JP2000260682A - 露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法

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JP2000260682A
JP2000260682A JP11058271A JP5827199A JP2000260682A JP 2000260682 A JP2000260682 A JP 2000260682A JP 11058271 A JP11058271 A JP 11058271A JP 5827199 A JP5827199 A JP 5827199A JP 2000260682 A JP2000260682 A JP 2000260682A
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substrate
light source
exposure amount
optical axis
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Yosuke Shirata
陽介 白田
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Nikon Corp
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来DP露光が不可能であった条件下であっ
てもDP露光を可能にする。 【解決手段】 主制御装置50が、基板Wが、投影光学
系PLの光軸AX方向の第1位置に静止して第1の露光
量で露光が行われ、第1位置から光軸方向の第2位置ま
で連続的に変化しながら第2の露光量で露光が行われ、
第2位置で静止して第3の露光量で露光が行われるよう
に、照明系12及び基板駆動系56を制御する。そし
て、この際に、主制御装置50は、基板面の照度を調整
することにより露光時間を調整する。従って、主制御装
置50により基板面の照度、すなわち第1〜第3の露光
量が適宜設定され、個々の工程の露光時間、又は全体の
露光時間が適宜設定される。従って、従来、DP露光が
困難であった条件下(レジスト感度及び、基板の光軸方
向移動幅の組み合わせ)でも、最適露光条件でのDP露
光が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光方法及び露光
装置、並びにデバイス製造方法に係り、さらに詳しく
は、半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)
又は薄膜磁気ヘッド等を製造するためのリソグラフィ工
程で用いられる露光方法及び露光装置、並びにこれらを
用いるデバイスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より半導体素子等を製造する際に、
マスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)
のパターンを投影光学系を介してフォトレジストが塗布
されたウエハ(又はガラスプレート等)上の各ショット
領域に転写露光するいわゆるステッパ等の投影露光装置
が使用されている。この種の投影露光装置においては、
ウエハ等の表面を投影光学系の最良結像面(レチクルと
の共役面)に配置した状態でレチクルパターンを転写し
ていた。しかしながら、ウエハ上に1回で露光される領
域(ショット領域)は15mm角〜22mm角程度であり、
その領域内でウエハ表面が微小に湾曲していたリ、表面
構造上、数μm程度の凹凸があると、ショッ卜領域内で
投影光学系の焦点深度を超える部分が現われる。これは
投影光学系の焦点深度が像面側(ウエハ側)で±1μm
程度しかないからである。
【0003】そこで小さい焦点深度の投影光学系を持っ
た露光装置でも、実効的に広い焦点深度で露光を行える
方法として、例えば特開昭63−42122号公報等に
開示される、ウエハを投影光学系の光軸方向の2点、又
は3点に移動させて、各点で同一のレチクルバターンを
多重露光する方法が提案された。この方法では、光軸方
向に離れた2点を、投影光学系の焦点深度±△Zの幅程
度にすることによって、実効的な焦点深度を1.5〜3
倍程度に拡大している。
【0004】しかし、上記特開昭63−42122号公
報等に開示される多重露光方法では、光軸方向の多点で
露光の停止、再開のためにシャッタを駆動しなければな
らず、ウエハを光軸方向へ駆動する際の基板テーブル
(Zステージ)の位置決め動作特性やシャッタの開閉動
作特性の影響等で、スループットが低下するという不都
合がある。
【0005】かかる不都合を改善するものとして、露光
動作中に基板テーブル(Zステージ)を光軸方向に移動
させる方式とし、シャッタの動作特性と基板テーブル
(Zステージ)の動作特性とに基づいて、シャッタの開
成開始時点から閉成終了時点までの間に得られるウエハ
の光軸方向移動に伴う存在確率の分布が、光軸方向の少
なくとも2箇所でほぼ等しい極大値となるように、シャ
ッタの開閉制御とZステージの位置制御とを連動させる
露光方法を採用した露光装置が、本願出願人により提案
されている(特開平5−13305号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した特
開平5−13305号公報に記載される露光方法のう
ち、実際に比較的多く行われているウエハ(基板)のZ
方向の最小位置、最大位置の2点では静止露光を行い、
その中間位置では基板テーブル(Zステージ)を連続的
に等速度で最小位置から最大位置(あるいはこの反対)
に駆動しながら露光を行う露光方法(以下、本明細書に
おいては、この露光方法を「DP露光」と呼ぶ)を実行
する場合に、露光パワーの増大やレジスト感度の向上に
伴い、露光時間が短くなりすぎて、DP露光による効果
を得るために必要な基板ネーブルのZ方向の振り幅(以
下、「Z振り幅」とも呼ぶ)を確保しつつ露光を行うこ
とが出来ない場合が生じるようになってきた。これは、
基板テーブルのZ方向の移動速度は機械的性能等によっ
て制限され、その移動時間は有限であるため、露光時間
が短くなると、全露光時間に占める2点間移動中に露光
する時間の割合が増し、露光時間が短くなり過ぎると、
ついには基板テーブルのZ方向移動に要する時間の方が
露光時間より長くなる事態が生じるからである。
【0007】これをより具体的に説明する。今、露光用
の光源として例えばエキシマレーザ光源を用い、この光
源の発振周波数(パルス発光周波数)が1[KHz]、ウエ
ハ面照度が250[mW/cm]、基板テーブルのZ駆動能
