまたは酵素を無効化する温度まで反応混合物を加熱することを含む。反応を再開するための方法は、当該分野で公知であり、例えば、酵素活性を可能にする温度まで反応混合物の温度を上昇させることまたは無効化された(枯渇した)酵素を補充することを含む。いくつかの実施形態において、その反応の一つ以上の成分が、反応の再開の前か後かで補充される。あるいは、その反応は、中断なしに、進行する(すなわち最初から最後まで)ことを可能とし得る。
その反応を、例えばプライマーを除去するために、複合物中間体の精製なしに、進行することを可能とし得る。生成物は、当業者に容易に同定され得る種々の時点で、精製され得る。一つの時点は、第一鎖cDNA複合の終わりの時点である。別の時点は、第二鎖cDNA複合の終わりの時点である。別の時点は、3’一本鎖突出部を含む二本鎖複合体の部分的な生成の後である。別の時点は、二本鎖複合体の受入れ核酸との部分的なハイブリダイゼーションの後である。
以下の実施例は、本発明の例示を提供するが、これらに限定されない。
(実施例1:単一の混成プライマーを使用したポリA mRNA由来の第二鎖cDNAに付加した固有の配列の3’突出部を有する二本鎖cDNAの作製)
MOLT−4細胞株(CLONTECH 6587−1)由来のポリA mRNAを使用した。プロセスは、次の2つの工程:1)第一cDNA鎖の複合;2)第二cDNA鎖の複合および試料の総mRNA由来の二本鎖cDNA(3’突出部または一本鎖部分を有する)を生成するための切断、であった。二本鎖cDNA産物は、一方の末端に、RNA/DNAヘテロ二重鎖を含み、それは、RNaseHの基質である。このヘテロ二重鎖部分の二本鎖の配列は、標的とは関連がなく、複合(第一)プライマーの使用を介して、組み込まれる。
プライマー配列:
Figure 2005519621
ここで、イタリック体のヌクレオチドは、リボヌクレオチドを示し、そして、「N」は、縮重ヌクレオチド(すなわち、それは、A、T、CまたはGであり得る)を示す。
(工程1:ポリA mRNA由来の第一鎖cDNAの複合)
1μgの総ポリA mRNAを、10μlの全容積中で、次の薬品:
2μl プライマー MTA3(100μM)
5μl dNTP(25mM)
1μl リボヌクレアーゼ阻害剤(Rnasin)
1μl DTT
2μl 5×AMV逆転写酵素反応緩衝液
10μlの全容積まで、DEPC処理した水と混合した。
反応混合物を75℃で2分間インキュベートし、その後、37℃まで冷却した。1μlのAMV逆転写酵素(USB 70041Y、15U/μl)を各反応に添加し、その反応混合物を、60分間、この温度でさらにインキュベートした。
(工程2:第二鎖cDNA複合および3’一本鎖部分(突出部)を生成するための切断)
第一鎖cDNA反応混合物を、以下を含む、10μlの第二鎖cDNA合成混合物と混合した:
1μl 10×クレノウ反応緩衝液
0.1μl dNTP(25mM)
0.5μl クレノウ(USB 2141Y 5U/μl) DNAポリメラーゼ
0.1μlのE.coliリボヌクレアーゼH(BRL 18021−014、4U/μl)
8.4μl 水。
反応混合物を、37℃で30分間インキュベートし、その後、75℃で5分間インキュベートし、酵素を不活性にすることにより反応を停止した。
(実施例2:実施例1の工程2の反応の生成物の特徴づけ)
実施例1の反応において、使用された混成プライマーの5’RNA部分の「固有の」配列があるために、「固有の」配列(すなわち、RNAテンプレートにはハイブリダイズしない配列)が、第二鎖cDNAの3’末端に作製されることが予測される。(第二鎖cDNAの3’末端の)この配列は、混成プライマーの5’RNA部分に相補的であり、標的RNA中の配列に関連しない。得られた第二鎖cDNA中のこの配列の存在を決定するために、第二鎖cDNAの3’末端にある、予想される配列と相補的であるプライマーを、順方向プライマーとして使用して、そして、G3PDH特異的プライマーを、逆方向プライマーとして使用して、その反応生成物(実施例1の工程2の反応混合物中で見出される)のPCR増幅を行った。このプライマーの組は、「固有の」配列を有する二本鎖cDNA由来の特定の産物を増幅すると予想される。
PCR反応は、以下のように行った:
各50μlのPCR反応は、以下のものを含む:
0.4μMの各プライマー(Biosource International)
100μMの各dNTP(Epicenter)
2mM塩化マグネシウム(Epicenter)
1〜2ユニットのポリメラーゼ(MasterAmp taqまたはMasterAmp Tflのいずれか、(これらは両方ともEpicenterから入手))
酵素とともに供給される5μl 10×緩衝液
実施例1の工程2で生成されたcDNAの1:20希釈物。
PCR増幅サイクルは、94℃で30秒間、51℃で30秒間そして、72℃で30秒間である。一般に、その試料は、20回から25回のサイクルで行った。試料を4℃で保持する前に、最後に72℃で5分間伸張させた。
MOLT4細胞株により発現するT細胞レセプター特異的mRNA(TCR)に対して特異的なプライマーを使用して、同様の実験を行った。
G3PDHプライマーを使用したPCR生成物の予想される大きさ(塩基対)
Figure 2005519621
(プライマー配列)
G3PDH5:5’TTT CCT GGT ATG ACA ACG AA
G3PDH5−4:5’CCA GCA AGA GCA CAA GAG GA
G3PDH3:5’GAT GGT ACA TGA CAA GGT
dMTA1:5’GAC GGA TGC GGT CTT TTT TTT
T細胞レセプタープライマーを使用したPCR生成物の予想される大きさ(塩基対)
Figure 2005519621
(プライマー配列)
TCR5:5’CCC GCA ACC ACT TCC GCT GTC
TCR5−2:5’CAA ACC CGT CAC CCA GAT CGT
TCR3:5’CAA CAC AAG GGC GCT GAC C
工程2の反応混合物がプライマーDMTA1およびプライマーG3PDH5を使用して、PCRによって増幅された(G3PDH mRNAの配列の増幅)場合、約250塩基対長である生成物の存在によって、そして、プライマーDMTA1およびTCR5−2を使用する(TCRβ鎖mRNAの配列の増幅)場合、約400塩基対長の生成物の存在によって示されるように、その結果は、固有の配列が第二鎖cDNAに組み入れられることを示す。従って、その結果は、(実施例1で使用された混成プライマーのRNA部分の)「固有の」配列の、生じる部分的に二本鎖のcDNA生成物への組み入れを示した。
