JP2005506318A - ゼロ次制御薬剤放出システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御放出固形医薬製剤が、
(i)製剤の芯材(コア)であって、医薬活性成分と、1種もしくはそれ以上の種類の医薬的に許容できるマトリックス形成ポリマーとから構成されていて、下記式によって定義される活性成分を0から少なくとも50重量%を放出するための放出プロフィールを用いて該活性成分を放出する芯材と;
y = k*tn
(式中、yは放出された活性成分の分画を意味し、
kは動力学係数を意味し、
tは時間を意味し、
nは放出指数を意味し、0.30〜0.65の範囲である)
(ii) 上記芯材の表面領域の25〜99%を被覆する実質的には不溶性の外被とからなり、該外被が、可融性粒子からなる粉末を該製剤芯材上に静電気的沈着により薄いフイルムに形成された外被であって、それによって、該静電気的にコートされた錠剤が、活性成分を、下記式により定義されるような0から少なくとも50重量%の放出プロフィールにより放出するように形成されている外被と、
y = k*tn
(式中、yは放出された活性成分の分画を意味し、
kは動力学係数を意味し、
tは時間を意味し、
nは放出指数を意味し、0.7〜1.0の範囲である)
から構成されている。
Description
【0001】
この発明は、制御薬剤放出システムであって、活性物質を一定割合で(つまり、ゼロ・オーダーまたはゼロ次)生物学的流体、特に胃腸流体中に放出するゼロ次制御薬剤放出システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
錠剤はしばしば医薬品を患者に投与する好ましい手段である。従来の即放性錠剤は、次回の投与までに、最大濃度に達した後速やかに効率的に崩壊して、身体に活性な薬剤を放出するものである。この方法は、しばしば、血液中における薬品濃度がピークと谷間になるので、錠剤を頻回投与する必要がある。その結果、この方法は、高濃度では有害な副作用を増長させるか、または低濃度では治療効果を減退させることにもなり得る。これらの効果は、生物学的半減期が相対的に短い活性物質では急性になって現れうる。これらに対するために、活性物質を所定期間一定割合で放出(ゼロ・オーダーまたはゼロ次放出)する制御薬剤放出薬剤、いわゆる徐放性薬剤がしばしば使用されている。
【0003】
多くの徐放性錠剤は、ポリマーネットワークを形成してマトリックスシステムを用いているか、またはフィルムコーテイングなどのメクブレンシステムを用いるかのいずれかによって製造されている。大部分の薬剤が放出される時間内における溶解動力学は、以下の数式によって表すことができる。
y=k*tn
式中、yは放出された分画を意味し、
kは動力学係数を意味し、
tは時間を意味し、
nは放出指数を意味する。
【0004】
放出指数nは、放出モードの指標であり、n=0.5であれば、フィキアン(Fickian)拡散が支配することになり、つまり、ポリマーネットワークの構造が急速に弛緩し、放出割合を制限する手段は医薬活性物質の自己拡散である。これは1次(first order)放出と呼ばれている。n=1であれば、活性物質の放出が一定割合であり、つまり、ゼロ次放出である。放出割合を制限する手段はポリマー弛緩の割合である。
【0005】
活性物質の放出割合に影響を及ぼす要因は数多くあり、例えば、分子量、ガラス転移温度、膨張容量、ポリマー形成ネットワークのゲル化ポテンシャルなどの要因が挙げられる。したがって、実際問題として、放出割合は、0.5に近い放出指数を有するポリマーマトリックスだけで限定された程度に制御することができる。
【0006】
アメリカ特許第4792448号には、1種またはそれ以上の種類の活性物質を実質的に一定割合に(つまり、ゼロ次)制御して流体媒体中に放出するためのデバイスが記載されていて、この活性物質は、そのデバイス側面からの取り除いた壁もしくはコーテイングの1つもしくはそれ以上のストリップを除いた、全面を被覆した、実質的に不浸透性壁もしくはコーテイングによって、円柱状の錠剤もしくは丸剤の形状で均一に分散した活性物質から構成されている。(特許文献1)
【0007】
ヨーロッパ特許第0259113号は、1種もしくはそれ以上の種類の活性物質を流体媒体中に制御して放出するデバイスを開示していて、その流体媒体中では、その活性物質は、1種もしくはそれ以上の種類の不活性希釈剤と共にまたはその希釈剤なしに、均一に分散されていて、その底部と側面が不透過性壁もしくはコーテイングによって実質的には円錐台形の形状に囲まれている。(特許文献2)
【0008】
アメリカ特許第5004614号には、制御放出(徐放)性デバイスが記載されていて、この徐放性デバイスは、活性薬剤と、外被コーテイングであり、その外被コーテイングが、環境流体の侵入に対し実質的に不透過性であり、かつ、その開口から外被コーテイング中への該活性薬剤の制御放出が可能である投薬期間中の該活性薬剤の放出に対し実質的に不透過性である外被コーテイングと、からなっている。その外被コーテイング厚および開口の場所ならびに大きさは、放出プロフィールに対して影響を及ぼす可変要因である(特許文献3)
【0009】
アメリカ特許第4839177号は、活性物質の徐放システムを開示しており、そのシステムは、(a)該活性物質を有する、所定の幾何学的形状からなる沈着芯材(コア)と、(b)該芯材に適用したサポートプラットフォームとから構成されている。上記沈着コアは、該活性物質と混合されている、水もしくは水性液体に接触すると高膨張するポリマー物質と、ゲル化ポリマー物質と、から構成されている。なお、該ポリマー物質は膨張性とゲル化性質とを有する単一のポリマー物質と置換することができる。上記サポートプラットフォームは、水性液体に不溶なポリマー物質から構成されて、上記芯材を部分的にコーテイングしている。しかしながら、これらの錠剤は、サポートが堅いことから、活性物質が完全に放出される前に、割れたり、ときには剥離したりするという欠点がある。この特許は、アメリカ特許第5422123号によって更新されていて、その特許には、活性物質を含有する所定の幾何学的形状の芯材(コア)と、水性液体とゲル化性質を有するポリマー物質に接触すると膨張するポリマー物質と、上記芯材に適用されかつ、その表面の1部を被覆するサポートであって、水性液体中に徐々に溶解するならびに/もしくはゲル化するポリマー物質と、可塑化物質と、できればアジュバント機能を有する物質と、からなるサポートと、から構成される該活性物質のゼロ次制御放出用錠剤が開示されている。(特許文献4)
【0010】
アメリカ特許第6033685号には、活性薬剤の制御放出用錠剤が記載されていて、該錠剤が、(a)非膨張性、非ゲル化疎水性マトリックス中に埋設した活性薬剤からなるマトリックス層と、(b)該マトリックス層の単1面にラミネートされた第1バリア層と、(c)該マトリックス層の反対面にラミネートされ、該第1バリア層の反対側に配置される任意の第2バリア層とから構成されている。(特許文献5)
【0011】
アメリカ特許第6083533号は、活性物質の水性媒体中への制御放出用多層化錠剤を開示しており、該錠剤は、活性物質の放出を遅延もしくは防止する外皮層が少なくとも部分的に設けられている水性媒体との接触表面を有する多層化マトリックスを含む少なくとも1種の活性物質から構成されていて、また該錠剤は、その外皮層が、前もって組成された多層化マトリックスの接触表面上に設けられる少なくとも1層の厚み勾配を持つ追加層からなっている。(特許文献6)
