JP2005517658A - 組織操作のための成長因子改変タンパク質マトリクス - Google Patents

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Abstract

タンパク質は、組織の修復、再生および/または再造形ならびに/あるいは薬物送達における使用のために、タンパク質または多糖物質中に組み込まれる。これらのタンパク質は、マトリクスの分解によって、酵素的な活性化および/または拡散によって放出されるように組み込まれ得る。実施例によって実証されるように、ある方法は、共有結合的方法または非共有結合的方法のいずれかによってマトリクスにヘパリンを結合させ、ヘパリン−マトリクスを形成する。次いで、ヘパリンは、タンパク質マトリクスにヘパリン−結合増殖因子を非共有結合させる。あるいは、融合タンパク質は、第XIIIa因子基質およびネイティブなタンパク質配列のような架橋領域を含めて構築され得る。マトリクスと生物活性因子と間の分解性結合の取り込みは、長期間の薬物送達が所望される場合(例えば、神経再生の場合)、特に有用であり得る。

Description

(発明の分野)
本発明は、PTHおよびマトリクスと結合相互作用させるアミノ酸配列を含む融合タンパク質またはペプチドに関し、そして組織修復および組織再生、ならびにPTHの制御された放出における融合タンパク質またはペプチドの使用に関する。
(発明の背景)
上皮小体ホルモン(PTH)は、84アミノ酸ペプチドであり、これは、上皮小体によって作られ、分泌される。このホルモンは、種々の組織(骨を含む)に対するその作用による血清カルシウムレベルの制御において主要な役割を果たす。ヒトにおいて種々の形態のPTHを用いた研究は、骨に対して同化効果を示し、これは、骨粗鬆症および関連する骨障害の処置についてこれらPTHを興味深いものにする(Chorevらに対する、米国特許第5,747,456号およびEli Lilly & Co.に対するWO00/10596)。上皮小体ホルモンは、細胞表面レセプターへの結合によって細胞に対して作用する。このレセプターは、骨芽細胞(新規の骨を形成することを担う細胞)において見出されることが公知である。
ヒトホルモンのN末端34アミノ酸ドメインは、全長ホルモンに生物学的に等価であることが報告されている。PTH1−34およびその作用様式は、米国特許第4,086,196号においてまず報告された。それ以来、研究が、PTH1−34およびネイティブなヒトPTH形態の他の短縮型バージョン(例えば、PTH1−25、PTH1−31およびPTH1−38)に対して実施された(例えば、Rixon RHら、J Bone Miner.Res.9(8):1179−89(Aug.1994)を参照のこと)。
PTHが骨リモデリングに影響する機構は、複雑であり、これは、矛盾する結果を導き、続いて、正確な機構に対する有意数の研究が、関与する。PTHが連続的様式で全身に投与された場合、骨密度が減少することが示された。対照的に、同じ分子が、拍動性様式において投与される場合、骨密度が増加されることが報告された(例えば、Eli Lilly & Co.に対するWO99/31137を参照のこと)。この明らかな矛盾は、PTHが、骨リモデリングおよび、続いて、骨密度の観察可能なパラメーターを調節する機構によって説明され得る。成熟骨内で、PTHレセプターは、骨芽細胞系統の細胞の表面上のみに存在することが示され、破骨細胞には存在しないことが示された。PTHが骨リモデリングにおいて果たす役割は、破骨細胞とは対照的に、骨芽細胞によって指向される。しかし、骨芽細胞系統の種々の段階の細胞は、これらがPTHに結合した場合、異なる応答をする。従って、種々の方法を使用してPTHが投与される場合に観察される劇的な変化は、同じ分子が、骨芽細胞系統内の異なる細胞に対して有する種々の効果を理解することによって説明され得る。
PTHが、間葉幹細胞に結合する場合、細胞が、前骨芽細胞に分化するように誘導される。従って、系にPTHを添加することによって、前骨芽細胞の割合が増加する。しかし、これらの前骨芽細胞は、同様にPTHレセプターを有し、これらの細胞上のレセプターに対するPTHの続く結合は、異なる応答を導く。PTHが前骨芽細胞を結合する場合、骨吸収を導く2つの別々の結果を生じる。第1に、前骨芽細胞の骨芽細胞へのさらなる分化を阻害する。第2に、前骨芽細胞からのインターロイキン6(IL−6)の分泌を増加する。IL−6は、前骨芽細胞の分化の阻害と、前骨芽細胞の骨芽細胞への分化の増加と両方を行う。骨芽細胞系統内の細胞からのこの二重の応答は、骨リモデリングとPTH曝露との間の複雑な反応を提供する。PTHが、短い期間の間に周期的に投薬される場合、間葉幹細胞は、骨芽細胞に分化するように誘導される。次いで、短い投薬期間は、新規に形成された前骨芽細胞が、IL−6を産生するのを阻害し、破骨細胞の活性化を阻害する。従って、用量の間隔の間、これらの新規に形成された前骨芽細胞は、骨芽細胞にさらに分化し得、骨形成を生じる。一定容量のPTHが適用される場合、前骨芽細胞は、IL−6の産生を開始する機会を有し、これによって破骨細胞を活性化し、それら自身を阻害し、反対の効果(骨吸収)を導く。
組織修復または再生のために、細胞は、創床に移動し、増殖し、マトリクス成分を発現するか、または細胞外マトリクスを形成し、そして最終組織形状を形成しなければならない。多様な細胞集団(しばしば、血管細胞および神経細胞を含む)は、しばしば、この形態学的応答に参加しなければならない。マトリクスは、大いに増強されることが示され、いくつかの場合において、この応答が起こるのに必須であることが見出された。アプローチは、天然起源または合成起源あるいは両方の混合物から発達中のマトリクスにおいてなされる。天然の細胞が内方増殖するマトリクスは、細胞感化によるリモデリングに供され、全ては、例えば、プラスミン(フィブリンを分解する)およびマトリクスメタロプロテイナーゼ(コラーゲン、エラスチンなどを分解)によるタンパク質分解に基づく。このような分解は、高度に局在化され、移動する細胞との直接の接触の際にのみ生じる。さらに、特定の細胞シグナル伝達タンパク質(例えば、増殖因子)の送達は、厳しく調節される。天然のモデルにおいて、マクロ孔質の細胞内方増殖マトリクスは、使用されないが、むしろ、細胞がマトリクスに移動する場合、局所的にそして必要に応じて、細胞が分解され得るミクロ孔質のマトリクスは使用される。免疫原性、高価な産生、限定された利用可能性、バッチ変化性およびバッチ精製に関する関心に起因して、合成前駆体分子に基づくマトリクス(例えば、改変されたポリエチレングリコール)は、人体中および/または人体における組織再生のために開発された。
多くの仕事が、PTHの全身効果の研究をなした、一方で、研究によって、PTHの局所(local or topical)投与は調査されなかった。PTHが、骨芽細胞系統に対する直接の同化効果を有するので、欠損部位内に適切に示される場合、骨密度に対する影響に加えて骨欠損を治癒する強い潜在能力を有するはずである。一旦欠損が前骨芽細胞で充填されると、PTHシグナルが止まる場合、新規に形成された前骨芽細胞が、骨芽細胞に分化し、創床に転換し始め、まず、網状骨組織に転換し、次いで、成熟骨構造に転換する。
従って、本発明の課題は、組織修復、組織再生、およびリモデリングのためのマトリクスに結合され得る形態のPTHを提供することである。
骨欠損を治癒するために患者に局所(topical or local)投与するために適切な形態でPTHを与えることは、さらなる課題である。
(発明の要旨)
1つのドメインの上皮小体ホルモン(PTH)および別のドメインのマトリクスに共有結合的に架橋され得る基体ドメインを含む融合ペプチド、ならびにマトリクス、ならびにこのような融合タンパク質またはペプチドを含むキットが、本明細書中で開示される。融合タンパク質は、天然材料または合成材料に共有結合され、マトリクスを形成し、これは、骨欠損を治癒するために使用され得る。必要に応じて、マトリクスを形成するための全ての成分は、骨欠損に適用され、マトリクスは、適用部位で形成される。融合ペプチドは、マトリクスに組込まれ得、その結果、融合ペプチド全体または第1のドメインのそれぞれのPTH配列のみのいずれかで、マトリクスの分解によって、酵素作用によって、および/または加水分解作用によって、遊離される。融合ペプチドはまた、第1のドメインと第2のドメインとの間に分解可能な結合を含み得、この結合は、加水分解切断部位または酵素切断部位を含む。特に、融合ペプチドは、1つのドメインにPTH、第2のドメインでマトリクスに共有結合的に架橋され得る基体ドメイン、第1のドメインと第2のドメインとの間の分解部位を含む。好ましくは、PTHは、ヒトPTHであるが、他の供給源由来のPTH(例えば、ウシPTH)は、適切であり得る。PTHは、PTH1−84(ネイティブ)、PTH1−38、PTH1−34、PTH1−31、もしくはPTH1−25であり得るか、または前述の特徴に類似する特徴(すなわち、骨形成)を示すPTHの任意の改変バージョンもしくは対立遺伝子バージョンであり得る。分解部位は、マトリクス内の種々の位置で変化する送達速度を可能にし、これは、その位置での、および/またはマトリクス内での細胞活性に依存する。さらなる利点としては、送達システム内でのより低い総薬物用量、より大きなパーセンテージの薬物が最大の細胞活性の時点で遊離されることを可能にする放出の空間制御が挙げられる。
(発明の詳細な説明)
硬組織の修復、再生または再構築のため、特に、骨の成長のための、その中に放出可能に組み込まれたPTHを有する天然および合成のマトリクスを使用する製品および方法が、本明細書中で記載される。天然マトリクスは、生体適合性かつ生分解性であり、そして移植時に、インビトロまたはインビボで形成され得る。PTHは、このマトリクスに組み込まれ得、そしてその完全な生体活性を保持する。PTHは、PTHがどのように放出されるか、およびPTHが何時放出されるか、およびPTHがどの程度放出されるかの制御を提供する技術を使用して、放出可能に組み込まれ得、その結果、このマトリクスは、制御放出ビヒクルとしてこのマトリクスを使用して、直接的または間接的に組織修復のために使用され得る。
(定義)
「生体材料」とは、一般的に本明細書中で使用される場合、材料に永久的または一時的に依存して、身体の任意の組織、器官または機能を評価、処置、増強または置換する生物学的系とインターフェースすることを意図される材料をいう。用語「生体材料」および「マトリクス」は、本明細書中で同義で使用され、そしてマトリクスの性質に依存して、水で膨潤され得るが、水中に溶解しない(すなわち、外傷のある硬組織または欠損硬組織の特定の支持機能を果たす特定の期間、身体中に留まるヒドロゲルを形成する)架橋ポリマーネットワークを意味する。
「PTH融合ペプチド」とは、一般的に本明細書中で使用される場合、少なくとも第1および第2のドメインを含むペプチドをいう。一方のドメインは、PTH(ネイティブ形態または短縮形態、特に、PTH 1−34)を含み、そして他方のドメインは、マトリクスに架橋されるための基質ドメインを含む。酵素的または加水分解的な分解部位はまた、この第1のドメインと第2のドメインとの間に存在し得る。
「強い求核試薬」とは、一般的に本明細書中で使用される場合、極性結合形成反応において電子対を求核試薬に供与し得る分子をいう。好ましくは、この強い求核試薬は、生理学的pHにおいて、水より求核性である。強い求核試薬の例は、チオールおよびアミンである。
