JP2005346844A - フレキシブル磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 可とう性高分子フィルムの表面粗さに起因する下塗り層の凹み、及び該フィルム表面の異物付着による下塗り層塗布液のはじきや微粒子の凝集が発生しにくい、フレキシブル磁気記録媒体およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 可とう性高分子フィルムの少なくとも一方の面に下塗り層及び磁性層をこの順に有するフレキシブル磁気記録媒体において、前記可とう性高分子フィルムと下塗り層との間に、さらにプレコート層を有するフレキシブル磁気記録媒体。及び、(1)可とう性高分子フィルムの少なくとも一方の面にプレコート層を設ける工程と、(2)前記プレコート層上に下塗り層を設け、前記可とう性高分子フィルムを巻き取る工程と、(3)プレコート層と下塗り層とを有する可とう性高分子フィルムを巻き解き、前記下塗り層上に磁性層を設ける工程とを有する、前記フレキシブル磁気記録媒体の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 可とう性高分子フィルムの少なくとも一方の面に下塗り層及び磁性層をこの順に有するフレキシブル磁気記録媒体において、前記可とう性高分子フィルムと下塗り層との間に、さらにプレコート層を有するフレキシブル磁気記録媒体。及び、(1)可とう性高分子フィルムの少なくとも一方の面にプレコート層を設ける工程と、(2)前記プレコート層上に下塗り層を設け、前記可とう性高分子フィルムを巻き取る工程と、(3)プレコート層と下塗り層とを有する可とう性高分子フィルムを巻き解き、前記下塗り層上に磁性層を設ける工程とを有する、前記フレキシブル磁気記録媒体の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、フレキシブル磁気記録媒体およびその製造方法に関するものであり、詳しくは、可とう性高分子フィルムの表面粗さに起因する下塗り層の凹みの発生を抑制するとともに、可とう性高分子フィルム表面に異物付着などの汚染があった場合でも、下塗り層塗布液のはじきや微粒子の凝集が発生しにくい、フレキシブル磁気記録媒体およびその製造方法に関するものである。
可とう性高分子フィルムを支持体とし、その上に強磁性金属薄膜からなる磁性層を設けたフレキシブル磁気ディスク等の磁気記録媒体は、高密度記録に適し、大容量の書き換えが可能であることから注目されている。このようなフレキシブル磁気記録媒体は、磁性層/磁気ヘッド間のスペーシング量を低減し、高性能で高信頼性を有する必要がある。しかし、支持体である可とう性高分子フィルムは、その表面粗さが粗いために、磁性層を形成した後の表面粗さを十分に低減することができないという問題がある。
可とう性高分子フィルムの表面を平滑化する方法として、下塗り層またはマスキング層と呼ばれる塗膜を付与する方法が提案されている(下記特許文献1または2参照)。
下塗り層として、熱硬化型のシリコン樹脂、ポリイミド樹脂、電子線硬化樹脂、UV硬化樹脂等を使用すると、高いレベリング効果が得られ、可とう性高分子フィルムよりも非常に平滑な表面が得られる。
しかしながら、可とう性高分子フィルムの表面粗さを十分に平滑化するためには、可とう性高分子フィルムが有する突起高さの3〜5倍以上の厚みの下塗り層が必要となる。例えば、可とう性高分子フィルムとして磁気記録媒体用の平滑なポリエステルフィルムを用いた場合においても、そのフィルム上には0.2μm程度の突起が存在するため、最低でも0.6μm以上、好ましくは1.0μm以上の厚みの下塗り層が必要となる。このため、下塗り層を塗布した後、十分な硬度が得られていない状態で巻き取ると、フィルム裏面側と下塗り層が接触した際に、下塗り層がフィルム裏面の突起に押され、凹みを生じる問題があった。さらに、フィルム塗工面に異物付着など欠陥があると、その異物を核として下塗り層塗布液のはじきが発生する場合があり、この様なはじきはその欠陥サイズを増大させてしまう問題もあった。
下塗り層として、熱硬化型のシリコン樹脂、ポリイミド樹脂、電子線硬化樹脂、UV硬化樹脂等を使用すると、高いレベリング効果が得られ、可とう性高分子フィルムよりも非常に平滑な表面が得られる。
しかしながら、可とう性高分子フィルムの表面粗さを十分に平滑化するためには、可とう性高分子フィルムが有する突起高さの3〜5倍以上の厚みの下塗り層が必要となる。例えば、可とう性高分子フィルムとして磁気記録媒体用の平滑なポリエステルフィルムを用いた場合においても、そのフィルム上には0.2μm程度の突起が存在するため、最低でも0.6μm以上、好ましくは1.0μm以上の厚みの下塗り層が必要となる。このため、下塗り層を塗布した後、十分な硬度が得られていない状態で巻き取ると、フィルム裏面側と下塗り層が接触した際に、下塗り層がフィルム裏面の突起に押され、凹みを生じる問題があった。さらに、フィルム塗工面に異物付着など欠陥があると、その異物を核として下塗り層塗布液のはじきが発生する場合があり、この様なはじきはその欠陥サイズを増大させてしまう問題もあった。
また、一方でこの下塗り層は可とう性高分子フィルムの粗さを平滑化した後、さらに適度な粗さを付与して、フレキシブル磁気記録媒体と磁気ヘッドとの間の摩擦力を低減させる機能を有する。この粗さを付与する方法として、微粒子を含む下塗り層を形成する方法や、平滑化層を設けその上に微粒子を塗布して下塗り層とする方法(特願2003−112483号)等がある。しかしながらこれらの方法は、下塗り層に汚染が発生すると微粒子が凝集しやすいという問題がある。
特開平8−185619号公報
特開平7−37235号公報
したがって本発明の目的は、可とう性高分子フィルムの表面粗さに起因する下塗り層の凹みの発生を抑制し、可とう性高分子フィルム表面に異物付着などの汚染があった場合でも、下塗り層塗布液のはじきや微粒子の凝集が発生しにくい、フレキシブル磁気記録媒体およびその製造方法を提供することである。
本発明は、以下のとおりである。
1.可とう性高分子フィルムの少なくとも一方の面に下塗り層を有し、前記下塗り層上に磁性層を有するフレキシブル磁気記録媒体において、前記可とう性高分子フィルムと下塗り層との間に、さらにプレコート層を有することを特徴とするフレキシブル磁気記録媒体。
2.(1)可とう性高分子フィルムの少なくとも一方の面に、プレコート層を設ける工程と、(2)前記プレコート層上に、下塗り層を設け、前記可とう性高分子フィルムを巻き取る工程と、(3)プレコート層と下塗り層とを有する可とう性高分子フィルムを巻き解き、前記下塗り層上に磁性層を設ける工程とを有することを特徴とする前記1に記載のフレキシブル磁気記録媒体の製造方法。
1.可とう性高分子フィルムの少なくとも一方の面に下塗り層を有し、前記下塗り層上に磁性層を有するフレキシブル磁気記録媒体において、前記可とう性高分子フィルムと下塗り層との間に、さらにプレコート層を有することを特徴とするフレキシブル磁気記録媒体。
2.(1)可とう性高分子フィルムの少なくとも一方の面に、プレコート層を設ける工程と、(2)前記プレコート層上に、下塗り層を設け、前記可とう性高分子フィルムを巻き取る工程と、(3)プレコート層と下塗り層とを有する可とう性高分子フィルムを巻き解き、前記下塗り層上に磁性層を設ける工程とを有することを特徴とする前記1に記載のフレキシブル磁気記録媒体の製造方法。
本発明のフレキシブル磁気記録媒体において、可とう性高分子フィルムと下塗り層との間にプレコート層を設けることにより、可とう性高分子フィルムの表面粗さを平滑化し、下塗り層の凹みの発生を抑制することができる。また、可とう性高分子フィルム表面に異物付着などの汚染があった場合でも、プレコート層が該フィルム表面の洗浄効果を発揮するため、下塗り層塗布液のはじきや微粒子の凝集が発生しにくい。さらに、該フィルム表面に化学的な汚染があった場合でも、これをプレコート層が遮蔽するため、下塗り層表面の汚染を低減することができる。さらにまた、可とう性高分子フィルムとプレコート層との間に良好な密着性が存在する場合は、このプレコート層は易接着層としての機能も有するため、可とう性高分子フィルム/下塗り層間の密着性も向上させることができる。
本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明のフレキシブル磁気記録媒体は、その種類についてとくに制限はないが、例えばフレキシブル磁気ディスクや磁気テープ等が挙げられる。
フレキシブル磁気ディスクとしては、中心部にセンターホールが形成された構造であり、金属やプラスチック等で形成されたカートリッジ内に格納されている。なお、カートリッジには、通常、金属性のシャッタで覆われたアクセス窓を備えており、このアクセス窓を介して磁気ヘッドが導入されることにより、ディスクへの信号記録や再生が行われる。
フレキシブル磁気ディスクは可とう性高分子フィルムからなるディスク状支持体の両面の各々に、少なくとも、プレコート層、下塗り層、磁性層を有するものである。磁性層はスパッタ法などの真空成膜法で形成された強磁性金属薄膜が好ましいが、磁性微粒子を分散させた塗布液を塗布乾燥させて形成する塗布型磁性層でも良い。磁性層が強磁性金属薄膜である場合には、下塗り層上に、磁性層の磁気特性を改善するシード層あるいはガスバリア層、下地層、磁性層、磁性層を腐食や摩耗から保護する保護層、及び潤滑剤の付与により走行耐久性および耐食性を改善する潤滑層が、この順に積層されて構成されていることが好ましい。これらの層を形成した後、所定のディスクサイズに打ち抜いてフレキシブル磁気ディスクとする。直径は20mm〜150mmであって、フレキシブル磁気ディスクシステムのドライブサイズに応じて任意のサイズが選択できる。さらにその後、必要に応じてバーニッシュ加工や熱処理を施しても良い。
