JP2005038540A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

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一幸 臼杵
Kenichi Moriwaki
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Abstract

【課題】高密度記録特性に優れる磁気記録媒体の摩擦耐久性を改善し、実用信頼性に優れた磁気記録媒体を提供すること。
【解決手段】 支持体の少なくとも一方の面に磁性層と、窒化珪素からなる保護層を有する磁気記録媒体の製造方法において、該保護層を、珪素をターゲットとした反応性パルススパッタ法で作製することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、デジタル情報の記録に使用する磁気記録媒体の製造方法に関する。
近年、インターネットの普及により、パーソナル・コンピュータを用いて大容量の動画情報や音声情報の処理を行う等、コンピュータの利用形態が変化してきている。これに伴い、ハードディスク等の磁気記録媒体に要求される記憶容量も増大している。
ハードディスク装置においては、磁気ディスクの回転に伴い、磁気ヘッドが磁気ディスクの表面からわずかに浮上し、非接触で磁気記録を行っている。このため、磁気ヘッドと磁気ディスクとの接触によって磁気ディスクが破損するのを防止している。高密度化に伴って磁気ヘッドの浮上高さは次第に低減されており、鏡面研磨された超平滑なガラス基板上に磁気記録層等を形成した磁気ディスクを用いることにより、現在では10nm〜20nmの浮上高さが実現されている。この様なヘッドの低浮上量化、ヘッド構造の改良、ディスク記録膜の改良等の技術革新によってハードディスクドライブの面記録密度と記録容量はここ数年で飛躍的に増大してきた。
最近、記録密度の急速な増加によって、一つの磁気記録信号を構成する磁性体の体積が減少し、通常環境においても、熱エネルギーによって記録磁化が消失する、いわゆる熱揺らぎの問題が顕著になった。この問題に対して、複数の磁性層を反強磁性結合させて見かけの磁性体体積を増大させる反強磁性結合媒体、Co/PdやTbCoといった高Ku(磁気異方性定数)媒体、磁性体と酸化珪素の混合物で磁性膜を作製してKuを高めるグラニュラ媒体等が検討されている。
中でもグラニュラ媒体は製造が容易でノイズが低いため、垂直磁気記録を含めた次世代の記録媒体として注目を集めている。しかしながら、グラニュラ媒体においては、従来の磁気記録媒体において最も広く使用されているDLCを含む炭素保護膜を使用した場合に、その摩擦耐久性が一般的なCo合金磁性膜と炭素保護膜との組み合わせよりも劣るという問題があることがわかった。
前述のハードディスクの様に通常使用状態において磁気ディスクと磁気ヘッドがほとんど接触しない場合には、この問題は顕著にならないが、ヘッド浮上量が低下してディスクとヘッドの接触が頻繁に生じる場合、あるいはフレキシブルディスクの様な接触記録システムの場合に、この傾向は顕著に現れる。
尚、真空成膜技術を用いてヘッドスライダにDLC膜等を形成する例が、特許文献1等に記載されている。
特開2001−143426
本発明は、高密度記録特性に優れる磁気記録媒体の摩擦耐久性を改善し、実用信頼性に優れた磁気記録媒体を提供しようとするものである。
上記目的は、支持体の少なくとも一方の面に磁性層と、窒化珪素からなる保護層を有する磁気記録媒体の製造方法において、該保護層を、珪素をターゲットとした反応性パルススパッタ法で作製することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法によって達成できる。
本発明は、反応性パルススパッタ法により窒化珪素からなる保護層(以下、窒化珪素層ともいう)を形成するために他の方法で作製した窒化珪素層と比較してより高い硬度で、摩擦力が低く、かつ耐久性に優れる保護層とすることができる。また、本発明の製造方法は支持体に与えるダメージが少ないため、ディスクの静的な変形が小さいので面ぶれ幅が小さいフレキシブルディスクを提供することができる。
