JP2005506684A - リソグラフィーシステム及びデバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
新しい「フラッシュ・オン・ザ・フライ」動作モードで使用することができる、費用効果的にデバイスを製造するためのリソグラフィーシステムと方法であって、露光フィールドは単一の放射線パルスによって形成される。システムは、パルス放射線源(14)と、照明系(24)と、マスク(M)と、投影レンズ(40)と、イメージ形成面(WS)を有するワークピース(W)を支持するワークピースステージ(50)と、を含む。放射線源コントローラー(16)と、計測装置(62)を含むワークピースステージ位置制御系(60)とは、前後する放射線パルスが隣同士の露光フィールド(EF)を形成するように放射線パルスのマスクへの照射を調整・制御するために使用される。放射線源からのパルス間均一性が十分ではない場合には、露光量における所望のパルス間均一性を達成するためにパルス安定化系(18)を必要に応じて使用することができる。単一の放射線パルスを使用して露光することができる高速性によって非常に高いスループットが得られ、半導体集積回路などのデバイスの製造において費用効果が高い方法で小イメージフィールドの投影レンズを利用することができるようになる。システムは、従来の「ステップ・アンド・リピート」モードでも動作することができ、システムの所有者は所与の用途のために最も費用効果の高い動作モードを決定することができる。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明はリソグラフィーに関し、さらに詳細には、デバイスの製造においてリソグラフィー露光を高速かつ費用効果的に行うためのシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路(IC)、液晶ディスプレイ、マイクロ−エレクトロ−メカニカルデバイス(MEM)、デジタルミラーデバイス(DMD)、シリコンストリップ検出器などのマイクロデバイスの製造プロセスでは、解像度の高いリソグラフィーシステムを使用する。このようなシステムでは、パターニングされたマスク(すなわち、レチクル)に、マスクへの露光部全体で高い照度均一性を達成する照明系を通過させた放射線(例えば、レーザー放射線又はアークランプからの放射線)を照射する。マスクを通過した放射線は、所定のサイズのイメージフィールド(レンズフィールドともいう)を有する投影レンズによって集光される。投影レンズは、ワークピースのイメージ形成面にマスクパターンを映し出す。ワークピースは、これを投影レンズと相対的に移動させるワークピースステージに配置され、ワークピースの複数の露光フィールドにマスクパターンが繰り返し形成される。
【0003】
リソグラフィーシステムは、ワークピースをマスクの投影イメージと正確に位置合わせするアライメント系を含み、これによって、ワークピースの選択領域の上方でマスクに光を照射する。マスクイメージは、製造中のデバイスの層を形成するために隣同士正確に配列されることが必要なので、多くの場合、ワークピースの既存の露光フィールドに正確に位置合わせする必要がある。
【0004】
現在は、ステップ・アンド・リピートシステム(「ステッパー」)とステップ・アンド・スキャンシステム(「スキャナー」)という2種類のリソグラフィーシステムが実際の製造において使用されている。ステッパーでは、ワークピースの各露光フィールドに単一の静的な露光によって光を照射する。スキャナーでは、レンズのイメージフィールドを横切ってワークピースとマスクを同期させて走査することによってワークピースに光を照射する。典型的な走査式リソグラフィーのシステムと方法は、米国特許第5,281,996号に記載されている。ステッパーとスキャナーに使用される投影レンズは、通常は1倍(すなわち、等倍)、あるいは4倍又は5倍の縮小倍率(すなわち、光学用語で、より一般的に表現すると、±1/4又は±1/5の倍率)で動作する。
【0005】
リソグラフィーシステムが所定サイズの形状を解像(より正確には「転写」)する能力は露光波長によって決定され、波長が短いほど、転写あるいは映し出すことのできる形状が小さくなる。多くのマイクロデバイス(特にIC)では最小外形サイズの縮小が続いており、露光波長もより短くなってきている。また、デバイスサイズも大型化してきたので、レンズのフィールドサイズも着実に大きくなってきている。リソグラフィーシステムの解像度も、投影レンズの開口数(NA)とともに増加している。したがって、露光波長の短波長化に加えて、投影レンズの開口数も実用的に設計可能な開口数と同程度に増加する傾向があるが、焦点深度は、NAの2乗で減少するため実用的な範囲にしなければならないという制約がある。
【0006】
ごく最近まで、半導体産業のロードマップは、リソグラフィーシステムのフィールドサイズが増加し続け、メモリやマイクロプロセッサチップの装置サイズの大型化に対応することができると予測していた。この傾向は、製造コストにおいて重要な意味を持っている。小規模な回路の場合には、複数のデバイスを単一の露光フィールドに合わせることができる。デバイスのサイズは一般に大きくなってはいるが、ロードマップの作成者が予測したほどには急速に進んではいない。一方で、デバイスに使用される最小画像サイズは当初予測されたよりも急速に縮小している。現世代のステップ・アンド・スキャンシステムのフィールドサイズは次の数世代のメモリに対応するには十分だが、最小画像サイズが急速に小さくなっているため、マスクを得ることが非常に困難になっている。
【0007】
インターナショナル・テクノロジー・ロードマップ最新版で、2003年まで25mm×32mmというレンズの最小イメージフィールドサイズが、2004〜2013年には22mm×26mmになると予測しているのは、マスクメーカーにとって朗報である。というのは、必要とされるフィールドサイズを、この程度に縮小するには、縮小倍率を4倍から5倍にすればよいからである。
【0008】
最新のリソグラフィーシステムは、これまでに製造された機械の中で最も複雑なものの一つであり、その結果として極めて高価である。また、製造環境においてリソグラフィーシステムを保守・検査するためにはかなりの労力とコストが必要である。研究開発のために様々な実験的リソグラフィーシステムを組み立てることは比較的容易だが、手ごろな値段で、所有コストを考慮して決定された費用効果の高いリソグラフィーシステムを実際の製造に使用するために開発することは非常に困難なことである。
【0009】
種類が異なるリソグラフィー装置のいずれを選択するかは、通常は相対的な所有コストに基づいて決められる。このコストに基づくモデルは、所定のリソグラフィーシステムを、入手し、製造環境において運転し、保守するためのコストを考慮に入れたものである。所有コストは、リソグラフィーシステムの特性に直接関連する種々の要因と、システムが製造環境においてどのように使用されるかを考慮することによって決定される。複雑な所有コストのモデルが数多く提案されており、一例としては、所有コストの計算において多くの異なる要因のスコアを考慮に入れたセマテックのリソグラフィー所有コストモデルがある。しかし、信頼性の高い所有コストは、ステッパーコスト、マスクコスト、フィールドサイズ、システムスループット(以下に定義する)、所定のマスクで処理できるワークピースの枚数などの主要な要因を検討することによって得られるものである。
【0010】
リソグラフィーシステムの投影レンズと照明器のコストは、レンズのフィールドサイズの約3乗で増加することが知られている。0.13μmの解像度が得られるレンズを有し、22mm×22mmのフィールドサイズで193nmの露光波長で動作できる最新のステッパは、レンズとシステムの残りとに、およそ等分することができる。後者は、マスク及びウエハの処理系、マスク及びワークピースのステージ、レーザー露光源、アライメント系などを含む。これらの構成要素を、使用可能なシステムに組み込んだ場合、装置の価格は取付と保証を含めて約1〜2千万ドルになる。
【0011】
リソグラフィーシステムのスループット(すなわち、1時間当たりに処理できるワークピースの枚数)は、所有コストの計算で最も重要な要因の1つである。従来のリソグラフィーシステムのスループットは、露光フィールドサイズ(直径)の2乗で増加する。スループットは、各露光フィールドにおいてウエハに十分に高くかつ均一な量の放射線を照射しなければならない放射線源の輝度によって部分的に制限されていた。しかし、現在の放射線源は、通常は2000〜4000Hzで動作する狭帯域のパルスエキシマレーザーであり、それまで使用されていたアーク源よりもはるかに輝度が高い。リソグラフィーでの使用に適した典型的なエキシマレーザーのパルス間均一性は、8〜10%(3σ)と非常に低い。
【0012】
リソグラフィーシステムには、通常は1%(3σ)未満の、マスク上での照度均一性が必要であるため、放射線源からの複数の(例えば、100)パルスを平均することによって必要な均一性を達成している。レーザー周波数が数千ヘルツの場合では、ステップ・アンド・スキャンシステムの露光時間は非常に短くなり、現在のリソグラフィーシステムのスループットは、ステッパーの場合には主としてステージの移動・修正時間によって制限され、ステップ・アンド・スキャンシステムの場合には加速時間と走査時間によって制限される。現在のステップ・アンド・スキャンシステムでは、修正とオーバースキャンを含むレチクルステージのターンアラウンド時間は、各フィールドで140ミリ秒である。これは、ステッパーのウエハステージの移動・修正時間と同じである。ステップ・アンド・スキャンシステムでは、移動に関する最も困難な問題は、通常、縮小倍率Xに比例してウエハよりもX倍高速に加速・移動しなければならないマスクステージにおいてみられる。
【0013】
リソグラフィーシステムに関連する別の重要なコストは、マスクのコストである。マスクのコストは、レンズフィールドサイズ(直径)の2乗にほぼ比例する。このことは、マスクに埋め込む情報量を決定し、したがって、書込時間、検査時間、予想される欠陥数を決定することになる。大容量DRAMやマイクロプロセッサの製造などの特定の用途では、リソグラフィーシステムを償却するコストと比較して、マスクのコストはそれほど大きくない。しかし、特殊な(「特注」)用途(例えば、デジタル信号プロセッサやカスタマイズされた制御回路などの特殊なデバイスの製造)では、マスクのコストはリソグラフィーのコストの大半を占める。特注用途の30セットのマスクには、材料、保護膜、セットアップ、書込、検査、修理のコストを含めると100万ドル以上かかることがある。
【0014】
リソグラフィーシステムにおけるマスク当たりのワークピースの数(WPM)は、所有コストのもう1つの重要な要因である。特注用途では、WPMは3〜3000の範囲で変動する。マスクのコストがリソグラフィーツールの減価償却費と等しくなる分岐点は、様々な要因に依存する。一般に、大フィールドサイズ(例えば、22mm×22mm)を有し、3000WPM以下のリソグラフィーシステムでは、所有コストはマスクのコストによって占められている。
【0015】
産業動向もそうであったが、これまでの知識は、DRAM(メモリ)とマイクロプロセッサの業界に最適なリソグラフィーシステムを設計するためのものであった。ステップ・アンド・リピート技術あるいはステップ・アンド・スキャン技術は、これらの大業界を十分にサポートしており、インターナショナル・テクノロジー・ロードマップで推奨されているフィールドサイズで最も低い所有コストを達成している。しかし、フィールドサイズの小さい装置によってサポートされるその他の用途は、一般に半導体装置製造業者から無視されてきた。
【0016】
マスクのコストが多くの用途において全コストの多くを占めているという事実を考慮に入れ、所有コストの観点から、例えば、レンズのフィールドサイズを最適値まで小さくすることが有益である。しかし、ステッパーのスループットはフィールドサイズの約2乗に比例するため、フィールドサイズの縮小によって達成されるマスクのコスト節減が、全くなくなるわけではないが、いくらか少なくなる傾向がある。また、小フィールドシステムのフィールドに含めることができない大きなチップも常に存在する。これまで、付加的な開発費がかかることと、小フィールドのリソグラフィーシステムの潜在的な市場が小さいということのために、所有コストにおける利点にもかかわらず、このようなシステムの開発は行われてこなかった。また、小フィールドシステムの所有コストの利点自体がこれまで良く認識されていなかった。
【0017】
したがって、マスク当たりのワークピースの枚数(WPM)が3000未満の場合に、高速かつ費用効果的にウエハに露光できるリソグラフィーシステムが求められている。また、さらに改良すれば、システムが比較的小さなレンズフィールドの投影レンズを利用している場合でも、高いスループットを達成することができる。
【特許文献1】
米国特許第5,281,996号明細書
【特許文献2】
米国特許第5,699,621号明細書
【特許文献3】
米国特許第5,621,813号明細書
【発明の開示】
【0018】
本発明はリソグラフィーに関し、さらに詳細には、デバイスの製造においてリソグラフィー露光を費用効果的に行うためのシステムと方法に関する。費用効果は、リソグラフィー露光を非常に高速に行う方法によってさらに高めることができる。
【0019】
本発明の一態様は、製造用のリソグラフィーシステムにおけるリソグラフィーレンズの使用を含み、レンズは従来のリソグラフィーシステムのレンズよりも非常に小さなレンズ(イメージ)フィールドサイズを有し、したがって、従来の装置で使用されるレチクルよりも非常に少ない情報を含むレチクルを使用することができる。小フィールドのリソグラフィーレンズを使用することによって、製造用のリソグラフィーシステムの初期価格をかなり低下させることができる。レチクルの縮小によるコスト節減はレチクルを使用して露光する基板の数に依存するが、レチクル1セット当たりの基板の枚数が3000枚未満の場合に節減効果が顕著となる。レンズのフィールドサイズが小さいとスループットは低下するが、レンズとレチクルのコスト節減はこの不利益を補って余りあるものである。
【0020】
本発明の別の態様は、新しい「フラッシュ・オン・ザ・フライ」露光モードの使用を含む。このモードを使用することによって、単一パルスの放射線を使用して露光を行うことができ、レンズフィールドの縮小によるスループットの低下という不利益を解消することができる。パルス当たりに必要な総エネルギー量は露光面積に比例するため、従来よりも小さなレンズフィールドサイズを使用することによって、単一パルス露光が容易になる。したがって、レンズのフィールドサイズが小さくなると、小さく、より安価なレーザーやフラッシュランプなどの他のパルス放射線源を使用することができる。また、レンズの耐用寿命は、各放射線パルスに含まれる高いエネルギーによって制限されることがある。遠紫外線の高エネルギーのパルスは、長期間にわたる使用とともにガラスを圧縮させる傾向があり、レンズの波面誤差につながる。レンズのフィールドサイズを小さくすることによって、屈折レンズ部品数を減らし、反射性レンズをより多く有する設計が可能になる。限られた寿命を有するのは屈折レンズであるため、屈折要素を減らすことによって通常よりも長い耐用寿命が得られることが期待される。これによって、通常よりも小さなレンズ(イメージ)フィールドを費用効果的に使用でき、より安価な投影レンズからなり、もっと一般的には、半導体集積回路などのデバイスをより安価に製造できるリソグラフィーシステムの実現に寄与することができる。
【0021】
したがって、本発明の一態様は、3000枚以下の基板を処理するために使用されるマスクの連続するイメージをワークピースに費用効果的に露光し、複数の露光フィールドを放射線パルスバーストを使用して形成して各フィールドを露光するためのリソグラフィーシステムである。このシステムは、光軸に沿って、放射線パルスを供給するための放射線源を含む。照明器が、放射線パルスを受け入れ、各放射線パルスを±10%以下の空間均一性でマスク面に実質的に均一に分散させるように配置されている。また、照明器から出射した放射線パルスの各バーストに実質的に均一に照射されるようにマスクを支持することができるマスクホルダが含まれる。また、システムは、マスク又はその近傍に配置された物体平面と、ワークピース又はその近傍に配置された像平面と、像平面内のイメージフィールドとを有する投影レンズを含む。投影レンズのイメージフィールドは、従来のリソグラフィーシステムの2分の1未満の像平面積をカバーするサイズを有し、マスクの描画は従来のリソグラフィーシステムで使用されるマスクの2分の1未満の細かさでよい。投影レンズはマスクを透過した放射線を受け入れるように配置され、イメージフィールド内でワークピース上にマスクイメージを形成する。ワークピースステージが、像平面又はその近傍でワークピースを支持するために設けられている。ワークピースステージは、連続したマスクイメージを、対応する隣同士の露光フィールドに放射線パルスバーストによって露光できるようにワークピースをステップ移動させるようになっている。
【0022】
本発明の別の態様は、マスクの連続するイメージでワークピースを高速に露光し、露光フィールド当たり単一の放射線パルスを使用して複数の露光フィールドを形成するための費用効果の高いリソグラフィーシステムである。このシステムは、光軸に沿って、±10%以下のパルス間均一性を有する放射線パルスを供給するための放射線源を含む。照明器が、放射線パルスを受け入れ、各放射線パルスをマスク面に実質的に均一に分散させるように配置されている。また、照明器から出射した各放射線パルスによって実質的に均一に照らされるようにマスクを支持することができるマスクホルダを含む。また、システムは、マスク又はその近傍に配置された物体平面と、ワークピース又はその近傍に配置された像平面と、像平面内のイメージフィールドとを有する投影レンズを含む。投影レンズはマスクを透過した放射線を受け入れるように配置され、イメージフィールド内でワークピース上にマスクイメージを形成する。ワークピースステージが、像平面又はその近傍でワークピースを支持するために設けられている。ワークピースステージは、マスクイメージに顕著なスメアーを発生させることなく、連続したマスクイメージで隣同士の露光フィールドを単一の放射線パルスによって露光できる速度で、ワークピースを走査経路上で移動させる。
【0023】
本発明のさらに別の態様は、放射線源からの放射線パルスのパルス間均一性を安定化させるように放射線源の下流に配置されたパルス安定化系である。
【0024】
本発明の別の態様では、本発明の費用効果が高いリソグラフィーシステムは、放射線源に操作できるように接続された放射線源コントローラーと、ワークピースステージの移動を制御するためのワークピースステージ位置コントローラーとを含む。放射線源の動作とワークピースステージの移動は、基準に対して相対的なワークピースステージの正確な位置を計測する計測装置によって容易にすることができる。計測装置は、放射線源コントローラーに電気的に接続され、放射線パルスを走査経路上のワークピースの移動に合わせるために必要な位置情報を供給する。
【0025】
本発明の別の態様では、ワークピースはイメージ形成面を含み、各放射線パルスは、イメージ形成面を除去することはないが露光できるエネルギーを有する。
【0026】
本発明のさらなる態様は、投影レンズを使用してワークピース上に複数の露光フィールドを形成する方法である。投影レンズは、パターンを有するマスクが支持される物体平面と、マスクイメージが形成されるイメージフィールドを有する像平面と、を有する。この方法は、イメージフィールドと相対的にワークピースを位置合わせし、その後、複数の放射線パルスをマスクに照射する工程を含む。放射線パルスは、好ましくは10%(3σ)以下、より好ましくは1%(3σ)以下の良好なパルス間均一性(すなわち、露光量のばらつきがほとんどないこと)を有する。また、放射線パルスは、好ましくは10%(3σ)以下、より好ましくは1%(3σ)以下の良好な物体平面上の空間的な照度均一性を有する。この方法は、投影レンズによってマスクを透過した放射線パルスの一部を集光し、各放射線パルスによって別々のマスクイメージを形成する工程をさらに含む。集光工程では、各マスクイメージが、対応する別々の露光フィールドを形成するように、像平面においてワークピースを連続的に走査経路上を移動させる。
【0027】
本発明の別の態様は上述した方法であって、マスクイメージをワークピース上の1つ又はそれ以上の既存の露光フィールドと位置合わせする工程をさらに含む。
【0028】
本発明の別の態様は上述した方法であって、パルス安定化系を通して放射線パルスを送り、パルス間均一性を向上させる工程を含む。
【0029】
本発明のさらなる態様は、物体平面と、像平面と、イメージフィールドとを有する投影レンズを使用して、ワークピース上に連続的に配置された複数の露光フィールドを高速に形成する方法である。この方法は、パターンを有するマスクを物体平面又はその近傍で支持し、連続的に配置された露光フィールドが形成されることになっているワークピースのワークピースステージを、走査経路上をイメージフィールドと相対的に像平面内において移動できるように配置する工程を含む。この方法は、放射線パルスをマスクに照射し、透過した放射線を投影レンズによって集光し、イメージフィールド内に各放射線パルスによるマスクイメージを形成する工程をさらに含む。マスクに光を照射している間には、前後する放射線パルスが隣同士の露光フィールドを形成するようにワークピースステージを連続的に走査経路上で移動させる。
【0030】
本発明の別の態様は上述の方法であって、隣同士の露光フィールドは、ワークピース上に形成された既存の露光フィールドとずれないように並列に形成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明はリソグラフィーに関し、さらに詳細には、デバイスの製造において、リソグラフィー露光を高速かつ費用効果的に行うためのシステムと方法に関する。本発明は、パルスとパルスの間でも基板ステージが連続的に移動することができる程度に短時間の単一パルス放射線を各フィールドに照射する動作モードに適している。
【0032】
以下の説明では、本発明の費用効果が高いリソグラフィーシステムの主要な要素の概観を最初に述べる。次に、従来のリソグラフィーシステムとの相違に重点を置きながら、システムの重要な各要素を詳細に説明する。次に、本発明の費用効果が高いリソグラフィーシステムを使用して、高速かつ費用効果的にデバイスを製造する方法について説明する。ここで、単一パルスをフィールドに照射する動作モードを、「フラッシュ・オン・ザ・フライ」モードと呼ぶ。本発明のリソグラフィーシステムは、従来の「ステップ・アンド・リピート」モードでも動作することができるが、ここでは「フラッシュ・オン・ザ・フライ」システムとも呼ぶ。
【0033】
以下の説明と図面では、同一の要素には同一の参照番号を付した。
【0034】
リソグラフィーシステムの概観
図1に示すように、本発明のリソグラフィーシステム10は、光軸A1に沿って、放射線源コントローラー16と電気的に接続された放射線源14を含む。本発明において、全体的に、「放射線源」とは、可視光線から軟X線の範囲の波長を含む放射線を放出するための光源をいう。放射線源のパルス間の安定性を改善する必要がある場合に、放射線源から放出された放射線パルス間に均一性を与えるためのパルス安定化系18が、選択的に、放射線源14の隣りに設けられる。
【0035】
システム10は、光軸A1に沿って、照明系24と、マスク面MPにおいてマスクMを支持するマスクホルダー30とをさらに含む。システム10は、マスク面MPと実質的に一致するように配置された物体平面OPと、開口絞りASと、像平面IPと、を有する投影レンズ40を含む。ワークピースステージ50は、像平面IP又はその近傍において投影レンズ40の隣に配置され、イメージ形成面WSを有するワークピースWを支持することができる上面52を有する。ワークピースステージ50には、ワークピースステージの位置を正確に計測するための計測装置62を含むワークピースステージ位置制御系60が電気的に接続されている。計測装置62は、放射線源コントローラー16に電気的に直接接続されている。焦点系72は、ワークピースWに動作を伝えられるようように、(例えば、図示するように投影レンズ40に隣接して)配置され、投影レンズ40に対するワークピースのイメージ形成面WSの位置を検知する。焦点系72は、電気信号を生成し、その電気信号は、制御系60に送られて、ステージ50がワークピースの軸方向の位置を調節する。
【0036】
システム10は、ワークピースWと光学的に接続して配置され、基準(例えば、投影レンズ40によってワークピースに映し出されたマスクアライメントキーの像)に対してワークピースを位置合わせするためのアライメント系70をさらに含む。ワークピースステージ50に操作できるように接続されたワークピース処理系80が、ワークピースステージとワークピース保管部84との間でワークピースを搬送するために設けられている。システムコントローラー90は、放射線源コントローラー16、パルス安定化系18、照明系24、ワークピースステージ位置制御系60、焦点系72、アライメント系70、ワークピース処理系80と電気的に接続され、以下に詳細に説明するように、これらの系の動作を制御・調整する。
【0037】
放射線源
ワークピースの高速(1〜100Hz)かつ均一な単一パルスの照射を可能とするために、放射線源14は本発明のフラッシュ・オン・ザ・フライ動作モードを行うための重要な要素である。リソグラフィーシステム10で使用するために必要な放射線源14の特性を正しく理解するために、本発明で発生し得る照度むらの原因について述べる。
【0038】
ワークピースWのイメージ形成面WSに、リソグラフィーシステム10によってイメージを形成する際に影響を与える照度むらには2つの原因がある。第1の原因は、フラッシュ・オン・ザ・フライモード動作で重要な、放射線源のパルス間エネルギーのばらつきである。第2の原因は、露光に使用されるパルス数に関係なく、所定のパルスにとっての、露光フィールド上でのエネルギーのばらつき(空間的な不均一性)である。
