JP2005509055A - 高分子量ポリマーおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明によれば、芳香族ポリエステルとカプロラクトンを含有するブロックコポリマーを、極限粘度が少なくとも20%が増加すると共にカプロラクトン含有量が1.2絶対%未満まで減少しかつエステル交換率が3.5絶対%未満まで増加するように固相重合させて得られる少なくとも0.82の極限粘度を有する固相重合ブロックコポリマーを含有する組成物が開示される。特に好ましい連鎖延長反応は175℃よりも低い温度(より好ましくは165℃よりも低温)でおこなわれる。本発明の別の観点においては、該固相ブロックコポリマーを含む繊維を製造するための方法とヤーンが提供される。

Description

本発明の技術分野は高分子量ポリマーである。
芳香族ポリエステルとカプロラクトンを含有する多くのコポリマーが当該分野においては知られており、この種のコポリマーは熱可塑性エラストマーとして多くの用途において使用されている。例えば、日本国特許公報4115(1973年2月5日発行)には、芳香族ポリエステルがポリ(エチレンテレフタレート)(PET)またはポリ(ブチレンテレフタレート)(PBT)であるコポリマーが記載されている。一部のこれらのコポリマーの平均分子量は約500〜5000である。この平均分子量は0.3未満の極限粘度(IV)に対応する。なお、この極限粘度の値は次の文献に記載の方法に従って、フェノールとテトラクロロエタンの60/40(重量比)混合溶媒中で測定された値である:ウィリアム・L・ヘルゲンローターおよびチャールズ・ジェイ・ネルソン「精留されたポリ(エチレンテレフタレート)における粘度と分子量との関係」、ジャーナル・オブ・ポリマーサイエンス(1974年)、第12巻、第2905〜2915頁。しかしながら、このような比較的低いIVを有するコポリマーは、高性能繊維を紡糸するためには一般に不十分である。
このような分子量は、日本国特許公報4115に記載のようにして芳香族ポリエステルとカプロラクトンを多官能性アシル化剤の存在下で反応させてマルチブロックコポリマーを形成させることによって、少なくともある程度は増加させることはできる。このような共重合によって、得られる生成物の分子量と極限粘度を一般に増加させることができるが、種々の欠点も存在する。例えば、このような共重合に使用する芳香族ポリエステルの極限粘度は比較的低い。従って、得られるコポリマーとマルチブロックコポリマーは比較的低い分子量と極限粘度を示すと共に、比較的短いブロック長さを有する。さらに、重合反応条件(特に反応器内の温度と滞留時間)に起因して、エステル交換率は望ましくないほど高くなる。
芳香族ポリエステルとカプロラクトンを含有するブロックコポリマーに関連する上記の諸問題を解消するか、少なくともこれらの問題点の大部分を軽減させるためには、タングらによる米国特許5869582号明細書に記載のような条件下で共重合をおこなってもよい。タングらによるコポリマーは、比較的高い極限粘度(IV:約0.9)を有する芳香族ポリエステルとラクトンモノマーから調製される。さらに、該共重合は、滞留時間が著しく短くなるような形態を有する反応器内でおこなわれ、また、重合過程中の溶融物はかみ合いタービュレーター(intermeshing turbulator)による連続的撹拌処理および前進式/組合せミキサーによる均一化処理に付される。しかしながら、多数の進歩的な用途や繊維に対してはより高い分子量と極限粘度が要求されている。
特定のポリマーに対しては、固相重合後に分子量が増加することが知られているが、既知の方法によって得られる芳香族ポリエステルとカプロラクトンを含有する固相ブロックコポリマーは分子量の増加をもたらすが、カプロラクトンの著しい消失とエステル交換率の実質的増加を併発する。例えば、PETの固相重合に通常使用されている温度をPET−カプロラクトンコポリマーの固相重合に採用すると、多くの著しい変化であって、しばしば望ましくない変化がもたらされる。特に、温度を約200℃にすると、エステル化率は2倍に増加し、また、温度を約210〜215℃にすると、カプロラクトンの消失量はその全存在量の10%まで増加するようになる。
