JP2005501177A - 電気化学的反応電極、製造方法、及びその適用機器。 - Google Patents
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Abstract
本発明は、水の電気分解及びオゾン生成及び他の電気化学的機器に使用されるガス拡散電極の製造方法に関する。イオン交換ポリマー(2)のプロトンの部分は、イオン交換ポリマー(2)のチャネル−クラスター構造のチャネル(3)内で金属触媒のカチオン(4)で置換されている。この置換はイオン交換プロセスを介して行われる。次に前記カチオンは、基材(1)のその領域上の触媒の金属粒子の形態に電気化学的に還元される。その領域では後者がイオン交換ポリマーそう(2)のチャネル−クラスター構造のチャネル(3)と接触している。
Description
【技術分野】
【0001】
優先権は 2001年8月22日に申請されたSN. 60/314,064と2002年5月29日に申請されたSN.60/383,880米国仮特許出願に対して請求される。
【0002】
(発明の分野)
この発明は、多孔質の伝導性基材上にイオン交換ポリマーの層を付着したガス拡散電極の製造方法に関するものであり、とりわけ触媒粒子を電極中に導入する方法に関するものである。
【0003】
この発明は燃料電池、水の電気分解、オゾン生成、そしてその他の電気化学機器に使用される電極の製造に関する。
【0004】
又、本発明は電気化的学反、とりわけ電解用の電極に使用される電極の構造及びに製造方法、並びに、そのような電極を有する電解機器の構造に関する。この発明は電気化学的方法に基づく水分解によるオゾン生成、そして燃料電池の製造に使用される。
【背景技術】
【0005】
電気化学的方法によって触媒の堆積が行われる電極の製造法について下記の方法が公知である。
【0006】
高度の触媒活性を持ち、ガス透過性層(基材)と反応層からなるガス拡散電極の製法が(特許文献1)に記述されている。上述の反応層はイオン交換ポリマーを含浸させてある。次に電極は、対極と共に電解槽中に配置される。この電解槽は、白金金属(触媒)イオンと共に電解質を含む。パルス電流が電解質に通されると、電解質を徹と、反応層がイオン交換ポリマーと接触している領域で反応層の表面上に金属粒子が堆積する。
【0007】
ガス拡散電極の他の製造方法が(特許文献2)に記述されている。
【0008】
この方法によれば、初めにガス透過性の伝導性基材上にイオン交換樹脂を含む反応層が作成される。そして反応層を、金属イオン(触媒)を含む電解質と接触させる。パルス電流がガス拡散電極と対極を介して加えられ、反応層上に金属触媒粒子が堆積する。
【0009】
電気化学的装置に関する他の製造方法が(特許文献3)に記述されている。この方法によれば、電子伝導性の素材と混合されたプロトン伝導性の素材を含む基材が初めに作成される。上述のプロトン伝導性素材は多数の酸性官能基を有し、それぞれの反応基は正イオンによる置換が可能である。この基材は対極と電解質のはいった電気化学槽に入れられた。電解質はアミノ−白金正イオン錯体を含む水溶液であり、次にプロトン伝導性素材が電子伝導性素材と接触する箇所で白金粒子の堆積を得るに十分な電圧が電極に与えられる。
【0010】
燃料電池電極に関する他の製造方法が(特許文献4)に記述されている。
【0011】
この方法によれば、基材は正イオン交換樹脂と炭素粒子の混合物により形成される。この基材は、次に金属触媒を含有する正イオンを含む溶液中にしばらくの間浸される。其の後に正イオン交換樹脂に吸着された正イオンは水素ガス雰囲気下で、触媒金属に還元される。
【0012】
(特許文献5)に記述されている電極の製造方法は多孔質の伝導性基材に関するものである。薄膜(これはイオン伝導性ポリマーである)を上述基材の一側面に形成する。次に、触媒が、電極と対極間に制御されたパルス電圧を加えることによる電気化学的還元方法によって、(金属触媒のイオンを含む電解質から)基材表面上に堆積される。
【0013】
この上述の方法によって、上述の多孔質の伝導性基材上に(チャンネル−クラスター構造を有する)イオン交換ポリマー層が適用された電極が形成される。ナノサイズの粒子の金属触媒が(基材上に直接ある)これらの電極内の上記イオン交換ポリマーのチャンネル内で還元される。
【0014】
これらの公知の方法は金属触媒粒子の電気化学的堆積過程において金属触媒のイオンは電解質の液相に含まれているという事実により特徴づけられる。電場作用の下で、及び拡散過程による結果として、金属触媒のイオンはイオン交換ポリマーのチャンネルへ連続的に供給されている。これらのことは下記に述べる欠点となる。
【0015】
1)基材上のイオン交換ポリマーが不均一なため基材上に於ける金属触媒の堆積は不均一である。イオン交換ポリマーがより薄い箇所に於いて基材上の触媒堆積過程はより早く起こる。
【0016】
2)還元過程の終了後、金属触媒を含む正イオン錯体の一部はイオン交換ポリマー層に結合したままとなる。この残留錯体は電極に於けるイオン交換ポリマーのイオン伝導性を低下させ、完成された電極の電極作動パラメータに悪影響をもたらす。結合された正イオンを水洗除去することは不可能である。(強酸中での洗浄が結合されたカチオンの除去に必要であるが、このステップは工程全体をより高価なものとするであろう。)
【0017】
3)イオン交換ポリマーが基材の全領域を被覆しない場合、上述のポリマーが欠如している基材表面上で触媒堆積が優先的に起こり、間隙が生じる。この現象は、触媒機能を効果的に発揮できない大きな金属粒子の生成を引き起こす。
【0018】
様々な電極構造が知られており、更に、それらの製法、そして例えばオゾン生成用の電解機器も公知である。
【0019】
往々にして電極はグラファイトの様な多孔質基材とその基材の一側面に構築された金属触媒層を含む。触媒の薄膜層は通常スプレー被覆、圧縮成型、もしくは、引き続きの溶液の蒸発を伴う触媒含有コロイド溶液の塗付により塗布される。
【0020】
(特許文献6)「電解法に基づくオゾン生成用機器」、9 93の優先権 IPC C25V 11100に於いて、触媒を表面に含有する伝導性の多孔質基材に基づくオゾン生成用の電解機器が記述されている。圧縮成型により多孔質の表面に触媒が塗布される。
【0021】
(特許文献7)「オゾンの電気化学的生成に関する方法ならびに装置」、13.07,93の優先権, IPC C25V 9/00に於いて、金属触媒を焼結により多孔質基材表面に適用した多孔性基材を含む電極が記述されている。(特許文献8)「水の電気分解用の電極の製造」、2.03,90の優先権, IPC C25V 11/16によれば、多孔質の伝導性基材上の触媒層の形成が触媒含有溶液の塗布と、その後の蒸発により行われる。
【0022】
(特許文献9)「水の電気分解用の電極の製造」、22 90の優先権, IPC C25V 11/16に於いて、電極基材は多孔質のチタンにより構成されている。粘着性の白金を含む溶液が基材表面上に塗付される。この層は乾燥させられた後、新たな溶液が塗布され、改めて乾燥させられる。この後に白金層上に鉛触媒が塗布される。
【0023】
オゾン生成用の公知機器ならびに技術の主要な欠点は最終製品の低い収率である。これは以下により説明される。第一は電極に触媒層を構築する方法の不完全性により活性度が明らかに100%になり得ない触媒の非効率的な使用である。この事は非均一サイズの触媒粒子に帰着し、そして電極が空気に接触する箇所で幾らかの触媒が触媒中毒となる。厚い触媒層はよりコスト高となるだけであり、それ故、触媒活性を保ちどう触媒量を最適化するかは、工業技術の課題である。第二に、オゾンの収率は陽極及び陰極で於いて形成される物質が混合されることにより低下する。これを防止するため、隔膜が電解浴に挿入される。この膜は多孔性のポリマー材料よりなり、力学的に強く、反応性の高い溶液に強く、高い伝導性を有し、そして高いイオン交換選択性を有する。
【0024】
1964年に米国会社デュポンは、静電気的に結合したアルカリ金属イオン類などを環境中にある他のイオンと交換することができるスルホ基を含むカーボンテトラフロライドビニルエステル製造方法について特許を取得した。このエステルのポリマー化により、電気化学的装置用の既存の隔膜において最も効率性の高い ‐ 「ナフィオン」(ロシア類同語− MF−4SK膜)が製造された。ナフィオン膜が構築されるチャンネルクラスター構造を有するイオン交換材は極めて高い伝導性‐固体イオン電解質の特性 − を有することが発見された。(非特許文献1)。ナフィオンに於けるナトリウムイオンの拡散係数は濃縮された塩化ナトリウム溶液に基づく液体電解質の拡散係数と同等である。この事はナフィオン膜が電解槽中の液体電解質を置換できることを意味する。
【0025】
水素と酸素の固体ポリマー電気化学的製造機器は公知であり、多孔質のチタンが電極として使用され、そしてナフィオン膜(固体ポリマー電解質)が電極間に使用されている(Timonov.A.M., 非特許文献1)。水素と酸素の製造装置として知られる電解装置の作動原理は下記に述べる如くである。蒸留水が陽極領域に供給される。そして陽極の空孔を通じて蒸留水は電極とナフィオンの境界領域に供給される。この境界領域で酸素の放出を伴う水の酸化が起こる。酸素は反応領域から電極の空孔を経て除去される。ナフィオンのガス浸透性により酸素は陰極領域へ侵入することを防止され、爆発性の混合物生成が防止される。水和化されたプロトンはナフィオン膜を通り陰極へ向かい、水素ガスを発生し還元される。酸素の場合と同様に水素は陰極の空孔を通じて電流供給チャンネルへと除去される。陰極と陽極に於ける反応過程は電極/ナフィオン境界領域に細かく分散された白金と酸化イリジウム(IV)それぞれ導入することにより増長される。電極に付与された触媒の一部はナフィオン表面の多孔質チャンネルに到達する。電極上での貴金属の使用量を0.1mg per 1cm2まで削減し、電解槽の厚さをmm領域まで削減することが工業技術により可能である。この公知の機器の利点は(高純度の)医療用酸素を生成できることにある。しかしながら触媒効率に於いては、既に述べられた欠点からは逃れられない。
【0026】
同等の電極とナフィオン隔膜を用いた水素―酸素燃料電池の構成については、上述とさして変わらない。水素と酸素が燃料として使用され、電極反応は逆に進行する。生成物は水と電力である。しかしながらこれら電池の効率は50%を超えず、電圧は0.8Vである。この事実は触媒作用の低効率、ひいては反応過程の低効率によっても説明される。
【0027】
【特許文献1】
米国特許5,084,144号明細書
【特許文献2】
米国特許6,080,504号明細書
【特許文献3】
米国特許5,284,574号明細書
【特許文献4】
米国特許20020015878号明細書
【特許文献5】
米国特許6,258,239号明細書
【特許文献6】
米国特許5326444号明細書
【特許文献7】
米国特許5460705号明細書
【特許文献8】
日本特許3253590号明細書
【特許文献9】
日本特許3243784号明細書
【非特許文献1】
Timonov A.M. “固体ポリマー電解質:構造、特性、及び用途”(ロシア語)) (Sorosovskiy Obrazovatelny Zhurnal, vol.6, No. 8, 2000, pp. 69−75
【0028】
(発明の実施形態の要約)
この発明は上述の欠点を有しない触媒的に活性なガス拡散電極に関わる新規で改良された製造方法を包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
この発明に於ける一例示の形態は次に記述される。
【0030】
未処理の電極(基材上にイオンクラスターが塗付されたイオン交換ポリマーの層を有する伝導性の多孔質基材)は以下にかかる処理がなされる。初めの段階では上述ポリマーに於けるチャンネルクラスターのチャンネル壁上で、イオン交換ポリマー中のプロトンの一部は金属触媒を含む正イオンにより置換される。上述の置換はイオン交換により行われる。これを遂行するにあたり(チャンネルクラスター構造を有するイオン交換ポリマー層を有する)伝導性基材は(金属触媒の正イオンを含有する)溶液中に特定の時間保持される。拡散により、正イオンはイオン交換ポリマー層に浸透してゆく。第二の段階では、触媒的に活性ではない金属を含まない電解質溶液中で、イオン交換ポリマー層に於けるチャンネルクラスター構造内でプロトンを置換した正イオンは電気化学的に還元される。この還元過程に於いて金属触媒粒子は電極の伝導性基材上に堆積される。イオン交換ポリマー層に於けるチャンネルクラスター構造のチャンネルが基材に接触する箇所のみに於いて触媒は基材上に堆積する。
