JP2005510542A - 炎症の治療のための、il−1/18阻害剤及びtnf阻害剤の組み合わせ。 - Google Patents

炎症の治療のための、il−1/18阻害剤及びtnf阻害剤の組み合わせ。 Download PDF

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Abstract

本発明は、リウマチ様関節炎(RA)を含む、炎症の治療又は予防のための組成物及び方法に関する。当該方法は、TNF阻害剤と組み合わせてIL−1/18を阻害する因子を含む組成物の有効量を、それらを必要とする哺乳類に投与することを含む。

Description

本発明は、概して、インターロイキン−1(IL−1)及び/又は18(IL−18)阻害剤と、腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤との組み合わせに関する。当該組み合わせは、有用な医薬組成物であり、リウマチ様関節炎を含む、炎症の治療に有用である。
炎症は、物理的なダメージ、感染、又は抗原性刺激によるなどの負傷に対する体の防御反応である。炎症反応は、炎症が自己抗原などの不適当な刺激によって誘導されるときに、病理学的に表われ、過大に表われ、又は有害因子が除去された後まで続きうる。このような状況において、炎症は慢性的に表われうる。敗血性ショックなどの急性炎症性疾病、及び、リウマチ様関節炎及び炎症性腸疾患などの慢性炎症性疾病の仲介は、IL−1、IL−18、及びTNFの前炎症性活性と関連するとされてきた。
IL−1、IL−18、及びTNFは、しばしばサイトカインと呼ばれる天然の種類である。サイトカインは、細胞、特に、サイトカインの合成と放出に近接した領域にある細胞、の反応を変化させる細胞外タンパク質である。
IL−1は、これまで発見された中で最も効力の強い炎症性サイトカインの1種であり、多くの疾病及び病状における主要な仲介物質であると考えられている。IL−1は、独占的にではないが、マクロファージ/単球系統の細胞により作られ、2種類の形態、IL−1アルファ(IL−1α)及びIL−1ベータ(IL−1β)として産生され、これらは炎症反応の早期において重要な役割を果たすものである(総説として、C.A.Dinarello,Blood,87:2095−2147(1996)及びその中の引用文献を参照)。両方のタンパク質は、31kDalの細胞内前駆タンパク質として産生され、これらは、切断され分泌されて、生物学的活性を有する成熟したカルボキシ端末17kDal断片となる。IL−1βの場合には、この切断は、ICEとして知られる、細胞内システインプロテアーゼによって生じ、これは不活性前駆体から活性断片を放出するために必要とされる。IL−1αの前駆体は活性である。
IL−1α及びIL−1βは、ほぼすべての細胞種上に見られる細胞表面受容体(IL−1r)に結合すること、及び、単独で、又は、他の分泌された因子と協同して、ある範囲の反応を引き起こすことにより作用する。これらは、増殖(例えば、繊維芽細胞、T細胞)から、アポトーシス(例えば、A375メラノーマ細胞)、サイトカイン誘導(例えば、TNF、IL−1、IL−18)、受容体活性化(例えば、E−セレクチン)、エイコサノイド産生(例えば、PGE2)及び、分解酵素(例えば、コラゲナーゼ)にまで影響を及ぼす。これを達成するために、IL−1は、NF−κB及びAP−1などの転写調節因子を活性化する。標的細胞に対するIL−1作用の幾つかの活性は、ストレス活性化MAPキナーゼJNK/SAPK及びp38などの細胞ストレスと関連する、キナーゼカスケードの活性化により仲介されていると考えられている。
可溶性IL−1受容体(IL−1sr)は、米国特許第5,081,228号;第5,180,812号;第5,767,064号;及び再発行RE35,450号;及び欧州特許公開EP460,846号に記載されているように、IL−1に結合し、不活性化する治療剤として、用いられてきた。
IL−1ファミリーの3番目の因子もまた発見されており、これは、IL−1受容体に結合するが、細胞内伝達又は生物学的反応に変換しないことにより、IL−1α及びIL−1βの天然のアンタゴニストとして作用する。このタンパク質はIL−1ra(IL−1受容体アンタゴニスト(IL−1 receptor antagonist))と呼ばれている。
IL−1raポリペプチドの投与を含む療法は、カナダ特許出願番号第2039458号及び第2039458号、米国特許第5,508,262号、第5,880,096号、第5,861,476号、第5,786,331号、第5,767,234号、第5,608,035号、WO97/28828号、WO99/11292号、WO95/20973号、WO97/28828号、及び、WO98/24477号などの種々の特許及び刊行物に記載されてきた。
IL−1raポリペプチド、可溶性IL−1r(タイプI IL−1rの細胞内ドメインから誘導したもの)、IL−1α又はβに対する抗体、及び、これらの遺伝子のトランスジェニックノックアウトを用いた多くの研究は、IL−1ファミリーが病態生理学の多くにおいて重要な役割を果たしていることを決定的に示してきた(総説として、C.A.Dinarello,Blood 87:2095−2147(1996)参照)。例えば、IL−1raポリペプチドは、敗血性ショック、リウマチ様関節炎、宿主疾患に対する移植、発作、心臓虚血の動物モデルにおいて有効であることが示され、現在、これらの適応の幾つかに対して臨床試験が行われている。Ohlssonら,1990,“Interleukin−1 receptor antagonist reduced mortality from endotoxin shock”,Nature 348:550−551;Aiuraら,1991,“Interleukin−1 receptor antagonist blocks hypotension in rabbit model of gram−positive septic shock”,Cytokine 4:498;Fischerら,1991,“A comparison between effects of Interleukin−1α administration and sublethal endotoxemia in primates”,Am.J.Physiol.261:R444;Waage and Espevik,1998,“Interleukin−1 potentiates the lethal effect of tumor necrosis factor/cachectin in mice”,J.Exp.Med.1678:1987;Fischerら,“Interleukin−1 Receptor Blockade Improves Survival and Hemodynamic Performance in E.Coli Septic Shock...”,J.Clin.Invest.89:1551−1557;Granowitzら,1992,“Pharmacokinetics,Safety,Immunomodulatory Effects of Human Recombinant Interleukin−1 Receptor Antagonist in Healthy Humans”,Cytokine 4(5):353−360;Bloedowら,1992,“Intravenous Disposition of Interleukin−1 Receptor Antagonist in Healthy Volunteers”,Amer.Soc.Clin.Pharm.and Therapeutics,Orlando,Florida(要約)を参照せよ。さらに、IL−1α及びβは、放射−及び化学−保護剤となる可能性とともに、造血幹細胞刺激剤としての幾らかの可能性を示している。
ヒトインターロイキン−18(IL−18)は、最近同定された、インターロイキンファミリーのもう1つの因子である。IL−18は、生物学的に不活性な193アミノ酸前駆タンパク質として合成されるサイトカインである(Ushioら,J.Immunol.156:4274,1996)。当該前駆タンパク質の切断は、例えば、caspase−1又はcaspase−4によって行われ、156アミノ酸成熟タンパク質を遊離し(Guら,Science 275:206,1997;Ghayurら,Nature 386:619,1997)、これは、T細胞増殖の共同刺激、NK細胞の細胞毒性の増強、T細胞及びNK細胞によるIFN−γ産生の誘導、及び、Tヘルパー タイプ I(Th I)分化の可能化を含む生物学的活性を示す(Okamuraら,Nature 378:88,1995;Ushioら,J.Immunol.156:4274,1996;Micallefら,Eur.J.Immunol.26:1647,1996;Kohnoら,J.Immunol.158:1541,1997;Zhangら,Infect.Immunol.65:3594,1997;Robinsonら,Immunol.7:571,1997)。加えて、IL−18は、IL−8、腫瘍壊死因子−α、及びプロスタグランジンE2(PGE2)を含む、ヒト単球前炎症性仲介物質の有効な誘導因子である(Ushio,S.ら,J.Immunol.156:4274−4279,1996;Puren,A.J.ら,J.Clin.Invest.10:711−721,1997)。
すでにクローニングされたIL−1受容体関連タンパク質(IL−1 receptor−related protein(IL−1 Rrp))(Parnetら,J.Biol.Chem.271:3967,1996)もまた、IL−18受容体のサブユニットとして最近同定された(Kd=18nM)(Trigoeら,J.Biol.Chem.272:25737,1997)。IL−18受容体の第二サブユニットは、IL−1受容体補助タンパク質との相同性を示し、AcPL(accessory protein−likeとして)と名づけられた。IL−1 Rrp、及びAcPLの両方の発現が、IL−18誘導性NF−κβ及びJNK活性化に必要とされる(Bomら,J.Biol.Chem.273:29445,1998)。NF−κβ及びJNKに加えて、IL−18は、IL−1受容体関連キナーゼ(IRAK)、p561ck(LCK)、及び、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)を通じて情報伝達を行う(Micallefら,Eur.J.Immunol.26:1647,1996;Matsumotoら,Biophys Biochem.Res.Comm.234:454,1997;Tsuji,Takayamaら,Biochem.Biophys.Res.Comm.237:126,1997)。
Th I細胞は、IFN−7、IL−2及びTNF−αなどの前炎症性サイトカインを産生する細胞であって(Mosmannら,J.Immunol.136:2348,1986)、多発性硬化(MS)、リウマチ様関節炎(RA)、インスリン依存性糖尿病(IDDM)、炎症性腸疾患(IBD)、及び、乾癬などの多くの自己免疫疾患の仲介に関係しているとされてきた(Mosmann及びSad,Immunol.Today 17:138,1996)。このように、IL−18などのTh I促進サイトカインのアンタゴニズムは、疾病の進行を阻害することが期待される。IL−18特異的モノクローナル抗体は、アンタゴニストとして用いられることが可能であった。
IL−18の、多数の追加的な受容体、アンタゴニスト及び抗体が同定されてきた。さらに、このような受容体の可溶性形態について、これらが、どの程度、IL−18活性を阻害し、IL−18情報伝達に帰因するいかなる炎症及び/又は自己免疫疾患を改善するかを測定するため、現在研究中である。例えば、国際特許公報WO99/37772号を参照。
一連のジアリールスルフォニル尿素(Diarylsulfonylureas(“DASUs”))もまた同定され、これらは、IL−1の刺激共役型翻訳後プロセシングの潜在的阻害剤であり、IL−18の阻害剤である。これらの化合物は、PCT出願であるWO98/32733号(1997年12月29日に出願、出願番号第09/341,782号として1999年8月16日に米国国内段階へ移行)において記載され、特許請求の範囲とされており、この開示の全体は、すべての目的のために参照により本明細書中に組み込まれる。IL−1及びIL−18は炎症の重要な仲介物質であり、それらの機能の阻害は、疾患を有する動物モデルにおいて治療的緩和をもたらすため(Cominelli,F.ら,J.Clin.Invest.86:972−980(1990);Akeson,A.L.ら,J.Biol.Chem.271:30517−30523(1996);Caron,J.P.ら,Arthritis Rheum.39:1535−1544(1996);Okamura,H.ら,Nature 378:88−91(1995);Rothwell,N.,J.Clin.Invest.100:2648−2652(1997))、刺激共役型翻訳後プロセシングの過程を中断する物質は、炎症性仲介物質により維持される疾患を有するヒト及び動物における治療に対して有用でありうる。これらは、リウマチ様関節炎、変形性関節症、喘息、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、神経変性疾患、アテローム性動脈硬化、及び、乾癬を含む。
TNF類は、単球及びマクロファージを含む、多くの細胞種によって産生される、別のクラスのサイトカインである。少なくとも2つのTNF類、具体的にTNFアルファ(TNF−α)及びTNFベータ(TNF−β又はリンフォトキシン)は、すでに記載されてきた。
刺激を受けていない細胞において、TNF−αは細胞内に結合している。TNF−α変換酵素(TNF−α Converting Enzyme(TACE))は、細胞に結合したTNF−αの切断を引き起こす。TNF−αは、多くの感染性及び自己免疫疾患に関連していると認識されている(W.Friers,FEBS Letters,285,199(1991))。さらに、TNF−αが、敗血症及び敗血性ショックにおいて見られる炎症性反応の主要な仲介物質であることが示されてきた(Spoonerら,Clinical Immunology and Immunopathology,62 S11(1992))。TNF−αには二つの形態があり、相対分子量26,000(26kD)のタイプII膜タンパク質、及び、特異的タンパク質分解切断によって細胞結合タンパク質から産生される可溶性17kD形態である。TNF−αの可溶性17kD形態は、当該細胞によって放出され、TNF−αの有害な効果に関連している。TNF−αのこの形態は、また、合成部位から離れた場所において作用する能力を有する。このように、TACEの阻害剤は、可溶性TNF−αの形成を抑制し、可溶性因子の有害な効果を抑制する(米国特許第5,830,742号(1998年11月3日発行)、第5,594,106号(1997年1月14日発行)、国際特許公開WO97/35538号(1997年10月2日公開)を参照)。
可溶性TNF受容体(soluble TNF receptor (TNFsr))については、炎症の改善における有用性が示されてきており、例えば、エタネルセプト(etanercept(Enbrel))を参照。エタネルセプトは、米国特許第5,395,760号、第5,712,155号、第5,945,397号、第5,344,915号、及び、再発行RE36,755号において記載されている。
TNF又はTNFrに対する抗体は、炎症の治療において有用であることが知られており、インフリキシマブ(infliximab(Remicade(商標)))、CDP−870、及び、アダリムマブ(adalimumab(D2E7))を含む。インフリキシマブは、米国特許第5,698,195号、及び、第5,656,272号に記載されている。アダリムマブは、国際特許公開WO97/29131号に記載されている。CDP−870などのヒト化抗体の製造方法は、欧州特許公開第120,694号、第460,167号、及び、第516,785号に記載されている。
“Selective Inhibitors of Aggrecanase in Osteoarthritis Treatment”という題の米国仮特許出願(1999年8月12日出願)には、ある分子量の小さなTACE阻害剤、及び、ヒドロキサム酸の追加的な調製方法について述べられている。 “TACE inhibitors”という題の米国非仮特許出願(1999年8月12日出願)には、ヘテロサイクリックヒドロキサム酸について述べられている。前記で参照した刊行物及び出願は、その全体が参照により本明細書中に組み込まれる。
WO93/21946号には、IL−1又はTNFにより仲介される状態に対する組み合わせ療法について記載されている。当該療法では、IL−1阻害剤、特に、IL−1raを、30kDaのTNF阻害剤と組み合わせて用いる。しかしながら、IL−1プロセシング及び放出阻害剤、IL−18阻害剤、又はTACE阻害剤の組み合わせは記載されていない。
IL−1/18の伝達を阻害する因子と、TNF阻害剤(好ましくはTACE阻害剤)との本組み合わせが、各物質単独の場合を超える相乗効果を有することが、今回発見されたのである。
発明の要約
本発明は、IL−1及び/又は18の阻害剤の一定量と、腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤の一定量との組み合わせを含み、当該二つの成分の量が炎症の治療に有効な量であって、薬学的に許容可能な担体をも含む、組成物を提供する。本発明は、また、当該組み合わせを投与することを含む治療方法を提供する。
前記組成物、及び、組み合わせ方法の具体的な実施態様は、IL−1阻害剤の一定量が、腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤の一定量と組み合わされ、当該二つの成分の量が炎症の治療に有効な量であり、薬学的に許容可能な担体をも含む、組み合わせである。
前記組成物、及び、組み合わせ方法の他の具体的な実施態様は、IL−18阻害剤の一定量が、腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤の一定量と組み合わされ、当該二つの成分の量が炎症の治療に有効な量であり、薬学的に許容可能な担体をも含む組み合わせである。
前記組成物、及び、組み合わせ方法の他の具体的な実施態様は、IL−1阻害剤及びIL−18阻害剤の一定量が、腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤の一定量と組み合わされ、当該三つの成分の量が炎症の治療に有効な量であり、薬学的に許容可能な担体をも含む組み合わせである。
前記組成物、及び、組み合わせ方法の他の具体的な実施態様は、IL−1及びIL−18の両方に対する阻害剤の一定量が、腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤の一定量との組み合わされ、当該二つの成分の量が炎症の治療に有効な量であり、薬学的に許容可能な担体をも含む組み合わせである。
前記組成物、及び、組み合わせ方法の他の具体的な実施態様は、当該IL−1阻害剤が、IL−1ra(好ましくはアナキンラ(anakinra))である組み合わせである。
前記組成物、及び、組み合わせ方法の他の具体的な実施態様は、当該IL−1/18阻害剤がIL−1プロセシング及び放出阻害剤から構成される群から選択される組み合わせである。
前記組成物、及び、組み合わせ方法の他の具体的な実施態様は、当該IL−1/18阻害剤が可溶性IL−1r又はIL−18r(IL−1sr又はIL−18sr)、又は、IL−1、IL−1r、IL−18、又はIL−18rに対する抗体である、当該組み合わせである。
IL−1プロセシング及び放出阻害剤は、ICE、カスパーゼ阻害剤、IL−1翻訳後プロセシング阻害剤から構成される群から選択される。より好ましくは、当該IL−1プロセシング及び放出阻害剤は、IL−1翻訳後プロセシング阻害剤である。特に好ましいIL−1翻訳後プロセシング阻害剤は、IL−1刺激共役型翻訳後プロセシング阻害剤であり、より具体的には、アニオン輸送阻害剤、及び、チアジド類及びエタクリン酸などの利尿剤である。特に好ましい利尿剤は、エタクリン酸である。
前記組成物、及び、組み合わせ方法の他の具体的な実施態様は、当該IL−1阻害剤が、ICE阻害剤、caspase阻害剤、及び、IL−1翻訳後プロセシング阻害剤から構成される群から選択されるIL−1プロセシング及び放出阻害剤である、当該組み合わせである。
前記組成物、及び、組み合わせ方法の他の具体的な実施態様は、当該IL−1阻害剤が、ICE阻害剤である、当該組み合わせである。
前記組成物、及び、組み合わせ方法の他の具体的な実施態様は、当該IL−1阻害剤が、カスパーゼ阻害剤である、当該組み合わせである。
前記組成物、及び、組み合わせ方法の他の具体的な実施態様は、当該IL−1阻害剤が、IL−1翻訳後プロセシング阻害剤である、当該組み合わせである。
前記組成物、及び、組み合わせ方法の他の具体的な実施態様は、当該IL−1阻害剤が、ジアリールスルフォニル尿素から選択されるIL−1翻訳後プロセシング阻害剤である、当該組み合わせである。
好ましいIL−1プロセシング及び放出阻害剤は、(本明細書に記載されたin vitroアッセイのうちの1つにより決定されるように)50μMより小さい、より好ましくは1μMより小さい、最も好ましくは100nMより小さいIC50値を有する物質である。
本発明の方法及び組成物において有用なIL−1プロセシング及び放出阻害剤の特に好ましい種類は、ジアリールスルフォニル尿素である。好ましいジアリールスルフォニル尿素は、式Iの化合物
Figure 2005510542
又はその薬学的に許容可能な塩
[ここで、R及びRは、それぞれ独立に式IIの基であり
Figure 2005510542

ここで、破線(―――)は、二重結合であってもよいことを表し;
nは、0、1、2、又は3であり;
A,B,D,E及びGは、それぞれ独立して酸素原子、硫黄原子、窒素原子、又はCR(ここで、R及びRはそれぞれ(1)水素原子、(2)(C−C)アルキルアミノ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、パーフルオロ(C−C)アルキル、(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロアリール、(C−C10)アリールアミノ、(C−C10)アリールチオ、(C−C10)アリールオキシ(ここで当該アリール基は、(C−C)アルコキシ、(C−C)アシル、カルボキシ、ヒドロキシ、又は、ハロで置換されていてもよい);(C−C)ヘテロアリールアミノ、(C−C)ヘテロアリールチオ、(C−C)ヘテロアリールオキシ、(C−C10)アリール(C−C10)アリール、(C−C)シクロアルキル、ヒドロキシ、ピペラジニル、(C−C10)アリール(C−C)アルコキシ、(C−C)ヘテロアリール(C−C)アルコキシ、(C−C)アシルアミノ、(C−C)アシルチオ、(C−C)アシルオキシ、(C−C)アルキルスルフィニル、(C−C10)アリールスルフィニル、(C−C)アルキルスルフォニル、(C−C10)アリールスルフォニル、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、又は((C−C)アルキル)アミノから選択される1又は2の基で置換されていてもよい(C−C)アルキル;(3)ハロ、(4)シアノ、(5)アミノ、(6)ヒドロキシ、(7)パーフルオロ(C−C)アルキル、(8)パーフルオロ(C−C)アルコキシ、(9)(C−C)アルケニル、(10)カルボキシ(C−C)アルケニル、(11)(C−C)アルキニル、(12)(C−C)アルキルアミノ、(13)((C−C)アルキル)アミノ、(14)(C−C)アルキルスルフォニルアミド、(15)(C−C)アルキルスルフィニル、(16)(C−C)アルキルスルフォニル、(17)アミノスルフォニル、(18)(C−C)アルキルアミノスルフォニル、(19)((C−C)アルキル)アミノスルフォニル、(20)(C−C)アルキルチオ、(21)(C−C)アルコキシ、(22)パーフルオロ(C−C)アルキル、(23)(C−C10)アリール、(24)(C−C)ヘテロアリール、(25)(C−C10)アリールアミノ、(26)(C−C10)アリールチオ、(27)(C−C10)アリール(C−C)アルコキシ、(28)(C−C)ヘテロアリールアミノ、(29)(C−C)ヘテロアリールチオ、(30)(C−C)ヘテロアリールオキシ、(31)(C−C)シクロアルキル、(32)(C−C)アルキル(ヒドロキシメチレン)、(33)ピペリジル、(34)ピリジニル、(35)チエニル、(36)フラニル、(37)(C−C)アルキルピペリジル、(38)(C−C)アシルアミノ、(39)(C−C)アシルチオ、(40)(C−C)アシルオキシ、(41)R(C−C)アルキル(ここで、Rは(C−C)アシルピペラジノ、(C−C10)アリールピペラジノ、(C−C)ヘテロアリールピペラジノ、(C−C)アルキルピペラジノ、(C−C10)アリール(C−C)アルキルピペラジノ、(C−C)ヘテロアリール(C−C)アルキルピペラジノ、モルフォリノ、チオモルフォリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピペリジル、(C−C)アルキルピペリジル、(C−C10)アリールピペリジル、(C−C)ヘテロアリールピペリジル、(C−C)アルキルピペリジル(C−C)アルキル、(C−C10)アリールピペリジル(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロアリールピペリジル(C−C)アルキル、又は、(C−C)アシルピペリジルである);
(42)又は式IIIの基
Figure 2005510542
ここで、sは0から6であり;
tは、0又は1であり;
Xは、酸素原子、又はNR(ここで、Rは水素原子、(C−C)アルキル、又は、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキルである)であり;
Yは、水素原子、ヒドロキシ;ハロ、ヒドロキシ又はシアノで置換されていてもよい(C−C)アルキル;(C−C)アルコキシ、シアノ、(C−C)アルキニル、(C−C10)アリール(ここで、当該アリール基は、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、パーフルオロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、又はNR10;(ここで、R及びR10はそれぞれ、水素原子、及び、(C−C)アルキルピペリジル、(C−C10)アリールピペリジル、(C−C)ヘテロアリールピペリジル、(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロアリール、又は(C−C)シクロアルキルで置換されていてもよい(C−C)アルキルから構成される群から独立に選択される)で置換されていてもよい);ピペリジル、(C−C)アルキルピペリジル、(C−C10)アリールピペリジル、(C−C)ヘテロアリールピペリジル、(C−C)アシルピペリジル、(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロアリール、(C−C)シクロアルキル、R11(C−C)アルキル、(C−C)アルキル(CHR11)(C−C)アルキル(ここで、R11は、ヒドロキシ、(C−C)アシルオキシ、(C−C)アルコキシ、ピペラジノ、(C−C)アシルアミノ、(C−C)アルキルチオ、(C−C10)アリールチオ、(C−C)アルキルスルフィニル、(C−C10)アリールスルフィニル、(C−C)アルキルスルフォキシル、(C−C10)アリールスルフォキシル、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、((C−C)アルキル)アミノ、(C−C)アシルピペラジノ、(C−C)アルキルピペラジノ、(C−C10)アリール(C−C)アルキルピペラジノ、(C−C)ヘテロアリール(C−C)アルキルピペラジノ、モルフォリノ、チオモルフォリノ、ピペリジノ、又は、ピロリジノである);R12(C−C)アルキル、(C−C)アルキル(CHR12)(C−C)アルキル(ここで、R12は、ピペリジル又は(C−C)アルキルピペリジルである);又は、CH(R13)COR14(ここで、R14は、以下のとおり定義され、R13は、水素原子、(C−C)アルキル、(C−C10)アリール(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロアリール(C−C)アルキル、(C−C)アルキルチオ(C−C)アルキル、(C−C10)アリールチオ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルスルフィニル(C−C)アルキル、(C−C10)アリールスルフィニル(C−C)アルキル、(C−C)アルキルスルフォニル(C−C)アルキル、(C−C10)アリールスルフォニル(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、アミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、((C−C)アルキルアミノ)(C−C)アルキル、R1516NCO(C−C)アルキル、又は、R15OCO(C−C)アルキル(ここで、R15及びR16は、それぞれ、水素原子、(C−C)アルキル、(C−C10)アリール(C−C)アルキル、及び、(C−C)ヘテロアリール(C−C)アルキルから構成される群から独立に選択される)であり;そして、R14は、R17O、又はR1718N(ここで、R17及びR18は、それぞれ、水素原子、(C−C)アルキル、(C−C10)アリール(C−C)アルキル、及び、(C−C)ヘテロアリール(C−C)アルキルから構成される群から独立に選択される)であり;
