JP2005353956A - 放熱部材およびその製造方法ならびに半導体パッケージ - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体素子上に一定の距離で放熱板が配置されるとともに、半導体素子の上面全域に渡って、放熱板の対向面との距離を均一にした放熱部材およびその製造方法ならびに半導体パッケージを提供する。
【解決手段】半導体素子22から発生する熱を放熱するとともに、半導体素子22の上部を覆う状態で配置される放熱部材11およびその製造方法ならびに半導体パッケージであって、放熱部材11は、一主面側が平坦性を有する放熱板11Aと、放熱板11Aの一主面側に設けられるとともに、半導体素子22との間に介在する突起部11Bとを備えていることを特徴とする放熱部材およびその製造方法ならびにこの放熱部材を用いた半導体パッケージである。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体素子から発生した熱を放熱する放熱部材およびその製造方法、ならびにこの放熱部材を備えた半導体パッケージに関するものである。
電気製品の小型化、低消費電力化といった要求に応えるため、半導体素子の高集積化技術とともに、これらの半導体素子を高密度に配置する実装技術も展開されてきている。このような実装技術のうち、多層配線が形成された回路基板(インターポーザ)上に、半導体素子がフリップチップ接続によりフェイスダウン実装された半導体パッケージは、半導体パッケージの小型化だけではなく、高速化の点からも有利である。
このような半導体パッケージには、回路基板上に配置された半導体素子から発生する熱を放熱するため、回路基板上に、半導体素子を覆う状態で放熱部材が配置されている。このような放熱部材は、例えば半導体素子の上部を覆う放熱板と、半導体素子の側壁周辺を囲う状態で配置され、放熱板を支持する枠状の支持部とが一体で構成されている。
ここで、上述したような放熱板と支持部とを備えた放熱部材は、従来より、熱伝導性の良好な例えば銅(Cu)からなる金属板に、エッチング加工方式またはプレス加工方式により加工を行うことで製造されている。
まず、エッチング加工方式の場合には、図9(a)に示すCuからなる金属板41’を用い、図9(b)に示すように、金属板41’の図面上、上面側にレジスト42aを塗布するとともに、下面側にレジスト42bをそれぞれ塗布する。
次に、図9(c)に示すように、通常のリソグラフィ処理により、金属板41’の上面側のレジスト42a(前記図9(b)参照)をパターニングすることで、この金属板41’を複数の放熱部材に分割するためのレジストパターン42a’を形成する。また、下面側のレジスト42b(前記図9(b)参照)をパターニングすることで、金属板41’を複数の放熱部材に分割するとともに、上述した放熱部材の支持部を形成するためのレジストパターン42b’を形成する。
次いで、図9(d)に示すように、このレジストパターン42a’、42b’をマスクに用い、アンモニアアルカリ水または硫酸過水によりウェットエッチングを行う。これにより、金属板41’(前記図5(c)参照)のレジストパターン42a’、42b’から露出された部分が所定の深さまで除去され、枠状の支持部41Bが形成されるとともに、残存した部分が放熱板41Aとなり、複数の放熱部材41に分割される。
その後、図9(e)に示すように、レジストパターン42a’、42b’(前記図5(d)参照)を除去することで、放熱板41Aと支持部41Bとからなる複数の放熱部材41を得る。
また、プレス加工方式の場合には、図10(a)に示す金属板41’をプレス機のステージ(図示省略)上に載置した後、図10(b)に示すように、押圧パンチ(図示省略)により、金属板41’の一主面側をプレスする。ここで、形成する放熱板は回路基板上に配置された半導体素子を覆う状態とするため、この半導体素子よりも一回り大きい形状の押圧パンチと、この金属板41’を複数の放熱板に分割するための押圧パンチを用いて、プレスする。
そして、図10(c)から図10(e)に示すように、プレスをしない領域との高さの差が、回路基板上に配置された半導体素子を覆うことが可能になるまで、上記プレスを繰り返し行い、枠状の支持部41Bを形成する。その後、図10(f)に示すように、プレスにより、放熱板41Aと支持部41Bとからなる複数の放熱部材41に分割する。
上述したようなエッチング加工方式またはプレス加工方式により製造された放熱部材41を、回路基板上に配置された半導体素子を覆う状態で配置する場合には、半導体素子上に放熱板41Aが配置されるとともに、回路基板上に支持部41Bが配置される。この際、回路基板上の支持部41Bが配置される領域と半導体素子上に、それぞれ樹脂材料からなる接着層を形成した後、放熱部材41の支持部41Bを回路基板上に、放熱板41Aを半導体素子上に配置する。その後、接着層を硬化することで、放熱部材41を固定する。
これらの接着層は樹脂材料を主成分として構成されており、回路基板と放熱部材41、または、半導体素子と放熱部材41との熱膨張率の差による応力を緩和して、放熱部材を固定するために設けられるものである。この応力を緩和するために、回路基板(プリント基板)と放熱部材(キャップ)に熱膨張率のほぼ同一な材料を用いた例も報告されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3070579号公報(図3)
しかし、上述したように、回路基板上に搭載された半導体素子を覆う状態で放熱部材41を配置する場合には、半導体素子上に樹脂材料を主成分とするペースト状の接着層を形成し、放熱板41Aを配置した後、接着層を硬化する。この際、硬化前の接着層の粘度や量により、接着層上に放熱板41Aを配置したことによる接着層の圧縮率が異なるため、半導体素子の上面に対して放熱板41Aを一定の距離に配置することが困難であった。
