JP2005507071A - 高放射線レベル及び環境防護のための柔軟な無定形混合物 - Google Patents
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Abstract
放射封じ込め構造体の空隙を効果的に充填する柔軟な改良された核遮蔽物質。非常に高い温度の下で、この物質は熱分解に耐え、強固なセラミック物質に変化するように設計されている。この物質は、多くの成分を含み、第1の成分は、RTFシリコーンゴム等の2要素自己重合式のような重合エラストママトリックスである。タングステンカーバイド粉末等のγ線を遮蔽する化合物、ボロンカーバイド粉末のような中性子吸収/γ線阻止化合物、ダイアモンド粉末のような熱伝導物質、二酸化ケイ素粉末のような高温耐性のある化合物、硫酸バリウム粉末のような電気伝導率を高める第2の中性子吸収化合物、スポンジパラジウムのような水素を急速に吸収する水素ガス抑制化合物を入れる。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、極限の環境に耐える材料の分野に関し、特に、高放射線レベルに耐える材料に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力及び放射性物質は、克服できそうにない問題をもたらした。原子力発電所、それらの設計及び運用に関する環境安全性の問題が社会の大きな関心事となっている。原子炉の安全性は人間工学(human engineering)の支配下にあることは、明かである。実際に起こる問題は、使用済み核燃料の再利用及び廃棄処分に起因した環境問題である。使用済核燃料を、新たな核分裂性物質を産出するために再加工(長期的エネルギ需要の観点から最も効果的な選択肢)するか、又は使用済核燃料を単に直接的に廃棄処分するかは、環境から長い間隔離しなければならない高レベルの放射性物質の量を考慮して決めるべきである。現在計画されている廃棄方法は、放射性物質が無害なレベルに分裂するまで深い地層に埋めることである。典型的には、これらの「埋込(buried)」廃棄物では、監視、すなわち人間による管理が行われずに環境的に隔離されることになる。しかしながら、放射性廃棄物は穴に投棄されるだけでは済まない。これらの物質は絶えず熱を発生し、放射される放射線はほとんどの物質を変化させ、又は劣化させる。容器は、劣化すると、破損しやすく、漏れやすく、物質を格納することさえ困難になる。さらに、場合によっては、多くの遮蔽物質と放射線との相互反応によって爆発性のガス(主に水素)が発生する。これらの問題は、放射性廃棄物及び原子力発電所に衝撃を与えている。もし原始力発電所又は保管容器の構造部品が劣化し、及び/又は水素爆発が起こるならば、可能な限りの最も安全な設計をしても、ほとんど役に立たない。
【0003】
廃棄の観点から、現在の最善の方法は可燃性の溶剤を取り除いて放射性廃棄物の量を削減することである。そして、削減された放射性廃棄物は、陶化(vitrified)され、あるいは環境への漏出を防ぐために安定な形態に変換される。通常、削減された放射性廃棄物(使用済燃料棒を含む)は、運搬及び廃棄処分のために頑強で耐久性のある容器に入れられる。この容器は、運搬及び取扱いを容易にするために相当な遮蔽特性を有することが理想的である。原子力発電所に関しては、多くの場合、従来の遮蔽材が用いられている。過剰に劣化する前に、そのような遮蔽材を交換するか、原子力発電所の炉を閉じることが望ましい。それでも、原子力発電所及び放射性廃棄物に通常付随する放射線、熱及び化学的条件に対する並外れた耐性を示す特別な物質を製造する重要な課題は残されている。理想的には、そのような遮蔽物質は、放射線遮蔽特性を有し、削減された放射性廃棄物と同様に、廃棄すること、又は損傷を受けた原子力設備を遮蔽及び入れることに用いることができる。
【0004】
最も単純で幼稚な遮蔽物質は、おそらくコンクリートである。単純なポルトランドセメントベースの物質又は類似した物質内の鉱物包有物によって、更なる遮蔽物質(例えば重金属粒子)が加わり、これらの物質が放射線を遮蔽する。しかしながら、単純なコンクリートは、幾つかの原子力施設における厳しい化学的条件下では、長持ちしない。多くの用途において、コンクリート固有の脆さが問題となっている。コンクリートは、衝撃が加わり、又は落とされると、亀裂が生じ、漏れを起こすことがある。液状の放射性廃棄物用のコンクリート製のタンクの有効寿命は、50年未満である。コンクリートは、量が削減され、陶化された放射性廃棄物に対してはより効果的であるが、理想とは程遠いものである。また、使用するのがより簡単で優れた遮蔽及び/又は物理的性質を有する封じ込め物質、すなわち新規な遮蔽物質による数多くの実験が行われている。本発明者は、米国特許番号6,232,383号においてそのような物質を開示した。その中で開示した物質は従来の物質に比して大変な進歩をしているけれども、それは全ての面で最適というわけではない。この物質は、相当な引張強度を示すが、ある程度の柔軟性が望まれる用途に対しては理想的でない。更に、開示した方法は、必ずしも放射線によって誘起される水素の発生(放射線分解)に対して最適の耐性を示さないかもしれない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、放射封じ込め構造体において空隙を効果的に充填するために、最初は柔軟な改良された核遮蔽物質である。物質は、無定形の有機マトリックスをベースとし、熱及び放射に対して耐性を有する。非常に高い温度の下で、物質は、熱分解せずに、元の物質の良好な放射線及び水素耐性を維持したままで、強固なセラミック物質に変化するように、設計されている。
【0006】
そのようなものとして、混合物は、最大で7種の成分グループを均一に混合したものからなる。第1の成分は、RTFシリコーンゴム等の2要素自己重合式のような重合エラストママトリックスでり、最終混合物の約10重量%を構成している。第2の成分は、タングステンカーバイド粉末等のγ線遮蔽材として作用する物質であり、γ線遮蔽材は、最終混合物の約25重量%を占めている。第3の成分は、ボロンカーバイド粉末のような中性子吸収/γ線阻止物質であり、最終混合物の約5重量%を構成している。第4の成分は、ダイアモンド粉末のような熱伝導物質であり、最終混合物の約0〜5重量%を占めている。第5の成分は、二酸化ケイ素粉末のような高温耐性のある化合物であり、最終混合物の0〜5%重量%を占めている。第6の成分は、第2の中性子吸収化合物であるとともに、電気伝導率を高める、すなわち硫酸バリウム粉末であり、最終混合物の0〜2重量%を占めている。最後に、第7の成分は、スポンジパラジウム又は他金属又は金属間化合物のような水素を急速に吸収する水素ガス抑制成分であり、最終混合物の約2〜8重量%Qを構成している。
