JP2005508195A - 組換えタンパク質のinvivo生産と抗体生成用用途 - Google Patents

組換えタンパク質のinvivo生産と抗体生成用用途 Download PDF

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Abstract

本発明は、タンパク質をコードする核酸を動物に投与することによって該タンパク質を生産する方法を対象とする。動物へ核酸を投与すると、in vivoでタンパク質が生産され、このタンパク質は動物から生物試料を採取することによって単離される。上記の方法により、任意の目的とする核酸配列によってコードされるタンパク質を迅速かつ効率的に生産および単離できるようになり、この方法はタンパク質配列に結合する抗体を生成するためにも用いることができる。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、タンパク質生産および抗体生成のための方法および組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
抗体は、基礎研究や様々な疾病の診断および治療にとって有用な道具である。タンパク質特異的結合抗体によって、生物試料中の特定のタンパク質種を精確に同定および定量することができる。さらに、タンパク質とその結合抗体との間の相互作用によって、タンパク質の活性または機能を調節することができる。タンパク質の活性または機能の調節は、所与のタンパク質の活性が過剰もしくは不十分であることを特徴とする疾病状態の治療に特に有用である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
タンパク質特異抗体の生成には、抗体を得ようとするタンパク質を精製したものを用いた免疫化が伴うことが多い。特異的かつ適切に折り畳まれたタンパク質を用いて免疫化するために十分な量を提供することが、抗体生成の分野における一般的な課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、タンパク質をコードする核酸を動物に投与することによる、タンパク質の生産方法に関するものである。上記方法によれば、任意の目的核酸配列を動物に投与することができる。動物への核酸の投与に続いてin vivoでタンパク質が生産され、このタンパク質は動物から生体試料を採取した後に単離することができる。
【0005】
上記方法に従って生産されたタンパク質は、第2の動物において、目的タンパク質配列に結合する抗体を生成するために用いることができる。いくつかの例において、本方法は、最初に生物試料からタンパク質を単離することを含む。次にこの単離タンパク質を、動物を免疫化するために用いる。したがって、本発明は、標的アミノ酸配列に対する抗体の効率的な生成を可能にする。
【0006】
1つの態様において、本発明は次の(1)〜(4)の工程を実施することによる抗体の生成方法を含む。(1)第1の哺乳動物に融合タンパク質をコードする核酸を投与して、該第1の哺乳動物内で融合タンパク質を発現させる工程であって、融合タンパク質は第1のアミノ酸配列と第2のアミノ酸配列とを含み、第2のアミノ酸配列は特異的結合対の第1のメンバーを含む工程。(2)第1の哺乳動物から、融合タンパク質を含む生物試料を採取する工程。(3)特異的結合対の第2のメンバーを、特異的結合対の第1のメンバーを介して融合タンパク質に結合させることにより、融合タンパク質を単離する工程。(4)融合タンパク質を第2の哺乳動物に投与することにより、第2の哺乳動物において融合タンパク質の第1のアミノ酸配列に対する抗体反応を生起させる工程。
【0007】
1つの実施形態において、本発明は、第2のアミノ酸配列から第1のアミノ酸配列を切断する工程も含む。
1つの実施形態において、特異的結合対の第1のメンバーは、少なくとも5アミノ酸長のペプチドである。例えば、特異的結合対の第1のメンバーは、免疫グロブリンFcドメインであってもよい。
【0008】
本方法において用いる生物試料の例としては、血清または組織溶解物が挙げられる。本方法は、生物試料の溶解物を生成する追加の工程をさらに含んでいてもよい。
1つの実施形態において、特異的結合対の第2のメンバーは抗体、例えばモノクローナル抗体である。
【0009】
本方法は、動物から生物試料を採取する前に、動物にプロテアーゼ阻害剤を投与する追加の工程を含んでいてもよい。
本方法は、融合タンパク質を固定化する追加の工程を含んでいてもよい。
【0010】
1つの実施形態において、融合タンパク質の第1のアミノ酸配列は、天然に存在するあるヒトタンパク質の全体または一部と同一である。
本方法は、融合タンパク質の第1のアミノ酸配列に特異的に結合する抗体を含む抗血清を第2の哺乳動物から単離する追加の工程を含んでいてよく、該工程において、抗体は融合タンパク質の投与後に第2の哺乳動物内で産生される。
【0011】
本方法は、第2の哺乳動物からBリンパ球を採取して、該Bリンパ球をin vitroで第2の細胞と融合してハイブリドーマを作成する追加の工程を含んでいてもよく、該工程において、ハイブリドーマは、融合タンパク質の第1のアミノ酸配列に特異的に結合するモノクローナル抗体を生産する。
【0012】
本方法は、特異的結合対の第2のメンバーに結合しない生物試料の成分を除去することにより精製融合タンパク質を生産する追加の工程を含んでいてもよい。
他の態様において、本発明は、次の工程(1)〜(3)を実施することによる抗体の生成方法を特徴とする。(1)第1の哺乳動物に、タンパク質をコードする単離核酸を投与して、該第1の哺乳動物内で前記タンパク質を発現させる工程。(2)第1の哺乳動物から、前記タンパク質を含む生物試料を採取する工程。(3)前記タンパク質を第2の哺乳動物に投与することにより、第2の哺乳動物において前記タンパク質に対する抗体反応を生起させる工程。
