JP2005503095A - 鉄心複合アーマチャ組立を有するリニア・ブラシレス・dcモータ - Google Patents

鉄心複合アーマチャ組立を有するリニア・ブラシレス・dcモータ Download PDF

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Abstract

本発明は、リニア・ブラシレス・DCモータに使用される複合アーマチャ組立に係るものである。
本発明のアーマチャ組立は、ベース部分と、当該ベース部分から伸びた複数の歯であって、その周りに巻線が配置されると共に、歯の先端において隣り合う歯との間に、スロット開口部を構成するために互いに離れて配置された複数の歯と、隣り合う歯の間のスロット開口部の一つまたはそれ以上を閉じるように配置できるよう形成した磁性材料とから構成される。このような磁性材料を使用する目的は、歯の中心線と、スロットの中心線に沿った空隙磁気抵抗の差を最小化するためであり、この差が小さくなれば、コギング力も小さくなる。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にはリニア・ブラシレス・DCモータに係るものであり、更に詳細には、リニア・ブラシレス・DCモータに使用される複合アーマチャ組立に係るものである。
【背景技術】
【0002】
長方形形状をした代表的なリニア・ブラシレス・モータは、本質的には2つの部分から構成される。それらは、アーマチャ組立と小さな空隙によって互いに分離したフィールド組立である。
【0003】
アーマチャ組立は、スタック内のスロット12に組付けられた3相の巻線を有し、積層物でできたスタック10から構成される。そのスタック10を図1に示す。フィールド組立は、空隙に面して交互の極性を持った長方形状のマグネットであって、長方形状のソフトな磁性板である。
【0004】
アーマチャ組立に設けられるスロット開口部14は、通常コギング力(cogging forces)(引っかかりの力)を最小化するために可能な限り小さくなるように選択される。図2は代表的なスロット開口部14を示す。しかし、小さいスロット開口部は、巻線に使用されるワイヤのサイズを制限することになる。このことに加えてスロット開口部14が狭くなるに従い、機械による巻付け工程が更に難しくなる。
【0005】
更に、アーマチャ組立を機械構造に組み付けるために、スタック10の上面16にはドリル穴にタップを立てたネジ穴が必要になる。積層物はそのようなネジ穴には適さないので、図1に示すように固定用穴を有する固定用クサビ18が用いられている。固定用クサビ18を取り付けるために、積層物にスロット20部分の溝加工を一旦行うと、固定用クサビの間隔は固定され、積層物に追加加工をしない限り間隔を変えることはできない。
【0006】
したがって、コギング力を最小にする一方、巻線の巻付けを容易にすることができるアーマチャ組立の設計が望まれる。また、機械構造物に取り付けるためのアタッチメントはシンプルであり、さらに柔軟なものであることがアーマチャ組立の設計に望まれる。
【0007】
関連出願
本出願は、2001年4月9日に米国出願した仮出願番号60/282,546により、35 U.S.C. §119(e)に基づき優先権を主張するものである。
【発明の開示】
【0008】
発明の概要
上述したような特徴点およびその他の特徴点は、アーマチャ組立の設計に関係する本発明によって取り扱われており、本発明のアーマチャ組立は、ベース部分と、当該ベース部分から伸びた複数の歯であって、その周りに巻線が配置されると共に、歯の先端において隣り合う歯との間に、スロット開口部を構成するために互いに離れて配置された複数の歯と、隣り合う歯の間のスロット開口部の一つまたはそれ以上を閉じるように配置できるよう形成した磁性材料とから構成される。
【0009】
本発明のアーマチャ組立に関する他の実施例においては、ベース部分から伸び、その周りに巻線が配置される複数の歯と、ベース部分の上に配置できるように形成され、ベース部分の外側角部を越えて伸びた磁性材料が含まれる。
【0010】
更に、本発明の別の実施例においては、アーマチャ組立は、ベース部分と、ベース部分から伸びた複数の歯であって、その周りに巻線が配置されると共に、歯の先端において、隣り合う歯との間にスロット開口部を構成するように互いに離れて配置された複数の歯と、隣り合う歯の間のスロット開口部を閉じるために、隣り合う歯の間に形成されたノッチに適合するなクサビ状の形状をした磁性材料を含む。
【0011】
本発明に係る設計の目的とその特徴点は以下の通りである。
【0012】
(1)機械による巻線の巻付け工程を容易にするため、全体としてオープンなスリットを作ること。
【0013】
