JP2005344152A - 精錬方法及び精錬装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インゴット上部の気泡残存や上部形状の乱れを防止する他、脱酸の進行を早めて、精錬に要する時間を短縮する。
【解決手段】 気密容器2内にコールドクルーシブル溶解炉20を設置し、コールドクルーシブル溶解炉20により金属35を精錬する方法であって、気密容器2内の真空排気を行う真空排気工程と、気密容器2内に水素ガスを導入する水素ガス導入工程と、コールドクルーシブル溶解炉20内で金属35を溶解する溶解工程と、気密容器2内を不活性ガスで換気して、気密容器2内の水素ガス濃度を低減させる換気工程とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属の精錬方法及び精錬装置に関し、特に、水素ガスを用いた金属の精錬方法及び精錬装置に関する。
従来、金属を精錬する方法及び装置の一例として、気密容器内にセラミック等の耐火物からなるルツボを設置し、このルツボ内に金属を収容して溶解温度まで加熱することにより溶融させるとともに、気密容器内に水素ガスを導入することにより金属に含まれる酸素を取り除く精錬方法及び精錬装置が知られている。
この方法及び装置では、ルツボと溶解金属とが反応し、ルツボの構成元素が不純物として溶解金属中に混入したり、ルツボから放出されたガスが汚染源となって溶解金属が汚染されるといった課題があることから、例えば特許文献1のような精錬方法及び精錬装置が開発されている。
特開平10−110223号公報
上記特許文献1に開示されている精錬方法及び精錬装置は、複数のセグメントに分割された溶解るつぼと、その周囲に巻回された誘導コイルとを備えたコールドクルーシブル溶解炉を用いて金属精錬を行うので、耐火物るつぼを用いた場合のような溶解金属の汚染を有効に回避することができる。
しかしながら、気密容器内にコールドクルーシブル溶解炉を設置して、水素雰囲気中で金属を精錬する場合には、以下のような問題があった。
水素雰囲気中で溶解金属を凝固させると、溶解度の差から、金属中に溶存していた水素が凝固時に気泡となり、インゴットの上部に複数の気泡が残存したり、インゴットの上部の形状が気泡によって不定形になる。
また、精錬中に気密容器内の換気が不十分であると、精錬反応による生成水によって上昇した水の分圧がなかなか下がらないことにより脱酸の進行が遅くなるので、低酸素濃度まで脱酸するのに長時間の精錬が必要となる。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであって、その目的は、インゴットの上部に気泡が残存したり、上部形状に乱れが生ずることを防止することにある。
また、かかる気泡の残存や形状の乱れを防止するために用いる不活性ガスの使用量を必要最小限にとどめることを目的とする。
さらに、脱酸の進行を早めて、精錬に要する時間を短縮することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下のような手段を採用している。
請求項1に係る発明は、気密容器内に、複数のセグメントに分割された溶解るつぼとその周囲に巻回された誘導コイルとを備えてなるコールドクルーシブル溶解炉を設置し、該コールドクルーシブル溶解炉により金属精錬を行う精錬方法であって、
前記気密容器内を真空排気して水素ガスを導入した後、前記コールドクルーシブル溶解炉による金属の溶解を開始し、精錬終了後に、前記気密容器内を不活性ガスで換気した後、前記コールドクルーシブル溶解炉での溶解を終了することを特徴とする。
この構成では、溶解終了前(精錬終了後)に、不活性ガスによる換気によって気密容器内の水素分圧を下げることにより、溶解金属中の溶存水素を放出させることができる。
請求項2に係る発明は、気密容器内に、複数のセグメントに分割された溶解るつぼとその周囲に巻回された誘導コイルとを備えてなるコールドクルーシブル溶解炉を設置し、該コールドクルーシブル溶解炉により金属精錬を行う精錬方法であって、