【0013】
本方法において用いるタンパク質は、随意で融合タンパク質であってもよい。融合タンパク質は、第1のアミノ酸配列と第2のアミノ酸配列とを含んでいてもよく、該第2のアミノ酸配列は特異的結合対の第1のメンバーを含む。1つの実施形態において、特異的結合対の第1のメンバーは、少なくとも5アミノ酸長のペプチドである。例えば、特異的結合対の第1のメンバーは、免疫グロブリンのFcドメインであってもよい。
【0014】
本方法において用いる生物試料には、例えば、血清または組織溶解物があげられる。本方法は、生物試料の溶解物を作成する追加の工程を含んでいてもよい。
本方法は、前記タンパク質に特異的に結合する抗体を含む抗血清を第2の哺乳動物から単離する追加の工程を含んでいてもよく、該工程において、抗体は前記タンパク質の投与後に第2の哺乳動物において産生される。
【0015】
本方法は、第2の哺乳動物からBリンパ球を採取し、該Bリンパ球をin vitroで第2の細胞と融合してハイブリドーマを作成する追加の工程を含んでいてもよく、該工程において、ハイブリドーマは前記タンパク質に特異的に結合するモノクローナル抗体を産生する。
【0016】
本発明の利点は、大量のタンパク質またはその一部をその天然型のコンフォメーションを有する状態で生産するための迅速かつ効率的な方法を提供できることにある。次いで精製タンパク質を、対応する天然型タンパク質配列に結合する抗体を生成するために用いることができる。上記生産方法では、タンパク質のin vitro生産および精製に伴う、時間と費用と労力を要する作業を回避している。
【0017】
本発明の他の利点は、細菌内での組み換えタンパク質の生産に付随するいくつかの問題を回避できることにある。細菌内で発現される哺乳動物タンパク質は、翻訳後修飾を欠き、自らの天然型のコンフォメーションを有していないことも多い。さらに、核酸構築物の中には細菌内では殆ど使用されないコドンを含むものがあるため、ある種の細菌内では翻訳さえ不可能なタンパク質もある。
【0018】
特に定義しない限り、本発明中で用いる全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されているものと同じ意味を有する。本発明の実施および試験の際に、本発明中に記載のものと類似または同等の方法および材料を用いることができるが、最適な方法および材料は後述の通りである。本発明中に記載のすべての出版物、特許出願、特許および他の参照文献は、参照によりその全体を本願に組み込むものとする。用語に矛盾が生じた場合は、本明細書が優先する。さらに、記載されている物質および方法は単に説明のために過ぎず、限定しようとするものではない。
【0019】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および請求項から明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、目的とするタンパク質またはその一部をコードする核酸を動物に投与することにより、該タンパク質に対する抗体を生成する方法を対象とする。前記タンパク質またはその一部を動物内で生産して該動物から採取した後、第2の動物を免疫化して前記タンパク質に対する抗体を生成するために用いる。いくつかの例において、本方法は、前記タンパク質に特異的に結合する(例えば、アフィニティタグを含むように人為操作されたタンパク質の一部に結合する)アフィニティ試薬を用いることよって、タンパク質を単離する工程を含む。
【0021】
(核酸構築物)
本発明は、融合タンパク質をコードする様々な核酸構築物を使用することを包含する。本発明に記載する核酸によってコードされる融合タンパク質は、第1のアミノ酸配列と第2のアミノ酸配列と呼ぶことにする少なくとも2つの異種アミノ酸配列を含んでいる。これらの2つのアミノ酸配列は異種起源のものであるので、融合タンパク質の配列は、天然に存在するタンパク質のものとは異なっている。
【0022】
第1のアミノ酸配列は基本的に何であってもよい。第1のアミノ酸配列は、この配列上で様々な用途を実施できるという点で、一般に本発明の方法の焦点となる。様々な用途としては、限定はされないが、この配列に結合する抗体を生成するための方法等が挙げられる。1つの例において、第1のアミノ酸配列は、天然に存在するタンパク質の全部または一部と一致する。好ましくは、第1のアミノ酸配列は少なくとも6,10,25,50,100または200アミノ酸長である。別の例において、第1のアミノ酸配列は抗体によって認識可能なエピトープを含む。
【0023】
融合タンパク質の第2のアミノ酸配列は、融合タンパク質の固定化および/または精製を可能にする配列を含む。したがって、第2のアミノ酸配列は、特異的結合対の第2のメンバーに結合可能な特異的結合対の第1のメンバーを含んでいる。特異的結合対の1つの例において、対の第1のメンバーは、対の第2のメンバー、例えばモノクローナル抗体などの抗体が結合する一続きのアミノ酸である。このような結合対の1つの実施形態は、免疫グロブリンFc定常領域(特異的結合対の第1のメンバー)と、抗免疫グロブリンFc定常領域抗体(特異的結合対の第2のメンバー)との対である。特異的結合対の他の例において、結合対の第1のメンバーは、非タンパク質アフィニティ試薬が結合する一続きのアミノ酸である。このような特異的結合対の例としては、ポリヒスチジンタグ(特異的結合対の第1のメンバー)と、ニッケルアフィニティ試薬(特異的結合対の第2のメンバー)との対が挙げられる。例えば、6〜10個のヒスチジン残基からなるタグが、融合タンパク質内に含まれる場合には、このタグを用いて、ニッケルアフィニティクロマトグラフィーによる融合タンパク質の精製を行うことができる(例えば、コープランド(Copeland)ら(1996年)、Nature 第379巻、162〜165頁を参照のこと)。
