JPH08233811A - I型コラーゲン検出用の抗原及び抗体 - Google Patents

I型コラーゲン検出用の抗原及び抗体

Info

Publication number
JPH08233811A
JPH08233811A JP7335319A JP33531995A JPH08233811A JP H08233811 A JPH08233811 A JP H08233811A JP 7335319 A JP7335319 A JP 7335319A JP 33531995 A JP33531995 A JP 33531995A JP H08233811 A JPH08233811 A JP H08233811A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibody
peptide
gly
collagen
amino acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7335319A
Other languages
English (en)
Inventor
Werner Dr Naser
ネイザー ワーナー
Brigitte Draeger
ドレーガー ブリジット
Ulrich Dr Essig
エシッヒ ウルリッヒ
Christa Dr Huebner-Parajsz
ヒューブナー−パラズ クリスタ
Erasmus Dr Huber
フーバー エラスムス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Roche Diagnostics GmbH
Original Assignee
Boehringer Mannheim GmbH
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from DE1995103146 external-priority patent/DE19503146A1/de
Application filed by Boehringer Mannheim GmbH filed Critical Boehringer Mannheim GmbH
Publication of JPH08233811A publication Critical patent/JPH08233811A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/78Connective tissue peptides, e.g. collagen, elastin, laminin, fibronectin, vitronectin or cold insoluble globulin [CIG]
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S435/00Chemistry: molecular biology and microbiology
    • Y10S435/81Packaged device or kit

