JP2005509865A - 光バイオディスクを用いた血液タイピング(bloodtyping)の方法および装置 - Google Patents

光バイオディスクを用いた血液タイピング(bloodtyping)の方法および装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、臨床診断アッセイ、光バイオディスクおよびディスク読み取り装置に関する。本発明は、光バイオディスク分析システムを用いて免疫血液学アッセイを行う方法および装置を対象とする。本発明はさらに、符号化情報が関連付けられた基板を含む、免疫血液学的アッセイを行う光バイオディスクを対象とする。符号化情報は、ディスクの回転を制御するディスクドライブアセンブリにより読み取り可能であってもよい。ディスクは、基板に関連する少なくとも1つの標的領域または捕捉領域を含んでいてもよい。標的領域は、基板の中心に対して所定の位置に位置付けられる。ディスクはさらに、標的領域に固定された捕捉抗体、フローチャネルと、流体回路、または標的領域に関連する分析チャンバ、および分析チャンバと流体連通している流入部位を含む。

Description

[発明の分野]
本発明は、診断アッセイおよび生物学的アッセイの分野と、生体サンプル中に存在する細胞型および抗体の同定、およびそれに関連する分析に関する。本発明はさらに、生物学的アッセイのための光学的に読み取り可能なディスクの製造および使用に関する。
[関連出願の相互参照]
本出願は、2000年11月17日に出願された米国仮出願第60/249,477号および2000年11月22日に出願された米国仮出願第60/252,726号からの優先権の利益を主張する、2001年11月19日に出願された米国特許出願第09/988,850号の一部継続出願である。
本出願は、2002年1月29日に出願された米国仮出願第60/353,014号、2002年1月31日に出願された米国仮出願第60/353,773号、2002年4月25日に出願された米国仮出願第60/375,568号、および2002年5月9日に出願された米国仮出願第60/379,045号からの優先権の利益も主張する。上記出願はすべて、その内容のすべてが参照により本明細書に援用される。
[発明の背景]
医療診断アッセイは、疾患の診断および治療、ならびに良好な健康状態を一般的に維持するのに重要である。特に有用なのは、全血またはその成分に対して実施される生物学的および化学的アッセイである。当該分野における1つの初期の開発範囲は、輸血のための血液タイピングに関する。1901年に、Karl Landsteinerは、ある人間の血液に別の人間の血液を輸血すると、両者の血液の相違が、ショック、黄疸、および以前の輸血により生じた血液疾患である血色素尿症の原因となる可能性があることを発見した。Landsteinerは、人間の血液をA、B、およびOの群に分類し、同じ血液型群の人間の間で輸血を行っても新たな血液細胞が破壊されないこと、およびある人物が異なる群に属する人物からの血液を輸血された場合にのみこの惨事が起こることを実証した。第4の主な血液型であるAB型は、1902年にA. DecastrelloおよびA. Sturliにより発見された。
それ以来、種々の血液タイピングシステムが考案されてきた。歴史上、血液型分類システムの命名は無秩序であった。優性形質が大文字で示され、劣性形質が小文字で示されると規定する一般的な規則は従われていなかった。また、伝統的に、赤血球抗原はアルファベット表示で示されるか、または抗原産生細胞(producer)のファミリーにちなんで命名された。
国際輸血学会(ISBT)(National Blood Service/Lancaster, PO Box 111, Royal Lancaster Infirmary, Ashton Road, Lancaster LA1 4GT, England)は、赤血球血液型の用語の標準化を促進するために、番号方式の命名法を制定した。この規則は、各システムおよびコレクションを所定の数および文字の表示で示すこと、およびシステム内の各抗原に、発見順に順次番号を付けることを義務付けた。この文献には、20を超える血液型システムおよび7つの抗原コレクションが規定されている。
ABO血液タイピングシステムに関する抗原決定基の構造は、1950年代にWatkins およびMorgan(Nature 180:1038-1040, 1957)およびKabat et al.(Blood Group Substrates; Their Chemistry and Immuno-Chemistry, 1956, Academics Press, New York)に
より確立された。多くの血清および単離抗原が、ABO式血液タイピングのために用いられている。例えば、「Human Monoclonal Antibody Against Group A Red Blood Cells」と題する、Foung et al. (1988)に付与された米国特許第4,764,465号は、A型ヒト赤血球を直接凝集させるヒトモノクローナル抗体を対象としている。ここで例示された抗体は、IgMであり、雑種細胞株S−H22およびHHA1により産生される。
より最近では、抗原決定基をコードする遺伝子も同定されている。例えば、ABO組織血液型を規定する遺伝子および組織血液型ABOの状態を同定する方法を開示している「ABO Genotyping」と題する、Yamamoto et al. (1994)に付与された米国特許第5,326,857号を参照されたい。ここに記載されている方法は、ある血液型の状態に特有のDNA断片のDNAプローブまたはサイズ分離の使用、DNAコンストラクト、組織血液のグリコシルトランスフェラーゼを提供する組換え方法、腫瘍抑制方法、精製された組織血液型のグリコシルトランスフェラーゼ、およびこのグリコシルトランスフェラーゼから産生された、タンパク質エピトープに結合する抗体を含む。
ABO血液タイピング分析を実施するために、種々の装置が利用されている。例えば、「Portable Blood Typing Apparatus and Method」と題する、Goldfinger et al. (1987)に付与された米国特許第4,650,662号は、個体のABO血液型およびRh血液型の迅速な判定を可能にするポータブル装置と、かかる装置を用いる方法とを開示している。この装置は、個体から採取した血液を含む、連結された複数のマイクロチューブを有する。マイクロチューブのアセンブリは、使用中は、血液タイピング試薬を含む反応チャンバのアセンブリに接続される。この装置は、反応チャンバ内での試験反応を迅速に可視化させ、個体のABO血液型およびRh血液型を判定するために、実験室以外の場所で用いられることができる。
「Analyzer for the Determination of the Phenotype and the ABO Blood Group」と題される、Naldoni et al. (1994)に付与された米国特許第5,324,479号は、患者のABO血液型の判定のための分析装置を開示している。この分析装置は、同心円周に沿って配置されたサンプル含有試験管および希釈試験管を保持する回転可能プレート;洗浄位置、サンプルを抜き取る位置、サンプルを希釈する位置、およびサンプルを読み取りウェル(reading well)に導入する位置の間を機械的手段により移動可能な分配針(dispensing needle);12個の反応ウェルが設けられたキャリア部材を、希釈済みまたは未希釈のサンプルを該分配針から受け取る位置に搬送するコンベヤユニット;該コンベヤユニットに沿って前進している際に、ウェルのそれぞれに小球(small balls)を供給する自動フィーダ;キャリア部材を読み取り領域に運ぶ機械的手段;特定の抗血清または赤血球をウェルのそれぞれに計量供給するユニット;ウェルのそれぞれの透過率を、抗血清または赤血球が導入される瞬間から開始して、水平に読み取る光学式読み取り装置;分析装置を機能的に制御して、分析結果の概算を出すプロセッサとを備える。
「Laboratory In A Disc」と題する米国特許第6,030,581号は、サンプル中にあると考えられる検体と結合する実質的に独立式のアッセイ手段を有する光ディスクを含む装置を開示している。「Apparatus and Method for Carrying Out Analysis of Samples」と題する米国特許第5,892,577号は、光透過ディスクにより支持された生物学的、化学的、生化学的サンプルの光学的検査を行うシステムおよび方法を記載している
「Measuring Method Using Whole Blood Sample」と題する米国特許第6,143,510号は、サンプル中の検体に結合する結合パートナーで被覆された磁気粒子とサンプルとを接触させることにより、未希釈の全血サンプル中の検体を定量的に測定する方法を記載している。このアッセイを光バイオディスクで行うことは記載されていない。さらに、「Quantitative Cell Analysis Methods Employing Magnetic Separation」と題する米国
特許第5,993,665号は、自動手段による分析が可能であるように、収集チャンバの規定領域に微視的エンティティを固定することを記載している。該’665号特許は、磁気的に標識した標的エンティティの定量的な収集を開示している。
医療診断の技術分野では、より効率的でより安価な診断技法が必要とされている。従来の方法およびシステムと比較して、本発明者らは、細胞およびその成分を画像化および分析するための、簡単で小型化された、超高感度で安価なシステムを開発した。このシステムは、光バイオディスクと、関連する検出アセンブリと、情報および信号処理方法およびソフトウェアとを用いる。
[発明の概要]
第1の態様では、本発明は、光バイオディスクでの直接タイピングにより個体の血液型を判定する方法を提供する。この方法は、1)赤血球細胞を、光バイオディスクの少なくとも1つのチャンバ、流路、マイクロ流体流路、またはマイクロ流路に加えること(チャンバの表面は、捕捉抗体を含む少なくとも1つの捕捉フィールドと、少なくとも1つの陽性対照フィールドと、少なくとも1つの陰性対照フィールドとを含む)、2)ディスク内のサンプルをインキュベートすること(それにより、抗原−抗体相互作用を促進させる)、3)第1の面上にディスクを支持する光学式読取装置にディスクを配置すること、4)第1の面に対してほぼ垂直な軸を中心にディスクを回転させること(それにより、チャンバ表面上にある捕捉された細胞から捕捉されていない細胞を分離する)、5)試験フィールド、陽性対照フィールド、および陰性対照フィールドの測定値を得ること、および6)試験フィールド、陽性対照フィールド、および陰性対照フィールドの測定値を分析すること(それにより個体の血液型を判定する)を含む。第1の態様のいくつかの実施形態では、捕捉抗体はIgG抗体であるか、または捕捉抗体はIgM抗体である。
第1の態様のいくつかの実施形態では、捕捉抗体は、赤血球抗原に特異的な抗体である。この実施形態のいくつかの実施形態では、赤血球抗原はABO式血液型抗原であり、赤血球抗原はRh式血液型抗原であり、赤血球抗原はMNS式血液型抗原であり、赤血球抗原はP式血液型抗原であり、赤血球抗原はルセラン式血液型抗原であり、赤血球抗原はケル式血液型抗原であり、赤血球抗原はルイス式血液型抗原であり、赤血球抗原はダフィ式血液型抗原であり、赤血球抗原はキッド式血液型抗原であり、赤血球抗原はフィッシャー式血液型抗原であるか、または赤血球抗原は任意の他の血液型からの血液型抗原である。
他のいくつかの実施形態では、光バイオディスクは反射型ディスクであるか、または光バイオディスクは透過型ディスクである。第1の態様の他の実施形態では、光バイオディスクは、CD、CD−R、DVD、またはDVD−Rを含む。
この態様のいくつかの実施形態では、光バイオディスクには、ソフトウェアが記録されており、測定プロファイルの分析がソフトウェアにより制御され、個体の血液型を表示するバーコードとなる。
第1の態様のいくつかの実施形態では、捕捉抗体はビオチン化され、試験フィールドに結合したストレプトアビジンにより試験フィールドに結合されるか、または、捕捉抗体は試験フィールドに結合した第2の抗体により試験フィールドに結合されるか、または捕捉抗体は、ビオチン化され、かつ試験フィールドに結合したストレプトアビジンにより試験フィールドに結合される第2の抗体に結合する。
第1の態様の他の実施形態では、陽性対照フィールドは、その表面上に、全細胞と結合する分子を有する。この態様の実施形態では、分子はレクチンである。この態様の別の実施形態では、分子は金である。
第2の態様では、本発明は、光バイオディスクでの裏タイピングにより、個体の血液サンプル中のABO血液型に対する抗体の存在を判定する方法を提供する。この方法は、1)血液サンプルから血清を精製すること、2)血清を既知のABO血液型の細胞と混合することにより少なくとも1つのサンプルを作製すること、3)光バイオディスクの少なくとも1つの流路に少なくとも1つのサンプルを注入すること(それにより、細胞結合分子を含む捕捉フィールド上にサンプルを送出する)、4)捕捉フィールド上でサンプルをインキュベートすること(それにより細胞を細胞結合分子に結合させる)、5)第1の面上にディスクを支持する光学式読取装置にディスクを配置すること、6)第1の面にほぼ垂直な軸を中心にディスクを回転させること、7)第1の面に対してほぼ垂直な軸を中心にディスクを回転させ、かつこの軸に対して半径方向に電磁放射入射ビームを移動させることにより、この入射ビームでチャンバを走査すること、8)ディスクと相互作用した後の入射ビームの少なくとも一部により形成される電磁放射反射ビームを検出すること、8)反射ビームを出力信号に変換すること、9)出力信号を分析すること(それにより、捕捉フィールドに結合した凝集または非凝集細胞の存在を判定する)、および9)サンプル中の抗体の存在を判定することを含む。
第2の態様のいくつかの実施形態では、サンプル作製ステップは、2つのサンプルを作製することを含み、第1のサンプルはA1型細胞を利用し、第2のサンプルはB型細胞を利用する。第2の態様のいくつかの実施形態では、ステップ(b)はさらに、AB型細胞を用いてサンプルを作製することを含む。第2の態様のいくつかの実施形態では、細胞結合分子は抗ヒト免疫グロブリンである。第2の態様のいくつかの実施形態では、細胞結合分子はレクチンであるか、または細胞結合分子は金である。
本発明の第2の態様の別の実施形態では、サンプル作製ステップは、A型およびB型試薬細胞を混合することを含み、それにより細胞混合物を生成させる。次に、血清または血漿サンプルが細胞混合物に添加される。得られる血清細胞混合物は、光バイオディスクのチャンバに添加され、血清中の抗体と試薬細胞は、十分に相互作用しうる所定温度で所定時間インキュベートされ、適当な抗体が血清サンプル中に存在する場合にはタイピングされた試薬細胞の凝集が起こる。光バイオディスクのチャンバは、「A」抗原に特異的な抗体および「B」抗原に特異的な抗体を含む捕捉フィールドを含む。これらの特異的な抗体または細胞結合タンパク質は、IgGまたはIgMであり得る。A型試薬細胞は抗A抗原捕捉フィールドに結合し、B型試薬細胞は抗B抗原捕捉フィールドに結合する。溶液中で未結合細胞をスピン除去した後、捕捉フィールドを分析し、次に、ソフトウェアを用いて、捕捉された細胞が凝集しているか単独であるかを判定し、それにより、Aおよび/またはB抗原に対する抗体の存非を判定することができる。
第2の態様のいくつかの実施形態では、光バイオディスクは反射型ディスクであるか、または光バイオディスクは透過型(transmissive)ディスクである。第2の態様のいくつかの実施形態では、光バイオディスクは、CD、CD−R、DVD−R、またはDVDを含む。
第3の態様では、本発明は、光バイオディスク上での裏タイピングにより、個体の血液サンプル中のABO血液型に対する抗体の存在を判定する方法を提供する。この方法は、1)少なくとも1つのマイクロフィルタ、少なくとも1つの混合チャンバ、および少なくとも1つの捕捉チャンバまたは分析チャンバを有する分離チャンバを含む光バイオディスクの、少なくとも1つのマイクロ流体流路または回路に、血液サンプルを添加すること、2)分離チャンバにおいて血液サンプルを細胞および血清に分離するため、第1の速度で第1の時間、光バイオディスクをスピンさせること、3)マイクロ流体流路または回路を通って混合チャンバに血清を移動させるため、第1の速度よりも速い第2の速度で、第2
の時間、光バイオディスクをスピンさせること、4)タイピングされた既知のABO血液型の試薬細胞を、血清を含む混合チャンバに添加すること、5)一方向と別の方向とに交互に、少なくとも1回、第3の時間、光バイオディスクをスピンさせること(それにより、血清と細胞とを混合させる)、6)抗体−抗原結合を可能にするのに十分な期間、血清中で細胞をインキュベートすること、7)細胞と結合する分子を有する表面を含む捕捉チャンバに細胞を移動させるため、第2の速度よりも速い第3の速度で、第4の時間、光バイオディスクをスピンさせること、8)捕捉チャンバ内でサンプルをインキュベートすること(それにより、チャンバ表面への細胞の結合を促進させる)、9)捕捉フィールドから未結合細胞を除去するため、第5の時間、ディスクをスピンさせること、10)第1の面に対してほぼ垂直な軸を中心にディスクを回転させ、かつこの軸に対して半径方向に電磁放射入射ビームを移動させることにより、この入射ビームでチャンバを走査すること、11)ディスクと相互作用した後の入射ビームの少なくとも一部により形成される電磁放射反射ビームを検出すること、12)反射ビームを出力信号に変換すること、13)凝集細胞の存在を判定するため、出力信号を分析すること、および13)サンプル中に、ある血液型に対する抗体が存在するかどうかを判定することを含む。
第3の態様のいくつかの実施形態では、第1の捕捉チャンバに接続された第1の混合チャンバ、および第2の捕捉チャンバに接続された第2の混合チャンバがある。第3の態様のいくつかの実施形態では、A1型細胞が第1の混合チャンバに入れられ、B型細胞が第2の混合チャンバに入れられる。この実施形態のいくつかの形態では、第3の捕捉チャンバに接続された第3の混合チャンバを含み、AB細胞が第3の混合チャンバに添加される。
本発明の第3の態様の別の実施形態では、A1型およびB型細胞が混合されて細胞混合物が生成される。次に、細胞混合物は、血清または血漿を含む混合チャンバに添加されてインキュベートされ、それぞれの抗体が血清サンプル中に存在する場合には、任意のタイピングされた試薬細胞を凝集させる。光バイオディスクの混合チャンバは、A抗原およびB抗原に特異的な抗体を含んだ捕捉フィールドを含む分析チャンバと、流体連通している。これらの特異的抗体または細胞結合タンパク質は、IgGまたはIgMであり得る。ディスクが回転すると、混合チャンバ内の細胞は分析チャンバに移動し、分析チャンバにおいて細胞はそれぞれの捕捉フィールドに捕捉される。溶液中の未結合細胞をスピンにより除去した後、捕捉フィールドが分析され、次にソフトウェアを用いて、捕捉された細胞が凝集しているか単独であるかを判定し、それによりAおよび/またはB抗原に対する抗体が存在するかどうかを判定することができる。
第3の態様のいくつかの実施形態では、細胞結合分子は抗ヒト免疫グロブリンであり、細胞結合分子はレクチンであり、または細胞結合分子は金である。第3の態様のいくつかの実施形態では、光バイオディスクは反射型ディスクであるか、または光バイオディスクは透過型ディスクである。第3の態様のいくつかの実施形態では、光バイオディスクは、CD、DVD、CD−R、またはDVD−Rを含む。第3の態様のいくつかの実施形態では、第1の速度は約1X〜約3Xであり、第2の速度は3Xよりも速いが約5X未満であり、第3の速度は約5Xよりも速い(1Xとは、速度に関するオーディオ規格(audio standard for speed)を指す)。
本発明の第4の態様では、バイオマトリックスを用いた直接的および間接的な血液タイピング、および血清または血漿抗体検出を含む、免疫血液学アッセイを行う方法が提供される。バイオマトリックスは、限定はされないが、ポリアクリルアミドゲル、アガロース、ポリデキストランを含む架橋分子構造、および微小球(デキストランアクリルアミド(Dextran acrylamide)球体、ポリスチレン微小球、およびガラスビーズなど)から形成され得る。架橋分子構造または微小球は、光バイオディスクのマイクロ流路に充填されるか
または形成され、バイオマトリックスは、その孔径が単独の細胞を通過させるほど十分に大きく、凝集細胞を遅滞させて保持するほど十分に小さいように形成されることができる。流路には、所望の反応を実施するのに必要な、緩衝液、特異的抗体、および/または抗ヒトグロブリンを含むアッセイ溶液が充填され得る。光バイオディスクのバイオマトリックスの作製およびアッセイ溶液の調製は、例えば、1996年4月30日にLapierre, et
al.に付与された「Method Detecting Antigens and/or Antibodies」と題する米国特許第5,512,432号に記載されるように準備および使用されることができ、当該特許はその内容のすべてが参照により本明細書に援用される。本発明の第4の態様は、米国特許第5,512,432号に記載されるものを含む、現在用いられているゲル試験法のための改良型プラットフォームを提供する。現在主に用いられているゲル試験法とは、1980年代初期にLapierreおよび共同者により開発されたものである(Lapierre, Y., et al., The Gel Test: A New Way to Detect Red Cell Antigen-Antibody Reactions, Transfusion (1990); 30:109)。
本発明の血液タイピング法の特徴的な態様の1つは、小さいチャンバ内で細胞間の凝集度を定量化できることである。後述する図37A、図37B、および図37Cにおいて説明するように、遠心分離時に、単独の細胞はマトリックス物質を通過して流体回路または分析チャンバの底部でペレット化されるが、凝集細胞はマトリックス物質の上方に完全に完全に遅滞させられるか(強反応)、マトリックス物質中に分散(弱反応)される。
