JP2005351947A - 感光性平版印刷版の製版方法及び該製版方法により画像形成された平版印刷版 - Google Patents

感光性平版印刷版の製版方法及び該製版方法により画像形成された平版印刷版 Download PDF

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Abstract

【課題】 感度、耐刷性、耐薬品性が高く、PS版用黄色蛍光灯適性に優れた光重合性の感光性平版印刷版の製版方法及び該製版方法により得られる平版印刷版を提供する。
【解決手段】 光重合性感光層が、少なくとも下記(a)〜(d)を含有した感光性平版印刷版を、450nm以下の波長をカットした照度100〜500Lxの黄色安全光のもとで取り扱った後に画像形成する感光性平版印刷版の製版方法。
(a)三級アミノ基を有する付加重合可能なエチレン性二重結合含有化合物、(b)(メタ)アクリル酸を構成モノマーとして用いたビニル系共重合体に、(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ化合物を反応させて得られる(メタ)アクリロイル基含有アルカリ可溶性樹脂バインダー、(c)光重合開始剤としてヘキサアリールビスイミダゾール化合物、(d)一般式(I)で表されるメロシアニン系色素
【化1】
Figure 2005351947

【選択図】 なし

Description

本発明は、アルミニウムを支持体とするコンピュータートゥプレートシステム(以下CTPという)に用いられる光重合型感光性平版印刷版の製版方法と該製版方法により画像形成された平版印刷版に関する。
近年、オフセット印刷用の印刷版の作製技術において、画像のデジタルデータをレーザー光源で直接感光性印刷版に記録するCTPが開発され、実用化が進んでいる。
これらの中、比較的高い耐刷力を要求される印刷の分野においては、重合可能な化合物を含む画像記録層を有するネガ型の感光層をアルミニウム支持体上に有する印刷版材料を用いることが知られている。
さらに、作業性向上の面からより明るい黄色セーフライト下で扱えるようにするため、450nmより短波のレーザー光で走査露光するCTPシステムが普及しつつあり、例えば、チタノセン化合物と特定メロシアニン色素を用いる技術が開示されている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記技術では感度、耐刷性、耐薬品性が弱く、印刷時に版面がインキで汚れた際に、プレートクリーナーと呼ばれる薬品で非画像部のインキを洗浄する作業において、画像部、特に小点が侵され、消失しやすいという問題があった。さらに、セーフライト性も不十分であり、特に、従来PS版で用いられる明るい黄色蛍光灯下では使用できず、作業性の点でもいまだ問題が解決されていなかった。高感度、高耐刷性、高耐薬品性及びPS版用黄色蛍光灯適性に優れた感光性平版印刷版材料の製版方法及び該製版方法により得られる平版印刷版が望まれていた。
特開2000−147763号公報
本発明の目的は、感度、耐刷性、耐薬品性が高く、PS版用黄色蛍光灯適性に優れた光重合性の感光性平版印刷版の製版方法及び該製版方法により得られる平版印刷版を提供することにある。
本発明の目的は、下記構成のいずれかを採ることより達成される。
(請求項1)
支持体上に、付加重合可能なエチレン性二重結合含有化合物、光重合開始剤、高分子結合材を含有する光重合性感光層を有する感光性平版印刷版の製版方法において、該光重合性感光層が、少なくとも下記(a)〜(d)を含有した感光性平版印刷版を、450nm以下の波長をカットした照度100〜500Lxの黄色安全光のもとで取り扱った後に画像形成することを特徴とする感光性平版印刷版の製版方法。
(a)分子内に三級アミノ基を有する付加重合可能なエチレン性二重結合含有化合物
(b)高分子結合材として(メタ)アクリル酸を構成モノマーとして用いたビニル系共重合体に、分子内に(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ化合物を反応させて得られる(メタ)アクリロイル基含有アルカリ可溶性樹脂バインダー
(c)光重合開始剤としてヘキサアリールビスイミダゾール化合物
(d)下記一般式(I)で表されるメロシアニン系色素から選ばれる化合物
Figure 2005351947
(式中、AはS原子またはNR1を表し、R1は置換もしくは非置換のアルキル基または置換もしくは非置換のアリール基を表し、Yは隣接するAおよび炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、X1、X2はそれぞれ独立に一価の非金属原子団を表し、X1、X2は互いに結合して色素の酸性核を形成してもよい。)
(請求項2)
前記光重合性感光層が、さらに複素環チオール化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1に記載の感光性平版印刷版の製版方法。
(請求項3)
前記付加重合可能なエチレン性二重結合含有化合物が、分子内に三級アミノ基を含有する多価アルコール、ジイソシアネート化合物、および分子内にヒドロキシル基と付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する単量体の反応生成物であることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性平版印刷版の製版方法。
(請求項4)
請求項1〜3のいずれか1項記載の製版方法により画像形成されたことを特徴とする平版印刷版。
本発明により、感度、耐刷性、耐薬品性が高く、PS版用黄色蛍光灯適性に優れた光重合性の感光性平版印刷版の製版方法及び該製版方法により得られる平版印刷版を提供することができる。
本発明に用いられる化合物、画像形成方法等を以下にて説明する。
〔一般式(I)のメロシアニン系色素〕
本発明に用いられる増感色素は前記一般式(1)で表されるものである。さらに一般式(2)、(3)、(4)で表される増感色素がより好ましい。
Figure 2005351947
(一般式(2)、(3)、(4)中、AおよびYは一般式(1)中と同義であり、X3、X4、Zはそれぞれ独立にO原子、S原子またはNR5を表し、R5は置換もしくは非置換のアルキル基または置換もしくは非置換のアリール基を表し、R2は水素原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基またはアリールアミノ基を表し、R3は水素原子、置換もしくは非置換のアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基またはアリールアミノ基を表し、R4は水素原子、置換もしくは非置換のアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。)
一般式(1)〜(4)についてさらに詳しく説明する。
AはS原子またはNR1を表し、R1は置換もしくは非置換のアルキル基または置換もしくは非置換のアリール基を表し、Yは隣接するAおよび炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表す。
次にR1の好ましい例について具体的に述べる。
好ましいアルキル基の例としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、および環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
置換アルキル基の置換基としては、水素を除く一価の非金属原子団が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N′−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキルウレイド基、N′−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アリール−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)及びその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基(−PO32)及びその共役塩基基(以下、ホスフォナト基と称す)、ジアルキルホスフォノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノ基(−PO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリールホスフォノ基(−PO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO32)及びその共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホスフォノオキシ基(−OPO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げることができる。ヘテロアリール基としては、窒素、酸素、硫黄原子の少なくとも一つを含有する単環、もしくは多環芳香族環が用いられ、好ましくは、フラン、ピロール、ピリジン等の5員、または6員環芳香族置換基が使用できる。
