JP3649085B2 - 燃料電池用触媒およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池用電極およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子電解質型燃料電池は、パーフルオロカーボンスルフォン酸膜等の陽イオン交換膜を電解質とし、このイオン交換膜の両面にアノードとカソードの各電極を接合して構成され、アノードに水素、カソードに酸素を供給して電気化学反応により発電する装置である。各電極で生じる電気化学反応を下記に示す。
【0003】
アノード:H2→2H++2e-
カソード:1/2O2+2H++2e-→H2O
全反応: H2+1/2O2→H2O
この反応式から明らかなように、各電極の反応は、活物質であるガス(水素または酸素)、プロトン(H+)および電子(e-)の授受が同時におこなうことができる三相界面でのみ進行する。
【0004】
このような機能を有する電極としては、固体高分子電解質である陽イオン交換樹脂とカーボン粒子と触媒金属とを含む固体高分子電解質−触媒複合電極がある。このような陽イオン交換樹脂−触媒複合電極の構造の例を図12に示す。図12において、101は陽イオン交換樹脂、102は触媒金属が坦持されたカーボン粒子、103は細孔、104はイオン交換膜である。
【0005】
図12に示されるように、触媒金属が担持されたカーボン粒子102と陽イオン交換樹脂101とが混ざり合ってこれらが三次元に分布するとともに、内部に複数の細孔103が形成された多孔性の電極であって、触媒の担体であるカーボンが電子伝導チャンネルを形成し、陽イオン交換樹脂がプロトン伝導チャンネルを形成し、細孔が、酸素または水素および生成物である水の供給排出チャンネルを形成するものである。
【0006】
そして電極内にこれら3つのチャンネルが三次元的に広がり、ガス、プロトン(H+)および電子(e-)の授受を同時におこなうことのできる三相界面が無数に形成されて、電極反応の場が提供されている。
【0007】
従来、このような構造を有する電極は、カーボン粒子担体に白金などの触媒金属を高分散に担持させた触媒担持カーボン粒子とPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)粒子分散溶液とよりなるペーストを高分子フィルムや導電性多孔質体のカーボン電極基材上に製膜(一般に膜厚3〜30μm)して加熱乾燥した後、陽イオン交換樹脂溶液をこの上から塗布、含浸後、乾燥させる方法により作製されていた。
【0008】
なお、陽イオン交換樹脂溶液としては、先に述べたイオン交換膜と同じ組成からなるものをアルコールで溶解し、液状にしたものが、PTFE粒子分散溶液としては、粒子径約0.23μmのPTFE粒子の分散溶液が用いられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
現在、車載用および家庭用という巨大な市場に裏付けされて大ブームとなっているPEFCも、その基本性能は満足するレベルに近づいているといわれるが、やはりコスト高という問題を抱えており、この問題の解決なくしてはPEFCの実用化はありえない。
【0010】
現在のPEFCのコストは、2kwあたり5,000〜10,000ドルといわれている。しかし、たとえば車載用PEFCの場合、内燃機関に対抗して本格的に普及するためには、システム全体で50ドル、PEFC本体では30ドル以下でなくてはならない。 PEFCは作動温度が低いために、触媒として高価な白金などの白金族金属を用いる必要があり、その使用量は1kwあたり約2gにもなる。
【0011】
PEFCのその他の主な構成材料であるイオン交換膜やバイポーラプレートはPEFCの量産化によりそのコストは大きく下がることが期待されが、白金などの白金族金属のコストは量産効果が期待できないばかりか、PEFCの普及により需要が大幅に増えてかえって高騰することが考えられる。つまり、PEFCの実用化のためには、触媒金属担持量の大幅な低減が必須である。
【0012】
しかし、PEFCが上記に説明したような製造方法により作製された電極では、カーボンに担持された触媒金属の利用率が低く、例えばわずかに10%程度であることが報告されている(Edson A.Ticianelli,J.Electroanal. Chem.,251,275(1988)参照)。
【0013】
この触媒金属の利用率が低い要因は、つぎの二つがある。まず一つが、あらかじめ白金等の触媒金属を担持させたカーボン粒子とPTFE粒子とよりなる分散層に陽イオン交換樹脂溶液を含浸する際に、ある一定の粘度を有している陽イオン交換樹脂溶液が、カーボン粒子集合体の凹部の深部までは浸透せず、カーボン粒子集合体の深部で三相界面が形成されないことによる。そのため、カーボン集合体の深部に位置するカーボン粒子表面の触媒金属は電極反応に関与することなく触媒金属の利用率の低下を招いているのである。
【0014】
もう一つは、これまでの製造方法が、触媒としてあらかじめカーボン粒子に白金等の触媒金属を用いていることにある。すなわち、例えばH.L. Yeager等の報告(J.Electrochem.Soc.,128,1880,(1981)) および、小久見等の報告( J.Electrochem.Soc.,132,2601(1985))にも記載されているように、陽イオン交換樹脂の構造をミクロ的にとらえると、プロトンはもちろん、反応活物質であるガス(水素または酸素)およびカソードの生成物である水は、陽イオン交換樹脂の親水性の交換基とその対イオンとが水とともに集合したクラスターと呼ばれるプロトン伝導経路を移動し、テフロンなどからなる骨格部である疎水性の部分は移動経路となり得ない。つまり、マクロ的には陽イオン交換樹脂と触媒金属が接しているても、骨格部である疎水性の部分に接している触媒金属は電極反応に有効に働かないのである。
【0015】
このため、本発明者は、燃料電池電極としての反応の進行する三相界面は、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボン粒子表面との接面のみに存在すると考え、陽イオン交換樹脂とカーボン粒子との位置関係と、陽イオン交換樹脂内のプロトン伝導経路に対する触媒金属の位置関係と分布状態とを検討する必要がある事が分かったのである。