また本発明は、ハードディスクだけではなく、基板が可とう性高分子からなり磁気ヘッドと接触記録を行うフレキシブル磁気ディスク、磁気テープ媒体においても、非常に効果が高い。
本発明の効果については未だ明らかになっていないが、反応性パルススパッタ法で作製した窒化珪素層は一般的なRFスパッタ法、反応性RFスパッタ法で作製した窒化珪素層よりも高硬度で緻密な構造を達成できること、さらには特に磁性層をCo合金と酸化珪素あるいは窒化珪素の混合物としたグラニュラ磁性層とし、このグラニュラ磁性層上に、保護層を設けると、磁性層中の酸化珪素あるいは窒化珪素と保護層の密着性が非常に良好なため、摩擦摺動に対する耐久性が改善できるものと考えられる。一方、一般的な炭素保護層の場合には磁性層中の酸化珪素あるいは窒化珪素と炭素保護層の密着性を高めることが難しいため、高硬度の炭素層においても摩擦摺動に対する耐久性が低いものと考えられる。
本発明の磁性層はコバルトを含有する強磁性金属合金と酸化珪素あるいは窒化珪素の混合物からなる強磁性金属薄膜磁性層が好ましい。この磁性層は、Kuが高く、高密度記録特性に優れている。この様なグラニュラ磁性層としては特開平5−73880号公報、特開平7−311929号公報、特開平11−154320号公報などに記載されているものが使用できる。本発明はグラニュラ磁性層との組み合わせにおいて特に効果が大きいが、これ以外の一般的なCoPtCr、Co/Pd多層膜のようなコバルト系合金やTbFeCo、FePtなどの鉄系合金磁性層にも使用可能である。
磁性層は、ディスク面に対して垂直方向に磁化容易軸を有するいわゆる垂直磁気記録膜でもよいし、現在の磁気記録システムで主流となっている面内磁気記録膜でもかまわない。この磁化容易軸の方向は下地層の材料や結晶構造および磁性層の組成と成膜条件によって制御することができる。
グラニュラ磁性層を構成する強磁性金属合金と酸化珪素あるいは窒素珪素はマクロには混合されているが、ミクロには強磁性金属合金微粒子を酸化珪素あるいは窒化珪素が被覆するような構造となっており、強磁性金属合金粒子の大きさは1nmから100nm程度である。この様な構造となることで、高い保磁力を達成でき、また磁性粒子サイズの分散性が均一となるため、低ノイズ媒体を達成することができる。また従来のCo合金でKuを低下させる要因であったCrの添加量を減らすことをできるため、高いKuを確保することができる。
コバルトを含有する強磁性金属合金としてはCoとCr、Ni、Fe、Pt、B、Si、Ta等の元素との合金が使用できるが、記録特性を考慮するCo−Pt、Co−Cr、Co−Pt−Cr、Co−Pt−Cr−Ta、Co−Pt−Cr−B等が特に好ましい。
コバルトを含有する強磁性金属合金と酸化珪素または窒化珪素との混合比(モル比)は、強磁性金属合金:酸化珪素あるいは窒化珪素=95:5〜80:20の範囲であることが好ましく、90:10〜85:15の範囲であることが特に好ましい。該混合比を上記のように調整することにより、磁性粒子間の分離が十分となり、保磁力が確保されると共に磁化量が確保されるので信号出力が確保される。
磁性層の厚みとしては好ましくは5nm〜60nm、さらに好ましくは10nm〜40nmの範囲とすることにより、ノイズの低減と共に熱揺らぎの影響を抑えることができる。
磁性層を形成する方法としては真空蒸着法、スパッタ法などの真空成膜法が使用できる。中でもスパッタ法は良質な薄膜が容易に成膜可能であることから、本発明に好適である。スパッタ法としては公知のDCスパッタ法、パルススパッタ法、RFスパッタ法、ECRスパッタ法のいずれも使用可能である。スパッタ装置としては連続フィルム上に連続して成膜するウェブスパッタ装置、ハードディスクの製造に使用されるような枚様式スパッタ装置や通過型スパッタ装置が使用可能である。
スパッタ時のスパッタガスとしては一般的なアルゴンガスが使用できるが、その他の希ガスを使用しても良い。また酸化珪素あるいは窒化珪素の酸素あるいは窒素含有率を調整するために微量の酸素ガスあるいは窒素ガスを導入してもかまわない。
スパッタ法でコバルトを含有する強磁性金属合金と酸化珪素あるいは窒化珪素の混合物からなる磁性層を形成するためには強磁性金属合金ターゲットと酸化珪素あるいは窒化珪素ターゲットの2種を用い、これらの共スパッタ法を使用することも可能であるが、磁性粒子サイズの分散性を改善し、均質な膜を作成するため、コバルトを含有する強磁性金属合金と酸化珪素あるいは窒化珪素との合金ターゲットを用いることが好ましい。この合金ターゲットはホットプレス法で作製することができる。