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 改善されたイムノアッセイ、及びその目的に
使用される抗体や抗原などの最適化された材料を提供す
る。 【解決手段】コラーゲン Iα2 鎖のN−末端に対する抗
体を製造するための抗原、このような抗原の製造方法、
本発明の抗原を使用して免疫化することによって得られ
た、コラーゲン Iα2 鎖のN−末端に対する抗体、コラ
ーゲンの検出のためのこれらの抗体の使用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、I型コラーゲンの
α2鎖のN末端に対する抗体を作製するための抗原、こ
うした抗原を作製する方法、本発明の抗原を使用して免
疫感作を行うことによって得られたI型コラーゲンのα
2鎖のN末端に対する抗体に関するものであり、また、
コラーゲンを検出するためのこうした抗体の使用に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】コラーゲンは、結合組織である皮膚、軟
骨及び骨の重要な構造タンパク質である。11種のコラ
ーゲンが知られており、それぞれ、α1、α2及びα3
と称される3本の鎖から構成されている(E. Miller et
al. in methods in Enzymology 144, Structural and
Contractile Proteins, ed. L. Cunningham, Academic
Press Inc. 1987, p3-41)。ある種の組織、特に骨又は
軟骨の成熟コラーゲンの一つの特徴的な性質として、ヒ
ドロキシリシルピリジノリン又はリシルピリジノールに
よって、隣接した繊維が架橋されていることが挙げられ
る(D. Fujimoto et al., J. Biochem 83 (1978), 863-
867、D. Eyre et al., Ann. Rev. Biochem. 53 (1984),
717-748、 およびD. Eyre, Methods in Enzymology 14
4 (1987), 115-139)。これらの架橋は、コラーゲンを
特異的に検出する際の生化学的標識として使用すること
ができる(Z. Gunja-Smith et al., Biochem. J. 197(1
981), 759-762)。細胞外コラーゲンが分解すると、W
O91/10141に記載されているように、ペプチド
側鎖を含むヒドロキシリシルピリジノリン若しくはリシ
ルピリジノリンの誘導体、またはリシル若しくはヒドロ
キシリシル残基を有する遊離ピリジノリン誘導体が、体
液、たとえば血液又は尿中に放出される。したがって、
体液中のこうした化合物を検出することによって、たと
えば骨粗鬆症の場合や骨組織の腫瘍の結果として生じる
細胞外コラーゲンの分解に関する情報を得ることができ
る。こうしたペプチド側鎖を有するヒドロキシリシル又
はリシルピリジノリンの検出については、WO89/1
2824に、尿から単離された対応架橋コラーゲン断片
を使用して免疫感作を行うことによって得られたモノク
ローナル抗体が記載されている。WO91/08478
及びWO92/21698に記載された方法でも、天然
に生じた、すなわちin vivo で生じたコラーゲンの架橋
分解生成物に対する抗体を介してコラーゲンを検出する
ことが記載されている。
【0003】こうした天然のソースの単離ペプチドの欠
点としては、試験で使用する抗原又はその結合相手物質
を再現性をもって調製しうる信頼性の高いソースが存在
しないことが挙げられる。こうした天然のソースの単離
ペプチドの別の不利な点は、感染性物質が混入する危険
性があることである。配列のわかっている抗原は、抗原
のエピトープに対応するペプチドを化学的に合成するこ
とによって得ることができる。分子量が約700−15
00Dの小型のタンパク質を使用する場合には、担体分
子と結合させて、免疫原としての効果を有する抗原を得
る必要がある。担体分子を結合させることによって、エ
ピトープの構造に変化をきたすようなことがあってはな
らない。これまでのところ、担体分子は、エピトープ領
域であると推定されている領域から十分に離れた位置で
ペプチド鎖の端部と結合させるのが好適である(Labora
tory Technics in Biochemistry and Molecular Biolog
y, Synthetic Polypeptides as Antigens, Editors R.
H. Burdon and P.H. van Knippenberg, Elsevier, Amst
erdam, New York, Oxford 1988, pages 95-100)。
【0004】架橋コラーゲンの天然分解生成物と対応す
る既知配列の抗原を化学合成するに際しての問題は、架
橋によって生じたヒドロキシリシル又はリシルピリジノ
リン構造にあり、これは、こうした構造を化学合成する
ことが困難だからである。今日まで、研究者は、試料中
のコラーゲン又はコラーゲン分解生成物を検出する際に
は、ヒドロキシリシル又はリシル残基の架橋によって生
じた架橋構造そのもの、すなわち、いわゆる架橋ペプチ
ドを検出することが必要であると考えてきた。これは、
こうしたヒドロキシリシル又はリシルピリジノリン構造
がコラーゲンに特徴的だからである。こうした検出方法
の例は、WO89/12824、WO91/0847
8、WO89/04491、及びWO91/10141
に記載されている。
【0005】ドイツ国特許DE42 25 038によ
って、コラーゲン又はコラーゲン断片の検出に際して、
直鎖状の非架橋ペプチド配列及び抗体も使用可能なこと
がはじめて示された。使用された免疫原は、コラーゲン
の直鎖状の部分配列に対応し、天然のコラーゲン分子で
はヒドロキシリシンとして存在するリシン残基を少なく
とも1個含む短いペプチドである。このペプチドは、こ
のリシン残基のε−アミノ基を介して、担体分子に結合
されている。
【0006】WO94/03813にも、コラーゲンの
非らせん状のC末端又はN末端領域の配列に対応する合
成直鎖状ペプチドが、コラーゲン又はコラーゲンの断片
に対する抗体を作製するための抗原として記載されてい
る。合成直鎖状ペプチドは、いずれも、コラーゲンの非
らせん状のC末端又はN末端領域の連続したアミノ酸配
列である。こうした領域は、Chu et al., Nature 310,
337-340 (1984)、Click et al., Biochemistry 9, 4699
-4706 (1970)、Morgan et al., J. Biol. Chem. 245, 5
042-5048 (1970)、およびBernard et al., Biochemistr
y 22, 5213-5223 (1983)より公知である。特に、コラー
ゲンのα鎖のC末端領域に見いだされるペプチドが開示
されている。こうした免疫原を用いて得られる抗体は、
イムノアッセイで、体液中のコラーゲン分解生成物を検
出する際に使用することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、この種のイムノアッセイを改善し、こうした目
的に使用される抗体や抗原などの材料を最適化すること
である。抗体は、体液中で生じるコラーゲンの分解生成
物、すなわち、コラーゲン断片を特異的に認識するとい
う事実によって区別される必要がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】したがって、本発明の主
題は、体液中のI型コラーゲンの分解生成物に対する抗
体であって、I型コラーゲン又はその断片中のアミノ酸
配列Val-Gly-Leu-Glyを特異的に認識するものである。
このアミノ酸配列は、I型コラーゲンのα2鎖のN末端
のアミノ酸残基7−10に対応する。驚くべきことに、
コラーゲン分解生成物を検出するイムノアッセイでこの
抗体を使用すると、体液中のコラーゲン分解生成物が極
めて特異的かつ高感度で検出され、こうしたイムノアッ
セイが、架橋しているコラーゲン分解生成物を使用した
イムノアッセイ(WO89/04491)と極めて良好
な相関を示すことが、経験上示された。
【0009】本発明の抗体は、アミノ酸配列Val-Gly-Le
u-Glyを特異的に認識し、すなわち、このアミノ酸配列
は、体液中に含まれるコラーゲン分解生成物中で認識さ
れる。この配列に隣接したアミノ酸も、この抗体で認識
することが可能である。しかし、コラーゲン断片によっ
ては、これらのアミノ酸が欠落していることもありうる
ので、このことは、本発明の抗体が満たすべき要件とは
いえない。ともかく重要なのは、コラーゲン断片内の、