(43)又は式IVの基
Figure 2005510542
ここで、uは0、1又は2であり;
19は、水素原子、(C−C)アルキル、又はパーフルオロ(C−C)アルキルであり;
20は、水素原子、(C−C)アルキル、(C−C)カルボキシアルキル、又は(C−C10)アリール(C−C)アルキルであり;
(44)又は式Vの基
Figure 2005510542
ここで、aは、0、1又は2であり;
bは、0又は1であり;
cは、1、2又は3であり;
dは、0又は1であり;
eは、0、1又は2であり;
J及びLは、それぞれ独立して酸素原子又は硫黄原子であり;
21は、水素原子、ヒドロキシ、フルオロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルキル、アミノ、(C−C)アシルアミノ、又はNR2627(ここで、R26及びR27は、それぞれ、水素原子、(C−C)アルキル、又は(C−C10)アリールから独立に選択される)であり;そして、
22は、水素原子;又は、ヒドロキシ、ハロ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルキルスルフィニル、又は(C−C)アルキルスルフォニルで置換されていてもよい(C−C)アルキルであり;
から構成される群から独立に選択され;
又は、式IIにおいて、nが1であり、B及びDが両方ともCRであるとき、当該二つのRはそれらが結合する炭素原子とともに、式VIの基を形成してもよく、
Figure 2005510542
ここで、破線(―――)は二重結合であってもよいことを表し;
mは0又は1であり;そして、
T,U,V及びWは、それぞれ、独立して、酸素原子、硫黄原子、CO、窒素原子、又は、CR(ここでR及びRは、前記で定義されたとおりである)であり;
又は、A及びBが両方ともCRであるとき、又は、nが1であってB及びDが両方ともCRであるとき、又は、D及びEが両方ともCRであるとき、又は、E及びGが両方ともCRであるとき、当該二つのRはそれらが結合する隣接炭素原子とともに、ヒドロキシ又はベンゾ基で置換されていてもよい(C−C)シクロアルキル基を形成してもよい]
である。
式I(前記)の化合物の一つの実施態様は、Rが芳香族でなければならないことを必要とする。
当該組成物及び組み合わせ方法の他の実施態様は、当該IL−1阻害成分が、式I(前記)の化合物であって、当該式II及びVIの基が、2つの酸素原子、2つの硫黄原子、又は、1つの酸素原子及び硫黄原子を、定義された隣接する位置において有するものでない、当該組み合わせの群である。
本発明の方法及び組成物において有用な、より好ましいジアリールスルフォニル尿素は、式Iの化合物であって、Rが式IIの基である
Figure 2005510542
[ここで、破線(―――)は二重結合であってもよいことを表し;
nは0であり;
Aは、CRであり(ここで、Rは、水素原子、又はハロである);
B及びEは、両方とも独立にCRであり(ここで、Rは、(1)水素原子、(2)シアノ、(3)ハロ、(4)1又は2のヒドロキシで置換されていてもよい(C−C)アルキル、(5)(C−C)シクロアルキルアミノスルフォニル、(6)(C−C)アルキルアミノスルフォニル、又は(7)式IIIの基である)
Figure 2005510542
ここで、sは0であり;
tは0であり;そして、
Yは水素原子;ハロで置換されていてもよい(C−C)アルキル;又は、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルであり;
Dは存在せず;
Gは、酸素原子、硫黄原子、又はCRである(ここで、Rは、水素原子、又はハロである)]
化合物である。
本発明の方法及び組成物において有用な、より好ましいジアリールスルフォニル尿素は、式Iの化合物であって、Rが式IIの基である
Figure 2005510542
[ここで、破線(―――)は二重結合であってもよいことを表し;
nは1であり;
Aは、CRであり(ここで、Rは、ハロ、又は(C−C)アルキルである);
Bは、CRであり(ここで、Rは、水素原子、又はハロである);
Dは、CRである(ここで、Rは、水素原子、ハロ、シアノ、又は式IIIの基である)
Figure 2005510542
ここで、sは0であり;
tは0であり;そして、
YはNHであり;
Eは、CRであり(ここで、Rは、水素原子、又はハロである);
Gは、CRである(ここで、Rは、ハロ、又は(C−C)アルキルである)]化合物である。
本発明の方法及び組成物において有用な、より好ましいジアリールスルフォニル尿素は、式Iの化合物であって、Rが式IIの基である
Figure 2005510542
[ここで、破線(―――)は二重結合であってもよいことを表し;
nは1であり;そして、A,B,E及びGは、それぞれCRであり、そしてA及びB及びE及びGの二つの隣接するRは、それらが結合する隣接する炭素原子とともに、(C−C)シクロアルキル基を形成している]
化合物である。
本発明の方法及び組成物において有用な、より好ましいジアリールスルフォニル尿素は、式Iの化合物であって、Rが式
Figure 2005510542
の基である化合物である。
本発明の方法及び組成物において有用な、ジアリールスルフォニル尿素の具体的な種類は、以下から構成される群から選択されうる。
1−(1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン−4−イル)−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フラン−2−スルフォニル]−尿素;
1−(2,6−ジイソプロピル−フェニル)−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フラン−2−スルフォニル]−尿素;
1−(1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−4−アザ−s−インダセン−8−イル)−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フラン−2−スルフォニル]−尿素;
1−(4−クロロ−2,6−ジイソプロピル−フェニル)−3−[3−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−ベンゼンスルフォニル]−尿素;
1−(1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン−4−イル)−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−チオフェン−2−スルフォニル]−尿素;
1−(4−[1,3]ジオキソラン−2−イル−フラン−2−スルフォニル)−3−(1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン−4−イル)−尿素;
1−(2,6−ジイソプロピル−フェニル)−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−チオフェン−2−スルフォニル]−尿素;
1−(4−アセチル−チオフェン−2−スルフォニル)−3−(1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン−4−イル)−尿素;
1−(1H−ベンゾイミダゾール−5−スルフォニル)−3−(1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン−4−イル)−尿素;
1−(1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン−4−イル)−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−チオフェン−2−スルフォニル]−尿素;
1−(8−クロロ−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン−4−イル)−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フラン−2−スルフォニル]−尿素;
1−(4−アセチル−フラン−2−スルフォニル)−3−(1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン−4−イル)−尿素;
1−(8−フルオロ−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン−4−イル)−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フラン−2−スルフォニル]−尿素;
1−(4−フルオロ−2,6−ジイソプロピル−フェニル)−3−[3−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−ベンゼンスルフォニル]−尿素;
1−(6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−スルフォニル)−3−(1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン−4−イル)−尿素;
1−(4−クロロ−2,6−ジイソプロピル−フェニル)−3−(1H−インドール−6−スルフォニル)−尿素;
1−(4−クロロ−2,6−ジイソプロピル−フェニル)−3−(5−フルオロ−1H−インドール−6−スルフォニル)−尿素;
1−[1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン−u−イル)−3−(1H−インドール−6−スルフォニル)−尿素;
1−(5−フルオロ−1H−インドール−6−スルフォニル)−3−(1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−5−インダセン−4−イル)−尿素;
1−[4−クロロ−2,6−ジイソプロピル−フェニル]−3−[2−フルオロ−5−(2−メチル−(1,3)ジオキソラン−2−イル)−ベンゼンスルフォニル]−尿素;
3−[3−[4−クロロ−2,6−ジイソプロピル−フェニル]−ウレイドスルフォニル]−N−メチル−ベンゼンスルフォンアミド;
1−[2−フルオロ−5−(2−メチル−(1,3)ジオキソラン−2−イル)ベンゼンスルフォニル]−3−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−インダセン−4−イル)−尿素;
1−(4−クロロ−2,6−ジイソプロピル−フェニル)−3−[2−フルオロ−5−オキシラニルベンゼンスルフォニル]−尿素;
1−(1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン−4−イル)−3−[2−フルオロ−5−オキシラニルベンゼンスルフォニル]−尿素;及び、
3−[3−(1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−S−インダセン−4−イル)−ウレイドスルフォニル]−N−メチル−ベンゼンスルフォンアミド。
本発明の組成物において有用な、当該ジアリールスルフォニル尿素の中で、特に好ましい種類は
1−(1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン−4−イル)−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フラン−2−スルフォニル]−尿素;
1−(2,6−ジイソプロピル−フェニル)−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フラン−2−スルフォニル]−尿素;
4−クロロ−2,6−ジイソプロピル−フェニル−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フラン−2−スルフォニル]−尿素;
1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−4−アザ−s−インダセン−8−イル−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フラン−2−スルフォニル]−尿素;
8−クロロ−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン−4−イル−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フラン−2−スルフォニル]−尿素;
8−フルオロ−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン−4−イル−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フラン−2−スルフォニル]−尿素;及び
4−フルオロ−2,6−ジイソプロピル−フェニル−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フラン−2−スルフォニル]−尿素
である。
本発明の組成物において有用なIL−1プロセシング及び放出阻害剤の他の種類は、ICE阻害剤である。特に、好ましいICE阻害剤は、米国特許第5,656,627号、第5,847,135号、第5,756,466号、第5,716,929号、及び、第5,874,424号のICE阻害剤から構成される群から選択される化合物及びその薬学的に許容可能な塩である。
本発明の組成物及び組み合わせ方法において有用な、好ましいICE阻害剤は、Vertex VX740(pralnacasan,HMR−3480)であり、これらの合成及び活性は、米国特許第5,874,424号に詳細に記載されている。
本発明の組成物及び組み合わせ方法の他の実施態様は、当該組み合わせの一方の活性成分が、可溶性TNF受容体(TNFsr)、TNF又はTNFrに対する抗体、又は、TACE阻害剤である、組み合わせの群である。
本発明の組成物及び組み合わせ方法の他の実施態様は、当該組み合わせの一方の活性成分が、腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤エタネルセプトである、組み合わせの群である。
本発明の他の実施態様は、当該組み合わせの一方の活性成分が、腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤インフリキシマブである、組成物及び組み合わせ方法の群である。
本発明の他の実施態様は、当該組み合わせの一方の活性成分が、腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤CDP−870である、組成物及び組み合わせ方法の群である。
本発明の他の実施態様は、当該組み合わせの一方の活性成分が、腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤アダリムマブである、組成物及び組み合わせ方法の群である。
本発明の他の実施態様は、当該組み合わせの一方の活性成分が、TACE阻害剤から構成される群から選択される腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤である、組成物及び組み合わせ方法の群である。TACE及びその阻害剤は、米国特許第5,830,742号(1998年11月3日発行)、第5,594,106号(1997年1月14日発行)、及び、国際特許公開WO97/35538号(1997年10月2日公開)に記載されている。
本発明者は、また、メタロプロテアーゼ及びリプロリジン(reprolysin)活性に対して差別的な(好ましくは、TACE阻害活性が、MMP及びアグリカナーゼ(Aggrecanase)活性を超える)阻害剤を、インターロイキン−1/18(IL−1/18)の伝達を阻害する物質と組み合わせることができることを発見した。好ましい組み合わせの1つの群は、優先的にMMP−1よりもTACEを選択的に阻害する阻害剤を含む。好ましい組み合わせの他の群は、優先的にMMP−1よりもTACE及びマトリックスメタロプロテアーゼ−13(MMP−13)を選択的に阻害する阻害剤を含む。好ましい組み合わせの他の群は、優先的にMMP−1よりもアグリカナーゼ及びTACEを選択的に阻害する阻害剤を含む。好ましい組み合わせの他の群は、優先的にMMP−1よりもアグリカナーゼ、TACE、及び、MMP−13を選択的に阻害する阻害剤を含む。好ましい組み合わせの他の群は、優先的にMMP−1、アグリカナーゼ、MMP−13よりも、TACEを選択的に阻害する阻害剤を含む。
本発明の他の実施態様は、当該組み合わせの一方の活性成分が、in vitroアッセイにおいてそれぞれ決定されるように、MMP−1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12及び14のそれぞれよりも、ADAM−17に対して100倍選択的である、ADAM−17(TACE)阻害剤の群から選択される腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤である組成物及び組み合わせ方法の群である。
本発明の他の実施態様は、当該組み合わせの一方の活性成分が、TACE阻害剤から構成される群から選択される腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤であり、もう一方の活性成分がIL−1ra、好ましくはアナキンラである、組成物及び組み合わせ方法の群である。
本発明の他の実施態様は、当該組み合わせの一方の活性成分が、アリールスルフォニルヒドロキサム酸誘導体から構成される群から選択されるTACE阻害剤である、組成物及び組み合わせ方法の群である。
本発明の他の実施態様は、当該組み合わせの一方の活性成分が、アリールスルフォニルヒドロキサム酸誘導体TACE阻害剤であって、当該アリールスルフォニルヒドロキサム酸誘導体が、以下の式の構造を有する化合物:
Figure 2005510542
又は、その薬学的に許容可能な塩
[ここで、
Xは、酸素原子、硫黄原子、SO、SO、又はNRであり;
、R、R、R、R及びRは、水素原子、ヒドロキシ、NH、−CN、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C10)アリール(C−C)アルケニル、(C−C)ヘテロアリール(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C10)アリール(C−C)アルキニル、(C−C)ヘテロアリール(C−C)アルキニル、(C−C)アルキルアミノ、[(C−C)アルキル]アミノ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルコキシ、パーフルオロ(C−C)アルキル、パーフルオロ(C−C)アルコキシ、(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロアリール、(C−C10)アリールアミノ、(C−C10)アリールチオ、(C−C10)アリールオキシ、(C−C)ヘテロアリールアミノ、(C−C)ヘテロアリールチオ、(C−C)ヘテロアリールオキシ、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルキル(ヒドロキシメチレン)、ピペリジル、(C−C)アルキルピペリジル、(C−C)アシル、(C−C)アシルアミノ、(C−C)アシルチオ、(C−C)アシルオキシ、(C−C)アルコキシ−(C=O)−、−COH、HN−(C=O)−、(C−C)アルキル−NH−(C=O)−、及び、[(C−C)アルキル]−N−(C=O)−から構成される群から選択され;
ここで、当該(C−C)アルキルは、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、ハロ、−CN、(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロアリール、(C−C10)アリールアミノ、(C−C10)アリールチオ、(C−C10)アリールオキシ、(C−C)ヘテロアリールアミノ、(C−C)ヘテロアリールチオ、(C−C)ヘテロアリールオキシ、(C−C10)アリール(C−C10)アリール、(C−C)シクロアルキル、ヒドロキシ、ピペラジニル、(C−C10)アリール(C−C)アルコキシ、(C−C)ヘテロアリール(C−C)アルコキシ、(C−C)アシルアミノ、(C−C)アシルチオ、(C−C)アシルオキシ、(C−C)アルキルスルフィニル、(C−C10)アリールスルフィニル、(C−C)アルキルスルフォニル、(C−C10)アリールスルフォニル、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、又は((C−C)アルキル)アミノから選択される1又は2の基で置換されていてもよく;
は、水素原子;ヒドロキシ、−CN、(C−C)アルキルアミノ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルコキシ、パーフルオロ(C−C)アルキル、(C−C10)アリール、(C−C10)アリールチオ、(C−C10)アリールオキシ、(C−C)ヘテロアリールアミノ、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルキル(ヒドロキシメチレン)、ピペリジル、(C−C)アルキルピペリジル、(C−C)アシル、(C−C)アシルアミノ、(C−C)アシルオキシ、(C−C)アルコキシ−(C=O)−、−COH、(C−C)アルキル−NH−(C=O)−、及び、[(C−C)アルキル]−N−(C=O)−の1又は複数の基で置換されていてもよい(C−C)アルキル;(C−C10)アリールスルフォニル;(C−C)アルキルスルフォニル;(C−C)アルキル−NH−(C=O)−;(C−C)アルコキシ−(C=O)−;(C−C)アルキル−(C=O)−;[(C−C)アルキル]−N−(C=O)−;又は、(RN)−(C=O)(ここで、R及びRは、それらが結合している窒素原子とともに、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルフォリニル、及びチオモルフォリニルから選択される環を形成している)であり;
Qは、(C−C10)アリール(C−C)アルコキシ(C−C10)アリール、(C−C10)アリール(C−C)アルコキシ(C−C)ヘテロアリール、(C−C)ヘテロアリール(C−C)アルコキシ(C−C10)アリール、又は、(C−C)ヘテロアリール(C−C)アルコキシ(C−C)ヘテロアリールであり、ここで、当該(C−C10)アリール又は(C−C)ヘテロアリール基のそれぞれは、ハロ、−CN、1又は複数のフッ素原子で置換されていてもよい(C−C)アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシ−(C−C)アルキル、1又は複数のフッ素原子で置換されていてもよい(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、HO−(C=O)−、(C−C)アルキル−O−(C=O)−、HO−(C=O)−(C−C)アルキル−、(C−C)アルキル−O−(C=O)−(C−C)アルキル、(C−C)アルキル−(C=O)−O−、(C−C)アルキル−(C=O)−O−(C−C)アルキル−、H(O=C)−、H(O=C)−(C−C)アルキル、(C−C)アルキル(O=C)−、(C−C)アルキル(O=C)−(C−C)アルキル、NO、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、[(C−C)アルキル]アミノ、アミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、[(C−C)アルキル]アミノ(C−C)アルキル、HN−(C=O)−、(C−C)アルキル−HN−(C=O)−、[(C−C)アルキル]N−(C=O)−、HN−(C=O)−(C−C)アルキル、(C−C)アルキル−HN−(C=O)−(C−C)アルキル、[(C−C)アルキル]N−(C=O)−(C−C)アルキル、H(O=C)−NH−、(C−C)アルキル(C=O)−NH、(C−C)アルキル(C=O)−[NH](C−C)アルキル、(C−C)アルキル(C=O)−[N(C−C)アルキル](C−C)アルキル、(C−C)アルキル−S−、(C−C)アルキル−(S=O)−、(C−C)アルキル−SO−、(C−C)アルキル−SO−NH−、(C−C)アルキル−SO−[N(C−C)アルキル]−、HN−SO−、HN−SO−(C−C)アルキル、(C−C)アルキルHN−SO−(C−C)アルキル、[(C−C)アルキル]N−SO−(C−C)アルキル、CFSO−、(C−C)アルキル−SO−、フェニル、フェニル(C−C)アルキル、(C−C10)シクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、及び、(C−C)ヘテロアリールから構成される群から独立に選択される、1又は複数の置換基、好ましくは、環あたり1から3個、最も好ましくは、末端の環に対して1から3個の置換基で置換されていてもよく;
ただし、XがSO又はSOであり、R及びRがヘテロ原子を含む置換基であるとき、当該へテロ原子は当該環に結合することができないことを条件とする]
である組成物及び組み合わせ方法の群である。
本発明の他の実施態様は、当該組み合わせの一方の活性成分が、以下から構成される群から選択されるアリールスルフォニルヒドロキサム酸誘導体TACE阻害化合物である組成物及び組み合わせ方法の群である。
(2S,3S)−4−[4−(3,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−2−メチル−チオモルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2S,3S)−4−[4−(4−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−2−メチル−チオモルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2S,3R,6S)−2,6−ジメチル−4−[4−(2−メチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
