JP2005503641A - 電池の正極及びその製造方法 - Google Patents

電池の正極及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、電気化学電池、特にアルカリ一次電池の正極において使用できる粒子状の二酸化マンガンと導電カーボンとを含む均一な混合物を形成する改良された方法を提供する。均一な混合物は、本発明の攪拌プロセスにより、不活性な硬いミル媒体を用いて、粒子状電解二酸化マンガンおよび天然黒鉛、拡張黒鉛、または、これらの組み合わせを含む本質的に乾燥した混合物を機械的に活性化することによって形成することができる。低い放電率および高い放電率での改良された電池の放電性能は、一般に約1から5wt%の極めて低レベルの高拡張黒鉛において得られる。

Description

【技術分野】
【0001】
この発明は、電池(バッテリー)で使用できる導電性の電極を製造するための方法に関する。また、本発明は、一次アルカリ電池における正極として前記電極を用いることに関する。
【背景技術】
【0002】
一次アルカリ電気化学電池は、一般に、亜鉛負極活性材料と、アルカリ電解液と、二酸化マンガン正極活性材料と、一般的にはセルロース系繊維および合成繊維を含む電解液透過セパレータフィルムとを有している。負極活性材料は、例えば、カルボキシルメチル・セルロース・ナトリウムまたはアクリル酸共重合体のナトリウム塩等の従来のゲル化剤と混合される亜鉛粒子と、電解液とを含んでいても良い。ゲル化剤は、亜鉛粒子を懸濁させるのに役立つとともに、亜鉛粒子同士の接触状態を維持するのに役立つ。一般に、負極活性材料中に挿入される導電金属ネイルは、負極カレントコレクタとして役立つ。電解液は、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物を含む水溶液であっても良い。一般に、正極は、電気化学的に活性な材料として、二酸化マンガンを含んでいる。この二酸化マンガンは、導電率を高めるための導電添加剤、随意的な高分子結合剤、アナタース型酸化チタンおよび他のアルカリ土類金属チタン酸塩を含むチタン含有化合物等の他の随意的な添加剤と混合される。一般に、二酸化マンガンは比較的低い導電率を示すため、個々の二酸化マンガン粒子間の導電率、および、電池の構成要素を取り囲み且つ正極カレントコレクタとしても機能するスチール容器と二酸化マンガン粒子との間の導電率を高めるべく、導電添加剤が必要とされる。適した導電添加剤としては、例えば、アセチレンブラックを含むカーボンブラック等の導電カーボン粉末、拡張された或いは剥離された黒鉛を含む合成黒鉛、天然黒鉛、および、これらの組み合わせを挙げることができる。
【0003】
一次アルカリ電池は、高い放電容量(すなわち、長い耐用年数)を有していることが望ましい。市販されている電池のサイズは一定であるため、電極活性材料の界面の表面積を増大することによって、また、多大な量の電極活性材料を電池内に充填することによって、電池の性能および/または有効耐用年数を高めることができることは知られている。しかしながら、これらの手法は、例えば、電極活性材料が電池内に非常に密に充填されると、電池放電中における電気化学的な反応の速度が減少し、耐用年数が減少する可能性があるなど、実用上の制限を有している。電池分極等の他の有害な結果も同様にして生じ得る。分極は、電解液内および電極内でのイオンの移動を制限し、これにより、電池性能を悪化させ、耐用年数を減少させる。正極内に含まれる活性材料の量は、一般に、高分子結合剤や導電添加剤等の電気化学的に不活性な材料の量を減らすことにより増やすことができるが、十分な量の導電活性剤を維持して、正極内で適切なレベルのバルク導電率を確保しなければならない。したがって、活性正極材料全体は、適切なレベルの導電率を与えるために必要な量の導電添加剤によって事実上制限される。
【0004】
また、高い放電率でアルカリ電池の性能を高めることが非常に望ましい。一般に、これは、正極内の導電添加剤の体積分率を大きくして、正極の全体の導電率(すなわち、バルク導電率)を大きくすることにより達成される。正極内の導電添加剤の体積分率は、導電粒子の適した浸透網状組織を形成できるように十分大きくなければならない。一般に、導電添加剤が導電カーボンである場合、混合物全体の約5から15重量パーセントが必要とされる。しかしながら、導電カーボンの量を多くすると、それに応じて、活性正極材料の量が減少し、耐用年数が短くなる。アセチレンブラック、薄片状結晶性天然または合成黒鉛等の従来の粉状の導電カーボンは、低い充填密度、高い電解液吸収、電池による過度の水素発生を伴う高レベルの不純物を含む固有の欠点を有している。
【0005】
電池の正極において、従来の粉状導電カーボンの代わりに、拡張黒鉛と称される特定のタイプの黒鉛を使用することは良く知られている。ここで使用されるように、拡張黒鉛は、結晶格子が一軸方向に拡張され或いは剥離された天然または合成の黒鉛を含んでいる。様々な方法を使用して、例えば、硫酸、硝酸、クロム酸、または、これらの混合物等の強酸と、過酸化水素、過塩素酸、ヨウ素酸または過ヨウ素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩等の強酸化剤との結合を含む拡張黒鉛を形成することができる。これらには、その後、例えば米国特許第1,137,373号、第1,191,383号、第3,404,061号、日本国未審査特許出願(公開)第16406/1994に開示されるような急速高温処理が施される。加熱処理後、拡張黒鉛は、一般に、洗浄されてコンパクトにされ、所望の平均粒径を形成するために磨滅によって粉状にミリングされる。ミリング後、拡張黒鉛粒子は、一般に、黒鉛結晶c軸の方向で厚さが減少する。粒子の厚さが減少すると、単位重量毎の導電黒鉛粒子の数が増えるため、特定の重量割合の拡張黒鉛は、同じ量の非拡張黒鉛よりも高い導電率を正極内で与えることができる。殆ど拡張されていない黒鉛は、二酸化マンガンと混合されて正極を形成する場合、結果として耐用年数が長くなるように使用することができる。また、米国特許第5,482,798号に開示されているように、拡張黒鉛は、薄片状粒子形態、高い圧縮率、高い潤滑性、良好な成形性を有しており、これにより、正極の製造を容易にする。
【0006】
従来のアルカリ一次電池の正極における導電添加剤として拡張黒鉛を使用することは、周知であり、例えば米国特許第5,482,798号、PCT公報WO93/08123、欧州出願EP0170,411、日本国未審査出願(公開)JP56−128579、JP56−118267に開示されている。0.5から15ミクロンの範囲の平均粒径、好ましくは2から6ミクロンの範囲の平均粒径を有する適した拡張黒鉛は、‘798特許に開示されている。一般に低い体積分率の黒鉛で、従来の天然または合成結晶性黒鉛(例えば、15から30ミクロン)よりも小さな平均粒径を有する拡張黒鉛は、導電性の網状組織の形成を容易にすると仮説が立てられた。約30ミクロンよりも大きい平均粒径を有する拡張黒鉛は、同等の粒径を有する従来の非拡張天然黒鉛と比較してアルカリ電池に有利な性能を与えないことが明らかになった。また、‘798特許は、適当な量の拡張黒鉛は、正極全体の約2から8重量パーセントの範囲、好ましくは約3から6重量パーセントとなり得ることを開示している。また、拡張黒鉛の含有量が約10重量パーセントよりも多い場合、アルカリ一次電池において、同等の量の非拡張黒鉛よりも有利な性能は得られない。
【0007】
アルカリ電池の正極において適したレベルの導電率を与えるべく、二酸化マンガンと黒鉛とを含む混合物を形成する様々な方法が知られている。一般に、黒鉛は、任意の様々な従来のブレンディング装置、ミキシング装置、ミリング装置を用いて、二酸化マンガンと乾燥混合することができる。例えば、米国特許第5,482,798号は、2気筒ミキサーまたは回転ミキサーを使用して、黒鉛と二酸化マンガンとを乾燥混合することを開示している。引用した‘798特許に開示されたその後のステップにおいて、形成された混合物は、ボールミルやビードミル等の水平媒体ミルを使用して、好ましくは水中で湿式粉砕され、これにより、二酸化マンガンの平均粒径が10ミクロン未満まで減少された。黒鉛と二酸化マンガンとを含む混合物または黒鉛が無い二酸化マンガンを過度に粉砕すると、電池の放電性能が悪化することが明らかになった。また、黒鉛は、粉砕プロセス中に潤滑剤として機能し、これにより、電気化学的特性を悪化させることなく二酸化マンガンの粒径を減少させることができることが明らかになった。
【0008】
アルカリ電池での使用に適した二酸化マンガンは、技術的に「CMD」と一般に称される「化学二酸化マンガン」として知られる化学的に形成される二酸化マンガンと、「EMD」と一般に称される「電解二酸化マンガン」として知られる電気化学的に形成される二酸化マンガンとを含む。CMDは、例えば米国特許第2,956,860号のWelshらによって開示された方法により、経済的に高い純度で形成することができる。EMDは、硫酸溶液中に溶解した硫酸マンガンを収容する槽の直接的な電気分解によって商業的に製造される。電着によって形成される二酸化マンガンは、一般に、純度および密度が高い。EMDを製造するためのプロセスおよびその代表的な特性は、1974年にニューヨークのMarcel Dekker社のKarl V. Kordeschによって編集された「Batteries」第1巻、433から488頁に記載されている。EMDは、アルカリ電池で使用できる好ましいタイプの二酸化マンガンである。電着プロセスの1つの結果は、EMDが、一般に、電気分解槽の硫酸によって高いレベルの表面酸性を維持することである。この残留する表面酸性は、例えば塩基水溶液を用いて処理することによって、中和することができる。適した塩基水溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム(すなわち、アンモニア水)、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、および、これらの任意の組み合わせを含む。一般に、市販されているEMDは、高効率で且つ経済的であるため、水酸化ナトリウム等の強塩基を用いて中和される。
【0009】
したがって、かなりの労力が費やされたとしても、先に引用した従来技術から分かるように、EMDおよび黒鉛を含む正極を形成するために使用される方法を改良して、アルカリ電気化学電池の放電性能および耐用年数を実質的に向上させる必要がある。
【発明の開示】
【0010】