本発明の磁性層においては、従来のような基板加熱が不要となり、基板温度が室温であっても、良好な磁気特性を達成することができる。このため、支持体が高分子であっても熱ダメージを生じることなく、使用することができる。このため本発明はプラスチックハードディスク、フレキシブルディスク、磁気テープなどを提供することが可能となる。
本発明において保護層として窒化珪素層を使用する。保護層は磁性層に含まれる金属材料の腐蝕を防止し、磁気ヘッドと磁気記録媒体との接触摺動による摩耗を防止して、走行耐久性、耐食性を改善するために設けられる。
窒化珪素層はSi34の化学量論比である組成が最も好ましいが、若干の窒素の過不足があっても構わない。また一般に真空成膜法で作製した窒化珪素層は非晶質構造であるが、非晶質であっても十分な耐久性を確保することができる。
窒化珪素層を形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタ法、CVD法などの真空成膜法が知られているが、本発明の反応性パルススパッタ法において特に耐久性に優れた磁気記録媒体を作製することができる。成膜装置としては連続フィルム上に連続して成膜するウェブ成膜装置、ハードディスクの製造に使用されるような枚様式成膜装置や通過型成膜装置が使用可能である。
反応性パルススパッタ法で窒化珪素層を作製するには、珪素をターゲットととして窒素雰囲気中で行う。反応性パルススパッタ法はDCスパッタ電圧をパルス状に印加する手法であり、絶縁体に特に有効な手法である。反応性パルススパッタ法で作製した窒化珪素層は高硬度で耐久性に優れるが、さらにアークの発生が無く、生産性にも優れていることを特徴とする。さらに基板に与える熱的なダメージも小さいため、特にロール状の高分子可とう性フィルム基板上に連続して成膜する(ウェブ状で成膜する)際には、基板ダメージが少なく、生産性にも優れている。
反応性パルススパッタ法は例えば周波数100Hz〜500kHz、電圧100V〜1kV、電力500W〜10kW程度でおこなう。これらの値はスパッタ装置の大きさや、スパッタカソードのサイズ、成膜速度によって適切な値に決定する。
本発明で使用できる支持体は特に限定されず、ハードディスク用途であれば、ガラス基板、アルミ基板、シリコン基板、カーボン基板、ポリカーボネート基板、アモルファスポリオレフィン基板等が使用できる。基板の厚みは0.1mm〜2.0mmが好ましい。またディスクサイズは特に限定されず、直径1inch〜5.0inchの磁気ディスク状基板が使用できる。
またフレキシブルディスク、磁気テープ用途であれば、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、トリアセテートセルロースなどの樹脂フィルムが挙げられる。本発明では基板を加熱することなく良好な特性の磁気記録媒体を作製する事ができるため、価格や表面性の観点からポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートが特に好ましい。
また、支持体として樹脂フィルムを複数枚ラミネートしたものを用いてもよい。ラミネートフィルムを用いることにより、支持体自身に起因する反りやうねりを軽減することができ、磁性層の耐傷性を著しく改善することがきる。
ラミネート手法としては、熱ローラによるロールラミネート、平板熱プレスによるラミネート、接着面に接着剤を塗布してラミネートするドライラミネート、予めシート状に成形された接着シートを用いるラミネート等が挙げられる。接着剤の種類は、特に限定されず、一般的なホットメルト接着剤、熱硬化性接着剤、UV硬化型接着剤、EB硬化型接着剤、粘着シート、嫌気性接着剤などを使用することがきる。
フレキシブルディスクの場合、支持体の厚みは、10μm〜200μm、好ましくは20μm〜150μm、さらに好ましくは30μm〜100μmであることにより、高速回転時の安定性が維持され、面ぶれが抑えられると共に回転時の剛性を低く維持し、接触時の衝撃を回避することができ、磁気ヘッドの跳躍を防止することができる。