前記気密容器内を真空排気して水素ガスまたは不活性ガスを導入した後、前記コールドクルーシブル溶解炉内に水素ガス吹き込みながら金属の溶解、精錬を行い、
精錬終了後に、前記コールドクルーシブル溶解炉内に不活性ガスを吹き込んでコールドクルーシブル溶解炉内を換気した後、前記コールドクルーシブル溶解炉での溶解を終了することを特徴とする。
この構成によれば、コールドクルーシブル溶解炉内に水素ガスを局所的かつ直接的に供給することができるので、精錬反応による生成水をコールドクルーシブル溶解炉内より迅速に排除することが可能となり、精錬反応により低下したコールドクルーシブル溶解炉内のPH2/PH2oを急速に回復させ、高く保つことができる。また、前記気密容器内を真空排気した後に水素ガスを導入する代わりに不活性ガスを導入してもよく、この場合は水素ガスの使用量を削減できる。同様に、コールドクルーシブル溶解炉内に不活性ガスを局所的かつ直接的に供給することができるので、コールドクルーシブル溶解炉内の水素分圧を迅速に下げ得て、溶解金属中の溶存水素の迅速な放出が可能となるとともに、気密容器内全体を換気する場合に比べ、不活性ガスの使用量を大幅に削減することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1記載又は請求項2記載の精錬方法において、
前記真空排気は、前記気密容器内の圧力が少なくとも0.1Pa(7.5×10ー4torr)となるまで行うことを特徴とする。
この構成によれば、気密容器内の残留ガスによる汚染はほぼ無視できるとともに、少なくとも鉄の精錬に必要なPH2/PH2o(PH2:水素分圧、PH2o:水の分圧)比を得ることができる。
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3記載の何れかに記載の精錬方法において、
前記水素ガスの導入は、前記気密容器内の圧力が少なくとも13.3kPa(100torr)となるまで行うことを特徴とする。
この構成によれば、気密容器内での放電の発生を有効に防止することができる。
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4の何れかに記載の精錬方法において、
前記金属の溶解中に、水素ガスを導入しつつ排気を行うことを特徴とする。
この構成によれば、精錬反応による生成水を気密容器内より排除し得て、精錬反応により低下した気密容器内におけるPH2/PH2oを徐々に回復することができる。
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5の何れかに記載の精錬方法において、
溶解金属の凝固終了後に、前記気密容器内を真空排気することを特徴とする。
この構成によれば、金属の種類によっては溶解終了後に、インゴット内の溶存水素が拡散によって溶解金属から放出されるので、インゴット内の残留ガス量を減らすことができる。
請求項7に係る発明は、複数のセグメントに分割された溶解るつぼとその周囲に巻回された誘導コイルとを備えたコールドクルーシブル溶解炉が、気密容器内に設置されてなる精錬装置であって、
前記気密容器内を排気する排気手段と、前記気密容器内に水素ガスを導入する水素ガス導入手段と、前記気密容器内に不活性ガスを導入する不活性ガス導入手段と、前記誘導コイルへの電力供給,前記排気手段,前記水素ガス導入手段,及び前記不活性ガス導入手段を制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
この構成においては、気密容器内を排気手段により真空排気した後、この真空排気された気密容器内に水素ガス導入手段により水素ガスを導入してから、コールドクルーシブル溶解炉による金属の溶解を開始し、気密容器内を不活性ガスで換気した後、コールドクルーシブル溶解炉での溶解を終了する、という一連の工程を実施することができるので、溶解終了前(精錬終了後)に気密容器内の水素分圧を下げ得て、溶解金属から溶存水素を放出させることができる。
