図1は、本発明の第1の実施例としての画像処理装置100の構成例を示すブロック図である。
図1に示す画像処理装置100は、N2個の基準色画像(以下カラーパッチ)がN個、赤、緑及び青色(RGB)の各々の強度が増大するように配置されたパッチ原稿80を測色して得られる色測定信号と、当該パッチ原稿80を走査露光撮像(スキャン)して得られる画像読取信号(以下スキャナ信号という)から、一方の信号処理系(以下RGB信号処理系という)のR色、G色及びB色に係るカラー画像信号を他方の信号処理系(以下YMCK信号処理系という)のイエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色及び黒(K)色に係るカラー画像信号に変換するための3次元色情報変換テーブル(以下3D−LUTという)を作成するものである。
画像処理装置100はカラー用のスキャナ71、測色器72、画像メモリ73、操作手段74、制御手段75、画像処理手段76、ROMライタ77及び表示手段78を有して構成される。制御手段75は、ROM(Read Only Memory)51、RAM(Random Access Memory)52、CPU(Central Processing Unit;中央処理ユニット)53を有している。ROM51には当該画像処理装置全体を制御するためのシステムプログラムデータが格納される。RAM52はワークメモリとして使用され、例えば、制御コマンド等を一時記憶するようになされる。CPU53は電源がオンされると、ROM51からシステムプログラムデータを読み出してシステムを起動し、操作手段74からの操作データD3に基づいて当該画像処理装置全体を制御するようになされる。
スキャナ71は制御手段75及び画像処理手段76に接続され、N2個のカラーパッチがN個配置されたパッチ原稿80を走査制御信号S1に基づいて、走査露光してスキャナ信号を発生する。スキャナ信号は、例えば、スキャナ71内でA/D変換されてスキャンデータD11となる。スキャンデータD11は、画像処理手段76に出力され、スキャンRGB値を与える。走査制御信号S1は制御手段75からスキャナ71に出力される。スキャナ71には、例えば、8ビット(256階調)の出力機能を有したものが使用される。
測色器72は制御手段75及び画像処理手段76に接続され、パッチ原稿80の各々のカラーパッチを測色制御信号S2に基づいて測色し、XYZ測色信号を発生する。XYZ測色信号は、例えば、測色器72内でアナログ・ディジタル(A/D)変換されXYZ測色データD12となる。測色制御信号S2は制御手段75から測色器72に出力される。XYZ測色データD12は、制御手段75に出力され、演算対象点PinのRGB入力値に対するLab出力値を算出する際に使用される。
制御手段75は、演算対象点Pinに対応するLab出力値を算出する3D−LUTのRGB入力値をセットすると共に、スキャンRGB値を画像処理手段76にセットする。例えば、スキャナ71から得られた125色のスキャンデータD11と、測色器72から得られた125色のXYZ測色データD12を画像処理手段76に転送する。画像処理手段76は、スキャンデータD11から得られるR色マトリクス要素をR1〜R125とし、G色マトリクス要素をG1〜G125とし、B色マトリクス要素をB1〜B125とし、XYZ測色データD12から得られるX測色マトリクス要素をX1〜X125とし、Y測色マトリクス要素をY1〜Y125とし、Z測色マトリクス要素をZ1〜Z125としたとき、その3行×3列のマトリクス計算式、(1)’式、すなわち、
を実行する。そして、マトリクス係数Aを(2)’式から求めるようになされる。マトリクス係数Aはa,b,c,d,e,f,g,h,iである。また、制御手段75は、(3)’式により、125色のXYZ測色データD12をL*−C*座標系(明度色度立体座標系)の明度色度データ(以下LabデータD13という)に変換する。
LabデータD13には、明度L*、色度a*及びb*等のLab値が含まれる。色度a*は、a*が+方向で赤色であり、a*が−方向で緑色である。色度b*は、b*が+方向で黄色であり、b*が−方向で青色である。明度L*、色度a*及びb*は、明度色度座標系(以下Lab色座標系という)によって表現される。画像メモリ73には、メモリ制御信号S3に基づいてスキャンデータD11やXYZ測色データD12、LabデータD13等が記憶される。メモリ制御信号S3は、制御手段75から画像メモリ73に出力される。画像メモリ73には、ハードディスクやDRAM等が使用される。この例では、8ビットのRGB入力値、つまり、256階調を例えば、8階調ずつ区切って33段階に区分すると、それぞれ0〜32がセットされる。このスキャンデータ(スキャナ信号)D11のRGB値をPinRGB,LabデータD13のLab値をQinLabとする。
また、操作手段74は、例えば、パッチ原稿80の中から得られる色立体座標系のRGB各軸で等しい階調番号を選択するように操作される。この選択操作は、演算基準点PcenterのRGB入力値を設定するためである。操作手段74で設定されたデータは、操作データD3となって制御手段75に出力される。表示手段78には表示データD3に基づいて色立体座標系等が表示される。
また、制御手段75は画像処理手段76に対して中心RGB値セットする。この例では、演算基準点Pcenterとなる中心RGB値を33段階の格子点のうちR=G=B=17段目に設定した場合を挙げる。中心RGB値の設定は、17番目である必要はなく、他の番目に設定しても良い。この演算基準点PcenterのスキャンRGB値をPcenterRGBとし、そのLab値をQcenterLabとする。
制御手段7には画像処理手段76が接続される。画像処理手段76は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)及びRAM等から構成される。この例で、画像処理手段76は、色域表面検索処理を実行する。この色域表面検索処理では、演算対象点PinのRGB入力値と演算基準点Pcenterの中心RGB値とを結ぶ直線がスキャンデータD11の色域表面の中で、どの表面と交差するかが検索される。色域表面の中で最小単位となる面は、3つのスキャンデータD11で構成される三角形になる。
例えば、画像処理手段76は、スキャンデータD11を入力して、三角形セット処理を実行する。このとき、複数個ある三角形の中から順次、三角形をセットする。ここでセットされた三角形の各頂点をP1,P2,P3とし、その各々のスキャンRGB値をP1RGB,P2RGB,P3RGBとし、各々のLab値をQ1Lab,Q2Lab,Q3Labとする。
画像処理手段76は、三角形セット処理の他に交差判定処理を実行する。ここに交差判定処理とは、演算対象点PinのRGB入力値と演算基準点Pcenterの中心RGB値とを結ぶ直線がスキャンデータD11の色域表面の中で、どの表面と交差するか否かを判定する処理をいう。
上述の交差判定処理の他に、画像処理手段76は、スキャンデータD11を入力して、三角錐セット処理を実行する。例えば、53個のスキャンデータD11の中で、最小単位の体積を持つ格子点数は、三角錐体を構成する4格子点である。この例では、順次、その4格子点を画像処理手段76でセットする。この三角錐体を構成する4格子点をP4,P5,P6,P7とし、各々の格子点のスキャンRGB値をP4RGB,P5RGB,P6RGB,P7RGBとし、その各々のLab値をQ4Lab,Q5Lab,Q6Lab,Q7Lab,とする。