また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基、等が挙げられ、アルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。アシル基(G1CO−)におけるG1としては、水素、ならびに上記のアルキル基、アリール基を挙げることができる。これら置換基の内、更により好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基、ホスフォナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキルホスフォナト基、モノアリールホスフォノ基、アリールホスフォナト基、ホスフォノオキシ基、ホスフォナトオキシ基、アリール基、アルケニル基が挙げられる。
一方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキレン基を挙げることができる。
置換基とアルキレン基を組み合わせる事により得られるR1として好ましい置換アルキル基の具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスフォノブチル基、ホスフォナトヘキシル基、ジエチルホスフォノブチル基、ジフェニルホスフォノプロピル基、メチルホスフォノブチル基、メチルホスフォナトブチル基、トリルホスフォノヘキシル基、トリルホスフォナトヘキシル基、ホスフォノオキシプロピル基、ホスフォナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、等を挙げることができる。
1として好ましいアリール基の具体例としては、1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、を挙げることができ、これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
1として好ましい置換アリール基の具体例としては、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、水素を除く一価の非金属原子団を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびに、先に置換アルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。この様な、置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基、ジエチルホスフォノフェニル基、ジフェニルホスフォノフェニル基、メチルホスフォノフェニル基、メチルホスフォナトフェニル基、トリルホスフォノフェニル基、トリルホスフォナトフェニル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基、等を挙げることができる。
次に、一般式(1)におけるYについて説明する。Yは、上述のAおよび隣接炭素原子と共同して複素環を形成するのに必要な非金属原子団を表す。この様な複素環としては5、6、7員の含窒素、あるいは含硫黄複素環が挙げられ、好ましくは5、6員の複素環がよい。
含窒素複素環の例としては例えば、L.G.Brooker et al.,J.Am.Chem.Soc.,73,5326−5358(1951)及び参考文献に記載されるメロシアニン色素類における塩基性核を構成するものとして知られるものをいずれも好適に用いることができる。具体例としては、チアゾール類(例えば、チアゾール、4−メチルチアゾール、4ーフェニルチアゾール、5−メチルチアゾール、5−フェニルチアゾール、4,5−ジメチルチアゾール、4,5−ジフェニルチアゾール、4,5−ジ(p−メトキシフェニルチアゾール)、4−(2−チエニル)チアゾール、等)、ベンゾチアゾール類(例えば、ベンゾチアゾール、4−クロロベンゾチアゾール、5−クロロベンゾチアゾール、6−クロロベンゾチアゾール、7−クロロベンゾチアゾール、4−メチルベンゾチアゾール、5−メチルベンゾチアゾール、6−メチルベンゾチアゾール、5−ブロモベンゾチアゾール、4−フェニルベンゾチアゾール、5−フェニルベンゾチアゾール、4−メトキシベンゾチアゾール、5−メトキシベンゾチアゾール、6−メトキシベンゾチアゾール、5−ヨードベンゾチアゾール、6−ヨードベンゾチアゾール、4−エトキシベンゾチアゾール、5−エトキシベンゾチアゾール、テトラヒドロベンゾチアゾール、5,6−ジメトキシベンゾチアゾール、5,6−ジオキシメチレンベンゾチアゾール、5−ヒドロキシベンゾチアゾール、6−ヒドロキシベンゾチアゾール、6−ジメチルアミノベンゾチアゾール、5−エトキシカルボニルベンゾチアゾール、等)、ナフトチアゾール類(例えば、ナフト[1,2]チアゾール、ナフト[2,1]チアゾール、5−メトキシナフト[2,1]チアゾール、5−エトキシナフト[2,1]チアゾール、8−メトキシナフト[1,2]チアゾール、7−メトキシナフト[1,2]チアゾール、等)、チアナフテノ−7’,6’,4,5−チアゾール類(例えば、4’−メトキシチアナフテノ−7’,6’,4,5−チアゾール、等)、オキサゾール類(例えば、4−メチルオキサゾール、5−メチルオキサゾール、4−フェニルオキサゾール、4,5−ジフェニルオキサゾール、4−エチルオキサゾール、4,5−ジメチルオキサゾール、5−フェニルオキサゾール等)、ベンゾオキサゾール類(ベンゾオキサゾール、5−クロロベンゾオキサゾール、5−メチルベンゾオキサゾール、5−フェニルベンゾオキサゾール、6−メチルベンゾオキサゾール、5,6−ジメチルベンゾオキサゾール、4,6−ジメチルベンゾオキサゾール、6−メトキシベンゾオキサゾール、5−メトキシベンゾオキサゾール、4−エトキシベンゾオキサゾール、5−クロロベンゾオキサゾール、6−メトキシベンゾオキサゾール、5−ヒドロキシベンゾオキサゾール、6−ヒドロキシベンゾオキサゾール、等)、ナフトオキサゾール類(例えば、ナフト[1,2]オキサゾール、ナフト[2,1]オキサゾール、等)、セレナゾール類(例えば、4−メチルセレナゾール、4−フェニルセレナゾール、等)、ベンゾセレナゾール類(例えば、ベンゾセレナゾール、5−クロロベンゾセレナゾール、5−メトキシベンゾセレナゾール、5−ヒドロキシベンゾセレナゾール、テトラヒドロベンゾセレナゾール、等)、ナフトセレナゾール類(例えば、ナフト[1,2]セレナゾール、ナフト[2,1]セレナゾール、等)、チアゾリン類(例えば、チアゾリン、4−メチルチアゾリン、等)、2−キノリン類(例えば、キノリン、3−メチルキノリン、5−メチルキノリン、7−メチルキノリン、8−メチルキノリン、6−クロロキノリン、8−クロロキノリン、6−メトキシキノリン、6−エトキシキノリン、6−ヒドロキシキノリン、8−ヒドロキシキノリン、等)、4−キノリン類(例えば、キノリン、6−メトキシキノリン、7−メチルキノリン、8−メチルキノリン、等)、1−イソキノリン類(例えば、イソキノリン、3,4−ジヒドロイソキノリン、等)、3−イソキノリン類(例えば、イソキノリン等)、ベンズイミダゾール類(例えば、1,3−ジエチルベンズイミダゾール、1−エチル−3−フェニルベンズイミダゾール、等)、3,3−ジアルキルインドレニン類(例えば、3,3−ジメチルインドレニン、3,3,5,−トリメチルインドレニン、3,3,7,−トリメチルインドレニン、等)、2−ピリジン類(例えば、ピリジン、5−メチルピリジン、等)、4−ピリジン(例えば、ピリジン等)等をあげることができる。
また、含硫黄複素環の例としては、例えば、特開平3−296759号記載の色素類におけるジチオール部分構造をあげることができる。具体例としては、ベンゾジチオール類(例えば、ベンゾジチオール、5−t−ブチルベンゾジチオール、5−メチルベンゾジチオール、等)、ナフトジチオール類(例えば、ナフト[1,2]ジチオール、ナフト[2,1]ジチオール、等)、ジチオール類(例えば、4,5−ジメチルジチオール類、4−フェニルジチオール類、4−メトキシカルボニルジチオール類、4,5−ジメトキシカルボニルベンゾジチオール類、4,5−ジトリフルオロメチルジチオール、4,5−ジシアノジチオール、4−メトキシカルボニルメチルジチオール、4−カルボキシメチルジチオール、等)等を挙げることができる。
以上に述べた一般式(1)〜(4)における、Yが、上述のAおよび隣接する炭素原子と共同して形成する含窒素あるいは硫黄複素環の例の内、下記、部分構造式(1−A)であらわされる構造を有する色素は、高い増感能を有する上、保存安定性にも非常に優れた、光重合性組成物を与えるため、特に好ましい。
Figure 2005351947
(部分構造式(1−A)中、Aは一般式(1)中と同義であり、X5、X6はそれぞれ独立に、置換もしくは非置換のアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、X5、X6が互いに結合して5、6、もしくは7員環を形成してもよい。
