JP2005501906A - 液状安息香酸エステル組成物および可塑剤として当該エステルを含有する水性ポリマー組成物 - Google Patents
液状安息香酸エステル組成物および可塑剤として当該エステルを含有する水性ポリマー組成物 Download PDFInfo
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、液状エステル組成物に関する。より詳細には、本発明はジアルキレングリコールと安息香酸もしくは置換安息香酸から誘導されるジエステル、および少なくとも1種のジアルキレングリコールもしくは他の二価アルコールと前記の酸から誘導されるモノエステルを含有する混合物に関する。本発明の組成物におけるモノエステルのジエステルに対する重量比は、その組成物が28℃で液体になるに十分な重量比である。本発明におけるジエステルはすべてこの温度で固体である。
【0002】
本発明の液状エステル組成物は、接着剤として有用な水性ポリマー組成物に特に適した可塑剤である。
【背景技術】
【0003】
本出願は、2001年8月30日提出の米国特許出願第09/945,493号の一部継続出願である。
【0004】
安息香酸とジエチレングリコールやジプロピレングリコールなどのジアルキレングリコールから誘導されるモノ−およびジエステルは公知の化合物である。従来技術には、水性ポリマー組成物用の可塑剤として、これらのジエステルを単独で、およびそれに対応するモノエステルの限定された量と組み合わせて使用することが記載されている。後者の例としては、ラテックスコーキング剤として有用な可塑化した水性ポリマー組成物が開示されている(特許文献1参照)。これら組成物中の主要可塑剤は、安息香酸とジエチレングリコールおよび/またはジプロピレングリコールから誘導されるジエステルである。ジオールの水酸基は両方ともエステル化されている。
【0005】
可塑剤としてジエチレン−およびまたはジプロピレングリコールのジ安息香酸エステルを含有する水性ポリマー組成物から形成されるコーキングの欠点は、前記ポリマー組成物と可塑剤としてフタル酸ブチルベンジルなど、フタル酸のジエステルを使用して調製したコーキングに比べると菌類の攻撃を非常に受けやすいことである(特許文献1参照)。
【0006】
グリコール類のモノエステルは応用分野によっては効果的な可塑剤とは考えられないが、ジエチレングリコール(DEG)および/またはジプロピレングリコール(DPG)のモノ安息香酸エステルを比較的低濃度で主要可塑剤としての対応するジ安息香酸エステルと組み合わせると、ポリマー組成物の加工性に対しいかなる実質的悪影響も与えることなしに、コーキングの示す耐菌性が、ジ安息香酸エステル可塑剤の単独によって示される耐菌性に比較して十分向上することが開示されている(特許文献1参照)。
【0007】
本特許出願を通して、対応するジ安息香酸エステルを含有するブレンド物中の、グリコールすなわちジオールのモノ安息香酸エステルの濃度を「水酸基価」の用語で表す。「水酸基価」の単位は試料グラム当たりの水酸化カリウムのミリグラム数であることは当業者の承知するところである。「水酸基価」と、モノ安息香酸エステル/ジ安息香酸エステルブレンド物中のモノ安息香酸の相対濃度との関係は、本明細書の次の節でより詳細に説明する。
【0008】
ジエチレングリコールのモノ−およびジ安息香酸エステル混合物の示す水酸基価は、12.1から58.4の範囲であることが開示されている(特許文献1参照)。この値は、混合物中のジエチレングリコールモノ安息香酸エステル濃度が4から18重量パーセントであることに相当する。
【0009】
当業者が承知しているように、効果を発揮するためには、非水溶性の可塑剤が、ポリマーの水性エマルジョン中に存在するそのポリマー粒子に吸収されなければならない。この吸収によって、一般にはポリマー組成物の粘度が上昇する。可塑剤の水酸基価の増加、すなわちそれと等価であるモノ安息香酸エステル/ジ安息香酸エステルブレンド物中のモノ安息香酸エステルの濃度が増加するにつれて、可塑剤濃度の増加に伴う粘度上昇がかなり小さくなるというデータが開示されている(特許文献1の表6参照)。したがって、高分子化学に係わる当業者であればこれらのデータから、ジエチレンおよびジプロピレングリコールのモノ安息香酸エステルは本特許出願に記載する水性ポリマー組成物に対して有効な可塑剤ではないと結論づけて、目的とする製品に対する耐菌性の向上が要求されない限り、水性ポリマー組成物用の可塑剤としてこれらのモノ安息香酸エステルを採用することはないであろう。
【0010】
