JP2005342192A - 光触媒装置および光触媒装置の製造方法 - Google Patents

光触媒装置および光触媒装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】主に日が当たらない場所、日光における紫外線の照射が不十分な雨天・曇り空や夜間において、これらの室内空間などに浮遊する不要・有害な有機物を分解処理することができる光触媒装置を提供する。
【解決手段】保持部材1に取り付けられた基体4と、この基体4へ付着させた光触媒組成物11からなる光触媒層5とを有する清浄部材2へ、光源3からの光を照射して室内の空気を清浄する光触媒装置Aであって、光触媒層5は、基体面において光触媒組成物を該光触媒層5面より突出させて付着させてあり、光源は発光ダイオードであり、該発光ダイオードの放射光を拡散光に変換させる拡散反射手段17を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自然光や人工光の光源がない又は不十分な場所で、空間に浮遊する不要・有害な有機物を内蔵した人工光で光触媒を励起して分解処理する光触媒装置および光触媒装置の製造方法に関する。
従来、室内などの空気中に浮遊する汚染物質を、酸化チタン光触媒作用を利用して除去する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−126055号公報
このものは、酸化チタン光触媒を塗布した不織布シートを加工したフィルター
を平面に縦横に複数の紫外線発光ダイオードを配して前記フィルターに紫外線を照射している。
特開2000−189803号公報
このものは、室内の照明装置で、照明装置の透明なカバー基体の外側表面に光触媒層が形成されて、紫外線を照射する照明光源によって光触媒が励起されて光触媒効果を出すものである。
特開2000−217844号公報
なお、ここで使用されている発光ダイオードにはレンズを有した個別のランプ素子(砲弾型素子)が使用されているのは光の収束性がよく投光面にレンズ作用がなくても効果的に光を収束する傾向があるので、指向角と光軸近傍での紫外線の直進性が強く、更に光の収束性をよくするために投光面にレンズ作用を持たせる構造になっている。
特開2000−189803号公報の光触媒構造体は、紫外線や可視光線に対して透明度のある基体の表面に光触媒が固着されて、基体の裏側から紫外線の光源としてブラックライトのようなランプの光源で近接照射されているが、ランプの代わりに紫外線の発光ダイオードを使用したとき、例えば、特開2000−217844号公報から分かるように光軸近傍で光の直進性がある砲弾型発光ダイオード(ランプ素子)又は指向角が小さいチップ型発光ダイオードで光触媒構造体を近距離で照射させると、発光ダイオードの照射光は基体の狭い範囲を照射通過するために、隣接する発光ダイオードにより基体を照射する際に、基体表面に固着された光触媒に対して隣接する発光ダイオードの照射光が交わらない死角が生じたり、基体を狭い領域で紫外線の多くが通過するために紫外線の利用率が低く、これを回避して基体の表面にある光触媒に満遍なく光が当たるためには多くの数の発光ダイオードを密に配置する必要があるので消費電力やコストの課題や基体に対する紫外線の利用効率を上げる必要がある。
そこで、紫外線発光ダイオードの特質を考慮すると、特開2002−126055号公報の紫外線発光ダイオードは平面に配置された紫外線LED光源においても紫外線を照射する対象物によって光源への工夫が望まれる。
本発明は、前記した問題点を解決するためにされたもので、保持部材に取り付けられた基体と、この基体へ付着させた光触媒組成物からなる光触媒層とを有する清浄部材へ、光源からの光を照射して室内の空気を清浄する光触媒装置であって、光触媒層は、基体面において光触媒組成物を該基体面より突出させて付着させてあり、光源は発光ダイオードであり、該発光ダイオードの放射光を拡散光に変換させる拡散反射手段を設けることにより、主に日が当たらない場所、日光における紫外線の照射が不十分な雨天・曇り空や夜間において、これらの室内空間などに浮遊する不要・有害な有機物を分解処理することができる光触媒装置および光触媒装置の製造方法を提供することを目的としている。
前記した目的を達成するための本発明は、
保持部材に取り付けられた基体と、この基体へ付着させた光触媒組成物からなる光触媒層とを有する清浄部材へ、光源からの光を照射して室内の空気を清浄する光触媒装置であって、
この光触媒装置を、前記室内における内壁へ前記室内に向かって、前記清浄部材における光触媒層が対応するように取り付けてなり、
前記室内における内壁は、天井か側壁かのいずれかである光触媒装置の構成にある。
室内の側面における上部または下部に設けた保持部材と、この保持部材へ前記室内の側面と平行するように横架させた巻取軸と、この巻取軸へ繰り出しと巻き取りとが自在となるように設けた膜状の基体と、この基体へ付着させた光触媒組成物からなる光触媒層とを備えさせ、
この基体の光触媒層へ光を照射させる光源は、室内外部から照射される自然光か、室内側に設けた人工光かのいずれかである光触媒装置の構成にある。
室内における窓部に設けた保持部材と、この保持部材へ前記窓部と平行するように設けた前記窓部と略同形に形成させた平板状の基体と、この基体へ付着させた光触媒組成物からなる光触媒層とを備えさせ、
この基体の光触媒層へ光を照射させる光源は、室内外部から照射される自然光か、室内側に設けた人工光かのいずれかである光触媒装置の構成にある。
保持部材に取り付けられた基体と、この基体へ付着させた光触媒組成物からなる光触媒層とを有する清浄部材へ、光源からの光を照射して室内の空気を清浄する光触媒装置であって、
前記光触媒層は、前記基体面において前記光触媒組成物を前記光触媒層面より突出させた露出状態で付着させてあり、
前記光源は発光ダイオードであり、該発光ダイオードの放射光を拡散光に変換させる拡散反射手段を設けた光触媒装置の構成にある。
保持部材に取り付けられた基体と、この基体へ付着させた光触媒組成物からなる光触媒層とを有する清浄部材へ、光源からの光を照射して室内の空気を清浄する光触媒装置であって、
前記光触媒層は、前記基体面において前記光触媒組成物を前記光触媒層面より突出させた露出状態で付着させてあり、
前記光源の拡散光を前記基体へ導光させる導光手段を設けた光触媒装置の構成にある。
請求項1記載にあって、清浄部材における光触媒層の室内対応面積は、室内の天井面積1に対して、前記室内対応面積が0.1以上となるように設ける。
そして、
保持部材に取り付けられた基体と、この基体へ付着させた光触媒組成物からなる光触媒層とを有する清浄部材へ、光源からの光を照射して室内の空気を清浄する光触媒装置の製造方法であって、
前記光触媒層は、前記基体面へ光触媒下地剤を塗布して光触媒下地剤層を形成させ、該光触媒下地剤層が生乾き状態において、該光触媒下地剤層へ前記光触媒組成物を施して形成させてなり、
前記光触媒組成物は、前記基体面において前記光触媒層面より突出させた露出状態で付着させた光触媒装置の製造方法にある。
自然光や人工光の光源がない又は不十分な場所で、空間に浮遊する不要・有害な有機物を内蔵した人工光で光触媒を励起して分解処理することができる。
基体面において光触媒組成物を光触媒層面より突出させた露出状態で付着しているので、光源によって照射された光を受けて、光触媒組成物が効率よく光触媒作用を発揮することができる。
また、指向角が狭く、直進性の強い発光ダイオードから照射する光を拡散させて光触媒層を照射することでより均一な光を照射することができる。
ブラックライトのような拡散光源の拡散光を基体内に採光して入射させ、拡散光の入射を促すことができる。
普段使用されない天井面あるいは壁面を有効に利用することができ、室内の全体に対して効率よく光触媒作用を発揮することができる。
光触媒層を設けた基体を繰り出し・巻き取り自在に設けることで、室内における窓部や壁部に簡単に設置することができて、昼夜共に光触媒作用を発揮することができる。
次に、本発明に関する光触媒装置および光触媒装置の製造方法の実施の一例を図面に基づいて説明する。
図1〜図2及び図7〜図19,図25においてAは光触媒装置で、人工の紫外線(可視光線でも構わない)の照射により、付着させた光触媒組成物の光触媒作用を発揮して、室内などの空気中に浮遊している健康に好ましくない有機物質(例えば、アセトアルデヒドやアンモニア等、窒素酸化物、塩素化合物等)や臭気などを酸化し、分解・除去するものである。