【0007】
有機エラストマ(第1の成分)は、好ましくは2要素触媒式であり、他の成分の全てを均一に混合した後、均一に混合した成分をRTFの要素Aに混ぜる。最後に、RTFの要素Bを混合物に混ぜ、そして、目的の箇所に注入し、それが発泡し、重合して硬化する。あるいは、他の成分を均一に混ぜ、混合物とすることができる。それから、RTFの要素Aと要素Bを均一に混ぜ、混合物とすることができ、その混合物に、他の成分の混合物を素早く混ぜ、得られる混合物を、発泡及び発熱が実質的に起こる前に、目的の箇所に注入する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、あらゆる当業者が発明を実施及び使用できるように説明するとともに、この発明を完成した発明者が考える最良の形態を明らかにする。この実施例において、特に、放射線によって誘起される水素発生に起因した損傷を食い止める、改良した放射線遮蔽物質を提供する本発明の一般的な原理を明らかにするので、当業者が様々な変更を加えることができることは、明らかである。
【0009】
本発明は、放射線封じ込め構造体の空隙(void)を効果的に充填できるように、最初は柔軟な改良された放射線遮蔽物質である。物質は、無定形有機マトリックス(amorphous organic matrix)をベースとし、熱及び放射線に耐える。非常に高い温度の下で、物質は、熱分解せずに、元の物質の良好な放射線及び水素耐性を維持したままで、強固なセラミック物質に変化するように、設計されている。そのようなものとして、混合物(composition)は、最大で7種の成分グループを均一に混合(mixture)したものからなる。より詳細には、この混合物は、以下の成分を含む。
【0010】
1)有機重合エラストママトリックス(organic polymeric elastomer matrix、理想的には2要素自己重合式(two part self-polymerizing system)、最終混合物の約10〜30重量%)と、
2)γ線遮蔽(gamma radiation shielding)成分(例えばタングステンカーバイド粉末(tungsten carbide powder)、純度99%、好ましい平均粒径50〜200μm、最終混合物の約25〜75重量%)と、
3)中性子吸収/γ線阻止(neutron absorbing / gamma blocking)成分(例えばボロンカーバイド粉末、好ましい50-200のμm平均粒径50〜200μm、最終混合物の約5〜10重量%)と、
4)熱伝導(heat conducting component)成分(ダイアモンド粉末(diamond powder)、好ましい平均粒径50〜200μm、最終混合物の約0〜5重量%)と、
5)高温耐性(high temperature resistant)成分(二酸化ケイ素粉末(silicon dioxide powder)、好ましい平均粒径50〜200μm、最終混合物の約0〜5重量%)と、
6)吸収中性子/電気伝導率増強( neutron absorbing / electrical conductivity-enhancing)成分(硫酸バリウム粉末(barium sulfate powder)、最終の混合物の約0〜5重量%)と、
7)水素ガス吸収成分(容易に水素を吸収するスポンジパラジウム(sponge palladium)又は他金属又は金属間化合物(intermetallic compound)、最終混合物の約2〜8重量%)とを含む。
【0011】
第1の成分(成分グループ1)は、他の成分の全てが均一に懸濁される柔軟な有機マトリックスである。この有機マトリックスの物質は、好ましくは柔軟なシリコンゴム材(例えばジェネラルエレクトリック社のシリコン部門によって製造されるRTF762)である。この有機エラストマは、他の成分グループの全てを均一に混ぜた後、RTF(room temperature foam、RTFは常温で泡であることを表す)の要素Aに均一に混合できるように、2要素触媒式(two part catalyst system)である。最後に、この混合物にRTFの要素Bを混ぜ入れ、そしてそれを目的の箇所に注入し、その箇所において、それは発泡し、重合して硬化する。あるいは、成分2〜7を均一に混ぜ、混合物とすることができる。それから、RTFの要素Aと要素Bを均一に混ぜ、混合物とすることができ、その混合物に、成分2〜7の混合物を素早く混ぜ、得られる混合物を、発泡及び発熱が実質的に起こる前に、目的の箇所に注入する。
【0012】
このマトリックスは、放射線遮蔽物質に、要求される柔軟性、耐衝撃性及び引張強度を提供する。このマトリックスは、調合次第で、多孔性(porous)状態と非多孔性(non-porous)状態を維持することができる。非多孔性マトリックスは、RTV(「常温加硫(room temperature vulcanization)」)シリコーンゴム生成物に形成することができる。発泡材は、幾分軽く、構造体に注入する際に、広げて空隙を充填することができるという利点を有する。充填する目的は、強い放射線の下でそのような空隙が水素ガスを溜めることができ、爆発の危険性があるので、約5mmより大きい全ての空隙を取り除くことである。代わりに、非発泡(non-foam)マトリックス(例えばRTV)を用いることにより、強度及び遮蔽機能を増強することができ、ある環境下で有益である。
【0013】
マトリックス材としてRTFを選択する際の重要な要件は、重合体(polymer)内における芳香族ラジカル(aromatic radicals)の存在である。様々な研究により、芳香族材が、例えば主に脂肪族ラジカル(aliphatic radicals)を有するポリシロキサン(polysiloxanes)より非常に高い耐放射線性を示すことが明らかになった。イソプレンゴム(isoprene rubber)の耐放射線性の研究によって、多核芳香族化合物(polycyclic aromatic)を添加することによりゴムの放射線に対する耐性が非常に高まることが実証された。ベンズアントラセン(benzantracene)、ジフェニル(diphenyl)及びフェナントレン(phenantrene)は、最も有効ことが明らかになった。そのような添加剤(additives)が添加されたゴムは、真空において線量が400mradの放射線の照射に対して、認められるほどの構造上の劣化がなく、耐えることができた。芳香族環(aromatic ring)が分子内転移(intramolecular transfer)及び励起エネルギの散逸に対する経路(route)を提供する(afford a route)と考えられる。これにより、放射線照射によって解放される水素の量はかなり減少される。すなわち、芳香族の炭素―炭素結合によって囲まれた重合体は、放射線負荷及び環境的攻撃に耐える。特に本発明においては、重合体が含む芳香族ラジカルとしては、特にベンズアントラセン、ジフェニル及びフェナントレンのグループが好ましい。