凝集度の定量化は、目視検査により、またはレーザ走査機構により個々の光ディスクチャンバで実行される。この定量化は、表および裏の両方の血液タイピングアッセイ、ならびに血清または血漿抗体検出および試験をサポートする。光バイオディスクを用いてこの方法を実施する主な利点は、以前は必要とされていた時間のかかる洗浄ステップを不要とし、光ディスク読み取り装置およびそれに付属するソフトウェアを用いたアッセイの分析の自動化が可能になることである。
本発明の第4の態様の利点の1つは、マトリックスベースの方法を多チャンバ光バイオディスクに変えることにより、表血液タイピングおよび裏血液タイピング、血清または血漿抗体検出および試験、および他の免疫血液学アッセイを、1つの好適な多チャンババイオディスクで行うことができることである。これ自体が、例えば血液バンクおよび輸血の使用分野において、複数のサンプルのスクリーニングおよび血清抗体パネル試験の効率を高める。さらに、光バイオディスクドライブの画像化機能を利用することにより、より高い精度で凝集度を判定することができる。この機能は、非常に弱い陽性反応を検出する際に大きい価値がある。このような光バイオディスクドライブは、例えば、2002年1月10日に出願された「Optical Disc Analysis System Including Related Methods for Biological and Medical Imaging」と題する米国特許出願第10/043,688号に記載されており、この出願はその内容のすべてが参照により本明細書に援用される。
第5の態様では、本発明は、光バイオディスクでの抗体タイピングにより個体の血液型に対する抗体の存在を判定する方法を提供する。この方法は、1)血液サンプルから血清を精製すること、2)血清を既知の血液型群表現型の細胞またはタイピングされた試薬細胞と混合することにより、少なくとも1つのサンプルを作成すること、3)光バイオディスクの少なくとも1つの流路に少なくとも1つのサンプルを注入すること(それにより、細胞結合分子を含む捕捉フィールド上にサンプルを送出する)、4)捕捉フィールド上でサンプルをインキュベートすること(それにより細胞を細胞結合分子に結合させる)、5)ディスクを支持する光学式読取装置の第1の面上にディスクを配置すること、6)第1の面に対してほぼ垂直な軸を中心にディスクを回転させること、7)第1の面に対してほぼ垂直な軸を中心にディスクを回転させ、かつこの軸に対して半径方向に電磁放射入射ビームを移動させることにより、この入射ビームでチャンバを走査すること、8)ディスク
と相互作用した後の入射ビームの少なくとも一部により形成される電磁放射反射ビームを検出すること、9)反射ビームを出力信号に変換すること、10)捕捉フィールドに結合した細胞の存在を判定するため、出力信号を分析すること、および11)血液型抗体の存在を判定することを含む。
第5の態様のいくつかの実施形態では、細胞結合分子はヒト免疫グロブリンである。この態様の他の実施形態では、光バイオディスクは反射型および/または透過型ディスクである。この態様のいくつかの実施形態では、光バイオディスクは、CD、DVD、CD−R、またはDVD−Rである。
第5の態様のいくつかの実施形態では、添加される細胞は、以下の:ABO式血液型細胞表現型、Rh式血液型細胞表現型、MNS式血液型細胞表現型、P式血液型細胞表現型、ルセラン式血液型細胞表現型、ケル式血液型細胞表現型、ルイス式血液型細胞表現型、ダフィ式血液型細胞表現型、キッド式血液型細胞表現型、フィッシャー式血液型抗原、または任意の他の群からの赤血球型抗原の少なくとも1つを有することを特徴とする。
第6の態様では、本発明は、光バイオディスクでの抗体タイピングにより個体の血液型に対する抗体の存在を判定する方法を提供する。この方法は、1)少なくとも1つのマイクロフィルタ、少なくとも1つの混合チャンバ、および少なくとも1つの捕捉チャンバを有する分離チャンバを含む光バイオディスクの、少なくとも1つのマイクロ流体流路に、血液サンプルを加えること、2)分離チャンバにおいて血液サンプルを細胞および血清に分離するため、第1の速度で第1の時間、光バイオディスクをスピンさせること、3)血清を、マイクロ流体流路を通して混合チャンバに移動させるため、第1の速度よりも速い第2の速度で、第2の時間、光バイオディスクをスピンさせること、4)既知の血液型細胞表現型の細胞を、血清を含む混合チャンバに添加すること、5)一方向と別の方向とに交互に、少なくとも1回、第3の時間、光バイオディスクをスピンさせること(それにより血清と細胞とを混合させる)、6)抗体−抗原結合を可能にするのに十分な期間、血清中で細胞をインキュベートすること、7)抗ヒト免疫グロブリン分子を有する表面を含む捕捉チャンバに細胞を移動させるため、第2の速度よりも速い第3の速度で、第4の時間、光バイオディスクをスピンさせること、8)捕捉チャンバ内でサンプルをインキュベートすること(それにより、チャンバ表面への細胞の結合を促進させる)、9)未結合細胞を除去するため、第5の時間、ディスクをスピンさせること、10)第1の面に対してほぼ垂直な軸を中心にディスクを回転させ、かつこの軸に対して半径方向に電磁放射入射ビームを移動させることにより、この入射ビームでチャンバを走査すること、11)ディスクと相互作用した後の入射ビームの少なくとも一部により形成される電磁放射反射ビームを検出すること、12)反射ビームを出力信号に変換すること、13)細胞が結合しているか否かを判定するため、出力信号を分析すること、および14)サンプル中の血液型抗体の存在を判定することを含む。
この態様のいくつかの実施形態では、細胞結合分子はレクチンであるか、または細胞結合分子は金である。第5の態様の他のいくつかの実施形態では、光バイオディスクは反射型ディスクであり、光バイオディスクは透過型ディスクである。この実施形態のいくつかの実施形態では、第1の速度は約1X〜約3Xであり、第2の速度は3Xよりも速いが約5X未満であり、第3の速度は約5Xよりも速い。
第6の態様のいくつかの実施形態では、添加される細胞は、以下の:ABO式血液型細胞表現型、Rh式血液型細胞表現型、MNS式血液型細胞表現型、P式血液型細胞表現型、ルセラン式血液型細胞表現型、ケル式血液型細胞表現型、ルイス式血液型細胞表現型、ダフィ式血液型細胞表現型、キッド式血液型細胞表現型、フィッシャー式血液型抗原、または任意の他の群からの赤血球型抗原の少なくとも1つを有することを特徴とする。
第7の態様では、本発明は、個体の血液型を判定する装置を提供する。この装置は、第1の捕捉抗体を含む層および第1の捕捉抗体により結合される第2の捕捉抗体を含む層を含み、ここで第2の捕捉抗体はある血液型抗原に特異的である、少なくとも1つの捕捉チャンバ;ディスクドライブアセンブリ;光学式読み取り装置;血液型分析のためのソフトウェアを含む。
第7の態様のいくつかの実施形態では、捕捉抗体は抗IgG抗体であるか、または捕捉抗体は抗IgM抗体である。第6の態様のいくつかの実施形態では、捕捉抗体は赤血球抗原に特異的な抗体である。後者の実施形態のいくつかの実施形態では、赤血球抗原はABO式血液型抗原であるか、赤血球抗原はRh式血液型抗原であるか、赤血球抗原はMNS式血液型抗原であるか、赤血球抗原はP式血液型抗原であるか、赤血球抗原はルセラン式血液型抗原であるか、赤血球抗原はケル式血液型抗原であるか、赤血球抗原はルイス式血液型抗原であるか、赤血球抗原はダフィ式血液型抗原であるか、赤血球抗原はキッド式血液型抗原であるか、赤血球抗原はフィッシャー式血液型抗原であるか、または任意の他の群からの赤血球型抗原である。第6の態様のいくつかの実施形態では、光バイオディスクは反射型ディスクであるか、または光バイオディスクは透過型ディスクであるか、または光バイオディスクはCDまたはDVDを含む。
第8の態様では、本発明は、免疫血液学アッセイを行う光バイオディスクを提供する。バイオディスクは、基板;基板に関連し、かつ第1の注入ポートを含む分離チャンバ;分離チャンバに関連するフィルタ手段;分離チャンバに流体連通しており、かつ第2の注入ポートを含む第1の混合チャンバ;分離チャンバに流体連通しており、かつ第3の注入ポートを含む第2の混合チャンバ;第1の混合チャンバと流体連通しており、捕捉フィールドを含む第1の分析または検出チャンバ;第2の混合チャンバと流体連通しており、かつ捕捉フィールドを含む第2の分析または検出チャンバを含む。第8の態様のいくつかの実施形態では、光バイオディスクは、混合チャンバにつながる第2の注入ポートを有さない(例えば、第2の注入ポートがあれば第2の注入ポートを介して送出されるべき物質は、凍結乾燥形態または他の形態で混合チャンバに予め供給される)。
第8の態様のいくつかの実施形態では、血液サンプルが注入ポートを通して分離チャンバに送られ、ディスクが第1の速度で回転すると、フィルタ手段が、白血球、赤血球、および血小板を血液サンプルから分離させ、血清サンプルを提供する。さらなる実施形態では、ディスクが第2の速度で回転すると、血清サンプルが第1および第2の混合チャンバに送られる。別の実施形態では、第1の混合チャンバの注入ポートを用いて、第1の型の細胞が第1の混合チャンバに送られ、第2の混合チャンバの注入ポートを用いて、第2の型の細胞が第2の混合チャンバに送られる。他のいくつかの実施形態では、ディスクが第3の速度で回転すると、血清と第1の型の細胞との混合物が第1の分析または検出チャンバに送られ、血清と第2の型の細胞との混合物が第2の分析または検出チャンバに送られる。
第8の態様のいくつかの実施形態は、第1の混合チャンバにおいて第1の型の細胞を血清と混合し、第2の混合チャンバにおいて第2の型の細胞を血清と混合するための、所定の様式のディスク回転を提供する。いくつかの実施形態では、ディスクを回転させる所定の様式とは、ディスクを一方向に、次に逆方向に交互に回転させることであって、それにより、血清と細胞との混合を促進する攪拌作用を生じさせることを含む。
第8のいくつかの実施形態では、第1の分析または検出チャンバの捕捉フィールドは、親和性を有する特異的細胞を捕捉する第1のタイプの捕捉剤を含む。他のいくつかの実施形態では、第2の分析または検出チャンバの捕捉フィールドは、親和性を有する特異的細
胞を捕捉する第2のタイプの捕捉剤を含む。
第8の態様のいくつかの実施形態では、放射エネルギー入射ビームが第1の分析または検出チャンバに送られて、細胞が第1のタイプの捕捉剤により捕捉されたか否かが判定される。他の実施形態では、放射エネルギー入射ビームが第2の分析または検出チャンバに送られて、細胞が第2のタイプの捕捉剤により捕捉されたか否かが判定される。
第8の態様のいくつかの実施形態では、第1のタイプの捕捉剤は、細胞に結合する抗体または赤血球表面上の分子と結合する非細胞特異的分子に対して、親和性を有する抗ヒト免疫グロブリンである。第8の態様のいくつかの実施形態では、第2のタイプの捕捉剤は、細胞に結合する抗体または赤血球表面上の分子と結合する非細胞特異的分子に対して、親和性を有する抗ヒト免疫グロブリンである。
第8の態様のいくつかの実施形態では、分離チャンバ;第1および第2の混合チャンバ;第1および第2の分析または検出チャンバが基板に形成される。第7の態様の他のいくつかの実施形態では、分離チャンバ;第1および第2の混合チャンバ;第1および第2の分析または検出チャンバが基板に接着されたキャップに形成される。第8の態様のさらに他のいくつかの実施形態では、分離チャンバ;第1および第2の混合チャンバ;第1および第2の分析または検出チャンバがキャップ部と基板との間に接着された流路層に形成される。第7の態様のいくつかの実施形態では、分離チャンバ;第1および第2の混合チャンバ;第1および第2の分析または検出チャンバがキャップ部に部分的に形成され、かつ基板に部分的に形成され、キャップ部および基板は、位置合わせされて共に接着され、それによりチャンバを完全に形成する。
第8の態様のいくつかの実施形態では、光バイオディスクはさらに、ディスクドライブにより読み取り可能な情報層に符号化された情報を含む。第8の態様のいくつかの実施形態では、符号化情報は、規定の様式でディスクを回転させるために用いられる。第8の態様のいくつかの実施形態では、情報層は反射型である。この態様のさらに他の実施形態では、情報層は半反射型である。
第9の態様では、本発明は、免疫血液学アッセイを行うための光バイオディスクを提供する。バイオディスクは、基板;基板に関連し、かつ第1の注入ポートを含む分離チャンバ;分離チャンバに関連するフィルタ手段;分離チャンバに流体連通しており、かつ第2の注入ポートを含む第1の混合チャンバ;分離チャンバに流体連通しており、かつ第3の注入ポートを含む第2の混合チャンバ;第1の混合チャンバと流体連通しており、バイオマトリックスを含む第1の分析または検出チャンバ;第2の混合チャンバと流体連通しており、バイオマトリックスを含む第2の分析または検出チャンバを含む。第9の態様のいくつかの実施形態では、光バイオディスクは、混合チャンバにつながる第2の注入ポートを含まない(例えば、第2の注入ポートがあれば第2の注入ポートを介して送出されるべき物質は、凍結乾燥形態または他の形態で混合チャンバに予め供給される)。
第9の態様のいくつかの実施形態では、血液サンプルが注入ポートを通して分離チャンバに送られ、ディスクが第1の速度で回転すると、フィルタ手段が、白血球、赤血球、および血小板を血液サンプルから分離させ、血清サンプルを提供する。さらなる実施形態では、ディスクが第2の速度で回転すると、血清サンプルが第1および第2の混合チャンバに送られる。別の実施形態では、第1の混合チャンバの注入ポートを用いて、第1の型の細胞が第1の混合チャンバに送られ、第2の混合チャンバの注入ポートを用いて、第2の型の細胞が第2の混合チャンバに送られる。他のいくつかの実施形態では、ディスクが第3の速度で回転すると、血清と第1の型の細胞との混合物が第1の分析または検出チャンバに送られ、血清と第2の型の細胞との混合物が第2の分析または検出チャンバに送られ
る。
第9の態様のいくつかの実施形態は、第1の混合チャンバにおいて第1の型の細胞を血清と混合し、第2の混合チャンバにおいて第2の型の細胞を血清と混合するための、所定の様式のディスク回転を提供する。いくつかの実施形態では、ディスクを回転させる所定の様式とは、ディスクを一方向に、次に逆方向に交互に回転させることであって、それにより、血清と細胞との混合を促進する攪拌作用を生じさせることを含む。
第9の態様のいくつかの実施形態では、放射エネルギー入射ビームが第1の分析または検出チャンバに送られて、第1の分析または検出チャンバ内の細胞の部位および凝集量が判定される。他の実施形態では、放射エネルギー入射ビームが第2の分析または検出チャンバに送られて、第2の分析または検出チャンバ内の細胞の部位および凝集量が判定される。
第9の態様のいくつかの実施形態では、第1および第2の分析または検出チャンバは、細胞に結合する抗体または赤血球表面上の分子と結合する非細胞特異的分子に対して,
親和性を有する抗ヒト免疫グロブリンを含んでいてもよい。
第9の態様のいくつかの実施形態では、分離チャンバ;第1および第2の混合チャンバ;第1および第2の分析または検出チャンバが基板に形成される。第7の態様の他のいくつかの実施形態では、分離チャンバ;第1および第2の混合チャンバ;第1および第2の分析または検出チャンバが基板に接着されたキャップに形成される。第9の態様のさらに他のいくつかの実施形態では、分離チャンバ;第1および第2の混合チャンバ;第1および第2の分析または検出チャンバがキャップ部と基板との間に接着された流路層に形成される。第9の態様のいくつかの実施形態では、分離チャンバ;第1および第2の混合チャンバ;第1および第2の分析または検出チャンバがキャップ部に部分的に形成され、基板に部分的に形成され、キャップ部および基板は、位置合わせされて共に接着され、それによりチャンバが完全に形成される。
第9の態様のいくつかの実施形態では、光バイオディスクはさらに、ディスクドライブにより読み取り可能な情報層に符号化された情報を含む。第9の態様のいくつかの実施形態では、符号化情報は、規定の様式でディスクを回転させるために用いられる。第9の態様のいくつかの実施形態では、情報層は反射型である。この態様のさらに他の実施形態では、情報層は半反射型である。
第10の態様では、本発明は、ディスクを製造する方法を提供する。この方法は、ディスクの基板上に符号化情報層を設けること;標的区域を形成すること;標的区域に捕捉層を設けること;および少なくとも1つの捕捉剤を付着させることを含む。いくつかの実施形態では、符号化情報層は反射層であり、標的区域は反射層からエッチングされた領域である。いくつかの実施形態では、符号化情報層は部分反射層または部分透過層であり、標的区域は情報層に隣接する領域である。
第11の態様では、本発明は、ディスクを製造する方法を提供する。この方法は、ディスクの基板上に符号化情報層を設けること;カバーディスクを設けること;カバーディスクと基板との間に流体回路を形成すること;および前記流体回路内に所定の孔径を有するバイオマトリックスを形成することを含む。いくつかの実施形態では、符号化情報層は反射層であり、標的区域は反射層からエッチングされた領域である。いくつかの実施形態では、符号化情報層は部分反射層または部分透過層であり、標的区域は情報層に隣接する領域である。
本発明の上述のおよび多くの他の特徴および利点は、以下の詳細な説明を添付図面の図および実験例と共に参照することにより、より良く理解される。
本発明のさらに別の目的は、当該目的に寄与する別の特徴および当該目的から生じる利点と共に、以下の本発明の好ましい実施形態の説明から明らかになる。この好ましい実施形態は、添付図面に示される。添付図面では、全体を通して、同じ参照番号は同じ構成要素を示す。
[発明の詳細な説明]
本明細書で引用される特許および出願は、当該技術分野の知識レベルを反映しており、したがってその内容のすべてが参照により本明細書に援用される。これら参考文献と本明細書の教示の間に矛盾がある場合、そのような矛盾点に関しては本明細書の教示が優先するものとする。
本明細書に記載された発明は、光バイオディスクに応用された細胞捕捉および/または細胞分離技術に基づいた診断アッセイと、それに関連する方法および組成物とを提供する。
ドライブシステムおよび関連したディスク
図1は、本明細書で開示される細胞計数および分画細胞計数(difference cell counts)を行うために実施される本発明による光バイオディスク110の斜視図である。該光バイオディスク110が、光ディスクドライブ112および表示モニタ114と共に示されている。このタイプのディスクドライブおよびディスク分析システムに関するさらなる詳細は、本発明の譲受人に譲渡されて同時係属中である、2001年11月9日に出願された「Disc Drive System and Methods for Use with Bio-discs」と題する米国特許出願第10/008,156号および2002年1月10日に出願された「Optical Disc Analysis System Including Related Methods For Biological and Medical Imaging」と題する米国特許出願第10/043,688号に開示されている。これらの両出願は、参照により本明細書に援用される。
図2は、光バイオディスク110の一実施形態の主要な構造要素の分解斜視図である。図2は、本発明で使用することができる反射領域の光バイオディスク110(以下「反射型ディスク」という)の例である。主要な構造要素には、キャップ部116、接着部材または流路層118、基板120が含まれる。キャップ部116は、1つまたは複数の注入ポート122および1つまたは複数の排出ポート124を備える。キャップ部116は、ポリカーボネートから形成することができ、図2の斜視図から見られるように、その底部は、反射面146(図4)で被覆されていることが好ましい。好ましい実施形態では、トリガ(trigger)マークまたはトリガマーキング126が、反射層142(図4)の表面上に備えられる。トリガマーキング126には、バイオディスクの3つの層すべての透明窓、不透明区域、または反射区域もしくは半反射区域が含まれ得る。これらの透明窓、不透明区域、または反射区域もしくは半反射区域は、情報により符号化されている。この情報は、図10に示すように、プロセッサ166にデータを送信し、次に、図6および図10に示すように、呼びかけビームまたは入射ビーム152の操作機能とやり取りを行う。
図2に示す第2の要素は、流体回路128、すなわちU字型流路が形成された接着部材または流路層118である。この流体回路128は、膜に刻印するか、または、膜を切り取ってプラスチック薄膜を除去し、図示するような形状を形成することにより形成される。流体回路128のそれぞれは、フロー流路130および帰還流路132を備える。図2に示す流体回路128のいくつかは、混合チャンバ134を備える。2つの異なる型の混合チャンバ134が示されている。第1のものは、フロー流路130に対して対称に形成
される対称混合チャンバ136である。第2のものは、オフセット混合チャンバ138である。このオフセット混合チャンバ138は、図示するように、フロー流路130の一方の側に形成される。
図2に示す第3の要素は、標的フィールドまたは捕捉フィールド140を備えた基板120である。基板120は、ポリカーボネート製であることが好ましく、図4に示すように、その最上部には反射層142が堆積(deposited)されている。標的領域140は、図示した形状、あるいは、任意の所望の形状に反射層142を除去することにより形成される。あるいは、標的領域140は、反射層142を形成する前に、標的領域140区域をマスクすることを含むマスク技法によって形成することもできる。反射層142は、例えばアルミニウムまたは金といった金属から形成することができる。
図3は、図2に示す光バイオディスク110の平面図であり、ディスク内に位置する流体回路、標的領域140、およびトリガマーキング126が見えるように、反射層142が、透明に示されたキャップ部116上に示されている。
