JP2004201488A - 同期電動機及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 軽量化を図ることができると共に、トルク及び効率の向上並びに組立工数の削減化を図ることができる同期電動機を提供する。
【解決手段】 固定子2は、12個のティース部5が内周部に設けられるステータ6と、この各ティース部5の軸方向上下端面部に半径方向内側向きに固着される24個の断面略横U字形の第1曲げコア7と、各ティース部5の周方向両側面及びこのティース部5の上下端面部に固着される各第1曲げコア7の内側面に順番に巻装される樹脂製ボビン9に巻回された各固定子コイル8A〜8Cと、から構成されている。また、回転子3は、8個のロータティース部11が外周部に設けられたロータ12と、その回転中心に設けられて回転自在に軸支される回転軸13と、各ロータティース部11の軸方向上下端面部に半径方向外側向きに固着される16個の断面略横U字形の第2曲げコア15とから構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、固定子コイルが巻回される複数のティース部が内周部に設けられたステータと、複数のロータティース部が外周部に設けられたロータとから構成される同期電動機に関するものである。
従来より、ステータやロータの鉄損やトルクリップル等を小さくし、効率を高めた同期電動機が種々提案されている。
例えば、従来の同期電動機では、固定子コイルが巻回されるティースを備えたステータを複数枚、厚さ方向に積層・固定して用いる同期電動機のステータ構造であって、少なくともティースとヨークとを別体とし、このティースを方向性電磁鋼板により形成すると共に、該方向性電磁鋼板の磁化容易方向を径方向としている。また、このヨークを周方向に複数に分割し、該ヨークを方向性電磁鋼板により形成すると共に、方向性電磁鋼板の磁化容易方向を各ヨークの周方向としている(例えば、特許文献1参照。)。
これにより、別体とされたティースとヨークのうち、ティースを方向性電磁鋼板により形成し、しかも方向性電磁鋼板の磁化容易方向を径方向とすることによって、ティースにおける鉄損は、これが無方向性電磁鋼板により形成されている場合と較べて大きく低減される。また、別体とされたティースとヨークのうち、ヨークを周方向に更に複数に分割すると共にこれを方向性電磁鋼板により形成し、しかも方向性電磁鋼板の磁化容易方向を周方向とすることによって、ヨークにおける鉄損は、これが無方向性電磁鋼板により形成されている場合と較べて大きく低減される。
特開平7−67272号公報(段落(0022)〜(0026)、図1〜図4)
しかしながら、上記した従来の同期電動機では、固定子コイルは、ステータのティース部に巻回されるため、この固定子コイルの巻長さを短くして軽量化を図る場合には、ティース部の厚さ寸法が短くなりトルクが低下するという問題がある。また、ティースとヨークとを別体とした場合には、ステータの組立工数が増加し、製造コストアップになるという問題がある。
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、固定子コイルの巻長さを短くして軽量化を図ることができると共に、トルク及び効率の向上並びに組立工数の削減化を図ることができる同期電動機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため請求項1に係る同期電動機は、固定子コイルが巻回される複数のティース部が内周部に設けられたステータと、複数のロータティース部が外周部に設けられたロータと、を備えた同期電動機において、略長方形の電磁鋼板を内側対向面間に所定間隔を形成するように長手方向に折り曲げると共に、この電磁鋼板を複数枚、厚さ方向に積層・固着して形成され、前記各ティース部の軸方向の上下各端面部に折曲先端部が半径方向内側に向くように固着される第1曲げコアと、略長方形の電磁鋼板が内側対向面間に所定間隔を形成するように長手方向に折り曲げられると共に、この電磁鋼板が複数枚、厚さ方向に積層・固着して形成され、前記各ロータティース部の軸方向の上下各端面部に折曲先端部が半径方向外側に向くように固着される第2曲げコアと、を備え、前記固定子コイルは、前記ティース部の周方向両側面及び該ティース部の上下各端面部に固着される前記各第1曲げコアの内側面に巻回され、前記ティース部とロータティース部とが対向した場合には、該ティース部に固着される各第1曲げコアの折曲先端部と該ロータティース部に固着される各第2曲げコアの折曲先端部とが対向配置され、該第1曲げコアとこの第1曲げコアに対向配置される第2曲げコアとによって磁気閉回路が形成されることを特徴とする。
このような特徴を有する請求項1に係る同期電動機では、ステータの各ティース部の軸方向上下端面部には、略長方形の電磁鋼板を内側対向面間に所定間隔を形成するように長手方向に折り曲げると共に、この電磁鋼板を複数枚、厚さ方向に積層・固着して形成される第1曲げコアが、その折曲先端部が半径方向内側に向くように固着されている。また、固定子コイルは、各ティース部の周方向両側面及び該各ティース部の上下各端面部に固着される各第1曲げコアの内側面に巻回されている。
一方、ロータの各ロータティース部の軸方向上下端面部には、略長方形の電磁鋼板を内側対向面間に所定間隔を形成するように長手方向に折り曲げると共に、この電磁鋼板を複数枚、厚さ方向に積層・固着して形成される第2曲げコアが、その折曲先端部が半径方向外側に向くように固着されている。
そして、ティース部とロータティース部の該ティース部に対向する部分とによって磁気閉回路が形成されると共に、このティース部に固着される第1曲げコアとロータティース部に固着される第2曲げコアの該第1曲げコアに対向する部分とによって磁気閉回路が形成される。
また、請求項2に係る同期電動機は、請求項1に記載の同期電動機において、前記第1曲げコアは、ティース部に積層されない所定外周部に巻回される曲げコア部コイルを有することを特徴とする。
このような特徴を有する請求項2に係る同期電動機では、各第1曲げコアのティース部に積層されない所定外周部に曲げコア部コイルが巻回され、該曲げコア部コイルに通電することによって該第1曲げコア内に磁束が新たに生じる。
また、請求項3に係る同期電動機は、請求項2に記載の同期電動機において、前記所定外周部は、前記第1曲げコアの折曲後端部の外周部を含むことを特徴とする。
このような特徴を有する請求項3に係る同期電動機では、各第1曲げコアの折曲後端部の外周部に曲げコア部コイルが巻回されている。従って、各曲げコア部コイルは、固定子コイルの上下端縁部の半径方向外側に配設されている。
また、請求項4に係る同期電動機は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の同期電動機において、前記第1曲げコア及び第2曲げコアは、曲げ方向に沿った磁化容易方向を有する方向性電磁鋼板により形成されていることを特徴とする。
このような特徴を有する請求項4に係る同期電動機では、前記第1曲げコア及び第2曲げコアは、曲げ方向に沿った磁化容易方向を有する方向性電磁鋼板により形成され、該第1曲げコアと、この第1曲げコアに対向する第2曲げコアとによって磁気閉回路が形成される。
また、請求項5に係る同期電動機は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の同期電動機において、前記ステータは、周方向ティース部を含む部分ごとに分割される電磁鋼板が複数枚厚さ方向に積層・固定されて形成され、前記電磁鋼板は、半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板で形成されることを特徴とする。
このような特徴を有する請求項5に係る同期電動機では、前記ステータは、周方向ティース部を含む部分ごとに分割した形状に形成された2方向性電磁鋼板が、複数枚厚さ方向に積層・固定されて形成されている。また、この各2方向性電磁鋼板は、ティース部の磁束の流れる方向である半径方向とヨーク部の磁束の流れる方向である周方向とに磁化容易方向を有している。
また、請求項6に係る同期電動機は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の同期電動機において、前記ステータは、周方向各ティース部で分割される電磁鋼板が複数枚厚さ方向に積層・固定されて形成され、前記電磁鋼板は、半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板で形成されることを特徴とする。
このような特徴を有する請求項6に係る同期電動機では、前記ステータは、周方向各ティース部で分割した形状に形成された2方向性電磁鋼板が、複数枚厚さ方向に積層・固定されて形成されている。また、この各2方向性電磁鋼板は、ティース部の磁束の流れる方向である半径方向とヨーク部の磁束の流れる方向である周方向とに磁化容易方向を有している。
また、請求項7に係る同期電動機は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の同期電動機において、前記ロータは、周方向ロータティース部を含む部分ごとに分割される電磁鋼板が複数枚厚さ方向に積層・固定されて形成され、前記電磁鋼板は、半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板で形成されることを特徴とする。
このような特徴を有する請求項7に係る同期電動機では、前記ロータは、周方向ロータティース部を含む部分ごとに分割した形状に形成された2方向性電磁鋼板が、複数枚厚さ方向に積層・固定されて形成されている。また、この各2方向性電磁鋼板は、ロータティース部の磁束の流れる方向である半径方向とロータ部の磁束の流れる方向である周方向とに磁化容易方向を有している。
また、請求項8に係る同期電動機は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の同期電動機において、前記ロータは、周方向各ロータティース部で分割される電磁鋼板が複数枚厚さ方向に積層・固定されて形成され、前記電磁鋼板は、半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板で形成されることを特徴とする。
このような特徴を有する請求項8に係る同期電動機では、前記ロータは、周方向各ロータティース部で分割した形状に形成された2方向性電磁鋼板が、複数枚厚さ方向に積層・固定されて形成されている。また、この各2方向性電磁鋼板は、ロータティース部の磁束の流れる方向である半径方向とロータ部の磁束の流れる方向である周方向とに磁化容易方向を有している。
