JP2000309724A - 短波長半導体レーザ露光用光重合性組成物 - Google Patents

短波長半導体レーザ露光用光重合性組成物

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JP2000309724A
JP2000309724A JP11921499A JP11921499A JP2000309724A JP 2000309724 A JP2000309724 A JP 2000309724A JP 11921499 A JP11921499 A JP 11921499A JP 11921499 A JP11921499 A JP 11921499A JP 2000309724 A JP2000309724 A JP 2000309724A
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Yasubumi Murota
泰文 室田
Tadahiro Sorori
忠弘 曽呂利
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 350nmから450nmの波長に対
し高感度な新規な光重合性組成物であり、さらに作業
性、経済性に優れた、CTPシステムに適合した走査露
光用平版印刷版、及び安価な短波長半導体レーザの発振
波長に対し高感度な平版印刷版原版を得ることができる
光重合性組成物を提供すること。 【解決手段】 (i)下記一般式(1)で表される増感
色素、(ii)チタノセン化合物、及び(iii)少なくとも一
個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合
物を含有する光重合性組成物。 【化1】 (式中、A、Bはそれぞれ独立に -S- 又は、NR3、N
4を表わし、R3、R4はそれぞれ独立に置換もしくは
非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基
を表し;Y1、Y2はそれぞれ独立に、隣接するA、Bお
よび隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する
非金属原子団を表わし;R1、R2はそれぞれ独立に一価
の非金属原子団であるか、又は互いに結合して脂肪族性
または芳香族性の環を形成することができる。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な光開始系、特
に高感度でかつ安定性に優れた光開始系を含有する光重
合性組成物に関する。また本発明は特に、ディジタル信
号に基づいた走査露光により製版可能な平版印刷版原版
用の材料として優れた光重合性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、平版印刷版としては親水性支持体
上に親油性の感光性樹脂層を設けた構成を有するPS版
が広く用いられているが、その製版方法として通常はリ
スフイルムを介してマスク露光(面露光)後、非画像部
を溶解除去することにより所望の印刷版を得ていた。近
年、画像情報をコンピュータを用いて電子的に処理、蓄
積、出力するディジタル化技術が広く普及し、それに対
応した新しい画像出力方式が種々実用化されるようにな
ってきた。その結果レーザ光のような指向性の高い光を
ディジタル化された画像情報に従って走査し、リスフイ
ルムを介す事無く、直接印刷版を製造するコンピュータ
トゥ プレート(CTP)技術が望まれ、これに適応し
た印刷版原版を得ることが重要な技術課題となってい
る。このような走査露光可能な平版印刷版を得る方式の
一つとして、従来より、親水性支持体上に設けるインク
受容性の感光性樹脂層(以下、感光層という)として、
感光スピードに優れた光重合系組成物を用いた構成が提
案され、既に上市されている。該構成の原版は、現像処
理が簡便であり、さらに解像度、着肉性、耐刷性、汚れ
性に優れるといった望ましい刷版、印刷性能を有する。
【0003】上記、光重合性組成物は基本的にはエチレ
ン性不飽和化合物、光重合開始系、バインダー樹脂から
なり、画像形成は、光開始系が光吸収して活性ラジカル
を生成し、これによりエチレン性不飽和化合物の付加重
合を引き起こして感光層の不溶化を生じるものである。
従来の走査露光可能な光重合性組成物に関する提案の大
部分は、感光性に優れた光開始系の使用を開示したもの
であり、例えば、Bruce M. Monroeら著、Chemical Revu
e,93,435(1993).やR.S.Davidson著、Journal of Photoc
hemistry and biology A:Chemistry,73.81(1993).に多
く記載されている。これらの開始系からなる光重合性組
成物と光源としてArレーザー(488nm)やFD−
YAGレーザー(532nm)の様な長波長の可視光源
を用いた従来のCTPシステムにおいて、製版行程の生
産性をあげるために、さらに高速で書き込む事が望まれ
ている。しかし、光源の出力が十分高くないことや感材
の感度が十分高くない為に到達されていない。
【0004】一方、近年、例えば、InGaN系の材料
を用い、350nmから450nm域で連続発振可能な
半導体レーザが実用段階となっている。これらの短波長
光源を用いた走査露光システムは、半導体レーザの構造
上安価に製造出来るため、十分な出力を有しながら、経
済的なシステムを構築できるといった長所を有する。さ
らに、従来のFD−YAGやArレーザを使用するシス
テムに比較して、黄色灯等のより明るいセーフライト下
での作業が可能な感光域が短波長である感材が使用でき
る。上記の350nmから450nmの短波長半導体レ
ーザ域に対し、高い感光性を有する光重合性組成物を得
る事は、広く、CTP以外の産業分野、例えば、光造
形、ホログラフィー、カラーハードコピーといったレー
ザイメージング分野や、フォトレジスト等の電子材料製
造分野、インクや塗料、接着剤等の光硬化樹脂材料分野
においても、ますます要求の高まっている重要な技術で
ある。しかしながら、350nmから450nmの短波
長域で走査露光に十分な感度を有する光開始系は現在ま
でに知られていない。
【0005】従来、比較的感度の高い開始系として特定
の色素とチタノセン化合物の組み合わせた開始系が開示
されている。特開平9−328505号、特開平8−2
72096号、特開平8−262715号には、特定の
カルボメロシアニン色素とチタノセンの組み合わせが開
示されている。これらは確かに高感度であったが十分で
はなく、また、短波長光源には適さない。また、特公平
1-43299、特開平2-216154においてはN-アルキルインド
リリデンまたはN-アルキルベンゾチアゾリリデンアル
カノンを光増感剤とし、ヘキサアリールビイミダゾール
類を活性剤として含有する光重合性組成物が開示されて
いるが、実用上十分な感度は得られず、さらに保存安定
性に問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、35
0nmから450nmの波長に対し高感度な新規な光重
合性組成物を提供することにある。さらに、本発明の目
的は、作業性、経済性に優れた、CTPシステムに適合
した走査露光用平版印刷版、及び安価な短波長半導体レ
ーザの発振波長に対し高感度な平版印刷版原版を得るこ
とができる光重合性組成物を提供する事にある。
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、(i)下記一般式
(1)で表される増感色素、(ii)チタノセン化合物、及
び(iii)少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を
有する付加重合性化合物を含有する光重合性組成物が、
短波長半導体レーザの発振波長に対して十分な感度を有
し、しかも保存安定性に優れることを見いだし、本発明
に到達したものである。
【0007】
【化3】
【0008】(式中、A、Bはそれぞれ独立に -S- 又
は、NR3、NR4を表わし、R3、R4はそれぞれ独立に
置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換
のアリール基を表し;Y1、Y2はそれぞれ独立に、隣接
するA、Bおよび隣接炭素原子と共同して色素の塩基性
核を形成する非金属原子団を表わし;R1、R2はそれぞ
れ独立に一価の非金属原子団であるか、又は互いに結合
して脂肪族性または芳香族性の環を形成することができ
る。)
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について詳細
に説明する。 [光重合性組成物]本発明の光重合性組成物は、(A)
光重合開始系(増感色素及びチタノセン化合物)、
(B)少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有
する付加重合性化合物(以下、付加重合性化合物とい
う)を必須成分として含み、さらに必要に応じて(C)
バインダーポリマーを含む。以下、これらの成分につい
て具体的に説明する。
【0010】(A)光重合開始系 本発明の光重合性組成物の必須成分である光重合開始系
は(i)特定構造を有する増感色素と(ii)チタノセン化合
物を含有する。本発明における光重合開始系は、主とし
て増感色素が光吸収し、共存するチタノセン化合物から
の開始ラジカル発生を促進するものと考えられる(この
様なプロセスを以下、色素増感という)。本発明の増感
色素が特に優れる一つの理由は、その吸収波長が350
〜450nm域であることにある。また、後述するチタ
ノセン化合物の多くは、それ自体、紫外から500nm
付近までの波長域に弱い吸収を持ち、そこでも感光性を
有するが、本発明の特定構造の増感色素がチタノセン化
合物の感光性を著しく向上せしめるため、例えばチタノ
セン化合物の使用量を比較的少量にとどめることで、短
波長での感光性を十分に高めながら、同時に、チタノセ
ン自体による500nm域での感光性を低感度にするこ
とが可能であり、セーフライト適性(黄色灯等下での使
用適性)の向上を図ることができる。さらに、本発明に
おける特定構造の増感色素が特に色素増感能に優れる理
由は色素増感の機構が不明のため、詳述する事はできな
いが、以下の様に考えることができる。すなわち、本発
明における色素は、比較的高強度の発光(蛍光、燐光)
を示すことから励起状態の寿命が長いことが示唆され、
色素増感反応の効率が高くなったと考えられる。また、
本発明における色素は、相対的に強い燐光を示すことか
ら、三重項状態の生成効率が良い化合物群と考えられ、
そのことが色素増感効率向上に有利に作用しているとも
考えられる。
【0011】(i)増感色素 本発明に用いられる増感色素は下記一般式(1)で表わ
されるものである。
【0012】
【化4】
【0013】(式中、A、Bはそれぞれ独立に -S- 又
は、NR3、NR4を表わし、R3、R4はそれぞれ独立に
置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換
のアリール基を表し;Y1、Y2はそれぞれ独立に、隣接
するA、Bおよび隣接炭素原子と共同して色素の塩基性
核を形成する非金属原子団を表わし;R1、R2はそれぞ
れ独立に一価の非金属原子団であるか、又は互いに結合
して脂肪族性または芳香族性の環を形成することができ
る。)
【0014】一般式(1)について詳しく説明する。
A、Bはそれぞれ独立に -S- 又は、NR3、NR4を表
わし、R3、R4はそれぞれ独立に置換もしくは非置換の
アルキル基、又は置換もしくは非置換のアリール基を表
す。
【0015】R3、R4として非置換アルキル基の好まし
い例について具体的に述べる。好ましいアルキル基の例
としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐
状、および環状のアルキル基を挙げることができ、その
具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル
基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、
エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブ
チル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル
基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチル
ヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル
基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げるこ
とができる。
【0016】R3、R4として好ましい置換アルキル基の
置換基としては、水素を除く一価の非金属原子団が用い
られ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−B
r、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、
アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリ
ールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、ア
ミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルア
ミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールア
ミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシル
オキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバ
モイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、
N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジ
アリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−ア
リールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、
アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ
基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシル
アミノ基、ウレイド基、N′−アルキルウレイド基、
N′,N′−ジアルキルウレイド基、N′−アリールウ
レイド基、N′,N′−ジアリールウレイド基、N′−
アルキル−N′−アリールウレイド基、N−アルキルウ
レイド基、N−アリールウレイド基、N′−アルキル−
N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N−アリー
ルウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アルキル
ウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アリールウ
レイド基、N′−アリール−N−アルキルウレイド基、
N′−アリール−N−アリールウレイド基、N′,N′
−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N′,N′−
ジアリール−N−アリールウレイド基、N′−アルキル
−N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−ア
ルキル−N′−アリール−N−アリールウレイド基、ア
ルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニル
アミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルア
ミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルア
ミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミ
ノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミ
ノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコ
キシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバ
モイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジア
ルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、
N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N
−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、
アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリ
ールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)及びその共
役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシス
ルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモ
イル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジ
アルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナ
モイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N
−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルフ
ァモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−
ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモ
イル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−ア
ルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基
(−PO32)及びその共役塩基基(以下、ホスフォナ
ト基と称す)、ジアルキルホスフォノ基(−PO3(alky
l)2)、ジアリールホスフォノ基(−PO3(aryl)2)、
アルキルアリールホスフォノ基(−PO3(alkyl)(ary
l))、モノアルキルホスフォノ基(−PO3H(alkyl))
及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と
称す)、モノアリールホスフォノ基(−PO3H(ary
l))及びその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト
基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO32)及び
その共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称
す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3(alky
l)2)、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(ary
l)2)、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OP
3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基
(−OPO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、ア
ルキルホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホ
スフォノオキシ基(−OPO3H(aryl))及びその共役
塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称
す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、ヘテロアリー
ル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
【0017】これらの置換アルキル基の置換基における
アルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げ
られる。また、置換アルキル基の置換基におけるアリー
ル基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナ
フチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニ
ル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメ
チルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェ
ニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、
アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メ
チルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチル
アミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチ
ルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシ
カルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル
基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカ
ルバモイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル
基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフ
ォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げるこ
とができる。
【0018】また、置換アルキル基の置換基におけるヘ
テロアリール基としては、窒素、酸素、硫黄原子の少な
くとも一つを含有する単環、もしくは多環芳香族環が用
いられ、好ましくは、フラン、ピロール、ピリジン、等
の5員環または6員環芳香族置換基が使用できる。
【0019】また、置換アルキル基の置換基におけるア
ルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル
基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−
エテニル基、等が挙げられ、アルキニル基の例として
は、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、
トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。また、置
換アルキル基の置換基におけるアシル基(G1CO−)
におけるG1としては、水素、ならびに上記のアルキル
基、アリール基を挙げることができる。これら置換基の
内、更により好ましいものとしてはハロゲン原子(−
F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロ
キシ基、、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アル
キルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオ
キシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリ
ールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル
基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル
基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−
アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモ
イル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−
N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト
基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル
基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリー
ルスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスル
ファモイル基、ホスフォノ基、ホスフォナト基、ジアル
キルホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、モノアル
キルホスフォノ基、アルキルホスフォナト基、モノアリ
ールホスフォノ基、アリールホスフォナト基、ホスフォ
ノオキシ基、ホスフォナトオキシ基、アリール基、アル
ケニル基が挙げられる。
【0020】一方、置換アルキル基におけるアルキレン
基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上
の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基とし
たものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1か
ら12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐
状ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキレ
ン基を挙げることができる。
【0021】該置換基とアルキレン基を組み合わせる事
により得られる好ましい置換アルキル基の具体例として
は、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチ
ル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メト
キシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノ
キシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル
基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル
基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、
ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバ
モイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキ
シエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベン
ゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オ
キソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカル
ボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、ク
ロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチ
ル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプ
ロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニ
ル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホ
フェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、ス
ルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチ
ルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルフ
ァモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピ
ル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルフ
ァモイルオクチル基、ホスフォノブチル基、ホスフォナ
トヘキシル基、ジエチルホスフォノブチル基、ジフェニ
ルホスフォノプロピル基、メチルホスフォノブチル基、
メチルホスフォナトブチル基、トリルホスフォノヘキシ
ル基、トリルホスフォナトヘキシル基、ホスフォノオキ
シプロピル基、ホスフォナトオキシブチル基、ベンジル
基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル
−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シン
ナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブ
テニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニル
メチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブ
チニル基、等を挙げることができる。
【0022】R3、R4として好ましい非置換アリール基
の具体例としては、1個から3個のベンゼン環が縮合環
を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を
形成したものを挙げることができ、具体例としては、フ
ェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル
基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル
基、を挙げることができ、これらのなかでは、フェニル
基、ナフチル基がより好ましい。
【0023】R3、R4として好ましい置換アリール基の
具体例としては、前述のアリール基の環形成炭素原子上
に置換基として、水素を除く一価の非金属原子団を有す
るものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述
のアルキル基、置換アルキル基、ならびに、先に置換ア
ルキル基における置換基として示したものを挙げること
ができる。この様な、置換アリール基の好ましい具体例
としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシ
チル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニ
ル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、
トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル
基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル
基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、
メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチル
アミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホ
リノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイ
ルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイル
オキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフ
ェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベン
ゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メト
キシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフ
ェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カ
ルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニ
ル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N
−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−
メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル
基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルフ
ァモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニ
ル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、
N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N
−(ホスフォノフェニル)スルファモイルフェニル基、
ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基、ジエ
チルホスフォノフェニル基、ジフェニルホスフォノフェ
ニル基、メチルホスフォノフェニル基、メチルホスフォ
ナトフェニル基、トリルホスフォノフェニル基、トリル
ホスフォナトフェニル基、アリル基、1−プロペニルメ
チル基、2−ブテニル基、2−メチルアリルフェニル
基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニル
フェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフ
ェニル基、等を挙げることができる。
【0024】次に、一般式(1)におけるR1、R2につ
いて説明する。R1、R2はそれぞれ独立に一価の非金属
原子団であるか、又は互いに結合して脂肪族性または芳
香族性の環を形成することができる。好ましくは、
1、R2はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは非
置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基を
表すか、又はこれらの基は置換もしくは非置換アルキレ
ン基などを介して、脂肪族性または芳香族性の環を形成
するために結合することができる。互いに結合して環を
形成する場合、環の形成には、炭素原子以外に、酸素原
子、窒素原子、硫黄原子などを介することもできる。好
ましい環の例としては、置換もしくは非置換のアルキレ
ン基、エーテル結合、エステル結合、アミド結合等を介
した環などが挙げられる。ここで、置換もしくは非置換
のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基およ
び、置換基の好ましい例としては、一般式(1)におけ
るR3、R4の説明で述べたものと同様のものが挙げられ
る。
【0025】次に、一般式(1)におけるY1、Y2につ
いて説明する。Y1、Y2はそれぞれ独立に、隣接する
A、Bおよび、隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核
を形成する非金属原子団を表す。この様な複素環として
は5、6、7員の含窒素、含酸素、あるいは含硫黄複素
環が挙げられ、好ましくは5、6員の複素環がよい。
【0026】含窒素複素環の例としては例えば、L.G.Br
ooker et al.,J.Am.Chem.Soc.,73,5326-5358(1951).及
び参考文献に記載されるメロシアニン色素類における塩
基性核を構成するものとして知られるものをいずれも好
適に用いることができる。具体例としては、チアゾール
類(例えば、チアゾール、4−メチルチアゾール、4ー
フェニルチアゾール、5−メチルチアゾール、5−フェ
ニルチアゾール、4,5−ジメチルチアゾール、4,5
−ジフェニルチアゾール、4,5−ジ(p−メトキシフ
ェニルチアゾール)、4−(2−チエニル)チアゾー
ル、等)、ベンゾチアゾール類(例えば、ベンゾチアゾ
ール、4−クロロベンゾチアゾール、5−クロロベンゾ
チアゾール、6−クロロベンゾチアゾール、7−クロロ
ベンゾチアゾール、4−メチルベンゾチアゾール、5−
メチルベンゾチアゾール、6−メチルベンゾチアゾー
ル、5−ブロモベンゾチアゾール、4−フェニルベンゾ
チアゾール、5−フェニルベンゾチアゾール、4−メト
キシベンゾチアゾール、5−メトキシベンゾチアゾー
ル、6−メトキシベンゾチアゾール、5−ヨードベンゾ
チアゾール、6−ヨードベンゾチアゾール、4−エトキ
シベンゾチアゾール、5−エトキシベンゾチアゾール、
テトラヒドロベンゾチアゾール、5,6−ジメトキシベ
ンゾチアゾール、5,6−ジオキシメチレンベンゾチア
ゾール、5−ヒドロキシベンゾチアゾール、6−ヒドロ
キシベンゾチアゾール、6ージメチルアミノベンゾチア
ゾール、5−エトキシカルボニルベンゾチアゾール、
等)、ナフトチアゾール類(例えば、ナフト[1,2]
チアゾール、ナフト[2,1]チアゾール、5−メトキ
シナフト[2,1]チアゾール、5−エトキシナフト
[2,1]チアゾール、8−メトキシナフト[1,2]
チアゾール、7−メトキシナフト[1,2]チアゾー
ル、等)、チアナフテノ−7’,6’,4,5−チアゾ
ール類(例えば、4’−メトキシチアナフテノ−7’,
6’,4,5−チアゾール、等)、オキサゾール類(例
えば、4−メチルオキサゾール、5−メチルオキサゾー
ル、4−フェニルオキサゾール、4,5−ジフェニルオ
キサゾール、4−エチルオキサゾール、4,5−ジメチ
ルオキサゾール、5−フェニルオキサゾール等)、ベン
ゾオキサゾール類(ベンゾオキサゾール、5−クロロベ
ンゾオキサゾール、5ーメチルベンゾオキサゾール、5−
フェニルベンゾオキサゾール、6−メチルベンゾオキサ
ゾール、5,6−ジメチルベンゾオキサゾール、4,6
−ジメチルベンゾオキサゾール、6−メトキシベンゾオ
キサゾール、5−メトキシベンゾオキサゾール、4−エ
トキシベンゾオキサゾール、5−クロロベンゾオキサゾ
ール、6ーメトキシベンゾオキサゾール、5−ヒドロキ
シベンゾオキサゾール、6−ヒドロキシベンゾオキサゾ
ール、等)、ナフトオキサゾール類(例えば、ナフト
[1,2]オキサゾール、ナフト[2,1]オキサゾー
ル、等)、セレナゾール類(例えば、4−メチルセレナ
ゾール、4−フェニルセレナゾール、等)、ベンゾセレ
ナゾール類(例えば、ベンゾセレナゾール、5−クロロ
ベンゾセレナゾール、5−メトキシベンゾセレナゾー
ル、5−ヒドロキシベンゾセレナゾール、テトラヒドロ
ベンゾセレナゾール、等)、ナフトセレナゾール類(例
えば、ナフト[1,2]セレナゾール、ナフト[2,
1]セレナゾール、等)、チアゾリン類(例えば、チア
ゾリン、4−メチルチアゾリン、等)、2−キノリン類
(例えば、キノリン、3−メチルキノリン、5−メチル
キノリン、7−メチルキノリン、8−メチルキノリン、
6−クロロキノリン、8−クロロキノリン、6−メトキ
シキノリン、6−エトキシキノリン、6ーヒドロキシキ
ノリン、8−ヒドロキシキノリン、等)、4−キノリン
類(例えば、キノリン、6−メトキシキノリン、7−メ
チルキノリン、8−メチルキノリン、等)、1−イソキ
ノリン類(例えば、イソキノリン、3,4−ジヒドロイ
ソキノリン、等)、3−イソキノリン類(例えば、イソ
キノリン等)、ベンズイミダゾール類(例えば、1,3
−ジエチルベンズイミダゾール、1−エチル−3−フェ
ニルベンズイミダゾール、等)、3,3−ジアルキルイ
ンドレニン類(例えば、3,3−ジメチルインドレニ
ン、3,3,5,−トリメチルインドレニン、3,3,
7,−トリメチルインドレニン、等)、2−ピリジン類
(例えば、ピリジン、5−メチルピリジン、等)、4−
ピリジン(例えば、ピリジン等)等があげられ、本発明
においては、これらの塩基性核をジヒドロ化したアルキ
リデン誘導体として用いることができる。
【0027】以上に述べた一般式(1)における、
1、Y2が上述のA、Bおよび隣接する炭素原子と共同
して形成する含窒素あるいは硫黄複素環の例の内、下記
一般式(2)で表される構造を有する色素は、350〜
450nmでの露光適性に特に優れ、高い増感能を有す
る上、保存安定性にも非常に優れた光重合性組成物を与
えるため特に好ましい。
【0028】
【化5】
【0029】(式中、R1、R2、R3およびR4は一般式
(1)中と同義であり;X1、X2はそれぞれ独立に、O
原子、S原子、Se原子、NR9またはCR1011を表わ
し、R9、R10およびR11はそれぞれ独立に1〜6個の
炭素原子を有するアルキル基または置換もしくは非置換
のフェニル基であり;及びR5〜R8はそれぞれ独立に水
素原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、1〜