また、図9を用いて説明したようなエッチング加工方式により、放熱部材41を製造する場合には、一枚の金属板41’に対してウェットエッチングを行うため、エッチングの加工形状を制御することが困難である。また、図10を用いて説明したようなプレス加工方式により、放熱部材41を製造する場合には、押圧パンチのプレスによる応力によって、放熱板41Aに中央部が凸状となるような反りが生じてしまう。
特に、近年、半導体素子の高集積化にともない、半導体素子からの放熱性を向上させるために、放熱板41Aは厚く、大きく形成されているが、金属板41’の膜厚が2mmを超えると、放熱板41Aの膜厚のばらつきが大きくなり、放熱板41Aの半導体素子との対向面の平坦性を50μm以下に抑えることは難しい傾向にあった。
このため、上述したような放熱部材41の製造方法では、放熱板41Aの半導体素子との対向面の平坦性を十分に得ることができず、このことによっても、半導体素子の上面に対して放熱板41Aを一定の距離に配置することが困難であった。したがって、半導体素子の上面に対して、半導体素子と放熱板41Aの熱膨張率の差による応力が緩和される範囲で、放熱性を向上させるためにより近接させた距離に、放熱板41Aを配置することは難しかった。これにより、半導体素子の上面に対して放熱板41Aが近すぎる場合には、上記応力による半導体素子の破損が生じ、遠すぎる場合には十分な放熱性が得られないという問題が生じていた。
さらに、上述したような放熱部材41の製造方法では、放熱板41Aの半導体素子との対向面の平坦性を十分に得ることができないことから、半導体素子の上面全域に渡って放熱板41Aの対向面との距離を均一することは困難であった。このため、半導体素子の表面が部分的に高温になり易く、半導体素子の誤動作が発生するという問題が生じていた。
以上のことから、半導体素子上に一定の距離で放熱板41Aが配置されるとともに、半導体素子の上面全域に渡って、放熱板41Aの対向面との距離を均一にし、この距離のばらつきを25μm以下に抑えた放熱部材およびその製造方法ならびに半導体パッケージが望まれていた。
上述したような課題を解決するために、本発明における放熱部材は、半導体素子から発生する熱を放熱するとともに、半導体素子の上部を覆う状態で配置される放熱部材であって、放熱部材は、一主面側が平坦性を有する放熱板と、この放熱板の一主面側に、半導体素子との間に介在する突起部を備えていることを特徴としている。
このような放熱部材によれば、放熱板の平坦性を有する一主面側に突起部が設けられていることから、半導体素子上に突起部を介して放熱板を配置することで、上記一主面側が放熱板の半導体素子との対向面となり、突起部の高さにより半導体素子の上面と放熱板の対向面との距離が規定される。これにより、突起部が設けられていない放熱板を半導体素子上に配置する場合と比較して、半導体素子の上面に対して、放熱板が突起部の高さで規定された一定の距離に配置される。
また、高さの均一な複数の突起部が設けられている場合には、半導体素子上に、この突起部を介して放熱板を配置することで、半導体素子の上面と放熱板の対向面を平行に配置することができ、半導体素子の上面全域に渡って、放熱板の対向面との距離を均一にすることが可能となる。さらに、放熱板の平坦性を有する一主面側が半導体素子との対向面になるため、半導体素子の上面全域に渡って、放熱板の対向面との距離の均一性を向上することが可能となる。
また、本発明の放熱部材の製造方法は、半導体素子から発生する熱を放熱するとともに、この半導体素子の上部を覆う状態で配置される放熱部材の製造方法であって、一主面側が平坦性を有するように放熱板を構成し、この放熱板の一主面側に、半導体素子との間に介在する突起部を形成することを特徴としている。
このような放熱部材の製造方法によれば、放熱板の平坦性を有する一主面側に、突起部が形成される。例えばレジストパターンをマスクに用いたパターニングにより、複数の金属層からなるクラッド材の表面層を、この表面層とはエッチング選択比の異なる金属層の表面が露出するまでエッチングすることで、露出された金属層の表面が一主面側となる放熱板を形成するとともに、表面層からなる突起部を形成する場合には、クラッド材の各金属層の界面は十分な平坦性を有することから、放熱板の平坦性を有する一主面側に突起部を形成することが可能となる。さらに、クラッド材の各金属層は均一な膜厚で形成されていることから、複数の突起部を形成する場合には、均一な高さに形成することができる。
また、例えば放熱板の一主面側に、金属または樹脂を接着することで突起部を形成する場合には、放熱板として一主面側が平坦に構成された金属板を用いることで、放熱板の平坦性を有する一主面側に突起部を形成することが可能となる。この際、粒径の均一な半田ボールまたは樹脂ボール等を接着して複数の突起部を形成することで、均一な高さに形成することができる。
さらに、本発明の半導体パッケージは、回路基板上に配置された半導体素子と、当該半導体素子の上部を覆う状態で配置されるとともに、半導体素子から発生する熱を放熱する放熱部材とを備えた半導体パッケージであって、放熱部材は、一主面側が平坦性を有する放熱板と、放熱板の一主面側に設けられた突起部を備えており、半導体素子上に突起部を介して放熱板が配置されていることを特徴としている。
このような半導体パッケージによれば、半導体素子上に突起部を介して放熱板が配置されていることから、放熱板の平坦性を有する一主面側が、放熱板の半導体素子との対向面となり、突起部の高さにより半導体素子の上面と放熱板の対向面との距離が規定される。これにより、突起部が設けられていない放熱板が配置された半導体パッケージと比較して、半導体素子上に、突起部の高さで規定された一定の距離で放熱板が配置される。
