JP2006293327A - 感光性組成物 - Google Patents
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Abstract
であるとともに、作業性、経済性、耐刷性、耐汚れ性、保存安定性に優れた、例えばCTPシステムに適合する走査露光用の平版印刷版原版の感光層として有用な、新規な光開始系を用いた感光性組成物を提供すること。
【解決手段】(A)特定構造を有する増感色素、(B)ラジカル、酸或いは塩基を生成しうる開始剤化合物、および(C)ラジカル、酸或いは塩基の少なくともいずれかによって反応する重合性化合物、を含有する感光性組成物。
【選択図】なし
Description
近年、画像情報をコンピュータを用いて電子的に処理、蓄積、出力する、デジタル化技術が広く普及し、それに対応した新しい画像出力方式が種々実用されるようになってきた。その結果レーザ光のような指向性の高い光をデジタル化された画像情報に従って走査し、リスフイルムを介すことなく、直接印刷版を製造するコンピュータ・トゥ・プレート(CTP)技術が望まれ、これに適応した印刷版原版を得ることが重要な技術課題となっている。
これらのことから、350nmから450nmの比較的短波な半導体レーザを用いたCTPシステムに適した平版印刷版原版を得ることが、本産業分野において強く望まれるようになっている。
印刷版原版に使用される光重合性組成物は基本的にはエチレン性不飽和化合物、光重合
開始系、バインダー樹脂からなる。画像形成は、光開始系が光吸収し、活性ラジカルを生成、エチレン性不飽和化合物の付加重合を引き起こし、感光層の不溶化を生じるものである。
このような、光重合系感光層を用いた走査露光可能な平版印刷版に関する従来の提案の大部分は、感光性に優れた特定の光開始系の使用を開示したものであり、このような高感度開始系は例えば、Bruce M. Monroeら著、Chemical Revue,93,435(1993).やR.S.Davidson著、Journal of
Photochemistry and biology A:Chemistry,73.81(1993).に多く記載されている。
また、比較的感度の高い開始系として特定の色素とチタノセン化合物とを組み合わせた開始系が知られている。特開平9−80750号では、スチリル系色素とチタノセンの組み合わせが、特開平10−101719号では、5員ヘテロ環酸性核を有する色素とチタノセンの組み合わせが、それぞれ開示されている。これらは確かに高感度であったが十分ではなく、また、450nm以下の波長を有するレーザー光線を用いた場合には実用上十分な感度が得られず、短波長光源には適さず、また、セーフライト適性に関する示唆は全くなされていない。
これを受けて本願出願人らは、この短波長領域において高感度な増感色素を含む感光性組成物を提案したが(特許文献1および2参照)、これらの増感色素などを包含する光開始系のさらなる高感度化が望まれている。
ブルース M モンロー(Bruce M. Monroe)ら著、ケミカルレヴュー(Chemical Revue)、93巻、(1993年),p.435−p.448 R.S.デビッドソン(R.S.Davidson)著、ジャーナル オブ フォトケミストリー アンド バイオロジー(Journal of Photochemistry and biology)A:Chemistry、第73巻、(1993年)、p.81−p.96 J.P.ファウシヤー(J.P.Faussier)著,フォトイニシエイテッド ポリメリゼーション セオリー アンド アプリケーションズ("Photoinitiated Polymerization−Theory and Applications":Rapra Review),第9巻,Report,Rapra Technology(1998年) M.ツノオカ(M.Tsunooka)ら著,Prog.Polym.Sci.,21,1(1996)
(1)(A)増感色素、
(B)ラジカル、酸或いは塩基を生成しうる開始剤化合物、および
(C)ラジカル、酸或いは塩基の少なくともいずれかによって反応する重合性化合物を含有する感光性組成物において、増感色素が下記一般式(1)で表される部分構造を有する化合物および下記下記一般式(I)で表される化合物から選ばれるものであることを特徴とする感光性組成物。
(2)前記増感色素が、前記一般式(1)で表される部分構造を有する化合物であることを特徴とする前記(1)に記載の感光性組成物。
(3)前記増感色素が、前記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする前記(1)に記載の感光性組成物。
(4)前記増感色素が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の感光性組成物。
(5)前記ラジカル、酸或いは塩基を生成しうる開始剤化合物が、ヘキサアリールビイミダゾール化合物であることを特徴とする前記(1)〜(4)の何れかに記載の感光性組成物。
(6)前記ラジカル、酸或いは塩基の少なくともいずれかによって反応する重合性化合物が、エチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であることを特徴とする前記(1)〜(5)の何れかに記載の感光性組成物。
また、本発明の特定構造を有する増感色素を含有する感光性組成物は保存安定性に優れることが分かった。その要因は明らかではないが、比較的嵩高い置換基を増感色素構造近傍に持つため、自然経時条件下における色素会合、感光層中の他成分との暗反応等による増感効率の低下が少なく、そのことが感光性組成物の保存安定性向上に影響しているものと考えている。
本発明の感光性組成物は、(A)一般式(1)で表される部分構造を有する増感色素あるいは一般式(I)で表される増感色素と、(B)ラジカル、酸或いは塩基を生成しうる開始剤化合物と、(C)ラジカル、酸或いは塩基の少なくともいずれかによって反応する重合性化合物とを含有するが、これらのうち、(A)一般式(1)で表される部分構造を有する増感色素あるいは一般式(I)で表される増感色素と(B)ラジカル、酸或いは塩基を生成しうる開始剤化合物とでこの感光性組成物の光開始系を構成する。この系においては、(A)一般式(1)で表される部分構造を有する増感色素あるいは一般式(I)で表される増感色素の光吸収により生じる電子励起状態による、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用により開始剤化合物が化学変化を起こし、ラジカル、酸或いは塩基を生成する。
本発明における光開始系に有用な、(A)特定構造を有する増感色素の特徴の1つは、350nmから450nm域に特に優れた吸収特性を有することにある。さらに(A)特
定構造を有する増感色素は、種々の(B)開始剤化合物の分解を効率良く引き起こし、非常に高い感光性を示す。一般に、増感色素/開始剤化合物からなる光開始系の増感機構は(a)増感色素の電子励起状態から開始剤化合物への電子移動反応に基づく、開始剤化合物の還元的分解、(b)開始剤化合物から増感色素の電子励起状態への電子移動に基づく、開始剤化合物の酸化的分解、(c)増感色素の電子励起状態から開始剤化合物へのエネルギー移動に基づく、開始剤化合物の電子励起状態からの分解、といった経路が知られるが、本発明の増感色素は、これら何れのタイプの増感反応をも優れた効率で引き起こすことがわかった。
