JP2014066614A - 放射能低減材、その製造方法および放射能低減材による放射能汚染物質の処理方法 - Google Patents

放射能低減材、その製造方法および放射能低減材による放射能汚染物質の処理方法 Download PDF

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Abstract


【課題】低濃度の放射能に汚染された大量の放射能汚染土壌や放射能汚染焼却灰などの汚染物質を処理して実質上許容範囲内の放射能レベルに低減することができる技術を提供する。
【解決手段】焼却灰を低酸素雰囲気あるいは還元雰囲気中で加熱処理することにより製造したことを特徴とする放射能低減材を放射能汚染物質と混合する。
【選択図】なし

Description

本発明は、低濃度の放射能に汚染された大量の物質、例えば、放射能汚染土壌や放射能汚染物質の焼却灰など、を処理して、実質上許容範囲の放射能レベルに低減することができる新しい技術を提供するものであり、現在直面している重要な問題である放射能汚染土壌の無害化処理を解決することができる放射能の低減方法に関するものである。
放射性廃棄物(放射性物質を含む廃棄物の総称)は主に、原子力発電所および核燃料製造施設、核兵器関連施設などの、核関連施設または放射性同位帯)を使用する実験施設や病院の検査部門から出るガンマ線源の廃棄等で排出される。従来、原子力発電所で発生した放射性廃棄物(「低レベル放射性廃棄物」)は、含まれている放射性物質の種類や濃度により区分して管理され、低レベル放射性廃棄物は、発電所の運転中に発生する使用済みのペーパータオル、古い作業着や手袋、点検・補修時に発生する配管や炉内構造物などの金属類などが相当する。このうち、紙や布など燃えるものは焼却し、金属など燃えないものは圧縮や溶融処理で容積を小さくし、また、液体状のものは濃縮したりして容積を減らしている。さらに、ドラム缶に詰め、必要に応じてアスファルトなどで固めて発電所内の貯蔵庫に安全に保管し、その後、青森県六ヶ所村の「低レベル放射性廃棄物埋設センター」で地中に埋設処分され、人間の生活環境に影響を与えなくなるまで管理されることになっている。
また、原子力発電所から発生する使用済燃料は、資源の有効活用のため再処理を行うこととしており、再処理施設で使用済燃料からまだ使えるウランやプルトニウムを回収した後に残った「廃液」をガラスと混ぜて固化した「ガラス固化体」が、処分対象の「高レベル放射性廃棄物」となる。この固化体は、核分裂生成物を多く含んでおり、強い放射線と熱を出すため、再処理施設内の専用の貯蔵施設に30年から50年間程度冷却のため貯蔵した後、地下300メートルより深い安定した深地層に処分できるようにガラス固化技術と地層処分技術の研究開発が進められている。
このほか放射性廃棄物の処理に関しては、多くの技術が開発され特許の出願がなされている。
例えば、固形の廃棄物の処理に関しては、原子力関連施設から発生する放射性廃棄物と固型化ペーストとを混練して固化する放射性廃棄物の固化処理方法であって、第1の廃棄物と、大きさが異なり、放射能が大きい第2の廃棄物、固化させる放射性廃棄物の固化処理方法(特許文献1)や、放射性核種を吸着した使用済イオン交換樹脂にアルカリ土類金属を吸着させ、前記使用済イオン交換樹脂から放出された前記放射性核種を陽イオン吸着固化助剤で保持させ、その後に前記使用済イオン交換樹脂を脱水して固化する放射性廃棄物の固化処理方法(特許文献2)が提案されている。
また、液体の放射性廃棄物に関しては、容器内に放射性廃液を溶融ガラスとともに導入し固化させる放射性廃液ガラス固化処理装置(特許文献3)や、放射性物質及びナトリウム化合物を含む放射性廃液を乾燥して乾燥体とした後、該乾燥体を加熱により溶融塩としてこれを陽極液とし、ナトリウムイオン導電性のβ−アルミナを隔膜として電気分解する放射性廃液の処理方法であって、複数の隔膜を多段に設け、これら多段に設けられた隔膜により、陽極槽と陰極槽との間に中間槽を形成して電気分解する放射性廃液の処理方法(特許文献4)が提案されている。
しかしながら、2011年3月11日に発生した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)によって東京電力福島第一原子力発所の炉心熔融が起き、メルトダウンの影響で水素が大量に発生して水素爆発を起こし、広範囲に、高い線量の大気・土壌及び海洋の放射能汚染が発生したような比較的低レベルの放射能汚染された大量の土壌、廃棄物や焼却物に濃縮された放射能の処理に対しては従来の技術は無力であることが判明し、大量の汚染土壌に処理対策が緊急の課題となっている。
特開特開2002−31698号公報 特開2011−12961号公報 特開2001−349986号公報 特開2000−98087号公報
2011年3月11日に発生した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)によって東京電力福島第一原子力発所の炉心熔融が起き、メルトダウンの影響で水素が大量に発生し、水素爆発を起こし、広範囲に、高い線量の大気・土壌及び海洋の放射能汚染が発生し、現在も放出による汚染は続いている。放射能は福島第一原発から半径20km圏内は、立ち入りが原則禁じられている。現在除染作業が行われているが、除染による解決先は先の見えない状況である。100万TBq以上の放射性物質が放出され汚染されている区域を、除染という形で集めて一時貯留保管することも大切なことであるが、放射線量を少なくすることも除染の一部である。
本発明は、除染システムの確立のため137Csの除染システム開発するための基礎研究から導き出されたものであり、一般焼却灰から生成した物質による新たな放射能の低減方法を提供するものであり、該物質によるCsの分配特性を検討することを基本として放射能濃度の飛灰の調査からはじめ、混合金属触媒を用い、低温触媒還元処理工法による温度と混合比について検討した結果到達した新たな放射能低減方法である。
本発明は以下の技術的手段から構成される。
(1)焼却灰を低酸素雰囲気あるいは還元雰囲気中で加熱処理することにより製造したことを特徴とする放射能低減材。
(2)焼却灰が、都市ゴミの焼却灰である上記(1)に記載の放射能低減材。
(3)低酸素雰囲気あるいは還元雰囲気で加熱処理が、焼却灰温度が250℃〜600℃の還元反応処理工程と、180℃〜450℃の安定化反応処理工程からなる上記(1)または(2)に記載の放射能低減材。
(4)上記(1)から(3)のいずれかに記載の放射能低減材を放射能汚染物質に添加混合することを特徴とする放射能汚染物質の放射能低減方法。
(5)放射能汚染物質が、土壌、または焼却灰である上記(4)に記載の放射能低減方法。
(6)焼却灰を低酸素雰囲気あるいは還元雰囲気中で加熱処理することを特徴とする放射能低減材の製造方法。
(7)低酸素雰囲気あるいは還元雰囲気で加熱処理が、焼却灰温度が250℃〜600℃の還元反応処理工程とは、180℃〜450℃の安定化反応処理工程からなる上記(6)に記載の放射能低減材の製造方法。
本発明により、比較的汚染度の低い放射能汚染物質である土壌や汚染物質の焼却灰を簡便に効率よくその放射能レベルを低下させることができる。放射能の低減には還元処理した焼却灰が使用され、放射の汚染物質と還元処理した焼却灰の混合という簡便な方法により放射能レベルを実用上問題のない程度に低減することができる。