また、画像処理手段76は含有判定処理を実行する。ここに含有判定処理とは、演算対象点PinのRGB入力値がスキャンRGB値のプロット範囲内に含まれるか否かを判定する処理をいう。上述の含有判定処理の他に、画像処理手段76は、スキャンデータD11を入力し、RAM等に展開して演算対象点PinのRGB入力値がスキャンRGB値の範囲内に存在するか否かを検出する。
画像処理手段76は、例えば、色域内外判定処理を実行する。この色域内外判定処理では、交差判定処理から得られる係数a,b,cから演算対象点PinのRGB入力値が色域内に存在するか、色域外に存在するかが判定される。このとき、判定条件であるa+b+c<0を満たす場合は、演算対象点Pinが色域内に存在し、a+b+c<0を満たさない場合は、演算対象点Pinが色域外に存在すると、制御手段75により判定される。
制御手段75は、画像処理手段76から得られる検出結果に基づいて3D−LUTの作成制御をする。例えば、制御手段75は、画像処理手段76によって検出された演算対象点PinのRGB入力値がスキャンデータD11の範囲内にあるときは、内挿処理モードを実行し、演算対象点PinのRGB入力値がスキャンデータD11の範囲外にあるときは、外挿処理モードを実行する。
ここに、内挿処理モードとは、3D−LUTを作成するための色立体座標系にスキャナ信号を展開してスキャンRGB値を表現したとき、演算対象点PinのRGB入力値を取り囲む4つの頂点のスキャンRGB値に対応する色測定信号のLab出力値を求める処理をいう。
また、外挿処理モードとは、RGB色立体座標系に表現されたスキャナ信号の中から演算基準点Pcenterを抽出し、かつ、演算基準点Pcenterを固定し、当該演算基準点Pcenterと演算対象点Pinとを直線で結び、演算対象点PinのRGB入力値を取り囲む3つの頂点のスキャンRGB値及び演算基準点PcenterのスキャンRGB値に対応する色測定信号のLab出力値を求める処理をいう。
制御手段75は、演算対象点PinのRGB入力値に対応するLab色座標系のLab出力値を演算して補間するようになされる。また、制御手段75は、操作手段74から得られる操作データD3に基づいて、N2個のカラーパッチがN個配置されたパッチ原稿80の中から得られる色立体座標系のRGB各軸で等しい階調番号を選択して演算基準点PcenterのスキャンRGB値を設定する。
ROMライタ77は制御手段75及び画像処理手段76に接続され、ROM書込み信号S4及びROMデータDoutに基づいてマスクROMに3D−LUTを書き込んで、RGB→Lab3D−LUTや、RGB→YMCK3D−LUT等を作成するように動作する。ROM書込み信号S4は制御手段75からROMライタ77に出力される。
図2は、パッチ原稿80の構成例を示す概念図である。この例では、RGB信号処理系のR色、G色及びB色に係るカラー画像信号(RGB)を明度色度信号処理系(以下Lab信号処理系という)のL色(輝度)、a色、b色に係るカラー画像信号(Lab)に変換するための3次元色情報変換テーブル(以下RGB→Lab3D−LUTという)を作成する場合を例に挙げる。
この場合、図2に示すようなN=5段階に色相が変化する、つまり、RGB3色の各々の強度が増大するように5×5×5個のカラーパッチが配置されたパッチ原稿80が用いられる。例えば、パッチ原稿80の左上隅が白色であり、その対角線上の右下隅が黒色であり、その上部は、右方向へ推移するほど赤色の強度が大きく(強く)なる。その下部では、左方向へ推移するほど青色の強度が大きく(強く)なり、反対に右方向へ推移するほど緑色の強度が大きく(強く)なる傾向を有している。
この画像処理装置100では、パッチ原稿80の測色値(LabやXYZ)と、スキャナ信号(RGB)からRGB→Lab3D−LUTが作成される。RGB→Lab3D−LUTは、RGBをLabに変換するテーブルであって、RGB各色について、例えば、8ビットのRGB入力値、つまり、256階調を8階調ずつ区切って33段階に区分すると、それぞれ0〜32がセットされる。この33段階の色立体座標空間にLab出力値を格納するものである。
図3は、スキャナ信号のプロット例を示すG−R色階調格子図であり、二次元の格子点とG色及びR色の階調値(スキャン値)の関係を示している。図3に示す縦軸は、スキャンデータD11から得られる8ビット(28=256階調)のG(Green)色のスキャナ信号の階調値であり、0〜255である。横軸は、同様にして、8ビットのR(Red)色の階調値であり、0〜255である。図3における25個の菱形黒マークは、53個のカラーパッチを読み取って得たスキャナ信号をG−R階調格子図にプロットしたものである。
スキャナ信号のプロット範囲は、スキャナ71の階調値0〜255の領域の全体には及んでいないことが分かる。そこで、この例で、G−R色階調格子図にプロットされたスキャナ信号の最も外側に位置する菱形黒マークを環状に結んだとき、その環状線の内側にある格子点は、内挿処理モード(内挿法)を使用してLab出力値が補間処理される。また、その環状線の外側にある格子点は、外挿処理モード(外挿法)を使用してLab出力値が補間処理される。
この処理では、演算対象点PinとなったRGB入力値に対して、その位置に一番近い3つの位置のスキャンRGB値に対応するLab値を使用してLab出力値を補間するようになされる。なお、図3に示した菱形黒マークを3つ選択して各々の頂点を結ぶと三角形になる。
図4は、外挿処理モード時の色域格子例を示すG−R色階調格子図である。図4に示す色域格子例は、図3に示した演算対象点の色域周辺部分を模式的に拡大したものであって、立体色座標系からR−G色座標系(二次元)を取り出したものである。この例は、スキャンRGB値とRGB入力値とを2次元で示している。
図4に示す縦線は、3D−LUT格子点を与えるG(Green)色の格子(階調)線であり、横線は、同様にして、R(Red)色の格子(階調)線である。黒丸印は、スキャンRGB値をプロットしたものであり、この黒丸印間が実線で接続されている。灰色印は、他のスキャンRGB値をプロットしたものであり、この灰色丸印間が実線で接続されている。
また、図4に示す例1〜例3は、R−G色座標系の格子点に設定された演算対象点である。演算対象点のRGB入力値は、3D−LUT格子交点のRGB入力値で与えられる。本発明方式では、スキャナ信号のプロット範囲内側にあたるスキャンRGB値の設定を色域の中央に固定するようになされる。これは従来例のような外挿ベクトルの交差現象を改善するためである。
このように、外挿処理モード時に、色域の中央にスキャンRGB値を固定するように設定すると、各演算対象点PinのRGB入力値に対する外挿ベクトルi〜iv等が交差しなくなり、図4に示す演算対象点例1、例2、例3と順に見た場合にも、滑らかな変化が生まれ、Lab出力値の連続性が保証される。
外挿ベクトルiは、演算基準点Pcenterと、1つのスキャンRGB値とを結ぶ直線である。外挿ベクトルiiは、演算基準点PcenterのスキャンRGB値と、外挿ベクトルiに隣接する他のスキャンRGB値とを結ぶ直線である。外挿ベクトルiiiは、演算基準点Pcenterと、ベクトルiiに隣接する他のスキャンRGB値とを結ぶ直線である。外挿ベクトルivは、演算基準点Pcenterと、ベクトルiiiに隣接する他のスキャンRGB値とを結ぶ直線である。
