JP2005512612A - 目の角膜表面から上皮層を分離するための装置 - Google Patents

目の角膜表面から上皮層を分離するための装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、目から角膜の上皮層を分離するための装置に関する。本発明による装置(12)は、セパレータ(14)を含み、このセパレータ(14)は、それを目(10)を横切るように移動させたときに上皮層(16)を取外す縁部を有している。この縁部は、少なくとも1つの上皮細胞の厚さよりも厚く、上皮層(16)の厚さよりも薄い厚さを有している。上皮層(16)の分離は、化学反応を使用せずに、機械的に行われるので、分離された上皮層(16)の形状及び一体性が保存される。本発明による装置(12)を、上皮層(16)の一体性を保存するのを助けるために上皮層(16)に接着させるポリマーフィルムと一緒に使用するのが良い。

Description

本発明は、2001年7月23日に出願された米国特許出願第09/911,356号の一部継続出願としての利益を主張し、上記米国特許出願をここに援用する。
LASIK(レーザー補助インサイチュー角膜曲率形成術)は、ガラスレンズ又はコンタクトレンズへの人の依存を軽減させるための外科手術である。LASIKは、エキシマレーザーを使用して、角膜、即ち、目の前部の透明カバー材の形状を永久的に変化させる。微小角膜切開刀と称する装置を使用して、角膜のフラップ即ち皮弁を切断する。この皮弁の一方の端部に、ヒンジ部を残す。皮弁を折り返して、固有質、即ち、角膜の中央部分を露出させる。コンピューター制御されたレーザーからのパルスにより、固有質の一部分を気化させ、皮弁を元に戻す。LASIK処置中に使用されるナイフが鋭利であることが重要であり、そうでなければ、処置の質が劣り且つ治癒時間が長引く。加えて、同じ且つ再使用可能な皮弁を作るために、ナイフは鋭利でなければならない。微小角膜切開刀の使用に関連して、いくつかの問題がある。共通の問題は、半皮弁、ボタン孔又は全体カップ等の不規則な皮弁の形成を含む。これらの問題は、角膜の不規則な切開、即ち、視覚性能を永久的に低下させることがある状況を表している。
変形例として、角膜の曲率を矯正するために、LASIKよりも早く開発された技術であるPRK(光屈折角膜切除術)を使用しても良い。PRKでは、術者が角膜の表面層、例えば、上皮を削り取る。表面層を除去した後、角膜の露出表面にレーザー治療を施す。しかしながら、PRKの欠点は、目の治癒期間が、典型的には、LASIKの治癒期間よりもずっと長い1週間にもわたることである。また、患者は、治癒中、いくらかの痛みを経験する。典型的には、PRKでは、使い捨てコンタクトレンズが、角膜の治療領域を覆い且つ術後の痛みを軽減するのに使用される。
他の技術、LASEK(レーザー上皮角膜曲率形成術)では、上皮層を角膜の表面から分離し、分離した上皮層を保存することができる。最初、上皮をアルコール溶液で治療し、上皮を部分的に非活性にする。いったん正確な治療表面領域を決定したら、弱アルコール溶液の少しの小滴を角膜の表面に付け、小滴を数秒間上皮と接触したままにする。次いで、この弱アルコール溶液を目の表面から洗い流す。弱アルコール溶液の機能は、上皮層(50ミクロン)をゆるめ、上皮層を上皮細胞のシートに戻すことを可能にすることにあり、それにより、下に位置する角膜を露出させる。この方法と、上皮と130〜180ミクロンの任意の測定値になる固有質細胞の前部との両方の皮弁を形成する微小角膜切開刀具を実際に使用するLASIKとを混乱すべきではない。
LASEKでは、上皮だけからなる上皮層を、LASIKと同様の仕方で戻し、上皮層は、角膜固有質を含まない。いったん上皮細胞をレーザーの進路の外に置いたら、レーザーをPRKと全く同じ仕方で角膜の表面に当てる。いったんレーザー治療を完了させたら、上皮層を適所に戻し、PRKのときのように、ソフトコンタクトレンズを目の上に配置する。弱アルコール溶液によって部分的に非活性化された上皮細胞を、治療領域の上に置き、下に位置する新しい上皮の治癒促進材として機能させるのが良い。アルコールで非活性にされた上皮は、かさぶたと同様、5〜10日で目から落下する。これらの非活性にされた上皮細胞は、目の新しい表面にならず、下に位置する新しい上皮の快適さ及び治癒を促進させるためにコンタクトレンズに加えた保存剤として機能するに過ぎない。上皮のアルコール治療は、減じられた耐久性及び角膜への接着性のため、夥しい量の上皮細胞の破損、即ち、上皮ディスクを使用できないようにするかもしれない事実を生じさせる。