4−(4−ベンジルオキシ−ベンゼンスルフォニル)−2−メチル−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2S,3R,6S)−4−[4−(4−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−2,6−ジメチル−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(3R,6S)−4−[4−(4−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−2,2,6−トリメチル−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2S,3R,6S)−6−エチル−4−[4−(4−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−2−メチル−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3R,6S)−4−[4−(4−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−2,6−ジメチル−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3R,6R)−4−[4−(4−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−2,6−ジメチル−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2S,3R,6S)−2,6−ジメチル−4−[4−(ピリジン−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルフォニル]−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2S,3R,6S)−2,6−ジメチル−4−[4−(ピリジン−2−イルメトキシ)−ベンゼンスルフォニル]−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2S,3R,6S)−2,6−ジメチル−4−[4−(ピリジン−3−イルメトキシ)−ベンゼンスルフォニル]−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2S,3R,6S)−2,6−ジメチル−4−[4−(2−メチル−ピリジン−3−イルメトキシ)−ベンゼンスルフォニル]−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(3R,6S)−2,2,6−トリメチル−4−[4−(2−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2S,3R)−2,6,6−トリメチル−4−[4−(ピリジン−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルフォニル]−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(3R,6S)−2,2,6−トリメチル−4−[4−(2−メチル−ピリジン−3−イルメトキシ)−ベンゼンスルフォニル]−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2S,3R,6S)−[4−(2,5−ジメチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−2,6−ジメチル−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2S,3R,6S)−4−[4−(3,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−2,6−ジメチル−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2S,3R,6S)−4−[4−(3−メトキシ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−2,6−ジメチル−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2S,3R,6S)−4−[4−(5−フルオロ−2−メチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−2,6−ジメチル−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2S,3R,6S)−4−[4−(フラン−3−イルメトキシ)−ベンゼンスルフォニル]−2,6−ジメチル−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2S,3R,6S)−4−[4−(2−フルオロ−3−メチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−2,6−ジメチル−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2S,3R)−4−[4−(4−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−2,6,6−トリメチル−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(3R)−4−[4−(4−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−6,6−ジメチル−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(3R)−6,6−ジメチル−4−[4−(ピリジン−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルフォニル]−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(3R)−6,6−ジメチル−4−[4−(2−メチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2S,3R,6S)−4−(4−シクロヘキシルメトキシ−ベンゼンスルフォニル)−2,6−ジメチル−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(3R,6S)−4−[4−(2,5−ジメチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−2,2,6−トリメチル−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2S,3R)−4−[4−(4−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−6−メトキシメチル−2−メチル−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2S,3R,6S)−4−[4−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−6−[(エチル−メチル−アミノ)−メチル]−2−メチル−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2S,3R)−4−[4−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−6−メトキシ−2−メチル−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2S,3R,6R)−4−[4−(4−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−6−ヒドロキシメチル−2−メチル−モルフォリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド。
本発明の他の実施態様は、当該組み合わせの一方の活性成分が、アリールスルフォニルヒドロキサム酸誘導体TACE阻害剤であって、ここで、当該アリールスルフォニルヒドロキサム酸誘導体が、以下の式の構造を有する化合物:
Figure 2005510542
[ここで、R−Rは、ヒドロキシ、水素原子、NH、ハロゲン、−CN、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C10)アリール(C−C)アルケニル、(C−C)ヘテロアリール(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C10)アリール(C−C)アルキニル、(C−C)ヘテロアリール(C−C)アルキニル、(C−C)アルキルアミノ、[(C−C)アルキル]アミノ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルコキシ、パーフルオロ(C−C)アルキル、パーフルオロ(C−C)アルコキシ、(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロアリール、(C−C10)アリールアミノ、(C−C10)アリールチオ、(C−C10)アリールオキシ、(C−C)ヘテロアリールアミノ、(C−C)ヘテロアリールチオ、(C−C)ヘテロアリールオキシ、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルキル(ヒドロキシメチレン)、ピペリジル、(C−C)アルキルピペリジル、(C−C)アシル、(C−C)アシルアミノ、(C−C)アシルチオ、(C−C)アシルオキシ、(C−C)アルコキシ−(C=O)−、−COH、(C−C)アルキル−NH−(C=O)−、及び、[(C−C)アルキル]−N−(C=O)−から構成される群から選択され;
ここで、当該(C−C)アルキルは、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルコキシ、トリフルオロメチル、ハロ、−CN、(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロアリール、(C−C10)アリールアミノ、(C−C10)アリールチオ、(C−C10)アリールオキシ、(C−C)ヘテロアリールアミノ、(C−C)ヘテロアリールチオ、(C−C)ヘテロアリールオキシ、(C−C10)アリール(C−C10)アリール、(C−C)シクロアルキル、ヒドロキシ、ピペラジニル、(C−C10)アリール(C−C)アルコキシ、(C−C)ヘテロアリール(C−C)アルコキシ、(C−C)アシルアミノ、(C−C)アシルチオ、(C−C)アシルオキシ、(C−C)アルキルスルフィニル、(C−C10)アリールスルフィニル、(C−C)アルキルスルフォニル、(C−C10)アリールスルフォニル、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、又は((C−C)アルキル)アミノから選択される1又は2の基で置換されていてもよく;
又は、R及びR、又はR及びR、又はR及びRは、一緒になってカルボニルを形成してもよく;
又は、R及びR、又はR及びR、又はR及びR、又は、R及びRは、一緒になって、(C−C)シクロアルキル、オキサシクロヘキシル、チオシクロヘキシル、インダニル、又はテトラリニル環、又は、以下の式の基を形成してもよく
Figure 2005510542
は、水素原子、又は(C−C)アルキルであり;
Arは、ハロ、−CN、1又は複数のフッ素原子で置換されていてもよい(C−C)アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシ−(C−C)アルキル、1又は複数のフッ素原子で置換されていてもよい(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、HO−(C=O)−、(C−C)アルキル−O−(C=O)−、HO−(C=O)−(C−C)アルキル−、(C−C)アルキル−O−(C=O)−(C−C)アルキル、(C−C)アルキル−(C=O)−O−、(C−C)アルキル−(C=O)−O−(C−C)アルキル−、H(O=C)−、H(O=C)−(C−C)アルキル、(C−C)アルキル(O=C)−、(C−C)アルキル(O=C)−(C−C)アルキル、NO、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、[(C−C)アルキル]アミノ、アミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、[(C−C)アルキル]アミノ(C−C)アルキル、HN−(C=O)−、(C−C)アルキル−HN−(C=O)−、[(C−C)アルキル]N−(C=O)−、HN−(C=O)−(C−C)アルキル、(C−C)アルキル−HN−(C=O)−(C−C)アルキル、[(C−C)アルキル]N−(C=O)−(C−C)アルキル、H(O=C)−NH−、(C−C)アルキル(C=O)−NH、(C−C)アルキル(C=O)−[NH](C−C)アルキル、(C−C)アルキル(C=O)−[N(C−C)アルキル](C−C)アルキル、(C−C)アルキル−S−、(C−C)アルキル−(S=O)−、(C−C)アルキル−SO−、(C−C)アルキル−SO−NH−、HN−SO−、HN−SO−(C−C)アルキル、(C−C)アルキルHN−SO−(C−C)アルキル、[(C−C)アルキル]N−SO−(C−C)アルキル、CFSO−、(C−C)アルキル−SO−、フェニル、フェニル(C−C)アルキル、(C−C10)シクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、及び、(C−C)ヘテロアリールから独立に選択される、1又は複数の置換基で置換されていてもよい、(C−C10)アリール(C−C)アルコキシ(C−C10)アリール、(C−C10)アリール(C−C)アルコキシ(C−C)ヘテロアリール、(C−C)ヘテロアリール(C−C)アルコキシ(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロアリール(C−C)アルコキシ(C−C)ヘテロアリールである]
である組成物及び組み合わせ方法の群である。
本発明の他の実施態様は、当該組み合わせの一方の活性成分が、アリールスルフォニルヒドロキサム酸誘導体TACE阻害剤であって、ここで、当該TACE阻害剤が以下から構成される群から選択される、組成物及び組み合わせ方法の群である。
(2R,5R)−1−[4−(2,5−ジメチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−5−ヒドロキシ−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,5R)−1−[4−(5−フルオロ−2−メチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−5−ヒドロキシ−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,4R)−4−ヒドロキシ−1−[4−(2−メチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,5R)−1−[4−(5−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−5−ヒドロキシ−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,5R)−5−ヒドロキシ−1−[4−(2−イソプロピル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,5R)−1−[4−(2−エチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−5−ヒドロキシ−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,4R)−1−[4−(5−フルオロ−2−メチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−4−ヒドロキシ−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,4R)−1−[4−(2,5−ジメチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−4−ヒドロキシ−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,5R)−1−[4−(5−フルオロ−2−メチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−5−ヒドロキシ−5−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,5R)−1−[4−(5−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−5−ヒドロキシ−5−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,5R)−5−ヒドロキシ−1−[4−(2−イソプロピル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−5−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,5R)−5−ヒドロキシ−5−メチル−1−[4−(2−メチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3R,5R)−5−ヒドロキシ−3−メチル−1−[4−(2−メチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3R,5R)−5−ヒドロキシ−1−[4−(2−イソプロピル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3S)−1−[4−(5−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3R)−1−[4−(2,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,5R)−1−[4−(2,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−5−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3S)−1−[4−(2−メチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−4−アミノアセチル−3−メチル−ピペラジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3S)−1−[4−(4−フルオロ−2−メチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−3−メチル−5−オキソ−ピペラジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3S)−4−[4−(2−エチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−3−メチル−4−カルボン酸ヒドロキシアミド−ピペラジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3S)−1−[4−(4−フルオロ−2−メチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,5R)−1−[4−(2−クロロ−4−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−5−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3S)−4−[4−(5−フルオロ−2−メチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−3−メチル−4−カルボン酸ヒドロキシアミド−ピペラジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3R)−1−[4−(2−クロロ−4−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3R)−1−[4−(2−フルオロ−4−クロロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,5R)−1−[4−(4−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−5−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3S)−1−[4−(2−メチル−5−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−3−メチル−5−オキソ−ピペラジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3S)−1−[4−(2−メチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,5R)−1−[4−(4−フルオロ−2−メチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−5−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,5R)−1−[4−(2−メチル−3−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−5−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3R)−1−[4−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3R)−1−[4−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3R)−1−[4−(2−メチル−3−フルオロベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,5R)−1−[4−(2−メチル−5−クロロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−5−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3R)−1−[4−(2−メチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3R)−1−[4−(2,4−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,5R)−1−[4−(2−フルオロ−5−クロロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−5−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3R)−1−[4−(2−メチル−5−フルオロベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,5R)−1−[4−(2−ブロモ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−5−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;及び、
(2R,3S)−4−[4−(2,4−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルフォニル]−3−メチル−4−カルボン酸メチルアミド−ピペラジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド。
本発明の方法及び組成物は、一般的に哺乳類におけるIL−1/18及びTNF仲介性疾病の治療及び/又は予防に向けられたものである。IL−1/18及びTNF仲介性疾病に罹患したいかなる哺乳類も本発明の組成物及び方法を用いて治療されうるが、好ましくは、当該哺乳類はヒトである。
本発明の方法及び組成物は、いかなるIL−1/18及びTNF仲介性疾病の治療にも有用であるが、好ましくは、当該IL−1/18及びTNF仲介性疾病は、例えば、敗血性ショック、播種性血管内凝固症候群、及び/又は成人呼吸窮迫症候群などの、活性感染が体のいかなる部位にも存在する感染性疾患に対する不適当な宿主反応;抗原、抗体、及び/又は補体沈着による急性又は慢性の炎症;関節炎、胆管炎、大腸炎、脳炎、心内膜炎、糸球体腎炎、肝炎、心筋炎、膵炎、心膜炎、再潅流障害、及び、血管炎を含む炎症性状態、急性及び遅発性過敏症、拒絶反応、及び、移植片対宿主疾患などの免疫原生疾患;I型糖尿病及び多発性硬化を含む、自己免疫疾患などでありうる。好ましくは、治療用組成物及び方法は、リウマチ様関節炎、敗血性ショック、COPD、及び歯周病などの炎症性疾患に向けられたものである。
IL−1阻害剤とTNF阻害剤との組み合わせは、また、細胞外マトリックスの過剰堆積のみならず骨及び軟骨の吸収の治療においても有用でありうる。これらの疾患は、骨粗鬆症、歯周病、間質性肺線維症、肝硬変、全身性硬化、及び、ケロイド形成を含む。IL−1阻害剤とTNF阻害剤との組み合わせは、また、IL−1を自己分泌成長因子として産生するある種の腫瘍の治療、及び、ある種の腫瘍に関連する悪液質の予防に対しても有用でありうる。IL−1阻害剤とTNF阻害剤との組み合わせは、また、アルツハイマー病、発作、鬱病、及び、衝撃障害を含むが、これらに限定されない、炎症性要素を伴う神経疾患の治療に有用でありうる。IL−1阻害剤とTNF阻害剤との組み合わせは、また、アテローム斑の進行などの、単球の内皮空間への補充が役割を果たす心臓血管疾患の治療において有用である。
当該方法及び組成物が特に有用な疾患は、関節炎であり、特に、リウマチ様関節炎である。
本発明はまた、1又は複数のコンテナに、IL−1の伝達を阻害する物質とTNF阻害剤との組み合わせを含む、炎症を治療するためのキットを提供する。
定義及び一般技術
本明細書において別途定義されない限り、本発明との関連において用いられた科学及び技術用語は、通常の当業者によって一般的に理解される意味を有するであろう。さらに、文脈から別途必要とされない限り、単数の用語は、複数形を含み、複数の用語は単数形を含むであろう。一般に、本明細書で記載された、細胞及び組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学、及び、タンパク質及び核酸化学、及び、ハイブリダイゼーションの技術、及び、これらに関連して用いられた専門用語は、技術的に周知であり、一般的に用いられる。本発明の方法及び技術は、一般に、別途指示されない限り、本明細書を通じて引用され議論された、種々の一般的な、かつ、より具体的な参考文献に記載されているように、技術的に周知の慣習的な方法に従って行われる。例えば、Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第二版,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,ニューヨーク(1989)、及び、Ausbelら,CurrentProtocols in Molecular Biology,Greene Publishing Associates(1992)、及び、Harlow及びLane,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,ニューヨーク(1990)、を参照。これらは参照により本明細書に組み込まれる。酵素反応及び精製技術は、技術的に一般に完成され、又は、本明細書で記載されているように、製造者の仕様書に従って行われる。本明細書で記載された分析化学、合成有機化学、及び、医学及び薬学の化学の実験手順及び技術、及び、これらに関連して用いられた専門用語は、周知のものであり、技術的に一般に用いられる。標準技法は、化学合成、化学分析、医薬品、製剤、送達、及び、患者の治療のために用いられる。
以下の用語は、別途指示されない限り、以下の意味を有するものと理解される。
「IL−1阻害剤」は、IL−1信号の伝達を妨げるいかなる物質をも指し、例えば、IL−1サイトカインの翻訳後プロセンシング及び放出などを、例えば、カルボキシ末端17kDal成熟サイトカインの前駆体である31kDalプロ−サイトカインの切断を妨げることにより、又は、細胞及び/又は細胞外液への成熟サイトカインの放出を妨げることなどによる。このような阻害剤の例は、ICE阻害剤、カスパーゼ阻害剤、及び、IL−1翻訳後プロセンシング阻害剤である。
