JP2009085703A - 高感度免疫測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】TSH(甲状腺刺激ホルモン)の定量を実施するにあたり、抗原抗体反応による免疫凝集反応を応用した高感度な免疫診断試薬を提供すること。
【解決手段】抗TSH(甲状腺刺激ホルモン)抗体を結合させた担体にTSHを接触させることによって生成する凝集を測定することを含むTSHの測定方法において、TSHの異なるエピトープを認識する複数種の抗TSH抗体を独立に個々の単体へ担持させ、各TSH抗体を担持させた担体をTSHを含む検体に対して時間差をつけて接触させることを特徴とするTSHの測定方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗原及び抗体等の免疫素材とラテックス等の担体とを使用した凝集反応を行うことによって抗原を測定する免疫測定方法に関する。より詳細には、本発明は、抗TSH(甲状腺刺激ホルモン)抗体を独立に個々の担体へ担持させ、検体に対して時間差をつけて反応させることを特徴とする高感度な免疫測定方法に関する。
これまで、臨床診断における疾病の特定には、血液(全血、血漿、血清)や尿などの体液成分を採取して検体とし、その検体中の特定成分の濃度を定量して、その特定成分濃度を指標とする方法が採用されてきた。このような臨床検査の様態において、検体中の測定対象成分が抗原であるかまたは抗体である場合、抗体が抗原を厳密に識別して結合する性質を利用して該成分の定量を行う方法として、免疫診断試薬が用いられてきた。
そのような免疫診断試薬の測定対象の代表例がホルモンである。ホルモンは、生体内において、血中に微量に存在し、種々の生理作用を司る物質である。中でも、甲状腺ホルモンであるサイロキシン(T4)及び甲状腺刺激ホルモンは、甲状腺機能を判定・把握するために、しばしば臨床現場において測定が行われる。正常な状態においては、甲状腺刺激ホルモン(TSH)によって甲状腺が刺激され、サイロキシン(T4)が分泌される。ところが、橋本病のような甲状腺機能が低下している場合、TSHが分泌されているにも関わらず、T4が分泌されないという事態が発生する。従って、T4とともにTSHの血中濃度を測定することが、甲状腺機能の異常が疑われる場合に必要となってくる。
ところが、TSHやT4に代表されるホルモンは、血中に微量にしか存在しないため、高感度に定量可能な試薬及び装置が必要である。さらに、TSHとT4をPOCT分野において測定可能とするためには、高感度であるとともに安価・簡便でなければならない。
抗原抗体反応を用いた免疫診断試薬において、標識反応を使用しない方法、即ち非標識法として、沈降反応を利用した免疫拡散法や免疫比濁法及び免疫比朧法(ネフェロメトリー)、凝集反応を利用した血球凝集法やラテックス法などがあり、標識反応を使用した方法としては、その標識する物質の種類や性質に応じて酵素免疫測定法(EIA法)や放射免疫測定法(RIA法)の他、蛍光免疫測定法(FIA法)、化学発光免疫測定法(CLIA法)、生物発光免疫測定法(BLIA法)などが、現在使用されている。
例えば、EIA法においては、酵素反応を長時間に渡り行わせて反応産物を蓄積、即ち増幅して酵素からのシグナルを検出するので、非常に高感度な免疫反応試薬を調製することが可能で、これは他の標識法においても当てはまる。しかしその反面、測定対象成分である目的の抗原または抗体に対して結合する抗体または抗原に対して酵素(ペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、アルカリフォスファターゼなど)を標識する必要があるため、試薬の調製が複雑である。また、一般にEIA法を始めとする標識法においては、B/F分離を行わないホモジニアス法とB/F分離を行うヘテロジニアス法があり、特にヘテロジニアス法ではB/F分離を行うために感度、安定性の面で優れるが、逆に迅速性、簡便性の面でホモジニアス法に劣る。
さらにEIA法、RIA法などの標識法は、測定操作が煩雑で、特殊な測定機器や設備、施設などが必要となる。標識法を用いた免疫診断試薬のメーカーは、各社試薬専用に開発した比較的大型の自動分析装置を供給することにより対応しているが、そのことが却って、免疫診断試薬及びシステムのPOCT分野への普及を容易ならざるものにしている。
このように、標識法は感度、安定性の面で有利である反面、迅速性、簡便性の面で問題があり、さらに測定操作が煩雑で特殊な測定機器や設備、施設などが必要であるため、臨床検査技師の常駐する中央検査室の整備された中〜大規模病院においては比較的導入が容易であるが、小規模病院や開業医、クリニック及び動物病院などの小規模医療施設、あるいはPOCT分野においては、未だ障壁が存在するのが実情である。