本発明の放射能低減材のSEM写真およびEDX定性分析結果を示す。 本発明の放射能低減材のSEM拡大写真を示す。 (実施例1)処理前の放射能汚染焼却灰のγ線放出核種の放射能濃度を示す。 (実施例1)処理前の放射能汚染焼却灰のγ線スペクトルを示す。 (実施例1)処理後の放射能汚染焼却灰のγ線放出核種の放射能濃度を示す。 (実施例1)処理後の放射能汚染焼却灰のγ線スペクトルを示す。 (実施例2)処理前の放射能汚染焼却灰のγ線放出核種の放射能濃度を示す。 (実施例2)処理後の放射能汚染焼却灰Bのγ線放出核種の放射能濃度を示す。 (実施例2)処理後の放射能汚染焼却灰Cのγ線放出核種の放射能濃度を示す。 (実施例2)処理前の放射能汚染焼却灰のγ線スペクトルを示す。 (実施例2)処理後の放射能汚染焼却灰Bのγ線スペクトルを示す。 (実施例2)処理後の放射能汚染焼却灰Cのγ線スペクトルを示す。 (実施例7)処理前の放射能汚染焼却灰のγ線放出核種の放射能濃度を示す。 (実施例7)処理後の放射能汚染焼却灰のγ線放出核種の放射能濃度を示す。 (実施例7)処理前の放射能汚染焼却灰のγ線スペクトルを示す。 (実施例7)処理後の放射能汚染焼却灰のγ線スペクトルを示す。
本発明は、焼却灰を低酸素雰囲気あるいは還元雰囲気中で加熱処理することにより製造したことを特徴とする放射能低減材、放射能汚染物質の放射能低減方法、および放射能低減材の製造方法に関するものであり、都市ゴミなどの焼却灰を還元処理することにより放射能で汚染された土壌や焼却灰の放射能を低減することができる技術を提供するものである。
[放射能低減材]
本発明の放射能低減材は、焼却灰を、外気と絶縁された還元雰囲気あるいは低酸素状態の空間で、一定温度および一定時間維持して処理することにより製造され、焼却灰を加熱処理により無害化処理したものである。放射能低減材の製造は、焼却灰中に含まれている遷移金属などの存在下に加熱することにより製造され、還元反応処理工程と安定化反応処理工程とからなる。還元反応処理工程は、焼却灰温度約250℃〜600℃で行われ特に400℃以下が好ましい。安定化反応処理工程は、処理温度180℃〜450℃に維持することにより行われることが好ましい。また、焼却灰を温度約250℃〜600℃で時間20分〜40分間維持する。安定化反応処理工程は、処理温度180℃〜450℃で時間40分〜60分間維持することが好ましい。さらに、被処理焼却灰を安定化反応処理工程の前におよび/または還元反応処理工程の前に100〜150メッシュの微粒子に粉砕処理することが好ましい。
燃焼灰には、Na、Mg、Al、Si、P、S、Cl、K、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Cu、Zn、Pb等が酸化物として存在するものでありこれらの金属が加熱処理に際して有用な働きをして放射能低減材としての機能を付与することとなる。焼却灰中のこれらの金属類が十分でない場合には、チタン化合物やマグネシウム化合物、ハイドロソーダライトなど適宜添加することが好ましい。また、焼却灰の安定化処理では、重金属を含む異種金属の混合物である焼却灰を効率よく相互分解させ、重金属塩類を触媒として利用して金属塩を溶離し、その時、結晶化させることにより安定化する。安定化反応処理にあたっては、金属類の不溶化を進めるために金属硫化物などの硫黄化合物を添加することが好ましい。ここでいう安定化で、反応処理灰を安定固化し、重金属の溶出防止効果が生ずる。
本発明に用いる放射能低減材は焼却灰由来の重金属を含む異種金属の混合物であり、表1に記載の分析方法により分析された金属類の成分濃度は表2に示す値を示し、シリカ、酸化カルシウムおよびアルミナで70%以上を占めている。
[放射能低減材の製造例]
焼却灰サンプルはストーカ炉方式の焼却場および流動床炉方式の焼却場より採取したものを使用した。焼却灰再資源化プラントシステムの還元反応設備、安定化反応設備、排煙処理設備などの機能および操業条件の一例について説明する。
1)受入・供給設備: 受入れ:原灰受入ピット100m3 、供給:灰クレーン13ton/h、受入れホッパー10m3 、フィーダ15ton/h
2)選別設備:粒度選別:振動篩(スクリーン網目50mm、粒度50mm以上除外、粒度50mm以下次工程へ)鉄分選別:磁選機〔鉄分除外(比較的粗大な鉄分)〕
3)還元反応設備:雰囲気温度約900℃、焼却灰温度約600℃、処理時間約40分、添加剤(反応促進剤2〜3%添加、ハイドロソーダライト、金属触媒等)、酸素濃度約6%、加熱源(A重油)主反応(有機塩素化合物の脱塩素化;灰中のダイオキシン類分解、有機塩素化合物の熱分解;炉内のダイオキシン類分解、酸化重金属類の還元;重金属類の活性化)
4)破砕・粉砕設備:
破砕設備:粒度10〜20mm以下、鉄分選別:鉄分除外(比較的微細な鉄分)、粉砕処理:粒度100メッュ(95%)
5)安定化反応設備:処理温度約180〜200℃、処理時間約60分、添加剤(反応促進剤2〜3%添加、触媒・硫化金属等)、酸素濃度約6%
加熱源(廃熱利用)、主反応(重金属類の硫化;硫化物として安定化)
6)混合・袋詰設備:タンク:原料タンク40m3 、セメントタンク40m3 、定量供給機:ロスインウエイト、混合機:回転円盤型連続式、袋詰機:処理能力8ton/h、秤量1000kg/袋
7)排煙処理設備:急冷冷却装置(熱交換器にて180℃以下)、活性炭吸着(ダイオキシン類、HCl等の吸着)、バクフィルタ(入り口温度180℃以下、ダイオキシン類の再生成防止)
[放射能低減効果]
次に、原子力発電所の事故から生じた土壌、海洋などの汚染はセシウム137から放射されるγ線が主に問題となっているところから、本発明の放射能低減材を使用した放射能を有する廃棄物の処理についてセシウム137の放射能低減試験をしたところ、例えば、次のような結果が得られた。
セシウムCs−137からはガンマー線γが放射されるが、今回の放射能の測定は放射能のエネルギーを弱めるための第1段階で実証としている。結果の詳細は実施例などに記載のとおりであるが、ここでは、最初のテストは放射能低減材を半々に混合した場合にどんな変化がでるかを検証した。その結果、放射能は約半分になる事が解った。次に42万ベクレルの飛灰を実証した。処理方法を実証しながら5回に分けて処理を行い測定を行った。添加剤の添加量は物質に対して10〜30%を混入、処理した。処理結果は最終数値が2600ベクレルまで数値が減少した。この意味合いは単位重量(lkg)当たり単位時間(1秒間)に放出される放射線粒子の数である。42万個の放射線粒子が2600個に減ったことで、放射能は2600ベクレルで表示する。ベクレルは放射線粒子の数を示すもので、放射線粒子のエネルギーの値を示すものではない。ベクレルはセシウムからどれだけの放射線粒子が出されているかを示すもので、人体に対する被爆量ではない。勿論ベクレルの値が大きければ、それだけ多くの放射線粒子が人体に影響を与えることになる。
放射線量の減ったセシ1クムを100ベクレル以下にすることが課題として残っているが現在実証中である。
本発明の放射能低減材の効果を検証する試料として、放射能汚染物質を焼却処理した後の灰を用いて試験を行った。以下に、この試料を、「焼却飛灰(原灰)」あるいは「焼却灰」とも称する。
平成24年8月1日この下記の放射能焼却飛灰(原灰)50gに放射能低減材10gを添加、攪拌機で600秒攪拌した放射能低減材と原灰をそれぞれ別紙測定協会に測定を依頼した。
処理前の原灰の供試量は62.1gであった。
測定結果は 134Cs 410 Bq/kg
137Cs 680 Bq/kg
計 Cs 1090 Bq/kg
処理済焼却灰の供試量は59.9gであった。

