JP2009085702A - 免疫反応試薬 - Google Patents

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Abstract

【課題】抗原検出の感度を向上させ、さらに高価な抗体の使用量を低減させた免疫反応試薬及びそれを用いた免疫測定方法を提供すること。
【解決手段】抗原と反応させて生ずる凝集度から抗原濃度を測定する免疫凝集反応において使用するための、担体粒子に抗体を結合させた免疫反応試薬において、担体粒子の表面積当たり50ng/cm2以上150ng/cm2以下の抗体が担体粒子の表面に結合していることを特徴とする免疫反応試薬。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗原抗体反応を用いて生体物質を定量する免疫測定試薬において、免疫凝集反応を応用して、抗原及び抗体等の免疫素材とラテックス等の担体とを使用した凝集反応を行う場合に、ラテックス等の担体に抗体量を少なく感作することによって得られる、より高感度な免疫反応試薬及び免疫測定方法に関する。
これまで、臨床診断における疾病の特定には、血液(全血、血漿、血清)や尿などの体液成分を採取して検体とし、その検体中の特定成分の濃度を定量して、その特定成分濃度を指標とする方法が採用されてきた。このような臨床検査の様態において、検体中の測定対象成分が抗原であるかまたは抗体である場合、抗体が抗原を厳密に識別して結合する性質を利用して該成分の定量を行う方法として、免疫診断試薬が用いられてきた。
抗原抗体反応を用いた免疫診断試薬において、標識反応を使用しない方法、即ち非標識法として、沈降反応を利用した免疫拡散法や免疫比濁法及び免疫比朧法(ネフェロメトリー)、凝集反応を利用した血球凝集法やラテックス法などがあり、標識反応を使用した方法としては、その標識する物質の種類や性質に応じて酵素免疫測定法(EIA法)や放射免疫測定法(RIA法)の他、蛍光免疫測定法(FIA法)、化学発光免疫測定法(CLIA法)、生物発光免疫測定法(BLIA法)などが、現在使用されている。
例えば、EIA法においては、酵素反応を長時間に渡り行わせて反応産物を蓄積、即ち増幅して酵素からのシグナルを検出するので、非常に高感度な免疫反応試薬を調製することが可能で、これは他の標識法においても当てはまる。しかしその反面、測定対象成分である目的の抗原または抗体に対して結合する抗体または抗原に対して酵素(ペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、アルカリフォスファターゼなど)を標識する必要があるため、試薬の調製が複雑である。また、一般にEIA法を始めとする標識法においては、B/F分離を行わないホモジニアス法とB/F分離を行うヘテロジニアス法があり、特にヘテロジニアス法ではB/F分離を行うために感度、安定性の面で優れるが、逆に迅速性、簡便性の面でホモジニアス法に劣る。
さらにEIA法、RIA法などの標識法は、測定操作が煩雑で、特殊な測定機器や設備、施設などが必要となる。標識法を用いた免疫診断試薬のメーカーは、各社試薬専用に開発した比較的大型の自動分析装置を供給することにより対応しているが、そのことが却って、免疫診断試薬及びシステムのPOCT分野への普及を容易ならざるものにしている。
このように、標識法は感度、安定性の面で有利である反面、迅速性、簡便性の面で問題があり、さらに測定操作が煩雑で特殊な測定機器や設備、施設などが必要であるため、臨床検査技師の常駐する中央検査室の整備された中〜大規模病院においては比較的導入が容易であるが、小規模病院や開業医、クリニック及び動物病院などの小規模医療施設、あるいはPOCT分野においては、未だ障壁が存在するのが実情である。
一方で、ラテックス法に代表される非標識法においては、標識操作が不要であり、さらに紫外〜可視〜近赤外領域のある特定波長における測光により測定対象成分の定量が可能であるため、汎用・小型の分光学的装置のみ準備すればよく、小規模医療施設やPOCTの分野における導入が簡単であることは、容易に推察できる。