【0031】
この過程に於ける一例示の形態は、
1.イオン交換ポリマー層に於けるチャンネルクラスター構造のチャンネルが基材に接触する箇所のみに於いて触媒は基材上に堆積する。
【0032】
2.導入される金属の量は触媒金属を含む正イオン溶液の濃度と上述の溶液中にイオン交換ポリマー層を保持する時間により容易に制御可能である。
【0033】
3.触媒還元後、イオン交換ポリマーのイオン伝導性は損なわれない。触媒金属に於ける全ての正イオンは還元され、イオン交換ポリマーのチャンネルに於いてはプロトンが結合できる場所が再び提供される。
【0034】
4.この事例に於いては過度の金属触媒の消費が避けられる。
【0035】
結果として、上述の電極製造に必要とされる最小量の触媒を用い、高いイオン伝導性と高い電気化学的反応性を有する電極が作成される。10−30μmの厚さを有すイオン交換ポリマー層を有する多孔質の伝導性基材がこの方法の実施形態として使用される。
【0036】
多孔質の伝導性基材上のイオン交換ポリマーは薄いものでも良く間隙を持っても差し支えない。イオン交換ポリマー層に於けるチャンネルクラスター構造のチャンネルが基材に接触する箇所のみに於いて触媒粒子は還元される。
【0037】
イオン交換ポリマー層で被覆されていない基材領域上では触媒粒子は還元されない。
【0038】
金属触媒錯体の水溶液(錯体濃度が10-4〜5・10-2mol/lの範囲内である)を金属触媒のイオンを含有する溶液として使用する事ができる。白金族金属を含む正イオン−ハロゲンアンミン錯体を触媒金属の錯体として使用することが可能である。特に白金を含む正イオン錯体[PtEn2Cl2]2+, ルテニウムを含む正イオン錯体[RuEn2Cl2]2+, イリジウム含む正イオン錯体[IrEn2Cl2]2+,(ここでEnはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2)、そして白金を含む正イオン錯体[Pt(NH3)4Cl2]2+を用いることが可能である。
【0039】
更に上記塩濃度が10-4〜5・10-2mol/lの範囲内である場合、水溶液中の金属塩の解離による生成される正イオンを上述の金属を含有する正イオンとして使用することが可能である。イオン交換ポリマー層に於けるチャンネルクラスター構造内のチャンネルでプロトンを置換した正イオンのみが電気化学的に還元されることを可能にするため、そして白金族金属の高価な組成物の損失を防ぐため、電気化学的還元に先立ち電極を水で洗浄することができる。この洗浄の目的はイオン交換ポリマーに結合しなかった正イオンを含む水溶液中の残留物を除去することにある。電気化学的還元は触媒金属の正イオンを含有することを必要としない電解槽‐たとえば濃度0.05〜2mol/l の硫酸を含む槽−において遂行可能である。
【0040】
金属化学的還元過程が基材表面上のみで起こることを確実にするため、水素が生成(還元)されるよりもより絶対的に小さい負電圧で還元過程は行われるべきである。結合していない水素はクラスターの表面ばかりでなく、クラスター内の任意の箇所で正イオンを還元することが出来るため、水素生成を防ぐことが必要である。電気化学的還元用の槽に設置された対極と触媒が堆積する電極間に電位差が加えられる。もしも電位差が高すぎるならば水素が生成され、(イオン交換ポリマー層に於けるチャンネルクラスター構造内のチャンネルが基材に接触する箇所ばかりでなく)イオン交換ポリマーのクラスター構造内の任意の箇所で触媒金属の正イオンが還元される。
【0041】
例えば白金といった金属触媒粒子の初期堆積後、新たに生成された電極表面に於ける触媒特性の変化により水素の過電圧減少が起こりうる。この事は、電気化学的還元に加え、化学反応による水素生成と金属還元速度の増加を引き起こす。もしも速度の増加が好ましくないならば−たとえば貴金属の使用量を節約する必要がある場合−電圧の減少は水素生成を止める。
【0042】
もし製造される電極が疎水性の伝導性多孔質基材(例えば燃料電池)を必要とするならば、15−200 mA/cm2の陽極電流密度有効値を有する直流もしくはパルス電流、20−95℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で電気化学的還元反応をすることが望ましい。
【0043】
もし製造される電極が疎水性の伝導性多孔質基材(例えば電解機器用の電極)を必要としないならば、0.5−2 A/cm2の陽極電流密度有効値を有する直流もしくはパルス電流、20−95℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で電気化学的還元反応は好ましく遂行される。
【0044】
触媒活性度を増加し、高価な触媒材料の使用を減少することが目標であるならば、電極製造において異種金属からなる複数堆積層を用いることが可能である。
【0045】
多孔性の伝導性基材上に異種金属からなる複数堆積層を構築するにあたり、第一の金属が電気化学的反応により堆積された後、異種金属触媒を含む正イオンが、イオン交換ポリマー層に於けるチャンネルクラスター構造内のチャンネルでのプロトンの一部を置換し、その後に異種金属の電気化学的反応が順を追っておこなわれる。
【0046】
とりわけ初めに白金が基材上に堆積され次にイリジウムが堆積される。この場合、白金を含有する正イオンとして正イオン錯体[PtEn2Cl2]2+、イリジウムを含有する正イオンとして正イオン錯体[IrEn2Cl2]2+が使用される。Enはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2である。白金粒子を初めに還元した後、鉛粒子を還元することも可能であり、またその逆の順で二種の金属を還元することも可能である。この場合上述の白金イオン錯体[PtEn2Cl2]2+が初めに還元される。15−200 mA/cm2の陽極電流密度、20−95℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で白金の電気化学的還元反応を遂行するのが望ましい。硝酸鉛(II)もしくは酢酸鉛(II)が水溶液内に於いて解離することにより生成される正イオンが鉛イオンとして使用される。そして鉛の電気化学的還元は10−300 mA/cm2の陽極電流密度、20−95℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で行われる。
【0047】
更にこの発明の形態は、電極の構成が上述の欠陥を持たず、低活性効率、及びに電極/電解質境界領域での高い接触抵抗の問題の無いものの製造を目指し、そしてこの電極を有する高性能の電解機器を製造することに目指している。
【0048】
この発明原理に係る電気化学反応用の電極は、多孔質の伝導性基材、上述の基材表面上に形成され、クラスター構造を有するイオン交換ポリマー層、そしてイオン交換ポリマー層に於けるチャンネルクラスター内のチャンネルと接合された上述の基材の上に生成された金属触媒粒子を含む。
【0049】
炭素もしくはチタニウムを電極の多孔質の伝導性基材として使用することが可能である。
【0050】
イオン交換膜層は、例えば、固体ポリマー電解質、とりわけカーボンテトラフロライドポリマー「ナフィオン」より構築することが可能である。イオン交換膜層の厚さは10−30μmとすることが出来る。
【0051】
触媒粒子として白金、イリジウム、ルテニウムといった白金族金属を用いることが可能である。
【0052】
金属触媒の組成は重量比1:5−1:15の範囲で白金―イリジウム、白金―鉛といった異種金属の組み合わせとすることが可能である。この重量比のもと、異種金属を触媒層に非選択的に配置することが可能である。もしくは白金層上の鉛層という様に異種金属層を重ね合わせることが出来る。
【0053】
電極製造の一例示は次の段階を含む。
【0054】
チャンネルクラスター構造を有するイオン交換膜ポリマーの層は多孔質の伝導性基材の上に構築される。チャンネルクラスター構造を有するイオン交換膜ポリマーの層は二つの方法で作成できる。
【0055】
第一の方法は有機溶媒中に分散されたオリゴマーのコロイド液体の層を付与するものである。例えばイソプロパノールに分散されたオリゴマーのコロイド溶液は多孔質の伝導性基材の上に付与され、後にイオン交換膜のポリマー層が生成されるまで加熱される。イオン交換膜ポリマー層を得るにあたり、ナフィオンが用いられる場合には、オリゴマーが8−12%の重量濃度であるアイソプロパノール溶液が基材に付与される。そしてオリゴマーのコロイド溶液が付与された基材の熱処理は70−1000Cの温度、1−1.5時間の条件下でおこなわれる。
【0056】
第二の方法は有機溶媒中に分散されたポリマーのコロイド液体の層を付与するものである。後にチャンネルクラスター構造を有するイオン交換膜のポリマー層が生成されるまで加熱により乾燥される。イオン交換膜ポリマー層を得るにあたりナフィオンが用いられる場合、ポリマーを含むコロイド溶液の乾燥は80−1000Cの温度、0.8−1.5時間の熱処理でおこなわれる。
【0057】
電極の反応領域において触媒の固定、すなわち触媒層の生成がなされる。この目的のため、一種もしくは複数異種の金属がイオン交換によりチャンネルクラスター構造内のチャンネルに導入される。これらの金属は、イオン交換膜のチャンネルクラスター構造内のチャンネルが基材に結合するところの基材表面上で電気化学的に還元され、金属触媒粒子を生成する。一種もしくは複数異種の金属による複数層触媒を形成するにあたり、上述の触媒層形成の過程が連続的におこなわれる。
【0058】
イオン交換性能(触媒として使用される正金属イオンを含む膜の飽和)は、膜層が付与された基材を触媒金属として導入される正イオン錯体(もしくは金属塩)を含む水溶液に浸すことで影響を受ける。この基材を溶液にさらす条件(液体に於ける金属錯体もしくは金属塩の濃度、そしてさらす期間)は電極における金属触媒の所望の表面濃度により定められる。
【0059】
例えば、[PtEn2Cl2]2+は正イオン錯体として使用できる。ここでEnはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2である。白金の電気化学的還元は0.5−1A/cm2の電流密度範囲、70−900Cの温度、1−2時間の反応期間という条件下で行われる。ルテニウム、イリジウム、白金族金属の混合物、もしくは1:5−1:15の重量比である白金と鉛の混合物を触媒として導入する際の条件も同様である。触媒層内において異種金属粒子は非選択的に配置される。例えば白金と鉛という異種金属が触媒組成物として配置されるならば、電極上に於いて、後者の触媒(すなわち鉛)粒子が前者の触媒(すなわち白金)粒子上に存在することが必要であり、触媒は順次に電極中に導入される。すなわち触媒層形成における上述の過程は順次に繰り返される。この目的のため、白金正イオンが、イオン交換により、イオン交換膜のチャンネルクラスター構造内のチャンネルに導入される。次にこの白金正イオンは、イオン交換膜のチャンネルクラスター構造内のチャンネルが基材に結合するところの多孔質の基材表面上で電気化学的に還元され、白金金属触媒粒子を生成する。
【0060】
更に鉛正イオンが、イオン交換により、イオン交換膜のチャンネルクラスター構造内のチャンネルに導入される。そして電気化学的に還元され、初めの触媒―白金粒子の表面上に鉛金属粒子が堆積される。
【0061】
[PtEn2Cl2]2+が最初の金属触媒を得るための正イオン錯体として使用される。白金の電気化学的還元は0.5−1A/cm2の電流密度、70−90℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で行われる。
【0062】
鉛については水溶性の硝酸塩が使用可能である。鉛の電気化学的還元は0.1−0.3A/cm2の電流密度範囲、1−2時間の反応期間という条件下で行われる。
【0063】