力(単位距離の移動に要する時間)が50[msec/μm]の
露光装置を用いて、あるパターンを露光する場合を考え
る。この際の最適条件が、露光量:15[mJ/cm]、Z
振り幅:1.5[μm]とすると、この場合、露光時間Te
xp=15/250=60[msec]となるが、これでは、図
6からも明らかなように、露光時間がZの駆動に必要な
Tmove=75[msec]を下回ってしまい、事実上DP露光
が不可能となっていた。
【0008】特に、近年は、エキシマレーザを露光光源
とする露光装置が広く使われるようになり、エキシマレ
ーザの高出力化や、レジスト感度も化学増幅型レジスト
が主流となるなど、高感度化しており、1ショットの露
光に必要な露光時間は、年々短くなって来ている。この
ため、ますます上記の不都合が生じ易くなってきた。
【0009】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その第1の目的は、従来DP露光が不可能であった
条件下であってもDP露光を可能にする露光方法を提供
することにある。
【0010】また、本発明の第2の目的は、従来DP露
光が不可能であった条件下であってもDP露光を行うこ
とができる露光装置を提供することにある。
【0011】また、本発明の第3の目的は、高集積度の
マイクロデバイスを低コストで製造することが可能なデ
バイス製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、露光光をマスク(R)に照射し、該マスクに形成さ
れたパターンを投影光学系(PL)を介して基板(W)
上に転写するに際し、前記基板を前記投影光学系の光軸
(AX)方向の第1位置と第2位置との間で移動させる
露光方法において、前記基板を前記投影光学系の光軸方
向の第1位置(Z1)に静止して第1の露光量で露光を
行う第1工程と;前記第1工程の後、前記基板を前記光
軸方向の第2位置(Z2)まで連続的に変化させながら
第2の露光量で露光を行う第2工程と;前記第2工程の
後、前記基板を前記第2位置で静止して第3の露光量で
露光を行う第3工程とを含み、前記第1〜第3工程の露
光時間を調整することを特徴とする。
【0013】これによれば、第1工程において、基板を
投影光学系の光軸方向の第1位置に静止して第1の露光
量で露光を行い、その後、第2工程において、基板を光
軸方向の第2位置まで連続的に変化させながら第2の露
光量で露光を行い、さらにその後、基板を第2位置で静
止して第3の露光量で露光を行い、上記の第1〜第3工
程の露光時間を調整する。すなわち、本発明によれば、
第1〜第3の露光量を適宜設定することにより、個々の
工程の露光時間、又は全体の露光時間を適宜設定する。
このため、従来、DP露光が困難であった条件下(レジ
スト感度及び、基板の光軸方向移動幅の組み合わせ)で
も、最適露光条件でのDP露光が可能になる。
【0014】例えば、第1〜第3の露光量(基板面照
度)を同一にするには、基板の光軸方向の移動能力を考
慮して第2の露光時間を適当な値に定め、この第2の露
光時間が全露光時間に占める割合を合理的な範囲内に定
め、この結果決定される全露光時間で目標積算露光量を
除して得られる平均露光量を、第1〜第3の露光量とし
て設定すれば良い。あるいは、この設定された平均露光
量と同一の値に第2の露光量を定め、従って、第2の露
光時間も上記と同一に定め、この第2の露光時間におけ
る積算露光量を目標積算露光量から引いた積算露光量が
第1、第3の露光時間に基板上に与えられるように、第
1、第3の露光量、及び第1、第3の露光時間を定めて
も良い。
【0015】上記請求項1に記載の露光方法において、
請求項2に記載の発明の如く、前記第2工程における積
算露光量が前記第1工程における積算露光量と前記第3
工程における積算露光量との総和以下となるように前記
各工程における前記基板面の照度を調整することにより
前記露光時間を調整することが望ましい。かかる場合に
は、第1位置と第2位置の2箇所に基板が存在する存在
確率分布が、全体の半分以上を占め、多重露光による焦
点深度向上の効果を効果的に発揮できるからである。
【0016】上記請求項1又は2に記載の露光方法にお
いて、請求項3に記載の発明のように第1工程における
積算露光量と前記第3工程における積算露光量とが同一
であることが望ましい。これは、通常、DP露光は、最
良結像面位置(ベストフォーカス位置)を中心として第
1位置と第2位置が定められるので、最も最良結像面位
置から遠い、第1位置と第2位置における積算露光量に
偏りがなくなれば、いずれの位置の影響も同等に受け、
良好な露光結果が期待されるからである。
【0017】上記請求項1〜3に記載の各発明におい
て、露光量の調整方法、すなわち露光時間の調整方法は
種々考えられる。例えば、請求項4に記載の発明の如
く、前記露光光の光源がパルスレーザ光源である場合
に、前記露光時間の調整は、前記パルス光源のパルス発
光の周波数及び前記マスクに照射されるパルスエネルギ
の少なくとも一方を変化させることにより行っても良
く、あるいは、請求項5に記載の発明の如く、前記露光
光の光源がランプ光源である場合に、前記露光時間の調
整は、前記ランプ光源のパワー及び前記基板に照射され
る露光光の強度の少なくとも一方を変化させることによ
り行っても良い。
【0018】請求項6に記載の発明に係る露光装置は、
マスク(R)を露光用照明光(IL)で照明する照明系
(12)と;前記マスクから出射された前記露光用照明
光を基板(W)上に投射する投影光学系(PL)と;前
記基板(W)を前記投影光学系(PL)の光軸(AX)
方向に駆動する基板駆動系(56)と;前記基板が、前
記投影光学系の光軸方向の第1位置(Z1)に静止して
第1の露光量で露光が行われ、前記第1位置から前記光
軸方向の第2位置(Z2)まで連続的に変化しながら第
2の露光量で露光が行われ、前記第2位置で静止して第
3の露光量で露光が行われるように、前記照明系及び前
記基板駆動系を制御する制御装置(50)とを備え、前
記制御装置が、前記基板面の照度を調整することにより
露光時間を調整することを特徴とする。
【0019】これによれば、制御装置により、基板が、
投影光学系の光軸方向の第1位置に静止して第1の露光
量で露光が行われ、第1位置から光軸方向の第2位置ま
で連続的に変化しながら第2の露光量で露光が行われ、
第2位置で静止して第3の露光量で露光が行われるよう
に、照明系及び基板駆動系が制御される。そして、この
際に、制御装置では、基板面の照度を調整することによ
り露光時間を調整する。この場合において、制御装置で
は、第1〜第3の露光量が全て同一となるように基板面
の照度、すなわち露光量を調整しても良く、あるいは、
