JP2005340594A - プリント配線板用絶縁樹脂フィルム及びこれを用いた絶縁層の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のプリント配線板用絶縁樹脂フィルム10は、支持ベースフィルム11の一方の面に絶縁樹脂層12が、他方の面に接着層13が形成されたもので、プリント配線板用絶縁樹脂フィルムを配線回路基板に積層後、支持ベースフィルム11を絶縁樹脂層12から容易に剥離できるように、接着層13には、軟化点がプリント配線板用絶縁樹脂フィルム10を配線回路基板へ積層する際の積層温度よりもマイナス30℃以上、プラス30℃未満の範囲にあるホットメルト型接着剤を使用している。
【選択図】図1
Description
す等の簡単な方法では安定した剥離はできないばかりか、フィルムを自動剥離するオートピーラーは高価な上、現状では製造設備として採用できる信頼度の高いものが市販されておらず、積層後に支持ベースフィルムを効率的、かつ安定して剥離する方法がないことが問題となっている。
(a)請求項1乃至5のいずれか一項に記載のプリント配線板用絶縁樹脂フィルムを配線回路基板に仮貼りし、所定サイズにカットする工程。
(b)配線回路基板上のプリント配線板用絶縁樹脂フィルムの接着層に搬送用フィルムを貼付する工程。
(c)真空、加圧する工程。
(d)加熱、加圧する工程。
(e)搬送フィルムと接着層と支持ベースフィルムとを剥離し、配線回路基板上に絶縁層を形成する工程。
また、剥離された支持ベースフィルムは搬送フィルムとともに巻かれて回収されるため、
占有スペースが小さく、廃棄作業の負担も軽減される。つまり、生産性と経済性に優れ、品質、歩留まり等で安定して絶縁層を形成できる。
本発明のプリント配線板用絶縁樹脂フィルム10は、支持ベースフィルム11の一方の面に絶縁樹脂層12が、他方の面に接着層13が形成されたもので、プリント配線板用絶縁樹脂フィルムを用いて配線回路基板に絶縁層を形成する際、プリント配線板用絶縁樹脂フィルムを配線回路基板に積層後、支持ベースフィルム11を絶縁樹脂層12から容易に剥離できるようにしたものである。
また、プリント配線板用絶縁樹脂フィルムをロール状に巻き取る際支持ベースフィルム11に段差ができないで巻取りし易いように、接着層13は絶縁樹脂層12の領域外の支持ベースフィルム11の端部に帯状に形成して接着層13と絶縁樹脂層12とがオーバーラップしないようになっており、かつ接着層13と絶縁樹脂層12の膜厚をほぼ同じにしてある。
まず、支持ベースフィルム11の一方の面に樹脂溶液をロールコート等により塗布するか、樹脂フィルムを貼付する等の方法で絶縁樹脂層12を形成する。さらに、支持ベースフィルム11の他方の面の絶縁樹脂層12の領域外に相当する端部にフィルムの流れ方向に帯状に接着層13を形成し、保護フィルムを介してロール状に巻取り、プリント配線板用絶縁樹脂フィルムの巻取りロール121(図2参照)を作製する。
ここで、支持ベースフィルム11としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニール、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の樹脂フィルムが使用できる。絶縁樹脂層12の樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリシアネート樹脂等が使用できる。
満の範囲であることが好ましい。
市販品の具体例としては、東洋ペトロライト(株)製 H−629A(軟化点120℃)、三洋化成工業(株)製 ナノスタックA(軟化点111℃)、住友スリーエム(株)ジェットメルトEC3760(軟化点81℃)、旭化学合成(株)製 アサヒメルトRK960(軟化点98℃)、ダイセル化学工業(株)リキメルト1354(軟化点100℃)、日立化成ポリマー(株)ハイボン9881H(軟化点85℃)等の軟包装材用のホットメルト型接着剤が挙げられる。
