JP2009030997A - タイプ&スクリーニングのための血液型判定キット及び該キットを用いる血液型判定装置 - Google Patents

タイプ&スクリーニングのための血液型判定キット及び該キットを用いる血液型判定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】同一容器上でABO式血液型を含めた赤血球の試験と抗体検査の両方を行うことができ、タイプ&スクリーニングを極めて簡便に実施することができる血液型判定キットを提供することを目的とする。また、該キットを用い、簡便に血液型判定が実施できる血液型判定装置を提供することを目的とする。
【解決手段】抗A赤血球抗体が固相化された第1のウェル、抗B赤血球抗体が固相化された第2のウェル、抗D赤血球抗体が固相化された第3のウェル、A型乾燥赤血球が固相化された第4のウェル、B型乾燥赤血球が固相化された第5のウェル、並びに、一種以上のO型乾燥赤血球が固相化された第6のウェルを具備する、血液型判定キットを提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、血液型判定キット及び該キットを用いる血液型判定装置に関し、特に、タイプ&スクリーニングのための血液型判定キット及び該キットを用いる血液型判定装置に関する。
タイプ&スクリーニングは、輸血前に必須な血液型検査である。この検査では、ABO式血液型(オモテ試験及びウラ試験)の試験及び抗体検査が行われる。ABO式血液型の試験には、例えば、特殊なマイクロプレートに分注して静置する方法(特許文献1及び2)、マイクロプレートに分注して遠心を行い、凝集を撹拌する方法(Immuvor, Biotest)、ゲルと抗体を充填したマイクロチューブ中で遠心して凝集をゲル上/内で捕捉する方法(特許文献3、4)などがある。抗体検査には、例えば、予め赤血球を乾燥固定して抗体をスクリーニングする方法(特許文献5)などがある。
タイプ&スクリーニングは、ABO式血液型の試験と抗体検査の両方を行って初めて有効である。しかし従来は、ABO式血液型の試験と抗体検査は別の容器上で行われていた。その理由としては、各試験に必要な操作が異なることや、各試験の好適温度が異なることが挙げられる。通常、ABO式血液型のウラ試験は、反応の際に温度の影響を強く受けるため、室温以下で反応を行うことが好ましいとされている(AABB technical Manual 15th ed, chapter 19, p443)。一方、抗体検査は反応効率を上昇させるため37℃程度で実施されるのが一般的である。よって、これらの試験を同一容器上で行うことは困難であった。
しかしながら、異なる容器で試験すると、検体や試薬の分注等のための機構をそれぞれの容器のために備える必要があり、装置が複雑化するという問題があった。また、同じ検体の結果をまとめる際に、各容器の結果を照らし合せる必要があるため、操作が煩雑であり、また判定の過誤を誘発する可能性があった。
特公61−44268号公報 特公63−60854号公報 特公平8−7215号公報 欧州特許第725276号明細書 特開平2−151765号公報
上記問題に鑑み、本発明は、同一容器上で37℃でABO式血液型を含めた赤血球の試験と、抗体検査の両方を行うことができ、タイプ&スクリーニングを極めて簡便に実施することができる、血液型判定キットを提供することを目的とする。また、該キットを用い、簡便に血液型判定が実施できる血液型判定装置を提供することを目的とする。
本発明に従って、抗A赤血球抗体が固相化された第1のウェル、抗B赤血球抗体が固相化された第2のウェル、抗D赤血球抗体が固相化された第3のウェル、A型乾燥赤血球が固相化された第4のウェル、B型乾燥赤血球が固相化された第5のウェル、並びに、1種以上のO型乾燥赤血球が固相化された第6のウェルを具備する血液型判定キットが提供される。
一つの実施形態において、前記第6のウェルは、複数種類のO型乾燥赤血球が、種類毎に異なるウェルに固相化された二以上のウェルからなることが好ましい。他の実施形態において、前記第6のウェルは、一つのウェルに複数種類のO型乾燥赤血球が固相化されたことが好ましい。