本発明のフレキシブル磁気記録媒体は、その種類についてとくに制限はないが、例えばフレキシブル磁気ディスクや磁気テープ等が挙げられる。
フレキシブル磁気ディスクとしては、中心部にセンターホールが形成された構造であり、金属やプラスチック等で形成されたカートリッジ内に格納されている。なお、カートリッジには、通常、金属性のシャッタで覆われたアクセス窓を備えており、このアクセス窓を介して磁気ヘッドが導入されることにより、ディスクへの信号記録や再生が行われる。
フレキシブル磁気ディスクは可とう性高分子フィルムからなるディスク状支持体の両面の各々に、少なくとも、プレコート層、下塗り層、磁性層を有するものである。磁性層はスパッタ法などの真空成膜法で形成された強磁性金属薄膜が好ましいが、磁性微粒子を分散させた塗布液を塗布乾燥させて形成する塗布型磁性層でも良い。磁性層が強磁性金属薄膜である場合には、下塗り層上に、磁性層の磁気特性を改善するシード層あるいはガスバリア層、下地層、磁性層、磁性層を腐食や摩耗から保護する保護層、及び潤滑剤の付与により走行耐久性および耐食性を改善する潤滑層が、この順に積層されて構成されていることが好ましい。これらの層を形成した後、所定のディスクサイズに打ち抜いてフレキシブル磁気ディスクとする。直径は20mm〜150mmであって、フレキシブル磁気ディスクシステムのドライブサイズに応じて任意のサイズが選択できる。さらにその後、必要に応じてバーニッシュ加工や熱処理を施しても良い。
フレキシブル磁気記録媒体が磁気テープの場合は、通常、片面に上記構成の層が設けられ、所定の幅にスリッティングし、開放リール、あるいはカートリッジ内に収納されたもののいずれの形態で用いることができる。
また、塗布型磁気記録媒体の場合、下塗り層と磁性層との間に、非磁性粉末および結合剤を含む実質的に非磁性である非磁性層を設けてもよい。非磁性層は、実質的に非磁性であればその構成は制限されるべきものではないが、通常、少なくとも樹脂からなり、好ましくは、粉体、例えば、無機粉末あるいは有機粉末が樹脂中に分散されたものが挙げられる。非磁性粉末としては、例えば、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等の無機化合物から選択することができる。結合剤としては、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。
また、塗布型、金属薄膜型の何れの磁気記録媒体においても、必要に応じて支持体の他方の面にカーボンブラック等を含むバックコート層を設けてもよい。
バックコート層におけるカーボンブラックは、平均粒子径の異なる二種類のものを組み合わせて使用することが好ましく、平均粒子径が10〜20nmの微粒子状カーボンブラックと平均粒子径が230〜300nmの粗粒子状カーボンブラックを組み合わせて使用することが好ましい。一般に、上記のような微粒子状のカーボンブラックの添加により、バックコート層の表面電気抵抗を低く設定でき、また光透過率も低く設定できる。磁気記録装置によっては、テープの光透過率を利用し、動作の信号に使用しているものが多くあるため、このような場合には特に微粒子状のカーボンブラックの添加は有効になる。また微粒子状カーボンブラックは一般に液体潤滑剤の保磁力に優れ、潤滑剤併用時、摩擦係数の低減化に寄与する。バックコート層において、平均粒子径の異なる二種類のものを使用する場合、10〜20nmの微粒子状カーボンブラックと230〜300nmの粗粒子状カーボンブラックの含有比率(質量比)は、前者:後者=98:2〜75:25の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは、95:5〜85:15の範囲である。
また、塗布型磁気記録媒体の場合、下塗り層と磁性層との間に、非磁性粉末および結合剤を含む実質的に非磁性である非磁性層を設けてもよい。非磁性層は、実質的に非磁性であればその構成は制限されるべきものではないが、通常、少なくとも樹脂からなり、好ましくは、粉体、例えば、無機粉末あるいは有機粉末が樹脂中に分散されたものが挙げられる。非磁性粉末としては、例えば、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等の無機化合物から選択することができる。結合剤としては、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。
また、塗布型、金属薄膜型の何れの磁気記録媒体においても、必要に応じて支持体の他方の面にカーボンブラック等を含むバックコート層を設けてもよい。
バックコート層におけるカーボンブラックは、平均粒子径の異なる二種類のものを組み合わせて使用することが好ましく、平均粒子径が10〜20nmの微粒子状カーボンブラックと平均粒子径が230〜300nmの粗粒子状カーボンブラックを組み合わせて使用することが好ましい。一般に、上記のような微粒子状のカーボンブラックの添加により、バックコート層の表面電気抵抗を低く設定でき、また光透過率も低く設定できる。磁気記録装置によっては、テープの光透過率を利用し、動作の信号に使用しているものが多くあるため、このような場合には特に微粒子状のカーボンブラックの添加は有効になる。また微粒子状カーボンブラックは一般に液体潤滑剤の保磁力に優れ、潤滑剤併用時、摩擦係数の低減化に寄与する。バックコート層において、平均粒子径の異なる二種類のものを使用する場合、10〜20nmの微粒子状カーボンブラックと230〜300nmの粗粒子状カーボンブラックの含有比率(質量比)は、前者:後者=98:2〜75:25の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは、95:5〜85:15の範囲である。
支持体は、磁気ヘッドと磁気記録媒体とが接触した時の衝撃を回避するために、可とう性を備えた樹脂フィルム(可とう性高分子フィルム)で構成されている。このような樹脂フィルムとしては、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、トリアセテートセルロース、フッ素樹脂等からなる樹脂フィルムが挙げられる。価格や表面性の観点からポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートが特に好ましい。
また、支持体として樹脂フィルムを複数枚ラミネートしたものを用いてもよい。ラミネートフィルムを用いることにより、支持体自身に起因する反りやうねりを軽減することができ、磁性層の耐傷性を改善することがきる。
ラミネート手法としては、熱ローラによるロールラミネート、平板熱プレスによるラミネート、接着面に接着剤を塗布してラミネートするドライラミネート、予めシート状に成形された接着シートを用いるラミネート等が挙げられる。接着剤の種類は、特に限定されず、一般的なホットメルト接着剤、熱硬化性接着剤、UV硬化型接着剤、EB硬化型接着剤、粘着シート、嫌気性接着剤などを使用することがきる。
また、支持体として樹脂フィルムを複数枚ラミネートしたものを用いてもよい。ラミネートフィルムを用いることにより、支持体自身に起因する反りやうねりを軽減することができ、磁性層の耐傷性を改善することがきる。
ラミネート手法としては、熱ローラによるロールラミネート、平板熱プレスによるラミネート、接着面に接着剤を塗布してラミネートするドライラミネート、予めシート状に成形された接着シートを用いるラミネート等が挙げられる。接着剤の種類は、特に限定されず、一般的なホットメルト接着剤、熱硬化性接着剤、UV硬化型接着剤、EB硬化型接着剤、粘着シート、嫌気性接着剤などを使用することがきる。
支持体の厚みは、磁気テープの場合で3〜20μm、好ましくは4〜10μmである。支持体の厚みが薄すぎると機械特性が不足し、エッジダメージや切断などの故障を生じやすくなり、支持体の厚みが厚すぎると体積記録密度が低下してしまう。またフレキシブル磁気ディスクの場合は10μm〜200μm、好ましくは20μm〜100μm、さらに好ましくは30μm〜70μmである。支持体の厚みが薄いと、高速回転時の安定性が低下し、面ぶれが増加する。一方、支持体の厚みが厚いと、回転時の剛性が高くなり、接触時の衝撃を回避することが困難になり、磁気ヘッドの跳躍を招く。
支持体の表面は、可能な限り平滑であることが好ましい。支持体表面の凹凸が大きすぎる場合にはプレコート層および下塗り層による平滑化を行っても、完全にレベリングすることが不可能となり、信号の記録再生特性を著しく低下させる。具体的には光学式の表面粗さ計で測定した表面粗さが平均中心線粗さRaで5nm以内、好ましくは2nm以内、触針式粗さ計で測定した突起高さが1μm以内、好ましくは0.1μm以内、原子間力顕微鏡(AFM)で測定した10点平均粗さRzで500nm以内、好ましくは200nm以内である。
本発明のフレキシブル磁気記録媒体は、(1)可とう性高分子フィルムの少なくとも一方の面に、プレコート層を設ける工程と、(2)前記プレコート層上に、下塗り層を設け、前記可とう性高分子フィルムを巻き取る工程と、(3)プレコート層と下塗り層とを有する可とう性高分子フィルムを巻き解き、前記下塗り層上に磁性層を設ける工程とを有する製造方法によって製造することができる。まず、プレコート層について説明する。