当該分野においては、芳香族ポリエステルとカプロラクトンからブロックコポリマーを製造するための種々の方法と組成物が知られているが、これらの全てまたはほとんどは1もしくは複数の問題点を有している。このため、当該分野においては、この種のブロックコポリマー、特に改良された極限粘度を有するブロックコポリマーを製造するための組成物と方法が依然として要請されている。
本発明は、芳香族ポリエステルとカプロラクトンを原料とする固体状(solid-stated)ブロックコポリマーに向けられたものである。
本発明によれば、この種のコポリマーは、極限粘度が少なくとも20%増加すると共に、カプロラクトンの含有量の減少率が1.2絶対%未満であり、かつエステル交換率の増加率が3.5絶対%未満になるようなプロトコールに従う固相重合によって得られる。好ましい固体状コポリマーは少なくとも0.82の極限粘度を有する。
本発明の1つの態様においては、該プロトコールには、コポリマーを175℃未満の温度(より好ましくは、165℃未満の温度)に加熱することが含まれる。この場合、加熱は窒素ガスの掃引下でおこなうのが好ましい。さらに、本発明によれば、特に芳香族ポリエステルがポリ(エチレンテレフタレート)を含有する場合には、カプロラクトンの含有量の減少率は0.1絶対%未満であり、エステル交換率の増加率は0.2絶対%未満である。本発明のさらに別の態様においては、この種のポリマーの極限粘度の増加率は少なくとも35%であり、また、エステル交換率の増加率は0.6絶対%未満である。
本発明のさらにまた別の態様においては、好ましいコポリマー中の芳香族ポリエステルは、ポリ(エチレンテレフタレート)やポリ(ブチレンテレフタレート)のようなポリ(アルキレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)やポリ(ブチレンナフタレート)のようなポリ(アルキレンナフタレート)、またはポリ(シクロアルキレンナフタレート)である。
本発明のさらにまた別の態様においては、繊維の製造方法はブロックコポリマーを供給する工程を含む。次の工程においては、少なくとも20%の極限粘度の増加率、1.2絶対%未満のカプロラクトンの含有量の減少率、および3.5絶対%未満のエステル交換率の増加率が達成されるようにコポリマーは固相重合され、得られる固体状コポリマーは0.82よりも高い極限粘度を有する。さらに、次の工程においては、固相重合コポリマーは紡糸されて繊維が製造される。従って、該ブロックコポリマーからヤーンを紡糸してもよい。
本発明の種々の目的、特徴、態様および利点は、本発明の好ましい実施態様に関する以下の詳細な説明によって一層明確にする。
本発明によれば、芳香族ポリエステルとカプロラクトンとのブロックコポリマーは、IVを著しく増加させると共に、カプロラクトンの含有量とエステル交換率を実質上維持するように固相重合することができる(即ち、ポリマーを固体状態に維持しながら、その分子量を増加させることができる)ことが判明した。特に驚くべきことには、本発明によれば、乾燥のために採用される条件に類似する条件がこのような固相重合に対して十分であることが判明した。
本発明の特に好ましい態様においては、ブロックコポリマーはポリエチレンテレフタレートとカプロラクトンから得られるブロックコポリマーであって、IVが約0.76であり、カプロラクトンの含有量が約13.2wt%であり、またエステル交換率が約5.2%であるブロックコポリマーである。この種のブロックコポリマーは、ハニーウェル社から「セキュルス(SECURUS)」(登録商標)の商品名で市販されており、該ブロックコポリマーは次のプロトコールに従って固相重合される:15mmHgの真空下における120℃での結晶化サイクルを8時間おこない、次いで窒素ガスの掃引下における152℃でのインキュベーションを24時間おこなう。