【0014】
また、本発明においては、シロキサン(siloxanes)、シラノール(silanols)、ビニルエラストマ(vinyl elastomers、例えばポリ塩化ビニル(polyvinyl chlorides))、及びフルオロカーボン(fluorocarbon)重合体及びエラストマを含む他の有機マトリックスエラストマ及び重合体を用いることができる。また、芳香族ラジカルを含む重合体が好ましい。
【0015】
マトリックスによって基本的な強度(basic strength)及び柔軟性が得られ、一方、他の6つの成分によって、様々な種類の耐放射線性及び/又はマトリックスの基本的な機械的及び物理的な性質が増強される。
【0016】
成分2によって、γ線に対する本質的な遮蔽が得られる。γ放射線遮蔽は、それが遮蔽容器から出る危険な(生物学的に有害の可能性がある)γ線の量を制限し、及びマトリックス材が強力な放射線を被曝するのを制限するという2つの理由から、重要である。そのような被曝により、マトリックスが徐々に劣化し、火災又は爆発の危険性の虞がある放射線分解による水素発生が起こる。使用済み核燃料用の容器のように特に放射線線量が強い状況において、成分2は、好都合にも1つ以上の更なる遮蔽化合物によって補充する(supplement)ことができる。そのような遮蔽化合物は、一般的に、化学的に純粋な重金属、例えば鉛、スズ、アンチモン、インジウム及びビスマスの粉末である。これらからの選択は、遮蔽のための費用、重量及び要件を考量して定められる。純金属粉は有用であるが、また、遮蔽金属の塩を使うことも有益である。ヨウ素自体が良い遮蔽材であるので、ヨウ化塩は特に有益である可能性がある。
【0017】
タングステンカーバイドは(金属タングステン粉末も使用することができるが)、マトリックスと物理的に互換性を有し(すなわち、マトリックス重合体は、カーバイドと結合する)、熱分解条件下でセラミック成分を形成することができるので、主要な遮蔽材として好ましい。この目的のために、高融点性を有するセリウム及びジルコニウムのような重金属の酸化物(そして、さらにマグネシウム及びアルミニウムの酸化物のようなより軽いセラミック化合物)が、強固なセラミック材を形成するために入れられる。耐火性セラミックの技術においてよく知られているように、低い融点で共融混合物を形成する可能性があるセラミック酸化物の介在物(inclusion)を避けることは重要である。媒介物(agents)を形成するセラミックを添加することは、任意であり、約900°C以上の温度に耐えなければならない特定の用途を想定したものである。
【0018】
成分3の主要な作用は、中性子の吸収である。本発明の有機マトリックスが本質的に中性子を透過することから、本発明で中性子吸収体を用いないと、コンクリートのような他の従来の遮蔽材と比較して中性子束が増加することになる。ある場合には、これが連鎖反応の危険性ともなる。使われる主要な中性子吸収体は、ホウ素(なお、成分6も参照)である。ホウ素は、都合がよいことに、マトリックスと物理的に互換性を有するボロンカーバイドとして存在する。なお、他の形態のホウ素も用いることができる。例えば、ボロンナイトライド(boron nitride)は、有益な熱伝導率(thermal conductivity)及び強度を提供することができる。更に、カドミウム及びガドリニウムのようなより「特殊な」中性子吸収体を、ホウ素を補足するために入れることができる。
【0019】
成分4(ダイアモンド粉末)は、最終生成物の高温耐性に対して部分的に作用する。他の成分の様々な遮蔽金属は、比較的高い熱伝導率を示し、遮蔽材から熱を伝導するのに役立ち、これによって、その良好な柔軟性及び関連した特性を維持する。しかしながら、ダイアモンド粉末は、強度と同様に、極めて高い熱伝導率及び耐熱性を示す(非酸化雰囲気において)。したがって、ダイアモンド粉末は、熱分解が起こる温度以下において、マトリックスの温度を維持するのを補助するために効果的に入れることができる。様々な遮蔽金属も熱伝導率に貢献するので、γ線遮蔽物質が金属状態において存在するときには、特にダイアモンド粉末を省略することができる。
【0020】
成分5、すなわち二酸化ケイ素は、高温において耐熱性及び強度に対して作用する。熱分解が起こると、二酸化ケイ素は、新たに生成されるセラミックの一部を形成する。他のセラミック形成金属酸化物が入っているときには、この成分は省略することができる。
【0021】
成分6、すなわち硫酸バリウムも、また、有効なγ線遮蔽及び中性子吸収体である。更に、本発明の混合物と強い放射線線量の間の相互作用によって解放される自由電子を放電するのに十分な電気伝導率を提供する。これらの電子は、放射線分解破壊(radiolytic breakdown)及び水素生成に関係している。これらの電流を放電又は短絡させることにより、放射線分解破壊及び水素形成を避けることができる。成分3の主要な目的が、同じく中性子吸収であるので、特に金属成分が電気伝導率を高めるために入れられているときには、成分6は省略することができる。
【0022】
最後に、成分7は、水素形成(formation)を最少にするために用いられる遮蔽材及び他の添加剤にもかかわらず、形成される水素に対処するために入れられる。成分7を占める「ガス抑制剤」は、比較的低い温度及び低い水素分圧(partial hydrogen pressure)において、水素を急速に吸収して結合する金属及び金属間化合物(intermetallic compounds)である。これらの物質には、例えばオルガノ−パラジウム化合物の熱分解によって生成されるスポンジパラジウム、及びリチウム、カルシウム、スカンジウム、チタンのような様々な急速「水素化(hydrogenated)」金属が含まれる。これらの幾つかは、また、γ線遮蔽材として機能するのに十分な大きさの原子量を有する物質である。特に重要な物質は、本質的に水素吸収能力を有する様々なリチウムニッケル(「lithiated」)化合物、ランタンニッケル化合物、サマリウムコバルト化合物、イットリウムニッケル化合物及びイットリウムコバルト化合物のような金属間化合物である。
【0023】