第1〜第3の露光量が異なるように調整しても良い。
【0020】いずれにしても、本発明によれば、制御装
置により基板面の照度、すなわち第1〜第3の露光量を
適宜設定することにより、個々の工程の露光時間、又は
全体の露光時間が適宜設定される。従って、従来、DP
露光が困難であった条件下(レジスト感度及び、基板の
光軸方向移動幅の組み合わせ)でも、最適露光条件での
DP露光が可能になる。
【0021】例えば、第1〜第3の露光量(基板面照
度)を同一にするには、制御装置では、基板駆動系によ
る基板の光軸方向の移動能力を考慮して第2の露光時間
を適当な値に定め、この第2の露光時間が全露光時間に
占める割合を合理的な範囲内に定め、この結果決定され
る全露光時間で目標積算露光量を除して得られる平均露
光量を、第1〜第3の露光量として設定するように基板
面照度を調整すれば良い。あるいは、この設定された平
均露光量と同一の値に第2の露光量を定め、従って、第
2の露光時間も上記と同一に定め、この第2の露光時間
における積算露光量を目標積算露光量から引いた積算露
光量が第1、第3の露光時間に基板上に与えられるよう
に第1、第2の露光量を定めて基板面の照度を調整して
も良い。
【0022】上記請求項6に記載の露光装置において、
請求項7に記載の発明の如く、前記制御装置(50)
が、前記基板(W)が前記光軸(AX)方向の第1位置
(Z1から前記第2位置(Z2)まで連続的に変化しなが
ら第2の露光量で露光が行われる際の積算露光量が前記
第1位置における積算露光量と前記第2位置における積
算露光量との総和以下となるように前記基板面の照度を
調整することにより前記露光時間を調整するようにして
も良い。かかる場合には、第1位置と第2位置の2箇所
に基板が存在する存在確率分布が、全体の半分以上を占
め、多重露光による焦点深度向上の効果を効果的に発揮
できるからである。
【0023】請求項8に記載のデバイス製造方法は、請
求項2又は3に記載の露光方法を露光工程で用いること
を特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
ないし図3に基づいて説明する。
【0025】図1には、一実施形態の露光装置10の概
略構成が示されている。この露光装置10は、露光用光
源にパルスレーザ光源としてのエキシマレーザ光源を用
いたステップ・アンド・リピート方式の縮小投影型露光
装置(いわゆるステッパ)である。
【0026】この露光装置10は、エキシマレーザ光源
16を含む照明系12、この照明系12により照明され
るマスクとしてのレチクルRを保持するレチクルホルダ
11、レチクルRのパターンを基板としてのウエハW上
に投影する投影光学系PL、ウエハWを保持して水平面
(XY平面内)を移動するXYステージ14、及びこれ
らの制御系等を備えている。
【0027】前記照明系12は、エキシマレーザ光源1
6、ビーム整形光学系18、エネルギ粗調器20、フラ
イアイレンズ22、照明系開口絞り板24、ビームスプ
リッタ26、第1リレーレンズ28A、第2リレーレン
ズ28B、レチクルブラインド(照明視野絞り)30、
光路折り曲げ用のミラーM及びコンデンサレンズ32等
を備えている。
【0028】ここで、この照明系12の上記構成各部に
ついて説明する。エキシマレーザ光源16としては、K
rFエキシマレーザ光源(発振波長248nm)、Ar
Fエキシマレーザ光源(発振波長193nm)、又はF
エキシマレーザ光源(発振波長157nm)等が使用
される。なお、このエキシマレーザ光源16に代えて、
金属蒸気レーザ光源やYAGレーザの高調波発生装置等
のパルス光源を露光光源として使用しても良い。
【0029】ビーム整形光学系18は、エキシマレーザ
光源16からパルス発光されたレーザビームLBの断面
形状を、該レーザビームLBの光路後方に設けられたフ
ライアイレンズ22に効率よく入射するように整形する
もので、例えばシリンダレンズやビームエキスパンダ
(いずれも図示省略)等で構成される。
【0030】エネルギ粗調器20は、ビーム整形光学系
18後方のレーザビームLBの光路上に配置され、ここ
では、回転板34の周囲に透過率(=1−減光率)の異
なる複数個(例えば6個)のNDフィルタ(図1ではそ
の内の2個のNDフィルタ36A、36Dが示されてい
る)を配置し、その回転板34を駆動モータ38で回転
することにより、入射するレーザビームLBに対する透
過率を100%から等比級数的に複数段階で切り換える
ことができるようになっている。駆動モータ38は、後
述する主制御装置50によって制御される。なお、その
回転板34と同様の回転板を2段配置し、2組のNDフ
ィルタの組み合わせによってより細かく透過率を調整で
きるようにしても良い。
【0031】前記フライアイレンズ22は、エネルギ粗
調器20後方のレーザビームLBの光路上に配置され、
レチクルRを均一な照度分布で照明するために多数の2
次光源を形成する。この2次光源から射出されるレーザ
ビーム(露光用照明光)を以下においては、「パルス照
明光IL」と呼ぶものとする。
【0032】このフライアイレンズ22の射出面の近傍
に、円板状部材から成る照明系開口絞り板24が配置さ
れている。この照明系開口絞り板24には、ほぼ等角度
間隔で、例えば通常の円形開口より成る開口絞り、小さ
な円形開口より成りコヒーレンスファクタであるσ値を
小さくするための開口絞り、輪帯照明用の輪帯状の開口
絞り、及び変形光源法用に複数の開口を偏心させて配置
して成る変形開口絞り(図1ではこのうちの2種類の開
口絞りのみが図示されている)等が配置されている。こ
の照明系開口絞り板24は、後述する主制御装置50に
より制御されるモータ等の駆動装置40により回転され
るようになっており、これによりいずれかの開口絞りが
パルス照明光ILの光路上に選択的に設定される。
【0033】照明系開口絞り板24後方のパルス照明光
ILの光路上に、反射率が小さく透過率の大きなビーム
スプリッタ26が配置され、更にこの後方の光路上に、
レチクルブラインド30を介在させて第1リレーレンズ
28A及び第2リレーレンズ28Bから成るリレー光学
系が配置されている。レチクルブラインド30は、レチ
クルRのパターン面に対する共役面に配置され、レチク
ルR上の照明領域(パターン領域にほぼ一致)を規定す
る矩形開口が形成されている。
【0034】リレー光学系を構成する第2リレーレンズ
28B後方のパルス照明光ILの光路上には、当該第2
リレーレンズ28Bを通過したパルス照明光ILをレチ
クルRに向けて反射する折り曲げミラーMが配置され、
このミラーM後方のパルス照明光ILの光路上にコンデ
ンサレンズ32が配置されている。
【0035】このようにして構成された照明系12の作