しかしながら、ポリエチレンテレフタレートとカプロラクトンから得られるブロックコポリマーであって、IVが約0.76であり、カプロラクトンの含有量が約13.2wt%であり、また、エステル交換率が約5.2%であるブロックコポリマーを使用してもよいが、多数のその他のコポリマーも本明細書に記載の教示内容に従って使用するのに適していることに留意すべきである。例えば、別のコポリマー中の芳香族ポリエステルはポリエチレンテレフタレートに限定される必要はなく、その他のポリ(アルキレンテレフタレート)、ポリ(アルキレンナフタレート)およびポリ(シクロアルキレンナフタレート)を含んでいてもよい。この場合、この種のポリマー中のアルキレン単位に含まれる炭素原子数は2〜10(より好ましくは2〜6)である。さらに好ましいコポリマーは30mol%未満(より好ましくは15mol%未満)のカプロラクトンを含有する。
使用するコポリマーはブロックコポリマーであることが一般的には好ましいが、適当なコポリマー中には付加的なブロックが含まれていてもよいことに留意すべきである。従って、マルチブロックコポリマー(例えば、3個、4個またはそれよりも多くの化学的に異なるブロックを含むポリマー)を使用してもよい。さらに、ポリマーがマルチブロックコポリマーの場合には、適当なブロックの全ての妥当な組合せも利用してもよい。さらに別の態様においては、適当なコポリマーは種々の置換基および/または官能基を用いて誘導もしくは修飾してもよい。例えば、難燃性が必要な場合には、使用するポリマーは臭素基または臭素化基を含んでいてもよい。一方、ゴムに対する接着性が必要な場合には、使用するポリマーはエポキシ基を含んでいてもよい。
使用するコポリマーの極限粘度に関しては、本発明においては特定の極限粘度に限定されないことに留意すべきである。しかしながら、適当なコポリマーのIVは約0.5〜1.4(より一般的には約0.6〜1.2、最も一般的には約0.8〜1.1)の範囲にあるのが好ましい。この場合、極限粘度の値は次の文献に記載の方法に従って、フェノールとテトラクロロエタンの60/40(重量比)混合溶媒中で測定した値である:ウィリアム・L・ヘルゲンローターおよびチャールズ・ジェイ・ネルソン「精留されたポリ(エチレンテレフタレート)における粘度と分子量との関係」、ジャーナル・オブ・ポリマーサイエンス(1974年)、第12巻、第2905〜2915頁。
同様に出発原料として使用するコポリマーは、約13.2wt%以外のカプロラクトン含有量および約5.2%以外のエステル交換率を有していてもよい。個々のカプロラクトン含有量は、重合混合物中のカプロラクトン(モノマー)のモル分率および使用する重合法の重合効率によって左右される。また、エステル交換率は、コポリマーの二次加工において使用される個々の重合法(特に、温度と滞留時間)によって主として左右される。従って、適当なコポリマーはカプロラクトンを約3wt%〜約85wt%(より好ましくは約5wt%〜約40wt%、最も好ましくは約10wt%〜約15wt%)含有する。エステル交換率に関しては、比較的低いエステル交換率が一般的には好ましく、使用するエステル交換率は約0.5%〜約25%未満である。しかしながら、本発明の特に好ましい態様においては、エステル交換率は10%未満(最も好ましくは6%未満)である。
使用するコポリマーは多くの既知の方法に従って合成してもよく、特に好ましいコポリマー(芳香族ポリエステルとカプロラクトンを含有するブロックコポリマー)の合成法は、タングらの共有に係る米国特許5869582号明細書に記載されており、該明細書の記載内容は本明細書の一部を成すものである。しかしながら、本発明において使用するコポリマーを合成するためには、本明細書に記載の教示内容に従って、他の全ての既知のプロトコールも適当に使用することができる。
使用するコポリマーの固相重合に関しては、(i)IVを少なくとも20%増加させ、(ii)コポリマーのカプロラクトン含有量を1.2絶対%未満で減少させ、(iii)エステル交換率を3.5絶対%未満で増加させ、(iv)固相重合コポリマーが0.82よりも高いIVを有するという条件が満たされる限り、多数のプロトコールが適当に使用できることに留意すべきである。