【0016】
つまり、従来の電極の製造方法は、先に説明したように、あらかじめカーボン粒子に白金等の触媒金属を担持させた後、そのカーボン粒子と陽イオン交換樹脂とを混合する方法を用いており、陽イオン交換樹脂がカーボン粒子全体を覆い、そして、あらかじめカーボンに担持した白金等の触媒金属が偶然に陽イオン交換樹脂内のプロトン伝導経路に接することを期待しているために、触媒金属の利用率が低いと帰結することができる。
【0017】
図13は従来の電極の陽イオン交換樹脂と接触したカーボン粒子の表層の状態を示す概念図である。図13において、111はカーボン粒子、112は陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路、113は陽イオン交換樹脂のテフロン骨格部、114、115および116は触媒金属である。
【0018】
従来の電極では、例えばこの図13に示すように、触媒金属114、115、116が担持されカーボン粒子111の表層をプロトン伝導経路112とテフロン骨格部113よりなる陽イオン交換樹脂がその一部を被覆している。ここで、陽イオン交換樹脂で被覆されていない触媒金属116は、当然電極反応に関与することなく触媒金属の利用率の低下を招いている。
【0019】
さらに、陽イオン交換樹脂で被覆されている触媒金属114、115のうち、触媒金属115は、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路112に位置しているために触媒として有効に作用するが、触媒金属114は、陽イオン交換樹脂のテフロン骨格部113に位置しているために触媒として有効に作用せず、やはり触媒金属の利用率の低下を招いている。
【0020】
また、Aの領域は、三相界面が形成されている領域ではあるが、触媒金属が存在しない領域であって、触媒金属が担持されていないために反応に関与しない領域となっていると考えられる。この三相界面Aの存在は電極の活性の低下を招いているのである。
【0021】
以上に鑑み、本発明は、新規な触媒を用いることで、電極のミクロ的三相界面の構造を改善し、燃料電池用電極の触媒利用率を改善することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料電池用複合触媒は、カーボン粒子表面に陽イオン交換樹脂と触媒金属とを備え、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に接するカーボン粒子の表面に担持された触媒金属量が全触媒金属担持量の50wt%を越え、陽イオン交換樹脂がカーボン粒子に対して25〜35wt%であることを特徴とする。さらに好ましくはその陽イオン交換樹脂が多孔性であることを特徴とする。
【0023】
また本発明は、上記燃料電池用複合触媒において、触媒金属が白金族金属または/および白金族金属の合金を含むことを特徴とする。
【0024】
本発明の燃料電池用複合触媒の製造方法は、カーボン粒子表面に陽イオン交換樹脂を備えた混合体を得る第1の工程と、その陽イオン交換樹脂の対イオンと触媒金属元素を含む陽イオンとのイオン交換反応により、触媒金属元素を含む陽イオンを陽イオン交換樹脂に吸着させる第2の工程と、第2の工程で得られた混合体を洗浄する第3の工程と、第2の工程で吸着した触媒金属元素を含む陽イオンを化学的に還元する第4の工程とを経ることを特徴とする。
【0025】
また本発明は、上記燃料電池用複合触媒の製造方法の第1の工程が、溶媒に陽イオン交換樹脂を溶解した溶液にカーボン粒子を浸漬する工程であることを特徴とする。
【0026】
さらに本発明は、上記燃料電池用複合触媒の製造方法の第1の工程が、溶媒に陽イオン交換樹脂を溶解した溶液にカーボン粒子を浸漬してカーボン粒子に陽イオン交換樹脂溶液を含ませた後に、陽イオン交換樹脂を相分離させる工程であることを特徴とする。
また本発明は、上記燃料電池用複合触媒の製造方法において、陽イオンが白金族金属の錯イオンであることを特徴とし、さらに陽イオンが白金族金属のアンミン錯イオンであることを特徴とする。
【0027】
さらに本発明は、上記燃料電池用複合触媒の製造方法の第4の工程において、触媒金属元素を含む陽イオンを水素ガスまたは水素混合ガスによって還元することを特徴とする。
【0029】
さらに本発明の燃料電池用電極は、上記燃料電池用複合触媒、または上記の方法により製造された燃料電池用複合触媒を含むことを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の燃料電池用複合触媒の構造について、図を参照しながら以下に説明する。図2〜図6は、本発明に係る燃料電池用複合触媒の外観構造例をマクロ的に示す模式図である。これらの図に示されるように、本発明に係る燃料電池用複合触媒はカーボン粒子21、31、41、51、61表面に、陽イオン交換樹脂22、32、42、52、62を備えている。また、33、43、63は陽イオン交換樹脂に備えた孔である。
【0031】
そして、本発明に係る燃料電池用複合触媒は、図2〜図4のように陽イオン交換樹脂がカーボン粒子個々の表面に備えられていてもよいし、図5〜図6のように二次粒子を形成したカーボン粒子の表面に備えられていてもよい。そして、陽イオン交換樹脂は、図3、図4、図6のように多孔性の構造であることが、三相界面近傍へのガスの拡散が良好となり好ましい。
【0032】
さらに、図7は本発明による燃料電池用複合触媒の陽イオン交換樹脂と接触したカーボン粒子の表層のミクロ的にみた状態を示す概念図である。図7において、71はカーボン粒子、72は陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路、73は陽イオン交換樹脂のテフロン骨格部、75は触媒金属である。
【0033】
本発明の燃料電池用複合触媒は、カーボン粒子71の表層をプロトン伝導経路72とテフロン骨格部73よりなる陽イオン交換樹脂が被覆し、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路72に接するカーボン粒子71の表面に触媒金属粒子75が主として担持された構造を有するものである。さらに、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に接するカーボン粒子の表面に担持された触媒金属量が全触媒金属担持量の50wt%を越えることを特徴とする。
