JP2005501860A - 癌治療用の2−アミノ−4−ヘテロアリールアミノピリミジン誘導体 - Google Patents
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Abstract
式(I)(式中、R1は、少なくとも1個の酸素または硫黄へテロ原子を有するヘテロアリール環であり、R2は、本特許請求の範囲において定義されているとおりである)の化合物を特許請求する。これらの化合物は、癌の治療に有用である。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬の分野に存するものであり、具体的には、癌および関連疾患を治療するための化合物、組成物、使用および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ホスホリルトランスフェラーゼは、ある基質から別の基質にリン含有基を転移させる酵素の大きなファミリーである。キナーゼは、リン酸基転移の触媒作用に関する機能を果たす触媒の一つの種類である。プロテインキナーゼは、構造的に関連したホスホリルトランスフェラーゼの大きなサブファミリーを構成し、細胞内の多種多様なシグナル変換プロセスの制御に責任を負う。すべてのキナーゼのうち大部分は、類似した250〜300のアミノ酸触媒ドメインを有する。プロテインキナーゼは、それらがリン酸化する基質により複数のファミリーに類別される(例えば、プロテイン−チロシン、プロテイン−セリン/トレオニンなど)。各々のこれらキナーゼファミリーに一般に対応するプロテインキナーゼ配列モチーフは、同定されている。脂質キナーゼ(例えば、PI3K)は、プロテインキナーゼとの構造的な類似性を有する、キナーゼの別の群を構成する。
【0003】
「キナーゼドメイン」は、様々な機能を果たす多数のポリペプチドにおいて見かける。そうしたペプチドには、例えば、膜貫通型受容体、細胞内受容体関連ポリペプチド、細胞質に位置するポリペプチド、核に位置するポリペプチドおよび非細胞に位置するポリペプチドが挙げられる。プロテインキナーゼの活性は、様々なメカニズムによって調節されうる。しかし、個々のプロテインキナーゼが一つ以上のメカニズムによって調節されうることに、注意しなければならない。これらのメカニズムには、例えば、自己リン酸化、他のキナーゼによるリン酸基転移、蛋白質−蛋白質相互作用、蛋白質−脂質相互作用、蛋白質−ポリヌクレオチド相互作用、リガンド結合、および後翻訳修飾が挙げられる。
【0004】
プロテインキナーゼおよび脂質キナーゼは、蛋白質または脂質などのターゲットにリン酸基を付加させることによって、増殖、成長、分化、代謝、細胞周期事象、アポトーシス、運動性、転写、翻訳および他のシグナル伝達プロセスを含む(しかし、これらに限定されない)多くの異なる細胞プロセスを調節する。キナーゼにより触媒されるリン酸化事象は、ターゲット蛋白質の生物学的機能を修飾または調節することができる分子オン/オフスイッチとしての役割を果たす。ターゲット蛋白質のリン酸化は、様々な細胞外シグナル(ホルモン、神経伝達物質、成長および分化因子など)、細胞周期事象、環境的または栄養性ストレスなどに反応して発生する。プロテインキナーゼおよび脂質キナーゼが、シグナル伝達経路に関する機能を果たして、ターゲットの活性を(直接的または間接的に)活性化もしくは不活性化または修飾することができる。これらのターゲットには、例えば、代謝酵素、調節蛋白質、受容体、細胞骨格蛋白質、イオンチャンネルもしくはポンプ、または転写因子を挙げることができる。蛋白質リン酸化の制御不良に起因する非制御シグナル伝達は、例えば、炎症、癌、アレルギー/喘息、免疫系の疾病および状態、中枢神経系(CNS)の疾病および状態、心臓血管疾患、皮膚病および脈管形成を含む多数の疾病および疾病の状態に関係している。
【0005】
薬理学的ターゲットとしてのプロテインキナーゼに関する初期の興味は、多数のウイルス性腫瘍遺伝子が、構成酵素活性を有する構造修飾細胞のプロテインキナーゼをコードしていることの発見により刺激された。これらの発見は、ヒト増殖性疾患への腫瘍遺伝子関連プロテインキナーゼの潜在的な介入を指し示した。その後、様々なさらに難解なメカニズムによって生じる無調節のプロテインキナーゼ活性が、例えば、癌、CNSの病気および免疫関連疾患を含む、人間の多数の重要な疾患の病態生理に関係づけられた。従って、プロテインキナーゼ活性異常により生じる疾病の病理および/または徴候を阻止することができる選択的プロテインキナーゼ阻害剤の開発が、多くの関心を呼んだ。
【0006】
プロテインキナーゼは、細胞機能に対する制御を維持する多種多様な細胞プロセスの調節において中心的な役割を果たす蛋白質の大きなファミリーの代表である。こうしたキナーゼの部分的なリストには、abl、AKT、bcr−abl、Blk、Brk、Btk、c−kit、c−met、c−src、CDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、cRaf1、CSFir、CSK、EGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4、Erk、Fak、fes、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR5、Fgr、flt−1、Fps、Frk、Fyn、Hck、IGF−1R、INS−R、Jak、KDR、Lck、Lyn、MEK、p38、PDGFR、PIK、PKC、PYK2、ron、tie、tie2、TRK、Yes、およびZap70が含まれる。こうしたキナーゼの阻害は、重要な治療ターゲットになっている。
【0007】
悪性細胞の主な特徴は、一つ以上の細胞周期要素に対する制御の喪失である。これらの要素は、細胞表面受容体から転写および修飾のレギュレータまであり、インスリン様成長因子、インスリン成長因子−I(IGF−1)およびインスリン成長因子−2(IGF−2)が挙げられる。[M.J.Ellis,「インスリン様成長因子ネットワークおよび乳癌(The Insulin−Like Growth Factor Network and Breast Cancer)」,Breast Cancer,Molecular Genetics,Pathogenesis and Therapeutics,Humana Press 1999]。インスリン成長因子系は、リガンドのファミリー、インスリン成長因子結合蛋白質のファミリーおよび受容体のファミリーから成る。IGF−1系の主な生理学的役割は、正常な成長および再生の促進であり、IGF−1Rの過発現は、有糸分裂正起を開始させ、リガンド依存性腫瘍転換を促進する。さらに、IGF−1Rは、悪性表現型の樹立および持続に重要な役割を果たす。
【0008】
IGF−1Rは、幾つかのジスルフィド架橋を有するヘテロダイマーとして存在する。チロシンキナーゼ触媒部位およびそのATP架橋部位は、そのβサブユニットの細胞質部分に位置する。
【0009】
表皮成長因子(EGF)受容体とは異なり、IGF−1Rの突然変異腫瘍原性形は確認されていない。しかし、幾つかの腫瘍遺伝子が、IGF−1およびIGF−1Rの発現に影響を及ぼすことは、実証されている。
【0010】
IGF−1Rの発現の低下と耐形質転換性の間には、相関関係が見られる。IGF−1R RNAに対してアンチセンスのmRNAへの細胞の暴露は、幾つかのヒト腫瘍細胞系の軟寒天成長を妨げる。
【0011】
アポトーシスは、多細胞生物において損傷細胞または望ましくない細胞を除去するために用いられる、至る所で見られる生理学的プロセスである。アポトーシスの非制御は、人間の多くの疾病の病因に関係すると考えられる。アポトーシス細胞死不全は、様々な癌ならびに自己免疫疾患に関係づけられている。逆に言えば、アポトーシスの増加は、神経変性疾患およびAIDSなどの細胞喪失を伴う様々な疾病に関連する。それ故、アポトーシスの調節が、重要な治療ターゲットになった。腫瘍生残の主な様式はアポトーシスの回避であることが、現在では確立されている。IGF−1Rは、インビボおよびインビトロの両方で、アポトーシスへの進行を廃止する。野生型レベルより低いIGF−1Rのレベル増加が、インビボでの腫瘍細胞のアポトーシスをもたらすことも証明されている。IGF−1R分解がアポトーシスをもたらす能力は、正常な非腫瘍形成性細胞では低下するようである。
【0012】
2001年1月4日発行の国際公開公報第01/00213号は、SRCキナーゼ阻害剤としての置換ピリミジンを記載している。2001年6月7日発行の国際公開公報第01/40218号は、抗テロメラーゼ薬として使用するためのアリールアミン誘導体を記載している。2000年7月6日発行の国際公開公報第00/39101号は、抗癌剤としての置換ピリミジンを記載している。2001年4月26日発行の国際公開公報第01/29009号は、キナーゼ阻害剤としての置換ピリミジンを記載している。2000年12月28日発行の国際公開公報第00/78731号は、キナーゼ阻害剤としてのシアノ置換ピリミジンを記載している。2000年9月14日発行の国際公開公報第00/53595号は、キナーゼ阻害剤としての置換ピリミジンを記載している。2000年7月6日発行の国際公開公報第00/39101号は、キナーゼ阻害剤としてのアミノ置換ピリミジンを記載している。2000年10月12日発行の国際公開公報第00/59892号は、キナーゼ阻害剤としてのアミノ置換ピリミジンを記載している。1997年5月29日発行の国際公開公報第97/19065号は、キナーゼ阻害剤としての2−アニリノ−ピリミジンを記載している。1996年4月10日発行の欧州特許第379806号は、神経障害の治療用の置換ピリミジンを記載している。2000年10月4日発行の欧州特許第1040831号は、CRF拮抗薬としての置換ピリミジンを記載している。アミノ置換ピリミジンは、ケミカルアブストラクト112:191083に挙げられている。アミノ置換ピリミジンは、ケミカルアブストラクト72:1114009に挙げられている。1995年12月14日発行の国際公開公報第95/33750号は、CRF拮抗薬としての置換ピリミジンを記載している。1994年11月24日発行の国際公開公報第94/26733号は、ドーパミン受容体のリガンドとしてのピリミジン誘導体を記載している。米国特許第5,958,935号は、キナーゼ阻害剤としての置換ピリミジンを記載している。米国特許第4,983,608号は、鎮痛薬としてのピロリル−アミノ置換ピリミジンを記載している。米国特許第5,403,317号は、染料としてのアミノ置換ピリミジンを記載している。米国特許第5,935,966号は、抗炎症薬としてのカルボキシレート置換ピリミジンを記載している。米国特許第6,080,858号は、置換ピリミジンの調製法を記載している。1999年10月7日発行の国際公開公報第99/50250号は、HIV感染症の治療用のアミノ置換ピリミジンを記載している。1999年9月29日発行の欧州特許第945443号は、HIV感染症の治療用のアミノ置換ピリミジンを記載している。1999年6月24日発行の国際公開公報第99/31073号は、アミド置換ピリミジンを記載している。2000年5月18日発行の国際公開公報第00/27825号は、HIV感染症の治療用のアミノ置換ピリミジンを記載している。2001年4月5日発行の国際公開公報第01/22938号は、HIV感染症の治療用のアミノ置換ピリミジンを記載している。1999年8月19日発行の国際公開公報第99/41253号は、ウイルス感染症の治療用のアミノ置換ピリミジンを記載している。2001年3月22日発行の国際公開公報第01/19825号は、合成中間体としてのアミノ置換ピリミジンを記載している。2001年7月5日発行の国際公開公報第01/48921号は、キナーゼ阻害剤としてのアミノ置換ピリミジンを記載している。2001年10月4日発行の国際公開公報第01/72745号は、CDKの阻害剤としての4−ヘテロアリール−置換ピリミジンを記載している。2001年10月4日発行の国際公開公報第01/72717号は、CDKの阻害剤としての4−アミノ−5−シアノピリミジンを記載している。2001年11月15日発行の国際公開公報第01/85700号は、HIV複製阻害剤としてのピリミジンを記載している。2002年3月21日発行の国際公開公報第02/22601号は、キナーゼ阻害剤としての4−(ピラゾール−5−イルアミノ)ピリミジンを記載している。国際公開公報第02/46184号は、キナーゼ阻害剤としての4−(ピラゾリル)−ピリミジンを記載している。2002年6月13日発行の国際公開公報第02/46170号は、JNKの阻害剤としての2−アニリノ−ピリミジンを記載している。2002年6月13日発行の国際公開公報第02/46171号は、IKKの阻害剤としての2−アニリノ−ピリミジンを記載している。2002年6月20日発行の国際公開公報第02/47690号は、キナーゼ阻害剤としての4−アリールアミノ−ピリミジンを記載している。2002年6月20日発行の国際公開公報第02/48147号は、キナーゼ阻害剤としてのピリミジンを記載している。2002年6月20日発行の国際公開公報第02/48148号は、キナーゼ阻害剤としてのピリミジンを記載している。2002年6月27日発行の国際公開公報第02/50065号は、キナーゼ阻害剤としての2−(5−ピラゾリルアミノ)−ピリミジンを記載している。Ghoneimら,Egypt J.Pharm.Sci.,28,117−26(1987))は、N,N’−ビス(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−メチル−2,4−ピリミジンジアミンを記載している。2002年6月27日発行の国際公開公報第02/50066号は、キナーゼ阻害剤としての2−(5−ピラゾリルアミノ)−ピリミジンを記載している。2002年7月25日発行の国際公開公報第02/57259号は、キナーゼ阻害剤としての4−(5−ピラゾリルアミノ)−ピリミジンを記載している。2002年8月1日発行の国際公開公報第02/59110号は、VEGFR2の阻害剤としてのアミノ置換ピリミジンを記載している。
【0013】
しかし、本発明の化合物が、癌治療用の阻害剤として記載されたことはない。
【発明の開示】
【0014】
癌の治療に有用であり、下記式Iにより定義される化合物類およびそれらの医薬適合性の塩:
【0015】
【化1】
(式中、
R1は、酸素または硫黄へテロ原子を少なくとも1個含むヘテロアリールであり、この場合、R1は、R3から独自に選択された1個から4個の置換基で場合によっては置換されており;
好ましくは、酸素または硫黄へテロ原子を少なくとも1個含む5員または6員ヘテロアリールであり、この場合、R1は、R3から独自に選択された1個から4個の置換基で場合によっては置換されており;
さらに好ましくは、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリルおよび1,2,4−チアジアゾリルから選択された5員または6員ヘテロアリールであり、この場合、R1は、R3から独自に選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;
さらにいっそう好ましくは、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリルであり、この場合、R1は、R3から独自に選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;ならびに
特に、イソオキサゾリルであり;
R2は、
H、
C1〜10−アルキル、
C2〜10−アルケニル、
C2〜10−アルキニル、
C(O)R5、
COOR5、
C(O)NR5R5、
S(O)nR5、
C3〜10−シクロアルキル、
C4〜10−シクロアルケニル、
R3から独自に選択された1個から5個の置換基で場合によっては置換されているアリール、
R4、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜10−アルキル、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC3〜10−シクロアルキル、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜10−アルケニル、
から選択され;
好ましくは、
C1〜6−アルキル、
C2〜6−アルケニル、
C2〜6−アルキニル、
C3〜6−シクロアルキル、
C4〜6−シクロアルケニル、
R4、
R3から独自に選択された1個から4個の置換基で場合によっては置換されているフェニル、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜6−アルキル、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC3〜6−シクロアルキル、ならびに
アリールおよびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜6−アルケニル
から選択され;
さらに好ましくは、R4、およびR3から独自に選択された1個から4個の置換基で場合によっては置換されているフェニルから選択され;
さらにいっそう好ましくは、3,4,5−トリメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシ−6−メチルフェニル、キノリニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、3−アミノスルホニルフェニルおよび4−アミノスルホニルフェニルから選択され;
R3は、
H、
C1〜10−アルキル、
C2〜10−アルケニル、
C2〜10−アルキニル、
C3〜10−シクロアルキル、
C4〜10−シクロアルケニル、
アリール、
R4、
ハロ、
SR5、
OR5、
OC(O)R5、
NR5R5、
NR5R6、
COOR5、
NO2、
CN、
C(O)R5、
C(O)C(O)R5、
C(O)NR5R5、
S(O)nR5、
S(O)nNR5R5、
NR5C(O)NR5R5、
NR5C(O)C(O)R5、
NR5C(O)R5、
NR5(COOR5)、
NR5C(O)R4、
NR5S(O)nNR5R5、
NR5S(O)nR5、
NR5S(O)nR4、
NR5C(O)C(O)NR5R5、
NR5C(O)C(O)NR5R6、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜10−アルキル;ならびに
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜10−アルケニル
から独自に選択され;
好ましくは、
C1〜6−アルキル、
C2〜6−アルケニル、
C2〜6−アルキニル、
C3〜6−シクロアルキル、
C4〜6−シクロアルケニル、
フェニル、
R4、
ハロ、
SR5、
OR5、
OC(O)R5、
NR5R5、
NR5R6、
COOR5、
NO2、
CN、
C(O)R5、
C(O)NR5R5、
S(O)nR5、
S(O)nNR5R5、
NR5C(O)NR5R5、
NR5C(O)R5、
NR5(COOR5)、
NR5C(O)R4、
NR5S(O)nNR5R5、
NR5S(O)nR5、
NR5S(O)nR4、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜6−アルキル;ならびに
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜6−アルケニル
から選択され;
さらに好ましくは、C1〜4−アルキル、C2〜4−アルケニル、C2〜4−アルキニル、フェニル、R4、クロロ、フルオロ、ブロモ、CF3、C1〜4−アルコキシ、フェノキシ、ヘテロシクリルオキシ、ベンジルオキシ、C1〜4−アルキル−C(O)O−、アミノ、アルキルアミノ、フェニルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、C1〜4−アルキルスルホニル、C1〜4−アルキルアミノスルホニル、ベンジル、C1〜4−アルコキシアルキル、C1〜4−アミノアルキル、C1〜4−アルキルアミノアルキル、および5〜6員ヘテロシクリル−C1〜4−アルキルから選択され;ならびに
さらにいっそう好ましくは、メチル、エチル、プロピル、t−ブチル、イソプロピル、フェニル、クロロ、フルオロ、ブロモ、CF3、メトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、アセチル、アミノ、メチルアミノ、フェニルアミノ、カルボキシ、エトキシカルボニル、NO2、CN、メチルカルボニル、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、メチルスルホニル、メチルアミノスルホニル、ベンジル、メトキシメチル、アミノメチル、N,N−ジメチルアミノエチルおよびフリルメチルから選択され;
R4は、独自に、単環式の場合には1個から3個のへテロ原子、二環式の場合には1個から6個のへテロ原子または三環式の場合には1個から9個のへテロ原子を含む、5〜8員単環式、8〜12員二環式または11〜14員三環式の飽和、部分飽和または不飽和環構造であって、前記へテロ原子は、O、NまたはSから独自に選択され、飽和されていてもよいし、不飽和であってもよく、また、各環の0、1、2または3個の原子は、C1〜10−アルキル、C2〜10−アルケニル、C2〜10−アルキニル、C3〜10−シクロアルキル、C4〜10−シクロアルケニル、ハロ、ハロアルキル、スルホ、オキソ、SR5、OR5、NR5R5、NR5R6、NR6R6、COOR5、ニトロ、シアノ、S(O)nR5、S(O)nNR5R5、C(O)R5およびC(O)NR5R5から独自に選択された置換基で置換されていてもよく;
好ましくは、独自に、単環式の場合には1個から3個のへテロ原子または二環式の場合には1個から6個のへテロ原子を含む、5〜7員単環式または8〜11員二環式の飽和、部分飽和または不飽和環構造であって、前記へテロ原子は、O、NまたはSから独自に選択され、飽和されていてもよいし、不飽和であってもよく、また、各環の0、1、2または3個の原子は、C1〜6−アルキル、C2〜6−アルケニル、C2〜6−アルキニル、ハロ、C1〜6−ハロアルキル、オキソ、SR5、OR5、NR5R5、COOR5、ニトロ、シアノ、S(O)nR5、S(O)nNR5R5、C(O)R5およびC(O)NR5R5から独自に選択された置換基で置換されていてもよく;
さらに好ましくは、独自に、単環式の場合には1個から3個のへテロ原子、二環式の場合には1個から6個のへテロ原子を含む、5〜6員単環式または8〜10員二環式の飽和、部分飽和または不飽和環構造であって、前記へテロ原子は、O、NまたはSから独自に選択され、飽和されていてもよいし、不飽和であってもよく、また、各環の0、1、2または3個の原子は、C1〜4−アルキル、ハロ、C1〜6−ハロアルキル、オキソ、OR5、NR5R5、COOR5、ニトロ、シアノ、S(O)nR5、S(O)nNR5R5、C(O)R5およびC(O)NR5R5から独自に選択された置換基で置換されていてもよく;ならびに
さらにいっそう好ましくは、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、インドリル、イソインドリル、ピリニルおよびナフチリジニルであり、この場合、R4は、メチル、イソプロピル、t−ブチル、フルオロ、クロロ、−CF3、オキソ、メトキシ、フェノキシ、アミノ、メチルアミノ、フェニルアミノ、カルボキシ、エトキシカルボニル、ニトロ、シアノ、メチルカルボニル、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、メチルスルホニルおよびメチルアミノスルホニルから独自に選択された置換基により置換されていてもよく;
R5は、H、C1〜10−アルキル、C2〜10−アルケニル、C2〜10−アルキニル、C3〜10−シクロアルキル、C4〜10−シクロアルケニル、R4、
R3から独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているアリール、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜C10アルキル、
アリールR7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC3〜C10シクロアルキル、ならびに
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜C10アルケニル
から独自に選択され;
好ましくは、H、C1〜6−アルキル、および
R3から独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択され;
さらに好ましくは、H、C1〜6−アルキル、および
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、ブロモ、−CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択され;
R6は、−C(O)R5、−COOR5、−C(O)NR5R5および−S(O)nR5から選択され;
R7は、独自に、ハロ、−CF3、−SR5、−OR5、−OC(O)R5、−NR5R5、−NR5R6、−NR6R6、−COOR5、−NO2、−CN、−C(O)R5、−OC(O)NR5R5、−C(O)NR5R5、−N(R5)C(O)R5、−−N(R5)(COOR5)および−S(O)nNR5R5であり;および
好ましくは、独自に、ハロ、−OR5、−NR5R5、−COOR5および−CNであり;ならびに
nは、1または2である)。
【0016】
本発明は、下記一般式II:
【0017】
【化2】
(式中、
R10は、フェニル、および5〜10員ヘテロシクリルから選択され、この場合、R10は、R11から選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;
R11は、C1〜C4アルキル、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C4〜C6シクロアルケニル、フェニル、5〜6員ヘテロシクリル、フルオロ、クロロ、CF3、−OR12、−OC(O)R12、−NR12R12、−COOR2、−C(O)R12、−C(O)NR12R12、−SO2R12、−SO2NR12R12、−NR12C(O)NR12R12、−NR12C(O)R2、−NR12(COOR12)、−NR12SO2NR12R12、−NR12SO2R12、−OC(O)NR12R12、
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜C3アルキル、ならびに
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜C3アルケニル
から選択され;
R12は、H、C1〜6−アルキル、ならびに
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、−CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択される)
の化合物、およびそれらの医薬適合性の塩にも関する。
【0018】
本発明は、下記式III:
【0019】
【化3】
(式中、
R10は、フェニル、および5〜10員ヘテロシクリルから選択され、この場合、R10は、R11から選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;
R11は、C1〜C4アルキル、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C4〜C6シクロアルケニル、フェニル、5〜6員ヘテロシクリル、フルオロ、クロロ、CF3、−OR12、−OC(O)R12、−NR12R12、−COOR2、−C(O)R12、−C(O)NR12R12、−SO2R12、−SO2NR12R12、−NR12C(O)NR12R12、−NR12C(O)R2、−NR12(COOR12)、−NR12SO2NR12R12、−NR12SO2R12、−OC(O)NR12R12、
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜C3アルキル、ならびに
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜C3アルケニル
から選択され;
R12は、H、C1〜6−アルキル、ならびに
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択される)
の化合物、およびそれらの医薬適合性の塩にも関する。
【0020】
本発明は、下記一般式I’:
【0021】
【化4】
(式中、
R1は、酸素または硫黄へテロ原子を少なくとも1個含むヘテロアリールであり、この場合、R1は、R3から独自に選択された1個から4個の置換基で場合によっては置換されており;
好ましくは、酸素または硫黄へテロ原子を少なくとも1個含む5員または6員ヘテロアリールであり、この場合、R1は、R3から独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されており;
さらに好ましくは、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、ピラニル、チアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、フラザニル、フリルおよびチエニルであり;
さらにいっそう好ましくは、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、フリル、フラザニルおよびチエニルであり、この場合、R1は、R3から独自に選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;
特に、イソオキサゾリルであり;ならびに
さらに特に、3−イソオキサゾリルまたは5−イソオキサゾリルであり;
R2は、R4、およびR3から独自に選択された1個から5個の置換基で場合によっては置換されているフェニルから選択され;
好ましくは、R4、およびR3から独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているアリールから選択され;
さらに好ましくは、ナフチル、2,3−ジヒドロ−インドリル、1,3−ベンゾジオキソリル、インドリル、1,3−ジオキソ−イソインドリル、インダゾリル、ピリジル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチアゾリル、1,2,3−ベンゾトリアゾリル、ベンズイミダゾリルおよびフェニルから選択され、この場合、R2は、R3から独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されており;
さらにいっそう好ましくは、2−ナフチル、2,3−ジヒドロ−インドール−6−イル、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、5−インドリル、4−インドリル、1,3−ジオキソ−イソインドール−5−イル、5−インダゾリル、6−インダゾリル、3−ピリジル、3−キノリル、6−キノリル、イソキノリル、ベンゾチアゾール−6−イル、ベンゾチアゾール−5−イル、1,2,3−ベンゾトリアゾール−5−イル、6−ベンズイミダゾリル、5−ピリジル、およびフェニルから選択され、
この場合、R2は、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、シアノ、ニトロ、クロロ、フルオロ、ブロモ、ジメチルアミノ、ジメチルアミノエチル、3−ジメチルアミノ−プロポキシ、メトキシカルボニル、メチルカルボニル、メチルカルボニルアミノ、CH3C(O)N(CH3)−、メチル、エチル、イソプロピル、ピロリジン−1−イルカルボニルエテニル、ピロリジン−1−イルカルボニルエチル、ピロリジン−1−イルプロピル、エチニル、アセチル、エトキシカルボニルブチル、カルボキシブチル、2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−エトキシ、2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)エトキシ、3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロポキシ、3−(ピペリジン−1−イル)プロポキシ、2−ピペリジン−1−イル−エトキシ、2−モルホリン−4−イル−エトキシ、ペンタフルオロエチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、アミノカルボニル、アミノスルホニル、N,N’−ジ−プロピルアミノスルホニル、ヒドロキシプロピルアミノスルホニル、(2−チアゾリル)アミノスルホニル、ブチルアミノスルホニル、メチルカルボニルアミノスルホニル、メチルスルホニル、1−メチル−ピペリジン−4−イルメトキシ、1−t−ブトキシカルボニル−ピペラジン−4−イル、4−モルホリニル、4−メチルピペルジン−1−イル、4−ピペラジニル、4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル、およびオキサゾール−5−イルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されており;ならびに
特に、3,4,5−トリメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシ−6−メチルフェニル、3−メチルカルボニルアミノフェニル、4−[CH3C(O)NH−SO2]−フェニル、3−イソプロピルフェニル、4−[CH3C(O)N(CH3)]−フェニル、3−メトキシ−4−モルホリニルフェニル、3−キノリニル、6−キノリニル、ベンズイミダゾリル、5−インダゾリル、6−インダゾリル、3−クロロフェニル、3−アミノスルホニルフェニルおよび4−アミノスルホニルフェニルから選択され;
R3は、
H、
C1〜10−アルキル、
C2〜10−アルケニル、
C2〜10−アルキニル、
C1〜10−ハロアルキル、
C3〜10−シクロアルキル、
C4〜10−シクロアルケニル、
アリール、
R4、
ハロ、
SR5、
OR5、
OC(O)R5、
NR5R5、
NR5R6、
COOR5、
ニトロ、
シアノ、
C(O)R5、
C(O)C(O)R5、
C(O)NR5R5、
S(O)nR5、
S(O)nNR5R5、
S(O)nNR5R6、
NR5C(O)NR5R5、
NR5C(O)C(O)R5、
NR5C(O)R5、
NR5COOR5、
NR5C(O)R4、
NR5S(O)nNR5R5、
NR5S(O)nR5、
NR5S(O)nR4、
NR5C(O)C(O)NR5R5、
NR5C(O)C(O)NR5R6、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜10−アルキル;ならびに
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜10−アルケニル
から独自に選択され;
好ましくは、H、C1〜4−アルキル、C2〜4−アルケニル、C2〜4−アルキニル、フェニル、C6〜10−シクロアルキル、R4、クロロ、フルオロ、ブロモ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−ハロアルコキシ、フェノキシ、へテロシクリルオキシ、ベンジルオキシ、C1〜4−アルキルカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、フェニルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、C1〜4−アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、C1〜4−アルキルスルホニル、C1〜4−アルキルアミノスルホニル、ベンジル、C1〜4−アルコキシアルキル、C1〜4−アミノアルキル、C1〜4−アルキルアミノアルキル、および5〜6員ヘテロシクリル−C1〜4−アルキルから独自に選択され;
さらに好ましくは、、H、ハロ、C1〜3−アルキル、C2〜3−アルケニル、C2〜3−アルキニル、フェニル、C6〜10−シクロアルキル、ヒドロキシ、C1〜3−ハロアルコキシ、C1〜3−アルコキシ、−C(O)−C1〜3−アルキル、およびC1〜3−ハロアルキルから独自に選択され;ならびに
さらにいっそう好ましくは、H、ヒドロキシ、ヨード、メチル、アセチル、トリフルオロメチル、メトキシ、シクロヘキシル、アダマンチル、フェニルおよびトリフルオロメトキシから独自に選択され;
R4は、独自に、単環式の場合には1個から3個のへテロ原子、二環式の場合には1個から6個のへテロ原子または三環式の場合には1個から9個のへテロ原子を含む、5〜8員単環式、8〜12員二環式または11〜14員三環式の飽和、部分飽和または不飽和環構造であって、前記へテロ原子は、O、NまたはSから独自に選択され、飽和されていてもよいし、不飽和であってもよく、また、各環の0、1、2または3個の原子は、C1〜10−アルキル、C2〜10−アルケニル、C2〜10−アルキニル、C3〜10−シクロアルキル、C4〜10−シクロアルケニル、ハロ、ハロアルキル、スルホ、オキソ、SR5、OR5、NR5R5、NR5R6、NR6R6、COOR5、ニトロ、シアノ、S(O)nR5、S(O)nNR5R5、C(O)R5、C(O)NR5R5、およびR3から独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されている6員ヘテロアリール、から独自に選択された置換基により置換されていてもよく;
好ましくは、独自に、2,3−ジヒドロ−インドリル、1,3−ベンゾジオキソリル、インドリル、1,3−ジオキソ−イソインドリル、インダゾリル、ピリジル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチアゾリル、1,2,3、−ベンゾトリアゾリル、ベンズイミダゾリルおよびピリジルであり、この場合、R4は、ヒドロキシ、C1〜3−アルコキシ、シアノ、ニトロ、ハロ、C1〜3−アルキル、ジ−C1〜3−アルキルアミノ、ジ−C1〜3−アルキルアミノ−C1〜3−アルキル、ジ−C1〜3−アルキルアミノ−C1〜3−アルコキシ、C1〜3−アルキルカルボニル、C1〜3−アルコキシカルボニル、C1〜3−アルキルカルボニルアミノ、ピロリジニルカルボニル−C2〜3−アルケニル、ピロリジニルカルボニル−C1〜3−アルキル、ピロリジニル−C1〜3−アルキル、C2〜3−アルキニル、アセチル、C1〜3−アルキルカルボニル−C1〜3−アルキル、カルボキシ−C1〜3−アルキル、(ピペリジニル)−C1〜3−アルコキシ、(ピペラジニル)−C1〜3−アルコキシ、2−モルホリニル−C1〜3−アルコキシ、C1〜3−ハロアルキル、C1〜3−ハロアルコキシ、アミノカルボニル、アミノスルホニル、C1〜 3−アルキルアミノスルホニル、ヒドロキシ−C1〜3−アルキルアミノスルホニル、(チアゾリル)アミノスルホニル、C1〜4−アルキルアミノスルホニル、C1〜3−アルキルカルボニルアミノスルホニル、C1〜3−アルキルスルホニル、C1〜3−アルコキシカルボニル−ピペラジニル、モルホリニル、C1〜3−アルキルピペルジニル、ピペラジニル、C1〜3−アルキル−ピペラジニル、およびオキサゾリルで場合によっては置換されており;
さらに好ましくは、独自に、2,3−ジヒドロ−インドール−6−イル、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、5−インドリル、4−インドリル、1,3−ジオキソ−イソインドール−5−イル、5−インダゾリル、6−インダゾリル、3−ピリジル、3−キノリル、6−キノリル、イソキノリル、ベンゾチアゾール−6−イル、ベンゾチアゾール−5−イル、1,2,3、−ベンゾトリアゾール−5−イル、6−ベンズイミダゾリルおよび5−ピリジルであり;
R5は、H、C1〜10−アルキル、C2〜10−アルケニル、C2〜10−アルキニル、C3〜10−シクロアルキル、C4〜10−シクロアルケニル、R4、
R3から独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているアリール、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜C10アルキル、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC3〜C10シクロアルキル、ならびに
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜C10アルケニルから独自に選択され;
R6は、−C(O)R5、−COOR5、−C(O)NR5R5および−S(O)nR5から選択され;
R7は、独自に、ハロ、−CF3、−SR5、−OR5、−OC(O)R5、−NR5R5、−NR5R6、−NR6R6、−COOR5、−NO2、−CN、−C(O)R5、OC(O)NR5R5、−C(O)NR5R5、−N(R5)C(O)R5、−N(R5)(COOR5)および−S(O)nNR5R5であり;ならびに
nは、1または2、好ましくは2である)
の化合物、およびそれらの医薬適合性の誘導体にも関する。
【0022】
本発明は、下記式II’:
【0023】
【化5】
(式中、
R10は、フェニル、および5〜10員ヘテロシクリルから選択され、この場合、R10は、R11から選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;
好ましくは、3,4,5−トリメトキシフェニル、3,4−ジメトキシ−6−メチルフェニル、3−メトキシ−4−モルホリニルフェニルおよび5−インダゾリルから選択され;
R11は、C1〜C4アルキル、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニル、C3〜C10シクロアルキル、C4〜C6シクロアルケニル、フェニル、5〜6員ヘテロシクリル、フルオロ、クロロ、CF3、−OC(O)R12、−NR12R12、−COOR2、−C(O)R12、−C(O)NR12R12、−SO2R12、−SO2NR12R12、−NR12C(O)NR12R12、−NR12C(O)R2、−NR12(COOR12)、−NR12SO2NR12R12、−NR12SO2R12、−OC(O)NR12R12、−OR13、
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜C3アルキル、ならびに
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜C3アルケニル
から選択され;
好ましくは、シクロヘキシル、アダマンチル、フェニルおよびt−ブチルから選択され;
R12は、H、C1〜6−アルキル、ならびに
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択され;ならびに、
R13は、H、C1〜6−アルキル、アミノ−C1〜6−アルキル、C1〜6−アルキルアミノ−C1〜6−アルキル、アミノカルボニル−C1〜6−アルキル、C1〜6−アルキルアミノカルボニル−C1〜6−アルキル、ならびに
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択される)
の化合物、およびそれらの医薬適合性の塩にも関する。
【0024】
本発明は、下記式III’:
【0025】
【化6】
(式中、
R10は、フェニル、および5〜10員ヘテロシクリルから選択され、この場合、R10は、R11から選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;
好ましくは、3,4,5−トリメトキシフェニル、3,4−ジメトキシ−6−メチルフェニル、3−メトキシ−4−モルホリニルフェニルおよび5−インダゾリルから選択され;
R11は、C1〜C4アルキル、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニル、C3〜C10シクロアルキル、C4〜C6シクロアルケニル、フェニル、5〜6員ヘテロシクリル、フルオロ、クロロ、CF3、−OC(O)R12、−NR12R12、−COOR2、−C(O)R12、−C(O)NR12R12、−SO2R12、−SO2NR12R12、−NR12C(O)NR12R12、−NR12C(O)R2、−NR12(COOR12)、−NR12SO2NR12R12、−NR12SO2R12、−OC(O)NR12R12、−OR13、
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜C3アルキル、ならびに
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜C3アルケニル
から選択され;
好ましくは、シクロヘキシル、アダマンチル、フェニルおよびt−ブチルから選択され;
R12は、H、C1〜6−アルキル、ならびに
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択され;ならびに