【0024】
融合タンパク質は、本明細書で記載される第1のアミノ酸配列と第2のアミノ酸配列に加えて、別のアミノ酸配列を含んでいてもよい。例えば、融合タンパク質の輸送を行うターゲティング配列(たとえば、ターゲティング配列は、融合タンパク質を特定の細胞内コンパートメントや原形質膜に誘導することができるか、あるいは、タンパク質の分泌を誘導することができる)を用いることができる。1例において、融合タンパク質はシグナルペプチド配列を含む。シグナルペプチド配列とは、生成したばかりの分泌型および膜結合型ポリペプチドのアミノ末端に位置する短い(通常は約15〜60アミノ酸)連続した一続きのアミノ酸のことをいい、このシグナルペプチド配列は、前記ポリペプチドの様々な場所への搬送を誘導する。シグナル配列は通常は、約4〜15個のアミノ酸の疎水性コアを含み、該疎水性コアのすぐ直前には塩基性アミノ酸がある場合が多い。シグナルペプチドのカルボキシル末端には、シグナルペプチド切断部位を規定する1個の介在アミノ酸によって隔てられた一対の小さい非荷電アミノ酸が存在する(例えば、フォン・ヘイジュン(von Heijne)(1990年)、J.Membrane Biol.、第115巻、195〜201頁を参照)。
【0025】
融合タンパク質は、第1のアミノ酸配列と第2のアミノ酸配列に加えて、第1および/または第2のアミノ酸配列と実質的に同じ機能を行う他のアミノ酸配列を随意で含んでいてもよい。例えば、融合タンパク質は、特異的結合対の追加のメンバー、および/または、抗体生成の対象となる追加のアミノ酸配列を含んでいてもよい。このように、1つの融合タンパク質は、第2のアミノ酸配列に加えて、異なるタンパク質に由来する複数の配列(または同一タンパク質に由来する複数のエピトープ)を含んでいてもよく、様々な配列に対する抗体を生成するために用いることができる。
【0026】
融合タンパク質は、随意で、該融合タンパク質の切断を可能にするアミノ酸配列を含んでいてもよい。例えば、タンパク質切断部位は、第1のアミノ酸配列と第2のアミノ酸配列との間に配置することができる。このような切断部位によって、融合タンパク質を精製した後に、第2のアミノ酸配列から第1のアミノ酸配列を分離することが可能になる。例えば、融合タンパク質は、その分子内の他の場所には存在しない、酵素的切断のための特異的認識部位を含むアミノ酸配列を含んでいてもよい。有用な部位の例としては、血液凝固第Xa因子またはエンテロキナーゼによって認識および切断される配列が挙げられる。切断酵素は、その認識配列を参照して選ぶことができる。
【0027】
融合タンパク質は、随意で、1つまたはそれ以上のリンカー配列を含んでいてもよい。リンカー配列は、第1および/または第2のアミノ酸配列に間隔(スペーシング)と方向性とを与えて、各配列の生物学的機能を促進するために用いることができる。リンカー配列は一般に、2つの配列の間を、それぞれの配列に対して二次構造への折り畳みを確保する十分な距離を隔てて分離する。機能的タンパク質ドメインを適切に分離するために、約20アミノ酸長のリンカー配列を用いることができるが、それよりも長いもしくは短いリンカー配列を用いることもできる(例えば、3〜100アミノ酸長)。リンカーとして有用なアミノ酸配列としては、限定はされないが、(SerGly(配列番号:1)(式中、yは少なくとも2)、またはGlySerGlySer(配列番号:2)が挙げられる。好ましいリンカー配列は、式(SerGly(配列番号:3)を有する。他の好ましいリンカーは、配列((SerGly)−Ser−Pro)(配列番号:4)を有する。あるいは、融合タンパク質はリンカー配列を持たなくてもよい。
【0028】
本発明は、タンパク質をコードする単離核酸を使用する方法も包含する。「単離」核酸は、その構造が、天然に存在する核酸の構造または2つ以上の遺伝子にわたる天然に存在するゲノム核酸の任意断片の構造とは同一ではない核酸分子である。上記実施形態において、核酸によってコードされるタンパク質は融合タンパク質である必要はなく、天然に存在するタンパク質のアミノ酸配列の全部または一部と同一の配列を含んでいてもよい。好ましくは、本タンパク質は、天然に存在するタンパク質の少なくとも6,10,25,50,100または200個連続したアミノ酸と同一のアミノ酸配列を含んでいる。
【0029】
核酸構築物は、従来の分子生物学技術を用いて調製することができる。核酸は、コーディング配列の発現を誘導する調節エレメントに作動可能なように連結させてもよい。調節エレメントとしては、限定はされないが、誘導性もしくは非誘導性のプロモーター、エンハンサー、および当業者によって知られる、遺伝子発現を駆動またはいずれにせよ調節する他のエレメントが挙げられる。このような調節エレメントとしては、限定はされないが、サイトメガロウィルス(CMV)前初期遺伝子、レトロウィルスLTRプロモーター、およびSV40の初期または後期プロモーターが挙げられる。好ましい実施形態において、核酸の発現はヒトCMV前初期プロモーターによって制御される。
【0030】