但し非標識法は、迅速性、簡便性の面で有利な半面、先述のような標識法における増幅効果が原理的に不可能であるため、感度、安定性の面で問題がある。このことは、観点を変えると、ラテックス法のような非標識法の感度を改善することにより、小規模医療施設やPOCTの分野へ免疫診断試薬及びシステムが容易に導入され得ることを意味する。
特にラテックス法による凝集反応は、試薬製造時の調製方法が比較的簡単であり、またユーザーが使用する際に、ラテックス試薬に検体を添加するだけで測定開始、一定時間における紫外〜可視〜近赤外領域のある特定波長での測定を行えばよく、通常の場合は数分〜数十分後に測定完了と、迅速性、簡便性、汎用性に優れた方法である。
ラテックス凝集法の試薬は、生化学汎用機にも、POCT機器にも搭載することが可能であり、高感度化により、従来検出できなかった新たな抗原を簡便に検出することが可能になる。あるいは、同じ抗原でも、例えば、炎症反応のマーカーとして、CRPでは0.1mg/dl程度が検出できれば良かったが、高感度CRPとして心筋梗塞等のマーカーとしては1μg/dl程度の感度が必要とされている。すなわち、簡便なラテックス試薬が高感度になればなるほど、新しい抗原の検出が可能になり、あるいは同じ抗原でも高感度の検出が可能になれば、新たな病態を示すマーカーとして、利用される可能性が増大する。また、検体の検出感度が高くなれば、検体の量を減ずることが可能となり、従来測定できなかった小児の検体、動物の検体を測定することが容易になる。また、試薬の検出感度が高ければ、従来に比べて大幅に試薬の量を減ずることも可能になり、環境、経済両面に大きな寄与がある。
ところが、従来公知のラテックス凝集法における高感度化技術として、例えば特開平5−80051、特開平5−297002、特開平6−58935に開示されているポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、デキストランまたはデキストラン硫酸を始めとする特定の増感剤(凝集促進剤)の添加があるが、これらの増感剤は、測定の感度及び信号を増大するのに効果があるものの、非特異反応も同様に増大させるという問題がある。また、特開昭60−53846、特開平1−118770、特開平2−257063に開示されている、使用するラテックスの粒径を特定範囲に規定する方法、粒径の異なるラテックスを混在させる方法、界面活性剤を添加する方法においては、ラテックス粒径が大きくなると感度は増大するが定量範囲が狭くなり、粒径の異なるラテックスが混在すると個々の粒径の効果が制限され、界面活性剤を添加する場合においては、その感度改善効果が不十分である。
他に、特開2000−206115に開示されている、抗体を還元剤で処理して断片化してラテックスなどの担体に担持させる方法においては、抗体の前処理が必要となり、ラテックス凝集法の利点である試薬調製の簡便性を犠牲にしている。
特開昭54−5026において、マイクロタイターを使用する方法では、ラテックス粒子の表面積1cm2あたり200ngから800ngの範囲で抗原または抗体を反応させる必要があるとの記載がある。
また、「注目の臨床実験検査法」‘91、大久保昭之編集、中山書店、ページ207〜217「比濁法による臨床化学微量分析」では、ラテックス免疫凝集法において、好適反応条件の得られるIgG結合量はラテックス当たり一定であり、約220ng/cm2であった。との記載がある。しかしながら、これらの抗体量では高感度域の感度が不足し、高価な抗体の使用量が多いという問題点があった。
「注目の臨床実験検査法」‘91、大久保昭之編集、中山書店、ページ207〜217「比濁法による臨床化学微量分析」 特開平5−80051号公報 特開平5−297002号公報 特開平6−58935号公報 特開昭60−53846号公報 特開平1−118770号公報 特開平2−257063号公報 特開2000−206115号公報 特開昭54−5026号公報