また、請求項9に係る同期電動機の製造方法は、固定子コイルが巻回される複数のティース部が内周部に設けられたステータと、複数のロータティース部が外周部に設けられたロータと、を備えた同期電動機の製造方法において、少なくとも、複数のティースが内周部に設けられた第1電磁鋼板を複数枚厚さ方向に積層・固着して前記ステータを形成する第1工程と、複数のロータティースが外周部に設けられた第2電磁鋼板を複数枚厚さ方向に積層・固着して前記ロータを形成する第2工程と、断面略長四角形の芯部材に長尺状の第3電磁鋼板を所定回数巻回後、前記芯部材を取り除き該第3電磁鋼板を固着して巻コア部材を形成する第3工程と、前記巻コア部材を長辺方向の所定箇所で巻回方向に対して略垂直に切断して、第1曲げコアと第2曲げコアとに分割形成する第4工程と、前記第1曲げコアを前記各ティース部の軸方向の上下各端面部に切断面が半径方向内側へ向くように積層・固着する第5工程と、前記第2曲げコアを前記各ロータティース部の軸方向の上下各端面部に切断面が半径方向外側へ向くように積層・固着する第6工程と、前記固定子コイルを前記ティース部の周方向両側面及び該ティース部に積層・固着される各第1曲げコアの内側面に巻回する第7工程と、からなることを特徴とする。
このような特徴を有する請求項9に係る同期電動機の製造方法では、先ず、第1工程において、複数のティースが内周部に設けられた第1電磁鋼板を複数枚厚さ方向に積層・固着してステータが形成される。続いて、第2工程において、複数のロータティースが外周部に設けられた第2電磁鋼板を複数枚厚さ方向に積層・固着してロータが形成される。また、第3工程において、断面略長四角形の芯部材に長尺状の第3電磁鋼板を所定回数巻回後、この芯部材を取り除き該第3電磁鋼板を固着して巻コア部材が形成される。そして、第4工程において、この巻コア部材を長辺方向の所定箇所で巻回方向に対して略垂直に切断して、第1曲げコアと第2曲げコアとに分割形成する。その後、第5工程において、第1曲げコアをステータの各ティース部の軸方向の上下各端面部に切断面が半径方向内側へ向くように積層・固着すると共に、第6工程において、第2曲げコアをロータの各ロータティース部の軸方向の上下各端面部に切断面が半径方向外側へ向くように積層・固着する。その後、第7工程において、固定子コイルをステータの各ティース部の周方向両側面及び該ティース部に積層・固着される各第1曲げコアの内側面に巻回することによって同期電動機が作製される。
また、請求項10に係る同期電動機の製造方法は、請求項9に記載の同期電動機の製造方法において、前記第4工程は、分割形成された前記第1曲げコアのティース部に積層されない所定外周部に曲げコア部コイルを巻回する工程を含むことを特徴とする。
このような特徴を有する請求項10に係る同期電動機の製造方法では、第4工程において、第1曲げコアを分割形成後、この第1曲げコアのティース部に積層されない所定外周部に、予め曲げコア部コイルが巻回される。
また、請求項11に係る同期電動機の製造方法は、請求項10に記載の同期電動機の製造方法において、前記所定外周部は、前記第1曲げコアの折曲後端部の外周部を含むことを特徴とする。
このような特徴を有する請求項11に係る同期電動機の製造方法では、第1曲げコアを分割形成後、この第1曲げコアの折曲後端部の外周部に、予め曲げコア部コイルが巻回される。
また、請求項12に係る同期電動機の製造方法は、請求項9乃至請求項11のいずれかに記載の同期電動機の製造方法において、前記第1工程は、周方向各ティースを含む部分ごとに分割された半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板を複数枚、周方向に連結接続して前記第1電磁鋼板を形成する工程を含むことを特徴とする。
このような特徴を有する請求項12に係る同期電動機の製造方法では、前記第1工程では、周方向各ティースを含む部分ごとに分割された半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板を複数枚、周方向に連結接続して第1電磁鋼板が形成され、該第1電磁鋼板を複数枚厚さ方向に積層・固着してステータが形成される。
また、請求項13に係る同期電動機の製造方法は、請求項9乃至請求項11のいずれかに記載の同期電動機の製造方法において、前記第1工程は、周方向各ティースで分割された半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板を複数枚、周方向に連結接続して前記第1電磁鋼板を形成する工程を含むことを特徴とする。
このような特徴を有する請求項13に係る同期電動機の製造方法では、前記第1工程では、周方向各ティースで分割された半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板を複数枚、周方向に連結接続して第1電磁鋼板が形成され、該第1電磁鋼板を複数枚厚さ方向に積層・固着してステータが形成される。
また、請求項14に係る同期電動機の製造方法は、請求項9乃至請求項13のいずれかに記載の同期電動機の製造方法において、前記第2工程は、周方向ロータティースを含む部分ごとに分割された半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板を複数枚、周方向に連結接続して前記第2電磁鋼板を形成する工程を含むことを特徴とする。
このような特徴を有する請求項14に係る同期電動機の製造方法では、前記第2工程では、周方向ロータティースを含む部分ごとに分割された半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板を複数枚、周方向に連結接続して第2電磁鋼板が形成され、該第2電磁鋼板を複数枚厚さ方向に積層・固着してロータが形成される。
また、請求項15に係る同期電動機の製造方法は、請求項9乃至請求項13のいずれかに記載の同期電動機の製造方法において、前記第2工程は、周方向ロータティースで分割された半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板を複数枚、周方向に連結接続して前記第2電磁鋼板を形成する工程を含むことを特徴とする。
このような特徴を有する請求項15に係る同期電動機の製造方法では、前記第2工程では、周方向ロータティースで分割された半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板を複数枚、周方向に連結接続して第2電磁鋼板が形成され、該第2電磁鋼板を複数枚厚さ方向に積層・固着してロータが形成される。
更に、請求項16に係る同期電動機の製造方法は、請求項9乃至請求項15のいずれかに記載の同期電動機の製造方法において、前記第3工程は、前記第3電磁鋼板を長手方向に磁化容易方向を有する長尺状の方向性電磁鋼板により形成することを特徴とする。
このような特徴を有する請求項16に係る同期電動機の製造方法では、前記第3工程では、第3電磁鋼板を長手方向に磁化容易方向を有する長尺状の方向性電磁鋼板により形成することにより、巻きコア部材は巻回方向に磁化容易方向を有することとなる。
請求項1に係る同期電動機では、ティース部とロータティース部とが対向した場合には、対向配置される第1曲げコアと第2曲げコアとによって磁気閉回路が形成されるため、磁路長を短くでき、低鉄損化及び効率の向上を図ることができる。また、ティース部の軸方向厚さ寸法を軸方向上下端面部に固着される各第1曲げコアの軸方向厚さ寸法分ずつ短くしても、従来のティース部の磁路断面積と同一の磁路断面積を得ることができるため、各第1曲げコア間のヨーク部を無くすことができ、同期電動機の軽量化を図ることができる。また、固定子コイルがティース部の両側面部と上下第1曲げコアの内側面に巻回されるため、この固定子コイルの軸方向の巻長さを左右側面部において、各第1曲げコアの軸方向厚さ寸法分ずつ短くして巻回することができ、同期電動機の軽量化を図ることができる。また、同様に、ロータティース部の軸方向厚さ寸法を軸方向上下端面部に固着される各第2曲げコアの軸方向厚さ寸法分ずつ短くしても、従来のロータティース部の磁路断面積と同一の磁路断面積を得ることができるため、各第2曲げコア間のロータ部を無くすことができ、同期電動機の軽量化を図ることができる。また、第1曲げコアと第2曲げコアは、略長方形の電磁鋼板を内側対向面間に所定間隔を形成するように長手方向に折り曲げると共に、この電磁鋼板を複数枚、厚さ方向に積層・固着することにより形成されるため、簡易な構成により形成することができ組立作業の効率化を図ることができる。
また、請求項2に係る同期電動機では、各第1曲げコアのティース部に積層されない所定外周部に曲げコア部コイルが巻回され、該曲げコア部コイルに通電することによって第1曲げコア内に磁束が新たに生じるため、この第1曲げコア内を流れる磁束量を大幅に増大させることができ、対向配置される第2曲げコアと協働して形成される磁路長の短い磁気閉回路の効果と相まって、更なる高トルク化及び高効率化を図ることができる。
また、請求項3に係る同期電動機では、各第1曲げコアの折曲後端部の外周部に曲げコア部コイルが巻回されて、各曲げコア部コイルは、固定子コイルの上下端縁部の半径方向外側に配設されるため、各第1曲げコアの軸方向高さ寸法の増加を防止して、同期電動機の薄型化を図りつつ、更なる高トルク化及び高効率化を図ることができる。
また、請求項4に係る同期電動機では、第1曲げコア及び第2曲げコアは、曲げ方向に沿った磁化容易方向を有する方向性電磁鋼板により形成されるため、第1曲げコアと第2曲げコアとが無方向性電磁鋼板により構成されている場合よりも更なる低鉄損化を図ることができ、効率の更なる向上を図ることができる。
また、請求項5に係る同期電動機では、ステータは、周方向ティース部を含む部分ごとに分割した形状とし、半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板で形成した場合には、無方向性電磁鋼板により構成した場合よりもティース部およびヨーク部の低鉄損化を図ることができると共に、材料取りの歩留まりの向上を図ることができる。
また、請求項6に係る同期電動機では、ステータは、周方向各ティース部で分割した形状とし、半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板で形成した場合には、無方向性電磁鋼板により構成した場合よりもティース部およびヨーク部の低鉄損化を図ることができると共に、材料取りの歩留まりの向上を図ることができる。また、各ティース部を形成すると共にこの各ティース部の軸方向上下端面部に第1曲げコアを配置して接着剤を含浸させたプリプレグ(ガラス繊維状接着シート)等で巻回、加熱接着することにより、ステータの形成と各第1曲げコアの固着を同時にすることができ、組立作業の更なる効率化を図ることができる。
また、請求項7に係る同期電動機では、ロータは、周方向ロータティース部を含む部分ごとに分割した形状とし、半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板で形成した場合には、無方向性電磁鋼板により構成した場合よりもロータの低鉄損化を図ることができると共に、材料取りの歩留まりの向上を図ることができる。