請求項8に係る発明は、請求項7記載の精錬装置において、
前記水素ガス及び不活性ガスが、前記コールドクルーシブル溶解炉内にノズルを介して直接吹き込まれることを特徴とする。
この構成によれば、コールドクルーシブル溶解炉内に水素ガスを局所的かつ直接的に供給することができるので、精錬反応による生成水をコールドクルーシブル溶解炉内より迅速に排除することが可能となり、精錬反応により低下したコールドクルーシブル溶解炉内のPH2/PH2oを急速に回復させ、高く保つことができる。また、前記気密容器内を真空排気した後に水素ガスを導入する代わりに不活性ガスを導入してもよく、この場合は水素ガスの使用量を削減できる。同様に、コールドクルーシブル溶解炉内に不活性ガスを局所的かつ直接的に供給することができるので、コールドクルーシブル溶解炉内の水素分圧を迅速に下げ得て、溶解金属中の溶存水素の迅速な放出が可能となるとともに、気密容器内全体を換気する場合に比べ、不活性ガスの使用量を大幅に削減することができる。
請求項9に係る発明は、請求項8記載の精錬装置において、
前記ノズルは、前記コールドクルーシブル溶解炉の開口部側から挿脱可能とされていることを特徴とする。
この構成によれば、コールドクルーシブル溶解炉を傾動して出湯する際や、コールドクルーシブル溶解炉から該溶解炉内で凝固させたインゴットを取り出す際に、ノズルが邪魔になるようなことはない。
本発明の精錬方法及び精錬装置によれば、以下の効果を得ることができる。
溶解金属中の溶存水素を放出させることができるので、凝固時における気泡の発生を抑制し得て、インゴットの上部に気泡が残存したり、上部形状に乱れが生ずることを有効に防止することができ、歩留まりが向上する。また、かかる気泡の残存や形状の乱れを防止するために用いる不活性ガスの使用量を大幅に削減することができる。
さらに、精錬反応による生成水を迅速に排除することにより、精錬反応により低下したコールドクルーシブル溶解炉内のPH2/PH2oを急速に回復させ、高く保つことができるので、より低酸素濃度までの脱酸を迅速に進行させ得て、精錬に要する時間を短縮することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
図1及び図2には、本発明による精錬方法及び精錬装置の第1の実施の形態が示されている。
この精錬装置1は、気密容器2と、気密容器2内に設置されるコールドクルーシブル溶解炉20とを備えている。
気密容器2は、ステンレス鋼等から形成されるものであって、その内部に密閉された気密室3が形成されている。
気密容器2の側部には、気密室3の内外を連通する真空排気口4,水素ガス導入口5,及び不活性導入口6がそれぞれ独立して設けられ、真空排気口4に配管7を介して排気手段としての真空ポンプ(図示せず)が接続され、水素ガス導入口5に配管8を介して水素導入手段としての水素ガス供給源(図示せず)が接続され、不活性ガス導入口6に配管9を介して不活性ガス導入手段としての不活性ガス供給源(図示せず)が接続されている。
真空ポンプの作動により、配管7及び真空排気口4を介して気密容器2の気密室3内の真空排気が行われ、気密室3内が所定の真空度に調整される。また、水素ガス供給源の作動により、配管8及び水素ガス導入口5を介して気密容器2内の気密室3内に水素ガスが導入される。さらに、不活性ガス供給源の作動により、配管9及び不活性ガス導入口6を介して気密容器2内の気密室3内に不活性ガス(アルゴンガス等)が導入される。
これら真空ポンプ,水素ガス供給源,及び不活性ガス供給源の各作動制御は、図示せぬ制御手段により行われる。
コールドクルーシブル溶解炉20は、銅製のルツボ21と、ルツボ21の周囲に巻回される誘導コイル31と、誘導コイル31に電力を供給する電力供給源(図示せず)と、ルツボ21に冷却水を供給する冷却水供給源(図示せず)とを備えている。