本発明の主な目的は、二酸化マンガンと導電カーボンとを含む正極であって、充填時にアルカリ電気化学電池の放電性能および耐用年数を高めることができる改良された正極を形成することである。
【0011】
本発明の一態様は、電気化学的に活性な材料の正極内における体積分率を大きくすることによって、耐用年数が長く、高い放電率での放電性能が高いアルカリ一次電池の形成に関する。市販のアルカリ電池の全体寸法は一定であるため、成分材料のために利用できる内容積も一定である。活性正極材料の全体の量を大きくするため、電気化学的に不活性な成分の体積分率を減らさなければならない。本発明では、例えば高分子結合剤および導電添加剤を含む正極内の電気化学的に不活性な成分の量を減らす一方で、正極の導電率および機械的な強度の全体のレベルを維持する。
【0012】
また、本発明は、少量の導電カーボンと混合される二酸化マンガンから主に成る導電性の正極を提供する。前記カーボンは、導電性の添加剤として、また、結合剤として機能する。前記導電カーボンは、アセチレンブラック、天然または合成の薄片状結晶性黒鉛、天然または合成の黒鉛前駆物質から形成される拡張黒鉛、カーボンナノ繊維、ナノ細管、フィブリルを含む黒鉛化されたカーボン繊維、および、これらの組み合わせから選択することができる。
【0013】
本発明のプロセスの一態様において、アルカリ電気化学電池に適した正極は、粒子状の二酸化マンガンと導電カーボンとを含む本質的に乾燥した混合物を、不活性の硬いキル媒体と機械的に攪拌し、前記混合物から前記ミル媒体を分離し、随意的に、正極形成を容易にするべく前記混合物に電解水溶液を加えることによって形成することができる。適した導電カーボン粒子は、例えば、アセチレンブラック、天然結晶性または合成結晶性の薄片状黒鉛、拡張黒鉛(剥離した形態をなし得る)、カーボンナノ繊維、ナノ細管、フィブリルを含む黒鉛化されたカーボン繊維、および、これらの組み合わせを含んでいても良い。
【0014】
本発明の他の態様は、二酸化マンガンおよび導電カーボン粒子を十分に混合させることができ、これにより、正極において、適切なレベルの導電率を維持しつつ、導電カーボンの体積分率を最小にして、二酸化マンガンの体積分率を最大にできる高効率なミキシングまたはブレンディングプロセスを提供する。導電カーボンの体積分率が低い場合、正極の導電率は、導電カーボン粒子による浸透網状組織形成の効率によって大きく左右される。また、導電カーボン粒子による浸透ネットワーク形成の効率は、平均粒径、粒子のサイズ分布、二酸化マンガンおよび導電カーボンの相対的なサイズ、粒子の形態、導電カーボン粒子の固有導電率によって決まり、特に、導電カーボン粒子と二酸化マンガン粒子とを含む混合物の均一性によって決まる。
【0015】
本発明の更に他の態様は、乾燥状態で、すなわち、液体や溶媒を加えてスラリーまたはその分散体を形成することなく、二酸化マンガン粒子と導電カーボン粒子とを十分に混合させることができるミキシングプロセスを含んでいる。本発明の機械的なミキシングプロセスによれば、一般的な正極製造プロセスを簡略化でき、これにより、二酸化マンガンと導電カーボンとを含む混合物を、加えられた液体や溶媒から分離して、前記混合物を乾燥させる最後のステップを省くことができる。また、本発明の乾式ミキシングプロセスは、従来の湿式ミリングプロセスによるミキシング中の二酸化マンガン粒子の磨滅によって生じる電池放電性能の低下を都合良く最小に抑える。
【0016】
本発明は、アルカリ一次電池での使用に適した導電マトリクスを形成するように均一に混合された最低量の導電添加剤と二酸化マンガンとを備えた導電バッテリーの正極を形成するための改良された方法を特徴としている。本発明の方法は、硬く不活性なミル媒体を使用する機械的な攪拌プロセスによって導電カーボン粒子と二酸化マンガンとの混合物をかき混ぜるのに特に適している。適した二酸化マンガンは、γ−MnO、δ−MnO、EMD、CMDを含んでいる。また、適した二酸化マンガンは、EMD、CMDのみ、あるいは、米国特許第6,162,561号の方法によってオゾンガスと接触させることにより処理された混合物、米国特許第5,277,890号の方法によって形成されたp−CMDを含んでいる。ナトリウム含有量が500ppmを下回り且つ平均粒径が約40から50ミクロンである市販されているグレードのEMD粉末が好ましい。二酸化マンガンおよび導電カーボン粒子に関してここで使用する用語「平均粒径」とは、粒径の平均値、一般には、そのような物質に関して報告された最も一般的な平均粒径のことである。「有効な」粒径は、粒子の最も長い寸法として特定することができる。したがって、球形の粒子の有効粒径は、その直径であり、長尺な粒子の有効粒径は、その長さである。適した導電添加剤は、アセチレンブラック等の導電カーボン、天然および合成の薄片状結晶性黒鉛、拡張された或いは剥離された黒鉛、カーボンナノ繊維、ナノ細管、フィブリルを含む黒鉛化されたカーボン繊維、これらの任意の組み合わせを含んでいる。したがって、アルカリ電気化学電池での使用に適した正極は、不活性で硬いミル媒体と機械的な攪拌によって均一に混合される導電カーボン粒子および二酸化マンガンを含む乾燥した混合物によって形成することができる。そして、ミル媒体は、正極形成前に分離される。
【0017】
一般に、天然および合成の結晶性黒鉛は、約2から50ミクロンの範囲の平均粒径を有している可能性がある。平均粒径が約12から15ミクロンの適した薄片状の天然結晶性黒鉛は、Nacional de Grafiteから、「MP−0702X」または「NdG−15」の商品名で市販されている。適した拡張黒鉛は、一般に、0.5から40ミクロンの範囲の平均粒径を有している。前述したように、拡張黒鉛は、黒鉛結晶格子が一軸方向に拡張された天然黒鉛または合成黒鉛であっても良い。拡張黒鉛粒子は、c軸結晶寸法が天然黒鉛粒子よりもかなり薄いのが特徴であり、したがって、非常に高いアスペクト比(すなわち、粒子の直径に対する厚さの割合)を示す。薄片状の天然または合成の黒鉛に対して拡張黒鉛の平均粒径は小さく且つアスペクト比は高いため、拡張黒鉛は、黒鉛粒子間の接触点の数および二酸化マンガン粒子との接触点の数が多くなり、その混合物によって形成される正極の導電率が高くなる。適した拡張黒鉛は、例えば、Chuetsu Graphite、Timcal AG, 他から市販されている。
【0018】
拡張黒鉛は、天然または合成の薄片状黒鉛および二酸化マンガンと様々な割合で有利に混合されて、アルカリ電池の正極での使用に適した三元導電混合物を形成することができる。拡張黒鉛および天然黒鉛の両方を含むそのような混合物は、二酸化マンガンおよび一方のタイプの黒鉛だけを含む混合物に対して、中間の物理的特性および電気的特性を呈し得る。特に、正極における天然または合成の薄片状黒鉛の一部を適切な拡張黒鉛に取って代えると、その導電率は、非拡張黒鉛だけを含む正極における導電率に比べて実質的に高くなる。
【0019】
ここで使用される用語「天然結晶性黒鉛」は、必要最小限に形成される黒鉛、すなわち、その地質学的に生じる天然の結晶形態を成す黒鉛を意味している。ここで使用される用語「合成黒鉛」は、人工的に形成され或いは処理された黒鉛を意味している。合成黒鉛は、天然黒鉛と同じ又は類似する結晶構造および形態学的特性を有することができ、あるいは、異なる構造を有することができる。ここで使用される用語「合成黒鉛」は、更に条件が付けられなければ、様々な拡張形態の黒鉛(剥離された拡張黒鉛を含む)含むことを意図している。用語「拡張黒鉛」は、認知された技術用語であり、例えば米国特許第5,482,798号で一般に言及されているような黒鉛の形態である。また、ここで使用される拡張黒鉛は、一軸方向に拡張された結晶格子を有するように処理された天然および/または合成非拡張黒鉛によって形成されても良い。一軸方向の拡張の程度は、拡張黒鉛粒子が完全に剥離(すなわち、薄いラミネートに分離する)し得るように十分に大きくても良い。黒鉛に関してここで共通に使用される用語「薄片状」(すなわち、天然または合成の薄片状黒鉛)は、そのような黒鉛が板状、非拡張粒子形態を有していることを表わそうとしている。
【0020】
本発明の機械的な活性化プロセスは、二酸化マンガンおよび導電カーボンを含む基本的に乾燥した粉末混合物を形成し;前記粉末混合物を、硬く不活性なミル媒体と混合し;前記粉末混合物と前記不活性ミル媒体とを含む混合物を、機械的な攪拌プロセスに晒す;ことを含み、これによって、二酸化マンガンおよびカーボンが機械的に活性化され、二酸化マンガンおよび導電カーボン粒子を含む本質的に均一な混合物が形成される。硬く不活性なミル媒体を使用すると、従来の乾式ミキシングプロセスまたは乾式ブレンディングプロセスを使用して得られるよりも、二酸化マンガンおよび導電カーボン粒子の効率的な混合が更に促進する。また、本発明の乾式ミキシングプロセスによって得られるミキシングの高い効率により、正極において使用する導電カーボンの体積分率を実質的に少なくすることができる。結果として導電カーボンの体積分率が減少することにより、正極中に別の二酸化マンガン活性材料を導入して、電池の耐用年数を延ばすことができる。
【0021】
本発明の機械的な活性化プロセスによって形成される正極混合物により、特に低い放電率(例えば0.5ワット未満、例えば約1から500ミリアンペアドレイン間、)で、アルカリ電池の耐用年数が向上する。そのような用途における耐用年数の向上は、一般的には正極混合物全体の約1から10重量パーセント、好ましくは約2から4重量パーセントで存在する全黒鉛量にかかわらず、本発明の機械的活性化プロセスによって処理される黒鉛と二酸化マンガンとの混合物によって正極が形成される時に得ることができる。試験電池における二酸化マンガンと黒鉛との混合物が本発明の機械的活性化プロセスを使用して混合される場合、特に高出力用途で匹敵する電池性能(例えば、約0.5から2.0ワット、更に一般的には、約0.5から1.5ワットドレイン)は、正極における黒鉛の全重量パーセントが同じサイズの類似の電池よりも低いアルカリ試験電池において得ることができる。そのような比較においては、互い(すなわち、天然黒鉛、合成黒鉛、拡張黒鉛)に同じ重量配分比を有する同じタイプの黒鉛が、匹敵する電池および試験電池において使用されるが、試験電池における黒鉛の全重量パーセントは、匹敵する電池におけるそれよりも小さい。
【0022】
特に二酸化マンガンおよび拡張黒鉛を含む混合物の場合、本発明の機械的活性化プロセスの他の有益な結果は、黒鉛の明らかに高い結合特性であり、これにより、形成された正極の機械的一体性および物理的な強度が高まる。