また、請求項8に係る同期電動機では、ロータは、周方向各ロータティース部で分割した形状とし、半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板で形成した場合には、無方向性電磁鋼板により構成した場合よりもロータの低鉄損化を図ることができると共に、材料取りの歩留まりの向上を図ることができる。また、各ロータティース部を形成すると共にこの各ロータティース部の軸方向上下端面部に第2曲げコアを配置して接着剤を含浸させたプリプレグ(ガラス繊維状接着シート)等で巻回、加熱接着することにより、ロータの形成と各第2曲げコアの固着を同時にすることができ、組立作業の更なる効率化を図ることができる。
また、請求項9に係る同期電動機の製造方法では、第1工程乃至第7工程によって構成される同期電動機の第1曲げコアと第2曲げコアとは、断面略長四角形の芯部材に長尺状の第3電磁鋼板を所定回数巻回後、前記芯部材を抜き取り固着して巻コア部材を形成した後、この巻コア部材を長辺方向の所定箇所で巻回方向に対して略垂直に切断することにより作製できるため、各第1曲げコアと第2曲げコアを容易に作製することができる。また、各第1曲げコアを各ティース部の軸方向の上下各端面部に切断面が半径方向内側へ向くように積層・固着し、固定子コイルをティース部の周方向両側面及び該ティース部に積層・固着される各第1曲げコアの内側面に巻回することによって固定子側を形成できるため、該固定子を容易に製造することができる。また、各第2曲げコアを各ロータティース部の軸方向の上下各端面部に切断面が半径方向外側へ向くように積層・固着することにより回転子を形成できるため、該回転子を容易に製造することができる。更に、ステータとロータとの製造に従来のステータとロータとを作製する製造設備を使用することが可能なため、製造コストの削減化を図ることができる。
また、請求項10に係る同期電動機の製造方法では、第4工程において、第1曲げコアを分割形成後、この第1曲げコアのティース部に積層されない所定外周部に、予め曲げコア部コイルを巻回しておくことができ、この曲げコア部コイルの巻回された各第1曲げコアを各ティース部の軸方向の上下各端面部に迅速に積層・固着することができ、組立作業の迅速化及び製造コストの削減化を図ることができる。
また、請求項11に係る同期電動機の製造方法では、第1曲げコアを分割形成後、この第1曲げコアの折曲後端部の外周部に、曲げコア部コイルを巻回するため、各第1曲げコアの相対向する各折曲部を把持して、該折曲後端部に曲げコア部コイルを容易に巻回することができ、この曲げコア部コイルの巻回作業の迅速化及び製造コストの削減化を図ることができる。
また、請求項12に係る同期電動機の製造方法では、第1工程において、周方向各ティースを含む部分ごとに分割された半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板を複数枚、周方向に連結接続して第1電磁鋼板を形成するため、第1電磁鋼板を無方向性電磁鋼板により構成した場合よりもティース部およびヨーク部の低鉄損化を図ることができると共に、材料取りの歩留まりの向上や型コストの低減化を図ることができる。
また、請求項13に係る同期電動機の製造方法では、第1工程において、周方向各ティースで分割された半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板を複数枚、周方向に連結接続して第1電磁鋼板を形成するため、第1電磁鋼板を無方向性電磁鋼板により構成した場合よりもティース部およびヨーク部の低鉄損化を図ることができると共に、材料取りの歩留まりの向上や型コストの低減化を図ることができる。また、ティース部を形成すると共にこの各ティース部の軸方向上下端面部に第1曲げコアを配置して接着剤を含浸させたプリプレグ(ガラス繊維状接着シート)等で巻回、加熱接着することにより、ステータの形成と各第1曲げコアの固着を同時にすることが可能となるため、組立作業の更なる効率化を図ることができる。
また、請求項14に係る同期電動機の製造方法では、第2工程において、周方向ロータティースを含む部分ごとに分割された半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板を複数枚、周方向に連結接続して第2電磁鋼板を形成するため、第2電磁鋼板を無方向性電磁鋼板により構成した場合よりもロータの低鉄損化を図ることができると共に、材料取りの歩留まりの向上や型コストの低減化を図ることができる。
また、請求項15に係る同期電動機の製造方法では、第2工程において、周方向ロータティースで分割された半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板を複数枚、周方向に連結接続して第2電磁鋼板を形成するため、第2電磁鋼板を無方向性電磁鋼板により構成した場合よりもロータの低鉄損化を図ることができると共に、材料取りの歩留まりの向上や型コストの低減化を図ることができる。また、各ロータティース部を形成すると共にこの各ロータティース部の軸方向上下端面部に第2曲げコアを配置して接着剤を含浸させたプリプレグ(ガラス繊維状接着シート)等で巻回、加熱接着することにより、ロータの形成と各第2曲げコアの固着を同時にすることが可能となるため、組立作業の更なる効率化を図ることができる。
更に、請求項16に係る同期電動機の製造方法では第3工程において、長手方向に磁化容易方向を有する長尺状の方向性電磁鋼板を芯部材に所定回数巻回、固着してに巻コア部材が形成されるため、この巻コア部材を第4工程で分割形成することによって、曲げ方向に磁化容易方向を有して大きく低鉄損化を図ることができる第1曲げコア及び第2曲げコアを同時に製造することができる。
以下、本発明に係る同期電動機を三相同期モータについて具体化した第1実施形態乃至第4実施形態を図面に基づき説明する。
先ず、第1実施形態に係る三相同期モータの概略構成について図1及び図2に基づき説明する。
図1及び図2に示すように、第1実施形態に係る三相同期モータ1は、固定子2と回転子3とこれらを収納する不図示のケースとから構成されている。
固定子2は、12個のティース部5が内周部に設けられるステータ6と、この各ティース部5の軸方向上下端面部に後述のように半径方向内側向きに固着される24個の断面略横U字形の第1曲げコア7と、各ティース部5の周方向両側面及びこのティース部5の上下端面部に固着される各第1曲げコア7の内側面に順番に巻装される樹脂製ボビン9に巻回された各固定子コイル8A、8B、8Cと、から構成されている。この各第1曲げコア7の周方向幅寸法は、ティース部5の周方向幅寸法にほぼ等しく形成されている。また、各第1曲げコア7の各折曲先端面は、各ティース部5の内周面と同一面上に配置されると共に、各第1曲げコア7は各ティース部5の基端部で略横U字形に半径方向内側向きに折り曲げられている。
また、回転子3は、8個のロータティース部11が外周部に設けられたロータ12と、その回転中心に設けられて回転自在に軸支される回転軸13と、各ロータティース部11の軸方向上下端面部に後述のように半径方向外側向きに固着される16個の断面略横U字形の第2曲げコア15とから構成されている。この各第2曲げコア15の周方向幅寸法は、ロータティース部11の周方向幅寸法にほぼ等しく形成されている。また、各第2曲げコア15の各折曲先端面は、各ロータティース部11の内周面と同一面上に配置されると共に、各第2曲げコア15は各ロータティース部11の基端部で略横U字形に半径方向外側向きに折り曲げられている。
ここで、三相同期モータ1の固定子2及び回転子3の製造方法について図3に基づいて説明する。
図3(A)に示すように、ステータ6は、内周部に等間隔に12個のティースを有するように打ち抜いて成形した略円環状の無方向性電磁鋼板(第1電磁鋼板として機能する。)を複数枚積層し、溶接やカシメ等により固定したものである(第1工程)。
また、ロータ12は、外周部に等間隔に8個のロータティースを有するように打ち抜いて成形した略円環状の無方向性電磁鋼板(第2電磁鋼板として機能する。)を複数枚積層し、溶接やカシメ等により固定したものである(第2工程)。そして、このロータ12に回転軸13を圧入して固定する。
尚、ステータ6を構成する無方向性電磁鋼板の各ティースの周方向幅寸法と、ロータ12を構成する無方向性電磁鋼板の各ロータティースの周方向幅寸法とは同一の幅寸法に成形されている。また、ステータ6の軸方向厚さ寸法とロータ12の軸方向厚さ寸法とは同一の厚さ寸法になるように積層・固定されている。
また、第1曲げコア7と第2曲げコア15の作製は、先ず、図3(B1)に示すように、断面略長四角形の芯部材17に長手方向(図3(B1)中、矢印18A方向)に磁化容易方向を有する長尺状の方向性電磁鋼板18(第3電磁鋼板として機能する。)を所定回数巻きつける。また、この芯部材17の断面の長辺部の長さは、ティース部5の半径方向の長さ寸法とロータティース部11の半径方向の長さ寸法との合計寸法にほぼ等しい寸法に形成されている。また、この方向性電磁鋼板18の幅寸法は、ティース部5及びロータティース部11の各周方向幅寸法に等しく形成されている。
そして、図3(B2)に示すように、芯部材17を抜き去り、ワニス等で固めて巻コア部材19を形成する(第3工程)。
続いて、図3(B3)に示すように、巻コア部材19の内側貫通孔の長辺部をティース部5の半径方向の長さ寸法とロータティース部11の半径方向の長さ寸法とにほぼ等しくなるように分割する切断位置21で巻方向に対して略垂直に切断して、第1曲げコア7と第2曲げコア15とに分割形成する(第4工程)。
その後、図3(C)に示すように、ステータ6の各ティース部5の軸方向上下端面部に各第1曲げコア7を切断面が半径方向内側を向くように積層し、プリプレグ(ガラス繊維状接着シート)22で巻回後所定温度に加熱してこのプリプレグ22を溶融して積層・接着する(第5工程)。
また、ロータ12の各ロータティース部11の軸方向上下端面部に各第2曲げコア15を切断面が半径方向外側を向くように積層し、プリプレグ(ガラス繊維状接着シート)23で巻回後所定温度に加熱してこのプリプレグ23を溶融して積層・接着する(第6工程)。これにより、回転子3が形成される。
そして、図3(D)に示すように、各固定子コイル8A〜8Cの巻回されるボビン9をステータ6の各ティース部5とこのティース部5に積層・接着される各第1曲げコア7の内側面に半径方向内側から挿入して装着する(第7工程)。これにより、固定子2が形成される。
次に、上記製造方法により作製された三相同期モータ1の各固定子コイル8A〜8Cに順次通電して励磁した場合に形成される磁気回路について図1及び図2に基づいて説明する。