ルツボ21は、図2に示すように、基台22と、基台22の上部にボルト24によって固定されるルツボ本体23と、ルツボ本体23と基台22との間に介装されて、それらの間を絶縁する絶縁体29とから構成されている。
ルツボ本体23は、その下端部において外方に張り出すフランジ26を有する横断面円弧板状のセグメント25を同心円上に所定の間隔ごとに並べて円筒状に形成すると共に、各フランジ26をボルト24によって基台22に固定したものであって、隣接するセグメント25,25間には垂直方向に延びる所定の幅のスリット27が形成され、各スリット27内には耐火材28が充填されている。
ルツボ本体23の各セグメント25の内部及び基台22の内部には一連の冷却水通路30が設けられ、この冷却水通路30に冷却水供給源から冷却水を供給することにより、ルツボ21全体が冷却される。
上記構成からなる精錬装置1においては、電力供給源から誘導コイル31に高周波電力を印加することにより、スリット27を介してルツボ21内に磁束が進入し、この磁束とルツボ21内に位置した金属35に流れる誘導電流との協働により、金属35が加熱され、溶解される。なお、誘導コイル31への電力供給制御は、上記制御手段により行われる。
以下、精錬装置1を用いて本発明の一実施の形態による精錬方法を実施する手順について説明する。
(1)真空排気工程
まず、真空ポンプを作動させ、配管7及び真空排気口4を介して気密容器2の気密室3内の真空排気を行う。気密室3内の圧力をどこまで下げる必要があるかは、溶解する金属の種類や目標とする純度によって異なるが、残留ガスによる汚染や精錬に必要なPH2/PH2o比が得られるかを考慮して決定される。圧力が0.1Pa以下であれば、残留ガスによる汚染はほぼ無視できるので、圧力は少なくとも0.1Pa以下が好ましい。
(2)水素ガス導入工程
次に、水素ガス供給源を作動させ、上記(1)の真空排気工程で所定の真空度(0.1Pa以下)に調整した気密容器2の気密室3内に配管8及び水素ガス導入口5を介して水素ガス導入する。水素ガスは、気密室3内の圧力が少なくとも13.3kPa以上となるまで行う。13.3kPa以下であると、放電が起こる領域に近づくからである。
(3)溶解工程
次に、冷却水供給源を作動させて、コールドクルーシブル溶解炉20のルツボ21に形成された冷却水通路30内に冷却水を供給し、ルツボ21を冷却しながら電力供給源から誘電コイル31に高周波電力を印加し、ルツボ21内に収容した金属35の加熱、溶解を開始する。
この金属35の溶解中、水素ガスを導入しつつ排気を行い、気密室3内の圧力を概ね一定に保持すれば、精錬反応による生成水を気密室3内より排除し得て、気密室3内におけるPH2/PH2o(PH2:水素分圧、PH2o:水の分圧)の低下を抑制できるので、脱酸を進行させることが可能となる。
また、コールドクルーシブル溶解炉20を用いて溶解を行う結果、ルツボ21に溶解金属35が接触せず、ルツボ21と溶解金属35とが反応することがないので、反応による不純物が溶解金属35中に混入しない。また、ルツボ21から放出されるガスの量が非常に少ないので、放出ガスによって溶解金属35が汚染されることもない。さらに、気密容器2の気密室3内に導入されている水素ガスにより溶解金属35の脱酸が行われ、溶解金属35が精錬され、溶解金属35の純度が高められる。
(4)換気工程
そして、金属35の精錬が終了した後に、気密容器2の気密室3内にアルゴンガス等の不活性ガスの導入、排気を行うことにより気密室3内の換気を行う。この換気操作により、溶解終了前(精錬終了後)に気密容器2内の水素分圧が下がり、溶解金属中の溶存水素を放出させることができる。その結果、凝固時における気泡の発生が抑制され、インゴットの上部に気泡が残存したり、上部形状に乱れが生ずることを有効に防止することができ、歩留まりが向上する。
なお、換気は不活性ガスを導入しつつ排気を行うことによって行ってもよい。