R13は、H、C1〜6−アルキル、アミノ−C1〜6−アルキル、C1〜6−アルキルアミノ−C1〜6−アルキル、アミノカルボニル−C1〜6−アルキル、C1〜6−アルキルアミノカルボニル−C1〜6−アルキル、ならびに
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択される)
の化合物、およびそれらの医薬適合性の塩にも関する。
【0026】
本発明は、下記式IV:
【0027】
【化7】
(式中、
R10は、フェニル、および5〜10員ヘテロシクリルから選択され、この場合、R10は、R11から選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;
好ましくは、3,4,5−トリメトキシフェニル、3,4−ジメトキシ−6−メチルフェニル、3−メトキシ−4−モルホリニルフェニルおよび5−インダゾリルから選択され;
R11は、C1〜C4アルキル、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニル、C3〜C10シクロアルキル、C4〜C6シクロアルケニル、フェニル、5〜6員ヘテロシクリル、フルオロ、クロロ、CF3、−OC(O)R12、−NR12R12、−COOR2、−C(O)R12、−C(O)NR12R12、−SO2R12、−SO2NR12R12、−NR12C(O)NR12R12、−NR12C(O)R2、−NR12(COOR12)、−NR12SO2NR12R12、−NR12SO2R12、−OC(O)NR12R12、−OR13、
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜C3アルキル、ならびに
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜C3アルケニル
から選択され;
好ましくは、シクロヘキシル、アダマンチル、フェニルおよびt−ブチルから選択され;
R12は、H、C1〜6−アルキル、ならびに
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択され;ならびに
R13は、H、C1〜6−アルキル、アミノ−C1〜6−アルキル、C1〜6−アルキルアミノ−C1〜6−アルキル、アミノカルボニル−C1〜6−アルキル、C1〜6−アルキルアミノカルボニル−C1〜6−アルキル、ならびに
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択される)
の化合物、およびそれらの医薬適合性の塩にも関する。
【0028】
式Iの中で特に興味深い特定の化合物の1つのファミリーは、以下の化合物およびそれらの医薬適合性の塩から成る:
N4−(5−t−ブチルイソオキサゾール−3−イル)−N2−(4,5−ジメトキシ−2−メチル−フェニル)−ピリミジン−2,4−ジアミン;および
N4−(5−t−ブチルイソオキサゾール−3−イル)−N2−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−ピリミジン−2,4−ジアミン。
【0029】
式Iの中で特に興味深い特定の化合物の1つのファミリーは、以下の化合物およびそれらの医薬適合性の塩から成る:
N4−(5−t−ブチルイソオキサゾール−3−イル)−N2−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−ピリミジン−2,4−ジアミン;
N4−(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N2−(4,5−ジメトキシ−2−メチル−フェニル)−ピリミジン−2,4−ジアミン;
N4−(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N2−(1H−インダゾール−5−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン;
N4−(3−メトキシ−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−N2−(5−フェニル−イソオキサゾール−3−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン;
N4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−N2−(5−フェニルイソオキサゾール−3−イル)−2,4−ピリミジンジアミン;
N4−(2−メチル−4,5−ジメトキシフェニル)−N2−(5−フェニルイソオキサゾール−3−イル)−2,4−ピリミジンジアミン;
N4−(2−メチル−4,5−ジメトキシフェニル)−N2−(5−アダマンチルイソオキサゾール−3−イル)−2,4−ピリミジンジアミン;および
N4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−N2−(3−シクロヘキシルイソオキサゾール−5−イル)−2,4−ピリミジンジアミン。
【0030】
適応症
本発明の化合物は、癌および関連疾患の予防または治療(これらに限定されない)に有用である。本発明の化合物は、IGF−1R阻害活性などのキナーゼ阻害活性を有する。本発明の化合物は、治療において抗新生物薬として有用である。
【0031】
本発明の化合物は、それらに限定されないが、以下に挙げる癌および転移を含む新生物の治療に有用である:膀胱癌、乳癌、大腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌(小細胞肺癌を含む)、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頚癌、甲状腺癌、前立腺癌および皮膚癌(扁平上皮癌を含む)などの癌腫;リンパ系統の造血性腫瘍(白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ヘアリーセルリンパ腫およびバーキットリンパ腫を含む);骨髄系統の造血性腫瘍(急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異型性症候群および前骨髄球性白血病を含む);間葉由来の腫瘍(線維肉腫および横紋筋肉腫、ならびに他の肉腫、例えば、軟組織および骨の肉腫を含む);中枢および抹消神経系の腫瘍(神経膠星状細胞腫、線維芽細胞腫、神経膠腫および神経鞘腫を含む);ならびに他の腫瘍(黒色腫、精上皮腫、奇形癌、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、甲状腺濾胞癌およびカポジ肉腫を含む)。
【0032】
本発明の化合物は、充実性腫瘍、肉腫(特に、ユーイング肉腫および骨肉腫)、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、神経芽腫、造血性悪性疾患(白血病およびリンパ腫を含む)、腫瘍誘発性胸水または心内膜液浸出、ならびに悪性腹水などの、癌関連適応症の治療においても有用である。
【0033】
本発明の化合物は、アポトーシスの促進にも有用である。
【0034】
本発明の化合物は、他のプロテインキナーゼ、例えば、ErbB、KDR、CDK−2、LCK、CDK−5、IKK、JNK3、の阻害剤としての役割を果たすこともでき、故に、他のプロテインキナーゼに関連した疾病の治療に有効である。
【0035】
人間の治療に有用であることに加えて、本化合物は、哺乳動物、齧歯動物およびこれらに類するものを含む、ペット、外来動物および家畜の獣医学的治療にも有用である。さらに好ましい動物には、ウマ、イヌおよびネコが挙げられる。
【0036】
本明細書中で用いられる場合、本発明の化合物は、それらの医薬適合性の誘導体を含む。
【0037】
定義
用語「予防」は、個体における疾患の発症を全体的に予防すること、または個体における前臨床顕性段階の疾患の発症を遅延させることを含む。これは、例えば癌などの疾病を発現する危険性がある者の予防的治療を含む。「予防(prophylaxis)」は、予防(prevention)の別の言い方である。
【0038】
「医薬適合性の誘導体」は、新生物を治療できることを特徴とする、本発明の化合物の一切の塩もしくはエステル、または患者に投与されると本発明の化合物を(直接的または間接的に)提供することができる他の一切の化合物、またはその代謝物もしくは残分を示す。
【0039】
「治療に有効な」という文言は、別の治療法に典型的に随伴する有害な副作用を回避しながら、各薬剤それ自体での治療を上回る疾患の重症度および発生頻度の改善目標を達成する各薬剤の量を述べるためのものである。例えば、有効な新生物治療薬は、患者の生存を延ばすか、新生物に伴われる急速な増殖性細胞成長を抑制するか、または新生物を退縮させる。
【0040】
用語「H」は、単一の水素原子を示す。このラジカルは、例えば、酸素原子に結合して、ヒドロキシルラジカルを形成することができる。
【0041】
用語「アルキル」が、単独で、または「ハロアルキル」および「アルキルアミノ」などの他の用語の中で用いられる場合、それは、炭素原子を1個から約12個有する直鎖または分枝鎖ラジカルを包含する。さらに好ましいアルキルラジカルは、炭素原子を1個から約6個有する「低級アルキル」である。そうしたラジカルの例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソアミル、ヘキシルおよびこれらに類するものが挙げられる。炭素原子を1個または約2個有する低級アルキルラジカルは、さらにいっそう好ましい。用語「アルキレニル」は、メチレニルおよびエチレニルなどの架橋性二価アルキルラジカルを包含する。
【0042】
用語「アルケニル」は、炭素−炭素二重結合を少なくとも一つ有する、炭素原子2個から約12個の直鎖または分枝鎖ラジカルを包含する。さらに好ましいアルケニルラジカルは、炭素原子を2個から約6個有する「低級アルケニル」ラジカルである。最も好ましい低級アルケニルラジカルは、炭素原子を2個から約4個有するラジカルである。アルケニルラジカルの例には、エテニル、プロペニル、アリル、プロペニル、ブテニルおよび4−メチルブテニルが挙げられる。用語「アルケニル」および「低級アルケニル」は、「cis」および「trans」配向、あるいは、「E」および「Z」配向を有するラジカルを包含する。
【0043】
用語「アルキニル」は、炭素原子を2個から約12個有する直鎖または分枝鎖ラジカルを包含する。さらに好ましいアルキニルラジカルは、炭素原子を2個から約6個有する「低級アルキニル」ラジカルである。炭素原子を2個から約4個有する低級アルキニルラジカルが、最も好ましい。そうしたラジカルの例には、プロパルギル、ブチニルおよびこれらに類するものが挙げられる。
【0044】
用語「ハロ」は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲンを意味する。
【0045】
用語「環」および「環構造」は、原子の描写数を含む環を指し、前記原子は、炭素であるか、指示されている場合には、窒素、酸素またはは硫黄などのヘテロ原子である。環それ自体ならびにそこにある一切の置換基は、安定な化合物を生成することができるあらゆる原子で結合可能である。用語「非芳香族」環または環構造は、二環式または三環式環構造における環のうち、すべてである必要はないが、少なくとも一つの環が、非芳香族性であることを指す。
【0046】
脱離基は、反応中に分子から離れることができる化学種であり、当技術分野では公知である。そうした基の例には、ハロゲン基(例えば、I、Br、F、Cl)、スルホネート基(例えば、メシレート、トシレート)、スルフィド基(例えば、SCH3)、およびこれらに類するものが挙げられるが、それらに限定されない。求核試薬は、反応中に分子に結合することができる化学種であり、当技術分野では公知である。そうした基の例には、アミン、グリニャール試薬、アニオン性化学種(例えば、アルコキシド、アミド、カルバニオン)およびこれらに類するものが挙げられるが、それらに限定されない。
【0047】
用語「ハロアルコキシ」は、アルキル炭素原子のいずれか一つ以上が、上で定義したようなハロで置換されているラジカルを包含する。具体的には、モノハロアルキル、ジハロアルキルおよびポリハロアルキルラジカルを包含する。一例として、ハロアルキルラジカルは、そのラジカル内にヨウ素原子、臭素原子、塩素原子またはフッ素原子のいずれかを有することができる。ジハロおよびポリハロアルキルラジカルは、二つ以上の同じハロ原子、または異なるハロラジカルの組合せを有することができる。「低級ハロアルキル」は、炭素原子を1個から約6個有するラジカルを包含する。炭素原子を1個から3個有する低級ハロラジカルは、さらにいっそう好ましい。ハロアルキルラジカルの例には、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチルおよびジクロロプロピルが挙げられる。「過フルオロアルキル」は、すべての水素原子がフッ素原子で置換されているアルキルラジカルを意味する。例には、トリフルオロメチルおよびペンタフルオロエチルが挙げられる。
【0048】
用語「ヒドロキシアルキル」は、炭素原子を1個から約10個有する直鎖または分枝鎖アルキルラジカルであって、前記炭素原子のうちのいずれか一つが、一つ以上のヒドロキシルラジカルで置換されていてもよいアルキルラジカルを包含する。さらに好ましいヒドロキシアルキルラジカルは、炭素原子を1個から6個とヒドロキシルラジカルを1個以上有する「低級ヒドロキシラジカル」ラジカルである。そうしたラジカルの例には、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチルおよびヒドロキシヘキシルが挙げられる。炭素原子を1個から3個有する低級ヒドロキシアルキルラジカルは、さらにいっそう好ましい。
【0049】
用語「アルコキシ」は、各々が炭素原子1個から約10個のアルキル部分を有する直鎖または分枝鎖の酸素含有ラジカルを包含する。さらに好ましいアルコキシラジカルは、炭素原子を1個から6個有するの「低級アルコキシ」ラジカルである。そうしたラジカルの例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシおよびt−ブトキシが挙げられる。炭素原子を1個から3個有する低級アルコキシラジカルは、さらにいっそう好ましい。アルコキシラジカルは、フッ素、塩素または臭素などのハロ原子一つ以上でさらに置換されて、「ハロアルキル」ラジカルを生じることができる。炭素原子を1個から3個有する低級ハロアルコキシラジカルは、さらにいっそう好ましい。そうしたラジカルの例には、フルオロメトキシ、クロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、フルオロエトキシおよびフルオロプロポキシが挙げられる。
【0050】
単独または組合せで、用語「アリール」は、一つまたは二つの環(この場合、そうした環は、互いに融合式に結合していてもよい)を含む炭素環式芳香族構造を意味する。用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、インデニル、テトラヒドロナフチルおよびインダニルなどの芳香族ラジカルを包含する。さらに好ましいアリールは、フェニルである。前記「アリール」基は、低級アルキル、ヒドロキシ、ハロ、低級ハロアルキル、ニトロ、シアノ、低級アルコキシおよび低級アルキルアミノなどの置換基を1個から5個有することができる。
【0051】
用語「ヘテロシクリル」は、窒素、硫黄および酸素から選択することができるへテロ原子を含有する飽和、部分飽和および不飽和の環状ラジカルを包含する。これには、−O−O−、−O−S−または−S−S−部分を含む環は、含まれない。前記「ヘテロシクリル」基は、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、シアノ、低級アルキル、低級アラルキル、オキソ、低級アルコキシ、アミノおよび低級アルキルアミノなどの置換基を1個から3個有することができる。
【0052】
飽和複素環ラジカルの例には、窒素原子を1個から4個含有する飽和3〜6員単環式複素環基[例えば、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピロリニル、ピペラジニル];酸素原子を1個から2個と窒素原子を1個から3個含有する飽和3〜6員単環式複素環基[例えば、モルホリニル];硫黄原子を1個から2個と窒素原子を1個から3個含有する飽和3〜6員単環式複素環基[例えば、チアゾリジニル]が挙げられる。部分飽和ヘテロシクリルラジカルの例には、ジヒドロチエニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロフリルおよびジヒドロチアゾリルが挙げられる。
【0053】
「ヘテロアリール」ラジカルとも呼ばれる不飽和複素環ラジカルの例には、窒素原子を1個から4個含有する不飽和5〜6員ヘテロモノシクリル基、例えば、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル[例えば、4H−1,2,4−トリアゾリル、1H−1,2,3−トリアゾリル、2H−1,2,3−トリアゾリル];酸素原子を含有する不飽和5〜6員単環式複素環基、例えば、ピラニル、2−フリル、3−フリルなど;硫黄原子を含有する不飽和5〜6員単環式複素環基、例えば、2−チエニル、3−チエニルなど;酸素原子を1個から2個と窒素原子を1個から3個含有する不飽和5〜6員単環式複素環基、例えば、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル[例えば、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル];硫黄原子を1個から2個と窒素原子を1個から3個含有する不飽和5〜6員単環式複素環基、例えば、チアゾリル、チアジアゾリル[例えば、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル]が挙げられる。
【0054】
この用語は、複素環ラジカルがアリールラジカルと融合/縮合しているラジカル:窒素原子を1個から5個含有する不飽和縮合複素環基、例えば、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンズイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリジダジニル[例えば、テトラゾロ[1,5−b]ピリダジニル];酸素原子を1個から2個と窒素原子を1個から3個含有する不飽和縮合複素環基[例えば、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル];硫黄原子を1個から2個と窒素原子を1個から3個含有する不飽和縮合複素環基[例えば、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル]、も包含する。好ましい複素環ラジカルには、5〜10員融合または非融合ラジカルが挙げられる。ヘテロアリールラジカルのさらに好ましい例には、キノリル、イソキノリル、イミダゾリル、ピリジル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、フリルおよびピラジニルが挙げられる。他の好ましいヘテロアリールラジカルは、硫黄、窒素および酸素から選択されたヘテロ原子を1または2個含有する5または6員ヘテロアリールであり、チエニル、フリル、ピロリル、インダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピペリジニルおよびピラジニルから選択される。
【0055】
用語「スルホニル」は、単独で用いられていようと、アルキルスルホニルなど、他の用語と結合していようと、それぞれ、二価のラジカル−SO2−を示す。
【0056】
用語「アルキルスルホニル」は、アルキルラジカルで置換されているスルホニルラジカルを包含する。さらに好ましいアルキルスルホニルラジカルは、炭素原子を1個から6個有する「低級アルキルスルホニル」ラジカルである。炭素原子を1個から3個有する低級アルキルスルホニルは、さらにいっそう好ましい。そうした低級アルキルスルホニルラジカルの例には、メチルスルホニルおよびエチルスルホニルが挙げられる。
【0057】
用語「スルファミル」、「アミノスルホニル」および「スルホアミジル」は、アミンラジカルで置換されているスルホニルラジカル、(−SO2NH2)を示す。
【0058】
用語「カルボキシ」または「カルボキシル」は、単独で用いられていようと、「カルボキシアルキル」など、他の用語とともに用いられていようと、−CO2Hを示す。
【0059】
用語「アラルキル」は、アリール置換アルキルラジカルを包含する。好ましいアラルキルラジカルは、炭素原子を1個から6個有するアルキルラジカルに結合しているアリールラジカルを有する「低級アラルキル」ラジカルである。炭素原子を1個から3個有するアルキル部部に結合している「フェニルアルキレニル」は、さらにいっそう好ましい。そうしたラジカルの例には、ベンジル、ジフェニルメチルおよびフェニルエチルが挙げられる。前記アラルキルにおけるアルキルは、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキルおよびハロアルコキシでさらに置換されていてもよい。
【0060】
用語「ヘテロシクリルアルキレニル」は、ヘテロシクリル置換アルキルラジカルを包含する。好ましいヘテロシクリルアルケニルラジカルは、炭素原子を1個から6個有するアルキルラジカルに結合しているヘテロシクリルラジカルを有する「低級ヘテロシクリルアルキレニル」ラジカルである。モルホリニルメチル、メチルピペルジニルメチル、メチルピペラジニルメチルおよびこれらに類するものなどのヘテロシクリル−C1〜C2−アルキレニルラジカルは、さらに好ましい。
【0061】
用語「カルボニル」は、単独で用いられていようと、「アミノカルボニル」など、他の用語とともに用いられていようと、−(C=O)−を示す。
【0062】
用語「アルキルアミノ」は、アミノ基が、それぞれ、アルキルラジカル1個およびアルキルラジカル2個で置換されている、「N−アルキルアミノ」および「N,N−ジアルキルアミノ」を包含する。さらに好ましいアルキルアミノラジカルは、窒素原子に結合している、炭素原子1個から6個のアルキルラジカルを1または2個有する「低級アルキルアミノ」ラジカルである。炭素原子を1個から3個有する低級アルキルアミノラジカルは、さらにいっそう好ましい。適するアルキルアミノラジカルは、N−メチルアミノ、N−エチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、その他などのモノまたはジアルキルアミノでありうる。
【0063】
用語「アミノアルキル」は、1個から約10個の炭素原子(このうちのいずれか1個は、1個以上のアミノラジカルで置換されうる)を有する直鎖または分枝鎖アルキルラジカルである。さらに好ましいアミノアルキルラジカルは、炭素原子を1個から6個とアミノラジカルを1個以上有する「低級アミノラジカル」である。そうしたラジカルの例には、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノブチルおよびアミノヘキシルが挙げられる。炭素原子1個から3個を有する低級アミノアルキルラジカルは、さらにいっそう好ましい。
【0064】
用語「アルキルアミノアルキル」は、アルキルアミノラジカルで置換されているアルキルラジカルを包含する。さらに好ましいアルキルアミノアルキルラジカルは、炭素原子を1個から6個有する「低級アルキルアミノアルキル」ラジカルである。炭素原子を1個から3個有する低級アルキルアミノアルキルラジカルは、さらにいっそう好ましい。適するアルキルアミノアルキルラジカルは、N−メチルアミノメチル、N,N−ジメチルアミノエチル、N,N−ジエチルアミノメチルおよびこれらに類するものなどのモノまたはジアルキルでありうる。
【0065】
用語「シクロアルキル」は、飽和炭素環基を含む。好ましいシクロアルキル基には、C3〜C6環が挙げられる。さらに好ましい化合物には、シクロペンチル、シクロプロピルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
【0066】
用語「シクロアルケニル」は、炭素−炭素二重結合を一つ以上有する炭素環基を含む。「シクロアルケニル」化合物および「シクロアルキルジエニル」化合物が含まれる。好ましいシクロアルケニル基には、C3〜C6環が挙げられる。さらに好ましい化合物には、例えば、シクロペンテニル、シクロペンタンジエニル、シクロヘキセニルおよびシクロヘプタジエニルが挙げられる。
【0067】
用語「アリールオキシ」は、酸素原子に結合している、上で定義したような場合によっては置換されているアリールラジカルを包含する。そうしたラジカルの例には、フェノキシが挙げられる。
【0068】
用語「アラルコキシ」は、酸素により他のラジカルに結合している酸素含有アラルキルラジカルを包含する。さらに好ましいアラルコキシラジカルは、上に記載したような低級アルコキシラジカルに結合している、場合によっては置換されているフェニルラジカルを有する「低級アラルコキシ」ラジカルである。そのアリール部分は、さらに置換されていてもよい。
【0069】
用語「ヘテロアリールオキシ」は、酸素原子に結合している、上で定義したような場合によっては置換されているヘテロアリールラジカルを包含する。
【0070】
用語「ヘテロアリールアルコキシ」は、酸素原子によって結合しているヘテロアリールアルキルラジカルを包含する。さらに好ましいヘテロアリールアルコキシラジカルは、上に記載したような低級アルコキシラジカルに結合している、場合によっては置換されているヘテロアリールアルキルラジカルを有する「低級ヘテロアリールアルコキシ」ラジカルである。
【0071】
用語「アミノカルボニル」は、式−C(=O)NH2のアミド基を示す。
【0072】
用語「アルコキシカルボニル」は、カルボニルラジカルがアルコキシラジカルで置換されているエステル基を示す。カルボニルラジカルに結合している、上に記載したような低級アルコキシラジカルを有する「低級アルコキシカルボニル」は、さらに好ましい。
【0073】
用語「アルキルカルボニル」は、アルキルラジカルで置換されているカルボニル基を示す。メチルカルボニル、エチルカルボニルおよびプロピルカルボニルなどのC1〜C6−アルキルカルボニルは、さらに好ましい。
【0074】
用語「N−アルキルアミノカルボニル」および「N,N−ジアルキルアミノカルボニル」は、それぞれ、1個または2個のアルキルラジカルで置換されているアミノカルボニルラジカルを示す。アミノカルボニルラジカルに結合している、上に記載したような低級アルキルラジカルを有する「低級アルキルアミノカルボニル」は、さらに好ましい。
【0075】
「医薬適合性のプロドラッグ」は、受容者に投与されると、本発明の化合物を(直接的または間接的に)生じることができる本発明の化合物のあらゆる医薬適合性の塩、エステル、エステルの塩、または他の誘導体を意味する。特に好適な誘導体およびプロドラッグは、そうした化合物が、哺乳動物に投与された時、(例えば、経口投与された化合物を、より容易に血液に吸収させることにより)本発明の化合物のバイオアベイラビリティを増大させるもの、またはその親化合物の生物学的区画(例えば、脳またはリンパ系)への送達を、その親化学種と比較して、増進するものである。好ましいプロドラッグには、水溶性を向上させるか、消化管膜よる活性輸送を増進する基が、本明細書に記載の式の構造に付加している誘導体が挙げられる。
【0076】
用語「含む」は、制限が無いこと、すなわち、指示された成分を包含するが、他の要素を除外しないことを意味する。
【0077】
「式IからIV」という文言は、I’およびIII’などの副次的な式を含む。
【0078】
本発明は、好ましくは、IGF−1Rを選択的に阻害する化合物を含む。
【0079】
本発明は、前に記載したものを含む、急性または慢性のアポトーシス媒介疾病状態の治療用薬物の製造における本発明の化合物またはその医薬適合性の誘導体の使用も含む。本発明の化合物は、抗癌薬の製造において有用である。本発明の化合物は、IGF−1Rの阻害により疾患を緩和または予防する薬物の製造においても有用である。
【0080】
本発明は、治療有効量の式IからIVの化合物を少なくとも一つの医薬適合性の担体、アジュバントまたは希釈剤とともに含む医薬組成物を含む。
【0081】
本発明は、被験者においてアポトーシス関連疾患を治療する方法も含み、この方法は、そうした疾患に罹患しやすい被験者を治療有効量の本発明の化合物で治療することを含む。
【0082】
併用
本発明の化合物は、単独の活性医薬として投与することができるが、本発明の化合物一つ以上と他の薬剤を併用することもできる。併用薬として投与される時、そうした治療薬は、同時に投与されるか、異なる時に逐次的に投与される別個の組成物として調合することができ、またはそうした治療薬は、単一の組成物として与えることができる。
【0083】
本発明の化合物および別の医薬の使用を定義する上で、「共同療法」(または「併用療法」)という文言は、有益な薬物併用効果を生じる治療方式で、逐次的に各薬剤を投与することを包含することとし、また、固定比率でこれらの活性薬剤を有する単一のカプセルで、または薬剤ごとに複数の別のカプセルでなど、実質的に同時にこれらの薬剤を共同投与すること包含することとする。
【0084】
具体的には、本発明の化合物の投与は、放射線療法または細胞増殖抑制剤もしくは細胞毒薬などでの新生物の予防または治療に関する、当業者には公知のさらなる療法と併用することができる。
【0085】
固定用量として調合される場合、そうした併用製品には、本発明の化合物が、許容される用量範囲内で利用される。式Iの化合物は、併用調合が不適切な時には、公知の抗癌剤または細胞毒薬ともに逐次的に投与することもできる。本発明は、投与の順序の制限を受けないので、式Iの化合物は、公知の抗癌剤または細胞毒剤の投与前または投与後、いずれにおいて投与してもよい。
【0086】
現在、原発腫瘍の標準的な治療は、外科手術的切除、その後の放射線または静脈内投与型化学療法から成る。典型的な化学療法計画は、DNAアルキル化薬、DNA挿入剤、CDK阻害剤、または微小管毒のいずれかから成る。使用される化学療法用量は、最大耐量の直前であり、従って、用量を制限する毒性には、典型的に、悪心、嘔吐、下痢、脱毛、好中球減少およびこれらに類するものが挙げられる。
【0087】
薬物併用化学療法により新形成を治療するために選択される、商業使用、臨床評価および前臨床開発に利用可能な抗新生物薬は多数ある。そうした抗新生物薬は、幾つかの主要なカテゴリー、すなわち、抗生物質タイプの薬剤、アルキル化薬、代謝拮抗薬、ホルモン薬、免疫薬、インターフェロンタイプの薬剤、およびその他の薬剤のカテゴリーに分類される。
【0088】
本発明の化合物と併用することができる抗腫瘍薬の第一のファミリーは、代謝拮抗物質タイプ/チミジル酸シンターゼ阻害剤抗新生物薬から成る。適する代謝拮抗物質抗新生物薬は、5−FU−フィブリノーゲン、アカンサス葉酸、アミノチアジアゾール、ブレキナーナトリウム、カルモフール、Ciba−Geigy CGP−30694、シクロペンチルシトシン、リン酸シタラビン・ステアリン酸塩、シタラビン抱合体、Lilly DATHF、Merrel Dow DDFC、デザグアニン、ジデオキシシチジン、ジデオキシグアノシン、ジドックス、吉冨ファインケミカル株式会社 DMDC、ドキシフルリジン、Wellcome EHNA、Merck & Co.EX−015、ファザラビン、フロキシウリジン、リン酸フルダラビン、5−フルオロウラシル、N−(2’−フラニジル)−5−フルオロウラシル、第一製薬株式会社 FO−152、イソプロピルピロリジン、Lilly LY−188011、Lilly LY−264618、メトベンザプリム、メトトレキサート、Wellcome MZPES、ノルスペルミジン、NCI NSC−127716、NCI NSC−264880、NCI NSC−39661、NCI NSC−612567、Waner−Lambert PALA、ペントスタチン、ピリトレキシム、ピリカマイシン、旭化成株式会社 PL−AC、武田薬品工業株式会社 TAC−788、チオグアニン、チアゾフリン、Erbamont TIF、トリメトレキサート、チロシンキナーゼ阻害剤、大鵬製薬株式会社 UFTおよびウリシチンから成る群より選択することができるが、これらに限定されない。
【0089】
本発明の化合物と併用することができる抗新生物薬の第二のファミリーは、アルキル化型抗新生物薬から成る。適するアルキル化タイプの抗腫瘍薬は、塩野義製薬株式会社 254−S、アルド−ホスファミド類似体、アルトレタミン、アナキシロン、Boehringer Mannheim BBR−2207、ベストラブシル、ブドチタン、湧永製薬株式会社 CA−102、カルボプラチン、カルムスチン、Chinoin−139、Chinoin−153、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、American Cyanamid CL−286558、Sanofi CY−233、シプラテート、Degussa D−19−384、住友製薬株式会社 DACHP(Myr)2、ジフェニルスピロムスチン、ジプラチナム細胞増殖抑止剤、Erba ジスタマイシン誘導体、中外製薬株式会社 DWA−2114R、ITI E09、エルムスチン、Erbamont FCE−24517、リン酸エストラムスチンナトリウム、ホテムスチン、Unimed G−6−M、Chinoin GYKI−17230、ヘプスル−ファム、イホスファミド、イプロプラチン、ロムスタチン、マホスファミド、ミトラクトール、日本化薬株式会社 NK−121、NCI NSC−264395、NCI NSC−342215、オキサリプラチン、Upjohn PCNU、プレドニムスチン、Proter PTT−119、ラニムスチン、セムスチン、SmithKline SK&F−101772、株式会社ヤクルト本社 SN−22、スピロムス−チン、田辺製薬株式会社 TA−077、タウロムスチン、テモゾロミド、テロキシロン、テトラプラチンおよびトリメラオモールから成る群より選択することができるが、これらに限定されない。
【0090】
本発明の化合物と併用することができる抗新生物薬の第三のファミリーは、抗生物質タイプの抗新生物薬から成る。適する抗生物質タイプの抗新生物薬は、大鵬製薬株式会社 4181−A、アクラルビシン、アクチノマイシンD、アクチノプラノン、Erbamont ADR−456、アエロプリシニン誘導体、味の素株式会社 AN−201−II、味の素株式会社 AN−3、日本曹達株式会社アニソマイシン、アントラサイクリン、アジノ−マイシン−A、ビスカベリン、Bristol−Myers BL−6859、Bristol−Myers BMY−25067、Bristol−Myers BMY−25551、Bristol−Myers BMY−26605、Bristol−Myers BMY−27557、Bristol−Myers BMY−28438、硫酸ブレオマイシン、ブリオスタチン−1、大鵬製薬株式会社 C−1027、カリケマイシン、クロモキシマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、協和発酵株式会社 DC−102、協和発酵株式会社 DC−79、協和発酵株式会社 DC−88A、協和発酵株式会社 DC89−A1、協和発酵株式会社 DC92−B、ジトリサルビシンB、塩野義製薬株式会社 DOB−41、ドキソルビシン、ドキソルビシン−フィブリノーゲン、エルサマイシン−A、エピルビシン、エルブスタチン、エソルビシン、エスペラマイシン−A1、エスペラマイシン−Alb、Erbamont FCE−21954、藤沢薬品工業株式会社 FK−973、ホストリエシン、藤沢薬品工業株式会社 FR−900482、グリドバクチン、グレガチン−A、グリンカマイシン、ヘルビマイシン、イダルビシン、イルジンズ、カズサマイシン、ケサリロジンズ、協和発酵株式会社 KM−5539、麒麟麦酒株式会社 KRN−8602、協和発酵株式会社 KT−5432、協和発酵株式会社 KT−5594、協和発酵株式会社 KT−6149、American Cyanamid LL−D49194、明治製菓株式会社 ME2303、メノガリル、ミトマイシン、ミトキサントロン、SmithKline M−TAG、ネオエナクチン、日本化薬株式会社 NK−313、日本化薬株式会社 NKT−01、SRI International NSC−357704、オキサリシン、オキサウノマイシン、ペプロマイシン、ピラチン、ピラルビシン、プロトラマイシン、ピリンダニシンA、東菱薬品工業株式会社 RA−I、ラパマイシン、リゾキシン、ロドルビシン、シバノマイシン、シウェノマイシン、住友製薬株式会社 SM−5887、雪印乳業株式会社 SN−706、雪印乳業株式会社 SN−07、ソランギシン−A、スパルソマイシン、エスエス製薬株式会社 SS−21020、エスエス製薬株式会社 SS−7313B、エスエス製薬株式会社 SS−9816B、ステフィマイシンB、大鵬製薬株式会社 4181−2、タリソマイシン、武田薬品工業株式会社 TAN−868A、テルペンテシン、トラジン、トリクロザリンA、Upjohn U−73975、協和発酵株式会社 UCN−10028A、藤沢薬品工業株式会社 WF−3405、吉冨ファインケミカル株式会社 Y−25024およびゾルビシンから成る群より選択することができるが、これらに限定されない。
【0091】
本発明の化合物と併用することができる抗新生物薬の第四のファミリーは、微小管相互作用薬、トポイソメラーゼII阻害剤、トポイソメラーゼI阻害剤およびホルモン薬を含む抗新生物薬のその他のファミリーから成り、α−カロチン、α−ジフルオロメチル−アルギニン、アシトレチン、Biotec AD−5、杏林製薬株式会社 AHC−52、アルストニン、アモナフィド、アンフェチニル、アンサクリン、Angiostat、アンキノマイシン、アンチ−ネオプラストン A10、アンチネオプラストンA2、アンチネオプラストンA3、アンチネオプラストンA5、アンチネオプラストンAS2−1、Henkel APD、グリシン酸アフィジコリン、アスパラギナーゼ、Avarol、バッカリン、バトラクリン、ベンフルロン、ベンゾトリプト、Ipsen−Beaufour BIM−23015、ビサントレン、Bristo−Myers BMY−40481、Vestar ボロン−10、ブロモホスファミド、Wellcome BW−502、Wellcome BW−773、カラセミド、塩酸カルメチゾール、味の素株式会社 CDAF、クロロスルファキノキサロン、Chemes CHX−2053、Chemex CHX−100、Waner−Lambert CI−921、Waner−Lambert CI−937、Waner−Lambert CI−941、Waner−Lambert CI−958、クランフェヌル、クラビリデノン、ICN コンパウンド1259、ICN コンパウンド4711、Contracan、株式会社ヤクルト本社 CPT−11、クリスナトール、クラデルム、サイトカラシンB、シタラビン、シトシチン、Merz D−609、DABIS マレエート、ダカルバジン、ダテリプチニウム、ジデムニン−B、ジヘマトポルフィリンエーテル、ジヒドロレンペロン、ジナリン、ジスタマイシン、東洋ファルマー株式会社 DM−341、東洋ファルマー株式会社 DM−75、第一製薬株式会社 DN−9693、ドセタキセルエリプラビン、酢酸エリプチニウム、株式会社ツムラ EPMTC、そのエポシロン、エルゴタミン、エトポシド、エトレチネート、フェンレチニド、藤沢薬品工業株式会社 FR−57704、硝酸ガリウム、ゲンクワダフニン、中外製薬株式会社 GLA−43、Glaxo GR−63178、グリホラン NMF−5N、ヘキサデシルホスホクロリン、株式会社ミドリ十字 HO−221、ホモハリントニン、ヒドロキシ尿素、BTG ICRF−187、イルモホシン、イソグルタミン、イソトレチノイン、大塚製薬株式会社 JI−36、Ramot K−477、大塚製薬株式会社 K−76COONa、呉羽化学工業株式会社 K−AM、MECT Corp KI−8110、American Cyanamid L−623、ロイコレグリン、ロニダミン、Lundbeck LU−23−112、Lilly LY−186641、NCI(US) MAP、マリシン、Merrel Dow MDL−27048、Medco MEDR−340、メルバロン、メロシアニン誘導体、メチルアニリノアクリジン、Molecular Genetics MGI−136、ミナクチビン、ミトナフィド、ミトキドンモピダモール、モトレチニド、全薬工業株式会社 MST−16、N−(レチノイル)アミノ酸、日清製粉株式会社 N−021、Nアシル化デヒドロアラニン、ナファザトロム、大正製薬株式会社 NCU−190、ノコダゾール誘導体、Normosang、NCI NSC−145813、NCI NSC−361456、NCI NSC−604782、NCI NSC−95580、オクレオチド、小野薬品工業株式会社 ONO−112、オキザノシン、Akzo Org−10172、パシリタキセル、パンクラチスタチン、パゼリプチン、Waner−Lambert PD−111707、Waner−Lambert PD−115934、Waner−Lambert PD−131141、Pierre Fabre PE−1001、ICRT ペプチドD、ピロキサントロン、ポリヘマトポルフィリン、ポリプレン酸、Efamol プロフィリン、プロビマン、プロカルバジン、プログルミド、Invitron プロテアーゼネキシンI、東菱薬品工業株式会社 RA−700、ラゾキサン、サッポロビール株式会社 RBS、レストリクチン−P、レテリプチン、レチノイン酸、Rhone−Poulenc RP−49532、Rhone−Poulenc RP−56976、SmithKline SK&F−104864、住友製薬株式会社 SM−108、株式会社クラレ SMANCS、SeaPharm SP−10094、スパトール、スピロシクロプロパン誘導体、スピロゲルマニウム、Unimed、エスエス製薬株式会社 SS−554、ストリポルジノン、Stypoldione、サントリー株式会社 SUN 0237、サントリー株式会社 SUN 2071、スーパーオキシドジスムターゼ、富山化学工業株式会社 T−506、富山化学工業株式会社 T−680、タキソール、帝人株式会社 TEI−0303、テニポシド、サリブラスチン、Eastman Kodak TJB−29、トコトリエノール、トポテカン、Topostin、帝人株式会社 TT−82、協和発酵株式会社 UCN−01、協和発酵株式会社 UCN−1028、ウクライン、Eastman Kodak USB−006、硫酸ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンエストラミド、ビノレルビン、ビントリプトール、ビンゾリジン、ウイザノリドおよび山之内製薬株式会社 YM−534から成る群より選択することができるが、これらに限定されない。
【0092】