もしも白金族もしくはルテニウムの金属触媒層の順次形成が適用されるならば、工程は以下に記すごとくである。例えば初めの触媒として白金が使用され、イリジウムが第二の触媒として使用されるならば、白金正イオン導入中に上述の白金触媒をえるため、初めに白金錯体[PtEn2Cl2]2+がイオン交換に用いられる。ここでEnはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2である。白金の電気化学的還元は0.5−1 A/cm2の電流密度範囲、70−90℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で行われる。一方イリジウム正イオン導入中に上述のイリジウム触媒をえるため、次にイリジウム錯体[IrEn2Cl2]2+がイオン交換に用いられる。ここでEnはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2である。イリジウムの電気化学的還元は0.5−1A/cm2の電流密度、70−90℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で行われる。白金族における他の金属同士の組み合わせ、または白金族とルテニウムの組み合わせに関し、複数層を得るための条件は類似である。
【0064】
この発明に係る電解装置は以下のものを含む。いずれかが上記発明形体による多孔質の伝導性基材である陽極と陰極、上述基材上に作成されるチャンネルクラスター構造のイオン交換膜ポリマー層、基材がイオン交換膜のチャンネルクラスター構造内のチャンネルに結合するところで多孔質の基材表面上に固定された金属触媒粒子。また電解機器は陽極と陰極間に設置された、チャンネルクラスター構造を有するイオン交換ポリマーからなる上述の隔膜を含む。
【0065】
陽極と陰極に於けるイオン交換膜層は隔膜に結合している。
【0066】
例示的な電解装置は原理的に同じ触媒層を有する陽極と陰極を含む。
【0067】
隔膜層の厚さは100μmを超えるべきではない。電極におけるイオン交換膜と陽極−陰極分離のための膜は同じ材料を使うことができる。とりわけカーボンテトラフロリド、ナフィオンから成る固体電解ポリマーを使用できる。
【0068】
この発明に関する利点は次に述べる如くである。
−−−基材表面上に於いて安定なnmサイズの触媒が得られる: 錯体の化学的還元反応が隔膜層のチャンネル内に局在化している事実により粒子の大きさと安定性がもたらされる。
−−−触媒粒子と電極基材間に於ける安定した接触。これは触媒生成における電気化学的方法の使用により成される。
−−−隔膜のチャンネルクラスター構造中で生成される触媒の量の最適化。還元されるべき金属イオンはまさに電気化学的反応が起こる箇所に存在している。
−−−触媒生成は反応性の高い金属粒子が触媒を汚染する可能性がある空気及び物質に接触していない箇所でおこなわれる事実による触媒の効率的使用。
−−−電解機器にてこの電極形態を使用するに当たって二つの均一な材料が電極/電解質境界領域で結合されることにより、低い接触抵抗が保証される。電極の化学修飾は触媒局在化、触媒量、そして活性度の最適化をもたらし、さらに組成と構造が均一である電極表面層材料と固体電解質(隔膜)間の接触領域における低い接触抵抗により高性能の電解機器がもたらされる。
【0069】
本電極の顕著な特徴として、独特のチャンネルクラスター構造を持つイオン交換膜ポリマーの表面層、触媒組成、電気化学的反応領域における触媒の局在化(すなわち基材と表面層(膜)が結合されている箇所)が挙げられる。
【0070】
この方法の顕著な特徴として、電極膜表面層を作成するにあたっての段階過程と条件、さらに触媒、の導入と局在化、触媒組成、そして膜特性が挙げられる。
【0071】
この電解機器の顕著な特徴として、独特の陽極と陰極、電解質、化学修飾された電極と電解質の結合が挙げられる。
【0072】
ここで請求される発明は次に於ける図により描写されている。
【0073】
(この発明にかかる例示的形態に関する詳細な記述)
多孔質の伝導性基材1とチャンネルクラスター構造を有するイオン交換ポリマー層2から成り、層2が電極といった上述基材に付与されたものから成るガス拡散電極(図1)がフィールセル、水の電気分解、そしてオゾン生成という様々な用途に使用される。多孔質の炭素もしくは多孔質のチタンが多孔質の伝導性基材として使用可能である。
【0074】
電極の適用目的によっては、多孔質の伝導性基材が疎水性であることが要求される場合がある。これは、例えば、基材材料中に撥水剤を導入することにより達成される。
【0075】
E.I. DuPont de Nemours and Company Corporation により所有される商標Nafion として販売されている炭化弗素ポリマーがイオン交換ポリマーとして使用可能である。 電極の効果的な作動を確実にするため、多孔質の伝導性基材がイオン交換ポリマー層におけるチャンネルで接触する領域で金属触媒のnmサイズ粒子が存在するべきである。一般的に、本発明に係る方法は以下に記述されるごとく形態化される。凡そ10−30μmの厚みであるイオン交換ポリマー層を有する多孔質の伝導性基材からなる未処理電極は最初に触媒金属の正イオンを有する溶液中に浸される。触媒金属錯体もしくは触媒金属塩を溶液中で溶かすことにより触媒金属の正イオンが生成される。正イオンは電解質中に拡散してゆきイオン交換ポリマーのチャンネル内に浸透してゆく。そしてこの正イオンはイオン交換によりイオン交換ポリマー(のチャンネル)内にあるプロトンを置換する。次にプロトンを置換したイオン交換ポリマーのチャンネル内にある正イオンは電気化学的に還元される。これらの正イオンのみが還元されるのを確実にするため、触媒金属の正イオンを含まない溶液中で還元が遂行される。例えば、酸性溶液の槽で還元をおこなうことが出来る。イオン交換とプロトン置換によってイオン交換ポリマーに結合されなかった正イオン−基材、ポリマー層、チャンネルに残留したものを含む−を除去するため、ポリマー層と基材は還元前に水で洗浄可能である。正イオンの電気化学的還元の結果、基材がイオン交換ポリマーのチャンネルクラスター構造に於けるチャンネルに接触する箇所において、触媒金属のnmサイズ粒子が堆積する(図2)。白金族金属(特に、白金、ルテニウム、イリジウム、鉛)を触媒金属として使用できる。
【0076】
この電気化学的還元過程が基材表面のみで起こることを確実にするため、水素が生成(還元)されるよりも低くはない電圧でこの還元過程は行われるべきである。遊離された水素は基材表面のみならず、クラスター構造内の任意箇所で正イオンを還元する能力を有するため、水素ガスの生成を防止する必要がある。水素生成を防止する条件下で、次の正イオン錯体が触媒還元用のものとして適している。白金錯体[PtEn2Cl2]Cl2、ルテニウム錯体[RuEn2Cl2]Cl2、イリジウム錯体[IrEn2Cl2]Cl2。ここでEnはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2である。白金錯体[Pt(NH3)4Cl2]Cl2、そして鉛の水和イオン。
【0077】
例1 多孔質の疎水性伝導性基材を有するガス拡散電極の製造。
【0078】
疎水性基材とイオン交換ポリマーから成る未処理電極が、以下の錯体の一つを含む水溶液中に置かれる。:白金錯体[PtEn2Cl2]Cl2、ルテニウム錯体[RuEn2Cl2]Cl2、イリジウム錯体[IrEn2Cl2]Cl2、あるいは白金錯体[Pt(NH3)4Cl2]Cl2。濃度は10-4〜5・10-2mol/lの領域である。所望される粒子の大きさに応じて、上記溶液中に数分から25時間にわたる期間に未処理電極が置かれた後、電極は蒸留水で洗浄されるべきである。液体電解質もしくは固体電解質に於いて触媒粒子の電気化学的還元がおこなわれる。液体電解質(例えば、濃度0.05−2mol/Lの硫酸)内で還元が行われる場合、電解質を有する電解槽が用いられ、未処理電極と対極が浸される。硫酸溶液に加え、塩、例えば同等の濃度を有する硫酸ナトリウム、の水溶液を使用することができる。
【0079】
固体ポリマー電解質から成る槽内で還元を行うに際し、プロトン交換ポリマー(例えば、ナフィオン)で作られた膜により仕切られた未処理電極と対極を有する槽が使用される。直流もしくはパルス電流を用い、電気化学的還元は行われる。電流密度の有効値範囲15−200mA/cm2、20−95℃の温度、1−12時間の反応期間という条件である。
【0080】
以下に述べる触媒装填を有し、ここに提唱された技術により作られた水素−酸素燃料電池に於ける触媒の比活性度を図4に示す。
【0081】
陽極−プラチナム量0.01mg/cm2、陰極−プラチナム量0.03mg/cm2。基材は厚さ0.5mmの炭素布であり、その上に炭素と撥水剤からなるガス拡散層が圧着された。撥水剤の使用量は陰極で10%、陽極で15%である。未処理電極上に5%のナフィオン溶液がスプレー被覆された。そして70℃で一時間乾燥された。ナフィオンの厚さは陰極で15μm、陽極で30μmであった。
【0082】
次に未処理の電極は0.001Mの錯体[PtEn2Cl2]Cl2溶液中に置かれた。陽極については20分、陰極については60分である。還元は二段階に行われた。最初の段階では200mA/cm2の電流が陽極に2時間、陰極に4時間与えられた。第二段階では電流は50mA/cm2に減少され、陽極に2時間、陰極に6時間電流が与えられた。
【0083】
例一に於ける別の形態は次のことを含む。8−12重量%のオリゴマーが含まれる有機溶剤のコロイド溶液が多孔質の炭素もしくはチタンから成る多孔質の伝導性基材上に塗付される。例えば、8.6重量%範囲のオリゴマーが含まれるイソプロパノール溶液0.2mLが多孔質の炭素もしくはチタンの表面1cm2に途付される。
【0084】
そしてコロイド溶液が塗付された基材は基材の多孔質表面上にチャンネルクラスター構造を有するイオン交換膜ポリマー層が形成されるまで加熱される。上述の加熱は温度70−100℃、1−1.5時間の条件でおこなわれる。熱処理後に形成される膜の厚みは10−30μmの範囲内である。形成された膜は基材に強い粘着を特徴とする。
【0085】
イオン交換膜のポリマー層はポリマーのコロイド溶液の塗付、そしてこの溶液の乾燥により作成することが可能である。
【0086】
ポリマーを含むコロイド溶液の乾燥は温度30−100℃、0.8−1.5時間の条件でおこなわれる。形成された膜は基材に強い粘着を特徴とする。
【0087】
電極製造過程に於ける次の過程では、イオン交換膜層におけるチャンネルクラスター構造内のチャンネルに正イオン錯体を導入することが含まれる。例えば白金とイリジウムに基づく正イオン錯体の混合物を導入することが可能である。
【0088】
基材上に白金触媒を堆積する目的で[PtEn2Cl2]2+が正イオン錯体として使用される。濃度10-3mol/Lの[PtEn2Cl2]2+水溶液中にある膜内に正イオン錯体が導入される。金属触媒の最終濃度は膜を有する電極が白金錯体溶液中にある期間により決定され、その期間は20分から3時間である。例えば、白金触媒の表面濃度10-5g/cm2を得るには、膜層を有する基材を上述の溶液に一時間保持することが必要である。
【0089】
白金の電気化学的還元は、電流密度範囲0.5−1A/cm2、70−90℃の温度、1−2時間の反応期間という条件でおこなわれる。
【0090】
正イオン錯体導入と電気化学的還元は数回にわたり繰り返すことが可能である。
【0091】
例2.疎水性ではない多孔質伝導性基材を有するガス拡散電極の製造。
【0092】
基材とイオン交換ポリマー層からなる未処理の電極は例一で記述されているうちの一種の錯体水溶液中に置かれる。例一に述べた方法で、イオン交換ポリマーにおけるチャンネルクラスター構造内の壁にあるプロトンは錯体正イオンで置換される。
【0093】
触媒粒子の電気化学的還元は直流もしくはパルス電流を用い液体電解質中でおこなわれる。20−95℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で電流密度の有効的な値の範囲は0.5−2A/cm2である。図5に、ここで記述された技術により製造された電極を有する電解機器の電圧―電流特性を示す。曲線1は陰極における白金触媒表面濃度が10μg/cm2、陽極における触媒表面濃度が20μg/cm2である場合に得られたものである。曲線2は陰極における白金触媒表面濃度が20μg/cm2、陽極における触媒表面濃度が40μg/cm2である場合に得られたものである。曲線3は陰極における白金触媒表面濃度が40μg/cm2、陽極における触媒表面濃度が80μg/cm2である場合に得られたものである。イオン交換ポリマー層の厚さは100μmであった。触媒の少ない装填を有する電極を使用することで、低電位において満足のいく電解電流密度が得られることが図よりわかる。