【0034】
ここで、本発明においては、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に接するカーボン粒子表面に担持された触媒金属量の全触媒金属担持量に対する割合は高いほど好ましく、特に80wt%を超えていることが好ましい。
【0035】
ここで、発明者は、本発明の複合触媒において、プロトン伝導経路72とテフロン骨格部73よりなる陽イオン交換樹脂は、カーボン粒子71に対して10〜60wt%であることが好ましく、さらに25〜35%であることが好ましいことを見出した。この理由を、図8〜図10を用いて説明する。
【0036】
図8〜図10は、本発明になる燃料電池用複合触媒の外観構造例を示す模式図である。図8〜図10において、81はカーボン粒子を、82はカーボン粒子に担持された触媒金属を、83は陽イオン交換樹脂を示す。
まず、図10に示したように、カーボン表面にカーボン粒子に対して35wt%以上の陽イオン交換樹脂を備えるた複合触媒は、分厚い陽イオン交換樹脂層がカーボン粒子を覆っている。そのため、その複合触媒を用いた電極では、カーボン粒子間に陽イオン交換樹脂が介在して、カーボン粒子同士の電子伝導性が低く、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に接するカーボン粒子表面に担持された触媒金属のなかに、電極反応時に電子を授受できないものが急激に増え、触媒金属の利用率が低下する。この傾向は60wt%以上になるとさらに著しい。
【0037】
つぎに、図8に示したように、カーボン粒子表面にカーボン粒子に対して25wt%以下の陽イオン交換樹脂を備えるた複合触媒は、陽イオン交換樹脂量が少ないために、カーボン粒子表面を陽イオン交換樹脂が一様に覆うことができない。そのために、カーボン粒子間の陽イオン交換樹脂が連続しないために、複合触媒間のプロトン伝導性が低く、電極反応時にプロトンを授受できないものが急激に増え、触媒金属の利用率が低下する。この傾向は10wt%以下になるとさらに著しい。
【0038】
そして、図9に示したように、カーボン粒子表面にカーボン粒子に対して10〜60wt%さらに好ましくは、25〜35wt%以下の陽イオン交換樹脂を備えるた本発明の複合触媒は、電子伝導性とプロトン伝導性をバランスよく備えているために、それを用いた電極の触媒金属利用率が著しく高い。そのために、電極細部にまで均一にプロトン伝導経路と電子伝導経路とが形成される。
【0039】
さらに、本発明によれば、例えば上記のように、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に接するカーボン粒子表面に担持された触媒金属量が全触媒金属担持量の50wt%を超えているため、カーボン粒子表層に形成された三相界面に多くの触媒が担持され、非常に活性な燃料電池用電極の提供できる。
【0040】
ここで、本発明では、上記の陽イオン交換樹脂が多孔性であることが好ましく、そのよう本発明の複合触媒を用いて電極を製作した際には、先に述べたプロトン伝導経路と電子伝導経路とともに、電極深部にまで微細孔が均一に分布してガス拡散経路が形成される。このため、そのような本発明に係る燃料電池用複合触媒を用いた触媒層は、触媒利用率が著しく高くなり、高出力な燃料電池を提供できる。
【0041】
なお、本発明に係る燃料電池用複合触媒の触媒金属は、電気化学的な酸素の還元反応、水素の酸化反応に対する触媒活性が高いものが選択され、そのため触媒金属元素を含む陽イオンとしては、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、オスニウムなどの白金族金属およびその合金などの触媒金属を用いることができる。とくに、微量の一酸化炭素を含む水素ガスを燃料ガスとする際には、白金とルテニウムとの合金の触媒金属が好ましい。
【0042】
さらに、触媒金属には触媒活性が大きくなる適当な大きさがあり、この観点から上記陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に接するカーボン粒子表面に担持された触媒金属の平均の大きさは7オングストロームから40オングストロームの範囲にあるのが好ましい。なお、K.Kinoshita等の研究(J.Electrochem.Soc.,137,845(1990)) では、酸素の還元反応に対して活性の高い白金の粒径は7〜40オングストローム程度であることが報告されており、触媒金属の平均の大きさが7〜40オングストロームであることがさらに好ましい。
【0043】
カーボン粒子は、カーボンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、活性炭などが好ましく、特にカーボンブラックは触媒金属が高分散することから好ましい。
【0044】
また、陽イオン交換樹脂としては、パーフルオロカーボンスルフォン酸型またはスチレン−ジビニルベンゼン系のスルフォン酸型陽イオン交換樹脂が好ましい。
【0045】
そして、カーボン粒子表面の陽イオン交換樹脂の担持量は、多すぎるとカーボン粒子表面に形成される陽イオン交換樹脂の被服層が分厚くなり、カーボン粒子表面に形成された三相界面に十分な反応ガスが供給されなくなる。そのために、カーボン粒子表面の陽イオン交換樹脂の担持量の上限は、カーボン粒子に対して60wt%以下であることが好ましく、さらに好ましくは35wt%以下であることがさらに好ましくい。そして、十分なプロトン伝導性が得られるように、カーボン粒子表面の陽イオン交換樹脂の担持量の下限は、カーボン粒子に対して10wt%以上であることが好ましく、さらに好ましくは25wt%以上であることがさらに好ましくい。
【0046】
また、陽イオン交換樹脂を有孔性とすると、そのよう複合触媒を用いて電極を製作した際には、電極深部にまで微細孔が分布して高活性となるために好ましい。そして、その有孔性樹脂の多孔度は、三相界面に十分な反応物となるガスが供給されるように、20%以上、さらに好ましくは45%以上であることが好ましく、その孔径は、カーボン粒子径の10%以上、40%以下であることが好ましい。