【0012】
アメリカ特許第6264985号には、浸食性芯材(コア)と、実質的には抗浸食性外層(シェル)とからなる圧縮コート錠剤が記載されている。この外層は、少なくとも1個の開口を有していて、該芯材の1方の端は開口の方まで伸長して設けられている。(特許文献7)
【0013】
WO921445には、静電気的沈着法が、制御された厚みを有するコーテイングに適用するのに使用することができるとともに、医薬品を含む医薬製品のために使用することができることが記載されていて、また該医薬品は、投与すると即放される、または、制御もしくは調節された放出の対象となり、かつ、かかる制御もしくは調節はコーテイングの性質からならびに/もしくは芯材の性質から達成することができる。放出の所望の形態がコーテイングの特長によって達成することができる場合には、該製品の1部を未被覆のままもしくは異なる物質で被覆したままで残すことが好ましい。円柱状の側壁により結合された対向端に外面を有する錠剤の場合には、異なる物質で未被覆もしくは被覆の部分は、錠剤の外面の1つ、外面の1つの小さな部分または錠剤の側壁である。したがって、ゼロ次放出プロフィールが達成できるかどうかまたはその方法についての開示はない。(特許文献8)
【0014】
活性成分を実質的に一定割合で制御放出するために有効な医薬製剤が必要である。
【特許文献1】
アメリカ特許第4792448号
【特許文献2】
ヨーロッパ特許第0259113号
【特許文献3】
アメリカ特許第5004614号
【特許文献4】
アメリカ特許第4839177号
【特許文献5】
アメリカ特許第6033685号
【特許文献6】
アメリカ特許第6083533号
【特許文献7】
アメリカ特許第6264985号
【特許文献8】
WO921445
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
驚いたことに、活性成分を実質的に一定割合で、つまり、ゼロ次放出割合で、制御放出できる医薬製剤は、錠剤の選択表面上に薄層フイルムに対して静電気を適用して作製することができることを見出した。放出プロフィールは、規定の領域内に完全で、均一なコーテイングが得られる限り、厚いフイルム層へ適用することも、制御された厚みに依存することも要求されない。更に、特別に設計された幾何学的形状、規定位置のフイルムコーテイングの規定表面領域の1部の機械的剥離、または特定のマトリックス形成ポリマーの存在も必要としていない。
【0016】
この発明は、医薬活性剤のほぼゼロ次放出プロフィールを有する医薬製剤を製造する簡単で有効な手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この発明に係る制御放出製剤は、次のような構成からなっている。
つまり、この発明の制御放出製剤は、
(i) 製剤の芯材(コア)であって、医薬活性成分と、1種もしくはそれ以上の種類の医薬的に許容できるマトリックス形成ポリマーとから構成されていて、下記式によって定義される活性成分を0から少なくとも50重量%を放出するための放出プロフィールを用いて該活性成分を放出する芯材と;
y = k*tn
(式中、yは放出された活性成分の分画を意味し、
kは動力学係数を意味し、
tは時間を意味し、
nは放出指数を意味し、0.30〜0.65の範囲である)
(ii) 上記芯材の表面領域の25〜99%を被覆する実質的には不溶性の外被とからなり、該外被が、可融性粒子からなる粉末を該製剤芯材上に静電気的沈着により薄いフイルムに形成された外被であって、それによって、該静電気的にコートされた錠剤が、活性成分を、下記式により定義されるような0から少なくとも50重量%の放出プロフィールにより放出するように形成されている外被と、
から構成されている。
y = k*tn
(式中、yは放出された活性成分の分画を意味し、
kは動力学係数を意味し、
tは時間を意味し、
nは放出指数を意味し、0.7〜1.0(つまり、ほぼゼロ次放出プロフィール)の範囲である)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
この発明は、医薬活性薬剤をほぼゼロ次放出プロフィールを持つ医薬製剤を製造するための簡便で効率的な手段を提供する。
この発明の制御放出製剤は、上記構成からなっていて、ほぼ1次放出プロフィールを有する医薬剤の貯蔵庫である錠剤芯材は、常法によって製造することができ、かつ、錠剤の表面領域の25%〜99%を覆う不溶性外被が設けられている。錠剤が投与されると、体液、例えば、胃液に露出される錠剤領域は減少し、それによって錠剤芯材の水和割合と、医薬放出割合とが低下して、投与した錠剤がほぼゼロ次の放出プロフィールを有するようになる。
【0019】
静電気的にコートした錠剤は、一般には、活性成分の0重量%から50重量%までの放出範囲において、好ましくは、0重量%から60重量%までの放出範囲において、より好ましくは、0重量%から70重量%より大きい割合までの放出範囲において、n=0.7〜1.0の放出プロフィールを有するのがよい。好ましい態様では、該放出プロフィールは、活性成分の70重量%の放出を達成するには、少なくとも4時間、好ましくは少なくとも5時間を必要とするのがよい。
【0020】
医薬活性成分の放出プロフィールは、パドル(paddle)撹拌要素(装置II)、VankelTM7000溶解装置(装置II)を使用する標準アメリカ医薬局方(US Pharmacopoeia)によって決定される。その構成は、ガラス製もしくはその他の不活性で透明な物質製のカバーした容器と、モーターと、ブレードとシャフトで作成したパドルとからなっている。該シャフトは、その軸が該容器の垂直軸からのどの点でも2mm以内に配置されるとともに、重大な揺れが無いように回転するように配置する。該ブレードの垂直中心線は、その軸を通過し、そのブレードの底部が該シャフトの底部と接触する。試験中、該パドルと該容器の内底部との間の距離は、25+/−2mmに維持される。
【0021】
容器は、試験中、その内部の温度を37+/−0.5℃に維持する適切な水浴中に部分的に浸し、浴中の流体を一定して円滑に動かし続ける。容器は円柱状で、底部が半球状で、側面の頂部にフランジが設けられている。蓋は蒸発を遅延させるために使用することができる。脱ミネラル化水を容器に添加する。用量単位(単一錠剤1個)は、ブレードの回転を開始する前に、容器の底に沈めておく。攪拌割合は50rpmに設定する。活性成分の経時放出は、例えば、紫外線分析、HPLCなどの適切な手段によって測定し、活性成分の全重量の放出百分率(w/w)として表す。
【0022】
錠剤芯材を被覆する外被は、可融性粒子からなる粉末を静電気的沈着によって形成することができる。この技法によって、錠剤芯材上に薄層で連続する外被が形成できる。この放出プロフィールは、その外被の厚みに依存しないけれども、開口の形成を最小限にするためには、連続した完全な被覆をすることが重要である。典型的には、このためには、粉末化物質(粉末の平均直径は10μm)を数層沈着させて、融解後のコーティング厚を少なくとも20μmにする必要がある。一般的には、錠剤の最大コーティング厚は75μm以下である。コーティング厚は20〜50μmの範囲であるのが好ましい。一般的には、コーティングは、錠剤芯材の5重量%以下、多くの場合、4重量%以下、より多くの場合、3重量%以下の重量増加をきたす。一般に、外被は、錠剤芯材の表面領域の25%ないし99%、一般的には50%ないし99%、好ましくは65%ないし95%を被覆し、残りの部分を露出させるのがよい。
【0023】
