JP2005349443A - 接合方法、及び接合剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ろう付けによる接合方法を用いることなく、低温で信頼の高い接合を実現できる接合方法、及び接合剤を提供する。
【解決手段】 ステンレス鋼と、当該ステンレス鋼に接合される被接合対象と、を接合する方法であって、前記ステンレス鋼及び前記被接合対象の間に、はんだ及び接合金属からなる接合剤を接触させる工程と、当該接合剤を前記ステンレス鋼及び前記被接合対象に接触させながら加熱処理を行う工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、接合方法、及び接合剤に関するものである。
従来、金属間の接合方法においては、ろう付けが一般的に知られている。ろう付けは、複数の被接合対象と接合剤とを用いることにより、被接合対象の融点より低い作業温度で、接合を実現するものである。このようなろう付けは、JIS規格において作業温度が450℃より高温域での接合方法を意味している。また、当該ろう付けは、被接合対象の溶融が殆どない、接合界面に薄い合金層が形成されて接合強度が強い、作業温度が被接合対象の融点よりも低いので被接合対象の変形や材質変化の問題が少ない、異種材料の接合が可能である、等の利点を有している。近年では、被接合対象としてステンレス鋼(以下、SUS鋼と称する。)を採用した場合に、当該SUS鋼を良好な濡れ性で接合させるろう付け方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−361478号公報
ところで、このようなろう付けを行うには、被接合対象の接着性を十分に得るために、高融点のろう材を溶融させる必要がある。そのため、被接合対象とろう材を高温雰囲気内に曝さなければならない。
本発明は、このようなろう付けによる接合方法を用いることなく、低温で信頼の高い接合を実現できる接合方法、及び接合剤を提供することを目的とする。
本発明者は、融点が高いろう材(融点が650〜900℃のAg・Cu系硬ろう)を用いてSUS鋼と接合対象金属とを接合すると、高い接合温度によって金属組織の変質が生じること、また、SUS鋼自体の濡れ性が劣ることに起因して、SUS鋼と接合対象金属との接合が困難であるということを見出した。
そこで、本発明者は、上記に基づいて以下の手段を有する本発明を想到した。
即ち、本発明の接合方法は、SUS鋼と、当該SUS鋼に接合される被接合対象と、を接合する方法であって、前記SUS鋼及び前記被接合対象の間に、はんだ及び接合金属からなる接合剤を接触させる工程と、当該接合剤を前記SUS鋼及び前記被接合対象に接触させながら加熱処理を行う工程と、を含むことを特徴としている。
ここで、加熱処理とは、ろう付けを施す場合よりも低い温度雰囲気、具体的には450℃よりも低い温度域で行う処理である。
本発明においては、上記のように加熱処理が施されることにより、接合剤内部において接合金属の原子がはんだ内に拡散する。更に、拡散が進むことにより、SUS鋼と接合剤との接触面、及び被接合対象と接合剤との接触面に金属間化合物が形成される。このような金属間化合物は、はんだに対する濡れ性が高い特性を有している。従って、SUS鋼側に形成された金属間化合物と、被接合対象側に形成された金属化合物との間において溶融したはんだは、当該金属間化合物の面内に濡れ広がり、SUS鋼と被接合対象とを電気的に導通させ、また、SUS鋼と被接合対象とを固着させる。
このような加熱処理を施すことによって、はんだを溶融させる程度の温度でSUS鋼と被接合対象とを接合するので、ろう付けと比較して低い温度による接合を実現できる。また、一般的にはんだ付け性が劣るSUS鋼の表面に、上記の金属間化合物が形成されることによって、良好な濡れ性ではんだが形成されるので、SUS鋼と被接合対象とを高い強度で接合することができる。従って、SUS鋼の欠点であるはんだの濡れ性を高め、表面接触電気抵抗の低減化を実現できる。更に、このようにSUS鋼と被接合対象とを接合させることができるので、当該SUS鋼が有するばね性を利用することが可能となる。
更に、低温雰囲気下でSUS鋼と被接合対象とを接合できるので、高い接合温度による金属組織の変質を防止できる。また、耐熱性が劣る被接合対象を接合する場合においては、ろう付けによる接合方法を採用することができないが、本発明によれば、当該耐熱性が劣る被接合対象とSUS鋼とを低温で接合することができる。
また、本発明によれば、被接合対象の少なくとも一部分に、例えば、半導体素子や有機機能素子が形成されていても場合には、当該素子の熱による劣化を抑制しながら、SUS鋼と被接合対象とを低温で接合することができる。