一つの態様において、上記第1〜第6のウェルは、同一の支持体上にあることが好ましい。
本発明の他の側面に従って、上記何れかの血液型判定キットを用いる血液型判定装置であって、検体及び試薬の分注手段、温度制御手段、溶液吸引手段、沈降パターン形成手段、血液型判定キット輸送手段、撮像手段、及び画像解析手段を具備することを特徴とする血液型判定装置が提供される。前記沈降パターン形成手段は、永久磁石及び電磁石から選択される磁石であることが好ましい。また、前記撮像手段は、ウェル中に形成された沈降パターンの画像を取得する手段であることが好ましい。前記画像解析手段は、前記撮像手段によって取得された画像を解析し、試験が陽性か陰性かを判定する手段であることが好ましい。
本発明に拠れば、同一容器上でABO式血液型の試験と抗体検査の両方を行うことができる血液型判定キットが提供される。このキットを用いることにより、タイプ&スクリーニングを極めて簡便に短時間で実施することができる。また、本発明のキットは試験工程に遠心分離操作が不要であるため、血液型判定装置の自動化が可能である。よって、本発明に拠れば、該キットを用い、簡便に血液型判定が実施できる自動の血液型判定装置が提供される。
本願発明によれば、タイプ&スクリーニングに用いるための血液型判定キットが提供される。該キットは、赤血球の血液型(ABO式血液型及びRh式血液型)の試験のためのウェル、ABO式血液型の抗体試験のためのウェル、並びに、他式の血液型の抗体検査のためのウェルを備えた支持体から成る。ここで抗体検査とは、検体血液中に存在する抗体を検出することであり、抗体スクリーニングとも称される。
該支持体は、細胞が付着するのに適した材質からなることが好ましく、例えばポリスチレンなどの材質からなるプレートを用いることができる。支持体の形状は適宜選択することができ、例えばウェルが一列に配置された長方形形状であってよい。ウェルの配置の順番は適宜決定してよい。
ウェルの形状は、U底、V底形状などを用いることができるが、これらに限定されない。好ましくは、U底形状が用いられる。
図1に、本発明のキットの概要図を示す。本発明のキットに備えられるウェルは、抗A赤血球抗体が固相化された第1のウェル、抗B赤血球抗体が固相化された第2のウェル、抗D型赤血球抗体が固相化された第3のウェル、A型乾燥赤血球が固相化された第4のウェル、B型乾燥赤血球が固相化された第5のウェル、並びに、一種以上のO型赤血球が固相化された第6のウェルである。以下、各試験の説明と併せてウェルの説明をする。
まず赤血球の血液型試験について説明する。本試験では、ABO式血液型のいわゆるオモテ試験と、Rh式血液型の試験を実施する。本試験は第1〜3のウェルで行う。この第1〜3のウェルには、抗赤血球抗体を固相化しておく。
本試験で固相化する抗体は、抗A赤血球抗体、抗B赤血球抗体、並びに、抗D型赤血球抗体である。第1のウェルには抗A赤血球抗体が固相化される。第2のウェルには抗B赤血球抗体が固相化される。第3のウェルには抗D赤血球抗体が固相化される。ここで、D型とは、Rh式血液型における血液型である。
試験はまずウェルに検体を投入する。検体は希釈血液であってよい。検体中に存在する赤血球には磁性粒子を結合させる。磁性粒子は、磁性体を封入したゼラチンアラビアゴムコアセルベートが好適に用いられる。ゼラチンアラビアゴムコアセルベートに封入される磁性体は、一個でも良いが複数個であってもよい。このゼラチンアラビアゴムコアセルベートからなる磁性粒子は赤血球標識用の磁性粒子として都合よく用いることができる。ゼラチンアラビアゴムコアセルベートは、既知の方法によって製造し、所望の数の磁性粒子を含有するように製造することができる。
この磁性粒子に、赤血球結合物質を結合し、該赤血球結合物質と赤血球を反応させることにより、磁性粒子と赤血球の結合を可能にする。ここで赤血球結合物質とは、赤血球と抗原抗体反応をし、赤血球を凝集させるリガンドであることが好ましい。結合方法は任意の既知の方法を用いればよい。