また色素構造上の極性効果が、組成物形成後の結晶析出性に関係しており、より極性の小さい構造を取る時、結晶化が抑えられ、保存安定性が高まると考えられる。
本発明に用いられる増感色素は、一般式(1)で表される部分構造を有する増感色素(以下、増感色素(A1)と称することもある)および一般式(I)で表される増感色素(以下、増感色素(A2)と称することもある)を包含する。まず、増感色素(A1)について詳細に説明する。
本発明に用いられる増感色素(A1)は、芳香環上に少なくとも一つの−CR=N+−を有することを特徴とし、具体的には、上記一般式(1)で表される構造を有する場合に非常に高い感度と優れた吸収特性が得られる。特に、その芳香環のオルト位およびパラ位が少なくとも一つに窒素原子、硫黄原子または酸素原子ではじまる基で置換されている場合に、この効果が顕著である。
また、これらの色素のうち、主吸収が400nm付近にある化合物は長波長に感光せず、比較的明るい黄色灯下で取り扱う事が出来るため、特に好ましい。
本発明における増感色素(A1)は、上記一般式(1)の部分構造を有するが、好ましくは上記一般式(2)で表される構造であり、より好ましくは下記一般式(3)で表される構造であり、更に好ましくは一般式(4)で表される構造である。一般式(4)の構造のうち、特に好ましいのは、XがNR9(ここでR9は一価の非金属原子団を表す。)の場合である。
ンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基、等が挙げられ、アルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
これら置換基の内、より好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基、ホスフォナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキルホスフォナト基、モノアリールホスフォノ基、アリールホスフォナト基、ホスフォノオキシ基、ホスフォナトオキシ基、アリール基、アルケニル基が挙げられる。
また、R11〜R18は互いに結合して、環を形成していてもよい。
のうちのいずれかに位置することが好ましく、芳香族環と窒素原子、硫黄原子または酸素原子のいずれかで直接結合しているものであり、窒素原子に結合するR19R20、硫黄原子に結合するR21および酸素原子に結合するR22は水素原子または一価の非金属原子団を表し、その具体例としては、一般式(2)中のR11〜R18で記載したものと同様のものが挙げられる。
ン性の置換基を有する場合は必ずしも必要ではない。具体的には、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびスルホン酸イオンからなる群より選択される対イオンが挙げられ、好ましくは、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびアリールスルホン酸イオンである。
以下に一般式(1)で表される部分構造を有する化合物の好ましい具体例(D−1)から(D−52)を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。また、酸性核と塩基性核を結ぶ2重結合に関する異性体については、本発明はどちらかの異性体に限定されるものではない。
(A)増感色素
本発明に用いられる増感色素(A2)は、下記式(I)で表される構造の化合物である。
本発明においては、上記一般式(I)で表される色素は、下記一般式(II)で表される構造であることが好ましい。
し、かつX1の少なくともどちらか一つは酸素原子、硫黄原子又は−NR7−である。R1、R2、R9〜R16はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表す。Yは酸素原子、硫黄原子又はNR8である。また、R1、R2、R5〜R16はそれぞれ互いに結合して、脂肪族性または芳香族性の環を形成していてもよい。)
R5、R6、R7、R17〜R26はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表す。
また、R5、R6、R7、R17〜R26はそれぞれ互いに結合して、脂肪族性または芳香族性
の環を形成することができる。)
とも一つの結合により、Aで表される置換基を有してもよい芳香族環またはヘテロ環と結合する。
R5,R6,R7は、好ましくは置換もしくは非置換のアルキル基を表し、好ましいアル
キル基の例としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、および環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基を挙げる事ができる。
コキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシカルボニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロアリール基を表す。
次に、R9〜R16、R19〜R26の好ましい例について具体的に述べる。好ましいアルキ
ル基の例としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、および環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、これらはさらに置換基を有していてもよい。
ベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基を挙げることができ、
これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
ール基の環形成炭素原子上に置換基として、(水素原子以外の)1価の非金属原子団の基を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびに、先に置換アルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。このような、置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基、ジエチルホスフォノフェニル基、ジフェニルホスフォノフェニル基、メチルホスフォノフェニル基、メチルホスフォナトフェニル基、トリルホスフォノフェニル基、トリルホスフォナトフェニル基、アリルフェニル基、1−プロペニルメチルフェニル基、2−ブテニルフェニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基、等を挙げることができる。
、一般式(II)、もしくは(III)におけるR9〜R16、R19〜R26の説明において例示したものと同様のものが挙げられる。