6個の炭素原子を有するアルコキシ基、置換もしくは非
置換のフェニル基、塩素または臭素であり、かつR 5
6は互いに、またはR7とR8は互いにそれぞれ脂肪族
性または芳香族性の環を形成するため結合することがで
きる。互いに環を形成する場合、環の形成には、炭素原
子以外に、酸素原子、窒素原子、硫黄原子などを介する
こともできる。好ましい環の例としては、置換もしくは
非置換のアルキレン基、エーテル結合、エステル結合、
アミド結合等を介した環などが挙げられる。ここで、置
換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換の
アリール基および、置換基の好ましい例としては、一般
式(1)におけるR3、R4の説明で述べたものと同様の
ものが挙げられる。)
【0030】本発明の具体例においてより好ましくは;
1=X2であり、SまたはC(CH3)2を表わし;R1 + R
2(R1とR2が互いに結合して環を形成する場合)は−
(CH 2)2−または−(CH2CHR14CH2)−(式中R14
はHまたはt-ブチルである)であり;R3=R4であり、
CH3またはC25を表わし;R1とR2はHであり;及
びR5とR6はそれぞれが水素であるか、または互いに結
合して芳香環を形成するかのいずれかであり、及びR7
とR8はそれぞれが水素であるか、または互いに結合し
て芳香環を形成するかのいずれかである。また、一般式
(2)中における、置換もしくは非置換のアルキル基、
アルキレン基および、置換基に関しては、一般式(1)
において例示したものと同様のものが挙げられる。
【0031】以下に、本発明の増感色素の例のより具体
的な記述として、化学構造式(D1)〜(D25)を示
すが、本発明の増感色素は上述の構造用件を満たすもの
をいずれも好適に使用でき、本発明は以下の化学構造式
によって制限を受けるものではない。
【0032】
【化6】
【0033】
【化7】
【0034】本発明の一般式(1)又は(2)で表わさ
れる増感色素は、2当量の適当なアルデヒドと1当量の
適当なケトンとの塩基触媒によるクライゼンーシュミッ
ト縮合法で作ることができる。カルボシアニン色素の加
水分解による方法は米国特許第3,672,906号中に述べら
れている。ケトンとアゾチウム塩との縮合による合成法
はSlominskii氏他の、Khim. Geterotsikl. Soedin., 71
1 712 (1974); Chem.Abst., 81, 77828f (1974)に述べ
られている。
【0035】本発明の増感色素に関しては、さらに、光
重合性組成物の特性を改良するための様々な化学修飾を
行うことも可能である。例えば、本発明の光重合性組成
物を感光層として使用する場合に、増感色素と付加重合
性化合物構造(例えば、アクリロイル基やメタクリロイ
ル基)とを、共有結合、イオン結合、水素結合等の方法
により結合させる事で、露光膜の高強度化や、露光後の
膜からの色素の不要な析出抑制を行う事ができる。ま
た、増感色素と後述のチタノセン化合物やその他のラジ
カル発生パート(例えば、ハロゲン化アルキル、オニウ
ム、過酸化物、ビイミダゾール、オニウム、ビイミダゾ
ール等の還元分解性部位や、ボレート、アミン、トリメ
チルシリルメチル、カルボキシメチル、カルボニル、イ
ミン等の酸化解裂性部位)との結合により、特に開始系
の濃度の低い状態での感光性を著しく高める事ができ
る。さらに、本発明の光重合性組成物の好ましい使用様
態である平版印刷版原版として用いる場合、(アルカ
リ)水系現像液への処理適性を高める目的に対しては、
親水性部位(カルボキシル基並びにそのエステル、スル
ホン酸基並びにそのエステル、エチレンオキサイド基等
の酸基もしくは極性基)の導入が有効である。特にエス
テル型の親水性基は、感光層中では比較的疎水的構造を
有するため相溶性に優れ、かつ、現像液中では加水分解
により酸基を生成し、親水性が増大するという特徴を有
する。その他、例えば、感光層中での相溶性向上、結晶
析出抑制のために適宜置換基を導入する事ができる。例
えば、ある種の感光系では、アリール基やアリル基等の
不飽和結合が相溶性向上に非常に有効である場合があ
り、また、分岐アルキル構造導入等の方法により、色素
π平面間の立体障害を導入する事で、結晶析出が著しく
抑制できる。また、ホスホン酸基やエポキシ基、トリア
ルコキシシリル基等の導入により、金属や金属酸化物等
の無機物への密着性を向上させる事ができる。その他、
目的に応じて増感色素のポリマー化等の方法も利用でき
る。
【0036】これらの増感色素の使用法に関しても、後
述する付加重合性化合物同様、感材の性能設計により任
意に設定できる。例えば、増感色素を2種以上併用する
ことで、光重合性組成物への相溶性を高める事ができ
る。増感色素の選択は、感光性の他、使用する光源の発
光波長でのモル吸光係数が重要な因子である。モル吸光
係数の大きな色素を使用する事により、色素の添加量は
比較的少なくできるので経済的であり、かつ光重合性組
成物の膜物性の点からも有利である。光重合性組成物の
感光性、解像度、露光膜の物性等は光源波長での吸光度
に大きな影響を受けるので、これらを考慮して増感色素
の添加量を適宜選択する。例えば、吸光度が0.1以下
の低い領域では感度が低下する。また、ハレーションの
影響により低解像度となる。但し、例えば5μm以上の
厚い膜を硬化せしめる目的に対しては、この様な低い吸
光度の方がかえって硬化度をあげられる場合もある。ま
た、例えば光重合性組成物からなる感光層を有する印刷
版として使用した場合には、吸光度が3以上である様な
高い領域では、感光層表面で大部分の光が吸収され、よ
り内部での硬化が阻害され、膜強度、基板密着性の不十
分なものとなる。比較的薄い膜厚で使用する平版印刷版
としての使用に際しては、増感色素の添加量は感光層の
吸光度が0.1から1.5の範囲、好ましくは0.25か
ら1の範囲となるように設定するのが好ましい。平版印
刷版として利用する場合には、通常、増感色素を光重合
性組成物成分100重量部に対し、0.05〜30重量
部、好ましくは0.1〜20重量部、さらに好ましくは
0.2〜10重量部の範囲で添加する。
【0037】(ii)チタノセン化合物 本発明において光重合性開始系として用いられるチタノ
セン化合物は、上述の増感色素との共存下で光照射した
場合、活性ラジカルを発生し得るチタノセン化合物であ
ればいずれであってもよく、例えば、特開昭59−15
2396号、特開昭61−151197号、特開昭63
−41483号、特開昭63−41484号、特開平2
−249号、特開平2−291号、特開平3−2739
3号、特開平3−12403号、特開平6−41170
号公報に記載されている公知の化合物を適宜に選択して
用いることができる。
【0038】さらに具体的には、ジ−シクロペンタジエ
ニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニ
ル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル
−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフ
ェニ−1−イル(以下「T−1」ともいう。)、ジ−シ
クロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テ
トラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエ
ニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−
1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−
2,6−ジフルオロフエニ−1−イル、ジ−シクロペン
タジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフエニ−
1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビ
ス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフエニ−1−
イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−
2,3,5,6−テトラフルオロフエニ−1−イル、ジ
−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−
ジフルオロフエニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエ
ニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−
イル)フェニル)チタニウム(以下「T−2」ともい
う。)等を挙げることができる。
【0039】本発明のチタノセン化合物に関しても、先
の増感色素と同様、さらに、光重合性組成物の特性を改
良するための様々な化学修飾を行うことが可能である。
例えば、増感色素や、付加重合性不飽和化合物その他の
ラジカル発生パートとの結合、親水性部位の導入、相溶
性向上、結晶析出抑制のための置換基導入、密着性を向
上させる置換基導入、ポリマー化等の方法が利用でき
る。
【0040】これらのチタノセン化合物の使用法に関し
ても、付加重合性化合物及び増感色素同様、感材の性能
設計により適宜、任意に設定できる。例えば、2種以上
併用することで、光重合性組成物への相溶性を高める事
ができる。チタノセン化合物の使用量は通常多い方が感
光性の点で有利であり、光重合性組成物成分100重量
部に対し、0.5〜80重量部、好ましくは1〜50重
量部、範囲で用いることで十分な感光性が得られる。一
方、本発明の主要な目的である、黄色灯、白色灯下での
使用に際しては、500nm付近の光によるカブリ性の
点からチタノセンの使用量は少ない事が好ましく、本発
明の増感色素との組み合わせによりチタノセンの使用量
は6重量部以下、さらに1.9重量部以下、さらには1.
4重量部以下にまで下げても十分な感光性を得ることが
できる。 (B)付加重合性化合物 少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付
加重合性化合物は、末端エチレン性不飽和結合を少なく
とも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれ
る。この様な化合物群は当業分野において広く知られる
ものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用
いる事ができる。これらは、例えばモノマー、プレポリ
マー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、また
はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学
的形態をもつ。モノマーおよびその共重合体の例として
は、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレ
イン酸など)や、そのエステル類、アミド類があげら
れ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコ
ール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多
価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒド
ロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換
基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官
能もしくは多官能イソシアネート類、エポキシ類との付
加反応物、単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱
水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアナ
ト基や、エポキシ基、等の親電子性置換基を有する、不
飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多
官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反
応物、ハロゲン基や、トシルオキシ基、等の脱離性置換
基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単
官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオー
ル類との置換反応物も好適である。また、別の例とし
て、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホ
ン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物
群を使用する事も可能である。
【0041】脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アク
リル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3
−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリ
コールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
プロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテ
ル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサン
ジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオ
ールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアク
リレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテト
ラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソ
ルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオ
キシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレ
ートオリゴマー等がある。
【0042】メタクリル酸エステルとしては、テトラメ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタク
リレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビト
ールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリ
ルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメ
チルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキ
シ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
【0043】イタコン酸エステルとしては、エチレング
リコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタ
コネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、
1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレ
ングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジ
イタコネート、ソルビトールテトライタコネート等があ
る。
【0044】クロトン酸エステルとしては、エチレング
リコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジ
クロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、
ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロ
トン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソク
ロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネー
ト、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マ
レイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレ
ート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリ
スリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等
がある。
【0045】その他のエステルの例として、例えば、特
公昭46−27926、特公昭51−47334、特開
昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステ
ル類や、特開昭59−5240、特開昭59−524
1、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有す
るもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有
するもの等も好適に用いられる。さらに、前述のエステ
ルモノマーは混合物としても使用することができる。
【0046】また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カ
ルボン酸とのアミドモノマーの具体例としては、メチレ
ンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルア
ミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、
1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエ
チレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビ
スアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等
がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例として
は、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構
造を有すものをあげる事ができる。
【0047】また、イソシアネートと水酸基の付加反応
を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適
であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭4
8−41708号公報中に記載されている1分子に2個
以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化
合物に、下記式(V)で示される水酸基を含有するビニ
ルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビ
ニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられ
る。 CH2=C(R)COOCH2CH(R′)OH (V) (ただし、R及びR′はH又はCH3を示す。)
【0048】また、特開昭51−37193号、特公平
2−32293号、特公平2−16765号に記載され
ているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−
49860号、特公昭56−17654号、特公昭62
−39417、特公昭62−39418号記載のエチレ
ンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適で
ある。さらに、特開昭63−277653号公報、特開
昭63−260909号公報、特開平1−105238
号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド
構造を有する付加重合性化合物類を用いることによって
は、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得る
ことができる。
【0049】その他の例としては、特開昭48−641
83号、特公昭49−43191号、特公昭52−30
490号、各公報に記載されているようなポリエステル
アクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を
反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリ
レートやメタクリレートをあげることができる。また、
特公昭46−43946号、特公平1−40337号、
特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、
特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合
物等もあげることができる。また、場合により、特開昭
61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含
有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌
vol.20、No.7、300〜308ページ(1984
年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介さ
れているものも使用することができる。
【0050】これらの、付加重合性化合物について、ど
の様な構造を用いるか、単独で使用するか併用するか、
添加量はどうかといった、使用方法の詳細は、最終的な
感材の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば次
のような観点から選択される。感光スピードの点では1
分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多く
の場合、2官能基以上含むことが好ましい。また、画像
部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能基
以上含有するものが良く、さらに、異なる官能基数・異
なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル
酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合
物)のものを併用することで、感光性と強度の両方を調
節する方法も有効である。大きな分子量の化合物や、疎
水性の高い化合物は感光スピードや膜強度に優れる反
面、現像スピードや現像液中での析出といった点で好ま
しくない場合がある。また、光重合性組成物中の他の成
分(例えばバインダーポリマー、開始剤、着色剤等)と
の相溶性、分散性に対しても、付加重合性化合物の選択
・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の
使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうる事
がある。また、支持体、オーバーコート層等の密着性を
向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得
る。光重合性組成物中の付加重合性化合物の配合比に関
しては、多い方が感度的に有利であるが、多すぎる場合
には、好ましく無い相分離が生じたり、光重合性組成物
の粘着性による製造工程上の問題(例えば、感材成分の
転写、粘着に由来する製造不良)や、現像液からの析出
が生じる等の問題を生じうる。これらの観点から、好ま
しい配合比は、多くの場合、組成物全成分に対して5〜
80重量%、好ましくは25〜75重量%である。ま
た、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。
そのほか、付加重合性化合物の使用法は、酸素に対する
重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面
粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に
選択でき、さらに場合によっては下塗り、上塗りといっ
た層構成・塗布方法も実施しうる。
【0051】(C)バインダーポリマー 本発明の好ましい実施形態である平版印刷版への適用に
際しては、光重合性組成物にさらにバインダーポリマー
を含有させることが好ましい。バインダーとしては線状
有機高分子重合体を含有させることが好ましい。このよ
うな「線状有機高分子重合体」としては、どのようなも
のを使用しても構わない。好ましくは水現像あるいは弱
アルカリ水現像を可能とする水あるいは弱アルカリ水可
溶性または膨潤性である線状有機高分子重合体が選択さ
れる。線状有機高分子重合体は、組成物の皮膜形成剤と
してだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現
像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水
可溶性有機高分子重合体を用いると水現像が可能にな
る。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖に
カルボン酸基を有する付加重合体、例えば特開昭59−
44615号、特公昭54−34327号、特公昭58
−12577号、特公昭54−25957号、特開昭5
4−92723号、特開昭59−53836号、特開昭
59−71048号に記載されているもの、すなわち、
メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン
酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合
体、部分エステル化マレイン酸共重合体等がある。また
同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導
体がある。この他に水酸基を有する付加重合体に環状酸
無水物を付加させたものなどが有用である。
【0052】特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アク
リレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の
付加重合性ビニルモノマー〕共重合体および〔アリル
(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応
じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体は、
膜強度、感度、現像性のバランスに優れており、好適で
ある。
【0053】また、特公平7−12004号、特公平7
−120041号、特公平7−120042号、特公平
8−12424号、特開昭63−287944号、特開
昭63−287947号、特開平1−271741号、
特願平10−116232号等に記載される、酸基を含
有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に、強度
に優れるので、耐刷性・低露光適性の点で有利である。
また、特願平9−363195記載のアミド基を有する
バインダーは優れた現像性と膜強度をあわせもち、好適
である。
【0054】さらにこの他に水溶性線状有機高分子とし
て、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等