配列Val-Gly-Leu-Glyを特徴とするエピトープを、抗体
が認識することである。抗体が結合するエピトープは、
アミノ酸いくつか分、たとえばアミノ酸1−4個分長く
てもよい。特に好適な抗体は、I型コラーゲンのα2鎖
のN末端のアミノ酸残基6−13を認識する。
【0010】抗体は、通常使用される方法で得ることが
できる。体液から免疫感作を行う際には、たとえば、I
型コラーゲンのα2鎖のN末端側の配列Val-Gly-Leu-Gl
yを含む部分を有する精製コラーゲン断片を使用するこ
とができる。これらのコラーゲン断片は、I型コラーゲ
ンを酵素的又は化学的に開裂させることによっても得る
ことができる。こうしたどちらかといえば正確に配列が
わかっているペプチドに対して形成された抗体について
も、免疫感作を行ってから適切なスクリーニング過程で
選択、精製を行う必要がある。そのためには、抗体が、
配列Val-Gly-Leu-Glyを含む短いペプチドと反応するこ
とを利用することができる。
【0011】抗体の製造方法としてさらに簡単で、した
がってより好ましい方法は、配列番号1に対応するアミ
ノ酸配列、又は少なくともアミノ酸配列Val-Gly-Leu-Gl
yを含むその部分配列を含む合成ペプチド又はペプチド
誘導体で動物を免疫感作することである。合成ペプチド
は、6個以上のアミノ酸を含むことが好ましい。配列Va
l-Gly-Leu-Glyにさらに結合させるアミノ酸は、この配
列のN末端又はC末端に結合させるのが好ましく、ま
た、I型コラーゲンのα2鎖の中で上記配列と隣接して
いるものとするのが好ましい。しかし、他のアミノ酸を
結合させることも可能である。免疫原担体、たとえばキ
ーホール・リンペット・ヘモシアニン(KLH)、ウシ
血清アルブミン又はエデスチンにペプチドを結合させて
免疫応答を増大させることも好都合である。本発明の抗
体は、ポリクローナル抗体とすることも、モノクローナ
ル抗体とすることもできるが、モノクローナル抗体とす
るのが好適である。
【0012】コラーゲン分解生成物を検出するにあたっ
ての各種アミノ酸の形態での使用に応じて、抗体は、上
述のシグナル発生物質又は標識基、たとえば蛍光標識
基、電気化学発光標識基、ジゴキシン、ビオチン又は放
射性の基に結合させることができる。固相が必要とされ
るようなイムノアッセイを行う場合には、抗体を、この
固相に直接又は間接的に結合することができる。これら
の基又は固相との結合は、当業者に公知の方法にしたが
って行ったものである。
【0013】本発明のもう一つの主題は、配列番号1に
対応するアミノ酸配列、又は少なくともアミノ酸配列Va
l-Gly-Leu-Glyを含むその部分配列を含むペプチド又は
ペプチド誘導体である。このアミノ酸配列は、I型コラ
ーゲンのα2鎖のN末端側の非らせん状の末端部分に由
来する部分的領域である。このペプチド又はペプチド誘
導体は、本発明の抗体を作製するにあたっての免疫原と
して、特異結合相手物質として、またイムノアッセイの
標準物質として使用することができる。本発明のペプチ
ドは、化学的手順を使用した公知の合成方法によって生
成させることも、こうしたペプチドをコードするDNA
配列をクローニングし、適当な宿主細胞で発現させるこ
とによって生成することもできる。
【0014】本発明は、ペプチドだけでなく、ペプチド
誘導体にも関する。ペプチド誘導体という用語は、化学
反応によって1つないし数個のアミノ酸が誘導体化され
たペプチドを包含するものである。例としては、特に、
主鎖および/または遊離アミノ酸基が誘導体化された分
子を挙げることができる。本発明のペプチド誘導体は、
本発明の抗体との結合に関して、本質的に同等な特異性
および/または親和性を有している ペプチド誘導体は、本発明の抗体との結合に関して、上
述のペプチドと本質的に同等な特異性および/または親
和性を示すペプチド様物質とすることもできる。ペプチ
ド様物質は、抗体と相互に作用する際にペプチドを代替
することができ、未変性のペプチドと比べると安定性が
高い化合物である。製造方法は、Giannis and Kolter,
Angew. Chem. 105 (1993), 1303-1326、Lee et al., Bu
ll. Chem. Soc. Jpn. 66 (1993), 2006-2010 およびDor
sch et al, Kontakte (Darmstadt) (1993)(2), 48-56に
記載されている。
【0015】抗体を調製する際の免疫原として使用する
のか、それともイムノアッセイでの材料として使用する
のかに応じて、本発明のペプチド又はペプチド誘導体
は、上述の信号発生物質又は標識基、たとえば蛍光標識
基、ジゴキシン、ビオチン、放射性の基である免疫原担
体に結合させることができる。固相が必要とされるよう
なイムノアッセイの場合には、ペプチド又はペプチド誘
導体を、こうした固相に直接結合したり、あるいはスト
レプトアビジン/ビオチン結合を介して間接的に結合し
たりすることができる。固相としては、チューブ、ビー
ズ、ラテックス粒子などが挙げられる。結合は、通常の
公知の方法で行うことができる。
【0016】上述したように、本発明のペプチド又はペ
プチド誘導体は、抗体を調製するにあたって使用するこ
とができる。本発明のさらに別の主題は、配列番号1に
対応するアミノ酸配列、又は少なくともアミノ酸配列Va
l-Gly-Leu-Glyを含むその部分配列を含むペプチド又は
ペプチド誘導体で免疫感作を行うことによって、コラー
ゲン分解生成物に対する抗体を作製する方法である。好
適な態様では、ペプチド又はペプチド誘導体の長さはア
ミノ酸6個以上で、免疫原担体に結合されている。免疫
感作が終了したら、公知の方法にしたがって、免疫感作
動物から所望の抗体を単離する。所望の担体の単離は、
担体、好ましくはセファロースにペプチドを結合させた
ものへの免疫吸着によって行うのが好ましい。このペプ
チドは、配列番号1に対応するアミノ酸配列、又は少な
くともアミノ酸配列Val-Gly-Leu-Glyを含むその部分配
列を含んでいる。
【0017】本発明の好適な主題は、本発明のペプチド
又はペプチド誘導体で免疫感作を行い、免疫感作した動
物の脾細胞を不死化し、所望の抗体を産生するこうした
不死化脾細胞をクローニングし、そしてクローニングし
た細胞又は培養細胞上清から抗体を単離することによっ
て、架橋コラーゲンに対するモノクローナル抗体を作製
する方法である。
【0018】免疫感作は、通常入手しうる動物、好まし
くはマウス又はウサギを用いることによって実施する。
免疫感作動物の脾細胞は、当業者に公知の方法、たとえ
ばハイブリドーマ技術(Kohler and Milstein, Nature
256 (1975), 495-497 )、又はエプスタイン−バールウ
イルスによるトランスフォーメーション(EBVトラン
スフォーメーション)によって不死化する。所望の抗体
を産生する不死化細胞を検出するために、免疫感作に使
用した本発明のペプチドとともに培養上清のサンプルを
通常のイムノアッセイのようにしてインキュベートし、
その後、試験を行って、このペプチド又はペプチド誘導
体に抗体が結合するか否かを観察する。
【0019】コラーゲンの分解生成物の濃度は、骨の溶
解の程度に関する重要な診断マーカーとなる。本発明の
ポリクローナル又はモノクローナル抗体を用いると、体
液中の天然コラーゲン分解生成物の濃度を測定すること
によって、骨の溶解の程度を測定することが可能とな
る。本発明のさらに別の主題は、抗体を試料とともに培
養して抗体に結合したコラーゲン分解生成物を測定する
ことによって、すなわち、本発明の抗体を使用して試料
中のI型コラーゲン又はコラーゲン断片を検出するイム
ノアッセイを実施することによって骨の溶解を測定する
ための、ポリクローナル又はモノクローナル抗体の使用
である。
【0020】試料は、コラーゲン分解生成物を含有する
体液、好ましくは血清、血漿又は尿である。基本的に
は、通常のイムノアッセイは、いずれも検出に適してい
る。好適な態様では、I型コラーゲン又はコラーゲン断
片への抗体の結合は競合法によって行う。競合法による
試験の際には、抗体を、試料及び本発明のペプチド又は
ペプチド誘導体とともに、同時に又は順次培養する。試
料中に含まれているコラーゲン断片が、好ましくは抗体
との結合について、本発明のペプチド又はペプチド誘導
体と競合し、その結果、本発明のハプテンとの抗体の結
合が試料中に含まれている抗原の量の指標となる。液相
を固相から分離するヘテロジニアスな競合イムノアッセ
イでは、抗体又はペプチドの双方を標識したり、固相に
結合させたりすることができる。試料中の抗原の正確な
量は、同様に処理した標準物質と比較することによって
通常の方法で測定することができる。