「共役不飽和結合」とは、一般的に本明細書中で使用される場合、単結合と交互の炭素−炭素多重結合、炭素−ヘテロ原子多重結合またはヘテロ原子−ヘテロ原子結合、あるいは官能基の高分子(例えば、合成ポリマーまたはタンパク質)への連結をいう。このような結合は、付加反応を受け得る。
「共役不飽和基」とは、一般的に本明細書中で使用される場合、単結合と交互の炭素−炭素多重結合、炭素−ヘテロ原子多重結合またはヘテロ原子−ヘテロ原子結合を有する分子または分子の領域であって、付加反応を受け得る多重結合を有する、分子または分子の領域をいう。共役不飽和基の例としては、ビニルスルホン、アクリレート、アクリルアミド、キノンおよびビニルピリジニウム(例えば、2−または4−ビニルピリジニウム)、ならびにイタコネートが挙げられるが、これらに限定されない。
「合成前駆体分子」とは、一般的に本明細書中で使用される場合、天然に存在しない分子をいう。
「天然に存在する前駆体成分またはポリマー」とは、一般的に本明細書中で使用される場合、天然で見出され得る分子をいう。
本明細書中で一般的に使用されるような「官能化する」とは、官能基または官能的な部分の結合を生じる様式で分子を修飾することをいう。例えば、分子は、分子を強力な求核試薬または共役不飽和にする分子の導入によって官能化され得る。好ましくは、分子(例えば、PEG)は、チオール、アミン、アクリレート、またはキノンになるように官能化される。タンパク質はまた、特に、遊離チオールを生成するためにジスルフィド結合の部分的還元または完全な還元によって効率的に官能化され得る。
本明細書中で一般的に使用されるような「官能性」とは、分子上の反応部位の数をいう。
本明細書中で一般的に使用されるような「分枝位置の官能性」とは、分子中の一つの位置から伸びるアームの数をいう。
本明細書中で一般的に使用されるような「接着部位または細胞結合部位」とは、分子(例えば、細胞の表面上の接着促進レセプター)が結合するペプチド配列をいう。接着部位の例としては、フィブロネクチン由来のRGD配列、およびラミニン由来のYIGSR(配列番号2)配列が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、接着部位は、マトリクスに架橋可能な基質ドメインを含むことによって生体材料に組み込まれる。
本明細書中で一般的に使用されるような「生物学的活性」とは、目的のタンパク質によって媒介される官能的な事象をいう。いくつかの実施形態において、これは、ポリペプチドと別のポリペプチドの相互作用を測定することによってアッセイされる事現を包含する。それはまた、目的のタンパク質が、細胞増殖、細胞分化、細胞死、細胞移動、細胞接着、他のタンパク質との細胞相互作用、酵素活性、タンパク質リン酸化もしくはタンパク質脱リン酸化、転写または翻訳に対して有する効果をアッセイすることを包含する。
本明細書中で一般的に使用されるような「感受性生物学的分子」とは、細胞中、もしくは体内で見出されるか、または細胞もしくは身体のための治療剤として使用され得る分子をいい、この治療剤は、その存在下で他の分子と反応し得る。感受性生物学的分子の例としては、ペプチド、タンパク質、核酸、および薬物が挙げられるが、これらに限定されない。生体材料は、感受性生物学的材料に不利に影響を与えることなく、感受性生物学的材料の存在下で生成され得る。
「再生」は、本明細書中で一般的に使用される場合、硬組織(特に、骨)のようなものの一部または全てが、成長して元にもどることを意味する
「多官能性」とは、本明細書中で一般的に使用される場合、1分子(すなわち、モノマー、オリゴマーおよびポリマー)あたりの求電子官能基および/または求核性官能基が1つより多いことをいう。
「自己選択的反応」とは、本明細書中で一般的に使用される場合、組成物の第1の前駆成分が、混合物中またはその反応部位中に存在する他の化合物よりも、その組成物の第2の前駆成分とより早く反応する(逆もまた同じ)ことを意味する。本明細書中で使用される場合、求核基は、求電子物質に優先的に結合し、そして求電子物質は、他の生物学的化合物よりも、強力な求核基に優先的に結合する。
「架橋」とは、本明細書中で一般的に使用される場合、共有結合の形成を意味する。しかし、非共有結合(例えば、イオン結合)、または共有結合と非共有結合との組み合わせの形成も言及し得る。
「ポリマーネットワーク」とは、本明細書中で一般的に使用される場合、モノマー、オリゴマーまたはポリマーの実質的に全てが、それらの利用可能な官能基を介する分子間共有結合によって結合されて1つの大きな分子を生じるプロセスの産物を意味する。
「生理学的」とは、本明細書中で使用される場合、生きている脊椎動物中に見出され得るような条件を意味する。特に、生理学的条件は、温度、pHなどのようなヒト身体中の条件を言及する。生理学的温度は、35℃と42℃との間の温度範囲、好ましくは37℃あたりを意味する。
「架橋密度」とは、本明細書中で一般的に使用される場合、それぞれの分子の、2つの架橋間の平均分子量(M)をいう。
「当量」とは、本明細書中で一般的に使用される場合、物質のgあたりの官能基のmmolをいう。
「膨潤」とは、本明細書中で使用される場合、バイオマテリアルによる水の取りこみによって容量および質量が増加することをいう。用語「水取りこみ」および「膨潤」は、本願を通して同意語として使用される。
「平衡状態」とは、本明細書中で一般的に使用される場合、ヒドロゲルが、水中の定常状態下で貯蔵された場合に質量の増加または損失を起こさない状態である。
(I.マトリクスおよびPTH)
(A.マトリクス材料)
マトリクスは、前駆体分子をポリマーネットワークにイオン的に架橋するか、共有結合的に架橋するか、またはその組み合わせによって、あるいは、1つ以上のポリマー材料(すなわち、マトリクス)を膨潤させて、マトリクス内への細胞の内方増殖または移動を可能にするために十分なポリマー間間隔を有するポリマーネットワークを形成することによって、形成される。
1つの実施形態において、マトリクスは、タンパク質(好ましくは、マトリクスが移植される患者において天然に存在するタンパク質)から形成される。特に好ましいマトリクスタンパク質は、フィブリンであるが、他のタンパク質(例えば、コラーゲンおよびゼラチン)から作製されたマトリクスもまた、使用され得る。ポリサッカリドおよび糖タンパク質もまた、マトリクスを形成するために使用され得る。イオン結合また共有結合によって架橋可能な合成ポリマーを使用することもまた、可能である。
(フィブリンマトリクス)
フィブリンは、いくつかの生物学的適用に関して報告された、天然材料である。フィブリンは、Hubbellらに対する米国特許第6,331,422号において、細胞内方増殖マトリクスのための材料として記載されている。フィブリンゲルは、その多くの組織に結合する能力および損傷治癒におけるその天然の役割に起因して、シーラントとして使用されている。いくつかの特定の適用としては、血管移植片付着、心臓弁付着、骨折における骨の配置、および腱修復のためのシーラントとしての使用が挙げられる(Sierra,D.H.,Journal of Biomaterials Applications,7:309−352(1993))。さらに、これらのゲルは、薬物送達デバイスとして、および神経再生のために、使用されている(Williamsら、Journal of Comparative Neurobiology,264:284−290(1987))。フィブリンは、組織の再生および細胞の内方増殖のための固体支持体を提供するが、これらのプロセスを直接増強するモノマーにおいて、活性な配列はほとんど存在しない。
フィブリノゲンがフィブリンに重合するプロセスもまた、特徴付けられている、最初に、プロテアーゼが、二量体フィブリノゲン分子を2つの対称的な部位に切断する。フィブリノゲンを切断し得るいくつかの可能なプロテアーゼが存在し(トロンビン、レプチラーゼ、およびプロテアーゼIIIが挙げられる)、そして各々が、このタンパク質を異なる部位で切断する(Francisら、Blood Cells,19:291−307,1993)。一旦、フィブリノゲンが切断されると、自己重合工程が起こり、この工程において、フィブリノゲンモノマーが一緒になり、そして非共有結合で架橋したポリマーゲルを形成する(Sierra,1993)。この自己集合は、プロテアーゼ切断が起こった後に結合部位が曝露されるので起こる。一旦、これらの結合部位が曝露されると、分子の中心にあるこれらの結合部位は、フィブリノゲン鎖上の他の部位(これらは、ペプチド鎖の末端に存在する)と結合し得る(Stryer,L.In Biochemistry,W.H.Freeman & Company,NY,1975)。この様式で、ポリマーネットワークが形成される。次いで、第XIIIa因子(トロンビンタンパク質分解によって第XIII因子から活性化されたトランスグルタミナーゼ)が、このポリマーネットワークに共有結合で架橋し得る。他のトランスグルタミナーゼが存在し、そして同様に、フィブリンネットワークへの共有結合架橋およびグラフトに関与し得る。
一旦、架橋フィブリンのゲルが形成されると、引き続く分解は、厳密に制御される。フィブリンの分解を制御する際に主要な分子の1つは、α2−プラスミンインヒビターである(Aoki,N.,Progress in Cardiovascular Disease,21:267−286、1979)。この分子は、第XIIIa因子の作用を介してフィブリンのα鎖に架橋することによって、作用する(Sakataら、Journal of Clinical Investigation,65:290−297,1980)。それ自体をゲルに付着させることによって、高濃度のインヒビターが、ゲルに局在し得る。次いで、このインヒビターは、プラスミノゲンのフィブリンへの結合を防止すること(Aokiら、Thrombosis and Haemostasis,39:22−31,1978)、およびプラスミンを不活性化すること(Aoki,1979)によって作用する。α2−プラスミンインヒビターは、グルタミン基質を含む。正確な配列は、NQEQVSPL(配列番号12)として同定されており、最初のグルタミンが、架橋のための活性アミノ酸である。
二ドメインペプチド(これは、第XIIIa因子基質配列および生物活性ペプチド配列を含む)がフィブリンゲルに架橋し得ること、およびこの生物活性ペプチドは、インビトロで、その細胞活性を保持することが、実証された(Schense,J.C.ら(1999)Bioconj.Chem.10:75−81)。
(合成マトリクス)
身体への適用のための合成マトリクスを形成するための架橋反応としては、以下が挙げられる:(i)不飽和二重結合を含む2つ以上の前駆体間でのフリーラジカル重合(例えば、Hernら,J.Biomed.Mater.Res.39:266−276(1998)に記載される)、(ii)例えば、アミン基を含む前駆体とスクシンイミジル基を含む前駆体との間でのような、求核置換反応(Rheeらに対する米国特許第5,874,500号に開示される)、(iii)縮合および付加反応、ならびに(iv)強い求核試薬と共役不飽和基または結合(強い求電子試薬として)との間の、Michael型付加反応。特に好ましいものは、求核性基としてのチオール基またはアミン基を有する前駆体分子と、求電子性基としてのアクリレート基またはビニルスルホン基を含む前駆体分子との間の反応である。求核性基として最も好ましいものは、チオール基である。Michael型付加反応は、Hubbellらに対するWO00/44808に記載されており、その内容は、本明細書中に参考として援用される。Michael型付加反応は、感受性の生物学的物質の存在下でさえも、少なくとも第一および第二の前駆体成分の、生理学的条件下での、自己選択的様式でのインサイチュでの架橋を可能にする。前駆体成分の1つが少なくとも2つの官能基を有し、そして他の前駆体のうちの少なくとも1つが2つより多い官能基を有する場合、この系は、自己選択的に反応して、架橋した三次元生体物質を形成する。