図4は、本発明の一実施形態による反射領域型の光バイオディスク110の拡大斜視図である。この図は、光バイオディスク110のさまざまな層の一部を含み、この一部は、それぞれの主要な層、基板、コーティング、または膜の部分断面図を示すために切り取られている。図4は、反射層142で被覆された基板120を示す。反射層142上には、活性層144が形成される。好ましい実施形態では、活性層144は、ポリスチレンから形成することができる。あるいは、ポリカーボネート、金、活性ガラス(activated glass)、変性ガラス(modified glass)、または変性ポリスチレン、例えばポリスチレン無水マレイン酸(polystyrene-co-maleic anhydride)を使用することができる。さらに、ヒドロゲルを使用することもできる。あるいは、この実施形態に示されるように、活性層144上に、プラスチック接着部材118が施される。プラスチック接着部材118の露出部分は、U字型に切り取られているか、刻印されており、このU字型が流体回路128を生成する。本バイオディスクのこの反射領域の実施形態の最後の主要な構造上の層は、キャップ部116である。キャップ部116は、その底部に反射面146を備える。反射面146は、アルミニウムまたは金といった金属から作製することができる。
次に図5を参照して、本発明の透過型の光バイオディスク110の主要な構造要素の分解斜視図を示す。この透過型の光バイオディスク110の主要な構造要素も、同様に、キャップ部116、接着部材または流路部材118、基板120の層を備える。キャップ部116は、1つまたは複数の注入ポート122および1つまたは複数の排出ポート124を備える。キャップ部116は、ポリカーボネート層から形成することができる。図6および図9に最もよく示されるように、オプションのトリガマーキング126を、半反射薄層143の表面に備えることができる。トリガマーキング126には、バイオディスクの3つの層すべての透明窓、不透明区域、または反射区域もしくは半反射区域が含まれ得る。これらの透明窓、不透明区域、または反射区域もしくは半反射区域は、情報により符号化される。この情報は、図10に示されるように、プロセッサ166にデータを送信し、次に、図6および図10に示すように、呼びかけビーム152の操作機能とやり取りを行う。
図5に示される第2の要素は、流体回路128すなわちU字型流路が形成された接着部材または流路層118である。この流体回路128は、膜に刻印するか、または、膜を切り取ってプラスチック薄膜を除去し、図示するような形状を形成することにより形成される。流体回路128のそれぞれは、フロー流路130および帰還流路132を備える。図5に示される流体回路128のいくつかは、混合チャンバ134を備える。2つの異なる型の混合チャンバ134が示されている。第1のものは、フロー流路130に対して対称
に形成される対称混合チャンバ136である。第2のものは、オフセット混合チャンバ138である。このオフセット混合チャンバ138は、図示するように、フロー流路130の一方の側に形成される。
図5に示される第3の要素は、標的フィールドまたは捕捉フィールド140を備えることができる基板120である。基板120は、ポリカーボネート製であることが好ましく、図6に示されるように、その最上部には半反射薄層143が形成されている。図5および図6に示されるディスク110の基板120に関連した半反射層143は、図2、図3、および図4に示される反射型ディスク110の基板120上の反射層142よりも、有意に薄くなっている。この半反射薄層143により、呼びかけビーム152の一部は、図6および図12に示されるように、透過型ディスクの構造上の層を透過することができる。半反射薄層143は、例えばアルミニウムまたは金といった金属から形成することができる。
図6は、図5に示す光バイオディスク110の透過型の実施形態の基板120および半反射層143の拡大斜視図である。半反射薄層143は、例えばアルミニウムまたは金といった金属から作製することができる。好ましい実施形態では、図5および図6に示される透過型ディスクの半反射薄層143は、約10〜300Åの厚さであり、400Åを越えない。この半反射薄層143により、入射ビームまたは呼びかけビーム152の一部は、半反射層143を貫通して通過することが可能になり、それによって、図10および図12に示す上部検出器158によって検出される。一方、その光の一部は反射されて、すなわち入射経路に沿って戻される。以下に示す表1は、膜厚に対する金の薄膜の反射特性および透過特性を示している。金の薄膜層は、800Åよりも厚くなると、完全反射となる。一方、光が金の薄膜を透過する閾値不透明度(threshold density)は、約400Åである。
表1に加えて、図7は、金の厚さに基づく半反射薄層143の反射特性および透過特性の逆関係をグラフで表示する。図7に示されるグラフで使用される反射値および透過値は、絶対値である。
Figure 2005509865
次に図8を参照して、図5および図6に示される透過型光バイオディスク110の平面図を示す。キャップ部116を透明に示すことで、ディスク内に位置する流体流路、トリガマーキング126、および標的領域140が示されている。
図9は、本発明の透過型ディスクの実施形態による光バイオディスク110の拡大斜視図である。このディスク110は、そのさまざまな層の一部が、それぞれの主要な層、基板、コーティング、または膜の部分断面図を示すために切り取られて示されている。図9は、透明なキャップ部116、基板120上の半反射薄層143、トリガマーキング126を有する透過型ディスクフォーマットを示している。この実施形態では、トリガマーキング126は、キャップの上部に配置された不透明材を備える。あるいは、トリガマーキング126は、ディスクの反射薄層143にエッチングされた透明な非反射窓、または、図10に示されるトリガ検出器160からの信号を吸収する(すなわち反射しない)任意のマークによって形成することができる。また、図9は、図示した形状、あるいは、任意の所望の形状で、指定した区域をマーキングすることにより形成される標的領域140も示している。標的領域140を示すマーキングは、基板120上の半反射薄層143または(ディスクの下の)基板120の底部に作製することができる。あるいは、標的領域140は、標的領域140を除く半反射薄層143全体をマスクすることを含むマスク技法によって、形成することもできる。この実施形態では、標的領域140は、半反射薄層143上のシルクスクリーンインクによって作製することができる。図5、図8、および図9に示す透過型ディスクフォーマットでは、別の方法として、標的領域140を、ディスクに符号化されたアドレス情報によって規定することができる。この実施形態では、標的領域140は、物理的に識別可能な境界を含まない。
基板層には、ディスクの最も内側の読み取り可能部分から、ディスクの最も外側の読み取り可能部分まで螺旋状になっている螺旋状トラックを刻むことができる。記録不可能のCDでは、このトラックは種々の長さの一連のエンボスピットでできており、各エンボスピットは通常、ディスクを読み取るために用いられる光の波長の約1/4の深さを有する
。ピット間の異なる長さおよび間隔が、動作データを符号化する。記録可能なCDのようなディスクの螺旋溝は、ピットではなく検出可能な染料を有する。これは、回転速度などの動作情報が記録される部位である。試験、アッセイ、または検査プロトコルに応じて、介在的または連続的な加速、定速、および減速期間を設けることで、回転速度を可変にすることができる。この期間は、例えば、薬剤、試薬、抗体、またはその他の物質と流体および懸濁液を混合、攪拌、または分離するために、回転速度および回転時間の双方に関して厳密に制御することができる。
さらに図9を参照して、半反射薄層143上に形成された活性層144を説明する。好ましい実施形態では、活性層144は、2%のポリスチレンからなる40〜200μmの厚さの層である。あるいは、ポリカーボネート、金、活性ガラス、変性ガラス、または変性ポリスチレン、例えばポリスチレン無水マレイン酸を使用することができる。さらに、ヒドロゲルを使用することができる。この実施形態に示すように、活性層144上には、プラスチック接着部材118が形成される。プラスチック接着部材118の露出部分は、切り取られたか、または、刻印されたU字型を示し、このU字型が流体回路128となる。
本バイオディスク110のこの透過型の実施形態の最後の主要な構造上の層は、透明な非反射キャップ部116である。このキャップ部116は、注入ポート122および排出ポート124を備える。
次に図10を参照して、光ディスク読み取りシステムを示す。このシステムは、CD、CD−R、DVD、DVD−R、またはその他の既知の類似の光ディスクフォーマット用の従来の読み取り装置、このようなドライブの修正バージョン、または完全に異なる専用デバイスであってもよい。基本的なコンポーネントは、ディスクを回転させるモータ、光を供給する光システム、および光を検出する検出システムである。
次に図10を参照して、光コンポーネント148、入射ビームまたは呼びかけビーム152を生成する光源150、反射ビーム154、および透過ビーム156を示す、光ディスク読み取りのブロック斜視図を表示する。図4に示される反射型バイオディスクの場合、反射ビーム154は、光バイオディスク110のキャップ部116の反射面146から反射される。本光バイオディスク110のこの反射型の実施形態では、反射ビーム154は、底部検出器157によって検出され、信号要素の存在に関して分析される。他方、透過型バイオディスクフォーマットでは、透過ビーム156が、上部検出器158によって検出され、信号要素の存在に関する分析も行われる。透過型の実施形態では、上部検出器158として、光検出器を使用することができる。
また、図10は、ディスク上のトリガマーキング126とトリガ検出器160とを含むハードウェアトリガメカニズムも示している。このハードウェアトリガメカニズムは、反射型バイオディスク(図4)および透過型バイオディスク(図9)の双方で使用される。トリガメカニズムにより、プロセッサ166は、呼びかけビーム152がそれぞれの標的領域140にある場合にのみデータを収集することが可能になる。さらに、透過型バイオディスクシステムでは、ソフトウェアトリガも使用することができる。このソフトウェアトリガは、呼びかけビーム152が、それぞれの標的領域140の端部に当たるとすぐに、底部検出器を使用して、プロセッサ166に信号を送り、データを収集する。さらに、図10は、駆動モータ162、光バイオディスク110の回転を制御するコントローラ164を示している。また、図10は、別の場合に実施されるプロセッサ166および分析装置168を示しており、これらは、透過型光バイオディスクに関連する反射ビーム154と、透過ビーム156とを処理する。
光ピックアップおよび関連する電子機器の多くの設計および構成を、本発明の実施形態において用いることができる。コンパクトディスクおよび読み取り装置のさらなる詳細および代替的な設計は、Compact Disc Technology, by Nakajima and Ogawa, IOS Press, Inc. (1992); The Compact Disc Handbook, Digital Audio and Compact Disc Technology, by Baert et al. (eds.), Books Britain (1995); and CD-ROM Professional's CD-Recordable Handbook: The Complete Guide to Practical Desktop CD, Starrett et al. (eds.), ISBN:0910965188 (1996)で説明されており、これらのすべては、その内容のすべてが参照により本明細書に援用される。
したがって、ディスクドライブアセンブリを用いて、ディスクを回転させ、ディスクに記憶されている任意の符号化動作情報を読み取って処理し、ディスクのアッセイ領域にある液体の化学的、生物学的、または生化学的検査特徴(investigational feature)を分析して、アッセイ領域にある物質がドライブの読み取りビームにより分析される前または後に、ディスクに情報を書込み、またはさまざまな利用可能なインタフェース(イーサネット(登録商標)など)を介して、ユーザ、データベース、または情報が利用され得る任意の場所に情報を送る。
図11には、本発明による光バイオディスク110の反射型ディスクの実施形態の部分断面図が示されている。図11は、基板120および反射層142を示している。上述したように、反射層142は、例えば、アルミニウム、金、またはその他の適切な反射材といった材料から作製することができる。この実施形態では、基板120の上面は滑らかになっている。また、図11は、反射層142上に形成された活性層144も示している。また、図11に示されたように、標的領域140は、所望の部位の反射層142の区域または一部を除去することによるか、あるいは、反射層142を形成する前に所望の区域をマスクすることにより形成される。図11にさらに示されるように、プラスチック接着部材118が活性層144上に形成される。また、図11は、キャップ部116、および当該キャップ116に関連した反射面146も示している。したがって、キャップ部116が、所望の切り取り形状を備えたプラスチック接着部材118に形成されると、それによって、フロー流路130が形成される。図11の矢印により示されるように、入射ビーム152の経路は、最初はディスク110の下から基板120の方向に向けられている。次いで、この入射ビームは、反射層142付近の一点に合焦する。反射層142が存在しない部位では、標的領域140で合焦が起こるので、活性層144を通ってフロー流路130内に入る経路に沿って入射はする。その後、入射ビーム152は、上方に進み続けてフロー流路を横切り、最終的には反射面146にまで入射する。この時点で、入射ビーム152は、入射経路に沿って戻され、すなわち反射されて反射ビーム154を形成する。
図12は、本発明によるバイオディスク110の透過型の実施形態の部分断面図である。図12は、透明キャップ部116と、基板120上の半反射薄層143とを有する透過型ディスクフォーマットを示している。また、図12は、半反射薄層143上に形成された活性層144も示している。好ましい実施形態では、この透過型ディスクは、約100〜300オングストロームの厚さの金属(例えばアルミニウムまたは金)から作製された半反射薄層143を有し、厚さは400オングストロームを越えない。この半反射薄層143により、図10に示す光源150からの入射ビームまたは呼びかけビーム152の一部は、ディスクを貫通して上方に通過することが可能になり、上部検出器158によって検出される。一方、光の一部は反射され、入射ビームと同じ経路に沿って逆方向に戻る。この配置では、帰還ビームまたは反射ビーム154は、半反射層143から反射される。したがって、反射ビーム154はフロー流路130に入ることはない。反射光または反射ビーム154は、図13および図14でより詳細に説明されるように、半反射層143の内部または半反射層143の上部に形成されている、事前に記録された情報トラック上の入射ビーム152を追跡するために使用することができる。図12に示されるディスクの
実施形態では、物理的に規定された標的領域140が存在してもよいし、存在しなくてもよい。標的領域140は、基板120上の半反射薄層143上に作製される直接マーキングによって形成することができる。これらのマーキングは、シルクスクリーニングまたは任意の同等の方法を使用して形成することができる。標的領域を規定するのに物理的な印が使用されない(例えば、符号化されたソフトウェアアドレス指定が利用される場合)他の実施形態では、フロー流路130は、実際には、調査すべき特徴の検査が行われる限られた標的区域として使用されてもよい。
図13は、本発明によるバイオディスク110の反射型ディスクの実施形態のトラックを横切った断面図である。この図は、ディスクの半径方向およびフロー流路に沿って縦方向に描かれている。図13は、基板120および反射層142を含む。この実施形態では、基板120は一連の溝170を備える。これらの溝170は、ディスクの中心近くから外側端部に向かって伸びる螺旋形状をしている。溝170は、呼びかけビーム152がディスクの螺旋溝170に沿って追従できるように実施される。この型の溝170は、「ウォブル溝」として知られている。波状の、または、波動状の側壁を有する底部は、溝170を形成する一方、高くなったまたは立ち上がった部位が、隣接する溝170を螺旋状に分離する。この実施形態で溝170上に形成された反射層142は、図示するように、実質的に等角(conformal)である。また、図13は、反射層142上に形成された活性層144も示している。図13に示されるように、標的領域140は、所望の部位の反射層142の区域または一部を除去することによるか、あるいは、反射層142を形成する前に所望の区域をマスクすることにより形成される。図13にさらに示されるように、プラスチック接着部材118が活性層144上に形成される。また、図13は、キャップ部116、および、当該キャップ部116に関連した反射面146も示している。したがって、キャップ部116が、所望の切り取り形状を備えたプラスチック接着部材118に形成されると、それによって、フロー流路130が形成される。
図14は、例えば図12に示されるような本発明によるバイオディスク110の透過型ディスクの実施形態のトラックを横切った断面図である。この図は、ディスクの半径およびフロー流路に沿って縦方向に描かれている。図14は、基板120および半反射薄層143を示している。この半反射薄層143により、光源150からの入射ビームまたは呼びかけビーム152は、ディスクを貫通して通過することが可能になり、上部検出器158によって検出される。一方、光の一部は反射され、反射ビーム154のように戻る。半反射薄層143の厚さは、ディスク読み取り装置がその追跡能力を維持するのに必要とされる反射光の最小量によって決定される。この実施形態の基板120は、図13で論考した基板と同様に、一連の溝170を備える。この実施形態の溝170も、ディスクの中心付近から外側端部に向かって伸びる螺旋形状であることが好ましい。溝170は、呼びかけビーム152がこの螺旋に沿って追従することができるように形成される。また、図14は、半反射薄層143上に形成された活性層144も示している。図14にさらに示されるように、プラスチック接着部材または流路層118が、活性層144上に形成される。また、図14は、反射面146を有さないキャップ部116も示している。したがって、キャップ部が、所望の切り取り形状を備えたプラスチック接着部材118に形成されると、それによって、フロー流路130が形成され、入射ビーム152の一部は、ほぼ反射されることなく、フロー流路130を通過することができる。
図15は、反射型ディスクの全ての層と、反射型ディスクの最初の屈折特性とを示す図11と同様の図である。図16は、透過型ディスクの全ての層と、透過型ディスクの最初の屈折特性とを示す図12と同様の図である。これらの切断面は、溝170に沿って切断されたものであるので、図15および図16に溝170は見えない。図15および図16は、これらの実施形態において溝170に対して垂直に位置する狭いフロー流路130が存在することを示している。図13、図14、図15、および図16は、それぞれの反射
型ディスクおよび透過型ディスクの全ての層を示している。これらの図では、入射ビーム152が、最初に、基板120と相互作用することが示されている。基板120は、図示されるように、入射ビームの経路を変更させ、反射層142または半反射薄層143上にビーム152を合焦させる屈折特性を有する。
本発明を、本明細書で説明される光バイオディスクで用いられるような、細胞捕捉および/または細胞分離技術に基づいた臨床診断アッセイに関連するものとして、以下で説明する。本発明のこの態様の種々の実施形態は、血液タイピングおよび抗体タイピング診断アッセイを対象とする。
血液タイピングアッセイ
図17を参照して、血液タイピングまたは特定の血液型に対する抗体の検出のためのシステムを示す。このシステムは、診断のための血液の採取および処理の方法を含む。提示される実施形態では、標準的な指採血により全血が採取され得る。次に、10マイクロリットルのサンプルを、80マイクロリットルのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)および10マイクロリットルの抗凝血剤(例えば、ヘパリンまたはACD)で希釈する。次に、希釈したサンプルを、注入ポート122を通して光バイオディスク110に導入する。光バイオディスクは、反射型ディスク(図4)であってもよく、透過型ディスク(図9)であってもよい。光バイオディスクは、標的領域140および捕捉フィールドを内部に含む少なくとも1つのチャンバを有する。十分なインキュベーション期間(例えば5分間)の後、光バイオディスクを光ディスク読み取り装置112にロードし、ディスクを約5分間スピンさせる。スピンが終了したら、ディスクが分析され、情報が収集されてデータ処理のためにシステムに転送される。収集データの処理後、診断アッセイの結果がモニタ114に転送されて出力結果が表示される。さらなる詳細を実施例2に示す。本発明のシステムの利点は、例えば、光バイオディスクおよびディスク読み取り装置アセンブリにより、その場で(すなわち臨床環境外で)血液タイピング分析を実施できることである。
本発明の種々の形態では、サンプルを、光バイオディスク内の、1つまたは複数の生体活性捕捉剤が付着した捕捉フィールドを有するチャンバにロードする。次に、バイオディスクを細胞結合に適した環境にさらす。次に、バイオディスクをCDドライブアセンブリに配置し、結合細胞から未結合細胞を分離するのに十分な速度、例えば約1000rpm〜約4000rpmで約1〜5分間の間、放射状に(radially)スピンさせる。このスピンにより、捕捉剤により結合されていない細胞は捕捉フィールドから除去され、チャンバの別の部分(例えば、チャンバの廃液容器)に収集される。
本明細書で用いられる場合、用語「捕捉フィールド」は、光バイオディスクの、捕捉剤が直接的または間接的に付着している標的領域または捕捉領域140を含む。捕捉フィールドは、限界、境界、および範囲(limits, metes and bounds)が規定された、表面上の独立した部位である。