【0047】
さらに、T.D. Gierke等の研究(J.Membrane Sci.,13,307(1983)) にもあるように陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路であるクラスターの直径は40オングストローム程度であり、このことから上記接触面に担持される触媒金属は粒状で、その平均の大きさは40オングストローム以下であるのが効率的で好ましい。
【0048】
このような本発明の燃料電池用複合触媒は、例えば、カーボン粒子表面に陽イオン交換樹脂を備えた混合体を得る第1の工程と、その陽イオン交換樹脂の対イオンと触媒金属元素を含む陽イオンとのイオン交換反応により、触媒金属元素を含む陽イオンを陽イオン交換樹脂に吸着させる第2の工程と、第2の工程で得られた混合体を洗浄する第3の工程と、第2の工程で吸着した触媒金属元素を含む陽イオンを化学的に還元する第3の工程とを経ることを特徴とする本発明の燃料電池用複合触媒の製造方法を用いることによって製造できる。
【0049】
カーボン粒子表面に陽イオン交換樹脂を備える第1の工程は、陽イオン交換樹脂を溶媒に溶解した溶液にカーボン粒子を浸漬する方法や、陽イオン交換樹脂溶液とカーボン粒子とを混練する方法、またはカーボン粒子に陽イオン交換樹脂溶液をカーボン粒子散布する方法などがあるが、陽イオン交換樹脂溶液にカーボン粒子を浸漬する工程を含む製造方法がとくに好ましい。
【0050】
また、それらの工程のあと、陽イオン交換樹脂溶液とカーボン粒子との混合液を濾過して、余分な陽イオン交換樹脂溶液を取り除く工程を含む製造方法が好ましい。さらに、この濾過工程のあとに、陽イオン交換樹脂溶液を含んだカーボン粒子を乾燥する工程を含む製造方法が好ましい。
【0051】
ここで、浸漬などの工程から乾燥工程までを繰り返すことによって、または用いる陽イオン交換樹脂溶液の濃度によってカーボン粒子の表面に備えられた陽イオン交換樹脂の担持量を調整し、10〜60wt%、さらに好ましくは25〜35wt%にすることができる。
【0052】
カーボン粒子の形態は、粉末状態でも、カーボン粒子が集電体に凝集した状態でも良いが、粉末状態であることが望ましい。
【0053】
また、カーボン粒子の表面が均一に陽イオン交換樹脂で被覆されることが望ましいため、カーボン粒子粒子の細孔内およびカーボン粒子に陽イオン交換樹脂溶液が均一に保持される必要がある。たとえば、陽イオン交換樹脂溶液の粘度が高いときは、カーボン粒子粒子の細孔内およびカーボン粒子粒子間に陽イオン交換樹脂溶液が浸入しにくいため、カーボン粒子の表面が均一に陽イオン交換樹脂で被覆されない。
【0054】
カーボン粒子表面に陽イオン交換樹脂を備える第1の工程では、陽イオン交換樹脂溶液の濃度を2.5wt%以下にすることが好ましく、さらに陽イオン交換樹脂溶液の濃度を1.5wt%以下とすることが好ましい。
【0055】
また、第1の圧力雰囲気に陽イオン交換樹脂溶液とカーボン粒子との混合物を置き、この後第1の圧力雰囲気をこれより大きな圧力を有する第2の圧力雰囲気とする工程を経る方法は、カーボン粒子の細孔部にまで陽イオン交換樹脂が備えられるために好ましく、特に、第1の圧力雰囲気で陽イオン交換樹脂溶液にカーボン粒子を浸漬し、この後第1の圧力雰囲気をこれより大きな圧力を有する第2の圧力雰囲気とする工程を経ることにより、上記陽イオン交換樹脂溶液をカーボン粒子に担持させる方法が好ましい。
【0056】
例えば、圧力50Torr以下の雰囲気、好ましく圧力1Torr以下で陽イオン交換樹脂溶液にカーボン粒子を浸漬し、この後大気圧に戻す工程を含む製造方法が好ましい。
【0057】
さらに、陽イオン交換樹脂溶液とカーボン粒子とを攪拌、振動または流動させる工程を含む製造方法等が望ましい。
【0058】
また、第1の工程が、溶媒に陽イオン交換樹脂を溶解した溶液にカーボン粒子を浸漬してカーボン粒子に陽イオン交換樹脂溶液を含ませた後に、陽イオン交換樹脂を相分離させると、カーボン粒子表面に備えられた陽イオン交換樹脂が多孔性となり、好ましい。
【0059】
ここで、第1の工程において、カーボン粒子に含まれる陽イオン交換樹脂溶液から、陽イオン交換樹脂樹脂を相分離させる方法としては、加熱または冷却による溶媒の陽イオン交換樹脂に対する溶解度変化、溶媒を蒸発させることによる陽イオン交換樹脂溶液中の陽イオン交換樹脂の濃度変化を利用する方法などが挙げられる。
【0060】
例えば、溶解度変化を利用する方法として、低温において陽イオン交換樹脂が溶媒に溶解しにくく、温度を上昇させた場合に溶解しやすいような陽イオン交換樹脂と溶媒との組み合せにおいて、温度を上昇させて陽イオン交換樹脂を溶媒に完全に溶解させた溶液をカーボン粒子に含ませた後、そのカーボン粒子の温度を下げていくと、陽イオン交換溶液中で陽イオン交換樹脂と溶媒とが分離する。さらに、溶媒を除去することによって多孔性の陽イオン交換樹脂が表面に備えられたカーボン粒子が得られる。
【0061】
また、溶媒抽出法を用いることによっても多孔性陽イオン交換樹脂が表面に備えられたカーボン粒子が得られる。これは、陽イオン交換樹脂を溶解した溶液をカーボン粒子に含ませた後、このカーボン粒子を、前記陽イオン交換樹脂に対して不溶性で、かつ溶媒と相溶性のある非溶媒に浸漬し、溶液中の溶媒を抽出して、多孔性陽イオン交換樹脂が表面に備えられたカーボン粒子を得るものである。
【0062】
本発明の製造方法において用いられる陽イオン交換樹脂溶液は、陽イオン交換樹脂を溶媒に溶解した溶液、乳濁液または懸濁液であるが、陽イオン交換樹脂をアルコールを含む溶液に溶解した溶液が粘土が低く、とくに好ましい。
【0063】
陽イオン交換樹脂としては、パーフルオロカーボンスルフォン酸型またはスチレン−ジビニルベンゼン系のスルフォン酸型陽イオン交換樹脂が好ましい。そして、溶媒はメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールあるいは2−ブタノールなどの炭素数が4以下のアルコールあるいは水もしくはこれらを混合物を用いることが好ましい。
【0064】