用を簡単に説明すると、エキシマレーザ光源16からパ
ルス発光されたレーザビームLBは、ビーム整形光学系
18に入射して、ここで後方のフライアイレンズ22に
効率よく入射するようにその断面形状が整形された後、
エネルギ粗調器20に入射する。そして、このエネルギ
粗調器20のいずれかのNDフィルタを透過したレーザ
ビームLBは、フライアイレンズ22に入射する。これ
により、フライアイレンズ22の射出端に多数の2次光
源が形成される。この多数の2次光源から射出されたパ
ルス照明光ILは、照明系開口絞り板24上のいずれか
の開口絞りを通過した後、透過率が大きく反射率が小さ
なビームスプリッタ26に至る。このビームスプリッタ
26を透過した露光用照明光としてのパルス照明光IL
は、第1リレーレンズ28Aを経てレチクルブラインド
30の矩形の開口部を通過した後、第2リレーレンズ2
8Bを通過してミラーMによって光路が垂直下方に折り
曲げられた後、コンデンサレンズ32を経て、レチクル
ホルダ11上に保持されたレチクルR上の矩形の照明領
域を均一な照度分布で照明する。
【0036】一方、ビームスプリッタ26で反射された
パルス照明光ILは、集光レンズ44を介して光電変換
素子よりなるインテグレータセンサ46で受光され、イ
ンテグレータセンサ46の光電変換信号が、不図示のピ
ークホールド回路及びA/D変換器を介して出力DS
(digit/pulse)として主制御装置50に供給される。イ
ンテグレータセンサ46としては、例えば遠紫外域で感
度があり、且つエキシマレーザ光源16のパルス発光を
検出するために高い応答周波数を有するPIN型のフォ
トダイオード等が使用できる。このインテグレータセン
サ46の出力DSと、ウエハWの表面上でのパルス照明
光ILの照度(露光量)との相関係数は予め求められ
て、主制御装置50に併設されたメモリ51内に記憶さ
れている。
【0037】前記レチクルホルダ11上にレチクルRが
載置され、不図示のバキュームチャック等を介して吸着
保持されている。レチクルホルダ11は、水平面(XY
平面)内でX方向(図1における紙面内左右方向)、こ
れに直交するY方向(図1における紙面直交方向)、及
びθ方向(XY面に直交するZ軸回りの回転方向)に微
小駆動可能に構成されている。なお、レチクルRに用い
る材質は、使用する光源によって使い分ける必要があ
る。すなわち、KrFエキシマレーザ光源やArFエキ
シマレーザ光源を光源とする場合は、合成石英を用いる
ことができるが、Fエキシマレーザ光源を用いる場合
は、ホタル石で形成する必要がある。
【0038】レチクルホルダ11の位置は、レチクルホ
ルダ上に固定された移動鏡52Rを介して外部のレーザ
干渉計54Rによって所定の分解能(例えば、0.5〜
1[nm]程度の分解能)で計測され、このレーザ干渉計5
4Rの計測値が主制御装置50に供給されるようになっ
ている。
【0039】前記投影光学系PLは、両側テレセントリ
ックな光学配置になるように配置された共通のZ軸方向
の光軸AXを有する複数枚のレンズエレメントから構成
されている。また、この投影光学系PLとしては、投影
倍率β(βは例えば1/4又は1/5)の縮小投影光学
系が使用されている。このため、前記の如くして、パル
ス照明光ILによりレチクルR上の照明領域が照明され
ると、そのレチクルRに形成されたパターンが投影光学
系PLによって投影倍率βで縮小された像が表面にレジ
スト(感光剤)が塗布されたウエハW上のショット領域
に転写される。
【0040】なお、照明光ILとしてKrFエキシマレ
ーザ光やArFエキシマレーザ光を用いる場合には、投
影光学系PLを構成する各レンズエレメントとしては合
成石英等を用いることができるが、Fエキシマレーザ
光を用いる場合には、この投影光学系PLに使用される
レンズの材質は、全てホタル石が用いられる。
【0041】前記XYステージ14は、不図示のベース
上に載置され、例えば2次元平面モータ等によってXY
面内で自在に駆動されるようになっている。XYステー
ジ14上に、基板テーブル58が搭載され、この基板テ
ーブル58上に不図示のウエハホルダを介してウエハW
が真空吸着等により保持されている。基板テーブル58
は、駆動機構によりZ方向(あるいはZ方向及びXY面
に対する傾斜方向)に駆動され、ウエハWのZ方向の位
置(あるいはZ方向位置及び傾斜)を調整する機能を有
する。従って、ウエハWは、2次元平面モータ及び駆動
機構によって4自由度(あるいは6自由度)の位置決め
が可能である。図1では、便宜上、上記2次元平面モー
タ及び駆動機構が代表してウエハ駆動装置56として図
示されている。以下の説明においては、ウエハ駆動装置
56によって、基板テーブル58がX、Y、Z、θ方向
に駆動されるものとする。
【0042】また、XYステージ14の位置は、基板テ
ーブル58上に固定された移動鏡52Wを介して外部の
レーザ干渉計54Wによって所定の分解能(例えば、
0.5〜1[nm]程度の分解能)で計測され、このレーザ
干渉計54Wの計測値が主制御装置50に供給されるよ
うになっている。
【0043】制御系は、図1中、主制御装置50によっ
て主に構成される。主制御装置50は、CPU(中央演
算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、R
AM(ランダム・アクセス・メモリ)等から成るいわゆ
るマイクロコンピュータ(又はワークステーション)を
含んで構成され、露光動作が的確に行われるように、例
えばウエハWのステッピング、露光タイミング等を統括
して制御する。
【0044】具体的には、主制御装置50は、例えばス
テッピングの際には、レーザ干渉計54Wの計測値に基
づいてウエハ駆動装置56を介してXYステージ14の
位置を制御する。また、主制御装置50は、制御情報T
Sをエキシマレーザ光源16に供給することによって、
エキシマレーザ光源16の発光タイミング、及び発光パ
ワー等を制御する。また、主制御装置50は、エネルギ
粗調器20、照明系開口絞り板24をモータ38、駆動
装置40をそれぞれ介して制御する。このように本実施
形態では、主制御装置50が、露光コントローラ及びス
テージコントローラの役目をも有している。これらのコ
ントローラを主制御装置50とは別に設けても良いこと
は勿論である。
【0045】本実施形態の露光装置10では、更に、不
図示の保持部材を介して投影光学系PLに一体的に取り
付けられた、フォーカス検出系19が設けられている。
このフォーカス検出系19として、ウエハWに斜めから
検出ビームを照射する照射光学系19aと、この検出ビ
ームのウエハW面からの反射光を受光する受光光学系1
9bとを備え、ウエハWのZ方向の位置を検出する斜入