好ましくは、共役不飽和基または共役不飽和結合は、アクリレート、ビニルスルホン、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、ビニルスルホン、2−ビニルピリジニウムもしくは4−ビニルピリジニウム、マレイミド、またはキノンである。
吸核性基は、好ましくは、チオール基、アミノ基、またはヒドロキシル基である。チオール基は、プロトン化されていないアミン基より実質的により反応性である。先に言及されたように、pHは、この点に関して重要である:脱プロトン化チオールは、プロトン化チオールより、実質的により反応性である。従って、2つの前駆体成分をマトリクスに変換するための、共役不飽和(例えば、アクリレートまたはキノン)を含む、チオールとの付加反応は、しばしば、約8のpHで、最も迅速に、かつ自己選択的に、最良に実施される。約8のpHにおいて、目的のチオールの大部分は、脱プロトン化され(従って、より反応性であり)、そして目的のアミンのほとんどは、プロトン化された(従って、反応性が低い)ままである。チオールが、第一の前駆体分子として使用される場合、アミンに対するチオールについての反応性が選択的である共役構造が、非常に望ましい。
適切な第一および第二の前駆体分子としては、タンパク質、ペプチド、ポリオキシアルキレン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレン−co−ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(エチレン−co−ビニルピロリドン)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(エチレン−co−アクリル酸)、ポリ(エチルオキサゾリン)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレン−co−マレイン酸)、ポリ(アクリルアミド)、およびポリ(エチレンオキシド)−co−ポリ(プロピレンオキシド)ブロックコポリマーが挙げられる。特に好ましい前駆体分子は、ポリエチレングリコールである。
ポリエチレングリコール(PEG)は、便利な構築ブロックを提供する。線状(すなわち、2つの末端を有する)または分枝鎖(すなわち、2つより多い末端を有する)のPEGを、容易に購入または合成し得、次いで、このPEGの末端基を官能基化して、強い求核試薬(例えば、チオール)または共役構造(例えば、アクリレートまたはビニルスルホン)のいずれかを導入し得る。これらの成分が、互いと、または対応する成分とのいずれかで、わずかに塩基性の環境で混合される場合、マトリクスは、第一の前駆体成分と第二の前駆体成分との間での反応によって、形成される。PEG成分は、非PEG成分と反応し得、そしていずれかの成分の分子量または親水性が、得られる生体物質の機械的特性、浸透性、および水含有量を操作するために、制御され得る。
これらの材料は、一般に、以下にさらに詳細に記載されるように、医用移植物において有用である。マトリクス(特に、インビボで分解することが望ましいマトリクス)の形成において、ペプチドは、非常に便利な構築ブロックを提供する。2つ以上のシステイン残基を含むペプチドを合成することは、簡単であり、次いで、この成分は、求核性基を有する第一の前駆体成分として、容易に働き得る。例えば、2つの遊離システイン残基を有するペプチドは、PEGトリビニルスルホン(そのアームの各々にビニルスルホンを有する3つのアームを有するPEG)と、生理学的pHまたはそれよりわずかに高いpH(例えば、8〜9)で混合される場合に、容易にマトリクスを形成する。ゲル化もまた、なおより高いpHにおいて良好に進行し得るが、潜在的に、自己選択性を犠牲にする。2つの液体前駆体成分が一緒に混合される場合、これらは、数分の時間で反応して、弾性ゲルを形成し、このゲルは、ペプチドを連結リンクとして有するネットワークの節を保有する、PEG鎖のネットワークからなる。このペプチドは、このネットワークが細胞によって浸潤または分解され得る(タンパク質ベースのネットワーク(例えば、フィブリンマトリクス)においてなされるように)ようにするための、プロテアーゼ基質として選択され得る。好ましくは、ドメイン中の配列は、細胞移動に関与する酵素のための基質(例えば、コラゲナーゼ、プラスミン、メタロプロテイナーゼ(MMP)またはエラスターゼのような酵素に対する基質)であるが、適切なドメインは、これらの配列に限定されない。1つの特に有用な配列は、酵素プラスミンに対する基質である(実施例を参照のこと)。ゲルの分解性は、架橋節として働くペプチドの細部の変化によって操作され得る。コラーゲナーゼによって分解可能であるが、プラスミンによっては分解可能ではないゲル、またはプラスミンによって分解可能であるが、コラーゲナーゼによっては分解可能ではないゲルを、作製し得る。さらに、酵素反応のKまたはkcat、あるいはその両方を変化させるように、アミノ酸配列を単に変化させることによって、ゲル分解を、このような酵素に応答してより速く、またはより遅くすることが、可能である。従って、細胞の通常の再モデル化特徴によって再モデル化され得る点で生体を模倣する、生体物質を作製し得る。例えば、このような研究は、重要なプロテアーゼプラスミンのための基質部位を示す。ペプチドでのPEGのゲル化は、自己選択的である。
必要に応じて、生体機能性薬剤がマトリクスに組み込まれて、他の種(例えば、組織表面)に対する化学結合を提供し得る。マトリクスにプロテアーゼ基質を組み込むことは、このマトリクスがPEGビニルスルホンから形成される場合に、重要である。PEGアクリレートおよびPEGチオールの反応から形成されるマトリクス以外の、PEGビニルスルホンおよびPEGチオールから形成されるマトリクスは、加水分解的に分解可能な結合を含まない。従って、プロテアーゼ基質の組み込みは、このマトリクスが体内で分解することを可能にする。
合成マトリクスは、形成する操作が単純である。2つの液体前駆体が混合される;一方の前駆体は、求核性基を有する前駆体分子を含み、そして他方の前駆体分子は、求電子性基を含む。生理学的食塩水が、溶媒として働き得る。最小の熱が、反応によって発生する。従って、ゲル化は、インビボまたはインビトロで、組織と直接接触して、都合の悪い毒性を有することなく、実施され得る。従って、テレキーリックに(telechelically)修飾されたかまたはこれらの側鎖基において修飾されたかのいずれかの、PEG以外のポリマーが、使用され得る。
ほとんどの治癒適応症について、マトリクス内への細胞の内方増殖または細胞の移動の速度は、マトリクスの適合された分解速度と組み合わせて、治癒応答の全体について重大である。加水分解的に分解不可能なマトリクスが細胞によって侵入される可能性は、主として、ネットワーク密度の関数である。分枝点または節の間に存在する空間が、細胞の大きさに対して小さすぎる場合、あるいはマトリクスの分解(これは、マトリクス内でのより多くの空間の作製を生じる)の速度が遅すぎる場合は、非常に制限された治癒応答が観察される。天然に見出される治癒マトリクス(例えば、フィブリンマトリクスであって、これは、体内の損傷に応答して形成される)は、細胞による侵入が非常に容易であり得る、非常に緩いネットワークからなることが公知である。浸潤は、細胞接着のためのリガンド(これは、フィブリンネットワークの一部として統合される)によって促進される。
合成親水性前駆体分子から作製されるマトリクスは、ポリエチレングリコールのように、ポリマーネットワークの形成後に、水性環境において膨潤する。十分に短いゲル化時間(7〜8の間のpHおよび36〜38℃の範囲の温度において3〜10分の間)および定量的な反応を、体内でのマトリクスのインサイチュ形成の間に達成するために、前駆体分子の開始濃度は、十分に高くなければならない。このような条件下では、ネットワーク形成後の膨潤が起こらず、そして必要な開始濃度は、このマトリクスが水性環境において分解可能ではない場合に、細胞浸潤のためには密度が高すぎるマトリクスをもたらす。従って、ポリマーネットワークの膨潤は、分枝点の間の空間を拡大し、そして広くなることが重要である。
前駆体分子の出発濃度にかかわらず、同じ合成前駆体分子(例えば、4アームPEGビニルスルホンおよびSH基を有するペプチド)から作製されるヒドロゲルは、平衡状態において、同じ水含有量に膨潤する。このことは、前駆体分子の開始濃度がより高いほど、平衡状態に到達する場合のヒドロゲルの末端体積が高くなることを意味する。身体内で利用可能な空間が、十分な膨潤を可能にするためには小さすぎる場合、特に、前駆体成分から形成される結合が加水分解的に分解可能ではない場合、細胞浸潤の速度および治癒応答は、遅くなる。その結果として、身体における適用のための2つの矛盾した要件の間の最適条件が見出されなければならない。良好な細胞浸潤および引き続く治癒応答は、三官能性分枝鎖ポリマーと、少なくとも3アームの実質的に類似の分子量の第二の前駆体分子(これは、少なくとも二官能性分子である)との反応から形成される、三次元ポリマーネットワークを用いて観察された。第一の前駆体分子と第二の前駆体分子との官能基の当量比は、0.9と1.1との間である。第一の前駆体分子のアームの分子量、第二の前駆体分子の分子量、および分枝点の官能基は、得られるポリマーネットワークの水含有量が、平衡時の重量%と水の取り込みの完了後のポリマーネットワークの全重量の92重量%との間であるように、選択される。好ましくは、水含有量は、水取り込み後のポリマーネットワークと水との総重量の、93重量%と95重量%との間である。水取り込みの完了は、平衡濃度に達する場合、または生体物質において利用可能な空間がさらなる体積増加を可能にしない場合のいずれかに、達成され得る。従って、可能な限り低い、前駆体成分の出発濃度を選択することが好ましい。このことは、膨潤性の全てのマトリクスについてあてはまるが、特に、細胞媒介分解を受け、そしてポリマーネットワーク中に加水分解的に分解可能な結合を含まないマトリクスについてあてはまる。
特に、加水分解的に分解不可能なゲルについて、ゲル化時間と低い出発濃度との間のバランスは、前駆体分子の構造に基づいて最適化されるべきである。特に、第一の前駆体分子のアームの分子量、第二の前駆体分子の分子量、および分枝の程度(すなわち、分枝点の官能性)は、これらに従って調節されなければならない。実際の反応機構は、この相互作用に対して、あまり影響を有さない。