尚、図1及び図2には各固定子コイル8Aに通電して励磁した場合に、固定子2と回転子3に形成される磁気回路が示されているが、各固定子コイル8B、8Cにそれぞれ通電した場合にも固定子2と回転子3に同様な磁気回路が形成される。
図1及び図2に示すように、各固定子コイル8Aに通電することにより、この固定子コイル8Aが巻回される各ティース部5内とこのティース部5に積層・固着される各第1曲げコア7の固着側内に半径方向に流れる磁束が発生する。
そして、無方向性電磁鋼板を複数枚積層して形成されるステータ6の各ティース部5内に発生した半径方向外側に流れる磁束は、各ティース部5の基端部で周方向に約90度曲げられてステータ6のヨーク部内を流れる。
続いて、ステータ6のヨーク部内を流れる磁束は、直交する位置の各固定子コイル8Aにより、該固定子コイル8Aが巻回されるティース部5の基端部で再度、約90度曲げられてこのティース部5内を半径方向内側に流れ、対向配置されるロータティース部11内を半径方向内側に流れる。そして、このロータティース部11内に発生した半径方向内側に流れる磁束は、各ロータティース部11の基端部で周方向に約90度曲げられて無方向性電磁鋼板を複数枚積層して形成されるロータ12内を流れる。そしてまた、ロータ12内を周方向に流れる磁束は、直交する位置の各ロータティース部11の基端部で再度、約90度曲げられてこのロータティース部11内を半径方向外側に流れ、対向配置されるティース部5内を半径方向外側に流れる。
これにより、図1に示すように、無方向性電磁鋼板を複数枚、積層・固着して形成されるステータ6とロータ12内を流れる4つの磁気閉回路(図1(A)中、太実線で示す磁気閉回路)25が形成される。
また、固定子コイル8Aへの通電によって各ティース部5に積層・固着される各第1曲げコア7の固着側内に発生した磁束は、図1(B)に示すように、半径方向外側に流れる場合には、方向性電磁鋼板18を複数枚、積層して形成される第1曲げコア7の磁化容易方向、即ち、曲げ方向に沿って流れ、軸方向外側の切断面まで流れて、この第1曲げコア7に対向配置される第2曲げコア15内に流れ込む。そして、この第2曲げコア15内に流れ込んだ磁束は、方向性電磁鋼板18を複数枚、積層して形成される第2曲げコア15の磁化容易方向、即ち、曲げ方向に沿って流れ、第2曲げコア15の固着側の切断面まで流れて、対向配置される第1曲げコア7の固着側切断面に流れる。
一方、固定子コイル8Aへの通電によって各ティース部5に積層・固着される各第1曲げコア7の固着側内に発生した磁束が、半径方向内側に流れる場合には、各第1曲げコア7と各第2曲げコア15内には、図1(B)に示す磁束の流れと反対方向に磁束が流れる。
これにより、図1に示すように、各ティース部5とロータティース部11の軸方向上下端面部に積層・固着されて、対向配置される各第1曲げコア7と第2曲げコア15内を流れる8個の磁気閉回路(図1(A)中、破線で示す磁気閉回路)26が形成される。
従って、第1実施形態に係る三相同期モータ1は、各固定子コイル8A〜8Cが順番に通電されて、各ティース部5とロータティース部11とが対向した場合には、対向配置される各第1曲げコア7と第2曲げコア15とによって磁気閉回路26が形成されるため、磁路長を短くでき、低鉄損化を図ることができる。また、各第1曲げコア7及び第2曲げコア15は、曲げ方向に沿った磁化容易方向を有する方向性電磁鋼板18により形成されるため、各第1曲げコア7と第2曲げコア15とが無方向性電磁鋼板により構成されている場合よりも更なる低鉄損化を図ることができ、また、トルクの更なる向上を図ることができる。
また、各ティース部5の軸方向厚さ寸法を軸方向上下端面部に固着される各第1曲げコア7の軸方向厚さ寸法分ずつ短くしても、従来のティース部の磁路断面積と同一の磁路断面積を得ることができるため、各第1曲げコア7間のヨーク部を無くすことができ、三相同期モータ1の軽量化を図ることができる。また、各固定子コイル8A〜8Cが各ティース部5の両側面部と上下各第1曲げコア7の内側面に巻回されるため、この各固定子コイル8A〜8Cの軸方向の巻長さを左右側面部において、各第1曲げコア7の軸方向厚さ寸法分ずつ短くして巻回することができ、三相同期モータ1の軽量化を図ることができる。また、同様に、各ロータティース部11の軸方向厚さ寸法を軸方向上下端面部に固着される各第2曲げコア15の軸方向厚さ寸法分ずつ短くしても、従来のロータティース部の磁路断面積と同一の磁路断面積を得ることができるため、各第2曲げコア15間のロータ部を無くすことができ、三相同期モータ1の軽量化を図ることができる。
また、三相同期モータ1の各第1曲げコア7と第2曲げコア15とは、断面略長四角形の芯部材17に長尺状の方向性電磁鋼板18を所定回数巻回後、この芯部材17を取り除き、該方向性電磁鋼板18を固着して巻コア部材19を形成した後、この巻コア部材19を内側貫通孔の長辺方向の所定箇所で巻回方向に対して略垂直に切断することにより作製できるため、各第1曲げコア7と第2曲げコア15を容易に作製することができる。また、各第1曲げコア7を各ティース部5の軸方向の上下各端面部に切断面が半径方向内側へ向くように積層・固着し、各固定子コイル8A〜8Cをティース部5の周方向両側面及び該ティース部5に積層・固着される各第1曲げコア7の内側面に巻装することによって固定子2を形成できるため、該固定子2を容易に製造することができる。また、各第2曲げコア15を各ロータティース部11の軸方向の上下各端面部に切断面が半径方向外側へ向くように積層・固着することにより回転子3を形成できるため、該回転子3を容易に製造することができる。更に、ステータ6とロータ12との製造に従来のステータとロータとを作製する製造設備を使用することが可能なため、製造コストの削減化を図ることができる。
更に、各第1曲げコア7と第2曲げコア15は、長手方向に磁化容易方向を有する長尺状の方向性電磁鋼板18により作製される巻きコア部材19を所定切断位置で切断して形成されるため、曲げ方向に磁化容易方向を有して大きく低鉄損化を図ることができる第1曲げコア7及び第2曲げコア15を同時に製造することができる。
次に、第2実施形態に係る三相同期モータについて図4乃至図6に基づいて説明する。尚、上記第1実施形態に係る三相同期モータ1と同一符号は、上記第1実施形態に係る三相同期モータ1と同一あるいは相当部分を示すものである。
この第2実施形態に係る三相同期モータの全体構成は、第1実施形態に係る三相同期モータ1の全体構成とほぼ同じ構成である。但し、各ティース部5の軸方向上下端面部に固着される各第1曲げコアと各ロータティース部11の軸方向上下端面部に固着される各第2曲げコアの構成が上記第1実施形態に係る三相同期モータ1と異なっている。
先ず、第2実施形態に係る三相同期モータの概略構成について図4に基づき説明する。
図4に示すように、第2実施形態に係る三相同期モータ31は、固定子32と回転子33とこれらを収納する不図示のケースとから構成されている。
固定子32は、上記第1実施形態に係る固定子2とほぼ同じ構成であるが、各ティース部5の軸方向上下端面部には、24個の断面略横長コの字形の第1曲げコア35が、折曲先端部を半径方向内側向きして積層・固着されている。この各第1曲げコア35の周方向幅寸法は、ティース部5の周方向幅寸法にほぼ等しく形成されている。また、この各第1曲げコア35の各折曲先端面は、各ティース部5の内周面と同一面上に配置されると共に、各第1曲げコア35は、各ティース部5の基端部より半径方向外側の位置で略横長コの字形に半径方向内側向きに折り曲げられ、この折曲後端部の外周部に巻装される樹脂製ボビン36に各曲げコア部コイル37A、37B、37Cが、各ティース部5毎に順番に巻回されている。また、各ティース部5の周方向両側面及びこのティース部5の上下端面部に固着される各第1曲げコア35の内側面に巻装される樹脂製ボビン9に各固定子コイル8A、8B、8Cが順番に巻回されている。尚、各第1曲げコア35は、望ましくは、ステータ6のヨーク部外周部分の半径方向略中央位置に折曲後端部が位置するように構成されているのが望ましい。これにより、各曲げコア部コイル37A〜37Cの巻回数を容易に増加させることができる。
また、回転子33は、上記第1実施形態に係る回転子3とほぼ同じ構成であるが、各ロータティース部11の軸方向上下端面部には、16個の断面略コの字形の第2曲げコア39が、折曲先端部を半径方向外側向きにして固着されている。この各第2曲げコア39の周方向幅寸法は、ロータティース部11の周方向幅寸法にほぼ等しく形成されている。また、各第2曲げコア39の各折曲先端面は、各ロータティース部11の内周面と同一面上に配置されると共に、各第2曲げコア39は各ロータティース部11の基端部で略コの字形に半径方向外側向きに折り曲げられている。
ここで、三相同期モータ31の固定子32及び回転子33の製造方法について図5及び図6に基づいて説明する。尚、三相同期モータ31の製造方法は、第1実施形態に係る三相同期モータ1の製造方法とほぼ同じであるが、後述のように各曲げコア部コイル37A〜37Cが巻回された第1曲げコア35を各ティース部5の軸方向上下端面部に固着する点で異なっている。従って、ステータ6の作製工程(第1工程)とロータ12の作製工程(第2工程)とは、上記第1実施形態に係る各作製工程とほぼ同じ製造方法である。
先ず、各曲げコア部コイル37A〜37Cを巻回した第1曲げコア35及び第2曲げコア39の製造方法について図5に基づいて説明する。
(第3工程)
この第1曲げコア35と第2曲げコア39の作製は、最初に、図5(A1)に示すように、断面横長四角形の芯部材41に長手方向(図5(A1)中、矢印18A方向)に磁化容易方向を有する長尺状の方向性電磁鋼板18を所定回数巻きつける。また、この芯部材41の断面の長辺部の長さは、ティース部5の先端部からヨーク部の半径方向略中央位置までの長さ寸法とロータティース部11の半径方向の長さ寸法との合計寸法にほぼ等しい寸法に形成されている。また、この方向性電磁鋼板18の幅寸法は、ティース部5及びロータティース部11の各周方向幅寸法に等しく形成されている。
そして、図5(A2)に示すように、芯部材41を抜き去り、ワニス等で固めて巻コア部材42を形成する。
(第4工程)
続いて、図5(A3)に示すように、巻コア部材42の内側貫通孔の長辺部を一方の短辺部からロータティース部11の半径方向の長さ寸法にほぼ等しくなる切断位置43で巻方向に対して略垂直に切断して、第1曲げコア35と第2曲げコア39とに分割形成する。
その後、図5(A4)に示すように、第1曲げコア35の折曲後端部の両側端縁部に水平断面略コの字状に二分割した樹脂製ボビン36を嵌挿して、巻装・固着する。
そして、図5(A5)に示すように、このボビン36に各曲げコア部コイル37A〜37Cを巻回する。これにより、各曲げコア部コイル37A〜37Cを巻回した第1曲げコア35及び第2曲げコア39が作製される。尚、各第1曲げコア35の折曲先端部から各曲げコア部コイル37A〜37Cの折曲先端側の端面部までの距離寸法は、ほぼティース部5の半径方向長さ寸法にほぼ等しくなるように形成されている。