本明細書で用いられる場合、用語「捕捉剤」は、捕捉フィールドの表面に位置する、任意の分子Bを識別して、それに特異的に結合する任意の分子Aを指す。本明細書において「特異的に結合」という語句は、生体サンプルに存在する可能性がある他の分子と比較した場合、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも100倍、少なくとも1000倍、少なくとも10,000倍またはそれ以上の、分子Bに対する分子Aの結合を指すように意図される。非限定的な例として、他の分子を特異的に認識してそれと結合する分子としては、抗体、リガンド、受容体、酵素、基質、ビオチン、アビジン、およびレクチンが挙げられる。本発明の生体活性剤は、限定はされないが、ウイルス、細菌、真菌、植物、動物、in vitroでまたは合成的に産生された物質を含む任意の供給源から得ることができる。
本発明のいくつかの実施形態では、捕捉剤は捕捉抗体であり、捕捉フィールドには少なくとも1つの捕捉抗体が結合している。本明細書で用いられる場合、用語「抗体」は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、および組換え抗体を含む。本発明の抗体は、in vivoまたはin vitroで産生されることができる。抗体を産生する方法は、当業者に既知である。例えば、Antibody Production: Essential Techniques, Peter Delves (Ed.), John Wiley & Son Ltd, ISBN:0471970107 (1997)を参照されたい。あるいは、抗体は市販の供給源(例えば、Research Diagnostics Inc.(Pleasant Hill Road, Flanders, NJ 07836)およびOrtho Diagnostic Systems)から得てもよい。
捕捉フィールドに結合させる捕捉剤の選択は、当業者の技術常識の範囲内である。非限定的な例として、リガンドまたは捕捉フィールドにより認識される受容体を発現する細胞と結合するために、受容体特異的リガンドを捕捉フィールドに結合させてもよく、または細胞と結合するために、選択された細胞集団の表面上に発現する糖部分と特異的に結合するレクチンにより、捕捉フィールドが結合されてもよい。別法として、捕捉フィールドは、細胞の表面上の受容体に特異的な捕捉抗体により結合されてもよい。このように、本明細書中で提供される発明は、多くの生物学的アッセイに容易に適合する。光ディスク基板などの固体支持体への捕捉剤の結合に関する態様は、例えば、本発明の譲受人に譲渡された、2002年7月12日に出願された「Multi-Purpose Optical Analysis Disc For Conducting Assays And Various Reporting Agents For Use Therewith」と題する米国特許出願第10/194,396号に開示されており、当該出願は、その内容のすべてが参照により本明細書に援用される。
用語「抗体」は、任意の1つの特定の種の抗体に限定されることが意図されているわけではなく、例えば、ヒト、マウス、ラット、およびヤギなどの抗体のすべてが、本発明によって意図される。凝集反応を引き起こすためにすべての抗体型を用いることができるため、用語「抗体」は、抗体の任意のクラスまたは任意のサブクラスをも含む。非限定的な例として、IgG抗体クラスを凝集のために用いてもよく、または、より高い抗体の多価性が望まれる場合、IgMクラスの抗体を同じ目的で利用してもよい。細胞に特異的に結合する他の型の免疫グロブリンもまた、本発明の範囲内である。抗体断片を、本発明の捕捉剤として利用することもできる。医療診断の技術分野における抗体の使用は、当業者には既知である。例えば、Diagnostic and Therapeutic Antibodies (Methods in Molecular Medicine), Andrew J. T. George and Catherine E. Urch (Eds.), Humana Press; ISBN:0896037983 (2000)およびAntibodies in Diagnosis and Therapy: Technologies, Mechanisms and Clinical Data (Studies in Chemistry Series), Siegfried Matzku and Rolf A. Stahel (Eds.), Harwood Academic Pub.; ISBM: 9057023105 (1999)を参照されたい。これらはその内容のすべてが参照により本明細書に援用される。
捕捉剤が結合されている捕捉フィールドは、細胞と結合するのに適した任意の方法で組織化される。本発明のいくつかの実施形態では、1つまたは複数の捕捉剤を、捕捉フィールドに直接連結させることができる。したがって、捕捉フィールドは、1つの捕捉剤の複数の複製物と一様に結合してもよく、別法として、捕捉フィールドは、2つ以上の捕捉剤の複数の複製物と結合して、結合反応の特異性を増大させてもよい。他の実施形態では、捕捉剤は、捕捉フィールドに間接的に連結され得る。非限定的な例として、捕捉フィールドは、ストレプトアビジンなどのタンパク質で被覆されていてもよく、抗体などの捕捉剤は、抗体に付着したビオチン部分によりストレプトアビジンに連結されることができる。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明の捕捉フィールドには第1の捕捉剤が結合しており、第1の捕捉剤は第2の捕捉剤と結合している。非限定的な例として、抗IgM IgG抗体は、捕捉フィールドに結合する第1の捕捉剤としての役割を果たすことができ
、それ自体は第2の捕捉剤であるIgM抗体と結合する。したがって、捕捉フィールドに結合した捕捉剤は、いくつかの実施形態では、互いにタンデムに連結する複数の捕捉剤を含む。
本発明の種々の態様では、捕捉剤は異なる方法で捕捉フィールドに付着され得る。非限定的な例として、種々の構成を表2に示す。表2は、異なる標的領域またはフィールド(すなわち窓)が、同一または異なる光バイオディスク上に異なる捕捉剤を用いて作製され得ることも示している。一実施形態では、捕捉抗体は、バイオディスクに直接付着させることができる。他の実施形態では、1つまたは複数のさらなる薬剤が、光バイオディスクとそこから最も遠位にある捕捉剤との中間結合剤として利用される。この中間結合剤の設計により立体障害が低減され、それにより、捕捉剤が十分に機能する可能性が高くなる。
表2に示すいくつかの実施形態は、ストレプトアビジンまたはその変異体と、ビオチンとの間の既知の強い分子相互作用を利用する。非限定的な例として、ストレプトアビジンは、捕捉フィールドの最初の層として利用することができる。ビオチン化捕捉抗体を用いることにより、ストレプトアビジンとビオチンとの間の分子認識およびそれにより生じる強い結合を利用して、ストレプトアビジン層への特異的な結合を達成することができる。立体障害をさらに緩和することが有利である場合、ビオチン化第1捕捉抗体をストレプトアビジン層に結合させてもよく、ビオチン化第1抗体により特異的に認識されて結合される第2捕捉抗体を適用してもよい。
Figure 2005509865
次に図18を参照して、ストレプトアビジン/ビオチン相互作用に依存しない本発明の代替的な捕捉技術が提示される。図18の下行に示すように、最も単純な実施形態では、捕捉剤は光バイオディスクの捕捉フィールドに直接付着させられる。捕捉剤は、限定はされないが、IgG、IgM、レクチン、またはその他の分子などを含む。光バイオディスクに直接連結している捕捉剤は、立体傷害により最適に機能することが妨げられるため、代替的な実施形態は、中間リンカ分子(すなわちクロスリンカ)により捕捉剤をバイオディスクに付着させることである。このようなクロスリンカは当該技術分野において既知である。非限定的な例として、立体障害に関連する問題を最小にするかまたは排除するために必要な長さを与える十分な炭素原子数を有する任意の炭素化合物であれば十分である。
クロスリンクシステムには、1つまたは複数の高分子部位(macromolecular moiety)を別の高分子部位にクロスリンクする1つまたは複数のクロスリンク剤、すなわち接合剤が含まれることが理解されるべきである。クロスリンクは、2つの高分子部位間の共有結合による相互作用であってもよいし、非共有結合による相互作用であってもよく、通常、2つの高分子のフリーラジカルが結合するときに形成され得る。クロスリンクを実現する化学修飾または結合プロセスは、ある官能基と他の官能基との反応を伴い、その結果、化学結合が形成される。反応性官能基または選択的反応性官能基を有するバイオ結合試薬を生成することにより、標的分子の簡単で再現可能なクロスリンクまたはタグ付けの基礎が形成される(「Bioconjugate Techniques」, Greg T. Hermanson, Academic Press, San Diego, CA, (1996))。
クロスリンク剤には、ホモ二官能性リンカ(homobifunctional linker)、ヘテロ二官能性リンカ(heterobifunctional linker)、およびゼロレングスクロスリンカ(zero-length cross-linker)が含まれるが、これらに限定されるものではない。ホモ二官能性リンカは、同じ官能基である2つの反応部位を有するリンカであり、例えばグルタルアルデヒドなどがある。これらの試薬は、あるタンパク質と別のタンパク質双方に共通する基と反応して共有結合することにより、両者を結合することができる。ヘテロ二官能性接合試薬は、タンパク質および他の高分子が有する異なる2つの官能標的に結合することができる、異なる2つの反応基を含む。例えば、クロスリンカのある部分は、アミン反応基を含み、別の部分は、スルフヒドリル反応基を構成することができる。その結果、標的分子の選択部分でクロスリンク反応をさせることができ、したがって、結合プロセス全体をより適切に制御することができる。ゼロレングスクロスリンカは、原子を増やすことなく化学結合を形成することにより、2つの分子を結合する。したがって、第一の分子の1の原子は、リンカまたはスペーサを介在させることなく、第2の分子の原子に共有結合する。当業者は、クロスリンク剤の詳細な知見を得るために、「Bioconjugate Techniques」, Greg T. Hermanson, Academic Press, San Diego, CA, (1996)を参照することができる。
本発明では、クロスリンク剤をバイオディスクの表面に結合させて、標的領域内に捕捉剤を固定する。好ましいクロスリンクシステムは、ビオチン−ストレプトアビジンを含むヘテロ二官能基、すなわち、アビジン結合基質に結合したビオチン化捕捉剤である。
立体障害を低減または排除するように設計された捕捉技術の他の実施形態を、図18の中段および上段に示す。これらの方法は、光バイオディスクと捕捉剤との間の中間結合分子としてIgMまたはIgGを利用する。捕捉剤は、IgG、IgM、レクチン、または細胞と結合して捕捉する任意の他の分子を含む。
図19を参照すると、ストレプトアビジン分子(またはその変異体)およびビオチン分子の、強い認識および結合に基づく本発明の細胞捕捉技術が提示されている。前述の表2で詳述したように、生体活性剤であるストレプトアビジンは、捕捉フィールドに最初に適用されて、種々の捕捉剤、例えば、ビオチン化IgG、またはビオチン化IgM、または
ビオチン化レクチン、またはビオチン化された任意の他の細胞結合分子と結合して保持するために用いられ得る。この設計に従った種々の実施形態が、図19の上段にイラストで提示されている。代替の実施形態は、図19の下段にイラストで提示されており、IgGまたはIgMなどの分子が、前述の捕捉剤を結合するための媒介機能を果たす薬剤として、光バイオディスク上のストレプトアビジン層上で用いられる。これらの実施形態では、IgGおよびIgMにより果たされる媒介機能は、立体障害に関連する問題を低減または排除することであり、これは、図18に提示した捕捉技術に関して説明した、リンカ分子により果たされる機能と類似している。
本発明の光バイオディスクは、1つのチャンバ内に複数の捕捉フィールドを有することができる。いくつかの捕捉フィールドの分類は「バーコード」と称されるが、これは、特定の捕捉フィールドに結合している細胞から得られるデータが、バーコードとして知られる明暗の縞状パターンに似ているからである。別の例では、規定された陰性対照区域および陽性対照区域もそのようなバーコードに組み込まれる。
次に図20を参照して、表血液タイピングのための、本発明の例示的なアッセイ方法の結果を示す。本方法は、サンプル試験およびデータ提示のために「バーコード」フォーマットに便宜上設計されている複数の捕捉フィールドを利用する。図20に提示される実施形態では、光バイオディスクはいくつかの捕捉フィールドを含み、捕捉フィールドのそれぞれには捕捉剤、例えば抗体が付着しており、捕捉剤は、赤血球の表面上の特定のABO抗原決定基に特異的である(抗A抗体および抗B抗体は、Fisher Scientific(Los Angeles, CA)のカタログ番号23287247および23287248からそれぞれ入手することができる)。さらに、特定の捕捉フィールドが陽性対照(POS)および陰性対照(NEG)として設計される。試験のための陽性対照および陰性対照は、捕捉剤が全細胞と結合する分子、例えばβ−D−グルコサミンオリゴマーと結合する、トマト(Lycopersicon esculentum)から単離したレクチン(Sigma Aldrich Chemical、カタログ番号L−0651)である陽性対照捕捉フィールド、および捕捉剤が結合していないか、またはサンプル中に存在しない別の分子に特異的な捕捉剤を有する陰性対照捕捉フィールドを含み得る。
図20にイラストにより提示されるバーコード結果は、標準的な顕微鏡分析により収集されるデータ出力と、本明細書に記載の本発明のCD画像化技術を用いて収集されるデータ出力とが区別できない(同様である)ことを示している。
このタイプの手法の直接的な利点は、被験体の血液型を迅速に判定するために、該被験体からの血液サンプルの分析を既知のバーコード結果と比較できることである。提示される例では、B捕捉フィールドのB型赤血球よりもA捕捉フィールドのA型赤血球の方がより多く結合しており、これは、試験されている個体がA赤血球表現型を有することを示す。
本発明のこの方法の種々の実施形態は、任意の他の血液型(例えば、Rh式血液型、MNS式血液型、ルセラン式血液型、ケル式血液型、ルイス式血液型、ダフィ式血液型、キッド式血液型、フィッシャー式血液型、または任意の他の血液型)タイピングのために、同様に設計することができる。当業者には理解されるように、1つまたは複数の血液型システムを、1つのバイオディスクで同時に試験することができる。
抗原決定基
本発明の種々の態様が、血液タイピングの方法に利用される。赤血球の表面は、血液型によって類別される多くの抗原決定基を含む。これらの抗原決定基は、タンパク質部分および/または炭水化物部分からなる赤血球表面マーカーを提示する。人間には少なくとも
23の血液型がある(The Blood Group Antigen Factsbook (Factsbooks Series) by Marion E. Reid (Editor) and Christine Lomas-Francis (Editor) (January 1997) Academic Press; ISBN: 0125859651)。ABO血液型分類は、おそらく最も重要であり、輸血適合性を決定する基礎となる。赤血球血液型分類による別の分類は、Rhesus(Rh)血液型分類であり、これは妊娠中における重要な試験である。
さまざまな他の血液タイピング方式が、本発明の方法に適応する。これらのうち最も重要なものとしては、限定はされないが、MNS式、ルセラン式、ケル式、ルイス式、ダフィ式、およびキッド式、フィッシャー型、または別の型が挙げられる。輸血技法および血液タイピングの基礎の詳細な論考に関しては、以下の参考文献を推薦する:Transfusion Medicine by Jeffrey McCullough (December 1997), McGraw-Hill Professional Publishing; ISBN 0070451133; Modern Blood Banking and Transfusion Practices by Denise Harmening (Editor) (March 1999), F.A. Davis Co; ISBN: 080360419X; Immunohematology: Principles and Practice by Eva D. Quinley (Editor) (January 1998), Lippincott
Williams & Wilkins Publishers; ISBN: 0397554699; and The Principles and Practice of Blood Grouping by Addine G. Erskine, ASIN: 0801615305。
ほとんどの血液タイピング試験は血球凝集に基づいており、種々の表面抗原と反応して細胞を凝集させるタイピング試薬のパネルと、血液サンプルを混合することを含む。凝集の存非が特定の血液型の指標となる。本明細書に記載する本発明は、バイオディスクフォーマットに独自に適合する細胞捕捉技術を利用する。本発明の生物学的アッセイは、細胞凝集および/または細胞結合を検出するように設計される。本発明のいくつかの実施形態では、血液型を判定される被験体(個体)は、哺乳類、例えばマウスまたはヒトである。別の例では、被験体は非ヒト哺乳類または非ヒト霊長類である。
本発明のいくつかの実施形態では、ABO式および/またはRh血液タイピングのための方法が提供される。ABO血液タイピング方式に適した特異的抗体および抗原を表3に提示する。
したがって、赤血球がA抗原を保持している個体は、B抗原に対する抗体を体内に有し、赤血球がB抗原を保持している個体は、A抗原に対する抗体を体内に有する。赤血球にA抗原およびB抗原の双方を有する個体は、これらの抗原に対する抗体を全く産生せず、赤血球にいずれの抗原も有さない個体は、両抗原に対する抗体を体内に有する。
Figure 2005509865
Rh血液タイピング方式に関するRh抗原を構成する3つの遺伝子C、DおよびEがあり、すべて第1染色体上に見られる。個体のRh遺伝子型が、C、D、E抗原のうちの少なくとも1つを含む場合、個体はRh陽性である。遺伝子型cde/cde(rr)を有する個体のみがRh陰性である。
さらに副次的な血液型により血液タイピングは複雑になり得るが、これらはそれほど重要ではない。個体において、赤血球に発現しない抗原に対する抗体は、血液型抗原構造と環境作用物質(environmental agents)との相同性により、非赤血球刺激性(non-red-cell stimulated)である(または天然に発生する)。抗体は、IgM、IgA、またはIgGクラスであり得る。IgM抗体は、該抗体に対する抗原を保有する細胞と混合されると、直接凝集を導く。個体が、輸血中または妊娠中に、自身の血液型と不適合の赤血球に曝されると、該個体の免疫系が、導入された異種血液型に対する抗体を産生する。このプロセスにより産生された抗体は、主にIgGクラスである。IgG抗体は、胎盤を通過し、その後の妊娠で新生児溶血性疾患を引き起こす可能性がある。
上述のように、ABOおよびRh血液型は、輸血医学において最も重要な血液型である。ABOおよびRh抗原に対する天然型抗体は、IgMクラスである。ABOおよびRh抗原に対する抗体は容易に入手可能であり、赤血球サンプルについて直接凝集試験を行うことができる。本発明のシステムでは、表タイピングアッセイに関しては、赤血球の凝集は試験しない。この場合の試験は、抗原−抗体相互作用に基づく細胞捕捉である。相互作用は特異的かつ正確であり、どの抗原が赤血球細胞表面に存在するかを示す。ABO抗体の裏タイピングに関しては、光ディスク上で捕捉された細胞の凝集を、ソフトウェアアルゴリズム(複数可)により調査して分析する。
概して、本明細書に記載する発明は、3つのタイプの血液細胞タイピングを包含する。ABOおよびRh血液型システムに関しては、アッセイは、赤血球の表面上に存在する抗原を細胞捕捉アッセイにより検出する「表」タイピングと、患者の血清中に存在するABOまたはRh表現型に対する抗体を細胞凝集アッセイにより検出する「裏」タイピングを含む。第3のタイプの血液細胞タイピングアッセイは、「抗体」血液タイピングと呼ばれる。これは、患者の血清中の、他の副次的な血液型表現型(例えば、ケル、ダフィ、キッドなど)に対する抗体の存在を検出するように設計された診断アッセイである。さらに、個体のRh血液型は、このタイプのアッセイを用いて判定されることができる。抗体タイピングでは、診断試験は細胞捕捉および/または細胞凝集に基づく。
表タイピングアッセイ
図21A〜図21Fは、反射領域ディスクでの表タイピングアッセイの一実施形態の捕捉化学現象の表現の一例である。より詳細には、図21Aは、反射層142および反射層が除去された捕捉領域140で被覆された基板120を示す。反射層は、例えばリソグラフィ(lithography)により除去することができる。図21Bは、捕捉領域140に受動的に吸着したストレプトアビジンの層270を示す。図21Cは、捕捉領域140のストレプトアビジン270に結合したビオチン化第1捕捉抗体272を示す。図21Dは、ビオチン化第1捕捉抗体272に結合し、それぞれ異なる特異性を有する第2捕捉抗体274、276、および278を示す。図21Eは、キャップ部116、反射表面146および注入ポート122、接着部材118、流路128、ならびに以下の捕捉化学物質:ストレプトアビジン270、第1捕捉抗体272、および3つの異なる第2捕捉抗体274、276、および278を基板120の捕捉領域140に備える、組み立てられたバイオディスクを示す。図21Fは、細胞の表面に発現する抗原に基づいた、捕捉抗体274による特異的細胞捕捉を示す。捕捉抗体276および278は、示された実験で試験されている細胞に関して結合特異性を有さない。図21Fは、捕捉領域140を通過して反射層に衝突する電磁放射入射ビーム152を合焦し、それにより、検出器システム157に送られる電磁放射反射ビーム154を形成することによる検出方法も示している。