【0023】
ここで使用される用語「機械的活性化」とは、「機械的活性化」、「メカノケミカル合成」、「メカノケミカル処理」、「反応性ミリング」、関連するプロセスを含んでいる。ここで使用される用語「機械的活性化」、「メカノケミカル活性化」、特に「メカノケミカル処理」とは、機械的なエネルギを使用して、化学反応、結晶構造変化、化学的電位の変化、材料または材料の混合物における相変化を活性化し、起こし、促進させるプロセス含んでいることは言うまでもない。ここで使用され且つ本発明の請求の範囲で使用される用語「機械的攪拌」とは、ミル媒体の存在下で反応混合物を攪拌して、機械的エネルギを反応混合物に伝えることを意味していることは言うまでもない。反応混合物は、閉じられた容器またはチャンバ内に収容することができる。ここで使用する用語「攪拌」とは、並進(例えば、側方での揺動)、回転(例えば、スピニングまたは回転)、反転(例えば、端部間での転回)を含む2以上の基本的な運動学的動作の少なくとも1つ又は任意の組み合わせを、反応混合物およびミル媒体に加えることを含んでいる。3つの動作の全てが反応混合物およびミル媒体に与えられることが好ましい。そのような攪拌は、反応混合物およびミル媒体の外的なかき混ぜによって或は外的なかき混ぜ無しに、達成することができる。
【0024】
本発明の機械的活性化プロセスにおいて、二酸化マンガンおよび導電カーボン粉末を含む処理混合物は、所定時間、所定の攪拌強度で機械的に攪拌できる(すなわち、かき混ぜによって或はかき混ぜ無しに)容器またはチャンバ内で、不活性ミル媒体と適当な比率で混合される。一般に、ミリング装置は、外的に攪拌を加え、これによって、様々な並進、回転、反転動作またはこれらの組み合わせを容器やチャンバおよびその内容物に加えることにより、あるいは、ブレード、プロペラ、インペラ、または、パドルで終端する回転シャフトを通じて内的に攪拌を加えることにより、あるいは、これらの動作の組み合わせにより、運動学的動作をミル媒体に与えるために使用される。ここで説明した方法により機械的に活性化できるプロセスの例は、多成分粉末の物理的な混合;化学反応、例えば金属合金形成等の半導体反応、酸化/還元反応、イオン交換反応、置換反応等の開始; 内位添加反応(非内位添加反応);脱水反応;結晶の点欠陥、面欠陥、格子欠陥の形成;結晶格子の転位発生;多形相変態の開始;準安定相の形成;結晶サイズの改良;結晶相のアモルファス化等を含んでいる。そのようなプロセスは、名目上、加えられる液体や溶媒が無い周囲条件下で促進され得る。メカノケミカル処理の様々な態様の更に詳細な説明は、P. G. McCormickおよびF. H. Froes(例えば、「メカノケミカル処理の原理」 、Jounal of Metals、第50巻、1998年、61から65頁)と、E. M. Gutman(「材料の機械化学」、ケンブリッジ国際科学出版、1998年)およびここで引用された文献とによって与えられている。
【0025】
本発明の機械的攪拌プロセスにおいては、メカノケミカル処理の前に、所定量のミル媒体、好ましくは化学的に不活性な硬いミル媒体が、二酸化マンガンおよび導電カーボン粉末を含む本質的に乾いた混合物に加えられる。ここで使用される用語「化学的に不活性なミル媒体」とは、ミル媒体が粉末混合物の任意の成分と化学的に反応しないことを意味している。一般に、ミル媒体に対する粉末混合物の重量比は、約1:3から1:10の範囲となり得る。ミル媒体を含む粉末混合物は、例えば適当なミキシング装置またはミリング装置内で機械的攪拌に晒され、これにより、粉末混合物は、大気温度で、すなわち、外的な加熱を必要とすることなく、ミル媒体の存在下で攪拌される。機械的攪拌プロセスが終了した後、従来の粉末分離技術、例えば適当なメッシュスクリーンを通じた乾式篩を使用して、粉末混合物からミル媒体を簡単に分離することができる。
【0026】
本発明の機械的攪拌プロセスは、ミキシング装置またはミリング装置により最も有利に達成することができ、これにより、粉末混合物中の粒子に対して圧縮力および剪断応力を繰り返し加えることができる。適したブレンディング、ミキシング、または、ミリング装置は、市販の装置の以下のリストから選択することができる。すなわち、ボールミル、サンド、ビード、または、パールミル、バスケットミル、プラネタリミル、振動作用ボールミル、多軸シェーカ/ミキサー、攪拌ボールミル、回転ミル等、小さなミル媒体を使用できる設備を有するものから選択することができる。また、ブレンディング、ミキシング、または、ミリング装置は、1または複数の回転シャフトを有していても良い。1つの好ましいミキシング装置は、Willy A. Bachofen AG Machinenfabrikから「タービュラ」の商品名で市販されている多軸シェーカ/ミキサーである。許容できる攪拌速度および攪拌時間は、ミリング装置の種類およびサイズ、ミル媒体に対する反応混合物の重量比、反応混合物を含む粉末の化学的および物理的な特性、経験的に最適化しなければならない他の要因に大きく依存している。
【0027】
適した硬い不活性なミル媒体は、特定の形態を成すセラミック、ガラス、金属、または、高分子化合物を含む様々な材料によって形成することができる。好ましいセラミック材料は、例えば、ミリング中に欠けたり粉砕されたりすることがない十分な硬度および破砕性を有するとともに、十分に高い密度を有することが望ましい多様なセラミックから選択することができる。ミル媒体に適した密度は、約3から15g/cmの範囲となり得る。ミル媒体にとって好ましい密度は、約5g/cmよりも大きい。好ましいセラミック材料は、ステアタイト、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、ジルコニアシリカ、イットリアで安定化させた酸化ジルコニウム、マグネシアで安定化させた酸化ジルコニウム、シリコンタイトライド、シリコンカーバイド、コバルトで安定化させたタングステンカーバイド等から選択することができる。好ましいガラスミル媒体は、球状(例えば、ビード、ボール)であり、狭いサイズ分布を有するとともに、耐久性があり、例えば無鉛ソーダ石灰ガラスまたはホウケイ酸ガラスを含む。適した金属ミル媒体は、略球状であり、一般に、高硬度(すなわち、RHC60−70)、極端な丸み、高い耐摩耗性、狭いサイズ分布を有するとともに、例えば、タイプ52100クロム鋼、タイプ316または440Cステンレス鋼、または、タイプ1065高炭素鋼によって形成されたボールを含んでいても良い。好ましい高分子化合物ミル媒体は、略球状であり、ミリング中に欠けたり粉砕されたりすることがない十分な硬度および破砕性、摩減を最小限に抑えることにより混合物の汚染を最小限に抑えられる耐摩耗性を有するとともに、金属、溶液、残留単量体等の他の不純物が無い多様な高分子樹脂から選択することができる。好ましい高分子樹脂は、例えば、ジビニルベンゼンで架橋されたポリスチレン等の架橋されたポリスチレン、スチレン共重合体、ポリメチルメタクリレート等のポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリアセタール、塩化ビニル重合体および共重合体、ポリウレタン、ポリアミド、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスルフォン等から選択することができる。高分子ミル媒体を使用して非常に小さい粒径まで破砕することは、例えば米国特許第5,478,705号および米国特許第5,500,331号に開示されている。高分子樹脂は、一般に、約0.8から3.0g/cmの範囲の密度を有している。高い密度を有する高分子樹脂が好ましい。また、ミル媒体は、高分子樹脂が付着した密度が高いコア粒子を含む複合粒子であっても良い。コア粒子は、ミル媒体として有用であることが分かっている材料、例えば、ガラス、アルミナ、ジルコニウムシリカ、酸化ジルコニウム、ステンレススチール等から選択することができる。好ましいコア材料は、約2.5g/cmよりも高い密度を有している。
【0028】
一般に、ミル媒体は、滑らかな様々な規則的な形状、平坦または湾曲した面、欠けた鋭いまたは立ち上がった縁を有する粒子の形態を成していることが望ましい。例えば、適したミル媒体は、楕円形、卵形、球形、直円柱形を有していても良い。ミル媒体は、ビード、ボール、球、ロッド、直円柱、ドラム、ラジアスエンド直円柱(すなわち、円柱と同じ半径を持つ半球状の底面を有する直円柱)の形態を有していることが好ましい。ミル媒体は、約0.1から10mmの有効平均粒子直径(すなわち、「粒径」)を有していることが望ましい。ここで使用されているように、用語「有効平均粒径」は、粒子が自由に通過できる最小の円形穴の平均直径として規定される。例えば、球状粒子の有効平均粒径は平均粒径と一致し、楕円粒子の有効平均粒径は最長軸の平均長と一致する。
【0029】
好ましいミル媒体は、約0.2から5mmの範囲、更に好ましくは0.5から2mmの範囲の平均直径を有する球状セラミック媒体である。球状セラミックミル媒体における好ましい密度は、約4g/cmよりも大きい。適したセラミック媒体は、中間密度(すなわち、4.1g/cm)融解酸化ジルコニウム(例えば、重量比が64%のZrO、35%のSiO、1%のAl)、マグネシアで安定化された高密度(すなわち、5.5g/cm)酸化ジルコニウム(例えば、97%ZrO、3%MgO)、イットリアで安定化された非常に高密度(すなわち、6.0g/cm)の酸化ジルコニウム(例えば、95%ZrO、5%Y)から選択することができる。好ましいセラミックミル媒体は、マグネシアまたはイットリアで安定化された高密度酸化ジルコニウムボールまたはビードである。イットリアで安定化された高密度の適した酸化ジルコニウムビードは、例えば、Glen Mills社から「VHD ZrO」の商品名で市販されている。
【0030】
