JP2005504293A - 蛍光バイオセンサーチップおよび蛍光バイオセンサーチップアレンジメント - Google Patents

蛍光バイオセンサーチップおよび蛍光バイオセンサーチップアレンジメント Download PDF

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Abstract

本発明は、蛍光バイオセンサーチップおよび蛍光バイオセンサーチップアレンジメントに関する。この蛍光バイオセンサーチップは、基板、少なくとも1つの検出デバイス、光学フィルタ層、および固定化層を備え、ここで、この検出デバイスは、基板内または基板上に配置されて電磁放射線を検出するために使用され、光学フィルタ層は基板上に配置され、そして固定化層は、光学フィルタ層上に配置されて捕捉分子を固定化するのに使用される。この検出デバイス、光学フィルタ層および固定化層は、蛍光バイオセンサーチップに統合される。本発明の蛍光バイオセンサーチップアレンジメントは、蛍光バイオセンサーチップおよび電磁放射線供給源を備える。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光バイオセンサーチップおよび蛍光バイオセンサーチップアレンジメントに関する。
【背景技術】
【0002】
バイオテクノロジーおよび遺伝子操作は、近年、重要性が増加してきた。バイオテクノロジーおよび遺伝子操作における1つの基礎的な技術は、生物学的分子(例えば、DNA(デオキシリボ核酸)またはRNA、タンパク質、ポリペプチドなど)を検出し得ることである。主に、遺伝的情報がコードされる生体分子(特に、DNA分子(デオキシリボ核酸))は、多くの医学的適用について非常に興味深い。従って、検出方法は、有機的に生じる新規の医薬および遺伝子操作に由来する新規医薬の工業的同定ならびに工業的評価において、重要性が増大する。前記検出法は、医療診断における例、薬理工学における例、化学工学における例、食料品分析における例、そして生態学的食料品工業における例に対する種々の適用を開発する。
【0003】
DNAは、2つの互いに結合されたらせん状の個々の鎖(いわゆる片方鎖(half strand))から構築される二本鎖である。これらの片方鎖の各々は、塩基配列を有し、遺伝的情報は、塩基(アデニン、グアニン、チミン、シトシン)の順番によって規定される。DNA片方鎖は、非常に特定の他の分子とのみ、高度に特異的に結合する特徴的な特性を有する。従って、1つの核酸鎖を別の核酸鎖にドッキングすることは、2つの分子が、互いに相補的であることを前提とする。明らかに、2つの分子は、鍵とその一致する鍵穴のように(いわゆる鍵−鍵穴原理)互いに一致しなければならない。この天然に規定される原理は、試験される液体において分子の選択的検出のために使用され得る。この原理に基づくバイオチップセンサーの基本的概念は、まず、適用され(例えば、微小分配によって)、そして適切な材料から作製される基板上に固定化され(すなわち、バイオチップセンサーの表面に恒久的に固定され)るいわゆる捕捉分子から構成される。この点について、チオール基(SH基)で生体分子を金表面に固定化することが公知である。
【0004】
基板およびその基板に結合された、例えば、検出される特定のDNA片方鎖に対して感度の高い捕捉分子を有する、このようなバイオチップセンサーは、通常、DNA片方鎖の存在について液体を検査するために使用され、このDNA片方鎖は、捕捉分子に対して相補的である。この目的について、特定のDNA片方鎖の存在について試験される液体は、固定化された捕捉分子と効果をもたらすように接触させられる。捕捉分子および試験されるべきDNA片方鎖が、相互に相補的である場合、そのDNA片方鎖は、捕捉分子とハイブリダイズする。すなわち、そのDNAは、その捕捉分子に結合される。この結合のために計測学的に検出可能な物理量の値が、特徴的な様式で変化する場合、この量の値が、測定され得、試験されるべき液体中のDNA片方鎖の存在または非存在が、この方法において検出され得る。
【0005】
記載された原理は、DNA片方鎖の検出に限定されない。どちらかと言えば、基板に適用される捕捉分子と試験されるべき液体中で検出される分子とのさらなる組み合わせは、公知である。従って、例として、核酸特異的様式で結合するペプチドまたはタンパク質に対する捕捉分子として核酸を使用することが、可能である。さらに、捕捉ペプチドまたは捕捉タンパク質を結合する他のタンパク質またはペプチドに対する捕捉分子として、ペプチドまたはタンパク質を使用することは、公知である。さらに、前記低分子量化合物に結合するタンパク質またはペプチドに対する捕捉分子としての低分子量化合物の使用は、重要である。低分子量化合物は、約1700ダルトン(g/molの分子量)未満を有する化合物である。逆に、試験されるべき液体中におそらく存在する低分子量化合物に対する捕捉分子として、タンパク質およびペプチドを使用することもまた可能である。
【0006】
基板上に適用される捕捉分子と試験されるべき液体中に存在する検出されるべき分子との間でもたらされる結合の検出のための電気的検出法は、公知である。従って、例として、捕捉分子が固定化される2つの電極間のキャパシタンスの値を測定することが、可能である。検出される分子が、捕捉分子とハイブリダイズする場合、キャパシタンスの値が、特徴的な様式で変化され、ハイブリダイゼーション事象は、電気的信号によって検出され得る。このようなDNAセンサは、例えば、[1]に記載される。しかし、このようなDNA分子の電気的検出法の検出感度は、限界がある。さらに、電極表面での遊離電荷と直接接触される場合、高感度な生体分子(例えば、DNA、タンパク質)が、分解され得るというような問題が、生じる。多くのタンパク質が、各タンパク質に特徴的なpH値の範囲の外側で変性することは公知である。
【0007】
代替として、検出されるべき分子のハイブリダイゼーションの検出のための光学的方法が、使用される。ハイブリダイズした分子が、一旦、蛍光色素が、一次波長範囲の光の吸収によって励起されると、特徴的な波長範囲において電磁蛍光放射線を発する能力を有する蛍光色素を有する場合、ハイブリダイゼーション事象は、光学的に検出され得る。分析物中に含まれる検出されるべき生体分子(例えば、DNA片方鎖)は、この目的のために適切なリンカー分子によって蛍光マーカーに結合されるべきである。この方法で蛍光標識された検出されるべき生体分子が、センサ表面上に固定化された捕捉分子とハイブリダイズする場合、そして適切な波長の光が、放射される場合(この光は、蛍光マーカーによって吸収され得る)、放射される光が、蛍光マーカーによって吸収され、異なる波長の光量子が再放出される(共鳴蛍光)。センサ表面から再放出される蛍光の強度は、検出されるべきドッキングされた分子の数の指標である。原理的には、再放出された蛍光は、一次励起光より長い波長(およびより低いエネルギー)を有する。この物理的効果によって、波長依存性様式で吸収し、反射し、そして透過する適切な光学フィルタを使用することによって、励起光から蛍光を分離することを可能にする。これらのフィルタが、一次光の波長に対して不透過性であるが、対照的に、再放出光の波長に対して透過性であるように適切な様式で選択される場合、再放出光は、フィルタの下流に配置された検出器によって、検出され得る。
【0008】
検出されるべき蛍光の強度は、しばしば、一次励起光の強度より数オーダーより小さく、このことは、蛍光について計測学的な検出をより困難にし、センサの検出感度を制限する。さらに、センサは、可能な最も大きな範囲(高いダイナミックレンジ)にわたって、蛍光の強度の定量的検出を可能にすることを意図される。その上、良好な空間的分解能は、センサアレンジメントから要求される。なぜなら、センサエレメントの配置は、しばしば、検出されるべき異なる分子を同時に検出し得るために異なる捕捉分子を備えられる。従って、高度な要件は、読み出しデバイスの光学系の質から生じる。
【0009】
代表的には、公知の読み出しデバイスは、励起のためにレーザースキャナーおよび放出光の検出のために共焦点顕微鏡を使用する。さらに、励起波長を抑制する光学的カットオフフィルタ(長波経路)は、検出ビーム経路に挿入される。
【0010】
図1Aは、[2]から公知の蛍光バイオセンサーチップ100を示す。蛍光バイオセンサーチップ100は、光源101を有し、これは、広い波長範囲の光100aを放出する。光源101によって放出された光100aは、光源フィルタ102を通過する。この結果として、本質的に単色の一次光が、バイオチップ103に入射する。生物学的サンプルは、バイオチップ103に提供され、この生物学的分子は、蛍光マーカーを有する。バイオチップ103上の生物学的分子の蛍光マーカーは、光源101からの光を吸収するような方法で設定され、この光は、光源フィルタ102を通って伝播される。光が吸収された後、蛍光マーカーは、第2波長の光を再放出し、この光は、入射光の波長と異なる。再放出された光は、一次光100a(赤方偏移)より長い波長を有する。バイオチップ103上の生体分子の蛍光マーカーによって再放出される光は、レンズ104に入射し、位置が正確な様式でCCDセンサーデバイス106上に個々の光信号を画像化するような方法で、設定される。光がCCDセンサーデバイス106に入射する前に、この光は、センサーフィルタ105を通過する。センサーフィルタ105は、再放出された光の波長に対して透過性であるような方法で設定されるのに対して、このセンサーフィルタは、一次光の波長に対して不透過性である。CCD(電荷結合素子)センサアレンジメント106は、バイオチップ103に蛍光事象を記録する。しかし、器具の高い出費を有する蛍光バイオセンサーチップ100の調整は、(この調整は、光学測定システムまたは複雑な測定システムのために必要である)は、複雑であり、このことは、改善を必要とする使いやすさを有する蛍光バイオセンサーチップ100を生じる。これは、欠点である。さらに、蛍光バイオセンサーチップ100は、高価である。なぜなら、これは、CCDセンサアレンジメント106のような高価な個々の部品を有するからである。
【0011】
さらなる蛍光バイオセンサーチップ110は、[3]および[4]から公知であり、図1Bに示される。蛍光バイオセンサーチップ110は、光源111を有し、これは、一次波長範囲の光111aを放出する。光源111によって放出される光11aは、まず、光学的エレメント112を通過し、次いで、光源フィルタ103を通過する。光源フィルタ103は、特定の波長または特定の波長範囲の電磁放射線にのみ透過性であるような方法で設定される。光源フィルタ113を通って伝播される光は、光学的反射部品114によって偏向され、それによって、サンプルホルダー115の空洞116に入り、ここに、試験されるべき生物学的分子が、配置される。ハイブリダイゼーション事象が、1つの空洞116において生じた場合、すなわち、空洞116のうちの1つにおいて捕捉分子とハイブリダイズした場合、適切に選択された蛍光マーカーは、光源111からの光を吸収し得、この光が、空洞116に入射し、長波長側に偏位した波長で光を放出する。一次光および再放出光は、センサーフィルタ117に進み、これは、蛍光放射線の波長の光に対して透過性であるのに対して、ここで、このフィルタは、一次光の波長の光に対して本質的に不透過性である。従って、理想的に排他的に、蛍光は、バイオチップ119上の光検出器118に進む。光検出器118での信号は、ハイブリダイゼーション事象が、光検出器118に空間的に対応する空洞で生じる場合にのみ、検出され得る。図1Bに点線で示されるように、蛍光バイオセンサーチップ110の個々の部品は、ユーザーによって組み立てられ得る。このことが、大きな空間的広さを生じる部品の空間的隔離を低下するが、蛍光バイオセンサーチップ110は、操作上の利便性が低い。さらに、蛍光バイオセンサーチップは、多くの適用についてあまりに高価である。
【0012】
先行技術から公知の蛍光バイオセンサーチップ110は、複雑な構成および複雑な構造を有し、大きく、従って高価である。さらに、先行技術から公知の蛍光バイオセンサーチップは、部分的に、非常に使いにくい。さらなるセンサーチップは、[5]から公知である。このセンサーチップは、CMOSプロセスに従って作製されたフォトダイオードおよび一体化されたFabry−Perotフィルタを有する。Fabry−Perotフィルタは、互いに規定された距離で配置される2つの部分的に透過性のミラーから構成され、第1のミラーの内部領域は、理想的には完全に反射性であり、もう1つのミラーの内部領域は、第1のミラーよりわずかにのみ低い反射性を有する。入射光が、第1のミラーを通過する場合、第2のミラーの内部領域で、次いで、第1のミラーの内部領域で、次いで再度、第2のミラーの内部領域で、など、複数回光が反射され、小さな部分はまた、第2のミラーの内部領域で各々の反射に対して、第2のミラーを通過して伝播される。伝播される個々の光線は、Fabry−Perot干渉計が、特定の波長の光に対してのみ透過性であるような方法で干渉する。しかし、[5]から公知のバイオセンサーは、生物学的分子の検出のために提供されない。
【0013】
同じことが、[6]から公知のセンサアレンジメントに適用される。基板に組込まれたフォトダイオードを基にするカメラは、[6]から公知であり、カメラによって記録される画像の画素は、3つのフォトダイオードから構成され、これらの3つのフォトダイオードは、RGB系に従って、赤フィルタ、緑フィルタおよび青フィルタで覆われる。
【0014】
[7]は、組込まれたサンプル検出のための場光源アレイを有する器具およびそれを用いる方法を開示する。
【0015】