オートカットラミネーターユニット110では、前述の支持ベースフィルム11に絶縁樹脂層12及び接着層13を設けた絶縁樹脂フィルムの巻取りロール111を上下に装填し、保護フィルムが保護フィルム巻き取りロール113にて巻き取られた後、プリント配線板用絶縁樹脂フィルム10の先端がエアー吸着ロール112に吸着される。
さらに、エアー吸着ロール112が回転してプリント配線板用絶縁樹脂フィルム10の絶縁樹脂層12と配線回路基板20が接触する。その際、配線回路基板20の有効領域21外の所定部分に絶縁樹脂層12の端部を加熱、圧着して仮貼りする。次に、ローラーコンベアー121とエアー吸着ロール112が連動して配線回路基板20を送り、所定の位置でプリント配線板用絶縁樹脂フィルム10をカットし、所定サイズにカットされたプリント配線板用絶縁樹脂フィルム10が仮貼りされた配線回路基板20aが作製される(図4参照)。
ム送り出しユニット130へ送られる。搬送フィルム送り出しユニット130では、搬送フィルム送り出しロール131より送り出された搬送フィルム31はガイドローラー132にて配線回路基板20aの接着層13と重ね合わされ、真空加圧ラミネーターユニット140及び平面プレスユニット150へ搬送される。
まず、38μm厚のPETフィルムからなる支持ベースフィルム11上にエポキシ樹脂からなる半硬化の絶縁樹脂層と保護フィルムが形成された市販の絶縁樹脂フィルム(ABF−SH9K、樹脂厚:45μm、巻数:50m、幅:480mm、味の素(株)製)を用意し、絶縁樹脂フィルムの両端から4cmのところで保護フィルムをカット、除去し、粘着テープで絶縁樹脂フィルムの両端から4cm以内の絶縁樹脂層を剥離除去し、支持ベースフィルム11の一方の面に絶縁樹脂層12が形成された絶縁樹脂フィルムを作製した。次に、支持ベースフィルム11の他方の面の両端に、ホットメルト型接着剤(H−276H(軟化点92℃)東洋ペトロライト(株)製)及びRIBBON COATINGGUN(三晶(株)製)を用いて、吐出量、塗布スピードを調節して、幅1cmで45μm厚の接着層13を形成した。接着層13は支持ベースフィルム11の両端から2cmの位置に形成し、プリント配線板用絶縁樹脂フィルム10を作製した。
次に、0.6mm厚のガラスエポキシ内層回路基板(E−679F、導体厚18μm、日立化成工業(株)製)をパターン加工して作製した510×340mmの配線回路基板20の両面に、幅480mm×長さ320mmのサイズにカットしたプリント配線板用絶縁樹脂フィルムを仮貼りした。仮貼り条件は圧着温度70℃、圧着時間5秒、ラミネートロールは室温、荷重なしで行った。
次に、支持ベースフィルム11の他方の面の両端に、ホットメルト型接着剤(ジェットメルトEC3760(軟化点81℃)東洋ペトロライト(株)製)及びRIBBON COATINGGUN(三晶(株)製)を用いて、吐出量、塗布スピードを調節して、幅1cmで45μm厚の接着層13を形成した。接着層13は支持ベースフィルム11の両端から2cmの位置に形成し、プリント配線板用絶縁樹脂フィルム10を作製した。
次に、0.6mm厚のガラスエポキシ内層回路基板(E−679F、導体厚18μm、日立化成工業(株)製)をパターン加工して作製した510×340mmの配線回路基板20の両面に、幅480mm×長さ320mmのサイズにカットしたプリント配線板用絶縁樹脂フィルムを仮貼りした。仮貼り条件は圧着温度70℃、圧着時間5秒、ラミネートロールは室温、荷重なしで行った。
次に、支持ベースフィルム11の他方の面の両端に、ホットメルト型接着剤(リキメルト1202(軟化点107℃)ダイセル化学工業(株)製)及びRIBBON COATINGGUN(三晶(株)製)を用いて、吐出量、塗布スピードを調節して、幅1cmで4
5μm厚の接着層13を形成した。接着層13は支持ベースフィルム11の両端から2cmの位置に形成し、プリント配線板用絶縁樹脂フィルム10を作製した。
次に、0.6mm厚のガラスエポキシ内層回路基板(E−679F、導体厚18μm、日立化成工業(株)製)をパターン加工して作製した510×340mmの配線回路基板20の両面に、幅480mm×長さ320mmのサイズにカットしたプリント配線板用絶縁樹脂フィルムを仮貼りした。仮貼り条件は圧着温度70℃、圧着時間5秒、ラミネートロールは室温、荷重なしで行った。