あるいは、本化合物は、共同療法において、アセマンナン、アクラルビシン、アルデスロイキン、アレムズマブ、アリトレチノイン、アルテラミン、アミホスチン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、ANCER、アンセスチム、ARGLABIN、三酸化ヒ素、BAM 002(Novelos)、ベキサロテン、ビカルタミド、ブロクスウリジン、カペシタビン、セルモロイキン、セトロレリックス、クラドリビン、クロトリマゾール、八リン酸シタラビン、DA 3030(Dong−A)、ダクリズマブ、デニロイキンジフチトクス、デスロレリン、デキサラゾキサン、ジラゼップ、ドセタキセル、ドコサノール、ドキセルカルシフェロール、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ブロモクリプチン、カルムスチン、シタラビン、フルオロウラシル、HITジクロフェナク、インターフェロンアルファ、ダウノルビシン、ドキソルビシン、トレチノイン、エデルホシン、エドレコロマブ、エフロルニチン、エミテフール、エピルビシン、エポエチンベータ、リン酸エトポシド、エキセメスタン、エクシスリンド、ファドロゾール、フィルグラスチム、フィナステリド、リン酸フルダラビン、ホルメスタン、ホテムスチン、硝酸ガリウム、ゲムシタビン、ゲムツズマブゾガマイシン、ギメラシル/オテラシル/テガフール併用、グリコピン、ゴセレリン、ヘプタプラチン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、ヒト胎児アルファフェトプロテイン、イバンドロン酸、イダルビシン、(イミキモッド、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ、天然、インターフェロンアルファ−2、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンアルファ−N1、インターフェロンアルファ−n3、インターフェロンアルファコン−1、インターフェロンアルファ、天然、インターフェロンベータ、インターフェロンベータ−1a、インターフェロンベータ−1b、インターフェロンガンマ、天然インターフェロンガンマ−1a、インターフェロンガンマ−1b、インターロイキン−1ベータ、イオベングアン、イリノテカン、イルソグラジン、ランレオチド、LC 9018(株式会社ヤクルト本社)、レフルノミド、レノグラスチン、硫酸レンチナン、レトロゾール、ロイコサイトアルファインターフェロン、ロイプロレリン、レバミソール+フルオロウラシル、リアロゾール、ロバプラチン、ロニダミン、ロバスタチン、マソプロコール、メラルソプロール、メトクロプラミド、ミフェプリストン、ミルテホシン、ミルイモスチム、ミスマッチド2本鎖RNA、ミトグアゾン、ミトラクトール、ミトキサントロン、モルグラモスチム、ナファレリン、ナロキソン+ペンタゾシン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ニルタミド、ノスカピン、新規赤血球生産刺激タンパク質、NSC 631570 オクトレオチド、オプレルベキン、オサテロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロン酸、ペグアスパルガーセ、ペグインターフェロンアルファ−2b、ペントサン多硫酸ナトリウム、ペントスタチン、ピシバニール、ピラルビシン、ウサギ抗胸腺細胞ポリクローナル抗体、ポリエチレングリコールインターフェロンアルファ−2a、ポルフィマーナトリウム、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラスブリカーゼ、レニウム Re 186 エチドロネート、RII レチンアミド、リタキシマブ、ロムルチド、サマリウム(153 Sm)レキシドロナム、サルグラモスチン、シゾフィラン、ソブゾキサン、ソネルミン、塩化ストロンチウム−89、スラミン、タソネルミン、タザロテン、テガフール、テモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テトラクロロデカオキシド、サリドマイド、チマルファシン、チロトロピンアルファ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ−ヨウ素 131、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トリロスタン、トリメトレキサート、トリプトレリン、腫瘍壊死因子アルファ、天然、ウベニメクス、膀胱癌ワクチン、丸山ワクチン、黒色腫溶解ワクチン、バルルビシン、ベルテポルフィン、ビノレルビン、VIRULIZIN、ジノスタチンスチムラマー、またはゾレドロン酸;アバレリクス;AE 941(Aeterna)、アンバムスチン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、bcl−2(Genta)、APC 8015(Dendreon)、セツキシマブ、デシタビン、デキサアミノグルテチミド、ジアジキオン、EL 532(Elan)、EM 800(Endorecherche)、エニルラシル、エタニダゾール、フェンレチニド、フィルグラスチム SD01(Amgen)、フルベストラント、ガロシタビン、ガストリン17イムノゲン、HLA−B7遺伝子療法(Vical)、顆粒球マクロファージコロニー形成刺激因子、二塩酸ヒスタミン、イブリツモマブチウキセタン、イロマスタット、IM 862(Cytran)、インターロイキン−2、イプロキシフェン、LDI 200(Milkhause)、レリジスチム、リンツズマブ、CA 125 MAb(Biomira)、癌 MAb(Japan Pharmaceutical Dvelopment)、HER−2およびFc MAb(Medarex)、イデオタイプの105AD7 MAb(CRC Technology)、イデオタイプのCEA MAb(Trilex)、LYM−1−ヨウ素 131 MAb(Techniclone)、多形上皮ムチン−イットリウム 90 MAb(Antisoma)、マリマスタット、メノガリル、ミツモマブ、モテキサフィン、ガドリニウム、MX 6(Galderma)、ネララビン、ノラトレキセド、P30タンパク質、ペグビソマント、ペメトレキセド、ポルフィロマイシン、プリノマスタット、RL 0903(Shire)、ルビテカン、サトラプラチン、フェニル酢酸ナトリウム、スパルホス酸(sparfosic acid)、SRL 172(SR Pharma)、SU 5416(SUGEN)、SU 6668(SUGEN)、TA 077(田辺製薬株式会社)、テトラチオモリブデン酸塩、タリブラスチン、トロンボポイエチン、スズエチルエチオプルプリン、チラパザミン、癌ワクチン(Biomira)、黒色腫ワクチン(New York University)、黒色腫ワクチン(Sloan Kettering Institute)、黒色腫腫瘍溶解ワクチン(New York Medical College)、ウイルス性黒色腫細胞溶解ワクチン(Royal Newcastle Hospital)、またはバルスポダールなどの他の抗新生物薬と併用することもできる。
【0093】
本発明は、ホスホリル転移を触媒する、および/またはATP/GTPヌクレオチドに結合する酵素の阻害剤、そうした阻害剤を含む組成物、ならびにそうした阻害剤および阻害剤組成物の使用法に関する。前記阻害剤およびそれらを含む組成物は、キナーゼを含むホルホリルトランスフェラーゼが関与しうる疾病、そうした疾病の徴候、またはキナーゼを含むホルホリルトランスフェラーゼにより媒介される他の生理学的事象の作用の治療または調節に有用である。本発明は、前記阻害剤化合物の製造法、およびキナーゼを含む一つ以上のホスホリルトランスフェラーゼの活性が関与する疾病の治療法も提供する。
【0094】
あるいは、本発明の化合物は、共同療法において、p38阻害剤およびCDK阻害剤、TNF阻害剤、メタロマトリックスプロテアーゼ阻害剤(MMP)、EGFR阻害剤(Iressaなど)、KDR阻害剤、COX−2阻害剤(セレコキシブ、ロフェコキシブ、パレコキシブ、ヴァルデコキシブおよびエトリコキシブを含む)、NSAID、SOD擬態またはαVβ3阻害剤を含む他のキナーゼ阻害剤などの他の抗新生物薬とともに使用することもできる。
【0095】
本発明は、式IからIVの化合物の調製法を含む。
【0096】
本発明の化合物は、一般に、1個以上の不斉炭素原子を有することができ、故に、光学異性体の形態で、ならびにそれらのラセミまたは非ラセミ混合物の形態で存在することができる。光学異性体は、従来の方法に従って、例えば、光学活性酸または塩基での処理によりジアステレオ異性体塩を形成することによって、ラセミ混合物を分割することにより得ることができる。適切な酸の例は、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルイル酒石酸および樟脳スルホン酸である。次に、ジアステレオ異性体の混合物を結晶化により分離し、その後、これらの塩から光学活性塩基を遊離させる。光学異性体を分離するための別の方法は、エナンチオマーの分離を最大にするように最適に選択されたキラルクロマトグラフィーカラムの使用を含む。さらに別の利用可能な方法は、本発明の化合物を活性化形の光学的に純粋な酸、または光学的に純粋なイソシアネートと反応させることによって、共有結合性ジアステレオ異性体分子を合成することを含む。合成されたジアステレオ異性体を、クロマトグラフィー、蒸留、結晶化または昇華などの通常の手段によって分離し、その後、加水分解して、エナンチオマー的に純粋な化合物をもたらすことができる。本発明の光学活性化合物は、活性出発原料の使用によって得ることもできる。これらの異性体は、遊離酸、遊離塩基、エステルまたは塩の形態であることができる。
【0097】
本発明の化合物は、一般に、互変異性形を有することができ、これらは、式IからIVの化合物のファミリーに含まれる。
【0098】
式IからIVの化合物のファミリーには、それらの医薬適合性の塩も含まれる。用語「医薬適合性の塩」は、アルカリ金属塩を形成するために、および遊離酸または遊離塩基の付加塩を形成するために一般に使用される塩を包含する。医薬適合性であるならば、塩の種類は、重要ではない。式IからIVの化合物の適切で医薬適合性の酸付加塩は、無機酸から調製することもできるし、または有機酸から調製することもできる。こうした無機酸の例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸およびリン酸である。適切な有機酸は、脂肪族系の有機酸、脂環式の有機酸、芳香族系の有機酸、芳香脂肪族系の有機酸、複素環系の有機酸、カルボン酸および硫酸類の有機酸から選択することができ、これらの例は、酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アントラニル酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、酪酸、樟脳酸、樟脳スルホン酸、クエン酸、シクロペンタンプロピオン酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ジグルコン酸、ドデシルスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ガラクツロン酸、グリコール酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルコヘプタン酸、グルタミン酸、グリセロリン酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、β−ヒドロキシ酪酸、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸、マンデル酸、メシル酸、メタンスルホン酸、ニコチン酸、2−ナフタレンスルホン酸、シュウ酸、パーム酸、ペクチン酸、ピバル酸、過硫酸、2−フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピルビン酸、プロピオン酸、フェニル酢酸、エンボン酸(パモ酸)、シクロペンタンプロピオン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、サリチル酸、スルファニル酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、およびウンデカン酸である。
【0099】
式IからIVの化合物の適切で医薬適合性の塩基付加塩には、例えば、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛を含むアルカリ金属およびアルカリ土類金属から作られる塩などの金属塩、またはカフェイン、アルギニン、ジエチルアミン、N−エチルピペリジン、ヒスチジン、グルカミン、イソプロピルアミン、リシン、モルホリン、N−エチルモルホリン、ピペラジン、ピペリジン、アンモニア、トリエチルアミン、トリメチルアミンなどの第一、第二および第三アミン、置換アミン(環状アミンを含む)を含む有機塩基から作られた塩が挙げられる。これらの塩は、すべて、例えば、適切な酸または塩基を式IからIVの化合物と反応させることによって、本発明の対応する化合物から通常の手段により調製することができる。
【0100】
また、塩基性窒素含有基は、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化ブチル、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、臭化ブチル、ヨー化メチル、ヨー化エチル、ヨー化プロピルおよびヨウ化ブチルなどの低級アルキルハロゲン化物;硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチルおよび硫酸ジアミルのような硫酸ジアルキル;塩化デシル、塩化ラウリル、塩化ミリスチル、塩化ステアリル、臭化デシル、臭化ラウリル、臭化ミリスチル、臭化ステアリル、ヨー化デシル、ヨー化ラウリル、ヨー化ミリスチルおよびヨー化ステアリルなどの長鎖ハロゲン化物;臭化ベンジルおよび臭化フェニエチルのようなアラルキルハロゲン化物;およびその他などの物質で四級化することができる。その結果、水溶性もしくは油溶性または水分散性もしくは油分散性の生成物が得られる。
【0101】
こうした塩のさらなる例は、Bergeら、J.Pharm.Sci./,66,1(1997)において見出すことができる。
【0102】
本発明で考えられる置換基および可変項の組合せは、安定な化合物の生成をもたらすもののみである。本明細書中で用いられる場合、用語「安定な」は、調製を可能ならしめるに足る安定性を有する化合物を指す。
【0103】
本明細書中で用いられる場合、本明細書に記載の化合物を含む本発明の化合物は、その医薬適合性の誘導体またはプロドラッグを含むものと定義される。
【0104】
本発明の化合物の医薬適合性の塩には、医薬適合性の無機酸、有機酸、無機塩基および有機塩基から誘導されたものが挙げられる。シュウ酸などの他の酸は、それら自体は医薬適合性ではないが、本発明の化合物およびそれらの医薬適合性の酸付加塩を得る際の中間体として有用な塩の調製に利用することができる。本発明は、本明細書に開示されている化合物のあらゆる塩基性窒素含有基の四級化も考えている。こうした四級化により、水溶性もしくは油溶性または水分散性もしくは油分散性の生成物を得ることができる。
【0105】
本発明は、下記式:
【0106】
【化8】
(これらの式中の基は、本明細書中で定義されているとおりである)
のうちの一つ以上のピリミジンを、一つまたは複数の適切な求核試薬と反応させることを含む、本明細書に記載のいずれかの式の化合物を製造するための方法に関する。
【0107】
本発明は、下記式:
【0108】
【化9】
(これらの式中、Lは、脱離基と定義され、基は、本明細書中で定義されているとおりである)
のうちの一つ以上のピリミジンを、一つまたは複数の適切な求核試薬と反応させることを含む、本明細書に記載のいずれかの式の化合物を製造するための方法にも関する。
【0109】
一般合成手順
本発明の化合物は、以下の図式1から2の手順(図式中、置換基は、さらに特に言及した場合を除き、上記の式IからIVについて定義したとおりである)に従って合成することができる。
【0110】
【化10】
【0111】
モノアミン置換ピリミジン2は、上記図式1に記載の方法に従って調製することができる。2,4−ジクロロピリミジン1を、NaHなどの塩基、およびDMFまたはTFHなどの溶媒の存在下、約0℃からほぼ室温で、ヘテロアリールアミンとカップリングさせて、(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)アミン2を得る。
【0112】
あるいは、2,4−ジクロロピリミジン1を、NaOt−Buの存在下、t−BuOHなどの溶媒中、ほぼ室温でアミンと反応させて、モノアミン置換ピリミジン2を生じる。
【0113】
【化11】
【0114】
モノアミン置換ピリミジン2を、アセトンおよび水などの溶媒中、濃HClなどの存在下で、R2NH2などの活性水素を有するアミンと反応させて、ジアミン置換ピリジン3を得る。
【0115】
あるいは、この反応は、IPAもしくはDMSOなどの溶媒中でDIEAを使用して、もしくは使用せずに行うことができ、またはIPAもしくはDMSOなどの溶媒中でEt3N・TFAを使用して、もしくは使用せずに行うことができ、またはHOAcなどの溶媒中で行うことができる。
【0116】
好ましくはこの反応は加熱され、さらに好ましくは約50℃より高い温度で、さらにいっそう好ましくは約90℃から100℃の温度で加熱される。
【0117】
式IからIVの化合物に一つ以上の他の官能基、例えば、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノまたはメルカプトがあるか、または反応に加わるべきでないのでそれらを保護する必要がある場合、それらは、ペプチド化合物、ならびにまたセファロスポリンおよびペニシリン、ならびに核酸誘導体および糖類の合成において通常使用されるような基である。
【0118】
保護基は、前駆体の中にすでに存在しうり、アシル化、エーテル化、エステル化、酸化、加溶媒分解および類似の反応などの望ましくない副反応から関係する官能基を保護しなければならない。保護基の特徴は、それらが、典型的には加溶媒分解、還元、光分解によって、または例えば生理条件に類似した条件下で、酵素活性によっても、容易に、すなわち、望ましくない副反応を伴わずに、除去できること、およびそれらが、最終製品中に存在しないことである。専門家は、どの保護基が上述または後述の反応に適するかを知っており、または容易に確立することができる。
【0119】
そうした保護基によるそうした官能基の保護、保護基自体、およびそれらの除去反応は、例えば、J.F.W.McOmie,「有機化学における保護基(Protective Group in Organic Chemistry)」,Plenum Press,London and New York 1973、T.W.Green,「有機合成における保護基(Protective Group in Organic Synthesis)」,Wiley New York 1981、「ペプチド(The Peputides)」;第3巻(編者:E.GrossおよびJ.Meienhofer),Academic Press,London and New York 1981、「有機化学の方法(Methoden der organischen Chemie(Methods of organic chemistry))」,Houben Weyl,第4版,第15/1巻,Georg Thieme Verlag,Stuttgart 1974、H.−D.Jakubke and H.Jescheit,「アミノ酸、ペプチド、蛋白質(Aminosauren,Peptide,Proteine(Amino acids,peptides,proteins))」,Verlag Chemie,Weinheim,Deerfield Beach,and Basel 1982、およびJochen Lehmann,「炭水化物の化学:単糖類および誘導体(Chemie der Kohlenhydrate:Monosaccharide und Drivate(Chemistry of carbohydrates:monosaccharides and derivatives))」,Georg Thieme Verlag,Stuttgart 1974などの標準的な参考書に記載されている。
【0120】
所望される場合に行われる追加の工程段階において、反応に加わるべきでない出発原料の官能基は、非保護形で存在してもよいし、例えば、「保護基」もとに上で言及した一つ以上の保護基により、保護されていてもよい。その後、保護基は、そこに記載されている方法のうちの一つに従って完全にまたは部分的に除去される。
【0121】
塩形成性基を有する式Iの化合物の塩は、それ自体知られている手法で調製することができる。例えば、式Iの化合物の酸付加塩は、酸または適するアニオン交換試薬での処理により得ることができる。二つの酸分子を有する塩(例えば、式Iの化合物の二ハロゲン化物)は、一つの化合物につき一つの酸分子を有する塩(例えば、一ハロゲン化物)に転化させることができる。これは、式Iの化合物1分子につき、放出された酸1分子を加熱して溶融体にすることにより、すなわち、例えば、式Iの化合物1分子につき、放出された酸1分子を、固体として、高真空下、高温(例えば、130℃から170℃)で加熱することにより、行うことができる。
【0122】
通常、塩は、例えば、適する塩基性物質、例えば、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩またはアルカリ金属水酸化物、典型的には、炭酸カリウムまたは水酸化ナトリウムで処理することにより、遊離化合物に転化させることができる。
【0123】
本明細書に記載するすべての工程段階は、既知の反応条件下、好ましくは、具体的に挙げられている反応条件下で、好ましくは、使用される試薬に対して不活性であり、且つ、これらを溶解することができるような溶媒または希釈剤が不在または通常は存在する状態で、低温、常温または高温、例えば、約−100℃から約190℃、好ましくは約−80℃から約150℃の範囲、例えば、約−80℃から約60℃、室温、約−20℃から約40℃、または使用される溶媒の沸点での反応および/または反応体のタイプに依存して、触媒、縮合剤または中和剤、例えば、イオン交換体、典型的には例えばH+形態のカチオン交換体が不在または存在する状態で、大気圧下で、または加圧が適する場合には密閉容器内で、および/または不活性雰囲気下、例えば、アルゴンまたは窒素下で、行うことができる。
【0124】
出発化合物および過渡体が塩形成性基を含有する場合、塩は、それらすべての中に存在しうる。塩は、そうした化合物の反応中にも存在しうるが、その反応がそれらにより妨げられないことを条件とする。
【0125】
一定の場合、典型的には水素化法では、立体選択的反応を達成することができ、それにより、例えば、個々の異性体をより容易に回収することができる。
【0126】
その方法の説明に特に別様に述べられていない限り、問題の反応に適する選択可能な溶媒には、例えば、H2O、エステル(典型的には、アルキル−低級アルカノエート、例えば、EtOAc)、エーテル(典型的には、脂肪族エーテル、例えば、Et2O、または環状エーテル、例えば、THF)、液体芳香族炭化水素(典型的には、ベンゼンまたはトルエン)、アルコール(典型的には、MeOH、EtOHまたは1−プロパノール、IPA)、ニトリル(典型的には、CH3CN)、ハロゲン化炭化水素(典型的には、CH2Cl2)、酸アミド(典型的には、DMF)、塩基(典型的には、複素環式窒素塩基、例えば、ピリジン)、カルボン酸(典型的には、低級アルカンカルボン酸、例えば、HOAc)、カルボン酸無水物(典型的には、低級アルカン酸無水物、例えば、無水酢酸)、環状、直鎖もしくは分枝鎖炭化水素(典型的には、シクロヘキサン、ヘキサンまたはイソペンタン)、またはこれらの溶媒の混合物、例えば、水溶液が挙げられる。
【0127】
本発明は、いずれかの段階で過渡体として得ることができる化合物から出発し、欠如している段階を行う形の方法、またはいずれかの段階で工程を打ち切る形の方法、またはその反応条件下で出発原料を生成する形の方法、または反応性誘導体もしくは塩の形態の前記出発原料を使用する形の方法、または本発明の方法により得ることができる化合物を生成し、前記化合物をインサイチュで加工する形の方法にも関する。好ましい実施形態では、好ましいと上に記載した化合物を導く出発原料から出発する。
【0128】
式IからIVの化合物(それらの塩を含む)は、水和物の形態で得ることもでき、またはそれらの結晶は、例えば、結晶化に使用される溶媒を含む(溶媒和化合物として存在する)ことができる。
【0129】
新規出発原料および/または中間体ならびにそれらの調製法も、本発明の主題である。好ましい実施形態では、そうした出発原料が使用され、また、好ましい化合物を得ることができるように選択された反応条件が使用される。
【0130】
本発明の出発原料は、既知であり、市販されているか、当技術分野において既知の方法と類似に、またはそれらに従って、合成することができる。
【0131】
出発原料の調製において、反応に加わらない既存の官能基は、必要な場合には保護すべきである。好ましい保護基、それらの導入およびそれらの除去は、上文または実施例に記載されている。
【0132】
残りの出発原料は、すべて、既知であり、既知の方法に従って調製することができるか、購入することができる。詳細には、それらは、実施例に記載されているような方法を用いて調製することができる。
【0133】
以下の実施例は、式IからIVの化合物の調製法の詳細な説明を含んでいる。これらの詳細な説明は、本範囲に入るものであり、また、本発明の一部を成す、その前に記載されている一般合成手順の例示に役立つものである。これらの詳細な説明は、説明のみを目的として提供するものであって、本発明の範囲を制限するためのものではない。
【0134】
本発明の化合物は、一つ以上の不斉中心を有し、それ故、ラセミ体、ラセミ混合物、スケルマー(scalemic)混合物、単一のエナンチオマー、個々のジアステレオマーおよびジアステレオマー混合物として発生しうる。これらの化合物のすべてのそうした異性体形は、明白に本発明に包含される。本発明の化合物は、例えば、下に図示するように、複数の互変異性形で存在することもある:
【0135】
【化12】
【0136】
本発明は、本明細書に記載の化合物のすべての互変異性体形を明白に包含する。本化合物は、cis−もしくはtrans−またはE−もしくはZ−二重結合異性体形でも発生しうる。そうした化合物のすべてのそうした異性体形は、明白に本発明に包含される。本明細書に記載されている化合物のすべての結晶形は、本発明に明白に包含される。
【0137】
環部分の置換基(例えば、フェニル、チエニルなど)は、それらがその原子に固定されているとう意図で、特定の原子に結合させてもよいし、またはH(水素)以外の原子により既に置換されていないあらゆる利用可能な原子において結合するという意図で、特定の原子に結合していないように描いてもよい。
【0138】
本発明の化合物は、別の環構造に結合している複素環構造を含むことができる。そうした複素環構造は、環構造内の炭素原子またはヘテロ原子により結合することができる。
【0139】
あるいは、本明細書に詳述されているいずれかの式の化合物を、本明細書に詳述されているいずれかの方法に従って合成することができる。本明細書中で詳述されている方法における段階は、必要に応じて、別の順序で行ってもよいし、追加の保護/脱保護段階より前または後に行ってもよい。本方法は、不活性溶媒、塩基などの追加の試薬(例えば、LDA、DIEA、ピリジン、K2CO3、およびこれらに類するもの)、触媒、および上記の塩形態を含む適切な反応条件の使用をさらに含む。中間体は、精製して、または精製せずに、インサイチュで単離してもよいし、持ち越してもよい。精製法は、当技術分野において公知であり、例えば、結晶化、クロマトグラフィー(液体および気相)、抽出、蒸留、研和、逆相HPLCおよびこれらに類するものが挙げられる。温度、保持時間、圧力および雰囲気(不活性ガス、周囲)などの反応条件は、当技術分野において公知であり、その反応に適するように調整することができる。
【0140】
当業者にはご理解いただけるように、上記合成図式は、本出願に記載され、特許請求されている化合物を合成することができるすべての手段の包括的リストを含むことを意図したものではない。さらなる方法は、通常の当業者には明らかである。加えて、上記の様々な合成段階を別の順番または順序で行って、所望の化合物を得ることができる。本明細書に記載の阻害剤化合物の合成に有用な合成化学変換および保護基方法論(保護および脱保護)は、当技術分野において公知であり、例えば、R.Larock,Comprehensive Organic Transformation,VCH Publishers(1989);T.W.Green and P.G.M.Wuts,Protective Group in Organic Synthesis,第3版,John Wiley and Sons(1999);L.Fieser and M.Fieser,Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1994);およびL.Paquette編,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1995)に記載されているものが挙げられる。
【0141】
本発明の化合物は、適切な官能基を付けることによって変性して、選択的な生物学的特性を強化することができる。そうした変性は、当技術分野において公知であり、そうした変性には、所定の生物学的区画(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的浸透を増大させるもの、経口アベイラビリティを増大させるもの、溶解度を増大させて注射による投与を可能ならしめるもの、代謝を変化させるもの、および排泄率を変化させるものが挙げられる。
【0142】
特に別様に述べられていない限り、すべての材料は、市場の供給源から入手し、さらに精製せずに使用した。別様に指示されていない限り、すべての部は、重量部であり、温度は、摂氏度である。すべての化合物は、それらの指定構造と一致するNMRスペクトルを示した。
【0143】
本明細書に記載されている発明をさらに容易にご理解いただくために、以下の実施例を記載する。これらの実施例は、説明のみを目的とするものであり、如何様にも本発明を制限するものとは解釈されないことは、ご理解いただけよう。
【0144】
分析法:
別様に指示されていない限り、すべてのHPLC分析は、HP Zorbax SB−C18(5μ)逆相カラム(4.6x150mm)を30℃、流量1.00mL/分でランするHP−1000またはHP−1050を用いて実施した。移動相は、10%から90%CH3CNの20分の傾斜で溶媒A(H2O/0.1%TFA)および溶媒B(CH3CN/0.1%TFA)を使用した。傾斜は、その後、10%CH3CNに2分間戻し、3分間フラッシュした。示されている時間でのLCプロフィールを用いて、対象となるピークを溶離した。
【0145】
LC−MS法:
方法A:
1.HP Zorbax SB−C8(5μ)逆相カラム(4.6x50mm)を30℃、流量0.75mL/分でランするHP−1100にサンプルを流した。
【0146】
2.移動相は、10%から90%CH3CNの10分の傾斜で溶媒A(H2O/0.1%AcOH)および溶媒B(CH3CN/0.1%AcOH)を使用した。傾斜は、その後、10%CH3CNに1分間戻し、2分間フラッシュした。
【0147】
3.示されている時間でのLCプロフィールを用いて、対象となるピークを溶離した。
【0148】
方法B:
4.HP Zorbax SB−C8(5μ)逆相カラム(4.6x50mm)を30℃、流量1.5mL/分でランするHP−1100にサンプルを流した。
【0149】
5.移動相は、10%から90%CH3CNの5分の傾斜で溶媒A(H2O/0.1%AcOH)および溶媒B(CH3CN/0.1%AcOH)を使用した。傾斜は、その後、10%CH3CNに0.5分間戻し、1.5分間フラッシュした。
【0150】
分取HPLC:示されている場合には、30x100mmカラムを具備するGilsonワークステーションを30mL/分で使用する分取HPLCにより、対象となる化合物を精製した。移動相は、5%から100%CH3CNの15分の傾斜で溶媒A(H2O/0.1%TFA)および溶媒B(CH3CN/0.1%TFA)を使用した。傾斜は、その後、5%CH3CNに2分間戻した。
【0151】
プロトンNMRスペクトル:
別様に指示されていない限り、すべての1H NMRスペクトルは、VarianシリーズMercury 300または400MHz装置を用いて実施した。観察されるすべてのプロトンは、示されている適切な溶媒中のテトラメチルシラン(TMS)または他の内部対照から下方領域の百万分率(ppm)として報告される。
【0152】
以下の略語を使用している:
AcOH、HOAc − 酢酸
CH3CN − アセトニトリル
ATP − アデノシン三リン酸
NH4Cl − 塩化アンモニウム
NH4OH − 水酸化アンモニウム
BINAP − 2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル
BH3 − ボラン
BSA − ウシ血清アルブミン
DDQ − 2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン
CH2Cl2 − ジクロロメタン
DIEA − ジイソプロピルエチレンアミン
DIAD − アゾジカルボン酸ジイソプロピル
EDC − 塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド
DMF − ジメチルホルムアミド
DMSO − ジメチルスルホキシド
DPPA − ジフェニルホスホリルアジド
DTT − ジチオトレイトール
EtOH − エタノール
EtOAc − 酢酸エチル
Et2O − エチルエーテル
FeSO4 − 硫酸鉄
g − グラム
h − 時間
HBr − 臭化水素酸
HCl − 塩酸
H2 − 水素
HOBt − ヒドロキシベンゾトリアゾール
IPA − イソプロパノール
LAH − 水素化アルミニウムリチウム
LiOH − 水酸化リチウム
MgSO4 − 硫酸マグネシウム
MnCl2 − 塩化マンガン
MeOH − メタノール
MeI − ヨウ化メチル
mg − ミリグラム
mL − ミリリットル
min − 分
N2 − 窒素
Pd/C − 炭素担持パラジウム
Pd(OAc)2 − 酢酸パラジウム
Pd(PPh3)4 − テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
Pd2(dba)3 − トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム
POCl3 − 塩化ホスホリル
PCl5 − 五塩化リン
P2O5 − 五酸化リン
Pt/C − 炭素担持白金
K2CO3 − 炭酸カリウム
KOt−Bu − カリウムt−ブトキシド
RT − 室温
NaHCO3 − 重炭酸ナトリウム
Na2CO3 − 炭酸ナトリウム
NaCl − 塩化ナトリウム
NaCN − シアン化ナトリウム
NaCNBH3 −シアノ水素化ホウ素ナトリウム
NaH − 水素化ナトリウム
NaOH − 水酸化ナトリウム
Na2SO4 − 硫酸ナトリウム
NaOt−Bu − ナトリウムt−ブトキシド
t−BuOH − t−ブチルアルコール
t−BuOMe、MTBE − t−ブチルメチルエーテル
Boc − t−ブチルオキシカルボニル
THF − テトラヒドロフラン
TEA、Et3N −トリエチルアミン
TFA − トリフルオロ酢酸
PPh3 − トリフェニルホスフィン
H2O − 水
【発明を実施するための最良の形態】
【0153】
(実施例1)
【0154】
【化13】
【0155】
N4−(5−t−ブチルイソオキサゾール−3−イル)−N2−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−ピリミジン−2,4−ジアミン
段階A
0℃で15mLのDMF中の3−アミノ−5−t−ブチルイソオキサゾール(922mg、6.58mmol)の溶液に、268mg(6.71mmol)のNaH(鉱物油中60%の分散体)を1分間かけて4回で添加した。得られた混合物を0℃で30分間攪拌し、この時、1.0g(6.71mmol)の2,3−ジクロロピリミジンを1回で添加した。得られた混合物を室温に温め(ジュワー瓶内のアイスメルト)、室温で22時間攪拌した。その反応混合物を、NH4Cl飽和水溶液で反応停止させ、H2OおよびEtOAcで希釈した。有機相をブラインで1回洗浄した。併せた水性相およびブライン洗液をEtOAcで1回抽出した。併せた有機相をNa2SO4で乾燥させて、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(2/1のヘキサン/EtOAcで溶離)により精製して、(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−アミンを、黄色を帯びた白色の固体として得た。
【0156】
段階B
(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−アミン(50mg、0.198mmol、段階A)と3,4,5−トリメトキシアニリン(36.2mg、0.198mmol)の混合物を、封管内で、DMSO中のEt3N−TFAの2M溶液(1.28gのEt3N−TFAと3mLのDMSOを併せることにより調製した保存溶液)0.15mLに懸濁させた。得られた混合物を100℃で4時間加熱して、室温に冷却し、CH2Cl2で希釈して(結晶化を試みた)、濃縮し、分取HPLCによって精製して、N4−(5−t−ブチルイソオキサゾール−3−イル)−N2−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−ピリミジン−2,4−ジアミンを緑灰色の非晶質固体として得た。MS m/z=400。C20H25N5O4についての計算値 − 399.19。
【0157】
(実施例2)
【0158】
【化14】
【0159】
N4−(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N2−(4,5−ジメトキシ−2−メチル−フェニル)−ピリミジン−2,4−ジアミン
段階A:(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−アミンの調製
20℃でt−BuOH(500mL)中の5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イルアミン(10.0g、71.33mmol)の溶液に、NaOt−Bu(17.1g、178.3mmol)を10分間かけて3回で添加した。その溶液は、淡黄色に変わり、濃厚な白色沈殿が出現した。その混合物を20℃で1時間攪拌し、その後、2,4−ジクロロピリミジン(15.9g、107.0mmol)を添加した。その混合物を20℃で90分間さらに攪拌すると、白色沈殿が溶解し、橙色の外観になった。NH4Cl(飽和水溶液、100mL)およびH2O(1L)を添加し、その混合物をCH2Cl2(3x200mL)で抽出した。併せた有機をH2O(300mL)、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させた後、濾過して、減圧下で濃縮した。その粗製反応混合物をクロマトグラフィー(96:4のCH2Cl2:MeOH)により精製することによって、表題化合物を生じた。
【0160】
段階B:N4−(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N2−(4,5−ジメトキシ−2−メチル−フェニル)−ピリミジン−2,4−ジアミンの調製
DMSO(0.110mL)中の(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−アミン(0.110g、0.435mmol、段階A)のスラリーに、2−メチル−4,5−ジメトキシアニリン(0.073g、0.435mmol)を添加した。その混合物を、TLCが出発原料の消失を示すまで、封管内で、90分間110℃で加熱した。その混合物をCH2Cl2(5mL)に吸収させ、その後、NaHCO3(飽和水溶液、1mL)およびH2O(5mL)を添加した。CH2Cl2(5x5mL)で抽出し、その後、MgSO4で乾燥させ、濾過することによって、粗製混合物を生じ、それを減圧下で濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(97:3のCH2Cl2:MeOH)により精製することによって、表題化合物を紫色の固体として生じた。MS m/z=384.2。C20H25N5O3についての計算値:383.45。
【0161】
以下の実施例は、実施例2について上に記載したものに類似した手法で、対応するアミンから調製した:
【0162】
(実施例3)
【0163】
【化15】
【0164】
N4−(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N2−(1H−インダゾール−5−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン
MS m/z=350.3。C18H19N7Oについての計算値:349.40。
【0165】
(実施例4)
【0166】
【化16】
【0167】
N4−(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N2−キノリン−3−イル−ピリミジン−2,4−ジアミン
MS m/z=361.3。C20H20N6Oについての計算値:360.42。
【0168】
(実施例5)
【0169】
【化17】
【0170】
N4−(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N2−キノリン−6−イル−ピリミジン−2,4−ジアミン
MS m/z=361.3。C20H20N6Oについての計算値:360.42。
【0171】
(実施例6)
【0172】
【化18】
【0173】
N4−(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N2−(1H−インダゾール−6−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン
MS m/z=350.3。C18H19N7Oについての計算値:349.40。
【0174】
(実施例7)
【0175】
【化19】
【0176】
3−[4−(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミド
DNSO(0.120mL)中の(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−アミン(実施例2、段階A)(0.120mg、0.47mmol)のスラリーに、3−アミノベンゼンスルホンアミド(0.082g、0.47mmol)を添加した。その反応混合物を封管内で、1時間、120℃で加熱し、この時、TLCは、出発原料の消失を示した。IPA(5mL)を添加して、その混合物を濾過し、IPA(2x1mL)で洗浄して、表題化合物を白色の固体として生じた。MS m/z=389.3。C17H20N6O3Sについての計算値:388.45。
【0177】
(実施例8〜13)
実施例8〜13は、実施例7について上に記載したものに類似した手法で、対応するアミンから調製した。
【0178】
【表1】
【0179】
(実施例14)
【0180】
【化20】
【0181】
N4−(3−メトキシ−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−N2−(5−フェニル−イソオキサゾール−3−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン
段階A:(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−(5−フェニル−イソオキサゾール−3−イル)−アミンの調製
表題化合物は、適切なイソオキサゾール試薬を使用し、実施例2(段階A)に記載した方法に類似した手法で調製した。
【0182】
段階B:4−(2−メトキシ−4−ニトロ−フェニル)−モルホリンの調製
20℃でトルエン(20mL)中の1−ブロモ−2−メトキシ−4−ニトロ−ベンゼン(2.5g、10.8mmol)、Pd2(dba)3(0.124g、0.215mmol)、NaOt−Bu(1.55g、16.2mmol)およびBINAP(0.202g、0.323mmol)の混合物に、10分かけてモルホリン(1.5mL、17.2mmol)を添加した。その混合物を80℃で3時間加熱した。この時、TLCは、残存する出発原料が無いことを示し、その時点で、その混合物、減圧下で蒸発させ、その後、H2O(50mL)を添加した。CH2Cl2(3x15mL)で抽出し、その後、併せた有機層をMgSO4で乾燥させた後、濾過して、濃縮することにより、橙色の油を生じた。シリカゲルでのクロマトグラフィー(97:3のCH2Cl2/MeOH)により、純粋な化合物を生じた。
【0183】
段階C:
3−メトキシ−4−モルホリン−4−イル−フェニルアミンの調製
20℃でEtOH(25mL)中の4−(2−メトキシ−4−ニトロ−フェニル)−モルホリン(1.0g、4.2mmol、段階B)の溶液に、Pd/C(100mg)を添加した。そのフラスコをゴム製セプタムでキャップし、バルーン/針によりH2圧を掛けた。その反応混合物を20℃で12時間攪拌し、砂/Celite(登録商標)に通して濾過し、濃縮した。その粗製混合物をクロマトグラフィー(97:3のCH2Cl2:MeOH)により精製することによって、3−メトキシ−4−モルホリン−4−イル−フェニルアミンを紫色の固体として生じた。
【0184】
段階D:N2−(3−メトキシ−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−N4−(5−フェニル−イソオキサゾール−3−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミンの調製。
【0185】
3−メトキシ−4−モルホリン−4−イル−フェニルアミン(段階C)を用い、実施例2の段階Bに記載した方法により表題化合物を調製した。MS m/z=445.3。C24H24N6O3についての計算値:444.50。
【0186】
(実施例15)
【0187】
【化21】
【0188】
N2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−N4−(5−フェニルイソオキサゾール−3−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
段階A.