(2)コイルを挿入できるようにすること。すなわち、ボビン上で個々に巻付けた上で、スロットに挿入(各歯の回りに)できるようにするものである。
【0014】
(3)アーマチャの巻線を挿入した後に、ソフトな固体磁性材料または小さい台形状積層物のスタックのいずれかから作られた磁性クサビによってスロット開口部を塞ぐか、または閉じるかすることによってコギング力を最小化すること。
【0015】
(4)溝加工された積層物に本格的な再加工を施すことなく、固定用穴相互のの距離を変えることができる自由度を持たせた上で、構造物にアーマチャ組立を取り付けることができる機械的な手段を提供すること。
【0016】
本願発明に係るこれらの特徴点およびこの他の特徴点と、本願発明に係る利点は、発明の開示部分と添付する図面を検討することにより、より容易に理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図3を参照すれば、本願発明の一の実施例に係るスタック組立100の一部分が示されている。図から判るように、スタックの歯102はベース部分106から外側に向かって伸びている。歯102を分けているスロット104の幅は、底部(ベース部分106側)から先端部分108(歯の自由端側)に至るまで実質上同じである。これは、例えば図2に示すような従来のストック組立の歯の設計とは随分と異なったものになっており、図2に示すものは歯の間のスロット開口部14が先端部で狭くなるように、歯の先端部分が外側に向かってフレア状に広がっている。
【0018】
本発明においては、図3からも判るように、図4で示したような磁性クサビ112を固定するために、各歯102の先端部分108には2つの追加的なノッチ110が加工されている。これらの磁性クサビ112を使用する目的は、歯102の中心線114と、スロット104の中心線116に沿った空隙磁気抵抗の差を最小化するためである。この差が小さくなれば、コギング力も小さくなる。
【0019】
本発明の他の実施例においては、図5Aと5Bに示すように、複合アーマチャ組立は、巻線(図示せず)を備えたスタック組立100と、スロット104内に装着される磁性クサビ112、そしてソフトな磁性材料から作られた取付けブラケット120を含む。好ましくは、スタック組立100の長手方向軸に沿った取付けブラケット120の寸法が、スタック組立100の長さよりも大きくなっており、更に、スタック組立100のベース部分106の厚さと取付けブラケットの厚さとを組み合わせた時に、合計した背面の鉄の厚さが磁束を伝導するのに十分になるように、取付けブラケットの板厚が決められている。図5Aからも判るように、取付けブラケットの幅の寸法(スタック組立100の長手方向軸と直角方向の寸法)もまた、スタックの幅寸法より大きい方が望ましい。好適には、スタック組立100と取付けブラケット120との間を精度よくフィットさせるために、アリ溝が使用されている。このアリ溝は、更に図5Bに示されている。スタック100の端部において、ベース部分106の面が外側の方向に広げられているのが判る。更に取付けブラケット120の端面には、歯102の方向と同じ下方に突起した部分122と124があり、ベース部分106の端面に引っ掛けることがでる内側形状を有している。
【0020】
特に、部分122と124の内側面は、外側に向かってフレア状に広がったベース部分の端部と適合するように、部分122と124はフレア状に内側に向かって狭くなるような形状をしている。アリ溝が好適な結合方法として開示されているが、スタック組立100のベース部分106に取付けブラケットを固定するためには、本発明の基本的な考え方から外れることなく、この他の結合方法も使用することができることが判る。
【0021】
図5Aと5Bに示す本発明の実施例においては、背面の鉄の全て(ベース106と取付けブラケット120)が積層物であるという訳ではないので、背面の鉄(取付けブラケット120)の固体部分には付加的なエディ・カレント損失が生じる。しかし、背面の鉄の固体部分における磁束密度は相対的に低い。なぜなら、その断面は積層物で構成された部分の断面より大きいからである(図5B参照)。従って、(磁束密度)2に比例する付加的なエディ・カレント損失もまた低いものとなる。
【0022】
本発明の取付けブラケットの形状によっては、取付け穴間の距離の変化に適応させるために、積層物の溝加工を再加工する必要はない。そして、取付け穴の形態は、従来技術における多数のクサビに代えて、単一のブラケットで置き換えてやることにより、変更することができる。
【0023】