好ましいAとしては、アルコキシ基、チオアルキル基、アミノ基、ハロゲン
原子又はシアノ基を有するアリール基が挙げられ、より好ましいAとしてはハロゲンを有するアリール基が挙げられる。特に好ましいハロゲン原子を有するアリール基としては、モノクロロアリール基、ジクロロアリール基が挙げられ、具体的には、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基等が挙げられる。
(化合物D−101の合成)
2−メチレン−1,3,3−トリメチルインドレニン17.3gをトルエン40mlと室温で混合し、ピリジン8.3mlを加えた後室温で20分間撹拌した。次にトリホスゲン5gをトルエン20mlに溶解し、氷冷下ゆっくり滴下した。滴下後、室温まで昇温、1時間撹拌した。
室温で1時間撹拌した反応液に対し、発泡しなくなるまで炭酸水素ナトリウム飽和溶液を滴下しトリホスゲンをクエンチした。次いで水200mlを加え、酢酸エチルで抽出した酢酸エチルートルエンでなる有機層を塩化ナトリウム水溶液、ついで水で洗浄した。洗浄後、この有機相を濃縮すると濃紫色固形物が得られた。得られた液体をメタノールでリスラリーした後、更にアセトンで再結晶し、目的の化合物D−101、2gを得た。
ば、アクリロイル基やメタクリロイル基)とを、共有結合、イオン結合、水素結合等の方法により結合させることで、露光膜の高強度化や、露光後の膜からの色素の不要な析出抑制を行うことができる。
また、増感色素と後述する開始剤化合物におけるラジカル発生能を有する部分構造(例えば、ハロゲン化アルキル、オニウム、過酸化物、ビイミダゾール、オニウム、ビイミダゾール等の還元分解性部位や、ボレート、アミン、トリメチルシリルメチル、カルボキシメチル、カルボニル、イミン等の酸化解裂性部位)との結合により、特に開始系の濃度の低い状態での感光性を著しく高めることができる。
その他、例えば、感光層中での相溶性向上、結晶析出抑制のために適宜置換基を導入することができる。例えば、ある種の感光系では、アリール基やアリル基等の不飽和結合が相溶性向上に非常に有効である場合があり、また、分岐アルキル構造導入等の方法により、色素π平面間の立体障害を導入することで、結晶析出が著しく抑制できる。また、ホスホン酸基やエポキシ基、トリアルコキシシリル基等の導入により、金属や金属酸化物等の無機物への密着性を向上させることができる。そのほか、目的に応じ、増感色素のポリマー化等の方法も利用できる。
増感色素の選択は、感光性の他、使用する光源の発光波長でのモル吸光係数が重要な因子である。モル吸光係数の大きな色素を使用することにより、色素の添加量は比較的少なくできるので、経済的であり、かつ感光層の膜物性の点からも有利である。
なお、本発明においては、前記(A)特定の増感色素に加えて、本発明の効果を損なわない限りにおいて他の汎用の増感色素を併用することもできる。
例えば、本発明の感光性組成物を比較的薄い膜厚で使用する平版印刷版原版の感光層に使用する場合には、増感色素の添加量は、感光層の吸光度が0.1から1.5の範囲、好ましくは0.25から1の範囲となるように設定するのが好ましい。吸光度は前記増感色素の添加量と感光層の厚みとにより決定されるため、所定の吸光度は両者の条件を制御することにより得られる。感光層の吸光度は常法により測定することができる。測定方法としては、例えば、透明、或いは白色の支持体上に、乾燥後の塗布量が平版印刷版として必要な範囲において適宜決定された厚みの感光層を形成し、透過型の光学濃度計で測定する方法、アルミニウム等の反射性の支持体上に感光層を形成し、反射濃度を測定する方法等
が挙げられる。
本発明の感光性組成物を平版印刷版原版の感光層として利用する場合には、前記増感色素の添加量は、通常、感光性組成物全固形成分100質量部中、0.05〜30質量部、好ましくは0.1〜20質量部、さらに好ましくは0.2〜10質量部の範囲である。
(B)開始剤化合物
本発明における開始剤化合物とは、増感色素の光吸収により生じる電子励起状態との相互作用を経て化学変化を生じ、ラジカル、酸或いは塩基を生成する化合物である。以下、このようにして生じたラジカル、酸或いは塩基を単に活性種と呼ぶ。これらの化合物が存在しない場合や、開始剤化合物のみを単独で用いた場合には、実用上十分な感度が得られないが、前記、増感色素と開始剤化合物を併用する一つの態様として、これらを適切な化学的方法(増感色素と開始剤化合物との化学結合による連結等)によって単一の化合物
として利用することも可能である。このような技術思想は、例えば、日本特許第2720195号公報に開示されている。
何れのタイプの開始剤化合物と組み合わせても非常に高い増感効果を示すことにある。
炭素−ハロゲン結合結合を有する化合物:還元的に炭素−ハロゲン結合が解裂し、活性種を発生すると考えられる(例えば、Polymer Preprints,Jpn.,41(3)542(1992)に記載れている)。活性種としては、ラジカル、酸を発生しうる。具体的には、例えば、ハロメチル−s−トリアジン類の他、M.P.Hutt,
E.F.ElslagerおよびL.M.Merbel著,Journal of Heterocyclic Chemistry,7,511(1970)に記載される合成方法により当業者が容易に合成しうるハロメチルオキサジアゾール類、また、ドイツ特許2641100号、同3333450号、同3021590号、同3021599号の各明細書に記載される化合物等が好適に使用できる。
生成する活性種はロフィンラジカルであり、必要に応じ水素供与体との併用で、ラジカル連鎖反応を開始するほか、ロフィンラジカルによる酸化反応を用いた画像形成も知られる(J.Imaging Sci.,30,215(1986)に記載される)。
具体的な、スルホン酸エステル類の例としては、欧州特許0290750号、同046083号、同156153号、同271851号、同0388343号、米国特許3901710号、同4181531号の各明細書、特開昭60−198538号、特開昭53−133022号の各公報に記載されるニトロベンズルエステル化合物、欧州特許0199672号、同84515号、同199672号、同044115号、同0101122号、米国特許4618564号、同4371605号、同4431774号の各明細書、特開昭64−18143号、特開平2−245756号、特開平4−365048号の各公報記載のイミノスルホネート化合物、特公昭62−6223号、特公昭63−14340号、特開昭59−174831号各公報に記載される化合物等が挙げられ、さらに、例えば下記に示すような化合物が挙げられる。
また、活性種として塩基を生成することも可能であり、例えば下記のような化合物群が知られる。
ジスルホン類:還元的にS−S結合解裂を起こし酸を発生しうる。例えば特開昭61−166544号公報に記載されるようなジフェニルジスルホン類が知られる。
アルキルアート錯体:酸化的に炭素−ヘテロ結合が解裂し、活性ラジカルを生成すると考えられる(例えば、J.Am.Chem.Soc.,112,6329(1990)に記載される)。具体的には例えば、トリアリールアルキルボレート類が好適に使用される。