錠剤芯材の形状は、粉末の静電的沈着が種々の形状k物体に容易に行うことができることから、決定的ではない。錠剤芯材は、常法の製剤化技術、例えば、粉末ならびに/もしくは粒状物の圧縮技術によって一般的に形成することができる。なお、その他の成形技術も使用することができる。通常の錠剤芯材は、その断面が円形であり、その二つの主要対向表面は、例えば、平面、縁が斜角の平面、凹面、凸面などであってよい。不溶性外被は、一般的には、主要表面の一方と側壁を被覆し、その別の主要表面は露出させたままにするのがよい。
【0024】
錠剤芯材は、少なくとも1種のアジュバントと医薬活性成分とから構成されている。一般的には、アジュバントはバインダーからなっているのがよい。適切なバインダーは、周知であり、例えば、アラビアゴム、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、グアガム、硬化植物油、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、メチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポビドン、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0025】
錠剤芯材は放出割合制御添加物を含んでいるのが好ましい。例えば、医薬品は、疎水性ポリマーマトリックス中に保持されていてもよいので、体液に接触すると、そのマトリックスから徐々に浸出してくるように形成できる。または、医薬品は、疎水性ポリマーマトリックス中に保持されて、体液の存在下で、そのマトリックスが徐々に溶解もしくは膨張して、その医薬品を放出するようにすることもできる。
【0026】
適切な放出割合制御ポリマーとしては、例えば、ポリメタクリレート、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、カルシウムカルボキシメチルセルロース、アクリル酸ポリマー、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、カラゲナン、セルロースアセテート、グリセリルモノステアレート、ゼインなどが挙げられる。
【0027】
錠剤芯材は、その他の通常の錠剤成分を含んでいてもよく、例えば、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤、湿潤剤、円滑剤、表面活性剤、放出補助剤、着色剤、ガス発生剤などが挙げられる。
適切な希釈剤としては、例えば、ラクトース、セルロース、リン酸ジカルシウム、ショ糖、デキストロース、フラクトース、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、硫酸カルシウム、デンプン、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、デキストレート、デキストリン、カオリン、ラクチトール、炭酸マグネシウム、マグネシウムオキシド、マルチトール、マルトデキストリン、マルトースなどが挙げられる。
適切な潤滑剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウムなどが挙げられる。
適切な円滑剤としては、例えば、コロイダルシリカ、タルクなどが挙げられる。
適切な湿潤剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ドクセート(docusate)ナトリウムなどが挙げられる。
ガス発生剤としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、クエン酸などが適切である。
【0028】
医薬活性成分としては、経口投与することができる幅広い範囲の物質から選択することができる。適切な成分としては、例えば、酸性消化剤もしくは運動影響剤、緩下剤、下痢止め剤、結腸直腸剤、膵酵素、胆汁酸、抗不整脈薬、抗狭心症剤、利尿剤、降圧剤、抗凝血剤、抗血栓剤、フイブリン溶解剤、止血薬、抗低脂肪血薬、抗貧血剤、向神経薬、催眠薬、不安寛解剤、抗精神病剤、抗うつ薬、制吐剤、抗けいれん薬、CNS興奮剤、鎮痛剤、解熱剤、抗偏頭痛薬、非ステロイド抗炎症剤、抗痛風薬、筋肉弛緩薬、神経筋薬、ステロイド薬、低血糖薬、高血糖薬、診断薬、抗生物質、抗カビ剤、抗マラリア剤、抗ウイルス剤、免疫抑制剤、栄養剤、ビタミン剤、透析液、食欲減退薬、食欲抑制剤、気管支拡張剤、去痰薬、鎮咳剤、粘液破壊薬、充血除去剤、抗緑内障薬、経口避妊薬、抗腫瘍薬などが挙げられる。
【0029】
粉末物質を基質に静電気的に適用する方法は既知である。これらの方法は、電子写真や電送写真の分野ですでに開発されていて、かかる適切な方法は文献等に記載されている(Electrophotography and Development Physics, Revised Second Edition, by L.B. Schein, published by Laplacian Press, Morgan Hill, California)。粉末物質を固形製剤に静電気的に適用する方法は既知であり、その技法は種々の特許公報に記載されている(イギリス特許出願番号9929946.3、WO92/14451、WO96/35413、WO96/35516、PCT/GB01/00425)。
【0030】
例えば、WO92/14451には、医薬製剤の芯材(コア)がアースされたコンベヤーベルト上を運ばれて、静電気的に荷電された粉末が芯材に付着され、その表面上に粉末コーテイングを形成する方法が記載されている。
【0031】
基質に静電気的に適用される粉末物質はある種の性質を持っておくべきである。例えば、粉末物質の電気的性質は、その粉末物質を静電気的な適用に適切にすることができるものであるべきであり、その他の性質としては、その粉末物質が、静電気的適用がなされると、その基質に対してしっかりと結合するべきである。
【0032】
WO96/35413は、医薬錠剤のような低導電性(非金属)基質に対して静電気的適用に特に適している粉末物質を記載している。粉末物質に所望する性質を付与できる単一成分を見出すことが困難な場合もあるので、粉末物質は、その物質に全てのもしくはできる限り多くの所望の性質を付与することができる異なる成分から構成されているのがよく、それらの成分は共に加工されて「複合粒子」を形成しているのがよい。例えば、粉末物質は、融解されて基質表面に連続フィルムを形成する1成分と、所望の電気的性質を有する別の成分とを含む複合粒子であるのがよい。
【0033】
しかしながら、上記粉末物質の潜在的欠点は、配合を変更する場合に、その変更に容易に適合できないことである。粉末物質の配合物は、種々の理由によって変更される。例えば、その物質が着色物質である場合、着色剤を変更したり、またその物質が、例えば、生理活性物質のような活性物質の場合、活性物質のタイプやその活性分子の濃度を変えたりすることがある。それらの活性物質の全ての成分は緊密に混合されるため、成分を変更することにより、その物質の電気的性質が変化して、それによって静電気的適用の性能が変わったりする。配合を変更する場合はいつでも、最適性能を得るために、その物質を静電気的適用に叶うようにする成分の内容を調節するか、またはおそらく異なる成分を使用することさえ必要がある場合もある。
【0034】