この例で、ベクトルi及びiiは、例1の外挿方向に発散し、演算対象点例1が存在する。ベクトルii及びiiiは、例2の外挿方向に発散し、演算対象点例2が存在する。ベクトルiii及びivは、例3の外挿方向に発散し、演算対象点例3が存在する。なお、従来方式では、XYZ座標系で外挿処理モード時の計算を行っていたが、本発明方式ではLab立体色座標系で行うので、滑らかさを評価するLab空間での直線性が向上する。
図5A及びBは外挿及び内挿処理モード時の三角錐体I,IIの設定例を示す図である。図5Aに示す三角錐体Iは、頂点P1,P2,P3及びPcenterから構成される。
この例で、スキャンRGB値が、図4に示したプロット範囲外にあるときは、スキャナ信号の中で中心にあたる演算基準点Pcenterの中心RGBと、演算対象点PinのRGB入力値とを直線で結び、スキャナ信号の外側と交差する関係から求めた三角形から、Lab出力値を求める4頂点を三角錐体とし、その三角錐体のスキャンRGBとRGB入力値との距離関係と、その三角錐体の各頂点のLab値からRGB入力値に対するLab出力値を求める。
つまり、外挿処理モードでは、演算基準点Pcenterから演算対象点Pinに向けてベクトルが発散する。この例では、演算対象点PinRGB,演算基準点PcenterRGB,各頂点P1RGB,P2RGB,P3RGBが交差するとき、各頂点の関係は、(4)式、すなわち、
PinRGB−PcenterRGB=a×(P1RGB−PcenterRGB)
+b×(P2RGB−PcenterRGB)
+c×(P3RGB−PcenterRGB) ・・・・・(4)
により算出される。
この演算処理は、画像処理手段76のDSP又は制御手段75内のCPU53で実行するように構成するとよい。この例では(4)式の左辺と右辺を結ぶ係数a,b,cを算出する。この係数a,b,cの値が、a>0,b>0,c>0の条件を各々満たすときは、演算対象点PinのRGB入力値と演算基準点Pcenterの中心RGB値とを結ぶ直線がスキャンデータD11の色域表面と交差し、この条件を満たさないときは、それが交差していないと判別される。この交差判定処理は、上述の条件を満たすまで、検索ループを繰り返すようになされる。これにより、外挿法でRGB→Lab3D−LUTを作成することができる。
図5Bに示す三角錐体IIは、頂点P4,P5,P6及びP7から構成される。この例で、3D−LUTの各格子点のRGB入力値がスキャナ信号のプロット範囲内にあるときは、RGB入力値を取り囲む三角錐体IIのスキャンRGB値との距離関係と、その三角錐体IIの各々の頂点のLab値から演算対象点PinのRGB入力値に対するLab出力値を求めるようになされる。
つまり、内挿処理モードでは、スキャナ信号のプロット範囲内の1つの頂点、例えば、P7から演算対象点Pinに向けベクトルが発散し、演算対象点PinRGBが頂点P4RGB,P5RGB,P6RGB,P7RGBを有する三角錐体IIに含まれる場合である。このときの三角錐体IIの各頂点の関係は(5)式、すなわち、
PinRGB−P7RGB=d×(P4RGB−P7RGB)+e×(P5RGB−P7RGB)
+f×(P6RGB−P7RGB) ・・・・・・(5)
により算出される。
この演算処理は、画像処理手段76のDSP又は制御手段75内のCPU53で実行するように構成するとよい。この例では、係数d,e,fを算出する。この係数d,e,fの値が、d+e+f<1の条件を満たすときは、演算対象点PinのRGB入力値がスキャンRGB値のプロット範囲内に含有し、この条件を満たさないときはそれがプロット範囲内に含有していないと判断される。この含有判定処理では、上記の条件を満たすまで検索ループを繰り返すようになされる。これにより、内挿法でRGB→Lab3D−LUTを作成することができる。
図6は、RGB色座標系における中心RGB値の設定例(9段目)を示す図である。この例で5×5個のカラーパッチが5個配置されたパッチ原稿80の中から得られる色立体座標系のRGB各軸で等しい階調番号を選択して演算基準点PcenterのRGB入力値を設定するようになされる。
図6に示す色域例は、立体色座標系からR−G色座標系を取り出したものであり、スキャンRGB値とRGB入力値とを2次元で示した場合である。ここで8ビットのRGB入力値、つまり、256階調を8階調ずつ区切って33段階に区分すると、R−G色座標系に0〜32がセットされる。この例は、中心RGB値をR=G=B=9段目に設定した場合の外挿ベクトルの発散の様子を示している。各々の外挿ベクトルは、上方に推移するほど、間隔が広がって発散し、下方に推移するほど間隔が詰まって発散するようになされる。
図7は、RGB色座標系における中心RGB値の設定例(17段目)を示す図である。この例では、中心RGB値をR=G=B=17段目に設定した場合の外挿ベクトルの様子を示している。各々の外挿ベクトルは、ほぼ均等な間隔を保って発散するようになされる。
図8は、RGB色座標系における中心RGB値の設定例(25段目)を示す図である。この例では、中心RGB値をR=G=B=25段目に設定した場合の外挿ベクトルの様子を示している。各々の外挿ベクトルは、上方に推移するほど、間隔が詰まって発散し、下方に推移するほど間隔が広がって発散するようになされる。このように、中心RGB値を何段目に設定するかによって、外挿方向が変化するのが分かる。この外挿方向の変化によって、図12に示すように滑らかさが異なってくる。
続いて、本発明に係る画像処理方法について説明をする。図9は、画像処理装置100における3D−LUTの作成例、図10はその三角形セット処理例、図11は、その三角錐体のセット処理例を各々示すフローチャートである。
この実施例では、N=5、すなわち、5×5個のカラーパッチが5個、赤、緑及び青色(RGB)の各々の強度が増大するように配置されたパッチ原稿80を測色して得られるLab入力値と、当該パッチ原稿80を読み取って得たスキャンRGB値から、RGB信号処理系のカラー画像信号をYMCK信号処理系のカラー画像信号に変換するための3D−LUTを作成する場合を例に挙げる(画像処理方法)。
まず、図10に示すフローチャートのステップA1でパッチ原稿80を読み取ってスキャンRGB値を取得する。このとき、操作者は、パッチ原稿80をスキャナ71にセットする。スキャナ71は、セットされたパッチ原稿80を走査制御信号S1に基づいて走査露光してスキャンデータD12を画像処理手段76に出力する。
次に、ステップA2でパッチ原稿80を測色してLab値を取得する。このとき、操作者は、パッチ原稿80を測色器72にセットする。測色器72は、セットされたパッチ原稿80を測色制御信号S2に基づいて測色し、XYZ測色データD12を画像処理手段76に出力する。
そして、ステップA3で制御手段75は演算対象点Pinに対応するLab出力値を算出する3D−LUTのRGB入力値をセットすると共に、スキャンRGB値を画像処理手段76にセットする。例えば、制御手段75は、スキャナ71から得られた125色のスキャンデータD11と、測色器72から得られた125色のXYZ測色データD12を画像処理手段76に転送する。画像処理手段76は、スキャンデータD11から得られるR色マトリクス要素R1〜R125、G色マトリクス要素G1〜G125、B色マトリクス要素B1〜B125と、XYZ測色データD12から得られるX測色マトリクス要素X1〜X125、Y測色マトリクス要素Y1〜Y125、Z測色マトリクス要素Z1〜Z125を先に示した(1)’式、すなわち、3行×3列のマトリクス計算式に代入し、マトリクス係数Aを(2)’式から求めるようになされる。マトリクス係数Aはa,b,c,d,e,f,g,h,iである。