図6は、固体または積層磁性クサビ112とノッチ110の間の関係を拡大して示したものであり、このノッチは本発明のアーマチャ・スタック組立の歯102の先端部分108に形成したものである。好適には、歯102とクサビ112の間を精度よくフィットさせるためにアリ溝が使用されている。図6から判るように、クサビ112は台形状の断面を持つよう形成されており、そのクサビの表面126の幅は巻線(図示せず)側が、巻線のない外側よりも幅広になっている。ノッチ110は、各歯102の先端部分108を切り込んだものであるが、クサビ112の寸法に適合するよう形成されており、その結果、ノッチ110とクサビ112の間で、アリ溝が形成される。図6の実施例においては、クサビ112がノッチ110を切った部分に配置された時に、クサビ112の外側を向いた面、すなわち巻線の反対側の面であるが、と歯102の外側を向いた面とは実質上、面一となることに注意を要する。好適な結合方法としてアリ溝が開示されているが、本発明の基本的な考え方から離れることなく、隣接する歯102の間にクサビ112を配置するために、その他の結合方法も使用することができることを認識しておく必要がある。ここで使用している用語と表現は、発明を説明するための用語であり、限定することを意図したものではない。また、そのような用語や表現を使用するに際し、ここで説明した特徴点と等価なものを除外したり、さらにその特徴点の一部を除外することなどを意図したものではなく、クレームに記載した発明の範囲内において種々の改良が可能であることを認識する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、公知技術に係る代表的なスタック組立を示したものである。
【図2】図2は、公知技術に係る代表的なスタック組立の一部を示したものである。
【図3】図3は、本願発明に係るスタック組立の一部を示したものである。
【図4】図4は、本願発明の一の実施例に係るものであって、図3に示すスロット開口部が、閉じられた状態であるスタック組立の一部を示したものである。
【図5A】図5Aは、本願発明の他の実施例を示したものであり、取付けブラケットを含むスタック組立を示すと共に、更に図4に示す実施例のクサビを併せて示したものである。
【図5B】図5Bは、本願発明の他の実施例を示したものであり、取付けブラケットを含むスタック組立を示すと共に、更に図4に示す実施例のクサビを併せて示したものである。
【図6】図6は、本願発明の一の実施例に係るものであって、スタック内における歯とクサビの部分を拡大して示したものである。

Claims (25)

  1. 複数の巻線と、
    ベース部分と、
    前記ベース部分から伸び、その回りに前期巻線を配置することができる複数の歯であって、隣り合う歯の間の歯の先端部分にスロット開口部を構成するために、互いに離れて配置されている前記複数の歯と、
    そして、隣り合う歯の間の一つまたはそれ以上の前記スロット開口部を閉じるために形成した磁性インサートと、
    を含むことを特徴とするアーマチャ組立。
  2. 前記ベース部分と前記複数の歯は積層物により形成されたものであることを特徴とする、請求項1に記載のアーマチャ組立。
  3. 前記複数の歯が第一の寸法だけ離れて配置され、歯の先端部において隣り合う歯の間に設けられた前記スロット開口部が、前記第一の寸法と概略同じ寸法を有していることを特徴とする、請求項1に記載のアーマチャ組立。
  4. 前記磁性インサートは、積層物によって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のアーマチャ組立。
  5. 前記磁性インサートはクサビ状に形成され、前記複数の歯の先端部は前記磁性インサートのクサビ形状に適合するよう形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のアーマチャ組立。
  6. 前記複数の歯の先端とクサビ形状をした磁性インサートとの間にアリ溝結合を設けたことを特徴とする、請求項5に記載のアーマチャ組立。
  7. 前記磁性インサートが台形状断面を有していることを特徴とする、請求項5に記載のアーマチャ組立。
  8. 前記複数の歯の先端部にはノッチが設けられ、前記磁性インサートは前記複数の歯の先端部に設けられたノッチに適合するよう形成されていることを特徴とする、請求項3に記載のアーマチャ組立。
  9. 請求項7に記載のアーマチャ組立であって、前記ベース部分の外側角部を越えて伸びた取付けブラケットを更に含み、前記取付けブラケットがアリ溝結合によってアーマチャ組立のベース部分に適合することを特徴とするアーマチャ組立。
  10. 前記ベース部分と、前記取付けブラケットの各々が、適切な結合断面積となるような板厚を有することを特徴とする、請求項9に記載のアーマチャ組立。
  11. 複数の巻線と、
    ベース部分と、
    前記ベース部分から伸び、その回りに前期巻線を配置することができる複数の歯と、