本明細書で用いられる場合、用語「チャンバ」は、光バイオディスクに付着しているかまたは光バイオディスクの一部である少なくとも1つの物質により規定される、任意の三次元空間を含む。一実施形態では、液体サンプルがチャンバにロードされて、特定の反応
条件(抗体結合条件など)および検出方法(ビーム呼びかけなど)に対応するように、チャンバは密閉されている。チャンバは、プラスチック製、金属製、ガラス製、または光バイオディスクが用いられる生物学的アッセイに適した任意のその他の材料製であってよい。非限定的な一例では、チャンバは約4μl〜約50μlを収容することができる。別の例では、チャンバは、生物学的アッセイ後に廃液貯蔵部(waste repository)として利用され得る第2のチャンバと流体連通している。
本明細書で用いられる場合、「特異的に結合する」抗体は、ペプチド配列を含むエピトープ、または炭化水素部分、または脂質部分、またはオリゴヌクレオチドの特異的配列、あるいはそれらの組み合わせと結合する抗体を意味する。そのような抗体は、特異的なエピトープを有さないその他の分子に無差別に結合することはない。そのような特異的に結合する抗体は、そのようなエピトープを欠いた他の分子または化合物とは結合しない(すなわち交差反応しない)。
アッセイは、チャンバ(「フローチャンバ」ともいう)を含む光バイオディスク内で行われ、チャンバは、そのチャンバに関連する固相に付着した特異的抗体または他の捕捉分子を有する。本発明の非限定的な一例では、捕捉フィールド(複数可)に付着した特異的抗体により捕捉された細胞特異的表面抗原(例えば、A抗原またはB抗原)を発現する特定の細胞型(例えば、特定の型の赤血球)の出現を判定する方法が記載される。
光バイオディスクドライブアセンブリは、ディスクの回転、ディスクに記憶された任意の符号化情報の読み出しおよび処理、ならびにバイオディスクのフローチャンバの細胞捕捉フィールドの分析に使用される。バイオディスクドライブには、バイオディスクを回転させるモータと、ディスクの回転速度を制御するコントローラと、ディスクからの反射信号を処理するプロセッサと、処理された信号を分析する分析装置とが設けられる。回転速度は可変であり、回転速度および回転時間に応じて厳密に制御されることができる。また、バイオディスクは、アッセイの前、その最中、またはその後のいずれかにおいて、当該バイオディスクに情報を書き込むために利用されることもできる。フローチャンバおよび捕捉フィールドの試験物質が、ドライブの読み取りビームによって呼びかけを受け(interrogated)、分析装置によって分析される。バイオディスクは、ディスクの回転を制御する符号化情報と、行われる免疫型(immunotyping)アッセイ型に特有の情報の処理を提供する符号化情報と、その結果をバイオドライブに関連したモニタに表示する符号化情報とを含むことができる。
本方法は、CD、CD−R、DVD、または任意の等価な光ディスクフォーマットでの評価試験を含む。本発明による評価試験の変形形態または代替的形態は、光バイオディスク上に安定化された強力な捕捉化学物質を含む。未結合の非特異的細胞は、バイオディスクの捕捉フィールドに特異的に結合している、血液サンプルからの特異的標的細胞を残してスピン除去される。ドライブの読み取りまたは呼びかけビームは、捕捉細胞を検出して画像を生成し、この画像は分析されることができる。
裏タイピングアッセイ
本発明は、ABO/Rh血液型抗原に対する特異的抗体を検出する方法、例えば、抗A抗体または抗B抗体の存在に関する患者の血清のアッセイも提供する。一実施形態では、本発明は、サンプルがバイオディスクにロードされる前に処理される裏タイピングの方法(図22、図23、図24A、図24B、図24C、図25A、図25B、図25C、図26A、図26B、および図26C)を提供する。別の実施形態では、本発明は、サンプルが有意の処理をされることなく、バイオディスクにロードされる裏タイピングの方法(図27)を提供する。
図22を参照して、裏タイピングの第1の実施形態では、まず全血を、例えば指から採血し、バイオディスク血液型分類アッセイにおいて血清を利用する前に、細胞を血清から分離する。全血は、例えば軽く遠心分離することにより血清と細胞とに分離され得る。次に、患者の抗体を含む血清を、ABO細胞表現型を有する1つまたは複数の細胞型と混合する。例えば、図22の細胞1はA型細胞であり、図22の細胞2はB型細胞であり、図22の細胞3はAB型細胞であり得る。次に、サンプルを一定期間、例えば約1〜5分間、室温でインキュベートし、患者の抗体をこれらの細胞と相互作用させる。インキュベートした後、ヒトの抗体を捕捉剤として用いる場合、細胞を数回洗浄し、バイオディスクの1つまたは複数のチャンバにロードする。レクチン捕捉剤を用いる場合、洗浄は不要である。
適切な特異性を有する抗体が患者の血清中に見られる場合、赤血球に抗体が結合する結果として赤血球が凝集する。次に、これらの凝集細胞を、適切な捕捉剤、例えば全細胞と結合するレクチンにより、捕捉フィールドで捕捉することができる。ディスクを短時間スピン(例えば400rpm〜4000rpm)させて、未結合細胞を除去した後、凝集細胞の存在に関して捕捉フィールドを調べる。次に、捕捉フィールドを光学式読み取り装置で調べて、試験されている細胞が凝集しているか否かを判定し、それにより、ABO/Rh血液型抗原に対する抗体が個体の血液中に存在するか否かを判定することができる。
図23では、裏タイピングの第2の実施形態が示されており、まず全血を、例えば指から採血し、バイオディスク血液型分類アッセイにおいて血清を利用する前に、細胞を血清から分離する。全血は、例えば軽く遠心分離することにより血清と細胞とに分離され得る。A型試薬細胞とB型試薬細胞とを混合する。次に、患者の抗体を含む血清を細胞混合物に添加し、それによりサンプル混合物を作製する。次に、サンプル混合物を一定期間、例えば約1〜5分間、室温でインキュベートし、患者の抗体をこれらの細胞と相互作用させる。インキュベートした後、アッセイ混合物を少なくとも1つの抗A捕捉領域および1つの抗B捕捉領域を有する1つのチャンバにロードする。凝集細胞および非凝集細胞の捕捉は、図26A、図26B、および図26Cに関連して、以下で図示および説明する。
適切な特異性を有する抗体が患者の血清中に見られる場合、赤血球に抗体が結合する結果として赤血球が凝集する。例えば、抗A抗体が血清サンプル中に存在する場合、A型細胞の凝集が起こる。次に、凝集細胞または未反応の単独細胞が特異的な捕捉領域で捕捉される。ディスクをしばらく回転(例えば400rpm〜4000rpm)させて、未結合細胞を除去した後、凝集細胞の存在に関して捕捉フィールドを調べる。次に、捕捉領域を光学式読み取り装置で調べて、試験されている細胞が凝集しているか単独であるかを判定し、それにより、ABO/Rh血液型抗原に対する抗体が個体の血液中に存在するか否かを判定することができる。
次に図24Aには、患者の血清と予め混合され、患者の抗体により凝集し、特異的な捕捉フィールドを有するバイオディスクの注入ポート122にロードされた、試験細胞またはタイピングされた試薬細胞が示されている。図に見られるように、この段階では、細胞は凝集しているが捕捉フィールドの捕捉剤に結合していない。図24Bでは、所定のインキュベーション期間後、凝集した試験細胞は特異的に認識され、捕捉フィールドに固定された捕捉剤により捕捉されている。捕捉されるのに十分な時間(インキュベーション時間)の後、光バイオディスクをスピンさせて、捕捉剤により結合されていない細胞すべてを捕捉フィールドから除去する(図24C)。未結合細胞が除去されると、捕捉フィールドを通過して反射層にあたる電磁放射入射ビーム152を合焦し、それにより、検出器システム157に送られる電磁放射反射ビーム154を形成することにより、データ検出が行われる。データの分析により、捕捉剤に結合した細胞が凝集したかどうかに関する情報が提供される。
対照的に、患者の血清に反応しない試験細胞は凝集しない。図25Aは、捕捉フィールドを有する光バイオディスクの注入ポート122にロードされた患者の血清により凝集しない試験細胞を示す。十分なインキュベーション期間後、これらの細胞は、捕捉フィールドに結合した捕捉剤により捕捉される(図25B)。未結合細胞を遠心分離により除去したら(図25C)、図24Cに関して説明したようなデータ収集および分析を行う。本発明の分析ソフトウェアは、捕捉フィールドに結合した単独細胞と凝集細胞とを区別することができる。
次に図26Aには、凝集細胞および単独細胞を含むアッセイ溶液がチャンバに添加されている様子が示されている。アッセイ溶液は、図23で上述したように調製され得る。図26Bに示すように、十分なインキュベーション期間後、凝集試薬細胞および非凝集飛躍細胞は、捕捉領域に結合したそれぞれの捕捉剤により捕捉される。さらに、図26Bは、凝集細胞を含む捕捉領域と、単独細胞を含む別個の捕捉領域とを示す。図26Cに示すように未結合細胞を除去すると、図24Cに関して説明したようなデータ収集および分析を行う。本発明の分析ソフトウェアは、捕捉フィールドに結合した単独細胞と凝集細胞とを区別することができる。
裏タイピングの第3の実施形態では、全血またはその希釈サンプルを、図27に示すように、バイオディスクのマイクロ流体回路、マイクロ流体流路、またはフロー流路に直接ロードする。本方法では、光バイオディスク内の分離チャンバ250を通過させることにより、血液細胞と血清とを分離する。全血の流体成分と細胞成分との分離は、ディスクを第1の速度でスピンさせ、赤血球、白血球および血小板を、血清から分離するように設計された少なくとも1つのマイクロフィルタを通してサンプルを移動させることにより行われる。次に、ディスクを第1の速度よりも速い第2の速度でスピンさせることにより、血清を少なくとも1つの混合チャンバ252に移動させる。次に、特定のABO型表現型を有する細胞を、別個の入口ポート256を通して、少なくとも1つの混合チャンバ252に添加する。血清と細胞との混合は、ディスクを少なくとも1回、反時計回りに半回転させ、続いて時計回りに半回転スピンさせることにより行われる。次に、抗体−抗原相互作用させるのに十分な時間、サンプルを混合チャンバ252内でインキュベートする。次に、ディスクを第2の速度よりも速い第3の速度でスピンさせることにより、捕捉フィールドを有する捕捉チャンバまたは分析チャンバ254に細胞を移動させる。捕捉剤を細胞と相互作用させるのに十分な時間、抗ヒト免疫グロブリンまたは別の捕捉剤が結合している捕捉フィールドと細胞とを相互作用させる。次に、ディスクを再び、例えば400rpm〜4000rpmでスピンさせて、未結合細胞を除去する。次に、捕捉フィールドからデータを収集して、捕捉フィールドに結合している細胞が凝集しているか否かを判定する。捕捉フィールドでの凝集細胞の存在は、個体の血清が、試験されている特定の赤血球血液型表現型の表面上の抗原に対する抗体を有することを示す。別法として、捕捉チャンバ254に、非凝集細胞から凝集細胞を分離するバイオマトリックスを充填してもよい。本発明のこの態様に関する詳細は、図35、図36A、図36B、図37A、図37B、および図37Cに関連して以下で説明する。
直接タイピングアッセイ
別の態様では、本発明は、血液サンプルの抗体タイピング(すなわち直接タイピング)の方法、すなわち、ABO式の血液型以外の血液型の抗原に対する抗体の存在に関して患者の血清を試験する方法を提供する。この態様の一実施形態では、サンプルがバイオディスクにロードされる前に処理される(図28、図29A、図29B、図29C、図30A、図30B、および図30C)抗体タイピングの方法を提供する。この態様の別の実施形態では、本発明は、サンプルが有意の処理をされることなくバイオディスクにロードされる(図31)抗体タイピングの方法を提供する。ABO式の血液型表現型以外の既知の血
液型表現型(例えば、ケル、ダフィ、キッドなど)の細胞は、試験用に市販されている(Immucor, Inc. Norcross, GA, PANOSCREEN)。
図28を参照して、抗体タイピングのさらに別の実施形態では、バイオディスク血液型分類アッセイにおいて血清を利用する前に、まず全血を血清から分離する。全血は、軽く遠心分離することにより血清と細胞とに分離され得る。次に、患者の抗体を含む血清を、ABO血液型以外の血液型の既知の表現型を有する、1つまたは複数のO型ABO試験細胞と混合する。次に、サンプルを一定期間、例えば約15〜30分間、37℃でインキュベートし、患者の抗体をこれらの細胞と相互作用させる。インキュベートした後、細胞を数回洗浄し、バイオディスクの1つまたは複数のチャンバにロードする。適切な特異性を有する抗体が患者の血清中に見られる場合、赤血球に抗体が結合する。次に、これらの抗体結合細胞を、適当な捕捉剤、例えば抗ヒトIgGにより捕捉フィールドに捕捉することができる。ディスクをしばらく(例えば400rpm〜4000rpm)スピンさせて、未結合細胞を除去した後、細胞の存在に関して捕捉フィールドを調べる。次に、捕捉フィールドを光学式読み取り装置で調べて、試験されている細胞が捕捉フィールドに存在するか否かを判定し、それにより、個体の抗体の状態(status)を判定することができる。
アッセイ中に生じる分子認識事象を図29および図30に示す。図29Aでは、患者の血清と予め混合されて、該血清に含まれる抗体により結合された試験細胞を、捕捉フィールドを有する光バイオディスクの注入ポート122にロードする。図29Bでは、必要とされるインキュベーション期間後に、患者の抗体により結合された試験細胞は特異的に認識され、捕捉フィールド140に固定された抗免疫グロブリン抗体(すなわち捕捉剤)により捕捉される。十分な捕捉時間後、光バイオディスクをスピンさせて、捕捉剤により捕捉されていない細胞すべてを捕捉フィールドから除去する(図29C)。未結合細胞が除去されると、捕捉フィールドを通過して反射層にあたる電磁放射入射ビーム152を合焦し、それにより、検出器システム157に送られる電磁放射反射ビーム154を形成することにより、データ検出が行われる。
対照的に、患者の血清と反応しない試験細胞は捕捉フィールドに結合しない。図30Aは、光バイオディスクの注入ポート122への、患者の血清の抗体により結合されない試験細胞のロードを示す。十分なインキュベーション期間後でさえも、これらの細胞は、捕捉フィールドに結合している捕捉剤により捕捉されない(図30B)。短時間の低速スピン(図30C)の後に細胞は捕捉フィールドから除去され、上記のようにデータ検出が行われる。
本発明の抗体タイピング法の別の実施形態は、少なくとも1つのマイクロ流体回路を有する光バイオディスクの使用を含む。図31は、この方法に含まれるステップを示すイラストによる流れ図である。図28で説明したように、血液を回収し、アッセイの準備のために適宜希釈する。試験サンプルを、光バイオディスクの注入ポートにロードするために、アプリケータにロードする。最初に、細胞および血清を含むサンプルが、血清から細胞を分離するマイクロフィルタを有する分離チャンバ250に入れられる。次に、遠心分離により血清を混合チャンバに移動させ、そこにタイピングされた試薬試験細胞(type reagent test cells)を添加する。次に、十分な期間の後、サンプルを捕捉チャンバに移動させ、続いて分析が行われる。
図32は、上述のマイクロ流体回路のより詳細な実施形態を提示する。まずサンプルが注入ポート251にロードされ、光バイオディスクの分離チャンバ250に入れられる。ディスクを第1の速度でスピンさせることにより、赤血球、白血球、および血小板を血清から分離させるように設計された少なくとも1つのマイクロフィルタを通してサンプルを移動させ、全血の流体成分と細胞成分とを効果的に分離する。次に、ディスクを第1の速
度よりも速い第2の速度でスピンさせることにより、血清を少なくとも1つの混合チャンバ252に移動させる。次に、既知の血液型表現型の試薬細胞を、バイオディスクの別個の入口ポート256を通して、少なくとも1つの混合チャンバ252に添加する。
本発明の種々の態様および実施形態では、マイクロ流体回路は、混合チャンバ(複数可)に既知の血液型表現型の細胞(タイピングされた試薬細胞)を添加するための、1つまたは複数の注入ポート256を有する。本発明の他の種々の態様および実施形態では、マイクロ流体回路は、1つの捕捉チャンバ254をフィードする(feed)1つの混合チャンバを有する。本発明のさらに他の種々の態様および実施形態では、注入ポート(複数可)256は必要でない。これは、混合チャンバに、赤血球血液型の特異的抗原(例えば、M抗原またはN抗原)で被覆された微粒子が、予めロードされているからである。このような抗原は、赤血球抗原を精製することにより、例えば、組換え遺伝子発現、続く生化学的単離、およびそれを粒子に吸着させることにより、都合よく調製することができる。次に、これらの粒子を、バイオディスクを作製するときに、例えば凍結形態で混合チャンバにロードすることができる。この構成のバイオディスクは、既知の血液型表現型の赤血球の入手が困難な国および地域において特に有用であろう。
血清と細胞の混合は、ディスクを少なくとも1回、反時計回りに半回転させ、続いて時計回りに半回転スピンさせることにより行われる。次に、抗体−抗原相互作用をさせるのに十分な時間(例えば15〜30分間)、サンプルを混合チャンバ252内でインキュベートする。次に、ディスクを第2の速度よりも速い第3の速度でスピンさせることにより、捕捉フィールドを有する捕捉チャンバ254に細胞を移動させる。抗体−抗原相互作用をさせるのに十分な時間(例えば30秒間〜15分間)、抗ヒトIgGが結合している捕捉フィールドと細胞とを相互作用させる。次に、ディスクを(例えば400rpm〜4000rpmで)スピンさせて、未結合細胞を除去する。次に、捕捉フィールドからデータを収集して、捕捉フィールドに細胞が結合している否かを判定する。捕捉フィールドでの細胞の存在は、個体の血清が、試験されている特定の赤血球の表面の抗原に対する抗体を有することを示す。バイオマトリックス細胞または粒子分離を用いる上述の抗体タイピングの代替の実施形態は、図35、図36A、図36B、図37A、図37B、および図37Cに関連して以下で説明する。
ソフトウェアおよび関連の処理方法
血液型の判定ではコンピュータベースの分析が行われる。光バイオディスクに関連する手順の実行結果は、ソフトウェアにより分析されて、ディスクに供給された血液サンプルの血液型および/または抗体型が判定される。
1つまたは複数の特定の実施態様では、バイオディスクに関連する手順は、ソフトウェアの制御下で実行され得る。例えば、ソフトウェアは、ユーザにバイオディスクの準備(例えば、血液サンプルをバイオディスクにロードし、バイオディスクを読み取り装置に挿入すること)をさせ、バイオディスクを1または複数の回転速度で、1または複数の時間、スピンさせる。特定の実施態様では、手順には洗浄および/またはインキュベーションが含まれていてもよい。
1または複数の実施態様では、ソフトウェアは、ユーザからの入力または手順実行の中間結果、あるいはその両方に応じて、手順を実行させることができる。例えば、ソフトウェアは、ユーザがバイオディスクに物質を添加したことを報告する信号(例えば、キーボードまたはマウスによる)が入力されるまで、手順の実行を停止させることができる。別の例では、ソフトウェアは、バイオディスクの状態(例えば、特定の場所での物質の存非)が検出されたことを判定することができ、検出に応じて特定の方法で手順を実行させることができる。特定の実施態様では、ソフトウェアは、血液型に関する判定の信頼レベル
(例えば、許容誤差に基づく)を判定し、その信頼レベルに基づいて、別の血液タイピングをするために、血液サンプルの全部または一部をマイクロ流体回路またはアッセイ領域に送出するための速度および時間で、バイオディスクをスピンさせることができる。
1つまたは複数の実施態様では、バイオディスクは書き込み互換性(例えば、CD−RまたはCD−RWの書き込み特性)を有していてもよく、ソフトウェアは、情報(例えば、手順の中間結果または最終結果を表す情報、またはそれらから得られる情報)をバイオディスクに書き込ませることにより、その後、そのソフトウェアまたは別のプログラムによる検索を可能にすることができる。1回または複数回行われる可能性がある検索は、手順の実行の同じインスタンス(instance)において行うことができるので、現在のインスタンスの残りの実行に影響を与えることもできるし、現在のインスタンスの後または最後に行ってもよい。例えば、ソフトウェアがサンプルの血液型を判定すると、血液型の識別および任意にその基礎をなすデータを含む情報が、バイオディスクに記録され得る。このような場合、少なくともいくつかの状況では、ソフトウェアの判定が、血液タイピングの対象となった実際のサンプルに物理的に関連する固定形態(fixed form)で利用可能となるように、バイオディスクが(例えば、法的手続きにおける証拠または立証の目的で)アーカイブ(archive)される。したがって、バイオディスクは、血液タイピングの改良型医療記録としての役割を果たすことができ、その後、さらなる分析(例えば、ソフトウェア制御下のDNA試験、あるいは直接的な前年比較または累積分析または履歴分析)のために検索されることができる。
したがって、相互作用性は、ユーザとの相互作用およびバイオディスクとの相互作用という少なくとも2つの形態の1つまたは複数の形態で提供され得る。ソフトウェアとユーザとの相互作用には、ユーザへの出力の形態(例えば、電子ディスプレイ上の出力、音声または他のオーディオによる出力、あるいは嗅覚または触覚などの人間の感覚により検出可能な別の機構による出力)を採用してもよく、またはユーザからの入力の形態(例えば、キーボード、マウス、ジョイスティック、マイクロフォン、光センサ、またはコンピュータに物理的変化を検出させる別の機構による入力)を採用してもよい。