[8]は、生物学的機能性材料および化学的機能性材料で覆われたキャリアを産生するための方法を開示する。
【0016】
[9]は、2次元の制御可能な光源としてLCDマトリクスおよびLCDマトリクスの反対側に面し、LCDマトリクスとCCDマトリクスとの間に配置されるそれぞれのサンプル物質の光学的挙動の検出のために供されるCCDマトリクスを有する光放出検出器具を記載する。
【0017】
[10]は、平面キャリアの表面上に固定化された物質の空間分解蛍光光学検出のための方法および器具を開示する。
【0018】
[11]から公知のハイブリダイゼーション検出法において、ガラスプレートのスポット上に固定されたプローブの量は、プローブを同定するための蛍光物質が光の放出を引き起こすことによって決定される。プローブにハイブリダイズされたサンプルの量は、サンプルを同定するための蛍光物質が光の放出を引き起こすことによって決定される。
【0019】
[12]は、蛍光伝播を使用する分析基板を開示する。
【0020】
[13]は、サンプル中の物質(例えば、DNA配列)を決定するための方法およびデバイスを開示する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、より複雑でなく、従って、より経済的な蛍光バイオセンサーチップを提供するという課題に基づく。
【0022】
課題は、蛍光バイオセンサーチップおよび独立請求項に従う特徴を有する蛍光バイオセンサーチップアレンジメントによって解決される。
【課題を解決するための手段】
【0023】
蛍光バイオセンサーチップは、基板、基板にまたは基板上に配置され、電磁放射線の検出のために供される少なくとも1つの検出デバイス、基板上に配置される光学フィルタ層、および光学フィルタ層に配置され、捕捉分子の固定化のために供される固定化層を有し、検出デバイス、このフィルタ層および固定化層は、蛍光バイオセンサーチップに組込まれる。
【0024】
次いで、本発明に従って、蛍光バイオセンサーチップの全ての部品が、蛍光バイオセンサーチップに組込まれる。蛍光バイオセンサーチップの全ての部品が、空間的に非常に密接して一緒にあるという事実は、蛍光バイオセンサーチップが、非常に小さな大きさを有することを意味する。非常にコンパクトな。蛍光バイオセンサーチップは、それによって提供される。固定化層(これは、本発明に従ってセンサー面として役に立つ)および基板に組込まれる検出デバイスは(これは、ハイブリダイゼーション事象の間接的な検出のために供される)、大きさの点から見ると、代表的には、互いから100μm未満離れて配置され、このことは、蛍光バイオセンサーチップの良好な空間的分解能を生じる。さらに、本発明に従う蛍光バイオセンサーチップは、標準化されたCMOS適合性半導体技術法によって作製され得るような方法で設計される。結果として、蛍光バイオセンサーチップを作製するための高価な機械を開発することは、必要ではなく、この結果として、蛍光バイオセンサーチップは、経済的かつ低い出費で作製され得る。さらに、蛍光バイオセンサーチップの個々のセンサは、経済的な材料から作製され得る。
【0025】
本発明の蛍光バイオセンサーチップの場合において、基板は、好ましくは、シリコン材料から作製される。従って、基板は、例えば、シリコンウェハーであり得る。
【0026】
好ましい例示的な実施形態に従って、本発明に従う蛍光バイオセンサーチップの少なくとも1つの検出デバイスは、少なくとも1つのフォトダイオードを有し、第1の波長範囲の電磁放射線が、それによって検出され得るような方法で設定される。
【0027】
少なくとも1つの検出デバイスが、基板に組込まれたフォトダイオードとして配置されるという事実は、経済的に作製され得る電磁放射線に対する高感度な検出器が提供されるということを意味する。
【0028】
好ましくは、光学フィルタ層は、光学フィルタ層が、第2の波長範囲の電磁放射線を吸収および/または反射し、第1の波長範囲の少なくとも一部は、第2の波長範囲の外側にあるような方法で設定される。
【0029】
明らかに、光学フィルタ層は、この光学フィルタ層の表面に入射する電磁放射線の一部を吸収および/または反射するような様式で設定され、この放射線は、フォトダイオードからシールドされることが意図される。なぜなら、この電磁放射線は、検出されるべき放射線ではないからである。電磁放射線の検出のためにフォトダイオードが感受性である、第1波長範囲の少なくとも一部が、第2波長範囲の外側にあるという事実は、このフォトダイオードによって検出されるべき電磁放射線が、少なくとも部分的に、光学フィルタ層を通過し得ることを確実にする。その結果、この吸収層は、このフォトダイオードを、検出される分子(これは、固定化層にハイブリダイズされる)から発していないような電磁放射線(例えば、周囲からの散乱光または検出される分子の蛍光マーカー(これは、適切である場合、固定化層にハイブリダイズされる)の励起のための主要な光)で照射することを抑止する。従って、蛍光バイオセンサーチップの検出感度は、光学フィルタ層の適切な選択によって、増加し得る。
【0030】
光学フィルタ層は、好ましくは、少なくとも1つの帯域フィルタおよび/または少なくとも1つのカットオフフィルタを有する。
【0031】
帯域フィルタは、本明細書中以下において、下限波長と上限波長との間の波長範囲において、電磁放射線に対して本質的に不透明な光学フィルタであると理解される。一方で、帯域フィルタは、下限波長より低いかまたは上限波長より高い電磁放射線に対して、本質的に透過性である。
【0032】
カットオフフィルタは、本明細書中以下において、限界波長より低い電磁放射線に対して不透明であり、かつ限界波長より高い電磁放射線に対して透過性であるか、または限界波長より高い電磁放射線に対して不透明であり、かつ限界波長より低い電磁放射線に対して透過性であるかの、本質的にいずれかである、光学フィルタであると理解される。
【0033】
少なくとも1つの帯域フィルタ(これは、光学フィルタ層を有し得る)は、少なくとも2つの材料(第1の材料は、高い屈折率を有し、そして第2の材料は、低い屈折率を有する)を含む層の配列を有する、誘電干渉フィルタであり得る。高い屈折率を有する第1の材料は、好ましくは、以下の材料:酸化チタン(TiO)、窒化ケイ素(Si)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化アルミニウム(Al)、ポリシリコン(多結晶性ケイ素)またはインジウムスズ酸化物(ITO)のうちの1つである。しかし、第1の材料はまた、二酸化ケイ素(SiO)であり得る。さらに、第1の材料は、第1の材料が適切な屈折率を有するような様式での、上記または他の材料の任意の所望の混合物であり得る。誘電干渉フィルタのための第1の材料としての、上記材料の大部分の使用は、上記材料の層の適用が、標準的なCMOSプロセスによって実現され得るという利点を有する。このことは、蛍光バイオセンサーチップの費用に有利に影響を与える。なぜなら、これは、蛍光バイオセンサーチップが、標準化された熟考された方法によって製造されることを可能にするからである。低い屈折率を有する、誘電干渉フィルタの第2の材料は、好ましくは、二酸化ケイ素(SiO)であり、これは、同様に、CMOSプロセスに適合性であり、従って、蛍光バイオセンサーチップの、費用効果的かつ複雑さの低い製造を支持する。しかし、第2の材料もまた、以下の材料:酸化チタン(TiO)、窒化ケイ素(Si)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化アルミニウム(Al)、ポリシリコン(多結晶性ケイ素)またはインジウムスズ酸化物(ITO)のうちの1つであり得る。さらに、第2の材料は、第2の材料が適切な屈折率を有するような様式での、上記材料または他の材料の任意の所望の混合物であり得る。本発明による蛍光バイオセンサーチップの誘電フィルタの材料は、上記材料に限定されないことが強調されなければならない。十分に高い屈折率を有する他の適切な任意の材料が、高い屈折率を有する第1の材料のために選択され得、そして十分に低い屈折率を有する他の適切な任意の材料が、低い屈折率を有する第2の材料のために選択され得る。
【0034】
誘電干渉フィルタの機能のために重要なことは、誘電干渉フィルタが、第1限界波長と第2限界波長との間の光に対して、可能な限り不透明であることが意図されることである。換言すれば、干渉フィルタは、下限波長より高い波長および上限波長より低い波長を有する電磁放射線に対して、理想的には0、現実的には可能な限り0の近くの透過係数を有するような様式で設定されることが意図される。対照的に、誘電干渉フィルタは、下限波長より低い波長または上限波長より高い波長を有する電磁放射線に対して、可能な限り透過性であること(すなわち、上記波長範囲の電磁放射線に対して、理想的には1、現実的には可能な限り1の近くの透過計数を有すること)が意図される。さらに、誘電干渉フィルタは、大きいエッジ勾配を有すること、すなわち、透過係数が、下限波長においては可能な限り急激に1から0に低下し、そして上限波長においては、可能な限り急激に0から1に上昇することが意図される。
【0035】
誘電干渉フィルタは、好ましくは、交互の高屈折率および低屈折率を有する31の層を含む配置である:
0.5H;L;(HL)14;0.5H
この場合、層の厚さは、光学的波長の4分の1で特定される(すなわち、λ/4の積および商)。0.5Hとの指定は、高い屈折率(「H」は「高い(high)」を表す)を有する材料から作製される層を示し、この層の厚さは、横断する媒体中で放射される4分の1波長の半分に対応する。従って、0.5Hとは、高い屈折率を有する材料から作製されるλ/8の層を示し、ここで、λは、真空中およびこの屈折率の培媒体中での光の波長の商である。高い屈折率を有する材料のλ/8の層に続いて、低い屈折率(「L」は、「低い(low)」を表す)を有する材料のλ/4の層が存在する。これに続いて、14のλ/4の二重層が存在し、これらの層は、高い屈折率を有する材料および低い屈折率を有する材料を交互に備える。この層の配置は、再度、高い屈折率を有する材料から作製されるλ/8の層によって、終結する。記載される層系は、二酸化ケイ素材料(低屈折率)および窒化ケイ素材料(高屈折率)の交互の層から構築される。
【0036】
層の厚さを設定することによって、規定された入射角の光における最大屈折の波長を規定することが可能である。31層の二酸化ケイ素/窒化ケイ素の層を備える誘電界面フィルタの、上記好ましい例示的な実施形態によれば、99%より多くの光が、約350ナノメートルと約390ナノメートルとの間の波長範囲で反射される。
【0037】
上記のように、本発明の蛍光バイオセンサーチップの光学フィルタ層はまた、少なくとも1つのカットオフフィルタを有し得る。このカットオフフィルタは、好ましくは、有機材料から製造されたカラーフィルタである。有機材料から作製されるようなカラーフィルタは、波長依存性の吸収計数を有する。有機材料から作製されるようなカラーフィルタは、大きいダイナミックレンジのために必要とされるように、しばしば、急勾配のフィルタエッジを有さないが、このようなフィルタは、強度のリップルをしばしば有さない(すなわち、吸収係数/波長特徴曲線において振動性の特徴を有さない)という有利な特性を有する。従って、カットオフフィルタの使用は、カットオフフィルタが帯域フィルタと組み合わせられる場合に、本発明に従って特に有利である。
【0038】
少なくとも1つの帯域フィルタおよび/または少なくとも1つのカットオフフィルタの適切な組み合わせは、本発明の蛍光バイオセンサーチップの光学フィルタ層の吸収特性が、個々の場合の要件に対して融通して設定されることを可能にする。中程度の検出感度で十分である適用については、光学フィルタ層は、単純に構成され得る。これの代替として、光学フィルタ層は、例えば、特定の波長範囲において、蛍光バイオセンサーチップの最適化された検出感度を可能にするよう構成され得る。従って、費用効果と検出制度との間の所望の釣り合いは、本発明の光学フィルタ層の構成によって達成され得る。
【0039】
蛍光バイオセンサーチップは、好ましくは、基板と光学フィルタ層との間に回路層をさらに備え、少なくとも1つの電気的構成要素が、この回路層に組み込まれ、そしてこの回路層は、少なくとも1つの検出デバイスに電気的に接続される。
【0040】
回路層は、基板と光学フィルタ層との間に配置されるという事実は、標準化されたCMOSプロセスに従う回路層を備える、蛍光バイオセンサーチップを製造することを可能にする。これは、蛍光バイオセンサーチップの費用効果に寄与する。この回路層は、本質的に、固定化層上でのハイブリダイゼーション事象を電気的に読み出すために働き、この事象は、検出デバイスによって検出される。ハイブリダイゼーション事象が固定化層上で起こり、そして検出されるハイブリダイズされた分子がフォトダイオードの方向に電磁蛍光信号を放出する場合、電荷の分離がこのフォトダイオードにおいて起こり、そして回路層の電気的構成要素によって、電気的に読み出され得る。
【0041】
特に、少なくとも1つの検出デバイスは、回路層によって電気的に起動され得る。換言すれば、各個々のフォトダイオードは、固定化層上でのハイブリダイゼーション事象に起因して、電気信号がフォトダイオードに存在するか否かに関して読み出され得る。
【0042】
蛍光バイオセンサーチップの固定化層は、例えば、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、有機材料および/または金の材料の1つまたは組み合わせを有する。
【0043】