測定結果は 134Cs 77 Bq/kg
137Cs 130 Bq/kg
計 Cs 207 Bq/kg
この測定結果は、γ放射線粒子(電磁波)の数がlkg当たり1秒間に1090粒子放射されていたが、処理によって1秒間に207粒子に減ったことになる。それは放射能のエネルギーがγ線によって持ち出され、エネルギーが弱くなったことになる。逆に放射能が強いということは1秒間当たりに放射される放射線粒子の数が多いということになる。100ベクレル以下にすることにより放射性物質としての扱いがなくなるので、100ベクレル以下にすることは可能になった。
[放射能低減材の詳細]
原子核の励起状態を促進するために放射能低減材を用いた。放射能低減材は微粒子の粉末状のものである。天然ゼオライトはイライトを用いた。本実験は放射能の放射線量を空気と絶縁された遮蔽炉の中でγ線を多く放射することにある。
先ず、資材となる放射能低減材の性質と性能について説明する。原料の焼却灰は資源として利用できるすばらしい資源である。なぜなら、焼却灰は多種多様な物質を高温で燃やし、30元素以上の豊富な金属元素が混合された集合体である。これらの金属を資源として利用するためには、金属を無害化して安全で安定した物質にしなければならない。また、処理行程に於いても、経済性が高く環境負荷の小さいものでなければならない。
以下に本発明の技術と理論を提供する。
焼却灰にはダイオキシン類や重金属類の有害物質が含有していることが原因で法律では埋め立処分が基準になっている。しかし、現在では処理した焼却灰の処分場が満杯になり、セメントに添加剤として利用することが認められている。果たしてそれが正解なのか。重金属類が微量であっても含有する物質を無害化もせず、セメントと共に高温で焼くことだけでは、重金属は安定しない。エコセメントの事故の原因はそれらのセメントに対する不純物の悪戯である。
本発明の放射能低減剤は、低温(例えば、400℃以下)で処理ができるため経済性に優れ、環境的に安全であっても含有する物質を無害化もせず、セメントと共に高温で焼くことだけでは、重金属は安定しない。エコセメントへの事故の原因はそれらのセメントに対する不純物の悪戯である。
本発明の放射能低減材は、低温(例えば、400℃以下)で処理ができるため経済性に優れ、環境的に安全であり、二酸化炭素の排出量が最も少ない。15年間に亘り安全性と安定性を維持して実証は終わっている。更に、処理後の物質が資源として利用範囲が広いことが実証で示されている。
SNC工法は、施設費が5分の1と易く、エネルギーも2分の1、二酸化炭素は10分の1、維持費も5分の1で済み、すべての面で優れている。
実証実験に協力した自治体は東京都下の武蔵野市、三鷹市、二枚橋衛生組合、柳泉園組合、埼玉県の上尾市など11市である。SNC工法は、低温触媒還元処理法で、400℃以内の温度で、触媒を使って、減酸素の空間で還元処理をする方法で、通産大臣の「焼却灰再資源化処理プラント」として認定も受けている。SNC工法は熱分解だけに頼らず、焼却灰に含まれている金属触媒を生かせる雰囲気をつくり、減酸素状態で触媒による還元処理を行うので、温度が400度以下で十分に化学反応が起こり安定金属化合物になる。焼却灰に含有する金属化合物が安定して水に溶けない物質になってはじめて焼却灰は無害化されたことになる。
焼却灰は有機物の含有元素が無機物(熱しやく減量による)に変化した物質で、すべて原子(atom)、分子(molecule)、イオン(ion)といった小さな粒子からなり、分子は原子で構成され、イオンはNa+、CL、NH+、NO−のように原子又は原子団が電気を帯びたものである。このように物質をつくっている粒子はいずれも原子が基本となっている。原子には電子が存在し、電子にはK殻、L殻、M殻など軌道があり、それぞれの起動に電子が一杯となったときに元素は安定し、原子と原子の結合の役目を果たす電子の数によって原子の化学的性質が周期的に変わり、安定する。
焼却灰には極微量元素を含めると30元素以上の金属元素が含まれており、焼却灰中の金属も、金属のやり取りをする価電子を持っているので、価電子を獲得したり失ったり、または共有したりして安定した電子配置になろうとする。金属原子は安定するために、それぞれが有している自由電子によって集合体をつくり、そのとき、電子の波(電子は波の性質を持っている)によって重なり合う軌道が生まれ、電子は雲のような空間を作り動き回り、この状態のことを“電子の雲”と呼び、電子の雲は負の電荷を帯びており、正の電荷の原子核との間の正負の関係で引力が生まれる。しかし、引力により原子間距離が小さくなると、それぞれの原子の陽イオンも近づくので、陽イオン同士の反発力も発生する。このような反発力によるエネルギーが原子の結合に関与し、結合エネルギーとなることにより集合体ができ結晶となるが、結晶の構造は異なっており、簡単に全ての原子が整然と並ぶとは限らない。
これらの反応を触媒によってさらに促進するのがSNC理論である。触媒になる物質は、気体、液体、固体を問わず多種多様である。焼却灰中から精製する触媒は金属触媒Fe,Ni,など、半導体酸化物Nio,ZnO,MnO,Cr,V5、TiOなど、絶縁作酸化物Al,SiO,MgOなど超紛粒体である。また、還元炉内で発生する気体は下記に示すようにさまざまに化学反応をしている。
CO+0=CO
NO+CO=CO+N
HC+O=CO+H
SO+1/20=S0
有害気体は分解され排出される。触媒に接触する物質は、細菌類の場合は殺菌されて死骸も分解する。焼却灰の無害化は分子の組み換えであり、無尽蔵にある(焼却灰が存在する間)触媒を使用できるので固定化の必要がなく、化学反応の後、触媒そのものが資源として利用できる。
資源として利用するためには、有害性があってはならない。無害化して安全で安定した物質を成型することができる。処理工程に於いても、経済性が高く環境負荷の小さいものでなげればならない。
高温溶融炉のため経費がかかりすぎて経済性に欠けていることとブラントの事故が多すぎることが欠点である。欠点としての理由は、溶融炉は燃焼温度が1200℃という高温のため(1)炉壁がもたないこと、(2)燃費がかかりすぎること、(3)二酸化炭素の排出量が多いこと、(4)故障により稼働率が悪いこと、(5)危険度が高いこと、(6)重金属類の処理が完全でないこと、などがあげられる。本技術(SNC工法)は、低温(例えば、400℃以下)で処理ができるため経済性に優れ、環境的に安全であり15年間に亘り安全性と安定性を維持して実証は終わっている。しかし、法律の規制によって市場性にかけているため稼動実績がない。法律が示した処理方法は高温溶融による熱分解によるもので、高施設費、高エネルギー、二酸化炭素の高排出量、高維持費、いずれも無駄が多いことである。
平成21年には法律施行規則の改正もあり、「ばいじん又は焼却灰を資源として利用することが可能な金属を原材料として利用すること」が可能となった。技術としては、還元炉内の触媒の配合と種類、粒度調整の品質管理、酸素濃度の管理、添加剤の品種、燃焼温度と空間速度などである。参考に触媒を利用して接触燃焼(触媒)の場合と直接燃焼の場合の処理温度の差は、例えば、下記のとおりである。
直接燃焼 接触燃焼
処理温度 600〜800℃ 200〜400℃
燃焼状態 高温度で火炎状態 分子がラジカルな状態
滞留時間 1〜0.5min 0.25〜0.15sec
参考として焼却灰は金属類の混合物でミネラルであり、地下資源の鉱物も土壌もミネラルの集合体である。ミネラルは地下資源として安定しているので公害の発生原因とならない。焼却灰のミネラルも無害化してやると安定化して公害はない。無害化とは、有害指定金属を取り除くことではない。有害指定金属を地下資源と同じ化合物にすること、即ち金属によって硫黄化合物か燐化合物に化学変化すれば地下資源として安定する。
安定資源は次のような材として有効利用することができる。
(1)触媒として加工すれば、脱臭剤、脱色剤、浄化剤、脱水剤など。
(2)土壌改良材として
(3)肥料としてミネラルの補充
(4)セメント添加剤として
(5)合成ゼオライト
なお、本工法は添加剤として別紙添付のミネラル元素が加味され、特許公報として7本の周辺特許を持つものである。
[放射能低減処理配分実験]
配分実験として42万ベクレルの焼却飛灰をバッチ式によって、次のように配分して処理を行った。供試量として放射能原灰74g秤量し、それと別に、この原灰に放射能低減材を20g添加したものを28.5℃に保持したまま、1200秒間攪拌し、その処理原灰94gを供試量として、公益財団法人放射線計測協会で放射能を測定した。次に、該焼却飛灰に天然イライトを5g、10g、15g、20gと添加したが、測定器での変化は見られなかった。なお、添加剤の数量も5g単位で変化を与えたが添加剤における変化は見られなかった。温度も30℃、35℃、40℃、45℃、50℃まで変化を与えたが測定値の変化はなかった。変化が認められたのは炉内での攪拌時間で認められ、5分から50分まで5分おきに攪拌時間を増やしたが30分に以上は大きな変化がなかった。
[実証工法]
セシウムからはγ放射線の放射があるので外気に触れない遮蔽物の中で処理を行わなければならない。焼却灰については実験も行ったが放射能を含む表土、下水汚泥など実証実験はしていないが理論上は処理が可能である。遮蔽物としてはロータリーキルンの内壁を、放射能低減材にセメンとを30%接着剤として混入、SNC固化剤(液状)で20分間攪拌し、次にタングステンの粉末を5%添加して10分間攪拌した放射能低減材ペーストを内壁に厚さ15センチメートルで張り固める。放射線粒子の放射は確率現象であるので、1024個のセシウム核が一度に放出することはない。セシウム137は中性子過剰な核になっているのでベータ崩壊をするが、その時はセシウムの陽子数が55から56に増えているのでバリウムという別の核種になっている。
しかし、現状ではガンマ線が放出されており、セシウムが安定になるためにγ崩壊をしているものである。遮蔽されたロータリーキルンでは触媒により金属のイオン化が促進し原子がロータリーキルン内を浮遊している状態になり、その原子にガンマ光子が衝突して確率的に放射する放射線を消滅する。ガンマ線の崩壊によって放出されたガンマ光子がエネルギーを放出するので核のエネルギーが指数関数的に減ることである。
放射能とは「放射線を出す能力」を言うのであって、単位重量(1hg)当り単位時間(1秒間)に放出される放射線粒子の数である。すなわち、放射能が強いということは1秒間当たりに放射される放射線粒子の数が多いということである。そのために本工法は光電効果やコンフ川ヘン散乱によるガンマ線の消滅を早くすることによって線量を減らすことに成功した。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
[平成23年10月4日例]
放射能(7,900Bq)が含まれている焼却灰200gに放射能低減材を200g投入して5分間攪拌して測定した。この試験の目的は放射能を含まない放射能低減材を1対1で混ぜた場合の変化を知るために行った。測定結果は財団法人放射線計測賂会に測定を依頼し、検査結果は別紙のとおり確認した。1回目の測定は焼却灰200g対放射能低減材200gの1対1の割合のままの測量値であったので、2回目の測量は400gを2000秒間攪拌し、75μの篩で放射能低減材を200gふるい落として残りを測定依頼した。処理前の放射能濃度を図3に、そのγ線スペクトルを図4に示す。処理後の放射能濃度を図5に、そのγ線スペクトルを図6に示す。
測定結果(放射能測定日平成23年10月6日)
処理前Cs−134は3400Bq/kgが処理後には880Bq/kgになった。
処理前Cs−137は4500Bq/kgが処理後には1100Bq/kgになった。
処理後Cs−134は約4分の1になり、処理後Cs437も約4分の1となった。
1対1の配合で配合すると、放射能が2分の1の場合は普通であるが、この値が4分の1になったことは、放射能低減材の効果があるので、処理結果をセシウム134とセシウム137の合計で除染効果を見た。
採取した時の初期汚染量Ax 7.9(Bq/g)=7900(Bq/Kg)
処理後の最終汚染量Ay 1.98(Bk/g)=1980(Bk/Kg)
汚染効果の評価は除染前をAxとし、除染後をAMとすれば