【0021】当業者に公知の競合法による試験手順は、
いずれも検出のために使用することができる。検出は、
たとえば、比濁阻害イムノアッセイ(turbidimetric in
hibition immunoassay、TINIA)又はラテックス粒
子イムノアッセイ(latexparticle immunoassay、LP
IA)を使用して行うことができる。比濁阻害イムノア
ッセイを使用する場合には、本発明のペプチド又はペプ
チド誘導体をデキストランの如き担体に結合する(EP
−A−0545350)。このポリハプテンは、抗体と
結合するために、試料中に含まれるアナライトと競合す
る。形成された複合体は、比濁分析によって測定するこ
とができる。
【0022】ラテックス粒子イムノアッセイを用いる場
合には、粒子、好ましくはラテックス粒子を本発明のペ
プチドで被覆し、本発明の抗体及び試料と混合する。試
料中にアナライトが存在する場合には、凝集が低減する
ことになる。酵素イムノアッセイ(Wisdom, G.B. Clin.
Chem. 22/8 (1976), 1243-1255、およびM. Oellerich,
J. Clin. Chem. Clin. Biochem. Vol. 18(1980), 197-
208)、蛍光分極イムノアッセイ( fluorescence pola
rization immunoassay、FPIA)(W. Dandliker et
al., J. Exp. Med. 122(1965), 1029)、酵素増幅イム
ノアッセイ技術(enzyme-multiplied immunoassay tech
nology、EMIT)(Gunzer et al., Kontake III, 19
80, 3-11、およびK. Rubenstein, Biochemical and Bio
physical Research Communications 47(1972), 846-85
1)、又はCEDIA技術(Henderson et al., Clinica
l Chemistry 32(1986), 1637-41)も検出反応として適
当である。
【0023】試料、すなわち試料中のコラーゲン又はコ
ラーゲン断片を変性して、エピトープと抗体とが結合し
やすいようにするのが多少なりとも有利であることも経
験上わかっている。抗体とともにインキュベートするに
先だって、試料を、当業者にとって公知のタンパク質変
性剤で処理しておくのが特に適当であることも経験上わ
かっている。試料と特異的抗体との免疫反応が進行する
間に干渉がなるべく、又はまったく生じないようにする
ためには、変性したプローブを再度希釈しておいてから
抗体とのインキュベーションを行う。変性剤としては、
当業者に公知のすべての変性剤を使用することができ
る。濃度が2M−6Mのロダン化カリウム(KSCN)
及び濃度が0.5M−2Mの臭化テトラデシルトリエチ
ルアンモニウム(TTAB)が、変性に際して特に好適
であった。
【0024】本発明のさらに別の主題は、配列番号1の
アミノ酸配列、又は、少なくともアミノ酸配列Val-Gly-
Leu-Glyを含むその部分配列を含むペプチド又はペプチ
ド誘導体を含むことを特徴とするI型コラーゲン又はコ
ラーゲン断片を検出するイムノアッセイにおいて、標準
又は検量線を作成するために用いられる標準物質であ
る。
【0025】以下に、手順を順を追って説明しつつ、本
発明をさらに詳細に例示する。配列番号1は、I型コラ
ーゲンα2鎖のN末端から第1〜13番目のアミノ酸に相
当する本発明のペプチドを示している。Xaa は Glnまた
はPyr(ピログルタミン)を意味している。
【0026】
【発明の実施の形態】
実施例1 1.1 ペプチド合成 Labortec SP 640 ペプチド合成装置を使用し、フルオレ
ニルメチロキシ−カルボニル−(Fmoc)−固相ペプチド
合成によって、コラーゲンのアミノ酸配列の部分配列を
含み、配列番号1に相当するペプチド1(1Gln-Tyr-Asp
-Gly-Lys-Gly-Val-Gly-Leu-Gly-Pro-Gly-13Pro)-Cys(=
CollIα(1-13,1Gln)-Cys)およびペプチド2(1Pyr-Ty
r-Asp-Gly-Lys-Gly-Val-Gly-Leu-Gly-Pro-Gly-13Pro)-C
ys(=CollIα(1-13,1Pyr)-Cys)を作成する。以下のFm
ocアミノ酸誘導体の4.0当量に相当する量を使用する: 第3級ブチル保護基を有するTyr 第3級ブチロキシカルボニル保護基を有するLys S−第3級ブチル保護基を有するCys 。
【0027】それ以外のアミノ酸誘導体(Gln,Pyr,Asp,
Gly,Val,Leu,Pro )はすべて側鎖保護基を含まないもの
を使用した。これらのアミノ酸またはアミノ酸誘導体を
N−メチルピロリドンに溶解する。4−(2',4'-ジメト
キシフェニル−Fmoc−アミノメチル)フェノキシ樹脂
(Tetrahedron Letters 28(1987),2107 )3 g 上で、濃
度 0.87 mmol/樹脂 1 gを使用してペプチドを合成する
(JACS 95(1973),1328)。反応媒体としてジメチルホル
ムアミド中のジシクロヘキシルカルボジイミド4.4 当量
およびN−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール 4.8当量を
使用して、Fmocアミノ酸誘導体のカップリング反応を60
分間実施する。イソプロパノールで洗浄した合成用樹脂
上でKaiser試験(Anal.Biochem. 34 (1970),595 )を行
なって、カップリング反応の結果をモニターする。完全
な変換が達成されるまで、上記の条件下でカップリング
を反復する。各合成ステップ後、ジメチルホルムアミド
中20%ピペリジンを使用して、20分間にわたって、Fmoc
基を切断する。各ピペリジン処理後、放出されたフルベ
ン基のUV吸収から、樹脂中の濃度を測定する。
【0028】合成後においても、濃度は0.68 mmol/g で
ある。トリフルオロ酢酸 80 ml、エタンジチオール 5 m
l 、フェノール 2.5 g、m−クレゾール 2.5 ml および
水 5ml を使用して、室温で60分、合成用樹脂からのペ
プチドの放出および酸不安定保護基の切断を実施する。
その後反応溶液を真空濃縮し、残渣を取り出してジイソ
プロピルエーテルに入れ、0.5〜2時間激しく撹拌し、そ
の後濾過する。次いで、Sephadex G15を使用し、0.5%
酢酸を溶離剤とするゲル浸透クロマトグラフィーによっ
てこの物質を予備精製する。その後、生成した粗物質を
濾過し、Nucleosil RP 18 (カラム 40mm × 250 mm 30
0Å,5μm )上での100 %試薬A(水、0.1 %トリフル
オロ酢酸)から100 %試薬B(60%アセトニトリル、40
%水、0.1 %トリフルオロ酢酸)までの勾配を使用した
120 分間の分取HPLCによって単離する。イオンスプ
レー質量分析によって、溶離物質の同一性をチェックす
る。
【0029】1.2 免疫原の合成 マレインイミド−プロピオン酸−N−スクシンイミドエ
ステル(=MPS)を使用したKLHの活性化 KLH凍結乾燥物 280 mg を 0.1 Mリン酸カリウム緩衝
液(pH 7.0)15 ml に溶解する;その後DMSO 1 ml
中のMPS=マレインイミド−プロピオン酸−N−ヒド
ロキシスクシンイミドエステル 7.35 mg溶液を添加し、
室温で16時間撹拌する。続いて混合物を遠心分離し、A
cA 202カラム(d=5 cm、l=25 cm;0.1 Mリン酸カ
リウム緩衝液(pH 7.0)で平衡化)を使用して上清を精
製する。
【0030】収量:KLH−MP 129 mg (4.3×10-5m
mol);η=3.59 mg/ml(BCA Test ;BCA Protei
n Assay Reagent,Pierce、によって測定) KLH−MPのColl Iα2(1−13、1Gln /Pyr)-Cys
との反応 Coll Iα2(1−13、1Gln )-Cys 20.33 mg およびCo
ll Iα2(1−13、1Pyr)-Cys 20.08 mgの混合物を H
2O 1 mlに溶解し、MP活性化KLHに添加して溶解す
る。この混合物を室温で16時間撹拌する。続いて混合物
を遠心分離し、AcA 202カラム(d=5 cm、l=25 c
m;0.1 Mリン酸カリウム緩衝液(pH 7.0)で平衡化)を
使用して上清を精製する。
【0031】MPSによるBSAの活性化 BSA 150 mg を 0.1 Mリン酸カリウム緩衝液(pH 7.
0)10 ml に溶解し、DMSO 1 ml 中のMPS 11.6 m
g溶液を添加し、混合物を室温で16時間撹拌する。続い