さらに、本発明による蛍光バイオセンサーチップによれば、複数の捕捉分子が固定化層に結合され得、これらの捕捉分子は、検出される、捕捉分子に相補的な分子が、結合の準備ができた捕捉分子に結合し得るような様式で設定される。特に、検出される分子の数は、蛍光バイオセンサーチップの固定化層上に固定された捕捉分子の数より大きくあり得る。蛍光バイオセンサーチップの捕捉分子の各々が、検出される分子とハイブリダイズした場合、蛍光バイオセンサーチップは、「飽和」状態にある。すなわち、このチップは、結合の準備ができた捕捉分子をもはや有さず、その結果、検出されるハイブリダイズされない分子は、適切である場合、蛍光バイオセンサーチップの、飽和状態にはない他の捕捉分子とハイブリダイズし得る(例えば、複数の蛍光バイオセンサーチップの配置の場合)。捕捉分子は、特に、核酸(DNAまたはRNA)、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質または低分子量化合物であり得る。化学において、低分子量化合物とは、1700ダルトン(1モルあたりのグラム数での分子量)未満の分子量を有する化合物であると理解される。固定化層が製造される材料は、結合されるべき捕捉分子と配位する。これらの捕捉分子は、微小分配技術によって、固定化層の表面に固定される。この場合、結合が、固定化層の材料と、固定化層の材料と化学的に結合するような捕捉分子の末端基との間に、自動的に形成される(「自己アセンブリ」技術)。特定の材料の対である金/硫黄は、この点に関して特に有利な特性を有し、その結果、捕捉分子の硫黄含有基(例えば、チオール末端基)の、金材料から製造された固定化層との結合は、特に有利な組み合わせであると言える。
【0044】
捕捉分子は、検出されるべきでありかつ捕捉分子に相補的な非常に特別な分子に対して、非常に選択的に感受性である。換言すれば、検出される、非常に特別な、構造的に適合する分子のみが、特定の捕捉分子によって捕捉される。従って、異なる捕捉分子が固定化層の表面上に提供される場合、検出される異なる物質の並行分析が可能である。検出される異なる物質(例えば、異なるDNAの半鎖または異なるタンパク質)の並行分析は、時間を節約する効果を有し、そして「ハイスループットスクリーニング」分析について特に興味深い。従って、未知の組成の溶液の分析は、理想的には、本発明の蛍光バイオセンサーチップを使用して、単一分析工程で実現され得る。このような非常に並行した分析は、時間を節約する効果を有する。
【0045】
固定化層の表面に固定され、そして検出デバイスの上記1つに本質的に配置される捕捉分子は、この検出デバイスに関連するセンサーとして働き得る。本発明による蛍光バイオセンサーチップを使用する場合、捕捉分子とハイブリダイズする、検出される分子からの、検出される光のみが、検出デバイスに入射するわけではなく、むしろ、周囲からの散乱光または蛍光マーカーの励起のために提供される主要な光もまた、検出デバイスに入射するという問題が、ここで生じる。この寄生的な電磁放射線は、この検出デバイスの信号を壊す。従って、この雑音信号(またはバックグラウンド信号)の強度を定量的に検出し、そしてこれを、検出された信号から減算することが望ましい。これは、本発明によって、固定化層の表面セクションに捕捉分子が存在せず、その結果、雑音信号が、表面セクションより下に配置される少なくとも1つの検出デバイスにおいて取り出され得るという事実のおかげで、実現され得る。
【0046】
雑音信号が他の全ての検出デバイスの信号から減算されるという事実は、他の信号から、寄生的な散乱光の寄与が、検出される蛍光から分離され得、これによって、蛍光バイオセンサーチップの検出感度を増加させることを意味する。雑音信号(バックグラウンドまたはバックグラウンド信号ともまた称される)もまた、複数の検出デバイスによって同時に測定され得、このことはさらに、検出感度を増加させる。
【0047】
好ましくは、検出される分子および/または捕捉分子は、蛍光マーカーを有し、この蛍光マーカーは、第3波長範囲の電磁放射線を吸収し、そしてこの吸収が起こった後に、第4波長範囲の電磁放射線を放出するような様式で設定され、第3波長範囲の少なくとも一部は、第4波長の外側にあり、第4波長範囲の少なくとも一部は、第1波長範囲内にある。
【0048】
本発明の蛍光バイオセンサーチップの機能が、以下に明確に記載される。蛍光マーカーを用いて検出される分子が、蛍光バイオセンサーチップの表面の捕捉分子に結合していない場合、外部で放射される光は、捕捉分子を通過し、そして固定化層は、本質的に減衰されない。しかし、内部で放射される光は、適切に選択されたフィルタ層によって反射され、従って、基板に統合されたフォトダイオードまでは通過しない。
【0049】
対照的に、蛍光バイオセンサーチップの表面が、検出される分子を含む溶液と接触される場合、検出される分子は、蛍光バイオセンサーチップの固定化層上に配置された捕捉分子と検出される分子とがキーロック原理に従って適合する場合、この捕捉分子とハイブリダイズし得る。検出されるハイブリダイズした分子は、適切な蛍光マーカーを与えられる。代替として、捕捉分子もまた、蛍光マーカーを与えられ得る。蛍光マーカーとは、特定波長範囲の電磁放射線(上で第3波長範囲と称される)を吸収し、そして吸収が起こった後に、異なる波長範囲の電磁放射線(上で第4波長範囲と称される)を放出する分子群である。蛍光マーカーは、内部で放射される光と比較して、増加した波長を有する電磁放射線を再放出する。蛍光マーカーは、通常、いわゆるリンカー分子(すなわち、検出される分子を蛍光マーカー(または捕捉分子)に結合する分子)によって、検出される分子に結合される。蛍光マーカーが結合された、検出される分子が、固定化層の表面に固定された捕捉分子にハイブリダイズする場合、この蛍光マーカーは、固定化層に空間的に近く位置付けられる。適切な波長範囲の光が外部で放射される場合、この電磁放射線は、蛍光マーカーによって吸収され得るが、但し、この電磁放射線は、少なくとも、第3波長範囲(この範囲内で、蛍光マーカーは電磁放射線を吸収し得る)内の波長を有する。その結果、蛍光マーカーは、平均寿命によって特徴付けられる電子励起状態に入る。この平均寿命による平均の際に、蛍光マーカーは、第4波長範囲の電磁放射線を再放出し、この第4波長範囲は、第3波長範囲より長い波の、より多くの電磁放射線を有する。換言すれば、蛍光マーカーによって再放出される光は、入射光より長い波長を有する。しかし、再放出される光の強度は、代表的に、例えば外部放射源によって提供される入射光の強度より数桁低い。第4波長範囲の蛍光および吸収されない外部入射光は、固定相を通過し、そして光学フィルタ層に達する。上記のように、光学フィルタ層は、この光学フィルタ層が第2波長範囲の電磁放射線をすべて反射させ、第2波長範囲の少なくとも一部(ここで、検出デバイスが電磁放射線を検出し得る)が第2波長範囲の外側にあるような様式で、設定される。第2波長範囲(ここで、光学フィルタ層は、全反射を起こす)は、本発明によって、外部入射光が本質的に反射され、そして第4波長範囲の光(これは、蛍光マーカーによって再放出される)が光学フィルタ層を本質的に透過するような様式で設定される。その結果、本質的に、弱い強度の蛍光のみが、フィルタ層を通過し、一方で、強い強度の外部光(これは、蛍光マーカーを励起させるために働く)が反射される。第4波長範囲の電磁放射線(これは、特定の捕捉分子に位置する蛍光マーカーによって放出される)は、光学フィルタ層を透過し、そして本質的に透明な回路層を通過した後に、理想的には、基板におけるフォトダイオード(これは、放射性の蛍光マーカーから最少の距離にある)に通る。フォトダイオード(これは、第1波長範囲の電磁放射線がこれによって検出され得るような様式で設定される)は、第4波長範囲の電磁蛍光放射線を検出するために適切である。なぜなら、本発明による蛍光バイオセンサーチップは、第4波長範囲の少なくとも一部が第4波長範囲内にあるような様式で設定されるからである。その結果、フォトダイオードは、蛍光放射線を検出するために適切であり、従って、このフォトダイオード上に配置された捕捉分子に対するハイブリダイゼーション事象を間接的に検出するために適切である。
【0050】
代替として、ハイブリダイゼーション現象は、蛍光放射を検出することによって検出され得る。すなわち検出されるべき分子が、蛍光マーカーを有する捕獲分子にドッキングした後、センサ面が、検出されるべきドッキングした分子を有さない蛍光マーカーを有する捕獲分子が、物質によってセンサ面から除去されるような様式で構築され物質と操作的に接触し、ここで、検出されるべき分子がドッキングした捕獲分子もまた、物質の存在下でセンサ面においてドッキングしたままである。一旦、捕獲分子にハイブリダイズした検出されるべき分子を有さない蛍光マーカーを有する捕獲分子が、除去されると、分子が検出される蛍光マーカーを有する捕獲分子のみが、センサ面に残ったままになる。これらのハイブリダイゼーション現象は、次いで、上記の原理に従って、捕獲分子に結合した蛍光マーカーの蛍光放射の検出によって、検出され得る。記載される代替の概念によると、蛍光マーカーを検出されるべき分子に結合する必要はなく;その代わり、蛍光マーカーを捕獲分子に結合することが可能である。
【0051】
さらなる代替の概念によると、蛍光マーカーは、ハイブリダイゼーション現象の後のみに添加され得る。蛍光マーカーが、捕獲分子にハイブリダイズした検出されるべき分子を有する捕獲分子にのみ結合するように構築される場合(例えば、二本鎖DNAにのみ結合する)、蛍光マーカーにより放射される電磁線の強度は、生じるハイブリダイゼーション現象の数に特徴的である。
【0052】
本発明によると、異なる蛍光マーカーを有する異なる分子を検出するために、異なる蛍光マーカーを使用することもまた可能である。このことは、分析物の異なる成分が同時に試験および定量され得る手段による並行分析を可能にする。
【0053】
例として、クマリン(1,2−ベンズピロン2H−1−ベンズピラン−2−オン、C)が、蛍光マーカーとして使用される。蛍光色素のクマリンは、波長370ナノメートルを有する電磁線で励起された場合、約460ナノメートル付近の波長範囲の電磁蛍光放射を再放射するという特性を有する。従って、蛍光マーカーのクマリンは、再放射された電磁線の十分に強いレッドシフトを保証し、その結果、励起電磁放射線および放出される電磁線は、互いに容易に分離され得る。任意の他の適切な材料(例えば、FITC、Cy2、Alexa Fluor 488、BODIPY 493、Rhodamine 123、R6G、TET、JOE、HEX、BODIPY 530、Alexa 532、R−フィコレイトリン、TRITC、Cy3、TAMRA、Texas Red、ROX、BODIPY 630およびCy5)もまた、蛍光マーカーとして使用され得る。
【0054】
蛍光バイオセンサチップの表面は、好ましくは、個々のセンサアレイのマトリクス様配置を有する。上記のように、個々のセンサアレイの各々が、回路層によって個別に読みとられ得る。センサアレイの集積密度を増大するために、このセンサアレイは、可能な限り密に配置される。このことは、「ハイスループットスクリーニング」適用に有利である。言い換えると、センサアレイの密な配置は、あるセンサアレイから隣のセンサアレイまでの光学的クロストークが生じ得るという危険性と関連する。基板に集積されたフォトダイオードが、その上に固定された捕獲分子を含む固定層を、位置的に正確な様式で画像化する。結果として、フォトダイオードは、本質的にこのフォトダイオードの上に配置された捕獲分子の蛍光放射線に対して本質的に感受性となる。次いで、光学的クロストークは、蛍光マーカーの電磁蛍光放射は、本質的に下にあるフォトダイオード上に放射されるのではなく、例えば、前者のフォトダイオードの左側または右側に配置された別のフォトダイオードの方向で放射されることを意味することが理解される。結果として、捕獲分子におけるハイブリダイゼーション現象が、この捕獲分子の下に配置されていないフォトダイオードによって誤って検出される危険性が存在する。本発明の1つの利点は、本発明によると、隣接するセンサアレイの間の光学的クロストークを抑制または防止する可能性が生じることである。このことは、蛍光バイオセンサチップ上のセンサの高い集積密度が減少した光学的クロストークと組み合わされるという有利な効果を生じる。
【0055】
この目的を達成するために、好ましくは、隣接する検出デバイスを光学的に隔離するための少なくとも1つの隔離溝が、蛍光バイオセンサチップの少なくとも1つの表面領域に導入され、この少なくとも1つの隔離溝は、検出デバイスが、各々の場合において2つの隣接する隔離溝の間の各領域の下に配置される様な様式で、固定光学フィルタ層の領域まで固定層をまっすぐに通って延びる。好ましくは、少なくとも1つの隔離溝の表面の少なくとも一部が、吸収性材料から作製された層で覆われるか、またはこれらのトレンチのうち少なくとも1つが、吸収材料で満たされ、この吸収材料は、それぞれの波長範囲の少なくとも一部またはそれぞれの波長範囲の電磁線を吸収または反射するような様式で、構成される。
【0056】
上記のように、入射光の方向に対して第1のフォトダイオードの本質的に上に配置された蛍光マーカーが、下に位置するフォトダイオードではなく、隣接するフォトダイオードが配置される方向で蛍光放射線を放射する場合、適切な様式でフォトダイオードの間に導入され、電磁線を吸収する材料で少なくとも部分的に満たされたトレンチは、電磁蛍光放射線が「間違った」フォトダイオードによって検出されるのを防止し得る。間違った検出の代わりに、この蛍光放射線は、このトレンチ中の吸収材料によって吸収される。
【0057】
これは、光学的クロストークの危険性を軽減させる。このことは有利である。なぜなら、これは、蛍光バイオセンサチップの検出感度を増大し、かつ誤差に対する蛍光バイオセンサチップの感度を減少するからである。