また、上述の溶媒抽出法により、カーボン粒子に含まれた陽イオン交換樹脂を多孔化する際に用いる陽イオン交換樹脂に対して不溶性で、かつ溶媒と相溶性のある非溶媒としては、アルコール性水酸基以外の極性基を有する有機溶媒が好ましく、分子内にアルコキシカルボニル基を有する炭素鎖の炭素数が1〜7の有機溶媒、たとえば、ぎ酸プロピル、ぎ酸ブチル、ぎ酸イソブチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸アリル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、酪酸エチル、イソ酪酸エチル、メタクリル酸メチル、酪酸プロピル、イソ酪酸イソプロピル、酢酸2−エトキシエチル、酢酸2−(2エトキシエトキシ)エチル等の単独若しくは混合物、又は分子内にエーテル結合を有する炭素鎖の炭素数が3〜5の有機溶媒、たとえば、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン等の単独若しくは混合物、又は分子内にカルボニル基を有する炭素鎖の炭素数が4〜8の有機溶媒、たとえば、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルヘキシルケトン、ジプロピルケトン等の単独若しくは混合物、又は分子内にアミノ基を有する炭素鎖の炭素数が1〜5の有機溶媒、たとえば、イソプロピルアミン、イソブチルアミン、ターシャルブチルアミン、イソペンチルアミン、ジエチルアミン等の単独若しくは混合物、又は分子内にカルボキシル基を有する炭素鎖の炭素数が1〜6の有機溶媒、たとえば、プロピオン酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプタン酸等の単独若しくは混合物、又はこれらの組み合わせから得られるものを用いることができる。そして、緻密で三次元に連通した孔を有する陽イオン交換樹脂が得られることより、非溶媒としてはエステルを用いることが好ましい。
【0065】
本発明の製造方法では、第2工程と第3工程と第4工程とをおこなった後、さらに第2工程と第3工程と第4工程とを1回以上繰り返すことで、最初に担持された触媒金属を核としてさらに触媒金属を成長させることが可能であり、任意の大きさの触媒金属を担持させることができる。したがって、本発明によれば、第2工程と第3工程と第4工程との回数を考慮することで、7〜40オングストロームの大きさを持つ高活性な触媒金属を担持した燃料電池用電極の作製が可能となる。
【0066】
本発明の、カーボン粒子表面の陽イオン交換樹脂の対イオンと触媒金属元素を含む陽イオンとのイオン交換反応により、触媒金属元素を含む陽イオンを陽イオン交換樹脂に吸着させる第2の工程と、第2の工程で得られた混合体を洗浄する第3の工程と、第2の工程で吸着した触媒金属元素を含む陽イオンを化学的に還元する第4の工程は、陽イオン交換樹脂の対イオンと触媒金属元素を含む陽イオンとのイオン交換反応により、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に優先的に触媒金属元素を含む陽イオンを吸着させることが可能であること、その吸着した触媒金属元素を含む陽イオンを還元して触媒金属を生成することが可能であること、さらに、カーボン粒子が上記触媒金属元素を含む陽イオンの還元反応に触媒活性を示すことに着目することでなされたものであり、上記本発明の複合触媒に限らず他の構造の複合触媒の製造方法としても用いることのできるものである。
【0067】
本発明の製造方法において用いられる触媒金属元素を含む陽イオンは、その陽イオンが還元されることで触媒金属となることが可能な陽イオンであって、その触媒金属は触媒として機能すればその形状等はとくに問わないが、触媒金属元素を含む陽イオンは例えば還元により触媒金属粒子が生成されるものを用いる。
【0068】
触媒金属の種類としては、電気化学的な酸素の還元反応、水素の酸化反応に対する触媒活性が高いものが選択され、そのため触媒金属元素を含む陽イオンとしては白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、オスニウムなどの白金族金属元素を含む陽イオンを用いるのが良い。
【0069】
また、触媒金属元素を含む陽イオンの形態はその吸着特性に大きくかかわり、本発明に用いる触媒金属元素を含む陽イオンは、陽イオン交換樹脂が被覆されずに露出しているカーボン表面には吸着し難く、陽イオン交換樹脂の対イオンとのイオン交換反応により陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に優先的に吸着することが好ましく、たとえばそのような吸着特性を持つ白金族金属の錯イオン、とくに[Pt(NH3)4]2+または[Pt(NH3)6]4+などとあらわすことができる白金のアンミン錯イオンが好ましく、なかでも白金の2価のアンミン錯イオンが好ましい。
【0070】
カーボン粒子の表面に備えた陽イオン交換樹脂の交換基の対イオンと触媒金属元素を含む陽イオンとのイオン交換反応により、触媒金属元素を含む陽イオンを陽イオン交換樹脂に吸着させる第2の工程は、例えば、水溶液中またはアルコールを含む溶液中で触媒金属元素を含む陽イオンを生成する触媒金属化合物を水またはアルコール水溶液などに溶解し、表面に陽イオン交換樹脂を備えたカーボン粒子をその水溶液中に浸漬させることでなされる。
【0071】
また、ここで、水溶液中またはアルコールを含む溶液中で触媒金属元素を含む陽イオンを生成する触媒金属化合物を用いる場合、いくつかの触媒金属化合物の混合溶液を用いても良い。
【0072】
例えば、 白金の化合物とルテニウムの化合物とを混ぜた水溶液を用いることで、吸着工程で白金を含む陽イオンとルテニウムを含む陽イオンとが陽イオン交換樹脂の対イオンとのイオン交換反応により同時に陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に吸着するために、つぎの還元工程により、白金−ルテニウム合金の形成が期待できる。
【0073】