かくして、上皮層を全体として化学的方法ではなく機械的な方法で分離することによって上述した問題を処理する自動角膜上皮セパレータに対する要望がある。
患者の目の不完全な視覚を矯正するのを補助するために、自動機械装置が患者の目の角膜から上皮層を分離する。上皮層を角膜から分離した後、レーザーを使用して、角膜の欠陥部を矯正するのを補助する。その後、上皮層を角膜の上に戻し、視覚的なリハビリ期間を短縮し、術後の痛みを軽減する。
1つの側面では、装置は、プレート、ワイヤまたは鈍いブレード等のセパレータを含む。自動機械装置は、分離された上皮層をディスクとして保存することができ、ディスクを破裂させることもないし、上皮層を実質的に破損させることもない。上皮層は、角膜を切断することなしに角膜から分離される。
自動機械装置は、セパレータを含み、セパレータは、それが目を横切って移動するときに上皮層を取外す縁部を有する。この縁部は、少なくとも1つの上皮細胞よりも厚く且つ上皮層の厚さよりも薄い厚さを有する。
患者の目の不完全な視覚を矯正するのを補助するために、自動機械装置が患者の角膜から上皮層を分離する。セパレータ、例えば、プレート、ワイヤ又は鈍いブレードが、基底膜から角膜の上皮層を分離するのに使用される。このように、自動機械装置は、角膜の表面上に再配置した後の上皮ディスクの生存能力及び安定性を確保するために、分離された上皮層をディスクとして保存することができ、このディスクを破裂させることもないし、上皮細胞を実質的に破損させることもなく、即ち、破損は5〜10%よりも少ない。上皮層を角膜から分離した後、レーザーを使用して、角膜内の欠陥部を矯正するのを助ける。その後、上皮層を角膜の上に戻し、目の治癒プロセスを助ける。
図1は、患者の目10と上皮セパレータ装置12の側面図である。上皮セパレータ装置12は、ここでは目10から離して配置された第1位置で示すセパレータ14を含んでいる。セパレータ14は、プレート、ワイヤ又は鈍いブレードを有するナイフ等の、角膜から上皮を削ぎ取る装置を含んでいる。セパレータ14は、目10の角膜面18の上に位置する上皮層16を取外す。セパレータ14は、上皮セパレータ装置12の作動中に角膜組織を切開するほど鋭くはない。
図2を参照すれば、上皮セパレータ装置12は、目10に着座し且つ目の角膜縁と平行な平面を有するリング20を含んでいる。リング20は、内径約10〜約12mm及び外径約13〜約16mmであり、溝26(図15に最もよく図示)を含んでいる。溝26は、内径22よりも幅広に寸法決めされている。決められた移動経路上にセパレータ14を支持するセパレータ支持体28が、溝26に嵌合している。
振動装置30が、セパレータ14に運動及び振動を供給する。振動装置30は、セパレータ14を横方向又は長手方向のいずれかに約10Hz〜約10KHzの周波数で振動させることができる。セパレータ14に及ぼされる電磁力又は圧電力により振動を供給しても良いし、外部の回転又は振動ワイヤにより振動を供給しても良い。リング20は、例えば振動中、リング20を目10の上に維持するために、目10の横に位置決めされた円周方向溝32を含んでいるのが良い。目10へのリング20の安定した取り付けを確保するために、円周方向溝32に吸引を施すのが良い。
図3及び図4はそれぞれ、目10及び、目に対して第2位置に配置されたセパレータ14の側面図及び平面図である。セパレータ14が目10に接触するために移動するとき、角膜面18は、平らにされる。セパレータ14を移動させるために、例えば、振動装置30を駆動させると、セパレータ支持体28が溝26の中を自由に摺動する。
図5及び図6はそれぞれ、目10及び第3位置に配置されたセパレータ14の側面図及び平面図である。セパレータ14を角膜10に沿って移動させるとき、上皮層16は、角膜から分離される。セパレータ14は、角膜18を切断することなしに上皮層16を分離する。