特許にはポリ塩化ビニル用の可塑剤として2,2,4−トリメチル−1,4−ペンタンジオールのモノ安息香酸エステルを使用することが記載されている(特許文献2参照)。ポリ塩化ビニルは溶融した材料として加工されるので、水性ポリマー分散液の粘度または加工性に対する可塑剤のなんらかの悪影響については考慮する必要がない。可塑剤の融点に対する唯一の基準は、その融点がポリ塩化ビニルの融点より低いことである。
【0011】
DEGおよびトリエチレングリコールのジ安息香酸エステルを含有する混合物が開示されている(特許文献3参照)。これらのブレンド物は、成分であるジエステルのいずれの凝固点よりも低い共融融点を示す。しかしこの開示では、必要なまたは任意選択の可塑剤としてのこれらグリコールのモノ安息香酸エステルは、開示も、提案もされていない。
【0012】
【特許文献1】
米国特許第5,676,742号(1997年10月14日、William Arendtに発行)
【特許文献2】
米国特許第5,006,585号(1991年4月9日、DiBellaに発行)
【特許文献3】
米国特許第5,990,214号(1999年11月23日、Arendtらに発行)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、予想外の以下の発見に基づくものである。
【0014】
1.特定部類のジオールおよびグリコールのモノ安息香酸エステルを、28℃で固体である、これらのジオールおよびグリコールのジ安息香酸エステルに対して、少なくとも約20重量パーセント添加すると、この温度において液体である混合物が生じる。液体は輸送およびブレンドがより簡単なので、液体可塑剤は、固体可塑剤と比べると有利である。可塑剤が液体であると、可塑剤をポリマー組成物全体へ均一に分布させ、かつ可塑剤を乳化ポリマー粒子に吸収させるための、可塑剤の添加中またはその後の水性ポリマー組成物の加熱が不要になる。
【0015】
2.モノ安息香酸エステル濃度の増大に伴って可塑剤の効力が低下することが明らかになっている(特許文献1参照)が、モノ安息香酸エステルの濃度を本特許出願に示す限界を超えて増加させると効力の低下は観察されない。好ましい組成物は、単独可塑剤としてジエチレングリコールのジ安息香酸エステルを使用して達成される粘度増加と少なくとも同等の粘度増加を示す。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、式、HXC(O)R1で表される少なくとも1種のモノエステル、および式、R1(O)CYC(O)R1で表される少なくとも1種のジエステルを含む液状エステル組成物であって、
式中、
XおよびYは−[OCH2CH2]nO、および−OR2O−からなる群から独立に選択され、前記のジエステルは28℃で固体であり、R1はフェニルまたは置換フェニルであり、R2は3または4個の炭素原子を含む直鎖アルキレン、−CH2CH(CH3)CH2−、および−CH2C(CH3)2CH2−からなる群から選択され、nは1、2または3であり、かつ、28℃で液体である液状エステル組成物を提供する。
【0017】
液状組成物を形成するのに必要なモノ安息香酸エステルの濃度は、典型的にはモノ−/ジ安息香酸エステル混合物の少なくとも約20重量パーセントである。本発明の組成物には、本発明のモノ安息香酸エステルを最大99重量パーセントまで含めることができる。
【0018】
また本発明は、ポリマーが、1)これに限定はされるものではないがポリ酢酸ビニル、および該エステルとエチレンなどの少なくとも1種のオレフィンとのコポリマーを含む重合化ビニルエステル類、および2)エチレンおよびスチレンなどのオレフィン類とのコポリマーを含む、アクリル酸およびメタクリル酸などのエチレン性不飽和カルボン酸の重合化エステル類、および3)ポリエステルおよびポリアミドなどの縮合ポリマー類、からなる群から選択される可塑化ポリマー組成物を提供する。該可塑剤は本発明の液状安息香酸エステル組成物を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
ジ安息香酸エステル成分
本発明の液状エステル組成物中に存在するジ安息香酸エステルには、
(1)該エステルが式R1(O)C[OCH2CH2]nOC(O)R1で表される、エチレングリコール、ジエチレングリコールまたはトリエチレングルコールのジ安息香酸エステル、および/または、