「IL−18阻害剤」は、IL−18信号の伝達を妨げるいかなる物質をも指し、例えば、IL−18アンタゴニスト、IL−18及びIL−18r抗体、及び、可溶性IL−18受容体(IL−18sr)などであり、例えば、カスパーゼ−1又はカスパーゼ−4により、前駆タンパク質の切断を妨げることなどにより、156アミノ酸成熟タンパク質の遊離を妨げるものなどである。
「TNF阻害剤」は、TNF信号の伝達を妨げるいかなる物質をも指し、例えば、TNFアンタゴニスト;TNF、TNFr及びTACE抗体;可溶性TNF受容体(TNFsr);及びTACE阻害剤などである。
「ポリペプチド」は、ペプチド結合又は改変されたペプチド結合により互いに結合した、2又はそれを超えるアミノ酸を含む、すなわち、ペプチドアイソスターも含む、いかなるペプチド又はタンパク質をも指す。「ポリペプチド」は、通常、ペプチド、オリゴペプチド、又はオリゴマーと呼ばれる短鎖の、及び、一般にタンパク質と呼ばれる長鎖の両方を指す。ポリペプチドは、遺伝子によりコードされる20アミノ酸以外のアミノ酸をも含みうる。「ポリペプチド」は、翻訳後修飾などの自然過程による、又は、公知技術である化学修飾技術による、いずれの修飾されたアミノ酸配列をも含む。このような修飾は、基本的な教科書、及びより詳細な単行書、さらに、膨大な研究文献において、よく記載されている。修飾は、ペプチド主鎖、アミノ酸側鎖、及びアミノ又はカルボキシル末端を含む、ポリペプチドのいかなる部位でも起こりうる。同じ種類の修飾は、あるペプチドの数箇所において、同様の又は異なる程度において、存在しうることが認められる。また、あるポリペプチドは、多くの種類の修飾を含みうる。ポリペプチドは、ユビキチン化の結果として、分枝状であってもよく、分枝とともに、又は分枝を伴わず、環状でありうる。環状分枝、及び、分枝環状のポリペプチドは、翻訳後の自然過程の結果生じうるのであり、又は、合成方法によって製造されうる。修飾は、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム基の共有結合、ヌクレオチド又はヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質又は脂質誘導体の共有結合、フォスフォチジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有架橋の形成、シスチンの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、ガンマ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化などのトランスファーRNAの仲介によるタンパク質へのアミノ酸付加、及び、ユビキチン化を含む。例えば、PROTEINS−STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES,第二版,T.E.Creighton,W.H.Freeman and Company,ニューヨーク,1993、及び、Wold,F.,Post−translational Protein Modifications:Perspectives and Prospects,1−12頁, in POST−TRANSLATIONAL COVALENT MODIFICATION OF PROTEINS,B.C.Johnson編,Academic Press,ニューヨーク,1983:Seifterら,“Analysis for protein modifications and nonprotein cofactors”,Meth Enzymol(1990)182:626−646、及び、Rattanら,“Protein Synthesis:Post−translational Modifications and Aging”,Ann NY Acad Sci(1992)663:48−62を参照。
「変異体」という用語は、本明細書で用いられる際、参照ポリペプチドと異なるが、本質的性質を保持しているポリペプチドをいう。ポリペプチドの典型的な変異体は、他の参照ポリペプチドとアミノ酸配列において異なる。一般に、相違は、参照タンパク質と変異体の配列が、全体として非常に類似しており、多くの領域において一致する範囲に限られる。変異体及び参照ポリペプチドは、アミノ酸配列において、任意の組み合わせにおける、1又は複数の置換、付加、欠失によって異なりうる。置換された、又は挿入されたアミノ酸残基は、遺伝情報によりコードされるものであってもよく、そうでなくてもよい。ポリペプチドの変異体は、天然でありうるし、また、天然であることが知られていない変異体であってもよい。ポリヌクレオチド及びポリペプチドの非天然変異体は、突然変異生成技術又は直接標識法により製造されうる。
「同一性」は、ヌクレオチド配列又はアミノ酸配列の同一性の程度を示すものである。一般に、配列は、最も高い一致が得られるように合わせられる。「同一性」それ自体は、当技術分野で認識されている意義を有し、公知技術を用いて計算されうる。例えば、(COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY;Lesk,A.M.編,Oxford University Press,ニューヨーク,1988;BIOCOMPUTING:INFORMATICS AND GENOME PROLECTS,Smith,D.W.編,Academic Press,ニューヨーク,1993;COMPUTER ANALYSIS OF SEQUENCE DATA,PART I,Griffin,A.M.及びGriffin,H.G.編,Humana Press,ニュージーランド,1994;SEQUENCE ANALYSIS IN MOLECULAR BIOLOGY,von Heinje,G.,Academic Press,1987;及び、SEQUENCE ANALYSIS PRIMER,Gribskov,M.及びDevereux,J.編,M Stockton Press,ニューヨーク,1991)を参照。二つのポリヌクレオチド又はポリペプチド配列の間の同一性を測定する多数の方法が存在する上、「同一性」という用語は当業者に周知である(Carillo,H.,and Lipton,D.,SIAM J Applied Math(1988)48:1073)。二つの配列間の同一性又は類似性を測定するために一般に用いられる方法は、Guide to Huge Computers,Martin J.Bishop,編,Academic Press,サンディエゴ,1994,及び、Carillo,H.,及びLipton,D.,SIAM J Applied Math(1988)48:1073において開示されたものを含むが、これらに限定されない。同一性及び類似性を測定するための方法は、コンピュータープログラム中にコード化される。二つの配列間の同一性又は類似性を測定するための、好ましいコンピュータープログラム方法は、GCS program package(Devereux,J.ら,Nucleic Acids Research(1984)12(1):387)、BLASTP,BLASTN,FASTA(Atschul,S.F.ら,J Molec Biol(1990)215:403)を含むが、これらに限定されない。
「単離されたタンパク質」又は「単離されたポリペプチド」という用語は、その起源、又は誘導の源により(1)自然状態においてそれと付随している関連要素と結合していない(2)同じ種の他のタンパク質から遊離している(3)異なる種の細胞によって発現している、又は(4)自然には生じないタンパク質又はポリペプチドをいう。このように、化学的に合成され、又は、生来的に由来している細胞とは異なる細胞系において合成されたポリペプチドは、その生来結合している要素から単離されうる。タンパク質は、また、技術的に公知のタンパク質精製技術を用いて、単離により生来の関連要素から実質的に遊離されうる。
タンパク質又はポリペプチドは、試料中の少なくとも約60から75%が単一のポリペプチド種である場合、「実質的に純粋である」「実質的に同質である」又は「実質的に精製された」という。当該ポリペプチド又はタンパク質は、単量体又は多重結合体でありうる。実質的に純粋なポリペプチド又はタンパク質は、典型的に、タンパク質試料中の約50%、60、70%、80%又は90% W/W、より通常には約95%を構成し、そして好ましくは99%を超える精製度である。タンパク質の精製度又は等質性は、タンパク質試料のポリアクリルアミドゲル電気泳動と、それに続く公知技術である染色によってゲルを染色することによる単一ポリペプチドバンドの可視化などの、技術的に公知の多数の手段により示されうる。ある目的のためには、HPLC又は精製のための技術的に公知の他の手段を用いて、より高い分離度が提供されうる。
「ポリペプチド断片」という用語は、本明細書で用いられる際、アミノ末端及び/又はカルボキシ末端の欠失を有し、しかし、残存するアミノ酸配列は天然の配列における対応部位と同一であるポリペプチドをいう。断片は典型的に少なくとも5,6,8、又は10アミノ酸長であり、好ましくは少なくとも14アミノ酸長であり、より好ましくは少なくとも20アミノ酸長であり、通常は少なくとも50アミノ酸長であり、そしてさらにより好ましくは少なくとも70アミノ酸長である。
「ポリペプチド類似物質」という用語は、本明細書で用いられる際、少なくとも25アミノ酸の部分から構成されるポリペプチドであって、アミノ酸配列の一部と実質的に同一であり、少なくとも1の以下の特性:(1)適当な結合条件下におけるIL−1、IL−1r、IL−18、IL−18r、TNF、TNFr又はTACEとの特異的結合、(2)IL−1、IL−18、TNF、又はTACEを阻害し、又は、TNFのIL−r、IL−18r又はTNFrに対するIL−1,IL−18又はTNFの結合を阻害する能力、(3)IL−1r、IL−18r又はTNFrの細胞表面の発現を減少させる能力、を有するものをいう。典型的には、ポリペプチド類似物質は、天然の配列に対して保存的なアミノ酸置換(又は挿入又は欠失)を含む。類似物質は、典型的に少なくとも20アミノ酸長であり、好ましくは少なくとも50アミノ酸長又はそれよりも長く、しばしば天然ポリペプチドの全長と同程度の長さでありうる。
非ペプチド類似物質は、鋳型となるペプチドと類似の性質を有する薬物として、製薬産業において一般的に用いられる。これらの種類の非ペプチド化合物は、ペプチド様物質(“peptide mimetics”又は“peptidemimetics”)と呼ばれる。Fauchere,J.Adv.Drug Res.15:29(1986);Veber及びFreidinger TINS,392頁(1985);及び、Evansら,J.Med.Chem.30:1229(1987)、これらは参照により本明細書中に組み込まれる。このような化合物は、しばしばコンピュータ化された分子モデリングの補助を用いて開発される。治療的に有用なペプチドと構造的に類似したペプチド様物質は、同等の治療又は予防効果を実現するために用いられうる。一般的に、ペプチド様物質は、ヒト抗体などのパラダイムポリペプチド(すなわち、所望の生化学的特性又は薬学的活性を有するポリペプチド)と構造的に類似するが、技術的に公知の方法によって、以下から構成される群:−CHNH−、−CHS−、−CH−CH−、−CH=CH−(シス及びトランス)、−COCH−、−CH(OH)CH−、及び、−CHSO−:から選択される結合で置換されていてもよい、1又は複数のペプチド結合を有する。同じ種類のD−アミノ酸(例えば、L−リジンの代わりとしてD−リジン)による、コンセンサス配列の1又は複数のアミノ酸の系統的な置換は、また、より安定なペプチドを生成するために用いられうる。加えて、コンセンサス配列、又は、実質的に同一であるコンセンサス配列変異を含む非天然ペプチドは、技術的に公知の方法(Rizo及びGierasch,Ann.Rev.Biochem.61:387(1992)、参照により本明細書に組み込まれる)によって生成されうる。例えば、ペプチドを環化させる分子内ジスルフィド架橋を形成しうるシステイン残基を内部に付加することによって生成されうる。
「免疫グロブリン」は4量体分子である。天然の免疫グロブリンにおいて、各テトラマーは2つの同一ポリペプチド鎖の対から構成され、各対は、「軽鎖」(約25kDa)及び「重鎖」(約50−70kDa)を有する。各鎖のアミノ末端部分は、主として抗原認識を担う約100から110又はそれを超えるアミノ酸の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ末端部分は、主として効果機能を担う定常領域を特徴付ける。ヒトの軽鎖はκ及びλ軽鎖として分類される。重鎖は、μ、δ、γ、α又はεとして分類され、それぞれ、IgM、IgD、IgG、IgA及びIgEとして抗体のアイソタイプを定義づける。軽鎖及び重鎖の中で、可変及び定常部位は、重鎖では約10又はそれを超えるアミノ酸の“D”領域を含む、約12又はそれを超えるアミノ酸の“J”領域によって結合される。一般的には、Fundamental Immunology 第7章(Paul,W.編,第二版,Raven Press,ニューヨーク(1989))(参照により、すべての目的のために、全体として本明細書中に組み込まれる)を参照。軽/重鎖対のそれぞれの可変部位は、抗原結合部位を形成し、完全な免疫グロブリンは2つの結合部位を有する。
免疫グロブリン鎖は、相補性決定領域又はCDRsとも呼ばれる、3つの超可変領域によって結合された、比較的保存されたフレームワーク領域を有する同一の一般的構造を示す。各対の二つの鎖のCDRsは、特定のエピトープに結合可能な、フレームワーク領域によって並べられる。N−末端からC−末端まで、軽鎖及び重鎖の両方は、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、及びFR4のドメインを包含する。各ドメインへのアミノ酸の割り当ては、Kabat Sequence of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1987及び1991))、又は、Chothia及びLesk,J.Mol.Biol.196:901−917(1987);Chothiaら,Nature,342:878−883(1989)の定義に従う。
「抗体」は、完全な免疫グロブリン、又は、特異的結合に対して完全な抗体と競合する、それらの抗原結合部位をいう。抗原結合部位は、組換えDNA技術により、又は、完全な抗体の酵素的又は化学的切断により製造されうる。抗原結合部位は、といりわけ、Fab、Fab'、F(ab')、Fv、dAb、及び、相補性決定部位(CDR)断片、一本鎖抗体(scFv)、キメラ抗体、組換え型二重特異性抗体(diabodies)、及び少なくともポリペプチドへの特定的抗原結合を与えるに足る免疫グロブリンの部位を含むポリペプチドを含む。Fab断片は、VL、VH、CL及びCH1ドメインから構成される1価の断片であり;F(ab')断片は、ヒンジ部位におけるジスルフィド架橋により結合された2つのFab断片を含む2価の断片であり;Fd断片はVH及びCH1ドメインから構成され;Fv断片は、抗体の1本の腕であるVL及びVHドメインから構成され、dAb断片(Wardら,Nature,341:544−546,1989)はVHドメインから構成される。一本鎖抗体(scFv)は、VL及びVH領域が、それらが一本のタンパク質鎖として合成されるのを可能にする合成リンカーを介して1価の分子を形成するように対となった抗体である(Birdら,Science,242:423−426,1988、及び、Hustonら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,85:5879−5883,1988)。組換え型二重特異性抗体は、VH及びVL領域が一本のポリペプチド鎖上に発現しているが、同一鎖上の2つの領域を対にするのを可能にするには短すぎるリンカーを用いていることにより、当該ドメインを他の鎖の相補的ドメインと対にさせ、2つの抗原結合部位を作る2価の二重特異性抗体である(Holliger,P.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6444−6448,1993,及び、Poljak,R.J.ら,Structure,2:1121−1123,1994を参照)。1つ又は複数のCDRsは、分子中に共有結合的に、又は非共有結合的に組み込まれ、その分子を免疫付着因子となしうる。免疫付着因子は、CDR(s)をより大きなポリペプチド鎖の1部として組み込みうるのであり、CDR(s)を他のポリペプチド鎖に共有結合的に結合させうるのであり、又は、CDR(s)を非共有結合的に組み込みうる。当該CDRsは免疫付着因子が所定の特定の抗原に特異的に結合するのを可能にする。
抗体は、1又は複数の結合部位を有しうる。複数の結合部位を有する場合には、当該結合部位は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。例えば、天然の免疫グロブリンは、2つの同一の結合部位を有し、一本鎖抗体又はFab断片は1つの結合部位を有する一方で、「二重特異性」又は「2価官能性」抗体は、2つの異なる結合部位を有する。
「モノクローナル抗体」という用語は、本明細書で用いられる際、実質的に同種の抗体の集団から得られる抗体、すなわち、その集団を構成する個別の抗体は、少数存在しうる可能な天然の突然変異を除いて同一である抗体をいう。モノクローナル抗体は、1つの抗原部位に対して向けらたもので、特異性が高い。さらに、異なる決定基(エピトープ)に対して方向づけられた典型的に異なる抗体を含む従来の(ポリクローナル)抗体の調製と対照的に、各モノクローナル抗体は抗原の1つの決定基に対して方向づけられている。それらの特異性に加えて、モノクローナル抗体は、他の免疫グロブリンによって汚染されることのない、ハイブリドーマ培養によって合成される点で有利である。「モノクローナル」変更遺伝子は、抗体の実質的に同種の集団から得られる抗体としての性質を示し、何らかの特別の方法による抗体の製造を必要とするものと解釈されるべきではない。例えば、本発明に関連して用いられるモノクローナル抗体は、Kohler及びMilstein,Nature,256:495(1975)によって最初に記載されたハイブリドーマ方法によって製造されうるのであり、又は、組換えDNA方法によって製造されうる[例えば、米国特許第4,816,567号(Cabillyら)を参照]。
モノクローナル抗体は、本明細書において、特に、当該抗体の断片と同様に、所望の生物学的活性を示す限りにおいて、重鎖及び/又は軽鎖の一部が、特定の種から由来する抗体又は特定の抗体クラス又はサブクラスに属する抗体の対応する配列と同一又は相同である一方で、当該鎖の残りの部分は、他の種から由来する抗体又は他の抗体クラス又はサブクラスに属する抗体の対応する配列と同一又は相同である「キメラ」抗体(免疫グロブリン)を含む[米国特許第4,816,567号;Cabillyら;Morrisonら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81,6851−6855(1984)]。
「単離された抗体」は、(1)他の自然結合抗体を含む、自然状態で結合する自然結合要素と結合していない、(2)同種由来の他のタンパク質から遊離している、(3)異なる種由来の細胞により発現される、又は(4)自然には生じない抗体である。単離された抗体の例は、IL−1、IL−1r、IL−18、IL−18r、TNF、TNFr、又はTACEを用いて、単離された抗体として、親和性により精製された抗−(IL−1、IL−1r、IL−18、IL−18r、TNF、TNFr、又はTACE)抗体、ハイブリドーマ又は他のin vitro細胞系により合成された抗−(IL−1、IL−1r、IL−18、IL−18r、TNF、TNFr、又はTACE)抗体、トランスジェニックマウスに由来するヒト抗−(IL−1、IL−1r、IL−18、IL−18r、TNF、TNFr、又はTACE)抗体を含む。
「ヒト抗体」という用語は、ヒト免疫グロブリン配列に由来する1又は複数の可変及び定常領域を有するすべての抗体を含む。これらの抗体は、以下に示されるような、種々の方法において調製されうる。
ヒト化抗体は、非ヒト種に由来する抗体であって、フレームワーク及び重鎖及び軽鎖の定常領域における特定のアミノ酸が突然変異を有することにより、ヒトにおける免疫反応を回避し、排除するものである。代わりになるべきものとして、ヒト化抗体は、ヒト抗体に由来する定常領域を、非ヒト種の可変領域と融合させることにより製造されうる。ヒト化抗体を製造する方法の例は、米国特許第6,054,297号、第5,886,152号、及び、第5,877,293号に見られる。
「キメラ抗体」という用語は、1つの抗体に由来する1又は複数の領域と、1又は複数の他の抗体に由来する1又は複数の領域とを含む抗体をいう。好ましい実施態様において、1又は複数のCDRsは、ヒト抗−(IL−1、IL−1r、IL−18、IL−18r、TNF、TNFr、又はTACE)抗体に由来する。より好ましい実施態様においては、すべてのCDRsが、ヒト抗−(IL−1、IL−1r、IL−18、IL−18r、TNF、TNFr、又はTACE)抗体に由来する。他の好ましい実施態様においては、複数のヒト抗−(IL−1、IL−1r、IL−18、IL−18r、TNF、TNFr、又はTACE)抗体に由来するCDRsが、キメラ抗体において混合され適合されている。例えば、キメラ抗体は、第1のヒト抗−(IL−1、IL−1r、IL−18、IL−18r、TNF、TNFr、又はTACE)抗体の軽鎖に由来するCDR1を含んでもよく、第2のヒト抗−(IL−1、IL−1r、IL−18、IL−18r、TNF、TNFr、又はTACE)抗体の軽鎖に由来するCDR2及びCDR3と結合されてもよく、重鎖のCDRsは第3の抗−(IL−1、IL−1r、IL−18、IL−18r、TNF、TNFr、又はTACE)抗体に由来してもよい。さらに、フレームワーク領域は同一の抗−(IL−1、IL−1r、IL−18、IL−18r、TNF、TNFr、又はTACE)抗体のうちの1つ、1又は複数の異なるヒト抗体、又はヒト化抗体に由来してもよい。
「中和抗体」又は「阻害抗体」は、過剰の抗−(IL−1、IL−1r、IL−18、IL−18r、TNF、TNFr、又はTACE)抗体が、IL−1r、IL−18r又はTNFrに対するIL−1、IL−18、TNF又はTACEの結合量を減少させるときに、IL−1r、IL−18r又はTNFrに対する1IL−1、IL−18、TNF又はTACEの結合を少なくとも約20%阻害する抗体である。好ましい実施態様において、当該抗体は結合量の少なくとも40%を減少させ、より好ましくは60%、さらにより好ましくは80%、又はさらにより好ましくは85%を減少させる。当該結合の減少は、例えば、in vitro競合結合アッセイにおいて測定されるように、通常の当業者に公知のいかなる手段によっても測定されうる。
「表面プラスモン共鳴」という用語は、本明細書で用いられる際、例えば、BIAcore system(Pharmacia Biosensor AB,Uppsala,Sweden and Piscataway,N.J.)を用いて、バイオセンサー中のタンパク質濃度の変動を測定することにより、リアルタイム生物特異性反応の分析を可能にする光学現象をいう。さらなる説明は、Jonsson,U.ら,(1993)Ann.Biol.Clin.51:19−26;Jonsson,U.ら,(1991)Biotechniques,11:620−627;Johnsson,B.ら,(1995)J.Mol.Recognit.8:125−131;及び、Johnsson,B.ら,(1991)Anal.Biochem.198:268−277を参照。
「Koff」という用語は、抗原/抗体複合体から抗体が解離する解離速度定数をいう。
「K」という用語は、特定の抗体−抗原相互作用の解離定数をいう。
「エピトープ」という用語は、免疫グロブリン又はT細胞受容体への特異的結合を可能にするいかなるタンパク質決定基をも含む。エピトープ決定基は、通常、アミノ酸又は糖鎖などの分子の化学的に活性な表面グループで構成され、通常、特異的3次元構造特性、及び、特異的電荷特性を有する。抗体は、解離定数が1μM以下、好ましくは100nM以下、最も好ましくは10nM以下のとき、抗原に特異的に結合する、といわれる。
抗体又は免疫グロブリン分子の断片又は類似体は、この明細書の教示にしたがって、通常の当業者が容易に調製することができる。断片又類似体の好ましいアミノ−及びカルボキシ−末端は、機能ドメインの境界の近くで生じる。構造及び機能ドメインは、ヌクレオチド及び/又はアミノ酸の公表される配列データ又は独自に開発した配列データベースの比較によって同定することができる。好ましくは、コンピュータ化された比較方法が、公知の構造及び/又は機能を有する他のタンパク質に生じる配列モチーフ又は予想タンパク質立体構造ドメインを同定するために用いられる。公知の3次元構造に折りたたまれるタンパク質配列を同定する方法は、公知である。Browieら,Science,253:164(1991)。
好ましいアミノ酸置換は、(1)タンパク質分解に対する感受性を低下させる、(2)酸化に対する感受性を低下させる、(3)タンパク質複合体を形成するために結合親和性を変化させる、(4)結合親和性を変化させる、及び、(4)このような類似体の他の物理化学的又は機能的特性を与え、又は変化させることである。類似体は、天然ペプチド配列以外の配列を有する種々の突然変異タンパク質を含みうる。例えば、単一の又は複数のアミノ酸置換(好ましくは保存的なアミノ酸置換)は、(好ましくは分子間結合を形成するドメイン外のポリペプチド部分において)天然配列において作られうる。保存的なアミノ酸置換は、親配列の構造特性を実質的に変化させるべきではない(例えば、アミノ酸の置き換えは、親配列において生じるへリックスを破壊する傾向であるべきでなく、又は、親配列を特徴づける他の種類の二次的構造を崩壊させるべきではない)。技術的に認識されたポリペプチドの二次及び三次構造の例は、Proteins,Structures and Molecular Principles(Creighton,Ed.,W.H.Freeman and Company,ニューヨーク(1984));Introduction to Protein Structure(C.Branden及びJ.Tooze編,Garland Publishing,ニューヨーク(1991));及びThorntonら,Nature,354:105(1991)に記載されており、それぞれは参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で用いられる際、20の在来のアミノ酸及びそれらの略記は慣習的用法に従う。Immunology−A Synthesis(第二版,E.S.Golub and D.R.Gren,編,Sinauer Associates,Sunderland,Mass.(1991))を参照。これは参照により本明細書に組み込まれる。20の在来のアミノ酸の構造異性体(例えば、D−アミノ酸)、α−,α−二置換アミノ酸、N−アルキルアミノ酸、乳酸、及び他の非在来アミノ酸などの非天然アミノ酸もまた、本発明のポリペプチドの要素として適切でありうる。非在来アミノ酸の例は、4−ヒドロキシプロリン、γ―カルボキシグルタミン、ε−N,N,N−トリメチルリジン、ε−N−アセチルリジン、O−ホスホセリン、N−アセチルセリン、N−ホルミルメチオニン、3−メチルヒスチジン、5−ヒドロキシリジン、s−N−メチルアルギニン、及び、他の類似のアミノ酸及びイミノ酸(例えば、4−ヒドロキシプロリン)を含む。本明細書で用いられるポリペプチド表記において、標準的使用及び慣習に従い、左手方向がアミノ末端方向であり、右手方向がカルボキシ末端方向である。
「ポリヌクレオチド」という用語は、本明細書において、少なくとも10塩基長のヌクレオチドのポリマー形態をいい、リボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオド又はいずれかの種類のヌクレオチドの改変形態をいう。当該用語は、DNAの一本又は二本鎖の標準的形態を含む。
「単離されたポリヌクレオチド」という用語は、本明細書で用いられる際、ゲノムcDNA、又は合成起源、又はこれらの組み合わせのポリヌクレオチドを意味し、その起源によって、「単離されたポリヌクレオチド」は、(1)自然状態で見られる「単離されたポリヌクレオチド」におけるポリヌクレオチドの全部又は一部と結合しておらず、(2)自然状態では結合しないポリヌクレオチドに対して実現可能に結合し、又は(3)より大きな配列の一部として自然状態において生じない。