一方で、ラテックス法に代表される非標識法においては、標識操作が不要であり、さらに紫外〜可視〜近赤外領域のある特定波長における測光により測定対象成分の定量が可能であるため、汎用・小型の分光学的装置のみ準備すればよく、小規模医療施設やPOCTの分野における導入が簡単であることは、容易に推察できる。
但し非標識法は、迅速性、簡便性の面で有利な半面、先述のような標識法における増幅効果が原理的に不可能であるため、感度、安定性の面で問題がある。このことは、観点を変えると、ラテックス法のような非標識法の感度を改善することにより、小規模医療施設やPOCTの分野へ免疫診断試薬及びシステムが容易に導入され得ることを意味する。
特にラテックス法による凝集反応は、試薬製造時の調製方法が比較的簡単であり、またユーザーが使用する際に、ラテックス試薬に検体を添加するだけで測定開始、一定時間における紫外〜可視〜近赤外領域のある特定波長での測定を行えばよく、通常の場合は数分〜数十分後に測定完了と、迅速性、簡便性、汎用性に優れた方法である。
ところが、従来公知のラテックス凝集法における高感度化技術として、例えば特開平5−80051号公報、特開平5−297002号公報、特開平6−58935号公報に開示されているポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、デキストランまたはデキストラン硫酸を始めとする特定の増感剤(凝集促進剤)の添加があるが、これらの増感剤は、測定の感度及び信号を増大するのに効果があるものの、非特異反応も同様に増大させるという問題がある。また、特開昭60−53846号公報、特開平1−118770号公報、特開平2−257063号公報に開示されている、使用するラテックスの粒径を特定範囲に規定する方法、粒径の異なるラテックスを混在させる方法、界面活性剤を添加する方法においては、ラテックス粒径が大きくなると感度は増大するが定量範囲が狭くなり、粒径の異なるラテックスが混在すると個々の粒径の効果が制限され、界面活性剤を添加する場合においては、その感度改善効果が不十分である。
他に、特開2000−206115号公報に開示されている、抗体を還元剤で処理して断片化してラテックスなどの担体に担持させる方法においては、抗体の前処理が必要となり、ラテックス凝集法の利点である試薬調製の簡便性を犠牲にしている。
特開平10−90268号公報には、測定対象成分に対する抗体として、ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体の両方を用いる免疫学的粒子凝集反応が記載されているが、これは高感度化、即ち測定対象成分の低濃度域での応答改善を目的としたものではなく、高濃度域におけるプロゾーン現象を抑制し、検体の希釈機構を持たない装置であっても、広いダイナミックレンジにおいて測定を可能にすることを目的としたものである。
特開平5−80051号公報 特開平5−297002号公報 特開平6−58935号公報 特開昭60−53846号公報 特開平1−118770号公報 特開平2−257063号公報 特開2000−206115号公報 特開平10−90268号公報
本発明は、従来公知の免疫診断試薬の高感度化方法では達成し得なかった、ラテックス凝集法の利点である試薬調整の簡便性を損なうことなく、抗TSH抗体を用いて、測定対象成分であるTSHの凝集反応のみを特異的に増強するための方法を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、TSHを測定する際に、エピトープの異なる複数種の抗TSH抗体を個々の単体に担持させ、検体に対して時間差をつけて反応させることにより、試薬調製の簡便性を維持したまま、測定対象成分であるTSHの凝集反応のみを特異的に増強せしめることに成功し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、抗TSH(甲状腺刺激ホルモン)抗体を結合させた担体にTSHを接触させることによって生成する凝集を測定することを含むTSHの測定方法において、TSHの異なるエピトープを認識する複数種の抗TSH抗体を独立に個々の単体へ担持させ、各TSH抗体を担持させた担体をTSHを含む検体に対して時間差をつけて接触させることを特徴とするTSHの測定方法が提供される。
好ましくは、各TSH抗体を担持させた担体をTSHを含む検体に対して1分から20分の時間差をつけて接触させる。
好ましくは、抗TSH抗体は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である。