(2)該エステルが式R1(O)COR2OC(O)R1で表される特定ジオールのジ安息香酸エステル、が含まれる。ジオールからそのモノ−および/またはジ安息香酸エステルを誘導する場合には、そのジオールは、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、およびネオペンチルグリコール(2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール)の少なくとも1種でよい。
【0020】
モノ安息香酸エステル成分
本発明の組成物に使用するのに適したモノ安息香酸エステルは、一般式、H[OCH2CH2]nOC(O)R1およびHOR2OC(O)R1で表される。
【0021】
本発明のモノ−およびジ安息香酸エステルの一般式では、R1はフェニルまたは置換フェニルを表し、R2は3または4個の炭素原子を含む直鎖アルキレン基、−CH2CH(CH3)CH2−、および−CH2C(CH3)2CH2−からなる群から選択され、nは1、2または3である。
【0022】
本発明の組成物においては、ジ安息香酸エステルおよび少なくとも一部のモノ安息香酸エステルは、ジエチレングリコール(以後DEGと呼ぶ)または2−メチル−1,3−プロパンジオール(以後MPDと呼ぶ)から誘導されることが好ましい。本発明においては、他のモノ−およびジ安息香酸エステルが存在していてもよい。
【0023】
本発明のエステル組成物の調製
本発明の一実施形態では、ジエステルおよび少なくとも一部のモノエステルの双方が同一の二価アルコールから誘導される本発明のモノ−およびジエステルのブレンド物は、1)安息香酸、置換安息香酸、または対応する酸ハライド、および2)反応物として所望される二価アルコールを使用する従来からのエステル化反応を用いて調製できる。別法としては、安息香酸の代わりに安息香酸エステルを使用するエステル交換など、他の公知の反応を使用してジエステルを調製することができる。
【0024】
目的とする生成物に望まれるモノ安息香酸エステルのジ安息香酸エステルに対するモル比によって異なるが、初めの反応混合物中の酸または酸ハライドの二価アルコールに対するモル比は、典型的には1:1から約1.7:1であり、最初の酸のほとんどすべてが反応してしまうまで反応を継続する。
【0025】
本発明の組成物中のモノエステルの少なくとも1種が、ジエステルと同一の二価アルコールから誘導されたものではない場合には、そのモノエステルを別個に調製し、後でジエステルと混合する。
【0026】
生成混合物からモノエステルの少なくとも一部を、対応するジエステルと共に除去することを望む場合には、蒸留またはその他の精製法を用いて達成できることは、当業者にとって言うまでもない。
【0027】
本発明の組成物のモノ−およびジエステルを調製するのに適した安息香酸は、式中、Arが非置換または置換フェニル基である、一般式HO(O)CArで表すことができる。フェニル基に存在できる置換基には、それに限定はしないが、1から約4個の炭素原子を含むアルキル基およびハロゲン原子が含まれる。置換安息香酸の例には、それに限定されるものではないが、オルト−、メタ−、パラ−トルイル酸、および0−クロロ安息香酸などの各種ハロゲン化安息香酸が含まれる。
【0028】
本発明の組成物のジ安息香酸エステルおよびモノ安息香酸エステルの双方を調製するための反応原料としては非置換安息香酸が、その化合物のコストおよび入手可能性から好ましい。
【0029】
二価アルコール
本発明のエステル組成物を調製するのに適した二価アルコールには、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、およびネオペンチルグリコールが含まれる。これら二価アルコールのジ安息香酸エステルはすべて28℃以上で溶融する。
【0030】
液状組成物に対する最小モノ安息香酸エステル濃度
本発明におけるジ安息香酸エステルは、水性有機ポリマー組成物に対する有効な可塑剤であるが、周囲温度で処理される水性ポリマー組成物に対する単独可塑剤としてのこれらジ安息香酸エステルの欠点は、これらジエステルの融点が低いものでも28℃であることである。その可塑剤を周囲条件下で、輸送し、有機ポリマーとブレンドすることを希望する場合には、このことが問題になる。好ましいものである、ジエチレングリコール(DEG)および2−メチル−1,3−プロパンジオール(MPD)のジ安息香酸エステルは、それぞれ28℃および43℃で溶融する。本発明の、これらのまたは他の二価アルコールの対応するモノ安息香酸エステルは28℃未満で溶けるが、従来技術の示唆するところによれば(特許文献1参照)、アクリルおよび/またはビニルエステルポリマーを含む水性エマルジョンとこれらモノ安息香酸エステルの相溶性は対応するジ安息香酸エステルよりも低いと考えられるので、これらのモノ安息香酸エステルは対応するジ安息香酸エステルに比べると可塑剤としての有用性が低い。