第一の前駆体分子が、各アームの末端に官能基を有する3アームまたは4アームのポリマーであり、そして第二の前駆体分子が、線状二官能性分子であり、好ましくは、少なくとも2つのシステイン基を含むペプチドである場合、第一の前駆体分子のアームの分子量、および第二の前駆体分子の分子量は、好ましくは、そのネットワークの形成後に、分枝点の間の結合が、(結合が線状であり、分枝していない条件下で)10〜13kDの範囲、好ましくは、11kDと12kDとの間の分子量を有するように選択される。このことは、第一の前駆体分子と第二の前駆体分子との合計の出発濃度が、(ネットワーク形成前の)溶液中の第一および第二の前駆体分子の全重量の、8〜12重量%、好ましくは、9重量%と10重量%との範囲にあることを可能にする。第一の前駆体成分の分枝の程度が8に増加され、そして第二の前駆体分子が依然として線状二官能性分子である場合、分枝点の間の結合の分子量は、好ましくは、18〜24kDaの間の分子量に増加される。第二の前駆体分子の分枝の程度が、線状から3アームまたは4アームの前駆体成分に増加される場合、分子量(すなわち、結合の長さ)が、これに従って増加する。本発明の好ましい実施形態において、第一の前駆体分子として三官能性の3アームの15kDポリマー(すなわち、各アームが5kDの分子量を有する)、および第二の前駆体分子として0.5〜1.5kDの範囲、なおより好ましくは、1kDの分子量の二官能性線状分子を含む、組成が選択される。好ましくは、第一および第二の前駆体成分は、ポリエチレングリコールである。
好ましい実施形態において、第一の前駆体成分は、官能基として、共役不飽和基または結合、最も好ましくはアクリレートまたはビニルスルホンを含み、そして第二の前駆体分子の官能基は、求核性基(好ましくは、チオール基またはアミノ基)を含む。本発明の別の好ましい実施形態において、第一の前駆体分子は、各アームの末端に官能基を有する、4アームの20kD(各アームが、5kDaの分子量)のポリマーであり、そして第二の前駆体分子は、1〜3kDの範囲、好ましくは1.5kDと2kDとの間の分子量の、二官能性線状分子である。好ましくは、第一の前駆体分子は、ビニルスルホン基を有するポリエチレングリコールであり、そして第二の前駆体分子は、システイン基を有するペプチドである。両方の好ましい実施形態において、第一の前駆体分子と第二の前駆体分子との合計の出発濃度は、(ポリマーネットワーク形成前の)第一の前駆体分子および第二の前駆体分子ならびに水の全重量の、8〜11重量%の範囲、好ましくは、9重量%と10重量%との間であり、10分未満のゲル化時間を達成するためには、好ましくは、5重量%と8重量%との間である。これらの組成物は、pH8.0および37℃で、混合後約3〜10分のゲル化時間を有する。
マトリクスが、加水分解的に分解可能な結合を含む場合、形成される(例えば、アクリレートとチオールとの間での好ましい反応による)ネットワークの密度は、細胞浸潤に関して、初期において特に重要であるが、水性環境において、結合が加水分解され、そしてネットワークが緩み、細胞浸潤を可能にする。ポリマーネットワークの全体の分枝の程度が増加すると、相互結合の分子量(すなわち、結合の長さ)が増加しなければならない。
(B.細胞付着部位)
細胞は、細胞表面において、タンパク質−タンパク質相互作用、タンパク質−オリゴ糖相互作用、およびタンパク質−多糖相互作用を介して、それらの環境と相互作用する。細胞外マトリクスタンパク質は、細胞に対する宿主の生物活性信号を提供する。この密なネットワークは、細胞を支持するために必要とされ、そしてマトリクス中の多くのタンパク質が、細胞の接着、拡散、移動および分化を制御することが示されている(Carey,Annual Review of Physiology,53:161−177,1991)。特に活性であることが示された特定のタンパク質のいくつかとしては、ラミニン、ビトロネクチン、フィブロネクチン、フィブリン、フィブリノゲンおよびコラーゲンが挙げられる(Lander,Journal of Trends in Neurological Science,12:189−195,1989)。ラミニンの多くの研究が実施され、そしてラミニンが、インビボで神経の、そしてインビトロで神経細胞の、発達および再生において(Williams,Neurochemical Research,12:851−869,1987)、ならびに新脈管形成において、重要な役割を果たすことが示された。
細胞レセプターと直接相互作用し、そして接着、拡散またはシグナル伝達のいずれかを引き起こす、特異的配列のいくつかが、同定されている。
ラミニン(大きい多ドメインタンパク質)(Martin,Annual Review of Cellular Biology,3:57−85,1987)は、いくつかのレセプター結合ドメインを有する3つの鎖からなることが示された。これらのレセプター結合ドメインとしては、ラミニンB1鎖のYIGSR(配列番号2)配列(Grafら,Cell,48:989−996,1987;Kleinmanら,Archives of Biochemistry and Biophysics,272:39−45,1989;およびMassiaら,J.of Biol.Chem.,268:8053−8059,1993)、ラミニンA鎖のLRGDN(配列番号3)(Ignatiusら,J.of Cell Biology,111:709−720,1990)ならびにラミニンB1鎖のPDGSR(配列番号4)(Kleinmanら,1989)が挙げられる。細胞に対するいくつかの他の認識配列もまた、同定されている。これらとしては、ラミニンA鎖のIKVAV (配列番号5)(Tashiroら,J.of Biol.Chem.,264:16174−16182,1989)およびラミニンB2鎖の配列RNIAEIIKDI (配列番号6)(Liesiら,FEBS Letters,244:141−148,1989)が挙げられる。これらの特異的配列に結合するレセプターもまた、しばしば同定されている。この結合の大部分の原因であることが示された細胞レセプターのサブセットは、インテグリンスーパーファミリーである(Rouslahti,E.,J.of Clin.Investigation,87:1−5,1991)。インテグリンは、αサブユニットおよびβサブユニットからなる、タンパク質ヘテロダイマーである。以前の研究は、トリペプチドRGDが、いくつかのβ1インテグリンおよびβ3インテグリンに結合すること(Hynes,R.O.,Cell,69:1−25,1992;Yamada,K.M.,J.of Biol.Chem.,266:12809−12812,1991)、IKVAV(配列番号5)が110kDaレセプターに結合すること(Tashiroら、J.of Biol.Chem.,264:16174−16182,1989);Luckenbill−Eddsら,Cell Tissue Research,279:371−377,1995)、YIGSR(配列番号2)が67kDaレセプターに結合すること(Grafら,1987)およびDGEA(配列番号7)(コラーゲン配列)がα,βインテグリンに結合すること(ZutterおよびSantaro,Amer.J.of Patholody,137:113−120,1990)を示した。RNIAEIIKDI(配列番号6)配列に対するレセプターは、報告されていない。
さらなる好ましい実施形態において、細胞接着のためのペプチド部位は、マトリクスに組み込まれる。すなわち、細胞の表面の接着促進レセプターに結合するペプチドが、本発明の生体物質に組み込まれる。このような接着促進ペプチドは、上記のような群より選択され得る。特に好ましいものは、フィブロネクチン由来のRGD配列、ラミニン由来のYIGSR(配列番号2)配列である。細胞付着部位の組み込みは、合成マトリクスを用いる特に好ましい実施形態であるが、天然のマトリクスのいくつかにもまた含められ得る。組み込みは、例えば、システイン含有細胞付着ペプチドを、共役不飽和基を含む前駆体分子(例えば、PEGアクリレート、PEGアクリルアミド、またはPEGビニルスルホン)と単に混合し、その数分後に、求核性基(例えば、チオール含有前駆体成分)を含む前駆体成分の残りのものと混合することによって、なされ得る。細胞付着部位がシステインを含まない場合、この部位は、システインを含むように化学的に合成され得る。この第一の工程の間、接着促進ペプチドは、共役不飽和で多重に官能基化された前駆体の1つの末端に組み込まれる;残りの複数のチオールが系に添加される場合、架橋したネットワークが形成される。ネットワークがここで調製される様式の別の重要な意味は、ペンダント生物活性リガンド(例えば、接着シグナル)の組込みの効率である。この工程は、定量的である。なぜなら、例えば、未結合リガンド(例えば、接着部位)は、マトリクスとの細胞の相互作用を阻害し得るからである。以下に記載されるように、このようなペンダントオリゴペプチドでの前駆体の誘導体化は、第一の工程で、チオールに対して化学量論的に大過剰(最小40倍)のマルチアーム求電子前駆体で実施され、従って、全く定量的である。
望まれない阻害を防止することは別として、この達成は、生物学的になおより重要である:細胞の挙動は、リガンド密度の小さい変化に極端に感受性であり、そして組み込まれるリガンドの正確な知識は、細胞−マトリクス相互作用を設計および理解する助けになる。要約すると、マトリクス内に共有結合した接着部位の濃度は、細胞浸潤の速度に有意に影響を与える。例えば、所定のヒドロゲルについて、RGD濃度範囲は、細胞の内方増殖および細胞の移動を、最適な様式で支持しながら、マトリクスに組み込まれ得る。RGDのような接着部位の最適な濃度範囲は、0.04mMと0.05mMとの間であり、そしてなおより好ましくは、特に、水の取り込みの終了後に平衡濃度と92重量%との間の水含有量を有するマトリクスについて、0.05mMである。
優れた骨治癒の結果は、細胞の移動速度およびマトリクスの分解速度を速く維持することによって、達成され得る。マトリクスの設計(特に、共有結合したPTH1−34)に関して、プロテアーゼ分解部位GCRPQGIWGQDRC(配列番号8)と架橋した、約20,000Daの分子量を有する4アームポリエチレングリコール、および0.050mMのGRGDSP(配列番号9)は、特に良好な細胞内方増殖結果および骨欠損の治癒を与える。PEGおよびペプチドの出発濃度は、(膨潤前の)分子と水との総重量の10重量%未満である。このゲルは、利用可能な一貫性を有し、そして骨芽細胞および前駆細胞がマトリクスに容易に浸潤することを可能にする。
マトリクス材料は、好ましくは、天然に存在する酵素によって生分解性である。分解速度は、架橋の程度およびマトリクス中のプロテアーゼインヒビターの含有によって操作され得る。
(C.架橋性基質ドメイン)
PTH融合ペプチドは、架橋され得、そしてPTH融合ペプチドの架橋性基質ドメインを通じてマトリクスに共有結合し得る。基質ドメインの種類は、マトリクスの性質に依存する。フィブリンマトリクスへの組み込みについて、トランスグルタミナーゼ基質ドメインが特に好ましい。トランスグルタミナーゼ基質ドメインは、第XIIIa因子基質ドメインであり得る。この第XIIIa因子基質ドメインは、GAKDV(配列番号10)、KKKK(配列番号11)、またはNQEQVSPL(配列番号12)を含み得る。PTHとトランスグルタミナーゼ基質ドメインとの間のカップリングは、化学合成により実施され得る。
トランスグルタミナーゼ基質ドメインは、第XIIIa因子以外のトランスグルタミナーゼの基質であり得る。最も好ましい第XIIIa因子基質ドメインは、アミノ酸配列NQEQVSPL(配列番号12)(本明細書中では「TG」と称する)を有する。トランスグルタミナーゼを認識する他のタンパク質(例えば、フィブロネクチン)は、トランスグルタミナーゼ基質ペプチドにカップリングされ得る。
