JP2005345782A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 中間層の電子線による劣化を極力おさえる。
【解決手段】 導電性支持体上に少なくとも中間層及び感光層を有する電子写真感光体の中間層に少なくとも下記(式A)を満たすラジカル補足剤またはヒドロペルオキシド分解剤が含有されている。
(式A)ラジカル補足剤またはヒドロペルオキシド分解剤中の炭素―炭素2重結合または炭素―窒素2重結合にかかわっている炭素数×12+炭素―窒素2重結合にかかわっている窒素数×14)/ラジカル補足剤またはヒドロペルオキシド分解剤の分子量 ≧ 0.30
【選択図】 なし

Description

本発明は電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
従来、電子写真感光体に用いられる光導電材料としては、セレン、硫化カドミウムおよび酸化亜鉛などの無機材料が知られていた。他方、有機材料であるポリビニルカルバゾール、フタロシアニン及びアゾ顔料などは高生産性や無公害性などの利点が注目され、無機材料と比較して光導電特性や耐久性などの点で劣る傾向にあるものの、広く用いられるようになってきた。
これらの電子写真感光体は、電気的および機械的特性の双方を満足するために、電荷発生層と電荷輸送層を積層した機能分離型の感光体として利用される場合が多い。一方当然のことながら、電子写真感光体には適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気的特性、さらには光学的特性を備えていることが要求される。特に繰り返し使用される感光体にあっては、その感光体表面には帯電、画像露光、トナー現像、紙への転写、クリーニング処理といった電気的、機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。
具体的には、摺擦による表面の磨耗や傷の発生に対する耐久性、帯電による表面劣化(例えば転写効率や滑り性の低下)、更には感度低下、電位低下等の電気特性の劣化に対する耐久性も要求される。
一般に感光体の表面は薄い樹脂層であり、樹脂の特性が非常に重要である。上述の諸条件をある程度満足する樹脂として、近年アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などが実用化されているが、前述したような特性のすべてがこれらの樹脂で満足されるわけではなく、特に感光体の高耐久化を図る上では該樹脂の被膜硬度は十分高いとは言い難い。これらの樹脂を表面層形成用の樹脂として用いた場合でも繰り返し使用時において表面層の磨耗が起こり、さらに傷が発生するという問題点があった。
更に、近年の有機電子写真感光体の高感度化に対する要求から、電荷輸送物質などの低分子量化合物が比較的大量に添加される場合が多いが、この場合それら低分子量物質の可塑剤的な作用により膜強度が著しく低下し、一層繰り返し使用時の表面層の磨耗や傷発生が問題となっている。また電子写真感光体を長期にわたって保存する際に前述の低分子量成分が析出してしまい、層分離するといった問題も発生している。
これらの問題点を解決する手段として、硬化性の樹脂を電荷輸送層用の樹脂として用いる試みが、例えば特開平2-127652号公報(特許文献1)などに開示されている。このように、電荷輸送層用の樹脂に硬化性の樹脂を用い電荷輸送層を硬化、架橋することによって機械的強度が増し、繰り返し使用時の耐削れ性及び耐傷性は大きく向上する。
しかしながら硬化性樹脂を用いても、低分子量成分はあくまでも結着樹脂中において可塑剤として作用するので、先に述べたような析出や層分離の問題は根本的な解決にはなっていない。また有機電荷輸送物質と結着樹脂とで構成される電荷輸送層においては電荷輸送能の樹脂に対する依存度が大きく、例えば硬度が十分に高い硬化性樹脂では電荷輸送能が十分ではなく繰り返し使用時に残留電位の上昇が見られるなど、両者を満足させるまでには至っていない。
また特開平05-216249号公報(特許文献2)、特開平07-72640号公報(特許文献3)などにおいては、電荷移動層に炭素−炭素二重結合を有するモノマーを含有させ、電荷移動材の炭素−炭素二重結合と熱あるいは光のエネルギーによって反応させて、電荷移動層硬化膜を形成した電子写真感光体が開示されているが、電荷輸送材はポリマー主骨格にペンダント状に固定化されているだけであり、先の可塑的な作用を十分に排除出来ないため機械的強度が十分ではない。また電荷輸送能の向上のために電荷輸送材の濃度を高くすると、架橋密度が低くなり十分な機械的強度を確保する事が出来ない。さらには重合時に必要とされる開始剤類の電子写真特性への影響も懸念される。
また別の解決手段として例えば特開平8-248649号公報(特許文献4)などにおいて、熱可塑性高分子主鎖中に電荷輸送能を有する基を導入し電荷輸送層を形成させた電子写真感光体が開示されているが、従来の分子分散型の電荷輸送層と比較して析出や層分離に対しては効果があり、機械的強度も向上するが、あくまでも熱可塑性樹脂であり、その機械的強度には限界があり、樹脂の溶解性などを含めたハンドリングや生産性の面で十分であるとは言い難い。
以上述べたようにこれまでの系では高い機械的強度と電荷輸送能の両立が達成されていなかった。その様な状況に対して本発明らは、連鎖重合性官能基を有する化合物を電子線照射により架橋/硬化することにより上記課題が大幅に改善される事を特開平11−265085号公報(特許文献5)、特開平2000−066425号公報(特許文献6)、特開平2000−206715号公報(特許文献7)、特開平2000−206716号公報(特許文献8)、特開平2000−258932号公報(特許文献9)及び特開平2001−166514号公報(特許文献10)等に示した。
しかしながら、電子写真感光体に高エネルギーな電子線を照射する場合、照射条件等により感光体の特性が大きく変化する。例えば、耐磨耗性等の機械的特性を向上する為には連鎖重合性官能基の重合/架橋反応をできるだけ向上し架橋密度を上げる事が必要となるが、この為にはある程度高強度の電子線照射が必要となってくる。しかし放射線強度を増大させると電子写真感光体中の各材料の劣化が促進され各種の電気的特性が多かれ少なかれ悪化する。その中でも中間層の劣化は耐久時の電位変動や環境依存性に大きな影響を与え、実用上大きな問題となってしまう。
特開平2−127652号公報 特開平05−216249号公報 特開平07−72640号公報 特開平8−248649号公報 特開平11−265085号公報 特開平2000−066425号公報 特開平2000−206715号公報 特開平2000−206716号公報 特開平2000−258932号公報 特開平2001−166514号公報
導電性支持体上に少なくとも中間層及び感光層を有する電子写真感光体の耐磨耗性および耐傷性等の耐久性の大幅な向上の為に、該感光体の最表面層中に少なくとも一つ以上の連鎖重合性官能基を有する化合物を電子線照射によって硬化し最表面層が形成される電子写真感光体において、中間層の電子線による劣化を極力押さえ事にある。
その結果、感度/残留電位の上昇や各種メモリーおよび感光体の繰り返し使用時における電位の変動や環境依存性などの感光体特性変化を非常に少なくし、初期は勿論繰り返し使用時にも安定した性能を発揮することができる高耐久且つ高感度な電子写真感光体を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、感光体の表面摩耗性及び耐傷性が向上し、長寿命で高画質な電子写真感光体、及び電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、導電性支持体上に少なくとも中間層及び感光層を有する電子写真感光体の最表面層が少なくとも一つ以上の連鎖重合性官能基を有し電子線照射によって硬化する化合物を含有し、電子線照射により前記最表面層が形成される電子写真感光体において、中間層に少なくとも下記(式A)を満たすラジカル補足剤またはヒドロペルオキシド分解剤を含有する事により前述の課題を解決出きる事を見出した。
(式A)
(ラジカル補足剤またはヒドロペルオキシド分解剤中の炭素−炭素2重結合または炭素−窒素2重結合にかかわっている炭素数×12+炭素−窒素2重結合にかかわっている窒素数×14)/ラジカル補足剤またはヒドロペルオキシド分解剤の分子量 ≧ 0.30
導電性支持体上に少なくとも中間層及び感光層を有する電子写真感光体の最表面層が少なくとも一つ以上の連鎖重合性官能基を有し電子線照射によって硬化する化合物を含有し、電子線照射により前記最表面層が形成される電子写真感光体において、中間層に特定のすラジカル補足剤またはヒドロペルオキシド分解剤を含有する事により、如何なる環境下でも初期は勿論、繰り返し使用時に於いても極めて電位的に安定な感光体を提供する事が出来る。