不活性雰囲気下で−78℃に維持しながら、n−ブチルリチウム(21.6mL、ヘキサン中2.5M)を乾燥Et2O(200mL)中のフェニルアセチレン(5g、0.05mol)の溶液に一滴ずつ添加した。−60℃未満に温度を保ちながら、乾燥Et2O(100mL)中のシアン化2−ピリジル(7.2g、0.06mol)の溶液を一滴ずつ添加した。その混合物を−78℃で30分間攪拌し、その後、室温に温めた。その反応物をEt2Oで希釈し、1NのNaOHで反応停止させた。有機相を1NのHClで1回、飽和NaHCO3で1回洗浄した。30℃未満に温度を維持しながら、真空下で溶媒を除去して、3−フェニル−2−プロピンニトリルを無色の結晶質固体として得た。
【0189】
段階B.
EtOH(20mL)中の3−フェニル−2−プロピン−ニトリル(1.27g、0.01mol、段階A)の攪拌溶液に、室温で塩酸ヒドロキシルアミン(3.5g、0.05mol)を添加し、続いて10%NaOH(28mL)を添加した。その発熱反応物を室温で24時間攪拌し、その後、H2Oで希釈した。得られた沈殿を濾過して除去し、H2Oで洗浄し、P2O5で乾燥させて、3−アミノ−5−フェニルイソオキサゾールを白色の結晶質固体として生じた。
【0190】
段階C.
t−BuOH(5mL)中の3−アミノ−5−フェニルイソオキサゾール(160mg、1mmol、段階B)の攪拌懸濁液にNaOt−Bu(240mg)を添加した。その混合物(スラリー)を室温で1時間攪拌した。その後、2,4−ジクロロ−1,3−ピリミジン(223mg、1.5mmol)を少しずつ添加して、反応物をさらに2時間攪拌した。NH4Cl飽和水溶液の添加により反応を停止させ、CH2Cl2で抽出した。その抽出物をMgSO4で乾燥させて、蒸発させた。その粗製混合物を、溶離剤として20%EtOAc/ヘキサンを用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、2−クロロ−N4−(5−フェニルイソオキサゾール−3−イル)−4−ピリミジンアミンを白色の固体として生じた。
【0191】
段階D.
2−クロロ−N4−(5−フェニルイソオキサゾール−3−イル)−4−ピリミジンアミンおよび3,4,5−トリメトキシアニリンを用い、実施例1に記載した方法により表題化合物を調製した。MS(MH+)=420.4、C22H21N5O4についての計算値 − 419.44。
【0192】
(実施例16)
【0193】
【化22】
N2−(2−メチル−4,5−ジメトキシフェニル)−N4−(5−フェニルイソオキサゾール−3−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
2−クロロ−N4−(5−フェニルイソオキサゾール−3−イル)−4−ピリミジンアミンおよび2−メチル−4,5−ジメトキシアニリンを用い、実施例1に記載した方法により表題化合物を調製した。MS(MH+)=404.7、C22H21N5O3についての計算値 − 403.44。
【0194】
(実施例17)
【0195】
【化23】
【0196】
N2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−N4−(3−シクロヘキシルイソオキサゾール−5−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
段階A.
−70℃未満に温度を維持しながら、不活性雰囲気下、−78℃で冷却したTHF700mLにn−ブチルリチウム(56mL、ヘキサン中2.5M)を添加し、続いてCH3CN(7.3mL、0.14mol)を添加した。その混合物を−78℃で20分間攪拌し、その後、−60℃未満に温度を維持しながら、乾燥THF(300mL)中のカルボン酸メチルシクロヘキサン(10g、0.07mol)の溶液を一滴ずつ添加した。その反応物を−78℃でさらに20分間攪拌し、−20℃に温めて、NH4Cl飽和水溶液の添加により反応停止させた。その反応混合物をH2Oで希釈し、t−BuOMeで抽出した。真空下で溶媒を除去して、3−クロロへキシル−3−オキソプロパンニトリルを無色の油として得た。
【0197】
段階B.
室温で、EtOh(1mL)中の3−クロロへキシル−3−オキソプロパンニトリル(1g、6.6mmol、段階A)の攪拌溶液にヒドロキシルアミン(0.81mL、H2O中50%)を添加した。その反応物を12時間、室温で攪拌した。固形物を濾過して除去し、1NのNaOHで洗浄し、次にH2Oで洗浄し、P2O5で乾燥させて、5−アミノ−3−シクロヘキシルイソオキサゾールを得た。
【0198】
段階C.
実施例16(段階C)に記載した一般手順を用い、5−アミノ−3−シクロヘキシルイソオキサゾール(段階B)を2,4−ジクロロピリジンとカップリングさせて、2−クロロ−N4−(5−アミノ−3−シクロヘキシルイソオキサゾール)−2,4−ピリミジンアミンをオフホワイトの固体として生じた。
【0199】
段階D.
2−クロロ−N4−(3−シクロヘキシルイソオキサゾール−5−イル)−4−ピリミジンアミン(段階C)および3,4,5−トリメトキシアニリンを用い、実施例1に記載した方法により表題化合物を調製した。MS(MH+)=426.5、C22H27N5O4についての計算値 − 425.49。
【0200】
(実施例18)
【0201】
【化24】
【0202】
N2−(4,5−ジメトキシ−2−メチルフェニル)−N4−(5−アダマンチルイソオキサゾール−3−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
2−クロロ−N4−(5−アダマンチルイソオキサゾール−3−イル)−4−ピリミジンアミンおよび2−メチル−4,5−ジメトキシアニリンを用い、実施例1に記載した方法により表題化合物を調製した。MS(MH+)=462.2、C26H31N5O3についての計算値 − 461.57。
【0203】
本発明に含まれる他の化合物を下の表1から2に記載する。
【0204】
【表2】
【0205】
【表3】
【0206】
【表4】
【0207】
式IからIVの化合物の薬理学的特性は構造の変化に伴い変化するが、一般に、式IからIVの化合物が保持する活性は、インビボで実証することができる。本発明の化合物の薬理学的特性は、多数のインビトロ薬理分析により確認することができる。以下の薬理学分析の例示は、本発明の化合物およびそれらの誘導体を用いて行ったものである。
【0208】
生物学的評価
キナーゼ阻害
本明細書に記載の化合物を以下の手法でスクリーニングする。本明細書に記載の化合物のキナーゼ活性を判定する以下のプロトコルでの使用に適するキナーゼには、Lck、Lyn、Src、Fyn、Syk、Zap−70、Itk、Tec、Btk、EGFR、ErbB2、Kdr、Flt−1、Flt−3、Tek、c−Met、InsR、およびAKTが挙げられるが、これらに限定されない。
【0209】
キナーゼは、大腸菌またはバキュロウイルス−High Five発現系のいずれかにおいて、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)またはポリヒスチジン標識融合蛋白質に融合させたキナーゼのドメインまたは完全長構成体のいずれかとして発現させる。それらを、本質的には以前に記載された(Lehrら、1996;Gishら、1995)ような親和性クロマトグラフィーによってほぼ均質に精製する。場合によっては、活性を測定する前に、キナーゼを精製または軽度精製調節ポリペプチドと共同発現せるか、混合する。
【0210】
キナーゼの活性および阻害は、確立されたプロトコル(Braunwalderら、1996)によって本質的には測定した。簡単に言うと、ATPから、マイクロタイタープレートの生物活性表面に付着させた合成基質、ポリ(Glu、Tyr)4:1またはポリ(Arg、Ser)3:1への33PO4の転移を、酵素活性評価の基準として役立てた。インキュベーション期間の後、まず前記プレートを0.5%リン酸で洗浄して、液状蛍光体を添加し、その後、液体シンチレーション検出器で計数することにより、転移したリン酸の量を測定する。IC50は、前記プレートに結合している基質に取り込まれた33Pの量を50%低下させる化合物の濃度によって決定した。
【0211】
溶液または固定された(すなわち、固相)状態の、チロシン、セリン、トレオニンまたはヒスチジンを単独で、組合せて、または他のアミノ酸と組合せて含有するペプチドまたはポリペプチドにリン酸を転移させる他の類似の方法も有用である。例えば、ペプチドまたはポリペプチドへのリン酸の転移は、シンチレーション近接法(Wuら、2000)、ELISA(Cleavelandら、1990)、蛍光偏光法(SeethalaおよびMenzel、1998)、および均一時間分解蛍光法(homogeneous time−resolved fluorescence)(HTRF、Kolbら、1998)を用いて検出することもできる。あるいは、キナーゼ活性は、抗体またはポリペプチドを試薬として使用して、リン酸化したターゲットポリペプチドを検出する、抗体を利用した方法を用いて測定することができる。本発明の化合物は、50μM未満の用量でIGF−1Rキナーゼの阻害を示した。
【0212】
実施例1から3および14から18の化合物は、100nM未満のレベル(IC50)でIGF−1Rキナーゼを阻害した。
【0213】
参照:
Braunwalderら、(1996)、Anal.Biohem.234(1):23−26。
【0214】
Cleavelandら、(1990)、Anal Biochem.190(2):249−53。
【0215】
Gishら、(1995)、Protein Eng.8(6):609−614。
【0216】
Kolbら、(1998)、Drug Discov.Today.3:333−342。
【0217】
Lehrら、(1996)、Gene 169(2):27527−9。
【0218】
Seethalaら、(1998)、Anal Biochem.255(2):257−62。
【0219】
Wuら、(2000)、Comb Chem High Throughput Screen.3(1):27−36。
【0220】
IGF−1Rアッセイ要約プロトコル
IGF−1誘導DNA合成。
【0221】
ヒト腫瘍細胞系またはラット繊維芽細胞系を完全培地中のフラットウエルプレートにプレーティングし、一晩、付着させる。その後、0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含有する培地中で、一晩、細胞を飢えさせ、化合物を希釈して、またはせずに、1時間、プレインキュベートし、その後、50ng/mLのインスリン様成長因子(IGF−1)で一晩活性化する。増殖は、DNAへの3H−チミジン取り込みレベルによって判定する。IC50は、対照と比較される、化合物の存在下で見出されるチミジン取り込みレベルの比較により決定する。
【0222】
実施例14から15および17から18は、150nM未満のレベルで3T3増殖を抑制した。
【0223】
IGF−1R自己リン酸化。
【0224】
ヒトIGF−1Rで安定的にトランスフェクトしたマウス繊維芽細胞を完全培地中のフラットウエルプレートにプレーティングし、一晩、付着させる。その後、0.1%ウシ血清アルブミンを含有する培地中で細胞を飢えさせ、化合物を希釈して、またはせずにプレインキュベートし、その後、100ng/mLのIGF−1で5分間活性化する。細胞を溶解し、蛋白質をSDS−PAGEにより分離する。anti−phospho−IGF−1R β特異的抗体でのウエスタンブロット法により、IGF−1R β鎖上のホスホチロシンのレベルを決定する。IC50は、対照と比較される、化合物の存在下で見出されるホスホチロシンのレベルの比較により決定する。
【0225】
以下のプロトコル例のもとで試験した代表化合物は、観察されたそれらの酵素阻害活性と一致する細胞活性を示す。
【0226】
調合
式Iの活性化合物と共に、一つ以上の非毒性で医薬適合性の担体および/または希釈剤および/またはアジュバント(本明細書中では総称して「担体」材料と呼ぶ)、および所望される場合には他の有効成分を含む医薬組成物類も本発明に包含される。本発明の活性化合物は、あらゆる適切な経路により、好ましくは、そうした経路に適合する医薬組成物の形態で、所期の治療に有効な用量で、投与することができる。本発明の化合物および組成物は、例えば、通常の医薬適合性の担体、アジュバントおよびビヒクルを含有する投薬単位調合物で、経口投与、粘膜投与、局所投与、直腸内適用、肺投与(吸入スプレーなどによる)、または非経口投与(血管内投与、静脈内投与、腹腔内投与、皮下投与、筋肉内投与、胸骨内投与および注入法を含む)することができる。
【0227】
本発明の医薬活性化合物は、ヒトおよび他の哺乳動物を含む患者に投与するための薬物を生成するための通常の調剤法で加工することができる。
【0228】
経口投与ための本医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、懸濁液または液体の形態であることができる。本医薬組成物は、好ましくは、特定の量の有効成分を含有する投薬単位の形で製造される。そうした投薬単位の例は、錠剤またはカプセルであった。例えば、これらは、約1mgから2000mg、好ましくは約1mgから500mg、さらに好ましくは約5mgから150mgの量の有効成分を含有することができる。ヒトまたは他の哺乳動物に適する日用量は、その患者の状態および他の要因に依存して幅広く変化しうるが、もう一度言うが、常用法を用いて決定することができる。
【0229】
投与される化合物の量および疾病状態を本発明の化合物および/または組成物で治療するための薬剤投与計画は、被験者の年齢、性別および医学的状態、疾病のタイプ、その疾病の重症度、投与経路および頻度、ならびに使用される特定の化合物を含む様々な因子に依存する。それ故、薬剤投与形画は幅広く変化するのだが、標準的な方法を用いて常例的に決定することができる。体重1kgあたり約0.01mgから500mg、好ましくは、体重1kgあたり約0.5mgと約50mgの間、最も好ましくは、体重1kgあたり0.1mgから20mgの日用量が、適切である。日用量は、1日に1回から4回で投与することができる。
【0230】
治療のために、本発明の活性化合物は、指示された投与形路に適する一つ以上のアジュバントと、通常、併用される。経口投与される場合、本化合物は、ラクトース、スクロース、粉末デンプン、アルカン酸のセルロースエステル、セルロースアルキルエステル、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウムおよびカルシウム塩、ゼラチン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ならびに/またはポリビニルアルコールと混合し、その後、適便な投与のために錠剤化またはカプセル化することができる。ヒドロキシプロピルメチルセルロース中の活性化合物の分散体で提供されるようなカプセルまたは錠剤は、制御放出調合物を含有しうる。
【0231】
乾癬および他の皮膚状態の場合、本発明の化合物の局所製剤を該当する領域に1日2回から4回塗布することが好ましい。
【0232】
局所投与に適する調合物には、皮膚を通した浸透に適する液体または半液体製剤(例えば、リニメント、ローション、軟膏、クリームまたはペースト)および目、耳または鼻への投与に適する滴剤が挙げられる。本発明の化合物の有効成分の適する局所用量は、1日1回から4回、好ましくは1日1または2回の投与で0.1mgから150mgである。局所投与のための有効成分は、本調合物の0.001重量%から10重量%、例えば、1重量%から2重量%を構成しうるが、10重量%ほどもを構成することができるとはいえ、好ましくは、本調合物の5重量%より多くを構成せず、さらに好ましくは、0.1%から1%を構成する。
【0233】
軟膏に調合される時、有効成分は、パラフィン系または水混和製軟膏基剤と共に用いられる。あるいは、有効成分は、水中油型クリーム基剤を用いてクリームに調合することができる。所望される場合には、このクリーム基剤の水性相は、例えば、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、ポリエチレングリコールおよびそれらの混合物などの多価アルコールを少なくとも30重量%含むことができる。局所調合物は、皮膚または他の該当する領域を通した有効成分の吸収または浸透を増進する化合物を望ましくは含むことができる。そうした皮膚浸透促進剤の例には、ジメチルスルホキシドおよび関連類似体が挙げられる。
【0234】
本発明の化合物は、経皮装置により投与することもできる。好ましくは、経皮投与は、レザバーおよび多孔膜タイプのパッチか、様々な固体マトリックスのパッチを使用して、達成される。どちらの場合も活性薬剤は、レザバーまたはマイクロカプセルから、膜を通して、受容者の皮膚または粘膜と接触している活性薬剤透過性接着材に、継続的に送達される。活性薬剤が皮膚を通して吸収される場合、活性薬剤の制御された所定の流れが、受容者に投与される。マイクロカプセルの場合、封入剤は、膜としても機能しうる。
【0235】
本発明の乳剤の油相は、既知の方法で既知の成分から構成することができる。この相は、乳化剤しか含むことができないが、少なくとも一つの乳化剤と、脂肪もしくは油または脂肪と油の両方との混合物を含むことができる。好ましくは、親水性乳化剤は、安定剤として作用する親油性乳化剤と共に含まれる。油と脂肪の両方を含むことも好ましい。乳化剤(複数を含む)は、安定剤(複数を含む)と一緒に、または安定剤(複数を含む)なしで、いわゆる乳化ろうを構成し、また、そのろうは、油および脂肪と一緒に、クリーム調合物の油性分散相を形成するいわゆる乳化軟膏基剤を構成する。本発明の調合物における使用に適する乳化剤および乳剤安定剤には、単独の、またはろうを伴う、または当技術分野においてよく知られている他の材料を伴う、Tween 60、Span 80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラウリル硫酸ナトリウム、ジステアリン酸グリセリルが挙げられる。
【0236】
本活性化合物は、医薬乳剤調合物に使用される可能性が高い大部分の油への溶解性が非常に低いので、本調合物に適する油または脂肪の選択は、所望の化粧特性の達成に基づく。それ故、好ましくは、クリームは、チューブまたは他の容器からの漏れを回避するために適する粘稠度を有する、べとつかず、汚れがつかず、洗い流せる製品でなければならない。ジ−イソアジピン酸エステル、ステアリン酸イソセチル、ココナッツ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、または分枝鎖エステル類のブレンドなどの直鎖または分枝鎖、一または二塩基性アルキルエステルを用いることができる。これらは、求められる特性に依存して、単独で使用してもよいし、併用してもよい。あるいは、白色軟質パラフィンおよび/もしくは液体パラフィンまたは他の鉱物油などの高融点脂質を使用することができる。
【0237】
目への局所投与に適する調合物は、有効成分が適する担体、具体的にはその有効成分のための水性溶媒、に溶解または懸濁している点眼剤が挙げられる。それらの有効成分は、好ましくは、0.5重量%から20重量%、有利には、0.5重量%から10重量%、特に、約1.5重量%の濃度で、そうした調合物中に存在した。
【0238】
非経口投与のための調合物は、水性または非水系等張無菌注射溶液または懸濁液の形態でありうる。これらの溶液および懸濁液は、経口投与のための調合物における使用について言及した担体または希釈剤を一つ以上使用して、または他の適する分散剤もしくは湿潤剤および懸濁化剤を使用することにより、無菌粉末または顆粒から調製することができる。これらの化合物は、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、トウモロコシ油、綿実油、ラッカセイ油、胡麻油、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム、トラガカントゴム、および/または様々なバッファに溶解することができる。他のアジュバントおよび投与方式は、当技術分野において、よく、また、広く知られている。有効成分は、生理食塩水、デキストロースもしくは水を含む適する担体を伴う、またはシクロデキストリン(すなわち、Captisol)、補助溶媒可溶化(すなわち、プロピレングリコール)またはミセル可溶化(すなわち、Tween 80)を伴う組成物として、注射により投与することもできる。
【0239】
無菌注射用製剤は、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液のような、非毒性で医薬適合性の希釈剤または溶媒中の無菌注射用溶液または懸濁液であることができる。利用することができる許容可能なビヒクルおよび溶媒には、リンガー溶液および等張食塩液がある。加えて、溶媒または懸濁媒体として、無菌固定油が、通常、利用される。このためには、合成モノまたはジグリセリドを含むあらゆる無菌固定油が利用可能である。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が、注射用製剤に使用される。
【0240】
肺投与のために、本医薬組成物は、エーロゾルの形態で、または乾燥粉末エーロゾルが入った吸入器を用いて投与することができる。
【0241】
本薬物を直腸内適用するための坐薬は、常温では固体であるが、直腸温度では液体であり、従って、直腸内で溶融して本薬物を放出することとなるカカオ脂およびポリエチレングリコールなどの適する非刺激性賦形剤と本薬物を混合することにより、調製することができる。
【0242】
本医薬組成物は、滅菌などの通常の製薬操作に付すことができ、および/または保存薬、安定剤、湿潤剤、乳化剤、バッファなどの通常のアジュバントを含有することができる。加えて、腸溶コーチングを備えた錠剤およびピルを調製することができる。そうした組成物は、湿潤剤、甘味剤、着香剤および芳香剤などのアジュバントを含むこともできる。
【0243】
本発明の医薬組成物は、本明細書に記載の式の化合物またはその医薬適合性の塩;キナーゼ阻害剤(小分子、ポリペプチド、抗体など)、免疫抑制薬、抗癌剤、抗ウイルス薬、抗炎症薬、抗真菌薬、抗生物質または抗血管増殖亢進化合物から選択された追加の薬剤;およびいずれかの医薬適合性の担体、アジュバントまたはビヒクルを含む。本発明の別の組成物は、本明細書に記載の式の化合物またはその医薬適合性の塩;および医薬適合性のの担体、アジュバントまたはビヒクルを含む。こうした組成物は、例えば、キナーゼ阻害剤(小分子、ポリペプチド、抗体など)、免疫抑制薬、抗癌剤、抗ウイルス薬、抗炎症薬、抗真菌薬、抗生物質または抗血管増殖亢進化合物を含む一つ以上の追加の治療薬を、場合によっては含むことができる。
【0244】
用語「医薬適合性の担体またはアジュバント」は、本発明の化合物と共に患者に投与することができ、且つ、治療量の本化合物を送達するために充分な用量で投与された時、本発明の化合物の薬理活性を損なわせず、また、非毒性でない担体またはアジュバントを指す。
【0245】
本発明の医薬組成物に使用することができる医薬適合性の担体、アジュバントおよびビヒクルには、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、コハク酸d−a−トコフェロールポリエチレングリコール1000などの自己乳化性薬物送達系(SEDDS)、Tweenまたは他の類似の高分子送達マトリックスなどの医薬剤形で使用される界面活性剤、ヒト血清アルブミンなどの血清蛋白質、リン酸塩などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、植物性飽和脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(硫酸カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウムなど)、ポリビニルピロリドン、セルロース系の物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ろう、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられるが、これらに限定されない。α−、β−、およびγ−シクロデキストリンなどのシクロデキストリン、または2−および3−ヒドロキシプロピル−シクロデキストリンを含むヒドロキシアルキルシクロデキストリンなどの化学変性誘導体、または他の可溶化誘導体も、本明細書に記載の式の化合物の送達を増進するために、都合よく使用することができる。
【0246】
本発明の医薬組成物は、カプセル、錠剤、乳剤および水性懸濁液、分散液および溶液を含む(しかし、これらに限定されない)経口投与に許容されうる剤形で経口投与することができる。経口用の錠剤の場合に一般に使用した担体には、ラクトースおよびトウモロコシデンプンが挙げられる。ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤も、典型的には添加した。カプセル形での経口投与に有用な希釈剤には、ラクトースおよび乾燥トウモロコシデンプンが挙げられる。水性懸濁液および/または乳剤を経口投与する時、有効成分は、油相に懸濁または溶解されていてもよく、それを乳化剤および/または懸濁化剤と併せる。所望される場合には、一定の甘味剤および/または着香剤および/または着色剤を添加することができる。
【0247】
本発明の医薬組成物は、リポソームまたはマイクロカプセル化技術を利用する調合物を含むことができる。そうした技術は、当技術分野では公知であった。
【0248】
本発明の医薬組成物は、鼻用エーロゾルまたは経鼻吸入により投与することができる。そうした組成物は、医薬調合の分野においてよく知られている技術に従って調製した。また、そうした組成物は、ベンジルアルコールもしくは他の適する保存薬、バイオアベイラビリティを増進するための吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または当技術分野において公知の他の可溶化剤もしくは分散剤を利用して、生理食塩水中の溶液として調製することができる。
【0249】
本明細書および本特許請求の範囲は、「...および...から選択される」および「...または...である」を用いる化学種のリスト(マーカッシュグループと呼ばれることもある)を含む。この言葉が本出願で使用されている時、別様に述べられていない限り、それは、そのグループを、全体として、またはそのあらゆる個々の構成員として、またはそのあらゆるサブグループとして含むことを意味する。この言葉の使用は、単に速記のためであり、必要に応じて個々の要素またはサブグループを排除することを制限するという意味は、いかなる点においても持たない。
【0250】
上記は、本発明の単なる説明にすぎず、本発明を開示した化合物に限定するためのものではない。当業者に明らかである変型および変更は、添付の特許請求の範囲において定義されている本発明の範囲および性質の範囲内であると考える。
【0251】
上記の説明から、当業者は、本発明の本質的な特徴を容易に突き止めることができ、また、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、本発明に様々な変更および修正を施して、様々な使用法および条件に適応させることができる。
【0252】
言及したすべての参照、特許、出願および出版物は、参照して、それら全文、本明細書に記載されているかのごとく、本明細書に組み込まれる。
【0001】
本発明は、医薬の分野に存するものであり、具体的には、癌および関連疾患を治療するための化合物、組成物、使用および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ホスホリルトランスフェラーゼは、ある基質から別の基質にリン含有基を転移させる酵素の大きなファミリーである。キナーゼは、リン酸基転移の触媒作用に関する機能を果たす触媒の一つの種類である。プロテインキナーゼは、構造的に関連したホスホリルトランスフェラーゼの大きなサブファミリーを構成し、細胞内の多種多様なシグナル変換プロセスの制御に責任を負う。すべてのキナーゼのうち大部分は、類似した250〜300のアミノ酸触媒ドメインを有する。プロテインキナーゼは、それらがリン酸化する基質により複数のファミリーに類別される(例えば、プロテイン−チロシン、プロテイン−セリン/トレオニンなど)。各々のこれらキナーゼファミリーに一般に対応するプロテインキナーゼ配列モチーフは、同定されている。脂質キナーゼ(例えば、PI3K)は、プロテインキナーゼとの構造的な類似性を有する、キナーゼの別の群を構成する。
【0003】
「キナーゼドメイン」は、様々な機能を果たす多数のポリペプチドにおいて見かける。そうしたペプチドには、例えば、膜貫通型受容体、細胞内受容体関連ポリペプチド、細胞質に位置するポリペプチド、核に位置するポリペプチドおよび非細胞に位置するポリペプチドが挙げられる。プロテインキナーゼの活性は、様々なメカニズムによって調節されうる。しかし、個々のプロテインキナーゼが一つ以上のメカニズムによって調節されうることに、注意しなければならない。これらのメカニズムには、例えば、自己リン酸化、他のキナーゼによるリン酸基転移、蛋白質−蛋白質相互作用、蛋白質−脂質相互作用、蛋白質−ポリヌクレオチド相互作用、リガンド結合、および後翻訳修飾が挙げられる。
【0004】
プロテインキナーゼおよび脂質キナーゼは、蛋白質または脂質などのターゲットにリン酸基を付加させることによって、増殖、成長、分化、代謝、細胞周期事象、アポトーシス、運動性、転写、翻訳および他のシグナル伝達プロセスを含む(しかし、これらに限定されない)多くの異なる細胞プロセスを調節する。キナーゼにより触媒されるリン酸化事象は、ターゲット蛋白質の生物学的機能を修飾または調節することができる分子オン/オフスイッチとしての役割を果たす。ターゲット蛋白質のリン酸化は、様々な細胞外シグナル(ホルモン、神経伝達物質、成長および分化因子など)、細胞周期事象、環境的または栄養性ストレスなどに反応して発生する。プロテインキナーゼおよび脂質キナーゼが、シグナル伝達経路に関する機能を果たして、ターゲットの活性を(直接的または間接的に)活性化もしくは不活性化または修飾することができる。これらのターゲットには、例えば、代謝酵素、調節蛋白質、受容体、細胞骨格蛋白質、イオンチャンネルもしくはポンプ、または転写因子を挙げることができる。蛋白質リン酸化の制御不良に起因する非制御シグナル伝達は、例えば、炎症、癌、アレルギー/喘息、免疫系の疾病および状態、中枢神経系(CNS)の疾病および状態、心臓血管疾患、皮膚病および脈管形成を含む多数の疾病および疾病の状態に関係している。
【0005】
薬理学的ターゲットとしてのプロテインキナーゼに関する初期の興味は、多数のウイルス性腫瘍遺伝子が、構成酵素活性を有する構造修飾細胞のプロテインキナーゼをコードしていることの発見により刺激された。これらの発見は、ヒト増殖性疾患への腫瘍遺伝子関連プロテインキナーゼの潜在的な介入を指し示した。その後、様々なさらに難解なメカニズムによって生じる無調節のプロテインキナーゼ活性が、例えば、癌、CNSの病気および免疫関連疾患を含む、人間の多数の重要な疾患の病態生理に関係づけられた。従って、プロテインキナーゼ活性異常により生じる疾病の病理および/または徴候を阻止することができる選択的プロテインキナーゼ阻害剤の開発が、多くの関心を呼んだ。
【0006】
プロテインキナーゼは、細胞機能に対する制御を維持する多種多様な細胞プロセスの調節において中心的な役割を果たす蛋白質の大きなファミリーの代表である。こうしたキナーゼの部分的なリストには、abl、AKT、bcr−abl、Blk、Brk、Btk、c−kit、c−met、c−src、CDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、cRaf1、CSFir、CSK、EGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4、Erk、Fak、fes、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR5、Fgr、flt−1、Fps、Frk、Fyn、Hck、IGF−1R、INS−R、Jak、KDR、Lck、Lyn、MEK、p38、PDGFR、PIK、PKC、PYK2、ron、tie、tie2、TRK、Yes、およびZap70が含まれる。こうしたキナーゼの阻害は、重要な治療ターゲットになっている。
【0007】
悪性細胞の主な特徴は、一つ以上の細胞周期要素に対する制御の喪失である。これらの要素は、細胞表面受容体から転写および修飾のレギュレータまであり、インスリン様成長因子、インスリン成長因子−I(IGF−1)およびインスリン成長因子−2(IGF−2)が挙げられる。[M.J.Ellis,「インスリン様成長因子ネットワークおよび乳癌(The Insulin−Like Growth Factor Network and Breast Cancer)」,Breast Cancer,Molecular Genetics,Pathogenesis and Therapeutics,Humana Press 1999]。インスリン成長因子系は、リガンドのファミリー、インスリン成長因子結合蛋白質のファミリーおよび受容体のファミリーから成る。IGF−1系の主な生理学的役割は、正常な成長および再生の促進であり、IGF−1Rの過発現は、有糸分裂正起を開始させ、リガンド依存性腫瘍転換を促進する。さらに、IGF−1Rは、悪性表現型の樹立および持続に重要な役割を果たす。
【0008】
IGF−1Rは、幾つかのジスルフィド架橋を有するヘテロダイマーとして存在する。チロシンキナーゼ触媒部位およびそのATP架橋部位は、そのβサブユニットの細胞質部分に位置する。
【0009】
表皮成長因子(EGF)受容体とは異なり、IGF−1Rの突然変異腫瘍原性形は確認されていない。しかし、幾つかの腫瘍遺伝子が、IGF−1およびIGF−1Rの発現に影響を及ぼすことは、実証されている。
【0010】
IGF−1Rの発現の低下と耐形質転換性の間には、相関関係が見られる。IGF−1R RNAに対してアンチセンスのmRNAへの細胞の暴露は、幾つかのヒト腫瘍細胞系の軟寒天成長を妨げる。
【0011】
アポトーシスは、多細胞生物において損傷細胞または望ましくない細胞を除去するために用いられる、至る所で見られる生理学的プロセスである。アポトーシスの非制御は、人間の多くの疾病の病因に関係すると考えられる。アポトーシス細胞死不全は、様々な癌ならびに自己免疫疾患に関係づけられている。逆に言えば、アポトーシスの増加は、神経変性疾患およびAIDSなどの細胞喪失を伴う様々な疾病に関連する。それ故、アポトーシスの調節が、重要な治療ターゲットになった。腫瘍生残の主な様式はアポトーシスの回避であることが、現在では確立されている。IGF−1Rは、インビボおよびインビトロの両方で、アポトーシスへの進行を廃止する。野生型レベルより低いIGF−1Rのレベル増加が、インビボでの腫瘍細胞のアポトーシスをもたらすことも証明されている。IGF−1R分解がアポトーシスをもたらす能力は、正常な非腫瘍形成性細胞では低下するようである。
【0012】
2001年1月4日発行の国際公開公報第01/00213号は、SRCキナーゼ阻害剤としての置換ピリミジンを記載している。2001年6月7日発行の国際公開公報第01/40218号は、抗テロメラーゼ薬として使用するためのアリールアミン誘導体を記載している。2000年7月6日発行の国際公開公報第00/39101号は、抗癌剤としての置換ピリミジンを記載している。2001年4月26日発行の国際公開公報第01/29009号は、キナーゼ阻害剤としての置換ピリミジンを記載している。2000年12月28日発行の国際公開公報第00/78731号は、キナーゼ阻害剤としてのシアノ置換ピリミジンを記載している。2000年9月14日発行の国際公開公報第00/53595号は、キナーゼ阻害剤としての置換ピリミジンを記載している。2000年7月6日発行の国際公開公報第00/39101号は、キナーゼ阻害剤としてのアミノ置換ピリミジンを記載している。2000年10月12日発行の国際公開公報第00/59892号は、キナーゼ阻害剤としてのアミノ置換ピリミジンを記載している。1997年5月29日発行の国際公開公報第97/19065号は、キナーゼ阻害剤としての2−アニリノ−ピリミジンを記載している。1996年4月10日発行の欧州特許第379806号は、神経障害の治療用の置換ピリミジンを記載している。2000年10月4日発行の欧州特許第1040831号は、CRF拮抗薬としての置換ピリミジンを記載している。アミノ置換ピリミジンは、ケミカルアブストラクト112:191083に挙げられている。アミノ置換ピリミジンは、ケミカルアブストラクト72:1114009に挙げられている。1995年12月14日発行の国際公開公報第95/33750号は、CRF拮抗薬としての置換ピリミジンを記載している。1994年11月24日発行の国際公開公報第94/26733号は、ドーパミン受容体のリガンドとしてのピリミジン誘導体を記載している。米国特許第5,958,935号は、キナーゼ阻害剤としての置換ピリミジンを記載している。米国特許第4,983,608号は、鎮痛薬としてのピロリル−アミノ置換ピリミジンを記載している。米国特許第5,403,317号は、染料としてのアミノ置換ピリミジンを記載している。米国特許第5,935,966号は、抗炎症薬としてのカルボキシレート置換ピリミジンを記載している。米国特許第6,080,858号は、置換ピリミジンの調製法を記載している。1999年10月7日発行の国際公開公報第99/50250号は、HIV感染症の治療用のアミノ置換ピリミジンを記載している。1999年9月29日発行の欧州特許第945443号は、HIV感染症の治療用のアミノ置換ピリミジンを記載している。1999年6月24日発行の国際公開公報第99/31073号は、アミド置換ピリミジンを記載している。2000年5月18日発行の国際公開公報第00/27825号は、HIV感染症の治療用のアミノ置換ピリミジンを記載している。2001年4月5日発行の国際公開公報第01/22938号は、HIV感染症の治療用のアミノ置換ピリミジンを記載している。1999年8月19日発行の国際公開公報第99/41253号は、ウイルス感染症の治療用のアミノ置換ピリミジンを記載している。2001年3月22日発行の国際公開公報第01/19825号は、合成中間体としてのアミノ置換ピリミジンを記載している。2001年7月5日発行の国際公開公報第01/48921号は、キナーゼ阻害剤としてのアミノ置換ピリミジンを記載している。2001年10月4日発行の国際公開公報第01/72745号は、CDKの阻害剤としての4−ヘテロアリール−置換ピリミジンを記載している。2001年10月4日発行の国際公開公報第01/72717号は、CDKの阻害剤としての4−アミノ−5−シアノピリミジンを記載している。2001年11月15日発行の国際公開公報第01/85700号は、HIV複製阻害剤としてのピリミジンを記載している。2002年3月21日発行の国際公開公報第02/22601号は、キナーゼ阻害剤としての4−(ピラゾール−5−イルアミノ)ピリミジンを記載している。国際公開公報第02/46184号は、キナーゼ阻害剤としての4−(ピラゾリル)−ピリミジンを記載している。2002年6月13日発行の国際公開公報第02/46170号は、JNKの阻害剤としての2−アニリノ−ピリミジンを記載している。2002年6月13日発行の国際公開公報第02/46171号は、IKKの阻害剤としての2−アニリノ−ピリミジンを記載している。2002年6月20日発行の国際公開公報第02/47690号は、キナーゼ阻害剤としての4−アリールアミノ−ピリミジンを記載している。2002年6月20日発行の国際公開公報第02/48147号は、キナーゼ阻害剤としてのピリミジンを記載している。2002年6月20日発行の国際公開公報第02/48148号は、キナーゼ阻害剤としてのピリミジンを記載している。2002年6月27日発行の国際公開公報第02/50065号は、キナーゼ阻害剤としての2−(5−ピラゾリルアミノ)−ピリミジンを記載している。Ghoneimら,Egypt J.Pharm.Sci.,28,117−26(1987))は、N,N’−ビス(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)−6−メチル−2,4−ピリミジンジアミンを記載している。2002年6月27日発行の国際公開公報第02/50066号は、キナーゼ阻害剤としての2−(5−ピラゾリルアミノ)−ピリミジンを記載している。2002年7月25日発行の国際公開公報第02/57259号は、キナーゼ阻害剤としての4−(5−ピラゾリルアミノ)−ピリミジンを記載している。2002年8月1日発行の国際公開公報第02/59110号は、VEGFR2の阻害剤としてのアミノ置換ピリミジンを記載している。
【0013】
しかし、本発明の化合物が、癌治療用の阻害剤として記載されたことはない。
【発明の開示】
【0014】
癌の治療に有用であり、下記式Iにより定義される化合物類およびそれらの医薬適合性の塩:
【0015】
【化1】
(式中、
R1は、酸素または硫黄へテロ原子を少なくとも1個含むヘテロアリールであり、この場合、R1は、R3から独自に選択された1個から4個の置換基で場合によっては置換されており;
好ましくは、酸素または硫黄へテロ原子を少なくとも1個含む5員または6員ヘテロアリールであり、この場合、R1は、R3から独自に選択された1個から4個の置換基で場合によっては置換されており;
さらに好ましくは、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリルおよび1,2,4−チアジアゾリルから選択された5員または6員ヘテロアリールであり、この場合、R1は、R3から独自に選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;