また、半導体素子上に高さの均一な複数の突起部を介して放熱板が配置されている場合には、半導体素子の上面と放熱板の対向面を平行に配置することができ、半導体素子の上面全域に渡って、放熱板の対向面との距離を均一にすることが可能となる。さらに、放熱板の平坦性を有する一主面側が半導体素子との対向面となるため、半導体素子の上面全域に渡って、放熱板の対向面との距離の均一性を向上することが可能となる。
以上説明したように、本発明の放熱部材およびその製造方法ならびに半導体パッケージによれば、半導体素子上に、突起部の高さで規定された一定の距離で放熱板が配置される。これにより、半導体素子上に、半導体素子と放熱板の熱膨張率の差による応力が緩和される範囲で放熱性を向上させるためにより近接させた距離で、放熱板を配置することができる。したがって、応力による半導体素子の破損を防止するとともに、半導体素子から発生する熱を効率よく放熱することが可能である。
また、半導体素子の上面全域に渡り、放熱板の対向面との距離を均一にすることができる。したがって、半導体素子の表面が部分的に高熱になるのを防ぐことができるため、半導体素子の誤動作が防止されることから、信頼性の高い半導体パッケージを得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
<放熱部材、半導体パッケージ−1>
図1は本発明の第1実施形態に係る放熱部材とこの放熱部材を用いた半導体パッケージの構成を示す断面図である。この図に示すように、本実施形態の放熱部材11は、回路基板21上に配置された半導体素子22から発生する熱を放熱するものであり、半導体素子22の上部を覆う状態で配置されている。
ここで、回路基板21は、その内部に全層が貫通された状態の複数層の配線を有しており、この回路基板21の上面および下面には、この配線に電気的に接続された複数の電極パッド(図示省略)がそれぞれ配置されている。下面側の電極パッドには、この半導体パッケージの外部接続端子を構成する複数のバンプ21aを備えている。
また、半導体素子22は、回路基板21の上面側の電極パッドに、バンプ22aを介してフリップチップ接続によりフェイスダウン実装されており、このバンプ22aの周囲は封止樹脂23にて覆われている。さらに、この半導体素子22の周囲には、半導体素子22の側壁を囲う状態で、枠状の補強材24(スティフナー)が、接着層25を介して回路基板21上に配置されている。
そして、本発明に特徴的な放熱部材11は、少なくとも一主面側が平坦性を有する例えば矩形状の放熱板11Aと、この放熱板11Aの一主面側に設けられた複数の突起部11Bを備えていることとする。
この放熱部材11は、例えば3層の金属層で構成されるクラッド材をエッチング加工して形成されている。具体的には、放熱板11Aは、突起部11B側に向かって、第1金属層11a’および第2金属層11b’が積層されており、突起部11Bは第3金属層11c’で構成されていることとする。これにより、突起部11Bの高さは第3金属層11c’の膜厚で制御される。そして、クラッド材の各層の膜厚は均一であり、各層の界面は平坦性を有していることから、複数の突起部11Bが均一な高さに設けられるとともに、放熱板11Aの半導体素子22との対向面は平坦性を有して設けられる。
この放熱部材11は、半導体素子22の上部を覆う状態で配置されており、半導体素子22上に、突起部11Bを介して、放熱板11Aの平坦性を有する一主面側が半導体素子22の上面に対向する状態で配置されている。つまり、半導体素子22と放熱板11Aとで突起部11Bが挟持された状態となっている。
そして、半導体素子22と放熱板11Aとの間の突起部11Bを除く領域には、接着層26が設けられており、放熱板11Aが固定された状態となっている。この接着層26は、半導体素子22から発生する熱を放熱板11Aに伝導するため、金属粒子等からなる熱伝導性の良好なフィラーが含有された樹脂材料で形成されている。また、放熱板11Aにおける半導体素子22と対向する領域よりも外側は、補強材24上に接着層27を介して配置され、接着層27により固定されている。
ここで、上述したように、放熱板11Aは半導体素子22上に突起部11Bを介して配置されることから、図1(b)に示すように、接着層26が介在する半導体素子22の上面と放熱板11Aの対向面との距離Lは、突起部11Bの高さを制御することで規定される。
そして、距離Lは、接着層26が半導体素子22と放熱板11Aとの熱膨張率の差による応力を緩和する膜厚以上に設けられる必要があり、また、より近いほど、放熱板11Aが半導体素子22の上面に対して近接して配置されることで、半導体素子22から発生した熱が放熱板11Aから効率よく放熱されるため、好ましい。
これにより、距離Lを規定する突起部11Bの高さは、放熱板11Aが、半導体素子22の上面に対して、半導体素子22と放熱板11Aの熱膨張率の差による応力が緩和される範囲でより近接して配置されるように、制御されることとする。
また、半導体素子22の上面全域に渡って、距離Lが均一である方が、半導体素子22の表面が部分的に高熱になることを防止できるため、距離Lのばらつきは25μm以下であることが好ましい。
ここで、上述した突起部11Bは、図2(a)の平面図に示すように、放熱板11Aの一主面側の中央部に、放熱板11Aの中心Oを重心とした正三角形の頂点となる位置に、均一な高さで3つ設けられることとする。これにより、放熱板11Aが突起部11Bにより半導体素子22上に3点で支持され、半導体素子22の上面と放熱板11Aの対向面が平行に配置される。これにより、半導体素子22の上面全域に渡って、距離Lは均一となり、距離Lのばらつきが抑制される。また、突起部11Bが放熱板11Aの中央部に配置されることで、放熱板11Aの中心Oと半導体素子22の中心O’とを合わせることが容易であり、放熱部材11と半導体素子22との位置ずれが防止されるため好ましい。