増感機構は明確ではないが、開始剤化合物として機能しうるものも多い。チタノセン、フェロセン等の有機金属化合物や芳香族ケトン、アシルフォスフィン、ビスアシルフォスフィン類等が挙げられ、活性種としては、ラジカル、酸を発生しうる。
下記式[II]で表される化合物が挙げられる。特にラジカル発生、酸発生能にすぐれる。
−NH2、−NHR1’、−NR1’2、−OR1’を表す。ここでR1’はアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基を表す。R1は−C(X)3、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、置換アルケニル基を表す。
下記式[III]で表されるボレート塩類はラジカル発生能に優れる。
ムカチオンを示す。
安定性に優れ、高感度なラジカル発生が可能である。具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
周期律表の15(5B)、16(6B)、17(7B)族元素、具体的にはN、P、As、Sb、Bi、O、S、Se、Te、Iのオニウム化合物は感度にすぐれた開始剤化合物である、特にヨードニウム塩やスルホニウム塩、とりわけ、ジアリールヨードニウム、トリアリールスルホニウム塩化合物は感度と保存安定性の両方の観点で極めて優れている。酸、および/またはラジカルの発生が可能であり、これらは目的に応じて、使用条件を適宜選択することで使い分けることができる。具体的には以下の化合物が挙げられる。
有機過酸化物型の開始剤化合物を用い場合、活性種としてラジカルの発生を非常に高感度で行うことができる。
ロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、過酸化こはく酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、メタ−トルオイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシオクタノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチル過酸化マレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等がある。
開始剤化合物の好ましい例としては、トリアジン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物が挙げられ、特に好ましい開始剤化合物としては、ヘキサアリールビイミダゾール化合物が挙げられる。
開始剤化合物の使用量は通常多い方が感光性の点で有利であり、感光層成分100質量部に対し、好ましくは0.5〜80質量部、より好ましくは1〜50質量部の範囲で用いることで十分な感光性が得られる。
サアリールビイミダゾール化合物の組み合わせが好ましく、その中でも一般式(4)のうち、XがNR9で表される化合物とヘキサアリールビイミダゾール化合物の組み合わせが
特に好ましい。
本発明の感光性組成物における第3の必須成分「(C)ラジカル、酸或いは塩基の少なくともいずれかによって反応する重合性化合物」は上述の光開始系の光反応により生じた、活性種の作用により、その物理的もしくは化学的特性が不可逆的に変化して、硬化反応、発色、消色反応などが生じる化合物であり、このような性質を有するものであれば特に制限なく任意のものを使用でき、例えば、上述の開始系に挙げた化合物自身がそのような性質を有する場合も多い。
光開始系から生成したラジカル、酸、および/または塩基により、変化する(C)重合性化合物の特性としては、例えば、吸収スペクトル(色)、化学構造、分極率等の分子的な物性や、溶解性、強度、屈折率、流動性、粘着性、等の材料的な物性の変化を含む。
本発明に使用される好ましい(C)重合性化合物である、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物は、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定なく用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアナト基や、エポキシ基、等の親電子性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、ハロゲン基や、トシルオキシ基、等の脱離性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926号、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号各公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号、特開平2−226149号各公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
(ただし、R及びR’は、それぞれH又はCH3を示す。)
本発明の感光性組成物の好ましい実施形態である平版印刷版原版の感光層への適用に際しては、感光性組成物には膜性向上などの観点から、さらにバインダーポリマーを使用することが好ましい。
バインダーポリマーとしては線状有機高分子重合体を含有させることが好ましい。このような「線状有機高分子重合体」としては、どのような化合物を使用しても構わないが、好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とする水あるいは弱アルカリ水可溶性または膨潤性である線状有機高分子重合体が選択される。線状有機高分子重合体は、組成物の皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機高分子重合体を用いると水現像が可能になる。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号各公報に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等がある。また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
また、特公平7−12004号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号各公報、特願平10−116232号明細書等に記載される、酸基を含有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に、強度に優れるので、耐刷性・低露光適性の点で有利である。
また、特開平11−171907号公報記載のアミド基を有するバインダーは優れた現像性と膜強度を併せもち、好適である。
本発明の感光性組成物には、さらにその用途、製造方法等に適したその他の成分を適宜添加することができる。以下、好ましい添加剤に関し例示する。
(E−1)共増感剤