続いて、三相同期モータ31の固定子32と回転子33の作製工程について図6に基づいて説明する。
(第5工程)
図6(A)に示すように、ステータ6の各ティース部5の軸方向上下端面部に各第1曲げコア35を切断面が半径方向内側を向くように積層し、プリプレグ(ガラス繊維状接着シート)45で巻回後所定温度に加熱してこのプリプレグ45を溶融して積層・接着する。
(第6工程)
また、ロータ12の各ロータティース部11の軸方向上下端面部に各第2曲げコア39を切断面が半径方向外側を向くように積層し、プリプレグ(ガラス繊維状接着シート)46で巻回後所定温度に加熱してこのプリプレグ46を溶融して積層・接着する。これにより、回転子33が形成される。
(第7工程)
そして、図6(B)に示すように、各固定子コイル8A〜8Cの巻回されるボビン9をステータ6の各ティース部5とこのティース部5に積層・接着される各第1曲げコア35の内側面に半径方向内側から挿入して装着する。これにより、固定子32が形成される。
次に、上記製造方法により作製された三相同期モータ31の各固定子コイル8A〜8C及び各曲げコア部コイル37A〜37Cに順次通電して励磁した場合に形成される磁気回路について図4に基づいて説明する。
尚、図4には各固定子コイル8A及び各曲げコア部コイル37Aに通電して励磁した場合に、固定子32と回転子33に形成される磁気回路が示されているが、各固定子コイル8B、8C及び各曲げコア部コイル37B、37Cにそれぞれ通電した場合にも固定子32と回転子33に同様な磁気回路が形成される。
図4に示すように、各固定子コイル8Aに通電することにより、この固定子コイル8Aが巻回される各ティース部5内に流れる(矢印51方向に流れる)磁束とこのティース部5に積層・固着される各第1曲げコア35の固着側内に半径方向に流れる(各矢印52方向に流れる)磁束が発生する。また、各曲げコア部コイル37Aに通電することにより、この曲げコア部コイル37Aが巻回される第1曲げコア35の折曲後端部内に軸方向外側に向かって流れる(各矢印53方向に流れる)磁束が発生する。
そして、無方向性電磁鋼板を複数枚積層して形成されるステータ6の各ティース部5内に発生した半径方向外側に流れる磁束は、各ティース部5の基端部で周方向に約90度曲げられてステータ6のヨーク部内を流れる。
続いて、ステータ6のヨーク部内を流れる磁束は、直交する位置の各固定子コイル8Aにより、該固定子コイル8Aが巻回されるティース部5の基端部で再度、約90度曲げられてこのティース部5内を半径方向内側に流れ、対向配置されるロータティース部11内を半径方向内側に流れる。そして、このロータティース部11内に発生した半径方向内側に流れる磁束は、各ロータティース部11の基端部で周方向に約90度曲げられて無方向性電磁鋼板を複数枚積層して形成されるロータ12内を流れる。そしてまた、ロータ12内を周方向に流れる磁束は、直交する位置の各ロータティース部11の基端部で再度、約90度曲げられてこのロータティース部11内を半径方向外側に流れ、対向配置されるティース部5内を半径方向外側に流れる。
これにより、図4(A)に示すように、無方向性電磁鋼板を複数枚、積層・固着して形成されるステータ6とロータ12内を流れる4つの磁気閉回路(図4(A)中、太実線で示す磁気閉回路)25が形成される。
また、図4(B)に示すように、固定子コイル8Aと各曲げコア部コイル37Aとの通電によって各ティース部5に積層・固着される各第1曲げコア35内に発生した磁束は、共に方向性電磁鋼板18を複数枚、積層して形成される各第1曲げコア35の磁化容易方向、即ち、曲げ方向に沿って流れる(図4(B)中、各第1曲げコア35の上下外側の折曲部内の各矢印52、53方向に流れる)。そして、各第1曲げコア35のティース部5への固着側に相対する他方の折曲部内を半径方向内側に流れた磁束は、該各第1曲げコア35の軸方向外側の切断面まで流れて、対向配置される各第2曲げコア39内に流れ込む。そして、この第2曲げコア39内に流れ込んだ磁束は、方向性電磁鋼板18を複数枚、積層して形成される第2曲げコア39の磁化容易方向、即ち、曲げ方向に沿って流れ(各矢印55、56、57方向に流れ)、第2曲げコア39の固着側の切断面まで流れて、対向配置される各第1曲げコア35の固着側切断面に流れる。
一方、固定子コイル8Aへの通電によって各ティース部5に積層・固着される各第1曲げコア35の固着側内に発生した磁束が、半径方向内側に流れる場合には、該固定子コイル8Aが巻回される各第1曲げコア35に巻回された各曲げコア部コイル37Aは、軸方向内側に流れる磁束が発生するように通電される。そして、固定子コイル8Aと各曲げコア部コイル37Aとの通電によって各第1曲げコア35内に発生した磁束は、共に図4(B)に示す磁束の流れと反対方向に(図4(B)中、各矢印52〜57方向と反対方向に)流れる。
これにより、図4に示すように、各ティース部5とロータティース部11の軸方向上下端面部に積層・固着されて、対向配置される各第1曲げコア35と第2曲げコア39内を流れる8個の磁気閉回路(図4(A)中、破線で示す磁気閉回路)59が形成される。
従って、第2実施形態に係る三相同期モータ31は、各固定子コイル8A〜8C及び各曲げコア部コイル37A〜37Cが順番に通電されて、各ティース部5とロータティース部11とが対向した場合には、対向配置される各第1曲げコア35と第2曲げコア39内には、各固定子コイル8A〜8C及び各曲げコア部コイル37A〜37Cの通電によって発生した磁束が共に流れて、該各第1曲げコア35と第2曲げコア39内を流れる磁束量を大幅に増大させることができ、各第1曲げコア35に対向配置される第2曲げコア39と協働して形成される磁路長の短い磁気閉回路59が形成される効果と相まって、低鉄損化を図ると共に、更なる高トルク化及び高効率化を図ることができる。
また、各第1曲げコア35及び第2曲げコア39は、曲げ方向に沿った磁化容易方向を有する方向性電磁鋼板18により形成されるため、各第1曲げコア35と第2曲げコア39とが無方向性電磁鋼板により構成されている場合よりも更なる低鉄損化を図ることができ、また、トルクの更なる向上を図ることができる。
また、各ティース部5の軸方向厚さ寸法を軸方向上下端面部に固着される各第1曲げコア35の軸方向厚さ寸法分ずつ短くしても、従来のティース部の磁路断面積と同一の磁路断面積を得ることができるため、各第1曲げコア35間のヨーク部を無くすことができ、三相同期モータ31の軽量化を図ることができる。また、各固定子コイル8A〜8Cが各ティース部5の両側面部と上下各第1曲げコア35の内側面に巻回されるため、この各固定子コイル8A〜8Cの軸方向の巻長さを左右側面部において、各第1曲げコア35の軸方向厚さ寸法分ずつ短くして巻回することができ、三相同期モータ31の軽量化を図ることができる。また、同様に、各ロータティース部11の軸方向厚さ寸法を軸方向上下端面部に固着される各第2曲げコア39の軸方向厚さ寸法分ずつ短くしても、従来のロータティース部の磁路断面積と同一の磁路断面積を得ることができるため、各第2曲げコア39間のロータ部を無くすことができ、三相同期モータ31の軽量化を図ることができる。
また、各第1曲げコア35の折曲後端部の外周部に曲げコア部コイル37A〜37Cを巻回して、該各第1曲げコア35の折曲先端部を半径方向内側向きにティース部5の軸方向上下端面部に固着できるため、各第1曲げコア35の軸方向高さ寸法の増加を防止して、三相同期モータ31の薄型化を図りつつ、更なる高トルク化及び高効率化を図ることができる。
また、三相同期モータ31の各第1曲げコア35と第2曲げコア39とは、断面長四角形の芯部材41に長尺状の方向性電磁鋼板18を所定回数巻回後、この芯部材41を取り除き、該方向性電磁鋼板18を固着して巻コア部材42を形成した後、この巻コア部材42を内側貫通孔の長辺方向の所定箇所で巻回方向に対して略垂直に切断することにより作製できるため、各第1曲げコア35と第2曲げコア39を容易に作製することができる。また、各第1曲げコア35に曲げコア部コイル37A〜37Cを予め巻回後、該第1曲げコア35を各ティース部5の軸方向の上下各端面部に切断面が半径方向内側へ向くように積層・固着し、各固定子コイル8A〜8Cをティース部5の周方向両側面及び該ティース部5に積層・固着される各第1曲げコア35の内側面に巻装することによって固定子32を形成できるため、該固定子32を容易に製造することができると共に、組み立て作業の迅速化及び製造コストの削減化を図ることができる。また、巻きコア部材42を所定切断位置43で分割して第1曲げコア35を分割形成後、この第1曲げコア35の折曲後端部の外周部に、ボビン36を巻装して各曲げコア部コイル37A〜37Cを巻回するため、各第1曲げコア35の相対向する各折曲部を把持して、該折曲後端部に各曲げコア部コイル37A〜37Cを容易に巻回することができ、該各曲げコア部コイル37A〜37Cの巻回作業の迅速化及び製造コストの削減化を図ることができる。
また、各第2曲げコア39を各ロータティース部11の軸方向の上下各端面部に切断面が半径方向外側へ向くように積層・固着することにより回転子33を形成できるため、該回転子33を容易に製造することができる。更に、ステータ6とロータ12との製造に従来のステータとロータとを作製する製造設備を使用することが可能なため、製造コストの削減化を図ることができる。
更に、各第1曲げコア35と第2曲げコア39は、長手方向に磁化容易方向を有する長尺状の方向性電磁鋼板18により作製される巻きコア部材42を所定切断位置で切断して形成されるため、曲げ方向に磁化容易方向を有して大きく低鉄損化を図ることができる第1曲げコア35及び第2曲げコア39を同時に製造することができる。
次に、第3実施形態に係る三相同期モータについて図7及び図8に基づいて説明する。尚、上記第2実施形態に係る三相同期モータ31と同一符号は、上記第2実施形態に係る三相同期モータ31と同一あるいは相当部分を示すものである。
この第3実施形態に係る三相同期モータの全体構成は、第2実施形態に係る三相同期モータ31の全体構成とほぼ同じ構成である。但し、各ティース部5の軸方向上下端面部に固着される各第1曲げコアの構成が上記第2実施形態に係る三相同期モータ31と異なっている。
先ず、第3実施形態に係る三相同期モータの概略構成について図7に基づき説明する。
図7に示すように、第3実施形態に係る三相同期モータ61は、固定子62と回転子63とこれらを収納する不図示のケースとから構成されている。