以下に本発明の詳細を説明する。
まず、本発明における連鎖重合性官能基について説明する。本発明における連鎖重合とは、高分子物の生成反応を大きく連鎖重合と逐次重合に分けた場合の前者の重合反応形態を示し、詳しくは例えば技報堂出版 三羽忠広著の「基礎 合成樹脂の化学(新版)」1995年7月25日(1版8刷)P.24に説明されているように、その形態が主にラジカルあるいはイオンをなどの中間体を経由して反応が進行する不飽和重合、開環重合そして異性化重合などのことをいう。連鎖重合性官能基とは、前述の反応形態が可能な官能基を意味するが、本発明においては特に不飽和重合が好ましい。
不飽和重合とは、ラジカル、イオンなどによって不飽和基、例えばC=C、C≡C、C=O、C=N、C≡Nなどが重合する反応であるが、主にはC=Cによる場合が大部分である。具体的には本発明で使用するのに好ましい不飽和重合性官能基は下記一般式(1)で示される。
Figure 2005345782
(式中、Eは水素原子、フッ素、塩素及び臭素等のハロゲン原子、置換基を有してもよいメチル基、エチル基。プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置換基を有してもよいベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基及びフリル基等のアリール基、メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基、CN基、ニトロ基、−COOR1又はCONR3を示す。
Wは置換基を有しても良い2価のフェニレン、ナフチレン、アントラセニレン等のアリーレン基、置換基を有しても良いメチレン、エチレン、ブチレン等の2価のアルキレン基、−COO−、−CH−、−O−、−OO−、−S−または−CONR4−で示される。
1、R、R3及びR4は水素原子、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子、置換基を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置換基を有してもよいベンジル基及びフェネチル基等のアラルキル基又は置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基及びアンスリル基等のアリール基を示し、RとR3は互いに同一であっても異なっても良い。また、fは0または1を示す。
E及びW中で有してもよい置換基としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、メチル基、エチル基。プロピル基及びブチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基及びナフトキシ基等のアリールオキシ基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基等のアラルキル基又はフェニル基、ナフチル基、アンスリル基及びピレニル基等のアリール基等が挙げられる。
上記一般式(1)で示される不飽和重合性官能基の具体例を以下の表1に示すがこれらに限定されるものではない。
Figure 2005345782
表1中、Rは置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基及びアンスリル基等のアリール基又は水素原子を示す。
また、更に本発明中で、特に好ましい不飽和重合性官能基としては、下記一般式(2)〜(6)で示されるものが挙げられ、最も好ましい物としては一般式(2)のアクリロイルオキシ基および一般式(3)のメタクリロイルオキシ基が重合速度等の面から好ましい。
Figure 2005345782
本発明における、構造式(1)で示される不飽和重合性官能基を有する化合物は、その構造単位の繰り返しより、モノマーとオリゴマーに大別される。モノマーとは構造式(1)で示される不飽和重合性官能基を有する構造単位の繰り返しが無く、比較的分子量の小さいものを示し、オリゴマーとは構造式(1)で示される不飽和重合性官能基を有する構造単位の繰り返し数が2〜20程度の重合体である。またポリマーまたはオリゴマーの末端のみに構造式(1)で示される不飽和重合性官能基を有するマクロノマーも本発明の表面層用の硬化性化合物として使用可能である。
本発明では感光体の製造の容易性および耐久性と電気的な特性の両立という点からモノマーを使用することが好ましい。また、上記構造式(1)で示される官能基を有するモノマーにおいては一分子中の官能基数において更に分類が可能であり、一分子に官能基が一つのものは単官能モノマーと呼ばれ、二つ以上の場合には多官能モノマーと呼ばれる。本発明において感光体表面層の硬度を十分に確保するために多官能モノマーを使用することが好ましい。
構造式(1)で示される不飽和重合性官能基をもつオリゴマーまたはマクロマーは、本発明において感光層の硬度と感光体特性の両立を計る上で、モノマーと混合して使用することが好ましい。
連鎖重合性官能基を有する化合物を溶液状態で用いる場合では、その溶剤としてはトルエン、キシレン及びモノクロルベンゼンなどの芳香族系溶剤のほか、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、メチルセルソルブなどのエーテル類、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどのアルコール類等が使用可能である。
また、本発明における不飽和重合性官能基を有する化合物は例えば、総合技術センター出版 加藤清視著の「紫外線硬化システム」平成元年2月28日発行のP.177−192に記載されているアクリルあるいはメタクリル基を有するオリゴマーやP.259−302に記載されているアクリルあるいはメタクリル基を有するモノマー等が挙げられる。更に本発明における不飽和重合性官能基を有する化合物としてより好ましくは、電荷輸送機能を併せ持った化合物であることが電子写真感光体の耐久性と電気的特性の両立という点から好ましい。中でも正孔輸送性化合物であることが好ましい。
不飽和重合性官能基を有する正孔輸送性化合物としては、不飽和重合性官能基を有する公知の正孔輸送性化合物や、公知の正孔輸送性化合物の一部に不飽和重合性官能基を付加した化合物等であればよい。電荷輸送物質としては、以後の電荷輸送層の詳細な記載にあるようなヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、トリフェニルアミン化合物等を挙げることができるが、特にこれ等に限定されるものでは無く、正孔輸送機能を有する化合物であれば、いかなる化合物を用いることも可能である。
さらに、先にも述べた様に、電子写真感光体の表面層の硬度を十分に確保するために、電荷輸送機能を有しかつ不飽和重合性官能基を有する化合物においても、一分子中に複数の不飽和重合性官能基を有する化合物を用いることが好ましい場合が多い。
本発明に用いることのできる、電子線照射により重合または架橋し硬化させることが可能な化合物のうち、電荷輸送機能を有しかつ不飽和重合性官能基を有する化合物は、例えば特開2001-175016号公報に示されている連鎖重合性官能基を少なくとも一つ以上有する化合物例に挙がっている中で先に説明した不飽和重合性官能基を有する化合物等が挙げられる。
以下の表2に少なくとも1つ以上の不飽和重合性官能基を有する化合物の代表例を示すが、勿論本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure 2005345782
Figure 2005345782
次に本発明の電子写真感光体の構成について説明する。本発明の感光体は導電性支持体上に中間層及び感光層を少なくとも有し、感光層として電荷発生物質を含有する電荷発生層および電荷輸送物質を含有する電荷輸送層をこの順に積層した構成あるいは逆に積層した構成、また電荷発生物質と電荷輸送物質を同一層中に分散した単層からなる構成のいずれの構成をとることも可能である。
前者の積層型においては電荷輸送層が二層以上の構成、また後者の単層型においては電荷発生物質と電荷輸送物質を同一に含有する感光層上にさらに電荷輸送層を構成してもよく、さらには電荷発生層あるいは電荷輸送層上に保護層の形成も可能である。これらいずれの場合においても、最表面層が少なくとも先の連鎖重合性基を一つ以上有する化合物を電子線で重合硬化したもので形成される。ただし、電子写真感光体としての特性、特に残留電位などの電気的特性および耐久性の点より、電荷発生層/電荷輸送層をこの順に積層した機能分離型の感光体構成が好ましい。