5、X6の具体例としては、先に、R2の例として挙げた、置換もしくは非置換のアルキル基、アリール基の例が挙げられる。
次に、一般式(1)におけるX1およびX2について具体的に説明する。
1およびX2はそれぞれ独立して、一価の非金属原子団、例えば、水素原子、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N′−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキルウレイド基、N′−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アリール−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)及びその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基(−PO32)及びその共役塩基基(以下、ホスフォナト基と称す)、ジアルキルホスフォノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノ基(−PO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリールホスフォノ基(−PO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO32)及びその共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホスフォノオキシ基(−OPO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは非置換のアリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられ、これらのより具体的な例は、先のR1に関して説明したものである。
また、X1とX2は互いに結合して、先述のL.G.Brooker et al.,J.Am.Chem.Soc.,73,5326−5358(1951)及び参考文献に記載されるメロシアニン色素類における酸性核を構成してもよい。
酸性核の具体例としては、1,3−ジカルボニル核(例えば,1,3−インダンジオン、1,3−シクロヘキサンジオン、5,5−ジメチルシクロヘキサンジオン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン等)、ピラゾリノン核(例えば、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−(2−ベンゾチアゾリル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン等)、イソオキサゾリノン核(例えば、3−フェニル−2−イソオキサゾリン−5−オン、3−メチル−2−イソオキサゾリン−5−オン等)、オキシインドール核(例えば、1−アルキル−2,3−ジヒドロ−2−オキシインドール等)、2,4,6−トリオキソヘキサヒドロピリミジン核(例えば、バルビツル酸または2−チオバルビツル酸およびそのN置換誘導体、例えば、1,3−ジエチルバルビツル酸、1,3−ジエチル−2−チオバルビツル酸、1,3−ジブチルバルビツル酸、1,3−ジブチル−2−チオバルビツル酸、1,3−ジフェニルバルビツル酸、1,3−ジフェニル−2−チオバルビツル酸、1,3−ジメトキシカルボニルメチルバルビツル酸、1,3−ジメトキシカルボニルメチル−2−チオバルビツル酸等)、2−チオ−2,4−チアゾリジンジオン核(例えば、ローダニンおよびそのN置換誘導体、例えば、3−メチルローダニン、3−エチルローダニン、3−フェニルローダニン、3−アリルローダニン、3−ベンジルローダニン、3−カルボキシメチルローダニン、3−カルボキシエチルローダニン、3−メトキシカルボニルメチルローダニン、3−ヒドロキシエチルローダニン、3−モルフォリノエチルローダニン、等)、2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン核(すなわち、2−チオ−2,4−(3H,4H)−オキサゾールジオン核、例えば、2−エチル−2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン等)、チアナフテノン核(例えば、3(2H)−チアナフテノン、3(2H)−チアナフテノン−1,1−ジオキサイド等)、2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン核(例えば、3−エチル−2−チオ2,5−チアゾリジンジオン等)、2,4−チアゾリジンジオン核(例えば、2,4−チアゾリジンジオン、3−エチル−2,4−チアゾリジンジオン、3−フェニル−2,4−チアゾリジンジオン等)、チアゾリジノン核(例えば、4−チアゾリジノン、3−エチル−4−チアゾリジノン、2−エチルメルカプト−4−チゾリジノン、2−メチルフェニルアミノ−4−チゾリジノン等)、2−イミノ−2−オキサゾリン−4−オン核(即ち、擬ヒダントイン核)、2,4−イミダゾリジンジオン核(即ち、ヒダントイン核、例えば、2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2,4−イミダゾリジンジオン、1,3−ジエチル−2,4−イミダゾリジンジオン等)、2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン核(即ち、チオヒダントイン核、例えば、2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン、1,3−ジエチル−2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン等)、イミダゾリン−5−オン核(例えば、2−プロピルメルカプト−2−イミダゾリン−5−オン等)、フラン−5−オン核、4−ヒドロキシ−2(1H)−ピリジノン核(例えば、N−メチル−4−ヒドロキシ−2(1H)−ピリジノン、N−メチル−4−ヒドロキシ−2(1H)−キノリノン、N−ブチル−4−ヒドロキシ−2(1H)−キノリノン等)、4−ヒドロキシ−2H−ピラン−2−オン核(例えば、4−ヒドロキシクマリン等)、チオインドキシル核(例えば、5−メチルチオインドキシル等)等が挙げられ、これらの酸性核はさらに置換基を有してもよい。
これらのX1、X2からなる部分構造の内、下記部分構造式(1−B)、(1−C)、(1−D)を有する色素が特に好ましい。
Figure 2005351947
(部分構造式(1−B)、(1−C)、(1−D)中、X3、X4、Zはそれぞれ独立にO原子、S原子またはNR5を表し、R5は置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基を表し、R2は水素原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基を表し、R3は水素原子、置換もしくは非置換のアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基を表し、R4は水素原子、置換もしくは非置換のアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基を表す。それぞれの置換基の具体例としては、既に述べたものを任意に用いる事ができる。)この中でも構造式(1−C)を有する色素が最も好ましい。
以下に、本発明の増感色素の例を、より、具体的な記述として、化学構造式(D1)〜(D60)で示すが、本発明の増感色素は上述の構造要件を満たすものをいずれも好適に使用でき、本発明は、以下の化学構造式によって制限を受けるものではない。
Figure 2005351947
Figure 2005351947
Figure 2005351947
Figure 2005351947
Figure 2005351947
Figure 2005351947
本発明の一般式(1)〜(4)で表される増感色素は、F.M.ヘイマーら著、「ザ・シアニン・ダイズ・アンド・リレィテッド・コンパウンズ」(F.M.Hamer et al.,”The Cyanine Dyes and Related Compounds”) 第511〜611頁(1964年)に記載された方法、KAI ARNE JENSEN およびLARS HENRIKSENらがACTACHEMICA SCANDINAVICA 22巻1107〜1128頁(1968年)に記載した方法などを参照して合成することができる。
本発明の増感色素に関しては、さらに、感光層の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、増感色素と、付加重合性化合物構造(例えば、アクリロイル基やメタクリロイル基)とを、共有結合、イオン結合、水素結合等の方法により結合させる事で、露光膜の高強度化や、露光後の膜からの色素の不要な析出抑制を行う事ができる。さらに、アルカリ)水系現像液への処理適性を高めるために、親水性部位(カルボキシル基並びにそのエステル、スルホン酸基並びにそのエステル、エチレンオキサイド基等の酸基もしくは極性基)の導入が有効である。特にエステル型の親水性基は、感光層中では比較的疎水的構造を有するため相溶性に優れ、かつ、現像液中では、加水分解により酸基を生成し、親水性が増大するという特徴を有する。