【0039】
リソグラフィーシステム10においてフラッシュ・オン・ザ・フライ動作モードで単一パルスの露光を行う際に、転写されるパターンの臨界寸法がワークピースのイメージ形成面の露光量のばらつきによって影響を受けないように、パルス間の露光量のばらつきは十分に小さくなくてはならない。露光フィールド間の臨界寸法のばらつきによって、デバイスの性能が悪影響を受けることがある。
【0040】
したがって、放射線源14は、パルス放射線源であり、パルスレーザー、フラッシュランプ源あるいはその他のパルス放射線発生器であってもよく、フラッシュ・オン・ザ・フライ動作モードで使用された場合に、パルス間のばらつきをほとんど生じることなくパルスを生成することができるものである。解像度が制限された画像サイズでの半導体集積回路の製造を含む多くの用途では、露光量のばらつきは理想的には1%(3σ)以下である。一方で、微小ではないIC層やボンディングパッドを転写するなどの用途では、露光量のばらつきは5%(3σ)以下でもよい。「バンプリソグラフィー(すなわち、集積回路基板に配線を形成する際のはんだバンプの形成)」など、照度均一性がそれほど重要ではない用途では、露光量のばらつきは10%(3σ)以下でもよい。
【0041】
照明系は、通常は、放射線源からの放射線を混合して均一な出力を生成する素子を含む。しかし、このような放射線の混合は、混合される放射線が非干渉性あるいはほぼ非干渉性であり、強度が直線的に増す場合にのみ有効である。放射線が光路長にわたってスペクトル的に純粋(すなわち、干渉性)である場合には、ビームの異なる部分を結合することによって、均一性を悪化させる干渉効果が生じることがある。例えば、混合出力は、フィールドでの破壊的干渉によって完全に相殺され、±100%の不均一性をもたらすこともある。
【0042】
干渉効果によって引き起こされた照度むらは、レーザー放射線源の空間モード数を増加させることによって低下させることができる。干渉効果による照度むらは、本発明でm4と定義する空間レーザーモード数の平方根にほぼ反比例する。したがって、以下の関係が得られる。
干渉効果による変調レベルは、モード数の逆平方根(1/m2)に近似される。1%(3σ)未満の照度均一性を達成するためには、m2は30以上であり、好ましくは100以上である。
【0043】
パルス放射線源14は、約1ナノ秒より長く、約1ミリ秒(好ましくは10マイクロ秒、さらに好ましくは1マイクロ秒)よりも短いパルス持続時間で放射線パルスを放射できることが好ましい。単一パルス露光のパルス当たりのエネルギーは、ワークピースのイメージ形成面WSの感光性、投影レンズのイメージフィールドIFのサイズ、光学縦列(すなわち、照明系24、マスクM、投影レンズ40)の透過率に依存する。複数の放射線パルスが露光フィールドを形成するために使用される場合には、放射線パルスは、2以上のパルスバーストとして放出することができる。実施の形態では、所望の露光量を達成するために1バースト当たり100以上のパルスを使用してもよい。
【0044】
リソグラフィーシステム10の用途の多くでは、ワークピースWは、フォトレジスト層としてのイメージ形成面を有する半導体ウエハである。フォトリソグラフィーに使用される遠紫外線フォトレジストは、5mJ/cm2から30mJ/cm2のエネルギー量で露光する必要がある。光学縦列の効率が25%であり、イメージフィールドサイズが11mm×11mmであり、フォトレジストの感度が25mJ/cm2であるとすると、放射線源14からの必要とされる露光エネルギーは120mJのオーダーである。フラッシュ・オン・ザ・フライ動作モードにおいて20Hzの周波数では、2.4Wの平均出力が必要である。ただし、これらの数字は例であり、特定の用途によって異なることは当業者には明らかであろう。パルスの周波数は、放射線源14の最大出力性能によって制限される。
【0045】
通常は、放射線源14の出力は、ワークピースのイメージ形成面WSが露光されるが消散しない範囲であることが好ましい。例えば、入射露光量が25mJ/cm2の単一パルスの30%がイメージ形成面としての1μm厚のフォトレジスト層に吸収されるとすると、その結果として生じる温度上昇は、伝導損失を無視すると100℃超である。このような温度上昇は、ほとんどの遠紫外線フォトレジスト系にとっては処理できるものである。
【0046】
以下に詳細に説明するように、リソグラフィーシステム10において、ワークピースステージ50は、フラッシュ・オン・ザ・フライモードあるいはステップ・アンド・リピート動作モードでの露光中及び露光と露光の間にワークピースWを移動させるために使用される。フラッシュ・オン・ザ・フライモードでは、パルス持続時間とパルス周波数によって、ワークピースステージ50の最高速度が制限されることがある。パルス露光中に像のスメアーが検知されるのを避けるために、パルス露光中のワークピースステージ50の動きは、転写される最小画像サイズよりも小さくなければならない。
【0047】
許容できる像のスメアーの量は驚くほど大きいが分かっている。例えば、最小画像サイズの20%に相当する像のスメアーはほとんど知覚できない。レンズフィールドサイズが11mm幅であり、最小画像サイズが0.1μmであり、レーザー露光パルスの持続時間が10ナノ秒である場合、最大走査速度は2m/秒であり、対応するレーザーパルス周波数は180パルス/秒である。スペクトルの他端で、画像サイズが3μmであり露光パルスの持続時間が1マイクロ秒であれば、最大走査速度が600mm/秒であるとともにパルス周波数が54パルス/秒であることが必要となる。
【0048】
本発明のリソグラフィーシステム10に適する放射線源14としては、市販の放射線源を改造する必要がある。市販レーザーを製造用途に使用するときは、単一あるいは極めて少数(m4<10)の空間モードの干渉性の高いレーザーが必要とされているからである。ただし、エキシマレーザーは、その特徴として、十分に非干渉性であるから本発明での使用に適するほど十分に高いモード数で発振する。また、エキシマレーザーは、248nm(KrF)、193nm(ArF)あるいは157nm(F2)の望ましいリソグラフィー波長で動作する。しかし、サイマー社製(Cymer Corporation、カリフォルニア州サンディエゴ)やラムダ・フィジック社製(Lambda Physik、ゲッティンゲン、ドイツ)などの代表的なリソグラフィー用エキシマレーザーは、優れたパルス間安定性(例えば、約10%(3σ))を有しているわけではない。このようなレーザーを使用するシステムは、1%(3σ)という究極的な照度均一性を達成するために、パルスを平均しなければならない。特定の用途のために本発明での使用に適するエキシマレーザーは、2%(1σ)と公表されるパルス間安定性を有する遠紫外線エキシマレーザーを製造するTUIレーザー社(TuiLaser AG、ミュンヘン、ドイツ)から入手することができる。この公表された特性を超えるパルス間安定性は、TUIレーザー社のレーザーを本発明の特定の用途に適するように改造することによって得ることができる。
【0049】
フラッシュ・オン・ザ・フライ動作モードで使用する場合には、固体レーザーも本発明のリソグラフィーシステム10の放射線源14として望ましいものである。固体レーザーは、優れたパルス間安定性(通常は1%(3σ)以下)を有し、出力波長がエキシマレーザーのリソグラフィー波長の1つと一致するように周波数を逓倍することができるからである。しかし、Nd:YAGレーザーやアレキサンドライトレーザーなどの市販の固体レーザーのほとんどは高い干渉性を有しているため、本発明においては、上述した小規模な照度むらが発生する。
【0050】
したがって、本発明の目的を達成するためには、固体レーザーは、使用することはできるが、上述したように大きな空間モード数(m4)で動作するように設計しなければならず、遠紫外線波長を得るために周波数を逓倍しなければならない。マルチモード固体レーザーは実際に最初に開発されたレーザーではあるが、広範囲にわたる用途に使用できないために、普通市販されていない。マルチモード固体レーザーは、スペクトルバンド幅が従来の全屈折投影光学系で使用できないほど大きいというのが主たる理由であるが、現在のリソグラフィーシステムでは使用されていない。
【0051】
コンテニュアム社(Continuum,Inc.、カリフォルニア州サンタクララ)は、本発明者らのために、放射線源14としての使用に適するマルチモードの周波数逓倍固体レーザーを、16ナノ秒(FWHM)のパルス持続時間で波長532nmの放射線を出力する、周波数2倍Nd:YAGレーザーとして製造した。このレーザーをリソグラフィーに使用するためには、出力周波数を2倍にして266nmの出力波長を得ることが必要である。大きな空間モード数で動作するように改造した場合に、本発明に適したレーザー放射線源として使用できる他の固体レーザーとしては、1047nm〜1053nm、730nm〜780nm、700nm〜900nmの波長のレーザー光をそれぞれ放出するNd:ガラスレーザー、アレキサンドライトレーザー、Ti:サファイアレーザーが挙げられる。これらのレーザーは、周波数を2倍、3倍、あるいは4倍にして、非常に感度の優れたフォトレジストを利用することができる遠紫外線(266nm未満)で動作するようにすることができる。可能な波長としては、4倍Nd:YAGレーザー(266nm)、3倍アレキサンドライトレーザー又はTi:サファイアレーザー(248nm)、4倍アレキサンドライトレーザー又はTi:サファイアレーザー(193nm)が挙げられる。
【0052】
別の好適な放射線源としては、電磁スペクトルの周波数領域である6nm〜l4nmの波長で動作するキセノンプラズマ源が挙げられる。
【0053】
本発明の特定の用途(例えば、バンプリソグラフィー)に好適なさらに別の放射線源14としては、投影レンズが補正されるスペクトル部分と同一のスペクトルの放射線を放出する充填ガスを含むフラッシュランプが挙げられる。例えば、水銀充填フラッシュランプは、バンプリソグラフィーに使用されるレジストの多くが感応性を示す、スペクトルのほぼ近紫外領域(例えば、約350nm〜450nmの波長)の放射線を放出する。この場合、ランプからのパルス持続時間は10〜100マイクロ秒の範囲であり、光学系によって形成される最小画像サイズの幅は25〜50μmである。10マイクロ秒のパルス持続時間で10μmのぼやけが許容できると仮定すると、1m/秒の最大走査速度が得られる。そのような走査速度によって、非常に高いスループットを有するリソグラフィーシステムが確実に得られる。
【0054】
放射線源コントローラー
放射線源14は、放射線源からの放射線パルスの放出を制御するための放射線源コントローラー16に電気的に接続されている。放射線源コントローラー16は、計測装置62に電気的に接続され、システムコントローラー90に電気的に接続されている。後述するように、放射線パルスの制御が必要なのは、投影レンズによって映し出されたマスクパターンがワークピース(例えば、既存の露光フィールドあるいはアライメントマーク)と位置合わせされる時にのみワークピースに放射線が照射されることを保証するためである。
【0055】
イメージ形成面WS上の露光フィールドEFの予測位置情報は、システムコントローラー90によってアライメント系70から得られ、ワークピースWに放射線を照射する前に放射線源コントローラー16に送られる。計測装置62からの実際のワークピースステージ位置の情報は、継続的に放射線源コントローラー16に送られる。放射線源コントローラー16は、放射線源14からパルスバーストあるいは単一パルスを放出する正確な時間を決定する。フラッシュ・オン・ザ・フライ動作モードにおいて単一パルスの放射線によって露光する場合では、3つの遅延時間を考慮に入れる必要がある。まず、「データエージング」と呼ばれる、計測装置62からの位置情報の遅延時間ΔT1がある。第2に、信号が放射線源コントローラー16から送られる時間と、ワークピースWに放射線パルスの中間点が到達する時との間の遅延ΔT2がある。例えば、パルス持続時間が30ナノ秒である場合には、中間点はいずれの端からも15ナノ秒である。第3に、ワークピースステージ位置の予測位置と望ましい位置とを計算し、比較することに関連する遅延時間ΔT3がある。これらの遅延は素早く測定・計算でき、かつ一定である。放射線源コントローラー16は、パルスが発生する前の種々の遅延を考慮に入れて、放射線パルスの出射を開始するための信号を発生する必要がある。遅延成分であるΔT1+ΔT2+ΔT3は、走査速度によって逓倍され、露光フィールドEFの望ましい位置に適用される位置ずれを生成する。修正された望ましい位置は、計測装置62からの到達位置データと比較され、両者が同じ場合にはトリガパルスを生成する。
【0056】
一実施の形態では、放射線源コントローラー16は、ウィンド・リバー・システムズ社製(Wind River Systems,Inc.、カリフォルニア州アラメダ)のリアルタイムOSであるVxWorks(登録商標)を走らせるマーキュリー・コンピューター・システムズ社製(Mercury Computer Systems、マサチューセッツ州チェルムスフォード)のRace++VMEバスコンピュータシステムを含む。
【0057】
パルス安定化系
パルス間のエネルギーのばらつきは、周波数逓倍固体レーザーで発生することがあり、周波数逓倍プロセスによって悪化する。したがって、放射線源14として使用される周波数逓倍固体レーザーや大部分のタイプのエキシマレーザーでは、放射線源のパルス間均一性を許容できるレベルまで改善するために、システム10にパルス安定化系18を設けることが必要である。このことは、各露光に単一パルスを使用するフラッシュ・オン・ザ・フライモードでは特に重要である。
【0058】
図2Aは、本発明のパルス安定化系18の第1の実施の形態を示す。系18は、放射線源14から下に向かって、第1及び第2の光路P1及びP2を形成する第1のビームスプリッターBS1を含む。検出器102が、第2の光路P2に沿って配置されている。第1の光路P1に配置されたポッケルスセル108に電気的に接続されたポッケルスセル駆動系106に電気的に接続された積分回路104が、検出器102に電気的に接続されている。本発明に好適なポッケルスセル及び関連電子部品は、クリーブランド・クリスタルズ社(Cleveland Crystals、オハイオ州クリーブランド)の部品番号IPD2545として入手することができる。光路P1は、3つのミラーM1〜M3を含む光学系として示される遅延ライン110を含む。
【0059】
図2B〜2Eに示すように、動作時には、放射線源14は、ビームスプリッターBS1によって第1の光路P1に沿って進むビーム112a及び第2の光路P2に沿って進むビーム112bに分割される放射線パルス112を放出する。放射線ビーム112bは、放出された放射線112(図2B)の小さな(しかし、明確な)部分だけであることが必要である。検出器102は、放射線ビーム112bの瞬間的な強度を測定し、放射線ビームの強度Iに比例した信号Aを生成する(図2B)。この信号は、信号を積分する積分回路104へと通過し、放射線ビーム112bによって与えられたエネルギー量が測定される(図2C)。積分された信号は、ポッケルスセル駆動系106へと通過する。所定の信号閾値T(所定のエネルギー閾値に相当)に到達すると、系106はポッケルスセル108をさせる起動信号を送り(図2D)、光路P1に沿って進む放射線ビーム112aの伝達を遮断する。
【0060】
その結果、パルスの尾部分が欠けている以外は放出された放射線パルス112と同一の形状を有する切り欠き放射線パルス113(図2E)が得られ、放射線パルス113はすべての出力放射線パルス112を実質的に均等化するように断ち切られている。すなわち、放射線パルス113は、望ましい全体的なパルスエネルギーの尺度である閾値に実質的に対応するエネルギー量を有する。放射線パルス113が尾部分で鋭く断ち切られて欠如しているのは、通常は1〜2ナノ秒であるポッケルスセルの立上り時間によるものである。この実施の形態では、ポッケルスセル108はON/OFFスイッチとしてのみ動作し、各放射線パルスの尾部分以外の全体を伝達する。
【0061】
遅延ライン110は、放射線ビーム112aがビームスプリッターBS1から検出器102まで進み、検出器が対応する電気信号を生成し、積分回路104が信号を積分し、ポッケルスセル駆動系106が信号をポッケルスセル108に送るために要する時間にわたって、放射線ビーム112aがポッケルスセル108に到達するのを遅らせる光学系(図ではミラーM1〜M3を含む)である。この遅延は、一般的に、約10フィートの遅延ラインの長さに対応する10ナノ秒のオーダーである。したがって、ポッケルスセル108が放射線パルス112aを切断するポイントは、積分されたパルス強度(エネルギー)が所定の閾値に達したポイントに対応する。これにより、閾値Tが(予想される)最低のパルスエネルギーの統合されたエネルギーよりも低く設定される場合には、すべての出力パルス113は同一のエネルギーあるいは照射能力を有する。ポッケルスセル108の動作は、入力ビームを直線偏光させるか、直交偏光は通過するが光路P3に沿ったものと同一の偏光を遮断する偏光器BS2を出力側に有するか、にかかっている。
【0062】
例えば、エキシマレーザーなどの場合には、レーザー出力は偏光されない。偏光ビームは、偏光感受型ビームスプリッターに出力ビームを通過させることによって生成することができる。意図しない偏光が遮断されると、50%未満の効率となる。したがって、ビームスプリッターによって生成される2つの偏光ビームを結合することができれば有利である。
【0063】
したがって、図2Fに示すように、パルス安定化の別の実施の形態では、パルス安定化系18は、ビームスプリッターBS3を介して、放射線ビーム112を直交偏光したビーム112cと112dに分離することを含む。偏光の一方(例えば、ビーム112dの偏光)は、ビーム112dの光路に配置された半波長板HWPによって他方の偏光に変換され、ビーム112c’が形成される。ビーム112c及び112dは、例えば、フォールドミラーM4〜M6を含む光学系によって再結合される。ビーム112c及び112c’は同一の偏光を有するため、これらは効率的に直線的には結合されず、並べて配置することによって結合することができる。この場合、ビーム112c及び112c’は、ビームの一方(例えば、図示するようにビーム112c)を(刃形)ミラーM6で反射させ、他方をミラーの反射エッジによって通過させることによって結合させることができる。結合された出力ビームは、図2Aに示すパルス安定化系のビームスプリッターBS1の方向に向かい、図2Aに関連して説明したように処理される。
【0064】
図2Gは、ポッケルスセル108を通過する放射線ビームのエネルギー量を低下させる構成を有するパルス安定化系18の別の実施の形態を示す。図2Gに示す系18は、ビームスプリッターBS4及びBS5をそれぞれ光路P1及びP3に含み、ビームスプリッターBS2の代わりにフォールドミラーM7が設けられている点以外は、図2Aに示すシステムと同様である。放射線パルス112は、偏光されているか、あるいは偏光されたものとする。遅延ライン110から戻った放射線ビーム112aは、偏光ビームスプリッターBS4によって2つの部分112a1及び112a2に分離される。好ましくは放射線ビーム112aの大部分である放射線ビーム112a2は、ポッケルスセル108をバイパスする光路P4に反射される。放射線ビーム112alはポッケルスセル108を通過し、上述したように減衰される。放射線ビーム112a2は、光路P3に沿って偏光感受性ビームスプリッターBS5によって完全に反射される。同様に、ミラーM7は光路P3に沿って出力ビーム113を反射し、ビーム112a2及び113が結合して、出力ビーム114を形成する。偏光感受性ビームスプリッターBS4によって分離される光量は、ビームスプリッターを通る光軸の周りにビームスプリッターを回転させるだけで調節することができる。
【0065】
ポッケルスセル108を通過する放射線ビーム112a1は、放射線パルス112のエネルギー量を均等にするために十分な量だけ減衰される。この場合、ポッケルスセル108は、ビームの一部のみを通過させるスイッチあるいは可変減衰器として動作する。ポッケルスセル108を通過する放射線ビーム112a1は、放射線112aの大部分である放射線ビーム112a2と結合されたときに、結合ビーム114が非常に安定したパルスエネルギー量を有する放射線パルスからなるように減衰される。この実施の形態では、遅延ライン110は、放射線ビーム112a1が入射する前に正確にポッケルスセル108を減衰させることができるか、ビーム112a1が適正な比率で切り欠かれるために十分な長さでなければならない。他の可能性としては、偏光されていない放射線パルスから開始し、偏光感受性ビームスプリッターによって減衰される部分を抽出することが挙げられる。この場合、偏光・減衰されたビームと偏光されていないビームは、図2Fに関連して説明したように、刃形ミラーを使用して並行するように再結合させなければならない。
【0066】
図2Gに示すパルス安定化系の動作の例として、放射線源14は、最大パルス間照射量(エネルギー)のばらつきが90〜110mJと測定される。放射線源14から出射したときにXmJの照射量を有するパルスを測定し、ポッケルスセルでの減衰(A)を次のように計算する。
A=(90−0.8X)/0.2X (2)
放射線パルス112aは、放射線パルス112aの強度の80%が放射線パルス112a2として光路P3に沿って直接出力され、パルスの20%(放射線パルス112a1)がポッケルスセル108によって係数Aだけ減衰され、パルス112a2と結合される前に放射線パルス113を形成するように、遅延ライン110を通過する。得られる出力パルス114の強度(IO)は、以下の式で表される。
IO=0.8X+0.2X(90−8X)/0.2X=90mJ (3)
したがって、出力パルスエネルギーは、90〜110mJのいかなる入力においても常に90mJである。
【0067】
図2Hに示すように、パルス安定化系18の別の好ましい実施の形態では、入力された放射線パルスを2つの部分に分けてその一方が一定の出力パルスを生成するために減衰される代わりに、同時又はほぼ同時に動作する2つの放射線源を使用することができる。図2Hに示す系18は、図2Aに示す系に加えて第2の放射線源14aを含む。好ましい実施の形態において、第2の放射線源14aは、放射線源14からの放射線パルス112よりも大きな放射線パルス115を出力することができる。レーザー源14aに関連して、放射線ビーム115a及び115bを形成するビームスプリッターBS1aと、図2Aに関連して説明したようにポッケルスセル駆動系106に電気的に接続された積分回路104aに電気的に接続された検出器102aとが設けられている。したがって、系106に両方の放射線源からの出力が入力される。フォールドミラーM8〜M10は、ビーム115a及び113を共通のフォールドコーナーミラーM11によって結合することができるように光路を折り曲げる光学系として作用する。
【0068】
したがって、動作時には、1つの放射線源(14a)はパルス出力の大部分を供給し、他方(14)は、最大のレーザーからの最大パルス以上のエネルギーを全てのパルスが有するために必要とされる付加的な出力を供給する。放射線源14からの照射量をS、15からの照射量をBとすると、閾値Tは放射線源14aからの最大パルス波高よりも大きく設定され、放射線源14からの放射線パルスに適用される減衰(A)は以下のように与えられる。
A=(T−B)/S (4)
放射線源14aからの減衰していない放射線パルス115aと、係数Aによる切り取りを介して減衰した放射線源14からの放射線パルス113を結合すると、出力パルス114の強度(IO)は以下のようになる。
IO=B+S(T−B)/S=T (5)
したがって、出力は常に閾値Tに等しい。
【0069】
本発明の別の実施態様では、パルストリミングを基本周波数で、あるいは最終周波数の低周波数倍数で適用し、トリミングされたパルスに対して最終周波数変換を行うことができる。この実施態様の利点は、系18のための部品を容易に得ることができ、低い周波数でパルス安定化を効率的に行うことができること、すなわち、例えば193nmではなく772nmあるいは386nmでポッケルスセルを容易かつ効率的に動作させることができることである。
【0070】
照明系
図1に示すように、システム10は、軸A1に沿って放射線源14に隣接する、放射線源14からの放射線が入力されるように配置された照明系(あるいは「照明器」)24をさらに含む。
【0071】
上述したように、本発明のリソグラフィーシステムにおける照度むらの第2の原因は、各露光パルスの露光フィールドでのエネルギーの空間的なばらつきである。したがって、パルス間のエネルギーのばらつきが完全に解消されたとしても、各放射線パルスはマスク上に均等かつ均一に分散されなくてはならない。
【0072】
したがって、照明器24は、下流のマスク面MPに均一に光を照射する。マスク面MPは、パターン34が形成された下流表面32を有する平坦なマスクMを支持するマスクホルダ30によって定められる。パターン34は、バイナリマスク(例えば、透明なガラス上にクロムパターンを形成)、フェーズマスク(例えば、パターニングされた相誘発誘電材料によって相変化を生成)、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。パターン34は、通常は、不透明及び透明なラインの可能な限り微細なパターンを形成するために繰り返し使用される場合に、最大マスク変調周波数と呼ぶ最大変調周波数を定義する最小画像サイズを有する。マスクのイメージは、それに関連する最大イメージ変調周波数を有する。マスク及びマスクイメージ変調周波数は、パターン34及びマスクイメージをそれぞれ形成する最小画像サイズに対応する最大変調周波数である。
【0073】