次に本発明による電子写真感光体の製造方法を具体的に示す。
電子写真感光体の導電性支持体としては導電性を有するものであればよく、例えばアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛およびステンレスなどの金属や合金をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムおよび銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウムおよび酸化錫などをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独または結着樹脂とともに塗布して導電層を設けた金属、またプラスチックフィルムおよび紙などが挙げられる。
中間層は感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体上の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、また感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。下引き層の材料としてはポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、メラミン、にかわおよびゼラチンなどが知られている。これらはそれぞれに適した溶剤に溶解されて支持体上に塗布される。その膜厚は5μm以下であることが好ましく、0.3〜2μmの範囲であることが好ましく、特に好ましくは0.3〜1μmの範囲である。
本発明においては感光層としては電荷発生層および電荷輸送層を積層する機能分離型感光体の場合、電荷発生層に用いる電荷発生物質としては、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、また各種の中心金属および結晶系、具体的には例えばα、β、γ、εおよびX型などの結晶型を有するフタロシアニン化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニンおよび特開昭54−143645号公報に記載のアモルファスシリコーンなどが挙げられる。電荷発生層は前記電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着樹脂および溶剤とともにホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライターおよびロールミルなどの方法で良く分散し、分散液を塗布し、乾燥されて形成されるか、または前記電荷発生物質の蒸着膜など、単独組成の膜として形成される。その膜厚は2μm以下であることが好ましく、0.05〜2μmの範囲であることが好ましく、特に好ましくは0.1〜0.5μmの範囲である。
結着樹脂を用いる場合の例は、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、などのビニル化合物の重合体および共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
電荷輸送層に用いる電荷輸送物質としては以下のものがあげられる。
電荷輸送物質は電子輸送物質と正孔輸送物質に大別される。電子輸送物質としては、例えば2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、クロラニル及びテトラシアノキノジメタン等の電子吸引性物質やこれらの電子吸引性物質を高分子化したもの等が挙げられる。
正孔輸送物質としてはピレン及びアントラセン等の多環芳香族化合物;カルバゾール系、インドール系、イミダゾール系、オキサゾール系、チアゾール系、オキサジアゾール系、ピラゾール系、ピラゾリン系、チアジアゾール系及びトリアゾール系化合物等の複素環化合物;p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン及びN,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾール等のヒドラゾン系化合物;α−フェニル−4'−N,N−ジフェニルアミノスチルベン及び5−[4−(ジ−p−トリルアミノ)ベンジリデン]−5H−ジベンゾ[a,b]シクロヘプテン等のスチリル系化合物;ベンジジン系化合物;トリアリールメタン系化合物;トリフェニルアミン系化合物;及び、これらの化合物から誘導される基を主鎖または側鎖に有するポリマー等が挙げられる。
これらの有機電荷輸送物質の他にセレン、セレン−テルル、アモルファスシリコン及び硫化カドミウム等の無機材料も用いることが出来る。また、これらの電荷輸送物質は単独で用いても二種以上組み合わせても良く、また本発明は上記化合物に限定されるものでなく、上記以外の化合物を使用することも可能である。
電荷輸送層が最表面層である場合、電荷輸送物質と少なくとも一つ以上の連鎖重合性官能基をもった化合物を重合硬化したもので構成される場合、この配合割合は、樹脂100質量部あたり電荷輸送物質を10〜500質量部とすることが好ましい。
また、電荷輸送機能をもった少なくとも一つ以上の連鎖重合性化合物を用いることも可能であり、最表面層の構成は、電荷輸送物質、連鎖重合性官能基を有する樹脂、導電性粒子、フッ素原子含有樹脂、また一般的な成膜性のある樹脂(例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等)と混合するなど、どのような組み合わせをもって成されても良く、少なくとも一つ以上の連鎖重合性官能基を有する化合物が最表面層の構成物質として使用されていればよい。尚、電荷輸送層が最表面層の場合、特性および機械的特性の両面から電荷輸送能を持った連鎖重合性化合物を単独であるいは主成分として使用するのが特に好ましい。
この最表面層は電荷キヤリアを輸送できる限界があるので、必要以上に膜厚を厚くすることができないが、1μm〜40μm、特には5μm〜30μmの範囲が好ましい。
電荷輸送物質と結着剤樹脂との混合割合は2:1〜1:4程度が好ましく、またその溶剤としてはトルエン、キシレン及びモノクロルベンゼンなどの芳香族系溶剤のほか、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどのエーテル類、溶質によってはケトン類、飽和炭化水素類等も使用可能である。この溶解液を塗布する方法は、例えば浸漬コーティング法、スプレイコーティング法、カーテンコーティング法、スピンコーティング法などが知られている。電子写真感光体を効率よく大量生産するには浸漬コーティング法が最良であり、本発明においても浸漬塗布は可能である。
本発明は更に感光層上に保護層を設けてもよく、その場合は保護層が最表面層となり、先の電荷輸送層が最表面層であった場合同様、電荷輸送機能をもった連鎖重合性化合物、電荷輸送物質、連鎖重合性官能基をもつ樹脂、導電性粒子、フッ素原子含有樹脂、また一般的な成膜性のある樹脂(例えばポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等)と混合するなど、どのような組み合わせをもって成されても良い。但し、少なくとも一つ以上の連鎖重合性官能基を含む化合物が最表面層の構成物質として使用されていればよい。
尚、保護層は、電子写真特性上、何らかの電荷輸送機能を有している必要があり、先に示したような電荷輸送物質を保護層に含有させる場合、電荷輸送層内に含有させる電荷輸送物質と、保護層内に含有させる電荷輸送物質は、同物質である必要は無い。但し、先の電荷輸送層が最表面層の場合と同様に電気的特性および機械的特性の両面から電荷輸送能を持った連鎖重合性化合物を単独であるいは主成分として使用するのが特に好ましい。
また、本発明では最表面層に感光体表面の滑り性等を向上させるために、フッ素原子含有樹脂粒子を分散させることもできる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化ニ塩化エチレン樹脂及びこれらの共重合体を含むフッ素原子含有樹脂粒子の一種または二種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂やフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。樹脂粒子の分子量や粒子の粒径は適宜選択することが出来、特に制限されるものではない。