また、前記接合方法においては、箔状の前記接合金属の表面に、ペースト状の前記はんだを塗布することにより、前記接合剤を形成することが好ましい。また、前記接合方法においては、箔状の前記接合金属の表面に、メッキ法によって前記はんだを設けることにより、前記接合剤を形成することが好ましい。また、前記接合方法においては、前記接合金属の粒子と、ペースト状の前記はんだとを混合させることにより、前記接合剤を形成することが好ましい。
このようにすれば、上記の接合方法と同様の効果が得られる。
また、前記接合方法においては、前記接合金属は、Ni又はAlであることを特徴としている。
ここで、接合金属がNiである場合には、金属間化合物としてFe−Niが形成される。また、接合金属がAlである場合には、金属間化合物としてFe−Alが形成される。
従って、当該Fe−Ni又はFe−Alの金属間化合物がSUS鋼及び被接合対象の表面に形成されることとなり、上記と同様の効果が得られる。
また、前記接合方法においては、前記被接合対象はSUS鋼とは異なることを特徴としている。
ここで、SUS鋼とは異なるとは、例えば、電気回路等が形成されたプリント基板上の接続端子、金属配線が形成されたガラス基板上の接続端子、半導体装置が形成されたチップ上の接続端子、等が挙げられる。
このようにすれば、SUS鋼と、当該SUS鋼とは異なる材料と、を上記の接合方法によって接合することができる。そして、低温度で接合することができ、SUS鋼を高い強度で接合することができ、また、導通性が優れた接合を実現できる。また、低温雰囲気下で接合することから、金属組織の変質を防止できる。また、プリント基板上の素子や、ガラス基板上の素子、或いは半導体チップ上における、熱による機能素子の劣化を防止できる。
また、前記接合方法においては、前記被接合対象は、SUS鋼であることを特徴としている。
このようにすれば、同じSUS鋼を上記の接合方法によって接合することができる。そして、低温度で接合することができ、SUS鋼を高い強度で接合することができ、また、導通性が優れた接合を実現できる。また、低温雰囲気下で接合することから、金属組織の変質や、熱による素子の劣化を防止することができる。
また、本発明の接合剤は、ステンレス鋼と、当該ステンレス鋼に接合される被接合対象とを接合する接合剤であって、箔状の接合金属の表面にはんだが形成されていることを特徴としている。
本発明の接合剤をステンレス鋼と被接合対象との間に接触配置させて、加熱処理を施すことにより、接合剤内部において接合金属の原子がはんだ内に拡散する。更に、拡散が進むことにより、SUS鋼と接合剤との接触面、及び被接合対象と接合剤との接触面に金属間化合物が形成される。このように金属間化合物は、その表面の濡れ性が高く、かつ、高い導電性を有している。また、SUS鋼側に形成された金属間化合物と、被接合対象側に形成された金属化合物との間において溶融したはんだは、当該金属間化合物の面内に濡れ広がり、SUS鋼と被接合対象とを電気的に導通させ、また、SUS鋼と被接合対象とを固着させる。
従って、本発明の接合剤においては、ろう付けと比較して低い温度でSUS鋼と被接合対象とを接合することができる。また、一般的にはんだ付け性が劣るSUS鋼の表面に、上記の金属間化合物が形成されることによって、良好な濡れ性ではんだが形成されるので、SUS鋼と被接合対象とを高い強度で接合することができる。従って、SUS鋼の欠点であるはんだ付け特性を高め、表面接触電気抵抗の低減化を実現できる。更に、このようにSUS鋼と被接合対象とを接合させることができるので、当該SUS鋼が有するばね性を利用することが可能となる。
更に、低温雰囲気下でSUS鋼と被接合対象とを接合できるので、高い接合温度による金属組織の変質を防止できる。また、耐熱性が劣る被接合対象を接合する場合においては、ろう付けによる接合方法を採用することができないが、本発明によれば、当該耐熱性が劣る被接合対象とSUS鋼とを接合することができる。
また、本発明によれば、被接合対象の少なくとも一部分に、例えば、半導体素子や有機機能素子が形成されていても場合には、当該素子の熱による劣化を抑制しながら、SUS鋼と被接合対象とを接合することができる。
また、前記接合剤においては、前記箔状の接合金属の表面に、ペースト状のはんだが塗布されていることが好ましい。また、前記接合剤においては、前記箔状の接合金属の表面に、メッキ法によってはんだが設けられていることが好ましい。
また、本発明の接合剤は、SUS鋼と、当該SUS鋼に対向して配置された対向金属と、を接合する接合剤であって、粒子状の接合金属と、ペースト状のはんだとが混合されていることが好ましい。
このようにすれば、上記の接合剤と同様の効果が得られる。
以下、本発明の接合方法、及び接合剤について、図面を参照して説明する。