が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアル
コール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキ
シフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエ
ーテル等も有用である。これらの線状有機高分子重合体
は全組成物中に任意な量を混和させることができる。し
かし90重量%を超える場合には形成される画像強度等
の点で好ましい結果を与えない。好ましくは30〜85
重量%である。また光重合可能なエチレン性不飽和二重
結合を有する化合物と線状有機高分子重合体は、重量比
で1/9〜7/3の範囲とするのが好ましい。好ましい
実施様態においてバインダーポリマーは実質的に水不要
でアルカリに可溶なものが用いられる。そうすること
で、現像液として環境上好ましくない有機溶剤を用いな
いか、もしくは現像液を非常に少ない使用量に制限でき
る。この様な使用法においてはバインダーポリマーの酸
価(ポリマー1gあたりの酸含率を化学等量数で表した
もの)と分子量は画像強度と現像性の観点から適宜選択
される。好ましい酸価は、0.4〜3.0meq/gであ
り好ましい分子量は3000から50万の範囲で、より
好ましくは、酸価が0.6〜2.0分子量が1万から30
万の範囲である。
【0055】(D)その他の成分 本発明の光重合性組成物には、さらにその用途、製造方
法等に適したその他の成分を適宜添加することができ
る。以下、好ましい添加剤に関し例示する。 (D1)共増感剤 ある種の添加剤(以後、共増感剤という)を用いること
で、感度をさらに向上させる事ができる。これらの作用
機構は明確ではないが、多くは次のような化学プロセス
に基づくものと考えられる。即ち、先述の開始系の光吸
収により開始される光反応及びそれに引き続く付加重合
反応の過程で生じる様々な中間活性種(ラジカル、過酸
化物、酸化剤、還元剤等)と、共増感剤とが反応し、新
たな活性ラジカルを生成するものと推定される。これら
は大きくは、(a)還元されて活性ラジカルを生成しう
るもの、(b)酸化されて活性ラジカルを生成しうるも
の、(c)活性の低いラジカルと反応してより活性の高
いラジカルに変換するか、もしくは連鎖移動剤として作
用するもの、に分類できるが、個々の化合物がこれらの
どれに属するかに関しては通説がない場合も多い。 (a)還元されて活性ラジカルを生成する化合物 炭素−ハロゲン結合結合を有する化合物:還元的に炭素
−ハロゲン結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考
えられる。具体的には、例えば、トリハロメチル−s−
トリアジン類や、トリハロメチルオキサジアゾール類等
が好適に使用できる。 窒素−窒素結合を有する化合物:還元的に窒素−窒素結
合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具
体的にはヘキサアリールビイミダゾール類等が好適に使
用される。 酸素−酸素結合を有する化合物:還元的に酸素−酸素結
合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具
体的には、例えば、有機過酸化物類等が好適に使用され
る。 オニウム化合物:還元的に炭素−ヘテロ結合や、酸素−
窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられ
る。具体的には例えば、ジアリールヨードニウム塩類、
トリアリールスルホニウム塩類、N−アルコキシピリジ
ニウム(アジニウム)塩類等が好適に使用される。 フェロセン、鉄アレーン錯体類:還元的に活性ラジカル
を生成しうる。 (b)酸化されて活性ラジカルを生成する化合物 アルキルアート錯体:酸化的に炭素−ヘテロ結合が解裂
し、活性ラジカルを生成すると考えられる。具体的には
例えば、トリアリールアルキルボレート類が好適に使用
される。 アルキルアミン化合物:酸化により窒素に隣接した炭素
上のC−X結合が解裂し、活性ラジカルを生成するもの
と考えられる。Xとしては、水素原子、カルボキシル
基、トリメチルシリル基、ベンジル基等が好適である。
具体的には、例えば、エタノールアミン類、N−フェニ
ルグリシン類、N−トリメチルシリルメチルアニリン類
等があげられる。 含硫黄、含錫化合物:上述のアミン類の窒素原子を硫黄
原子、錫原子に置き換えたものが、同様の作用により活
性ラジカルを生成しうる。また、S−S結合を有する化
合物もS−S解裂による増感が知られる。 α−置換メチルカルボニル化合物:酸化により、カルボ
ニル−α炭素間の結合解裂により、活性ラジカルを生成
しうる。また、カルボニルをオキシムエーテルに変換し
たものも同様の作用を示す。具体的には、2−アルキル
−1−[4−(アルキルチオ)フェニル]−2−モルフ
ォリノプロノン−1類、並びに、これらと、ヒドロキシ
アミン類とを反応したのち、N−OHをエーテル化した
オキシムエーテル類をあげる事ができる。 スルフィン酸塩類:還元的に活性ラジカルを生成しう
る。具体的は、アリールスルフィン酸ナトリウム等をあ
げる事ができる。 c)ラジカルと反応し高活性ラジカルに変換、もしくは
連鎖移動剤として作用する化合物:例えば、分子内にS
H、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられ
る。これらは、低活性のラジカル種に水素供与して、ラ
ジカルを生成するか、もしくは、酸化された後、脱プロ
トンする事によりラジカルを生成しうる。具体的には、
例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類等があげ
られる。
【0056】これらの共増感剤のより具体的な例は、例
えば、特開昭9−236913中に、感度向上を目的と
した添加剤として多く記載されている。以下に、その一
部を例示するが、本発明はこれらに限定されるものはな
い。
【0057】
【化8】
【0058】これらの共増感剤に関しても、先の増感色
素と同様、さらに、光重合性組成物の特性を改良するた
めの様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、
増感色素や活性剤、付加重合性不飽和化合物その他のパ
ートとの結合、親水性部位の導入、相溶性向上、結晶析
出抑制のための置換基導入、密着性を向上させる置換基
導入、ポリマー化等の方法が利用できる。
【0059】これらの共増感剤は、単独でまたは2種以
上併用して用いることができる。使用量はエチレン性不
飽和二重結合を有する化合物100重量部に対し0.0
5〜100重量部、好ましくは1〜80重量部、さらに
好ましくは3〜50重量部の範囲が適当である。
【0060】(D2)重合禁止剤 また、本発明においては以上の基本成分の他に光重合性
組成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチ
レン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を
阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望
ましい。適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノン、
p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾ
ール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキ
ノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニル
ヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。熱重
合防止剤の添加量は、全組成物の重量に対して約0.0
1重量%〜約5重量%が好ましい。また必要に応じて、
酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン
酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布
後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高
級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5重量%
〜約10重量%が好ましい。
【0061】(D3)着色剤等 さらに、本発明の光重合性組成物を平版印刷版等に使用
する場合、感光層の着色を目的として染料もしくは顔料
を添加してもよい。これにより、印刷版としての、製版
後の視認性や、画像濃度測定機適性といったいわゆる検
版性を向上させる事ができる。着色剤としては、多くの
染料は光重合系感光層の感度の低下を生じるので、着色
剤としては、特に顔料の使用が好ましい。具体例として
は例えばフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボン
ブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレッ
ト、クリスタルバイオレット、アゾ系染料、アントラキ
ノン系染料、シアニン系染料などの染料がある。染料お
よび顔料の添加量は全組成物の約0.5重量%〜約5重
量%が好ましい。 (D4)その他の添加剤 さらに、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤
や、その他可塑剤、感光層表面のインク着肉性を向上さ
せうる感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
【0062】可塑剤としては例えばジオクチルフタレー
ト、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジ
カプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリク
レジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチル
セバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤
を使用した場合、エチレン性不飽和二重結合を有する化
合物と結合剤との合計重量に対し10重量%以下添加す
ることができる。また、後述する膜強度(耐刷性)向上
を目的とした、現像後の加熱・露光の効果を強化するた
めの、UV開始剤や、熱架橋剤等の添加もできる。
【0063】その他、本発明の光重合性組成物を平版印
刷版等の感光層として用いる場合、感光層と支持体との
密着性向上や、未露光感光層の現像除去性を高めるため
の添加剤を添加することが可能である(中間層を設ける
事を可能である。)例えば、ジアゾニウム構造を有する
化合物や、ホスホン化合物、等、基板と比較的強い相互
作用を有する化合物の添加や下塗りにより、密着性が向
上し、耐刷性を高める事が可能であり、一方ポリアクリ
ル酸や、ポリスルホン酸のような親水性ポリマーの添加
や下塗りにより、非画像部の現像性が向上し、汚れ性の
向上が可能となる。
【0064】本発明の光重合性組成物を支持体上に塗布
する際には種々の有機溶剤に溶かして使用に供される。
ここで使用する溶媒としては、アセトン、メチルエチル
ケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロ
ライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレン
グリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シ
クロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコ
ールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモ
ノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチ
ルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メ
トキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチ
レングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコー
ルモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピ
ルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳
酸エチルなどがある。これらの溶媒は、単独あるいは混
合して使用することができる。そして、塗布溶液中の固
形分の濃度は、2〜50重量%が適当である。
【0065】本発明の光重合性組成物を感光層として塗
布する場合の支持体被覆量は、主に、感光層の感度、現
像性、露光膜の強度・耐刷性に影響しうるもので、用途
に応じ適宜選択することが望ましい。被覆量が少なすぎ
る場合には、耐刷性が十分でなくなる。一方多すぎる場
合には、感度が下がり、露光に時間がかかる上、現像処
理にもより長い時間を要するため好ましくない。本発明
の主要な目的である走査露光用平版印刷版としては、そ
の被覆量は乾燥後の重量で約0.1g/m2〜約10g/m2
範囲が適当である。より好ましくは0.5〜5g/m2であ
る。
【0066】[支持体]本発明の主要な目的の一つであ
る、平版印刷版を得るには上記光重合性組成物からなる
感光層を、表面が親水性の支持体上に設ける事が望まし
い。親水性の支持体としては、従来公知の、平版印刷版
に使用される親水性支持体を限定無く使用することがで
きる。使用される支持体は寸度的に安定な板状物である
ことが好ましく、例えば、紙、プラスチック(例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラ
ミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜
鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セ
ルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロー
ス、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロ
ース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポ
リスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ
ビニルアセタール等)、上記の如き金属がラミネート若
しくは蒸着された紙若しくはプラスチックフィルム等が
含まれ、これらの表面にたいし、必要に応じ親水性の付
与や、強度向上、等の目的で適切な公知の物理的、化学
的処理を施しても良い。
【0067】特に、好ましい支持体としては、紙、ポリ
エステルフィルム又はアルミニウム板があげられ、その
中でも寸法安定性がよく、比較的安価であり、必要に応
じた表面処理により親水性や強度にすぐれた表面を提供
できるアルミニウム板は特に好ましい。また、特公昭4
8−18327号に記載されているようなポリエチレン
テレフタレートフィルム上にアルミニウムシートが結合
された複合体シートも好ましい。好適なアルミニウム板
は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、
微量の異元素を含む合金板であり、このアルミニウムが
ラミネート又は蒸着されたプラスチックフィルムでもよ
い。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、
鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビス
マス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含
有量は高々10重量%以下である。本発明において特に
好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全
に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるの
で、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように
本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定
されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミ
ニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用い
られるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6
mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好
ましくは0.2mm〜0.3mmである。
【0068】また金属、特にアルミニウムの表面を有す
る支持体の場合には、粗面化(砂目立て)処理、珪酸ソ
ーダ、弗化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液
への浸漬処理、あるいは陽極酸化処理などの表面処理が
なされていることが好ましい。
【0069】アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種
々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化す
る方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化
学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械
的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラス
ト研磨法、バフ、磨法等の公知の方法を用いることがで
きる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸、硝酸
等の電解液中で交流又は直流により行う方法がある。ま
た、特開昭54−63902号に開示されているように
両者を組み合わせた方法も利用することができる。ま
た、アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望によ
り、表面の圧延油を除去するために、例えば、界面活性
剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液等による脱脂処理が
行われる。
【0070】さらに、粗面化したのちに珪酸ナトリウム
水溶液に浸漬処理されたアルミニウム板が好ましく使用
できる。特公昭47−5125号に記載されているよう
にアルミニウム板を陽極酸化処理したのちに、アルカリ
金属珪酸塩の水溶液に浸漬処理したものが好適に使用さ
れる。陽極酸化処理は、例えば、燐酸、クロム酸、硫
酸、硼酸等の無機酸、もしくは蓚酸、スルファミン酸等
の有機酸またはそれらの塩の水溶液または非水溶液の単
独または二種以上を組み合わせた電解液中でアルミニウ
ム板を陽極として電流を流すことにより実施される。
【0071】また、米国特許第3658662号に記載
されているようなシリケート電着も有効である。さら
に、特公昭46−27481号、特開昭52−5860
2号、特開昭52−30503号に開示されているよう
な電解グレインを施した支持体と、上記陽極酸化処理お
よび珪酸ソーダ処理を組合せた表面処理も有用である。
また、特開昭56−28893号に開示されているよう
な機械的粗面化、化学的エッチング、電解グレイン、陽
極酸化処理さらに珪酸ソーダ処理を順に行ったものも好
適である。
【0072】さらに、これらの処理を行った後に、水溶
性の樹脂、例えばポリビニルホスホン酸、スルホン酸基
を側鎖に有する重合体および共重合体、ポリアクリル
酸、水溶性金属塩(例えば硼酸亜鉛)もしくは、黄色染
料、アミン塩等を下塗りしたものも好適である。さらに
特願平5−304358号に開示されているようなラジ
カルによって付加反応を起こし得る官能基を共有結合さ
せたゾル−ゲル処理基板も好適に用いられる。
【0073】その他好ましい例として、任意の支持体上
に表面層として耐水性の親水性層を設けたものも挙げる
ことができる。この様な表面層としては例えばUS30
55295や、特開昭56-13168号記載の無機顔
料と結着剤とからなる層、特開平9-80744号記載
の親水性膨潤層、特表平8-507727号記載の酸化
チタン、ポリビニルアルコール、珪酸類からなるゾルゲ
ル膜等を挙げる事ができる。これらの親水化処理は、支
持体の表面を親水性とするために施される以外に、その
上に設けられる光重合性組成物の有害な反応を防ぐた
め、かつ感光層の密着性の向上等のために施されるもの
である。
【0074】[保護層]本発明の望ましい様態である走
査露光用平版印刷版においては、通常、露光を大気中で
行うため、光重合性組成物からなる感光層の上に、さら
に、保護層を設ける事が好ましい。保護層は、感光層中
で露光により生じる画像形成反応を阻害する大気中に存
在する酸素、や塩基性物質等の低分子化合物の感光層へ
の混入を防止し、大気中での露光を可能とする。従っ
て、この様な保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子
化合物の透過性が低いことであり、さらに、露光に用い
る光の透過は実質阻害せず、感光層との密着性に優れ、
かつ、露光後の現像工程で容易に除去できる事が望まし
い。この様な、保護層に関する工夫が従来よりなされて
おり、米国特許第3,458,311号、特開昭55−4
9729号に詳しく記載されている。保護層に使用でき
る材料としては例えば、比較的、結晶性に優れた水溶性
高分子化合物を用いる事がよく、具体的には、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース
類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸などのよ
うな水溶性ポリマーが知られていが、これらの内、ポリ
ビニルアルコールを主成分として用いる事が、酸素遮断
性、現像除去性といった基本特性的にもっとも良好な結
果を与える。保護層に使用するポリビニルアルコール
は、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための、非置換
ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステ
ル、エーテル、およびアセタールで置換されていても良
い。また、同様に一部が他の共重合成分を有していても
良い。
【0075】ポリビニルアルコールの具体例としては7
1〜100%加水分解され、分子量が300から240
0の範囲のものをあげる事ができる。具体的には、株式
会社クラレ製のPVA−105、PVA−110、PV
A−117、PVA−117H、PVA−120、PV
A−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA
−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−2
04、PVA−205、PVA−210、PVA−21
7、PVA−220、PVA−224、PVA−217
EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−
224E、PVA−405、PVA−420、PVA−
613、L−8等があげられる。
【0076】保護層の成分(PVAの選択、添加剤の使
用)、塗布量等は、酸素遮断性・現像除去性の他、カブ
リ性や密着性・耐傷性を考慮して選択される。一般には
使用するPVAの加水分解率が高い程(保護層中の非置
換ビニルアルコール単位含率が高い程)、膜厚が厚い程
酸素遮断性が高くなり、感度の点で有利である。しかし
ながら、極端に酸素遮断性を高めると、製造時・生保存
時に不要な重合反応が生じたり、また画像露光時に、不
要なカブリ、画線の太りが生じたりという問題を生じ
る。また、画像部との密着性や、耐傷性も版の取り扱い
上極めて重要である。即ち、水溶性ポリマーからなる親
水性の層を親油性の重合層に積層すると、接着力不足に
よる膜剥離が発生しやすく、剥離部分が酸素の重合阻害
により膜硬化不良などの欠陥を引き起こす。これに対
し、これら2層間の接着性を改良すべく種々の提案がな
されている。たとえば米国特許第292,501号、米
国特許第44,563号には、主にポリビニルアルコー
ルからなる親水性ポリマー中に、アクリル系エマルジョ
ンまたは水不溶性ビニルピロリドン−ビニルアセテート
共重合体などを20〜60重量%混合し、重合層の上に
積層することにより、十分な接着性が得られることが記
載されている。本発明における保護層に対しては、これ
らの公知の技術をいずれも適用する事ができる。このよ
うな保護層の塗布方法については、例えば米国特許第
3,458,311号、特開昭55−49729号に詳し
く記載されている。
【0077】さらに、保護層に他の機能を付与する事も
できる。例えば、露光に使う、350nmから450n
mの光の透過性に優れ、かつ500nm以上の光を効率
良く吸収しうる、着色剤(水溶性染料等)の添加によ
り、感度低下を起こすことなく、セーフライト適性をさ
らに高める事ができる。
【0078】本発明の光重合性組成物を用いた感光材料
を画像形成材料として使用する際には、通常、画像露光
したのち、現像液で感光層の未露光部を除去し、画像を
得る。これらの光重合性組成物を平版印刷版の作成に使
用する際の好ましい現像液としては、特公昭57−74
27号に記載されているような現像液が挙げられ、ケイ
酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウ
ム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸アンモニウム、
第二リン酸アンモニウム、メタケイ酸ナトリウム、重炭
酸ナトリウム、アンモニア水などのような無機アルカリ
剤やモノエタノールアミンまたはジエタノールアミンな
どのような有機アルカリ剤の水溶液が適当である。この
ようなアルカリ溶液の濃度が0.1〜10重量%、好ま
しくは0.5〜5重量%になるように添加される。
【0079】また、このようなアルカリ性水溶液には、
必要に応じて界面活性剤やベンジルアルコール、2−フ
ェノキシエタノール、2−ブトキシエタノールのような
有機溶媒を少量含むことができる。例えば、米国特許第
3375171号および同第3615480号に記載さ
れているものを挙げることができる。さらに、特開昭5
0−26601号、同58−54341号、特公昭56
−39464号、同56−42860号の各公報に記載
されている現像液も優れている。
【0080】その他、本発明の光重合性組成物を利用し
た平版印刷版原版の製版プロセスとしては、必要に応
じ、露光前、露光中、露光から現像までの間に、全面を
加熱しても良い。この様な加熱により、感光層中の画像
形成反応が促進され、感度や耐刷性の向上、や、感度の
安定化といった利点が生じ得る。さらに、画像強度・耐
刷性の向上を目的として、現像後の画像に対し、全面後
加熱もしくは、全面露光を行う事も有効である。通常現
像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行う事が好ま
しい。温度が高すぎると、非画像部迄がかぶってしまう
等の問題を生じる。現像後の加熱には非常に強い条件を
利用する。通常は200〜500℃の範囲である。温度
が低いと十分な画像強化作用が得られず、高すぎる場合
には支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題を生じ
る。
【0081】本発明の光重合性組成物を利用した走査露
光平版印刷版の露光方法は、公知の方法を制限なく用い