本発明は、従来公知の免疫診断試薬高感度化方法では達成し得なかった、ラテックス凝集法の利点である試薬調整の簡便性を損なうことなく、抗原検出の感度を向上させ、さらに高価な抗体の使用量を低減させた免疫反応試薬及びそれを用いた免疫測定方法を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、抗体をラテックスへ担持させる際、ラテックス凝集法に用いるラテックス試薬について、ラテックス結合させる抗体の量を増加させるのではなく逆に少なくすることによって、上記課題を解決した免疫反応試薬を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、抗原と反応させて生ずる凝集度から抗原濃度を測定する免疫凝集反応において使用するための、担体粒子に抗体を結合させた免疫反応試薬において、担体粒子の表面積当たり50ng/cm2以上150ng/cm2以下の抗体が担体粒子の表面に結合していることを特徴とする免疫反応試薬が提供される。
好ましくは、担体粒子は、ラテックス粒子である。
好ましくは、担体粒子に結合させる抗体はモノクローナル抗体である。
好ましくは、担体粒子に結合させる抗体は、CRP(C反応性蛋白)に対する抗体である。
本発明の別の側面によれば、上記した本発明の免疫反応試薬と、抗原を含む試料とを反応させ、凝集度を測定することによって抗原濃度を測定することを含む、免疫測定方法が提供される。
本発明によれば、生体物質の定量を実施する際に、抗原抗体反応による免疫凝集反応を応用した高感度な免疫診断試薬を提供することが可能になった。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の免疫反応試薬は、抗体を表面に結合させた担体粒子からなるものである。本発明では、担体粒子の表面積当たり50ng/cm2以上150ng/cm2以下の抗体が担体粒子の表面に結合している。好ましくは50ng/cm2以上120ng/cm2以下の抗体が担体粒子の表面に結合しており、さらに好ましくは80ng/cm2以上95ng/cm2以下の抗体が担体粒子の表面に結合している。本発明においては、抗体の結合量を上記の範囲に設定することによって、抗原検出の感度を向上できることが実証された。
本発明において使用される抗体は、モノクローナル抗体でもポリクローナル抗体のいずれでもよく、測定対象成分の異なるエピトープを認識する抗体が複数種含有されていれば、その抗体がモノクローナル抗体であるかポリクローナル抗体であるかは、特に制限されない。
また、抗体の由来する動物種も特に限定されず、例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ヒトなどに由来するモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体などが使用可能である。さらに、その抗体がキメラ抗体などの場合のように、修飾を加えられたものでもよいし、また市販の抗体でも、動物血清や培養上清から公知の方法により調製した抗体でも使用可能である。
本発明で使用される担体は、抗体を担持可能なことと、抗体を担持させた後の担体が、抗原の存在下、抗原抗体反応に伴う凝集反応を生成するものであれば使用可能であり、公知の担体は特に制限されることなく使用することができる。
担体としては、従来公知のポリスチレン粒子を使用することが可能だが、特に材質についても免疫凝集反応の分野において用いられる公知の担体用材質であれば、特に制限されることなく使用できる。そのような材質の例として、ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸塩共重合体、メタクリル酸重合体、アクリル酸重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニルアクリレートなどの合成高分子粉末があり、これらを均一に懸濁させたラテックスが好ましい。また、その他の有機高分子粉末や無機物質粉末、微生物、血球や細胞膜片、プラスチック製マイクロタイタープレートなどが挙げられる。無機物質粉末の例としては、金、チタン、ニッケルなどの金属片やシリカ、アルミナなどが挙げられる。