ある状況においては、放射線線量が高いと、水素吸収体、すなわちガス抑制剤が比較的急速に水素で飽和されてしまう。これが起こると、マトリックス材が水素を非常に浸透するので、水素は本発明の混合物を介して拡散する。最初に起こることは、物質の細孔(細孔は、発泡物質において一般的である)が水素によって満たされることである。これにより、空気中の酸素と水素が細孔内において混合する可能性があるという爆発の危険性が生じる。しかしながら、この危険性は、発泡の小さい細孔の寸法によって、かなり減少される。通常、細孔は、水素酸化反応(hydrogen oxidation reaction)におけるラジカルアクティブ(radicals active)の平均実効移動長(average effective trace length、それは、大気圧では数cmに達する)よりも小さい。したがって、自律酸化循環路(self-sustaining oxidation circuit)が成長する確率は、細孔の壁で消滅のために、無視することができる。最も可能性のあるシナリオは、水素が徐々に細孔を浸透し、他のガスをその中で置き換えるということである。最終的には、物質の表面からの水素の絶え間ない放出が起こる。したがって、水素放出の割合に従い、安全に集める何かの換気システムを準備して、放出される水素を処理することが、必要である。
【0024】
最後に、熱伝導率増強構造(thermal conductivity enhancers)及び他の予防処置(other precautions)よって混合物を1000°Cより低い温度に保つことができないときは、混合物が、極めて強固なセラミックに熱分解変異(一般的に1100〜1200°Cで起こる)しないようにしなければならない。セラミック状態においては、混合物の特徴である柔軟性が大きく失われる。なお、材料の総合的な遮蔽特性は、殆ど変化しない。放射線及びそれに関連した条件によって、そのようなセラミック変異が少しでも起こると、熱分解によって解放される様々なガスを取り除く対策が必要である。水素放出に関係した換気システムは、また、熱分解ガスを除去するためにも役に立つ。
【0025】
成分の可能な範囲は相当広いが、以下、本発明に基づく効果的な核遮蔽混合物の現在好ましい「製法」について説明する。重量での主成分は、成分2(純度99.99%のタングステンカーバイド粉末)であり、最終混合物の55重量%を占める。成分3は、ボロンカーバイドとボロンナイトライドの混合物であり、カーバイドが最終混合物の4重量%を占め、ニトリド(nitride)が1重力%を占める。成分4は、工業用ダイヤモンド粉末であり、最終混合物の0.5重量%を占める。成分5は、石英粉末であり、最終混合物の4.5重量%を占める。
【0026】
成分6は、硫酸バリウムであり、最終混合物の3重量%を占め、成分7は、ガス吸収体、すなわちガス抑制剤であり、最終混合物の7重量%を占める(これは、等しい重量のランタン/ニッケル混合物とサマリウム/コバルト化合物とからなり、それぞれ水素化可能なチタンの4重量%と、3重量%とを生じる)。
【0027】
これらの物質は、工業用ミキサによって混合物が完全に均一であるまで混合される。そして、この混合物は、RTFの要素A(最終混合物の20重量%の量に相当する)に完全に混ぜられる。最後に、最終混合物の5重量%のRTFの要素Bが混ぜられ、物質は型(あるいは、廃棄物容器の空隙(cavity))に注入され、重合することができる。
【0028】
本発明の物質は、柔軟であり、高温及び高放射線線量に完全に耐える。この物質は、高い温度に維持されると、強固なセラミック、当業者にとっては明らかなように、特にセラミック金属酸化物に変換される。この混合物は、あらゆる高い放射線用途において遮蔽成分として有用である。特に使用に適している施設は、原子力発電所、核燃料処理及び再処理工場、及び使用済み核燃料貯蔵施設である。例えば、本発明の有効な用途は、使用済み核燃料の輸送及び/又は貯蔵のために設計された容器における遮蔽材としてである。そのような容器は、使用済燃料棒の集合体を入れる大きさの容器を起こすことによって製作される。容器は、ステンレス鋼のような強固で熱的/化学的に耐える金属から、最もよく製造される。容器は、空間が内壁と外壁間に存在する二重壁構造を有するように製造される。この空間は、本発明の混合物によって、好ましくは発泡形成により充填される。すなわち、成分をシリコーンゴム要素Aと完全に混合した後、シリコーンゴム要素Bを急速に混合し、そして、得られる混合物を容器の空間に注入する。混合物は、発泡して空間を完全に充填し、重合して耐性のある遮蔽材を提供する。容器の二重壁の蓋は、同じ線に沿って造られる。遮蔽材は、漏れる放射線を大幅に減衰させ、輸送及び貯蔵をより安全にする。
【0029】
したがって、特許請求を範囲は、上述の説明及び記載、概念的に等価であるもの、明らかに代用することができるもの、更には本発明の基本的思想を本質的に組み込んだものを含むことは、明らかである。当業者には明らかなように、実際に説明した好ましい実施例に、発明の範囲から逸脱することなく、様々な適応、変更を加えることができる。この具体的な実施例は、例示の目的であり、発明を限定するものではない。したがって、特許請求の範囲内において、本発明は、上述の実施例以外にも実施することができることは言うまでもない。
【0001】
本発明は、極限の環境に耐える材料の分野に関し、特に、高放射線レベルに耐える材料に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力及び放射性物質は、克服できそうにない問題をもたらした。原子力発電所、それらの設計及び運用に関する環境安全性の問題が社会の大きな関心事となっている。原子炉の安全性は人間工学(human engineering)の支配下にあることは、明かである。実際に起こる問題は、使用済み核燃料の再利用及び廃棄処分に起因した環境問題である。使用済核燃料を、新たな核分裂性物質を産出するために再加工(長期的エネルギ需要の観点から最も効果的な選択肢)するか、又は使用済核燃料を単に直接的に廃棄処分するかは、環境から長い間隔離しなければならない高レベルの放射性物質の量を考慮して決めるべきである。現在計画されている廃棄方法は、放射性物質が無害なレベルに分裂するまで深い地層に埋めることである。典型的には、これらの「埋込(buried)」廃棄物では、監視、すなわち人間による管理が行われずに環境的に隔離されることになる。しかしながら、放射性廃棄物は穴に投棄されるだけでは済まない。これらの物質は絶えず熱を発生し、放射される放射線はほとんどの物質を変化させ、又は劣化させる。容器は、劣化すると、破損しやすく、漏れやすく、物質を格納することさえ困難になる。さらに、場合によっては、多くの遮蔽物質と放射線との相互反応によって爆発性のガス(主に水素)が発生する。これらの問題は、放射性廃棄物及び原子力発電所に衝撃を与えている。もし原始力発電所又は保管容器の構造部品が劣化し、及び/又は水素爆発が起こるならば、可能な限りの最も安全な設計をしても、ほとんど役に立たない。