【0031】
本発明は、本発明のジ安息香酸エステル/モノ安息香酸エステル混合物が周囲温度で液体であるのみならず、多くの場合、多くの水性エマルジョンに対して対応するジ安息香酸エステルを単独で使用したのと同等に有効な可塑剤であるという発見に基づくものである。それゆえ、本発明エステル組成物の最大99パーセントまでを選択したモノ安息香酸エステルで構成できる。
【0032】
可塑剤としての安息香酸エステルに関する従来技術には、対応するジ安息香酸エステルとの28℃で液体であるブレンド物を得るのに必要なモノ安息香酸エステルの濃度、およびこれらのブレンド物の水性ポリマー組成物に対する可塑剤としての効力についての示唆はない。
【0033】
モノ安息香酸エステルがジエチレングリコール(DEG)モノ安息香酸エステルである場合、12℃で液体であるブレンド物を得るために必要とされる、DEGジ安息香酸エステルとのブレンド物中におけるモノ安息香酸エステルの最小濃度は、約34重量パーセントである。純DEGモノ安息香酸エステルは264の水酸基価を示し、融点は−25℃未満である。
【0034】
二価アルコールのモノ−およびジ安息香酸エステルを含む混合物中のモノ安息香酸エステルの相対濃度を判定する方法には、ガス/液体クロマトグラフィーおよび混合物の水酸基価測定が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0035】
化合物または混合物の水酸基価を測定する方法は、ASTM試験法E222 B法に記載されている。
【0036】
例えば、純DEGジ安息香酸エステルは未反応の水酸基を含んでおらず、その結果、水酸基価は0である。個々のモノ安息香酸エステル/ジ安息香酸エステルブレンド物の水酸基価を知ることによって、ブレンド物中のモノ安息香酸エステルの相対濃度を容易に計算、または個々のエステル対に対する水酸基価−モノ安息香酸エステル重量パーセント曲線から求めることができる。
【0037】
特許に例示されている、DEGモノ安息香酸エステル/ジ安息香酸エステルブレンド物の水酸基価は12.1から58.4の範囲である(特許文献1参照)。この数字は、ブレンド物中のDEGモノ安息香酸エステル濃度が約4から約18重量パーセントであることに相当する。
【0038】
任意選択のエステル成分
これまで述べてきたモノ安息香酸エステル/ジ安息香酸エステルに加えて、本発明のエステル組成物に、ジプロピレングリコール(DPG)ジ安息香酸エステルの単独、またはDPGモノ−およびジ安息香酸エステルの混合物を最大70重量パーセントまで含有させ、エステル組成物の望ましい特性、特に凝固点降下を増すことができる。DPGジ安息香酸エステルは28℃で凝固する。DPGモノ−およびジ安息香酸エステルが存在すると、DEGモノ−およびジ安息香酸エステルを含有するブレンド物の凝固点も降下する。
【0039】
本発明可塑剤と使用するのに適したポリマー組成物
可塑剤としての本発明の液状エステル組成物と一緒に使用するのに適した水性ポリマー組成物の調製に使用される好ましいモノマー類には、1)酢酸ビニルなどのビニルエステル類および該エステルとエチレンなどのオレフィンとのコポリマー類、2)アクリル酸およびメタクリル酸などのエチレン性不飽和酸とモノ−または多価アルコールとから誘導されるエステル類、3)ポリエステルおよびポリアミドなどの縮合ポリマー類、ならびに4)エチレン性不飽和酸もしくはそのエステルとエチレンおよびスチレンなどのエチレン性不飽和炭化水素とから誘導されるコポリマー類が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
これらは25℃で液体なので、本発明の液状エステル組成物は水性ポリマー分散液またはエマルジョンと一緒に使用するのに特に適している。これらの水性ポリマー組成物は、各種の応用分野における、接着剤、コーキング剤、コーティング剤、インク、オーバープリントワニス、および床磨き剤を含む、多くの最終用途の分野で有用であるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
ポリマーの水性分散液およびエマルジョンに加え、本発明の液状エステル組成物は、ポリマーの有機溶媒(メタノールなど)溶液および溶融した材料として加工される固体を含む、その他の形態のポリマーと一緒に使用するのにも適しているが、これらに限定されるものではない。
【0042】