マスクMは、通常は石英又は放射線源14からの放射線の波長に対する透過性を有するその他の適当な材料からなる(マスクが反射マスクである場合と、基板材料の透過性が重要でない場合を除く)。システム10がEUV放射線を使用する場合には、マスクMは反射するものである。二進反射マスクは、反射層をパターニングされた吸収体層で被覆することによって形成する。本発明の実施の形態では、3000枚以下のワークピースを処理することによってマスクMのコストは償却される。これは、システム10の所有コストを考慮に入れたものであり、半導体装置の製造を含む種々の用途のためにワークピースを費用効果的にパターニングすることができる。
【0074】
マスク上の情報量は、最小画像サイズとパターニングされた面積に依存する。マスクからの情報はワークピース(例えば、ウエハ)に転写された情報と同一であるため、マスクの情報はウエハ上の単一の転写フィールドに含まれると考えることができる。これは、単に、最小画像サイズをどれだけ正確に配置することができるかを示す、距離の2乗によって割られた(露光)フィールドの面積である。通常は、この距離は最小画像サイズの5分の1から10分の1である。したがって、係数が10とすると、フィールド当たりの情報(I)は次のように与えられる。
I=(フィールド面積)/((最小画像サイズ)/10)2 (6a)
又は
I=100(フィールド面積)/(最小画像サイズ)2 (6b)
フィールドの情報は、マスクの書込と検査にどのくらいの時間がかかり、リペアを必要とする欠陥がどのくらい見つかるかを決定するため、重要である。従来のシステムの半分未満のフィールドサイズを使用することによって、サイズの縮小に比例して、マスク書込時間、検査時間、リペアを要するマスクの欠陥数を減らすことができる。マスクのコストは、書込み、検査、リペアのコストによって占められているため、従来よりも小さなイメージフィールドサイズの投影レンズを有するリソグラフィーシステムでは、マスクのコストをかなり低下させることができる。例えば、22mm×22mmのフィールドサイズに通用する最新のレチクルは5万ドルもする。フィールドサイズとは関係なくレチクルに4千ドルの固定費がかかるとすると、11mm×11mmのフィールドサイズしか通用しない同様なレチクルのコストでも約15,500ドルである。したがって、従来のフィールドの半分の幅を有する小さなイメージフィールドに使用されるレチクルは、より大きなイメージフィールドに使用されるレチクルの31%のコストで済む。
【0075】
小フィールドサイズに通用することのさらなる利点は、レチクルとワークピースとの間の縮小倍率を大きくすることができることである。例えば、レチクルに使用される基板のサイズは、通常は6インチ×6インチで標準化されている。このため、33mm×26mmのフィールドサイズのステップ・アンド・スキャンシステムの最大縮小倍率は4に設定され、22mm×22mmのステップ・アンド・リピートシステムでは縮小倍率は5に設定される。しかし、11mm×11mmのフィールドサイズの縮小倍率は6あるいは11でさえあり得る。高い縮小倍率によってレチクルの書込みが容易になり、レチクルのコストをさらに低下させることができる。縮小倍率がレチクルの情報量に影響を与えることはない。
【0076】
図3に示すように、照明系24は、放射線源14から軸A1に沿って、放射線源から放出されたパルス放射線を減衰させるための可変減衰器120をさらに含む。可変減衰器120は、パルス放射線の減衰量を制御する減衰器制御部124によって操作されるように接続されている。減衰器制御部124は、電子信号によって減衰器制御部を制御するコントローラー90に電気的に接続されている。紫外線放射線源14を使用する場合には、可変減衰器120は入射角によって変化する透過率を有する誘電体で被覆されたミラーであってもよく、望ましい角度と減衰を達成するために誘電体ミラーを回転させることができるモーターコントローラー(図示せず)によって駆動されてもよい。
【0077】
照明系24は、第1のビーム伝送光学系130と、拡散器134と、出力端142を有する光積分器140とをさらに含む。拡散器134は、すりガラスあるいは入射した放射線を分散させるその他の要素であってもよい。光積分器140は、拡散器から出射する分散された放射線が入力されるように配置され、複数の小レンズ(これに入射したレーザー放射線は複数の部分に分解され、分解された複数の部分は、均一性が改善されるように再結合される。)を含むフライアイレンズであってもよい。光積分器140は、放射線トンネル、すなわち、断面が多角形であって全内面反射によって内部を通過する放射線を反射する壁を有する固体ガラスロッド、あるいは断面が多角形であって内部を通過する放射線を反射する反射壁を有する中空ロッドであってもよい。放射線トンネル内での放射線の反射数によって、均一化の度合が決まる。
【0078】
図3に示すように、照明器24は、光積分器140の隣に配置された第2のビーム伝送光学系150をさらに含む。ビーム伝送光学系150は、投影レンズの開口絞りASと対をなす瞳絞りPSを有し、その開口数は、光積分器140から放出される均一化された放射線を取り込むように設計されている。ビーム伝送光学系150は、光積分器140の端部142をマスク面MPに映し出して均一に光を照射し、投影系の入射瞳に瞳絞りPSを映し出す。
【0079】
上述したように、所定の放射線パルスにとっての露光フィールド上の照度均一性(すなわち、「パルス当たりの空間均一性」)は、多くの用途では1%(3σ)以内でなければならない。しかし、パルス当たりの空間均一性の正確な値は、様々な要因によって定義される特定用途のプロセスウインドウに依存する。半導体の製造では、これらの要因は、投影レンズの収差、マスク線幅のばらつき、フォトレジストの感度、コーティングの均一性、ウエハの平坦度などを含み、これらはすべてが線幅のばらつきを引き起こす。上述したように、ある種の用途では、パルス当たりの照度のばらつきは1%(3σ)でなければならず、他の用途では、ばらつきは5%(3σ)であってもよく、さらに他の用途(例えば、バンプリソグラフィー)では、ばらつきは10%(3σ)であってもよい。
【0080】
図3に示すように、一実施の形態では、部分反射性フォールドミラー160が、第2のビーム伝送光学系150の下流に配置されている。検出器166が、マスクに入射した放射線を検出するようにフォールドミラー160の隣に配置されている。また、第2のフォールドミラー170と検出器172が、放射線源14のすぐ隣に設けられている。検出器166と172は、システムコントローラー90に電気的に接続されており、システムコントローラー90は検出器から電気信号を受け取り、照度均一性、照明器の多くの光路の透過率の変化、放射線源14からの出力のパルス間ばらつきの分析を含むビーム診断を行う。
【0081】
小フィールド投影レンズ
図4は、投影レンズ40を詳細に示す。投影レンズ40は、物体フィールドOFを含む物体平面OPと、マスクイメージMIが形成されるイメージフィールドIFを含む像平面IPとを含む。投影レンズ40は、開口絞りASも含む。物体フィールドOF及びイメージフィールドIFは、実際には、円形の物体フィールドOFc及びイメージフィールドIFcから形成されている。例えば、11mm×11mmの正方形のイメージフィールドIFは、直径16.0mmの円形のイメージフィールドIFcから具合良く形成することができる。マスクMのイメージ(「マスクイメージ」)は、イメージフィールド内に形成される。
【0082】
図5は、本発明のリソグラフィーシステム10での使用に適したリソグラフィー用投影レンズ40の光学図を示す。図5に示す投影レンズ40は、縮小倍率が6X、イメージ側NAが0.75、イメージフィールドIFが11mm×11mmのオン・アクシス・カタディオプトリック式レンズである。このような投影レンズの使用は現在のリソグラフィーでは一般的ではないが、本発明の教示によって、最先端のリソグラフィーで使用されている波長において、フィールドが大きくて縮小倍率が小さいレンズに実用的に取って代わるものである。適切なリソグラフィー投影レンズ40の別の例としては、単一の縮小倍率を有するウィン−ダイソン式レンズがある。
【0083】
図5のレンズ40のような小フィールドの投影レンズは、所有コスト計算によって大フィールドサイズのリソグラフィーシステムよりも好ましいことが証明された特殊な場合(例えば、「マスク当たりのウエハ枚数」が限定された特定の特注用途)でも、フラッシュ・オン・ザ・フライ動作モードを使用せずに、費用効果的に使用することができる。ここで、「小レンズフィールド」とは、通常は2cm2以下の面積を有するレンズフィールドをいう。本発明の「フラッシュ・オン・ザ・フライ」技術は、あらゆる状況で魅力的な小フィールドのリソグラフィーシステムについて好ましい所有コスト計算をすることができる点で利点があり、小フィールドのリソグラフィーシステムの使用を普遍的にすることができる。
【0084】
したがって、本発明の好ましい実施の形態では、従来のリソグラフィーシステムのレンズよりも非常に小さなレンズフィールドサイズを有する投影レンズを、従来のステップ・アンド・リピートモードあるいはフラッシュ・オン・ザ・フライモードで使用する。小フィールドの投影レンズを使用することによって、従来の大レンズフィールドのシステムに使用されるよりも非常に少ない情報を有するマスク(レチクル)を使用することができるようになる。より小さなリソグラフィー用レンズを使用することによって、リソグラフィーシステムの初期の価格をかなり低下させることができる。小レチクルフィールドによるコストの節減は、レチクルを使用して露光する基板の数に依存するが、レチクル1セット当たりの基板の枚数が3000枚未満の場合に節減効果が顕著となる。レンズのフィールドサイズが小さいとスループットは低下するが、レンズとレチクルのコスト節減はこの不利益を補って余りあるものである。
【0085】
「フラッシュ・オン・ザ・フライ」露光モードを使用することによって、単一パルスの放射線を使用して露光を行うことができ、小レンズフィールドに関連するスループットの低下という不利益を解消することができる。パルス当たりに必要な総エネルギー量は露光面積に比例するため、従来よりも小さなレンズフィールドサイズを使用することによって、単一パルス露光が容易になる。したがって、レンズのフィールドサイズが小さくなると、小さく、より安価なレーザーを使用することができる。
【0086】
また、レンズの耐用寿命は、各放射線パルスに含まれる高いエネルギーによって限られてしまうことがある。遠紫外線の高エネルギーのパルスは、長期間にわたる使用とともにガラスを圧縮させる傾向があり、レンズの波面誤差につながる。レンズのフィールドサイズを小さくすることによって、屈折レンズ部品を少なくし、反射性レンズ要素を多くすることができるなど、設計の可能性を拡げることができる。限られた寿命を有するのは屈折レンズ要素であるため、屈折要素を減らすことによって通常よりも長い耐用寿命が得られることが予想される。これによって、通常よりも小さなレンズ(イメージ)フィールドを費用効果的に使用でき、より安価な投影レンズからなり、もっと一般的には、半導体集積回路などのデバイスのより安価な製造を行うことができる費用効果が高いリソグラフィーシステムの実現に寄与することができる。
【0087】
図5の投影レンズ40は、光路に沿ってマスク面MPから順に光軸A2に沿って、第1及び第2のレンズ部L1及びL2と、発散鏡M1と、第1の凹面鏡M2と、開口絞りAS近傍に配置された第3のレンズ部L3と、凸面マンジャン鏡M3と、第2の凹面鏡M4と、第4のレンズL4とを含む。レンズL4は、イメージが現れる中央領域に反射性コーティングを有していないマンジャン鏡M3の屈折部分を構成する。また、像平面IPとイメージフィールドIFも示されている。
【0088】
190nm未満で動作する系の場合には、レンズ部L1〜L4はフッ化カルシウムからなり、より長い波長の系の場合には、レンズ部L1〜L4は石英ガラスあるいはフッ化カルシウムからなる。鏡M1〜M4は非球面であり、反射率を高めるためのコーティングを含む。投影レンズ40の光出力のほとんどすべてが4つの鏡M1〜M4に含まれ、微小レンズ部は主に収差校正器として作用するため、屈折部品によって伝達されるあらゆる波長において系を容易に動作させることができる。さらに、設計上の波長における分光帯域幅は、非狭窄エキシマレーザーあるいは周波数逓倍マルチモード固体レーザーによって生成されるスペクトル範囲を伝達するために要求されるよりも何倍も広い。図5に示す投影レンズ40の実施の形態では、分光帯域幅は1オングストローム以上である。別の実施の形態では、NAは0.7以上である。
【0089】
最新の投影系と競合するためには、投影レンズ40は、ArFとF2のエキシマ波長にそれぞれ対応する193nmあるいは157nmで動作することが好ましい。開口数が0.75の場合、193nmにおける解像度は154nm〜77nmの範囲であり、157nmにおける解像度は126nm〜63nmの範囲である。所有コストの観点からは、投影レンズの解像度が高いほど、マスクはより複雑で高価になる。
ワークピース及びワークピースステージ
図1に示すように、システム10は、加工されるワークピースWを支持することができる上面52を有するワークピースステージ50をさらに含む。本発明の好ましい実施の形態では、ワークピースWは半導体ウエハであり、イメージ形成面WSはフォトレジスト層である。
【0090】
ワークピースWは、投影レンズ40に対して、イメージ(すなわち、マスクイメージMI;図4)が、ワークピース上に、イメージ形成面WS内に形成された露光フィールドEF(図6を参照)にわたって形成されるように配置される。本発明では、露光フィールドEFはレンズイメージフィールドIF内に含まれる。これは、イメージフィールドIFが円形であり(図4)、露光フィールドは矩形であるためである。イメージ形成面WSは、ワークピースに対する前回の露光から形成された基板のパターンを、他のマスクMを使用して覆ってもよい。通常は、高い精度、すなわち、最小画像サイズの数分の一の精度で連続したパターンを重ねることが必要である。露光フィールドEFがワークピースW上に存在しない場合、露光フィールドは、各露光フィールドの位置をマッピングすることなく、その後の露光を正確に位置合わせできるように、正確に予測可能な方法で配置しなくてはならない。
【0091】
図1に示すように、ワークピースステージ50は、投影レンズ40あるいはイメージフィールドIFなどの基準に対して高い精度でワークピースWを位置合わせすることができるステージ位置制御系60に電気的に接続されている。ウエハステージ50は、概略的に表され、リソグラフィー技術で現在適用されている6つの方向に自由に移動できることが好ましい。X平面及びY平面上を移動し、Z軸の周りを回転することができることは、ワークピースWのイメージ形成面WS上にマスクイメージMIを適切に配置するために必要である。X軸及びY軸周りの角度調整(ピッチ及びロール)とともに、Z軸を移動できることは、ワークピースの表面を投影レンズ40の浅い焦点深度内に維持するために必要である。ワークピースが完全に平坦ではない場合には、ワークピースWのイメージ形成面WS(焦点面でもある)のZ位置は、露光フィールドEF間で異なる。同様に、X軸及びY軸周りの小さな回転も起こり得る。したがって、一実施の形態では干渉計である計測装置62は、投影レンズ40に対して正確にワークピースステージ50の座標を計測し、この位置情報を上述したように放射線源コントローラー16に供給するために、ステージ位置制御系60の一部として含まれることが好ましい。
【0092】
図7は、ワークピースWとしての半導体ウエハ上で、ワークピースの表面WS上に複数の露光フィールドEFを形成するために、フラッシュ・オン・ザ・フライ動作モードで利用される走査経路200を示す。走査経路200は、露光フィールドEFの行r1、r2、...rn上の複数の直線部分202と、各行の端部にある折り返し点204とを含む。本発明を実施するために必要なワークピースステージ50の動きは、走査(すなわち、ステップ・アンド・スキャン)リソグラフィーシステムでこれまで行われてきたものとは非常に異なる。ワークピースWは、好ましくは、露光フィールドEFの行又は列全体を横切ってかなりの速度で走査され、特定の列又は行の各露光フィールドEFが単一の短い放射線パルスによって露光される。多くの用途では、走査速度は好ましくは50〜500mm/秒であり、他の用途ではより高いステージ速度(例えば、2000mm/秒)を使用することができる。上限は、ステージの最高走査速度(例えば、現在のステージでは2000mm/秒)と放射線パルスの短さによって定まる。従来の空気軸受け及び磁気浮上ワークピースステージとステージ位置制御系はこのような走査速度を達成することができ、本発明での使用に適している。典型的なワークピースステージ50は、米国特許第5,699,621号及びM.E,Williams,P.Faill,S.P.Tracy,P.Bischoff、J.Wronoskyによる論文「超紫外線リソグラフィーの磁気浮上走査ステージ」、ASPE第14回年次会合、カリフォルニア州モンテレー、1999年11月に記載されており、これらの特許及び論文はこの参照によって開示に含まれる。
【0093】
実際の最大走査速度は、多くの要因によって決定される。過度の振動が発生することなく、走査経路200の直線部分202上で均一速度に移行するために、ワークピースステージは、ゼロから最高速度に加速してゼロに戻るという、傾斜した加速/減速軌道をたどらざるを得ない。これは、ワークピースステージがほんの短い時間のみ最大加速度に達し、最大加速度は通常は約1G〜2Gに限定されることを意味する。最大加速度が制限されているため、走査速度が速いほど、ワークピースステージを加速及び減速するために長い時間がかかることになる。走査速度が速いほど走査時間を節約することができるが、均一な速度が必要とされる経路の長さは、ワークピースの大きさによって制限され、例えば、利用可能な最大のワークピースが300mmのウエハである場合には、300mmに制限される。したがって、最適なスループットのための走査速度は、最大加速度と走査長に依存することになる。典型的な例で最大加速度が2Gである場合には、最適な走査速度は約l250mm/秒である。
【0094】
最高走査速度は経済性によっても制限される。走査速度が速いほど、高いパルス周波数と放射線源の高い出力レベルが必要となり、放射線源のコストが増加することになる。いくつかの点において、露光ツールのスループットを増加させるよりも、放射線源のコストを制限するほうが費用効果が高くなる。このことはワークピースステージにも当てはまるが、それは、経済性の観点から、低速(例えば、500mm/秒)で走査するが、より入手しやすいワークピースステージを使用することが有益である点からである。言い換えると、ワークピースステージの速度と放射線源の出力の関数であるスループットは、ワークピースステージあるいは放射線源技術よりも、所有コストの経済性によって制限することが好ましい。
【0095】
本発明の好ましい実施の形態では、ワークピースステージ50は、フラッシュ・オン・ザ・フライ動作モードにおけるワークピースWの露光の間に走査される。走査は、ステージの加速及び減速時の速度変化はあるが、走査経路200(図7)の直線部分202上で一定の速度で行われることが好ましい。走査中、直角(すなわち、Y)方向の動きは非常に小さく、アライメント系70によって決定された露光フィールドEFの直線性における残留誤差を収容するために使用される。これらの直角方向の動きは小さいが、露光パルス間で完了しなくてはならない。通常は、これらの小さな補正はワークピースステージの軌道に小さな摂動を導入することによって処理することができるが、X、Yワークピース走査ステージ50上を移動する圧電駆動ステージによって対処することもできる。これらの動きの小さな補正は、圧電駆動レチクルステージで達成することもできる。図7に示すように、走査経路200で次の走査部分に移動する前に、直角方向のより大きな動きが各走査部分202の端部で必要となる。露光は、パルス持続時間でのワークピースWの動きが無視できるような短い単一放射線パルスによって行われる。例えば、レーザー放射線源が10ナノ秒のパルス持続時間で放射線パルスを放出し、ワークピースステージがワークピースを500mm/秒で移動させる場合、イメージスメアーは5nmに過ぎず、100nmの最小線幅イメージの5%である。このイメージスメアー量がマスクの描画に及ぼす影響は取るに足りないものであり、最小画像サイズに対応する最大変調周波数の振幅はごくわずかに減少するのみである。
【0096】
繰り返すが、本発明では、マスクイメージにおける許容できるスメアーは驚くほど大きい。イメージスメアーによる変調振幅のばらつきは次のように与えられる。
変調振幅の減少=1−(1/x)sin(x) (7a)
式中、
x=π(スメアーの距離)/2(最小画像サイズ) (7b)
最小画像サイズの10%の動きによって変調振幅は0.4%減少するが、これはリソグラフィーでは無視できるものである。最小画像サイズの40%に対応する動きでも、6.45%の変調振幅の低下をもたらすに過ぎず、イメージの変調振幅をゼロにするには、最小画像サイズの2倍のイメージスメアーが必要となる。したがって、本発明によれば、「オン・ザ・フライ」、すなわち、単一パルスの露光中にワークピースステージ50の動きを止めることなく露光を行うことができる。
【0097】
アライメント系
図1に示すように、システム10は、ワークピースWと光学的に接続され、ステージ位置制御系60と電気的に接続されるようにワークピースステージ50の隣に配置されたアライメント系70を含む。例えば、アライメント系70は、投影レンズ40を介して投影されたマスクイメージMIをワークピースW上のパターンに位置合わせするために使用される。図6に示すように、例えば、アライメント系70は、露光フィールドEF間の溝領域210にアライメントマーク206を光を照射して映し出すことによって動作する。本発明での使用に適した典型的なアライメント系70は、米国特許第5,621,813号に開示されており、この参照によって開示に含まれる。
【0098】
簡単に言うと、好ましい実施の形態において、アライメント系70は、ワークピースW上の2〜10箇所の露光フィールドEFを見つけ出し、x方向の大きさ、y方向の大きさ、スキュー、xキーストーン、yキーストーンなどのばらつきを考慮に入れて、歪みグリッドをこれらの位置に合わせ、合わせられた歪みグリッドをすべての露光フィールドの位置を予測するために使用する。
【0099】
ワークピース処理系
図1に示すように、システム10は、コントローラー90に電気的に接続され、ワークピースステージ50に操作できるように接続された、ワークピース処理系80をさらに含む。ワークピース処理系80は、1つ以上のワークピースWをワークピース保管部84からワークピースステージ50まで搬送し、ワークピースWをワークピースステージからワークピース保管部へ保管のために戻すことができる。
【0100】
自動化されたワークピース処理系80の利点は、後に示す表2で計算されるように、ワークピースを本発明のシステム10を使用して高速に露光できることである。表2に示すように、ワークピースを挿入し、位置合わせし、除去するために必要な時間は、スループットの計算で重要である。したがって、自動化されたワークピース処理系は、高いスループットを維持するために、ワークピースの処理時間を最小にする点で好ましいものである。
【0101】
システムコントローラー
システム10は、放射線源コントローラー16、任意に設けられるパルス安定化系18、ワークピースステージ位置制御系60、焦点系72、アライメント系70、ワークピース処理系80の動作を電気信号を介して制御・調節するシステムコントローラー90を含む。システムコントローラー90は、デル・コンピュータ(Dell Computer、テキサス州オースティン)などのコンピュータ会社から入手できるパーソナル・コンピュータあるいはワークステーションである。好ましくは、コントローラー90は、インテル社製ペンティアム(登録商標)やAMD K6又はK7などの市販のマイクロプロセッサと、プロセッサをハードディスク装置などの記憶装置と接続するバスアーキテクチャと、キーボードや表示画面などの入出力装置とを含む。コンピュータシステム90は、以下に述べる手順に従ってシステム10を動作させるために必要な制御ステップを実行するようにプログラムすることができる。
【0102】
スループット
【0103】
【表1】
【0104】
3つの異なるリソグラフィー技術について、直径300mmのワークピース(W)でのスループットの比較を表1に示す。これらのリソグラフィー技術は、従来のステップ・アンド・リピート技術及びステップ・アンド・スキャン技術と、本発明の新技術であるフラッシュ・オン・ザ・フライ・リソグラフィー技術である。ステップ・アンド・リピートシステムのスループットは、ワークピースをある位置から別の位置まで移動させ、最小の幾何学的サイズを露光できるようにワークピースステージを位置決めする時間によって決定される。
【0105】
表1に記載した本発明のフラッシュ・オン・ザ・フライシステム(すなわち、システム10)のパラメータによれば、20Hzの周波数の放射線源と、毎秒20箇所の露光フィールドに転写することができる220mm/秒のワークピースステージ走査速度を想定できる。走査速度はステップ・アンド・スキャンシステム(250mm/秒)よりもわずかに遅いが、フラッシュ・オン・ザ・フライシステムの有効なフィールドサイズは露光フィールドの行全体rnと考えられる。本発明のフラッシュ・オン・ザ・フライシステムは、各行の端部で加速あるいは減速する。表1のフラッシュ・オン・ザ・フライシステムでは、加速及び減速数は27であり、ステップ・アンド・スキャンシステムでは82である。いずれの場合においても、レーザー放射線源の使用が想定でき、露光時間はワークピースの全サイクル時間にとって無視できる部分である。
【0106】
通常は、ステップ・アンド・スキャンシステムは、大きなフィールドサイズと少ない露光の点で有益である。しかし、このようなステムの走査時間は、約1m/秒という最大マスク走査速度と、それぞれの及び全てのフィールドについてマスクを加速・減速するために必要な時間によって制限される。表1から明らかなように、本発明のフラッシュ・オン・ザ・フライ技術は、全体的なスループットの優位性を維持しながらも、他の技術よりも非常に多くの露光フィールドにパターンを転写することができる。
【0107】