プレコート層の材料としては、後述の下塗り層で使用される材料が挙げられるが、プレコート層の場合、その目的を考慮すると高い耐熱性は不要となるため、一般的なポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等を使用することができる。さらに好ましくは、後述の下塗り層において用いられる、ゾルゲル法で重合した熱硬化型シリコン樹脂である。熱硬化型シリコン樹脂をプレコート層に用いることによる効果は、後述の下塗り層で記載した効果と同様であるが、原料がモノマーで構成されているため、精密なろ過が可能となる。このため、ポリエステル樹脂等と比較すると、塗膜中の異物混入をさらに防止することができる。
プレコート層の材料としては、後述の下塗り層で使用される材料が挙げられるが、プレコート層の場合、その目的を考慮すると高い耐熱性は不要となるため、一般的なポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等を使用することができる。さらに好ましくは、後述の下塗り層において用いられる、ゾルゲル法で重合した熱硬化型シリコン樹脂である。熱硬化型シリコン樹脂をプレコート層に用いることによる効果は、後述の下塗り層で記載した効果と同様であるが、原料がモノマーで構成されているため、精密なろ過が可能となる。このため、ポリエステル樹脂等と比較すると、塗膜中の異物混入をさらに防止することができる。
プレコート層の厚みとしては可とう性高分子支持体の表面粗さにも依存するが、0.03μm〜0.5μmが好ましい。さらに好ましくは0.05μm〜0.2μmである。プレコートの厚みが厚すぎると搬送、巻き取りなどのハンドリング性が低下するとともに、はじきが発生しやすくなる。逆に薄すぎると前述のプレコートの効果が得られなくなる。
また、プレコート層の表面粗さRaは、3〜6nmであることが好ましい。この表面粗さRaは、光学式粗さ計(日本ビーコ(株)社製 WYKO)によって測定した値である。測定面積は180×240μmとした。
また、プレコート層の表面粗さRaは、3〜6nmであることが好ましい。この表面粗さRaは、光学式粗さ計(日本ビーコ(株)社製 WYKO)によって測定した値である。測定面積は180×240μmとした。
プレコート層は、グラビアコート、バーコート、コンマコート、スプレーコートなどを用いた一般的なウェットウェブコート法により設けることができる。具体的にはウェブコーターに支持体となるロール状の可とう性高分子フィルムを設置し、これを連続的に送り出し、樹脂やモノマーを有機溶剤や水等の溶媒に溶解したプレコート層形成用塗布液をコーターヘッドで塗布し、乾燥ゾーンで乾燥あるいは硬化を行い、プレコート層を形成することができる。プレコート層を作製する際に放射線照射が必要な場合には乾燥ゾーン出口で照射すればよい。
また、プレコート層を形成することによって可とう性高分子フィルムの洗浄効果が得られるため、可とう性高分子フィルム表面に付着している汚染物質等の欠陥の除去効果が得られるが、さらにコーターに付着物除去手段を設置することが好ましい。具体的には超音波クリーナーや粘着ロールなどがあげられるが、表面の2次汚染を防止するために非接触タイプが好ましく、このようなものとしては超音波クリーナー(伸興社製UVUクリーナー等)が好ましい。またこれらの除去効率を高めるため、クリーナーの上流側に除電装置を設置することが好ましい。
また、プレコート層を形成することによって可とう性高分子フィルムの洗浄効果が得られるため、可とう性高分子フィルム表面に付着している汚染物質等の欠陥の除去効果が得られるが、さらにコーターに付着物除去手段を設置することが好ましい。具体的には超音波クリーナーや粘着ロールなどがあげられるが、表面の2次汚染を防止するために非接触タイプが好ましく、このようなものとしては超音波クリーナー(伸興社製UVUクリーナー等)が好ましい。またこれらの除去効率を高めるため、クリーナーの上流側に除電装置を設置することが好ましい。
作製する磁気記録媒体がフレキシブル磁気ディスクであって、支持体の両面に下塗り層、磁性層を形成する場合には、先に作製した面と反対面に全く同様な方法でプレコート層を作製するのが好ましい。このようにすれば、支持体の裏面も平滑化され、フィルムの巻き取り時、支持体の裏面に存在する突起が巻き取りによって重ねられる下塗り層を凹ませることがないため、好ましい。具体的には可とう性高分子フィルムの一方の面をA面、その裏面をB面としたとき、B面プレコート層形成→A面プレコート層形成→B面下塗り層塗布→B面微粒子塗布→A面下塗り層塗布→A面微粒子塗布とすると最も本発明の効果が高く、ハンドリングも容易となる。なお、プレコート層を両面に作製しない場合、すなわち最初のB面プレコート層形成を省略して、A面プレコート層形成→B面下塗り層塗布→B面微粒子塗布→A面下塗り層塗布→A面微粒子塗布としてもある程度の効果は得られる。
プレコート層形成用塗布液の塗布速度は特に限定されないが、生産性を考慮すると、塗膜の乾燥あるいは硬化が十分となる範囲で高速であることが好ましく、具体的には1〜500m/分である。乾燥および硬化は一般的な熱風乾燥、赤外線乾燥を使用することができる。乾燥および硬化温度はプレコート層の素材と使用する可とう性高分子フィルムの材質によって適宜決定すればよい。具体的な乾燥および硬化条件は、後述の下塗り層の条件と同じである。
プレコート層形成用塗布液の塗布速度は特に限定されないが、生産性を考慮すると、塗膜の乾燥あるいは硬化が十分となる範囲で高速であることが好ましく、具体的には1〜500m/分である。乾燥および硬化は一般的な熱風乾燥、赤外線乾燥を使用することができる。乾燥および硬化温度はプレコート層の素材と使用する可とう性高分子フィルムの材質によって適宜決定すればよい。具体的な乾燥および硬化条件は、後述の下塗り層の条件と同じである。
続いて、作製したプレコート層の表面には、平面性の改善とガスバリア性を目的として下塗り層を設ける。磁性層をスパッタリング等で形成する場合があるため、下塗り層は耐熱性に優れることが好ましく、下塗り層の材料としては、例えば、ポリイミド樹脂(特開平9−204629号公報、特開2003−102914号公報等)、ポリアミドイミド樹脂(特開平11−120534号公報等)、シリコン樹脂(特開平10−255250号公報、特開平10−40542号公報等)、フッ素系樹脂、あるいは放射線硬化樹脂(特願2003−424780号公報等)等を使用することができる。熱硬化型シリコン樹脂あるいは放射線硬化樹脂は、平滑化効果が高く、特に好ましい。下塗り層とプレコート層を合わせた厚みは、0.1μm〜3.0μmが好ましい。
熱硬化性シリコン樹脂としては、有機基が導入されたケイ素化合物を原料としてゾルゲル法で重合したシリコン樹脂が好適に用いられる。このシリコン樹脂は、二酸化ケイ素の結合の一部を有機基で置換した構造からなり、シリコンゴムよりも大幅に耐熱性に優れると同時に、二酸化ケイ素膜よりも柔軟性に優れるため、可とう性高分子フィルム又はプレコート層上に樹脂膜を形成しても、クラックや剥離が生じ難い。また、原料となるモノマーをプレコート層上に直接塗布して硬化させることができるため、汎用溶剤を使用することができ、凹凸に対する回り込みも良く、平滑化効果が高い。塗布液の粘度は使用するモノマーの構造やオリゴマーの添加(特開2003−296922号公報)によって容易に制御できるため、レベリングの効果や塗布液のはじきのバランスをとることも容易に行える。更に、縮重合反応は、酸やキレート剤などの触媒の添加により比較的低温から進行するため、短時間で硬化させることができ、汎用の塗布装置を用いて硬化樹脂膜を形成することができる。また熱硬化性シリコン樹脂はガスバリア性に優れており、磁性層形成時に支持体から発生する磁性層または下地層の結晶性、配向性を阻害するガスを遮蔽するガスバリア性が高く、特に好適である。
熱硬化性シリコン樹脂としては、有機基が導入されたケイ素化合物を原料としてゾルゲル法で重合したシリコン樹脂が好適に用いられる。このシリコン樹脂は、二酸化ケイ素の結合の一部を有機基で置換した構造からなり、シリコンゴムよりも大幅に耐熱性に優れると同時に、二酸化ケイ素膜よりも柔軟性に優れるため、可とう性高分子フィルム又はプレコート層上に樹脂膜を形成しても、クラックや剥離が生じ難い。また、原料となるモノマーをプレコート層上に直接塗布して硬化させることができるため、汎用溶剤を使用することができ、凹凸に対する回り込みも良く、平滑化効果が高い。塗布液の粘度は使用するモノマーの構造やオリゴマーの添加(特開2003−296922号公報)によって容易に制御できるため、レベリングの効果や塗布液のはじきのバランスをとることも容易に行える。更に、縮重合反応は、酸やキレート剤などの触媒の添加により比較的低温から進行するため、短時間で硬化させることができ、汎用の塗布装置を用いて硬化樹脂膜を形成することができる。また熱硬化性シリコン樹脂はガスバリア性に優れており、磁性層形成時に支持体から発生する磁性層または下地層の結晶性、配向性を阻害するガスを遮蔽するガスバリア性が高く、特に好適である。