除染効果Azは Az=(Ax−Ay)/Ax・100(%)となり、
(7900−1980)÷7900×100=75% となり、
除染によって除去された評価値は75%になる。即ち放射能が75%除染されたことを証明した。
なお、ベクレルの単位は、セシウム137の放射能の放射線量(放射能としての量)をあらわし、1秒間に7,900個の原子核の放射線の放射があったものが1,980個に減ったということで、放射線量の数が減ったことは放射能の強さは弱くなったことになる。しかし、放射線粒子の持つ個々のエネルギーには関係していない。
[平成24年2月7日 (放射能測定日)]
42万(420,000Bq/kg)ベクレルの放射能濃縮焼却飛灰160gの処理を行った。
放射能濃縮焼却飛灰(原灰)をAとして、放射線測定協会に測定を依頼した。
測定方法と結果を以下に示す、
供試量:73.4gあった。
放射能測定濃度は42万(420,000Bq/kg)ベクレルあった。
全量160gから原灰73.4gを除けた残りの86.6gを処理した。
(1)焼却飛灰86.6gに放射能低減材90gを加え、
(2)それを触媒槽にて20分間混合攪拌した。
(3)攪拌してから放射能低減材は篩で選別してB(94.1g)とC(80.5g)に分別して測定を依頼した。
(4)その結果は別紙測定のとおり。焼却飛灰(源灰)A、B、Cの放射能濃度の測定値を図7、8,9に示し、それぞれのγ線スペクトルを図10,11,12に示す。
測定結果によると原灰の放射能濃度は、134Csが170,000Bq/Kg、137Csが250.OOOBq/Kg合計42万ベクレルあった。
処理後の測定結果は、
134Csは72,000Bq/Kg,Csは110,000Bq/Kgになった。
纏めると総体量(17000+25000)420,000Bq/Kgの放射能濃度が、試料名:焼却飛灰Bが182,000Bq/Kgの濃度に減少した。処理中に238,000Bq/Kgが放射したことになる。
初期汚染量と最終汚染量の除染効果は下記のとおり。
採取した時の初期汚染濃度Ax 420Bq/g=420,000Bq/Kg
B 処理後の最終汚染濃度Ay 18.2Bq/g=182,000Bq/Kg