「オリゴヌクレオチド」という用語は、本明細書において、天然の、及び、天然に結合した修飾されたヌクレオチド、及び、非天然オリゴヌクレオチド結合を含む。オリゴヌクレオチドは、一般的に、200又はそれより少ない塩基長からなるポリヌクレオチドの一部である。好ましくは、オリゴヌクレオチドは、10から60塩基長であり、より好ましくは、12,13,14,15,16,17,18,19又は20から40塩基長である。オリゴヌクレオチドは、例えば、プローブのように、通常1本鎖であるが、オリゴヌクレオチドは、例えば、遺伝子突然変異体の構成に使用するため、2本鎖であってもよい。本発明のオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドのセンス又はアンチセンスのいずれでもありうる。
「天然ヌクレオチド」という用語は、本明細書において、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドを含む。「修飾されたオリゴヌクレオチド」という用語は、本明細書において、修飾され、又は糖基などで置換されたヌクレオチドを含む。「オリゴヌクレオチド結合」という用語は、本明細書において、ホスホチロオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロセレノエート、ホスホロジセレノエート、ホスホロアニロチオエート、ホスホロアニラデート、ホスホロアミデート、などのオリゴヌクレオチド結合を含む。例えば、LaPlancheら,Nucl.Acids.Res.14:9081(1986);Stecら,J.Am.Chem.Soc.106:6077(1984);Steinら,Nucl.Acids Res.16:3209(1988);Zonら,Anti−Cancer Drug Design,6:539(1991);Zonら,Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approach,87−108頁(F.Eckstein,編,Oxford University Press,Oxford イングランド(1991));Stecら、米国特許第5,151,510号;Uhlmann及びPeyman,Chemical Reviews,90:543(1990)などを参照とし、これらの開示は、参照により本明細書中に組み込まれる。オリゴヌクレオチドは、必要であれば、検出のための標識を含みうる。
別途指定されない限り、1本鎖ポリヌクレオチド配列の左手の端が5'末端であり;2本鎖ポリヌクレオチド配列の左手の方向が5'末端と呼ばれる。初期のRNA転写の5'から3'への付加の方向は、転写方向と呼ばれる;RNAと同一の配列をもち、RNA転写の5'末端を5'とするDNA鎖の配列領域は「上流配列」と呼ばれ、RNAと同一の配列をもち、RNA転写の3'末端を3'とするDNA鎖の配列領域は「下流配列」と呼ばれる。
「実施可能に結合された」配列は、所定の遺伝子を制御するための、所定の遺伝子と近接した発現制御配列、及び、トランスにおいて、又は離れた位置において作用する発現制御配列の両方を含む。「発現制御配列」という用語は、本明細書において、それが連結されているコード配列の発現及びプロセシングを達成するのに必要なポリヌクレオチド配列をいう。発現コントロール配列は、適当な転写開始、終了、プロモーター、及びエンハンサー配列;スプライシング及びポリアデニレーションシグナルなどの有効なRNAプロセシングシグナル;細胞mRNAを安定化する配列;翻訳効率を増強する配列(すなわち、コザック(Kozak)コンセンサス配列);タンパク質の安定性を増強する配列;及び、必要であれば、タンパク質の分泌を増強する配列を含む。このような制御配列の特性は、宿主生物によって異なり;原核生物においては、このような制御配列は一般にプロモーター、リボソーマル結合部位、及び転写終了配列を含み;真核生物においては、一般に、このような制御ル配列はプロモーター及び転写終了配列を含む。「コントロール配列」という用語は、少なくとも、その存在が発現及びプロセシングに必須であるすべての要素を含むことを意味し、また、例えば、リーダー配列及びフュージョンパートナー配列などの、その存在が有利な追加的な要素をも含みうる。
「ベクター」という用語は、本明細書で用いられる際、すでに結合されている核酸に、他の核酸を輸送することができる核酸分子をいうことを意味する。ベクターの1つの種類は、「プラスミド」であり、追加的なDNA部分が連結された環状2本鎖DNAの輪をいう。ベクターの他の種類は、ウィルスベクターであり、ここで、追加的なDNA部分はウィルスのゲノム中に連結されうる。あるベクターは、それらが導入された宿主細胞の中で、自律的複製が可能である(例えば、複製のバクテリアの始点をもつバクテリアのベクター、及び、エピソームの哺乳類ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソームの哺乳類ベクター)は、宿主細胞中に導入されることにより、宿主細胞のゲノム中に一体化されうるのであり、それにより、宿主のゲノムとともに複製される。さらに、あるベクターは、それらが動作可能なように結合された遺伝子の発現を方向付けることが可能である。このようなベクターは、本明細書において「組換え発現ベクター」(又は、単純に「発現ベクター」)と呼ばれる。一般に、組換えDNA技術において役に立つ発現ベクターは、しばしばプラスミドの形態である。プラスミドは、ベクターの最も一般的に用いられる形態であり、本明細書において、「プラスミド」及び「ベクター」は、互換可能に用いられうる。しかしながら、本発明は、ウィルスベクター(例えば、複製不能なレトロウィルス、アデノウィルス及びアデノ随伴ウィルス)などの発現ベクターの他の形態をも含むことを意味し、これらは同等の機能を奏する。
「組換え宿主細胞」(又は単純に「宿主細胞」)という用語は、本明細書で用いられる際、組換え発現ベクターがその中に導入された細胞をいうことを意味する。このような用語は、その具体的な対象細胞のみならず、当該細胞の子孫をも指すことを意味すると理解されるべきである。突然変異又は環境の影響のいずれかによって、ある変更は後継世代にも起こりうるため、このような子孫は、現実には親細胞と同一ではないかもしれないが、本明細書で用いられる「宿主細胞」の用語の範囲内になお含まれるのである。
「選択的ハイブリダイズ」という用語は、本明細書において、検出可能に、特定的に結合することをいう。本発明に関連するポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、及びこれらの断片は、非特異的な核酸への検出可能な結合の感知可能な量を最小化したハイブリダイゼーション及び洗浄条件下において、核酸鎖に選択的にハイブリダイズする。「高ストリンジェンシー」及び「高ストリンジェント」な条件は、技術的に公知であり、かつ、本明細書中で議論されるように、選択的ハイブリダイゼーション条件を達成するために用いられうる。「高ストリンジェンシー」及び「高ストリンジェント」な条件の例は、6× SSPE又はSSC、50%ホルムアミド、5× デンハルト(Denhardt’s)試薬、0.5% SDS,100μg/ml 変性化断片化サケ精子DNA中において、42℃のハイブリダイゼーション温度で、12から16時間、ポリヌクレオチドを他のポリヌクレオチドとともにインキュベートし、その後、1× SSC、0.5% SDSの洗浄緩衝液を用いて55℃で2回洗う方法であり、ここで、一方のポリヌクレオチドは膜などの固体表面に固定してもよい。また、Sambrookら,supra,9.50−9.55頁を参照。
二つのアミノ酸配列は、それらの配列間で部分的に又は完全に同一である場合、相同である。例えば、85%の相同性は、二つの配列を一致が最大になるように合わせたときにアミノ酸の85%が同一であることを意味する。(合わせた2つの配列のいずれにおいても)ギャップは、一致を最大にする中で許される;5又はそれより小さいギャップ長が好ましく、2又はそれより小さいギャップ長がより好ましい。代わりに、そして好ましくは、二つのタンパク質配列(又は、それから生じる少なくとも30アミノ酸長のポリペプチド配列)は、この用語が本明細書で用いられる際、突然変異データマトリックス、6又はそれより大きいギャップペナルティとともにALIGNというプログラムを用いて(標準偏差ユニットにおいて)5以上のアラインメントスコアを有する場合に、相同であるという。Dayhoff,M.O.,in Atlas of Protein Sequence and Structure,101−110頁(第5巻,National Biomedical Research Foundation(1972))及び、この巻への補遺2の1−10頁を参照。二つの配列又はそれらの部分は、当該アミノ酸をALIGNプログラムを用いて最適に並べたときに、50%以上同一である場合に、より好ましくは相同である。
「相当する」という用語は、本明細書において、ポリヌクレオチド配列が参照ポリヌクレオチド配列とすべて、又は一部において同一であること、又は、ポリペプチド配列が参照ポリペプチド配列と同一であることを意味するために用いられる。対照的に、「相補的な」という用語は、本明細書において、相補的配列が参照ポリヌクレオチド配列とすべて、又は一部において同一であることを意味するために用いられる。説明のために、「TATAC」というヌクレオチド配列は、「TATAC」という参照配列に相当し、「GTATA」という参照配列と相補的である。
以下の用語は、2つ又はそれより多いポリヌクレオチド又はアミノ酸配列の間の配列の関係を説明するために用いられる:「参照配列」、「比較ウィンドウ」、「配列の同一性」、「配列の同一性のパーセンテージ」、及び、「実質的同一性」である。「参照配列」は、配列比較のための基本として用いられる定義された配列であり;参照配列は、例えば、全長cDNA、又は、配列リストにおいて与えられる遺伝子配列の一部として、より大きな配列の一部であってもよく、又は、完全なcDNA又は遺伝子配列を構成してもよい。一般に、参照配列は、少なくとも18ヌクレオチド又は6アミノ酸長であり、しばしば、少なくとも24ヌクレオチド又は8アミノ酸長であり、そしてしばしば、少なくとも48ヌクレオチド又は16アミノ酸長である。二つのポリヌクレオチド又はアミノ酸配列はそれぞれ(1)2つの分子の間で類似の配列(すなわち、完全なポリヌクレオチド又はアミノ酸配列の一部)を構成し、そして、(2)さらに、2つのポリヌクレオチド又はアミノ酸配列の間で相違する配列を構成しうるため、2つ(又はそれより多い)分子間での配列の比較は、典型的に、2つの分子の配列を配列の類似性の局所的部分を同定し比較するために「比較ウィンドウ」に渡って比較することにより行われる。「比較ウィンドウ」は、本明細書で用いられる際、少なくとも18の隣接するヌクレオチド部位、又は、6アミノ酸の概念上の部分をいうのであり、ここで、ポリヌクレオチド配列又はアミノ酸配列は少なくとも18の隣接するヌクレオチド又はアミノ酸配列である参照配列と比較されうるのであり、ここで、比較ウィンドウにおけるポリヌクレオチド配列の部分は、二つの配列の最適な整列についての参照配列(付加又は欠失を含まない)と比べて20%又はそれより少ない付加、欠失、置換など(すなわち、ギャップ)を含んでもよい。比較ウィンドウを合わせるための配列の最適な整列は、Smith及びWaterman,Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局所的相同性アルゴリズムにより、Needleman及びWunsch,J.Mol.Biol.48:443(1970)の相同性整列アルゴリズムにより、Pearson及びLipman,Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A.)85:2444(1988)の類似方法の研究により、これらのアルゴリズム(GAP,BESTFIT,FASTA,andTFASTA in the Wisconsin Genetics Software Package Release 7.0,(Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,Wis),Geneworks,or McVector software packages)のコンピュータ化された実行により、又は、検討により、実施され、種々の方法によって得られた最適の整列(すなわち、比較ウィンドウに渡って、結果として最も高い相同性を生じる整列)が選択される。
「配列の同一性」という用語は、二つのポリヌクレオチド又はアミノ酸配列が、比較ウィンドウに渡って、同一(すなわち、ヌクレオチドごと、又は残基ごとを基本として)であることを意味する。「配列の同一性のパーセンテージ」という用語は、比較ウィンドウについて、二つの最適に整列された配列を比較し、同一である核酸塩基(例えば、A,T,C,G,U,又はI)の位置の数、又は一致した位置の数を得るために両配列において生じる残基を決定し、一致した位置の数を比較ウィンドウにおける位置の総数(すなわち、ウィンドウサイズ)で除し、当該結果に100をかけることにより、計算され、配列の同一性のパーセンテージを得る。「実質的同一性」という用語は、本明細書で用いられる際、ポリヌクレオチド又はアミノ酸配列の特性を意味し、ここで、ポリヌクレオチド又はアミノ酸は、少なくとも18ヌクレオチド(6アミノ酸)位置の比較ウィンドウに渡って、しばしば少なくとも24から48ヌクレオチド(8から16アミノ酸)位置のウィンドウに渡る参照配列を比較したときに、少なくとも85%の配列の同一性、好ましくは少なくとも90から95%の配列の同一性、より好ましくは少なくとも98%の配列の同一性、さらに通常、少なくとも99%の配列の同一性を有する配列を含み、ここで、配列の同一性のパーセンテージは、参照配列を、比較ウィンドウに渡る参照配列の全体の20パーセント又はそれより少ない欠失又は付加を含みうる配列と比較することにより計算される。参照配列は、より大きな配列の一部であってもよい。
ポリペプチドに適用する場合、「実質的同一」という用語は、二つのペプチド配列が、デフォルトのギャップの重み付けを用いたGAP又はBESTFITのプログラムなどにより、最適に配置されたときに、少なくとも80パーセントの配列の同一性、好ましくは少なくとも90パーセントの配列の同一性、より好ましくは少なくとも95パーセントの配列の同一性、さらにより好ましくは少なくとも98パーセントの配列の同一性、そして最も好ましくは少なくとも99パーセントの配列の同一性を共有することを意味する。好ましくは、同一でない残基位置が、保存的なアミノ酸置換により異なるものである。保存的なアミノ酸置換は、類似の側鎖を有する残基の互換性をいう。例えば、脂肪族側鎖を有するアミノ酸群は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、及びイソロイシンであり;脂肪族−ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸群は、セリン及びスレオニンであり;アミドを含む側鎖を有するアミノ酸群は、アルパラギン及びグルタミンであり;芳香族側鎖を有するアミノ酸群は、フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファンであり;塩基性側鎖を有するアミノ酸群は、リジン、アルギニン、及びヒスチジンであり;硫黄を含む側鎖を有するアミノ酸群は、システイン及びメチオニンである。好ましい保存的なアミノ酸置換群は、:バリン−ロイシン−イソロイシン、フェニルアラニン−チロシン、リジン−アルギニン、アラニン−バリン、グルタミン酸−アスパラギン酸、アスパラギン−グルタミンである。
本明細書において議論されたように、抗体又は免疫グロブリン分子のアミノ酸配列における小さな変異は、アミノ酸配列における当該変異が少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、90%、95%、そして最も好ましくは99%を維持している場合には、本発明に包含されると考えられる。特に、保存的なアミノ酸置換が考えられる。保存的置換は、それらの側鎖が関連するアミノ酸ファミリー内で起こるものをいう。遺伝学的にコードされるアミノ酸は、一般的にファミリーに分けられる:(1)酸性=アスパラギン酸、グルタミン酸;(2)塩基性=リジン、アルギニン、ヒスチジン;(3)非極性=アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;及び(4)非電荷極性=グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、スレオニン、チロシンである。より好ましいファミリーは:セリン及びスレオニンは脂肪族−ヒドロキシルファミリーであり;アスパラギン及びグルタミンはアミドを含むファミリーであり;アラニン、バリン、ロイシン、及びイソロイシンは脂肪族ファミリーであり;そして、フェニルアラニン、トリプトファン、及びチロシンは、芳香族ファミリーである。例えば、ロイシンをイソロイシン又はバリンへ、アスパラギン酸をグルタミン酸へ、スレオニンをセリンへ、又はアミノ酸を構造的に関連するアミノ酸へ、という独立した置換は、結果として生じる分子の結合又は特性に大きな影響を及ぼさないであろうことが、もし当該アミノ酸がフレームワーク部位内に含まれない場合であれば特に、合理的に予測される。アミノ酸の変更が結果として機能的ペプチドになるか否かは、当該ポリペプチド誘導体の特定の活性をアッセイすることにより容易に測定されうる。アッセイは、本明細書において詳細に説明される。
本明細書で用いられる際、「標識」又は「標識された」という用語は、抗体中における他の分子の結合をいう。ある実施態様において、標識は検出可能なマーカー、例えば、放射標識化アミノ酸の結合、又は、標識されたアビジン(例えば、蛍光マーカー、又は、視覚的な又は着色的な方法により検出可能な酵素活性を含むストレプトアビジン)により検出可能なビオチニル残基のポリペプチドへの結合である。他の実施態様において、標識又はマーカーは治療上のもの、例えば、薬物抱合又は毒でありうる。ポリペプチド及び糖タンパク質を標識化する種々の方法は、公知技術であり、用いられうる。ポリペプチドについての標識の例は、以下のものを含むがこれらに限定されない:放射性同位体又は放射性核種(例えば、H,14C、15N、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I)、蛍光標識(例えば、FITC、ローダミン、ランタノイド蛍光体)、酵素標識(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリンフォスファターゼ)、化学発光マーカー、ビオチニル基、二次レポーター(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体に対する結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ)により認識される所定のポリペプチドエピトープ、ガドリニウム錯体などの磁性因子、百日咳毒素、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、エチジウムブロマイド、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトザントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、及び、ピューロマイシンなどの毒、及び、これらの類似物及び相同物。ある実施態様においては、標識は、可能性のある立体障害を減少させるために、種々の長さのスペーサーアームにより結合される。
「因子」という用語は、本明細書において、化学物質、化学物質の混合物、生物学的高分子、又は生物学的材料から作られた抽出物を意味する。
患者という用語は、人及び動物の対象を含む。
「薬学的因子又は薬」という用語は、本明細書で用いられる際、適当に患者に投与されたときに所望の治療効果を誘導することが可能な化学物質又は組成物を意味する。本明細書において、他の化学用語は、The McGraw−Hill Dictionary of Chemical Terms(Parker,S.編,McGraw−Hill,サンフランシスコ(1985)、参照により本明細書中に組み込まれる)により例示されるように、当技術分野における慣例的用法にしたがって用いられる。
「投与」は、第1の因子を投与し、当該因子が活性になり、又は活性であるうちに、第2の因子を投与することを意味する;2つの因子のいずれが第1に投与されてもよく、2つの因子が同時に投与されてもよい。例えば、IL−1プロセシング及び放出阻害剤、及び、TACE阻害剤の哺乳類への投与は、IL−1プロセシング及び放出阻害剤の第1の投与、及び、その後、IL−1プロセシング及び放出阻害剤が当該哺乳類の体液中の最高濃度に達する前又は達している間にTACE阻害剤を投与すること、又は、第1にIL−1プロセシング及び放出阻害剤を投与し、その後TACE阻害剤を投与すること、又は、IL−1プロセシング及び放出阻害剤をTACE阻害剤と一緒に投与することにより達成されうる。
「アルキル」という用語は、本明細書で用いられる際、別途指示されない限り、直鎖、分枝状、又は環状基又はこれらの組み合わせを有する、飽和一価炭化水素基を含む。
「アルコキシ」という用語は、本明細書で用いられる際、O−アルキル基を含み、ここで、「アルキル」は前記定義のとおりである。
「シクロアルキル」という用語は、本明細書で用いられる際、(C−C14)単環式、二環式、及び三環式の飽和炭化水素化合物を含み、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、(C−C10)アリールオキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、及び(C−C)アルキルから構成される群から選択される1から2個の置換基で置換されていてもよい。好ましくは、シクロアルキル基はヒドロキシで置換される。
「アリール」という用語は、本明細書で用いられる際、別途指示がない限り、芳香族炭化水素から1つの水素原子を除去することにより誘導される有機基を含み、例えば、フェニル又はナフチルなどであり、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、(C−C10)アリールオキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、及び(C−C)アルキルから構成される群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい。
「ヘテロアリール」という用語は、特に(C−C)のものについて、本明細書で用いられる際、他に指示がない限り、芳香族のヘテロ環化合物(例えば、1又は複数のヘテロ原子を含む、5から9員環の単環式又は二環式環)から、1つの水素原子を除去することにより誘導される有機基を含み、例えば、ピリジル、フリル、ピロリル、チエニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ピリミジル、キノリル、イソキノリル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ピラゾリル、インドリル、イソインドリル、プリニル、カルバゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ベンズチアゾリル、又はベンゾキサゾリルなどであり、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、(C−C10)アリールオキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、及び(C−C)アルキルから構成される群から選択される1から2個の置換基で置換されていてもよい。
「アシル」という用語は、本明細書で用いられる際、別途指示がない限り、一般式RCOの基を含み、ここで、Rはアルキル、アルコキシ、アリール、アリールアルキル、又はアリールアルキルオキシであり、「アルキル」又は「アリール」という用語は前記定義の通りである。
「アシルオキシ」という用語は、本明細書で用いられる際、O−アシル基を含み、ここで、「アシル」は前記定義の通りである。
「参照により組み込まれる」は、本明細書で用いられる際、引用文献の文章及び図のみでなく、引用文献の優先権、類概念、下位概念、及び具体的実施態様をも組み込むことを意味する。
詳細な説明
本発明は、リウマチ様関節炎を含む、炎症の治療のための、インターロイキン−1(IL−1)及び/又はIL−18の伝達を阻害する因子と、腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤との組み合わせを含む組成物に向けられたものである。
IL−1/18反応の伝達の阻害剤は、可溶性IL−1/18受容体、IL−1、IL−1r、IL−18及びIL−18rに対する抗体;IL−1raポリペプチド、及び、IL−1プロセシング及び放出阻害剤を含み、好ましくはIL−1プロセシング及び放出阻害剤である。TNF阻害剤は、可溶性TNF受容体、(TNF又はその受容体に対する)TNF抗体、及びTACE阻害剤を含み、特に、TACE阻害剤である。これらの組み合わせは、これらのサイトカインの生物学的効果が、重複するものの、同一ではないことによって、予期せぬ相乗効果を提供する。
IL−ra
IL−raポリペプチド及び類似体は、公知であり、当業者は、疾患の治療のためのこれらの製造及び使用方法を理解する。本発明において有用な当該ポリペプチドは、以下の参考文献において記載されているものを含むが、これらに限定されない。最も好ましいIL−1raは、アナキンラ(anakinra)(キネレット(Kineret(商標)))である。
米国特許第5,872,095号、第5,874,561号、及び第5,824,549号には、IL−1受容体アンタゴニストタンパク質を用いた疾患の治療方法、及び、IL−1受容体アンタゴニストタンパク質の製造方法が記載されている。米国特許第5,872,095号、第5,874,561号、及び第5,824,549号は、あたかもすべて本明細書中に記載されているのと同様に、すべての目的のために、その全体として、参照により本明細書中に組み込まれる。
米国特許第5,874,561号には、種々のIL−1受容体アンタゴニストタンパク質、さらに、それらの製造方法、及びそれらを用いた治療方法が記載されている。米国特許第5,874,561号は、あたかもすべて本明細書中に記載されているのと同様に、すべての目的のために、その全体として、参照により本明細書中に組み込まれる。
米国特許第5,455,330号には、特定の種類のIL−1受容体アンタゴニストタンパク質、さらに、それらの製造方法、及びそれらを用いた治療方法が記載されている。米国特許第5,455,330号は、あたかもすべて本明細書中に記載されているのと同様に、すべての目的のために、その全体として、参照により本明細書中に組み込まれる。
米国特許第5,075,022号には、IL−1raの構造、特性、及び製造方法、そして、特にその対応するDNA配列が記載されている。米国特許第5,075,022号は、あたかもすべて本明細書中に記載されているのと同様に、すべての目的のために、その全体として、参照により本明細書中に組み込まれる。
本発明において有用な好ましいポリペプチドは、米国特許第5,863,769号の配列番号2(SEQ ID NO:2)のポリペプチドを含み、この文献は、あたかもすべて本明細書中に記載されているのと同様に、すべての目的のために、その全体として、参照により本明細書中に組み込まれる。特に好ましくは、そこで記載されている成熟IL−1ra ベータ ポリペプチドであり、これは、N−末端メチオニンが結合している点で、通常のヒトIL−1raに比べて異なるものである。さらに、米国特許第5,863,769号の配列番号2(SEQ ID NO:2)のポリペプチドと少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド、及びその関連部位が有用であり、より好ましくは、米国特許第5,863,769号の配列番号2(SEQ ID NO:2)のポリペプチドと少なくとも85%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも90%の同一性、そしてさらにより好ましくは少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドである。