そして、この光触媒装置Aの基本的な実施例は、保持部材1と、この保持部材1に取り付けられた清浄部材2と、保持部材1に取り付けられて清浄部材2へ光を、特には紫外線を照射する光源3とを有する。
前記した清浄部材2は、後記する光源3の光を受け入れる導光体となる基体4,40と、この基体4,40へ付着させた光触媒組成物からなる光触媒層5,50とからなる。
このうち、基体4は、空気や光線が透過可能な多孔質状のものが用いられるもので、スポンジ状等のフィルター状に成形されるものであり、可撓性を有する場合もある。
このフィルター状のものは、ポリエステルやナイロン,アクリル,アセテート等の合成樹脂製繊維や天然繊維あるいはこれらの組み合わせからなる不織布が適当である。
また、基体40は、所定厚の板ガラスや紫外線透過性が良好な合成樹脂などの平板状に形成された適宜なものが利用できる。
光触媒層の形成にあっては、フィルター状の基体4に設けられる光触媒層5は、後記する光触媒組成物11を含むコーティング溶液中への浸漬塗布法が好ましいが、コーティング溶液を、刷毛,ロールによる塗布法や噴霧塗布法の適宜な方法であっても構わない。
前記浸漬塗布法の場合には、フィルター状の基体4の内面および表面へ万遍なく行き渡るものであるが、光触媒作用を有効的に働かせる必要性から、下記する方法によって形成されるもので、該光触媒層5は、基体4面において光触媒組成物11を光触媒層5面より突出させた露出状態で付着させるものである。
すなわち、このフィルター状の基体4および平板状の基体40へ形成させる光触媒層5,50は、その第一の例は、図3−1,図5に示すように、後記する光触媒組成物11を含むコーティング溶液を、刷毛,ロールによる塗布法や噴霧塗布法,浸漬塗布法の適宜な方法により、基体4,40の表面および/または内部へできるだけ均一に担持させた後、その光触媒層5,50を適宜な拭き取り手段15によって拭き取ることで形成される。
したがって、前記第一の例により形成されたこれら光触媒層5,50は、図3−1(b),図5(b)に示すように、後記する光触媒組成物11が該光触媒層5,50の表面よりその一部または全部が突出(露出)した状態に基体4,40へ固着される。
そして、その第一の例による詳細な光触媒層5,50の形成に際しては、後記する光触媒組成物11の超微粒子溶液と、バインダ剤12と、油成分を含有するバインダ補助剤13とを混合して液状の光触媒塗布剤を得て、この光触媒塗布剤を基体4,40の表面へ、図3−1(a)(平板状の基体40のみを示すがフィルター状の基体4であっても同様に作用される。)に示すように、塗布して薄く引き延ばした光触媒層5,50を基体4,40の表面に形成させ、この光触媒層50の最外層に位置したバインダ剤12とバインダ補助剤13との層を、図3−1(b)に示すように、該バインダ剤12とバインダ補助剤13との層を適宜な拭き取り手段15によって拭き取ることで除去して、光触媒組成物11を光触媒層5,50の最外層表面より突出(露出)させるものである。
特に、この拭き取り手段15による場合は、平板状の基体40に施された光触媒層50に対して有効で、すなわち、図3−1(a)および図3−2(a)に示すように、光触媒組成物11が基体40の表面へ万遍なく施された状態から、図3−1(b)および図3−2(b)に示すように、光触媒組成物11間がまばらで隙間fを生じた状態に、基体40の表面上において光触媒組成物11を配設することができる。
これにより、光触媒層50とは反対側の基体40の裏面より光を照射させた場合、光触媒組成物11に光がぶつかり、該光触媒組成物11によって該光の透過を妨げられることが可及的減少させることができ、この隙間fより通過した光が光触媒層50において突出(露出)状態にある光触媒組成物11へ確実に照射させることができ、有効的な光触媒作用を行うことができる。
また、光触媒層50(フィルター状の基板4による光触媒層5であっても同様に作用する。)の形成の第二の例にあっては、図6に示すように、後記する光触媒組成物11とコーティング剤,溶液とからなる光触媒下地剤gによるもので、図6(a)に示すように、この光触媒下地剤gによって形成された該光触媒下地剤g層が生乾きの状態において、該光触媒下地剤g層へ光触媒組成物11を塗布または散布することで、図6(b)に示すように、光触媒層50が形成され、かつ、光触媒組成物11を光触媒層50の最外層表面より突出させるものである。
この場合は、図6(b)に示すように、光触媒層50における光触媒組成物11は基体40面へ隙間を生ずることなく万遍なく施されるため、光触媒層50とは反対側の基体40の裏面よりの光照射には向いてはおらず、もっぱら、光触媒層50面側からの光の照射が行える使用例に限られる。
前記した光触媒組成物11は、酸化チタン、二酸化チタン、またはゾルゲル型チタン化合物、あるいは、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化銅、酸化銀、
酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化ゲルマニウム、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化クロム、酸化マンガン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化アンチモン、チタン酸ストロンチウム等の金属酸化物が挙げられるが、二酸化チタンが好ましく、アナターゼ型二酸化チタン結晶、ルチル型二酸化チタン結晶又はそれらの混合物、あるいは、ゾルゲル型チタン化合物が好ましい。
更に、この光触媒組成物11の表面に、図4に示すように、金属または金属化合物11aを添加することができるもので、この金属または金属化合物11aは、例えば、金、銀、銅、白金、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、亜鉛などが挙げられるもので、このうち、白金が最も好ましい。
そして、該光触媒組成物11の粒子表面に対して、前記金属または金属化合物11aの少なくとも一種が物理的または化学的に固定化されるものである。
光触媒組成物11の粒子表面に前記金属11aなどが担持されることにより、光触媒組成物11による電荷分離が促進されて、光触媒特性がより大きくなる。
また、前記金属11aなどの固定化方法としては、イオンドーピング法や光還元法等があるが、該手段にあっては特に限定されない。
そして、前記金属または金属化合物11aの少なくとも一種が該光触媒組成物11の粒子表面に対して物理的または化学的に固定化されるもと二酸化チタン単体を光触媒組成物11として取り扱う。
光触媒組成物11である二酸化チタンは微粉末に形成されていて、その粒径は特に限定されないが、有機溶剤に溶解しやすい程度の6nm〜10nmの粒径であればよい。粒径が10nm以上であると、後記するバインダ剤12の溶液に溶け込みにくいと共に、塗布後の基体40の表面が白濁化されて透明性が大きく低下するという不都合を生ずるものである。
光触媒組成物11を含有する有機溶剤の溶液中に含まれる光触媒組成物11の濃度は、前記光触媒塗布剤の全体量に対して、0.1重量%から30重量%とすることが望ましい。光触媒組成物11の濃度が0・1重量%未満であると、光触媒による効果、すなわち、汚染物質の分解が弱くなり、好ましくない。
光触媒組成物の超微粒子溶液は、エチルアルコール、イソプロピレンアルコール、プチルアルコールなどの有機溶剤を30〜60%、硫酸・硝酸を1%以下を含む溶液に、アナターゼ又はルチン型チタンアルコキシド結晶を1〜30%になるように混合して調製する二酸化チタンを含む酸性懸濁液である。
前記金属11aなどの固定化量は、光触媒組成物11の全体量に対して、1重量%〜30重量%であることが好ましい。
また、光触媒組成物11の前記した配合比率にあって、0.1重量%未満であると、有害物質(有機化合物)が還元酸化されず、充分な光触媒作用を発揮することができないものであり、30重量%以上であると、基体40の表面の透明性が得られないという不都合を生ずるものである。
なお、光触媒組成物11は、そのPH(酸性かアルカリ性かを表示する単位)を、慣用の界面活性剤の添加により5〜8の値に調製して、弱酸性か弱アルカリ性に維持させることによって、酸化されにくく、後記するバインダ補助剤13に添加した油性成分の品質劣化が避けられる。
この調製にあって該PH値が、5未満であると、酸が強すぎて後記する油性成分が変質してまい、8以上であると、特には、10以上であると、油性成分の品質維持が保てない。
前記したバインダ剤12は、光触媒組成物11を担持するためのバインダ作用をなすもので、例えば、シリコン系樹脂やアクリル系樹脂,フッ素系樹脂,エポキシ系樹脂など適宜な組成物あるいは天然糊などが使用され、水やエチルアルコールなどの希釈液によって流動性が良好となる所定濃度の溶液状に形成される。