(表1:トラスグルタミナーゼ基質ドメイン)
Figure 2005517658
合成前駆成分から形成されるマトリクスへのPTHの組み込みについては、PTH融合ペプチドまたは組み込まれる任意の他のペプチドは、架橋性基質ドメインとして、少なくとも1つのさらなるシステイン基(−SH)と共に(好ましくはPTHのN末端に)合成されなければならない。システインは、PTHに直接結合され得るかまたはリンカー配列を通してであり得る。リンカー配列はさらに、酵素分解可能なアミノ酸配列を含み得、その結果、PTHは、実質的にネイティブ形態で、酵素によりマトリクスから切断され得る。遊離システイン基は、Michael型付加反応において前駆成分の結合体化不飽和基と反応する。PTH1〜34の場合、PTH1〜34についての合成マトリクスへの束縛(bondage)は、少なくとも1つのシステインを含むPTH1〜34のN末端にさらなるアミノ酸配列を結合することにより可能とされる。システインのチオール基は、合成ポリマーにおける結合体化不飽和結合と反応し、共有結合を形成し得る。おそらく、(a)システインのみがペプチドに結合され(b)酵素分解可能な、特にプラスミン分解可能な配列は、システインとペプチドとの間のリンカーとして結合される。第1ドメインと第2ドメイン、システインとの間の配列GYKNR(配列番号15)は、連結をプラスミン分解性にする。
このように、PTH融合ペプチドはさらに、接着部位、すなわち第2のドメイン(すなわち、因子Xllla基質ドメインまたはシステイン)と、PTH、すなわち、第1ドメインとの間に、分解可能な部位を含むように、修飾され得る。これらの部位は、非特異的加水分解(すなわち、エステル結合)によって、分解可能であり得るか、またはそれらの部位は、特異的酵素的(タンパク質分解または多糖類の分解)分解のための基質になり得る。これらの分解可能な部位は、フィブリンゲルのようなマトリクスからPTHのより特異的な放出の操作を可能にする。例えば、酵素活性に基づいた分解は、PTHの放出が、そのゲルを通る因子の拡散によってではなく、細胞工程によって制御されることを可能にする。分解可能な部位または結合部位は、マトリクスに浸入する細胞から放出される酵素によって切断される。
分解可能な部位によって、PTHは、第1ペプチド配列にほとんどまたは全く修飾を持たずに放出され、その結果、その因子のより高い活性を生じ得る。さらに、分解部位は、因子の放出が、幾つかの多孔性材料からの拡散ではなく、例えば局在化タンパク質分解のような細胞特異的工程によって制御されることを可能にする。これによって、因子はこの材料内の細胞の位置に依存して、同じ材料内に異なった割合で放出される。このことはまた、その放出が細胞工程によって制御されるので、必要な総PTHの量を減少させる。PTHおよびそのバイオアベイラビリティーの保存は、拡散制御放出装置の使用における、細胞特異的タンパク質分解活性を利用するための別の利点である。マトリクスに共有結合するPTHを用いる骨欠損の強力な治癒のための1つの可能な説明において、PTHは長時間の間に(すなわち単一パルス量ではなく)、しかし持続的な様式ではなく、局所的に投与されることが重要であるとみなされる。このことは、マトリクスの酵素的切断または加水分解的切断による、緩やかな分解によって完遂される。このように、その分子は次に、持続時間に渡って生じる偽パルス効果を通して送達される。先祖細胞がマトリクスを浸潤するとき、その細胞はPTH分子に遭遇し、前骨芽細胞に分化し得る。しかしながら、その特定の細胞が、マトリクスから結合PTHを遊離し続けなければ、その細胞は、効果的に骨芽細胞に変換され、骨マトリクスを産生し始める。最終的に、そのペプチドの治療的効果は、欠損領域に局在し、その結果、拡大される。
タンパク質分解(Proteolytic degradation)に使用され得る酵素は非常に多数である。タンパク質分解可能部位は、コラゲナーゼ、プラスミン、エラスターゼ、ストロメリシン、またはプラスミノーゲンアクチベーターのための基質を含み得る。例示的な基質は下記の表に示される。P1〜P5は、タンパク質分解が起こる部位からタンパク質のアミノ末端に向かうアミノ酸の1位〜5位を表す。P1’〜P4’は、タンパク質分解が起こる部位からタンパク質のカルボキシ末端に向かうアミノ酸の1位〜4位を表す。
(表2:プロテアーゼに対するサンプル基質配列)
Figure 2005517658
Figure 2005517658
別の好ましい実施形態において、オリゴ−エステルドメインは、第1ドメインと第2ドメインとの間に挿入され得る。これは、乳酸のオリゴマーのようなオリゴ−エステルを用いて達成される。
非酵素的分解基質は、酸または塩基の触媒メカニズムによって、加水分解を行う任意の連結からなり得る。これらの基質は、乳酸またはグリコール酸のオリゴマーのようなオリゴ−エステルを含み得る。これらの物質の分解率は、オリゴマーの選択によって制御され得る。
(D.PTH)
本明細書中に記載される場合、用語「PTH」は、生物学的に分解可能な天然マトリクスまたは合成マトリクスに共有結合する場合、骨形成の特質を示す、PTH1〜84ならびにPTHの全ての短縮されたバージョン、修飾を受けたバージョンおよび対立形質バージョンのヒト配列を含む。PTHの好ましい短縮化バージョンは、PTH1〜38、PTH1〜34、PTH1〜31またはPTH1〜25である。最も好ましくは、PHH1−34である。好ましくは、PTHはヒトPTHである、ウシPTHのような、他の供給源由来のPTHが適切であり得る。
(生物活性因子の取り込みおよび/または放出のための方法)
PTHのマトリクス内への取り込みに関する1つの好ましい実施形態において、マトリクスは、フィブリノゲンから形成されるフィブリン、カルシウム供給源およびトロンビンを含い、そしてPTH融合ペプチドは、凝固中にフィブリン内に取り込まれる。PTH融合ペプチドは、2つのドメイン、すなわち、第1ドメインと第2ドメインを含む融合タンパク質として設計される。1つのドメイン、すなわち第2ドメインは、第XIIIa因子のような酵素のための基質である。第XIIIa因子は、凝固中に活性化されるトランスグルタミナーゼである。この酵素は、トロンビンによる切断によって第XLLLa因子から自然に形成され、グルタミン側鎖とリジン側鎖との間に形成されるアミド結合を通じて、互いにフィブリン鎖に結合する機能を有する。酵素はまた、凝固中にフィブリン(例えば、細胞結合部位)に他のペプチドを結合するように機能し、ただし、この細胞結合部位は、第XIIIa因子をまた含む。
特に、配列NQEQVSP(配列番号16)は、第VIIIa因子の有効な基質として機能することが示さている。本明細書中に記載されるように、その配列がPTHに直接結合する前か、またはPTH(第1ドメイン)とNQEQVSP(配列番号16)配列(第2ドメイン)との間の分解部位を含み得る。このように、PTH融合ペプチドは、第XIIIa因子基質を通じて、凝固中にフィブリン内に取り込まれ得る。
(取り込みのための融合タンパク質の設計)
PTHを含む第1ドメイン、架橋酵素に対する基質ドメインを含む第2ドメインおよび必要に応じて第1ドメインと第2ドメインとの間にある分解部位を含むPTH融合ペプチドは、幾つかの異なるスキームを用いてフィブリンゲル内に取り込まれ得る。好ましくは、第2ドメインは、トランスグルタミナーゼ基質ドメインを含み、よりさらに好ましくは、第2ドメインは第XIIIa因子基質ドメインを含む。最も好ましくは、第XIIIa因子基質ドメインは、NQEQVSP(配列番号16)を含む。このPTH融合ペプチドが、フィブリノゲンの重合の間、(すなわち、フィブリンマトリクスの形成の間)に存在する場合、その融合ペプチドは、マトリクス内に直接取り込まれる。
PTH融合ペプチドの第1ドメインと第2ドメインとの間の分解部位は、先に記載されるように酵素的分解部位であり得る。好ましくは、この分解部位は、プラスミンおよびマトリクスメラロプロテイナーゼからなる群より選択される酵素によって切断可能である。この酵素的分解部位のKおよびKcatの注意深い選択によって、タンパク質マトリクスの前または後のいずれかで、そして/あるいはマトリクスを分解するための類似の酵素または異なる酵素を利用することによって、分解は、生じるように制御され得、分解部位の配置は、各々のタイプのタンパク質および適用に対して変更される。このPTH融合ペプチドは、上記のフィブリンマトリクス内に直接架橋され得る。しかし、酵素分解部位を組み込むことは、タンパク質分解の間のPTHの放出を変更する。細胞由来のタンパク質が、隔離された融合タンパク質に達する場合、これらは、新たに形成された分解部位において操作されたタンパク質を切断し得る。得られた分解産物は、遊離されたPTHを含み、この遊離されたPTHは、ここで、いかなる操作された融合配列も、いかなる分解フィブリンもほとんど含まない。
(II.使用方法)
マトリクスは、組織の修復、再生、もしくは再構築のため、そして/またはPTHの放出のために、移植の前または移植のときに使用され得る。いくつかの場合において、移植部位においてマトリクスを組織に適合させるために、投与の部位に架橋を誘導することが望ましい。他の場合において、移植の前に、マトリクスを調製することが便利である。
細胞はまた、移植の前または移植のときに、または移植の後においてさえ、マトリクスを形成するためのポリマーの架橋のときまたは架橋の後のいずれかで、マトリクスに添加され得る。これは、細胞増殖または内方増殖(in−growth)を促進するために設計された間隙空間を作り出すために、マトリクスを架橋する事に加えて、またはマトリクスの架橋の代わりであり得る。
大部分の場合において、細胞の増殖(growth)または増殖(proliferation)を促進するためにマトリクスを移植することが望ましいものの、いくらかの場合において、細胞増殖の速度を抑制するために生物活性因子が使用される。特定の適用は、手術後の癒着の形成を抑制することである。
(III.適用の方法)
好ましい実施形態において、この物質は、インサイチュまたは身体の中もしくは身体上でゲル化される。別の実施形態において、このマトリクスは、身体の外側で形成され得、次いで、予め形成された形状で適用される。マトリクス物質は、合成または天然の前駆体組成物から作製され得る。使用される前駆体組成物の種類とは無関係に、前駆体成分は、身体への混合物の適用の前に分離され、成分の重合またはゲル化を可能にする条件下での互いの混合または接触を防止されるべきである。投与より前の接触を避けるために、組成物を互いに分離させるキットが、使用され得る。重合を可能にする条件下での混合の際に、この組成物は、生体活性因子を補充された三次元ネットワークを形成する。前駆体組成物およびそれらの濃度に依存して、ゲル化は、混合の後、半瞬間的に生じ得る。このような迅速なゲル化は、注入(すなわち、注射針を通してのゲル化物質の押し込み)をほとんど不可能なものにする。
1つの実施形態において、このマトリクスは、フィブリノゲンから形成される。フィブリノゲンは、適切な温度およびpHにおいてトロンビンおよびカルシウム供給源と接触される場合、種々のカスケードを介してゲルと反応し、マトリクスを形成する。3つの成分(フィブリノゲン、トロンビン、およびカルシウム供給源)は、別々に保存されるべきである。しかし、3つの成分のうちの少なくとも1つが分離されている限り、他の2つの成分は、投与前に混合され得る。