図7及び図8はそれぞれ、目10及び第4位置に配置されたセパレータ14の側面図及び平面図である。1つの実施形態では、セパレータ14の移動を、縁部36をヒンジ止めした上皮ディスク34を形成するように制御する。他の実施形態では、後で説明するように、上皮ディスク34を、角膜面18から完全に取外す。
図9は、目10、及び上皮ディスク34が形成された後の引込み位置に配置されたセパレータ14の平面図である。セパレータ14を引込めた後、円周方向溝32への吸引を停止させ、上皮セパレータ装置12を目10から取外す。また、図10を参照すれば、上皮セパレータ装置12を取外した後、セパレータ14が移動中に接触していた領域の形状及び寸法と一致する上皮除去領域38が露出される。
図11は、レーザー切除が行われた後の目10の平面図である。レーザー切除は、目10の上に照射領域40を形成する。図12を参照すれば、その後、治癒プロセスを助けるために、上皮ディスク34を目10の角膜面18の上に再配置する。図13を参照すれば、いったん上皮ディスク34を角膜面18の上に配置すると、上皮ディスク34が所定箇所に滑らかに引伸ばされることが好ましい。
図14は、目10、及び回転ドラム42を含む上皮セパレータ装置12の側面図である。回転ドラム42を回転させるために、上皮セパレータ装置12は、回転ギヤ44を含んでいるのが良い。回転ギヤ44は、セパレータ支持体28に運動を与えるために使用されても良い。上皮セパレータ装置12の正面図である図15及びその平面図である図16を参照すれば、回転ギヤ44は、セパレータ支持体28の上に且つ両側に配置されている。振動装置30は、ギヤ44の回転を供給することができ、ギヤ44は、溝26と平行に延びる溝付きレール等のレールの上を移動することができる。
上皮ディスク34を保存するための上皮ディスク34の典型的な厚さが約50ミクロンであるので、分離された上皮ディスク34は、回転ドラム42の上に巻かれる。回転ドラムは、直径約3〜約9mm及び長さ約12mmであるのが良い。図17を参照すれば、1つの実施形態では、上皮ディスク34の一体性を維持するために、回転ドラム42は、水和及び/又は調整基材で被覆されるのが良い。水和及び/又は調整基材は、例えば、HEMAコンタクトレンズ、組織培地、シリコーン、及び生物学的適合性ヒドロゲルを含む。上皮ディスク34を回転ドラム42の上に付けた後、水和及び/又は調整基材を回転ドラム42から取外すのが良い。その後、上述したように、上皮ディスク34を回転ドラム42から取外して、角膜面18の上に再配置するのが良い。
図18は、回転ドラム42の他の実施形態を示し、回転ドラム42は、孔46と、吸引源(図示せず)に連結されたコネクタ48とを含んでいる。回転ドラム42の孔46に吸引を施すことによって、上皮ディスク34を回転ドラム42の上に巻くことができる。その後、上述したように、上皮ディスク34を回転ドラム42から取外して、角膜面18の上に再配置する。
図19は、目10の基底膜1900から上皮層16を取外すセパレータ14の側面図である。上皮層16は、上皮細胞1902で作られている。上皮層16は、基底膜1900の上に位置している。基底膜1900は、厚さ約50nmの基底膜緻密層1904で形成され、厚さ約25nmの基底膜透明層1906の下に位置している。基底膜緻密層1906は、ボウマン層1908の上に位置している。上皮層16は、基底緻密層1904及びボウマン層1908のコラーゲン原線維と相互作用する固定原線維(VII型コラーゲン)及び固定プラーク(VI型コラーゲン)の複合メッシュを介してボウマン層に固定されている。ボウマン層1908は、角膜固有質1910の上に位置している。
上皮層16は、層状であり、5〜6層の上皮細胞1902を有している。上皮層16は、典型的には、厚さ約50〜60マイクロメートルである。隣接した上皮細胞1902は、デスモソーム即ち接着斑1912によって互いに保持されている。上皮細胞1902は、半接着斑1914及び固定フィラメントによって、その下に位置する基底膜1900に保持されている。上皮層16の底面は、多数の微絨毛及び微襞、即ち、リッジを含み、その多糖外被は、前角涙フィルムと相互作用して、前角涙フィルムを安定化させるのを助けている。新しい上皮細胞1902は、基底膜1900層の有糸分裂活性に由来する。新しい上皮細胞1902は、存在している細胞を表面方向及び求心方向の両方に移動させる。
