JP2005508254A - 内部冷却式ツールパック - Google Patents

Abstract

缶成形ツールパック(2)が内部冷却されるダイモジュール(4,6,8)を含む。各ダイモジュールは、ケース内に保持された少なくとも一つのダイニブ(14,16,18,20,22)を含む。流体冷媒が各ケースの円周に設けられた複合入口(24,26,28,30)に供給される。冷却流体は、入口からダイニブ外面とケースの間のクリアランス(42,44,46,48,50)に運ばれてダイニブを冷却する。出口(34,36,38,40)がケース周囲周方向に離間配置され、冷却流体が媒質供給元に戻る。

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、概ねカップを容器ボディに成形するための絞りおよびしごき加工ダイを有する製缶ツールパックアセンブリに関し、特に内部冷却される製缶ツールパックアセンブリに関する。
【背景技術】
【０００２】
缶成形ダイは、金属缶もしくは容器ボディの成形に使用される。本明細書は、特にツーピース金属容器の成形に係る。缶のボディを成形するため、浅い金属カップがパンチによってダイ内に押し込まれる。ダイは、一般にツールパック状態で供給され、ツールパックにおいては一連の漸次狭まるダイニブが金属カップを漸次絞りおよびしごき加工して所望形状および厚さの容器とするように配置される。ツールパック状態の絞りおよびしごき加工ダイの従来のセットの一例が、1979年11月13日付Lee,Jrに交付の米国特許第4,173,882号（特許文献１参照）に示されており、その開示全体を本明細書に援用する。各ダイは、各ダイモジュールに含まれる。
【特許文献１】
米国特許第4,173,882号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
商業用の缶製造において従来使用されるダイツールパックは、冷却流体をダイパック外部に適用してダイの作動温度を維持するかまたは下げる。しかし、ある缶成形用途においては、外部冷却流体の使用を避けるのが望ましい。たとえば、外部冷却流体によって容器表面が汚染されることがあり、その場合は高コストかつ環境に望ましくない後成形洗浄工程が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
本発明は、冷却流体をツールパック外部に適用することを要さない内部冷却されたモジュラーダイツールパックアセンブリを提供することにより、上述したような従来技術の不具合を克服する。従来方式に代えて、望ましい伝熱特性を備えた流体、特に液体をダイニブ周囲に特別のダイキャビティに圧入することによってツールパックの温度を制御し、熱を伝導によって伝達する。各ダイニブの外部温度を各ダイモジュールで連続的にモニタ可能とし、流体媒質温度を自動調整して適切なダイ温度を維持可能とする。
【０００５】
流体媒質はツールパックに温度制御ユニットによって供給され、ダイモジュールに一連の管、付属具、およびホースによって届けられる。流体媒質は、開口を経て各モジュールとそのダイ内に流れ、そこでダイニブ外面周囲に周方向指向される。複合開口を各ダイに周方向対称とし、入口と出口とを交互として流体媒質を均一に各ダイニブ周囲に配分することが好ましい。複合流体入口および出口を対称配置する設計により、ダイニブ温度がすべて実質的に一様に維持されることが保証され、またダイ周囲の温度勾配が極減される。好ましい実施形態においては、四つの入口および四つの出口が、入口と出口とを交互に45度離間して設けられる。しかし、出入り口の数と配置は変更して個別の温度制御要件に対応可能とされる。
【０００６】
本発明の他の特徴および長所は、添付図面を参照する以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
図1には、本発明による内部冷却式モジュラーダイツールパックアセンブリ2の軸方向断面を示す。同アセンブリは、一連の三つの環状ダイモジュール4,6および8を含み、隣り合うモジュール同士はスペーサ10および12により離間される。第1のダイモジュール4は、環状再絞りダイニブ14とそれに次ぐ第1環状しごきダイニブ16を含む。次のダイモジュール6は、第2環状しごきダイニブ18を含む。最終ダイモジュール8は環状ダイニブ20および22を含む。ダイニブ14,16,18,20および22は、ダイケース15,17,19,21および23内にそれぞれ保持される。
【０００８】
図2から図5に関し、各ダイモジュール4,6および8は、少なくとも一つの冷媒入口および少なくとも一つの冷媒出口を有する。複合入口および出口を使用する場合には、入口および出口を交互にかつ各ダイモジュール周囲に対称に配置することが好ましい。
【０００９】
より具体的に図2に関して、第1ダイモジュール4には入口24が設けられ、第2モジュール6には入口26が設けられ、第3モジュール8は入口28および30を有する。同様に、図3に示すように、ダイモジュール4には出口34が設けられ、モジュール6には出口36が設けられ、モジュール8は出口38および40を有し、これらを経て冷媒がツールパックアセンブリを出る。
【００１０】
従来の温度制御ユニット39によって供給された流体冷媒は、導管43(図1)から入口を介して図2の矢印41で示すようにダイモジュール内に流れる。各ダイモジュール内およびダイケースを通じて機械加工された通路によって冷媒がダイニブ14,16,18,20および22の外側壁内にそれぞれ形成された溝42,44,46,48および50に指向される。
【００１１】
温度制御ユニット39は、各導管43および各41の入口への流速と、各導管および各入口のそれぞれの温度とをともに、他の導管および入口と無関係に制御することにより、さまざまなダイモジュールの温度を受け入れかつ制御する。これは、各モジュールがそれぞれに異なる熱負荷を受ける可能性があるためである。各ダイ周囲を部分的に周方向循環した後、冷媒はダイモジュールを図3の矢印43で示すように流れ出る。
【００１２】
したがって、冷媒は、溝を介して各ダイニブの半径方向外面に直接接して流れ、缶の絞りおよびしごき加工中にダイニブ内で生成された熱を奪い取る。一般に、ダイニブ周囲を通過する冷媒は、熱を吸収し、ダイニブを冷却して、各ダイニブの所望温度を維持する。また、機械の始動時等にはこの流体を加熱することによって、ダイニブを暖めることができる。それは、熱膨張の影響を極減し、絞り、しごきおよび缶剥離工程を改善するために望ましい。
【００１３】
図4および図5に、ダイニブ16およびダイケース17を示し、冷媒をダイニブ16に供給するために対称に離間された入口および出口を示す。冷媒は、ケース入口52,54,56および58に入り、ケース17を半径方向に貫流し、ダイ17外周の四分の一周囲に形成された溝44沿いに周方向に流れる。冷媒は、出口60,62,64および66からダイモジュールを出る。プラグ68,70,72および74により、入口52,54,56および58の機械加工された外側端がそれぞれ封止される。図には入口52から周方向両出口60,66に向かう冷媒通路のみを示す。このダイモジュールの他の入口および出口も同様に配置される。その結果、ある入口と隣り合う出口は45度離間する。ダイニブ14,18,20および22は対称に離間された同様配置の入口および出口により冷却される。
【００１４】
ケース入口および出口を対称に離間させることによってダイニブが均一に冷却され、それによってニブ温度が一様に保たれ、かつ周方向温度勾配の極減が保証されることが利点とされる。各モジュールの温度計80で温度測定するか、あるいは出射する冷媒の温度をモニタすることにより各ダイニブの外部温度の監視が可能とされ、所望に応じた温度調整が可能とされる。
【００１５】
以上、本発明をある特定の実施形態に関して説明したが、当業者には他に多くの変形および変更並びに他の利用が明らかとなるであろう。したがって、本発明を本明細書の具体的開示によって限定せず、特許請求の範囲によってのみ限定することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１】本発明による内部冷却式モジュラーツールパックアセンブリの軸方向断面図である。
【図２】前記アセンブリ内に入る流体冷媒経路を示す図1の軸方向断面図である。
【図３】前記アセンブリ外に出る流体冷媒経路を示す図1の軸方向断面図である。
【図４】ダイ内の本発明による冷却流体経路を示す絞りおよびしごき加工ダイの横断面図である。
【図５】図4の絞りおよびしごき加工ダイのV-V線破断面図である。
【符号の説明】
【００１７】
2 ツールパックアセンブリ
4,6,8 ダイモジュール
14,16,18,20,22 ダイニブ
15,17,19,21,23 ダイケース
24,26,28,30 入口
34,36,38,40 出口
42,44,46,48,50 溝