除染効果Az=(Ax−Ay)/Ax・100(%)
420,000−182,000÷420,OOOX100=56.7%
除染の評価値は57%になる。即ち放射能が57%除染されたことになる。

試料名:焼却飛灰Cが94,000Bq/Kgの濃度に減少した。
処理中に326,000Bq/Kgが放射したことになる。
初期汚染量と最終汚染量の除染効果は下記の通り。
採取した時の初期汚染濃度Ax 420Bq/g−420,000Bq/Kg
C 処理後の最終汚染濃度Ay 94Bq/g =94,000Bq/Kg
除染効果Az 420,000−94,000÷420,000X100=77.6%
除染の評価値は77.6%になった。即ち放射能が77.6%除染されたことになる。
この処理方法は放射するガンマ線による原子の電離により発生するデルタ線の能力を相互作用によって電離や励起を誘発し、原子核を壊変してγ線の放射が多くなったものと思われる。すなわちガンマ線と原子との衝突回数が増えたことになる。
[平成24年2月27日(放射能測定日)]
2月7日に測定を依頼したB:94.1gに放射能低減材100gを追加添加して、セメント30gを更に混ぜてSNC固化剤(液体)で固めた試料を作った。処理した試料は翌朝に固まっていたので同日測定を依頼した。資料に水分が残っていたため試材の重さが300gあった。
「放射能測定結果報告書」によると
B−1の初期汚染濃度Ax 182,000Bq /Kg
測定値 134Cs濃度Ay 18,000Bq/KG
測定値 137Cs濃度Ay 27,000Bq/Kg
18,000+27,000=45,000(134セシウムと137セシウムの合計)
除染効果Azは182,000−45,000÷182,000X100≒75%となった。すなわち、除染の評価値は75%(確率現象による)であった。
Cの80.5gに放射能低減材60gを添加して上記のように処理をした。それをC−1とC−2に篩い分けして測定した。
C−1の初期汚染濃度 94,000Bq /Kg
処理後汚染131Cs濃度Ay 18,000Bq /Kg
処理後汚染137Cs濃度Ay 29,000Bq/Kg
18000+29000=47000(134セシウムと137セシウム合計)
除染効果Azは94,000−47,000÷94,000X100=50%となり、除染効果評価値は50%であった。
C−2の初期汚染濃度Ax 94,000Bq/Kg
処理後汚染134Cs濃度Ay 17,000Bq/Kg
処理後汚染137Cs濃度Ay 28,000Bq/Kg
17000+28000=45000(134セシウムと137セシウム合計)
除染効果Azは94,000−45,000÷94,000×100=52%となり、除染の評価値は52%(確率現象による)であった。
上記の測定の結果からみると420,000ベクレルの濃縮焼却飛灰が2回の処理を繰り返すことによって45,000ベクレルに減少した。
除染効果Azは(420,000−45,000)÷420,000×100=89.2%となり、除染の評価値は89.2%(確率現象による)であった。
今結果を纏めると、2月7日に420,000ベクレルの濃縮焼却飛灰を処理して測定したものに再度放射能低減材を添加して2月23日に処理をした。それを測定した。結果として最初420,000ベクレルの放射能濃度の濃縮焼却飛灰が処理したことによって45,000ベクレルに減少した。
420,000−45,000÷420,000X100=89.2%、すなわち、除染効果評価値は89.2%(確率現象による)が得られた。
[平成24年3月16日(放射能測定日)]
2月27日に測定を依頼したC−1:63.4gを約半分に分け濃度47,000ベクレルを原灰として測定を依頼した。測定結果速報では濃度47,000ベクレルの濃度が51,000ベクレルに高くなっていた。放射能測定結果から判断するとして、半分にした原灰に放射能低減材30gを追加添加して、前回と同じく処理した。
放射能測定結果(速報)によると
Bの初期汚染濃度Ax 51,000Bq/Kg
処理後汚染134Cs濃度Ay 10,000Bq/Kg
処理後汚染137Cs濃度Ay 17,000Bq/Kg
10,000+17,000=27,000Bq/Kg(134セシウムと137セシウムの合計)
除染効果Az 51,000−27,000÷51,000X100=47%となり、除染の評価値は47%(確率現象による)となった。
これまでに420,000ベクレルの原灰を2月7日と2月24日と3月16日の3回で測定した結果、放射能原灰は、提供資料が回数を重ねるごとに濃縮されていくため、除染効果評価値が低くなっていく傾向にある。
除染効果Az 420,000−27,000÷420,000×100=94%となり、除染の評価値は94%になった。
焼却灰やヘドロ、がれき類に添加している放射能は、全体の物量から考えると10%に満たない放射能の添加数値と見られる。その場合は、1回目の測定結果数値から見て、放射能濃度が大きく減ることになると思われる。
[平成24年4月6日(放射能測定日)]
3月16日に測定を依頼した測定結果はCs(セシウム)134と137合わせて27,00Bqあったため、再処理を行い、測定を依頼した。
27,000Bq濃度の処理灰を2種類に分けてA−10とB−30に分別した。機械にかける時間により変化がみられるか、A−10は10分間、B−30を30分間とした。
結果として大きな差はなかった。
A−10の初期濃度Ax 27,000Bq/kg
処理後汚染134cs濃度Ay 4,900Bq/kg
処理後汚染137Cs濃度Ay 7,800B/kg
134Csと137Csの合計数値(4,900+7,800=12,700)は12,700Bq/kg
除染効果Az 27,00−12,700÷27,000×100=53%
B−30の初期濃度Ax 27,000Bq/kg
処理後汚染134Cs濃度Ay 4,100Bq/kg
処理後汚染134Cs濃度Ay 6,400Bq/kg
合 計 10,500Bq/kg