固定子62は、上記第2実施形態に係る固定子32とほぼ同じ構成であるが、各ティース部5の軸方向上下端面部には、上記第2実施形態に係る第1曲げコア35と同様に方向性電磁鋼板18により作製された24個の断面略コの字形の第1曲げコア65が、折曲先端部を半径方向内側向きして積層・固着されている。この各第1曲げコア65の周方向幅寸法は、ティース部5の周方向幅寸法にほぼ等しく形成されている。また、この各第1曲げコア65の各折曲先端面は、各ティース部5の内周面と同一面上に配置されている。また、各第1曲げコア65は、各ティース部5の基端部より断面略コの字形に半径方向内側向きに折り曲げられ、この各第1曲げコア65のティース部5への固着側に相対する他方の折曲部の外周部に巻装される各樹脂製ボビン66に各曲げコア部コイル37A、37B、37Cが、各ティース部5毎に順番に巻回されている。また、各ティース部5の周方向両側面及びこのティース部5の上下端面部に固着される各第1曲げコア65の内側面に巻装される樹脂製ボビン9に各固定子コイル8A、8B、8Cが順番に巻回されている。
また、回転子63は、上記第2実施形態に係る回転子33とほぼ同じ構成で、各ロータティース部11の軸方向上下端面部には、上記第2実施形態に係る第2曲げコア39と同様に方向性電磁鋼板18により作製された16個の断面略コの字形の第2曲げコア68が、折曲先端部を半径方向外側向きにして固着されている。この各第2曲げコア68の周方向幅寸法は、ロータティース部11の周方向幅寸法にほぼ等しく形成されている。また、各第2曲げコア68の各折曲先端面は、各ロータティース部11の内周面と同一面上に配置されると共に、各第2曲げコア68は各ロータティース部11の基端部で略コの字形に半径方向外側向きに折り曲げられている。
次に、三相同期モータ61の固定子62製造方法について図8に基づいて説明する。尚、三相同期モータ61の製造方法は、第2実施形態に係る三相同期モータ31の製造方法とほぼ同じであるが、後述のように各曲げコア部コイル37A〜37Cを第1曲げコア65のティース部5への固着側に相対する他方の折曲部の外周部にボビン66を介して巻回している点で異なっている。
ここで、ステータ6の作製工程(第1工程)とロータ12の作製工程(第2工程)とは、上記第2実施形態に係る各作製工程とほぼ同じ製造方法である。
(第3工程)
また、上記第2実施形態に係る芯部材41に替えて長辺部の長さ寸法が、ティース部5の半径方向の長さ寸法とロータティース部11の半径方向の長さ寸法との合計寸法にほぼ等しい寸法に形成された断面四角形の芯部材に長尺状の方向性電磁鋼板18を所定回数巻きつけて巻きコア部材を作製する。
(第4工程)
そして、この巻きコア部材の内側貫通孔の長辺部を一方の短辺部からロータティース部11の半径方向の長さ寸法にほぼ等しくなる切断位置で巻方向に対して略垂直に切断して、第1曲げコア65と第2曲げコア68とに分割形成する。
そして、図8(A)に示すように、各第1曲げコア65の一方の折曲部に樹脂製ボビン66を嵌挿して、巻装・固着する。そして、このボビン66に各曲げコア部コイル37A〜37Cを巻回する。これにより、各曲げコア部コイル37A〜37Cを巻回した第1曲げコア65及び第2曲げコア68が作製される。
(第5工程)
そして、図8に示すように、三相同期モータ61の固定子62は、先ず、ステータ6の各ティース部5の軸方向上下端面部に、各曲げコア部コイル37A〜37Cが巻回された第1曲げコア65を該各曲げコア部コイル37A〜37Cが軸方向外側に位置し、且つ各第1曲げコア65の切断面が半径方向内側を向くように積層し、プリプレグ(ガラス繊維状接着シート)45で巻回後所定温度に加熱してこのプリプレグ45を溶融して積層・固着する。
(第6工程)
また、三相同期モータ61の回転子63は、上記第2実施形態に係る回転子33と同様に作製され、ロータ12の各ロータティース部11の軸方向上下端面部に各第2曲げコア68を切断面が半径方向外側を向くように積層し、プリプレグ(ガラス繊維状接着シート)46で巻回後所定温度に加熱してこのプリプレグ46を溶融して積層・固着することにより作製される。
(第7工程)
そして、図8(B)に示すように、各固定子コイル8A〜8Cの巻回されるボビン9をステータ6の各ティース部5とこのティース部5に積層・接着される各第1曲げコア65の内側面に半径方向内側から挿入して装着する。これにより、固定子62が形成される。
次に、上記製造方法により作製された三相同期モータ61の各固定子コイル8A〜8C及び各曲げコア部コイル37A〜37Cに順次通電して励磁した場合に形成される磁気回路について図7に基づいて説明する。
尚、図7には各固定子コイル8A及び各曲げコア部コイル37Aに通電して励磁した場合に、固定子62と回転子63に形成される磁気回路が示されているが、各固定子コイル8B、8C及び各曲げコア部コイル37B、37Cにそれぞれ通電した場合にも固定子62と回転子63に同様な磁気回路が形成される。
図7に示すように、各固定子コイル8Aに通電することにより、この固定子コイル8Aが巻回される各ティース部5内に流れる(矢印71方向に流れる)磁束とこのティース部5に積層・固着される各第1曲げコア65の固着側内に半径方向に流れる(各矢印72方向に流れる)磁束が発生する。また、各曲げコア部コイル37Aに通電することにより、この曲げコア部コイル37Aが巻回される第1曲げコア65の折曲部内に半径方向内側に向かって流れる(各矢印73方向に流れる)磁束が発生する。
そして、無方向性電磁鋼板を複数枚積層して形成されるステータ6の各ティース部5内に発生した半径方向外側に流れる磁束は、各ティース部5の基端部で周方向に約90度曲げられてステータ6のヨーク部内を流れる。
続いて、ステータ6のヨーク部内を流れる磁束は、直交する位置の各固定子コイル8Aにより、該固定子コイル8Aが巻回されるティース部5の基端部で再度、約90度曲げられてこのティース部5内を半径方向内側に流れ、対向配置されるロータティース部11内を半径方向内側に流れる。そして、このロータティース部11内に発生した半径方向内側に流れる磁束は、各ロータティース部11の基端部で周方向に約90度曲げられて無方向性電磁鋼板を複数枚積層して形成されるロータ12内を流れる。そしてまた、ロータ12内を周方向に流れる磁束は、直交する位置の各ロータティース部11の基端部で再度、約90度曲げられてこのロータティース部11内を半径方向外側に流れ、対向配置されるティース部5内を半径方向外側に流れる。
これにより、図7(A)に示すように、無方向性電磁鋼板を複数枚、積層・固着して形成されるステータ6とロータ12内を流れる4つの磁気閉回路(図7(A)中、太実線で示す磁気閉回路)25が形成される。
また、図7(B)に示すように、固定子コイル8Aと各曲げコア部コイル37Aとの通電によって各ティース部5に積層・固着される各第1曲げコア65内に発生した磁束は、共に方向性電磁鋼板18を複数枚、積層して形成される各第1曲げコア65の磁化容易方向、即ち、曲げ方向に沿って流れる(図7(B)中、各矢印72、73方向に流れる)。そして、各第1曲げコア65を流れた磁束は、該各第1曲げコア65の軸方向外側の切断面まで流れて、対向配置される各第2曲げコア68内に流れ込む。そして、この第2曲げコア68内に流れ込んだ磁束は、方向性電磁鋼板18を複数枚、積層して形成される第2曲げコア68の磁化容易方向、即ち、曲げ方向に沿って流れ(各矢印74、75、76方向に流れ)、第2曲げコア68の固着側の切断面まで流れて、対向配置される各第1曲げコア65の固着側切断面に流れる。
一方、固定子コイル8Aへの通電によって各ティース部5に積層・固着される各第1曲げコア65の固着側内に発生した磁束が、半径方向内側に流れる場合には、該固定子コイル8Aが巻回される各第1曲げコア65に巻回された各曲げコア部コイル37Aは、この曲げコア部コイル37Aが巻回される第1曲げコア65の折曲部内に半径方向外側に向かって流れる磁束が発生するように通電される。そして、固定子コイル8Aと各曲げコア部コイル37Aとの通電によって各第1曲げコア65内に発生した磁束は、共に図7(B)に示す磁束の流れと反対方向に(図7(B)中、各矢印72〜76方向と反対方向に)流れる。
これにより、図7に示すように、各ティース部5とロータティース部11の軸方向上下端面部に積層・固着されて、対向配置される各第1曲げコア65と第2曲げコア68内を流れる8個の磁気閉回路(図7(A)中、破線で示す磁気閉回路)78が形成される。
従って、第3実施形態に係る三相同期モータ61は、各固定子コイル8A〜8C及び各曲げコア部コイル37A〜37Cが順番に通電されて、各ティース部5とロータティース部11とが対向した場合には、対向配置される各第1曲げコア65と第2曲げコア68内には、各固定子コイル8A〜8C及び各曲げコア部コイル37A〜37Cの通電によって発生した磁束が共に流れて、該各第1曲げコア65と第2曲げコア68内を流れる磁束量を大幅に増大させることができ、各第1曲げコア65に対向配置される第2曲げコア68と協働して形成される磁路長の短い磁気閉回路78が形成される効果と相まって、低鉄損化を図ると共に、更なる高トルク化及び高効率化を図ることができる。
また、各第1曲げコア65及び第2曲げコア68は、曲げ方向に沿った磁化容易方向を有する方向性電磁鋼板18により形成されるため、各第1曲げコア65と第2曲げコア68とが無方向性電磁鋼板により構成されている場合よりも更なる低鉄損化を図ることができ、また、トルクの更なる向上を図ることができる。
また、各ティース部5の軸方向厚さ寸法を軸方向上下端面部に固着される各第1曲げコア65の軸方向厚さ寸法分ずつ短くしても、従来のティース部の磁路断面積と同一の磁路断面積を得ることができるため、各第1曲げコア65間のヨーク部を無くすことができ、三相同期モータ61の軽量化を図ることができる。また、各固定子コイル8A〜8Cが各ティース部5の両側面部と上下各第1曲げコア65の内側面に巻回されるため、この各固定子コイル8A〜8Cの軸方向の巻長さを左右側面部において、各第1曲げコア65の軸方向厚さ寸法分ずつ短くして巻回することができ、三相同期モータ61の軽量化を図ることができる。また、同様に、各ロータティース部11の軸方向厚さ寸法を軸方向上下端面部に固着される各第2曲げコア68の軸方向厚さ寸法分ずつ短くしても、従来のロータティース部の磁路断面積と同一の磁路断面積を得ることができるため、各第2曲げコア68間のロータ部を無くすことができ、三相同期モータ61の軽量化を図ることができる。
また、各第1曲げコア65の軸方向外側の折曲部の外周部に曲げコア部コイル37A〜37Cを巻回して、該各第1曲げコア65の折曲先端部を半径方向内側向きにティース部5の軸方向上下端面部に固着できるため、各第1曲げコア65の外径寸法の増加を防止して、三相同期モータ61の細径化を図りつつ、更なる高トルク化及び高効率化を図ることができる。