1つまたは複数の特定の実施態様では、手順の結果は、1つまたは複数のトラックを有する光バイオディスクに適用される、トラックごとの信号情報生成を行う移動レーザヘッドおよび移動光検出器の一方または双方を用いて生成され得る、1つまたは複数の電子信号の形態で通信されることができる。例えば、光バイオディスクからの反射光または透過光の読み取りを表すアナログ信号が受け取られ、デジタル信号に変換され、これが血液型または抗体タイピングにおいて分析される。以下でより詳細に説明されるように、ソフトウェアは、電子信号を分析し、手順の実行から得られる物質の境界を表す(たとえば、暗いスポットを生成する)光強度の変化を同定、位置の特定、および/または定量化し、物質の存在/非存在、位置、および/または量に基づいて、血液型または抗体型に関する結論を導き出すことができる。
ソフトウェアおよび手順は、ABO技法もしくはABO細胞計数技法を含むか、またはそれに依存してもよく、あるいはマイクロ流体回路での洗浄および/または調製ステップと、検出(例えば光強度および/または光学濃度技法による検出)のための試験区域および/または廃液区域への物質の移動とを含み得る抗体タイピングプロセスを含むか、またはそれに依存してもよい。
図32を再び参照して、ソフトウェアおよび/または手順において用いられ得るマイクロ流体回路の一例が示されている。ソフトウェアは、区域250、252、254の使用のタイミングを制御することができ、中間結果などの情報を回路のバイオディスクに記録させることができ、区域250、252、254の1つまたは複数に関する結果または状
態に応じて手順を実行させることができる。例えば、ソフトウェアは、状態Xが区域250で見られる場合はバイオディスクにAという行動をさせ、状態Yが区域250で見られる場合はバイオディスクにBという行動をさせることができる。付加的または代替的に、バイオディスクの他の区域に関して、同様の試験および措置を実行させてもよい。ソフトウェアは、得られた中間結果または状態に応じて分岐プロセスまたはフローチャートを実行させることができる。したがって、血液タイピング試験の種々の変形形態または種々の血液タイピング試験を、ソフトウェアをそれに対応する形態または構成に変更して、同じバイオディスク装置を用いて実施することができる。実施される試験の変形形態または試験に応じて、ソフトウェアは、バイオディスクのスピンの速度を増減させて、スピンの回数を調整して、かつスピンの休止時間を変更することができ、区域によって異なる量の光に曝されるようにドライブのレーザの方向を調整して、試験の変形形態または試験に適した手順環境を得ることができる。
概して、ソフトウェアは、バイオディスクによる対話式のマルチルート処理を実施してもよい。例えば、マイクロ流体回路は5〜6段階を有することができ、ソフトウェアは、第1段階の結果に応じて特定の措置を採用することができ、続いて、第2段階の結果に応じて他の措置を採用することができ、残りの段階でも同様に続けることができる。このように、バイオディスクおよび他のハードウェアの機能は、ソフトウェアおよび結果により管理される。
ソフトウェアは、バイオディスクで観察される状態を、イベント捕捉タイプ(Event Capture type)などの抽象概念として扱ってもよい。例えば、グルコースの発見はイベント捕捉1として扱われてよく、遺伝子組換え生物(GMO)試験はイベント捕捉3として扱われてよい。ソフトウェアコードが指示されている1つまたは複数のパラメータテーブル、または特定の試験が(任意選択で対話による命令に沿って)実施される1つまたは複数のパラメータテーブルを用いてもよい。試験の開発において、このようなテーブルは製品化までの時間を早め、ソフトウェアコード保守の費用を低減する。このようなテーブルにおける1つのパラメータは、以下で述べるイベント計数に関係する。図34に示されるように、他のパラメータは、血液型試験を表すフローチャートの決定ブロックを実施し、例えば、領域Aに関してなされた決定により、領域Cではなく領域Bで措置が取られるようにする。
以下で説明されるように、ソフトウェアおよびバイオディスクシステムは、定量的かつ定性的な血液タイピング結果を与えてもよい。例えば、A型血液を示すだけではなく、強いA型血液と弱いA型血液(例えば、85%対15%のA型)を区別することができる数値結果を得ることができる。感受性、選択性、および非特異的結合を提供することにより、量的に向上した結果を得ることが可能である。
図33を参照して、本発明の方法および装置を用いて行われる血液タイピングアッセイの結果を示す、サンプル表示画像が示されている。棒グラフおよびそれに対応する捕捉された赤血球の実際の物理的総数(counts)により示されるように、血液サンプルは強いA型である。また、アッセイの信頼性を高めるために、陽性対照結果および陰性対照結果も示される。弱いA型の場合、対応する棒はかなり低い(例えば、A型の閾値よりわずかに上である)。このように、ソフトウェアは、血液タイピングの強度を定量的に検出することができ、ある特定の状況では、エラー検査および/または重複検査機能を実行することができる。このような機能としては、限定はされないが、判定が弱い場合の再試験、血液タイピングの閾値の変更、異なる試験の適用、異なるサンプルサイズの使用、およびユーザによる操作の要求が挙げられる。したがって、ソフトウェアの出力は、ソフトウェアが十分な信頼レベルの血液型結果を判定した後にのみ提供される。
ソフトウェアの制御下で、バイオディスクはこのようにして、比較的少量の血液サンプルに対して高性能の対話式血液型分析を行うことができ、困難または不可能であるか、あるいは健康に悪影響を及ぼす可能性がある、患者の血液のさらなる検索をする必要がない。
他の情報技術資源を、血液タイピング技法においてバイオディスクに適用してもよい。例えば、ソフトウェアの分析結果は、記憶またはさらなる分析のために、インターネットなどのネットワークを介して伝送(例えば保護形態(secure form)で)することができる。ソフトウェアは、インターネットなどのネットワークを介して、実行、更新および/または保守されることができる。例えば、血液タイピングにおいて特定の結果が得られた場合は常に、例えば保健機関または人口統計学関連機関へ連絡することにより、自動的に報告を行うことができる。
特定の実施態様では、イベント計数技法を用いてバイオディスク上の物質が検出および定量化され、イベント計数技法の実行結果の分析に基づいて、血液タイピング結果が提供される。事実上、トラックごとの走査はバイオディスクの一部からなり、物質のスポットが走査で検出され、血液サンプルの血液型が判定され、検出されたスポットの量に基づいて報告される。
この技法では、サンプリングレートおよび任意選択でバイオディスク回転速度は、予測または検出されたスポットのサイズに応じて調整され、それにより、スポットは、従来の実用的な計算資源を用いてリアルタイムで確実に計数することができる。例えば、7ミクロンサイズの赤血球が検出されている場合、4倍速の回転速度で667キロヘルツのサンプリングレートを用いて、7ミクロンのスポットを検出することができる一方、著しく異なるサイズのスポットはフィルタリング処理により除去される。
イベント計数は、トラックごとまたはトラックのセットごとに、必要に応じてリアルタイムで行うことができる。特定の実施態様では、光ドライブ機構の読み取りヘッドは、指定されたトラックに位置付けられ、サンプルのセット(例えば、トラックまたはブロックに相当する)がメモリに読み込まれる。捕捉領域では、読み取りが所定のプロファイル(例えば、指定数の低強度サンプルとそれに続く指定数の高強度サンプル)と一致した場合に、イベントが記録される。低強度および高強度は、サンプル間相対強度(relative sample-to-sample)として扱われ得る。イベントは、トラックに沿った捕捉領域の幅に対応する全サンプルについて記録される。捕捉領域の残りの部分は、現在のトラックと交わらないスポットを見つけるために、現在のトラックの上方および/または下方の他のトラック上で同様に走査される。イベントがスポットを表し、捕捉領域でのイベントの計数により、捕捉領域のスポットの数が効果的に提供される。
他の実施形態では、デジタル信号処理などの信号分析を行って(例えば、ローパス(low pass)またはバンドパス(band pass)フィルタリングを実施して)、計数される指定サイズのスポットなどの、重要な特徴を明らかにすることができる。レーザ波長および/またはレーザスポットサイズは、特徴をより明白にさせるために変更されてもよい。
ソフトウェアにより行われる血液タイピングアッセイは、標的領域140などの1つまたは複数の捕捉領域で見られるスポットの数(例えば、赤血球を表す)に依存してもよい。
特定の実施態様では、イベント計数は、トラックデータがバイオディスクから検出されている場合にリアルタイムで行われ、ソフトウェアに保持されているすべてのものはほとんどメモリを必要としないイベント計数自体であるため、少量かつ安価なメモリで分析を
行うことを可能にする。
特定の実施態様では、位置合わせマークがバイオディスク上に予め配置されており、これは特に、ソフトウェアが、対象となる捕捉領域のオフセット点を判定するためのトラック上の開始点を決定することを可能にする。位置合わせ記号は、捕捉領域の開始部付近に位置付けられた真黒の墨のドット(a solid black India ink dot)であり得る。
サンプルは、バイオディスクにおいて検出器で測定された光強度に対応する電圧レベルを表すことができる。例えば、特定の14ビットサンプル(または14ビットサンプルの上8ビット(upper 8 bits))は、赤血球などの対象となる特徴が存在していなことを表す、遮断されていない(undisturbed)反射光または透過光に対応し、別のサンプルは、特徴が存在していることを表す、部分的または完全に遮断された光に対応し得る。
ドライブ機構が従来のCD−ROMドライブから得られるものである場合、ソフトウェアは、論理ブロックアドレス(logical block address:LBA)コマンドを用いて、バイオディスクの特定のトラックからデータを読み取ることができるような位置に読み取りヘッドを位置付けるように、ドライブ機構に指示することができる。特定のトラックを指定するために、トラック番号には75が乗算されて論理ブロック番号が与えられ、ドライブは論理ブロック番号に向かうように命令される。採用されるサンプルからの電子信号は、従来のCD−ROMアナログ信号である、A−D、HF1−HF2、フォーカス、およびトラッキングのうちの1つまたは複数を含み得る。サンプルは、400キロヘルツ〜80キロヘルツの範囲でサンプリングすることができるAlterView製のEultrad EDDA1280A/Dデバイスにより、アナログ信号から得ることができる。
ソフトウェアにより用いられ得る他の従来のCD−ROMコマンドとしては、ドライブ初期化、ドライブ速度設定、ロケーションへのトラックアウト(track out to location)、ロケーションへのトラックアウトまたはLV位置決め、空試験(test burn)モード、およびドライブリセットが挙げられる。
ソフトウェアは、中止する前に所定回数(例えば12回)まで位置合わせ記号の発見を試みてもよい。複数の捕捉領域が、特定のトラックに沿って、位置合わせ記号の終わりから異なるオフセット点で位置付けられている。位置合わせ記号がデータのブロックの終わりに見られた場合、そのデータは破棄され、別のブロックを読み取ることができ、それにより、ブロックの開始点に近い点において、位置合わせ記号の終わりからオフセットを正しく計算することができる。
図33に示されるように、出力は棒グラフおよび棒に対応する総数を含む。総数の下にはスポットを示すボックスがあり、これは捕捉区域の一部を効果的に画像化したものである。この画像は、捕捉区域をカバーするトラックに対してイベント計数が行われると、ラインごとに形成される。血液型は、種々の捕捉区域の総数の比率を計算することにより判定される。
サンプルレートの選択は重要である。サンプリングレートが低すぎると、ソフトウェアは目的物を見落とす場合がある。サンプリングレートが高すぎると、あまり関係のない、または全く関係のない小さい目的物が、対象となる目的物と共に誤って計数される場合があり、データレートが計算プラットフォームの負担となる場合がある。
計算プラットフォームは、限定はされないが433メガヘルツPentium(登録商標)互換性マイクロプロセッサを含み、マイクロソフトウィンドウズ98(登録商標)を実行する従来のパーソナルコンピュータを含み、ソフトウェアは、実行速度が(例えば、
サンプルをリアルタイム分析する場合に)著しく異なるアセンブリ言語コンポーネントを用いて、マイクロソフトVisual C++またはVisual Basicなどの高レベル言語で実施されてもよい。
画像解析は、捕捉区域の画像に対して行われ、目的物の位置的構成配置ならびに目的物の局所密度および全体密度などの、総数以外のさらなる特徴を明らかにすることができる。
上述の技法の少なくともいくつかは、バイオディスク上のマイクロ流体回路のもの以外のプラットフォームに適用可能である。
図34は、ソフトウェアの実施により実行される高レベル手順を示す。この手順により、バイオディスクに適用された血液型試験などの試験で用いるためにパラメータを規定することができる。
バイオマトリックス分離を用いた血液分析
図1〜図34に関連して上述した、血液学的および免疫血液学的アッセイ方法および装置は、バイオマトリックス法を用いて実施されてもよい。バイオマトリックス法は、本発明の第4の態様に関連して詳細に上述されている。この方法では、バイオマトリックスが、光バイオディスクのマイクロ流体流路または回路内に形成される。バイオマトリックスは、ポリアクリルアミド、アガロース、およびポリスチレン、または液体クロマトグラフィで用いられるようなガラスビーズを含む、架橋ポリマーまたは微粒子から形成されることができる。図35は、形成されたバイオマトリックス300を内部に含む、光バイオディスクのマイクロ流体回路304を示す。流体回路304はアッセイ溶液302も含む。アッセイ溶液302は、緩衝液、試薬抗体、またはタイピングされた試薬細胞を含んでもよい。
図36Aおよび図36Bを参照して、流路またはマイクロ流体回路内の、粒子または細胞の添加および反応が示されている。より詳細には、図36Aは、バイオマトリックスマイクロ流体回路への粒子または細胞の添加を示す。細胞は、タイピングされた試薬細胞306またはサンプル赤血球308を含み得る。次に、粒子がアッセイ溶液中で試薬と反応し、図36Bに示す凝集体310を形成する。凝集反応が終了すると、ディスクを所定の速度および時間でスピンさせて、バイオマトリックス300を用いて非凝集細胞312から凝集細胞310を分離する。その結果は、図37A、図37B、または図37Cに示すパターンのいずれかであり得る。図37Aは、粒子または細胞すべてが凝集体310を形成する、強凝集反応の結果を示す。マトリックスの孔は小さいため凝集体310を通過させず、これらの凝集体310はバイオマトリックスに入ることはできない。場合によっては、凝集反応は弱い反応であり、形成された凝集体310は、図37Bに示すようにマトリックスに入り、マトリックス内部で捕獲されるほどに小さい。対象となる検体がサンプル中に存在しない場合、凝集は起こらず、単独の非凝集粒子または細胞312は、すべてマトリックスを通過して、図37Cに示すようにマイクロ流体回路の底部または遠位端でペレットを形成する。次に、凝集体310および/または非凝集細胞312の位置および量を、光ディスク読み取り装置を用いて分析することができ、このような光ディスク読み取り装置は、上記で参照および援用された米国特許出願第10/043,688号に記載されている。次に、これらの検体からのデータを、付属のコンピュータソフトウェア、ならびにディスクおよび/またはドライブソフトウェアに組み込まれた適当な抗原記号を用いて解釈し、血液型パネル、および/または抗体パネルまたはプロファイルを与えることができる。この方法により、血液タイピングおよび抗体スクリーニングプロセスが自動化され、血液学的および免疫血液学的試験のターンアラウンドタイムが短縮される。
本発明の一実施形態では、個別のマイクロ流体流路に、抗A抗体、抗B抗体、または抗AB抗体を含む試薬抗体を予めロードする。次に、図36Aに示すように、希釈または洗浄された患者またはサンプルの赤血球を、チャンバのそれぞれに添加してアッセイ溶液を作製する。所定のインキュベーション時間後、図36Bに示されるように、赤血球の特異的抗原(A抗原、B抗原、またはAB抗原)に結合する抗体を含む流路内で赤血球の凝集が起こる。例えば、サンプル赤血球がA型である場合、抗A抗体を含む流路で凝集が起こる。凝集反応の終了後、ディスクを所定の速度および時間でスピンさせて、非凝集細胞から凝集細胞を分離する。その結果は、図37A、図37B、または図37Cに示すパターンのいずれかであり得る。この実施形態を用いた最も一般的な結果は、図37Aおよび図37Cに提示されるものであり、これらはそれぞれ、適当な試薬抗体に対する強い反応と、他の抗体に対する無反応とを示す。図37Bは、あまり一般的ではない、弱陽性の試験結果を示す。
本発明の別の実施形態では、個別のマイクロ流体流路に、A型試薬細胞、B型試薬細胞、またはO型試薬細胞を含むタイピングされた試薬細胞をロードする。次に、図36Aに示すように、患者の血清または血漿のアリコートを個々のチャンバに添加して、アッセイ溶液を作製する。所定のインキュベーション時間後、適当な型の試薬細胞を含むチャンバ内で図36Bに示す試薬細胞の凝集が起こる。例えば、血清サンプルが、B型赤血球に対する抗体(A型血液サンプルから)を含む場合、B型試薬細胞を含む流路で凝集が観察される。凝集反応の終了後、ディスクを所定の速度および時間でスピンさせ、非凝集細胞から凝集細胞を分離する。結果は、図37A、図37B、または図37Cに示すパターンのいずれかであり得る。この実施形態を用いた通常の一般的な結果は、図37Aおよび図37Cに示されるものであり、これらはそれぞれ、適当な試薬細胞型に対する血清抗体の強い反応と、他の細胞型に対する無反応とを示す。図37Bは、あまり一般的ではない、弱陽性の試験結果を示す。
本発明のさらに別の実施形態では、個別のマイクロ流体流路に、補体を含むかまたは含まないクームス血清、すなわち抗ヒトグロブリンを予めロードする。血清サンプルを調製し、種々のパターンの副次的な抗原(限定はされないが、種々の型のケル抗原、MNS抗原、ダフィ抗原、キッド抗原、ルイス抗原、およびルセラン抗原を含む)を発現する異なるO型試薬細胞と個別に混合し、異なるアッセイ溶液を作製する。図36Aに示すように、異なるアッセイ溶液は、光ディスクの異なるマイクロ流体流路にロードされ得る。別法として、血清サンプルのアリコートを複数のチャンバに添加して、続いて、異なるO型試薬細胞を、血清サンプルを含む異なるチャンバに添加してもよい。サンプルに存在する抗体は、試薬細胞膜上に発現するそれぞれの抗原に特異的に結合する。抗ヒトグロブリン(AHG)すなわちクームス血清は、細胞に結合した抗体に結合し、アッセイ溶液中の他の細胞に結合した抗体と架橋することにより、抗体で被覆された赤血球の凝集を促進する。サンプル中に、試薬細胞の表面に発現した標的抗原に対する特異的親和性を有する抗体が存在しない場合、AHGは細胞表面に付着した抗体がなければ細胞を架橋することができないため、細胞の凝集は起こらない。所定のインキュベーション時間後、適当な型の試薬細胞を含むチャンバ内で、図36Bに示す試薬細胞の凝集が起こる。例えば、血清サンプルがk型赤血球に対する抗体を含む場合、k抗原を発現している試薬細胞を含む流路で凝集が観察される。凝集反応の終了後、ディスクを所定の速度および時間でスピンさせ、非凝集細胞から凝集細胞を分離する。結果は、図37A、図37B、または図37Cに示すパターンのいずれかであり得る。この実施形態を用いた予測される一般的な結果は、図37Aおよび図37Cに示されるものであり、これらはそれぞれ、対象となる特異的抗原を発現している試薬細胞型に対する血清抗体の強い反応と、他の細胞型に対する無反応とを示す。図37Bは、あまり一般的ではない、弱陽性の試験結果を示す。試薬細胞の抗原記号をコンピュータソフトウェア分析プログラムに組み込むことにより、患者の抗体発現パターンまたはサンプル中に存在する抗体を、陽性反応および陰性反応のパターンに基づい
て自動的に判定することができる。
図38を参照して、注入ポート122、排出ポート124、およびトリガマーク126を有する半円形、等半径(equi-radial)の流体回路320を示す、透過型光バイオディスク110の別の実施形態の平面図が示されている。等半径流体回路320は、実質的に、光バイオディスク110の基板120内の環状リングの弓状部分に沿って向けられている、半円形または弓形の分析チャンバを含む。捕捉領域140は、等半径流体回路320の半円形の分析チャンバ内に配置される。図38には、トリガマーキング126も示されている。ディスクは、図5、図6、図7、図8、および図9に関連して上述したような透過型光バイオディスクの構成要素すべてを本質的に含む。
次に図39を参照して、図38に示すディスクの等半径流体回路の一部の拡大詳細図が示されている。この特定の流体回路は、図21A〜図21Fに関連して上述したような、表血液タイピングアッセイのための捕捉領域を含む。図39に示すように、分析チャンバは、例えば、血液サンプルの主要血液型を試験または判定するための、抗A対照捕捉領域、抗B対照捕捉領域、抗C対照捕捉領域、抗c対照捕捉領域、抗D対照捕捉領域、抗E対照捕捉領域、抗e対照捕捉領域、およびRh対照捕捉領域(これらに限定はされない)を含む、いくつかの捕捉領域を有することができる。他の抗原に特異的な捕捉剤を含む他の捕捉領域を、上述の捕捉領域のいずれかと置き換えてもよい。