第1の実施形態において、フィブリノゲンは、生理学的pH(pH6.5〜8.0、好ましくは、pH7.0〜7.5の範囲)の緩衝溶液中で溶解され(これは、安定性を増加させるためのアプロチニンをさらに含み得る)、そして塩化カルシウム緩衝液(例えば、40〜50mMの濃度範囲)中のトロンビン溶液とは別個に保存される。フィブリノゲンのための緩衝溶液は、ヒスチジン緩衝溶液であり得、これは、好ましい濃度は50mMであり、NaCl(150mMの好ましい濃度で)またはTRIS緩衝生理食塩水(好ましくは、33mMの濃度)をさらに含む。
好ましい実施形態において、融合タンパク質、フィブリノゲン、トロンビンおよびカルシウム供給源を備えるキットが、提供される。必要に応じて、このキットは、架橋酵素(例えば、第XIIIa因子)を備え得る。この融合タンパク質は、生体活性因子、架橋酵素のための基質ドメイン、およびこの基質ドメインと生体活性因子との間の分解部位を含む。この融合タンパク質は、フィブリノゲン溶液またはトロンビン溶液のいずれかの中に存在し得る。好ましい実施形態において、フィブリノゲン溶液が、この融合タンパク質を含む。
これらの溶液は、好ましくは、2方向(two way)シリンジデバイスによって混合され、このデバイスにおいて、混合は、混合チャンバおよび/または針および/または静的ミキサーを介して、両方のシリンジの内容物を押し込むことによって生じる。
好ましい実施形態において、フィブリノゲンおよびトロンビンの両方が、凍結乾燥形態で別個に保存される。これら2つのうちいずれかが、融合タンパク質を含み得る。使用前に、トリス緩衝液またはヒスチジン緩衝液がフィブリノゲンに添加され、この緩衝液は、アプロチニンをさらに含み得る。凍結乾燥トロンビンは、塩化カルシウム溶液中に溶解され得る。引き続いて、フィブリノゲン溶液およびトロンビン溶液は、別個の容器/バイアル/シリンジ本体中に配置され、2方向接続デバイス(例えば、2方向シリンジ)によって混合される。必要に応じて、容器/バイアル/シリンジ本体は、2分され、従って、シリンジ本体壁に対して垂直な調節可能区画によって隔てられた2つのチャンバを有する。これらのチャンバのうち1つは、凍結乾燥されたフィブリノゲンまたはトロンビンを含み、一方で、他方のチャンバは、適切な緩衝溶液を含む。プランジャーが押し下げられると、この区画は移動し、そしてフィブリノゲンチャンバ中に緩衝液を放出して、フィブリノゲンを溶解する。一旦、フィブリノゲンおよびトロンビンの両方が溶解されると、両方の2分シリンジ本体は、2方向接続デバイスに装着され、そして接続デバイスに装着された注射針を通して内容物を押し込むことによって、内容物が混合される。必要に応じて、この接続デバイスは、内容物の混合を改善するための、静的ミキサーを備える。
好ましい実施形態において、混合前に、フィブリノゲンは8倍希釈され、そしてトロンビンは20倍希釈される。この比率は、約1分のゲル化時間を生じる。
別の好ましい実施形態において、このマトリクスは、Michael付加反応を受け得る合成前駆成分から形成される。求核性前駆成分(マルチチオール(multithiol))のみが、塩基性pHでマルチアクセプター(multiacceptor)成分(結合体化された不飽和基)と反応するので、混合前に別々に保存されるべき3つの成分は、以下である:塩基、求核成分およびマルチアクセプター成分。マルチアクセプター成分およびマルチチオール成分の両方が、緩衝液中の溶液として保存される。両方の成分が、細胞接着部位およびさらに生体活性分子を含み得る。従って、この系の第一組成物としては、例えば、求核成分の溶液が挙げられ得、そしてこの系の第二組成物としては、マルチアクセプター成分の溶液が挙げられ得る。これら2つの成分のいずれかまたは両方が、塩基を含み得る。別の実施形態において、このマルチアクセプターおよびマルチチオールは、第一組成物中に溶液として含まれ得るか、または第二組成物が塩基を含み得る。接続および混合が、フィブリノゲンについて以前に記載したのと同じ様式で生じる。二分シリンジ本体は、合成前駆成分について等しく適切である。フィブリノゲンおよびトロンビンの代わりに、マルチアクセプター成分およびマルチチオール成分は、チャンバの1つに粉砕形態で保存され、そして他方のチャンバは、塩基性緩衝液を含む。
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を実証するために含まれる。組成物および方法が、好ましい実施形態に関して記載されてきたが、本発明の概念、精神および範囲から逸脱することなく、本明細書中に記載される組成物および方法、ならびに本明細書中に記載される方法の工程または一連の工程に、バリエーションが適用され得ることが、当業者に明らかである。
(実施例1:共有結合したTGPTHを含むマトリクス)
(TGPTHの合成)
完全タンパク質と類似の活性を示すPTH1〜34マーペプチド、およびこの長さのタンパク質を、標準的な固相ペプチド合成法によって合成し得る。
全てのペプチドを、自動化ペプチド合成機を使用し、標準的な9−フルオレニルメチルオキシカルボニル化学を使用して、固体樹脂上で合成した。ペプチドを、c18クロマトグラフィーによって精製し、そして逆相クロマトグラフィーをHPLCを介して使用して純度を決定し、そして質量分析(MALDI)によって各生成物の分子量を同定した。この方法を使用して、以下のペプチド(本明細書中で「TGPTH」という)を合成した:
Figure 2005517658
(インビボの結果)
骨再生を増強するTGPTHの活性を、TISSUCOL(登録商標)マトリクスにおいて、ヒツジドリル穴欠損(sheep drill holl defect)において試験した。12mmの深さの8mmの穴を、ヒツジの近位および遠位の大腿および上腕に作成した。これらの穴を、インサイチュ重合化フィブリンゲルで満たした。欠損を、空のままにし、TISSUCOL(登録商標)で満たすか、またはTGPTHを、重合化の前に400μg/mLでTISSUCOL(登録商標)フィブリンに添加した。TISSUCOL(登録商標)が使用された各例において、これを、標準的な利用可能な濃度から4倍希釈し、12.5mg/mLのフィブリノゲン濃度にした。
この欠損は、8週間で治癒し得た。この治癒期間の後、動物を屠殺し、骨サンプルを取り出してマイクロコンピュータトポグラフィー(μCT)によって分析した。次いで、石灰化した骨組織で充填された欠損容積の割合を決定した。欠損が空のままの場合、フィブリンマトリクスの内部に石灰化した組織は形成しなかった。フィブリンゲルのみが添加された場合、同様に、実質的に骨は治癒されなかった。しかし、400μg/mLのTGPTHを添加すると、石灰化した骨で欠損の35%が充填され、治癒レベルは劇的に上昇した。
(実施例2:フィブリンマトリクスに結合した改変PTH 1−34での治癒応答)
(材料)
フィブリンマトリクス内に組み込まれ得る改変バージョンのPTH1−34を、致命的な大きさのラット頭蓋欠損における治癒応答について試験した。
フィブリンゲルをTISSUCOL(登録商標)キット(Baxter AG,CH−8604 Volketswil/ZH)のフィブリン封入剤前駆体成分から作製した。フィブリノゲンを0.03Mの滅菌Tris緩衝化溶液(TBS、pH7.4)に希釈して約8mg/mLの溶液を生成し、そして、トロンビンを50mMの滅菌CaCl溶液に希釈して2U/mL溶液を生成した。フィブリノゲンの最終濃度は、1:8オリジナルTISSUCOL(登録商標)処方物(約100mg/mL)であり、そして1:160オリジナルTISSUCOL(登録商標)トロンビン濃度(約500IE/mL)であった。次いで、前もって決定された量のTG−pl−PTH1−34またはTGPTH1−34をトロンビンに添加し、混合して均質な濃度を生成した。
フィブリンゲルを生成するために、希釈した前駆体をトロンビンを含むチューブ内にフィブリノゲンを注入することによって一緒に混合した。(以下に記載される)ヒツジドリル欠損の場合、次いで、直ちにこの混合物をヒツジ海綿骨内に形成されたドリル欠損内に注入し、ここで、1〜5分内にフィブリンゲルを形成した。動物実験の第1シリーズにおいて、皮質骨の治癒におけるPTH1−34を含む融合タンパク質(NQEQVSPLYKNRSVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNF、配列番号18)の生理活性因子としての効力を、小動物モデルにおいて試験した。配列YKNR(配列番号19)は、分解性の連鎖プラスミン(“TG−pl−PTH1−34)を生じる。TG−pl−PTH1−34は、化学合成により作製した。対イオンとしてTFAを使用する逆相HPLC(C18カラム)を通して精製を完了し、TFA塩である最終産物を得た。TG−pl−PTH1−34の純度は95%と決定した。
治癒応答を単治癒時間(3週間)および長治癒時間(7週間)の両方で調査し、治癒の亢進が観察され得るかどうかを決定した。
(ラットの致命的な大きさの頭蓋欠損)
ラットに麻酔し、頭蓋骨を露出した。頭蓋の外部表面の骨膜を撤回し、その結果、骨膜は治癒プロセスにおいて役割を果たさず、そして、単一の8mm円形欠損を生じた。8mmより大きい欠損が自発的にそれ自身によって治癒されず、そして致命的な大きさの欠損であると以前に決定されたので、この欠損の大きさを選択した。次いで、この欠損を前もって形成したフィブリンマトリクスで充填し、そして動物を3および7週間治癒させた。次いで、この欠損領域を外植し、放射線学および組織学的に分析した。
(結果)
TG−pl−PTH1−34を3週の時点で研究した場合、治癒のレベルは、フィブリンマトリクス単体で観察されるものと非常に類似した。他の潜在的なモルフォゲン(rhBMP−2を含む)が3週までに強力な治癒効果を示したできるだけ早い時点として、3週の時点を選択した。対照的に、TG−pl−PTH1−34についでの治癒効果は、この早い時点では観察され得なかった。しかし、より長い時点(7週)で分析される場合、フィブリンマトリクスに改変したPTH1−34を添加する致命的な大きさのラット頭蓋欠損における治癒において、中程度用量に依存する改善が観察された。結果を表3に示す。高用量の改変PTH1−34を使用する場合、治癒応答は65%まで上昇した。
(表3:ラットの頭蓋欠損における改変PTHでの治癒応答)
Figure 2005517658
これらの結果は、PTH1−34がフィブリンマトリクスに組み込まれる場合に、骨形成における適度な増加によって証明されるようにいくらかの活性を保持することを実証する。
(ヒツジ骨ドリル欠損)
TG−pl−PTH1−34を、骨治癒に関するこのホルモンの効果を調べるために、長い骨欠損モデルにおいても同様に試験した。ヒツジドリル欠損モデルにおいて、約15mmの深さの8mmの円柱状のドリル欠損を、大腿骨および上腕骨の近位領域および遠位領域の両方に配置した。欠損を長骨の骨端に配置したので、この欠損は、欠損の周縁に皮質骨の薄層を有する小柱骨に囲まれた。次いで、これらの欠損を、種々の用量のTG−pl−PTH1−34またはTGPTH1−34を含むインサイチュ重合化フィブリン(約750μL)で充填した。動物を8週間治癒させ、次いで屠殺した。欠損をμCTおよび組織学で分析した。