上述の発明は、明快な理解を目的とした図および実施例を手段として、ある程度詳細に記載されているが、いくつかの変更および改変が実施され得ることが当業者には明らかである。従って、その記述および実施例は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、本発明の範囲は、添付の請求項により表される。
図1Aは、混成プライマーおよび第2プライマーを使用して、標的RNAから、1つの3’一本鎖DNA部分(突出)を有する第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を生成する、等温(サーモサイクリングを避ける)プロセスの図解を示す。 図1Bは、混成プライマーおよびRNAテンプレートのフラグメントを使用して、標的RNAから、1つの3’一本鎖DNA部分(突出)を有する第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を生成するプロセスの図解を示す。この図は、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素(ここでは、RNase H)を使用して切断をもたらすことを説明するが、当該分野で公知の、そして本明細書中に記載される他の切断をもたらす手段が、使用され得る。 図2Aは、2つの混成プライマーを使用して、標的RNAから、2つの3’一本鎖DNA部分(突出)を含む第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を生成する、等温プロセスの図解を示す。 図2Bは、2つの混成プライマーを使用して、標的RNAから、2つの3’一本鎖DNA部分(突出)を含む第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を生成する、等温プロセスの図解を示す。 図3は、本発明の方法に従って調製された、3’突出を含む第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を使用する方法の図解を示す。 図4は、本発明の方法に従って調製された、3’突出を含む第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を使用する方法の図解を示す。 図5は、本発明の方法に従って調製された、3’突出を含む第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を使用する方法の図解を示す。 図6は、固定化核酸、ならびに本発明の方法に従って調製された3’突出を含む第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を使用する方法の図解を示す。

Claims (29)

  1. ハイブリッド核酸を生成するための方法であって、該方法は、以下:
    (a)第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を調製する工程であって、該複合体は3’一本鎖部分を含み、ここで、該3’一本鎖部分を含む複合体は、以下:
    (i)標的RNAにハイブリダイズした第1プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、これにより、第1プライマー伸長産物および該標的RNAを含む複合体が生成される工程であって、該第1プライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを含む混成プライマーである、工程;
    (ii)工程(i)の該複合体中のRNAを、切断する工程;
    (iii)該第1プライマー伸長産物にハイブリダイズした第2プライマーを、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、それにより、第2プライマー伸長産物が生成されて、第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を形成する、工程;
    (iv)工程(iii)の該複合体中の該混成プライマーからRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素で切断し、その結果、3’一本鎖部分を含む第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物を含むハイブリダイズした複合体を生成する工程;
    を、包含する方法に従って調製される、工程;ならびに
    (b)該第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の該複合体の該3’一本鎖部分を、受入核酸分子とハイブリダイズし、それにより、ハイブリッド核酸が生成される、工程;
    を、包含する、方法。
  2. (c)前記ハイブリッド核酸から、組換え核酸を生成する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2プライマーが、前記プライマー伸長産物にハイブリダイズした前記標的RNAのフラグメントを含み、該フラグメントが、工程(a)の前記複合体中のRNAの切断により生成される、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記第2プライマーがDNAを含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
  5. 標的RNAにハイブリダイズする前記混成プライマーのRNA部分は、該3’DNA部分に対して5’である、請求項1または請求項2に記載の方法。
  6. 前記5’RNA部分は、前記3’DNA部分に隣接する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記標的RNAが、mRNAであり、そして標的RNAにハイブリダイズする前記混成プライマーが、ポリdT配列を含み、かつ該混成プライマーが該標的mRNAにハイブリダイズする条件下で標的mRNAにハイブリダイズしない5’部分をさらに含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