ある種の添加剤(以後、共増感剤という)を用いることで、感度をさらに向上させる事ができる。これらの作用機構は、明確ではないが、多くは次のような化学プロセスに基づくものと考えられる。即ち、熱重合開始剤により開始される光反応、と、それに引き続く付加重合反応の過程で生じる様々な中間活性種(ラジカル、カチオン)と、共増感剤が反応し、新たな活性ラジカルを生成するものと推定される。これらは、大きくは、(a)還元されて活性ラジカルを生成しうるもの、(b)酸化されて活性ラジカルを生成しうるもの、(c)活性の低いラジカルと反応し、より活性の高いラジカルに変換するか、もしくは連鎖移動剤として作用するもの、に分類できるが、個々の化合物がこれらのどれに属するかに関しては、通説がない場合も多い。
炭素−ハロゲン結合結合を有する化合物:還元的に炭素−ハロゲン結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、トリハロメチル−s−トリアジン類や、トリハロメチルオキサジアゾール類等が好適に使用できる。
窒素−窒素結合を有する化合物:還元的に窒素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発
生すると考えられる。具体的にはヘキサアリールビイミダゾール類等が好適に使用される。
酸素一酸素結合を有する化合物:還元的に酸素−酸素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、有機過酸化物類等が好適に使用される。
オニウム化合物:還元的に炭素−ヘテロ結合や、酸素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には例えば、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、N−アルコキシピリジニウム(アジニウム)塩類等が好適に使用される。
フエロセン、鉄アレーン錯体類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。
アルキルアート錯体:酸化的に炭素−ヘテロ結合が解裂し、活性ラジカルを生成すると考えられる。具体的には例えば、トリアリールアルキルボレート類が好適に使用される。
アルキルアミン化合物:酸化により窒素に隣接した炭素上のC−X結合が解裂し、活性ラジカルを生成するものと考えられる。Xとしては、水素原子、カルボキシル基、トリメチルシリル基、ベンジル基等が好適である。具体的には、例えば、エタノールアミン類、N−フェニルグリシン類、N−トリメチルシリルメチルアニリン類等があげられる。
含硫黄、含錫化合物:上述のアミン類の窒素原子を硫黄原子、錫原子に置き換えたものが、同様の作用により活性ラジカルを生成しうる。また、S−S結合を有する化合物もS−S解裂による増感が知られる。
スルフィン酸塩類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。具体的は、アリールスルフィン駿ナトリウム等をあげる事ができる。
合物:例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカル種に水素供与して、ラジカルを生成するか、もしくは、酸化された後、脱プロトンする事によりラジカルを生成しうる。具体的には、例えば、2−メルカプトベンズチアゾール類、2−メルカプトベンゾオキサゾール類、2−メルカプトベンズイミダゾール類等があげられる。
これらの共増感剤は、単独でまたは2種以上併用して用いることができる。使用量は重合性化合物100質量部に対し0.05〜100質量部が好ましく、より好ましくは1〜80質量部、さらに好ましくは3〜50質量部の範囲が適当である。
また、本発明においては以上の基本成分の他に感光性組成物の製造中あるいは保存中において重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t―ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t―ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。熱重合防止剤の添加量は、全組成物の質量に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、平版印刷版原版とする場合、支持体等への塗布後の乾燥の過程でその感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
さらに、本発明の感光性組成物を平版印刷版原版に用いる場合、その感光層の着色を目的として染料もしくは顔料を添加してもよい。これにより、印刷版としての、製版後の視認性や、画像濃度測定機適性といったいわゆる検版性を向上させる事ができる。着色剤としては、多くの染料は感光層の感度の低下を生じるので、着色剤としては、特に顔料の使用が好ましい。具体例としては例えばフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料などの染料がある。染料および顔料の添加量は全組成物の約0.5質量%〜約5質量%が好ましい。
さらに、本発明の感光性組成物を平版印刷版原版に用いる場合、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、その他可塑剤、感光層表面のインク着肉性を向上させうる感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
その他、感光層と支持体との密着性向上や、未露光感光層の現像除去性を高めるための添加剤、中間層を設ける事も可能である。例えば、ジアゾニウム構造を有する化合物や、ホスホン化合物、等、基板と比較的強い相互作用を有する化合物の添加や下塗りにより、密着性が向上し、耐刷性を高める事が可能であり、一方ポリアクリル酸や、ポリスルホン酸のような親水性ポリマーの添加や下塗りにより、非画像部の現像性が向上し、耐汚れ性の向上が可能となる。
影響を考慮し、用途に応じ適宜選択することが望ましい。塗布量が少なすぎる場合には、耐刷性が十分でなくなる。一方多すぎる場合には、感度が下がり、露光に時間がかかる上、現像処理にもより長い時間を要するため好ましくない。本発明の感光性組成物の好ましい使用態様である走査露光用平版印刷版原版の感光層としての塗布量は、一般的には、乾燥後の質量で約0.1g/m2〜約10g/m2の範囲が適当である。より好ましくは0.5〜5g/m2である。
本発明の感光性組成物を用いた平版印刷版原版を得るには上記感光層を、表面が親水性の支持体上に設けることが望ましい。親水性の支持体としては、従来公知の、平版印刷版原版に使用される親水性支持体を限定なく使用することができる。使用される支持体は寸度的に安定な板状物であることが好ましく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)等が挙げられる。これらは、樹脂フィルムや金属板などの単一成分のシートであっても、2以上の材料の積層体であってもよく、例えば、上記のごとき金属がラミネート、若しくは蒸着された紙やプラスチックフィルム、異種のプラスチックフィルム同志の積層シート等が含まれる。また、これらの表面に対し、必要に応じ親水性の付与や、強度向上、等の目的で適切な公知の物理的、化学的処理を施してもよい。