本発明によれば、試薬調製の簡便性を維持したまま、測定対象成分の凝集反応のみを特異的に増強せしめたTSH(甲状腺刺激ホルモン)の測定方法が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のTSHの測定方法は、抗TSH(甲状腺刺激ホルモン)抗体を結合させた担体にTSHを接触させることによって生成する凝集を測定することを含むTSHの測定方法であって、TSHの異なるエピトープを認識する複数種の抗TSH抗体を独立に個々の単体へ担持させ、各TSH抗体を担持させた担体をTSHを含む検体に対して時間差をつけて接触させることを特徴とする方法である。なお、本発明で言うTSHの測定とは、TSHの存在の有無の検出、並びにTSHの量の測定(即ち、定量)などを含む、最も広い概念として解釈されるものとする。また、本発明で言う凝集を測定とは、凝集の度合いの測定のみならず、凝集を観察することなども含む広い概念として解釈されるものとする。
本発明において使用され得る抗TSH抗体は、モノクローナル抗体でもポリクローナル抗体のいずれでもよく、測定対象成分であるTSHの異なるエピトープを認識する抗体から複数種選択されていれば、その抗体がモノクローナル抗体であるかポリクローナル抗体であるかは、特に制限されない。
また、抗TSH抗体の動物種を制限するものでもなく、例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ヒトなどに由来するモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体などが使用可能である。さらに、その抗体がキメラ抗体などの場合のように、修飾を加えられたものでもよいし、また市販の抗体でも、動物血清や培養上清から公知の方法により調製した抗体でも使用可能である。
複数種の抗TSH抗体を担持させた担体を、時間差をつけて検体と反応させる際の時間は、同時でなければ特に制限されるものではなく、同時に検体と反応させた場合に比較して、測定対象成分であるTSHの凝集反応のみを特異的に増強させることができる。時間差は、好ましくは1分から20分であり、さらに好ましくは1分から10分である。
本発明で使用される担体は、抗体を担持可能なことと、抗体を担持させた後の担体が、抗原の存在下、抗原抗体反応に伴う凝集反応を生成するものであれば使用可能であり、公知の担体は特に制限されることなく使用することができる。抗体を担持させた担体を調製する際の抗体量及び担体量も特に制限されるものではなく、任意の量にて調製することが可能である。
担体としては、従来公知のポリスチレン粒子を使用することが可能だが、特に材質についても免疫凝集反応の分野において用いられる公知の担体用材質であれば、特に制限されることなく使用できる。そのような材質の例として、ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸塩共重合体、メタクリル酸重合体、アクリル酸重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニルアクリレートなどの合成高分子粉末があり、これらを均一に懸濁させたラテックスが好ましい。また、その他の有機高分子粉末や無機物質粉末、微生物、血球や細胞膜片、プラスチック製マイクロタイタープレートなどが挙げられる。無機物質粉末の例としては、金、チタン、ニッケルなどの金属片やシリカ、アルミナなどが挙げられる。
上記担体の粒径は、担体の材質や測定対象成分を定量する濃度範囲、測定機器及び方法によって異なるが、通常は0.01〜1.0μm、より好ましくは0.05〜0.7μmのものが使用可能である。
抗体を担体に担持させて試薬を調製する際の方法については、例えば、特開2000−206115号公報に記載のような、免疫凝集反応用試薬を調製する公知の方法がいずれも使用可能である。即ち、抗体を担体に担持させる方法として、物理吸着法及び共有結合による化学結合法のいずれでも使用可能で、抗体を担体に担持させた後に抗体が被覆されていない担体表面を覆うブロッキング剤としても、公知の物質、例えば、BSA(ウシ血清アルブミン)やブロックエース、スキムミルク、カゼインなどが使用可能である。これらのブロッキング剤は、必要に応じて熱や酸・アルカリ等により部分変性などの前処理を施すことも可能である。
抗体を担体に担持させて試薬を調製する具体的な方法を、以下に例示する。ラテックス粒子の固形分濃度が0.1〜10%になるよう分散させた液に、0.01〜20mg/mLの濃度に調整した抗体溶液を添加して、混合する。温度4〜50℃の条件下で10min.〜48hr.撹拌を継続する。その後、遠心分離その他の方法により担体と溶液を分離して、溶液に含まれている、担体に結合しなかった抗体を十分に除去する。その後、担体を緩衝液にて洗浄する操作を0〜10回繰り返す。担体と抗体を混合して、担体に抗体を結合させる操作を実施した後に、抗原抗体反応に関与しない成分、好ましくは蛋白質、より好ましくはBSA(ウシ血清アルブミン)、ブロックエース、スキムミルク及びカゼインなどのブロッキング剤を使用して担体表面の抗体が結合していない部分を保護し、測定時の非特異反応を防ぐことが望ましい。