機械的攪拌プロセス中、混合物を全体的に十分に加熱させなくても、ミル媒体は、回転、並進、反転の形態を成す機械的なエネルギ、すなわち、ミル媒体とミリング装置との相互作用によって生じる攪拌を、混合される粉末に容易に伝える。ミル媒体に与えられる動作により、混合される粉末粒子とミル媒体との間に、剪断力および十分な強度を有する多重衝突または激突を与えることができる。混合される粉末粒子間の衝突も同様に促進される。ミル媒体から混合される粒子への機械的エネルギの伝達効率は、ミリング装置のタイプ、粒子/媒体衝突頻度、加えられる力の強度、ミル媒体のサイズ、密度、形状、組成、ミル媒体に対する粉末混合物の重量比、攪拌時間、混合される粒子の物理的な特性、攪拌中における環境等を含む多様な処理パラメータによって左右される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明の一実施形態において、加熱処理されていないEMDは、粉末混合物の全重量の一般的には約1から10重量パーセント、好ましくは約2から8重量パーセント、更に好ましくは約2から4重量パーセントの範囲の全ての量の黒鉛と混合される。均一な混合物を形成するため、粉末混合物は、適当な量の不活性ミル媒体と混合されるとともに、一般的には約0.15から12時間、好ましくは約0.25から5時間、更に好ましくは約0.5から4時間、大気温度で機械的な攪拌に晒される。ミル媒体に対する二酸化マンガンと黒鉛との混合物の重量比は、一般には、約1:2から1:10の範囲、好ましくは約1:3から1:5の範囲である。機械的な攪拌は、二酸化マンガン粒子の粒径を著しく減らすことなく(例えば、約10%を超えた粒径減)行なわれることが好ましい。最適な活性化時間は、特定の粉末およびミル媒体の物理的特性および特定の処理条件に大きく左右される。二酸化マンガンおよび黒鉛の機械的な活性化を不適切な時間(例えば、約10分を下回る時間)行なうと、混合物が不均一になる可能性がある。機械的な攪拌を長引かせる(例えば、>12時間)ことは非常に望ましくない。これは、二酸化マンガン粒子の平均サイズが著しく減少し、二酸化マンガン粒子によって形成される正極の抵抗率が非常に高くなるからである。
【0032】
導電カーボン粉末に代わる手段としては、本発明の方法における導電カーボンに代えて、例えば米国特許第5,766,789号に開示されたものを含む金属粒子または半導体金属酸化物粒子を使用することができる。適した金属粒子は、例えば、銅、銀、アルミニウム、亜鉛、これらの合金を含んでいても良い。適した半導体金属酸化物粒子は、例えば、アンチモン添加またはニオビウム添加酸化スズ、フッ素添加酸化スズ、ニオビウム添加酸化チタン、アルミニウム添加酸化亜鉛、スズ天下酸化インジウム、銀添加酸化バナジウム等を含んでいても良い。一般に、適した半導体金属酸化物粒子は、名目上、球形を成しているが、米国特許第5,766,789号に開示されているように針状または繊維状の形態を成していると有益である。
【0033】
この発明の機械的攪拌プロセスの不活性ミル媒体を、セラミックまたは高分子コーティングされた特定の強磁性要素に取って代えることにより、二酸化マンガンと導電カーボン粉末との混合物を形成できると理論上想定される。回転または振動する十分な強度の双極磁場を作用させて、米国特許第6,037,019号に開示されるような一般的な方法で粉末混合物を流動化させることにより、運動学的動作を磁性要素に与えることができる。米国特許第6,037,019号の開示内容は、これを参照することにより、本願に組み込まれる。作用する磁場の変化に伴って磁性要素の動きが連続的に変化することにより、磁性要素と二酸化マンガン粒子および導電カーボン粒子とが多重衝突するとともに、二酸化マンガン粒子と導電カーボン粒子とが多重衝突する。このような衝突は、この発明の方法によってミル媒体と機械的に攪拌される混合物に関して先に述べた方法と同じ方法で、粒子の混合物に対して機械的なエネルギを伝えるのに役立つことができる。
【0034】
他の実施形態において、本発明は、アルカリ電池内に正極を有し、この正極が、この発明の方法によって均一に混合される、二酸化マンガンと、好ましくは黒鉛または黒鉛の混合物を含む導電カーボン粒子とを有していることを特徴とする。機械的な攪拌によって二酸化マンガンおよび導電カーボン粒子がミル媒体と混合された後、ミル媒体が除去され、水溶性の電解質溶液、好ましくは水酸化カリウム水溶液が選択的に加えられて、正極が形成される。
【0035】
代表的な亜鉛/二酸化マンガンアルカリ一次電池は、粒子状の亜鉛を含む負極と、主に二酸化マンガンを含む正極とを有して形成することができる。正極は、この発明の機械的攪拌プロセスによって混合される固体二酸化マンガン粒子および黒鉛粒子を備えている。ポリエチレン等の任意の高分子結合剤が少量(例えば、≦1wt%)存在していても良い。そのような正極は、アルカリ電池に組み込まれると、従来の黒鉛量(すなわち、>5wt%)を有する正極と比べて、放電性能が向上する。
【0036】
一般的には正極混合物全体の約1から10重量パーセント、好ましくは約2から4重量パーセントで存在する全黒鉛量にかかわらず、本発明の機械的活性化プロセスによって処理される黒鉛と二酸化マンガンとの混合物によって正極が形成されると、特に低い放電率(例えば0.5ワット未満、例えば約1から500ミリアンペアドレイン)でアルカリ電池の耐用年数が延びる。粒子状黒鉛が天然黒鉛、合成黒鉛、拡張黒鉛、または、これらの任意の混合物であるか否かにかかわらず、電池性能を向上させることができる。また、この発明の機械的攪拌プロセスを使用して、二酸化マンガン、黒鉛、随意的なポリエチレン結合剤を含む正極混合物を形成すると、正極における黒鉛全体の重量パーセントを減少させることができる。試験電池における二酸化マンガンと黒鉛との混合物がこの発明の機械的攪拌プロセスを使用して混合されると、正極における黒鉛の全重量パーセントが同じサイズの類似の電池よりも低いアルカリ試験電池において、特に高出力用途で匹敵する電池性能(例えば、約0.5から2.0ワット、更に一般的には、約0.5から1.5ワットドレイン)を得ることができる。各電池の黒鉛混合物は、同じ組成を有していなければならない(すなわち、各種の黒鉛を同じ重量パーセントで含んでいなければならない)。これは、天然黒鉛の一部を拡張黒鉛に取って代えると、電池性能が向上するからである。
【0037】
この発明の機械的攪拌プロセスによって形成される正極は、任意の構造、サイズ、形状を有するとともに、亜鉛/二酸化マンガンアルカリ電池で従来使用されている同じ負極および電解液組成と共に使用することができる。アルカリ一次電池は、コイン電池、ボタン電池、円柱電池、プリズム電池、薄板電池の形態、または、他の任意の従来の電池の幾何学的構造を成すことができる。電池のケーシングは、ニッケル、ニッケルで覆われた或はニッケルでメッキされたスチール、ステンレススチール、アルミニウム等の金属、または、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスルホン、アクリル酸ブタジエンスチレンターポリマー(ABS)、または、ポリアミド等の高分子材料によって形成することができる。負極、正極、セパレータ、電解液が電池に加えられた後、内部に電解液を封入して電池内に空気が侵入しないように、電池のケーシングが密にシールされる。
【0038】
略円筒形のアルカリ電池における代表的な構成が図2に示されている。この電池110は、閉端部114と開端部116とを有する円筒形のスチールケーシング120を備えている。前記電池には、二酸化マンガンを含む正極112と、亜鉛および電解液を含む負極115とが充填されている。水溶性の電解液は、KOH、酸化亜鉛、ゲル化剤を含む従来の混合物で構成されている。負極材料115は、無水銀(付加される水銀がゼロ)亜鉛合金粉末を含むゲル状の混合物の形態を成していても良い。すなわち、前記電池は、全体の水銀含有量が、電池全体の重量の約100万分の50よりも少なく、好ましくは電池全体の重量の約100万分の20よりも少ない。また、前記電池は、鉛を全く含んでおらず、したがって、本質的に無鉛であることが好ましい。すなわち、全体の鉛含有量は、負極の全体の金属含有量の30ppmよりも少なく、15ppmよりも少ないことが望ましい。そのような混合物は、一般に、水溶性のKOH電解質溶液、ゲル化剤(例えば、B. F. GoodrichからCARBOPOL C940の商品名で入手できるアクリル酸共重合体)、界面活性剤(例えば、Rhone PoulencからGAFAC RA600の商品名で入手できる有機リン酸塩エステル系界面活性剤)を含んでいても良い。そのような混合物は、単なる一例として与えられ、本発明を限定しようとするものではない。亜鉛負極における他の代表的なゲル化剤は、米国特許第4,563,404号に開示されている。
【0039】
正極112は、以下の組成、すなわち、電解二酸化マンガン(87−93wt%)、全黒鉛(2−6wt%)、名目上のKOH濃度が約30−40重量パーセントである7−10Nの水溶性KOH溶液(5−7wt%)、随意的なポリエチレン結合剤(0.1−0.5wt%)を有していることが望ましい。そのような正極混合物は、単なる一例であり、本発明を限定しようとするものではない。
【0040】
負極材料115は、62−69wt%の亜鉛合金(インジウムを含む99.9wt%の亜鉛)と、35−40wt%の水溶性KOH電解質溶液(約2wt%のZnOが添加されている)と、0.5−2wt%のアクリル酸重合体ゲル化架橋剤(例えば、B. F. Goodrichから入手できるCARBOPOL C940)と、スターチバックボーンへグラフトされた(grafted unto a starch backbone)0.01−0.5wt%の加水分解されたポリアクリロニトリル(例えば、Grain Processing社から入手できるWaterlock A−221)と、約50ppmのジオニル(dionyl)フェノールリン酸エステル界面活性剤(例えば、Rhone Poulencから入手できるRM−510)とを備えている。亜鉛合金粉末の平均粒径は、約30から350ミクロンであることが望ましい。負極における亜鉛合金粉末のかさ(充填)密度(すなわち、「負極空隙率(気孔率)」)は、負極の約1.75から2.2グラム亜鉛/cmである。負極における電解質溶液の体積百分率は、負極の体積の約69.2から75.5パーセントである。
【0041】