てAcA 202カラム(d=5 cm、l=25 cm;0.1 Mリン
酸カリウム緩衝液(pH 7.0)で平衡化)を使用して溶液
を精製する。
【0032】収量:BSA−MP 121 mg (1.75×103m
mol/l);η=3.78 mg/ml(BCA試験によって測定) BSA−MPのColl Iα2(1−13、1Gln /Pyr)-Cys
との反応 Coll Iα2(1−13、1Gln )-Cys 47.13 mg およびCo
ll Iα2(1−13、1Pyr)-Cys 46.53 mgの混合物を H
2O 3 mlに溶解し、MP活性化BSAに添加して溶解す
る。この溶液を室温で16時間撹拌する。続いてAcA 2
02カラム(d=5 cm、l=25 cm;0.1 Mリン酸カリウム
緩衝液(pH 7.0)で平衡化)を使用して溶液を精製す
る。
【0033】収量:免疫原 124 mg ;η=2.59 mg/ml
(BCA試験によって測定) 1.3 PEPSCAN分析用ペプチドの合成 Fmoc(フルオレニルオキシカルボニル)固相合成を使用
して、ペプチドを生成した。Zinsser (SMP360 )製
多重合成装置中で反応を実施した。ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド1.1 当量およびN−ヒドロキシベンゾトリ
アゾール 1.0当量を使用して、Fmocアミノ酸誘導体のカ
ップリング反応を90分間実施した。使用した反応媒体は
ジメチルホルムアミドである。DMF中50%ピペリジン
を使用して、10および20分間にわたってFmoc基を切断し
た。以下のFmocアミノ酸誘導体の10.0当量を使用した:
Asp (第3級ブチルエステル保護基を有する):Asp
(第3級ブチルエステル保護基を有する)、Gly、Lys
(第3級ブチルオキシカルボニル保護基を有する)、Me
t、Tyr(第3級ブチル保護基を有する)、Gln、Val、Le
u、Pro、Arg (PMC保護基を有する)。
【0034】Rink樹脂(ポリスチレン/1%ジビニルベ
ンゾール)20 mg を使用し、添加量0.50 mmol/gとして
ペプチドを合成した。この操作によって、配列番号2:
Gln,Tyr,Asp,Gly,Lys,Gly,Val,Gly,Leu,Gly,Pro,Met,Gl
y,Leu,Met,Gly,Pro,Arg,Gly,の Coll Iα2(1-21)配列
の中の8アミノ酸残基をそれぞれ含むペプチドが産生さ
れた。
【0035】トリフルオロ酢酸 1 ml 、エタンジチオー
ル 50μl、チオクレゾール 50μl、チオアニソール 25
μlおよび水 25μlを使用して、室温で3時間かけてペ
プチドを放出させた。ジイソプロピルエーテルを使用し
て、切断用溶液からペプチドを沈殿させた。ペプチド抗
原をビオチニル化させるため、高度に濃縮したモル当量
(溶解度はアミノ酸配列によって異なる)をアルゴン飽
和リン酸カリウム緩衝液(0.1 mol/l,pH 8.0)に溶解
し、アルゴン飽和ジメチルホルムアミドに溶解したD−
ビオチニル−ε−アミノ−カプロン酸−N−ヒドロキシ
スクシンイミドエステル( 5μl のDMF中1μmolの
試薬溶液)3 当量に添加した。その後、反応混合物をア
ルゴン雰囲気中室温で2時間撹拌する。NAP-15 カラ
ム(Pharmacia )上でゲル濾過して低分子量成分を分離
し、凍結乾燥することによってビオチニル化物を得た。
収率は40〜90%である。精製のためのHPLC、HPC
EおよびTLC、同定のためのLSI−MS(モルピー
ク)、並びに特異的染色剤(ビオチンに対するp−ジメ
チルアミノシンネモンアルデヒド)を使用したTLCに
よって、分析を実施し、含有量を微量分析によって測定
した。
【0036】実施例2モノクローナル抗体の調製 マウスの免疫 12週令のBalb/cマウスに最初、完全Freundアジュバン
ト中の免疫原(Coll Iα2 (1−13)、(1−13、Gln/Pyr)-C
ys-KLHまたは Coll Iα2(1−13、Gln/Pyr)-Cys-BSA)100
μgを用いて腹腔内に免疫した。
【0037】6週間後、3回の追加免疫ステップを1ヵ
月間隔で腹腔内に実施した。各マウスに不完全Freundア
ジュバント中の免疫原 100μg を投与した。4回目の免
疫の8日後、分析用のマウス血清を得るため、眼窩後方
(retro-orbitally )から血液を採った。BSA担持タ
ンパク質に比較して、KLHに連結したペプチド(Coll
Iα2(1-13,Gln/Pyr)-Cys-KLH )で免疫した結果の方が
良好だった。さらに試験をするため、KLH免疫原で免
疫した15の利用し得る血清から2種のマウス血清、328/
14および328/11を選択し、さらに詳細に特徴づけを行っ
た 融合の3日前、2日前および前日にPBS緩衝液中の免
疫原 100μg の静脈投与による追加免疫を実施した。
【0038】融合およびクローン化 脾臓細胞懸濁液の調製 無菌環境下でマウスの頸部を切って殺し、脾臓を取り出
した。RPMI1640基礎培地中でピンセットによって脾
臓細胞を結合組織から押し出した。細胞懸濁液をスチー
ル篩を通して圧搾し、続いてRPMI1640基礎培地とと
もにチューブに入れ、200 gで遠心分離した。
【0039】融合 免疫されたマウスの脾臓細胞とP3x63Ag8-653骨髄腫細胞
(ATCC-CRL8375)とを1:5の比率で混合し、遠心分離
した(10分、300g、4℃)。細胞をRPMI1640基礎培
地で再度洗浄し、50 ml 細先チューブ(tip tube)に入
れて 400g で遠心分離した。上清をデカントし、細胞沈
殿物をほぐし、PEG(MG4000,Merck)1mlを添加し、
ピペットを通した。ウォーターバス中に1分置いた後、
RPMI1640基礎培地 5 ml を室温で 5〜6 分かけて滴
下した;この溶液に培地(RPMI1640+10%FKS)
を混合して50 ml になるようにし、続いて 4℃、400gで
10分間遠心分離した。沈殿した細胞を取り出してRPM
I1640培地+10%FCS中に入れ、選択培地(RPMI
1640+10%FCS中 100 mM ヒポキサンチン、アザセリ
ン 1μg/ml)(FCS=ウシ胎児血清)1 mlを有する24
ウェルの細胞培養プレートに、1ウェル当たり脾臓細胞
5×104 になるように入れた。 10日後、これらの一次
培養物を特異的抗体合成について試験した(実施例3.
3参照)。対応する特異性を有する一次培養物を96ウェ
ルの細胞培養プレート中でFACS(セルソーター)を
介してクローン化した。この培地に増殖用添加剤として
インターロイキン−6(Boehringer Mannheim,Cat.No.1
271172,100 U/ml )を添加した。こうして6種のハイブ
リドーマ細胞系を単離した。
【0040】実施例3 3.1 マウス血清中の Pepscan測定 マイクロタイタープレート(Nunc製)を熱BSAストレ
プトアビジンでコーティングし、PBS ml 当たり各ビ
オチニル化ペプチド100 ng、0.05% Tween 20(100 μl
/ウェル)溶液を添加した。以下のペプチドを使用し
た; Coll Iα2(1-13,1Gln),Coll Iα2(1-13,1Pyr),a1:こ
の2つのペプチドの混合物 Coll Iα2(1-13,1Gln,Pyr),Coll Iα2(1-8),Coll Iα2
(2-9)....Coll Iα2(14-21)まで。
【0041】室温で1時間インキュベートした後、混合
物をPBS、0.05%Tween 20で2回洗浄した。マウス血
清328/14および328/11をPBS、0.05%Tween 20で1:40
00に希釈し、続いてこの溶液 100μl をペプチドでコー
ティングされたウェル中にピペットで入れ、室温で1時
間インキュベートした。続いてこの溶液をPBS、0.05
%Tween 20で3回洗浄した。ペプチドに結合した各マウ
ス血清の抗体の検出を実施するため、マウスFc−γに
対するポリクローナルヒツジ抗体のPOD標識Fab断片
(Boehringer Mannheim,Cat.No.1047523)100μl(濃度
40 mU/ml PBS、0.05%Tween 20)を添加した。室
温で1時間インキュベートした後、この溶液をPBS、
0.05%Tween 20で3回洗浄した。発色試薬(ABTS
(登録商標)、Boehringer Mannheim ,Cat.No.1204521
および1204530 )100 μl/ウェルを添加し、室温で30分
インキュベートした後、SLT 製マイクロタイタープレー
ト読取り装置で450/490 nmにおける吸光度を測定した。
このPepscan 測定の結果を図1に示す。マウス血清が配