さらにいっそう好ましくは、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリルであり、この場合、R1は、R3から独自に選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;ならびに
特に、イソオキサゾリルであり;
R2は、
H、
C1〜10−アルキル、
C2〜10−アルケニル、
C2〜10−アルキニル、
C(O)R5、
COOR5、
C(O)NR5R5、
S(O)nR5、
C3〜10−シクロアルキル、
C4〜10−シクロアルケニル、
R3から独自に選択された1個から5個の置換基で場合によっては置換されているアリール、
R4、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜10−アルキル、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC3〜10−シクロアルキル、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜10−アルケニル、
から選択され;
好ましくは、
C1〜6−アルキル、
C2〜6−アルケニル、
C2〜6−アルキニル、
C3〜6−シクロアルキル、
C4〜6−シクロアルケニル、
R4、
R3から独自に選択された1個から4個の置換基で場合によっては置換されているフェニル、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜6−アルキル、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC3〜6−シクロアルキル、ならびに
アリールおよびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜6−アルケニル
から選択され;
さらに好ましくは、R4、およびR3から独自に選択された1個から4個の置換基で場合によっては置換されているフェニルから選択され;
さらにいっそう好ましくは、3,4,5−トリメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシ−6−メチルフェニル、キノリニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、3−アミノスルホニルフェニルおよび4−アミノスルホニルフェニルから選択され;
R3は、
H、
C1〜10−アルキル、
C2〜10−アルケニル、
C2〜10−アルキニル、
C3〜10−シクロアルキル、
C4〜10−シクロアルケニル、
アリール、
R4、
ハロ、
SR5、
OR5、
OC(O)R5、
NR5R5、
NR5R6、
COOR5、
NO2、
CN、
C(O)R5、
C(O)C(O)R5、
C(O)NR5R5、
S(O)nR5、
S(O)nNR5R5、
NR5C(O)NR5R5、
NR5C(O)C(O)R5、
NR5C(O)R5、
NR5(COOR5)、
NR5C(O)R4、
NR5S(O)nNR5R5、
NR5S(O)nR5、
NR5S(O)nR4、
NR5C(O)C(O)NR5R5、
NR5C(O)C(O)NR5R6、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜10−アルキル;ならびに
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜10−アルケニル
から独自に選択され;
好ましくは、
C1〜6−アルキル、
C2〜6−アルケニル、
C2〜6−アルキニル、
C3〜6−シクロアルキル、
C4〜6−シクロアルケニル、
フェニル、
R4、
ハロ、
SR5、
OR5、
OC(O)R5、
NR5R5、
NR5R6、
COOR5、
NO2、
CN、
C(O)R5、
C(O)NR5R5、
S(O)nR5、
S(O)nNR5R5、
NR5C(O)NR5R5、
NR5C(O)R5、
NR5(COOR5)、
NR5C(O)R4、
NR5S(O)nNR5R5、
NR5S(O)nR5、
NR5S(O)nR4、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜6−アルキル;ならびに
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜6−アルケニル
から選択され;
さらに好ましくは、C1〜4−アルキル、C2〜4−アルケニル、C2〜4−アルキニル、フェニル、R4、クロロ、フルオロ、ブロモ、CF3、C1〜4−アルコキシ、フェノキシ、ヘテロシクリルオキシ、ベンジルオキシ、C1〜4−アルキル−C(O)O−、アミノ、アルキルアミノ、フェニルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、C1〜4−アルキルスルホニル、C1〜4−アルキルアミノスルホニル、ベンジル、C1〜4−アルコキシアルキル、C1〜4−アミノアルキル、C1〜4−アルキルアミノアルキル、および5〜6員ヘテロシクリル−C1〜4−アルキルから選択され;ならびに
さらにいっそう好ましくは、メチル、エチル、プロピル、t−ブチル、イソプロピル、フェニル、クロロ、フルオロ、ブロモ、CF3、メトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、アセチル、アミノ、メチルアミノ、フェニルアミノ、カルボキシ、エトキシカルボニル、NO2、CN、メチルカルボニル、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、メチルスルホニル、メチルアミノスルホニル、ベンジル、メトキシメチル、アミノメチル、N,N−ジメチルアミノエチルおよびフリルメチルから選択され;
R4は、独自に、単環式の場合には1個から3個のへテロ原子、二環式の場合には1個から6個のへテロ原子または三環式の場合には1個から9個のへテロ原子を含む、5〜8員単環式、8〜12員二環式または11〜14員三環式の飽和、部分飽和または不飽和環構造であって、前記へテロ原子は、O、NまたはSから独自に選択され、飽和されていてもよいし、不飽和であってもよく、また、各環の0、1、2または3個の原子は、C1〜10−アルキル、C2〜10−アルケニル、C2〜10−アルキニル、C3〜10−シクロアルキル、C4〜10−シクロアルケニル、ハロ、ハロアルキル、スルホ、オキソ、SR5、OR5、NR5R5、NR5R6、NR6R6、COOR5、ニトロ、シアノ、S(O)nR5、S(O)nNR5R5、C(O)R5およびC(O)NR5R5から独自に選択された置換基で置換されていてもよく;
好ましくは、独自に、単環式の場合には1個から3個のへテロ原子または二環式の場合には1個から6個のへテロ原子を含む、5〜7員単環式または8〜11員二環式の飽和、部分飽和または不飽和環構造であって、前記へテロ原子は、O、NまたはSから独自に選択され、飽和されていてもよいし、不飽和であってもよく、また、各環の0、1、2または3個の原子は、C1〜6−アルキル、C2〜6−アルケニル、C2〜6−アルキニル、ハロ、C1〜6−ハロアルキル、オキソ、SR5、OR5、NR5R5、COOR5、ニトロ、シアノ、S(O)nR5、S(O)nNR5R5、C(O)R5およびC(O)NR5R5から独自に選択された置換基で置換されていてもよく;
さらに好ましくは、独自に、単環式の場合には1個から3個のへテロ原子、二環式の場合には1個から6個のへテロ原子を含む、5〜6員単環式または8〜10員二環式の飽和、部分飽和または不飽和環構造であって、前記へテロ原子は、O、NまたはSから独自に選択され、飽和されていてもよいし、不飽和であってもよく、また、各環の0、1、2または3個の原子は、C1〜4−アルキル、ハロ、C1〜6−ハロアルキル、オキソ、OR5、NR5R5、COOR5、ニトロ、シアノ、S(O)nR5、S(O)nNR5R5、C(O)R5およびC(O)NR5R5から独自に選択された置換基で置換されていてもよく;ならびに
さらにいっそう好ましくは、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、インドリル、イソインドリル、ピリニルおよびナフチリジニルであり、この場合、R4は、メチル、イソプロピル、t−ブチル、フルオロ、クロロ、−CF3、オキソ、メトキシ、フェノキシ、アミノ、メチルアミノ、フェニルアミノ、カルボキシ、エトキシカルボニル、ニトロ、シアノ、メチルカルボニル、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、メチルスルホニルおよびメチルアミノスルホニルから独自に選択された置換基により置換されていてもよく;
R5は、H、C1〜10−アルキル、C2〜10−アルケニル、C2〜10−アルキニル、C3〜10−シクロアルキル、C4〜10−シクロアルケニル、R4、
R3から独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているアリール、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜C10アルキル、
アリールR7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC3〜C10シクロアルキル、ならびに
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜C10アルケニル
から独自に選択され;
好ましくは、H、C1〜6−アルキル、および
R3から独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択され;
さらに好ましくは、H、C1〜6−アルキル、および
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、ブロモ、−CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択され;
R6は、−C(O)R5、−COOR5、−C(O)NR5R5および−S(O)nR5から選択され;
R7は、独自に、ハロ、−CF3、−SR5、−OR5、−OC(O)R5、−NR5R5、−NR5R6、−NR6R6、−COOR5、−NO2、−CN、−C(O)R5、−OC(O)NR5R5、−C(O)NR5R5、−N(R5)C(O)R5、−−N(R5)(COOR5)および−S(O)nNR5R5であり;および
好ましくは、独自に、ハロ、−OR5、−NR5R5、−COOR5および−CNであり;ならびに
nは、1または2である)。
【0016】
本発明は、下記一般式II:
【0017】
【化2】
(式中、
R10は、フェニル、および5〜10員ヘテロシクリルから選択され、この場合、R10は、R11から選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;
R11は、C1〜C4アルキル、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C4〜C6シクロアルケニル、フェニル、5〜6員ヘテロシクリル、フルオロ、クロロ、CF3、−OR12、−OC(O)R12、−NR12R12、−COOR2、−C(O)R12、−C(O)NR12R12、−SO2R12、−SO2NR12R12、−NR12C(O)NR12R12、−NR12C(O)R2、−NR12(COOR12)、−NR12SO2NR12R12、−NR12SO2R12、−OC(O)NR12R12、
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜C3アルキル、ならびに
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜C3アルケニル
から選択され;
R12は、H、C1〜6−アルキル、ならびに
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、−CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択される)
の化合物、およびそれらの医薬適合性の塩にも関する。
【0018】
本発明は、下記式III:
【0019】
【化3】
(式中、
R10は、フェニル、および5〜10員ヘテロシクリルから選択され、この場合、R10は、R11から選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;
R11は、C1〜C4アルキル、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C4〜C6シクロアルケニル、フェニル、5〜6員ヘテロシクリル、フルオロ、クロロ、CF3、−OR12、−OC(O)R12、−NR12R12、−COOR2、−C(O)R12、−C(O)NR12R12、−SO2R12、−SO2NR12R12、−NR12C(O)NR12R12、−NR12C(O)R2、−NR12(COOR12)、−NR12SO2NR12R12、−NR12SO2R12、−OC(O)NR12R12、
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜C3アルキル、ならびに
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜C3アルケニル
から選択され;
R12は、H、C1〜6−アルキル、ならびに
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択される)
の化合物、およびそれらの医薬適合性の塩にも関する。
【0020】
本発明は、下記一般式I’:
【0021】
【化4】
(式中、
R1は、酸素または硫黄へテロ原子を少なくとも1個含むヘテロアリールであり、この場合、R1は、R3から独自に選択された1個から4個の置換基で場合によっては置換されており;
好ましくは、酸素または硫黄へテロ原子を少なくとも1個含む5員または6員ヘテロアリールであり、この場合、R1は、R3から独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されており;
さらに好ましくは、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、ピラニル、チアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、フラザニル、フリルおよびチエニルであり;
さらにいっそう好ましくは、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、フリル、フラザニルおよびチエニルであり、この場合、R1は、R3から独自に選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;
特に、イソオキサゾリルであり;ならびに
さらに特に、3−イソオキサゾリルまたは5−イソオキサゾリルであり;
R2は、R4、およびR3から独自に選択された1個から5個の置換基で場合によっては置換されているフェニルから選択され;
好ましくは、R4、およびR3から独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているアリールから選択され;
さらに好ましくは、ナフチル、2,3−ジヒドロ−インドリル、1,3−ベンゾジオキソリル、インドリル、1,3−ジオキソ−イソインドリル、インダゾリル、ピリジル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチアゾリル、1,2,3−ベンゾトリアゾリル、ベンズイミダゾリルおよびフェニルから選択され、この場合、R2は、R3から独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されており;
さらにいっそう好ましくは、2−ナフチル、2,3−ジヒドロ−インドール−6−イル、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、5−インドリル、4−インドリル、1,3−ジオキソ−イソインドール−5−イル、5−インダゾリル、6−インダゾリル、3−ピリジル、3−キノリル、6−キノリル、イソキノリル、ベンゾチアゾール−6−イル、ベンゾチアゾール−5−イル、1,2,3−ベンゾトリアゾール−5−イル、6−ベンズイミダゾリル、5−ピリジル、およびフェニルから選択され、
この場合、R2は、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、シアノ、ニトロ、クロロ、フルオロ、ブロモ、ジメチルアミノ、ジメチルアミノエチル、3−ジメチルアミノ−プロポキシ、メトキシカルボニル、メチルカルボニル、メチルカルボニルアミノ、CH3C(O)N(CH3)−、メチル、エチル、イソプロピル、ピロリジン−1−イルカルボニルエテニル、ピロリジン−1−イルカルボニルエチル、ピロリジン−1−イルプロピル、エチニル、アセチル、エトキシカルボニルブチル、カルボキシブチル、2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−エトキシ、2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)エトキシ、3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロポキシ、3−(ピペリジン−1−イル)プロポキシ、2−ピペリジン−1−イル−エトキシ、2−モルホリン−4−イル−エトキシ、ペンタフルオロエチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、アミノカルボニル、アミノスルホニル、N,N’−ジ−プロピルアミノスルホニル、ヒドロキシプロピルアミノスルホニル、(2−チアゾリル)アミノスルホニル、ブチルアミノスルホニル、メチルカルボニルアミノスルホニル、メチルスルホニル、1−メチル−ピペリジン−4−イルメトキシ、1−t−ブトキシカルボニル−ピペラジン−4−イル、4−モルホリニル、4−メチルピペルジン−1−イル、4−ピペラジニル、4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル、およびオキサゾール−5−イルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されており;ならびに
特に、3,4,5−トリメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシ−6−メチルフェニル、3−メチルカルボニルアミノフェニル、4−[CH3C(O)NH−SO2]−フェニル、3−イソプロピルフェニル、4−[CH3C(O)N(CH3)]−フェニル、3−メトキシ−4−モルホリニルフェニル、3−キノリニル、6−キノリニル、ベンズイミダゾリル、5−インダゾリル、6−インダゾリル、3−クロロフェニル、3−アミノスルホニルフェニルおよび4−アミノスルホニルフェニルから選択され;
R3は、
H、
C1〜10−アルキル、
C2〜10−アルケニル、
C2〜10−アルキニル、
C1〜10−ハロアルキル、
C3〜10−シクロアルキル、
C4〜10−シクロアルケニル、
アリール、
R4、
ハロ、
SR5、
OR5、
OC(O)R5、
NR5R5、
NR5R6、
COOR5、
ニトロ、
シアノ、
C(O)R5、
C(O)C(O)R5、
C(O)NR5R5、
S(O)nR5、
S(O)nNR5R5、
S(O)nNR5R6、
NR5C(O)NR5R5、
NR5C(O)C(O)R5、
NR5C(O)R5、
NR5COOR5、
NR5C(O)R4、
NR5S(O)nNR5R5、
NR5S(O)nR5、
NR5S(O)nR4、
NR5C(O)C(O)NR5R5、
NR5C(O)C(O)NR5R6、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜10−アルキル;ならびに
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜10−アルケニル
から独自に選択され;
好ましくは、H、C1〜4−アルキル、C2〜4−アルケニル、C2〜4−アルキニル、フェニル、C6〜10−シクロアルキル、R4、クロロ、フルオロ、ブロモ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−ハロアルコキシ、フェノキシ、へテロシクリルオキシ、ベンジルオキシ、C1〜4−アルキルカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、フェニルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、C1〜4−アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、C1〜4−アルキルスルホニル、C1〜4−アルキルアミノスルホニル、ベンジル、C1〜4−アルコキシアルキル、C1〜4−アミノアルキル、C1〜4−アルキルアミノアルキル、および5〜6員ヘテロシクリル−C1〜4−アルキルから独自に選択され;
さらに好ましくは、、H、ハロ、C1〜3−アルキル、C2〜3−アルケニル、C2〜3−アルキニル、フェニル、C6〜10−シクロアルキル、ヒドロキシ、C1〜3−ハロアルコキシ、C1〜3−アルコキシ、−C(O)−C1〜3−アルキル、およびC1〜3−ハロアルキルから独自に選択され;ならびに
さらにいっそう好ましくは、H、ヒドロキシ、ヨード、メチル、アセチル、トリフルオロメチル、メトキシ、シクロヘキシル、アダマンチル、フェニルおよびトリフルオロメトキシから独自に選択され;
R4は、独自に、単環式の場合には1個から3個のへテロ原子、二環式の場合には1個から6個のへテロ原子または三環式の場合には1個から9個のへテロ原子を含む、5〜8員単環式、8〜12員二環式または11〜14員三環式の飽和、部分飽和または不飽和環構造であって、前記へテロ原子は、O、NまたはSから独自に選択され、飽和されていてもよいし、不飽和であってもよく、また、各環の0、1、2または3個の原子は、C1〜10−アルキル、C2〜10−アルケニル、C2〜10−アルキニル、C3〜10−シクロアルキル、C4〜10−シクロアルケニル、ハロ、ハロアルキル、スルホ、オキソ、SR5、OR5、NR5R5、NR5R6、NR6R6、COOR5、ニトロ、シアノ、S(O)nR5、S(O)nNR5R5、C(O)R5、C(O)NR5R5、およびR3から独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されている6員ヘテロアリール、から独自に選択された置換基により置換されていてもよく;
好ましくは、独自に、2,3−ジヒドロ−インドリル、1,3−ベンゾジオキソリル、インドリル、1,3−ジオキソ−イソインドリル、インダゾリル、ピリジル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチアゾリル、1,2,3、−ベンゾトリアゾリル、ベンズイミダゾリルおよびピリジルであり、この場合、R4は、ヒドロキシ、C1〜3−アルコキシ、シアノ、ニトロ、ハロ、C1〜3−アルキル、ジ−C1〜3−アルキルアミノ、ジ−C1〜3−アルキルアミノ−C1〜3−アルキル、ジ−C1〜3−アルキルアミノ−C1〜3−アルコキシ、C1〜3−アルキルカルボニル、C1〜3−アルコキシカルボニル、C1〜3−アルキルカルボニルアミノ、ピロリジニルカルボニル−C2〜3−アルケニル、ピロリジニルカルボニル−C1〜3−アルキル、ピロリジニル−C1〜3−アルキル、C2〜3−アルキニル、アセチル、C1〜3−アルキルカルボニル−C1〜3−アルキル、カルボキシ−C1〜3−アルキル、(ピペリジニル)−C1〜3−アルコキシ、(ピペラジニル)−C1〜3−アルコキシ、2−モルホリニル−C1〜3−アルコキシ、C1〜3−ハロアルキル、C1〜3−ハロアルコキシ、アミノカルボニル、アミノスルホニル、C1〜 3−アルキルアミノスルホニル、ヒドロキシ−C1〜3−アルキルアミノスルホニル、(チアゾリル)アミノスルホニル、C1〜4−アルキルアミノスルホニル、C1〜3−アルキルカルボニルアミノスルホニル、C1〜3−アルキルスルホニル、C1〜3−アルコキシカルボニル−ピペラジニル、モルホリニル、C1〜3−アルキルピペルジニル、ピペラジニル、C1〜3−アルキル−ピペラジニル、およびオキサゾリルで場合によっては置換されており;
さらに好ましくは、独自に、2,3−ジヒドロ−インドール−6−イル、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、5−インドリル、4−インドリル、1,3−ジオキソ−イソインドール−5−イル、5−インダゾリル、6−インダゾリル、3−ピリジル、3−キノリル、6−キノリル、イソキノリル、ベンゾチアゾール−6−イル、ベンゾチアゾール−5−イル、1,2,3、−ベンゾトリアゾール−5−イル、6−ベンズイミダゾリルおよび5−ピリジルであり;
R5は、H、C1〜10−アルキル、C2〜10−アルケニル、C2〜10−アルキニル、C3〜10−シクロアルキル、C4〜10−シクロアルケニル、R4、
R3から独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているアリール、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜C10アルキル、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC3〜C10シクロアルキル、ならびに
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜C10アルケニルから独自に選択され;
R6は、−C(O)R5、−COOR5、−C(O)NR5R5および−S(O)nR5から選択され;
R7は、独自に、ハロ、−CF3、−SR5、−OR5、−OC(O)R5、−NR5R5、−NR5R6、−NR6R6、−COOR5、−NO2、−CN、−C(O)R5、OC(O)NR5R5、−C(O)NR5R5、−N(R5)C(O)R5、−N(R5)(COOR5)および−S(O)nNR5R5であり;ならびに
nは、1または2、好ましくは2である)
の化合物、およびそれらの医薬適合性の誘導体にも関する。
【0022】
本発明は、下記式II’:
【0023】
【化5】
(式中、
R10は、フェニル、および5〜10員ヘテロシクリルから選択され、この場合、R10は、R11から選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;
好ましくは、3,4,5−トリメトキシフェニル、3,4−ジメトキシ−6−メチルフェニル、3−メトキシ−4−モルホリニルフェニルおよび5−インダゾリルから選択され;
R11は、C1〜C4アルキル、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニル、C3〜C10シクロアルキル、C4〜C6シクロアルケニル、フェニル、5〜6員ヘテロシクリル、フルオロ、クロロ、CF3、−OC(O)R12、−NR12R12、−COOR2、−C(O)R12、−C(O)NR12R12、−SO2R12、−SO2NR12R12、−NR12C(O)NR12R12、−NR12C(O)R2、−NR12(COOR12)、−NR12SO2NR12R12、−NR12SO2R12、−OC(O)NR12R12、−OR13、
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜C3アルキル、ならびに
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜C3アルケニル
から選択され;
好ましくは、シクロヘキシル、アダマンチル、フェニルおよびt−ブチルから選択され;
R12は、H、C1〜6−アルキル、ならびに
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択され;ならびに、
R13は、H、C1〜6−アルキル、アミノ−C1〜6−アルキル、C1〜6−アルキルアミノ−C1〜6−アルキル、アミノカルボニル−C1〜6−アルキル、C1〜6−アルキルアミノカルボニル−C1〜6−アルキル、ならびに
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択される)
の化合物、およびそれらの医薬適合性の塩にも関する。
【0024】
本発明は、下記式III’:
【0025】
【化6】
(式中、
R10は、フェニル、および5〜10員ヘテロシクリルから選択され、この場合、R10は、R11から選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;
好ましくは、3,4,5−トリメトキシフェニル、3,4−ジメトキシ−6−メチルフェニル、3−メトキシ−4−モルホリニルフェニルおよび5−インダゾリルから選択され;
R11は、C1〜C4アルキル、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニル、C3〜C10シクロアルキル、C4〜C6シクロアルケニル、フェニル、5〜6員ヘテロシクリル、フルオロ、クロロ、CF3、−OC(O)R12、−NR12R12、−COOR2、−C(O)R12、−C(O)NR12R12、−SO2R12、−SO2NR12R12、−NR12C(O)NR12R12、−NR12C(O)R2、−NR12(COOR12)、−NR12SO2NR12R12、−NR12SO2R12、−OC(O)NR12R12、−OR13、
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜C3アルキル、ならびに
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜C3アルケニル
から選択され;
好ましくは、シクロヘキシル、アダマンチル、フェニルおよびt−ブチルから選択され;
R12は、H、C1〜6−アルキル、ならびに
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択され;ならびに
R13は、H、C1〜6−アルキル、アミノ−C1〜6−アルキル、C1〜6−アルキルアミノ−C1〜6−アルキル、アミノカルボニル−C1〜6−アルキル、C1〜6−アルキルアミノカルボニル−C1〜6−アルキル、ならびに
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択される)
の化合物、およびそれらの医薬適合性の塩にも関する。
【0026】
本発明は、下記式IV:
【0027】
【化7】
(式中、
R10は、フェニル、および5〜10員ヘテロシクリルから選択され、この場合、R10は、R11から選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;
好ましくは、3,4,5−トリメトキシフェニル、3,4−ジメトキシ−6−メチルフェニル、3−メトキシ−4−モルホリニルフェニルおよび5−インダゾリルから選択され;
R11は、C1〜C4アルキル、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニル、C3〜C10シクロアルキル、C4〜C6シクロアルケニル、フェニル、5〜6員ヘテロシクリル、フルオロ、クロロ、CF3、−OC(O)R12、−NR12R12、−COOR2、−C(O)R12、−C(O)NR12R12、−SO2R12、−SO2NR12R12、−NR12C(O)NR12R12、−NR12C(O)R2、−NR12(COOR12)、−NR12SO2NR12R12、−NR12SO2R12、−OC(O)NR12R12、−OR13、
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜C3アルキル、ならびに
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜C3アルケニル
から選択され;
好ましくは、シクロヘキシル、アダマンチル、フェニルおよびt−ブチルから選択され;
R12は、H、C1〜6−アルキル、ならびに
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択され;ならびに
R13は、H、C1〜6−アルキル、アミノ−C1〜6−アルキル、C1〜6−アルキルアミノ−C1〜6−アルキル、アミノカルボニル−C1〜6−アルキル、C1〜6−アルキルアミノカルボニル−C1〜6−アルキル、ならびに
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択される)
の化合物、およびそれらの医薬適合性の塩にも関する。
【0028】
式Iの中で特に興味深い特定の化合物の1つのファミリーは、以下の化合物およびそれらの医薬適合性の塩から成る:
N4−(5−t−ブチルイソオキサゾール−3−イル)−N2−(4,5−ジメトキシ−2−メチル−フェニル)−ピリミジン−2,4−ジアミン;および
N4−(5−t−ブチルイソオキサゾール−3−イル)−N2−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−ピリミジン−2,4−ジアミン。
【0029】
式Iの中で特に興味深い特定の化合物の1つのファミリーは、以下の化合物およびそれらの医薬適合性の塩から成る:
N4−(5−t−ブチルイソオキサゾール−3−イル)−N2−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−ピリミジン−2,4−ジアミン;
N4−(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N2−(4,5−ジメトキシ−2−メチル−フェニル)−ピリミジン−2,4−ジアミン;
N4−(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N2−(1H−インダゾール−5−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン;
N4−(3−メトキシ−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−N2−(5−フェニル−イソオキサゾール−3−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン;
N4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−N2−(5−フェニルイソオキサゾール−3−イル)−2,4−ピリミジンジアミン;
N4−(2−メチル−4,5−ジメトキシフェニル)−N2−(5−フェニルイソオキサゾール−3−イル)−2,4−ピリミジンジアミン;
N4−(2−メチル−4,5−ジメトキシフェニル)−N2−(5−アダマンチルイソオキサゾール−3−イル)−2,4−ピリミジンジアミン;および
N4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−N2−(3−シクロヘキシルイソオキサゾール−5−イル)−2,4−ピリミジンジアミン。
【0030】
適応症
本発明の化合物は、癌および関連疾患の予防または治療(これらに限定されない)に有用である。本発明の化合物は、IGF−1R阻害活性などのキナーゼ阻害活性を有する。本発明の化合物は、治療において抗新生物薬として有用である。
【0031】
本発明の化合物は、それらに限定されないが、以下に挙げる癌および転移を含む新生物の治療に有用である:膀胱癌、乳癌、大腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌(小細胞肺癌を含む)、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頚癌、甲状腺癌、前立腺癌および皮膚癌(扁平上皮癌を含む)などの癌腫;リンパ系統の造血性腫瘍(白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ヘアリーセルリンパ腫およびバーキットリンパ腫を含む);骨髄系統の造血性腫瘍(急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異型性症候群および前骨髄球性白血病を含む);間葉由来の腫瘍(線維肉腫および横紋筋肉腫、ならびに他の肉腫、例えば、軟組織および骨の肉腫を含む);中枢および抹消神経系の腫瘍(神経膠星状細胞腫、線維芽細胞腫、神経膠腫および神経鞘腫を含む);ならびに他の腫瘍(黒色腫、精上皮腫、奇形癌、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、甲状腺濾胞癌およびカポジ肉腫を含む)。
【0032】
本発明の化合物は、充実性腫瘍、肉腫(特に、ユーイング肉腫および骨肉腫)、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、神経芽腫、造血性悪性疾患(白血病およびリンパ腫を含む)、腫瘍誘発性胸水または心内膜液浸出、ならびに悪性腹水などの、癌関連適応症の治療においても有用である。
【0033】
本発明の化合物は、アポトーシスの促進にも有用である。
【0034】
本発明の化合物は、他のプロテインキナーゼ、例えば、ErbB、KDR、CDK−2、LCK、CDK−5、IKK、JNK3、の阻害剤としての役割を果たすこともでき、故に、他のプロテインキナーゼに関連した疾病の治療に有効である。
【0035】
人間の治療に有用であることに加えて、本化合物は、哺乳動物、齧歯動物およびこれらに類するものを含む、ペット、外来動物および家畜の獣医学的治療にも有用である。さらに好ましい動物には、ウマ、イヌおよびネコが挙げられる。
【0036】
本明細書中で用いられる場合、本発明の化合物は、それらの医薬適合性の誘導体を含む。
【0037】
定義
用語「予防」は、個体における疾患の発症を全体的に予防すること、または個体における前臨床顕性段階の疾患の発症を遅延させることを含む。これは、例えば癌などの疾病を発現する危険性がある者の予防的治療を含む。「予防(prophylaxis)」は、予防(prevention)の別の言い方である。
【0038】
「医薬適合性の誘導体」は、新生物を治療できることを特徴とする、本発明の化合物の一切の塩もしくはエステル、または患者に投与されると本発明の化合物を(直接的または間接的に)提供することができる他の一切の化合物、またはその代謝物もしくは残分を示す。
【0039】
「治療に有効な」という文言は、別の治療法に典型的に随伴する有害な副作用を回避しながら、各薬剤それ自体での治療を上回る疾患の重症度および発生頻度の改善目標を達成する各薬剤の量を述べるためのものである。例えば、有効な新生物治療薬は、患者の生存を延ばすか、新生物に伴われる急速な増殖性細胞成長を抑制するか、または新生物を退縮させる。
【0040】
用語「H」は、単一の水素原子を示す。このラジカルは、例えば、酸素原子に結合して、ヒドロキシルラジカルを形成することができる。
【0041】
用語「アルキル」が、単独で、または「ハロアルキル」および「アルキルアミノ」などの他の用語の中で用いられる場合、それは、炭素原子を1個から約12個有する直鎖または分枝鎖ラジカルを包含する。さらに好ましいアルキルラジカルは、炭素原子を1個から約6個有する「低級アルキル」である。そうしたラジカルの例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソアミル、ヘキシルおよびこれらに類するものが挙げられる。炭素原子を1個または約2個有する低級アルキルラジカルは、さらにいっそう好ましい。用語「アルキレニル」は、メチレニルおよびエチレニルなどの架橋性二価アルキルラジカルを包含する。
【0042】
用語「アルケニル」は、炭素−炭素二重結合を少なくとも一つ有する、炭素原子2個から約12個の直鎖または分枝鎖ラジカルを包含する。さらに好ましいアルケニルラジカルは、炭素原子を2個から約6個有する「低級アルケニル」ラジカルである。最も好ましい低級アルケニルラジカルは、炭素原子を2個から約4個有するラジカルである。アルケニルラジカルの例には、エテニル、プロペニル、アリル、プロペニル、ブテニルおよび4−メチルブテニルが挙げられる。用語「アルケニル」および「低級アルケニル」は、「cis」および「trans」配向、あるいは、「E」および「Z」配向を有するラジカルを包含する。
【0043】
用語「アルキニル」は、炭素原子を2個から約12個有する直鎖または分枝鎖ラジカルを包含する。さらに好ましいアルキニルラジカルは、炭素原子を2個から約6個有する「低級アルキニル」ラジカルである。炭素原子を2個から約4個有する低級アルキニルラジカルが、最も好ましい。そうしたラジカルの例には、プロパルギル、ブチニルおよびこれらに類するものが挙げられる。
【0044】
用語「ハロ」は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲンを意味する。
【0045】
用語「環」および「環構造」は、原子の描写数を含む環を指し、前記原子は、炭素であるか、指示されている場合には、窒素、酸素またはは硫黄などのヘテロ原子である。環それ自体ならびにそこにある一切の置換基は、安定な化合物を生成することができるあらゆる原子で結合可能である。用語「非芳香族」環または環構造は、二環式または三環式環構造における環のうち、すべてである必要はないが、少なくとも一つの環が、非芳香族性であることを指す。
【0046】