【0094】
多孔質のチタン板が電極として使用された。5%ナフィオン溶液のスプレー被覆により、イオン交換ポリマー層が未処理の電極上に付与された。次にこの溶液は温度70℃のもと一時間乾燥された。次にこの電極は濃度0.001Mの錯体[PtEn2Cl2]Cl2溶液中に15分(10μg/cm2の表面濃度)、30分(20μg/cm2の表面濃度)、60分(40μg/cm2の表面濃度)、120分(80μg/cm2の表面濃度)で保持された。還元は電流1A/cm2、を一時間、35℃で行った。
【0095】
白金と鉛触媒層が複数層に配列されているガス拡散電極の製造。
【0096】
触媒粒子は二種もしくはそれ以上の金属を含むことが出来る。
【0097】
図3に白金粒子5と鉛粒子6を含む触媒を示す。この場合、白金と鉛の重量比は1:5−1:15の範囲である。また触媒粒子5と6は、イオン交換膜層2に於けるチャンネルクラスター構造内のチャンネル3が伝導性基材1と接触する箇所で電気的接触をもたらす。
【0098】
白金粒子を基材上に付与する過程は、例2で記述されたものと類似である。硝酸鉛(II)塩水溶液中の鉛正イオンが次の段階で使用された。
【0099】
nmサイズの鉛結晶粒子の電気化学的還元が、電流密度10−300mA/cm2、20−95℃の温度範囲、1−2時間の反応期間という条件でおこなわれた。
【0100】
電気化学的オゾン生成器用の電極がここで述べられた請求にもとづき作成された。白金触媒の陰極への装填は0.01mg/cm2であった。
【0101】
陽極は二層の触媒を用いて作成された。基材に隣接している層は白金であり、装填量は0.01mg/cm2であった。白金層上に形成される層は鉛であり、装填量は0.05mg/cm2であった。
【0102】
電極の作成と層の付着は例2に記述されたものに同じである。未処理の正極が一時間の間0.2MのPb(NO3)2水溶液中におかれた。有効電流密度が100mA/cm2の電流を二時間加えることで表面密度50μg/cm2の鉛が還元された。電極が電解機器陽極として用いられる場合、鉛から二酸化鉛(IV)への酸化がおこなわれた。電流密度150mA/cm2、一時間の酸化条件で、二酸化鉛 PbO2の触媒層が電極表面に作られた。ナフィオン117でつくられた膜がオゾン生成機器の電極間に設置された。電極と膜から構成される機器は7cm2の有効面積を有し、電流2A、電圧4V、水の流率2L/minの条件下で水中のオゾン濃度が0.5mg/L以上であるオゾンを生成した。
【0103】
白金金属の還元後、例3に係る別の形態として次のことが行われる。初めに鉛正イオンPb2+が、この目的に係るイオン交換法−例えば20分から2時間の期間0.2mLのPb(NO3)2の水溶液を用いることによる正イオン導入−を用いポリマーのチャンネルクラスター構造内に導入される。そして電極表面上で触媒正イオンの電気化学的還元がおこなわれる。そしてこの還元により、表面濃度が10-5〜10-4g/cm2であるnmサイズの鉛金属が堆積される。電流密度0.1A/cm2のオーダーで、およそ二時間にわたり還元が電解槽内でおこなわれる。
【0104】
電解機器の形態
電解機器の構成が図6に示される。オゾン生成機器は水の供給とガスの除去を目的とした格子状要素8を有する二つの板7を持つ。板7は陰極9と陽極10を共に挟み込むことにより保持し、それらの電極間には隔膜11が設置される。この隔膜は例えばナフィオンといった固体電解質ポリマーである。陰極9と陽極10の表面上にイオン交換膜2の層があり、それらの層は隔膜11に向き合っている。イオン交換ポリマー膜2の層は金属触媒の運搬媒介として作用する。
【0105】
オゾン生成を目的とする上述電解機器の構成に係る特別な特徴として、陰極9と陽極10の間における間隔は100μmを超過しないことにあり、これにより電極領域内で強電場を発生することが可能である。この電場強度はコロナ放電によるオゾン生成の条件と同等である。この強電場は酸素内の結合を弱め、オゾン生成効率を高める。
【0106】
それ故、他のオゾン生成機器の構成と比較した場合、ここで提示される機器の構成はより高い収率を得ることが可能である。この発明に係る電極の使用により室温における(電流効率として)オゾンの効率は1%であり、触媒を併用するに当たっては室温における(電流効率として)オゾンの効率は4−5%である。
【0107】
ここで開示された発明の実用的履行は上述に与えられた特定の例により制限を受けない。図は必ずしも正しい縮尺で描かれていない。この本発明の思想と見地からそれること無く、他の、そして、更なる調整、改善、変更が可能である。材料の選択は標準的なものであり、業界では良く知られたものである。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】電極構造を示す。1:多孔質の伝導性基材、2:イオン交換ポリマー層。
【図2】一種の物質からなる触媒を有する電極の部分を概略的に示す。3:イオン交換ポリマー層におけるチャンネルクラスター構造内のチャンネル、4:触媒のnmサイズ粒子。
【図3】二種物質の粒子からなる触媒を有する電極の部分を概略的に示す。これは異種の層が順次に付着されたものである。5:一種触媒のnmサイズ粒子、6:他触媒のnmサイズ粒子。
【図4】ここで公示された電極の触媒活性度の特徴を示す。
【図5】ここで公示された方法により製造された電極をふくむ電解機器の例示的形態について電圧―電流特性を示す。
【図6】この発明原理を有用するオゾン生成電解機器の構成を示す。
【0001】
優先権は 2001年8月22日に申請されたSN. 60/314,064と2002年5月29日に申請されたSN.60/383,880米国仮特許出願に対して請求される。
【0002】
(発明の分野)
この発明は、多孔質の伝導性基材上にイオン交換ポリマーの層を付着したガス拡散電極の製造方法に関するものであり、とりわけ触媒粒子を電極中に導入する方法に関するものである。
【0003】
この発明は燃料電池、水の電気分解、オゾン生成、そしてその他の電気化学機器に使用される電極の製造に関する。
【0004】
又、本発明は電気化的学反、とりわけ電解用の電極に使用される電極の構造及びに製造方法、並びに、そのような電極を有する電解機器の構造に関する。この発明は電気化学的方法に基づく水分解によるオゾン生成、そして燃料電池の製造に使用される。
【背景技術】
【0005】
電気化学的方法によって触媒の堆積が行われる電極の製造法について下記の方法が公知である。
【0006】
高度の触媒活性を持ち、ガス透過性層(基材)と反応層からなるガス拡散電極の製法が(特許文献1)に記述されている。上述の反応層はイオン交換ポリマーを含浸させてある。次に電極は、対極と共に電解槽中に配置される。この電解槽は、白金金属(触媒)イオンと共に電解質を含む。パルス電流が電解質に通されると、電解質を徹と、反応層がイオン交換ポリマーと接触している領域で反応層の表面上に金属粒子が堆積する。
【0007】
ガス拡散電極の他の製造方法が(特許文献2)に記述されている。
【0008】
この方法によれば、初めにガス透過性の伝導性基材上にイオン交換樹脂を含む反応層が作成される。そして反応層を、金属イオン(触媒)を含む電解質と接触させる。パルス電流がガス拡散電極と対極を介して加えられ、反応層上に金属触媒粒子が堆積する。
【0009】
電気化学的装置に関する他の製造方法が(特許文献3)に記述されている。この方法によれば、電子伝導性の素材と混合されたプロトン伝導性の素材を含む基材が初めに作成される。上述のプロトン伝導性素材は多数の酸性官能基を有し、それぞれの反応基は正イオンによる置換が可能である。この基材は対極と電解質のはいった電気化学槽に入れられた。電解質はアミノ−白金正イオン錯体を含む水溶液であり、次にプロトン伝導性素材が電子伝導性素材と接触する箇所で白金粒子の堆積を得るに十分な電圧が電極に与えられる。
【0010】
燃料電池電極に関する他の製造方法が(特許文献4)に記述されている。
【0011】
この方法によれば、基材は正イオン交換樹脂と炭素粒子の混合物により形成される。この基材は、次に金属触媒を含有する正イオンを含む溶液中にしばらくの間浸される。其の後に正イオン交換樹脂に吸着された正イオンは水素ガス雰囲気下で、触媒金属に還元される。
【0012】
(特許文献5)に記述されている電極の製造方法は多孔質の伝導性基材に関するものである。薄膜(これはイオン伝導性ポリマーである)を上述基材の一側面に形成する。次に、触媒が、電極と対極間に制御されたパルス電圧を加えることによる電気化学的還元方法によって、(金属触媒のイオンを含む電解質から)基材表面上に堆積される。
【0013】
この上述の方法によって、上述の多孔質の伝導性基材上に(チャンネル−クラスター構造を有する)イオン交換ポリマー層が適用された電極が形成される。ナノサイズの粒子の金属触媒が(基材上に直接ある)これらの電極内の上記イオン交換ポリマーのチャンネル内で還元される。
【0014】
これらの公知の方法は金属触媒粒子の電気化学的堆積過程において金属触媒のイオンは電解質の液相に含まれているという事実により特徴づけられる。電場作用の下で、及び拡散過程による結果として、金属触媒のイオンはイオン交換ポリマーのチャンネルへ連続的に供給されている。これらのことは下記に述べる欠点となる。
【0015】
1)基材上のイオン交換ポリマーが不均一なため基材上に於ける金属触媒の堆積は不均一である。イオン交換ポリマーがより薄い箇所に於いて基材上の触媒堆積過程はより早く起こる。
【0016】
2)還元過程の終了後、金属触媒を含む正イオン錯体の一部はイオン交換ポリマー層に結合したままとなる。この残留錯体は電極に於けるイオン交換ポリマーのイオン伝導性を低下させ、完成された電極の電極作動パラメータに悪影響をもたらす。結合された正イオンを水洗除去することは不可能である。(強酸中での洗浄が結合されたカチオンの除去に必要であるが、このステップは工程全体をより高価なものとするであろう。)
【0017】
3)イオン交換ポリマーが基材の全領域を被覆しない場合、上述のポリマーが欠如している基材表面上で触媒堆積が優先的に起こり、間隙が生じる。この現象は、触媒機能を効果的に発揮できない大きな金属粒子の生成を引き起こす。
【0018】
様々な電極構造が知られており、更に、それらの製法、そして例えばオゾン生成用の電解機器も公知である。
【0019】
往々にして電極はグラファイトの様な多孔質基材とその基材の一側面に構築された金属触媒層を含む。触媒の薄膜層は通常スプレー被覆、圧縮成型、もしくは、引き続きの溶液の蒸発を伴う触媒含有コロイド溶液の塗付により塗布される。
【0020】
(特許文献6)「電解法に基づくオゾン生成用機器」、9 93の優先権 IPC C25V 11100に於いて、触媒を表面に含有する伝導性の多孔質基材に基づくオゾン生成用の電解機器が記述されている。圧縮成型により多孔質の表面に触媒が塗布される。
【0021】
(特許文献7)「オゾンの電気化学的生成に関する方法ならびに装置」、13.07,93の優先権, IPC C25V 9/00に於いて、金属触媒を焼結により多孔質基材表面に適用した多孔性基材を含む電極が記述されている。(特許文献8)「水の電気分解用の電極の製造」、2.03,90の優先権, IPC C25V 11/16によれば、多孔質の伝導性基材上の触媒層の形成が触媒含有溶液の塗布と、その後の蒸発により行われる。
【0022】
(特許文献9)「水の電気分解用の電極の製造」、22 90の優先権, IPC C25V 11/16に於いて、電極基材は多孔質のチタンにより構成されている。粘着性の白金を含む溶液が基材表面上に塗付される。この層は乾燥させられた後、新たな溶液が塗布され、改めて乾燥させられる。この後に白金層上に鉛触媒が塗布される。
【0023】
オゾン生成用の公知機器ならびに技術の主要な欠点は最終製品の低い収率である。これは以下により説明される。第一は電極に触媒層を構築する方法の不完全性により活性度が明らかに100%になり得ない触媒の非効率的な使用である。この事は非均一サイズの触媒粒子に帰着し、そして電極が空気に接触する箇所で幾らかの触媒が触媒中毒となる。厚い触媒層はよりコスト高となるだけであり、それ故、触媒活性を保ちどう触媒量を最適化するかは、工業技術の課題である。第二に、オゾンの収率は陽極及び陰極で於いて形成される物質が混合されることにより低下する。これを防止するため、隔膜が電解浴に挿入される。この膜は多孔性のポリマー材料よりなり、力学的に強く、反応性の高い溶液に強く、高い伝導性を有し、そして高いイオン交換選択性を有する。