る事ができる。望ましい、光源の波長は350nmから
450nmであり、具体的にはInGaN系半導体レー
ザが好適である。露光機構は、内面ドラム方式、外面ド
ラム方式、フラットベッド方式等の何れでも良い。ま
た、本発明の光重合性組成物成分は、高い水溶性のもの
を使用する事で、中性の水や弱アルカリ水に可溶とする
こともでき、この様な構成の平版印刷版は印刷機上に装
填後、機上で露光−現像といった方式を行う事もでき
る。
【0082】また、本発明による光重合性組成物に対す
るその他の露光光線としては、超高圧、高圧、中圧、低
圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キ
セノン灯、メタルハライド灯、可視および紫外の各種レ
ーザーランプ、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等も使
用できる。また、本発明による光重合性組成物の用途と
しては走査露光用平版印刷版の他、広く、光硬化樹脂の
用途として知られるものに制限なく適用できる。例え
ば、必要に応じカチオン重合性化合物と併用した液状の
光重合性組成物に適用することで、高感度な光造形用材
料が得られる。また、光重合にともなう、屈折率の変化
を利用し、ホログラム材料とすることもできる。光重合
に伴う、表面の粘着性の変化を利用して様々な転写材料
(剥離感材、トナー現像感材等)にも応用できる。マイ
クロカプセルの光硬化にも適用できる。フォトレジスト
等の電子材料製造、インクや塗料、接着剤等の光硬化樹
脂材料にも応用できる。
【0083】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 [実施例1〜8、比較例1〜3] (支持体の調製)厚さ0.3mmのアルミニウム板を10
重量%水酸化ナトリウムに60℃で25秒間浸漬してエ
ッチングした後、流水で水洗後20重量%硝酸で中和洗
浄し、次いで水洗した。これを正弦波の交番波形電流を
用いて1重量%硝酸水溶液中で300クーロン/dm2
陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。引き続いて1
重量%水酸化ナトリウム水溶液中に40℃で5秒間浸漬
後30重量%の硫酸水溶液中に浸漬し、60℃で40秒
間デスマット処理した後、20重量%硫酸水溶液中、電
流密度2A/dm2において、陽極酸化皮膜の厚さが2.7g/
m2になるように、2分間陽極酸化処理した。その表面粗
さを測定したところ、0.3μm(JIS B0601に
よるRa表示)であった。このように処理された基板の
裏面に下記のゾル−ゲル反応液をバーコーターで塗布し
100℃で1分間乾燥し、乾燥後の塗布量が70mg/m2
のバックコート層を設けた支持体を作成した。
【0084】 ゾル−ゲル反応液 テトラエチルシリケート 50重量部 水 20重量部 メタノール 15重量部 リン酸 0.05重量部
【0085】上記成分を混合、撹拌すると約5分で発熱
が開始した。60分間反応させた後、以下に示す液を加
えることによりバックコート塗布液を調製した。 (バックコート層塗布液) ピロガロールホルムアルデヒド縮合樹脂(分子量2000) 4重量部 ジメチルフタレート 5重量部 フッ素系界面活性剤 0.7重量部 (N−ブチルペルフルオロオクタンスルホンアミドエチルアクリレート/ポリオ キシエチレンアクリレート共重合体:分子量2万) メタノールシリカゾル 50重量部 (日産化学工業(株)製,メタノール30重量%) メタノール 800重量部
【0086】(感光層の調製)このように処理されたア
ルミニウム板上に、下記組成の光重合性組成物を乾燥塗
布量が1.0g/m2となるように塗布し、80℃、2分間
乾燥させ感光層を形成させた。 ペンタエリスリトールテトラアクリレート 20重量部 アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 (共重合モル比83/17) 20重量部 光重合開始系 (表1中に記載) 増感色素 チタノセン化合物 共増感剤 フッ素系ノニオン界面活性剤(F−177P) 0.3重量部 熱重合禁止剤N−ニトロソフェニルヒドロキシル 0.1重量部 アミンアルミニウム塩 顔料分散物 0.6重量部 顔料分散物の組成 組成: Pigment Blue 15:6 15重量部 アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 10重量部 (共重合モル比83/17) シクロヘキサノン 15重量部 メトキシプロピルアセテート 20重量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 40重量部 メチルエチルケトン 20g プロピレングリコールモノメチルエーテル 20g
【0087】(保護層の調製)この感光層上にポリビニ
ルアルコール(ケン化度98モル%、重合度550)の
3重量%の水溶液を乾燥塗布重量が2g/m2となるように
塗布し、100℃で2分間乾燥した。
【0088】(感光性、セーフライト適性の評価)この
様に得られた感材上に、富士写真フイルム(株)製の富
士ステップガイド(△D=0.15で不連続的に透過光
学濃度が変化するグレースケール)を密着させ、光学フ
ィルター(ケンコーBP−40)を通したキセノンランプ
を用い、既知の露光エネルギーとなるように露光を行っ
た。光学フィルターとしては、短波長半導体レーザへの
露光適性を見積もる目的で、400nmのモノクロミッ
クな光で露光が可能なケンコーBP−40を用いた。そ
の後、下記組成の現像液に25℃、10秒間浸漬し、現
像を行い、画像が完全に除去される最高の段数から感度
(クリア感度)を算出した(表1)。ここで、クリア感
度とは、画像の形成に最低限必要なエネルギーを表わ
し、この値が低いほど高感度である。
【0089】
【表1】 * 比較例として、チタノセンのかわりにヘキサアリー
ルビイミダゾールを用いた。
【0090】この様に、本発明の平版印刷版は非常に高
感度であり、走査露光方式に十分な感度を示す。また、
本発明の開始系は増感色素を使用しない場合に比較し
て、高感度であり、特にチタノセンの添加量が少ない場
合においても、十分な感度を示す。 (表1中の現像液)下記組成からなるpH13の水溶液 1Kケイ酸カリウム 3.0 重量部 水酸化カリウム 1.5 重量部 下記式1の化合物 0.2 重量部 水 95.3 重量部
【0091】
【化9】
【0092】[実施例9]開始系を下記のような組成に
変え、光重合層の膜厚を1.5g/m2に変えた以外は実
施例1〜8と同様に、平版印刷版原版を調製した。 開始系 光重合層全固形分中の含有量 増感色素 D1 1.2wt% チタノセン T−2 1.5wt% 共増感剤 H−1 7.0wt% 得られた平版印刷版原版に対し、発振波長400nmの
InGaN系半導体レーザを用い、版面でのビーム系2
5μm、露光エネルギー密度0.2mJ/cm2となる条
件で走査露光を行った。次に、版を100℃で10秒間
加熱後、先述の現像処理を実施した。視認性に優れた、
青色の画像を有する平版印刷版が得られた。得られた版
を用い、ハイデルベルグ社KORーD機を用いてオフセ
ット印刷を実施したところ、画像濃度、汚れ性に優れた
印刷物を5万枚以上得ることができた。
【0093】[実施例10]実施例9の版を、湿度65
%、45℃の強制保存条件下で3日間保存後、実施例9
と同様に製版・印刷を実施した。実施例9と同様の良好
な結果が得られた。 [実施例11]一般的に用いられるセーフライトの発光
強度分布を測定し、短波長側での発光強度分布の立ち上
がる位置(短波端)を測定した。また、それぞれのセー
フライト下での作業性を評価した。
【0094】
【表2】
【0095】この様に、作業性を考慮すると黄色灯が望
まれる。黄色灯下での取り扱い可能な感材は、少なくと
も520nm、望ましく490nmより長波での感光性
が低い事が必要であるが、本発明の色素群は400nm
付近に吸収極大を持つためにこの点でも利点を有する。 [実施例12]開始系を下記のような組成に変え、光重
合層の膜厚を2.0g/m2に変えた以外は実施例9と同
様に平版印刷版原版を調製した。 開始系 光重合層全固形分中の含有量 増感色素 D8 1.5wt% チタノセン T−2 1.5wt% 共増感剤 H−1 5.0wt% 得られた平版印刷版原版に対し、発振波長400nmの
InGaN系半導体レーザを用い、版面でのビーム系2
5μm、露光エネルギー密度0.15mJ/cm2となる
条件で走査露光を行った。次に、版を100℃で10秒
間加熱後、先述の現像処理を実施した。視認性に優れ
た、青色の画像を有する平版印刷版が得られた。得られ
た版をさらに300℃で5分間加熱後、ハイデルベルグ
社KORーD機を用いてオフセット印刷を実施したとこ
ろ、画像濃度、汚れ性に優れた印刷物を20万枚以上得
ることができた。
【0096】[実施例13]実施例9の版を露光前に黄
色灯下に30分間さらした後、全く同様に製版・印刷を実
施した。実施例9と全く同様の良好な結果が得られた。 [比較例4]実施例9において増感色素をD1(極大吸
収波長410nm)からH4(極大吸収波長500n
m)に変えた以外は、実施例9と同様にして平版印刷版
原版を調製した。得られた平版印刷版原版を、実施例9
と同様に、発振波長400nmのInGaN系半導体レ
ーザを用いて製版してみたところ、画像流れという結果
になった。また、得られた平版印刷版原版を実施例13
と同様にして、露光前に黄色灯下に30分間さらした後、
全く同様に製版・印刷を実施したところ、全面ベタとな
り、カブリが発生した。
【0097】
【化10】
【0098】
【発明の効果】本発明の平版印刷版原版は、InGaN
の様な短波長の半導体レーザによる走査露光に適した十
分な感度を有し、かつ耐刷性・汚れ性に優れた平版印刷
版を与える。本発明の走査露光用平版印刷版原版は黄色
灯下でのカブリが著しく改良されており、版を取り扱う
作業性が大幅に改善する事ができる。また、本発明の光
重合性組成物は感度に優れると同時に、非常に保存安定
性に優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/028 G03F 7/028 7/029 7/029 // C08F 290/12 C08F 290/12 Fターム(参考) 2H025 AA00 AA01 AA12 AB03 AC08 AD01 AD03 BC31 BC51 CA39 CA41 FA10 FA17 2H096 AA07 AA08 BA05 EA04 GA08 4J011 AC04 QA02 QA06 QA07 QA08 QA13 QA14 QA17 QA19 QA24 QA25 QA27 QA35 QB13 QB19 QB24 RA03 RA04 RA08 SA78 SA83 SA85 SA88 TA03 TA05 TA07 TA08 TA10 UA01 UA02 UA06 VA01 WA01 WA02 WA05 WA06 4J027 AA01 AB01 AC02 AC03 AC06 AE01 AG01 BA17 BA19 BA20 BA21 BA23 BA24 BA25 BA26 BA27 BA29 CA03 CA12 CA14 CA23 CA24 CA25 CA28 CA29 CA34 CB10 CC04 CD08 CD09 CD10 4J038 FA231 JA33 JB27 JB32 JC38 KA08 PA17

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)下記一般式(1)で表される増感色
    素、(ii)チタノセン化合物、及び(iii)少なくとも一個
    のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物
    を含有する光重合性組成物。 【化1】 (式中、A、Bはそれぞれ独立に -S- 又は、NR3、N
    4を表わし、R3、R4はそれぞれ独立に置換もしくは
    非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基
    を表し;Y1、Y2はそれぞれ独立に、隣接するA、Bお
    よび隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する
    非金属原子団を表わし;R1、R2はそれぞれ独立に一価
    の非金属原子団であるか、又は互いに結合して脂肪族性
    または芳香族性の環を形成することができる。)
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表される増感色素と
    して、下記一般式(2)で表される増感色素を用いる請
    求項1記載の光重合性組成物。 【化2】 (式中、R1、R2、R3およびR4は一般式(1)中と同
    義であり;X1、X2はそれぞれ独立に、O原子、S原
    子、Se原子、NR9またはCR1011を表わし、R9、R
    10およびR11はそれぞれ独立に1〜6個の炭素原子を有
    するアルキル基または置換もしくは非置換のフェニル基
    であり;及びR5〜R8はそれぞれ独立に水素原子、1〜
    6個の炭素原子を有するアルキル基、1〜6個の炭素原
    子を有するアルコキシ基、置換もしくは非置換のフェニ
    ル基、塩素または臭素であり、かつR 5とR6は互いに、
    またはR7とR8は互いにそれぞれ脂肪族性または芳香族
    性の環を形成するため結合することができる。)
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DE60000524T DE60000524T2 (de) 1999-04-27 2000-04-27 Fotopolymerisierbare Zusammensetzung für kurzwellenlängige Halbleiterlaserbelichtung, lichtempfindliche Zusammensetzung und Verfahren zur Polymerisierung dieser Zusammensetzung
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