その配合比率は、例えば、光触媒塗布剤の全体量に対して、0.1重量%〜20重量%に調製されるもので、希釈する場合、該希釈液:バインダ液2との配合は、70重量%〜99.9重量%:30重量%〜0.1重量%程度の配合量とすることが好ましい。
前記したバインダ補助剤13は、光触媒組成物11を基体40の表面(塗布対象物)に対して、出来る限り薄く塗布させるためのものである。
このバインダ補助剤13は、油成分を有するものであって、この油成分は、例えば、天植物由来のワックスやミネラルスピリット系溶剤,植物油などと、慣用の界面活性剤とで構成される。
油成分として、このうち、天植物由来のワックスとしては、例えば、カルナバロウ、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、オウリキュリロウ、サトウキビロウ、ホホバロウ、油糧種子ロウ、モクロウ、ウルシロウ、蜜蝋などがあり、少なくともこの群からの一種類を選べばよい。
これら油成分は、撥水性を発揮し、塗布表面に艶が出て、合成樹脂を相溶する特性がある。
また、良好な塗膜物性を有し、耐アルカリ性、耐候性、速乾性を併せ持ち、かつ、スプレー、刷毛、ローラー等通常補修の際に用いられる塗装方法での塗装作業性が良好で、しかも、毒性の少ないミネラルスピリット系溶剤をバインダ補助剤13の成分として使用する。
前記したバインダ補助剤13におけるミネラルスピリットは、例えば、ミネラルターペン、ホワイトスピリット、ミネラルシンナー、ペトロリウムスピリットなどがあり、少なくともこの群からの一種類を選べばよい。
更に、前記したバインダ補助剤13における植物油は、不乾性油の性質があり、酸化・変質のしにくい植物油が望ましい。すなわち、薄くよく延びる役割を発揮する素材であれば任意のものが選定し得るもので、例えば、椿油、オリーブ油、ゴマ油、大豆油、サフラワー油、菜種油または月見草油などであり、少なくともこの群からの一種類を選べばよい。
また、この光触媒塗布剤には、必要に応じて、前記した植物油やワックス類の酸化に起因する変色などを防止する目的で、酸化防止剤を添加することがあるもので、例えば、チルヒドロキシトルエン、トコフェロール、フィチン酸等が用いられる。その他に、フェノール性物質、芳香族アミン、フェノチアジン、ジチオホスフェート、ジチオカルバメート、スルフィド、硫化オレフィンなども使用できる。
更に、植物油の酸化防止に対しては、L−アスコルビン酸脂肪酸エステルが、L−アスコルビン酸パルミチン酸エステル及び/又はL−アスコルビン酸ステアリン酸エステルなどが有効である。
また、食品添加物の酸化防止剤として、L‐アスコルビン酸、L‐アスコルビン酸ナトリウム(ビタミンC)、エチレンジアミン四酢酸CA二Na、エチレンジアミン四酢酸二Na、エルソルビン酸、エルソルビン酸ナトリウム、グアヤク脂、クエン酸イソプロピル、ノルジヒドログアヤレチック酸、没食子酸プロピル、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、dl-α‐トコフェロール(ビタミンE) 、ブチルヒデロキシアニソール(BHA)、ローズマリー抽出物質、エトキシキンなどと、食品添加物の防腐剤として、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デビドロ酢酸ナトリウム 、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル 、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウムなどの利用してもよい。
これらの酸化防止剤の中から少なくとも一種類のものを添加してもよい。
なお、図5に示すように、前記した研磨剤16を添加させる場合もあるもので、基体40へ塗布された表層部を拭き取り手段15により拭き取る際に、該表層部に位置するバインダ剤12とバインダ補助剤13とをこの研磨剤16によって掻き取る作用をなすものであって、円滑なこの表層部の除去が行われる。
この例にあっても、前述したように、この拭き取り手段15によって、平板状の基体40に施された光触媒層50に対して、図5(a)および図3−2(a)に示すように、光触媒組成物11が基体40の表面へ万遍なく施された状態から、図5(b)および図3−2(b)に示すように、光触媒組成物11間がまばらで隙間fを生じた状態に、基体40の表面上において光触媒組成物11を配設することができる。
そして、前記した研磨剤16は、シリカやセラミック等の素材により0.1ミクロン〜0.5ミクロン粒子に形成してあって、光触媒塗布剤へ添加して混合させる。
該研磨剤16の粒子が、0.1ミクロン未満であると、光触媒層50の拭き取りに際して光触媒組成物11およびバインダ剤12が共に拭き取られて除去される不都合を生じ、0.5ミクロン以上であると、光触媒層50全体がこの研磨剤16により除去されてしまう不都合を生ずる。
この研磨剤16の混合にあっては、バインダ剤12やバインダ補助剤13等へ添加させた後混合させてもよく、その配合比率にあっては、10重量%〜50重量%を配合混合させる。
研磨剤16の添加量が、10重量%未満であると、光触媒塗布剤が基体40面への塗布前に固化が進行してその塗布工程に不都合を来たし、50重量%以上であると、水溶化されすぎて、塗布手段による塗布がしにくい。
なお、前記した光触媒組成物11およびバインダ剤12,バインダ補助剤13,研磨剤16は、例えば、適宜な容器内において一度に添加して、エチルアルコールや水などの希釈液で所定濃度に希釈し、溶液化させることができるもので、それぞれの配合比率は、前記第一実施例および本実施の形態に示した配合範囲内において任意に選定し得る。
この光触媒塗布剤を用いての基体40へ光触媒層50を形成する好ましい方法(第一実施例方法)を詳述すれば、例えば、以下の例が挙げられる。
光触媒塗布剤の一配合例(この配合比率には限定されない。)
・光触媒組成物11………5重量%
・バインダ剤12 ………5重量%
・バインダ補助剤13…65重量%
・研磨剤16 ……25重量%をそれぞれ添加して、万遍なく撹拌混合して、液状の光触媒塗布剤を得る。
あらかじめ、この光触媒塗布剤の塗布の対象となる室内における窓ガラス等の基体40に対して、該基体40表面(塗布面)の汚れを、特にガラス表面の油分を、汚れ除去剤(例えば、その成分が、エチルアルコールや界面活性剤,トコフェロール,イオン交換水,Lアスコルピンサン,クエン酸等が含有する液状の洗浄剤)を散布して、ウエスなどにより充分に取り除いておく。
前記工程において作成された光触媒塗布剤を、図5(a)に示すように、基体40の表面へ適量(例えば、1m2当たり4cc程度)を付け、スクィジーなどの塗布手段(図示せず)により薄く引き延ばすように表面全体へ万遍なく塗布して光触媒層50を形成させる。
このとき、光触媒塗布剤に混入されたバインダ補助剤13が、光触媒層50におけるバインダ剤12自体を薄層にさせ、更に、光触媒層50を薄く形成させる作用をなす。
次に、該光触媒層50が乾燥していない状態まだ湿った状態が残存しているとき)において、この基体40の表面に塗布された光触媒塗布剤の光触媒層50に対して、図5(b)に示すように、拭き取り手段15により、例えば、バルキー繊維等のクロス布により拭き取りを行うと、該光触媒塗布剤における光触媒層50の表層部は、そのバインダ剤12とバインダ補助剤13と研磨剤16との混合層が取り除かれる。
特に、光触媒塗布剤内に研磨剤16が混入されているので、前記表層部を拭き取る際に、該表層部に位置するバインダ剤12とバインダ補助剤13とをこの研磨剤16によって掻き取る作用をなして、円滑なこの表層部の除去が行われる。
更に、スポンジなどの第一仕上げ手段(図示せず)により、この表層部が取り除かれた光触媒塗布剤における光触媒層50を拭き取ると、バインダ補助剤13に含まれていた油成分も取り除かれ、光触媒塗布剤の表層部には、粒子状となっている光触媒組成物11が該基体面より突出する。
必要に応じて、若干水分を有するウエスやタオル(好ましくは約40℃の湯を湿らせる、あるいは、タオルの長さ方向1/3部分に水を付け、残りの長さ方向2/3部分の渇いた部分にて前記濡らした部分を挟み付けて、この渇いた部分を両面の表部としたもの)などの第二仕上げ手段(図示せず)により、前記表層部が取り除かれた光触媒塗布剤における光触媒層50を拭き残しのないように拭き取る。