正極112は、一連のぎっしり詰まった環状ペレット112aの形態で供給されても良い。負極および正極は、イオン多孔質セパレータ190によって分離されている。セパレータ190は、セルロース物質(レーヨン)およびポリビニルアルコール繊維の不織布材料を含む内側層と、セロファンを含む外側層とを備える従来のイオン多孔質セパレータであっても良い。電池110が充填された後、絶縁プラグ160が開端部116内に挿入される。絶縁プラグ160は、ポリプロピレン、タルクが充填されたポリプロピレン、スルホン化ポリエチレン、または、ナイロンから成っていても良い。図2に示されるように、絶縁プラグ160を外周段部118の周りにスナップフィットさせることにより、絶縁プラグを開端部116内の所定位置に固定することが好ましい。ケーシング120の周縁部127は、絶縁プラグ160の上端にわたって押し曲げて重ねられている。ケーシング120の曲げられた周縁部127上には、紙製の絶縁ワッシャ180が設けられている。絶縁ワッシャ180は、ポリエチレンでコーティングされた紙製のワッシャであっても良い。端子エンドキャップ130は、カレントコレクタ140の頭部に溶接される。その後、長尺なカレントコレクタ140が絶縁プラグ160の開口144内に挿入(圧入)され、これにより、エンドキャップ130が絶縁ワッシャ180と当接するようになる。カレントコレクタ140は、カレントコレクタ材料として有用であると思われる周知の様々な導電性金属、例えば、真鍮、スズでメッキされた真鍮、青銅、銅、または、インジウムでメッキされた真鍮から選択することができる。カレントコレクタ140を開口144内に挿入する前に、カレントコレクタ140の周囲に従来のアスファルト封止剤を塗布しても良い。ケーシング120の周囲にはフィルムラベル170が貼り付けられる。端子エンドキャップ130は、アルカリ電池110のマイナス端子となり、ケーシングの閉端部114の凸部125は、プラス端子となる。従来の方法で前記電池のバランスをとって、MnOのmAmp−hr(ミリアンペア時)容量(370mアンペア/グラムMnOに基づく)を亜鉛合金のmAmp−hr容量(822mアンペア時/グラム亜鉛合金に基づく)で割った値が約1となるようにしても良い。
【0042】
図2に示される円筒形アルカリ電池110は、AAサイズ電池であっても良いが、任意の特定のサイズに限定しようとするものではない。すなわち、本発明は、AAAAサイズ、AAAサイズ、Cサイズ、Dサイズの円筒形あるかり電池にも簡単に適用でき、また、名目サイズまたは形状が任意のボタン形アルカリ電池にも簡単に適用できる。また、アルカリ電池110は、任意の特定のアルカリ電池成分に限定しようとするものでもない。そのような代表的な成分は、例えば米国特許第5,401,590号に開示されており、その内容は、これを参照することにより本願に組み込まれる。本発明は、主に、一次アルカリ電池に関するものであるが、バッテリー技術で良く知られているように、負極および正極の成分を調整して、前記電池が二次(再充電可能)電池となり得るようにしても良い。
【0043】
また、亜鉛/二酸化マンガンアルカリ電池は、ボタン電池またはコイン電池の形態を成すように形成することもできる。ここで報告される低率放電性能データは、図1に示されるボタン電池の実施形態を使用して得られたものである。ボタン電池10の正極70は、以下の組成、すなわち、87−93wt%の電解二酸化マンガン(例えば、Kerr−McGeeから入手できるTrona D)、2−6wt%(全体)の黒鉛、KOH濃度が約30−40wt%である5−7wt%の7−10規定水溶性KOH溶液、0.1−0.5wt%の随意的なポリエチレン結合剤を有していることが望ましい。そのような正極混合物は、単なる一例であり、本発明を限定しようとするものではない。
【0044】
負極材料50は、62−69wt%の亜鉛合金粉末(インジウムを含む99.9wt%の亜鉛)と、38wt%のKOHおよび約2wt%のZnOを含む水溶性KOH溶液と、B. F. Goodrichから「CARBOPOL C940」の商品名で市販されているアクリル酸重合体ゲル化架橋剤(例えば、0.5−2wt%)と、Grain Processing社から「Waterlock A−221」の商品名で市販されているスターチバックボーンへグラフトされた(grafted unto a starch backbone)加水分解されたポリアクリロニトリル(0.01−0.5wt%)と、Rhone Poulencから「RM−510」の商品名で市販されているジオニル(dionyl)フェノールリン酸エステル界面活性剤(50ppm)とを備えている。亜鉛合金の平均粒径は、約30から350ミクロンであることが望ましい。負極における亜鉛のかさ(充填)密度(負極空隙率(気孔率))は、負極の約1.75から2.2グラム亜鉛/cmである。負極における水溶性電解質溶液の体積百分率は、負極の体積の約69.2から75.5パーセントである。
【0045】
セパレータ60は、セルロース物質(レーヨン)およびポリビニルアルコール繊維の不織布材料を含む内側層と、セロファンを含む外側層とを備える従来のイオン多孔質セパレータであっても良い。そのような材料は、単なる一例であり、本発明を限定しようとするものではない。
【0046】
図1に示されるボタン電池10において、ディスク状の円筒ハウジング30は、開端部32と閉端部38とを有して形成されている。ハウジング30は、ニッケルでメッキされたスチールによって形成されている。ハウジング30内には、電気絶縁部材40、好ましくは中空コアを有する部材が挿入されており、これにより、電気絶縁部材40の外面は、ハウジング30の内面と直線的に当接している。また、ハウジング30の内面には、絶縁部材40をハウジング30の内面に当接させた状態で固める高分子材料がコーティングされていても良い。絶縁部材40は、熱的に安定した様々な絶縁材料、例えばナイロンやポリプロピレンによって形成することができる。
【0047】
EMD、黒鉛、随意的には高分子結合剤を含む正極混合物は、以下に述べるように形成される。黒鉛は、天然の結晶性黒鉛、合成黒鉛、拡張黒鉛、または、これらの任意の混合物であっても良い。正極の形成に役立つように、随意的に、幾らかの水溶性アルカリ電解液が乾燥した正極混合物に加えられても良い。正極70は、ハウジング30の閉端部38の内面と当接する層または押圧ディスクとして設けられる。セパレータシート60は、正極70上に配置されている。別の水溶性電解液を加えて、この電解液がセパレータシート60および正極70を通じて十分に浸透するようにしても良い。粒状亜鉛、水溶性KOH電解質溶液(35−40wt%KOHおよび2wt%ZnO)、ゲル化剤を含む負極混合物50の層は、セパレータシート60上に設けられる。ハウジング30の開端部32内には、好ましくはニッケルでメッキされたスチールによって形成された負極カバー20が挿入される。真鍮シート、スズでメッキされた真鍮、青銅、銅、または、インジウムでメッキされた真鍮からを含む負極のカレントコレクタ15は、随意的に、負極カバー20の内面に溶接されても良い。ハウジング30の周縁部35は、絶縁部材40の露出した絶縁端部42上に押し曲げて重ねられている。周縁部35は、絶縁端部42に食い込んで、ハウジング30を閉じるとともに、電池内部の内容物を密にシールしている。また、負極カバー20は、電池のマイナス端子として機能し、ハウジング30の閉端部38は、電池のプラス端子として機能する。
【0048】
本発明の他の特徴および利点は、好ましい実施形態の説明および請求の範囲から明白である。以下の実施例は、本発明を例証するのに役立つ。
【0049】
(実施例1)
114.00gのEMD(例えば、Kerr−McGeeのTrona D)および6.00gの薄片状天然黒鉛(例えばNacional de GrafiteのMP−0702X)を含む混合物を、タービュラミキサー/シェーカー内に置かれた250mlのポリプロピレンボトル内で、イットリアで安定化させた1mm直径の酸化ジルコニウムのミル媒体500gと混合させるとともに、様々な時間、90rpmの公称速度で攪拌した。攪拌から3分後、30分後、60分後、120分後、300分後に、混合物のサンプル(5−20g)を除去した。3分後、30分後、60分後、120分後、300分後のサンプルはそれぞれ、例1aから例1eに対応している。ミル媒体を、篩にかけることにより、混合物から分離した。例1a、1c、1eにそれぞれ対応する3分間、60分間、300分間攪拌された混合物に関して、粒径分布、BET固有の表面積、全細孔容積、平均細孔径、増分孔径分布を測定した。平均粒径、BET表面積、全細孔容積、平均細孔径のそれぞれの値が表1に示されている。
【表1】
Figure 2005503641
EMD粒径およびミクロ構造に関して本発明の混合プロセスの結果を判断するため、ミル媒体を除去した後であって且つ正極ディスクが押圧される前における例1a、1c、1eの混合物に関して、公称倍率50X、200X、500X、1000Xで、SEM顕微鏡写真を得た。例1a、1c、1eの混合物のサンプルの200X倍率のSEM顕微鏡写真が図3.2、図3.3、図3.4にそれぞれ示されている。比較のため、高速実験用ブレードミル内で構成要素を約2分間混合することにより形成された95wt%EMDおよび5wt%薄片状天然黒鉛を含む混合物(例えば、比較例1)の200X倍率のSEM顕微鏡写真が、図3.1に示されている。
【0050】
図3.1、図3.2、図3.3の顕微鏡写真は、幾らかの比較的大きなEMD粒子(すなわち、100ミクロン)の存在を示している。図3.3の顕微鏡写真における大きなEMD粒子は、図3.1および図3.2の顕微鏡写真に示されるEMD粒子よりも丸みを帯びた縁を有しているように見える。これは、ミル媒体による摩耗が原因であると推測される。5時間攪拌した混合物(すなわち、サンプル1e)に関する図3.4の顕微鏡写真は、もはや大きなEMD粒子を含んでおらず、平均粒径が約10−30ミクロンの均一な粒子のみを有しているように見える。攪拌中に蓄積した機械的な歪が、大きなEMD粒子を小さな粒子に破砕することによって解放されたと仮定される。
【0051】
前記ディスクは、12.5mmの硬化鋼ダイセットを使用して、カーバー実験用プレス内で例1aから1eの混合物に10000ポンドの圧力を加えることによって押圧形成された。サンプルの平均密度を測定するとともに、サンプルの均一性を確保するために、押圧形成された前記ディスクの直径および厚さを測定した。Loresta HP Model MCP−T410抵抗率計を使用して、4点Van der Pauw型DC法により、押圧形成された少なくとも3つのディスクの両面の幾つかの異なる場所を測定することにより、各混合物に固有の抵抗率を得た。混合時間に応じた固有の抵抗率が表2に示されている。
【0052】
(比較例1)
9.50gのEMDおよび0.50gの薄片状天然黒鉛(例えばNacional de GrafiteのMP−0702X)を含む混合物を、容積が約37cmの混合室を有するWaring型実験用ミキサー内に置き、最大速度で2分間混合した。乾燥した混合物を押圧してディスクを形成し、実施例1で説明したように固有の抵抗率を測定した。また、抵抗率の値が表2に示されている。この抵抗率の値は、対応する例1aの前記押圧形成ディスクにおいて測定した抵抗率の値の2倍を超えている。比較例1の乾燥混合物における平均粒径、BET表面積、全細孔容積、平均細孔径は、表1に示されている。