PCT/GB01/00425には、粉末物質を基質に静電気的に適用する方法が記載されていて、この方法によって、該物質の少なくともいくつかの粒子は、芯材と、この芯材を包囲する外被とが、異なる物理的および/または化学的性質を有しているように形成されている。
【0035】
粉末物質の粒子が芯材と該芯材を包囲する外被とから構成されている場合、変更しやすいそれらの成分、例えば、着色剤を芯材中に配置して、種々の芯材組成物に使用するのが適しているより万能な(ユニバーサルな)外被組成物を提供することができ、それによって粉末物質の全体的な適合性に実質的な影響を及ぼすことなく、芯材中の成分を変更することができる。したがって、外被は、芯材の組成変更が静電気的適用における該粉末物質の性能に影響を及ぼさないことを確実にすることができる。したがって、粉末物質の1成分の変更は他の成分の量の変更を最低にして行うことができる。
【0036】
一般的には、粉末物質には、融解可能成分が含まれていて、その成分は外被もしくは芯材または外被と芯材との両方に存在していてもよい。融解可能成分は、処理可能で連続フィルムコーティングに形成されるのが有利である。適切な成分の例としては、例えば、ポリメタクリレートなどのポリアクリレート類;ポリエステル類;ポリウレタン類;ナイロンなどのポリアミド類;ポリウレア類;ポリスルホン類;ポリエーテル類;ポリスチレン類;ポリビニルピロリドン類;ポリカプロラクトン類、ポリ無水物、ポリラクチド類、ポリグリコライド類、ポリヒドロキシブチレート類、ポリヒドロキシバレレート類などの生分解性ポリマー類;ラクチトール、ソルビトール、キシリトール、ガラクチトール、マルチトール、フラクトース、キシロース、ガラクトースなどの糖類;植物油や硬化性植物油(飽和ならびに不飽和脂肪酸)、例えば、硬化性ヒマシ油、カルナバ蝋、蜜蝋などの疎水性ワックスならびに油脂;ポリアルケン類ならびにポリアルケンオキシド類;ポリエチレングリコールなどが挙げられる。その他の適切な物質も使用できることは明白であり、上記の物質は単に例示として記載したものである。1種もしくはそれ以上の種類の融解可能な物質が存在してもよく、好ましい融解可能な物質は、一般的には、粉末物質中の他の成分のためのバインダーとして機能する。
【0037】
一般には、粉末物質は、融解可能物質を、少なくとも30重量%、通常では少なくとも35重量%、好ましくは少なくとも85重量%含んでいて、例えば、融解可能物質は、粉末物質の95重量%まで、例えば85重量%までを構成していてもよい。ワックスが存在する場合、そのワックスは、一般には、粉末物質の6重量%以下、特に3重量%以下、特に好ましくは1重量%以下、例えば、1重量%ないし6重量%、特に1重量%ないし3重量%の割合で存在しているのがよい。
【0038】
上記物質のうち、ポリマーバインダー(樹脂ともいう)について特に記載する。かかるポリマーバインダーの例としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、メタクリレートポリマー、例えば、アンモニオ−メタクリレートコポリマーなど、例えばEudragitとして販売されているものが挙げられる。
【0039】
樹脂は、ワックスと一緒に任意の更なる融解可能成分として芯材中にしばしば存在し、そのワックスの存在は、例えば、融解を加熱ローラーなどを使用する接触システムによって行なう場合や、融解したフイルムに光沢の外観を提供することが望ましい場合にも有用である。融解可能成分は、例えば、エネルギーをガンマ線、紫外線または高周波帯に放射するなどの処理中に硬化するポリマーからなっていてもよい。
【0040】
粉末物質は、荷電制御機能を有する物質を含んでいるのが好ましい。その機能性は、上記Eudragit樹脂の場合と同様に、ポリマー構造に導入したり、そして/または、より迅速な割合で荷電するために、別の荷電制御添加物によって付与することができる。荷電制御機能を持つ物質は、外被もしくは芯材または外被と芯材との両方に存在していてもよい。適切な荷電制御剤の例としては、例えば、サリチル酸亜鉛、サリチル酸マグネシウム、サリチル酸カルシウムなどの金属サリチル酸塩;第四級アンモニウム塩;ベンズアルコニウムクロリド;ベンズエトニウムクロリド;トリメチルテトラデシルアンモニウムブロミド(セトリミド);シクロデキストリン類などならびにそれらの附加物などが挙げられる。1種もしくはそれ以上の種類の荷電制御剤が使用できる。荷電制御剤は、例えば、粉末物質の全量に基づいて、10重量%までの量、特に少なくとも1重量%の量、例えば、1重量%ないし2重量%の量で存在しているのがよい。
【0041】
粉末物質はまた流動補助剤を含んでいてもよい。流動補助剤は、その物質粒子間の凝集力またはその他の力を減少して、粉末の流動性を改善する。適切な流動補助剤(「界面添加剤」としても知られている)としては、例えば、コロイダルシリカ;蒸気状二酸化チタン、亜鉛オキシド、アルミナなどの酸化金属;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムなどのステアリン酸金属;タルク;機能性もしくは非機能性ワックス;ポリメチルメタクリレートビーズ、フルオロポリマービーズなどのポリマービーズなどが挙げられる。かかる物質はまた摩擦チャ−ジングを強化できる。例えば、シリカと二酸化チタンの流動補助剤の混合物について特に説明する。粉末物質は、例えば、界面添加物、つまり流動補助剤の0重量%ないし3重量%、好ましくは少なくとも0.1重量%、例えば、0.2重量%ないし2.5重量%を含むのがよい。
【0042】
粉末物質は着色剤ならびに/もしくは不透明化剤をしばしば含んでいる。粉末が芯材と外被とから構成されている場合には、かかる成分は芯材に存在するのが好ましい。適切な着色剤ならびに不透明化剤の例としては、例えば、二酸化チタン、酸化鉄などの酸化金属;インジゴカルミン、サンセットイエロー、タートラジンなどのアルミニウム顔料;認可食品色素;天然顔料などが挙げられる。かかる物質の混合物は必要に応じて使用することができる。不透明化剤は、粉末物質の50重量%以下、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下、例えば、10重量%以下であるのが好ましく、例えば、粉末の重量に対して少なくとも5重量%の割合で使用するのがよい。二酸化チタンは、特に有用な不透明化剤であり、白色を付与するとともに、良好な隠蔽力と着色力を有する。不透明化剤と共に存在する着色剤の量は、例えば、粉末の10重量%以下、好ましくは1〜5重量%であるのがよい。不透明化剤が存在しない場合、着色剤の量は、例えば、粉末の1〜15重量%、例えば、2〜15重量%、特に2〜10重量%であるのがよい。最適の着色を達成するためには、ある場合、例えば、酸化鉄などの無機顔料を使用する場合、着色料は40重量%までの量が必要である。しかしながら、粉末物質は、通常、例えば、着色剤ならびに/もしくは不透明化剤の全量に対し、0〜25重量%含まれているのがよい。
【0043】
また、粉末物質には、例えば、レシチンなどの拡散剤が含まれていてもよい。拡散剤は、着色剤/不透明化剤(芯材内に存在するのが好ましい)と共に存在するのは好ましく、着色剤ならびに不透明化剤(特に二酸化チタンを使用するとき)の拡散を改善するのに有用である拡散成分としては、陽イオン性、陰イオン性もしくは非イオン性の界面活性剤が好ましいが、通常「界面活性剤」と言われていないが、同様の効果を有する別の化合物も使用することができる。拡散成分は補助溶剤であってもよい。かかる拡散成分としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ドキュセート(docusate)ナトリウム、ツイーン(ソルビタン脂肪酸エステル類)、ポリオキサマーおよびセトステアリルアルコールから選ばれた1つもしくはそれ以上の化合物が使用されるのがよい。粉末物質は、拡散成分重量の少なくとも0.5重量%、例えば、少なくとも1重量%、例えば2重量%ないし5重量%であるのが好ましい。最も頻繁に使用される態様では、その量は、着色剤ならびに不透明化剤の内容の約10重量%である。