除染効果Az 27,000−10,500÷27,000×100=61%

最終結論として420,000Bq/kg濃度のセシウムが10,500Bq/kgになった。、即ち強度が弱り放射能の量が減少したことになる。
除染効果は420,000−10,500÷420,000×100=97.5%
除染の評価値は97.5%(確率現象による)であった。
なお、これまでの測定結果から見ると処理時間を1時間以上長くして電子の接触機会を多く与えることによっては放射能原子が早く減少し、放射能の量が減少すると考えられる。短所としては放射性物質の相対量が増えることになるので、これらの利用価値を見出すことが先決である。
[平成24年5月11日(放射能測定日)]
同じく残渣物について再処理を行った。測定結果のとおりであった。
処理前Cs−134 4,900Bq/kg
処理前Cs−137 7,800Bq/kg
計 127,000Bq/kg
処理後Cs−134 930Bq/kg
処理後Cs−137 1,700Bq/kg
計 2,630Bq/kg

Az= (Ax −Ay)/Ax・100で示される除染効果は98%(確率現象による)であった。
[平成24年7月30日(測定日)]
処理方法を変えて同じく放射能低減材を用いて放射能濃度を図13、図14に示し、ガンマ線スペクトルを図15、図16に示す。
処理前Cs−134 410Bq/kg
処理前Cs−137 680Bq/kg
計 1090Bq/kg