このフッ素原子含有樹脂を導電性粒子と共に連鎖重合性化合物の含有している溶液中で相互の粒子を凝集させないように、本発明においては分散剤を用いることも可能である。また、導電性粒子の表面をフッ素原子含有化合物で表面処理しても良い。表面処理を行うことにより、樹脂溶液中での導電性粒子とフッ素原子含有樹脂粒子の分散性を向上させることが出来、さらに経時的に発生する二次粒子形成などが無く、分散安定性を向上させることができる。
また、本発明においては、最表面層中にラジカル開始剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等の添加剤を必要に応じ添加することもできる。
次に少なくとも一つ以上の連鎖重合性官能基を有する化合物を電子線で重合硬化し最表面層の形成方法について説明する。
電子線を照射する場合、加速器としてはスキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型およびラミナー型などいずれの形式も使用することが出来る。電子線を照射する場合に、本発明の感光体においては電気特性および耐久性能を発現させる上で照射条件が非常に重要である。
図1は、本発明で使用する事ができる代表的な電子線照射装置の概略図であり、これについて以下に説明する。
本発明で用いられる電子線照射装置は図1に示すように、電子線を発生させる電子線発生部10と、電子写真感光体に電子線を照射する照射部20と、電子線発生部10及び照射部20を連通する照射窓部30とを備える。
電子線発生部10は、電子線を発生するターミナル12と、ターミナル12で発生した電子線を真空空間で加速する加速管14とを有するものである。また、電子線発生部10の内部は、電子が気体分子と衝突してエネルギーを失うことを防ぐため、図示しない油拡散ポンプなどにより10-4〜10-5Paの真空に保たれている。ターミナル12は熱電子を放出する線状のフィラメント12aで発生した熱電子をコントロールするグリッド12cとを有する。フィラメント12a及びグリッド12cの図1における奥行き方向の長さは少なくとも試料よりも長い。
また、電子線発生部10には、フィラメント12aを加熱して熱電子を放出するための不図示の加熱用電源と、フィラメント12aとグリッド12cとの間に電圧を印加する同じく不図示の制御用直流電源と、グリッド12cと照射窓部30に設けられた窓箔32との間に電圧を印加する加速用直流電源とが設けられている。
照射部20は電子写真感光体表面1に電子線を照射する照射空間22を含むものである。後述の実施例のように、電子写真感光体の表面層を硬化させる場合には、硬化を安定させるために照射部内部を脱酸素の雰囲気としている。また、本発明の電子写真感光体1は照射部20の内をコンベア等の搬送手段により矢印Aの方向に搬送され照射部で搬送を止め、照射部で回転しながら照射する。照射終了後、また矢印Aの方向に搬送され外部に搬出される。
電子線発生部10及び照射部20の周囲は電子線照射時に二次的発生するX線が外部に漏出しないように、鉛遮蔽されている。
照射窓部30は金属箔からなる窓箔32と、窓箔32を冷却するとともに窓箔32を支持する窓枠構造体34とを有するものである。窓箔32は、電子線発生部10内の真空雰囲気と照射部20内の空気雰囲気とを仕切り、窓箔32を介して照射部20内に電子線を取り出すものである。
加熱用電源によりフィラメント12aに電流を流し、加熱するとフィラメント12aは熱電子放出し、この熱電子はフィラメント12aとグリッド12cとの間に印加された制御用直流電源の制御電圧により四方八方に引き寄せられる。このうちグリッド12cを通過したものだけが電子線として有効に取り出される。そして、このグリッド12cから取り出された電子線はグリッド12cと窓箔32との間に印加された加速用直流電源の加速電圧により加速管14内の加速空間で加速された後、窓箔32を突き抜け、照射窓部30の下方の照射部20内を搬送される電子写真感光体に照射される。なお通常は加熱用電源と加速用直流電源とを所定の値に設定し、制御用直流電源を可変にすることで、電子線の電流の調整を可能にしている。
電子線の加速電圧に関しては、連鎖性重合性官能基を有する層に十分有効な電子線到達すればよい。但し、加速電圧が必要以上に高いと電子写真感光体の劣化が顕著となり、加速電圧が低すぎると最表面層の硬化が膜厚方向で不均一となる。
なお、本発明では、加速電圧は、図1におけるタ−ミナル12と陽極である窓箔32の間に印加される直流電圧値を示す。
本発明者等の鋭意検討により、導電性支持体上に少なくとも中間層及び感光層より形成される電子写真感光体の表面層を電子線により照射し、重合または架橋し、硬化させる場合、該電子写真感光体への電子線照射条件及びそれに使用する中間層の劣化を極力押さえることが、電子写真感光体の優れた電気特性及び耐久性能を両立させる上で極めて重要である事が判明した。以下に詳細に説明する。
ある程度の耐久性を確保しなるべく感光体材料への劣化を極力押さえる電子線照射条件(電子線吸収線量率、電子線吸収線量、電子線の加速電圧等)の最適化を図った結果を下記に具体的に述べる。
電子線吸収線量率は1×10〜2×10Gy/sの範囲が好ましく、より好ましくは2×10〜5×10Gy/である。なお、本発明では、吸収線量率は、(サンプル面での電子線密度分布において、そのピーク位置の1/e以上である有効電子線照射幅内での吸収線量/サンプル面上の任意の一点が有効電子線照射幅内に存在する時間)により決定される。
電子線の吸収線量は10〜1000KGyが好ましく、更に好ましくは25〜500KGyが好ましい。なお、本発明では、線量は、汎用のフィルム線量計:FWT−60;Far West Technology社製により測定することができる(但し、直接測定できる線量は100KGy以下であり、それ以上は100KGy以下の線量を測定した時の電流値(あるいは時間)より概算しその線量とした)。
なお、電子線の吸収線量率及び吸収線量については、上述のように公知の測定手段用いて被照射体である感光体表面層において吸収線量を測定しても良いが、本発明では感光体表面層での吸収線量を必ずしも測定する必要はなく、感光体への照射線量から感光体表面での吸収線量を測定することができる。すなわち、電子線の吸収線量率及び吸収線量は、本発明で用いられる電子線照射装置の出力調整によって制御することができる。
また、電子線吸収線量率が同じでも、単位面積当たりに照射されている時間が短い(電子線吸収線量が大きい)方が好ましい。電位線により生じたラジカル等の重合あるいは架橋反応に寄与する活性種は、時間が長くなると失活などが生じてしまう等の理由で反応率が落ちてしまう。これは電子線照射時の雰囲気を不活性ガスにする事などである程度は改善されるがそれだでは不十分であり、単位面積当たり電子線が照射されている時間としては5秒以下、好ましくは2秒以下がより好ましい。
電子線の加速電圧は300kV以下が好ましく、さらに好ましくは50〜200kVである。
感光材料の劣化をなるべく最小限にとどめある程度の耐久性が発現するための電子線の照射条件は上述のようになるが、それでも感光体材料の電子線による劣化が多かれ少なかれ生じてしまう。その結果として主に感度の悪化、残留電位の上昇、各種メモリー、感光体の繰り開始使用時の電位変動および各種電位特性の環境依存性の増大等が生じる。その中でも感光体の繰り開始使用時の電位変動および各種電位特性の環境依存性の増大が極めて大きく一番の問題である。これに対し鋭意検討した結果、電子線による中間層の劣化が主原因である事が判明した。電子線による材料劣化は以下のように考えている。電子線が照射された材料は、照射エネルギーを受け初期の過程でイオン化と励起が生じる。この様にイオン化や励起した材料は、持っている過剰のエネルギーを放出する一つの過程としてある結合を開裂させラジカルとなり各種の分解反応が生じる。この様に、電子線による各種材料の劣化反応は、材料が吸収した電子線のエネルギーがもとで生じ、この過剰のエネルギーを何らかの方法で系外に逃がしてやれば材料の劣化は押さえられる。例えば、共役系を有する芳香環化合物は励起状態が安定な為、吸収されたエネルギーが分解反応などに利用されずに、発光や結合の振動エネルギーとなって系外に放出される為安定である。感光体の材料で電荷輸送物質や電荷発生物質はその要求特性を発現する必要上、分子内に芳香環等を多数持っており且つなるべく共役系を広げる材料設計がなされており電子線の劣化が少ない。更に電荷輸送層に使用される結着樹脂は芳香環を有する化合物である電荷輸送物質との相溶性の問題や機械的強度の要求から必然的に芳香環を有した樹脂が主であり同様の理由で電子線による劣化は少ない。電荷発生層に使用される結着樹脂は電荷発生層との溶解性の問題と電荷発生物質の分散性の観点より芳香環を有さない樹脂が主に使用されるが膜厚が極めて薄い所で使用されているのと結着樹脂の量が少ないということより劣化が生じてもその影響が感光体の電気特性に影響を殆ど与えないと考えられる。中間層に使用されている一般的な材料は先にも述べたように例えば、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、メラミン、にかわおよびゼラチンなどが挙げられる。この様に殆どの材料は芳香環を有しておらず、電子線による劣化反応を受け易くその結果先述のような感光体特性の劣化をもたらすと考えられる。この劣化を極力押さえる為に鋭意検討した結果、下記(式A)の物性を満足する少なくともラジカル補足剤またはヒドロペルオキシド分解剤を中間層に添加する事で解決される事を見出した。