この工程により、基体40の表面には、バインダ剤12により担持された光触媒組成物11が現れた状態となるので、人工光例えば紫外線のブラックライトなどがこの光触媒組成物11に当たると光触媒作用を発揮し、例えば、この基体40における近傍の空気中に浮遊するアルデヒドやアンモニア,アミン,メルカプタン等の悪臭や有害成分、更には環境汚染物質成分を吸着し分解して取り除く。
更に、光触媒組成物11の中で二酸化チタンは、白色の微粉末物質であるが、本発明実施例の方法によれば光触媒塗布剤を紫外線を透過する部材で構成される例えばガラスや樹脂などの基体40の表面へできるだけ薄く塗布できるので、塗布された面の透明度が保たれる。
特に、基体の下部から紫外線を照射するので、光触媒塗布剤が基体40の表面に塗布された状態で紫外線に対する透明性は欠かせない条件であるため、本実施例は極めて有効な手段である。
また、光触媒層50を基体4,40へ形成する例(第二実施例方法)にあっては、前記同様構成による光触媒組成物11を用いる。
すなわち、光触媒組成物11とコーティング剤,溶液とからなる光触媒下地剤gによるもので、図6(a)に示すように、この光触媒下地剤gによって形成された該光触媒下地剤g層が生乾きの状態において、図6(b)に示すように、該光触媒下地剤g層へ光触媒組成物11を塗布または散布することで光触媒層50が形成され、かつ、光触媒組成物11を光触媒層5の最外層表面に該基体面より突出させるものである。
前記したコーティング剤は、オルガノシラン混合物で、成分は、例えば、アルコシキシラン、アルコシキシロキサンに純水とエチルアルコールを加えて攪拌し、触媒としてリン酸、塩酸、硫酸、硝酸などから1種類を加えて攪拌し、加水分解させた後、例えば、イソプロピロアルコール、エタノールなどの溶剤で、70重量%〜99.9重量%:30重量%〜0.1重量%に希釈し、そして、密閉して保存し、これを光触媒部材に噴射して使用する。
そして、基体4,40へ塗布した生乾き光触媒下地剤g上に、光触媒組成物11が該基体面より突出して常温で固着する方法として、光触媒下地剤gの有機水素ケイ素の混合物(オルガノシラン混合物)を基体4,40の表面に塗布するにあって、紫外線透過部材の基体4,40の表面に光触媒組成物11が該基体面より突出して固着するために、光触媒下地剤gが生乾きの状態で出来る限り乾燥する直前を見計らって、この光触媒下地剤g上に光触媒組成物11を塗布又は散布した後、自然又は強制乾燥などで乾燥させ、有機溶剤を蒸発させることで、光触媒組成物11を光触媒下地剤g上に固着させることができる。
なお、基体4,40へ光触媒組成物11が該基体面より突出して固着される塗布作業を常温で操作して行うことにより、この作業工程中に余分な熱源を必要とせず、光触媒下地剤gに有機材料を含有させることができる。
前記方法により、光触媒組成物11が光触媒下地剤g上に該基体面より突出する状態を作り出し、光触媒の働きを活性させる。
しかし、基体40の表面に施された光触媒層50は、図6(b)に示すように、光触媒組成物11が万遍なく設けられるため、下方から紫外線等の光を照射しても、光触媒組成物11によって透過が邪魔されるため、すなわち、光が基体40内から抜けないから、光触媒層50側から光を照射させる光源3配置が必要である。
更に、この基体40が合成樹脂の場合にはチョーキング現象への対応になる。もちろん、対象物の表面に塗布又は固着した場合に、塗布面の上部から紫外線を当てる場合は、対象物は必ずしも紫外線透過部材でなくてもよい。
なお、基体4,40への光触媒組成物11の担持方法にあっては、
(a)前記光触媒下地剤gを基体4,40に吹き付け、乾燥させるにあって、生乾きの状態で光触媒下地剤gの上に上塗りするために光触媒組成物11のエタノールゲル溶液を吹き付けて、乾燥させる。有機溶剤を使うので換気が重要である。
(b)工程に際しては、大気圧内において、作業するための密閉室に基体4,40を挿入する。そして、密閉室の空気を強制排気する。密閉室内にある基体4,40が外から目視できる構成で、前記光触媒下地剤gを挿入口から密閉室に、例えば、ノズルでミスト状に拡散噴出させて挿入し、基体4,40の表面に付着させる。
揮発性の溶剤イソプロピルアルコールなどや水分を密閉室内から強制排気して基体4,40表面の光触媒下地剤gを乾燥させる。
この光触媒下地剤gの生乾き状態で光触媒組成物11の超微粒子溶液を、例えばノズルでミスト状に拡散噴出させて密閉室に挿入して、基体4,40の表面に固着された光触媒下地剤gの上に上塗りするために使用した溶剤のエタノールを密閉室内から強制排気する。
乾燥の操作で光触媒組成物11を基体4,40に担持させて、光触媒層5,50を作成する。なお、揮発性の有機溶剤を集めて回収してもよい。
したがって、前記工程の方法を用いれば、光触媒組成物11を塗布処理した光触媒層5,50の光触媒組成物11は、光触媒層5,50から該基体面より突出して光触媒効果を発揮する。
前記した基体4,40の光触媒層5,50へ光を照射させる光源3は、室内外部から照射される自然光か、室内側に設けた人工光かのいずれかである。
このうち、自然光からなる光源3は、紫外線(近紫外線)の波長が、280nm〜420nmのものが利用できるもので、特に、光触媒作用を発揮するための利用波長は、320nm〜400nmのものが好ましい。
また、室内に設けられた人工光からなる光源3は、電源6と接続させた紫外線発光部材となる発光ダイオードやブラックライト,蛍光灯などであり、基体4,40に設けられた光触媒層5,50に対して良好な光触媒作用をなすことができる。該人工光からなる光源3は、光触媒装置Aに内蔵したり、該光触媒装置Aとは別体に設けるものである。
この電源6は、保持部材1へ取り付けられる乾電池,充電型電池あるいは外部から配線して供給される電灯線などが利用できるものであるが、使用する紫外線発光部材によっては、その紫外線発光素子の出力が大きくなるにつれて消費電力も大きいため、前記電池では長時間の使用が難しいので、商用交流を整流した直流を使用することが好ましい。
この光触媒装置Aにおける清浄部材2の基体4,40と光源3との組み合わせは、図1(a),図2(a)に示すように、基体4,40に対して光源3を直接対応させる場合と、図1(b),図2(b)に示すように、基体4,40に対して光源3を導光部材24を介して対応させる場合とを有する。
前者の基体4,40に対して光源3を直接対応させる場合は、電源6に接続した光源3は、基体4,40の背面へ一個または複数個を設けるもので、光源3からの光は基体4,40へ向かって照射され、この基体4,40に設けた光触媒層5,50へ作用させる。
また、後者の基体4,40に対して光源3を、ガラスやアクリル製等の導光部材24を介して対応させる場合は、基体4,40の背面へ導光部材24を対応させてあり、この側端面へ電源6に接続した光源3をその一側部または両側部へ設けるもので、光源3からの光は導光部材24へ向かって照射され、この導光部材24における基体4,40への対応面24aから光が基体4,40へ向かって照射されるので、基体4,40に設けた光触媒層5,50へ作用させる。
なお、基体4,40に対して光源3を導光部材24を介して対応させるときは、この導光部材24の基体4,40への対応面24aに拡散反射手段17を設ければ、光源3からの光は、導光部材24を介して基体4,40の受光面(対応面24aに対応した面)に対して略全面に亘って照射させることができる。拡散反射手段17は、詳細に後記する。
したがって、清浄部材2と光源3とにより構成される本発明実施例の光触媒装置Aは、種々の用途に採用されるもので、大別すれば、屋内据え付け型と、屋内可搬型と二分けられる。
まず、屋内据え付け型は、室内25における天井や壁部である内壁26に設けるタイプと、室内26の窓部や壁部との側面27に設けるタイプとがある。
そして、屋内据え付け型の室内における天井や壁部である内壁26設けるタイプは、図7〜図9に示すように、室内25における天井26面(便宜上天井に据え付けた例について説明する)へ保持部材1に取り付けられた基体4,40と、この基体4,40へ付着させた光触媒組成物11からなる光触媒層5,50とを有する清浄部材2へ、光源3からの光を照射して室内の空気を清浄する光触媒装置Aを取り付けてある。
この光触媒装置Aは、室内25における天井26へ該室内25へ向かって、清浄部材2の光触媒層5,50がこの室内25にむかって露出するように取り付けてある。
また、清浄部材2における光触媒層5,50の室内対応面積は、室内26の天井面積1に対して、前記室内対応面積が0.1以上となるように設ける。好ましくは、図9に示すように、清浄部材2における光触媒層5,50の室内対応面積x(左右のxを和した2x):室内25へ露出している室内25の天井面積yが、約1:7程度の面積比に設けることが、室内25の容積からみても、最も室内25の空気を清浄化する効率が高い。