放射線硬化樹脂としては、例えば、放射線硬化型化合物を放射線の照射により硬化させたものが挙げられる。放射線硬化型化合物としては、例えば、放射線官能性2重結合を有する化合物であるアクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル、メタクリル酸アミド、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類などが挙げられる。この中でもアクリレート化合物、メタクリレート化合物が好ましい。これらの放射線硬化型化合物の具体例としては、脂肪族ジオールにアクリル酸、メタクリル酸を付加させたもの、例えば、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレートなどがあげられる。また、シクロヘキサンジオールジアクリレート、シクロヘキサンジオールジメタクリレート、シクロヘキサンジメタノールのジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールのジメタクリレート、水素化ビスフェノールAのジアクリレート、水素化ビスフェノールAのジメタクリレート、水素化ビスフェノールFのジアクリレート、水素化ビスフェノールFのジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールのジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールのジメタクリレート、など脂環族ジオールのアクリレート化合物、メタクリレート化合物、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、などポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオールにアクリル酸或いは、メタクリル酸を付加したポリエーテルアクリレート、ポリエーテルメタクリレートを挙げることができる。また、公知の二塩基酸、グリコールから得られたポリエステルポリオールにアクリル酸、メタクリル酸を付加させたポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレートも用いることができる。公知のポリオール、ジオールとポリイソシアネートを反応させたポリウレタンにアクリル酸、メタクリル酸を付加させたポリウレタンアクリレート、ポリウレタンメタクリレートを用いてもよい。ビスフェノールA、ビスフェノールF、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールFやこれらのアルキレンオキサイド付加物にアクリル酸、メタクリル酸を付加させたものやイソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性ジアクリレート、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性ジメタアクリレートなども用いることができる。3官能の化合物としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ヒドロシキピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレート、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリメタクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリメタクリレート、ヒドロシキピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリメタクリレートなどを用いることができる。更に4官能以上としては、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサアクリレートなどの化合物を用いることができる。官能基数が多過ぎるかあるいは官能基濃度が高過ぎると硬化収縮が大きく、プレコート層との密着力が低下し好ましくない。分子量は2000以下の比較的低分子のものが好ましい。更に好ましくは分子量1000以下である。分子量が低い方が、粘度が低くレベリングが高いので平滑性が向上する。最も好ましいものは分子量200〜600の2官能のアクリレート化合物、メタクリレート化合物である。このような放射線硬化型化合物として、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、水素化ビスフェノールAのジアクリレート、水素化ビスフェノールAのジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールのジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールのジメタクリレート、5−エチル−2−(2−ヒドロキシ−1,1'−ジメチルエチル)−5−(ヒドロキシメチル)−1,3−ジオキサンジアクリレートなどを挙げることができる。
これらの放射線硬化型化合物は任意の割合で混合して使用することができる。
これらの放射線硬化型化合物は任意の割合で混合して使用することができる。
下塗り層(平滑化層)の表面には、磁気ヘッドと磁気ディスクとの真実接触面積を低減し、摺動特性を改善することを目的として、微粒子によって形成される微小突起(テクスチャ)を設ける。また、微小突起を設けることにより、支持体のハンドリング性も良好になる。微小突起を形成する方法としては、球状のシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、高分子等の粒子を塗布する方法、エマルジョンを塗布して有機物の突起を形成する方法、などが使用できるが、下塗り層の耐熱性を確保するため、無機微粒子、特に球状シリカ粒子を塗布して微小突起を形成するの方法が好ましい。シリカ粒子は粒径が均一な超微粒子であり、入手が容易であるため、高さが低く、均一な突起を形成することができる。シリカ粒子は水に分散した水系のシリカゾルや有機溶剤に分散したオルガノシリカゾルが使用できる。
微小突起の高さは5nm〜25nmが好ましく、7nm〜18mmがより好ましい。微小突起の高さが高すぎると記録再生ヘッドと媒体のスペーシングロスによって信号の記録再生特性が劣化し、微小突起が低すぎると摺動特性の改善効果が少なくなる。微小突起の密度は0.1〜10個/μm2が好ましく、1〜5個/μm2がより好ましい。微小突起の密度が少なすぎる場合は摺動特性の改善効果が少なくなり、多過ぎると凝集粒子の増加によって高い突起が増加して記録再生特性が劣化しやすい。
また、バインダーを用いて前記微小突起を平滑化層表面に固定することもできる。バインダーには、十分な耐熱性を備えた樹脂を使用することが好ましく、耐熱性を備えた樹脂としては、溶剤可溶型ポリイミド樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、熱硬化型シリコン樹脂を使用することが特に好ましい。しかし、実際には使用する微粒子の表面は非常に活性であるため、下塗り層(平滑化層)上に塗布する場合にはバインダーを使用しなくても、微粒子は下塗り層上に固定することが可能である。
この下塗り層を作製するにはグラビアコート、バーコート、コンマコート、スプレーコートなどの一般的なウェットウェブコート法を使用することができる。平滑化層と微粒子は別々に塗布してもかまわないが、一貫塗布することが好ましい。具体的には、前記プレコート層上に、上述の樹脂やモノマーを有機溶剤や水等の溶媒に溶解した下塗り層形成用塗布液を1つめのコーターヘッドで連続的に塗布し、乾燥ゾーンで乾燥と硬化を行い、さらに2つめのコーターヘッドで溶剤に分散した微粒子の塗布を行い、自然乾燥もしくは2つ目の乾燥ゾーンによって乾燥し、巻き取って作製する。平滑化層を作製する際に放射線照射が必要な場合には1つめの乾燥ゾーンから2つ目のコーターヘッドの間で照射すればよい。作製する磁気記録媒体がフレキシブル磁気ディスクであって、支持体の両面に磁性層を形成する場合には、先に作製した面と反対面に全く同様な方法で下塗り層を作製すればよい。
塗布速度は特に限定されないが、生産性を考慮すると、塗膜の乾燥と硬化が十分となる範囲で高速であることが好ましく、具体的には1〜500m/分である。乾燥および硬化は一般的な熱風乾燥、赤外線乾燥を使用することができる。乾燥および硬化温度は下塗り層の素材、使用する可とう性高分子フィルムの材質、プレコート層の素材によって決定される。つまり下塗り層の乾燥と硬化が十分であり、可とう性高分子フィルムの熱変形が生じることなく、かつプレコート層に対する悪影響がない温度とすれば良い。例えば熱硬化型のシリコン樹脂の場合、適切な硬化剤の使用によって硬化温度は80℃程度まで低減できる。使用する支持体がポリエチレンナフタレートの場合、短時間の加熱であれば120℃程度まで変形を生じないことから、乾燥温度は80℃〜120℃の範囲で選択される。また別の例では溶剤可溶型ポリイミド樹脂(丸善石油化学社製PI−100)であれば、膜中の溶剤を揮発させるための温度が100℃程度である。使用する支持体が芳香族ポリアミドフィルムの場合、短時間の加熱であれば300℃程度まで熱変形を生じないことから、乾燥温度は100℃〜300℃の範囲から選択される。但し、この場合、プレコート材料の耐熱性が高いことが必要であり、そのようなプレコート材としては、ポリイミド、シリコン樹脂、ポリアミドイミド樹脂などである。
一方、微粒子塗布の乾燥においては、微粒子を固定するバインダー(樹脂)を含有させる場合には、下塗り層(平滑化層)と同様な温度範囲から選択されるが、樹脂を使用しない場合には、分散媒となる溶剤の乾燥が行えれば十分であり、この場合にはより低い温度の乾燥で十分である。溶剤と塗布速度を選べば自然乾燥も可能である。下塗り層と微粒子を一貫して作製することによって、生産性が向上するだけでなく、塗布時のハンドリングが向上し、下塗り層表面の汚染を抑制できる。