その他、例えば、感光層中での相溶性向上、結晶析出抑制のために適宜置換基を導入する事ができる。例えば、ある種の感光系では、アリール基やアリル基等の不飽和結合が相溶性向上に非常に有効である場合があり、また、分岐アルキル構造導入等の方法により、色素π平面間の立体障害を導入する事で、結晶析出が著しく抑制できる。また、ホスホン酸基やエポキシ基、トリアルコキシシリル基等の導入により、金属や金属酸化物等の無機物への密着性を向上させる事ができる。そのほか、目的に応じ、増感色素のポリマー化等の方法も利用できる。
これらの増感色素の使用法に関しても、先述の付加重合性化合物同様、感材の性能設計により任意に設定できる。例えば、増感色素を2種以上併用することで、感光層への相溶性を高める事ができる。増感色素の選択は、感光性の他、使用する光源の発光波長でのモル吸光係数が重要な因子である。モル吸光係数の大きな色素を使用する事により、色素の添加量は比較的少なくできるので、経済的であり、かつ感光層の膜物性の点からも有利である。感光層の感光性、解像度や、露光膜の物性は光源波長での吸光度に大きな影響を受けるので、これらを考慮して増感色素の添加量を適宜選択する。例えば、吸光度が0.1以下の低い領域では感度が低下する。また、ハレーションの影響により低解像度となる。但し、例えば5μm以上の厚い膜を硬化せしめる目的に対しては、この様な低い吸光度の方がかえって硬化度を挙げられる場合もある。
また、吸光度が3以上の様な高い領域では、感光層表面で大部分の光が吸収され、より内部での硬化が阻害され、例えば印刷版として使用した場合には膜強度、基板密着性の不十分なものとなる。比較的薄い膜厚で使用する平版印刷版としての使用に際しては、増感色素の添加量は、感光層の吸光度が0.1から1.5の範囲、好ましくは0.25から1の範囲となるように設定するのが好ましい。平版印刷版として利用する場合には、これは、通常、感光層成分100質量部に対し、0.05〜30質量部、好ましくは0.1〜20質量部、さらに好ましくは0.2〜10質量部の範囲である。
〔ヘキサアリールビスイミダゾール化合物〕
ヘキサアリールビスイミダゾール(HABI、トリアリール−イミダゾールの二量体)類の製造工程はDE1470154に記載されておりそして光重合可能な組成物中でのそれらの使用はEP24629、EP107792、US4410621、EP215453およびDE3211312に記述されている。
好ましい誘導体は例えば、2,4,5,2′,4′,5′−ヘキサフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2−ブロモフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラ(3−メトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラ(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ビスイミダゾール、2,5,2′,5′−テトラ(2−クロロフェニル)−4,4′−ビス(3,4−ジメトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2−ニトロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ジ−o−トリル−4,5,4′,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2−エトキシフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビスイミダゾールおよび2,2′−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラ(2,4−ジクロロフェニル)ビスイミダゾールである。これらのヘキサアリールビイミダゾール化合物は、必要に応じ、多種のビイミダゾールと併用して使用することもできる。ビイミダゾール類は例えばBull.Chem.Soc.Japan.33,565(1960)及びJ.Org.Chem.36[16]2262(1971)に開示されている方法により容易に合成することができる。HABI光開始剤の量は、光重合可能な組成物の非揮発性成分の合計質量に関して、典型的には0.01〜30質量%、好ましくは0.5〜20質量%の範囲である。
〔複素環チオール化合物〕
本発明で用いる光重合開始剤は複素環チオール化合物を併用することが好ましい。このチオール化合物はメルカプト基を有する複素環化合物であり、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール等が挙げられる。
〔(メタ)アクリロイル基含有アルカリ可溶性樹脂バインダー〕
本発明では、アクリロイル基およびメタクリロイル基を総称して(メタ)アクリロイル基と呼ぶことにする。
メタクリル酸および/又はアクリル酸を構成モノマーとして用いたビニル系共重合体に、分子内に(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ化合物を反応させて得られる(メタ)アクリロイル基含有アルカリ可溶性樹脂バインダー(以下本発明のバインダーと呼ぶ)は、(メタ)アクリル酸と、必要に応じて他の共重合可能なモノマーとの共重合工程と、得られた共重合体のカルボキシル基に、分子内に(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ化合物のエポキシ基を開環付加させる工程とを経て合成される。
メタクリル酸および/又はアクリル酸と共重合させるモノマーとして、メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル等の無置換アルキルエステルの他、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル等の環状アルキルエステルや、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート等の置換アルキルエステルが挙げられる。
さらに、本発明の高分子結合材は、他の共重合モノマーとして、下記(1)〜(14)に記載のモノマー等も用いる事が出来る。ただし、共重合モノマーはこれに限定されるものではない。
1)芳香族水酸基を有するモノマー、例えばo−(又はp−,m−)ヒドロキシスチレン、o−(又はp−,m−)ヒドロキシフェニルアクリレート等
2)脂肪族水酸基を有するモノマー、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、ヒドロキシエチルビニルエーテル等
3)アミノスルホニル基を有するモノマー、例えばm−(又はp−)アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−(又はp−)アミノスルホニルフェニルアクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド等
4)スルホンアミド基を有するモノマー、例えばN−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド等
5)アクリルアミド又はメタクリルアミド類、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ニトロフェニル)アクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド等
6)弗化アルキル基を含有するモノマー、例えばトリフルオロエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、N−ブチル−N−(2−アクリロキシエチル)ヘプタデカフルオロオクチルスルホンアミド等
7)ビニルエーテル類、例えば、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等
8)ビニルエステル類、例えばビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等
9)スチレン類、例えばスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等
10)ビニルケトン類、例えばメチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等
11)オレフィン類、例えばエチレン、プロピレン、i−ブチレン、ブタジエン、イソプレン等
12)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン等
13)シアノ基を有するモノマー、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−ペンテンニトリル、2−メチル−3−ブテンニトリル、2−シアノエチルアクリレート、o−(又はm−,p−)シアノスチレン等