また、三相同期モータ61の各第1曲げコア65と第2曲げコア68とは、断面四角形の芯部材に長尺状の方向性電磁鋼板18を所定回数巻回後、この芯部材を取り除き、該方向性電磁鋼板18を固着して巻コア部材を形成した後、この巻コア部材を内側貫通孔の長辺方向の所定箇所で巻回方向に対して略垂直に切断することにより作製できるため、各第1曲げコア65と第2曲げコア68を容易に作製することができる。また、各第1曲げコア65に曲げコア部コイル37A〜37Cを予め巻回後、該第1曲げコア65を各ティース部5の軸方向の上下各端面部に、該各曲げコア部コイル37A〜37Cを軸方向外側に配置すると共に、各第1曲げコア65の切断面が半径方向内側へ向くように積層・固着し、その後、各固定子コイル8A〜8Cをティース部5の周方向両側面及び該ティース部5に積層・固着される各第1曲げコア7の内側面に巻装することによって固定子62を形成できるため、該固定子62を容易に製造することができると共に、組み立て作業の迅速化及び製造コストの削減化を図ることができる。また、巻きコア部材を所定切断位置で分割して第1曲げコア65を分割形成後、この第1曲げコア65の一方の折曲部の外周部に、ボビン66を巻装して各曲げコア部コイル37A〜37Cを巻回できるため、該折曲部に各曲げコア部コイル37A〜37Cを容易に巻回することができ、該各曲げコア部コイル37A〜37Cの巻回作業の迅速化及び製造コストの削減化を図ることができる。
また、各第2曲げコア68を各ロータティース部11の軸方向の上下各端面部に切断面が半径方向外側へ向くように積層・固着することにより回転子63を形成できるため、該回転子63を容易に製造することができる。更に、ステータ6とロータ12との製造に従来のステータとロータとを作製する製造設備を使用することが可能なため、製造コストの削減化を図ることができる。
更に、各第1曲げコア65と第2曲げコア68は、長手方向に磁化容易方向を有する長尺状の方向性電磁鋼板18により作製される巻きコア部材を所定切断位置で切断して形成されるため、曲げ方向に磁化容易方向を有して大きく低鉄損化を図ることができる第1曲げコア65及び第2曲げコア68を同時に製造することができる。
次に、第4実施形態に係る三相同期モータについて図9に基づいて説明する。尚、上記第3実施形態に係る三相同期モータ61と同一符号は、上記第3実施形態に係る三相同期モータ61と同一あるいは相当部分を示すものである。
この第4実施形態に係る三相同期モータの全体構成は、第3実施形態に係る三相同期モータ61の全体構成とほぼ同じ構成である。但し、後述のように各曲げコア部コイル37A〜37Cを各第1曲げコア65に装着する組立工程が異なっている。ここで、第4実施形態に係る三相同期モータの各曲げコア部コイル37A〜37Cを各第1曲げコア65に装着する組立工程について図9に基づき説明する。
図9(A)に示すように、第4実施形態に係る三相同期モータ81の固定子62の組立工程は、先ず、各ティース部5の軸方向上下端面部に24個の断面略コの字形の第1曲げコア65が、折曲先端部を半径方向内側向きして積層され、プリプレグ45によって固着される(第5工程)。
続いて、各固定子コイル8A〜8Cの巻回されるボビン9をステータ6の各ティース部5とこのティース部5に積層・接着される各第1曲げコア65の内側面に半径方向内側から挿入して装着する(第7工程)。
そして、各第1曲げコア65のティース部5に積層される一方の折曲部に相対する他方の折曲部、即ち軸方向外側の各折曲部に、予め樹脂製ボビン66に巻回される各曲げコア部コイル37A〜37Cを半径方向内側から挿入して装着する(第8工程)。これにより、固定子62が形成される(図9(B)参照)。
従って、第4実施形態に係る三相同期モータ81は、上記第3実施形態に係る三相同期モータ61の効果に加えて、更に、ティース部5の軸方向上下各端面部に各第1曲げコア65を積層・固着後、該各第1曲げコア65のティース部5に積層される一方の折曲部に相対する他方の折曲部の外周部に各曲げコア部コイル37A〜37Cを巻回するため、各第1曲げコア65の取付位置精度の向上を図ることができると共に、この第1曲げコア65をティース部5に積層・固着する際に、曲げコア部コイル37A〜37Cを切断したり、被覆を剥ぐ虞が無く、信頼性の向上及び製造品質の向上を図ることができる。
尚、本発明は前記第1実施形態乃至第4実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
(A)前記第1実施形態乃至第4実施形態では、ステータ6とロータ12とは無方向性電磁鋼板を略円環状に打ち抜いて複数枚、積層・固着して作製したが、該ステータ6とロータ12とを図10に示すように構成してもよい。尚、上記第1実施形態乃至第4実施形態に係る各三相同期モータ1、31、61、81と同一符号は、上記第1実施形態乃至第4実施形態に係る各三相同期モータ1、31、61、81と同一あるいは相当部分を示すものである。
図10(A)に示すように、ロータ12は、周方向ロータティース部11を含む部分ごとに分割された8個のロータ片91を、該ロータ片91の一側の分割面の略中央部に突き出して形成される凸部91Aを隣接するロータ片91の他側の分割面の略中央部に形成される溝部91Bに嵌入させることによって、周方向に連結接続して一枚分を形成し(第2電磁鋼板として機能する。)、これを複数枚積層し、溶接やカシメ等により固定したものである。そして、このロータ12に回転軸13が圧入されて固定される。また、この各ロータ片91は、図10(A)に矢印で示したように半径方向と周方向に磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板により形成されている。
また、図10(B)に示すように、ステータ6は、周方向ティース部5を含む部分ごとに分割された12個のステータ片92を、該ステータ片92の一側の分割面の略中央部に突き出して形成される凸部92Aを隣接するステータ片92の他側の分割面の略中央部に形成される溝部92Bに嵌入させることによって、周方向に連結接続して一枚分を形成し(第1電磁鋼板として機能する。)、これを複数枚積層し、溶接やカシメ等により固定したものである。また、この各ステータ片92は、図10(B)に矢印で示したように半径方向と周方向に磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板により形成されている。
従って、上記第1実施形態乃至第4実施形態に係る各三相同期モータ1、31、61、81の効果に加えて、ロータ12とステータ6とが、半径方向と周方向に磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板で形成されているため、このロータ12とステータ6との低鉄損化を図ることができ、効率の更なる向上を図ることができる。また、2方向性電磁鋼板の磁化容易方向を半径方向と周方向に合わせて各ロータ片91とステータ片92とを打ち抜いて形成することができるため、材料取りの歩留まりの向上や型コストの低減化を図ることができる。
(B)前記第1実施形態乃至第4実施形態では、ステータ6とロータ12とは無方向性電磁鋼板を略円環状に打ち抜いて複数枚、積層・固着して作製したが、該ステータ6とロータ12とを図11に示すように構成してもよい。尚、上記第1実施形態乃至第4実施形態に係る各三相同期モータ1、31、61、81と同一符号は、上記第1実施形態乃至第4実施形態に係る各三相同期モータ1、31、61、81と同一あるいは相当部分を示すものである。
図11(A)に示すように、ロータ12は、周方向ロータティース部11で半径方向に分割された8個のロータ片95を、該ロータ片95のロータティース部11での一側の分割面を、隣接するロータ片95のロータティース部11での他側の分割面に当接させて、周方向に連結接続して一枚分を形成し(第2電磁鋼板として機能する。)、これを複数枚積層したものである。そして、各ロータティース部11の軸方向上下端面部に各第2曲げコア15、35、68を切断面が半径方向外側を向くように積層し、各プリプレグ(ガラス繊維状接着シート)23、46で巻回後所定温度に加熱してこの各プリプレグ23、46を溶融して接着する(図3(C)、図6(A)参照)。これにより、ロータ12が形成される。そして、このロータ12に回転軸13が圧入されて固定される。また、この各ロータ片95は、図11(A)に矢印で示したように半径方向と周方向に磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板により形成されている。
また、図11(B)に示すように、ステータ6は、周方向ティース部5で半径方向に分割された12個のステータ片96を、該ステータ片96のティース部5での一側の分割面を、隣接するステータ片96のティース部5での他側の分割面に当接させて、周方向に連結接続して一枚分を形成し(第1電磁鋼板として機能する。)、これを複数枚積層したものである。そして、各ティース部5の軸方向上下端面部に各第1曲げコア7、35、65を切断面が半径方向内側を向くように積層し、各プリプレグ(ガラス繊維状接着シート)22、45で巻回後所定温度に加熱してこの各プリプレグ22、45を溶融して接着する(図3(C)、図6(A)参照)。これにより、ステータ6が形成されると共に、このステータ6の各ティース部5の軸方向上下端面部に各第1曲げコア7、35、65を取り付けることができる。また、この各ステータ片96は、図11(B)に矢印で示したように半径方向と周方向に磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板により形成されている。
従って、第1実施形態乃至第4実施形態の各三相同期モータ1、31、61、81の効果に加えて、ロータ12とステータ6とが、半径方向と周方向に磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板で形成されているため、このロータ12とステータ6との低鉄損化を図ることができ、効率の更なる向上を図ることができる。また、2方向性電磁鋼板の磁化容易方向を半径方向と周方向に合わせて各ロータ片95とステータ片96とを打ち抜いて形成することができるため、材料取りの歩留まりの向上や型コストの低減化を図ることができる。また、各ロータ片95の積層・固着と、各ロータティース部11の軸方向上下端面部への各第2曲げコア15、35、68の積層・接着とを同時にできるため、組立作業の効率化を図ることができる。更に、各ステータ片96の積層・固着と、各ティース部5の軸方向上下端面部への各第1曲げコア7、35、65の積層・接着とを同時にできるため、組立作業の更なる効率化を図ることができる。
(C)前記第1実施形態乃至第4実施形態では、長尺状の方向性電磁鋼板18を各芯部材17、41等に所定回数巻回して各巻コア部材19、42等を作製後、所定箇所で切断して各第1曲げコア7、35、65と各第2曲げコア15、39、68とを作製したが、この方向性電磁鋼板18を所定長さで複数枚切断後、それぞれを断面略コの字形に折り曲げ、厚さ方向に積層・固着して各第1曲げコア7、35、65と各第2曲げコア15、39、68とを作製してもよい。これにより、全てプレス工程で作製することができ、部品精度の高精度化を図ることができる。