本発明の方法では、TSHの異なるエピトープを認識する複数種の抗TSH抗体を独立に個々の単体へ担持させ、各TSH抗体を担持させた担体をTSHを含む検体に対して時間差をつけて接触させる。即ち、第一の担体には、エピトープの異なる複数種の抗TSH抗体のうちの第一の抗TSH抗体が担持されていて、第二の担体には、エピトープの異なる複数種の抗TSH抗体のうちの第二の抗TSH抗体が担持されている。以下、用いる抗体の種類が3種類以上の場合には、第三の担体に、第三の抗TSH抗体が担持することができる。これらの抗TSH抗体を担持させた担体は、異なる容器に存在させて保存することができる。
測定対象の検体としては、生体成分を含む液体であればよく、例えば、血液(全血、血漿、血清)、胸水、腹水、リンパ液、尿、便、汗、髄液などが使用可能である。また、測定対象となる生体成分としては、抗原抗体反応を行い得る物質であればよく、例えば、免疫グロブリンあるいはそれ以外の蛋白質やペプチド、多糖類及び糖類、脂質、ホルモン及びホルモン様物質、薬物などが挙げられる。
本発明の測定法については、抗体を担持させた担体の分散液と測定対象成分を含む検体とを接触させて反応を開始させ、抗原抗体反応に伴う凝集物の生成を、一定時間における紫外〜可視〜近赤外領域のある特定波長での測定により定量する。通常の場合、数分〜数時間後には測定が完了する。担体の分散液と検体の2液で反応を開始させてもよいし、さらに安定化剤あるいは凝集促進剤を含む溶液を別に調製して、3液で反応させてもよい。これらの安定化剤あるいは凝集促進剤は、担体の分散液や検体中に含有されていてもよく、これらの物質は必要に応じて添加可能である。
安定化剤とは、例えばグッドバッファーなどの緩衝液、ポリエチレングリコールや多糖類などの合成あるいは天然高分子、界面活性剤など、反応時の各試薬及び成分、あるいは反応の進行自体を安定化するものであれば特に制限されない。これらの物質が安定化剤としてのみではなく、凝集反応の促進物質として作用する場合も同様である。反応時の各試薬及び成分とは、例えば、担体に結合させた抗体や測定対象成分のことであり、例えば、特開平8−187095に記載されているように、抗体や酵素などの蛋白質を安定化するために糖類を添加することは公知の事実である。従って、試薬中の抗体の安定性を維持するために糖類、アミノ酸などの安定化剤を共存させることは容易に推察可能である。また、測定対象物質が蛋白質等のような不安定な物質の場合にも、その測定対象物質を測定の間、安定に保つことを目的として、同様に安定化剤を共存させることができる。
凝集促進剤の例として、例えば、ポリエチレングリコール、ポリグリコシルメタクリレート、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、プルラン等の合成あるいは天然高分子が挙げられる。同様の作用を有す界面活性剤の例としては、例えば、特開平5−297002に記載のポリエチレングリコール脂肪酸モノエステル誘導体が挙げられる。疎水基部分を構成する脂肪酸の飽和、不飽和の別は無関係であり、具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。
使用することのできる緩衝液は、通常の抗原抗体反応が行われるpH条件下で緩衝能を有していればよく、そのようなpH条件として5〜11、より好ましくは、6〜10が用いられる。このpH条件下で緩衝能を有す緩衝液の例として、例えば、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、MES緩衝液、HEPES緩衝液、グリシン緩衝液、クエン酸緩衝液など、グッドバッファーを含む、通常の生化学実験において使用され得る緩衝液であれば、いずれも使用可能である。また、抗体を担持させた担体の分散液や測定対象成分を含む検体など、凝集反応に関与する液体については、必要に応じて界面活性剤、合成あるいは天然高分子、有機及び無機試薬などを添加することができる。例えば、界面活性剤については、ノニオン系、アニオン系、カチオン系等、免疫凝集反応に公知のものが使用可能で、それは他の試薬についても同様である。
抗原抗体反応に伴う凝集反応を行わせる際、凝集の度合いを測定する方法としては、目視やビデオ等による撮影の他に分光学的に行う方法などがある。分光学的な測定については、抗体を担持させた担体の分散液と測定対象成分を含む検体とを接触させた反応液を公知の方法によって行えばよく、例えば担体の粒径、濃度、反応時間の経過に伴う散乱光強度や吸光度または透過光の変化(増加や減少)を測定する。