また、制御手段75は、先に示した(3)’式により、125色のXYZ測色データD12をL*−C*座標系のLabデータD13に変換する。スキャンデータD11やXYZ測色データD12、LabデータD13等は、画像メモリ73に記憶される。
この例では、8ビットのRGB入力値、つまり、256階調を例えば、8階調ずつ区切って33段階に区分すると、それぞれ0〜32がセットされる。このスキャンデータ(スキャナ信号)D11のRGB値をPinRGB,LabデータD13のLab値をQinLabとする。
次に、ステップA4で制御手段75は画像処理手段76に対して中心RGB値セットする。この例では、演算基準点Pcenterとなる中心RGB値を33段階の格子点のうちR=G=B=17段目に設定した場合を挙げている。中心RGB値の設定は、17番目である必要はなく、他の番目に設定しても良い。この演算基準点PcenterのスキャンRGB値をPcenterRGBとし、そのLab値をQcenterLabとする。
そして、ステップA5で画像処理手段76は、色域表面検索処理を実行する。この例では、演算対象点PinのRGB入力値と演算基準点Pcenterの中心RGB値とを結ぶ直線がスキャンデータD11の色域表面の中で、どの表面と交差するかが検索される。色域表面の中で最小単位となる面は、3つのスキャンデータD11で構成される三角形になる。図3に示した菱形黒マークを3つ結ぶと三角形になる。
例えば、図10に示すサブルーチンをコールし、そのステップB1で画像処理手段76は、スキャンデータD11を入力する。そして、ステップB2で三角形セット処理を実行する。このとき、複数個ある三角形の中から順次、三角形をセットする。ここでセットされた三角形の各頂点をP1,P2,P3とし、その各々のスキャンRGB値をP1RGB,P2RGB,P3RGBとし、各々のLab値をQ1Lab,Q2Lab,Q3Labとする。その後、ステップB3に移行して画像処理手段76は、交差判定処理を実行する。
ここに交差判定処理とは、演算対象点PinのRGB入力値と演算基準点Pcenterの中心RGB値とを結ぶ直線がスキャンデータD11の色域表面の中で、どの表面と交差するか否かを判定する処理をいう。この例では、図5Aに示した演算対象点PinRGB,演算基準点PcenterRGB,各頂点P1RGB,P2RGB,P3RGBが交差するとき、各頂点の関係は、(4)式、すなわち、
PinRGB−PcenterRGB=a×(P1RGB−PcenterRGB)
+b×(P2RGB−PcenterRGB)
+c×(P3RGB−PcenterRGB) ・・・・・(4)
により算出される。
この例では(4)式の左辺と右辺を結ぶ係数a,b,cを算出する。この係数a,b,cの値が、a>0,b>0,c>0の条件を各々満たすときは、演算対象点PinのRGB入力値と演算基準点Pcenterの中心RGB値とを結ぶ直線がスキャンデータD11の色域表面と交差し、この条件を満たさないときは、それが交差していないと判別される。この交差判定処理は、上述の条件を満たすまで、検索ループを繰り返すようになされる。
上述の交差判定処理が終了すると、メインルーチンのステップA5にリターンする。そのリターン後に、図11に示すサブルーチンをコールして、そのステップC1でスキャンデータD11を入力する。そして、ステップC2で三角錐セット処理を実行する。例えば、53個のスキャンデータD11の中で、最小単位の体積を持つ格子点数は、三角錐体を構成する4格子点である。ここでは順次、その4格子点を画像処理手段76でセットする。この三角錐体を構成する4格子点をP4,P5,P6,P7とし、各々の格子点のスキャンRGB値をP4RGB,P5RGB,P6RGB,P7RGBとし、その各々のLab値をQ4Lab,Q5Lab,Q6Lab,Q7Lab,とする。
次に、ステップC3で画像処理手段76は含有判定処理を実行する。ここに含有判定処理とは、演算対象点PinのRGB入力値がスキャンRGB値のプロット範囲内に含まれるか否かを判定する処理をいう。例えば、図5Bに示したように、演算対象点PinRGBが頂点P4RGB,P5RGB,P6RGB,P7RGBを有する三角錐体に含まれる場合である。このときの三角錐体の各頂点の関係は(5)式、すなわち、
PinRGB−P7RGB=d×(P4RGB−P7RGB)+e×(P5RGB−P7RGB)
+f×(P6RGB−P7RGB) ・・・・・・(5)
となる。
この例では、係数d,e,fを算出する。このとき、係数d,e,fの値が、d+e+f<1の条件を満たすときは、演算対象点PinのRGB入力値がスキャンRGB値のプロット範囲内に含有し、この条件を満たさないときはそれがプロット範囲内に含有していないと判断される。この含有判定処理では、上記の条件を満たすまで検索ループを繰り返すようになされる。
上述の含有判定処理が終了すると、メインルーチンのステップA5にリターンする。そして、ステップA6に移行して、画像処理手段76は、演算対象点PinのRGB入力値がスキャンRGB値の範囲内に存在するか否かを検出する。このとき、画像処理手段76は、色域内外判定処理を実行する。この色域内外判定処理では、交差判定処理から得られる係数a,b,cから演算対象点PinのRGB入力値が色域内に存在するか、色域外に存在するかが判定される。このとき、判定条件であるa+b+c<0を満たす場合は、演算対象点Pinが色域内に存在し、a+b+c<0を満たさない場合は、演算対象点Pinが色域外に存在すると、制御手段75により判定される。
この色域内外判定処理の結果を受けて、演算対象点PinのRGB入力値がスキャンRGB値の範囲内にあるときは、ステップA7に移行して内挿処理モードを実行すべく、制御手段75は、4格子点の検索処理を実行する。この4格子点検索処理では、色域内のRGB入力値がスキャンRGB値の中で、どの4格子点内に含まれるか否かを検索する。
その後、ステップA8に移行して制御手段75は内挿処理モードを実行する。内挿処理モードでは、3D−LUTを作成するための色立体座標系にスキャンRGB値及びRGB入力値を展開し、演算対象点PinのRGB入力値を取り囲む4つの頂点のRGB入力値をスキャンRGB値から抽出し、これら4つの頂点の離隔関係及び4つの頂点の明度色度座標系におけるLab値に基づいてRGB信号処理系のカラー画像信号に対するLab信号処理系のカラー画像信号を求める処理を実行する。
このとき、制御手段75は、演算対象点PinのRGB入力値に対応する明度色度座標系のLab出力値を演算する。例えば、制御手段75は、補間演算処理をしてLab出力値を決定する。この補間演算処理では、上述の含有判定処理による係数d,e,fと、三角錐体の4つの頂点P4,P5P、P6,P7におけるLab値Q4Lab,Q5Lab,Q6Lab,Q7Labから、演算対象点PinのRGB入力値に対するLab出力値QoutLabを(6)式、すなわち、
QoutLab=d×(Q4Lab−Q7Lab)+e×(Q5Lab−Q7Lab)
+f×(Q6Lab−Q7Lab)+Q7Lab ・・・・・・(6)
により算出する(内挿法)。その後、ステップA10に移行する。