磁気テープの場合、支持体の厚みは、3μm〜20μm、好ましくは4μm〜15μmであることにより、機械的な強度を確保し、テープハンドリング時にエッジダメージなどの発生を防止すると共に体積当たりに使用できる記録面積が確保され、高密度化に有利となる。
可とう性高分子支持体の表面は、磁気ヘッドによる記録を行うために、可能な限り平滑であることが好ましい。支持体表面の凹凸は、信号の記録再生特性を著しく低下させる。具体的には、後述する下塗り層を使用する場合では、光学式の表面粗さ計で測定した表面粗さが中心線平均粗さRaで5nm以内、好ましくは2nm以内、触針式粗さ計で測定した突起高さが1μm以内、好ましくは0.1μm以内である。また、下塗り膜を用いない場合では、光学式の表面粗さ計で測定した表面粗さが中心線平均粗さRaで3nm以内、好ましくは1nm以内、触針式粗さ計で測定した突起高さが0.1μm以内、好ましくは0.06μm以内である。
可とう性高分子支持体表面には、平面性の改善とガスバリア性を目的として下塗り層を設けることが好ましい。磁性層をスパッタリング等で形成するため、下塗り層は耐熱性に優れることが好ましく、下塗り層の材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコン樹脂、フッ素系樹脂等を使用することができる。熱硬化型シリコン樹脂は、平滑化効果が高く、特に好ましい。下塗り層の厚みは、0.1μm〜3.0μmが好ましい。支持体に他の樹脂フィルムをラミネートする場合には、ラミネート加工前に下塗り層を形成してもよく、ラミネート加工後に下塗り層を形成してもよい。
熱硬化性シリコン樹脂としては、有機基が導入されたケイ素化合物を原料としてゾルゲル法で重合したシリコン樹脂が好適に用いられる。このシリコン樹脂は、二酸化ケイ素の結合の一部を有機基で置換した構造からなりシリコンゴムよりも大幅に耐熱性に優れると共に、二酸化ケイ素膜よりも柔軟性に優れるため、可とう性フィルムからなる支持体上に樹脂膜を形成しても、クラックや剥離が生じ難い。また、原料となるモノマーを支持体上に直接塗布して硬化させることができるため、汎用溶剤を使用することができ、凹凸に対する回り込みも良く、平滑化効果が高い。更に、縮重合反応は、酸やキレート剤などの触媒の添加により比較的低温から進行するため、短時間で硬化させることができ、汎用の塗布装置を用いて樹脂膜を形成することができる。また熱硬化性シリコン樹脂はガスバリア性に優れており、磁性層形成時に支持体から発生する磁性層または下地層の結晶性、配向性を阻害するガスを遮蔽するガスバリア性が高く、特に好適である。
下塗り層の表面には、磁気ヘッドと磁気ディスクとの真実接触面積を低減し、摺動特性を改善することを目的として、微小突起(テクスチャ)を設けることが好ましい。また、微小突起を設けることにより、支持体のハンドリング性も良好になる。微小突起を形成する方法としては、球状シリカ粒子を塗布する方法、エマルジョンを塗布して有機物の突起を形成する方法などが使用できるが、下塗り層の耐熱性を確保するため、球状シリカ粒子を塗布して微小突起を形成するのが好ましい。
微小突起の高さは5nm〜60nmが好ましく、l0nm〜30mmがより好ましい。微小突起の高さが高すぎると記録再生ヘッドと媒体のスペーシングロスによって信号の記録再生特性が劣化し、微小突起が低すぎると摺動特性の改善効果が少なくなる。微小突起の密度は0.1〜100個/μm2が好ましく、1〜10個/μm2がより好ましい。微小突起の密度を上記範囲とすることにより、摺動特性の改善効果が大きくなり、凝集粒子の減少によって高い突起が減少して記録再生特性が良化する。
また、バインダーを用いて微小突起を支持体表面に固定することもできる。バインダーには、十分な耐熱性を備えた樹脂を使用することが好ましく、耐熱性を備えた樹脂としては、溶剤可溶型ポリイミド樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、熱硬化型シリコン樹脂を使用することが特に好ましい。
支持体と磁性層との間には、下地層を設けることが好ましい。下地層としてはCrまたはCrとTi、Si、W、Ta、Zr、Mo、Nb等から選ばれる金属との合金、Ru、Cなどを挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよく、二層以上を組合せて用いてもよい。この様な下地層を用いることによって、磁性層の配向性を改善できるため、記録特性が向上する。下地層の厚みは10nm〜200nmが好ましく、20nm〜100nmが特に好ましい。