(式A)
(ラジカル補足剤またはヒドロペルオキシド分解剤中の炭素−炭素2重結合または炭素−窒素2重結合にかかわっている炭素数×12+炭素−窒素2重結合にかかわっている窒素数×14)/酸化防止剤の分子量 ≧ 0.30
先述したようにポリマーの電子線による劣化反応の多くはラジカル機構で進行すると考えられる。従って、そのラジカルの不活性化を図る事が安定化の最も有効な手段である。また、生じたラジカルは酸素が存在すると容易に酸化されパーオキサイドラジカルやハイドロパーオキサイドの生成を経由して分解反応が進行する。電子線を照射する際になるべく酸素濃度を落として照射するのは当然だが、完全に酸素濃度を落とすのはとても手間であり生産性に問題が生じ且つ中間層形成時に膜中に残存している酸素を完全に除くのは極めて困難である。従って、ラジカル補足剤またはヒドロペルオキシド分解剤を中間層に添加するのは分解反応に効果ある。しかし本発明者等は数多くのラジカル補足剤またはヒドロペルオキシド分解剤種を振っての添加実験を行ったところ、上記一般式を満たす化合物が際立って効果があることが判明した。上記式はその化合物の共役系がどの程度あるかの一つの指標となる物だが、共役系が分子中にある程度以上有する化合物が有効であり、これはその材料自体がまず電子線のエネルギーを受けた際に安定で分解せずに本来の機能を果たせる為であると考えられる。更に、このような共役系をある程度以上有する化合物はエネルギー移動剤としても作用し、中間層に使用されている材料の過剰のエネルギーを放出する作用も少なからずあるためと思われる。尚、(式A)で示される共役系がどの程度あるかの指標は好ましくは0.40以上である場合が更に好ましい。
上記式を満たすラジカル補足剤およびヒドロペルオキシド分解剤の中でも特にラジカル補足剤であるヒンダードフェノール系化合物または芳香族アミン系化合物が特に好ましい。
尚、ラジカル補足剤またはヒドロペルオキシド分解剤の中間層に対する添加量は0.5〜30質量部が好ましく、更に好ましくは、1.0〜10質量部である。量が少なすぎると当然効果が少なくなり、多すぎると特性の悪化が生じてしまう。
更に、ラジカル補足剤とヒドロペルオキシド分解剤は混合して使用しても良く、更に必要に応じて他の添加剤を添加しても良い。
以下の表3に本発明で使用できるラジカル補足剤とヒドロペルオキシド分解剤の具体例を示す。但しこれらの化合物に限定されるわけではない。
尚、表中の共役率とは下記に示すように定義し、計算した値である。
共役率=(ラジカル補足剤またはヒドロペルオキシド分解剤中の炭素−炭素2重結合または炭素−窒素2重結合にかかわっている炭素数×12+炭素−窒素2重結合にかかわっている窒素数×14)/ラジカル補足剤またはヒドロペルオキシド分解剤の分子量
尚、本発明のラジカル補足剤またはヒドロペルオキシド分解剤について説明する。ラジカル補足剤とは一般的に酸化防止剤とも呼ばれており、フェノール系誘導体、芳香族アミン誘導体およびヒンダードアミン誘導体等が知られている。また、ヒドロペルオキシド分解剤としてはイオウ系化合物、リン系化合物および有機金属化合物等が知られている。これらに関しては例えば、シーエムシ(株)出版 大沢善次郎著の「高分子の光劣化と安定化」1986年12月251日(第1刷)P.108〜116やP270〜P295に説明あるいは代表的な化合物が示されている。
Figure 2005345782
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また、本発明は、前記本発明の電子写真感光体を備えた電子写真装置から構成される。本発明の電子写真装置は、前記本発明の電子写真感光体に、形成すべき画像に応じた潜像を形成し、これを現像することにより、普通紙等、画像を表示するための記録媒体(転写材)に画像を形成するものであれば特に限定されず、上記電子写真感光体の他に、従来から知られている種々の手段、装置及び部材等を必要に応じて用いることができる。
また、本発明は、前記本発明の電子写真感光体を備えた電子写真プロセスカートリッジから構成される。本発明の電子写真プロセスカートリッジは、複数の工程を実現することのできる手段や装置等が一体的に構成され、かつ電子写真装置本体に着脱自在に設けられるものであり、本発明の電子写真感光体を含む構成であれば、用いる手段や装置及び部材等を任意に選択することができる。例えばプロセスカートリッジについて各種手段や装置等の選択例としては、感光体と現像装置とクリーニング装置との組み合わせを好適に例示することができる。このようなプロセスカートリッジとして構成することにより、より一層優れたメンテナンス性が実現され、ユーザー自身によるトナー交換等のメンテナンスがより容易となる。
さらに、本発明は、前記本発明の電子写真感光体と、リモート端末からの画像情報を受信する受信手段とを有するファクシミリから構成される。本発明のファクシミリは上記電子写真感光体が用いられ、この感光体によって前記画像情報に基づき画像を形成することのできるものであれば良い。上記受信手段で受信された画像情報が上記電子写真装置で画像形成可能であれば、本発明で用いられる受信手段については特に限定されない。また、本発明で用いられるリモート端末についても、ファクシミリ本体から離れた場所にあって画像情報の送受が可能であれば特に限定されない。
次に、本発明の電子写真装置の一例を示す概略構成を図2に示す。図において、1は前述した本発明の電子写真感光体であり、矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。該感光体1はその回転過程で帯電手段2によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで像露光手段3により光像露光L(スリット露光・レーザービーム走査露光など)を受ける。これにより感光体周面に露光像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
その静電潜像は、次いで現像手段4でトナー現像され、そのトナー現像像が転写手段5により不図示の給紙部から感光体1と転写手段5との間に感光体1の回転と同期取りされて給送された転写材Pの面に順次転写されていく。像転写を受けた転写材Pは感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けて複写物(コピー)として機外へプリントアウトされる。像転写後の感光体1の表面はクリーニングブレード6にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、前露光手段7により除電処理がされて繰り返して像形成に使用される。感光体1の均一帯電手段2としては接触帯電方式であるローラ帯電器が使用されている。
電子写真装置として、上述の感光体や現像手段、クリーニング手段などの構成要素のうち、複数のものを装置ユニットとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在のカートリッジに構成しても良い。例えば、感光体1とクリーニング手段7とを一体化して一つの装置ユニットとし、装置本体のレールなどの案内部材を用いて着脱自在の構成にしてもよい。このとき上記の装置ユニットのほうに帯電手段及び/または現像手段を伴って構成してもよい。なお、図2には、感光体1、帯電手段2、現像手段4、及びクリーニングブレード6を一体的かつ電子写真装置本体に着脱自在に構成されたプロセスカートリッジが示されている。本実施の形態では、支持部材100によって各手段等が所定位置に一体的に支持され、電子写真装置本体に設けられた案内部材110によって、各手段等を支持している支持部材100が装置本体に対して着脱自在に設けられている。