核酸構築物は好ましくは、ベクター、例えば、プラスミドやウィルスベクターなどの発現ベクターに組み込まれる。核酸分子を効率的に翻訳するためには、特別の開始シグナルが必要になるかもしれない。そうした翻訳制御シグナルとしては、ATG開始コドンおよび隣接配列(例えば、Kozakコンセンサス配列と同等の配列)が挙げられる。さらに、開始コドンは、インサート全体を確実に翻訳できるように所望のコーディング配列の読み枠と同じ読み枠でなければならない。翻訳制御シグナルおよび開始コドンは、天然および合成の様々な起源のものであってよい。発現の効率は、適当な転写エンハンサーエレメント、転写ターミネータ、またはイントロンを含めることによって高めてもよい(ビトナー(Bittner)ら、(1987年)、Methods Enzymol 第153巻、516頁を参照)。
【0031】
(タンパク質のIn Vivo生産)
タンパク質、例えば融合タンパク質は、本発明に記載の核酸を、動物、例えば、マウス、ラット、ヤギ、ウサギ、またはヒトなどの哺乳動物に投与することによって生産される。核酸の投与に続いて、in vivoにて翻訳(ならびに、核酸がDNA配列である場合には転写も)が起こり、動物内でタンパク質が生産される。核酸は、静脈内、筋肉内、動脈内、皮内、腹腔内、鼻腔内、または皮下などの様々な経路によって動物に投与することができる。
【0032】
核酸は「裸(naked)」であってもよし、あるいは送達用ビヒクルと複合化されていてもよい。有用な送達用ビヒクルとしては、限定はされないが、例えば、微粒子、リポソーム、ISCOMSまたは任意の他の適当な送達用ビヒクルが挙げられる。有用な遺伝子導入方法については、例えば、テンプレトン(Templeton)ら(1997年)、Nature Biotechnology、第15巻、647〜652頁および米国特許第6,214,804号を参照のこと。
【0033】
動物において高レベルで核酸を発現させるための特に有用な手段のひとつとして、流体力学に基づいたトランスフェクション法(例えば、リウ(Liu)ら(1999年)、Gene Therapy、第6巻、1258〜1266頁;ザン(Zhang)ら(1999年)、Human Gene Therapy、第10巻、1735〜1737頁;ザン(Zhang)ら(2000年)、Gene Therapy、第7巻、1344〜1349頁;へー(He)ら(2000年)Human Gene Therapy、第11巻、547〜554頁を参照のこと)を用いるものがある。上記の方法にしたがって、目的とする核酸を含む大量の液体を迅速に動物に注入する。この方法により、8〜24時間以内に遺伝子が発現するとともに、遺伝子発現は数日から数週間のあいだ続く。例えば、約5〜25μgのプラスミドDNAを含有する約1.5〜2.5mLの溶液を、約0.3mL/秒の速度でマウスの尾静脈に注射すると、該核酸によってコードされるタンパク質が発現される。核酸構築物が、タンパク質の分泌を誘導する配列、例えばシグナルペプチド配列をコードする場合には、動物の血液中に相当な量のタンパク質が分泌される。
【0034】
上述のような動物におけるタンパク質の生産にあたり、該動物に1つのプロテアーゼ阻害剤または複数の異なるプロテアーゼ阻害剤を投与してもよい。例としては、セリン、システインまたはアスパラギン酸プロテアーゼの阻害剤、ならびに、アミノペプチダーゼの阻害剤が挙げられる。動物にプロテアーゼ阻害剤を投与することにより、動物から単離される機能的タンパク質の収率を高めることができる。プロテアーゼ阻害剤は、核酸を動物に投与する前、投与中、または投与後のいずれに投与してもよい。
【0035】
タンパク質が動物内で生産されると、タンパク質を含む生物試料を動物から採取することができる。流体力学に基づくトランスフェクション法(例えば、プロテアーゼ阻害剤のin vivo投与と同時に行われるとして)について上述したように、核酸の投与後約8〜24時間以内に相当な量のタンパク質が生産される。採取する試料の性質によっては動物を屠殺する必要があるかもしれない。例えば、タンパク質は血液中、あるいは、限定はされないが肝臓、腎臓、脾臓、心臓、および/または肺を含む固体の臓器内に見出すことができる。固体の臓器の採取後には、タンパク質の単離とプロセシングを容易にするために、随意で組織溶解物を調製してもよい。いくつかの実施形態において、動物から採取した生物試料は、少なくとも5μg、25μg、50μg、200μg、500μg、1mg、5mg、またはそれ以上のタンパク質を含んでいる。
【0036】
(融合タンパク質の精製)
融合タンパク質を含む生物試料を動物から採取した後、in vitroの手法を実施して融合タンパク質を精製することができる。本発明に記載したように、融合タンパク質は特異的結合対の第1のメンバーを含む。生物試料を特異的結合対の第2のメンバーと接触させると、試料中に含まれる融合タンパク質は第2のメンバーに結合される。生物試料中に含まれる未結合の物質は、洗浄により除去することができる。特異的結合対のメンバー間の相互作用を用いてタンパク質を固定化する方法は、当業者によって周知である。本発明に記載のように、特異的結合対の第2のメンバーとしては、抗体などのタンパク質、ならびに、ニッケルなどの非タンパク質アフィニティ試薬(ポリヒスチジンタグを含むタンパク質の精製時に使用)などが挙げられる。
【0037】
一例において、固相表面上にコーティングした抗体(融合タンパク質の第2のアミノ酸配列に特異的)を用いることにより融合タンパク質を捕捉することができる。第2のアミノ酸配列に特異的なモノクローナルまたはポリクローナル抗体(一般に、免疫化のために用いたものと同じ動物種に由来するもの)を、当業者によって知られる様々な方法によって適切な固相表面上に固定化することができる。本発明の好ましい実施形態においては、ヒト免疫グロブリンFc定常γ−1(Cr1)特異抗体を用いる。固相表面としては、何らかの特定の形態に限定されることはなく、プラスチックチューブ、マイクロタイタープレート、セルロースビーズやアガロースビーズなどのビーズ類、ラテックス粒子、磁性粒子、紙、ディップスティック等が挙げられる。抗体の固定化方法としては、受動吸着、共有結合、物理的捕捉等が挙げられる。融合タンパク質は、融合タンパク質を含有する生物試料(例えば、血清または組織溶解物)を、予め固相表面に固定化した第2のアミノ酸配列特異抗体とともにインキュベートすることにより、該表面上に捕捉することができる。未結合の材料は、洗浄によって除去することができる。