    そして、磁性材料によって形成され、前記ベース部分に適合するように形成されると共に、前記ベース部分の外側角部を越えて伸びた取付けブラケットと、
    を含むことを特徴とするアーマチャ組立。
  12. 複数の巻線と、
    ベース部分と、
    前記ベース部分から伸び、その回りに前期巻線を配置することができる複数の歯であって、隣り合う歯の間の歯の先端部分にスロット開口部を構成するために、互いに離れて配置されている前記複数の歯と、
    そして、隣り合う歯の間に設けられた前期スロット開口部を閉じるために、クサビ形状を有し、隣り合う歯に形成されたノッチに適合する磁性インサートと、
    を含むことを特徴とするアーマチャ組立。
  13. 複数の巻線を含むタイプのアーマチャ組立に使用されるスタック組立であって、
    ベース部分と、
    前記ベース部分から伸び、その回りに前期巻線を配置することができる複数の歯と、
    前記複数の歯は、隣り合う歯の間の歯の先端部分にスロット開口部を構成するために、互いに離れて配置されており、隣り合う歯の間の一つまたはそれ以上の前記スロット開口部を閉じるために形成した磁性インサートと、
    から構成される前記スタック組立。
  14. 前記ベース部分と、前記複数の歯が積層物によって形成されていることを特徴とする、請求項13に記載のスタック組立。
  15. 前記複数の歯が第一の寸法だけ離れて配置され、歯の先端部において隣り合う歯の間に設けられた前記スロット開口部が、前記第一の寸法と概略同じ寸法を有していることを特徴とする、請求項13に記載のスタック組立。
  16. 前記磁性インサートが、積層物によって形成されていることを特徴とする、請求項13に記載のスタック組立。
  17. 前記磁性インサートはクサビ状に形成され、前記複数の歯の先端部は前記磁性インサートのクサビ形状に適合するよう形成されていることを特徴とする、請求項13に記載のスタック組立。
  18. 前記複数の歯の先端とクサビ形状をした磁性インサートとの間にアリ溝結合を設けたことを特徴とする、請求項17に記載のスタック組立。
  19. 前記磁性インサートが台形状断面を有していることを特徴とする、請求項17に記載のスタック組立。
  20. 前記複数の歯の先端部にはノッチが設けられ、前記磁性インサートは前記複数の歯の先端部に設けられたノッチに適合するよう形成されていることを特徴とする、請求項15に記載のスタック組立。
  21. 請求項19に記載のスタック組立であって、前記ベース部分の外側角部を越えて伸びた磁性を有する取付けブラケットを更に含み、前記取付けブラケットがアリ溝結合によってアーマチャ組立のベース部分に適合することを特徴とするスタック組立。
  22. 前記ベース部分と、前記取り付けブラケットの各々は、組み合わせた状態での板厚が磁束の伝導に十分となるように選定された板厚を有することを特徴とする、請求項21に記載のスタック組立。
  23. 複数の巻線を含むアーマチャ組立に使用されるスタック組立であって、
    ベース部分と、
    前記ベース部分から伸び、その回りに前期巻線を配置することができる複数の歯と、
    そして、磁性材料によって形成され、前記ベース部分に適合するように形成されると共に、前記ベース部分の外側角部を越えて伸びた取付けブラケットと、
    から構成される前記スタック組立。
  24. 複数の巻線を含むアーマチャ組立に使用されるタイプのスタック組立であって、
    ベース部分と、
    前記ベース部分から伸び、その回りに前期巻線を配置することができる複数の歯であって、隣り合う歯の間の歯の先端部分にスロット開口部を構成するために、互いに離れて配置されている前記複数の歯と、
    そして、隣り合う歯の間に設けられた前期スロット開口部を閉じるために、クサビ形状を有し、隣り合う歯に形成されたノッチに適合する磁性インサートと、
    から構成される前記スタック組立。
  25. a)フィールド組立と、
    b)前記フィールド組立から空隙を有して離れて配置されたアーマチャ組立であって、
    磁性取り付けブラケットと、
    ベース部分と当該ベース部分から伸びた複数の歯であって、隣り合う歯の間の歯の先端部分にスロット開口部を構成するために、互いに離れて配置されている前記複数の歯と、
    そして、隣り合う歯の間に設けられた前期スロット開口部を閉じるために、クサビ形状を有し、隣り合う歯に形成されたノッチに適合する磁性インサートと、
    を含むアーマチャ組立と、
    c)前記スタック組立の複数の歯の周りに配置される複数の巻線と、
    からなることを特徴とするリニア・ブラシレス・DCモータ。
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