<比較例1>
まず、38μm厚のPETフィルムからなる支持ベースフィルム11上にエポキシ樹脂からなる半硬化の絶縁樹脂層12と保護フィルムが形成された市販の絶縁樹脂フィルム(ABF−SH9K、樹脂厚:45μm、巻数:50m、幅:480mm、味の素(株)製)を用意し、絶縁樹脂フィルムの両端から4cmのところで保護フィルムをカット、除去し、粘着テープで絶縁樹脂フィルムの両端から4cm以内の絶縁樹脂層を剥離除去し、支持ベースフィルム11の一方の面に絶縁樹脂層12が形成された絶縁樹脂フィルムを作製した。
次に、支持ベースフィルム11の他方の面の両端に、ホットメルト型接着剤(ハイボン9851(軟化点78℃)日立化成ポリマー(株)製)及びRIBBON COATINGGUN(三晶(株)製)を用いて、吐出量、塗布スピードを調節して、幅1cmで45μm厚の接着層13を形成した。接着層13は支持ベースフィルム11の両端から2cmの位置に形成した。
次に、0.6mm厚のガラスエポキシ内層回路基板(CCL−HL−832、導体厚18μm、三菱ガス化学(株)製)をパターン加工して作製した510×340mmの配線回路基板20の両面に、幅480mm×長さ320mmのサイズにカットしたプリント配線板用絶縁樹脂フィルムを仮貼りした。仮貼り条件は圧着温度70℃、圧着時間5秒、ラミネートロールは室温、荷重なしで行った。
にて温度90℃、60秒プレスで両面同時にプレス処理を行い、60秒間冷却ファンにて冷却した。積層後の状態は接着層の染み出しが多く、搬送フィルム上に染み出したうえに、パターン回路上の絶縁樹脂層上にも染み出して絶縁樹脂厚にばらつきが生じた。
<比較例2>
まず、 mm厚のPETフィルムからなる支持ベースフィルム11上に 樹脂からなる半硬化の絶縁樹脂層12と保護フィルムが形成された市販の絶縁樹脂フィルム(ABF−SH9K、樹脂厚:45μm、巻数:50m、幅:480mm、味の素(株)製)を用意し、絶縁樹脂フィルムの両端から4cmのところで保護フィルムをカット、除去し、粘着テープで絶縁樹脂フィルムの両端から4cm以内の絶縁樹脂層を剥離除去し、支持ベースフィルム11の一方の面に絶縁樹脂層12が形成された絶縁樹脂フィルムを作製した。
次に、支持ベースフィルム11の他方の面の両端に、ホットメルト型接着剤(アサヒメルトNP−320(軟化点170℃)旭化学合成(株)製)及びRIBBON COATINGGUN(三晶(株)製)を用いて、吐出量、塗布スピードを調節して、幅1cmで45μm厚の接着層13を形成した。接着層13は支持ベースフィルム11の両端から2cmの位置に形成した。
次に、0.6mm厚のガラスエポキシ内層回路基板(CCL−HL−832、導体厚18μm、三菱ガス化学(株)製)をパターン加工して作製した510×340mmの配線回路基板20の両面に、幅480mm×長さ320mmのサイズにカットしたプリント配線板用絶縁樹脂フィルムを仮貼りした。仮貼り条件は圧着温度70℃、圧着時間5秒、ラミネートロールは室温、荷重なしで行った。
<比較例3>
まず、38μm厚のPETフィルムからなる支持ベースフィルム11上にエポキシ樹脂からなる半硬化の絶縁樹脂層12と保護フィルムが形成された市販の絶縁樹脂フィルム(ABF−SH9K、樹脂厚:45μm、巻数:50m、幅:480mm、味の素(株)製)
を用意し、絶縁樹脂フィルムの両端から4cmのところで保護フィルムをカット、除去し、粘着テープで絶縁樹脂フィルムの両端から4cm以内の絶縁樹脂層を剥離除去し、支持ベースフィルム11の一方の面に絶縁樹脂層12が形成された絶縁樹脂フィルムを作製した。
次に、支持ベースフィルム11の他方の面の中央部と両端に、ホットメルト型接着剤(H−276H(軟化点92℃)東洋ペトロライト(株)製)及びRIBBON COATINGGUN(三晶(株)製)を用いて、吐出量、塗布スピードを調節して、幅1cmで45μm厚の接着層13を形成した。接着層13は支持ベースフィルム11の両端から2cmの位置と中央部の計3箇所に形成した。