また、上記で述べた吸着工程で用いる水溶液中またはアルコールを含む溶液中で触媒金属元素を含む陽イオンを生成する触媒金属化合物は、生成される触媒金属元素を含む陽イオンが、陽イオン交換樹脂が被覆せずに露出しているカーボン表面には吸着し難く、陽イオン交換樹脂の対イオンとのイオン交換反応により陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に優先的に吸着することが好ましく、たとえば白金族金属の錯体、とくに[Pt(NH3)4]X2または[Pt(NH3)6]X4(Xは1価の陰イオン)などとあらわすことができるアンミン錯体が好ましく、Xが塩素であることが好ましい。なかでも白金の2価のアンミン錯体、とくにテトラアンミン白金(II)塩化物([Pt(NH3)4]Cl2・nH2O)がとくに好ましい。
【0074】
また、用意された陽イオン交換樹脂を備えるカーボン粒子に、その陽イオン交換樹脂の対イオンと触媒金属元素を含む陽イオンとのイオン交換反応により、触媒金属元素を含む陽イオンを陽イオン交換樹脂に吸着させた後、その触媒金属元素を含む陽イオンを化学的に還元する第4の工程には、量産に適した還元剤を用いる化学的な還元方法が好ましく、水素ガスまたは水素含有ガスによって気相還元する方法またはヒドラジンを含む不活性ガスによって気相還元する方法が好ましいが、とくに、水素ガスまたは水素含有ガスによって気相還元する方法は、ヒドラジンを用いる方法に比べて毒性、安全性および材料コストの面で好ましい。
【0075】
触媒金属元素を含む陽イオンを化学的に還元する第4の工程において、陽イオン交換樹脂単体に含まれる触媒金属元素を含む陽イオンが還元される温度よりも低い温度で還元することにより、カーボン粒子が触媒金属元素を含む陽イオンの還元反応に対して触媒活性を示すため、カーボン粒子表面近傍の触媒金属元素を含む陽イオンが、陽イオン交換樹脂中の触媒金属元素を含む陽イオンに比べて優先的に還元される。
【0076】
そこで、還元剤の種類、還元圧力、還元剤濃度、還元時間、還元温度を適時調整し、カーボン粒子表面の触媒金属元素を含む陽イオンが、陽イオン交換樹脂中の触媒金属元素を含む陽イオンに比べてより優先的に還元されるようにし、具体的には陽イオン交換樹脂単体に含まれる触媒金属元素を含む陽イオンが還元される温度よりも低い温度で還元して、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に接するカーボン粒子表面に担持された触媒金属量が全触媒金属担持量の50wt%を越えるようにするのが良い。
【0077】
例えば、還元剤として水素を用い、その還元温度を調整することでカーボン粒子表面の触媒金属元素を含む陽イオンが陽イオン交換樹脂中の触媒金属元素を含む陽イオンに比べて優先的に還元されるようにし、主としてカーボン粒子と固体高分子電解質との接触面に触媒金属が還元生成されるようにすることができる。
【0078】
パーフルオロカーボンスルフォン酸型陽イオン交換樹脂膜中に吸着した白金アンミン錯イオン[Pt(NH3)4]2+の水素による還元温度は約300℃で(境哲男,大阪工業技術試験所季報、36,10(1985))あるが、交換基を修飾したカーボン粒子(Denka Black,Denka Black, Valcan XC−72, Black Peal 2000等)の表面に吸着した[Pt(NH3)4]2+ のそれは、180℃であることが報告されている(K. Amine, M. Mizuhata, K. Oguro, H.Takenaka,J. Chem. Soc. Faraday Trans., 91, 4451(1995))。
【0079】
つまり、カーボン粒子としてたとえばValcan XC−72を用い、触媒原料化合物として[Pt(NH3)4]Cl2を用い、陽イオン交換樹脂とカーボン粒子とを含む混合体をその[Pt(NH3)4]Cl2の水溶液に浸漬させて、陽イオン交換樹脂の対イオン(H+)とのイオン交換反応により、[Pt(NH3)4]2+を陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に吸着させた後、水素ガスによりその混合体を180℃で還元することで、カーボン粒子表面に陽イオン交換樹脂と触媒金属とを備えた複合触媒であって、触媒金属(白金)が陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に接するカーボン粒子の表面に主に担持されたことを特徴とする燃料電池用複合触媒の作製が可能となる。
このように、適当な触媒金属元素を含む陽イオンとカーボン粒子との組み合わせを選択して、たとえば水素ガスによる還元温度を制御することで、カーボン粒子表面に陽イオン交換樹脂と触媒金属とを備えた複合触媒であって、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に接するカーボン粒子表面に担持された触媒金属量が、全触媒金属担持量の50wt%を越えることを特徴とする燃料電池用電極の作製が可能となる。
ここで、水素による還元温度は、陽イオン交換樹脂を劣化させないために、その分解温度より低いことが好ましく、さらに好ましくは、そのガラス転移温度より低いことが望ましい。よって、カーボン粒子と触媒原料との選択は、水素ガスによる触媒原料の還元温度が固体高分子電解質の分解温度または、ガラス転移温度より低くなるように組み合わせることが好ましい。
【0080】
燃料電池用電極で、一般に用いられている陽イオン交換樹脂はパーフルオロカーボンスルフォン酸型であり、その分解温度は280℃であり、それより低い温度で還元することで、電極内の陽イオン交換樹脂の劣化を押さえることができる。そのため、200℃以下の還元温度とすることが好ましい。
【0081】
また、還元されずに、陽イオン交換樹脂内にとどまった触媒原料化合物は、水素ガスによる還元後、希硫酸などの酸性水溶液に触媒を浸漬することで、抽出することができる。
【0082】
本発明に係る燃料電池用電極は、上述の燃料電池用複合触媒を含むことを特徴とし、さらに必要に応じては、製作の際には従来どおりイオン交換樹脂または/およびPTFE粒子を加えても良い。この電極は、カーボン粒子にプロトン伝導性があらかじめ付与されており、電極内のプロトン伝導性が高いことはもちろん、触媒金属の利用率が高いことから高出力な燃料電池を提供できる。
【0083】
【実施例】
以下、本発明を好適な実施例を用いて説明する.