また、下地層と磁性層との間には、下地層の結晶性を改善するために、シード層を設けることができる。シード層には、Ta、Ta−Si、Ni−P、Ni−Alなどを使用することができる。
保護層上には、走行耐久性および耐食性を改善するために、潤滑層が設けられる。潤滑層には、公知の炭化水素系潤滑剤、フッ素系潤滑剤、極圧添加剤等の潤滑剤が使用される。
炭化水素系潤滑剤としては、ステアリン酸、オレイン酸等のカルボン酸類、ステアリン酸ブチル等のエステル類、オクタデシルスルホン酸等のスルホン酸類、リン酸モノオクタデシル等のリン酸エステル類、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等のアルコール類、ステアリン酸アミド等のカルボン酸アミド類、ステアリルアミン等のアミン類などが挙げられる。
フッ素系潤滑剤としては、上記炭化水素系潤滑剤のアルキル基の一部または全部をフルオロアルキル基もしくはパーフルオロポリエーテル基で置換した潤滑剤が挙げられる。パーフルオロポリエーテル基としては パーフルオロメチレンオキシド重合体、パーフルオロエチレンオキシド重合体、パーフルオロ−n−プロピレンオキシド重合体(CF2CF2CF2O)n、パーフルオロイソプロピレンオキシド重合体(CF(CF3)CF2O)n、またはこれらの共重合体等である。具体的には、分子量末端に水酸基を有するパーフルオロメチレン−パーフルオロエチレン共重合体(アウジモント社製、商品名「FOMBLIN Z-DOL」)等が挙げられる。
極圧添加剤としては、リン酸トリラウリル等のリン酸エステル類、亜リン酸トリラウリル等の亜リン酸エステル類、トリチオ亜リン酸トリラウリル等のチオ亜リン酸エステルやチオリン酸エステル類、二硫化ジベンジル等の硫黄系極圧剤などが挙げられる。
上記の潤滑剤は単独もしくは複数を併用して使用することができ、潤滑剤を有機溶剤に溶解した溶液を、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ディップコート法等で保護層表面に塗布するか、真空蒸着法により保護層表面に付着させればよい。潤滑剤の塗布量としては、1〜30mg/m2が好ましく、2〜20mg/m2が特に好ましい。
また、耐食性をさらに高めるために、防錆剤を併用することが好ましい。防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、プリン、ピリミジン等の窒素含有複素環類およびこれらの母核にアルキル側鎖等を導入した誘導体、ベンゾチアゾール、2−メルカプトンベンゾチアゾール、テトラザインデン環化合物、チオウラシル化合物等の窒素および硫黄含有複素環類およびこの誘導体等が挙げられる。これら防錆剤は、潤滑剤に混合して保護層上に塗布してもよく、潤滑剤を塗布する前に保護層上に塗布し、その上に潤滑剤を塗布してもよい。防錆剤の塗布量としては、0.1〜10mg/m2が好ましく、0.5〜5mg/m2が特に好ましい。
(実施例1)
厚み63μm、表面粗さRa=1.4nmのポリエチレンナフタレートフィルム上に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、塩酸、アルミニウムアセチルアセトネート、エタノールからなる下塗り液をグラビアコート法で塗布した後、100℃で乾燥と硬化を行い、厚み1.0μmのシリコン樹脂からなる下塗り層を作製した。この下塗り層上に粒子径18nmのシリカゾルを分散したシクロヘキサノン溶液をグラビアコート法で塗布して、下塗り層上にこのシリカゾルによる突起を5個/μm2の密度で形成した。この下塗り層は支持体フィルムの両面に形成した。次に図に示したウェブスパッタ装置にこの原反を設置し、水冷したキャン上にフィルムを密着させながら搬送し、下塗り層上に、DCマグネトロンスパッタ法でRuからなる下地層を30nmの厚みで形成し、引き続き(Co70−Pt20−Cr1088−(SiO212からなる磁性層を20nmの厚みで形成した。この下地層、磁性層はフィルムの両面に成膜した。次にこの磁性層上に、窒素ガス:アルゴンガス=8:2の混合ガス中において珪素をターゲットとした反応性DCパルススパッタ法で窒化珪素層を10nmの厚みで形成した。