列番号1に相当する完全ペプチドに結合することが明白
に示されている。コラーゲン Iα2 鎖のN−末端部分か
らの配列を有する8ペプチドについてのPepscan 分析
は、すべての抗体が配列7-10、すなわちVal-Gly-Leu-Gl
y を認識することを示している。この配列は抗体への結
合を決定づけるエピトープの主成分である。
【0042】3.2 EIA競合試験 マウス血清の抗体および壁面に固定されたペプチドを使
用して、尿中のコラーゲンペプチドを測定するために、
競合原理に従った酵素イムノアッセイを設計することが
可能である。この試験はOstex によるOsteomark (登録
商標)試験と良好な相関性を示す。
【0043】熱BSAストレプトアビジンでコーティン
グしたマイクロタイタープレートをビオチニル化ペプチ
ド混合物 Coll Iα2(1-13, 1Gln/Pyr,1:1の混合物)
(100 ng/ml PBS,0.05%Tween 20、100μl/ウェル
の割合)でコーティングした。室温で1時間インキュベ
ートした後、溶液をPBS、0.05%Tween 20で2回洗浄
した。ペプチド混合物 Coll Iα2(1-13, 1Gln/Pyr)のP
BS、0.05%Tween 20による以下の濃度の希釈液を得
た;0,25,50,100,250,500 および1000 ng/ml。それぞれ
のウェルにこの各標準液 50μlおよび希釈マウス血清 5
0μlをピペットで入れ(マウス血清 328/11 、PBS、
0.05%Tween 20中 1:4000 に希釈)、混合した。室温で
1時間インキュベートした後、溶液をPBS、0.05%Tw
een 20で3回洗浄し、続いてPepscan 測定の例で記載し
たように、マウスFcγに対するポリクローナル抗体の
POD標識Fab断片を使用した測定シグナルを生成さ
せ、呈色反応させた。標準濃度に対する測定シグナルを
プロットして、標準曲線を得た(図2)。
【0044】試料(尿)の測定 試験は、標準希釈液の代わりに尿 50μlを使用した。そ
の他の試験は標準曲線の場合と同様に実施した。試料の
濃度を検量線から読取り、続いて試料のクレアチニン値
と対照させた。クレアチニン値は、酵素による測定法で
あるBoehringerMannheim 製Creatinin-PAP 試験(Cat.N
o.1178652)を使用して測定した。
【0045】Ostex 製 Osteomark(登録商標)試験との
比較測定を実施した。略語BCEは骨コラーゲン当量を
意味する。結果を以下の表1に示す:
【0046】
【表1】
【0047】 コラーゲンペプチド濃度[ng/ml] クレアチニン濃度[μmol]に対照させたコラーゲン
ペプチド濃度[ng/ml] クレアチニン濃度[nmol]に対照させた骨コラーゲ
ン当量濃度[pmol] 図3は本発明の試験と Osteomark(登録商標)試験との
相関を示す。相関係数0.925が得られた。
【0048】骨髄腫細胞と融合させたマウス脾臓細胞 3
28/11 および 328/14 を培地中にまいた。培養物上清 9
/1〜9/12(マウス 328/11 )および 10/1〜10/4(マウ
ス 328/14 )について Pepscan分析を実施した。結果を
図4および5に示す。試験操作は以下の変法以外は実施
例3.1に一致させた。 3.3 一次培養物におけるPepscan 測定 ビオチン誘導ペプチドとして、ペプチド Coll Iα2(3-1
0)〜Coll Iα2(8-15)のみを使用した。マウス血清に代
えて各種希釈度(PBS、0.05% Tween 20 )の上清 9
-1〜9-12および 10-1〜10-4を使用した。
【0049】希釈度は図中に示す。抗体含有培養上清を
使用して標準曲線を得た。尿試料を測定し、骨再吸収マ
ーカー Osteomark(登録商標)との相関性を測定した。
採用した操作のために使用した例は培養上清 9-1(マウ
ス 328/11 )のモノクローナル抗体を使用したEIA競
合試験である(実施例3.4)。 3.4 モノクローナル抗体を使用したEIA競合試験 熱BSAストレプトアビジンでコーティングしたマイク
ロタイタープレートをビオチニル化ペプチド Coll Iα2
(6-13)(100 ng/ml PBS,0.05%Tween 20、100μl/
ウェルの割合)でコーティングした。室温で1時間イン
キュベートした後、溶液をPBS、0.05%Tween 20で2
回洗浄した。ペプチド混合物 Coll Iα2(1-13, 1Gln/Py
r)のPBS、0.05%Tween 20による以下の濃度の希釈液
を得た。0,50,100,200 ng/ml。それぞれのウェルにこの
各標準液 50μlおよび培養上清(PBS、0.05%Tween
20中1+1に希釈)50μl をピペットで入れ、混合し
た。室温で1時間インキュベートした後、溶液をPB
S、0.05%Tween 20で3回洗浄し、続いてPepscan 測定
の例で記載したように、マウスFcγに対するポリクロ
ーナル抗体のPOD標識Fab断片を使用した測定シグ
ナルを生成させ、呈色反応させた。標準濃度に対する測
定シグナルをプロットして、標準曲線を得た。これを図
6に示す。
【0050】試料(尿)の測定 試験において、標準希釈液の代わりに尿 50μlを使用し
た。その他の試験は標準曲線の場合と同様に実施した。
試料の濃度を検量線から読取り、続いて試料のクレアチ
ニン値と対照させた。クレアチニン測定および Osteoma
rk(登録商標)試験に関しては、実施例3.2における
記述を適用する。結果を以下の表2に示す。Osteomark
(登録商標)試験との相関性を図7に示す。相関係数
0.972が得られた。
【0051】
【表2】
【0052】、およびについては表1参照。表3
はその他の培養上清についてのデータを示す。すべての
場合において、 Osteomark(登録商標)試験との極めて
良好な相関性が示された。
【0053】
【表3】
【0054】0時:最低標準値 200 ng/ml :最高標準値 r:相関係数
【0055】
【発明の効果】本発明により、I型コラーゲン又はその
断片に含まれるアミノ酸配列Val-Gly-Leu-Gly を特異的
に認識する抗体及び該抗体を作製する方法が提供され
る。本発明の抗体は、骨の溶解を測定するための使用に
有用であり、また、I型コラーゲン又はその断片を検出
するためのイムノアッセイに用いることができる。
【0056】さらに、本発明により、配列番号1のアミ
ノ酸配列、又は少なくともアミノ酸配列Val-Gly-Leu-Gl
y を有するその部分配列を含むペプチド又はペプチド誘
導体が提供される。かかるペプチド又はペプチド誘導体
は、抗体作製用、イムノアッセイ用に使用することがで
きる。
【0057】
【配列表】
配列番号1 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
【0058】
【化1】
【0059】配列番号2 配列の長さ:19 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
【0060】
【化2】
【図面の簡単な説明】
【図1】Pepscan 測定の結果を示す図である。
【図2】マウスFcγに対するポリクローナル抗体のF
abフラグメントを使用した測定シグナルの標準曲線を
示す図である。
【図3】図3は本発明の試験と Osteomark試験との相関
を示す図である。
【図4】骨髄腫細胞とマウス脾臓細胞との融合細胞につ
いて Pepscan分析を実施した結果示す図である。
【図5】骨髄腫細胞とマウス脾臓細胞との融合細胞につ
いて Pepscan分析を実施した結果示す図である。
【図6】マウスFcγに対するポリクローナル抗体のF
abフラグメントを使用した測定シグナルの標準曲線を
示す図である。
【図7】尿の測定について、Osteomark試験との相関性
を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年12月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
フロントページの続き (72)発明者 ブリジット ドレーガー ドイツ連邦共和国 D−82327 トゥーツ ィング アム バレイスル 25番地 (72)発明者 ウルリッヒ エシッヒ ドイツ連邦共和国 D−82152 プラネッ グ ヨゼフ−フォン−ヒルシュ−シュトラ ーセ 51番地 (72)発明者 クリスタ ヒューブナー−パラズ オーストリア国 D−82327 トゥーツィ ング マリエンシュトラーセ 11番地 (72)発明者 エラスムス フーバー ドイツ連邦共和国 D−86923 フィニン グ エステー.ヴィリバルト 10番地