次に、0.6mm厚のガラスエポキシ内層回路基板(E−679F、導体厚18μm、日立化成工業(株)製)をパターン加工して作製した510×340mmの配線回路基板20の両面に、幅480mm×長さ320mmのサイズにカットしたプリント配線板用絶縁樹脂フィルムを仮貼りした。仮貼り条件は圧着温度70℃、圧着時間5秒、ラミネートロールは室温、荷重なしで行った。
実施例4(比較例1)の結果から、接着層を形成するホットメルト型接着剤の軟化点が積層温度よりも30℃以上低い場合、接着剤の染み出しが絶縁樹脂層の領域まで広がり配線回路基板上の絶縁層の厚さに影響を及ぼすことが確認された。
一方、実施例5(比較例2)の結果から、接着層を形成するホットメルト型接着剤の軟化点が積層温度よりも30℃以上高い場合、接着剤の溶融が不十分で搬送フィルムへの接着力が得られず、支持ベースフィルムの剥離が不安定になることが確認された。
更に、実施例6(比較例3)の結果から、接着層を絶縁樹脂層の領域内に形成すると、配線回路基板上の絶縁層厚が広範囲にわたり不均一になることが確認された。
11……支持ベースフィルム
12……絶縁樹脂層
12a……絶縁層
13……接着層
20……配線回路基板
20a……プリント配線板用絶縁樹脂フィルム仮貼り後の配線回路基板
20b……搬送フィルム積層後の配線回路基板
20c……絶縁層形成後の配線回路基板
21……有効領域
31……搬送フィルム
110……オートカットラミネーターユニット
111……プリント配線板用絶縁樹脂フィルムの巻取りロール
112……エアー吸着ロール
113……保護フィルム巻取りロール
120……ローダーユニット
130……搬送フィルム送り出しユニット
131……搬送フィルム送り出しロール
132……ガイドロール
140……真空加圧ラミネーターユニット
141、151……プレス下板
142、152……プレス上板
150……平面プレスユニット
160……搬送フィルム巻取りユニット
161……搬送フィルム巻取りロール
162……ニップロール
163……搬送フィルム巻取りガイドローラー
170……アンローダーユニット
171……ベルトコンベア
Claims (6)
- 支持ベースフィルムの一方の面に絶縁樹脂層が、他方の面に接着層が形成されていることを特徴とするプリント配線板用絶縁樹脂フィルム。
- 前記接着層がホットメルト型接着剤で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板用絶縁樹脂フィルム。
- 前記ホットメルト型接着剤の軟化点が、前記プリント配線板用絶縁樹脂フィルムを配線回路基板へ積層する際の積層温度(プレス温度)よりもマイナス30℃以上、プラス30℃未満の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線板用絶縁樹脂フィルム。
- 前記接着層は、絶縁樹脂層の領域外の支持ベースフィルムの他方の面に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプリント配線板用絶縁樹脂フィルム。
- 前記接着層の厚さと絶縁樹脂層の厚さとが同じであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のプリント配線板用絶縁樹脂フィルム。
- 少なくとも以下の(a)〜(e)の工程を具備することを特徴とするプリント配線板用絶縁樹脂フィルムを用いた絶縁層の形成方法。
(a)請求項1乃至5のいずれか一項に記載のプリント配線板用絶縁樹脂フィルムを配線回路基板に仮貼りする工程。
(b)配線回路基板上のプリント配線板用絶縁樹脂フィルムの接着層に搬送用フィルムを貼付する工程。
(c)真空、加圧する工程。
(d)加熱、加圧する工程。
(e)搬送フィルムと接着層と支持ベースフィルムとを剥離し、配線回路基板上に絶縁層を形成する工程。
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