上記担体の粒径は、担体の材質や測定対象成分を定量する濃度範囲、測定機器及び方法によって異なるが、通常は0.01〜1.0μm、より好ましくは0.05〜0.7μmのものが使用可能である。
抗体を担体に担持させて試薬を調製する際の方法については、例えば、特開2000−206115に記載のような、免疫凝集反応用試薬を調製する公知の方法がいずれも使用可能である。即ち、抗体を担体に担持させる方法として、物理吸着法及び共有結合による化学結合法のいずれでも使用可能で、抗体を担体に担持させた後に抗体が被覆されていない担体表面を覆うブロッキング剤としても、公知の物質、例えば、BSA(ウシ血清アルブミン)やブロックエース、スキムミルク、カゼインなどが使用可能である。これらのブロッキング剤は、必要に応じて熱や酸・アルカリ等により部分変性などの前処理を施すことも可能である。
抗体を担体に担持させて試薬を調製する具体的な方法を、以下に例示する。ラテックス粒子を分散させた液に、抗体溶液を添加して混合する。室温温度条件下で撹拌を行う。その後、遠心分離その他の方法により担体と溶液を分離して、溶液に含まれている、担体に結合しなかった抗体を十分に除去する。その後、担体を緩衝液にて洗浄する操作を数回繰り返す。担体と抗体を混合して、担体に抗体を結合させる操作を実施した後に、抗原抗体反応に関与しない成分、好ましくは蛋白質、より好ましくはBSA(ウシ血清アルブミン)、ブロックエース、スキムミルク及びカゼインなどのブロッキング剤を使用して担体表面の抗体が結合していない部分を保護し、測定時の非特異反応を防ぐことが望ましい。
測定対象の検体としては、生体成分を含む液体であればよく、例えば、血液(全血、血漿、血清)、胸水、腹水、リンパ液、尿、便、汗、髄液などが使用可能である。また、測定対象となる生体成分としては、抗原抗体反応を行い得る物質であればよく、例えば、免疫グロブリンあるいはそれ以外の蛋白質やペプチド、多糖類及び糖類、脂質、ホルモン及びホルモン様物質、薬物などが挙げられる。
本発明の測定法については、抗体を担持させた担体の分散液と測定対象成分を含む検体とを接触させて反応を開始させ、抗原抗体反応に伴う凝集物の生成を、一定時間における紫外〜可視〜近赤外領域のある特定波長での測定により定量する。通常の場合、数分〜数時間後には測定が完了する。担体の分散液と検体の2液で反応を開始させてもよいし、さらに安定化剤あるいは凝集促進剤を含む溶液を別に調製して、3液で反応させてもよい。これらの安定化剤あるいは凝集促進剤は、担体の分散液や検体中に含有されていてもよく、これらの物質は必要に応じて添加可能である。
安定化剤とは、例えばグッドバッファーなどの緩衝液、ポリエチレングリコールや多糖類などの合成あるいは天然高分子、界面活性剤など、反応時の各試薬及び成分、あるいは反応の進行自体を安定化するものであれば特に制限されない。これらの物質が安定化剤としてのみではなく、凝集反応の促進物質として作用する場合も同様である。反応時の各試薬及び成分とは、例えば、担体に結合させた抗体や測定対象成分のことであり、例えば、特開平8−187095に記載されているように、抗体や酵素などの蛋白質を安定化するために糖類を添加することは公知の事実である。従って、試薬中の抗体の安定性を維持するために糖類、アミノ酸などの安定化剤を共存させることは容易に推察可能である。また、測定対象物質が蛋白質等のような不安定な物質の場合にも、その測定対象物質を測定の間、安定に保つことを目的として、同様に安定化剤を共存させることができる。
凝集促進剤の例として、例えば、ポリエチレングリコール、ポリグリコシルメタクリレート、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、プルラン等の合成あるいは天然高分子が挙げられる。同様の作用を有す界面活性剤の例としては、例えば、特開平5−297002に記載のポリエチレングリコール脂肪酸モノエステル誘導体が挙げられる。疎水基部分を構成する脂肪酸の飽和、不飽和の別は無関係であり、具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。