ポリマーの選択は、少なくとも部分的にはポリマー組成物の目的とする最終用途によって決められる。接着剤用には、酢酸ビニルなどのビニルエステルのポリマー、およびこれらエステルとエチレンなどのオレフィンとの、またはアクリル酸もしくはメタクリル酸のエステルとのコポリマーが好ましい材料である。
【0043】
対応する少量のモノ安息香酸エステルと組み合わせた、可塑剤としての、DEGおよびDPGのジ安息香酸エステルに関する特許には、コーキング剤として有用なアクリル酸ポリマーの水性分散液が開示されている。(特許文献1参照)。
【0044】
付随する実施例には、オープンタイム(接着可能時間)の増加など、所望特性の達成可能なレベルが向上することが示されている。オープンタイムとは、表面へ接着剤層を塗布した後の、その時間内であれば接着剤と接触して置かれた表面に接着剤層が接着するであろう最長時間として定義される。オープンタイムの増加は、典型的にはセットタイム(接着所要時間)の変更または減少なしに達成される。セットタイムとは、接着剤がその接着剤と接触している表面と接着するのに必要な最短時間として定義される。分散ポリマーを含有する接着剤に可塑剤を添加すると、一般には接着剤のセットタイムは変化しないか、あるいは減少する。
【実施例】
【0045】
以下の実施例に記載する組成物は本発明の好ましい実施形態の例を示したものであり、添付の特許請求の範囲で定義される本発明を限定するものではないと解釈すべきである。特記しない限り、部、およびパーセントはすべて重量基準であり、測定および分析はすべて周囲条件で実施した。
【0046】
(実施例1)
この実施例では、二価アルコールとしてジエチレングリコールを使用した本発明の安息香酸エステル混合物の調製について説明する。
【0047】
加熱手段、機械式攪拌機、水冷冷却器、およびエステル化反応の副生物として生成してくる凝縮水を捕集するためのトラップを具備した反応器内の、安息香酸、ジエチレングリコール、および触媒として混合物基準で0.25重量パーセントの炭酸ジルコニウムを含む混合物を、170から250℃の範囲内の温度で加熱した。調製で採用したジエチレングリコールの酸に対するモル比(BA:DEG比)を表1に示す。反応の副生物として形成される蒸発水を凝縮し、トラップを使用して反応混合物から除去した。
【0048】
エステル化反応の進行は、定期的に反応混合物の酸含量およびトラップに集まった凝縮水の容積を測定して監視した。安息香酸の濃度が約0.1重量パーセントの時点で反応を停止した。
【0049】
調製した目的エステル生成物の水酸基価を、この値に対応するジエチレングリコールモノ安息香酸エステル(DEGMB)の計算上の重量パーセント、および目的エステルの周囲温度(23〜25℃)での状態(液体または固体)と共に表1に記載した。
【0050】
【表1】
【0051】
以下の実施例で例示するエステル混合物は、ジエチレングリコールエステルの調製に使用したのと同様の上記の一般法を用いて調製した。
【0052】
(実施例2)
この実施例では、対応するモノ安息香酸エステルだけを含む、またはジプロピレングリコールのモノ安息香酸エステルを混合したジエチレングリコールジ安息香酸エステルのサンプル間での凝固開始温度の相違を明らかにする。
【0053】
エステル混合物の凝固開始温度は、15ml(4ドラム)のガラスビンに混合物のサンプルを10g入れて判定した。ガラスビンを16℃の温度に保持したウォーターバスに浸漬した。次いで、そのサンプルに4パーセントのDEGモノ安息香酸エステルを含有するDEGジ安息香酸エステルの粒子を接種した。接種したエステル混合物は28℃で固体である。次いでウォーターバスの温度を2℃ずつ下降させた。各回とも、ガラスビン内液の温度を安定させて24時間保持した後、バス温度を下げた。
【0054】
種粒子以外の結晶物質の兆候を最初に観察した時点での温度を凝固開始温度として記録した。
【0055】
実施例1に記載したのと同様にして調製され、95パーセントのジエチレングリコールジ安息香酸エステル(DEGジ安息香酸エステル)および4パーセントのジエチレングリコールモノ安息香酸エステル(DEGモノ安息香酸エステル)を含有するエステル化反応生成物を、A,B、およびCで識別される次のエステル組成物の1つと混合して試験サンプルを調製した。
【0056】
(A)5パーセントのDEGジ安息香酸エステルおよび94パーセントのDEGモノ安息香酸エステルを含有するエステル化反応生成物。表2に挙げたDEGモノ安息香酸エステルのすべての濃度を準備するにはAの量で十分であった。
【0057】