[実施例1]
陽イオン交換樹脂(アルドリッチ社製、ナフィオン5wt%溶液をエタノールで3倍に希釈)とカーボン粒子(Valcan XC―72)とを混錬して、吸引ろ過した後、窒素雰囲気中で60℃、2時間乾燥し、カーボン粒子の表面に陽イオン交換樹脂を備えた。
【0084】
この工程後、陽イオン交換樹脂を備えたカーボン粒子重量を測定して陽イオン交換樹脂のカーボンに対する担持量(wt%)を求めた。そして、陽イオン交換樹脂の担持量が5、10、20、30、35、40、50、60wt%となるように、工程を繰り返した。
【0085】
ひきつづき、上記配合量の異なる陽イオン交換樹脂を備えるカーボン粒子の混合体を50mmol/lの[Pt(NH3)4]Cl2水溶液中に2日間浸漬し、イオン交換反応により陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に[Pt(NH3)4]2+を優先的に吸着させた後、精製水で充分洗浄・乾燥後、1気圧、180℃の水素雰囲気中で約4時間還元して、カーボン粒子に備えられた白金を陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に接するカーボン粒子表面に優先的に担持した。
【0086】
つぎに、それを0.2mol/lの硫酸に3時間浸漬して還元工程で還元されなかった不要な[Pt(NH3)4]2+を溶出して実施例の複合触媒Aを得た。
【0087】
そして、その複合触媒Aのカーボン粒子に対して15wt%のPTFEが混入されるようにPTFE粒子分散溶液(三井デュポンフロロケミカル社製、テフロン30J)を加えて十分混合した後、撥水性を付与した導電性多孔質体のカーボン電極基材(0.5mm)上に塗布して、窒素雰囲気中で120℃、1Hr乾燥して燃料電池用電極Aを得た。
【0088】
この実施例の電極Aをホットプレス(140℃)にてイオン交換膜(デュポン社製、ナフィオン、膜厚約50μm)の両面にそれぞれ接合して電極接合体を得た。つぎに、各接合体を、電極接合後燃料電池の単セルホルダーに組んでセルAを得た。
【0089】
この陽イオン交換樹脂量の異なる電極Aの水素の吸着・脱離挙動をサイクリックボルタンメトリ法を用いて測定した。上記セルの電極の一方を作用極、他方を対象極として、26℃にて加湿したアルゴンガスと水素ガスをそれぞれ30cc/min流し、50〜1000mV/RHE、100mV/secにて作用極の電位を掃印した。測定は26℃一定にておこなった。RHE電位は、開回路時の参照極に対する対象極の電位とした。
【0090】
そして、ナフィオンの配合比の異なる電極Aの白金担持量あたりの電気化学的に活性な表面積をサイクリックボルタモグラムの水素の脱離電気量と別途おこなった化学分析による白金量とから求めて、カーボン粒子表面に備えられた陽イオン交換樹脂の配合比と電気化学的に活性な表面積との関係を得た。その結果を図11に示した。
図11より、カーボン粒子表面に備えられた陽イオン交換樹脂が、カーボン粒子に対して10〜60wt%のとき、さらに好ましくは25〜35wt%のときに、白金担持量あたりの電気化学的に活性な表面積は著しく高いことがわかった。すなわち、この範囲において白金の利用率が飛躍的に高いことがわかった。このようの結果は、別のカーボンブラックを用いても同様の結果が得られた。
【0091】
ここで、別途行った分析により、陽イオン交換樹脂のカーボン粒子に対する担持量が30wt%の複合触媒を用いて製作した電極Aに担持された白金量は、約0.04mg/cm2であることが確認されている。
【0092】
[実施例2]
陽イオン交換樹脂(アルドリッチ社製、ナフィオン5wt%溶液をエタノールで3倍に希釈)とカーボン粒子(Valcan XC―72)とを混錬して、吸引ろ過した後、ただちに、酢酸ブチルに20分浸漬した。それをそ窒素雰囲気中で60℃、2時間乾燥し、カーボン粒子の表面に多孔性の陽イオン交換樹脂を備えた。この工程後、陽イオン交換樹脂を備えたカーボン粒子重量を測定して陽イオン交換樹脂のカーボンに対する担持量(wt%)を求めた。そして、陽イオン交換樹脂の担持量が30wt%となるように、多孔性の陽イオン交換樹脂をカーボン粒子表面に備える工程を繰り返した。
【0093】
ひきつづき、上記陽イオン交換樹脂を備えるカーボン粒子の混合体を50mmol/lの[Pt(NH3)4]Cl2水溶液中に2日間浸漬し、イオン交換反応により陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に[Pt(NH3)4]2+を優先的に吸着させた後、精製水で充分洗浄・乾燥後、1気圧、180℃の水素雰囲気中で約4時間還元して、カーボン粒子に備えられた白金を陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に接するカーボン粒子表面に優先的に担持した。
【0094】
つぎに、それを0.2mol/lの硫酸に3時間浸漬して還元工程で還元されなかった不要な[Pt(NH3)4]2+を溶出して実施例の複合触媒Bを得た。そして、その複合触媒Bに対して15wt%のPTFEが混入されるようにPTFE粒子分散溶液(三井デュポンフロロケミカル社製、テフロン30J)を加えて十分混合した後、撥水性を付与した導電性多孔質体のカーボン電極基材(0.5mm)上に塗布して、窒素雰囲気中で120℃、1Hr乾燥して燃料電池用電極Bを得た。別途行った分析により電極Bに担持された白金量は約0.05mg/cm2であることが確認されている。
【0095】
[比較例1]
白金担持カーボン(田中貴金属製、10V30E:Valcan XC―72に白金を30wt%担持)とPTFE粒子(三井デュポンフロロケミカル社製、テフロン30J)とを混錬したペーストを、撥水性を付与した導電性多孔質体のカーボン電極基材(0.5mm)上に塗布して、窒素雰囲気中で120℃、1Hr乾燥したのち、陽イオン交換樹脂(アルドリッチ社製、ナフィオン5wt%溶液をエタノールで3倍に希釈)に浸漬・含浸した後、80℃・2時間乾燥した。この含浸・乾燥後、電極重量を測定して陽イオン交換樹脂のカーボンに対する担持量(wt%)を求めた。そして、陽イオン交換樹脂の含有量が30wt%となるように、工程を繰り返した。そして、比較例の電極Cを得た。