以下の表2及び表3に、高速リソグラフィーシステム10のスループットを示すための重要なパラメータを列挙する。表2は、小さなレンズフィールド(すなわち、ワークピース上における11mm×11mmのフィールド)を有するリソグラフィーシステム10に対応するパラメータを示し、表3は、大レンズフィールド(ワークピース上において22mm×22mm)を有するリソグラフィーシステム10のパラメータを示す。
【0108】
【表2】
【0109】
表2から明らかなように、220mm/秒の適度な走査速度、20Hzの適度な放射線源周波数、11mm×11mmの小さなイメージフィールドサイズであっても、1時間当たり79.5枚のワークピースを処理できるという高いスループットが得られた。より速いステージ走査速度、より速い放射線パルス周波数、及び/又はより大きなレンズフィールドサイズによって、より高いスループットが得られることは容易に理解できる。
【0110】
本発明のフラッシュ・オン・ザ・フライモードは、比較的小さなレンズフィールドであっても高いスループットを達成することができるため、大フィールドのシステムの代わりとなり得る。
【0111】
表3に示すように、表2の投影レンズの面積の4倍である22mm×22mm(2.2cm×2.2cm)のイメージフィールド、32Hzの周波数、70.0cm/秒の走査速度では、1時間当たり166枚のワークピースというスループットが達成できる。周波数と走査速度を増加させることによって、スループットは1時間当たり200枚を容易に超えることができる。
【0112】
【表3】
【0113】
動作方法:フラッシュ・オン・ザ・フライモード
図1及び図8のフローチャート300を参照して、システム10の動作とワークピースを高速に露光する方法について説明する。
【0114】
最初に、ステップ301では、ワークピースステージ50上にワークピースWがない場合には、コントローラー90は電子信号をワークピース処理系80に送り、ワークピース保管部84からワークピースをワークピースステージ50及び上面52に搬送させる。
【0115】
ワークピースWがワークピースステージ50に配置されると、ステップ302では、コントローラー90は焦点系72及びアライメント系70に電子信号を送り、ワークピースWとレンズイメージフィールドIFとの焦点合わせと位置合せを行う。焦点系72は、ステージ位置制御系290に電気信号を送るコントローラー90を介してワークピースWを投影レンズ40の最良の焦点位置に配置する。アライメント系70は、例えば、アライメントマーク206(図6)の位置を画像化して分析し、アライメント系の軸とワークピース上のアライメントマーク206の投影イメージの位置とのずれを判断する補正を行うことによって、ワークピースWのアライメント状態を測定する。このアライメント情報は、電子信号によってコントローラー90に送られる。コントローラー90が、今度は、電子信号をステージ位置制御系60に送り、ステージ位置制御系60は、ワークピースを、マスクイメージMI(又はイメージフィールドIF)に対して正しく位置合わせされ、投影レンズ40の最良の焦点位置(又は少なくとも焦点深度内)に配置されるように配置する。この焦点合わせと位置合わせのプロセスでは、ワークピースWを繰り返し移動させ、ワークピースWの異なるポイントでのアライメント誤差を測定するとともに、投影レンズの焦点面に対してワークピースを水平にし、それによって最適なワークピースの位置を達成する。アライメント工程は、通常は、イメージフィールドIFに含まれるマスクイメージM1が、ワークピースWのすでに露光された露光フィールドEFに位置合わせされるように行われる。
【0116】
好ましい実施の形態では、アライメント系70は、ワークピースWのイメージ形成面WSの一部に点在する複数(例えば、5〜10箇所)の露光フィールドEFの位置を定める。次に、アライメント系70(又はコントローラー90)のアルゴリズムを、ワークピース表面WSに配置されたイメージの位置、すなわち、x方向の大きさ、y方向の大きさ、スキュー、キーストーンなどに関連した歪みをモデル化するために使用する。次に、すべての露光フィールドEFの正確な位置を計算する。計算された露光フィールドの位置に基づき、各露光フィールドの予測位置上を走査し、各露光フィールドの位置で放射線源からパルスを一回発生させることによってワークピースWに露光する。
【0117】
ワークピースWが適切に位置合わせされ、焦点合わせされると、ステップ303では、コントローラー90はステージ位置制御系60に電気信号を送り、投影レンズ40の下でワークピースステージ50を走査する。ワークピースステージ50は、複数の露光フィールドEFがワークピース上で露光されるように、例えば図7に示すように走査経路200を使用することによって、連続的に移動させることが好ましい。ワークピースステージ50の速度はパルス持続時間によって制限されるが、より典型的には、上述したように、露光放射線源14の周波数及び露光フィールド間の距離によって決定される。上記表2及び3に典型的な値を示す。上述したように、ステージは好ましくは一定の速度で移動するが、ステージの加速と減速による速度変化は許容することができる。
【0118】
ステップ303に続いて、ステップ304では、コントローラー90は、電子信号を介して放射線源14を動作させる放射線源コントローラー16に電子信号を送り、放射線源14は軸A1に沿って所定のエネルギー量を有する放射線パルスを供給する。遠紫外線フォトレジストへの露光を含む用途では、各パルスのエネルギーは、好ましくは5〜50mJ/cm2の範囲である。放射線源14からの放射線は照明器24を通過し、照明器24はマスクMに均一に光を照射する。マスクMを通過して回折された放射線は、投影レンズ40によって集光され、ワークピースW上に映し出され、アライメント系70によって決められた所定の位置にマスクイメージM1(図4)を形成する。マスクイメージは、すでに露光された露光フィールドEFとずれないで並列するように形成されてもよい。
【0119】
上述したように、放射線源コントローラー16は、計測装置62からの情報に基づいて、放射線源14からの放射線パルスの放出を制御する。ワークピースステージ位置制御系60は、ワークピースステージ50の位置、すなわち、走査軌道を制御する。このように、ワークピースの軌道が、すでに露光されたフィールドEFの1つ又はその他の基準(例えば、ワークピースのエッジ)とマスクイメージとが一列になるポイントと交差する度に、ワークピースWは放射線パルスによって露光される。
【0120】
このように、各放射線パルスによって単一のマスクイメージMIが転写される。放射線パルスの照射と照射の間のみならず各放射線パルスの照射期間における投影レンズ40の下でのワークピースの連続的な動きによって、分離された(重なり合わない)露光フィールド(それぞれが単一の放射線パルスによって形成され、本質的に投影レンズ40の縮小倍率の34倍のマスクパターンのサイズを有する)が形成される。したがって、連続する(すなわち、時間的に隣接する)放射線パルスは、ワークピース上に形成された連続する(すなわち、空間的に隣接する)露光フィールドに対応する。
【0121】
一実施の形態では、ステップ304は、パルス安定化系18によって放射線源14のパルス間の均一性を安定させる任意のステップを含む。
【0122】
図8及びフローチャート300に示すように、ワークピースが露光フィールドEFの所望の数で完全に露光されると、ステップ305では、コントローラー90はワークピース処理系80に電子信号を送り、ワークピースWをワークピースステージ50から取り除き、ワークピース保管部84からの別のワークピースによって置き換える。質問ステップ306では、別のワークピースを露光するかどうかを判定する。「yes」の場合には、ステップ301〜305を、望ましい数のワークピースが処理されるまで、新しいワークピース及びその次のワークピースのために繰り返す。
【0123】
動作方法:ステップ・アンド・リピートモード
上述したように、フラッシュ・オン・ザ・フライ動作モードに加えて、従来のステップ・アンド・リピート動作モードを使用することもできる。ステップ・アンド・リピート動作モードは、以下の点を除いてはフラッシュ・オン・ザ・フライ動作モードと同様である。ステップ303では、コントローラー90はステージ位置制御系60に電気信号を送り、ワークピースステージ50を投影レンズ40の下でステップ移動させる。これに伴って、ステップ304では、コントローラー90は、電子信号を介して放射線源14を動作させる放射線源コントローラー16に電子信号を送る。放射線源14は、軸A1に沿って、放射線パルスバースト(それぞれのパルスは所定量のエネルギーを有し、放射線バーストの全体として基板のイメージ形成面を適切に露光するために十分なエネルギーを有する)に供給する。ここで、放射線パルスバーストとは、2以上のパルスであって、通常は100以上のパルスを含む。
【0124】
本発明のシステム10の動作可能なモードは、人(すなわち、オペレーター)による操作を介してコントローラー90によって、あるいはコントローラーをプログラムすることによって設定される。したがって、システムの所有者は、用途に応じて、フラッシュ・オン・ザ・フライ動作モード又はステップ・アンド・リピート動作モードのいずれかでシステムを動作させることができる。
【0125】
結論
本発明は、費用効果が高いリソグラフィーシステムであり、好ましい実施の形態では、従来のリソグラフィー用投影レンズよりも非常に小さなフィールドサイズを使用して、リソグラフィーシステムの初期コストとマスクのランニングコストを低下させる。これらのコスト節減によって、従来のステップ・アンド・リピート動作モードで使用し、マスク当たり3000枚未満の基板を必要とする場合に使用されるようなシステムでも、その低いスループットを埋め合わせることができる。このシステムは、単一の放射線パルスを走査経路の軌道上に位置するフィールドに露光しながら、連続的にワークピースステージを移動させる新しいリソグラフィー技術である「フラッシュ・オン・ザ・フライ」動作モードにも適している。この動作モードは、小さなイメージフィールド(例えば、11mm×11mm)の投影レンズを有するリソグラフィーシステムであっても高いスループットが維持されるように、ワークピース全体のすべてのフィールドを高速に露光することができるという利点を有する。フィールドが大きな投影レンズの場合では、本発明は1時間当たり200枚以上のワークピースを処理できるスループットを達成することができ、これは従来のリソグラフィー技術で得られるスループットの約2倍である。さらに、本発明は、小さなレンズと静置された小さなマスクを有するフラッシュ・オン・ザ・フライシステムを使用して、ステップ・アンド・スキャンシステムに匹敵するスループットを可能とし、それによって費用効果が高い製造が可能となる。
【0126】
本発明の主な利点は、フラッシュ・オン・ザ・フライ動作モードと従来のステップ・アンド・リピート動作モードの両方を使用することができることであって、リソグラフィーシステムの所有者は、製造用途に応じて動作モードを選択することができる。これにより、用途が限られていたためにこれまで通常は利用されなかった小フィールドのリソグラフィーシステムを購入することが選択肢として与えられることになる。
【0127】
本発明の特徴と利点は詳細な説明から明らかであり、特許請求の範囲によって、本発明の範囲にあるシステムのすべての特徴と利点を網羅するものである。また、当業者にとっては様々な修正や変更に想到することは容易であるため、本発明は、ここで説明した構成と動作に限定されるものではない。したがって、他の実施の形態も特許請求項の範囲に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明の費用効果が高いリソグラフィーシステムの概略断面図である。
【図2A】図1に示す費用効果が高いリソグラフィーシステムでの使用に適した、本発明のパルス安定化系の実施の形態の概略図である。
【図2B】本発明の放射線源からの放射線パルスの強度(I)特性と時間の関係を示す図であり、図2Aに示すパルス安定化系の検出器からの検出信号の振幅(A)特性と時間の関係に相当する。
【図2C】図2Bの閾値エネルギー値Tを示す、統合化された信号を示す図である。
【図2D】ポッケルスセルを作動させてその内部を通過する放射線パルスを断ち切るための、ポッケルスセルに供給される閾値遮断信号を示す図である。
【図2E】ポッケルスセルを通過してポッケルスセルによって断ち切られた放射線パルスを示す図である。
【図2F】図1に示す高速リソグラフィーシステムでの使用に適し、同一偏光のビームを結合する、本発明のパルス安定化系の他の実施の形態の概略図である。
【図2G】図1に示す高速リソグラフィーシステムでの使用に適し、放射線パルスの一部のみをポッケルスセルを通過させる、本発明のパルス安定化系の他の実施の形態の概略図である。
【図2H】図1に示す高速リソグラフィーシステムでの使用に適し、2つの放射線源を組み込んだ、本発明のパルス安定化系の他の実施の形態の概略図である。
【図3】本発明の費用効果が高いリソグラフィーシステムに好適に使用される典型的な照明系の概略断面図である。
【図4】像平面とそれに関連するレンズフィールド、物体平面とそれに関連する物体フィールド、物体側及びイメージ側の開口数に関連する角度を示す投影レンズの概略斜視図である。
【図5】縮小倍率が6X、イメージ側NAが0.75、動作波長が248nm、193nm、157nmのいずれか、イメージフィールドサイズが11mm×11mmのカタディオプトリック式の投影レンズの断面レンズ図(実際の大きさの0.227倍)である。
【図6】図1のシステムの投影レンズとワークピースステージの拡大斜視図であって、ワークピースステージ上のワークピースと、投影レンズのレンズフィールドに沿った既存及びこれから形成される露光フィールドが示され、ステージの動きは矢印によって示されている。
【図7】露光フィールドと、露光フィールドを形成するためのワークピースステージの移動を表す走査経路を示すワークピースの平面図である。
【図8】図1の費用効果が高いリソグラフィーシステムを、各露光フィールドが単一の放射線パルスによって形成されるように操作するためのステップのフローチャート図である。
【0001】
本発明はリソグラフィーに関し、さらに詳細には、デバイスの製造においてリソグラフィー露光を高速かつ費用効果的に行うためのシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路(IC)、液晶ディスプレイ、マイクロ−エレクトロ−メカニカルデバイス(MEM)、デジタルミラーデバイス(DMD)、シリコンストリップ検出器などのマイクロデバイスの製造プロセスでは、解像度の高いリソグラフィーシステムを使用する。このようなシステムでは、パターニングされたマスク(すなわち、レチクル)に、マスクへの露光部全体で高い照度均一性を達成する照明系を通過させた放射線(例えば、レーザー放射線又はアークランプからの放射線)を照射する。マスクを通過した放射線は、所定のサイズのイメージフィールド(レンズフィールドともいう)を有する投影レンズによって集光される。投影レンズは、ワークピースのイメージ形成面にマスクパターンを映し出す。ワークピースは、これを投影レンズと相対的に移動させるワークピースステージに配置され、ワークピースの複数の露光フィールドにマスクパターンが繰り返し形成される。
【0003】
リソグラフィーシステムは、ワークピースをマスクの投影イメージと正確に位置合わせするアライメント系を含み、これによって、ワークピースの選択領域の上方でマスクに光を照射する。マスクイメージは、製造中のデバイスの層を形成するために隣同士正確に配列されることが必要なので、多くの場合、ワークピースの既存の露光フィールドに正確に位置合わせする必要がある。
【0004】
現在は、ステップ・アンド・リピートシステム(「ステッパー」)とステップ・アンド・スキャンシステム(「スキャナー」)という2種類のリソグラフィーシステムが実際の製造において使用されている。ステッパーでは、ワークピースの各露光フィールドに単一の静的な露光によって光を照射する。スキャナーでは、レンズのイメージフィールドを横切ってワークピースとマスクを同期させて走査することによってワークピースに光を照射する。典型的な走査式リソグラフィーのシステムと方法は、米国特許第5,281,996号に記載されている。ステッパーとスキャナーに使用される投影レンズは、通常は1倍(すなわち、等倍)、あるいは4倍又は5倍の縮小倍率(すなわち、光学用語で、より一般的に表現すると、±1/4又は±1/5の倍率)で動作する。
【0005】
リソグラフィーシステムが所定サイズの形状を解像(より正確には「転写」)する能力は露光波長によって決定され、波長が短いほど、転写あるいは映し出すことのできる形状が小さくなる。多くのマイクロデバイス(特にIC)では最小外形サイズの縮小が続いており、露光波長もより短くなってきている。また、デバイスサイズも大型化してきたので、レンズのフィールドサイズも着実に大きくなってきている。リソグラフィーシステムの解像度も、投影レンズの開口数(NA)とともに増加している。したがって、露光波長の短波長化に加えて、投影レンズの開口数も実用的に設計可能な開口数と同程度に増加する傾向があるが、焦点深度は、NAの2乗で減少するため実用的な範囲にしなければならないという制約がある。
【0006】
ごく最近まで、半導体産業のロードマップは、リソグラフィーシステムのフィールドサイズが増加し続け、メモリやマイクロプロセッサチップの装置サイズの大型化に対応することができると予測していた。この傾向は、製造コストにおいて重要な意味を持っている。小規模な回路の場合には、複数のデバイスを単一の露光フィールドに合わせることができる。デバイスのサイズは一般に大きくなってはいるが、ロードマップの作成者が予測したほどには急速に進んではいない。一方で、デバイスに使用される最小画像サイズは当初予測されたよりも急速に縮小している。現世代のステップ・アンド・スキャンシステムのフィールドサイズは次の数世代のメモリに対応するには十分だが、最小画像サイズが急速に小さくなっているため、マスクを得ることが非常に困難になっている。
【0007】
インターナショナル・テクノロジー・ロードマップ最新版で、2003年まで25mm×32mmというレンズの最小イメージフィールドサイズが、2004〜2013年には22mm×26mmになると予測しているのは、マスクメーカーにとって朗報である。というのは、必要とされるフィールドサイズを、この程度に縮小するには、縮小倍率を4倍から5倍にすればよいからである。
【0008】
最新のリソグラフィーシステムは、これまでに製造された機械の中で最も複雑なものの一つであり、その結果として極めて高価である。また、製造環境においてリソグラフィーシステムを保守・検査するためにはかなりの労力とコストが必要である。研究開発のために様々な実験的リソグラフィーシステムを組み立てることは比較的容易だが、手ごろな値段で、所有コストを考慮して決定された費用効果の高いリソグラフィーシステムを実際の製造に使用するために開発することは非常に困難なことである。
【0009】
種類が異なるリソグラフィー装置のいずれを選択するかは、通常は相対的な所有コストに基づいて決められる。このコストに基づくモデルは、所定のリソグラフィーシステムを、入手し、製造環境において運転し、保守するためのコストを考慮に入れたものである。所有コストは、リソグラフィーシステムの特性に直接関連する種々の要因と、システムが製造環境においてどのように使用されるかを考慮することによって決定される。複雑な所有コストのモデルが数多く提案されており、一例としては、所有コストの計算において多くの異なる要因のスコアを考慮に入れたセマテックのリソグラフィー所有コストモデルがある。しかし、信頼性の高い所有コストは、ステッパーコスト、マスクコスト、フィールドサイズ、システムスループット(以下に定義する)、所定のマスクで処理できるワークピースの枚数などの主要な要因を検討することによって得られるものである。
【0010】
リソグラフィーシステムの投影レンズと照明器のコストは、レンズのフィールドサイズの約3乗で増加することが知られている。0.13μmの解像度が得られるレンズを有し、22mm×22mmのフィールドサイズで193nmの露光波長で動作できる最新のステッパは、レンズとシステムの残りとに、およそ等分することができる。後者は、マスク及びウエハの処理系、マスク及びワークピースのステージ、レーザー露光源、アライメント系などを含む。これらの構成要素を、使用可能なシステムに組み込んだ場合、装置の価格は取付と保証を含めて約1〜2千万ドルになる。
【0011】
リソグラフィーシステムのスループット(すなわち、1時間当たりに処理できるワークピースの枚数)は、所有コストの計算で最も重要な要因の1つである。従来のリソグラフィーシステムのスループットは、露光フィールドサイズ(直径)の2乗で増加する。スループットは、各露光フィールドにおいてウエハに十分に高くかつ均一な量の放射線を照射しなければならない放射線源の輝度によって部分的に制限されていた。しかし、現在の放射線源は、通常は2000〜4000Hzで動作する狭帯域のパルスエキシマレーザーであり、それまで使用されていたアーク源よりもはるかに輝度が高い。リソグラフィーでの使用に適した典型的なエキシマレーザーのパルス間均一性は、8〜10%(3σ)と非常に低い。
【0012】
リソグラフィーシステムには、通常は1%(3σ)未満の、マスク上での照度均一性が必要であるため、放射線源からの複数の(例えば、100)パルスを平均することによって必要な均一性を達成している。レーザー周波数が数千ヘルツの場合では、ステップ・アンド・スキャンシステムの露光時間は非常に短くなり、現在のリソグラフィーシステムのスループットは、ステッパーの場合には主としてステージの移動・修正時間によって制限され、ステップ・アンド・スキャンシステムの場合には加速時間と走査時間によって制限される。現在のステップ・アンド・スキャンシステムでは、修正とオーバースキャンを含むレチクルステージのターンアラウンド時間は、各フィールドで140ミリ秒である。これは、ステッパーのウエハステージの移動・修正時間と同じである。ステップ・アンド・スキャンシステムでは、移動に関する最も困難な問題は、通常、縮小倍率Xに比例してウエハよりもX倍高速に加速・移動しなければならないマスクステージにおいてみられる。
【0013】
リソグラフィーシステムに関連する別の重要なコストは、マスクのコストである。マスクのコストは、レンズフィールドサイズ(直径)の2乗にほぼ比例する。このことは、マスクに埋め込む情報量を決定し、したがって、書込時間、検査時間、予想される欠陥数を決定することになる。大容量DRAMやマイクロプロセッサの製造などの特定の用途では、リソグラフィーシステムを償却するコストと比較して、マスクのコストはそれほど大きくない。しかし、特殊な(「特注」)用途(例えば、デジタル信号プロセッサやカスタマイズされた制御回路などの特殊なデバイスの製造)では、マスクのコストはリソグラフィーのコストの大半を占める。特注用途の30セットのマスクには、材料、保護膜、セットアップ、書込、検査、修理のコストを含めると100万ドル以上かかることがある。
【0014】
リソグラフィーシステムにおけるマスク当たりのワークピースの数(WPM)は、所有コストのもう1つの重要な要因である。特注用途では、WPMは3〜3000の範囲で変動する。マスクのコストがリソグラフィーツールの減価償却費と等しくなる分岐点は、様々な要因に依存する。一般に、大フィールドサイズ(例えば、22mm×22mm)を有し、3000WPM以下のリソグラフィーシステムでは、所有コストはマスクのコストによって占められている。
【0015】
産業動向もそうであったが、これまでの知識は、DRAM(メモリ)とマイクロプロセッサの業界に最適なリソグラフィーシステムを設計するためのものであった。ステップ・アンド・リピート技術あるいはステップ・アンド・スキャン技術は、これらの大業界を十分にサポートしており、インターナショナル・テクノロジー・ロードマップで推奨されているフィールドサイズで最も低い所有コストを達成している。しかし、フィールドサイズの小さい装置によってサポートされるその他の用途は、一般に半導体装置製造業者から無視されてきた。
【0016】
マスクのコストが多くの用途において全コストの多くを占めているという事実を考慮に入れ、所有コストの観点から、例えば、レンズのフィールドサイズを最適値まで小さくすることが有益である。しかし、ステッパーのスループットはフィールドサイズの約2乗に比例するため、フィールドサイズの縮小によって達成されるマスクのコスト節減が、全くなくなるわけではないが、いくらか少なくなる傾向がある。また、小フィールドシステムのフィールドに含めることができない大きなチップも常に存在する。これまで、付加的な開発費がかかることと、小フィールドのリソグラフィーシステムの潜在的な市場が小さいということのために、所有コストにおける利点にもかかわらず、このようなシステムの開発は行われてこなかった。また、小フィールドシステムの所有コストの利点自体がこれまで良く認識されていなかった。
【0017】
したがって、マスク当たりのワークピースの枚数(WPM)が3000未満の場合に、高速かつ費用効果的にウエハに露光できるリソグラフィーシステムが求められている。また、さらに改良すれば、システムが比較的小さなレンズフィールドの投影レンズを利用している場合でも、高いスループットを達成することができる。
【特許文献1】
米国特許第5,281,996号明細書
【特許文献2】
米国特許第5,699,621号明細書
【特許文献3】
米国特許第5,621,813号明細書
【発明の開示】
【0018】
本発明はリソグラフィーに関し、さらに詳細には、デバイスの製造においてリソグラフィー露光を費用効果的に行うためのシステムと方法に関する。費用効果は、リソグラフィー露光を非常に高速に行う方法によってさらに高めることができる。
【0019】