本発明における露光手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段などの、通常の電子写真プロセスを行うために必要な手段は何ら限定されるもので無く、装置構成上クリーニング手段を除いた、クリーナーレスシステムでの電子写真装置の構成をとること等も可能である。
本発明は、前記本発明に関わる電子写真感光体を備えた電子写真装置として構成され、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、レーザー製版などの電子写真応用分野にも広く用いることができる。
また、本発明は電子写真装置及びリモート端末からの画像情報を受信する受信手段を有するファクシミリで構成することもできる。
ポリアミド樹脂(6−60−64−124元ナイロン共重合体)1部(質量部;以下同様)、8−ナイロン樹脂(メトキシメチル化ナイロン、メトキシ化率約30%)3部および表3のラジカル補足剤(No.7)0.2部をメタノール50部、ブタノール40部に溶解し、中間層用塗料を調整した。この塗料をホーニング処理した30φのアルミシリンダー上に浸漬コーティング法によって塗布し、100℃で20分間乾燥して、0.65μmの中間層を形成した。
CuKαのX線回折におけるブラック角2θ±0.2°において7.4°及び28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を3部、ポリビニルブチラ−ル(商品名エスレックBM2、積水化学(株)製)1.0部及びシクロヘキサノン35部を、φ1mmガラスビ−ズを用いたサンドミル装置で24時間分散して、その後に酢酸エチル60部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。この塗料を前記の中間層の上に浸漬塗布方法で塗布して105℃で10分間乾燥し、膜厚0.12μmの電荷発生層を形成した。
次に、電荷輸送物質として下記構造式(D−1)を4.0部及びビスフェノールZ型ポリカーボネート(粘度平均分子量45,000)5.5部をモノクロロベンゼン38部に溶解し、電荷輸送層用塗料を調製した。この塗料を前記の電荷発生層の上に浸漬塗布方法で塗布して100℃で60分間乾燥し、膜厚15μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 2005345782
次いで、表2の化合物例NO.12の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物60部をエタノー50部およびイソプロピルアルコール20部の混合溶媒中に溶解し、保護層用塗料を調整した。この塗料を前記の電荷輸送層上に浸漬塗布方法で塗布し、40℃で10分乾燥後、図1に示す電子線照射装置を用いて電子線を照射した。サンプルは電子線照射窓部の下部までベルトコンベアーで搬送され、照射部で搬送を止めサンプルを回転しながら照射した(照射開始時のドラム温度は約25℃)。照射終了後再び搬送され外部に搬出される。このとき、電子線照射部における有効電子線照射幅(サンプル面での電子線密度分布において、そのピーク位置の1/e以上)である幅は4cmであった。電子線照射条件は吸収線量率1×10Gy/sec(有効電子線照射幅内での吸収線量/サンプル面上の任意の一点が有効電子線照射幅内に存在する時間)、加速電圧150KV、吸収線量(電子線照射工程においてサンプルが受ける全吸収線量)1×10Gyであった。尚、電子線の照射開始から終了までの時間は1.5秒であった。以上の条件にて電子線を照射し化合物を硬化する事により膜厚5μmの保護層を形成し、更に150℃1時間加熱処理を行って電子写真感光体を得た。
上記で得られた感光体ドラムをヒューレットパッカード社製 Laser Jet9000n改造機(帯電のDC成分及び光量を変化出来るように改造)に装着し、常温常湿(23℃/50%)条件下で、帯電のDC成分と光量を変化させ初期暗部電位(Vd)が−650(V)になるように帯電設定をし、これに波長780(nm)のレーザー光を照射して−650(V)の電位を−170(V)まで下げるのに必要な光量(明部電位Vl)を測定し感度とした。さらに、20(μJ/cm2)の光量を照射した場合の電位を残留電位(Vr)として初期特性を測定した。評価した。なお、電位は現像器の位置にプローブを装着し測定した。
更に以下のドット、文字再現性の画像評価も合わせて行った。暗部電位Vd=−650V、明部電位Vl=−170Vに設定し、1ドット1スペース画像と文字(5ポイント)画像の出力及び評価を以下の様に行った。常温常湿下(23℃/55%RH)(N/N)で、初期に、ドラム一周分適当な文字パターンを印字し、その後全面ハーフトーン画像を取りゴースト現象が出ているかどうかを確認した。次に、下記耐久パターンを2000枚連続プリントし耐久後に全面ハーフトーン画像を取り耐久後のゴースト現象が出ているかどうかを確認した。耐久パターンは約2mm幅の線を縦横7mmおきに印字した。画像サンプルは全面黒と、1ドット1スペースのドット密度の画像を用い、機械の現像ボリューム、F5(中心値)とF9(濃度薄い)で各々サンプリングした。評価基準はゴーストが見えないものをランク5とし、1ドット1スペースF9で見えるものをランク4、1ドット1スペースF5で見えるものをランク3、全面黒F9で見えるものをランク2、全面黒F5で見えるものをランク1とした。
次に、連続20、000枚の通紙耐久を行って、初期と耐久直後の暗部電位と明部電位の変動量をΔVdとΔVlを測定した(尚、初期の電位設定は先と同じで、暗部電位:−650(V)、明部電位:−170(V))。
以上のように行った評価を、高温高湿(30℃/80%)条件下および低温低湿下(15℃、10%)でそれぞれ新たに上記と同様に作製した感光体ドラムを作成し、同様な評価を行った。
それぞれの評価結果を以下の表4に示す。
実施例1の電子線の吸収線量率を5×10Gy/secに変えた以外は実施例1と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表4に示す。
実施例2の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)の添加量を0.7部に変えた以外は実施例2と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表4に示す。
実施例2の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)の添加量を0.07部に変えた以外は実施例2と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表4に示す。
実施例2の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)を表3の例示化合物No.11に変えた以外は実施例2と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表4に示す。
実施例2の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)を表3の例示化合物No.18に変えた以外は実施例2と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表4に示す。
実施例2の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)を表3の例示化合物No.19に変えた以外は実施例2と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表4に示す。
実施例2の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)を表3の例示化合物No.22に変えた以外は実施例2と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表4に示す。
実施例2の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)を表3の例示化合物No.27に変えた以外は実施例2と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表4に示す。
実施例2の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)を表3の例示化合物No.37に変えた以外は実施例2と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表4に示す。
