JP2005515214A - 組織因子経路インヒビター(tfpi)の低量投与による敗血症の処置 - Google Patents

組織因子経路インヒビター(tfpi)の低量投与による敗血症の処置 Download PDF

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Abstract

敗血症または敗血症ショックを予防的または治療的に処置するための方法は、組織因子経路インヒビター(TFPI)またはTFPIアナログを、敗血症または他の炎症状態に苦しむ患者に投与する工程を包含する。この方法は、有害な副作用を避けるために、TFPIまたはTFPIアナログの低用量での連続静脈内注入の使用を含む。1つの実施形態において、敗血症を処置する方法であって:敗血症を有するか、または敗血症になる危険性のある患者にTFPIまたはTFPIアナログを、少なくとも約72時間の投与期間、約0.00025〜約0.050mg/kg/時間の投与速度での参照ala−TFPIの投与と同等の投与速度で連続静脈内注入によって投与する工程、を包含する方法が提供される。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2001年10月15日に出願された仮出願番号60/328,806に対する優先権を主張し、その全体が、本明細書中で参考として援用される。
(発明の分野)
本発明は、敗血症、敗血症性ショック、および急性または慢性炎症を予防的および治療的に処置し、一方では有害な副作用を最小限にするための方法である。より詳細には、敗血症および敗血症性ショックと関連する増幅または活性生理的経路を減衰させるために、これは、低量の組織因子経路インヒビタータンパク質を投与する工程を包含する。
敗血症およびその続発性敗血症性ショックは、手術後および危険な病気にある患者において最も恐れられる合併症である。疾病コントロールセンターは、米国における死亡の主要原因の第13番目として(MMWR,1987,39:31およびUS Dept.of Health and Human Services,37:7, 1989)、そして高齢アメリカ人の間の死亡の主要原因の第10番目として(MMWR,1987,32:777を参照)敗血症を列する。これらの疾患の発生数は、増加し、そして死亡率は、高いままである。敗血症を有する患者の医療は、毎年数百万ドルのコストがかかることが見積もられる(MMWR,1987,39:31)。死亡は、28%〜60%の患者に生じ、そしてこのパーセンテージは、20年以上の間いかなる評価可能な改善は見られてない。グラム陽性細菌感染およびグラム陰性細菌感染は、敗血症および敗血症性ショックに等しくつながるようである。
敗血症は、感染の観点では、細菌、真菌、寄生生物、ウイルス、およびそれらの産物(例えば、グラム陰性細菌の内毒素)を含む種々の微生物の蔓延から生じる有毒な状態である。敗血症(septicemia)は、敗血症(sepsis)の形態であり、そしてより詳細には、感染の観点では、細菌性産物の血流への浸潤から生じる有毒な状態である。敗血症は、多くの経路(いくつかは、感染初期段階に関連し、そしていくつかは、細菌の内毒素の全身系への効果に関連する)でショックを生じ得る。例えば、敗血症において、炎症誘発性サイトカイン(IL−1、IL−6およびTNFのような)に加えて、細菌性産物が凝固システムを活性化しそして血小板凝集を開始する。このプロセスは、高度増殖全身性炎症および臨床症状(血圧急降下および最終には腎、心臓および肺不全)と関連する広くいきわたった血餅化または重度の出血につながる。
敗血症性ショックは、不適正組織灌流によって特徴づけられ、組織への不十分な酸素供給、低血圧症および尿量過少症につながる。細菌およびその産物(LPSのような)を含む微生物が直接免疫機構ならびに凝固、および補体系(一連のクロストーク機構によってお互いを次々と増幅する)を含む他の宿主防衛機制を直接活性化するので、敗血症性ショックが、生じる。これらの宿主防衛機制の重複増幅は、最終的に細胞傷害および多臓器不全を導く微小血管における変更血流を生じる。微生物は、しばしば古典的補体経路を活性化し、そして内毒素は、代替経路を活性する。補体活性、ロイコトリエン産出、および好中球に対する内毒素の直接的効果は、肺におけるこれらの炎症性細胞の蓄積、酵素の放出および毒性酸素ラジカル(肺動脈内皮を損傷しそして急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を開始する)の産生につながる。ARDSは、敗血症性ショックを有する患者における死亡の主要原因であり、そして肺性うっ血、顆粒凝集、出血、および毛細管血栓によって特徴付けられる。
劇症播種性血管内凝固症候群(DIC)(過剰凝固または重度の出血によって特徴付けられる)は、敗血症患者の80%に及んで生じることが見られ、そして全ての型の凝固異常は、より頻繁である(Leviら,Thromb.Haemost.82:695〜705頁,1999)。凝固は、最終的に多臓器不全(重度の敗血症患者における死亡の主要直接原因である)につながり得る。DICは、小脈管において広く行き渡るフィブリン沈着によって特徴付けられる、微生物の侵入に応じて生じる凝固異常疾患である。DICの開始原因は、トロンボプラスチン(組織因子)の血液循環への放出であることは明白である。このプロセスの間、フィブリノゲンおよび血小板の減少があり、そして血管におけるフィブリン沈着を生じさせるフィブリン分離産物の上昇がある。患者は、この疾患プロセスの間、凝固プロテアーゼインヒビターの消耗の程度に依存して、血栓症または出血のいずれかに苦しむ。DICの共通合併症のいくつかは、重度の臨床出血、血栓症、組織虚血および壊死、溶血および臓器不全である。この凝固カスケードの調節の一部は、血流の速度に依存する。流れが減少される場合(DICおよび敗血症においてそうであるように)、この問題は大きくなる。DIC(臨床的に中度〜重度形態)は、敗血症性ショック患者およびいくつかの他の症候群(頭部の外傷およびやけど、産科の合併症、輸血反応、および癌のような)において高頻度で生じることが考えられる。
DICは、種々の炎症性状態と関連する。敗血症患者において、DICおよび急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は、7日目までの死亡のうち、もっとも予測的な変数である(リスク比4および2.3)(Martinら,1989,Natural History in the 1980s,要約番号317,ICAAC会議,Dallas)。敗血症事象のカスケード(内皮上での組織因子の発現または血液への組織因子の曝露および組織因子の血液循環への放出を含む)、非常に複雑である。種々のサイトカインが活性化単球、内皮細胞、および他のものから放出される。これらのサイトカインとしては、腫瘍壊死因子(TNF)、インターロイキン 1(IL−1)(組織因子発現をアップレギュレートすることが公知である)、インターロイキン 6(IL−6)、γインターフェロン(IFNγ)、インターロイキン 8(IL−8)、および他のものが挙げられる。敗血症患者の血漿中のC3aおよびC5aレベルの上昇によって立証されるように、補体カスケードもまた、活性化される。
組織因子経路インヒビター(TFPI)は、哺乳動物血漿中に存在するセリンプロテアーゼインヒビターである。Thomas,Bull.Johns Hopkins Hosp.81,26(1947);Schneider,Am.J.Physiol.149,123(1947);Broze and Miletich,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,1886(1987)。TFPIはまた、組織因子インヒビター、組織トロンボプラスチンインヒビター、第III因子インヒビター、外因性経路インヒビター(EPI)、およびリポタンパク質関連凝固インヒビター(LACI)として公知である。「組織因子経路インヒビター」(TFPI)との名称は、1991年6月30日に、International Society on Thrombosis and Hemostasisによって採択された。
血液凝固活性は、流体血液の固体ゲルまたは凝血塊への転換である。加えて、凝固プロテアーゼの消費は、過剰な出血につながる。フィブリン自体は、全凝血塊の0.15%を形成するに過ぎないが、主要な事象は、溶解性フィブリノーゲンの不溶性フィブリン鎖への転換である。この転換は、複雑な酵素カスケードにおける最終段階である。この成分(因子)は、チモーゲン(タンパク質分解酵素の不活性前駆体)として存在し、これらは、特定の部位でのタンパク質分解切断によって活性酵素に転換される。少量の1つの因子の活性化は、次の因子のより多量の形成などを触媒し、極度に迅速なフィブリンの形成を生じる増幅を生じる。
凝固は、第VIIa因子を組織因子(TF)に曝す脈管損傷によって開始されると考えられ、これは、内皮の下の細胞上で発現される。第VIIa因子−TF複合体は、第X因子を第Xa因子へと切断し、そして第IX因子を第IXa因子へと切断する。TFPIは、第VIIa因子および第Xa因子の両方に結合する。TFPI、第VIIa因子(TFと結合している)と第Xa因子との間に形成された複合体は、維持された止血に必要な第Xa因子および第IXa因子の形成をさらに阻害する。Broze,Jr.、Ann.Rev.Med.46:103(1995)。
血流に直接導入された、細菌内毒素による凝固カスケードの活性化は、動脈表面への過度のフィブリン沈積、ならびに、フィブリノーゲン、プロトロンビン、第V因子および第VIII因子、ならびに血小板の枯渇を生じ得る。さらに、フィブリン溶解系が刺激され、フィブリン分解産物のさらなる形成が生じる。
凝固活性化が、細菌産物(例えば、エンドトキシン)によって明らかに開始されると同時に、反対の機構はまた、凝血、すなわち、フィブリン溶解系の活性化によって活性化されるようである。活性化された第XIII因子は、プラスミノーゲンプロアクチベーターをプラスミノーゲンアクチベーターに転換し、これは次にプラスミノーゲンをプラスミンに転換して、それによって、凝血塊溶解を媒介する。それゆえに、血漿フィブリン溶解系の活性化はまた、出血傾向の一因となる。
内毒血症は、組織プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター(PAI)の循環レベルの増加に関連する。このインヒビターは、組織プラスミノーゲンアクチベーター(TPA)を迅速に不活化し、それによって、プラスミノーゲンのプラスミンへの活性化を介するフィブリン溶解を促進する能力を妨げる。フィブリン溶解を損なうことにより、血管中へのフィブリン沈積を引き起こし得、従って、敗血症ショックに関連するDICの一因となる。
敗血症および関連凝固障害の予防または処置のための満足のいく介入を同定するための努力が続いている。凝固経路を妨害する薬剤は、敗血症性ショックの治療的処置または予防的処置としては、必ずしも効果的ではない。例えば、ヘパリンは、一般的に使用されている抗凝固剤である。しかし、ヘパリンの使用の管理は、困難である。なぜなら、ヘパリンは、過度の出血を誘発し得るか、または凝固異常を減衰させ得るが、生存利益は提供し得ない。Aokiら、「A Comparative Double−BLIND randomized Trial of Activated Protein C and Unfractionated Heparin in the Treatment of Disseminated Intravascular Coagulation」、Int.J.Hematol.75、540〜47(2002)を参照のこと。幾つかの臨床試験では、主に劇症DICが顕著な特徴である髄膜炎菌内毒血症において、ヘパリン処置による敗血症における死亡率の減少の実証は失敗に終わっている。例えば、Corriganら、「Heparin Thrapy in Septacemia with Disseminated Intravascular Coagulation.Effect on Mortality and on Correction of Hemostatic Defects」、N.Engl.J.Med.283:778〜782(1970);Laschら、「Heparin Therapy of Diffuse Intravascular Coagulation(DIC)」、Thrombos.Diathes.Haemorrh.、33:105(1974);Straub、「A Case Against Heparin Therapy of Intravascular Coagulation」、Thrombos.Diathes.Haemorrh.、33:107(1974)を参照のこと。