セパレータ14は、それが上皮層16を横切って移動するときに上皮細胞1902を押す鈍い前縁部を含んでいる。セパレータ14は、好ましくは、1つの細胞層の厚さと上皮層16の厚さとの間の厚さを有している。更に好ましくは、セパレータ14は、2〜3細胞層の厚さを有している。セパレータ14は、好ましくは、上皮細胞1902を押し、接着斑1912等の細胞間結合を分裂させる力を及ぼさない。上皮層16を分離させる箇所が、しばしば、基底膜緻密層1904と基底膜透明層1906の間の境界で起こることが分かった。セパレータ14は、上皮層16の大部分の剪断強さを含んでいるであろう上皮細胞1902の下側の2〜3層を押すことが好ましい。
図20は、既知のブレード2000の斜視図である。ブレード2000の前縁部は鋭く、かくして、セパレータとしてうまく作動しない。ブレード2000は、角膜を切断するおそれがある。
図21は、1つの実施形態によるセパレータ14の前縁部2100の側面図である。セパレータ14の前縁部2100は、上皮層16に侵入させる部分を少なくさせるほど幅広であるべきではない。前縁部2100は、好ましくは、幅5〜25マイクロメーターであり、更に好ましくは、幅約15マイクロメーターである。
図22は、他の実施形態によるセパレータの前縁部2100の側面図である。前縁部2100は、平らではなく、丸みを有している。
図23は、更に他の実施形態によるセパレータの前縁部2100の側面図である。セパレータ14は、例えば、図20に示したブレード2000の前縁部2002を曲げることによって構成されている。前縁部2001は、好ましくは、直径約5〜25マイクロメーター、即ち、半径約2〜13マイクロメーターであり、更に好ましくは、直径約15マイクロメーターである。
図24は、好ましい実施形態によるセパレータとして使用できるワイヤ2400の斜視図である。ワイヤ2400は、ほぼ楕円又は円形の断面形状を有している。ワイヤ2400は、幅約5〜25マイクロメーターの前縁部を含んでいる。ワイヤ2400は、好ましくは、上皮を破壊しないで押すのに十分強い材料で作られている。例示のワイヤ材料は、チタン及びその合金、タングステン及びその合金、スチール合金及びカーボンファイバーを含む。
図25は、1つの実施形態によるセパレータ14を調整するのに使用される例示の機械2500の斜視図である。機械2500は、鋭利な縁部を有するセパレータを、例えば、図23に示すセパレータの前縁部のように全体的に曲げた縁部に変更することによってセパレータ14を調整する。
図26は、機械2500及びセパレータ14の正面図である。図25及び図26を参照すれば、機械2500は、モーター2510、回転シリンダー2520、重り2530又はブレードを下方に保持するその他の方法、及びブレードホルダー2540を含んでいる。モーター2510及び回転シリンダー2520のハウジング2544は、プラットフォームの上に載っている。ブレードは、例えば、クランプによって保持されている。ブレードの縁部は、回転シリンダー2520の回転軸線とほぼ平行である。ブレードの平面は、回転シリンダー2520の軸線とブレードの縁部とによって定まる平面と0〜20度の角度を形成する。モーター2510は、回転シリンダー2520を回転させるために、ベルト2550を介して回転シリンダー2520に連結されている。他の実施形態では、回転シリンダー2520を回転させるモーター2510は、回転シリンダー2520に直接連結されている。
回転シリンダー2520は、螺旋ワイヤ2560を含んでいる。螺旋ワイヤ2560及び回転シリンダー2520は、スチールで作られている。この螺旋ワイヤは、回転ドラムの螺旋突起として機能する。この螺旋は、ブレードの縁部の長さと等しいピッチを有している。螺旋により、ブレードのただ1つの箇所(ブレードの縁部と螺旋ワイヤとが接触する箇所)を任意の所定の瞬間に調整することを可能にする。螺旋ワイヤ2560がドラム2520と一緒に回転するとき、接触箇所は、ブレードの縁部に沿って移動するが、調整量は、ブレードの長さにわたって等しい。重り2530、及び回転シリンダー2520の運転時間及び回転は、セパレータ14の前縁部2100の形状及び幅を変化させる。1つの実施形態では、セパレータ14にかけた20mNの力を回転シリンダー2520に及ぼし、回転シリンダーを0.7回転/秒で約45秒間作動させることによって、好ましいセパレータ14を調整する。