(D)前記第1実施形態乃至第4実施形態では、長尺状の方向性電磁鋼板18を各芯部材17、41等に所定回数巻回して各巻コア部材19、42等を作製後、所定箇所で切断して各第1曲げコア7、35、65と各第2曲げコア15、39、68とを作製したが、各芯部材17、41等の長辺部の長さ寸法を、各第1曲げコア7、35、65の内側の長さ寸法の2倍の長さ寸法、又は各第2曲げコア15、39、68の内側の長さ寸法の2倍の長さ寸法にして、各巻コア部材19、42等の内側貫通孔の長辺部の中央位置で切断分割して、各第1曲げコア7、35、65又は各第2曲げコア15、39、68を一度に2個ずつ作製するようにしてもよい。これにより、各第1曲げコア7、35、65と各第2曲げコア15、39、68との作製個数を個別に変更することができ、部品余りを防止することができる。
(E)前記第1実施形態乃至第4実施形態では、各第1曲げコア7、35、65又は各第2曲げコア15、39、68は、方向性電磁鋼板18で形成したが、長尺状の無方向性電磁鋼板で形成してもよい。これにより、三相同期モータの軽量化を図ると共に、効率の向上及び製造コストの削減化を図ることができる。
(F)前記第1実施形態では、第1曲げコア7又は第2曲げコア15は、断面略横U字形であったが、断面略横コの字形など任意の形状でもよい。また、前記第3実施形態及び第4実施形態では、第1曲げコア65又は第2曲げコア68は、断面略コの字形であったが、断面略横U字形など任意の形状でもよい。
第1実施形態に係る三相同期モータの概略構成及び1相励磁の場合に形成される磁気回路の一例を示す図で、(A)は平面図、(B)は断面図である。 図1の固定子側の磁気回路を示す要部拡大斜視図である。 第1実施形態に係る三相同期モータの製造方法を模式的に示す図で、(A)はステータとロータの作製工程を示す図、(B1)〜(B3)は第1曲げコア及び第2曲げコアの作製工程を示す図、(C)は第1曲げコアと第2曲げコアの取り付け工程を示す図、(D)は固定子コイルの装着工程を示す図である。 第2実施形態に係る三相同期モータの概略構成及び1相励磁の場合に形成される磁気回路の一例を示す図で、(A)は平面図、(B)は断面図である。 第2実施形態に係る三相同期モータの曲げコア部コイルを巻回した第1曲げコアと第2曲げコアとの製造方法を模式的に示す図である。 第2実施形態に係る三相同期モータの固定子と回転子との製造方法を模式的に示す図で、(A)は第1曲げコアと第2曲げコアの取り付け工程を示す図、(B)は固定子コイルの装着工程を示す図である。 第3実施形態に係る三相同期モータの概略構成及び1相励磁の場合に形成される磁気回路の一例を示す図で、(A)は平面図、(B)は断面図である。 第3実施形態に係る三相同期モータの固定子の製造方法を模式的に示す図で、(A)は第1曲げコアと固定子コイルの取り付け工程を示す図、(B)は固定子を示す断面図である。 第4実施形態に係る三相同期モータの固定子の製造方法を模式的に示す図で、(A)は第1曲げコアと固定子コイルの取り付け工程を示す図、(B)は固定子を示す断面図である。 他の実施形態に係る三相同期モータのロータとステータの概略構成を示す図で、(A)はロータの平面図、(B)はステータの平面図である。 他の実施形態に係る三相同期モータのロータとステータの概略構成を示す図で、(A)はロータの平面図、(B)はステータの平面図である。
符号の説明
1、31、61、81 三相同期モータ、 2、32、62 固定子
3、33、63 回転子、 5 ティース部、 6 ステータ、
7、35、65 第1曲げコア、 8A、8B、8C 固定子コイル
9、36、66 ボビン、 11 ロータティース部、 12 ロータ
13 回転軸、 15、39、68 第2曲げコア、 17、41 芯部材
18 方向性電磁鋼板、 19、42 巻コア部材
22、23、45、46 プリプレグ、 25、26、59、78 磁気閉回路
31、35 ロータ片、 32、36 ステータ片

Claims (16)

  1. 固定子コイルが巻回される複数のティース部が内周部に設けられたステータと、複数のロータティース部が外周部に設けられたロータと、を備えた同期電動機において、
    略長方形の電磁鋼板を内側対向面間に所定間隔を形成するように長手方向に折り曲げると共に、この電磁鋼板を複数枚、厚さ方向に積層・固着して形成され、前記各ティース部の軸方向の上下各端面部に折曲先端部が半径方向内側に向くように固着される第1曲げコアと、
    略長方形の電磁鋼板が内側対向面間に所定間隔を形成するように長手方向に折り曲げられると共に、この電磁鋼板が複数枚、厚さ方向に積層・固着して形成され、前記各ロータティース部の軸方向の上下各端面部に折曲先端部が半径方向外側に向くように固着される第2曲げコアと、を備え、
    前記固定子コイルは、前記ティース部の周方向両側面及び該ティース部の上下各端面部に固着される前記各第1曲げコアの内側面に巻回され、
    前記ティース部とロータティース部とが対向した場合には、該ティース部に固着される各第1曲げコアの折曲先端部と該ロータティース部に固着される各第2曲げコアの折曲先端部とが対向配置され、該第1曲げコアとこの第1曲げコアに対向配置される第2曲げコアとによって磁気閉回路が形成されることを特徴とする同期電動機。
  2. 前記第1曲げコアは、ティース部に積層されない所定外周部に巻回される曲げコア部コイルを有することを特徴とする請求項1に記載の同期電動機。
  3. 前記所定外周部は、前記第1曲げコアの折曲後端部の外周部を含むことを特徴とする請求項2に記載の同期電動機。
  4. 前記第1曲げコア及び第2曲げコアは、曲げ方向に沿った磁化容易方向を有する方向性電磁鋼板により形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の同期電動機。
  5. 前記ステータは、周方向ティース部を含む部分ごとに分割される電磁鋼板が複数枚厚さ方向に積層・固定されて形成され、前記電磁鋼板は、半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板で形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の同期電動機。
  6. 前記ステータは、周方向各ティース部で分割される電磁鋼板が複数枚厚さ方向に積層・固定されて形成され、前記電磁鋼板は、半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板で形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の同期電動機。
  7. 前記ロータは、周方向ロータティース部を含む部分ごとに分割される電磁鋼板が複数枚厚さ方向に積層・固定されて形成され、前記電磁鋼板は、半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板で形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の同期電動機。
  8. 前記ロータは、周方向各ロータティース部で分割される電磁鋼板が複数枚厚さ方向に積層・固定されて形成され、前記電磁鋼板は、半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板で形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の同期電動機。
  9. 固定子コイルが巻回される複数のティース部が内周部に設けられたステータと、複数のロータティース部が外周部に設けられたロータと、を備えた同期電動機の製造方法において、
    少なくとも、複数のティースが内周部に設けられた第1電磁鋼板を複数枚厚さ方向に積層・固着して前記ステータを形成する第1工程と、
    複数のロータティースが外周部に設けられた第2電磁鋼板を複数枚厚さ方向に積層・固着して前記ロータを形成する第2工程と、
    断面略長四角形の芯部材に長尺状の第3電磁鋼板を所定回数巻回後、前記芯部材を取り除き該第3電磁鋼板を固着して巻コア部材を形成する第3工程と、
    前記巻コア部材を長辺方向の所定箇所で巻回方向に対して略垂直に切断して、第1曲げコアと第2曲げコアとに分割形成する第4工程と、
    前記第1曲げコアを前記各ティース部の軸方向の上下各端面部に切断面が半径方向内側へ向くように積層・固着する第5工程と、
    前記第2曲げコアを前記各ロータティース部の軸方向の上下各端面部に切断面が半径方向外側へ向くように積層・固着する第6工程と、
    前記固定子コイルを前記ティース部の周方向両側面及び該ティース部に積層・固着される各第1曲げコアの内側面に巻回する第7工程と、からなることを特徴とする同期電動機の製造方法。
  10. 前記第4工程は、分割形成された前記第1曲げコアのティース部に積層されない所定外周部に曲げコア部コイルを巻回する工程を含むことを特徴とする請求項9に記載の同期電動機の製造方法。
  11. 前記所定外周部は、前記第1曲げコアの折曲後端部の外周部を含むことを特徴とする請求項10に記載の同期電動機の製造方法。
  12. 前記第1工程は、周方向各ティースを含む部分ごとに分割された半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板を複数枚、周方向に連結接続して前記第1電磁鋼板を形成する工程を含むことを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれかに記載の同期電動機の製造方法。
  13. 前記第1工程は、周方向各ティースで分割された半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板を複数枚、周方向に連結接続して前記第1電磁鋼板を形成する工程を含むことを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれかに記載の同期電動機の製造方法。
  14. 前記第2工程は、周方向ロータティースを含む部分ごとに分割された半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板を複数枚、周方向に連結接続して前記第2電磁鋼板を形成する工程を含むことを特徴とする請求項9乃至請求項13のいずれかに記載の同期電動機の製造方法。
  15. 前記第2工程は、周方向ロータティースで分割された半径方向と周方向とに磁化容易方向を有する2方向性電磁鋼板を複数枚、周方向に連結接続して前記第2電磁鋼板を形成する工程を含むことを特徴とする請求項9乃至請求項13のいずれかに記載の同期電動機の製造方法。
  16. 前記第3工程は、前記第3電磁鋼板を長手方向に磁化容易方向を有する長尺状の方向性電磁鋼板により形成することを特徴とする請求項9乃至請求項15のいずれかに記載の同期電動機の製造方法。
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