【0044】
粉末物質にはまた、必要に応じて、適切な流動学的性質を付与するために、可塑化剤が含まれていてもよい。可塑化剤は、芯材ならびに/もしくは外被内に存在することができるが、存在する場合は、通常、芯材に使用される樹脂中に含まれて、例えば、メルト押出機での押出による芯材の製造のために適切な流動学的性質を付与している。適切な可塑化剤の例としては、例えば、ポリエチレングリコール類、トリエチルクエン酸塩、アセチルトリブチルクエン酸塩、アセチルトリエチルクエン酸塩、トリブチルクエン酸塩、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジメチルフタレート、ジブチルセバチン酸塩、グリセリルモノステアリン酸塩などが挙げられる。
【0045】
可塑化剤は、樹脂と共に使用することができ、使用量は、特に使用する特定の可塑化剤に依存するが、例えば、樹脂と可塑化剤との全量に対して50重量%までであるのがよい。粉末物質は、可塑化剤の重量に対して50重量%まで含まれているのがよい。
【0046】
さらに、粉末コーティング物質には1種もしくはそれ以上の種類の味覚調節剤が含まれていてもよい。かかる味覚調節剤としては、例えば、アスパルテーム、エーススルフェームK、シクラメート、サッカリン、糖類、糖アルコール、芳香剤などが挙げられる。その味覚調節剤の量は、粉末物質の重量に対して、芳香剤の5重量%以下が好ましく、1重量%以下がより好ましいが、それ以上の量もしくはそれ以下の量も特定の味覚調節剤によっては適切である場合がある。
【0047】
粉末物質にはまた、所望に応じて、増量剤または希釈剤が含まれていてもよい。適切な増量剤ならびに希釈剤としては、粉末の着色もしくはその他の性質に対して一般的にはほとんど影響を及ぼさない、本質的には不活性でかつ低価格の物質がよい。かかる物質の例としては、例えば、アルギン酸、ベントナイト、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、アルミニウムケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。
【0048】
粉末物質の粒子サイズは、静電気的適用におけるその物質の挙動に対して重要な効果を有している。小さい粒子サイズを有する物質は、例えば、その物質の凝集性のために製造するのが困難であるとか、取り扱いが困難であるとかの欠点を有することが認識されているけれども、かかる物質は、静電気的適用にとっては特別な利点があり、その利点はかかる欠点を超越するものである。例えば、小さい粒子によって付与される高い表面対質量率は、慣性力に比較して、粒子の静電力を増加させる。粒子上のその力が増加することは、粒子を基質に接触するように動かす力が増加するという利点を有しているのに対して、慣性力の減少は粒子を加速するために必要な力を減退させると共に、粒子が基質から跳ね返って基質に到達するその可能性を減少させることになる。しかしながら、そのコーティング物質が、例えば、活性物質などの特定の成分を高い割合で含んでいる場合には、非常に小さい粒子サイズでは、かかる効果は得られない場合がある。
【0049】
粉末物質のうち、その粒子サイズが100μm以下である粒子の容量は少なくとも50%あるのが好ましい。粉末物質の粒子サイズが5μmから40μmの範囲である粒子の容量は、少なくとも50%あるのが有利であり、その粒子サイズが10μmから25μmの範囲である粒子の容量は、少なくとも50%あるのがより有利である。
【0050】
粉末の粒子サイズが狭い範囲である場合について特に記載する。粒子サイズ分配率は、例えば、幾何標準偏差(GSD)率、d90/d50またはd50/d10(式中、d90は、粒子の90容量%がこの値よりも低い(および10容量%がこの値よりも高い)場合の粒子サイズを表していて、d10は、粒子の10容量%がこの値よりも低い(および90容量%がこの値よりも高い)場合の粒子サイズを表していて、d50はその平均粒子サイズを表している)によって示すことができる。平均粒子サイズ(d50)は、粒子サイズが5μmから40μm、例えば10μmから25μmの範囲にあるのが有利である。d90/d50は、1.5より大きくないのが好ましく、特に1.35より大きくないのが好ましく、1.32以下、例えば1.2から1.5の範囲内、特に1.25から1.35の範囲内、特に1.27から1.32の範囲内にあるのが更に好ましい。なお、上記粒子サイズは、例えば、CoulterCounterによって測定することができる。したがって、例えば、粉末は、d50=10μm、d90=13μm、d10=7μmである場合、d90/d50=1.3、d50/d10=1.4である。
【0051】
この発明に使用する粉末物質は、融解可能であって、処理をして連続フイルムコーティングに形成できるものである。
この粉末物質は、その粉末中の活性物質のいずれをも崩壊することなしに、融解可能であって、処理できることが重要である。ある種の物質は、その処理工程における温度が250℃までもしくはそれ以上の温度で処理される。しかしながら、粉末物質は、圧力が、100lb/sq.inchより低く、好ましくは常圧で、温度が200℃以下、最も一般的には150℃以下、場合によっては少なくとも80℃、例えば、100℃と140℃との範囲内で処理するのがよい。
【0052】
粉末物質の融解は、いずれの異なる融解方法によっても行うことができる。所望ならば、外被の崩壊と粉末物質の融解とを単一工程で行うことができる。粉末物質は、その粉末物質の温度を変えることによって、例えば、電磁的放射、例えば、赤外線放射もしくは紫外線放射、伝導熱もしくは誘導熱、またはフラッシュ融解などを用いた輻射融解などによって融解することが好ましい。必要な熱量は、粉末物質に圧力を付加することによって、例えば、冷圧融解もしくはホットロール融解によって減少させることができる。
【0053】
粉末物質は40℃から120℃の範囲のガラス転移温度(Tg)を有しているのがよい。そのガラス転移温度は50℃から100℃の範囲が有利である。好ましい最低Tgは55℃であり、好ましい最高Tgは70℃である。したがって、粉末物質は55℃から70℃の範囲のTgを有するのがより好ましい。一般的には、粉末物質は、その軟化点よりも高い温度に加熱すべきであり、加熱後そのTg以下の温度に冷却すべきである。
【0054】
一旦融解された粉末物質は、実質的に不溶性であり、体温までの温度で水性媒体に完全に不溶性であるのは好ましい。したがって、粉末物質は、有意量の不溶物質から構成されているのがよい。好ましい粉末物質は、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコールならびにエステル、セルロースならびにその誘導体、セルロースエーテルならびにエステルおよびセルロースアセテートフタレートから選ばれるポリマー樹脂から構成されているのがよい。
【0055】