【0024】
1964年に米国会社デュポンは、静電気的に結合したアルカリ金属イオン類などを環境中にある他のイオンと交換することができるスルホ基を含むカーボンテトラフロライドビニルエステル製造方法について特許を取得した。このエステルのポリマー化により、電気化学的装置用の既存の隔膜において最も効率性の高い ‐ 「ナフィオン」(ロシア類同語− MF−4SK膜)が製造された。ナフィオン膜が構築されるチャンネルクラスター構造を有するイオン交換材は極めて高い伝導性‐固体イオン電解質の特性 − を有することが発見された。(非特許文献1)。ナフィオンに於けるナトリウムイオンの拡散係数は濃縮された塩化ナトリウム溶液に基づく液体電解質の拡散係数と同等である。この事はナフィオン膜が電解槽中の液体電解質を置換できることを意味する。
【0025】
水素と酸素の固体ポリマー電気化学的製造機器は公知であり、多孔質のチタンが電極として使用され、そしてナフィオン膜(固体ポリマー電解質)が電極間に使用されている(Timonov.A.M., 非特許文献1)。水素と酸素の製造装置として知られる電解装置の作動原理は下記に述べる如くである。蒸留水が陽極領域に供給される。そして陽極の空孔を通じて蒸留水は電極とナフィオンの境界領域に供給される。この境界領域で酸素の放出を伴う水の酸化が起こる。酸素は反応領域から電極の空孔を経て除去される。ナフィオンのガス浸透性により酸素は陰極領域へ侵入することを防止され、爆発性の混合物生成が防止される。水和化されたプロトンはナフィオン膜を通り陰極へ向かい、水素ガスを発生し還元される。酸素の場合と同様に水素は陰極の空孔を通じて電流供給チャンネルへと除去される。陰極と陽極に於ける反応過程は電極/ナフィオン境界領域に細かく分散された白金と酸化イリジウム(IV)それぞれ導入することにより増長される。電極に付与された触媒の一部はナフィオン表面の多孔質チャンネルに到達する。電極上での貴金属の使用量を0.1mg per 1cm2まで削減し、電解槽の厚さをmm領域まで削減することが工業技術により可能である。この公知の機器の利点は(高純度の)医療用酸素を生成できることにある。しかしながら触媒効率に於いては、既に述べられた欠点からは逃れられない。
【0026】
同等の電極とナフィオン隔膜を用いた水素―酸素燃料電池の構成については、上述とさして変わらない。水素と酸素が燃料として使用され、電極反応は逆に進行する。生成物は水と電力である。しかしながらこれら電池の効率は50%を超えず、電圧は0.8Vである。この事実は触媒作用の低効率、ひいては反応過程の低効率によっても説明される。
【0027】
【特許文献1】
米国特許5,084,144号明細書
【特許文献2】
米国特許6,080,504号明細書
【特許文献3】
米国特許5,284,574号明細書
【特許文献4】
米国特許20020015878号明細書
【特許文献5】
米国特許6,258,239号明細書
【特許文献6】
米国特許5326444号明細書
【特許文献7】
米国特許5460705号明細書
【特許文献8】
日本特許3253590号明細書
【特許文献9】
日本特許3243784号明細書
【非特許文献1】
Timonov A.M. “固体ポリマー電解質:構造、特性、及び用途”(ロシア語)) (Sorosovskiy Obrazovatelny Zhurnal, vol.6, No. 8, 2000, pp. 69−75
【0028】
(発明の実施形態の要約)
この発明は上述の欠点を有しない触媒的に活性なガス拡散電極に関わる新規で改良された製造方法を包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
この発明に於ける一例示の形態は次に記述される。
【0030】
未処理の電極(基材上にイオンクラスターが塗付されたイオン交換ポリマーの層を有する伝導性の多孔質基材)は以下にかかる処理がなされる。初めの段階では上述ポリマーに於けるチャンネルクラスターのチャンネル壁上で、イオン交換ポリマー中のプロトンの一部は金属触媒を含む正イオンにより置換される。上述の置換はイオン交換により行われる。これを遂行するにあたり(チャンネルクラスター構造を有するイオン交換ポリマー層を有する)伝導性基材は(金属触媒の正イオンを含有する)溶液中に特定の時間保持される。拡散により、正イオンはイオン交換ポリマー層に浸透してゆく。第二の段階では、触媒的に活性ではない金属を含まない電解質溶液中で、イオン交換ポリマー層に於けるチャンネルクラスター構造内でプロトンを置換した正イオンは電気化学的に還元される。この還元過程に於いて金属触媒粒子は電極の伝導性基材上に堆積される。イオン交換ポリマー層に於けるチャンネルクラスター構造のチャンネルが基材に接触する箇所のみに於いて触媒は基材上に堆積する。
【0031】
この過程に於ける一例示の形態は、
1.イオン交換ポリマー層に於けるチャンネルクラスター構造のチャンネルが基材に接触する箇所のみに於いて触媒は基材上に堆積する。
【0032】
2.導入される金属の量は触媒金属を含む正イオン溶液の濃度と上述の溶液中にイオン交換ポリマー層を保持する時間により容易に制御可能である。
【0033】
3.触媒還元後、イオン交換ポリマーのイオン伝導性は損なわれない。触媒金属に於ける全ての正イオンは還元され、イオン交換ポリマーのチャンネルに於いてはプロトンが結合できる場所が再び提供される。
【0034】
4.この事例に於いては過度の金属触媒の消費が避けられる。
【0035】
結果として、上述の電極製造に必要とされる最小量の触媒を用い、高いイオン伝導性と高い電気化学的反応性を有する電極が作成される。10−30μmの厚さを有すイオン交換ポリマー層を有する多孔質の伝導性基材がこの方法の実施形態として使用される。
【0036】
多孔質の伝導性基材上のイオン交換ポリマーは薄いものでも良く間隙を持っても差し支えない。イオン交換ポリマー層に於けるチャンネルクラスター構造のチャンネルが基材に接触する箇所のみに於いて触媒粒子は還元される。
【0037】
イオン交換ポリマー層で被覆されていない基材領域上では触媒粒子は還元されない。
【0038】
金属触媒錯体の水溶液(錯体濃度が10-4〜5・10-2mol/lの範囲内である)を金属触媒のイオンを含有する溶液として使用する事ができる。白金族金属を含む正イオン−ハロゲンアンミン錯体を触媒金属の錯体として使用することが可能である。特に白金を含む正イオン錯体[PtEn2Cl2]2+, ルテニウムを含む正イオン錯体[RuEn2Cl2]2+, イリジウム含む正イオン錯体[IrEn2Cl2]2+,(ここでEnはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2)、そして白金を含む正イオン錯体[Pt(NH3)4Cl2]2+を用いることが可能である。
【0039】
更に上記塩濃度が10-4〜5・10-2mol/lの範囲内である場合、水溶液中の金属塩の解離による生成される正イオンを上述の金属を含有する正イオンとして使用することが可能である。イオン交換ポリマー層に於けるチャンネルクラスター構造内のチャンネルでプロトンを置換した正イオンのみが電気化学的に還元されることを可能にするため、そして白金族金属の高価な組成物の損失を防ぐため、電気化学的還元に先立ち電極を水で洗浄することができる。この洗浄の目的はイオン交換ポリマーに結合しなかった正イオンを含む水溶液中の残留物を除去することにある。電気化学的還元は触媒金属の正イオンを含有することを必要としない電解槽‐たとえば濃度0.05〜2mol/l の硫酸を含む槽−において遂行可能である。
【0040】
金属化学的還元過程が基材表面上のみで起こることを確実にするため、水素が生成(還元)されるよりもより絶対的に小さい負電圧で還元過程は行われるべきである。結合していない水素はクラスターの表面ばかりでなく、クラスター内の任意の箇所で正イオンを還元することが出来るため、水素生成を防ぐことが必要である。電気化学的還元用の槽に設置された対極と触媒が堆積する電極間に電位差が加えられる。もしも電位差が高すぎるならば水素が生成され、(イオン交換ポリマー層に於けるチャンネルクラスター構造内のチャンネルが基材に接触する箇所ばかりでなく)イオン交換ポリマーのクラスター構造内の任意の箇所で触媒金属の正イオンが還元される。
【0041】
例えば白金といった金属触媒粒子の初期堆積後、新たに生成された電極表面に於ける触媒特性の変化により水素の過電圧減少が起こりうる。この事は、電気化学的還元に加え、化学反応による水素生成と金属還元速度の増加を引き起こす。もしも速度の増加が好ましくないならば−たとえば貴金属の使用量を節約する必要がある場合−電圧の減少は水素生成を止める。
【0042】
もし製造される電極が疎水性の伝導性多孔質基材(例えば燃料電池)を必要とするならば、15−200 mA/cm2の陽極電流密度有効値を有する直流もしくはパルス電流、20−95℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で電気化学的還元反応をすることが望ましい。
【0043】
もし製造される電極が疎水性の伝導性多孔質基材(例えば電解機器用の電極)を必要としないならば、0.5−2 A/cm2の陽極電流密度有効値を有する直流もしくはパルス電流、20−95℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で電気化学的還元反応は好ましく遂行される。
【0044】
触媒活性度を増加し、高価な触媒材料の使用を減少することが目標であるならば、電極製造において異種金属からなる複数堆積層を用いることが可能である。
【0045】
多孔性の伝導性基材上に異種金属からなる複数堆積層を構築するにあたり、第一の金属が電気化学的反応により堆積された後、異種金属触媒を含む正イオンが、イオン交換ポリマー層に於けるチャンネルクラスター構造内のチャンネルでのプロトンの一部を置換し、その後に異種金属の電気化学的反応が順を追っておこなわれる。
【0046】
とりわけ初めに白金が基材上に堆積され次にイリジウムが堆積される。この場合、白金を含有する正イオンとして正イオン錯体[PtEn2Cl2]2+、イリジウムを含有する正イオンとして正イオン錯体[IrEn2Cl2]2+が使用される。Enはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2である。白金粒子を初めに還元した後、鉛粒子を還元することも可能であり、またその逆の順で二種の金属を還元することも可能である。この場合上述の白金イオン錯体[PtEn2Cl2]2+が初めに還元される。15−200 mA/cm2の陽極電流密度、20−95℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で白金の電気化学的還元反応を遂行するのが望ましい。硝酸鉛(II)もしくは酢酸鉛(II)が水溶液内に於いて解離することにより生成される正イオンが鉛イオンとして使用される。そして鉛の電気化学的還元は10−300 mA/cm2の陽極電流密度、20−95℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で行われる。
【0047】
更にこの発明の形態は、電極の構成が上述の欠陥を持たず、低活性効率、及びに電極/電解質境界領域での高い接触抵抗の問題の無いものの製造を目指し、そしてこの電極を有する高性能の電解機器を製造することに目指している。
【0048】
この発明原理に係る電気化学反応用の電極は、多孔質の伝導性基材、上述の基材表面上に形成され、クラスター構造を有するイオン交換ポリマー層、そしてイオン交換ポリマー層に於けるチャンネルクラスター内のチャンネルと接合された上述の基材の上に生成された金属触媒粒子を含む。
【0049】
炭素もしくはチタニウムを電極の多孔質の伝導性基材として使用することが可能である。
【0050】
イオン交換膜層は、例えば、固体ポリマー電解質、とりわけカーボンテトラフロライドポリマー「ナフィオン」より構築することが可能である。イオン交換膜層の厚さは10−30μmとすることが出来る。
【0051】
触媒粒子として白金、イリジウム、ルテニウムといった白金族金属を用いることが可能である。
【0052】