有用なIL−1ra ベータ ポリペプチドは、「成熟」タンパク質の形態であってもよく、又は、融合タンパク質などのより大きなタンパク質の一部であってもよい。分泌配列又はリーダー配列、プロ配列、多重ヒスチジン残基などの精製に役立つ配列、又は、組み換え製造の間の安定性のための付加的な配列、を含む付加的なアミノ酸配列を含むことは、しばしば有利である。
このように、本発明において特に有用なポリペプチドは、米国特許第5,863,769号の配列番号2(SEQ ID NO:2)の配列と少なくとも同一のアミノ酸配列を有するポリペプチド、又は、米国特許第5,863,769号の配列番号2(SEQ ID NO:2)の対応する断片に対して少なくとも80%の同一性を有する断片を含む。好ましくは、すべてのこれらのポリペプチドは、抗原性活性を含めて、IL−1ra ベータの生物学的活性を維持している。この群には、定義された配列及び断片の変異体が含まれる。好ましい変異体は、保存的なアミノ酸置換により参照物から変異したもの、すなわち、残基を類似の性質を有する他の残基で置換したもの、である。典型的なこのような置換は、Ala,Val,Leu及びIle間;Ser及びThr間;酸性残基であるAsp及びGlu間;Asn及びGln間;及び、塩基性残基であるLys及びArg間;又は芳香族性残基であるPhe及びTyr間の置換である。特に好ましくは、数個、5−10個、1−5個、又は1−2個のアミノ酸が任意の組み合わせにおいて置換、欠失又は付加された変異体である。
本発明において特に有用なIL−1ra ベータ ポリペプチドは、いかなる適当な方法によっても調製することができる。このようなポリペプチドは、単離された天然ポリペプチド、遺伝子組み換えによって製造されたポリペプチド、合成により製造されたポリペプチド、又はこれらの方法の組み合わせにより製造されたポリペプチドを含む。このようなポリペプチドを調製する方法は、当技術分野においてよく理解されている。
本発明において有用な他の好ましいポリペプチドはまた、前記で定義されたもの、及び、動物の消化管、動物の血清又は他の細胞外環境、又は動物の細胞内において行われうる酵素的分解からIL−1raポリペプチドを保護する1又は複数のポリマー残基で付加的に抱合されたIL−1raポリペプチドを含む。本発明のIL−1raを抱合するための有用な好ましいポリマー残基は、米国特許第5,681,811号、及び、5,932,462号に記載されたものなどの、いわゆる鎖状及び分枝状ペグ化(pegylation)剤であり、両文献は、あたかもすべて本明細書中に記載されているのと同様に、すべての目的のために、その全体として、参照により本明細書中に組み込まれる。ペグ化されたIL−1raポリペプチドは、また、PCT公開WO97/28828等にも記載されている。タンパク質をポリマー残基で抱合する方法は、技術的に周知であり、例えば、この段落の前記特許、及び、Poly(Ethylene Glycol)Chemistry:Biothechnical and Biomedical Appliacations,J.M.Harris,編,Plenum,ニューヨーク,1992にも記載されている。
IL−1sr
可溶性IL−1受容体(IL−1sr)、それらの調製方法、及び、それらを含む医薬組成物は、米国特許第5,081,228号;第5,180,812号;第5,767,064号;及び、再発行RE35,450号;及び欧州特許公開EP460,846号に記載されている。
IL−18
IL−18は、その受容体、抗体、及びそれに対する可溶性受容体(IL−18sr)も含めて、国際公開WO 99/37772号、WO 00/56771号、及び、WO 01/58956号、及び、欧州特許公開EP864,585号、及びEP974,600号に記載されている。
インターロイキン抗体
IL−1、IL−1r、IL−18、又はIL−18rに対するモノクローナル抗体は、また、ゼノマウス(XenoMouse(商標))技術にしたがって調製することができる。
当該ゼノマウス(商標)は、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の大きな断片を含み、マウス抗体産生に欠けている、設計されたマウス種である。例えば、Greenら,Nature Genetics,7:13−21(1994)及び、米国特許出願番号第07/466,008号(1990年1月12日出願)、第07/610,515号(1990年11月8日出願)、第07/919,297号(1992年7月24日出願)、第07/922,649号(1992年7月30日出願)、第08/031,801号(1993年3月15日出願)、第08/112,848号(1993年8月27日出願)、第08/234,145号(1994年4月28日出願)、第08/376,279号(1995年1月20日出願)、第08/430,938号(1995年4月27日出願)、第08/464,584号(1995年6月5日出願)、第08/464,582号(1995年6月5日出願)、第08/463,191号(1995年6月5日出願)、第08/462,837号(1995年6月5日出願)、第08/486,853号(1995年6月5日出願)、第08/486,857号(1995年6月5日出願)、第08/486,859号(1995年6月5日出願)、第08/462,513号(1995年6月5日出願)、第08/724,752号(1996年10月2日出願)、及び、米国特許第5,916,771号、第5,939,598号、第5,985,615号、第5,998,209号、第6,075,181号、第6,091,001号、第6,114,598号、及び、第6,130,364号を参照。また、WO 91/10741号(1991年7月25日公開)、WO 94/02602号(1994年2月3日公開)、WO 96/34096号及びWO96/33735号(両方とも1996年10月31日公開)、WO 98/16654号(1998年4月23日公開)、WO 98/24893号(1998年6月11日公開)、WO 98/50433号(1998年11月12日公開)、WO 99/45031号(1999年9月10日公開)、WO 99/53049号(1999年10月21日公開)、WO 00/09560号(2000年2月24日公開)、WO 00/037504号(2000年6月29日公開)も参照。
当該ゼノマウス(商標)種は、コア可変及び定常領域配列を含む、ヒト重鎖遺伝子座及びカッパ軽鎖遺伝子座の、それぞれ、245kb及び190kbサイズの生殖細胞系列構造断片を含む酵母人工染色体(YACs)で設計された(同書)。当該ゼノマウス(商標)は、ヒト抗体全体の成人様ヒトレパートリーを産生し、抗原−特異的ヒトモノクローナル抗体を生成する。ゼノマウス(商標)の第2世代は、ヒト重鎖遺伝子座及びカッパ軽鎖遺伝子座の、メガベースサイズの生殖細胞系列構造YAC断片の誘導を通じて、ヒト抗体レパートリーの約80%を含む。Mendezら,Nature Genetics,15:146−156(1997)、Green及びJakobovits,J.Exp.Med.188:483−495(1998)、及び、米国特許出願番号第08/759,620号(1996年12月3日出願)を参照、これらの開示は参照により本明細書中に組み込まれる。
他の実施態様において、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含む非ヒト動物は、ヒト免疫グロブリンの「小遺伝子座(minilocus)」を有する動物である。小遺伝子座研究方法において、外因性のIg遺伝子座は、Ig遺伝子座からの個別の遺伝子の封入を通じて模造される。このように、1又は複数のV遺伝子、1又は複数のD遺伝子、1又は複数のJ遺伝子、ミュー定常領域、及び、第2定常領域(好ましくはガンマ定常領域)は、動物への挿入のための構造の中に形成される。この研究方法は、とりわけ、米国特許第5,545,807号、第5,545,806号、第625,825号、第5,625,126号、第5,633,425号、第5,661,016号、第5,770,429号、第5,789,650号、第5,814,318号、第5,591,669号、第5,612,205号、第5,721,367号、第5,789,215号、及び、第5,643,763号に記載されており、これらは参照により本明細書中に組み込まれる、
小遺伝子座研究方法の利点は、Ig遺伝子座の部分を含む構造が生成され動物中に導入されうる速さにある。しかしながら、小遺伝子座研究方法の潜在的な不利益は、すべてのB細胞の発達に対応するための十分な免疫グロブリンの多様性がなく、抗体産生が低下しうることである。
他の実施態様において、本発明は、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含む非ヒトトランスジェニック動物を免疫することにより、非ヒト、非マウス動物からのIL−1、IL−1r、IL−18、IL−18r抗体を含む組み合わせを提供する。このような動物は、米国特許第5,916,771号、第5,939,598号、第5,985,615号、第5,998,209号、第6,075,181号、第6,091,001号、第6,114,598号、及び、第6,130,364号に記載された方法を用いて製造されうる。また、WO 91/10741号(1991年7月25日公開)、WO 94/02602号(1994年2月3日公開)、WO 96/34096号及びWO96/33735号(両方とも1996年10月31日公開)、WO 98/16654号(1998年4月23日公開)、WO 98/24893号(1998年6月11日公開)、WO 98/50433号(1998年11月12日公開)、WO 99/45031号(1999年9月10日公開)、WO 99/53049号(1999年10月21日公開)、WO 00/09560号(2000年2月24日公開)、WO 00/037504号(2000年6月29日公開)も参照。これらの特許に開示された方法は、米国特許第5,994,619号に記載されたように変更されうる。好ましい実施態様において、非ヒト動物はラット、羊、豚、ヤギ、牛、又は馬でありうる。
非ハイブリドーマ宿主細胞及び組換えタンパク質製造方法
IL−1、IL−1r、IL−18、又はIL−18r抗体をコードする核酸分子及びこれらの抗体を含むベクターは、適切な哺乳類宿主細胞の形質転換のために用いられうる。形質転換は、ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するためのいかなる公知の方法を用いてもなされうる。異種のポリヌクレオチドを哺乳類細胞へ導入する方法は、技術的に周知であり、デキストラン媒介トランスフェクション、リン酸カルシウム沈殿、ポリブレン媒介トランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、ポリヌクレオチドのリポソーム内への封入、及び、核へのDNAの直接マイクロインジェクションを含む。加えて、核酸分子は、ウィルスベクターにより哺乳類細胞中へ導入されうる。細胞を形質転換する方法は技術的に周知である。例えば、米国特許第4,399,216号、第4,912,040号、第4,740,461号、及び、第4,959,455号(これらの特許は参照により本明細書中に組み込まれる)を参照。
発現のための宿主として利用可能な哺乳類細胞系は、公知であり、American Type Culture Collection(ATCC)から入手可能な多数の不死化された細胞系を含む。これらは、とりわけ、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、NSO、SP2細胞、HeLa細胞、仔ハムスター腎(BHK)細胞、サル腎細胞(COS)、ヒト肝癌細胞(例えば、Hep G2)、A549細胞、及び、多数の他の細胞系を含む。特に好ましい細胞系は、どの細胞系が高発現レベルを有するか決定することを通じて選択される。用いられうる他の細胞系は、Sf9細胞などの昆虫細胞系である。抗体遺伝子をコードする組換え発現ベクターが哺乳類細胞に導入されると、宿主細胞における抗体の発現、又は、より好ましくは宿主細胞が成長する培養液中への抗体の分泌を可能にするのに十分な期間、宿主細胞を培養することにより、抗体が製造される。抗体は、標準的なタンパク質精製方法を用いて細胞培養液中から回収されうる。
さらに、産生細胞系からの、本発明の抗体(又はそれらからの他の残基)の発現は、多数の公知技術を用いて増強されうる。例えば、グルタミン合成酵素遺伝子発現系(GSシステム)は、ある条件下において発現を増強するための一般的方法である。GSシステムは、欧州特許第0 216 846号、第0 256 055号、及び、第0 323 997号、及び、欧州特許出願番号第89303964.4号において、全部、又は関連して部分的に議論されている。
トランスジェニック動物
組み合わせ発明の抗体はまた、所定の免疫グロブリン重鎖及び軽鎖配列について遺伝子組み換えされた哺乳類又は植物の産生、及び、それらから回収可能な形態における抗体の産生を通じて遺伝子組み換え的に製造されうる。哺乳類におけるトランスジェニック産生に関連して、抗体は、ヤギ、牛、又は他の哺乳類の乳中に産生され、そしてそれから回収されうる。例えば、米国特許第5,827,690号、第5,756,687号、第5,750,172号、及び、第5,741,957号を参照。ある実施態様において、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含む非ヒトトランスジェニック動物は、IL−1、IL−1r、IL−18、又はIL−18r、又はそれらの一部で免疫される。このようなトランスジェニック動物は、米国特許第5,916,771号、5,939,598号、第5,985,615号、第5,998,209号、第6,075,181号、第6,091,001号、第6,114,598号、及び、第6,130,364号に記載された方法を用いて製造されうる。また、WO 91/10741号(1991年7月25日公開)、WO 94/02602号(1994年2月3日公開)、WO 96/34096号及びWO 96/33735号(両方とも1996年10月31日公開)、WO 98/16654号(1998年4月23日公開)、WO 98/24893号(1998年6月11日公開)、WO 98/50433号(1998年11月12日公開)、WO 99/45031号(1999年9月10日公開)、WO 99/53049号(1999年10月21日公開)、WO 00/09560号(2000年2月24日公開)、WO 00/037504号(2000年6月29日公開)などを参照。他の実施態様において、トランスジェニック動物は、ヒト免疫グロブリン遺伝子の「小遺伝子座」を含みうる。前記で開示された方法は、とりわけ、米国特許第5,994,619号において記載されたように変更しうる。好ましい実施態様において、非ヒト動物は、ラット、羊、豚、ヤギ、牛、又は馬でありうる。他の実施態様において、トランスジェニック動物は、抗−(IL−1、IL−1r、IL−18又はIL−18r)抗体をコードする核酸分子を含む。好ましい実施態様において、トランスジェニック動物は、IL−1、IL−1r、IL−18又はIL−18rに対して特異的な重鎖及び軽鎖をコードする核酸分子を含む。他の実施態様において、トランスジェニック動物は、1本鎖抗体、キメラ抗体、又はヒト化抗体などの改変された抗体をコードする核酸分子を含む。抗−(IL−1、IL−1r、IL−18又はIL−18r)抗体は、いかなるトランスジェニック動物においても製造されうる。好ましい実施態様においては、非ヒト動物は、マウス、ラット、羊、豚、ヤギ、牛、又は馬である。
ファージ・ディスプレイ・ライブラリ
本発明の組換え抗−(IL−1、IL−1r、IL−18又はIL−18r)ヒト抗体は、本明細書で開示された抗−(IL−1、IL−1r、IL−18又はIL−18r)抗体に加えて、ヒトリンパ球に由来するmRNAから調製されたヒトVL及びVH cDNAsを用いて調製された組換えコンビナトリアル抗体ライブラリ、好ましくはscFvファージ・ディスプレイ・ライブラリ、をスクリーニングすることにより単離されうる。このようなライブラリを調製し、スクリーニングする方法は技術的に公知である。ファージ・ディスプレイ・ライブラリを製造するための市販のキット(例えば、Pharmacia Recombinant Phage Antibody System,カタログ番号27−9400−01;及び、the Stratagene SurfZAP(商標)ファージ・ディスプレイ・キット,カタログ番号240612)が存在する。また、抗体・ディスプレイ・ライブラリの製造及びスクリーニングに用いられうる他の方法及び試薬も存在する(例えば、Ladnerら,米国特許第5,223,409号;Kangら,PCT公開番号WO 92/18619号;Dowerら,PCT公開番号WO 91/17271号;Winterら,PCT公開番号WO 92/20791号;Marklandら,PCT公開番号WO 92/15679号;Breitlingら,PCT公開番号WO 93/01288号;McCaffertyら,PCT公開番号WO 92/01047号;Garraedら,PCT公開番号WO 92/09690号;Fuchsら,(1991)Bio/Technology 9:1370−1372;Hayら,(1992)Hum.Antibod.Hybridomas 3:81−85;Huseら,(1989)Science 246:1257−1281;McCaffertyら,Nature(1990)348:552−554;Griffithsら,(1993)EMBO J 12:725−734;Hawkinsら,(1992)J.Mol.Biol.226:889−896;Clacksonら,(1991)Nature 352:624−628;Gramら,(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:3576−3580;Garradら,(1991)Bio/Technology 9:1373−1377;Hoogenboomら,(1991)Nuc Acid Res 19:4133−4137;及び、Barbasら,(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:7978−7982を参照)。
好ましい実施態様において、所望の特性を有するヒト抗−(IL−1、IL−1r、IL−18又はIL−18r)抗体を単離するために、本明細書に記載されたヒト抗−(IL−1、IL−1r、IL−18又はIL−18r)抗体は、第一に、Hoogenboomら,PCT公開番号WO 93/06213号に記載されたエピトープインプリンティング方法を用いて、IL−1、IL−1r、IL−18又はIL−18rに対する類似の結合活性を有するヒト重鎖及び軽鎖配列を選択するために用いられる。この方法で用いられる抗体ライブラリは、好ましくはMcCaffertyら,PCT公開番号WO 92/01047号、McCaffertyら,Nature(1990)348:552−554;及び、Griffithsら,(1993)EMBO J 12:725−734に記載されたように調製されスクリーニングされる、scFvライブラリである。当該scFv抗体ライブラリは、好ましくは、抗原としてヒトIL−1、IL−1r、IL−18又はIL−18rを用いてスクリーニングされる。
一度、最初のヒトVL及びVHセグメントが選択されると、初めに選択されたVL及びVHセグメントの異なる対がヒトIL−1、IL−1r、IL−18又はIL−18r結合についてスクリーニングされる、「mix and match」実験が行われ、好ましいVL/VH対の組み合わせが選択される。加えて、抗体の質をさらに高めるために、好ましいVL/VH対のVL及びVHセグメントが、自然免疫反応の間に抗体の親和性熟成を引き起こすin vivo体細胞突然変異過程に類似の過程において、ランダムに、好ましくはVH及び/又はVLのCDR3領域の範囲内で、突然変異されうる。このin vitro親和性熟成は、VH CDR3又はVL CDR3それぞれに相補的なPCRプライマーを用いてVH及びVL領域を増幅することにより達成されうるのであり、当該プライマーは、4種のヌクレオチド塩基のランダム混合物とともに、ある位置に結合し、結果として生じるPCR生成物は、ランダム突然変異がVH及び/又はVL CDR3領域に導入された、VH及びVLセグメントをコードする。これらのランダムに突然変異されたVH及びVLセグメントは、IL−1、IL−1r、IL−18又はIL−18rへの結合についてスクリーニングされる。
組換え免疫グロブリン・ディスプレイ・ライブラリからの、本発明の抗−(IL−1、IL−1r、IL−18又はIL−18r)抗体のスクリーニング及び単離に続いて、選択された抗体をコードする核酸は、ディスプレイパッケージ(例えば、ファージゲノム由来)から回収され、そして、標準的な組換えDNA技術により、他の発現ベクター中でサブクローニングされうる。もし必要であれば、核酸は、以下に記載されるように、本発明の他の抗体の形態を作るためにさらに扱われうる。コンビナトリアルライブラリのスクリーニングにより単離された組換えヒト抗体を発現させるために、当該抗体をコードするDNAは、前記で記載したように、組換え発現ベクター中で、クローニングされ、哺乳類宿主細胞中に導入されうる。
クラススイッチング
本発明の他の特徴は、抗−(IL−1、IL−1r、IL−18又はIL−18r)抗体のクラスが他にスイッチされうるメカニズムを提供することである。本発明のある側面において、VL又はVHをコードする核酸分子は、技術的に周知の方法を用いて、CL又はCHをコードするいかなる核酸配列も含まないように単離される。VL又はVHをコードする核酸分子は、その後、免疫グロブリン分子の異なるクラス由来のCL又はCHをコードする核酸配列に動作可能なように結合される。これは、前記で記載したように、CL又はCH鎖を含む核酸分子又はベクターを用いて達成されうる。例えば、もとはIgMであった抗−(IL−1、IL−1r、IL−18又はIL−18r)抗体は、IgGにクラススイッチされうる。さらに、クラススイッチングは、1つのIgGサブクラスから他へ、例えばIgG1からIgG2へ、変換するために用いられうる。
抗体誘導体
前記核酸分子は、当技術分野における通常の当業者に公知の方法及び技術を用いて抗体誘導体の製造のために用いられうる。
ヒト化抗体
ヒト抗体産生に関して前記で議論されたように、免疫原性の減少した抗体を製造することは有利である。これは、ヒト化技術、及び、適当なライブラリを用いたディスプレイ技術を用いてある程度達成されうる。マウス抗体、又は他の種由来の抗体が、公知技術を用いてヒト化又は霊長類化されうることが理解されるであろう。例えば、Winter及びHarris,Immunol Today 14:43−46(1993)及び、Wrightら,Crit.Reviews in Immunol.12125−168(1992)を参照。所定の抗体は、組換えDNA技術により、CH1,CH2,CH3,ヒンジドメイン、及び/又はフレームワークドメインを、対応するヒト配列に置換するように設計されうる(WO 92/02190号、及び、米国特許第5,530,101号、第5,585,089号、第5,693,761号、第5,693,792号、第5,714,350号、及び第5,777,085号を参照)。
突然変異された抗体
他の実施態様において、核酸分子、ベクター、及び宿主細胞は、突然変異された抗−(IL−1、IL−1r、IL−18又はIL−18r)抗体を製造するために用いられうる。当該抗体は、抗体の結合特性を変化させるために、重鎖及び/又は軽鎖の種々のドメインにおいて突然変異されうる。例えば、突然変異は、IL−1、IL−1r、IL−18又はIL−18rに対する抗体のKd値を増大又は減少させるために、Koff値を増大又は減少させるために、又は、抗体の結合特異性を変化させるために、CDR領域の1又は複数において作られうる。特定部位の突然変異誘発は技術的に周知である。例えば、Sambrookら、及びAusubelら,supraを参照。好ましい実施態様において、突然変異は、抗−(IL−1、IL−1r、IL−18又はIL−18r)抗体の種々の領域において、生殖細胞系列と比較して変えられていることが知られているアミノ酸残基において行われる。突然変異は、フレームワーク領域又は定常ドメインにおいて、抗−(IL−1、IL−1r、IL−18又はIL−18r)抗体の半減期を増大させるために行われうる。例えば、米国特許出願番号第09/375,924号(1999年8月17日出願、参照により本明細書中に組み込まれる)を参照。フレームワーク領域又は定常ドメインにおける突然変異は、また、抗体の免疫原性を変化させるため、他の分子に対する共有又は非共有結合のための部位を提供するため、又は、補体結合のような特性を変化させるために行われうる。突然変異は、、1つの突然変異を有する抗体における、フレームワーク領域、定常ドメイン、及び、可変領域、のそれぞれにおいて行われうる。あるいは、突然変異は、1つの突然変異を有する抗体における、フレームワーク領域、定常ドメイン、及び、可変領域、のうちのただ1箇所において行われうる。
ある実施態様において、突然変異された抗−(IL−1、IL−1r、IL−18又はIL−18r)抗体のVH又はVL領域のいずれにおいても、突然変異前の抗−(IL−1、IL−1r、IL−18又はIL−18r)抗体と比較して、10アミノ酸以上の変化は存在しない。より好ましい実施態様においては、突然変異された抗−(IL−1、IL−1r、IL−18又はIL−18r)抗体のVH又はVL領域のいずれにおいても5アミノ酸以上の変化は存在せず、より好ましくは、3アミノ酸以上の変化は存在しない。他の実施態様においては、定常ドメインにおいて、15アミノ酸以上の変化は存在せず、より好ましくは、10アミノ酸以上の変化は存在せず、さらにより好ましくは、5アミノ酸以上の変化は存在しない。
IL−1プロセシング及び放出阻害剤
ICE阻害剤
米国特許第5,656,627号、第5,847,135号、第5,756,466号、第5,716,929号、及び、第5,874,424号は、ICE受容体部位に結合するために構成された、水素結合、疎水性、及び、陰性残基によって特徴づけられるICE阻害化合物の幾つかの種類について開示している。これらの特許は、特定のICE阻害剤と、サイトカインの阻害剤及びアンタゴニストとの一般的な組み合わせを開示するが、本発明の組成物及び方法の予期せぬ相乗効果を提供するICE阻害剤とTNF阻害剤との組み合わせを開示し、又は示唆するものではない。
本発明の1つの実施態様は、TNF阻害剤と、米国特許第5,656,627号、第5,847,135号、第5,756,466号、第5,716,929号、及び、第5,874,424号の1又は複数のICE阻害化合物とを含む組成物、及び組成物を用いた治療方法を提供する。米国特許第5,656,627号、第5,847,135号、第5,756,466号、第5,716,929号、及び、第5,874,424号は、あたかもすべて本明細書中に記載されているのと同様に、すべての目的のために、その全体として、参照により本明細書中に組み込まれる。
米国特許第5,585,357号は、置換ピラゾールICE阻害剤類について開示する。本発明の1つの実施態様は、TNF阻害剤と、米国特許第5,585,357号の1又は複数のICE阻害化合物とを含む組成物、及び組成物を用いた治療方法を提供する。米国特許第5,585,357号は、あたかもすべて本明細書中に記載されているのと同様に、すべての目的のために、その全体として、参照により本明細書中に組み込まれる。
米国特許第5,434,248号は、ペプチジルアルデヒドICE阻害剤類について開示する。本発明の1つの実施態様は、TNF阻害剤と、米国特許5,434,248号の1又は複数のICE阻害化合物とを含む組成物、及び組成物を用いた治療方法を提供する。米国特許第5,434,248号はは、あたかもすべて本明細書中に記載されているのと同様に、すべての目的のために、その全体として、参照により本明細書中に組み込まれる。
米国特許第5,462,939号及び第5,585,486号は、ペプチジックケトンICE阻害剤類について開示する。本発明の1つの実施態様は、TNF阻害剤と、米国特許第5,462,939号及び第5,585,486号の1又は複数のICE阻害化合物とを含む組成物、及び組成物を用いた治療方法を提供する。米国特許第5,462,939号及び第5,585,486号は、あたかもすべて本明細書中に記載されているのと同様に、すべての目的のために、その全体として、参照により本明細書中に組み込まれる。