粉末物質による錠剤芯材の静電気的コーティングは、上記参照特許文献に開示されたいずれの方法によっても行うことができる。錠剤芯材の部分的コーティングはマスクを使用することによって行うことができる。しかしながら、部分コーティングは、錠剤芯材の1面と側面を、上記特許文献に記載されたコーティングの第1ステージに従って実施するのが好ましい。その後、静電気的に沈着した粉末を融解して、1面と側面を被覆する外被を有し、その他面を露出したままにした錠剤芯材を形成する。
【0056】
この発明を下記実施例と添付の図面に従って詳述する。
実施例において使用された物質は下記のとおりである。
Eudragit(オイドラジット)RS30D 市販メタクリレートポリマー(ローム社)
Methocel(メトセル)66LV 市販ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ダウケミカル社)
Methocel(メトセル)K4M 市販ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ダウケミカル社)
Methocel(メトセル)K15M 市販ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ダウケミカル社)
Methocel(メトセル)K100M 市販ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ダウケミカル社)
Eudragit(オイドラジット)RSP0 市販メタクリレートコポリマー(ローム社)
Eudragit(オイドラジット)RLPO 市販メタクリレートコポリマー(ローム社)
Eudragit(オイドラジット)NE30D 市販メタクリレートコポリマー(ローム社)
【実施例】
【0057】
(実施例1)
(被覆厚みの効果:不溶性被覆を持つ両主要面上に被覆する混合重合体)
剤型の構造は図1に示した通りである。
錠剤の芯材は以下の成分を混合することで形成された。
デイルチアゼムHCl 17.14%
オイドラジットRS30D 5.00%(30%水溶液として添加)
メトセル66LV 2.00%
微結晶性セルロース 20.00%
DCPA(無水燐酸2水素カルシウム) 44.86%
オイドラジット RSPO 10.00%
この混合物を約1%湿度まで炉中で乾燥した。乾燥した粒状物に1.00%のステアリン酸マグネシゥムを加え、混合物を圧縮して10mmの標準両凸型錠剤にした。この錠剤の芯材は約350mgの平均重量と約19kpの硬度を持っていた。
包装のための2種の被覆組成物を用意した。被覆組成物Iは下記の組成であった。
オイドラジットRSPO 89.8%
ポリエチレングリコール 6000 2.7%
二酸化チタン 5.0%
インジゴ・カーミン (青) 2.5%
被覆組成物IIは適用前に0.2%のエーロジルと混合したが、これは以下の組成を有していた。
オイドラジットRSPO 87.2%
クエン酸トリエチル 5.37%
二酸化チタン 5.0%
サンセット・イエロー(橙色) 2.5%
被覆粉末を製造するために、上記の成分を計量し、混合し、次いで押し出した。この押し出し物をピンミルに掛け、微小化し、ジェットミル中で分級して約10μm寸法の中間粒子にした。
4.5%の被覆組成物I及び95.5%のシリコン被覆フェライトを含む混合物を調製した。この被覆/担体混合物を、電気写真産業から適応される慣用の両成分配送装置を使用して錠剤を次のようにして静電的に被覆した。被覆組成物I(フェライト担体無しで)を錠剤の両表面に適用し、側面は被覆しなかった。この被覆方法の詳細は英国特許出願第9929946.3号に記載されている。約100℃で錠剤上に被覆物を融着させて厚さが10〜60μmの範囲の被覆物を作った。この錠剤を次にひっくり返して被覆組成物IIを使用して同様の技法で反対側に第二の被覆を適用した。
6個の被覆していない錠剤と6個の各被覆厚さ(重量%増により表現)の被覆錠剤を900mlの脱鉱物水の中で37℃において前記したUSP装置II(パドル)を50rpmで使用して放出率を評価し、ディルチアゼムをUVで分析した。
その結果を表1に概略的に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
異なる各個の錠剤の経時放出率を図3a〜3gに示す。
この結果は、錠剤芯材の選択された表面上に、1次放出に近い、換言すれば放出指数n=0.30−0.65である放出プロフィールを有する薄い被覆を静電的に適用することによって、実質的にゼロ次放出、即ちn=0.7−1.0に近い放出プロフィールを持つ剤型が得られることを示している。
慣用の溶剤被覆は、改良放出系に対して少なくとも5%、しばしば10%以上の重量増の実質的に厚い被覆になることが知られている。これらの結果は、ゼロ次放出が静電被覆により非常に薄い被覆で達成できるとともに、被覆領域が連続した完全な被覆であれば、すなわち、数層の被覆粉末を積層して約20μmの厚さの融着被覆が得られれば、放出プロフィールは被覆厚みに関係なくなることを示している。
(実施例2)
【0060】
(両表面を不溶性被覆で被覆した疎水性錠剤芯材)
剤型の構造は図1に示した通りである。
錠剤の芯材は以下の成分を混合することで形成された。
2.74%サルブタモール硫酸塩
71.26%無水DCPA
25%オイドラジットRLPO
1%ステアリン酸マグネシウム
この混合物を10mmの標準両凸型の錠剤に圧縮した。この錠剤芯材は約350mgの平均重量と10kpの硬度を有していた。実施例1に記載したようにしてこの錠剤の両面を被覆組成物IIを使用して被覆し、20〜50μmの外被を作った。この被覆組成物IIは次の成分から構成された。
84.0%オイドラジットRSPO
8.5%ポリエチレングリコール6000
5.0%二酸化チタン
2.5%サンセット・イエローレーキ
【0061】
3個の被覆していない錠剤と3個の被覆錠剤を500mlの脱鉱物水の中において37℃でUSP装置II(パドル)を50rpmで使用して放出率を評価し、そして放出率をUVで12時間に亘って分析した。経時放出率を図4a及び図4bに示す。芯材及び被覆錠剤からの放出特性(10〜100%放出範囲)を記載するために下記の動力学的モデルを使用した。
芯材 y=22.3t0.59
被覆 y=10.8t0.90
薄い被覆に対して静電的適用をすることによって、疎水性の重合体からなる錠剤芯材の放出プロフィールが実質的に改良されたことは明白である。
(実施例3)
【0062】
(両表面を異種の活性な不溶性被覆で被覆した疎水性錠剤芯材)
剤型の構造は図1に示した通りである。
錠剤の芯材は以下の成分を混合することで形成した。
17.14%ジチアゼム塩酸塩
20.00%微結晶性セルロース
51.86%無水DCPA
10.00%オイドラジットRS300(30%の水性分散液として添加)
この混合物を約1%湿度まで炉中で乾燥した。乾燥した粒状物に1.00%のステアリン酸マグネシゥムを加え、混合物を圧縮して10mmの標準両凸型錠剤にした。この錠剤の芯材は約350mgの平均重量と19kpの硬度を持っていた。
実施例2に記載した被覆組成物IIIの10%とシリコーン被覆したストロンチウムフェライトの90%を含有する混合物を調製した。この錠剤芯材の両主要表面に、実施例2に記載した材料と方法を使用して被覆を120℃で融着したことを除いて、被覆を形成した。この被覆の厚みは20〜50μmであった。
【0063】
6個の被覆していない錠剤と6個の被覆錠剤を900mlの脱鉱物水の中で37℃においてUSP装置II(パドル)を50rpmで使用して放出率を評価し、そして放出率をHPLCで分析した。