磁性粒子と検体赤血球とは、ウェルに投入する前に予め混合して結合させておいてもよく、或いは別々にウェルに投入し、ウェル中で結合させてもよい。磁性粒子と結合した赤血球を、磁性標識赤血球と称することとする。
投入から数分後、好ましくは約15分後、ウェルの外側から磁石を作用させて、磁性標識赤血球の沈降を促進する。次いで、数分後、好ましくは約3分後に、沈降パターンを判定する。検体が陽性の場合は、赤血球は固相化された抗体と結合し、ウェルの内面に捕捉される。陰性の場合は、赤血球は固相化された抗体と反応せず、ウェル底面に沈殿する。
判定は画像解析によって行う。画像解析では、沈降パターンの画像を取得し、得られた画像を解析し、予め定められた設定値に基づいて陽性か陰性かを判定する。
次に、ABO式血液型抗体試験について説明する。本試験では、ABO式血液型のいわゆるウラ試験を実施する。本試験は第4及び5のウェルで行う。第4のウェルには乾燥A型赤血球を固相化し、第5のウェルには乾燥B型赤血球を固相化しておく。
乾燥赤血球とは、固相化した上で適切な処理を施した赤血球を指す。乾燥赤血球の作成は、まず、商業的に入手可能な赤血球をウェルに固相化し、低濃度の界面活性剤で処理することにより組織又は細胞等の内容物を穏やかに排出させる。次いで、乾燥操作を施すことによって、所望の乾燥赤血球とする。詳細には、本出願人による特開2000−321269号公報を参照されたい。
試験はまずウェルに検体を投入し、約10〜15分間の間インキュベートする。検体は希釈血液であってよい。検体中に存在する抗A/B抗体は、インキュベートの間に、固相化された赤血球に結合する。その後、ウェル中の溶液を除去して洗浄することにより、赤血球と結合していないヒトグロブリンを除去する。次いで、抗IgG抗体又は抗IgG+抗IgM抗体を結合した磁性粒子を投入する。ここで、抗IgG抗体或いは抗IgG+IgM抗体が結合した磁性粒子を、抗グロブリン抗体感作磁性粒子と称することとする。
抗グロブリン抗体感作磁性粒子を投入した後、直ちにウェルの外側から磁石を作用させて、抗グロブリン抗体感作磁性粒子の沈降を促進する。次いで、数分後、好ましくは約3分後に、沈降パターンを判定する。検体が陽性の場合、即ち、A型赤血球を固相化した第4のウェルにおいては検体中に抗A抗体が存在した場合、抗A抗体は、固相化されたA型赤血球と結合し、ウェルの内面に捕捉される。このウェル内面に捕捉された抗体に、抗グロブリン抗体感作磁性粒子が結合することによって、磁性粒子がウェル壁面に捕捉され、これによって陽性の沈降パターンが形成される。陰性の場合は、抗A抗体は固相化された赤血球と反応しない。従って、抗グロブリン抗体感作磁性粒子もウェル内面に捕捉されず、ウェル底面に沈殿し、陰性の沈降パターンを形成する。陽性か陰性かの判定は、上記赤血球の血液型試験と同様に画像解析によって行う。
次に、抗体検査について説明する。本試験では、ABO式血液型以外の血液型の抗体の存在を検査する。これらの抗体検査は不規則性抗体検査であり、具体的には、D、Fyb、Jka、S、Lea抗体などの種類がある。本試験は第6以降のウェルで行う。第6以降のウェルには乾燥O型赤血球を固相化しておく。ABO式血液型以外にも多数の方式の血液型があるため、O型赤血球にも複数の種類が存在する。よって、他の方式の血液型の型が相違するように、少なくとも2種以上の(二人以上の)O型赤血球を用いる。試験に用いるO型赤血球の種類数については、必要に応じて任意の数を適宜選択してよい。O型赤血球は、種類毎に別々のウェルに固相化されてもよく、或いは、2種類以上のO型赤血球を1つのウェルに混合して固相化してもよい。しかし、あまり多数の種類を一つのウェルに固相化すると、抗体の検出効率が低下する。従って、一つのウェルには多くとも2〜3種以下で固相化するのが好ましい。O型赤血球の乾燥・固相化の方法は、上記ABO式血液型試験についての記述と同様に行う。
試験はまずウェルに検体を投入し、約10〜15分間の間インキュベートする。検体は希釈血液であってよい。検体中に存在する不規則性抗体は、インキュベートの間に、固相化された赤血球に結合する。その後、ウェル中の溶液を除去して洗浄することにより、赤血球と結合していないヒトグロブリンを除去する。次いで、抗IgG抗体又は抗IgM抗体を結合した磁性粒子を投入する。ここで、抗IgG抗体或いは抗IgG+IgM抗体が結合した磁性粒子を、抗グロブリン抗体感作磁性粒子と称することとする。