【0038】
固定化融合タンパク質を精製して、動物を免疫化して抗体を生成させるために用いることができる(免疫化の方法は、次の項で詳細に説明する)。融合タンパク質またはその一部を、固定化工程と洗浄工程の後に、随意で均一になるまで精製することができる。本発明に記載するように、融合タンパク質は、例えば第1のアミノ酸配列と第2のアミノ酸配列との間に位置する配列など、融合タンパク質の切断を可能にし、第1のアミノ酸を単離し、動物を免疫化して抗体を生成させるために使用することを可能にする配列を随意で含んでいてもよい。
【0039】
あるいは、融合タンパク質を、第1の動物から採取して、該タンパク質が含まれている生物試料から精製せずに第2の動物を免疫化するために用いることもできる。
融合タンパク質を随意で、抗体の生成に用いられる同一の動物種(例えば、BALB/cマウス)内で生産することができる。本方法の各段階で用いられる動物は遺伝的に同一であるので、第1の動物において生産される融合タンパク質を、第2の動物における免疫化処置に利用可能とするために精製する(または均一になるまで精製する)必要はない。第1の動物由来の生物試料中に含まれるあらゆる混入タンパク質は免疫化した動物中で自己抗原として扱われるので、前記核酸によってコードされる融合タンパク質のみが体液の免疫応答を誘導することになる。
【0040】
(抗体の生成)
免疫化工程のために、本発明のタンパク質を動物、例えば、マウス、ラット、ヤギ、ウサギまたはヒトなどの哺乳動物に投与する。タンパク質、例えば融合タンパク質は、部分的に精製してもよいし、均一になるまで精製してもよいし、あるいは、該融合タンパク質が含まれる生物試料から精製せずに免疫化に用いてもよい。上記のようにして生産される融合タンパク質に加えて、融合タンパク質の一部(例えば、融合タンパク質を切断して生産される)を代替として免疫化のために用いてもよい。
【0041】
動物にタンパク質を投与することにより、該タンパク質のアミノ酸配列に対する免疫応答が動物内で生み出される。この免疫応答を、例えば融合タンパク質の第1のアミノ酸配列などのアミノ酸配列を認識するポリクローナルまたはモノクローナルのいずれかの抗体を調製するために活用することができる。タンパク質を、体液性免疫応答を誘導するのに十分な経路および用量で送達する。例えば、タンパク質を、腹腔内、静脈内、筋肉内、動脈内、皮内、鼻腔内または皮下に投与することができる。
【0042】
次に本明細書に記載のタンパク質を用いてポリクローナルまたはモノクローナル抗体を調製する方法の説明的実施形態を示す。タンパク質、例えば融合タンパク質を、タンパク質含有血清または組織溶解物から単離し、完全フロイントアジュバントまたは水酸化アルミニウムと1:1の割合で混合し、マウス一匹あたり少なくとも1マイクログラムのタンパク質の用量でマウスに注射する。同一の投与量かつ同一の経路にて9日目と18日目に追加免疫注射を実施する。ポリクローナル血清の力価は、本発明に記載のアッセイを用いて決定することができる。25日目にポリクローナル血清の力価が十分であれば、第3回目の追加免疫を26日目に実施し、その後に血清を回収するか、あるいは、ハイブリドーマを生産するための細胞融合を31日目に実施することもできる。
【0043】
例えば、コーラー(Kohler)とミルシュタイン(Milstein)の周知の細胞融合法((1976年)European Journal of Immunology 第6巻、511〜519頁)を適用して、培養上清中に所望の抗体を分泌するハイブリドーマを生産することによって、モノクローナル抗体を生産することができる。通常は限界希釈クローニングによって、均一な細胞集団を得た後、ハイブリドーマを生産する抗体をin vitroまたはin vivoで培養し、次いでモノクローナル抗体の特異性を解析することができる。
【0044】
(抗体のスクリーニング)
上述のように、タンパク質、例えば融合タンパク質を、動物内で生産した後に特異的結合対のメンバー間の相互作用を介して固定化することができる。任意の目的とする配列(第1のアミノ酸配列)を含むタンパク質を生産かつ固定化する上記迅速かつ効率的な方法は、第1のアミノ酸配列に結合する、および/またはリガンドの第1のアミノ酸配列への結合能を阻害する抗体のスクリーニングに用いることができる。上記の方法は、融合タンパク質の第1のアミノ酸配列部分に特異的に結合する抗体のハイスループットスクリーニングに特によく適合している。スクリーニング系に加えて、あるいはその一部として、本発明の方法は、抗体の同定、定量、および/または精製を含む。
【0045】
本発明の1つの方法において、組換え標的タンパク質抗原を用いて標的タンパク質特異抗体をスクリーニングする。動物内での抗体生産に続いて、試験血清を回収し、本発明に記載のようにスクリーニングすることができる。
【0046】
スクリーニングアッセイは、様々な方法で実施することができる。例えば、このようなアッセイの一実施方法には、タンパク質を(特異的結合対のメンバーの結合によって)固相に繋留し、反応終了時に固相上に繋留されたタンパク質/抗体複合体を検出することが含まれる。そのような方法の1つの実施形態では、タンパク質を固体表面に繋留し、繋留されてない抗体を直接または間接的に標識する。
【0047】