射光式の焦点位置検出系が用いられている。このフォー
カス検出系19としては、例えば特公平8−21531
号公報等に開示された焦点位置検出系が用いられる。
【0046】この他、本実施形態の露光装置10では、
ウエハW上の各ショット領域に付設された不図示のアラ
イメントマークを検出するためのオフアクシス方式のア
ライメント系等も設けられている。主制御装置50で
は、後述するDP露光に先立ってアライメント系を用い
てウエハW上のアライメントマークの位置検出を行い、
この検出結果を用いて例えば特開昭61−44429号
公報に開示されるような統計演算によりウエハW上のシ
ョット領域の配列座標を算出する。そして、この配列座
標データに基づいてレーザ干渉計54Wの計測値をモニ
タしつつウエハ駆動装置56を制御してレチクルRとウ
エハWとの位置合わせを行うようになっている。すなわ
ち、本実施形態の露光装置10では、ウエハW上の各シ
ョット領域をレチクルRのパターン像の投影位置に順次
位置決めする位置決め動作と、そのレチクルパターンを
ウエハ上に転写する露光動作とを繰り返し行うことによ
り、ステップ・アンド・リピート方式でウエハW上の各
ショット領域にレチクルパターンを転写する。そして、
上記の露光動作の際に、後述するDP露光が行われる。
【0047】図2には、図1の露光装置10の露光量制
御に関連する構成部分が取り出して示されている。この
図2に示されるように、エキシマレーザ光源16の内部
には、レーザ共振器16a、ビームスプリッタ16b、
エネルギモニタ16c、エネルギコントローラ16d及
び高圧電源16e等が設けられている。また、このエキ
シマレーザ光源16内のビームスプリッタ16bの外側
には、主制御装置50からの制御情報に応じてレーザビ
ームLBを遮光するためのシャッタ16fも配置されて
いる。
【0048】ここで、この図2を用いて、エキシマレー
ザ光源16を中心とする露光量制御の仕組みについて簡
単に説明する。レーザ共振器16aからパルス的に放出
されたレーザビームは、透過率が高く僅かな反射率を有
するビームスプリッタ16bに入射し、ビームスプリッ
タ16bを透過したレーザビームLBが外部に出射され
る。また、ビームスプリッタ16bで反射されたレーザ
ビームLBが光電変換素子より成るエネルギモニタ16
cに入射し、エネルギモニタ16cからの光電変換信号
が不図示のピークホールド回路を介して出力ESとして
エネルギコントローラ16dに供給されている。エネル
ギモニタ16cの出力ESに対応するエネルギの制御量
の単位は[mJ/pulse]である。
【0049】通常の発光時には、エネルギコントローラ
16dは、エネルギモニタ16cの出力ESが、主制御
装置50から供給された制御情報TS中の1パルス当た
りのエネルギの目標値に対応した値となるように、高圧
電源16eでの電源電圧をフィードバック制御する。ま
た、エネルギコントローラ16dは、レーザ共振器16
aに供給されるエネルギを高圧電源16eを介して制御
することにより発振周波数(パルス発光周波数)をも変
更する。すなわち、エネルギコントローラ16dは、主
制御装置50からの制御情報TSに応じて高圧電源16
eの電源電圧を制御することにより、エキシマレーザ光
源16の発振周波数を主制御装置50で指示された周波
数に設定するとともに、エキシマレーザ光源16での1
パルス当たりのエネルギが主制御装置50で指示された
値となるように高圧電源16eの電源電圧のフィードバ
ック制御を行なう。
【0050】次に、本実施形態の露光装置10における
DP露光方法の概略について図3に基づいて説明する。
この図3は、ウエハW上の1ショット領域についてのD
P露光の際のウエハWのZ位置(すなわち基板テーブル
58のZ位置)の時間変化を、横軸に露光開始からの経
過時間t[msec]を取って示したものである。
【0051】前提として、インテグレータセンサ46
は、不図示の基準照度計を用いてキャリブレーションさ
れ、このインテグレータセンサ46の出力DS[digit/p
ulse]と、ウエハWの表面上でのパルス照明光ILの照
度(露光量)[mJ/(cm・pulse)]を変換するための変換
係数(相関係数)は装置の設置時に予め求められて、主
制御装置50に併設されたメモリ51内に記憶され、ま
た、インテグレータセンサ46の出力DSより間接的に
求められるウエハW面(像面)上での露光量、すなわち
インテグレータセンサ46による処理量P[mJ/(cm・pu
lse)]とエネルギモニタ16cの出力ES[mJ/pulse]と
の変換係数も露光開始に先立って求められ、制御テーブ
ルとしてメモリ51内に記憶されているものとする。な
お、この制御テーブルの作成方法については、公知であ
り、例えば特開平9−320932号公報等に開示され
ているので、ここでは詳細な説明は省略するものとす
る。
【0052】また、前提として、当該ショット領域の露
光位置(レチクルRのパターンの投影位置)への位置決
めは完了しているものとする。さらに、このDP露光に
おいては、ベストフォーカス位置Zbestを中心として、
上下に振り幅ΔZ[μm]の範囲、すなわち(Zbest−Δ
Z)≦Z≦(Zbest+ΔZ)の範囲でウエハWのZ位置
を変化させながらDP露光を行うものとする。
【0053】まず、主制御装置50では、フォーカス検
出系19の検出値をモニタしつつウエハW表面のZ位置
がZ1(=Zbest−ΔZ)になるように、ウエハ駆動装
置56を介して基板テーブル58を位置決めする。この
ときシャッタ16fは閉じられており、エキシマレーザ
光源16は、次に説明する第1の露光条件に応じた発振
周波数で発振中で安定化しているものとする。上記の基
板テーブル58の位置決めが完了すると、主制御装置5
0ではシャッタ16fを開く。これにより、露光が開始
される。
【0054】〈第1工程〉露光開始後、主制御装置50
では、第1の露光条件で、所定時間T1[msec]の間、ウ
エハWを投影光学系PLの光軸AX方向の第1位置、す
なわちZ1位置に静止して露光を行う。
【0055】〈第2工程〉時間T1の経過後、主制御装
置50では、ウエハWを光軸AX方向の第2位置、すな
わちZ2まで連続的に変化させながら第2の露光条件
で、所定時間Tmoveの間露光を行う。この第2工程にお
いて、主制御装置50では、フォーカス検出系19の検
出値をモニタしつつウエハW表面のZ位置がZ1からZ2
(=Zbest+ΔZ)まで連続的に変化するように、ウエ
ハ駆動装置56を介して基板テーブル58を最大駆動能
力で駆動する。通常、所定時間Tmoveは、基板テーブル
58の駆動能力(加減速時間、最高速度、及び静定時間
など)と、Z振り幅(2ΔZ)によって決定されるが、