また、上述のステップA6で、演算対象点PinのRGB入力値がスキャンRGB値の範囲外にあると判別されたときは、ステップA9に移行して外挿処理モードを実行する。外挿処理モードでは、色立体座標系に展開されたスキャンRGB値の中から演算基準点Pcenterを抽出し、かつ、演算基準点Pcenterを固定し、当該演算基準点Pcenterと演算対象点Pinとを直線で結び、演算対象点PinのRGB入力値を取り囲む3つの頂点のRGB入力値をスキャンRGB値から抽出し、これら4つの頂点の離隔関係及び4つの頂点のYMCK信号処理系におけるカラー画像信号とに基づいて、RGB信号処理系のカラー画像信号に対するYMCK信号処理系のカラー画像信号を求める処理を実行する。
このとき、制御手段75は、補間演算処理をしてLab値を決定する。この補間演算処理では、上述の交差判定処理から得られる係数a,b,cと、演算基準点PcenterにおけるLab値QcenterLab、三角形の各頂点P1,P2,P3におけるLab値Q1Lab、Q2Lab、Q3Labから、演算対象点PinのRGB入力値に対するLab出力値QoutLabを(7)式、すなわち、
QoutLab=a×(Q1Lab−QcenterLab)+b×(Q2Lab−QcenterLab) +c×(Q3Lab−QcenterLab)+QcenterLab ・・・・(7)
により算出する(外挿法)。
その後、ステップA10に移行して、Lab出力値に関して全格子点の補間演算処理を終了したか否かを判定する。全格子点の補間演算処理を終了した場合は、3D−LUTの作成処理を終了する。全格子点の補間演算処理を終了していない場合は、ステップA3に戻って上述した処理ループを繰り返すようになされる。これにより、RGB→Lab3D−LUTが作成される。ここで作成されたRGB→Lab3D−LUTは、ROMライタ77を使用してマスクROMに書き込まれる。例えば、制御手段75は、ROM書込み信号S4をROMライタ77に出力する。ROMライタ77は、ROM書込み信号S4及びROMデータDoutに基づいてRGB→Lab3D−LUTをマスクROMに書き込む。なお、RGB→YMCK3D−LUTは、RGB→Lab3D−LUTに基づき、Lab入力値に対応するYMCK出力値を求めることで作成される。
このように、本発明に係る第1の実施例としての画像処理装置及び画像処理方法によれば、RGB→Lab3D−LUTを作成する場合に、画像処理手段76は、演算対象点PinのRGB入力値がスキャンRGB値の範囲内に存在するか否かを検出する。制御手段75は、画像処理手段76から得られる検出結果に基づいて3D−LUTの作成制御をする。これを前提にして、制御手段75は、画像処理手段76によって検出された演算対象点PinのRGB入力値がスキャンRGB値の範囲内にあるときは、内挿処理モードを実行し、演算対象点PinのRGB入力値がスキャンRGB値の範囲外にあるときは、外挿処理モードを実行する。
従って、演算対象点PinのRGB入力値がスキャンRGB値の範囲外にある場合、色立体座標系に展開したスキャンRGB値の中から抽出され、かつ、固定された演算基準点PcenterのRGB入力値に基づいて、RGB信号処理系のカラー画像信号に対するYMCK信号処理系のカラー画像信号を求めることができる。これにより、外挿ベクトルi,ii,iii,ivの発散方向の起点を統一できるので、従来方式に比べてYMCK信号処理系のカラー画像信号における色差と3D−LUTにおける色変換の円滑さとを両立させることができる。
図12A及びBは、本発明に係るグリーン(G)色→マゼンタ(M)色への色変換時の評価例及びその色変換パターン例を示す図である。
図12Aに示すG色→M色への色変換時の評価例は、図12Bに示す色変換パターン例のLab出力値をグラフに示したものである。縦軸は、Lab出力値を示す明度L*、色度a*又はb*の情報である。目盛りは評価値であり、正負±200で示している。横軸は評価画素である。評価画素は相対値0〜100で示している。実線は明度L*であり、波線は色度a*であり、一点鎖線は色度b*の各々の情報である。
図12Bに示す色変換パターン例は、グリーン(R,G,B=0,255,0)からマゼンタ(255,0,255)に変化するグラデーションRGBデータをLab出力値に変換した際のパターンである(図面中モノクロ表示)。評価画素の相対値0がG色に対応し、評価画素100がM色に対応している。なお、図13A及びB、図14A及びBにおいても同様とする。
図12Aに示した明度L*、色度a*又はb*の情報は、外挿処理モード時に、色立体座標系に表現されたスキャナ信号の中から演算基準点Pcenterが抽出され、かつ、演算基準点Pcenterが固定され、当該演算基準点Pcenterと演算対象点Pinとが直線で結ばれ、演算対象点PinのRGB入力値を取り囲む3つの頂点のスキャンRGB値及び演算基準点PcenterのスキャンRGB値に対応して求められたものである。
いずれの明度L*、色度a*及びb*の情報も、直線性を有している。この直線性は、グリーン(G)色からマゼンタ(M)色への色変換特性の良否を決定するものである。本発明に係るG色→M色への色変換特性によれば、次に挙げる1次マトリクス処理に匹敵する色変換効果が得られる。
図13Aは、本発明に係るG色→M色変換評価例に対する第1の比較例としてのG色→M色変換評価例(Lab)を示す図である。図13Aに示す縦軸は、1次マトリクス処理により演算されたLab出力値を示す明度L*、色度a*又はb*の情報である。実線は1次マトリクス処理により演算された明度L*であり、波線は色度a*であり、一点鎖線は色度b*の各々の情報である。明度L*、色度a*及びb*の情報は、本発明に係るG色→M色への色変換特性とほぼ同一の形態を有している。
図13Bは、本発明に係るG色→M色変換評価例に対する第2の比較例としてのG色→M色変換評価例(Lab)を示す図である。図13Bに示す縦軸は、2次マトリクス処理により演算されたLab出力値を示す明度L*、色度a*又はb*の情報である。実線は2次マトリクス処理により演算された明度L*であり、波線は色度a*であり、一点鎖線は色度b*の各々の情報である。明度L*は、本発明に係るG色→M色への色変換特性と、ほぼ同一の形態を有しているが、色度a*及びb*の情報は、直線性が劣化している。
図14Aは、本発明に係るG色→M色変換評価例に対する第3の比較例としてのG色→M色変換評価例(Lab)を示す図である。図14Aに示す縦軸は、3次マトリクス処理により演算されたLab出力値を示す明度L*、色度a*又はb*の情報である。
実線は3次マトリクス処理により演算された明度L*であり、波線は色度a*であり、一点鎖線は色度b*の各々の情報である。明度L*、色度a*及びb*の情報は、本発明に係るG色→M色への色変換特性と比較して曲線部分を含み直線性を欠いている。
図14Bは、本発明に係るG色→M色変換評価例に対する第4の比較例としてのG色→M色変換評価例(Lab)を示す図である。図14Bに示す縦軸は、従来例に係る演算処理により求められたLab出力値を示す明度L*、色度a*又はb*の情報である。
実線は従来方式により演算された明度L*であり、波線は色度a*であり、一点鎖線は色度b*の情報である。明度L*、色度a*及びb*の情報は、本発明に係るG色→M色への色変換特性と比較して折れ曲がり部分を含み、全く異なっている。
このように、図14Bに示した従来方式に比べて、図12Aに示した本発明に係るG色→M色への色変換特性が直線性に優れていることが分かる。また、マトリクスタイプと比較しても、図13Aに示した1次マトリクス並に直線性を得られることが分かる。