使用することのできる緩衝液は、通常の抗原抗体反応が行われるpH条件下で緩衝能を有していればよく、そのようなpH条件として5〜11、より好ましくは、6〜10が用いられる。このpH条件下で緩衝能を有す緩衝液の例として、例えば、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、MES緩衝液、HEPES緩衝液、グリシン緩衝液、クエン酸緩衝液など、グッドバッファーを含む、通常の生化学実験において使用され得る緩衝液であれば、いずれも使用可能である。また、抗体を担持させた担体の分散液や測定対象成分を含む検体など、凝集反応に関与する液体については、必要に応じて界面活性剤、合成あるいは天然高分子、有機及び無機試薬などを添加することができる。例えば、界面活性剤については、ノニオン系、アニオン系、カチオン系等、免疫凝集反応に公知のものが使用可能で、それは他の試薬についても同様である。
抗原抗体反応に伴う凝集反応を行わせる際、凝集の度合いを測定する方法としては、目視やビデオ等による撮影の他に分光学的に行う方法などがある。分光学的な測定については、抗体を担持させた担体の分散液と測定対象成分を含む検体とを接触させた反応液を公知の方法によって行えばよく、例えば担体の粒径、濃度、反応時間の経過に伴う散乱光強度や吸光度または透過光の変化(増加や減少)を測定する。
以下に、本発明の例として、ラテックス凝集反応試薬の一形態を示すが、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。
<実施例1> CRP(C反応性蛋白)の検出−1
(1)抗体結合ラテックスの調製
マウス由来抗CRPモノクローナル抗体を公知の方法に従い作製した。モノクローナル抗体の作成法は、例えば「免疫実験法ハンドブック」(中島泉編、名古屋大学出版会)に記載されている。具体的には、抗原としてCRPを用いマウスに免疫し、数週間後に脾細胞を取り出し、ポリエチレングリコールを用いて骨髄腫細胞と融合させた。HAT選択培地中で約2週間培養後、抗CRP抗体産生ハイブリドーマクローンからクローニングしてモノクローナル抗体産生クローンを選択し、抗CRP抗体を精製して使用した。ポリスチレン製のラテックス粒子(JSR製、IMMUTEX粒子径0.495μm)を固形分濃度3%になるように、0.24Mグリシンバッファー(0.154M NaCl、0.0134M EDTA含有、pH9.6)で希釈した。同様のバッファーにて、抗体を希釈し濃度約 1、0.5mg/mlの2種類の溶液を調製する。このように調製した抗CRP抗体溶液とラテックス溶液を等量混合し、室温で60分間攪拌した。11、000rpmで15分間、遠心分離した後に上清を除去、沈殿にブロッキング剤として0.2%BSAの0.24Mグリシンバッファー溶液(pH9.6、0.154M NaCl、0.0134M EDTA、0.001%溶液のTritonX-100を含む)を、ラテックス固形分濃度1.5%になるよう添加した。室温で60分間攪拌後、11,000rpmで15分間遠心分離して上清を除去した。
沈殿を0.24Mグリシンバッファー(0.154M NaCl、0.0134M EDTA含有、pH9.6)で一回洗浄した後、最終的にラテックス固形分濃度が3.0%となるよう、0.24Mグリシンバッファー(0.154M NaCl、0.0134M EDTA含有、pH9.6)を添加して再分散し、抗CRP抗体結合ラテックス試薬とした。抗体濃度として2種類使用したため、2種類の抗CRP抗体結合ラテックス試薬を得た。
使用した2種類の抗体溶液について、それぞれ使用した抗体溶液の抗体濃度とラテックスを加えた後の上清の抗体濃度を日立分光測定機にて測定し、抗体濃度の減少分から、ラテックスに結合した抗体量を求めた。また、抗体溶液と混合したラテックス溶液については、ラテックス固形分濃度(W/V%)から、ラテックス重量を求め、ラテックスの直径、比重からラテックスのラテックス溶液に含まれるラテックス球の個数を求め、総表面積を求めた。抗体とラテックスの混合液について、ラテックスに結合した抗体重量をラテックスの総表面積で割って、ラテックスの単位表面積当たりの抗体結合量を求めた。ラテックスの単位表面積当たりの抗体結合量は230、127ng/cm2であった。