凝固カスケード活性を減衰させ、そして炎症性応答を改善し、そして内毒素と結合する公知の能力に起因して、TFPIは敗血症を処置するために有用な薬剤として提案される。組換えヒトala−TFPI(TFPIアナログ)の投与は、敗血症の動物モデルにおいて生存率の改善を示してきた。例えば、米国特許第6,063,764号を参照のこと。内因性タンパク質として、TFPIは、十分に許容される。静脈内注入または皮下注射によるTFPI投与は、凝血能を低下させることが示されており、これは、増加したプロトロンビン時間(PT)として表わされる。動物およびヒトの研究において、PTの延長は、血漿TFPIの増加に対して線形的に関連する。A.A.Creasey、Sepsis 3:173(1999)。
敗血症の致死的作用を阻害し、そして同時に、潜在的に重篤な副作用を最小限にする処置アプローチの必要性が、当該分野において存在したままである。
(発明の要旨)
本発明の1つの実施形態は、敗血症処置方法(敗血症に罹患するか、またはその発症の危険性のある患者にTFPIまたはTFPIアナログを、少なくとも約72時間の投与期間で、約0.00025〜約0.050mg/kg/時間の投与速度での参照ala−TFPIの投与と同等の投与速度で連続静脈内注入することによって投与する工程を包含する)である。
本発明の別の実施形態は、敗血症の危険性および重症度を減少させるための予防方法(敗血症に感受性であるか、または敗血症であると推測される患者にTFPIまたはTFPIアナログを、少なくとも約72時間の投与期間で、約0.00025〜約0.050mg/kg/時間の投与速度での参照ala−TFPIの投与と同等の投与速度での連続静脈内注入することによって投与する工程を包含する)である。
本発明の別の実施形態は、敗血症および敗血症性ショックを含む急性炎症を予防的および治療的に処置するための方法(患者に(i)TFPIまたはTFPIアナログの、約0.00025〜約0.050mg/kg/時間の投与速度での参照ala−TFPIの投与と同等の投与速度での連続静脈内注入ならびに(ii)抗生物質、モノクローナル抗体、サイトカインインヒビター、および補体インヒビターからなる群から選択されるさらなる薬剤を投与する工程を包含する)である。
本発明の別の実施形態は、DICと関連せずおよびTNF、IL−1、または別のサイトカインが組織因子発現をアップレギュレートする疾患状態を処置するための方法であり、患者にTFPIまたはTFPIアナログからなる群から選択される薬剤を、少なくとも約72時間の投与期間で、約0.00025〜約0.050mg/kg/時間の投与速度での参照ala−TFPIの投与と同等の投与速度で連続静脈内注入投与する工程を包含する。好ましい実施形態において、疾患状態は、慢性または急性炎症である。別の好ましい実施形態では、前記患者は、前記投与期間に減少する血漿IL−6濃度を有する。
他の実施形態は、前記TFPIアナログが、非グリコシル型ala−TFPIである、任意の上記実施形態を含む。
他の実施形態は、前記TFPIアナログが、配列番号1のアミノ酸19〜89からなる第1のKunitzドメインを含む、任意の上記実施形態を含む。好ましい実施形態では、前記TFPIアナログは、さらに配列番号1のアミノ酸90〜160からなる第2のKunitzドメインを含む。
他の実施形態は、前記TFPIアナログが、配列番号1のアミノ酸1〜160を含むか、または前記TFPIアナログが、配列番号1のアミノ酸90〜160からなる第2のKunitzドメインを含む、任意の上記実施形態を含む。
他の実施形態は、前記投与速度が、約0.010〜約0.045mg/kg/時間の投与速度での参照ala−TFPI投与と同等である、任意の上記実施形態を含む。好ましい実施形態において、前記投与速度は、約0.025mg/kg/時間の投与速度での参照ala−TFPI投与と同等である。
他の実施形態は、前記投与期間が、少なくとも約96時間である、任意の上記実施形態を含む。
他の実施形態は、前記投与速度が、約0.024〜約4.8mg/kgの合計用量での参照ala−TFPIの投与と同等の合計用量を提供するように投与される、任意の上記実施形態を含む。
他の実施形態は、前記投与速度が、少なくとも約0.006mg/kgかつ約1.2mg/kg未満の1日の用量での参照ala−TFPIの投与と同等の1日の用量を提供するように投与される、任意の上記実施形態を含む。
他の実施形態は、前記TFPIまたは前記TFPIアナログが、少なくとも約1.2のベースライン国際標準比(INR)を有する患者に投与される、任意の上記実施形態を含む。
他の実施形態は、任意の上記実施形態を含み、さらに前記患者が、ベースラインINRを少なくとも20%超えるか、または少なくとも約2.5の値を有するかのいずれかのINRを有する場合、前記TFPIまたはTFPIアナログを投与する工程を終了させる工程を包含する。
他の実施形態は、前記患者が、少なくとも20のAPACHE IIスコアを有する、任意の上記実施形態を含む。
他の実施形態は、前記患者が、少なくとも約1000pg/mlのベースライン血漿IL−6濃度を有する、任意の上記実施形態を含む。
他の実施形態は、前記患者がショックに苦しむ、任意の上記実施形態を含む。
他の実施形態は、前記患者がARDSに苦しむ、任意の上記実施形態を含む。
他の実施形態は、前記患者が、前記投薬期間の間に増加する肺スコア、ICUスコア、また多臓器不全を有する、任意の上記実施形態を含む。
他の実施形態は、前記TFPIまたはTFPIアナログが、TFPIまたはTFPIアナログ含む凍結乾燥した組成物から調製される、任意の上記実施形態を含む。
他の実施形態は、前記TFPIまたはTFPIアナログが、アルギニンを含む処方物として投与される、任意の上記実施形態を含む。
他の実施形態は、前記TFPIまたはTFPIアナログが、シトレートを含む処方物として投与される、任意の上記実施形態を含む。
他の実施形態は、前記TFPIまたはTFPIアナログが、約300mMのアルギニン塩酸塩および約20mMのクエン酸ナトリウムを含み、かつpHが約5.5を有する処方物中で、約0.15mg/mlの濃度を有する、任意の上記実施形態を含む。
他の実施形態は、任意の上記実施形態を含み、前記投与期間の間または24時間の以内で、抗生物質、抗体、エンドトキシンアンタゴニスト、抗凝固活性を有する組織因子アナログ、免疫賦活剤、細胞接着ブロッカー、ヘパリン、BPIタンパク質、IL−1アンタゴニスト、pafase(PAF酵素インヒビター)、TNFインヒビター、IL−6インヒビター、および補体のインヒビターからなる群から選択されるさらなる薬剤を投与する工程をさらに包含する。好ましい実施形態において、上記さらなる薬剤は、抗体であり、この抗体は、TNF、IL−6、およびM−CSFからなる群から選択される抗原に特異的に結合する。
本発明のさらなる実施形態は、詳細な説明と共に以下に参照される図面を考慮して明らかである。
(発明の詳細な説明)
TFPIまたはTFPIアナログの連続低投薬量投与は(本明細書中で以後「低用量TFPI投与」と称される)は、敗血症の予防および処置において効果的であり、より高用量で処置された患者の何人かにおいて見られる潜在的に有害な合併症を有意に最小限にする。概して、低用量TFPI投与は、少なくとも約0.00025mg/kg/時間かつ約0.050mg/kg/時間未満の投与速度での参照ala−TFPIの投与と同等の投与速度でのTFPIまたはTFPIアナログの連続静脈注入によって実行される。
低用量TFPI投与は、急性炎症または慢性炎症(敗血症または敗血症性ショックを含む)を阻害するかまたは減衰させる。低用量TFPI投与が、少なくとも3日間継続される場合、敗血症による死亡の危険性は減少し、一方で有害な副作用、特に出血性障害に由来する合併症の割合が、TFPIのより高用量での投与に比較して最小限になる。
低用量TFPI投与のさらなる利点は、十分高い用量で、TFPIの血漿濃度を減少させ得る、耐性効果を回避することである。耐性効果は、約850ng/mlの血漿TFPI濃度で最大の半分で刺激される一方、低用量TFPI投与を用いると、血漿レベルは、一般的に500ng/ml未満にとどまる。
本発明は、敗血症のような炎症性障害の処置におけるTFPIの効果とTFPIアナログの効果との間の最適バランスおよび有害な副作用(より高用量または投与に関する代替的ストラテジーから生じ得る)の回避を達成する。低用量TFPI投与はまた、敗血症に関する凝固障害(例えば、播種性血管内凝固症候群(DIC)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、および多臓器不全)の予防および処置において効果的である。
TFPIまたはTFPIアナログが、少なくとも約0.00025mg/kg/時間(0.00417μg/kg/分)かつ約0.050mg/kg/時間(0.833μg/kg/分)未満での投与速度での参照ala−TFPIの投与と同等の投与速度で投薬される場合、敗血症および他の炎症状態の処置におけるその効力は維持され、そして出血のような有害な副作用は、最小限にされる。最適に組み合わせられた効力および安全性のために、投与速度は、好ましくは、少なくとも約0.010mg/kg/時間(0.167μg/kg/分)かつ約0.045mg/kg/時間(0.833μg/kg/分)未満での参照ala−TFPIの投与速度と同等、または少なくとも約0.020mg/kg/時間および約0.040mg/kg/時間未満での参照ala−TFPIの投与速度と同等であり、そして最も好ましくは、約0.025mg/kg/時間(0.417μg/kg/分)の参照ala−TFPIの投与速度と同等である。投与経路は、概して、静脈内投与であり、連続静脈内注入が好ましい。注入は、少なくとも約72時間、96時間、120時間、または240時間にわたって投与され得る。好ましくは、連続注入は、3〜8日間、より好ましくは3〜6日間、そして最も好ましくは約4日間にわたって投与され得る。連続注入による投与とは、この注入が、処方された持続期間のほとんどの間実質的な中断なしに、ほぼ処方された速度で維持されることを意味する。あるいは、間欠性静脈内注入も使用され得る。間欠性注入が使用される場合、時間で平均化された投与速度(上述される連続注入のための投与速度と同等である)が、使用されるべきである。さらに、間欠性注入のプログラムは、注入を使用することで得られる最大濃度を約20%以下上回る最大血漿濃度を生じなければならない。患者内での有害な反応、特に出血を含む副作用の回避のために、この投与速度は、約0.050mg/kg/時間での参照ala−TFPIの連続静脈内注入と同等な投与速度未満であるべきである。
本明細書中に記載される全ての用量(投与速度および総用量を含む)は、実際には、プロトロンビンアッセイ(以下を参照のこと)でのタンパク質濃度および生物学的活性のような量の決定における不可避の不正確さに起因して、10%までの変動を生じる。つまり、本明細書中で提示される用量より10%まで高いかまたは10%まで低い、任意の実際に投与される用量は、ほぼ提示された用量であるとみなされる。この理由のために、全ての用量は、「約」特定用量として提示されている。例えば、「約0.025mg/kg/時間」と記述される用量は、0.0225〜0.0275mg/kg/時間の範囲にわたる任意の実際の用量と同等であるとみなされる。
TFPIまたはTFPIアナログのボーラス注射または短時間のより高い注入速度はまた、後に低用量のTFPI投与が続く場合に、本発明の実施において使用され得る。例えば、ボーラス注射またはより高い注入速度は、患者の循環における投与されたTFPIまたはTFPIアナログの平衡時間を減少させるために使用され得る。その際に、TFPIの最終定常状態の血漿中レベルは、より迅速に達成され得、そしてTFPIに対するレセプターはより速く飽和され得る。参照ala−TFPIの約0.025mg/kg/時間で2時間にわたるヒトへの投与は、TFPI(およびala−TFPI)の血漿中レベルを約80ng/mlから約125ng/mlに増加させるか、または約50%増加させる。注入速度が高められるかまたはボーラス注射が使用される場合、同じレベルはより速く達成される。注入が定常状態を得られるまで続けられる場合、より高い注入速度は、より高いレベルを生じる。敗血症に罹患した患者において、約0.050mg/kg/時間での参照ala−TFPI投与に対する定常状態レベルは、約300ng/mlであり、そして約0.33mg/kg/時間または0.66mg/kg/時間での参照ala−TFPI投与に対しては、少なくとも約2μg/mlである。