脱離基は、反応中に分子から離れることができる化学種であり、当技術分野では公知である。そうした基の例には、ハロゲン基(例えば、I、Br、F、Cl)、スルホネート基(例えば、メシレート、トシレート)、スルフィド基(例えば、SCH3)、およびこれらに類するものが挙げられるが、それらに限定されない。求核試薬は、反応中に分子に結合することができる化学種であり、当技術分野では公知である。そうした基の例には、アミン、グリニャール試薬、アニオン性化学種(例えば、アルコキシド、アミド、カルバニオン)およびこれらに類するものが挙げられるが、それらに限定されない。
【0047】
用語「ハロアルコキシ」は、アルキル炭素原子のいずれか一つ以上が、上で定義したようなハロで置換されているラジカルを包含する。具体的には、モノハロアルキル、ジハロアルキルおよびポリハロアルキルラジカルを包含する。一例として、ハロアルキルラジカルは、そのラジカル内にヨウ素原子、臭素原子、塩素原子またはフッ素原子のいずれかを有することができる。ジハロおよびポリハロアルキルラジカルは、二つ以上の同じハロ原子、または異なるハロラジカルの組合せを有することができる。「低級ハロアルキル」は、炭素原子を1個から約6個有するラジカルを包含する。炭素原子を1個から3個有する低級ハロラジカルは、さらにいっそう好ましい。ハロアルキルラジカルの例には、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチルおよびジクロロプロピルが挙げられる。「過フルオロアルキル」は、すべての水素原子がフッ素原子で置換されているアルキルラジカルを意味する。例には、トリフルオロメチルおよびペンタフルオロエチルが挙げられる。
【0048】
用語「ヒドロキシアルキル」は、炭素原子を1個から約10個有する直鎖または分枝鎖アルキルラジカルであって、前記炭素原子のうちのいずれか一つが、一つ以上のヒドロキシルラジカルで置換されていてもよいアルキルラジカルを包含する。さらに好ましいヒドロキシアルキルラジカルは、炭素原子を1個から6個とヒドロキシルラジカルを1個以上有する「低級ヒドロキシラジカル」ラジカルである。そうしたラジカルの例には、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチルおよびヒドロキシヘキシルが挙げられる。炭素原子を1個から3個有する低級ヒドロキシアルキルラジカルは、さらにいっそう好ましい。
【0049】
用語「アルコキシ」は、各々が炭素原子1個から約10個のアルキル部分を有する直鎖または分枝鎖の酸素含有ラジカルを包含する。さらに好ましいアルコキシラジカルは、炭素原子を1個から6個有するの「低級アルコキシ」ラジカルである。そうしたラジカルの例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシおよびt−ブトキシが挙げられる。炭素原子を1個から3個有する低級アルコキシラジカルは、さらにいっそう好ましい。アルコキシラジカルは、フッ素、塩素または臭素などのハロ原子一つ以上でさらに置換されて、「ハロアルキル」ラジカルを生じることができる。炭素原子を1個から3個有する低級ハロアルコキシラジカルは、さらにいっそう好ましい。そうしたラジカルの例には、フルオロメトキシ、クロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、フルオロエトキシおよびフルオロプロポキシが挙げられる。
【0050】
単独または組合せで、用語「アリール」は、一つまたは二つの環(この場合、そうした環は、互いに融合式に結合していてもよい)を含む炭素環式芳香族構造を意味する。用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、インデニル、テトラヒドロナフチルおよびインダニルなどの芳香族ラジカルを包含する。さらに好ましいアリールは、フェニルである。前記「アリール」基は、低級アルキル、ヒドロキシ、ハロ、低級ハロアルキル、ニトロ、シアノ、低級アルコキシおよび低級アルキルアミノなどの置換基を1個から5個有することができる。
【0051】
用語「ヘテロシクリル」は、窒素、硫黄および酸素から選択することができるへテロ原子を含有する飽和、部分飽和および不飽和の環状ラジカルを包含する。これには、−O−O−、−O−S−または−S−S−部分を含む環は、含まれない。前記「ヘテロシクリル」基は、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、シアノ、低級アルキル、低級アラルキル、オキソ、低級アルコキシ、アミノおよび低級アルキルアミノなどの置換基を1個から3個有することができる。
【0052】
飽和複素環ラジカルの例には、窒素原子を1個から4個含有する飽和3〜6員単環式複素環基[例えば、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピロリニル、ピペラジニル];酸素原子を1個から2個と窒素原子を1個から3個含有する飽和3〜6員単環式複素環基[例えば、モルホリニル];硫黄原子を1個から2個と窒素原子を1個から3個含有する飽和3〜6員単環式複素環基[例えば、チアゾリジニル]が挙げられる。部分飽和ヘテロシクリルラジカルの例には、ジヒドロチエニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロフリルおよびジヒドロチアゾリルが挙げられる。
【0053】
「ヘテロアリール」ラジカルとも呼ばれる不飽和複素環ラジカルの例には、窒素原子を1個から4個含有する不飽和5〜6員ヘテロモノシクリル基、例えば、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル[例えば、4H−1,2,4−トリアゾリル、1H−1,2,3−トリアゾリル、2H−1,2,3−トリアゾリル];酸素原子を含有する不飽和5〜6員単環式複素環基、例えば、ピラニル、2−フリル、3−フリルなど;硫黄原子を含有する不飽和5〜6員単環式複素環基、例えば、2−チエニル、3−チエニルなど;酸素原子を1個から2個と窒素原子を1個から3個含有する不飽和5〜6員単環式複素環基、例えば、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル[例えば、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル];硫黄原子を1個から2個と窒素原子を1個から3個含有する不飽和5〜6員単環式複素環基、例えば、チアゾリル、チアジアゾリル[例えば、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル]が挙げられる。
【0054】
この用語は、複素環ラジカルがアリールラジカルと融合/縮合しているラジカル:窒素原子を1個から5個含有する不飽和縮合複素環基、例えば、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンズイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリジダジニル[例えば、テトラゾロ[1,5−b]ピリダジニル];酸素原子を1個から2個と窒素原子を1個から3個含有する不飽和縮合複素環基[例えば、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル];硫黄原子を1個から2個と窒素原子を1個から3個含有する不飽和縮合複素環基[例えば、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル]、も包含する。好ましい複素環ラジカルには、5〜10員融合または非融合ラジカルが挙げられる。ヘテロアリールラジカルのさらに好ましい例には、キノリル、イソキノリル、イミダゾリル、ピリジル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、フリルおよびピラジニルが挙げられる。他の好ましいヘテロアリールラジカルは、硫黄、窒素および酸素から選択されたヘテロ原子を1または2個含有する5または6員ヘテロアリールであり、チエニル、フリル、ピロリル、インダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピペリジニルおよびピラジニルから選択される。
【0055】
用語「スルホニル」は、単独で用いられていようと、アルキルスルホニルなど、他の用語と結合していようと、それぞれ、二価のラジカル−SO2−を示す。
【0056】
用語「アルキルスルホニル」は、アルキルラジカルで置換されているスルホニルラジカルを包含する。さらに好ましいアルキルスルホニルラジカルは、炭素原子を1個から6個有する「低級アルキルスルホニル」ラジカルである。炭素原子を1個から3個有する低級アルキルスルホニルは、さらにいっそう好ましい。そうした低級アルキルスルホニルラジカルの例には、メチルスルホニルおよびエチルスルホニルが挙げられる。
【0057】
用語「スルファミル」、「アミノスルホニル」および「スルホアミジル」は、アミンラジカルで置換されているスルホニルラジカル、(−SO2NH2)を示す。
【0058】
用語「カルボキシ」または「カルボキシル」は、単独で用いられていようと、「カルボキシアルキル」など、他の用語とともに用いられていようと、−CO2Hを示す。
【0059】
用語「アラルキル」は、アリール置換アルキルラジカルを包含する。好ましいアラルキルラジカルは、炭素原子を1個から6個有するアルキルラジカルに結合しているアリールラジカルを有する「低級アラルキル」ラジカルである。炭素原子を1個から3個有するアルキル部部に結合している「フェニルアルキレニル」は、さらにいっそう好ましい。そうしたラジカルの例には、ベンジル、ジフェニルメチルおよびフェニルエチルが挙げられる。前記アラルキルにおけるアルキルは、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキルおよびハロアルコキシでさらに置換されていてもよい。
【0060】
用語「ヘテロシクリルアルキレニル」は、ヘテロシクリル置換アルキルラジカルを包含する。好ましいヘテロシクリルアルケニルラジカルは、炭素原子を1個から6個有するアルキルラジカルに結合しているヘテロシクリルラジカルを有する「低級ヘテロシクリルアルキレニル」ラジカルである。モルホリニルメチル、メチルピペルジニルメチル、メチルピペラジニルメチルおよびこれらに類するものなどのヘテロシクリル−C1〜C2−アルキレニルラジカルは、さらに好ましい。
【0061】
用語「カルボニル」は、単独で用いられていようと、「アミノカルボニル」など、他の用語とともに用いられていようと、−(C=O)−を示す。
【0062】
用語「アルキルアミノ」は、アミノ基が、それぞれ、アルキルラジカル1個およびアルキルラジカル2個で置換されている、「N−アルキルアミノ」および「N,N−ジアルキルアミノ」を包含する。さらに好ましいアルキルアミノラジカルは、窒素原子に結合している、炭素原子1個から6個のアルキルラジカルを1または2個有する「低級アルキルアミノ」ラジカルである。炭素原子を1個から3個有する低級アルキルアミノラジカルは、さらにいっそう好ましい。適するアルキルアミノラジカルは、N−メチルアミノ、N−エチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、その他などのモノまたはジアルキルアミノでありうる。
【0063】
用語「アミノアルキル」は、1個から約10個の炭素原子(このうちのいずれか1個は、1個以上のアミノラジカルで置換されうる)を有する直鎖または分枝鎖アルキルラジカルである。さらに好ましいアミノアルキルラジカルは、炭素原子を1個から6個とアミノラジカルを1個以上有する「低級アミノラジカル」である。そうしたラジカルの例には、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノブチルおよびアミノヘキシルが挙げられる。炭素原子1個から3個を有する低級アミノアルキルラジカルは、さらにいっそう好ましい。
【0064】
用語「アルキルアミノアルキル」は、アルキルアミノラジカルで置換されているアルキルラジカルを包含する。さらに好ましいアルキルアミノアルキルラジカルは、炭素原子を1個から6個有する「低級アルキルアミノアルキル」ラジカルである。炭素原子を1個から3個有する低級アルキルアミノアルキルラジカルは、さらにいっそう好ましい。適するアルキルアミノアルキルラジカルは、N−メチルアミノメチル、N,N−ジメチルアミノエチル、N,N−ジエチルアミノメチルおよびこれらに類するものなどのモノまたはジアルキルでありうる。
【0065】
用語「シクロアルキル」は、飽和炭素環基を含む。好ましいシクロアルキル基には、C3〜C6環が挙げられる。さらに好ましい化合物には、シクロペンチル、シクロプロピルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
【0066】
用語「シクロアルケニル」は、炭素−炭素二重結合を一つ以上有する炭素環基を含む。「シクロアルケニル」化合物および「シクロアルキルジエニル」化合物が含まれる。好ましいシクロアルケニル基には、C3〜C6環が挙げられる。さらに好ましい化合物には、例えば、シクロペンテニル、シクロペンタンジエニル、シクロヘキセニルおよびシクロヘプタジエニルが挙げられる。
【0067】
用語「アリールオキシ」は、酸素原子に結合している、上で定義したような場合によっては置換されているアリールラジカルを包含する。そうしたラジカルの例には、フェノキシが挙げられる。
【0068】
用語「アラルコキシ」は、酸素により他のラジカルに結合している酸素含有アラルキルラジカルを包含する。さらに好ましいアラルコキシラジカルは、上に記載したような低級アルコキシラジカルに結合している、場合によっては置換されているフェニルラジカルを有する「低級アラルコキシ」ラジカルである。そのアリール部分は、さらに置換されていてもよい。
【0069】
用語「ヘテロアリールオキシ」は、酸素原子に結合している、上で定義したような場合によっては置換されているヘテロアリールラジカルを包含する。
【0070】
用語「ヘテロアリールアルコキシ」は、酸素原子によって結合しているヘテロアリールアルキルラジカルを包含する。さらに好ましいヘテロアリールアルコキシラジカルは、上に記載したような低級アルコキシラジカルに結合している、場合によっては置換されているヘテロアリールアルキルラジカルを有する「低級ヘテロアリールアルコキシ」ラジカルである。
【0071】
用語「アミノカルボニル」は、式−C(=O)NH2のアミド基を示す。
【0072】
用語「アルコキシカルボニル」は、カルボニルラジカルがアルコキシラジカルで置換されているエステル基を示す。カルボニルラジカルに結合している、上に記載したような低級アルコキシラジカルを有する「低級アルコキシカルボニル」は、さらに好ましい。
【0073】
用語「アルキルカルボニル」は、アルキルラジカルで置換されているカルボニル基を示す。メチルカルボニル、エチルカルボニルおよびプロピルカルボニルなどのC1〜C6−アルキルカルボニルは、さらに好ましい。
【0074】
用語「N−アルキルアミノカルボニル」および「N,N−ジアルキルアミノカルボニル」は、それぞれ、1個または2個のアルキルラジカルで置換されているアミノカルボニルラジカルを示す。アミノカルボニルラジカルに結合している、上に記載したような低級アルキルラジカルを有する「低級アルキルアミノカルボニル」は、さらに好ましい。
【0075】
「医薬適合性のプロドラッグ」は、受容者に投与されると、本発明の化合物を(直接的または間接的に)生じることができる本発明の化合物のあらゆる医薬適合性の塩、エステル、エステルの塩、または他の誘導体を意味する。特に好適な誘導体およびプロドラッグは、そうした化合物が、哺乳動物に投与された時、(例えば、経口投与された化合物を、より容易に血液に吸収させることにより)本発明の化合物のバイオアベイラビリティを増大させるもの、またはその親化合物の生物学的区画(例えば、脳またはリンパ系)への送達を、その親化学種と比較して、増進するものである。好ましいプロドラッグには、水溶性を向上させるか、消化管膜よる活性輸送を増進する基が、本明細書に記載の式の構造に付加している誘導体が挙げられる。
【0076】
用語「含む」は、制限が無いこと、すなわち、指示された成分を包含するが、他の要素を除外しないことを意味する。
【0077】
「式IからIV」という文言は、I’およびIII’などの副次的な式を含む。
【0078】
本発明は、好ましくは、IGF−1Rを選択的に阻害する化合物を含む。
【0079】
本発明は、前に記載したものを含む、急性または慢性のアポトーシス媒介疾病状態の治療用薬物の製造における本発明の化合物またはその医薬適合性の誘導体の使用も含む。本発明の化合物は、抗癌薬の製造において有用である。本発明の化合物は、IGF−1Rの阻害により疾患を緩和または予防する薬物の製造においても有用である。
【0080】
本発明は、治療有効量の式IからIVの化合物を少なくとも一つの医薬適合性の担体、アジュバントまたは希釈剤とともに含む医薬組成物を含む。
【0081】
本発明は、被験者においてアポトーシス関連疾患を治療する方法も含み、この方法は、そうした疾患に罹患しやすい被験者を治療有効量の本発明の化合物で治療することを含む。
【0082】
併用
本発明の化合物は、単独の活性医薬として投与することができるが、本発明の化合物一つ以上と他の薬剤を併用することもできる。併用薬として投与される時、そうした治療薬は、同時に投与されるか、異なる時に逐次的に投与される別個の組成物として調合することができ、またはそうした治療薬は、単一の組成物として与えることができる。
【0083】
本発明の化合物および別の医薬の使用を定義する上で、「共同療法」(または「併用療法」)という文言は、有益な薬物併用効果を生じる治療方式で、逐次的に各薬剤を投与することを包含することとし、また、固定比率でこれらの活性薬剤を有する単一のカプセルで、または薬剤ごとに複数の別のカプセルでなど、実質的に同時にこれらの薬剤を共同投与すること包含することとする。
【0084】
具体的には、本発明の化合物の投与は、放射線療法または細胞増殖抑制剤もしくは細胞毒薬などでの新生物の予防または治療に関する、当業者には公知のさらなる療法と併用することができる。
【0085】
固定用量として調合される場合、そうした併用製品には、本発明の化合物が、許容される用量範囲内で利用される。式Iの化合物は、併用調合が不適切な時には、公知の抗癌剤または細胞毒薬ともに逐次的に投与することもできる。本発明は、投与の順序の制限を受けないので、式Iの化合物は、公知の抗癌剤または細胞毒剤の投与前または投与後、いずれにおいて投与してもよい。
【0086】
現在、原発腫瘍の標準的な治療は、外科手術的切除、その後の放射線または静脈内投与型化学療法から成る。典型的な化学療法計画は、DNAアルキル化薬、DNA挿入剤、CDK阻害剤、または微小管毒のいずれかから成る。使用される化学療法用量は、最大耐量の直前であり、従って、用量を制限する毒性には、典型的に、悪心、嘔吐、下痢、脱毛、好中球減少およびこれらに類するものが挙げられる。
【0087】
薬物併用化学療法により新形成を治療するために選択される、商業使用、臨床評価および前臨床開発に利用可能な抗新生物薬は多数ある。そうした抗新生物薬は、幾つかの主要なカテゴリー、すなわち、抗生物質タイプの薬剤、アルキル化薬、代謝拮抗薬、ホルモン薬、免疫薬、インターフェロンタイプの薬剤、およびその他の薬剤のカテゴリーに分類される。
【0088】
本発明の化合物と併用することができる抗腫瘍薬の第一のファミリーは、代謝拮抗物質タイプ/チミジル酸シンターゼ阻害剤抗新生物薬から成る。適する代謝拮抗物質抗新生物薬は、5−FU−フィブリノーゲン、アカンサス葉酸、アミノチアジアゾール、ブレキナーナトリウム、カルモフール、Ciba−Geigy CGP−30694、シクロペンチルシトシン、リン酸シタラビン・ステアリン酸塩、シタラビン抱合体、Lilly DATHF、Merrel Dow DDFC、デザグアニン、ジデオキシシチジン、ジデオキシグアノシン、ジドックス、吉冨ファインケミカル株式会社 DMDC、ドキシフルリジン、Wellcome EHNA、Merck & Co.EX−015、ファザラビン、フロキシウリジン、リン酸フルダラビン、5−フルオロウラシル、N−(2’−フラニジル)−5−フルオロウラシル、第一製薬株式会社 FO−152、イソプロピルピロリジン、Lilly LY−188011、Lilly LY−264618、メトベンザプリム、メトトレキサート、Wellcome MZPES、ノルスペルミジン、NCI NSC−127716、NCI NSC−264880、NCI NSC−39661、NCI NSC−612567、Waner−Lambert PALA、ペントスタチン、ピリトレキシム、ピリカマイシン、旭化成株式会社 PL−AC、武田薬品工業株式会社 TAC−788、チオグアニン、チアゾフリン、Erbamont TIF、トリメトレキサート、チロシンキナーゼ阻害剤、大鵬製薬株式会社 UFTおよびウリシチンから成る群より選択することができるが、これらに限定されない。
【0089】
本発明の化合物と併用することができる抗新生物薬の第二のファミリーは、アルキル化型抗新生物薬から成る。適するアルキル化タイプの抗腫瘍薬は、塩野義製薬株式会社 254−S、アルド−ホスファミド類似体、アルトレタミン、アナキシロン、Boehringer Mannheim BBR−2207、ベストラブシル、ブドチタン、湧永製薬株式会社 CA−102、カルボプラチン、カルムスチン、Chinoin−139、Chinoin−153、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、American Cyanamid CL−286558、Sanofi CY−233、シプラテート、Degussa D−19−384、住友製薬株式会社 DACHP(Myr)2、ジフェニルスピロムスチン、ジプラチナム細胞増殖抑止剤、Erba ジスタマイシン誘導体、中外製薬株式会社 DWA−2114R、ITI E09、エルムスチン、Erbamont FCE−24517、リン酸エストラムスチンナトリウム、ホテムスチン、Unimed G−6−M、Chinoin GYKI−17230、ヘプスル−ファム、イホスファミド、イプロプラチン、ロムスタチン、マホスファミド、ミトラクトール、日本化薬株式会社 NK−121、NCI NSC−264395、NCI NSC−342215、オキサリプラチン、Upjohn PCNU、プレドニムスチン、Proter PTT−119、ラニムスチン、セムスチン、SmithKline SK&F−101772、株式会社ヤクルト本社 SN−22、スピロムス−チン、田辺製薬株式会社 TA−077、タウロムスチン、テモゾロミド、テロキシロン、テトラプラチンおよびトリメラオモールから成る群より選択することができるが、これらに限定されない。
【0090】
本発明の化合物と併用することができる抗新生物薬の第三のファミリーは、抗生物質タイプの抗新生物薬から成る。適する抗生物質タイプの抗新生物薬は、大鵬製薬株式会社 4181−A、アクラルビシン、アクチノマイシンD、アクチノプラノン、Erbamont ADR−456、アエロプリシニン誘導体、味の素株式会社 AN−201−II、味の素株式会社 AN−3、日本曹達株式会社アニソマイシン、アントラサイクリン、アジノ−マイシン−A、ビスカベリン、Bristol−Myers BL−6859、Bristol−Myers BMY−25067、Bristol−Myers BMY−25551、Bristol−Myers BMY−26605、Bristol−Myers BMY−27557、Bristol−Myers BMY−28438、硫酸ブレオマイシン、ブリオスタチン−1、大鵬製薬株式会社 C−1027、カリケマイシン、クロモキシマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、協和発酵株式会社 DC−102、協和発酵株式会社 DC−79、協和発酵株式会社 DC−88A、協和発酵株式会社 DC89−A1、協和発酵株式会社 DC92−B、ジトリサルビシンB、塩野義製薬株式会社 DOB−41、ドキソルビシン、ドキソルビシン−フィブリノーゲン、エルサマイシン−A、エピルビシン、エルブスタチン、エソルビシン、エスペラマイシン−A1、エスペラマイシン−Alb、Erbamont FCE−21954、藤沢薬品工業株式会社 FK−973、ホストリエシン、藤沢薬品工業株式会社 FR−900482、グリドバクチン、グレガチン−A、グリンカマイシン、ヘルビマイシン、イダルビシン、イルジンズ、カズサマイシン、ケサリロジンズ、協和発酵株式会社 KM−5539、麒麟麦酒株式会社 KRN−8602、協和発酵株式会社 KT−5432、協和発酵株式会社 KT−5594、協和発酵株式会社 KT−6149、American Cyanamid LL−D49194、明治製菓株式会社 ME2303、メノガリル、ミトマイシン、ミトキサントロン、SmithKline M−TAG、ネオエナクチン、日本化薬株式会社 NK−313、日本化薬株式会社 NKT−01、SRI International NSC−357704、オキサリシン、オキサウノマイシン、ペプロマイシン、ピラチン、ピラルビシン、プロトラマイシン、ピリンダニシンA、東菱薬品工業株式会社 RA−I、ラパマイシン、リゾキシン、ロドルビシン、シバノマイシン、シウェノマイシン、住友製薬株式会社 SM−5887、雪印乳業株式会社 SN−706、雪印乳業株式会社 SN−07、ソランギシン−A、スパルソマイシン、エスエス製薬株式会社 SS−21020、エスエス製薬株式会社 SS−7313B、エスエス製薬株式会社 SS−9816B、ステフィマイシンB、大鵬製薬株式会社 4181−2、タリソマイシン、武田薬品工業株式会社 TAN−868A、テルペンテシン、トラジン、トリクロザリンA、Upjohn U−73975、協和発酵株式会社 UCN−10028A、藤沢薬品工業株式会社 WF−3405、吉冨ファインケミカル株式会社 Y−25024およびゾルビシンから成る群より選択することができるが、これらに限定されない。
【0091】
本発明の化合物と併用することができる抗新生物薬の第四のファミリーは、微小管相互作用薬、トポイソメラーゼII阻害剤、トポイソメラーゼI阻害剤およびホルモン薬を含む抗新生物薬のその他のファミリーから成り、α−カロチン、α−ジフルオロメチル−アルギニン、アシトレチン、Biotec AD−5、杏林製薬株式会社 AHC−52、アルストニン、アモナフィド、アンフェチニル、アンサクリン、Angiostat、アンキノマイシン、アンチ−ネオプラストン A10、アンチネオプラストンA2、アンチネオプラストンA3、アンチネオプラストンA5、アンチネオプラストンAS2−1、Henkel APD、グリシン酸アフィジコリン、アスパラギナーゼ、Avarol、バッカリン、バトラクリン、ベンフルロン、ベンゾトリプト、Ipsen−Beaufour BIM−23015、ビサントレン、Bristo−Myers BMY−40481、Vestar ボロン−10、ブロモホスファミド、Wellcome BW−502、Wellcome BW−773、カラセミド、塩酸カルメチゾール、味の素株式会社 CDAF、クロロスルファキノキサロン、Chemes CHX−2053、Chemex CHX−100、Waner−Lambert CI−921、Waner−Lambert CI−937、Waner−Lambert CI−941、Waner−Lambert CI−958、クランフェヌル、クラビリデノン、ICN コンパウンド1259、ICN コンパウンド4711、Contracan、株式会社ヤクルト本社 CPT−11、クリスナトール、クラデルム、サイトカラシンB、シタラビン、シトシチン、Merz D−609、DABIS マレエート、ダカルバジン、ダテリプチニウム、ジデムニン−B、ジヘマトポルフィリンエーテル、ジヒドロレンペロン、ジナリン、ジスタマイシン、東洋ファルマー株式会社 DM−341、東洋ファルマー株式会社 DM−75、第一製薬株式会社 DN−9693、ドセタキセルエリプラビン、酢酸エリプチニウム、株式会社ツムラ EPMTC、そのエポシロン、エルゴタミン、エトポシド、エトレチネート、フェンレチニド、藤沢薬品工業株式会社 FR−57704、硝酸ガリウム、ゲンクワダフニン、中外製薬株式会社 GLA−43、Glaxo GR−63178、グリホラン NMF−5N、ヘキサデシルホスホクロリン、株式会社ミドリ十字 HO−221、ホモハリントニン、ヒドロキシ尿素、BTG ICRF−187、イルモホシン、イソグルタミン、イソトレチノイン、大塚製薬株式会社 JI−36、Ramot K−477、大塚製薬株式会社 K−76COONa、呉羽化学工業株式会社 K−AM、MECT Corp KI−8110、American Cyanamid L−623、ロイコレグリン、ロニダミン、Lundbeck LU−23−112、Lilly LY−186641、NCI(US) MAP、マリシン、Merrel Dow MDL−27048、Medco MEDR−340、メルバロン、メロシアニン誘導体、メチルアニリノアクリジン、Molecular Genetics MGI−136、ミナクチビン、ミトナフィド、ミトキドンモピダモール、モトレチニド、全薬工業株式会社 MST−16、N−(レチノイル)アミノ酸、日清製粉株式会社 N−021、Nアシル化デヒドロアラニン、ナファザトロム、大正製薬株式会社 NCU−190、ノコダゾール誘導体、Normosang、NCI NSC−145813、NCI NSC−361456、NCI NSC−604782、NCI NSC−95580、オクレオチド、小野薬品工業株式会社 ONO−112、オキザノシン、Akzo Org−10172、パシリタキセル、パンクラチスタチン、パゼリプチン、Waner−Lambert PD−111707、Waner−Lambert PD−115934、Waner−Lambert PD−131141、Pierre Fabre PE−1001、ICRT ペプチドD、ピロキサントロン、ポリヘマトポルフィリン、ポリプレン酸、Efamol プロフィリン、プロビマン、プロカルバジン、プログルミド、Invitron プロテアーゼネキシンI、東菱薬品工業株式会社 RA−700、ラゾキサン、サッポロビール株式会社 RBS、レストリクチン−P、レテリプチン、レチノイン酸、Rhone−Poulenc RP−49532、Rhone−Poulenc RP−56976、SmithKline SK&F−104864、住友製薬株式会社 SM−108、株式会社クラレ SMANCS、SeaPharm SP−10094、スパトール、スピロシクロプロパン誘導体、スピロゲルマニウム、Unimed、エスエス製薬株式会社 SS−554、ストリポルジノン、Stypoldione、サントリー株式会社 SUN 0237、サントリー株式会社 SUN 2071、スーパーオキシドジスムターゼ、富山化学工業株式会社 T−506、富山化学工業株式会社 T−680、タキソール、帝人株式会社 TEI−0303、テニポシド、サリブラスチン、Eastman Kodak TJB−29、トコトリエノール、トポテカン、Topostin、帝人株式会社 TT−82、協和発酵株式会社 UCN−01、協和発酵株式会社 UCN−1028、ウクライン、Eastman Kodak USB−006、硫酸ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンエストラミド、ビノレルビン、ビントリプトール、ビンゾリジン、ウイザノリドおよび山之内製薬株式会社 YM−534から成る群より選択することができるが、これらに限定されない。
【0092】
あるいは、本化合物は、共同療法において、アセマンナン、アクラルビシン、アルデスロイキン、アレムズマブ、アリトレチノイン、アルテラミン、アミホスチン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、ANCER、アンセスチム、ARGLABIN、三酸化ヒ素、BAM 002(Novelos)、ベキサロテン、ビカルタミド、ブロクスウリジン、カペシタビン、セルモロイキン、セトロレリックス、クラドリビン、クロトリマゾール、八リン酸シタラビン、DA 3030(Dong−A)、ダクリズマブ、デニロイキンジフチトクス、デスロレリン、デキサラゾキサン、ジラゼップ、ドセタキセル、ドコサノール、ドキセルカルシフェロール、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ブロモクリプチン、カルムスチン、シタラビン、フルオロウラシル、HITジクロフェナク、インターフェロンアルファ、ダウノルビシン、ドキソルビシン、トレチノイン、エデルホシン、エドレコロマブ、エフロルニチン、エミテフール、エピルビシン、エポエチンベータ、リン酸エトポシド、エキセメスタン、エクシスリンド、ファドロゾール、フィルグラスチム、フィナステリド、リン酸フルダラビン、ホルメスタン、ホテムスチン、硝酸ガリウム、ゲムシタビン、ゲムツズマブゾガマイシン、ギメラシル/オテラシル/テガフール併用、グリコピン、ゴセレリン、ヘプタプラチン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、ヒト胎児アルファフェトプロテイン、イバンドロン酸、イダルビシン、(イミキモッド、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ、天然、インターフェロンアルファ−2、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンアルファ−N1、インターフェロンアルファ−n3、インターフェロンアルファコン−1、インターフェロンアルファ、天然、インターフェロンベータ、インターフェロンベータ−1a、インターフェロンベータ−1b、インターフェロンガンマ、天然インターフェロンガンマ−1a、インターフェロンガンマ−1b、インターロイキン−1ベータ、イオベングアン、イリノテカン、イルソグラジン、ランレオチド、LC 9018(株式会社ヤクルト本社)、レフルノミド、レノグラスチン、硫酸レンチナン、レトロゾール、ロイコサイトアルファインターフェロン、ロイプロレリン、レバミソール+フルオロウラシル、リアロゾール、ロバプラチン、ロニダミン、ロバスタチン、マソプロコール、メラルソプロール、メトクロプラミド、ミフェプリストン、ミルテホシン、ミルイモスチム、ミスマッチド2本鎖RNA、ミトグアゾン、ミトラクトール、ミトキサントロン、モルグラモスチム、ナファレリン、ナロキソン+ペンタゾシン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ニルタミド、ノスカピン、新規赤血球生産刺激タンパク質、NSC 631570 オクトレオチド、オプレルベキン、オサテロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロン酸、ペグアスパルガーセ、ペグインターフェロンアルファ−2b、ペントサン多硫酸ナトリウム、ペントスタチン、ピシバニール、ピラルビシン、ウサギ抗胸腺細胞ポリクローナル抗体、ポリエチレングリコールインターフェロンアルファ−2a、ポルフィマーナトリウム、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラスブリカーゼ、レニウム Re 186 エチドロネート、RII レチンアミド、リタキシマブ、ロムルチド、サマリウム(153 Sm)レキシドロナム、サルグラモスチン、シゾフィラン、ソブゾキサン、ソネルミン、塩化ストロンチウム−89、スラミン、タソネルミン、タザロテン、テガフール、テモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テトラクロロデカオキシド、サリドマイド、チマルファシン、チロトロピンアルファ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ−ヨウ素 131、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トリロスタン、トリメトレキサート、トリプトレリン、腫瘍壊死因子アルファ、天然、ウベニメクス、膀胱癌ワクチン、丸山ワクチン、黒色腫溶解ワクチン、バルルビシン、ベルテポルフィン、ビノレルビン、VIRULIZIN、ジノスタチンスチムラマー、またはゾレドロン酸;アバレリクス;AE 941(Aeterna)、アンバムスチン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、bcl−2(Genta)、APC 8015(Dendreon)、セツキシマブ、デシタビン、デキサアミノグルテチミド、ジアジキオン、EL 532(Elan)、EM 800(Endorecherche)、エニルラシル、エタニダゾール、フェンレチニド、フィルグラスチム SD01(Amgen)、フルベストラント、ガロシタビン、ガストリン17イムノゲン、HLA−B7遺伝子療法(Vical)、顆粒球マクロファージコロニー形成刺激因子、二塩酸ヒスタミン、イブリツモマブチウキセタン、イロマスタット、IM 862(Cytran)、インターロイキン−2、イプロキシフェン、LDI 200(Milkhause)、レリジスチム、リンツズマブ、CA 125 MAb(Biomira)、癌 MAb(Japan Pharmaceutical Dvelopment)、HER−2およびFc MAb(Medarex)、イデオタイプの105AD7 MAb(CRC Technology)、イデオタイプのCEA MAb(Trilex)、LYM−1−ヨウ素 131 MAb(Techniclone)、多形上皮ムチン−イットリウム 90 MAb(Antisoma)、マリマスタット、メノガリル、ミツモマブ、モテキサフィン、ガドリニウム、MX 6(Galderma)、ネララビン、ノラトレキセド、P30タンパク質、ペグビソマント、ペメトレキセド、ポルフィロマイシン、プリノマスタット、RL 0903(Shire)、ルビテカン、サトラプラチン、フェニル酢酸ナトリウム、スパルホス酸(sparfosic acid)、SRL 172(SR Pharma)、SU 5416(SUGEN)、SU 6668(SUGEN)、TA 077(田辺製薬株式会社)、テトラチオモリブデン酸塩、タリブラスチン、トロンボポイエチン、スズエチルエチオプルプリン、チラパザミン、癌ワクチン(Biomira)、黒色腫ワクチン(New York University)、黒色腫ワクチン(Sloan Kettering Institute)、黒色腫腫瘍溶解ワクチン(New York Medical College)、ウイルス性黒色腫細胞溶解ワクチン(Royal Newcastle Hospital)、またはバルスポダールなどの他の抗新生物薬と併用することもできる。
【0093】
本発明は、ホスホリル転移を触媒する、および/またはATP/GTPヌクレオチドに結合する酵素の阻害剤、そうした阻害剤を含む組成物、ならびにそうした阻害剤および阻害剤組成物の使用法に関する。前記阻害剤およびそれらを含む組成物は、キナーゼを含むホルホリルトランスフェラーゼが関与しうる疾病、そうした疾病の徴候、またはキナーゼを含むホルホリルトランスフェラーゼにより媒介される他の生理学的事象の作用の治療または調節に有用である。本発明は、前記阻害剤化合物の製造法、およびキナーゼを含む一つ以上のホスホリルトランスフェラーゼの活性が関与する疾病の治療法も提供する。
【0094】
あるいは、本発明の化合物は、共同療法において、p38阻害剤およびCDK阻害剤、TNF阻害剤、メタロマトリックスプロテアーゼ阻害剤(MMP)、EGFR阻害剤(Iressaなど)、KDR阻害剤、COX−2阻害剤(セレコキシブ、ロフェコキシブ、パレコキシブ、ヴァルデコキシブおよびエトリコキシブを含む)、NSAID、SOD擬態またはαVβ3阻害剤を含む他のキナーゼ阻害剤などの他の抗新生物薬とともに使用することもできる。
【0095】
本発明は、式IからIVの化合物の調製法を含む。
【0096】
本発明の化合物は、一般に、1個以上の不斉炭素原子を有することができ、故に、光学異性体の形態で、ならびにそれらのラセミまたは非ラセミ混合物の形態で存在することができる。光学異性体は、従来の方法に従って、例えば、光学活性酸または塩基での処理によりジアステレオ異性体塩を形成することによって、ラセミ混合物を分割することにより得ることができる。適切な酸の例は、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルイル酒石酸および樟脳スルホン酸である。次に、ジアステレオ異性体の混合物を結晶化により分離し、その後、これらの塩から光学活性塩基を遊離させる。光学異性体を分離するための別の方法は、エナンチオマーの分離を最大にするように最適に選択されたキラルクロマトグラフィーカラムの使用を含む。さらに別の利用可能な方法は、本発明の化合物を活性化形の光学的に純粋な酸、または光学的に純粋なイソシアネートと反応させることによって、共有結合性ジアステレオ異性体分子を合成することを含む。合成されたジアステレオ異性体を、クロマトグラフィー、蒸留、結晶化または昇華などの通常の手段によって分離し、その後、加水分解して、エナンチオマー的に純粋な化合物をもたらすことができる。本発明の光学活性化合物は、活性出発原料の使用によって得ることもできる。これらの異性体は、遊離酸、遊離塩基、エステルまたは塩の形態であることができる。
【0097】
本発明の化合物は、一般に、互変異性形を有することができ、これらは、式IからIVの化合物のファミリーに含まれる。
【0098】