このような換気操作は、必要に応じて複数回繰り返してもよい。
また、このような換気操作による排気は、気密室3内の圧力が13.3kPaになるまでとする。それ以下になると、気密室3内が放電を起こす領域に近づくからである。
次に、上記(1)〜(4)の工程を経た後に、コールドクルーシブル溶解炉20のルツボ21への電力供給を停止し、真空ポンプを作動させて真空排気口4及び配管7を介して気密容器2の気密室3内の真空排気を行う。
この真空排気により、金属の種類によっては凝固金属(インゴット)内に溶け込んでいる残留水素が拡散により外部に放出され、凝固金属の残留水素の量を少なくすることができる。
図3には、本発明による精錬方法及び精錬装置の第2の実施の形態が示されている。
この精錬装置1は、コールドクルーシブル溶解炉20のルツボ21内に、水素ガス又は不活性ガスを直接吹き込むことができるように構成したものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
この実施の形態に示す精錬装置1は、コールドクルーシブル溶解炉20のルツボ21の上方位置に、気密室3の内外を連通するガス導入口10を設け、このガス導入口10にガス供給ノズル11を上下方向に移動可能に挿着し、ガス供給ノズル11の先端部をルツボ21内に挿入可能、かつルツボ21内から退避可能に構成したものである。
つまり、ガス供給ノズル11がコールドクルーシブル溶解炉20の開口部側から挿脱可能とされる結果、コールドクルーシブル溶解炉20を傾動して出湯する際や、コールドクルーシブル溶解炉20から該溶解炉20内で凝固させたインゴットを取り出す際には、ガス供給ノズル11が邪魔になるようなことがない。
ガス供給ノズル11は、配管(図示せず)とバルブ(図示せず)を介して水素ガス供給源(図示せず)及び不活性ガス供給源(図示せず)に接続されている。そして、水素ガス供給源からバルブ及び配管を介してガス供給ノズル11に水素ガスが供給され、不活性ガス供給源からバルブ及び配管を介してガス供給ノズル11に不活性ガスが供給される。
ガス供給ノズル11は、ルツボ21内の誘導加熱を受ける場合は、必要に応じてアルミナ等の非金属耐火物から形成される。
また、ルツボ21の開口部側からのガスの巻き込みを防止するため、必要に応じてノズル11の先端側に、ルツボ開口端の開口面積を減少させる例えば円板を設けてもよい。この円板は、ガラス,アルミナ等の非金属耐火物より形成される。
なお、図示はしないが、ルツボ21の上方の気密容器2の部分に気密室3の内外を連通する2つのガス導入口を設け、一方のガス導入口に水素ガス用のガス供給ノズルを上下方向に移動可能に挿着し、他方のガス導入口に不活性ガス用のガス供給ノズルを上下方向に移動可能に挿着し、水素ガス用のガス供給ノズルからルツボ21内に水素ガスを供給し、不活性ガス供給用のガス供給ノズルからルツボ21内に不活性ガスを供給するように構成しても良い。
この実施の形態によれば、上記第1の実施の形態の効果に加え、上記(2)の水素導入工程においては、水素の代わりに不活性ガスを導入してもよく、この場合には水素の使用量を削減でき、また、上記(3)の溶解工程においては、ルツボ21内に水素ガスを局所的かつ直接的に供給することにより、精錬反応による生成水を迅速に排除し得るため、PH2/PH2oを高い値に保持できる結果、低酸素濃度まで脱酸を迅速に進行させることが可能となり、また、上記(4)の換気工程においては、ルツボ21内に不活性ガスを局所的かつ直接的に供給することができるので、溶解金属中の溶存水素の迅速な放出が可能になると共に、その際の不活性ガスの使用量を大幅に削減することができる。
図4には、本発明による精錬方法及び精錬装置の第3の実施の形態が示されている。
この精錬装置1は、コールドクルーシブル溶解炉20のルツボ21の底部に、ルツボ21の内外を貫通する複数のガス吹出し孔32を設け、このガス吹出し孔32を気密容器2内外を連通するガス導入口10に接続し、ガス導入口11を配管(図示せず)及びバルブ(図示せず)を介して水素ガス供給源(図示せず)及び不活性ガス供給源(図示せず)に接続したものである。