微小突起の高さは5nm〜25nmが好ましく、7nm〜18mmがより好ましい。微小突起の高さが高すぎると記録再生ヘッドと媒体のスペーシングロスによって信号の記録再生特性が劣化し、微小突起が低すぎると摺動特性の改善効果が少なくなる。微小突起の密度は0.1〜10個/μm2が好ましく、1〜5個/μm2がより好ましい。微小突起の密度が少なすぎる場合は摺動特性の改善効果が少なくなり、多過ぎると凝集粒子の増加によって高い突起が増加して記録再生特性が劣化しやすい。
また、バインダーを用いて前記微小突起を平滑化層表面に固定することもできる。バインダーには、十分な耐熱性を備えた樹脂を使用することが好ましく、耐熱性を備えた樹脂としては、溶剤可溶型ポリイミド樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、熱硬化型シリコン樹脂を使用することが特に好ましい。しかし、実際には使用する微粒子の表面は非常に活性であるため、下塗り層(平滑化層)上に塗布する場合にはバインダーを使用しなくても、微粒子は下塗り層上に固定することが可能である。
この下塗り層を作製するにはグラビアコート、バーコート、コンマコート、スプレーコートなどの一般的なウェットウェブコート法を使用することができる。平滑化層と微粒子は別々に塗布してもかまわないが、一貫塗布することが好ましい。具体的には、前記プレコート層上に、上述の樹脂やモノマーを有機溶剤や水等の溶媒に溶解した下塗り層形成用塗布液を1つめのコーターヘッドで連続的に塗布し、乾燥ゾーンで乾燥と硬化を行い、さらに2つめのコーターヘッドで溶剤に分散した微粒子の塗布を行い、自然乾燥もしくは2つ目の乾燥ゾーンによって乾燥し、巻き取って作製する。平滑化層を作製する際に放射線照射が必要な場合には1つめの乾燥ゾーンから2つ目のコーターヘッドの間で照射すればよい。作製する磁気記録媒体がフレキシブル磁気ディスクであって、支持体の両面に磁性層を形成する場合には、先に作製した面と反対面に全く同様な方法で下塗り層を作製すればよい。
塗布速度は特に限定されないが、生産性を考慮すると、塗膜の乾燥と硬化が十分となる範囲で高速であることが好ましく、具体的には1〜500m/分である。乾燥および硬化は一般的な熱風乾燥、赤外線乾燥を使用することができる。乾燥および硬化温度は下塗り層の素材、使用する可とう性高分子フィルムの材質、プレコート層の素材によって決定される。つまり下塗り層の乾燥と硬化が十分であり、可とう性高分子フィルムの熱変形が生じることなく、かつプレコート層に対する悪影響がない温度とすれば良い。例えば熱硬化型のシリコン樹脂の場合、適切な硬化剤の使用によって硬化温度は80℃程度まで低減できる。使用する支持体がポリエチレンナフタレートの場合、短時間の加熱であれば120℃程度まで変形を生じないことから、乾燥温度は80℃〜120℃の範囲で選択される。また別の例では溶剤可溶型ポリイミド樹脂(丸善石油化学社製PI−100)であれば、膜中の溶剤を揮発させるための温度が100℃程度である。使用する支持体が芳香族ポリアミドフィルムの場合、短時間の加熱であれば300℃程度まで熱変形を生じないことから、乾燥温度は100℃〜300℃の範囲から選択される。但し、この場合、プレコート材料の耐熱性が高いことが必要であり、そのようなプレコート材としては、ポリイミド、シリコン樹脂、ポリアミドイミド樹脂などである。
一方、微粒子塗布の乾燥においては、微粒子を固定するバインダー(樹脂)を含有させる場合には、下塗り層(平滑化層)と同様な温度範囲から選択されるが、樹脂を使用しない場合には、分散媒となる溶剤の乾燥が行えれば十分であり、この場合にはより低い温度の乾燥で十分である。溶剤と塗布速度を選べば自然乾燥も可能である。下塗り層と微粒子を一貫して作製することによって、生産性が向上するだけでなく、塗布時のハンドリングが向上し、下塗り層表面の汚染を抑制できる。
支持体と後述の下地層の間には、支持体あるいは下塗り層から発生するガス性分を遮蔽することを目的としたガスバリア層を設けることが好ましい。このガスバリア層は下地層の結晶配向性を高めるために用いられるシード層となる材料も使用することができる。このようなガスバリア層あるいはシード層としてはC、ダイヤモンドライクカーボン、Ni−P、Ni−Al、Ti、Auやその合金、Agやその合金などを使用することができる。
支持体と磁性層との間、あるいはガスバリア層と磁性層の間には、下地層を設けることが好ましい。下地層としてはCrまたはCrとTi、Si、W、Ta、Zr、Mo、Nb等から選ばれる金属との合金、Ruなどを挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよく、二層以上を組み合わせて用いてもよい。この様な下地層を用いることによって、磁性層の配向性を改善できるため、記録特性が向上する。下地層の厚みは10nm〜200nmが好ましく、20nm〜60nmが特に好ましい。
以下磁性層としてスパッタ法で作製する強磁性金属薄膜について記載するが、磁性層は塗布型のメタル磁性層やバリウムフェライト磁性層、あるいは電子線蒸着型のCo−CoO強磁性金属薄膜でも良く、本発明は下記記載に限定されるものではない。
磁性層は、例えば、前述のようにプレコート層上に下塗り層を設け、可とう性高分子フィルムを巻き取り、しかる後、可とう性高分子フィルムを巻き解き、この下塗り層上に設けられるものである。
磁性層は、例えばディスク面に対して垂直方向に磁化容易軸を有するいわゆる垂直磁気記録膜でもよいし、現在のハードディスクで主流となっている面内磁気記録膜でもかまわない。この磁化容易軸の方向は下地層の材料や結晶構造および磁性膜の組成と成膜条件によって制御することができる。
磁性層は前述の通り、強磁性金属薄膜が使用できるが、好ましくはコバルトを含有する強磁性金属合金であり、特に好ましくはコバルトを含有する強磁性金属合金と非磁性酸化物の混合物からなる磁性層である。この磁性層では強磁性金属合金と非磁性酸化物はマクロ的には混合されているが、ミクロ的には強磁性金属合金微粒子を非磁性酸化物が被覆するような構造となっており、強磁性金属合金粒子の大きさは1nmから50nm程度である。この様な構造となることで、高い保磁力を達成でき、また磁性粒子サイズの分散性が均一となるため、低ノイズ媒体を達成することができる。またこの様な構造は支持体を加熱する事無く、作製可能であることから、本発明の様に可とう性高分子フィルムを支持体とする際には特に有効である。
コバルトを含有する強磁性金属合金としてはCoとCr、Ni、Fe、Pt、B、Si、Ta等の元素との合金が使用できるが、記録特性を考慮するCo−Pt、Co−Cr、Co−Pt−Cr、Co−Pt−Cr−Ta、Co−Pt−Cr−B等が特に好ましい。
コバルトを含有する強磁性金属合金と非磁性酸化物の混合物を用いる場合の非磁性酸化物としてはSi、Zr、Ta、B、Ti、Al等の酸化物が使用できるが、記録特性を考慮するとSiOxが最も好ましい。またこの酸化物を窒化物で置き換えることも可能である。
コバルトを含有する強磁性金属合金と非磁性酸化物の混合物を用いる場合の混合比は、強磁性金属合金:非磁性酸化物(モル比)=95:5〜80:20の範囲であることが好ましく、90:10〜85:15の範囲であることが特に好ましい。これよりも強磁性金属合金が多くなると、磁性粒子間の分離が不十分となり、保磁力が低下してしまう。逆にこれよりも少なくなると、磁化量が減少するため、信号出力が著しく低下してしまう。
磁性層の厚みとしては好ましくは5nm〜60nm、さらに好ましくは10nm〜25nmの範囲である。これよりも厚みが厚くなるとノイズが著しく増加してしまい、逆に厚みが薄くなると、出力が著しく減少してしまう。
強磁性金属合金、あるいは強磁性金属合金と非磁性酸化物の混合物からなる磁性層を形成する方法としては真空蒸着法、スパッタ法などの真空成膜法が使用できる。中でもスパッタ法は良質な超薄膜が容易に成膜可能であることから、本発明に好適である。スパッタ法としては公知のDCスパッタ法、RFスパッタ法のいずれも使用可能である。スパッタ方式は連続フィルム上に連続して成膜するウェブスパッタ装置が好適であるが、ハードディスクの製造に使用されるような枚様式スパッタ装置や通過型スパッタ装置も使用可能である。ウェブスパッタ法では温度制御された成膜キャン(大型ロール)にウェブを密着させて成膜することが可能であるため、支持体として熱に弱い高分子フィルムを使用しても、成膜による熱ダメージを与えることなく、下地層や磁性層を形成することが可能である。成膜キャンは中空構造になっており、内部に水や冷媒を循環させることで温度を制御する。成膜キャンの表面温度としては−50℃〜100℃の範囲である。ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを使用する場合には0℃〜50℃の範囲が好ましい。
スパッタ時のスパッタガスとしては一般的なアルゴンガスが使用できるが、その他の希ガスを使用しても良い。また強磁性金属合金の粒子分離を促進するため、あるいは非磁性酸化物の酸素含有率を調整するために微量の酸素ガスを導入してもかまわない。
スパッタ法で強磁性金属合金と非磁性酸化物の混合物からなる磁性層を形成するためには強磁性金属合金ターゲットと非磁性酸化物ターゲットの2種を用い、これらの共スパッタ法を使用することも可能であるが、磁性粒子サイズの分散性を改善し、均質な膜を作成するため、コバルトを含有する強磁性金属合金と非磁性酸化物の合金ターゲットを用いることが好ましい。この合金ターゲットはホットプレス法で作製することができる。