従って、結晶化サイクルは、120℃以外の温度と15mmHg以外の真空度でおこなってもよい。例えば、結晶化を比較的長時間おこなう場合、または15mmHgよりも低い真空度を使用する場合、適当な温度は約75℃〜90℃以下、または90℃〜119℃の範囲であってもよい。一方、エステル交換が比較的高い温度でおこる場合には、適当な温度は約120℃〜140℃またはこれよりも高温であってもよい。従って、結晶化時間は、水の除去速度が比較的速い場合には、16時間未満(例えば、8〜12時間またはそれ以下)であってもよい。一方、特に温度が比較的低く、真空度が比較的弱い場合には、16時間よりも長い結晶化時間が採用される。
真空度に関しては、50mmHgよりも低い真空度(より好ましくは20mmHgよりも低い真空度)が一般に好ましい。しかしながら、別の態様においては、50mmHg〜大気圧の圧力であってもよい。真空度が比較的弱い場合(即ち、50mmHgよりも高い圧力の場合)、結晶化は保護ガス雰囲気中(例えば、窒素ガス中)でおこなうのが特に好ましい。さらに結晶化サイクルは完全に省略してもよく、あるいは部分的な結晶化のみをおこなってもよい(この場合、結晶化度はX線回折法によって監視してもよい)。
本発明のさらに別の態様においては、窒素ガスの掃引下における152℃で24時間のインキュベーション以外の種々の加熱工程を採用してもよい。実際上は、(i)IVを少なくとも20%増加させ、(ii)コポリマー中のカプロラクトンの含有量を1.2絶対%未満で減少させ、(iii)エステル交換率を3.5絶対%未満で増加させ、(iv)固相重合コポリマーが0.82よりも高いIVを有するという条件を満たす限り、全てのその他の加熱工程(即ち、1または複数の特定の温度におけるインキュベーション)が適当に使用される。
例えば、比較的低いエステル交換率が特に重要な場合には、コポリマーのインキュベーションは約135℃〜150℃の間の温度もしくは120℃〜135℃の間の温度またはこれよりも低温でおこなってもよい。一方、インキュベーションの時間が24時間よりも著しく短い場合には、コポリマーのインキュベーションは150℃〜170℃の間の温度もしくは170℃〜185℃の間の温度またはこれよりも高温でおこなってもよい。しかしながら、インキュベーションは175℃よりも高くない温度(より好ましくは165℃よりも高くない温度)でおこなうのが一般に好ましい。
同様に、インキュベーション時間はかなりの範囲で変化させてもよく、この時間は主としてコポリマーの種類、極限粘度の所望の増加度および許容されるエステル交換率によって左右される。従って、適当なインキュベーション時間は一般に数分間以下〜1日もしくは複数日の範囲にある。しかしながら、インキュベーション時間は約2時間〜約24時間の範囲にするのが好ましい。さらに、コポリマーのインキュベーションは保護雰囲気(一般的には窒素ガス掃引)でおこなうのが好ましい。
インキュベーションは複数の温度でおこなってもよいことに留意すべきである。この場合、適当なインキュベーションには多重の温度準位と温度勾配でのインキュベーションが含まれる。例えば、目的とするインキュベーションは160℃で6時間のセグメントの後、150℃で18時間のセグメントでおこなってもよい。あるいは、目的とするインキュベーションは、175℃から出発して145℃に至る直線状もしくは非直線状の温度勾配で24時間のインキュベーションを含んでいてもよい。
本発明のさらに別の態様においては、インキュベーションは付加的な化学試薬の存在下でおこなってもよい。例えば、適当な場合には、目的とするコポリマーの調製においては、連鎖延長反応を補助するために触媒を使用してもよい。あるいは、結晶化中に除去されない水分をさらに除去するために、水分吸収剤を使用してもよい。さらに、コポリマーのインキュベーションと結晶化はコポリマーの形状または幾何学的形態に依存しないことが一般に考慮される。しかしながら、連鎖延長速度を潜在的に増加させるために、コポリマーの表面を増加させてもよいことに留意すべきである。一方、所望により、コポリマーは、表面対体積比を減少させるために、球状の形態であってもよい。