抗グロブリン抗体感作磁性粒子を投入した後、直ちにウェルの外側から磁石を作用させて、抗グロブリン抗体感作磁性粒子の沈降を促進する。次いで、数分後、好ましくは約3分後に、沈降パターンを判定する。陽性の場合、即ち、検体中に抗体が存在した場合は、該抗体は、固相化されたO型赤血球と結合し、ウェルの内面に捕捉される。このウェル内面に捕捉された抗体に、抗グロブリン抗体感作磁性粒子が結合することによって、磁性粒子がウェル壁面に捕捉され、これによって陽性の沈降パターンが形成される。陰性の場合、即ち、固相化されたO型赤血球に対する抗体が検体中に存在しない場合は、抗IgG抗体感作磁性粒子はウェル底面に沈殿し、陰性の沈降パターンを形成する。判定は、上記赤血球の血液型試験と同様に画像解析によって行う。
一つの実施態様において、本願の血液型判定キットの第6のウェルは、第1の種類のO型乾燥赤血球が固相化されたウェル、及び第2の種類のO型乾燥赤血球が固相化されたウェルからなる。他の実施態様において、本願の血液型判定キットの第6のウェルは、任意の種類数のO型赤血球を試験するために、1種のO型赤血球が一つのウェルに固相化された複数のウェルからなる。さらに他の実施態様において、本願の血液型判定キットの第6のウェルは、二以上の種類のO型赤血球が混在して固相化されたウェルからなる。なお、図1は第6のウェルが三つのウェルからなる場合の例である。
上記したように、ABO式血液型ウラ試験では、乾燥赤血球と抗A/B抗体を反応させる。この抗A/B抗体は主にIgM抗体であり、反応の際に温度の影響を強く受けるため、室温以下で反応を行うことが好ましいとされている(AABB technical Manual 15th ed, chapter 19, p443)。よって従来ABO式血液型ウラ試験は低温で行われていた。
一方、抗体検査の検出対象であるIgG抗体の検査は、37℃で行うことが好ましいとされている。このように、ウラ試験と抗体検査は適切な反応温度が異なるために、従来はこれらの試験を同一の支持体上で行うことができなかった。しかしながら本願は、IgM抗体と赤血球との結合反応が、常温よりも37℃においてより高い反応性を有するという新規の発見に基づくものである。この発見に基づいて、ABO式血液型ウラ試験を37℃で実施可能とすることにより、本願発明のように、3種の試験を同じ支持体上で行うことが可能となった。
またさらに、一般に広く実施されている凝集の有無による判定では、抗体の非存在により凝集が生じないのか、或いは抗体が存在するにもかかわらず凝集するには不十分であるのか、或いは抗体が存在しないにもかかわらず凝集が生じているのかが不明確であるという問題があった。しかしながら本願の血液型判定キットは、抗体又は赤血球を固相化し、これと検体との結合によるパターンを判定することを特徴とするものであり、凝集の有無によらずに判定できるため、信頼性が高いという利点がある。
また、本願の血液型判定キットでは、赤血球の凝集によっては判定しないため、生の赤血球を用いる必要がなく、乾燥赤血球を用いることが可能である。乾燥赤血球を用いることにより、キットの長期保存が可能であるという利点がある。
またさらに、本発明の他の側面において、血液型判定用試験キットが提供される。該試験キットは、上記血液型判定キットに加えて、バッファー、磁性標識赤血球及び抗グロブリン抗体感作磁性粒子或いはそれらを調製するための磁性粒子、検体希釈液などを任意に具備する。
本発明の他の側面において、本発明のキットを用いた血液型判定装置が提供される。該血液型判定装置は、検体及び試薬の分注手段、温度制御手段、溶液吸引手段、沈降パターン形成手段、血液型判定キット輸送手段、撮像手段、及び画像解析手段を具備する。ここで、前記沈降パターン形成手段は、永久磁石及び電磁石から選択される磁石である。また、前記撮像手段は、ウェル中に形成された沈降パターンの画像を取得する手段である。画像の取得には、任意の画像撮像器、例えばCCDIカメラなどを用いてよい。取得された画像は、画像解析手段によって解析され、試験が陽性か陰性かが判定される。