また、ここでは、放熱板11Aの中央部に3つの突起部11Bが設けられる例について説明するが、図2(b)の平面図に示すように、例えば、放熱板11Aにおける半導体素子22と対向する領域の外縁部に、放熱板の中心点Oを重心とした正三角形の頂点となる位置に、3つの突起部11Bが設けられてもよい。この場合には、半導体素子22のより外側の位置で距離Lが規定されるため、より確実に半導体素子22の上面と放熱板11Aの対向面が平行に配置される。これにより、半導体素子22の上面全域に渡って、距離Lの均一性が向上し、距離Lのばらつきがさらに抑制される。
また、上記の2つの配置例において、この突起部11Bの数は3つに限らず、1つ以上の突起部11Bが設けられていれば、この突起部11Bの高さにより、少なくとも半導体素子22の上面に対する放熱板11Aの距離が規定される。ただし、上述した配置例のように、1つではなく複数、好ましくは3つ以上の突起部11Bが放熱板11Aを支持可能に設けられる方が、半導体素子22上に突起部11Bを介して放熱板11Aを配置することで、半導体素子22の上面と放熱板11Aの対向面を平行に配置できるため、好ましい。これにより、複数の位置で上述した距離Lが規定され、半導体素子22の上面全域に渡って距離Lの均一性を向上させることが可能となる。
さらに、本実施形態のように突起部11Bが金属材料で構成されている場合には、放熱板11Aにおける半導体素子22の上面と対向する領域の全域に渡って、複数の突起部11Bが略均等に配置されていてもよい。これにより、半導体素子22上に、複数の突起部11Bを介して放熱板11Aが配置されることで、半導体素子22と突起部11Bの接触面積が増大し、半導体素子22から発生する熱を、効率よく放熱することが可能となる。ただし、この場合には、半導体素子22と放熱部材11との熱膨張率の差による応力が生じるため、応力により半導体素子22の破損等が生じない範囲の接触面積となるように、突起部11Bの数または半導体素子22との当接面積を調整する。
以上説明したような放熱部材11およびこれを用いた半導体パッケージによれば、半導体素子22上に突起部11Bを介して放熱板11Aが配置されていることから、放熱板11Aの平坦性を有する一主面側が半導体素子22との対向面となり、突起部11Bの高さにより、半導体素子22の上面と放熱板11Aの対向面との距離Lが規定される。これにより、半導体素子22の上面に対して、放熱板11Aを一定の距離Lで配置することが可能となるため、距離Lが半導体素子22と放熱板11Aの熱膨張率の差による応力が緩和される範囲でより近くなるように、突起部11Bの高さを制御することで、応力による半導体素子22の破損を防止するとともに、半導体素子22から発生する熱を効率よく放熱することが可能である。
また、均一な高さの突起部11Bが複数設けられることで、半導体素子22の上面と放熱板11Aの対向面を平行に配置することが可能であり、半導体素子22の上面全域に渡って、放熱板11Aの対向面との距離Lを均一にすることが可能となり距離Lのばらつきを25μm以下に抑えることができる。したがって、半導体素子22の表面が部分的に高熱になるのを防ぐことができるため、半導体素子22の誤動作が防止されることから、信頼性の高い半導体パッケージを得ることができる。
さらに、突起部11Bが設けられる放熱板11Aの半導体素子22との対向面は平坦性を有していることから、半導体素子22の上面全域に渡って、距離Lの均一性を向上させることができる。
<放熱部材の製造方法−1>
次に、第1実施形態で説明した放熱部材11の製造方法の一例について、図3の製造工程断面図を用いて説明する。なお、図3の断面図は、図2(a)のX−X’断面を示すものとする。
まず、図3(a)に示すように、放熱部材11(前記図1(a)参照)に用いるクラッド材11’は、例えば3層の金属層で構成されており、図面上、上層側から第1金属層11a’、第2金属層11b’および第3金属層11c’の順に配置されていることとする。このクラッド材11’は、各金属層を積層し、圧延することで製造されるものであり、各金属層の膜厚は均一で、かつ、各金属層の界面は十分な平坦性を有して形成されていることとする。
ここで、後述するように、第2金属層11b’をエッチングストッパーとして、第3金属層11c’をパターン加工することから、第2金属層11b’と第3金属層11c’はエッチング選択比の異なる材料で形成される。また、第3金属層11c’を加工することで突起部11Bが形成されるため、第3金属層11c’の膜厚により突起部11Bの高さが制御される。この際、突起部11Bの高さは、図1(b)に示す半導体素子22の上面と放熱板11Aの対向面との距離Lを規定することから、距離Lが、半導体素子22と放熱板11Aの熱膨張率の差による応力が緩和される距離の範囲でより近くなるように、第3金属層11c’の膜厚を調整することとする。
また、エッチングにより第2金属層11b’の表面が露出されて、放熱板11Aの半導体素子22との対向面となることから、第2金属層11b’は、図1(a)に示す半導体素子22との間に介在する接着層26との密着性に優れた材質で形成されることが好ましい。
ここでは、一例として、第1金属層11a’および第3金属層11c’がCuで形成され、これらの層の間に挟持される第2金属層11b’は、Cuとはエッチング選択比の異なるニッケル(Ni)で形成されたCu/Ni/Cuのクラッド材11’を用いることとする。
以上説明したようなクラッド材11’を用い、図3(b)に示すように、このクラッド材11’の第1金属層11a’の表面にレジスト12aを塗布するとともに、第3金属層11c’の表面にレジスト12bを塗布する。このレジスト12a、12bは同一材料であってよい。