本発明に従って使用する固相重合プロトコールによれば、IVを著しく増加させることができるが、エステル交換率の増加率はわずかであり(例えば0〜3.5絶対%、より一般的には0〜0.8絶対%、最も一般的には0〜0.2絶対%)、また、カプロラクトンの含有量の減少率もわずかである。特に、目的とするコポリマーのIVの増加率は少なくとも20%である(より好ましくは少なくとも25%、さらに好ましくは少なくとも35%、最も好ましくは少なくとも45%)。さらに、目的とする好ましい固相重合プロトコールによれば、コポリマー中のカプロラクトンの含有量の減少率は1.2絶対%未満であり(より好ましくは0.8絶対%未満、さらに好ましくは0.2絶対%未満、最も好ましくは0.1絶対%未満)、また、エステル交換率の増加率は3.5絶対%未満である(より好ましくは2.0絶対%未満、さらに好ましくは0.6絶対%未満、最も好ましくは0.2絶対%未満)。
本発明による固体重合コポリマーからチップを形成させてもよい。形成されるチップは、モノフィラメントを含む繊維、フィルム、スパン結合不連続繊維、成形部品および押出異形材の製造に使用してもよい。
さらに、目的とする固体状ブロックコポリマーから調製される繊維からヤーンを製造してもよい。従って、繊維の製造法は、芳香族ポリエステルとカプロラクトンを含有するブロックコポリマーを供給する工程を含む。次の工程においては、コポリマーを、(i)IVを少なくとも20%増加し、(ii)カプロラクトンの含有量が1.2絶対%未満で減少し、(iii)エステル交換率が3.5絶対%未満で増加するという条件が満たされるのに十分な温度で固相重合され、得られる固相重合コポリマーは0.82を越える極限粘度を有する。さらに次の工程においては、固相重合コポリマーは紡糸される。
本発明による組成物は、既知の紡糸法を用いて繊維へ紡糸してもよい。得られるヤーンは次に例示するような多数の工業用繊維の用途において使用してもよい:ウェッビング、織物、安全ベルト、パラシュートのハーネスとライン、ショルダーハーネス、貨物ハンドリング、安全ネット、トランポリン、高所作業者用ハーネス、軍事航空機用アレスターテープ(arrestor tape)、スキートウライン(ski tow line)、およびロープと綱の用途(ヨット用綱と油井やぐら用綱を含む)。
以下の実施例は本発明の種々の態様を例示的に説明するものである。特に、以下の実施例は、ポリ(エチレンテレフタレート)とカプロラクトンを含有するブロックコポリマーに基づくものである。その他の適当なコポリマーの中には、市販のコポリマー「セキュルス」(登録商標)が含まれる。
IVは次の文献に記載のプロトコールに従って測定した:ウィリアム・L・ヘルゲンローターおよびチャールズ・ジェイ・ネルソン「精留されたポリ(エチレンテレフタレート)における粘度と分子量との関係」、ジャーナル・オブ・ポリマーサイエンス(1974年)、第12巻、第2905〜2915頁。COOHの含有量、エステル交換率(%TE)およびカプロラクトンの含有量(%CL)は、タングらによる米国特許5869582号明細書に記載のプロトコールに従ってNMRを用いて測定した。以下の表1および表2において、「IV」はdl/gで示し、「COOH」はmeq/kgで示し、「%TE」はエステル交換率(%)で示し、「%CL」はカプロラクトンの含有量(%)で示し、いずれの値も絶対値で表示する。特に言及しない限り、固相重合条件は、表1および表2に記載の特定の温度とインキュベーション時間で示す。
Figure 2005509055
Figure 2005509055
表2から明らかなように、固相重合温度がより高くなると、一般にIVは増加する傾向があるが、一般的にはエステル交換率の著しい増加とカプロラクトンの減少がもたらされる。