金属触媒の組成は重量比1:5−1:15の範囲で白金―イリジウム、白金―鉛といった異種金属の組み合わせとすることが可能である。この重量比のもと、異種金属を触媒層に非選択的に配置することが可能である。もしくは白金層上の鉛層という様に異種金属層を重ね合わせることが出来る。
【0053】
電極製造の一例示は次の段階を含む。
【0054】
チャンネルクラスター構造を有するイオン交換膜ポリマーの層は多孔質の伝導性基材の上に構築される。チャンネルクラスター構造を有するイオン交換膜ポリマーの層は二つの方法で作成できる。
【0055】
第一の方法は有機溶媒中に分散されたオリゴマーのコロイド液体の層を付与するものである。例えばイソプロパノールに分散されたオリゴマーのコロイド溶液は多孔質の伝導性基材の上に付与され、後にイオン交換膜のポリマー層が生成されるまで加熱される。イオン交換膜ポリマー層を得るにあたり、ナフィオンが用いられる場合には、オリゴマーが8−12%の重量濃度であるアイソプロパノール溶液が基材に付与される。そしてオリゴマーのコロイド溶液が付与された基材の熱処理は70−1000Cの温度、1−1.5時間の条件下でおこなわれる。
【0056】
第二の方法は有機溶媒中に分散されたポリマーのコロイド液体の層を付与するものである。後にチャンネルクラスター構造を有するイオン交換膜のポリマー層が生成されるまで加熱により乾燥される。イオン交換膜ポリマー層を得るにあたりナフィオンが用いられる場合、ポリマーを含むコロイド溶液の乾燥は80−1000Cの温度、0.8−1.5時間の熱処理でおこなわれる。
【0057】
電極の反応領域において触媒の固定、すなわち触媒層の生成がなされる。この目的のため、一種もしくは複数異種の金属がイオン交換によりチャンネルクラスター構造内のチャンネルに導入される。これらの金属は、イオン交換膜のチャンネルクラスター構造内のチャンネルが基材に結合するところの基材表面上で電気化学的に還元され、金属触媒粒子を生成する。一種もしくは複数異種の金属による複数層触媒を形成するにあたり、上述の触媒層形成の過程が連続的におこなわれる。
【0058】
イオン交換性能(触媒として使用される正金属イオンを含む膜の飽和)は、膜層が付与された基材を触媒金属として導入される正イオン錯体(もしくは金属塩)を含む水溶液に浸すことで影響を受ける。この基材を溶液にさらす条件(液体に於ける金属錯体もしくは金属塩の濃度、そしてさらす期間)は電極における金属触媒の所望の表面濃度により定められる。
【0059】
例えば、[PtEn2Cl2]2+は正イオン錯体として使用できる。ここでEnはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2である。白金の電気化学的還元は0.5−1A/cm2の電流密度範囲、70−900Cの温度、1−2時間の反応期間という条件下で行われる。ルテニウム、イリジウム、白金族金属の混合物、もしくは1:5−1:15の重量比である白金と鉛の混合物を触媒として導入する際の条件も同様である。触媒層内において異種金属粒子は非選択的に配置される。例えば白金と鉛という異種金属が触媒組成物として配置されるならば、電極上に於いて、後者の触媒(すなわち鉛)粒子が前者の触媒(すなわち白金)粒子上に存在することが必要であり、触媒は順次に電極中に導入される。すなわち触媒層形成における上述の過程は順次に繰り返される。この目的のため、白金正イオンが、イオン交換により、イオン交換膜のチャンネルクラスター構造内のチャンネルに導入される。次にこの白金正イオンは、イオン交換膜のチャンネルクラスター構造内のチャンネルが基材に結合するところの多孔質の基材表面上で電気化学的に還元され、白金金属触媒粒子を生成する。
【0060】
更に鉛正イオンが、イオン交換により、イオン交換膜のチャンネルクラスター構造内のチャンネルに導入される。そして電気化学的に還元され、初めの触媒―白金粒子の表面上に鉛金属粒子が堆積される。
【0061】
[PtEn2Cl2]2+が最初の金属触媒を得るための正イオン錯体として使用される。白金の電気化学的還元は0.5−1A/cm2の電流密度、70−90℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で行われる。
【0062】
鉛については水溶性の硝酸塩が使用可能である。鉛の電気化学的還元は0.1−0.3A/cm2の電流密度範囲、1−2時間の反応期間という条件下で行われる。
【0063】
もしも白金族もしくはルテニウムの金属触媒層の順次形成が適用されるならば、工程は以下に記すごとくである。例えば初めの触媒として白金が使用され、イリジウムが第二の触媒として使用されるならば、白金正イオン導入中に上述の白金触媒をえるため、初めに白金錯体[PtEn2Cl2]2+がイオン交換に用いられる。ここでEnはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2である。白金の電気化学的還元は0.5−1 A/cm2の電流密度範囲、70−90℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で行われる。一方イリジウム正イオン導入中に上述のイリジウム触媒をえるため、次にイリジウム錯体[IrEn2Cl2]2+がイオン交換に用いられる。ここでEnはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2である。イリジウムの電気化学的還元は0.5−1A/cm2の電流密度、70−90℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で行われる。白金族における他の金属同士の組み合わせ、または白金族とルテニウムの組み合わせに関し、複数層を得るための条件は類似である。
【0064】
この発明に係る電解装置は以下のものを含む。いずれかが上記発明形体による多孔質の伝導性基材である陽極と陰極、上述基材上に作成されるチャンネルクラスター構造のイオン交換膜ポリマー層、基材がイオン交換膜のチャンネルクラスター構造内のチャンネルに結合するところで多孔質の基材表面上に固定された金属触媒粒子。また電解機器は陽極と陰極間に設置された、チャンネルクラスター構造を有するイオン交換ポリマーからなる上述の隔膜を含む。
【0065】
陽極と陰極に於けるイオン交換膜層は隔膜に結合している。
【0066】
例示的な電解装置は原理的に同じ触媒層を有する陽極と陰極を含む。
【0067】
隔膜層の厚さは100μmを超えるべきではない。電極におけるイオン交換膜と陽極−陰極分離のための膜は同じ材料を使うことができる。とりわけカーボンテトラフロリド、ナフィオンから成る固体電解ポリマーを使用できる。
【0068】
この発明に関する利点は次に述べる如くである。
−−−基材表面上に於いて安定なnmサイズの触媒が得られる: 錯体の化学的還元反応が隔膜層のチャンネル内に局在化している事実により粒子の大きさと安定性がもたらされる。
−−−触媒粒子と電極基材間に於ける安定した接触。これは触媒生成における電気化学的方法の使用により成される。
−−−隔膜のチャンネルクラスター構造中で生成される触媒の量の最適化。還元されるべき金属イオンはまさに電気化学的反応が起こる箇所に存在している。
−−−触媒生成は反応性の高い金属粒子が触媒を汚染する可能性がある空気及び物質に接触していない箇所でおこなわれる事実による触媒の効率的使用。
−−−電解機器にてこの電極形態を使用するに当たって二つの均一な材料が電極/電解質境界領域で結合されることにより、低い接触抵抗が保証される。電極の化学修飾は触媒局在化、触媒量、そして活性度の最適化をもたらし、さらに組成と構造が均一である電極表面層材料と固体電解質(隔膜)間の接触領域における低い接触抵抗により高性能の電解機器がもたらされる。
【0069】
本電極の顕著な特徴として、独特のチャンネルクラスター構造を持つイオン交換膜ポリマーの表面層、触媒組成、電気化学的反応領域における触媒の局在化(すなわち基材と表面層(膜)が結合されている箇所)が挙げられる。
【0070】
この方法の顕著な特徴として、電極膜表面層を作成するにあたっての段階過程と条件、さらに触媒、の導入と局在化、触媒組成、そして膜特性が挙げられる。
【0071】
この電解機器の顕著な特徴として、独特の陽極と陰極、電解質、化学修飾された電極と電解質の結合が挙げられる。
【0072】
ここで請求される発明は次に於ける図により描写されている。
【0073】
(この発明にかかる例示的形態に関する詳細な記述)
多孔質の伝導性基材1とチャンネルクラスター構造を有するイオン交換ポリマー層2から成り、層2が電極といった上述基材に付与されたものから成るガス拡散電極(図1)がフィールセル、水の電気分解、そしてオゾン生成という様々な用途に使用される。多孔質の炭素もしくは多孔質のチタンが多孔質の伝導性基材として使用可能である。
【0074】
電極の適用目的によっては、多孔質の伝導性基材が疎水性であることが要求される場合がある。これは、例えば、基材材料中に撥水剤を導入することにより達成される。
【0075】
E.I. DuPont de Nemours and Company Corporation により所有される商標Nafion として販売されている炭化弗素ポリマーがイオン交換ポリマーとして使用可能である。 電極の効果的な作動を確実にするため、多孔質の伝導性基材がイオン交換ポリマー層におけるチャンネルで接触する領域で金属触媒のnmサイズ粒子が存在するべきである。一般的に、本発明に係る方法は以下に記述されるごとく形態化される。凡そ10−30μmの厚みであるイオン交換ポリマー層を有する多孔質の伝導性基材からなる未処理電極は最初に触媒金属の正イオンを有する溶液中に浸される。触媒金属錯体もしくは触媒金属塩を溶液中で溶かすことにより触媒金属の正イオンが生成される。正イオンは電解質中に拡散してゆきイオン交換ポリマーのチャンネル内に浸透してゆく。そしてこの正イオンはイオン交換によりイオン交換ポリマー(のチャンネル)内にあるプロトンを置換する。次にプロトンを置換したイオン交換ポリマーのチャンネル内にある正イオンは電気化学的に還元される。これらの正イオンのみが還元されるのを確実にするため、触媒金属の正イオンを含まない溶液中で還元が遂行される。例えば、酸性溶液の槽で還元をおこなうことが出来る。イオン交換とプロトン置換によってイオン交換ポリマーに結合されなかった正イオン−基材、ポリマー層、チャンネルに残留したものを含む−を除去するため、ポリマー層と基材は還元前に水で洗浄可能である。正イオンの電気化学的還元の結果、基材がイオン交換ポリマーのチャンネルクラスター構造に於けるチャンネルに接触する箇所において、触媒金属のnmサイズ粒子が堆積する(図2)。白金族金属(特に、白金、ルテニウム、イリジウム、鉛)を触媒金属として使用できる。
【0076】
この電気化学的還元過程が基材表面のみで起こることを確実にするため、水素が生成(還元)されるよりも低くはない電圧でこの還元過程は行われるべきである。遊離された水素は基材表面のみならず、クラスター構造内の任意箇所で正イオンを還元する能力を有するため、水素ガスの生成を防止する必要がある。水素生成を防止する条件下で、次の正イオン錯体が触媒還元用のものとして適している。白金錯体[PtEn2Cl2]Cl2、ルテニウム錯体[RuEn2Cl2]Cl2、イリジウム錯体[IrEn2Cl2]Cl2。ここでEnはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2である。白金錯体[Pt(NH3)4Cl2]Cl2、そして鉛の水和イオン。
【0077】
例1 多孔質の疎水性伝導性基材を有するガス拡散電極の製造。
【0078】
疎水性基材とイオン交換ポリマーから成る未処理電極が、以下の錯体の一つを含む水溶液中に置かれる。:白金錯体[PtEn2Cl2]Cl2、ルテニウム錯体[RuEn2Cl2]Cl2、イリジウム錯体[IrEn2Cl2]Cl2、あるいは白金錯体[Pt(NH3)4Cl2]Cl2。濃度は10-4〜5・10-2mol/lの領域である。所望される粒子の大きさに応じて、上記溶液中に数分から25時間にわたる期間に未処理電極が置かれた後、電極は蒸留水で洗浄されるべきである。液体電解質もしくは固体電解質に於いて触媒粒子の電気化学的還元がおこなわれる。液体電解質(例えば、濃度0.05−2mol/Lの硫酸)内で還元が行われる場合、電解質を有する電解槽が用いられ、未処理電極と対極が浸される。硫酸溶液に加え、塩、例えば同等の濃度を有する硫酸ナトリウム、の水溶液を使用することができる。