なおこのとき周波数100kHz、スパッタ電圧400V、投入電力1.5kW、Duty30%とした。この保護層もフィルムの両面に成膜した。次にこの保護層表面に分子末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤(モンテフルオス社製FOMBLIN Z−DOL)をフッ素系潤滑剤(住友スリーエム社製HFE−7200)に溶解した溶液をグラビアコート法で塗布し、厚み1nmの潤滑層を形成した。この潤滑層もフィルムの両面に形成した。次にこの原反から3.7inchサイズのディスクを打ち抜き、これをテープバーニッシュした後、樹脂製カートリッジ(富士写真フイルム社製Zip100用)に組み込んで、フレキシブルディスクを作製した。
また窒化珪素保護層の硬度を測定するため、4inchφシリコン基板上に同条件で0.1μm厚成膜した試料を作製した。
(比較例1)
実施例1において、窒化珪素層を、Si34をターゲットとしたRFスパッタ法で作製した以外は実施例1と同様に試料を作製した。この際、窒素:アルゴン=5:95の混合ガスを導入し、RF投入電力は1.5kWとした。
(比較例2)
実施例1において、窒化珪素層を、珪素をターゲットとした反応性RFスパッタ法で作製した以外は実施例1と同様に試料を作製した。この際、窒素:アルゴン=20:80の混合ガスを導入し、RF投入電力は1.5kWとした。
(比較例3)
実施例1において、窒化珪素層の代わりにダイヤモンドライクカーボン膜を、エチレンを原料ガスとしたRFプラズマCVD法で作製した以外は実施例1と同様に試料を作製した。この際、エチレン:アルゴン=50:50の混合ガスを導入し、RF投入電力は0.5kW、基板バイアス−400Vとした。
上記試料を以下により評価し、結果を表1に示した。
(評価)
(1)硬度
硬度はシリコン基板上に成膜した厚み0.1μmの試料を用い、HYSITRON社製のTRIBOSCOPEを用いて測定した。具体的には先端稜角90度、先端曲率半径35〜50nmの三角錘型ダイヤモンド圧子を保護層に直角に当て、最大荷重P=600μNまで徐々に印加し、最大荷重到達後に荷重を0にまで徐々に戻した。この時の最大荷重Pを圧子接触部の投影面積Aで除した値P/Aを硬度として算出した。圧子接触部の投影面積Aは、押し込み試験によって得られた深さ−荷重曲線のうち、徐荷曲線の初期30%を直線に近似して外挿、深さ軸と交差する点を圧子接触部の接触深さhとし、圧子の形状よりhの関数として求めた。なお、標準試料としてFusedQuartzを押し込んだ結果得られる硬さが8〜10GPaとなるよう、事前に装置を校正して測定した。
(2)面ぶれ
フレキシブルディスクを3000rpmで回転させ、半径位置35mmの位置における面ぶれをレーザー変位計で測定した。
(3)摩擦力
フレキシブルディスクを3000rpmで回転させ、半径位置35mmの位置にハードディスク用のヘッド(負圧スライダー)をロードし、このヘッドにかかる摩擦力を歪ゲージで測定した。
(4)耐久性
フレキシブルをZip250ドライブで記録再生を繰り返し行いながら走行させ、出力が初期値−3dBとなった時点で走行を中止し、耐久時間とした。なお環境は23℃50%RHとし、試験は最大300時間とした。
Figure 2005038540
上記結果からわかるように本発明のフレキシブルディスクは摩擦力が低く、耐久性に優れていることがわかる。また面ぶれ幅が小さいのは、本発明の製造方法が支持体に与えるダメージが少ないため、ディスクの静的な変形が小さいためである。また本発明を用いた窒化珪素層は他の方法で作製した窒化珪素層と比較して硬度が高い事がわかる。

Claims (1)

  1. 支持体の少なくとも一方の面に磁性層と、窒化珪素からなる保護層を有する磁気記録媒体の製造方法において、該保護層を、珪素をターゲットとした反応性パルススパッタ法で作製することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006253303A (ja) * 2005-03-09 2006-09-21 Fujitsu Ltd 磁気メモリ装置及びその製造方法

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