図3では便宜上一定速度で駆動されるものとして示され
ている。
【0056】〈第3工程〉上記所定時間Tmoveが経過
し、ウエハW表面がZ2位置に達すると、主制御装置5
0では、ウエハWをZ2位置で静止して第3の露光条件
で所定時間T2の間露光を行う。そして、上記の所定時
間T2が経過すると、主制御装置50では、シャッタ1
6fを閉じる。これにより、1ショットに対するDP露
光が終了する。
【0057】上述したDP露光の際に、主制御装置50
では、上記第1〜第3工程におけるウエハ面の照度(像
面照度)を後述するようにして調整し、露光時間を調整
する。以下においては、この露光時間の調整について、
具体的な例をいくつか説明する。
【0058】〈第1の例〉まず、最初に、上記第1〜第
3の露光条件が一定の場合について説明する。ここで
は、説明の便宜上から前述した従来例と同一の条件下、
すなわち、あるパターンを露光する際の最適条件が、目
標積算露光量:15[mJ/cm]、Z振り幅(2Δ
Z):1.5[μm]で、基板テーブル58のZ駆動能力
が50m[msec/μm]の場合について説明する。
【0059】この場合、先の従来例と同様に、エキシマ
レーザ光源16の発振周波数が1[KHz]であり、最大ウ
エハ面照度(露光量)が250[mW/cm]である場合
に、このままの条件設定で露光を行うと仮定すると、露
光時間Texpが、15/250=0.06[sec]=60[m
sec]となり、Z駆動に必要な時間、すなわち1.5[μ
m]×50[msec/μm]=75[msec]を下回ってしまい、事
実上のDP露光が不可能となってしまう。この場合、1
パルス当たりのエネルギは、15/60=0.25[mJ/
(cm・pulse)]に設定されている。
【0060】そこで、かかる場合に、主制御装置50で
は、シャッタ16fの開成に先立って、次の〜のい
ずれかの手法により、ウエハ面に単位時間に照射される
光量を所望の割合で低下させるための準備を行う。 主制御装置50では、エネルギコントローラ16d
にレーザ発振周波数を400[Hz]に変更するような
制御情報TSを与える。これにより、エネルギコントロ
ーラ16dにより、主制御装置50からの制御情報TS
に応じて高圧電源16eの電源電圧が制御され、エキシ
マレーザ光源16の発振周波数が400[Hz]に設定
される。この場合、1パルス当たりのエネルギは変更さ
れない。 主制御装置50では、シャッタ16fの開成に先立
って、エネルギコントローラ16dにレーザ発光エネル
ギを2/5に変更するような制御情報TSを与える。こ
れにより、エネルギコントローラ16dにより、制御情
報TSに応じて高圧電源16eの電源電圧がフィードバ
ック制御され、エキシマレーザ光源16での1パルス当
たりのエネルギが2/5×0.25=0.1[mJ/(cm
・pulse)]に設定される。この場合、エキシマレーザ光
源16の発振周波数は変更されない。 主制御装置50では、エネルギ粗調器20における
透過率を40%に設定する。この場合、エキシマレーザ
光源16の発振周波数及び1パルス当たりのエネルギは
変更されない。
【0061】上記〜のいずれか準備動作の後、主制
御装置50では、シャッタ16fを開成し、上述した第
1工程〜第3工程の手順に従って、DP露光を行う。
【0062】この場合、ウエハ面照度(露光量)は、2
50×2/5=100[mW/cm]になり、全露光時間Te
xpは、15/100=0.15[sec]=150[msec]と
なり、Texp(=150)≧Tmove(=75)が成り立
ち、最適条件、すなわち積算露光量:15[mJ/cm]、
Z振り幅:1.5[μm]のDP露光が可能となる。
【0063】なお、ウエハ面照度を変更するために、エ
キシマレーザ光源16の発振周波数、1パルス当たりの
エネルギ、エネルギ粗調器20における透過率を適宜組
み合わせて調整しても良いことは勿論である。
【0064】〈第2の例〉上記の第1の例では、最適条
件下でのDP露光が可能になったが、第1〜第3の露光
条件を同一としたため、1ショットの露光時間が150
[msec]も掛かってしまう。そこで、露光時間の短縮を図
るために、この第2の例では、上記第1〜第3工程の露
光条件を異ならせたものである。
【0065】この場合、Tmoveを上記と同様75[msec]
にするため、第2の露光条件をウエハ面照度100[mW/
cm]にし、例えば、第1、第3の露光条件として最大
ウエハ面照度(=250[mW/cm])を同一時間与える
ものとすると、
【0066】目標積算露光量−第2工程における積算露
光量=15−100×0.075=7.5[mJ/cm] T1+T2=7.5÷250=0.03[sec]=30[ms
ec] T1=T2=15[msec] となる。
【0067】従って、主制御装置50では、上記のよう
に各工程における露光時間、露光量が設定されるよう
に、DP露光中の各工程におけるウエハ面照度をエキシ
マレーザ光源16の発振周波数を調整するか、エキシマ
レーザ光源16での1パルス当たりのエネルギを調整す
るか、これらの組み合わせによりウエハ面照度を調整す
るのである。ここで、エネルギ粗調器20における透過
率の調整によりウエハ面照度を調整しないのは、応答性
を考慮した場合に現実的でないからである。
【0068】この第2の例では、全露光時間Texp=1
05[msec]となって、Texp(=105)≧Tmove(=
75)が成り立ち、最適条件、すなわち積算露光量:1
5[mJ/cm]、Z振り幅:1.5[μm]のDP露光が可能
となるのに加え、露光時間も45[msec]も短くなり、ス
ループットの向上も可能である。
【0069】上記第2の例では、時間Tmoveにおける積
算露光量が、全積算露光量の1/2となるように設定し
たが、これに限らず、時間Tmoveにおける積算露光量
が、全積算露光量の1/2より小さくなるように、主制
御装置50では、第1〜第3工程におけるウエハ面照度
を調整しても良い。いずれの場合も、ウエハWの第1位
置Z1と第2位置Z2の2箇所にウエハWが存在する存在
確率分布が、全体の半分以上を占め、多重焦点露光によ
る焦点深度向上の効果を効果的に発揮できるからであ
る。
【0070】また、上記第2の例で、第1工程における
積算露光量と第3工程における積算露光量とが同一であ
るようにしたのは、もっとも最良結像面位置(ベストフ
ォーカス位置)Zbestから遠い、第1位置と第2位置に
おける積算露光量に偏りがなくなるので、いずれの位置
の影響も同等に受け、良好な露光結果が期待されるから
である。
【0071】但し、上記第1、第2の例は、露光時間調
整の例示であって本発明がこれに限定されないことは勿
論である。
【0072】以上説明したように、本実施形態の露光装