図9においては、清浄部材2における光触媒層5,50の室内対応面積xを天井26の両側へ分けて設けたが、多数の区画へ分散(例えば、格子状)させた状態に設けてもよく、当然、前記室内対応面積xは天井26面の全体に設けてもよい。
また、天井26上面へ取り付けたり、天井26を切り抜いて、この切り抜き部へ当該光触媒装置Aを嵌め込んだりするもので、家屋に対して後付け工事により行ったり、家屋建設時の同時工事により行ったりするものである。
この天井に設けるタイプの光触媒装置Aは、図7に示すような、前記したフィルター式の基体4と、図8に示すような、平板式の基体40共に採用することができるもので、前記したように、光触媒装置Aにおける清浄部材2の基体4,40と光源3との組み合わせは任意に行われるものである。
この実施例によれば、光源3からの光が基体4,40へ付着させた光触媒組成物11からなる光触媒層5,50に作用して、室内25の空気がこの光触媒層5,50に干渉することで、空気中に存在する有害物質が除去され、室内25の空気が清浄化される。
特に、清浄部材2における光触媒層5,50の室内対応面積は、室内26の天井面積1に対して、前記室内対応面積が0.1以上となるように設けてあるので、室内25における有害物質の発生量より光触媒層5,50による除去量がまさり、効率の良い有害物質の除去が行われる。
なお、前記した実施例において、天井26に据え付ける例を示したが、室内25における窓部以外の側面27,例えば、壁部などに設けても同様の作用効果を奏するもので、清浄部材2における光触媒層5,50の室内対応面積は、室内26の側面面積1に対して、前記室内対応面積が0.1以上となるように設けるものである。
次に、本発明実施例に係る光触媒装置Aの屋内据え付け型における室内25の窓部や壁部等の側面27に設けるタイプについて説明する。
この光触媒装置Aは、室内25の窓部や壁部などの側面27における上部(天井付近)または下部(床付近)に設けた保持部材1と、この保持部材1へ室内25の側面27と平行するように横架させた巻取軸28と、この巻取軸28へ繰り出しと巻き取りとが自在となるように設けた膜状の基体4Aと、この基体4Aへ付着させた光触媒組成物からなる光触媒層5Aと、この基体4Aの光触媒層5Aへ光を照射させる光源3とを備えさせてある。
前記した基体4Aは、可撓性を有する人工・天然繊維により成形された布や不織布等のフィルターなどが用いられるもので、室内25の大きさに合わせて所定面を有するカーテン状に形成される。
そして、この基体4Aは、巻き取りばね等の復帰部材29を有する巻取軸28にその一端部が接続されていて、図示してないラチェット機構により、該基体4Aを引き出したとき、その希望する繰出量において、該繰出位置が固定できるロールスクリーン状に構成されている。
前記した光源3は、ブラックライトや蛍光灯,発光ダイオード等の任意のものが用いられるもので、保持部材1内に設けられて、その光線が基体4Aの略全面へ向かって照射されるように取り付けられている。また、この光源3の背部に反射体18を設ければ、光の有効利用が図られる。
なお、光源3は、室内25内へ向かっては照射されないように設けられるものであるが、若干の光漏れを生ずる場合には、保持部材1の下側部を外方(基体4A側)へ折曲させる光除け30を設けることができる。
当然、この光源3は、室内外部からの天然光、すなわち、太陽光線であってもよい。
基体4Aには、前記した光触媒組成物11を含有する光触媒塗布剤の塗布等によって、図10に示すように、光触媒層5Aが設けられているもので、この光触媒層5Aは前記した光触媒層5,50と同様に構成される。
この実施例によれば、光源3からの光が基体4Aへ付着させた光触媒組成物11からなる光触媒層5Aに作用して、室内25の空気がこの光触媒層5Aに干渉することで、空気中に存在する有害物質が除去され、室内25の空気が清浄化される。
この実施例による光触媒装置Aは、窓部27に設けたときには、繰り出された状態の基体4Aは、復帰部材29によって巻取軸28に巻き取られ前記窓部が開放される。
また、昼間時は、窓部27より注がれる太陽光線を光源として、この太陽光線により基体4Aに設けられた光触媒層5Aが光触媒作用を起こし、夜間時は、基体4Aを所定量を繰り出して光源3による人工光の照射によって、基体4Aに設けられた光触媒層5Aが光触媒作用を起こすものである。
フィルター式の基体4を用いた場合には、該基体4の内部を太陽光線や人工光が通過することができるもので、これによって、光触媒40における光触媒作用を発揮するものである。
この窓部27に設ける光触媒装置Aは、図25に示すように構成することもできる。すなわち、室内における窓部に設けた保持部材1と、この保持部材1へ窓部27と平行するように設けた窓部27と略同形に形成させた平板状の基体4,40と、この基体4,40へ付着させた光触媒組成物11からなる光触媒層5,50と、この基体4,40の光触媒層5,50へ光を照射させる光源3とを備えさせた構成からなる。
いわゆる、光触媒層5,50を有する基体4,40の清浄部材2と光源3とからなるものである。
前記した保持部材1は、建築物における構成材hによって構成される空間部に嵌着させたサッシ等の建具であり、例えば、窓材eを取り付けた窓枠より延設すればよいし、他に、専用の建具を用いてもよい。
基体4,40は、前記した各実施例による構成のものが採用できるもので、窓材eと同様の形態に形成させ、保持部材1へ引き戸状で複数枚を引き違い状に設けることで、保持部材1を案内にスライドさせて窓部27を必要に応じて開放することができる。
また、光源3は、自然光である太陽光線が利用できると共に、人工光の場合には、図10に示すロール式のように、その光源3の取り付けにあっては、基体4,40の上方に設けることが好ましいものであるが、任意に設計でき、また、各部の詳細な構成は、前記した各実施例による構成のものおよび任意の構成が採用できるので、その構成の一部の説明は、前記を援用する。
この実施例の光触媒装置Aによれば、光源3あるいは太陽光線からの光が基体4,40へ付着させた光触媒組成物11からなる光触媒層5,50に作用して、室内25の空気がこの光触媒層5,50に干渉することで、空気中に存在する有害物質が除去され、室内25の空気が清浄化される。
フィルター式の基体4を用いた場合には、該基体4の内部を太陽光線や人工光が通過することができるもので、これによって、光触媒40における光触媒作用を発揮するものである。
次に、本発明実施例の光触媒装置Aに係る屋内可搬型の例について説明する。
この光触媒装置Aは、前記した屋内据え付け型を説明した光触媒装置Aとその構成を基本的に同一とするものであり、以下の構成が前記屋内据え付け型の光触媒装置Aに採用することができるが、特に、当該可搬型の特異性を発揮するために更に様々な工夫がなされている。
すなわち、保持部材1に取り付けられた基体4,40と、この基体4,40へ付着させた光触媒組成物11からなる光触媒層5,50とを有する清浄部材2へ、光源3からの光を照射して室内の空気を清浄するものである。
以下詳細に説明すれば、この光触媒装置Aには、前記した実施例同様に、不織布やフエルト,スポンジ等からなる基体4と、ガラスやアクリル製等からなる基体40が用いられるもので、その形態は、円筒形や平板状等の任意形状が選定し得るものであるが、本例にあっては、簡便に、図11〜図12に示すように、円筒形と、図16〜図19等に示すように、平板状の基体4,40について説明する。
この例における光源3は、図12(a)に示すように、清浄手段2の基体40内面へ紫外線が単に照射されることで光触媒作用を行う場合と、図12(b)に示すように、清浄手段2の基体4が多孔質で通気性があり、この基体4内を空気や光線が通り抜けられて、該基体4内の光触媒組成物11による光触媒作用を行う場合とがある。
一方、図12(b)に示す場合は、光触媒組成物11を含有する基体4を保持部材1の上部より離隔し、かつ、空気が充分に流通し得る網目構造などの多孔質の支持体7を保持部材1に取り付けて、これに光触媒組成物11を含有する基体4を固定する。
更に、前記した光源3は、清浄手段2における円筒状に形成された基体4の内面に対して、均一でかつ効率よく光線を照射させるために、図13(a)に示すように、該基体4内の中心部(同心円状)に取付体8を設け、この取付体8へ一個または複数個を取り付けた紫外線発光部材である発光ダイオード3aを設けて電源6による給電によって拡散した状態で発光し、光触媒組成物11を含有する基体4に対して効率よく光を照射することができる。この発光ダイオード3aの取付個数および取付パターンは必要に応じて任意に得られる。