【0079】
固体ポリマー電解質から成る槽内で還元を行うに際し、プロトン交換ポリマー(例えば、ナフィオン)で作られた膜により仕切られた未処理電極と対極を有する槽が使用される。直流もしくはパルス電流を用い、電気化学的還元は行われる。電流密度の有効値範囲15−200mA/cm2、20−95℃の温度、1−12時間の反応期間という条件である。
【0080】
以下に述べる触媒装填を有し、ここに提唱された技術により作られた水素−酸素燃料電池に於ける触媒の比活性度を図4に示す。
【0081】
陽極−プラチナム量0.01mg/cm2、陰極−プラチナム量0.03mg/cm2。基材は厚さ0.5mmの炭素布であり、その上に炭素と撥水剤からなるガス拡散層が圧着された。撥水剤の使用量は陰極で10%、陽極で15%である。未処理電極上に5%のナフィオン溶液がスプレー被覆された。そして70℃で一時間乾燥された。ナフィオンの厚さは陰極で15μm、陽極で30μmであった。
【0082】
次に未処理の電極は0.001Mの錯体[PtEn2Cl2]Cl2溶液中に置かれた。陽極については20分、陰極については60分である。還元は二段階に行われた。最初の段階では200mA/cm2の電流が陽極に2時間、陰極に4時間与えられた。第二段階では電流は50mA/cm2に減少され、陽極に2時間、陰極に6時間電流が与えられた。
【0083】
例一に於ける別の形態は次のことを含む。8−12重量%のオリゴマーが含まれる有機溶剤のコロイド溶液が多孔質の炭素もしくはチタンから成る多孔質の伝導性基材上に塗付される。例えば、8.6重量%範囲のオリゴマーが含まれるイソプロパノール溶液0.2mLが多孔質の炭素もしくはチタンの表面1cm2に途付される。
【0084】
そしてコロイド溶液が塗付された基材は基材の多孔質表面上にチャンネルクラスター構造を有するイオン交換膜ポリマー層が形成されるまで加熱される。上述の加熱は温度70−100℃、1−1.5時間の条件でおこなわれる。熱処理後に形成される膜の厚みは10−30μmの範囲内である。形成された膜は基材に強い粘着を特徴とする。
【0085】
イオン交換膜のポリマー層はポリマーのコロイド溶液の塗付、そしてこの溶液の乾燥により作成することが可能である。
【0086】
ポリマーを含むコロイド溶液の乾燥は温度30−100℃、0.8−1.5時間の条件でおこなわれる。形成された膜は基材に強い粘着を特徴とする。
【0087】
電極製造過程に於ける次の過程では、イオン交換膜層におけるチャンネルクラスター構造内のチャンネルに正イオン錯体を導入することが含まれる。例えば白金とイリジウムに基づく正イオン錯体の混合物を導入することが可能である。
【0088】
基材上に白金触媒を堆積する目的で[PtEn2Cl2]2+が正イオン錯体として使用される。濃度10-3mol/Lの[PtEn2Cl2]2+水溶液中にある膜内に正イオン錯体が導入される。金属触媒の最終濃度は膜を有する電極が白金錯体溶液中にある期間により決定され、その期間は20分から3時間である。例えば、白金触媒の表面濃度10-5g/cm2を得るには、膜層を有する基材を上述の溶液に一時間保持することが必要である。
【0089】
白金の電気化学的還元は、電流密度範囲0.5−1A/cm2、70−90℃の温度、1−2時間の反応期間という条件でおこなわれる。
【0090】
正イオン錯体導入と電気化学的還元は数回にわたり繰り返すことが可能である。
【0091】
例2.疎水性ではない多孔質伝導性基材を有するガス拡散電極の製造。
【0092】
基材とイオン交換ポリマー層からなる未処理の電極は例一で記述されているうちの一種の錯体水溶液中に置かれる。例一に述べた方法で、イオン交換ポリマーにおけるチャンネルクラスター構造内の壁にあるプロトンは錯体正イオンで置換される。
【0093】
触媒粒子の電気化学的還元は直流もしくはパルス電流を用い液体電解質中でおこなわれる。20−95℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で電流密度の有効的な値の範囲は0.5−2A/cm2である。図5に、ここで記述された技術により製造された電極を有する電解機器の電圧―電流特性を示す。曲線1は陰極における白金触媒表面濃度が10μg/cm2、陽極における触媒表面濃度が20μg/cm2である場合に得られたものである。曲線2は陰極における白金触媒表面濃度が20μg/cm2、陽極における触媒表面濃度が40μg/cm2である場合に得られたものである。曲線3は陰極における白金触媒表面濃度が40μg/cm2、陽極における触媒表面濃度が80μg/cm2である場合に得られたものである。イオン交換ポリマー層の厚さは100μmであった。触媒の少ない装填を有する電極を使用することで、低電位において満足のいく電解電流密度が得られることが図よりわかる。
【0094】
多孔質のチタン板が電極として使用された。5%ナフィオン溶液のスプレー被覆により、イオン交換ポリマー層が未処理の電極上に付与された。次にこの溶液は温度70℃のもと一時間乾燥された。次にこの電極は濃度0.001Mの錯体[PtEn2Cl2]Cl2溶液中に15分(10μg/cm2の表面濃度)、30分(20μg/cm2の表面濃度)、60分(40μg/cm2の表面濃度)、120分(80μg/cm2の表面濃度)で保持された。還元は電流1A/cm2、を一時間、35℃で行った。
【0095】
白金と鉛触媒層が複数層に配列されているガス拡散電極の製造。
【0096】
触媒粒子は二種もしくはそれ以上の金属を含むことが出来る。
【0097】
図3に白金粒子5と鉛粒子6を含む触媒を示す。この場合、白金と鉛の重量比は1:5−1:15の範囲である。また触媒粒子5と6は、イオン交換膜層2に於けるチャンネルクラスター構造内のチャンネル3が伝導性基材1と接触する箇所で電気的接触をもたらす。
【0098】
白金粒子を基材上に付与する過程は、例2で記述されたものと類似である。硝酸鉛(II)塩水溶液中の鉛正イオンが次の段階で使用された。
【0099】
nmサイズの鉛結晶粒子の電気化学的還元が、電流密度10−300mA/cm2、20−95℃の温度範囲、1−2時間の反応期間という条件でおこなわれた。
【0100】
電気化学的オゾン生成器用の電極がここで述べられた請求にもとづき作成された。白金触媒の陰極への装填は0.01mg/cm2であった。
【0101】
陽極は二層の触媒を用いて作成された。基材に隣接している層は白金であり、装填量は0.01mg/cm2であった。白金層上に形成される層は鉛であり、装填量は0.05mg/cm2であった。
【0102】
電極の作成と層の付着は例2に記述されたものに同じである。未処理の正極が一時間の間0.2MのPb(NO3)2水溶液中におかれた。有効電流密度が100mA/cm2の電流を二時間加えることで表面密度50μg/cm2の鉛が還元された。電極が電解機器陽極として用いられる場合、鉛から二酸化鉛(IV)への酸化がおこなわれた。電流密度150mA/cm2、一時間の酸化条件で、二酸化鉛 PbO2の触媒層が電極表面に作られた。ナフィオン117でつくられた膜がオゾン生成機器の電極間に設置された。電極と膜から構成される機器は7cm2の有効面積を有し、電流2A、電圧4V、水の流率2L/minの条件下で水中のオゾン濃度が0.5mg/L以上であるオゾンを生成した。
【0103】
白金金属の還元後、例3に係る別の形態として次のことが行われる。初めに鉛正イオンPb2+が、この目的に係るイオン交換法−例えば20分から2時間の期間0.2mLのPb(NO3)2の水溶液を用いることによる正イオン導入−を用いポリマーのチャンネルクラスター構造内に導入される。そして電極表面上で触媒正イオンの電気化学的還元がおこなわれる。そしてこの還元により、表面濃度が10-5〜10-4g/cm2であるnmサイズの鉛金属が堆積される。電流密度0.1A/cm2のオーダーで、およそ二時間にわたり還元が電解槽内でおこなわれる。
【0104】
電解機器の形態
電解機器の構成が図6に示される。オゾン生成機器は水の供給とガスの除去を目的とした格子状要素8を有する二つの板7を持つ。板7は陰極9と陽極10を共に挟み込むことにより保持し、それらの電極間には隔膜11が設置される。この隔膜は例えばナフィオンといった固体電解質ポリマーである。陰極9と陽極10の表面上にイオン交換膜2の層があり、それらの層は隔膜11に向き合っている。イオン交換ポリマー膜2の層は金属触媒の運搬媒介として作用する。
【0105】
オゾン生成を目的とする上述電解機器の構成に係る特別な特徴として、陰極9と陽極10の間における間隔は100μmを超過しないことにあり、これにより電極領域内で強電場を発生することが可能である。この電場強度はコロナ放電によるオゾン生成の条件と同等である。この強電場は酸素内の結合を弱め、オゾン生成効率を高める。
【0106】
それ故、他のオゾン生成機器の構成と比較した場合、ここで提示される機器の構成はより高い収率を得ることが可能である。この発明に係る電極の使用により室温における(電流効率として)オゾンの効率は1%であり、触媒を併用するに当たっては室温における(電流効率として)オゾンの効率は4−5%である。
【0107】
ここで開示された発明の実用的履行は上述に与えられた特定の例により制限を受けない。図は必ずしも正しい縮尺で描かれていない。この本発明の思想と見地からそれること無く、他の、そして、更なる調整、改善、変更が可能である。材料の選択は標準的なものであり、業界では良く知られたものである。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】電極構造を示す。1:多孔質の伝導性基材、2:イオン交換ポリマー層。
【図2】一種の物質からなる触媒を有する電極の部分を概略的に示す。3:イオン交換ポリマー層におけるチャンネルクラスター構造内のチャンネル、4:触媒のnmサイズ粒子。
【図3】二種物質の粒子からなる触媒を有する電極の部分を概略的に示す。これは異種の層が順次に付着されたものである。5:一種触媒のnmサイズ粒子、6:他触媒のnmサイズ粒子。
【図4】ここで公示された電極の触媒活性度の特徴を示す。
【図5】ここで公示された方法により製造された電極をふくむ電解機器の例示的形態について電圧―電流特性を示す。
【図6】この発明原理を有用するオゾン生成電解機器の構成を示す。
Claims (60)
- 多孔質の伝導性基材、上述の基材上に付与されチャンネルクラスター構造を有するイオン交換ポリマー膜、上記イオン交換ポリマー膜に於けるチャンネルクラスター構造内のチャンネルが金属触媒粒子に結合した部位で、さらにその粒子が基材に結合している金属触媒粒子より構成される電極。
- 請求項1に於いて、多孔質の伝導性材料が炭素材料からなる電極。
- 請求項1に於いて、多孔質の伝導性材料がチタン材料からなる電極。
- 請求項1に於いて、イオン交換膜が固体電解質ポリマーからなる電極。
- 請求項4に於いて、固体電解質ポリマーが四弗化炭素、ナフィオンからなる電極。
- 請求項4に於いて、固体電解質ポリマーがMF−4SKからなる電極。
- 請求項1に於いて、イオン交換膜層の厚さが凡そ10−30μmである電極。
- 請求項1に於いて、触媒金属粒子が白金、イリジウム、ルテニウムといった白金族金属を含む電極。
- 請求項1に於いて、触媒金属粒子が異種の白金族金属を含む電極。
- 請求項9に於いて、異種金属粒子が触媒層に非選択的に分布された電極。
- 請求項9に於いて、一種の金属からなる層と他の金属からなる層が交互に配列され複数の触媒層を形成する形態で異種金属の触媒層が構成された電極。
- 請求項1に於いて、金属触媒が1:5−1:15の重量比で白金と鉛を含む電極。
- 請求項12に於いて、白金と鉛が触媒層内で非選択的に分布された電極。
- 請求項12に於いて、白金粒子からなる層と鉛粒子からなる層が交互に現れる複数触媒層の形態で白金粒子と鉛粒子からなる触媒層が構成された電極。
- 多孔質の伝導性基材;基材に付与され、チャンネルクラスター構造を有するイオン交換ポリマー膜の層;上記イオン交換ポリマー膜に於けるチャンネルクラスター構造内のチャンネルが金属触媒粒子に結合した部位で、さらにその粒子が基材に結合している金属触媒粒子;多孔質の伝導性基材上にチャンネルクラスターを有するイオン交換ポリマー膜層を形成する方法で、後にイオン交換法によりイオン交換膜層におけるチャンネルクラスター構造内のチャンネルに1種もしくは複数の異種金属の正イオンを導入することで触媒層が作成され、さらにイオン交換膜層のチャンネルクラスターにおけるチャンネルが基材と結合する箇所に於ける多孔質伝導性基材上の金属粒子を生成する目的で正イオンの還元がおこなわれた後で、さらに1種もしく少なくとも異なる2種金属から成る複数の触媒層を得るために複数回繰り返される触媒層の生成過程;からなる電気化学的反応用の電極製造方法。