処理後Cs−134 77Bq/kg
処理後Cs−137 130Bq/kg
計 207Bq/kg

Az=(Ax−Ay)/Ax・100(%)で示される除染効果は81%(確率現象による)であった。
以上の実施例等による結果から明らかなように、放射能低減材による処理により放射能は弱くなることが判明した。
放射能を理解するためには原子の構造を理解しなければならない。しかし、化学反応では放射能は消えないことを前提とする。すべての物質は原子からできている。これらの原子は中心に正(+)の電気を帯びた1個の原子核とその周辺をまわる負(一)の電気を帯びた電子の殻からなる。原子核は正の電気を帯びた陽子と電気を帯びていない中性子からできている。原子の化学的性質を決めるものは電子であり、電子と陽子の数は同じで、それらを元素といっている。しかし、同じ元素の中には中性子の数が違う原子もあり、原子核中の中性子の数がちがうために、質量数のちがう原子があり、このように、原子番号が同じで質量数のちがう原子を同位元素という。
原子核は陽子と中性子の数によって質量数が決まっているが、陽子と中性子の数の差が大きくなると同位体は不安定である。不安定な放射性同位体の原子核から電子が出ると中性子が陽子に変化して、陽子が増えると陽子間の反発が起こり、中性子の引力(核力)が強くなり崩壊する。
セシウムには同位元素が39種類あり、そのひとつのCs137は半減期が30.17年である。セシウム原子の記号(Cs)の数字55が陽子の数で、下の数字133が質量数で、質量数から陽子の数を引いたものが中性子の数78である。Cs137は中性子の数がセシウム元素133の質量数より多い137あるので、中性子の数は82となり78より4つ多い数であり、中性子が多いほど不安定となるのでセシウム137は放射性が強く安定化するためには中性子の数が減ることが必要である。セシウム137の原子核の中性子1個が、電子を放出して陽子になると、原子核の陽子は1個増えるため、原子番号56のバリウム(Ba)という原子に変わる。これをベータ壊変といい、安定な原子核となる。
しかし、不安定な核がベータ崩壊を起こして電子(ベータ粒子)を核外に放出してもエネルギーは残っている場合にガンマ崩壊がある。ガンマ線は電磁波であるが量子化すると電磁波は粒子となり 「光子」と呼ばれる。光子はエネルギーを持っているので電子や陽子、中性子も破壊する能力がある、原子がガンマ線や電子を受けて励起状態になると、原子を構成する陽子や中性子が放出され、これによって崩壊する。中性子の分解で放出される大きなエネルギーは電子(β線)によって外部に運び出されるが、それでもエネルギーは残ることが多い。この残りのエネルギーは電磁波(y線)として放出される。不安定な原子核が安定になるために放出するエネルギーが、放射線である。放射性物質からでる放射線はα線、β線、γ線、X線、中性子線などがある。α崩壊はUやRaなと、原子核の中の核子数が多い放射性同位元素でおこる。放射線としては中性子2個と陽子2個からなるα線が放出されるがHe原子核と同じ粒子でプラスの電気を帯びている。
α壊変によって、崩壊した原子は他の原子核に変化する。例えば、鉛はウランから変化したものである。なお、ヘリウム原子核は希ガスのヘリウムとは異なり、ヘリウムは電子をもつが、α線の本体であるヘリウム原子核は電子をもたない。α線は原子をイオン化させたり(電離作用)写真フィルムを感光させたり(感光作用)、物質を通り抜ける力(透過力)がある。しかし、α線は物質と相互作用しやすいので、紙1枚で遮蔽できる。β線はストロンチウム−90やセシウム−137でおこる。β崩壊とは原子核の崩壊によって電子1個が飛び出す電子線で、陽子になりバランスをとって安定になろうとする崩壊で、中性子1個から陽子1個、電子1個、中性徴子を放射する。原子核からでてくる高速の電子でマイナスの電気をもっている。a線の約1/8000の重さしかないので薄い金属板で遮蔽できる。電離作用はα線より弱い。β線にはβ−線とβ+線がある。中性子数が陽子数に比べて多いときにβ−壊変が起こる。β-壊変では中性子が陽子に変化する。このとき、電子と反ニュートリノを放出する。ニュートリノとは中性徴子である。
γ線はエネルギーが高い光なので、密度の高い鉛などを含んだ金属板で遮蔽する。
セシウム137は放射性同位体から安定同位体に変わろうとする過程でγ線という非常に短い波長の電磁波を放射する。波長が短くX線と同じ性質。セシウムはプラスの電気。以上を基本として物質に対する放射線の影響には大まかにいって電子的励起または 電離の作用、原子の遷移および原子核反応があり、中性子線を除く他の全放射線では共有結合性の物質に対しては、このうち、電離の作用が一般に顕著であるのでこれらを総括してイオン化放射線と呼ぶ。
セシウムは基本的にイオン結合性の化合物を形戒するが、気体状態では共有結合性の三原素分子であるCsを形成する。水との反応も強く水酸化物CsOHを形成する。放射線とセシウムという元素の物質を構成する原子や分子は相互に影響を与え合う相互作用があって、その作用によって電離された陽子と電子はイオン化され、励起状態になって不安定となり崩壊が始まる。定説ではセシウムは中性子の捕獲が低いため、自然崩壊を待たねばならないとされているが、ガンマ線の強い発生源でもあり、自分のエネルギーを消滅する光電効果、コンプトン効果などにより、電子が電離・励起作用を起こすことになる。減酸素雰囲気の触媒炉に於いては元素のイオン化が触媒により促進され、電離作用、原子核反応により励起状態となり、電子が放射され放射線量の放出が促進されガンマ線と電子の衝突が激しく行われるものと思われる。(実験結果による数値を見て考えられる。)
ベータ線の特徴はマイナスの電気を持ち軽いということで、原子を電離した時発生した自由電子がデルタ線という電離や励起を引き起こす能力を持っている。このデルタ線は物質に吸収され消失する。セシウムの原子核の近くでもベータ線は引力によりデルタ線を放出し相互作用によりガンマ線を放出する。
[γ放射線の性質]
γ放射線とは原子核が壊れる(壊変する)時等に放出される高速の粒子や高エネルギーを持った電磁波をいう。イオン化放射線は物質を高い運動エネルギーを持って通過するときに原子や分子の軌道電子を奪ってイオン化を行う。α線等の重荷電粒子線は、ある飛距離で急に粒子数が零になる。β線では強度の対数がほぼ直線的飛距離とともに減少する。X線、γ線等の電磁波は光量子が1段階で吸収される。このような各種の放射線の吸収については飛距離の値も重要である。α粒子の空気中における飛距離は約2.5cmであるが水中に於いては1/1000、鉛の中では1/5000となる。これに対してI MeVのβ線では空気中の飛程は約7mである。凝縮相の飛距離は相当短く、荷電粒子の照射効果は固体に対しては表面に極近い場所にのみ限定される。
以上、放射線によって引き起こされる化学反応は光化学と共通な部分があるが、放射線化学における粒子は、光化学における粒子が一分子の励起のみを引き起こすのに対し、多くの励起の分子やイオン化を引き起こす点で根本的な相違がある。気体の場合放射線の化学反応はイオン化放射線の軌跡中に生成する励起した分子、原子、イオン、自由基にその原因があるわけで、凝縮相や高圧気体中の反応である。 放射線が気体や液体にあたる時その分子はイオン化または励起を受けるのであるが一般的にイオン対をつくるのに要するエネルギーはその物質の化学的性質に依らず大体30〜35eV程度である。知見によると金属は一般に放射線による変化を受けがたい。この点に於いて放射能低減材は金属の混合物であり、放射線の遮蔽物としてまた、吸着剤として十分な活性力があり、放射能低減材を精製する触媒還元炉内は励起状態にあると思われる。その理由としてセシウム原子からはガンマ線が発生している事実はある。触媒還元炉内でガンマ線が発生していることは、ガンマ線が炉内に満喫している各種金属の原子(電子)と衝突を繰り返していることである。ガンマ線はガンマ光子と呼ばれ、電荷を持っていなくても電子と反応して、エネルギーの大きいガンマ光子が電子に当たり原子を電離する。放射能低減材は一般廃棄物の焼却灰を触媒還元処理により地下鉱物資源の元素に生成した物質である。
放射能低減材は鉱物資源をセラミック状のナノ分子の微粉末に加工した金属・非金属元素の混合物であり、焼却灰に含まれる金属元素を加工した触媒資源である。焼却灰は金属・非金属の原子が1m3の中に約1022個つまっている結晶の混合物であり、放射能低減材には約30元素が含有され、この元素の中に有害重金属として法律で指定された元素も含まれている。