図27は、上皮層16を分離し且つ保存するための装置2700の1つの実施形態を示す側面図である。装置2700は、本体2705、第1ドラム2710、第2ドラム2720、及び第1ドラム2710を第2ドラム2720に連結するベルト2730を含んでいる。装置2700は、フィルム2740等の基材を収容している。フィルム2740は、上皮層16を目10から取外したときに上皮層06を実質的に保存するのに使用される。フィルム2740は、バー又はクリップ2750によってドラム2710に保持されるのが良い。変形例として、フィルム2740は、第1ドラム2710と第2ドラム2720とを連結するように機能しても良く、従って、ベルト2730を省略しても良い。
図28は、装置2710の平面図であり、どのように装置2700をクリップ2750とともに使用するかを示す。1つの実施形態では、フィルム2740がドラム2710の上に且つクリップ2750の下に巻かれる(図27も参照)。第1ドラム2710及び第2ドラム2720は、ベルト2730によって連結されているので、第2ドラム2720を回転させると、第1ドラム2710が回転する。フィルム2540は、ベルト2730の上に置かれ、第1ドラム2710及び第2ドラム2720が移動するときに移動する。フィルム2740は、好ましくは、凝集によってベルト2730に取外し可能に接着されている。
フィルム2740は、外面2760を含んでいる。外面2760は、上皮層16が目10から分離されるときに上皮層16への機械的安定性を与えるために、上皮層16に接着されるように構成されている。フィルム2740は、天然の又は合成のポリマーを含んでいる。例示のポリマーは、HEMA(ポリ−2ヒドロキシ−エチル−メタクリレート)を含む。フィルム2740は、厚さ約20〜100マイクロメートルである。もしフィルム2740がフィルムストリップの形状をなしていれば、フィルム2740の長さ(a)及び幅(b)は、分離される上皮層16の直径よりも長く、幅広であることが好ましい。
フィルム2740は、好ましくは、上皮層16をフィルム2740に接着させるために水和される。フィルム2740の水和レベルは、フィルム2740への接着を制御する。水和されたフィルム2740はまた、取外された上皮層16に割れを形成させないように機能し、かつ、取外された上皮層16が裂けたり縮んだりすることを回避するように機能する。1つの実施形態では、上皮層16の表面は、例えば、スポンジ又は圧縮空気流で、乾燥される。その後、フィルム2740を上皮層16の上に配置する。上皮層16は、上皮層とフィルムとの間の水和レベルの違いのため、フィルム2740に接着する。その後、セパレータ14を使用して、上皮層16を分離する。フィルム2740及び上皮層16は、第1ドラム2710及び第2ドラム2720の上に巻かれる。
フィルムストリップ2740を装置2700によって付ける必要がないこと、ストリップがコーティングを必要としないことを認識すべきである。更に、フィルム27440を、上皮層16の取外しの前又は後に付けても良いし、装置2700を使用する代わりに手で付けても良い。
フィルム2740は、ディスク形状等の他の形状を含んでいても良い。上皮層16をディスク、例えば、コンタクトレンズに取付ける方法では、上皮層16を分離して、それを横に取外す。次いで、上皮層16をスポンジで滑らかにし、スポンジ、圧縮空気又はその両方で乾燥させる。その後、取外した上皮層16をフィルム2740の上に配置する。上皮層16及びフィルム2740を、例えば、圧縮空気で乾燥させる。約30秒の乾燥後、上皮層16はフィルム2740に接着され、上皮層を、損傷のおそれを減少させた状態でより容易に操作することができる。
本発明を種々の実施形態を参照することによって説明したけれども、本発明の範囲から逸脱することなしに、多くの変化例及び変更例を作ることができることを理解すべきである。したがって、前述の詳細な説明は、本発明の現在の好ましい実施形態の例示として理解すべきであり、本発明の定義と理解すべきではない。すべての均等例を含む特許請求の範囲のだけが、本発明の範囲を定めるものである。