置及びその露光方法によると、1ショット当たりの露光
時間を任意に調整することが可能となり、従来DP露光
が不可能であった、露光パワーとレジスト感度及び、Z
振り幅の組み合わせでも、良好な条件で、DP露光が可
能になる。
【0073】また、このようにDP露光が可能になると
言うことは、DP露光本来の目的であるより細かいパタ
ーンに対し露光の際の焦点深度向上の効果が得られるこ
とを意味し、同程度の性能の露光装置を用いてもより最
先端(高集積度)のデバイス製造が可能になることを意
味する。
【0074】また、露光量(ウエハ面照度)の調整をエ
キシマレーザ光源16の発振周波数の調整による場合に
は、単位時間当たりの発光パルス数を従来例の場合に比
較して減少させることができるので、発光パルス数に応
じて劣化が生じるレーザ内部の消耗品(ガスや、電極、
光学部品等)の消耗を抑制することができるという利点
がある。
【0075】また、1パルス当たりのエネルギを調整し
たり、エネルギ粗調器20により減光率を調整したりす
ることにより露光量(ウエハ面照度)の調整を行う場合
には、ウエハ面上でのレーザ発光1パルス当たりの露光
エネルギーが小さくなり、必要露光パルス数が増えるた
め、従来のパルス数制御における積算露光量制御におい
ては、露光量制御精度が向上するという利点もある。
【0076】なお、上記実施形態では、露光光源として
パルスレーザ光源の一種であるエキシマレーザ光源を用
いる場合について説明したが、本発明がこれに限定され
るものではない。すなわち、光源として、超高圧水銀ラ
ンプ等のランプ光源を用いる露光装置であっても同様に
適用が可能である。
【0077】例えば、光源に2.5[KW]水銀ランプ使用
で、ウエハ面照度1.2[W/cm]、基板テーブル58の
Z駆動能力が50[msec/μm]において、あるパターンを
露光する際の最適条件が、露光量72[mJ/cm]、Z振
り幅:1.5[μm]だとすると、従来の露光方法では、
露光時間Texpは、60[msec]となって、露光時間がZ
駆動に必要なTmove=75[msec]を下回ってしまい、事
実上DP露光が不可能となっていた。
【0078】そこで、本発明をかかるランプ光源を用い
た露光装置に適用し、例えば、ランプ発光エネルギを2
/5に変更したり、照明光路中に配置されたランダムウ
ォークフィルタ等の減光手段を用いて、ウエハ面照度を
480[mW/cm2]に設定して、上記実施形態中の第1の例
と同様にしてDP露光を行えば、Texp=150[msec]
となり、Texp≧Tmoveが成り立ち最適条件でのDP露
光が可能になる。また、上記実施形態中の第2の例と同
様のDP露光の場合にも、ランプ発光エネルギの調整
や、照明光路中の減光手段により減光率を調整すること
により、ウエハ面照度、ひいては露光時間の調整を行え
ば良い。
【0079】《デバイス製造方法》次に、上述した露光
装置及び露光方法をリソグラフィ工程で使用したデバイ
スの製造方法の実施形態について説明する。
【0080】図4には、デバイス(ICやLSI等の半
導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マ
イクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されて
いる。図4に示されるように、まず、ステップ201
(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計
(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その
機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、
ステップ202(マスク製作ステップ)において、設計
した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、
ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、シリ
コン等の材料を用いてウエハを製造する。
【0081】次に、ステップ204(ウエハ処理ステッ
プ)において、ステップ201〜ステップ203で用意
したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソ
グラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成
する。次いで、ステップ205(デバイス組立ステッ
プ)において、ステップ204で処理されたウエハを用
いてデバイス組立を行う。このステップ205には、ダ
イシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング
工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
【0082】最後に、ステップ206(検査ステップ)
において、ステップ205で作製されたデバイスの動作
確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工
程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0083】図5には、半導体デバイスの場合におけ
る、上記ステップ204の詳細なフロー例が示されてい
る。図5において、ステップ211(酸化ステップ)に
おいてはウエハの表面を酸化させる。ステップ212
(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形
成する。ステップ213(電極形成ステップ)において
はウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ2
14(イオン打込みステップ)においてはウエハにイオ
ンを打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214
それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成し
ており、各段階において必要な処理に応じて選択されて
実行される。
【0084】ウエハプロセスの各段階において、上述の
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ2
15(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光
剤を塗布する。引き続き、ステップ216(露光ステッ
プ)において、上で説明した露光装置及び露光方法によ
ってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、
ステップ217(現像ステップ)においては露光された
ウエハを現像し、ステップ218(エッチングステッ
プ)において、レジストが残存している部分以外の部分
の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステ
ップ219(レジスト除去ステップ)において、エッチ
ングが済んで不要となったレジストを取り除く。
【0085】これらの前処理工程と後処理工程とを繰り
返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターン
が形成される。
【0086】以上説明した本実施形態のデバイス製造方
法を用いれば、露光工程(ステップ216)において上
記の露光装置10及びそのDP露光方法が用いられるの
で、より細かいパターンを露光する際の焦点深度を向上
させることにより、従来製造が困難であった高集積度の
マイクロデバイスを低コストで製造(生産)することが
可能になる。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜5に記
載の各発明によれば、従来DP露光が不可能であった条
件下であってもDP露光を可能にする露光方法を提供す
ることができる。特に、請求項2に記載の発明によれ
ば、スループットを一層向上させることができるという
効果もある。
【0088】また、請求項6又は7に記載の発明によれ
ば、従来DP露光が不可能であった条件下であってもD
P露光を可能にする露光装置を提供することができる。
特に、請求項7に記載の発明によれば、スループットを
一層向上させることができるという効果もある。
【0089】また、請求項8に記載の発明によれば、従
来製造が困難であった高集積度のマイクロデバイスを低
コストで製造(生産)することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る露光装置の全体構成を概略的
に示す図である。
【図2】図1の装置の露光量制御に関連する構成部分を
取り出して示す図である。
【図3】ウエハ上の1ショット領域についてのDP露光
の際のウエハのZ位置の時間変化を、横軸に露光開始か
らの経過時間t[msec]を取って示す図である。
【図4】本発明に係るデバイス製造方法の実施形態を説
明するためのフローチャートである。
【図5】図4のステップ204における処理を示すフロ
ーチャートである。
【図6】発明が解決しようとする課題を説明するための
図である。
【符号の説明】
10…露光装置、12…照明系、16…エキシマレーザ
光源(光源、パルスレーザ光源)、50…主制御装置
(制御装置)、56…ウエハ駆動装置(基板駆動系)、
R…レチクル(マスク)、IL…パルス照明光(露光用
照明光)、PL…投影光学系、W…ウエハ(基板)、A
X…光軸、Z1…第1位置、Z2…第2位置。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光光をマスクに照射し、該マスクに形
    成されたパターンを投影光学系を介して基板上に転写す
    るに際し、前記基板を前記投影光学系の光軸方向の第1
    位置と第2位置との間で移動させる露光方法において、 前記基板を前記投影光学系の光軸方向の第1位置に静止
    して第1の露光量で露光を行う第1工程と;前記第1工
    程の後、前記基板を前記光軸方向の第2位置まで連続的
    に変化させながら第2の露光量で露光を行う第2工程
    と;前記第2工程の後、前記基板を前記第2位置で静止
    して第3の露光量で露光を行う第3工程とを含み、 前記第1〜第3工程の露光時間を調整することを特徴と
    する露光方法。
  2. 【請求項2】 前記第2工程における積算露光量が前記
    第1工程における積算露光量と前記第3工程における積
    算露光量との総和以下となるように前記各工程における
    前記基板面の照度を調整することにより前記露光時間を
    調整することを特徴とする請求項1に記載の露光方法。
  3. 【請求項3】 前記第1工程における積算露光量と前記
    第3工程における積算露光量とが同一であることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の露光方法。
  4. 【請求項4】 前記露光光の光源がパルスレーザ光源で
    ある場合に、前記露光時間の調整は、前記パルス光源の
    パルス発光の周波数及び前記マスクに照射されるパルス
    エネルギの少なくとも一方を変化させることにより行う
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の
    露光方法。
  5. 【請求項5】 前記露光光の光源がランプ光源である場
    合に、前記露光時間の調整は、前記ランプ光源のパワー
    及び前記基板に照射される露光光の強度の少なくとも一
    方を変化させることにより行うことを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか一項に記載の露光方法。
  6. 【請求項6】 マスクを露光用照明光で照明する照明系
    と;前記マスクから出射された前記露光用照明光を基板
    上に投射する投影光学系と;前記基板を前記投影光学系
    の光軸方向に駆動する基板駆動系と;前記基板が、前記
    投影光学系の光軸方向の第1位置に静止して第1の露光
    量で露光が行われ、前記第1位置から前記光軸方向の第
    2位置まで連続的に変化しながら第2の露光量で露光が
    行われ、前記第2位置で静止して第3の露光量で露光が
    行われるように、前記照明系及び前記基板駆動系を制御
    する制御装置とを備え、 前記制御装置が、前記基板面の照度を調整することによ
    り露光時間を調整することを特徴とする露光装置。
  7. 【請求項7】 前記制御装置が、前記基板が前記光軸方
    向の第1位置から前記第2位置まで連続的に変化しなが
    ら第2の露光量で露光が行われる際の積算露光量が前記
    第1位置における積算露光量と前記第2位置における積
    算露光量との総和以下となるように前記基板面の照度を
    調整することにより前記露光時間を調整することを特徴
    とする請求項6に記載の露光装置。
  8. 【請求項8】 請求項2又は3に記載の露光方法を露光
    工程で用いることを特徴とするデバイス製造方法。
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