(B)エステル化反応生成物(A)および5パーセントのジプロピレングリコール(DPG)ジ安息香酸エステルと95パーセントのDPGモノ安息香酸エステルを含む、ジプロピレングリコール(DPG)と安息香酸のエステル化反応生成物を含有する3種の混合物。
【0058】
評価するすべてのエステル混合物(B)において、モノ安息香酸エステル全体での濃度は、名目上34重量パーセントであり、これらの混合物中のDPGモノ安息香酸エステルでモノ安息香酸エステル全体の10,20、または30パーセントを構成した。
【0059】
(C)エステル化反応の混合物(A)と93パーセントの2−メチル−1,3−プロパンジオール(MDP)モノ安息香酸エステルを含む、安息香酸とMPDのエステル化反応生成物との混合物。MDPモノ安息香酸エステルで表2に挙げたモノ安息香酸エステル全体の10パーセントを構成した。
【0060】
対照として4パーセントのDEGモノ安息香酸エステルを含有する反応生成物を使用した。
【0061】
各サンプルのモノ安息香酸エステル濃度およびそのサンプルの凝固開始温度を表2に示した。
【0062】
【表2】
【0063】
(実施例3)
実施例1に記載した方法を用い、2.1:1のモル比で安息香酸と2−メチル−1,3−プロパンジオール(MPD)とを反応させて、本質的にMPDのモノ−およびジ安息香酸エステルからなる混合物を調製した。この生成物には、94パーセントのMPDジ安息香酸エステルと2パーセントのMPDモノ安息香酸エステルが含まれていた。次いで、この反応生成物を、7パーセントのMPDジ安息香酸エステルと93パーセントのMPDモノ安息香酸エステルを含むエステル化反応生成物の3つの異なる量と混合し、表3に挙げたモノ安息香酸エステルの総濃度を準備した。表3には得られた混合物の凝固開始温度も含めた。
【0064】
【表3】
【0065】
(実施例4)
この実施例では、ポリ酢酸ビニルおよびエチレン/酢酸ビニルコポリマーを含む水性接着剤組成物用の可塑剤として好ましい本発明のエステル組成物の性能を明らかにする。
【0066】
ポリマー組成物は、Air Products and Chemicals社からVinac(登録商標)XX−230として入手可能なポリ酢酸ビニルを55重量パーセント含有する水性エマルジョン(I)、およびAir Products and Chemicals社からAirflex(登録商標)400として入手可能なエチレン/酢酸ビニルコポリマーを55重量パーセント含有する水性エマルジョン(II)について評価した。
【0067】
先の実施例1のエステル組成物4または実施例2のエステル組成物7を、2つの前記水性ポリマーエマルジョン(IまたはII)の1つと、羽根の回転速度が750RPMであるプロペラ型攪拌機を用いて混合することによって可塑化したポリマー組成物を調製した。混合時間は10分とした。可塑剤の濃度は、両方のエマルジョンともエマルジョン全体を基準にして6,12、および18重量パーセントとした。
【0068】
前記ポリマー組成物の粘度を測定して、エステル組成物の可塑剤としての効力を評価した。これらの粘度値を表4に示した。また、接着剤組成物のオープンタイムおよびセットタイムに対する可塑剤の影響を判定した。
【0069】
本明細書で使用する場合、「オープンタイム」とは、評価中の接着剤の開放面が、被評価接着剤を用いて中程度の圧力で互いに接着されているクラフト紙の接着面から繊維状物が剥離することによって示されるような基材の破壊を起こすのに十分な「粘着性」を維持している時間間隔を意味する。
【0070】
用語「セットタイム」とは、1)1つの基材の表面に接着剤を塗布し、直ちに第2の基材と中程度の圧力で接触させてから、2)クラフト紙接着面の完全基材破壊が起こるまでの時間間隔を意味する。
【0071】
Brookfield RVT型粘度計を使用し、可塑化したポリマー組成物のそれぞれの粘度を周囲条件下で測定した。軸速は20RPMとした。組成物の調製から24時間後に測定した。粘度測定の結果を表4に示す。エマルジョンおよび可塑剤は先に定めたのと同様に識別しており、可塑剤濃度は可塑化エマルジョンの全重量を基準にして18重量パーセントとした。
【0072】
【表4】
【0073】
表4のデータによれば、ジエチレングリコールジ安息香酸エステル単独の場合に水性ポリマーエマルジョンが示す粘度は、対応するモノ安息香酸エステルの存在による悪影響を受けていないことがわかる。多くの場合、エマルジョンの粘度がかなり上昇しているが、モノ安息香酸エステル可塑剤が乳化ポリマー粒子に吸収されていることを示すものである。
【0074】
オープンタイムの判定