【0096】
電極Cの白金量は、約0.13mg/cm2となるように、ペースト作製時の白金担持カーボンの量を調整した。
陽イオン交換樹脂のカーボン粒子に対する担持量が30wt%の複合触媒を用いて製作した電極A、BおよびCをホットプレス(140℃)にてイオン交換膜(デュポン社製、ナフィオン、膜厚約50μm)の両面にそれぞれ接合して3種類の電極接合体を得た。つぎに、各接合体を、電極接合後燃料電池の単セルホルダーに組んでセルA、BおよびCを得た。
【0097】
これらのセルの供給ガスに酸素、水素(2気圧、75℃)を用いた際の電流―電圧特性を図1に示した。図1において、記号(◇)はセルAの、記号(□)はセルBの、記号(△)はセルCの特性を示している。図1より、本発明によるセルは、白金担持量が従来のものに比べて約1/2であるにもかかわらず出力電圧が同等であることが分かった。
【0098】
これは本発明によれば、白金が電極の三相界面に確実に担持することができ、白金の利用率が飛躍的に高いため、さらに、イオン交換樹脂が電極深部まで分散しているためにその白金がすべて有効に働き、少ない白金担持量でも従来以上の高性能な電極が得られるためである。
【0099】
【発明の効果】
本発明の燃料電池用複合触媒によれば、触媒金属利用率の大きい電極がえられ、安価で高性能な燃料電池の製造が可能となる。
【0100】
また、本発明の燃料電池用複合触媒の製造方法によれば、カーボン粒子表層に形成される三相界面に触媒金属が担持されるため、すべての触媒金属をその三相界面で有効に働かせることが可能で、触媒金属の利用率の向上はもちろん、電極の高活性化をはかることも可能となる。
【0101】
そして、少ない触媒金属量で、高効率な燃料電池用電極を製造することが可能となり、安価で高性能な燃料電池の製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】セルA、B、Cの電流―電圧特性を示す図。
【図2】本発明に係る燃料電池用複合触媒の外観構造例をマクロ的に示す模式図。
【図3】本発明に係る燃料電池用複合触媒の外観構造例をマクロ的に示す模式図。
【図4】本発明に係る燃料電池用複合触媒の外観構造例をマクロ的に示す模式図。
【図5】本発明に係る燃料電池用複合触媒の外観構造例をマクロ的に示す模式図。
【図6】本発明に係る燃料電池用複合触媒の外観構造例をマクロ的に示す模式図。
【図7】本発明による燃料電池用複合触媒の陽イオン交換樹脂と接触したカーボン粒子の表層のミクロ的にみた状態を示す概念図。
【図8】本発明になる燃料電池用複合触媒の外観構造例を示す模式図。
【図9】本発明になる燃料電池用複合触媒の外観構造例を示す模式図。
【図10】本発明になる燃料電池用複合触媒の外観構造例を示す模式図。
【図11】カーボン粒子表面に備えられた陽イオン交換樹脂の配合比と電気化学的に活性な表面積との関係を示す図。
【図12】陽イオン交換樹脂−触媒複合電極の構造の例を示す図。
【図13】従来の電極の陽イオン交換樹脂と接触したカーボン粒子の表層の状態を示す概念図。
【符号の説明】
21、31、41、51、61、71、81、111 カーボン粒子
22、32、42、52、62、83、101 陽イオン交換樹脂
72、112 陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路
73、113 陽イオン交換樹脂のテフロン骨格部
75、82、114、115、116 触媒金属
102 触媒金属が坦持されたカーボン粒子
103 細孔
104 イオン交換膜
Claims (10)
- カーボン粒子表面に陽イオン交換樹脂と触媒金属とを備え、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に接するカーボン粒子の表面に担持された触媒金属量が全触媒金属担持量の50wt%を越え、陽イオン交換樹脂がカーボン粒子に対して25〜35wt%であることを特徴とする燃料電池用複合触媒。
- 陽イオン交換樹脂が多孔性であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用複合触媒。
- 触媒金属が白金族金属または/および白金族金属の合金を含むことを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池用複合触媒。
- カーボン粒子表面に陽イオン交換樹脂を備えた混合体を得る第1の工程と、その陽イオン交換樹脂の対イオンと触媒金属元素を含む陽イオンとのイオン交換反応により、触媒金属元素を含む陽イオンを陽イオン交換樹脂に吸着させる第2の工程と、第2の工程で得られた混合体を洗浄する第3の工程と、第2の工程で吸着した触媒金属元素を含む陽イオンを化学的に還元する第4の工程とを経ることを特徴とする請求項1〜3記載の燃料電池用複合触媒の製造方法。
- 第1の工程が、溶媒に陽イオン交換樹脂を溶解した溶液にカーボン粒子を浸漬する工程であることを特徴とする請求項4記載の燃料電池用複合触媒の製造方法。
- 第1の工程が、溶媒に陽イオン交換樹脂を溶解した溶液にカーボン粒子を浸漬してカーボン粒子に陽イオン交換樹脂溶液を含ませた後に、陽イオン交換樹脂を相分離させる工程であることを特徴とする請求項4記載の燃料電池用複合触媒の製造方法。
- 陽イオンが、白金族金属の錯イオンであることを特徴とする請求項4〜6の燃料電池用複合触媒の製造方法。
- 陽イオンが、白金族金属のアンミン錯イオンであることを特徴とする請求項4〜7の燃料電池用複合触媒の製造方法。
- 第4の工程において、触媒金属元素を含む陽イオンを水素ガスまたは水素混合ガスによって還元することを特徴とする請求項4〜8の燃料電池用複合触媒の製造方法。
- 請求項1〜3記載の燃料電池用複合触媒、または請求項4〜9記載の方法により製造された燃料電池用複合触媒を含むことを特徴とする燃料電池用電極。
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