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ水溶液等による脱脂処理が行われる。
アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。
この様に粗面化されたアルミニウム板は、所望により、アルカリエッチング処理、中和処理を経て、表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理を施すことができる。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸或いはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
支持体の親水化処理としては、米国特許第3658662号明細書に記載されているようなシリケート電着も有効である。特公昭46−27481号公報、特開昭52−58602号公報、特開昭52−30503号公報に開示されているような電解グレインを施した支持体と、上記陽極酸化処理および珪酸ソーダ処理を組合せた表面処理も有用である。また、特開昭56−28893号公報に開示されているような機械的粗面化、化学的エッチング、電解グレイン、陽極酸化処理さらに珪酸ソーダ処理を順に行ったものも好適である。
さらに特開平7−159983号公報に開示されているようなラジカルによって付加反応を起こし得る官能基を共有結合させたゾル−ゲル処理基板も好適に用いられる。
その他好ましい例として、任意の支持体上に表面層として耐水性の親水性層を設けたものも上げることができる。このような表面層としては例えば米国特許第3055295号明細書や、特開昭56−13168号公報記載の無機顔料と結着剤とからなる層、特開平9−80744号公報記載の親水性膨潤層、特表平8−507727号公報記載の酸化チタン、ポリビニルアルコール、珪酸類からなるゾルゲル膜等を挙げることができる。
これらの親水化処理は、支持体の表面を親水性とするために施される以外に、その上に設けられる感光性組成物の有害な反応を防ぐため、かつ感光層の密着性向上等のために施されるものである。
本発明における平版印刷版用原版には、感光層と基板との間の密着性や耐汚れ性を改善する目的で、中間層を設けてもよい。このような中間層の具体例としては、特公昭50−7481号、特開昭54−72104号、特開昭59−101651号、特開昭60−149491号、特開昭60−232998号、特開平3−56177号、特開平4−282637号、特開平5−16558号、特開平5−246171号、特開平7−159983号、特開平7−314937号、特開平8−202025号、特開平8−320551号、特開平9−34104号、特開平9−236911号、特開平9−269593号、特開平10−69092号、特開平10−115931号、特開平10−161317号、特開平10−260536号、特開平10−282682号、特開平11−84674号、特開平10−69092号、特開平10−115931号、特開平11−38635号、特開平11−38629号、特開平10−282645号、特開平10−301262号、特開平11−24277号、特開平11−109641号、特開平10−319600号、特開平11−84674号、特開平11−327152号、特開2000−10292号、特開2000−235254号、特開2000−352824号、特開2001−175001号、特開2001−209170号等に記載のものを挙げることができる。
本発明の感光性組成物を走査露光用平版印刷版原版に用いる場合、重合性の化合物を含む感光層の上に、必要に応じて保護層を設ける事ができる。このような平版印刷版原版は、通常、露光を大気中で行うが、保護層は、感光層中で露光により生じる画像形成反応を阻害する大気中に存在する酸素や塩基性物質等の低分子化合物の感光層への混入を防止し、大気中での露光による画像形成反応の阻害を防止する。従って、このような保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性が低いことであり、さらに、露光に用いる光の透過性が良好で、感光層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できる事が望ましい。
さらに、特開昭50−26601号、同58−54341号、特公昭56−39464号、同56−42860号の各公報に記載されている現像液も優れている。
ガスレーザとして、Arイオンレーザ(364nm、351nm、10mW〜1W)、Krイオンレーザ(356nm、351nm、10mW〜1W)、He−Cdレーザ(441nm、325nm、1mW〜100mW)、固体レーザとして、Nd:YAG(YVO4)とSHG結晶×2回の組み合わせ(355nm、5mW〜1W)、Cr:LiSAFとSHG結晶の組み合わせ(430nm、10mW)、半導体レーザ系として、KNbO3リング共振器(430nm、30mW)、導波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組み合わせ(380nm〜450nm、5mW〜100mW)、導波型波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組み合わせ(300nm〜350nm、5mW〜100mW)、AlGaInN(350nm〜450nm、5mW〜30mW)その他、パルスレーザとしてN2レーザ(337nm、パルス0.1〜10mJ)、XeF(351nm、パルス10〜250mJ)などが利用できる。
特にこの中でAlGaInN半導体レーザ(市販InGaN系半導体レーザ400〜410nm、5〜30mW)が波長特性、コストの面で好適である。
・内面ドラム方式でガスレーザあるいは固体レーザ光源を1つ使用するシングルビーム露光装置
・フラットベッド方式で半導体レーザを多数(10個以上)使用したマルチビームの露光装置
・外面ドラム方式で半導体レーザを多数(10個以上)使用したマルチビームの露光装置
X・S=n・q・t (eq1)
f・Z・t=Lx (eq2)
ii)外面ドラム(マルチビーム)方式の場合ドラム回転数F(ラジアン/s)、感材の副走査長Lx(cm)、解像度Z(ドット/cm)、全露光時間t(s)、ビーム数(n)の間には一般的に式(eq3)が成立する。
F・Z・n・t=Lx (eq3)
iii)フラットベッド(マルチビーム)方式の場合ポリゴンミラーの回転数H(ラジアン/s)、感材の副走査長Lx(cm)、解像度Z(ドット/cm)、全露光時間t(
s)、ビーム数(n)の間には一般的に式(eq4)が成立する。
H・Z・n・t=Lx (eq4)
<実施例1〜16、比較例1〜7>
(支持体の調製)
厚さ0.3mmのアルミニウム板を10質量%水酸化ナトリウムに60℃で25秒間浸漬してエッチングした後、流水で水洗後20質量%硝酸で中和洗浄し、次いで水洗した。
これを正弦波の交番波形電流を用いて1質量%硝酸水溶液中で300クーロン/dm2