更に、取付体8に取り付けられた光源3である発光ダイオード3aは、できるだけ効率の良い均一照射がなされるように、図13(b)に示すように、取付体8の円周接線方向に対して、所定の角度をもって取り付けることもできる。
図13(b)の光源を基体4や基体40に使用するときには、発光ダイオードの斜めの取り付け角度が大きいと基体4,40の表面から光が反射して効率が下がり、基体4,40に対しても基体4,40外側の光の大きさが小さくなるので、発光ダイオードの特性に従って設定しなければならない。
該取付体8に取り付けられた光源3は、回転しない停止(固定)状態であってよい。
また、この取付体8は、モータ等の駆動源9の出力軸10へ回転自在に設けられていて、連続または間欠的に回転し、該取付体8の回転駆動にあっては、取付体8の周面を軸受等により支承し、該周面を駆動するものであってもよいが、回転する光源3への電力供給の工夫が必要である。
そこで、図示してないが、光源3である発光ダイオード3aを囲むような回転する回転反射体を取り付けると、拡散しない光と拡散した光が混合して連続的に回転しながら基体4,40を照射することになり、光源への電力供給の必要がなくなる。
基体4,40への照射光は強くなることができるので、発光ダイオードの使用数が少なくてすみ、図13(a)に示すような光源3と比較して、本例の光源3の円筒形の径を小さくすることが期待できる。回転反射体の回転駆動は、例えば、図示してないが、光源3を、固定軸を介して保持部材に固定し、回転反射体は回転部材に固定され、この回転部材は光源3の固定軸を囲むように設置させて、駆動源のモーターでプーリーを介して回転部材に固定された回転反射体を回転させる。
したがって、前記のように構成される本発明の実施例1の光触媒装置Aは、自然光や蛍光灯等の光が届かない場所において使用が可能なもので、保持部材1を適宜なところへ載置し、電源6からの給電により光源3を作動させると、その発光ダイオード等の紫外線発光部材3aから紫外線が、円筒状に形成された清浄手段2における基体4の内面に照射される。
光源3として、図14に示すような、固定光源3を使用することができる。この光源3は、保持部材1、紫外線発光部材3a、基体40と反射体18から構成される。
このものは、基体40を湾曲させた広角レンズ状に形成したパノラマ式の光源3であって、紫外線発光部材3aから照射された光は基体40内を伝達して上下の凹型反射体18の表面を反射しながら放射面から光を光触媒層に照射する。上下の凹型の反射体40の表面を光が反射しながら放射面に達すので、光は拡散光になる。なお、上下の凹型反射体18を細い支持体(図示せず)で保持して、基体40を空気としてもよい。
紫外線が照射された光触媒装置Aにおいて、太陽光(例えば、紫外線)がこの光触媒層5に当たると光触媒作用を発揮し、例えば、この光触媒装置Aにおける近傍の空気中に浮遊するアルデヒドやアンモニア,アミン,メルカプタン等の悪臭や有害成分、更には環境汚染物質成分を吸着し分解して取り除く。
特に、清浄手段2における基体4は円筒状に形成され、かつ、清浄手段2における基体4の内面と光源3との間に間隔4bを有することで、この間隔4bによって光触媒層5と室内などの空気との干渉空間が得られ、しかも、該間隔4bにおいて空気の流動を生じさせることができるので、良好な光触媒作用をなすことができる。
更にまた、この光触媒装置Aの例にあって、基体40の他の例として、図15に示すように、ガラスやアクリル製などの基体40を円筒形に形成することもできる。
このものは、下面平滑状の凹形状に形成した保持部材1内へ、内部に空間部40cを形成した筒状の基体40の下側部を挿嵌してあり、該基体40の大部分を外部に露出させてある。
基体40の外周略全面部には、前記した光触媒層50が設けられていて、外気と触れる状態に成形されている。
保持部材1の内底面部には、チップ型に形成された素子状の紫外線発光部材3aからなる光源3を、基体40の側端面部に対応するように環状に配設されていて、この光源3が基体40の側端面から該基体40の筒方向へ向かう方向へその光線を照射し得るように構成されている。
基体40の内壁部には、凹凸模様や粗面加工などに設けられた拡散反射手段17と反射シートなどの反射体が形成されていて、基体40内に導入された光を乱反射させつつ拡散させて、有効的に光触媒層50に照射されるようにしてある。
更に、基体40において光源3が対応しているその反対面(図15においては上面)には、反射体18によってその側端部を被覆することで、この側端部を通過しようとする光を再び基体40内へ反射させ、光触媒層50への照射に再利用される。
図16,図17,図18,図19等において示す光触媒装置Aは、基体4,40が平板状に形成された例を示すもので、前記した実施例と同様に、清浄手段2と、この清浄手段2へ光を照射する光源3とを有するものである。
前記した清浄手段2は、導光性を有する基体4,40と、この基体4,40に光触媒層5,50が形成されていて、該光触媒層5,50の光触媒組成物11が光触媒層5,50から露出して光触媒効果を発揮する。
この光触媒層5,50の形成するための実施例は、前記において詳細に説明した光触媒層5,50形成例と同様の構成及び方法からなるもので、前記説明を援用する。
なお、清浄手段2における基体40は、図16等に示すように、該基体40の他側面に、すなわち、この基体40に設けられた光触媒層50とは反対面に、紫外線発光部材からの光を拡散反射させる拡散反射手段17を設けることもできる。
この拡散反射手段17は、その一例は、図16に示すように、基体40の一側面(裏面)に形成した鋸歯状の凹凸であり、基体40の側端部において、光源3を対応させた一側端部からその他側の他側端部に向かって略全面あるいは一部に設けてある。また、該拡散反射手段17は、前記一側端部から他側端部に向かってその鋸歯状の凹凸が粗状態から細かい状態となるように形成させておけば、基体40内に導入された光は、この鋸歯状の凹凸面に当たって反射され、効率よく基体40内において拡散されて、基体40の他側面(表面)に設けられた光触媒層50の全面へ均一に照射することができる。
更に、拡散反射手段17の形態は、効率よく反射され基体40内において十分に拡散されるものであれば任意のものが採用し得るもので、他にも、適度にブラスト加工されたものや、半球状に形成されたものなどがある。
該拡散反射手段17は、図16に示すように、基体40の他側面が直線状に形成される状態に設けたり、図17に示すように、基体40の他側面が円弧状に形成される状態に設けたりする。図17(a)に示す場合は、坦体の基体40によるものであるが、図17(b)に示すように、横方向へ二個接続させた一体形状か、図17(c)に示すように、縦方向へ二個をそれぞれ光触媒層50が外方へ向くように対設させるか、図17(b)に示すように、横方向へ二個接続させ、図17(d)に示すように、更に、縦方向へそれぞれ光触媒層50が外方へ向くように対設させるかの形態などができる。もちろん、図示してないが、これら横方向および縦方向への複数の基体40の組み合わせは、基体40の他側面が直線状に形成される状態であっても同様になされる。
また、この拡散反射手段17にあって、図16に示すように、基体40の一側面(裏面)や該基体40の他側端部、または、この基体40の両側端部と直交する両側端部(図示せず)、いわゆる光触媒層50を設けた以外の表面に、鏡作用を行うシート状や板状あるいはコーティングなどによる反射体18を設けておけば、基体40内からこれら基体40の一側面(裏面)や該基体40の他側端部外方へ漏れ出した光源3からの光は、基体40の一側面(裏面)や該基体40の他側端部から再び基体40内へ導入される。
ここで、基体50の上の光触媒層は光触媒層4でもよい。なお、光触媒層4は後述のように面状ファスナーで基体40に光触媒層4を脱落しないように固定してもよい。なお、図17に示す例にあっても、図4に示す例と同様の効果から反射体18が設けてある。図17(a)〜図17(d)の構成でより広い領域に光触媒層5又は光触媒層50を配することができる。
光源3に砲弾型発光ダイオード(ランプ素子)3aを使用して、基体40に紫外線を入射するとき、砲弾型発光ダイオード(ランプ素子)3aは集光レンズのみで構成されているため、光軸近傍の光の直進性が強いので、基体40により均等に光を入射させるためには、取付位置合わせが重要なので、基体40の上下面に光軸を合わせて設置する手段が必要である。