【0053】
(比較例2)
ミル媒体が無い95.0gのEMDおよび5.00gの薄片状天然黒鉛(例えばNacional de GrafiteのMP−0702X)の混合物を収容する250mlのポリプロピレンボトルを、タービュラミキサー/シェーカー内に置き、90rpmでシェークした。60分後、120分後、300分後、1800分後、300分後に、混合物のサンプル(5−20g)を除去した。60分後、120分後、300分後、1800分後のサンプルはそれぞれ、比較例2aから2dに対応している。比較例2aから2dの混合物を押圧してディスクを形成し、実施例1と同様に固有の抵抗率を測定した。また、抵抗率の値は、混合時間に応じて表2に示されている。
【0054】
本発明の方法によって処理された乾燥混合物を押圧形成して成るディスクの抵抗率は、常に、従来の方法によって混合された同じ組成を押圧形成して成るディスクの抵抗率よりも低い。比較例1の少量の乾燥混合物を形成するために使用される高速実験用ミキサーは、例えば工業用攪拌ダブルコーン・タンブルブレンダー(例えば、Patterson−Kelley Process Equipment社から入手できるP−K Solids Processor)またはプラウ型ミキサー(例えば、Processall社から入手できるTilt−a−Mix)によって達成される良質のミキシングに匹敵する良質のミキシングを行なう。タービュラミキサー/シェーカー内で処理されたセラミックミル媒体が無い比較例2の乾燥混合物は、比較例2bから2eの混合物を押圧形成して成るディスクにおける抵抗率値がほぼ一定であることから明らかなように、延長した処理時間(例えば30時間)後であっても、効果的に混合されなかった。実際に、30時間混合された比較例2eの混合物を押圧形成して成るディスクにおける抵抗率値は、たった3分間しか処理しなかった例1aの混合物を押圧形成して成るディスクにおける抵抗率値よりも依然として大きかった。しかしながら、5時間混合された例1eの混合物の場合、押圧形成されたディスクの抵抗率は、2時間混合された例1dの混合物における抵抗率のほぼ2倍であった。この増大は、図3.4のSEM顕微鏡写真に示されるEMD粒子の平均粒径の減少に関係しているかもしれない。
【0055】
(実施例2)
95.0gのEMDおよび5.00gの拡張黒鉛(例えばChuetsu DCN−2)を含む混合物を、タービュラミキサー/シェーカー内に置かれた250mlのポリプロピレンボトル内で、イットリアで安定化させた1mm直径の酸化ジルコニウムのミル媒体500gと混合させるとともに、90rpmの公称速度でシェークした。混合から3分後、10分後、30分後、60分後、120分後、300分後に、混合物のサンプル(5−20g)を除去した。3分後、10分後、30分後、60分後、120分後、300分後のサンプルはそれぞれ、例2aから例2fに対応している。混合物は、篩にかけることにより、ミル媒体から分離した。乾燥混合物を押圧してディスクを形成し、実施例1と同様に固有の抵抗率を測定した。また、抵抗率の値は、混合時間に応じて表2に示されている。
【0056】
(比較例3)
47.50gのEMDおよび2.50gの拡張黒鉛(例えばChuetsu DCN−2)を含む混合物を、容積が約37cmの混合室を有するWaring型実験用ミキサー内に置き、最大速度で2分間混合した。乾燥した混合物を押圧してディスクを形成し、実施例1で説明したように固有の抵抗率を測定した。また、抵抗率の値が表2に示されている。比較例3の乾燥混合物における平均粒径、BET表面積、全細孔容積、平均細孔径は、表1に示されている。
【0057】
実施例1の混合物で使用された5wt%の薄片状天然黒鉛を5wt%の拡張黒鉛に置き換えると、実施例2の混合物を押圧形成して成るディスクにおける抵抗率値が更に低くなる。高速実験用ミルを使用して混合された比較例3の混合物を押圧形成して成るディスクは、例2aの混合物を押圧形成して成るディスクよりも高い抵抗率値を有している。一般に、>5wt%の拡張黒鉛を含む混合物においては、いずれかの混合方法により、許容できる抵抗率値を有する押圧形成ディスクを成形することができる。しかしながら、本発明の混合方法の利点は、図4に示されるように、≦3wt%のレベルの拡張黒鉛おいては明白である。図4においてラベル「A」が付された曲線は、実施例2で説明した本発明の方法によって形成された様々な重量パーセントの拡張黒鉛を含む混合物を押圧形成して成るディスクの抵抗率値を測定することによって得られた。図4においてラベル「B」が付された曲線は、比較例3で説明した従来の混合方法によって形成された様々な重量パーセントの拡張黒鉛を含む混合物を押圧形成して成るディスクの抵抗率値を測定することによって得られた。
【0058】
(実施例3)
115.20gのEMDおよび4.80gの拡張黒鉛(例えばChuetsu DCN−2)を含む混合物を、タービュラミキサー/シェーカー内に置かれた250mlのポリプロピレンボトル内で、イットリアで安定化させた1mm直径の酸化ジルコニウムのミル媒体500gと混合させるとともに、90rpmでシェークした。混合から60分後、120分後、180分後に、サンプル(5−20g)を除去した。60分後、120分後、180分後のサンプルはそれぞれ、例3aから例3cに対応している。混合物は、篩にかけることにより、ミル媒体から分離した。乾燥混合物を押圧してディスクを形成し、実施例1と同様に固有の抵抗率を測定した。また、抵抗率の値は、混合時間に応じて表2に示されている。
【0059】
(比較例4)
76.80gのEMDおよび3.20gの薄片状天然黒鉛(例えばNacional de GrafiteのMP−0702X)を含む混合物を、タービュラミキサー/シェーカー内に置かれた250mlのポリプロピレンボトル内で、イットリアで安定化させた1mm直径の酸化ジルコニウムのミル媒体400gと混合させるとともに、60分間および120分間、90rpmでシェークした。60分後、120分後のサンプルはそれぞれ、比較例4aおよび例4bに対応している。混合物は、篩にかけることにより、ミル媒体から分離した。乾燥混合物を押圧してディスクを形成し、実施例1と同様に固有の抵抗率を測定した。また、抵抗率の値は、混合時間に応じて表2に示されている。
【0060】
4wt%の拡張黒鉛を含む実施例3の混合物を押圧形成して成るディスクの抵抗率は、5wt%の拡張黒鉛を含む実施例2の対応する混合物を押圧形成して成るディスクの抵抗率のほぼ2倍である。しかしながら、拡張黒鉛に取って代えられた4wt%の薄片状天然黒鉛を含む比較例4の混合物を押圧形成して成るディスクは、実施例3の混合物を押圧形成して成るディスクの5−6倍の抵抗率を有している。
【0061】
(実施例4)
116.40gのEMDおよび3.60gの拡張黒鉛(例えばChuetsu DCN−2)を含む混合物を、タービュラミキサー/シェーカー内に置かれた250mlのポリプロピレンボトル内で、イットリアで安定化させた1mm直径の酸化ジルコニウムのミル媒体500gと混合させるとともに、90rpmでシェークした。60分後、120分後、180分後に、サンプル(5−20g)を除去した。60分後、120分後、180分後のサンプルはそれぞれ、例4aから例4cに対応している。混合物は、篩にかけることにより、ミル媒体から分離した。乾燥混合物を押圧してディスクを形成し、実施例1と同様に固有の抵抗率を測定した。また、抵抗率の値は、混合時間に応じて表2に示されている。
【0062】
(比較例5)
116.40gのEMDおよび3.60gの薄片状天然黒鉛(例えばNacional de GrafiteのMP−0702X)を含む混合物を、タービュラミキサー/シェーカー内に置かれた250mlのポリプロピレンボトル内で、イットリアで安定化させた1mm直径の酸化ジルコニウムのミル媒体500gと混合させるとともに、90rpmでシェークした。混合から60分後、120分後、180分後に、サンプル(5−20g)を除去した。60分後、120分後、180分後のサンプルはそれぞれ、比較例5aから例5cに対応している。混合物は、篩にかけることにより、ミル媒体から分離した。乾燥混合物を押圧してディスクを形成し、実施例1と同様に固有の抵抗率を測定した。また、抵抗率の値は、混合時間に応じて表2に示されている。
【0063】
3wt%の拡張黒鉛を含む実施例4の混合物を押圧形成して成るディスクの抵抗率は、5wt%の拡張黒鉛を含む実施例2の対応する混合物を押圧形成して成るディスクの抵抗率のほぼ3−4倍である。しかしながら、拡張黒鉛に取って代えられた3wt%の薄片状天然黒鉛を含む比較例5の混合物を押圧形成して成るディスクにおける抵抗率値は、実施例4の混合物を押圧形成して成るディスクにおける抵抗率値の5−6倍である。このことは、黒鉛レベルが低い(すなわち、≦3wt%)場合には、天然黒鉛を使用するよりも拡張黒鉛を使用する方が有利であることを証明している。
【0064】
(実施例5)
117.00gのEMDおよび3.00gの拡張黒鉛(例えばChuetsu DCN−2)を含む混合物を、タービュラミキサー/シェーカー内に置かれた250mlのポリプロピレンボトル内で、イットリアで安定化させた1mm直径の酸化ジルコニウムのミル媒体500gと混合させるとともに、90rpmでシェークした。60分後、120分後、180分後に、サンプル(5−20g)を除去した。60分後、120分後、180分後のサンプルはそれぞれ、例5aから例5cに対応している。混合物は、篩にかけることにより、ミル媒体から分離した。乾燥混合物を押圧してディスクを形成し、実施例1と同様に固有の抵抗率を測定した。また、抵抗率の値は、混合時間に応じて表2に示されている。
【0065】
(比較例6)
117.60gのEMDおよび2.40gの拡張黒鉛(例えばChuetsu DCN−2)を含む混合物を、タービュラミキサー/シェーカー内に置かれた250mlのポリプロピレンボトル内で、イットリアで安定化させた1mm直径の酸化ジルコニウムのミル媒体500gと混合させるとともに、90rpmでシェークした。60分後および120分後にサンプル(5−20g)を除去した。60分後、120分後のサンプルはそれぞれ、比較例6aおよび比較例6bに対応している。混合物は、篩にかけることにより、ミル媒体から分離した。乾燥混合物を押圧してディスクを形成し、実施例1と同様に固有の抵抗率を測定した。また、抵抗率の値は、混合時間に応じて表2に示されている。
【0066】