【0058】
光学的クロストークは、吸収材料から作製されたバリア層が、検出デバイスが、各々の場合において2つの隣接するバリア層の間の各領域の下に配置される様な様式で、回路層の少なくとも1つの領域に設けられるという点で、さらに減少され得、この吸収材料は、それぞれの波長領域の少なくとも一部またはそれぞれの波長領域の電磁線を吸収または反射するような様式で構築される。
【0059】
上記のように、例えば、エッチングされた隔離溝が、固定層に、および少なくとも部分的に光学フィルタ層に導入される。蛍光マーカーによってある角度で再放射される(その結果、蛍光放射線は、蛍光マーカーの下のフォトダイオードの左または右に配置されるフォトダイオードに向かう経路において、隔離溝を通過しないが、回路層を通って隔離溝の下を通過する)蛍光放射線が、隔離溝にもかかわらず、「間違った」フォトダイオードによって検出され得る。従って、光学的クロストークの危険性が、この隔離溝によって、軽減されるが、完全に軽減される必要はない。
【0060】
光学的クロストークをさらに軽減するために、上記のように、吸収材料から作製されたバリア層を回路層に導入することが可能である。このバリア層は、隔離溝の吸収材料と本質的に同じ機能、すなわち、「間違った」フォトダイオードへの経路において蛍光放射線を吸収および/または反射する機能を有する。しかし、このバリア層は、回路層においてこの機能を果たし、一方、隔離溝は、固定層および光学フィルタ層においてこの機能を果たす。このバリア層は、好ましくは、回路層における二重機能を満たす。言い換えると、上記のように、光学的クロストークは、バリア層により防止される;言い換えると、吸収性および/または反射性のバリア層は、これらが導電性材料から製造されている限り、回路層において電子部品の機能も果たし得る。従って、例として、バリア層は、基板におけるフォトダイオードへの導線として働き得る。このバリア層は、好ましくは、金属性相互接続部または通過穴であり、これらは回路層に挿入され、そして電磁放射線を吸収/反射する導電性材料で満たされる。このバリア層は、隣接するセンサアレイの間の光学的クロストークをさらに減少させ、それにより、検出感度を増大する。言い換えると、光学的クロストークを減少させるための手段として、言い換えると、電気的に集積された部品としての、本発明に従うバリア層の二重機能は、経済的でありかつ空間の節約になる。
【0061】
本発明は、蛍光バイオセンサーチップおよび電磁放射線供給源を有する蛍光バイオセンサーチップアレンジメントをさらに提供する。この蛍光バイオセンサーチップは、基板、その基板の中にまたはその基板上に配置され、第1波長範囲の電磁放射線を検出するために作用する少なくとも1つの検出デバイス、その基板上に配置され、第2波長範囲の電磁放射線を吸収し、そして/または反射するように作用する光学フィルタ層、その光学フィルタ層上に配置され、捕捉分子を固定化するように作用する固定化層を有し、その検出デバイス、フィルタ層および固定化層は、蛍光バイオセンサーチップに一体化されている。その電磁放射線供給源は、蛍光バイオセンサーチップの表面領域が、電磁放射線供給源によって第3波長範囲の電磁放射線で照射され得るように設定されている。
【0062】
本発明に従う蛍光バイオセンサーチップを言及して、上記でさらに記載されているそれら全ての精密な推論(refinement)もまた、本発明に従う蛍光バイオセンサーチップアレンジメントに適用することが強調されなければならない。
【0063】
本発明の蛍光バイオセンサーチップアレンジメントは、本質的に、本発明に従う蛍光バイオセンサーチップに加えて、電磁放射線供給源を有する。その電磁放射線供給源は、第3波長範囲の電磁放射線で蛍光バイオセンサーチップの表面領域を照射するために提供される。その電磁放射線供給源は、好ましくは、レーザー、発フォトダイオード、ガス放電ランプまたは白熱電球である。その電磁放射線供給源がレーザーとして設計される場合、このことにより、蛍光バイオセンサーチップの表面が単色の狭帯域光で照射され得る。単色光は、光吸収特性が波長依存性であるフィルタ層によって、容易にフィルタを通して除かれ得る(filtered away)。
【0064】
その蛍光バイオセンサーチップアレンジメントは、複数の捕捉分子をさらに有し、その複数の捕捉分子は、固定化層にカップリングされ、捕捉分子に相補的な検出される分子が、捕捉分子にカップリングされ得るように設定される。その捕捉分子は、蛍光バイオセンサーチップを参照して上で記載されている様式の固定化層にカップリングされる。
【0065】
さらに検出される各分子は、蛍光マーカーを有し、この蛍光マーカーは、第3波長範囲の電磁放射線を少なくとも部分的に吸収し、吸収がもたらされた後に、第4波長範囲の電磁放射線を放射するように設定され、第3波長範囲の少なくとも一部分は、第4波長範囲の外側にあり、そして第4波長範囲の少なくとも一部は、第1波長範囲内にある。さらに、第1波長範囲の少なくとも一部は、第2波長範囲の外側にある。
【0066】
本発明に従う蛍光バイオセンサーチップアレンジメントの機能性は、以下により詳細に記載される。その蛍光バイオセンサーチップアレンジメントの表面は、電磁放射線供給源によって、第3波長範囲の電磁放射線で照射される。捕捉分子が固定化された固定化層は、本発明の蛍光バイオセンサーチップアレンジメントの表面に据えられる。検出される分子を含有する溶液は、この活性センサー表面と作動可能に接触した状態にされる。この溶液中に位置している、検出される分子は、固定化層上に固定化された捕捉分子と十分に相補的であり、次いで、検出される分子は、捕捉分子とハイブリダイズする。その検出される分子は、リンカー分子によって、蛍光マーカーに連結され、例えば、その蛍光マーカーは、第3波長範囲の電磁放射線を少なくとも部分的に吸収するように設定される。従って、検出される分子のその捕捉分子へのハイブリダイゼーションの後に、電磁放射線供給源によって放射される光は、検出される分子における蛍光マーカーによって吸収される。その蛍光マーカーは、第3波長範囲の電磁放射線の吸収後に、その蛍光マーカーが、第4波長範囲の電磁放射線を放射するように設定され、第3波長範囲の少なくとも一部分は、第4波長範囲の外側にある。このことは、その蛍光マーカーの蛍光放射線が、電磁放射線供給源によって提供される第3波長範囲の以前に吸収された放射より長い波長を有することを意味する。第3波長範囲の主な放射および第4波長範囲の蛍光放射線は、固定化層を通して透過し、次いで、光学フィルタ層へと通過する。その光学フィルタ層は、第2波長範囲の電磁放射線が、光学フィルタ層によって、吸収そして/または反射されるように、設定される。理想的には、その光学フィルタ層は、第3波長範囲の電磁放射線を完全に反射するかまたは吸収し、この第3波長範囲の電磁放射線は、外部電磁放射線供給源に由来する。対照的に、その光学フィルタ層は、理想的には、第4波長範囲の電磁放射線を完全に伝達し、この第4波長範囲の電磁放射線は、蛍光マーカーに由来する。言い換えると、その光学フィルタ層は、蛍光に対して完全に透過性であるように設定されるのに対して、電磁放射線供給源からの光に対しては完全に不透過性である。
【0067】
結果として、理想的にはもっぱら、蛍光放射線は、基板に一体化され、第1波長範囲の電磁放射線を検出するように作用する検出デバイスへと通過する。本発明に従って、蛍光マーカーの蛍光放射線が存在する範囲内の第4波長範囲の少なくとも一部分は、検出デバイスが電磁放射線を検出し得る範囲内の第1波長範囲内にある。結果として、蛍光とともに検出される分子の、固定化層の表面に結合された捕捉分子とのハイブリダイゼーションは、基板に一体化されたフォトダイオードでの電気信号によって検出され得る。この場合、関連する波長範囲の適切な設定は、極めて重要である。
【0068】
蛍光バイオセンサーチップアレンジメントの検出感度を増大させることを可能にする本発明の蛍光バイオセンサーチップアレンジメントの精密な推論が、以下に説明される。
【0069】
好ましくは、電磁放射線供給源は、電磁放射線が、光学フィルタ層と垂直な方向に対する所定の角度にて電磁放射線供給源によって放射されるように配向され得る。
【0070】
明らかに、電磁放射線供給源の電磁放射線が、捕捉分子上に入射する方向は、例えば、平行な光アレイのビームを発生させる電磁放射線供給源を使用することによって、そしてこの電磁放射線供給源が、置き換え可能な、回転可能な、旋回可能な、または傾け可能な様式で設定されることによって、予め決めることが可能である。その蛍光マーカーに対する励起光の傾斜した入射によって、光学フィルタを透過した励起光のその一部は、そのフォトダイオードに対して直接衝突せず、そのフォトダイオードは、本質的に、吸収性かつ発光性の蛍光マーカーの下に配置される。言い換えると、蛍光バイオセンサーチップアレンジメントの検出感度を低下させる妨害性の主な光は、部分的に、「幾何学的に」遮蔽される。傾いて入射する励起光により、隣接するフォトダイオードにおいて不利な効果が現れないように、その傾いて入射する励起光は、適切であれば、上記のような隔離溝および/またはバリア層によって検出から遮蔽され得る。
【0071】
電磁放射線供給源の電磁放射線の傾いた入射を利用することによって、陰影効果が、蛍光バイオセンサーチップアレンジメントの検出感度を上げるために、有利には利用され得る。
【0072】
本発明の別の精密な推論に従うと、電磁放射線供給源は、電磁放射線供給源によって放射される電磁放射線が、パルス状に放射されるように設定され、ここでその検出デバイスは、蛍光マーカーによって放射される電磁放射線が、検出デバイスによって、パルス間の時間間隔にて検出され得る。
【0073】
このことは、励起光を吸収した後の蛍光マーカーの励起された電気状態が、ゼロとは異なる測定可能な寿命を有するという物理的効果を利用する。励起光の短いパルスが、電磁放射線供給源によって、蛍光マーカーに放射されると、その蛍光マーカーは、光吸収によって、励起した電気状態になる。その蛍光マーカーによって吸収されない入射光は、光が高速であるので、実質的に瞬間的に検出デバイスに達するが、その検出デバイスの信号は、この時点で遅れないでは検出されない。言い換えると、その検出デバイスは、パルスの間にスイッチが切られる。蛍光マーカーの励起した電気状態の平均的な寿命に本質的に対応する時間感覚の後に、時間が遅れた電磁蛍光波(time−delayed electromagnetic fluorescence wave)が、蛍光マーカーによって放射される。時間の遅れは、励起された電気状態の本来の寿命の大きさのオーダー(約マイクロ秒〜ナノ秒)である。検出デバイスの測定信号が、この時間の遅れの後まで記録されない場合、励起光の寄生検出(parasitic detection)が避けられ、蛍光放射線のみが検出される。この目的で、十分に良好な時間的分解能を有する検出デバイスが、好ましくは、選択される(例えば、サブナノ秒範囲の時間的分解能を有するフォトダイオード)。主な光の検出を抑制することは、本発明の蛍光バイオセンサーチップアレンジメントの検出感度を上げる。
【0074】
本発明の例示的実施形態は、図面に例示され、以下により詳細に説明される。
【0075】
本発明の第1の例示的実施形態に従う蛍光バイオセンサーチップ100は、図2を参照して以下に記載される。
【0076】
蛍光バイオセンサーチップ200は、基板201、その基板201の中またはその上に配置され、電磁放射線を検出するために作用する少なくとも1つの検出デバイス202、基板201の上に配置された光学フィルタ層203、および光学フィルタ層203上に配置され、捕捉分子を固定化するために作用する固定化層204を有する。この検出デバイス202、フィルタ層203および固定化層204は、図2に示されるように、蛍光バイオセンサーチップ200に一体化される。
【0077】
図2に示されるように、本発明に従う蛍光バイオセンサーチップ200の例示的実施形態によると、基板201は、ケイ素材料から作製される。さらに、6つの検出デバイス202が提供され、その6つの検出デバイス202の各々は、フォトダイオードとして形成され、このフォトダイオードは、第1波長範囲の電磁放射線が、これによって検出され得るように設定される。図2に示されるように、隣接検出デバイス202は、互いに距離「d」だけ離れて設けられる。距離「d」(これは、図2に示される例示的実施形態に従って200μmに等しい)は、蛍光バイオセンサーチップの表面上のセンサーアレイのピクセルサイズの尺度である。言い換えると、固定化層204の表面上に固定化され得、他のセンサ−デバイス202よりも、特定の検出デバイス202からより小さな距離にある全てのそれらの捕捉分子は、センサーピクセルに属する。従って、距離「d」は、本発明に従う蛍光バイオセンサーチップ200の一次元空間的分離能の尺度である。言い換えると、dは、本発明に従う蛍光バイオセンサーチップ200の二次元空間的分解能すなわち、センサーピクセルあたりの蛍光バイオセンサーチップ200の必要な表面積についての尺度である。
【0078】
光学フィルタ層203は、光学フィルタ層203が第2波長範囲の電磁放射線を吸収するように設定され、第1波長範囲の少なくとも一部分は、第2波長範囲の外側にある。
【0079】
図2に示される例示的実施形態によると、光学フィルタ層203は、カットオフフィルタとして構成される。蛍光バイオセンサーチップ200のカットオフフィルタ203が、限界波長未満の電磁放射線を吸収する。この光学的カットオフフィルタ203は、有機材料から作製される色フィルタである。
【0080】