実施例2の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)を表3の例示化合物No.35に変えた以外は実施例2と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表4に示す。
実施例2の中間層の膜厚を1.0μmに変えた以外は実施例2と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表4に示す。
実施例2の中間層の膜厚を0.3μmに変えた以外は実施例2と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表4に示す。
ホーニング処理した30Φのアルミシリンダー上に、実施例2と同様に中間層および電荷発生層を作製した。
次いで、表2の(化合物例No.17) 60部をモノクロロベンゼン50部およびジクロロメタン30部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗料を調整した、この塗料を前記の電荷発生層上に浸漬塗布方法で塗布し、40℃で10分乾燥後、図1に示す電子線照射装置を用いて電子線を照射した。サンプルは電子線照射窓部の下部までベルトコンベアーで搬送され、照射部で搬送を止めサンプルを回転しながら照射した(照射開始時のドラム温度は約25℃)。照射終了後再び搬送され外部に搬出される。このとき、電子線照射部における有効電子線照射幅(サンプル面での電子線密度分布において、そのピーク位置の1/e以上)である幅は4cmであった。電子線照射条件は吸収線量率1×10Gy/sec(有効電子線照射幅内での吸収線量/サンプル面上の任意の一点が有効電子線照射幅内に存在する時間)、加速電圧150KV、吸収線量(電子線照射工程においてサンプルが受ける全吸収線量)1×10Gyであった。尚、電子線の照射開始から終了までの時間は1.5秒であった。以上の条件にて電子線を照射し化合物を硬化する事により膜厚15μmの電荷輸送層を形成し、更に150℃1時間加熱処理を行って電子写真感光体を得た。得られた感光体は実施例1と同様な評価を行った。その結果を表4に示す。
実施例14の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)を表3の例示化合物No.11に変えた以外は実施例14と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表4に示す。
実施例1と同様に中間層、電荷発生層および電荷輸送層を作製した。
次いで、表2の化合物例NO.12の連鎖重合性官能基を有する化合物30部と下記構造(D−2)の電荷輸送物質40をイソプロピルアルコール70部の混合溶媒中に溶解し、保護層用塗料を調整した。
Figure 2005345782
この塗料を前記の電荷輸送層上に浸漬塗布方法で塗布し、40℃で10分乾燥後、図1に示す電子線照射装置を用いて電子線を照射した。サンプルは電子線照射窓部の下部までベルトコンベアーで搬送され、照射部で搬送を止めサンプルを回転しながら照射した(照射開始時のドラム温度は約25℃)。照射終了後再び搬送され外部に搬出される。このとき、電子線照射部における有効電子線照射幅(サンプル面での電子線密度分布において、そのピーク位置の1/e以上)である幅は4cmであった。電子線照射条件は吸収線量率1×10Gy/sec(有効電子線照射幅内での吸収線量/サンプル面上の任意の一点が有効電子線照射幅内に存在する時間)、加速電圧120KV、吸収線量(電子線照射工程においてサンプルが受ける全吸収線量)2×10Gyであった。尚、電子線の照射開始から終了までの時間は1.0秒であった。以上の条件にて電子線を照射し化合物を硬化する事により膜厚3μmの保護層を形成し、更に150℃1時間加熱処理を行って電子写真感光体を得た。得られた感光体は実施例1と同様な評価を行った。その結果を表4に示す。
アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL 大日本インキ化学工業社製)30部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60 大日本インキ化学工業社製)20部、表3のラジカル補足剤(No.7)4部に、酸化チタン粉末(タンベークCREL 石原産業社製)90部を加え、更にメチルエチルケトン150部を加えボールミルで24時間分散して中間層用塗料を調整した。この塗料をホーニング処理した30φのアルミシリンダー上に浸漬コーティング法によって塗布し、100℃で20分間乾燥して、1.0μmの中間層を形成した。それ以外は実施例1と同様に感光体を作成し同様に評価した。
実施例17の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)を表3の例示化合物No.11に変えた以外は実施例17と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表4に示す。
実施例17の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)を表3の例示化合物No.27に変えた以外は実施例17と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表4に示す。
実施例17の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)を表3の例示化合物No.39に変えた以外は実施例17と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表4に示す。
ジルコニウムテトラn−ブチレート1質量部、イソプロピルアルコール10質量部からなる中間層用塗料を調整した。この塗料をホーニング処理した30φのアルミシリンダー上に浸漬コーティング法によって塗布し、110℃で30分間乾燥して、1.0μmの中間層を形成した。それ以外は実施例1と同様に感光体を作成し同様に評価した。
実施例21の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)を表3の例示化合物No.29に変えた以外は実施例21と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表4に示す。
下記構造を有するアゾ化合物10部を150部の4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行った。
Figure 2005345782
ここで得られた顔料分散液をポリビニルブチラール(エレックスBH−3:積水化学工業(株)製)の4%ジメトキシエタン溶液100部及びフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイト社製、商品名PKHH)の4%ジメトキシエタン溶液100部の混合液に加え、最終的に固形分濃度4.0%の中間層用塗料を調整した。この塗料をホーニング処理した30φのアルミニウムシリンダー上に浸漬コーティング法によって塗布し、120℃で60分間乾燥して、1.5μmの中間層を形成した。それ以外は実施例1と同様に感光体を作成し同様に評価した。
実施例23の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)を表3の例示化合物No.28に変えた以外は実施例23と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表4に示す。
実施例23の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)を表3の例示化合物No.34に変えた以外は実施例23と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表4に示す。
実施例25の電子線の吸収線量率を2×10Gy/secに変えた以外は実施例25と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表4に示す。
Figure 2005345782
(比較例1)
実施例1の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)を加えなかった以外は実施例1と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表6に示す。
(比較例2)
実施例2の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)を加えなかった以外は実施例1と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表6に示す。