本発明の一態様は、製造用のリソグラフィーシステムにおけるリソグラフィーレンズの使用を含み、レンズは従来のリソグラフィーシステムのレンズよりも非常に小さなレンズ(イメージ)フィールドサイズを有し、したがって、従来の装置で使用されるレチクルよりも非常に少ない情報を含むレチクルを使用することができる。小フィールドのリソグラフィーレンズを使用することによって、製造用のリソグラフィーシステムの初期価格をかなり低下させることができる。レチクルの縮小によるコスト節減はレチクルを使用して露光する基板の数に依存するが、レチクル1セット当たりの基板の枚数が3000枚未満の場合に節減効果が顕著となる。レンズのフィールドサイズが小さいとスループットは低下するが、レンズとレチクルのコスト節減はこの不利益を補って余りあるものである。
【0020】
本発明の別の態様は、新しい「フラッシュ・オン・ザ・フライ」露光モードの使用を含む。このモードを使用することによって、単一パルスの放射線を使用して露光を行うことができ、レンズフィールドの縮小によるスループットの低下という不利益を解消することができる。パルス当たりに必要な総エネルギー量は露光面積に比例するため、従来よりも小さなレンズフィールドサイズを使用することによって、単一パルス露光が容易になる。したがって、レンズのフィールドサイズが小さくなると、小さく、より安価なレーザーやフラッシュランプなどの他のパルス放射線源を使用することができる。また、レンズの耐用寿命は、各放射線パルスに含まれる高いエネルギーによって制限されることがある。遠紫外線の高エネルギーのパルスは、長期間にわたる使用とともにガラスを圧縮させる傾向があり、レンズの波面誤差につながる。レンズのフィールドサイズを小さくすることによって、屈折レンズ部品数を減らし、反射性レンズをより多く有する設計が可能になる。限られた寿命を有するのは屈折レンズであるため、屈折要素を減らすことによって通常よりも長い耐用寿命が得られることが期待される。これによって、通常よりも小さなレンズ(イメージ)フィールドを費用効果的に使用でき、より安価な投影レンズからなり、もっと一般的には、半導体集積回路などのデバイスをより安価に製造できるリソグラフィーシステムの実現に寄与することができる。
【0021】
したがって、本発明の一態様は、3000枚以下の基板を処理するために使用されるマスクの連続するイメージをワークピースに費用効果的に露光し、複数の露光フィールドを放射線パルスバーストを使用して形成して各フィールドを露光するためのリソグラフィーシステムである。このシステムは、光軸に沿って、放射線パルスを供給するための放射線源を含む。照明器が、放射線パルスを受け入れ、各放射線パルスを±10%以下の空間均一性でマスク面に実質的に均一に分散させるように配置されている。また、照明器から出射した放射線パルスの各バーストに実質的に均一に照射されるようにマスクを支持することができるマスクホルダが含まれる。また、システムは、マスク又はその近傍に配置された物体平面と、ワークピース又はその近傍に配置された像平面と、像平面内のイメージフィールドとを有する投影レンズを含む。投影レンズのイメージフィールドは、従来のリソグラフィーシステムの2分の1未満の像平面積をカバーするサイズを有し、マスクの描画は従来のリソグラフィーシステムで使用されるマスクの2分の1未満の細かさでよい。投影レンズはマスクを透過した放射線を受け入れるように配置され、イメージフィールド内でワークピース上にマスクイメージを形成する。ワークピースステージが、像平面又はその近傍でワークピースを支持するために設けられている。ワークピースステージは、連続したマスクイメージを、対応する隣同士の露光フィールドに放射線パルスバーストによって露光できるようにワークピースをステップ移動させるようになっている。
【0022】
本発明の別の態様は、マスクの連続するイメージでワークピースを高速に露光し、露光フィールド当たり単一の放射線パルスを使用して複数の露光フィールドを形成するための費用効果の高いリソグラフィーシステムである。このシステムは、光軸に沿って、±10%以下のパルス間均一性を有する放射線パルスを供給するための放射線源を含む。照明器が、放射線パルスを受け入れ、各放射線パルスをマスク面に実質的に均一に分散させるように配置されている。また、照明器から出射した各放射線パルスによって実質的に均一に照らされるようにマスクを支持することができるマスクホルダを含む。また、システムは、マスク又はその近傍に配置された物体平面と、ワークピース又はその近傍に配置された像平面と、像平面内のイメージフィールドとを有する投影レンズを含む。投影レンズはマスクを透過した放射線を受け入れるように配置され、イメージフィールド内でワークピース上にマスクイメージを形成する。ワークピースステージが、像平面又はその近傍でワークピースを支持するために設けられている。ワークピースステージは、マスクイメージに顕著なスメアーを発生させることなく、連続したマスクイメージで隣同士の露光フィールドを単一の放射線パルスによって露光できる速度で、ワークピースを走査経路上で移動させる。
【0023】
本発明のさらに別の態様は、放射線源からの放射線パルスのパルス間均一性を安定化させるように放射線源の下流に配置されたパルス安定化系である。
【0024】
本発明の別の態様では、本発明の費用効果が高いリソグラフィーシステムは、放射線源に操作できるように接続された放射線源コントローラーと、ワークピースステージの移動を制御するためのワークピースステージ位置コントローラーとを含む。放射線源の動作とワークピースステージの移動は、基準に対して相対的なワークピースステージの正確な位置を計測する計測装置によって容易にすることができる。計測装置は、放射線源コントローラーに電気的に接続され、放射線パルスを走査経路上のワークピースの移動に合わせるために必要な位置情報を供給する。
【0025】
本発明の別の態様では、ワークピースはイメージ形成面を含み、各放射線パルスは、イメージ形成面を除去することはないが露光できるエネルギーを有する。
【0026】
本発明のさらなる態様は、投影レンズを使用してワークピース上に複数の露光フィールドを形成する方法である。投影レンズは、パターンを有するマスクが支持される物体平面と、マスクイメージが形成されるイメージフィールドを有する像平面と、を有する。この方法は、イメージフィールドと相対的にワークピースを位置合わせし、その後、複数の放射線パルスをマスクに照射する工程を含む。放射線パルスは、好ましくは10%(3σ)以下、より好ましくは1%(3σ)以下の良好なパルス間均一性(すなわち、露光量のばらつきがほとんどないこと)を有する。また、放射線パルスは、好ましくは10%(3σ)以下、より好ましくは1%(3σ)以下の良好な物体平面上の空間的な照度均一性を有する。この方法は、投影レンズによってマスクを透過した放射線パルスの一部を集光し、各放射線パルスによって別々のマスクイメージを形成する工程をさらに含む。集光工程では、各マスクイメージが、対応する別々の露光フィールドを形成するように、像平面においてワークピースを連続的に走査経路上を移動させる。
【0027】
本発明の別の態様は上述した方法であって、マスクイメージをワークピース上の1つ又はそれ以上の既存の露光フィールドと位置合わせする工程をさらに含む。
【0028】
本発明の別の態様は上述した方法であって、パルス安定化系を通して放射線パルスを送り、パルス間均一性を向上させる工程を含む。
【0029】
本発明のさらなる態様は、物体平面と、像平面と、イメージフィールドとを有する投影レンズを使用して、ワークピース上に連続的に配置された複数の露光フィールドを高速に形成する方法である。この方法は、パターンを有するマスクを物体平面又はその近傍で支持し、連続的に配置された露光フィールドが形成されることになっているワークピースのワークピースステージを、走査経路上をイメージフィールドと相対的に像平面内において移動できるように配置する工程を含む。この方法は、放射線パルスをマスクに照射し、透過した放射線を投影レンズによって集光し、イメージフィールド内に各放射線パルスによるマスクイメージを形成する工程をさらに含む。マスクに光を照射している間には、前後する放射線パルスが隣同士の露光フィールドを形成するようにワークピースステージを連続的に走査経路上で移動させる。
【0030】
本発明の別の態様は上述の方法であって、隣同士の露光フィールドは、ワークピース上に形成された既存の露光フィールドとずれないように並列に形成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明はリソグラフィーに関し、さらに詳細には、デバイスの製造において、リソグラフィー露光を高速かつ費用効果的に行うためのシステムと方法に関する。本発明は、パルスとパルスの間でも基板ステージが連続的に移動することができる程度に短時間の単一パルス放射線を各フィールドに照射する動作モードに適している。
【0032】
以下の説明では、本発明の費用効果が高いリソグラフィーシステムの主要な要素の概観を最初に述べる。次に、従来のリソグラフィーシステムとの相違に重点を置きながら、システムの重要な各要素を詳細に説明する。次に、本発明の費用効果が高いリソグラフィーシステムを使用して、高速かつ費用効果的にデバイスを製造する方法について説明する。ここで、単一パルスをフィールドに照射する動作モードを、「フラッシュ・オン・ザ・フライ」モードと呼ぶ。本発明のリソグラフィーシステムは、従来の「ステップ・アンド・リピート」モードでも動作することができるが、ここでは「フラッシュ・オン・ザ・フライ」システムとも呼ぶ。
【0033】
以下の説明と図面では、同一の要素には同一の参照番号を付した。
【0034】
リソグラフィーシステムの概観
図1に示すように、本発明のリソグラフィーシステム10は、光軸A1に沿って、放射線源コントローラー16と電気的に接続された放射線源14を含む。本発明において、全体的に、「放射線源」とは、可視光線から軟X線の範囲の波長を含む放射線を放出するための光源をいう。放射線源のパルス間の安定性を改善する必要がある場合に、放射線源から放出された放射線パルス間に均一性を与えるためのパルス安定化系18が、選択的に、放射線源14の隣りに設けられる。
【0035】
システム10は、光軸A1に沿って、照明系24と、マスク面MPにおいてマスクMを支持するマスクホルダー30とをさらに含む。システム10は、マスク面MPと実質的に一致するように配置された物体平面OPと、開口絞りASと、像平面IPと、を有する投影レンズ40を含む。ワークピースステージ50は、像平面IP又はその近傍において投影レンズ40の隣に配置され、イメージ形成面WSを有するワークピースWを支持することができる上面52を有する。ワークピースステージ50には、ワークピースステージの位置を正確に計測するための計測装置62を含むワークピースステージ位置制御系60が電気的に接続されている。計測装置62は、放射線源コントローラー16に電気的に直接接続されている。焦点系72は、ワークピースWに動作を伝えられるようように、(例えば、図示するように投影レンズ40に隣接して)配置され、投影レンズ40に対するワークピースのイメージ形成面WSの位置を検知する。焦点系72は、電気信号を生成し、その電気信号は、制御系60に送られて、ステージ50がワークピースの軸方向の位置を調節する。
【0036】
システム10は、ワークピースWと光学的に接続して配置され、基準(例えば、投影レンズ40によってワークピースに映し出されたマスクアライメントキーの像)に対してワークピースを位置合わせするためのアライメント系70をさらに含む。ワークピースステージ50に操作できるように接続されたワークピース処理系80が、ワークピースステージとワークピース保管部84との間でワークピースを搬送するために設けられている。システムコントローラー90は、放射線源コントローラー16、パルス安定化系18、照明系24、ワークピースステージ位置制御系60、焦点系72、アライメント系70、ワークピース処理系80と電気的に接続され、以下に詳細に説明するように、これらの系の動作を制御・調整する。
【0037】
放射線源
ワークピースの高速(1〜100Hz)かつ均一な単一パルスの照射を可能とするために、放射線源14は本発明のフラッシュ・オン・ザ・フライ動作モードを行うための重要な要素である。リソグラフィーシステム10で使用するために必要な放射線源14の特性を正しく理解するために、本発明で発生し得る照度むらの原因について述べる。
【0038】
ワークピースWのイメージ形成面WSに、リソグラフィーシステム10によってイメージを形成する際に影響を与える照度むらには2つの原因がある。第1の原因は、フラッシュ・オン・ザ・フライモード動作で重要な、放射線源のパルス間エネルギーのばらつきである。第2の原因は、露光に使用されるパルス数に関係なく、所定のパルスにとっての、露光フィールド上でのエネルギーのばらつき(空間的な不均一性)である。
【0039】
リソグラフィーシステム10においてフラッシュ・オン・ザ・フライ動作モードで単一パルスの露光を行う際に、転写されるパターンの臨界寸法がワークピースのイメージ形成面の露光量のばらつきによって影響を受けないように、パルス間の露光量のばらつきは十分に小さくなくてはならない。露光フィールド間の臨界寸法のばらつきによって、デバイスの性能が悪影響を受けることがある。
【0040】
したがって、放射線源14は、パルス放射線源であり、パルスレーザー、フラッシュランプ源あるいはその他のパルス放射線発生器であってもよく、フラッシュ・オン・ザ・フライ動作モードで使用された場合に、パルス間のばらつきをほとんど生じることなくパルスを生成することができるものである。解像度が制限された画像サイズでの半導体集積回路の製造を含む多くの用途では、露光量のばらつきは理想的には1%(3σ)以下である。一方で、微小ではないIC層やボンディングパッドを転写するなどの用途では、露光量のばらつきは5%(3σ)以下でもよい。「バンプリソグラフィー(すなわち、集積回路基板に配線を形成する際のはんだバンプの形成)」など、照度均一性がそれほど重要ではない用途では、露光量のばらつきは10%(3σ)以下でもよい。
【0041】
照明系は、通常は、放射線源からの放射線を混合して均一な出力を生成する素子を含む。しかし、このような放射線の混合は、混合される放射線が非干渉性あるいはほぼ非干渉性であり、強度が直線的に増す場合にのみ有効である。放射線が光路長にわたってスペクトル的に純粋(すなわち、干渉性)である場合には、ビームの異なる部分を結合することによって、均一性を悪化させる干渉効果が生じることがある。例えば、混合出力は、フィールドでの破壊的干渉によって完全に相殺され、±100%の不均一性をもたらすこともある。
【0042】
干渉効果によって引き起こされた照度むらは、レーザー放射線源の空間モード数を増加させることによって低下させることができる。干渉効果による照度むらは、本発明でm4と定義する空間レーザーモード数の平方根にほぼ反比例する。したがって、以下の関係が得られる。
干渉効果による変調レベルは、モード数の逆平方根(1/m2)に近似される。1%(3σ)未満の照度均一性を達成するためには、m2は30以上であり、好ましくは100以上である。
【0043】
パルス放射線源14は、約1ナノ秒より長く、約1ミリ秒(好ましくは10マイクロ秒、さらに好ましくは1マイクロ秒)よりも短いパルス持続時間で放射線パルスを放射できることが好ましい。単一パルス露光のパルス当たりのエネルギーは、ワークピースのイメージ形成面WSの感光性、投影レンズのイメージフィールドIFのサイズ、光学縦列(すなわち、照明系24、マスクM、投影レンズ40)の透過率に依存する。複数の放射線パルスが露光フィールドを形成するために使用される場合には、放射線パルスは、2以上のパルスバーストとして放出することができる。実施の形態では、所望の露光量を達成するために1バースト当たり100以上のパルスを使用してもよい。
【0044】
リソグラフィーシステム10の用途の多くでは、ワークピースWは、フォトレジスト層としてのイメージ形成面を有する半導体ウエハである。フォトリソグラフィーに使用される遠紫外線フォトレジストは、5mJ/cm2から30mJ/cm2のエネルギー量で露光する必要がある。光学縦列の効率が25%であり、イメージフィールドサイズが11mm×11mmであり、フォトレジストの感度が25mJ/cm2であるとすると、放射線源14からの必要とされる露光エネルギーは120mJのオーダーである。フラッシュ・オン・ザ・フライ動作モードにおいて20Hzの周波数では、2.4Wの平均出力が必要である。ただし、これらの数字は例であり、特定の用途によって異なることは当業者には明らかであろう。パルスの周波数は、放射線源14の最大出力性能によって制限される。
【0045】
通常は、放射線源14の出力は、ワークピースのイメージ形成面WSが露光されるが消散しない範囲であることが好ましい。例えば、入射露光量が25mJ/cm2の単一パルスの30%がイメージ形成面としての1μm厚のフォトレジスト層に吸収されるとすると、その結果として生じる温度上昇は、伝導損失を無視すると100℃超である。このような温度上昇は、ほとんどの遠紫外線フォトレジスト系にとっては処理できるものである。
【0046】
以下に詳細に説明するように、リソグラフィーシステム10において、ワークピースステージ50は、フラッシュ・オン・ザ・フライモードあるいはステップ・アンド・リピート動作モードでの露光中及び露光と露光の間にワークピースWを移動させるために使用される。フラッシュ・オン・ザ・フライモードでは、パルス持続時間とパルス周波数によって、ワークピースステージ50の最高速度が制限されることがある。パルス露光中に像のスメアーが検知されるのを避けるために、パルス露光中のワークピースステージ50の動きは、転写される最小画像サイズよりも小さくなければならない。
【0047】
許容できる像のスメアーの量は驚くほど大きいが分かっている。例えば、最小画像サイズの20%に相当する像のスメアーはほとんど知覚できない。レンズフィールドサイズが11mm幅であり、最小画像サイズが0.1μmであり、レーザー露光パルスの持続時間が10ナノ秒である場合、最大走査速度は2m/秒であり、対応するレーザーパルス周波数は180パルス/秒である。スペクトルの他端で、画像サイズが3μmであり露光パルスの持続時間が1マイクロ秒であれば、最大走査速度が600mm/秒であるとともにパルス周波数が54パルス/秒であることが必要となる。
【0048】
本発明のリソグラフィーシステム10に適する放射線源14としては、市販の放射線源を改造する必要がある。市販レーザーを製造用途に使用するときは、単一あるいは極めて少数(m4<10)の空間モードの干渉性の高いレーザーが必要とされているからである。ただし、エキシマレーザーは、その特徴として、十分に非干渉性であるから本発明での使用に適するほど十分に高いモード数で発振する。また、エキシマレーザーは、248nm(KrF)、193nm(ArF)あるいは157nm(F2)の望ましいリソグラフィー波長で動作する。しかし、サイマー社製(Cymer Corporation、カリフォルニア州サンディエゴ)やラムダ・フィジック社製(Lambda Physik、ゲッティンゲン、ドイツ)などの代表的なリソグラフィー用エキシマレーザーは、優れたパルス間安定性(例えば、約10%(3σ))を有しているわけではない。このようなレーザーを使用するシステムは、1%(3σ)という究極的な照度均一性を達成するために、パルスを平均しなければならない。特定の用途のために本発明での使用に適するエキシマレーザーは、2%(1σ)と公表されるパルス間安定性を有する遠紫外線エキシマレーザーを製造するTUIレーザー社(TuiLaser AG、ミュンヘン、ドイツ)から入手することができる。この公表された特性を超えるパルス間安定性は、TUIレーザー社のレーザーを本発明の特定の用途に適するように改造することによって得ることができる。
【0049】
フラッシュ・オン・ザ・フライ動作モードで使用する場合には、固体レーザーも本発明のリソグラフィーシステム10の放射線源14として望ましいものである。固体レーザーは、優れたパルス間安定性(通常は1%(3σ)以下)を有し、出力波長がエキシマレーザーのリソグラフィー波長の1つと一致するように周波数を逓倍することができるからである。しかし、Nd:YAGレーザーやアレキサンドライトレーザーなどの市販の固体レーザーのほとんどは高い干渉性を有しているため、本発明においては、上述した小規模な照度むらが発生する。
【0050】
したがって、本発明の目的を達成するためには、固体レーザーは、使用することはできるが、上述したように大きな空間モード数(m4)で動作するように設計しなければならず、遠紫外線波長を得るために周波数を逓倍しなければならない。マルチモード固体レーザーは実際に最初に開発されたレーザーではあるが、広範囲にわたる用途に使用できないために、普通市販されていない。マルチモード固体レーザーは、スペクトルバンド幅が従来の全屈折投影光学系で使用できないほど大きいというのが主たる理由であるが、現在のリソグラフィーシステムでは使用されていない。
【0051】
コンテニュアム社(Continuum,Inc.、カリフォルニア州サンタクララ)は、本発明者らのために、放射線源14としての使用に適するマルチモードの周波数逓倍固体レーザーを、16ナノ秒(FWHM)のパルス持続時間で波長532nmの放射線を出力する、周波数2倍Nd:YAGレーザーとして製造した。このレーザーをリソグラフィーに使用するためには、出力周波数を2倍にして266nmの出力波長を得ることが必要である。大きな空間モード数で動作するように改造した場合に、本発明に適したレーザー放射線源として使用できる他の固体レーザーとしては、1047nm〜1053nm、730nm〜780nm、700nm〜900nmの波長のレーザー光をそれぞれ放出するNd:ガラスレーザー、アレキサンドライトレーザー、Ti:サファイアレーザーが挙げられる。これらのレーザーは、周波数を2倍、3倍、あるいは4倍にして、非常に感度の優れたフォトレジストを利用することができる遠紫外線(266nm未満)で動作するようにすることができる。可能な波長としては、4倍Nd:YAGレーザー(266nm)、3倍アレキサンドライトレーザー又はTi:サファイアレーザー(248nm)、4倍アレキサンドライトレーザー又はTi:サファイアレーザー(193nm)が挙げられる。
【0052】
別の好適な放射線源としては、電磁スペクトルの周波数領域である6nm〜l4nmの波長で動作するキセノンプラズマ源が挙げられる。
【0053】
本発明の特定の用途(例えば、バンプリソグラフィー)に好適なさらに別の放射線源14としては、投影レンズが補正されるスペクトル部分と同一のスペクトルの放射線を放出する充填ガスを含むフラッシュランプが挙げられる。例えば、水銀充填フラッシュランプは、バンプリソグラフィーに使用されるレジストの多くが感応性を示す、スペクトルのほぼ近紫外領域(例えば、約350nm〜450nmの波長)の放射線を放出する。この場合、ランプからのパルス持続時間は10〜100マイクロ秒の範囲であり、光学系によって形成される最小画像サイズの幅は25〜50μmである。10マイクロ秒のパルス持続時間で10μmのぼやけが許容できると仮定すると、1m/秒の最大走査速度が得られる。そのような走査速度によって、非常に高いスループットを有するリソグラフィーシステムが確実に得られる。
【0054】
放射線源コントローラー
放射線源14は、放射線源からの放射線パルスの放出を制御するための放射線源コントローラー16に電気的に接続されている。放射線源コントローラー16は、計測装置62に電気的に接続され、システムコントローラー90に電気的に接続されている。後述するように、放射線パルスの制御が必要なのは、投影レンズによって映し出されたマスクパターンがワークピース(例えば、既存の露光フィールドあるいはアライメントマーク)と位置合わせされる時にのみワークピースに放射線が照射されることを保証するためである。
【0055】
イメージ形成面WS上の露光フィールドEFの予測位置情報は、システムコントローラー90によってアライメント系70から得られ、ワークピースWに放射線を照射する前に放射線源コントローラー16に送られる。計測装置62からの実際のワークピースステージ位置の情報は、継続的に放射線源コントローラー16に送られる。放射線源コントローラー16は、放射線源14からパルスバーストあるいは単一パルスを放出する正確な時間を決定する。フラッシュ・オン・ザ・フライ動作モードにおいて単一パルスの放射線によって露光する場合では、3つの遅延時間を考慮に入れる必要がある。まず、「データエージング」と呼ばれる、計測装置62からの位置情報の遅延時間ΔT1がある。第2に、信号が放射線源コントローラー16から送られる時間と、ワークピースWに放射線パルスの中間点が到達する時との間の遅延ΔT2がある。例えば、パルス持続時間が30ナノ秒である場合には、中間点はいずれの端からも15ナノ秒である。第3に、ワークピースステージ位置の予測位置と望ましい位置とを計算し、比較することに関連する遅延時間ΔT3がある。これらの遅延は素早く測定・計算でき、かつ一定である。放射線源コントローラー16は、パルスが発生する前の種々の遅延を考慮に入れて、放射線パルスの出射を開始するための信号を発生する必要がある。遅延成分であるΔT1+ΔT2+ΔT3は、走査速度によって逓倍され、露光フィールドEFの望ましい位置に適用される位置ずれを生成する。修正された望ましい位置は、計測装置62からの到達位置データと比較され、両者が同じ場合にはトリガパルスを生成する。
【0056】
一実施の形態では、放射線源コントローラー16は、ウィンド・リバー・システムズ社製(Wind River Systems,Inc.、カリフォルニア州アラメダ)のリアルタイムOSであるVxWorks(登録商標)を走らせるマーキュリー・コンピューター・システムズ社製(Mercury Computer Systems、マサチューセッツ州チェルムスフォード)のRace++VMEバスコンピュータシステムを含む。
【0057】
パルス安定化系
パルス間のエネルギーのばらつきは、周波数逓倍固体レーザーで発生することがあり、周波数逓倍プロセスによって悪化する。したがって、放射線源14として使用される周波数逓倍固体レーザーや大部分のタイプのエキシマレーザーでは、放射線源のパルス間均一性を許容できるレベルまで改善するために、システム10にパルス安定化系18を設けることが必要である。このことは、各露光に単一パルスを使用するフラッシュ・オン・ザ・フライモードでは特に重要である。