14)アミノ基を有するモノマー、例えばN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリブタジエンウレタンアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−i−プロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等
これらのモノマーの共重合は、一般的な熱ラジカル発生剤を重合開始剤として使用する溶液重合反応によって容易に合成可能である。一般的なラジカル重合については、エヌ・ティー・エス発行「ラジカル重合ハンドブック−基礎から新展開まで−」に記載されている。
上記に得られた共重合体のカルボキシル基に、分子内に(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ化合物のエポキシ基を開環付加させ、本発明のバインダーが得られる。分子内に(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ化合物は、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートが一般的だが、その他、脂環式エポキシ基を有する下記の化合物等も用いることができる。
Figure 2005351947
上記で得られた本発明のバインダーの分子量は任意だが、好ましくは5000から200000の範囲であり、より好ましくは10000から100000の範囲である。
また、分子内に(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ化合物を付加させる量は、付加前の共重合体100質量部に対し、0.5から50質量部の範囲が好ましい。より好ましくは、1から40質量部の範囲である。
前述の量の分子内に(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ化合物を付加させる為には、付加させる(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ化合物のモル数に対応したカルボキシル基のモル数が、付加前の共重合体に含まれている事が前提である。この付加反応は、少量のアミン誘導体化合物を触媒的に作用させる事で短時間で高収率に進行する。また、本発明のバインダーはアルカリ溶解性を付与する為に、付加に寄与せずに残存するカルボキシル基があることが好ましい。残存するカルボキシル基の量は、本発明のバインダーの酸価が5〜200の範囲となる量が好ましい。更に好ましくは、酸価が10から120の範囲である。本発明のバインダーは、画像記録層中、20から90質量%の含有量で含まれることが好ましい。
また、本発明では、他の樹脂をバインダーとして併用しても構わない。併用可能なバインダー樹脂としては、(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ化合物を付加させる前の共重合体や、特開2003−345011号の段落番号0056に記載の樹脂類が挙げられる。
〔エチレン性二重結合含有重合性化合物〕
本発明に用いられる感光性平版印刷版の画像形成層には、エチレン性二重結合含有重合性化合物、所謂モノマー類、及び多官能オリゴマー類が含まれる。これらモノマー類、及び多官能オリゴマー類の含有率は、画像記録層中70質量%以下の範囲であることが好ましい。更に好ましくは、20から60質量%の範囲である。
これらモノマー類、及び多官能オリゴマー類には、一般的なラジカル重合性のモノマー類、紫外線硬化樹脂に一般的に用いられる分子内に付加重合可能なエチレン性二重結合を複数有する多官能モノマー類や、多官能オリゴマー類を用いることができる。該化合物に限定は無いが、好ましいものとして、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセロールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシヘキサノリドアクリレート、1,3−ジオキサンアルコールのε−カプロラクトン付加物のアクリレート、1,3−ジオキソランアクリレート等の単官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングルコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ハイドロキノンジアクリレート、レゾルシンジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートのジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレートのε−カプロラクトン付加物、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルのジアクリレート等の2官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのε−カプロラクトン付加物、ピロガロールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ヒドロキシピバリルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリアクリレート等の多官能アクリル酸エステル酸、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル等を挙げることができる。
また、プレポリマーも上記同様に使用することができる。プレポリマーとしては、後述する様な化合物等が挙げることができ、また、適当な分子量のオリゴマーにアクリル酸、又はメタクリル酸を導入し、光重合性を付与したプレポリマーも好適に使用できる。これらプレポリマーは、1種又は2種以上を併用してもよいし、上述の単量体及び/又はオリゴマーと混合して用いてもよい。
プレポリマーとしては、例えばアジピン酸、トリメリット酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、ハイミック酸、マロン酸、こはく酸、グルタール酸、イタコン酸、ピロメリット酸、フマル酸、グルタール酸、ピメリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、テトラヒドロフタル酸等の多塩基酸と、エチレングリコール、プロピレングルコール、ジエチレングリコール、プロピレンオキサイド、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等の多価のアルコールの結合で得られるポリエステルに(メタ)アクリル酸を導入したポリエステルアクリレート類、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン・(メタ)アクリル酸、フェノールノボラック・エピクロルヒドリン・(メタ)アクリル酸のようにエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したエポキシアクリレート類、例えば、エチレングリコール・アジピン酸・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルフタリルメタクリレート・キシレンジイソシアネート、1,2−ポリブタジエングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパン・プロピレングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレートのように、ウレタン樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したウレタンアクリレート、例えば、ポリシロキサンアクリレート、ポリシロキサン・ジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート等のシリコーン樹脂アクリレート類、その他、油変性アルキッド樹脂に(メタ)アクリロイル基を導入したアルキッド変性アクリレート類、スピラン樹脂アクリレート類等のプレポリマーが挙げられる。
本発明の感光性組成物には、ホスファゼンモノマー、トリエチレングリコール、イソシアヌール酸EO(エチレンオキシド)変性ジアクリレート、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、アルキレングリコールタイプアクリル酸変性、ウレタン変性アクリレート等の単量体及び該単量体から形成される構成単位を有する付加重合性のオリゴマー及びプレポリマーを含有することができる。
更に、本発明に併用可能なエチレン性単量体として、少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を含有するリン酸エステル化合物が挙げられる。該化合物は、リン酸の水酸基の少なくとも一部がエステル化された化合物であり、しかも、(メタ)アクリロイル基を有する限り特に限定はされない。