血液型判定装置を用いた試験工程の一実施例を図2に示した。例えば血液型判定装置は、キットを輸送する機構を有し、工程毎にキットを移動させて操作を行うことができる。例えば沈降パターンを形成する際には、設置された磁石の上にキットを移動させてもよい。
図3に、本発明の実施の形態に係る血液型判定装置の構成を示すブロック図を示す。血液型判定装置1は、操作部2、キット輸送機構3、制御機構4及び解析機構5を備える。操作部2には、分注操作機構6、温度制御機構7、吸引機構8、パターン形成機構9、画像取得機構10が含まれる。
キット輸送機構3により、操作部2に含まれる各機構にキットが移送され、各操作が実施される。分注操作機構6では、検体溶液や試薬溶液など種々の溶液の注入を行う。吸引機構8は洗浄等の操作のためにウェル中の溶液を吸引する。パターン形成機構9は、永久磁石及び電磁石から選択される磁石を用いて、ウェル内の磁性粒子の沈降を促進し、沈降パターンを形成するためのものである。パターン形成機構9は、磁石を設置したものでもよく、或いは磁石を適宜移動させる手段を備えてもよい。画像取得機構10により取得された画像は、解析機構5により解析され、判定が任意の手段で出力される。判定には、例えばOLYMPUS PK7200又は7300で使用されるような分析アルゴリズムが好適に用いられる。このような本発明に従った血液型判定装置は全自動化が可能であり、極めて簡便に血液型判定を行うことができる。
以上に詳細に述べたように、本願発明によれば、一つの支持体上でタイプ&スクリーニングが可能である。検査に磁性粒子を使用するため、遠心分離操作が不要であり、装置の自動化が容易である。また、磁性粒子の使用によって、自然沈降よりも短時間で沈降結果を判定することが可能であり、各試験の結果を順次出力することができ、緊急の場合でも短時間で試験結果が判明するという利点を有する。
また、生の赤血球を使用しないので、有効期限が長いキットを提供することができる。
(実施例1)37℃でのABO式血液型ウラ試験
以下に、IgM抗体が常温よりも37℃においてより高い反応性を有することを証明するための試験を記載する。この試験では、ABO式血液型ウラ試験を行い、温度が検出感度に及ぼす影響を調査した。
特開2001−330614号公報に記載された方法に従って、抗体を固相化し、A1型乾燥赤血球、B型乾燥赤血球(Ortho社アファーマジェン)がそれぞれ固相化されたマイクロプレート上のウェルを用意した。各ウェルに、AB型血清で希釈したA型ドナー血清、B型ドナー血清をそれぞれ、検体希釈液75μLと共に25μL分注し、37℃で20分間、又は室温(23℃)で20分間反応させた後、洗浄し、抗ヒトIgM抗体感作磁性粒子でパターン形成した。その結果を図4及び表1に示す。
Figure 2009030997
37℃と室温での反応において、検出感度の差はほとんど認められず、むしろ37℃での反応の方が、わずかに検出感度が高かった。これにより、血液型ウラ試験が37℃で可能であることが示された。
(実施例2)ABO式血液型オモテ試験、ウラ試験、及び抗体試験の各試験
次に、3人のドナー検体を用い、ABO式血液型オモテ試験、ウラ試験、及び抗体試験をすべて37℃で行った。
図5(A)は、本発明の血液型判定キットである。96穴プレート (Nalgenunc社:イムノプレート(マキシソープ表面処理))のウェル1には、抗A赤血球抗体、ウェル2には抗B赤血球抗体、ウェル3には抗D赤血球抗体、ウェル4にはA型乾燥赤血球、ウェル5にはB型乾燥赤血球、ウェル6及び7にはO型乾燥赤血球をそれぞれ固相化してある。ABO式血液型オモテ試験は血液、ABO式血液型ウラ試験と抗体試験は血清を検体として用いた。
(ABO型オモテ試験)
ウェル1,2,3ではABO型オモテ試験を行った。この試験ではチョウセンアサガオレクチン(DSA)感作磁性粒子(以下DSA粒子と称する)を用いた。検体をPBSで0.9%に希釈したものを各ウェルに25μl分注し、さらに、DSA粒子を1%にPBSで希釈したものを25μl分注した。よく撹拌し15分インキュベートした後、磁石上で3分間パターン形成を行い結果を判定した。