式IからIVの化合物のファミリーには、それらの医薬適合性の塩も含まれる。用語「医薬適合性の塩」は、アルカリ金属塩を形成するために、および遊離酸または遊離塩基の付加塩を形成するために一般に使用される塩を包含する。医薬適合性であるならば、塩の種類は、重要ではない。式IからIVの化合物の適切で医薬適合性の酸付加塩は、無機酸から調製することもできるし、または有機酸から調製することもできる。こうした無機酸の例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸およびリン酸である。適切な有機酸は、脂肪族系の有機酸、脂環式の有機酸、芳香族系の有機酸、芳香脂肪族系の有機酸、複素環系の有機酸、カルボン酸および硫酸類の有機酸から選択することができ、これらの例は、酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アントラニル酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、酪酸、樟脳酸、樟脳スルホン酸、クエン酸、シクロペンタンプロピオン酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ジグルコン酸、ドデシルスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ガラクツロン酸、グリコール酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルコヘプタン酸、グルタミン酸、グリセロリン酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、β−ヒドロキシ酪酸、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸、マンデル酸、メシル酸、メタンスルホン酸、ニコチン酸、2−ナフタレンスルホン酸、シュウ酸、パーム酸、ペクチン酸、ピバル酸、過硫酸、2−フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピルビン酸、プロピオン酸、フェニル酢酸、エンボン酸(パモ酸)、シクロペンタンプロピオン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、サリチル酸、スルファニル酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、およびウンデカン酸である。
【0099】
式IからIVの化合物の適切で医薬適合性の塩基付加塩には、例えば、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛を含むアルカリ金属およびアルカリ土類金属から作られる塩などの金属塩、またはカフェイン、アルギニン、ジエチルアミン、N−エチルピペリジン、ヒスチジン、グルカミン、イソプロピルアミン、リシン、モルホリン、N−エチルモルホリン、ピペラジン、ピペリジン、アンモニア、トリエチルアミン、トリメチルアミンなどの第一、第二および第三アミン、置換アミン(環状アミンを含む)を含む有機塩基から作られた塩が挙げられる。これらの塩は、すべて、例えば、適切な酸または塩基を式IからIVの化合物と反応させることによって、本発明の対応する化合物から通常の手段により調製することができる。
【0100】
また、塩基性窒素含有基は、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化ブチル、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、臭化ブチル、ヨー化メチル、ヨー化エチル、ヨー化プロピルおよびヨウ化ブチルなどの低級アルキルハロゲン化物;硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチルおよび硫酸ジアミルのような硫酸ジアルキル;塩化デシル、塩化ラウリル、塩化ミリスチル、塩化ステアリル、臭化デシル、臭化ラウリル、臭化ミリスチル、臭化ステアリル、ヨー化デシル、ヨー化ラウリル、ヨー化ミリスチルおよびヨー化ステアリルなどの長鎖ハロゲン化物;臭化ベンジルおよび臭化フェニエチルのようなアラルキルハロゲン化物;およびその他などの物質で四級化することができる。その結果、水溶性もしくは油溶性または水分散性もしくは油分散性の生成物が得られる。
【0101】
こうした塩のさらなる例は、Bergeら、J.Pharm.Sci./,66,1(1997)において見出すことができる。
【0102】
本発明で考えられる置換基および可変項の組合せは、安定な化合物の生成をもたらすもののみである。本明細書中で用いられる場合、用語「安定な」は、調製を可能ならしめるに足る安定性を有する化合物を指す。
【0103】
本明細書中で用いられる場合、本明細書に記載の化合物を含む本発明の化合物は、その医薬適合性の誘導体またはプロドラッグを含むものと定義される。
【0104】
本発明の化合物の医薬適合性の塩には、医薬適合性の無機酸、有機酸、無機塩基および有機塩基から誘導されたものが挙げられる。シュウ酸などの他の酸は、それら自体は医薬適合性ではないが、本発明の化合物およびそれらの医薬適合性の酸付加塩を得る際の中間体として有用な塩の調製に利用することができる。本発明は、本明細書に開示されている化合物のあらゆる塩基性窒素含有基の四級化も考えている。こうした四級化により、水溶性もしくは油溶性または水分散性もしくは油分散性の生成物を得ることができる。
【0105】
本発明は、下記式:
【0106】
【化8】
(これらの式中の基は、本明細書中で定義されているとおりである)
のうちの一つ以上のピリミジンを、一つまたは複数の適切な求核試薬と反応させることを含む、本明細書に記載のいずれかの式の化合物を製造するための方法に関する。
【0107】
本発明は、下記式:
【0108】
【化9】
(これらの式中、Lは、脱離基と定義され、基は、本明細書中で定義されているとおりである)
のうちの一つ以上のピリミジンを、一つまたは複数の適切な求核試薬と反応させることを含む、本明細書に記載のいずれかの式の化合物を製造するための方法にも関する。
【0109】
一般合成手順
本発明の化合物は、以下の図式1から2の手順(図式中、置換基は、さらに特に言及した場合を除き、上記の式IからIVについて定義したとおりである)に従って合成することができる。
【0110】
【化10】
【0111】
モノアミン置換ピリミジン2は、上記図式1に記載の方法に従って調製することができる。2,4−ジクロロピリミジン1を、NaHなどの塩基、およびDMFまたはTFHなどの溶媒の存在下、約0℃からほぼ室温で、ヘテロアリールアミンとカップリングさせて、(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)アミン2を得る。
【0112】
あるいは、2,4−ジクロロピリミジン1を、NaOt−Buの存在下、t−BuOHなどの溶媒中、ほぼ室温でアミンと反応させて、モノアミン置換ピリミジン2を生じる。
【0113】
【化11】
【0114】
モノアミン置換ピリミジン2を、アセトンおよび水などの溶媒中、濃HClなどの存在下で、R2NH2などの活性水素を有するアミンと反応させて、ジアミン置換ピリジン3を得る。
【0115】
あるいは、この反応は、IPAもしくはDMSOなどの溶媒中でDIEAを使用して、もしくは使用せずに行うことができ、またはIPAもしくはDMSOなどの溶媒中でEt3N・TFAを使用して、もしくは使用せずに行うことができ、またはHOAcなどの溶媒中で行うことができる。
【0116】
好ましくはこの反応は加熱され、さらに好ましくは約50℃より高い温度で、さらにいっそう好ましくは約90℃から100℃の温度で加熱される。
【0117】
式IからIVの化合物に一つ以上の他の官能基、例えば、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノまたはメルカプトがあるか、または反応に加わるべきでないのでそれらを保護する必要がある場合、それらは、ペプチド化合物、ならびにまたセファロスポリンおよびペニシリン、ならびに核酸誘導体および糖類の合成において通常使用されるような基である。
【0118】
保護基は、前駆体の中にすでに存在しうり、アシル化、エーテル化、エステル化、酸化、加溶媒分解および類似の反応などの望ましくない副反応から関係する官能基を保護しなければならない。保護基の特徴は、それらが、典型的には加溶媒分解、還元、光分解によって、または例えば生理条件に類似した条件下で、酵素活性によっても、容易に、すなわち、望ましくない副反応を伴わずに、除去できること、およびそれらが、最終製品中に存在しないことである。専門家は、どの保護基が上述または後述の反応に適するかを知っており、または容易に確立することができる。
【0119】
そうした保護基によるそうした官能基の保護、保護基自体、およびそれらの除去反応は、例えば、J.F.W.McOmie,「有機化学における保護基(Protective Group in Organic Chemistry)」,Plenum Press,London and New York 1973、T.W.Green,「有機合成における保護基(Protective Group in Organic Synthesis)」,Wiley New York 1981、「ペプチド(The Peputides)」;第3巻(編者:E.GrossおよびJ.Meienhofer),Academic Press,London and New York 1981、「有機化学の方法(Methoden der organischen Chemie(Methods of organic chemistry))」,Houben Weyl,第4版,第15/1巻,Georg Thieme Verlag,Stuttgart 1974、H.−D.Jakubke and H.Jescheit,「アミノ酸、ペプチド、蛋白質(Aminosauren,Peptide,Proteine(Amino acids,peptides,proteins))」,Verlag Chemie,Weinheim,Deerfield Beach,and Basel 1982、およびJochen Lehmann,「炭水化物の化学:単糖類および誘導体(Chemie der Kohlenhydrate:Monosaccharide und Drivate(Chemistry of carbohydrates:monosaccharides and derivatives))」,Georg Thieme Verlag,Stuttgart 1974などの標準的な参考書に記載されている。
【0120】
所望される場合に行われる追加の工程段階において、反応に加わるべきでない出発原料の官能基は、非保護形で存在してもよいし、例えば、「保護基」もとに上で言及した一つ以上の保護基により、保護されていてもよい。その後、保護基は、そこに記載されている方法のうちの一つに従って完全にまたは部分的に除去される。
【0121】
塩形成性基を有する式Iの化合物の塩は、それ自体知られている手法で調製することができる。例えば、式Iの化合物の酸付加塩は、酸または適するアニオン交換試薬での処理により得ることができる。二つの酸分子を有する塩(例えば、式Iの化合物の二ハロゲン化物)は、一つの化合物につき一つの酸分子を有する塩(例えば、一ハロゲン化物)に転化させることができる。これは、式Iの化合物1分子につき、放出された酸1分子を加熱して溶融体にすることにより、すなわち、例えば、式Iの化合物1分子につき、放出された酸1分子を、固体として、高真空下、高温(例えば、130℃から170℃)で加熱することにより、行うことができる。
【0122】
通常、塩は、例えば、適する塩基性物質、例えば、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩またはアルカリ金属水酸化物、典型的には、炭酸カリウムまたは水酸化ナトリウムで処理することにより、遊離化合物に転化させることができる。
【0123】
本明細書に記載するすべての工程段階は、既知の反応条件下、好ましくは、具体的に挙げられている反応条件下で、好ましくは、使用される試薬に対して不活性であり、且つ、これらを溶解することができるような溶媒または希釈剤が不在または通常は存在する状態で、低温、常温または高温、例えば、約−100℃から約190℃、好ましくは約−80℃から約150℃の範囲、例えば、約−80℃から約60℃、室温、約−20℃から約40℃、または使用される溶媒の沸点での反応および/または反応体のタイプに依存して、触媒、縮合剤または中和剤、例えば、イオン交換体、典型的には例えばH+形態のカチオン交換体が不在または存在する状態で、大気圧下で、または加圧が適する場合には密閉容器内で、および/または不活性雰囲気下、例えば、アルゴンまたは窒素下で、行うことができる。
【0124】
出発化合物および過渡体が塩形成性基を含有する場合、塩は、それらすべての中に存在しうる。塩は、そうした化合物の反応中にも存在しうるが、その反応がそれらにより妨げられないことを条件とする。
【0125】
一定の場合、典型的には水素化法では、立体選択的反応を達成することができ、それにより、例えば、個々の異性体をより容易に回収することができる。
【0126】
その方法の説明に特に別様に述べられていない限り、問題の反応に適する選択可能な溶媒には、例えば、H2O、エステル(典型的には、アルキル−低級アルカノエート、例えば、EtOAc)、エーテル(典型的には、脂肪族エーテル、例えば、Et2O、または環状エーテル、例えば、THF)、液体芳香族炭化水素(典型的には、ベンゼンまたはトルエン)、アルコール(典型的には、MeOH、EtOHまたは1−プロパノール、IPA)、ニトリル(典型的には、CH3CN)、ハロゲン化炭化水素(典型的には、CH2Cl2)、酸アミド(典型的には、DMF)、塩基(典型的には、複素環式窒素塩基、例えば、ピリジン)、カルボン酸(典型的には、低級アルカンカルボン酸、例えば、HOAc)、カルボン酸無水物(典型的には、低級アルカン酸無水物、例えば、無水酢酸)、環状、直鎖もしくは分枝鎖炭化水素(典型的には、シクロヘキサン、ヘキサンまたはイソペンタン)、またはこれらの溶媒の混合物、例えば、水溶液が挙げられる。
【0127】
本発明は、いずれかの段階で過渡体として得ることができる化合物から出発し、欠如している段階を行う形の方法、またはいずれかの段階で工程を打ち切る形の方法、またはその反応条件下で出発原料を生成する形の方法、または反応性誘導体もしくは塩の形態の前記出発原料を使用する形の方法、または本発明の方法により得ることができる化合物を生成し、前記化合物をインサイチュで加工する形の方法にも関する。好ましい実施形態では、好ましいと上に記載した化合物を導く出発原料から出発する。
【0128】
式IからIVの化合物(それらの塩を含む)は、水和物の形態で得ることもでき、またはそれらの結晶は、例えば、結晶化に使用される溶媒を含む(溶媒和化合物として存在する)ことができる。
【0129】
新規出発原料および/または中間体ならびにそれらの調製法も、本発明の主題である。好ましい実施形態では、そうした出発原料が使用され、また、好ましい化合物を得ることができるように選択された反応条件が使用される。
【0130】
本発明の出発原料は、既知であり、市販されているか、当技術分野において既知の方法と類似に、またはそれらに従って、合成することができる。
【0131】
出発原料の調製において、反応に加わらない既存の官能基は、必要な場合には保護すべきである。好ましい保護基、それらの導入およびそれらの除去は、上文または実施例に記載されている。
【0132】
残りの出発原料は、すべて、既知であり、既知の方法に従って調製することができるか、購入することができる。詳細には、それらは、実施例に記載されているような方法を用いて調製することができる。
【0133】
以下の実施例は、式IからIVの化合物の調製法の詳細な説明を含んでいる。これらの詳細な説明は、本範囲に入るものであり、また、本発明の一部を成す、その前に記載されている一般合成手順の例示に役立つものである。これらの詳細な説明は、説明のみを目的として提供するものであって、本発明の範囲を制限するためのものではない。
【0134】
本発明の化合物は、一つ以上の不斉中心を有し、それ故、ラセミ体、ラセミ混合物、スケルマー(scalemic)混合物、単一のエナンチオマー、個々のジアステレオマーおよびジアステレオマー混合物として発生しうる。これらの化合物のすべてのそうした異性体形は、明白に本発明に包含される。本発明の化合物は、例えば、下に図示するように、複数の互変異性形で存在することもある:
【0135】
【化12】
【0136】
本発明は、本明細書に記載の化合物のすべての互変異性体形を明白に包含する。本化合物は、cis−もしくはtrans−またはE−もしくはZ−二重結合異性体形でも発生しうる。そうした化合物のすべてのそうした異性体形は、明白に本発明に包含される。本明細書に記載されている化合物のすべての結晶形は、本発明に明白に包含される。
【0137】
環部分の置換基(例えば、フェニル、チエニルなど)は、それらがその原子に固定されているとう意図で、特定の原子に結合させてもよいし、またはH(水素)以外の原子により既に置換されていないあらゆる利用可能な原子において結合するという意図で、特定の原子に結合していないように描いてもよい。
【0138】
本発明の化合物は、別の環構造に結合している複素環構造を含むことができる。そうした複素環構造は、環構造内の炭素原子またはヘテロ原子により結合することができる。
【0139】
あるいは、本明細書に詳述されているいずれかの式の化合物を、本明細書に詳述されているいずれかの方法に従って合成することができる。本明細書中で詳述されている方法における段階は、必要に応じて、別の順序で行ってもよいし、追加の保護/脱保護段階より前または後に行ってもよい。本方法は、不活性溶媒、塩基などの追加の試薬(例えば、LDA、DIEA、ピリジン、K2CO3、およびこれらに類するもの)、触媒、および上記の塩形態を含む適切な反応条件の使用をさらに含む。中間体は、精製して、または精製せずに、インサイチュで単離してもよいし、持ち越してもよい。精製法は、当技術分野において公知であり、例えば、結晶化、クロマトグラフィー(液体および気相)、抽出、蒸留、研和、逆相HPLCおよびこれらに類するものが挙げられる。温度、保持時間、圧力および雰囲気(不活性ガス、周囲)などの反応条件は、当技術分野において公知であり、その反応に適するように調整することができる。
【0140】
当業者にはご理解いただけるように、上記合成図式は、本出願に記載され、特許請求されている化合物を合成することができるすべての手段の包括的リストを含むことを意図したものではない。さらなる方法は、通常の当業者には明らかである。加えて、上記の様々な合成段階を別の順番または順序で行って、所望の化合物を得ることができる。本明細書に記載の阻害剤化合物の合成に有用な合成化学変換および保護基方法論(保護および脱保護)は、当技術分野において公知であり、例えば、R.Larock,Comprehensive Organic Transformation,VCH Publishers(1989);T.W.Green and P.G.M.Wuts,Protective Group in Organic Synthesis,第3版,John Wiley and Sons(1999);L.Fieser and M.Fieser,Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1994);およびL.Paquette編,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1995)に記載されているものが挙げられる。
【0141】
本発明の化合物は、適切な官能基を付けることによって変性して、選択的な生物学的特性を強化することができる。そうした変性は、当技術分野において公知であり、そうした変性には、所定の生物学的区画(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的浸透を増大させるもの、経口アベイラビリティを増大させるもの、溶解度を増大させて注射による投与を可能ならしめるもの、代謝を変化させるもの、および排泄率を変化させるものが挙げられる。
【0142】
特に別様に述べられていない限り、すべての材料は、市場の供給源から入手し、さらに精製せずに使用した。別様に指示されていない限り、すべての部は、重量部であり、温度は、摂氏度である。すべての化合物は、それらの指定構造と一致するNMRスペクトルを示した。
【0143】
本明細書に記載されている発明をさらに容易にご理解いただくために、以下の実施例を記載する。これらの実施例は、説明のみを目的とするものであり、如何様にも本発明を制限するものとは解釈されないことは、ご理解いただけよう。
【0144】
分析法:
別様に指示されていない限り、すべてのHPLC分析は、HP Zorbax SB−C18(5μ)逆相カラム(4.6x150mm)を30℃、流量1.00mL/分でランするHP−1000またはHP−1050を用いて実施した。移動相は、10%から90%CH3CNの20分の傾斜で溶媒A(H2O/0.1%TFA)および溶媒B(CH3CN/0.1%TFA)を使用した。傾斜は、その後、10%CH3CNに2分間戻し、3分間フラッシュした。示されている時間でのLCプロフィールを用いて、対象となるピークを溶離した。
【0145】
LC−MS法:
方法A:
1.HP Zorbax SB−C8(5μ)逆相カラム(4.6x50mm)を30℃、流量0.75mL/分でランするHP−1100にサンプルを流した。
【0146】
2.移動相は、10%から90%CH3CNの10分の傾斜で溶媒A(H2O/0.1%AcOH)および溶媒B(CH3CN/0.1%AcOH)を使用した。傾斜は、その後、10%CH3CNに1分間戻し、2分間フラッシュした。
【0147】
3.示されている時間でのLCプロフィールを用いて、対象となるピークを溶離した。
【0148】
方法B:
4.HP Zorbax SB−C8(5μ)逆相カラム(4.6x50mm)を30℃、流量1.5mL/分でランするHP−1100にサンプルを流した。
【0149】
5.移動相は、10%から90%CH3CNの5分の傾斜で溶媒A(H2O/0.1%AcOH)および溶媒B(CH3CN/0.1%AcOH)を使用した。傾斜は、その後、10%CH3CNに0.5分間戻し、1.5分間フラッシュした。
【0150】
分取HPLC:示されている場合には、30x100mmカラムを具備するGilsonワークステーションを30mL/分で使用する分取HPLCにより、対象となる化合物を精製した。移動相は、5%から100%CH3CNの15分の傾斜で溶媒A(H2O/0.1%TFA)および溶媒B(CH3CN/0.1%TFA)を使用した。傾斜は、その後、5%CH3CNに2分間戻した。
【0151】
プロトンNMRスペクトル:
別様に指示されていない限り、すべての1H NMRスペクトルは、VarianシリーズMercury 300または400MHz装置を用いて実施した。観察されるすべてのプロトンは、示されている適切な溶媒中のテトラメチルシラン(TMS)または他の内部対照から下方領域の百万分率(ppm)として報告される。
【0152】
以下の略語を使用している:
AcOH、HOAc − 酢酸
CH3CN − アセトニトリル
ATP − アデノシン三リン酸
NH4Cl − 塩化アンモニウム
NH4OH − 水酸化アンモニウム
BINAP − 2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル
BH3 − ボラン
BSA − ウシ血清アルブミン
DDQ − 2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン
CH2Cl2 − ジクロロメタン
DIEA − ジイソプロピルエチレンアミン
DIAD − アゾジカルボン酸ジイソプロピル
EDC − 塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド
DMF − ジメチルホルムアミド
DMSO − ジメチルスルホキシド
DPPA − ジフェニルホスホリルアジド
DTT − ジチオトレイトール
EtOH − エタノール
EtOAc − 酢酸エチル
Et2O − エチルエーテル
FeSO4 − 硫酸鉄
g − グラム
h − 時間
HBr − 臭化水素酸
HCl − 塩酸
H2 − 水素
HOBt − ヒドロキシベンゾトリアゾール
IPA − イソプロパノール
LAH − 水素化アルミニウムリチウム
LiOH − 水酸化リチウム
MgSO4 − 硫酸マグネシウム
MnCl2 − 塩化マンガン
MeOH − メタノール
MeI − ヨウ化メチル
mg − ミリグラム
mL − ミリリットル
min − 分
N2 − 窒素
Pd/C − 炭素担持パラジウム
Pd(OAc)2 − 酢酸パラジウム
Pd(PPh3)4 − テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
Pd2(dba)3 − トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム
POCl3 − 塩化ホスホリル
PCl5 − 五塩化リン
P2O5 − 五酸化リン
Pt/C − 炭素担持白金
K2CO3 − 炭酸カリウム
KOt−Bu − カリウムt−ブトキシド
RT − 室温
NaHCO3 − 重炭酸ナトリウム
Na2CO3 − 炭酸ナトリウム
NaCl − 塩化ナトリウム
NaCN − シアン化ナトリウム
NaCNBH3 −シアノ水素化ホウ素ナトリウム
NaH − 水素化ナトリウム
NaOH − 水酸化ナトリウム
Na2SO4 − 硫酸ナトリウム
NaOt−Bu − ナトリウムt−ブトキシド
t−BuOH − t−ブチルアルコール
t−BuOMe、MTBE − t−ブチルメチルエーテル
Boc − t−ブチルオキシカルボニル
THF − テトラヒドロフラン
TEA、Et3N −トリエチルアミン
TFA − トリフルオロ酢酸
PPh3 − トリフェニルホスフィン
H2O − 水
【発明を実施するための最良の形態】
【0153】
(実施例1)
【0154】
【化13】
【0155】
N4−(5−t−ブチルイソオキサゾール−3−イル)−N2−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−ピリミジン−2,4−ジアミン
段階A
0℃で15mLのDMF中の3−アミノ−5−t−ブチルイソオキサゾール(922mg、6.58mmol)の溶液に、268mg(6.71mmol)のNaH(鉱物油中60%の分散体)を1分間かけて4回で添加した。得られた混合物を0℃で30分間攪拌し、この時、1.0g(6.71mmol)の2,3−ジクロロピリミジンを1回で添加した。得られた混合物を室温に温め(ジュワー瓶内のアイスメルト)、室温で22時間攪拌した。その反応混合物を、NH4Cl飽和水溶液で反応停止させ、H2OおよびEtOAcで希釈した。有機相をブラインで1回洗浄した。併せた水性相およびブライン洗液をEtOAcで1回抽出した。併せた有機相をNa2SO4で乾燥させて、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(2/1のヘキサン/EtOAcで溶離)により精製して、(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−アミンを、黄色を帯びた白色の固体として得た。
【0156】
段階B
(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−アミン(50mg、0.198mmol、段階A)と3,4,5−トリメトキシアニリン(36.2mg、0.198mmol)の混合物を、封管内で、DMSO中のEt3N−TFAの2M溶液(1.28gのEt3N−TFAと3mLのDMSOを併せることにより調製した保存溶液)0.15mLに懸濁させた。得られた混合物を100℃で4時間加熱して、室温に冷却し、CH2Cl2で希釈して(結晶化を試みた)、濃縮し、分取HPLCによって精製して、N4−(5−t−ブチルイソオキサゾール−3−イル)−N2−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−ピリミジン−2,4−ジアミンを緑灰色の非晶質固体として得た。MS m/z=400。C20H25N5O4についての計算値 − 399.19。
【0157】
(実施例2)
【0158】
【化14】
【0159】
N4−(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N2−(4,5−ジメトキシ−2−メチル−フェニル)−ピリミジン−2,4−ジアミン
段階A:(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−アミンの調製
20℃でt−BuOH(500mL)中の5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イルアミン(10.0g、71.33mmol)の溶液に、NaOt−Bu(17.1g、178.3mmol)を10分間かけて3回で添加した。その溶液は、淡黄色に変わり、濃厚な白色沈殿が出現した。その混合物を20℃で1時間攪拌し、その後、2,4−ジクロロピリミジン(15.9g、107.0mmol)を添加した。その混合物を20℃で90分間さらに攪拌すると、白色沈殿が溶解し、橙色の外観になった。NH4Cl(飽和水溶液、100mL)およびH2O(1L)を添加し、その混合物をCH2Cl2(3x200mL)で抽出した。併せた有機をH2O(300mL)、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させた後、濾過して、減圧下で濃縮した。その粗製反応混合物をクロマトグラフィー(96:4のCH2Cl2:MeOH)により精製することによって、表題化合物を生じた。
【0160】
段階B:N4−(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N2−(4,5−ジメトキシ−2−メチル−フェニル)−ピリミジン−2,4−ジアミンの調製
DMSO(0.110mL)中の(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−アミン(0.110g、0.435mmol、段階A)のスラリーに、2−メチル−4,5−ジメトキシアニリン(0.073g、0.435mmol)を添加した。その混合物を、TLCが出発原料の消失を示すまで、封管内で、90分間110℃で加熱した。その混合物をCH2Cl2(5mL)に吸収させ、その後、NaHCO3(飽和水溶液、1mL)およびH2O(5mL)を添加した。CH2Cl2(5x5mL)で抽出し、その後、MgSO4で乾燥させ、濾過することによって、粗製混合物を生じ、それを減圧下で濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(97:3のCH2Cl2:MeOH)により精製することによって、表題化合物を紫色の固体として生じた。MS m/z=384.2。C20H25N5O3についての計算値:383.45。
【0161】
以下の実施例は、実施例2について上に記載したものに類似した手法で、対応するアミンから調製した:
【0162】
(実施例3)
【0163】
【化15】
【0164】
N4−(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N2−(1H−インダゾール−5−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン
MS m/z=350.3。C18H19N7Oについての計算値:349.40。
【0165】
(実施例4)
【0166】
【化16】
【0167】
N4−(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N2−キノリン−3−イル−ピリミジン−2,4−ジアミン
MS m/z=361.3。C20H20N6Oについての計算値:360.42。
【0168】
(実施例5)
【0169】
【化17】
【0170】
N4−(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N2−キノリン−6−イル−ピリミジン−2,4−ジアミン
MS m/z=361.3。C20H20N6Oについての計算値:360.42。
【0171】
(実施例6)
【0172】
【化18】
【0173】
N4−(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N2−(1H−インダゾール−6−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン
MS m/z=350.3。C18H19N7Oについての計算値:349.40。
【0174】
(実施例7)
【0175】
【化19】
【0176】
3−[4−(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イルアミノ)−ピリミジン−2−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミド
DNSO(0.120mL)中の(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−アミン(実施例2、段階A)(0.120mg、0.47mmol)のスラリーに、3−アミノベンゼンスルホンアミド(0.082g、0.47mmol)を添加した。その反応混合物を封管内で、1時間、120℃で加熱し、この時、TLCは、出発原料の消失を示した。IPA(5mL)を添加して、その混合物を濾過し、IPA(2x1mL)で洗浄して、表題化合物を白色の固体として生じた。MS m/z=389.3。C17H20N6O3Sについての計算値:388.45。
【0177】
(実施例8〜13)
実施例8〜13は、実施例7について上に記載したものに類似した手法で、対応するアミンから調製した。
【0178】
【表1】
【0179】
(実施例14)
【0180】
【化20】
【0181】
N4−(3−メトキシ−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−N2−(5−フェニル−イソオキサゾール−3−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン
段階A:(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−(5−フェニル−イソオキサゾール−3−イル)−アミンの調製
表題化合物は、適切なイソオキサゾール試薬を使用し、実施例2(段階A)に記載した方法に類似した手法で調製した。
【0182】
段階B:4−(2−メトキシ−4−ニトロ−フェニル)−モルホリンの調製
20℃でトルエン(20mL)中の1−ブロモ−2−メトキシ−4−ニトロ−ベンゼン(2.5g、10.8mmol)、Pd2(dba)3(0.124g、0.215mmol)、NaOt−Bu(1.55g、16.2mmol)およびBINAP(0.202g、0.323mmol)の混合物に、10分かけてモルホリン(1.5mL、17.2mmol)を添加した。その混合物を80℃で3時間加熱した。この時、TLCは、残存する出発原料が無いことを示し、その時点で、その混合物、減圧下で蒸発させ、その後、H2O(50mL)を添加した。CH2Cl2(3x15mL)で抽出し、その後、併せた有機層をMgSO4で乾燥させた後、濾過して、濃縮することにより、橙色の油を生じた。シリカゲルでのクロマトグラフィー(97:3のCH2Cl2/MeOH)により、純粋な化合物を生じた。
【0183】
段階C:
3−メトキシ−4−モルホリン−4−イル−フェニルアミンの調製
20℃でEtOH(25mL)中の4−(2−メトキシ−4−ニトロ−フェニル)−モルホリン(1.0g、4.2mmol、段階B)の溶液に、Pd/C(100mg)を添加した。そのフラスコをゴム製セプタムでキャップし、バルーン/針によりH2圧を掛けた。その反応混合物を20℃で12時間攪拌し、砂/Celite(登録商標)に通して濾過し、濃縮した。その粗製混合物をクロマトグラフィー(97:3のCH2Cl2:MeOH)により精製することによって、3−メトキシ−4−モルホリン−4−イル−フェニルアミンを紫色の固体として生じた。
【0184】
段階D:N2−(3−メトキシ−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−N4−(5−フェニル−イソオキサゾール−3−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミンの調製。
【0185】
3−メトキシ−4−モルホリン−4−イル−フェニルアミン(段階C)を用い、実施例2の段階Bに記載した方法により表題化合物を調製した。MS m/z=445.3。C24H24N6O3についての計算値:444.50。
【0186】
(実施例15)
【0187】
【化21】
【0188】
N2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−N4−(5−フェニルイソオキサゾール−3−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
段階A.
不活性雰囲気下で−78℃に維持しながら、n−ブチルリチウム(21.6mL、ヘキサン中2.5M)を乾燥Et2O(200mL)中のフェニルアセチレン(5g、0.05mol)の溶液に一滴ずつ添加した。−60℃未満に温度を保ちながら、乾燥Et2O(100mL)中のシアン化2−ピリジル(7.2g、0.06mol)の溶液を一滴ずつ添加した。その混合物を−78℃で30分間攪拌し、その後、室温に温めた。その反応物をEt2Oで希釈し、1NのNaOHで反応停止させた。有機相を1NのHClで1回、飽和NaHCO3で1回洗浄した。30℃未満に温度を維持しながら、真空下で溶媒を除去して、3−フェニル−2−プロピンニトリルを無色の結晶質固体として得た。
【0189】
段階B.
EtOH(20mL)中の3−フェニル−2−プロピン−ニトリル(1.27g、0.01mol、段階A)の攪拌溶液に、室温で塩酸ヒドロキシルアミン(3.5g、0.05mol)を添加し、続いて10%NaOH(28mL)を添加した。その発熱反応物を室温で24時間攪拌し、その後、H2Oで希釈した。得られた沈殿を濾過して除去し、H2Oで洗浄し、P2O5で乾燥させて、3−アミノ−5−フェニルイソオキサゾールを白色の結晶質固体として生じた。
【0190】
段階C.
t−BuOH(5mL)中の3−アミノ−5−フェニルイソオキサゾール(160mg、1mmol、段階B)の攪拌懸濁液にNaOt−Bu(240mg)を添加した。その混合物(スラリー)を室温で1時間攪拌した。その後、2,4−ジクロロ−1,3−ピリミジン(223mg、1.5mmol)を少しずつ添加して、反応物をさらに2時間攪拌した。NH4Cl飽和水溶液の添加により反応を停止させ、CH2Cl2で抽出した。その抽出物をMgSO4で乾燥させて、蒸発させた。その粗製混合物を、溶離剤として20%EtOAc/ヘキサンを用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、2−クロロ−N4−(5−フェニルイソオキサゾール−3−イル)−4−ピリミジンアミンを白色の固体として生じた。
【0191】
段階D.
2−クロロ−N4−(5−フェニルイソオキサゾール−3−イル)−4−ピリミジンアミンおよび3,4,5−トリメトキシアニリンを用い、実施例1に記載した方法により表題化合物を調製した。MS(MH+)=420.4、C22H21N5O4についての計算値 − 419.44。
【0192】
(実施例16)
【0193】
【化22】
N2−(2−メチル−4,5−ジメトキシフェニル)−N4−(5−フェニルイソオキサゾール−3−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
2−クロロ−N4−(5−フェニルイソオキサゾール−3−イル)−4−ピリミジンアミンおよび2−メチル−4,5−ジメトキシアニリンを用い、実施例1に記載した方法により表題化合物を調製した。MS(MH+)=404.7、C22H21N5O3についての計算値 − 403.44。
【0194】
(実施例17)
【0195】
【化23】
【0196】
N2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−N4−(3−シクロヘキシルイソオキサゾール−5−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
段階A.
−70℃未満に温度を維持しながら、不活性雰囲気下、−78℃で冷却したTHF700mLにn−ブチルリチウム(56mL、ヘキサン中2.5M)を添加し、続いてCH3CN(7.3mL、0.14mol)を添加した。その混合物を−78℃で20分間攪拌し、その後、−60℃未満に温度を維持しながら、乾燥THF(300mL)中のカルボン酸メチルシクロヘキサン(10g、0.07mol)の溶液を一滴ずつ添加した。その反応物を−78℃でさらに20分間攪拌し、−20℃に温めて、NH4Cl飽和水溶液の添加により反応停止させた。その反応混合物をH2Oで希釈し、t−BuOMeで抽出した。真空下で溶媒を除去して、3−クロロへキシル−3−オキソプロパンニトリルを無色の油として得た。
【0197】
段階B.
室温で、EtOh(1mL)中の3−クロロへキシル−3−オキソプロパンニトリル(1g、6.6mmol、段階A)の攪拌溶液にヒドロキシルアミン(0.81mL、H2O中50%)を添加した。その反応物を12時間、室温で攪拌した。固形物を濾過して除去し、1NのNaOHで洗浄し、次にH2Oで洗浄し、P2O5で乾燥させて、5−アミノ−3−シクロヘキシルイソオキサゾールを得た。
【0198】
段階C.
実施例16(段階C)に記載した一般手順を用い、5−アミノ−3−シクロヘキシルイソオキサゾール(段階B)を2,4−ジクロロピリジンとカップリングさせて、2−クロロ−N4−(5−アミノ−3−シクロヘキシルイソオキサゾール)−2,4−ピリミジンアミンをオフホワイトの固体として生じた。
【0199】
段階D.