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】I型コラーゲン又はその断片に含まれるア
    ミノ酸配列Val-Gly-Leu-Gly を特異的に認識することを
    特徴とする抗体。
  2. 【請求項2】配列番号1のアミノ酸配列、又は少なくと
    もアミノ酸配列Val-Gly-Leu-Glyを含むその部分配列を
    含むペプチド又はペプチド誘導体で免疫感作を行うこと
    によって得られる請求項1に記載の抗体。
  3. 【請求項3】上記のペプチド又はペプチド誘導体が、少
    なくともアミノ酸6個以上の長さを有することを特徴と
    する請求項2に記載の抗体。
  4. 【請求項4】抗体が、モノクローナル抗体であることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗体。
  5. 【請求項5】骨の溶解を測定する診断過程における請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の抗体の使用。
  6. 【請求項6】請求項1〜4に記載の少なくとも1種の抗
    体を用いる、I型コラーゲン又はその断片を検出するた
    めのイムノアッセイ。
  7. 【請求項7】競合イムノアッセイの原理に基づいてお
    り、さらに、配列番号1のアミノ酸配列、又は少なくと
    もアミノ酸配列Val-Gly-Leu-Gly を含むその部分配列を
    含むペプチド又はペプチド誘導体を用いる、請求項6に
    記載のイムノアッセイ。
  8. 【請求項8】EIA、CEDIA、FPIA、TINI
    A、又はLPIAであることを特徴とする請求項7に記
    載のイムノアッセイ。
  9. 【請求項9】配列番号1のアミノ酸配列又は少なくとも
    アミノ酸配列Val-Gly-Leu-Gly を含むその部分配列を含
    むペプチド又はペプチド誘導体。
  10. 【請求項10】免疫原担体物質と組み合わせることを特
    徴とする、抗体作製用の請求項9に記載のペプチド又は
    ペプチド誘導体。
  11. 【請求項11】請求項9又は10に記載のペプチド又は
    ペプチド誘導体の、抗体を作製するための使用。
  12. 【請求項12】イムノアッセイにおける、請求項9に記
    載のペプチド又はペプチド誘導体の使用。
  13. 【請求項13】請求項9又は10のいずれかに記載の抗
    原で適当な動物を免疫感作し、その動物の血清から所望
    の抗体を単離することによって、I型コラーゲン又はそ
    の断片に対する抗体を作製する方法。
  14. 【請求項14】請求項9又は10のいずれかに記載の抗
    原で適当な動物を免疫感作し、免疫感作した動物の脾細
    胞を不死化し、不死化した脾細胞のうちの所望の抗体を
    産生するものをクローニングし、クローニングした細胞
    又はこれら細胞の上清から抗体を単離することによっ
    て、請求項4に記載のモノクローナル抗体を作製する方
    法。
JP7335319A 1994-12-23 1995-12-22 I型コラーゲン検出用の抗原及び抗体 Pending JPH08233811A (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE4446232 1994-12-23
DE4446232:8 1995-02-01
DE1995103146 DE19503146A1 (de) 1995-02-01 1995-02-01 Antigene und Antikörper zum Nachweis von Kollagen I
DE19503146:6 1995-02-01