実験のこのシリーズについて、3つの型の組成物を試験した。1番目に、TG−pl−PTH1−34を大きな濃度範囲にわたって試験した。2番目に、分解部位を有さず、アミノ末端にトランスグルタミナーゼ配列のみを有する別の改変PTH1−34、TGPTH1−34(NQEQVSPLSVSEIQLMHNLGKHLN SMERVEWLRKKLQDVHNF;配列番号17)を使用した。したがって、TGPTH1−34は、フィブリンマトリクス自身の分解によってのみ遊離され得る。TGPTH1−34を作製し、TG−pl−PTH1−34と同様に精製した。純度は95%であると決定した。効力を比較するために、TG−pl−PTH1−34と同様の濃度であったいくつかの濃度でTGPTH1−34を試験した。最後に、TGPTH1−34またはTG−pl−PTH1−34のいずれかを有する顆粒状の物質の存在下でマトリクスを作製した。この顆粒状の物質は、ゲル化の間にマトリクス中に包埋された標準的なリン酸三カルシウム/ヒドロキシアパタイト混合物であった。PTH1−34の効力に対するこれらの顆粒の添加の効果を調べた。コントロールとして、改変していないフィブリンを試験した。
(結果)
改変したPTH1−34分子のいずれかを長骨欠損内に配置した場合、フィブリンマトリクス(コントロール)単独の使用よりも、治癒応答における有意な改善が観察された。フィブリン単独の使用では、ほとんど治癒せず、最初の欠損の20%のみが新しく形成された骨で充填された。
TG−pl−PTH1−34を、20〜1000μg/mLの濃度系列で試験した。試験した各用量について、治癒応答における有意な増加が観察された。例えば、100μg/mLのTG−pl−PTH1−34を使用した場合、治癒率はほぼ60%まで増加した。
実験の第2シリーズにおいて、TGPTH1−34を試験した。TGPTH1−34の使用はまた、骨治癒を増加させた。例えば、400μg/mLの使用は、治癒応答を40%まで改善し、そして100μg/mLの使用は、骨治癒を65%まで増加させた。従って、PTH1−34改変配列のいずれかの添加は、コントロールよりも強力な治癒応答を生じた。
最後に、改変PTH1−34分子のいずれかをマトリクスに結合し、顆粒/マトリクス混合物を使用した場合、PTH1−34の効力は維持された。これは、TG−pl−PTH1−34(表4参照)およびTGPTH1−34(表5参照)の両方について試験した。
(表4:フィブリンマトリクス中に組み込まれたTG−pl−PTH1−34によるヒツジドリル欠損の治癒;治癒時間8週間)
Figure 2005517658
(表5:フィブリンマトリクス中に結合したPTH1−34によるヒツジドリル欠損の治癒;治癒時間8週間)
Figure 2005517658
組織学的評価は、細胞外マトリクスに支持される紡錐体および骨芽細胞前駆体細胞の最初の欠損における高い浸潤を示した。大きな丸い骨芽細胞を有する活性類骨は一般的であり、軟骨内の骨化組織(軟骨細胞)の徴候が観察された。8週までに、破骨細胞および再造形の正常な徴候が見出され得た。しかし、合成PTHへの連続的な曝露から得られた結果とは異なり、破骨細胞からの顕性応答は観察されず、そして新骨形成が欠損領域の内部または周辺での吸収よりも有意に多かった。外来物体炎症性反応は観察されなかった(すなわち、巨細胞は存在せず、低刺激性の単球はわずかに存在した)。顆粒は、鉱物粒子(mineral particle)を添加してもなおサンプル中に存在した。
(実施例3:合成マトリックスのための前駆体成分の調製)
(PEG−ビニルスルホンの調製)
市販の分岐(4アームPEG,分子量14,800,4アームPEG,分子量10,000および8アームPEG,分子量20,000;Shearwater Polymers,Huntsville,AL,USA)を、OH末端で官能基化した。アルゴン雰囲気下で、(予め、分子ふるいを通して乾燥させた)前駆体ポリマーのジクロロメタン溶液をNaHと反応させ、次いで水素の放出後、ジビニルスルホン(モル比:OH 1:NaH 5:ジビニルスルホン 50)と反応させることによって、PEGビニルスルホンを生成した。この反応を、室温で3日間、アルゴン下で、絶え間なく攪拌しながら行った。この反応溶液を、高濃度の酢酸で中和した後、この溶液を、透明になるまで紙を通して濾過した。この誘導体化ポリマーを、氷冷ジエチルエーテル中で沈殿によって単離した。この生成物を、ジクロロメタン中に再溶解し、(十分に洗浄して)ジエチルエーテル中に2回再沈殿させ、全ての過剰なジビニルスルホンを除去した。最終的に、この生成物を、真空下で乾燥させた。この誘導体化を、H NMRで確認した。この生成物は、6.21ppm(2つの水素)および6.97ppm(1つの水素)で、特徴的なビニルスルホンピークを示した。末端基変換の程度は、100%と実測された。
(PEGアクリレートの調製)
アルゴン雰囲気下で、共沸的に(azeotropically)乾燥させた前駆体ポリマーのトルエン溶液を、トリエチルアミンの存在下でアクリロイルクロライドと反応させて(モル比:OH 1:アクリロイルクロライド 2:トリエチルアミン 2.2)、PEGアクリレートを生成した。この反応を、室温で暗所で一晩攪拌して進行させた。生じた淡黄色の溶液を、中性のアルミナベッドを通して濾過し;この溶媒をエバポレートした後、反応生成物をジクロロメタンに溶解し、水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、冷ジエチルエーテル中で沈殿させた。
Figure 2005517658
(ペプチド合成)
全てのペプチドを、自動化ペプチドシンセサイザー(9050 Pep Plus Synthesizer, Millipore,Framingham,USA)を用いて、標準的な9−フルオレニルメチルオキシカルボニル化学を用いて、固体樹脂上で合成した。疎水性スカベンジャーおよび分割された保護基を、冷ジエチルエーテル中でのペプチドの沈殿および脱イオン水中への溶解によって、除去した。凍結乾燥後、これらのペプチドを、0.03Mトリス緩衝化生理食塩水(TBS,pH7.0)に再溶解させ、移動緩衝液としてTBS,pH7.0を用いたサイズ排除カラムにおけるHPLC(Waters;Milford,USA)を使用して、精製した。
(共役付加反応によるマトリックス形成)
MMP感受性ゲルを、タンパク質分解性の細胞遊走を可能にするペプチド連鎖求核およびPEG連鎖共役不飽和を伴う共役付加によって、形成した。ゲルの合成を、ビニルスルホン官能基化PEG上に、チオールPEGのマイケル型付加反応を、全面的に介して達成した。第一工程において、接着ペプチドを、マルチアームPEGビニルスルホンにペンダント状に付着させ(例えば、ペプチド
Figure 2005517658
(配列番号20))、次いで、この前駆体を、ジチオール含有ペプチド(例えば、MMP基質
Figure 2005517658
(配列番号21))と架橋した。3次元インビトロ研究のための代表的なゲル調製において、4アームPEGビニルスルホン(分子量15000)を、TEOA緩衝液(0.3M,pH8.0)に溶解し、10%(w/w)溶液を生じた。ゲル細胞接着性を与えるために、溶解したペプチド
Figure 2005517658
(配列番号20))(同一緩衝液)を、この溶液に添加した。接着ペプチドを、37℃で30分間反応させた。その後、架橋ペプチド
Figure 2005517658
(配列番号21))を、上記の溶液に混合し、ゲルを合成した。このゲル化は、数分以内に起こったが、完全反応を保証するために、この架橋反応を37℃で1時間行った。
MMP非感受性ゲルを、非タンパク質分解性の細胞遊走を可能にする、PEG連鎖求核試薬およびPEG連鎖共役不飽和を伴う共役付加によって形成した。
このゲルの合成もまた、ビニルスルホン官能基化PEG上に、チオールPEGのマイケル型付加反応を、全面的に介して達成した。第一工程において、接着ペプチドを、マルチアームPEGビニルスルホンにペンダント状に付着させ(例えば、ペプチド
Figure 2005517658
(配列番号20))、次いで、この前駆体を、PEGジチオール(m.w.3.4kD)と架橋させた。3次元インビトロ研究のための代表的なゲル調製において、4アームPEGビニルスルホン(分子量15000)を、TEOA緩衝液(0.3M,pH8.0)に溶解し、10%(w/w)溶液を得た。ゲル細胞接着性を与えるために、溶解したペプチド
Figure 2005517658
(配列番号20))(同一緩衝液)を、この溶液に添加した。この接着ペプチドを、37℃で30分間反応させた。その後、このPEGジチオール前駆体を上記の溶液と混合し、ゲルを合成した。このゲル化は、数分以内に起こったが、完全反応を保証するために、この架橋反応を37℃で1時間行った。
(縮合反応によるマトリックス形成)
MMP感受性ゲルを、タンパク質分解性の細胞遊走を可能にする、ペプチドXリンカー含有複合アミンと親電子的活性PEGとの縮合反応によって形成した。
MMP感受性ヒドロゲルもまた、2つのMMP基質を含むMMP感受性オリゴペプチドと3つのLys(
Figure 2005517658
(配列番号:22))ならびに市販(Shearwater polymers)の二官能性二重エステル(difunctional double−ester)PEG−N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS−HBS−CM−PEG−CM−HBA−NHS)との間の縮合反応を誘導することによって、生成した。第一工程において、接着ペプチド(例えば、ペプチド
Figure 2005517658
)(配列番号:20)を、NHS−HBS−CM−PEG−CM−HBA−NHSの小画分と反応させ、次いでこの前駆体を、3つのεアミン(および1つの第一級アミン)を有するペプチド
Figure 2005517658
(配列番号:22)と混合することによって、網目構造に架橋させた。3次元インビトロ研究のための代表的なゲル調製において、両成分を、pH7.4の10mM PBSに溶解して10%(w/w)溶液を生じ、そして少なくとも1時間以内にヒドロゲルを形成した。
細胞または組織のような生物学的物質中に存在するアミンはまた、二官能性の活性化二重エステルと反応するので、マイケル型反応によって形成される現在のヒドロゲルとは対照的に、このアプローチにおける所望の自己選択性は保証されない。このことはまた、求電子機能性を有する他のPEG(例えば、PEG−オキシカルボニルイミダゾール(CDI−PEG)またはPEGニトロフェニルカーボネート)に対しても当てはまる。
非タンパク質分解性の細胞遊走を可能にする、PEG−アミン架橋および親電子的に活性なPEGとの縮合反応によって、MMP非感受性のヒドロゲルを形成した。ヒドロゲルはまた、市販の分岐PEG−アミン(Jeffamines)と同様の二官能性の二重エステルPEG−N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS−HBS−CM−PEG−CM−HBA−NHS)との間の縮合反応を行うことによって形成された。第1段階において、接着ペプチド(例えば、ペプチド
Figure 2005517658
)(配列番号20)をNHS−HBS−CM−PEG−CM−HBA−NHSの小画分と反応させ、次いで、この前駆体を多分岐(multiarm)のPEG−アミンと混合することによって網目構造と架橋させた。三次元インビトロ研究のための代表的なゲル調製物において、両方の成分を10mM PBS(pH7.4)に溶解し、10%(w/w)溶液を得、そして1時間以内にヒドロゲルを生成した。再度、細胞または組織のような生物学的物質中に存在するアミンはまた、二官能性の活性化二重エステルと反応するので、マイケル型反応によって形成される現在のヒドロゲルとは対照的に、このアプローチにおける所望の自己選択性は保証されない。このことはまた、求電子機能性を有する他のPEG(例えば、PEG−オキシカルボニルイミダゾール(CDI−PEG)またはPEGニトロフェニルカーボネート)に対しても当てはまる。