砲弾型発光ダイオード(ランプ素子)3aの集光レンズの下部からの光の漏洩が多いので、例えば、図20(a)に示すように、該集光レンズを囲繞するように反射体18を設け、この反射体31の底面(集光レンズとは他側)が、図20(b)に示すように、砲弾型発光ダイオード(ランプ素子)3aのリード線が直線に配列される取付部18a設けられている。各発光ダイオード3aの光軸を調製して、ばらつきが少ないように合わせて取り付けてもよい。砲弾型発光ダイオード(ランプ素子)3aが具備された反射体18を、図20(c)に示すように、基体40に設置する。光源3から放射される光は、拡散反射手段17が加工され反射体18で包まれた基体40に入射する。なお、光源3を備えた反射体18の取り付けは、反射体18に印された中心線をもとに基体40に取り付けられる。
また、光源3からの光は、光導入部20aを用いることでより効率よく基体40へ導入させることができる。すなわち、図19に示すように、光導入部20aは、指向角が比較的狭く 光の直線性が強い発光ダイオード3aの光を、基体40に入射する入射面の構造である。また、基体40内に拡散された紫外線を入射してもよいので、図19に示す場合には、紫外線発光部材3aから放射される紫外線を拡散光に変換して基体40に入射させるように、基体40の入射面が光拡散加工されている。同図に示す光触媒装置Aの機能構成と作用は、光導入部20aが光拡散加工されている以外は図16と同様に奏される。
すなわち、紫外線発光部材から放射された紫外線は光導入部20aの光拡散加工により拡散光になり、基体40に入射され拡散反射手段17で上部に反射されて基体40の上部表面にある光触媒層50の光触媒組成物11に作用して光触媒効果がでる。なお、光導入部20aからの反射があるので、紫外線発光部材3aを囲む側面は紫外線を反射する処理をすることが望ましい。
基体40に設けられた拡散反射手段17における光拡散加工形状は、図21(a),(b)に示すように形成することもあるもので、入射光は、両側に拡散されて基体40内を進む。また、この拡散反射手段17における光拡散加工形状は、個々の発光ダイオード3aに合わせることもできるもので、図21(c),図21(d)は凹レンズ効果による拡散入射である。
なお、図21(a),図21(b)の光導入部20a(拡散入射面)のV溝加工は、縦方法に行われる。その理由は、光導入部20a(拡散入射面)によって基体40に光が入射すると両側に光が拡散され、光が基体40の上部に行かせないためである。もし、基体40の上部に光が拡散されるV溝加工であると、上部からの光の漏れが多くなり、光の有効利用率が低下するためである。ここで、基体40の上には光触媒層50又は光触媒層4がある。光触媒層4は後述のように面状ファスナーで基体40に光触媒層4を脱落しないように固定してもよい。
なお、図16や図19の基体40内に多くの光を入射させるために、光源3の紫外線発光部材3aの数を増やして、基体40の入射面より大きな面の光源3にして、光源3から基体40の入射面に沿って細くなる反射体18で構成されるテーパー部の光導入部材20で多くの光を入射してもよい。
また、平面よりより採光性をよくして拡散光を基体40内に入射させるために採光性のある導光部19aを図22に示すように設けて、拡散光を採光させて基体40内に入れる。
更に、図22(a)に示すように、基体40の一側端部に設けた光源3の外周部を所定の隙間を形成させて設けることにより、光源3から照射された光は、この反射体18の内面に反射しつつ、基体40の一側端部へ様々な入射角度によって入射されるが、基体40の一側端部に設けられた導光部19aによって基体40内に採光される。入射した光は前記拡散反射手段17の拡散反射作用と相俟って、光触媒層50に対してその設けられた全面に照射することができる。
導光部19aは、図22(a)に示すように光を採光させる凸型の曲面である。前記一側端部を曲面に形成することで、有効な光の照射効果が得られる。
図22(a)のように前記曲面形成は基体40と一体的に形成したり、図22(b)に示すように、平面の基体40一側端部に、その外側面が曲面を有する導光部材19を添設してもよい。
清浄手段2は通気性があり多孔質な光触媒層5又は基体40の表面に光触媒組成物11が露出して塗布された光触媒層50からなる。光触媒層5の基体40への固定は、例えば光触媒層5の光触媒効果とに支障のない大きさで光触媒層5を固定するのに十分な四角の面状ファスナーを基体40の四隅など適切な位置に接着剤で固着して、面状ファスナーで行えばよい。図17(a)〜図17(d)と同じ構成でも使用することができる。そして、基体40に多くの紫外線を送り込む場合には、光源3の外形が基体40より大きい場合は、光源3から導光部材19の入射面に沿って細くなる反射体18で構成されるテーパー部の光導入部材20で多くの光を入射してもよい。
基体40一側端部へ光源3からの、例えば、発光ダイオードの照射する光のように直進性の強い光を拡散光に換えて導入させる手段は、例えば、図23に示す例も挙げられる。すなわち、図23(a)に示すように、基体40の一側端部を例えば、45゜に斜截して該一側端部に反射誘導板21を配す、又は拡散反射面18aに加工して、基体40の上面部から該基体40内へ向かう光を拡散光に換えて光が基体40内に拡散・反射されるように光源3を設ける。
また、図23(b)に示すように、内面を反射体18とした光導入部材20の一端部を基体40の一側端部へその導入部が該一側端部に臨むように取り付け、この光導入部材20の他端部に光源3を設けてある。したがって、この光源3から照射された光は、光導入部材20の反射誘導板21により拡散・反射されつつ、中間部の反射誘導板21により基体40の一側端部へ導入される。
光触媒層5又は50を照射するのに多くの光が必要な場合に、光源3に多くの発光ダイオードを配して基体40に多くの光を導入するのに有効である。
なお、清浄手段2は、通気性があり多孔質な光触媒層5又は基体40の表面に光触媒組成物11が露出して塗布された光触媒層50からなる。光触媒層5は例えば面状ファスナーで基体40に脱落しないように固定されている。図17(a)〜(d)と同じ構成でも使用することができる。
光源3に発光ダイオードを使用すると、発光ダイオードは直進性が強く、比較的指向性も狭いので、基体の光触媒層を直接近接で照射する場合、光軸近傍の光は基体を通り抜けて光の利用率が低下する。これを防ぐために、図18のように基体の光触媒層に近接した光源3を反射体18上部の拡散反射面18a又は拡散反射手段17で光を拡散光にして基体の光触媒層を照射する。
基体40の光触媒層50への光源3からの光の照射は、図18に示すように、この基体40に設けられた光触媒層50とは反対面の基体40の他側面に設けることができる。
フレーム22に支持された基体40の他側面に対応するように、光源3をフレーム22に取り付け、この光源3の光を受けて基体40の光触媒層50に向かって反射させる45゜程度傾斜させた反射体18とその上部に拡散反射面18aをフレーム22に取り付ける。これにより、光源3の光は基体40を通過し、該基体40の一側面に設けた光触媒層50に照射される。
反射体18の拡散反射面18aは、図18(a)において左側に示すように、凸状の曲面であったり、図18(a)において右側に示すように、乱反射(拡散)するように凹凸状の粗面であったりする。
また、図18(b)に示すように、基体40の他側面へ略直交するように光源3を設ける。この場合、基体40の他側面において光源3の当たる面には、拡散反射手段17を部分的にあるいは全面に設けるとよい。
更に、図18(c)に示すように、基体40の他側面に基体40と同効質の導光部材40aを設けることもでき、これら基体40と導光部材40aとの当接面に拡散反射手段17を設ける。
なお、図18においては、基体40の上には光触媒層50と光触媒層5があってよい。基体40又は導光部材40aの上に光触媒層5を例えば面状ファスナーで固定してもよいい。図18(a)と(b)では、基体40と光触媒層50に変えて、基体4の光触媒層5であってもよいが、図18(a)では光触媒層5を単独で使用できるが、フレーム22に光触媒層5を支持する支持体を設ける必要がある。これにより、光源3を拡散光に変換した光で基体の光触媒層を近接で照射しても基体の光触媒層をむらが少なく光源3の光を照射できる。
光源3に発光ダイオードを使用すると、発光ダイオードは直進性が強く、比較的指向性も狭いので、基体の光触媒層を直接近接で照射すると、光軸近傍の光は基体を通り抜けて光の利用率が低下する。そこで、図24のようにフレーム22に設置された光源3に拡散体を覆い被せて光源3の光を拡散光にして基体の光触媒層を照射する。