【0003】
廃棄の観点から、現在の最善の方法は可燃性の溶剤を取り除いて放射性廃棄物の量を削減することである。そして、削減された放射性廃棄物は、陶化(vitrified)され、あるいは環境への漏出を防ぐために安定な形態に変換される。通常、削減された放射性廃棄物(使用済燃料棒を含む)は、運搬及び廃棄処分のために頑強で耐久性のある容器に入れられる。この容器は、運搬及び取扱いを容易にするために相当な遮蔽特性を有することが理想的である。原子力発電所に関しては、多くの場合、従来の遮蔽材が用いられている。過剰に劣化する前に、そのような遮蔽材を交換するか、原子力発電所の炉を閉じることが望ましい。それでも、原子力発電所及び放射性廃棄物に通常付随する放射線、熱及び化学的条件に対する並外れた耐性を示す特別な物質を製造する重要な課題は残されている。理想的には、そのような遮蔽物質は、放射線遮蔽特性を有し、削減された放射性廃棄物と同様に、廃棄すること、又は損傷を受けた原子力設備を遮蔽及び入れることに用いることができる。
【0004】
最も単純で幼稚な遮蔽物質は、おそらくコンクリートである。単純なポルトランドセメントベースの物質又は類似した物質内の鉱物包有物によって、更なる遮蔽物質(例えば重金属粒子)が加わり、これらの物質が放射線を遮蔽する。しかしながら、単純なコンクリートは、幾つかの原子力施設における厳しい化学的条件下では、長持ちしない。多くの用途において、コンクリート固有の脆さが問題となっている。コンクリートは、衝撃が加わり、又は落とされると、亀裂が生じ、漏れを起こすことがある。液状の放射性廃棄物用のコンクリート製のタンクの有効寿命は、50年未満である。コンクリートは、量が削減され、陶化された放射性廃棄物に対してはより効果的であるが、理想とは程遠いものである。また、使用するのがより簡単で優れた遮蔽及び/又は物理的性質を有する封じ込め物質、すなわち新規な遮蔽物質による数多くの実験が行われている。本発明者は、米国特許番号6,232,383号においてそのような物質を開示した。その中で開示した物質は従来の物質に比して大変な進歩をしているけれども、それは全ての面で最適というわけではない。この物質は、相当な引張強度を示すが、ある程度の柔軟性が望まれる用途に対しては理想的でない。更に、開示した方法は、必ずしも放射線によって誘起される水素の発生(放射線分解)に対して最適の耐性を示さないかもしれない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、放射封じ込め構造体において空隙を効果的に充填するために、最初は柔軟な改良された核遮蔽物質である。物質は、無定形の有機マトリックスをベースとし、熱及び放射に対して耐性を有する。非常に高い温度の下で、物質は、熱分解せずに、元の物質の良好な放射線及び水素耐性を維持したままで、強固なセラミック物質に変化するように、設計されている。
【0006】
そのようなものとして、混合物は、最大で7種の成分グループを均一に混合したものからなる。第1の成分は、RTFシリコーンゴム等の2要素自己重合式のような重合エラストママトリックスでり、最終混合物の約10重量%を構成している。第2の成分は、タングステンカーバイド粉末等のγ線遮蔽材として作用する物質であり、γ線遮蔽材は、最終混合物の約25重量%を占めている。第3の成分は、ボロンカーバイド粉末のような中性子吸収/γ線阻止物質であり、最終混合物の約5重量%を構成している。第4の成分は、ダイアモンド粉末のような熱伝導物質であり、最終混合物の約0〜5重量%を占めている。第5の成分は、二酸化ケイ素粉末のような高温耐性のある化合物であり、最終混合物の0〜5%重量%を占めている。第6の成分は、第2の中性子吸収化合物であるとともに、電気伝導率を高める、すなわち硫酸バリウム粉末であり、最終混合物の0〜2重量%を占めている。最後に、第7の成分は、スポンジパラジウム又は他金属又は金属間化合物のような水素を急速に吸収する水素ガス抑制成分であり、最終混合物の約2〜8重量%Qを構成している。
【0007】
有機エラストマ(第1の成分)は、好ましくは2要素触媒式であり、他の成分の全てを均一に混合した後、均一に混合した成分をRTFの要素Aに混ぜる。最後に、RTFの要素Bを混合物に混ぜ、そして、目的の箇所に注入し、それが発泡し、重合して硬化する。あるいは、他の成分を均一に混ぜ、混合物とすることができる。それから、RTFの要素Aと要素Bを均一に混ぜ、混合物とすることができ、その混合物に、他の成分の混合物を素早く混ぜ、得られる混合物を、発泡及び発熱が実質的に起こる前に、目的の箇所に注入する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、あらゆる当業者が発明を実施及び使用できるように説明するとともに、この発明を完成した発明者が考える最良の形態を明らかにする。この実施例において、特に、放射線によって誘起される水素発生に起因した損傷を食い止める、改良した放射線遮蔽物質を提供する本発明の一般的な原理を明らかにするので、当業者が様々な変更を加えることができることは、明らかである。
【0009】
本発明は、放射線封じ込め構造体の空隙(void)を効果的に充填できるように、最初は柔軟な改良された放射線遮蔽物質である。物質は、無定形有機マトリックス(amorphous organic matrix)をベースとし、熱及び放射線に耐える。非常に高い温度の下で、物質は、熱分解せずに、元の物質の良好な放射線及び水素耐性を維持したままで、強固なセラミック物質に変化するように、設計されている。そのようなものとして、混合物(composition)は、最大で7種の成分グループを均一に混合(mixture)したものからなる。より詳細には、この混合物は、以下の成分を含む。
【0010】
1)有機重合エラストママトリックス(organic polymeric elastomer matrix、理想的には2要素自己重合式(two part self-polymerizing system)、最終混合物の約10〜30重量%)と、
2)γ線遮蔽(gamma radiation shielding)成分(例えばタングステンカーバイド粉末(tungsten carbide powder)、純度99%、好ましい平均粒径50〜200μm、最終混合物の約25〜75重量%)と、
3)中性子吸収/γ線阻止(neutron absorbing / gamma blocking)成分(例えばボロンカーバイド粉末、好ましい50-200のμm平均粒径50〜200μm、最終混合物の約5〜10重量%)と、