(比較例3)
実施例12の中間層に添加したラジカル補足剤(No.22)を加えなかった以外は実施例12と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表6に示す。
(比較例4)
実施例13の中間層に添加したラジカル補足剤(No.22)を加えなかった以外は実施例13と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表6に示す。
(比較例5)
実施例14の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)を加えなかった以外は実施例14と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表6に示す。
(比較例6)
実施例16の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)を加えなかった以外は実施例16と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表6に示す。
(比較例7)
実施例17の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)を加えなかった以外は実施例17と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表6に示す。
(比較例8)
実施例21の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)を加えなかった以外は実施例21と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表6に示す。
(比較例9)
実施例23の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)を加えなかった以外は実施例23と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表6に示す。
(比較例10)
実施例26の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)を加えなかった以外は実施例26と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表6に示す。
(比較例11)
実施例2の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)の変わりに下記の表5の比較化合物例No.1に変えた以外は実施例2と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表6に示す。
(比較例12)
実施例2の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)の変わりに下記の表5の比較化合物例No.2に変えた以外は実施例2と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表6に示す。
(比較例13)
実施例2の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)の変わりに下記の表5の比較化合物例No.5に変えた以外は実施例2と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表6に示す。
(比較例14)
実施例2の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)の変わりに下記の表5の比較化合物例No.7に変えた以外は実施例2と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表6に示す。
(比較例15)
実施例14の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)の変わりに下記の表5の比較化合物例No.3に変えた以外は実施例14と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表6に示す。
(比較例16)
実施例14の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)の変わりに下記の表5の比較化合物例No.6に変えた以外は実施例14と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表6に示す。
(比較例17)
実施例17の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)の変わりに下記の表5の比較化合物例No.4に変えた以外は実施例17と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表6に示す。
(比較例18)
実施例21の中間層に添加したラジカル補足剤(No.7)の変わりに下記の表5の比較化合物例No.8に変えた以外は実施例1と同様に感光体を作製し同様に評価した。その結果を表6に示す。
Figure 2005345782
Figure 2005345782
本発明の電子写真感光体を作製するために用いられる電子線照射装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の電子写真装置の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 感光体
2 帯電手段
3 像露光手段
4 現像手段
5 転写手段
6 クリーニングブレード
7 前露光手段
8 像定着手段
9 転写材搬送装置
10 電子線発生部
12 ターミナル
12a フィラメント
12b ハウス
12c グリッド
14 加速管
20 照射部
22 照射空間
30 照射窓部
32 窓箔
34 窓枠構造体
100 支持部材
110 案内部材
L 光像露光
P 転写材

Claims (10)

  1. 導電性支持体上に少なくとも中間層及び感光層を有する電子写真感光体の最表面層が、少なくとも一つ以上の連鎖重合性官能基を有し電子線照射によって硬化する化合物を含有し、電子線照射により前記最表面層が形成される電子写真感光体において、中間層に少なくとも下記(式A)を満たすラジカル補足剤またはヒドロペルオキシド分解剤が含有されていることを特徴とする電子写真感光体。
    (式A)
    (ラジカル補足剤またはヒドロペルオキシド分解剤中の炭素―炭素2重結合または炭素―窒素2重結合にかかわっている炭素数×12+炭素―窒素2重結合にかかわっている窒素数×14)/ラジカル補足剤またはヒドロペルオキシド分解剤の分子量 ≧ 0.30
  2. ラジカル補足剤またはヒドロペルオキシド分解剤が下記(式B)を満たす請求項1に記載の電子写真感光体。
    (式B)
    (ラジカル補足剤またはヒドロペルオキシド分解剤中の炭素−炭素2重結合または炭素−窒素2重結合にかかわっている炭素数×12+炭素−窒素2重結合にかかわっている窒素数×14)/ラジカル補足剤またはヒドロペルオキシド分解剤の分子量 ≧ 0.40
  3. 少なくともラジカル補足剤が、ヒンダードフェノール系化合物または芳香族アミン系化合物である請求項1〜2の何れかに記載の電子写真感光体。
  4. 中間層中に該ラジカル補足剤または該ヒドロペルオキシド分解剤が0.5〜20質量部含有する請求項1〜3の何れかに記載の電子写真感光体。
  5. 一つ以上の連鎖重合性官能基を有し電子線照射によって硬化する化合物が正孔輸送性化合物である請求項1〜4の何れかに記載の電子写真感光体。
  6. 中間層に使用されている樹脂が、少なくともポリアミド樹脂またはポリビニルブチラール樹脂である請求項1〜5の何れかに記載の電子写真感光体。
  7. 電子線の吸収線量率が2×104〜5×10Gy/secである事を特徴とする特許請求項1〜6の何れかにに記載の電子写真感光体。
  8. 前記電子線の加速電圧が50〜200KVである事を特徴とする特許請求項1〜7の何れかにに記載の電子写真感光体。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  10. 請求項1〜8に記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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