そして、その構成として、図24のように、構成はフレーム22に拡散ユニットが設置され、基体40の上に光触媒層50又は基体40の上に光触媒層5からなる。更に、光触媒層5をフレーム22に支持する支持体(図示せず)で固定してもよい。拡散ユニットは光源3と反射体18と拡散体33から構成される。拡散体は図24(a),図24(b)に示すような平凹レンズ状であると、光源3から照射される光は平凹レンズ状の拡散体33によって光は拡散される。平凹レンズの曲率で拡散の度合いは調整ができる。
なお、平凹レンズで平面又は凹レンズの部分、又は両者を例えばV溝などの拡散加工をしてもよい。清浄手段2は基体40の上に光触媒層5のときは、基体40の上に例えば面状ファスナーで固定された光触媒層5又は基体40がなくフレーム22に設けた支持体で光触媒層5が支持された形態で構成できる。更に、反射体として、放射面がV溝又は矩形の凹凸などで加工されたものを使用してもよい。これにより、拡散ユニットで光源3の放射する光を拡散させて基体の光触媒層を効率よく近接から照射することができる。なお、光源3として、チップ型の紫外線発光部材3aを用いてもよい。
前記した本発明実施例の用途として、本発明が有効なのは自然光や人工光の光源がない又は不十分な場所又は時間で、自然光の紫外線が比較的に当たらない場所、例えば、北側のトイレや部屋、全く日の当たらない部屋、南側に窓があるが日差しが不十分な部屋、南側に窓があるが日が届かない局地的な場所、風呂場やペットトイレなどで、そして閉ざされた空間、例えば、ロッカー、押入の中、収納室、冷蔵庫などがあり、更に、日の当たらない時間、例えば日没後や夜間の部屋、夜間に人工光の蛍光灯など紫外線を照射する照明を消した後の就寝後の部屋などである。
また、光触媒組成物11は付着する空気中に浮遊する不要な有機物には、細菌、ウイルス、カビの胞子、ダニの死骸、悪臭成分、建材・家具などに使用されている接着剤から放出されるホルムアルデヒド、トルエン、キシレンなど設置空間を汚染する有機物や化学物質を分解することができる。
個別では、例えば、トイレ内の悪臭の除去、押入にいれた物の臭い、カビなどの除去、冷蔵庫内における野菜の臭い、野菜の腐敗臭、肉の臭い、肉の腐敗臭など冷蔵庫に入れてある物から発する臭い、腐敗に基づく臭いを分解除去することが期待できる。
本発明に関する光触媒装置の屋内据え付け型でフエルト状基体を用いた実施例を示すもので、(a)は直接光源タイプの要部を示す断面図およびこの図におけるP部の拡大断面図、(b)は間接光源タイプの要部を示す断面図である。 本発明に関する光触媒装置の屋内据え付け型でガラスなどの板状基体を用いた実施例を示すもので、(a)は直接光源タイプの要部を示す断面図およびこの図におけるP部の拡大断面図、(b)は間接光源タイプの要部を示す断面図である。 図1等における光触媒装置の基体への光触媒組成物の塗布状態の一部を拡大して示す断面図で、(a)は塗布直後を、(b)は拭き取り手段による拭き取り状態である。 図3−1における光触媒層の塗布状態の一部を拡大して示す平面図で、(a)は塗布直後を、(b)は拭き取り手段による拭き取り状態である。 図1等における光触媒装置における光触媒組成物を示す断面図である。 図1等における研磨剤を混入させたの光触媒組成物により光触媒装置の基体への塗布状態の一部を拡大して示す断面図で、(a)は塗布直後を、(b)は拭き取り手段による拭き取り状態である。 図1等における光触媒組成物により光触媒装置の基体への他の塗布状態の一部を拡大して示す断面図で、(a)は光触媒下地剤塗布直後を、(b)は光触媒組成物塗布後の状態である。 図1における光触媒装置を施工した状態(天井取付)を示す断面図である。 図2における光触媒装置を施工した状態を示す断面図である。 図1における光触媒装置を施工した状態を示す斜視図である。 図2における光触媒装置を施工した状態(窓部等取付)を示す断面図である。 本発明に関する光触媒装置の屋内可搬型でフエルト状基体を用いた実施例を示す斜視図である。 図1における光触媒装置の各例を示す断面図である。 図1における光触媒装置の他の例を示すもので、(a)は断面図、(b)は(a)における光源の拡大平面図を示すものである。 図11における光触媒装置に用いる光源の他の例を示す説明図である。 図11における光触媒装置に用いる光源の更に他の例を示す説明図である。 本発明に関する光触媒装置の屋内可搬型でガラスなどの板状基体を用いた実施例を示す斜視図である。 図16における光触媒装置の他の各例を示す説明図である。 図16における光触媒装置の更に他の光源照射各例を示す説明図である。 図16における光触媒装置の光源において光導入部を設けた例を示す斜視図である。 図16における光触媒装置の光源において砲弾型発光ダイオードを用いた場合の反射体の利用例を示す説明図である。 図16における光触媒装置の光源において光導入部の加工例を示す説明図である。 図16における光触媒装置の更に他の光源照射各例を示す要部の断面図である。 図16における光触媒装置の更にまた他の光源照射各例を示す要部の断面図である。 図16における光触媒装置の光源において拡散体を設けた例を示す説明図である。 図10における光触媒装置を窓部へ引き戸状に取り付けた例を示す概略の平面図である。
符号の説明
A…光触媒装置.1…保持部材.2…清浄部材.3…光源.3a…紫外線発光部材(発光ダイオード).4,40,4A…基体.4a…開口部.5,50,5A…光触媒層.6…電源.17…拡散反射手段.26…内壁.28…巻取軸.27…室内25の側面.

Claims (7)

  1. 保持部材に取り付けられた基体と、この基体へ付着させた光触媒組成物からなる光触媒層とを有する清浄部材へ、光源からの光を照射して室内の空気を清浄する光触媒装置であって、
    この光触媒装置を、前記室内における内壁へ前記室内に向かって、前記清浄部材における光触媒層が対応するように取り付けてなり、
    前記室内における内壁は、天井か側壁かのいずれかであることを特徴とする光触媒装置。
  2. 室内の側面における上部または下部に設けた保持部材と、この保持部材へ前記室内の側面と平行するように横架させた巻取軸と、この巻取軸へ繰り出しと巻き取りとが自在となるように設けた膜状の基体と、この基体へ付着させた光触媒組成物からなる光触媒層とを備えさせ、
    この基体の光触媒層へ光を照射させる光源は、室内外部から照射される自然光か、室内側に設けた人工光かのいずれかであることを特徴とする光触媒装置。
  3. 室内における窓部に設けた保持部材と、この保持部材へ前記窓部と平行するように設けた前記窓部と略同形に形成させた平板状の基体と、この基体へ付着させた光触媒組成物からなる光触媒層とを備えさせ、
    この基体の光触媒層へ光を照射させる光源は、室内外部から照射される自然光か、室内側に設けた人工光かのいずれかであることを特徴とする光触媒装置。
  4. 保持部材に取り付けられた基体と、この基体へ付着させた光触媒組成物からなる光触媒層とを有する清浄部材へ、光源からの光を照射して室内の空気を清浄する光触媒装置であって、
    前記光触媒層は、前記基体面において前記光触媒組成物を前記光触媒層面より突出させた露出状態で付着させてあり、
    前記光源は発光ダイオードであり、該発光ダイオードの放射光を拡散光に変換させる拡散反射手段を設けたことを特徴とする光触媒装置。
  5. 保持部材に取り付けられた基体と、この基体へ付着させた光触媒組成物からなる光触媒層とを有する清浄部材へ、光源からの光を照射して室内の空気を清浄する光触媒装置であって、
    前記光触媒層は、前記基体面において前記光触媒組成物を前記光触媒層面より突出させた露出状態で付着させてあり、
    前記光源の拡散光を前記基体へ導光させる導光手段を設けたことを特徴とする光触媒装置。
  6. 清浄部材における光触媒層の室内対応面積は、室内の天井面積1に対して、前記室内対応面積が0.1以上となるように設けたことを特徴とする請求項1記載の光触媒装置。
  7. 保持部材に取り付けられた基体と、この基体へ付着させた光触媒組成物からなる光触媒層とを有する清浄部材へ、光源からの光を照射して室内の空気を清浄する光触媒装置の製造方法であって、
    前記光触媒層は、前記基体面へ光触媒下地剤を塗布して光触媒下地剤層を形成させ、該光触媒下地剤層が生乾き状態において、該光触媒下地剤層へ前記光触媒組成物を施して形成させてなり、
    前記光触媒組成物は、前記基体面において前記光触媒層面より突出させた露出状態で付着させたことを特徴とする光触媒装置の製造方法。
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