拡張黒鉛を2wt%のレベルまで更に下げると、比較例6の混合物を押圧形成して成るディスクにおける抵抗率値は、実施例4の混合物を押圧形成して成るディスクにおける抵抗率値の4−5倍になる。このような値は、アルカリ一次電池の正極に適していない。しかしながら、拡張黒鉛のレベルを25%から2.5wt%まで上げると、実施例5の混合物を押圧形成して成るディスクにおける抵抗率値を実施例4のそれのたった2倍まで下げることができる。
【0067】
(実施例6)
116.40gのEMD、1.20gの薄片状天然黒鉛(例えばNacional de GrafiteのMP−0702X)、2.40gの拡張黒鉛(例えばChuetsu DCN−2)を含む混合物を、タービュラミキサー/シェーカー内に置かれた250mlのポリプロピレンボトル内で、イットリアで安定化させた1mm直径の酸化ジルコニウムのミル媒体500gと混合させるとともに、90rpmでシェークした。60分後、120分後、180分後、300分後にサンプルを除去した。60分後、120分後、180分後、300分後のサンプルはそれぞれ、例6aから6dに対応している。混合物は、篩にかけることにより、ミル媒体から分離した。混合物を押圧してディスクを形成し、実施例1と同様に固有の抵抗率を測定した。また、抵抗率の値は、混合時間に応じて表2に示されている。
【0068】
(実施例7)
116.40gのEMD、1.80gの薄片状天然黒鉛(例えばNacional de GrafiteのMP−0702X)、1.80gの拡張黒鉛(例えばChuetsu DCN−2)を含む混合物を、タービュラミキサー/シェーカー内に置かれた250mlのポリプロピレンボトル内で、イットリアで安定化させた0.5mm直径の酸化ジルコニウムのミル媒体500gと混合させるとともに、90rpmでシェークした。120分後、180分後、300分後にサンプルを除去した。120分後、180分後、300分後のサンプルはそれぞれ、例7aから7cに対応している。混合物は、篩にかけることにより、ミル媒体から分離した。乾燥混合物を押圧してディスクを形成し、実施例1と同様に固有の抵抗率を測定した。また、測定された抵抗率の値は、混合時間に応じて表2に示されている。
【0069】
拡張黒鉛のレベルを2wt%以下まで下げる他の方法は、拡張黒鉛を幾らかの天然黒鉛と混合して、全体の黒鉛濃度を3wt%以上に上げることである。例えば、2wt%の拡張黒鉛と1wt%の天然黒鉛とを含む実施例6の混合物を押圧形成して成るディスクにおける抵抗率値は、2.5wt%の拡張黒鉛だけを含む実施例5の混合物を押圧形成して成るディスクにおける抵抗率値よりも若干小さく、3wt%の拡張黒鉛だけを含む実施例4の混合物を押圧形成して成るディスクにおける抵抗率値の2倍を下回る。実施例7の混合物のように、1.5wt%の天然黒鉛を混ぜて使用すると、拡張黒鉛のレベルを1.5wt%まで下げることができる。低レベルの拡張黒鉛を使用すると、正極コストが下がるという更なる利点が得られる。
【0070】
(比較例7)
118.80gのEMDおよび1.20gの拡張黒鉛(例えばChuetsu DCN−2)を含む混合物を、タービュラミキサー/シェーカー内に置かれた250mlのポリプロピレンボトル内で、イットリアで安定化させた1mm直径の酸化ジルコニウムのミル媒体500gと混合させるとともに、様々な時間、90rpmでシェークした。60分後および120分後にサンプル(5−20g)を除去した。60分後、120分後のサンプルはそれぞれ、比較例7aおよび比較例7bに対応している。混合物は、篩にかけることにより、ミル媒体から分離した。乾燥混合物を押圧してディスクを形成し、実施例1と同様に固有の抵抗率を測定した。また、抵抗率の値は、混合時間に応じて表2に示されている。
【0071】
(実施例8)
116.40gのEMDおよび3.60gの高拡張黒鉛(例えばTimcal E−BNB 90)を含む混合物を、タービュラミキサー/シェーカー内に置かれた250mlのポリプロピレンボトル内で、イットリアで安定化させた1mm直径の酸化ジルコニウムのミル媒体500gと混合させるとともに、90rpmでシェークした。60分後および120分後にサンプルを除去した。60分後、120分後のサンプルはそれぞれ、例8aおよび例8bに対応している。混合物は、篩にかけることにより、ミル媒体から分離した。乾燥混合物を押圧してディスクを形成し、実施例1と同様に固有の抵抗率を測定した。また、抵抗率の値は、混合時間に応じて表2に示されている。
【0072】
(実施例9)
117.60gのEMDおよび2.40gの高拡張黒鉛(例えばTimcal E−BNB 90)を含む混合物を、タービュラミキサー/シェーカー内に置かれた250mlのポリプロピレンボトル内で、イットリアで安定化させた1mm直径の酸化ジルコニウムのミル媒体500gと混合させるとともに、90rpmでシェークした。60分後、120分後、180分後にサンプルを除去した。60分後、120分後、180分後のサンプルはそれぞれ、例9aから9cに対応している。混合物は、篩にかけることにより、ミル媒体から分離した。乾燥混合物を押圧してディスクを形成し、実施例1と同様に固有の抵抗率を測定した。また、抵抗率の値は、混合時間に応じて表2に示されている。
【0073】
全体の黒鉛レベルを更に下げるため、更に高く拡張された黒鉛を、実施例2の拡張黒鉛に取って代えることができる。例えば、2wt%の高拡張黒鉛を含む実施例9の混合物を押圧形成して成るディスクにおける抵抗率値は、2wt%を下回る高拡張黒鉛を含む比較例6の混合物を押圧形成して成るディスクにおける抵抗率値の半分を下回る。また、3wt%の高拡張黒鉛を含む実施例8の混合物を押圧形成して成るディスクにおける抵抗率値は、4wt%を下回る高拡張黒鉛を含む実施例3の混合物を押圧形成して成るディスクにおける抵抗率値に匹敵する。非常に高く拡張された黒鉛に取って代えると、1wt%を下回る拡張黒鉛を有する混合物を形成することができ、その混合物を押圧形成して成るディスクの抵抗率は適切なものとなる。また、正極の性能およびコストを最適化するために、様々な拡張黒鉛だけを含む混合物あるいは拡張黒鉛に天然黒鉛を混ぜて成る混合物を使用することができる。
【0074】
(比較例8)
46.85gのEMDおよび3.15gの薄片状天然黒鉛(例えばNacional de GrafiteのMP−0702X)を含む混合物を、容積が約37cmの混合室を有するWaring型実験用混合器内に置き、最大速度で約3分間混合した。混合物の組成は、市販のAAアルカリ電池で使用される正極の組成と同様である。乾燥混合物を押圧してディスクを形成し、固有の抵抗率を測定した。また、抵抗率の値は表2に示されている。
【表2】
Figure 2005503641
(実施例10)
押圧形成ディスクにおける固有の抵抗率が最も低い実施例3から8および比較例5から8の混合物のサンプルを押圧形成して成る正極ディスクにおける低い割合の放電容量は、635型ボタン電池(図1)を使用して評価した。得られた値は、EMDおよび6.3wt%の薄片状天然黒鉛(例えばNacional de GrafiteのMP−0702X)を含む比較例8の正極混合物を押圧形成して成る正極ディスクにおける値と比較される。新しい電池の開回路電圧(OCV)における値、および、6mAで1.1Vのカットオフ電圧および0.8Vのカットオフ電圧まで連続的に放電される電池における低速重量放電容量(すなわち、mAhr/g)が表3に示されている。これは、公称C/50放電率(すなわち、50時間で電池容量が放出される割合)と一致している。
【表3】
Figure 2005503641
(実施例11)
例1dの混合物を押圧形成して成る正極ペレットにおける高い割合の放電性能は、アルカリAA試験電池で測定されるとともに、6.3wt%の薄片状天然黒鉛を含む市販のAAアルカリ電池で一般に使用される混合物と類似する混合物を押圧形成して成る正極ペレットにおける放電性能と比較された。前記正極は、9.758gのEMDと、0.68gの拡張されていない薄片状天然黒鉛(例えばNacional de GrafiteのMP−0702X)と、約0.4gの9NのKOH溶液と、約0.3wt%のポリエチレン結合剤(例えば、Coathylene HA−1681)とから成っていた。負極は、約4.5gの亜鉛粒子と、約3.4gの36wt%KOHと、亜鉛に対する約1260ppmの陰イオン界面活性剤(例えば、Rhone−Poulenc, RM−510)と、約1.96gの9NのKOH(約2wt%の溶解酸化亜鉛を含む)と、約1.6wt%の全ゲル化剤(例えば、Carbopol 940またはA221)とを含んでいた。セパレータは、織布でなく且つ膜でない材料を含む1つ又は2つの層によって形成されていても良い。この場合、一方の層は、他方の層の表面に沿って配置される。セパレータの体積を最小にするため、各層は、坪量が約54g/m2であるとともに、乾燥時の厚さが約5.4マイル、湿っている時の厚さが約10マイルである。また、負極は、セパレータ内に含まれた残りの部分に関して前述したように、正極および負極内に配置された約2wt%の溶解酸化亜鉛を含有する約3.17gの9NのKOH水溶液を含んでいた。炭素質材料(例えば、Acheson Graphite, EB0005)を含む薄い導電層は、正極と隣接するバッテリーハウジングの壁の内面上に設けられた。
【0075】
試験電池および制御電池は、連続する1Aの割合で、0.8Vのカットオフ電圧まで放電された。試験電池の全容量は、制御電池の全容量(すなわち、約1.2実動時間)に匹敵する。黒鉛レベルを減らしたことによって増えた内容積を十分に利用するために試験電池の釣り合いを再びとると、制御電池と比較して容量が増えることが期待される。
【0076】
特定の実施形態に関して本発明を説明してきたが、本発明の概念を逸脱することなく変形が可能であることは言うまでもない。したがって、本発明は、これら特定の実施形態に限定されず、本発明の保護の範囲は、特許請求の範囲および特許請求の範囲と等価なものによって表わされる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】アルカリ一次電池すなわちボタン型電池を示す図である。
【図2】円筒形アルカリ一次電池を示す図である。
【図3a】従来の高速実験用ブレードミル内で2分間混合された95wt%のEMDと5wt%の天然黒鉛とを含む乾燥正極混合物の公称倍率200XでのSEM顕微鏡写真を示している。
【図3b】本発明のプロセスにしたがってセラミックミル媒体とタービュラミキサー内で3分間機械的に攪拌された95wt%のEMDと5wt%の天然黒鉛とを含む乾燥正極混合物の公称倍率200XでのSEM顕微鏡写真を示している。