単回連続注入または分割注入用量で宿主に投与される1日の合計用量は、例えば、少なくとも約0.006mg/kg/日〜約1.2mg/kg/日未満の参照ala−TFPIの投与と同等の量であり得、より通常は、約0.24mg/kg/日〜約1.2mg/kg/日未満の参照ala−TFPIの投与と同等の量であり得、そして好ましくは約0.6mg/kg/日の参照ala−TFPIと同等の量であり得る。この範囲内でのより低い量は、予防または他の目的のために有用であり得る。本発明の投与プロトコルはまた、患者に投与される合計用量としても表され得る。合計用量は、注入速度と総注入時間との数学的積である。例えば、参照ala−TFPIについての好ましい投与速度(約0.025mg/kg/時間)および好ましい注入時間(96時間)において、合計用量は、体重1kgあたり約2.4mgの参照ala−TFPIである。本発明に従って投与されるTFPIの合計用量は、少なくとも約0.75μg/kgかつ約4.8mg/kg未満の参照ala−TFPIと同等である。好ましくは、合計用量は、少なくとも約1mg/kgかつ約4.8mg/kg未満の参照ala−TFPIと同等である。より好ましくは、合計用量は、約2.4mg/kgの参照ala−TFPIと同等である。
投薬レジメンを調整するために使用され得る1つの因子は、個々の患者の凝固機能であり、これは、代表的にはプロトロンビン時間(PT)アッセイ、すなわち国際標準比(INR)を用いて測定される。INRは、PTアッセイの標準化であり、ここで、このアッセイは国際参照トロンビン試薬に対して較正される。例えば、R.S.Rileyら、J.Clin.Lab.Anal.14:101〜114(2000)を参照のこと。健康なヒトボランティアにおけるala−TFPIに対するINR応答は、認められる血漿中濃度の範囲にわたってほぼ直線である(図3)。INRにおける全体な変化は、血漿ala−TFPI濃度の1μg/mlの増加あたり1.2単位であった。健康なボランティアおよび敗血症患者被験体からの組み合わせられたデータを基にした薬力学的モデルにおいて、ala−TFPIに対するINR応答は、対数INRがala−TFPIの血漿中濃度に対して線形な、対数線形モデルによって最も説明された。この応答の対数線形特性は、INRの高いベースライン(敗血症被験体に共通して見られる)を有する被験体が、おそらく、低ベースライン値を有する被験体(同レベルの循環ala−TFPIを有する)よりもより高い抗凝固応答に直面することを意味する。さらに、濃度応答曲線の傾きは、健康なボランティアにおいてよりも敗血症患者被験体においてより高いようであり、重度な敗血症を有する被験体が、ala−TFPIに対する増強した感受性を有し得ることを示唆する。この研究において、患者集団におけるala−TFPI投与速度は、約0.025mg/kg/時間での参照ala−TFPIと同等な用量から、約0.66mg/kg/時間での参照ala−TFPIと同等な用量の範囲であった。約0.025mg/kg/時間または約0.050mg/kg/時間での参照ala−TFPIと同等の投与速度を使用した敗血症患者でのala−TFPIのフェーズII研究からのデータは、患者(そのベースラインINRは、少なくとも1.2であった)においてala−TFPIによる死亡率のより大きな減少を示した(以下の表11を参照のこと)。従って、本発明のいくつかの実施形態において、低用量TFPI投与は、低用量TFPI投与前のベースラインINRが、少なくとも1.2、1.25、1.3、1.4、1.5、1.6、1.8、または2.0である患者に対してのみ実行される。他の実施形態において、低用量TFPI投与は、TFPI投与の投与速度を低下させることによって減少されるか、または患者のINRが少なくとも10%、15%、20%、25%、もしくは30%、またはそれ以上ベースラインを超えて増大する場合、あるいは患者のINRが少なくとも約2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、3.0、もしくは3.5のような危険なまでに高い値に到達する場合、完全に終えられる。
上述の投与レジメン(mg/kg/時間基準での投与速度および1日の合計用量を含む)は、「参照ala−TFPIの投与と同等である」用量として表される。このことは、この投与レジメンが「参照ala−TFPI」(成熟した、100%純粋な(タンパク質を基準)、適切に折り畳まれ、生物学的に活性な、非グリコシル化型ala−TNPIとして規定される)の用量に対して正規化することによって定量的に決定されることを意味する。ala−TFPIは、配列番号2に示されるアミノ酸配列のTFPIのアナログである。TFPIの他の形態もまた、本発明において使用され得、これらとしては、成熟した、完全長のTFPIおよびそのアナログが挙げられる(以下を参照のこと)。ala−TFPI以外のTFPIの形態および100%未満純粋なala−TFPIもしくは別のTFPIアナログの調製物を用いて本発明を実施するために適切な投与量範囲を決定するために、参照ala−TFPIについて本明細書中に記載される投与量範囲は、TFPIの特定形態の内因的な生物学的活性に基づいて調整され得、そしてさらに調製物の生物学的純度に基づいて調整され得る。TFPIまたはTFPIアナログの内因的な生物学的活性は、成熟した、100%の純度の、適切に折り畳まれたTFPIまたはTFPIアナログのプロトロンビンアッセイによって規定されるような比活性をいう。従って、同等な用量は、(参照ala−TFPI用量)/((相対的な内因性活性)×(生化学的純度))として算出され、相対的な内因性活性とは、(アナログの内因性活性)/(参照ala−TFPIの内因性活性)をいう。例えば、特定のTFPIアナログが、参照ala−TFPIの内因性生物学的活性の80%の内因性生物学的活性を有する場合、特定のTFPIアナログについて同等な用量は、参照ala−TFPIの用量値を0.8で除算することによって得られる。さらに、患者に投与される処方物が、例えば、90%だけ生物学的に純粋である(すなわち、10%の、TFPIの生物学的活性を欠く分子種を含む)場合、ala−TFPIについての参照用量値のさらなる補正は、この用量値を0.9で除算することによって実施される。従って、80%のala−TFPIの内因性活性を有しかつ90%の生物学的純度を有する仮想上のTFPIアナログが投与された場合、0.025mg/kg/時間での参照ala−TFPIの投与と同等な投与速度は、0.0347mg/kg/時間(すなわち、0.025/(0.8×0.9))である。
特定の調製物と同等な用量はまた、相対的な生物学的活性を決定することによって、内因性活性もしくは生物学的純度のいずれも知ることなしに決定され得る。相対的生物学的活性は、プロトロンビン時間アッセイを用いて、TFPI生物学的活性標準とTFPIアナログの特定の調製物とを比較することによって決定され得る。例えば、WO 96/40784の実施例9の方法に従って生成されたala−TFPI(約85〜90%生物学的に活性なala−TFPI分子種を含む)は、TFPI生物学的活性標準として使用され得る。WO 96/40784の実施例9の方法に従って生成されたala−TFPIは、プロトロンビンアッセイにおいて、参照ala−TFPIの約85〜90%の活性を有する。プロトロンビン時間標準曲線をプロットする際、凝固時間の対数はTFPI濃度の対数に対してプロットされる。TFPI生物学的活性標準が参照ala−TFPIの活性の85〜90%を有する場合、TFPI生物学的活性標準の濃度にプロットする前に0.85を乗じる場合の参照ala−TFPIについての標準曲線と同等な標準曲線が調製され得、その結果、プロットされた活性は100%純粋な参照ala−TFPIの活性と同等になる。特定のTFPIアナログ調製物についての凝固時間が標準曲線と比較される場合、参照ala−TFPIの同等な濃度は、この曲線から読み取られ得る。あるいは、標準曲線の直線部分の傾きが直線回帰分析によって得られる場合、この傾きは参照ala−TFPIに対するTFPI生物学的活性標準の活性に基づいて補正され得る。従って、特定のTFPIアナログ調製物の相対的生物学的活性は、アナログ調製物の活性に対する参照ala−TFPI活性の割合に等しい。例えば、特定のアナログが、1.00μgの参照ala−TFPIと同じプロトロンビン時間活性を生じるために1.43μgを必要とする場合、このアナログ調製物の相対的な生物学的活性は、1.00/1.43、すなわち0.7である。このアナログ調製物について、参照ala−TFPI用量と同等な用量は、参照ala−TFPI用量をアナログ調製物の相対的な生物学的活性で除することによって得られる。例えば、参照ala−TFPIについての0.025mg/kg/時間用量は、アナログの調製物の0.0357mg/kg/時間(すなわち、0.025/0.7)と同等である。
TFPIおよびTFPIアナログの生物学的活性は、プロトロンビンアッセイによって決定され得る。適切なプロトロンビンアッセイは、米国特許第5,888,968号およびWO96/40784に記載される。簡単には、プロトロンビン時間は、凝固測定器(coagulometer)(例えば、Coag−A−Mate MTX II、Organon Teknika)を使用することで決定され得る。適切なアッセイ緩衝液は、100mM NaCl、50mM トリス(pH7.5に調節された)であり、1mg/mlウシ血清アルブミンを含む。必要とされるさらなる試薬は、正常ヒト血漿(例えば、Organon Teknikaによる「Verify 1」)、トロンボプラスチン試薬(例えば、Organon Teknikaによる「Simplastin Excel」)、およびTFPI標準溶液(例えば、アッセイ緩衝液1mlあたり20μgの100%純粋な(またはそれと同等な)ala−TFPI)である。標準曲線は、TFPI標準溶液の一連の希釈物(例えば、1〜5μg/mlの範囲にある最終濃度まで)の凝固時間を分析することによって得られる。凝血時間の決定のために、このサンプル、またはTFPI標準は、第一にアッセイ緩衝液で希釈される。次いで、正常ヒト血漿が添加される。凝血反応は、トロンボプラスチン試薬の添加によって開始される。次いで、機器が凝血時間を記録する。直線のTFPI標準曲線は、凝血時間の対数 対 TFPI濃度の対数のプロットから得られる。この標準曲線は、100%純粋な標準物と同等なTFPI濃度と対応するように、TFPI標準の純度を基にして調整される。例えば、この標準物が、生化学的に97%純粋なala−TFPI調製物である(すなわち、TFPIの生物学的活性を有さない分子種を3重量%含む)場合、この標準物の各希釈物の濃度は、TFPIの実際の濃度を与えるために0.97を乗じられる。従って、97%純粋な調製物1mlあたりの実際の重量に基づいて1.0μg/mlであるTFPI標準は、1.0×0.97の濃度、すなわち0.97μg/mlと同等であり、そしてこの濃度として扱われる。
本明細書中で利用される場合、用語「敗血症」は、感染の中心からの細菌性内毒素の蔓延、および微生物またはそれらの産物の蔓延から生じる毒性状態を意味する。
本明細書中で利用される場合、用語「敗血症関連凝固障害」は、細菌性内毒素または微生物およびそれらの産物による凝固系活性化から生じるか、またはそれと関連する障害を意味する。このような敗血症関連凝固障害の例は、播種性血管内凝固症候群である。
概して、TFPIおよびTFPIアナログは、組織因子のアップレギュレーションに起因して生じる疾患について有用であり得、そしてこれゆえに、TF活性が、TNF、IL−1、または他のサイトカインによって引き起こされ得る。低用量TFPI投与は、患者のIL−6濃度または他のサイトカイン濃度を低下させ得る。低用量TFPI投与は、炎症(概して急性炎症および慢性炎症の両方を含む)を処置するために有用である。低用量TFPIによって処置され得る代表的な炎症状態としては、以下が挙げられる:関節炎、敗血症性ショック、再灌流障害、炎症性腸疾患、急性呼吸性疾患(急性呼吸窮迫症候群すなわちARDSを含む)、外傷、およびやけど。慢性または急性の炎症の処置において、TFPIおよびTFPIアナログは、抗敗血症方法における場合と同じ様式および同じ用量で投与され得る。
TFPIまたはTFPIアナログはまた、細菌性内毒素または微生物およびその産物が
循環中に存在することから生じる状態を処置するために使用され得る。そのような状態としては、菌血、腹膜炎、敗血症性ショックから生じる多臓器不全、およびDIC、ならびに重症肺炎および多臓器不全が挙げられる。
本明細書中で使用される場合、「TFPI」および「成熟した、完全長のTFPI」はどちらも、276アミノ酸残基を含み、そしてその配列が配列番号1において示される成熟ポリペプチドのことをいう。
用語「TFPIアナログ」とは、TFPI分子の誘導体、すなわち、1つ以上のアミノ酸の付加または置換(一般的に本質的に保存的なもの)、1つ以上のアミノ酸の欠失、あるいは1つ以上のアミノ酸への1つ以上の化学的部分の付加で改変された(これらの改変が、TFPIの生物学的活性を破壊しない限り)ヒトTFPI(配列番号1)の完全な276アミノ酸配列を含む分子をいう。ポリペプチドアナログを作るための方法は、当該分野で公知であり、そしてさらに以下に記載される。好ましいTFPIアナログは、N−L−アラニル−TFPI(ala−TFPI)であり、そのアミノ酸配列は、配列番号2において示される。TFPIアナログは、以下に記載されるような生物活性アッセイによって決定されるようなTFPIの活性のいくつかの基準を有する。TFPIおよびアナログに関する好ましい生物活性アッセイは、プロトロンビン時間(PT)アッセイである(上記参照のこと)。