- 請求項15に於いて、有機溶媒中のオリゴマーからなるコロイド溶液の層を多孔質の伝導性基材に付与し、さらにその層をチャンネルクラスター構造を有するイオン交換膜の層が形成されるまで加熱することにより、チャンネルクラスター構造を有するイオン交換ポリマー膜層をつくる方法。
- 請求項16に於いて、8−12重量%であるナフィオンオリゴマーのイソプロパノールコロイド溶液が使用され、そのコロイド溶液が塗付された基材が15時間にわたり温度70−100℃で加熱される方法。
- 請求項15に於いて、有機溶媒中のポリマーからなるコロイド溶液の層を多孔質の伝導性基材に付与し、さらにその層をチャンネルクラスター構造を有するイオン交換膜の層が形成されるまで加熱乾燥することにより、チャンネルクラスター構造を有するイオン交換ポリマー膜層をつくる方法。
- 請求項18に於いて、ナフィオンポリマーのコロイド溶液がポリマーとして使用され、そのコロイド溶液からなる層が0.8−1.5時間にわたり温度30−100℃で乾燥される方法。
- 請求項15に於いて、少なくとも一つの金属が触媒として選択された金属塩もしくは錯体の水溶液中で、膜層が付与された基材を保持することにより、触媒層の形成中にイオン交換が行われる方法。
- 請求項20に於いて、金属錯体が白金錯体[PtEn2Cl2]2+に代表される方法。ここでEnはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2である。
- 請求項20に於いて、金属錯体がルテニウム錯体[RuEn2Cl2]2+に代表される方法。ここでEnはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2である。
- 請求項20に於いて、金属錯体がイリジウム錯体[IrEn2Cl2]2+に代表される方法。ここでEnはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2である。
- 請求項20に於いて、金属錯体が白金錯体[PtEn2Cl2]2+とイリジウム錯体[IrEn2Cl2]2+の混合物に代表される方法。ここでEnはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2である。
- 請求項20に於いて、金属錯体と金属塩が白金錯体[PtEn2Cl2]2+と硝酸鉛によりそれぞれ代表される方法。ここでEnはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2である。
- 請求項15に於いて、触媒層の形成を目的として白金正イオンが導入される場合、白金が、電流密度0.5−1A/cm2、70−90℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で電気化学的に還元される方法。
- 請求項15に於いて、触媒層の形成を目的としてルテニウム正イオンが導入される場合、ルテニウムが、電流密度0.5−1A/cm2、70−90℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で電気化学的に還元される方法。
- 請求項15に於いて、触媒層の形成を目的としてイリジウム正イオンが導入される場合、イリジウムが、電流密度0.5−1A/cm2、70−90℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で電気化学的に還元される方法。請求項15に於いて、白金―鉛が混合された触媒層の形成を目的として白金と鉛正イオンが導入される場合、白金と鉛が、電流密度0.5−1A/cm2、70−90℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で電気化学的に還元される方法。
- 請求項15に於いて、白金―イリジウムが混合された触媒層の形成を目的として白金とイリジウム正イオンが導入される場合、白金とイリジウムが、電流密度0.5−1A/cm2、70−90℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で電気化学的に還元される方法。
- 請求項15に於いて、異種金属より触媒層が順次に作られる場合、白金が第一の触媒、鉛が第二の触媒として用いられる方法。
- 請求項30に於いて、上述における第一の触媒作成のための白金正イオンの導入過程において、白金錯体[PtEn2Cl2]2+(Enはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2)が用いられ、電流密度0.5−1A/cm2、70−90℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で白金正イオンが電気化学的に還元され、一方、上述における第二の触媒作成のため鉛正イオンの導入過程において、硝酸鉛が用いられ、電流密度0.1−0.3A/cm2、20−95℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で鉛正イオンが電気化学的に還元される方法。
- 請求項15に於いて、異種金属より触媒層が順次に形成される場合、第一の触媒金属として白金が用いられ、第二の触媒金属としてイリジウムが用いられる方法。
- 請求項32に於いて、上述における第一の触媒作成のための白金正イオンの導入過程において、白金錯体[PtEn2Cl2]2+(Enはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2)が用いられ、電流密度0.5−1A/cm2、70−90℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で白金正イオンが電気化学的に還元され、一方、上述における第二の触媒作成のためイリジウム正イオンの導入過程において、イリジウム錯体[IrEn2Cl2]2+(Enはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2)が用いられ、電流密度0.1−1A/cm2、70−90℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下でイリジウム正イオンが電気化学的に還元される方法。
- 二つの電極(陽極と陰極)を有し、それらの電極は請求項1−14に拠り作成され、それら電極が以下の要素を有する電解機器。(i)多孔質の伝導性基材、(ii) 上記基材上に生成されたチャンネルクラスター構造を有するイオン交換膜ポリマーの層、(iii)基材がイオン交換膜ポリマー層に於けるチャンネルクラスター構造内のチャンネルに出会う箇所に結合した金属触媒粒子。そして更に陽極と陰極間に設置された隔膜、チャンネルクラスター構造を有するイオン交換ポリマー材より構成される隔膜、陽極と陰極が隔膜に結合する表面上に形成されるイオン交換膜の層。
- 請求項34に於いて、陽極と陰極が同一の触媒層を有する電解機器。
- 請求項34に於いて、隔膜の厚さが100μmを超えない電解機器。
- 請求項34に於いて、陽極と陰極上に於いて使用されるイオン交換膜と隔膜が同一の材料−固体電解質ポリマー、とりわけ四弗化炭素 ナフィオン―により構成される電解機器。
- イオン交換ポリマー層が付着された多孔質の伝導性基材を有するガス拡散電極の製造に係り、次の過程を有する方法。上述ポリマーにおけるチャンネルクラスター構造内でチャンネル内に存在するプロトンの、触媒金属正イオンによる部分的置換 (この置換はイオン交換による。)。そしてイオン交換ポリマー膜に於いてチャンネルクラスター構造のチャンネル内でプロトンを置換した正イオンの電気化学的還元、そこでは基材がイオン交換ポリマー層におけるチャンネルクラスター構造内でのチャンネルと接触してる。
- 請求項38に於いて、厚さ10−30μmのイオン交換ポリマー層を有する基材が使用される方法。
- 請求項38に於いて、金属触媒の正イオン錯体が、金属触媒の正イオンとして使用される方法。
- 請求項40に於いて、金属触媒錯体の水溶液濃度が10-4〜5・10-2mol/lである方法。
- 請求項40に於いて、白金族のハロゲンーアミン錯体が上記の触媒金属錯体として使用される方法。
- 請求項42に於いて、白金錯体[PtEn2Cl2]2+(Enはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2)が白金族のハロゲンーアミン錯体として使用される方法。
- 請求項42に於いて、ルテニウム錯体[RuEn2Cl2]2+(Enはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2)が白金族のハロゲンーアミン錯体として使用される方法。
- 請求項42に於いて、イリジウム錯体[IrEn2Cl2]2+(Enはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2)が白金族のハロゲンーアミン錯体として使用される方法。
- 請求項42に於いて、白金錯体[Pt(NH3)4Cl2]2+ が白金族のハロゲンーアミン錯体として使用される方法。
- 請求項38に於いて、触媒金属塩水溶液の解離により生成される正イオンが金属触媒の正イオンとして使用される方法。
- 請求項47に於いて、触媒金属塩の水溶液濃度が10-4〜5・10-2mol/lの領域である方法。
- 請求項38に於いて、上述の電気化学的還元に先立ち、イオン交換ポリマー層を有する電極が水中で洗浄される方法。
- 請求項38に於いて、電解槽の電解質が触媒金属正イオンを含まない電解槽内で電気化学的還元が行われる方法。
- 請求項50に於いて、濃度0.05−2 mol/Lの硫酸を含む槽内で電気化学的還元が行われる方法。
- 請求項38に於いて、水素生成を引き起こす電位差よりも少ない電位差で電気化学的還元が行われる方法。
- 請求項38に於いて、基材が疎水性である場合、直流もしくはパルス電流の有効電流密度15−200 mA/cm2、20−95℃の温度、1−2時間の反応期間という条件下で電気化学的還元が行われる方法。
- 請求項38に於いて、上述基材としての材料が疎水性を有しない場合、直流もしくはパルス電流の陰極有効電流密度範囲0.5−2A/cm2、20−95℃の温度範囲、1−2時間の反応期間という条件下で電気化学的還元が行われる方法。
- 請求項38に於いて、第1種の金属粒子の還元後、チャンネルクラスター構造に於けるチャンネル内で、イオン交換ポリマーに結合しているプロトンの一部が第2種の金属触媒を含む正イオンで置換され、更にそれらの正イオンが第2種の金属触媒に還元される方法。
- 請求項55に於いて、先ず白金が上述の基材上に堆積され、後にその白金上にイリジウムが堆積される方法。
- 請求項56に於いて、白金錯体[PtEn2Cl2]2+(Enはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2)が白金正イオンとして使用され、イリジウム錯体[IrEn2Cl2]2+(Enはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2)がイリジウム正イオンとして使用される方法。
- 請求項55に於いて、先ず白金が上述の基材上に堆積され、後にその白金上に鉛が堆積される方法。逆も同様である。
- 請求項58に於いて、白金錯体[PtEn2Cl2]2+(Enはエチレンジアミン NH2−CH2−CH2−NH2)が白金正イオンとして使用され、そして直流もしくはパルス電流の有効電流密度範囲15−200mA/cm2、20−95℃の温度範囲と、1−2時間の反応期間という条件下で電気化学的還元が行われ、そして硝酸鉛(II)もしくは酢酸鉛(II)の水溶液の解離による正イオンが鉛正イオンとして使用され、さらに直流もしくはパルス電流の有効電流密度範囲15−300mA/cm2、20−95℃の温度範囲、1−2時間の反応期間という条件下で電気化学的還元が行われる方法。
- 請求項1に於いて作成される製品。
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