融合タンパク質の固定化について上述したように、多種多様な固相を固定化およびスクリーニング工程において用いることができる。例えば、マイクロタイタープレートを、固相として都合良く用いることができる。特異的結合対の第2のメンバー、例えばモノクローナル抗体を、非共有結合または共有結合によって固相に固定化することができる。非共有結合は特異的結合対の第2のメンバーを含有する溶液で固体表面を単純にコーティングすることによって実現することができる。表面を前もって準備し、保存しておいてもよい。
【0048】
アッセイを実施するために、抗血清または抗体を含む培養上清を、タンパク質を含む表面に対して加える。反応完了後、形成されたすべての複合体が固体表面上に固定化されたままであるような条件下において、未結合の成分を(例えば洗浄によって)除去する。固体表面上に繋留された複合体の検出は、様々な方法で実行可能である。予め固定化されていない標的結合抗体が予め標識されていない場合には、例えば、予め固定化されていない標的結合抗体に対して特異的な標識抗体を用いる間接標識によって、表面上に繋留された複合体を検出するとよい(次に抗体を標識抗Ig抗体で直接的または間接的に標識してもよい)。
【0049】
あるいは、反応を液層において実施し、結合した産物を未結合の成分から分離し、複合体を、例えば、溶液中に形成されるあらゆる複合体を繋留するためのタンパク質特異的な固定化抗体と、繋留された複合体を検出するための、形成される可能性のある複合体の標的結合抗体に特異的な標識抗体とを用いて検出するようにしてもよい。
【0050】
上記の手順に対するインキュベーション時間と温度は、さほど重大ではない。例えば、インキュベーション時間は10分から48時間の範囲であってもよく、好ましくは1〜2時間で実施される。インキュベーション温度は、4℃〜37℃の範囲とすることができる。好ましいインキュベーション温度は、20℃〜37℃である。
【0051】
タンパク質含有血清または組織溶解物を、表面上に予め固定された特異抗体とともにインキュベートすることによって、タンパク質を回収する。未結合の非特異的物質を除去した後、試験抗体を固相とともにインキュベートし、シグナル発生マーカーで標識またはタグ付けした結合相手を用いて標的タンパク質特異抗体を定量的に検出する。例えば、試験血清がマウスに由来するものであれば、結合相手は、シグナル発生マーカーで標識したマウスIgG抗体特異抗体とすることができる。
【0052】
本発明の上記1つの実施形態において、結合相手を様々なシグナル発生マーカーによって標識またはタグ付けすることができる。上記シグナル発生マーカーとしては、(限定はされないが)、酵素、化学発光化合物、蛍光標識、色素、放射性同位体標識、酵素補因子、およびビオチンがあげられる。この結合相手は、当業者に周知の様々な方法によって、シグナル発生マーカーに化学的に連結することができる。
【0053】
次に本発明の実施例をあげるが、実施例は多少なりとも本発明の範囲を限定するものでないと解釈される。
【実施例1】
【0054】
(EGFP−men1−免疫グロブリンFc定常領域融合タンパク質特異的抗体反応のIn Vivo生成)
EGFP−men1をコードする核酸配列をヒト免疫グロブリンFc定常領域γ1(Cr1)に融合させた。EGFP−men1−Cr1融合タンパク質をコードするDNA構築物10μgを、2mLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に希釈し、BALB/cjマウス(メイン州バーハーバー所在のジャクソンラボラトリーズ(Jackson Laboratories))に10秒間以内の間に静脈注射した。
【0055】
DNAを注射してから20時間後にマウスから肝臓を回収した。肝臓を回収する1時間前に、100μLのプロテアーゼ阻害剤カクテル(シグマ(Sigma),P8340)をマウスに静脈注射した。肝臓をホモジナイズし、溶解物中に含まれるEGFP−men1−Cr1融合タンパク質を、Cr1特異抗体で予めコーティングしたプロテインAビーズ上で捕捉した。マウス抗Cr1抗体(捕捉抗体)は、20μg/mL濃度の抗体を30分間インキュベートすることにより、プロテインAビーズに予めコーティングした。免疫沈降は、4℃で2時間行った。沈降物をPBS−tweenバッファで2回洗浄し、融合タンパク質の量をウェスタンブロットによって調べた。次に単離融合タンパク質をAl(OH)とともに4℃で2時間インキュベートした(1mgミョウバン(alum)/125μgタンパク質)。200μLのミョウバン/タンパク質混合物をBALB/cjマウスに皮下注射した。1回目の免疫の8日後および23日後に、同じ手順によりマウスを再度免疫化した。抗血清を回収し、融合タンパク質特異的抗体反応を検出した。
【0056】
抗体検出のために、EGFP含有融合タンパク質(EGFP−TnIf)を上述のようにして製造した。溶解物中に含まれるEGFP−TnIf融合タンパク質を、EGFP特異的ウサギ抗体(インビトロジェン社(Invitrogen Inc.))で予めコーティングしたマイクロタイタープレート上に捕捉した。ウサギ抗EGFP抗体(層1;捕捉抗体)を、2μg/mLの濃度で一晩インキュベートすることにより、マイクロタイタープレート(NUNC−Immuno(登録商標)プレート、MaxiSorp(登録商標)Surface)上に固定化した。
【0057】