磁性層は、例えば、前述のようにプレコート層上に下塗り層を設け、可とう性高分子フィルムを巻き取り、しかる後、可とう性高分子フィルムを巻き解き、この下塗り層上に設けられるものである。
磁性層は、例えばディスク面に対して垂直方向に磁化容易軸を有するいわゆる垂直磁気記録膜でもよいし、現在のハードディスクで主流となっている面内磁気記録膜でもかまわない。この磁化容易軸の方向は下地層の材料や結晶構造および磁性膜の組成と成膜条件によって制御することができる。
磁性層は前述の通り、強磁性金属薄膜が使用できるが、好ましくはコバルトを含有する強磁性金属合金であり、特に好ましくはコバルトを含有する強磁性金属合金と非磁性酸化物の混合物からなる磁性層である。この磁性層では強磁性金属合金と非磁性酸化物はマクロ的には混合されているが、ミクロ的には強磁性金属合金微粒子を非磁性酸化物が被覆するような構造となっており、強磁性金属合金粒子の大きさは1nmから50nm程度である。この様な構造となることで、高い保磁力を達成でき、また磁性粒子サイズの分散性が均一となるため、低ノイズ媒体を達成することができる。またこの様な構造は支持体を加熱する事無く、作製可能であることから、本発明の様に可とう性高分子フィルムを支持体とする際には特に有効である。
コバルトを含有する強磁性金属合金としてはCoとCr、Ni、Fe、Pt、B、Si、Ta等の元素との合金が使用できるが、記録特性を考慮するCo−Pt、Co−Cr、Co−Pt−Cr、Co−Pt−Cr−Ta、Co−Pt−Cr−B等が特に好ましい。
コバルトを含有する強磁性金属合金と非磁性酸化物の混合物を用いる場合の非磁性酸化物としてはSi、Zr、Ta、B、Ti、Al等の酸化物が使用できるが、記録特性を考慮するとSiOxが最も好ましい。またこの酸化物を窒化物で置き換えることも可能である。
コバルトを含有する強磁性金属合金と非磁性酸化物の混合物を用いる場合の混合比は、強磁性金属合金:非磁性酸化物(モル比)=95:5〜80:20の範囲であることが好ましく、90:10〜85:15の範囲であることが特に好ましい。これよりも強磁性金属合金が多くなると、磁性粒子間の分離が不十分となり、保磁力が低下してしまう。逆にこれよりも少なくなると、磁化量が減少するため、信号出力が著しく低下してしまう。
磁性層の厚みとしては好ましくは5nm〜60nm、さらに好ましくは10nm〜25nmの範囲である。これよりも厚みが厚くなるとノイズが著しく増加してしまい、逆に厚みが薄くなると、出力が著しく減少してしまう。
強磁性金属合金、あるいは強磁性金属合金と非磁性酸化物の混合物からなる磁性層を形成する方法としては真空蒸着法、スパッタ法などの真空成膜法が使用できる。中でもスパッタ法は良質な超薄膜が容易に成膜可能であることから、本発明に好適である。スパッタ法としては公知のDCスパッタ法、RFスパッタ法のいずれも使用可能である。スパッタ方式は連続フィルム上に連続して成膜するウェブスパッタ装置が好適であるが、ハードディスクの製造に使用されるような枚様式スパッタ装置や通過型スパッタ装置も使用可能である。ウェブスパッタ法では温度制御された成膜キャン(大型ロール)にウェブを密着させて成膜することが可能であるため、支持体として熱に弱い高分子フィルムを使用しても、成膜による熱ダメージを与えることなく、下地層や磁性層を形成することが可能である。成膜キャンは中空構造になっており、内部に水や冷媒を循環させることで温度を制御する。成膜キャンの表面温度としては−50℃〜100℃の範囲である。ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを使用する場合には0℃〜50℃の範囲が好ましい。
スパッタ時のスパッタガスとしては一般的なアルゴンガスが使用できるが、その他の希ガスを使用しても良い。また強磁性金属合金の粒子分離を促進するため、あるいは非磁性酸化物の酸素含有率を調整するために微量の酸素ガスを導入してもかまわない。
スパッタ法で強磁性金属合金と非磁性酸化物の混合物からなる磁性層を形成するためには強磁性金属合金ターゲットと非磁性酸化物ターゲットの2種を用い、これらの共スパッタ法を使用することも可能であるが、磁性粒子サイズの分散性を改善し、均質な膜を作成するため、コバルトを含有する強磁性金属合金と非磁性酸化物の合金ターゲットを用いることが好ましい。この合金ターゲットはホットプレス法で作製することができる。
保護層は、磁性層に含まれる金属材料の腐蝕を防止し、磁気ヘッドと磁気ディスクとの擬似接触または接触摺動による摩耗を防止して、走行耐久性、耐食性を改善するために設けられる。保護層には、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化コバルト、酸化ニッケルなどの酸化物、窒化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ素などの窒化物、炭化ケイ素、炭化クロム、炭化ホウ素等の炭化物、グラファイト、無定型カーボンなどの炭素等の材料を使用することができる。
保護層としては、磁気ヘッド材質と同等またはそれ以上の硬度を有する硬質膜であり、摺動中に焼き付きを生じ難くその効果が安定して持続するものが、摺動耐久性に優れており好ましい。また、同時にピンホールが少ないものが、耐食性に優れておりより好ましい。このような保護膜としては、CVD法、反応性スパッタ法で作製されるDLC(ダイヤモンドライクカーボン)と呼ばれる硬質炭素膜が挙げられる。
保護層は、性質の異なる2種類以上の薄膜を積層した構成とすることができる。例えば、表面側に摺動特性を改善するための硬質炭素保護膜を設け、磁気記録層側に耐食性を改善するための窒化珪素などの窒化物保護膜を設けることで、耐食性と耐久性とを高い次元で両立することが可能となる。
保護層としては、磁気ヘッド材質と同等またはそれ以上の硬度を有する硬質膜であり、摺動中に焼き付きを生じ難くその効果が安定して持続するものが、摺動耐久性に優れており好ましい。また、同時にピンホールが少ないものが、耐食性に優れておりより好ましい。このような保護膜としては、CVD法、反応性スパッタ法で作製されるDLC(ダイヤモンドライクカーボン)と呼ばれる硬質炭素膜が挙げられる。
保護層は、性質の異なる2種類以上の薄膜を積層した構成とすることができる。例えば、表面側に摺動特性を改善するための硬質炭素保護膜を設け、磁気記録層側に耐食性を改善するための窒化珪素などの窒化物保護膜を設けることで、耐食性と耐久性とを高い次元で両立することが可能となる。
保護層上には、走行耐久性および耐食性を改善するために、潤滑層が設けられる。潤滑層には、公知の炭化水素系潤滑剤、フッ素系潤滑剤、極圧添加剤等の潤滑剤が使用される。
炭化水素系潤滑剤としては、ステアリン酸、オレイン酸等のカルボン酸類、ステアリン酸ブチル等のエステル類、オクタデシルスルホン酸等のスルホン酸類、リン酸モノオクタデシル等のリン酸エステル類、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等のアルコール類、ステアリン酸アミド等のカルボン酸アミド類、ステアリルアミン等のアミン類などが挙げられる。
フッ素系潤滑剤としては、上記炭化水素系潤滑剤のアルキル基の一部または全部をフルオロアルキル基もしくはパーフルオロポリエーテル基で置換した潤滑剤が挙げられる。パーフルオロポリエーテル基としては パーフルオロメチレンオキシド重合体、パーフルオロエチレンオキシド重合体、パーフルオロ−n−プロピレンオキシド重合体(CF2CF2CF2O)n、パーフルオロイソプロピレンオキシド重合体(CF(CF3)CF2O)n、またはこれらの共重合体等である。具体的には、分子量末端に水酸基を有するパーフルオロメチレン−パーフルオロエチレン共重合体(アウジモント社製、商品名FOMBLIN Z−DOL)等が挙げられる。
極圧添加剤としては、リン酸トリラウリル等のリン酸エステル類、亜リン酸トリラウリル等の亜リン酸エステル類、トリチオ亜リン酸トリラウリル等のチオ亜リン酸エステルやチオリン酸エステル類、二硫化ジベンジル等の硫黄系極圧剤などが挙げられる。
上記の潤滑剤は単独もしくは複数を併用して使用することができ、潤滑剤を有機溶剤に溶解した溶液を、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ディップコート法等で保護層表面に塗布するか、真空蒸着法により保護層表面に付着させればよい。潤滑剤の厚みとしては、0.1〜3nmが好ましく、0.5〜2nmが特に好ましい。
また、耐食性をさらに高めるために、防錆剤を併用することが好ましい。防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、プリン、ピリミジン等の窒素含有複素環類およびこれらの母核にアルキル側鎖等を導入した誘導体、ベンゾチアゾール、2−メルカプトンベンゾチアゾール、テトラザインデン環化合物、チオウラシル化合物等の窒素および硫黄含有複素環類およびこの誘導体等が挙げられる。これら防錆剤は、潤滑剤に混合して保護層上に塗布してもよく、潤滑剤を塗布する前に保護層上に塗布し、その上に潤滑剤を塗布してもよい。防錆剤量としては、前記潤滑剤への混合比として0.01〜100質量%が好ましく、0.1〜50質量%が特に好ましい。
炭化水素系潤滑剤としては、ステアリン酸、オレイン酸等のカルボン酸類、ステアリン酸ブチル等のエステル類、オクタデシルスルホン酸等のスルホン酸類、リン酸モノオクタデシル等のリン酸エステル類、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等のアルコール類、ステアリン酸アミド等のカルボン酸アミド類、ステアリルアミン等のアミン類などが挙げられる。