目及び第1位置に配置された好ましい実施形態による上皮セパレータの側面図である。 目及び第1位置に配置された好ましい実施形態による上皮セパレータの平面図である。 目及び第2位置に配置された好ましい実施形態による上皮セパレータの側面図である。 目及び第2位置に配置された好ましい実施形態による上皮セパレータの平面図である。 目及び第3位置に配置された好ましい実施形態による上皮セパレータの側面図である。 目及び第3位置に配置された好ましい実施形態による上皮セパレータの平面図である。 目及び第4位置に配置された好ましい実施形態による上皮セパレータの側面図である。 目及び第4位置に配置された好ましい実施形態による上皮セパレータの平面図である。 目、及び上皮分離後に引込められた第5位置に配置された好ましい実施形態による上皮セパレータの平面図である。 セパレータを省略した目の平面図である。 レーザーによる切除が行われた後の目の平面図である。 上皮を再配置した、目の平面図である。 上皮が適所に滑らかに引伸ばされた、目の平面図である。 目、及び回転ドラムを含む上皮セパレータ装置の側面図である。 目、及び回転ドラムを含む上皮セパレータ装置の正面図である。 目、及び回転ドラムを含む上皮セパレータ装置の平面図である。 1つの実施形態によるドラムを示す図である。 他の実施形態によるドラムを示す図である。 上皮を目の基底膜から取外すセパレータの側面図である。 既知のブレードの斜視図である。 1つの実施形態によるセパレータの前縁部の側面図である。 他の実施形態によるセパレータの前縁部の側面図である。 更に他の実施形態によるセパレータの前縁部の側面図である。 好ましい実施形態によるセパレータとして使用することができるワイヤの斜視図である。 1つの実施形態によるセパレータを調整するのに使用される例示の機械の斜視図である。 セパレータを含む、図25の機械の正面図である。 上皮層を分離し且つ保存するための装置の1つの実施形態の側面図である。 図27の装置の平面図である。

Claims (47)

  1. 少なくとも1つの上皮細胞よりも厚く且つ上皮層の厚さよりも薄い厚さを有する縁部を備えたセパレータを有することを特徴とする、角膜の上皮層を分離するための装置。
  2. 前記セパレータは、曲げ縁部を備えたブレードを有する、請求項1に記載の装置。
  3. 前記セパレータはワイヤを有する、請求項1に記載の装置。
  4. 前記セパレータの縁部は、平らな前縁部を含むほぼ台形の形状を有する、請求項1に記載の装置。
  5. 前記平らな前縁部は、厚さ約5〜25マイクロメーターである、請求項4に記載の装置。
  6. 前記セパレータの縁部は、前縁部を含むほぼ半円筒形の表面を有する、請求項1に記載の装置。
  7. 前記半円筒形の表面は、半径約2〜13マイクロメーターである、請求項6に記載の装置。
  8. 前記縁部は、半円に類似した形状を形成するように曲げられた前縁部を有する、請求項1に記載の装置。
  9. 前記半円形の縁部は、直径約5〜25マイクロメーターである、請求項8に記載の装置。
  10. 前記セパレータは、上皮形状ワイヤを有する、請求項1に記載の装置。
  11. 分離用の前記縁部は、厚さ約5〜約25マイクロメーターである、請求項10に記載の装置。
  12. 前記セパレータは、円形形状ワイヤを有する、請求項1に記載の装置。
  13. 分離用の前記縁部は、幅約5〜約25マイクロメーターである、請求項12に記載の装置。
  14. 目から分離された上皮層に機械的な安定性を与えるために、上皮層に接着するように構成された第1の表面を備えたフィルムを有する、目の上皮層を実質的に保存する基材。
  15. 前記フィルムは、天然ポリマーを含む、請求項14に記載の基材。
  16. 前記フィルムは、合成ポリマーを含む、請求項14に記載の基材。
  17. 前記フィルムは、厚さ約20〜約100マイクロメーターである、請求項14に記載の基材。
  18. 前記フィルムは、ストリップ形状を有する、請求項14に記載の基材。
  19. 前記ストリップは、分離された上皮層の直径よりも長い長さ及び幅広の幅を有する、請求項18に記載の基材。
  20. 前記フィルムは、HEMA材料を含む、請求項14に記載の基材。
  21. 前記フィルムは、ディスクの形状を有する、請求項14に記載の基材。