の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。引き続いて1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に40℃で5秒間浸漬後30質量%の硫酸水溶液中に浸漬し、60℃で40秒間デスマット処理した後、20質量%硫酸水溶液中、電流密度2A/dm2において、陽極酸化皮膜の厚さが2.7g/m2になるように、2分間陽極酸化処理した。その表面粗さを測定したところ、0.3μm (JISB0601によるRa表示)であった。
テトラエチルシリケート 50質量部
水 20質量部
メタノール 15質量部
リン酸 0.05質量部
示す液を加えることによりバックコート塗布液を調製した。
ジメチルフタレート 5質量部
フッ素系界面活性剤 0.7質量部
(N−ブチルペルフルオロオクタン/スルホンアミドエチル
アクリレート/ポリオキシエチレンアクリレート共重合体:分子量2万)
メタノールシリカゾル 50質量部
(日産化学工業(株)製,メタノール30質量%)
メタノール 800質量部
このように処理されたアルミニウム支持体上に、下記組成の感光性組成物を乾燥塗布量が下記表1に記載の塗布量となるように塗布し、80℃2分間乾燥させ感光層を形成した。
以下のウレタン結合含有付加重合性化合物(M−1) 1.6g
(共重合モル比70/14/16) 1.9g
光重合開始系 (用いた化合物、含有量は表1中に記載)
・増感色素 Xg
・開始剤化合物 Yg
・共増感剤 Zg
フッ素系ノニオン界面活性剤(F−780F) 0.03g
熱重合禁止剤 0.01g
(N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩)
顔料分散物 2.0g
(顔料分散物の組成)
・Pigment Blue 15:6 15質量部
・アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 10質量部
(共重合モル比83/17)
・シクロヘキサノン 15質量部
・メトキシプロピルアセテート 20質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 40質量部
メチルエチルケトン 20g
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20g
この感光層上にポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度550)の3質量%の水溶液を乾燥塗布質量が2g/m2となるように塗布し、100℃で2分間乾燥して保護層を形成し、平版印刷版原版を得た。
このように得られた平版印刷版原版上に、富士写真フイルム(株)製の富士ステップガイド(△D=0.15で不連続的に透過光学濃度が変化するグレースケール)を密着させ、光学フィルターを通したキセノンランプにより既知の露光エネルギーとなるように露光を行った。光学フィルターとしては、短波半導体レーザへの露光適性を見積もる目的で、ケンコーBP−40を用い、400nmのモノクロミックな光で露光を行った。
その後、下記組成の現像液に25℃、10秒間浸漬し、現像を行い、画像が完全に除去される最高の段数を読み、その露光エネルギー量を求め、感度を算出した(単位、mJ/cm2)。エネルギー量が小さい程、高感度であると評価する。結果を表1に示す。
下記組成からなるpH12.0の水溶液
・水酸化カリウム 0.2g
・1Kケイ酸カリウム 2.4g
(SiO2/K2O=1.9)
・下記化合物 5.0g
・エチレンジアミンテトラ酢酸・4Na塩 0.1g
・水 92.3g
実施例1で用いた支持体に、以下の手順で中間層、感光層、保護層を順次形成し
、平版印刷版原版を作製した。
(中間層の形成)
下記組成の中間層塗布液を調製し、支持体表面上に、フェニルホスホン酸の塗布量が20mg/m2となるようにようにホイラーにて180rpmの条件で塗布後、80℃で30秒間乾燥させて中間層を形成した。
フェニルホスホン酸 0.07g〜1.4g
メタノール 200g
下記組成の感光性組成物を調製し、上記中間層を設けた支持体上に、下記表2に記載の塗布量になるようにホイラーで塗布し、100℃で1分間乾燥させて感光層を形成した。
付加重合性化合物(表2中に記載の化合物) 1.6g
バインダーポリマー(表2中に記載の化合物) 2.0g
増感色素(表2中に記載の化合物) 0.15g
開始剤化合物(表2中に記載の化合物) 0.2g
共増感剤 (表2中に記載の化合物) 0.3g
着色顔料分散物 2.0g
(顔料分散物の組成)
・Pigment Blue 15:6 15質量部
・アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 10質量部
(共重合モル比83/17)
・シクロヘキサノン 15質量部
・メトキシプロピルアセテート 20質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 40質量部
熱重合禁止剤 0.01g
(N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩)
フッ素系界面活性剤 0.02g
(大日本インキ化学工業(株)製、メガファックF−780F)
メチルエチルケトン 20.0g
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0g
この感光層上にポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度550)の3質量%の水溶液を乾燥塗布質量が2g/m2となるように塗布し、100℃で2分間乾燥して保護層を形成し、平版印刷版原版を得た。
上記のようにして得られた平版印刷版原版を、光源として400nmの単色光を用い、版面露光エネルギー密度100μJ/cm2となるように露光パワーを調節し、ベタ画像
露光および175線/インチ、1%刻みで1から99%となる網点画像露光を行った。
富士写真フイルム(株)製自動現像機LP−850に現像液(表2中に記載)と
富士写真フイルム(株)製フィニッシャーFP−2Wをそれぞれ仕込み現像液温度30℃、現像時間18秒の条件で露光済みの原版を現像/製版し、平版印刷版を得た。
印刷機としてローランド社製R201を使用し、インキとして大日本インキ社製GEOS−G(N)を使用した。印刷を継続しながらベタ画像部の印刷物を観察し、画像がかすれはじめた枚数によって耐刷性を調べた。数字が多いほど耐刷性がよいと評価する。
印刷機としてローランド社製R201を使用し、インキとして大日本インキ社製GEOS−G(N)を使用した。印刷開始から5000枚目に富士写真フイルム(株)製PSプレートクリーナーCL−2を印刷用スポンジにしみこませ、網点部を拭き、版面のインキを洗浄した。その後、10,000枚印刷を行い、印刷物における網点の飛びの有無を
目視で観察した。
印刷機としてローランド社製R201を使用し、インキとして大日本インキ社製GEOS−G(S)を使用して印刷を行ない、得られた印刷物を観察し、非画像部(未露光部)の耐汚れ性の状態を目視で評価した。