  8. 標的RNAにハイブリダイズする前記混成プライマーが、ランダム配列を含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
  9. 複数の異なった混成プライマーが、前記標的RNAへのハイブリダイズのために使用される、請求項1または請求項2に記載の方法。
  10. 前記混成プライマーの前記RNA部分が、約10個〜約20個のヌクレオチドからなり、該混成プライマーの前記DNA部分が、約5個〜約20個のヌクレオチドからなる、請求項1または請求項2に記載の方法。
  11. RNA/DNAハイブリッドからのRNAを切断する前記酵素が、RNase Hである、請求項1または請求項2に記載の方法。
  12. 同一の酵素が、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有し、そしてRNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する、請求項1または請求項2に記載の方法。
  13. 同一の酵素が、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有し、そしてRNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する、請求項1または請求項2に記載の方法。
  14. 同一の酵素が、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有し、そしてRNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する、請求項1または請求項2に記載の方法。
  15. 異なった酵素が、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する、請求項1または請求項2に記載の方法。
  16. 異なった酵素が、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有し、そしてRNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する、請求項1または請求項2に記載の方法。
  17. 異なった酵素が、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有し、そしてRNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する、請求項1または請求項2に記載の方法。
  18. 異なった酵素が、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有し、そしてRNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する、請求項1または請求項2に記載の方法。
  19. 前記複合体の3’一本鎖部分の全体が、前記受入分子にハイブリダイズしている、請求項1または請求項2に記載の方法。
  20. 前記複合体の3’一本鎖部分の一部が、前記受入分子にハイブリダイズしている、請求項1または請求項2に記載の方法。
  21. 工程(ii)の前記RNA切断が、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素による、請求項1または請求項2に記載の方法。
  22. 前記酵素がRNase Hである、請求項21に記載の方法。
  23. 前記組換え核酸を生成する工程が、ライゲーション含む、請求項2に記載の方法。
  24. 前記組換え核酸を生成する工程が、DNAポリメラーゼ活性を有する酵素による3’末端の伸長を含む、請求項2に記載の方法。
  25. 前記DNAポリメラーゼ活性を有する酵素が、鎖置換活性を有する、請求項24に記載の方法。
  26. 前記組換え核酸を生成する工程が、ギャップのフィリングおよびライゲーションを含む、請求項2に記載の方法。
  27. 切断が、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素で行われる、請求項3に記載の方法。
  28. 前記酵素がRNase Hである、請求項27に記載の方法。
  29. ハイブリッド核酸を作製する方法であって、該方法は、以下:第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体の3’一本鎖部分を、受入核酸分子とハイブリダイズし、それによりハイブリッド核酸が生成される工程であって、該第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体は、以下:(i)標的RNAにハイブリダイズした第1プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、これにより、第1プライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体が生成される工程であって、該第1プライマーは、RNA部分と3’DNA部分とを含む混成プライマーである、工程;(ii)工程(i)の該複合体中のRNAを、切断する工程;(iii)該第1プライマー伸長産物にハイブリダイズした第2プライマーを、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素およびRNA依存性ポリメラーゼ活性を有する酵素で伸長し、これにより、第2プライマー伸長産物が生成されて、第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物の複合体を形成する、工程;(iv)工程(iii)の該複合体中の該混成プライマーからRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素で切断し、その結果、3’一本鎖部分を含む、第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物を含むハイブリダイズした複合体を生成する工程、を包含する方法に従って調製される、方法。
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