図2に示されるように、その光学フィルタ層203は、「h」の厚みを有し、この厚みは、記載される例示的実施形態によると70μmの大きさのオーダーである。有機的カットオフフィルタとして構成されているその光学フィルタ層203の厚み「h」は、そのような電磁放射線(これは、検出デバイス202へと通過することが意図されない)を完全に吸収することが可能な範囲まで十分に大きいように選択されるべきであり、有機的カットオフフィルタとして構成されているその光学フィルタ層203は、このような電磁放射線の十分な範囲まで透過するように十分薄いように選択され、その電磁放射線は、検出デバイス202によって検出されるために、検出デバイス202へと通過することが意図される。
【0081】
図2に示される固定化層204は、記載される例示的実施形態に従って、薄い金の層である。
【0082】
蛍光バイオセンサーチップ200はさらに、基板201と光学フィルタ層203との間の回路層205、回路層205へと一体化されている少なくとも1つの電気部品(electrical component)、および少なくとも1つの検出デバイス202に電気的に連結されている回路層205を有する。
【0083】
回路層205に一体化されている電気部品は、図2に示されていない。回路層205は、検出デバイス202が、各場合に回路層205によって個々に電気的に駆動され得るように設定される。適切な電気駆動回路の例示的実施形態は、以下にさらに記載される。図2に示される蛍光バイオセンサーチップ200に従って、回路層205は、検出デバイス202のうちの1つを選択するためのMOSトランジスタ、検出デバイス202を駆動回路に連結するための導電性接続、および測定信号を増幅および評価するために作用するさらなる電気部品を有する。これらの電気部品は、回路層205に一体化される。図2に示されるように、回路層205は、厚み「l」を有し、これは、記載される例示的実施形態によれば約5μmである。この厚み「l」は、十分小さいように選択されるべきであるか、またはその材料は、適切には、回路層205において検出される電磁放射線の吸収の量に対する喪失が小さいように選択されるべきである。
【0084】
蛍光バイオセンサーチップ200は、さらに、複数の捕捉分子206を含み、これらは、固定化層204に連結され、そして、捕捉分子206に相補的である検出される分子207が、結合準備ができた捕捉分子206の各々に連結され得るようにセットアップされる。図2に示される捕捉分子206は、DNAの半分の鎖である。検出されるべき各分子207は、蛍光マーカー208を有している。
【0085】
蛍光マーカー208は、この蛍光マーカー208が、第3の波長範囲の電磁放射を吸収し、吸収が行われた後、第4の波長範囲の電磁放射を発するようにセットアップされる。図2に示される蛍光マーカー208はクマリンである。図4に示されるダイアグラムは、蛍光色素クマリンが370ナノメートルの波長を有する電磁放射で励起された後のクマリンの発光スペクトルを示す。460ナノメートル近傍が最大の比較的広い吸収バンドが観察され得る。記載される例示の実施形態に従えば、この発光スペクトルは、上記で規定された第4の波長範囲に対応する。
【0086】
図2に示されるように、蛍光バイオセンサーチップ200の表面領域は、蛍光マーカー208に連結されている検出されるべき分子207と作動して接触しているだけではない。さらに、分子209はまた、固定化層204の表面上の捕捉分子206と作動して接触している。上記分子209は、同様に、蛍光マーカー210に連結されており、これは、しかし、検出されるべき分子207に連結される蛍光マーカー208とは異なり、蛍光マーカー210が、検出されるべき分子207の蛍光マーカー208とは異なる波長範囲で吸収または発光することを行う。検出されるべき分子207(これらは、捕捉分子206に相補的であり、そしてその結果、捕捉分子に付着する)とは対照的に、分子209は、捕捉分子206に相補的ではなく、そしてそれ故、捕捉分子206とハイブリダイズし得ない。この考慮は、捕捉分子206への付着による分子の検出が、高度に選択的な様式で行われるということを示す。分子210が捕捉分子206に相補的であれば、そのときは、分子210のみが捕捉分子206とハイブリダイズし、その一方、検出されるべき分子208は、この代替の場合には、捕捉分子206とハイブリダイズしない。分子207または分子209が捕捉分子206に付着するか否かに関する決定は、蛍光マーカー208または210の蛍光の光の波長の分析により決定され得る。
【0087】
蛍光バイオセンサーチップ200の機能性を以下に説明する。蛍光バイオセンサーチップ200は、とりわけ、リンカー分子によりそれに連結された蛍光マーカー208で検出されるべき分子207を含む溶液と接触される。捕捉分子206に相補的である分子207は、捕捉分子206とハイブリダイズする。適切であれば、適切なリンス工程または洗浄工程が実施される。ハイブリダイゼーション事象は、第3の波長範囲の電磁放射で照射することにより検出され得、ここで、蛍光マーカー208が吸収を行う。
【0088】
吸収が行われた後、この蛍光マーカー208は、第4の波長範囲の光を再度発し、この再度発せられた光は、吸収された光より長い波長を有する。照射されている光とこの蛍光の光の両者は、本質的に透明な固定化層204を通過し、光学フィルタ層203まで通過する。
【0089】
有機カットオフフィルタとして構成されたこの光学フィルタ層203は、励起光波長(第3の波長範囲)に対するブロックフィルタとして具現化されている。換言すれば、照射される波長を有する光は、光学フィルタ層203によって本質的に完全に吸収され、その一方、第4の波長範囲の蛍光の光は、この光学フィルタ層203を通じて本質的に減衰しないで伝達される。
【0090】
本質的に透明な回路層205を通過した後、好ましくは、蛍光の光は、この蛍光の光を発したその蛍光マーカー208の下に本質的に配列されているフォトダイオード202の1つまで通過する。これらフォトダイオード202は、第1の波長範囲の電磁放射が、それによって検出され得るようにセットアップされている。蛍光マーカー208は、第4の波長範囲の少なくとも一部分(蛍光照射が位置する波長範囲)が第1の波長範囲内に位置するようにセットアップされているという事実により、フォトダイオード202は、蛍光の光を検出し得る。結果として、一方では、ハイブリダイゼーション事象が検出され、そして他方では、検出される蛍光の光の強度は、付着した分子の数の尺度、すなわち、捕捉分子206と検出されるべき分子207との相補性の程度の尺度である。
【0091】
励起波長を有する光は、光学フィルタ層203を通過せず、そしてそれ故、フォトダイオード202中では検出することはできない。結果として、本発明は、この光学フィルタ層203によって励起光から蛍光の光が分離されることを可能にする。フォトダイオード202は、非常に高いダイナミックレンジを有するので、本発明による蛍光バイオセンサーチップにおいて高い検出感度が達成され得る。高いダイナミックレンジは、検出器が大きな強度範囲の電磁蛍光照射を測定し得ることを意味することが理解される。
【0092】
蛍光バイオセンサーチップ200の空間解像度は、先行技術による光学的レンズによっては達成されず、むしろ、特有のフォトダイオード202の上に本質的に配列される固定化層204上のセンサー領域の電気的選択による。
【0093】
図2に示されるように、固定化層204の表面セクション211は、捕捉分子206がなく、その結果、雑音信号は、この表面セクション211の下に配列される少なくとも1つの参照検出デバイス202aにおいて除去され得る。捕捉分子は、この参照検出デバイス202aの上の固定化層204の表面上に固定化されないので、これはまた、この表面セクション211には、検出されるべき分子207が結合し得ない場合であり、その結果、この表面検出211には蛍光マーカー208は配列されない。従って、参照セクションデバイス202aまで通過する蛍光照射はない。検出デバイス202、202a上に入射する無駄な電磁放射線(例えば、励起光または周辺からの散乱光)に関し、この参照検出デバイス202aに適用されるものは、検出デバイス202に適用されるものと同じである。従って、参照検出デバイス202aにおいて、無駄な電磁放射線に由来し、そして蛍光の光の強度に比例する信号を得るために他の検出デバイス202のすべての信号から掃引されるべきである雑音信号またはバックグラウンド信号またはゼロ信号を取り除くことが可能である。この掃引は、電気的微分回路により実施される。
【0094】
本発明の第2の例示の実施形態による蛍光バイオセンサーチップ300を、図3を参照して説明する。
【0095】
この蛍光バイオセンサーチップ300は、基板301、この基板中に配列され、そして電磁放射線を検出するために働く検出デバイス302、この基板301上に配列される光学フィルタ層303、および光学フィルタ層303上に配列され、そして捕捉分子を固定化するために働く固定化層304を有する。検出デバイス302、フィルタ層303および固定化層304は、蛍光バイオセンサーチップ300に一体化されている。
【0096】
蛍光バイオセンサーチップ300の機能性は、図2を参照して上記に記載した蛍光バイオセンサーチップ200のそれにほぼ対応する。従って、蛍光バイオセンサーチップ配列300において、蛍光バイオセンサーチップ配列200と異なって構成される特徴のみが、この際、論議される。
【0097】
従って、図2に示される光学フィルタ層203とは異なり、この光学フィルタ層303は、バンドパスフィルタとして形成されている。この光学フィルタ層303の正確な構成は、図4を参照してさらに以下に説明される。
【0098】
図3に示されるように、検出デバイス302は、基板301中に一体化されたフォトダイオード302として形成される。図3に示されるように、さらなる集積回路エレメント304が基板301中に導入される。二酸化ケイ素領域304aは、隣接するフォトダイオード302を電気的に絶縁するために働く。n−ドープケイ素領域304b、304cは、特定のフォトダイオード302を駆動するために用いられ得る駆動エレクトロニクスの一部分である。基板301は、p−ドープケイ素基板である。
【0099】
さらに、回路層306が、基板301と光学フィルタ層303との間に配列され、少なくとも1つの電気部材306aが回路層306中に一体化され、そして回路層306が検出デバイス302に電気的に接続されている。
【0100】
図3に示されるように、一体化された回路エレメント306aは、n−ドープされたケイ素領域304b、304cおよびp−ドープされたケイ素基板301とともに、トランジスター様配列を形成し、検出デバイス302がこのトランジスター様配列により電気的に駆動されることを可能にしている。
【0101】
複数の捕捉分子が固定化層305上に固定化されており、単純さの理由から、その1つの捕捉分子307のみが図3に示されている。図3に示される捕捉分子307は、DNAの半分の鎖であり、その塩基307aが図3に概略的に示されている。
【0102】
捕捉分子307に相補的である検出される分子308は、捕捉分子307に結合される。検出されるべき分子308は、蛍光マーカー309を有する。捕捉分子307および検出されるべき分子308は、2つの互いに相補的なDNAの半分の鎖である。
【0103】
図3を再び参照して、ハイブリダイゼーション事象が蛍光バイオセンサーチップ300によって検出される様式を以下に説明する。
【0104】
例えば、外部電磁放射線源(図3には図示されていない)によって提供される第3の波長範囲の電磁放射線310は、蛍光マーカー309上に衝突し、そして後者によって部分的に吸収される。蛍光マーカー309は、第4の波長範囲の電磁蛍光照射311を再度発し、発せられた蛍光照射の一部は、蛍光バイオセンサーチップ300上まで通過する。第4の波長範囲の電磁放射線311は、第4の波長範囲の電磁放射線311がフィルタ層303を通じて少なくとも部分的に伝わるようにセットアップされるフィルタ層303上に衝突する。この部分は、図3に示されるように、フォトダイオード302まで通過し、そしてそこで検出される。第4の波長範囲の電磁放射線310は、大部分が光学フィルタ層303で反射される。結果として、理想的には、フォトダイオード302上まで通過する第3の波長範囲の電磁放射線310はない。その結果、本発明は、第4の波長範囲の排他的に検出されるべき蛍光の光311が、検出デバイス302まで貫通する状況を実現し、その一方、第3の波長範囲の主要な光310は、検出デバイス302までは貫通しない。
【0105】
光学フィルタ層303が、好ましい例示の実施形態に従って構成される方法を以下に説明する。光学フィルタ層303は、バンドパスフィルタとして構成され、これは、2つの材料を含む層配列を有する誘電干渉フィルタであり、第1の材料は高屈折率を有し、そして第2の材料は低屈折率を有している。高屈折率を有する第1の材料は、窒化ケイ素であり、そして低屈折率を有する第2の材料は、二酸化ケイ素である。記載される好ましい例示の実施形態に従う誘電干渉フィルタは、二酸化ケイ素と窒化ケイ素とで交互に作製された31の交互する層を有する。この誘電干渉フィルタは、以下の命名法によって記載される:0.5H;L;(HL)14 0.5H
この命名法は、以下のように読むことができる:
「H」は、高屈折率を有する材料から作製される層を示し、例では、窒化ケイ素である。