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08233811A true JPH08233811A (ja) 1996-09-13

Family

ID=25943231

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7335319A Pending JPH08233811A (ja) 1994-12-23 1995-12-22 I型コラーゲン検出用の抗原及び抗体

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5821065A (ja)
EP (1) EP0718309B1 (ja)
JP (1) JPH08233811A (ja)
DE (1) DE59505585D1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023068248A1 (ja) * 2021-10-20 2023-04-27 積水メディカル株式会社 I型コラーゲン架橋n-テロペプチドの免疫測定方法及び免疫測定キット、並びに抗体又はその抗体断片
WO2023182353A1 (ja) * 2022-03-25 2023-09-28 積水メディカル株式会社 免疫学的検出方法及び免疫学的検出キット

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB9506050D0 (en) 1995-03-24 1995-05-10 Osteometer A S Assaying collagen fragments in body fluids
ATE199185T1 (de) 1994-10-17 2001-02-15 Osteometer Biotech As Einschätzung der fragmentierungsmuster von kollagen in körperflüssigkeiten und diagnose von mit dem kollagenmetabolismus zusammenhängenden störungen
US5750647A (en) * 1995-05-19 1998-05-12 Washington Research Foundation Synthetic peptide analogs of NTx
US6107047A (en) * 1996-03-21 2000-08-22 Osteometer Biotech A/S Assaying protein fragments in body fluids
GB9617616D0 (en) 1996-08-22 1996-10-02 Osteometer Biotech As Assaying protein fragments in body fluids
US6660481B2 (en) 1996-12-09 2003-12-09 Osteometer Biotech A/S Sandwich assays for collagen type I fragments
US6916903B2 (en) 1998-06-19 2005-07-12 Washington Research Foundation Collagen type III synthetic peptides for collagen resorption assays
US6348320B1 (en) 1998-06-19 2002-02-19 Washington Research Foundation Cartilage resorption assays measuring type II collagen fragments
DK1088228T3 (da) 1998-06-19 2006-01-02 Washington Res Found Bruskresorptionsassays
US6602980B1 (en) 1998-06-19 2003-08-05 Washington Research Foundation Collagen type III synthetic peptides for collagen resorption assays
WO2009051279A1 (en) * 2007-10-19 2009-04-23 Tonen Chemical Corporation Extruder and process for preparing a mixture of polymer and diluent
DK3173792T3 (da) * 2009-03-30 2019-08-05 Novartis Ag Crp neo-epitop fibrose-assay

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5320970A (en) * 1987-11-06 1994-06-14 Washington Research Foundation Detection of collagen degradation in vivo
DE4225038C2 (de) * 1992-07-29 1995-11-30 Boehringer Mannheim Gmbh Herstellung und Verwendung von Antikörpern gegen Kollagen
US6653450B1 (en) * 1993-01-28 2003-11-25 Cohesion Technologies, Inc. Mutated recombinant collagens

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
ANN N Y ACAD SCI=1988 *
J BIOL CHEM=1987 *
NISHINIHON J DERMATOL=1986 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023068248A1 (ja) * 2021-10-20 2023-04-27 積水メディカル株式会社 I型コラーゲン架橋n-テロペプチドの免疫測定方法及び免疫測定キット、並びに抗体又はその抗体断片
WO2023182353A1 (ja) * 2022-03-25 2023-09-28 積水メディカル株式会社 免疫学的検出方法及び免疫学的検出キット

Also Published As

Publication number Publication date
EP0718309B1 (de) 1999-04-07
US5821065A (en) 1998-10-13
DE59505585D1 (de) 1999-05-12
EP0718309A1 (de) 1996-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2004235974B2 (en) Method of detecting proBNP with a monoclonal antibody binding to the amino acid 41-46
JP2703116B2 (ja) コラーゲンまたはコラーゲン断片を検出するためのイムノアッセイ
JP3360826B2 (ja) コラーゲンまたはコラーゲンフラグメントの検出用のイムノアッセイ
JPH08233811A (ja) I型コラーゲン検出用の抗原及び抗体
US5173422A (en) Monoclonal antibodies specific for human glycoalbumin
US5763272A (en) Hybridoma for producing antibody for collagen I
EP0330878A2 (en) Anti-ras protein-antibodies
WO1996023815A1 (en) Ob gene product antibodies
WO2004099240A2 (en) Peptides and mixtures thereof for use in the detection of severe acute respiratory syndrome-associated coronavirus (sars)
US5164483A (en) Y-carboxyglutamate derivative, method for preparing the same and method for preparing human osteocalcin using the same
CA2642066C (en) Immuno-interactive fragments of the .alpha.c subunit of inhibin
JPH1072498A (ja) 対照サンプルとしての抗hiv抗体
US6800462B2 (en) Production of recombinant proteins in vivo and use for generating antibodies
AU782490B2 (en) Immuno-interactive fragments of the alphaC subunit of inhibin
JP3194762B2 (ja) モノクローナル抗体、その製造法および用途
JPH02152988A (ja) ペプチド化合物および該ペプチド化合物を使用して得られる抗血清および抗体
EP0676412A1 (en) Purified human chondrocalcin, process for producing the same, and utilization thereof
JPH10300749A (ja) コラーゲン断片を認識する抗体
JP2002518676A (ja) 軟骨吸収アッセイ