(M−1):下記のウレタン結合含有付加重合性化合物
(M−3):グリセリンジメタクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー(共栄社化学(株)製;UA101H)
(B−1):アリルメタクリレート/メタクリル酸/N−イソプロピルアクリルアミド
(共重合モル比68/12/20)共重合体
NaOH滴定により求めた実測酸価:1.12meq/g
GPC測定より求めた質量平均分子量:10万
(U−1):下記ジイソシアネートとジオールの縮重合物であるポリウレタン樹脂
・4、4’−ジフェニルメタンジイソイソシネート(MDI)
・ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)
・ポリプロピレングリコール、質量平均分子量1000(PPG1000)
・2、2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオニックアシッド(DMPA)
・グリセリンモノメタクリレート(日本油脂(株)製ブレンマーGLM)
〔共重合モル比(MDI/HMDI/PPG1000/DMPA/
ブレンマーGLM=80/20/22/52/26)〕
KOH滴定により求めた実測酸価:0.92meq/g
GPC測定より求めた質量平均分子量:6.0万
(DV−1)
下記組成からなるpH10の水溶液
・モノエタノールアミン 0.1質量部
・トリエタノールアミン 1.5質量部
・下記式1の化合物 4.0質量部
・下記式2の化合物 2.5質量部
・下記式3の化合物 0.2質量部
・水 91.7質量部
下記組成からなるpH10の水溶液
・炭酸水素ナトリウム 1.2質量部
・炭酸ナトリウム 0.8質量部
・下記式1の化合物 3.0質量部
・下記式2の化合物 2.0質量部
・下記式3の化合物 0.2質量部
・水 92.8質量部
下記組成からなるpH13の水溶液
・1Kケイ酸カリウム 3.0質量部
・水酸化カリウム 1.5質量部
・下記式3の化合物 0.2質量部
・水 95.3質量部
実施例1で用いたpH12の現像液
実施例1で用いた支持体上に、下記組成の感光性組成物を乾燥塗布量が下記表3に記載の塗布量となるように塗布し、80℃で2分間乾燥させ感光層を形成した。
・下記重合性化合物 1.5 g
アリルメタクリレート/メタクリル酸/
N−イソプロピルアクリルアミド共重合体 2.0 g
(共重合モル比67/13/20)
・光重合開始系(表3中に記載)
増感色素 Xg
開始剤化合物 Yg
共増感剤 Zg
・他の成分
フッ素系ノニオン界面活性剤
(F−177P、大日本インキ化学工業(株)製) 0.02g
熱重合禁止剤N−ニトロソフェニルヒドロキシル 0.01g
アミンアルミニウム塩
顔料分散物 2.0g
(顔料分散物の組成)
Pigment Blue 15:6 15質量部
アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合 10質量部
(共重合モル比83/17)
シクロヘキサノン 15質量部
メトキシプロピルアセテート 20質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 40質量部
・溶媒
メチルエチルケトン 20.0 g
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0 g
この感光層上にポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度550)の3質量%の水溶液を乾燥塗布質量が2g/m2となるように塗布し、100℃で2分間乾燥して保護層を形成し、平版印刷版原版を得た。
このように得られた平版印刷版原版上に、富士写真フイルム(株)製の富士ステップガイド(△D=0.15で不連続的に透過光学濃度が変化するグレースケール)を密着させ、光学フィルターを通したキセノンランプにより既知の露光エネルギーとなるように露光を行った。
その後、実施例1で用いた現像液に25℃、10秒間浸漬し、現像を行い、画像が完全に除去される最高の段数を読み、その露光エネルギー量を求め、感度を算出した(単位、mJ/cm2)。エネルギー量が小さい程、高感度であると評価する。短波半導体レーザへの露光適性を見積もる目的で、光学フィルターとしてケンコーBP−40を用い、400nmのモノクロミックな光で露光を行った。結果を表3に示す。
〔保存安定性の評価〕
得られた平版印刷版原版について、下記条件(i)及び(ii)でのクリア感度を比較することにより保存安定性を評価した。
(i)平版印刷版原版作成後、即時に露光、現像
(ii)平版印刷版原版を60℃、10日の強制保存条件下で保存後、露光、現像
ここで言うクリア感度は、上記感度評価における感度と同様である。(i)の感度と(ii)の感度の差((ii)−(i))をクリア感度差と定義した。この値が小さいことは、経時無しの平版印刷版原版と強制経時後の平版印刷版原版における画像形成感度に変化が小さいことを示し、保存安定性が高いと言える。結果を表3に示す。
感度評価と合わせて、表3に結果を記載した。
さらにセーフライト適性を評価するために、得られた平版印刷版原版を露光前に30分
間黄灯下(500nm以下をカット)にさらした後、同様に露光、現像を行った。目視確認を行い、カブリが発生した感材(セーフライト適性なし)を×、カブリが発生しなかった感材(セーフライト適性あり)を○とした。結果を表3に示す。
また実施例26と実施例38との比較より、本発明の増感色素は、チタノセン開始剤との組み合わせよりも、ヘキサアリールビイミダゾール開始剤との組合せでより高感度であることが分かった。
Claims (7)
- (A)増感色素、
(B)ラジカル、酸或いは塩基を生成しうる開始剤化合物、および
(C)ラジカル、酸或いは塩基の少なくともいずれかによって反応する重合性化合物を含有する感光性組成物において、増感色素が下記一般式(1)で表される部分構造を有する化合物および下記下記一般式(I)で表される化合物から選ばれるものであることを特徴とする感光性組成物。
- 前記増感色素が、前記一般式(1)で表される部分構造を有する化合物であることを特徴とする請求項1記載の感光性組成物。
- 前記増感色素が、前記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載の感光性組成物。
- 前記ラジカル、酸或いは塩基を生成しうる開始剤化合物が、ヘキサアリールビイミダゾール化合物であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の感光性組成物。
- 前記ラジカル、酸或いは塩基の少なくともいずれかによって反応する重合性化合物が、エチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の感光性組成物。
- 支持体上に、請求項1〜6の何れか1項に記載の感光性組成物からなる感光層を有する平版印刷版原版。
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