  22. 前記ディスクは、HEMA材料を含む、請求項21に記載の基材。
  23. 前記フィルムの水和レベルは、前記フィルムへの接着を制御する、請求項14に記載の基材。
  24. 前記上皮層を目から取外す前に、前記フィルムが前記上皮層に付けられ且つ接着される、請求項14に記載の基材。
  25. セパレータを有する、角膜から上皮層を分離させる自動機械装置であって、
    分離された上皮層をディスクとして、前記ディスクを破裂させることなく且つ実質的に上皮層を破損させることなく保存することができることを特徴とする自動機械装置。
  26. 更に、目の上に着座し、角膜縁と平行な平面を有し、内径約10〜約12mmであり、溝を含む約13〜約16mmの外径を有する少なくとも1つのリングと、
    前記セパレータを所定の移動経路上に支持するために前記溝の中に嵌合する少なくとも1つのセパレータ支持体と、
    前記セパレータに移動及び振動を与える少なくとも1つの振動装置と、を有する請求項25に記載の自動機械装置。
  27. 前記セパレータは、動作中に角膜組織を切開するほど鋭利でない、請求項25に記載の自動機械装置。
  28. 前記セパレータは、動作中に角膜組織を切開するほど鋭利でない、請求項26に記載の自動機械装置。
  29. 前記セパレータの移動は、分離境界部にヒンジ止めされた上皮ディスクを生じさせるように制御される、請求項25に記載の自動機械装置。
  30. 前記セパレータの移動は、分離境界部にヒンジ止めされた上皮ディスクを生じさせるように制御される、請求項26に記載の自動機械装置。
  31. 前記リングは、目の側の面に円周方向溝を含み、リングの安定的な取り付けを確保するために、前記円周方向溝に吸引装置が取付けられる、請求項25に記載の自動機械装置。
  32. 前記リングは、目に接触する面に円周方向溝を含み、リングの安定的な取り付けを確保する吸引装置が取付けられる、請求項26に記載の自動機械装置。
  33. 前記セパレータは、約10Hz〜約10KHzの周波数で振動する、請求項25に記載の自動機械装置。
  34. 前記セパレータの振動は、前記セパレータに及ぼされる電磁力によって供給される、請求項33に記載の自動機械装置。
  35. 前記セパレータの振動は、前記セパレータに及ぼされる圧電力によって供給される、請求項33に記載の自動機械装置。
  36. 前記セパレータの振動は、外部の回転又は振動ワイヤによって供給される、請求項33に記載の自動機械装置。
  37. 更に、前記セパレータ支持体の上に位置し且つその運動を供給する回転ギヤを含み、この回転ギヤへの回転は、前記振動装置によって与えられ、前記回転ギヤは、前記溝と平行な歯付きレールの上を移動する、請求項25に記載の自動機械装置。
  38. 前記セパレータ支持体は、前記溝の中を自由に摺動する、請求項26に記載の自動機械装置。
  39. 前記セパレータ支持体は、前記振動装置によって駆動されるとき、前記溝の中を摺動する、請求項38に記載の自動機械装置。
  40. 更に、分離された上皮ディスクが巻き付く回転ドラムを含む、請求項26に記載の自動機械装置。
  41. 前記回転ドラムは、直径約3〜約9mmである、請求項40に記載の自動機械装置。
  42. 前記回転ドラムは、少なくとも1つの水和及び調整基材によって被覆される、請求項41に記載の自動機械装置。
  43. 前記少なくとも1つの水和及び調整基材は、HEMAコンタクトレンズ、組織培地、シリコーン及び生物学的適合性ヒドロゲルからなるグループから選択される、請求項42に記載の自動機械装置。
  44. 上皮ディスクを前記回転ドラムに付けたあと、前記水和及び調整基材を前記回転ドラムから取外すことができる、請求項42に記載の自動機械装置。
  45. 前記回転ドラムは、中空の内部を含む、請求項40に記載の自動機械装置。
  46. 前記回転ドラムの表面は、孔を含む、請求項25に記載の自動機械装置。
  47. 前記孔は、それを前記回転ドラムの中空の内部を通してエア吸引装置に連通させるために、前記回転ドラムの中空の内部と連通する、請求項46に記載の自動機械装置。
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