(実施例4:合成酵素分解可能なマトリクスによる骨再生)
2つの異なる開始濃度の酵素分解可能なゲルを使用した。これらの各々において、RGDの濃度および活性因子(100μg/mLでのCplPTH)を一定に保った。分子量20kD(各分岐の分子量は5kD)の4つのビニルスルホン末端基で官能基化されたPEGから分岐した4つの分岐および以下の配列Gly−Cys−Arg−Asp−(Gly−Pro−Gln−Gly−Ile−Trp−Gly−Gln)−Asp−Arg−Cys−Gly(配列番号21)のジチオールペプチドから重合網目構造を形成した。両方の前駆成分を0.3Mのトリエタノールアミンに溶解した。官能基化PEG(第1の前駆分子)およびジチオールペプチド(第2の前駆分子)の開始濃度を変化させた。1つの場合において、この濃度は組成物(第1および第2の前駆成分+トリエタノールアミン溶液)の総重量の12.6重量%であった。12.6重量%は、第1の前駆成分のみに基づいて計算した場合、10重量%溶液に対応する(100mg/mL第1の前駆分子)。第2の開始濃度は、組成物(第1および第2の前駆成分+トリエタノールアミン溶液)の総重量の9.5重量%であり、これは、総重量の第1の前駆成分のみに基づいて計算した場合、7.5重量%に対応する(75mg/mL第1の前駆分子)。このことは、ビニルスルホンとチオールとの間のモル比が維持されるようにジチオールペプチドの量が変化したという結果を有する。
12.6重量%の開始濃度から開始したゲルは、重合網目構造+水の総重量の8.9重量%の濃度まで膨潤し、従って、マトリクスは、91.1の含水量を有した。9.5重量%の開始濃度から開始したゲルは、重合網目構造+水の総重量の7.4重量%の最終濃度まで膨潤し、従って、マトリクスは、92.6の含水量を有した。
この変化の効果を調べるために、これらの物質をヒツジドリル欠損中で試験した。ここで、750μLの欠損をヒツジ大腿骨および上腕骨の骨幹の海綿骨内に配置し、インサイチュゲル化酵素ゲルで充填した。以下の量の石灰化組織が得られた(μCTによって決定し、各群はN=2):
ゲルの開始濃度 石灰化組織
12.6% 2.7%
9.5% 38.4%
ゲルをより低密度にし、そして細胞浸透をより容易にすることによって、活性因子の添加により生じる治癒応答は、より強いものであった。8.5重量%より低い最終固体濃度を有することの効果は、これらの結果から明らかである。
次いで、明確に、マトリクスの設計は、創傷欠損における治癒を可能にするのに重要である。これらのヒドロゲルの各々は、ポリエチレングリコールの巨大な鎖からなり、末端連結されて、マトリクスを形成した。しかし、それらがどのように、酵素分解部位、リンカーおよび幾つかの他の変数の密度を介して連結されたかの詳細は、機能的治癒応答を可能にするのに重要であった。これらの差は、ヒツジ穿孔欠損モデルにおいてかなり明確に観測された。
(実施例5.合成加水分解可能マトリクスによる骨形成)
PTH1−34融合ペプチドを、合成ゲル、およびフィブリンマトリクスについて正確に記載されたヒツジ穿孔欠損モデルにおいて試験した。ヒドロゲルネットワークを、アクリル化4アームポリエチレングリコール(MW 15,000(Peg4*15Acr))と、MW 3400の線状ポリエチレングリコールジオールとを一緒に混合することにより作製した。Michael型反応を介して、2つの成分が0.3Mトリエタノールアミンの緩衝液(pH8.0)中で混合される場合、このpHにおいて形成される得られるチオレートは、次いで、結合体化した不飽和のアクリレートと反応し、共有結合を生成し得た。多機能前駆体を一緒に混合する(例えば、合わされた多機能性は、5以上である)ことによって、ヒドロゲルが、形成される。さらに、生体活性因子は、同一の反応スキームを介して、マトリクスに付加され得る。この場合、生体活性因子(細胞接着動機、または形態学またはマイトジェン因子が挙げられる)は、システイン、チオール含有アミノ酸を配列に付加することによって、マトリクスに結合され得る。ここで、本発明者らは、細胞接着配列であるRGD、より具体的には、RGDSP(配列番号23)ならびにPTH1−34配列にシステインを付加し、そして両方を、架橋剤中のアクリレートを介して、マトリクスに結合した。続いて、これらの新たに形成されたヒドロゲルは、次いで、チオール付近に多数のエステルを有し、このエステルは、加水分解的に不安定であることが示された。この不安定性は、ゲルがゆっくりと分解し、そして新たに形成された組織によって置換されることを可能にする。
これらの粒子状ゲルは、マトリクスに共有結合したRGDおよびPTHにより加水分解可能であり、これらを、ヒツジ穿孔欠損モデルにおいて試験し、マトリクス結合C−PTH1−34の骨成長を増強させる能力を試験した。増強量を決定するために、0μg/mL、100μg/mLおよび400μg/mLのPTH1−34融合ペプチドを、マトリクスに付加した。これを行った後、骨形成の増加を、PTH1−34の付加により観測した。各試験において、治癒応答を、8週間の同じ時点で測定した。これを空のままで残っている欠損と比較した。PTH融合タンパク質を有さない合成加水分解可能マトリクスを、使用した場合、治癒応答は、約40%であると測定された。このことは、40%の元の欠損容積が、新たに形成された組織で満たされたことを意味する。次いで、400μg/mLの改変されたPTH1−34融合ペプチドを使用した場合、治癒応答は、約60%まで増加した。比較において、この欠損が、空のままである場合、約10%が、石灰化組織で満たされた。このデータを以下の表6に示す。
表6.改変されたPTHの有無による、合成マトリクスによる治癒応答。
Figure 2005517658
空の欠損と比較して、加水分解可能なpegゲル単独の付加は、骨治癒において多大な効果を有し、石灰化組織の量を300%増加した。PTH1−34をこのマトリクスに連結した場合、治癒は、マトリクスが単独で使用される場合より50%高いレベルにまでさらに増加し、欠損が空のままである場合に得られる治癒レベルより500%高かった。
図1は、プラスミン分解ペプチド含有フィブリンゲルおよび遊離ペプチドの蛍光検出クロマトグラムである。組込まれたαPI1−7−ATIII121−134ペプチド(−)、組込まれたペプチドを含む分解されたフィブリンゲルに添加された同じ遊離ペプチド(・・・)、および遊離ペプチド単独(−−)を用いる、分解されたフィブリンゲルのサイズ排除クロマトグラフィーを示す。N−末端ロイシン残基を、ダンシル化(dLと略される)した。遊離ペプチドは、凝固の間にフィブリンゲルに組込まれたペプチドより長い時間で溶出し(これは、より低い分子量に対応する)、このことは、分解されたフィブリンに対する共有結合、従って、第XIIIa因子活性の作用による共有結合的組込みを示す。 図2は、dLNQEQVSPLRGD(配列番号1)の、外来性第XIII因子が加えられたフィブリンゲルへの取込みのグラフである。1U/mLが加えられる場合、組み込みレベルは、増加し、その結果、25molペプチド/molフィブリノゲンより上が達成され得た。 図3は、ビドメイン(bidomain)ペプチドのdLNQEQVSPLRGD(配列番号1)の、未希釈フィブリングリューへの組み込みのグラフである。3つの別個のキットを試験し、そして各場合において高レベルの組み込みが観察され得、25molペプチド/molフィブリノゲンに達した。最大組み込みに必要な外来性ペプチドの濃度は、おそらく生成される高密度のフィブリンマトリクス内の拡散限界に起因して、少なくとも5mMであった。この組み込みレベルは、非常に一貫しており、各キットは、類似の組み込みプロフィールを提供した。
【配列表】
Figure 2005517658
Figure 2005517658
Figure 2005517658
Figure 2005517658
Figure 2005517658
Figure 2005517658

Claims (19)

  1. 融合ペプチドであって、該融合ペプチドは、以下:
    PTHを含む第1のドメインおよび
    共有結合的に架橋可能な基質ドメインを含む第2のドメイン
    を含む、
    融合ペプチド。
  2. 前記第1のドメインと前記第2のドメインとの間の分解部位をさらに含む、請求項1に記載の融合ペプチド。
  3. 前記PTHが、PTH 1−84、PTH 1−28、PTH 1−34、PTH 1−31およびPTH 1−25からなる群から選択される、請求項1に記載の融合ペプチド。
  4. 前記PTHがPTH 1−34である、請求項3に記載の融合ペプチド。
  5. 前記第2のドメインが、トランスグルタミナーゼ基質ドメインを含む、請求項1に記載の融合ペプチド。
  6. 前記第2のドメインが、第XIIIa因子基質ドメインを含む、請求項5に記載の融合ペプチド。
  7. 前記第XIIIa因子基質ドメインが、配列番号12を含む、請求項6に記載の融合ペプチド。
  8. 前記第2のドメインが、少なくとも1つのシステインを含む、請求項1に記載の融合ペプチド。
  9. 前記分解部位が、酵素的分解部位または加水分解性分解部位である、請求項2に記載の融合ペプチド。
  10. 前記分解部位が、酵素的分解部位であって、該酵素的分解部位が、プラスミンおよびマトリクスメタロプロテイナーゼからなる群から選択される酵素によって切断される、請求項8に記載のペプチド。
  11. 請求項1〜10に記載の融合ペプチドを含むキット。
  12. フィブリノゲン、トロンビンおよびカルシウム供給源をさらに含む、請求項11に記載のキット。
  13. 前記キットが、架橋酵素をさらに含む、請求項11に記載のキット。
  14. 請求項1〜10に記載の融合ペプチドを含む、細胞の増殖または内方増殖に適切なマトリクスであって、該融合ペプチドは該マトリクスに共有結合される、マトリクス。
  15. 前記マトリクスがフィブリンである、請求項14に記載のマトリクス。
  16. 請求項14に記載のマトリクスであって、該マトリクスは、n個の求核基を含む第1の前駆体分子とm個の求電子基を含む第2の前駆体分子との間でマイケル型付加反応によって形成され、ここでnおよびmは少なくとも2であり、そしてn+mの合計は少なくとも5である、マトリクス。
  17. 請求項16に記載のマトリクスであって、前記求電子基は不飽和基に結合体化され、そして該求核基は、チオールおよびアミンからなる群から選択される、マトリクス。
  18. 前記マトリクスがポリエチレングリコールを含む、請求項14に記載のマトリクス。
  19. マトリクスを作製するための方法であって、該方法は、以下:
    架橋されたマトリクスを形成し得る少なくとも1つのマトリクス材料を提供する工程であって、ここで該マトリクス材料は、タンパク質および合成材料からなる群から選択される、工程、
    請求項1〜10に記載の融合ペプチドを該マトリクス材料に添加する工程、および
    該マトリクス材料を架橋し、その結果、該融合ペプチドが第2のドメインを通ってマトリクスに結合される工程
    を包含する、
    方法。
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