前もって周囲温度および周囲湿度で少なくとも24時間保存した50ポンド(22.7kg)のクラフト紙を寸法が1.5×12インチ(3.7×30.5cm)および1×12インチ(2.5×30.5cm)の細長い紙片に切断した。これより「小幅紙片」と呼ぶ2.5cm(1インチ)幅の紙片の1枚を、これより「大幅紙片」と呼ぶ1.5インチ(3.7cm)幅の紙片の1枚の上に中心を合わせて置き、この2枚の紙片の一方の末端をクランプで一緒に留めた。次いで、小幅紙片を大幅紙片から約180°の角度に拡げ、クランプで留めている場所の小幅紙片の上面に#14巻線マイヤーロッドを置き、このマイヤーロッドに小幅紙片をかぶせた。次いで、#14巻線ロッドと同一直径でワイヤーの巻いていない第2のマイヤーロッドを巻線ロッドの後ろに小幅紙片のもともと下面であった面に接触させて固定した。この2本のロッドは小幅紙片で分離されており、巻線のないロッドは小幅紙片の下面と、巻線ロッドは大幅紙片の上面と小幅紙片の下面の双方と接触している。巻線のないロッドの目的は、接着剤を塗布する前に小幅紙片が大幅紙片表面上の最初の位置に戻ることを防ぐことである。
【0075】
大幅紙片のクランプの近くの露出面に評価予定の接着剤約3gを置き、#16巻線マイヤーロッドを用い、そのロッドを大幅紙片の固定末端から非固定末端まで動かして、紙片の非固定末端に非被覆部分を残し、この紙片上に連続した被覆として塗布した。接着剤塗布の完了に続き、ストップウォッチをスタートさせた。
【0076】
オープンタイムとして評価予定の時間が経過したら、小幅紙片で分離されていた#14ロッドを一緒にする。次いで、一緒にしたロッドを1個のものとして、適度な圧力のもとで2秒間で大幅紙片の自由末端まで引っ張った。この操作により、小幅紙片の下面が接着層に接触して接着することになる。10秒後に紙片の非塗布部分を掴んで2枚の紙片を引き離した。小幅紙片から接着剤層への繊維状物の移動によって示される基材の破壊が80〜100パーセント発生したら、その接着剤はまだオープン、すなわち2枚の紙片を一緒に接着することが可能であると考える。
【0077】
基材破壊を示す接着済み紙片対を調整したら、さらに紙片対を組み立て、塗布して、接着した。両方の紙片を引き離した場合に接着層に繊維状物が観察されなくなるまで、接着剤を塗布してから大幅紙片と小幅紙片を接触させるまでの時間を5秒間隔で長くした。接着層に繊維状物が存在することは、少なくとも部分的な基材の破壊を示すものである。次の試験では、与えられたサンプルについて、基材の部分破壊が観察された時間と観察されなかった時間の間の5秒間の時間間隔を、接着剤塗布から接着力消失、すなわち基材破壊がなくなるまでの実時間を秒の単位で判定できるまで短縮した。この値を「オープンタイム」として記録した。
【0078】
セットタイムの判定
オープンタイムを測定するための前記試験で説明したのと同様の、試験サンプルおよび装置を使用してセットタイムを測定した。この場合、接着剤は、#16巻線マイヤーロッドを用い、小幅および大幅紙片を一緒にするために使用しているクランプの近くから大幅紙片の露出面全面にわたって塗布した。#16巻線マイヤーロッドのすぐ後ろの、2本のロッドを隔てる小幅紙片の反対側に#14巻線マイヤーロッドを置いた。小幅紙片で覆われることになる被評価接着剤層を、2本のロッドをそのロッド間に挟まれた小幅片と一緒に引っ張ることによって、本実施例の前段で説明したようにして大幅片の全面に塗布した。
【0079】
接着剤の塗布および小幅片の接触に続いてストップウォッチをスタートさせた。この時点で、被評価サンプルの長さだけ横方向に移動させるのに30秒を費やす速度で、接触させた紙の層を引き離した。引き離す際の両紙片の角度は約180°とした。
【0080】
両紙片を引き離すと同時に、両紙片の接触面を調べ、どちらかの紙片から少なくとも部分的に引き裂かれ接着剤に結合するに至った繊維の割合を判定した。「セットタイム」とは、小幅紙片と大幅紙片の接触時点から測定して、完全破壊と考えられる紙片での80%から100%の繊維引裂を達成するに必要な最短時間である。
【0081】
オープンタイムおよびセットタイムの評価結果を次表5に記す。
【0082】
【表5】
【0083】
表5のデータから、ブレンド物中にエチレングリコールジ安息香酸エステルに加えてジエチレングリコールモノ安息香酸エステルが存在しても、セットタイムおよびオープンタイムなど、接着剤の所望の特性に悪影響を及ぼさないことが明らかである。若干の例では、オープンタイムが長くなり、セットタイムが維持または改善されている。また、これらのデータから、DEGモノ−およびジ安息香酸エステルのブレンド物中のDEGを、少なくとも部分的にDPGまたはMPDのモノ安息香酸エステルに取り替えた可塑剤が効果的な性能を示すことも明らかである。