その他に、特開昭58−212994号公報、同61−6649号公報、同62−46688号公報、同62−48589号公報、同62−173295号公報、同62−187092号公報、同63−67189号公報、特開平1−244891号公報等に記載の化合物などを挙げることができ、更に「11290の化学商品」化学工業日報社、p.286〜p.294に記載の化合物、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」高分子刊行会、p.11〜65に記載の化合物なども本発明においては好適に用いることができる。これらの中で、分子内に2以上のアクリル基又はメタクリル基を有する化合物が本発明においては好ましく、更に分子量が10,000以下、より好ましくは5,000以下のものが好ましい。
〔分子内に三級アミノ基を有する付加重合可能なエチレン性二重結合含有化合物〕
本発明では、分子内に三級アミノ基を含有する付加重合可能なエチレン性二重結合含有化合物を使用する。構造上の限定は特に無いが、水酸基を有する三級アミン化合物を、グリシジルメタクリレート、メタクリル酸クロリド、アクリル酸クロリド等で変性したものが好ましく用いられる。具体的には、特開平1−165613、公開平1−203413、公開平1−197213記載の集合可能な化合物等が好ましく用いられる。
さらに本発明では、分子内に三級アミノ基を含有する多価アルコール、ジイソシアネート化合物、および分子内にヒドロキシル基と付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する化合物の反応生成物を使用することが好ましい。
ここで言う、分子内に三級アミノ基を有する多価アルコールとしては、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノ−ルアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−tert.−ブチルジエタノ−ルアミン、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)アニリン、N,N,N’,N’−テトラ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、p−トリルジエタノ−ルアミン、N,N,N’,N’−テトラ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン、アリルジエタノールアミン、3−(ジメチルアミノ)−1,2−プロパンジオール、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオ−ル、N,N−ジ(n−プロピル)アミノ−2,3−プロパンジオール、N,N−ジ(iso−プロピル)アミノ−2,3−プロパンジオール、3−(N−メチル−N−ベンジルアミノ)−1,2−プロパンジオ−ル等が挙げられるが、これに限定されない。
ジイソシアネート化合物としては、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサン−1,6−ジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、オクタン−1,8−ジイソシアネート、1,3−ジイソシアナートメチル−シクロヘキサノン、2,2,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,2−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,5−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアナートメチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン等が挙げられるが、これに限定されない。分子内にヒドロキシル基と付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する化合物としては、MH−1からMH−13等の化合物等が挙げられるが、これに限定されない。好ましくは、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピレン−1,3−ジメタクリレート、2−ヒドロキシプロピレン−1−メタクリレート−3−アクリレート等が挙げられる。
これらの反応は、通常のジオール化合物、ジイソシアネート化合物、ヒドロキシル基含有アクリレート化合物の反応で、ウレタンアクリレートを合成する方法と同様に行うことが出来る。
また、これらの分子内に三級アミノ基を含有する多価アルコール、ジイソシアネート化合物、および分子内にヒドロキシル基と付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する化合物の反応生成物において具体例を以下に示す。
(多官能オリゴマーの合成例)
M−1:トリエタノールアミン(1モル)、ヘキサン−1,6−ジイソシアネート(3モル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(3モル)の反応生成物
M−2:トリエタノールアミン(1モル)、イソホロンジイソシアネート(3モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(3モル)の反応生成物
M−3:N−n−ブチルジエタノ−ルアミン(1モル)、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン(2モル)、2−ヒドロキシプロピレン−1−メタクリレート−3−アクリレート(2モル)の反応生成物
M−4:N−n−ブチルジエタノ−ルアミン(1モル)、1,3−ジ(イソシアナートメチル)ベンゼン(2モル)、2−ヒドロキシプロピレン−1−メタクリレート−3−アクリレート(2モル)の反応生成物
M−5:N−メチルジエタノールアミン(1モル)、トリレン−2,4−ジイソシアネート(2モル)、2−ヒドロキシプロピレン−1,3−ジメタクリレート(2モル)の反応生成物
M−6:トリエタノールアミン(1モル)、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン(3モル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(3モル)の反応生成物
M−7:エチレンジアミンテトラエタノール(1モル)、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン(4モル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(4モル)の反応生成物
M−8:ブチルジエタノールアミン(1モル)、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン(2モル)、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレート(2モル)の反応生成物
この他にも、特開平1−105238号、特開平2−127404号記載の、アクリレートまたはアルキルアクリレートを用いることが出来る。
〔感光性平版印刷版の画像形成層その他〕
本発明に係る画像形成層には、上記した成分の他に感光性平版印刷版材料の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性二重結合単量体の不要な重合を阻止するために、重合防止剤を添加することが望ましい。適当な重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
重合防止剤の添加量は上記組成物の全固形分の質量に対して、0.01%〜5%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加したり、塗布後の乾燥の過程で感光性層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の0.5%〜10%が好ましい。
また、着色剤も使用することができ、着色剤としては市販のものを含め従来公知のものが好適に使用できる。例えば、改訂新版「顔料便覧」、日本顔料技術協会編(誠文堂新光社)、カラーインデックス便覧等に述べられているものが挙げられる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、赤色顔料、褐色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料等が挙げられる。具体的には、無機顔料(二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミウム、酸化鉄、ならびに鉛、亜鉛、バリウム及びカルシウムのクロム酸塩等)及び有機顔料(アゾ系、チオインジゴ系、アントラキノン系、アントアンスロン系、トリフェンジオキサジン系の顔料、バット染料顔料、フタロシアニン顔料及びその誘導体、キナクリドン顔料等)が挙げられる。