4)熱伝導(heat conducting component)成分(ダイアモンド粉末(diamond powder)、好ましい平均粒径50〜200μm、最終混合物の約0〜5重量%)と、
5)高温耐性(high temperature resistant)成分(二酸化ケイ素粉末(silicon dioxide powder)、好ましい平均粒径50〜200μm、最終混合物の約0〜5重量%)と、
6)吸収中性子/電気伝導率増強( neutron absorbing / electrical conductivity-enhancing)成分(硫酸バリウム粉末(barium sulfate powder)、最終の混合物の約0〜5重量%)と、
7)水素ガス吸収成分(容易に水素を吸収するスポンジパラジウム(sponge palladium)又は他金属又は金属間化合物(intermetallic compound)、最終混合物の約2〜8重量%)とを含む。
【0011】
第1の成分(成分グループ1)は、他の成分の全てが均一に懸濁される柔軟な有機マトリックスである。この有機マトリックスの物質は、好ましくは柔軟なシリコンゴム材(例えばジェネラルエレクトリック社のシリコン部門によって製造されるRTF762)である。この有機エラストマは、他の成分グループの全てを均一に混ぜた後、RTF(room temperature foam、RTFは常温で泡であることを表す)の要素Aに均一に混合できるように、2要素触媒式(two part catalyst system)である。最後に、この混合物にRTFの要素Bを混ぜ入れ、そしてそれを目的の箇所に注入し、その箇所において、それは発泡し、重合して硬化する。あるいは、成分2〜7を均一に混ぜ、混合物とすることができる。それから、RTFの要素Aと要素Bを均一に混ぜ、混合物とすることができ、その混合物に、成分2〜7の混合物を素早く混ぜ、得られる混合物を、発泡及び発熱が実質的に起こる前に、目的の箇所に注入する。
【0012】
このマトリックスは、放射線遮蔽物質に、要求される柔軟性、耐衝撃性及び引張強度を提供する。このマトリックスは、調合次第で、多孔性(porous)状態と非多孔性(non-porous)状態を維持することができる。非多孔性マトリックスは、RTV(「常温加硫(room temperature vulcanization)」)シリコーンゴム生成物に形成することができる。発泡材は、幾分軽く、構造体に注入する際に、広げて空隙を充填することができるという利点を有する。充填する目的は、強い放射線の下でそのような空隙が水素ガスを溜めることができ、爆発の危険性があるので、約5mmより大きい全ての空隙を取り除くことである。代わりに、非発泡(non-foam)マトリックス(例えばRTV)を用いることにより、強度及び遮蔽機能を増強することができ、ある環境下で有益である。
【0013】
マトリックス材としてRTFを選択する際の重要な要件は、重合体(polymer)内における芳香族ラジカル(aromatic radicals)の存在である。様々な研究により、芳香族材が、例えば主に脂肪族ラジカル(aliphatic radicals)を有するポリシロキサン(polysiloxanes)より非常に高い耐放射線性を示すことが明らかになった。イソプレンゴム(isoprene rubber)の耐放射線性の研究によって、多核芳香族化合物(polycyclic aromatic)を添加することによりゴムの放射線に対する耐性が非常に高まることが実証された。ベンズアントラセン(benzantracene)、ジフェニル(diphenyl)及びフェナントレン(phenantrene)は、最も有効ことが明らかになった。そのような添加剤(additives)が添加されたゴムは、真空において線量が400mradの放射線の照射に対して、認められるほどの構造上の劣化がなく、耐えることができた。芳香族環(aromatic ring)が分子内転移(intramolecular transfer)及び励起エネルギの散逸に対する経路(route)を提供する(afford a route)と考えられる。これにより、放射線照射によって解放される水素の量はかなり減少される。すなわち、芳香族の炭素―炭素結合によって囲まれた重合体は、放射線負荷及び環境的攻撃に耐える。特に本発明においては、重合体が含む芳香族ラジカルとしては、特にベンズアントラセン、ジフェニル及びフェナントレンのグループが好ましい。
【0014】
また、本発明においては、シロキサン(siloxanes)、シラノール(silanols)、ビニルエラストマ(vinyl elastomers、例えばポリ塩化ビニル(polyvinyl chlorides))、及びフルオロカーボン(fluorocarbon)重合体及びエラストマを含む他の有機マトリックスエラストマ及び重合体を用いることができる。また、芳香族ラジカルを含む重合体が好ましい。
【0015】
マトリックスによって基本的な強度(basic strength)及び柔軟性が得られ、一方、他の6つの成分によって、様々な種類の耐放射線性及び/又はマトリックスの基本的な機械的及び物理的な性質が増強される。
【0016】
成分2によって、γ線に対する本質的な遮蔽が得られる。γ放射線遮蔽は、それが遮蔽容器から出る危険な(生物学的に有害の可能性がある)γ線の量を制限し、及びマトリックス材が強力な放射線を被曝するのを制限するという2つの理由から、重要である。そのような被曝により、マトリックスが徐々に劣化し、火災又は爆発の危険性の虞がある放射線分解による水素発生が起こる。使用済み核燃料用の容器のように特に放射線線量が強い状況において、成分2は、好都合にも1つ以上の更なる遮蔽化合物によって補充する(supplement)ことができる。そのような遮蔽化合物は、一般的に、化学的に純粋な重金属、例えば鉛、スズ、アンチモン、インジウム及びビスマスの粉末である。これらからの選択は、遮蔽のための費用、重量及び要件を考量して定められる。純金属粉は有用であるが、また、遮蔽金属の塩を使うことも有益である。ヨウ素自体が良い遮蔽材であるので、ヨウ化塩は特に有益である可能性がある。
【0017】
タングステンカーバイドは(金属タングステン粉末も使用することができるが)、マトリックスと物理的に互換性を有し(すなわち、マトリックス重合体は、カーバイドと結合する)、熱分解条件下でセラミック成分を形成することができるので、主要な遮蔽材として好ましい。この目的のために、高融点性を有するセリウム及びジルコニウムのような重金属の酸化物(そして、さらにマグネシウム及びアルミニウムの酸化物のようなより軽いセラミック化合物)が、強固なセラミック材を形成するために入れられる。耐火性セラミックの技術においてよく知られているように、低い融点で共融混合物を形成する可能性があるセラミック酸化物の介在物(inclusion)を避けることは重要である。媒介物(agents)を形成するセラミックを添加することは、任意であり、約900°C以上の温度に耐えなければならない特定の用途を想定したものである。