次に図40を参照して、近位の等半径流体回路324および遠位の等半径流体回路322を有する透過型ディスクのさらに別の実施形態の拡大詳細図が示されている。この実施形態では、遠位の等半径流体回路322は、上記の図39で説明した表血液タイピングに用いられ、近位の等半径流体回路324は、裏血液タイピングに用いられる。裏血液タイピング試験は、表血液タイピングから得られた結果の確認試験としての役割を果たす。裏血液タイピングのためのサンプル調製およびアッセイ手順に関する詳細は、例えば、図23、図26A、図26B、および図26Cに関連して上述されている。使用の際には、赤血球は以下の実施例2で説明するようにして処理される。その後、赤血球を、注入ポート122を通して遠位の等半径流体回路322にロードする。一方、血液サンプルは、図23に関連して上述したような裏タイピングのためにも調製されることができ、この場合、血清または血漿を、A型試薬細胞およびB型試薬細胞を共に混合およびインキュベートする。次に、細胞および血清の懸濁液を、注入ポート122を通して近位の等半径流体回路324にロードする。次に、注入ポートおよび排出ポートを密閉し、分析のためにディスクを光ディスクドライブ122(図17)にロードする。分析中、ディスクを所定の速度および時間で回転させて、捕捉領域の捕捉剤により結合されていない細胞または凝集体を除去する。次に、遠位の流体回路322の捕捉領域を検査して、結合された細胞を含む領域を判定する。近位の流体回路324の捕捉領域もまた検査して、凝集細胞または非凝集細胞が結合している1つまたは複数の領域(図26C)を判定する。表タイピングおよび裏タイピングを合わせて行えば、個体の血液型の判定をより正確に行うことができる。標準的な臨床血液タイピングにおいて、裏タイピングは、ABO血液型分類の正確な表タイピングの確認としての役割を果たす。本発明は、サンプル容量を低減させ、およびユーザの介入を最少にして、表タイピングおよび裏タイピングの双方を同時に実行することを可能にする。さらに、本発明の表タイピング試験および裏タイピング試験は、適当なハードウェアおよびソフトウェアを用いて約2分間で行うことができる。本発明の光バイオディスクに関連して用いることができる光バイオディスクドライブ、検出システム、およびソフトウェアは、例えば、本発明の譲受人に譲渡されて同時係属中の、2002年9月11日に出願された「Methods for Differential Cell Counts Including Related Apparatus
and Software Performing Same」と題する米国特許出願第10/241,512号、および2002年10月24日に出願された「Segmented Area Detector for Biodrive and
Methods Relating Thereto」と題する米国特許出願第10/279,677号に開示さ
れており、これらの両出願は、その内容のすべてが参照により本明細書に援用される。
実験例
本発明を、図面を参照して詳細に説明してきたが、本発明の一定の例およびさらなる例示を以下に提供する。
バイオディスクおよび捕捉層の調製
一実施形態では、本発明のバイオディスクのトラッキング(tracking)は、60nmの金で被覆された、フォワードWobble Set FDL21:13707またはFDL21:1270である。この反射型ディスク上には、リソグラフィ技術によって、2×1mmのサイズの楕円のデータ窓(window)がエッチング除去されている。「U」字型流路を用いて、高さ25μmのチャンバを作製する。注入ポートおよび排出ポートを含むチャンバ全体を充填するには、約7μlのサンプルが必要である。8つの窓/4つの流路のフォーマットを用いることが好ましい。本発明の好ましい実施形態では、リソグラフィを用いてデータ窓を形成せずに、透過型ディスクの表面全体を捕捉領域のために用いることができる半反射透過型ディスク(FDL20/21:00708)が用いられる。Fraylock「U」字型接着DBL201Rev C3M94661または直線状流路を用いて、チャンバを作製する。利用されるカバーディスクは金ディスクであり、半径26mmで等距離に配置された直径0.040インチの48個のサンプル注入口を有する完全な反射型であるか、上部検出器の使用を可能にする透明ディスクである。
いくつかの化学層が、固体基板の第1の層に順次形成される。この第1の層は、CD、CD−ROM、DVD、またはDVD−ROMなどの光ディスクにおけるポリカーボネート層または金属化ポリカーボネート層であり得る。続く処理の前に、第1の層をイソプロパノールで清浄する。第2の層はポリスチレンまたはポリカーボネートからなる。この層は、バルクプラスチック(bulk plastic)の射出成形か、固体基板上への揮発性溶剤中のプラスチックのスピンコーティングまたはスプレーコーティングにより形成され得る。
主要な捕捉層である第3の層は、第2の層上へのタンパク質ストレプトアビジン(Sigma, St. Louis, MO、カタログ番号S−4762)(またはその任意の変異体)の吸着により形成される。吸着プロセスは、第2の層を第1の溶液(50〜200mMのイオン強度(NaCl、KClまたはMgCl2の添加により変わる)のリン酸(ナトリウムまたはカリウム)緩衝液またはTris緩衝液中、中性のpH(+/−0.5pH)の、1mg/mlのストレプトアビジン(またはその任意の変異体)溶液)に曝露することにより行われる。曝露時間は、30秒間〜12時間の範囲であり得る。第2の層を第1の溶液に曝露した後、過剰なストレプトアビジン(またはその任意の変異体)を水で洗い流す。
第2の捕捉層である第4の層は、特定の動物源(例えばマウスまたはヒト)からの他の抗体を認識してそれに結合するビオチン標識抗体(第1捕捉抗体)からなる(例えば、ビオチン化抗マウスIgM(ヒツジ由来)、Vector Laboratories、カタログ#BA−2020)。第1捕捉抗体の溶液(第2の溶液)に、第3の層を10分間〜3時間曝露させる。第2の溶液は、50〜200mMのイオン強度(NaCl、KClまたはMgCl2の添加により変わる)のリン酸(ナトリウムまたはカリウム)緩衝液またはTris緩衝液中、中性のpH(+/−0.5pH)の、0.5mg/mlの第1の捕捉抗体の溶液を含む。第1捕捉抗体の表面上のビオチン部分は、第3の層を構成するストレプトアビジン(またはその任意の変異体)により結合される。この層を第2の溶液に曝露した後、過剰な第1捕捉抗体を水で洗い流す。
生理活性捕捉層である第5の層は、特定の型の生物細胞の表面の何らかの抗原に基づい
て、その細胞を認識してそれに結合する第2捕捉抗体からなる。第2捕捉抗体の動物源は、第1捕捉抗体の特異性と適合しなければならない。第2捕捉抗体の溶液に第4の層を、10分間〜3時間曝露させる。この第3の溶液は、50〜200mMのイオン強度(NaCl、KClまたはMgCl2の添加により変わる)のリン酸(ナトリウムまたはカリウム)またはTris緩衝液中、中性のpH(+/−0.5pH)の、第2捕捉抗体の溶液(おそらく1mg/ml)を含む。第4の層を第3の溶液に曝露した後、過剰な第2捕捉抗体を上述の緩衝液と同様の緩衝液で洗い流す。
血液を分析するため、in situでサンプルを有するディスクをスピンさせるにあたってチャンバ漏れがないことを確認するために、本発明のディスクの漏れをチェックする。各流路に遮断剤を充填する。ブロックは少なくとも1時間行う。次に、ディスクを5000rpmで5分間スピンさせて調べる。漏れをチェックして遮断溶液を除去した後、ディスクを真空チャンバに2〜48時間入れる。真空処理後、ディスクを真空パウチに入れ、使用するまで2〜8℃で保管する。
さらに、ディスクを熱接着または超音波接着して、チャンバからの流体の漏れがないことを確実にすることができる。
バイオディスクでの表血液タイピングアッセイ
以下の実施例では、バイオディスクで表血液タイピングアッセイを行う。バイオディスクは、(1)特定の捕捉領域の金を除去するようフォトリソグラフィで処理して、捕捉領域に適当な化学物質を施した、金反射ベースディスク、(2)厚さ25μmの流路層、および(3)金反射カバーディスク、を含み、これらが組み立てられて機能的バイオディスクとなる。
指から得た10μlの全血を、90μlのリン酸緩衝生理食塩水/抗凝血剤で希釈して、10% RBC溶液を調製する。この溶液(14μl)を前記機能的バイオディスクに注入し、注入ポートおよび排出ポートをシールする。5分間の室温インキュベーションの後、ディスクをドライブに配置する。自社開発の自動イベント計数ソフトウェアを用いてディスクを遠心分離し、非特異的に捕捉された細胞を捕捉領域から除去させる。底部検出器を用いて、光ドライブの標準的な780nmレーザでディスクを走査し、ソフトウェアが各捕捉領域におけるイベント数を記録する。プログラムアルゴリズムが、どの捕捉領域が陽性捕捉(positive capture)を有するかを判定し、血液サンプルにABOおよびRh表現型を指定する。プロセス全体で、ドライブへのディスクの挿入から表血液タイピングの受け取りまで約10〜15分間を要する。診断プロトコルは、図8にイラストにより提示される。
結果が図19に示され、これは、ABO血液タイピングのためのグラフィカルな出力の表現である。
オフディスクのサンプル調製を用いた、バイオディスクでの裏タイピングアッセイ
以下の実施例では、バイオディスクで裏血液タイピングアッセイを行う。バイオディスクは、(1)特定の捕捉領域の金を除去するようフォトリソグラフィで処理して、捕捉領域に適当な化学物質を施した、金反射ベースディスク、(2)厚さ25μmの流路層、および(3)金反射カバーディスク、を含み、これらが組み立てられて機能的バイオディスクとなる。
全血を適当な速度および時間で遠心分離し、細胞ペレットおよび非溶血(non-hemolyze
d)血清または血漿とする。血清または血漿を、A1型およびB型の試薬赤血球(Ortho Clinical Diagnostics)と個別に混合する。赤血球と血清または血漿の混合は、試験管中で行ってもよく、またはディスクの混合チャンバで直接行ってもよい。混合を試験管中で行う場合、各混合物はディスクの別個の流路に入れられる。短時間の室温インキュベーション(2〜5分間)で血清または血漿を試薬赤血球と相互作用させた後、ディスクをドライブに配置する。自社開発の自動凝集検出ソフトウェアを用いてディスクを遠心分離し、凝集細胞および/または非凝集細胞が捕捉領域を移動して非特異的に捕捉されるようにする。過剰な細胞をフロー流路の外縁まで遠心分離する。底部検出器を用いて、光ドライブの標準的な780nmレーザでディスクを走査し、ソフトウェアが記録する。
プログラムアルゴリズムが、どの試薬赤血球が凝集したかを判定し、裏タイピングに基づいて、血漿または血清サンプルにABOおよびRh表現型を指定する。プロセス全体で、ドライブへのディスクの挿入から裏血液タイピングの受け取りまで約10分間を要する。個体の表タイピングおよび裏タイピングは、同意の下で、その個体の正しいタイピングを示すべきである。
結言
一定の好ましい実施形態を参照して、本発明を詳細に説明してきたが、本発明は、それらの正確な実施形態に限定されるものでないことが理解されるべきである。一方、本発明を実施する現在のベストモードを説明する本光バイオディスクを考慮すると、当業者は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、多くの変更および変形を想到し得るであろう。したがって、本発明の範囲は、前記説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意味するものおよび均等物の範囲内に入るすべての改変、変更、および変形は、特許請求の範囲の範囲内にあるとみなされる。
さらに、当業者は、定型的に実験にすぎないものを使用するだけで、本明細書で説明した本発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識するか、または、把握することができる。このような均等物も、添付の特許請求の範囲によって包含されることが意図されている。
本発明によるバイオディスクシステムのイラストである。 本発明で利用される反射型バイオディスクの分解斜視図である。 図2に示すディスクの平面図である。 切り取り部分がディスクのさまざまな層を示す、図2に示すディスクの斜視図である。 本発明で使用される透過型バイオディスクの一実施形態の分解斜視図である。 切り取り部分がディスクの半反射層の機能的態様を示す、図5に示すディスクの斜視図である。 金薄膜の厚さと透過率との関係を示すグラフである。 図5に示すディスクの平面図である。 切り取り部分が、図6に示す半反射層のタイプを含むディスクのさまざまな層を示す、図5に示すディスクの斜視図である。 図1のシステムをより詳細に示すブロック斜視図である。 図2、図3、および図4に示す反射型光バイオディスクに形成されたフロー流路を示す、当該反射型光バイオディスクの半径に対して垂直な部分断面図である。 図5、図8、および図9に示す透過型光バイオディスクに形成されたフロー流路および上部検出器を示す、当該透過型光バイオディスクの半径に対して垂直な部分断面図である。 図2、図3、および図4に示す反射型光バイオディスクに形成されたウォブル溝(wobble groove)を示す、当該反射型光バイオディスクの縦方向の部分断面図である。 図5、図8、および図9に示す透過型光バイオディスクに形成されたウォブル溝(wobble groove)および上部検出器を示す、当該透過型光バイオディスクの縦方向の部分断面図である。 反射型ディスクの全層と、反射型ディスクの最初の屈折特性を示す、図11と同様の図である。 透過型ディスクの全層と、透過型ディスクの最初の屈折特性とを示す、図12と同様の図である。 本発明の表ABO/Rh血液タイピング法の一例を表す、イラストによる流れ図である。 本発明の細胞捕捉技術の概略を表すイラストである。 本発明のビオチン/ストレプトアビジンベースの細胞捕捉技術を表すイラストである。 バーコードの形態のデータ出力を示す平面図である。 本発明のバイオディスクの調製の一連の一例を説明する、断面を表す概略図である。 本発明のバイオディスクの調製の一連の一例を説明する、断面を表す概略図である。 オフディスクでのサンプル調製およびオンディスクでのサンプル分析による、ABO/Rh血液型の裏タイピングの種々の方法を示す、イラストによる流れ図である。 オフディスクでのサンプル調製およびオンディスクでのサンプル分析による、ABO/Rh血液型の裏タイピングの種々の方法を示す、イラストによるもう一つの流れ図である。 ABO/Rh血液型抗原に対する抗体が存在する場合の、裏タイピング試験における細胞結合を示す光バイオディスクの側断面図である。 ABO/Rh血液型抗原に対する抗体が存在しない場合の、裏タイピング試験における細胞結合を示す光バイオディスクの側断面図である。 A型細胞およびB型細胞が混合され、特異的な抗Aおよび抗B捕捉フィールドが存在する場合の、裏タイピング試験中の差次的細胞結合を示す光バイオディスクの側断面図である。 サンプル調製および処理がすべて光バイオディスク上で行われる、裏ABO/Rhタイピングの方法を表す、イラストによる流れ図である。 オフディスクでのサンプル調製およびオンディスクでのサンプル分析による、ABO/Rh型以外の血液型の抗体タイピングの方法を説明する、イラストによる流れ図である。 捕捉フィールドと接触して捕捉される抗体により結合された赤血球を含む、光バイオディスクの側断面図である。 捕捉フィールドと接触しても捕捉されない、抗体により結合されていない赤血球を含む、光バイオディスクの側断面図である。 サンプル調製および処理がすべて光バイオディスク上で行われる抗体タイピングの方法を表す、イラストによる流れ図である。 注入ポート、分離チャンバ、混合チャンバ、捕捉または分析チャンバ、および排出ポートを含むマイクロ流体流路の一例を表す拡大平面図である。 ABO血液タイピング試験の出力を表すコンピュータモニタの画面ショットのイラストである。 血液タイピング分析に用いる手順の流れ図を示す。 アッセイ溶液を含むマイクロ流体流路または回路に充填されたバイオマトリックスを示す。 予め形成されたバイオマトリックスを含むマイクロ流体流路内への粒子または細胞の添加、および凝集物の形成を示す。 強反応、弱反応、陰性反応を示すバイオマトリックスを用いた粒子分離の3種類のパターンを示す。 半円形で等半径の流体回路を示す透過型光バイオディスクの別の実施形態の平面図である。 図38に示すディスクの等半径の流体回路の一部の拡大詳細図である。 近位および遠位の等半径流体回路を有する透過型ディスクのさらに別の実施形態の一部の拡大詳細図である。

Claims (53)

  1. 光バイオディスクでの直接タイピングにより個体の血液型を判定する方法であって、
    前記光バイオディスクの少なくとも1つのチャンバであって、捕捉抗体を含む少なくとも1つの捕捉フィールド、少なくとも1つの陽性対照フィールド、および少なくとも1つの陰性対照フィールドを表面に含むチャンバに赤血球を加えること、
    抗原−抗体相互作用を促進させるために、前記ディスクにおいてサンプルをインキュベートすること、
    第1の面上で前記ディスクを支持する光学式読み取り装置に前記ディスクを配置すること、
    前記チャンバ表面上に捕捉された細胞から捕捉されていない細胞を分離するために、前記第1の面に対してほぼ垂直な軸を中心に前記ディスクを回転させること、
    前記試験フィールド、前記陽性対照フィールド、および前記陰性対照フィールドの測定値を得ること、および
    個体の血液型を判定するために、前記試験フィールド、前記陽性対照フィールド、および前記陰性対照フィールドの測定値を分析すること、
    を含む方法。
  2. 光バイオディスクでの裏タイピングにより、個体の血液サンプルのABO血液型に対する抗体の存在を判定する方法であって、
    血液サンプルからの血清を精製すること、
    血清を既知のABO血液型の細胞と混合することにより試験サンプルを作製すること、
    前記光バイオディスクの少なくとも1つの流路に試験サンプルを注入し、細胞結合分子を含む捕捉フィールド上に試験サンプルを送出すること、
    凝集細胞および非凝集細胞を前記細胞結合分子に結合させるため、前記捕捉フィールド上で試験サンプルをインキュベートすること、
    第1の面上で前記ディスクを支持する光学式読み取り装置に、前記ディスクを配置すること、
    前記第1の面に対してほぼ垂直な軸を中心に前記ディスクを回転させること、
    前記第1の面に対してほぼ垂直な軸を中心に前記ディスクを回転させ、かつ前記軸に対して半径方向に電磁放射入射ビームを移動させることにより、該入射ビームでチャンバを走査すること、
    前記ディスクと相互作用した後の前記入射ビームの少なくとも一部により形成される電磁放射反射ビームを検出すること、
    前記反射ビームを出力信号に変換すること、
    前記捕捉フィールドに結合した凝集細胞の存在を判定するため、前記出力信号を分析すること、および
    血清中の抗体の存在を判定すること
    を含む方法。
  3. 光バイオディスクでの裏タイピングにより、個体の血液サンプル中のABO血液型に対する抗体の存在を判定する方法であって、
    少なくとも1つのマイクロフィルタ、少なくとも1つの混合チャンバ、および少なくとも1つの捕捉チャンバを有する分離チャンバを含む前記光バイオディスクの、少なくとも1つのマイクロ流体流路に、血液サンプルを加えること、
    前記分離チャンバにおいて血液サンプルを細胞と血清に分離するため、第1の速度で第1の時間、前記光バイオディスクをスピンさせること、
    前記マイクロ流体流路を通って混合チャンバに血清を移動させるため、第1の速度よりも速い第2の速度で、第2の時間、前記光バイオディスクをスピンさせること、
    既知のABO血液型細胞を、血清を含む前記混合チャンバに添加すること、
    前記血清と前記細胞を混合させるため、一方向と別の方向とに交互に、少なくとも1回、第3の時間、前記光バイオディスクをスピンさせること、
    抗体−抗原結合させるのに十分な期間、前記血清中で前記細胞をインキュベートすること、
    細胞と結合する分子を表面に有する捕捉チャンバに細胞を移動させるため、第2の速度よりも速い第3の速度で、第4の時間、前記光バイオディスクをスピンさせること、
    前記チャンバの表面への細胞の結合を促進させるため、前記捕捉チャンバ内でサンプルをインキュベートすること、
    前記捕捉フィールドから未結合細胞を除去するため、第5の時間、前記ディスクをスピンさせること、
    第1の面に対してほぼ垂直な軸を中心に前記ディスクを回転させ、かつ前記軸に対して半径方向に電磁放射入射ビームを移動させることにより、該入射ビームで前記チャンバを走査すること、
    前記ディスクと相互作用した後の前記入射ビームの少なくとも一部により形成される電磁放射反射ビームを検出すること、
    前記反射ビームを出力信号に変換すること、
    凝集細胞の存在を判定するために、前記出力信号を分析すること、および
    サンプル中の抗体の存在を判定すること
    を含む方法。
  4. 光バイオディスクでの抗体タイピングにより個体の血液型に対する抗体の存在を判定する方法であって、
    血液サンプルから血清を精製すること、
    血清を既知の血液型群表現型の細胞と混合することにより、少なくとも1つのサンプルを作製すること、
    前記光バイオディスクの少なくとも1つの流路に少なくとも1つのサンプルを注入することにより、細胞結合分子を含む捕捉フィールド上にサンプルを送出すること、
    第1の面上で前記ディスクを支持する光学式読み取り装置に、前記ディスクを配置すること、
    前記第1の面に対してほぼ垂直な軸を中心に前記ディスクを回転させること、
    前記第1の面に対してほぼ垂直な軸を中心に前記ディスクを回転させ、かつ前記軸に対して半径方向に電磁放射入射ビームを移動させることにより、該入射ビームでチャンバを走査すること、
    前記ディスクと相互作用した後の前記入射ビームの少なくとも一部により形成される電磁放射反射ビームを検出すること、
    前記反射ビームを出力信号に変換すること、
    前記捕捉フィールドに結合した細胞の存在を判定するため、前記出力信号を分析すること、および
    血液型抗体の存在を判定すること
    を含む方法。
  5. 光バイオディスクでの抗体タイピングにより個体の血液型に対する抗体の存在を判定する方法であって、
    少なくとも1つのマイクロフィルタ、少なくとも1つの混合チャンバ、および少なくとも1つの捕捉チャンバを有する分離チャンバを含む前記光バイオディスクの、少なくとも1つのマイクロ流体流路に、血液サンプルを加えること、