これらの中でも、露光に使用するレーザー光に対応した分光増感色素の吸収波長域に実質的に吸収を持たない顔料を選択して使用することが好ましく、この場合、使用するレーザー波長での積分球を用いた顔料の反射吸収が0.05以下であることが好ましい。又、顔料の添加量としては、上記組成物の固形分に対し0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.2〜5質量%である。
さらに、印刷版作製時に露光後加熱を行うことが望ましいが、このプレヒート温度許容度が狭いと版厚が異なる印刷版を混浴せ処理した場合、プレヒート時の版面温度が異なり、現像不良を引き起こすおそれがある。例え版厚の異なる印刷版を同時に処理しても現像不良を起こさないようプレヒート温度許容性に優れた感光性平版印刷版材料が望ましく、そのためプレヒート温度許容性を上げるため画像形成層中に、ヒンダードアミン系化合物或いはアミノフェノール系化合物を添加するのが望ましい。
代表的なものとして、例えば、下記の如き構造を有するものがあり、添加量としては、画像形成層の全固形分質量に対して0.1〜10質量%、特に0.5〜5質量%が好ましい。
Figure 2005351947
(式中、nは1〜10の整数を表し、R1〜R5はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ホルミル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、もしくは、各々置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、芳香族複素環基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルケニル基、アリールオキシ基、アクリロイルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、アミノ基、またはアミド基を表す。
6、R7は、それぞれ独立して、水素原子、あるいは、各々置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、芳香族複素環基、アルケニル基、またはアクリロイル基を表す。)
また、画像形成層は本発明の性能を損わない範囲で、界面活性剤を塗布性改良剤として含有することができる。その中でも好ましいのはフッ素系界面活性剤である。
また、硬化皮膜の物性を改良するために、無機充填剤やジオクチルフタレート、ジメチルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤等の添加剤を加えてもよい。これらの添加量は全固形分の10%以下が好ましい。
また、本発明に係る画像形成層を調製する際に使用する溶剤としては、例えば、アルコール:多価アルコールの誘導体類では、sec−ブタノール、イソブタノール、n−ヘキサノール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、又エーテル類:プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、又ケトン類、アルデヒド類:ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、又エステル類:乳酸エチル、乳酸ブチル、シュウ酸ジエチル、安息香酸メチル等が好ましく挙げられる。
本発明に係る画像形成層の上側には、保護層を設けることが好ましい。該保護層(酸素遮断層)は、現像液(一般にはアルカリ水溶液)への溶解性が高いことが好ましく、具体的には、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンを挙げることができる。ポリビニルアルコールは酸素の透過を抑制する効果を有し、またポリビニルピロリドンは隣接する画像形成層との接着性を確保する効果を有する。
上記2種のポリマーの他に、必要に応じポリサッカライド、ポリエチレングリコール、ゼラチン、膠、カゼイン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチル澱粉、アラビアゴム、サクローズオクタアセテート、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアミン、ポリエチレンオキシド、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、水溶性ポリアミド等の水溶性ポリマーを併用することもできる。
本発明に係る平版印刷版材料では、画像形成層と保護層間の剥離力が35mN/mm以上であることが好ましく、より好ましくは50mN/mm以上、更に好ましくは75mN/mm以上である。好ましい保護層の組成としては、特開平10−10742号公報に記載されるものが挙げられる。剥離力は保護層上に十分大きい粘着力を有する所定幅の粘着テープを貼り、それを平版印刷版材料の平面に対して90度の角度で保護層と共に剥離する時の力を測定することにより求めることができる。
保護層には、更に必要に応じて界面活性剤、マット剤等を含有することができる。上記保護層組成物を適当な溶剤に溶解し画像形成層上に塗布・乾燥して保護層を形成する。塗布溶剤の主成分は水、あるいはメタノール、エタノール、i−プロパノール等のアルコール類であることが特に好ましい。
保護層の厚みは0.1〜5.0μmが好ましく、特に好ましくは0.5〜3.0μmである。
〔黄色蛍光灯及び製版時の取り扱い条件〕
本発明では、450nm以下の波長をカットした黄色安全光(セーフライト光)のもとで感光性平版印刷版を取り扱う。450nm以下の波長をカットした黄色安全光としては450nm以下の波長成分が実質的にカットされたものであれば制限はなく、例えば、松下電工社製のカラード蛍光灯(FLR−40S・Y−F/M)、半導体工場用(純黄色)飛散防止膜付蛍光灯(FLR−40S・Y−F/M・P)や一般的な白色蛍光灯(例えば、松下電工社製:FLR40S・D/M−X)にENCAPSULITE社製のセーフライトスリーブV50を装着したもの等が挙げられる。照度は作業上明るいと感じる条件である必要があり、通常感光性平版印刷版が取り扱われる位置(床から1m〜1.5m)にて照度計で測定して100〜500ルクス、好ましくは200〜500ルクスである。
〔印刷〕
本発明の光重合性感光性製版印刷版は、画像形成後、印刷機により印刷を行うが、印刷機、印刷用紙、印刷インキ、湿し水等特に限定されない。近年印刷業界においても環境保全が叫ばれ、印刷インキにおいては石油系の揮発性有機化合物(VOC)を使用しないインキが開発されその普及が進みつつあるが、本発明の効果はこのような環境対応の印刷インキを使用した場合に特に顕著である。環境対応の印刷インキとしては大日本インキ化学工業社製の大豆油インキ“ナチュラリス100”、東洋インキ社製のVOCゼロインキ“TKハイエコーNV”、東京インキ社製のプロセスインキ“ソイセルボ”等があげられる。
以下、実施例にて、より具体的に本発明を説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。なお、文中「部」とは「質量部」を表す。
《感光性平版印刷版の作製》
(支持体の作製)
厚さ0.30mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を、65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間の脱脂処理を行った後、水洗した。この脱脂アルミニウム板を、25℃に保たれた10%塩酸水溶液中に1分間浸漬して中和した後、水洗した。次いで、このアルミニウム板を、0.3質量%の硝酸水溶液中で、25℃、電流密度100A/dm2の条件下に交流電流により60秒間、電解粗面化を行った後、60℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行った。デスマット処理を行った粗面化アルミニウム板を、15%硫酸溶液中で、25℃、電流密度10A/dm2、電圧15Vの条件下に1分間陽極酸化処理を行い、更に0.2%ポリビニルホスホン酸を用いて60℃で親水化処理を行って支持体を作製した。
この時、表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.65μmであった。
(感光性平版印刷版の作製)
上記支持体上に、下記組成の光重合性感光層塗工液を乾燥時1.5g/m2になるようワイヤーバーで塗布し、110℃で1.5分間乾燥し光重合感光層塗布試料を得た。さらに、光重合感光層塗布試料上に、下記組成の酸素遮断層塗工液を乾燥時1.6g/m2になるようになるようアプリケーターで塗布し、75℃で1.5分間乾燥して、感光層上に酸素遮断層を有する感光性平版印刷版試料を作製した。
(バインダー1の合成)