なお、各図において、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材の縮尺を異ならせてある。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態を説明するための図であって、接合方法の工程図を示している。
図2は、本実施形態の接合方法において用いられるリフロー炉を説明するための図である。
まず、図1(a)に示すように、接合をするための2つの金属材料として、SUS金属(ステンレス鋼)10と銅金属(被接合対象)20を用意する。そして、当該SUS金属10及び銅金属20の間に、接合剤30を配置し、当該接合剤30をSUS金属10及び銅金属20によって圧着する。
ここで、接合剤30は、印刷機によってSUS金属10の表面に塗布されたはんだペースト(はんだ)31と、当該はんだペースト31上に上に配置されたNi箔(接合金属)32と、当該Ni箔32を被覆するように塗布されたはんだペースト31と、からなる。これによって、はんだペースト31は、SUS金属10及び銅金属20の各表面に接触することとなる。
SUS金属10は、SUS304やSUS316等の各種ステンレス金属であり、その成分は、Feを主に含有するとともに、CrやNiを含有する合金である。例えば、SUS304においては18%のNiを含むステンレス鋼として知られている。また、SUS316はそれにMoを添加したもので、耐食性、耐孔食性が更に向上したステンレス鋼として知られている。
また、銅金属20は、本発明の被接合対象としての金属であり、銅金属を限定することなく、各種金属や合金を当該被接合対象として採用してもよい。本実施形態における銅金属20は、電子機器の電子回路における接続端子に広く用いられる材料であり、一般的には銅以外の金属を添加した合金として用いられるものである。
また、接合剤30は、はんだペースト31とNi箔32とを有するものであり、はんだペースト31は、SUS金属10及び銅金属20に接触している。
ここで、はんだペースト31は、はんだ粉末とフラックスを混合したクリーム状のペースト(SnAgCu系)であり、SUS金属10及び銅金属20をリフロー(後述)によって接合すると共に、Ni箔32をはんだペースト31の内部に拡散させるものである。
また、はんだペースト31は、他のはんだ粉末を有してもよく、例えば、SnとPbの合金(含有量比63%:37%)からなる共晶はんだを含有したものでもよい。更に、当該Sn−Pb系はんだに他の元素、例えば、Bi、In等を添加した低融点はんだや、AgやSb、Cu等を添加して濡れ性や機械的特性を改善させたはんだ粉末を含有していてもよい。本実施形態では、SnAgCu系のはんだを採用しており、Pbを含有していないことから環境負荷の低減が可能となる。
また、はんだペースト31に含まれるフラックスは、接合面の清浄度と酸化皮膜生成の防止を行うために広く用いられるものである。このようなフラックスがはんだペースト31に含有されることから、接合面の清浄化と酸化皮膜生成の防止が可能となる。
また、フラックスが含有されていないフラックスレスのはんだペースト31を用いてもよい。この場合、接合面の酸化を防止するために、窒素ガスが置換されているような不活性ガス雰囲気や、真空雰囲気において、リフローが行われる。
このようにSUS金属10の側、及び銅金属20の側に各々配置されるはんだペースト31の膜厚は、150μm程度が好ましい。このようにすれば、後述のリフローによってNi箔32を拡散させると共に、はんだ粉末を好適に溶融させて、SUS金属10及び銅金属20を接合することが可能となる。
また、Ni箔32は、リフローによってはんだペースト31内に拡散し、SUS金属10及び銅金属20を接合させる金属箔であり、本発明の接合金属として機能する。このようなNi箔32の厚さは、100μm程度、好ましくは100μm以下であることが好ましい。また、Niの融点は1500℃程度の高温であることが一般的に知られているが、Ni箔32がはんだペースト31に挟持された状態でリフローが施されることにより、はんだペースト31が溶融する温度においてNi箔32ははんだペースト内に拡散するようになっている。
次に、図1(b)に示すリフロー(加熱処理)を施す。
ここで、図1(b)のリフローにおいて用いられるリフロー炉について、図2を参照して説明する。図2に示すように、リフロー炉100は、加熱源101を有しており、当該加熱源の下方を通過する処理対象102を加熱させるようになっている。また、処理対象102は、不図示の搬送装置によってリフロー炉100内を通過されるようになっている。加熱源101は、ヒータによって加熱された熱風をリフロー炉100内に供給することで、処理対象102を加熱するものである。また、当該加熱源101は、赤外線ランプによって生成された赤外線を処理対象102に照射して、処理対象102を加熱するものであってもよい。このように構成されたリフロー炉100は、処理対象102に保持されているはんだペースト31を加熱し、当該処理対象102に対してはんだ付けを行うものである。