次に、図3(c)に示すように、通常のリソグラフィ処理により、例えば第3金属層11c’の表面に形成されたレジスト12b(前記図3(b)参照)をパターニングして突起部11Bを形成するためのレジストパターン12b’を形成する。
次いで、図3(d)に示すように、このレジストパターン12b’をマスクに用い、Cuを選択的に除去するアンモニアアルカリ水系薬液または硫酸過水系薬液によりエッチングを行う。これにより、レジストパターン12b’から露出されたCuからなる第3金属層11c’は、Niからなる第2金属層11b’の表面が露出されるまで除去されて、第3金属層11c’からなる複数の突起部11Bが形成される。この際、図3(a)を用いて説明したクラッド材11’における各金属層の膜厚の均一性が維持されるため、複数の突起部11Bは均一な高さに設けられる。
また、第1金属層11a’側はレジスト12aで覆われているため、第1金属層11a’および第2金属層11b’は放熱板11Aとなる。このエッチングでは、第2金属層11b’の露出された表面は、図3(a)を用いて説明したクラッド材11’における金属層の界面の平坦性が維持されるため、平坦性を有して設けられる。
次に、図3(e)に示すように、レジスト12a(前記図3(d)参照)およびレジストパターン12’b(前記図3(d)参照)を除去した後、図3(f)に示すように、プレス加工により、放熱板11Aと、放熱板11Aの一主面側に設けられた突起部11Bとからなる複数の放熱部材11を形成する。
以上説明したような放熱部材11の製造方法によれば、クラッド材11’のエッチング加工により第3金属層11c’からなる均一な高さの複数の突起部11Bを形成することができる。また、露出される第2金属層11b’の表面は平坦性を有していることから、放熱板11Aの平坦性を有する一主面側に、突起部11Bを形成することができる。
さらに、クラッド材11’の各金属層の膜厚を規定することで、放熱部材11の形状が容易に制御可能であるとともに、エッチング加工により放熱部材11を得ることができるため、プレス加工で精密な加工を行う場合と比較して、複雑な装置構成が必要ないことから、製造コストを抑えることができ、生産性にも優れている。
なお、ここではCu/Ni/Cuの3層からなるクラッド材11’を用いた例について説明するが、本発明はこれに限定されず、突起部11Bを形成するために加工する第3金属層11c’とエッチングストッパーとなる第2金属層11b’とがエッチング選択比の異なる材料であればよい。したがって、本実施形態のように、第3金属層11c’がCuである場合には、第2金属層11b’はNi以外のクロム(Cr)またはアルミニウム(Al)であってもよい。また、第2金属層11b’がCuである場合には、第1金属層11a’および第3金属層11c’はNi、CrまたはAlであってもよい。ただし、これらの金属の中で、特にCuは熱伝導性に優れていることから、放熱部材11におけるCuで構成される層の体積割合が多い方が好ましい。
また、本実施形態では、3層からなるクラッド材11’をエッチング加工してなる放熱部材11の製造方法の例について説明したが、本発明は上記の例に限定されず、エッチング選択比の異なる2層の金属層が含まれた複数層からなるクラッド材であればよい。また、クラッド材から複数の放熱部材を形成する例について説明したが、クラッド材を予め放熱部材を形成する大きさに分割した後、個々に放熱部材を形成してもよい。
(変形例1)
また、次のような製造方法により放熱部材を製造してもよい。
まず、第1実施形態と同様に、図4(a)に示すCu/Ni/Cuの3層の金属層からなるクラッド材11’を用い、図4(b)に示すように、このクラッド材11’の第1金属層11a’の表面にレジスト12aを塗布するとともに、第3金属層11c’の表面にレジスト12bを塗布する。
次いで、図4(c)に示すように、通常のリソグラフィ処理により、第1金属層11a’の表面に形成されたレジスト12a(前記図4(b)参照)をパターニングして複数の放熱板に分割するレジストパターン12a’を形成し、第3金属層11c’の表面に形成されたレジスト12b(前記図4(b)参照)をパターニングして突起部11Bを形成するためのレジストパターン12b’を形成する。
次いで、図4(d)に示すように、このレジストパターン12a’および12b’をマスクに用い、Cuを選択的に除去するアンモニアアルカリ水系薬液または硫酸過水系薬液によりエッチングを行うことで、クラッド材11’(前記図4(c)参照)の両面側からエッチングが進み、レジストパターン12a’から露出されたCuからなる第1金属層11a’は、Niからなる第2金属層11b’の表面が露出されるまで除去される。また、レジストパターン12b’から露出されたCuからなる第3金属層11c’は、第2金属層11b’の表面が露出されるまで除去される。
次に、図4(e)に示すように、レジストパターン12a’、12b’(前記図4(d)参照)を除去した後、図4(f)に示すように、Niを選択的に除去するアンモニアアルカリ水系薬液または硫酸過水系薬液によりエッチングを行うことで、第2金属層11b’の露出された部分を除去する。このため、第1金属層11a’と第3金属層11c’とで挟持された部分を除く第2金属層11b’は除去されることから、第1金属層11a’からなる放熱板11Aと第2金属層11b’および第3金属層11c’からなる複数の突起部11Bとを備えた複数の放熱部材11が得られる。これにより、クラッド材11’(前記図4(c)参照)における各金属層の膜厚の均一性は維持されることから、複数の突起部11Bは均一な高さに形成される。また、第1金属層11a’の露出された表面は、クラッド材11’における金属層の界面の平坦性が維持されるため、平坦性を有して設けられる。
このような放熱部材11の製造方法であっても、クラッド材11’のエッチング加工により、第2金属層11b’および第3金属層11c’からなる均一な高さの複数の突起部11Bを形成することができる。また、突起部11Bが設けられる第1金属層11a’の表面は平坦性を有していることから、第1実施形態の放熱部材の製造方法と同様の効果を奏することができる。