米国特許第5,411,985号は、ICE阻害剤として、ガンマ−ピロン−3−酢酸について開示する。本発明の1つの実施態様は、TNF阻害剤と、ガンマ−ピロン−3−酢酸とを含む組成物、及び組成物を用いた治療方法を提供する。米国特許5,411,985号は、あたかもすべて本明細書中に記載されているのと同様に、すべての目的のために、その全体として、参照により本明細書中に組み込まれる。
米国特許第5,834,514号は、ICE阻害剤として、ハロメチルアミド類について開示する。本発明の1つの実施態様は、TNF阻害剤と、米国特許第5,834,514号の1又は複数のICE阻害化合物とを含む組成物、及び組成物を用いた治療方法を提供する。米国特許第5,834,514号は、あたかもすべて本明細書中に記載されているのと同様に、すべての目的のために、その全体として、参照により本明細書中に組み込まれる。
米国特許第5,739,279号は、ICE阻害剤として、4−アミノ−2,2−ジフルオロ−8−オキソ−1,6−ヘキサン二酸類について開示する。本発明の1つの実施態様は、TNF阻害剤と、米国特許第5,739,279号の1又は複数のICE阻害化合物とを含む組成物、及び組成物を用いた治療方法を提供する。米国特許第5,739,279号は、あたかもすべて本明細書中に記載されているのと同様に、すべての目的のために、その全体として、参照により本明細書中に組み込まれる。
米国特許第5,843,904号は、ぺプチジルICE阻害剤類について開示する。本発明の1つの実施態様は、TNF阻害剤と、米国特許第5,843,904号の1又は複数のICE阻害化合物とを含む組成物、及び組成物を用いた治療方法を提供する。米国特許第5,843,904号は、あたかもすべて本明細書中に記載されているのと同様に、すべての目的のために、その全体として、参照により本明細書中に組み込まれる。
米国特許第5,670,494号は、置換ピリミジンICE阻害剤類について開示する。本発明の1つの実施態様は、TNF阻害剤と、米国特許第5,670,494号の1又は複数のICE阻害化合物とを含む組成物、及び組成物を用いた治療方法を提供する。米国特許第5,670,494号は、あたかもすべて本明細書中に記載されているのと同様に、すべての目的のために、その全体として、参照により本明細書中に組み込まれる。
米国特許第5,744,451号は、置換グルタミン酸ICE阻害剤類について開示する。本発明の1つの実施態様は、TNF阻害剤と、米国特許第5,744,451号の1又は複数のICE阻害化合物とを含む組成物、及び組成物を用いた治療方法を提供する。米国特許第5,744,451号は、あたかもすべて本明細書中に記載されているのと同様に、すべての目的のために、その全体として、参照により本明細書中に組み込まれる。
米国特許第5,843,905号は、置換グルタミン酸ICE阻害剤類について開示する。本発明の1つの実施態様は、TNF阻害剤と、米国特許第5,843,905号の1又は複数のICE阻害化合物とを含む組成物、及び組成物を用いた治療方法を提供する。米国特許第5,843,905号は、あたかもすべて本明細書中に記載されているのと同様に、すべての目的のために、その全体として、参照により本明細書中に組み込まれる。
米国特許第5,565,430号は、ICE阻害剤として、アザアスパラギン酸類似体について開示する。本発明の1つの実施態様は、TNF阻害剤と、米国特許第5,565,430号の1又は複数のICE阻害化合物とを含む組成物、及び組成物を用いた治療方法を提供する。米国特許第5,565,430号は、あたかもすべて本明細書中に記載されているのと同様に、すべての目的のために、その全体として、参照により本明細書中に組み込まれる。
米国特許第5,552,400号及び第5,639,745号は、縮合二環式ラクタムICE阻害剤類について開示する。本発明の1つの実施態様は、TNF阻害剤と、米国特許第5,552,400号及び第5,639,745号の1又は複数のICE阻害化合物とを含む組成物、及び組成物を用いた治療方法を提供する。米国特許第5,552,400号及び第5,639,745号は、あたかもすべて本明細書中に記載されているのと同様に、すべての目的のために、その全体として、参照により本明細書中に組み込まれる。
IL−1刺激共役型翻訳後プロセシング及び放出阻害剤
本発明の組み合わせにおいて有用なIL−1刺激共役型翻訳後プロセシング及び放出阻害剤は、前記の通りである。本方法及び組成物のためのIL−1プロセシング及び放出阻害剤の中で特に有用なのは、ジアリルスルホニル尿素(DASU)化合物である。このような化合物は、PCT公開WO 98/32733(1998年7月30日公開)に記載された方法にしたがって調製されうる。米国特許第6,022,984号(2000年2月8日発行)は、DASU化合物の他の調製方法について言及している。国際特許公開WO01/19390号(2001年3月22日公開)は、IL−1RAとDASUとの組み合わせについて言及している。米国仮特許出願第60/328,254号及び第60/301,712号(それぞれ、2001年10月10日、2001年6月28日出願)は、DASU阻害剤を用いたアテローム性動脈硬化の治療について言及している。DASU結合タンパク質(DBPs)は、これらのDASU化合物に関連し、これらの因子のサイトカイン阻害活性を仲介する。DBPsは、刺激共役型翻訳後プロセシングを阻害する構造的に独特の薬物をスクリーニングするために用いられうる。DBPsに結合する化合物は、また、炎症性疾患の治療において、治療学として用いられうる。DBPsは、米国仮特許出願第60/098,448号(1998年8月31日出願)に記載されている。当業者は、DASU結合タンパク質に対する抗体が調製され得、前記DASU阻害剤と類似の活性を有するであろうことを理解する。先行特許、公開及び出願のそれぞれは、あたかもすべて本明細書中に記載されているのと同様に、すべての目的のために、その全体として、参照により本明細書中に組み込まれる。
TNF阻害剤
TNF阻害剤は、可溶性TNF受容体(TNFsr)、TNFに対する抗体、及びTACEの阻害剤を含む。本発明において有用な市販のTNF阻害剤は、エタネルセプト(etanercept)(エンブレル(Enbrel(商標)))、インフリキシマブ(infliximab)(レミケード(Remicade(商標)))、CDP−870、及びアダリムマブ(adalimumab)(D2E7(商標))を含む。インフリキシマブ、及び、その製造及び使用に関する方法は、米国特許第5,698,195号及び第5,656,272号に記載されている。アダリムマブ、及び、その製造及び使用に関する方法は、国際特許公開WO 97/29131号に記載されている。CDP−870などのヒト化抗体の製造方法は、欧州特許公開第120694号、第460167号、及び第5165,785号に記載されている。
TNFsr(可溶性TNF受容体、例えばエタネルセプト)は、サイトカインカスケードブロッカーである。in vivoにおいて、損傷、敗血症、及び膵炎などのアゴニストであるTNFの誘出を引き起こすのと同様の誘因に応じて産生される。組換え分子(rTNFsr)は、それにより受容体−リガンド親和性を約100倍増強させるダイマーとして産生される。天然分子の解離定数は10−7である一方で、組換えダイマーの解離定数は10−7であり(Oppenheimら,1993)、それにより治療剤として天然分子よりも少ない投与量を必要とする。さらに、当該ダイマー構造は、in vivo半減期を27時間に増大させることにつながり、一日単回投与を可能にする(Mohler,1994)。しかしながら、当該分子の解離定数を減少させる他のいかなる手段をも本発明の実施に用いることができる。
エタネルセプト、及び、その製造及び使用に関する方法は、米国特許第5,395,760号、第5,712,155号、第5,945,397号、第5,344,915号、及び再発行RE36,755号に記載されている。
他のTNF阻害剤は、その調製方法を含めて、欧州特許公開422,339号、及び米国特許第6,143,866号に記載されており、ペグ化及びグリコシル化変異体についても記載されている。
TACE阻害剤
TNF−α変換酵素(TACE)阻害剤及びその調製及び使用方法は、国際特許公開WO 00/09485号、及び、WO 00/09492号(両方とも2000年2月24日公開)、及び、欧州特許公開EP1,081,137号(2001年3月7日公開)に記載されている。
他のTACE阻害剤は、米国特許第5,830,742号に記載されている。
TNF抗体
TNF、TNFr、TNFbp、又はTACEに対する他の抗体は、IL−1、IL−1r、IL−18、又はIL−18r抗体の調製のための前記方法に類似の方法により調整することができる。
先行特許、公開及び出願のそれぞれは、全体として参照により本明細書中に組み込まれる。
IL−1/18又はTNFのいずれか単独の作用のブロックは、ラットにおけるリウマチ様関節炎炎症反応及びヒヒにおける敗血ショックを著しく阻害するのに十分であることが知られている。げっ歯類関節炎において、関節腫脹が、ペプチドグリカン−ポリサッカライド(PG/PS)により誘導される再活性化関節炎に罹患しているラットにおいて、IL−1ra又はTNFbpのいずれか単独投与により、最大限阻害されることが示されてきた。敗血ショックにおいて、大腸菌に攻撃されているヒヒは、IL−1ra又はTNFbpのいずれか単独投与により、致死率に対して、及び血流力学の変動に対して、同程度まで保護された。
しかしながら、予期せぬことに、LPS−再活性化関節炎に罹患しているラットでの、本発明にしたがうIL−1/18阻害剤とTNF阻害剤との組み合わせを用いた治療は、関節腫脹における相乗的阻害効果を引き起こした。以下の例は、リウマチ様関節炎、成人呼吸窮迫症候群(ADRS)及び敗血症などのIL−1/18及びTNF仲介性炎症性疾患における、工夫に富んだ組み合わせ(すなわち、IL−1/18阻害剤及びTNF阻害剤の組み合わせ治療)の相乗的効果を示すための方法について記載している。
組み合わせのin vivo相乗効果
二つの微生物成分(リポポリサッカライド(LPS)及びペプチドグリカンポリサッカライド(PG/PS)により誘導されたリウマチ様関節炎の動物モデルは、関節炎の治療に対する組み合わせ治療の効果を決定するために用いられうる。連鎖球菌細胞壁誘導関節炎に関する、“Experimental Animal Models of Chronic Arthritis”と題されたImmunggathoeenetic Mechanisms of Arthritis、第9章におけるR.L.Wilderによれば、「実験的関節疾患の臨床的、組織学的、及び放射線学的特徴は、成人及び未成年の関節炎において観察されるものと非常に似ている。」
以下の模範的な実験によれば、Schwab,Experimental Medicine,1688−1702,(1987)に記載された動物モデルは、正常ラットの足根部の関節において関節炎を誘導するために用いられうる。手短に言えば、二つの微生物成分の継続的投与:(1)第一に、ペプチドグリカンポリサッカライド(PG/PS)を含む連鎖球菌細胞壁(SCW)生成物質が循環血中に注射され、そして(2)21日後に、ネズミチフス菌(salmonella typhimurium)由来のリポポリサッカライド(LPS)が静脈中に注射される、により関節炎が誘導される。
LPSの静脈注射に続く72時間の間の炎症の程度を評価するために、足首関節の寸法が関節炎の再活性化後0,24,36,48,72時間後に測定される。
単独で、及び、組み合わせて投与したときの、IL−1/18阻害剤及びTNF阻害剤の効果は、関節炎の再活性化の間の関節腫脹の発達に対して試験される。阻害剤及び担体は、LPSの静脈注射に関して0,2,6,12,18,24,30,36及び42時間後に首筋に皮下注射される。Williams,R.O.,Marinova−Mutafchieva,L.,Feldmann,M.及びMaini,R.N.,2000,“Evaluation of TNF−a and IL−1 blockade in collagen−induced arthritis and comparison with combined anti−TNF−a/anti−CD3 therapy”,J.Immunology,165:7240−7245;Feige,U.,Hu,Y.−L.,Gasser,J.,Campagnuolo,G.,Munyakazi,L.,及びBolon,B.,1999,“Anti−interleukin−1 and anti−tumor necrosis factor−a synergistically inhibit adjuvant arthritis in Lewis rats”,Cell.Mol.Life Sci.,57:1457−1470;及び、Joosten,L.A.B.,Helsen,M.M.A.,Saxne,T.,van de Loo,F.A.J.,Heinegard,D.,and van den Berg,W.B.,1999,“IL−1ab blockade prevents cartilage and bone destruction in murine type II collagen−induced arthritis,whereas TNF−a blockade only ameliorates joint inflammation”,163:5049−5055を参照。
IL−1α、IL−1β、又はIL−18のATP誘導性放出の阻害
単核球を、LSM(Organon Teknika)を用いて単離された血液100mlから精製する。ヘパリナイズされた血液(Apotheconisから、1000units/mlの注射用ヘパリン1.5mlが各50mlシリンジに添加されたもの)を培地20ml(RMI 1640,5% FBS,1% pen/step,25mM HEPES,pH 7.3)で希釈する。希釈された血液30mlを、50mlコニカルポリプロピレン遠心チューブ中に、LSM(Organon Teknika)15mlの上に積層する。当該チューブを、室温で、卓上Sorvall遠心機において30分間1200rpmで遠心分離する。血漿及びLSMの境界面に位置する単核球を採り、培地で希釈して最終容積を50mlとし、前記遠心によって集める。上清を捨て、細胞ペレットを50mlの培地で2回洗う。懸濁された細胞の試料10μlを、計数のために2回目の洗いの前に採取し;この計数に基づいて、洗った細胞を希釈し、最終濃度2.0×10細胞/mlとする。
細胞懸濁液0.1mlを96ウェルプレートの各ウェルに添加する。単核球を2時間付着させ、非付着細胞を吸引により除去し、付着細胞を培地100μlで2回洗う。培地100μlを各ウェルに添加し、当該細胞を5%二酸化炭素インキュベーター中において37℃で一晩インキュベートする。
翌日、50ng/ml LPS(in Medium)25μlを各ウェルに添加し、細胞を37℃で2時間活性化する。
試薬溶液を以下のとおり調製する。IL−1プロセシング及び放出阻害剤を、ジメチルスルフォキシドで希釈し、最終濃度10mMとする。この保存溶液から、IL−1プロセシング及び放出阻害剤を、第1に1:50に希釈し[10mM保存溶液5μl+チェイス培地(Chase Medium(RPMI 1640、25mM Hepes、pH 6.9、1% pen/strep、10ng/ml LPS、及び5mM 重炭酸ナトリウム))245μl]、最終濃度200μMとする。第2の希釈は、200μM IL−1プロセシング及び放出阻害剤10μlをチェイス培地90μlに添加することにより調製する。
LPS−活性化単核球を、100μlのチェイス培地で一度洗い、その後、チェイス培地(0.2% ジメチルスルフォキシドを含む)100μlを各ウェルに添加する。試薬溶液の0.011mlを適当なウェルに添加し、単核球を37℃で30分間インキュベートする。この時点で、20mM保存溶液(あらかじめ塩化水素でpH 7.2に調製したもの)12μlを添加することにより2mM ATPを誘導し、当該細胞を37℃でさらに3時間インキュベートする。
当該96ウェルプレートをSorvall 卓上遠心機において2000rpmで10分間遠心分離し、細胞及び細胞の破片を除去する。90μlの等分した各上清をとり、96ウェル丸底プレートに移し、このプレートに2目の遠心分離を行い、すべての細胞破片を除去することを確実にする。結果として生じる上清の30μlを、70μlのPBS,1% FBSをも含む、IL−1β ELISAプレートの1ウェルに添加する。当該ELISAプレートを4℃で一晩インキュベートする。当該ELISA(R&D Systems)はキットの指示に従って行う。
データ計算及び分析
チェイス培地試料中のIL−1β免疫活性の量をパーセントコントロールとして計算し、これは、試験化合物のウェルの450nmにおける光学濃度とELISAの試薬ブランクウェルの450nmにおける光学濃度との差、及び、0.2%ジメチルスルフォキシド単独で処理された細胞の450nmにおける光学濃度と試薬ブランクウェルの450nmにおける光学濃度との差、の商の100倍に等しい:% control={(X−B)/(TOT−B)}×100,ここで、X=試験化合物ウェルのOD450nm;B=ELISAにおける試薬ブランクウェルのOD450nm;TOT=0.2%ジメチルスルフォキシド単独で処理された細胞のOD450nmである。
血液に基づくサイトカイン産生アッセイ
血液を、正常なボランティア及びRA患者から、ヘパリンを含む吸引チューブに集めた;これらの試料は、アッセイの実行に有害な影響を与えることなく、氷上で4時間まで保存できた。血液75μlを96ウェルプレートの個々のウェルに移し、20mM Hepesを含む、pH 7.3のRPMI 1640 medium75μlで希釈した。当該希釈された血液試料を、その後、LPS(100ng/ml;E.Coli Serotype 055:B5;Sigma Chemicals;St.Louis,MO)の存在下又は非存在下において、5% CO環境中で37℃で2時間インキュベートした。このインキュベーションの後、分泌刺激として、ATPを誘導し(20mM Hepes,pH 7中の100mM ATP溶液10mlを添加することによる)、当該混合液を37℃でさらに2時間インキュベートした。当該96ウェルプレートをその後、700×gで10分間遠心し、結果として生じる血漿試料を収穫した;これらの試料は−20℃で保存した。IL−1プロセシング及び放出阻害剤として評価される試験薬は、DMSO中に種々の濃度で溶解させ、LPSの添加の直前に血液試料中に希釈し;DMSO担体の最終濃度はすべての試料において0.2%とした。各条件は、少なくとも三つのウェルでアッセイした。
血漿上清を以下のELISAにおいて分析した:IL−1b(R&D Systems,ミネアポリス,MN);IL−18(MBL,名古屋、日本);TNF(R&D Systems)を用いた。アッセイを、製造者の仕様書に従って行い、サイトカインの絶対値を、組換えサイトカインの公知の量の存在下における標準アッセイとの比較に基づいて算出した。IL−1プロセシング及び放出阻害剤に対する全血のIC50値は、サイトカインの絶対値を、いかなるIL−1プロセシング及び放出阻害剤も存在しない条件下で行われたコントロールの値の50%のレベルに低下させる血漿濃度として、この試験から決定された。
本発明の化合物を、多様な投与形態において投与することができ、一般的には、本発明の治療に有効な化合物は、重量で約5.0%から70%の範囲の濃度で投与形態中に存在する。座剤は、一般的に、重量で約5.0%から10%の範囲で活性成分を含み;経口製剤は、好ましくは10%から70%の活性成分を含む。
以下の例において記載された手段、または適当な代替手段のための標準的な方法は、広く認められている分子生物学のマニュアルにおいて提供されている。例えば、Sambrookら,Moleular Cloning,第二版,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1987)及びAusabelら,Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing Associates/Wiley Interscience,ニューヨーク(1990)などである。すべての化学物質は分析等級、又はUSP等級のいずれかである。
ヒトコラゲナーゼ−1の阻害(組換えコラゲナーゼ−1のアッセイ)
このアッセイは、コラゲナーゼ−1に対する化合物の能力(IC50s)を測定するために本発明において用いられる。
ヒト組換えコラゲナーゼ−1をトリプシンで活性化する。トリプシンの量は、コラゲナーゼ−1の各ロットに対して最適化されるが、典型的な反応では以下の比率を用いる:コラゲナーゼ100mgあたりトリプシン5mgである。トリプシン及びコラゲナーゼを、約20℃から約25℃で、好ましくは約23℃で、約10分間インキュベートし、その後、5倍量の過剰のソイビーントリプシン阻害剤(50mg/10mgトリプシン)を添加する。
阻害剤の保存溶液(10mM)を、ジメチルスルフォキシド中に調製し、その後以下のスキームを用いて希釈する:
10mM----->120μM----->12μM----->1.2μM----->0.12μM
各濃度の25μlを、96ウェルマイクロ蛍光プレートの適当なウェルに三重測定として添加する。阻害剤の最終濃度は酵素及び基質の添加後には1:4希釈になるであろう。ポジティブコントロール(酵素あり、阻害剤なし)をウェルD7−D12にセットし、ネガティブコントロール(酵素なし、阻害剤なし)をウェルD1−D6にセットする。
コラゲナーゼ−1を240ng/mlに希釈し、25mlをマイクロ蛍光プレートの適当なウェルに添加する。アッセイにおけるコラゲナーゼの最終濃度は60ng/mlである。
基質(DNP−Pro−Cha−Gly−Cys(Me)−His−Ala−Lys(NMA)−NH)を、ジメチルスルフォキシド中に5mM保存溶液として調製し、その後、希釈し、アッセイ緩衝液中20μMとする。アッセイは、マイクロ蛍光プレートのウェルごとに、最終濃度10μMとなるように基質50μlを添加することにより開始する。
蛍光の読み取り(360nm励起、460nm蛍光)を0時、及び、その後約20分間の間隔で行う。アッセイは、約20℃から約25℃で、好ましくは約23℃で、典型的なアッセイ時間約3時間で行う。
時間に対する蛍光を、ブランクとコラゲナーゼ含有試料の両方(データは3回の測定から平均する)についてプロットする。よいシグナル(少なくともブランクの5倍)を示し、カーブの直線部分上にある時点(通常120分あたり)をIC50値の決定のために選択する。0時を各化合物の各濃度におけるブランクとして用い、これらの値を120分のデータから差し引く。データを%コントロール(阻害剤の蛍光をコラゲナーゼ単独の蛍光で除して100倍したもの)に対する阻害剤濃度としてプロットする。IC50値は、コントロールの50%のシグナルを与える阻害剤の濃度から決定する。
もし、IC50値が0.03mMより低いと報告された場合は、阻害剤を、0.3μM、0.03μM、及び0.003μMの濃度でアッセイする。
ヒトコラゲナーゼ−3の阻害(組換えコラゲナーゼ3のアッセイ)
このアッセイは、コラゲナーゼ−3に対する化合物の能力(IC50s)を測定するために本発明において用いられる。
ヒト組換えコラゲナーゼ−3を2mM APMA(p−アミノフェニル酢酸第二水銀)で約37℃で約2時間活性化し、希釈してアッセイ緩衝液(50mM Tris、pH 7.5、200mM 塩酸、5mM 塩化カルシウム、20mM 塩化亜鉛、0.02% BRIJ−35)中約240ng/mlとする。希釈した酵素25μlを96ウェルマイクロ蛍光プレートのウェルごとに添加する。酵素は、その後阻害剤及び基質の添加により1:4の比率で希釈され、アッセイにおける最終濃度60ng/mlを得る。
阻害剤の保存溶液(10mM)を、ジメチルスルフォキシド中に調製し、その後、ヒトコラゲナーゼ−1に対する阻害のための各阻害剤の希釈スキームと同様に、アッセイ緩衝液中に希釈する:各濃度の25μlを、96ウェルマイクロ蛍光プレートに三重測定として添加する。
アッセイにおける最終濃度は、30μM、3μM、0.3μM、及び0.03μMである。
基質(Dnp−Pro−Cha−Gly−Cys(Me)−His−Ala−Lys(NMA)−NH)を、ヒトコラゲナーゼ(コラゲナーゼ−1)の阻害についてと同様に調製し、50mlを各ウェルに添加し、最終アッセイ濃度10μMを得る。蛍光の読み取り(360nm励起、450nm蛍光)を0時、及び、約5分ごとに約1時間行う。
ポジティブコントロール及びネガティブコントロールを三重測定で、コラゲナーゼ−1アッセイにおいて述べたようにセットする。IC50値を、ヒトコラゲナーゼ(コラゲナーゼ−1)の阻害のように決定する。もし、IC50値が0.03mMより低いと報告された場合は、阻害剤を、0.3μM、0.03μM、0.003μM、及び0.0003μMの濃度でアッセイする。
アグリカナーゼ(aggrecanase)軟骨細胞アッセイ
このアッセイは、アグリカナーゼに対する化合物の能力(IC50s)を測定するために本発明において用いられる。
関節の軟骨由来の初代豚軟骨細胞を、連続的なトリプシン及びコラゲナーゼ消化と、その後の一晩のコラゲナーゼ消化により単離し、タイプIコラーゲンコートプレートに、5μCi/ml35S(1000Ci/mmol)とともに、48ウェルプレート中にウェルあたり2×10細胞でまく。細胞に、5%CO雰囲気下で、37℃で(約1週間)そのプロテオグリカンマトリックス中に標識をとりこませる。
アッセイを開始する前夜に、軟骨細胞の単層をDMEM/ 1% PSF/Gで2回洗い、その後、新たなDMEM/ 1% FBS中で一晩インキュベートする。
翌朝、軟骨細胞の単層をDMEM/ 1% PSF/Gで1回洗う。最後の洗浄液は、希釈液を作る間、インキュベーター内のプレート上に置かれる。培地と希釈液は以下の表1に記載されたとおりに製造しうる。
Figure 2005510542
プレートに標識をつけ、プレートの内側の24ウェルのみを用いる。プレートのうちの1つにおける数個のカラムを、IL−1(薬物なし)及びコントロール(IL−1なし、薬物なし)に指定する。これらのコントロールカラムは、定期的に35S−プロテオグリカンの放出を観察するために計数する。コントロール及びIL−1培地(450μl)、続いて化合物(50μl)を、アッセイを開始するためにウェルに添加する。プレートを、5%CO雰囲気下で、37℃でインキュベートする。
培地試料の液体シンチレーション計数(LSC)により算定される40−50%の放出(IL−1培地由来のCPMがコントロール培地の4−5倍)の時点で、アッセイを終了する(約9から約12時間)。培地をすべてのウェルから除去し、シンチレーションチューブに入れる。シンチレートを添加し、放射活性計数を得る(LSC)。細胞単層を可溶化するため、500μlのパパイン消化緩衝液(0.2M Tris、pH 7.0、5mM EDTA、5mM DTT、及び1mg/ml パパイン)を各ウェルに添加する。消化溶液を入れたプレートを60℃で一晩インキュベートする。翌日、細胞単層をプレートから除去し、シンチレーションチューブに入れる。その後シンチレートを添加し、試料を計数する(LSC)。
各ウェルにおいて存在する総量から放出された計数のパーセントを決定する。三重測定の平均を、各ウェルからコントロールのバックグランドを差し引いて求める。化合物の阻害のパーセントは、0%阻害(総計数の100%)としてのIL−1サンプルを基準とする。
可溶性TNF−α産生の阻害(TACE全血アッセイ)
このアッセイは、TACEに対する化合物の能力(IC50s)を測定するために本発明において用いられる。
化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩の、TNF−αの細胞放出を阻害し、その結果として、可溶性TNF−αの脱規制を含む疾患の治療における有効性を示す能力は、以下のin vitoアッセイにより示される。
ヒト単核球を、非凝固ヒト血液から、ワンステップ・フィコール・ハイパック分離法(one−step Ficoll−hypaque separation technique)を用いて単離する。(2)単核球をハンクス平衡塩溶液(Hanks balanced salt solution(HBSS))中で2価のカチオンとともに3回洗い、1% BSAを含むHBSS中に、2×10/mlの濃度で再懸濁する。アボット全自動総合血液学分析装置(Abbott Cell Dyn 3500 analyzer)を用いて分画を決定したところ、単球はこれらの調製において全細胞の17から24%の範囲であることが示された。
細胞懸濁液の180μlを平底96ウェルプレート(Coster)に等分した。化合物及びLPS(最終濃度100ng/ml)を添加し、最終容積200μlを得た。すべての条件は三重測定で行う。加湿COインキュベーターにおいて、37℃で約4時間のインキュベーションの後、プレートを取り出し、遠心(約250×gで約10分間)し、上清をとり、R&D ELISA キットを用いてTNF−αのアッセイを行う。