「L」は、低屈折率を有する材料から作製される層を示し、この場合では二酸化ケイ素である。上付き番号14は、高屈折率を有する層と低屈折率を有する層が交互して作製された14の交互する二重層が提供されることを示す。層の厚さは、λ/4の倍数で特定される(λ:媒体中の光の波長)。λ/4は、媒体中の光の波長の四分の一、すなわち、真空中の光の波長および個々の媒体の屈折率の商である。換言すれば、本発明によるフィルタ層は、高屈折率を有する材料のλ/8層、低屈折率を有する材料のλ/4層、14の二重層(これら二重層の各々は、高屈折率を有する材料のλ/4薄層および低屈折率を有する材料のλ/4薄層から構成されている)、およびまた高屈折率を有する材料のλ/8を有している。図4に示されるような伝播の波長依存性を有する干渉フィルタが、結果として得られる。図4に示されるように、このように構成された誘電干渉フィルタは、350ナノメートルと390ナノメートルとの間の波長範囲で99%を超える電磁放射線を反射する。特に、図4で、反射最大、すなわち、伝播最小の波長は、この電磁放射線の規定された入射角が与えられると、この誘電干渉フィルタの個々の層の層厚さの調節によりセットされ得る。図4に示されるように、波長に依存して算出される伝播は、350ナノメートルと390ナノメートルとの間の比較的広い波長範囲で目立つ伝播最小を有するので、このようなフィルタはまた、例えば、発フォトダイオードのようなブロードバンドの励起源の励起光を抑制するために適している。スペクトル的により広い光源を用いること、これは、例えば、350ナノメートルの左手側側面より下の光波長における電磁放射線をまた発することが意図される場合、そのときは、より低い波長範囲にある電磁放射線をフィルタ除去するためにさらなるフィルタが必要である。これは、例えば、適切なカットオフフィルタにより実現され得る。
【0106】
図4に示されるダイアグラムはまた、破線として、370ナノメートルの波長を有する電磁放射線でクマリンを励起した後に得られるような、この色素の発光スペクトルを示す。たとえ、クマリンの発光スペクトルが本来比較的にブロードバンドであるとしても、クマリンの発光スペクトルの左手側側面は、それにもかかわらず、上記の光学フィルタが適切に全体反射を行うその波長範囲の右手側限界より有意に長い波長である。この誘電干渉フィルタの長波通過バンドは、可能な限り平坦な構成であるべきであり、すなわち、色素の全体蛍光範囲を横切る、ほぼ一定で、かつ最高の可能な伝播を確実にすることが特に好都合である。これは、誘電性フィルタ層の層厚さ、およびそれに用いられる材料の改変によりなされ得る。記載される誘電干渉フィルタは、クマリンが蛍光マーカーとして用いられる場合、本発明による蛍光バイオセンサーチップのために適切である。図4を再び参照して、記載される誘電干渉フィルタの伝播は、約415ナノメートルより上で75%より大きく、そして450ナノメートルより上で92%より大きい。結果として、この色素クマリンの蛍光の光は、光学フィルタ層を通る通過の際にほとんど減衰されない。再び、最大の可能な側面急勾配(すなわち、ゼロの伝播から1の伝播まで上昇することが可能なような急激さ)が、励起光が良好に抑制され、そして発光スペクトルが可能な限り減衰されないために、誘電干渉フィルタの機能性のために有利であることを再び強調されなければならない。
【0107】
図5A、図5Bに示される蛍光バイオセンサーチップ500が以下に記載される。
【0108】
図5Aは、蛍光バイオセンサーチップ500の平面図を示し、そして図5Bは、図5Aに示される蛍光バイオセンサーチップ500の断面線I−I’に沿った部分の断面図を示す。図5A、図5Bに示される蛍光バイオセンサーチップ500は、本発明による蛍光バイオセンサーチップの第3の好ましい例示の実施形態であり、そして先に記載の蛍光バイオセンサーチップ200、300とは2〜3の局面のみが異なっている。以下のテキストは、この蛍光バイオセンサーチップ500の完全な機能性を説明せず、むしろ説明は、先に記載の例示の実施形態と比較した補足的特徴にのみ焦点をあてる。
【0109】
図5Bは、基板501、この基板501中またはその上に配列され、そして電磁放射線を検出するために働く少なくとも1つの検出デバイス502、この基板501上に配列される光学フィルタ層503、およびこの光学フィルタ503上に配列され、そして捕捉分子を固定化するために働く固定化層505を有する蛍光バイオセンサーチップ500を示す。検出デバイス502、光学フィルタ層503および固定化層505は、蛍光バイオセンサーチップ500で一体化されている。
【0110】
基板501は、p−ドープされたケイ素基板である。検出デバイス502は、基板501中に一体化されたケイ素フォトダイオードである。光学フィルタ層503は、図5A、図5Bを参照して記載された例示の実施形態に従う誘電干渉フィルタである。固定化層505は、薄い金の層である。ケイ素フォトダイオード502の他に、二酸化ケイ素領域504が基板501中に導入されている。
【0111】
さらに、回路層504は、基板501と光学フィルタ層503との間に配置され、少なくとも1つの電装品506aは、回路層504に統合されており、そしてこの回路層504は、少なくとも1つの検出デバイス502に電気的に連結されている。この連結は、図5Bにおいて明示的に示される。この集積回路エレメント506a(これは、図5Bに示される)は、導電性接続手段であり、シリコンフォトダイオード502が連結されて、エレクトロニクスを駆動することを可能にする。
【0112】
蛍光バイオセンサーチップ500は、複数の捕捉分子507をさらに有し、これらは、固定化層505に連結され、そして捕捉分子507に相補的な、検出される分子508が、捕捉分子507に連結され得るような様式で設置される。
【0113】
参照番号507aは、DNA片方鎖として形成される捕捉分子507の個々の塩基を示す。図5Bに示されるように、DNA片方鎖507に相補的な、検出される分子508は、DNA片方鎖と同様に、捕捉分子507に結合される。検出される分子508もまた、DNA片方鎖であるので、この検出される分子508もまた、個々の塩基508aを有する。蛍光マーカー509は、検出される分子508に連結される。
【0114】
さらに、隣接検出デバイス502を光学的に隔離する、少なくとも1つの隔離溝510が、蛍光バイオセンサーチップ500の少なくとも1つの表面領域中に導入され、少なくとも1つの隔離溝510が、各々の場合に、検出デバイス502が2つの隣接する隔離溝510間の領域の下に配置されるような様式で、固定化層505を通って、光学フィルタ層503のある領域へと適正に延びる。図5Bに示されるように、少なくとも1つの隔離溝510は、吸収材料511から形成された層で覆われ、この吸収材料511は、電磁放射線を吸収するような様式で設置される。
【0115】
隔離溝510の機能性およびこの隔離溝510に導入された吸収材料511の機能性は、図5B(特に、図中に模式的に示される電磁蛍光放射線512)を参照して以下に説明され、この蛍光放射線は、図5Bの左側に配置された蛍光マーカー509によって放射されている。上記議論のように、基板501中の種々の検出デバイス502が、固定化層505の表面上のセンサーピクセルに対応する。明らかに、固定化層505の表面上に固定化された全ての捕捉分子507は、この捕捉分子507の下に本質的に配置された検出デバイス502に属する。このように、図5Bを参照して、左側の検出デバイス502は、固定化層505の表面上に固定化された左側の捕捉分子507から生じる蛍光放射を検出するために提供される。そして、図5B中に示される右側の検出デバイス502は、検出される分子508に結合した蛍光マーカー509に起源する蛍光放射を検出するために作用し、この検出される分子508は、捕捉分子507(これは、右側の検出デバイス502の上に実質的に配置される)にドッキングされる。
【0116】
図5Bに示されるように、左側の蛍光マーカー509は、電磁蛍光放射線512を放射する。上記によれば、この蛍光放射(これは、固定化層505の表面上に配置された左側の捕捉分子507におけるハイブリダイゼーション事象の関節的な結果である)は、左側の検出デバイス502によって検出されるべきである。しかし、電磁蛍光放射線512は、図5B中に示される左側の検出デバイス502には放射されないが、右側の検出デバイス502の方向には放射されるような方向で放射される。この電磁蛍光放射線512が右側の検出デバイス512によって検出されるとすると、これは、測定に悪影響を及ぼす。
【0117】
この現象は、それぞれ、左側の検出デバイス502および右側の検出デバイス502に属する2つの隣接センサーアレイ間の光学的クロストークと称される。吸収材料511で部分的に充填された隔離溝510は、望まれない光学的クロストーク現象を低減する効果を有する。
【0118】
図5Bに示されるように、この電磁蛍光放射線512は、図5B中に示される右側のシリコンフォトダイオード502の方向で放射されるが、右側のシリコンフォトダイオード502への途中で、この電磁蛍光放射線512は、隔離溝510および隔離溝510を部分的に満たした吸収材料511を越えなければならない。この吸収材料511は、特に、使用される蛍光マーカー509の蛍光放射線の波長範囲の電磁放射線を吸収するような様式で、設置される。結果として、この電磁蛍光放射線512は、隔離溝510中の吸収材料511に吸収され、従って、図5Bに示される右側の検出デバイス502へと通過できない。それによって、隣接センサーアレイ間の光学的クロストークが低減される。
【0119】
しかし、図5Bに示されるように、吸収材料511で充填された隔離溝510は、光学的クロストークを完全には防止できない。これに関して、図5B中に示される右側の蛍光マーカー509によって放射される電磁蛍光放射線513に対して参照がなされるべきである。同様に、蛍光放射線513は、本質的に下にある検出デバイス502の方向では放射されず、蛍光マーカー509の左側に配置された検出デバイス502の方向で放射される。図5Bに示される幾何的条件に起因して、電磁蛍光放射513は、隔離溝510中の吸収材料511によって吸収されない。これらの説明は、隔離溝510および吸収材料511のみでは、光学的クロストークをかならずしも完全に防止するとは限らないことを示す。
【0120】
光学的クロストークをさらに低減するために、吸収材料から作製された障壁層514が、検出デバイス502が、各々の場合において2つの隣接障壁層514の間の各々の領域の下に配置されるように、回路層504の少なくとも1つの領域中に配置され、この吸収材料は、電磁放射を吸収するような様式で設置される。障壁層514は、電磁蛍光放射線513を吸収する。結果として、障壁層514は、不利な光学的クロストーク現象を低減させる。これに関して、(例えば、導電性接続手段としての)それらの電子的機能性に加えて、集積回路エレメント506aはまた、吸収障壁層514の機能を同時に実施し得る。この目的のために、集積回路エレメント506aは、電磁放射線を吸収および/または反射する材料から作製される。このように、集積回路エレメント506aは、二重の機能を実現し得る:一方では、集積回路エレメント506aは、電子的回路エレメントとして働き得;他方では、集積回路エレメント506aは、光学的クロストーク現象を低減し続け得る。
【0121】
図5Aは、記載される本発明の実施形態に従う蛍光バイオセンサーチップ500の平面図を示す。特に、隔離溝510(これは、示される例示的実施形態に従う、連続的な隔離領域として構成されている)が、図5Aに示される。さらに、個々のセンサーアレイ515、516(これらは、隔離溝510間の領域によって規定され、そして捕捉分子507で覆われる)が、図5Aに示される。特に、センサーアレイ515および516が示され、これらは、図5Bの断面線I−I’に沿った拡大断面図として示される。
【0122】
蛍光バイオセンサーチップ600の好ましい例示的な実施形態(これは、図6Aにおいて、平面図で模式的に示される)に従う、各個々の検出デバイスの1つを駆動および走査するための模式的な回路の説明が下に提供される。図6Aは、センサーアレイ601の、本質的にマトリックス型の配置を示す。この場合、図6Aに示される説明は、本質的に図5A中の蛍光バイオセンサーチップ500の説明に対応する。図5Aには詳細に示されないが図6Aには詳細に示されるものは、蛍光バイオセンサーチップ600のセンサーアレイ601の各個々の1つが駆動され得る回路である。マトリックス型様式で配置されたセンサーアレイ601の特定の行の駆動安定性および特定の列の駆動安定性は、駆動回路602によって実現される。
【0123】
駆動回路602によって、各個々のセンサーアレイ601は、ロウ選択ライン603およびカラム選択ライン604によって駆動され得る。
【0124】
ロウ選択ライン603の数(この例においては6)およびカラム選択ライン604の数(この例においては6)が、センサーアレイ601の数に依存することが、強調されなければならない。センサーアレイの列の数が2に等しい場合、2m個のロウ選択ライン603が必要である。センサーアレイ601の列の数が、2に等しい場合、2n個のカラム選択ライン604が、全ての列の連続的な駆動のために必要である。
【0125】
図6Aに示される例は、8=2および8=2個の、センサーアレイ601の列を示し、6=2×3個のロウ選択ライン603および6=2×3個のカラム選択ライン604が提供されるという結果を示す。
【0126】