次に、上記のリフロー炉100を用いることによる、加熱処理について図1(b)を参照して説明する。
図1(b)に示すように、SUS金属10及び銅金属20によって圧着された接合剤30は、リフロー炉100を用いることにより溶融し、Ni箔32の金属原子がはんだペースト31内に拡散する。更に、拡散が進むことにより、SUS金属10と接合剤30との接触面、及び銅金属20と接合剤30との接触面に金属間化合物35が形成される。このような金属間化合物35は、Fe−Ni系の化合物であり、はんだに対する濡れ性が高い特性を有している。従って、SUS金属10側に形成された金属間化合物35と、銅金属20側に形成された金属化合物35との間において溶融したはんだ36は、当該金属間化合物35、35の面内に濡れ広がり、SUS金属10と銅金属20とを電気的に導通させ、また、SUS金属10と銅金属20とを固着させる。
また、このようなリフローにおいては、はんだペースト31とNi箔32が好適に拡散する温度域で行われる。一般的にはんだ付けは、JIS規格において450℃より低温域での接合方法を意味しているが、本実施形態にリフローは、450℃よりも低温な温度、例えば、およそ230〜250℃程度で行われる。
図1(a)、(b)に示したように、リフローによってはんだペースト31を含む接合剤30を溶融させることにより、低温でSUS金属10と銅金属20を固着し、信頼の高い接合が行われる。
上述したように、本実施形態の接合方法及び接合剤においては、汎用性のはんだペースト31と、Ni箔32とを併用することで、低温で信頼性の高い接合を実現できる。また、リフローを施すことによって、はんだペースト31を溶融させる程度の温度でSUS金属10と銅金属20とを接合するので、ろう付けと比較して低い温度による接合を実現できる。また、一般的にはんだペースト31の濡れ性が劣るSUS金属10の表面に、上記の金属間化合物35が形成されることによって、良好な濡れ性ではんだペースト31が形成されるので、SUS金属10と銅金属20とを高い強度で接合することができる。従って、SUS金属10の欠点であるはんだペースト31の濡れ性を高め、表面接触電気抵抗の低減化を実現できる。更に、このようにSUS金属10と銅金属20とを接合させることができるので、当該SUS金属10が有するばね性を利用することが可能となる。
更に、低温雰囲気下でSUS金属10と銅金属20とを接合できるので、高い接合温度による金属組織の変質を防止できる。また、耐熱性が劣る銅金属20を接合する場合においては、ろう付けによる接合方法を採用することができないが、本実施形態においては耐熱性が劣る材料とSUS金属10とを接合することができる。
なお、本実施形態においては、SUS金属10と銅金属20との接合方法について説明したが、これを限定するものではない。例えば、銅金属20の代わりにAl金属を採用してもよい。
また、本実施形態においては、はんだペースト31をNi箔32の両面に塗布して、これらをSUS金属10と銅金属20とによって圧着させているが、これを限定するものではない。Ni箔32の表面にメッキ法によってはんだを設け、これらをSUS金属10と銅金属20とによって圧着させてもよい。
また、本実施形態においては、接合金属としてNi箔32を採用したが、当該Niを限定するものではない。Niの代わりにAlを採用したAl箔(接合金属)を用いてもよい。この場合、上記のリフローを行うことにより、Fe−Al系の金属間化合物35が形成されるので、SUS金属10の表面の濡れ性を向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。
図3は、本実施形態を説明するための図であって、接合方法の工程図を示している。
なお、本実施形態では、先に記載した実施形態と異なる部分についてのみ説明し、同一構成には同一符号を付して説明を簡略化する。
まず、図3(a)に示すように、接合をするための2つの金属材料として、SUS金属10、50を用意する。そして、当該SUS金属10、50の間に、接合剤40を配置し、当該接合剤40をSUS金属10、50によって圧着する。
ここで、接合剤40は、はんだペースト31内に粒子状の金属粒子(接合金属、接合金属の粒子)33が混合されたものである。また、当該接合剤40は、印刷機によってSUS金属10の表面に塗布されている。また、金属粒子33とは、Ni粒子であり、その粒径は100μm、好ましくは100μm以下であることが好ましい。