(変形例2)
本実施形態では、図5の製造工程断面図を用い、第1金属層11a’および第1金属層11a’とはエッチング選択比の異なる第2金属層11b’の2層からなるクラッド材11’を加工してなる、放熱部材の例について、その詳細な構成を製造工程順に説明する。
まず、図5(a)に示すように、クラッド材11’は、例えばCuからなる第1金属層11a’と、Cuとはエッチング選択比の異なる、例えばNiからなる第2金属層11b’で構成されたCu/Niのクラッド材11’を用いることとする。
次に、図5(b)に示すように、このクラッド材11’の第1金属層11a’の表面にレジスト12aを塗布するとともに、第2金属層11b’の表面にレジスト12bを塗布する。
次いで、図5(c)に示すように、通常のリソグラフィ処理により、第1金属層11a’の表面に形成されたレジスト12a(前記図4(b)参照)をパターニングして、複数の放熱板に分割するレジストパターン12a’を形成する。また、第2金属層11c’の表面に形成されたレジスト12b(前記図1(b)参照)をパターニングして、枠状の支持部を形成するためのレジストパターン12b’を形成する。
次いで、図5(d)に示すように、このレジストパターン12a’および12b’をマスクに用い、Cuを選択的に除去するアンモニアアルカリ水系薬液または硫酸過水系薬液によりエッチングを行う。これにより、レジストパターン12a’から露出されたCuからなる第1金属層11a’は、Niからなる第2金属層11b’の表面が露出されるまで除去される。これにより、第1金属層11a’からなる放熱板11Aが形成される。このエッチングでは、第1金属層11a’の露出された表面は、クラッド材11’(前記図5(a)参照)における金属層の界面の平坦性が維持された状態となる。
次に、図5(e)に示すように、Niを選択的に除去するアンモニアアルカリ水系薬液または硫酸過水系薬液によりエッチングを行う。これにより、レジストパターン12b’から露出されたNiからなる第2金属層11b’は、Cuからなる第1金属層11b’の表面が露出されるまで除去されて複数の突起部11Bが形成される。これにより、クラッド材11’(前記図5(a)参照)における各金属層の膜厚の均一性は維持されることから、複数の突起部11Bは均一な高さに形成される。
以上により、第1金属層11a’からなる放熱板11Aと、第2金属層11b’からなる突起部11Bとを備えた複数の放熱部材11が得られる。その後、図5(f)に示すように、レジストパターン12a’、12b’を除去する。
このような放熱部材11の製造方法であっても、クラッド材11’のエッチング加工により、第2金属層11b’からなる均一な高さの複数の突起部11Bを形成することができる。また、突起部11Bが設けられる第1金属層11a’の表面は平坦性を有していることから、第1実施形態の放熱部材の製造方法と同様の効果を奏することができる。
(第2実施形態)
<放熱部材、半導体パッケージ−2>
図6は本発明の第2実施形態に係る放熱部材とこの放熱部材を用いた半導体パッケージの構成を示す断面図である。なお、第1実施形態と同様の構成には同一の番号を付して説明することとする。
この図に示すように、本実施形態の放熱部材31は、回路基板21上に搭載された半導体素子22を覆う状態で配置されている。放熱板31は、放熱板31Aと放熱板31Aの一主面側に設けられた複数の突起部31Bとを備えるとともに、この突起部31Bが設けられた面側の外縁部に設けられ、放熱板31Aを支持する枠状の支持部31Cとを備えていることとする。
上述した放熱部材31は、例えば3層の金属層で構成されるクラッド材をエッチング加工してなり、放熱板31Aは第1金属層31a’で構成されており、突起部31Bは第2金属層31b’、支持部31Cは第2金属層31b’と第3金属層31c’が積層された状態で、それぞれ構成されていることとする。このため、突起部31Bの高さは第2金属層31b’の膜厚で制御され、支持部31Cの高さは第2金属層31b’と第3金属層31c’の膜厚で制御される。ここで、クラッド材31’の各層の膜厚は均一であり、各層の界面は平坦性を有していることから、複数の突起部31Bおよび枠状の支持部31Cが均一な高さに設けられるとともに、放熱板31Aの半導体素子22との対向面は平坦性を有して設けられる。
そして、この支持部31Cは、回路基板21上に半導体素子22を囲う状態で、接着層28を介して配置されることで、回路基板21上に固定されている。また、この支持部31Cで外縁部を支持される放熱板31Aは、半導体素子22上に突起部31Bを介して配置されるとともに、半導体素子22と放熱板31Aとの間に配置される接着層26により半導体素子22上にも固定されている。
ここで、突起部31Bは、第1実施形態と同様に、放熱板31Aの一主面側の中央部に均一な高さで3つ設けられていることとする。そして、この突起部31Bの高さを制御することで、半導体素子22の上面と放熱板31Aの対向面との距離Lが規定されている。このため、突起部11Bの高さは、距離Lが半導体素子22と放熱板11Aの熱膨張率の差による応力が緩和される範囲でより近くなるように調整されることとする。
また、支持部31Cの高さは、接着層28の厚みを足した状態で、回路基板21上に配置された半導体素子22と突起部31Bの高さを足した高さと同等になるように調整されることとする。