【0058】
図2Aは、本発明のパルス安定化系18の第1の実施の形態を示す。系18は、放射線源14から下に向かって、第1及び第2の光路P1及びP2を形成する第1のビームスプリッターBS1を含む。検出器102が、第2の光路P2に沿って配置されている。第1の光路P1に配置されたポッケルスセル108に電気的に接続されたポッケルスセル駆動系106に電気的に接続された積分回路104が、検出器102に電気的に接続されている。本発明に好適なポッケルスセル及び関連電子部品は、クリーブランド・クリスタルズ社(Cleveland Crystals、オハイオ州クリーブランド)の部品番号IPD2545として入手することができる。光路P1は、3つのミラーM1〜M3を含む光学系として示される遅延ライン110を含む。
【0059】
図2B〜2Eに示すように、動作時には、放射線源14は、ビームスプリッターBS1によって第1の光路P1に沿って進むビーム112a及び第2の光路P2に沿って進むビーム112bに分割される放射線パルス112を放出する。放射線ビーム112bは、放出された放射線112(図2B)の小さな(しかし、明確な)部分だけであることが必要である。検出器102は、放射線ビーム112bの瞬間的な強度を測定し、放射線ビームの強度Iに比例した信号Aを生成する(図2B)。この信号は、信号を積分する積分回路104へと通過し、放射線ビーム112bによって与えられたエネルギー量が測定される(図2C)。積分された信号は、ポッケルスセル駆動系106へと通過する。所定の信号閾値T(所定のエネルギー閾値に相当)に到達すると、系106はポッケルスセル108をさせる起動信号を送り(図2D)、光路P1に沿って進む放射線ビーム112aの伝達を遮断する。
【0060】
その結果、パルスの尾部分が欠けている以外は放出された放射線パルス112と同一の形状を有する切り欠き放射線パルス113(図2E)が得られ、放射線パルス113はすべての出力放射線パルス112を実質的に均等化するように断ち切られている。すなわち、放射線パルス113は、望ましい全体的なパルスエネルギーの尺度である閾値に実質的に対応するエネルギー量を有する。放射線パルス113が尾部分で鋭く断ち切られて欠如しているのは、通常は1〜2ナノ秒であるポッケルスセルの立上り時間によるものである。この実施の形態では、ポッケルスセル108はON/OFFスイッチとしてのみ動作し、各放射線パルスの尾部分以外の全体を伝達する。
【0061】
遅延ライン110は、放射線ビーム112aがビームスプリッターBS1から検出器102まで進み、検出器が対応する電気信号を生成し、積分回路104が信号を積分し、ポッケルスセル駆動系106が信号をポッケルスセル108に送るために要する時間にわたって、放射線ビーム112aがポッケルスセル108に到達するのを遅らせる光学系(図ではミラーM1〜M3を含む)である。この遅延は、一般的に、約10フィートの遅延ラインの長さに対応する10ナノ秒のオーダーである。したがって、ポッケルスセル108が放射線パルス112aを切断するポイントは、積分されたパルス強度(エネルギー)が所定の閾値に達したポイントに対応する。これにより、閾値Tが(予想される)最低のパルスエネルギーの統合されたエネルギーよりも低く設定される場合には、すべての出力パルス113は同一のエネルギーあるいは照射能力を有する。ポッケルスセル108の動作は、入力ビームを直線偏光させるか、直交偏光は通過するが光路P3に沿ったものと同一の偏光を遮断する偏光器BS2を出力側に有するか、にかかっている。
【0062】
例えば、エキシマレーザーなどの場合には、レーザー出力は偏光されない。偏光ビームは、偏光感受型ビームスプリッターに出力ビームを通過させることによって生成することができる。意図しない偏光が遮断されると、50%未満の効率となる。したがって、ビームスプリッターによって生成される2つの偏光ビームを結合することができれば有利である。
【0063】
したがって、図2Fに示すように、パルス安定化の別の実施の形態では、パルス安定化系18は、ビームスプリッターBS3を介して、放射線ビーム112を直交偏光したビーム112cと112dに分離することを含む。偏光の一方(例えば、ビーム112dの偏光)は、ビーム112dの光路に配置された半波長板HWPによって他方の偏光に変換され、ビーム112c’が形成される。ビーム112c及び112dは、例えば、フォールドミラーM4〜M6を含む光学系によって再結合される。ビーム112c及び112c’は同一の偏光を有するため、これらは効率的に直線的には結合されず、並べて配置することによって結合することができる。この場合、ビーム112c及び112c’は、ビームの一方(例えば、図示するようにビーム112c)を(刃形)ミラーM6で反射させ、他方をミラーの反射エッジによって通過させることによって結合させることができる。結合された出力ビームは、図2Aに示すパルス安定化系のビームスプリッターBS1の方向に向かい、図2Aに関連して説明したように処理される。
【0064】
図2Gは、ポッケルスセル108を通過する放射線ビームのエネルギー量を低下させる構成を有するパルス安定化系18の別の実施の形態を示す。図2Gに示す系18は、ビームスプリッターBS4及びBS5をそれぞれ光路P1及びP3に含み、ビームスプリッターBS2の代わりにフォールドミラーM7が設けられている点以外は、図2Aに示すシステムと同様である。放射線パルス112は、偏光されているか、あるいは偏光されたものとする。遅延ライン110から戻った放射線ビーム112aは、偏光ビームスプリッターBS4によって2つの部分112a1及び112a2に分離される。好ましくは放射線ビーム112aの大部分である放射線ビーム112a2は、ポッケルスセル108をバイパスする光路P4に反射される。放射線ビーム112alはポッケルスセル108を通過し、上述したように減衰される。放射線ビーム112a2は、光路P3に沿って偏光感受性ビームスプリッターBS5によって完全に反射される。同様に、ミラーM7は光路P3に沿って出力ビーム113を反射し、ビーム112a2及び113が結合して、出力ビーム114を形成する。偏光感受性ビームスプリッターBS4によって分離される光量は、ビームスプリッターを通る光軸の周りにビームスプリッターを回転させるだけで調節することができる。
【0065】
ポッケルスセル108を通過する放射線ビーム112a1は、放射線パルス112のエネルギー量を均等にするために十分な量だけ減衰される。この場合、ポッケルスセル108は、ビームの一部のみを通過させるスイッチあるいは可変減衰器として動作する。ポッケルスセル108を通過する放射線ビーム112a1は、放射線112aの大部分である放射線ビーム112a2と結合されたときに、結合ビーム114が非常に安定したパルスエネルギー量を有する放射線パルスからなるように減衰される。この実施の形態では、遅延ライン110は、放射線ビーム112a1が入射する前に正確にポッケルスセル108を減衰させることができるか、ビーム112a1が適正な比率で切り欠かれるために十分な長さでなければならない。他の可能性としては、偏光されていない放射線パルスから開始し、偏光感受性ビームスプリッターによって減衰される部分を抽出することが挙げられる。この場合、偏光・減衰されたビームと偏光されていないビームは、図2Fに関連して説明したように、刃形ミラーを使用して並行するように再結合させなければならない。
【0066】
図2Gに示すパルス安定化系の動作の例として、放射線源14は、最大パルス間照射量(エネルギー)のばらつきが90〜110mJと測定される。放射線源14から出射したときにXmJの照射量を有するパルスを測定し、ポッケルスセルでの減衰(A)を次のように計算する。
A=(90−0.8X)/0.2X (2)
放射線パルス112aは、放射線パルス112aの強度の80%が放射線パルス112a2として光路P3に沿って直接出力され、パルスの20%(放射線パルス112a1)がポッケルスセル108によって係数Aだけ減衰され、パルス112a2と結合される前に放射線パルス113を形成するように、遅延ライン110を通過する。得られる出力パルス114の強度(IO)は、以下の式で表される。
IO=0.8X+0.2X(90−8X)/0.2X=90mJ (3)
したがって、出力パルスエネルギーは、90〜110mJのいかなる入力においても常に90mJである。
【0067】
図2Hに示すように、パルス安定化系18の別の好ましい実施の形態では、入力された放射線パルスを2つの部分に分けてその一方が一定の出力パルスを生成するために減衰される代わりに、同時又はほぼ同時に動作する2つの放射線源を使用することができる。図2Hに示す系18は、図2Aに示す系に加えて第2の放射線源14aを含む。好ましい実施の形態において、第2の放射線源14aは、放射線源14からの放射線パルス112よりも大きな放射線パルス115を出力することができる。レーザー源14aに関連して、放射線ビーム115a及び115bを形成するビームスプリッターBS1aと、図2Aに関連して説明したようにポッケルスセル駆動系106に電気的に接続された積分回路104aに電気的に接続された検出器102aとが設けられている。したがって、系106に両方の放射線源からの出力が入力される。フォールドミラーM8〜M10は、ビーム115a及び113を共通のフォールドコーナーミラーM11によって結合することができるように光路を折り曲げる光学系として作用する。
【0068】
したがって、動作時には、1つの放射線源(14a)はパルス出力の大部分を供給し、他方(14)は、最大のレーザーからの最大パルス以上のエネルギーを全てのパルスが有するために必要とされる付加的な出力を供給する。放射線源14からの照射量をS、15からの照射量をBとすると、閾値Tは放射線源14aからの最大パルス波高よりも大きく設定され、放射線源14からの放射線パルスに適用される減衰(A)は以下のように与えられる。
A=(T−B)/S (4)
放射線源14aからの減衰していない放射線パルス115aと、係数Aによる切り取りを介して減衰した放射線源14からの放射線パルス113を結合すると、出力パルス114の強度(IO)は以下のようになる。
IO=B+S(T−B)/S=T (5)
したがって、出力は常に閾値Tに等しい。
【0069】
本発明の別の実施態様では、パルストリミングを基本周波数で、あるいは最終周波数の低周波数倍数で適用し、トリミングされたパルスに対して最終周波数変換を行うことができる。この実施態様の利点は、系18のための部品を容易に得ることができ、低い周波数でパルス安定化を効率的に行うことができること、すなわち、例えば193nmではなく772nmあるいは386nmでポッケルスセルを容易かつ効率的に動作させることができることである。
【0070】
照明系
図1に示すように、システム10は、軸A1に沿って放射線源14に隣接する、放射線源14からの放射線が入力されるように配置された照明系(あるいは「照明器」)24をさらに含む。
【0071】
上述したように、本発明のリソグラフィーシステムにおける照度むらの第2の原因は、各露光パルスの露光フィールドでのエネルギーの空間的なばらつきである。したがって、パルス間のエネルギーのばらつきが完全に解消されたとしても、各放射線パルスはマスク上に均等かつ均一に分散されなくてはならない。
【0072】
したがって、照明器24は、下流のマスク面MPに均一に光を照射する。マスク面MPは、パターン34が形成された下流表面32を有する平坦なマスクMを支持するマスクホルダ30によって定められる。パターン34は、バイナリマスク(例えば、透明なガラス上にクロムパターンを形成)、フェーズマスク(例えば、パターニングされた相誘発誘電材料によって相変化を生成)、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。パターン34は、通常は、不透明及び透明なラインの可能な限り微細なパターンを形成するために繰り返し使用される場合に、最大マスク変調周波数と呼ぶ最大変調周波数を定義する最小画像サイズを有する。マスクのイメージは、それに関連する最大イメージ変調周波数を有する。マスク及びマスクイメージ変調周波数は、パターン34及びマスクイメージをそれぞれ形成する最小画像サイズに対応する最大変調周波数である。
【0073】
マスクMは、通常は石英又は放射線源14からの放射線の波長に対する透過性を有するその他の適当な材料からなる(マスクが反射マスクである場合と、基板材料の透過性が重要でない場合を除く)。システム10がEUV放射線を使用する場合には、マスクMは反射するものである。二進反射マスクは、反射層をパターニングされた吸収体層で被覆することによって形成する。本発明の実施の形態では、3000枚以下のワークピースを処理することによってマスクMのコストは償却される。これは、システム10の所有コストを考慮に入れたものであり、半導体装置の製造を含む種々の用途のためにワークピースを費用効果的にパターニングすることができる。
【0074】
マスク上の情報量は、最小画像サイズとパターニングされた面積に依存する。マスクからの情報はワークピース(例えば、ウエハ)に転写された情報と同一であるため、マスクの情報はウエハ上の単一の転写フィールドに含まれると考えることができる。これは、単に、最小画像サイズをどれだけ正確に配置することができるかを示す、距離の2乗によって割られた(露光)フィールドの面積である。通常は、この距離は最小画像サイズの5分の1から10分の1である。したがって、係数が10とすると、フィールド当たりの情報(I)は次のように与えられる。
I=(フィールド面積)/((最小画像サイズ)/10)2 (6a)
又は
I=100(フィールド面積)/(最小画像サイズ)2 (6b)
フィールドの情報は、マスクの書込と検査にどのくらいの時間がかかり、リペアを必要とする欠陥がどのくらい見つかるかを決定するため、重要である。従来のシステムの半分未満のフィールドサイズを使用することによって、サイズの縮小に比例して、マスク書込時間、検査時間、リペアを要するマスクの欠陥数を減らすことができる。マスクのコストは、書込み、検査、リペアのコストによって占められているため、従来よりも小さなイメージフィールドサイズの投影レンズを有するリソグラフィーシステムでは、マスクのコストをかなり低下させることができる。例えば、22mm×22mmのフィールドサイズに通用する最新のレチクルは5万ドルもする。フィールドサイズとは関係なくレチクルに4千ドルの固定費がかかるとすると、11mm×11mmのフィールドサイズしか通用しない同様なレチクルのコストでも約15,500ドルである。したがって、従来のフィールドの半分の幅を有する小さなイメージフィールドに使用されるレチクルは、より大きなイメージフィールドに使用されるレチクルの31%のコストで済む。
【0075】
小フィールドサイズに通用することのさらなる利点は、レチクルとワークピースとの間の縮小倍率を大きくすることができることである。例えば、レチクルに使用される基板のサイズは、通常は6インチ×6インチで標準化されている。このため、33mm×26mmのフィールドサイズのステップ・アンド・スキャンシステムの最大縮小倍率は4に設定され、22mm×22mmのステップ・アンド・リピートシステムでは縮小倍率は5に設定される。しかし、11mm×11mmのフィールドサイズの縮小倍率は6あるいは11でさえあり得る。高い縮小倍率によってレチクルの書込みが容易になり、レチクルのコストをさらに低下させることができる。縮小倍率がレチクルの情報量に影響を与えることはない。
【0076】
図3に示すように、照明系24は、放射線源14から軸A1に沿って、放射線源から放出されたパルス放射線を減衰させるための可変減衰器120をさらに含む。可変減衰器120は、パルス放射線の減衰量を制御する減衰器制御部124によって操作されるように接続されている。減衰器制御部124は、電子信号によって減衰器制御部を制御するコントローラー90に電気的に接続されている。紫外線放射線源14を使用する場合には、可変減衰器120は入射角によって変化する透過率を有する誘電体で被覆されたミラーであってもよく、望ましい角度と減衰を達成するために誘電体ミラーを回転させることができるモーターコントローラー(図示せず)によって駆動されてもよい。
【0077】
照明系24は、第1のビーム伝送光学系130と、拡散器134と、出力端142を有する光積分器140とをさらに含む。拡散器134は、すりガラスあるいは入射した放射線を分散させるその他の要素であってもよい。光積分器140は、拡散器から出射する分散された放射線が入力されるように配置され、複数の小レンズ(これに入射したレーザー放射線は複数の部分に分解され、分解された複数の部分は、均一性が改善されるように再結合される。)を含むフライアイレンズであってもよい。光積分器140は、放射線トンネル、すなわち、断面が多角形であって全内面反射によって内部を通過する放射線を反射する壁を有する固体ガラスロッド、あるいは断面が多角形であって内部を通過する放射線を反射する反射壁を有する中空ロッドであってもよい。放射線トンネル内での放射線の反射数によって、均一化の度合が決まる。
【0078】
図3に示すように、照明器24は、光積分器140の隣に配置された第2のビーム伝送光学系150をさらに含む。ビーム伝送光学系150は、投影レンズの開口絞りASと対をなす瞳絞りPSを有し、その開口数は、光積分器140から放出される均一化された放射線を取り込むように設計されている。ビーム伝送光学系150は、光積分器140の端部142をマスク面MPに映し出して均一に光を照射し、投影系の入射瞳に瞳絞りPSを映し出す。
【0079】
上述したように、所定の放射線パルスにとっての露光フィールド上の照度均一性(すなわち、「パルス当たりの空間均一性」)は、多くの用途では1%(3σ)以内でなければならない。しかし、パルス当たりの空間均一性の正確な値は、様々な要因によって定義される特定用途のプロセスウインドウに依存する。半導体の製造では、これらの要因は、投影レンズの収差、マスク線幅のばらつき、フォトレジストの感度、コーティングの均一性、ウエハの平坦度などを含み、これらはすべてが線幅のばらつきを引き起こす。上述したように、ある種の用途では、パルス当たりの照度のばらつきは1%(3σ)でなければならず、他の用途では、ばらつきは5%(3σ)であってもよく、さらに他の用途(例えば、バンプリソグラフィー)では、ばらつきは10%(3σ)であってもよい。
【0080】
図3に示すように、一実施の形態では、部分反射性フォールドミラー160が、第2のビーム伝送光学系150の下流に配置されている。検出器166が、マスクに入射した放射線を検出するようにフォールドミラー160の隣に配置されている。また、第2のフォールドミラー170と検出器172が、放射線源14のすぐ隣に設けられている。検出器166と172は、システムコントローラー90に電気的に接続されており、システムコントローラー90は検出器から電気信号を受け取り、照度均一性、照明器の多くの光路の透過率の変化、放射線源14からの出力のパルス間ばらつきの分析を含むビーム診断を行う。
【0081】
小フィールド投影レンズ
図4は、投影レンズ40を詳細に示す。投影レンズ40は、物体フィールドOFを含む物体平面OPと、マスクイメージMIが形成されるイメージフィールドIFを含む像平面IPとを含む。投影レンズ40は、開口絞りASも含む。物体フィールドOF及びイメージフィールドIFは、実際には、円形の物体フィールドOFc及びイメージフィールドIFcから形成されている。例えば、11mm×11mmの正方形のイメージフィールドIFは、直径16.0mmの円形のイメージフィールドIFcから具合良く形成することができる。マスクMのイメージ(「マスクイメージ」)は、イメージフィールド内に形成される。
【0082】
図5は、本発明のリソグラフィーシステム10での使用に適したリソグラフィー用投影レンズ40の光学図を示す。図5に示す投影レンズ40は、縮小倍率が6X、イメージ側NAが0.75、イメージフィールドIFが11mm×11mmのオン・アクシス・カタディオプトリック式レンズである。このような投影レンズの使用は現在のリソグラフィーでは一般的ではないが、本発明の教示によって、最先端のリソグラフィーで使用されている波長において、フィールドが大きくて縮小倍率が小さいレンズに実用的に取って代わるものである。適切なリソグラフィー投影レンズ40の別の例としては、単一の縮小倍率を有するウィン−ダイソン式レンズがある。
【0083】
図5のレンズ40のような小フィールドの投影レンズは、所有コスト計算によって大フィールドサイズのリソグラフィーシステムよりも好ましいことが証明された特殊な場合(例えば、「マスク当たりのウエハ枚数」が限定された特定の特注用途)でも、フラッシュ・オン・ザ・フライ動作モードを使用せずに、費用効果的に使用することができる。ここで、「小レンズフィールド」とは、通常は2cm2以下の面積を有するレンズフィールドをいう。本発明の「フラッシュ・オン・ザ・フライ」技術は、あらゆる状況で魅力的な小フィールドのリソグラフィーシステムについて好ましい所有コスト計算をすることができる点で利点があり、小フィールドのリソグラフィーシステムの使用を普遍的にすることができる。
【0084】
したがって、本発明の好ましい実施の形態では、従来のリソグラフィーシステムのレンズよりも非常に小さなレンズフィールドサイズを有する投影レンズを、従来のステップ・アンド・リピートモードあるいはフラッシュ・オン・ザ・フライモードで使用する。小フィールドの投影レンズを使用することによって、従来の大レンズフィールドのシステムに使用されるよりも非常に少ない情報を有するマスク(レチクル)を使用することができるようになる。より小さなリソグラフィー用レンズを使用することによって、リソグラフィーシステムの初期の価格をかなり低下させることができる。小レチクルフィールドによるコストの節減は、レチクルを使用して露光する基板の数に依存するが、レチクル1セット当たりの基板の枚数が3000枚未満の場合に節減効果が顕著となる。レンズのフィールドサイズが小さいとスループットは低下するが、レンズとレチクルのコスト節減はこの不利益を補って余りあるものである。
【0085】
「フラッシュ・オン・ザ・フライ」露光モードを使用することによって、単一パルスの放射線を使用して露光を行うことができ、小レンズフィールドに関連するスループットの低下という不利益を解消することができる。パルス当たりに必要な総エネルギー量は露光面積に比例するため、従来よりも小さなレンズフィールドサイズを使用することによって、単一パルス露光が容易になる。したがって、レンズのフィールドサイズが小さくなると、小さく、より安価なレーザーを使用することができる。
【0086】
また、レンズの耐用寿命は、各放射線パルスに含まれる高いエネルギーによって限られてしまうことがある。遠紫外線の高エネルギーのパルスは、長期間にわたる使用とともにガラスを圧縮させる傾向があり、レンズの波面誤差につながる。レンズのフィールドサイズを小さくすることによって、屈折レンズ部品を少なくし、反射性レンズ要素を多くすることができるなど、設計の可能性を拡げることができる。限られた寿命を有するのは屈折レンズ要素であるため、屈折要素を減らすことによって通常よりも長い耐用寿命が得られることが予想される。これによって、通常よりも小さなレンズ(イメージ)フィールドを費用効果的に使用でき、より安価な投影レンズからなり、もっと一般的には、半導体集積回路などのデバイスのより安価な製造を行うことができる費用効果が高いリソグラフィーシステムの実現に寄与することができる。
【0087】
図5の投影レンズ40は、光路に沿ってマスク面MPから順に光軸A2に沿って、第1及び第2のレンズ部L1及びL2と、発散鏡M1と、第1の凹面鏡M2と、開口絞りAS近傍に配置された第3のレンズ部L3と、凸面マンジャン鏡M3と、第2の凹面鏡M4と、第4のレンズL4とを含む。レンズL4は、イメージが現れる中央領域に反射性コーティングを有していないマンジャン鏡M3の屈折部分を構成する。また、像平面IPとイメージフィールドIFも示されている。
【0088】
190nm未満で動作する系の場合には、レンズ部L1〜L4はフッ化カルシウムからなり、より長い波長の系の場合には、レンズ部L1〜L4は石英ガラスあるいはフッ化カルシウムからなる。鏡M1〜M4は非球面であり、反射率を高めるためのコーティングを含む。投影レンズ40の光出力のほとんどすべてが4つの鏡M1〜M4に含まれ、微小レンズ部は主に収差校正器として作用するため、屈折部品によって伝達されるあらゆる波長において系を容易に動作させることができる。さらに、設計上の波長における分光帯域幅は、非狭窄エキシマレーザーあるいは周波数逓倍マルチモード固体レーザーによって生成されるスペクトル範囲を伝達するために要求されるよりも何倍も広い。図5に示す投影レンズ40の実施の形態では、分光帯域幅は1オングストローム以上である。別の実施の形態では、NAは0.7以上である。
【0089】
最新の投影系と競合するためには、投影レンズ40は、ArFとF2のエキシマ波長にそれぞれ対応する193nmあるいは157nmで動作することが好ましい。開口数が0.75の場合、193nmにおける解像度は154nm〜77nmの範囲であり、157nmにおける解像度は126nm〜63nmの範囲である。所有コストの観点からは、投影レンズの解像度が高いほど、マスクはより複雑で高価になる。
ワークピース及びワークピースステージ
図1に示すように、システム10は、加工されるワークピースWを支持することができる上面52を有するワークピースステージ50をさらに含む。本発明の好ましい実施の形態では、ワークピースWは半導体ウエハであり、イメージ形成面WSはフォトレジスト層である。
【0090】
ワークピースWは、投影レンズ40に対して、イメージ(すなわち、マスクイメージMI;図4)が、ワークピース上に、イメージ形成面WS内に形成された露光フィールドEF(図6を参照)にわたって形成されるように配置される。本発明では、露光フィールドEFはレンズイメージフィールドIF内に含まれる。これは、イメージフィールドIFが円形であり(図4)、露光フィールドは矩形であるためである。イメージ形成面WSは、ワークピースに対する前回の露光から形成された基板のパターンを、他のマスクMを使用して覆ってもよい。通常は、高い精度、すなわち、最小画像サイズの数分の一の精度で連続したパターンを重ねることが必要である。露光フィールドEFがワークピースW上に存在しない場合、露光フィールドは、各露光フィールドの位置をマッピングすることなく、その後の露光を正確に位置合わせできるように、正確に予測可能な方法で配置しなくてはならない。