【0018】
成分3の主要な作用は、中性子の吸収である。本発明の有機マトリックスが本質的に中性子を透過することから、本発明で中性子吸収体を用いないと、コンクリートのような他の従来の遮蔽材と比較して中性子束が増加することになる。ある場合には、これが連鎖反応の危険性ともなる。使われる主要な中性子吸収体は、ホウ素(なお、成分6も参照)である。ホウ素は、都合がよいことに、マトリックスと物理的に互換性を有するボロンカーバイドとして存在する。なお、他の形態のホウ素も用いることができる。例えば、ボロンナイトライド(boron nitride)は、有益な熱伝導率(thermal conductivity)及び強度を提供することができる。更に、カドミウム及びガドリニウムのようなより「特殊な」中性子吸収体を、ホウ素を補足するために入れることができる。
【0019】
成分4(ダイアモンド粉末)は、最終生成物の高温耐性に対して部分的に作用する。他の成分の様々な遮蔽金属は、比較的高い熱伝導率を示し、遮蔽材から熱を伝導するのに役立ち、これによって、その良好な柔軟性及び関連した特性を維持する。しかしながら、ダイアモンド粉末は、強度と同様に、極めて高い熱伝導率及び耐熱性を示す(非酸化雰囲気において)。したがって、ダイアモンド粉末は、熱分解が起こる温度以下において、マトリックスの温度を維持するのを補助するために効果的に入れることができる。様々な遮蔽金属も熱伝導率に貢献するので、γ線遮蔽物質が金属状態において存在するときには、特にダイアモンド粉末を省略することができる。
【0020】
成分5、すなわち二酸化ケイ素は、高温において耐熱性及び強度に対して作用する。熱分解が起こると、二酸化ケイ素は、新たに生成されるセラミックの一部を形成する。他のセラミック形成金属酸化物が入っているときには、この成分は省略することができる。
【0021】
成分6、すなわち硫酸バリウムも、また、有効なγ線遮蔽及び中性子吸収体である。更に、本発明の混合物と強い放射線線量の間の相互作用によって解放される自由電子を放電するのに十分な電気伝導率を提供する。これらの電子は、放射線分解破壊(radiolytic breakdown)及び水素生成に関係している。これらの電流を放電又は短絡させることにより、放射線分解破壊及び水素形成を避けることができる。成分3の主要な目的が、同じく中性子吸収であるので、特に金属成分が電気伝導率を高めるために入れられているときには、成分6は省略することができる。
【0022】
最後に、成分7は、水素形成(formation)を最少にするために用いられる遮蔽材及び他の添加剤にもかかわらず、形成される水素に対処するために入れられる。成分7を占める「ガス抑制剤」は、比較的低い温度及び低い水素分圧(partial hydrogen pressure)において、水素を急速に吸収して結合する金属及び金属間化合物(intermetallic compounds)である。これらの物質には、例えばオルガノ−パラジウム化合物の熱分解によって生成されるスポンジパラジウム、及びリチウム、カルシウム、スカンジウム、チタンのような様々な急速「水素化(hydrogenated)」金属が含まれる。これらの幾つかは、また、γ線遮蔽材として機能するのに十分な大きさの原子量を有する物質である。特に重要な物質は、本質的に水素吸収能力を有する様々なリチウムニッケル(「lithiated」)化合物、ランタンニッケル化合物、サマリウムコバルト化合物、イットリウムニッケル化合物及びイットリウムコバルト化合物のような金属間化合物である。
【0023】
ある状況においては、放射線線量が高いと、水素吸収体、すなわちガス抑制剤が比較的急速に水素で飽和されてしまう。これが起こると、マトリックス材が水素を非常に浸透するので、水素は本発明の混合物を介して拡散する。最初に起こることは、物質の細孔(細孔は、発泡物質において一般的である)が水素によって満たされることである。これにより、空気中の酸素と水素が細孔内において混合する可能性があるという爆発の危険性が生じる。しかしながら、この危険性は、発泡の小さい細孔の寸法によって、かなり減少される。通常、細孔は、水素酸化反応(hydrogen oxidation reaction)におけるラジカルアクティブ(radicals active)の平均実効移動長(average effective trace length、それは、大気圧では数cmに達する)よりも小さい。したがって、自律酸化循環路(self-sustaining oxidation circuit)が成長する確率は、細孔の壁で消滅のために、無視することができる。最も可能性のあるシナリオは、水素が徐々に細孔を浸透し、他のガスをその中で置き換えるということである。最終的には、物質の表面からの水素の絶え間ない放出が起こる。したがって、水素放出の割合に従い、安全に集める何かの換気システムを準備して、放出される水素を処理することが、必要である。
【0024】
最後に、熱伝導率増強構造(thermal conductivity enhancers)及び他の予防処置(other precautions)よって混合物を1000°Cより低い温度に保つことができないときは、混合物が、極めて強固なセラミックに熱分解変異(一般的に1100〜1200°Cで起こる)しないようにしなければならない。セラミック状態においては、混合物の特徴である柔軟性が大きく失われる。なお、材料の総合的な遮蔽特性は、殆ど変化しない。放射線及びそれに関連した条件によって、そのようなセラミック変異が少しでも起こると、熱分解によって解放される様々なガスを取り除く対策が必要である。水素放出に関係した換気システムは、また、熱分解ガスを除去するためにも役に立つ。
【0025】
成分の可能な範囲は相当広いが、以下、本発明に基づく効果的な核遮蔽混合物の現在好ましい「製法」について説明する。重量での主成分は、成分2(純度99.99%のタングステンカーバイド粉末)であり、最終混合物の55重量%を占める。成分3は、ボロンカーバイドとボロンナイトライドの混合物であり、カーバイドが最終混合物の4重量%を占め、ニトリド(nitride)が1重力%を占める。成分4は、工業用ダイヤモンド粉末であり、最終混合物の0.5重量%を占める。成分5は、石英粉末であり、最終混合物の4.5重量%を占める。
【0026】