図15は、本発明に係るG色→M色変換時の滑らかさ評価例を示す図である。滑らかさ評価例では、3D−LUTの格子点間のつながりを評価するようになされる。この例では、3D−LUTのRGB入力値をLab出力値に色変換したものである。
図15に示す縦軸は、G色→M色の色変換時の滑らかさを示す色度a*であり、横軸は色度b*の情報である。いずれも評価値0±300で示している。実線は滑らかさを示す評価形状である。滑らかさ評価の良否判定基準は、評価形状が直線で閉じて結線される場合及び閉じられた領域が大きい場合が「良」である。反対に、評価形状に凹凸が存在し、その形状が閉じられていない場合及び閉じられた領域が小さい場合が「否」である。
図15に示した滑らかさ評価例は、外挿処理モード時に、色立体座標系に表現されたスキャナ信号の中から演算基準点Pcenterが抽出され、かつ、演算基準点Pcenterが固定され、当該演算基準点Pcenterと演算対象点Pinとが直線で結ばれ、演算対象点PinのRGB入力値を取り囲む3つの頂点のスキャンRGB値及び演算基準点PcenterのスキャンRGB値に対応して求められたものである。
本発明に係る滑らかさ評価例によれば、外挿法を改良したこと、外挿処理モード時の立体色座標系にLab立体色座標系を採用したことにより、評価形状が直線で閉じて結線され、その閉じられた領域が大きく、図16及び図17に示すマトリクス処理や従来方式に比べて、大幅に改良され、直線的かつ滑らかな形状となった。
図16はA及びBは、G色→M色変換時の滑らかさ評価例に対する比較例(その1、2)を示す図である。図16Aに示す縦軸は、1次マトリクス処理におけるG色→M色の色変換時の滑らかさを示す色度a*であり、横軸は色度b*の情報である。いずれも評価値0±300で示している。実線は1次マトリクス処理における滑らかさを示す評価形状である。図16Aに示した滑らかさ評価例によれば、評価形状が直線的に変化するものの、その評価形状に急峻な領域が発生している。滑らかさが悪いと画像の階調再現が悪くなる原因となる。
図16Bに示す縦軸は、2次マトリクス処理におけるG色→M色の色変換時の滑らかさを示す色度a*であり、横軸は色度b*の情報である。いずれも評価値0±300で示している。実線は2次マトリクス処理における滑らかさを示す評価形状である。図16Bに示した滑らかさ評価例によれば、評価形状が直線的に変化するものの、その評価形状に急峻な領域が発生している。滑らかさが悪いと画像の階調再現が悪くなる原因となる。1次マトリクス処理から次数が1つ上がったことで、滑らかさが悪化している。
図17はA及びBは、G色→M色変換時の滑らかさ評価例に対する比較例(その3、4)を示す図である。図17Aに示す縦軸は、3次マトリクス処理におけるG色→M色の色変換時の滑らかさを示す色度a*であり、横軸は色度b*の情報である。いずれも評価値0±300で示している。実線は3次マトリクス処理における滑らかさを示す評価形状である。
図17Aに示した滑らかさ評価例によれば、評価形状が直線的に変化するものの、その評価形状が閉じていない。評価形状が閉じていないと、画像の階調再現が悪くなる原因となる。1次マトリクス処理から次数が2つ上がったことで、滑らかさが更に悪化している。
図17Bに示す縦軸は、従来方式によるG色→M色の色変換時の滑らかさを示す色度a*であり、横軸は色度b*の情報である。いずれも評価値0±300で示している。実線は従来方式における滑らかさを示す評価形状である。図17Bに示した滑らかさ評価例によれば、評価形状がランダムに変化しており、その評価形状が閉じていない。このことで、画像の階調再現が悪くなる原因となる。
このように、図17Bに示した従来方式に比べて、図15に示した本発明に係るG色→M色への色変換特性が滑らかであることが分かる。また、マトリクスタイプと比較しても、図16A及びB、図17Aに示した1次、2次、3次と次数を上げると、滑らかさが悪化していくの対して、補間演算処理では、そのようなことが皆無である。従って、画像の階調再現性を良好に維持できるようになる。
なお、本発明を用いた補間演算処理における平均色差と比較例に係る平均色差とを表1に示している。この例では、53個のパッチ原稿80に関して3D−LUTを作成し、その3D−LUTを用いてスキャンRGB値をXYZ変換し、更にLab変換したものと、測色したLab値との平均色差の関係を示したものである。
表1によれば、マトリクスタイプの1次が平均色差6.5、その2次が4.7、3次が4.3であり、補間タイプの従来方式が平均色差0.38である。これに対して、本発明補間方式は、その平均色差が0.34である。このように、マトリクスの次数を上げることで平均色差が下がる。本発明における平均色差は、マトリクスタイプより大幅に良く、従来方式とほぼ同等であることが分かる。
図18は、本発明に係る第2の実施例としてのカラー用のプリンタ200の断面の構成例を示す概念図である。
図18に示すカラー用のプリンタ200は、画像形成装置の一例を構成し、赤、緑及び青色(RGB)の信号処理系のカラー画像信号を色変換したイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒(BK)色の信号処理系のカラー画像信号に基づいて所望の用紙Pに色画像を形成する装置である。この画像形成装置は、8ビット以上の3次元色情報変換テーブル(以下3D−LUTという)によって階調を再現する装置であり、プリンタ200の他にカラーファクシミリや、カラー複写機、これらの複合機(コピア)に適用して好適である。
プリンタ200は、タンデム型のカラー画像形成装置を構成するものであり、画像形成手段10を有している。画像形成手段10は、各色毎に像形成体を有する複数組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kと、無終端状の中間転写ベルト6と、再給紙機構(ADU機構)を含む給紙搬送手段と、トナー像を定着するための定着装置17とを備えている。
この例で、イエロー色(以下Y色という)の画像を形成する画像形成ユニット10Yは、Y色のトナー像を形成する感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配置されたY色用の帯電手段2Y、レーザ書込みユニット(露光手段)3Y、現像装置4Y及び像形成体用のクリーニング手段8Yを有する。画像形成ユニット10Yは、感光体ドラム1Yに形成されたY色のトナー像を中間転写ベルト6に転写するように動作する。
M色の画像を形成する画像形成ユニット10Mは、M色のトナー像を形成する感光体ドラム1Mと、M色用の帯電手段2M、レーザ書込みユニット3M、現像装置4M及び像形成体用のクリーニング手段8Mを有する。画像形成ユニット10Mは、感光体ドラム1Mに形成されたM色のトナー像を中間転写ベルト6に転写するように動作する。
C色の画像を形成する画像形成ユニット10Cは、C色のトナー像を形成する感光体ドラム1Cと、C色用の帯電手段2C、レーザ書込みユニット3C、現像装置4C及び像形成体用のクリーニング手段8Cを有する。画像形成ユニット10Cは、感光体ドラム1Cに形成されたC色のトナー像を中間転写ベルト6に転写するように動作する。
BK色の画像を形成する画像形成ユニット10Kは、BK色のトナー像を形成する感光体ドラム1Kと、BK色用の帯電手段2K、レーザ書込みユニット3K、現像装置4K及び像形成体用のクリーニング手段8Kを有する。画像形成ユニット10Kは、感光体ドラム1Kに形成されたBK色のトナー像を中間転写ベルト6に転写するように動作する。