【0091】
図1に示すように、ワークピースステージ50は、投影レンズ40あるいはイメージフィールドIFなどの基準に対して高い精度でワークピースWを位置合わせすることができるステージ位置制御系60に電気的に接続されている。ウエハステージ50は、概略的に表され、リソグラフィー技術で現在適用されている6つの方向に自由に移動できることが好ましい。X平面及びY平面上を移動し、Z軸の周りを回転することができることは、ワークピースWのイメージ形成面WS上にマスクイメージMIを適切に配置するために必要である。X軸及びY軸周りの角度調整(ピッチ及びロール)とともに、Z軸を移動できることは、ワークピースの表面を投影レンズ40の浅い焦点深度内に維持するために必要である。ワークピースが完全に平坦ではない場合には、ワークピースWのイメージ形成面WS(焦点面でもある)のZ位置は、露光フィールドEF間で異なる。同様に、X軸及びY軸周りの小さな回転も起こり得る。したがって、一実施の形態では干渉計である計測装置62は、投影レンズ40に対して正確にワークピースステージ50の座標を計測し、この位置情報を上述したように放射線源コントローラー16に供給するために、ステージ位置制御系60の一部として含まれることが好ましい。
【0092】
図7は、ワークピースWとしての半導体ウエハ上で、ワークピースの表面WS上に複数の露光フィールドEFを形成するために、フラッシュ・オン・ザ・フライ動作モードで利用される走査経路200を示す。走査経路200は、露光フィールドEFの行r1、r2、...rn上の複数の直線部分202と、各行の端部にある折り返し点204とを含む。本発明を実施するために必要なワークピースステージ50の動きは、走査(すなわち、ステップ・アンド・スキャン)リソグラフィーシステムでこれまで行われてきたものとは非常に異なる。ワークピースWは、好ましくは、露光フィールドEFの行又は列全体を横切ってかなりの速度で走査され、特定の列又は行の各露光フィールドEFが単一の短い放射線パルスによって露光される。多くの用途では、走査速度は好ましくは50〜500mm/秒であり、他の用途ではより高いステージ速度(例えば、2000mm/秒)を使用することができる。上限は、ステージの最高走査速度(例えば、現在のステージでは2000mm/秒)と放射線パルスの短さによって定まる。従来の空気軸受け及び磁気浮上ワークピースステージとステージ位置制御系はこのような走査速度を達成することができ、本発明での使用に適している。典型的なワークピースステージ50は、米国特許第5,699,621号及びM.E,Williams,P.Faill,S.P.Tracy,P.Bischoff、J.Wronoskyによる論文「超紫外線リソグラフィーの磁気浮上走査ステージ」、ASPE第14回年次会合、カリフォルニア州モンテレー、1999年11月に記載されており、これらの特許及び論文はこの参照によって開示に含まれる。
【0093】
実際の最大走査速度は、多くの要因によって決定される。過度の振動が発生することなく、走査経路200の直線部分202上で均一速度に移行するために、ワークピースステージは、ゼロから最高速度に加速してゼロに戻るという、傾斜した加速/減速軌道をたどらざるを得ない。これは、ワークピースステージがほんの短い時間のみ最大加速度に達し、最大加速度は通常は約1G〜2Gに限定されることを意味する。最大加速度が制限されているため、走査速度が速いほど、ワークピースステージを加速及び減速するために長い時間がかかることになる。走査速度が速いほど走査時間を節約することができるが、均一な速度が必要とされる経路の長さは、ワークピースの大きさによって制限され、例えば、利用可能な最大のワークピースが300mmのウエハである場合には、300mmに制限される。したがって、最適なスループットのための走査速度は、最大加速度と走査長に依存することになる。典型的な例で最大加速度が2Gである場合には、最適な走査速度は約l250mm/秒である。
【0094】
最高走査速度は経済性によっても制限される。走査速度が速いほど、高いパルス周波数と放射線源の高い出力レベルが必要となり、放射線源のコストが増加することになる。いくつかの点において、露光ツールのスループットを増加させるよりも、放射線源のコストを制限するほうが費用効果が高くなる。このことはワークピースステージにも当てはまるが、それは、経済性の観点から、低速(例えば、500mm/秒)で走査するが、より入手しやすいワークピースステージを使用することが有益である点からである。言い換えると、ワークピースステージの速度と放射線源の出力の関数であるスループットは、ワークピースステージあるいは放射線源技術よりも、所有コストの経済性によって制限することが好ましい。
【0095】
本発明の好ましい実施の形態では、ワークピースステージ50は、フラッシュ・オン・ザ・フライ動作モードにおけるワークピースWの露光の間に走査される。走査は、ステージの加速及び減速時の速度変化はあるが、走査経路200(図7)の直線部分202上で一定の速度で行われることが好ましい。走査中、直角(すなわち、Y)方向の動きは非常に小さく、アライメント系70によって決定された露光フィールドEFの直線性における残留誤差を収容するために使用される。これらの直角方向の動きは小さいが、露光パルス間で完了しなくてはならない。通常は、これらの小さな補正はワークピースステージの軌道に小さな摂動を導入することによって処理することができるが、X、Yワークピース走査ステージ50上を移動する圧電駆動ステージによって対処することもできる。これらの動きの小さな補正は、圧電駆動レチクルステージで達成することもできる。図7に示すように、走査経路200で次の走査部分に移動する前に、直角方向のより大きな動きが各走査部分202の端部で必要となる。露光は、パルス持続時間でのワークピースWの動きが無視できるような短い単一放射線パルスによって行われる。例えば、レーザー放射線源が10ナノ秒のパルス持続時間で放射線パルスを放出し、ワークピースステージがワークピースを500mm/秒で移動させる場合、イメージスメアーは5nmに過ぎず、100nmの最小線幅イメージの5%である。このイメージスメアー量がマスクの描画に及ぼす影響は取るに足りないものであり、最小画像サイズに対応する最大変調周波数の振幅はごくわずかに減少するのみである。
【0096】
繰り返すが、本発明では、マスクイメージにおける許容できるスメアーは驚くほど大きい。イメージスメアーによる変調振幅のばらつきは次のように与えられる。
変調振幅の減少=1−(1/x)sin(x) (7a)
式中、
x=π(スメアーの距離)/2(最小画像サイズ) (7b)
最小画像サイズの10%の動きによって変調振幅は0.4%減少するが、これはリソグラフィーでは無視できるものである。最小画像サイズの40%に対応する動きでも、6.45%の変調振幅の低下をもたらすに過ぎず、イメージの変調振幅をゼロにするには、最小画像サイズの2倍のイメージスメアーが必要となる。したがって、本発明によれば、「オン・ザ・フライ」、すなわち、単一パルスの露光中にワークピースステージ50の動きを止めることなく露光を行うことができる。
【0097】
アライメント系
図1に示すように、システム10は、ワークピースWと光学的に接続され、ステージ位置制御系60と電気的に接続されるようにワークピースステージ50の隣に配置されたアライメント系70を含む。例えば、アライメント系70は、投影レンズ40を介して投影されたマスクイメージMIをワークピースW上のパターンに位置合わせするために使用される。図6に示すように、例えば、アライメント系70は、露光フィールドEF間の溝領域210にアライメントマーク206を光を照射して映し出すことによって動作する。本発明での使用に適した典型的なアライメント系70は、米国特許第5,621,813号に開示されており、この参照によって開示に含まれる。
【0098】
簡単に言うと、好ましい実施の形態において、アライメント系70は、ワークピースW上の2〜10箇所の露光フィールドEFを見つけ出し、x方向の大きさ、y方向の大きさ、スキュー、xキーストーン、yキーストーンなどのばらつきを考慮に入れて、歪みグリッドをこれらの位置に合わせ、合わせられた歪みグリッドをすべての露光フィールドの位置を予測するために使用する。
【0099】
ワークピース処理系
図1に示すように、システム10は、コントローラー90に電気的に接続され、ワークピースステージ50に操作できるように接続された、ワークピース処理系80をさらに含む。ワークピース処理系80は、1つ以上のワークピースWをワークピース保管部84からワークピースステージ50まで搬送し、ワークピースWをワークピースステージからワークピース保管部へ保管のために戻すことができる。
【0100】
自動化されたワークピース処理系80の利点は、後に示す表2で計算されるように、ワークピースを本発明のシステム10を使用して高速に露光できることである。表2に示すように、ワークピースを挿入し、位置合わせし、除去するために必要な時間は、スループットの計算で重要である。したがって、自動化されたワークピース処理系は、高いスループットを維持するために、ワークピースの処理時間を最小にする点で好ましいものである。
【0101】
システムコントローラー
システム10は、放射線源コントローラー16、任意に設けられるパルス安定化系18、ワークピースステージ位置制御系60、焦点系72、アライメント系70、ワークピース処理系80の動作を電気信号を介して制御・調節するシステムコントローラー90を含む。システムコントローラー90は、デル・コンピュータ(Dell Computer、テキサス州オースティン)などのコンピュータ会社から入手できるパーソナル・コンピュータあるいはワークステーションである。好ましくは、コントローラー90は、インテル社製ペンティアム(登録商標)やAMD K6又はK7などの市販のマイクロプロセッサと、プロセッサをハードディスク装置などの記憶装置と接続するバスアーキテクチャと、キーボードや表示画面などの入出力装置とを含む。コンピュータシステム90は、以下に述べる手順に従ってシステム10を動作させるために必要な制御ステップを実行するようにプログラムすることができる。
【0102】
スループット
【0103】
【表1】
【0104】
3つの異なるリソグラフィー技術について、直径300mmのワークピース(W)でのスループットの比較を表1に示す。これらのリソグラフィー技術は、従来のステップ・アンド・リピート技術及びステップ・アンド・スキャン技術と、本発明の新技術であるフラッシュ・オン・ザ・フライ・リソグラフィー技術である。ステップ・アンド・リピートシステムのスループットは、ワークピースをある位置から別の位置まで移動させ、最小の幾何学的サイズを露光できるようにワークピースステージを位置決めする時間によって決定される。
【0105】
表1に記載した本発明のフラッシュ・オン・ザ・フライシステム(すなわち、システム10)のパラメータによれば、20Hzの周波数の放射線源と、毎秒20箇所の露光フィールドに転写することができる220mm/秒のワークピースステージ走査速度を想定できる。走査速度はステップ・アンド・スキャンシステム(250mm/秒)よりもわずかに遅いが、フラッシュ・オン・ザ・フライシステムの有効なフィールドサイズは露光フィールドの行全体rnと考えられる。本発明のフラッシュ・オン・ザ・フライシステムは、各行の端部で加速あるいは減速する。表1のフラッシュ・オン・ザ・フライシステムでは、加速及び減速数は27であり、ステップ・アンド・スキャンシステムでは82である。いずれの場合においても、レーザー放射線源の使用が想定でき、露光時間はワークピースの全サイクル時間にとって無視できる部分である。
【0106】
通常は、ステップ・アンド・スキャンシステムは、大きなフィールドサイズと少ない露光の点で有益である。しかし、このようなステムの走査時間は、約1m/秒という最大マスク走査速度と、それぞれの及び全てのフィールドについてマスクを加速・減速するために必要な時間によって制限される。表1から明らかなように、本発明のフラッシュ・オン・ザ・フライ技術は、全体的なスループットの優位性を維持しながらも、他の技術よりも非常に多くの露光フィールドにパターンを転写することができる。
【0107】
以下の表2及び表3に、高速リソグラフィーシステム10のスループットを示すための重要なパラメータを列挙する。表2は、小さなレンズフィールド(すなわち、ワークピース上における11mm×11mmのフィールド)を有するリソグラフィーシステム10に対応するパラメータを示し、表3は、大レンズフィールド(ワークピース上において22mm×22mm)を有するリソグラフィーシステム10のパラメータを示す。
【0108】
【表2】
【0109】
表2から明らかなように、220mm/秒の適度な走査速度、20Hzの適度な放射線源周波数、11mm×11mmの小さなイメージフィールドサイズであっても、1時間当たり79.5枚のワークピースを処理できるという高いスループットが得られた。より速いステージ走査速度、より速い放射線パルス周波数、及び/又はより大きなレンズフィールドサイズによって、より高いスループットが得られることは容易に理解できる。
【0110】
本発明のフラッシュ・オン・ザ・フライモードは、比較的小さなレンズフィールドであっても高いスループットを達成することができるため、大フィールドのシステムの代わりとなり得る。
【0111】
表3に示すように、表2の投影レンズの面積の4倍である22mm×22mm(2.2cm×2.2cm)のイメージフィールド、32Hzの周波数、70.0cm/秒の走査速度では、1時間当たり166枚のワークピースというスループットが達成できる。周波数と走査速度を増加させることによって、スループットは1時間当たり200枚を容易に超えることができる。
【0112】
【表3】
【0113】
動作方法:フラッシュ・オン・ザ・フライモード
図1及び図8のフローチャート300を参照して、システム10の動作とワークピースを高速に露光する方法について説明する。
【0114】
最初に、ステップ301では、ワークピースステージ50上にワークピースWがない場合には、コントローラー90は電子信号をワークピース処理系80に送り、ワークピース保管部84からワークピースをワークピースステージ50及び上面52に搬送させる。
【0115】
ワークピースWがワークピースステージ50に配置されると、ステップ302では、コントローラー90は焦点系72及びアライメント系70に電子信号を送り、ワークピースWとレンズイメージフィールドIFとの焦点合わせと位置合せを行う。焦点系72は、ステージ位置制御系290に電気信号を送るコントローラー90を介してワークピースWを投影レンズ40の最良の焦点位置に配置する。アライメント系70は、例えば、アライメントマーク206(図6)の位置を画像化して分析し、アライメント系の軸とワークピース上のアライメントマーク206の投影イメージの位置とのずれを判断する補正を行うことによって、ワークピースWのアライメント状態を測定する。このアライメント情報は、電子信号によってコントローラー90に送られる。コントローラー90が、今度は、電子信号をステージ位置制御系60に送り、ステージ位置制御系60は、ワークピースを、マスクイメージMI(又はイメージフィールドIF)に対して正しく位置合わせされ、投影レンズ40の最良の焦点位置(又は少なくとも焦点深度内)に配置されるように配置する。この焦点合わせと位置合わせのプロセスでは、ワークピースWを繰り返し移動させ、ワークピースWの異なるポイントでのアライメント誤差を測定するとともに、投影レンズの焦点面に対してワークピースを水平にし、それによって最適なワークピースの位置を達成する。アライメント工程は、通常は、イメージフィールドIFに含まれるマスクイメージM1が、ワークピースWのすでに露光された露光フィールドEFに位置合わせされるように行われる。
【0116】
好ましい実施の形態では、アライメント系70は、ワークピースWのイメージ形成面WSの一部に点在する複数(例えば、5〜10箇所)の露光フィールドEFの位置を定める。次に、アライメント系70(又はコントローラー90)のアルゴリズムを、ワークピース表面WSに配置されたイメージの位置、すなわち、x方向の大きさ、y方向の大きさ、スキュー、キーストーンなどに関連した歪みをモデル化するために使用する。次に、すべての露光フィールドEFの正確な位置を計算する。計算された露光フィールドの位置に基づき、各露光フィールドの予測位置上を走査し、各露光フィールドの位置で放射線源からパルスを一回発生させることによってワークピースWに露光する。
【0117】
ワークピースWが適切に位置合わせされ、焦点合わせされると、ステップ303では、コントローラー90はステージ位置制御系60に電気信号を送り、投影レンズ40の下でワークピースステージ50を走査する。ワークピースステージ50は、複数の露光フィールドEFがワークピース上で露光されるように、例えば図7に示すように走査経路200を使用することによって、連続的に移動させることが好ましい。ワークピースステージ50の速度はパルス持続時間によって制限されるが、より典型的には、上述したように、露光放射線源14の周波数及び露光フィールド間の距離によって決定される。上記表2及び3に典型的な値を示す。上述したように、ステージは好ましくは一定の速度で移動するが、ステージの加速と減速による速度変化は許容することができる。
【0118】
ステップ303に続いて、ステップ304では、コントローラー90は、電子信号を介して放射線源14を動作させる放射線源コントローラー16に電子信号を送り、放射線源14は軸A1に沿って所定のエネルギー量を有する放射線パルスを供給する。遠紫外線フォトレジストへの露光を含む用途では、各パルスのエネルギーは、好ましくは5〜50mJ/cm2の範囲である。放射線源14からの放射線は照明器24を通過し、照明器24はマスクMに均一に光を照射する。マスクMを通過して回折された放射線は、投影レンズ40によって集光され、ワークピースW上に映し出され、アライメント系70によって決められた所定の位置にマスクイメージM1(図4)を形成する。マスクイメージは、すでに露光された露光フィールドEFとずれないで並列するように形成されてもよい。
【0119】
上述したように、放射線源コントローラー16は、計測装置62からの情報に基づいて、放射線源14からの放射線パルスの放出を制御する。ワークピースステージ位置制御系60は、ワークピースステージ50の位置、すなわち、走査軌道を制御する。このように、ワークピースの軌道が、すでに露光されたフィールドEFの1つ又はその他の基準(例えば、ワークピースのエッジ)とマスクイメージとが一列になるポイントと交差する度に、ワークピースWは放射線パルスによって露光される。
【0120】
このように、各放射線パルスによって単一のマスクイメージMIが転写される。放射線パルスの照射と照射の間のみならず各放射線パルスの照射期間における投影レンズ40の下でのワークピースの連続的な動きによって、分離された(重なり合わない)露光フィールド(それぞれが単一の放射線パルスによって形成され、本質的に投影レンズ40の縮小倍率の34倍のマスクパターンのサイズを有する)が形成される。したがって、連続する(すなわち、時間的に隣接する)放射線パルスは、ワークピース上に形成された連続する(すなわち、空間的に隣接する)露光フィールドに対応する。
【0121】
一実施の形態では、ステップ304は、パルス安定化系18によって放射線源14のパルス間の均一性を安定させる任意のステップを含む。
【0122】
図8及びフローチャート300に示すように、ワークピースが露光フィールドEFの所望の数で完全に露光されると、ステップ305では、コントローラー90はワークピース処理系80に電子信号を送り、ワークピースWをワークピースステージ50から取り除き、ワークピース保管部84からの別のワークピースによって置き換える。質問ステップ306では、別のワークピースを露光するかどうかを判定する。「yes」の場合には、ステップ301〜305を、望ましい数のワークピースが処理されるまで、新しいワークピース及びその次のワークピースのために繰り返す。
【0123】
動作方法:ステップ・アンド・リピートモード
上述したように、フラッシュ・オン・ザ・フライ動作モードに加えて、従来のステップ・アンド・リピート動作モードを使用することもできる。ステップ・アンド・リピート動作モードは、以下の点を除いてはフラッシュ・オン・ザ・フライ動作モードと同様である。ステップ303では、コントローラー90はステージ位置制御系60に電気信号を送り、ワークピースステージ50を投影レンズ40の下でステップ移動させる。これに伴って、ステップ304では、コントローラー90は、電子信号を介して放射線源14を動作させる放射線源コントローラー16に電子信号を送る。放射線源14は、軸A1に沿って、放射線パルスバースト(それぞれのパルスは所定量のエネルギーを有し、放射線バーストの全体として基板のイメージ形成面を適切に露光するために十分なエネルギーを有する)に供給する。ここで、放射線パルスバーストとは、2以上のパルスであって、通常は100以上のパルスを含む。
【0124】
本発明のシステム10の動作可能なモードは、人(すなわち、オペレーター)による操作を介してコントローラー90によって、あるいはコントローラーをプログラムすることによって設定される。したがって、システムの所有者は、用途に応じて、フラッシュ・オン・ザ・フライ動作モード又はステップ・アンド・リピート動作モードのいずれかでシステムを動作させることができる。
【0125】
結論
本発明は、費用効果が高いリソグラフィーシステムであり、好ましい実施の形態では、従来のリソグラフィー用投影レンズよりも非常に小さなフィールドサイズを使用して、リソグラフィーシステムの初期コストとマスクのランニングコストを低下させる。これらのコスト節減によって、従来のステップ・アンド・リピート動作モードで使用し、マスク当たり3000枚未満の基板を必要とする場合に使用されるようなシステムでも、その低いスループットを埋め合わせることができる。このシステムは、単一の放射線パルスを走査経路の軌道上に位置するフィールドに露光しながら、連続的にワークピースステージを移動させる新しいリソグラフィー技術である「フラッシュ・オン・ザ・フライ」動作モードにも適している。この動作モードは、小さなイメージフィールド(例えば、11mm×11mm)の投影レンズを有するリソグラフィーシステムであっても高いスループットが維持されるように、ワークピース全体のすべてのフィールドを高速に露光することができるという利点を有する。フィールドが大きな投影レンズの場合では、本発明は1時間当たり200枚以上のワークピースを処理できるスループットを達成することができ、これは従来のリソグラフィー技術で得られるスループットの約2倍である。さらに、本発明は、小さなレンズと静置された小さなマスクを有するフラッシュ・オン・ザ・フライシステムを使用して、ステップ・アンド・スキャンシステムに匹敵するスループットを可能とし、それによって費用効果が高い製造が可能となる。
【0126】
本発明の主な利点は、フラッシュ・オン・ザ・フライ動作モードと従来のステップ・アンド・リピート動作モードの両方を使用することができることであって、リソグラフィーシステムの所有者は、製造用途に応じて動作モードを選択することができる。これにより、用途が限られていたためにこれまで通常は利用されなかった小フィールドのリソグラフィーシステムを購入することが選択肢として与えられることになる。
【0127】
本発明の特徴と利点は詳細な説明から明らかであり、特許請求の範囲によって、本発明の範囲にあるシステムのすべての特徴と利点を網羅するものである。また、当業者にとっては様々な修正や変更に想到することは容易であるため、本発明は、ここで説明した構成と動作に限定されるものではない。したがって、他の実施の形態も特許請求項の範囲に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明の費用効果が高いリソグラフィーシステムの概略断面図である。
【図2A】図1に示す費用効果が高いリソグラフィーシステムでの使用に適した、本発明のパルス安定化系の実施の形態の概略図である。
【図2B】本発明の放射線源からの放射線パルスの強度(I)特性と時間の関係を示す図であり、図2Aに示すパルス安定化系の検出器からの検出信号の振幅(A)特性と時間の関係に相当する。
【図2C】図2Bの閾値エネルギー値Tを示す、統合化された信号を示す図である。
【図2D】ポッケルスセルを作動させてその内部を通過する放射線パルスを断ち切るための、ポッケルスセルに供給される閾値遮断信号を示す図である。
【図2E】ポッケルスセルを通過してポッケルスセルによって断ち切られた放射線パルスを示す図である。
【図2F】図1に示す高速リソグラフィーシステムでの使用に適し、同一偏光のビームを結合する、本発明のパルス安定化系の他の実施の形態の概略図である。
【図2G】図1に示す高速リソグラフィーシステムでの使用に適し、放射線パルスの一部のみをポッケルスセルを通過させる、本発明のパルス安定化系の他の実施の形態の概略図である。
【図2H】図1に示す高速リソグラフィーシステムでの使用に適し、2つの放射線源を組み込んだ、本発明のパルス安定化系の他の実施の形態の概略図である。
【図3】本発明の費用効果が高いリソグラフィーシステムに好適に使用される典型的な照明系の概略断面図である。
【図4】像平面とそれに関連するレンズフィールド、物体平面とそれに関連する物体フィールド、物体側及びイメージ側の開口数に関連する角度を示す投影レンズの概略斜視図である。
【図5】縮小倍率が6X、イメージ側NAが0.75、動作波長が248nm、193nm、157nmのいずれか、イメージフィールドサイズが11mm×11mmのカタディオプトリック式の投影レンズの断面レンズ図(実際の大きさの0.227倍)である。