    前記分離チャンバにおいて血液サンプルを細胞と血清に分離するため、第1の速度で第1の時間、前記光バイオディスクをスピンさせること、
    前記マイクロ流体流路を通して混合チャンバに血清を移動させるため、第1の速度よりも速い第2の速度で、第2の時間、光バイオディスクをスピンさせること、
    既知の血液型群表現型の細胞を、血清を含む前記混合チャンバに添加すること、
    前記血清と前記既知の血液型群表現型の細胞とを混合させるため、一方向と別の方向とに交互に、少なくとも1回、第3の時間、前記光バイオディスクをスピンさせること、
    抗体−抗原結合させるのに十分な期間、前記血清中で既知の血液型群表現型の細胞をインキュベートすること、
    抗ヒト免疫グロブリン分子を表面に有する前記捕捉チャンバに、前記既知の血液型群表現型の細胞を移動させるため、第2の速度よりも速い第3の速度で、第4の時間、前記光バイオディスクをスピンさせること、
    前記チャンバの表面への、既知の血液型群表現型の細胞の結合を促進させるため、前記捕捉チャンバ内でサンプルをインキュベートすること、
    既知の血液型群表現型の未結合細胞を除去するため、第5の時間、前記光バイオディスクをスピンさせること
    第1の面に対してほぼ垂直な軸を中心に前記ディスクを回転させ、かつ前記軸に対して半径方向に電磁放射入射ビームを移動させることにより、該入射ビームで前記チャンバを走査すること、
    前記ディスクと相互作用した後の前記入射ビームの少なくとも一部により形成される電磁放射反射ビームを検出すること、
    該反射ビームを出力信号に変換すること、
    既知の血液型群表現型の細胞が捕捉されているか否かを判定するため、前記出力信号を分析すること、および
    血液型抗体の存在を判定すること
    を含む方法。
  6. 個体の血液型を判定する装置であって、
    第1の捕捉抗体を含む層、および該第1の捕捉抗体により結合される、ある血液型抗原に特異的である第2の捕捉抗体を含む層を有する、少なくとも一つの捕捉チャンバを含む光バイオディスク、
    ディスクドライブアセンブリ、
    光学式読み取り装置、及び
    血液型分析のためのソフトウェア
    を備える装置。
  7. 血液タイピングアッセイを行う光バイオディスクであって、
    基板、
    該基板に関連し、かつ第1の注入ポートを含む分離チャンバ、
    該分離チャンバに関連するフィルタ手段、
    前記分離チャンバと流体連通しており、かつ第2の注入ポートを含む第1の混合チャンバ、
    前記分離チャンバに流体連通しており、かつ第3の注入ポートを含む第2の混合チャンバ、
    前記第1の混合チャンバと流体連通しており、かつ捕捉フィールドを含む第1の分析チャンバ、および
    前記第2の混合チャンバと流体連通しており、かつ捕捉フィールドを含む第2の分析チャンバ
    を含む光バイオディスク。
  8. 光バイオディスクでの直接タイピングにより個体の血液型を判定する方法であって、
    前記光バイオディスクの少なくとも1つのチャンバであって、バイオマトリックスが充填されており、その充填密度は、単独細胞を通過させ、凝集細胞が入ることを防ぐような密度であるチャンバに試薬抗体をロードすること、
    前記試薬抗体および赤血球を含む検定溶液を作製するため、前記光バイオディスクの少なくとも1つのチャンバに、赤血球をロードすること、
    抗原−抗体相互作用および赤血球凝集を促進させるため、前記ディスクにおいて前記検定溶液をインキュベートすること、
    前記ディスクを内部で支持する光学式読み取り装置に、前記ディスクを配置すること、
    前記バイオマトリックスを通して前記検定溶液を送り、凝集赤血球から非凝集赤血球を分離するために、前記ディスクの基板層に対してほぼ垂直な軸を中心に前記ディスクを回転させること、
    前記少なくとも1つのチャンバを走査するために、電磁放射ビームを照射すること、および
    赤血球凝集の程度を判定して、個体の血液型を判定するため、前記ビームからの反射信号を分析すること
    を含む方法。
  9. 光バイオディスクでの裏タイピングにより、個体の血液サンプル中のABO血液型に対する抗体の存在を判定する方法であって、
    少なくとも1つのマイクロフィルタ、少なくとも1つの混合チャンバ、および少なくとも1つの分離チャンバであって、バイオマトリックスが充填されており、その充填密度が、単独細胞を通過させ、凝集細胞が入ることを防ぐような密度である分離チャンバを有する調製チャンバを含む前記光バイオディスクの、少なくとも1つのマイクロ流体流路に血液サンプルをロードすること、および
    前記調製チャンバにおいて血液サンプルを細胞と血清に分離するため、第1の速度で第1の時間、前記光ディスクをスピンさせること
    を含む方法。
  10. 前記マイクロ流体流路を通して前記混合チャンバに血清を移動させるため、第1の速度よりも速い第2の速度で、第2の時間、前記光ディスクをスピンさせるステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
  11. 既知のABO血液型の細胞を、血清を含む前記混合チャンバに添加するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  12. 血清と既知のABO血液型の細胞とを混合させるため、一方向と別の方向とに交互に、少なくとも1回、第3の速度で、第3の時間、前記光ディスクをスピンさせるステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
  13. 抗体−抗原結合および細胞凝集を可能にするのに十分な期間、既知のABO血液型の細胞を前記血清と共にインキュベートするステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記既知のABO血液型の細胞を、前記分離チャンバ及び前記バイオマトリックスに移動させて、凝集細胞を非凝集細胞から分離するため、第2の速度よりも速い第4の速度で、第4の時間、前記ディスクをスピンさせるステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記ディスクの基板部に対してほぼ垂直な軸を中心に前記ディスクを回転させ、かつ前記軸に対して半径方向に電磁放射入射ビームを移動させることにより、該入射ビームで前記チャンバを走査するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記ディスクと相互作用した後の前記入射ビームの少なくとも一部により形成される電
    磁放射反射ビームを検出するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記反射ビームを出力信号に変換するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
  18. 凝集細胞の存在を判定し、それによりサンプル中の抗体の存在を判定するため、前記出力信号を分析するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
  19. 光バイオディスクでの抗体タイピングにより個体の血液型の抗体の存在を判定する方法であって、
    血液サンプルから血清を精製すること、
    前記精製した血清を、既知の血液型群表現型の細胞と混合することにより、少なくとも1つのアッセイ溶液を作製すること、
    前記光バイオディスクの少なくとも1つの流路であって、バイオマトリックスが充填されており、その充填密度が、単独細胞を通過させるが、凝集細胞を通過させることを防ぐような密度である流路に前記検定溶液をロードすること、
    抗体−抗原結合および凝集を可能にするのに十分な期間、前記アッセイ溶液をインキュベートすること、
    前記ディスクを内部で支持する光学式読み取り装置に、前記ディスクを配置すること、
    前記バイオマトリックスを通して前記アッセイ溶液を送り、凝集細胞から非凝集細胞を分離するため、前記ディスクの基板層に対してほぼ垂直な軸を中心に前記ディスクを回転させること、
    前記軸を中心に前記ディスクを回転させ、かつ前記軸に対して半径方向に電磁放射入射ビームを移動させることにより、該入射ビームでチャンバを走査すること、
    前記ディスクと相互作用した後の前記入射ビームの少なくとも一部により形成される電磁放射反射ビームを検出すること、
    前記反射ビームを出力信号に変換すること、および
    凝集の存在および程度を判定し、それにより血液型抗体の存在を判定するため、前記出力信号を分析すること
    を含む方法。
  20. 免疫血液学的アッセイを行うための光バイオディスクであって、
    前記ディスクの回転を制御するディスクドライブアセンブリにより読み取られ得る符号化情報が関連付けられた基板、
    前記基板に関連し、第1の注入ポートを有する分離チャンバ、
    前記分離チャンバに関連するフィルタ手段、
    前記分離チャンバと流体連通している、第2の注入ポートを含む第1の混合チャンバ、
    前記分離チャンバに流体連通している、第3の注入ポートを含む第2の混合チャンバ、
    前記第1の混合チャンバと流体連通している、バイオマトリックスを含む第1の分析チャンバ、および
    前記第2の混合チャンバと流体連通している、バイオマトリックスを含む第2の分析チャンバ
    を含む光バイオディスク。
  21. 免疫血液学的アッセイを行うための光バイオディスクであって、
    前記ディスクの回転を制御するディスクドライブアセンブリにより読み取られ得る符号化情報が関連付けられた基板、
    前記基板に関連し、かつ該基板の中心に対して所定の位置に配置される、少なくとも1つの捕捉フィールド、
    前記捕捉フィールドに固定されている複数の捕捉抗体、
    前記捕捉フィールドに関連するフロー流路、および
    前記フロー流路と流体連通している流入部位
    を備える光バイオディスク。
  22. 前記流入部位は、緩衝液、A型試薬細胞、B型試薬細胞、および血清サンプルを含むアッセイ溶液を受け入れることができ、前記アッセイ溶液が前記フロー流路に流入すると、前記A型試薬細胞およびB型試薬細胞が前記捕捉フィールドに移動し、前記A型細胞またはB型細胞の表面抗原とそれらそれぞれの捕捉抗体との間に結合が起こり、前記A型細胞およびB型細胞がそれらそれぞれの捕捉フィールドに配置される、請求項21に記載の光バイオディスク。
  23. 電磁放射ビームが前記捕捉フィールドに照射されると、前記ビームからの反射信号により凝集の存在および程度を判定することができる、請求項22に記載の光バイオディスク。
  24. 光バイオディスクでの裏タイピングにより、個体の血液サンプル中のABO血液型に対する抗体の存在を判定する方法であって、
    少なくとも1つのマイクロフィルタ、少なくとも1つの混合チャンバ、および少なくとも1つの捕捉チャンバを有する分離チャンバを含む前記光バイオディスクの、少なくとも1つのマイクロ流体流路に、血液サンプルをロードすること、および
    前記分離チャンバにおいて、血液サンプルを血液細胞と血清に分離するため、第1の速度で、第1の時間、前記ディスクをスピンさせること
    を含む方法。
  25. 前記マイクロ流体流路を通して前記混合チャンバに血清を移動させるため、第1の速度よりも速い第2の速度で、第2の時間、前記ディスクをスピンさせるステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
  26. A型試薬細胞およびB型試薬細胞を、血清を含む前記混合チャンバに添加するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記血清と前記試薬細胞とを混合させるため、一方向と別の方向とに交互に、少なくとも1回、第3の速度で第3の時間、前記ディスクをスピンさせるステップをさらに含む、請求項26に記載の方法。
  28. 抗体−抗原結合および細胞凝集を可能にするのに十分な期間、血清中で試薬細胞をインキュベートするステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
  29. 捕捉剤を有する表面を含む前記捕捉チャンバに前記試薬細胞を移動させるため、第2の速度よりも速い第4の速度で、第4の時間、前記光バイオディスクをスピンさせるステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
  30. 前記捕捉剤は、A型試薬細胞に対する抗体およびB型試薬細胞に対する抗体からなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
  31. 前記捕捉剤への細胞の結合を促進させるため、前記捕捉チャンバにおいてサンプルをインキュベートするステップをさらに含む、請求項30に記載の方法。
  32. 前記捕捉フィールドから未結合試薬細胞を除去するため、第5の時間、前記ディスクをスピンさせるステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。
  33. 前記基板に対してほぼ垂直な軸を中心に前記ディスクを回転させ、かつ前記軸に対して半径方向に電磁放射入射ビームを移動させることにより、該入射ビームで前記チャンバを走査するステップをさらに含む、請求項32に記載の方法。
  34. 前記ディスクと相互作用した後の前記入射ビームの少なくとも一部により形成される電磁放射反射ビームを検出するステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
  35. 前記反射ビームを出力信号に変換するステップをさらに含む、請求項34に記載の方法。
  36. 凝集試薬細胞および非凝集試薬細胞の存在および量を判定し、サンプル中の抗体の存在を判定するため、前記出力信号を分析するステップをさらに含む、請求項35に記載の方法。
  37. 光バイオディスクでの抗体タイピングにより個体の血液型の抗体の存在を判定する方法であって、
    血液サンプルから血清を精製すること、
    血清を、任意の副次的な血液型の抗原を発現する試薬細胞および抗ヒトグロブリンと混合することにより、少なくとも1つのアッセイ溶液を作製すること、
    少なくとも1つの捕捉抗体を含む捕捉フィールドに前記アッセイ溶液を送出するため、前記光バイオディスクの少なくとも1つの流路に、前記アッセイ溶液をロードすること、
    抗体−抗原結合および凝集を可能にするのに十分な期間、前記血清中で前記細胞をインキュベートすること、
    前記細胞を前記捕捉フィールドの、それぞれの捕捉抗体に結合させるため、前記捕捉フィールドでサンプルをインキュベートすること、
    未結合細胞を前記捕捉フィールドに結合された細胞から分離するため、前記ディスクをスピンさせること、
    光学式読み取り装置に前記ディスクを配置すること、
    前記ディスクの基板層に対してほぼ垂直な軸を中心に前記ディスクを回転させること、
    前記軸を中心に前記ディスクを回転させ、かつ前記軸に対して半径方向に電磁放射入射ビームを移動させることにより、該入射ビームでチャンバを走査すること、
    前記ディスクと相互作用した後の前記入射ビームの少なくとも一部により形成される電磁放射反射ビームを検出すること、
    前記反射ビームを出力信号に変換すること、および
    凝集の存在および量を判定し、それにより血液型抗体の存在を判定するため、前記出力信号を分析すること
    を含む方法。
  38. 免疫血液学的アッセイを行うための光バイオディスクであって、
    中心および外縁を有するほぼ円形の基板、
    内部に流体回路が形成され、かつ前記基板に関連する流路層、
    前記流路層に関連するキャップ部、
    前記基板に関連し、かつ前記流体回路内の所定の位置に配置される、少なくとも1つの捕捉フィールド、および
    前記捕捉フィールドに固定される複数の捕捉抗体
    を備える光バイオディスク。
  39. 前記基板に関連する半反射層をさらに備える、請求項38に記載の光バイオディスク。
  40. 前記基板は該基板に関連する符号化情報を含み、該符号化情報は、前記ディスクの回転を制御するディスクドライブアセンブリにより読み取られ得る、請求項39に記載の光バイオディスク。
  41. 前記流体回路は、注入ポート、分析チャンバ、および排出ポートを含む、請求項40に記載の光バイオディスク。
  42. 前記捕捉フィールドは前記分析チャンバにある、請求項41に記載の光バイオディスク。
  43. 前記分析チャンバは、実質的に、前記基板の中心および外縁内の環状リングの弓状部分に沿って向けられている、請求項42に記載の光バイオディスク。
  44. 前記分析チャンバは、実質的に、前記ディスクの所定の半径に沿って向けられている、請求項42に記載の光バイオディスク。
  45. 前記注入ポートは、緩衝液、A型試薬細胞、B型試薬細胞、および血清サンプルを含むアッセイ溶液を受け入れることができ、前記アッセイ溶液が前記流体回路に流入すると、前記A型試薬細胞およびB型試薬細胞が前記分析チャンバおよび前記捕捉フィールドに移動し、前記A型細胞またはB型細胞の表面抗原とそれぞれの捕捉抗体との間に結合が起こり、それにより、前記A型細胞およびB型細胞がそれぞれの捕捉フィールドに配置される、請求項43または44に記載の光バイオディスク。
  46. 電磁放射ビームが前記捕捉フィールドに照射されると、前記ビームからの反射信号により試薬細胞凝集の存在および程度が判定される、請求項45に記載の光バイオディスク。
  47. 免疫血液学的試験のための光バイオディスクを製造する方法であって、
    中心および外縁を有する基板を準備するステップ、
    基板に関連する情報層に、前記ディスクの回転を制御するディスクドライブアセンブリにより読み取られ得る情報を符号化するステップ、
    前記基板の前記中心に対して所定の位置に、前記基板に関連する捕捉フィールドを形成するステップ、
    前記捕捉フィールド内に、1つまたは複数の捕捉剤を付着させるステップ、
    前記捕捉フィールドに流体連通している分析チャンバを形成するステップ、
    血液型を試験すべきサンプルを受け入れることができる、前記分析チャンバに関連する流入部位であって、サンプルが前記分析チャンバに入れられて前記ディスクが回転すると、サンプルが前記捕捉フィールドに移動して、サンプル中の検体と前記1つまたは複数の捕捉剤との間に結合が起こり、それにより前記捕捉フィールドに検体を配置させるための流入部位を設定するステップ、
    を含む方法。
  48. 前記検体は、赤血球およびタイピングされた試薬細胞からなる群から選択される、請求項47に記載の方法。
  49. 前記分析チャンバは、実質的に、前記基板の中心および外縁内の環状リングの弓状部分に沿って向けられている、請求項48に記載の方法。
  50. 請求項49に従って製造される光バイオディスク。
  51. 請求項49に従って製造される光ディスクを用いる方法であって、
    血液サンプルから血清を精製すること、
    血清を、任意の副次的な血液型の抗原を発現するタイピングされた試薬細胞および抗ヒトグロブリンと混合することにより、少なくとも1つのアッセイ溶液を作製すること、
    前記捕捉フィールドに前記アッセイ溶液を送出するため、前記光バイオディスクの分析チャンバに前記アッセイ溶液をロードすること、
    抗体−抗原結合および細胞凝集を可能にするのに十分な期間、血清中で前記タイピングされた試薬細胞をインキュベートすること、
    前記細胞を前記捕捉フィールドの1つまたは複数の捕捉剤に結合させるため、前記捕捉フィールド上で前記サンプルをインキュベートすること、
    前記捕捉フィールドに結合された前記タイピングされた試薬細胞から、未結合のタイピングされた細胞を分離するため、前記ディスクをスピンさせること、
    光学式読み取り装置に前記ディスクを配置すること、
    基板に対してほぼ垂直な軸を中心に前記ディスクを回転させること、
    前記軸を中心に前記ディスクを回転させ、かつ前記軸に対して半径方向に電磁放射入射ビームを移動させることにより、該入射ビームで前記分析チャンバを走査すること、
    前記ディスクと相互作用した後の前記入射ビームの少なくとも一部により形成される電磁放射反射ビームを検出すること、
    前記反射ビームを出力信号に変換すること、および
    凝集の存在および程度を判定し、それにより血液型抗体の存在を判定するため、前記出力信号を分析すること
    を含む方法。
  52. 請求項49に従って製造される光ディスクを用いる方法であって、
    血液サンプルを分析チャンバに加えること、
    捕捉領域の1つまたは複数の捕捉剤への前記血液サンプル中の赤血球の結合を可能にするのに十分な時間、前記分析チャンバにおいて前記血液サンプルをインキュベートすること、
    光ディスク読み取り装置に前記ディスクを配置すること、
    前記捕捉フィールドに結合した細胞から未結合細胞を分離するために、前記光ディスク読み取り装置を用いて、基板に対してほぼ垂直な軸を中心に所定の速度および時間で前記ディスクを回転させること、
    前記軸を中心に前記ディスクを回転させ、かつ前記軸に対して半径方向に電磁放射入射ビームを移動させることにより、該入射ビームで前記分析チャンバを走査すること、
    前記ディスクと相互作用した後の前記入射ビームの少なくとも一部により形成される電磁放射反射ビームを検出すること、
    前記反射ビームを出力信号に変換すること、および
    前記捕捉フィールドにある血液細胞の存在を判定し、それにより前記血液サンプルの血液型の存在を判定するため、前記出力信号を分析すること
    を含む方法。
  53. 前記捕捉剤は、レクチン、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、およびオリゴヌクレオチドからなる群から選択される、請求項51または52に記載の方法。
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