帯電手段2Yとレーザ書込みユニット3Y、帯電手段2Mとレーザ書込みユニット3M、帯電手段2Cとレーザ書込みユニット3C及び帯電手段2Kとレーザ書込みユニット3Kとは、潜像形成手段を構成する。現像装置4Y、4M、4C、4Kによる現像は、使用するトナー極性と同極性(本実施形態においては負極性)の直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される反転現像にて行われる。中間転写ベルト6は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持され、各々の感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに形成されたY色、M色、C色、BK色の各トナー像を転写するようになされる。
ここで画像形成プロセスの概要について以下に説明をする。画像形成ユニット10Y、10M、10C及び10Kより形成された各色の画像は、使用するトナーと反対極性(本実施形態においては正極性)の1次転写バイアス(不図示)が印加される1次転写ローラ7Y、7M、7C及び7Kにより、回動する中間転写ベルト6上に逐次転写されて(1次転写)、合成されたカラー画像(色画像:カラートナー像)が形成される。カラー画像は中間転写ベルト6から用紙Pへ転写される。
画像形成ユニット10Kの下方には、給紙カセット20A、20B、20Cが設けられ、給紙カセット20A等に収容された用紙Pは、当該給紙カセット20A等に設けられた送り出しローラ21および給紙ローラ22Aにより給紙され、搬送ローラ22B、22C、22D、レジストローラ23等を経て、2次転写ローラ7Aに搬送され、用紙P上の一方の面(表面)にカラー画像が一括して転写される(2次転写)。
カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。転写後の感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kの周面上に残った転写残トナーは、像形成体クリーニング手段8Y、8M、8C、8Kによりクリーニングされ次の画像形成サイクルに入る。
両面画像形成時には、一方の面(表面)に画像形成され、定着装置17から排出された用紙Pは、分岐手段26によりシート排紙路から分岐され、それぞれ給紙搬送手段を構成する、下方の循環通紙路27Aを経て、再給紙機構(ADU機構)である反転搬送路27Bにより表裏を反転され、再給紙搬送部27Cを通過して、給紙ローラ22Dにおいて合流する。
反転搬送された用紙Pは、レジストローラ23を経て、再度2次転写ローラ7Aに搬送され、用紙Pの他方の面(裏面)上にカラー画像(カラートナー像)が一括転写される。カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。
一方、2次転写ローラ7Aにより用紙Pにカラー画像を転写した後、用紙Pを曲率分離した中間転写ベルト6は、中間転写ベルト用のクリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。
これらの画像形成の際には、用紙Pとして52.3〜63.9kg/m2(1000枚)程度の薄紙や64.0〜81.4kg/m2(1000枚)程度の普通紙、83.0〜130.0kg/m2(1000枚)程度の厚紙や150.0kg/m2(1000枚)程度の超厚紙が用いられる。用紙Pの厚み(紙厚)としては0.05〜0.15mm程度の厚さのものが用いられる。
図19は、プリンタ200の内部構成例を示すブロック図である。図19に示すプリンタ200は、例えば、8bit以上の階調再現テーブルによって階調を再現(色を重ね合わせて色画像を形成)する装置であり、画像形成手段10、制御手段45、操作パネル48、色変換手段60及び外部接続端子64〜66を備えている。
制御手段45はROM41、RAM42、CPU43を有している。ROM41には当該プリンタ全体を制御するためのシステムプログラムデータが格納される。RAM42はワークメモリとして使用され、例えば、制御コマンド等を一時記憶するようになされる。CPU43は電源がオンされると、ROM41からシステムプログラムデータを読み出してシステムを起動し、操作データD31に基づいて当該プリンタ全体を制御するようになされる。
この例で制御手段45にはGUI(Graphic User Interface)方式の操作パネル48が接続される。操作パネル48は、タッチパネルから構成される操作設定手段14と、液晶表示パネルから構成される表示手段18とを備えている。操作設定手段14は、用紙サイズ、画像濃度等の画像形成条件を設定するように操作される。画像形成条件や給紙カセット選択情報等は操作データD31となって制御手段45に出力される。制御手段45には操作設定手段14の他に表示手段18が接続され、例えば、プリント枚数や、濃度情報等を表示データD21に基づいて表示する。
この例で制御手段45は操作設定手段14から得られる操作データD31に基づいて、画像形成手段10、表示手段18及び色変換手段60等を制御する。色変換手段60は外部接続端子63〜65に接続され、例えば、外部周辺機器から8ビットのRGB信号処理系のカラー画像データDR,DG,DBを入力し、このカラー画像データDR,DG,DBをYMCK信号処理系のカラー画像情報Dy、Dm、Dc及びDkに色変換するものである。色変換手段60には、本発明に係る画像処理装置100及び/又は画像処理方法によって作成された3D−LUTのいずれかが適用される。
この例で、色変換手段60は、記憶装置61、RGB→Lab3D−LUT62及びLab→YMCK3D−LUT63から構成される。RGB→Lab3D−LUT62及びLab→YMCK3D−LUT63は、8ビットの赤色(R)、緑色(G)、青色(B)を再現する場合に、RGB色に対応するLab出力値の各々が0〜255の入力階調値により表現される。外部周辺機器は、スキャナや、パーソナルコンピュータ、ディジタルカメラ等である。
外部接続端子64〜66には、記憶装置61、RGB→Lab3D−LUT62が接続され、カラー画像データDR,DG,DBを入力し、メモリ制御信号Sm1に基づいて記憶装置61に一時格納される。メモリ制御信号Sm1は制御手段45から記憶装置61へ出力される。RGB→Lab3D−LUT62では、記憶装置61から読み出されたカラー画像データDR,DG,DBが、メモリ制御信号Sm2に基づいてLab色座標系の明度L*、色度a*及びb*の情報に変換される。メモリ制御信号Sm2は制御手段45からRGB→Lab3D−LUT62へ出力される。RGB→Lab3D−LUT62には、本発明に係る画像処理装置100によって作成され、半導体集積回路(IC)化された読出し専用メモリ(ROM)等に書き込まれたものが使用される。
RGB→Lab3D−LUT62にはLab→YMCK3D−LUT63が接続され、メモリ制御信号Sm3に基づいてLab色座標系の明度L*、色度a*及びb*の情報がYMCK信号処理系のカラー画像情報Dy、Dm、Dc及びDkに色変換される。メモリ制御信号Sm3は制御手段45からLab→YMCK3D−LUT63へ出力される。Lab→YMCK3D−LUT62には、本発明に係る画像処理装置100によって作成され、IC化されたROM等に書き込まれたものが使用される。