【図6】図1のシステムの投影レンズとワークピースステージの拡大斜視図であって、ワークピースステージ上のワークピースと、投影レンズのレンズフィールドに沿った既存及びこれから形成される露光フィールドが示され、ステージの動きは矢印によって示されている。
【図7】露光フィールドと、露光フィールドを形成するためのワークピースステージの移動を表す走査経路を示すワークピースの平面図である。
【図8】図1の費用効果が高いリソグラフィーシステムを、各露光フィールドが単一の放射線パルスによって形成されるように操作するためのステップのフローチャート図である。
Claims (96)
- パターニングされたマスクを高速で露光してワークピース上に複数の露光フィールドを形成することができるリソグラフィーシステムであって、
a)1ミリ秒以下のパルス持続時間と10%(3σ)以下のパルス間のエネルギーばらつきを有する放射線パルスを放出することができる放射線源と、
b)前記放射線源に操作できるように接続され、前記放射線源からの放射線パルスの放出を制御するための放射線源コントローラーと、
c)前記放射線源からの放射線パルスを受けて、前記マスクに光を照射するように配置された照明系と、
d)前記マスクを通過した放射線パルスを受けるように配置され、前記ワークピース上にマスクイメージを形成する投影レンズと、
e)前記ワークピースを支持し、前記ワークピースを走査経路上で動かすことができるワークピースステージと、
f)前記ワークピースステージに操作できるように接続され、前記放射線源コントローラーと電気的に接続されたワークピースステージ位置制御系と、を含み、
前記ワークピースステージ位置制御系は、前記複数の露光フィールドを形成する際に、単一の放射線パルスが前記走査経路に沿った所望の位置で露光フィールド全体を露光するように、前記走査経路上での前記ワークピースステージの動きを制御し、前記放射線源コントローラーに情報を供給することを特徴とするリソグラフィーシステム。 - 前記ワークピースステージ位置制御系と電気的に接続されるとともに前記ワークピースに操作できるように接続された、前記ワークピースを前記マスクイメージと相対的に位置合わせするためのアライメント系をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
- 前記走査経路は、前記アライメント系によって各マスクイメージが位置合わせされる既存の露光フィールド上にある、請求項2に記載のシステム。
- 各ワークピースはイメージ形成面を含み、各放射線パルスは前記イメージ形成面を除去することはないが露光できるエネルギーを有する、請求項1に記載のシステム。
- 各放射線パルスは、前記ワークピースにおける測定で1〜500のmJ/cm2の範囲の露光量を有する、請求項4に記載のシステム。
- 前記放射線源は、1〜500Hzの周波数の放射線パルスを放出することができる、請求項1に記載のシステム。
- 前記投影レンズの縮小倍率が4X以上である、請求項1に記載のシステム。
- 前記投影レンズは、縮小倍率が4X〜8X、イメージフィールドが2cm2以下、イメージ側開口数が0.6以上のオン・アクシス・カタディオプトリック式レンズである、請求項1に記載のシステム。
- 前記投影レンズは、等倍の縮小倍率を有するウィン−ダイソン式レンズである、請求項1に記載のシステム。
- 前記投影レンズは、直径16mmの円形のイメージフィールドによって囲まれた矩形のイメージフィールドを有する、請求項1に記載のシステム。
- 前記ワークピースステージは、50〜5000mm/秒の速度移動することのできる、空気軸受けステージ又は磁気浮上ステージである、請求項1に記載のシステム。
- 前記ワークピースステージに前記ワークピースを配置し、前記ワークピースステージから前記ワークピースを除去するための、前記ワークピースステージに操作できるように接続されたワークピース処理系をさらに含む、請求項2に記載のシステム。
- 前記アライメント系、前記ワークピースステージ位置制御系、前記放射線源コントローラー、前記ワークピース処理系に電気的に接続されたシステムコントローラーをさらに含む、請求項2に記載のシステム。
- 前記放射線源は、m4の空間モードで動作する固体レーザーであり、m4の値は1000以上である、請求項1に記載のシステム。
- 前記放射線源はフラッシュランプを含む、請求項1に記載のシステム。
- 前記固体レーザーは、266nm、213nm、177nm、又は152nmの波長で動作するマルチモード周波数逓倍YAGレーザーである、請求項14に記載のシステム。
- 前記固体レーザーは、248nm、193nm、又は157nmの波長で動作するマルチモード周波数逓倍及び周波数混合YAGレーザーである、請求項14に記載のシステム。
- 前記固体レーザーは、248nm、193nm、又は157nmの波長で動作するマルチモード周波数逓倍アレキサンドライトレーザーである、請求項14に記載のシステム。
- 前記放射線源は、6nm〜l4nmの波長領域の波長で動作するキセノンプラズマ源である、請求項1に記載のシステム。
- 前記放射線源は、248nm、193nm、又は157nmの波長で動作するエキシマレーザーである、請求項1に記載のシステム。
- パルス安定化系をさらに含む、請求項1、14、15、19又は20に記載のシステム。
- 前記放射線源は、1ナノ秒〜1ミリ秒のパルス持続時間を有する放射線パルスを生成することができる、請求項1に記載のシステム。
- 各露光フィールドに単一の放射線パルスを使用してワークピースにマスクの連続するイメージを高速で露光することによって複数の露光フィールドを形成するためのシステムであって、光軸に沿った順に、
a)10%(3σ)以下のパルス間均一性を有する放射線パルスを供給するための放射線源と、
b)前記放射線源からの前記放射線パルスが入力されるように配置され、マスク面上で各放射線パルスを実質的に均一化する照明器と、
c)前記照明器から出射する各放射線パルスによって実質的に均一に照射されるように、前記マスクを支持することができるマスクホルダと、
d)前記マスク又はその近傍に配置された物体平面と、前記ワークピース又はその近傍に配置された像平面と、前記像平面内のイメージフィールドとを有し、前記マスクを通過した放射線が入力され、前記イメージフィールド内で前記ワークピース上にマスクイメージを形成するように配置された投影レンズと、
e)前記像平面又はその近傍で前記ワークピースを支持し、前記マスクイメージにスメアーを発生させることなく、単一の放射線パルスによって対応する隣同士の露光フィールドを、連続した前記マスクイメージで露光することができる速度で、前記ワークピースを走査経路上で移動させるワークピースステージと、
を含むことを特徴とするシステム。 - 前記ワークピースステージに操作できるように接続され、前記走査経路上の前記ワークピースステージの移動を制御するためのワークピースステージ位置制御系をさらに含む、請求項23に記載のシステム。
- 前記放射線源の放射線パルスのパルス間均一性を安定性を高めるためのパルス安定化系をさらに含む、請求項23に記載のシステム。
- 前記放射線源及び前記ワークピースステージ位置制御系に操作できるように接続され、前記走査経路に沿った前記ワークピースの位置に対する前記放射線源の動作を調整・制御するための放射線源コントローラーをさらに含む、請求項24に記載のシステム。
- 各ワークピースはイメージ形成面を含み、各放射線パルスは前記イメージ形成面を除去することはないが露光できるエネルギーを有する、請求項23に記載のシステム。
- 前記イメージ形成面はフォトレジストである、請求項27に記載のシステム。
- 各放射線パルスは、前記ワークピースにおける測定で1〜500のmJ/cm2の範囲の露光量を有する、請求項23に記載のシステム。
- 前記放射線源は、1〜500Hzの周波数の放射線パルスを放出することができる、請求項23に記載のシステム。
- 前記投影レンズの縮小倍率が4X以上である、請求項23に記載のシステム。
- 前記投影レンズの縮小倍率が1Xである、請求項23に記載のシステム。
- 前記投影レンズは、直径16mmの円形のイメージフィールドによって囲まれた矩形のイメージフィールドを有する、請求項23に記載のシステム。
- 前記ワークピースステージ位置制御系に操作できるように接続されるとともに前記ワークピースに光学的に接続された、前記ワークピースを前記マスクイメージと相対的に位置合わせするためのアライメント系をさらに含む、請求項27に記載のシステム。
- 前記ワークピースステージに前記ワークピースを配置し、前記ワークピースステージから前記ワークピースを除去するために、前記ワークピースステージに操作できるように接続されたワークピース処理系をさらに含む、請求項34に記載のシステム。
- 前記アライメント系、前記ワークピースステージ位置制御系、前記放射線源コントローラー、前記ワークピース処理系に電気的に接続され、これらを調整するためのシステムコントローラーをさらに含む、請求項35に記載のシステム。
- 前記ワークピースステージは、前記ワークピースを5000mm/秒以下の速度で移動することのできる、空気軸受けステージ又は磁気浮上ステージである、請求項23に記載のシステム。
- 前記放射線源は、m4のマルチ空間モードで動作し、m4の値として1000以上を有し、10%(3σ)以下のパルス間のエネルギーばらつきを有する固体レーザーである、請求項23に記載のシステム。
- 前記固体レーザーは、266nm、213nm、177nm又は152nmの波長で動作するマルチモード周波数逓倍YAGレーザーである、請求項38に記載のシステム。
- 前記固体レーザーは、248nm、193nm、又は157nmの波長で動作するマルチモード周波数逓倍周波数混合YAGレーザーである、請求項38に記載のシステム。
- 前記放射線源は、6〜20nmの波長領域の波長で動作するキセノンプラズマ源である、請求項23に記載のシステム。
- 前記放射線源は、248nm、193nm、又は157nmの波長で動作するエキシマレーザーである、請求項23に記載のシステム。
- 前記放射線源は、約350〜450nmの波長で動作するフラッシュランプである、請求項23に記載のシステム。
- 前記放射線源は、1ナノ秒〜1ミリ秒のパルス持続時間を有する放射線パルスを生成することができる、請求項23に記載のシステム。
- 前記照明器が、光軸に沿って前記放射線源から順に、
i)第1のビーム伝送光学系と、
ii)拡散器と、
iii)光積分器と、
iv)第2のビーム伝送光学系と、
を含む、請求項23に記載のシステム。 - 前記照明器は、
v)前記放射線パルスのパルス間のエネルギーのばらつきを測定するためのビーム診断手段をさらに含む、請求項45に記載のシステム。 - パターンを有するマスクが支持される物体平面と、マスクイメージが形成されるイメージフィールドを有する像平面とを含む投影レンズを使用して、ワークピース上に複数の露光フィールドを形成するための方法であって、
a)前記ワークピースを前記イメージフィールドと相対的に位置合わせする工程と、
b)10%(3σ)以下のパルス間の露光量のばらつきと、10%(3σ)以下の物体平面での均一性のばらつきを有する複数の放射線パルスを、前記マスクに照射する工程と、
c)各放射線パルスのマスクイメージを形成するように、前記投影レンズによって、前記マスクによって透過された前記放射線パルスの部分を集光する工程と、
d)前記工程c)と同時に、各マスクイメージが対応する個々の露光フィールドを形成するように、前記ワークピースを前記像平面において走査経路内を連続的に移動させる工程と、
を含むことを特徴とする方法。 - 前記工程a)は、前記マスクイメージをワークピース上の少なくとも1つの既存の露光フィールドと位置合わせする工程を含む、請求項47に記載の方法。
- 各ワークピースはイメージ形成面を含み、前記工程b)は、前記イメージ形成面を除去することはないが露光できるエネルギーを各放射線パルスを与える工程を含む、請求項47に記載の方法。
- 前記工程b)は、m4の空間モードを有し、m4の値が1000以上である固体レーザーを動作させる工程を含む、請求項47に記載の方法。
- 前記工程b)は、各放射線パルスを前記マスクと前記放射線源の間に位置する照明器を通過させることによって、各放射線パルスを前記マスク面上に均等に分配する工程を含む、請求項47に記載の方法。
- 前記工程b)は、1〜500Hzの周波数で前記放射線パルスを供給する工程を含む、請求項47に記載の方法。
- 前記工程b)は、前記ワークピースにおける単一パルスからの露光量が1〜500のmJ/cm2の値を有するように前記放射線パルスに十分なエネルギーを与える工程を含む、請求項47に記載の方法。
- 前記イメージフィールドを、直径16mmの円形のイメージフィールドの矩形の部分として定義する工程をさらに含む、請求項47に記載の方法。
- 前記工程d)は、前記ワークピースを一定の速度で移動させることを含む、請求項47に記載の方法。
- 前記放射線パルスのエネルギーを監視する工程をさらに含む、請求項47に記載の方法。
- 前記工程d)は、個々の露光フィールドを既存の露光フィールドとずれないように並列に形成することを含む、請求項47に記載の方法。
- 前記マスクパターンには最小画像サイズがあり、前記放射線パルスには周波数とパルス持続時間とがあり、前記ステージには走査速度があり、前記方法は、各露光フィールドを形成する各マスクイメージが前記最小画像サイズの20%だけの割合でしかぼやけないように、前記周波数、前記走査速度、前記パルス持続時間を選択することをさらに含む、請求項47に記載の方法。
- 前記マスクパターンにはマスクイメージ変調周波数を定義する最小画像サイズがあり、前記放射線パルスには周波数とパルス持続時間とがあり、前記ステージには走査速度があり、前記方法は、各露光フィールドを形成する各マスクイメージが、最大マスクイメージ変調周波数の振幅を34.6%以下低下させる量でぼやけるように、前記周波数、前記走査速度、前記パルス持続時間を選択することをさらに含む、請求項47に記載の方法。
- 前記マスクのコストは、3000枚以下のワークピースを露光することによって償却される、請求項47に記載の方法。
- 前記放射線パルスをパルス安定化系に送り、パルス間均一性を向上させる工程をさらに含む、請求項47に記載のシステム。
- 物体平面、像平面、イメージフィールドを有する投影レンズを使用して、ワークピース上に連続的に配置された複数の露光フィールドを高速に形成するための方法であって、
a)前記物体平面又はその近傍でパターンを有するマスクを支持する工程と、
b)連続的に配置された前記露光フィールドが形成される前記ワークピースのステージを、前記像平面内で走査経路上を前記イメージフィールドと相対的に移動できるように配置する工程と、
c)前記マスクに放射線パルスを照射し、前記投影レンズを透過した放射線を集光することによって、各放射線パルスのイメージフィールド内でマスクイメージを形成する工程と、
d)前後する放射線パルスが隣同士の露光フィールドを形成するように、前記工程c)で連続的に前記ワークピースステージを前記走査経路上を移動させる工程と、
を含むことを特徴とする方法。 - 前記隣同士の露光フィールドは、前記ワークピース上に形成された既存の露光フィールドとずれないように並列に形成される、請求項62に記載の方法。
- 前記マスクに光を照射する工程は、m4の空間モードを有し、m4の値が1000以上である固体レーザーから、前記放射線パルスを供給することを含む、請求項62に記載の方法。
- 前記マスクに光を照射する工程は、スペクトルの近紫外線部分で動作するフラッシュランプから、前記放射線パルスを供給することを含む、請求項62に記載の方法。
- 各ワークピースはイメージ形成面を含み、前記イメージ形成面を除去することはないが露光できるエネルギーを各放射線パルスに与える工程をさらに含む、請求項62に記載の方法。
- 前記マスクはマスク面を定義し、前記工程c)は、各放射線パルスを前記マスクの上流に配置された照明器を通過させることによって、各放射線パルスを前記マスク面上で均一に分散させる工程を含む、請求項62に記載の方法。
- 前記工程c)は、1〜500Hzの周波数で前記放射線パルスを供給する工程を含む、請求項62に記載の方法。
- 前記工程c)は、前記像平面での露光量が1〜500のmJ/cm2となるのに十分なエネルギーを前記放射線パルスに与える工程を含む、請求項62に記載の方法。
- 直径16mmの円形のイメージフィールド内に接する矩形のイメージフィールドを定義する工程をさらに含む、請求項62に記載の方法。
- 前記工程d)は、前記ワークピースを一定の速度で移動させることを含む、請求項62に記載の方法。
- 前記放射線パルスは、10%(3σ)未満のパルス間のエネルギーのばらつきを有する、請求項62に記載の方法。
- 前記放射線パルスは、1%(3σ)未満のパルス間のエネルギーのばらつきを有する、請求項62に記載の方法。
- 前記マスクパターンには最小画像サイズがあり、前記工程c)及びd)は、連続的に前記ワークピースステージを動かすことによって生じる各露光フィールドのマスクイメージのぼやけ量が前記最小画像サイズの20%未満であるように行われる、請求項62に記載の方法。
- 前記マスクパターンには最小画像サイズがあり、前記マスクイメージには前記最小画像サイズに基づく最大変調周波数があり、前記工程c)及びd)は、前記マスク照射工程中に連続的に前記ワークピースステージを動かすことによって生じる各露光フィールドのマスクイメージのぼやけ量が、前記最大変調周波数の振幅を36.4%未満の割合で低下させるように行われる、請求項62に記載の方法。
- 半導体製造環境での半導体装置の製造において費用効果的にワークピースをパターニングできるリソグラフィーシステムであって、
a)前記ワークピースに映し出されるパターニングされた部分を有し、3000枚以下のワークピースを処理することによってコストが償却されるマスクと、
b)空間的に均一化された放射線パルスを前記マスクに照射する操作ができるように配置された放射線源及び照明系と、
c)開口数NAの出力端と5X以上の縮小倍率を有し、前記マスクを介して放射線パルスが入力されるように前記マスクの隣に配置され、各放射線パルスに対して、2cm2以下の最大面積を有する露光フィールド上で前記ワークピースにマスクパターンのマスクイメージを形成する縮小投影レンズと、
d)前記ワークピースを前記投影レンズの下で移動させるためのワークピースステージ及びワークピースステージ位置制御系と、
を含むことを特徴とするリソグラフィーシステム。 - 前記ワークピースステージ及び前記ワークピースステージ位置制御系による移動は、前記放射線パルスを複数の露光フィールドに照射する間にわたって連続して行われる、請求項76に記載のシステム。
- 前記ステージ位置制御系と電気的に接続されるとともに前記ワークピースに操作できるように接続された、前記ワークピースを前記マスクイメージと相対的に位置合わせするためのアライメント系をさらに含む、請求項76に記載のシステム。
- 前記放射線源は、波長が248nm以下の放射線を放出する、請求項76に記載のシステム。
- 前記投影レンズは0.6以上の開口数を有する、請求項79に記載のシステム。
- 前記投影レンズは、像平面を有する4鏡オンアクシスカタディオプトリック式光学系であり、前記4つの鏡の一つは前記像平面の隣に配置されたマンジャン鏡である、請求項80に記載のシステム。
- 波長λ及び開口数NAで動作し、複数の露光フィールドを有するイメージ形成面を有するワークピースを費用効果的にパターニングすることができるリソグラフィーシステムであって、
a)0.5λ/NA以下の最小画像サイズを有するマスクイメージとして前記ワークピースに映し出されるパターニングされた部分を有し、3000枚以下のワークピースを処理することによってコストが償却されるマスクと、
b)10マイクロ秒以下のパルス持続時間、波長λ、1Hz以上の周波数、前記イメージ形成面を除去することはないが露光できるエネルギーを有する放射線パルスを放出することができるパルス放射線源と、
c)前記放射線源から入力された放射線パルスを空間的に均一化し、前記空間的に均一化された放射線パルスを前記マスクに照射する操作ができるように配置された照明系と、
d)開口数NAの出力端と5X以上の縮小倍率を有し、前記マスクを介して放射線パルスが入力されるように前記マスクの隣に配置され、各放射線パルスに対して、2cm2以下の最大面積を有する露光フィールド上で前記ワークピースにマスクパターンのマスクイメージを形成する縮小投影レンズと、
e)各露光フィールドが単一のマスクイメージから形成されるように、前記放射線源からの放射線パルスの放出と調和した走査速度で前記投影レンズの前記出力端の下であって走査経路上で前記ワークピースを走査するための手段と、
を含むことを特徴とするリソグラフィーシステム。 - 前記放射線パルスは、−5%(3σ)未満のパルス間のエネルギーのばらつきを有する、請求項82に記載のシステム。
- 前記放射線源は、走査速度で割った前記最小画像サイズ未満のパルス持続時間を有する、請求項82に記載のシステム。
- 前記放射線源は、248nm以下の波長λを有する、請求項82に記載のシステム。
- 前記投影レンズのNAは0.6以上である、請求項82に記載のシステム。
- 前記投影レンズは、1オングストローム以上の補正されたスペクトル範囲を有する、請求項82に記載のシステム。
- 光路に沿って放射線源から放出された放射線パルスのビームのパルス間出力を安定化させるためのパルス安定化系であって、
a)前記放射線源から放出された放射線の一部を検出し、検出された放射線に対応する電気信号を生成するように前記放射線源の下流に配置された検出器と、
b)前記検出器に電気的に接続され、前記検出器からの前記電気信号を積分し、積分された電気信号を供給する積分回路と、
c)前記積分回路に電気的に接続され、前記積分された電気信号を受け取ることができ、閾値でプログラムされ、前記積分された電気信号が閾値に達したときに起動信号を生成することができるポッケルスセルドライバと、
d)前記ポッケルスセルドライバに電気的に接続され、前記起動信号に反応し、前記光路に配置されたポッケルスセルと、を含み、
e)前記放射線源と前記ポッケルスセルとの間の前記光路は、前記起動信号によるポッケルスセルの起動によって、前記起動信号を生成する前記放射線パルスが切り欠かかれて実質的に前記閾値に対応するエネルギー量が残るように設計された遅延ラインを含むことを特徴とするパルス安定化系。 - a)前記光源の隣であって前記光路に配置され、それぞれが異なる偏光を有する第1及び第2の光路に沿って前記放射線パルスを分割するための光学系と、
b)前記第1及び第2の光路の前記放射線パルスが同一の偏光を有するように、第1及び第2の光路のいずれかに配置された半波長板と、をさらに含み、
c)前記光学系は前記第1及び第2の光路を共通の方向に向ける、
請求項88に記載の安定化系。 - 前記光学系は、偏光ビームスプリッターと、複数の鏡を含む、請求項89に記載の安定化系。
- 前記ポッケルスセルの上流で第1の光路に配置され、前記放射線パルスのビームの一部が前記ポッケルスセルに向かい、前記ポッケルスセルを通過した前記放射線パルスのビームの前記一部と再結合されるように設計された光学系をさらに含む、請求項88に記載の安定化系。
- 前記光学系は、前記ポッケルスセルの上流で第1の光路に配置された第1のビームスプリッターと、前記ポッケルスセルの下流に配置された第2のビームスプリッターと、を含む、請求項91に記載の安定化系。
- 第1の光路に沿って第1の放射線源から放出された第1の放射線パルスビーム及び第2の光路に沿って第2の放射線源から放出された第2の放射線パルスビームから形成された放射線パルスの出力ビームのパルス間出力を安定化させるためのパルス安定化系であって、
a)第1の放射線源から放出された前記放射線の一部を検出・処理し、第1の積分された電気信号を生成するための第1の手段と、
b)第2の放射線源から放出された前記放射線の一部を検出・処理し、第2の積分された電気信号を生成するための第2の手段と、
c)前記第1及び第2の積分された電気信号を受け取り、前記第1及び第2の電気信号が結合閾値に達した時に、起動信号を生成するための手段と、
d)前記起動信号に反応し、前記第1の光路に配置され、前記第1の放射線パルスビームの前記放射線パルスを減衰させる電気光学的手段と、
e)前記第1及び第2の放射線パルスビームを結合し、パルス間で実質的に均一なエネルギーを有する放射線パルスの結合された出力ビームを生成する光学式手段と、
を含むことを特徴とするパルス安定化系。 - 4cm2以上のイメージフィールドサイズを有する投影レンズを有し、従来のリソグラフィーシステムと比較して、マスク1セット当たり3000枚以下のワークピースを費用効果的に処理するためのリソグラフィーシステムであって、光軸に沿って順に、
a)放射線パルスを供給するための放射線源と、
b)前記放射線パルスを受け取り、実質的に10%(3σ)以下の空間均一性でマスク面に均一に各放射線パルスを分散させるように配置された照明器と、
c)マスクセットのうちの1つのマスクを前記マスク面で支持することができるマスクホルダと、
d)ワークピースを支持し、前記ワークピースを前記光軸と相対的に移動させるためのワークピースステージと、
e)前記マスク面又はその近傍に配置された物体平面と、ワークピース又はその近傍に配置された像平面と、前記像平面内のイメージフィールドとを有し、前記イメージフィールドは、前記マスクセットの各マスクが従来のリソグラフィシステムで使用されるマスクの約2分の1以下の情報量を含むように2cm2以下の面積を有する投影レンズと、を含み、
e)前記ワークピースステージは、複数の放射線パルスバーストな放出ができるように前記ワークピースをステップ移動させ、処理されている前記ワークピース上に複数の対応する露光フィールドを形成することを特徴とするリソグラフィーシステム。 - 前記放射線源と前記ワークピースステージは、各露光フィールドを択一的に単一パルスで露光する、請求項94に記載のシステム。
- 前記放射線源は、フラッシュランプ又はレーザーである、請求項94に記載のシステム。
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