窒素気流下の三ツ口フラスコに、メタクリル酸30部、メタクリル酸メチル50部、メタクリル酸エチル20部、イソプロピルアルコール250部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート250部、及びα、α′−アゾビスイソブチロニトリル3部を入れ、窒素気流中80℃のオイルバスで6時間反応させた。その後、イソプロピルアルコールの沸点で1時間還流を行った後、トリエチルアンモニウムクロライド3部及びグリシジルメタクリレート25部を加えて3時間反応させ、最終的に固形分濃度が20質量部になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて、バインダー1溶液を得た。GPCを用いて測定した重量平均分子量は約35,000、DSC(示差熱分析法)を用いて測定したガラス転移温度(Tg)は約85℃であった。酸価は70であった。
(光重合性感光層塗工液)
高分子結合材(表1) 40.0部
分子内に三級アミノ基を含有する付加重合可能な 30.0部
エチレン性二重結合含有単量体(M−3)
ポリエチレングリコール#200ジメタクリレート 15.0部
(NKエステル4G:新中村化学工業社製)
増感色素(表1) 3.0部
光重合開始剤(表1) 5.0部
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.5部
ヒンダードアミン安定化剤(LS770:三共ライフテック社製) 0.1部
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール 1.5部
フタロシアニン顔料(MHI454:御国色素社製) 6.0部
弗素系界面活性剤(F−178K;大日本インキ社製) 0.5部
メチルエチルケトン 240部
シクロヘキサノン 60部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 600部
(酸素遮断層塗工液)
ポリビニルアルコール(AL−06:日本合成化学社製) 84部
ポリビニルピロリドン(K−30:ISPジャパン社製) 15部
界面活性剤(サーフィノール465:日新化学社製) 0.5部
水 900部
(画像形成方法)
このようにして作製した感光性平版印刷版材料について、出力30mWの波長408nmレーザー光源を搭載したCTP露光装置(Tigercat:ECRM社製)を用いて画像露光を行い、次いで、現像前に加熱装置部、オーバーコート層を除去する前水洗部、下記現像液組成1を充填した現像部、版面に付着した現像液を取り除く水洗部、画線部保護のためのガム液(GW−3:三菱化学社製を2倍希釈したもの)を備えたCTP自動現像機(PHW23−V:Technigraph社製)で現像処理を行なった。加熱部条件は版面到達温度が105℃になるように調節した。なお、熱処理時間は15秒とした。版面到達温度は、サーモラベル[日油技研社製]で確認した。
現像液組成1(下記添加剤を含有する水溶液)
Aケイ酸カリウム 8.0質量%
ニューコールB−13SN(日本乳化剤社製) 2.0質量%
プロノン#204(日本油脂社製) 1.0質量%
エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム2水和塩 0.1質量%
苛性カリにより pH=12.3なるよう調整
(感光性平版印刷版の性能評価)
上記のようにして得られた平版印刷版について、以下の評価をした。
《感度》
レーザーの露光エネルギーを0〜100μJ/cm2の範囲で5μJ/cm2間隔で変化させ、100%ベタ画像を記録し、上記画像形成方法に従って製版した。得られた版の画像濃度を露光エネルギー毎に測定し、最高ベタ濃度から−10%の反射濃度の点を最低画像形成エネルギーとし、これをもって感度とした。
《耐刷性》
上記画像形成方法に従って175線の画像を50μJ/cm2で露光、現像して作製した平版印刷版を、印刷機(三菱重工業社製DAIYA1F−1)で、コート紙(リサイクルコート100:日本製紙社製)、印刷インキ(大日本インキ化学工業社製、大豆油インキ”ナチュラリス100”)及び湿し水(東京インク社製H液SG−51濃度1.5%)を用いて印刷を行い、ハイライト部(網点濃度:5.0%)の点細りの発生する印刷枚数を耐刷性の指標とした。結果は表1に示す。
《耐薬品性》
上記画像形成方法に従って175線の画像を50μJ/cm2で露光、現像して作製した平版印刷版を、印刷機(ハイデルベルグ社製GTO)で、上質紙、印刷インキ(大日本インキ化学工業社製の、大豆油インキ”ナチュラリス100”)及び湿し水(東京インク(株)製H液SG−51濃度1.5%)を用いて印刷を行い、印刷500枚毎に、ウルトラプレートクリーナー(大日精化社販売)を含ませたスポンジで版面を拭き、三分間放置した後に、印刷を再開する工程を繰り返した。ハイライト部の点細りの発生する、ウルトラプレートクリーナー処理回数を、耐薬品性の指標とした。結果は表1に示す。
《セーフライト性》
条件A:白色蛍光灯(松下電工社製:FLR40S・D/M−X)にENCAPSULITE社製のセーフライトスリーブV50をセットしたのち330ルクスの照度下に、感光性平版印刷版を2分おきに60分までさらした後、感度評価と同様の現像条件で現像した。その後、現像インキPI2(富士フィルム社製)を用いてインキ盛りを行い、汚れを評価した。汚れが発生しない最長時間をセーフライト時間とした。
条件B:カラード蛍光灯(松下電工社製:FLR−40S・Y−F/M)をそのままで300ルクスの照度下に、感光性平版印刷版を2分おきに60分までさらした後、条件Aと同様に評価した。
セーフライト性は30分以上であることが望ましい。なお、各条件でのセーフライトの放射光波長分布を図1に示す。
評価結果を表1に示す。
Figure 2005351947
バインダーA:メタクリル酸/メタクリル酸メチル/メタクリル酸エチルの質量比10/70/20の共重合体(重量平均分子量:約35,000)
色素A:7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン
化合物A:チタノセン化合物(IRGACURE784:チバスペシャリティーケミカルズ社製)
Figure 2005351947
化合物1:2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビスイミダゾール
化合物2:2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラ(3−メトキシフェニル)ビスイミダゾール
化合物3:2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラ(2,4−ジクロロフェニル)ビスイミダゾール
セーフライトの放射光波長分布。

Claims (4)

  1. 支持体上に、付加重合可能なエチレン性二重結合含有化合物、光重合開始剤、高分子結合材を含有する光重合性感光層を有する感光性平版印刷版の製版方法において、該光重合性感光層が、少なくとも下記(a)〜(d)を含有した感光性平版印刷版を、450nm以下の波長をカットした照度100〜500Lxの黄色安全光のもとで取り扱った後に画像形成することを特徴とする感光性平版印刷版の製版方法。
    (a)分子内に三級アミノ基を有する付加重合可能なエチレン性二重結合含有化合物
    (b)高分子結合材として(メタ)アクリル酸を構成モノマーとして用いたビニル系共重合体に、分子内に(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ化合物を反応させて得られる(メタ)アクリロイル基含有アルカリ可溶性樹脂バインダー
    (c)光重合開始剤としてヘキサアリールビスイミダゾール化合物
    (d)下記一般式(I)で表されるメロシアニン系色素から選ばれる化合物
    Figure 2005351947
    (式中、AはS原子またはNR1を表し、R1は置換もしくは非置換のアルキル基または置換もしくは非置換のアリール基を表し、Yは隣接するAおよび炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、X1、X2はそれぞれ独立に一価の非金属原子団を表し、X1、X2は互いに結合して色素の酸性核を形成してもよい。)
  2. 前記光重合性感光層が、さらに複素環チオール化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1に記載の感光性平版印刷版の製版方法。
  3. 前記付加重合可能なエチレン性二重結合含有化合物が、分子内に三級アミノ基を含有する多価アルコール、ジイソシアネート化合物、および分子内にヒドロキシル基と付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する単量体の反応生成物であることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性平版印刷版の製版方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の製版方法により画像形成されたことを特徴とする平版印刷版。
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