TACE全血アッセイは、一般に、組換えコラゲナーゼアッセイより約1000倍大きい値を示すことに注意する。このように、TACEで1000nM(すなわち1μM)のIC50値をもつ化合物は、およそ1nMのコラゲナーゼIC50値と同等である。
IL−18の阻害
IL−18は、Wei,X.,Leung,B.P.,Arthur,H.M.L.,Mclnnes,I.B.及びLiew,F.Y.,2001,“Reduced incidence and severity of collagen−induced arthritis in mice lacking IL−18”,J.Immunology,166:517−521;及び、Pomerantz,B.J.,Reznikov,L.L.,Harken,A.H.及びDinarello,C.A.,2001,“Inhibition of caspase 1 reduces human myocardial ischemic dysfunction via inhibition of IL−18 and IL−1b”,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,98:2871−2876に記載された方法と類似の方法に従ってアッセイされうる。
医薬組成物
本発明は、IL−1/18阻害剤(好ましくはIL−1プロセシング及び放出阻害剤)と併せてTNF阻害剤の有効量を対象に投与することにより治療(及び予防)する方法を提供する。対象は、好ましくは動物であり、牛、豚、鶏、霊長類などの動物を含むがこれらに限定されず、好ましくは哺乳類であり、最も好ましくはヒトである。
好ましい阻害剤の阻害作用を1又は複数の別々の分離可能な部分により分けることが可能であるから、本発明の方法が、インターロイキン−1/18又はTNF阻害をコントロールするTNF阻害剤又はIL−1/18阻害剤の一部又は複数部分である活性成分を有する治療組成物を投与することにより実施されうることもまた想像される。
本発明の治療組成物は、関節内注射、吸入噴霧、経口活性製剤、経皮イオントフォレーゼ、又は座剤などの、他の効果的な投与形態もあるが、注射により投与されうることもまた想像される。1つの好ましい担体は、生理食塩水であるが、他の薬学的に許容可能な担体もまた用いられうることも考えられる。
ある実施態様において、担体及びTNF阻害剤及びIL−1/18阻害剤が、生理的に相性のよい、徐放製剤を構成することもまた想像される。このような担体における主要な溶媒は、自然状態で水性又は非水性のいずれでもよい。加えて、担体は、製剤のpH、浸透圧、粘度、透明度、色度、無菌性、安定性、溶解速度、又は香りを変更し、又は維持するために、他の薬学的に許容可能な賦形剤を含みうる。同様に、担体は、TNF阻害剤、及び/又はIL−1/18阻害剤の安定性、溶解速度、放出、又は吸収を変更し、又は維持するために、さらに他の薬学的に許容可能な賦形剤を含みうる。このような賦形剤は、単回又は複数回投与形態のいずれかにおいて非経口投与のための投与量を製剤化するために、通常、慣習的に用いられる物質である。
治療用組成物が製造されると、溶液、懸濁液、ゲル、乳液、固体、又は、脱水又は凍結乾燥された粉末として、無菌バイアル中において保存されうる。このような製剤は、使用できる状態、又は投与直前に再構成を必要とする状態のいずれかにおいて保存されうる。このような製剤の好ましい保存は、少なくとも4℃程度の低温、好ましくは−70℃で行う。TNF阻害剤及びIL−1/18阻害剤を含むこのような製剤は、生理的pHで、又はその付近で、保存され投与されることが好ましい。現在のところ、高いpH(すなわち、8より大きい)又は低いpH(すなわち、5より小さい)における製剤の投与は、望ましくないと信じられている。
好ましくは、全身投与のための、TNF阻害剤及びIL−1/18阻害剤を含む製剤の投与方法は、皮下、筋肉内、静脈内、鼻腔内、又は、膣内又は直腸内座剤である。好ましくは局所投与のための、TNF阻害剤及びIL−1/18阻害剤を含む製剤の投与方法は、関節内、気管内、又は、気道への喉頭注入又は吸入である。加えて、TNF阻害剤及びIL−1/18阻害剤の、適当な製剤又は手段における経口投与、又は、座剤又は浣腸剤のいずれかにより、消化管の特定の部分へTNF阻害剤及びIL−1/18阻害剤を投与することが望ましくありうる。
TNF及びIL−1/18仲介性疾患の治療のための追加的な好ましい形態において、TNF阻害剤及びIL−1/18阻害剤の初回静脈内ボーラス注射が行われ、続けて、TNF阻害剤及びIL−1/18阻害剤の継続的な静脈注入が行われる。敗血性ショックに対する治療の開始は、敗血後、又は、敗血と診断されたときの後、可能な限りすぐに始められるべきである。例えば、治療は、手術、又は事故、又は、敗血性ショックの始まる危険のある他のいかなる出来事の直後に始められうる。
TNF及びIL−1/18仲介性疾患の治療のための、より具体的には関節炎の治療のための好ましい形態は:(1)関節炎の再燃を予防し、又は治療するために必要に応じ定期的に与えられるTNF阻害剤及びIL−1/18阻害剤の単回関節内注射、及び、(2)TNF阻害剤及びIL−1/18阻害剤の定期的な皮下注射、を含む。
TNF及びIL−1/18仲介性疾患の治療のための、より具体的には成人呼吸窮迫症候群の治療のための好ましい形態は:1)TNF阻害剤及びIL−1/18阻害剤の単回又は複数回気管内投与、及び、2)TNF阻害剤及びIL−1/18阻害剤のボーラス又は継続的静脈内注入、を含む。
TNF阻害剤及びIL−1/18阻害剤を含むある製剤が、経口投与すべきであることもまた考えられる。好ましくは、TNF阻害剤及びIL−1/18阻害剤がタンパク質であるとき、この方法の投薬はカプセル化される。カプセル化されたTNF阻害剤及び/又はIL−1/18阻害剤は、固体の投与製剤の混合において慣習的に用いられる担体とともに、又は担体なしに、製剤化されうる。好ましくは、カプセルは、製剤の活性部分が胃腸管においてバイオアベイラビリティを最大化し、前全身分解を最小化するときに放出されるように設計される。追加的な賦形剤は、TNF阻害剤及びIL−1/18阻害剤の吸収を促進するために含まれうる。希釈剤、香料、低融点ワックス、植物油、滑沢剤、懸濁剤、タブレット崩壊剤、及び結合剤もまた、用いられうる。
経口投与のために、TNF阻害剤及びIL−1/18阻害剤が非ペプチド(例えば、IL−1プロセシング及び放出阻害剤、ICE阻害剤、又はTACE阻害剤)であるとき、微結晶セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸ジカルシウム、及び、グリシンなどの種々の賦形剤を含むタブレットが、スターチ(好ましくはコーン、ポテト、又はタピオカスターチ)、アルギニン酸、及びある珪酸塩複合体などの種々の崩壊剤とともに、ポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチン、及びアカシアのような造粒結合剤と一緒に、用いられうる。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、及びタルクなどの滑沢剤は、タブレット化の目的のためにしばしばとても有用である。類似の種類の固体組成物は、ゼラチンカプセルの充填剤として、また用いられうる。この関係における好ましい物質は、ラクトース、又は乳糖、さらに、高分子量ポリエチレングリコールを含む。水性懸濁液及び/又はエリキシル剤が経口投与のために望ましいときは、活性成分は、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、及びこれらの種々の組み合わせとともに、種々の甘味料又は香料、着色料又は色素、及び、必要であれば、乳化剤及び/又は懸濁剤と組み合わせられうる。
投与はまた、全身的、又は局所的でありうる。加えて、心室内及びクモ膜下注射を含む、いずれかの適当な経路により、炎症している関節中に、IL−1/18の伝達を阻害する因子とともに、TNF阻害剤を導入することが望ましくありうる;心室内注射は、例えば、オンマヤ(Ommaya)リザーバーなどのリザーバーに取り付けられた心室内カテーテルにより容易にされうる。
具体的実施態様において、治療を必要とする領域に局所的に、IL−1/18の伝達を阻害する因子とともに、TNF阻害剤を投与することが望ましくありうる;これは、例えば、非制限的に、手術中における局所的注入、局所的塗布(例えば、手術後の創傷包帯とともに)、注射、カテーテル手段、座剤手段、又は埋め込み手段(当該埋め込みは、多孔質、非多孔質、又はサイラスティック(sialastic)膜などの膜を含むゼラチン物質、又は繊維である)により達成されうる。
本発明はまた、本発明の医薬組成物の1又は複数の成分で満たされた1又は複数のコンテナを含む薬学的パック又はキットを提供する。随意的に、通知を、薬又は生物学的製品の製造、使用又は販売を規制する政府関係機関により規定された形式における通知をこのようなコンテナに添付することができ、このような通知は、当該機関によるヒトへの投与についての製造、使用、又は販売の認可を示す。
このように、本発明の1つの好ましい実施態様は、TNF阻害剤と、IL−1プロセシング及び放出阻害剤又はIL−1raとの組み合わせ、及び、薬学的に許容可能な担体、薬学的に許容可能な賦形剤、湿潤剤、緩衝剤、乳化剤、及び、結合剤から構成される群から選択される、1又は複数の成分を含む医薬組成物を提供する。
他の好ましい実施態様において、TNF阻害剤と、IL−1プロセシング及び放出阻害剤又はIL−1raとの組み合わせを含む1又は複数のコンテナを含むキットを提供する。
必要とされる投与量の範囲は、TNF阻害剤及びIL−1/18の伝達を阻害する因子、投与経路、製剤の性質、対象の状態の性質、及び主治医の判断による。
ある実施態様において、投与は、患者の血流においてTNF阻害剤及びIL−1/18阻害剤のあらかじめ設定された濃度範囲を作り出すように設計される。血漿1mlあたり0.1ngよりも低いTNF阻害剤及びIL−1/18阻害剤の循環濃度の維持は、有効な組成ではないかもしれないと信じられており、一方で、mlあたり10μgを超える循環レベルの長期の維持は、望ましくない副作用を有しうる。
前記製剤のそれぞれに関する治療についての適当な投与量を決定するために必要な計算のさらなる改良は、通常の当業者により日常的に行われ、そして、特に、本明細書で開示されたアッセイ及び投与量の情報の観点から、過度の試行をすることなく、当業者によって、日常的に行われる技術の範囲内である。これらの投与量は、適当な用量反応データとともに用いられる投与量決定のための確立されたアッセイの使用を通じて確実にされうる。
TNF阻害剤についての1日1回又は2回投与の投与量は、しかしながら、IL−1/18の伝達を阻害する因子の50−1200mgと組み合わせて、対象のキログラムあたり1−1000μgの範囲内である。必要とされる投与量における幅広い変動は、しかしながら、利用可能な化合物の多様性、及び、多様な投与経路の異なる有効性の観点から、予測される。
経口投与は、静脈注射による投与よりも高い投与量を必要とすることが予測されるであろう。これらの投与量レベルの多様性は、当技術分野においてよく理解されるように、最適化のための標準的な経験的日常業務を用いて作られうる。
TNF阻害剤及びIL−1/18の伝達を阻害する因子を含む組成物は、多様な投与形態において投与されうる。一般的に、治療的に有効な本発明の化合物は、これらの投与形態において、重量において約5.0%から約70%の範囲の濃度レベルで存在する。
本明細書で記載されたTNF阻害剤及びIL−1/18阻害剤の製剤は、ヒトへの適用と同様に動物への適用にも用いられうること、そして、「患者」という用語は、制限的用法に解釈されるべきでないこと、に注意すべきである。動物への適用の場合には、投与量の範囲は、前記具体化と同様にされるべきである。
IL−1/18の伝達を阻害する因子とともに、TNF阻害剤は、他の生物学的活性因子と一緒に投与されうる。TNF阻害剤及びIL−1/18の伝達を阻害する因子との組み合わせ投与のための好ましい生物学的活性因子は、NSAIDs、特にCOX−2選択的阻害剤(例えば、セレコキシブ(celecoxib)、バルデコキシブ(valdecoxib)、ロフェコキシブ(rofecoxib)、及び、エトリコキシブ(etoricoxib))、及び、マトリックスメタロプロテアーゼである。
本発明の先行する記載は、実例及び説明の目的のための模範的なものである。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく変更及び改良が可能であることは、当業者に明らかであろう。本発明の特許請求の範囲が、このような変更及び改良のすべてを包囲するように解釈されることが意図される。
米国特許第5,863,769号の配列番号2(SEQ ID NO 2)の情報
(i)配列の特性:
(A)長さ:169アミノ酸
(B)種類:アミノ酸
(C)鎖の数:一本
(D)構造:直線
(ii)分子種:タンパク質
(xi)配列内容:米国特許第5,863,769号の配列番号2(SEQ ID NO 2)
Figure 2005510542

Claims (10)

  1. IL−1阻害剤の一定量を、腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤の一定量とともに含む、炎症を治療するための組成物であって、当該二つの成分の量が炎症の治療に有効な量であり、薬学的に許容可能な担体をも含む組成物。
  2. IL−1及びIL−18阻害剤の一定量を、腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤の一定量ととともに含む、炎症を治療するための組成物であって、当該二つの成分の量が炎症の治療に有効な量であり、薬学的に許容可能な担体をも含む組成物。
  3. 請求項2の組成物であって、当該IL−1阻害剤が、IL−1プロセシング・放出阻害剤から構成される群から選択されることを特徴とする、組成物。
  4. 請求項3の組成物であって、当該IL−1プロセシング・放出阻害剤が、式Iの構造を有する化合物:
    Figure 2005510542
    又はその薬学的に許容可能な塩
    [ここで、R及びRはそれぞれ独立に式IIの基であり
    Figure 2005510542

    ここで、破線(―――)は、二重結合であってもよいことを表し;
    nは、0、1、2、又は3であり;
    A,B,D,E及びGは、それぞれ独立して酸素原子、硫黄原子、窒素原子、又はCR(ここで、R及びRはそれぞれ(1)水素原子、(2)(C−C)アルキルアミノ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、パーフルオロ(C−C)アルキル、(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロアリール、(C−C10)アリールアミノ、(C−C10)アリールチオ、(C−C10)アリールオキシ(ここで当該アリール基は、(C−C)アルコキシ、(C−C)アシル、カルボキシ、ヒドロキシ、又は、ハロで置換されていてもよい);(C−C)ヘテロアリールアミノ、(C−C)ヘテロアリールチオ、(C−C)ヘテロアリールオキシ、(C−C10)アリール(C−C10)アリール、(C−C)シクロアルキル、ヒドロキシ、ピペラジニル、(C−C10)アリール(C−C)アルコキシ、(C−C)ヘテロアリール(C−C)アルコキシ、(C−C)アシルアミノ、(C−C)アシルチオ、(C−C)アシルオキシ、(C−C)アルキルスルフィニル、(C−C10)アリールスルフィニル、(C−C)アルキルスルフォニル、(C−C10)アリールスルフォニル、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、又は((C−C)アルキル)アミノから選択される1又は2の基で置換されていてもよい(C−C)アルキル;(3)ハロ、(4)シアノ、(5)アミノ、(6)ヒドロキシ、(7)パーフルオロ(C−C)アルキル、(8)パーフルオロ(C−C)アルコキシ、(9)(C−C)アルケニル、(10)カルボキシ(C−C)アルケニル、(11)(C−C)アルキニル、(12)(C−C)アルキルアミノ、(13)((C−C)アルキル)アミノ、(14)(C−C)アルキルスルフォニルアミド、(15)(C−C)アルキルスルフィニル、(16)(C−C)アルキルスルフォニル、(17)アミノスルフォニル、(18)(C−C)アルキルアミノスルフォニル、(19)((C−C)アルキル)アミノスルフォニル、(20)(C−C)アルキルチオ、(21)(C−C)アルコキシ、(22)パーフルオロ(C−C)アルキル、(23)(C−C10)アリール、(24)(C−C)ヘテロアリール、(25)(C−C10)アリールアミノ、(26)(C−C10)アリールチオ、(27)(C−C10)アリール(C−C)アルコキシ、(28)(C−C)ヘテロアリールアミノ、(29)(C−C)ヘテロアリールチオ、(30)(C−C)ヘテロアリールオキシ、(31)(C−C)シクロアルキル、(32)(C−C)アルキル(ヒドロキシメチレン)、(33)ピペリジル、(34)ピリジニル、(35)チエニル、(36)フラニル、(37)(C−C)アルキルピペリジル、(38)(C−C)アシルアミノ、(39)(C−C)アシルチオ、(40)(C−C)アシルオキシ、(41)R(C−C)アルキル(ここで、Rは(C−C)アシルピペラジノ、(C−C10)アリールピペラジノ、(C−C)ヘテロアリールピペラジノ、(C−C)アルキルピペラジノ、(C−C10)アリール(C−C)アルキルピペラジノ、(C−C)ヘテロアリール(C−C)アルキルピペラジノ、モルフォリノ、チオモルフォリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピペリジル、(C−C)アルキルピペリジル、(C−C10)アリールピペリジル、(C−C)ヘテロアリールピペリジル、(C−C)アルキルピペリジル(C−C)アルキル、(C−C10)アリールピペリジル(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロアリールピペリジル(C−C)アルキル、又は、(C−C)アシルピペリジルである);
    (42)又は式IIIの基
    Figure 2005510542
    ここで、sは0から6であり;
    tは、0又は1であり;
    Xは、酸素原子、又はNR(ここで、Rは水素原子、(C−C)アルキル、又は、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキルである)であり;
    Yは、水素原子、ヒドロキシ;ハロ、ヒドロキシ又はシアノで置換されていてもよい(C−C)アルキル;(C−C)アルコキシ、シアノ、(C−C)アルキニル、(C−C10)アリール(ここで、当該アリール基は、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、パーフルオロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、又はNR10;(ここで、R及びR10はそれぞれ、水素原子、及び、(C−C)アルキルピペリジル、(C−C10)アリールピペリジル、(C−C)ヘテロアリールピペリジル、(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロアリール、又は(C−C)シクロアルキルで置換されていてもよい(C−C)アルキルから構成される群から独立に選択される)で置換されていてもよい);ピペリジル、(C−C)アルキルピペリジル、(C−C10)アリールピペリジル、(C−C)ヘテロアリールピペリジル、(C−C)アシルピペリジル、(C−C10)アリール、(C−C)ヘテロアリール、(C−C)シクロアルキル、R11(C−C)アルキル、(C−C)アルキル(CHR11)(C−C)アルキル(ここで、R11は、ヒドロキシ、(C−C)アシルオキシ、(C−C)アルコキシ、ピペラジノ、(C−C)アシルアミノ、(C−C)アルキルチオ、(C−C10)アリールチオ、(C−C)アルキルスルフィニル、(C−C10)アリールスルフィニル、(C−C)アルキルスルフォキシル、(C−C10)アリールスルフォキシル、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、((C−C)アルキル)アミノ、(C−C)アシルピペラジノ、(C−C)アルキルピペラジノ、(C−C10)アリール(C−C)アルキルピペラジノ、(C−C)ヘテロアリール(C−C)アルキルピペラジノ、モルフォリノ、チオモルフォリノ、ピペリジノ、又は、ピロリジノである);R12(C−C)アルキル、(C−C)アルキル(CHR12)(C−C)アルキル(ここで、R12は、ピペリジル又は(C−C)アルキルピペリジルである);又は、CH(R13)COR14(ここで、R14は、以下のとおり定義され、R13は、水素原子、(C−C)アルキル、(C−C10)アリール(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロアリール(C−C)アルキル、(C−C)アルキルチオ(C−C)アルキル、(C−C10)アリールチオ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルスルフィニル(C−C)アルキル、(C−C10)アリールスルフィニル(C−C)アルキル、(C−C)アルキルスルフォニル(C−C)アルキル、(C−C10)アリールスルフォニル(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、アミノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、((C−C)アルキルアミノ)(C−C)アルキル、R1516NCO(C−C)アルキル、又は、R15OCO(C−C)アルキル(ここで、R15及びR16は、それぞれ、水素原子、(C−C)アルキル、(C−C10)アリール(C−C)アルキル、及び、(C−C)ヘテロアリール(C−C)アルキルから構成される群から独立に選択される)であり;そして、R14は、R17O、又はR1718N(ここで、R17及びR18は、それぞれ、水素原子、(C−C)アルキル、(C−C10)アリール(C−C)アルキル、及び、(C−C)ヘテロアリール(C−C)アルキルから構成される群から独立に選択される)であり;
    (43)又は式IVの基
    Figure 2005510542
    ここで、uは0、1又は2であり;
    19は、水素原子、(C−C)アルキル、又はパーフルオロ(C−C)アルキルであり;
    20は、水素原子、(C−C)アルキル、(C−C)カルボキシアルキル、又は(C−C10)アリール(C−C)アルキルであり;
    (44)又は式Vの基
    Figure 2005510542
    ここで、aは、0、1又は2であり;
    bは、0又は1であり;
    cは、1、2又は3であり;
    dは、0又は1であり;
    eは、0、1又は2であり;
    J及びLは、それぞれ独立して酸素原子又は硫黄原子であり;
    21は、水素原子、ヒドロキシ、フルオロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルキル、アミノ、(C−C)アシルアミノ、又はNR2627(ここで、R26及びR27は、それぞれ、水素原子、(C−C)アルキル、又は(C−C10)アリールから独立に選択される)であり;そして、
    22は、水素原子;又は、ヒドロキシ、ハロ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)アルキルスルフィニル、又は(C−C)アルキルスルフォニルで置換されていてもよい(C−C)アルキルであり;
    から構成される群から独立に選択され;
    又は、式IIにおいて、nが1であり、B及びDが両方ともCRであるとき、当該二つのRはそれらが結合する炭素原子とともに、式VIの基を形成してもよく、
    Figure 2005510542
    ここで、破線(―――)は二重結合であってもよいことを表し;
    mは0又は1であり;そして、
    T,U,V及びWは、それぞれ、独立して、酸素原子、硫黄原子、CO、窒素原子、又は、CR(ここでR及びRは、前記で定義されたとおりである)であり;
    又は、式IIにおいて、A及びBが両方ともCRであるとき、又は、nが1であってB及びDが両方ともCRであるとき、又は、D及びEが両方ともCRであるとき、又は、E及びGが両方ともCRであるとき、当該二つのRはそれらが結合する隣接炭素原子とともに、ヒドロキシ又はベンゾ基で置換されていてもよい(C−C)シクロアルキル基を形成してもよい]
    であることを特徴とする、組成物。
  5. 請求項4の組成物であって、当該IL−1のプロセシング及び放出阻害剤が、以下の化合物:
    1−(1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン−4−イル)−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フラン−2−スルフォニル]−尿素;
    1−(2,6−ジイソプロピル−フェニル)−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フラン−2−スルフォニル]−尿素;
    4−クロロ−2,6−ジイソプロピル−フェニル−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フラン−2−スルフォニル]−尿素;
    1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−4−アザ−s−インダセン−8−イル−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フラン−2−スルフォニル]−尿素;
    8−クロロ−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン−4−イル−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フラン−2−スルフォニル]−尿素;
    8−フルオロ−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン−4−イル−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フラン−2−スルフォニル]−尿素;及び、
    4−フルオロ−2,6−ジイソプロピル−フェニル−3−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フラン−2−スルフォニル]−尿素
    から構成される群から選択されることを特徴とする、組成物。
  6. 請求項2の組成物であって、当該腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤が、エタネルセプト(etanercept)、インフリキシマブ(infliximab)、CDP−870、アダリムマブ(adalimumab)、又はTACE阻害剤である組成物。
  7. 請求項1の組成物であって、当該IL−1阻害剤がIL−1raである組成物。
  8. 請求項1の組成物であって、当該腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤が、アリールスルフォニルヒドロキサム酸誘導体である組成物。
  9. 炎症の治療を必要とする哺乳類に、IL−1阻害剤の一定量を、腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤の一定量とともに投与することを含む、炎症の治療方法であって、当該二つの成分の量が、炎症の治療に有効な量であることを特徴とする、方法。
  10. 炎症の治療を必要とする哺乳類に、IL−1阻害剤及びIL−18阻害剤の一定量を、当該腫瘍壊死因子(TNF)の一定量とともに投与することを含む、炎症の治療方法であって、当該二つの成分の量が、炎症の治療に有効な量であることを特徴とする、方法。
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