肝臓溶解物(1%BSAおよび10%正常ヤギ血清を含むブロッキングバッファ中に希釈)を、マイクロタイタープレートのウェル中、室温で2時間インキュベートすることにより、EGFP−TnIf融合タンパク質(層2)を層1に結合させた。融合タンパク質を含まない正常な肝臓溶解物を、バックグラウンド減算のための対照として、別のウェル中で並行して用いた。4回洗浄して未結合の物質を除去した後、プレートをEGFP−men1−Cr1融合タンパク質特異的抗血清の系列希釈物とともにインキュベートした。ルシフェラーゼ−Cr1融合タンパク質で免疫化したマウス由来の血清を対照の抗血清として使用した。プレートに結合したEGFP特異抗体(層3)の量を、ビオチン化ヤギ抗マウスIgG(1/5000)(層4)、ストレプトアビジン−アルカリホスファターゼ酵素コンジュゲート(1/10000)(層5)、および1mg/mLのp−ニトロフェニルホスフェート(酵素基質)を加えた後、4℃で15時間インキュベートすることによって決定した。ストレプトアビジンとコンジュゲートしたアルカリホスファターゼを、酵素基質を添加した後に、OD405nmの吸収を測定することによって検出した。
【0058】
図1において、X軸は抗血清(層3)の希釈率を示し、Y軸はΔOD(融合タンパク質含有肝臓溶解物を用いて得たODから、正常な肝臓溶解物を用いて得たODを差し引いて算出)を示す。図1からは、アッセイによってマイクロタイタープレート上に標的タンパク質特異抗体の存在が検出されたこと、および、陽性の血清の各希釈についてのΔODが、希釈率に対して線形相関を示すことが分かる。図中の各点は3つのウェルの平均であり、図面は少なくとも3回の独立した実験を代表するものである。
【実施例2】
【0059】
(ルシフェラーゼ−免疫グロブリンFc定常領域融合タンパク質特異的抗体反応のIn Vivo生成)
ルシフェラーゼをコードする核酸配列を、ヒト免疫グロブリンFc定常領域γ1(Cr1)に融合させた。ルシフェラーゼ−Cr1融合タンパク質をコードするDNA構築物10μgを、2mLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に希釈し、マウスに10秒間以内の間に静脈注射した。
【0060】
DNAを注射してから20時間後にマウスから肝臓を回収した。肝臓を回収する1時間前に、100μLのプロテアーゼ阻害剤カクテル(シグマ、P8340)をマウスに静脈注射した。肝臓をホモジナイズし、溶解物中に含まれるルシフェラーゼ−Cr1融合タンパク質を、Cr1特異抗体で予めコーティングしたプロテインAビーズ上で捕捉した。マウス抗Cr1抗体(捕捉抗体)を、20μg/mLの濃度で30分間インキュベートすることにより、プロテインAビーズに予めコーティングした。免疫沈降を、4℃で2時間行った。沈降物をPBS−tweenバッファで2回洗浄し、融合タンパク質の量をウェスタンブロットによって調べた。次に単離融合タンパク質をAl(OH)とともに4℃で2時間インキュベートした(1mgミョウバン(alum)/125μgタンパク質)。200μLのミョウバン/タンパク質混合物をBALB/cjマウスに皮下注射した。1回目の免疫の8日後および23日後に、同じ手順によりマウスを再度免疫化した。抗血清を回収し、融合タンパク質特異的抗体反応を検出した。
【0061】
ルシフェラーゼ特異抗体を検出するために、ルシフェラーゼ組換えタンパク質(シグマ(Sigma);層2)をマイクロタイタープレートのウェルに室温で2時間コーティングした。無関係の組換えタンパク質であるリポタンパク質リパーゼを、バックグラウンド減算のための対照として、別のウェル中で並行して用いた。2回洗浄して未結合の物質を除去した後、1%BSAおよび10%正常ヤギ血清を含むブロッキングバッファとともにプレートを2時間インキュベートした。4回洗浄後、プレートをルシフェラーゼ特異的抗血清の系列希釈物とともにインキュベートした。EGFP−men1−Cr1融合タンパク質で免疫化したマウス由来の血清を対照抗血清として用いた。プレートに結合した抗体(層3)の量は、ビオチン化ヤギ抗マウスIgG(1/5000)(層4)、ストレプトアビジン−アルカリホスファターゼコンジュゲート(1/10000)(層5)、および1mg/mLのp−ニトロフェニルホスフェート(酵素基質)を加えた後、4℃で15時間インキュベートすることによって決定した。ストレプトアビジンとコンジュゲートしたアルカリホスファターゼを、酵素基質を添加した後にOD405nmの吸収を測定することによって検出した。
【0062】
図2において、X軸は試験血清(層3)の希釈率を示し、Y軸はΔOD(融合タンパク質含有肝臓溶解物を用いて得たODから、正常な肝臓溶解物を用いて得たODを差し引いて算出)を示す。図2からは、アッセイによってマイクロタイタープレート上に標的タンパク質特異抗体の存在が検出されたこと、および、陽性の血清の各希釈についてのΔODが、希釈率に対して線形相関を示すことが分かる。図中の各点は3つのウェルの平均であり、図面は少なくとも3回の独立した実験を代表するものである。
【0063】
(他の実施形態)
本発明をその詳細な説明とともに記載してきたが、上記の記載は説明のためのものであって、本発明の範囲を限定することは意図していない。本発明の他の態様、利点、および変更は、特許請求の範囲の範囲内に収まる
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】Cr1‐EGFP融合タンパク質をコードする核酸で免疫した動物からのCr1‐EGFP融合タンパク質特異抗体の生成と検出を示す図。
【図2】Cr1‐ルシフェラーゼ融合タンパク質をコードする核酸で免疫した動物からのCr1‐ルシフェラーゼ融合タンパク質特異抗体の生成と検出を示す図。

Claims (26)

  1. 抗体の生成方法であって、
    第1の哺乳動物に融合タンパク質をコードする核酸を投与して、該第1の哺乳動物内で該融合タンパク質を発現させる工程であって、融合タンパク質は第1のアミノ酸配列と第2のアミノ酸配列とを含み、第2のアミノ酸配列は特異的結合対の第1のメンバーを含むことを特徴とする工程と、