以上説明したような放熱部材31およびこれを用いた半導体パッケージによれば、放熱板31Aの一主面側に複数の突起部31Bが設けられており、半導体素子22上に突起部31Bを介して放熱板31Aが配置されるとともに、放熱板31Aの半導体素子22との対向面は平坦性を有していることから、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、本実施形態の放熱部材31は、支持部31Cが設けられているため、回路基板21と放熱部材31との間に、補強材を配置しなくてもよい。これにより、補強材を配置しない分、半導体パッケージの構成部材が少なくなるため、半導体パッケージの組み立てが容易である。また支持部31Cが設けられている分だけ、放熱部材11の体積が大きくなることから、放熱性を向上させることができる。
<放熱部材の製造方法−2>
次に、本実施形態の放熱部材31の製造方法の一例を図7の製造工程断面図に示す。まず、図7(a)に示すように、放熱部材31に(前記図6参照)用いる3層の金属層からなるクラッド材31’は、図面上、上層側から第1金属層31a’、第2金属層31b’および第3金属層31c’の順に配置されていることとする。このクラッド材31’の各金属層の膜厚は均一で、かつ、各金属層の界面は十分な平坦性を有して形成されていることとする。
ここで、上述したように、第1金属層31a’と第3金属層31c’は、第2金属層31b’とエッチング選択比の異なる材料で形成されることとする。ここでは、一例として、第1金属層31a’および第3金属層31c’がCuで形成され、これらの層の間に挟持される第2金属層31b’は、Cuとはエッチング選択比の異なるNiで形成されたCu/Ni/Cuのクラッド材31’を用いることとする。
ここで、第2金属層31b’で突起部31Bが形成されることから、第2金属層31b’の膜厚により突起部31Bの高さが規定される。この際、図6に示す半導体素子22の表面と放熱板31Aの対向面との距離Lが出来るだけ近くなるように、第2金属層31b’の膜厚を調整することとする。
また、第2金属層31b’と第3金属層31c’とで支持部31C(前記図1(a)参照)が形成されることから、第2金属層31b’と第3金属層31c’の膜厚により、支持部31Cの高さが規定される。ここで、第2金属層31b’の膜厚は上述したように制御され、また、図6を用いて説明したように、放熱部材31の支持部31Cは接着層27を介して回路基板21上に配置される。これにより、第3金属層31c’の膜厚を、接着層28の厚みを足した状態で、回路基板21上に配置された半導体素子22の高さと同等になるように制御する。
以上説明したようなクラッド材31’を用い、図7(b)に示すように、このクラッド材31’の第1金属層31a’の表面にレジスト32aを塗布するとともに、第3金属層31c’の表面にレジスト32bを塗布する。
次に、図7(c)に示すように、通常のリソグラフィ処理により、例えば第3金属層31c’の表面に形成されたレジスト32b(前記図7(b)参照)をパターニングして支持部31Cを形成するためのレジストパターン32b’を形成する。
次いで、図7(d)に示すように、このレジストパターン32b’をマスクに用い、Cuを選択的に除去するアンモニアアルカリ水系薬液または硫酸過水系薬液によりエッチングを行う。これにより、レジストパターン32b’から露出されたCuからなる第3金属層31c’は、Niからなる第2金属層31b’の表面が露出されるまで除去される。この際、第1金属層31a’側はレジスト32aで覆われているため、除去されることなく残存する。続いて、図7(e)に示すように、レジスト32a(前記図7(d)参照)およびレジストパターン32b’(前記図7(d)参照)を除去する。
次に、図7(f)に示すように、露出された第2金属層31b’の表面にレジスト33を塗布する。次いで、図8(g)に示すように、通常のリソグラフィ処理により、第2金属層31b’の表面に形成されたレジスト33(前記図7(f)参照)をパターニングして突起部31Bを形成するためのレジストパターン33’を形成する。この際、第2金属層31b’はクラッド材31’の表面層となっている。
次いで、図8(h)に示すように、このレジストパターン33’をマスクに用い、アンモニアアルカリ水系薬液または硫酸過水系薬液によりエッチングを行う。これにより、レジストパターン33’から露出されたNiからなる第2金属層31b’は、Cuからなる第1金属層31a’の表面が露出されるまで除去される。これにより、第2金属層31b’からなる複数の突起部31Bが形成されるとともに、第2金属層31b’および第3金属層31c’からなる支持部31Cが形成される。これにより、図7(a)を用いて説明したクラッド材31’の各金属層の膜厚の均一性は維持されることから、複数の突起部11Bは均一な高さに形成されるとともに、枠状の支持部31Cも均一な高さに形成される。
また、第1金属層31aはエッチングされずに残存するため、放熱板31Aとなる。このエッチングでは、第1金属層31a’の露出された表面は、図7(a)を用いて説明したクラッド材31’における金属層の界面の平坦性が維持されるため、平坦性を有して設けられる。
次に、図8(i)に示すように、レジストパターン33’(前記図8(h)参照)を除去した後、図8(j)に示すように、プレス加工により、放熱板31Aと、放熱板31Aの一主面側に設けられた突起部31Bおよび支持部31Cとからなる複数の放熱部材31を形成する。
このような放熱部材31の製造方法によれば、クラッド材31’のエッチング加工により第2金属層31b’からなる均一な高さの複数の突起部31Bが形成される。そして、突起部31Bが設けられる第1金属層31a’の露出された表面は平坦性を有していることから、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、本実施形態の放熱部材の製造方法によれば、均一な高さの枠状の支持部31Cを形成することができる。