図6Aに示されるように、個々のロウ選択ライン603は、互いに部分的に依存する。ロウ選択ライン603は、Z1、Z1(上線付)、Z2、Z2(上線付)、Z3、Z3(上線付)で示される。これは、ロウ選択ラインZ1の信号が論理値「1」にある場合、ロウ選択ラインZ1(上線付)の信号は論理値「0」にあり、そしてロウ選択ラインZ1の信号が論理値「0」にある場合、ロウ選択ラインZ1(上線付)の信号は論理値「1」にあることを意味する。従って、Z1およびZ1(上線付)に対する信号は、通常互いに反対の論理値にある。同様に、ロウ選択ライン603のZ2およびZ2(上線付)もまた、互いに相補的な値にある。ロウ選択ライン603のZ3およびZ3(上線付)もまた、互いに相補的な値にある。同じことが、カラム選択ライン604(これらは、S1、S1(上線付)、S2、S2(上線付)、S3、S3(上線付)で示される)に適用される。S1およびS1(上線付)に対する信号は、通常互いに相補的な論理値にあり、S2およびS2(上線付)に対する信号は、通常互いに相補的な論理値にあり、そしてS3およびS3(上線付)に対する信号は、通常互いに相補的な論理値にある。
【0127】
センサーアレイ601の各々は、図6Aに示される例示的実施形態に従う、6つのロウ選択ライン603のうち3つに連結され、そして図6Aに示される例示的な実施形態に従う、6つのカラム選択ライン604のうち3つに連結されている。
【0128】
図6A中に示される選択されたセンサーアレイ601aが、示される駆動回路602によっていかに駆動され得るかについての例として、説明が下に与えられる。
【0129】
図6B中に示されるように、選択されたセンサーアレイ601aは、第一ロウ選択ライン603a、第二ロウ選択ライン603bおよび第三ロウ選択ライン603cに連結される。再び図6Aを参照して、第一ロウ選択ライン603aはZ1であり、第二ロウ選択ライン603bはZ2であり、そして第三ロウ選択ライン603cはZ3(上線付)である。さらに、選択されたセンサーアレイ601aは、第一カラム選択ライン604a、第二カラム選択ライン604bおよび第三カラム選択ライン604cに連結される。図6Aを参照して、これらは、第一カラム選択ライン604a(S1(上線付))、第二カラム選択ライン604b(S2)および第三カラム選択ライン604c(S3(上線付))である。
【0130】
図5Aに示される検出デバイス502の1つに本質的に対応するフォトダイオード605が、選択されたセンサーアレイ601a内に配置される。
【0131】
図6Bは、参照番号606を有する2つの矢印によって、フォトダイオード605が、電磁蛍光放射線が検出され得るような様式で設置されることを、模式的に示す。電磁放射線606が、フォトダイオード605に衝突する場合、このフォトダイオード605の電気的特性は、特徴的な様式で変化し、そして電気的信号は、フォトダイオード605に連結された第一トランジスタ607aの供給源に存在する。電位信号が、第一トランジスタ607aのゲート領域に存在し、従って、導電性チャネルが、供給源領域と排出領域との間に形成される場合(すなわち、論理値「1」を有する信号が第一カラム選択ライン604a上に存在する場合、すなわち、論理値「1」を有する信号がS1(上線付)上に存在する場合)にのみ、この信号は、第一トランジスタ607aを通過する。この場合、フォトダイオード605の電気的信号は、トランジスタ607aの供給源領域から排出領域へと通過し得、そしてそこからさらに、第二トランジスタ607bの供給源領域へと通過し得る。
【0132】
次いで、第二トランジスタ607bの供給源領域に存在する電気的信号は、電位信号が第二トランジスタ607bのゲート領域に存在し、従って導電性チャネルが供給源領域と排出領域との間に形成される場合(すなわち、第二カラム選択ライン604b上に存在する電気的信号が論理値「1」を有する場合、すなわち、論理値「1」を有する信号がS2上に存在する場合)にのみ、第二トランジスタ607bの排出領域へと通過し得る。この場合、この電気的信号は、第二トランジスタ607bの供給源領域から第二トランジスタ607bの排出領域へと通過し得、そしてそこから、第三トランジスタ607cの供給源領域へと通過し得る。第三トランジスタ607cの供給源領域に存在する電気的信号は、電位信号が第三トランジスタ607cのゲート領域に存在し、従って導電性チャネルが供給源領域と排出領域との間に形成される場合(すなわち、論理値「1」を有する電気的信号が、第三カラム選択ライン604c上に存在する場合、すなわち、論理値「1」を有する電気的信号がS3(上線付)上に存在する場合)にのみ、第三トランジスタ607cの排出領域へと通過し得る。この場合、この電気的信号は、第三トランジスタ607cの供給源領域から第三トランジスタ607cの排出領域へと通過し得、そしてそこから、電気接続点608へと通過し得る。それにより、センサーアレイ601の第六カラム(これは、選択されたセンサーアレイ601aを有する)が選択される。言い換えれば、選択されるセンサーアレイ601のカラムは、カラム選択ライン603上に存在する論理値に依存する。
【0133】
選択されたセンサーアレイ601aを選択するために、センサーアレイ601の正確なロウの選択もまた、センサーアレイ601の対応するカラムの選択に加えて、必要である。センサーアレイ601のロウがどのように選択され得るかの説明を、以下に与える。図6B中に示される電気接続点点608は、第四トランジスタ609aの供給源領域に連結されている。第四トランジスタ609aの供給源領域に存在する電気的信号は、電位信号が第四トランジスタ609aのゲート領域に存在し、従って導電性チャネルが供給源領域と排出領域との間に形成される場合(すなわち、論理値「1」を有する電気的信号がトランジスタ609aのゲート領域に連結された第一ロウ選択ライン603a上に正確に存在する場合、すなわち、論理値「1」を有する電気的信号がZ1上に存在する場合)にのみ、第四トランジスタ609aの排出領域へと通過し得る。この場合、第四トランジスタ609aの供給源領域に存在する電気的信号は、第四トランジスタ609aの排出領域へと通過し得、そしてそこから、第五トランジスタ609bの供給源領域へと通過し得る。第五トランジスタ609bのゲート領域に連結された第二ロウ選択ライン603bが、論理値「1」を有する電気的信号によって正確に占められる場合、第五トランジスタ609bの供給源領域に存在する電気的信号は、第五トランジスタ609bの排出領域へと通過し得る。このことは、論理値「1」を有する電気的信号が、Z2で示される第二ロウ選択ライン603b上に存在しなければならないことを意味する。この場合、第五トランジスタ609bの供給源領域に存在する電気的信号は、第五トランジスタ609bの排出領域へと通過し得、そしてそこから、これに連結した第六トランジスタ609cの供給源領域へと通過し得る。再度、第六トランジスタ609cの供給源領域に存在する電気的信号は、電位信号が第六トランジスタ609cのゲート領域に存在し、従って導電性チャネルが供給源領域と排出領域との間に形成される場合(すなわち、論理値「1」を有する電気的信号が、第三カラム選択ライン603c上に存在する場合、すなわち、論理値「1」を有する電気的信号がZ3(上線付)上に存在する場合)にのみ、第六トランジスタ609cの排出領域へと通過し得る。この場合にのみ、第六トランジスタ609cの供給源領域に存在する電気的信号は、第六トランジスタ609cの排出領域へと通過し得る。この条件もまた満たされる場合、選択されたセンサーアレイ601aに関連するセンサーアレイ601の第二ロウが選択される。
【0134】
従って、選択されたセンサーアレイ601aは、論理値「1」を有する電気的信号が、各々の場合において、第一カラム選択ライン604a(S1(上線付))上および第二カラム選択ライン604b(S2)上および第三カラム選択ライン604c(S3(上線付))上および第一ロウ選択ライン603a(Z1)上および第二ロウ選択ライン603b(Z2)上および第三ロウ選択ライン603c(Z3(上線付))上に存在する場合に、正確に選択される。論理値「0」を有する電気的信号が、言及された6個の選択ライン603a、603b、603c、604a、604b、604cのうち1つの上にのみ存在する場合、対応するセンサーアレイは、選択されない。選択されたセンサーアレイ601aのロウおよびカラムの両方が選択される場合、フォトダイオード605によって検出される電気的信号は、電流610を検出するための手段、または電圧611を検出するための手段へと通過する。結果として、特定の選択されたセンサーアレイ601aが選択され得、そして選択されたセンサーアレイ601aの検出デバイス605に存在する電気的センサー信号強度が、読出しされ得る。
【0135】
図7は、蛍光バイオセンサーチップアレンジメント700の好ましい例示的な実施形態を示し、これは以下でより詳細に説明される。蛍光バイオセンサーチップアレンジメント700は、蛍光バイオセンサーチップ700aおよび電磁放射線供給源705を有する。蛍光バイオセンサーチップ700aは、1つの基板701、基板701内に配置されそして第1波長範囲の電磁放射線を検出するために働く、6つの検出デバイス702、基板701上に配置されそして第2波長範囲の電磁放射線を吸収および/または反射するために働く光学フィルタ層703、ならびに光学フィルタ層703上に配置されそして捕捉分子を固定するために働く固定化層704を有する。検出デバイス702、光学フィルタ層703および固定化層704は、蛍光バイオセンサーチップ700a内に統合される。蛍光バイオセンサーチップ700aの表面領域が、電磁放射線供給源705によって第3波長範囲の電磁放射線で照射されるような方法で、電磁放射線供給源705は配置される。
【0136】
図7に示すように、蛍光バイオセンサーチップ700aは、基板701と光学フィルタ層703との間に配置された回路層706を有する。
【0137】
電磁放射線供給源705はレーザーである。
【0138】
図7に示されるような蛍光バイオセンサーチップアレンジメント700の例示的な実施形態に従って、蛍光バイオセンサーチップ700aは、非常に多くの捕捉分子707を有する。この捕捉分子707は、固定化層704に結合され、そして捕捉分子707に相補的な検出される分子708が捕捉分子707に結合し得るような方法で配置される。検出される分子708の各々は蛍光マーカー709を有し、この蛍光マーカー709は、少なくとも部分的に第3波長範囲の電磁放射線を吸収し、そして吸収が起こった後に、第4波長範囲の電磁放射線を放射するような方法で配置される。第3波長範囲の少なくとも一部は、第4波長範囲外にあり、そして第4波長範囲の少なくとも一部は、第1波長範囲内にある。第1波長範囲の少なくとも一部分は、第2波長範囲外にある。図7はまた、蛍光マーカー711を有する分子710が、捕捉分子707に相補的ではなく、従ってそこへ結合しないことを示す。
【0139】
以下の刊行物は、本明細書中に引用される:
[1] WO 99/38612
[2] WO 00/12759
[3] WO 99/27140
[4] Vo−Dinh, T(1998)「Development of a DNA biochip:principle and applications」Sensors and Actuators B51:52−59
[5] Kong,SH,Correia,G,de Graaf,G,Bartek,M,Wolfenbuttel,RF(1998)「CMOS compatible optical sensors with thin film interference filters:fabrication and characterization」Workshop on Semiconductor Advances on Future Electronics SAFE’98,291−294
(http://www.stw.nl/programmas/safe/safe98/proceedings/kong.pdf)
[6] US 5 648 653
[7] DE 197 31 479 A1
[8] DE 199 40 752 A1
[9] DE 199 40 751 A1
[10] DE 100 38 080 A1
[11] JP 2000235035 A
[12] WO 01/03833 A1
[13] DE 199 47 616 A1
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1A】図1Aは、先行技術に従う蛍光バイオセンサーチップの模式図を示す。
【図1B】図1Bは、先行技術に従う別の蛍光バイオセンサーチップの分解組み立て図を示す。
【図2】図2は、本発明の第1の例示的実施形態に従う蛍光バイオセンサーチップの断面図を示す。
【図3】図3は、本発明の第2の例示的実施形態に従う蛍光バイオセンサーチップの断面図を示す。
【図4】図4は、本発明に従う光学フィルタ層の好ましい例示的実施形態による誘電干渉フィルタの波長に対する透過性の依存性を模式的に示すダイアグラムである。
【図5A】図5Aは、本発明の第3の例示的実施形態に従う蛍光バイオセンサーチップの平面図を示す。
【図5B】図5Bは、本発明の蛍光バイオセンサーチップの第3の好ましい例示的実施形態に従う図5Aの線I−I’に沿った部分的拡大断面図を示す。
【図6A】図6Aは、本発明の蛍光バイオセンサーチップの好ましい例示的実施形態に従うセンサーアレイを駆動するための駆動論理を有する回路ダイアグラムを示す。
【図6B】図6Bは、本発明の蛍光バイオセンサーチップの好ましい例示的実施形態に従うセンサーアレイを駆動するための駆動論理の拡大図を示す。
【図7】図7は、本発明の好ましい例示的実施形態に従う蛍光バイオセンサーチップアレンジメントの断面図を示す。
【符号の説明】
【0141】
100 蛍光バイオセンサーチップ
101 光源
101a 光
102 光源フィルタ
103 バイオチップ
104 レンズ
105 センサーフィルタ
106 CCDセンサーアレンジメント
110 蛍光バイオセンサーチップ
111 光源
111a 光
112 光学エレメント