【図3c】本発明のプロセスにしたがってセラミックミル媒体とタービュラミキサー内で1時間機械的に攪拌された95wt%のEMDと5wt%の天然黒鉛とを含む乾燥正極混合物の公称倍率200XでのSEM顕微鏡写真を示している。
【図3d】本発明のプロセスにしたがってセラミックミル媒体とタービュラミキサー内で5時間機械的に攪拌された95wt%のEMDと5wt%の天然黒鉛とを含む乾燥正極混合物の公称倍率200XでのSEM顕微鏡写真を示している。
【図4】A.この発明の機械的活性化プロセス;B.従来のブレンディングプロセスによって混合されたEMDおよび拡張黒鉛の混合物を押圧形成して成る正極ディスクにおける固有抵抗率に関する拡張黒鉛(例えば、Chuetsu Graphiteから入手できる「DCN−2」)の重量パーセントの結果を示すプロットである。

Claims (41)

  1. (a)ミル媒体と反応混合物とを含む混合物を形成するステップであって、前記反応混合物は、二酸化マンガンと導電カーボンとを含み、前記ミル媒体に対する前記反応混合物の重量比が約1:3から1:10であるステップと、
    (b)大気温度で前記ミル媒体を用いて前記反応混合物を機械的に活性化して、均一に混合された製品混合物を形成するステップと、
    を備えた、粒子状の二酸化マンガンを処理するためのプロセス。
  2. 前記二酸化マンガンは、粒子状の電解二酸化マンガン(EMD)を含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. 粒子状の二酸化マンガンと導電カーボンとを含む前記反応混合物は、約1から10重量パーセントの導電カーボンを含んでいる、請求項1に記載のプロセス。
  4. 粒子状の二酸化マンガンと導電カーボンとを含む前記反応混合物は、約2から4重量パーセントの導電カーボンを含んでいる、請求項1に記載のプロセス。
  5. 前記導電カーボンは、拡張黒鉛を含んでいる、請求項1に記載のプロセス。
  6. 前記導電カーボンは、0.5から40ミクロンの範囲の平均粒径を有する拡張黒鉛を含んでいる、請求項1に記載のプロセス。
  7. 前記導電カーボンは、拡張黒鉛と、天然黒鉛、合成非拡張黒鉛、これらの任意の混合物を含むグループから選択される黒鉛との混合物を含んでいる、請求項1に記載のプロセス。
  8. 前記導電カーボンは、天然結晶性黒鉛、合成結晶性黒鉛、これらの任意の混合物を含むグループから選択される黒鉛を含み、前記黒鉛は、2から50ミクロンの範囲の平均粒径を有している、請求項1に記載のプロセス。
  9. 前記二酸化マンガンは、10から50ミクロンの範囲の平均粒径を有する粒子状の二酸化マンガンである、請求項1に記載のプロセス。
  10. 前記機械的に活性化するステップは、前記ミル媒体を用いて前記反応混合物を攪拌することによって行なわれる、請求項1に記載のプロセス。
  11. 前記ミル媒体は、機械的に活性化する前記ステップ中に前記反応混合物と反応しない硬く化学的に不活性な粒子を含んでいる、請求項1に記載のプロセス。
  12. 前記反応混合物は、高分子結合剤を更に含んでいる、請求項1に記載のプロセス。
  13. 前記ミル媒体は、セラミック、ガラス、金属、高分子材料を含むグループから選択される材料を含んでいる、請求項1に記載のプロセス。
  14. 前記ミル媒体は、ビード、球、円柱、ロッド、ラジアスエンド円柱のうちの少なくとも1つを含む形状の粒子を含み、前記ミル媒体粒子は、0.2から5mmの平均有効直径を有している、請求項1に記載のプロセス。
  15. 前記ミル媒体は、約3から15g/cmの範囲の密度を有している、請求項1に記載のプロセス。
  16. 前記ミル媒体に対する前記反応混合物の前記重量比は、1:4から1:6である、請求項1に記載のプロセス。
  17. 前記ミル媒体は、ステアタイト、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、ジルコニアシリカ、イットリアで安定化された酸化ジルコニウム、マグネシアで安定化された酸化ジルコニウム、シリコンタイトライド、シリコンカーバイド、コバルトで安定化されたタングステンカーバイドを含むグループから選択されたセラミック材料を含んでいる、請求項1に記載のプロセス。
  18. 前記反応混合物は、ボールミル、プラネタリミル、攪拌ボールミル、振動ボールミル、多軸シェーカー/ミキサー、および、これらの任意の組み合わせを含むグループから選択される機械的な装置を用いて前記反応混合物と前記ミル媒体と接触させることにより、ステップ(b)で機械的に活性化される、請求項1に記載のプロセス。
  19. 前記ステップ(b)における前記機械的な活性化は、約0.1から8時間という所定の時間行われる、請求項1に記載のプロセス。
  20. 前記ステップ(b)における前記機械的な活性化は、約0.5から4時間という所定の時間行われる、請求項1に記載のプロセス。
  21. ケースと、プラスおよびマイナス端子と、亜鉛金属または亜鉛合金を含む負極と、電解水溶液と、二酸化マンガンと黒鉛とを含む均一な混合物を含む正極とを備えたアルカリ電気化学電池であって、前記均一な混合物は、
    (a)ミル媒体と本質的に乾燥した反応混合物とを含む混合物を形成し、前記反応混合物は、粒子状の二酸化マンガンと黒鉛とを含み、前記ミル媒体に対する前記反応混合物の重量比が約1:3から1:10であり、
    (b)大気温度で前記ミル媒体を用いて前記反応混合物を機械的に攪拌して、前記均一な混合物を形成する、
    プロセスによって形成されるアルカリ電気化学電池。
  22. (c)前記ステップ(b)の後に前記反応混合物から前記ミル媒体を分離し、その後、前記混合物に電解水溶液を加えることを更に含む、請求項21に記載のアルカリ電気化学電池。
  23. 前記機械的な活性化は、前記反応混合物と前記ミル媒体とを攪拌することによって行なわれる、請求項21に記載のアルカリ電気化学電池。
  24. 前記粒子状の二酸化マンガンは、ガンマ(γ)MnO型結晶構造を有する電解二酸化マンガン(EMD)である、請求項21に記載のアルカリ電気化学電池。
  25. 前記粒子状の二酸化マンガンは、ガンマ(γ)MnO型結晶構造を有する化学二酸化マンガン(CMD)である、請求項21に記載のアルカリ電気化学電池。
  26. 前記粒子状の二酸化マンガンは、前記ステップ(a)で前記混合物を形成する前にオゾンガスと接触することにより処理される、請求項21に記載のアルカリ電気化学電池。
  27. 前記粒子状の二酸化マンガンは、10から50ミクロンの平均粒径を有している、請求項21に記載のアルカリ電気化学電池。
  28. 二酸化マンガンと黒鉛とを含む前記反応混合物は、約1から10重量パーセントの黒鉛を含んでいる、請求項21に記載のアルカリ電気化学電池。
  29. 二酸化マンガンと黒鉛とを含む前記反応混合物は、約2から4重量パーセントの黒鉛を含んでいる、請求項21に記載のアルカリ電気化学電池。
  30. 前記黒鉛は、拡張黒鉛を含んでいる、請求項21に記載のアルカリ電気化学電池。
  31. 前記黒鉛は、拡張黒鉛と、天然黒鉛、合成非拡張黒鉛、これらの任意の混合物を含むグループから選択される黒鉛との混合物を含んでいる、請求項21に記載のアルカリ電気化学電池。
  32. 前記黒鉛は、0.5から40ミクロンの範囲の平均粒径を有する拡張黒鉛を含んでいる、請求項21に記載のアルカリ電気化学電池。
  33. 前記ミル媒体は、機械的に攪拌する前記ステップ中に二酸化マンガンおよび黒鉛を含む前記混合物と反応しないという点で化学的に不活性である、請求項21に記載のアルカリ電気化学電池。
  34. 前記ミル媒体は、セラミック、ガラス、金属、高分子材料を含むグループから選択される材料を含んでいる、請求項21に記載のアルカリ電気化学電池。
  35. 前記ミル媒体は、ビード、球、円柱、ラジアスエンド円柱のうちの少なくとも1つを含む形状の粒子を含み、前記ミル媒体粒子は、0.2から5mmの平均有効直径を有している、請求項21に記載のアルカリ電気化学電池。
  36. 前記ミル媒体は、イットリアで安定化された酸化ジルコニウム球を含んでいる、請求項21に記載のアルカリ電気化学電池。
  37. 前記ステップ(b)での前記機械的な攪拌は、ボールミル、プラネタリミル、攪拌ボールミル、振動ボールミル、多軸シェーカー/ミキサー、および、これらの任意の組み合わせを含むグループから選択される機械的な装置を用いて前記反応混合物と前記ミル媒体とを攪拌することによって行なわれる、請求項21に記載のアルカリ電気化学電池。
  38. 前記ステップ(b)における前記機械的な攪拌は、約0.5から4時間という所定の時間行われる、請求項21に記載のアルカリ電気化学電池。
  39. (a)ミル媒体と反応混合物とを含む混合物を形成するステップであって、前記反応混合物は、粒子状の二酸化マンガンと導電カーボンとを含み、前記導電カーボンは、黒鉛、アセチレンブラック、黒鉛化カーボン繊維、カーボンナノ繊維、
    カーボンナノ細管、および、これらの任意の混合物を含むグループから選択され、前記ミル媒体に対する前記反応混合物の重量比が約1:3から1:10であるステップと、
    (b)大気温度で前記ミル媒体と前記反応混合物とを機械的に攪拌して、均一に混合された製品混合物を形成するステップと、
    を備えた、二酸化マンガンを処理するためのプロセス。
  40. ケースと、プラスおよびマイナス端子と、亜鉛金属または亜鉛合金を含む負極と、電解水溶液と、粒子状の二酸化マンガンと導電カーボンとを含む均一な混合物を含む正極とを備えたアルカリ電気化学電池であって、前記均一な混合物は、
    (a)ミル媒体と本質的に乾燥した反応混合物とを含む混合物を形成し、前記反応混合物は、粒子状の二酸化マンガンと導電カーボンとを含み、前記導電カーボンは、黒鉛、アセチレンブラック、黒鉛化カーボン繊維、カーボンナノ繊維、
    カーボンナノ細管、および、これらの任意の混合物を含むグループから選択され、前記ミル媒体に対する前記反応混合物の重量比が約1:3から1:10であり、
    (b)大気温度で前記ミル媒体と前記反応混合物とを機械的に攪拌して、均一な製品混合物を形成する、
    プロセスによって形成されるアルカリ電気化学電池。
  41. (c)前記ステップ(b)の後に前記反応混合物から前記ミル媒体を分離し、その後、前記混合物に電解水溶液を加えることを更に含む、請求項40に記載のアルカリ電気化学電池。
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