Claims (14)

1. 絞りおよびしごき加工対象の物体に接する内側面を有するダイニブと、
   前記ダイニブを囲繞するケースと、
   前記ニブ周囲の前記ケース周囲に離間された複数の入口であって、流体冷媒を前記ケースに供給するための入口と、
   冷媒が前記ケースから流れ出るための複数の出口と、
   前記入口の少なくとも一つと前記出口の少なくとも一つの間の、前記ニブの外側の、前記冷媒を前記ダイニブに直接接触状態で運ぶための各流体経路と、を備えることを特徴とする絞りおよびしごき加工アセンブリ用のダイモジュール。
2. 前記流体経路を前記ケースと前記ダイニブとの間のクリアランスにより構成したことを特徴とする請求項1に記載のダイモジュール。
3. 前記クリアランスを前記ダイニブの外側に形成された周方向溝としたことを特徴とする請求項2に記載のダイモジュール。
4. 前記入口が前記ケース周囲に対称に離間されていることを特徴とする請求項1に記載のダイモジュール。
5. 前記出口が前記ケース周囲に対称に離間されていることを特徴とする請求項1に記載のダイモジュール。
6. 前記入口が前記ケース周囲に対称に離間されていることを特徴とする請求項5に記載のダイモジュール。
7. 各入口が前記各経路により一つの出口に接続し、各経路が前記ニブ円周の各部分にわたり延在することを特徴とする請求項6に記載のダイモジュール。
8. 請求項1のダイモジュールを複数含み、前記モジュールが直線的に順次整列し、それによってパンチを前記モジュールの各ダイに順次挿通可能としたことを特徴とする缶成形ダイアセンブリ。
9. 各流体経路を前記ケースと前記各ダイニブとの間のクリアランスにより構成したことを特徴とする請求項8に記載のアセンブリ。
10. 前記クリアランスを前記ダイニブの外側に形成された周方向溝としたことを特徴とする請求項9に記載のアセンブリ。
11. 前記入口が前記ケース周囲に対称に離間されていることを特徴とする請求項8に記載のアセンブリ。
12. 前記出口が前記ケース周囲に対称に離間されていることを特徴とする請求項8に記載のアセンブリ。
13. 前記入口が前記ケース周囲に対称に離間されていることを特徴とする請求項12に記載のアセンブリ。
14. 各入口が前記各経路により一つの出口に接続し、各経路が前記ニブ円周の各部分にわたり延在することを特徴とする請求項13に記載のアセンブリ。