デイルチアゼムの経時放出率をそれぞれ図5a及び図5bに示す。芯材及び被覆錠剤からの放出特性(10〜90%放出範囲)を記載するために下記の動力学的モデルを使用出来る。
芯材 y=52t0.43
被覆 y=22t0.70
薄い被覆に対して静電的適用をすることによって、疎水性の重合体からなる錠剤芯材の放出プロフィールが実質的に改良されたことは明白である。
(実施例4)
【0064】
(両主要表面を不溶性被覆で被覆した疎水性/親水性の混合した錠剤芯材)
剤型の構造は図1に示した通りである。
錠剤の芯材は以下の成分を混合することで形成した。
17.14%デイルチアゼム塩酸塩
20.00%微結晶性セルロース
50.86%無水DCPA
1%メトセルK15M
10%オイドラジットNE30D(固体として)(30%の水性分散液)
この混合物を約1%湿度まで炉中で乾燥した。乾燥した粒状物に1%のステアリン酸マグネシゥムを加え、混合物を圧縮して10mmの標準両凸型錠剤にした。この錠剤の芯材は約350mgの平均重量と約19kpの硬度を持っていた。
【0065】
実施例3に記載した材料と方法を使用してこの錠剤芯材を被覆した。実施例3に記載したようにして放出率を決定し、その結果を図6a及び図6bに示す。芯材及び被覆錠剤からの放出特性(10〜90%放出範囲)を記載するために下記の動力学的モデルを使用した。
芯材 y=38.5t0.56
被覆 y=10.5t0.85
錠剤の主要表面上の薄い被覆に対する静電的適用によって、疎水性/親水性の混合重合体からなる錠剤芯材の放出プロフィールが実質的に改良されたことは明白である。
(実施例6)
【0066】
(錠剤の両面を被覆した親水性錠剤芯材)
剤型の構造は図1に示した通りである。
錠剤の芯材は以下の成分を混合することで形成した。
2.74%サルブタモール硫酸塩
46.26%無水ラクトースDC(直接圧縮可能)
50.00%メトセルK4M
1.00%ステアリン酸マグネシウム
この混合物を10mmの標準両凸型錠剤に圧縮した。この錠剤芯材は平均重量が350mgで約19kpの硬度を持っていた。実施例2に記載したように錠剤芯材の向かい合った主要表面上に被覆組成物IIIを適用して20〜50μmの範囲の厚さの被覆を設けた。
実施例2に記載した方法に従って経時放出率を決定し、その結果をそれぞれ図7a及び図7bに示す。芯材及び被覆錠剤からの放出特性(10〜80%放出範囲)を記載するために下記の動力学的モデルを使用した。
芯材 y=22.1t0.56
被覆 y=11.0t0.80
錠剤の主要表面上の薄い被覆に対して静電的適用することのよって、親水性の重合体からなる錠剤芯材の放出プロフィールを実質的に改良されたことは明白である。
(実施例6)
【0067】
(錠剤の1表面と側面とを被覆した疎水性錠剤芯材)
剤型の構造は図2に示した通りである。
錠剤の芯材は以下の成分を混合することで形成した。
2.74%サルブタモール硫酸塩
71.26%無水DCPA
25.00%オイドラジットRLPO
1.00%ステアリン酸マグネシウム
この混合物を10mmの標準両凸型錠剤に圧縮した。この錠剤芯材は平均重量が350mgで約11kpの硬度を持っていた。錠剤芯材の1つの主要表面と側面上に被覆組成物IIIを適用した。その被覆方法は実施例2に記載したのと同じであり、20〜50μmの範囲の厚さの被覆が得られた。
【0068】
実施例2に記載した方法に従って経時放出率を決定し、その結果をそれぞれ図8a及び図8bに示す。芯材及び被覆錠剤からの放出特性(芯材に対して10〜95%そして被覆した錠剤に対して0〜80%)を記載するために下記の動力学的モデルを使用した。
芯材 y=70t0.47
被覆 y=16.3t0.90
錠剤の主要表面上の薄い被覆に対して静電的適用することのよって、親水性の重合体からなる錠剤芯材の放出プロフィールを実質的に改良されたことは明白である。
(実施例7)
【0069】
(錠剤の1表面と側面上に被覆した親水性錠剤芯材)
剤型の構造は図2に示した通りである。
錠剤の芯材は以下の成分を混合することで形成した。
2.74%サルブタモール硫酸塩
46.46%無水ラクトースDC(直接圧縮可能)
50.00%メトセル K100M
1.00%ステアリン酸マグネシウム
この混合物を10mmの標準両凸型錠剤に圧縮した。この錠剤芯材は平均重量が350mgで約15kpの硬度を持っていた。錠剤芯材の1つの主要表面と側面上に被覆組成物IIIを適用した。その被覆方法は実施例2に記載したのと同様であり、20〜50μmの範囲の厚さの被覆が得られた。
【0070】
実施例2に記載した方法に従って経時放出率を決定し、その結果をそれぞれ図9a及び図9bに示す。芯材及び被覆錠剤からの放出特性(10〜70%)を記載するために下記の動力学的モデルを使用した。
芯材 y=21.0t0.55
被覆 y=10.9t0.78
錠剤の一表面上の薄い被覆に対する静電気的適用によって、親水性の重合体からなる錠剤芯材の放出プロフィールが実質的に改良されたことは明白である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
この発明に係る制御放出固形医薬製剤は、経口投与製剤の活性成分の放出を制御することができるので、その製剤の薬効を持続させることができるので、幅広い疾患に対する医薬品に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】この発明の固形製剤を示す図。
【図2】この発明の別の固形製剤を示す図。
【図3a】実施例1に記載する錠剤芯材の放出プロフィールを示すグラフ。
【図3b】実施例1に記載する0.5%の重量増加をした錠剤芯材の放出プロフィールを示すグラフ。
【図3c】実施例1に記載する0.7%の重量増加をした錠剤芯材の放出プロフィールを示すグラフ。
【図3d】実施例1に記載する1.4%の重量増加をした錠剤芯材の放出プロフィールを示すグラフ。
【図3e】実施例1に記載する1.9%の重量増加をした錠剤芯材の放出プロフィールを示すグラフ。
【図3f】実施例1に記載する2.3%の重量増加をした錠剤芯材の放出プロフィールを示すグラフ。
【図3g】実施例1に記載する2.8%の重量増加をした錠剤芯材の放出プロフィールを示すグラフ。
【図4a】実施例2に記載する錠剤芯材の放出プロフィールを示すグラフ。
【図4b】実施例2に記載する錠剤芯材の別の放出プロフィールを示すグラフ。
【図5a】実施例3に記載する錠剤芯材の放出プロフィールを示すグラフ。
【図5b】実施例3に記載する錠剤芯材の別の放出プロフィールを示すグラフ。
【図6a】実施例4に記載する錠剤芯材の放出プロフィールを示すグラフ。
【図6b】実施例4に記載する錠剤芯材の別の放出プロフィールを示すグラフ。
【図7a】実施例5に記載する錠剤芯材の放出プロフィールを示すグラフ。
【図7b】実施例5に記載する錠剤芯材の別の放出プロフィールを示すグラフ。
【図8a】実施例6に記載する錠剤芯材の放出プロフィールを示すグラフ。
【図8b】実施例6に記載する錠剤芯材の別の放出プロフィールを示すグラフ。
【図9a】実施例7に記載する錠剤芯材の放出プロフィールを示すグラフ。
【図9b】実施例7に記載する錠剤芯材の別の放出プロフィールを示すグラフ。
【符号の説明】
【0073】
2 芯材
4 主要面
6 主要面
8 不溶性外被
10 不溶性外被
12 側壁
Claims (17)
- 制御放出固形医薬製剤であって、
(i) 製剤の芯材(コア)であって、医薬活性成分と、1種もしくはそれ以上の種類の医薬的に許容できるマトリックス形成ポリマーとから構成されていて、下記式によって定義される活性成分を0から少なくとも50重量%を放出するための放出プロフィールを用いて該活性成分を放出する芯材と;