高分子量ポリマーとその製造法の特定の態様と用途について本明細書に開示した。しかしながら、当業者には明らかなように、本発明概念を逸脱することなく、前述の態様以外にも多くのその他の改変が可能であることに留意すべきである。従って、本発明は、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内においては特に限定されるものではない。さらに、明細書と特許請求の範囲の解釈に際しては、全ての用語は文脈に対応する最も広義に解釈されるべきである。特に、「含有する」および「含む」という用語は要素、成分または工程に関して非除外的に解釈すべきであって、このことは、言及される要素、成分または工程が存在するかもしくは利用されてもよいことを示すか、または特に言及されていないその他の要素、成分または工程と組み合わせてもよいことを示す。



Claims (24)

  1. 下記の固相重合ブロックコポリマーを含有する組成物:
    芳香族ポリエステルとカプロラクトンを含有するブロックコポリマーを、(i)極限粘度が少なくとも20%増加し、(ii)カプロラクトンの含有量が1.2絶対%未満まで減少し、(iii)エステル交換率が3.5絶対%未満まで増加するのに十分な温度で固相重合させて得られる少なくとも0.82の極限粘度を有する固相重合ブロックコポリマー。
  2. 芳香族ポリエステルが、ポリ(アルキレンテレフタレート)、ポリ(アルキレンナフタレート)およびポリ(シクロアルキレンナフタレート)から成る群から選択される化合物を含有する請求項1記載の組成物。
  3. コポリマーが175℃を越えない温度で固相重合されたコポリマーである請求項1記載の組成物。
  4. コポリマーが165℃を越えない温度で固相重合されたコポリマーである請求項1記載の組成物。
  5. 芳香族ポリエステルがポリ(エチレンテレフタレート)を含有する請求項4記載の組成物。
  6. カプロラクトンの含有量の減少が0.1絶対%を越えない請求項5記載の組成物。
  7. エステル交換率の増加が0.2絶対%を越えない請求項6記載の組成物。
  8. 極限粘度の増加が少なくとも35%であり、芳香族ポリエステルがポリ(エチレンテレフタレート)を含有する請求項3記載の組成物。
  9. エステル交換率の増加が0.6絶対%を越えない請求項8記載の組成物。
  10. カプロラクトンの含有量が30mol%を越えない請求項1記載の組成物。
  11. カプロラクトンの含有量が15mol%を越えない請求項1記載の組成物。
  12. 請求項1記載の組成物を含有するチップ。
  13. 請求項1記載の組成物を含有するフィルム。
  14. 請求項1記載の組成物から製造される繊維を含有するヤーン。
  15. 請求項6記載の組成物から製造される繊維を含有するヤーン。
  16. 請求項7記載の組成物から製造される繊維を含有するヤーン。
  17. 請求項8記載の組成物から製造される繊維を含有するヤーン。
  18. 請求項1記載の組成物を含有するウェッビング。
  19. 請求項18記載のウェッビングを含有するシートベルト。
  20. 下記の工程(1)〜(3)を含む繊維の製造方法:
    (1)芳香族ポリエステルおよびカプロラクトンを含有するブロックコポリマーを供給し、
    (2)該ブロックコポリマーを、(i)極限粘度を少なくとも20%増加させ、(ii)カプロラクトンの含有量を1.2絶対%未満まで減少させ、また、(iii)エステル交換率を3.5絶対%未満まで増加させるのに十分な温度において固相重合させることによって0.82未満の極限粘度を有する固相コポリマーを調製し、次いで、
    (3)該固相重合コポリマーを紡糸する。
  21. 芳香族ポリエステルが、ポリ(アルキレンテレフタレート)、ポリ(アルキレンナフタレート)およびポリ(シクロアルキレンナフタレート)から成る群から選択される化合物を含有する請求項20記載の方法。
  22. 極限粘度の増加が少なくとも35%である請求項20記載の方法。
  23. エステル交換率の増加が0.2絶対%未満である請求項20記載の方法。
  24. カプロラクトンの含有量の減少が0.1絶対%未満である請求項23記載の方法。


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