次に、図3(b)に示すリフローを施す。
図3(b)に示すように、SUS金属10、50によって圧着された接合剤40は、リフロー炉100を用いることにより溶融し、金属粒子33がはんだペースト31内に拡散する。更に、拡散が進むことにより、SUS金属10と接合剤40との接触面、SUS金属50と接合剤40との接触面に金属間化合物35が形成される。このような金属間化合物35は、Fe−Ni系の化合物であり、はんだに対する濡れ性が高い特性を有している。従って、SUS金属10側に形成された金属間化合物35と、SUS金属50側に形成された金属化合物35との間において溶融したはんだ36は、当該金属間化合物35、35の面内に濡れ広がり、SUS金属10と銅金属20とを電気的に導通させ、また、SUS金属10、50を固着させる。
上述したように、本実施形態の接合方法及び接合剤においては、汎用性のはんだペースト31と、Niの金属粒子33を併用することで、低温で信頼性の高い接合を実現できる。また、リフローを施すことによって、はんだペースト31を溶融させる程度の温度でSUS金属10、50を接合するので、ろう付けと比較して低い温度による接合を実現できる。また、一般的にはんだペースト31の濡れ性が劣るSUS金属10の表面に、上記の金属間化合物35が形成されることによって、良好な濡れ性ではんだペースト31が形成されるので、SUS金属10、50を高い強度で接合することができる。従って、SUS金属10の欠点であるはんだペースト31の濡れ性を高め、表面接触電気抵抗の低減化を実現できる。更に、このようにSUS金属10、50を接合させることができるので、当該SUS金属10が有するばね性を利用することが可能となる。
更に、低温雰囲気下でSUS金属10、50を接合できるので、高い接合温度による金属組織の変質を防止できる。
なお、本実施形態においては、金属粒子33としてNi粒子を採用したが、Al粒子を採用してもよい。この場合、上記のリフローを行うことにより、Fe−Al系の金属間化合物35が形成されるので、SUS金属10、50の表面の濡れ性を向上させることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。
図4は、本実施形態を説明するための図であって、上記のSUS金属10からなるバネ部材を電子部品に接合させた図である。
図4に示すように電子部品60は、金属基板(被接続対象)61上に、電子回路部62と、バッテリ63と、バネ端子(ステンレス鋼)64と、固定端子65とを備えた構成となっている。
金属基板(被接合対象)61は、SUS金属、銅、Al、等からなるものであり、バネ端子64に接合される部材である。
電子回路部62は、金属基板61上に一体形成されたものである。また、当該電子回路部62は、半導体素子等のスイッチング素子を備えており、バッテリ63の電力によって所定の駆動を行うようになっている。また、このような電子回路部62は、耐熱性が劣るという特性を有している。
バッテリ63は、正負の端子を有しており、正端子は固定端子65に、負端子はバネ端子64に、各々接触されるものであり、電子回路部62に電力を供給するものである。
バネ端子64は、上述の第1実施形態及び第2実施形態に示したSUS金属10と同じ材料である。また、当該バネ端子64は、金属基板61上に接続されたものであり、電子回路部62にバッテリ63の負端子を導通させるようになっている。また、当該バネ端子は、弾性を有しているためバッテリ63の着脱が行われた際に、弾性変形を利用してバッテリ63の負端子に接触するようになっている。
固定端子65は、バッテリ63の正端子に接続されたものであり、電子回路部62に導通させるようになっている。
ここで、符号70に示すバネ端子64と金属基板61との接合部分においては、上記の実施形態に示した接合方法によって、バネ端子64と金属基板61が接続されている。即ち、バネ端子64と金属基板61との間に接合剤30又は接合剤40を配置させ、リフローを行うことによってバネ端子64と金属基板61とを接合させている。このような接合剤がバネ端子64の表面に配置され、リフローによってバネ端子64と金属基板61とが接合されることにより、SUS鋼の欠点であるはんだの濡れ性を高め、更に表面接触電気抵抗の低減化が施される。
また、金属基板61には、耐熱性が劣る電子回路部62が形成されているが、ろう付けと比較して低温処理が可能なリフローによってバネ端子64と金属基板61とが接合されるので、電子回路部62は破壊されること無く、リフロー後においても正常に機能する。
また、バネ端子64は、ばね性を有しているので、バッテリ63の負端子に接触することで、十分な導電性で導通させる。