Lab→YMCK3D−LUT63には画像形成手段10が接続され、色変換手段60で色変換されたカラー画像情報Dy、Dm、Dc及びDkに基づいて色画像を形成する。画像形成手段10は、図18に示した中間転写ベルト6及び画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kから構成される。各々の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、レーザ書込みユニット3Y、3M、3C、3Kを有している。
この例で、上述のLab→YMCK3D−LUT63から読み出されたカラー画像情報DyはY色用のレーザ書込みユニット3Yに出力される。同様にして、カラー画像情報DmはM色用のレーザ書込みユニット3Mに出力され、カラー画像情報DcはC色用のレーザ書込みユニット3Cに出力され、カラー画像情報DkはBK色用のレーザ書込みユニット3Kに各々出力される。
制御手段45は、レーザ書込みユニット3Y,3M,3C,3Kの各々に接続され、これらのユニット3Y,3M,3C,3Kにおけるカラー画像情報Dy、Dm、Dc及びDkの書込み制御をする。例えば、レーザ書込みユニット3Yは、制御手段45の書込み制御信号Wyを受けて感光体ドラム1YにY色用の画像データDyを書き込むように動作する。感光体ドラム1Yに書き込まれた静電潜像は、図1に示した現像装置4YでY色のトナー部材により現像されて、中間転写ベルト6に転写される。
レーザ書込みユニット3Mは、制御手段45の書込み制御信号Wmを受けて感光体ドラム1MにM色用の画像データDmを書き込むように動作する。感光体ドラム1Mに書き込まれた静電潜像は、現像装置4MでM色のトナー部材により現像されて、中間転写ベルト6に転写される。
レーザ書込みユニット3Cは、制御手段45の書込み制御信号Wcを受けて感光体ドラム1CにY色用の画像データDyを書き込むように動作する。感光体ドラム1Cに書き込まれた静電潜像は、現像装置4CでC色のトナー部材により現像されて、中間転写ベルト6に転写される。
レーザ書込みユニット3Kは、制御手段45の書込み制御信号Wkを受けて感光体ドラム1KにBK色用の画像データDkを書き込むように動作する。感光体ドラム1Kに書き込まれた静電潜像は、現像装置4KでBK色のトナー部材により現像されて、中間転写ベルト6に転写される。
続いて、カラー用のプリンタ200の動作例について説明をする。図20はプリンタ200における動作例を示すフローチャートである。
この実施例では、RGB信号処理系のカラー画像信号DR,DG,DBを色変換したYMCK信号処理系のカラー画像信号Dy,Dm,Dc,Dkに基づいて色画像を形成する場合に、色変換手段60には、本発明に係る画像処理装置100及び/又は画像処理方法によって作成された、RGB→Lab3D−LUT62及びLab→YMCK3D−LUT63が適用される場合を前提とする。
これを動作条件にして、図20に示すフローチャートのステップE1で制御手段45は、プリント要求を待機する。プリント要求は、例えば、外部周辺機器から通知されてくる。このプリント要求通知は、記憶装置61に記憶され、これを制御手段45内のCPU43が受信してプリント要求有無を判別する。
プリント要求が有った場合は、ステップE2に移行してカラー画像データDR,DG,DBを入力し、ステップE3で移行してカラー画像データDR,DG,DBを記憶装置61に一時格納する。その後、ステップE4でスタート指示を待機する。スタート指示は、プリント要求と同様にして、外部周辺機器から通知されてくる。このスタート指示は、記憶装置61に記憶され、これを制御手段45内のCPU43が受信してスタート指示を判別する。これに限られることはなく、プリンタ200の操作設定手段14に設けられたスタートボタン等の押下操作を検出し、このスタート指示によって印刷をスタートするようにしてもよい。
そして、ステップE5に移行して制御手段45は、メモリ制御信号Sm1を記憶装置61に出力し、例えば、1ページ分のカラー画像データDR,DG,DBを記憶装置61から読み出してRGB→Lab3D−LUT62に出力する。
その後、ステップE6でRGB→YMCK色変換処理を実行する。このとき、RGB→Lab3D−LUT62は、記憶装置61から読み出されたカラー画像データDR,DG,DBをメモリ制御信号Sm2に基づいてLab色座標系の明度L*、色度a*及びb*の各情報に変換する。また、Lab→YMCK3D−LUT63は、メモリ制御信号Sm3に基づいてLab色座標系の明度L*、色度a*及びb*の情報をYMCK信号処理系のカラー画像情報Dy、Dm、Dc及びDkに色変換する。
そして、ステップE7で画像形成手段10は、カラー画像形成処理を実行する。このとき、画像形成ユニット10YではY色用のレーザ書込みユニット3Yにより、色変換後のY色に係る画像データDyに基づいて感光体ドラム1Yに静電潜像が書き込まれる。感光体ドラム1Yの静電潜像は現像装置4Yによって現像され、Y色トナー像となされる。画像形成ユニット10MではM色用のレーザ書込みユニット3MによりM色に係る画像データDmに基づいて感光体ドラム1Mに静電潜像が書き込まれる。感光体ドラム1Mの静電潜像は現像装置4Mによって現像され、M色トナー像となされる。
画像形成ユニット10CではC色用のレーザ書込みユニット3CによりC色に係る画像データDcに基づいて感光体ドラム1Cに静電潜像が書き込まれる。感光体ドラム1Cの静電潜像は現像装置4Cによって現像され、C色トナー像となされる。画像形成ユニット10KではBK色用のレーザ書込みユニット3KによりBK色に係る画像データDkに基づいて感光体ドラム1Kに静電潜像が書き込まれる。感光体ドラム1Kの静電潜像は現像装置4Kによって現像され、BK色トナー像となされる。
各々の感光体ドラム1Y,1M,1C,1KのY,M,C,BK色のトナー像は1次転写ローラ7Y、7M、7C及び7Kにより、回動する中間転写ベルト6上に逐次転写されて、合成されたカラー画像(色画像:カラートナー像)が形成される。カラー画像は中間転写ベルト6から用紙Pへ転写される。
そして、ステップE8では最終ページを印刷したかがチェックされる。最終ページを印刷していない場合は、ステップE5に戻ってカラー画像データDR,DG,DBを記憶装置61から読み出してRGB→Lab3D−LUT62に出力し、上述した処理を繰り返す。最終ページを印刷した場合は、ステップE9に移行して画像形成処理を終了するか否かを判別する。制御手段45は例えば、電源オフ情報等を検出して画像形成処理を終了する。電源オフ情報等が検出されない場合は、ステップE1に戻って上述した処理を繰り返すようになされる。
このように、本発明に係る第2の実施例としてのカラー用のプリンタ200によれば、RGB信号処理系のカラー画像信号DR,DG,DBを色変換したYMCK信号処理系のカラー画像信号Dy,Dm,Dc,Dkに基づいて色画像を形成する場合に、色変換手段60には、本発明に係る画像処理装置100及び/又は画像処理方法によって作成された、RGB→Lab3D−LUT62及びLab→YMCK3D−LUT63を適用するようになされる。
従って、YMCK信号処理系のカラー画像信号Dy,Dm,Dc,Dkにおける平均色差の低減と、RGB→Lab3D−LUT62及びLab→YMCK3D−LUT63による円滑な色変換とを両立させることができる。これにより、高品質の色画像を形成することができる。