2−クロロ−N4−(3−シクロヘキシルイソオキサゾール−5−イル)−4−ピリミジンアミン(段階C)および3,4,5−トリメトキシアニリンを用い、実施例1に記載した方法により表題化合物を調製した。MS(MH+)=426.5、C22H27N5O4についての計算値 − 425.49。
【0200】
(実施例18)
【0201】
【化24】
【0202】
N2−(4,5−ジメトキシ−2−メチルフェニル)−N4−(5−アダマンチルイソオキサゾール−3−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
2−クロロ−N4−(5−アダマンチルイソオキサゾール−3−イル)−4−ピリミジンアミンおよび2−メチル−4,5−ジメトキシアニリンを用い、実施例1に記載した方法により表題化合物を調製した。MS(MH+)=462.2、C26H31N5O3についての計算値 − 461.57。
【0203】
本発明に含まれる他の化合物を下の表1から2に記載する。
【0204】
【表2】
【0205】
【表3】
【0206】
【表4】
【0207】
式IからIVの化合物の薬理学的特性は構造の変化に伴い変化するが、一般に、式IからIVの化合物が保持する活性は、インビボで実証することができる。本発明の化合物の薬理学的特性は、多数のインビトロ薬理分析により確認することができる。以下の薬理学分析の例示は、本発明の化合物およびそれらの誘導体を用いて行ったものである。
【0208】
生物学的評価
キナーゼ阻害
本明細書に記載の化合物を以下の手法でスクリーニングする。本明細書に記載の化合物のキナーゼ活性を判定する以下のプロトコルでの使用に適するキナーゼには、Lck、Lyn、Src、Fyn、Syk、Zap−70、Itk、Tec、Btk、EGFR、ErbB2、Kdr、Flt−1、Flt−3、Tek、c−Met、InsR、およびAKTが挙げられるが、これらに限定されない。
【0209】
キナーゼは、大腸菌またはバキュロウイルス−High Five発現系のいずれかにおいて、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)またはポリヒスチジン標識融合蛋白質に融合させたキナーゼのドメインまたは完全長構成体のいずれかとして発現させる。それらを、本質的には以前に記載された(Lehrら、1996;Gishら、1995)ような親和性クロマトグラフィーによってほぼ均質に精製する。場合によっては、活性を測定する前に、キナーゼを精製または軽度精製調節ポリペプチドと共同発現せるか、混合する。
【0210】
キナーゼの活性および阻害は、確立されたプロトコル(Braunwalderら、1996)によって本質的には測定した。簡単に言うと、ATPから、マイクロタイタープレートの生物活性表面に付着させた合成基質、ポリ(Glu、Tyr)4:1またはポリ(Arg、Ser)3:1への33PO4の転移を、酵素活性評価の基準として役立てた。インキュベーション期間の後、まず前記プレートを0.5%リン酸で洗浄して、液状蛍光体を添加し、その後、液体シンチレーション検出器で計数することにより、転移したリン酸の量を測定する。IC50は、前記プレートに結合している基質に取り込まれた33Pの量を50%低下させる化合物の濃度によって決定した。
【0211】
溶液または固定された(すなわち、固相)状態の、チロシン、セリン、トレオニンまたはヒスチジンを単独で、組合せて、または他のアミノ酸と組合せて含有するペプチドまたはポリペプチドにリン酸を転移させる他の類似の方法も有用である。例えば、ペプチドまたはポリペプチドへのリン酸の転移は、シンチレーション近接法(Wuら、2000)、ELISA(Cleavelandら、1990)、蛍光偏光法(SeethalaおよびMenzel、1998)、および均一時間分解蛍光法(homogeneous time−resolved fluorescence)(HTRF、Kolbら、1998)を用いて検出することもできる。あるいは、キナーゼ活性は、抗体またはポリペプチドを試薬として使用して、リン酸化したターゲットポリペプチドを検出する、抗体を利用した方法を用いて測定することができる。本発明の化合物は、50μM未満の用量でIGF−1Rキナーゼの阻害を示した。
【0212】
実施例1から3および14から18の化合物は、100nM未満のレベル(IC50)でIGF−1Rキナーゼを阻害した。
【0213】
参照:
Braunwalderら、(1996)、Anal.Biohem.234(1):23−26。
【0214】
Cleavelandら、(1990)、Anal Biochem.190(2):249−53。
【0215】
Gishら、(1995)、Protein Eng.8(6):609−614。
【0216】
Kolbら、(1998)、Drug Discov.Today.3:333−342。
【0217】
Lehrら、(1996)、Gene 169(2):27527−9。
【0218】
Seethalaら、(1998)、Anal Biochem.255(2):257−62。
【0219】
Wuら、(2000)、Comb Chem High Throughput Screen.3(1):27−36。
【0220】
IGF−1Rアッセイ要約プロトコル
IGF−1誘導DNA合成。
【0221】
ヒト腫瘍細胞系またはラット繊維芽細胞系を完全培地中のフラットウエルプレートにプレーティングし、一晩、付着させる。その後、0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含有する培地中で、一晩、細胞を飢えさせ、化合物を希釈して、またはせずに、1時間、プレインキュベートし、その後、50ng/mLのインスリン様成長因子(IGF−1)で一晩活性化する。増殖は、DNAへの3H−チミジン取り込みレベルによって判定する。IC50は、対照と比較される、化合物の存在下で見出されるチミジン取り込みレベルの比較により決定する。
【0222】
実施例14から15および17から18は、150nM未満のレベルで3T3増殖を抑制した。
【0223】
IGF−1R自己リン酸化。
【0224】
ヒトIGF−1Rで安定的にトランスフェクトしたマウス繊維芽細胞を完全培地中のフラットウエルプレートにプレーティングし、一晩、付着させる。その後、0.1%ウシ血清アルブミンを含有する培地中で細胞を飢えさせ、化合物を希釈して、またはせずにプレインキュベートし、その後、100ng/mLのIGF−1で5分間活性化する。細胞を溶解し、蛋白質をSDS−PAGEにより分離する。anti−phospho−IGF−1R β特異的抗体でのウエスタンブロット法により、IGF−1R β鎖上のホスホチロシンのレベルを決定する。IC50は、対照と比較される、化合物の存在下で見出されるホスホチロシンのレベルの比較により決定する。
【0225】
以下のプロトコル例のもとで試験した代表化合物は、観察されたそれらの酵素阻害活性と一致する細胞活性を示す。
【0226】
調合
式Iの活性化合物と共に、一つ以上の非毒性で医薬適合性の担体および/または希釈剤および/またはアジュバント(本明細書中では総称して「担体」材料と呼ぶ)、および所望される場合には他の有効成分を含む医薬組成物類も本発明に包含される。本発明の活性化合物は、あらゆる適切な経路により、好ましくは、そうした経路に適合する医薬組成物の形態で、所期の治療に有効な用量で、投与することができる。本発明の化合物および組成物は、例えば、通常の医薬適合性の担体、アジュバントおよびビヒクルを含有する投薬単位調合物で、経口投与、粘膜投与、局所投与、直腸内適用、肺投与(吸入スプレーなどによる)、または非経口投与(血管内投与、静脈内投与、腹腔内投与、皮下投与、筋肉内投与、胸骨内投与および注入法を含む)することができる。
【0227】
本発明の医薬活性化合物は、ヒトおよび他の哺乳動物を含む患者に投与するための薬物を生成するための通常の調剤法で加工することができる。
【0228】
経口投与ための本医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、懸濁液または液体の形態であることができる。本医薬組成物は、好ましくは、特定の量の有効成分を含有する投薬単位の形で製造される。そうした投薬単位の例は、錠剤またはカプセルであった。例えば、これらは、約1mgから2000mg、好ましくは約1mgから500mg、さらに好ましくは約5mgから150mgの量の有効成分を含有することができる。ヒトまたは他の哺乳動物に適する日用量は、その患者の状態および他の要因に依存して幅広く変化しうるが、もう一度言うが、常用法を用いて決定することができる。
【0229】
投与される化合物の量および疾病状態を本発明の化合物および/または組成物で治療するための薬剤投与計画は、被験者の年齢、性別および医学的状態、疾病のタイプ、その疾病の重症度、投与経路および頻度、ならびに使用される特定の化合物を含む様々な因子に依存する。それ故、薬剤投与形画は幅広く変化するのだが、標準的な方法を用いて常例的に決定することができる。体重1kgあたり約0.01mgから500mg、好ましくは、体重1kgあたり約0.5mgと約50mgの間、最も好ましくは、体重1kgあたり0.1mgから20mgの日用量が、適切である。日用量は、1日に1回から4回で投与することができる。
【0230】
治療のために、本発明の活性化合物は、指示された投与形路に適する一つ以上のアジュバントと、通常、併用される。経口投与される場合、本化合物は、ラクトース、スクロース、粉末デンプン、アルカン酸のセルロースエステル、セルロースアルキルエステル、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウムおよびカルシウム塩、ゼラチン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ならびに/またはポリビニルアルコールと混合し、その後、適便な投与のために錠剤化またはカプセル化することができる。ヒドロキシプロピルメチルセルロース中の活性化合物の分散体で提供されるようなカプセルまたは錠剤は、制御放出調合物を含有しうる。
【0231】
乾癬および他の皮膚状態の場合、本発明の化合物の局所製剤を該当する領域に1日2回から4回塗布することが好ましい。
【0232】
局所投与に適する調合物には、皮膚を通した浸透に適する液体または半液体製剤(例えば、リニメント、ローション、軟膏、クリームまたはペースト)および目、耳または鼻への投与に適する滴剤が挙げられる。本発明の化合物の有効成分の適する局所用量は、1日1回から4回、好ましくは1日1または2回の投与で0.1mgから150mgである。局所投与のための有効成分は、本調合物の0.001重量%から10重量%、例えば、1重量%から2重量%を構成しうるが、10重量%ほどもを構成することができるとはいえ、好ましくは、本調合物の5重量%より多くを構成せず、さらに好ましくは、0.1%から1%を構成する。
【0233】
軟膏に調合される時、有効成分は、パラフィン系または水混和製軟膏基剤と共に用いられる。あるいは、有効成分は、水中油型クリーム基剤を用いてクリームに調合することができる。所望される場合には、このクリーム基剤の水性相は、例えば、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、ポリエチレングリコールおよびそれらの混合物などの多価アルコールを少なくとも30重量%含むことができる。局所調合物は、皮膚または他の該当する領域を通した有効成分の吸収または浸透を増進する化合物を望ましくは含むことができる。そうした皮膚浸透促進剤の例には、ジメチルスルホキシドおよび関連類似体が挙げられる。
【0234】
本発明の化合物は、経皮装置により投与することもできる。好ましくは、経皮投与は、レザバーおよび多孔膜タイプのパッチか、様々な固体マトリックスのパッチを使用して、達成される。どちらの場合も活性薬剤は、レザバーまたはマイクロカプセルから、膜を通して、受容者の皮膚または粘膜と接触している活性薬剤透過性接着材に、継続的に送達される。活性薬剤が皮膚を通して吸収される場合、活性薬剤の制御された所定の流れが、受容者に投与される。マイクロカプセルの場合、封入剤は、膜としても機能しうる。
【0235】
本発明の乳剤の油相は、既知の方法で既知の成分から構成することができる。この相は、乳化剤しか含むことができないが、少なくとも一つの乳化剤と、脂肪もしくは油または脂肪と油の両方との混合物を含むことができる。好ましくは、親水性乳化剤は、安定剤として作用する親油性乳化剤と共に含まれる。油と脂肪の両方を含むことも好ましい。乳化剤(複数を含む)は、安定剤(複数を含む)と一緒に、または安定剤(複数を含む)なしで、いわゆる乳化ろうを構成し、また、そのろうは、油および脂肪と一緒に、クリーム調合物の油性分散相を形成するいわゆる乳化軟膏基剤を構成する。本発明の調合物における使用に適する乳化剤および乳剤安定剤には、単独の、またはろうを伴う、または当技術分野においてよく知られている他の材料を伴う、Tween 60、Span 80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラウリル硫酸ナトリウム、ジステアリン酸グリセリルが挙げられる。
【0236】
本活性化合物は、医薬乳剤調合物に使用される可能性が高い大部分の油への溶解性が非常に低いので、本調合物に適する油または脂肪の選択は、所望の化粧特性の達成に基づく。それ故、好ましくは、クリームは、チューブまたは他の容器からの漏れを回避するために適する粘稠度を有する、べとつかず、汚れがつかず、洗い流せる製品でなければならない。ジ−イソアジピン酸エステル、ステアリン酸イソセチル、ココナッツ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、または分枝鎖エステル類のブレンドなどの直鎖または分枝鎖、一または二塩基性アルキルエステルを用いることができる。これらは、求められる特性に依存して、単独で使用してもよいし、併用してもよい。あるいは、白色軟質パラフィンおよび/もしくは液体パラフィンまたは他の鉱物油などの高融点脂質を使用することができる。
【0237】
目への局所投与に適する調合物は、有効成分が適する担体、具体的にはその有効成分のための水性溶媒、に溶解または懸濁している点眼剤が挙げられる。それらの有効成分は、好ましくは、0.5重量%から20重量%、有利には、0.5重量%から10重量%、特に、約1.5重量%の濃度で、そうした調合物中に存在した。
【0238】
非経口投与のための調合物は、水性または非水系等張無菌注射溶液または懸濁液の形態でありうる。これらの溶液および懸濁液は、経口投与のための調合物における使用について言及した担体または希釈剤を一つ以上使用して、または他の適する分散剤もしくは湿潤剤および懸濁化剤を使用することにより、無菌粉末または顆粒から調製することができる。これらの化合物は、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、トウモロコシ油、綿実油、ラッカセイ油、胡麻油、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム、トラガカントゴム、および/または様々なバッファに溶解することができる。他のアジュバントおよび投与方式は、当技術分野において、よく、また、広く知られている。有効成分は、生理食塩水、デキストロースもしくは水を含む適する担体を伴う、またはシクロデキストリン(すなわち、Captisol)、補助溶媒可溶化(すなわち、プロピレングリコール)またはミセル可溶化(すなわち、Tween 80)を伴う組成物として、注射により投与することもできる。
【0239】
無菌注射用製剤は、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液のような、非毒性で医薬適合性の希釈剤または溶媒中の無菌注射用溶液または懸濁液であることができる。利用することができる許容可能なビヒクルおよび溶媒には、リンガー溶液および等張食塩液がある。加えて、溶媒または懸濁媒体として、無菌固定油が、通常、利用される。このためには、合成モノまたはジグリセリドを含むあらゆる無菌固定油が利用可能である。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が、注射用製剤に使用される。
【0240】
肺投与のために、本医薬組成物は、エーロゾルの形態で、または乾燥粉末エーロゾルが入った吸入器を用いて投与することができる。
【0241】
本薬物を直腸内適用するための坐薬は、常温では固体であるが、直腸温度では液体であり、従って、直腸内で溶融して本薬物を放出することとなるカカオ脂およびポリエチレングリコールなどの適する非刺激性賦形剤と本薬物を混合することにより、調製することができる。
【0242】
本医薬組成物は、滅菌などの通常の製薬操作に付すことができ、および/または保存薬、安定剤、湿潤剤、乳化剤、バッファなどの通常のアジュバントを含有することができる。加えて、腸溶コーチングを備えた錠剤およびピルを調製することができる。そうした組成物は、湿潤剤、甘味剤、着香剤および芳香剤などのアジュバントを含むこともできる。
【0243】
本発明の医薬組成物は、本明細書に記載の式の化合物またはその医薬適合性の塩;キナーゼ阻害剤(小分子、ポリペプチド、抗体など)、免疫抑制薬、抗癌剤、抗ウイルス薬、抗炎症薬、抗真菌薬、抗生物質または抗血管増殖亢進化合物から選択された追加の薬剤;およびいずれかの医薬適合性の担体、アジュバントまたはビヒクルを含む。本発明の別の組成物は、本明細書に記載の式の化合物またはその医薬適合性の塩;および医薬適合性のの担体、アジュバントまたはビヒクルを含む。こうした組成物は、例えば、キナーゼ阻害剤(小分子、ポリペプチド、抗体など)、免疫抑制薬、抗癌剤、抗ウイルス薬、抗炎症薬、抗真菌薬、抗生物質または抗血管増殖亢進化合物を含む一つ以上の追加の治療薬を、場合によっては含むことができる。
【0244】
用語「医薬適合性の担体またはアジュバント」は、本発明の化合物と共に患者に投与することができ、且つ、治療量の本化合物を送達するために充分な用量で投与された時、本発明の化合物の薬理活性を損なわせず、また、非毒性でない担体またはアジュバントを指す。
【0245】
本発明の医薬組成物に使用することができる医薬適合性の担体、アジュバントおよびビヒクルには、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、コハク酸d−a−トコフェロールポリエチレングリコール1000などの自己乳化性薬物送達系(SEDDS)、Tweenまたは他の類似の高分子送達マトリックスなどの医薬剤形で使用される界面活性剤、ヒト血清アルブミンなどの血清蛋白質、リン酸塩などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、植物性飽和脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(硫酸カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウムなど)、ポリビニルピロリドン、セルロース系の物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ろう、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられるが、これらに限定されない。α−、β−、およびγ−シクロデキストリンなどのシクロデキストリン、または2−および3−ヒドロキシプロピル−シクロデキストリンを含むヒドロキシアルキルシクロデキストリンなどの化学変性誘導体、または他の可溶化誘導体も、本明細書に記載の式の化合物の送達を増進するために、都合よく使用することができる。
【0246】
本発明の医薬組成物は、カプセル、錠剤、乳剤および水性懸濁液、分散液および溶液を含む(しかし、これらに限定されない)経口投与に許容されうる剤形で経口投与することができる。経口用の錠剤の場合に一般に使用した担体には、ラクトースおよびトウモロコシデンプンが挙げられる。ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤も、典型的には添加した。カプセル形での経口投与に有用な希釈剤には、ラクトースおよび乾燥トウモロコシデンプンが挙げられる。水性懸濁液および/または乳剤を経口投与する時、有効成分は、油相に懸濁または溶解されていてもよく、それを乳化剤および/または懸濁化剤と併せる。所望される場合には、一定の甘味剤および/または着香剤および/または着色剤を添加することができる。
【0247】
本発明の医薬組成物は、リポソームまたはマイクロカプセル化技術を利用する調合物を含むことができる。そうした技術は、当技術分野では公知であった。
【0248】
本発明の医薬組成物は、鼻用エーロゾルまたは経鼻吸入により投与することができる。そうした組成物は、医薬調合の分野においてよく知られている技術に従って調製した。また、そうした組成物は、ベンジルアルコールもしくは他の適する保存薬、バイオアベイラビリティを増進するための吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または当技術分野において公知の他の可溶化剤もしくは分散剤を利用して、生理食塩水中の溶液として調製することができる。
【0249】
本明細書および本特許請求の範囲は、「...および...から選択される」および「...または...である」を用いる化学種のリスト(マーカッシュグループと呼ばれることもある)を含む。この言葉が本出願で使用されている時、別様に述べられていない限り、それは、そのグループを、全体として、またはそのあらゆる個々の構成員として、またはそのあらゆるサブグループとして含むことを意味する。この言葉の使用は、単に速記のためであり、必要に応じて個々の要素またはサブグループを排除することを制限するという意味は、いかなる点においても持たない。
【0250】
上記は、本発明の単なる説明にすぎず、本発明を開示した化合物に限定するためのものではない。当業者に明らかである変型および変更は、添付の特許請求の範囲において定義されている本発明の範囲および性質の範囲内であると考える。
【0251】
上記の説明から、当業者は、本発明の本質的な特徴を容易に突き止めることができ、また、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、本発明に様々な変更および修正を施して、様々な使用法および条件に適応させることができる。
【0252】
言及したすべての参照、特許、出願および出版物は、参照して、それら全文、本明細書に記載されているかのごとく、本明細書に組み込まれる。
Claims (31)
- 下記式I:
R1は、酸素または硫黄へテロ原子を少なくとも1個含むヘテロアリールであり、この場合、R1は、R3から独自に選択された1個から4個の置換基で場合によっては置換されており;
R2は、
H、
C1〜10−アルキル、
C2〜10−アルケニル、
C2〜10−アルキニル、
C(O)R5、
COOR5、
C(O)NR5R5、
S(O)nR5、
C3〜10−シクロアルキル、
C4〜10−シクロアルケニル、
R3から独自に選択された1個から5個の置換基で場合によっては置換されているアリール、
R4、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜10−アルキル、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC3〜10−シクロアルキル、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜10−アルケニル、
から選択され;
R3は、
H、
C1〜10−アルキル、
C2〜10−アルケニル、
C2〜10−アルキニル、
C3〜10−シクロアルキル、
C4〜10−シクロアルケニル、
アリール、
R4、
ハロ、
SR5、
OR5、
OC(O)R5、
NR5R5、
NR5R6、
COOR5、
ニトロ、
シアノ、
C(O)R5、
C(O)C(O)R5、
C(O)NR5R5、
S(O)nR5、
S(O)nNR5R5、
NR5C(O)NR5R5、
NR5C(O)C(O)R5、
NR5C(O)R5、
NR5(COOR5)、
NR5C(O)R4、
NR5S(O)nNR5R5、
NR5S(O)nR5、
NR5S(O)nR4、
NR5C(O)C(O)NR5R5、
NR5C(O)C(O)NR5R6、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜10−アルキル;ならびに
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜10−アルケニル
から独自に選択され;
R4は、独自に、単環式の場合には1個から3個のへテロ原子、二環式の場合には1個から6個のへテロ原子または三環式の場合には1個から9個のへテロ原子を含む、5〜8員単環式、8〜12員二環式または11〜14員三環式の飽和、部分飽和または不飽和環構造であって、前記へテロ原子は、O、NまたはSから独自に選択され、飽和されていてもよいし、不飽和であってもよく、また、各環の0、1、2または3個の原子は、C1〜10−アルキル、C2〜10−アルケニル、C2〜10−アルキニル、C3〜10−シクロアルキル、C4〜10−シクロアルケニル、ハロ、ハロアルキル、スルホ、オキソ、SR5、OR5、NR5R5、NR5R6、NR6R6、COOR5、ニトロ、シアノ、S(O)nR5、S(O)nNR5R5、C(O)R5およびC(O)NR5R5から独自に選択された置換基で置換されていてもよく;
R5は、H、C1〜10−アルキル、C2〜10−アルケニル、C2〜10−アルキニル、C3〜10−シクロアルキル、C4〜10−シクロアルケニル、R4、
R3から独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているアリール、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜C10アルキル、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC3〜C10シクロアルキル、ならびに
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜C10アルケニル
から独自に選択され;
R6は、−C(O)R5、−COOR5、−C(O)NR5R5および−S(O)nR5から選択され;
R7は、独自に、ハロ、−CF3、−SR5、−OR5、−OC(O)R5、−NR5R5、−NR5R6、−NR6R6、−COOR5、−NO2、−CN、−C(O)R5、OC(O)NR5R5、−C(O)NR5R5、−N(R5)C(O)R5、−N(R5)(COOR5)および−S(O)nNR5R5であり;ならびに
nは、1または2である)
の化合物、およびその医薬適合性の誘導体。 - R1が、酸素または硫黄へテロ原子を少なくとも1個含む5員または6員ヘテロアリールであり、この場合、R1は、R3から独自に選択された1個から4個の置換基で場合によっては置換されており;
R2が、
C1〜6−アルキル、
C2〜6−アルケニル、
C2〜6−アルキニル、
C3〜6−シクロアルキル、
C4〜6−シクロアルケニル、
R4、
R3から独自に選択された1個から4個の置換基で場合によっては置換されているフェニル、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜6−アルキル、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC3〜6−シクロアルキル、
アリールおよびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜6−アルケニル
から選択され;
R3が、
C1〜6−アルキル、
C2〜6−アルケニル、
C2〜6−アルキニル、
C3〜6−シクロアルキル、
C4〜6−シクロアルケニル、
フェニル、
R4、
ハロ、
SR5、
OR5、
OC(O)R5、
NR5R5、
NR5R6、
COOR5、
NO2、
CN、
C(O)R5、
C(O)C(O)R5、
C(O)NR5R5、
S(O)nR5、
S(O)nNR5R5、
NR5C(O)NR5R5、
NR5C(O)C(O)R5、
NR5C(O)R5、
NR5(COOR5)、
NR5C(O)R4、
NR5S(O)nNR5R5、
NR5S(O)nR5、
NR5S(O)nR4、
NR5C(O)C(O)NR5R5、
NR5C(O)C(O)NR5R6、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜6−アルキル;ならびに
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜6−アルケニル
から独自に選択され;
R4が、独自に、単環式の場合には1個から3個のへテロ原子または二環式の場合には1個から6個のへテロ原子を含む、5〜7員単環式または8〜11員二環式の飽和、部分飽和または不飽和環構造であって、前記へテロ原子は、O、NまたはSから独自に選択され、飽和されていてもよいし、不飽和であってもよく、また、各環の0、1、2または3個の原子は、C1〜6−アルキル、C2〜6−アルケニル、C2〜6−アルキニル、ハロ、C1〜6−ハロアルキル、オキソ、SR5、OR5、NR5R5、COOR5、ニトロ、シアノ、S(O)nR5、S(O)nNR5R5、C(O)R5およびC(O)NR5R5から独自に選択された置換基で置換されていてもよく;
R5が、H、
C1〜6−アルキル、
C2〜6−アルケニル、
C2〜6−アルキニル、
C3〜6−シクロアルキル、
C4〜6−シクロアルケニル、
R4、
R3から独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜C6−アルキル、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC3〜C6−シクロアルキル、ならびに
アリールおよびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜6−アルケニル
から独自に選択され;
R6が、C(O)R5、COOR5、C(O)NR5R5およびS(O)nR5から選択され;
R7が、独自に、ハロ、OR5、NR5R5、COOR5およびCNである、
請求項1に記載の化合物。 - R1が、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、ピラニル、チアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、フラザニル、フリルおよびチエニルから選択された5員または6員ヘテロアリールであり、この場合、R1は、R3から独自に選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;
R2が、R4、およびR3から独自に選択された1個から4個の置換基で場合によっては置換されているフェニルから選択され;
R3が、C1〜4−アルキル、C2〜4−アルケニル、C2〜4−アルキニル、フェニル、R4、クロロ、フルオロ、ブロモ、トリフルオロメチル、C1〜4−アルコキシ、フェノキシ、ヘテロシクリルオキシ、ベンジルオキシ、C1〜4−アルキルカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、フェニルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、C1〜4−アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、C1〜4−アルキルスルホニル、C1〜4−アルキルアミノスルホニル、ベンジル、C1〜4−アルコキシアルキル、C1〜4−アミノアルキル、C1〜4−アルキルアミノアルキル、および5〜6員ヘテロシクリル−C1〜4−アルキルから独自に選択され;
R4が、独自に、単環式の場合には1個から3個のへテロ原子、二環式の場合には1個から6個のへテロ原子を含む、5〜6員単環式または8〜10員二環式の飽和、部分飽和または不飽和環構造であって、前記へテロ原子は、O、NまたはSから独自に選択され、飽和されていてもよいし、不飽和であってもよく、また、各環の0、1、2または3個の原子は、C1〜4−アルキル、ハロ、C1〜6−ハロアルキル、オキソ、OR5、NR5R5、COOR5、ニトロ、シアノ、S(O)nR5、S(O)nNR5R5、C(O)R5およびC(O)NR5R5から独自に選択された置換基で置換されていてもよく;ならびに
R5が、H、C1〜6−アルキル、および
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、−CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択される、
請求項2に記載の化合物。 - R1が、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、フリル、フラザニルおよびチエニルから選択され、この場合、R1は、R3から独自に選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;
R2が、R4、およびR3から独自に選択された1個から4個の置換基で場合によっては置換されているフェニルから選択され;
R3が、メチル、エチル、プロピル、t−ブチル、イソプロピル、フェニル、クロロ、フルオロ、ブロモ、−CF3、メトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、アセチル、アミノ、メチルアミノ、フェニルアミノ、カルボキシ、シクロヘキシル、エトキシカルボニル、ニトロ、シアノ、メチルカルボニル、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、メチルスルホニル、メチルアミノスルホニル、ベンジル、メトキシメチル、アミノメチル、N,N−ジメチルアミノエチルおよびフリルメチルから独自に選択され;ならびに
R4が、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、インドリル、イソインドリル、プリニルおよびナフチリジニルから独自に選択され、この場合、R4は、メチル、イソプロピル、t−ブチル、フルオロ、クロロ、−CF3、オキソ、メトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、アミノ、メチルアミノ、フェニルアミノ、カルボキシ、エトキシカルボニル、ニトロ、シアノ、メチルカルボニル、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、メチルスルホニルおよびメチルアミノスルホニルから独自に選択された置換基により場合によっては置換されている、
請求項3に記載の化合物。 - R2が、3,4,5−トリメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシ−6−メチルフェニル、キノリニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、3−アミノスルホニルフェニルおよび4−アミノスルホニルフェニルから選択される、請求項4に記載の化合物。
- R1が、イソオキサゾリルである、請求項4に記載の化合物。
- 下記式II:
R10は、フェニル、および5〜10員ヘテロシクリルから選択され、この場合、R10は、R11から選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;
R11は、C1〜C4アルキル、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C4〜C6シクロアルケニル、フェニル、5〜6員ヘテロシクリル、フルオロ、クロロ、CF3、−OR12、−OC(O)R12、−NR12R12、−COOR2、−C(O)R12、−C(O)NR12R12、−SO2R12、−SO2NR12R12、−NR12C(O)NR12R12、−NR12C(O)R2、−NR12(COOR12)、−NR12SO2NR12R12、−NR12SO2R12、−OC(O)NR12R12、
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜C3アルキル、ならびに
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜C3アルケニル
から選択され;
R12は、H、C1〜6−アルキル、ならびに
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、−CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択される)
の化合物、およびその医薬適合性の誘導体。 - 下記式III:
R10は、フェニル、および5〜10員ヘテロシクリルから選択され、この場合、R10は、R11から選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;
R11は、C1〜C4アルキル、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C4〜C6シクロアルケニル、フェニル、5〜6員ヘテロシクリル、フルオロ、クロロ、CF3、−OR12、−OC(O)R12、−NR12R12、−COOR2、−C(O)R12、−C(O)NR12R12、−SO2R12、−SO2NR12R12、−NR12C(O)NR12R12、−NR12C(O)R2、−NR12(COOR12)、−NR12SO2NR12R12、−NR12SO2R12、−OC(O)NR12R12、
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜C3アルキル、ならびに
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜C3アルケニル
から選択され;
R12は、H、C1〜6−アルキル、ならびに
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択される)
の化合物、およびその医薬適合性の誘導体。 - R1とR2の両方が、5−t−ブチル−3−イソオキサゾリルでないことを条件とする、下記式I’:
R1は、酸素または硫黄へテロ原子を少なくとも1個含むヘテロアリールであり、この場合、R1は、1個から4個の置換基で場合によっては置換されており;
R2は、R4、およびR3から独自に選択された1個から5個の置換基で場合によっては置換されているアリールから選択され;
R3は、
H、
C1〜10−アルキル、
C2〜10−アルケニル、
C2〜10−アルキニル、
C1〜10−ハロアルキル、
C3〜10−シクロアルキル、
C4〜10−シクロアルケニル、
アリール、
R4、
ハロ、
SR5、
OR5、
OC(O)R5、
NR5R5、
NR5R6、
COOR5、
ニトロ、
シアノ、
C(O)R5、
C(O)C(O)R5、
C(O)NR5R5、
S(O)nR5、
S(O)nNR5R5、
S(O)nNR5R6、
NR5C(O)NR5R5、
NR5C(O)C(O)R5、
NR5C(O)R5、
NR5(COOR5)、
NR5C(O)R4、
NR5S(O)nNR5R5、
NR5S(O)nR5、
NR5S(O)nR4、
NR5C(O)C(O)NR5R5、
NR5C(O)C(O)NR5R6、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜10−アルキル;ならびに
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜10−アルケニル
から独自に選択され;
R4は、独自に、単環式の場合には1個から3個のへテロ原子、二環式の場合には1個から6個のへテロ原子または三環式の場合には1個から9個のへテロ原子を含む、5〜8員単環式、8〜12員二環式または11〜14員三環式の飽和、部分飽和または不飽和環構造であって、前記へテロ原子は、O、NまたはSから独自に選択され、飽和されていてもよいし、不飽和であってもよく、また、各環の0、1、2または3個の原子は、C1〜10−アルキル、C2〜10−アルケニル、C2〜10−アルキニル、C3〜10−シクロアルキル、C4〜10−シクロアルケニル、ハロ、ハロアルキル、スルホ、オキソ、SR5、OR5、NR5R5、NR5R6、NR6R6、COOR5、ニトロ、シアノ、S(O)nR5、S(O)nNR5R5、C(O)R5、C(O)NR5R5、およびR3から独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されている6員ヘテロアリールから独自に選択された置換基により置換されていてもよく;
R5は、H、C1〜10−アルキル、C2〜10−アルケニル、C2〜10−アルキニル、C3〜10−シクロアルキル、C4〜10−シクロアルケニル、R4、
R3から独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているアリール、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜C10アルキル、
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC3〜C10シクロアルキル、ならびに
アリール、R7およびR4から独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜C10アルケニルから独自に選択され;
R6は、−C(O)R5、−COOR5、−C(O)NR5R5および−S(O)nR5から選択され;
R7は、独自に、ハロ、−CF3、−SR5、−OR5、−OC(O)R5、−NR5R5、−NR5R6、−NR6R6、−COOR5、−NO2、−CN、−C(O)R5、−OC(O)NR5R5、−C(O)NR5R5、−N(R5)C(O)R5、−N(R5)(COOR5)および−S(O)nNR5R5であり;ならびに
nは、1または2である)
の化合物、およびその医薬適合性の誘導体。 - R1が、酸素または硫黄へテロ原子を少なくとも1個含む5員または6員ヘテロアリールであり、この場合、R1は、R3から独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されており;
R2が、R4、およびR3から独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているアリールから選択され;
R3が、C1〜4−アルキル、C2〜4−アルケニル、C2〜4−アルキニル、フェニル、C6〜10−シクロアルキル、R4、クロロ、フルオロ、ブロモ、トリフルオロメチル、C1〜4−アルコキシ、フェノキシ、へテロシクリルオキシ、ベンジルオキシ、C1〜4−アルキルカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、フェニルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、C1〜4−アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、C1〜4−アルキルスルホニル、C1〜4−アルキルアミノスルホニル、ベンジル、C1〜4−アルコキシアルキル、C1〜4−アミノアルキル、C1〜4−アルキルアミノアルキル、および5〜6員ヘテロシクリル−C1〜4−アルキルから独自に選択され;
R4が、独自に、2,3−ジヒドロ−インドリル、1,3−ベンゾジオキソリル、インドリル、1,3−ジオキソ−イソインドリル、インダゾリル、ピリジル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチアゾリル、1,2,3−ベンゾトリアゾリル、ベンズイミダゾリルおよびピリジルであり、この場合、R4は、ヒドロキシ、C1〜3−アルコキシ、シアノ、ニトロ、ハロ、C1〜3−アルキル、ジ−C1〜3−アルキルアミノ、ジ−C1〜3−アルキルアミノ−C1〜3−アルキル、ジ−C1〜3−アルキルアミノ−C1〜3−アルコキシ、C1〜3−アルキルカルボニル、C1〜3−アルコキシカルボニル、C1〜3−アルキルカルボニルアミノ、ピロリジニルカルボニル−C2〜3−アルケニル、ピロリジニルカルボニル−C1〜3−アルキル、ピロリジニル−C1〜3−アルキル、C2〜3−アルキニル、アセチル、C1〜3−アルキルカルボニル−C1〜3−アルキル、カルボキシ−C1〜3−アルキル、(ピペリジニル)−C1〜3−アルコキシ、(ピペラジニル)−C1〜3−アルコキシ、2−モルホリニル−C1〜3−アルコキシ、C1〜3−ハロアルキル、C1〜3−ハロアルコキシ、アミノカルボニル、アミノスルホニル、C1〜3−アルキルアミノスルホニル、ヒドロキシ−C1〜3−アルキルアミノスルホニル、(チアゾリル)アミノスルホニル、C1〜4−アルキルアミノスルホニル、C1〜3−アルキルカルボニルアミノスルホニル、C1〜3−アルキルスルホニル、C1〜3−アルコキシカルボニル−ピペラジニル、モルホリニル、C1〜3−アルキルピペルジニル、ピペラジニル、C1〜3−アルキル−ピペラジニル、およびオキサゾリルで場合によっては置換されている、
請求項9に記載の化合物。 - R1が、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、ピラニル、チアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、フラザニル、フリルおよびチエニルから選択され、この場合、R1は、R3から独自に選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;
R2が、ナフチル、2,3−ジヒドロ−インドリル、1,3−ベンゾジオキソリル、インドリル、1,3−ジオキソ−イソインドリル、インダゾリル、ピリジル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチアゾリル、1,2,3−ベンゾトリアゾリル、ベンズイミダゾリルおよびフェニルから選択され、この場合、R2は、R3から独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されており;
R3が、H、ハロ、C1〜3−アルキル、C2〜3−アルケニル、C2〜3−アルキニル、フェニル、C6〜10−シクロアルキル、ヒドロキシ、C1〜3−ハロアルコキシ、C1〜3−アルコキシ、−C(O)−C1〜3−アルキル、およびC1〜3−ハロアルキルから独自に選択される、
請求項10に記載の化合物。 - R1が、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、フリル、フラザニルおよびチエニルから選択され、この場合、R1は、R3から独自に選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;
R2が、2−ナフチル、2,3−ジヒドロ−インドール−6−イル、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、5−インドリル、4−インドリル、1,3−ジオキソ−イソインドール−5−イル、5−インダゾリル、6−インダゾリル、3−ピリジル、3−キノリル、6−キノリル、イソキノリル、ベンゾチアゾール−6−イル、ベンゾチアゾール−5−イル、1,2,3−ベンゾトリアゾール−5−イル、6−ベンズイミダゾリル、5−ピリジル、およびフェニルから選択され、この場合、R2は、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、シアノ、ニトロ、クロロ、フルオロ、ブロモ、ジメチルアミノ、ジメチルアミノエチル、3−ジメチルアミノ−プロポキシ、メトキシカルボニル、メチルカルボニル、メチルカルボニルアミノ、CH3C(O)N(CH3)、メチル、エチル、イソプロピル、ピロリジン−1−イルカルボニルエテニル、ピロリジン−1−イルカルボニルエチル、ピロリジン−1−イルプロピル、エチニル、アセチル、エトキシカルボニルブチル、カルボキシブチル、2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−エトキシ、2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)エトキシ、3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロポキシ、3−(ピペリジン−1−イル)プロポキシ、2−ピペリジン−1−イル−エトキシ、2−モルホリン−4−イル−エトキシ、ペンタフルオロエチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、アミノカルボニル、アミノスルホニル、N,N’−ジ−プロピルアミノスルホニル、ヒドロキシプロピルアミノスルホニル、(2−チアゾリル)アミノスルホニル、ブチルアミノスルホニル、メチルカルボニルアミノスルホニル、メチルスルホニル、1−メチル−ピペリジン−4−イルメトキシ、1−t−ブトキシカルボニル−ピペラジン−4−イル、4−モルホリニル、4−メチルピペルジン−1−イル、4−ピペラジニル、4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル、およびオキサゾール−5−イルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されており;ならびに
R3が、H、ヒドロキシ、ヨード、メチル、アセチル、トリフルオロメチル、メトキシ、シクロヘキシル、アダマンチル、フェニルおよびトリフルオロメトキシから独自に選択される、
請求項11に記載の化合物。 - R2が、3,4,5−トリメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシ−6−メチルフェニル、3−メチルカルボニルアミノフェニル、4−[CH3C(O)NH−SO2]−フェニル、3−イソプロピルフェニル、4−[CH3C(O)N(CH3)]−フェニル、3−メトキシ−4−モルホリニルフェニル、3−キノリニル、6−キノリニル、ベンズイミダゾリル、5−インダゾリル、6−インダゾリル、3−クロロフェニル、3−アミノスルホニルフェニルおよび4−アミノスルホニルフェニルから選択される、請求項9に記載の化合物。
- R1が、置換イソオキサゾリルである、請求項9に記載の化合物。
- R1が、シクロヘキシル、アダマンチル、フェニルおよびt−ブチルから選択された置換基で置換されている3−イソオキサゾリルである、請求項9に記載の化合物。
- R1が、シクロヘキシル、アダマンチル、フェニルおよびt−ブチルから選択された置換基で置換されている5−イソオキサゾリルである、請求項9に記載の化合物。
- N4−(5−t−ブチルイソオキサゾール−3−イル)−N2−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−ピリミジン−2,4−ジアミン;
N4−(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N2−(4,5−ジメトキシ−2−メチル−フェニル)−ピリミジン−2,4−ジアミン;
N4−(5−t−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N2−(1H−インダゾール−5−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン;
N2−(3−メトキシ−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−N2−(5−フェニル−イソオキサゾール−3−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン;
N2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−N4−(5−フェニルイソオキサゾール−3−イル)−2,4−ピリミジンジアミン;
N2−(2−メチル−4,5−ジメトキシフェニル)−N4−(5−フェニルイソオキサゾール−3−イル)−2,4−ピリミジンジアミン;
N2−(4,5−ジメトキシ−2−メチルフェニル)−N4−(5−アダマンチルイソオキサゾール−3−イル)−2,4−ピリミジンジアミン;および
N2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−N4−(3−シクロヘキシルイソオキサゾール−5−イル)−2,4−ピリミジンジアミン
から選択される、請求項9に記載の化合物およびその医薬適合性の誘導体。 - R11が、t−ブチルである時には、R10が、5−t−ブチル−3−イソオキサゾリルでないことを条件とする、下記式II’:
R10は、フェニル、および5〜10員ヘテロシクリルから選択され、この場合、R10は、R11から選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;
R11は、C1〜C4アルキル、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニル、C3〜C10シクロアルキル、C4〜C6シクロアルケニル、フェニル、5〜6員ヘテロシクリル、フルオロ、クロロ、CF3、−OC(O)R12、−NR12R12、−COOR2、−C(O)R12、−C(O)NR12R12、−SO2R12、−SO2NR12R12、−NR12C(O)NR12R12、−NR12C(O)R2、−NR12(COOR12)、−NR12SO2NR12R12、−NR12SO2R12、−OC(O)NR12R12、−OR13、
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜C3アルキル、ならびに
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜C3アルケニル
から選択され;
R12は、H、C1〜6−アルキル、ならびに
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択され;ならびに、
R13は、H、C1〜6−アルキル、アミノ−C1〜6−アルキル、C1〜6−アルキルアミノ−C1〜6−アルキル、アミノカルボニル−C1〜6−アルキル、C1〜6−アルキルアミノカルボニル−C1〜6−アルキル、ならびに
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択される)
の化合物、およびその医薬適合性の塩。 - R10が、3,4,5−トリメトキシフェニル、3,4−ジメトキシ−6−メチルフェニル、3−メトキシ−4−モルホリニルフェニルおよび5−インダゾリルから選択され;ならびにR11が、シクロヘキシル、アダマンチル、フェニルおよびt−ブチルから選択される、請求項18に記載の化合物。
- R11が、t−ブチルである時には、R10が、5−t−ブチル−3−イソオキサゾリルでないことを条件とする、下記式III’:
R10は、フェニル、および5〜10員ヘテロシクリルから選択され、この場合、R10は、R11から選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;
R11は、C1〜C4アルキル、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニル、C3〜C10シクロアルキル、C4〜C6シクロアルケニル、フェニル、5〜6員ヘテロシクリル、フルオロ、クロロ、CF3、−OC(O)R12、−NR12R12、−COOR2、−C(O)R12、−C(O)NR12R12、−SO2R12、−SO2NR12R12、−NR12C(O)NR12R12、−NR12C(O)R2、−NR12(COOR12)、−NR12SO2NR12R12、−NR12SO2R12、−OC(O)NR12R12、−OR13、
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜C3アルキル、ならびに
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜C3アルケニル
から選択され;
R12は、H、C1〜6−アルキル、ならびに
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択され;ならびに
R13は、H、C1〜6−アルキル、アミノ−C1〜6−アルキル、C1〜6−アルキルアミノ−C1〜6−アルキル、アミノカルボニル−C1〜6−アルキル、C1〜6−アルキルアミノカルボニル−C1〜6−アルキル、ならびに
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択される)
の化合物、およびその医薬適合性の塩。 - R10が、3,4,5−トリメトキシフェニル、3,4−ジメトキシ−6−メチルフェニル、3−メトキシ−4−モルホリニルフェニルおよび5−インダゾリルから選択され;ならびにR11が、シクロヘキシル、アダマンチル、フェニルおよびt−ブチルから選択される、請求項20に記載の化合物。
- 下記式IV:
R10は、フェニル、および5〜10員ヘテロシクリルから選択され、この場合、R10は、R11から選択された1個から2個の置換基で場合によっては置換されており;
R11は、C1〜C4アルキル、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニル、C3〜C10シクロアルキル、C4〜C6シクロアルケニル、フェニル、5〜6員ヘテロシクリル、フルオロ、クロロ、CF3、−OC(O)R12、−NR12R12、−COOR2、−C(O)R12、−C(O)NR12R12、−SO2R12、−SO2NR12R12、−NR12C(O)NR12R12、−NR12C(O)R2、−NR12(COOR12)、−NR12SO2NR12R12、−NR12SO2R12、−OC(O)NR12R12、−OR13、
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC1〜C3アルキル、ならびに
場合によっては置換されているフェニルおよび場合によっては置換されている5〜6員ヘテロシクリルから独自に選択された1個から3個の置換基で置換されているC2〜C3アルケニル
から選択され;
R12は、H、C1〜6−アルキル、ならびに
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択され;ならびに
R13は、H、C1〜6−アルキル、アミノ−C1〜6−アルキル、C1〜6−アルキルアミノ−C1〜6−アルキル、アミノカルボニル−C1〜6−アルキル、C1〜6−アルキルアミノカルボニル−C1〜6−アルキル、ならびに
C1〜4−アルキル、クロロ、フルオロ、CF3、ヒドロキシ、C1〜4−アルコキシ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ、カルボキシ、C1〜4−アルコキシカルボニル、NO2、CN、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、アミノスルホニルおよびアセチルから独自に選択された1個から3個の置換基で場合によっては置換されているフェニル
から選択される)
の化合物、およびその医薬適合性の塩。 - R10が、3,4,5−トリメトキシフェニル、3,4−ジメトキシ−6−メチルフェニル、3−メトキシ−4−モルホリニルフェニルおよび5−インダゾリルから選択され;ならびにR11が、シクロヘキシル、アダマンチル、フェニルおよびt−ブチルから選択される、請求項22に記載の化合物。
- 請求項1から23のいずれかに記載の化合物および医薬適合性の担体を含む組成物。
- 有効量の請求項1から23のいずれかに記載の化合物を投与することを含む、哺乳動物におけるIGF−1R関連疾患の治療法。
- 請求項1から23のいずれかに記載の化合物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物におけるキナーゼ媒介疾病または疾病徴候の治療法。
- 請求項1から23のいずれかに記載の化合物を哺乳動物に投与する段階を含む、哺乳動物におけるキナーゼ活性の阻害法。
- 有効量の請求項1から23のいずれかに記載の化合物を投与することを含む、被験者における癌を治療する方法。
- 人体または動物体のための治療法において使用するための、請求項1から23のいずれかに記載の化合物。
- 有効量の請求項1から23のいずれかに記載の化合物を投与することを含む、被験者における腫瘍サイズを低下させる方法。
- 癌治療用の薬物を調製するための、請求項1から23のいずれかに記載の化合物の使用。
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