(2)CRPの検出
CRP標準液をTrisバッファーにて希釈して、CRP溶液(検体)とした。日立製分光光度計を使用して、調整した抗CRP抗体結合ラテックスと検体を37℃で反応させ、一定時間における吸光度変化を測定した。まず反応セルに、所定の濃度になるよう希釈したCRP溶液を400μL添加し、37℃で予備加温を5分間行った。その後、反応液中のラテックス固形分量が最終的に0.03%となるように予め希釈した抗CRP抗体結合ラテックス試薬を600μL添加して、反応を開始し、40分間経過後に反応を停止した。その間、一定間隔毎に波長800nmにおける吸光度を測定し、その変化から一定濃度のCRP(0.036、0.12μg/dl)に対する応答をみた。その際の測定結果を図1に示す。横軸にラテックス表面当たり抗体結合量をとり、縦軸に反応開始後0.25分と5.3分のOD値の差を1分間あたりの変化量ΔOD/分に換算した値をとった。このΔOD/分が高値であるほど、強い凝集反応が起きていることを示す。2種類のCRP濃度とも、127ng/cm2で230ng/cm2よりも顕著に高い値を示し、感度が高いことを示した。(図1)
<実施例2> CRP(C反応性蛋白)の検出−2
(1)抗体結合ラテックスの調製
マウス由来抗CRPモノクローナル抗体を公知の方法に従い、実施例1と同様に作製した。ポリスチレン製のラテックス粒子(JSR製、IMMUTEX粒子径0.495μm)を固形分濃度3%になるように、0.24Mグリシンバッファー(pH9.6)で希釈した。同様のバッファーにて、抗体を希釈し7種類の抗体濃度の溶液を調製した。このように調製した抗CRP抗体溶液とラテックス溶液を等量混合し、室温で60分間攪拌した。11、000rpmで15分間、遠心分離した後に上清を除去、沈殿にブロッキング剤として0.2%BSAの0.24Mグリシンバッファー溶液(pH9.6、0.001%溶液のTritonX-100を含む)を、ラテックス固形分濃度1.5%になるよう添加した。室温で60時間、攪拌後、11,000rpmで15分間遠心分離して上清を除去した。
沈殿を0.24Mグリシンバッファー(pH9.6)で一回洗浄した後、最終的にラテックス固形分濃度が3.0%となるよう、0.24Mグリシンバッファー(pH9.6)を添加して再分散し、抗CRP抗体結合ラテックス試薬とした。7種類の抗体濃度を使用したため、7種類の抗CRP抗体結合ラテックス試薬を得た。
使用した7種類の抗体溶液についてそれぞれ、抗体濃度とラテックスを加えた後の上清の抗体濃度を測定し、ラテックスに結合した抗体量を求めた。ラテックスの単位表面積当たりの抗体結合量は 59〜225 ng/cm2であった。
(2)CRPの検出
CRP標準液をバッファーにて希釈して、CRP溶液(検体)とした。日立製分光光度計を使用して、調整した抗CRP抗体結合ラテックスと検体を37℃で反応させ、一定時間における吸光度変化を測定した。まず反応セルに、所定の濃度になるよう希釈したCRP溶液を400μL添加し、37℃で予備加温を5分間行った。その後、反応液中のラテックス固形分量が最終的に0.03%となるように予め希釈した抗CRP抗体結合ラテックス試薬を600μL添加して、反応を開始し、20分間経過後に反応を停止した。その間、一定間隔毎に波長800nmにおける吸光度を測定し、その変化から一定濃度のCRP1.2μg/dlに対する応答をみた。横軸に単位ラテックス当たりの抗体結合量をとり、縦軸に変化するODの1分間あたりの変化量ΔOD/分をプロットした(図2)。(6)219、(7)225ng/cm2のΔOD/分の平均値に比べ、(1)59〜(5)139ng/cm2のΔOD/分は、1.2〜1.7倍と顕著な増加を示していることが分かる。
<実施例3> CRP(C反応性蛋白)の検出−3
(1)抗体結合ラテックスの調製