フッ素系潤滑剤としては、上記炭化水素系潤滑剤のアルキル基の一部または全部をフルオロアルキル基もしくはパーフルオロポリエーテル基で置換した潤滑剤が挙げられる。パーフルオロポリエーテル基としては パーフルオロメチレンオキシド重合体、パーフルオロエチレンオキシド重合体、パーフルオロ−n−プロピレンオキシド重合体(CF2CF2CF2O)n、パーフルオロイソプロピレンオキシド重合体(CF(CF3)CF2O)n、またはこれらの共重合体等である。具体的には、分子量末端に水酸基を有するパーフルオロメチレン−パーフルオロエチレン共重合体(アウジモント社製、商品名FOMBLIN Z−DOL)等が挙げられる。
極圧添加剤としては、リン酸トリラウリル等のリン酸エステル類、亜リン酸トリラウリル等の亜リン酸エステル類、トリチオ亜リン酸トリラウリル等のチオ亜リン酸エステルやチオリン酸エステル類、二硫化ジベンジル等の硫黄系極圧剤などが挙げられる。
上記の潤滑剤は単独もしくは複数を併用して使用することができ、潤滑剤を有機溶剤に溶解した溶液を、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ディップコート法等で保護層表面に塗布するか、真空蒸着法により保護層表面に付着させればよい。潤滑剤の厚みとしては、0.1〜3nmが好ましく、0.5〜2nmが特に好ましい。
また、耐食性をさらに高めるために、防錆剤を併用することが好ましい。防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、プリン、ピリミジン等の窒素含有複素環類およびこれらの母核にアルキル側鎖等を導入した誘導体、ベンゾチアゾール、2−メルカプトンベンゾチアゾール、テトラザインデン環化合物、チオウラシル化合物等の窒素および硫黄含有複素環類およびこの誘導体等が挙げられる。これら防錆剤は、潤滑剤に混合して保護層上に塗布してもよく、潤滑剤を塗布する前に保護層上に塗布し、その上に潤滑剤を塗布してもよい。防錆剤量としては、前記潤滑剤への混合比として0.01〜100質量%が好ましく、0.1〜50質量%が特に好ましい。
以上のような各層を形成することで磁気記録媒体用の原反とすることができる。磁気テープを作製する場合にはこの原反を所定の幅にスリッティングすればよいし、フレキシブル磁気ディスクの場合には所定のサイズに打ち抜けばよい。
上記の様な構成の強磁性金属薄膜を磁性層とするフレキシブル磁気記録媒体はそのままの状態では表面に付着したコンタミ成分が存在することがある。この様な欠陥はMRヘッドやGMRヘッドなどの耐摩耗性が低い高感度ヘッドを使用する場合に、磁気信号のドロップアウトやエラーにつながるだけではなく、これらの磁気ヘッドを破壊してしまうことがある。
このような場合には研磨テープによるブレード加工あるいはバーニッシュ加工を用いることが好ましい。ハードディスク型磁気ディスクのバーニッシュ方法としてはバーニッシュヘッド、グライドヘッドを実際に磁気ディスク上を浮上走行させ、バーニッシュ加工を行うことが一般的であるが、この方法でフレキシブル磁気ディスクを加工しようとすると、バーニッシュヘッドの浮上量が安定しないため、ディスク全面を均一な精度で加工することが難しい。
したがって、フレキシブル磁気ディスクのバーニッシュ方法としては研磨テープをディスク表面に押し当て、加工する方法を用いることが好ましい。この際、研磨テープをディスク表面に押し当てるには研磨テープをバックアップロールやバックアップパッドに沿わせ、このバックアップローラーやバックアップパッドの規制力を利用してディスクと研磨テープを接触させれば良い。フレキシブル磁気ディスクは研磨テープの押し付けによって容易に変形するため、その反対面からも、同様に研磨テープを押し付けて加工すれば良い。また反対面からエアーでディスクを研磨テープに押し付けることもできるが、エアー流によって逆にコンタミネーションが付着することがあるため、好ましくない。
テープの押し付け圧としては50〜200gf/cm(49〜196N/m)の範囲が好ましい。研磨テープの種類にも依存するが、これ以上圧力を高くするとディスクに加工キズが発生しやすく、逆に圧力を低くするとバーニッシュの効果が低くなる。バーニッシュの適切な加工については詳細に後述する。
このような場合には研磨テープによるブレード加工あるいはバーニッシュ加工を用いることが好ましい。ハードディスク型磁気ディスクのバーニッシュ方法としてはバーニッシュヘッド、グライドヘッドを実際に磁気ディスク上を浮上走行させ、バーニッシュ加工を行うことが一般的であるが、この方法でフレキシブル磁気ディスクを加工しようとすると、バーニッシュヘッドの浮上量が安定しないため、ディスク全面を均一な精度で加工することが難しい。
したがって、フレキシブル磁気ディスクのバーニッシュ方法としては研磨テープをディスク表面に押し当て、加工する方法を用いることが好ましい。この際、研磨テープをディスク表面に押し当てるには研磨テープをバックアップロールやバックアップパッドに沿わせ、このバックアップローラーやバックアップパッドの規制力を利用してディスクと研磨テープを接触させれば良い。フレキシブル磁気ディスクは研磨テープの押し付けによって容易に変形するため、その反対面からも、同様に研磨テープを押し付けて加工すれば良い。また反対面からエアーでディスクを研磨テープに押し付けることもできるが、エアー流によって逆にコンタミネーションが付着することがあるため、好ましくない。
テープの押し付け圧としては50〜200gf/cm(49〜196N/m)の範囲が好ましい。研磨テープの種類にも依存するが、これ以上圧力を高くするとディスクに加工キズが発生しやすく、逆に圧力を低くするとバーニッシュの効果が低くなる。バーニッシュの適切な加工については詳細に後述する。
研磨テープの送り速度は10mm/分〜100mm/分の範囲が好ましく、これ以上遅くなると、研磨テープに付着した加工くずが原因となる加工キズが発生しやすく、逆に速くなると研磨テープの消費量が多くなるため、好ましくない。
ディスクの回転速度は500rpm〜3000rpmが好ましく、これ以上遅くなると加工キズが発生しやすく、逆に速くなるとディスクの回転が不安定となり、加工の均一性が得られ無くなる。
研磨テープ幅とディスクの加工幅が同じか、研磨テープの方が広い場合には、研磨テープとディスクは相対的に移動せず、加工が可能であるが、研磨テープ幅の法がディスク加工幅よりも狭い場合にはディスクに対して研磨テープ位置を移動させて加工幅を確保する。この際、加工位置の最内周から外周に研磨テープを引き抜く方法が最も好ましい。引き抜き速度は50〜700mm/秒が好ましい。引き抜き速度が遅くなると、加工キズが発生しやすく、逆に速いとバーニッシュの効果が得られなくなる。加工方向を外周から内周に向けることも可能であるが、フレキシブル磁気ディスクの場合、回転が不安定になりやすく、好ましくない。
研磨テープとしては粒度が10000番以上の高精度加工用研磨テープが使用できる。研磨テープに使用される研磨剤種としてはダイヤモンド、アルミナ、酸化クロム、酸化鉄などがあげられる。研磨テープはこれらの研磨剤を樹脂結合剤とともに溶剤中に分散させ、これを可とう性支持体上に塗布、乾燥させた後、必要な幅に裁断して使用する。この際、必要に応じて研磨剤と樹脂結合剤の他に、硬化剤、潤滑剤、分散剤等の添加剤を用いることができる。
ディスクの回転速度は500rpm〜3000rpmが好ましく、これ以上遅くなると加工キズが発生しやすく、逆に速くなるとディスクの回転が不安定となり、加工の均一性が得られ無くなる。
研磨テープ幅とディスクの加工幅が同じか、研磨テープの方が広い場合には、研磨テープとディスクは相対的に移動せず、加工が可能であるが、研磨テープ幅の法がディスク加工幅よりも狭い場合にはディスクに対して研磨テープ位置を移動させて加工幅を確保する。この際、加工位置の最内周から外周に研磨テープを引き抜く方法が最も好ましい。引き抜き速度は50〜700mm/秒が好ましい。引き抜き速度が遅くなると、加工キズが発生しやすく、逆に速いとバーニッシュの効果が得られなくなる。加工方向を外周から内周に向けることも可能であるが、フレキシブル磁気ディスクの場合、回転が不安定になりやすく、好ましくない。
研磨テープとしては粒度が10000番以上の高精度加工用研磨テープが使用できる。研磨テープに使用される研磨剤種としてはダイヤモンド、アルミナ、酸化クロム、酸化鉄などがあげられる。研磨テープはこれらの研磨剤を樹脂結合剤とともに溶剤中に分散させ、これを可とう性支持体上に塗布、乾燥させた後、必要な幅に裁断して使用する。この際、必要に応じて研磨剤と樹脂結合剤の他に、硬化剤、潤滑剤、分散剤等の添加剤を用いることができる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに説明する。なお、下記例において、「部」とあるのは質量基準である。
実施例1