成分6は、硫酸バリウムであり、最終混合物の3重量%を占め、成分7は、ガス吸収体、すなわちガス抑制剤であり、最終混合物の7重量%を占める(これは、等しい重量のランタン/ニッケル混合物とサマリウム/コバルト化合物とからなり、それぞれ水素化可能なチタンの4重量%と、3重量%とを生じる)。
【0027】
これらの物質は、工業用ミキサによって混合物が完全に均一であるまで混合される。そして、この混合物は、RTFの要素A(最終混合物の20重量%の量に相当する)に完全に混ぜられる。最後に、最終混合物の5重量%のRTFの要素Bが混ぜられ、物質は型(あるいは、廃棄物容器の空隙(cavity))に注入され、重合することができる。
【0028】
本発明の物質は、柔軟であり、高温及び高放射線線量に完全に耐える。この物質は、高い温度に維持されると、強固なセラミック、当業者にとっては明らかなように、特にセラミック金属酸化物に変換される。この混合物は、あらゆる高い放射線用途において遮蔽成分として有用である。特に使用に適している施設は、原子力発電所、核燃料処理及び再処理工場、及び使用済み核燃料貯蔵施設である。例えば、本発明の有効な用途は、使用済み核燃料の輸送及び/又は貯蔵のために設計された容器における遮蔽材としてである。そのような容器は、使用済燃料棒の集合体を入れる大きさの容器を起こすことによって製作される。容器は、ステンレス鋼のような強固で熱的/化学的に耐える金属から、最もよく製造される。容器は、空間が内壁と外壁間に存在する二重壁構造を有するように製造される。この空間は、本発明の混合物によって、好ましくは発泡形成により充填される。すなわち、成分をシリコーンゴム要素Aと完全に混合した後、シリコーンゴム要素Bを急速に混合し、そして、得られる混合物を容器の空間に注入する。混合物は、発泡して空間を完全に充填し、重合して耐性のある遮蔽材を提供する。容器の二重壁の蓋は、同じ線に沿って造られる。遮蔽材は、漏れる放射線を大幅に減衰させ、輸送及び貯蔵をより安全にする。
【0029】
したがって、特許請求を範囲は、上述の説明及び記載、概念的に等価であるもの、明らかに代用することができるもの、更には本発明の基本的思想を本質的に組み込んだものを含むことは、明らかである。当業者には明らかなように、実際に説明した好ましい実施例に、発明の範囲から逸脱することなく、様々な適応、変更を加えることができる。この具体的な実施例は、例示の目的であり、発明を限定するものではない。したがって、特許請求の範囲内において、本発明は、上述の実施例以外にも実施することができることは言うまでもない。
Claims (16)
- γ線の強い流量及び中性子放射を止めるとともに、高温に対する耐性を示すことができる柔軟な混合物において、
柔軟なマトリックスを提供するシリコーンゴム、シロキサン、シラノール、ビニルエラストマ及びフルオロカーボン重合体からなるグループから選択した約10〜20重量%の有機重合体と、
当該混合物のγ線遮蔽を増すために、タングステン、鉛、スズ、アンチモン、インジウム及びビスマスからなるグループから選択した約25〜75重量%の粉末状のγ線遮蔽物質と、
当該混合物の中性子吸収を増すために、ホウ素、カドミウム及びガドリニウムからなるグループから選択した約5〜10重量%の中性子吸収物質と、
当該混合物の熱伝導率を増すための約5重量%以下のダイアモンド粉末と、
当該混合物の耐熱性を増すための約5重量%以下の粉末状の二酸化ケイ素と、
当該混合物の中性子吸収及び電気伝導率を増すための約5重量%以下の硫酸バリウム粉末と、
水素ガスを吸収するパラジウム、リチウム、カルシウム、チタン、スカンジウム、リチウムニッケル化合物、ランタンニッケル化合物、イットリウムニッケル化合物、サマリウムコバルト化合物及びイットリウムコバルト化合物からなるグループから選択した約2〜8重量%の水素吸収物質とを均一に混合して得られる混合物。 - 上記有機重合体は、シリコーンゴムからなることを特徴とする請求項1記載の混合物。
- 上記シリコーンゴムは、上記有機重合体に柔軟な気泡を発生するように調製されていることを特徴とする請求項2記載の混合物。
- 上記γ線遮蔽物質は、タングステンを含むことを特徴とする請求項1記載の混合物。
- 上記タングステンがタングステンカーバイドを含むことを特徴とする請求項4記載の混合物。
- 上記γ線遮蔽材が金属であることを特徴とする請求項1記載の混合物。
- 上記γ線遮蔽物質が塩であることを特徴とする請求項 1記載の混合物。
- 上記塩がヨウ化物を含むことを特徴とする請求項7記載の混合物。
- 上記中性子吸収物質がホウ素を含むことを特徴とする請求項1記載の混合物。
- 上記 ホウ素がボロンカーバイド、ボロンナイトライド、ボロンカーバイド及びボロンナイトライドの混合物のうちの1をからなることを特徴とする請求項9記載の混合物。
- 上記粉末状の二酸化ケイ素が石英からなることを特徴とする請求項1記載の混合物。
- 上記水素吸収物質がスポンジパラジウムからなることを特徴とする請求項1記載の混合物。
- 上記有機重合体はシリコーンフォームラバーであり、上記γ線遮蔽物質材はタングステンカーバイドであり、上記中性子吸収物質はボロンカーバイドとボロンナイトライドとの混合物であり、上記水素吸収物質はチタンとランタンニッケル化合物とサマリウムコバルト化合物との混合物であることを特徴とする 請求項1記載の混合物。
- 内部容器と、
上記内部容器から離間し、該内部容器を囲む外部容器と、
上記内部容器と外部容器間の空間に充填された請求項1記載の混合物とを備える高放射性物質用の容器。 - γ線の強い流量及び中性子放射を止めるとともに、高温に対する耐性を示すことができる柔軟な混合物において、
柔軟なマトリックスを提供する約10〜30重量%のシリコーンゴムと、
当該混合物のγ線遮蔽を増す約25〜75重量%の粉末状のタングステンと、
当該混合物の中性子吸収を増す約5〜10重量%の粉末状のホウ素と、
当該混合物の熱伝導率を増す約5重量%以下のダイアモンド粉末と、
当該混合物の耐熱性を増す約5重量%以下の粉末状の二酸化ケイ素と、
当該混合物の中性子吸収及び電気伝導率を増す約5重量%以下の硫酸バリウム粉末と、水素ガスを吸収するパラジウム、リチウム、カルシウム、チタン、スカンジウム、リチウムニッケル化合物、ランタンニッケル化合物、イットリウムニッケル化合物、サマリウムコバルト化合物及びイットリウムコバルト化合物からなるグループから選択した約2〜8重量%の水素吸収物質とを均一に混合して得られる混合物。 - 内部容器と、
上記内部容器から離間して、該内部容器を囲む外部容器と、
上記内部容器と外部容器間の空間に充填された請求項15記載の混合物とを備える高放射性物質用の容器。
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