特に好ましいTFPIアナログは、本質的に保存的な置換(すなわち、これらの側鎖に関連するアミノ酸のファミリー内で生じる置換)を含む。詳細には、アミノ酸は、一般的に以下の4つのファミリーに分類される:(1)酸性−−アスパラギン酸およびグルタミン酸;(2)塩基性−−リジン、アルギニン、ヒスチジン;(3)非極性−−アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;ならびに(4)非荷電性極性−−グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、およびチロシン。フェニルアラニン、トリプトファン、およびチロシンは、時々、芳香族アミノ酸として分類される。例えば、ロイシンのイソロイシンまたはバリンでの単独置換、アスパラギン酸のグルタミン酸での単独置換、トレオニンのセリンでの単独置換、または構造的に関連するアミノ酸での1つのアミノ酸の同様な保存的な置換は、生物学的活性に対して大きな影響を有さないことが、合理的に予測される。例えば、分子の所望の機能がインタクトのままである限り、目的のポリペプチドは、約1〜70までの保存的アミノ酸置換または非保存的アミノ酸置換(例えば、1、2、3、4、5、6〜50、15〜25、5〜10、または1〜70までの任意の整数)を含み得る。当業者は、本明細書中に規定されるような残存生物学的活性を保持する合理的な可能性のあるように改変され得る、目的の分子の領域を容易に決定し得る。
「相同性」は、2つのポリヌクレオチドまたは2つのポリペプチド部分の間のパーセント類似性をいう。2つのポリペプチド配列は、これらの配列が少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約75%、より好ましくは少なくとも約80%〜85%、好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95%〜98%の配列相同性、または特定の範囲の間での任意のパーセント相同性を、規定された分子の長さにわたって示す場合、互いに「実質的に相同」である。本明細書中で使用される場合、「実質的に相同」はまた、特定のポリペプチド配列に対して完全な同一性を示す配列をいう。
一般的に、「同一性」は、2つのポリペプチド配列のそれぞれ正確なアミノ酸 対 アミノ酸の対応をいう。パーセント同一性は、配列を整列し、2つの整列された配列の間の一致の正確な数を数え、短い方の配列の長さによって除算し、そしてその結果に100を掛けることによる、2つの分子の間の配列情報の直接比較によって決定され得る。
好ましくは、天然に存在するTFPIアナログまたは天然に存在しないTFPIアナログは、配列番号1に由来するTFPIに対して、少なくとも70%、80%、85%、90%または95%以上相同である、アミノ酸配列を有する。より好ましくは、これらの分子は、98%または99%相同である。パーセント相同性は、12のギャップ開放ペナルティーおよび2のギャップ伸長ペナルティー、ならびに62のBLOSUMマトリクスを用いたアフィンギャップ検索を使用する、Smith−Waterman相同性検索アルゴリズムを使用して決定される。Smith−Waterman相同性検索アルゴリズムは、SmithおよびWaterman,Adv.Appl.Math.2:482−489(1981)に教示される。
本発明によるTFPIならびにそのフラグメントおよびアナログは、グリコシル化型または非グリコシル化型のいずれかであり得る。成熟した、完全長のヒトTFPIは、276アミノ酸および約38,000ダルトンの分子量を有する血清糖タンパク質である。それは、組織因子活性の天然のインヒビターであり、従って凝固を活性化する。米国特許第5,110,730号は、組織因子(TF)について記載し、そして米国特許第5,106,833号は、TFPIについて記載する。TFPI cDNAクローニングは、Wunら,米国特許第4,966,852号において記載される。TFPIのフラグメントおよびアナログは、米国特許第5,106,833において記載される。ala−TFPIは、国際薬剤名「チファコギン(tifacogin)」のもとにまた公知であるTFPIアナログである。ala−TFPIは、成熟した、完全長のヒトTFPIの全アミノ酸配列およびそのアミノ末端に付加的なアラニン残基を含む。このala−TFPIのアミノ末端アラニン残基は、E.coli発現を改善し、そしてアミノ末端メチオニン残基である何か他のものの切断をもたらすためにTFPI配列の中に組み込まれた。米国特許第4,966,852号および同第5,212,091号を参照のこと。本発明の方法において使用されるTFPIおよびTFPIアナログは、細胞もしくは組織から生成され得るか、または原核細胞もしくは真核細胞のいずれかにおいて組み換え生成され得る。
成熟した、完全長のTFPIは、プロテアーゼインヒビターであり、そして3つのKunitzドメインを有する(2つは、それぞれ第VII因子および第Xa因子と相互作用することが公知である)。第3のドメインの機能は、未知のままである。TFPIは、不活性の、第Xa因子:TFPI:第VIIa因子:組織因子の4成分の複合体を形成することによって、インビボで凝固の開始を制限するために機能すると考えられる。Rapaport,Blood 73:359〜365(1989)およびBrozeら,Biochemistry 29:7539〜7546(1990)による総論を参照のこと。TFPIの多くの構造的特徴は、他の十分に研究されたプロテアーゼインヒビターとのその相同性から論理的に推理され得る。TFPIは酵素ではない、それゆえ、TFPIは多分化学量論的な様式でそのプロテアーゼ標的を阻害する、すなわち、TFPIのKunitzドメインの1つが、1つのプロテアーゼ分子を抑制する。好ましくは、Kunitzドメイン1および/または2が、本発明のTFPI分子中に存在する。Kunitzドメイン3の機能は、未知である。
(TFPIおよびTFPIアナログの獲得)
本発明の方法において使用されるTFPIおよびTFPIのアナログは、細胞または組織から単離および精製され得るか、化学的に合成され得るか、あるいは原核生物細胞または真核生物細胞のいずれかにおいて組換え産生され得る。
ala−TFPIは、E.coli宿主細胞を使用することで、組み換え非グリコシル化型タンパク質として発現される。E.coliにおいて生成された組み換えタンパク質をインビトロで再度折り畳むことによって高度に活性なala−TFPIを生じる方法が、記載されている。例えば、WO96/40784を参照のこと。
TFPIはまた、哺乳動物細胞宿主(Dayら,Blood 76:1538〜1545(1990)によって開示されるマウスC127細胞、Pedersenら,J.Biol Chem.265:16786〜16793(1990)によって報告される新生ハムスターの腎細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞およびヒトSKヘパトーム細胞を含む)を使用することで、組み換えグリコシル化型タンパク質として発現される。このC127 TFPIは、動物実験において使用され、そしてウサギにおける組織因子誘導脈管内凝固の抑制において(Dayら(前出))、イヌにおけるトロンビン溶解後の動脈の再閉塞の予防において(Haskelら,Circulation 84:821〜827(1991))、およびヒヒにおけるE.coli敗血症モデルの死亡率の低下において(Creaseyら,J.Clin.Invest.91:2850(1993))効果的であることが示されている。
TFPIは、いくつかの方法によって単離され得る。例えば、TFPIを分泌する細胞としては、老化内皮細胞、約3〜4日間TNFで処理された若い内皮細胞、また肝細胞、またヘパトーム細胞が挙げられる。TFPIは、従来の方法によってこの細胞培養から精製され得る。例えば、これらの方法としては、Pedersenら、1990,J.of Biological Chemistry,265:16786〜16793,Novotnyら、1989,J.of Biological Chemistry,264:18832〜18837,Novotnyら、1991,Blood 78:394〜400,Wunら、1990,J.of Biological Chemistry 265:16096〜16101,およびBrozeら、1987,PNAS(USA),84:1886〜1890に示される、クロマトグラフィー法が挙げられる。さらに、TFPIは、血流中に見られ、そして血液から精製され得る(Pedersenら(前出)を参照のこと)。しかし、十分量のTFPIを得るために大量の血液が、必要とされ得る。
TFPIおよびTFPIアナログは、米国特許第4,966,852号に示されるように組換え的に生成され得る。例えば、所望されるタンパク質に関するcDNAは、原核生物中または真核生物中における発現のためにプラスミドに組込まれ得る。米国特許第4,847,201号は、微生物の特定のDNA配列での形質転換およびこれらのDNA配列の発現について、詳細を提供する。微生物を使用したタンパク質の発現に関する詳細を提供する、当業者に公知の多くの他の参考文献が存在する。これらの多く(例えば、Maniatas,T,ら、1982,Molecular Cloning,Cold Spring Harbor Press)が、米国特許第4,847,201号に引用される。
微生物を形質転換し、そして、これらを使用して、TFPIおよびTFPIアナログを発現するための、種々の技術が利用可能である。以下は、可能なアプローチの単なる例である。TFPI DNA配列は、単離され、そして適切な制御配列に連結されなければならない。TFPI DNA配列は、米国特許第4,966,852号に示され、そしてpUC13またはpBR322のようなプラスミド(Boehringer−Mannheimのような企業から市販される)に組込まれ得る。一旦、TFPI DNAが、ベクター中に挿入されると、このDNAは、適切な宿主にクローン化され得る。DNAは、Mullisに対する米国特許第4,683,202号およびMullisらに対する米国特許第4,683,195号に示されるような技術によって増幅され得る。TFPI cDNAは、ヘパトーマ細胞(例えば、HepG2およびSKHep)のような細胞を誘導し、TFPI mRNAを作製し、次いでmRNAを同定および単離し、TFPIに対するcDNAを得るためにこれを逆転写することによって得られ得る。発現ベクターがE.coliのような宿主に形質転換された後、この細菌は、発酵され得、タンパク質が発現され得る。好ましい原核微生物は、細菌であり、E.coliは、特に好ましい。本発明で有用な好ましい微生物は、E.coli K−12(Budapest条約の条項の下で、1984年2月14日にATCCに寄託されたMM294株)である。受託番号39607である。
もちろん、多細胞生物由来の真核生物宿主細胞培養物において、ポリペプチドをコードする遺伝子を発現することもまた可能である。例えば、Tissue Culture,1973,CruzおよびPatterson編、Academic Pressを参照のこと。有用な哺乳動物細胞株としては、マウス骨髄腫N51、VERO、HeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、COS,C127、Hep G2、およびSK Hepが挙げられる。TFPIおよびアナログはまた、バキュロウイルス感染昆虫細胞において発現され得る(米国特許第4,847,201号;同第5,348,886号;および同第4,745,051号もまた参照のこと)。Pedersenら,1990,J.of Biological Chemistry,265:16786〜16793もまた参照のこと。真核生物細胞用の発現ベクターは、通常、哺乳動物細胞と適合性のプロモーターおよび制御配列(例えば、Simian Virus 40(SV40)由来の通常使用される初期プロモーターおよび後期プロモーター(Fiersら、1978,Nature,273:113)、または他のウイルスプロモーター(例えば、ポリオーマ、Adenovirus 2、ウシパピローマウイルス、またはトリ肉腫ウイルス由来のようなウイルスプロモーター)、または免疫グロブリンプロモーターおよび熱ショックプロモーター)を含む。哺乳動物宿主系形質転換の一般的な局面は、Axelによって、1983年、8月16日に発行された米国特許第4,399,216号に記載された。「エンハンサー」領域は、発現を最適化することにおいて重要であることが、ここでまた、明らかである;これらは、一般的に、プロモーター領域の上流に見出される配列である。複製起点は、必要な場合、ウイルス供給源から得られ得る。しかし、染色体への組み込みは、真核生物におけるDNA複製のための共通の機構である。ここで、植物細胞もまた、宿主として利用可能であり、植物細胞と適合性の制御配列(例えば、ノパリンシンターゼプロモーターおよびポリアデニル化シグナル配列など(Depicker,Aら、1982、J.Mol.Appl.Gen.,1:561))は、入手可能である。植物細胞の形質転換のための方法およびベクターは、1985年11月7日に公開されたPCT公開第WO85/04899に開示される。