Claims (18)
- 式HXC(O)R1で表される少なくとも1種のモノエステルおよび
式R1(O)CYC(O)R1で表される少なくとも1種のジエステル
を含有する液状エステル組成物であって、
式中、XおよびYは、−[OCH2CH2]nO、および−OR2O−からなる群から独立に選択され、前記ジエステルは28℃で固体であり、R1はフェニルまたは置換フェニルであり、R2は3または4個の炭素原子を含む直鎖アルキレン、−CH2CH(CH3)CH2−、および−CH2C(CH3)2CH2−からなる群から選択され、nは1、2または3であり、かつ、前記組成物は28℃で液体である
ことを特徴とする液状エステル組成物。 - すべてのモノエステルを合わせた濃度は、前記エステル組成物の少なくとも20重量パーセントであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
- 前記モノエステルは、前記エステル組成物の20から99重量パーセントを構成することを特徴とする請求項2に記載の組成物。
- Xと少なくともYの一部は同一であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
- Xおよび少なくともYの一部は、−OCH2CH2OCH2CH2O−および−OCH2CH(CH3)CH2O−からなる群から選択されることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
- XおよびYは−OCH2CH2OCH2CH2O−であり、かつ前記組成物はさらにジプロピレングリコールのモノ−およびジ安息香酸エステルの混合物を含有することを特徴とする請求項5に記載の組成物。
- XとYの双方が−OCH2CH(CH3)CH2O−であることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
- R1はフェニルであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
- 有機ポリマー(A)、ならびに、前記ポリマーを可塑化するのに十分な量の、28℃で液体であり、かつ、式HXC(O)R1で表される少なくとも1種のモノエステルおよび式R1(O)CYC(O)R1で表される少なくとも1種のジエステルを含有するエステル組成物(B)を含むポリマー組成物であって、
式中、XおよびYは−[OCH2CH2]nO、および−OR2O−からなる群から独立に選択され、前記のジエステルは28℃で固体であり、R1はフェニルまたは置換フェニルであり、R2は3または4個の炭素原子を含む直鎖アルキレン、−CH2CH(CH3)CH2−、および−CH2C(CH3)2CH2−からなる群から選択され、nは1、2または3であり、かつ、前記組成物は28℃で液体である
ことを特徴とするポリマー組成物。 - 前記有機ポリマーは、ビニルエステル類およびビニルエステルとオレフィンのコポリマー類、エチレン性不飽和酸とモノ−または多価アルコールから誘導されるエステル類、ポリエステル類、ポリアミド類、およびエチレン性不飽和酸またはそのエステルとエチレン性不飽和炭化水素から誘導されるコポリマーからなる群から選択されることを特徴とする請求項9に記載のポリマー組成物。
- すべてのモノエステルを合わせた濃度は、前記エステル組成物の全重量を基準にして少なくとも20重量パーセントであることを特徴とする請求項10に記載の組成物。
- 前記モノエステルは、前記エステル組成物の20から99重量パーセントを構成することを特徴とする請求項11に記載の組成物。
- Xと少なくともYの一部は同一であることを特徴とする請求項9に記載の組成物。
- Xおよび少なくともYの一部は、−OCH2CH2OCH2CH2O−および−OCH2CH(CH3)CH2O−からなる群から選択されることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
- 前記エステル組成物は、さらにジプロピレングリコールのモノ−およびジ安息香酸エステルを含むことを特徴とする請求項14に記載の組成物。
- XとYの双方は、−OCH2CH(CH3)CH2O−であることを特徴とする請求項13に記載の組成物。
- R1はフェニルであることを特徴とする請求項9に記載の組成物。
- 前記ポリマーは、水性分散液として存在することを特徴とする請求項9に記載の組成物。
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