    第1の哺乳動物から、融合タンパク質を含む生物試料を採取する工程と、
    特異的結合対の第2のメンバーを、特異的結合対の第1のメンバーを介して融合タンパク質に結合させることにより、融合タンパク質を単離する工程と、
    融合タンパク質を第2の哺乳動物に投与することにより、第2の哺乳動物において、融合タンパク質の第1のアミノ酸に対する抗体反応を生起させる工程とを含む方法。
  2. 第1のアミノ酸配列を第2のアミノ酸配列から切断する工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
  3. 特異的結合対の第1のメンバーは、免疫グロブリンのFcドメインであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 生物試料は血清であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 生物試料の溶解物を作成する工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
  6. 特異的結合対の第2のメンバーは抗体であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 抗体はモノクローナル抗体であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 特異的結合対の第2のメンバーは抗体であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  9. 抗体はモノクローナル抗体であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 融合タンパク質を固定化する工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
  11. 融合タンパク質を固定化する工程をさらに含む請求項2に記載の方法。
  12. 融合タンパク質を固定化する工程をさらに含む請求項3に記載の方法。
  13. 特異的結合対の第1のメンバーは、少なくとも5アミノ酸長のペプチドであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  14. 第1のアミノ酸配列は、天然に存在するあるヒトタンパク質の全体または一部と同一であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  15. 融合タンパク質の第1のアミノ酸配列に特異的に結合する抗体を含む抗血清を第2の哺乳動物から単離する工程をさらに含み、抗体は融合タンパク質の投与後に第2の哺乳動物内で産生されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  16. 第2の哺乳動物からBリンパ球を採取して、該Bリンパ球をin vitroで第2の細胞と融合してハイブリドーマを作成する工程をさらに含み、ハイブリドーマは、融合タンパク質の第1のアミノ酸配列に特異的に結合するモノクローナル抗体を産生することを
    特徴とする請求項1に記載の方法。
  17. 特異的結合対の第2のメンバーに結合しない生物試料の成分を除去することにより、精製融合タンパク質を提供する工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
  18. 抗体の生成方法であって、
    第1の哺乳動物に、タンパク質をコードする単離核酸を投与して、該第1の哺乳動物内で該タンパク質を発現させる工程と、
    第1の哺乳動物から、前記タンパク質を含む生物試料を採取する工程と、
    前記タンパク質を第2の哺乳動物に投与することにより、第2の哺乳動物において前記タンパク質に対する抗体反応を生起させる工程とを含む方法。
  19. タンパク質は融合タンパク質であることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. 融合タンパク質は第1のアミノ酸配列と第2のアミノ酸配列とを含むこと、および第2のアミノ酸配列は特異的結合対の第1のメンバーを含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
  21. 特異的結合対の第1のメンバーは、免疫グロブリンのFcドメインであることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  22. 特異的結合対の第1のメンバーは、少なくとも5アミノ酸長のペプチドであることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  23. 生物試料は血清であることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  24. 生物試料の溶解物を作成する工程をさらに含む請求項18に記載の方法。
  25. タンパク質に特異的に結合する抗体を含む抗血清を第2の哺乳動物から単離する工程をさらに含み、抗体はタンパク質の投与後に第2の哺乳動物内で産生されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  26. 第2の哺乳動物からBリンパ球を採取して、該Bリンパ球をin vitroで第2の細胞と融合してハイブリドーマを作成する工程をさらに含み、ハイブリドーマは前記タンパク質に特異的に結合するモノクローナル抗体を産生することを特徴とする請求項18に記載の方法。
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