哺乳動物細胞において発現されるTFPIおよびTFPIアナログの精製のために使用され得る方法は、ヘパリン−Sepharose、MonoQ、MonoS、および逆相HPLCクロマトグラフィーの連続的適用を含む。Pedersenら(前出);Novotnyら、1989,J.Biol.Chem.264:18832〜18837;Novotnyら、1991,Blood,78:394〜400;Wunら、1990,J.Biol.Chem.265:16096〜16101;Brozeら、1987,PNAS(USA),84:1886〜1890;米国特許第5,106,833号;および米国特許第5,466,783号を参照のこと。これらの参考文献は、哺乳動物産生TFPIを精製するための種々の方法を記載する。
さらに、TFPIおよびTFPIアナログは、細菌または酵母において産生され、続いて精製され得る。一般的に米国特許第5,212,091号;同第6,063,764号;および同第6,103,500号またはWO96/40784に示される手順が使用され得る。ala−TFPIおよび他のTFPIアナログは、WO96/40784およびGustafsonら、Prot.Express.Pur.5:233(1994)(これらは、本明細書中に参考として援用される)に従って、精製され、可溶化され、そして再折りたたみされ得る。例えば、WO96/40784の実施例9に従って調製される場合、成熟しており、適切に折りたたまれ、生物学的に活性であるala−TFPIとして、総タンパク質の約85重量%〜90重量%を含み、そして総タンパク質の約10重量%〜15重量%が1つ以上の酸化メチオニン残基を有する、ala−TFPIの調製物が得られ得る。これらの酸化形態は、プロトロンビンアッセイによって決定される場合、非誘導化ala−TFPIの生物学的活性に等価である生物学的活性を有し、そして本明細書中において開示される本発明において活性であることが予想される。残存物質は、ala−TFPIの種々の改変形態を含み、この形態としては、二量体化形態、凝集化形態、およびアセチル化形態が挙げられる。
TFPIおよびTFPIアナログは、有意な数のシステイン残基を有し得、そして米国特許第4,929,700号に示される手順は、TFPI再折りたたみに関連する。TFPIおよびアナログは、種々のクロマトグラフィー法(例えば、上記されるクロマトグラフィー法)によって緩衝溶液から精製され得る。さらに、米国特許第4,929,700号に示される方法が、使用され得る。任意の方法が、TFPIおよびTFPIアナログを精製するために使用され得、ヒトへの投与に適切な純度および活性のレベルを生じる。
TFPIまたはTFPI変異体は、化学的方法を使用してアミノ酸配列合成する工程(例えば、固相技術を使用する直接ペプチド合成(Merrifield,J.Am.Chem.Soc.85,2149〜2154,1963;Robergeら,Science 269,202〜204,1995))で生成され得る。タンパク質合成は、手動での技術を使用して、または自動化された技術によって実行され得る。自動化での合成は、例えば、Applied Biosystems 431A Peptide Synthesizer(Perkin Elmer)を使用することで達成され得る。必要に応じて、TFPIまたはTFPI変異体のフラグメントは、分けて合成され得、そして化学的な方法を使用して組み合わせられ、完全長の分子を生成し得る。
(処方物)
本発明に従って、TFPIおよびTFPIアナログの処方物は、好ましくは、静脈内注入によって投与される。本質的に連続的な静脈内注入が、好ましい。この投与を達成するための方法は、当業者に公知である。注入は、中心系(好ましくは)または末梢系によって実行され得る。投薬速度の大きな変動が避けられるべきであるのに対して、投与されたTFPIの得られる血漿レベルが、本発明の好ましい実施形態に従う一定の投与速度での連続注入から予想されるレベルの20%以内である場合、本発明の投与速度からの短期間の偏差は、許容される。
患者への投与の前に、製剤化剤は、TFPIおよびTFPIアナログに添加され得る。液体処方物が好ましい。TFPIおよびTFPIアナログは、異なる濃度で、異なる製剤化剤を使用し、そしてTFPIタンパク質の投与経路、TFPIタンパク質の溶解度、そしてTFPIタンパク質の安定性に適合性の任意の生理学的に適切なpHで処方され得る。静脈内注入のための好ましい処方物は、約0.6mg/mlまでのala−TFPI、300mMまでの塩酸アルギニン、およびpH5.0〜6.0のクエン酸ナトリウム緩衝液を含有する。アルギニン、NaCl、スクロース、およびマンニトールのような特定の溶質は、ala−TFPIを可溶化し、および/または安定化するために提供される。WO96/40784を参照のこと。静脈内注入のために特に好ましい処方物は、約0.15mg/mlの参照ala−TFPI、300mMの塩酸アルギニン、および20mM クエン酸ナトリウム(pH5.5)を含有する。TFPIおよびTFPIアナログはまた、150mM NaClおよび20mM リン酸ナトリウムまたは別の緩衝液(pH5.5〜7.2)中に(必要に応じて0.005%または0.01%(w/v)のポリソルベート80(Tween80)を補充して)、約0.15mg/mlまでの濃度で処方され得る。他の処方物は、150mM NaCl、8%(w/v)スクロース、または4.5%(w/v)マンニトールのいずれかを含む、10mM 酢酸ナトリウム(pH5.5)中に、約0.5mg/mlまでのTFPIまたはTFPIアナログを含有する。TFPIおよびTFPIアナログはまた、高塩を使用して、数mg/mlまでのより高い濃度で処方され得る。例えば、1つの処方物は、500mM NaClおよび20mM リン酸ナトリウム(pH7.0)中に、約6.7mg/mlまでのala−TFPIを含有する。
TFPIおよびTFPIアナログに関する製剤化剤のさらなる例としては、油、ポリマー、ビタミン、炭水化物、アミノ酸、塩類、緩衝剤、アルブミン、界面活性剤、または充填剤が挙げられる。好ましくは炭水化物としては、単糖類、二糖類、もしくは多糖類、または水溶性グルカンのような糖類または糖アルコールが挙げられる。糖類またはグルカンとしては、フルクトース、デキストロース、ラクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、スクロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、αおよびβシクロデキストリン、可溶性デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、およびカルボキシメチルセルロース、またはそれらの混合物が挙げられる。スクロースが最も好ましい。糖アルコールは−OH基を有するC〜Cの炭化水素と定義され、そしてガラクチトール(galactitol)、イノシトール、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、グリセロール、およびアラビトールを含む。マンニトールが最も好ましい。上述のこれらの糖または糖アルコールは、単独でまたは組み合わせて用いられ得る。糖類または糖アルコールが水性調製物中で可溶である限りは、用いられる量に確固たる制限はない。好ましくは、糖類または糖アルコール濃度は1.0w/v%と7.0w/v%との間であり、より好ましくは2.0と6.0w/v%との間である。好ましくは、アミノ酸は左旋性(L)体のカルニチン、アルギニン、およびベタインを含む;しかし、他のアミノ酸も加えられ得る。好適なポリマーとしては、平均分子量2,000と3,000との間のポリビニルピロリドン(PVP)、または平均分子量3,000と5,000との間のポリエチレングリコール(PEG)が挙げられる。凍結乾燥前または再構成後の溶液のpH変化を最小にするために、組成物中に緩衝液を用いることもまた好ましい。ほとんどの任意の生理緩衝液が用いられ得るが、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、コハク酸緩衝液、およびグルタミン酸緩衝液またはそれらの混合物が好ましい。好ましくは、緩衝液の濃度は0.01〜0.3Mである。処方物に添加され得る界面活性剤は、欧州特許第270,799号および同第268,110号に示される。
さらに、TFPIおよびTFPIアナログは、例えば、循環半減期を延長させるために、ポリマーを共有結合することで化学修飾され得る。好適なポリマー、およびペプチドにポリマーを結合させる方法は、米国特許第4,766,106号、同第4,179,337号、同第4,495,285号、および同第4,609,546号に示される。好適なポリマーは、ポリオキシエチル化ポリオールおよびポリエチレングリコール(PEG)である。PEGは室温で水に可溶であり、そして一般式:R(O−CH−CHO−R(ここでRは水素、またはアルキル基もしくはアルカノール基のような保護基であり得る)を有する。好ましくは、保護基は1個と8個との間の炭素を有し、より好ましくは保護基はメチル基である。記号nは、正の整数であり、好ましくは1と1,000との間、より好ましくは2と500との間である。好ましくは、PEGは、1000と40,000との間の平均分子量を有し、より好ましくは2000と20,000との間であり、最も好ましくは3,000と12,000との間である。好ましくは、PEGは、少なくとも1つのヒドロキシ基を有し、より好ましくはそれは1つの末端ヒドロキシ基である。このヒドロキシ基は好ましくは活性化されて、インヒビター上の遊離アミノ基と反応する。しかし、反応基のタイプおよび量は本発明の共有結合PEG/TFPIを完成させるために変えられ得ることが理解される。
水溶性ポリオキシエチル化ポリオールもまた本発明において有用である。これらポリオキシエチル化ポリオールとしては、ポリオキシエチル化ソルビトール、ポリオキシエチル化グルコース、ポリオキシエチル化グリセロール(POG)などが挙げられる。POGが好ましい。1つの理由は、ポリオキシエチル化グリセロールのグリセロール骨格が、モノ、ジ、トリグリセリドにおいて、例えば、動物およびヒトにおいて天然に存在する同様の骨格だからである。それゆえ、この分枝鎖は、必ずしも体内で外来因子としてみなされない。POGはPEGと同様の範囲の好適な分子量を有する。POGの構造は、Knaufら、1988,J.Bio.Chem.263:15064〜15070に示され、そしてPOG/タンパク質結合体の説明が、米国特許第4,766,106号に見出される(どちらもその全体が、本明細書中で参考文献として援用される)。
TFPIまたはTFPIアナログは、単独の活性抗凝固薬剤として投与され得るが、これらの分子はまた、1つ以上のさらなる治療剤との組み合わせて使用され得る。このようなさらなる治療剤としては、例えば、抗エンドトキシン、モノクローナル抗体(例えば、エンドトキシン結合Mab)および抗TNFマウスMabのような抗TNF生成物のような、敗血症の処置のために有用な抗体が挙げられる。TFPIおよびTFPIアナログはまた、インターロイキン−1レセプターアンタゴニスト、殺菌/浸透増進(BPI)タンパク質、免疫賦活剤、PAFアンタゴニストのような抗炎症活性を有する化合物(例えば、Pafase、血小板活性化因子アセチルヒドロラーゼ)、および細胞接着ブロッカー(例えば、GPIIb/IIIaインヒビターのような抗血小板因子)と組み合わせ得る。組み合わせとして投与される場合、治療剤は、同時または別の時点で与えられる別個の組成物として処方され得るか、あるいは、治療剤は、単一の組成物として与えられ得る。
TFPIおよびTFPIアナログは、敗血症を処置するために効果的である他の薬剤との組み合わせで投与され得る。例えば、以下は、TFPIおよびTFPIアナログとの組み合わせで投与され得る:潜在する細菌感染を処置し得る抗生物質;細菌細胞壁成分に対して向くモノクローナル抗体;敗血症の経路に関与するサイトカインと複合体化し得るレセプター;敗血症とは関連の無い予防的治療のために要求される場合、低分子量ヘパリン、そして一般的には、敗血症または敗血症性ショックの効力を減少させ、そして減衰させるように敗血症の経路におけるサイトカインまたは補体タンパク質と相互作用し得る任意の薬剤またはタンパク質。