幅150mm、厚み52μm、表面粗さRa=5.2nmのポリエチレンナフタレートフィルムをグラビアコーターに設置した。グラビアコーターには除電バーと非接触型超音波クリーナー(伸興社製UVU型クリーナー)を表裏面側に各1機設置した。このフィルムを搬送速度3m/分で搬送させ、このフィルムの一方の面に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製LS−2940)2部、フェニルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製LS−4480)2部、塩酸(0.5mol/l) 1.3部、アルミニウムアセチルアセトネート 0.4部をエタノール 94.3部に溶解したプレコート層形成用塗布液をグラビアコート法で塗布した後、100℃で乾燥と硬化を行い(乾燥ゾーンでの滞在時間は約30秒)、厚み0.1μmのシリコン樹脂からなるプレコート層を作製し、巻き取った。プレコート層の表面粗さRaは、4.8nmであった。同様な手法により、その裏面側にもプレコート層を作製して巻き取った。さらにプレコート層を形成したフィルムを搬送速度3m/分で搬送させ、このフィルムの一方の面に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製LS−2940)18部、フェニルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製LS−4480)18部、オルガノシロキサンオリゴマー(信越シリコーン社製KR−213)4部、塩酸(0.5mol/l) 13部、アルミニウムアセチルアセトネート 4部をエタノール 43部に溶解した下塗り層形成用塗布液をグラビアコート法で塗布した後、100℃で乾燥と硬化を行い(乾燥ゾーンでの滞在時間は約30秒)、厚み1.7μmのシリコン樹脂からなる下塗り層を作製し、引き続きこの下塗り層上に粒子径18nmのオルガノシリカゾルをシクロヘキサノンとエタノールの混合溶剤に分散した溶液をグラビアコート法で塗布して、80℃で乾燥させ、微小突起を形成し、巻き取った。微小突起の高さは18nmであり、密度は3個/μm2であった。さらに、Raは1.2nmであった。
次にこのロールを再度グラビアコーターに設置し、反対面にも同様に下塗り層および微小突起を形成した。次にウェブスパッタ装置にこの下塗り原反を設置し、水冷したキャン上にフィルムを密着させながら搬送し、下塗り層上に、DCマグネトロンスパッタ法でRuからなる下地層を30nmの厚みで、(Co70−Pt20−Cr10)88−(SiO2)12からなる磁性層を20nmの厚みで、Cからなる保護層を5nmの厚みで形成した。この下地層、磁性層、保護層はフィルムの両面に成膜した。次にこの原反から2.5インチφディスクサイズのディスクを打ち抜き、両面の保護層表面に分子末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤(モンテフルオス社製FOMBLIN Z−DOL)をフッ素系潤滑剤(住友スリーエム社製HFE−7200)に溶解した溶液をディップコート法で塗布し、厚み1nmの潤滑層を形成した。このディスクを1/2インチ幅の30000番アルミナ研磨テープを用いて両面同時にバーニッシュ加工した後、金属製カートリッジに組み込んで、フレキシブル磁気ディスクを作製した。
実施例1
幅150mm、厚み52μm、表面粗さRa=5.2nmのポリエチレンナフタレートフィルムをグラビアコーターに設置した。グラビアコーターには除電バーと非接触型超音波クリーナー(伸興社製UVU型クリーナー)を表裏面側に各1機設置した。このフィルムを搬送速度3m/分で搬送させ、このフィルムの一方の面に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製LS−2940)2部、フェニルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製LS−4480)2部、塩酸(0.5mol/l) 1.3部、アルミニウムアセチルアセトネート 0.4部をエタノール 94.3部に溶解したプレコート層形成用塗布液をグラビアコート法で塗布した後、100℃で乾燥と硬化を行い(乾燥ゾーンでの滞在時間は約30秒)、厚み0.1μmのシリコン樹脂からなるプレコート層を作製し、巻き取った。プレコート層の表面粗さRaは、4.8nmであった。同様な手法により、その裏面側にもプレコート層を作製して巻き取った。さらにプレコート層を形成したフィルムを搬送速度3m/分で搬送させ、このフィルムの一方の面に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製LS−2940)18部、フェニルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製LS−4480)18部、オルガノシロキサンオリゴマー(信越シリコーン社製KR−213)4部、塩酸(0.5mol/l) 13部、アルミニウムアセチルアセトネート 4部をエタノール 43部に溶解した下塗り層形成用塗布液をグラビアコート法で塗布した後、100℃で乾燥と硬化を行い(乾燥ゾーンでの滞在時間は約30秒)、厚み1.7μmのシリコン樹脂からなる下塗り層を作製し、引き続きこの下塗り層上に粒子径18nmのオルガノシリカゾルをシクロヘキサノンとエタノールの混合溶剤に分散した溶液をグラビアコート法で塗布して、80℃で乾燥させ、微小突起を形成し、巻き取った。微小突起の高さは18nmであり、密度は3個/μm2であった。さらに、Raは1.2nmであった。
次にこのロールを再度グラビアコーターに設置し、反対面にも同様に下塗り層および微小突起を形成した。次にウェブスパッタ装置にこの下塗り原反を設置し、水冷したキャン上にフィルムを密着させながら搬送し、下塗り層上に、DCマグネトロンスパッタ法でRuからなる下地層を30nmの厚みで、(Co70−Pt20−Cr10)88−(SiO2)12からなる磁性層を20nmの厚みで、Cからなる保護層を5nmの厚みで形成した。この下地層、磁性層、保護層はフィルムの両面に成膜した。次にこの原反から2.5インチφディスクサイズのディスクを打ち抜き、両面の保護層表面に分子末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤(モンテフルオス社製FOMBLIN Z−DOL)をフッ素系潤滑剤(住友スリーエム社製HFE−7200)に溶解した溶液をディップコート法で塗布し、厚み1nmの潤滑層を形成した。このディスクを1/2インチ幅の30000番アルミナ研磨テープを用いて両面同時にバーニッシュ加工した後、金属製カートリッジに組み込んで、フレキシブル磁気ディスクを作製した。
実施例2
実施例1においてプレコート層の素材をポリエステル樹脂(東洋紡バイロン200)に変更した以外は実施例1と同様に試料を作製した。
実施例1においてプレコート層の素材をポリエステル樹脂(東洋紡バイロン200)に変更した以外は実施例1と同様に試料を作製した。
比較例1
実施例1においてプレコート層を作製しなかったこと以外は、実施例1と同様に試料を作製した。
実施例1においてプレコート層を作製しなかったこと以外は、実施例1と同様に試料を作製した。
評価
フレキシブル磁気ディスクの製造工程において、マイクロスコープ(キーエンス社製)を用い、50倍の倍率で下塗り層表面の5×5mmのエリアについて表面観察を行い、平均欠陥密度を調べた。また欠陥10検体についてSEM/EDAX観察を行って欠陥の発生原因を調べた。また、同試料を原子間力顕微鏡(AFM)を用いて30μm×30μmの領域を測定して、10点平均粗さRzを測定した。
結果を表1に示す。
フレキシブル磁気ディスクの製造工程において、マイクロスコープ(キーエンス社製)を用い、50倍の倍率で下塗り層表面の5×5mmのエリアについて表面観察を行い、平均欠陥密度を調べた。また欠陥10検体についてSEM/EDAX観察を行って欠陥の発生原因を調べた。また、同試料を原子間力顕微鏡(AFM)を用いて30μm×30μmの領域を測定して、10点平均粗さRzを測定した。
結果を表1に示す。
表1の結果から、支持体と下塗り層との間に、プレコート層を有する実施例1および2のフレキシブル磁気ディスクは、下塗り層表面の欠陥が、プレコート層を設けない比較例1に比べて非常に少なく、また下塗り層の凹みに基づく表面欠陥も減少していることがわかる。
Claims (2)
- 可とう性高分子フィルムの少なくとも一方の面に下塗り層を有し、前記下塗り層上に磁性層を有するフレキシブル磁気記録媒体において、前記可とう性高分子フィルムと下塗り層との間に、さらにプレコート層を有することを特徴とするフレキシブル磁気記録媒体。
- (1)可とう性高分子フィルムの少なくとも一方の面に、プレコート層を設ける工程と、(2)前記プレコート層上に、下塗り層を設け、前記可とう性高分子フィルムを巻き取る工程と、(3)プレコート層と下塗り層とを有する可とう性高分子フィルムを巻き解き、前記下塗り層上に磁性層を設ける工程とを有することを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル磁気記録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004166037A JP2005346844A (ja) | 2004-06-03 | 2004-06-03 | フレキシブル磁気記録媒体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Country | Link |
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-
2004
- 2004-06-03 JP JP2004166037A patent/JP2005346844A/ja active Pending
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