なお、ここでは、クラッド材31’をエッチング加工することで、枠状の支持部31Cを備えた放熱部材31を形成したが、本発明の放熱部材31はこれに限定されるものではなく、放熱部材31とは別体で構成された例えばCuからなる金属枠体を、放熱板31Aの突起部31Bが設けられた側の外縁部に接着剤で貼り付けてもよい。ただし、本実施形態の製造方法によれば、各層の膜厚が均一に形成されたクラッド材をエッチング加工するため、より精密に支持部31Cの高さを制御することができる。
また、本実施形態では、枠状の支持部31Cを形成する例について説明したが、支持部31Cの形状は枠状でなくてもよく、放熱板31Aを支持することが可能であれば、例えば矩形状の放熱板31Aの4角に配置される柱状であってもよい。
また、第1実施形態および第2実施形態では、クラッド材をエッチング加工することで、放熱板と突起部とを備えた放熱部材を形成する例について説明したが、放熱板の一主面側が平坦性を有する金属板やクラッド材を用い、この一主面側に、例えば、粒径の均一な半田ボール等を溶融して貼り付けることで、高さの均一な複数の突起部を形成してもよい。また、放熱板の平坦性を有する一主面側に、メッキ法等により均一な高さの金属層を形成することで、複数の突起部11Bを形成してもよい。
また、上述した実施形態では、突起部が金属材料で形成される例について説明したが、突起部は樹脂材料で形成されていてもよい。この場合には、例えば、スクリーン印刷法により、放熱板の一主面側に、突起部を形成する領域が開口されたマスクを配置し、この開口部を樹脂材料で埋め込んだ後、スキージすることで、均一な高さの突起部を形成してもよい。また、粒径の均一な樹脂ボール等を貼り付けて突起部を形成してもよい。
本発明の放熱部材および半導体パッケージに係る第1実施形態を説明するための断面図(a)および要部拡大図(b)である。 本発明の放熱部材に係る第1実施形態の放熱部材を説明するための平面図である。 本発明の放熱部材の製造方法に係る第1実施形態を説明するための製造工程断面図である。 本発明の放熱部材の製造方法に係る第1実施形態の変形例1を説明するための製造工程断面図である。 本発明の放熱部材の製造方法に係る第1実施形態の変形例2を説明するための製造工程断面図である。 本発明の放熱部材に係る第2実施形態を説明するための断面図である。 本発明の放熱部材の製造方法に係る第2実施形態を説明するための製造工程断面図である(その1)。 本発明の放熱部材の製造方法に係る第2実施形態を説明するための製造工程断面図である(その2)。 従来の放熱部材の製造方法を説明するための製造工程断面図(その1)である。 従来の放熱部材の製造方法を説明するための製造工程断面図(その2)である。
符号の説明
11,31…放熱部材、11A,31A…放熱板、11B,31B…突起部、11’,31’…クラッド材、21…回路基板、22…半導体素子

Claims (11)

  1. 半導体素子から発生する熱を放熱するとともに、前記半導体素子の上部を覆う状態で配置される放熱部材であって、
    前記放熱部材は、一主面側が平坦性を有する放熱板と、当該放熱板の一主面側に設けられるとともに、前記半導体素子との間に介在する突起部とを備えている
    ことを特徴とする放熱部材。
  2. 請求項1記載の放熱部材において、
    前記突起部が複数設けられており、当該各突起部の高さが均一である
    ことを特徴とする放熱部材。
  3. 請求項2記載の放熱部材において、
    前記各突起部は、前記放熱板の中央部に設けられている
    ことを特徴とする放熱部材。
  4. 請求項2記載の放熱部材において、
    前記各突起部は、前記放熱板の前記半導体素子と対向する領域の外縁部に設けられている
    ことを特徴とする放熱部材。
  5. 半導体素子から発生する熱を放熱するとともに、当該半導体素子の上部を覆う状態で配置される放熱部材の製造方法であって、
    一主面側が平坦性を有するように放熱板を構成し、当該放熱板の一主面側に、前記半導体素子との間に介在する突起部を形成する
    ことを特徴とする放熱部材の製造方法。
  6. 請求項5記載の放熱部材の製造方法において、
    レジストパターンをマスクに用いたパターニングにより、複数の金属層からなるクラッド材の表面層を、当該表面層とはエッチング選択比の異なる金属層の表面が露出するまでエッチングすることで、露出された金属層の表面が一主面側となる前記放熱板を形成するとともに、前記表面層からなる前記突起部を形成する
    ことを特徴とする放熱部材の製造方法。
  7. 請求項5記載の放熱部材の製造方法において、
    放熱板の一主面側に、金属または樹脂を接着することで、前記突起部を形成する
    ことを特徴とする放熱部材の製造方法。
  8. 回路基板上に配置された半導体素子と、当該半導体素子の上部を覆う状態で配置されるとともに、当該半導体素子から発生する熱を放熱する放熱部材とを備えた半導体パッケージであって、
    前記放熱部材は、一主面側が平坦性を有する放熱板と、当該放熱板の一主面側に設けられた突起部とを備えており、
    前記半導体素子上に前記突起部を介して前記放熱板が配置されている
    ことを特徴とする半導体パッケージ。
  9. 請求項8記載の半導体パッケージにおいて、
    前記突起部が複数設けられており、当該各突起部の高さが均一である
    ことを特徴とする半導体パッケージ。
  10. 請求項9記載の半導体パッケージにおいて、
    前記各突起部は、前記放熱板の中央部に設けられている
    ことを特徴とする半導体パッケージ。
  11. 請求項9記載の半導体パッケージにおいて、
    前記各突起部は、前記放熱板の前記半導体素子と対向する領域の外縁部に設けられている
    ことを特徴とする半導体パッケージ。


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