放射能低減材は重金属類が溶出しないように地下資源と同じような金属化合物に分子の組み換えを行い無害化して、環境基準値で決められている溶出基準をクリアしている。放射能低減材の含有成分はケイ素、アルミ、カルシウム、の三元素からなるケイ酸アルミ酸化物(アルミノケイ酸塩鉱物)で、微量元素の鉛等を含む金属類30元素以上が含まれている混合物なので、遮蔽力は強いものがある。
これらの元素粒子は原子から構成され、原子にガンマ光子がぶち当たって原子から電子を奪取するとガンマ光子は光電効果により消滅します。さらにはエネルギーが強い場合、コンプトン散乱により生き残りのガンマ光子と弾き飛ばされた電子がその他の原子に電離作用を起こし次々と原子を電離しながら消滅する。放射能は時間とともに弱くなるが、放射性物質から放射される放射線粒子の数が減少することで、個々の放射線粒子の持つエネルギーが弱くなることには関係していない。放射性物質に汚染された物質(lkg)当たり1秒間に放射される放射線粒子の数を放射能という。半減期は変わらないが放射性物質を薄めることによって放射能の強さを弱めることができる。
放射性核種の放射能は温度や圧力などの外圧条件には支配されず、核種独特の性質を持つ。依って半減期を崩すことはできないが、放射能は放射性元素の数に正比例するので次の式が成り立つ。
放射能=比例定数(崩壊定数)×放射性原子核
すなわち、原子核が少なくなれば放射能も減衰することになる。また、放射性物質を完全に覆い、放射能が漏れないようにすることができる。放射性物質を洗い流しても、どこか外の場所に移動するだけである。
[放射能低減材によるは放射線の吸着]
人工ゼオライト(放射能低減材)の基本は二酸化ケイ素(SiO2)の結晶である。
ケイ素とアルミナが結合して負(マイナス)に帯電した物質で、微細孔面にナトリウム(Na)+イオンがあり電荷のバランスをとっている。このケイ素とアルミナの成分を利用して石炭灰が注目されている。石炭灰の化学的性状は結晶質を含むガラス状物質である。普通の土砂よりは軽く粘性度はなく、断熱性は高い物質である。組成的にはSiO2(シリカ)、Al23(アルミナ)を主に含んでおり、この2種類で70〜80%になる。
焼却灰と石炭灰は同じような組成を持ち、この焼却灰から作り上げた物質が放射能低減材である。放射能低減材は焼却灰に含有するCaO(カルシウム)が約15.64%を占め、ケイ素35.85%、アルミナ18.09%で約69.58%になり、その他の成分Fe(鉄)、MgO(マグネシウム)、SO(硫黄)、NaO(ナトリウム)、KO(カリウム)の酸化物が含有され金属担持ゼオライトになる。ゼオライトはシリカとアルミナが主成分になるがその他の金属類も含まれていることは焼却灰と同じである。
人工ゼオライトは、石炭灰のシリカとアルミナが主成分で構成された物質が原料に適している。ゼオライトはケイ酸アルミニウムからなり、化学構成を形成するケイ素やアルミニウムなどの原子が規則正しく配列した結晶性コロイドと、不規則に並んだ非晶質コロイドとに分けられている。
焼却灰については20年間研究を重ね、土壌改良剤、汚水や廃水中のアンモニアやCODの除去などを行うための陽イオン無機交換体ないしは吸着剤として水処理に、又は畜舎の床に散布することで除湿、及び脱臭剤としても利用できる。ゼオライトは乾燥剤、吸着剤、分子篩、イオン交換剤、触媒、肥料、飼料の添加剤、農薬添加剤、土壌改良剤など広い利用価値があり、化学的にアルカリ金属、あるいはアルカリ上類金属を包含する含水アルミノケイ酸塩である。
石炭灰や焼却灰にはケイ酸アルミニウムの成分からなるコロイドが存在している。表面活性が強く土壌中において植物の養分蓄積や汚染物質の集積・分解など影響力の強い成分である。さらにはこれまでの焼却灰の研究からケイ素とアルミの構成要素以外に複合触媒としての活性が実証から発見されている。放射能低減材はゼオライトの持つ触媒以上に活性が大きく、この度の東日本大震災により発生した福島原発のセシウム137放射線は電気陰性度が小さく反応性が高く、イオン化傾向がナ1ヘリウムより大きいのでセシウム137は放射能低減材の微細孔に吸着すると思われる。触媒の組み合わせで今回も化学ノーベル賞に触媒の反応が認められている。放射線についてはこれまでの実証はないが、実験結果では放射能濃度が約半分になる二とは確認されている。(別紙添付)触媒とゼオライトの組み合わせで放射線が遮蔽できる可能性は高いものと考えられる。高濃度放射能汚染水は10万トンあるといわれている。この汚染水はコンクリ−トの壁一つで周辺環境を脅えさせている。密閉性を求めるならば固化物として海中に保管することが最もではないだろうか。
固化の方法は、放射能低減材と汚染水を攪拌槽で攪拌して放射能低減材の吸着能力で決まると思う。汚染水を一段階、二段階、三段階と放射能低減材を通過させることによって、焼却灰の吸着から推察すれば、汚染濃度は減少される筈である。次に吸着した放射能低減材をSNC固化剤で固めてプレスすれば固化生成物を作ることができる。
放射能低減材は、焼却灰から精製するゼオライト成分をもつ吸着剤であり、吸水材である。各自治体が処分に困っている焼却灰が生きた手助けになるやも知れないと思う。触媒還元炉で考えられる化学反応は硫黄との反応
2Cs+2H0=2CsOH+H
2CsOH+HSO=CsS0+H
二酸化炭素との反応
2CsOH+2CO=2CsCO+H
上記反応により難溶性化合物になる。
放射性物質はイオンの形態でも存在する。放射性同位体がイオン結晶と相互作用するとき電位形成イオン・交換性の吸着が起きる。すなわち静電的及び化学的な性質によって拡散する。
結論として減酸素雰意気の触媒槽は、触媒によりセシウム化合物はイオン化され、電離作用を繰り返すことにより1024ものセシウム137の核が確率現象によって減少していく。この中でコンフ川・ン散乱や光電作用によって中性子が電子を放出して陽子になり、Baに壊変する行程を作り出していると思われる。遊離の中性子は安定でなく電子を放射(β壊変)して、半減期T=10.37minで陽子に変わる。一方、原子核に束縛された核内中性子は壊変しない。
実験の結果、放射能低減材を投入しセシウム含有焼却灰を混練り攪拌することによりセシウムの75%削減がみられた。2回目の実験結果は高濃度の放射能であったが78%の削減があった。
3回目の測定では約90%削減した。
ベクレルは放射能の量の単位であり、1ベクレルは1秒間に1つの原子核が崩壊して放射線を放射する能力のこと。
420,000ベクレルは1秒間に420,000個の原子核が崩壊していることになる。現在の処理結果では420,000ベクレルの放射能が2,600ベクレルになったので、1秒間に45000個の原子核が崩壊していることで放射線の量は減少したことになる。4回、5回と反応炉で攪拌することにより最終除染効果は99%を上回った。放射能を薄めることによって放射能の強さを弱めることになり、それを放射能低減材で固化することで遮蔽が可能となる。
本発明は、低濃度の放射能に汚染された大量の物質、例えば、放射能汚染土壌や放射能汚染物質の焼却灰など、を処理して、実質上許容範囲の放射能レベルに低減することができる新しい技術を提供するものである。本発明は大量の放射能汚染土壌の無害化処理に貢献することができる放射能の低減方法であり、経済的で簡便な方法として有用である。


Claims (7)

  1. 焼却灰を低酸素雰囲気あるいは還元雰囲気中で加熱処理することにより製造したことを特徴とする放射能低減材。
  2. 焼却灰が、都市ゴミの焼却灰である請求項1に記載の放射能低減材。
  3. 低酸素雰囲気あるいは還元雰囲気で加熱処理が、焼却灰温度が250℃〜600℃の還元反応処理工程と、180℃〜450℃の安定化反応処理工程からなる請求項1または2に記載の放射能低減材。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の放射能低減材を放射能汚染物質に添加混合することを特徴とする放射能汚染物質の放射能低減方法。
  5. 放射能汚染物質が、土壌、または焼却灰である請求項4に記載の放射能低減方法。
  6. 焼却灰を低酸素雰囲気あるいは還元雰囲気中で加熱処理することを特徴とする放射能低減材の製造方法。
  7. 低酸素雰囲気あるいは還元雰囲気で加熱処理が、焼却灰温度が250℃〜600℃の還元反応処理工程とは、180℃〜450℃の安定化反応処理工程からなる請求項6に記載の放射能低減材の製造方法。


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