本発明において有用な抗生物質は、一般的な部類の内の以下を含む:βラクタム環(ペニシリン)、グリコシド結合におけるアミノ糖類(アミノグリコシド)、大環状ラクトン環(マクロライド)、ナフタセンカルボキサニド(napthacenecarboxanide)の多環式誘導体(テトラサイクリン)、ジクロロ酢酸のニトロベンゼン誘導体、ペプチド(バシトラシン、グラミシジン、およびポリミキシン)、共役二重結合系大環状物(ポリエン)、スルファニルアミド(sulfanilamide)由来のサルファ剤(スルホンアミド)、5−ニトロ−2−フラニル基(ニトロフラン)、キノロンカルボン酸(ナリジクス酸)、および他多数。他の抗生物質および上記の特定の抗生物質のさらなる改良体は、Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、Kirk−Othymer(編)、第2巻、782〜1036頁(1978)および第3巻、1〜78頁、Zinsser、MicroBiology、第17版、W.Joldikら(編)235〜277頁(1980)、またはDorland’s Illustrated Medical Dictionary、第27版、W.B.Saunders Company (1988)中に見出され得る。
TFPIまたはTFPIアナログと組み合わせられ得る他の薬剤としては、エンドトキシンアンタゴニスト(例えば、E5531(リピドAアナログ、Asaiら、Biol.Pharm.Bull.22:432(1999)を参照のこと);抗凝固活性を有するTFアナログ(例えば、Kelleyら、Blood 89:3219(1997)およびLee & Kelley,J.Biol.Chem.273:4149(1998)を参照こと);敗血症経路に関与するサイトカインに対するモノクローナル抗体(例えば、IL−6もしくはM−CSFに対するモノクローナル抗体(Creaseyら,1989年12月15日に出願された米国特許出願番号07/451,218を参照のこと)およびTNFに対するモノクローナル抗体(Ceramiら,米国特許第4,603,106号を参照のこと));TNFプロホルモン産生細胞から成熟TNFプロホルモンを切断するタンパク質のインヒビター(Krieglerら,1989年8月16日に出願された米国特許出願番号07/395,253を参照のこと);Haskiliら,1990年5月1日に出願された米国特許出願番号07/517,276に示されるような、IL−1のアンタゴニスト;Warrenら,1999年8月24日に発行された米国特許第5,942,220号に示されるような、インヒビン(inhibin)のようなIL−6サイトカイン発現のインヒビター;ならびにIL−1のような種々のサイトカインのレセプターに基づくインヒビターが挙げられる。補体に対する抗体または補体のタンパク質インヒビター(例えば、CR、DAF、およびMCP)もまた用いられ得る。
液体の薬学的組成物が調整されるあと、分解を防止しそして滅菌状態を保存するために、それは、凍結乾燥され得る。液体組成物を凍結乾燥するための方法は、当業者に公知である。使用する直前に、組成物は、付加的な成分を含み得る無菌の希釈剤(例えば、リンガー溶液、蒸留水、または無菌生理食塩水)で再構成され得る。再構成されると、組成物は、好ましくは連続静脈注入によって被験体に投与される。
上記で言及されるように、TFPIおよびTFPIアナログは、敗血症または敗血症性ショック(DICを有するまたは有さない)を有するヒト患者を治療的または予防的に処置するために有用である。概して、敗血症を有する患者は、菌血に関連して、高熱(>38.5°C)または低体温(<35.5°C)、低血圧、頻呼吸(>20呼吸/分)、頻拍(>100拍動/分)、白血球増加症(>15,000細胞/mm)および血小板減少症(<100,000血小板数/mm)によって特徴付けられる。患者が敗血症であると推測され次第(すなわち、フィブリノーゲンの低下が20%より大きいかまたは同等であることを示すか、もしくはフィブリン分離物または他の生化学的変化(患者体温の上昇、および白血球減少症、血小板減少症の診断、および敗血症と関連する低血圧、または全身性炎症応答(血圧降下(低血圧)、体温の増減、呼吸数の増加、白血球減少症、血小板減少症、などを含む)の提示、ならびに全身性抗感染症治療を容認する感染症の疑い)の出現)、TFPIおよびTFPIアナログは、投与されるべきである。TFPIはまた、敗血症になる危険性のある患者(例えば、射創由来または外科的切開由来)に対して投与され得る。敗血症になる危険性のある患者とはまた、病院の救急室または集中治療室に収容されている患者および感染巣または全身性免疫応答症候群(SIRS)を有するか、または有すると推測される患者が挙げられる。
本発明は、特定の有利な実施形態を示す以下の実施例を参照することによってここで例示される。しかし、これらの実施形態は例示的であって、そしていかなる方法でも本発明を制限するものとして解釈されるものでないことは留意されるべきである。
(実施例1.健康なヒト被験体へのala−TFPIおよびヘパリンの同時投与)
E.coliで発現された非グリコシル化型ala−TFPIを、健康なボランティアにヘパリンと共に投与した。ヘパリンを、それぞれ300Uまたは5000Uの用量で、11時間のala−TFPI注入(約0.5mg/kg/時間)の6時間後に静脈内注射または皮下注射によって投与した。ala−TFPIレベルの一過性の増加は、いずれかの経路によるヘパリン投与に引き続いて(潜在的には、内皮結合部位からのala−TFPIの置換に起因して)観察された。PTおよびこの時間の間に活性化された一部のトロンボプラスチン時間(aPTT)値は、多様であるが、概してわずかに上昇し、次いでala−TFPI濃度の変化と同時に下降した。ヘパリンのこれらの用量は、ala−TFPIとの組み合わせで使用する場合、安全でそして十分に寛容であった。
(実施例2.高用量のala−TFPIでの、ヒトにおける敗血症の処置)
14人の被験体を、重篤な敗血症における非グリコシル化型ala−TFPI治療の第II相臨床研究の一部として補充した。この研究は、重篤な敗血症を有する被験体における、第II相の、多施設の、二重盲検の、無作為化された、プラシーボ制御の、2工程の用量漸増研究、安全性研究、および寛容性研究であった。第一の目的は、ala−TFPIの安全性プロフィールを評価することであった。第二の目的は、薬物動態、サイトカインおよび凝固マーカー、多臓器不全スコア、ならびに15日および28日後の生存を評価することであった。5人の被験体を、プラシーボに対して無作為化し、5人を、約0.33mg/kg/時間のala−TFPI投与速度に対して無作為化し、そして4人を、約0.66mg/kg/時間のala−TFPI投与速度で無作為化した(どちらの用量も、連続静脈内注入によって行った)。この研究は、予期された抗凝固および出血より高い抗凝固(高められたINR)および出血に起因して、時期尚早に終結した。
有害事象(AE)を、被験体または薬学的産物を任意の用量で投与された臨床調査被験体(必ずしも原因となるこの処置との相関性を有しない)における、任意の医学的副作用(untoward medical occurrence)として規定した。それゆえ、AEは、任意の不都合であり、意図されない兆候(例えば、異常な検査室所見を含む)、症状、またはこの産物(医薬品に関係があるとみなされていようといなかろうと)の使用に時間的に関連する疾患であり得る。重篤な有害事象(SAE)を、任意の医学的副作用(任意の用量で、死亡を生じさせ、生命を脅かし(すなわち、調査者の意見では、それが生じた場合、被験体は、その事象を原因とする即時的な死亡の危険にあった)、被験体の入院を必要とするか、または延長させ、永続的または著しい障害/無力を生じ(すなわち、正常な生命機能を行うヒトの能力の本質的な崩壊を引き起こす事象)、先天性奇形/出世時欠損である)として、または適切な医学的判断に基づいて、被験体を危険にさらし得、そして重篤な有害事象として規定される他の結果の1つを予防するために医学的または外科的介入を必要とし得る重要な医学的事象として規定した。
ala−TFPIを与えた9人の被験体のうちの7人は、プラシーボを与えた5人の被験体のうちの1人と比較して出血を経験した。さらに、3人のala−TFPIレシピエントは、活性な注入の間、INRを著しく高めた。2人の被験体において、このINRは、注入を停止した後、急速に減退した。1人の被験体において、注入は中断しなかったが、このINRはベースラインに戻った。INRレベルを高めた間、出血は報告されなかった。出血以外で最も共通するSAEは、敗血症およびその関連合併症に起因した。
プラシーボを与えた5人の被験体のうちの1人、ala−TFPI(約0.33mg/kg/時間)を与えた5人の被験体のうちの5人、およびala−TFPI(約0.66mg/kg/時間)を与えた4人の被験体のうちの2人は、出血に関与する有害事象を経験した。プラシーボ群における5人の被験体のうちの2人(40%)、ala−TFPI群(0.33mg)における5人の被験体のうちの4人(80%)、およびala−TFPI群(0.66mg)における4人全ての被験体は、この研究の間に少なくとも1つのSAEを経験した。
SAEの要約を、表1に示す。被験体は、1より大きいSAEを経験し得ることに留意されたい。
Figure 2005515214
出血に関与する4つのSAEの合計およびPTの予想外の延長に関係のある2つのSAEが、ala−TFPI群において生じた。他のSAEは、重症敗血症の合併症に起因した。
(実施例3.ウサギ腹膜炎モデルにおける低用量TFPIの効果)
ウサギにおける研究は、実施例2に記載したものより低用量のala−TFPIが、効能的であり得たことを示した。低用量の非グリコシル化型ala−TFPIを与えた異なる5群を、ウサギE.Coli腹膜炎モデルにおいて評価した。約0.5mg/kgボーラスのala−TFPI用量および24時間の約5mg/kg/分での注入(ヒトでの0.8mg/kg/時間と同等)は、58%のウサギを救ったので(表2)、これを陽性対照として取り扱った。ala−TFPI投与群とプラシーボとの間の生存パーセントにおける有意な違いは、最も低い用量(これらの研究において、プラシーボ処置した対照と同じ生存パーセント(20%)を示した)を除いた全ての用量に関して見られた(表2)。
ウサギに、ヘモグロビン(40μg/ml)、ブタのムチン(150μg/ml)、および生存可能なE.Coli株O18:K1+(1.0±0.5×10 CFU/kg)(ヒトにおけるE.Coli敗血症の全ての症例の20%以上を引き起こす臨床分離菌)を含む懸濁剤を腹腔内に接種した。ゲンタマイシン処理(12時間ごとに5mg/kg、5回投与)を、腹膜炎の誘導4時間後に開始した。4時間後、熱、悪寒、およびわずかな血圧降下の臨床症状が、代表的に存在した。その時点で、ウサギを無作為化し、プラシーボの24時間注入またはala−TFPIの6つの用量のうちの1つ(表2に示されるように、引き続くボーラス投与後に連続静脈内注入を行うことからなる)を与えた。7日後生きていたウサギを、生存とみなした。本モデルにおける死亡原因は、呼吸不全および多臓器不全である。剖検では、非生存ウサギの肺は、酷い浮腫状であり、そして気道は、ピンクで泡状の流体で満たされていた。腎臓は、出血し、そしてうっ血していた。肝臓は、代表的にはE.Coliを芽生えさせた膿瘍を含んでいた。膿瘍は、腹膜腔中いたるところに存在した。対照的に、7日間生存したウサギは、最小限の肺うっ血の形跡を示した。小さな散乱した膿瘍が、しばしば腹膜腔中に存在したが、他の充実した器官(副腎、肝臓、および脾臓)は、おおいに正常であった。
Figure 2005515214
(実施例4.敗血症ヒト患者の処置における低用量ala−TFPIの安全性および効能)
本実施例は、重篤な敗血症に罹患した患者を処置するためのala−TFPI低用量投与の臨床的使用について記載する。
重篤な敗血症に罹患した被験体における、第II相の一重盲検の(single−blinded)用量漸増研究を、E.Coli 対 プラシーボにおいて生成された0.025mg/kg/時間および0.05mg/kg/時間の非グリコシル化型ala−TFPIの投与速度を評価するために実行した。ala−TFPIを、210人の被験体(プラシーボ:n=69、約0.025mg/kg/時間でのala−TFPI:n=80、約0.05mg/kg/時間でのala−TFPI:n=61)において、96時間の間連続静脈内注入(CIV)注入によって投与した。被験体を、0.025mg/kg/時間でのala−TFPI用量で開始する、30のブロックにおいて登録参加させた。投与段階1は、0.025mg/kg/時間でのala−TFPI群およびプラシーボ群における被験体を含んだ。投与段階2は、0.05mg/kg/時間でのala−TFPI群およびプラシーボ群における被験体を含んだ。この研究は、約0.025mg/kg/時間での投与速度でのala−TFPIが、安全で、そしてプラシーボに対して28日間の全原因死亡の減少およびいくつかの多臓器機能不全(MOD)スコアにおける改善への傾向と関連することを示した。MODスコアを、表3に列挙された診断基準の評点化によって割り当てた。