以下に、本発明の例として、ラテックス凝集反応試薬の一形態を示すが、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。
<実施例1>甲状腺刺激ホルモン(TSH)の検出
(1)抗体結合ラテックスの調製
市販の抗モノクローナルTSH抗体(Medix社)を7クローン購入した。この7クローンは、TSHのβ−サブユニットに3箇所存在するエピトープのうちのどれかを認識する。因みに、モノクローナル抗体の一般的な作製法は、例えば「免疫実験法ハンドブック」(中島泉編、名古屋大学出版会)に記載されている。ポリスチレン製のラテックス粒子(JSR社製、粒径0.5μm)を固形分濃度3%になるようグリシンバッファー(pH9.6)にて希釈し、同様にして濃度約1mg/mLになるよう調製した抗TSH抗体7クローン分を、各々そのラテックス分散液に等量になるよう添加して撹拌し、室温で1時間反応させた。11,000rpmで15分間遠心分離した後に上清を除去、沈殿にブロッキング剤として0.2%のBSAのグリシンバッファー溶液(pH9.6、0.001%のTritonX−100を含む)を、ラテックス固形分濃度1.5%になるよう添加した。室温で1時間撹拌後、11,000rpmで15分間遠心分離して上清を除去した。沈殿にグリシンバッファー(pH9.6)を添加して再分散した後、再度11,000rpmで15分間遠心分離して上清を除去した。その沈殿に、最終的にラテックス固形分濃度が3.0%になるよう、グリシンバッファー(pH9.6)を添加して再分散し、抗TSH抗体結合ラテックス試薬とした。クローン番号の異なる7種の抗TSH抗体は、表1に示したように、TSHのβ−サブユニットに3箇所存在するエピトープのうちのいずれかを認識する。即ち、クローン番号5401、5404、5408は、同じエピトープ(A)を認識することを示す。
Figure 2009085703
(2)TSHの検出
TSH濃度がそれぞれ1、5μg/dLになるよう、TSH標準液をバッファーにて希釈して、TSH溶液(検体)とした。日立製分光光度計を使用して、表1に示した抗TSH抗体を結合させたラテックスと検体を37℃で反応させ、一定時間における吸光度変化を測定した。まず反応セルに、所定の濃度になるよう希釈したTSH溶液を400μL添加し、37℃で予備加温を5分間行った。その後、反応液中のラテックス固形分量が最終的に0.015%となるように予め希釈した抗TSH抗体結合ラテックス試薬を600μL添加して、反応を開始し、40分間経過後に反応を停止した。その間、一定間隔毎に波長800nmにおける吸光度を測定し、その変化から一定濃度のTSH(1、5μg/dL)に対する応答をみた。その際の測定結果(凝集反応のタイムコース)を図1に示す。抗TSH抗体結合ラテックスを添加して反応を開始する際、各々異なるエピトープA、B、Cを認識するクローンの抗体を結合させたラテックスから1種類ずつ合計3種類を選択し、i)3種類のラテックスを同時に添加して反応を開始した場合と、ii)1種類目を添加して5分間待って2種類目を添加、同様に5分間待って最終的に3種類目を添加して反応を開始した場合とでは、明らかにii)の時間差をつけて添加した場合のほうがタイムコースの初期立ち上がりが大きく、良好な応答を示した。
実際に、図1のタイムコースより反応初期におけるΔOD/分をTSH濃度(μg/dL
)に対してプロットした結果を図2に示した。TSH濃度1μg/dL(3.6×10-10M)における応答が、同時に添加した場合に比較して、順番に添加した場合は40%近く上昇した。
図1は、エピトープA、B、Cを認識するTSH抗体結合ラテックスのTSH標準液に対する応答を示す。 図2は、TSH濃度に対する反応初期のOD変化の比較を示す。

Claims (3)

  1. 抗TSH(甲状腺刺激ホルモン)抗体を結合させた担体にTSHを接触させることによって生成する凝集を測定することを含むTSHの測定方法において、TSHの異なるエピトープを認識する複数種の抗TSH抗体を独立に個々の単体へ担持させ、各TSH抗体を担持させた担体をTSHを含む検体に対して時間差をつけて接触させることを特徴とするTSHの測定方法。
  2. 各TSH抗体を担持させた担体をTSHを含む検体に対して1分から20分の時間差をつけて接触させることを特徴とする、請求項1に記載のTSHの測定方法。
  3. 抗TSH抗体が、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である、請求項1又は2に記載のTSHの測定方法。
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