このような構成によっても、上記第2の実施形態と同様を効果を得ることができる。
なお、図示はしないが、気密容器2に2つのガス導入口を設け、一方のガス導入口を水素ガス用の配管を介して水素ガス供給源に接続し、他方のガス導入口を不活性ガス用の配管を介して不活性ガス供給源を接続するように構成しても良い。
本発明の精錬方法及び精錬装置の第1の実施の形態を示した概略図である。 図1の部分拡大図(一部破断)である。 本発明の精錬方法及び精錬装置の第2の実施の形態を示した概略図である。 本発明の精錬方法及び精錬装置の第3の実施の形態を示した概略図である。
符号の説明
1 精錬装置
2 気密容器
4 真空排気口
5 水素ガス導入口
6 不活性ガス導入口
11 ガス供給ノズル
20 コールドクルーシブル溶解炉
21 ルツボ
25 セグメント
31 誘導コイル
35 金属

Claims (9)

  1. 気密容器内に、複数のセグメントに分割された溶解るつぼとその周囲に巻回された誘導コイルとを備えてなるコールドクルーシブル溶解炉を設置し、該コールドクルーシブル溶解炉により金属精錬を行う精錬方法であって、
    前記気密容器内を真空排気して水素ガスを導入した後、前記コールドクルーシブル溶解炉による金属の溶解を開始し、
    精錬終了後に、前記気密容器内を不活性ガスで換気した後、前記コールドクルーシブル溶解炉での溶解を終了することを特徴とする精錬方法。
  2. 気密容器内に、複数のセグメントに分割された溶解るつぼとその周囲に巻回された誘導コイルとを備えてなるコールドクルーシブル溶解炉を設置し、該コールドクルーシブル溶解炉により金属精錬を行う精錬方法であって、
    前記気密容器内を真空排気して水素ガスまたは不活性ガスを導入した後、前記コールドクルーシブル溶解炉内に水素ガス吹き込みながら金属の溶解、精錬を行い、
    精錬終了後に、前記コールドクルーシブル溶解炉内に不活性ガスを吹き込んでコールドクルーシブル溶解炉内を換気した後、前記コールドクルーシブル溶解炉での溶解を終了することを特徴とする精錬方法。
  3. 前記真空排気は、前記気密容器内の圧力が少なくとも0.1Paとなるまで行うことを特徴とする請求項1記載又は請求項2記載の精錬方法。
  4. 前記水素ガスの導入は、前記気密容器内の圧力が少なくとも13.3kPaとなるまで行うことを特徴とする請求項1から請求項3記載の何れかに記載の精錬方法。
  5. 前記金属の溶解中に、水素ガスを導入しつつ排気を行うことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の精錬方法。
  6. 溶解金属の凝固終了後に、前記気密容器内を真空排気することを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の精錬方法。
  7. 複数のセグメントに分割された溶解るつぼとその周囲に巻回された誘導コイルとを備えたコールドクルーシブル溶解炉が、気密容器内に設置されてなる精錬装置であって、
    前記気密容器内を排気する排気手段と、
    前記気密容器内に水素ガスを導入する水素ガス導入手段と、
    前記気密容器内に不活性ガスを導入する不活性ガス導入手段と、
    前記誘導コイルへの電力供給,前記排気手段,前記水素ガス導入手段,及び前記不活性ガス導入手段を制御する制御手段を備えたことを特徴とする精錬装置。
  8. 前記水素ガス及び不活性ガスが、前記コールドクルーシブル溶解炉内にノズルを介して直接吹き込まれることを特徴とする請求項7記載の精錬装置。
  9. 前記ノズルは、前記コールドクルーシブル溶解炉の開口部側から挿脱可能とされていることを特徴とする請求項8記載の精錬装置。
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