実施例1のマウス由来抗CRPモノクローナル抗体とは別の抗体を公知の方法に従い作製した。モノクローナル抗体の作成法は、例えば「免疫実験法ハンドブック」(中島泉編、名古屋大学出版会)に記載されている。具体的には、抗原としてCRPを用いマウスに免疫し、数週間後に脾細胞を取り出し、ポリエチレングリコールを用いて骨髄腫細胞と融合させた。HAT選択培地中で約2週間培養後、抗CRP抗体産生ハイブリドーマクローンからクローニングしてモノクローナル抗体産生クローンを選択し、抗CRP抗体を精製して使用した。ポリスチレン製のラテックス粒子(JSR製、IMMUTEX粒子径0.495μm)を固形分濃度3%になるように、0.24Mグリシンバッファー(0.154M NaCl、0.0134M EDTA含有、pH9.6)で希釈した。同様のバッファーにて、抗体を希釈し濃度約 1、0.5mg/mlの2種類の溶液を調製する。このように調製した抗CRP抗体溶液とラテックス溶液を等量混合し、室温で60分間攪拌した。11、000rpmで15分間、遠心分離した後に上清を除去、沈殿にブロッキング剤として0.2%BSAの0.24Mグリシンバッファー溶液(pH9.6、0.154M NaCl、0.0134M EDTA、0.001%溶液のTritonX-100を含む)を、ラテックス固形分濃度1.5%になるよう添加した。室温で60分間攪拌後、11,000rpmで15分間遠心分離して上清を除去した。
沈殿を0.24Mグリシンバッファー(0.154M NaCl、0.0134M EDTA含有、pH9.6)で一回洗浄した後、最終的にラテックス固形分濃度が3.0%となるよう、0.24Mグリシンバッファー(0.154M NaCl、0.0134M EDTA含有、pH9.6)を添加して再分散し、抗CRP抗体結合ラテックス試薬とした。抗体濃度として2種類使用したため、2種類の抗CRP抗体結合ラテックス試薬を得た。
使用した2種類の抗体溶液について、それぞれラテックスの単位表面積当たりの抗体結合量は296、146ng/cm2であった。
(2)CRPの検出
CRP標準液をTrisバッファーにて希釈して、CRP溶液(検体)とした。日立製分光光度計を使用して、調整した抗CRP抗体結合ラテックスと検体を37℃で反応させ、一定時間における吸光度変化を測定した。まず反応セルに、所定の濃度になるよう希釈したCRP溶液を400μL添加し、37℃で予備加温を5分間行った。その後、反応液中のラテックス固形分量が最終的に0.03%となるように予め希釈した抗CRP抗体結合ラテックス試薬を600μL添加して、反応を開始し、40分間経過後に反応を停止した。その間、一定間隔毎に波長800nmにおける吸光度を測定し、その変化から一定濃度のCRP(0.24、2.4、24μg/dl)に対する応答をみた。横軸にラテックス表面当たり抗体結合量をとり、縦軸に反応開始後0.25分と5.3分のOD値の差を1分間あたりの変化量ΔOD/分に換算した値をとった。このΔOD/分が高値であるほど、強い凝集反応が起きていることを示す。3種類のCRP濃度では、146ng/cm2で296ng/cm2に比べ、25%増から2倍の変化量を示した。(図3)
図1は、CRP抗体結合量とCRPに対する反応性を示す。 図2は、ラテックス単位表面当たり抗体量とΔODの関係を示す。 図3は、ラテックス単位表面当たり抗体結合量の違いによる反応性の変化を示す。

Claims (5)

  1. 抗原と反応させて生ずる凝集度から抗原濃度を測定する免疫凝集反応において使用するための、担体粒子に抗体を結合させた免疫反応試薬において、担体粒子の表面積当たり50ng/cm2以上150ng/cm2以下の抗体が担体粒子の表面に結合していることを特徴とする免疫反応試薬。
  2. 担体粒子が、ラテックス粒子である、請求項1に記載の免疫反応試薬。
  3. 担体粒子に結合させる抗体がモノクローナル抗体である、請求項1又は2に記載の免疫反応試薬。
  4. 担体粒子に結合させる抗体が、CRP(C反応性蛋白)に対する抗体である、請求項1から3の何れかに記載の免疫反応試薬。
  5. 請求項1から4の何れかに記載の免疫反応試薬と、抗原を含む試料とを反応させ、凝集度を測定することによって抗原濃度を測定することを含む、免疫測定方法。
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