y = k*tn
(式中、yは放出された活性成分の分画を意味し、
kは動力学係数を意味し、
tは時間を意味し、
nは放出指数を意味し、0.30〜0.65の範囲である)
(ii) 上記芯材の表面領域の25〜99%を被覆する実質的には不溶性の外被とからなり、該外被が、可融性粒子からなる粉末を該製剤芯材上に静電気的沈着により薄いフイルムに形成された外被であって、それによって、該静電気的にコートされた錠剤が、活性成分を、下記式により定義されるような0から少なくとも50重量%の放出プロフィールにより放出するように形成されている外被と、
y = k*tn
(式中、yは放出された活性成分の分画を意味し、
kは動力学係数を意味し、
tは時間を意味し、
nは放出指数を意味し、0.7〜1.0の範囲である)
から構成されていることを特徴とする制御放出固形医薬製剤。 - 請求項1に記載の制御放出固形医薬製剤において、前記不溶性外被が前記製剤芯材の表面領域の65%ないし95%を被覆することを特徴とする制御放出固形医薬製剤。
- 請求項1または2に記載の制御放出固形医薬製剤において、前記製剤芯材が、側壁によって分離された2つの主要な表面から構成されていて、少なくとも該主要表面は該外被で被覆されていることを特徴とする制御放出固形医薬製剤。
- 請求項1または2に記載の制御放出固形医薬製剤において、前記製剤芯材が、側壁によって分離された2つの主要な表面から構成されていて、その1つの表面と該側壁は該外被で被覆されていることを特徴とする制御放出固形医薬製剤。
- 前記請求項のいずれか1項に記載の制御放出固形医薬製剤において、前記制御放出製剤が、前記活性成分の0から少なくとも70重量%の放出範囲においてn=0.7〜1.0である放出プロフィールを有することを特徴とする制御放出固形医薬製剤。
- 前記請求項のいずれか1項に記載の制御放出固形医薬製剤において、前記制御放出製剤の放出プロフィールが、前記活性成分の70重量%の放出を達成するために少なくとも4時間を必要とすることを特徴とする制御放出固形医薬製剤。
- 前記請求項のいずれか1項に記載の制御放出固形医薬製剤において、前記制御芯材が、アラビアゴム、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、グルコース、グアガム、硬化植物油、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルミニウムケイ酸マグネシウム、マルトデキストリン、メチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポビドンおよびアルギン酸ナトリウムから選ばれた放出割合制御ポリマーからなることを特徴とする制御放出固形医薬製剤。
- 前記請求項のいずれか1項に記載の制御放出固形医薬製剤において、前記制御芯材が、ポリメタクリレート、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、カルシウムカルボキシメチルセルロース、アクリル酸ポリマー、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、カラゲナン、セルロースアセテート、グリセリルモノステアレートおよびゼインから選ばれる放出割合制御ポリマーを、更に含んでいることを特徴とする制御放出固形医薬製剤。
- 前記請求項のいずれか1項に記載の制御放出固形医薬製剤において、前記制御芯材が、ラクトース、セルロース、リン酸ジカルシウム、ショ糖、デキストロース、フラクトース、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、硫酸カルシウム、デンプン、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、デキストレート、デキストリン、カオリン、ラクチトール、炭酸マグネシウム、マグネシウムオキシド、マルチトール、マルトデキストリンおよびマルトースから選ばれる希釈剤を含んでいることを特徴とする制御放出固形医薬製剤。
- 前記請求項のいずれか1項に記載の制御放出固形医薬製剤において、前記制御芯材が、活性成分を含む疎水性マトリックス、活性成分を含む疎水性マトリックスまたは親水性ならびに疎水性物質と混合物とから構成されていることを特徴とする制御放出固形医薬製剤。
- 前記請求項のいずれか1項に記載の制御放出固形医薬製剤において、前記活性成分が、酸性消化剤もしくは運動影響剤、緩下剤、下痢止め剤、結腸直腸剤、膵酵素、胆汁酸、抗不整脈薬、抗狭心症剤、利尿剤、降圧剤、抗凝血剤、抗血栓剤、フイブリン溶解剤、止血薬、抗低脂肪血薬、抗貧血剤、向神経薬、催眠薬、不安寛解剤、抗精神病剤、抗うつ薬、制吐剤、抗けいれん薬、CNS興奮剤、鎮痛剤、解熱剤、抗偏頭痛薬、非ステロイド抗炎症剤、抗痛風薬、筋肉弛緩薬、神経筋薬、ステロイド薬、低血糖薬、高血糖薬、診断薬、抗生物質、抗カビ剤、抗マラリア剤、抗ウイルス剤、免疫抑制剤、栄養剤、ビタミン剤、透析液、食欲減退薬、食欲抑制剤、気管支拡張剤、去痰薬、鎮咳剤、粘液破壊薬、充血除去剤、抗緑内障薬、経口避妊薬および抗腫瘍薬から選ばれることを特徴とする制御放出固形医薬製剤。
- 前記請求項のいずれか1項に記載の制御放出固形医薬製剤において、前記制御芯材が、水性液体と接触すると膨張するポリマー物質からなり、該ポリマー物質が、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース、架橋ヒドロキシプロピルセルロース、高分子量ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルアミド、カリウムメタクリレート−ジビニルベンゼンコポリマー、ポリメチルメチクリレート、架橋ポリビニルピロリドンおよび高分子量ポリビニルアルコールから選ばれることを特徴とする制御放出固形医薬製剤。
- 前記請求項のいずれか1項に記載の制御放出固形医薬製剤において、前記外被が、ポリメタクリレート、セルロースならびにその誘導体、セルロースエーテルならびにエステルおよびセルロースアセテートフタレートから選ばれるポリマー樹脂から選ばれるポリマー樹脂であることを特徴とする制御放出固形医薬製剤。
- 前記請求項のいずれか1項に記載の制御放出固形医薬製剤において、前記外被が、不透明化剤、着色剤、可塑化剤、流動補助剤および荷電制御物質とから選ばれる1種もしくはそれ以上の種類のアジュバントから更に構成されていることを特徴とする制御放出固形医薬製剤。
- 前記請求項のいずれか1項に記載の制御放出固形医薬製剤において、前記外被が、ポリエチレングリコール類、トリエチルクエン酸塩、アセチルトリブチルクエン酸塩、アセチルトリエチルクエン酸塩、トリブチルクエン酸塩、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジメチルフタレート、ジブチルセバチン酸塩およびグリセリルモノステアリン酸塩から選ばれる可塑化剤を含んでいるなることを特徴とする制御放出固形医薬製剤。
- 前記請求項のいずれか1項に記載の制御放出固形医薬製剤において、前記外被の平均厚が、20〜50μmであることを特徴とする制御放出固形医薬製剤。
- 前記請求項のいずれか1項に記載の制御放出固形医薬製剤において、前記外被の重量増加が、前記製剤芯材の4重量%以下であることを特徴とする制御放出固形医薬製剤。
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