113 光源フィルタ
114 反射エレメト
115 サンプルホルダ
116 空洞
117 センサーフィルタ
118 光検出器
119 バイオチップ
200 蛍光バイオセンサーチップ
201 基板
202 検出デバイス
202a 参照検出デバイス
203 光学フィルタ層
204 固定化層
205 回路層
206 捕捉分子
207 検出される分子
208 蛍光マーカー
209 分子
210 蛍光マーカー
211 捕捉分子のない表面セクション
300 蛍光バイオセンサーチップ
301 p−ドープケイ素基板
302 検出デバイス
303 光学フィルタ層
304 集積回路エレメント
304a 二酸化ケイ素領域
304b n−ドープケイ素領域
304c n−ドープケイ素領域
305 固定化層
306 回路層
306a 集積回路エレメント
307 捕捉分子
307a 塩基
308 検出される分子
309 蛍光マーカー
310 第3波長範囲の電磁放射線
311 第4波長範囲の電磁放射線
500 蛍光バイオセンサーチップ
501 p−ドープケイ素基板
502 検出デバイス
503 光学フィルタ層
504 二酸化ケイ素領域
505 固定化層
506 回路層
506a 集積回路エレメント
507 捕捉分子
507a 塩基
508 検出される分子
508a 塩基
509 蛍光マーカー
510 隔離溝
511 吸収材料
512 電磁蛍光放射
513 電磁蛍光放射
514 バリア層
515 センサーアレイ
516 センサーアレイ
600 蛍光バイオセンサーチップ
601 センサーアレイ
601a 選択されたセンサーアレイ
602 駆動回路
603 ロウ選択ライン
603a 第1ロウ選択ライン
603b 第2ロウ選択ライン
603c 第3ロウ選択ライン
604 カラム選択ライン
604a 第1カラム選択ライン
604b 第2カラム選択ライン
604c 第3カラム選択ライン
605 フォトダイオード
606 矢印
607a 第1トランジスタ
607b 第2トランジスタ
607c 第3トランジスタ
608 電気接続点
609a 第4トランジスタ
609b 第5トランジスタ
609c 第6トランジスタ
610 電流検出のための手段
611 電圧検出のための手段
700 蛍光バイオセンサーチップアレンジメント
700a 蛍光バイオセンサーチップ
701 基板
702 検出デバイス
703 光学フィルタ層
704 固定化層
705 電磁放射線供給源
706 回路層
707 捕捉分子
708 検出される分子
709 蛍光マーカー
710 分子
711 蛍光マーカー

Claims (27)

  1. 蛍光バイオセンサーチップであって、以下:
    基板;
    少なくとも1つの検出デバイスであって、該基板内または該基板上に配置され、電磁放射線の検出のために働く、デバイス;
    該基板上に配置される光学フィルタ層;および、
    該光学フィルタ層上に配置され、捕捉分子の固定のために働く、固定化層
    を有し、
    該検出デバイス、該光学フィルタ層および該固定層は、該蛍光バイオセンサーチップに一体化されている、
    蛍光バイオセンサーチップ。
  2. 請求項1に記載の蛍光バイオセンサーチップであって、前記基板は、シリコン材料から作製される、蛍光バイオセンサーチップ。
  3. 請求項1または2に記載の蛍光バイオセンサーチップであって、前記少なくとも1つの検出デバイスは、フォトダイオードを有し、該フォトダイオードは、第1波長範囲の電磁放射線が該フォトダイオードによって検出され得るような様式で設定されている、蛍光バイオセンサーチップ。
  4. 請求項3に記載の蛍光バイオセンサーチップであって、前記光学フィルタ層は、該光学フィルタ層が、第2の波長範囲の電磁放射線を反射および/または吸収するような様式で設定され、前記第1波長範囲の少なくとも一部は、該第2の波長範囲の外側にある、蛍光バイオセンサーチップ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光バイオセンサーチップであって、前記光学フィルタ層は、少なくとも1つの帯域フィルタおよび/または少なくとも1つのカットオフフィルタを有する、蛍光バイオセンサーチップ。
  6. 請求項5に記載の蛍光バイオセンサーチップであって、前記帯域フィルタは誘電干渉フィルタであり、該フィルタは、少なくとも2種の材料を含有する層配列を有し、第1材料は、高屈折率を有し、そして第2の材料は、低屈折率を有する、蛍光バイオセンサーチップ。
  7. 請求項5に記載の蛍光バイオセンサーチップであって、前記カットオフフィルタは、有機材料から作製されるカラーフィルタである、蛍光バイオセンサーチップ。
  8. 請求項6に記載の蛍光バイオセンサーチップであって、前記第1材料は、化学元素および以下の化合物:
    ・酸化チタン
    ・窒化ケイ素
    ・酸化ハフニウム
    ・酸化ジルコニウム
    ・酸化アルミニウム
    ・ポリシリコン
    ・酸化インジウムスズ、および
    ・二酸化ケイ素
    のうちの1つまたはそれらの組み合わせである、蛍光バイオセンサーチップ。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載の蛍光バイオセンサーチップであって、前記第2の材料は、化学元素および以下の化合物:
    ・酸化チタン
    ・窒化ケイ素
    ・酸化ハフニウム
    ・酸化ジルコニウム
    ・酸化アルミニウム
    ・ポリシリコン
    ・酸化インジウムスズ、および
    ・二酸化ケイ素
    のうちの1つまたはそれらの組み合わせである、蛍光バイオセンサーチップ。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の蛍光バイオセンサーチップであって、前記固定層は、以下の材料:
    ・二酸化ケイ素
    ・窒化ケイ素
    ・金、および/または
    ・有機材料
    のうちの1つまたはそれらの組み合わせを有する、蛍光バイオセンサーチップ。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の蛍光バイオセンサーチップであって、前記基板と前記光学フィルタ層との間に回路層をさらに有し、
    ・少なくとも1種の電気部品が、該回路層に組み込まれており;
    ・該回路層は、前記少なくとも1つの検出デバイスに電気的に結合されている、
    蛍光バイオセンサーチップ。
  12. 請求項11に記載の蛍光バイオセンサーチップであって、前記回路層は、前記少なくとも1つの検出デバイスが該回路層によって電気的に駆動され得るような様式で設定されている、蛍光バイオセンサーチップ。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の蛍光バイオセンサーチップであって、複数の捕捉分子を有し、該複数の捕捉分子は、前記固定層に結合されており、かつ検出されるべき、該捕捉分子に相補的である分子が、該捕捉分子の各々に結合され得る様式で設定されている、蛍光バイオセンサーチップ。
  14. 請求項13に記載の蛍光バイオセンサーチップであって、前記捕捉分子は、以下:
    ・核酸分子
    ・ペプチド
    ・タンパク質、または
    ・低分子量化合物
    である、蛍光バイオセンサーチップ。
  15. 請求項13または14に記載の蛍光バイオセンサーチップであって、前記固定層の表面セクションの下に配置された前記少なくとも1つの検出デバイスにおいて雑音信号が取り出され得るように、該表面セクションは捕捉分子を含まない、蛍光バイオセンサーチップ。
  16. 請求項13〜15のいずれか1項に記載の蛍光バイオセンサーチップであって、検出されるべき各分子は、少なくとも1つの蛍光マーカーを有し、
    ・該蛍光マーカーは、第3波長範囲の電磁放射線を吸収し、そして吸収が起こった後に、第4波長範囲の電磁放射線を放出するような様式で設定されており;
    ・該第3波長範囲の少なくとも一部は、該第4波長範囲の外側にあり;
    ・該第4波長範囲の少なくとも一部は、前記第1波長範囲内にある、
    蛍光バイオセンサーチップ。
  17. 請求項16に記載の蛍光バイオセンサーチップであって、前記蛍光マーカーは、以下の材料:
    ・クマリン
    ・FITC
    ・Cy2
    ・Alexa Fluor 488
    ・BODIPY 493
    ・Rhodamine 123
    ・R6G
    ・TET
    ・JOE
    ・HEX
    ・BODIPY 530
    ・Alexa 532
    ・R−フィコエリトリン
    ・TRITC
    ・Cy3
    ・TAMRA
    ・Texas Red
    ・ROX
    ・BODIPY 630、および
    ・Cy5
    のうちの1つである、蛍光バイオセンサーチップ。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の蛍光バイオセンサーチップであって、隣接検出デバイスを光学的に隔離するための少なくとも1つの隔離溝が、該蛍光バイオセンサーチップの少なくとも1つの表面領域に導入され、該少なくとも1つの隔離溝は、各場合において検出デバイスが2つの隣接隔離溝間の各領域の下に配置されるような様式で、前記固定層を通って前記光学フィルタ層の領域に適切に延びている、蛍光バイオセンサーチップ。
  19. 請求項18に記載の蛍光バイオセンサーチップであって、前記少なくとも1つの隔離溝の表面の少なくとも一部は、吸収材料から作製される層で覆われているか、またはここで、該溝の少なくとも1つは、吸収材料で充填されており、該吸収材料は、少なくともそれぞれの波長範囲または複数のそれぞれの波長範囲の電磁放射線を吸収または反射するような様式で設定されている、蛍光バイオセンサーチップ。
  20. 請求項11〜19のいずれか1項に記載の蛍光バイオセンサーチップであって、吸収材料から作製されるバリア層が、各場合において検出デバイスが2つの隣接バリア層間の各領域の下に配置されるような様式で、前記回路層の少なくとも1つの領域に提供され、該吸収材料は、少なくともそれぞれの波長範囲または複数のそれぞれの波長範囲の電磁放射線を吸収または反射するような様式で設定されている、蛍光バイオセンサーチップ。
  21. 蛍光バイオセンサーチップアレンジメントであって、該蛍光バイオセンサーチップアレンジメントは、
    ・蛍光バイオセンサーチップを有し、該蛍光バイオセンサーチップは、以下:
    ○基板;
    ○少なくとも1つの検出デバイスであって、該基板内または該基板上に配置され、そして第1波長範囲の電磁放射線の検出のために働く、少なくとも1つの検出デバイス;
    ○光学フィルタ層であって、該基板上に配置され、そして第2波長範囲の電磁放射線の吸収および/または反射のために働く、光学フィルタ層;
    ○固定化層であって、該光学フィルタ層上に配置され、そして捕捉分子の固定のために働く、固定化層、
    を備え;
    ○該検出デバイス、該光学フィルタ層、および該固定化層は、該蛍光バイオセンサーチップに一体化されており;
    該蛍光バイオセンサーチップアレンジメントは、
    ・電磁放射線源を有し、該電磁放射線源は、該蛍光バイオセンサーチップの表面領域が、該電磁放射線源によって、第3波長範囲の電磁放射線で照射され得るような様式で設定されている、
    蛍光バイオセンサーチップアレンジメント。
  22. 前記電磁放射線源が、
    ・レーザ
    ・発フォトダイオード
    ・放電ランプ、または
    ・白熱電球
    である、請求項21に記載の蛍光バイオセンサーチップアレンジメント。
  23. 前記蛍光バイオセンサーチップが、複数の捕捉分子を有し、該捕捉分子は、前記固定化層に結合されており、そして該捕捉分子は、検出されるべき、該捕捉分子に相補的な分子が、該捕捉分子の各々に結合され得るような様式で設定されている、請求項21または22に記載の蛍光バイオセンサーチップアレンジメント。
  24. 前記検出される分子および/または前記捕捉分子が、蛍光マーカーを有し、
    ・該蛍光マーカーは、前記第3波長範囲の電磁放射線を少なくとも部分的に吸収し、そして吸収が起こった後に、第4波長範囲の電磁放射線を放出するような様式で設定されており;
    ・該第3波長範囲の少なくとも一部が、該第4波長範囲の外側にあり;
    ・該第4波長範囲の少なくとも一部が、前記第1波長範囲内にある、
    請求項23に記載の蛍光バイオセンサーチップアレンジメント。
  25. 前記第1波長範囲の少なくとも一部が、前記第2波長範囲の外側にあるような様式で設定されている、請求項21に記載の蛍光バイオセンサーチップアレンジメント。
  26. 前記電磁放射線源によって放出される前記電磁放射線が、前記光学フィルタ層に垂直な方向に対して、予め決定された角度で入射するような様式で、該電磁放射線源が配向され得る、請求項23〜25のいずれか1項に記載の蛍光バイオセンサーチップアレンジメント。
  27. 前記電磁放射線源によって放出される前記電磁放射線が、パルスで放出され得るような様式で、該電磁放射線源が設定され、そして前記蛍光マーカーによって放出される電磁放射線が、前記検出デバイスによるパルス間の間隔のうちに検出され得るような様式で、該検出デバイスが設定されている、請求項24〜26のいずれか1項に記載の蛍光バイオセンサーチップアレンジメント。
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