患者を、重篤な敗血症の開始から24時間以内に、この研究に参加させた。評価の全期間の間、患者は完全な集中治療管理(流体蘇生法(fluid resuscitation)、昇圧薬、換気支援(ventilatory support)、非経口の抗微生物剤、および適切な外科的管理を含む)を受けた。
このプロトコルはまず、異なる群の患者が0.025mg/kg/時間〜0.1mg/kg/時間の範囲にあるala−TFPI用量レベルを受け入れることを要求し、より低用量レベルからより高用量レベルに連続的に進行させた。被験体を、0.025mg/kg/時間のala−TFPI用量レベルで開始する、30のブロックにおいて逐次登録した。210人の被験体を、無作為化し、そして投与段階1(S1)(プラシーボ[n=39]および約0.025mg/kg/時間のala−TFPI[n=80])において、または投与段階2(S2)(プラシーボ[n=30]および約0.05mg/kg/時間のala−TFPI[n=61])の間、1:2の比(プラシーボ 対 ala−TFPI)で注入し、そして4日間までプラシーボまたはala−TFPIの連続静脈内注入(CIV)を与えた。
本研究のために適格な被験体は、いずれかの性で年齢18歳以上であり、インフォームドコンセントを受け、そして以下の診断基準全てを十分に満たす患者である:(1)感染の臨床的な形跡(明らかに証明できる感染巣を有する);(2)全身性炎症応答症候群(SIRS)の兆候(SIRSの兆候は、熱(芯温度、直腸温度、腋窩温度または鼓室温度が38°C以上)もしくは低体温(芯温度または直腸温度が36°C以下)、心拍数が1分あたり90より大きく、呼吸数が1分あたり20より大きい、あるいはPaCO(COの肺胞分圧)が32mmHg未満、または被験体が人工呼吸器を身に付けている場合、白血球数が12,000/mmより大きく、4,000/mm未満、または10%より多い未熟帯状形態からなった);(3)肺の機能不全によって証明されるような器官機能不全/低灌流(OD)の兆候の少なくとも1つ(PaO/FiO比(吸入されたOの分画に対するOの肺胞分圧の比)が250未満(もしくは、肺炎または他の局所性肺疾患の存在下で200未満)、乳酸アシドーシスまたは増加した血漿中乳酸濃度のためと考えられる代謝性アシドーシス(pHが7.30以下または塩基欠乏が5.0mEq/L以上(5.0mmol/L以上)、尿量過少(適切な流体蘇生法存在下での、最低限継続して2時間の間、尿排出量が0.5mL/kg/時間以下(被験体が長期の透析を続けている場合、器官機能不全としては有効ではない))、薬剤誘導性であると推定されない説明のつかない血小板減少症(血小板数が100,000細胞/mm以下))。本診断基準は、血小板減少症、または低血圧症を引き起こした思われる治療(治療用量で要求される昇圧薬(すなわち、ドパミンが5μg/kg/分より大きいもしくは少なくとも継続して2時間、90mm Hgより大きい周期性血圧を維持するためのエピネフリン、ノルエピネフリン、またはフェニレフリンの任意の用量))を受けた被験体においては使用し得なかった。
主要な排除診断基準は、以下であった:(1)予期された薬物投与から2時間以内の不応性低血圧症、(2)公知または推測された心内膜炎、(3)制御されない出血;INRが3より大きい、(4)研究薬物の注入前12時間以内の大手術、(5)6ヶ月以内の頭蓋内出血または1ヶ月以内の閉鎖性頭部外傷もしくは脳卒中あるいは出血の危険性が増大した他の神経学的状態の病歴、(6)血小板数が20,000/mm以下、(7)妊娠、(8)150kgより大きい体重、(9)著しい肝臓疾患(Child PughグレードC)および/もしくは公知または推測された食道動脈瘤、(10)確認された、臨床的に明らかな膵炎、(11)研究開始前72時間以内の心肺停止、(12)急性または慢性移植拒絶反応の形跡;10%より大きい体表面面積でのII度またはIII度の火傷、(13)抗凝固薬、抗血小板薬もしくは血栓溶解剤または組織プラスミノーゲンアクチベーターでの全身性処置、(14)20,000国際単位より大きい1日のヘパリン用量、(15)研究記録から30日以内での、調査中の新たな薬剤または生物製剤の受け入れ、または(16)同意時点での機械換気、血液濾過もしくは透析、電気的除細動または任意の要求される薬物/流体治療の拒否。
2つの投与段階への連続的な参加のために、各活性用量群を、それ自身のプラシーボ群と比較する。さらに、データを、全てのプラシーボ被験体 対 全てのala−TFPI被験体を比較して表示する。0.1mg/kg/時間用量を、0.05mg/kg/時間用量で観察される重篤な有害事象のために、この研究から除去した。
研究薬物、ala−TFPIは、E.Coli中で発現されそして標準クロマトグラフィー技術によって精製された組み換え非グリコシル化型ala−TFPIである。この研究薬物を、0.3mg/mlの濃度で、無菌のala−TFPI溶液を100ml容積で含むバイアルで供給し、そして等張性の緩衝剤中に処方した。プラシーボを、希釈緩衝剤で構成し、そしてパッケージし、そして研究薬物と同じ条件下で保管する。ala−TFPIを、4日間にわたって一定の速度で、前もって規定した投薬レベルで注入した。薬物注入を、ala−TFPIまたはプラシーボ専用の静脈カテーテル(中枢性または末梢性)をとおして実施した。
患者を、28日間または死亡まで追従した。多臓器機能不全スコア(MODS)および併用投薬を、8日目まで集めた。急性生理機能および慢性健康の評価(APACHE II)スコアおよび病院の検査室INRを、4日目まで集めた。慣用的な安全性検査室パラメーター(総ビリルビン、クレアチニン、トランスアミナーゼ、血清乳酸(ベースラインのみ)、差動および血小板を有する全血球算定(CBC))を6日目まで集めた。学術検査室パラメーター(トロンビン−抗−トロンビン複合体(TATc)、およびIL−6)のような専門の試験および薬物動態学的サンプルを、それぞれ4日目および5日目まで集めた。臨床的に示される場合、心電図(ECG)および胸部X線写真を6日目まで集めた。患者を、有害事象(AE)および死亡の全ての原因に関して28日目までモニタリングした。
INRを、ベッドサイドモニター(CoaguCheck Plus,Roche Diagnostics,Nutley,New Jersey)で、そして病院の検査室によって周期的に測定した。ala−TFPI動態および活性を、INR応答に対する効果によって測定した。使用した別の方法は、トロンビン−抗トロンビン複合体(TATc)の測定である。TATcサンプルを、注入前(−2時間〜0時点)および2日目、3日目および4日目で回収した。病院でのINRは、スクリーニングから6時間以内、ならびに1日目(4時間)、2日目、3日目、および4日目で回収した;ベッドサイドでのINRを、注入前、注入1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、次いで投与の間6時間±2時間ごと、投与終了直前、投与終了4時間後および8時間後に回収した。投与調整および/または投与中止を、INRの高さによって誘導した。予定外のサンプル(用量減少)を、用量減少の直前および用量減少4時間後に回収した。
組み換えala−TFPI血漿濃度を、注入前(−2時間〜0時点)、1日目(4時間後および8時間後)、2日目、および3日目、ならびに投与終了時に回収した。薬物動態学的サンプルを、TFPIに対するモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を使用して確証された電気化学的ルミネセンス免疫測定法を使用することで測定した。モノクローナル抗体は、TFPIの第一のKunitzドメインに対して特異的であった。結果として、このアッセイは、内因性TFPIおよびその組み換え型(ala−TFPI)を測定した。このアッセイ標準および品質対照を、ウサギ血漿で希釈した。ウサギ血漿は、免疫学的に交差反応するTFPIを含まないので、このアッセイは、ヒト血漿中の内因性TFPIを測定し得る。定量性の下方限界は、5ng/mlであった。
最初の2つの投与段階における患者の参加の間に、0.025mg/kg/時間 ala−TFPI群およびプラシーボ群と比較して、0.05mg/kg/時間 ala−TFPI群において出血に関与するSAEの増加傾向が観察された。これは、0.1mg/kg/時間用量で計画された研究を実行する必要性を除去した。
28日間における全原因死亡の減少傾向が、プラシーボ群と比較して0.025mg/kg/時間 ala−TFPI用量群において留意された。ロジスティック回帰モデルは、ベースライン検査室INR相互作用効果による実質的な処置の存在を示し、このことは、より高いベースラインINRが、より明白なala−TFPI効果と関連することを示した。
Figure 2005515214
Figure 2005515214
多臓器機能不全スコア(MODS)を、改変された敗血症関連器官不全評価(SOFA)スコアを用いることによって決定した(表5を参照のこと)。以下のSOFA改変を行った。血小板注入を説明するために、凝固スコアを改変した(表8脚注3を参照のこと)。透析を説明するために、腎スコアを改変した(表8脚注4を参照のこと)。複合集中治療室(ICU)スコアを加えた。ICUスコアは肺スコア、心臓血管スコア、および凝固スコア(特に血小板数)を組み合わせる。
Figure 2005515214
ベースラインからのより高い%変化によって示されるように、正の傾向が、プラシーボと比較していずれかの用量のala−TFPIレシピエントの間でも、いくつかの器官機能不全スコアにおいて観察された。これらの傾向は、肺スコアおよびICUスコアに関して最も明白であった。
Figure 2005515214
被験体のINRが処置の間に被験体のベースラインINRを20%以上超えて増加した場合、もしくは被験体のINRが2.5であったか、またはより高かった場合、ala−TFPIの投与を中断した。高められたINRによる投与中断の頻度は、各群において低かった。これらのデータは、INRの上昇は重篤な敗血症被験体において生じることを示唆する。プラシーボと比較してala−TFPI処置した被験体における投与中断のわずかの増加が、留意された。
Figure 2005515214
ala−TFPI群 対 プラシーボ群において、全身系にわたって、AE、出血に関与するAE,およびSAEの発生数における主な違いは無かった。出血に関与するSAEの全発生数は、低かった。0.025mg/kg/時間のala−TFPIおよびTプラシーボを与えた群と比較して、0.05mg/kg/時間のala−TFPI群において、出血に関与するSAEの発生数にわずかな増加があった。出血に関与するSAEの発生を、表9によって表示されるようなベースラインINRによっても分析した(1.2以上(「高INR被験体」) 対 1.2未満(「非高INR被験体」))。
Figure 2005515214
Figure 2005515214
約0.025mg/kg/時間のala−TFPIおよびプラシーボと比較して、約0.05mg/kg/時間のala−TFPIを与えた「高INR」被験体において、出血に関与するSAEの発生数に増加がみられた。「非高INR」被験体のコホートにおいては、出血に関与するSAE発生数は低かった。
Figure 2005515214
(実施例5.患者小群にわたる死亡率)
死亡率を、実施例4に記載される第II相低用量ala−TFPI研究における異なる患者小群について分析した。その結果を、表13に要約する。結果を、全てのプラシーボ患者 対 全てのala−TFPI患者(0.025mg/kg/時間の投与速度および0.050mg/kg/時間の投与速度のどちらも)に関して比較する。
Figure 2005515214
本発明は、特定の実施例を参照にして記載されている。しかし、本出願は、添付の特許請求項の範囲の意図および範囲から外れずに当業者によってなされ得る変更および代替を網羅することを意図する。
図1Aおよび図1Bは、敗血症ヒト患者における生存率(1A)およびIL−6レベルの減少(1B)における低用量ala−TFPI投与の効果を示す。図1Aは、プラシーボまたはE.Coliで発現された組み換え非グリコシル化型ala−TFPIのいずれかを、0.025mg/kg/時間または0.0.5mg/kg/時間のいずれかで連続静脈内注入によって受けた210人の敗血症患者に関するカプランマイヤー生存曲線を示す(詳細に関しては、実施例5を参照のこと)。これらの結果は、ala−TFPI処置で、死亡率が減少方向に向かう傾向にあることを示す。 図1Aおよび図1Bは、敗血症ヒト患者における生存率(1A)およびIL−6レベルの減少(1B)における低用量ala−TFPI投与の効果を示す。図1Bは、図1Aで示された同じ患者において、ベースラインIL−6レベルの35%まで減少させるための時間を示す。低用量ala−TFPI投与は、2つの異なる統計的アプローチ(M&MおよびLOCF;それぞれp=0.009および0.025)を使用することで、プラシーボと比較して有意にIL−6レベルを減少させた。 図2Aおよび図2Bは、実施例5で記載される210人の敗血症患者におけるトロンビン−抗トロンビン(TATc)レベルの動態を示す。図2Aにおいて、TATcレベルは、ala−TFPIの0.025mg/kg/時間および0.050mg/kg/時間用量ならびにプラシーボ投与に関して分けて示される。図2Bは、0.025mg/kg/時間用量および0.050mg/kg/時間用量の両方 対 プラシーボに関して組み合わせられたデータを示す。TATcの幾何平均は、ala−TFPI投与の最初の24時間以内にプラシーボ処置した患者に対して、ala−TFPI処置した患者 においては有意に低かった。TATcレベルは、72時間通して有意に低いままであった。 図3は、健康なヒトボランティアにおけるINRとala−TFPI(「rTFPI」)の血漿濃度との間の関係を示す。