上述したように、本実施形態の電子部品においては、低接触電気抵抗、はんだに対する濡れ性の向上、及び高いばね性を実現できる。また、接合剤30又は40を用いてリフロにより接合させることで、低温で信頼性の高い接合を実現できる。また、リフローを施すことによって、はんだペースト31を溶融させる程度の温度でバネ端子64と金属基板61とを接合するので、ろう付けと比較して低い温度による接合を実現できる。また、一般的にはんだペースト31の濡れ性が劣るSUS金属の表面に、上記の金属間化合物35が形成されることによって、良好な濡れ性ではんだペースト31が形成されるので、バネ端子64と金属基板61とを高い強度で接合することができる。
更に、低温雰囲気下でSUS金属10と銅金属20とを接合できるので、高い接合温度による金属組織の変質を防止できる。また、耐熱性が劣る電子回路部62を備えた金属基板61を接合する場合においては、ろう付けによる接合方法を採用することができないが、本実施形態においては低温で接合できるので、当該金属基板61とバネ端子64とを接合することができる。
このような電子部品は、携帯電話、デジタルカメラ等の電子機器における電気的な接点において使用することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
本発明の第1実施形態における接合方法を説明するための工程図。 本発明の第1実施形態における接合方法のリフローを説明するための工程図。 本発明の第2実施形態における接合方法を説明するための工程図。 本発明の第3実施形態における電子部品を説明するための図。
符号の説明
10 SUS金属(ステンレス鋼)、20 銅金属(被接合対象)、31 はんだペースト(はんだ)、32 Ni箔(接合金属)、33 金属粒子(接合金属)、30、40接合剤、50 SUS金属(被接合対象)、61 金属基板(被接続対象)、64 バネ端子(ステンレス鋼)



Claims (11)

  1. ステンレス鋼と、当該ステンレス鋼に接合される被接合対象と、を接合する方法であって、
    前記ステンレス鋼及び前記被接合対象の間に、はんだ及び接合金属からなる接合剤を接触させる工程と、
    当該接合剤を前記ステンレス鋼及び前記被接合対象に接触させながら加熱処理を行う工程と、
    を含むことを特徴とする接合方法。
  2. 箔状の前記接合金属の表面に、ペースト状の前記はんだを塗布することにより、前記接合剤を形成することを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
  3. 箔状の前記接合金属の表面に、メッキ法によって前記はんだを設けることにより、前記接合剤を形成することを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
  4. 前記接合金属の粒子と、ペースト状の前記はんだとを混合させることにより、前記接合剤を形成することを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
  5. 前記接合金属は、Ni又はAlであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の接合方法。
  6. 前記被接合対象は、ステンレス鋼とは異なることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の接合方法。
  7. 前記被接合対象は、ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の接合方法。
  8. ステンレス鋼と、当該ステンレス鋼に接合される被接合対象とを接合する接合剤であって、箔状の接合金属の表面にはんだが形成されていることを特徴とする接合剤。
  9. 前記箔状の接合金属の表面に、ペースト状のはんだが塗布されていることを特徴とする請求項8に記載の接合剤。
  10. 前記箔状の接合金属の表面に、メッキ法によってはんだが設けられていることを特徴とする請求項8に記載の接合剤。
  11. ステンレス鋼と、当該ステンレス鋼に接合される被接合対象とを接合する接合剤であって、粒子状の接合金属及びペースト状のはんだが混合されていることを特徴とする接合剤。

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KR20240033276A (ko) 2021-10-05 2024-03-12 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 스테인리스강과 구리의 접합체 및 그 제조 방법, 그리고, 스테인리스강과 구리의 접합 방법

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