(ABO型ウラ試験)
ウェル4、5ではABO型ウラ試験を行った。検体希釈液75μl/well、及び、検体25μl/wellを各ウェルに穏やかに分注し、撹拌した。その後15分間インキュベートした後、1.3% NaCl洗浄液を用いてプレートウォッシャー(バイオテック:AMW24)で5回洗浄した。次いで、特開2004-157040、特開2005-61954に記載の方法で作成した抗IgG+抗IgM抗体感作磁性粒子25μlを分注し、3分間磁石上でパターン形成を行い結果を判定した。
(不規則性抗体試験)
ウェル6、7は不規則性抗体試験を行った。実験方法はウラ試験と同様である。検体希釈液75μl/well、及び、検体25μl/wellを各ウェルに穏やかに分注し、撹拌した。その後15分間インキュベートした後、1.3% NaCl洗浄液を用いてプレートウォッシャー(バイオテック:AMW24)で5回洗浄した。次いで、特開2004-157040、特開2005-61954に記載の方法で作成した抗IgG+抗IgM抗体感作磁性粒子25μlを分注し、3分間磁石上でパターン形成を行い結果を判定した。
(結果)
図5(A)の各ウェルでは、「A型RH+不規則性抗体なし」の検体を使用すると図5(B)に配列で示す様な反応が現われ、「O型RH+不規則性抗体なし」の検体を使用すると図5(C)に配列で示す様な反応が現われ、「O型RH+不規則性抗体あり」の検体を使用すると図5(D)の様な反応が現われる。
ウェル全体に沈降しているパターンは陽性反応であり、ウェルの中心にのみ沈降しているパターンは陰性反応である。(B)(C)(D)のドナー検体の全てについて、正しい試験結果を得ることが出来る。
本発明のキットの概要図を示す。 血液型判定装置を用いた試験工程の一実施例を示す。 本発明の実施の形態に係る血液型判定装置の構成を示すブロック図を示す。 ABO式血液型ウラ試験に及ぼす温度の影響を試験した結果を示す。 各試験結果とキットの対応を示す図。
符号の説明
1…血液型判定装置、2…操作部。

Claims (8)

  1. 抗A赤血球抗体が固相化された第1のウェル、抗B赤血球抗体が固相化された第2のウェル、抗D赤血球抗体が固相化された第3のウェル、A型乾燥赤血球が固相化された第4のウェル、B型乾燥赤血球が固相化された第5のウェル、並びに、一種以上のO型乾燥赤血球が固相化された第6のウェルを具備する、血液型判定キット。
  2. 前記第6のウェルが、複数種類のO型乾燥赤血球が、種類毎に異なるウェルに固相化された二以上のウェルからなることを特徴とする、請求項1に記載の血液型判定キット。
  3. 前記第6のウェルが、一つのウェルに複数種類のO型乾燥赤血球が固相化されたことを特徴とする、請求項1〜2の何れか一項に記載の血液型判定キット。
  4. 前記第1〜第6のウェルが、同一の支持体上にあることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の血液型判定キット。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の血液型判定キットを用いる血液型判定装置であって、検体及び試薬の分注手段、温度制御手段、溶液吸引手段、沈降パターン形成手段、血液型判定キット輸送手段、撮像手段、及び画像解析手段を具備することを特徴とする血液型判定装置。
  6. 前記沈降パターン形成手段が、永久磁石及び電磁石から選択される磁石である、請求項5に記載の血液型判定装置。
  7. 前記撮像手段が、ウェル中に形成された沈降パターンの画像を取得する手段である、請求項5又は6に記載の血液型判定装置。
  8. 前記画像解析手段が、前記撮像手段によって取得された画像を解析し、試験が陽性か陰性かを判定する手段である、請求項5〜7の何れか一項に記載の血液型判定装置。
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