【配列表】
Figure 2005515214
Figure 2005515214

Claims (66)

  1. 敗血症を処置する方法であって:
    敗血症を有するか、または敗血症になる危険性のある患者にTFPIまたはTFPIアナログを、少なくとも約72時間の投与期間、約0.00025〜約0.050mg/kg/時間の投与速度での参照ala−TFPIの投与と同等の投与速度で連続静脈内注入によって投与する工程、
    を包含する方法。
  2. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項1に記載される方法。
  3. 前記TFPIアナログが、配列番号1のアミノ酸19〜89からなる第1のKunitzドメインを含む、請求項1に記載される方法。
  4. 前記TFPIアナログが、さらに配列番号1のアミノ酸90〜160からなる第2のKunitzドメインを含む、請求項3に記載される方法。
  5. 前記TFPIアナログが、配列番号1のアミノ酸1〜160を含む、請求項1に記載される方法。
  6. 前記TFPIアナログが、配列番号1のアミノ酸90〜160からなる第2のKunitzドメインを含む、請求項1に記載される方法。
  7. 前記投与速度が、約0.010〜約0.045mg/kg/時間の投与速度での参照ala−TFPI投与と同等である、請求項1に記載される方法。
  8. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項7に記載される方法。
  9. 前記投与速度が、約0.025mg/kg/時間の投与速度での参照ala−TFPI投与と同等である、請求項7に記載される方法。
  10. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項9に記載される方法。
  11. 前記投与期間が、少なくとも約96時間である、請求項1に記載される方法。
  12. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項11に記載される方法。
  13. 前記投与速度が、約0.024〜約4.8mg/kgの合計用量での参照ala−TFPIの投与と同等の合計用量を提供するように投与される、請求項11に記載される方法。
  14. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項13に記載される方法。
  15. 前記TFPIまたはTFPIアナログが、約0.025mg/kg/時間の投与速度での参照ala−TFPIの投与と同等の投与速度で投与される、請求項11に記載される方法。
  16. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項15に記載される方法。
  17. 前記投与速度が、約0.006mg/kg〜約1.2mg/kgの1日の用量での参照ala−TFPIの投与と同等の1日の用量を提供するように投与される、請求項1に記載される方法。
  18. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項17に記載される方法。
  19. 前記TFPIまたは前記TFPIアナログが、少なくとも約1.2時間のベースライン国際標準比(INR)を有する患者に投与される、請求項1に記載される方法。
  20. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項19に記載される方法。
  21. 前記患者が、ベースラインINRを少なくとも20%超えるか、または少なくとも約2.5の値を有するかのいずれかのINRを有する場合、前記TFPIまたはTFPIアナログを投与する工程を終了させる工程をさらに包含する、請求項1に記載される方法。
  22. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項21に記載される方法。
  23. 前記患者が、少なくとも20のAPACHE IIスコアを有する、請求項1に記載される方法。
  24. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項23に記載される方法。
  25. 前記患者が、少なくとも約1000pg/mlのベースライン血漿IL−6濃度を有する、請求項1に記載される方法。
  26. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項25に記載される方法。
  27. 前記患者が、ショックに苦しむ、請求項1に記載される方法。
  28. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項27に記載される方法。
  29. 前記患者が、ARDSに苦しむ、請求項1に記載される方法。
  30. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項29に記載される方法。
  31. 前記患者が、前記投薬期間の間に増加する肺スコア、ICUスコア、または多臓器不全スコアを有する、請求項1に記載される方法。
  32. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項31に記載される方法。
  33. 前記TFPIまたはTFPIアナログが、TFPIまたはTFPIアナログを含む凍結乾燥した組成物から調製される、請求項1に記載される方法。
  34. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項33に記載される方法。
  35. 前記TFPIまたはTFPIアナログが、アルギニンを含む処方物として投与される、請求項1に記載される方法。
  36. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項35に記載される方法。
  37. 前記TFPIまたはTFPIアナログが、シトレートを含む処方物として投与される、請求項1に記載される方法。
  38. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項37に記載される方法。
  39. 前記TFPIまたはTFPIアナログが、約300mMのアルギニン塩酸塩および約20mMのクエン酸ナトリウムを含み、かつpHが約5.5を有する処方物中で、約0.15mg/mlの濃度を有する、請求項1に記載される方法。
  40. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項39に記載される方法。
  41. 前記投与期間の間または24時間以内で、抗生物質、抗体、エンドトキシンアンタゴニスト、抗凝固活性を有する組織因子アナログ、免疫賦活剤、細胞接着ブロッカー、ヘパリン、BPIタンパク質、IL−1アンタゴニスト、pafase(PAF酵素インヒビター、TNFインヒビター、IL−6インヒビター、および補体のインヒビターからなる群から選択されるさらなる薬剤を投与する工程をさらに包含する、請求項1に記載される方法。
  42. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項41に記載される方法。
  43. 前記さらなる薬剤が抗体であり、該抗体が、TNF、IL−6、およびM−CSFからなる群から選択される抗原に特異的に結合する、請求項41に記載される方法。
  44. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項43に記載される方法。
  45. 敗血症の危険性および重症度を減少させるための予防方法であって、該方法が敗血症に感受性であるか、または敗血症であると推測される患者にTFPIまたはTFPIアナログを、少なくとも約72時間の投与期間で、約0.00025〜約0.050mg/kg/時間の投与速度での参照ala−TFPIの投与と同等の投与速度で連続静脈内注入することによって投与する工程を包含する、方法。
  46. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項45に記載される方法。
  47. 前記TFPIアナログが、配列番号1のアミノ酸19〜89からなる第1のKunitzドメインを含む、請求項45に記載される方法。
  48. 前記TFPIアナログが、さらに配列番号1のアミノ酸90〜160からなる第2のKunitzドメインを含む、請求項47に記載される方法。
  49. 前記TFPIアナログが、配列番号1のアミノ酸1〜160を含む、請求項45に記載される方法。
  50. 前記TFPIアナログが、配列番号1のアミノ酸90〜160からなる第2のKunitzドメインを含む、請求項45に記載される方法。
  51. 前記投与速度が、約0.010〜約0.045mg/kg/時間の投与速度での参照ala−TFPIの投与と同等である、請求項45に記載される方法。
  52. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項50に記載される方法。
  53. 前記投与速度が、約0.025mg/kg/時間の投与速度での参照ala−TFPIの投与と同等である、請求項50に記載される方法。
  54. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項52に記載される方法。
  55. 前記投与期間が、少なくとも約96時間である、請求項45に記載される方法。
  56. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項54に記載される方法。
  57. 前記投与速度が、約0.025mg/kg/時間の投与速度での参照ala−TFPIの投与と同等である、請求項54に記載される方法。
  58. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項56に記載される方法。
  59. 敗血症および敗血症性ショックを含む急性炎症を予防的および治療的に処置するための方法であって、該方法が、患者に(i)TFPIまたはTFPIアナログの、約0.00025〜約0.050mg/kg/時間の投与速度での参照ala−TFPIの投与と同等の投与速度で連続静脈内注入物ならびに(ii)抗生物質、モノクローナル抗体、サイトカインインヒビター、および補体インヒビターからなる群から選択されるさらなる薬剤を投与する工程を包含する、方法。
  60. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項58に記載される方法。
  61. DICと関連せず、TNF、IL−1、または別のサイトカインが組織因子をアップレギュレートする疾患状態を処置するための方法であって、該方法が少なくとも約72時間の投与期間で、患者にTFPIまたはTFPIアナログからなる群から選択される薬剤の、約0.00025〜約0.050mg/kg/時間の投与速度での参照ala−TFPIの投与と同等の投与速度で連続静脈内注入物を投与する工程を包含する、方法。
  62. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項60に記載される方法。
  63. 前記疾患状態が、慢性炎症または急性炎症である、請求項60に記載される方法。
  64. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項62に記載される方法。
  65. 前記患者が、前記投与期間の間に減少するIL−6の血漿濃度を有する、請求項60に記載される方法。
  66. 前記TFPIアナログが、非グリコシル化型ala−TFPIである、請求項64に記載される方法。
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